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29回国会衆議院1958/07/31

運輸委員会 第8号

発言数
45
登壇者
9
会派数
2
開催日
1958/07/31

会議録

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 これより会議を開きます。  陸運に関する件について調査を進めます。  この際国鉄志免鉱業所の問題について国鉄総裁より発言を求められておりますので、これを許します。十河国鉄総裁。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 この際お時間を拝借いたしまして、その後の志免炭鉱の処理に関する経過を御説明申し上げたいと存じます。  志免鉱業所の措置に関する基本方針につきましては、過般の特別国会における本委員会におきましてお話申し上げた通りでございますが、調査委員会におきましては引き続き分離の具体的時期、方法等について審議検討を重ねられました結果、去る七月二十一日、お手元に差しあげてあります第二回答申をいただきました。すなわち、調査委員会は志免鉱業所を国鉄経営から分離する時期、相手方、方法等の三つの点について審議を続けまして、さらにそれまでの審議の総合的の結論といたしましてこの第二回の答申を出されたものであります。  国鉄といたしましては、この答申に示された時期までに諸般の手続を完了するように、なるべく早く事務を進める必要があると考えまして、この答申の趣旨、内容に沿って措置をすることを決定いたしまして、その旨を運輸大臣にも御報告申し上げ、御了承を願った次第でございます。  私は常々従業員ができる限り安定した職場において希望を持って働けるようにいたしたいと念願いたしております。また、従業員の諸君にも新しい事態が起きたなら、まず第一に従業員諸君にお話をすると約束もしておりましたので、二十四日吾孫子理事を門司に派見いたしまして、以上のことを現地従事員の代表に知らせるとともに、分離についての労働条件等に関しまして希望を申し出られたい旨を伝えた次第でございます。なお、国鉄の労働組合本部に対しましても、同時に同様の措置をいたしました。今後も関係の向きとは連絡をとりつつ事務処理を進めたい所存であります。何とぞ皆さんの御協力をお願い申し上げたいと存じます。  ありがとうございました。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 速記を始めて下さい。  質疑の通告がありますので、これを許します。正木君。

正木清日本社会党

○正木委員 重要だと心得ますので、簡単にこの機会に御質問を申し上げるわけですが、まず第一に、国鉄の三十二年度の決算について一つ数字を具体的にあげて御説明を願いたい。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 三十二年度の決算につきまして御説明申し上げます。  決算は一応できたのでございますが、まだ正式に運輸省あるいは検査院等に報告あるいは承認はいただいておりませんので、決算見込みということでお聞き取り願いたいと思います。昨年度の決算の大要は、御承知の通り下期、特に本年に入りまして収入が悪化したという点と、それから昨年度経費の面で、いろいろ当時も申し上げたかと思いますが、退職手当が足りませんとか、あるいは期末手当の増加とか、そういうことで経費の増加ということがございまして、その影響を受けた決算でございます。  それで、まず収入の点でございますが、収入は最終的には予算に対しまして四十三億ばかりの減収と相なりました。それから絶対額で申しますと三千三百三十九億ということで、四十三億余りの国家予算に対する減収ということでございます。それから経営費におきましては約六十一億三千万、予算より増加ということに相なりまして、差引今の六十一億と四十三億、これはいずれも経営的にはマイナスでございますが、この合計いたしました約百五億というものが自己資金の減少、つまり資本勘定、さらには工事資金に充てる金でありますが、これが約百億、経営上いわゆる営業収支の面で減少いたしたということでございます。  それからもう一つ工事勘定でございますが、工事勘定の決算額といたしましては、大体その百億に見返る程度の金額だけが、これは詳細には若干食い違っておりますが、大体繰り延べに相なった。それから財政投融資の面で、これも御承知のように約百億繰り延べというのが当初の政府の要請と申しますか、御方針であったわけでございますが、これも今年の二月に約四十三億、特に資金運用部から公債で引き受けていただきまして、その残りの五十七億は繰り延べということでありまして、これも五月に引き受けていただきまして、結局若干ずれましたけれども、財政投融資は全額昨年度は計画通りめんどうを見ていただいた。結局収支の差額の悪化いたしました百億だけが財政投融資の繰り延べに相なった、こういうのが昨年度の決算の大きな姿でございます。  それからもう一つ、これを損益、計算の方から申上ますと、三十一年度までは御承知のように毎年赤字でございます。昨年度に至りまして、そういった営業収支の結果約百六十億の黒字、決算上の益が、近年初めて運賃改正をしていただきましたおかげで出て参った、こういうのが昨年度の決算の大要でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 そこで、三十二年度の予算原案と決算に表われた貨物旅客の運賃収入の面はどうなっているかという点。それから同時に三十三年の現在の営業の収支状態の見通しがどうなっているかというのと二つ御報告願います。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 三十二年度の決算におきます旅客収入と貨物収入でございますが、旅客収入は予算に対しまして三億二千万円の減でございます。ほぼとんとんと申しますか、約三億の減、それから貨物収入が予算収入に対しまして三十六億五千万円の減、それから雑収入若干、合計いたしまして先ほどの四十三億になるわけでございますが、今申し上げました通りほとんど大部分が貨物収入の減少だということでございます。それからこれも繰り返し申しますが、ほとんど本年一月以降からの減少でございます。  それから本年度でございますが、本年度の今日までの収入状況は、率直に申しまして非常によろしくございませんで、六月までの、つまり第一・四半期でございますが、この数字がある程度固まておりますので、それについて申し上げますと、まず旅客収入でありますが、旅客収入が、この方は必ずしも悪くございませんで、前年度同期の実績に比べて三十億近くふえております。国家予算と比べますと、これは月割を適当にいたしておるわけでございますが、この私どもいたしました月割の予算と比べますと、約三億五千万予定よりは上回っておるということでございまして、ますまずいい方かと思います。ところが貨物収入が、ただいま申し上げましたような、予定しました第一・四半期の収入に比べますと、約四十三億悪い。差引いたしまして、約三十九億八千万月割予定より悪い。それで、第一、四半期で約四十億でございますから、最近ももちろんその後まだよくなっておりませんが、これが下半期にどう絹なるかということでございますが、あまり楽観的な見通しはできないので、これでいきますと、やはり年間通じて百億を相当こえる減収は免れないのではなかろうか、こういうことでございます。

