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29回国会衆議院1958/09/25

国土総合開発特別委員会 第5号

発言数
6
登壇者
3
会派数
2
開催日
1958/09/25

会議録

篠田弘作自由民主党

○篠田委員長 これより会議を開きます。  国土総合開発に関する件について調査を進めます。  先般東北地方に委員を派遣し、国土総合開発の実情の調査を行なったのでありますが、この際、派遣委員から報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

篠田弘作自由民主党

○篠田委員長 御異議なしと認めます。  それでは、まず第一班の亘四郎君から御報告を願います。

亘四郎自由民主党

○亘委員 去る八月二十六日より三十日に至る五日間、当委員会より派遣されまして、東北地方の福島、宮城、岩手、青森の四県管内について、国土総合開発の実情を調査いたしました結果を御報告申し上げます。  初めに概括的に、東北開発を促進する上に今後特に重要と思われます各県に共通の問題点と、これに対する現地の区要望について申し上げます。  第一は、東北開発促進法の改正についてでございます。本年八月十五日、政府は東北開発促進計画を閣議決定いたしましたが、地方財政の貧弱な東北各県は、現制度のままでは、東北開発促進計画に基く事業の実施に伴う地方負担にたえ得ない実情にありますので、国及び地方公共団体が東北開発促進法に基く事業を実施する場合は、北海道の場合と同様の負担率または補助率とされたい旨の要望が強いのでございます。このことは、東北開発促進法を立案するとき問題となったことでございまして、もしその実現が困難な場合は、地方財政の再建のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律の期限を延長する等の措置が考えられなければならないかと存じます。  第二は、昭和三十四年度東北開発促進関係の予算の確保についてでございます。  東北開発促進計画が閣議決定を見るに至り、東北各県はこれが進展に大きな期待を寄せているのでございます。従来の特定地域総合開発計画の実績にかんがみ、昭和三十四年度における東北開発の重点施策として、道路、港湾等の基盤施設の整備、産業振興の施策の推進に当りましては、公共事業費はもちろんのこと、財政投融資についても、所要資金の確保をはかることが強く要望されております。  また、東北開発促進計画はすでに閣議決定を見たのでありますから、昭和三十四年度以降においては、東北開発促進法第十条に基く調整のため、従来通り、国土総合開発事業調整費から独立して、東北開発促進調整費を独立予算科目として設定し、その効果を明確ならしめるよう適切な予算措置を講ぜられたいとの要望がございます。このことは、公共妻室がそれぞれ各省予算に計上されている現行制度においては、当然考慮さるべきことと思われます。  第三に、東北開発の推進のための行政機構の整備についてでございます。政府は、さきに東北開発促進計画を閣議決定いたしましたが、今後この計画に基いて東北開発を強力に推進するためにはその責任体制を確立する必要があると考えられます。従って、各省庁にまたがる開発事業の調整推進上、その中心となる行政機構として、総理府に国務大臣を長とする東北開発庁を設置されたいとの要望が強く出されております。  第四に、交付税算定に関する東北開発補正の実施についてでございます。  東北各県の地方財政の、実情から見まして、地方交付税法による交付税算定につきましては、未開発後進地域の特性を考慮する必要があるのでございますが、このことに関し、今後積極的な開発事業の施行のためにこうむる地方財政への影響を緩和するため、東北開発補正を実施されたいとの要望が出されております。  第五に、北海道東北開発公庫の融資対象事業についてでございます。  この問題は今までもしばしば提起されているのでありますが、北海道東北開発公庫の融資対象事業は、原則として資本金一千万円以上となっております。これを資本金五百万円まで緩和し、現行金利九分を七分五厘程度に引き下げるよう措置されたいとの要望がなされております。  第六は、特定地域総合開発事業費の確保についてでございます。  