法務委員会 第8号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/02/20
会議録
○委員長(青山正一君) 本日の委員会を開会いたします。 初めに、企業担保法案を議題といたします。 まず、提案の理由の説明を求めます。
○政府委員(横川信夫君) ただいま議題となりました企業担保法案につきまして提案の理由を説明いたします。 株式会社がその営業資金を調達するために社債を発行する場合には、確実な担保を必要とすることは言うまでもないのでありますが、この担保としては現在工場財団その他の各種財団抵当を利用しているのであります。 しかしながら、この財団抵当は、会社の企業を構成する特定の財産を集合して財団を設け、その上に抵当権を設定するものでありますが、現在の企業におきましては、その企業施設に財団を設け、さらに設備のひんぱんな改廃、変動に伴って、この財団の組成物件について変更の手続をするということは、きわめて煩雑であるばかりでなく、多大の時間と費用を要し、かなりの不便を来たしている実情にあるのであります。 この法律案は、右のような不便を除くために、株式会社の総財産をその変動するままの状態において、社債の担保に供する簡素で、かつ、合理的な新しい担保制度を創設し、株式会社の営業資金の調達を円滑ならしめようとするものであります。 この法律案の要点を申し上げますと、株式会社の総財産は、その会社の発行する社債を担保するため、企業担保権の目的とすることができるものとされていること。企業担保権の得喪変更は、その登記をすることによって効力を生するものとするが、その手続を簡素化するために、会社の本店所在地の登記所において株式会社登記簿に登記をすることとされていること。企業担保権は、会社企業の運営に伴って常時変動するその時々の状態における会社の総財産に効力が及ぶものとされ、また、先取特権、質権及び抵当権よりも常に後順位とされていること。企業担保権が実行されたときは、差押によって会社の総財産が固定し、この総財産を管財人が一括競売または随意契約によって、売却するものとされていること。会社の総財産の換価代金は、企業担保権者及びこれに優先する債権者に配当し、その残余を無担保の債権者に配当するものとされていること。 なお、この法律案では、国際復興開発銀行からの借款等の特殊性にかんがみ、日本開発銀行の特殊の貸付金につきましては、例外的に、会社はその総財産に企業担保権を設定することができるものとし、さらに担保付社債信託法その他の関係法律に所要の改正を加えることといたしております。 以上がこの法律案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことを希望いたします。
○委員長(青山正一君) 次に、逐条説明を求めます。
○政府委員(平賀健太君) それでは企業担保法案につきまして、逐条的に説明を申し上げます。 第一条は、企業担保権の目的となりますのは、株式会社の一体としての総財産であること、及びその被担保債権となりますものは、会社企業のための長期資金の調達方法である社債であることを規定いたしまして、この企業担保権の法律上の性質を明らかにするために、これを物権といたしたのでございます。 第二条は、企業担保権の効力を明らかにしたものであります。企業担保権は、会社の営業に伴い変動する状態における総財産を把握するものでありまして、会社に属しなくなった財産については企業担保権が消滅します反面、新たに会社に属することになりました財産につきましては、当然に効力が及ぶのでありますが、企業担保権の実行手続が開始されますと、その際における会社の総財産が差し押えによって確定いたすのであります。本条の第一項では、企業担保権者がこのようにして確定さしれた総財産から他の債権者に優先して弁済を受けることができることを規定しまして、第二項では、個々の財産に対する強制執行または競売の場合には、右の優先権がないことを規定したのであります。 なお、関税徴収またはその例による滞納処分の場分には、この滞納処分の手続においては、企業担保権者には配当がされませんので、企業担保権者に優先権がないことは言うまでもないことでありまして、その関係でこの点は特に規定に表わしてないのでございます。 第三条でありますが、企業担保権の設定または変更を目的とする契約は、その内容が複雑となることが予想されますので、その成立及び内容を明かにし、将来ことに企業担保権の実行の際の紛争を未然に防止し、実行手続を可及的すみやかにいたしますために、契約の締結を公正証書によってしなければならないことにしておるのであります。 第四条でありますが、企業担保権の得喪及び変更は、原則として、その登記をすることによって効力を生ずるものとして、その成立を明確にいたしまして、そしてその登記の手続を簡素化いたしますために、その登記は、会社の本店の所在地において株式会社登記簿にすることにし、その登記の手続につきましては政令でこれを定めることにいたしました。企業担保権の一般承継による移転、混同または被担保債権の消滅による変更、消滅は登記をしなくてもその効力が生ずることも、念のためにこの規定で明らかにいたしております。 第五条でありますが、会社の総財産に数個の企業担保権が設定された場合の企業担保権相互の順位は、他の登記をした権利の場合と同様に、その登記の前後によることといたしております。 第六条でありますが、第二条第一項の規定によりまして、会社に属しなくなった財産に対しましては、担保権の追及力を認めないこととしましたことと関連して、会社の個々の財産の上に存する権利は、企業担保権の登記の前はもちろん、その登記をした後に対抗要件を備えたものでありましても、すべて企業担保権者に対抗することができることといたしまして、第二条及び次条、七条とも相待ちまして、企業担保権の目的である会社の総財産が実行開始に至るまでは常時変動するものであることを明らかにいたしたものであります。 第七条でありますが、本条は、他の担保権と企業担保権との順位を明らかにしたものでありまして、一般の先取特権は企業担保権に優先し、それから会社の個々の財産の上に存する特別の先取特権、質権または抵当権は、当該財産につきまして企業担保権に優先することといたしております。 第八条でありますが、これは会社の合併の場合に関する規定であります。企業担保権を設定しております会社が、合併をして消滅します場合には、その企業担保権は消滅することなく、合併後存続いたしますところの会社、これは吸収合併の場合でありますが、それからまた、合併によって設立される会社、これは新設合併の場合でありますが、その会社の総財産について、引き続き効力を有することを明らかにいたしました。それからまた、合併しようとする会社の双方が企業担保権を設定しておりますときは、合併後の会社の総財産にそれぞれ効力を有する企業担保権相互の順位の波乱を防ぎますために、その順位に関する企業担保権者間のあらかじめの協定がなければ合併をすることができないものといたしまして、もしこの協定をしないで合併がされました場合には、企業担保権者も商法第四百十五条の規定による合併無効の訴えを提起することができることといたしております。 次は第九条でありますが、本条は、企業担保権に関して、民法中担保物権に関する所要の規定の準用を規定したものであります。民法第二百九十六条、三百七十四条、三百七十五条、三百七十六・条、三百九十六条、大体これは抵当権に関する規定であります。以上が企業担保権の実体関係に関する規定でございます。 第十条以下が、実行に関する手続規定であります。第十条は、企業担保権の実行は、会社の本店の所在地を管轄しております地方裁判所が専属の管轄裁判所として、その関与のもとになされることを明らかにしております。 第十一条は、企業担保権の実行は、企業担保権者の申し立てに基いてなされることを明らかにいたしております。 第十二条は、企業担保権の実行手続に関する裁判は、簡易迅速になされる必要がありますので、口頭弁論を開かずにすることができることを規定いたしました。その裁判は決定の形式でなされることになります。この規定は、民事訴訟法の第五百四十三条第三項と同趣旨の規定でございます。 次は第十三条でありますが、企業担保権の実行手続において必要とされますところの公告は、別段の定めがない限り、官報及び裁判所が具体的案件に応じまして職権で定める一個または数個の新聞紙に掲載することといたしまして、その公告の効力が生ずるのは、右の最終の掲載があった日の翌日である旨を明らかにいたしております。 次は第十四条でありますが、企業担保権の実行手続におきまして、特別の保護を与えられる利害関係人の範囲を規定したものであります。これは民事訴訟法の第六百四十八条、競売法の第二十七条第三項のものと同趣旨の規定でございます。 次は第十五条でありますが、この企業担保権の実行で重大な役割をいたしますところの管財人の職務の公正を保障するために、管財人に会社の財産の管理または換価等に関して裁判所への報告義務を、課したのであります。 次は第十六条でありますが、これは企業担保権の実行に関しまして、利害の関係を有する者に、その利益の保護ないし便宜のために、実行手続に関する書類の閲覧または謄写の請求権を認めたのであります。 次は第十七条でありますが、これは実行手続に関する総則的な規定は、民事訴訟法による訴訟手続及び強制執行手続にならうのが適当でありますので、第一項におきましては、民訴の第一編から第四編までの規定、第二項では、強制執行編中の所要の規定を準用することといたしておるのであります。 第十八条は、この実行手続の細則規定の中で、登記または登録に関するものは政令に、その他の手続の細則に関しましては、最高裁判所の規則に委任いたす趣旨であります。 それから次は、実行手続の開始に関する規定でありますが、第一九条は、これは企業担保権の実行手続は、決定の形式による裁判で開始されるということを明らかにしたのであります。 第二十条は、企業担保権の実行手続の開始の決定におきましては、会社の総財産を確定させるために総財産の差し押えを宣言することにして、その差し押えの効力の生ずる時期を規定いたしたのであります。民訴第六百四十四条などと同趣旨の規定でございます。 次は二十一条でありますが、これは第二十条の規定によりまして差し押えられた総財産を管理及び換価するため管財人の選任が必要でありますので、裁判所は開始決定と同時に管財人を選任すべきことを規定したのであります。 次は第二十二条でありますが、企業担保権の実行手続が開始されました場合に、取引の安定をはかるために会社の財産の差し押え及び会社の財産を管理する管財人を一般に周知せしめますと同時に、会社の債権及び第三者の所持する会社の財産並びに一般の優先権及び特別担保権を有する債権者の債権及び担保権の有無を調査いたしまして、実行手続を円滑にしますために、裁判所が所要の公告をすべきことを規定したのであります。破産法の第百四十三条などと同趣旨の規定であります。 次は第二十三条でありますが、企業担保権の実行手続が開始されました場合に、取引の安全をはかりますために、管財人は、会社の本店の所在地の管轄登記所に実行手続の開始の登記及び管財人の登記を申請すべきことといたしまして、あわせて管財人に変更があった場合に、その登記を申請すべきことをも規定したのであります。破産法の第百十九条の規定にあるわけであります。 次は第二十四条でありますが、企業担保権の実行手続が開始されました場合に、取引の安全をはかりますために、会社の財産で登記または登録の制度のあるものにつきましては、管財人が実行手続の開始の登記または登録を申請すべきことを規定いたしております。これも破産法に同趣旨の規定がございます。 次は第二十五条でありますが、これは二十三条と二十四条の登記及び登録の特殊性にかんがみまして、登録税は課さないということを明らかにしたのであります。破産法にも同趣旨の規定がございます。 次は第二十六条でありますが、会社の債権を保全し、その債務者を保護するために、会社の債権が差し押えられた旨を管財人がその債務者に通知すべきことを規定したのであります。 第二十七条は、実行手続の開始決定による会社の財産の差し押えの対抗要件を規定いたしますとともに、対抗要件が備わった後に、第三者が留置権のように法律行為によらない権利を取得しても、その取得の効力を実行手続においては主張することができないということにいたしたのであります。 次は第二十八条でありますが、会社の総財産の換価を円滑に行いますために、会社の個々の財産に対してすでにされている強制執行などの処分を失効せしめることを規定いたしております。破産法第七十条も同様の規定であります。なお、強制執行などをしている債権者は、企業担保権の実行手続において配当を受けることとなるのであります。 それから本条の規定から、解釈上実行手続の開始後におきましては、会社の個々の財産に対する強制執行などの処分をすることができないこととなるわけであります。 次は第二十九条でありますが、これは民事訴訟法第六百四十五条第一項及び第二項を準用いたしまして、二重の企業担保権の実行手続を許さないことといたしまして、後に実行の申し立てをした者につきましては、記録添付の方法により配当要求の効力を生ずることにし、さらに、先の申し立てが開始決定の取り消しまたは申し立ての取り下げにより失効したときは、実行手続の開始の決定がなされたと同じ効力を生ずるということにいたしたのであります。 次は三十条以下は、会社の総財産の管理に関する規定でございます。 第三十条は、会社の総財産を管理し、換価いたしまするところの管財人につきまして、その選任方法及び管財人となり得る者の範囲を規定いたしました。 次は第三十一条でありますが、これは管財人の解任の手続に関する規定であります。 第三十二条は、実行手続の円滑をはかりますために、管財人に、会社の総財産の管理権限を与えますとともに、会社の総財産の一体性に関係がなく、また、価格の比較的明らかな商品及び有価証券につきましては、売却権及び債権につきましては、直接取立権を認めることにいたしております。 第三十三条でありますが、管財人の会社の総財産の調査を容易にいたしますために、会社の取締役及び監査役に会社の財産に関する説明義務を課したのであります。 次は第三十四条でありますが、これは、裁判所に会社の総財産の状況を明らかならしめ、かつ、一般閲覧にも供するため、管財人に会社の総財産の状況を明らかにした財産明細表の作成及びその謄本の裁判所への送付義務を規定したものであります。 第三十五条は、管財人の管理のための費用及び報酬に会社の金銭を充てることを認めまして、右の費用及び報酬の立てかえ義務を申立人に課するという趣旨の規定であります。 第三十六条は、管財人に関しまして、破産法の所要の規定を準用したものであります。管財人の選任を証する書面であるとか、管財人の辞任であるとか、その他関係規定をここで準用いたしております。 次は、差し押えられましたところの会社の総財産の換価の手続に関する規定であります。 まず、第三十七条は、会社の総財産の換価の方法を規定いたしたものでありまして、民事訴訟法や競売法の競売手続に準ずるところの一括競売と、そのほかになお、企業担保権の特殊性にかんがみまして、任意売却の方法も認めておるのであります。 第三十八条以下第四十四条までは、一括競売の場合の手続規定でございまして大体不動産に対する競売手続に準じて規定を設けております。 なお、第四十四条でありますが、これは競落による会社の総財産の。