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29回国会衆議院1958/07/10

国土総合開発特別委員会 第3号

発言数
15
登壇者
6
会派数
2
開催日
1958/07/10

会議録

篠田弘作自由民主党

○篠田委員長 これより会議を開きます。  この際申し上げますが、委員派遣につきましては、参加希望を至急申し出ていただきました上、決定次第委員各位に御通知申し上げます。  国土総合開発に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 私は、先回の委員会におきまして通産省に主として申し上げたのでありまして、きょうは建設省に重点を置きたかったのでありますが、やむを得ない差しつかえとかで御出席がないようでありますので、非常に残念でありますが、この次の機会にぜひ発言の機会をお与えいただきたいと思います。  そこで、経済企画庁なり開発庁、農林、通産、運輸に若干のお尋ねを申し上げたいと思います。最近の開発に対する政府の方針なり、また一般世論の動向というようなことについて見ますると、その立場によっていろいろ見方がかわっておりますが、一つの傾向として考えられますことは、従来の食糧増産を中心としたところの農地の開発あるいは改良、それに関連する一連の施策というものが全面的に後退をしてきまして、特に最近岸内閣の施策を見ておりますと、公共事業の総合的な再検討という立場において、重点を道路とかあるいは港湾といった国土の保全、施設の整備という点に非常に転換をしておるように見受けられるのであります。しかし、実際のその施策を見ておりますと、いずれも徹底を欠き、しかも地区によって、あるいは各省間によって、相互の連絡がないばらばらの施策が行われておることは、依然として改革されておりません。たとえば、有明の先般の災害の実例を見ましても、干拓はできておるが、防波堤が不十分なために不測の災害を来たしておるとか、あるいは児島湾の潮水の防止施設は完成しておるが、中の農地の干拓の整備ということについてはまだ完成しておらないとか、あらゆる面においてこの矛盾を露呈いたしておるのであります。これをどう調整していくかということについて、今後の大きな問題が残されておると思うわけであります。しかし、私の見るところでは、従来の食糧増産対策の見地から大きく取り上げられた特定地域の総合開発地区の問題にしてみましても、その意義を失っておるというのではない。むしろ昭和二十五年に法律を起し、その後次々と地区を指定をしておきながら、事業費がこれに伴わない、そのうちに社会の情勢が漸次変ってきておるにすぎないのであって、これは、政府の予算を伴う措置が不徹底のために、そういう結果をもたらしておるのであります。従って、現在食糧の輸入にしてみましても、繊維資源とともにわが国の外貨を使う一番大きいものであるという面からいいましても、一面に鉱工業を興して外貨を獲得しても、一面において食糧あるいは毛織物等の資源不足のために、外貨をまた出しておるということであれば、国の立場から見ればプラス・マイナスで、マイナスの方が多いという結果になろうかと思います。従って、極端に国の方針が大きく転換するものとは、われわれは考えておりません。むしろ現在行われておるいろいろなものを総合調整をして、そして公共事業費をこれに重点的に使って、ばらばらのものを総合調整していく段階に立ち至っておるということが、一つの問題点になり、それに伴う政府の施策いかんということが、私は問題の中心の第一点であろうと思うのであります。  それといま一つは、先日もお尋ねを申しました産業立地の新しい条件を備えた地帯を発見をし、あるいはまたそれに手を加えて、産業の地方分散、新しい地方産業圏を形成していくということに対して、政府が適切な施策を講じていくことにあろうと思うのであります。大体そういう鉱工業の地方分散の問題と、食糧を中心とする農地の開発、改良と、二つのことが相並行して進んでいかなければならぬと思うのであります。そういう点から一昨日お尋ねを申し上げたのでありますが、この際通産省なり経済企画庁なりにお尋ねを申し上げたいのは、先日も申しました産業立地条件の調査について、今後これをどういうふうに進めていかれるお考えであるか。また現在第一次に指定をせられたものに対して、今後どういうふうな施策を行われようとしておるのであるか。従来もいろいろな指定地域がありますが、それが実際において効果を発揮しないうちに、次から次と新しいものが企画され、また実を結ばないうちに次のものに移る。結局、地方の期待を裏切って、調査倒れになっておるのが今までの実情ではないかと、言い過ぎかもしれませんが、思うのであります。この新規工業地区の立地調査にしましても、ようやく一千万円余りの調査費がついたというお話もわれわれ聞いておるのでありますが、これが一応調査を完了し、そして必要な作業が終って、事業会社、あるいは企業家に対して密接に結びついて、実効を上げるために必要ないわゆる施設にまで及んでいかなければ、地方の熱意にのみ依存をしたり、あるいは調査が済んだのだから、こういうものであるからどうぞいらっしゃいというような程度では、事は足りないと思うのです。それは現在の政権の性格によって、そう簡単には言い切れないと思いますが、少くとも工業の地方分散をやり、新しい工業立地をはかっていこうということであるならば、調査に続く一つの企画が伴わなければならないのではないかと思うわけでありまして、そういう点について、現在行われておる新しい企画の今後の進め方について、関係当局からの御方針をこの際承わりたいと思います。

