国土総合開発特別委員会 第4号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/08/09
会議録
○薄田委員長代理 これより会議を開きます。 委員長不在のため、私が委員長の職務を代行いたします。御了承願います。 本日は国土総合開発、特に東北開発に関する件について調査を進めます。この際、東北開発促進計画について、政府より説明を聴取いたします。中村東北開発室長。
○竹谷委員 議事進行について。今企画庁の係官の方から東北開発促進計画について御説明をなさるわけでありますが、私あとで質問応答しておると長くなりますので、御説明なさる場合、私の聞きたいことをその中に織り込んで御説明願って、時間を省略したいと思います。 それは、この開発促進計画は、今までの東北七県の経済の伸びを過去の状況から推計して、今後十カ年なら十カ年の推算の上に立って、大体計画ができておるだろうと思う。これは計画でなくて算術計算でございますが、それをもととして、多分多少の修正を加えてある、その修正が計画になるわけでありますが、その修正あるいは計画の度合いを一緒に説明してもらいたい、これは一々また質問すると非常に時間がかかりますから。たとえば工業については、今までの過去の歴史から推算をすると、実際は五〇%伸びた。しかし、それではいけないから倍にする——二。二倍だそうですが、かりに倍とすると、五〇%増さなければならぬ。それがためには、今までなかった、たとえば繊維産業をどこに興すとか、あるいは機械工業をどうだとか、化学工業をどうだということになるだろうと思うのですが、その場合当然計画されたものであり、また政策が入ってこなければならぬ。だから、従来の経済の伸びを今後十年間推算したものにプラスする計画とはどのようなものであるか、それはいかなる政策によって行うものであるか、その政策がいわゆる計画に基く政策になるわけです。それがほんとうの計画です。従来のままなら、それは計算にすぎない、推計にすぎない。これは詳しくはなかなか時間がかかりましょうけれども、大体を話してもらいたい。それで私の要求は、きょうの説明は抽象論でけっこうですから、その基礎となる数字、具体的資料をあとで出してもらいたい。従来の推算にプラスする計画とは何であるか、その計画遂行のためにはいかなる政策を行うか、それに対する具体的な予算措置、財政措置をどうするか、金融措置をどうするか、かなり専門的になりますが、それもできていれば、あとで資料として出していただきたい。とかく日本の従来の長期経済計画と称するようなものは、単なる推算、推計にすぎない。過去の実績と現状の分析に基いて将来を見通したといいますけれども、これは算術計算をしてそろばんをはじいただけなんです。これは長期経済計画とは言えない。これに対して新たな方向へ、あるいはもっと強く推進さすための政策を持って、ある計画、新しい計画、創造的な計画に進むわけなんです。そういう点をどれだけ東北開発促進計画に取り入れているか知りたい。またそれがなければ、長期経済計画とはいえないし、東北開発促進には何もならない。その新しい計画とそれを実行するための政策、並びに具体的な財政金融上の措置、それらについても聞きたいのであるが、全部それはできていないと思うので、できている分だけでもあとで資料として出していただきたい。だから、きょうのところは抽象的でもいいから、この分はこうふうにしてこう出すが、まず政策的には大体こんなふうにやりたい、こういうことをお聞きしたい、以上であります。
○中村説明員 それではただいまから説明させていただきたいと思います。お手元に「東北開発促進計画(案)」というものがございますので、それをお開き願いたいと思います。朗読して説明いたしますのが順序だと思いますが、非常に長くなりますので、朗読を省略させていただきまして、説明させていただきます。この計画案の第一ページをお開き願いたいと思うのでありますが、第一ページに、東北開発促進計画作成の趣旨が書いてございます。申し上げるまでもなく、この東北開発促進計画、東北開発促進法に基いておるわけでございます。その東北開発促進法に基きまして、東北開発審議会の審議を経まして、総理大臣が作成する手続になっておるのでございますが、この東北開発審議会は、去る八月一日に通過いたしまして、次の十二日の閣議でこれを決定する運びになっております。それで、これに基きましてこの促進計画というものが作られるわけでございますが、昨年五月この法律が施行されましてから、昨年は間に合いませんので、暫定計画で過したのでありますが、今度いよいよ十カ年の本計画というものができ上った次第でございます。それで一ページの最後のパラグラフにこの促進計画の内容が書いてございますが、「東北開発促進計画の内容は、昭和三十三年度から昭和四十二年度に至る間においての開発目標を示し、これが達成を促進するため必要な産業基盤整備のための施設計画を中心とする産業振興施策について、基本的な指針を与えようとするものである。」