移転の時期と会社の営業に関する免許権などの承継を規定いたしております。なお、解釈上会社の総財産に属していても、法律上移転性の全くないものは、競落人に移転しないことはもちろんでありますが、その移転が認められておりましても、主務官庁の許可、認可等がなければ移転しないものにつきましては、あらかじめ、その許可、認可等を必要とすることになるわけであります。 第四十五条以下は、任意売却に関する規定で、第四十五条では、任意売却の要件と管財人が任意売却を実施するものであるということを規定いたしております。 第四十六条では、任意売却の場合には、特別担保権者が優先弁済を受ける限度が明らかになりますように、特別担保の目的となっている財産の売却価額を明確にして、会社財産の売却をすべきことを規定いたしております。 第四十七条は、任意売却の要件でありますところの裁判所の許可なしに売却をいたしますと、その売却は無効であるということを明らかにいたしておるのであります。 第四十八条は、一括競売または任意売却によりまして売却されました記名の有価証券につきまして、競落人または買受人の保護のために、その名義書換の権限が管財人にあることを規定いたしております。 第四十九条は、一括競売または任意売却により売却された指名債権の移転の対抗要件としての通知を、会社にかわって管財人がなすべきことを規定いたしております。 第五十条は、会社の総財産の換価に関しまして 民事訴訟法中不動産の強制競売についての必要な規定を準用いたしております。会社の財産の売却による会社の総財産及び個々の財産の上に存する権利の変動関係その他強制執行編の各種の手続規定がここで準用されておるわけでございます。 これで会社の総財産の売却が終りまして、次は、売却代金の配当に関する規定であります。 まず、第五十一条は、配当手続を裁判所が実施いたします関係上、管財人の保管しておりますところの換価代金その他の会社の金銭を裁判所に引き継ぎ、なお、管理費用の計算関係及び任意売却の結果を明らかにする書類を裁判所に提出すべきことを規定いたしたのであります。 第五十一条は、配当手続が簡易迅速になされますように、実行手続の費用を控除しまして、企業担保権者とこれに優先する債権者について配当を実施いたしまして、その後に他の債権者について配当を実施するということを明らかにしたのであります。 第五十三条は、これは特別担保権者の受けるべき配当額について規定をいたしたのであります。会社の個々の財産の上に抵当権、質権などの特別担保権を持っておる者の受けるべき配当額に関する規定であります。 第五十四条は、これは実行手続においてすでになされましたところの登記または登録で必要のなくなったものの抹消、または売却によって消滅した権利の登記または登録の抹消及び競落人または買受人の権利の取得の登記または登録の手続及びこれらの費用について規定いたしたのであります。 第五十下条は、配当手続に関しまして、民事訴訟法中不動産の強制競売の場合の配当に関する所要の規定を準用いたしたのでございます。手続が非常に類似しておりますので、このように民訴の規定を準用いたした次第でございます。 次は、雑則でございますが、第五十六条は、企業担保権の実行の申し立ての取り下げによりまして、会社の総財産の差し押えが消滅することを規定いたしております。 第五十七条は、任意売却の場合に、第四十五条の規定により売却してはならない財産は、そのことが明白になればすみやかに会社に返還するのが妥当でありますので、この場合の管財人から会社への引き渡し手続及び引き渡された財産の差し押えの消滅に関して規定をいたしております。 第五十八条は、実行手続が実行の申し立ての取り下げまたは実行手続開始決定の取り消しにより終結いたしました場合に、一般にその旨を周知せしむるために公告をいたすべきことを規定いたしております。 第五十九条は、実行手続が実行の申し立ての取り下げまたは実行手続開始決定の取り消しによって終結いたしました場合、及び第五十七条第二項の規定によって差し押えが消滅した場合の不必要となった実行手続の開始の登記または登録等の抹消手続を規定いたしております。 それから、第六十条から第六十二条までは、これは破産法、あるいは会社更生法などと同じ趣旨の規定でございまして、管財人などの収賄、あるいは管財人に対する贈賄、これが第六十条とか第六十一条の規定であります。 それから第六十二条は、会社の取締役または監督役の管財人に対する説明義務の違反の罪についての規定であります。これも破産法とか、会社更生法に同趣旨の規定があるわけであります。 それから、この法律の施行期日を附則の第一項で本年の七月一日からと定めております。 第二項におきましては、この企業担保権は、株式会社の総財産の担保にするのが原則でございますが、日本開発銀行のいわゆる世銀借款、国際復興開発銀行からの借款による株式会社への貸付金につきましては、この開発銀行の特殊性及びこの貸付金の特殊性にかんがみまして、企業担保権によってこれを担保することができるという例外を設けておるのであります。 第三項は、このようにして開発銀行からの貸付金について企業担保権の設定をしておるところの会社は、有限会社への組織変更についての制限を受けるという点を第三項で明らかにしております。 第四項以下第十七項までは、この企業担保権の創設に伴いまして、担保付社債信託法その他関係の法律に所要の整備をする意味の改正を加えた次第であります。 以上が、非常に簡単でございましたけれども、逐条に関する説明でございます。
○委員長(青山正一君) 本件に関する本日の審査は、この程度にとどめます。 —————————————
○委員長(青山正一君) 次に、証人等の被害についての給付に関する法律案を議題といたします。 提案理由の説明をお願いいたします。
○政府委員(横川信夫君) 証人等の被害についての給付に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 近時、各地におきまして、刑事事件、なかんずく暴力関係事件の捜査または審判に関し、証人、参考人またはその近親者等に対する傷害、暴行等の暴力事犯の発生を見ておりますことは、これらの事犯が、直ちに証人、参考人はもとより、一般国民の刑事司法に対する協力観念に重大な悪影響を及ぼすものであります点にかんがみますとき、刑事司法の目的達成上まことに軽視し得ないと言わなければなりません。 もとより、これが対策といたしましては、まず、この種暴力事犯の防止並びに検挙取締りに万全が期せられるべきことは言うまでもないところでありまして、この点につきましては、近く提案を予定いたしております暴力事犯取締等のための刑法並びに刑事訴訟法の各一部改正法律案におきまして所要の規定を設けることといたしておりますが、これらの事犯によりまして証人、参考人等に被害が発生いたしました場合には、国におきまして、その被害を回復せしめる施策が講じられなければならないと存ずるのであります。 この法律案は、この要請に応ずるものといたしまして、刑事事件の証人、参考人またはその近親者が証人または参考人の供述または出頭に関しまして、その身体または生命に害を加えられました場合に、国において療養その他の給付を行うことといたしまして、証人または参考人の供述及び出頭を確保し、もって、刑事司法の十全な機能の発揮に資せんとするものであります。 以下、この法律案の要点につき御説明申し上げます。 一、この法律案による給付は、刑事事件の証人または参考人が裁判所、裁判官または捜査機関に対して供述をし、または供述の目的で出頭し、もしくは出頭しようとしたことによりまして、その証人、参考人またはこれもの者の配偶者、直系血族もしくは同居の親族が、その身体または生命に害を加えられましたときに、その被害者に対して行うことといたしております。もっとも、この場合に、証人等と加害者との間に親族関係がありますとき等所定の事由がありますときは、給付の全部または一部をしないことができるものといたしております。 二、との法律案による給付の種類は、負傷または疾病の場合に行う療養給付、障害給付、打切給付または休業給付と、死亡の場合に行う遺族給付と葬祭給付であります。そしてとれらの給付の範囲、金額及び支給方法等の細目につきましては、警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律を参酌して政令で定めることといたしております。 三、この法律案による給付と、他の法令の規定による給付との関係、損害賠償との関係等の細目的な事項につきましても、おおむね前記警察官に協力援助した者に対する災害給付に関する法律と同様、合理的な調整をはかる等所要の規定を設けております。 四、この法律案による給付を受ける権利の裁定その他給付に関する権限は、法務大臣が行うものと定めておりますが、法務大臣は、この権限を所部の職員に委任するととができることといたしております。 以上が証人等の被害についての給付に関する法律案の趣旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(青山正一君) 本件に関する逐条説明は後日にお願いすることにいたしまして、本日の審査は、この程度にとどめます。 —————————————
○委員長(青山正一君) 次に、売春防止法の一部を改正する法律案、婦人補導院法案、両案を一括して議題といたします。本日は、両案の質疑を行いたいと存じます。御質疑の方は御発言をお願いいたします。
○棚橋小虎君 売春防止法の一部を改正する法律案についてお伺いしたいと存じます。 この売春防止法には、第五条の罪を犯して刑の執行を猶予された満二十才以上の女子は補導処分に付することができるということに相なっておりますが、補導処分というのはどういうことでありますか。それからまた、補導処分の性質と申しますか、これは一体刑罰であるのか、教育であるのか、それとも治療ということになるのか、この本質についてお伺いいたしたいと思います。
○説明員(横井大三君) お尋ねの補導処分の意義と本質でございますが、御案内の通り、刑法改正仮案には、刑のほかに保安処分というのが規定してございます。刑というのは、過去の道義的責任を追及する性質身持っております。本質的にその内容として、道義的責任の追及というものを持っておるのに対しまして、保安処分と申しますと、そういう意味を持ちませんで、その人の性格の矯正、将来にわたる教育というようなこと念頭にいたしておりますものでございまして、刑とは性質が異なるのでございます。今御質問のお言葉にもございましたが、いわゆる教育的な性質を持つのが保安処分、その一種としてこの補導処分というのが今回規定されたのでございます。現行法にございます少年の保護処分、これは刑ではございませんで、教育を目的といたします保安処分になっております。今回は成人につきまして、しかも収容を伴う保安処分というものを新しく認めたというところに、この補導処分の意義があるわけでございます。現在刑法にございます保護観察というのがありますが、執行猶予中に保護観察に付するということになっておりますが、この執行猶予期間中の保護観察というのは、身柄は拘束いたしません。しかし、身柄を拘束するかしないかの違いはございますが、いわば一種の保安処分というものになろうかと存じております。
○棚橋小虎君 本法案の第十七条によりますと、補導処分は刑に処せられた場合に限ってすることができるということになっておるのでありますが、そうしますというと、これは刑の言い渡しがなければ補導処分に付することができないということになって、すなわち、刑の執行にかえて補導処分に付するという形をとっておると思うのでありますが、この考えと別に、刑そのものにかえて補導処分をする、つまり刑の言い渡しをして、それを執行する場合に執行をしないで、補導処分に付するということのかわりに、刑の言い渡しをしないで、初めから補導処分に付するということも一つの構想として考えられると思うのでありますが、そういう場合には、現在の刑罰体系との関連はどういうことになるか、御意見を伺いたいと思います。
○説明員(横井大三君) 刑にかえて補導処分をするか、あるいは本案のような執行猶予の宣告に際しまして同時に補導処分の言い渡しをするかということにつきましては、前々から議論をして参った点でございます。本法案では、刑にかえて補導処分にいたすという建前をとりませんで、刑の執行猶予に付加して補導処分の言い渡しをするという建前をとったわけでございます。ただいま御質問のような、刑にかえて、言葉は適当ではございませんが、要するに、刑の言い渡しをしないで、補導処分だけの言い渡しをするという建前ももちろん理論的には考えられるのでございまして、補導処分の本質から言いますと、あるいはその方が適当ではないかと思います。しかしながら、補導処分、つまり保安処分につきましては、学問上非常な議論がございまして、刑法の二大学派の対立と申されます主観説、客観説あるいは教育刑論と応報刑論の争いの一番焦点になりますのは、実は刑と保安処分という関係でございます。昔は応報的な刑ばかりがあったのでございますが、だんだん世の中が進むにつれまして、それでは本来、刑としての効果を上げ得ない、そこで補導処分的なもの、保安処分的なものをだんだんと取り入れてきておるというのが現在の刑法における傾向でございます。われわれとしても、できれば補導処分というものを一つ確立いたしまして、そうしてそれを言い渡す、刑とは関係なしにやるということも考えてみたのでございます。しかしながら、現在の刑法及び刑事訴訟法の体系は刑を中心として考えてできております。従いまして、刑法の中に新しく一つの処分として、刑と離れた保安処分たる補導処分というものを取り入れることにいたしますというと、先ほども申し上げましたように、仮案にもかなりたくさんの条文を置いておりますように、刑の執行の前後関係あるいはどの程度までに至ったら釈放するかといったような点までいろいろ考えた上で規定を置かなければならないわけでございます。さらに、訴訟手続におきましては、刑罰の適用実現を目的とするのが刑事訴訟法の手続でございます。第一条にも「刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。」こう書いてございます。従いまして、刑にあらざる処分を目的とする、そういうものは実は現在の刑訴では考えておらないわけでございます。従いまして、この点につきましても刑訴全体について検討を加えなければならない。たとえに例を申し上げますというと、不利益変更禁止の規定がございまして、被告人が上訴いたしました場合に、上訴審では被告人に不利益に刑を変更をしてはならないということになっております。一体独立に補導処分を認めました場合に、刑との軽重はどう考えるか、もしこれを刑事手続でいたしますならば、その点の解決も必要でございます。さらに、公訴理由として刑の量定の不当というのがございます。しかし、保安処分の量定の不当ということは現行刑事訴訟法ではございません。それで、その辺のところも改正しなければならない。つまり全体といたしまして、現在の刑事訴訟法が刑罰を目的としてその適用の迅速、的確をはかるための規定を設けておるというところから、かなりいろいろの問題を含んでおります。 こういうような技術的な面のほかに、さらに仮案にもございますように、補導処分といたしまして矯正処分、労作処分、監護処分等の処分が規定してございましてそうしてたとえば、労働嫌忌者に対しては労作処分、めいていの激しい中毒性の酒癖を持っている者、こういう者につきましては医療処分といったようなことが考えられております。現在の犯罪全体を考えまして、そういうものもあわせて保安処分として同時に考え、統一的な保安処分を考えるというのが適当ではないかというような点も考慮いたしまして、さしあたりこの法案におきましては、大へん微温的でございまして、満足すべき案ではないかもしれませんが、現在としては、この程度をもって発足いたしましてそうして徐々にこの実施の状況を見まして、あわせて現在考えられております刑法全般の改正問題ともにらみ合せまして、より完全な法案にいたして参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○委員長(青山正一君) ちょっと御参考までに申し上げたいと思いますが、本日御出席の政府委員は、横川法務政務次官のほかに、渡部矯正局長、横井刑事局総務誤長、岩松矯正局検事、高橋矯正局総務課長、それから最高裁から菰淵家庭局長、同じく最高裁の正田刑事局第一課長、こういう方々がお見えになっております。御参考までに申し上げておきます。