大島秀一自由民主党通商産業政務次官

○大島説明員 ただいま足鹿委員の御質問に対しましては、農林省、あるいはその他の立場からのそれぞれのお答えがあると思いますが、通産省といたしましての輪郭だけを申し上げまするならば、御承知のように、産業の発展がわが国の現在の重要な問題であり、わが国の食糧増産がいかに重要であるかということは御指摘の通りであります。それにつきまして、通産省としてはどのような要領でいくかということでありますが、通産省といたしましては、工場の立地条件を十分調査いたしまして、各業種によりまして、それぞれの特徴あるいはまたそれぞれの立場、あるいはそれを発展せしめるにはどのような方法にするかというような、こまかい点に調査を進めていかなければならないと思いまするので、五十六カ所の一応指定をいたしておるわけでありまするので、その点に向いまして、それぞれの業種によってこまかい調査を進めておるというのが、現在の通産省といたしましての状態でございますから、そのように御了承願いたいと思いますが、こまかいことにつきましては、また政府委員からお話申し上げるように一つ御了承願いたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 そういう点については、この間大体聞いたわけです。そこで、現在の企画を今後どういうふうに進めていかれるかということが、私は問題だと思うのです。われわれが期待しておったものは、この地域に指定をされるならば、国が中心となって地方に協力をして調査が進められる、その調査の進んだものに対しては、国はいろいろな援助を行なってくれるものだというふうに、地方では解釈をしておるわけです。たとえば鳥取県の中海臨海工業地区の例をとって申し上げますならば、この地区の指定が行われる、これと相前後して運輸省は、近くにある境港に臨海工業地帯石油基地建設方針というものを発表して、地方に大きなセンセーションを巻き起しておるというふうに、これは一連の関係があるかは知りませんが、おのおのの役所の立場から、いろいろな施策が次々と発表されておるわけなんです。また一面、これは農林省が中心でありますが、昭和二十九年に閣議決定を受けた大山出雲特定地域総合開発計画というものもあるわけであります。また現在農林省が中心に行なっております中海干拓並びに淡水化計画というものがありまして、これには本年度二千四百万円の調査費がつき、地方においては、おそらく来年度あたりからでも工事に着手してもらえるのではないかという希望を持っておるわけです。そうしますと、あなた方の立場では、官庁が違いますから、みな別々な考え方かは知りませんが、地方で受ける印象というものは、住民は一体でありますから、やはりこれには総合的な、何らかの関連があるものだというふうにみな期待をし、その成果を非常に期待しておるわけです。ところが、先日来お尋ねをしてみますと、全く調査の段階であって、経済企画庁において横断的な協議会で、しかもそれは行政官の、任意な官庁間の連絡協議会が持たれて、それで話し合っておる程度だというのです。これでは、われわれ地方の国民から見たときには納得がいかないわけです。また、はなはだしきに至っては、そういう計画があるまん中へ持ってきて、一面には軍事基地を持ってこようとする動きが出てきたり、全く統制といいますか、調和がとれておらぬ。残念ながら相互連絡に欠くるものがある、こういう点を私どもとしては心配をしておるわけであります。そういう点について、たとえば運輸省の臨海工業都市の石油基地の問題、それとあなた方の通産省がやっておられるところの新規工業立地調査の問題、農林省が行なっておる中海淡水化の問題、これは臨海工業都市の問題としての工業用水の問題にも触れてくるわけですから、みな関連を持っておる。同時に、大山出雲地域の総合開発にしましても、約四〇%程度の事業が数字の上では進んでおると一応記載されておるが、われわれ地方から見ますと、何に手が打たれておるのかさっぱりつかみどころがない。こういうことでなしに、その地区々々の既存の指定した地区においては、関係のものが中央でおやりになっておるような連絡協議会が相当効果をおあげになっておられるならば、地方にもそういうようなものが及んでき、そして地方の住民に納得のいき、その協力を求めるような体制を作りあげるとか、機構の運営なりいろいろな点について考えていかなければならぬ点があるのではないかと思うのです。同時にあなたの方では、これから調査をして、産業の再配置について必要な資料を企業家に提供をするんだ、こういうお話でありますが、もうすでに農林省としては膨大な調査費を組み、近く事業に着手しようという仕事もある、一方開発計画で現に進行しておる仕事もあるというわけであります。従って、その間における相互連絡が非常に欠けていはしないか、そのことがまたその計画を実現していく上において不利、不便を来たしておるのではないか、私はそういうふうに思うわけでありまして、そういう点について、運輸省なりあるいは農林省あるいは通産省のそれぞれの立場から、私が今事例をとりました中海臨海工業地区の指定の問題、それと中海淡水化、干拓との問題、あるいは大山出雲総合開発特定地区の事業との問題、これに例をとって、どういうふうにこれを進めていかれるのか、そういう点について、お考えをこの際お聞かせ願えれば幸いだと思います。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田説明員 私から先にお答えを申し上げるのはどうかと思いますが、通産省の方からそういう御要請でございますので、お答え申し上げます。  足鹿委員が御指摘になりました事項について申し上げますが、第一には、土地及び水を利用する計画を進め、その実現をはかりますのに、農地の造成あるいは農地の利用の高度化をはかる一方、港湾の整備とか工業地帯の諸要件を調べる、またその調べに応じまして開発事業そのものをやって参るというような多目的な場合に、そういう見地から、中央では各行政関係官庁が総合的に協議会等をやっておるが、それで十分であるか、また中央で協議会をやって相当程度の効果をあげておれば、地方においてもなぜそのような組織をとらないかという点でございますが、御承知の総合開発の考え方が、終戦後日本に大規模に新しく入ってきまして、行政官庁の具体的な行政事務となって参りましたのは、昭和二十七年ごろかと思うのであります。それ以前に、各省を通じましておのおのの土地利用高度化の計画を進め、事業いたしておったことがあると思いますが、簡明に申し上げますれば、総合開発の考えというのが若干微弱だったかと思います。私どもの農林省にとりましても、農業用の土地を造成して、農業用の水を治め利用しまして、あるいは干拓をしましたり、あるいは中海、宍道湖等の干拓の構想を整えましたり、大山出雲の開発の計画を進めましたり、またこの方面の事業を進めましたり、また中海の淡水化のための調査を数カ年——今年度も一千万円余を計上いたして進めておりますが、やはり計画の当初、調査の段階から、総合開発の見地で、総合的に最も利用度を高め、事業の進捗の度合の歩調をそろえることにおいては、必ずしも十分でなかったことを自認いたします。しかしながら、特に終戦後日本の食糧問題の重要性とその増産、農家の経営を安定いたしますことに、率先農林省がやるべき仕事をたくさん持っておりましたので、単独調査を進め、事業化したこともあると思います。幸い経済企画庁において、その後総合開発関係の法律の成立とともに、官庁としても総合官庁としての機能を逐次発揮せられておりますので、進んでおることをしいておくらせるのは私ども本意ではございませんが、調整を要することは十分に調整をいたしまして、かつ、その中で農業関係の仕事を促進してもらうことも期待をいたして、企画庁に関係庁が寄りまして、総合性を保持するように進捗度を統一いたしますように努力をいたしておるのであります。地方々々において、そういうことが欠けておることは御指摘のようでございますから、今後そういう仕組みが実現いたしますように、私どもも努力をいたします。今までは、農林関係が御指摘の地域においては若干調査段階でも進んでおりましたので、そのままにいたしておる点があることは事実であります。調査計画段階だから、どんどん進めておるという意味もあるのでございますが、他の地域におきましても、同様なことは程度の差をもってございます。ごく新規の総合開発計画を特定地域計画として指定いたしましたり、あるいはそれに準ずる取扱いをしましたり、特定地域開発計画がはっきりきまらなくても、その準備のための計画調査構想等をまとめることにおいては、同様に新しいものは総合性を保持して中央、地方統一的にやるようにいたしたいと思っております。  特に中海関係のことは、私どもは約三千町歩弱の干拓を予定しましたり、境水道付近と佐陀川の関係の海水の浸透流入をとめまして、中海の淡水化事業は、干拓計画とともに重点を置いて進めるように努力をいたしております。相当程度の調査費が計上されつつありますが、これをもって十分とは考えておりません。なお、この地方は今年各地で起りつつありますように旱害の常習地帯でありますので、農作物が塩害を発生する可能性の多い地帯でもございますので、干拓と淡水化とを同時にするか、切り離してどっちかをより促進するかは、今研究中でございます。可能性におきましては、切り離してもできることがあるのではないかという研究中であります。しかし、この地方には御承知の、またお述べになりましたような臨海工業地帯の問題もあり、港湾局関係で境港、米子におきまして、港を大きくして、もっと大きな船を入れるような計画もございまして、私どもの水門調査あるいは土壌、川、海の調査等からいたしますと、目下のところでは港湾局の計画は無理ではないかという点もあります。またその港湾局の調査がおくれ過ぎておるようにも思いますので、先年来、調査にしても、計画を具体化するにしても、すみやかに私どもと歩調をそろえていただきますように、運輸省及び企画庁に申し上げまして、昨年度は、企画庁計上の公共事業の調整費の中から百十万円ばかり、本予算でなしに、運輸省に予算をつけていただきまして、私どもと総合性を保持し、進捗度がくっつくように私の方からも努力を申し上げたのであります。そのことは、機構的にも、行政の業務の内容におきましても、その時期におきましても、今後なお一そう御趣旨を尊重しまして、本年度から努力をしたいと思います。