というふうに書いてございます。この促進計画ができますと、直接的には二つの効果があるわけでございます。一つは、この計画に基きまして、各省関係行政機関の長が、毎年度その所掌する事項に関しまして、翌年度の事業計画を経済企画庁に提出する。あるいはまた資金計画を提出する。企画庁は、それに基きまして、所要の調整を行うということになっております点が第一点であります。それから第二点といたしましては、この作成計画に盛られております事業のうちで、特に重要と認めますもの、国の補助率が一般の公共事業の補助率よりも二割高くなっておる。従って、この作成が急がれておったのでありますが、そういう工合にしてでき上ったのであります。しかし、ここに書いてございますように、この十カ年計画は、いわば基本的な方針を与えるだけにとどまりますので、これが具体的な実施計画になりますと、これは次のページにございますが、年々変動する経済情勢に対応いたしまして、弾力的な、効率的な運用に努めなければならないと思います。 次に、促進計画の基本方針でございますが、二ページに書いてございますように、第一点といたしましては、この東北地方の開発に対しましては、東北地方だけが勝手に高い目標を掲げ、高い資金計画を掲げて独走するものではなくて、長期にわたるわが国の経済規模を考えまして、その地域的分担関係を考慮して開発を促進する、この促進計画ができ上ったものだという点であります。企画庁におきましては、国土総合開発法に基きまして、別途全国総合開発計画を作っておるわけでございますが、それの方とも関連いたしまして、十分その方を考慮いたしまして、この促進計画はでき上ったものであります。 それから第二点は、まず交通施設、あるいは電力施設、並びに産業関連施設等の基盤施設の整備ということが重点であるわけでございます。 第三点といたしまして、東北地方は各種の資源に恵まれておるわけでございますが、しかし、これは必ずしも十分開発されておらない、こういう点を考えまして、この地方に賦存いたします資源の開発を十分に促進するために、自給度の向上に努める、そうして、あわせて外貨の節約に資するというねらいを持っておるわけでございます。 第四点は、当然のことでありますが、この促進計画を作ることによりまして、これを実施することによりまして、産業開発を促進して、地域内の雇用機会を増加せしめる、それから生活の水準を上げる、そうして産業立地あるいは人口分布の適正化に資するという点が、ねらいのわけでございます。 それから、次の三ページ以下に開発目標が書いてございまして、十二ページ以下に、これに基きます施設計画なり資金計画が書いてあるわけでございます。それで、まず開発目標でございますが、これはただいま竹谷委員から御質問がございましたように、この開発目標をどうとるかという点が、非常にむずかしい点でございます。審議会の部会でも、この点に特に論議が集中されまして、幾回も審議のやり直しをやったわけでございます。特に鉱工業生産、あるいは農林水産業の目標の設定につきましては、これに基きまして施設計画をはじき、あるいは資金計画をはじく、さらには生産所得でありますとか、ひいては就業人口等に響きますので、この開発目標は最も力を入れたのでございます。 まず鉱工業生産について申し上げますと、特にこのマイニングにつきましては、この地方におきましては、天然ガスでありますとか、あるいは砂鉄、原油、石灰石、非鉄金属というような特産物に特に増産の重点を置いております。それからインダストリーにつきましては、同じ目的で、天然ガスでありますとか、砂鉄、木材、あるいは石灰石等の利用工業、化学工業等を振興する、そうして国の要請でもあります重化学工業化もはかるということになっておるのであります。 それから五ページに、この鉱工業生産指数及び生産所得の表が出ておりますので、ただいまの竹谷委員の御質問とあわせてお答えしたいと思いますが、まずこの表によりまして、鉱工業の伸びでございます。昭和三十一年度を一〇〇といたしますと、すらっとはじきますと、東北地方におきましては、大体昭和四十二年度におきましては二一六くらいの指数になるのではないかと考えられたのであります。そうして最初はこれを部会に提出したのでありますが、二一六ということは低過ぎる、あるいは全国の水準よりさらに低いのではないかということで、再び専門委員の方々にお集まり願いまして、案を練り直しまして、セメントでありますとか、砂鉄でありますとか、あるいはカーバイドというような物資個々につきまして、積み上げました結果、二二一くらいの指数の向上が見込まれるというふうになりまして、ここに決定した次第でございます。 ついでに、ただいまの御質問に関連いたしまして、マイニングはどうなっておるかと申しますと、マイニングも最初の案では一七九くらいになるのではないかと考えたのでありますが、これも一八二まで伸ばせるということで、目標の変更をしたわけであります。