決算委員会 第11号
- 発言数
- 376 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/09/26
会議録
○田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。 前会に引き続き歳入歳出の実況に関する件、特に防衛庁の航空機購入問題について調査を進めます。 本日は佐薙証人が出頭されておりますので、その証言を求めたいと存じます。御出頭になられた証人は佐薙毅君でございますか。——証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和三十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔証人佐薙毅君朗読〕 宣誓書 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
○田中委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○田中委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。 証人に対しましては委員から順次に証言を求めることにいたします。
○西村(力)委員 議事進行についてちょっと発言いたしたいと思いまするが、新聞紙上その他で私ども拝見いたしますると、当委員会の審議に対しまして自民党の幹部諸公がいろいろな制肘を加えておる。川島幹事長の名も出たり、あるいは国会対策委員長村上勇氏の名前が出たり、その他岸総裁直系の南条徳男氏の名前が出たり、そういうことになっておりまするが、そういうことはまことにわれわれ決算委員の立場にある者として不快に思い、また不明朗に考えるものでございます。私ども決算委員会の正しい審議を進めようとしてやっておる立場からいいまして、この際そういういろいろな制肘があろうとも、本来の使命に立ってあくまでも審議を進めるのだ、こういう立場を委員長においてもはっきり確認をいたしていただきたい。この確認をまずやっていただいて、それから本日の議事に入っていただきたい、こう思うわけであります。
○田中委員長 西村委員にお答えいたします。いろいろ新聞に伝えられておりますが、それは言葉の違い、またはその人からその人に伝わる関係上、小さいことが大きくなったり、大きいことが小さくなったりしておるような関係で誤解を招いておりますが、私にはまだそういう強硬な制肘はございません。もし今後あったといたしましても、決算委員会はそういうことにおいて委員会の審議を中止するようなことは絶対ありませんから、申し上げておきます。 それでは証人、こちらにおいで下さい。 発言の通告がありますので、順次これを許します。 山田長司君。
○山田(長)委員 防衛庁における次期戦闘機の機種の選定について、グラマンに内定するまでに至った経過をお聞かせ願いたいと思います。
○佐薙証人 防衛庁におきまして次期戦闘機を必要とすることは、防衛力整備計画が昨年定められましたときにも、大体現在生産しておりますF86Fの生産は、現在行われております生産をもって打ち切る、それ以後におきましては次期戦闘機を何か選ぶという大体の御了解を得ております。私どもといたしましては、それに先だちまして一昨年の五月、春、夏ごろから、次期の戦闘機を何にするかということにつきましていろいろ研究をいたしております。当初私どもが次期の戦闘機として考えますのに考慮に置いておりましたものは、従来私どもはアメリカの空軍からいろいろ技術援助、あるいは顧問団を通じましていろいろ援助を受けております。そのいう関係がございまして、われわれの着目いたしました飛行機といたしますと、米空軍が将来において、あるいはその当時において使っております新しい次期戦闘機というものに一応着目いたしました。 たまたま国内でジェット戦闘機並びに練習機を生産しております会社の、すなわちT33は川崎航空機で作られておりますが、その親元の会社になります米側のロッキードという会社ではF104という飛行機を作っております。またF86Fを作っております三菱と、これに対抗いたしますアメリカ側のノース・アメリカンでは、F100という戦闘機を作っております。そういう関係がございまして、現在実行されております飛行機の生産が終りましたならば、自分のところの飛行機を、なるべく次の自衛隊の戦闘機にしたいという希望があったものと思われますが、それぞれF104あるいはF100がよろしいということで、いろいろ申し出もございました。また私どもといたしましても一米空軍が、先ほど申しましたような、大体現在使うか、あるいは近い将来において使われるという飛行機に着目していろいろ研究いたしましたが、元来私どもといたしましては、次の戦闘機は、日本の将来の空の防衛に当りまして、どういうものが必要であるか、どういう要求性能が必要であるかということを研究をいたしまして、われわれが将来、数年後のいろいろの飛行機の進歩の状況にかんがみまして、まずどういう要求性能を必要とするかということを研究いたしました。それに基きまして私どもがだんだん研究して参りますと、当時米空軍でまだ試作段階ではありますが、F104という飛行機が、われわれが要求します性能に非常に近い性能を充足しておるというふうに考えられますので、私どもといたしまして内々候補に考えておりましたものは、F104という飛行機を考えておりました。しかしながら、この飛行機といたしましても、いろいろ機密程度がございまして、私どもになかなか十分な資料を提供されておりません。従来米側から提供されますものにいたしましても、機密程度が高いために、ごく一部の資料しか提供されない。また会社側からは、ある程度のインフォーメーションもくれますが、すぐにこれをもってわれわれの次期の戦闘機に決定するという段階にはいっておりません。 それで昨年の八月に、永盛空将補という人を団長にいたしまして団員六名、その団員にはわれわれ航空幕僚監部の各方面の専門家と、それから内局の航空機課のやはり専門家二名、これを入れました合計七名の団員をもってアメリカの方に派遣いたしまして、米空軍の協力を得まして、大体候補と考えられております飛行機の工場、あるいは実施部隊の状況等をいろいろ視察をさせました。そのときに私どもが出発まで考えておりましたのは、先ほど申しましたように米空軍の飛行機ということで考えておりましたが、現地に参りましたところが、米空軍の方で、あなた方が次期の戦闘機を日本で考えられるのに、必ずしも米空軍の戦闘機のみに限る必要はない、米空軍が実際に実験をしてみた飛行機の中に海軍の戦闘機でF11F—1Fという飛行機がある。これもなかなかいい飛行機であるので、これも一つ考慮の中に入れてみたらよかろうという向うからの提案もございまして、この視察中、向うに参りましてから米軍の支援も得まして、グラマンの工場に人を視察にやり、あるいは飛行機を実験航空隊で見るという機会を得ました。またワシントンにおきましては米空軍の飛行機と相並びましてこのF11F—1Fという飛行機の性能その他につきましてもいろいろ説明を受けました。またその際、いろいろワシントンにおきましては米空軍のお世話によりまして将来飛行機を選びます場合、ことに超音速の飛行機を選びますにつきまして、将来のたとえば戦闘機に対する要求というようなこと、あるいは飛行機を選択する上においてどういうことが必要であるかというようなことにつきましてもいろいろ説明を受けました。その調査団は九月の中ごろでございましたか、下旬でございましたか、帰って参りました。 そこで私どもは初めて、従来考えておらなかった——もちろん、1Fという飛行機がございまして、これは当時世界の高度記録あるいは世界の速力記録を作ったような飛行機でありますので、われわれの目には触れておった飛行機ではございましたが、われわれがこれを候補の対象に入れるということは、調査団が帰って参りますまでは、まだ考えておりませんでした。ところが調査団が参りまして、米空軍が実際に飛んで、いろいろ比較してみて、この飛行機も考慮に入れたらよかろうというアド、バイス、ことに操縦者あたりが非常に乗っていい飛行機であるというようなことの説明を受けておりますので、帰りましてから、この飛行機も候補の対象に入りましたわけであります。ところが一つ私どもが、先ほど申しましたように調査団が出発いたしますまでには、われわれのレベルにおきましていろいろ研究いたしましたところでは、F104が航空自衛隊の次期戦闘機としては一番適当であると考えておりましたものが、従来比較的乏しい資料でわれわれが知っておりましたことと、現地に参りまして実験航空隊あるいは向うの技術研究本部というようなところに参りましていろいろ調査をいたしますと、従来知られておらなかった技術上の問題その他がございまして、F104というものについてわれわれが抱いておりましたこととかなり予想が違った点がございました。また実験もいろいろの問題点がございまして終っておらない。当時向うで確かめましたところによりますと、本年の三月にならなければ——当時でございますから翌年の三月、すなわち今年の三月ごろにならなければ実験が完了しないということでございました。私どもが従来予想しておりましたことに比べまして、F104について現地で知り得ました問題点と申しますと、技術上の問題でございまして、若干そういう点を申し上げたいと思います。 ビツチ・アップ・コントロールという問題がございまして、この飛行機は頭を上げましたときには急に下へ落ちる、急速に落ちて助からなくなる。そのためにこれを何とかする対策を講ずるというので、オートマティック・ビツチ・コントロールという施設を考案いたりしまして、これによってこのオ—トマティック・ビツチ・コントロ—ルというものが動いておれば、まず操縦者が気がつかなくとも、自動的にピッチ・アップから下へおりるという危険性を排除することができるということがわかりました。 この飛行機はF104でございます。これはグラマンでございます。こっちのは、胴体に比べまして非常に小さい羽を持っておりますことから起きるいろいろ特殊な技術上の問題がこの飛行機には包蔵されております。もちろんこれは技術的にいろいろデータを調べればわかることではございますが、実際に現地へ行ってみますと、たとえばジェット・エンジンというのは、よく空中で操作をいたしましたときにエンジンが、ラレーム・アウトという英語でございますが、実際燃料がとぎれて、そのためにエンジンがとまってしまう場合があるのであります。これは航空自衛隊でもときどき起っておりますが、もしそういうことがございますと、この飛行機は胴体に比べて浮力を支持いたします翼が非常に小さい。これは翼の面積というのが飛行機の操縦性に非常に関係いたします。これはまた翼の厚さというものが非常に関係いたします。このロッキードの戦闘機は、この先が刀の刃のように鋭く薄いものになっております。そういう飛行機でございますので、この飛行機が一ぺん発動機がとまりますと、非常に急速な加速度で落ちるということになります。在来型の飛行機でございますと、これは翼がささえます浮力というものが相当ございます。また翼の厚さも厚いということがございますので、この飛行機でフレーム・アウトがありました場合と、この飛行機でフレーム・アウトがありました場合とでは違って、非常に急降下で落ちてくる。高度がかりに五万フィートございますと、これは一分間に一万七千フィートのスピードで落ちるわけであります。この飛行機でありますと、わずか三千六百フィートで、高度が低くなりますと、この飛行機とこの飛行機のスピードの差は、これが一であれば、これは二倍の速度で落ちる。さらに前進する距離というものが一と二くらいの比率になる。そういう問題点がこの飛行機にはあって、それに安全性と申しますか、操縦者の脱出して、あるいは無事に着陸するという操作が非常にむずかしいという問題。それからこの飛行機の、いわゆるエジェクション・シートと申しておりますが、操縦者が事故の場合脱出する装置が、この飛行機がおそらく世界においてただ一つでございますが、下方になっております。ところが飛行機の事故の多いパーセンテージは、離着陸の低空のときに比較的事故が起きやすいのでありまして、低空において事故があったときに、なるべくパイロットの生命を救うためには、やはりエジェクション・シートが上方に脱することが望ましいわけであります。在来は低空で脱出しようとしましても、パラシュートが高度が低くて、たとえば離着陸の低いところでは……。
○山田(長)委員 話し中ですが、技術的なことについては、詳細になおあとで聞きたいと思いますから、その点で一応やめていただきたいと思います。
○佐薙証人 技術的のことはまた機会がございましたら申し上げますが、問題は永盛調査団が向うに参りまして、いろいろ技術上の問題点があって、そしていろいろ対策は講ぜられておりますが、まだこの飛行機が実施部隊に配属されるという段階にはならない、配属されるのは来年である、すなわち全部の実験が終って本年にかかるということがわかりました。また滑走路の長さが、従来私どもが聞いておりました滑走路の長さに比べまして、この飛行機は八千フィートは少くとも要る。それから航続距離が思いのほか短かいというようないろいろ問題点があることがわかりました。 一方このグラマン戦闘機につきましては、二機しかございませんが、米空軍で同じようにテストをしてみまして、そしてどの操縦者もこの飛行機の操縦性が非常にいいということを言っておるということから、私どもといたしましては従来の考えを改めまして、また将来の超音速の飛行機の戦闘のあり方というものが従来とは変っていく、すなわち飛行機の速力が目標機に対して一・何倍という優速をわれわれはねらっておりましたが、必ずしもその優速は必要ない。将来空中戦闘の主要な兵器はむしろ空対空の誘導弾になっておる。そうすると、従来のような機銃で近くに寄ってうしろから攻撃するような方法——攻撃するためには速力の一・何倍というものが要りますが、そうでなくて、将来はあらゆる方向から誘導弾で撃つ。従って飛行機の速力というものは目標機に対して相当の速力を必ずしも必要としないというような問題、いろいろな問題を承知いたしました。これによりまして、われわれといたしましては従来の考え方を変えて、そしてもっと広い角度から一つ日本の国情に合った飛行機を選びたい。特に私どもがその当時海外の各方面からの情報を集めましたり、あるいは米空軍あたりのいろいろな意見も徴しますと、米空軍で持っております戦闘機と申しますのは、たとえば超音速の飛行機にいたしまして、すなわちセンチュリー・シリーズと俗に申されておりますF100以上のF101、102、104、105、こういう超音速の各種の戦闘機をもちまして、それぞれ非常に特殊な任務を与えておる。それらの組み合せによって防空なりあるいは戦闘機としての役目をやらせようということになっておる。従って米空軍の戦闘機というものは、ある限られた特殊な任務のために、鋭くその任務を達成できるように設計し作られておるということから、これが果してわれわれの日本に合うかどうか。特に先ほど申し上げましたように滑走路の問題、それからこの飛行機はもともと局地の昼間戦闘機といたしまして、急速に上っていって爆撃機なり戦闘機を落すという非常に限られた任務を与えられた飛行機であります。そういうことから、われわれは全天候戦闘機をどうしても持っておらなければならぬ。これは昼間戦闘機にもともと設計されたものでありまして、これを全天候戦闘機にするためには、どうしても全天候用の照準器をつけなければならぬ。そうなりますと目方も容積も大きなものを必要とする。それからことに私どもが昨年来非常に悩みましたことは、航空機の事故ということによりましてとうといパイロットの生命あるいは高価な飛行機の価格、あるいは事故によりましては、単にパイロットの生命のみならず、飛行場の周辺の民家、部外の方々にも御迷惑をおかけするということがあり得まして、私どもといたしまては、この狭い飛行場あるいは飛行場の周辺にいろいろ山とか障害物がある。あるいは人家も込んだところがあるというところで使うためには、どうしても操縦性のいい、また安全性の高い飛行機を持つ必要がある。特に全天候戦闘機でございまして、これは夜間着陸操作をしなければなりませんが、夜間の着陸操作はりできましたならば後ほどでも御説明申し上げたいと思いますが、普通の昼間の着陸と違いまして、非常にパイロットのやることがございます。それで、どうしても着陸速力がおそくて安定のいい飛行機でございませんと、夜間の着陸には非常にむずかしいというような線、そういう点を考慮いたしまして考えますと、だんだんグラマンの方がよろしいということになります。 先ほど申し落しましたが、私どもが永盛調査団をアメリカに出しましたときは、まずF100とF102、F104それからN156という飛行機について大体調査いたしましたが、F1〇〇は現在米空軍が日本に持っておりまして、日本で使って十分実績のある飛行機でございます。これを取り入れることはわれわれとしては非常に便利はございます。しかしながらこの飛行機の持つ特性といたしまして、これを将来日本の防空の主力にすることはこの飛行機の性能上適当でない。またこの飛行機の滑走路も、実際に米空軍が板付で使っておりますのを見ましても、相当滑走路の長さも要るということで、F100という飛行機は……。
○山田(長)委員 その話はその辺でいいです。F104や100の場合の話、滑走路が長いとか、そういう意図に沿わないことから、あなたがグラマンのF11Fにきめたということについてはいいです。 次の質問をいたします。あなたは防衛庁が新たに購入する航空機に関して、これが調査研究のためにアメリカへ出張されたわけですが、いつからいつまで何回、それから招待であったか、出張であったか、そのことを説明願います。
○佐薙証人 私が本年一月二十四日から二月十六日までと記憶いたしますが、アメリカに出張いたしましたが、これは昨年の九月米空軍の方から招待をするからという話がございまして、十月に米空軍参謀総長から私に対しまして、米国のいろいろの施設を見に来るようにという正式の招待状を受けました。当時は正月の初めから視察をしてもらいたいという希望でございましたが、私の方の仕事の関係上、すなわち国会におきます予算の審議等の関係がございますので出発を延ばしまして、一月二十四日に出発いたしまして参ったわけでございます。今のお尋ねの件は米空軍参謀総長の招待によるのでございます。
○田中委員長 一回しか行かないのですか。
○佐薙証人 私がアメリカに参りましたのは、もう一度航空自衛隊が発足いたしました昭和二十九年の九月に、これも米空軍の招待でアメリカに視察に参っております。これは航空自衛隊が戦後十年間の空白をもちまして、新しいジェット時代とか、ジェット時代におきますパイロットの訓練、整備、補給といったようなことがわれわれに全然経験がございませんので、当時航空幕僚監部におりました各方面の者が主としてそういうまず最初の概念を得ますために、米国に約三週間出張いたしました。これも米空軍の招待でございます。
○山田(長)委員 あなたの出張に当っては部内及び部外にもかなり議論があったように聞き及んでいるのです。単に購入機ということのみではなく、ほかにも何か目的があったのではないかということが言われているわけですが、その前後の事情でここで言われて差しつかえないことを述べていただきたいと思うのです。
○佐薙証人 もうちょっと具体的なところをお知らせ願いたいのでございますが……。ちょっと今の御質問だけではお答えが……。
○山田(長)委員 アメリカ出張に当って、部内や部外だけの議論ではなくて、購入機の問題等に向っても、ただ出張だけじゃなくて、招待によって飛行機を検討してくるだけでなくて、何かそういう点についても話があったかということなんです。
○佐薙証人 ただいま申し上げましたように、私が昨年の十月に米空軍参謀総長から正式に招待を受けましたときには、今航空がどんどん新しい時代に移っておりますので、誘導弾でありますとか、あるいは飛行機も超音速の飛行機になっておるというような関係から、新しい日本の防空体系というものがいかにあるべきかということを調査したいということと、それから、従来私が参りませんでした米空軍におきます高度の活動をしております部隊、すなわち実験研究機関というようなところを見まして、将来の日本の防空体制あるいはこれに基く兵器体系というものをいかにすべきかということを視察したいということで、申し入れをいたしまして、そのように米空軍でも視察場所を全部アレンジをしてくれました。 しかしながら、たまたま永盛調査団が九月に帰って参りまして以来、先ほど申しましたが、飛待機の選定につきましていろいろまだ未解決の問題がある、また先ほどのF104にいたしましても、来年の三月、すなわちことしの三月でなければ実験が終らない、一体どういう段階であるかというようなこと、それから先ほど申しました視察目的の、将来の防空体制に対する兵器体系という考えの中に、当然この機種というものがありますので、私のこの視察中に、元来おぜん立てされました視察の途中におきましても、機種の選定につきましては、米空軍のそれぞれ実際にこの飛行機に関係のある人たちの意見をできるだけ聞きたいということで心がけて参っております。
○山田(長)委員 聞くところによると、今のあなたの話でもわかりますが、今度アメリカの国防省がかなり率直にグラマンの推奨をした。それで推薦をしたことによって、そのことの決定がなされたわけだが、このことを知った防衛庁では、あぜんとしたということをいわれておるようですが、これは一〇〇やF104をきめようとしていて、それを進められていた人たちにとっては、あぜんとするのは当りまえだと私は思うのです。 そこで国防省のどの方面の人たちが、主としてこれを極力あなたに推奨したのであるか。これは当然今のアメリカの招待から推してみても、国防省当局は強くあなたにF11Fを推薦するための努力をされたと思うが、その範囲でわかっているところを一つ……。
○田中委員長 ちょっと証人に委員長から聞いておきますが、本年の一月二十四日に出張して二月十六日にお帰りになった、その前に調査団が行かれたときにはおいでになりませんでしたか。
○佐薙証人 行っておりません。
○田中委員長 その前に行かれたのは二十九年で、この二回だけですね。
○佐薙証人 そうです。 私がこのたびアメリカに参りましたときに、アメリカ国防当局——空軍当局でございましたが、いかなる飛行機に対しましても米側からはどういう飛行機を選んだらいいかというようなこたは一切言わない。これは全く日本側の自主的な選択によるものである。そのかわり日本がこれがよろしいといって選んだものについては、それはどの機種にかかわらず、たとえばこれが米空軍機であろうと、海軍機であろうと、何らの差別なく援助はする。しかし機種の選定はあくまで自主的に日本側においてされたいということを繰り返し明瞭に述べておりまして、ただいまお話のございましたような、私が渡米中に米国防省からグラマンを強く推薦するといったようなことは絶対にございません。
○山田(長)委員 将来共同作戦が考えられていくような事態を考えたときに、そういう点が全然ないというようなことは、これは常識的に考えてみてもわれわれには理解できないところです。何か強く要請をした点が、私はあるはずだと思うのです。全然そういう点が、機種の選定は日本側にまかせるというようなことで、ばく然としておって、これで将来の分担金の問題等が全然考えられないはずはないと思うのです。全然そういう点がないのですか。
○佐薙証人 繰り返して申し上げますが、この機種の選定につきましては絶対に米側は、どの機種ということを決して申しておりません。あくまで自主的ということでございまして、今回のこの機種の選定につきましては、私は日本の空の防衛の将来を考えまして、いかなる飛行機がいいかということに私は心身を砕きまして、誠心誠意われわれの力で日本の国情に合う飛行機を選ぶということに努力いたしまして、米側の一切の圧力とか、それから特別な申し入れというようなものは何もございません。これは、はっきり申し上げておきます。 それで今の共同作戦の見地からそんなことはあり得ないじゃないかというような御趣旨でございますが、共同作戦の見地から申しますと、実は米空軍が日本で使っておる飛行機、あるいは日本に持ってこなくても米本国で使っておる飛行機が、共同作戦から申しましたならば、これは向うも一番喜ぶ飛行機じゃないか。しかしながら私どもが実際に国情に合った飛行機というものを自主的に選びたいということに考えましたので、米空軍の飛行機は先ほど申し上げましたように特殊な任務に設計、作られているということで、私どもは視野を広くいたしまして、ほんとうに日本の将来の防衛に役に立つという点に徹して、飛行機の選定をいたしたわけでございます。一切米国側の働きかけというものは、機種の選定に関してはございませんことを重ねて申し上げます。
○田中委員長 証人にちょっとお尋ねしますが、先ほど証人がロッキードがいいと思って調査団が行った。そうしたら、アメリカの空軍からグラマンが非常にいいといって推奨されたということをさっき言われたが、それはだれが言ったのですか。
○佐薙証人 これはグラマンが非常にいいということではございません。その辺誤解がございましたら訂正いたしますが、米空軍で飛んでみて、こういう飛行機もあるからこれも考慮の対象に入れたらよかろうということでございます。
○山本(猛)委員 関連。今お話を伺っておりますと、私があなたの手元から集めた資料によって考えてみても、あなたの言っていることはでたらめ千万です。山田長司君の尋ねておられることに対して、私は横合いから口を出すまいと思ったけれども、滑走距離においてその他の性能において、あなたがこの衝の最高責任者であるにもかかわらず、あなたの言っていることはでたらめ千万です。よろしゅうございますか。あなたの方から資料の出ているたとえば必要滑走距離、これは米空軍で認定をせられたものであるということが明らかになっている滑走距離というものは四千六百七十フィート。あなたは今八千フィートと言っておる。またもう一つ申し上げてみましょう。あなたはさいぜん脱出口のことを言っておりますが、脱出口は、あなたが今度買おうとする対象にたまたまなったというロッキードの104Cというのは、脱出口が下についておりません。あなたはAの話をしておる。買わない、対象にならないAの話をしておる。こういうように一つ一つあげてみますと、あなたの答弁というものは全く作為に燃えておる。国防会議を愚弄した、またこの国会の決算委員会を愚弄しようとする考えは断じて許しません。もう少しまじめに——あなたのところから私のところにはたくさん資料が来ておる。まじめにお答えになりませんと、——国会はあなたを譴責しようとしておるのではありません。あなたのお答えを通じて国民の疑惑を解こうとして努力をしておる。ますます疑惑に包まれていくようなお答えはなさらぬように。決算委員会はあなたをここに証人としておいでを願うに至りますまでの間には十分な調査資料ができておる。あなたの内部のあなたの手元、足元のものはすべてわれわれよく知っております。たとえばグラマンが優秀である、こう言う。けれども、これはチャンス・ヴォートのF8U—1型、すなわちクルーセーダーに競争試作において破れておることはあなたも御承知でありましょう。あなたは知らぬとは言えない。なぜならば日本の航空自衛隊の最高責任者である。われわれは飛行機についてはあなたより全くしろうとです。けれども、しかしあなたの言っておることはことごとく作為に燃えておる。でありますから、御注意を促しておきます。
○佐薙証人 ただいまの問題につきまして誤解があるようでございますので、お答えします。第一は滑走路の問題でございますが、滑走路の所要距離と申しますものは、飛行機の状態によりましていろいろ違うものでございます。飛行機の離陸のときの所要距離と、また着陸のときの所要距離と、または飛行機の重さ、状態によっていろいろ違うものであります。従いまして飛行機の滑走距離を申しておりますときには、どういう状態のときに何フィート要るかということをいつも問題にしております。従いましてただいまの四千何百フィートでおりられる、しからば飛行場の長さがそれでいいかと申しますと、そういうわけではございません。すなわち飛行機が一番重たい状態、戦闘任務で燃料を一ぱい積み、あるいは計器を積みました段階において離陸をいたしますときが一番滑走距離が長く要るのであります。従いまして滑走路の所要距離というものはそういうものを基準にいたしまして計算をいたしませんと、一がいに幾らでよろしい、その一番軽い状態で着陸するときはこれでいいからというわけにはいきませんことを一言申し上げておきます。
○山本(猛)委員 私の申し上げているのは、米空軍が証明をせられました。あなたの言う最高必要度の滑走距離、これは米空軍が証明をしておる。あなたは米空軍の証明を認めないというなら別であります。最高度必要なる滑走距離が四千六百七十、これはしかもあなたの方から出ているでしょう。グラマンのことは何も書いていない。こういうような資料をお出しになることも、ことごとく作為に燃えている。でありますから、もう少しまじめにお答えになったり、資料をお出しになるのにも、あなたがここへ来て話されるのと、あなたの手元、足元でお出しになったこの資料と違うようでは、せっかくわれわれが国民の疑惑を晴らしてあげようと努力しておるのに、あなたのお答えがでたらめ千万であるということになりますと、ますます疑惑が深まります。そういう点を御注意を申し上げておきます。あなたは米空軍の証明というものを否認し、これを認めないとおっしゃるならば別です。あなたの独自の調査資料による、あなたの部屋に響けてあったものによる、こういうあなたの資料だけによりますと、——あなたの数字が出てくるようですけれども、米空軍の証明のついた権威ある方面の発表をあなたの方ではお信じになったればこそ、こういう資料をお出しになったものとわれわれは思う。どう違うのですか。