東壽運輸技官(港湾局計画課長)

○東説明員 第一に境港の石油配分基地の問題でちょっと御説明したいと思います。あの石油配分基地の基地という言葉が非常に反響を呼んだのでございますが、境港につきましては、非常に小さい規模のものでございます。全体としましては今約一千万トンばかりの油が全国に流れておるのが、新長期経済計画によると、約二千万トンくらい国内に流れる。そうしますと、千トンから千五百トンくらいの船で、各配分の一県に一港くらいのところに各社がタンクを建てて、その船でそこに運んでくるというふうになるような情勢にありました。それから、同時に、各社が競って各港にタンクを建てたいということを各個に申し出ております。管理者がそれを受けておる状態を見ますと、非常に膨大な土地と貴重な臨水線を要求しておるようであります。そういう状態からいたしますと、港の防波堤の中がタンクで一ぱいになる、あるいはもう作る余地がないというようになっております。境港におきましても、出光その他二社ばかりがその要求をしております。そこで初めは外江の方にございましたが、あとまだ各社が出てくる趨勢にありますし、それから船の関係もありますから、貴重な土地を使ってやるよりも、別な地点にその計画を進めるというので、県がいろいろ考えておったようであります。それがあの石油の配分基地というので地方の新聞なんかに出ておりますが、土地としては約一万坪くらいの土地だと思うのです。その土地の計画を見ますと、将来の大型船の、つまり商港施設としての臨水線の場所と競合いたします。また臨海工業地帯を作るならば、それに非常にいいような土地と競合するような点もありますので、計画を保留してそのままになっておるわけであります。  そこで石油配分基地の方では現在どうしておりますかというと、各社から要請がありますと、何社かでもって集まりまして、県との間で話し合いをいたします。県の方では、私の方へ港湾収益事業という地方債のワクの中で手続をいたしまして、それでもって共同でドルライン、すなわち船をつなぐ施設でございますが、そういう施設を作って、共同でタンクを建てる、そういうようなやり方で県が指導をいたしております。そういうことで、それが石油配分基地という名前になっておりますが、境港におきましては、臨海工業地帯との関係はございません。タンクを建てたいというのが何社もありますものですから、それを各社ごとにやりますと、非常に大きな土地と、それから貴重な臨水線を——岸壁線といいますか、そこをとられるものですから、船をつけるところはみんなで共同しよう、それから土地はみんなで一括して作ろう、そういう計画をしているものを、石油配分基地という名前にいたしております。そういうことでございますから、御了承願います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 地方的な問題に話が進みましたが、こまかいことについてはまた別個にお伺いをすることにいたしまして、私の言わんとするところは、お話を聞けばよくわかりますが、そうでない場合は、みんな関連性があるものとして一応解釈をするわけでありまして、今後安田さんからの御答弁のありましたように、少くとも、時間的なズレはありますが、特定地域の開発計画にしろ、新しき角度から他の計画と調和をとりながら再検討をしていく段階、あるいは重点的に考え方を少し変えていかなければならぬ場合というふうに、少し情勢が変ってきておるのではないかと思うのです。そういう点について、建設は建設、運輸は運輸、通産は通産、農林は農林というふうにばらばらの形ではなくして、私としては、中央、地方を通じてそういう一つの方針に基いて相互間の連絡、調整がとられて、しかもある一つの省で事業に着手しておられることは、他との関係においてもよく理解をされる、こういう格好に進むべきものではないかということが言いたいわけであります。そのことが、総合的に見て地方住民の期待にも沿い、また国費の十分なる効率を発揮することにも通ずるのではないか、そういうことを先日来強調しておるつもりなんです。そうでない限り、通産省は通産省で、新しい立地条件の調査をやる、そしてどんどん調査を進められる。しかしそれには、用水の問題は、必ず農業用水との競合の問題も出てきます。また工業用敷地の問題あるいは付属設備の敷地の問題にしてみても、農地との関連が出てきます。また交通上の問題にしてみても、建設省は道路計画を一方において都市計画その他で勝手にやっておるということでは、一つも総合性がない。そういう声は地方には相当出ておるのです。そういったことについて、当委員会として、いろいろな方法で十分意思を交換をして、効果のある方法を今後やっていくということも、一つの任務ではないかと思いまして、この点を特に強調しておるわけでございます。地方問題につきましては後日また個人的にお尋ねもし、また意見も申し上げてみたいと思っております。  これは総理大臣なりまた三木長官等にお尋ねするのが妥当ではないかと思いますが、特に産業計画会議が、北海道開発問題に対して批判を加え、従来五カ年計画によって八百億の国費がつぎ込まれたにもかかわらず、この主目的であったところの人口の吸収の問題とか、あるいは食糧の増産目的の達成等について効果を上げなかったというようなきびしい批判を加えておりまするし、また政府が作っております特別調査委員会あたりの答申を見ておりましても、何となしにこの食糧増産的な立場の米作農業の拡大を押えて、あるいは新規開拓事業を中止して、そしてコストの高い内地の食糧よりも、安い外地の食糧を入れるのがいいのだという考え方から、従来そのものにつぎ込まれておったものを、いわゆる道路重点、港湾重点、あるいはその他に持っていくのが、何か新しい国土開発の構想であるかのような風潮が流れていくということは、私は非常に問題だと思うのです。そうではなくして、現在行われておる地域の指定なり、あるいはそれに準ずるいろいろなことが考えられ、行われておるわけでありますから、そのものを新しい角度からどう総合調整して、そして公共事業費をどう重点的につぎ込んでいくのかということが、私は問題になっておるのではないかと思うのです。ところがややもすれば、国土保全という立場から、もう従来のやり方はいかぬから、道路だ、それ港湾だ、それ新工業立地だというふうに物事を持っていくということになりますと、この国土開発の問題については、基本的な問題にぶつかってきまして、非常にむずかしくなってくると思うのです。そうではなくして、従来もやり、現在まで継続して行なったものに対して、新しい角度から批判を加えて、そうして総合調整をして能率を上げていく、その間には、お互いの緊密な連絡をさらに深めていくという考え方に立たないと、私は非常に混乱が起きて、従来のものがむだになり、非常に大きな問題になってくるということを指摘しておきたいと思います。そういう角度から、たとえば産業の新規工業地区の立地指定にしましても、そこに一つの工場が誘致されて、新しい工場ができたという場合を想定してみましても、その間における農村人口との問題、あるいは工場運営をしていく場合の労賃等の問題、あるいはその周辺における交通あるいは資源の原料の問題等々、みんな関連が出てくるわけでありまして、ただ単に各省が、おのおのの立場から熱心にされることはよろしいが、それがおのおの独立しておって、そうしてぐんぐんその面だけが進んでいく、しかもそれから先は資本主義経済であるからどうにもならぬ、こういうことでは、私ども失望せざるを得ない。ですから、そういう面から新工業立地の計画にしてみても、あるいはそれが農林関係において新しくすでに手がつけられておるということであるならば、さらにそれが相提携して、調査その他の経費もつぎ込まれて、そして目的が達成されるという形にいかないと、私は計画倒れになり、地方民に期待のみを与えて、一つも物事が進行しない結果になると思うのです。そういう点から、愛知用水の一つの事例をとってみましても、昭和三十五年に完成するというふうに、当初から五カ年計画で完成の期限をちゃんと打ち出し、できるかできぬかはこれからお尋ねしますが、少くともこれには地元負担をちゃんと伴っておる。関西電力なら関西電力、あるいは半田市なら半田市の上水道、あるいは工業用水というふうに、負担区分を明らかにして、そうしてさらに地方民の負担は年賦をもって受益者負担で補っていくというふうに、一つの財政的な経理区分を明らかにしてありますから、あれが急速な事業の発展となって現われてきておると思うのです。ところが、昨日来いろいろとお話を聞いてみますと、現在の工業立地の新しい調査についてみれば、これは調査だけであって、その調査費も、全国五十六もあって、これにわずか千数百万円の金がついたということ、しかも本年が初めてだということ、将来まだふやすかもしれないが、それはこの調査に限定するのだ、こういうことでは、何のための調査であるのか、調査が調査だけに終るようなことでは、おぼつかないと思うのです。愛知用水の用水の場合は、一つの受益者負担というもので、国の負担あるいは外国の資金の導入、あるいは地元負担というふうに、ちゃんと負担区分が明確になって一つの事業計画が実施されて、新しい一つの方向を、日本の開発事業の一つの方向として表わしておるのでありますから、事のいい悪い、利害得失は今後の批判に待つべきでしょうが、新しい方向を打ち出しておると私は思うのです。そういう点から、特に通産省がおやりになっておる点、新規工場地区の立地条件の調査対象地区の問題にしてみましても、始まったばかりではありますが、何かわれわれには納得がいかない。もっと思い切って、これにも今述べましたように他の関係省との連繋を地方においても密にして、そうしてこの施策に通じていくような面が出てこないと、これはまた数年たちますと、地方民は、何だもう済んでしまったのかということで、調査は一応は権威ある調査ですから、いつかは役に立つでしょうけれども、また次の情勢が出てきてそのままになってしまう、こういうことになってしまうと思うのです。ですから、この中において、作業の結果によっては急速にこれを引っ張り出して、抽出して、そしてこれを他の関係省ともよく打ち合せをして、問題を具体的に進めていく、そのための予算措置をするなり、あるいは機構等も必要ならば作ったり改めたりしていく、こういうことにならなければ、私は効果が期待できないのではないかと思うのです。そういう点について、特に通産省が思い切った一つの構想を持たれる必要があるし、またそのためにすみやかに必要な手段をとられる必要があるのではないか。これはただ単に私の地方が一つの指定を受けておるから言うのではありませんが、全国五十六の地区どの地区をとってみても、同じような条件が重なり合っておると思うのです。そういう点で、くどいようですが伺っておるわけです。