現在東北地方には、北上、阿仁田沢、最上、只見、十和田岩木川、北奥羽、仙塩の七特定地域が指定されておりますが、従来、特定地域総会言開発事業の予算措置は、ほとんどその特殊性を考慮しておりません。従来の実績あるいは現状を基礎とした配分方式では、事業効果はあまり上りませんので、開発計画の年次計画による予算配分を講ぜられたいとの要望が強く出されております。これは分検討すべき重要な問題であろうと思います。  以上が、各県共通の一般的な問題点と、これに対する現地の要望についてでございます。  次に、順次、各県各視察地に関して御報告申し上げます。  福島県管内——常磐鉱工業地帯、この地帯の工業立地条件を改善するためには、小名浜港の整備と工業用水道の建設が、現在出心問題となっております。  小名浜港は、一万トン炭壁が完成し、埠頭上屋も建設されて、すでに利用されていますが、なお小名浜港の機能を発揮するため、航路及び泊地の水深を九メートルに浚渫し、また泊地の平穏を保つため、外防波堤の整備を促進する必要があります。さらに漁業最盛期には、漁船が商港区まで利用しなければならず、現在実施中の漁港施設の整備が特に待望されておるのであります。  次に、本地帯では、現在すでに工業用水の不足が産業振興上の隘路となっておりますので、鮫川に高柴ダムの建設を促進し、洪水調節と合せてすみやかに工業用水を確保する必要があると思われます。  第二に、東北開発株式会社福島工場、本工場は、カーバイド年間三万五千トン、石灰窒素年間二万トンの生産能力がありますが、経営の合理化のため、昭和三十二年度、三十三年度に、酸素製造設備、溶解アセチレン製造設備(年産二百トン)を完成し、カーバイド増産についても年間七万七百トンとなりました。今後石灰窒素の増産については、その需給見通しについて十分検討の必要があると思われます。  宮城県管内——一、仙塩鉱工業地帯、この地帯は、その地理的位置から見て、塩釜港の整備拡充、工業用水道の建設及び大容量の火力発電所の建設によって産業立地条件が整備されるならば、東北産業の中心拠点として今後の工業振興が期待されています。  塩釜港は、現に着工中の一万トン岸準が本年度中には完成しますので、ひとまず五千トンないし六千トン級船舶の航行が可能となるよう、三十三年度調整費をもって航路を水深七・五メートルに浚渫する必要があると思われます。さらに本港は、東北産業開発のため、また横浜港の将来における能力の限界から見て、特定重要港湾に指定して、貿易港として整備することが望まれています。  次に、東北開発の促進に伴う急激な電力需用の増加に対処して、三十二年四月仙台火力発電所(東北電力)の建設に着手、第一期工事として十七万五千キロワットの発電設備を三十四年度末までに完成する予定であります。第二期工事の十七万五千キロワットの発電設備は、三十五年七月使用開始を目標に計画されております。この地帯の工業用水道は、三十一年度に着工、三十五年度完成予定の名取川総合開発事業(大倉ダム)の一環として建設中でありますが、従来工業用水の不足がこの地帯の工場誘致土の隘路であったことからも、重点的に工業用水道の建設を促進する必要があるものと考えます。  第二、東北造船株式会社、本会社は、三十年九月以降休業いたしておりましたのを、東北船渠株式会社の再建事業として、三十三平一月に事業を再開したのであります。年間の造船受注額は約七億円でありますが、今後本社の経営基盤を強化するため、福島分工場の整備等について考慮する必要があると思われます。  第三、江合川、鳴子ダム、本ダムは多目的ダムであり、その効果を発揮するためには、ダムの適切な操作、管理を必要としますので、現在制定を見っていないダムの管理規則を、治水、農業、発電の各関係者間においてすみやかに定める必要があります。  なお、灌漑用水の補給効果を高めるために、江合川沿岸の土地改良事業について調査し、その促進をはかる必要があると思われます。  岩手県管内——一、東北開発株式会社岩手セメント工場、本工場は、昭和三十年十月、東北開発の適地産業として工場建設に着手し、本年六月機械の据付を完了し、目下試験操業中であります。本工場のセメント製品は目下品質試験実施中であり、強度は三百五十キログラム・パー・平方センチメートルで、安定度は良好となっていますが、なお品質向上に努め、販路の拡張と確保をはかる必要があると思われます。