予算委員会 第17号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/03/26
会議録
○委員長(泉山三六君) ただいまから委員会を開会いたします。 まず、委員の変更について報告いたします。三月二十日から本日までの間の委員の変更は多数に及びましたので、便宜刷りものにしてお手元に配付いたしまして、それをごらん願いたいと存じます。 これより昭和三十三年度一般会計予算外二件について、分科会の主査の報告を願います。第一分科会主査石坂豊一君。
○石坂豊一君 第一分科会に付託されました案件は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府、そのうち調達庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁は除いております。及び法務省所管並びに他の分科会所管に属せざる事項であります。 本分科会は、三月二十日、二十四日、二十五日、二十六日の四日間にわたり、これら各所管の予算につき、詳細な審査を行いました。以下その質疑のうち、若干のものについて簡単に御報告申し上げたいと存じます。 まず、皇室費についてでございますが、内廷費及び皇族費は法律で定める定額を計上することになっており、必要に応じて増額することが困難であるから、物価に比例してスライドするような方法を考慮する必要があるのではないかとの質疑に対しまして、宮内庁当局から、その趣旨には同感であるが、適当な方法がないので、やはり現行の通り、諸般の事情を勘案し、そのつど法律を改正して増額をはかっていくほかないとの答弁がありました。また、内廷費、宮廷費及び宮内庁費相互間の使用区分、宮殿造営計画の進捗状況等についても質疑が行われました。 次に国会所管につきましては、衆参両院における報償費、国際会議等海外派遣旅費、庁舎新営費、並びに常勤職員定員化の実情、及び裁判官弾劾裁判所における裁判費等について質疑が行われ、国立国会図書館につきましては、図書館庁舎の新営費三億六千六百万円を計上しているが、総工事費、工事進捗状況がどうなっておるか、完成の時期はいっか、また図書館の常勤職員百三十名のうち、わずかに十名だけしか定員に組み入れられていないというのは、あまりにも少な過ぎるのではないかなどの質疑がありました。これに対して、国会図書館長から、新築庁舎の総工事費は約二十九億円で、三十三年度を含め約十一億がすでに予算化されたので、残余はおおむね十七億円であるが、建築完了の時期としては三年後の三十五年度末を目途としている。図書館常勤職員の定員化が不十分であったことは、はなはだ遺憾であるが、今後は一段と努力したいとの答弁がありました。なお国立国会図書館の運営、ことに議員による利用の方法等について活発なる質疑が行われました。 次に、裁判所所管につきましては、裁判の遅延を防止し、審理の促進をはかるため、裁判官の大幅増員を必要とするのではないか、わずかに判事補二十人の増員でとどまっているのは何ゆえか、第一審を真に充実強化するには、どの程度の増員を必要とするのか、などの質疑があり、これに対し、最高裁当局から、さしあたり判事五十九人、判事補五十七人、合計百十六人の増員を必要と考えるが、大蔵省にも要求したけれども、そのきわめてわずかな一部が認められたにすぎないので、今後とも増員確保の努力を続けていきたい、との答弁がありました。また簡易裁判所の中には裁判官の配置がなく、開店休業の状態になっているものが多い。かかる簡易裁判所の廃止案等があるように聞いているが、真相はどうかという質疑に対し、裁判官の充実に努力してはいるが、全国五百七十の簡易裁判所全部に判事を置くことはできないので、もよりの判事に兼務させている。しかし、このような簡易裁判所は、年にわずか数件程度の事件しか扱っていないから、法務省とも連絡して、廃止統合について目下検討中であるとの答弁がありました。なお、裁判所の営繕に必要なる経費、国選弁護人の選任方法、検察審査会の実績等についても質疑が行われました。 次に、会計検査院所管につきまして、会計検査遂行上、現在の検査院の人員ではとうてい十分でないと思われるにかかわらず、増員の計画がないのはどういうわけか、これに対して、増員計画はないではないけれども、その実現をはかるためには、主として財政上の理由によることはもちろんであるが、他面業務の性質上人員を急にふやしても間に合わないという特殊な事情があるという答弁がありました。 