大島秀一自由民主党通商産業政務次官

○大島説明員 御指摘の通りであると思うのでありまして、各省との連絡が非常に円滑を欠いているではないかということは、多少認めてもいいのじゃないかと思います。ただ今の段階といたしましては、私は農林省、建設省の方はさしずめわかりませんが、やはりどちらでも大体そのようなことであろうと思うのですが、ことに通産省の場合におきましては、目下調査の段階でありまして、これから今御指摘のようなことにぶち当ると思うのです。そうしたときに、これはどれだけの予算をつけてやったらば国家のためになるかというようなことになると思うのです。そういう場合には、やはり政府といたしましても、それはぜひとも重点を置くべきところは重点を置くというように、これからなっていくものだと考えられます。私がもし通産大臣であれば、今日もいま少し言いぐさがあるのですが、政務次官で責任ある言葉が出ませんが、しかし御指摘のようなことは、やはりしばしばいわれることでありまするので、私たちといたしましても、十分この問題に対しましては研究をいたしまして、御期待に沿うようにやっていきたい、かように考えておるわけであります。大体これは経済企画庁が全体をまとめて、このようなことを推進していくというようなことが、やはり本来の姿ではないかと思いまするが、今の段階におきましては、各省のそれぞれの立場において研究しておるというような形であろうかと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 さっき私が言いましたように、あなた方としての言い分は私はあると思うのですが、さっきの八百億の国費導入に対して、これに対するあなた方の立場というものは、一体どういうものになるわけですか。当時新聞が非常に大きく書き、それに対する反論も行われたと思うのですが、ああいう一つの行き方が、漸次この農地の開発、あるいは改良、あるいはそれに伴う利用の高度化の問題等について非常に世論からきびしく見られて、そして漸次政策がじりじりじりじり転換をしていき、すべてについてやりにくい事態が起きてきはしないかと私どもは見ておるわけなんです。これは時間をかけて長官なりまた政府自体の基本的な方針を伺わなければならぬことでありまして、きょうの会議ではとうてい私は無理だと思いますが、そういう点について特にお聞きしておきたいことがありますれば、この際承わっておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