○佐薙証人 ただいまの米空軍の証明のございました四千何百フィートと申しますものは、これはいわゆる専門語で申しますと、グラウンド・ロールという数字をお述べになっているのではございませんですか。
○山本(猛)委員 それならお尋ねいたしますが、この必要フィートというのは何ですか。
○佐薙証人 この三千七百三十フィートと申しますのは、これは滑走路についてのグラウンド・ロールのことを申しておるものと私は思います。
○山本(猛)委員 それではこの四千六百七十というあなたの方から出たこの必要滑走路の長さ、これは何ですか。
○佐薙証人 私の方でこういう資料をもとに——必要滑走路長というもので、四千六百七十というものが出たことを私は見たことがございません。最近にも、私のところの幹部がロッキードに当りまして、先ほど申し上げました全備重量におきます所要滑走路は幾らであるか、グラウンド・ロールは幾らであるかということを調べますと、グラウンド・ロール自体は記憶が間違っているかもしれませんが、四千四百フィートである。そうしますと、離陸の場合には、これを一・七五倍しなければならない。それで所要滑走路長は七千七百フィートになるということは、ロッキードの技術者も認めている数字でございます。私はこの数字の出所その他につきましては、米空軍がこれを認め、また私のところの司令部から出したということにつきましては、私はちょっと信じられません。
○山本(猛)委員 私は関連質問でございますから、一問だけで、あとまた私がお尋ねいたしますから、その場合に何しますが、いずれにいたしましても、あなたが今おっしゃっておられることを伺いますと、われわれが納得しがたいお答えばかりでございますから、もう少しまじめにお答え願いたいということが一つ。それから、あなたはグラマンを大へんおほめになっておりますし、グラマンが日本のために適切欠くべからざるものだというような印象をお与えになるような御答弁でございますが、それでは競争試作に勝ちました——あなたの御説明になる改良型ではなしに、改良せられざる前のグラマン・タイガーに競争試作で勝ちましたクルーセーダー、つまりチャンス・ヴォートのF8U—1型との両方の関係をお調べになったことがございますか。
○佐薙証人 ただいまのF8U—1クル—セーダーと、それからF11F—1Fというものの関係でございますが、私どもが承知しております限り、ただいま御指摘のございましたように、グラマンの戦闘機と、それからチャンス・ヴォートのクル—セーダーという飛行機が競争試作をして、こちらが負けたというようなことは、私ども全然承知しておりませんし、またそういうことがあり得ないということは、この飛行機の開発されました時期をお調べいただければわかるわけであります。すなわち、俗にタイガーと申されておりますF11F—1というのは、初めてこれが試飛行いたしましたのは一九五四年でございます。それからただいま御指摘のございましたF8U—1というのが試飛行のございましたのが、一九五五年の七月ごろと心得ております。それからスーパー・ダイガーと呼ばれておりますF11F—1F、これが試飛行をいたしましたのは一九五六年の夏でございます。F8U—1が米海軍で採用されますことと、F11F—1あるいは—1Fが飛びましたときとは、それぞれ時期を異にしておりまして、これをもって競争に負けたものであるとかいうことはあり得ない、またそのようなことがなかったということを私は聞いております。
○山本(猛)委員 あなたは無知識でそういうことを平気でおっしゃっておるのか、あるいはまた作為をもっておっしゃっておるのか、これは知らないというならあなただけです、世界の専門家の中で知らないというならあなただけなんです。役所へお帰りになってお調べになったらいかがですか。明らかにこれは競争試作において負けておる。それではこのF8U—1の改良型のF8U—3は御承知ですか。
○佐薙証人 F8U—3は本年になりまして試飛行を実施しております。ことし、一九五八年の三月の試飛行でありまして、これは今のあとの飛行機でございます。
○山本(猛)委員 関連質問ですからあまり長いこと申し上げてもおられませんから、ただ一つ御注意申し上げておきます。これは競争試作において負けておることは事実です、破れておることは事実です。あなたは知らぬはずはない。国会の連中はみなしろうとだから、いいかげんなことを言ってだましてもよい——国防会議のように人数の少いところとは違います、ここは人数も多い。しかも一千億以上の国費を使って買いものをしていただこうというのでありますから、事数字に関する限りはこの委員会は真剣なんです。でありますから、あなたがもし作為をもってさようなお答えをなすならば、断じて許さぬ。またあなたは知識がなくして、この競争試作において破れているということを知らぬということであるならば、あなたはどういうふうに責任をとられますか。
○佐薙証人 私がこの問題につきまして調べました限りにおきましては、やはりただいまも申し上げましたような年次をたどりましてそれぞれの飛行機が試飛行をし、あるいは量産の命令が出ております。私はその年次を各飛行機につきまして調べております。従いましてただいま御指摘のように、競争によって今私どもが予定をしております飛行機がクルーセーダーに負けたというようなことはないと私は信じております。
○山田(長)委員 昨年の八月に永盛調査団長が帰ってこられてからロッキードの答申案を一生懸命に作成中に、グラマンの性能の非常に優秀なこと、防衛庁が知らないようなことまでこまかく書き込まれたものが関係者に渡った。このグラマンが優秀であることの書類が出るに至った背後には、川島正次郎氏や大野伴睦氏、あるいはまたなき砂田重政氏らが懸命に努力してあなたのところへ出すようにしむけていった。それでグラマン派が急に有力になって、あなたがその状態を知って、一月にアメリカに直行したといわれる人もあるわけなんです。これらの事情について、国民の疑惑はやはりあるわけなんです。どういう川島正次郎氏のあなたに対するグラマンの推奨があったものか、あるいは大野伴睦氏の推奨があったものか、あるいはまた、なき砂田重政氏がしたものであるか、これらのいきさつについて、一つ詳細にお話し願いたいと思います。
○佐薙証人 私は今御指摘のございました川島正次郎代議士、あるいは大野伴睦代議士、先生方と全然今まで面識もございませんし、または人を介しましてお会いしたことも、あるいはことづかりのありましたことも一切ありません。それからまた砂田重政先生は前大臣でございましたので面識ございます。しかしながら、この飛行機の選定につきまして、私のところにいまだかつてどこからもそういう、どういう機種がいい、どういう機種にしろというようなことを外部から言ってきたことは一切ございません。そのことは、はっきり申し上げます。
○山田(長)委員 永盛団長の答申案が完成して後にあなたは行かれたか、それともこの答申案が完成しないうちに行かれたのか、やはりこれらの点がわれわれの疑惑の一つです。この答申案の作成中に圧力がかかって、あなたがやはりこのことの究明をしてくる必要があるという結論に到達してアメリカへ視察に行ったといわれる節があるわけです。この点いかがですか。
○佐薙証人 ただいま御指摘のようなことは一切ございません。私には外部の面識のない代議士、あるいは面識のある政治家の方々から、一切機種の選定につきまして何らの申し入れも受けておりません。従いまして、ただいま永盛調査団が報告を作成している最中、あるいはその後にということも一切ございません。また本年一月から二月にかけましての私の渡米の視察は、全く機種の選定には関係なく、米空軍——これは私がアメリカに参りましたとき、米空軍参謀総長が特に私に言いますのは、この前私が二十九年九月に参りましたときにはホワイト大将は参謀次長でございましたし、私がまた幕僚副長でございまして同役でございましたので、向うで私ともっぱら相棒として会ってくれていろいろ話をした。今度行ったときには向うが昨年の七月に参謀総長に昇任した。私も航空幕僚長になった。お前とおれとはいつも同じにあれするという親しみをもって私を呼んでくれたという意味のことも話してくれておりまして、これは全く機種の選定とは無関係に、最近の航空情勢、いろいろ移り変りつつある航空情勢を見にこいということで招かれたことでございまして、永盛調査団の飛行機の調査の結末とか、そういうことには私の今回の渡米は全く関係がございませんということをはっきり申し上げておきます。
○山田(長)委員 偶然の一致であるか、あるいはあなたが力を入れたものであるか、四月十二日の国防会議には、あなたが帰ってきておそらく視察報告等にも強くそれが打ち出されておると思うのですが、やはりグラマンの決定がなされたわけです。そこでそのときに、内定に当って自民党の河野総務会長がこれはあくまで内定である、そういう反対意思に近いようなことが言われておるわけですが、これについてあなたはどういう推察をされましたか。
○佐薙証人 その前にちょっと申し上げますが、私は航空幕僚長といたしまして専門的な立場から、機種の選定につきまして、どういう機種が主として用兵上あるいは運用上よろしいかということにつきまして長官を補佐いたしまして意見を申し上げました。それによりましてあとは防衛庁の内局の各多数の参事官が防衛庁内においていろいろ審議をし、さらにこれを国防会議の事務局にもたらし、国防会議の事務局においても十分それを審議されて、そうして国防会議に持ち出されるわけでございます。私はその専門的な立場から意見を申しました以降におきまするこまかいいきさつにつきましては、私はあまり存じませんので、今、国防会議におきまして当時の河野経審長官が言われましたことについての関連事項につきまして、私何もはっきりしたことを申し上げることはございません。
○山田(長)委員 しかし国防会議に専門家であるあなた方は、飛行機の選定に当っては相当強い発言をされておると思うのですが、そのことについて国防会議では機種選定の論議がなされておると思う。今あなたから伺うと、内定についてのいろいろな異論のあったことについては何もないような御発言ですが、聞くところによると、岸首相はノース・アメリカンの推奨をしておる、あるいは自民党の総務会長である河野氏はロッキードの性能についての発言をされておる。あるいはまたグラマンの話が出ておるというような工合に、いろいろその人その人なりの研究された発言がなされているわけなんです。しかるに当の責任者でありますあなたの場合に、何らの異論的発言がなかったというようなことでは、これはわれわれの承服せざるところなんです。そういう点で、この内定についてどういう立場であるか、あなたの立場をよくお考えになって世論の推察というものがなされなければならなかったはずだと思うのです。その点いかがですか。
○佐薙証人 ただいまも申し上げましたように、私が専門的立場で長官に意見を申し上げました以降におきましては、私は外部との接触、国防会議事務局との接触もいたしておりませんで、もっぱら内局が実施しております。また国防会議にも私は列席もいたしておりません。それからまた私は私の立場といたしまして、一切政治家の方々と直接こういう機種の問題について話し合いをするというようなこともいたしておりませんので、どういうふうにそれぞれの国防会議の委員の方々がお考えになり、あるいは御意見を述べられましたかは、後ほどこういうようなものであったということは一部承わっておりますけれども、私といたしまして、そういう場合にどういう考えを述べるというようなことは一切できない立場にございまして、そういう立場にありましたということを申し上げます。
○山田(長)委員 しかし国防会議にグラマンを推奨するような事態は部内においてなされたと思うのです。しかるに八月に至ってホテル・テートでロッキードの社長の出席を求めたものか、あるいは向うで求めたものか、聞くところによると防衛庁側で席を設けたという話ですが、ロッキードの話を二日間にわたって聞いておる。一体この真意はどこにあったものか。やはりここに内定についての推察が起ってくるわけなのです。どういう意図でホテル・テートの会合を持たれたのですか、あなたも出ているはずですが……。
○佐薙証人 八月の七日と記憶いたしますが、その日にホテル・テートでロッキードの幹部と防衛庁の幹部とが会合をいたしますまでのいきさつについては全然関与しておりませんので、どういういきさつでその会合を持たれるようになりましたかは私は承知しておりません。その前日でありますか、何かこういう会合が持たれる、それで空幕長も出よという知らせを受けまして、私は出ました。その会合がどういういきさつで持たれたかといういきさつについては私は存じ上げません。
○山田(長)委員 前に内定していることは知っていただろうと思うのです。四月十二日の内定なんですから、八月七日までに四カ月の歳月がある。しかるに四カ月の間、内定も知らずにおったのか、あるいはどういう意図で出たのか、内容も知らずにホテル・テートの会合に、あなたのような重要な立場におられる方が出たという点は、どうも私はふに落ちないのです。もう一ぺんお答え願います。
○佐薙証人 四月十二日に内定いたしましたことは十分存じております。またその後四月十二日の内定の線に沿いまして防衛庁あるいは航空幕僚監部といたしましての準備——条件を整備いたしますための資料の整備というようなことをやっておりますので、内定のことは重々承知しております。しかしながらなぜロッキードの幹部と防衛庁の幹部が会わなければならないか、内定後におきまして、またロッキードの方からいろいろ新しい資料を日本に持って参りまして、その資料の一部をわれわれは通知を受けております。私どもの幕僚もその新しい資料についていろいろ調査をしておりますことは、私は報告を受けております。しかしながらなぜ首脳部が会合するに至ったかという内面の経緯につきましては、私は承知をしておりません。
○田中委員長 あなたに二、三お聞きしますが、あなたはさっきロッキードの説明をされたが、ロッキードが買ってくれというのはCなんだ。そのCの説明をしたいからというので集まったという話なんだが、そんなことはCであってもAであってもグラマンであってもかまわないのだが、あなたも防衛庁の最高幹部なんだから、ホテル・テートに行かれるのに、どういう会合であるか知らないで、出ろと言われたから出たということでは、とても通らぬと思う。 それからもう一つあなたにお聞きしたいのだが、さっき山本君があなたに聞いたのだが、滑走路の問題——ここに持っているが、ロッキードCが満載して滑走をする場合、それからあなたが推薦されているグラマンが満載をして滑走する場合の説明を山本君にしてやってごらんなさい。両方とも満載した場合——ロッキードCに満載した場合はどれだけの滑走路が要るのか、あなたが推奨しておるのは、二機できているが、満載した場合にどれだけの滑走路が要るか、それはあなたの本職なのだから説明してやって下さい。
○佐薙証人 その前に山田委員にもう一ぺんお答えいたしますが、104Cの説明を聞くということは聞かされております。私が申し上げましたのは、どういういきさつでこういう会合が持たれるようになったかということについては、私は一切関与しておりませんので、その辺のこまかいいきさつは存じ上げないということを申し上げております。会合の内容が、ロッキード会社において104Cの情報を持ってきておって、私どもの方の幕僚も連絡しておりますから、それについて聞くということは承知しております。しかしどういういきさつで会合を持ったかということについては承知しないということを申し上げたわけです。
○山田(長)委員 ただいまの委員長のお話に答弁を願う前に、もう一つ今の私の問いにお答えを願いたいと思う。それは104Cの説明会があるから出ろという立場であなたは出たのでしょうが、もうすでにそのときにはあなたの方では内定されておる機種の問題について国産の生産委員会を持ったり、それから小委員長をきめたりしていた。しかるにさらに104Cの説明を聞くという。それはそういう飛行機の知識を得るために会合を持たれたであろうことは、そうだと思われるのですが、ここに私は非常にまぎらわしい点があると思うのです。あなた方は航空の責任ある立場に置かれておるのですから、当然前の内定された問題について進められているのです。また新たに売り込みについての説明を聞くとしか第三者には考えられないわけですよ。この点、何も知らないじゃなくて、やはりだれかから圧力がかかってこの話を聞く会が持たれたものと思うのです。あなたが知らなければあなた以外の人——私はこのことを知っているのは大臣だと思う。何も聞かずに、104Cの説明会があるから行って話を聞くのだでは国民は納得しないと思う。もう少しそこのところを胸襟を開いて話をされなければ、われわれは納得しない。大きな疑問として残らざるを得ないのです。どうなんです。
○佐薙証人 同じことを繰り返すようでございますが、ロッキードの幹部と防衛庁の幹部とで会合を持って104Cについて説明をするということに至りましたいきさつにつきましては、毎度繰り返すことでございますが、存じておりませんので、これ以上どういういきさつがあったか、どうい圧力があったかというふうなことにつきましては、私全然お答えできませんので、あしからず御了承を願いたいと思います。
○山田(長)委員 圧力がなくても、104Cの話を聞いてくれないかと言った人、あるいはまたロッキードの会社から、われわれの話を聞いてくれと言ってきたのか、あなた方の方で聞きたいと言ったのか、この点なんです。あなたは、全然知らないではこれは済まされないのです。どういう経過でこういう事態になったのかということを——やはりあなたの立場では私は前後の事情をお聞きにならなかったということは——それじゃ何ですか、防衛庁の関係者が、飛行機の説明をやるというのならばあなたはいつでも出てきますか、どうなんです。
○佐薙証人 これは内局の方で一切こういう問題を取り扱っておりますので、どういういきさつで、またどういうところから、あるいはどういう方面から——防衛庁の方から持ち出したのか、あるいはよそから何か話があったかということについては私は全然関与しておりませんので、うかつだと申されればいたし方ございませんが、これは私の立場でございませんので、私はこれを存じておりません。
○田中委員長 もういいんじゃないですか、知らぬと言うんだから……。
○山田(長)委員 いや、知らぬからそれでいいというのではなくて、やはり内局であるならば、内局のだれがそういう連絡をしてきて、そうしてこういう事態に発展していったのか、一応知っておきたいと思う。
○佐薙証人 私は今、私のところに連絡した人が内局のだれであったかは覚えておりませんが、少くとも私のところに言ってくるのは課長、局長以上でございますから、その辺のところと思いますが、果してだれであったか、たとえば装備局長であったか、航空機課長でありましたか、その辺のところが、あるいはそれ以上のところであったか、ちょっと今記憶はございません。
○山田(長)委員 あなたはノース・アメリカンのF100型を除く理由として、航続距離が非常に長い、それで侵略的な傾向があって、こういう設備をしたのでは社会党あたりが爆撃機じゃないかという印象を受ける、それはまずいというのでそのノ—ス・アメリカンを決定するに当って反対の立場をとったという話があるが、この点いかがです。
○佐薙証人 そのような見解で私どもがF100を適当でないとしたようなことは絶対にございません。元来私どもはやはり日本の防衛にアメリカがF100を持っておりますように、ある程度のF100程度のものは持ちたいということは一応のいろいろの見地からは出て参つります。しかしながら今私どもが考えておりますのは、国産をする飛行機である。しかも国産をする飛行機はわれわれがまず優先第一に考えなければならないのは要撃ということであります。空の防空は将来高々度に高速度に来る目標に対する要撃、これを第一に考えなければ、この点に欠陥が将来生ずるということをおそれますので、われわれの要求性能からは高度が高くてしかも速力の速く飛べる飛行機ということに着目をしておりますので、その見地から申しましてこのF100は速力もおそい。それから上昇高度も落ちるというので、われわれの要求に満たない。また生産いたしましても比較的これは旧式に属しております。近代的戦闘機というよりは、同じ超音速の飛行機でございますが、最初の超音速戦闘機でございまして、これを今後日本が作るというのには適しないという見地から、私どもはF100を実は早くから国産する飛行機ではない。ある程度持つことはわれわれは望ましいけれども、これを国産する飛行機の範囲に入れることは適当でないということは実はわれわれどもの研究においては持っております。しかしながら、これを早く意思表示いたしますと——われわれの段階において意思表示することもできませんので、意思表示しておりませんが、われわれがF100を採用いたしません理由は今申し上げました理由に基くものでございまして、今、山田委員から申されました理由は全然考えておりません。
○山田(長)委員 あとで内定するに至ったF11F—1と98J—11とは非常に混同しやすい状態に置かれておることはあなたもわかると思うのです。そこでアメリカの場合はあれだけの物のある国でも一つの機種選定に当ってはまず最初にどんな場合でも二機か三機しか契約してないで、それを徹底的に試験をして、その飛行機に改良を徹底的に加えて、さらにその次には二十機か三十機の契約しかしないという。それでしかも二十機か三十機しか契約をしないで、でき上った機種については七段階の試験をして検査を行なって、しかるに後その性能がすぐれているという結論が出なければその結論を出さないというのに、どうして日本のように物もないし金のない国で、一ぺんに今度の内定などについての飛行機の数というものが、二百五十も三百ものそういう買い方をする状態にいこうとしているのか。またこれらについて、あなたの立場で何らかの意見具申がなされなければならぬと思うのですが、その点いかがですか。
○佐薙証人 飛行機を作ります場合に、当初二機ぐらいの飛行機を作り、さらに数機作ってこれを徹底的に調査をされるというお話でございますが、このグラマンの場合におきましては、私どもが考えておりますグラマンの前身のF11F—1という飛行機は、F11—1Fという飛行機と大体六、七〇%程度同じ機体をしております。違いますところはエンジンが違います。それから頭の方を若干改造したりしておりますが、機体の部分におきまして相当の共通性がございます。そういう飛行機でありまして、米海軍におきまして飛行機の試作をして試験をいたしますときに、やはり空軍の——今度私が視察いたしました一カ所でありますが、エドワードという空軍基地がございますが、このエドワードという空軍基地に持って参りまして、海軍機を同様に協力していろいろテストをやっております。従いましてこの前身であるF11F—1の場合に、この飛行機に対して相当テストされて、そして米海軍で採用され、目下まだ製造をされておりますが、試験を行われております。従ってF11F—1Fの場合は、このエンジンを米空軍が開発いたしましたJ79というエンジンを取りつけましたものでございます。エンジンにつきましては米空軍が開発して、エドワードにおきまして米空軍と米海軍と協力のもとにテストをいたしました。そしてわずか二機でございますが、飛行性能実験——飛行機の実験の段階に、ただいま御指摘のようにいろいろな段階がございますが、飛行性能実験という段階はこれで一応全部終ったのであります。飛行性能実験が終りますと、米空軍あたりではどうするかと申しますと、この飛行性能実験に合格いたしまして、その飛行機がよろしいということになると、もう製作の命令を出されます。たとえばF104の場合におきましても、フェーズ四という第四段階の試験が終りましたときに試作の命令が出ております。そして多量生産をどんどんやっていく。あと残っておりますのは、この中にどういう通信機でありますとか、射撃照準装置を含むとか、あるいは外に誘導弾をつけるとか、あるいは機銃の場合は機銃を積んでやる、英語ではフアンクション・テストと申しておりますが、飛行性能のテストは全部終っておりまして、そういう意味の中に積んであるものの性能を試験するテストが残っております。現在二機ございますグラマンの試作機におきましては、あと中に何を積むかということによって試験の方法が残されておりますが、飛行機としての飛行性能実験、すなわち第四段階は終っておるという段階でございます。
○山田(長)委員 あなたはアメリカで最近飛行機の試作について法制化してあるという内容について、それじゃ知らないですよ。アメリカでは空軍でクック・クレーギィ法という法律、それから海軍ではマーフィ法という法律が通って、一度にたくさんの試作品を作ったり、一ぺんにたくさんの飛行機を作らないという法律までできているじゃないですか。今あなたの説明を聞いていると、そういう法規がアメリカで国会を通って法制化されていることを知らないのじゃないかと思う。最近の高性能の近代航空機は、二機や三機作ってみても、それが役に立つものか立たないものであるかわからないから、第一段階においては二機か三機の試作品を作り、第二段階においては二十機か三十機しか作らない、そういう契約を会社としない、こういうふうに米海軍の場合においても空軍の場合においても法制化されてまで、一ぺんに大量の飛行機の注文をしないことになっている。こういう状態に置かれる法律がアメリカでできているのに、あなたの立場で全然知らないで一ぺんに大量の飛行機を注文するようなことは考えられませんよ。こういう法規のあることをあなたは知らないのですか。知っていてもやるのですか。日本の場合はそういうことはかまわないで、とにかくたくさんの注文をするのだという考え方であるとすれば、これは大へんな間違いであると思うのです。試作品を二機も三機も——ましてや今度試作されている飛行機の場合におけるエンジンの相違というのは、あとでだれか質問されると思うので、私はこのことの質問はしませんけれども、エンジンの内容が違う飛行機が扱われておるというのです。アメリカでさえもこういう法律ができておるというのに、日本の場合は何もかまわず、とにかくきめられた線で、三百機なら三百機、二百五十機なら二百五十機の飛行機を買っていいんだ、こういうお考えですか。
○佐薙証人 アメリカにございます法律の詳しいことは私は存じません。名前は聞いておりますが、詳しいことは承知しておりませんが、私は実験航空隊、それからライトパダソンにございます航空開発研究本部その他に参りまして、アメリカにおきまして飛行機の試作段階からどういうふうに作られるか、またどういう段階がいろいろあって、どういう段階になったならば飛行機の製作を発注するかということにつきましては、それぞれ当って調査をして聞いてきております。それで今度の場合に、この飛行機が第四段階、すなわち飛行性能実験というものを終っている。あと残っておりますのは、具体的に申し上げますと、中に積みますいろいろな装備品、兵装の問題、それから先ほど発動機の変化のことがございましたが、その発動機のことにつきまして、一般にお考えになられますことと、現在私ども実際にいろいろの発動機なり飛行機を取り扱っておりますのと、少し事情を——何と申しますか、われわれ実際に飛行機を取り扱っております者から申しますと、かりにJ79というエンジンがございますと、それが—3あるいは—7というようなことになりましても、エンジンの本体の大部分におきましては変りがございませんで、こういう飛行機にいたしましても、発動機にいたしましても、現在どんどん発展の段階にございまして、一ところに静止しておりません。従って、ある本体ができましても、それに対して局部的に、ごく一部のところを逐次改善していくということが常に行われております。従いましてJ79の3から8に参りましても、いろいろJ79の3でやってみて、工合の悪かったところをさらに性能をよくしようとか、燃料の消費量を減らそうとか、あるいは推力をふやそうとか、そういう措置が講ぜられておりますが、本体自体においては変りはございませんで、従来も、現在われわれが使っておりますF86とか86Dとか、あるいはT33におきましても——同じT33で申しますと、Tの33というエンジンにダッシュ幾らというものとダッシュ幾らというものがございますが、それはT33、あるいはF86DでございますとJの47ダッシュ何々というエンジンが三通りもございますが、これはそれぞれ改善はされておりますが、F86Dとして使われております。ごく一部分の修正が行われておるだけでございまして、名前がダッシュということで変っておりますから、はなはだしく別物のように一般にお考えになられるかもしれませんが、実際は今申し上げましたように、一部のところが変っておるだけでございまして、これは別物であるとかいうようなことは、私ども一般に現物を取り扱っております者は考えておりません。 それから、ただいまお話のございました、一挙にたくさん作らないでそれでやってみたらどうかというお考えは、一応ごもっともな御意見でございまして、これらのことにつきまして私どもの方におきましては、一応こういう種類の飛行機がこのくらいほしいという要求は出します。しかしこれを実行に移す段階におきましては、これがいわゆるシビリアンの方におかれましていろいろ諸般の情勢を考えられて、お前の要求はわかるけれども、こういうふうにせよということでやっていただけばけっこうなのでございます。私どもの方は一応トータルの要求数というものを申し出ておるわけであります。たとえばF86Fにいたしましても、T33の国産にいたしましても、契約をそれぞれ一次、二次、三次という段階に分けて、そしてどこまでやるか、どこまでやるかというふうにやっておりますから、実際のやります段階におきまして、これを御指摘のように数を分割してやるというようなことも考えられるわけでございます。
