法務委員会 第2号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/12/21
会議録
○委員長(青山正一君) ただいまから開会いたします。 本日は、売春防止法の施行運営に関する件を議題にいたします。 売春防止法の全面施行を目前に控えまして、売春関係業者の転業の指導よろしきを得るか得ないかは、実に本法運営上の最も重要事項の一つであろうと考えますので、本日は、関係業者の転業指導対策につきまして、一般的にも、また、具体的ケースにつきましても十分な検討を加えまして遺憾なきを期したいと存じます。 それでは御質疑のある方は御発言下さい。 なお、本日法務省から横川政務次官、運輸省から中村運輸大臣、山内自動車局長、黒住旅客課長、厚生省から安田社会局長、堀木厚生大臣は後刻お見えになります。
○一松定吉君 売春という行為そのものが風俗を害し、国民の思想善導に悪結果を生ずるということのために、わが国多年行われておったその営業を法律をもって廃止して、そうしてりっぱな営業にこれを転業せしめなければならないという趣旨で、数年前から売春取締法の成立を国会に要望し、政府もまたこれに関心をもってそのことを強力に推進いたしました結果、前年の議会において参衆両議院において満場一致でこの売春防止法が通過して、昭和三十三年四月一日からは完全にかようなものは影をひそめて、業者も正業につくというけっこうな状況に立ち至っておることは、私が申し上げるまでもないのでありますが、それにつきまして、こういう業務に従事しておる営業者に対して転業もしくは廃業ということに主力をおいて、転業する者には政府がこれを指導してそうして正しい業務に従事せしむるということのために、国会においても、政府においても、非常に熱心にこれを研究調査して、そうして業界にそういうような働きかけをしておるということは、これはもう言うまでもない事実であります。 そういうときに、まず転業する売春業者に対しては、他の出願者より優先して、そういう者が容易に転業のできるように政府はこれを指導しようということが現政府の方針であることは、これはもうすでに顕著なる事実であります。こういう意味におきまして、本年の本月六日に、総理府総務副長官、警察庁次長、厚生事務次官、労働事務次官の、各都道府県知事にあてて、「売春関係業者の転業の指導について」という指令を出しておりまするととほ、これはもら今われわれの手にこの資料が配付ざれたことによって明らかであります。これによって見ますると、これらの売春業者に対して世論の納得するような転業を早急に行わしめるようにしなければならないという意味で、これらの関係当局から各都道府県知事に対して転業の指導が出たのであって、その第一号に、「転業する業種については、売春の可能性のない健全な業種(たとえば運送関係事業、理容または美容業、クリーニング業、遊技場営業その他一般の商工業等)へ転業するよう積極的に勧奨指導を行うものとする。」と、こういう方針が各府県知事に指令せられておるのであります。そういたしますると、この売春業者が今あげましたような業種に向って転業しようというときには、関係当局はよろしくこれを世論の納得するような方法において、優先的にとの転業を勧奨指導しなければならぬことは言うまでもないのであります。 そこで、私がお尋ねいたしたいことは——私は実は売春に対します内閣より命を受けた審査委員の一人であって、その当時から、この売春というものを撲滅せしむるということは国策上当然のことであるが、それを撲滅せしむるについては、そういう醜業に従事しておるいわゆる売春婦というものを更生せしむべく、正しい業務をこれに与え、そうして彼らの生活が豊かになるように、しかも再びこういうことを犯さないようにするという方針で、いわゆる更生の道を講じてやらなければならぬ、また、業者については、仮装的転業ではいけない、ほんとうに転業をして、再びこういうようなことをしないように、というように政府当局並びに関係者はこれを指導しなければならない、また、転業者はそういう意味において転業の道を開かなければならぬ、こういうことを私は委員として、もしくは政治家として、常に主張しておって、今日に至ったのであります。