中平榮利総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○中平説明員 北海道におきます第一次五カ年計画の結果につきまして、産業計画会議その他いろいろ批判がありましたことは、私どもも承知いたしております。実は第一次五カ年計画につきましては、弁解のようにもなりますが、一応当初の予定通りいきませんでした事情をごく簡単に申し上げたいと思いますが、その一つは、実はあの五カ年計画ができましたのは昭和二十七年でございまして、昭和二十七年から三十一年まで五カ年間とりまして、その間の計画を作ったわけでございますが、ちょうど朝鮮事変に遭遇いたしましたことと、それから当時の日本の経済情勢というものが非常に不安定なものでございまして、物価等も非常に動きやすかった、そういった時代でございましたので、計画を作りましても、なかなか予定通りいかない点が多かったということが一つと、当時の計画は、実は閣議決定というような手続もとっておりませんし、北海道開発庁だけが責任を持って作ったような次第でございまして、ただいま足鹿委員の御指摘がありましたような各省間の連絡ということもいたしましたが、十分でなかったという点もございますので、その計画の遂行について、各省足並みをそろえてやったとは必ずしも言えないという面もあったかと思います。  それといま一つは、最初に申し上げました経済情勢の変化という点に関連いたしますが、計画遂行につきまして、財政資金をつけるということが思うにまかせなかったという点もございます。当初公共事業費関係におきましては、千三百億円を五カ年間に投入したいという計画でございましたが、それに対してただいま御指摘になりましたように、七百七十億円、八百億円近い金しか使われなかったということで、予算措置も十分でなかったという点もございます。  それからいま一つ、計画そのものでございますが、非常に経済情勢が不安定であったということを申し上げましたけれども、当時の北海道は、終戦後の非常な混乱というようなこともございまして、計画自体が立てにくかった。ことに戦後海外から引き揚げて参りました引揚者を緊急に収容しなければいけないというような事情もございまして、畑地書につきましても、まず開拓を行なって、そのあとに入れるというような時間的余裕もないということがございまして、ともかく人を入れておいてから開発の方をやろうというようなことをしたこともございましたので、いろいろまずい点が重なりまして、思うようにいかなかったということで、私どもしても非常に遺憾に思っておる次第でございます。これをよく考えまして、今までやりましたことのまずかった点を反省いたしまして、第二次五カ年計画を作るにつきましては、その点十分考えまして、各省関係の皆さん方とも御連絡をいたしますし、また民間の方の御意見も聞きまして、政府としては自信を持ってやれるという計画を作ろうということで作ったわけでありまして、第一次計画と違いまして、第二次五カ年計画は、閣議決定もいたしましたので、日本政府として責任を持って実施するという心組みでおりますので、御了承願いたいと存じます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 時間もございませんし、しつこくは申しませんが、これは農林大臣なりあるいは特に中心になる経企長官に申し上げなければならぬことでありますけれども、今後の食糧政策に対する提案という、これは朝日新聞が出した小冊子で、御存じだろうと思いますが、それにこういうことをいっております。資本は生産的に必要な方面に流れないで、ただ現象的に高い利潤を生む方向にのみ流れる。しかし、これはただ自由経済の必然という一言で、いたし方のないものとしてあきらめられる問題ではない、こうはっきりいっておりますが、私はその通りだと思うのです。そういうことになった場合に、現在の後進産業である農業、あるいはこれに関連する、日本の開発に関連することは、私は総くずれにならざるを得ないと思うのです。今度国土開発と銘打って、縦貫自動車道路ができて、これはすでに着手をしておる。ところが、私どもの見たところでは、国土開発と銘を打っておるのであるから、少くとも日本の産業地理がこれによって変ってくる、産業立地もこれによって変ってくる。従って、そういう面からこれに関連して大きな一連の施策が伴っていくであろう、また地方もそういうふうに解釈をしておるわけでありますが、専門の方々の意見を徴してみますと、これはその他の道路に交錯する面はきわめて少い。だからいわゆる消費、生産、その両都市間の距離を圧縮することに重点が置かれるものではないかというお話を聞きまして、私どももうかつではありますが、なるほどそういう面もあるかと思っておるのでありますが、そういうことに重点が置かれていきますと、この国土開発と銘打った縦貫道路は、われわれが予期したような効果をおさめるかどうかという点についても、非常に疑念を持たざるを得ません。そして公共事業費が、そういった縦貫道路であるとか、あるいはその他の道路整備、あるいは港湾といった点に漸次転換をされて参りまして、この利潤率の低い、そしてこの原始的な状態に放置されておる農業、あるいはこれに関連する産業の面においては、国の補助も漸次打ち切られていくということになりますと、すでに着手はしてありますけれども、従来の特定地域の開発計画というようなものも、立ちぐされになってしまうきらいがありはしないかと思うのです。開拓の場合でも、まず入れておいて、道路はあとから作るというような、資本金を与えずに、土地だけを作って、中へたたき込むというような行き方は、誤まりであったということに気がつく。今後新しい角度からこれが行われていこうという段階になったときには、もうすでに国策は転換をしておるというようなことでは、私どもとしては納得のいかぬ事態になってくると思います。国土開発と銘打って、当委員会が長い間活動してこられた。今後当委員会の運営の問題についても、私は委員長に申し上げたいのでありますが、ただ単に北海道開発の問題について論議をする、あるいは各地域指定の問題について当委員会が論議をするというような問題にこだわっておったのでは、当委員会の機能というものは発揮できぬと思うのです。