○棚橋小虎君 補導処分は本案の条文にもある通り、これによって六カ月の在院期間内に売春の習性を矯正し、また、社会復帰ができるようにするためにするのでありますからしてそういう者に対して、社会復帰のできる更生の見込みのある者についてなされるということが建前で、初めからしてこの補導処分に付しても、とうてい更生困難と認められるというような者は、この処分の対象とすべき者ではない。また、そうすることが本筋ではないと考えられるのでありますが、その点はどうですか。
○説明員(横井大三君) 確かに仰せの通り、この補導処分というのは習癖の矯正ということをねらっておりますので、もう初めから習癖の矯正ができない、どうにもできないという者もおそらく中にはあろうかと思います。そういう者につきましては、刑罰法規に触れている以上、刑罰を行うというふうにならざるを得ないかと思います。しかし、多くの売春婦につきまして、それほど悪質なものが多くはなかろうと思います。大体の者は補導処分を行うことによりまして、少くとも従来のうしだらな生活をやめまして、きちんとした生活のやり方を体得するというようなためには、この六ヵ月の期間を十分に活用すれば、相当の効果を上げ得るというふうに考えておりまして、刑の均衡をも考えました上で六ヵ月という期間にいたしたのでございます。
○棚橋小虎君 そうしますというと、この裁判所が実効のある補導処分を徹底しようとするためには、あらかじめ売春婦の常習性とかあるいは性格、病気の有無、その他環境等を詳細に調べておく必要があると思うのでありますが、現在の地方裁判所や簡易裁判所の機能では、とうてい十分な売春婦についての医学的また心理的、社会的な調査をするということは期待できないと思うのであります。そこで、こういう処分の対象となる事件の調査については、地方裁判所に調査官というものを設けるなりあるいはまた、家庭裁判所の調査官を活用するというようなことが相当ではなかろうかと、かように考えるのでありますが、この点についての御見解を伺いたいと思います。
○説明員(横井大三君) 確かに処罰の対象になりまする売春婦の社会的な環境とか、心理学的な、あるいは医学的な検査をいたしまして、そして補導処分にするかどうかということをきめることは、この補導処分が保安処分である性質からいいまして適当であろうかと思います。しかしながら、保安処分に付する手続を刑事手続に乗せまして進めて参りますには、現在の刑事手続が事実の認定、つまり犯罪事実の認定と刑の量定とを分離いたしませんで、法廷に現われた各般の資料を総合いたしまして、事実を認定し、さらに現在非常に広範になっております刑の量定をいたすのでございます。で、たとえば保護観察に付するのが適当かどうかというようなことも、現在法廷に現われました資料に基きまして、当事者の十分論議の対象になりました資料に基きまして、刑の量定をいたすわけでございます。今回の補導処分は、なるほど、従来ございます保護観察のごとき身体の拘束を伴わないものと違いまして身体の拘束をいたすわけでございますから、より慎重な量刑——刑と申し上げては語弊がございますが、この状況の判断というようなことを必要といたすのでございます。そのためにはどうしたらいいか。確かに現在家庭裁判所にございます調査官と同じような制度を裁判所に設けるということも考えられるのでございますが、現在の裁判所の調査官は刑事手続の面で活動していただけるような形にするには、現在の刑事手続につきまして相当程度の検討を加えまして、そして少くとも、たとえば量刑事情につきましては、事実認定と差を設けまして、そうして自由な資料で裁判所が自由に判断できるといったようなところまでいろいろ配慮を加えませんと、十全の活動ができにくくなる、十分な活動ができにくくなるというようなこともいろいろ考えまして、それに一方、補導処分の期間は六カ月でございます。この社会学的、心理学的、いろいろな調査をいたしますが、基礎のそういう調査をいたしますと、かなりの期間そのために日数がかかるのではなかろうか、それらをいろいろ考えました結果、さしあたり、できるだけの量刑事情の資料を、捜査をいたしました過程に現われましたいろいろな材料から拾いまして、そして検察官側におきまして裁判所の判断の資に供するということの努力をいたしますことによりまして、この法案をさしあたり発足させたい。しかしながら、運用の実績にかんがみまして、それでは十分、でない、もっと根本的に考え直して調査官制度を設けよということになりまするならば、現在ありますような家庭裁判所調査官と同じような制度を採用いたしまして、さらには、それに応ずるような手続も考えて、そしてこの法案の十全を期したいと、こういうふうに考えておりますが、さしあたり四月一日から発足いたします関係から、現行法に乗せまして、そしてその範囲内でできるだけ努力をして参りたいというのがわれわれの考えでございます。
○棚橋小虎君 最高裁の方おられますが、その点について最高裁の家庭局長にお伺いしたいのですが。
○最高裁判所長官代理者(菰淵鋭夫君) ただいま御質問の売春婦の補導処分のことにつきまして横井総務課長からも詳細御説明ありました通りに、もし最善を尽しますならば、補導院送致ということは保安処分でございますので、ただ法廷に現われましたことだけではおそらく判断ができないんじゃないか、地方裁判所の裁判官の方々が大へんお困りになるんじゃないか。どういう人を補導院に送ればいい、どういう人は実刑、あるいは保護観察、あるいは執行猶予というふうに区別するのに、大へんお困りになるんじゃないかと思います。つきましては、売春婦になりますには、それぞれその人の特有な性格、あるいは環境、今までの経歴、そういうものが総合されましてなっておりますので、そういうところのこまかい分析がなければ、おそらく正鵠な判断は加え得ない。ところが、ただいま刑事裁判所の、刑事訴訟法の手続によりますと、横井課長がおっしゃいましたように、事実の認定といえば保安処分でございますから、情状というふうに申し上げてよろしいでしょうか、情状に関することにつきましてはさい然と区別されておりません。あるいは理論的には区別されるかもしれませんが、現実の裁判手続におきましてはやや混淆されて行われております。混淆されるというと語弊がございますけれども、場合によって時間の省略の関係上、それが相互に入り乱れて行われております。しかしながら、もし普通の裁判所に調査官制度が設けられますれば、少し法律の手当をいたしますれば、あるいは多少拡張解釈になるかもしれませんが、これは判決の主文には——補導院送致は判決の主文には入れるものでございますけれども、その性格が刑の言い渡しでないということに思いをいたしますれば、決定、命令につきましては、これは今おもに訴訟手続に関することでございまするけれども、事実の調査ができるということがすでに刑事訴訟法にもうたわれております。そのような考えを類推して参りますと、今の訴訟手続におきましても、調査官制度を導入してもそうおかしなものでないというふうに考えております。特にこの売春法の第五条違反と申しますれば、皆さん御承知の通り、おそらくその事実の認定につきましては争いがないんじゃないか、むずかしいような事件ですと、おそらくこれは法廷に現われてこない。おそらく現行犯の程度のものが送られて参りますので、その点につきましては何も問題がなくて、情状の点が争われることになります。ただいまの刑事訴訟法の手続によりますと、逮捕されましてで、十二時間以内に地方裁判所に回して、十日間の勾留で起訴されることになっております、原則として。その間にこの売春婦につきまして、ただいま申し述べましたような調査をするということは非常にむずかしいのであります。もしできたといたしましても、これはやはり原告官の立場としておやりになることが建前になっておりますので、その点につきまして、そういう調査をもとにして判断されるということは、やはりこういう保安処分につきましては適当でないというふうに考えております。 そのほか、ただいま述べましたような調査につきましては、少し大げさに申し上げるようでございまするけれども、家庭裁判所の調査官以外には、そういうような調査ができる能力を持っている者がないんじゃないかというふうに考えております。家庭裁判所の調査官は、家庭裁判所が発足いたしまして約十年でございますが、その間、調査能力も漸次備わって参りますし、昨年から国家の予算をいただきまして調査官研修所もできまして、そういう調査技術の高揚ということに努めております。でありますので、さしあたって、こういうような調査をいたしますのは、家庭裁判所の調査官以外にはないというふうに、ただいまはそういうように思っております。そこで、刑事訴訟法では家庭裁判所の調査官は使えませんけれども、何かそういう法律の改正をお手当いただきますれば、当分の間、家庭裁判所の調査官をしてそういう調査をせしめることも可能だと思います。おそらくこういう事件は非常にむずかしい事件でございまして、起訴の件数も少いのじゃないか。ただいま家庭裁判所の調査官は全国で千百余名ございまして、こういうふうな成人の婦人の調査をいたします能力を有する者は約三分の一ぐらいございます。ですから、各地に分散されておそらく起訴されると思いますし、あるいは大都会に集中されるかもしれませんけれども、それはそれといたしまして、家庭裁判所の仕事を少しまあ繰り延べにでもいたしますれば、あるいはお助けできることができるのじゃないかというふうに考えております。 で、そういう意味におきまして、もし改正の機会がございましたならば、第一線の、この補導院送致をいたします裁判官の気持に立って申し上げますれば、やはりこういう調査が必要じゃないか、それでなければ、どういう者をこの短期間の六ヵ月間に送り込んで矯正できるかどうか、やはりそこは犯罪心理学的の立場から主として考察され、あるいは調査されなければならないというふうに考えております。ただいま最高裁判所といたしましては、そのように考えておる次第でございます。
○棚橋小虎君 検察庁の方々はどなたかおいでですか。
○委員長(青山正一君) 刑事局の横井総務課長がお答えいたします。
○棚橋小虎君 それではちょっとお伺いしますが、検察庁の方は、これについて身上調査室というようなものを設けて、そうしてこの起訴前の調査に万全を期するというようなことを言っておられますが、その身上調査では、前に申したような売春婦の心身両面にわたる調査、それから環境の調査等も全部するのであるかどうかということ、それからまた、そういう調査をするには、全国的にそういう調査室を設けるのであるかどうか。もしそうだとすれば、その調査機関の体制、機構などについてお伺いしたいと思います。
○説明員(横井大三君) 現在東京地方検察庁を初めとしまして、全国に八カ所身上調査室というのを設けまして、そして売春婦につきまして、現行法ですから、起訴、不起訴をきめる。この場合に、検察官の判断の材料になるようなものを得ておるわけでございます。ただそれに伴いまして、同時に売春婦の身の振り方をきめる、たとえば起訴いたしません者につきましては、それぞれの保護機関の方へ参るようにいたしまして、できるだけその売春婦に即した処分をするように考えておるのでございまして、それがこの身上調査室でございます。で、われわれといたしましては、できるだけこの制度を活用いたしたい、こう思いまして、このたび予算請求につきましても全国かなり多数の検察庁にこれを設けたいということで努力いたしたのでございますが、われわれの努力が十分でありません点にも原因したと思いまするが、三十三年度の予算において約十四カ所これを設置するだけの予算をいただいたわけでございます。で、われわれとしましては、これをさらに押し広めまして、全国の検察庁に設けたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 なお、この調査室では何をするか、こういうことでございますが、ただいま御質問にありましたような心理学的な調査といったようなことは、おそらく現在の状態ではあるいは不可能かと思いますが、おいおいそういう点も整備して参りたい、こういうふうに考えております。たとえば、東京地検におきましては、医者に常時いてもらいまして、そして診断をするというようなことも考えておる次第でございまして、先ほど家庭裁判所の方から申されました家庭裁判所の調査官というのは非常に優秀な方ばかりでございまして、われわれとしても日ごろ敬意を表しておるわけでございますが、とてもそこまでにはいかないかもしれません。しかしながら、この範囲内におきましてできるだけ努力いたしましてそうしてこの法の施行の万全を期したいというのが私どもの考えでございます。もちろん抜本的に申し上げますと、先ほど裁判所の方からも申されましたように、あるいは調査官制度というものを設ける。しかも手続もいろいろそれにマッチするように考えていくというようなことが正しいかも存じませんが、現在のわれわれの許された範囲内における努力といたしましてはこの程度のことをやりまして、そうしてこの法の全面施行を迎えたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○宮城タマヨ君 第一番に私伺いたいのは、補導院という名前でございますが、すでに矯正院法があり、それからまた、法律の上から言いますと、保安処分、保安というような言葉も出ておりますのに、特に補導という言葉をお使いになりましたのはどういうわけでしょう。何かそこに内容的に違ったものがあればどうぞおっしゃっていただきたい。
○政府委員(渡部善信君) 婦人補導院という名称をつけましたのは、これは保安処分であるということを表示いたした名称でございます。実は婦人補導院と申します名前も少しかた過ぎるのでございます。何とかもっとやわらかい感じの名前をつけたいと思うのでございますが、いわゆる保安処分であるというところからなかなか適当な名前が実は見出しかねて、やむを得ず、現在婦人補導院という名称で表向きは出発せざるを得ない状況でございます。しかしながら、われわれといたしましては、呼称はもっと変ったやわらかいものを持たしたいと思っております。従いまして、まあ本名が婦人補導院というのと、もう一つ呼び名をつけたいと思っております。
○宮城タマヨ君 それは施設の名前なんかはございますね。それは少年院にしても青葉だとか愛光だとかいろいろございます。でございますが、この法律の名前自体がわざわざ婦人矯正院法と言うてもいいはずなのを、それを補導院とお変えになったというのは、一体内容が何か変っておるからかということを伺いたいのです。その個々の施設の名前は何とでもどうぞ。それは私は問題にしません。