ところが、ちょうど私のごく親しい、松阪の元市会議員、市長の候補に立った山田という私の懇意な人が、やはりその時分の大島の人であって、大島の関係者が神戸の福原に十人ばかりが結集してそういう事業をやっておるんだが、それに山田氏が、政府の方針、立法の趣旨に従って、すべての者より優先してりっぱな転業をやれということを指導した結果、業者もその山田氏の言に従って、にせの転業であるかのごとく世間の誤解を受けるようなことではいけないから、完全に転業をして、そうして一つ転業者の模範になろうというような意味で、自己資金を千五百万円を集めまして、業者十名の者が一致結束して神戸に福徳タクシーというものをこしらえることに計画を立てまして、本年の八月三日に出願をいたしたのであります。こういうこともに対しまして、何とかしてあなたこの委員であったのだから、ほんとうに政府並びに法律の趣旨に従うところの転業をするといろことで、業者が非常に力強く思っておるのだから、一つそれが実現するように御努力を賜わりたいということで、私の方に話があった、もっともだ、それらの業者が、いわゆるにせの転業をして、再び罪を犯して形罰の処分を受けるようなことではいけない、それはいいととを考えたということで、私はそのことを非常に奨励をいたしまして、それで私は中村運輸大臣にもそのととを陳情してあげ、それから堀太厚生大臣にもその山田氏がその意見を上申した結果両大臣ともそれはいいことだと言って、転業のりっぱなことに賛成をしておったという事実があります。また、私も大阪に参りましたついでに大阪の陸運局長に会うて、こういうようなみごとな転業をしようというて、何も政府の資金を要求するわけでもなく、擬装でもなく、しかも従業婦に対してそれぞれ道を開いて再び醜業に従事せぬでいいようなことまで考えておるのだから、一つ許可のできるように考えて下さい。今までやっておった仕事を政府の方針で、法律の力でこれをやめさせるというのだから、これらの生活を脅かさぬように、転業するについては優先的に政府が手を引いてやるという考えであなたもそのつもりでおやりを願いたいということを陸運局長に話しましたところ、陸運局長も大いに考慮いたしますということであったのです。また、中村運輸大臣からもそのことは政府の方針であるから、今あなたのおっしゃるようなにせの転業ではいけない、完全な転業にするということについては、大いに考慮いたしましょうと親切に言っていただいたのであります。もっともそのときに、中村運輸大臣は、私に道路運送法の法文をお示しになりまして、これにはそういうような自動車運送についての許可、不許可ということは、この運送協議会というものが——道路運送法の第八章の規定中の運送協議会というものは委員九名をもって組織する——とあって、その九名の者の意見は、当局においては尊重しなければいけないということになっておると、私に法文まで見せてくれた。私は運輸大臣のいうことはもっともだということで、そういうことでやることは公平であって私も賛成だと言って、多分これは許してもらえるものと私も思い、業者もさように考えておったのであります。ところが、大阪の方に出願いたしておりましたものが、非常にその数が多い。神戸市、明石市方面から出ておるのが合計二十九件、それから尼崎、西宮、芦屋市から出ておるのが六件、その他伊丹、宝塚及び神戸、明石の周辺から出ておるものが十一件というもので、合計が七百十九台の出願が出ておることであります。ところが、そのうちでよほど綿密に局長さんも中村運輸大臣の旨を受けて十分にこの審査委員会をリードして、そうして正しい方向に向ってやろうというような行動をとっておったようでありますが、これが今月の十六日の発表によりますと、元アメリカ軍に使用されておりました用員がいよいよやめさせられて失業しておる、これらの者に対して優先的に許可せよという閣議の方針に基き、大阪陸運局が許可したのが五台二組で十台、それからそういう以外の者に対して、それぞれ仕事を持っておる六甲タクシーと長田タクシーに対してそれぞれ七台と七台、これを合計して二十四台のものが新規に許されて、あとの八十六台というものは現に自動車営業をしておる者に令部許されておる。そうして今申し上げました売春業者から出願をして中村運輸大臣もそれはいいことだ、そういうように偽転業ではいけない、りっぱな転業というのは大いに考慮しなければいかぬと言われ、また、厚生大臣もそういうような転業でなければいけないということを言われ、しかも、ただいま私が読み上げましたこの指令の第一項の趣旨に基いて、そういうことで出願しておるのがいいことだと言われた人間は一顧だも顧みるところなく全部これが許可されなかったのであります。