次に、内閣及び総理府所管についてでありますが、特に恩給局、統計局、宮内庁、北海道開発庁、自治庁等の予算に関し、質疑が行われましたが、そのうち若干を申し上げますと、軍人恩給の増額は、社会保障制度の全面実施に障害を及ぼす憂いがないか、軍人恩給の構成はどうなっているか、また今後の見通し、またそれがなくなるのはいつか、等の質疑に対し、恩給局長から、軍人恩給の構成は公務扶助料八三%、普通恩給八%、増加恩給六%、傷病年金一%、普通扶助料二%である。軍人恩給の金額が最高潮に達するのが三十六年度で、一千六十六億円となり、自後年々減少して、軍人恩給がいつなくなるかはもとより明言はできないが、ほぼ五十年後には大体財政上重要視せんでもいい程度になるのではないか、という答弁がありました。地方財政に関し、再建団体の中には再建期間が十五年というような非常に長期にわたるものがあるが、今回の交付税の増率で、再建期間をどのくらい短縮できるのか、との質疑に対し、道路整備の地方負担や、交付公債の利子等未決定、未解決の問題があるので明確にはわからないが、一般財源の増強、公債費対策等の施策を講じているので、地方税の伸びが順調であれば、短州は十分可能であると思う旨の答弁がありました。最後に、法務省所管につきましては、売春防止法の全面実施や、刑法の一部改正等に伴い、検察陣容の強化を特に必要とするにかかわらず、法務省当局の増員要求がほとんど全面的に削減されているのは、裁判所と同様、ただ現状を維持すればよいという誤まった考えの現われではないか、との質疑に対し、大蔵省当局から、定員増加をでき得る限り抑制して、人員及び経費の効率的使用をはかろうとするのは、ひとり司法関係ばかりではなく、国の予算全体を通じての方針であるが、大蔵省としても、司法事務の重要性については十分の認識を持ち、予算上、あとう限りの配意はしているつもりである、との答弁がありました。また、憲法第十七条に基く国家賠償法は、公務員に故意または過失のあった場合に限って国または公共団体に損害賠償責任を負わせているが、これでは憲法の精神に沿わないので、公務員の職務上の行為により損害を与えたときは、過失がなくても賠償責任を負わせるように、同法を改正すべきであると思うがどうか、との質疑に対し、法務省当局から、この問題は、単に国家賠償法の改正というだけの問題ではなく、不法行為全般の問題と関連するので、民法改正とも関連して、一般不法行為法の一環として根本的な検討を必要とするとは考えているが、さしあたって国家賠償法だけの改正については考えていない、との答弁がありました。 その他、本分科会所管各省の全体を通じ、きわめて広範多岐にわたり、粗より精に入って熱心な質疑が行われたのでありますが、その詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。 かくて、本日をもちまして、質疑を終り、第一分科会に付託されました案件全部の審査を終了いたした次第であります。 以上御報告申し上げます。 〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕
○理事(剱木亨弘君) 第二分科会主査小幡治和君。
○小幡治和君 第二分科会に付託されました案件は、総理府のうち、調達庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、外務省及び通商産業省所管の昭和三十三年度一般会計、特別会計、及び政府関係機関の歳入歳出予算であります。 当分科会は、三月二十日津島防衛庁長官、上村調達庁長官より、また三月二十四日には、前尾通商産業大臣、河野経済企画庁長官、吉田科学技術政務次官、三月二十五日には、松本外務政務次官より、各所管予算の説明を聴取し、詳細なる審査を行いました。以下、それら質疑応答のうち、若干のものにつき簡単に御報告申し上げます。 まず、調達庁の予算に関し、駐留軍労務者に対する特別給付金四千七百八十万円余の積算の基礎及び、駐留軍労務者の離職者数が当局の見込みの員数を超過した場合における政府の対策はどうか、との質疑に対し、上村調達庁長官及び津島防衛庁長官からそれぞれ、明年度中の離職者見込みの人員は二万五十一名で、そのうち特別給付金受給の有資格者は三年以上駐留軍に勤務した人で、その数は約八千六百二十一名と見込まれ、その勤続年数に応じて三つのクラスに分けて計算した金額が四千七百八十万余円となる。また、計上した特別給付金に不足を生じた場合には、政府がかかる基準をきめた以上は、離職者を平等に扱うという点からも、予備金によるかまたは補正予算によっても給付金は確保する旨、答弁がありました。 