さらに今後の問題としては、本工場のシャフト・キルンによるセメント製造の年産は二十二万トン、月産二万トンで、比較的小規模であるため、レポール・キルン一基を増設し、年産三十二万トンを目途として生産規模を拡大し、セメント原価の低減をはかる計画であります。  二、大船渡鉱工業地帯、本地帯は天然の良港である大船渡港に依存するところ大きく、港湾の整備、三陸道路の改修、岩手開発鉄心の建設等、背後地との輸送施設の整備、約七十万坪の土地造成により、近接の高田市とあわせて大船渡港を中心とする三陸沿岸における臨海工業地帯の造成が期待されております。  大船波港の一万トン岸壁は、三十二年度調整費をもって着工中であり、土地造成と関連して、盛川改修が促進され、また地下水による一日約十万トンの工業用水の確保の可能が判明し、将来の鉄鉱、セメント、肥料、海水利用、合成繊維等の諸工業の誘致育成が期待されております。  第三、猿ケ石川、川瀬ダム、本ダムは治水、発電、農業用水の多目的ダムであり、すでに洪水被害の防除及び発電(東和発電所最大出力二万七千キロワット)上の効果は発揮されていますが、農業用水の面では、ダム完成後五年を経過した今日なお取水隧道が未完成のため利用ができず、財政投資の総合効果が発揮されていない実情でございます。三十一年度以降、隧道工事の促進をはかっており、江刺地区に対しては、三十四年植付期までに隧道が貫通される予定でありますが、稗和東部地区については隧道工事に着手したにすぎず、この点、総合開発の経済効果の発揮の見地からも問題であり、各種事業を包含する総合開発事業の予算配分に当っては、その総合性について十分考慮すべきであると思います。  青森県管内——一、青森港改修事業、本港の港勢は、中央埠頭三千トン炭壁完成後著しく伸張し、最近の利用船舶は月間四十隻をこえ、年間取扱量は百万トンに達しており、このため沖荷役を大幅に実施している現況であります。ことに昨年六月以来、上北鉱山から産出される褐鉄鉱の搬出は、月間一万四千トンをこえ、現在中央埠頭は混雑をきわめております。また近くの東岳には品質良好な磁鉄鉱の大規模な鉱床が確認されましたが、本格的な採鉱が開始される場合、現在の青森港の岸壁能力ではその搬出は困難であります。このような実情から見て、現に工事中の浜町埠頭を早急に完成し、少くとも鉄鉱石、石炭の完全接岸荷役ができるよう、西側炭壁一バースだけは三十四年度中に完成するよう措置すべきであると考えられます。  二、八戸鉱工業地帯、本地帯は、背後地に砂鉄、石灰石、硫化鉱等の資源を有し、また北海道炭の搬入に便利である等、工業立地上優位にあります。このため硫安、セメント、電気銑等の工業が発達し、ことに戦後の工業開発は著しいものがあります。今後さらにこの地帯の工業振興のためには、着工中の八戸火力発電所の完成と、八戸港の港湾施設の整備拡充が先決条件ともいうべきであります。  東北電力の八戸火力発電所は、すでに本年七月、一号機(出力七万五千キロワット)の運転を開始し、十月には二号機と(出力七万五千キロワット)の運転を開始する予定であります。この火力発電所の完成により、この地帯の電気銑その他の工業生産の大幅な伸張が期待されます。  次に、八戸港の整備拡充につきましては、まず商港、工業港、漁港の区画を整理するとともに、着工中の二万トン岸壁の三十五年度完成を目途とし、建設促進をはかる必要があります。  なお工業用地の確保につきましては、馬淵川左岸地区が検討されておりますが、工業港の築造の問題がありますので、今後総合的な調査の必要があると思われます。  三、十和田湖利用計画、十和田湖を産業面に利用するため、奥入瀬川及び浅瀬石川の流水を導入して、冬季渇水期には両水系にこれを還元して発電する計画がありますが、本湖の水位低下(利用水深一・六七六メートル)による観光上の問題がありますので、今後の調査検討を必要としています。  以上申し上げました現地の開発状況と問題点及び要望等につきましては、すみやかに所要の措置が行われますよう要望いたしまして、五日間にわたる東北四県の開発状況の視察結果の御報告を終ります。  最後に、本視察にあたり関係各県、各市町村及び関係会社から積極的な御協力を賜わりましたことを深く感謝申し上げる次第でございます。(拍手)