○政府委員(渡部善信君) 婦人矯正院でもいいわけでございますが、ちょっと矯正院と申しますとかたい感じを受けますので、補導を中心として行うものだという保護の精神を加味いたしまして、実は補導院と名前をつけたわけでございます。
○宮城タマヨ君 それでは、内容が現在ある少年院等よりも非常に、何といいますか、ゆるやかといいますか、まあ刑務所などとは縁の遠いというような意味合いを現わしたいのでございますね。そう了解してよろしゅうございますか。
○政府委員(渡部善信君) その通りでございます。
○宮城タマヨ君 そうしましたら、内容がその名称に伴っているかどうかという点についてこれから質問いたします。第一番に伺いたいのは、五条違反でございますが、五条違反は男女同等にお取り扱いになるおつもりですか、どうですか。
○説明員(横井大三君) 男女平等という御趣旨、あるいは私理解が足らないかもしれませんが、補導処分に付するのは女子だけでございまして、五条違反のものの中には男子もございますし、女子もございます。しかし、補導処分というものも保護処分の内容等からいいまして、それに適するものは女子であろう、そういう意味で、補導処分に付しますのは女子だけでございまして、男子はございません。
○宮城タマヨ君 その場合に男子の手当はどうなさいますか。これは女だけが引っかかるのじゃないのでございましょう、五条違反は。男も同等に引っかかるのだったら、その男はどうなさいますか。
○説明員(横井大三君) 実は補導処分の内容は、今回売春防止法一部改正法の第一条の改正の部分に「女子に対する」の下に「補導処分及び」という言葉を加えてございます。これは性格、環境に照らして更生をはからせるために補導処分をするのだ、こういうことになります。そうしますと、それに適するのは女子でございまして、男子の方はこれは普通の手続で参ります。従いまして、実刑相当であれば実刑で参りますし、執行猶予相当であれば執行猶予、保護観察相当であれば保護観察つき執行猶予という形になりまして、補導処分になりますのは女子だけであります。
○宮城タマヨ君 その点はわかりましたけれども、そうしたら、女子の方がこれを今おっしゃったように、男子の場合と同じように実刑を課するか、執行猶予にするか、補導処分にするかということになりますね。一体その基準になるものは何ですか。
○説明員(横井大三君) 今のお尋ねは、売春婦と申しましたら語弊がございますが、第五条違反の女子に対して許されたいろいろな処分のうちで、どういうものを補導処分にし、どういうものを補導処分にしないかというその基準はどこにあるか、こういうお話であると思います。
○宮城タマヨ君 そうです。
○説明員(横井大三君) 五条違反の女子に対しましては、これは刑事手続に乗って参りますので、普通の刑のほかに、新しく執行猶予づき補導処分というのが入るわけであります。確かに具体的に詳細な基準は、実は法律の中にはないわけであります。これは現在の刑事訴訟法は、刑の量定の基準につきましてほとんど規定を置いてございません。これは刑事訴訟法の欠陥であるとも、言われております。今度の刑法改正の際にもその点が問題になっております。非常に大幅な量刑範囲をきめておきまして、そのうちどれをどういうふうに選ぶかという基準はなくて、大体現在裁判所の裁量にまかされておるというのが実情でございます。従いまして、たとえば補導処分の方法を別にいたしましても、実刑を課するか、執行猶予に関するかということは重大問題でございますが、いかなる場合に執行猶予に関するかということにつきましては、刑法で「情状特ニ憫諒ス可キモノ」というような抽象的な言葉しかございません。あとは裁判所の裁量に待っております。また、執行猶予いたします中で、保護観察に付する執行猶予と、そうでない執行猶予とございますが、この部分につきましても、実は基準がないわけでございます。さらに罰金にいたしますか、体刑にいたしますか、これは各種の法律に選択刑として、体刑または罰金がきめてありますが、その基準につきましても実はないのであります。そういうようなことをいろいろ考えまして、この部分についてだけ詳細な基準を設けるということは実は困難でございます。そこで第一条の改正は、おのずから補導処分というものの性質を現わして参りまして、性格、環境に照らしまして適当だというような者について、五条違反の者の中から補導処分にするということを抽象的に現わすことによりまして、あとは具体的にいろいろわれわれが材料を出しますし、それから裁判所の方もおそらく職権でいろいろ証人尋問その他お調べをなさると思いますが、そこに現われました材料によりまして、これは六ヵ月の矯正をすれば更生してもらえる、それに適当なものであるということを判断なさいました場合に、補導処分になさるというようなことになろうかと思います。しかしながら、全般として刑の量定というものについて何らかの基準を設けようということは、われわれとしても十分考えなければならぬ問題であり、現に考えつつある問題でございます。
○宮城タマヨ君 これは窃盗犯というような場合には、その刑の量定というものは刑事の裁量によることなんでございますけれども、この売春処罰につきましては、一方で、これは世界的のことですけれども、単純売春を許している。単純売春を許しているということは、これは刑の量定なんていうことについて、非常に私は困難じゃないかと思います。そこで、一体法務省が、また、検察庁にしましても、起訴するという場合の内容ということについて、これは大体の見当をつけなくちゃならぬと思いますが、一体その点について何か考慮されているのでしょうか。私はこれは重大問題だと思うのです。一方では単純売春が許されているのですから。しかも私驚いているのは、子供を連れて施設の中に入った場合の規定が書いてありますが、子供を連れているお母さんをわざわざ施設の中にぶち込まなければならぬというのは、一体私は当局の考えがわからないのです。そうまでしなければならぬのか。どろぼうと違いますから、これはもう少し私は人間らしい立場に立ってこの問題を解決——立法措置をなさるについても、していただかなければならぬことだ。この処分を見まして、私大へん不服なんです。その点いかがでしょうか、一体。
○委員長(青山正一君) ただいま法務大臣と、それから最高裁の江里口刑事局長もお見えになっております。
○説明員(横井大三君) 確かに御指摘のように、売春婦、つまりこの五条違反の線というものを犯します売春婦というものは、普通の犯罪人と違うということはわれわれも十分考えております。ただ御承知の通り、常習売春婦を罰するとか、売春行為を罰するということにいたしませんで、道路における勧誘とか、そういうものを罰する形にいたしております。そこに一つ私は問題があろうかと思います。これは実定法それ自体の問題だろうと思います。しかしながら、ここに違反者として上って参りますのは、多くの場合常習売春婦である。そういうものにつきましては、普通の窃盗と違うような扱いにせよということは確かに御指摘の通りであります。われわれとしても、実はどういう場合に起訴し、どういう場合に起訴しないか、起訴、不起訴ということは、保安処分にするかどうかと同様に非常に大きな問題であろうと思います。われわれの気持といたしまして、できるだけ刑罰でなく、刑事手続の矯正でなく、保護更生していただくのが一番ありがたいのですから、少しでもそういう様子の見える方、そういう方々につきましては、われわれとしては起訴をいたしませんで、そうして更生の道をたどっていただきたい。それには行政官庁がいろいろ設備を設けまして、そうしてそれを引き取ってその更生をはかって下さるということを、実はわれわれからもお願いしたいわけでございまして、われわれのこの事件を扱います検察官といたしましては、おそらくだれもがそういう考えを持っておると思います。つまり、できるだけ少しでも理由がつけば、この行政上の措置によって、刑務所はもちろんのこと、補導院すら入らない、そうして任意の方法によって更生していただきたい。それに沿うように検察官としても処分をしたい、こういうふうに考えておりますから、具体的にどうするかということにつきましては、この二月に各庁で会議を開きまして、そうしていろいろ検討いたしておりまして、その結果を今まとめておりますが、基本的な考え方は、ただいま私が申し上げたような線になっております。
○宮城タマヨ君 この子供を連れておるお母さんが結果から言いますと、何回も何回も町へ出てくるというようなことは許しがたいとも考えられますけれども、しかし、そこには非常に苦しい事情がある。だから私は子供を連れている母親は一体補導院に入れるなんというようなことを一列に考えてこういう法律を作るというようなことについて、私非常に残念だと思っております。で実際あなた方の方では、一体実刑を課する者がどのくらいあるというような大体お見込みでございますか。
○説明員(横井大三君) その見通しが非常にむずかしくて、これはわれわれも苦労しておるのでございますが、大ざっぱに申し上げまして、実刑を課するというものはほとんどないのじゃないかというふうに考えております。で、できればそれ以前の段階において処理したい。そこには検察官が起訴しないということによる処理がございます。起訴いたしましても、たとえば強制力による収容を伴う補導処分をいたしませんで、保護監察等によりまして処理する、それもどうも工合が悪い、で現在の法律では実刑もやむを得ないというものを、しかし、この新しい制度ができまするというと、改善も可能であろうというものにつきましては、補導処分をいたすというところで大体とまりましてそれ以上実刑を課すものはおそらくりょうりょうたるものじゃないかというふうに見通しをいたしておりますが、これは実際やってみませんとなかなかわかりませんですが、その実際に現われました結果に上りまして、またいろいろ方針を考えたいと思いますが、現在の見通しはそんなような見通しでございます。
○宮城タマヨ君 私どもがこの売春対策の内閣審議会でも大へん問題にいたしましたのは、この刑にかえて保護処分をするということにしていただきたかったのですよ。ところが、今日ではそうでないので、私結果としたら非常にこれはおもしろく思わないのです、この立法が。大体それで、まあでもこれからだんだん研究していらっしゃいましょうが、そこで刑は六ヵ月以下、それでこの婦人補導院に入れる期間も六ヵ月というのですが、一体この補導院に入れる六ヵ月というのは何をねらっていらっしゃるのですか。この書いたものを見ますというと、生活指導だとか、職業補導だとか、医療の手当だとかいう三つに非常に重大なことが取り上げておりますけれども、生活指導一つについて言いましても、一体六ヵ月であの人たちの生活指導をどういうことで、しょうと一体思っていらっしゃるのですか、どういうプランがございましょうか、それが聞きたいのです。
○政府委員(渡部善信君) 仰せのごとく、まことにむずかしいことでございます。われわれといたしましても、最もこの期間の間に効果のあるような最良の方策を考えていきたいということを考えております。実はこの保安処分であるこの補導というものは、刑とはわれわれは違うという考え方であります。しかし、これが身柄を拘束してやる強制処分なのであります。そこが厚生省でおやりになります任意の保護の処分というものと違うところでございます。さようにこの身柄を拘束する、つまり自分で更生の意欲がいまだ起ってこない人たちに対する処分が、この補導処分だと私は考えております。従いまして、さように身柄を拘束いたしまして、初めのうちはこれは強制しまして、そうして気持を落ちつかしてそうしてさらに新しく一つ踏み出していく決心を起さしていこうというのがわれわれのねらいでございます。従いまして、補導処分というものは刑とは違いまするが、そこに身柄を拘束するという立場からいたしますと、非常に厳しいものであるわけでございます。こういうところからこの刑の六ヵ月というもの、これはもちろん刑でございますから身柄を拘束いたします。強制します。そのものと、外形的に見まして自由を拘束するという立場からいたしますとやや似た形態に相成っておるわけでございます。そこで、刑罰というものの六ヵ月と、身柄を拘束するそういう処分との権衡というものをやはり考えざるを得ない。社会的な観念からいたしまして考えざるを得ない。そういうふうな程度の権衡からいたしまして、やむを得ずこれは六ヵ月にやらざるを得なかった次第でございます。
○宮城タマヨ君 刑の執行猶予が六ヵ月だから、それを土台に六ヵ月ということはやむを得ぬと今おっしゃっておりますが、この点はどうしてもそうだと、やっぱり刑という気持に私はならざるを得ないと思う。ということは、えらいりっぱにここの文字に現われておりますけれども、一体人間の生活指導を立て直させるなんていうことは、そんな六月や一年でできるはずがないのです。だからほんとうに愛情を持って、この日本の婦人を、ことに日本の母親になるものを、心根を直そうとするのだったら、もう少し私は愛情を持って立法なさってもいいと思うのです。考え方がこれはやっぱり刑にかわるものというような、刑期だけというようなことになると、こういうことになる。受ける方からいうと、それは一年半も二年も自由を拘束されるということは、それはもう全然ではなくっても、それは心得が悪ければえらいことかもしれない。しかし、国家の母心をもってするなら、私はこの法律はまことにおかしいことで、もっとあの人たちに理屈を言わしたら、なぜ私どもは罪人かということを言ってきたら私は一困ると思うのです、実質的にですよ。これはこういう立法を作りながら法律に違反するということになるのですけれども、もし私がその女だったら、どういうわけで縛るかということを私言うかもしれません。だから、どこまでもまあ立法は立法ですけれども、せっかくこういういい施設を作ろうというなら、もう少し教育の効果をねらって一体この立法をなさる必要がなかったかということを私は残念に思っております。そこで、この間もちょっと伺いましたが、その六ヵ月に効果あらしめようとする指導者は、一体男の人でも、りっぱな人ならそれでもいいとこの間おっしゃったのですけれども、これは男でできると思っておいででしょうか。
○政府委員(渡部善信君) 前回の委員会の際にも、宮城委員より御質問のありましたことでございまして、結局、ただいま申し上げますように、われわれ決して六ヵ月で十分だと思っておりません。思っておりませんが、現在のこういう制度下におきましては、やむを得ないというところでございます。まだいろいろ私は、この考え方はずいぶんあると思いますが、現在のこの刑事政策の一環としてのこういう刑事立法下におきまして、早急にかような対策を立てるという、何と申しますか、理想を掲げるよりも、今直ちに実施し得る道をどこに求めていくかというところにわれわれの悩みがあるわけでございます。今後さらにこの対策は考究をし、さらに進展さしていくべきものだと私は考えております。しかしながら、現在のこの段階におきましては、これがせいぜいやむを得ない、ここから出発をしまして、さらに開拓の道を見出していこうというふうにわれわれは考えておるわけでございます。これは将来の刑事政策の進展、刑法の改正問題その他にもからみまして、さらにこの問題は十分掘り下げて考えていくべき事柄だと思っております。しかしながら、現在のこの刑事政策の面に乗せて、早急に実施する道というものは、まずここに求めざるを得ないというふうに考えておるわけでございますが、従って、非常に制約を受けたこれは制度でございます。そこで、この制約を受けた制度を効果あらしめるのは、私はどこにあるかといったら、これはその制度を扱う人にあるということは、私は考えざるを得ないと思います。どうしてこれを効果あらしめるかということは、結局のところは、りっぱな人を得るということに求めざるを得ないと思っております。従って、私といたしましても、宮城委員のお考えのごとく、この人選ということについてはほんとうに頭を悩ましております。そこで現在のところ、御婦人の方でりっぱな方がおいでになるのは私は決していなむわけじゃない、これに越したことはないと思います、ないと思いますが、しかし、この問題はそう簡単にはいかない問題を私ははらんでおると思います。従いまして、婦人でなくちゃならないという結論をいまだ私は出しかねるわけでございます。従って、御婦人でも男性の方でも非常にりっぱな方ならば、私はここでやっていただきたい、かように申さざるを得ないわけであります。その点あしからず御了承のほどをお願いしたいのであります。