これはもちろん全国の伸びよりもかなり高い数字でございまして、これは東北の特性でございますので、マイニングの方はかなり伸びる。それから製造工業につきましては、これも最初は二二四ということを考えたのでありますけれども、その後いろいろ考え直しまして、二二八という数字が出て参っておるのであります。これは決して何らの根拠なく直したものではございませんので、ただいま申し上げましたように、物資別に積み上げましたものでございます。 それから次に七ページの農林水産業生産でございますが、これは東北地方といたしましては、農林水産業は本来から発達している地方でございます。特に農林水産業につきましては、農業地方でもございますので、もともと相当伸びる数字が考えられたのでございますけれども、さらにこれを努力いたすことによりまして、九ページの表にございますような結果が出て参ったのであります。特に米につきましては九ページに書いてございますが、三十一年度の平常状態に比べまして、四十二年度におきましては二割五分も伸びていく。あとで申し上げますけれども、反収でありますとか、その他の強力な増産施策を講ずることによりまして、まず米を伸ばす。それから乳牛でございますとかあるいは役肉牛、綿羊、鶏等の畜産にも努力を傾ける。ここに書いてございますように、乳牛等につきましては、この十年間で四五九%——五倍近い数字に伸びるというふうに見込んでおるのでございます。結果といたしまして、この表の一番最後に農林水産業生産所得という欄がございますが、この欄が同時に農林水産業の生産の伸び率でもございます。これは所得と生産をパラレルに、同じ率で伸びるという想定をしておりますので、これは同時に生産の伸び率でもございますが、これがこの十年間で一三八。六%伸びるという結果になっておるのであります。これも最初はまあ一三二・三%くらいしか伸びぬだろうというようなことであったのでございますけれども、ただいま申し上げましたような、米でありますとか、その他の畜産に特に強力な手を打つことによりまして、こういうような伸び率は可能であるという結論に達したわけでございます。 以上、鉱工業生産と農業生産との生産目標に対応いたしまして、十一ページの、昭和四十二年度の主要経済指標という結果が出て参るわけでございます。ただいま申し上げましたように、鉱工業生産指数は二二一、年率七・五%伸びる。農林水産業生産指数は年率三・三%ほどで、一三八・六%ほどになる。これをもとにいたしますと、生産所得というものが推計できるわけでございます。生産所得につきましては、書いてございますように、昭和三十一年度におきましては、第一次産業生産所得と第二次産業生産所得は二千五百余億円でございまして、大体同じような数字でありましたのが、昭和四十二年度におきましては、第二次産業の生産所得がずっと伸びて参る。従って、所得の構成としてはかなり高度化して参るというような形になっておるのであります。このような生産所得の増加が、直ちに雇用機会の増加になるわけでございまして、就業者の人口も伸びる。さらに人口も千百九十二万余りから千二百四十万余りと、かなり伸びて参るわけであります。ただ東北地方は、御承知のように人口の自然増がかなり高い上に、一人当りの扶養率というものも、各地方と比べますと、これまた高率でございます。自然出生率の全部を収容し切れるというようには参らぬかと思いますけれども、かなりの部分は、この目標を達成することによって、収容できるというふうに考えるわけでございます。 ただいま申し上げましたのが開発の目標でございまして、十二ページ以下が部門別促進計画の内容になっております。内容といたしましては、交通施設でありますとか、電力あるいは国土保全の施設、鉱工業の振興、農林水産業の振興、これに関連いたします厚生及び文教施設の整備ということになっております。 まず交通施設の整備について申し上げますと、交通施設につきましては特に東北地方におきましては、開発の最重点であるというふうに考えているわけでございます。そこでまず道路について申し上げますと、この計画の順序を追って申し上げますが、十三ページの下の方に書いてございます。道路につきましては「将来における東京—青森間の高速度自動車交通の要請に応ずるため、国土開発縦貫自動車道路の一躍として、東北自動車国道の建設に必要な調査を行うものとし、その実現に資する。」これは審議会では調査を行うということだけでございましたが、その後各方面と折衝いたしまして、「その実現に資する。」というように改めまして、閣議決定をいたしたいと考えておりますが、東北の縦貫自動車道路についても考えるということをうたっておるわけでございます。 それから国道につきましては、東北の国道は少くとも全国平均並みにする。国道の改装率等にいたしましても、東北は三十一年度の数字では一六・三%でございまして、全国は二三・五%、まあ、今後十年間でかなりこの改良率も伸びるわけでございますが、少くとも全国並みを目標とするということがねらいであります。