○山田(長)委員 専門家の話で、いかにも一部の改善の場合においてはそれが機体全体に関係がないように言われるが、われわれしろうとから見ると、近代航空機の複雑化、高度化というものから考えてみて、エンジンの部分における少しの変化が完全なものであるということの考えにはなり切れないのです。そういう点で先ほど私が申し上げましたように、やはり一度に大量の飛行機を作り上げるのではなくて、あくまで試作の程度でこれが研究を進めていくことが一番いいのではないか。私が特に考えるのは、前のF86がまだ今日製造過程にある。エンジンのつけかえくらいですぐに変るものであるならば、それがろくな変化がないというなら、何も新しく飛行機を注文してたくさんの経費を負担するよりも、エンジンに改良を加えて、それを使用にたえるようにしたらいいじゃないか、こういうふうにしろうと考えをするくらいなんです。しろうとのわれわれの考えでは、どうもあなたの話は理解できないのですが、もう一ぺん、そういう機種に大きな変化というものがないものであるか、あるものであるか、こういう高度化の飛行機がそんなに変化を持たないものであるかどうか伺いたいのです。
○佐薙証人 ただいまの御質問、ちょっとお伺いを申し上げますが、先ほど私が申しましたF11F—1というものが現在生産されているならば、それのエンジンの何か強力なものにしていったらよかろう、こういう御意見でございますか。そういうふうに承わりましたが……。
○山田(長)委員 あなたの説明で、私たちが得ている資料では、重量、推進力あるいは燃料の点、タービンの直径の点、いろいろ変化があると聞いているのです。そういう点があなたは変化がないように言われるところに、私には理解ができない点があるわけです。それでもあなたは同じだと言うのですか。
○佐薙証人 このJ79、あるいはJ79に限りませんが、J47とか33とかいろいろございますが、現在のJ79にとりましても、これはJ79の3型でいろいろやってみまして、ここを改善したならばさらに性能がよくなる、著しく本体を変えませんで、タービンのブレードのところをかえるとか、あるいはどこを改造することによって燃料の消費量が減るということによる一つの性能の向上でございまして、こういうところは飛行機あるいは現在のジェット・エンジンにつきましては常にいろいろ改良の手が打たれております。それで私どもが研究いたしまして、専門家が研究いたしまして、この程度のことはいつも、またこの程度のことは今後もずっと行われることであって、本体がJ79である限りにおきましては、若干の径が変ることもあります、あるいはアフター・バーナーというものをつけて長さが長くなるということもございます。 〔委員長退席、山本(猛)委員長代理着席〕 そういった、ただいまのJ79—3、J79—7との関係におきましては、私どものジェット・エンジンの専門家が見まして、これは普通ある、ごくありきたりの性能改善である。すでにJ79—3から—7に移りまして、F104の方もすでにスムーズに移り変っておるわけでございまして、これは何らのトラブルなしにF104AからF104Cに移って、現在若干のものが飛行を始めておるという段階でございます。これは航空自衛隊につきましても、何でございましたら御視察をいただきまして実情をごらんいただきますならば、この程度のことが別にエンジンの非常な改変であって、これを取り付けることが相当の実験をしなければ採用するべきものでないというようなことでないことを御了解いただけると存じます。
○山田(長)委員 J79—3及びJ79—7というのがあなたの言うところではほとんど変りはないというような話であるが、私の伺いたいのは、非常に複雑化している近代航空機及び高度化しているもので、あなたは変化ないと言われるけれども、実際においてはまだ未開発の世界に置かれているものと私は思うのです。これがいかにも変化がないように言われるところに、私は大変な間違いがあると思うのです。一番の飛行機の心臓の部分ですよ、エンジンというのは。その心臓部分に変化を生じていれば、どんなに少くてもこれは大きな変化と私は思うのです。そういう点で、航空機の専門家の間において、そのくらいのことは変化はないのだということは、これはごまかしですよ。やはり大きな変化ですよ。大きな変化があると私は思うのです。そういう点で変化はないという理由は一体どこにあるのです。どういう点です。
○佐薙証人 この変化が大してなくて、エンジンを取りかえただけで円滑に動いているという例をJ79のエンジンについて申しますれば、F104Aから104Cにスムーズに移り変って、現在F104Aのあとに続いてF104Cが飛行を始めております。これをごらんになりましても、このJ79—3のエンジンからJ79—7のエンジンに変りましても、程度はございますが、別に非常にということでなくて、今御指摘がありましたように直径が若干ふえておるとか、あとの問題は燃料の消費量を減らすとか、こういう性能改善でございまして、この程度のことは円滑にすでにいっておる実例がございまして、私どもの専門家の研究によりましても、これは大きな変化ではない、こう申し上げる次第でございます。
○山田(長)委員 そうしますと、そういうあなたの言われるようなものができた場合に、合格不合格の基準となる性能はだれが判定するか。それから防衛分担金における米側が応ずるかいなか。こういう点はあなたはどうお考えになるのです。
○佐薙証人 この実験性能を確かめるということにつきましては——山田委員に伺いますが、今のはエンジンの問題でございますか、飛行機全体でございますか。
○山田(長)委員 全体です。
○佐薙証人 飛行機全体のテストにつきましては米空軍が非常に高度なこういう実験研究施設、私が見て参りました各基地の実験研究施設も、非常にりっぱな施設を持っております。多数の高度化した飛行機の実験をやっておりますので、私どもといたしましては、そういう実験のところにこちらからもそれぞれの専門家を派遣いたしまして、飛行機の実験を米側と一緒になりまして、立ち会って、われわれの要求に合致するものであるかどうかということを確かめますと同時に、また米側のいろいろな実験研究あるいは性能試験の方法も会得しようということで、この性能実験にはわれわれの方から関係の専門家を派遣して立ち会わせたい、こういうふうに考えております。 また防衛分担金の問題につきましては、金額の問題につきましては今後の日米折衝に待たなければなりませんが、米側が、従来からわれわれの承知しておりますところにおきまして、日本側の新機種生産につきまして援助をするという大体の方向はこれを確かめております。
○山田(長)委員 何%くらいの目安を持っておるか。
○佐薙証人 この金額につきましては、まだ向うは意思表示もしておりませんので、これにつきましては今後の折衝に待たなければ何とも申し上げられない次第でございます。
○山田(長)委員 この点はずいぶん下手な交渉に属すると私は思うのです。きめずにおいてこれを交渉する場合における問題と、きめてしまってからの交渉とでは、ずいぶんその出るものはまずい結果になるのではないかと思うのです。これは一応念のために申し上げておくわけであります。 次に伺いたいことは、この機種選定に当っては、国防会議の議長から内閣総理大臣に対する答申も、F11F—1Fは内定であるというふうにしてある。それから国民に対してはすでにこれは決定だとあなた方は言っておる。それは今、日本橋の三越の七階に防空展覧会が開かれておる。それで、十六日から二十一日までの間あったのですが、この展覧会にはスーパー・タイガーときめましたと防衛庁の名入りで発表しておるわけです。これは総理には内定と発表していながら、国民一般にはF11F—1F戦闘機の決定を発表しておる。これはちょっとおかしいじゃないですか。どっちがほんとうなのです。これは発表しておることが事実とすれば、総理を欺いたことになるし、この展覧会の発表は、あなた方が監督してないということは言わせないつもりです。どちらがほんとうなのです。
○佐薙証人 私も最近になりましてこの展覧会に出しました立て札にそういう誤解を招くようなことが書いてあったということの報告を受けました。誤解を受けるような書き方がしてあったといたしますならば、これはもちろん下の方の事務段階の者がいたしたことでございますが、誤解を与えましたことにつきましては、はなはだよろしくなかったと思っております。これは私どもの下まで、そういうことをやっております事務のところに十分明確なことが伝わっておらな知った点でございまして“これは誤解でございますので、御了承願いたいと思います。
○山田(長)委員 これは大本営の発表当時、勝手に何でもかんでも発表するのとちょうど似ていると私は思うのですよ。この写真も、あとで取り消しでもされるといかぬと思うので、実は私はとってきてここであなたに示すわけですけれども、心の底には内定じゃなくて決定だということが、係の人にもあなた方の中にもやはりあって、国会で何と言ったってかまわない、決算委員会で何と言ったってかまわないということで、決算委員会でやっている最中にこれを出しているのですよ。ずいぶんこれはおかしなことじゃないですか。間違いで済むものと、済まぬものとあると思うのですよ。少くとも国会の決算委員会で問題になっている最中にこういう展覧会を開くのですから、あなた方及びあなた方の部下の人たちも、もっと真剣にこれが検閲あってしかるべきだと思うのですよ。そういうことが真剣でなかったので、国会軽視のためにこういうことが防衛庁でやられていると思うのですよ。あなた方が三月の十五日に内定のときに、間違って決定しているかのごとく話をし合って、これから先グラマンに関係のある有利なものばかり集めるんだということで、高橋第一課長が歩かれたというような話もうわさに聞いているわけなんですけれども、そういうところにやはりこういう結果が生まれていると思うのです。一体この資料は防衛庁のだれが検閲して、そうしてどういう経緯でこれを出すようにしたんですか。
○佐薙証人 私が報告を受けました限りにおきましては、だれが書いたということは私まだ調べておりませんが、北海道におきまして御承知の通り、ことしの夏の七月ごろから博覧会をやって、北海道の博覧会にこの模型とか、同じ立て札が飾られました。それがそのまま北海道から三越の会場に移されたということであります。
○山田(長)委員 そうすると、それはずっと前からもう内定じゃなくて決定したことになるのです。そういう発表は北海道で何万人の人に見せたか知らないけれども、もうとうに北海道でやってきていたというが、一体北海道でいつやったんです。
○佐薙証人 北海道の博覧会の時期は私、はっきり存じませんが、七月ごろと存じております。それで、これはもちろん下の人がやっておりますことでございまして、上の方の監督と申しますか、十分そういう雰囲気を知らない者が、方面の違う者が担当しておりましたのでそういう表現になったかと思いますが、当時でございますので、この国会でこうして今問題が取り上げられている前でございましたことも一つございましょう。
○西村(力)委員 今の問題、御答弁をお聞きしますと、北海道においてもそういうことをやって、何カ月かあとの東京でもその通りにしておる、こういうようなことをお聞きしますと、ますます私どもは不可解になってくるのですが、あなた方は内定は内定であって、決定じゃないというのじゃなくて、内定というのは条件付決定である、こういう工合に理解する、あるいは国防会議からそういう連絡を受けておる。こういう立場で今までやっておるのでしょう。こういう重大な問題を下の方がやっておるのでおれは知らなかったという、こういう言いのがれはいやしくも空幕長たる者がおっしゃるべきじゃないと思う。内定というものは条件付の決定である、こういうふうにあなた方全体が理解するし、また国防会議からもさような連絡を受けてずっと通してきているんだ、こういう工合に私たちは思う。その点はどうですか。
○佐薙証人 今の下の方に内定という趣旨が徹底しておりませんでしたことは、私は非常に遺憾に存じますが、内定という線につきましては、私どもも、はっきり内定である、決して決定ではない、その点は十分承知しております。
○西村(力)委員 下の方がそういうことをやったのは遺憾だと、それで済まされるほど簡単な問題とは違うと私は思うのです。国防の基本方針をきめる国防会議の決定が、あなた方の理解とその下の者の理解とが全然違うなんということは、これはあなた方、済みませんぐらいで済む問題ではない、そんな簡単なことだったら大へんなことじゃないですか。国防の基本方針を国防会議で決定した、その内容があなた方の知らない間に下部はこういう理解をしておった、これはまことに遺憾であったぐらいで済む問題ではないのですよ。そういうのは言いのがれというものだと私は思う。あなた方の立場と下の方の立場と一致する、そうでなければどうしてそういうことを属僚の人人がやるものですか。そういう言いのがれはうそです。あなた方は旧軍におった方々だろうと私は思うのですが、そんなことがあった場合において、下の者がやったんだから仕方がない、そんなことはできないはずです。繰り返して言うが、国防の基本方針は重大な問題だ。国費一千億を注入する、そういう経済的な問題もまことに重大だ。そういうところの決定が上部と下部が違っておるなんということは、防衛庁内部においてそういうことがあるはずはない。そういうことはあり得ないことだ。あったら大へんなことですよ。それを下の者が勝手にやったんだからおれの意思に反した、おれは内定で決定ではないと思っている、そういう言いのがれは許されないことです。私はあくまでもあなた方の全体は決定である、ただし幾らかの条件がついている、条件付決定であるぐらいの連絡を受けて、その通りに理解してずっと一連の作業をやっておるんだ、こう断言せざるを得ない。もう少し空幕長の権威にかけて、下の者が間違ってしたというようなそんな答弁でなくはっきり言ってもらいたい。
○佐薙証人 今の内定いとうことにつきましては、私ども十分承知して、そうしてこれがいよいよ資料が整いましたところにおきまして、再び国防会議に提出されまして、そうして国防会議においてこれが審議決定されるということを十分承知しておりまして、これは決して決定ではない、決定権はあくまで国防会議にある、われわれが今やっておりますのは、国防会議で御審議を願いますのに必要な資料を整備している段階でございまして、決してこれを決定ということで考えておるものではございません。
○西村(力)委員 そういう工合にされると、そのあとの始未はどうされるんです。下の者がそういう表示を全国民にやっておる、防衛庁という公的な立場でやったということは、下の者の責任であると、あなたはそれだけで済まされますか。これは重大な問題ですよ。国防会議の決定がその決定の意思に反した立場でやられたのでは、これは大へんなことじゃないですか。治安出動をやるとかやらないとか、あるいは防衛出動をやるとか、そういう工合にきまったときに、内定したんだ、これは決定だからやっちゃえというような工合にやられたら大へんなことです。治安出動は治安出動として、今のところはやらざるを得ないということを意思決定はしたが、それはまだ内定であって、もう少し注意をして様子を見てからやろうとしているときに、下の者が出動することに内定したんだからこれはやっちゃえ、こういう工合に下の方が動いたら大へんじゃないですか。あなた方は下の者が勝手にやったんだぐらいなことで、その責任をとらなかったら大へんなことになる。あなたはあなた自身の責任をとってもらわなければいかぬ。おそろしいことになりますよ。
○佐薙証人 どういういきさつで、あるいはどこの部門におきましてああいう表示をいたしましたかにつきましては、後日私の方でよく調べますが、この席におきましては、そういう誤解を生じますような表現がなされたにつきましては、私から遺憾の意を表します。
○山田(長)委員 遺憾の意では、この文面からいうと承知されないようなことなんです。「明日の日本の空を守るF11F—1F戦闘機。政府は去る四月十二日の国防会議で航空自衛隊の次期主力戦闘機の機種をF11F—1F(スーパー・タイガー)ときめました。これがその模型です。」こうなっておるわけです。だから、当然そのそばに模型があるわけです。こういうことをやはり国民に訴える以上、今これが開かれて、まだかなり問題があるが、もう決定しているんだ。国会じゃあんなことを言ったって、もうちゃんと防衛庁では仮契約でもしているんだろう、こういうことが国民の間に言われているんです。それでは国会の威信は全く地に落ちるではありませんか。そういう点で、当然これはただ知らぬでは済まされないと思うんですよ。もう一ぺん重ねて私はあなたの立場で一つこのことの釈明を願いたいと思うのです。
○佐薙証人 十分そのいきさつを調査いたしまして、どのレベルにおいて認識が不足であったか、あるいはどのレベルにおいて監督が不十分であったかというようなことにつきましては、調査いたしまして、この委員会がさらに開かれますならば御報告いたしますし、それからそれまでの間におきまして、私といたしまして、あらためてこういう誤解を生ぜしめるようなことのあったことについて遺憾の意を表します。
○山田(長)委員 まだそのほか数点にわたって質問を申し上げたいのですが、こういう重大な問題が、国会軽視のような考え方のものがあって、そしてこの結論があなたにはわからないような下の者がやっているような、まことに逃げ口上のお言葉とも考えられるようなことが言われるようなことでは、どうもいろいろ聞きたくても聞くことに張り合いを持ってない状態です。私はあと幾つも聞きたいのですけれども、この程度で質問を終ります。どうか一つ、これからもあることであると思うんですが、やはり国防会議を無視したり、あるいは国会の審議中、少くとも北海道で展覧会が開かれてきて、さらにこの国会の審議中にこういうものが三越に展示されるに至っては、上も下もないです。やはりあなた方が真剣にこのことについて関心があるならば、当然三越へ出向いていってでも、事実をやはり究明して謝罪すべきものと私は思うんです。そういうことが全然なされずに、今ここで取り上げられなければ、ほおかむりしてしまうような事態は、やはり私はこれからもあることだと思いますが、防衛庁として当然慎しまなければならぬことだと思うんです。どうかそういう点で、あなた方は重要な立場に置かれるわけですから——あなたは停年で、聞くところによると、近くもうおやめになる。やめられたら新三菱に入るんじゃないかといううわさがある。事実かどうか知らない。あなたのむすこさんも新三菱に入っているという話です。これも事実かどうか私は知らないが、やはり何かしらこれら一連のことを考えるわけです。どうか一つ重要な立場にあるのでありますから、在職中における、国民に訴えるものはこれからも慎重に一つ御審議されて掲示されるように切望してやみません。どうぞ一つその点、あなたの確固たる御信念を伺いたいと思います。
○佐薙証人 ただいま山田委員の申されましたことにつきましては、十分今後私どもも注意をいたしまして、遺憾のないように最善を尽したいと思っております。 それから今お話のございました、私が停年でやめましたならば三菱の会社に入るというようなことが伝えられておるということでございますが、私には絶対にそういう意思はございませんし、また自衛隊法の第六十二条にも、防衛庁の相当の職にありました者が在職中関連のあるような会社の方にはついてならぬということがございます。そういう条項があるないにかかわらず、私といたしましては毛頭そういう考えを持っておらないことをはっきり申し上げたいと思います。
○山田(長)委員 むすこさんは在社されていませんか。
○佐薙証人 私の長男は現在三菱に入っておりますが、これは一橋大学を卒業いたしまして、三十年の秋に、今から三年ばかり前に学校から入社試験を受けて入りまして、現在名古屋の工場の現場の資材関係で働いておりますが、これはすでに三年前に入っておるわけでございまして、そのことだけを申し上げておきます。
○山本(猛)委員長代理 田中彰治君。
○田中(彰)委員 証人にお尋ねします。今写真を出されて私は驚いたんですが、ああいう工合に逃げられないように写真でもとってあると、あなたの方は割合に遺憾の意を表されたり、認められるのですが、そうでないと、逃げられて、なかなかつかみどころがないような状態になっておるのです。いわんや飛行機はわれわれはしろうとであって、あなた方は専門家だからいろいろ専門語を使って逃げられますと、これは一月や二月の決算委員会のいろいろなことではちょっとなかなかつかみにくい。しかし事実は事実として、はっきりするということは私は自信を持っております。 そこで、あなたにまずお聞きするのですが、この内定ですね。この内定は、あなたも御存じですが、これはすんなりいった内定じゃない、いわくづきの内定だ。すなわち、あなたの方は三月の十五日に、四月の十二日の国防会議には是が非でもグラマンを決定しようじゃないかというので、前の津島防衛庁長官の自宅であるのか、あるいはまた役所の長官室であるのか知りませんが、どっちかには間違いがない。そこであなたと高橋課長と長官と会われて、それをきめられた。その日にその関係課長を長官室に呼ばれて、グラマンに四月十二日の国防会議で決定するのだから、それに必要な書類を作れ、こう言われた。ところが、防衛庁の中にはやはり少し骨のある男もあるとみえて、二年も研究費をかけて研究したロッキード、しかも今AじゃなくCができておる。この方はAの欠陥をことごとく改良されておるのだから、これの方のことはどうするのか、こういう工合に言ったときに、あなたが言われたのか、高橋課長が言われたのか、長官が言われたのか知らないが、三人のうちの一人に間違いがない。それは出さぬわけにはいかないから、AもCも別にしないで、ロッキードじゃ調査してみたが、わが国に向かない、資料もそろっておらない、一蹴されるように書いて出すように命令された。これも事実だ。それを裏づけるものは一体何かというと、国防会議のその日の空気なんだ。あなたの方ではグラマンを四月十二日の国防会議で決定をするように持ち込まれた。すでに決定が八割まできまった。そのときに議長席におられた岸国防会議議長が、君たちは非常にグラマンを推奨されるが、一体値段は幾らくらいなのか、カタログはあるのか、仕様書は出ておるのか、あるいは性能、安全性についての確実な証明があるのか、それだけ推奨されるのだから、もちろんアメリカの軍部でも採用しているから軍の証明等があるのかという話をされたら、全部ありませんと言った。古いカタログはあります。まだ二機しか作っておらない。それだから軍が採用しておらない。それだから軍の証明書がない。カタログも二機しか作っておらぬから、ない。こういうことを言われたので、そういう不確実なものを決定するわけにいかないから一応内定にしておけ、そのかわりにこれを決定すべく、だれが見ても決定のできるような書類を出せと国防会議の議長から言われておるはずなのです。同時にその他のロッキードCの書類も一応そろえて出しなさいということを言われておる。それが、この決算委員会を開くこの八月に私が岸国防会議議長にそういう書類が出ておりますかと言ったら、いまだ出ておらないと言う。そうして今度は八月二十五日の国防会議には、これを決定すべくちゃんと持ち込んで書類を出せと言った。国防会議の議長も飛行機の問題があまりむずかしいのか、今ここであなたが論議されたようなことを言われてわからなくなったのか知らないが、書類を見ないで、グラマンに決定することになっておった。それを知ったから、私の方で調べた。それだからその内定というものはいわくつきの内定なのです。そのいわくつきの内定を決定のごとく装って、そうして北海道でもそういうものを博覧会にかけ、またこの委員会で問題になっているときに、しかも東京のまん中に、あの三越の博覧会にもこういうものを出して、しかもりっぱなものを書いておる。これは一体どういうわけなのですか。防衛庁がそういうような独善的なやり方をするから、国民から信用がない。自由民主党の相当強い議員といえども、解散になった場合に、防衛庁のことをうのみにして演説でもするなら票が半分になってしまう。それだけ信用がない。信用がないのは事実です。今これを見て驚いた。ただあなたは、これは下の者がやったのだから知らないと言って逃げられる。何のためにあなたは監督になって上に立っておるか。上の者は下の者を監督する責任がある。同時に下の者がやったやつには責任を負わなくてはならない。それだから月給も高い。地位も高い。ただあなたが今写真を突きつけられないなら、これも逃げたかもしれない。いわくつきの内定ですよ。すんなりいった内定ではない。すんなりいった内定であれば、決定の方に持ち込んでいくかもしれない。この点についてあなたはどう考えておられますか。
○佐薙証人 ただいま田中委員長がいろいろ申されました初めの段階のことは、防衛庁の組織の中におきまして、国防会議その他に関しますことにつきましては私たちは実際関与しておりませんので、どういうことが発言され、またどういう空気であったかということにつきまして——また今初めて私はその内定の、岸総理でございますか、いろいろ申された具体的なことを承わったわけでございますが、私どもが承知しておりますのは、一応グラマンに内定して、この線に沿うていろいろの資料を整備して、次の国防会議に提出する準備をするというふうに指導しております。今御指摘のありました、先ほどもございましたが、立て札の件につきまして、国民に誤解を与え、あるいはこの決算委員会の審議中に決算委員会の権威を無視するようなことがあったとかいうことにつきましては、先ほど来私が遺憾の意を表している通りでございまして、今後なお監督を十分にいたしまして、こういう誤解、あやまちの起らないように努力したいと思います。
○田中(彰)委員 あなたは四月十二日の国防会議に、これを内定するために、技術面においては専門家として相当関与され、相当進言され、相当のことをやられている。そこで国防会議が内定になってきたときに、あなたの部下があなたのところに行って総理から押えられて内定になったら、あなたは一応事情というものを詳しくお聞きにならなければならぬ。もし聞いておられぬとするならば、あなたは幕僚長の資格のない人なんだ。その内容をお聞きにならなかったか、どういうわけで内定になったか、内定になったいきさつ。まだある。河野氏が便所に行っておったか、居眠りをしておったか知らないが、二つ言われておるが、どっちかわからない。総理に言われたので気がついて、それはその通りだといって彼もやはりしかりつけておる。まだある。今度はそういう工合に内定になったやつを次官会議にかけなければならぬ。かけないで——これはかけてもかけないでも法的にはさしつかえないが、一応電話でもってこういうものが内定になったぞということを次官会議に報告しておいて、それから一週間たたないうちに閣議があって、そのときは決定の書類を作って、そうして閣議の閣僚にみな回したところが、閣僚も多い中に、この国防会議に関係のあるものは総理、企画庁長官、大蔵大臣、通産大臣、何か重要なことがあれば外務大臣も出るが、それだけしかない。その人たちの他はみな国防会議にこのグラマンが決定した決定のサインまでしてある。そこで最後に河野氏のところまで持っていった。おや、これは内定ではないか、決定はだれがしたのだといって、愛知官房長官を呼びつけてしかった。びっくりして帰って内定の書類と取りかえて、内定を決定させた、内定で閣議を通った、そういういきさつもある。ちょうどこういうことを聞いてくると、何かグラマンというものを通すためにあらゆる無理をしておる。ちょうど芝居か映画にある通り、にせものを通したりするにはよほどいろいろな策略、悪謀の計画があるようにとれる。これは間違いのないことなんです。私はここで言うのだから、速記をとっているのだから間違いはない。間違いがあれば私は責任を負う。 それからいま一つあなたが先ほど言われた試験運転した、すなわち二機できておる。その二機できておるグラマンは、エンジンが3であった。3のエンジンで試運転した。その3のたった二機しかできていないものが、軍部で採用しておるとか、それから軍部がこれに証明しておるとか、あるいはまたこの性能に対する政府の証明とかも私はないと思う。もしあるなら、あなたからお聞きしたい。