○宮城タマヨ君 私はどうでもいいのですけれども、せっかくね、こういう新しい法律を作って、新しい施設を作るというような場合に、これは日本は今新しいのですけれども、諸外国ではずっとやっているのです。それはこの間ちょっと言いましたけれども、売春婦収容施設じゃありません女子少年院におきましても、アメリカのどこに一体男を使っておるのです。たった一人使っている。馬使い人です。全少年院の六百人の娘が皆そこへ集中している。あれはどうしてもやめさせなければならぬというときに、私行ったのです。これは 外国と日本と違うといえば違うのです、これはアメリカだけじゃない、ヨーロッパの方もみんなそうです。ロンドンなんかの大きい収容所に行って見ました。門を守っている者、門番だけは、刑務官のような格好をしておる人は男でありましたが、その門の中に一歩入れば、絶対に婦人です。この前も局長が、りっぱな男性であればいいとおっしゃった。そんなことは、まだあの売春婦を御存じないからです。売春婦は、りっぱな人格者でなくてもいいのです。男でさえあればいいのです。その男を見せちゃいけないのです、血が沸きますから。(笑声)それは、あの人たちはかわいそうなんです。ほんとうに笑い事じゃない。そうなんですよ。それだからこの立法をするのには、ちょっと法務省の方は甘いと思うのです。法務大臣いかがですか。ちょっと甘いですよ。
○国務大臣(唐澤俊樹君) この問題は省内でもいろいろ話が出ましてどれがいいだろうかということで、まあ研究をいたしております。しかし、今のところ、今局長のお答え申し上げましたように、男性あるいは女性と限らずに、適当な人があればということで進んでおりますけれども、今のようなお考えもまた一つの考え方でございます。それとまた反対の意見のものもあるようでありまして、なかなかそれをきめかねておるところでございます。もう少し研究させていただきたいと思います。
○宮城タマヨ君 それは、普通の世の中でしたら、大いに男と女ととても調子がいいのですから、それはまた人間のそれこそ根本をなすものですから、男に配するに女、これはもうほんとうに神様がおきめになっておることで、りっぱなことなんです。だけれども、特別にこれらの人たちに男を見せちゃいけないということをどうぞわかって下さい。それはかわいそうですよ。逃走を企てる一つの刺激になりますからね。これは十分に外国の例なんかも、残念ながら古い歴史を持っておりますこの外国のこの種類の研究を一つさして下さいませんか。そして迫っておりますけれども、おきめ願って、私は絶対に内部に男を入れていただいちゃ困る。取締りがつかない。そこでその点はいいのですが、大臣がいらっしゃるからちょっとお聞きいたしますが、一体子供を持っておるお母さんでもそこに縛っておかなければいかぬというお考えはどこにあるのですか。そうまでしなければなりませんか。
○国務大臣(唐澤俊樹君) これは、法律の命令と人情の命令とが交錯いたしまして非常に困る問題であろうと思います。これは単に今度の補導院だけの問題でなくて、今までの女囚の問題についても同様であろうと思うのでございます。さればこそ、かりに判決が確定いたしましても、乳飲み子をかかえておるようなお母さんについては、刑の執行の停止というような制度も認められておるようなわけでございます。これはそのときそのときのケース・バイ・ケースで判定いたしていかなければならぬと思うわけでございます。婦人によりましては、補導院でなくて刑務所にすらまあ引っぱられて行かなければならないような場合の何もあります。ですからして、いわんや補導院は、処罰というようは保護更生ということが中心でございますから、刑務所よりはさらに住みよい所としなければならぬと努めておりますから、それだけの違いはあると思いますが、それにいたしましても自由を拘束いたしまするし、また、他の収容者に対する影響もありますから、これはまあケース・バイ・ケースで十分考えていかなければならぬと、かように考えております。
○宮城タマヨ君 今までの女囚でも、その中で私、お産をするなんかということは絶対反対です。そのために、唐澤大臣になってまだ一度もそのことを委員会で言いませんけれども、実は保護局長と相談をしておるのですけれども、特別の収容所を作りまして、そういうところでお産をさせなければならぬ。私十年来言ってきておるのですけれども、まだ今日刑務所の中で子供を生ましておる。刑務所の番地がついていますよ。これは私は子供の代弁を今日までやってきておるけれども、法務省はまだなおざりにしておる。そこで信州の方にいいところがありますから、一ぺん矯正局長と見に行きましょうと言っておるのですけども、これは一般の犯罪者だから仕方がないけれども、売春婦という者について、これはどろぼうと同じように扱わなければならないかどうか、これは私は根本問題であると思っております。だから、子供にその縛られておる母親の姿を見せるなんということは絶対不賛成です。ですから、その点一つもう少し局で考えていただきたい、研究していただきたいと思っております。 それでその先に私は参りますが、この間、予算面の法務省から提出されましたものを見ましたら、職員でございますね、今度の婦人補導院の職員は十人くらい刑務官を横すべりさせるような数が出ておりましたが、あれは私の見そこないかしら、何ですあれは。
○政府委員(渡部善信君) これは予算のやりくりと申しましょうか、技術のことなんでございます。実は補導院の職員を要求いたします際に、そのくらいの職員は現在の矯正職員の中から都合をつけろ、こういう非常にきびしい要求があったのでございますが、これは現在の矯正職員の中からとても出せない、新しいものを作らなければならないからぜひ新規の職員をもらわなければとてもできないということをいろいろ折衝をいたしたわけでございますが、その結果、まあこの職員がついたのでございます。その際にずいぶん追い詰められまして、結局十名は矯正職員の欠員がありますが、どこだって各官庁ともみんな欠員があります。その職員の欠員のあります十名分をこちらの方へ移すということでございます。ですから現実はそのまますべり込むというのでなくて、その今まであります矯正職員の定員のうちから十名が補導院の方にかわってくるわけでございます。ですからこの十名は新しい観点から、補導院の職員として採用できることになるわけでございます。
○宮城タマヨ君 そういう意味ですか、わかりました。 それでどうぞほんとうの腹を打ち明けて言って下さい。その十人にしても、他の職員にしましても女では役に立たぬというお考えがあって、なることなら今までの矯正職員をこちらの方から引っぱってこようというお考えがおありじゃございませんか。その点はっきりお答え願いたい。
○政府委員(渡部善信君) 今仰せになりましたことがちょっと私わかりかねますが、男子を回すというような御意向でお尋ねになったんでしょうか。
○宮城タマヨ君 男でね、なることならその刑務所の職員、少年院の職員、今までなれている者を連れてきた方が仕事がしやすいのでございますから、それでまかなおうという腹があるんじゃないかということです。
○政府委員(渡部善信君) これも宮城委員からおしかりを受けるかもわかりませんが、何でもかんでも全部女子でやらなければならぬということでございますが、私は必ずしもそうでなくていいんじゃないかという立場を私は持っておりますので、一つお考え願いたいと思うのでございます。これは庶務関係のこと、あるいは宮城委員の仰せになりました門番というふうなもの、こういうふうなものの中には、やはり男子の職員もおらなければならない面もあるのじゃなかろうかと思うわけでございます。さような場合にも、私はなるべく新しい職員を充てたいと思っております。そういうふうな刑務所のにおいのする者、ことに宮城委員の仰せのごとく、そういうふうな者はとかくいい者でもさような目で見られるおそれもあるかと思いますので、なるべくさような経歴のない人を持っていきたいと思っております。しかしながら、矯正職員の中には少年院もございます、少年院の職員で適当な者がありましたならば、私は回してもいいんじゃないかと思っております。これは女子の施設があります。現在女子の少年院でも多数の売春経験者が入っておるのでございます。なお、女子の刑務所の中にも売春経歴を持っておる者が相当入っております。これらの売春婦を現在の職員等が一生懸命で矯正の仕事に携わって奔走しておるんでございます。この経験というものは私は尊いものを持っているんじゃないかと思っております。従いまして、それこそさような刑務所臭のない者でありましたならば、ほんとうにこの新しい補導処分を実施して行くだけの手腕と見識と力量とを持っておる者であるならば、私はさような経験を生かす道も考えていいんじゃないかと私は考えております。これは仰せになるまでもなく、十分人物を考査し、適当な者をわれわれは選びたいと思っております。それがありまするならば、なるべく新しい者を持って行きたいと思っておりますが、仰せのごとく、かようなむずかしい仕事は、なかなかただ単なる教育者では私はだめだと思います。従って、ほんとうにさような者の取扱いになれた人でなくちゃ私はとうていこの目的は達し得られないと思います。かような意味合いから特別な研修機関を設けまして、そこで研修をした結果これを充てたいと思っております。さような意味で、従来の矯正職員の者は一人も使わないということは私はここでは申し上げかねます。適当な者があるならば私は使ってもいいんじゃないか、こういうふうに思っております。
○宮城タマヨ君 御説明はよくわかりますけれども、実際今の少年院でも、この刑務所の方から職員をだんだん交流して——交流してそれは相ならぬということの御意見はよく述べるんですが、そうしますと、事実はこれは予算関係で人繰りの関係があろうと思いますが、ずいぶん少年院の警務教官が来ておるんです。その結果はどうですかということを一つ本省で考えていただきたい。今日お気づきになっているんでしょうが、少年院がだんだん刑務所臭を帯びてきておりますよ、これは残念なことです。もっと教育の場所なら教育の場所のような教官の人選をしていただかなければならぬ、そういう意味合いにおいて、私は今度あなたはやわらかい名前がほしいと思ったけれども、仕方がないから補導院にしたということですが、私は中を読んでみますと、このくらいのことをするなら刑務所にいきなりぶち込んだら、そうすればあなた方は気が済むんでしょう、私はほんとうにそう思います、これは残念です。ことに手錠を云々という言葉がありましたが、保護具ですれ、使ってありましたが、これはまさしく手錠のことでございましょう、何ですか、新規なものができましたか。
○政府委員(渡部善信君) これは第十五条でございますが、保護具の規定がございます。これは宮城委員もごらんになったこともおありじゃないかと思いますが、少年院、刑務所等で、これはまあ時期にもよりましようが、非常に神経が高ぶりまして、どうにもこうにも手のつけられないことがあるんでございます、あばれまして。そのときには何ともいたし方がない。自分でこれは自傷行為もいたします、それから他人に対しまして暴行傷害の拳にも出る場合があるのでございます。こういう場合に、一体どうしたらいいかということでございます。そのときに使うのがこの保護具であります。従いまして、この保護具は今製式を作って皮でここへ定着するような方式のものを作っております。そうしませんと、どうにも手がつかないのでございます。そういう場合、やむを得ずこれを使うわけでありましてこれは、本人の身体の保護並びに相手方に対する保護上やむを得ずこれを使う保護具であります。決してさようなものではないのでございます。仰せのごとく、何でもかんでも使うというわけではございませんので、それには、第二項にありますごとく、院長の許可を受けてから使うのだという強い縛りをつけまして、さような乱用のおそれのないように現在手当をいたしたいと思っております。
○宮城タマヨ君 それは、いつも説明はそうですけれども、私は、売春婦を入れましたところに手錠をはめなければならないというのは、男子の職員なんかその辺ちらちらなされば、それは手錠をはめて制止しなければならないことが起ると思いますけれども、こういうことその他、やはりこれは刑務所臭が非常に強いなという感じでございますが、一つこの点は大臣にも特にお願い申しておきます。どうか、新しい法律によって新しく施設を作るというときに、もう外国では長い経験をもって今日に到達しておるのですから、少しそういうことも、なることならだれか外国へでも派遣して下さいまして、この点だけお調べになるなり……私、一昨々年法務省の方からこの調査でヨーロッパなりアメリカを歩いておりますから、大体のことは見ておりますけれども、今度できます立法というのは世界にもない立法なのですから、慎重に一つおやりいただいて、売春婦を第一知っていただいて立法していたたかなければとても……。まだまだ私の質問はたくさんございますけれども、私今日はこれだけにしておきます。
○藤原道子君 私も、大臣にその点でちょっとお伺いしておきたいのですが、こうした立法をいたしますのは、要するに、売春防止法を完全実施して、気の毒な女の子の更生をはかろう、社会道徳を向上させようというねらいだろうと思うのです。この点につきまして大臣がどのようにお考えになっておられるかを伺いたいのは、男は野放しなんですね。大臣は、売春婦は、買う男があるから売春状態が起きるのだというふうにはお考えにならないでしょうか。男は野放しにしておきながら、女だけを手錠をはめるがごとき行為は、私は断じて許せない。それから、この前、少年院法の改正のときに、手錠問題でこの委員会でずいぶん長く論議いたしました。そのときに、何というか、矯正員ですか、教官が、人手がもっとあれば保護具は使わなくても済むというような御意見も出た。予算に縛られてやむを得ず手錠をはめるというようなことは、教育上私は許せないと思います。また、ここに新しくできる、しかも売春婦の保護更生をはかろうとするあたたかい愛情を持って出発するであろうところの法律が、やはり罪人祝してある。大臣はこれをどうお考えになるでしょうか。 もう一つ伺いたいのは、売春審議会で不定期刑のようなもの、先ほど宮城さんの御質問にございましたように、六カ月で私はこれが生活指導、精神の改造などはできないと思います。ですから、もっと長く縛るのが気の毒だというけれども、それは気の毒なのではなくて、もし社会復帰の情が顕著な者には一ヵ月で帰してもよろしい、どうしてもこれはもう少し保護する必要があるというときには、これは、一年でもあるいは一年半でもこれが補導できるような方法の方が私はいいように思うのでございますが、これは、ほんとうにあたたかい愛情で立法されておるのかどうか。また、大臣の売春に対してのお考えの根本的な問題を伺っておきたい。