従って、未改良区間の改良でありますとか、改修済み区間の舗装等については、特段の力をいたさなければならぬというふうに考えるのであります。なお、二級国道等につきましては、現在二級国道の中で貨物自動車が全く通れぬというような区間もございますが、そういうような区間でありますとか、あるいはまた自動車の運行に非常に障害があるという区間を中心にいたしまして、改良をはかる。それから地方道も、同じような理由で、交通連絡上重要な道路でありますとか、鉱山道路あるいは工業地帯の立地条件上必要な道路の整備をはかるわけでございます。 それから十四ページの最後のところに道路の投資額が書いてございますので、特に御説明したいと思うのでありますが、道路の投資額をどういう工合にして算定するかという方法は、二つ考えられるわけであります。一つは具体的に個所別に積み上げまして、道路の投資額が向う十カ年にどのくらいあるべきかという考え方と、もう一つは巨視的、マクロ的と申しますか、積み上げなくて、別の考え方をとる、巨視的の考え方をとるということがあるわけでございますが、これは巨視的の考え方をとっておるのでございます。ここに書いてございますので一応読んでみますと、「なお、道路投資額については、一応道路資産額と自動車台数の関係を考慮し、輸送需要の増加及び未改良道路延長を勘案して試算すれば、おおむね二千七百億円となるが、目下検討中の道路整備五カ年計画の決定を待って調整するものとする。」これはこの道路という設備が自動車を生むのだ、自動車を産出するのだという考え方に基きまして、目標年次の自動車の台数に原単位をかけて算出しておるのでございます。この原単位と申しますのは、自動車一台当りの資産額であります。また目標年次の自動車台数は、トラックでありますと、生産数量とか輸送数量、バスでありますと、生産所得というようなものからはじき出しまして、昭和四十二年度にどのような自動車台数になるかということを算出いたしまして、これに原単位をかけて目標の数字を出しておるのでございます。これは全国の数字をそのようにしてはじきまして、地方といたしまして、さらにここに書いておりますような未改良道路延長のことも考えまして、今後どのように未改良の道路を直していかなければならぬかということも勘案いたしまして、二千七百億円という数字が出て参ったのでございます。これは一応考えられます数字よりも六十三億円ばかり高い数字になっておるのでございます。それから過去の数字と比較いたしますと、昭和三十二年度は、まだはっきりわからぬ部分がございますが、四十二億円道路に投資されておった、行政投資がなされておったと考えるのであります。それからその前の二十七年から三十一年の五カ年間に、三百四十九億円投ぜされておったというふうに考えるわけでございます。 次は、港湾でございますが、港湾につきましては、大体東北におきましては、七県にそれぞれ重要な港湾を持っておるわけでございます。ここに書いてございますように、工業港といたしましては八戸、常磐、塩釜、秋田、酒田、商業港といたしまして、青森あるいは塩釜、新潟というような港を中心にいたしまして、港湾の整備をはかるわけでございます。 それから十六ページの終りの方に、港湾の投資額が書いてございます。読んでみますと「なお、港湾の投資額については、港湾資産額と港湾荷役量との関係を考慮し、荷役量の増加及びこの地方の単位荷役量当り必要資産額を勘案して推計すれば、おおむね二百三十億円となる。」これを過去の実績と対比いたしますと、三十二年度が十四億円だったと思います。それからその前の五カ年間は五十二億円となるわけでございますが、これはすらっと考えました場合の数字よりも三十七億円ほどよけいになっております。これは目標を高めましたために、それに付随して資金量の方も違ってくるわけでございますが、その金額が大体三十七億円くらいだと想定されております。 それから十七ページ以下に鉄道が書いてございます。鉄道につきましては、特に東北地方は輸送量の過半をになう、それから冬季におきましても交通確保ができるというような点を考えますと、鉄道の開発ということは最も重要だと考えられるのであります。幹線につきまして、特に複線化、電化ということが中心になろうかと思います。それから新線につきましては、既着工線の完成ということをまず促進する。その次に新設につきまして調査して考えていくという建前でございます。それから十八ページに鉄道の投資額がございます。「なお、鉄道の投資額については鉄道資産額と車両キロとの関係を考慮し、輸送量の増加及びこの地方の単位換算軌道延長キロ当り輸送量を勘案して推計すれば、おおむね千五百八十億円(車両費を除く)となる。」こうなっております。これも同じようなマクロ的な推計をもって行なったわけでございます。過去の投資額と比較いたしますと、三十二年度の数字はまだはっきりいたしませんが、二十七年度から三十一年度の五カ年間では、二百四十九億円というふうに考えます。それから目標の変更によります増分が、約六十九億円というふうに考えております。 