公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/08/09
会議録
○早稻田委員長 これより会議を開きます。 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。明年四月、五月ごろに施行せられる予定になっております地方選挙の問題について、質疑の通告があります。これを許します。山下榮二君。
○山下(榮)委員 自治庁に伺いますけれども、先般、新聞紙上で、明年の地方選挙に対して、統一を期したいというための臨時措置法を、次の国会に提出するという記事を拝見いたしたのであります。まず、来年行われる地方選挙の、一体何月から何月までの間を統一されるのか、その期日を伺いたいのであります。
○兼子説明員 お答えいたします。明年春予定されております地方選挙につきましては、昭和二十二年、二十六年、三十年とも、それぞれ統一して実施されておりますので、任期満了が、相当多数の団体におきまして、四月に集中いたしておるのでございます。そういう関係から、明年におきましても、四月の選挙は、これを統一して行うようにいたしたい。そういたしますことが、管理の間違いを防止することができますし、また選挙民の選挙意識の向上もはかることができる、このように考えております。四月の任期満了のものを統一いたしたいと考えております。ただ、前回の期日統一の法律におきましては法律の施行の日、すなわち一月から、これを一月以後の選挙につきましては、四月に統一いたしたのでございますが、あの当時におきましては知事や市長等で、まだ任期があるにかかわらず、早く辞任をして、選挙をして、その選挙に御自身が立候補する、こういう現象があったのでございますが、それにつきましては、昭和三十一年の三月十五日に選挙法が改正になりまして、そういう任期があるにかかわらず、早めに辞任いたしまして、それを事由とする選挙には、知事と市長は立候補できない、こういう規定が改正で入りましたので、そういう早めのものをくくる必要はないのではないか。また実際問題として、町村合併等で三月に選挙が施行されるのがあるわけでございますが、選挙法の原則で一カ月前に行い得る関係上、これは三月上旬に選挙できる、このように考えておりますので、四月に選挙をいたしたい、このように考えております。
○山下(榮)委員 それではただ単に四月中に任期が満了し、四月中に行うべき選挙を統一するだけであって、今お話しになった三月中に行わなければならぬものは三月中に行う、あるいはまた、五月に任期が満了するというものがある場合は五月に行う、こういうふうに解釈していいのでしょうか。
○兼子説明員 前回の期日統一の法律では、四月を中心にいたしまして五月二十日まで、御承知のごとく四月の選挙に期日を統一して行なったのでございますが、これは原案が四月二十日に期日を考えておりまして、それから一カ月後の五月二十日、こういう原案の考え方が残りまして、四月三十日になりましても、五月二十日という日にちが残っておったのでございますが、今回は同様の考え方から四月三十日にくくりますと、その一カ月後の五月三十日までに任期を満了する選挙だけは、やはり法律の原則に従いまして四月にでき得るわけでございますから、これは四月三十日に統一していいのではないか、このように考えております。
○山下(榮)委員 次に伺いたいと思うのは、四月二十三日に府県知事並びに同議員の選挙、四月三十日に市町村長並びに同議員の選挙、こういうことを大体考えておられるようでありますが、そうしますと、この間に一週間の時日があるわけですが、これをもう少し縮める方が便宜ではないのかということを考えるのが一つ。それから、やはり府県会という大きな方の選挙を先にやる方が、便利だというか、いいという考え方、これをちょっと伺いたいと思います。
○兼子説明員 ただいま考えております四月二十三日と四月三十日、これは前回の選挙におきましても、御承知のごとく都道府県と五大市が四月二十三日、市町村が四月三十日に選挙を行なったのでございます。この一週間の期日を、さらにいま少し接近させる方がいいのではなかろうかという御説でございますが、これは次の四月三十日に行われます選挙について考えてみますと、あまりに接近いたしますと、選挙の盛り上る運動期間が、やはり一週間程度は必要ではなかろうかということが考えられますことが一つ。また選挙管理上、二十三日に府県の選挙をいたしますと、二十三日、四日は開票で、これはその方に手がとられるわけでありまして、また選挙会等もございますので、市町村の選挙の運動が盛り上るという期間と、一方の選挙管理の必要な期間というものを考えますと、やはり一週間程度はぜひ必要ではなかろうか、このように考えております。