○佐薙証人 今、田中委員長の申されました初めの方の段階のことは、これはシヴィリアン段階でいろいろタッチされることで……(田中(彰)委員「私はそんなことを聞いているのではない。二機作ったものに証明書があるのかないのかということを聞いている。」と呼ぶ)グラマンの二機の問題につきましては、私は米空軍におきまして、104とそれからグラマンの両方を飛びました熟練なる。パイロットを、いろいろ日本におきまして、あるいはアメリカに、おきましても探しまして、また実験航空隊の幹部以下実際に飛びましたパイロット、さらに試験の資料に基いていろいろ説明を受け、また飛行機の実際に飛ぶところを見ております。私は午前、午後にわたりまして、この飛行機の実際に飛ぶところを見ております。そして私は会社側ではなくして、米空軍で一人で両方の飛行機を飛びました人に、その飛行機の紙の上のいろいろな要目はわかっておりますが……(田中(彰)委員「私は証明のことを聞いているんだ。政府とか軍の証明があるのか聞いているんだ。」と呼ぶ)私は実際に飛びましたところ……(田中(彰)委員「それはわかっている。実際飛んだとかそんなことを聞いているのではない。証明があるのか。」と呼ぶ)私はワシントンにおきまして、米空軍から米空軍として見られた各飛行機を比較した性能表を示してもらいたいということで要求いたしまして、現在問題になっております各飛行機の米空軍本省の権威あるところの資料を示してもらいました。 それから安全性につきましてもう一つ申し上げます。私どもが先ほども……。(田中(彰)委員「それはいいんだ、証明書を聞いておる。安全性とか性能に対して米空軍が証明しておるのかと聞いておるのです。」と呼ぶ)事故につきましてちょっと申し上げますが、事故はもうすでに……。(田中(彰)委員「事故を聞いているのじゃないですよ。証明があるのかと聞いておる」と呼ぶ)別に証明という正式の証明はございません。
○田中(彰)委員 それなら、ないと言ったらいいじゃないか。あなたはわれわれ飛行機にしろうとだと思って、そういう横へ持っていこうとするけれども、われわれはあなた方がやった四月十二日の国防会議で通した飛行機の正体を国民の前に知らしめればいい。たった二機しかできていない。われわれの聞くところ、調べたところ、一機は墜落、一機は大破。いいですか、あなた方の長官が説明するところは一機が墜落、一機が故障とエンジンを取りかえるので工場に入っておる。どっちにしても同じことだ。二機できた飛行機が現在世界の空を飛んでおらぬことは事実だ。しかも作ったものは二機なんだ。前の親のことを聞いておるのじゃない。キジの親は鶏かと聞いておるのじゃない。キジなんか買ったって卵をとるのに役に立たない。二機作ったものを聞いておる。その二機しかできないものが、私はいつできたかもわかっておる。米軍がどれだけの時間の試運転をしたのか、いつやったのか、そのやったことに対して米軍がりっぱにいつの幾日に何時間どういう。パイロットが試験して、その安全性、性能に対して間違いないということをだれが証明しているのか、だれがこれはりっぱなものだと推薦したのか、これを聞いておる。ロッキードだってその通りです。われわれはこんなものは買わなくたっていい。ロッキードだってグラマンだって、こんな飛行機は要らない。今あなたのそんな古い頭で考えておるような飛行機は、もはや五年もたてば変ってくる。どっちか買わなければならぬというから、買わなければならぬなら国民の納得するものを買えと言っておる。そこで、あなたはロッキードも二機か三機しかできておらぬと言っておるけれども、あなたはわかっておるはずです。ロッキードのAは米空軍に幾ら納まっておるか、Cは幾ら納まっておるか、まずあなたがここで御回答され——Aが何年何月何日に幾ら納まって、Cが現在幾ら納まっておるか。あなたが推奨されるものが一体米空軍に何年何月に何機納まっておるか、これを一つはっきりしていただきたい。ほかへそれないでいい。納まってないなら納まってない、証明書がないなら証明書がない、納まっておるなら納まっておる、それだけでいい。
○佐薙証人 証明書のようなものは別にございません。今のF104A、Cがどれだけ納まっておるかということにつきましては、Aは米空軍に二百——ここに正確な数字を持っておりませんが、二百数十機と私は心得ております。それからF104Cは、今日現在におきまして約二、三十機米空軍にデリヴアーされたということを、これは米軍のソースによって私は確かめております。それから、F11F—1F、これにつきましては、エドワードが米空軍の実験の担当の場所でございますが、ここでどのくらい実験したかということについては、私が二月に参りましたときに向うで聞いておりますのは、大体私どもの調べましたのは約二百時間、事故につきましてはこれはもう事実でございますから、事故の事実があったかなかったかということを調べておりますが、今お尋ねのF11F—1Fの二機が一機は墜落でございますか、一機が大破ですか、そういうように伝えられておりますが、これは私どもの方で米空軍、海軍両方を通じまして確かめております。これの回答といたしましては、一機はフランスのパイロットが試飛行をいたしましたときに、離陸直後に胴体着陸をいたしました。これが今グラマンの工場に行っております。もう一機の方は現在エドワードの今の米空軍の実験飛行場にございまして、そのエドワードの飛行場の中に各業者の出先がいろいろございますが、そこにゼネラル・エレクトリック会社の出張所がございまして、そこのJ79—7のエンジンにかえるためにそこにある。これは飛行可能の状態にあるということを……。
○田中(彰)委員 軍部はどのくらい採用しているのですか。二機全部軍部が採用したのですか。
○佐薙証人 米空軍としては採用しておりません。
○田中(彰)委員 そこで先ほどと変ってきたんだが、ここに新聞社の諸君もおられるし、みなおられる。先ほど山田長司君のあなたに対する質問についても、山本猛夫君の質問についても、ロッキードというものはまだことしの三月にならなければ完成しないものだというようなことをおっしゃった。そうしてグラマンを推奨されておったが、二百機納まっておる。それからあなたにもっとお知らせする。二十機は間違いない。十五機ないし二十機納めたが、この七月の末に百四十機程度のものが納まっておるからお調べ下さい。そうするとこれだけ違っておる。二十機も納まって、また百四、五十機も納まって——百四、五十機はないとしても、二十機納まっておるから、ロッキードのAとかCに対する証明書は、アメリカ軍部が証明できるから証明しておる。あなたが推奨される二機は、飛んでいるのを見られても何されても、製作した年月日——先ほどあなたは年月日までやり込められたが、年月日と試験したすべてをちゃんと合わしてみると十六時間しか試験していない。二百時間なんて試験していない。この飛行機は飛んで歩くような——私はしろうとだけれども、一時間も二時間も飛んで歩けない、ほんのわずか飛んでまたおりておる。こんな早いものが二時間も三時間も飛べるものじゃない。十六時間しか試験していない。それも二機なんだ。十六時間でもいいのですが、二機なんだ。今あなたがここで推奨するように、その二機がアメリカの空を堂々と飛んでいるじゃないか、あれを見ろと言われるなら、私は納得する。一機が大破している。墜落したって大破で済むこともあれば、墜落したって少ししかいたまないこともある。着陸するときに大破した。だから墜落したと言われても仕方がない。着陸するときに落ちてきたんだから、二つに割れちゃった。これはもう飛行機に乗るわれわれとしては戦慄するような話だ。また、あとの一機はエンジンを取りかえるために工場に入っておるのですよ。これも故障なんだ。故障とエンジンを取りかえるため、両方で工場に入っておる。そうするとどっちをとりますか。 もう一つ私はあなたにお聞きしたい。3のエンジンと7のエンジンと変らないとおっしゃる。変っても少しのことだとおっしゃる。それならなぜ3のエンジンでお買いにならないか。まずこの御回答をしていただきましょう。
○佐薙証人 この3のエンジンと7のエンジンとは、7の方がいろいろ3を使いました経過にかんがみまして改善をし、あるいは性能向上を実施しております。従いまして性能の向上をされたものを買う方がよろしゅうございますので、7のエンジンを買おう。またJ79のエンジンは3から7に移るということは昨年の暮れころからわかっておりました。これはF104におきましても、グラマンにおきましても、3を7に変えていくということはもう十二月ごろから予定を立てておりますし、私がワシントンで得ました資料におきましても、今のF11F—1Fも104も7のエンジンということで説明を受けております。
○田中(彰)委員 そこであなたにお尋ねするのだが、四月十二日の国防会議であなた方が試運転で空を飛んだのを見、ほかの人も見た、非常に優秀であったとほめられるものがたった二機できて、その二機も今では飛んでおらない状態、これはほめられないことです。そこに持ってきて3のエンジンを使われた。3のエンジンは旧型なんだ。これは能力が悪い。これでは今後間に合わない。しかも五年先とか三年先でなければできない。グラマンだと完了するのが五年先だ。それだからすべてエンジンでも7のエンジンをつけなければならない。ところが試運転で国民の前にいいといって内定したものは、3のエンジンの旧型のエンジンで試運転したものだ。われわれが買わんとするものは一台もできておらない。ただグラマン社が、この3のエンジンでこれだけの能力があるから、これをこういう工合に改良すれば、3のエンジンより非常に優秀なりっぱなものができるというつまり推測だ。そこであなたが機械の専門家だから、その機械はこういう工合にしたらこういう能力が出るということが、あなたは概略推測がつくと思う。ところがそういう専門家でもこれはつかないことがある。動物なんかそういうものを改良するときは、メンデルの法則でやるから、どれとどれをかければこうなってこうなって、きちっとそろばんには出ることになっているが、いざやってみると、なかなかできてこない。そこで農林省あたりでも今、日本の家畜界でも、外国あたりでも困っておる。いいですか。あなたがそういう推測をされたって、そのエンジンができないかもしれない。そこであなたが能力にそう関係がないと言われるならば、私はお聞きしたい。3のエンジンというものは外形がほとんど同じだろうが、離陸のときの重量は3のエンジンの場合は一体どのぐらいのものなんですか、それから戦闘重量がどのぐらい、それから最大速度が3のエンジンはどのぐらい出るのか、7のエンジンはどのぐらい出るのか、この目方、この体型の大きさの変ったところ、これをちょっと説明して下さい。
○佐薙証人 今のエンジンにつきましては、—3のエンジンと—7のエンジンで大きな違いと申しますと、推力がふえております。それから燃料の消費量がよくなっております。そのほかにあと付随いたしました従来3の場合に工合が悪かったようなところが直されていると思いますが、大きな相違の点はそこにございます。推力が大きくなることによりましてどういうことができるかと申しますと、速力とか上昇力において……。
○田中(彰)委員 7と3のエンジンでは重量はどれだけふえますか。
○佐薙証人 重量は7の場合にごくわずかふえております。
○田中(彰)委員 どれだけふえますか。
○佐薙証人 ちょっと計算をさしていただきます。——百二十五万ポンドふえております。
○田中(彰)委員 このエンジンのタービン・ケースはどのくらいになりますか。
○佐薙証人 直径の意味でございますか。
○田中(彰)委員 そうです。
○佐薙証人 直径は8の場合に比べまして二・六三インチふえております。
○田中(彰)委員 それからアフター・バーナー、最大推進力、これはポンドでどのくらいふえておりますか。
○佐薙証人 推力はアフター・バーナーを使いました場合に、従来—3におきましては一万五千ポンドでございましたものが、一万五千六百ポンドにふえております。
○田中(彰)委員 そこでそういう精密な機械で、これだけの重量からその他——まだこれは専門的にあれしないが、その他機械が変ってくる。変るということは能力もよくなる。そのかわりすべてが、値段も違ってくることなんです。それからやっぱりそれが変ってくると、機体にもやってみた工合において多少でも変更しなければならないかもしれない。そうしますと、あなたが3のエンジンと7のエンジンと同じだ、幾らも変らぬと言われるようなことは、昔の徳川時代の人間と今の人間と、これを見ると幾らも変らぬ、人間では少し変ったぐらいで、ちょんまげさえ切ってしまって頭の毛を分ければ、人間は変らない。けれども頭が変る。たとえばエンジンというものは飛行機でいったら心臓である、胃である、あるいは肝臓のような重要なところかもしれない。またその他のいろいろなものが変ってきます。目が変り、頭の中の頭脳の考え方が変り、これの働き方がみな変ってくる。変るからあなたの方も3エンジンよりも7がいいとおっしゃっている。これはわかりますね。そこでどうして7のエンジンをつけて試運転されたものを国防会議に報告されないのですか。これを一つお聞きしましょう。
○佐薙証人 国防会議に提出されております報告には、米空軍から出ました資料には—7というエンジンで資料が出ております。しかし実際に—7のエンジンで飛んでおりませんから、この実際の実績はそのものが出ておりません。しかし米空軍が正式に—7というエンジンの場合にこうであるという資料で私どもは承知して、国防会議に報告しております。
○田中(彰)委員 これはおかしいですね。二機できた、これに3のエンジンをつけたものは一ぺんもアメリカの空軍では採用しておらないから、これに証明書を書けない。グネマンの証明書は軍部の証明書は書けない。試験飛行も十五時間か十六時間しかしておらない。そこであなたが今度日本で買うというものは7のエンジンで、簡単にいってもこれだけのものが違ってくる7のエンジンをつけるものおを買いになる。それができておらない。四月十二日にできておらない。今もできておらないかもしれない。しかもそのにせものとして使った二機も、今あなたの言うことを聞いても大破しておる。その大破も何か違うところで大破したのではない。やはりあなたはうまいことを言う。専門家だから着陸するときに大破したと言われる。落ちるのもやはり下え落ちてきて大破するのだ、これは変らない。言葉をかえるから、知らない者はみなそうだと思っている。これはやはり大破していることは間違いない。わかりましたか。一台はいたんで工場へ入って使えない。3のエンジンと7のエンジンを取りかえることが簡単なら、すぐそれを取りかえて飛んでいればいい。工場へ入って幾らたちますか。こういうことを論じてくると、四月十二日の国防会議で内定させたものは、こういう7のエンジン、最優秀の7のエンジン、この7のエンジンをつけてもりっぱに飛べる戦闘機ではなくて、旧型のエンジンをつけて、旧型のエンジンで飛べる戦闘機なんだ。これは違う。7のエンジンをつけたものはできておらない。そこで両方とも飛ばしてみて大差がないというなら、これはまたうそでも納得ができる。できておりません。もっとわかりよく言うと、ここに五才ばかりの優秀な男の子がおる。これは能力もいい、健康もいい、血統もいい。これを一つ養子にもらわないかというから、われわれは養子にもらうことにきめた。ところがあれを養子にもらうぞと宣伝しておいて、その養子にもらうには持参金幾らとか何を幾らとか、こういう交換条件を出してきめておいて、これからほんとうにもらうことになったら、これはやれない、これは見せものだからやれない、これは見本に見せたのだからやれない、今度やるのは生まれてくる子供だ、まだ生まれてない生まれてくる子供だ。それがどうしてどんなにいいのか。それはこの五つの子がりっぱであり、親がりっぱであるから、今度生まれてくる子もこれ以上のっぱだろうという。そこで国民がばかだ、国防会議というものはこれはふぬけだ、ばかだ、国防会議も間抜けておる、それだからそんなものに乗って、何が生まれてくるかわかりもしない、腹の中で死んでしまうかもしれない、生まれてきたとき死ぬかもしれない、不具者が生まれるかもしれない、それを国民が泣いて納めた一千億の血税をそのまま出して買ってしまおうということなんだ。それよりもっと重大なことがある。あなたがさっき国防分担金を言われたが、いかにアメリカが持てる国といえども、まだ生まれてこないような、そんなものを契約して国防分担金が出せますか。アメリカの国会にそんなばかはおらぬはずだ。大統領や空軍の者や、海軍の一部の将校、そんな者が分担金をくれるとかなんとかいったって、そういう大きな五百億とか——まず五割、四割より少いことはない。四百億からの金を出すには、やはり国会の承認を得なければならない。生まれてもこない、作ってもない、どんな能力があるかわからない。ただわかるのは、二機作ってみた、それだからいいだろう。その二機も7のエンジンをつけてりっぱに作ったのなら、いいだろうといっても仕方がない。作った二機は墜落しているけれども、今度は改良していいのを作るからきめてくれ。二機は違うんだ。しかも違うのは、翼の大きさが違うとか、そんなものじゃない。飛行機で何が一番重要かというとエンジンだ。われわれは飛行機に乗るのに、君、飛行機は大丈夫かと言ったら、エンジンが新しくて舶来だから大丈夫だと言うから乗ってしまう。ところが、エンジンががたがたでは乗らない。翼が少し狭いくらいのことを言ったて、あまり気にかけない。しろうとの常識で考えても、そういうふうに考える。千二百億の、国民が泣いて納めた血税をめちゃくちゃにして、その上に今度は分操金をくれなんで、できておらない飛行機にはくれない。アメリカの予算や何かでくれないということになると、またここで五百億か四百億違う。千五、六百億というものが概算すると出てくる。そういうことをやっておるから私らが調べる。国防会議はただじゃない。国防会議の経費は一年に千二百万円、これはみんな国民の血税なんだ。あなたがアメリカに行かれたって、たとい向うから招待を受けたって、行っていろいろ研究されたって、金がかかっている。それはみんな国民の税金なんです。その税金を使って、こんな幽霊みたいな、今できてもおらぬものをできておるように装って買わんとするやつを、決算委員会で黙っておったらふぬけじゃないか。委員会の権限を知らない。委員会にはりっぱに調べる権限がある。たとえばこれは検察庁においてもある。検察局がにせものの犯人をつかまえていつまでも留置して国費を使っておる。本ものの犯人がここにおるということがわかったときには、国民の税金を使いながらにせものを留置しておるとは何事か、本ものを調べろ、決算委員会はこれでも言えるのですよ。千二百万の国防会議の経費がある。それを使いながら、こんなにせものを持ってきて国民を偽ろうとする。あなたはこれに対してどうですか。当りまえだと思われるのか、幾らか軽率だったと思われるのか、国民にどう思われるのか、いや何でもないと思われるのか、それによっては私はこれは相当考えなければなりません。まず御答弁を願いたいと思います。
○佐薙証人 この機種の選定につきましては、私は先ほども申し上げましたが、紙の上の性能ではなくて、実際にこの飛行機で飛びパイロットが安心して任務を達成できるか。ことに日本の国情におきまして、これを全天候で一人のジェット・パイロットが、天気の悪いとき、あるいは日本の狭い飛行場、暗夜あるいは雨の降る日、滑走路がぬれているというようなことで、ほんとうに安心して日本のジェット・パイロットが乗れるという飛行機を探したい。単に米軍が推薦するとか、米軍で使っているということでなくて、そういう見地から私は真剣に調査をいたしました。そして実際に飛んでおります実験航空隊——それから私はグラマンだけをきめるために行っておるのでは決してございませんで、今度の調査には私は白紙状態で、将来の兵器体系という見地から各種の飛行機を一応いろいろ検討いたしました。この104の部隊と……。
○田中(彰)委員 そんなことを聞いているのじゃない。飛行機ができておったか、できておらないか。できておらないものをきめて、国民に何と考えておるかということを聞いているのだ。
○佐薙証人 それで私はエドワードの飛行場におきまして実際にこの飛行機のよく飛ぶ状況を見て、飛行機の性能、その他を十分確認をしております。
○田中(彰)委員 あなたは頭がどうかしているんじゃないですか。あなたがアメリカのエドワードにおいて見た飛行機は二機しかないのじゃないか。片方は改良したものでも二十機だ。今の全天候も、改良したものもグラマンと同じだ。さっきあなたが、落下傘で下りるときに、今度のやつは上に上っている、そんなことをあなたに言われなくったって、行動半径から何からみんな写真を持ってきている。これはあなたのところから写真をとってきたもので、われわれが勝手に作ったのではない。防衛庁の中にあなたのような横暴なやつがおって、首になろうが、警察に入ろうが、かまわないから写真をとってやろうというので、防衛庁から写真をとりてきて決算委員会に出してきたのじゃないか。あなたが何度そういうことを言われたってだめだ。これはみな防衛庁が書いてくれているんだ。われわれはそんなものをやっているのじゃない。あなたが考えてごらんなさい。あなたのような考え方の人が戦前に軍部におった。ものがいいとか悪いとかいうようなことはわからない。ロッキードが悪いとしてもいいんだ。こんなものは買いたくないからいい。グラマンも買いたくないからいいんだ。しかしいいとか悪いという論争が出たときには、やはり多数決においてきめなくちゃならぬ。片方はCが二十機、百四十台、入っている。Aが二百台、あなたの言うことを信じても二百台、それをアメリカの空軍が採用して空を飛んでおる。台湾にも行っている。片一方ではまだ二台しか作らないで、その一台が大破、墜落している、一台はエンジンを取りかえるのに工場へ入っておる。3のエンジスや7のエンジンが変らなければ、二日間や三日間でエンジンをかえて飛んだらいいじゃないか。なかなか変らない。変らないということがちゃんとアメリカの空軍から来ておる。そんなに簡単に変るものか。こっちはそんなことをちゃんと向うへいろいろ照会している。そこでそうなってくると、やはりアメリカの空軍の証明書というものが信じられるのか。二台しかできておらぬで、すぐに大破したり墜落してしまって、今飛んでおらないような飛行機に乗ったパイロット、そういうものの一人か二人のことを信じられるのか。あなたがその目で見たのもにせものだ。7のエンジンをつけたものとは違うのじゃないか。一体あなたは何と心得ておるのか。二台のあなたのほめるやつは3のエンジンじゃないか。日本で買う飛行機じゃない。日本の買う飛行機というものはあなたはその目で見ておらないのじゃないか。日本の、世界中のだれも乗っておらないじゃないか。形も世界のどこにもないじゃないか。ないものを君はいいとほめるのか。飛行機は要りませんから両方とも買いませんというなら、けっこうですよ。きょうは決算委員会はここでしまってやる。どっちかここで対照するなら、アメリカの空軍は二百機作って、この悪いのはいけないというので、Cに改良してまた二十機、君は二十機と言ったが十五機買っておる。またこの七月の末に百四十機購入している。それのアメリカの空軍の証明書を信じるのか。空軍が採用もしておらない、二機しかできてない、十四時間ないし十六時間の試験飛行も、一回してくれといったら断わられた。二回目にやってくれと言ったらやってくれた。それが今大破して世界のどこにも飛んでおらない、それを信じるのか。その二機を君が国防会議で内定をさして買う飛行機だと言っておるから、国民がいろいろ迷う。新聞記者の諸君も、君がそういうことを言うから、比較表なんか書いているばかな新聞社もある。できておらないものの比較表をどうして書けるのか。この世に生まれていないものの比較表をどうして書けるのか。これは購読者を偽わり、国民を偽わったものだ。できていない飛行機の比較表をどうして書ける。片一方は二百機も、百五十機もこれはアメリカの空軍で使っておるから、証明書はうそかほんとうか、こうであるとか、ないとかということを書ける。世の中へ生まれておらぬものに証明書をどうして書ける。君はそれでいいと思っているのか。もしこの飛行機を買って、これが試験飛行のために墜落した、やれうまく飛ばなかった、うまくいかなかったら、君はやめてしまったらいいが、あとの責任はだれが負うか。これはわが党の総裁岸信介君が、国防会議の議長として責任を負わなければならない。それをおれが言っている。何もあなたをいじめているのじゃない。初めからあなた方は実は国民を迷わしているんだ。国防会議で、試運転して、試験してきめたというのは昔の旧型の飛行機を二機作ってやっただけであって、日本で買う飛行機はまだできてない、この世の中にないのだ。けれどもこの二機の飛行機を考えると、いろいろ改良していきますからよくなると思うが、これを買っていただけますかといったら、国防会議は、そんなものは内定していないはずだ。カタログもない、値段もきまっておらない、設計図も満足にできておらない、一機もできておらない、飛んでおらない、世の中に生まれておらないものを買いますといって一千二百億なんという金を出すというのは、幾ら国防会議がばかでもきめない。またアメリカが持てる国といえども、生まれておらぬような飛行機を買うのに分担金は出さない。私はそれをあなたに言うのです。そうやってあなた方が巧弁をふるうから、こうやって迷って、みんながわあわあと党内でもめる。いや何だかんだといって、騒いでいる。私がおるからこの正体が出るけれども、人のいい山本君や山田君では君にやり込められて、出ないでしょう。どう思っておるのか。性能なんか聞いているのじゃない。飛行機ができておるのか、できておらぬのか聞いておるのだ。
○佐薙証人 仰せの通り—7のエンジンをつけました飛行機はまだ、飛んでおりません。飛ぶ状態にあるということは米海軍からも通知を受けておりますが、まだ現実に飛んでおるということは私ども確認しておりませんし、見ておりません。
○田中(彰)委員 そうするとあなたが言っているのは、飛んだことを見たこともない、日本で買うエンジンをつけた飛行機はできておらない、それはあなたも見たことがないから、できておらないことはわかる。ただ、この飛行機を作れば飛ぶだろうとあなたは推定をしているのでしょう。あなたの推定だけで、見たこともない、飛んだこともない、世界のだれも飛んだところを見たこともない、現われておらぬ飛行機に、日本のような貧乏な国が千二百億も金を出すわけにいかぬ。どうですか、それでも出してくれといいますか。
○佐薙証人 これは先ほどから申し上げておりますように、見解の相違になりますが、—3のエンジンと7のエンジンとの相違は、現実に104におきましても、まだ—7のエンジンができておりませんでも、—7のエンジンを作るものとしていろいろ計画を立てて、われわれにも情報を提供されております。
○田中(彰)委員 それはAのやつは空軍がかって二百機も作って、Cのやつも作っておる。あなたが今わが国で買うという飛行機は、まだ見たこともない、生まれておらない。そんなものをどうして国防会議できめますか。きめるというのは今のあなたの巧弁にひっかかってきめたんだ。これはこういう飛行機だ、エンジンは古くてこれは使いものにならないけれども、これを改良してこういうものを作ればいいのだと言ったところで、だれも知らない。この飛行機にこのエンジンがつくならすぐこれから電報を打ってつけなさい。二日か三日でニンジンだけ取りかえられるはずだ。飛んでごらんなさい。それにはいろんなものが変ってきて、性能も変ってくるし、河も変る。使えない。だからあなたが何も言う必要はないじゃないですか。十二日の国防会議に、試運転したと言ったその旧型の二機を作ったのは、旧型のエンジンを使った違うものである。日本で買うものは世の中にまだできておりません。生まれておらない、見たこともない、乗ったこともないものであるということが、これで済むのか。どうなんです。違うというのか。性能なんか聞いているのじゃないんだ。
○佐薙証人 仰せの通りその—7のエンジンをつけましたF11F—1Fというのが飛んでいるのか、いないのかということについて確認は私どもは得ておりませんから、何とも申し上げられませんが、少くとも国防会議がきめられるまでにはまだその飛行機は飛んでおらなかったということは言えます。
○田中(彰)委員 証人は見たこともないのですね。飛んでいるのを見たことがあるのかね。
○佐薙証人 それは見ておりません。
○田中(彰)委員 作ったことを見たことがあるのかね。ないのでしょう。それならいいです。
○山本(猛)委員長代理 この際暫時休憩いたします。 午後一時五十四分休憩 ————◇————— 午後二時五十分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き、佐薙証人に証言を求めることにいたします。発言の通告があります。順次にこれを許します。小川豊明君。
○小川(豊)委員 きょうは大へん午後から荒れて、交通も途絶するそうですから、私もなるべく簡単にお尋ねしますから、あなたの方もごく簡単にお答え願います。 そこで、第一にお尋ねしたいのは、先般まで防衛庁の幕僚としてあなたのもとで働いていた岡幸昌という方は、あなた御存じでございますか。
○佐薙証人 存じております。
○小川(豊)委員 この岡君は防衛庁の幕僚として、またあなたの部下としてりっぱな人であって、有能な人であったでしょうか、あるいはそれとも信頼するに足らない、また能力乏しい人であったのか、どういうふうにあなたはお考えになっておりますか。
○佐薙証人 岡元二空佐は非常にアビリティのある、通信電子関係につきましては相当造詣も深くて、なかなか深く突っ込んでものをやる人でございまして、取るに足らないというような人では決してございません。
○小川(豊)委員 そうすると、大へんに技術屋としても能力のあるりっぱな人であった、こういう御答弁ですが、今あなたが有能な人だと言われた岡君が、内定したといわれるグラマンについて、防衛庁の内部ではほとんどロッキードであって、グラマンに内定した理由は私にはわからない、むしろ私の方でどういうわけで内定したのか聞きたいくらいだということをこの委員会で答弁しているわけですが、この答弁は、非常にグラマンの決定に暗い影を投げかけていると思うわけです。そうしてさらに岡君の証言の中でこういうことを言っております。 〔委員長退席、山本(猛)委員長代理着席〕 二年も三年も検討しなければ機種の決定はできるものじゃない、半年くらいできまったということは、何か非常に明確な、他のものよりすぐれた材料を防衛庁当局がお持ちであろうと私は推察いたします、こういう答弁をしておるのです。そこで私が、二年も三年も検討して初めてきまるものが、二カ月か三カ月の調査や研究でできるということは考えられないが、あなたはこれに対してどう思いますか、あなたはできますか、と言ったところ、私にはできません、こういうことをはっきり答えているわけです。これが二年も三年も調査、研究をしなければならないというものを、二カ月か三カ月か、四カ月の研究、あなた方がアメリカへ一回か二回行っただけでこういうことを簡単にきめてしまったことは軽率であったということにならないですか。