○国務大臣(唐澤俊樹君) 売春並びに売春防止に関する基本的の考えについてのお尋ねでございますが、ともかく、一応は法律の上では、女子が男子を誘惑して、そうして売春行為があれば犯罪ということに法律のもとではなっております。しかしながら、その中身におきましては、非常に普通の犯罪とその性質を異にしておる、かように考えておりますから、従って先ほど矯正局長からもお答えのありましたように、ほとんど実刑を課するようなことをせずに、補導院で保護更生の教育をしよう、こういう方針でございます。それはつまり、これを犯罪と扱わずに、ほんとうにその人を保護教導して、ほんとうに健全な国民、健全な市民として社会に戻したいという心持から出ておるのでございまするから、刑務所と補導院とは根本的な観念を異にして、そうしてこの立法をし、これから運営をいたして行きたいと考えておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、自由を拘束されることは各人喜ばないことでございますから、どうしても一定の建物の中に収容しておりますれば、自分の意思でよそへのがれて行きたいという心持の起きるのは、これは当然でございますから、刑務所ではございませんけれども、一種の自由を拘束しなければならぬ、こういう仕儀になるわけであります。ただ、でき得るならば、これは懲役その他の自由刑でなくて、本人の教育のために自由を制限しておるのであるからして、でき得る限り、自由の拘束はするけれども、ほとんどそういう感じがなくて何か寄宿舎へでも入っておるような心持で、そうして保護更正の道に進むような心持を誘起したい、こういうような心持をもって立案してきておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、結論において、自由を拘束しておるということは同じでございますから、その点から考えて参りますると、自分を教育してもらうことはありがたいけれども、そんなことは勝手だ、自分が六カ月自由を拘束されるだけの行いがあるならば、それはやったらいいじゃないか、自分を教育をしてもらうためにそれ以上不必要な自由を拘束されることは人権じゅうりんだと、こういうような気分が起きないとも限りませんものですから、自由拘束という点についてはやはり大いに考えなければならない。もっとも、自由拘束につきましては、私は専門家ではございませんけれども、いわゆる広い意味の補導、保安処分というような制度をわが国の刑事政策に取り入れまして、あるいは麻薬常習者であるとか、あるいは泥酔して、あるいは自分のからだまで傷害するおそれのある者、こういうような者に、犯罪ではないけれども、本人のために自由を拘束するというような保安処分を広く取り入れるというような、刑事政策上、画期的なことをいたすような場合ならば、今のお説のようなことも理由に考えられると思うのでありますけれども、ともかく保安処分につきましては、刑法改正の中の最も大きな問題として今研究しておりますから、そこまでは参れません。でありますから、この制度におきましても、一種の保安処分として、刑罰にかえてでなく、刑の言い渡しは受けるが、同時に、この保安処分の言い渡しをする、こういうような暫定的な規定で参っておるようなわけでございまして、精神は、どこまでも本人の保護更生ということにあって、刑罰を執行するという心持ではないのでございますけれども、しかし、そのために、自由を拘束することだけは確かでありますから、その点だけはまた本人の気持にそぐわない点もございまするから、自由の拘束という点についてはもう少しく慎重に考えなければならない、かような観点から、かような立法ができたわけでございます。例の保護具のことも、なるほどほんとうに理想的に申しますれば、金にあかせてほんとうに至れり尽せりの設備もし、十分なる人員でこれを保護教育をしますれば、なるほどそういうふうなこともないでございましょう。しかしながら、そういうようなことは今日の国家財政では、われわれは理想的に望ましいことではありますけれども、なかなか許されませんものですから、そこである程度の自由を拘束するような、こういう器具も使わなければならない。しかしながら、刑務所において使う手錠とは心持が第一違うのだから、保護具というような、名前から変えて、そうしてその心持でこれを使用していく。従って、これはもういよいよという場合でなければ、なるべく使わないようにしよう、こういうような心持で規定をいたしておるような次第でございまして、根本の考えは、どこまでも保護矯正ということにあるのでございます。
○藤原道子君 私納得いかないのですよ。それならば、十条のうたい文句はやめてもらいたい。私はこの十条を見ますと、「在院者が善行をし、その補導の成績を著しく向上し、又は一定の技能を修得した場合には」云々とあるのですね。六ヵ月でできるでしょうか。あるいはまた、自由を求めるのはだれしも自由を求める。よけいなことを、うっちゃってくれと言うならば収容なんか要らないでしょう、本人の自由をあくまでも尊重するならば。しかし、私たちがこうした立法に参画しておる気持は、あくまでも愛情をもってその女の子が社会にりっぱに更生できるような道を考えてやるということになれば、中途半端な問題では国費の乱費になりますよ。私はそう思う。従って、より効果の上る方法を考えてもらいたい。こういう文句でできますか、半年で……。ふしだらな生活をしていた者でございますから、それは非常に不自由さを感じると思います。けれども、将来りっぱに社会人として、母として更生しようとすならば、そうさせようとするならば、愛情の保護ということが、私が今の大臣の言葉とは違うとこういうふうに思う。それから宮城さんのお話もございましたように、婦人でございますから、凶暴になるといっても若干の期間、一ヵ月の中の、まあ精神的な問題もございましょうけれども、そういうときに、宮城さんの言葉通りに、男がちらちらしなくて、もしあばれるようならば、別途の部屋へ入れて保護したらいいと思う。私は保護具を使うということは絶対に承認できない気持です。大臣はどうお考えになりますか。 それから先ほどの大臣の答弁洩れでございますが、大臣は男を誘惑して云々ということで、あくまでも売春婦だけに責任を転嫁していらっしゃる。私は男の方が悪いと思う。酒さえ飲めば男は女なしにいられない、こういう気持から発しているのですよ。従いまして、男はどんなことをしようとも野放しである。女だけが一方的だ。あくまで両罰主義でなければこの問題の解決はつかない。ところが、男は野放しで女にのみ、まあ子供があっても収容する、手錠をはめる、こういう気持はやはり男の大臣じゃ私困るような気がするのですが、その点はっきりお答えを願いたい。
○国務大臣(唐澤俊樹君) この六ヵ月の期間で足りるかどうかという問題でございますが、これは仰せの通り、六ヵ月ではとうてい心持が直らないじゃないか、更生しないじゃないか、こういう御心配、これはごもっともと思います。これはその人々の今までの経歴とか、その道へ入ってからの年限とか、性質はもとよりのこと、人々によっていろいろ違いましょう、違いましょうけれども、それは六ヵ月より一年、一年より二年の方がけっこうなことは当然だと思います。また、国としては親切心があればそこまでやっていかなければならないと思います。しかし、極端なことを申せば、一年半置こうが、二年置こうが、三年置こうが、これは性癖が直らない人もござ、いましょう。あるいは六ヵ月未満によっても導きようのいかんによっては私はりっぱな国民として院を出ていく人もあろうかと考えております。ことに技術の点など、六ヵ月の間に職につけるようなあるりっぱな仕事を選んだり、それから出てきてからの職業なんかの連絡をつけてやるということによりまして、相当更生する婦女子もあると思います。つまり、これは婦女子の性質から出ておるという部分もございますけれども、多くは経済的の原因から出ておるということでございますれば、ここにりっぱな生活の道が立ちますれば、おのずからその方へ立ち直るという者もあります。でありますから、根本論としましては、六ヵ月は短かいという御議論もこれは立つと思います。あるいはこれを一年にした方がいい、一年にしてみても一年でもいけないじゃないか、一年半にしなければという……これはほど合いの問題でございます。私どもは六ヵ月で決して満足しておるわけではございません。これは先ほども申し上げました通り、やはり自由拘束という点がございますから、この制度でもって自由をそう長く拘束するということもいかがであるかという考えからこの程度ということでとどめたのでございまして、これについては御議論もありましょう、あるいは御賛成願えないかもしれませんが、私どもの考え方としては、まず六ヵ月ぐらいがほど合いであろう、かように考えておる次第でございます。意見のほどはよくわかりました。 それからして、この売春についての男女の責任論でございますが、これはまあこれを論じたら尽きないところがあると思います。しかし、法の表におきましては、この婦女子の方だけが処罰の対象になっておる、これがいかにも不公平のようになっておりますけれども、つまり売春ということで金銭を取って、そしてそういう行為をするという点に重きをおいてやっておるわけでございましょう。金銭を払って同じ行為をする者も処罰せよと、これも一つの議論になるかと思いますが、まあとにかく新しくできた法律が、この売春の婦女の方を罰するようになっておりまするから、この法律案はそのスタートの基礎の上に立ちましてそして規定をいたしておるのでございます。どちらの責任が重いか、あるいは男の方が悪いじゃないか、こういう議論も立つかと思いますが、これは根本論で、議論が非常にむずかしくなりまするから、この際は御遠慮を申し上げまして、とにかくこの法第五条を基礎としてこの制度を作った、これを御了承を願いたいと思います。
○政府委員(渡部善信君) 保護具の点でちょっと私申し上げます。仰せのごとく、謹慎室の中に入れておけばいいじゃないかという仰せでございます。まあそれで事足りる場合はそれでいいと思います。ところが自傷行為をする場合がございまして、自殺、自傷行為、これはヒステリーの高じた場合に手のつけられない場合があるのでございます。これはただ本人を謹慎室へ入れただけではとうていこれを防止することができないわけでございます。そのときに最も効果的なようにここへ手をおきまして、これで自殺、自傷行為のできないように措置をとるわけでございまして、決して本人を苦しめるためとかあるいははずかしめを受けさせるとかいうような趣旨は毛頭ない。ほんとうに本人の保護のためのやむを得ざる措置としてこれは保護具の制度を設けたわけでございます。決して本人を痛めつけるとかいうような趣旨がこの保護具には全然ないことを特に申し上げて、御了承を得たいと思う次第でございます。
○説明員(横井大三君) ちょっと今の大臣のお答えを補足して申し上げます。あるいは私が理解が間違っておったかもしれませんが、男女の問題でございますけれども、売春行為それ自体につきましては、御案内の通り、売春防止法は処罰いたしておりません。売る方も買う方も処罰いたしておりません。処罰する方は五条違反でございまして、五条違反の中で男子も女子も罰せられるわけでございまして女子だけが補導処分ということになりますが、男子の方は普通の刑罰、従いまして、悪質な者はどんどん刑は課せられる。しかし、婦人の方は、これは先ほども申し上げましたように、できるだけ保護更生をしていただきたいということで、補導院に入ってもらうということでございますので、あるいはその点、私が大臣の御答弁を誤解しておったかもしれませんが、そういう趣旨でございます。
○藤原道子君 私、売春問題はこの委員会でもずいぶん長くやっておりますし、売春対策審議会の委員もやっておりますので、この第五条の罰がどう、売春防止法で男を罰していないくらいなことは知っているのですけれども、大臣の社会道徳に対してのお考えを私は伺いたい。先ほどの問題は、私がこれをくどく申し上げますのは、中南米、北米を回ってみて一番恥かしく思いましたのは、日本の男の性道徳があまりにも低い、女に対する考え方が、酒さえ飲めば女にふざける、少し芸者をあげて遊んでいるだけならばいいけれども、すぐ一線を越えてしまう、こういう習慣が日本に許されているものでございますから、外国に行ってその通りをやって非常なはずかしめを受けてきたのです。従って、こうした画期的な法律ができました以上は、ほんとうにおとながお互いに、その掌に当る者がさらに一そうきびしい考えを持っていただかなければ、女が男を誘惑したから云々というようなことでは、私はこの法律の目的は達せられないと思う。日本の国辱なんですよ、酔っぱらいが多いということと、女に対する道徳観念が低いということは、これは世界中の非難の的になっている。こういう点から、私は、売春に対して男の責任をどうお考えになるかということをお伺いしたようなわけでございます。 それから保護具の問題でございますが、あなたのお説を聞いておればごもっとものようにも聞えるのですけれども、私たちが安心ができないのは、警察予備隊は軍隊ではございません、これで出発して、今日二十四万の明らかな軍隊ができている。少年院の場合にも、初めは非常にあたたかかったけれども、いつの間にか刑罰的な問題に内容が変ってきております。私も、昔の少年院と今の少年院が断じて同じですとはあなた方も言い切れないだろうと思う。それからあなた方のお考えが、あなたが全部やって下さるなら私はまかしてもいい。ところが、警察において拷問はございませんと言うけれども、下部へいきますとまだまだ拷問が残っている。ことに静岡県に起っているような問題もあるわけです。大きな黒星が次々と上っていることを考えるときに、私はあなたのお言葉をお言葉通りに受け取ることが心配なんです。従って、もしそれを、あなたがそういうふうにおっしゃるならば、あくまでも責任を持ってこれは指導してもらわなければ、国民全体が不安を持っております。そうしてまた、売春婦に対しても非常な不安を与えるということが、教育上効果があるかどうかということをお考え願いたいと思います。 それから大臣に、先ほどの御答弁ではございましたが、私は二年にしろ、三年にしろなんて言っていない、あるいは二カ月でも目的を達するかもわからない、その女によっては……。だから従いまして、せめて二年なら二年くらいの不定期刑というくらいのことは考えられないものだろうか、それは一生指導してもだめなのは、大てい精神薄弱です。従って、この次には、私は厚生省を呼んで、この精薄に対する考えを聞きたいと思う。私がこちらに出席する時間がおくれましたのは、きょうも東京都の婦人相談所へ行ってきた、今の予算が足りないから、業者がまだまだ巻き上げて、はだかはだしで出てくるのが多いので、手ぬぐいにも因る、石けんにも困る、こういう状態をあなた方知っていらっしゃるのでしょうか。見るに見かねて私たちは各婦人団体へ呼びかけて、きょうは婦人相談所へ私たち山になるほどいろんな物資を集めて持っていったのです。そうしてその所長のいろんな苦衷も聞いて参りました。そういう点であらゆる面に心を配っていただかなければならぬ。私は、法律が当然やることでも、法が間に合わなければ、民間婦人団体に呼びかけて、足らざる面を補うくらいな熱意を持ってやっております。従って、言いのがれでなく、ほんとうにどうしたらいいかということのお覚悟を私どもは聞きたい、こういうふうに考えております。従って、私は、いじめるために長くしろというのでは絶対にないのです。法の精神を生かすのは、熱情の問題です。愛情の問題です。従って、その愛情が曲げてとられるような法律にはしてもらいたくない、こういうふうに考えておる。それは私の意見といたしまして強く申し上げておいて、まだだんだんと御質問をしなければなりませんが、この際一つお伺いしたいのは、きょう一番悩みとして訴えられましたことは、売春婦の前借金の問題です。これに対して、前借は大体棒引きにされるのに、長くなったものですからどんどん業者がはだかにしてしまうのです。前借の身がわりに、着物も取り上げ、たんすも取り上げ、ラジオも取り上げ、そうして前借に埋めているような状態なんです。’それでもさらに埋め尽せないのは、外部の借金なんです。着物を買った、おしろいを買ったというような外部借金で、せっかく女が更生しようとしている勤め先へまで業者が押しかけていく、こういう状態で非常に相談所では困っておりましたが、私がこの際お伺いしたいのは、私の見解は間違っているかわかりませんが、外部の借金も一つの前借のような形だと私は思うのです。それは、見も知らない女に借金をさせる業者はいないのです。私が知らないところへ行ったら、手ぬぐい一つだって借金じゃ売ってくれない。業者というものがあって、そこにいる女として、商人は売っていると思う。そこには二重搾取があるのです。たんすが一万円のものなら、一万五千円くらいで女に売って、五千円くらいを業者がくすねておる。洗たく屋ともタイ・アップして、洗たく代も水増ししておる。あらゆる面で業者は搾取してきておるのです。従って、外部借金に対して、あなた方はどういうふうにお考えになっているでしょうか。これに対して何らか一つ、ちゃんとした答えが出していただけると、女が更生する上において非常に助かるのですけれども、その御見解をちょっと伺わせてほしい。