次に、防衛庁予算につきましては、毎年二百億円をこえる膨大な額が使い残りとなり、翌年に繰り越されるが、これは防衛庁の予算のD編成がずさんなのではないか。また世界的な軍縮傾向、特に陸上軍の削減が行われているとき、わが国が明年度陸上自衛隊一万名の増強計画はむだであるのみならず、世界各国の流れに逆行するのではないか、原子力潜水艦ができている現在、P2Vを国産化することはどうか。ジェット機の国産化が進んでいるのに、ジェット・パイロットの養成が立ちおくれているのではないか、などの質疑がございました。これに対し、津島防衛庁長官より、就任以来予算使用については非常に意を用い、一定の計画を立て、時宜に即して予算の効率的使用を考慮してきたので、本年度の契約未済の繰越額は三十億円以下となる見込みであり、この使い残りの理由は、基地拡張等の予定が地元の人たちの話し合いがまとまらない等のため、やむを得ないと考えられるし、防衛庁の予算編成はずさんであるとは考えられない。陸上自衛隊一万名の増強は防衛力漸増の既定方針に従ったものであり、必要最少限度の増強であり、諸外国は公表数字の二、三倍の動員可能な兵と装備があるので、単純に外国との対比のみで論じられない。P2Vは三千三百馬力発動機二基を積む今日では、最優秀対潜哨戒機である。ジェット・パイロットは今年末九十名、来年末には三百名に達する見込みである、等の答弁がありました。 次に通商産業省予算に関し、昨年来設備投資の行き過ぎから、金融引き締めが行われたが、そのしわ寄せが中小企業に寄せられ、中小企業の設備近代化並びに技術革新ということが非常に困難な現状であるが、政府はこれら中小企業対策をどのように考えているか、との質疑に対し、川上中小企業庁長官から、一つには政府は昭和三十一年中から中小企業の設備近代化五ヵ年計画を実施しており、明年度は国と府県ぶおのおの六億円、それに回収金三億円余を加えた十五億円余が中小企業の設備近代化のために直接使われること、金融引き締めの影響で若干計画にズレが生ずるかもしれないが、大体計画目標は達成されるであろうこと。二つには、中小企業金融公庫の資金を相当増額していること。三つには、中小企業の診断指導の成果にかんがみて、地方公共団体の行う企業診断の経費補助を二千七百万円増額し、その充実を期しており、その他現在国会に提案中の中小企業信用保険公庫の新設により、中小企業の信用補完制度の飛躍的発展を考慮しておる。この答弁がありました。 わが国の産業政策に関連して、新長期経済計画によると、普通鋼材の昭和三十七年度の国内需要量は一千三百万トン余で三十一年度比六〇%増と見込まれ、これに輸出見込み百二十一万トンを加えた総需要をまかなうには、鉱塊二千十五万トン銑鉄一千三百八十五万トンが必要と見込まれているが、これら鉄源の需給並びに輸入先を検討すべき必要はないか、また同じく新長期経済計画において、経済発展の主力を第二次産業におき、その中でも重化学工業部門について、三十一年度比八二%の拡大を計画しており、それと関連してエネルギー問題、なかんずく石炭の輸入が昭和三十一年度四百十万トンであったものが、三十七年度には一千九十万トンと大幅に増加する計画であるが、これを従来のような遠距離よりの米炭依存を改め、中共炭に切りかえるべきではないか、との質疑があり、これに対し政府委員より新長期経済計画の完成年度における必要鉄鉱石は二千二百万トンと見込んでおり、国内鉄源は七百万トンにとどまるので、残り千五百万トンは輸入に仰ぎ、インド、フィリピン等から九百万トン程度、 〔委員長着席、理事剱木亨弘君退席〕 残り五、六百万トンをカナダ、南米、アメリカ合衆国から入れる計画であるが、今回の日中鉄鋼協定で、海南島の鉄鋼石四十万トンの輸入契約ができ上ったので、将来は相手国の輸出能力とも見合って、年間百万トンくらいに増加させたいと思っている。石炭についても、日中鉄鋼協定では中共炭四十万トンの輸入が見込まれているが、さしあたり今後わが国の輸入の増加する分を中共炭に切りかえることを第一段階として考え、漸次米炭を減らして中共炭に切りかえることを第二段階として行う方針で切りかえることを考慮している、旨の答弁がありました。 経済企画庁の予算に関し、経済及び景気の動向等の調査が基礎的な面に力を入れる目的で明年度予算が計上されている点には賛成であるが、これら費目の予算が少額つつ各省にばらばらに計上されているきらいがある。これを総合的、統一的に使用するのが予算の効率的使用にもなり、それが経済企画庁の役割である総合調整という点からも当然ではないか。