正木清日本社会党

○正木委員 そこで、運輸省の權田さん御出席でありますから、むしろあなたにお伺いした方がいいと思うのですが、運輸省としては、経済企画庁なり、政府機関それぞれと、今後の日本の経済の見通しその他諸般のことでは少くとも御連絡があると、こう私は予想しておるわけですが、今国鉄当局から貨物収入の大幅減収について数字をあげて御説明をいただいたわけですが、第一・四半期ですでに実質四十億からの減収ということになりますと、年間を通じて、これは国鉄当局は百億というようなことを言われたのですが、わが党の政審会等で調査を加えた結論を簡単に申し上げますと、本年度は、国鉄は少くも貨物収入その他で百二十億の減収は下らないのではないか。百二十億からの減収ということになると、一口に言うとただごとではないのではないかというのが実は私どもの心配の種でございます。そこでもし運輸当局等で今後の経済の見通し等について何か調査御研究にでもなっておられれば、この機会に一言承わっておきたい。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田説明員 本年度の国鉄の収入の見通しにつきましては、今までの実績について国鉄から説明がありましたが、私どももその報告を受けてしさいに検討しております。また御承知のように、実は事務的にはもうすでに来年の予算編成の準備に入っておりますので、今の見通しとあわせていろいろな経済条件その他を検討しておりますが、今のところ、この下半期についてどれくらいの数字が出るか、実は事務的にまだ確定数字は得ておりませんが、予算よりもある程度の減収は免れないという見通しに立っております。御指摘のように、この問題は直ちに工事資金に影響して参りまして、国鉄の五カ年計画が出発いたしまして二年目でございますし、私どもはこれを的確に遂行するという方針のもとにいろいろ研究をしているわけであります。前年度は、財政投融資の百億繰り延べにつきましては先ほども説明がありましたように、本年五月まででゼロにまでリカバーいたしまして、この点大いに努力したつもりでございますが、残念ながら収入の四十億減と支出の期末手当増その他特別退職手当増による六十億で百億の工事資金城があったことは決算上事実でございますので、これをもあわせて三十四年度以降、計画最終年度三十六年に至ります間にこれをどう按分して参るか、これらの見通しについて目下せつかく作業中でございまして、後半期に期待はいたしておりますものの、ある種皮の減収は私どもも認めざるを得ないと思っておりますので、来年の予算編成とあわせて、国鉄五カ年計画に大きなひびの入らないように十分善処すべく、目下数字もつめておる次第でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 いま一点運輸当局にお尋ねしたいと思うのですが、今年度の国鉄の収入の大体の見通し——下半期になって需要増大の刺激政策が政府で打ら出されれば、おのずから別な形になろうかと存じますが、現状のままの見通しを立てるというと、非常にこれは重大な段階にきておると思う。しかも百億をこえる繰り延べが現実にあるわけでございますので、三十四年度の国鉄の予算編成というものに対しては、ここはやはり大きな政策的な予算の心がまえを持たないと、一国鉄事務当局のものの考え方では、問題の危機は突破できない段階にきているのではないか。そこで運輸当局にお尋ねしたいことは、こういう国鉄のありのままの塊状に基いて、運輸大臣を中心として何か省議等で御検討を加えて下さったことがあるかないか。この一点だけ、簡単でけっこううですから聞いておきたい。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田説明員 今大臣を中心とする研究に入らんとしておるところでございます。

