公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/07/08
会議録
○早稻田委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび委員各位の御推薦によりまして、当委員会の委員長の職につくことになりましたことは、まことに光栄に存じます。委員会運営に当りましては、ふなれな私でございますので、練達たんのうなる皆さんの御支援と御協力を、ひたすらお願いする次第であります。この重大なる職責を大過なく果すことができれば、まことに幸甚と存ずる次第であります。 何とぞよろしく御鞭撻のほどを、この際特に御願い申し上げて、ごあいさつといたします。よろしくお願いします。(拍手) それでは、この際、国務大臣より発言を求めておられます。青木国務大臣。
○青木国務大臣 私、まことに不敏でありますが、このたび、はからずも自治庁長官の重責をにないまして、選挙に関する事項を所管いたすことになりましたので、よろしく御指導御鞭撻のほどをお願い申し上げます。当委員会の委員の皆様方には、常に選挙制度の問題に関しまして、深い御造詣を持たれ、また長くこの問題について、御検討を重ねていらっしゃる方々でありますので、今後、選挙制度改正を中心とする問題につきまして、格別の御支援御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。 なお、この機会に、選挙制度に関する私の所懐の一端を申し述べますと、衆議院議員の選挙につきまして、小選挙区制の問題が、数年来問題になっておるわけでありまして、私個人といたしましては、もともと二大政党対立のもとにおける議会政治の健全な発展をはかる見地からいたしまして、賛成をいたしておるのでありますが、しかしながら、この問題は、申し上げるまでもなく、その影響するところがきわめて重大であり、また憲法に付属する選挙法の最も大きな問題でありますので、今後も慎重に検討いたして参りたい、かように存ずる次第であります。 なお、参議院議員の選挙に関しましては、全国区制の問題について、目下、選挙制度調査会において御検討を願っておるのでありまして、政府といたしましては、調査会の答申を待ちまして、さらに、その上で慎重に検討いたしたい、かように存じておる次第であります。 また、従来の選挙の実績にかんがみまして、選挙を真に公正、明朗なものにするためには、制度の面におきます改善と並行いたしまして、いわゆる公明選挙に関する常時啓発を、さらに強力に推進しなければならぬと存ずるのでありまして、当委員会におきまして、前々から、この常時啓発の問題につきまして、格別の御協力をいただいていることは、まことに感謝にたえぬ次第でありますが、何とぞ今後もこの問題につきましても、一そうの御指導御鞭撻をいただきたいと存ずる次第であります。 以上、簡単に私の所懐の一端を申し述べたのでありますが、就任なお日も浅いことでもあり、また問題がきわめて重要でありますので、私といたしましては、各方面の御意見を承わって、しかる後に、私自身の考えもきめ、また政府としての考え方もきめたい、かように存じておりますので、まことに抽象的なことを申し上げまして恐縮でありますが、今後、皆さんの御教示を仰ぎ、一そう勉強して参りたい、かように存ずる次第であります。何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○早稻田委員長 次に、黒金政務次官より、あいさつをいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。黒金政務次官。
○黒金政府委員 自治政務次官を拝命いたしました黒金であります。 選挙法関係につきましては、まことに経験も乏しく、浅学非才の者でございますが、政府と国会との間の連絡なり、円滑なる議事の運営につきまして、誠心誠意事に当って参る決意でありますので、何分ともよろしく御協力と御鞭撻のほどをお願いいたします。(拍手) —————————————
○早稻田委員長 加藤高藏君。