また明年度予算に九州地方総合開発調査費五百万円はあまりに少額ではないか、これで十分その目的が達成される自信があるのか。新たに設置される経済研究局は企画庁の部内に置かず、独立した研究機関とすることが経済見通しや、景気予測という仕事の性質からもよいのではないか、などの質疑がありましたが、これに対し、河野経済企画庁長官及び政府委員から、予算が各省に計上されるのは、各省庁等の調査目的が異るためで、できるだけ重複は避けるべきだが、統一するというわけにもいかない。九州地方の総合開発調査費は、国土総合開発事業調整費の項の中に五百万円が含まれているので合計一千万円となるので、その目的達成に支障はない。経済研究局は内部部局とするが、政策的考慮にわずらわされることなく、科学的に研究してもらうよう局長には専門家を起用し、課制を置かず、調査官制度及び民間有識者からなる参与制度とする等、それぞれ答弁がありました。 最後に外務省予算に関しまして、外務省が行なっている移住振興の諸施策は消極的ではないか。またそのための予算が明年度九億三千万円程度ではこの仕事はできがたいのではないか。さらに海外移住者の募集選抜のための日本海外協会及び農業労務者派米協議会の役員並びにその選抜方法に問題があるのではないか。在外公館において使用する自動車、備品等に国産品を使用することが、日本商品の海外宣伝という面からも必要なのではないか、などの質疑がありましたが、松本外務政務次官並びに担当政府委員から、移住振興の施策が人的、物的に貧弱である点は確かで、年間移民三万名、そのための費用五十億円を努力目標として日を追って努力いたしたい。明年度の中南米への移住予定人員一万名、そのための費用九億三千万円余は決して満足すべき数字ではないが、現在の移住用船腹の関係からも限度であると思われる。海外移住者の選抜等については、農林省及びその他の省とも連絡をとり十分改善に努める。在外公館において使用する自動車は、現在東南アジア六ヵ国の在外公館が国産車を使用しており、今後も拡大していきたい。その他の備品についても極力国産品でまかなっていく方針である。等の答弁がありました。 その他本分科会所管各省の予算について、広範多岐にわたる質疑が行われたのでありますが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。以上により本分科会に付託された案件全部の審査を終了した次第であります。 以上御報告いたします。
○委員長(泉山三六君) 第三分科会主査加賀山之雄君。
○加賀山之雄君 第三分科会における担当予算の審査の経過を御報告申し上げます。 第三分科会の担当は、昭和三十三年度予算三案中、農林、運輸、郵政及び建設の各省所管に属するものでございます。分科会は二十日、二十四日、二十五日の三日間にわたりまして担当予算についてそれぞれの所管当局から説明を聴取し、質疑を行い、詳細にわたる審査を行なって参りました。 以下質疑応答のうちおもなるもの若干につきまして、その要旨を簡単に御報告いたします。 まず、農林省所管におきましては、三十三年度の農林関係予算の国家予算の中に占める比率は、三十二年度のそれに比すれば減っているが、このような傾向は日本の農民の窮状に対する積極的な農林水産政策が打ち立てられていない表われではないか、また、このような情勢にあるにもかかわらず、農林省関係の国費の不正不当使用が多過ぎるが、三十一年度の会計検査院の批難事項の件数金額はどのくらいか、その防止策についていかなる努力をしているか。また、糸価安定特別会計の買い入れ資金は二十億円で足りるという見通しか等の質疑がございましたが、これに対しましては、農林省当局から三十三年度の農林関係予算は比率はその通り減っているが、絶対額は増加しており、その内容においても施策の効果を十分あげ得る行き方をとっている、会計検査院の批難事項は三十一年度は六百二件、金額にして約五億円で、二十九年度の千百三十八件、三十年度の九百八十九件に比し減ってきているが、他省に比し多く、遺憾に思っている。今後とも検査院、行政管理庁等と協力してその防止に努力することはもちろんであるが、三十三年度においても、本省における内部監査機構の強化をはかった。また糸価安定特別会計の買い入れ資金二十億円については、政府手持ち一万俵という昨年秋における予想を前提にしたもので、その後の事態は急激に悪化しているので、目下その対策を検討中であり、大蔵当局も基本的には了解しているので、その具体案を予算の審査期間中に報告できると思うという答弁がございました。 