篠田弘作自由民主党

○篠田委員長 次に、第二班の西村関一君に御報告をお願いいたします。西村関一君。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 第二班の派遣委員の報告を申し上げます。  第二班は志賀健次郎君、丹羽兵助君及び私の三名でありまして、去る二日から五日間にわたり新潟県、山形県、秋田県の三県を視察いたしました。以下順を追うて御報告をいたしますが、あわせて関係政府当局に善処方を要望する次第であります  まず第一に、新温市及びその周辺における地盤沈下問題についてであります。新潟市及びその周辺における地盤沈下は、三十二年度ころよりその徴候が著しく、東海岸地区、特に港頭地区においては、港湾施設等の一部はすでに水中に没し、年間四十五ないし五十センチメートル程度の沈下が認められその進度は漸増傾向にあり、これが根本的対策を早急に実施する必要に迫られております。  政府は去る八月二十二日の閣議決定をもって、地盤沈下対策として三億八千万円の予備費を計上し、既定予算の一億二千万円と合せ五億の予算で岸壁並びに防波堤のかさ上げ、海岸堤防の新設並びにかさ上げ、河川の護岸下水直の新設等応急対策を実施することになりさらに来年度以降においては予算額の大幅なる増大を必要としておりますが、これに伴う地元負担額の軽減については国庫負担率の増額について特別の措置が絶対に必要であることを強調するとともに、根本的にはすみやかに地盤沈下の原因を究明し、抜本的対策を樹立すべきであると考えられるのであります。  第二は、最上川中流部の河川改修についてであります。  最上川中流部の河川改修状況は、上下流に比較すると依然として無堤防状態に放置されており、年々洪水の被害をこうむり、特に狭窄部に当る戸沢村(戸数約千八百戸、農地約千五百町歩)の被害状況ははなはだしく、これが対策について地元より熱烈な要望を受けたのであります。本件に関しましては予算の許される範囲内において恒久的な護岸、築堤を行い、災害の防止に努めるベきはもちろんでありますが、かかる災害は、かつて北上川下流、一関付近においてもしばしば繰り返された実情にかんがみ、単に目前の改修事業のみにとらわれず、永久的に村全体を救うための家屋移転対策をも考慮に入れ、官民一体となった総合的対策を確立すべきであると考えられます。  第三は、酒田港の改修及び臨海工業地帯の整備についてであります。  酒出港における港湾取扱い貨物量りは、近年増大の一途をたどり、三十二年度は開港以来最大四十五万トンを示すに至っております。これら貨物のうち、背後の工場地帯の原材料である工業塩、燐鉱石、マンガン鉱等は、ほとんど輸入によっているが、外貿船舶の大型化のために、従来の三千トン岸壁では接岸荷役に対応できなくなり、本年度より一万トン岸壁工事に着手し、航路の増深、浚渫、防波堤の延長等、これが早期完成を必要としております。  一方、臨海土地造成として約百万坪を予定しており、これが工場誘致については、工業用水と電力は一応確保されるものと思われますが、天然資源は最近に至るまで未開発、未利用のままに放置されている状態で、これが近代工業の発展を阻害している一因となっております。従って将来の企業誘致については、既存工業の現状を十分検討の上、すみやかに天然資源の賦存状態を調査し、現地に即応した適正なる工場の誘致が行われるよう計画されなければならないと思われます。  第四は、泉田川農業水利事業についてであります。  本事業は、農林省直轄として、最上川の支流泉田川の上流に頭首工を設け、導水路により桝沢ダムに導水し、川水不足に悩む泉田川左岸及び新庄周辺の旧田約一千八百町歩に対する補給水と、右岸真室川周辺の約一千五百町歩の畑地灌漑と未墾地約二百五十町歩の開田事業を実施するため、二十七年度より総事業費約十四億円をもって着工したのでありますが、その進捗度は緩慢であり、本年度までに約三億円の予算が支出され、ようやくコンクリート打設設備を完了したが、所期の通り完成するためには三十四年度以降大幅に予算を増額し、これが建設工事を大いに促進する必要があります。またダムより取水する幹線水路は県営事業として切り離され、全然未着工のままになっており、ダム工事の促進と相待って同時にこれを完了し、総合効果を発揮するよう考慮すべきであると考えられます。  第五は、東北開発株式会社木友鉱業所についてであります。  本鉱業所は、亜炭の生産量が年間約六万トン、売り上げ約一億円に上っており、その販路は県内五〇%、県外五〇%で、主として醸造、繊維等の軽工業用並びに家庭用に使用され、その地方開発上有効に活用されておるものと思われます。特に簡素な施設と充実した経営は、将来有望と思われますので、東北開発事業として、地方産業育成上、亜炭の工業化への計画をもあわせて今後さらに促進の必要があると認められます。  第六は、田沢疎水国営開拓建設事業についてであります。  