○加藤(高)委員 新しくお迎えいたしました青木自治庁長官に、一つ質問したいと思います。 それは、今後の私どもの委員会の審議のあり方といたしましては、先ほど自治庁長官のごあいさつのうちにもございましたように、小選挙区制度というものについても、慎重に研究して、私個人としては、この問題について賛成であるから、できるだけそういう方向に進めていきたい考え方であるというような御意図を、漏らされたのでありますが、この小選挙区制の問題につきましては、青木自治庁長官は、ことに御造詣が深い方でありまして、かつて前々国会に、問題になりました小選挙区法案が上程になりまして、国会自体、あるいは委員会が、未曽有の混乱に陥りました当時のこの委員会の理事といたしまして、つぶさにこの問題のむずかしさということにつきましての御認識のあることは、申し上げるまでもないところであります。私どもも、当時の委員といたしまして、その審議の過程を振り返ってみましたときに、わが党の考え方、また小選挙区制に対する心がまえということにつきましては、当時、あるいは行き過ぎ、あるいは時期的に見ても尚早であるというような感じが、なきにしもあらずというような考えにもなるのでありますけれども、小選挙区法自体といたしましては、二大政党対立下におきまして、ぜひとも必要であるというような考え方には変りないのであります。しかしながら、あの審議の過程において、あの混乱を引き起したことは、わが党におきまして、また当時の社会党におきましても、この問題に対する根本的な認識といいますか、研究、心がまえというものが、欠けておったのではないかと思うのであります。 私ども、このごろ新聞紙上で拝見いたしますと、わが党の総裁であります岸総理大臣も、小選挙区制の問題は、何とか実現したいということを語っておられます。また選挙制度調査会におきましても、参議院の全国区制の問題について、いろいろ意見が述べられているように聞いておるのであります。当委員会におきましても、必ず近き将来に、この問題につきまして、社会党の諸君とも議論し合う時期があると私は思うのであります。 そうしたことを考えましたときに、二度と再び混乱を繰り返さないという点から考えてみましても、私どもの委員会といたしましては、この小選挙区の問題、あるいは参議院の全国区制の問題につきまして、さらに見聞を広める必要があろうと思います。そうした意味から、憲政上における先進国でありますイギリスの議会制度、あるいは選挙区制の問題、あるいはまた民主主義の先駆者であるところのアメリカの実際上におきます選挙の実情、またヨーロッパ各国におきまするところの選挙区制、あるいは選挙制度というものについて、さらに、より以上の勉強が必要と思うのであります。ただいたずらに国内だけの、小さな日本人だけの考え方で、この問題を議論するよりも、私ども両党におきますところの理解を深める上におきましても、ぜひとも諸外国のいろいろな先例、あるいは実情を調査する必要があろうと思うのでありまして、この際、私、自由民主党の理事といたしまして、ぜひとも自治庁長官の御勇断を促しますことは、この委員会をして、諸外国の選挙制度の調査のために、ぜひとも外国派遣をせられることを要望するものであります。 一言申し上げておきます。
○青木国務大臣 加藤委員の御趣旨は、私、全く同感でありまして、いきさつを申し上げますと、一昨年になりますが、西ドイツの選挙が行われる前に、御承知のように、西ドイツが、小選挙区制と比例代表制を加味した選挙制度をやっておりますので、ぜひともこれを実際に調査いたしたい、かような考えのもとに当時、当委員会の皆さんとも御協方を願いまして、この問題に真剣に取り組んだのであります。ところで、申し上げるまでもなく、国会議員の海外出張は、国会側でこれを決定いたすことになっておりますので、いろいろ議運と連絡いたしたのでありますが、その当時、もうすでに海外出張の外貨がなくなっておるということでありましたので、私どもは、大蔵大臣にも交渉いたし、いろいろ、何とかしてその実現をはかるべく、努力いたしたのであります。ところが、何分にも、そのための予備費を出す余裕もなくなっておるということであり、議運の方で、もうこれ以上外貨を使う余地がないので、どうにもいたし方ないということで、ついに実現を見なかったのでありまして、私、そのとき、非常に残念に思ったのであります。 