正木清日本社会党

○正木委員 そこで国鉄にお尋ねをしたいのですが、前回の当委員会においても御説明があり、委員からも御質問申し上げた、例の利用債八十二億の取扱いの件について、大蔵当局なり自治庁との間に円満に話し合いがついて、そしてこの八十二億が直ちに現金化するところの見通しがついたのかどうか、その経過等の報告を願いたい。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 利用債の消化あるいは関係工事の進行につきましては、ただいま先生のおっしゃるような問題があったわけでございますが、現況を申しますと、八十二億のうち約四十億近くは従来のような形の利用債、昨年までございましたような工事の種類の利用債で、大体これはほとんど決定いたしておりまして、どんどん進めておるわけでございますが、そのほかに約二十七億程度、電化ないしそれに関連する工事について、地元と相当話が進んでおりましたところで、自治庁からいろいろ意見が出て参ったわけでありますが、これにつきましては率直に申しますと、私ども国鉄といたしましてはもちろん自治庁ともいろいろお話したわけでありますが、自治庁もいろいろ基本的なお考えがございまして、国鉄といたしましては何とか本年度だけは進めて、来年度の分は来年度の予算として、関係宮丘あるいはさらに国会のお考えに従いたい、こういうことを申したわけでございますが、その結果、最近運輸省、自治庁の間でいろいろお話を願っておりまして、これは私が申し上げることではございませんかもしれませんが、今日ただいまでは、はっきりした結論に至っておりませんが、昨今の事情は、大体本年度はこれは予算できまっておることでもあるし、五カ年計画の進行上何とか県との話し合いの進んだ分については認めていただく、来年度の予算については、あらためて検討していただくということにお話が近くまとまるように私ども承知いたしておりますので、早くそういうふうにきめていただきまして仕事を進めたいと考えておるわけでございます。それでこれがかりにうまく参りますれば、二十数億というものが地元とはすでに相当話が進んでおったことでございまして、その他従来のような形の工事も、いろいろと地元からも希望が出ておりますので、ある程度消化が進むのではないか、かように期待しておるわけであります。

正木清日本社会党

○正木委員 もう一点お尋ねします。この利用債の取扱い方については、国鉄は運輸省の方へ御相談なさったのでしょうか。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 自治庁との関係につきましては、ただいま申し上げたような次第でございますので、関係各省に調整願いたいということで、運輸省にはお願いいたしております。

正木清日本社会党

○正木委員 運輸省にお伺いするのですが、この問題について運輸省としては、これを公式に取り上げて、関係各省との折衝に入って下さっておるのでしょうか。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田説明員 今問題になっておりますのは、利用債のうちの二十数億の電化その他の関係の部分だけでございまして、今国鉄から説明がありましたような事情が事実でございます。国鉄からその報告を受けまして、事務当局といたしましても、自治庁当局、大蔵省当局とこの話し合いをいたしておるわけでございまして、ただいま私どもの考え方としては、本年度分についてはこれは適当に始末をつけて、来年度以降の予算編成においては、本年度の問題もありますので、十分あらためて、これは各省問で予算編成の際に協議したい、こういうことで折衝しております。従いまして私どもも、事務的にもこの問題の折価に入っておる次第でありまして、近く見通しがつくのではないかと思っておる次第でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 私は、運輸省当局に対する一つの要望になるわけですが、この問題については、今年度限りにおいては国鉄の責任でもなければ、運輸省の責任でもないので、従って運輸大臣にあなたの方から詳細にこの事情をお話し下さって、閣議で再確認をしてもらえば、至って簡単にこの問題は片づくのだと非常に簡単に考えておるのです。ただ事務当局間だけで話し合いを続けておったのでは、何としても国鉄というものはある意味では非常に弱い。実際は弱いのですから、運輸省の方が、大臣と御相談下さって、閣議でこの線をびしつときめて下さるように、これは要望を申し上げておきたいと思うのです。あとで大臣御出席にでもなれは、機会を見て申し上げることができれ、はしたいのですが……。  そこで国鉄ですが、結論から申し上げますと、五カ年計画というものの見通し、現実には五カ年計画というものは非常に大きな壁にぶち当ってしまって、工事中止の指令等ももうすでに出たのではないか、出ておる部分があるのではないか、こういうような気がしますが、一つ忌憚のない、衣を着せない率直な報告を当委員会で願いたいと思うのです。これは大切なことですから場、

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 五カ年計画の達成につきましては、私ども非常に苦慮いたしております。これは公約でございまして、また国鉄百年の大計から申しましても、何とかして達成いたしたいと考えております。しかしながら先ほど来申し上げますように、資金手当につきまして欠陥が生じておりますので、これを何とかカバーして参りたい。それで大体初年度の三十二年度及び三十三年度におきまして、総体の進捗率は三四%になっております。これはだんだん先にいきまして資金が大きくなりますので、三四%というのは決してそれほどおくれておるものではないと考えております。中でも最も力を入れておりまする老朽施設の取りかえ、これは多分五四、五%にまで達しております。一番進捗率の大きいのは線路増設でございますが、これは二〇%でございます。しかし、これは線増の性質といたしまして初め用地買収その他に手間取りますから、進捗率が低いのはやむを得ないと考えております。問題は今後の資金の手当ということになりますので、私どもは心から三十四年度以降におきまして五カ年計画を達成するだけの投融資、国家からの御支援を賜わりたい、三十四年度の予算編成におきまして関係方面に強く御要望申し上げたい、こういうふうに考えております。