従来物資の不足し、特に食糧が足らなかった、物が足らなかった段階から、国内的にも国際的にも過剰の段階に入って、新しい角度から国土の総合開発が取り上げられる現段階になって、当委員会の任務というものも、おのずから変ってくるのではないかと思うわけでありまして、もよくわかりません。委員になったばかりで、まだ勉強も足りませんし、この委員会の運営を通じて、私がきわめて粗雑でありますけれども、若干指摘した点等について、もっと掘り下げて、そして当委員会としての機能を発揮していくようにしなければ、官庁の責任ばかり追及してみましても始まらないと思うのです。そういう点で、一つ今後——私は不勉強でありまして十分言い尽しておりませんが、意のあるところを一つお汲み取り願っておきたいと思います。これはいずれまた機会を得まして、大臣等にお伺いをいたしたいと思っております。まだたくさん尋ねたいのでありますが、もう時間もありませんから、最後に愛知用水の問題について一つお尋ねをして、私の質問を終りたいと思います。  聞くところによりますと、愛知用水は順調にその工事が進んでおるようでありますが、なかなか新しい行き方でありまして、その困難な点もわれわれはわかるのであります。この事業費の増加問題について、それから工期は三十五年ということでありますが、着工が一年もおくれておりますし、その工期の見通しはどういうふうになっておるかという点、それから関係受益地域とその負担の問題について、当初の計画と、現在なりまた将来の見通しはどういうふうになっておりますか。たとえば私どもが新しい国土の開発の行き方として、外資にその資金源を求めることは、非常に不安定であるし、また好ましくないという立場から、私どもは観念的には賛成できなかった。しかし、おくれた日本の国土を開発していく上にやむを得ざる措置として、昭和三十年にこれを認めたわけであります。その際、安い外資の導入が困難になったときには、国内でこれを肩がわりをし、そしてその金利等も外資並みにやっていかれるならば、これはまた窮通等の道はあるだろうというので、これに賛意を表して今日に至り、その成り行きを見守っておるのでありますが、果せるかな、三十二年には余剰農産物の受け入れがなくなって、その資金の受け入れの問題で非常に難航した。また事業計画の点について、農林省と愛知用水公団との間に意見の対立があって、その調整に手間取って、最近牧尾ダムの構築をめぐって経費の問題についてもいろいろ問題があったことも聞いておりますし、またそれらの点から関連をしまして、受益者負担が激増するのではないか、そういう心配も一部に起きておりますし、いろいろ問題があると思うのです。これは農林委員会等で聞くべきことかもしれませんが、私が当委員会で特に取り上げたのは、国土の総合開発という立場から、この事業の整備、その円滑な行き方によって、他の今後の国土の総合開発に非常に大きな示唆を与え、影響をもたらすと思いますので、特に当委員会としてもっと取り上げ、検討していく必要がある、こういう観点からこれを取り上げてお尋ねしておるわけでありまして、私の質問の趣旨にこたえられるように御答弁を願いたいと思います。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田説明員 愛知用水事業を始めようといたしまして、国会に関係の法律あるいは資金計画が出ましたときには、足鹿先生は最も中心になられまして国会で御審議をいただきましたので、特に御指摘の資金計画の変更等に関しますこと以外は詳しく御存じだと思いますから、その面は簡明に申し上げます。  愛知用水は、三十年に公団を設立しまして事業の実施体とすることにいたしました。また、その事業のやり方及び事業そのものは、農業を中心といたしておりますことはもちろんでありますが、発電の事業、農業関係でも農業用水及び開墾事業、上水道、工業用水を含む総合的な事業でありまして、それを一事業主体とする。また着工から完成年次を明らかにして、予定を立ててやるということに非常な特徴がありまして、この点についての御意見はその通りでございます。あわせまして農業面だけについて見ましても、過去においては一そうそうでございますが、最近気をつけても、まだやり方において非常な欠陥がある。その部分がかなり改善されておる点についても、注目すべきことは御指摘の通りであります。すなわち国営、県営、団体営等の区分を別々にしまして、ばらばらに仕事をしませんで、一貫施工と申しますか、そういうふうに仕事をしていこうという点において画期的なもので、これをどうしても初期の目的を達しまするように実施をしたいと念願をしておる次第であります。三十年の公団設立のころに、事業の基本計画案は農林省が与え、その事業基本計画に応じます全事業費は、三百二十一億三千八百万円でありました。それをさらに細部の調査を進めまして、工事を設計して、その設計を確定すれば工事の着手が行われるという意味の法律によります事業実施計画ができましたのは、ややおくれまして、三十二年の六月でございます。その三十二年の六月に告示をいたしました実施計画におきましては、資金計画は変更いたしまして、三百三十一億になった。おくれました理由は、世界銀行の借款、また細部計画の設定、及び特にダム地点の幹線水路もございますが、地元の御同意を得ますところの補償問題、あるいは事業の地元の承認の問題等、いろいろ重なりまして、おくれたのであります。客観的に見ますと、私は、当時——当時と申しますのは昨年でありますが、監督官庁の立場及び指導官庁の立場といたしまして、三十二年六月に実施計画ができましたのもやむを得ない事情がありまして、通常の農林関係の国営事業から団体営事業に至りまする計画を、発電及び上水道、工業用水まで実施計画として固めるには、若干おくれぎみではありますが、そのくらい時間がかかるものではないかという理解も持っておりました。しかし工期が三十六年三月末に完了する、それまでに仕事を終える、こういう計画が最も進歩した計画の一部分でございますので、その間におくれた部分を取り戻すように公団とともに努めておるのでございます。