次は、電力設備の整備でございますが、電力につきましては、御承知のように長期電力計画というものがございますので、大体その考え方を踏襲いたしまして、新しい東北の目標をこれと調整し、考え方を統一するのでございます。その考え方といたしましては特に電力需要の量の増大と質の向上ということを考えまして、大規模水力発電所と大容量のいわゆる新鋭火力発電所との組み合せによりまして、四十二年度までに二百八十万キロワットの開発をはかる。これはほかの地区への送電分も含んで考えておるわけでございます。これも二十ページにその投資額が書いてございます。「なお、新しい開発構想等については今後の研究に待つこととし、以上の電力供給に必要な発電、送変電等の所要投資額を推計すればおおむね五千二百七十億円となる。」これは三十二年度におきましては一五千二百七十億円と対応いたします数字は、四百五十八億円でございます。その前の数字は、ちょっとはっきりいたしませんので御説明できませんが、この数字、長期電力計画に基きましてフラットに考えました数字よりも、水力で大体十万キロばかりよけい発電して、金額といたしまして二百五十億円くらいよけいの投資になっておるわけでございます。 次は、国土保全の施設の整備でございますが、これは主要河川流域の治山治水対策の総合的実施ということに尽きるのでございます。河川総合開発事業といたしましては、多目的ダムを作る、それから河川改修事業といたしましては、直轄河川でありますとか中小河川等を、現在継続施行中のものの改修をまずやり、その他の河川についても順を追ってやるということになるわけでございます。それからその他の国土保全といたしましては、砂防でございますとか治山事業、あるいは海岸保全事業等を考えておるわけでございます。特にここに書いてございますように、御注意いただきたいのは、港湾のところでも触れてあるのでありますが、新潟地区の地盤沈下については、早急に手を打たなければならない、そうして災害防止をはからなければならないと考えるわけであります。それから二十二ページの最後に治水投資額が書いてございますが、「なお、これに必要な治水投資額についてはかりに生産所得と被害額との関係について、昭和初期の状態を目標として推計すれば、おおむね千二百億円—千四百億円となる。」治水の投資額をどのようにとるかということは、かなりむずかしいわけでございまして、やればやるほどいいという性質のものでございますが、この考え方といたしましては、その川の流域の住民の生産所得が伸びるに従いまして、これを防護しなければならない。治水設備、保全設備というものは、生産所得に並行して増していかなければならないという考え方をとっておるのであります。そのようにいたしまして、多少の幅があるのでございますが、千二百億円ないし千四百億円という数字が出て参ったのでございます。これを過去の数字と対照いたしますと、三十二年度の数字が五十九億円でございます。それからその前の五カ年間が二百九十七億円でございましたので、かなりの高い数字になっておるわけでございます。 次は、二十三ページ以下の鉱工業の振興策でございます。マイニングにつきましては、東北地方に豊富に賦存いたします地下資源を開発する。そのためには地下資源調査、特に探鉱調査、鉱山道路の開発等が中心になる。インダストリーにつきましては、量を伸ばすという点につきましては、既存工業の振興と新規工業の育成、誘致等、さらにはまた質的変化と申しますか、質的に重化学工業化に努めまして、その方も伸ばしていくという考え方でございます。それからこれに伴いまして、産業関連施設は鉱工業振興のためには不可欠の要件でございますので、鉱工業地帯の整備を中心として、産業の立地条件の整備をはかる。特に八月、大船渡、仙塩、常磐、秋田、酒田、新潟等の鉱工業地帯につきましては、港湾設備でありますとか、工業用水道、土地造成等を中心にいたしまして、総合的に、重点的に推進して参るわけでございます。 それから二十五ページに工業用水の需要量が掲げてございますが、大体四十二年度におきましては四百九十万トン・パー・デーくらいの工業用水が必要である。これに伴いまして、工業用水道の建設が重要であるということをうたっておるわけであります。 それから農林水産業の振興につきましては、まず農業でございますが、これは土地の利用度を高める。たとえば、土地の利用度は、昭和三十一年度におきましては一二〇%でございましたが、これを目標年次におきましては一二八%くらいまで持っていく。それから稲作反収を、三十一年度を基準状態に置きまして二石三斗あまりであったものを、目標年次におきましては二石八斗くらいまでのところへ持っていくことになるのでございます。それから二十六ページに入りまして、農業と関連いたしまして、土地改良事業の上の方にテンサイ栽培のことを書いてございますが、「寒地畑作物としてテンサイ栽培の調査研究を積極的に行い、その結果により栽培の奨励を考慮する。」