正木清日本社会党

○正木委員 総裁今お聞きの通りの状態が国鉄の内容であるわけでして、これはすべての人がやはり心配をされている国鉄の真実の現状だと思います。そこで問題は、三十四年度の予算の編成を通じて、この三十四年度の予算でほんとうに国鉄が安心して五カ年計画なりその他のことを完全に実施する方向の予算獲得の成功を見ないと、三十三年度の予算のような形で三十四年度もいきますと、これは大へんなことになるのではないか。そこで、総裁としては三十四年度の予算については、政府当局に向って強い体当り的なかたい決意をもってお臨みにならないと、あとで後悔するようなことがありはしないかというような心配を私は持っておるわけですが、総裁いかがですか。この際三十四年度の予算についてのあなたの御決意のほどをお聞きしておきたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 ただいまお話の点は、私もちろんどなたよりも一番心配しておるところでありまして、三十四年度におきましては関係当局に対して強い希望を申し述べまして、何としても五カ年計画は五カ年内に達成できるようにいたしたい。なお、私といたしましては関係方面にそういうことを御要望申し上げると同時に、さらにわれわれとしても工事費をどういうふうにすれば節約できるか、どうすればもっと金が少くて、あるいは輸送力を減らさないで済む方法がありゃしないかということをもさらに検討を加えたいと考えまして、ただいまそういう方面にせっかく努力中でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 私の質問はこれで終ります。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 長谷川君。

長谷川峻自由民主党

○長谷川(峻)委員 運輸大臣にお尋ねをいたします。運輸大臣は就任以来、御就任のごあいさつをお伺いして以来きょうが運輸委員会で初めてお目にかかるわけですが、まず第一に、先ほど国鉄総裁から御報告がありました、問題になっております志免炭鉱でございます。この問題については、第二回の答申で国鉄としては払い下げすることを方法と時期については十分考慮しながらやるということで、二十四日の日に吾孫子理事が現地に参りまして、現地の従業員代表二十四名と懇談をして物別れになってきた。現地の諸君は売出絶対、反対、今まで通りほかの山を買ってでも継続してもらいたい。そうして国鉄労組の方でも声明書を出しているやに私は拝承しているのであります。監督官庁といたしまして運輸六日は、これだけたった一つ国鉄が持っております志免鉱業所千三百余名の従業員のおりますことでもありますし、それから事業の大きな転換でもあります。国鉄総裁が先日からわれわれに説明されておりますように、重大な危難に立っておる国鉄としては、輸送一本で進むためにどうしてもそういう答申通りやっていきたいという決意のほどもわかりますけれども、監督官庁としての運輸大臣の御所信、さらにまた今まで受けられた報告についてどうい右態度で従業員諸君の気分、配置転換あるいはまた地元の町村、さらにまた歓害地の問題等をお考えになっておりますか、お伺いしたい、こう思う次第であります。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 志免炭鉱の問題は、私が運輸省に参りましてから一番重大な深刻な問題として取り扱っております。決していいかげんにただ報告だけ聞いて判断しておるのではありません。しかし私が今まで勉強しました範囲内の私の判断では、行政管理庁もあれは離すべきものであると判断いたしましてそれを閣議に出し、その報告をした結果、国鉄に対してあれは分離すべきものであるという指示をしておりますさらに志免問題の調査委員会も国鉄は分離すべきものだという答申を出しております。従いまして、その点に関します限りの材料で判断いたしますと、私といたしましては根本の方針はやはりこれを離していかなければならないものかなという感じは持っております。もちろん業者で引き受けてやってみたいという希望者があるくらいなんだから 経費の仕方によってこの山の存続維持ができないものでないという感じは持っております。しかしこれはただではできないのであって、どうしても近所の山と総合開発をしなければ、この志免の寿命を延ばすことはできないということは、これは動かすべからざる事実だと思うのであります。そこでこの問題を考えますときに、これだけじゃいかぬので、これを離すか離さぬかというときには、かりに維持していこうと思えば、どうしても近所の山を買わなければならぬ、それには国家の負担が加わるが、大蔵大臣はどう考えるかといって、実はあらかじめ大概大臣の所見を求めておるのでありますけれども、大蔵大臣は、鉄道を延長するとかあるいは機関車を買うという金ならば、必要とあれば金額はいとわないけれども、直接に鉄道運営の上に絶対の必要性のない山を経営するためにこれ以上金を出すということは、一文もおれは認めぬとはっきり申しておるのであります。従いまして、つまり旅行計画は立てても、旅費の当てのないことでありますから、近所の山を買い求めて総合計画を立てるということは、理論としては成り立ちますけれども、実際問題としては考える余地がない、これが今の実情であります。そこで、どうしたならば今の従業員諸君の福祉を考え、また近所の土地の皆様方に御迷惑にならぬ——鉱害問題その値いろいろありますが、それをどういうふうにして確保するか。つまり従業員の幸福をできるだけ増進し、地元の迷惑にならないようにどうしてやれるかということに問題をしぼって、今せっかく研究しております。それがまだ途中でありまして、今ここで具甘酢に個月何日ごろこういうふうにやろうという案は持ちませんが、大体はそういう方針で進んでおります。