このほか水産資源の保護、抑留漁夫、日米加漁業条約による禁止区域の拡大、日中民間協定の農林業に及ぼす影響等、農林水産政策上の重要諸問題についての質疑がございましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。 次に、運輸省所管におきましては、日本航空に対する三十三年度の出資は五億円で、新機種の購入費の一部に充てさせることになっているが、この程度ではとうてい外国に太刀打ちできない、もっと本気になって力を入れる考えはないか。気象予知等に非常に役に立った北方定点観測が数年前から廃止されたままになっているが、その復活ないしはかわるものを何か考えているか。本年度下期以来の景気悪化により国鉄の運輸収入はどのくらい減る見込みか、またそれを予算面でどうカバーするのか、また三十三年度はどうなるか、このような見込み違いの累積が、五ヵ年計画の遂行に響くことはないか等の質疑がございましたが、これに対しましては、運輸省当局から、日本航空に対する国家の援助の必要なことは当然であり、予算として要求した額は十億円ないし二十億円であったが、五億円になったのである。日本航空の経営状態も次第によくなり、黒字になっているが、今後も国際航空において、外国に立ちおくれることのないよう援助をしていきたい。北方定点観測復活の要望は承知し、十分その必要を認めているが、それに必要な二千トン級の船三ばいを作るには、約二十億円の金がかかるので、ただいまのところ、先に延ばしているというのが実情である。また三十二年度の国鉄の運輸収入は、三十億円ないし三十五億円予算に対し減る見込みであり、その結果は、運転資金の不足、工事費の一部未払いという形となって現われ、来年度計画との調整が必要となる。三十三年度の運輸収入の見込みについては、経済企画庁の予想数字に基き、従来の実績をしんしゃくして組んだものであり、できるだけ収入は確保し、五ヵ年計画達成に努力するという答弁がございました。 このほか、新線建設、国鉄経営改善の経過、港湾の整備等の諸問題について、熱心な質疑がございましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。 次に、郵政省所管におきましては、電々公社の建設勘定における工事費の予算は、電信電話拡充第二次五ヵ年計画の第一年度として七百五十億円計上されているが、第二次五ヵ年計画全体の事業規模、資金計画はどうなっているか。また国際電々会社の経営状況はどうか等の質疑がございましたが、これに対しましては、郵政省当局から、第一次五ヵ年計画においては、加入電話百三万、公衆電話四万五千、市外電話の回線キロ程二百万キロ等の増設を行なってきたが、第二次五ヵ年計画においては、さらに加入電話百三十五万、公衆電話六万五千、市外電話回線四百三十万キロの増設のほか、テレビの全国普及等を計画しており、所要資金の総額は四千百億円、うち千五百億円を外部資金に依存することになっておる。第一次五ヵ年計画は、戦災大都市中心であったのに対し、第二次五カ年計画は、全国的な、均衡を得た整備である。また国際電々会社の昨年度の益金は約六億円であり、今年度はそれより若干下回る予想であるという答弁がございました。 また南ヴェトナムに対する通信建設計画に電々公社が協力すると聞いているが、外国までいってやることは公社法上疑義があり、政府の一存ではできないのではないか、その経過及び法的根拠はどうかという質疑がございましたが、これに対しましては、郵政大臣から、公社法第三条はその点明確化を欠いているという考えを持っていたが、国内的に差しつかえない範囲内において、国内以外の入札等に参加することはできないとは解釈していない。また電々公社当局からは、ヴェトナムの建設計画は、米国の資金で米国が直接やるという格好ではなく、米国と当該国との間に正当な協定があり、それに基き、米軍の調達部がかわって東洋諸国に能力のあるものを探した結果、日本ということになり、電々公社が入札して調査団を派遣したという経過になっている、公社法の解釈については、外国でもやれるという解釈に立っているという答弁がございましたが、なお納得しがたいという要求があり、郵政大臣から、法律上の解釈については公社側の意見を十分聞き、次回に報告するという答弁がございました。 このほかの質疑は、その詳細を会議録によって御承知を願いたいと存じます。 最後に、建設省所管におきましては、過年災害の復旧状況はどうか、河川等の事業費は、その毎年の予算化は百分の一にも満たない状況であるが、このような状況をどう思うか。道路整備五ヵ年計画の財源は、将来ガソリン税の値上げをしないで確保できるか。