資金が約十億円総額においてふえました理由は、ダムから幹線水路、支線水路、調整池等におきまして、主としてその部分におきまして、工事計画を細部にわたって実施計画的に作る際に変更しなければならなかったことと、世界銀行の借款額が最初三十九億円と見込んでおったと思いますが、輸入機械が中心の借款でございまして、輸入機械と国産機械との通産省との調整等で二十一億円に減りました。また世界銀行の金利条件は、契約協定の前の二十四時間のニューヨークの金利市中相場によるという一般の世銀の借款の条件から見まして、三十年度よりは五分を予定しておりましたのが五分七厘四毛になったという金利の増高があります。さらに大部分の理由は、御指摘の通り余剰農産物の輸入資金を四分利で百六十億円くらい予定しておりましたものが、余剰農産物受け入れ中止に伴いまして、三十二年六月までに受け入れておって、愛知用水に予定しておりました五十八億九千八百万円になったせいであります。そのうらはらといたしまして、国内資金をつぎ込んでも、どうしてもこの事業を完遂しようとしましたことによるのでございまして、三十年当初と三十二年六月の実施計画の事業費の額及び金利の状況は、余剰農産物見返り資金と資金運用部資金とが額において逆になっておるということでございます。資金運用部資金である国の、日本の国家資金は、百六十四億円を予定しておる。金利も四分から六分五厘に自然に上るわけでございます。これに伴いまして、農民負担は、受益帯三万三千町歩といたしまして、その部面においては変更いたしておりません。平均一反歩——支線水路の末端まで愛知用水公団事業としてやります分につきまして、国の国費負担をいたしまする公団事業のうちの国営級の事業の費用としましては、事業完成後十年、それ以外の事業の負担は、いずれも農業でございますが、完成後十五年ということで、負担金額の償還の仕方が多少違いますが、最初の十年間についていいますと、一番大きい負担がこの時期でございますが、一年に一反歩当り、受益面積平均にしまして、二千五百円くらいでありましたのが、三千百円前後になっておるわけであります。これは実施計画をもちまして、関係受益農民の方々に所定の法律手続をとりまして同意を得まして、多少の御異議が出た場合もありますが、よく説明を申し上げ御納得いただいて、すべて同意をいただいたのでございます。それから以後工事を始めたわけでございます。  工事の今までの進捗状況と今後の見通しを次に申し上げますと、三十二年度までには、工事関係だけで申しますと、すなわち堰堤、幹線水路、支線水路、補助ため池、調整池、開墾、発電、上水道、工業用水の事業の部門でございますが、以上申しました実施計画確定までの状況によりまして、総体といたしまして一九%の進捗率であります。三十三年度は、公団の収支予算おのおの九十四億円を用意いたしまして、三十三年度だけで申し上げました各事業地域の総体の平均進捗率は三一%、全事業の約三割を予定しておる。長野県牧尾橋付近のダム、岐阜県の兼山町からの幹線水路の兼見トンネル、その他のトンネル、幹線水路等順を追いまして、進捗度は違いますが、まず第一にダムを申し上げますと、昨年度までに二四%、三十三年度は全体の三八%完工するようにいたしております。幹線水路は、昨年までが約四%、本年度は三七%、支線水路は、昨年までが一%強、本年度は三六%、補助ため池は、昨年までが計で九%、本年度だけで四二%、開墾は、ほとんど着手いたしませんで、ことし約全体の三割、発電は、関西電力の計画は当初より変更中でありますので、供給する資金の五億五千万円は変更しませんで、目下実施計画の再調整中であります。上水道、工業用水は、昨年度までが一・五%、本年度は約一四%、進めるつもりでありまして、三十三年度は総事業の約三割の資金を用意して行う予定であります。従いまして、三十四年度以降につきましては、三十四年度につながるものとして、各工事部門いろいろございますが、総体としまして三三%、三十五年度末までに一七%、こういうことで法律御審議の際にも決定をみました。また法律に基く明文がありますように、三十六年三月までに工事を完工したいと思っておるのでございます。その資金面については、あるいは国庫負担、補助金の面につきましては、過般解散国会におきまして、前大蔵大臣から、三十五年度末までには予算資金の面から事業が予定通り進捗できないということは決していたさないということを、参議院予算委員会においても言明をされております。農林省といたしましては、公団とともにもちろん同様に考えております。三十三年度におきまする部分の全体の仕事の約三割をこの面でやろうという点について、さらに簡単に敷衍をいたしますと、資金面では九十四億円の収支を持ちまする公団の予算で支障ございません。牧尾橋ダムの工事をする前提といたしましてのバイ・パスと申しますか、工事用の水路、これは今月の十五日ごろ完成し、続いて仮締め切りが来月の末ごろに完了をいたします。幸か不幸か判断に迷いますが、ことしは降雨の現象が少かったということに伴いまして、水の量が少いことは、この工事が梅雨期に当って本来むずかしいことを非常にやさしくしておりまして、明らかに間違いなく工事ができる見込みであります。八月末には牧尾橋の本格的な工事が、工事者もきまり、入札も終りまして、請負者もきまって、着工をすることになって、今準備中であります。八月末にはこの起工式を着手いたすことになっております。  幹線水路につきましては、まず第一に牧尾橋にできました水を木曽川本流に落して、兼山町からとるということですので、幹線水路の第一歩は岐阜県可児郡の兼山町の兼見トンネルであります。これはすでに着工しまして、百五十メートル水道ができておりまして、二個所から相互工事をすることになっておりますが、本年度相当進捗を見る見込みであります。そのほかにトンネルは、入鹿池のそばの富士白山トンネルはすでに着工の段階に立ち至り、幹線水路の一部である愛岐トンネルは、すでに着工の段階に入っており、工事の実施をいたす基礎を作る入札を終りまして、また幹線水路に伴いまする愛知県内の補助ため池の一つである曲池は、現在すでに過半ができておりまして、松野池と、調整池の二個所は、今月中に着工の予定で、今地元と利害を調節することにいたしております。簡単に申しますと、用地の点、補償の点をやっておるわけであります。御承知の通り、ダムでも幹線水路でも支線水路でも、事業の着手進行に一番大きなことは、最近では用地問題、補償問題でございまして、その点で過去においても、たとえば牧尾橋ダムでは十カ月の補償交渉を要しましたが、年末に妥結をいたしました。