長谷川峻自由民主党

○長谷川(峻)委員 運輸当局の意見も、大体山を払い下げするということの御趣旨のようであります。それは御意見として私了承したのですが、そこで将来出てくる問題が多々あると思うのです。うしろの方を見ますと、だれが呼んだか知らぬけれども、おそらくその関係の諸君だろうと思うのですが、だいぶ傍聴に来ておるようであります。この第二回の答申を見ましても、調査委員会は三井、三菱、住友を譲渡対象会社として指定した、こういうふうに出ているわけです。私などは面接労働組合に関係がありませんから、地元の従業員の陳情はもらっておりません。しかし事情をだんだん職取いたしますと、ある一部には、もしも払い下げされる場合には、鉱害の問題とか厚生施設の問題とかをよく考えられるようなところにいくことが望ましい。北九州にはいろいろ山がありまして、御承知のようにめちゃめちゃな重労働をさせたり、古い、時代の経営をやっているところもあるので、そういう経営者がこうした三つの会社の中に隠れて、ある場合には政治的に動いて、譲渡されてみたところが、そうした山に自分の山が売山されておったということで、非常に境遇が悪くなっては困るという心配をしている向きもあるやに聞いております。われわれがこうしてここで御質問をし、当局の意向をお伺いするゆえんのものも、何といっても境遇の変化でありますから、今まで経営の中に参加しておった従業員諸君が、不安を持っていることは当然であります。そういう方々のことまでもわれわれは考えておりますが、立場上、政府並びに自民党、独占金融資本というものは、なれ合いでこんなことをやっているのだということを、国鉄の労組などは反対声明の中に堂々とうたっている。これはいまどきの諸君の考えでありますから、私はそう問題にもしませんけれども、しかしそういうふうな不安を起されないような形において、監督官庁としてぜひ御考慮をお願いしたい、これを申し上げておきたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 御指摘の点はごもっともでありまして、この点は最も注意を払って取り扱うつもりであります。何か家屋を売るときに家具つきで売るというような、そんな無責任な考えで従業員の問題を考えておりません。むしろ一番大切な点は、将来の従業員の身分の保障はどうなるであろうかという点にポイントを赴いて払い下げるべき相手方を考えたいと思っております。そして、これだけ天下の大問題になっていることでありますから、寸毫も暗い影のさす取引はしたくないと思いますし、またいたしません。何人が考えてみても、あれしかやり方がないという方法を研究いたしております。そういうことが今日まだはっきり結論になりませんから、今ここで具体的の御答弁ができない理由があるので、いましばらく成案を得るまでお待ち下されは、おそらく御得心していただける案ができるのではないか、こう考えております。しかし、繰り返して申しますが、すべての問題に優先して従業員の身分の安定とか、あるいはいろいろな厚生施設の完備とかいうようなことを、将来の事業経営者に大きな条件としてその処置を進めさせる決心であります。