○佐薙証人 グラマンの戦闘機は、昔からずっと戦闘機につきましては定評のある会社でございまして、私が今まで米海軍、それから米空軍の人に、これは内地を問わず、視察中におきましても、いろいろ他の機種等の話を聞きますときに、現物の飛行機を離れて彼らが申しますことは、その会社が信頼できる飛行機を作るか作らないか、経験があるか経験がないか、ことにジェット機、あるいは戦闘機というようなことについて経験があるかないかということについては、やはりみんな意見を述べます。グラマンにつきましては、戦闘機に関する多年の経験があって、この会社で作ります飛行機については十分信頼ができる。そして私どもが実際にアメリカに行って調査いたしました期間、それから資料によって調べました期間は、昨年の八月に始まりまして、国防会議の決定を得ますまでは一年に達しておりません。しかしながらこの飛行機がF11F—1Fとして、一九五四年の四月と思いますが、このときに試験飛行を始めまして……。
○小川(豊)委員 さっきお断わりしたように、そういう説明はお聞きしたいけれども、われわれは非常にあなたの方では軽々しくきめたんじゃないかということを聞いているので、あなたの方では軽々しくなかったということを言えばいいですから、簡単にお願いいたします。
○佐薙証人 その問題につきまして、期間は短こうございますけれども、非常に真剣に研究いたしました。
○小川(豊)委員 午前中の質疑の中の田中委員からの質問で、この飛行機はまだあなたは作ったことも聞いておらない、飛んだのも聞いておらない、こういうことなんですが、あなたは日本の国防を担任する責任を持つわけです。千二百億もの膨大な負担を国民にかけるわけです。従ってきわめて重大に考えなければならない。それが、今までの機種の決定というものは三年も四年も研究した結果きめられるというのに、わずか半年かそこそこで、そういう状態の中できめられた。従ってこれは国民も非常に疑惑も持っておるし、国会でもこれを取り上げて議論しておるということは、やはりあなたの方がその決定について国民を納得せしめることのでき得なかった証拠じゃないか、従って軽率であったんじゃないか、こういうふうに考えるが、あなたの方でこれに対していや、軽率でないという答弁ですから、この点は触れない、回答を求めないことにして、さっき山田委員から提示された写真です。三越と北海道でやったあの写真を私もあとで見せてもらいました。そうすると、写真のエンジンは3になっておる。あなたがさっきここで御答弁になったお買いになろうとする飛行機は7のエンジンであった、こうなっておる。これは一体どういうことですか。あなたは7をお買いになったとさっき御答弁になった。ところが写真に出ておるのは3のエンジンです。ごまかしじゃないですか。どういうわけですか。7なら7とどうして出さないのですか。国民には3のニンジンだということを了解さしておいて、あなたの方でお買いになるのは7だ。非常に矛盾じゃないですか。どういうわけですか。
○佐薙証人 今の写真にどういうふうに書いてございましたか、私実は……。これは現在までの飛びましたF11F—1FというものにつきましてJ79の3というものがついておりましたので、そのまま取ったものと思いますが、私ども監督をいたしませんでしたので、普通ありますF11F—1F11の要目を掲げたものと思います。
○小川(豊)委員 あなた、思いますとかいうようなことでない。これはあなたの方はこういうふうに決定したということで、防衛庁の名でこれを出している。従って、決定したのは国民は3のエンジンだということに受け取るよりほかにないでしょう。ところが、あなたの方でお買いになるのは7だ。なぜこういうことをおやりになるのか。どうしてこんなことをやらなければならないのか。これはあなたは下僚がやったことだから責任がない、私にはわからまいと言うけれども、これは私違うと思う。上司である限りは、下僚のやったことに対してあなたは目が届いていなければならない。ことに非常に重大な問題だ。しかも今、国会で議論されているし、新聞でも取り上げて盛んに論難されている中で開く展覧会で、3のエンジンであるということで出す、しかも買うものは7である。これは国民を欺瞞するか、国会を欺瞞するか、あるいは国防会議を欺瞞するか、どっちかになってくる。この点あなたの御回答を願いたいと思います。
○佐薙証人 どうしてそういう数字を出しましたか、ちょっと私今この席で答弁いたしかねますので、よく調べまして御返事申し上げさしていただきたいと思います。
○小川(豊)委員 そうするとこれに対する責任はあなたはないということですか。責任はあるというのですか、ないというのですか、どうなんですか。
○佐薙証人 ただいま申し上げましたように、私の監督が至らなかったということを申し上げております。また先ほども遺憾の意を表しております。御了承を願いたいと思います。
○小川(豊)委員 あなたも、かつてはりっぱな軍人であったと思う。従ってこういう重大なあやまちに対して遺憾の意を表したからそれでいいということにはならないと思う。遺憾であったとするならば、その遺憾に対して具体的にどういう責任をお取りになりますか。
○佐薙証人 これは調査をいたしました上で、私の考えをきめたいと存じております。
○小川(豊)委員 それから機種の決定等はもちろん国防会議できめられるわけですが、国防会議の決定に対する判断の材料、決定の材料、そういう材料というものは当然防衛庁の責任においてお作りになると思うのですが、そうでありませんか、どうですか。
○佐薙証人 ちょっと、よく聞き取れませんでしたが、どういう資料でございますか。
○小川(豊)委員 新しい機種を決定するために国防会議が開かれた。その国防会議が決定をするに当って、決定には資料が必要だ。その資料はあなたの方が責任をもってお作りになるのか、それともその資料はほかで作るのか、これを聞いておる。
○佐薙証人 まず原案を防衛庁、特に私の方の航空幕僚監部で作ります。さらにそれが内局の方に回りまして、内局の立場から製作いたします。さらにそれが国防会議に移るというわけです。
○小川(豊)委員 幕僚監部あるいは内局というのはみな防衛庁なんでしょう。従って国防会議で決定される機種については、あなたの方がその資料を責任をもって出す。こういうことだとすると、その国防会議に出された資料、従ってその国防会議の決定した、あるいは内定したものは資料が不備であり、誤まった資料によって国防会議では決定されたということになった場合には、その責任は当然防衛庁当局にあると思いますが、どうですか。
○佐薙証人 もちろん原案を出しましたときには責任がございますが、さらにこれをチェックする段階もございますので、具体的なことにつきませんとはっきりは申し上げられませんが、もともと原案を作りました点に不備がありますならば、原案を作りましたところにその責任があるということになると思います。
○小川(豊)委員 そうすると、もし国防会議の決定を誤まらせるような不備の資料を出して、国防会議がそれによって決定されたとするならば、その責任は当然防衛庁にあるということを今あなたはお答えになった。そうすると、午前中の田中委員との質疑の中で、あなたの国防会議に出されたものは7のエンジンをつけたジェット機だということをわれわれは聞いておる。そうすると7のエンジンをつけたジェット機というものはまだアメリカでは生産されたことも聞いておらない、飛んだことも聞いておらない。従って試験したことも聞いておらない。あなたは先ほどここでお述べになった。そういう材料を国防会議に提出して、国防会議がそういうふうに内定せしめた責任というものは当然防衛庁のあなた方にあるわけではないですか、この点はどうなんですか。
○佐薙証人 現在飛んでおりませんということでなくて、防衛庁が将来作ります飛行機をわれわれは資料として提出しておるわけでございます。現在ある、ないということに必ずしも限りません。先ほどから申しますように、エンジンとか機体の一部はどんどん改良されていきますので、われわれがこの飛行機を製作するときにはこういう飛行機が実用になる、それが十分見込みがあるという場合につきましては、先のわれわれが作ろうというものについて資料を作っておるわけでございます。
○小川(豊)委員 これが三万か五万のものを買うというならば、それは将来こういうものになるだろうとか、いいだろうということもある程度私は許されると思う。ところが日本の防衛を担任しようとする新しい飛行機の機種を決定する、しかも国民は千三百億もの負担をしなければならぬ。非常に重要な決定をなさるのに、作っているアメリカでもまだそういう飛行機は作らない、飛んでもいない、試験もしてない。そういうものをあなたは判断の資料で出して、それで軽率でないと青い得るのですか。まさに軽率といわなければならぬじゃないですか。不用意千万といわなければならぬ、こういうようにわれわれは解釈する。国民の立場になって考えてもらわなければならぬ。そういう未知数のものでしょう。未知数のものを——失礼ですが、国防会議の構成員というものは専門家ではありません。その専門家でないものにあなた方が私見を加えて、こういうものをやったならばいいものができるだろう、これに対してわれわれは確信を持てる、そういうようなことで判断をさせるとするならば、これはあなたの罪、重大だといわなければならぬと思うのですが、この点はいかがですか。それであなたは軽率でなかった、慎重に検討した結果だと言い切れますか。
○佐薙証人 先ほども申し上げておりますが、飛行機の一部分の変化というものは常に行われるものでございますから、この程度のものならば十分見込みがある、すでに米空軍におきましても、あるいはこれを製律する、F104の方にいたしまても、F11Fを作る会社にいたしましても、これは臨定の事実である。そしてすべての資料を出し、米空軍におきましてもそれを承認しておるのでございます。そういうものでございますので、われわれが飛行機の機材を取扱っております経験から見ましても、この程度のものはわれわれが要求するときには十分飛べるという確信を持っておるわけでございます。
○田中(彰)委員 ちょっと関連して証人にお尋ねしますが、今あなたは二機できている飛行機のことを言っておられるのですか、これから作る戦闘機のことを言っておられるのですか、それをちょっとお尋ねいたします。
○佐薙証人 今そちらから御質問がございましたのは、国防会議に出された資料のことについてでございますので、これはこれから作るという飛行機のことでございます。
○田中(彰)委員 そこに重大な問題があるのです。今あなたの話を聞いていると、米空軍でも、それから飛行機会社——飛行機会社は自分の飛行機だからいろいろのことを言うでしょうが、米空軍でもこれは大丈夫だと保証しておる。まだ作ってない、できておらない、これからどんなものができるかわからない、ただこういうものとこういうものを改良して作ればいいだろうという推測の飛行機に米空軍がそんな大丈夫だと保証されますか、お尋ねします。
○佐薙証人 まず程度の問題でございまして、程度の問題についてわれわれは十分判断をいたしまして、この程度のものでおるならばわれわれの経験なり常識からしてもできるという信念を持ちます。また米空軍におきまして先ほど申し上げましたように、ワシントンに私どもが参りましたときに、米空軍省が提示いたしましたものは、F104にいたしましても、F11F—1Fにいたしましても、7というエンジンについてわれわれに資料を示しております。従いまして私どもは米空軍に、米空軍で承認と申しますか、そういう資料を要求しておりますので、この点につきましても、米空軍においてもこれを十分認めておるということはいえると思います。
○田中(彰)委員 それはおかしいですね。あなたは先ほどグラマンとロツキードの比較をされたときに、エンジンは今あなたが買われるグラマン、これからできようとするこれから生まれるグラマンにつくエンジンとロッキードCにつくエンジンは同じ7。片方はできておる、片方はできておらないというだけなのです。それで今までエンジンが変らなければ大したことはないと資料を出されたというが、その羽が小さいとか大きいとかいうことすらも、あなた方がそれを変更されるくらい、これは重要な、飛行機ではちょっと違っておる。いわんやエンジンの3と7というものは、その目方においても、能力においても、その容量においても、すべて今度それをつければ、その周囲に使うものにおいてもみんな違ってくる。だから、あなたがこれから生まれるものの資料を出されて、こういうものを作ったらいいじゃないかというあなただけの考え、あるいはまたその飛行機を作った会社の宣伝的な考え、空軍がまだ使っておらないのだから、そういうものはこういうことでうまくいけばいくだろうということしか空軍は言えないはずです。自分のところで採用しておらない。まだ世界に生まれておらない。そういうものに対してあなたのおっしゃるような、そんな資料を提供することはないじゃないですか。それはただこれから作る会社の資料、この会社に対する味方といいましょうか、好意を持った人の考えでしょう。飛行機に乗るパイロットの考え方をあなたが持ってきて、あなたがじかに扱っておられるからこんなことになる。あなたが何とおっしゃっても、これ一つでもそうなんです。私は社会党の人の前だから言わない。あなたをいじめるのがいやだから。あなたは、ただこれは下の者がやったとおっしゃっている。国防会議でごまかした手とこれは変らない。国防会議では飛行機ができておるごとくに装って、まだ性能もわかりもしないものを、性能がいいようなことをいろいろ説明されておる。それはこれのことです。飛行機は違う。国民の前でもこれなんです。買う飛行機のエンジンに7がついて、まだ世の中に生まれておらない、できておらない飛行機なんです。国民にはちゃんと3のエンジンがついた、こういうものを防衛庁で買うことに決定しましたと説明している証明をつけて、北海道の博覧会においても、三越の博覧会においても出ておる。国防会議の岸議長をごまかしたのも、議員をごまかしたのもやはり3のこういうようなものを書いてごまかしておる。それで内定させておる。あなたがいろいろなことを言われると、国防会議に出た書類というものと一緒にされて説明されると、長官がおやめになったり、あなたがおやめになったくらいでは済みませんよ。もっと大きな問題が起きますよ。同じじゃないですか。この飛行機ができておる。これは二機しかできておらない。これはエンジンが3、これが一機は墜落、一機は破損した飛行機だ。これを北海道の博覧会、あるいは三越の博覧会に防衛庁の証明つきでちゃんと出しておる。今度は四月十二日の国防会議でもこれと同じものを出してきめておる。だからこの飛行機というものは日本で買うものだ、性能のいいものだということを国民はみんな信じておる。あなたが買うやつはまだ一台も生まれておらないものなんだ。作ってない。あなたの部下が乗って、そうしてこれに一時間も二時間も乗るんじゃない。わずかな時間乗るんだ。音速の二倍、三倍の飛行機だから非常に危険なんだ。そういうものをお買いになるのに、まだできもしないものを推測——安全性、能力、そういうものをあなたが信じないでお買いになる。もしこれが事故でどんどん人が死んだり、試験飛行に金がかかったりしたらどうするんですか。これならいいんだ、まだ能力が少しくらい悪くても、たとい二機でも——その二機だっておかしいのです。二機と、片一方は二百機納まっておる。軍部が採用しておらないもの二機についても十時間か十五時間しか試運転しておらない。そうしてその二機が大破しておる。こういうものをあなたがおきめになるような独断的な考えだから、この戦争前などにはあなた方が国会にこられて、国会議員がいろいろなことを言うと、無礼者だとか、黙れなどと言って、そうして政治家をみんな鉄砲で撃ってしまう。そうして日本の国を誤まらした。これをもう少しあなたは、すなおな気持で——今できている飛行機は二機、その二機すらも使いものにならない。だからこれを改良すればいいものができるということがわかっておっても、これはまだこの世の中に生まれておらないのだから、これをもし国防会議で買うと言ってもちょっと待て、それは作って、そして試験飛行をして安全なところ、間違いのないところをきわめて、そうして買わなくちゃならぬから待てと言って、とめられるのがあんただ。ところが、とめられないで、あなたは間違われるようなことを言って、宣伝されて、それでできもしないものを買わせる。それを買うのはあなたの金とか、岸内閣の金、国防会議の金ならまだいい。国民が納めた税金なんだ。みんな税金を納めて泣いている。私もあなたも税金で苦しんでも、子供のものを差し押えられたり、家を競売されたりするほどの階級じゃありませんよ。そういう泣いている階級が納めた金を千二百億も使う。まだあなたは簡単に考えておられる。先ほども言ったが、生まれておらないものにだれが分担金なんかくれますか。できておるものなら、これを買うと言ったら分担金はきまる。それを、あなたの言うことを聞いておると迷わされる。何だかわからなくなってしまう。新聞を見ると、できておらぬ飛行機ということを知っていながらも、比較してみると何だか世の中に存在したような気になって、そうしてあとでできておらなかったのだということになってしまう。できておらないものをできたと言うことはないじゃないですか。想像的な比較ではないか。それも今、小川さんの言う通り五万か十万のものを買うとか、ひっくり返っても百万か二百万の損害で済むならわかる。そうしたものを買って人が死んだり民家に落ちて民間の人を殺してしまう。山に落ちたら山火事が起きて大へんなことになる。そういうようなむずかしいものをお買いになるのに、できておらないものをできておるがごとくに迷わせないでほしい。あなたもりっぱな軍人だと思う。国民をこの写真でごまかしました。北海道の博覧会において三越の博覧会において、にせものであるこの二機でごまかした。その二機は目下世界の空を飛んでおらない。工場入りだ。人間なら病院に入っておる。それから国防会議もこれと似た同じ書類でごまかして内定させた。買う飛行機は7のそういうものを買う。これは比較に、ならない。たとえば能力から、安全性から比較にならないが、一応これがよりよく改良されるなら、二機できて二機落されるはずはない。十機作れば、五機落ちても五機は助かるというように考えておる、そういうようなことの説明なら受け取れる。あなたがいいとほめられるやつが、二機破損しておるのではないか。そうして一機は、エンジンが簡単につけられるなら、この決算委員会が取り上げたとき、向うの会社があわを食って何とか7のエンジンをつけて飛ばしてみようと思ってやったが、つかない。そうして今困っておる。飛んでおらない。生まれておらない。あなたも軍人なら、その点をよく考えてもらいたい。だれが見てもそうではないか。国民をこれでごまかし、国防会議をこれでごまかし、そうしてそのごまかしたものが何百機とできて飛んでおるならいいが、たった二機。その二機も破損して飛んでいない。今度買うのはどうだ。二機できておる破損したものを改良するなら、あまりよくならぬかもしれないが——あなたがもしエンジンをほめられるなら、ロッキードのCが7のエンジンをつけておる。Cのエンジンは7のエンジンではないか。なぜそれを買わないか。あなたが改良して幾らでも作ろうというならロッキードもいいものを作る。ただいまのあなたの古い考え方と、考え方が違ってしまう。それでもどうしても買うなら、できておらないものを買うのが、できて軍部が採用したものを買うのか。片方は何百機で片方は二機。それがにせもの。そうして大破しておる。それを改良したものはまだ生まれておらない。それをきめたのは、初めから生れておらないものとして出してくればいい。北海道の博覧会においても、三越の博覧会においても、防衛庁が買うことに決定したと書いてある。両方同じものでごまかしておる。そうですね。あなたも部下を使って日本の国を守っていくのだから、そう世話をやかせぬで、たいがいにして、だれか聞いてもにせものということはわかっておりますから、白状したらいいでしょう。それはわかるではないですか。あなたがきめたのは違うでしょう。買うのと違うでしょう。どうですか。わかっておりますれば言わない方がいい。
○佐薙証人 航空機の発動機の進歩の過程におきましてJ79を、またけさも申し上げたことに戻りますけれども、79のエンジンが本体のものがあります場合に、これが若干インプルーヴされるということはしばしぱ行われます。そしてどんどん本体の飛行機の一部が改造されて機体につけて飛ばされているわけでございます。これは従来の長い経験から見て、この程度のものは十分できるということで、すでに104におきましても—3から—7に変っているこの方ももともとその予定でおりまして、—3から—7に変る。それで従来国防会議に提出されるときには飛んでおらなかったということは、われわれといたしましてはこれを作る段階において、これは十分今までより以上の性能を上げる——これにおきましても性能を上げておりますので、性能を上げるという十分の確信を持って見通しを立てておるわけでございます。この見通しが悪いと言われれば別でございますが、私ども専門的な技術屋、それから用兵、実際に運用する者の経験から見ましてJ79—3、それから—7をつけかえた場合に、これはほとんど同じものであって、これを全く違った飛行機である、あるいは飛んでいないからこれは全然海のものとも山のものともわからないというようなことにはならないという考えを持っております。
○田中(彰)委員 それはあなた、とんでもないことじゃないですか。あなたがきらわれたロッキードのCが7をつけている。それからもう一つ何と抗弁されても百五十機から入って軍部が使って、現在できている、あなたがつけようとするエンジンがもうついている。それでも工合が悪いからといって、けった。これから生まれてくるのですよ。あなたがそんなことはありませんと言うのは、あなたの推測でしょう。今までの体験からの御推測なんだ。もしロッキードでもグラマンでも来たら、日本で乗れる。パイロットは何人おるのですか。今作ってない、あんな役に立たない飛行機に乗っておるのさえも、日本には二十人か三十人しかおらぬそうじゃありませんか。あなたの少し前の体験、ずっとあなた方が飛行機をお考えになったときと今は違う。しかも二百機、今度改良したものは百五十機軍部が採用されておるものと、まだできておらないものを、迷わせることをおっしゃるな。だれが考えたってそうじゃありませんか。あなたは、それじゃこういうことをどう信じますか。あなたがもし政党の総裁であるとしましょう、私が国会議員だ。今度はもう一回選挙に出てきて、そうしてあなたに忠誠を誓いますと私が申し上げるのと県会議員で代議士に出たことがない者が、今度は田中彰治を落して、私はこういう抱負があるから必ず出てくると忠誠を誓うのと、どっちをとりますか。片一方は出てきたことがないじゃありませんか。もちろん県会をやれば国会、国会をやればこうだということがあったとしても、出たことはないのじゃありませんか。出たことがない者を信じるのか、現在出ておる者を信じるのか、どうなんですか。あなたは百五十できておっても二百できておっても、軍部が採用しておっても、軍部が証明しておってもそれをけって、そして一飛行機会社が二機作って、その二機が落ちて今使いものにならぬ、しかもそのエンジンが全部違ったものである。そうしてできておらない、飛行機会社が言うところのいいものができるという推測の証明書を信じ、そうして自分の独断な、頭の悪い考え方をいれて、そういうものと比べるようなあなたの考えだから、あなた方軍部の人は日本の国を誤まらした。今国会が民衆の、国民の国会であるからあなたはそこへ来る。もしそうでなくて昔のようだったら、田中彰治のようなやつは生かしておいたらだめだから撃ってこいといって、必ず私の家へ向ける。どうです、少し国民にあやまりなさい。国民はみんなこの飛行機を買うと思っているのですよ。買うものができておりません。そんないいかげんなことで人を迷わすのはやめなさい。しかも今度は、あなたのむすこさんが今度できる飛行機を組み立てる名古屋の工場へ入っておるということになると、おかしいじゃありませんか。あなたは先ほど言われた、現役ではなるほど入る約束ができないかもしれないけれども、あなたがやめられてから顧問なり相談役で入るなら幾らでも入れますよ。国会議員というものは何も知らぬと思ってはいけない。あなたがどうしてもがんばられるなら、もう一ぺん国防会議の議長から全部を証人に呼び出して、社会党の要求通り調べて、そうして内閣がひっくり返ったらその責任はあなたが負いますか、御答弁なさい。
○佐薙証人 ただいまお述べになりました中に、米国の空軍がすでに百機二百機使っている、Cのエンジンがついている、それをけ飛ばしたというお話がございますが、これにつきましてちょっと御説明させていただきたいと思います……。
○田中(彰)委員 あなたがさっき二十機使っていると言ったでしょう。ところがあとは知らぬとおっしゃった。私はその性能を聞くのじゃないのです。あなたの買わんとする飛行機は、見たこともなければ、乗ったこともなければ、できておらぬのでしょう。それを聞いておるのです。どっちなんです。性能なんか聞いていない。できない飛行機の性能を聞く必要はない。日本で買う飛行機はできておらないじゃないか。性能は何のために聞くのですか。
○佐薙証人 先ほどから申し上げますように、—7のエンジンはついておりませんが、従来の技術者、一般に飛ぶ者の経験その他からいたしまして、また米空軍も—7のエンジンというものは今開発の途中であって、これをつければ十分飛べる……。
○田中(彰)委員 飛べるのはきまっている。飛べぬ飛行機を聞きますか。
○山本(猛)委員長代理 ちょっと証人に御注意申し上ぐます。戦闘機は専門家のあなたに申し上げることは、あなたがすべてごまかしを言っておられるから御注意申し上げる。これは試作試験を行い、試験飛行を行なって、これでよろしいということにきまらなければ、本製作には入らない。これはもうあなた、くろうとなんだから、よくおわかりのはずです。それを飛び越えて妙に技術的なことばかりおっしゃっているところに、委員会の質疑は進みません。私も委員長代理としてこの席にあります以上は、運営がすみやかに円滑に進んでいくように取り計らわなければなりませんので御注意を申し上げておきますあなたのおっしゃっていることはすべて作為をもって答弁をされております。これは、くろうとであるあなたであればなおさらのこと、私は御注意を申し上げざるを得ない。十六時間やそこら試験飛行をしたといったって——しかもこの試験飛行はアメリカ空軍で断わっているのです。それは明確なんです。あなたはそれを知らないということは言えないはずです。でありますから、もう少し誠意を持って御答弁下さい。
○田中(彰)委員 あなた、試験飛行をした飛行機は二台なんですよ。その二つは今飛んでおらない。どうだ決算委員の方々、たとえ二機といえども飛んであの通り性能がいいじゃないか、というふうに飛んでおらない。みな工場へ入って、人間でいえば病院へ入っておる。飛行機はまだ作ってない。あなたはこれは作ってないけれどもりっぱなものだと言われる。作ればりっぱなものだと言うけれども、日本の国民は、そんな試験飛行もしない、作ってもおらない、一機もできておらない、行った人が見たこともなければ乗ったこともない。この世の中の人が、そんなできておらぬ未確定な、想像的な、幽霊のような飛行機に千二百億も金を出すものじゃありません。あなたは一体その7のエンジンをつけたグラマンというものにお乗りになったのですか。証人、それから聞いていきます。
○佐薙証人 私は乗っておりません。
○田中(彰)委員 できているのをごらんになったですか。
○佐薙証人 7のエンジンのついているのは見ておりません。
○田中(彰)委員 人の乗ったのはごらんになりましたか。空で飛んでいるのを……。
○佐薙証人 7のエンジンをつけたものは、飛んだのを見ておりません。
○田中(彰)委員 それじゃ日本で買う飛行機はまだ一台もできておらないでしよう、四月十二日の国防会議の当時。
○佐薙証人 四月十二日国防会議当時はまだできておりません。
○田中(彰)委員 そうでしょう。それでいい。
○小川(豊)委員 そこで今質疑の中で、はっきりしたのは、できてもおらない、飛んでもおらない、従って試験もされておらない、こういうことはあなたの御答弁で、はっきりしたわけですが、先ほどに返りますが、そういう材料をそろえてあなたは国防会議に出されたのですか。国防会議にそういう説明をなされたのですか。もしそういう説明をなされたとするならば、私は国防会議はこういう内定をするはずはないではないか、こう思うのですけれども、あなたは岸議長にそういう材料を提出して説明なされましたか、この点お尋ねしたい。
○佐薙証人 国防会議に対します説明は、私は国防会議事務局並びに国防会議本会議を通じましていたしておりません。先ほどから申し上げますように、私どもの方は資料を提供して、そうして今度は内局において十分これを審査されて、内局においてもそのエンジンがどういう段階にある——グラマンの方のみならず、ロッキードにおいて、表には—7と書いておりますが、近くこれをつける飛行機であるということを十分承知の上で選定されておる、こう私は了解いたします。