これも審議会にかけましたときは調査だけだったのでございますが、審議会の決議によりまして、関係方面と折衝いたしまして、結果がよければ栽培の奨励を考慮するというふうに書き改めております。 それから土地改良事業につきましては、大体七十万町歩程度のものを考えておるのでありますが、それは国営灌漑排水事業、県営灌漑排水事業、これを現に継続施行中のものも中心にして、未着手のものもあわせて考える。それから開墾につきましては、特に東北地方は開墾可能地が多いのでございますが、これも十三万町歩くらいを考えております。それから干拓事業につきましては、八郎潟、十三湖等に重点を置き、一万八千町歩くらいを考えておるのであります。二十七ページの一番最後のところに、農地に必要な投資額のことが書いてございますが、この算定の方法は「過去の所得の成長と固定資本投下量との関係から限界資本係数を求め、計画期間中の事業量を勘案しつつ、この資本係数により巨視的に投資額を試算すれば、おおむね千二百億円となる。」これは三十二年度六十七億円でございましたし、その前の五カ年は三百二十三億円でございます。大体最初に考えました数字よりも、百十三億円ほどよけいになっております。 次は林業でございますが、林業も特に林道につきましては、東北地方は未開発林が多いのでございますが、未開発の奥地林を積極的に開発する。そのために奥地林道の整備を促進する。また造林につきましては、過伐をなくして、植伐の均衡をはかる。それから林種の転換を積極的にはかる。さらにはまた木材利用工業、あるいは早期育成林業というようなものの実施も考えるということになっております。 それから水産業につきましては、これは漁港の整備が中心であろうかと思いますが、そのほか漁船の近代化でありますとか、製氷、冷蔵等の加工施設の整備、これらを中心といたしまして考えるわけでございます。二十九ページのまん中へんに、漁港の投資額がございます。漁港の投資額については、漁業生産量の増加及び漁港施設の充足度合い等を勘案して推計すれば、おおむね百億円となります。これは過去の数字は、昭和三十二年度は、正確な数字ではございませんが、大体七億円ほどである。それからその前の二十七年度から三十一年度におきましては、五カ年間に二十九億円ほど行政投資が行われております。 それから厚生及び文教施設の整備について触れておりますが、これは開発上関係の深いものだけをここに掲げておりますので、従って軽くタッチしておるわけでございますが、都市計画あるいは住宅、水道につきましては、特にここに書いてございますような各鉱工業地帯を中心に考えております。これがため必要な都市水利でありますとか、街路等の都市計画事業を考えております。 それから住宅につきましては、公団住宅、公営住宅、公庫住宅等の政府出資の住宅を考えております。 それから水道につきましては、上水道、下水道の整備をはかるということになるわけであります。 それから保健厚生につきましては国民健康保険施設あるいは保健所等の社会福祉施設の整備が中心でございます。 それから文教につきましては、産業教育、科学技術教育に特に力を入れるということになるわけでございます。 それから調査研究の強化ということをうたっておるのでございますが、もちろんこれらを開発して参ります場合に、その基礎となりますもの、各種資源の実態把握と、それからこれをいかに活用するかということになるわけでありますので、調査研究の強化ということが最も必要とされておるので、ここにうたっておるわけでございます。 それから三十二ページの末尾に、最後の締めくくりといたしまして、資金の確保がございます。今まで申し述べましたが、結局目標を設定して、これに基きまして施設を考えると申しましても、しかし、先立つものは資金でございますので、資金の確保につきましては、特に力を入れなければならない。これがためには、東北地方に特に設けられております北海道東北開発公庫であるとか、東北開発株式会社、その他の関係機関の機能を積極的に活用いたしまして、資金の確保をはかるわけでございますが、さっき申しましたような道路、港湾、国鉄、電力、治水、農地、漁港等につきましては、特に行政投資額あるいは公共公益投資額を算出いたしておりますので、それらの資金の確保を中心にこの計画を進めて参りたいというふうに考えるわけであります。御説明を終ります。 なお、先ほど竹谷委員の御質問のありましたいろいろな資料でございますが、後ほどできるだけ整えまして、お届けすることにいたしたいと思います。