来年度予算に組まれている経済基盤強化資金二百二十一億円のうち、相当部分を道路整備に回すことが了解済みと聞くが、事実か等の質疑がございましたが、これに対しましては、建設省当局から、現在残っている過年災害は、二十六年災から三十二年災までであり、三十三年度においては、二十六年災、二十七年災は完了、二十八年災、二十九年災は、残りの六〇%を復旧する予定になっている。二十八、九年災を完了できないのは、これらの災害が金額的に大きな額に上ることと、重要部分がすでに済んでいるという事情によるものである。また河川等の総事業費に対する予算化の少いのはどこも同じであり、現状において着手を要するものの数は三千三百ヵ所、事業量にして一兆八千億円の経費が必要となる。建設省においてもこれが対策を考え、特別法、特別会計等を準備したが、実現に至らなかったので、今後も努力したい。また道路整備五ヵ年計画の財源は、一般会計からの繰り入れ、直轄分担金、借入金の三本建てで確保できると考えており、ガソリン税の値上げを前提としていない。経済基盤強化資金の道路財源への振り向けば、補正予算を組んで使用できる情勢になれば、優先的に確保するよう、蔵相に要請してあることは事実であるという答弁がござごいました。 このほか、有料道路制度のあり方、住宅、治水、ダム等の補償基準統一の必要性等の諸問題についても、熱心な質疑がございましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。 以上をもちまして、第三分科会の担当予算案全部の審査を終了した次第でございます。
○委員長(泉山三六君) 第四分科会主査松澤兼人君。
○松澤兼人君 第四分科会の審査の経過を御報告申し上げます。 本分科会に付託されました案件は、昭和三十三年度予算三案中、文部省、日銀及び大蔵省、厚生省並びに労働省所管に関するものであります。 分科会におきましては、去る二十日から二十四、二十五の両日及び本日の午前中と、四日間にわたり、政府当局より、それぞれ所管予算の説明を聴取し、慎重に審査をいたしました。以下、それらの質疑応答のうち、おもなるもの若干につきまして、概要を御報告申し上げます。 まず、文部省所管予算につきましては、今国会に法案として提出されておりまする小、中、高等学校長の管理職手当問題をめぐって活発な質疑がございました。すなわち、管理職手当なるものは、超勤手当の変った形として出てきたものであるが、これを、小、中高等学校の校長に支給するということは、少くとも文部省が大蔵省に予算要求をした折にはなかったのに、その後、自民党から要請があって、予算編成の最終段階において、にわかに予算に組まれたと聞いておる。これは日教組対策として打ち出されたのではないか。また管理職手当を出す以上は、制度からいって、最低一二%を支給すべきなのに、七%に押えたのはどういうわけか。また、同じ公立の幼稚園長に出さない理由、並びに小学校の場合、職員数が何人以上あれば出し、少なければ出さないというふうにきめているのかとの質疑がありました。これに対し松永文部大臣は、管理職手当はすでに国立の大学、病院等には出しているから、当然公立の小、中学校にも出すべきだというので、当初から校長と教頭を対象に一二%の予算を組んで要求したが、結局校長だけに、しかも七%に削られたというのが実情であって、日教組対策などというものでは絶対にない。幼稚園長にも出したかったが、もともとこの手当は教職員を管理するためのもので、幼稚園にはそれほどたくさんの先生がいないという理由で財政上の関係もあってこうなったが、しかし今後出すように努力したいとの答弁があり、また政府委員からは小学校の場合、普通六学級以上を建前としているので、それ以下の分校には出さないことにしている旨の答弁がありました。 このほか学校体育と職業野球などとの関係、理工科教育振興純潔教育、へき地教育手当、国立劇場、古典文化の維持保存、かな文字、横書きの問題、海賊版の出版問題から、長欠児童の対策、不正常授業及び危険校舎対策、社会教育団体並びにPTAのあり方等、文部省関係の各般にわたる問題について質疑が行われたのでありますが、その内容は省略いたします。 ただこの際特に越境入学の問題、並びに中学校の最終学年において、進学組と就職組を分離する問題は、ともにきわめて好ましからざる現象につき、文部当局においてしかるべく善処されたいとの強い要望のありましたことを、本分科会の申し今日せとしてここに申し添えておきたいと存じます。