○小川(豊)委員 そこで、あなたは国防会議には出て説明はされない。しかし資料はあなたのところで責任を持ってお作りになる。その作られた資料、提出された資料には、今、田中委員が質問されてあなたがお答えになったように、できていないのだ、飛んでもいないのだ、従って試験もされていないのだ、こういうことを資料としてあなたは出されておるのかおらないのか。この点、はっきりして下さい。それだけでいいです。
○佐薙証人 この飛行機の資料といいますのは、防衛庁、少くとも国防会議の事務局の者は承知でございます。このエンジンがいつごろできるのかということで、従いましてこのエンジンができているか、まだできていないかということは、十分関係者は承知しております。
○小川(豊)委員 皆さんはどう受け取ろうとそれはいいのです。あなたの方で採用に内定しようとしておるグラマンはこういう事情になっているのだということを、あなたは材料として出されたのか出されないのか。この点でいいのです。出されないなら出されないでいいのです。
○佐薙証人 このエンジンがいつごろできるかということは十分説明してございます。私の方からも説明しております。
○小川(豊)委員 そうじゃない。あなたは説明しないと言った。
○佐薙証人 私は説明しないとは申し上げておりません。
○小川(豊)委員 国防会議に出て私は説明しなかった……。
○佐薙証人 国防会議には説明しておりません。
○小川(豊)委員 国防会議に出す資料として作られたものにこういう点を判断の材料として出されたのか出されないのか。
○佐薙証人 国防会議の方は私は存じません。国防会議の事務局において措置をされておりますから、どういうふうに国防会議に説明されましたかについては、私は存じ上げておりません。
○小川(豊)委員 そうじゃないのです。国防会議に出す資料をあなたのところでお作りになった。そのお作りになった材料にこういう点は入れてあるのかないのか。
○佐薙証人 それはそういうふうに入れてございます。
○小川(豊)委員 そうすると、この飛行機はまだできていない。従って飛んでもおらない。試験もしておらない。アメリカの軍部の証明もない。こういうことは入れて出したのですね。
○佐薙証人 エンジンができていないということは説明してございます。なお国防会議に出しました104Cにつきましても同様でございまして……。
○小川(豊)委員 私は、エンジンがどうだこうだと聞いているのじゃない。あなたはエンジンを買うとは書いてない。飛行機を買うと買いてある。採用する飛行機を決定するのは非常に重要なことです。だから、あらゆる方面から検討しなければならない。その検討に際して、採用しようとするグラマンがまだできておらない、飛んでもおらない、試験もしておらない、アメリカの空軍の証明もないのだということをあなたはつけて出した、今こう言われている。出したならば、今度は国防会議がめくらなんだ。今あなたは出したと言われましたが、それはどうなんですか。
○佐薙証人 御質問の意味がちょっとよくわかりませんが、こういうふうにお答えいたしましたら、よろしゅうございますか。私どもの方で説明しておりますときには、この飛行機は、このエンジンをつけた飛行機そのものはできていないということは説明してございます。これは国防会議の本会議に出ます前に、どの程度本会議の方に説明されておりますかは、私は存じておりません。
○小川(豊)委員 そうすると、あなたは国防会議に出される材料には、この飛行機はまだこういう段階であるということは出された、こういうことですね。こう了解してよろしゅうございますか。
○佐薙証人 さようでございます。
○小川(豊)委員 そうすると、これはあとでもう一回議長においでを願って聞かなければなりません、あるいは議員の方においでを願わなければなりませんが、そういうあやふやな材料で国防会議というものが機種を決定されていくとすると、われわれは日本の国防というものを遺憾ながら日本の国防会議にまかせることはできない、こういうことになる。あなたは出されたとするならば、これははっきり速記録に載っていると思いますから、出されたか出されないか、それはわかると思います。 その次に、防衛分担金の問題をお尋ねしますが、あなたは先ほどの午前中の質疑の中で、アメリカの約束は取りつけてある、こういう御答弁をなさった。ただしそれが何%であるかはまだやっていない、こういう御答弁もつけ加えておりますが、今まで日本でアメリカから飛行機を買い入れる場合に大体五〇%の援助があったことはあなたも御承知だと思う。これを取りきめずにこういう不確なものを決定した場合に、アメリカの防衛分担金が、アメリカの方で援助してくれる金額が五〇%でなくて、四〇%、もしくは三〇%になった場合には、これは国民の負担が非常に重大なものになるわけです。そういうことを明確にせずに内定をし、しかも決定というような既成事実を作って進めていきますともしこれが五〇%以下になった場合に対するあなたは責任を負いますか。従来通りの五〇%というものを取りつける確信がございますか。
○佐薙証人 私はそういう折衝に当るわけでもございませんし、米側もいろいろ国情がございますので、五〇%こちらから希望いたしましても、希望通りになるかならぬかという確信は全然ございません。これはやってみないとわかりません。
○小川(豊)委員 あなたは午前中援助をしてくれることを十分に了解された、その他の技術上の援助や資金上の援助、そういう点でのことに対してはきわめて明快にここでお答えになった。ところが金額の援助に対してはただ取りつけた、こういうことだけで、そのパーセントに触れておらない。あなたの立場であるかないかわかりませんが、こういうものをきめる場合に、少くともわれわれは国民の負担の点から重大にこれを考える。今国民全体が五〇%は従来通りあるだろうと思いながら、これが四〇%になった、三〇%になった場合に対して国民の負担は大へんなものになってくる。これに対してあなたは何ら折衝していないのですか。あなたの機関ではないから、私はそういう方はかまわないからそうしなくてもいいということなんですか。それともそういう点での折衝は何かしていなければならぬはずですが、何かしていませんか。
○佐薙証人 負担の問題で、どの程度日本側が負担できるか、向う側の負担はこれ以上できないので、日本側の負担を増すか増さないかというような場合におきましては、それは日本の財政負担力その他を十分関係方面において御勘案いただきまして、そうしてもしかりにこの飛行機を作る、どの飛行機にいたしましても、しからば機数を減らしていくかどうかという問題について、これは政治的に御決定を願いたい問題だと考えております。
○小川(豊)委員 そうすると、日本の国防をになうということからいくならば、その性能ばかりでなく、その機数というものも私は非常に重大な要素になってくると思うのです。そういう中で、あなたは分担金が減るならば機数を減らしてもいい、仕方ない、こうおっしゃるが、しからばそれは機数を減らしても国防の責任は持てる、こういうことになりますか。われわれはそう解釈できると思うのですが、こう解釈してよろしゅうございますか。
○佐薙証人 これは国力とのバランスの問題でございますので、国力がどうしてもこの程度までしかいかないというならば、漸進的に持っていく以外にございませんので、今すぐに国防の責任が持てるかと言われますと、所要の量を満たされない場合には持てませんが、これは国力とのかね合いでございますので、国力をまず第一に考えて、その御決定にわれわれは従うという気持であります。
○小川(豊)委員 それは、当然日本の国力によって、あるいは日本の政府なりが決定することだと思います。あなたの答弁を聞いておると、三百機を要求した、三百機を要求するということは、多ければ多い方がいいのだから、四百機でも五百機でも要求するはずです。ところが三百機という数が出ているということは、日本の国防をあなたが責任を持つためには、三百機というものは絶対必要な数量だという確信のもとに、三百機というものは出されたと思う。それが、あなたの今の答弁でいくと、減っても仕方ないというなら、初めからそんなによけいに出さなくてもいい。国力の関係で、減らされても仕方ない、こうおっしゃるならば、減らしても、あなたは責任は持てるわけですね。
○佐薙証人 その範囲内において国防の責任を負う以外には、いたし方はございません。
○小川(豊)委員 あなた、国防に範囲内というのはないでしょう。戦争をやって、負けてしまったら、範囲内もへったくれもない。負けない、防ぎ得る、守り得るということが範囲でしょう。あなたは、守り得る範囲は三百機というものをお考えになって、三百機を要求されたと思う。それを、減らされたならば減らされても仕方ないという、そんな確信のない考え方であなたに日本の防衛を担任してもらうということは日本の国民は迷惑千万だといわざるを得ない。この点、もう一回はっきりして下さい。
○佐薙証人 今の三百機あれば絶対に国防の責任が持てるか、二百機では持てないかということは、これは情勢の問題で、なかなか一がいにはきめかねることでございます。従いまして、私どもといたしましては、できるだけ国力の許す範囲においてわれわれの要求する量を充足していただきたいというのが、われわれの念願でございますけれども、これは、全体の国力、国民生活その他の関係もございますから、私どもは、大所高所からきめていただいたものにおいて、あとは他の方法においてでも最善を尽して、すなわち量よりは質という点でわれわれは十分これを補うという努力をいたさなければならないわけであります。
○小川(豊)委員 三百機のことはあとにしましょう。そこで、今量より質だとおっしゃいましたが、私は、あなたは日本におけるすぐれた技術家だ、こう思います。飛行機というようなものは、近代科学の最も先端をいくもので、これは芸術や宗教と違って、個人の才能というものを——あなたがいかほどすぐれた人でも、あなたの判断、あなたの主観を私どもは信ずるわけにはいかないので、やはり最大公約数を信ずるほかないわけであります。そこで、この飛行機の決定に当って、あなたが行って、あなた自身が見られた、いいと思った、これは、あなたの主観なんです。現実には作られておらない、試験もされておらない。そういうものを、日本は千二百億も出して買い入れる。もしそれが適当でなかった場合には、日本に与える損害というものは、全く日本の歴史的な損害であるとも言えるわけですね。そういうことをあなたは十分に考慮され、考えられて、今のグラマンのエンジントン7というものを、あなたは推奨されておるわけですか。確信を持ってその点を推奨されておるわけですか。その点で、あなたのものの考え方は、日本に重大な利益を与えるかもしれません。同時に、重大な損失を与える結果にもなるわけなんです。その点をあなたは十分に御考慮に入れて、こういうことをなさったのでありますか。
○佐薙証人 ただいま仰せの通り、この飛行機を選ぶにつきましては、これが国土の防衛上必要であるということと同時に、これが、ほんとうに国家の多額の金を費しまして、国民のためになる、また将来、これを選びましたことによって国家に損失を与えないというところを、私は十分考えてやっております。 少し説明をさしていただきたいと思いますのは、先ほどから御説明の機会を得たいと思いましたが、得ませんでしたけれども、ロッキードを今米空軍で百機持っている、あるいは二百機持っている、これを使わずに云々というお話がございましたが、私は、その例として申し上げたいのでございますが、これは、もちろんいい性能の飛行機であります。特殊の任務に用いましては非常にいい飛行機でありますが、この飛行機が試作から米空軍で採用されますまでに、本年の一月、実施部隊に初めて供給されるようになりましたが、それまでに、この飛行機特有の機体の性質からどれだけ事故を起しているかということを、私どもは十分調べております。またそれは、本年の一月に実施部隊に採用されますまでにはいろいろ改善されております。 〔「そんなことを聞いているんじゃないよ」と呼ぶ者あり〕
○山本(猛)委員長代理 証人に注意いたします。時間が非常に切迫いたしておりますので、委員の質問だけにお答え願います。
○田中(彰)委員 関連して。あなたにちょっとお聞きするのですが、四月十二日の国防会議の前に、この飛行機が二機破損していますね。それを御存じなんでしょうね。
○佐薙証人 私が承知しております限り、国防会議の前には破損しておりません。
○田中(彰)委員 二機はいつといつ破損いたしましたか。
○佐薙証人 破損いたしましたのは一機だけでございまして、その一機が、私の承知しておりますのは、六月ごろだと承知しております。一機は、先ほどから申し上げておりますように、エンジンを7にかえますために、エドワードの航空隊にあって、飛行状態にあるということでございます。
○田中(彰)委員 破損したのは、一機は国防会議前でしょう。エンジンを取りかえたというのも、故障で入ったのは、いつ工場に入りましたか。
○佐薙証人 私が米側から得ておりますのは、現在エンジン交換のために工場にあるということでございまして……。
○田中(彰)委員 工場に入れたのはいつですか。
○佐薙証人 それは、時期は私は存じません。そこまで調べておりません。
○西村(力)委員 関連して。今、証人は、ロッキードの飛行機は盛んにおっこちちゃって安定性がないと、しゃあしゃあとおっしゃるが、ことしの一月までは、ロッキードのF104にあなた方は態度をきめておったのでしょう。そういう工合にきめておいて、この場所になると、今度はしゃあしゃあと、F104というのは安定性がないのだ、あんなものは取るに足らないのだ、こういうような工合におっしゃる。その切りかえが、私たちは理解できないのですよ。少くともそういう工合に今おっしゃるならば、そのときだってその事情はわかるはずなんだから、このF104を自衛隊で採用するのだ、こういう工合に庁内の意見をまとめるなんということは、おかしい話なんですよ。確かにそれは、安定性がないかもしらぬ。ないかもしらぬけれども、そのときにはそれにきめておいて、この段階になってから、安定性がなくてだめなんだ、こういう言い方はまことに無責任きわまるじゃないかといわざるを得ない。そんなことは、最初からわかるはずだ。わかったら、初めからあんなものはだめだと、こう話しておったらば、話はわかるのです。もう少し責任ある態度をとってもらわなければならぬですよ。先ほどの決定の問題にしましても、今の御発言にしても、私たちは、少くとも幕僚長の言とは信じられない。まことに遺憾しごくなんですよ。それは、一体どうなんです。
○佐薙証人 午前にも申し上げましたように、昨年の八月に調査団を出しますまでは、十分な資料をわれわれ入手することができませんでした。それで、八月に調査団を出しまして、現地に行きまして、実際にこれの試験をやっております状況をつぶさに調べ、いろいろいたしましたところが、いろいろ技術上の問題から、これは事故が相当起きているということを把握いたしましたので、先ほど午前中に申し上げましたように、八月までは、紙の上の性能で、まずこれが一番われわれの要求に適すると考えておりましたものに対して、われわれは考え直しをせざるを得なくなったという状況でございます。
○西村(力)委員 今、はしなくもあなたはおっしゃいましたが、紙の上の計算でF104を選定して、大体これにきめようとしたところが、実際に当ってみたら、非常に不安定なものであって困ったというんだね。それを逆にいえば、エンジンの7をつけたできておらないものを、そのスタイル・ブックだけで、これが最も優秀で、われわれは保証することができるんだ、こういう言い方は、あなた自身の言葉によってくつがえされてくるのです。F104、これはよろしいといったときに、あなたは、それは紙の上でそういうふうに意向をまとめたけれども、実際に調べてみたら、それはだめだ、こういうことをはっきりおっしゃった。あなたが今強弁されておることは、新しく作られようとするF11Fのもう一つ新しいエンジンのナンバー7をつけているのは、最も優秀であって、そうして安定性もあり、われわれの欲するものにはっきりマッチしている、こういうことを仰せられた。だから、これが信用があるのだ、こう言われた。その今まで強弁されていること自体を、あなたは、はしなくも自分でくつがえしておるじゃないですか。そういうように、どこもここも矛盾だらけの発言をされると、私は困ると思うのです。
○佐薙証人 エンジンの問題と機体の問題と多少違いまして、ロッキードの場合には、この特殊な機体から、固有に起るいろいろの危険性があるわけであります。安全性その他の問題があるわけでありまして、エンジンの問題とは無関係なんです。この特殊の機体が、従来あります飛行機と比べて、非常に行き過ぎております。これが、もちろん速力を出したり上昇力を出したり、非常にいい特性を発揮いたします。しかしながら、これが持っております特殊な非常に薄い羽のために免れない一つの危険性、ことに操縦性、安全性、ことに、これを夜間の着陸あたりに使うという見地から起る事故がありまして……。
○田中(彰)委員 それは、紙の上の研究ではわからなかったのですか。
○佐薙証人 これは、紙の上の研究では、今までできておりましたものでは、速力とか上昇力が非常にいい、それから着陸距離も非常に短かいと私たちは了解しております。ところが、実際行ってみると、いろいろ違う。それから、たとえば浮力が小さいために、バウンダリー・レーヤー・コントロールというほかの飛行機にない特殊な装置を持ちまして、浮力を保たせるという装置とか、いろいろ複雑な機構を持っておる。米軍のパイロットによく聞きましたところが、この飛行機の複雑な機構が完全に動いているときには、速力が非常に出る、上昇力も非常にいい飛行機である。ところが、さっき申しましたピッチアップ・コントロールとかバウンダリー・レーヤー・コントロールとかが非常にコンプレックスしたところにいろいろ機械をつけておりますので、これら全部の複雑な機構が完全に動くことは、なかなか思うようにいかない場合があって、むずかしさがあるのです。それから先ほどの着陸の操作その他におきましても……。
○西村(力)委員 あなた、そうおっしゃるけれども、そのF104にするかとか、100にするかとかNなんとかにするかとか、それは、僕ははっきりわからぬのですが、そういうことをきめるまでに、二年間も研究に研究を重ねたとあなたはおっしゃっているでしょう。そうして浮力がどうだとかこうだとかいうことは何もわからなくて、向うの実際に使っての結果についても何もわからなかったということになると、二年間何をやっておったかということになるのじゃないですか。紙の上でやって、実際はそれは違っておった、こういうことを言われるが、二年間紙の上でばかりずっとにらめっこして調べてきたわけじゃないでしょう。あらゆる資料について十分なる研究をやられた結果、F期というものを一応本命としよう、こういう工合にきめられた。ところが、実際に当ってみたらそれは違っておった。こういうわけなんだが、一体二年間ただ紙の上のにらめっこだけをやっておったのかどうか。そういうことになるのじゃないですか。それでは、まことにお粗末しごくといわざるを得ない。いろいろな問題について十分に検討して、そのあげく、大体これが本命だ、そういうことで、F104に白羽の矢を立てておったわけじゃないですか。そのくらいの十分なる検討というものは、当然あったと私たちは思うのです。それが、今度はくるっとひっくり返って、今に至ると、F104は安定性が悪いからだめだというふうに一ころにけなしておる。こういうことになってくると、その間の経過というものは、なかなか私たちにはすっきりと了解ができないということになってくるのです。
○田中(彰)委員 証人、あなたは、どうも言うことが全部違っているんだな。たとえばF104を、あなたはAとCを混同して育っておる。F104の一番古いのはAですよ。しかし、それをあなたは紙の上で調べて、そうして二年間も研究してこれにきめたが、現場へ行ってみたら違っておった、よくない、それだからグラマンにきめた。よくない飛行機を、アメリカの空軍で二百台も買っておる。もっとよけい買って、今それを使っている。それで、今度はあなたが推薦するやつは、何百台もできて飛んでいるから、これがいいと言われるならば無理もないが、たった二機なんだ。しかも国防会議をやる前に一機落ちている。あなたはうそを言っている。そうして今度は、そのときに、また一機はエンジンの取りかえに入っている。しかも、国防会議の前に試運転をして、すぐに故障が起きて入っており、エンジンも取りかえることになっているが、エンジンが取りかえられない。そのたったの二機のうち、二機ともそういう状態であり、たとい墜落しょうがなにしょうが、世界のどこの世の中にも、これが飛んでいないことは間違いない、使いものにならないことは間違いない。それを今度はあなたが、改良して日本に向くりっぱな飛行機械だ、損害はかけません、千二百億出しても損害はかけませんと言っても、あなたは、見たこともなければ乗ったこともなければ、今もできておらない飛行機だ。ロッキードの方は、現実にできて使っているやつでも、紙の上であなたが研究されると違ってくるつりそれが、できたこともない飛行機——できておるものがあるとすれば二機が二機墜落しており、使いものになっておらない。そんな悪い飛行機、そんな危険な飛行機を改良したものがいいと言われるのは、今度は紙の上の考え方でなく、紙の上も紙の上、推測だ。それをあなたがいいと言われることはどんな人に聞いてもおかしくないですか。そういう間違った幕僚長なんて、世界のどこにもおりませんよ。おかしくないですか。そうして、こういう工合に写真にでもつかまって動きがつかなくなると、それは下の者がやってしまったのだと言われる。これは、国民を全部ごまかしているものだ。あなたの言った通り書いてあるか書いてないか、国防会議のあの書類を突きつけてやりましょうか。国防会議にあなたが説明したときに、新しいニンジンをつけた今の7のエンジンは、今の3のエンジンよりも将来いいのだ、こんな資料を出した説明なんかしてありませんよ。全部うそじゃないですか。どれをとればいいのですか。紙の上でいけなかったものが、行ってあなたがそれを見たら使っている、乗っている、空軍が採用している。それを、今度はいけないからというので改良した。改良したCも五千五百回、試験している、今空軍で使っている。あなたがいいとおっしゃった二機は使っていない。空軍にそれを試験飛行してくれと言って、断わられて、無理に頼んで十四時間か十六時間してもらっただけだ。それを、国防会議で重要なものとしてきめるのに、一機は落ちて一機は工場へ入っており、二機とも飛んでおらなかった。国防会議のときは空へ飛んでおらない、存在しておらない。それを、今度は改良してもっといいものを作るというのは、紙の上の推定の想像なんだ。現実にあるものでさえも、紙の上で二年間も研究して間違いを起すのだから、推定のものは、もっと間違いを起すのじゃないですか。しかもCというものは、改良されて今使われている。今あなたのおっしゃった通り、全天候においても、レーダーにおいても、何においても改良されている。そんなことぐらい調べておる。しかも、エンジンが違ったらどれだけの目方が違うか、私はまだ質問したいが、あなたは、三つか四つしか説明しておらない。バーナーの問題、エンジンの量、重さ、それしか説明しておらない。これを、今私が説明すれば、あなたはわからない。あなたは、ただ紙の上の推定で書いて写してきただけで、わからない。それを、今つけようとしてもつかない、うまくいかない。3のエンジンで運転して、工場へ入っているのを修理して7のエンジンをつけようと思っても、つかない。それは飛んでいない。この前の委員会で山本君も、それを日本へ持ってきて空を飛んでみないかと言った。みな知っている。だれにでも聞いてごらんなさい。おかしいですよ。国民がこれを聞いたら何と思うですか。北海道の博覧会や三越の博覧会において、防衛庁の証明付でごまかしたのは3のニンジンで、古いやつだ。国民の税金で買おうとする飛行機が、一台もできておらない、存在もしておらない、御当人も見たことがない、できておらないのだから、同時に、こんなものの性能も調べておらない。おもちゃだ、おもちゃの飛行機じゃないか。子どもでももっと気のきいたものを持っておる。ブリキで作ったもんじゃないですか。厚いとか、厚くないとか言うが、どこが厚い。そんなものを持ってきてしろうとをごまかすようなことを言わないでもらいたい。日本で買う飛行機はできておらない。試験したやつが二機、その二機がおっこちておる。今使いものになっておらない。世界のどの空にも飛んでおらない。それをこの通りちゃんと買うんだときめて、ちゃんと防衛庁が証明書を出して、北海道の博覧会でも、国防会議でもやっておる。これをごまかしたことがわかった。実物がない。そこで、実物がいいということは何でするのかということ、これは紙の上どころじゃない、推測だ。二機とも不良だが、今使っておらない飛行機でも、改良すればこういうものになるという推定だ。ロッキードというのは、当時飛んで、アメリカでも使っておる。改良したものも、今りっぱにできておる。あなたは使っておらないAのことを言っておる。Cは使っておる。私はロッキードの宣伝員じゃないですから、そんなことは触れなくていいが、しかし、これはできているやつを、国防会議の研究費の金を使って、そうして二年間も研究していったら、飛んでおる飛行機さえも、こっちで紙の上で研究した想像が違っておる。現実に何百機採用しておる、それさえ違っておるのに、二機ができて、二機がおっこちておるわけです。改良するという紙の上の推測が、どんな保証ができるのですか。何をあなた言っておる。あなた、自分で恥じないですか。そうして今度その飛行機の組み立てを新三菱重工業に——あそこには、自分のむすこが行っておる。アメリカの大使館へ行って、ロッキードの会社の人が日本の政治家と会わないようにしてくれと手紙をやった。その手紙を戻されておる。きょうは持っておらないが、その戻された手紙をあなたに見せてやる。あなたが頼んだということを、向うでっき返してきておる。それを決算委員会に報告しておる。そういうことを言われても恥かしくないですか。どっちがほんとうなんだ。日本で買う飛行機は、この通り性能試験したのか、見たのか。見ないと言っているだろう。できておらぬと言っているだろう。空のものだと言っているでしょう。試験したものは古いものでしょう。古いものでいいものなら、改良しないでいいじゃないですか。改良すれば金がかかる。それを改良しなければ使えないので、改良している。改良しなければ使えない。その改良したものが、たとい二機でも三機でもできて、りっぱに飛んで、それをごらんになり、それに乗った人がこの世の中にあるか。そうして、アメリカの空軍がいい飛行機だといって、かつて空軍も使ってみて、いいといって証明書がついたのを買わせるのがあなたの責任じゃないか。君に、僕のようなしろうとが、3のエンジンと7のエンジンの十二の違う個所を聞きますが、あなた答弁できますか。何にも持たないで答弁できますか。僕も、何にも持たないで聞いてやる。委員長、それを聞いてくれ。
○山本(猛)委員長代理 佐薙証人に御参考までに申し上げます。証人は、むきになってロッキードを目のかたきにしておられるようでありますが、当委員会には、ロッキードを支持しております委員は一人もおりません。これは、御参考に申し上げます。なお同時にグラマンに反感、あるいは敵意を持っているなんといったような種々の感情を持っておる者も、一人もおりません。でございますから、誤解のないように願いたい。当委員会は、グラマン派も一人もおりませんし、従ってロッキード派も一人もおりません。でございますから、そういうことをお含み置きの上、御証言を願いたい。
○佐薙証人 最後の御質問は、何でございますか。
○田中(彰)委員 3のエンジンと7のエンジンとあなたが同じだと言われるが、その目方から、全部の相違をここで聞くが、何にも見ないであなたは答弁できますか。あなたは、さっきだった三カ所だけ聞いたが、困って、最後には違っていると言うじゃないですか。
○佐薙証人 アフター・バーナーをつけますときには、7の方が六百ポンドふえております。
○田中(彰)委員 もっと答弁ができますか。
○佐薙証人 うしろの方の直径が二インチばかり……。
○田中(彰)委員 二インチじゃない、もっと違うよ。
○佐薙証人 重量が百二十ポンドばかりふえております。
○田中(彰)委員 それはさっき聞いたことです。そのほかに答弁できますか。
○山本(猛)委員長代理 御注意申し上げます。御答弁がおできになるか、おできになりませんか、そのことだけ聞いておる。だから、とりあえず御答弁ができるかできないか、それだけお答えになればけっこうであります。
○田中(彰)委員 そのほかのことが、そこで答弁できますか。
○佐薙証人 こまかいことは、私今ここでは、そらでは答弁いたしかねるものがあると思います。
○田中(彰)委員 ちょっとしたことが違っても、すぐに機械は狂うんですよ。わずかな、簡単なメタルなんかが、ちょっとすり合せようが違っても、焼けるんじゃないですか。それを、エンジンをかえてしまう。そうすると、容積も違う、ポンドも違う、直径も違う、すべてのものが違ってくる。そのエンジンも、まだ試験もしたことがない。そして、3のものをすぐに取りかえるわけにはいかない。そういうことが現われておるにかかわらず、あなたは同じだ、同じだと言っておる。どうなんです。あなたがそういうことをおっしゃれば、これから国防会議の議長を呼び出して聞かなくちゃいけない。