申し上げるまでもなく、こういう選挙の制度の問題は、もちろん、行政部においていろいろ調査することも必要でありましょうが、それにもまして国会自体が、もっと外国の例等を調べるべきであるというのが、私の年来の主張でありまして、そのことを、議運の方々あるいは国会の事務総長等にも、ずいぶん熱心に説いたのでありますが、そのこと自体に反対する人は、もちろんないのでありますけれども、何といたしましても、外貨がないということで、ついに実現を見なかったのであります。御承知のように、ことしの秋は、アメリカで中間選挙が行われますので、調査するのには、絶好の機会ではないかとも考えられるのであります。 ただしかし、御趣旨はまことにごもっともでありますが、自治庁といたしまして、国会議員の海外派遣ということに、役所の方でいたすことは、ちょっと筋が違う、というと語弊があるかもしれませんが、私の方としては、国会議員の海外派遣を、自治庁でというわけには参りませんので、やはり議運側あるいは党側にお願いするほかはないと思うのでございまして、そういう場合に、私は、もちろん自治庁長官という立場、さらにまた個人的にも、できるだけ御協力を申し上げることには、やぶさかではありませんから、皆さんの御要望が実現できるように、私ももちろん最大の努力をいたす覚悟であります。ただしかし、筋といたしまして、国会側の方にお申し出するほかはないのじゃないか、かように存ずるのであります。もう一つの方法とすれば、選挙制度調査会の方で調査するというあり方も、あるわけでありますが、選挙制度調査会の方は、ことしの予算といたしましては、調査のために海外派遣という要求は、実はしていはかったのであります。そういう関係がありますので、選挙制度調査会から派遣するという形でできるかどうか。予算がありませんので、これをするためには、予備費を別にとらなければならぬわけでありますが、予備費と申しましても、予定されておったアメリカの選挙のことでありますので、ちょっとこれは大蔵省の方で難点があるのじゃないかという気もいたしますし、できることならば、やはり国会側の方ら派遣するという形をとっていただくことが、一番いいのじゃないか、私はこういう考えがいたすのであります。
○加藤(高)委員 ただいまの自治庁長官からのお話によりますと、その趣旨には賛成である、しかし、自治庁としてはやることはむずかしい、国会あたり、あるいは選挙制度調査会の方からというお話がございました。委員長におかれましても、ただいまの趣旨を御了解いただきまして、この私ども委員の気持というものに対しまして、しかるべく善処されんことを強く要望いたします。
○青木国務大臣 なお、自治庁の方として、何かできる手があるかどうか、私どもの方でも、十分検討いたします。
○早稻田委員長 お諮りいたします。ただいまの加藤委員の御発言と同様な御発言が、先ほど開いた理事会においてもございましたので、今の海外派遣についての問題については、委員会の総意によって、今大臣のお説のように、委員長から議長へ申し入れることにいたしたいと存じますので、委員の御了承を得たいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。それではさよう取り計らいます。
○森(三)委員 青木さんにお尋ねしますが、先般の埼玉県選出の高石君の逮捕問題ですね、これは非常に不明朗な印象を国民に与えたと思うのです。しかも、国家公安委員長であり、また選挙法に関する自治庁の長官としてタッチされておった青木さん自身の考え方も、非常に不明朗なものがあったと思う。もちろん、同僚議員をかばうというあなたたちの気持が先行したのだろうと思いますが、あのようなぶざまなことは、今後ないようにしていただきたいと思います。そこで、とにかく国会は、自民党は逮捕に反対、社会党は逮捕に賛成したわけですが、多数をもって、国会の措置として、逮捕すべからずという結論が下ったのです。ところが、きょうここでいよいよ会期が終了するわけですね。そうすると、今晩の零時からこれを逮捕するかどうかについて、埼玉県の検察庁あるいは警察というものは、もうすでに意思を決定したと私は思うのです。新聞等を見ますと、大津検事正その他は、どうしてもこれを逮捕する。ということは、相手方、金をもらった方は、もらったと言っておる。やった方の高石側では、これはやらないと言っておるので、どうしても真相がつかめない。だから、やはり逮捕が必要だということを言っておるのでありますが、こうした問題について、青木さん自身がとられたところの態度、それから、今後、国民にこういう不明朗な態度を示さないために、私はあなたのきぜんたる決心を聞かしてもらわなければならぬ。この問題は、まだまだ解決がついておらない問題だと思います。