次に、日銀並びに大蔵省関係でありますが、ここでは国際収支の見通しと、その対策はどうか、また縮少均衡のしわ寄せが中小企業を破産、倒産に追い込んでいる半面、民間の投資意欲は依然旺盛だが、金融引き締めの緩和並びに公定歩合を引き下げる時期をいつごろと考えているかとの質問がありました。これに対しては、当日参考人として出席された山際日銀総裁から、日本の輸出は国際経済の動向、特にアメリカの景気が決定的な影響を持ち、しかもその不況は予想されたより深刻で、景気回復にはなお多少時間を要するものと思われる。国際収支の見通しとしては、第一四半期の国庫収支が五百億円程度の散布超過となる見込みであるが、この資金は現在六千億円をこえる日銀貸出の回収に充てる必要がある。また民間の設備投資意欲はなお根強いものがあると見られるので、これは各種の機関で調整し、資本の蓄積の範囲内でおさまることを期待している。さらに引き締め政策については今や効果が上り、総仕上げの段階に近づきつつあると思うが、ここらで中途半端な金融緩和期待が起ると、かえってその時期が延びるおそれがある。また公定歩合については、経済の実態的な均衡回復が実現すれば引き下げてもよいが、その時期をあらかじめ言うことは、かえって経済の平常化を妨げることになるとの答弁がありました。 なおこのほか日本経済の安定のために必要な外貨保有高の問題、市中銀行の適当競争や輸出振興、貯蓄増強等の問題について質疑があったのでありますが、詳細は会議録によって御了承をいただきます。 次に、厚生省関係でありますが、まず結核対策の問題につきまして、あらゆる面からの広範多岐にわたる質疑がございました。特に小児結核については、患者が学習過程にあるだけに、治療方法等につき、格別の考慮を払う必要があるが、これが措置に遺憾はないかとの質疑がありましたが、これに対し政府委員からは、結核児童については、学習指導と治療の面が両々相まって行われることが望ましいので、病室等も、大人の患者と混在することを避け、また教育委員会とも緊密な連絡をとるようにやっている。ただ子供の場合、結核予防法による医療費の補助が家族としての給付を受けることになり三十三年度の予算においてこの点の是正が実を結ばなかったのは遺憾であるとの答弁がありました。 また家族計画の問題に関連し、保健婦の実地指導料が一人単価十円とは何事であるか。一回指導するのに、二時間や、三時間はかかるし、しかも一回の指導では効果が上らぬので、二回、三回と足を運ぶわけであるが、それで一件たった十円とは、交通費にも足らぬ少額であるが、この点を一体どう考えるか、との質疑がありました。これに対し堀木厚生大臣は、お話の指導料に対する国家補助がきわめて少いことは同感である。この指導料は元来受益者負担の考えで出発したものだが、指導の対象が、多く低所得層の方々であることから、予算に組み入れることになり、当初一人月額五百円から、現在一人千円になっている。しかし千円が二千円でも、国家の将来という点から見れば、単純な金計算から言って、金額を惜しんではならない問題と考えるので、幾らにするとは言えないが、今後できるだけふやすように努力するとの答弁がありました。 なお右のほか、保健所の要員の充足の問題、助産婦、準看護婦の進学、並びに産前産後の休養問題、その他児童遊園地、国立療養所、自然公園、環境衛生の問題等々いろいろ質疑がございましたが、この際省略いたします。 最後に、労働省関係におきましては、今国会に提案中の職業訓練、最低賃金並びに日本労働協会の三法案について、いろいろ政府の方針がただされました。特に最賃法案に関連して、家内労働法をいつごろ提案するつもりかの質疑がありましたが、これに対し石田労働大臣は、最賃法の実施を完全にするためにも、できるだけすみやかに提案する考えであると答弁し、また政府委員からは、最賃法が成立の暁、設置される最低賃金審議会の意見を聞いてやることになるが、ただいまのところ、各県の主要家内工業五業種について実態を調査し、それを手がかりに、法案の作成を急ぐことになっている旨の答弁がありました。 なおこのほかにも、駐留軍労務者の離職対策、今後予想される失業者の問題、売春防止法の施行に伴う婦人保護対策等についても活発な質疑が行われたのでありますが、詳しくは会議録によってごらんを願いたいと存じます。 以上をもちまして、第四分科会に付託されました案件全部の審査を終了いたした次第であります。 右御報告申し上げます。
○委員長(泉山三六君) 以上をもって分科会主査の報告は終りました。 明日は午前九時五十分より理事会を、午前十時より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十一分散会