○竹谷委員 きょうは時間がありませんから、資料をいただいてから質問いたしますが、今御説明いただきました中で、最後の資金の確保の問題でございます。これはいろいろこの計画を進めるためには、公共あるいは公益資金がたくさん要るわけですが、今まで東北開発のために使ってきた投融資額といいますか、財政投資あるいは資金の融資等の断片的な、個々のたとえば道路とか、港湾とか、電力、そういうものについての過去の実績の説明がありました。一体これは今までのような実績でいけば、十年間にどれだけそういう公共あるいは公益資金が必要であるか、それにプラスしてこの計画に基いてどれだけ多く資金が必要になるか。今公共事業のおもなるものの説明を聞くと、昭和二十七年ないし三十一年の間、及び三十二年度、こういう年度に使ったお金と、この計画を進めるための資金量と比較すると、ものによっては四、五倍、少くとも倍になる。そうすると、平均して従来の三倍ぐらいは最小限度要るのではないか。またその資金がなければこの計画の遂行はできないのであるかどうか、どうしても三、四倍なければ、この計画の目標の達成は不可能なのか、それともそこまで金がなくともどうにかいけるのか、その見通しを御答弁願いたいと思います。
○中村説明員 非常にむずかしい御質問でございますが、私どもは、この資金をはじきますに当りまして、関係方面、特に財政当局その他とも十分打ち合せいたしましたので、大体この資金は十年間には確保できるのだという見通しに立ってやっておるわけでございますので、この資金が確保できなかった場合にこの計画はどのようにそごするかという点は、実は含めておらぬのでございます。もちろんこの資金よりも非常に少く資金がついたというような場合には、この計画にかなり無理が生ずるというふうに考えますが、幾ら減ったらどのようになるかというような詳しいところまでは、実は含めておらぬのでございます。
○竹谷委員 そうすると、今の資金の問題については、財政当局との間の話し合いはどんなふうになっておるのですか。たとえば東北自動車道の問題で、この印刷物の十三ページに、東北自動車道については調査のみがあったのを、張り紙をして、「調査を行うものとしその実現に資する。」という言葉を新たに入れたようですが、これは一体東北開発審議会でこれを修正したのであるか、それとも修正はしないが、東北開発審議会で非常な強い意見があったので、閣議で決定する場合には、このように修正をして決定をしたいという、そういう企画庁の希望意見であるかどうか、それを一つお尋ねしておきます。こういうところがほかにもう一つございましたね。
○中村説明員 お答えいたします。先ほど申し上げた通りでございますが、言葉が足りなかったと思います。この自動車道につきましては、少くとも十カ年で調査をやるということだけははっきりするということで、審議会には、ただいま御指摘のありましたように、調査を行うものとするということだけで提出したのでございますが、審議会でいろいろ審議いたしました結果、付帯決議として、この実現をはかってもらいたいというような意見がございましたので、閣議決定いたします場合には、その決議を尊重いたしたいと考えまして、運輸省でありますとか、それから大蔵省と交渉いたしまして、「調査を行うものとしその実現に資する。」かなり一歩前進した考え方をここでとったわけです。そうしてこれを閣議決定いたしたい。その通り閣議には「実現に資する」という方で通ると思います。
○竹谷委員 そうすると、「実現に資する」というふうにもし修正になれば、これは調査をし、かつ十年の間に実施にも移る、着工する、こういう意味ですか。これはどういう意味なんですか。そういう意味を含んでおるのですか。
○中村説明員 調査を行いましたその結果によりますが、場合によっては実現するという程度ではなかろうかと思います。必ず実現するという書き方ではございません。「実現に資する」という……。
○竹谷委員 どういうことなんですか。意味がわからない。局長どうですか。
○生駒説明員 今のお話でございますが、「実現に資する」というふうに書きかえました点は、大部分実現するということを前提といたしまして調査をしたいという意味でございまして、先生のおっしゃるように、はっきりしていないという御指摘はその通りなんでありますが、現在各省間において意見がまとまりました範囲は、この程度であるということで御了解願いたいと考えております。
○竹谷委員 一体国家がこういう大なる公共事業の調査を、国費をかけて、労力を費して、正式にするということは——特に「実現に資する」という意味は、実現することを考えての上で調査を実行するんだという意思決定のもとに、この文書ができているんだと私は思う。そう解釈すべきじゃないかと思う。そうでなければ、調査するだけではないか。それを特に調査し、その実現に資するということは、調査の結果、これはやるべきなんです、やるようになる、十年間のうちに実施するということが含まれているというように、この文章からいうと解釈できるんだが、もう文章としてできたら、勝手に法律の解釈と同じようにするつもりなのか。そうすると、これは調査をして実施する、こういうようにわれわれは読むのであるが、これは間違いかどうか、もう一回ただしておきたいと思います。
○生駒説明員 今先生のおっしゃった意味に尽きるわけでございますが、ただここで言っておりますの、その実施という意味が、十カ年の間に完全に実施するかどうかという点、どの程度の実施であるかという点につきましては、各省間でまだ必ずしも意見が一致しておりませんが、大体今先生のお述べになりましたような趣旨であるということを申し添えたいと思います。