○青木国務大臣 高石代議士の逮捕許諾要求問題をめぐる国会側の、議運を中心とする問題につきまして、いろいろ御迷惑をおかけし、御心配をおかけしたことは、私も非常に恐縮に存じておりますが、ただ、私の基本的な考え方を申し上げますと、申し上げるまでもなく、現在の警察法におきまして、国家公安委員長というものは、捜査当局に対して、指揮命令すべきものでないことは、当然であります。私は、その線は、あくまでもかたく守って、その線を逸脱してはならぬということを、深く心に戒め、また実際におきましても、そういう態度を終始一貫とっておったのであります。ただしかし、私といたしましては、こういう考えがあったわけであります。国会側におきまして、任意出頭によって、すでに目的を達したならば、何も逮捕する必要はないのじゃないか、こういうお考えもあり、また実際問題として、逮捕許諾を承認する、承認せぬと言っている最中に、一方において、もう不起訴にして、逮捕する必要はないというような決定が出て、国会側と警察側と、そこに変な食い違いと申しますか、そういうようなことになっても、これは国会の議運の方々に対しましても、申しわけないというようなことも考えられますので、私といたしましては、もちろん、県警察の本部に対し、命令することが法律上できないばかりでなく、政党出身の大臣というものは、そういう問題に、いやしくもくちばしを入れるようなことがあっては相なりませんので、そういうことは慎しまなければならぬということは重々心得、またその考えでおったのでありますが、ただ、国会の情勢を警察庁長官に知らせるということは、当然やるべきでありますので、こういう情勢であるということだけは、私としては、警察庁長官に連絡もいたし、国会の方で決定する段階に至って、そこでもう逮捕をする必要がないとかなんとかということになっても、これは変なことになりますので、国会側はこういう状況だということだけは連絡をいたした、こういうことでありまして、そのことが、何か私どもが警察側に対して、ある力を加えたというふうな誤解を受けたとすれば、私のやり方がまずかったかもしれませんが、私といたしましてはそういうことは厳に慎しんでおったつもりであります。 これは捜査当局自体の決定すべき問題であり、許諾するかせぬかということは、国会側の決定すべき問題でありますので、私自身としては、その間のけじめは常に混淆することのないように、十分に注意をいたしておったつもりであります。結果から見まして、何か不明朗な印象を与えるような点があったとすれば、その点、まことに私は恐縮に存ずる次第であります。
○森(三)委員 今、青木大臣の御答弁を聞いておりますと、あなたは、当委員会については、なるほどきぜんたる態度をとったようなことをおっしゃいますが、しかし、実際われわれの聞いておるところでは、やはり青木大臣としては、相当高石逮捕許諾の問題については暗躍したということです。それは、どこまで真か偽か、わかりませんけれども、しかし、とにかく選挙が済んで、その逮捕の要求が出た場合に、国会が開会されるまで逃げ回っておって、国会が開会されると出頭してくる。今度は、逮捕されないというために、四回も任意出頭をした。しかし、任意出頭しても、相手側の供述を全然相反したような、否認し続けたような供述がなされておれば、警察側としては、事案の真相をつかむことができない。こういうような場合は、あなたが厳正なる公安委員長であるとすれば、連絡をとって、その国会の模様を知らしてやったというところにも、何となく私は割り切れぬものがあると思うのです。