○佐薙証人 私も、発動機の専門屋でございませんから、私の方の専門屋に十分その点を突きとめております。突きとめておりまして、このJ79の3が7にかわっても、先ほどからたびたび私が申し上げましたように、ごく一部分のインプルーブであって、これを飛行機に取りつけてやるということにつきまして、何らの問題はないという私どもの方の各機体、発動機の専門家の意見でございます。
○田中(彰)委員 それは、あなたがまた違ってきておる。先ほど私が詰問した結果、そうだとおっしゃる。今度は、あなたの下の専門の発動機屋に言わせておる。今度間違えば、あれは、専門の発動機屋が間違っておるとあなたは逃げられるつもりだ。われわれは、そんな専門の発動機屋じゃない。アメリカの空軍の証明書をもらって、そうして、これがつけられるのかと、三カ所へ照会しているが、つけられないで困っておる。そんな、あなたの言うように簡単につくものなら、3でいいんじゃないですか。同じことなら、改良しなくてもいいでしょう。しかも、専門の発動機屋がついておって何でもないということを言うからには、千二百億も買うのだから、このエンジンをつけてみて、たとい一時間でも試運転してみなければ、言えないじゃないですか。あなたが二年もかかって研究したロッキードも、向うへ行ってみたら、これと違っておったというんじゃないですか。まだ生まれておらないから、一回も試運転もしない。それを、あなたは一発動機屋に聞いたら、これはつくのだと言っている。アメリカではつかないといって、今困っている。これからいろいろ直さなければいけないということがわかっておるのに、何です。千二百億の金ですよ。あなたは、何と心得ているんです。昔の戦争前の軍隊のように考えているんじゃないですか。ピストルでもかえるような考え方でいるんじゃないですか。さもなければ、国民の前で、そんなことは言えないでしょう。私は、あなたの敵でも何でもない。どっちかというと、私は防衛庁を非常に擁護してきた。今でも、私はその気持に変りはないけれども、民間に向っては、こういうにせものの写真を出して、そうして、これを決定したかのごとく、北海道の博覧会から、この委員会の始まったときに、三越の展覧会でこういうことをやり、国防会議で、これと同じような書類を出して、偽わって内定さしている。実際は一機は墜落し、一機は使えなくなっておる。あなたが買う飛行機は、それと違った、7のエンジンをつけた違ったものだ。7のエンジンと3のエンジンでは、能力が違う。大きさも、目方も、直径も違う。そうして、そういうものは、今の飛行機にはすぐにはつかない。つかないから困っておる。だから、あれをつけるなら、やはり機体も変更し、いろいろなものをかえなければならぬ。それができておらない。それを、一エンジン屋に研究さしたからといって、そんなものができますか。岡という人も、ここへ呼んで聞いてみたり、いろいろな人に聞いても、この飛行機を知っている人はない。日本の飛行機を作る専門の川崎でも、新三菱重工業でも、飛行機の技術は知らないから、そこで、向うで買えば安いものを、わざわざあんな高いものを買って組み立てさせて、飛行機の養成もしなくてはならないから、飛行機のみに要るのじゃない。そういうものをしなくてはならないからと、国家が五十億も六十億も金を貸して——これは失業救済だけではない、飛行機の技術を学ばせるようなことは——専門家でさえも知らない、それをつけたこともない、試運転したこともないものを一エンジン屋に言わさして、それが大丈夫だからといって国防会議できめて、千二百億のものを買えますか。自転車だってそうじゃないですか。陳列で飾っているものを見て、すぐに買えますか。やはり乗ってみるとが、ペダルくらいは回してみる。万年筆を買うときでもそうでしょう。やはりちょっとインキをつけて、太いか、細いか、書きいいかということを見るじゃないですか。それがあなたにはわからぬですか。国民を偽わることは大ていにしなさい。国民は泣いておる。君のような幕僚長が防衛庁におって、そうしてわれわれの税金をみなめちゃくちゃにする。防衛庁の批難事項をごらんなさい。下はくつ、上は軍艦から飛行機に至るまで全部じゃないか。少し考えなさい。答弁は要らぬ。
○小川(豊)委員 私は、最後に一点はっきりしておいてもらいたいのは、さっき私の質問であなたがお答え下すったのは、できておらない飛行機であり、試験もしておらない飛行機であり、アメリカの空軍の証明もないのであるということを、国防会議に提出する資料の中にあなたは入れて出した、こういうふうに御答弁になりました。 〔山本(猛)委員長代理退席、委員長着席〕 従って、国防会議には、当然そういうものはつけて出されておると思うのでありますが、それにもかかわらず国防会議がこういう決定をしたとするならば、あなたがそういう資料を出されたにもかかわらず、それを国防会議に出さなかったとするならば、これは、国防会議の事務局長の怠慢であります。さらに、そういうものが出ているにもかかわらず、さような決定、内定をなされたとするならば、これは、国防会議の議員諸公のきわめて無責任な、軽率きわまる決定だといわなければなりません。従って、国防会議の議長である岸総理は、非常に忙しい方で、再びここへ出てもらうようなことは気の毒だと思っておりましたが、岸国防会議議長を初め、国防会議の議員と国防会議の事務局長を、ここへもう一回出てもらうことを理事会で御決定願うようにしたい、こういうことを申し上げて私の質問を終ります。
○佐薙証人 ただいまのことで、私の申し上げましたことを十分に御理解いただいてない点があるかと存じますので、申し上げますが、私どもが国防会議に出しまする飛行機が、まだ実際にエンジンをつけたものでないということを、資料として別に書きものにして出しているわけではございません。説明をして……。
○小川(豊)委員 君は、国防会議で説明したことはないと言っているじゃないか。
○佐薙証人 国防会議ではございません。私の申し上げているのは、防衛庁内における説明においてです。
○小川(豊)委員 それはおかしい。そういうことを書いたのを出したと答えているじゃないか。
○佐薙証人 書きもので書いて出したということは、決して申し上げておりません。
○小川(豊)委員 書きもので出さないで、あなたは説明ができないでしょう。あなたは国防会議に出ないでしょう。
○佐薙証人 先ほど言いましたように、発動機ができていない……。
○小川(豊)委員 あなたは、国防会議にそういうものを資料として出しましたと今言ったじゃないか。何で出したか。説明じゃないでしょう。
○佐薙証人 説明をしていると申し上げているはずでありますが……。
○小川(豊)委員 そうではない。あなたは出しましたと、さっきはっきり答えている。答えているから、書類で出す以外に方法はないと思うから……。
○佐薙証人 書面で出したという意味では決してございませんで、それは説明してあった。これは、だれもが知っておることであります。説明しておりますので、みな承知の上で、それぞれ説明しておる。
○小川(豊)委員 あなたは、この決定には、グラマンにするかロッキードにするか、どっちにするか知らぬが、グラマンにするには試験もしてない、できてもおらない、アメリカの空軍の証明もないということは、決定の重大な要素になるでしょう。重大な要素になることを、あなたは、そういうことを出しましたかと私がお聞きした。そうすると、あなたは出しました、国防会議には出さないけれども、国防会議の事務局の方には出しましたという。出しましたというならば、それは何で出したのですか。
○佐薙証人 説明の資料を、私は防衛庁から国防会議に出しておるということを申し上げておりません。私は、そういうふうに了解されたと思いましたので、今訂正と申しますか、はっきり申し上げておるのでございまして、私が申し上げておりますのは、これこれの飛行機のエンジンは、こういう状態であって、このエンジンをつけた飛行機は、今あるのではなくて、将来こういうエンジンができたということを、いろいろ説明をしております。説明をしたということを申し上げたのであります。
○田中委員長 あなたは、国防会議に出て説明できる人ではないでしょう。
○佐薙証人 はあ。
○田中委員長 あなたが説明したのは、庁の人に、防衛庁の人に、防衛庁の庁内の人に口で説明したというのでしょう。
○佐薙証人 そうです。
○小川(豊)委員 あなたは、ここで、さっき良心に誓って真実を述べるということを宣誓なさっておる。従って、あなたが、今ここで、それは違うとおっしゃいますけれども、私どもの聞きたいのは、こういう機種の決定に重大な要素になるものを、当然あなたは、幕僚長としてそれを説明する責任がある。あなたは、説明する立場でないならば、その書類というものは、当然国防会議の事務局に出すべきでしょう。だから、私は非常に重大なことであるから、あなたにお出しになりましたかと聞いたら、あなたは、出しましたと言う。従って、出した以上は、その書類というものは当然国防会議に出ている。出ているがゆえに、そういう書類が出ているにもかかわらず、国防会議の議員がさような決定をしたならば、国防会議の議員というものは、まさにその資格のない、軽率きわまる決定である。同時に、それがもし出ていないとするならば、今度は、国防会議の事務局長が故意に出さなかった。ところが、出してあるにかかわらず、出さなかったということになるならば、事務局長もここに出てもらって聞かなければならぬ。私は、あなたが出したということははっきり言われたから、その前提に立って今の要求をした。あなたは、それを取り消すというのはどういうわけです。今、はっきり言ったじゃありませんか。
○佐薙証人 もし先ほど私が書類で出したというように御了解、あるいはもし私が述べたというように記録に残っているならば、御訂正を願いまして、私どもは、説明段階において十分説明してある。また、それは周知の事実でありますから——周知と申しますのは、いつごろになればこういうことになるということも、十分防衛庁内のものは承知の上で仕事を……。
○小川(豊)委員 私は、そういうことを聞いておるのではない。周知の事実だとか、そういうことを聞いているのではない。国防会議の議員は知らないのです。知らないから、それを、どちらをとるべきか、どちらを採用すべきかということを判断するには、重要な資料でなければならない。その資料をあなたは幕僚長として、国防会議の事務局に説明したか、口頭で説明したというのはどういうわけですか、なぜそれを書類で出さないのですか。最も重要なポイントになることではありませんか。それをやらないで、それは、国防会議をあなたがごまかして、国防会議の決定を自分の都合のいいように振り向けました、作為じゃないですか。それで幕僚長と言えますか。もう一回答弁して下さい。
○佐薙証人 防衛庁内におきましては、けさほども申し上げましたが、空幕長といたしましては、私の方からいろいろ資料なり意見を、長官、従って内局の、幕僚を含めました内局に説明いたしまして、内局においていろいろ審議し、またこれを国防会議の方へ移すという段階になっておりますので、私どもの段階においては今の事実をいろいろ説明してございますが、これが防衛庁内から国防会議にはどういうふうに伝わったか、私が直接説明する立場におりませんので、その点は私から明言いたしかねます。
○小川(豊)委員 そういう重要な書類を提出しなかったというならば、幕僚長、これはきわめて軽率なんです。従って先ほど言ったように、そういう説明が国防会議の事務局か国防会議に対してなされたかどうか、この点を確かめるために、ぜひ国防会議の議員、国防会議の事務局長を、もう一回委員会に出るように理事会において御相談願いたいと思います。
○田中委員長 鈴木君。
○鈴木(正)委員 あなたの話を内局の人がまとめて、それを資料として国防会議の事務局に提出する段取りですね、その段階において機種選定というような重大な問題について国防会議に提出する書類は、結局最後的にあなたの目を通していくべき筋合いだと思いますけれども、内局で話し合って、内局から直ちに国防会議の事務局の方にその資料を提出して、あなたの最後の検閲を受けずにそういう書類が回るのですか。つまり国防会議に提出せられる防衛庁側の資料というものは資料として出されるのは口頭でないにきまっている。その資料というものは幕僚長の最後の検閲、目を通さずして直ちに国防会議事務局に提出せられるものかどうか、その手続をちょっと伺いたい。
○佐薙証人 防衛庁の内局には、一人か二人国防会議参事官を兼務しておる者がございまして、常時密接に連絡をしております。そして防衛庁で最後に出されますときに、防衛庁内の最後の書類あたりに幕僚長がこれにサインをするとか署名をするとかいう形式はとっておりません。これは内局においていろいろ作られまして、防衛庁と国防会議事務局と連絡されておりますので、私はそこに至るまでの段階においていろいろ資料を提供したり、意見を求められたりしてやっておりますが、最後にでき上る最終の姿において私がこれに目を通すということはございません。
○鈴木(正)委員 どうも防衛庁の機構というか、われわれには了解できぬことなんですが、次期戦闘機の選定というような重大な国防問題について、あなたが内局の者にいろいろ説明したけれども、その説明がどういうふうな形で資料として国防会議に提出せられるとしても、最後的に目を通さずに済むというような機構は、どうもふに落ちないのですけれども、もし現在そうなっておれば、あなたはそれでいいとお考えになっておりますか。つまり次期戦闘機を選定するという重大な資料を国防会議に提出するに当って、口頭で内局にはいろいろ説明しておるけれども、内局の者がその口頭の説明をいかに扱って、国防会議の資料として提出しておるかということを、最後的に最高責任者が目を通さずに出すということは、どうもわれわれは理解できぬのです。
○佐薙証人 防衛庁の内局におきまして審議されます首脳部会議と申しますか、参事官会議もしくは関係参事官会議というのが開かれまして、これには専門の問題、今度の機種選定のような問題につきましては、その会議に私は出席いたします。従いましてそこでいろいろ論議されますような書類なり、それから事柄について、私は大体最後の段階まで列席はいたします。そうしてどういうことが最後的にきめられるということは承知はいたします。しかしながら先ほどの質問を私が了解いたしましたのは、そういう最後のものに署名するなり、あるいは最後の仕上ったものを私が見届けるかどうかということはないということを私は申し上げております。会議に列席いたしまして、私が意見を述べる場合には述べ、また意見を聞かれるときには、聞かれるということは十分いたしております。
○鈴木(正)委員 その最後の段階において最後のサインはなすったかどうか知らぬが、その重大な最後の会議にあなたは出席せられておる。そしてこの会議でこういう資料を提出するというような話があったときに、先ほど小川さんが質問せられたように、この飛行機はまだ影も形もないというか、とにかくできちゃいないのだ、いつごろできる見通しはあるけれども、現在ある飛行機ではないのだということが、そういう資料として提出せられるということは御承知になっておるだろうと思うのですが、どうですか。
○佐薙証人 最後にどういう書類を出したか存じませんので、またそういうこまかいことが私は書類として出された……。(鈴木(正)委員「こまかいことじゃないです。大事なことなんです。あなた、それをこまかいこととお考えになっちゃ困る。そこで先ほどから大事な問題として長い間、時間をかけておる。小さい問題じゃないです。」と呼ぶ)今の説明資料を防衛庁から出してあるかどうかということについては、私は確認はいたしておりません。
○鈴木(正)委員 そういうグラマンの、あなた方がこれにきめようと計画しておるか、希望しておる機種は現在は存在しない機種であるということを、資料として国防会議に提出しておるかどうかということなんです。その存在しておるかおらぬかということを非常に軽く扱われておるようですけれども、私どもの見方からいうと、それは大事な問題です。そういう小さい問題については私は知らぬとおっしゃっちゃ、どうも僕らにほふに落ちない。そこに非常に大きな問題がある。また私は極論はしませんけれども、先ほどからうそをついたとか、からくりだとかいうような言葉がしばしば繰り返されておりますけれども、そう言われる理由は、そういう大事な点をぼかして、国防会議の資料として出しておるのじゃないか。もしそういう点がはっきりしておって、故意に国防会議の事務局でそれを落したか、それをつけておるにかかわらず国防会議がそのままで通したとすれば、これは重大な問題だから、いろいろ関係者を呼ばなければならぬというのが、小川さんの質問の要旨だと私は聞いておる。それをそういう小さい問題は知らなかったというところに、だいぶ考え方のポイントの違い方があると思うのです。あなたは今やっぱりそれは小さい問題だとお考えになっておりますか。現在国防会議で次期の機種を決定しようとする大事な段階において、その飛行機が現在はないのだ、そういうものを決定するということは大事な問題です。従って現在あるかないかということを参考資料として出すということは、僕らからいえば決定的な大事な問題だと思うのですけれども、あなたの見方ではそういうことは小さい問題だ、こうお考えになっておるのか、その見解の相違を、あなたの見解を聞きたい。
○佐薙証人 先ほどから申しますように、私どもの見解といたしましてはエンジンの一部の改正というものは、いつも行われているものでございまして……。
○田中委員長 エンジンじゃない。できておるかおらないかということを聞いておるのですよ。
○佐薙証人 そのことは将来の……。
○田中委員長 できておらない飛行機をできているごとく、できておらない飛行機というものを、こういうもので試運転して、今買う飛行機ができておらないのだということについて、あなたは何とも思っておらぬかというのだ。
○鈴木(正)委員 いや、あなたの言うことを聞いておけばいいのです。それ以上あげ足をとるつもりはありません。あなたはその問題を大した問題じゃないと思っているかどうか。
○佐薙証人 防衛庁から国防会議に連絡しております書類の一番初めのところには「F11F—1F(98J—11をいう)」こういうことが書いてございます。これは98J—11という飛行機も、まだこれからの飛行機であるということを説明されております。これでただいまのような問題は、一応十分説明しているものと私は思います。
○田中委員長 山本君。
○山本(猛)委員 私はわずかの時間しか与えられておりませんので、私のお尋ねいたしますことに関しましてはきわめて端的に、イエスかノー、あるいはあるとかないとか、できるとかできないとかいうふうに、簡単にお答えをいただきたいと思います。 だんだん全貌が明らかになってきたように考えますが、設計図をお買いになるのでございますか、それともでき上ったものをお買いになるのでございますか。
○佐薙証人 初めの方、ちょっと……。でき上ったものとその前は何でございますか。
○山本(猛)委員 設計図をお買いになるのでございますか、つまり98J—11というものに対する設計図をお買いになるのでございますか、でき上ったものをお買いになるのでございますか。
○佐薙証人 でき上ったものを買います。
○山本(猛)委員 それは向うのグラマンの工場においてできたものをお買いになるのでございますか。
○佐薙証人 これは国産を目標にいたしておりますので、当初の五機分ぐらいはグラマンの工場で作ります。それから当初の残りの二十五機分ぐらいは向うで機体の全部を作りまして、日本に持ってきて日本で組み立てをする、以後だんだん国産のパーセンテージをふやしていく、こういう段階で作るという計画でございます。
○山本(猛)委員 さすれば、試作は何機お作りになりますか。
○佐薙証人 まず当初いろいろ中に入ります射撃照準装置でありますとか通信機とか、それからほかの兵装の実験なんかをいたしますために、最初の五機とそれから現在あります二機を予定をいたしております。
○山本(猛)委員 私ども知り得ました範囲では、それくらいの機体をもってしては試作を完了するものではない。あなたは自信を持って今お答えになりましたことを、再確認されますか。
○佐薙証人 午前中にも申し上げたと思いますが、第四段階すなわちフライト・テストを行なっておりますならば、飛行機の生産をアメリカでもずっといたし、あとは中に積んでおりますものの働き工合を見るという段階でございます。今まで—3のエンジンをつけまして飛行性能は一応全部終っております。従いまして今度—7にかえますれば、もちろん—7としての一応のフライト・テストもいたさなければなりませんけれども、機体の一部が変る、エンジンが変るという段階でございますので、これは非常に簡略にできるという考え方であります。
○山本(猛)委員 ここにもあなたのうそがある。十五機ないし二十機は試作でだめになってしまわなければならない。こんなことは私から申し上げるまでもないことで、あなたが御承知の上です。ここにもあなたのうそがある。それであなたはタイガーのことをおっしゃったのかとも思いますけれども、二百二十回の試験飛行を完了している、こうおっしゃっておられますが、これはどういうところでどういう試験をして、二百二十回に及んでおりますか、それを伺いたい。
○佐薙証人 私もこの場合詳細を存じておりませんが、これは私がエドワードの実験航空隊に参りまして、向うで承知いたしたことでございます。従いまして実験の場所が全部エドワードであるか、あるいは会社の工場も含めておりますか、その辺のことは私明確には存じておりません。
○山本(猛)委員 その資料は、先方からもらっておいでになりましたか、いかがですか。
○佐薙証人 これは私がエドワードで聞きました。
○山本(猛)委員 聞いてきたわけでよろしゅうございますか。北極洋の氷の空で、あるいは湿地帯で、あるいは砂漠のようなところで、あらゆる個所で実験をする、試験飛行、性能の試験その他あなたが言っておられるような内部装置の試験、こういうようなものはありとあらゆる個所で行われておらなければならない。この二百二十回で、全部それを完了しているとお考えになりますかどうか。
○佐薙証人 この点については、私は向うで質問をいたしました。F11F—1という飛行機につきまして、私はエグリンという飛行場にも参りました。これも実験航空隊であります。ここには飛行機の全体を大きな格納庫の中に全部入れまして、温度を零度以下に下げて各部の機能を見る、それから発動機ならばマイナス七十度まで引き下げて見る、あるいはこれに雨風を吹きかけて、そうして飛行機の各部の装備品、あるいはその他がいいかということを検査する部屋もあります。必ずしも北地まで持っていきませんで、エグリンのクリマティック・ハンガーという中で、十分検査いたします。私がエドワードで、しからばこれにいたしました場合に、ウエザーとこれを称しておりますが、ウエザーのテストはどうかということを質問いたしましたときに、ウエザーはグラマンの1Fで試験済みである、従ってあとやるとしてもこれはごく簡単なものでよろしいという説明を受けております。
○山本(猛)委員 そういう温室の中で試験をするくらいのことは、だれでもわかっておるのです。常識としてわかっておる。それが完了いたしましてから現場の試験があるのであります。それすらもあなたはおわかりにならない空幕長ですか。そういうことではこの委員会でのあなたの誠意ある証言とはいえない。でありますから、田中委員もその他の委員の方々も、あなたの答弁に対してはいまだ満足のいくような段階にはなっておりません。われわれは先刻小川委員その他からお話になっておりますように、あなたに恩怨も何もありません。ただ国民の疑惑として大きくここにクローズアップされて参りました本件の疑惑を、当委員会を通じて解いて差し上げたい。また疑惑をあなた自身がお解きにならなければならない、こういうことでございます。しかるにもかかわらず、まるっきりしろうとをごまかしたようなことばかりおっしゃっていたのでは、これは疑惑が深まるばかりなんです。
○田中委員長 証人、あなたは国防会議で、それは違った飛行機だが今後作るのだということを書いてあると言ったが、これは国防会議の四月十二日決定した書類だ。ごらんなさい。あなたにはこうやって書いたものを突きつけないとわからない。このどこに書いてあるか。
○佐薙証人 いや、私はそういうことが書いてあるということを言ったのではなくて、これは98J—11をいうということが書いてある、これでおわかりになると存じております。
○田中委員長 同じものだと書いてある、エンジンも何も同じものだと書いてある、違ったと書いてないじゃないですか。エンジンの7をつけるとか、そういうことは書いてないじゃないですか。
○佐薙証人 98J—11というものはできておりませんので、将来の飛行機であるということを申し上げたのであります。
○田中委員長 そんなことは書いてない。これと同じものだということを書いてある。よくごらんなさい。あなたは書いたもでないとよくわからないから。
○佐薙証人 私拝見しましたが、98J—11というものはこれから作る飛行機であるということを申し上げたのであります。
○田中委員長 日本で買うのです。これから作るということは書いてないじゃないか。カッコして同じだと書いてある。
○佐薙証人 98J—11というものが、これからの飛行機であるということを申し上げたのです。
○田中委員長 どこに書いてある。
○佐薙証人 そのことはそこには書いてありません。
○田中委員長 書いてないものをどうしてわかるのですか。この写真でもそうでしょう。あなたがこれは賛成したならば、将来7のエンジンにすると、なぜ書いておかないのです。何ですか。あなたは書類を出せば逃げるし……。
○山本(猛)委員 パイロットは今度あなたがお買いになろうとする98J—11に備えて、どういうふうに養成されつつございますか。またその人数。
○佐薙証人 私どもが調査いたしておりますところでは、この98J—11の飛行機に搭乗いたします者は、大体F86F並みに操縦ができるということを、これに十分乗りましたパイロットから説明を受けております。従いまして大体従来のT33の飛行訓練を終り、F86にある短時間入れば、これに入り得るというふうに考えております。 〔田中委員長退席、鹿野委員長代理着席〕 そしてもちろんその前に私どもの方で操縦者をアメリカにも派遣いたしまして、その飛行機の操縦訓練あるいは教官の養成ということも、米軍の協力を得て実施いたします。さらにその上でこまかい教育計画を立てるつもりでございますが、見通しといたしましては現在のT33、それからF86のごく一部の段階を経てこれにいけるというふうに予定を立てております。それから御質問の人数につきましては、この飛行機の生産数量に応じますように、操縦者の養成のめどを立てております。
○山本(猛)委員 どうもあなたの御説明では納得いかないことばかりで困りますが、時間がありませんから、次に進みますが、試作が終りまして本製作にかかりますのには、今後どれくらいの期間を要しますか。
○佐薙証人 これは試作を始めます時期、いわゆる決定をされましてからでございますが、かりにちょうど今ごろすぐ着手すると、国防会議の決定がいただけたといたしますと、第一号機ができますのが三十六年の一月でございます。それから逐次生産が出て参りまして、大体現在のところでは月産六機ないし七機という段階で、生産に移っていくという一応の見通しを立てております。
○山本(猛)委員 その間の試作に要する費用、これは日本側が持つのですか。
○佐薙証人 これは日米交渉いたしませんとわかりませんが、試作段階、それから開発と申しますか、これに積みます兵器あたりの試験というものは、主として米側において施設を利用して実施する。こちらからの人間も出して実施する。その費用は米側に依存をしたい。しかしながらその全体の開発費を含んだ費用は、この飛行機の生産費の中に当然含まざるを得ない、こう考えております。
○山本(猛)委員 それならば、なぜ試作全部が終ってからお買いになりませんか。今後三年を要して三十六年の一月までという相当な時間があるといたしまするならば、なぜグラマン社にその責任を負わせませんか。それからもう一つ、こちらでやるのだ、こちらの責任においてやるのだという場合に、マッハ以上の性能試験をする施設が日本にございますか、この二つをお尋ねしておきます。
○佐薙証人 最初の御質問は……。失礼でございますが。
○山本(猛)委員 もう一度申し上げますが、つまりあなたが試作を終って本製作にかかるのは、三十六年の一月以降になるとおっしゃっておられます。でございますから、試作が終るまではなぜ向うにさせないか、たといどういうものを買うにいたしましても、おもちゃだってそうであります。作ってしまったものを客が買うのであって、作るところから自分の方で責任を負わなければならないというようなことはあり得ない。
○佐薙証人 現在ございます二機が今からいろいろ発動機の交換、中の兵装の試験というものを逐次始めて参ります。今までのところは、これを日本が買うという意思をきめませんと向うはいたりしませんから、日本が買うということになりますと、現在の二機を発動機もかえ、中に必要な照準器、兵装も入れて逐次やっていく。そのうちにできましたら、できたものを加えて試験をさらに強化していくということになります。これが第一に対しますお答えであります。 第二の御質問に対しましては、現在日本の航空自衛隊あるいは技術研究本部におきます施設におきましては、先般も実施いたしましたがジェット練習機の試飛行を日本でいたしまして、これの性能試験をいたします一応の設備を持っております。しかし風洞に至りましては現在まだ適当な風洞は非常に小型のものしかございません。マッハ三くらいのものは非常に小さいものしかございません。それからマッハ八一・四くらいを出しますやや大型のものが、来年の春航究技術研究所で三鷹におきまして完成の予定でございます。このマッハ一・四くらいでは将来の必要に応じきれませんので、今防衛庁といたしましては、防衛庁の技術研究本部にマッハ四くらいのものを作りますように予算に要求いたしまして、今折衝中でございます。