○竹谷委員 今その前に聞いたその他の問題、全体の資金について財政当局との話し合いの問題ですね、大蔵当局との話し合いは、一体閣議決定になるのか、これは閣議決定になれば、大蔵省が出さなければならぬことになる。それはどうなるのですか。
○生駒説明員 その点につきましても、先ほど担当官より御説明いたしました通りでございますが、ただこの計算の仕方が、先ほど来御説明申し上げましたようにマクロ的と申しますか、巨視的と申しますか、個々の計画の積み上げという方式をとっておりませんのでございます。従いまして、この程度のものは十カ年間で必要であるし、またそれだけを確保していくという点については、意見が一致しておりますのでございます。ただ毎年々々の問題、あるいは重大なる前提になっておりますところの経済条件に重大なる変更がございました場合には、効率的に運用するということを特に第二ページの初めの方にうたっておるわけでございまして、たとえば五カ年計画の前提になっております六・五%の年成長率、それによりますところの財政の支出規模というようなものが何らかの関係において変更されるというような場合には、この財政支出規模は大体五カ年計画をべースにしてできておりますので、その場合には変えざるを得ないということでございます。また毎年々々の運用に当りましても、そういう意味におきまして、十カ年であるから、これを十分の一すればそれでいいのだということではないということが、財政当局との間の協議において了解されておるところでございます。
○竹谷委員 もう一つ、この東北開発促進計画の第五ページの第一表、鉱工業生産指数および生産所得、これは先ほど説明があったのですが、この委員会で前に三木経済企画庁長官が、ただいま東北開発の全国計画を作成中であると言われた。大体できたろうと思うのだが、あるいはまだ完成しないとしても、この点はきまっていると思うのですが、この鉱工業生産指数あるいは鉱業、製造工業、それから生産所得に関する全国計画の昭和四十二年度の指数、昭和三十一年度に対する指数ができていると思うんですが、それだけ一つ今知らしていただきたい。
○生駒説明員 全国計画に関しましては、実は第一回の各省の幹事会を開いたまででございまして、近くまた第二回の幹事会を開きますが、なかなか意見がございまして、まだここでこうであるというふうに申し上げる段階には至っておらないのでございます。ただ前提といたしまして、先生御指摘のように、大体このくらいであるという数字はございますのですが、ただいまは用意しておりませんので、いずれ御説明いたしたい、かように考えます。
○竹谷委員 それでは十カ年間に六・五%の経済の伸びがあると見た場合に、昭和四十二年度の東北七県の指数はどうなりますか、それはありますか。
○生駒説明員 この点に関しまして、五カ年間におきますところの目標がどうであるかという数字をあげろという意見が、審議会においても行われたわけでございます。ただ五カ年計画は御承知のように全国一本に作っておりますために、東北が幾ら、北海道が幾らというふうには目標を出しておりませんのでございます。従いまして、私どもは前提といたしまして、ただ財政投資の規模が五カ年間で大体どのくらいになるかというようなことにつきましては、それを引用したわけでございますが、あと各地域におろして参ります点につきましては、五カ年計画は触れておりませんために、参考といたしかねた。従いまして、もう一つ詰めて申しますと、先ほど先生のおっしゃいました全国計画が大体どうなるかということが、これが地域別の見通しというものと非常に関連を持ってくる、こういうことになるわけであります。ただその全国計画が先ほどちょっと触れましたように、まだここでどうであるということを申し上げるまでに至っておらないということでございます。
○竹谷委員 しかしながら、この計画目標を立てるのに、初めは鉱工業について二一六という指数の予想をした。これを委員会においてふやして二二一、そのためにいろいろ財政上の資金もふやしたわけでしょうが、二一六というのを作る場合に、大体今の全国計画についても、東北の分について、多分一応の推算を試みられたと思う。これは一つ資料としてあとで出していただきたいと思います。
○中村説明員 ただいまのお話に関連いたしまして、十一ページに書いてあります全産業生産所得が、大体ただいま御質問の数字に当るかと思いますので、これを年率に直しますと、はっきりいたします。これは全産業の分配所得で出しますといいのでありますが、分配所得はちょっと出ないので、生産所得で出してございます。
○竹谷委員 十一ページの生産所得は、五ページの生産指数から出てくるものですね。
○中村説明員 そうでございます。
○薄田委員長代理 ただいまの東北開発促進に対して、まだ質疑があるようでございますが、詳細の質疑は次会に譲りまして、きょうはこの程度で散会いたします。 午前十一時三十三分散会