あなたが国会の模様を教えなくとも、それはおのずからわかることであって、あなたが教えてやるということは、あなたのお考えを教えてやったことになるような気がするのですが、その辺はどうですか。 それから、いよいよきょうで会期が終りますが、ここで、あした逮捕するかしないかが、大きな問題になると思うのです。こういう問題については、もちろん、あなたはタッチなさらぬと思いますけれども、しかし、選挙違反という問題は、今回の選挙においても、相当起きているのです。あなたは、こういう選挙の粛正という問題について、どういうお考えを持っておるか。これは、私は選挙法の改正問題とからんで、大きな問題だと思うのです。これはもちろん、今後、あなたがそういうような態度をとることはなかろうと思うけれども、これについては、あなたはどういうお考えを持っておるか。国会が逮捕すべからずという結論を出しても、警察側では、その目的を達しておらないので、あした逮捕するかもわからない。そういう場合、国会の意思をあくまでも尊重して、警察は逮捕すべからずというお考えを持っておるか、あるいは警察は、国会はそうであっても、所要の目的を達しない場合は、会期が切れたならば逮捕できるのだというようにお考えなのですか、その点もお聞かせ願いたいと思います。これは重大な問題です。
○青木国務大臣 これは、申し上げるまでもなく、逮捕するか逮捕せずに任意出頭で取り調べるか、そのことは、あくまでも捜査当局の決定する問題でありまして、私どもが寸毫も容喙すべきものでないことは、法制上もそうでありますし、また政治的に考えましても、当然そうであると思うのであります。私は、この問題につきまして、国会の情勢というお話がありましたが、これは石井長官には、一応のこういう情勢だということは、当然話しておるのでありますけれども、しかし、県警察の本部長に対して連絡したことは、一つもないのであります。会ったことは、もちろんありませんし、電話で話したということもありません。しかし、その点は、これはもう厳に私自身としても、慎しんでおります。またこういう問題が政治的に扱われると、問題になるというよりは、そうすべきものでないのでありますから、私は、閣議等においても、この点は雑談にも一つも出しておりません。警察庁長官に連絡する必要はないじゃないかというお話もあるかと思うのでありますが、警察の現実の問題になりますと、警察庁長官が国会に出て答弁することになっておりますので、国会答弁の必要等もありまして、警察庁長官だけには、やはり国会の情勢を一応はいろいろ打ち合せする必要があるのじゃあないか、こういう考えに立って、石井長官とは国会の情勢は話はしておりますが、本部長に対しては、そういうことは一つもいたしておらないのであります。 それから、後段の問題は、今後どうするかということでありますが、これはお話しのように、私としては、毛頭この問題について関与すべきものではないのでありまして、私も、厳にその点は深く自分で戒めて、絶対にさようなことはいたしてもおりませんし、今後も、捜査当局に対して、私の意見を差しはさむとか、あるいは助言するとか、指導するとか、そういうことは絶対いたしません。そのことは確言いたしておきます。 それから、選挙違反問題につきましては、お話しのように、一般的に申しまして、お互いに今日まで公明選挙運動を推進して参ったのでありますが、不幸にして、今回の選挙におきましても、やはりほぼ前回同様程度の違反事件が出ておるということは、まことに遺憾に存ずる次第でありまして、これはお互いに、一方においては公明選挙運動を推進すると同時に、一方におきましては、やはり法に触れた者は厳重に処分していくというようなあり方で、公明選挙運動と選挙違反の事反の取締りと、両面から、一日も早くりっぱな選挙の慣行が実現するようにしなければならぬ、かように私考えております。