○国務大臣(唐澤俊樹君) この問題は、いずれ局長からもまた申し上げたいと思いますが、省内でもこの問題について、どうしたらよかろうかという話し合いをしたことがございます。これは前借金のようにからだを買ったという金ではなくて、まあとにかく一応何か、反物なり、そのような品物の代価としての借金になっておりますから、前借金と同様には扱えないと思いますけれども、おそらくはそういう方の知識のあまりない女子をつかまえて、そうして法外な値段で売りつけ、また、買いたくもないものまで無理に勧誘して売りつけたり、あるいは主人がまたそれに加勢をして、そうしてますます抜き差しのならないような借金を作らせる意味で物を買わしておるというような、いろいろ道徳的に見たらば非難すべき事項もあろうかと思います。ただこれを法律に照らして、いわゆる契約無効といいますか、俸引きにできるような何か根拠がないだろうかと——非常な暴利をむさぼっておりますれば、これは処置の道もあろうが、外部の借金をきれいにしてやるために、何か適当な方法がないだろうかというこのことも、実は研究をいたしておったような次第でございます。なお、局長からも御説明申し上げたいと思います。
○政府委員(渡部善信君) 私も、実はこれは民事上の問題になっていくと存ずるわけでございますが、十二分に具体的なそれぞれのケースによりまして、判断を下していかなければならないと思いますので、抽象的な、概括的なお答えはちょっといたしかねると思いますが、その事情を十二分に一つ聴取いたしまして、具体的な事件々々の処理ということにやっていくよりほかに道はないのではないかと思います。いろいろ今、大臣の仰せのごとく、暴利の問題とかいうふうなこともありましょうが、今の棒引きということになりますと、民事上の問題がからんで参りますし、早い話が、売春婦が、三越から品物を買った場合なら、これはちょっと棒引きというわけにもいきかねると思うのであります。まあそういうふうな状況も、極端な例を申しますとそういうことにもなりましょうし、まあいろいろなケース、ケースによってどの程度にまで参っておるか、これは具体的な事案々々によって決すべき問題であろうかと存じます。これは民事上のむずかしい問題がからんでいると思いまするので、よく研究したいと思っております。
○藤原道子君 どうもまだ……。これは審議が続くわけでありまするから、私の質問はさらに後に延ばしますが、ただ、今のお言葉に対して納得がいかない。三越あたりは、ただ借金で送りませんよ。売春婦には、業者と結託したいわゆる商人があるのですよ。それで、一つの物を買っても、値段の五割かけたり八割かけたりして業者が搾取している。そういうのが多いのです。だから、どういう問題かの御調査くらいは一つしてほしいのです。ほんとうに売春婦に愛情があったら、社会を浄化しようとお考えになるならば、その点も少し御考慮を願いたいと思う。私は、さらに売春婦の更生をはばんでおるひもつきの問題、せっかく更生した者が、ひもつきによってまたぐれ出さざるを得ないというようないろんな問題もありまするので、この問題は、お互いに協力して、もっといい法律にしたいと思いますが、きょうのところは、私は質問はこの程度にしたいと思います。
○委員長(青山正一君) 渡部矯正局長に申し上げますが、ただいまの藤原さんのおっしゃったことは、これはほんとうなんです。だから、業者間とそういうふうな商人との結託も相当ありそうですから、その点一つ十分に調査していただきたいと思います。
○政府委員(渡部善信君) 民事上の問題は私の専門外でございますので、その点をよく研究さしていただきまして具体的な処理の方へ持っていきたいと思います。
○大川光三君 私は、主としてこの法案の条文解釈上の疑義のある点についてお伺いいたしたいのであります。先ほどの御説明によりますと、補導処分の期間を六ヵ月にしたのは、主として第五条の罪の刑との関係から六ヵ月にした、こういうように伺ったのであります。私も、さもあるべしと考えるのでありまするが、そこで、もし判決の上で六ヵ月以内の短期刑を言い渡された、たとえば二月とか三月の懲役刑を言い渡してそうして執行猶予にされたという場合に、なおかつ、補導処分としてはその期間は六ヵ月入れるというところに、一つの大きな矛盾がなかろうかと思うのでありまするが、その点いかがでありましょうか。
○説明員(横井大三君) 確かに、ただいま御質問の中にありました例は、刑罰の方が二ヵ月で執行猶予がたとえば三年といたしまして、補導処分に付するといたしますと、自動的に六ヵ月の補導処分ということになろうかと思います。実刑が二ヵ月であるにもかかわらず、補導処分として六ヵ月入るのはおかしいじゃないかと——確かにその通りでございます。しかし、この矛盾は、実は刑と保安処分との考えをどういうふうに考えるかということから参りまする問題でございまして、たとえば刑法仮案におきましても、二年、三年の保安処分と、一方、刑はそれほどでもない……、さらに進みますと、少年法の場合のごときは、虞犯少年について、保護処分として一年なり二年なり入る場合がございます。これは、保安処分というものの性質を考えまして、これは教育であるというふうに考えます。一方、刑の方は、過去の責任に対する道義的な非難であるというふうに考えますと、なるほど期間は、一方は二ヵ月で一方は六ヵ月、おかしいということも言えるのでございまするが、そこのところは、本来の性質を考えていきますと、二ヵ月というのは過去の五条違反の行為に対する一種の道義的な非難である。しかし、実際、その非難を現実に行うのではなく、その部分は執行猶予をいたしまして、そうしてその本人の生活環境に照らしまして、これから六ヵ月以内において生活の指導をしてやろう、こういうふうに見て参りますと、一応の説明はつくのではないか。こういうふうに考える次第でございます。
○大川光三君 先ほど、補導期間の六ヵ月が短かいという点に対する御議論があったようでありますが、私はこの法文全体の解釈として、必ずしも短かいとは考えないのであります。と申しまするのは、果して補導処分に付するやいなやは、裁判所自身が更生の見込みがあるというその前提に立って補導処分に付するのでありまするから、もし六ヵ月以内に更生の見込みない者に対しては、判決自身が補導処分に付することはできない、かかって裁判所の認定によってなされることでございまするから、私は六カ月は必ずしも短かいとは考えないのです。そこで裁判所が、かりにこの被告人は二ヵ月以内に更生の見込があるという判定をした場合に、なおかつ、その裁判所は、補導処分期間を二ヵ月とか三ヵ月とかに限定する権限があるかないか、言いかえますと、この条文全体からいいますと、仮退院の問題がございますが、裁判所と更生委員会ですか、との間にそういう連絡をとって、この被告人は、二ヵ月間で更生する見込みがあるという裁判所の意見を現実に現わすような方法はなかろうかという点であります。
○説明員(横井大三君) 確かに六ヵ月という期間につきましては、その間に行われます補導処分というものの性質からいいましてこれでは短か過ぎるという意見と、それから決してこれでは短か過ぎない。今おっしゃいましたように、二カ月でも矯正できるという場合もあるのじゃないか。こういう御意見もあろうかと思います。しかし、この保安処分それ自体について、刑との関係でいろいろ学説がありますに応じまして、この保安処分の期間についても長い短かいの意見が出て参ります。われわれの、従来のいろいろな経験からいいまして、保護更生のための教育と申しますか、補導と申しますか、そういうものについて二ヵ月で普通の場合に可能であるということは考えられないのでございます。で、一方、五条違反の刑は、御案内の通り、六ヵ月でございますので、両方の考えを歩み寄らして六ヵ月といたしまするとともに、裁判がありましたあとで、現実にこの補導処分を執行いたします期間のいろいろのその後の状況を材料にいたしまして、そうして更生委員会の方におきまして、かりに二カ月で十分である、これは直ちに仮退院を許すことによりまして、ほぼただいまおっしゃいました目的は達し得るといろふうに考えております。普通、たとえば仮出獄などにつきましては、刑期の三分の一たたなければいかぬとかいうことがございますけれども、これについてはそういう限定はございませんので、入りまして、十日たち、二十日たって、これはもう大丈夫だということになりますれば、これは仮退院を許すという道も開かれておりますので、割合運用の妙味は発揮できると存じまして、こういう案にいたした次第でございます。
○最高裁判所長官代理者(江里口清雄君) 裁判所におきまして、これは二ヵ月で直るというような者がかりにございました場合、現在のところ、その意思表示をする方法はないのでございます。それから保護観察あるいは補導処分の期間について、仮退院するというようなことについて、何ら裁判所から意見を述べる機会はないので、その点についてやはり私たちは連絡があって、裁判所の意向がある程度反映されるようにすることが大切だというふうに考えております。
○大川光三君 今の御答弁ちょっとわかりにくかったのですが、私の先ほど申したのは、いやしくも裁判所が二ヵ月すれば保護更生の実を上げられるという見込みのある場合に、一方の保護更生委員会との間に何らかの連絡があって、また、あるいは裁判所は補導処分に付するという言い渡しのほかに、特に意見として、これは二ヵ月以内でいいとか、三ヵ月以内でいいとかいう意見はつけられないのでしょうか。言い渡し外の方法で、そういう道はないのでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(江里口清雄君) 裁判所が意見をつけるという法律上の道はございませんが、それは事実上の方法では保護更生委員会あるいは補導院に連絡して意思を述べるという道はあると思いますが、法律上認められた、あるいは法律上裁判所の意向が重んぜられるというような道はついておりません。
○大川光三君 次に、収容状発付の要件について伺いたいと思います。先ほどもこの点について、保護の問題に関連して、いかにも実質的には刑罰を課するような感じがするという意見があったのでありますが、そこで、この収容状といったものの発行の要件について多少の疑義が生じてくるのであります。と申しますのは、法第二十二条によりますと、収容のため必要があるときにこの収容状が出せる、そこで「収容のため必要がある」ということだけでは、収容状を発行する一つの基準がないという感じがするのであります。さらに敷衍いたしますると、この二十二条の規定は、収容のための必要と解釈するのか、あるいは収容の必要があるときと同義に解するのか、どうもその「収容のため必要があるとき」というこの言葉自身が非常な疑義を私は持っておると思うのであります。詳しくさらに例をあげて申しますと、たとえば収監状の場合には、刑事訴訟法の四百八十五条に特に「死刑、懲役、禁錮又は拘留の言渡を受けた者が逃亡したとき、又は逃亡する虞があるときは、検察官は、直ちに収監状を発し、」云々とある。収監状を発する基準を法文の上に上げております。また、少年法の第二十六条の三項におきましても「家庭裁判所は、正当の理由がなく前項の呼出に応じない者に対して、同行状を発することができる。」という明文を置いておりまして、いわば収監状の場合も同行状の場合も、これを発しますについての明確なる基準を示しておるのでありますが、本法案のいわゆる収容状には、ただ「収容のため必要があるとき」こう規定をしただけであって、いかなる基準によってこれを判断するかということについての疑問がございますので、お伺いする次第であります。
○説明員(横井大三君) 御指摘のように、売春対策審議会の答申等につきましては、逃亡したとき、または逃亡のおそれがあるというような言葉が書いてございますし、さらに刑事訴訟法の今の御指摘の条文の収監状の発行の要件としては、逃亡したとき、または逃亡するおそれのあるときというふうになっております。確かに普通の場合、収容状を発しますのは、判決が確定しまして、執行のために呼び出しても出て参らない、しかし、収容しなければならないという場合に収容状を発しますので、任意に出て参る、この場合には、そのまま検察官の執行指揮書がありますと、補導院の方では直ちに収容いたしまして、そこで補導処分に付する、ということになろうかと思います。しかしながら、刑事訟訴法の規定は、逃亡したとき、または逃亡するおそれのあるときというふうになっておりますけれども、実は逃亡するおそれはない、しかし、呼び出しに応じて出てこないというものも考えられるのでありまして、この条文の自体についてある程度考えてみなければならないわけでありますが、この案を作りますときには、一体そういう場合はどうするかという問題もございましたので、そういう意味で「収容のため必要があるとき」つまり収容のためには、収容状を発しなければ、現実に補導員のほうへ出てきてくれないのだという場合に、これを使うという意味で、こういう規定にいたしたわけでございまして、御了解いただきたいと存じます。
○大川光三君 いま一点、これは小さい問題でありますけれども、重要であると存じますので伺います。それはその前提において、今度の改正案が補導処分という一つの新しい保安処分の例を開いたと私は考えるのでありますが、そこで一体補導処分は、少年の場合の保護処分とはどう違うかという問題であります。まずこの原則を伺いたい。補導処分と保護処分との差異。