本事業は、昭和十二年東北振興計画の一理として、青森県三本木地区とともに国営事業として採択されたもので、川沢湖を水源とする雄物川の支川玉川の河水統制計画に基き、総工事費九億三千万円をもって、出沢湖発電の放流水を、三十キロに及ぶ導水路により、玉川の両岸約二千三百町歩にわたる開田地に対し灌水するものでありますが、現在までの事業進捗率は約九〇%で、一部補修工事を残し、ほとんど完成し、すでに三百九十六戸の入植者を扶植し、一方、五千三百戸の既存農家に対し適正規模の増反が行われ、年年米石換算約五万石の増収をもたらし、開拓農家の営農状態は年々好転し、着々とその成果をおさめております。  なお、既設田沢疎水地区の東方地区には、約一千町歩に及ぶ広大な未墾地が取り残されており、これが開田効果については、前記事業の実績に照らし相当期待されるものがあり、目下第二田沢疎水計画として県当局より本省に申請中でありますが、東北電力との水利権の調整問題が残されているので、これが解決にあたっては、すみやかに適切な措置が講ぜられるよう配慮すべきと思われます。  第七は、八郎潟干拓事業であります。  八郎潟干拓事業は、すでに基本的調査を完了し、東北開発の重点事業として、総額百九十五億、工期七カ年をもって、昭和三十二年度より実施段階に入り、三十二年度五億六千万円、三十三年度十六億二千万円と、大幅に予算が増額され、所期の目的に向って事業が進められております。八郎潟には、約三千六百戸の、漁業によって生活を営む漁民があり、従来干拓計画問題が出炭るたびに熾烈な反対を続けてきたが、ようやくこの問題も解決し、漁業権に対する補償額十八億七千万円については、三十二年度支払い分一億一千八百万円、三十三年度は、支払い予定六億円のうち二億円は支払い済みとなっているが、残額についてもすみやかに補償を完了し、漁民の生活に不安のないよう配慮し、事業の完成を期すべきものと考えられます。  なお、今後の問題として、造成される一万七千町歩にわたる開拓地が最高度に生産をあげるためには、適正なる新農村建設計面を立てて実施に移さねばならないのでありますが、八郎潟の場合、その経済圏を周辺の農村と切り離しては考えられないので、今後資源開発、産業、経済、交通、文化等、総合的観点に立って実施計画を立てるべきであり、これが実施については、現地機構、人事、予算等の運営についても研究の余地があるように感じられました。  第八は、秋田港並びに臨海工業地帯整備についてであります。秋田港における取扱い貨物は、三十二年度には約三十万トンに達しておりますが、現在の三千トン岸壁では、背後の貯留場の狭隘なため、荷役の隘路となっております。一方、秋田港の西部市街地には約十五万坪の土地造成と旧雄物川の運河化による浚渫土砂利用により、約三十万坪の土地造成が見込まれておりますので、既設工場の生産増加に伴う原材料及び製品の海上輸送の増加と、新規土地造成による開発効果とを考慮に入れた企業誘致等を勘案するならば、早急に一万トン岸壁工事に着手すべきであると考えられます。  最後に、山形より秋田に通ずる国道十三号線については、未改修地区が相当ありますので、これが補修を急ぐとともに、東北における幹線道路でありますので、すみやかに全面舗装に着手すべきであろうと考えられます。  また、東北開発促進計画に上っておりまする生橋線の鉄道敷設についてはすでに路盤も決定しているので、なるべく早く着工すべきであると考えられます。  なお、鷹角線についても地元より強い希望が述べられております。  以上、視察に参りましたおもな点を御報告いたしたのでありますが、要するに、東北地方はいまだ後進地域の域を脱せず、国家的に相当重要な事業が行われておりますが、全般にその進捗度が緩慢であり、十分に開発効果が発揮されていないものが多いように見受けられました。これらの事業については、さらに調査を進め、計画通り早期に完成されるよう配慮せらるべきであります。  なお、東北地方の住民の所得水準の向上のためには、第二次産業の振興に重点を置き、特に秋田、酒田港等の臨海工業地帯の整備に特段の配慮が必要でありますが、これについて、今回の視察により、北海道東北開発公庫による融資が地方産業確立の上に非常な効果を上げておることが、日本ガス化学、秋田ガス化学等に如実に示されておりますることを見て参りましたが、今後公庫の活用については十分大きな期待を持って措置すべきであることを痛感いたしました。以上で私の報告を終りますが、支障なく視察ができましたのは、関係各当局、地元各位、各会社の方々の御協力に負うところが大きいのでありまし、この際ここに感謝の意を表する次第であります。(拍手)

篠田弘作自由民主党

○篠田委員長 以上で派遣委員の報告は終りました。この際委員長より一言申し上げます。ただいま東北地方第一班及び第二班の調査報告を拝聴いたしたのでありますが、酷暑の折柄にもかかわらず、各地にわたって精細なる御調査に当られました派遣委員の御努力に対し、深湛の敬意を払う次第であります。まことに御苦労さまでございました。ただいまの報告に関して御発言はございませんか。——御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時十五分散会

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