○山本(猛)委員 これはあなたのお話を伺っていて明らかになりましたけれども、試作をするのに三年かかる、それから本製作にかかる。これはただでは試作はできません。それは全部米側に持たせるのだと言いましたが、しかし米側の負担金すら計算されない今日、グラマン社が一社でそれをお持ちになるのですか。ざっと計算いたしましても百億になるのです。あなたの言っているようなことでは納まりがつかないのです。こういうような費用を、あなたが金のことは自分の知ったことじゃない、国が払うのだ、自分のふところをいためないでいいのだ、だからそんなことはかまったこっちゃないというふうにも聞えるのでございますが、これは一体どういうことなのでございますか。三年もかかって、言いかえれば三年もかからなければ試作が完了しない。その費用は全部日本が負担をしなければならない。分担金はあるにはありましょうけれども、現在のところは分担金というものを計算することはできない。でありますから、できた場合にお買いになるというお考えにはなれませんか。どういうものができ上るかわからないということも田中委員からお尋ねがあったので、できたものを買うまでお待ちになれないのですか、それを伺っておきます。お待ちになれない事情……。
○佐薙証人 これはでき合いの飛行機を買いますならば、十分できた様子を見て買うことができますが、私どもの飛行機は、たとえばこれは国産をする場合でも同様でございますが、ある程度試作をして、そうしてその結果飛行機を採用するか採用しないかということをきめるわけでございますが、この飛行機はアメリカに注文して、そうしてアメリカに試作を頼んで、そうしてやろうというものでございますので、向うが、こちらが注文しなければ、自発的には試作はいたしませんので、そこを契約によりまして、そうして向うに試作を命じて、こちらがそれを逐次日本の国産に移してやっていく、こういう手順になりますので、向うが試作を終るまで待つということはできないわけであります。
○鹿野委員長代理 ちょっとこの際、今事務当局からの申し入れがありまして、台風が六時から非常にひどくなりますので、それまでにぜひ帰るように取り計らってほしいという申し入れがありましたから、その点も考えて、一つ時間を短縮して下さるよう。
○山本(猛)委員 それでは一問だけ。大へんなことをおっしゃっておられるのですが、よろしゅうございますか。この試作機は日本で責任を負わなければならないようなことをおっしゃっておる。こういうことは国民が納得しないのです。でき合いを買うのじゃないのだというならば、あなたは安全性においてもその他においても完璧を期せられたものと考えられる戦闘機を買うのだということをしばしばおっしゃっておられますけれども、それならばこれよりも完璧を期されたものであって、すでに本製作にかかっておるものがたくさんあるはずです。あなたのところでは、たった五種類の戦闘機に対して検討せられて、そうしてその中からロッキード、グラマンというようなものをお買いになる、こういうのであります。一例をあげますならばということでさいぜんも申し上げたのでありますが、チャンス・ヴォートのクルーセーダーのごときも、あなたは御存じないようでありますけれども——これは御存じないはずはないのだけども、あなたのおっしゃっておることを伺いますと御存じないようでありますが、あなたが見てこられたという原型はタイガーとの競争試作に敗れて、まだそのほかノース・アメリカンでは108というようなものを計画中であることをあなたは御承知のはずである。幾らでも優秀なものがある。それにもかかわらずグラマンというものに基準を置いて、どうしてもこれを買うのだ。——まだあなたは内定々々とおっしゃっていながら、これを買うという印象を強く国民にお与えになっている。優秀なものはほかにあり、条件としていいものがほかにある。日本国民の経済的に——日本国民の経済といえばあなたも御承知の通りでありまして、決してそう豊かなものでありません。日本国民経済の実情も考え合せ、また日本の防衛ということも考え合せてこれをお買いになるのだというのでありますけれども、それならばまだ方途がある。ほかにもこれ以上のものがある。 それからもう一つは、一例を申しますが、国産々々とおっしゃっておられますけれども、国産化そうとすると高くなる。たとえばあなた方がお使いになっておるF86なんかは、向うで今買いますと五千万くらいです。この間左藤長官にお尋ねいたしましたが、左藤長官はそれを御承知なかった。そしてあなたの方の幕僚監部からテキストが届いて、一億三千何百万とかと言っておりましたけれども、一億五千万も一億三千何百万もそう大して相違するものではありません。いずれにいたしましても三倍以上になる。これは、F86の国内生産であなたはおわかりになる通り。しかもこのF86の実情から照らし合せて考えますと、国内防衛生産の育成のためにと言っておりますけれども、それならばなぜエンジンなども設計図をもらってこっちで作らないのです。重要な部品は向うからの部品でなければならない。そして、ちょうど学校の子供が模型屋から材料を持ってきてセメダインでくっつけておることだけが防衛産業の育成だとお考えになっておられるのですか。F86の場合はまさに三倍、今度の場合もまさにその通りでありましょう。こういうようなことでは、防衛産業の育成にも何の役にも立たない。国費をむだに使っている。しかも試作期間中のものまで国力の乏しい日本が負担しなければならない。防衛分担金があるといったところで、それは条約によって半分お持ちになるのでありましょう。しかしそれは半分お持ちになったといたしましても、今のあなたの方の御計算でいったら莫大な国費を浪費しなければならない。あえて浪費と私は申し上げておきます。この点はどうなんです。
○佐薙証人 ただいまのもっといい種類の飛行機がほかにないかという御質問でありますが、たとえば今クル—セーダーのお話がございましたが、かりにF8U—1という飛行機でありますと、この飛行機は速力がマッハ一・五前後の飛行機でございまして、速力の点において私どもあまり満足いたしません。またこの飛行機は胴体も目方も大きくなっております。従いましてこれは値段を調べておるわけではございませんが、当然値段も高くなります。また私どもが国産をいたします場合には、やはり米空軍のある程度の方式というものを取り入れなければならない。ロッキードはもちろんでありますけれども、グラマンの場合も発動機は米空軍が開発して、米空軍で使用する発動機であります。また私どもが今後使おうといたしておりますのも、F86、T33で開発いたしました、すでに育成された防衛産業でできるものを極力利用していきたいということを考えておりますので、今純然たる米海軍機であり艦載機である、そして目方の大きい、からだの大きい飛行機は別に考えてはおりません。
○山本(猛)委員 あなたそんなことを言いますけれども、それじゃ、あなたが名前を勝手につけたかどうかわからないけれども、F11F—1Fというようなものも、これは最近開発したにすぎないでしょう。あなたは今チャンス・ヴォートのF8U—1とおっしゃっておられますけれども、これも改良されてF8U—3というものもできておりますよ。あなた何でも答弁を作為をもってなさっておられるから国民が迷うのです。たとえばさっきの、ロッキードとグラマンと対照してお考えになった場合も、ロッキードは104Cができている。グラマンのやつは、あなたの言われるところのJ79—7というエンジンをつけたものというならロッキードだってつけている。グラマンばかりつけるのではございません。そんなことをここへ来て、みんなしろうとだといっていいかげんのことを言ったって、しろうとはしろうとなりに、あなた以上の勉強をしているのです。ですから、そういういいかげんなことをおっしゃらずに、あなたが自信を持って今後おやりになるというものに対して、人を瞞着するような作為をもってする答弁でなく、御答弁なさらないといけません。第一これは試作の間、国力の脆弱な日本のこの経済力をもってしてこっちが金を払わなければならない。払わぬで済むのですか。払わなければならないのですよ。払うその金が、たとえば将来防衛分担金で半分向うが負担をするとしたところで、その半分は日本国民が負担をしなければならないのか、全然負担をしないでいいのか。そうして、あなたはすでにできている二機と言いますが、あの二機は、田中委員が指摘したように、これは違うのです。これはあなたの言うように、なるほどF11F—1Fというものかもしれない。お買いになるのはJ98—11なんです。お買いになるのは別なんです。お買いになるのはできておらない。でありますから、あと五機くらい作って、とこうおっしゃるけれども、あなたはくろうとであるが、しろうとのわれわれだってこれはわかるのですよ。自分のことを申し上げては大へん恐縮ですが、私も新聞記者で、海軍の黒潮会に戦前長くおった。ですから飛行機のことぐらい、あなたから教えてもらわぬでもわかる。戦前の飛行機と今の飛行機はもんちろ違う。けれども、私だって勉強を怠っておりません。ですから、もう少し委員会を瞞着しないようなまじめた御答弁でおやりになりませんと、また再び国防会議を瞞着したような結果が生まれます。われわれは委員会が愚弄せられるというようなことはしばらくおいても、とにかくこれでは国民の疑惑というものは解き得ない。われわれはあなたを個人的に責めようとかお苦しめしょうとか、あるいはここまでおいでを願ってあなたに恥をかかせようというようなことを考えておるのではございません。六年後の場合だって、今アメリカはナイキの時代に入っておる。そして104Aができたときには、おそらく人間の乗る最後の飛行機であろうということが世界に喧伝せられた。それは局地戦に備えて、人間の乗る戦闘機も必要でありましょう。けれども、世はあげてミサイル時代に入っておる。アメリカのナイキがどれだけ苦心をして研究に研究を重ねておるかということはあなた御承知の通りでございます。 でありますから、最後に一点だけお尋ねしておきます。それは国民の乏しい経済力を有効に使っていただきますために必要ならお買いになっていいのです。買うなと言っているのじゃありません。しかしお買いになるならば、何のために必要であって、どういうふうにして国力に沿うように、国民経済に適合するように考えたのであるということを、もう少し明確に、われわれの考えておりまする考えを通して国民の疑惑を解いていただくような誠意を持ってお答えを願いたいのです。そこで一つだけお尋ねをしておきますことは、繰り返すようで恐縮でございますけれども、試作に要する期間中——長いのでございますよ、この期間中に要する膨大なる費用というものは売る方の会社で持つのか、日本のあなたの公的な経済の中で持たなければならないのか、これを伺っておきます。
○佐薙証人 これは今後の日米交渉によるところでございますが、従来のF86—Fを生産いたしました例によりまして、アメリカの国内で生産するものはなるべくアメリカで持ってもらう、それから日本の国内で作るものはこれはもちろん日本で持つという従来の大きな原則がございます。それから逐次国産のパーセンテージがふえれば、従来アメリカで作っておったものを日本でやれば、日本で作る分担がふえるという……。
○山本(猛)委員 私はそんなことを聞いておるのじゃないのです。本製作に入ってからのものを買おうというならば国民が納得をいたします。でき上らないものを、しかも試作も行われていない、一機も試作が行われていない、どういうふうに生まれるのかわからない、それを本製作に入るまでの分までも日本国民が乏しい経済の中から負担をしなければならないのか。(「反対」と呼ぶ者あり)本製作に入って実用として使われるところの98J—11というものをこちらが負担すればそこでいいのか、こういうことを聞いておるのです。アメリカの負担とかなんとかはまだきまっているわけじゃありませんから、そういうことを伺っているのではありません。それは現在までの条約でございましたら、防衛分担金というものは当然これは考えられる。しかし額もきまっていない、値段もはっきりしていない。ことに伊藤忠から発表したものなどは三段階に分れている。しかも不可思議千万なことは、伊藤忠で発表したその値段とあなたの内部で発表した値段と、三段階において少しも違っておらぬ。こういうような不可解千万なことも国民の疑惑の焦点になっております。要するに私のお伺いしていることはきわめて端的である。試作期間、つまり本製作に入らない前、よろしゅうございますか、これはどういうものを製作する工場にしても、試作期間の費用というものはそこの工場の負担になるのが常識であります。けれどもあなたの方の文書を見ておりますと、初めから、これから作る一機から、全部日本の乏しい経済をもって負担しなければならないような印象を与えている。あるいは事実かもしれない。事実といたしまするならば断じて私は反対であります。断じて反対。試作をも日本国民の乏しい経済で負担をしなければならないということは、これは日本の現在の経済としてできません。これはお断わりをいたします。断じてできない。でありますから、きわめて端的に私はお伺いをしているのです。国防会議の事務局長に尋ねますと、仕様書はできているのだ、検討中だ、こう言う。左藤防衛庁長官に尋ねると、仕様書はないと言う。まず、それじゃ仕様書があって、その仕様書というものはいつ製作をせられて、そしてその仕様書の中で試作の分はこれは製作せられるところの会社が負担をする、本製作に入って初めて日本の経済の負担になるのだということをお答えになれますかどうか、伺っておきます。
○佐薙証人 これは一に今後の日米折衝に待つというようなことで(「そんなばかなことがあるか」あるかと呼ぶ者あり)どこまでも試作の段階においてもわれわれは米側に持ってもらいたいということを思っております。
○田中(彰)委員 それでは証人にちょっと最後にお尋ねしておきますが、まだ試作の期間中の経費を日本が持つとか、アメリカの会社に持ってもらうとか、アメリカの政府が持つとかいうことはきまっておらないのですね。
○佐薙証人 きまっておりません。
○田中(彰)委員 きまっておらぬもので、飛行機はできておらない。これから作る試作の経費はどっちが持つかわからない、きまっておらない、分担金もできておらぬからきまっておらない、そんな危険なものをきめるようなことをあなた考えておられるんですか。あなたにもう聞く必要はない。もうこれでよろしい。
○鹿野委員長代理 この際お諮りいたします。本件につきまして委員外議員の受田新吉君より発言の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長代理 御異議なしと認め、そういうふうに決定いたします。この際受田君に申し上げたいのですが、時間もだいぶたって参りましたので、きわめて簡単にお願いいたします。
○受田新吉君 それでは私発言を許していただきまして、一言だけ、明日の内閣委員会で取り上げる問題に関連して、制服であられる幕僚長としてはなかなかこういう委員会などへは御出席されることが困難であろうと思いますので、このあらしを前にして不安な状況の中にある段階で二、三分ほどお伺いするわけです。 あなたは先ほど、機種決定の国防会議に出席しなかったと申されたのですが、さよう了承してよろしゅうございますか。——そうしますと、あなたが内局に説明して、内局から書類を出したということでしたね。ところが国防会議の構成等に関する法律の第六条には「議長は、必要があると認めるときは、関係の国務大臣、統合幕僚会議議長その他の関係者を会議に出席させ、意見を述べさせることができる。」という一項があるわけです。統合幕僚会議の議長その他の関係者の中には海陸空の幕僚長が入るとわれわれは了解しておるわけです。そういう大事な、千二百億も国民の税金を食うという機種決定という重大なことをきめる会議にあなたが出席しなかったということに対して、あなたは不満ではございませんでしたか。
○佐薙証人 私といたしましては、現在の防衛庁の機構で、私どもはあくまで専門的な補佐官として大臣に意見を具申しあれする。それ以外いわゆる行政に関することは、シビリアンである内局の人、あるいは国防会議におります事務局のシビリアンがこれを検討するという行き方は私はけっこうだと思います。それで私は、私のできる範囲、与えられました権限において長官の補佐としてできるだけやって、あと国防会議に秤ばれますか呼ばれませんかは、これは最高のところでおきめ願えば、われわれとして尽しておりますことは尽しておりますので、あとはやはり広い角度から、いろいろシビリアンである内局、国防会議で見て、さらにこれには専門家の意見を必要だと思われれば私たちを呼んでいただけばそれでよろしゅうございますし、これはシビリアンの範囲において十分尽せるものと考えていただいたならばそれでけっこうだと私は今考えております。 〔鹿野委員長代理退席、委員長着席〕
○受田新吉君 あなたの御見解は、国防会議はこのグラマン機種を内定したという重大な会議であるから、第六条に規定した統合幕僚会議の議長その他の関係者が出て説明をして、十分理解させ、誤まりがないようにしなければならぬというようにお考えにならなかったのですか。
○佐薙証人 私は、今まで防衛庁の内局、それから特に国防会議の参事官会議という面におきまして、非常に微に入り細に入りこの機種決定に関しては研究をしておられますことを十分承知しております。ずいぶんこまかい技術的の資料その他もまとめられまして、非常に熱心に研究をされておることを承知しておりますので、私は現在の国防会議の事務局の人が非常に勉強されてよくやっておられることと私はこれに信頼をしておりますので、あえて私どもがあの人たちを信頼できない、私が出て一言しゃべらなければならないというほどのことを感じておりませんで、私は信頼を今いたしております。
○受田新吉君 この問題は、国防会議の議員たる各大臣、議長たる総理大臣などをごまかすのには非常に都合のよい問題なんです。従って、あなたが専門的な発言などをされたときに、それに対して、たとえばまだ今二機しか試作しておらない、そういう機械がすでに故障を起しておる段階で、これはいかぬということを会議の議員はきっと考えたはずです。そういう意味においてあなたは会議に詳細な資料を出し、それを十分説明するという責任があったと私は思っておる。その点についてのあなたの意見を私は今伺ったので、一応それでその点はおきます。 もう一つは、これも今度は内閣委員会で所管する問題でありますのでお伺いしますが、アメリカにずいぶん久しく調査団を派遣しなくて、昨年八月に派遣してみて初めてロッキードの実態がわかったということでありますが、なぜその間にたびたび派遣して、しばしば調査するという努力を幕僚監部としてしなかったのですか。はなはだ怠慢じゃないですか。そのことを一つ……。
○佐薙証人 当初におきましては、アメリカ側の機密の関係がありましたし、なかなか資料も与えてくれない、あるいは向うの受け入れという関係もございます。いろいろ向うの実験施設あるいは新しい各種の機材などをあまねく回りますので、向うの関係もございます。従って早い時期には回れませんでした。その後また出したいというようなこともございましたが、なかなかこれも費用の点もございまして、われわれの方といたしましては、操縦者もやって飛ばせたいという希望もあり、いろいろしておりますけれども、これも全般の情勢上なかなか受け入れられないこともあります。
○受田新吉君 最後にもう一つあなたにお伺いしておきたいことは、グラマンを決定するのをなぜ急がれた、なぜ内定を急いでやらなければならなかったか。もう少し検討を加えられて、ロッキードをきめられるのに二年有余をかけたほどの熱情を傾けて、これに努力をすべきではなかったか。四月の国防会議にこれを決定させるような段階はどこにあったか。専門家としてお伺いします。
○佐薙証人 決定を急がせましたということは、実は私どもの立場からいたしましてもこれをもっと早くきめたいという事情がございました。と申しますのは、二点ございまして、防衛産業のことは私どもの直接の関係ではございませんけれども、やはり注文する立場はわれわれでございますから、そこに大きなギャップを生じさせたくはない。たびたび陳情もきておりますし、そういう関係がございますので、せっかく注文するだけは注文してあとめんどうを見ないということも困りますし、それから非常に値段が高くなりますから、ある程度早くしたいという気持があった。もう一つはわれわれの次の防衛——次といいますか、今の86を作っておりますその次にやはり引き続いて新しい飛行機を予定通り出して充足をしていきたい。その方が私どもとしてはもとでございまして、当初に申しましたことは、私の方が本来考えるべき問題ではございませんが、これも考慮にないわけではございません。そういうわけで私どもといたしましては、なるべく早く、実は昨年度にもきめたいというので昨年夏出しまして、そうしてできるならば昨年の暮れからきまるならば予算に計上していただきたいというのが当初の希望でございました。
○田中委員長 横山利秋君。
○横山委員 皆さんの要望もありますから、事実の問題を簡単に列挙してあなたの証言を求めたいと思います。通俗的に、飛行性能試験というのは何時間ぐらいと常識的に考えられますか。
○佐薙証人 私、今ここに資料を持っておりませんので、正確にお答えできませんが、アメリカでやっておりますのは、私向うへ参りまして、ライトパタソン、それからエドワードあたりで調べまして、大体第一段階にはどのくらいの期間がかかる、第二段階には大体平均してどのくらいかかっておるということを……。
○横山委員 簡単にそれを何時間ぐらいと……。
○佐薙証人 それは今具体的に数字を持ち合せませんので……。それから飛行機によりまして今までトラブルがあって、この飛行機には最初の飛行から第一線部隊に供給するのにどのくらい時間がかかったかというような具体例もいろいろ調べております。
○横山委員 あなたのわかっておる範囲では、飛行性能試験というのは大体最低何時間くらいが普通ですか。
○佐薙証人 今何時間と申されますと、はなはだ恐縮でございますが、今はっきり記憶に残っておりませんので……。
○横山委員 私は通俗的に聞いておるのです。たとえば数万時間とか数千万時間とか、数百時間とか、こういうふうに言っておるのです。
○佐薙証人 そういう大きい単位ではございません。私が向うで聞きましたのは何十時間単位で第一段階をやる。第一段階というのは、会社がまず自分の作った飛行機を飛ばせまして、そして軍の人にも見てもらって飛びますのが二、三十時間単位でございます。それからその次に、飛んでみてよかったら軍の人に渡す、軍で飛んでみます。これはやはりあまり大した時間ではございませんで、軍で飛んでみたところ、軍の要求から見てここが悪い、あそこが悪い、直せといって会社に返ります。そうすると、会社がそれを直して、そしてもう一ぺん会社が飛ばす。悪いとして指摘したところをこの通り直したからもう一ぺんやってくれということで、第四段階のフライト・テストに入ります。フライト・テストは、大体私の今の大ざっぱなものでは百時間単位と見ております。
○横山委員 その第一段階から最終段階で少くとも国が採用するに至る時間が百時間だとおっしゃるわけですか。アメリカにしても採用するまでに至る飛行性能試験の総合時間というのは百時間ぐらいだとおっしゃるのですか。
○佐薙証人 私の今のは飛行テストのところまで申し上げております。これが百時間であったか二百時間であったか、その辺、恐縮でございますが、ちょっと今記憶ございませんが、とにかく百か二百、その辺の単位の問題で、千時間とかなんとかいう数字ではないという意味で申し上げております。それで第四段階が終りまして、先ほどのウエザー、兵器を積みました第六段階に入りますから、部隊が採用するまでには相当の時間は飛んでおります。ただ飛行性能試験をやるのにそのくらいかかります。
○横山委員 私は最後の部隊が採用するに至る時間、そういうところを聞いているのです。あなたが言う、部隊が採用するに至るまでの飛行機の性能試験の時間、これが全部でどのくらいになるかということを聞いているのです。
○田中委員長 証人にちょっと申し上げますが、グラマン社からあなたの方へ出ている書類があるでしょう。今、横山委員の質問しているあれは、グラマン社が三万時間と書いて、私たちの方に書類が出ております。よくお考え間違いのないように、あなたの二百時間と三万時間とはずいぶん違いますから、これはグラマン社から出ている書類だから間違いないように御返答願います。
○横山委員 この問題について最後聞きたいのは、ナンバー3を搭載した飛行機が、あなたの先ほどの証言によれば二百時間、それで飛行性能試験を公式に終了した、こういうことになるのですか。あなたはその言葉に確信を持たれますか。
○佐薙証人 これは、軍ではこれでよろしいということを認定しますまでに、もしいろいろトラブルがあれば時間がかかりますし、トラブルがなければそれで済む……。
○横山委員 公式にあなたもかつての軍人でありますから、二百時間で公式に飛行性能試験が終了をしたというふうに断言ができるか。ナンバー3で公式に飛行性能試験が終ったのだというふうに断言できるかということを聞いているのです。
○佐薙証人 今のナンバー3からナンバー7に変ったときですか。
○横山委員 ナンバー3の飛行性能試験が完全にアメリカで終ったのはいつかということを聞いているのです。——どうしてちゅうちょされるのですか。ナンバー3を搭載したグラマンが二百時間——あなたの言われる二百時間で公式に飛行性能試験が終ったのだということをあなたは確信を持っておられるか。それは公式に言って差しつかえないかということです。
○佐薙証人 私はエドワードでグラマンの第四段階の試験は終っているということを聞いておりますから……。第四段階と申しますと、いわゆるフライト・テストというものはそれで終っている、こういうことです。
○横山委員 それでは、この点についてはまたほかの人に聞くことにいたします。それから次の聞きたいのは、内定をしてから防衛庁におきまして、あなたの仕事の範囲内においてどういうふうにこの問題が進行しておるか。一つはグラマンの国産委員会はどういう作業をしておるか。またグラマンの国産の計画は、どういうふうに進行しておるか、それを伺います。
○佐薙証人 内定をいたしましてから、国防会議の内定に基いて、諸資料を整備する、そして国防会議に提出する。そして最終的決定をするという段階になっておりますので、私どもの方といたしましては、国防会議に出しまして最終的御審議をいただきますに必要な書類をまず整備するということを第一の目標にして実施しております。
○横山委員 その必要な資料というのはどういう書類ですか。たとえば今度内定したF11F—1Fに伴う細目の書類ですか、そのほかの書類ですか。
○佐薙証人 さようでございます。再確に申しますならば、98J—11、これの国産計画に伴いまして、それの国防会議の御承認を得ますために必要な資料でございます。
○横山委員 それではその次に伺いますが、その飛行機以外の飛行機についての研究は進められておりますか。
○佐薙証人 ただいまのところは、国防会議の内定の線に沿いました機種についてだけ実施しております。
○横山委員 内定ということについて、あなたはけさからいろいろお話しになっていますが、内定ということをどういうふうに理解なさっていますか。
○田中委員長 簡単に願います。
○佐薙証人 今の国防会議で最終的に決定するために必要な書類を整備して、それによって最終的審査をするまで一応この機種の調査を進めるということが内定である、こう了解しております。
○横山委員 短かい時間でございますが、委員長にお願いしたいと思うのですが、今の佐薙証人の発言によりますと、内定ということに伴って防衛庁が作業をいたしておりますものは、グラマンのF11F—1F、ジェット・エンジン・ナンバー7、そうでございますね。それを決定に至る、そのための必要な書類である。それ以外の新しい機種についての検討はしていない、こういうことであります。これは明らかに岸内閣総理大臣、国防会議議長が言いました内定の意味と重大な食い違いがございます。この点は先般私、防衛庁長官にもお伺いをしたのでありますけれども、防衛庁長官は二つの意味にとっていました。一つは、この内定をいたしましたナンバー7の研究は進めたいけれども、また白紙で新しい機械についても検討をしておる、こう言ったのです。岸総理大臣は岸総理大臣で、国防会議の議長である岸さんの御意向は、この内定をした機種、それはあくまでも内定で、白紙で総体的議論をするということで、三者三様でありまして、証人の言いました点とまるきり食い違いがございますから、この点を本委員会はどうしても究明をしなければならぬ。でありますから、あらためて岸内閣総理大臣と防衛庁長官の出席方をぜひ委員長において手配を願いたい。これで私の質問を終ります。
○田中委員長 横山委員に申し上げます。あとで理事会を開いてこれを決定したいと思っております。 佐薙証人には長時間にわたり御苦労さまでした。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十六分散会