○山下(榮)委員 県会の選挙を先にやりたいという考え方はどうですか。
○兼子説明員 府県の選挙を先にするという考え方は、昭和三十年の統一法から、これは国会で議員提案でおきめいただいた考え方でございますが、その制定の理由を考えてみますと、何と申しましても有権者の関心は、府県の団体よりも、市町村の団体の選挙の方が強いということは、一般に言い得ることと思うのでございます。そういう意味から申しまして、府県の選挙を先にいたしまして、それから市町村の選挙をあとにいたします方が、選挙に対する考え方、投票率と申しますか、そういうものから見ますと、その方がいいのではないかというふうに考えられるのであります。逆に市町村を先にして府県を後にいたしますと、どうしてもその二度目の選挙と申しますか、有権者から見ますと、府県の方が関心が非常に薄くなって、先ほど申し上げました考え方よりも、有権者の全面的な参加を期待するという見地から考えますと、案としては悪くなる、このように考えております。
○山下(榮)委員 もう一つ伺いたいと思うのですが、自治庁の考え方では、市町村の長と議員とが同時、府県が知事と議員が同時、こういうことになっているのですが、昨日の新聞を見ますと、京都ですか、五大市の市議会の議員の選挙を、府県と同期日にしてもらいたいという要請書を出すとかいう記事を拝見したのであります。これは私が察するところ、選挙運動の期間が、府県会の期間と五大市とは、同一ではないかと思うのですが、そういう関係からその方が便宜ということですか。そういうことも考慮されるのじゃないかと思うのですが、これに対して、一体自治庁は、府県の期日と同一に五大市を取り扱うということに対しては、どうお考えになっているか、伺いたい。
○兼子説明員 御承知のごとく、前回の続一選挙におきましては、五大市を府県と同様に四月二十三日に執行いたしたのでございます。多いところは四つの選挙になるわけでございまして、これは具体的に申しますと、大阪市と横浜市でございますが、四つの選挙を同日に行うということになりますと、有権者が非常に混乱しやすいと申しますか、そういう意味からいって、当時、四つの選挙は避けるべきであるという議論があったと思うのでございます。しかしながら、運動する方の立場の考え方からいきますと、やはり一般の市町村と違って、五大市の特性から見て、従来、区会議員と市会議員が兼職しておった昔の例もございますし、またそういう両方に席を持った経歴の方があるわけでございますが、そういう意味からいって、また運動期間も、御指摘のごとく同一でございます。実際の運動の実態面からいうと、府県と五大市の議員を同日に選挙してもらった方が、実情に合うのではないか、このような意見があるわけでございます。そういう運動をする方の立場の考え方を主にするか、あるいは四つ選挙が重なって有権者が困りはしないだろうかという心配、そちらの方の考え方を主にするかという考え方によりまして、案が分れてくるのでございますが、一応、まだきまったわけじゃございませんが、私どもといたしましては、前回の四つの選挙は、やはり非常に重なり過ぎておる、一般の市町村と同様に、二つずつの選挙にした方がいいのじゃないかという意見を一応とりまして、現在考えておる次第でございます。
○山下(榮)委員 最後に一つだけ。この法律は、次期臨時国会に提出される予定でございますかどうか。
○兼子説明員 ただいま研究しておりまして、臨時国会に提出いたしたいと考えております。準備をそのようにいたしております。
○山下(榮)委員 よろしゅうございます。
○早稻田委員長 森三樹二君。