○森(三)委員 きょうは、青木長官の就任のごあいさつを兼ねた最初の委員会でありますから、あまり私も質問をいたす気はなかったのでありますが、やはり選挙直後でありますから、二、三点お尋ねしておきます。そう時間はかけません。 そうすると、結論的には、きょう会期が終っても、今後逮捕するかしないかの問題については、長官としては、これに関与しない、厳正な態度をもって臨むのだというように私は聞いております。 それから、全国的な違反の問題ですが、これはいずれ精密な統計や資料が、われわれの手に自治庁を通じて渡ると思うのですが、私は、人の名前は言いたくありませんけれども、たとえば、藤山愛一郎氏の選挙区においては、普通の者が借りれば、一月何十万円も出さねばならぬような選挙事務所を、わずか名目料あるいはただで借りたというような抜け穴の費用の届けをしている。従いまして、そこに選挙事務所を借りれば、本来ならば、当然法定費用として、何十万円という事務所費を払わなければならぬものを、ただで借りた、そういうような計算ですね。こういうような問題についても、私は、今後非常に考えなければならぬ問題じゃないかと思う。だれでも、目抜きのいい場所を借りたい。そうすれば、当然事務所の費用というものは高い。われわれ、たとえば十坪の事務所を借りても、三万円ぐらい払っている。ところが、藤山さんは、大きなビルディングを借りた。それでも、それがただである。そういうものも、これは当然計算をして、法定費用の中に入れなければならぬと思う。こういうような問題も、いろいろあると思うので、後日、私はこういうような問題を全国的に調査し、また自治庁としても、いろいろな面から資料を集めて、当委員会に提出してもらいたいと思う。青木さんは、多年選挙法について精通された方でありまするが、そういうような面から直していかなければならぬ点が、私は多々あると思う。 そこで、私は、最後に申し上げたいと思うのですが、あなたは、就任のあいさつとして、小選挙区問題については私個人は賛成だ、こういうような発言をした。これについては、今後いろいろと研究しなければならぬ問題だというように言っておられます。それから、参議院の全国区の問題にも、あなたは言及されている。あなたが言及されなければ、私も、ほんとうは初日であるから、申し上げる気持はなかったのですが、新任の大臣の所見として、小選挙区問題と、参議院の全国区制廃止の問題を、はしなくもあなたが取り上げた。これは、意識的に取り上げたのでありましょうけれども、われわれは、この問題に反対なのですから、この点も、よくあなたは考えなければならぬ。ただ一方的に、自分は賛成なんだからこうしようというような発言をされたことは、私は、大臣として相当お考えにならなければならぬと思う。さっきも加藤君が言われたように、前の国会においても、小選挙区問題は、あのような大きな、問題になったのです。従いまして、この問題は、各政党の間において、十分検討しなければならぬ問題であると同時に、軽々に自治庁長官がそうした問題を発言しては、いけないんじゃないかと思います。そういう問題が具体化したときに言われるのは、もちろんいいけれども、きょうのあなたの新任のあいさつの中に言われるならば、それならば、いつごろあなたはそういう問題を具体化されようというお考えか、あらためて私は聞かなければならぬ。ただ、ばく然とおっしゃったのかもしれませんけれども、そういうことを言うからには、自分は、いついつを目途として、そういうようなものをなし遂げたいという考えがあるのかどうかということを、もっと突っ込んで聞かなければならぬということになってしまいます。きょうは初日でありますから、あまり質問しませんけれども、これらについて、あなたは、もっと慎重な態度をとらなければならぬ、軽々な態度をとってはいけないと思います。ちょっと所見を聞かしていただきたい。
○青木国務大臣 私が、小選挙区問題とそれから参議院の全国区問題に言及した意味は、小選挙区問題につきまして、世上いろいろうわさされております。私は、小選挙区論者であるとか、あるいはまた、この内閣は、次の機会にすぐやろうとしているのじゃないかというような、いろいろなうわさがされておりますので、私自身としては、確かに小選挙区論者でありますが、この問題は、非常に重大な問題であるので、慎重にこれから検討する問題だ、こういう意味で、私は、むしろ率直に言った方がいいじゃないか、言いませんと——何かこの問題を中心として、世上いろいろな疑念と申しますか、うわさもされておりますので、これから一つ慎重に検討するんだということを申し上げた方が、かえっていいじゃないかというので、申し上げたのであります。