長谷川峻自由民主党

○長谷川(峻)委員 ただいまの答弁了承いたします。これは政治の問題でありますから、一つ信頼のおけるような方法とお考えのもとに、ぜひ実行していただきたい。私は、政治は大きな判断であると思います。  そこで今度は事務的な話になりますが、先ほど国鉄からの説明を聞いておりましても、減収がまず百億もあるやの話であります。ところがここにまた一つの問題がある。国鉄では百億の減収があるし、私鉄の場合には、事務的な問題がまだ片づかないために非常に困っている、私はこう思うのであります。それは、たとえばバスの運賃の問題であるとか、私鉄の運賃の問題等、いずれも二十八年くらいからすでに運審の答申が当局になされているにかかわらず、一つも進んでいない。私鉄の場合には六十二社は許可されておって十三社はまだ認可が残っている。それからバスに至っては言語道断でありまして、事務的なことは一つもはかどっていない。私はこれは政治でも何でもないと思う。現にバスの場合ですと、わが宮城県の場合には、取り囲むところの山形、岩手、福島が全部運賃の改定をされておって、それで、どしどし車両を新しくし——もちろん車両を新しくする計画などを出して運賃の改定が行われて、そういう車両がどんどん宮城県に入ってきている。ところが宮城県の方は押えられている。どなたに聞いてみても、事務的な関係はとっくに片づいているのに、その事務的なことが今運輸省では一つも行われていない。これについても先ほどの答弁のように、つしっかりやっていただきたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 ごもっともであります。ことに宮城県はエア・ポケットのようなところになっておりますから、そこの実情を日夕見ておられる長谷川委員は、ほかの地域で感ぜられない憤りとふんまんをお感じになっている事情はよくわかります。ただ申し上げたいのは、私運輸省に入って、今いかにあるかということをいろいろ調べてみますと、実に不合理なことがたくさんあるのであります。ことにあなたの言われるように、何らの理由なくして未決済のままに——放擲と言うと少し言葉がひどいかもしれませんけれども、実際問題は放擲されておる事案が実に多いのであります。そこでこれを解決することが、将来運輸省はこういう仕事をするという積極的な案を立てるよりは、まずもって現在山積しておるこの不合理を是正することが運輸大臣として最も緊急を要することだ、こう私考えておるのであります。  ただ、こういう不合理がなぜできたかという理由を一つお考えを願いたいのであります。今のような、宮城県だけが置いてきぼりを食っておるというような事実がほかにもあるのであります。そういうのが何らの理由がない。隣の県が許可になって、宮城県だけが不許可になっておるというのは理由がないのであります。しかし何がゆえにこういう不合理が起きたかと申しますると、これは何だか講義めいてまことに恐縮でありますけれども、あの神武景気の低落してきますときに、大水が出てくるときに 何はともあれ先祖伝来の家具、什器でもみな持ち出してその洪水を防がなければならぬというような、特殊な緊迫な状態が昨年の秋以来続いたのであります。そのときにそういう特殊な事情が出たから、これはやむを得なかったのであります。ところがその緊迫の状態、つまり今のたとえで申しますると、水がだんだん引いてきた、そういたしますると、いいことをするという前に、悪いことを是正するということをまずやらなければならない、つまり不合理なことを是正しなければならぬと思うのであります。その中に今あなたの言われた問題も含まれておるのであります。従いまして、私どものやりますことの中には、不合理なことを是正するということをます第一に取り上げたい、こう考えております。ただ問題は、それをいつどういう形でやるかということであります。と申しまするのは、この扱い方が悪いと、その不合理を知りつつやって今日までやっとその手直しができたことが、ちょっとの時期を誤まったためにまた振り出しに戻るというようなことが起っては、今までしんほうしてもらったことがまことに意義のないことになりますから、いつどういう形でその不合理を是正していくかという問題については、いましばらく私どもに検討する余地を与えていただきたいのであります。今長谷川委員の言われることが、それが間違っていますとか、その主張は誤解ですぞというようなことは申しません。あなたのおっしゃる通りであります。そして私が運輸大臣に就任いたしまして以来、この不合理を是正するのが私のまず第一の任務、新しい仕事はその次にやるべきことだと考えておる。この基本の方針は、動きません。動きませんが、十分了承しておりますから、決して忘れておるのでありませんから、いつどういう方法でやろう、たとえば賃金が抑えられているのは不合理だからというので、日本国じゆうの賃金を全部値上げするというような派手な扱い方をいたしますると、単に私鉄、バスの問題だけではなくて、すぐ起るのは新聞はどうだ、ラジオはどうだ、髪結い銭からふろ銭までの問題が一斉に起ってくる、それは扱い方としていかにもまずいと思います。従いまして、私はどうしたならば、せっかく今まで非常な勢いで転落してさた日本の景気が今やや立ち直りの状態になってきた、すなわちあなた方がそういう不合理をしんぼうしていただいた効果が今現われつつあるのでありますから、その効果をなくしないような方法で便宜徐々にやっていきたい、こう考えておるのであります。決して忘れておるのでありませんから、今しばらく御猶予願いたい。ただこれが実にむずかしいのでありまして、私が先般旅行に出ましたときに、どこの町でも必ずだれかが汽車の中へ乗り込んできて、私のところのこの不合理な賃金の値上げは一体いつ認めてくれますか、駅へ着くごとにそういう陳情を受けたのであります。そのときに私は、今申しましたような賃金の問題に直接答えませんで、不合理なことは直さなければならぬと思う。これはどこでも大きな声で演説ができるのであります。ただそれはいつが適当であるかというと、大体この秋ぐらいまでにはそういう時期が来るんじゃあるまいかと思う。賃金の値上げの問題に触れないで、不合理を是正するのがそういう時期じゃあるまいかと答えましたら、新聞に出るときには、運輸大臣語るの中に、秋には賃金の値上げを認める、こう出ちゃった。そこで私の留守中に閣議で非常に問題になって、運輸大臣は旅先で勝手な放言をして困るというような非難が出たくらいなんでありますから、この扱い方はよほど慎重を要すると思います。そういうことを勘案しつつ、なるだけ早い機会に——つまり不合理を是正するのは一刻でも一分でも早い方がいいにきまっております。だからやる決心で努力をしております。そして、そうえらく長い時間はおかけしないと思っておりますから、ついでにもうちょっとごしんほう願いたいと思います。

長谷川峻自由民主党

○長谷川(峻)委員 大臣の御講義を拝承したのですが……。それで今までそういう不正が見のがされてきたというふうなお話もありますが、不合理をそのままずっとしてきておった態勢が私は悪いと思います。そういう考え方やそういうしきたりが悪いと思います。たとえば運輸委員会にいたしましても、昭和三十二年に、この運輸委員会から国政調査に早稻田柳石工門君が団長になって京阪神地方に行っているのです。その報告書を見ますと、いずれも大阪近郊の民鉄が五カ年計画に対する政府の不誠意と行政措置の不公平についてどこでも詰問しているのですね。ですから委員会などが刺激をし、主張しておったことをすなおにお聞き下さって事務的な問題は事務的として扱ったならば、不合理はたまらないで進むのではないか。大臣の今のような御決心なら、今から不合理は解消されて、いいことがどんどん建設されるということを私は御期待申し上げたい。そこでちょっとした私は宮城県の話をしたものですから、宮城県のようにお断わりになったようですが、これは全国至るところにあるのですね。全国にそういう問題がある。これに対して、事務的に片づいた問題を長くして何かみぞの中におりがたまったような形では、私はまずいんじゃないか。  そこで一つ私はお伺いしたいのは、こういう問題がたまるということはどういうところに原因があるかということは、十社も二十社もまとめていろんなことをやらせようとするからである。運輸省には監督権があるのですから、私鉄の経営なりについても監督されるのですから、その出された問題をケース・バイ・ケースで片づけておったらば、私は世の中を刺激し、それからつまらぬ誤解を招くような波紋を生じないのではないか。今から先ケース、バイ・ケースで能率的に運輸省は今のような問題を処理されるというお考えに——十年以上前にやってきたことなんですが、そこに戻ってもいいことは戻ってもかまいませんから、そういう、ふうなお考えがないものかどうか、大臣にお伺いいたします。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 おそらく御意見の通りに運ぶことになると思います。