○森(三)委員 私は、選挙の公正についてお尋ねしたいと思うのですが、過ぐる総選挙において、いろいろたくさんの違反事件が起きていますが、これがまだ遅々として跡始末がついておらないようです。私は、特定の個人の氏名をあげて、いろいろ説明を聞きたいと思いますけれども、それはいろいろ遠慮もあります。ここに中川刑事局長もおりますが、実際問題として、選挙違反の取調べというものは、迅速にしなければならないことは、法に明定されておるわけです。ところが、この迅速にしなければならぬところの選挙違反の取調べが、選挙が済んでから二カ月以上も過ぎておるのですが、いまだに遅々として進まないのは、どういうわけかと思うのです。これは、あなた方の方も一生懸命やっておられるでしょうけれども、われわれとしては、非常に納得できないものがあります。これについて、概況でよろしいですから、お話しを願いたいと思うのです。
○中川説明員 森委員の御意見のように、選挙違反事件、ほかのことも同様だと思いますが、特に選挙違反事件は、迅速に処理いたしませんと、目的達成の仕方が少いということは、同様に考えております。われわれ捜査関係といたしましては、選挙違反事件の迅速処理という点につきましては、大へん苦心いたしております。現在、過ぐる総選挙の選挙違反事件の件数とか人員とかいう点につきましては、この前の選挙違反とおおむね同様の件数、人員になっております。その状況も、もちろん急いでやっておりますので、まだ結末がついてないという事件もございますけれども、大勢としては、第一審の判決を受けたものもあり、あるいは略式判決を受けた、こういうものもありましょうし、また検察庁の段階において、公訴をするかしないかという点について、検討中のものもございますけれども、われわれも同様に急いでやるという点について、大いに努力しております。従来の選挙に比べて今回は特におそい、こういう数字も、まだ出て参りません。大体この前の選挙と同様の状況である、こういうようなことでございます。
○森(三)委員 最近の新聞では、千葉県の福井順一君が起訴されているという問題が出ましたし、しかも、その弁護に当っている者の偽証教唆なんかも起訴されております。ところが、国会が開会になって出てきまして、逮捕の請求までされて、あれほど国会でもって大きな問題となって、逮捕するとかしないとかいって、あなた方は逮捕を要求された側と私は考えるのですが、その高石幸三郎君の問題については、まだ起訴、不起訴がきまらないのは、どういうわけでしょうか。国民は、非常に疑惑を持って見ていると思うのです。あれほど国会でもって大問題にして、憲法の保障までもこれをやめて逮捕しなければならぬといって、あなた方は要求されておったでしょう。それが、六月十日に国会が召集されて以来今日まで約二カ月になったわけですが、いまだに起訴をしたということも聞かないし、また不起訴にしたという話も聞かないのですが、これは非常に不明朗じゃないかと思うのです。これは当局として非常に責任があると思いますが、いかように考えておりますか。
○中川説明員 過般の国会で、国会法によりまして逮捕要求の問題が出ました事件の処理でありますが、あの高石代議士にかかる被疑事件につきましては、その後捜査を続行いたしておりまして、今、検察庁の段階におかれまして、起訴するか起訴しないかという点につきまして御検討中でございます。若干捜査の点が残っておるように承わっておりますが、そういう点は、検察庁の段階におかれましても、大へん急いで御決定になるような心組みで捜査を急いでおられますので、そう長い期間でなしに、近い将来においてその処分の決定があろうと思います。
○森(三)委員 とにもかくにもあれほど大きな問題で、与党は逮捕すべからず、野党のわれわれは逮捕すべきであるという賛成の意思を表明したわけです。国会においても、二つの意思が表明されてきておるが、多数をもって許諾すべからずという意思決定がされたわけであります。しかりとするならば、国民は、この選挙の公正というものについて、その成り行きに非常な関心を持っておるわけであります。私なんかも、大きな関心を持っておる一人ですが、それが六十日たっても、いまだに未解決のままである。私どもはあえて起訴することを欲するものではありませんが、しかし、あれほどまでに検察当局が、議員の身分の保障までも押し切って逮捕しなければならないと言っておられたものが、どうもうやむやになりそうだということについて、もし起訴しないとするならば、どういうことによって起訴しないのかということを発表しなければ、国民は納得しないのじゃないかと思います。