それから、全国区の問題につきましても、いろいろ世上うわさがありますが、この問題は、御承知のように、目下選挙制度調査会の小委員会にかかっておりますので、そういう段階にあるということだけを申し上げたのでありまして、この問題についても、小選挙区の場合と同じように、政府としてどういう態度を決定しておるとかどうとか、こういうことは、むしろ言えない立場であるということでなしに、現在まだ政府としては、慎重考慮の段階にあるので、やるとかやらぬとか、どうするとか、そういうことは何も決定してないんだ、こういう意味で、慎重に考慮する、こう申し上げたのでありまして、私自身が、いつ踏み切るとか、そういうことを言うつもりはなかったのであります。
○森(三)委員 慎重に考慮と言うのですが、それならば、私はむしろ言わぬ方がいいじゃないかと思う。ということは、あなたは、小選挙区に自分自身では賛成している、こういうことを言っている。政府与党の中でも、そういうような御意向の人があるのです。しかしながら、今日の岸総理は、それこそ非常に慎重な態度をとって、小選挙区の問題にあまり触れておらない。むしろ、自民党の小澤君や、その他の小選挙区論者、その他の人が、岸総理に面会して、次の臨時国会に提案したらどうかということを進言したというようなことが、新聞に出ているのです。しかし、岸総理は、そんな考えのあさはかな人ではないから、それに対して乗ってきませんよ。もし小選挙区法案が次の国会に提案されて、通過しますか。通過した以上は、解散しなければなりませんよ。小選挙区法案が通れば、自分の選挙区が変ってしまうのですよ。そうすれば、選挙の事前運動がずっと開かれていくことは当然ですよ。自分の選挙区をどこから選ぶかということを、まずきめなければならぬ。と同時に、そこに社会党、自民党の火の出るような選挙の事前運動が展開される。小選挙区法案ができれば、いやおうなしに解散しなければならないのです。いいですか、そこを青木さん、よく考えなければならぬ。だから、私は私、軽々におっしゃるなと言うのです。岸総理は、やはりそこを考えているのですよ。やる以上は、解散しなければなりませんよ。いいですか、小選挙区法案を作るということは、小選挙区法案を作るということだけではないのです。作ると同時に、解散する腹をきめなければならぬのです。小選挙区法案を通すということは、軽々に言えるものではないのです。だから、岸総理は、このごろみな小選挙区法案といって、太鼓たたいているのに、知らぬ顔している。もし、それを次の臨時国会に出そうという腹をきめれば、ことしの冬は総選挙です。そうならざるを得ないでしょう。自分の選挙区をきめなければならぬ。あなたは埼玉県ですから、埼玉県のどこから出るかということをきめなければならぬ。そして事前運動をやらなければならぬ。選挙運動が始まってくる。小選挙区法というものが成立するやいなや、総選挙をしなければならぬ。ですから、小選挙区法案を、あなたが通すとかなんとかいうようなことを言えない点もあるでしょうが、しかし、自分は小選挙区法案に賛成しているというようなことを、今ここであなたが言うから、それを言うならば、いつ出すかということを私は聞きたい。はっきり言いなさい。あなたが小選挙区法案に個人的には賛成していると言うからには、自分が成立を望んでいる以上は、一日も早くその成立を期待しているわけでしょう。それならば、次の臨時国会にその法案を出すのかどうか。もし、うっかりあなたが出すなんと言ったら、あなたは罷免されてしまう。そういうような重要な法案について、よくわかっている青木さんが、ここでもって、私は個人的に賛成していますとかなんとか言うから、僕も言いたくなる。個人的に賛成だと言わなければ、こんなに突っ込まないのですよ。この次の臨時国会に提案する意思があるかどうか、その点、もう一ぺんあなたにお尋ねしたい。
○青木国務大臣 岸総理も、先般の本会議で申されておりますが、私も同じように、この問題は慎重に検討する、こういうことを結論として申し上げております。