長谷川峻自由民主党

○長谷川(峻)委員 そういうふうに片づけてもらうならば、私は御信頼して今から先大臣が一生懸命やる姿を見て御協力申しましょう。しかし不合理が重なっておって、それを片づけることが大臣御自身の今の考えであり、仕事の方針だとされるならば、ここにまた一つ問題が出てきた、と言うのは、大臣になられてすぐに、国鉄が今じゃんじゃん広報宣伝しているのに東海道線の新線があります。二千億の金をかけて東海道線を広軌のすばらしいものを作ろう。非常に話としてはけっこうなんですが、それほど赤字も出ようとするときに、不合理が片づかないうちに、二千億をかける新線の必要を、大臣は八月一ぱいに結論を出して来年からでもやりたいというふうなお話なんです。こういうことについての大臣の今所信をお伺いしておきますと、今から先われわれがだんだんお話を伺うのに非常に参考になる。大臣の所信を一つ伺いたい。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 東海道新線の問題ですが、実はこれはまだ国鉄当局にもお話しておることじゃございませんけれども、あの問題は、国鉄以上の問題がからんでいるわけであります。日本の国の経済転換のあるいはこれが一つの刺激剤になるのじゃないか。そのチャンスに使うのには——使うと言うと非常に語弊がありますけれども、非常にいい問題だと考えまして、着々それは進んでおるのであります。従いまして、単に今の他の国鉄の経常なプランと違う両次素があの問題には含んでおる。何といたしましても、二千億に余る金が、日本の今の国内だけの盗力で、日本の他の産業を圧迫しないでやれるとは思わないのであります。従いまして、他の産業を圧迫しないで、資金が不足しているところに、国鉄の金をあそこに持っていくというようなことは、さっきの不合理を重ねることになるのですが、不合理を重ねないのみならず、それが非常にプラスエックスになるような扱い方をしたいと今考えております。そういう意味で御了承願いたいと思います。

長谷川峻自由民主党

○長谷川(峻)委員 今の新線の問題は、ただ大臣の御意見を今程度にお伺いすることにいたします。ということは、この問題を取り上げれば国全体の政治にみなからんでくるわけです。立場立場によって、自動車道路を全国に一兆七千億円でやった方がいいという考えも出るでしょうし、技術的問題からすると、日本の狭軌の問題と広軌の問題がからんでくるでしょうし、いろいろなことがあると思いますが、これはきょうの委員会の問題じゃないと思いますので、ただ基本的な大臣の構想の一端をお伺いしたいという程度にとどめまして、私の質問は打ち切ることにいたします。

館俊三日本社会党

○館委員 関連して永野さんにお聞きしたいのですが、さっきのお話の中で、佐藤大臣が、機関車や線路を伸ばす場合は金を出しても理由が立つが、そうでないものは、炭鉱のために国鉄には出せない、こういうお話がありました。そこで、国鉄があれを経営していく場合にどれくらいの金が要るのだということについての見通しが何かあると私は見ておる。しかしそういうことを私は聞くのじゃなく、それはそういう投資資本が要るという見通しのもとに、機関車やあるいは車両の話が出て断わられたというのでありますならば、民間会社にこれを譲る場合に、民間会社に対しての投融資ですか、そういう面をどうなさるのであるかどうかということをちょっとお聞きしておきたい。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 民間会社が仕事をするときに、それに対してどう大蔵省は扱うかという問題は、私が御答弁するには適当てないと思います。おそらくその民間会社の人が財政資金の投融資を求めるような陳情をしましたときに、大蔵大臣がこれを決裁する問題だと思いますが、私が触れましたのは、国鉄が炭鉱経営にこれ以上金を出すことは自分は了承はできないと大蔵大臣が答えたということだけを、単に意見でなしに事実としてお取次したのにすぎません。それから先の大蔵大臣の意見を、こういう場合には大蔵大臣はどうするであろうかという御質問に対して、私がお答えするのは適当でないと思います。

館俊三日本社会党

○館委員 そういう御返事があるだろうと私は思っていました。しかし、さっきから達者な永野大臣が、いろいろな経済上の問題その他について十分おわかりなので、非常に敬服した話しぶりだと聞いておるのですが、永野大臣の私見といたしまして、一体民間が経営する場合における経営のやり方というもの、現在の産業界の情勢からして、投融資ということがあり得るのじゃないか、あるいはどう処置するのだ、そういうことに対して、民間経営に譲り渡す場合における産業界の事情というものはどうなっているかくらいは聞きたかったのでありますけれども、きょうは御返事は要りません。  もう一つ聞きたいことは、そういう形で投融資がもしなされるとすると、それは石炭の場合、資源に対する国家の投融資が国鉄に来ようが民間に来ようが、これを十分に活用する、資源を生かしていくという立場からするのであって、その基本的な立場でいうならは国鉄に投融資しようがどっちであろうが、技術陣を十分にたくましくしてこれをやっていくことには、私は一向差しつかえないと思いますけれども、従来やつてきた志免の炭鉱の七十年の歴史を顧みて、そこに技術陣がとにかくそろっている、そういう形になってやられるのが非常にいいのだと思います。国鉄は単に運輸だけをやっているのでなくて、私鉄が鉄道だけをやらないで、デパートを建設したり住宅地を開発したりして私鉄をたくましくしている、そういうことが国鉄の本来の仕事ではないかと思っております。そういう意見だけを申し述べておきます。  それからもう一つ、ほんの手続の問題ですけれども聞きたいのは、この志免の売出は、行政措置として国鉄総裁がそういう決心をし、運輸大臣がそういうことを認可すればできるという形になっているそうでございますが、そうですか。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 私はそう信じております。