そうしないと、何だか長いものには巻かれろ、われわれ下層の者はちょっと犯罪を犯しても、すぐ逮捕されたり起訴されたりするが、上層部は、何とかかんとかいって起訴を免れて恥なしというようなことになるのじゃないかという印象が、相当強いように思います。私は、一々は申し上げませんが、私どもの方の選挙区においても、相当大きな選挙妨害があった。それも、いろいろ調べてみるのだが、さっぱり進捗しない。これは、私は、あながち検察当局の怠慢とも思いません、捜査の困難性もあることと思いますが、しかし、選挙法に、捜査その他については、他の犯罪よりも優先してやらなければならないという規定もあるわけでありますし、時間がたてば、やはりぼけてしまいますから、せっかく莫大な捜査費用を使い、選挙の公正をわれわれが唱えてきておりながら、このようでは、選挙の粛正というものは行われないのじゃないかと思います。それは、中川さんも非常に御努力なさっておられますが、さらに、もう少し決意を重大にされて、国民の納得するような捜査をしていただきたいと思います。 そこで、これは六月二十二日に行われました一つの町村の問題ですけれども、北海道の釧路国阿寒町という町の町長選挙が六月二十二日に行われた。そのときに候補者が二人であって、一人は大野直栄、一人は太田という者であったのですが、その一方の太田派というのは、とにかく町村長の選挙でありながら、実額三百万円程度の金を使って、半年以上も前から買収にかかっておった。選挙中においても、砂糖を何斤とか入れた箱を百軒も配ったとか、あるいは菓子折を百軒も二百軒も配ったとか、それから千円札をのし袋に入れて配ったということも聞いております。そういう事実がありまして、それを今度警察に告発というか申告したのです。ところが、警察はそれを発動しないのです。そんなばかな話はないじゃないかといって、私らもずいぶん言ったのですけれども、警察は、現にもらった人が、お金を千円持ってきたので困るといって、警察に戻しに行っている事実があるにかかわらず、その捜査を進めない。これは、私は不可解にたえないのですけれども、そういうことが、一体、現実の日本の警察において行われておるとするならば、これは重大問題です。もっとも、東京のあの第一区の選挙等について、某候補のためならばと、警察官が見張りをしながら戸別訪問をやらせたという事実も、いろいろ私も聞いておりますが、今度の、私が申し上げる北海道釧路国の阿寒町の町長選挙においては、そういう買収容疑というものがあがって、そうして、もらった人が始末に困って、砂糖や金なんかを警察に持っていっている。それを一体どうして取調べをしないのか。私も、ずいぶんそのことについて、人を使いにやって警察を督励したのだけれども、警察は、さっぱり動かない。これじゃ、とても選挙の公正も保てるものでもない。私は、こういうことは、しばしば聞いておりますが、現実にぶつかって驚いておるのです。中川さんも初耳だろうと思いますが、一つ責任を持ってお調べを願って、次回の委員会には御報告をしていただきたい、私はかように思っておるわけです。
○中川説明員 ただいま御指摘のありました北海道の釧路国阿寒町の事件につきまして、お話のように、私、初めて承わりますが、よく調査いたしたいと思います。一般的に申しまして、われわれ捜査官憲といたしましては、厳正に、しかも公正にやるということについては、責任を持ってやって参りたい、こう考えております。それで、ほかの犯罪もそうかもしれませんが、とりわけ選挙違反につきましては、その事件が大へんむずかしいという点は、森委員も御承知いただいていると思うのですが、目的罪になっている。それで、当選を得る目的の関係を明白にしないと、犯罪が立件できないという隘路がございます。その隘路を克服しながらやっておりますので、その点は、一つ御了承を願いたいと思います。