○島上委員 関連質問。 選挙制度とか選挙法と言えば、すぐ小選挙区と、こう考えるのですが、私は、その考えが第一間違いだと思うのです。今の現行中選挙区制がいいか悪いか、現行中選挙区制も、人口のアンバランスが出ているし、比例代表制がいいか、それに小選挙区制を加味した西ドイツのような制度がいいか、現行の二院制度がいいかどうか、参議院の全国区廃止の問題も出ているから、そういう各般にわたって検討するという態度が必要だと思うのです。そこから十分検討して、小選挙区という結論が出ますれば、それはよろしい。ところが、今までの態度は、選挙制度調査会でもそうです。私は、調査会に行って、うんと議論しましたが、蝋山政道氏が、西ドイツの新しい方式を検討しようじゃないかと言い出したのです。ところが、それに一顧も与えずに、がむしゃらに採決です。だから、あの採決は無効だと私は言いましたけれども、ああいう態度はいかぬですよ。あらゆる方式があるのだから、現行の二院制度の問題、議会制度の問題までメスを加えて、慎重に検討する、こういう態度が、私は必要だと思うのです。これに対して、大臣はどのようにお考えですか。
○青木国務大臣 私どもも、その通りであります。慎重に検討する、こういう考えであります。
○森(三)委員 私は、青木さんに申し上げるのですが、あなたが、小選挙区に自分は賛成しておる、自分じゃそれを好んでおるというような発言がありますが、一応選挙が済んで、第二次岸内閣が成立して、今後、長期政権を担当するというのが岸の腹です。これはうまくやれば、二、三年やっていこうという腹であるから、党内の小澤君や何かが、小選挙区をやりなさい、次の臨時国会に法案を出しましょうと言っても、岸は知らぬ顔をして、まあまあと言っているのです。もし、小選挙区法案を次の臨時国会に出すとか、あるいは通常国会に出すとかいうことになれば、総選挙ということになる。そこで、あなた方の党内においても、小選挙区賛成者であった人が、最近は、僕が聞くと、いや、小選挙区なんかは、まだ末の末の話だ、当分われわれは政権を持続してやっていくのだ、小選挙区をやったら大へんだ、こう言っている人が多くなっている。あなた自身がそう言っても、党内では、臨時国会に出すことについては、反対の者が出てきておる。そこを十分お考えになり、そういうことを軽々におっしゃらずに、とにかく慎重研究するというような心がまえでおっしゃるならば、いいけれども、少し慎重にお考えになっていただかなければならぬ。と同時に、この選挙区法の根本問題を解決するには、今度の選挙について、相当莫大な資金が流れて、どれだけの金が使われたかということと、また、それから選挙違反の悪質な本質的なものも究明していかなければ、軽々に、それこそ選挙法の改正だとか、あるいは小選挙区というような問題に入れませんよ。まずまず、その前提をなすものを研究しなければならぬと思うのです。これについて、どういうお考えですか。私の質問は、大体これで終ります。
○青木国務大臣 選挙制度の問題につきましては、御指摘のごとく、党内の問題もありましょうし、また世論もありましょうし、これは内外すべての方面の意向あるいは情勢等を勘案して、最終的には決定すべきものである。そういう意味からも、慎重に検討しなければならぬ。こう私は考えておるのでありまして、私が、たまたま小選挙区論者であると言ったことが、かえって誤解を招いたかと思いますが、私自身は、そういう論者であるけれども、これは私自身の考えで、どうすべき問題でない、各般の情勢を総合して、慎重に検討しなければならぬ問題だと考えておるのでありまして、私自身の考えを、自分の考えたことだからということで、それを押し通すという考えは、決して毛頭ないのであります。あくまでも慎重に検討したい、こう考えております。 それから、その前に、いろいろ選挙違反の問題等を検討しなければいかぬということは、お話しの通りでありまして、これは、お互いに日本の選挙というものをりっぱなものにするためには、常に不断に反省もし、検討も加えていかなければならぬ。法制的に、あるいはその他の面におきましても、常に反省を加えて、そして不断に努力を重ねて、りっぱな選挙にするようにしなければいかぬ、かように存じておる次第であります。
○早稻田委員長 それでは、本日はこれにて散会をいたします。 午後零時十四分散会