館俊三日本社会党

○館委員 そこで、この間吾孫子さんが現地にいらっしゃった、そして調査委員会の第二回の回答しか出ていない最中に、現地に行って、売山の決心をしたとか、きまったようなお話をなさった、あるいは職員局長が国鉄労組の中央本部に対して、そういうことを発表なされた、これは私は手続上非常におもしろくないと思います。認可があって初めてそういうことができるのであろうと私は見ているのに、大臣の認可も何もない最中に、そういう先走りなことをやられるということはどうかと思う。これは非常に複雑な問題であり、多岐多端にわたって問題のあるところだ。単に国鉄労働組合だけが相手でなく、村の何が相手でもない。運輸大臣の認可がまだ出ていないし、閣議でもおそらくこういう問題は了承するという決定までいかなくても、そういうことがあって初めて運輸大臣は決心なさるだろうと思う。それがまだ未決定のうちに、しかも調査委員会が第二回の回答しか出していない最中に、吾孫子さんが出かけていく、それから兼松さんがきょう発表されるというような、そういうことは、さっきの長谷川君のお話じゃないけれども、事務が遅たとして動かないというのは運輸省の話でしたが、国鉄もそうじゃないかと思われるのだが、そういう最中に得たり賢しとして、最後の結論が出ないうちに出かけていくということはどうかと思う。その影響するところは非常に大きい。運輸大臣はその監督をどうなさるか。われわれはそう思うのです。それをお聞きしたい。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 お答えします。吾孫子君が現地に行くことは実は私は了承しておりました。適当でないと思えばとめるべきですが、私はとめなかったのであります。それはこういう理由であります。国鉄の当事者は全部事務的に処置すればよいのであります。国鉄の当事者は政治を考えては間違いだと思います。しかし運輸大臣は政治をやっておるのであります。観点が違うのであります。従いまして、事務的に当事者が売るべきものだと決定いたしましても、他の要素、政治的の各種の観点を総合勘案してから、政治家としての違棚大臣の決裁はすべきものだ、こう考えております。しこうして現地に行って現地の諸君のいろいろな意同を聞き、また従業員ばかりでありません、いろいろな人の意見を聞くということが、政治的判断をする私の材料に必要とするのであります。従いまして、その材料を本来私が行っていろいろお聞きすべきであるが、私に時間がありませんから、吾孫子君が行って従業員その他の方たにいろいろな意見を聞かれるのもあるいはやむを得ぬか、こう思いましたから私は了承したのであります。だからあなたは決定しない前に行ったのはけしからぬと今おっしゃるんだけれども、私は私が意思を決定する材料収集のために、一応事務的の手続を進めることが必要だと判断したのでございます。

館俊三日本社会党

○館委員 志免の今の問題については、事務的な問題を抜け切って政治的問題になっておることは今運輸大臣のおっしゃいましたその通りです。そういう政治的な問題になっておる際に、運輸省の担当官が出かけていって調査をするということならば話がわかる。しかし今その事務的方法をとって国鉄の職員をやって、しかもこれを売山に決定しておるごとく見ておる、そういう中り方は非常にまずいと思う。第二回の調査委員会の決定の中間報告でも、山を売ること、買うこと、経営者同士の関係については報告されているけれども、鉱害賠償の問題とか従業員の処遇の仕方については、第二答申はほとんど触れておりません。そういう際に、そういう問題についても基本的態度を調査委員会が出していないうちに、政治的立場からおやりになったとするならば、私はまことにまずいと思う。そういう政治的立場に、非常に微妙に現地の世論もあるわけであります。そういうときに、一国鉄の属僚が出かけていってそういう問題を扱ってくるということは、非常な失敗だと思う。十分に注意していただきたいと私は思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 これは申し上げるまでもなく、志免は国鉄の財産であります。従業員は国鉄の従業員であります。従いまして、全く監督官庁という間接の関係であるわれわれが出ていきます前に、とりあえず自分の財産を自分の責任において処分し、自分の従業員の身上のことを考えるべき責任を持っておる国鉄の職員が、自分の部下の気持を聞きにいくということを許すことは、私は失敗じゃないと考えております。

館俊三日本社会党

○館委員 私と大臣は、意見が対立しておりますからこれでやめますが、しかしもっと慎重に考えていただきたいと思う。調査委員会に対する国鉄の態度は、早くこれを発表してしまって、有無を言わさず渡してしまえという、邪推をするとそういう格好にさしておる。だから第二答申のために大急ぎで現地に行ってまいてくるというやり方は、政治的角度からは非常にはずれておる。かえって紛議を起させるものであるということを私は述べざるを得ない。現地の仕事は非常に重大になってきましたから、私は特にそう思います。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 明一日は午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時五分散会

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