○森(三)委員 もちろん、申し上げますが、これは選挙期間中に行われ、また選挙期間前に行われた問題でありますから、その点も十分御調査を願いたいと思います。 そこで私は、青木長官も見えましたので、ただいま申し上げた町長選挙にからんでお尋ねしたいのですが、その選挙の結果は、大野という人が四千七百八十三票、太田という人が四千七百八十八票で、たった五票の差の選挙だった。これはだれが見ても、全然問題にならない選挙だといわれておった。もちろん、そんな選挙のことですから、予断を許さない問題ですが、しかし、常識的に全然問題にならない選挙が、ここまで差を縮め、しかも一般から負けるだろうといわれた人が、勝ったという結果が起っているのです。その反面、莫大な買収が行われておったということが、明るみに出たわけです。と同時に、その選挙管理委員会の事務上の違背といいますか、故意だと思われるような節がたくさんある。それは、選挙が済んでしまったあとに、投票用紙の残部を焼き捨ててしまったというのです。これははっきりしている。これは私は、兼子さんにも、事務上お尋ねするのですが、どの選挙ならどの選挙に関して、有権者が何票ある。有権者が、たとえば一万二千票ある。そうしますと、もちろん、有権者の数だけの投票用紙は置かなければならぬでしょう。と同時に、投票用紙の余分のものも置くのかどうか。これは実際上の問題として、もちろん有権者がふえる場合もありますから、多少余分を印刷しておくのだが、選挙が済んでしまって、残りの紙というものは焼くべきものか、焼かないものか。私は、事務上とすれば、焼くということは、できないのじゃないかと思うのです。一体、何枚なら何枚のものを印刷して、有効投票が何枚あって、残った紙が幾らあるということで、特に明確にしなければならぬと思う。かって徳島県の選挙管理委員会では、五十票の束を選挙管理委員会の委員が持ち出していって、それを売買したことは、兼子さんも御存じだと思う。これは青木長官も御存じだと思う。そういうおそろしいことが、かつて市会議員の選挙の場合、徳島市の選挙管理委員会において行われた。五十票の束を持っていって、それを三万円とか五万円で売ったのです。そうしてそれに名前を書いてきて、自分が選挙事務を取り扱いますから、ポケットに五十票の束を置いておいて、名前をすりかえた。乙という名前を書いていって、甲の投票用紙とすりかえたのです。これは開票日の一ぱい混乱しているときですから、やろうと思えばできるのです。そういう問題が徳島県にあった。 仙台の市長選挙の問題で、四十六票か四十七票ぐらいの束を、五十票にして勘定してしまった。そうしてこの前の岡崎という人が当選した事実があった。それを私どもが、この選挙委員会で、当時、兼子さんだったかにいろいろ質問して、とにもかくにも、仙台の市長選挙というものは、無効のところまでわれわれは持っていった。もちろん、裁判までもして、最高裁判所で無効の判決を得て、そうしてやり直しをして島野君が当選をしたわけです。われわれ、過去におけるいろいろなそうしたところのおそるべき選挙管理委員会における事務員の不正というものも十分知り、またそれを監督しなければならぬと思う。これは、やはり兼子さんや青木長官の責任だと思うのですが、これに対して、投票する人間や選挙運動をする人間だけの不正が選挙違反だと思ったら、これは当てが違うのであって、現に選挙事務を管理する人間の公正な事務の取扱いというものが、一番先に要求されなければならぬ問題だと私は思うのです。過去に、いろいろな問題があったことは、青木長官も兼子さんも知っていると思うのですが、こういう問題について、あなた方は、常にどういうような監督や啓蒙や責任をおとりになっているか、一応お尋ねしたい。
○兼子説明員 選挙の管理、執行につきましては、選挙の公正を確保するために、選挙管理の委員並びに職員が、最も厳正公平に執務をしなければならぬということは、御指摘の通りでございまして、私ども、あらゆる機会に、そういう精神と申しますかを強く堅持するように、指導をいたしておるのであります。たまたま御指摘のありました過去の徳島におきましては、これは非常に不祥事と申しますか、選挙管理の応援に来た職員の選挙犯罪が発覚いたしたのでございますが、そういう点につきましては、人の採用あるいは従事をさせるときにおきましても、十分注意をさせるようにいたしておるのでございます。なお、それ以外の選挙管理上、事務執行上、あやまってやる場合がなきにしもあらずでございますが、そういう事故の防止につきましても、選挙のつど、私どもが十分に注意をいたしまして、今回の総選挙の執行におきましては、全国的に見まして、従来になくそういう面の事故は少かったといって、喜んでおる次第でございます。 ただいま阿寒町長選挙事件におきまして、選管職員が残部の投票用紙を焼却したということを、御指摘になったのでございますが、私ども十分調査いたしまして、いずれにいたしましても、その町長あるいは議員の任期間、関係の書類等は保存いたさなければならないものと考えておりますので、今後そういう点につきましては、指導上は十分注意をいたしたいと思いますが、具体的な事例につきましては、十分調査をいたしたいと思います。