幹線水路関係では、現在でもそういうことは起きておりますけれども、地元の御協力のもとに、絶対反対というようなことはございませんで、条件的な、あるいは希望を入れよという御要望があるので、これと設計をにらみ合せて調整中のわけでごいます。これも本年度相当量着手できまして、事業が進捗する見込みであります。  支線水路も、原則は一般の場合、企業ないし団体営の事業に当るところでございますが、これは愛知県庁に公団が委託しまして事業を行うことになっておりますが、資金の用意はできております。幹線水路とくっつきまする重要な支線水路は、公団が直接にやることになっております。これは三好村その他下流から着手しても悪いことではございませんので、すでに区画整理等をあわせながら実施をいたしておるのであります。  以上のような概要でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 非常に詳細な御答弁をいただきましたが、私の聞かんとするのは、三百三十一億円の資金で、今後やれないというような事態はできないかどうか、またそうした場合には、受益者負担等が相当かさんでくるような心配はあるかないか、今の想像からいたしますと、工事完了から十年ぐらいは三千二百円ぐらい、そうすると、一町歩としますと年三万円、あの地帯の農業経営形態を見ておりますと、これは私はなかなか大へんだと思うのです。水利費とかその他の日常のものがかかって参りますから、なかなか大へんだと思います。当初においては、こういう負担になるとは想像していなかった。ところがだんだんふたをあけてみると、こういう結果になってきておりまして、十一年以降になりますと、それが約二千円前後に落ちてきますから、この程度のものであれば、むしろ当初において低めて、そうして生産力がついてくるに従って受益者負担を高めていくような線に落ちついていくと、非常にいいのではないかという感じを私は持っております。これは余談でありますが、とにかく受益者負担に大きな影響なくしてこの工事の完遂ができ得るやいなやということに、われわれは問題がかかっておると思う。  それからいま一つは、そういう順調な進め方が現在見られるわけですが、そうした場合に、こういうケースを他にも日本の開発計画上適用し得るようなところがあるかどうか、この経験から見て、こういうやり方で進めて可能な地帯というようなものがあるのかどうか、農林省の農地関係の中心に立っておられる安田さんが見られたところで、そういう点で何か聞いて参考になることがあったら伺いたい。実際これきりのものですか、これはこうなったから今度は他へもっと適用してこういうものを考えたいとか、そういうあなた方の自己批判に基く他への適用性の問題を一つ伺います。  それから他の質問はあとへ残しますが、最後に通産政務次官にお願いをしておきます。さっきの話の続きで、新規の工業立地の地区指定の問題でありますが、私は新しい総合国土開発の一環として、こういう方向へ進んでいくととが、他の農地やあるいは農業関係の開発にチェックをして、こっちへ重点を持ってくるということであれば、賛成いたしかねます。少くともこれはこれとして、他との関係で総合性をもってぐんぐん進められていくということにつきましては、非常にいいことではないかと思うのです。むしろそのおそきに失しておるし、またきわめて僅少な経費であって、効果もなかなか期待できないではないか。もっとこれを充実徹底させていくようにさらに御努力を願うと同時に、先ほど述べましたように、相互調整と連絡という点について欠けることのないように、運営方法を十分御考慮を願いたいということを希望を申し上げまして、私のきょうの質疑は一応これで終ります。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田説明員 お話の点は、今後もなお慎重に検討を要することと思います。目下の段階は地元の農村の方々に同意を得ておりますので、旧田畑地とか、開墾畑地等について、よく農民の方々が土地改良区の中で相談されたことに基きまして、負担の度合いが適切にいくように考えていきたいと思います。  第二の点は、従来農業用水内部でも、国、県営、団体営、あるいはその末端の小団地の工事が、水系別、土地改良事業別に必ずしも一貫して歩調をそろえて行われておらなかった点もございますし、さらに発電と農業用水関係では、上流、下流の関係等もございましたり、資金調達の点もございまして、発電が進み過ぎて、農業用水がとかくおくれがち過ぎるということなどもあり、その他の関連事業と農業関係も同様の関係にございますので、従いまして、この見地から立ちますと、愛知用水のもって特徴とする数点あるうちの全部とはいいませんで、その中の大部分のいいところは、これを適用できれば非常にけっこうだと思うことが、他の地域においても多い。すでに着手しましたものはなかなかむずかしいでありましょうが、例を申しますと、昨年度、この国会で構想を申し上げましたが、利根川の総合開発などでは、そういうこともあった。その他いろいろございましょうが、全く適用がだめだとは思いません。ただ公団でやりますと、人件費がかかりましたり、公団のできた沿革が、外国の資本を入れるという動機からも来ておりますので、そういう点は排除した方がいいんじゃないかと思うのです。ここで公団方式については検討を要すると思います。

篠田弘作自由民主党

○篠田委員長 先ほど足鹿委員から、当委員会の運営につきまして、委員長に御希望の御発言がありました。足鹿委員の言わんとしておらるる趣旨は、委員長におきましても全く同感であります。当委員会の特別の性格にかんがみまして、特に考慮する必要があると思います。できるだけの工夫をこらし、また御相談を申し上げまして、御期待に沿うような運営をいたしたいと思います。  次会は、来る八月九日午前十時三十分より開会いたすことにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十三分散会

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