○説明員(横井大三君) 先ほども多少触れたかと思いますが、保護処分とおっしゃるのは、少年法の保護処分であると存じます。そういたしますと、保安処分という広い意味におきまして、刑と違うという意味におきまして同じになるわけでございます。補導処分も保護処分も刑と違うのであるという点におきましては、同じであるわけであります。しかしながら、保護処分の方は、少年に言い渡しまして、しかも相当期間入れておきまして教育する。それは対象が少年でありますから、それにふさわしいようなやり方で、ふさわしいような手続で行うことになっておりますが、こちらの方の補導処分は、本質的には保護処分でありまして、少年の保護処分と変らないのでございます。ただ対象が成人であり、売春婦であるというところから、こまかい差異がございます。しかし、保護処分と補導処分とを並べまして、刑に対応しておきますというと同じである。しかし、同じ保護処分の中にもおのずからそれぞれの場合に応じて違いがございます。それと同じように、この間にも違いが設けてあるということになるわけでございます。ですからたとえば、刑法の中にも保安処分というのがございますが、その中に労作処分もあれば、矯正処分もあれば、医療処分もあるというようなふうに、おのずからそれぞれ対応して違っておるという意味で、この二つの間にも御案内通り、法案の上におきましても違っておるということになっております。そういう点においては違いがある。
○大川光三君 そこで、今の御答弁を簡単に要約いたしますと、保護処分も補導処分も相異なる保安処分である。いわば保安処分の分類として補導処分と保護処分とあるんだ、こう解釈してよろしいでしょうか。
○説明員(横井大三君) その通りでございます。
○大川光三君 そこで、精神衛生法という法律がございますが、その精神衛生法第五十条第一項の中に規定されておる刑または保護処分というのがあるんであります。五十条の第一項は、すなわち「この章の規定は、刑又は保護処分の執行のため精神障害者又はその疑のある者を矯正施設に収容することを妨げるものではない。」こうなっております。そこで、もし保護処分と補導処分とが相異なる保安処分であるならば、この精神衛生法の第五十条に補導処分という文字を追加する必要がなかろうかと、かように考えます。
○説明員(横井大三君) 婦人補導院法案の付則の第四項におきまして、精神衛生法の一部として二十六条の中に「少年鑑別所」とありまする下に「婦人補導院」と入れてございます。そういたしますることによりまして、この五十条の方の刑と保護処分というふうに分けました場合には、この保護処分の中には、ただいま申し上げました補導処分も入るという解釈が当然出てくる、そういうふうに考えるのが、この法律の建前としてもよろしい。それはたとえばその前に「刑又は保護処分」とあります刑の中には、未決拘禁も入るという解釈になっておりまして、従いまして、保護処分の中に補導処分を入れるその手がかりとして、ただいま二十六条の改正によって疑いなくそういう解釈がとれるというふうに考えておりますので、五十条自体の改正はいたしませんで、お尋ねのようなことは必要がないというふうに考えております。
○大川光三君 今お説の二十六条と申しますのは、婦人補導院法案ですか、大体御説明わかりましたが、しかし、二十六条だけでなしに、五十条にやはり保護処分のほかに補導処分が新たにできた、補導処分という言葉を入れるのが私は正しいのではないかという感じがするのです。もちろんこれが保安処分という言葉があれば、保安処分の中に今度あらたまって補導処分というものが一つふえたのですからよろしいですが、いやしくも補導処分がない時代にできた法律で、保護処分という言葉を使う以上は、これに相対して保護処分という文字を追加するのが精神衛生法全体をやはり完全にするのではなかろうか、かように考えるのですが、いかがでしょうか。
○説明員(横井大三君) 確かに御説ごもっともでございます。ただ五十条という規定は現在でも少し不備なんでございまして、刑という中に未決拘禁も含めると解釈しておるという状況でございますので、かりにこの保護処分の方をきちっといたしますと、刑の方はなぜきちっとしないか、そういう従来解釈でまかなっております部分が若干問題になりますので、この趣旨として、二十六条の改正によりまして大体解釈できるということでこの条文は実はそのままにしたといういきさつでございます。
○一松定吉君 きょう私は継続して質問する考えはありませんが、この次の機会に詳細に質問したいので、その前提として一応皆さんの御検討を願っておいて、材料をこしらえておいていただきたいために申し上げておきたいのですが、私はこの補導処分ということには反対なんです。それは私も審議会の委員のときからそういうことは反対だったのです。刑の執行猶予をしてそれで保護観察するということをすればそれで十分なんです。それに補導処分ということをやって、そしてこれを補導院に収容し、そして自由を拘束する、そして今の宮城さんや藤原さんの質問されたように、自殺のおそれのある者、あるいは他人に暴行を加えるようなおそれのある者はこれに保護具をもってそして自由を拘束する、あるいはいわゆる令状を出してこれを一定の場所に収容して自由を拘束する等というようなことは、全く監獄と同じです。ほんとうにこういうようなことをするということは、これらの売春婦をして改過遷善せしむるためではない、国家がそういうふうな恩恵をもって改過遷善せしむるようなその手段方法が、刑務所に収容して自由を拘束すると同じようなことをすることが、これはこれらの人の改過遷善の実をあげるゆえんではありません。これはやはりだから、保護観察に付するということの方が適当であって、こういう補導処分なんというものを用いなくても、この刑法の二十五条によって執行猶予の言い渡しをしたものについては保護観察に付することができるという規定がある。しかしてその保護観察はいわゆる昭和二十九年四月一日法律第五十八号によって執行猶予者保護観察法というものに詳細に規定されておる。この中の規定を見ると「公共の衛生福祉その他の施設にあっ旋する等の方法によって本人が就職し、又は必要な職業の補導、医療、宿所等を得ることを援助し、本人の環境を調整し、その他本人が更生するために必要な助言、連絡その他の措置をとるものとする。」、こういうようなことをしていわゆる補導援護を行わなければならないということが保護観察法の規定の中にある。のみならず、これらの処置によって必要な援護が得られないようなときには、「本人の更生が妨げられるおそれがある場合には、本人に対し、帰住旅費、衣類、食事等を給与し、医療又は宿泊所を供与し、その他更生のために必要な援護を行うことができる。」これがいわゆる執行猶予の言い渡しを受けた者に対する保護観察の方法なのです。そればかりじゃありません。第七条には、「指導監督を行うにあたっては、本人の更生の意欲を助長することに努めるとともに、本人が遵守しなければならない事項の範囲内で、その性格、環境、犯罪の動機及び原因等から見て違反のおそれが多いと思われる具体的事項を見出してこれを本人に自覚させた上、その遵守について適切な指示を与える等、本人をして遵守事項を遵守させるために必要な措置をとるものとする。」こういうような保護観察の方法が規定されておれば、これ以上に補導院というものを設けて、そこに入れて自由を拘束して、そうして今のような場合に、あるいは婦人ですから月経時とかいうような場合には神経の高進があるでしょうから、そういう意味で自殺をしたり、人に暴行をしたりするようなことがある。そうすると、そこですぐに藤原さんや宮城さんの言われたように保護具というものに入れて、そうして腰からこうして自由を拘束して一定の室に置くというようなことは、これは一つの刑罰です。そういうことをするよりも、情状酌量すべき必要があるということで刑の執行猶予を言い渡せば、刑法二十五条の規定によって保護観察に付すればいい。保護観察に付すれば、彼はある場所に自由に居住をして、そうして自由に行動をして再び自分が執行猶予を取り消されないような行動をするとか、あるいは本人が改悛の情がないということで、この保護観察に付させた人から見て必要がある時分には、本人を呼びつけて、お前のやり方はいかんからこうせねばならぬぞということを、注意を与えてやれば、自然その人の売淫行為というものは是正されることになるのですから、私は初めから補導院を設けてやるということには絶対に反対で、これが法案として提案されれば私は反対するぞということを、藤原さんも御承知ですが、この審議会の席上でも明言している。だから私はこの法案にいわゆる補導院というものを設けるということには反対であるが、しかしながら、保護観察だけではいけないのだ、補導院を設けなければならぬという理由をこの次の機会に皆様方に一つ詳細に意見を述べていただいて、私はあなた方と意見を交換をしてみて、その上でこれを一つ修正するとか、これを認めるとかいうことを意思決定をしたいと思います。私はおそらくこの法務委員の中で、保護観察では不十分だからこの補導院を設けて、今のような自由を拘束して一定の場所に六ヵ月入れて云々というようなことには賛成するものはないのではないかと思う。ことに今大川君も言われましたように、執行猶予の言い渡しをして、そうしてこれが非常に改過遷善の実があれば執行猶予の言い渡しをして保護観察に付しても、一年の保護観察に付しても、これも非常に改過遷善の実があると言って、三ヵ月で仮執行ができて保護観察を解くことができるということが保護観察の規定の第八条の中にも規定がある。そうすると、改悛の情が顕著であれば三ヵ月でも保護観察が解かれてしまうのですから自由な行動ができる。しかるに、この補導院に入れられると六ヵ月も入れられておる。しかし、改過遷善の実がある、これなら間違いないということであれば出されるという規定はありますけれども、そうして一定の場所に収容して自由を拘束するということは私は刑務所と同じだ。ただ名前が補導院ということに変るだけでありまして、それは全く事実は刑務所と同じだ、こういうふうに私は見るのであります。ことにこれが今お話のありましたように令状を出して、そうして検事がその令状を執行して、そうしてやるなんていうことは、全くこれはあなた刑務所に入れられておる人に対する処遇と同じですから、これでは改過遷善の実は上りませんよ。ですから、この提案者でありまする法務省関係並びに警察関係の方が十分に一つ検討してみて、保護観察ではいけないのだ、補導院を設けてやらなければならぬということの利害関係をこの次にお互いに研究してみて、そうしてこの法案を審議するということを特にお願いしておきますから、きょうはこの程度に私の質問はとどめておきます。
○委員長(青山正一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(青山正一君) 速記を始めて。 本件の質疑は、この程度にとどめます。 —————————————
○委員長(青山正一君) 宮城さんから、少年院脱走の問題について御質問したいとのことでありますが、質問を許します。
○宮城タマヨ君 二日ほど前に、東京医療少年院を十人の少年が脱走したということを新聞で見ましたが、その後どうなりましたでしょうか、ちょっと経過を簡単にお教え下さい。
○政府委員(渡部善信君) ただいま宮城委員から仰せのごとく、東京医療少年院から、二月の十九日の夜中の零時ごろでございますが、少年が九名脱走いたしたのでございます。この概況を申し上げますと、この少年たちは東京医療少年院の第一寮——第一寮、第二寮とありますが、一寮の第四室におった少年たちでございます。この少年たちが、自分たちがたばこの違反をやったのがどうも教官に知れる。教官に知れると、自分らの仮退院の時期がおそくなってくるというようなことを非常におそれまして、そのくらいならば今のうちに逃げてしまおうというような相談をいたしまして、ちょうどこの日少年院の第四寮の本川という少年が室長をしておったのでありますが、これが当時宿直いたしておりました教官、坂川武男という教官でございましたが、これのところへ参りまして、石塚という少年でございますが、盲腸炎をしたきずあとが痛んでおるから見てくれというようなことを申しましたので、この坂川教官がその室へ見舞に行ったのであります。そうしましたら、その際に、そこの少年たちが教官を袋だたきにしまして、そうしてかぎを取り上げて逃走いたした事件があったわけでございます。この教官は、直ちに同僚の仮眠しておりました教官を呼び起しまして、そうして非常招集をいたして、手当をいたしたわけでございますが、この九人の少年のうち、現在八名は帰っております。うち四名は自分で帰ってきたのでございますが、あとの四名はよその家の縁の下かどこかに寝ているところをつかまりまして、帰ってきたのですが、一人だけがまだつかまっておりませんです。まだ、私こちらへけさから参っておりますので、状況を聞いておりませんが、これが帰って参りましたかどうか、ちょっとその辺はっきりいたしておりません。ほかの少年たちは帰ってきたような状況でございます。もちろんこの事件を、かようなことを起しましたことにつきましては、まことに申しわけないと存じておるわけでございます。
○宮城タマヨ君 よくわかりましたが、今、まことに申しわけないとおっしゃるけれども、私その反対を思っております。ことに東京医療は非常に低能が多うございます。それで低能が、知能指数も低いのですけれども、考え方がたいへん低いものですから、まあ今度のことはその原因がどこにあるか、新聞だけでは不安に思いまして少し調査もしましたけれども、今御説明の通りのようでございましたが、私は特にこの際法務大臣にお願いしておきたいことは、少年院の職員は私まことに気の毒だと思っておる。それは、命がけの仕事でございますからね。ことに、関東医療とか東京医療とか、ばかが入っておりますところは、命がけの仕事をやっていらっしゃる先生方に対して、ほんとうはお手当も少いし、もうかねがね私はお気の毒なと思いますが、ことにこういう逃走しますというと、減俸されるのでございますか、何かありますね。月給がもらえないのでございますか。
○政府委員(渡部善信君) これは懲戒の処分の一つといたしまして、減俸処分というのがございます。ございますが、これは事案によりまして、非常に勤務上懲戒を加えなければならないような落度が見当りましたときは、懲戒処分をいたしております。しかしながら、そういうような事件を起した者全部を懲戒処分にするというようなことはいたしておりません。事案々々を見ましてそうして処置をとっております。
○宮城タマヨ君 そういうことで、当局の手落ちがなければ大へん喜びますけれども、仕事自体というものはまことにお気の毒な、特にお手当も低いのでございますから、今度もまたああいう事件があって、皆さんしかられなさりはしないかと思って、私実は心配しているのです。しかってみたところで仕方のないことですから、その点はよく事件の起るたびに研究してごらんになって、どうか事件が起らないように、皆さんも願っていらっしゃるでしょうけれども、不可抗力のようなことがあるでしょう。今度なんかもその一つかもしれないのです。どうぞ、人の点もありますし、それから集まってこないわけも私あると思っております。どうか特別に矯正局は一つ御注意いただきますようにお願いいたします。
○委員長(青山正一君) 本日の審査は、この程度にとどめます。 次回は二十五日、火曜日、午後一時から、売春防止法施行運営並びに婦人補導院法案につきまして、菅原売春対策審議会会長、金子東京地検八王子支部長、菊澤青葉女子学園長、齋藤浅草警察署長、尾高東京都婦人相談員、この五名から、参考人として意見を伺うことになっておりますので、この際お知らせいたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十五分散会