○森(三)委員 私が今申し上げたこと、残部の投票用紙を焼いたということも、一つメモにして書いておいてほしいと思います。投票用紙を何枚印刷して、そうして有効投票が幾らであって、無効投票が幾らである、そうして紙は何枚残っておるかということは、当然ちゃんと整理しなければならぬことだと私も思っております。それを焼いてしまったというようなことは、まことに不穏当といいますか、われわれとしては、納得できないものが多々あるわけです。こういうことは、自治庁あたりは、やはり絶えず訓練といいますか、指導をしなければならぬと思うのですが、そういうことについて、青木さんあたりは、多年選挙法の委員もされ、御検討になっておると思う。もちろん大臣として、そういうようなことについては、いろいろお考えもあると私は思います。あなたは、自治庁長官としての責任を遂行し、この重大な選挙を指導しなければならぬ責任がありますが、どういうような御決意で今後やっていかれるか、一言だけ御所見を述べていただきたいと思います。
○青木国務大臣 お話しのように、選挙管理委員会が選挙の事務を管理、執行するに当りまして、これはどこまでも厳正、中正であり、またその取扱いにおいて過誤があってはならぬことは、全くその通りであります。選挙管理委員会の方々も、その点におきましては、常に不断の研究等もやっておるのでありまして、今回の選挙におきましても、終了後、全国の選挙管理委員の方々の、これはこの前の選挙でもやったのでありますが、会合を開きまして、そうして部会に分れまして、それぞれ問題を分けまして検討いたしました。また自治庁の方からも、係官がそこに参りまして、お互いに、今回の選挙の実績にかんがみて、改善すべき点があれば改善する、またあやまちのあった点は、そのあやまちをどうすれば将来なくすることができるか、こういう検討を、単に一ぺんの会議でやるということでなしに、幾つかの部に分けまして、そうして選挙管理の方々に出てもらい、自治庁の係官の方からも出まして、十分私どもの考え方も徹底をはかり、また管理委員会の方方の経験もよく聞きまして、不断に一つそういうことを研究していこう、こういう心がまえでやっております。お話しの点、まことにごもっともでございますので、私ども、さらに一そう——管理委員会というものが、終戦後初めてできた制度といたしましては、ともかくここまで順調にやってきた、しかし、さらに一そうこの選挙管理委員会というものが、本来の使命を完全に果すことができるように、不断の努力と研究を重ねていきたい、かように考える次第であります。
○森(三)委員 長官は決意を表明されましたが、いよいよ明年は参議院、それから知事、それから都道府県会議員、それから市町村と、各種の選挙が非常に多く行われます。この前行われた参議院の全国区選挙において、御承知のように栃木県ですか、栃木県の佐野市における候補者の所属党名を誤記した問題、これがついにその選挙の無効の判決が下って、選挙をやり直したことは、青木長官も御記憶があると思いますが、とにかく選挙がたくさんあると、しかも参議院の全国区ということになりますと、たくさんの候補者の名前を、一ぱいあの掲示板に書かなければならぬ。書くときに、間違いも起るだろうと思いますが、しかし、それが起きたら大へんです。たとえば、社会党と書くのを自由民主党と書いたり、あるいはその他間違って書くということになると、ほんとうに大へんです。また選挙をやり直さなければならぬ。その候補者にとっては、致命的なものです。ですから、私は、今からよほど決意を新たにして、万全の態勢を示されないといけないと思う。青木長官も兼子さんも、いよいよ来年の大選挙を迎えて、よほど選挙管理委員会等の決意と訓練を行わなかったら、大きな間違いを起すのではないかと私は心配するわけです。それが起きたら大へんです。前回のあのような投票を間違えて書いて、また選挙をやり直すというようなことは、候補者にとっても大迷惑であるし、またあなた方の責任としても、重大なものです。一つ十分お考えを願いたいと思う。 そこで、続けて申し上げますが、先ほどの町長の選挙にからんで、百二十九人の不在投票が行われましたが、この不在投票を行う場合には、法の第四十九条の規定等の、選挙当日にみずからが投票に行けないというようなこと、それに対する一つの証明する文書その他を備えなければならぬと思いますが、それに対する御見解はどうですか。
○兼子説明員 不在者投票につきましては、公職選挙法の四十九条の第四号までの規定に従って、それぞれの要件を備えなければ、御承知のごとく、不在者投票はできないわけであります。また不在者投票手続につきましては、政令の五十条以下に規定いたしておりますので、その規定の手続に従って執行することに相なっておるのでございます。
○森(三)委員 とにかく、それが百二十九人という多数にわたって投票が行われた。しかも、それが何ら本人であることを立証する書面もなければ、また疎明することもなくこれを行なったという問題で、現在選挙管理委員会に無効の申し立てが行われておる。近々それに対するところの選挙管理委員会の結論を表明しなければならぬような段階になっておるそうです。この点も、一つ十分調査をして、当委員会に報告していただきたいと思います。どうしてそういうようなむちゃなことをやるか。とにかくルーズというか何というか、かつて山梨県では、衆議院の選挙のときに、あまり棄権率が多くなると工合いが悪いというので、選挙管理委員会が、七人か八人の候補者について、平等に投票用紙に名前を書いて投票したことも、あなたは御存じだと思います。架空な投票を選挙管理委員の者が、事務をあずかっている者が、勝手に投票用紙に名前を書いて投票した、そしてその選挙が無効になったことも、あなたは御存じだと思う。とにかく、棄権率を低めようと思って、たとえば千票なら千票のものを、十人の候補者に平等に百名ずつ書いてやれば、結果は同じでも、その町村の投票率というものは非常によくなる。だから、各町村でそういうようなことをやられては大へんだと思う。いなかでは、そういうことまでやる。あまり棄権率が多いと、自治庁あたりからおしかりを受けると思って、お互いに話し合って、どの候補者にも三十票、どの候補者にも五十票と名前を入れてやる、そういうことが行われた。とにかく、そういうルーズなことが行われては大へんですから、この場合も、一つ十分お調べを願いたいと思います。 それから、八票の他事記載があったというお話、これは判例からいっても、敬称はもちろんいいことになっておりますが、他の他事記載については無効だという判例もあるようです。しかし、その点についても、私は非常に疑問を持っているのです。単に敬称だけに限っていいのか、あるいは点をぽつんと打ったのが有効か、無効か、そういうような点も多々あると思いますが、りっぱに名前を書いてあるのだが、何か他事を記載したというので、八票のものを無効投票にした。一方のものは、八票が有効投票になれば、結局五票の差で負けたのだから、逆に三票勝つという結果が現われる。それはどういうようなものであって、果してそれを無効と認定するのが正当なのかどうか、その点も十分調査されて、当委員会に報告を願いたいと思います。
○兼子説明員 具体的な阿寒町長選挙事件につきまして、不在投票の事実、執行の事実の点につきましては、十分調査いたしたいと思います。 また投票の効力判定の問題は、これは具体的には非常にむずかしい点があろうかと思いますが、具体的に阿寒町におきましてどういう効力の判定をやっているか、あわせて調査をいたして参りたいと思います。
○森(三)委員 大体この町長選挙に関する問題は、この程度にしますが、ここで私は、最後に、政府委員並びに各員に申し上げたいのです。とにもかくにも、選挙というものが民主政治の根幹であることは、言うまでもありませんが、とにかくわれわれは、やはり選挙というものは、あくまでも公正に行わなければならぬ。その行うべき選挙が、不正に行われ、しかも、その選挙の事務を取り扱うものが不正を起すことがあっては、憲政史に一大汚点をつけるものと思うのです。今後、これからいろいろ補欠選挙もありましょうし、そうしてまた、来年は大選挙を迎える年になっておりますので、一つ当局においては、一そう御検討をされて、間違いのないようにしていただきたい、このように申し上げて、私の質問を終ります。
○早稻田委員長 ほかに御質疑はございませんか。——なければ、本日はこれにて散会いたします。 次会は、公報をもってお知らせいたします。 午前十一時四十三分散会