そこで、世間は非常に不思議に思っておる。どういうわけでそういうことになったのだろうかということを不思議に思っておりますが、そこで私がきょうこの点を明らかにして……私は何も陸運局のやったことや、この指令に反したことをやったということについて、これを罵倒するわけでも何でもない。ただ、政府がさような方針に基き、われわれ国会議員が業者の転廃業については他に優先をしてそうしてりっぱな転廃業のできるようにということを考えた趣旨が全く没却されるに至ったについては、何かそこに重大なる理由がなければならぬ。その理由をきょうは明らかにしていただきさえすれば、私は何もその公平な処分が不都合千万だということでこれを攻撃するわけではございません。ことに、中村運輸大臣は特に私に向って、それはそういういい転業ならば考慮はしましようが、しかし、私はそれらのことを運輸業法によって陸運局長の方にこれはすべてのことをまかせてあるのだから、だからして陸運局長に向ってこうせい、ああせいということはできないが、陸運局長も多分そういう方針には従うでありましょうというような非常に善意をもって言っておったのでありますから、中村運輸大臣に向って、あなたのやり方が悪いとか何とかというようなことは少しも私は考えておりません。あなたの正しいお考え、もしくは厚生大臣の正しいお考えについては私は敬意を表しますが、ただ、結果から見ますと、こういう結果を見たということについては、何かそこにわれわれの納得のいかないような理由がありはしないだろうか、もしそういうことがあれば改めてもらいたいし、また、納得のいくことであれば、われわれは何をか言わんやでありますから、その点を一つきょうは明らかにしていただきたい。こういうことを私はお願い申すのであります。 そこで、お答えを求むる前に、私一つここに新聞の記事がありますから、これを御参考のために両大臣並びに関係者の御答弁を得ます前に、お耳に達しておきたいのであります。これは街頭という神戸で発行しておる新聞紙でございますが、これによりますとこういうことがあります。少し長いけれども、これをお耳に達しておくことが御答弁に御参考になろうと思いますから読み上げます。「大阪陸運局では「6・20運協答申」にもとづく阪神間、神戸のタクシー増強に対し九月十九日左表の通り新免出願四十六件を公示、近く聴聞審理を行うが、一方、現業者よりの増車申請四十五社について十月二日より現状監査を開始、連日二社ないし四社の割で調査、十月中には基準審理を終るという急速な処置が進められ、ここに前年らい全国業界注目の兵庫県下中心都市タクシー増車は、「答申」に示された約二百台のワクをねらう出願約千二百台からいよいよ配分具体化の段階にいたり、兵庫乗用協では「新免一台も許すまじ」の強い決意を固めて、聴聞反対公述者に杉野会長、大山専務理事、田中全但、河合神戸タク、大久保キクヤ、渡辺阪急、谷水甲南、多田相互、松本みなと、井藤日の丸、渡辺松竹、吉谷神姫各社長十二氏を選任するとともに、駐留軍離職者の優先受入れ、業界健全化育成を希う当局への陳情など必死の攻防を展開しておる。」これに対し、新たな免許を受ける者は、どこまで食い込むかということで、「今回の出願には団体首脳者、トラック関係、駐留軍関係、さらに政界人などいわゆる有力者の進出が目立ち、その成行は各関係者の深刻な様相をはらんで新しい焦点を集めている。」こういうことが前提となりまして、そうして先刻私が申し上げたところの合計七百十九台という出願で、そのうちに六甲という出願者が七両、長田というのが七両、共同、銀星、この二つはアメリカ軍の雇用者で罷免されたものなんです。それに五台、五台 十台、合計新たな出願に対しては二十四台だけ許している、あと八十六台を全部従前の業者に許している、こういうことはどうも私は納得がいかないで、しかも政府の方針にかなっておらないし、厚生大臣、労働、厚生政務次官、労働事務次官、敬察庁次長、総理府総務副長官の各都道府県知事にあてた転業の指導ということも全くじゅうりんされておる、これは一体どういうことでこういうことになったのかということをこまかに一つ説明していただきたい。これは神戸新聞でありますが、「大阪陸運局自動車部の話」というて、許したわけが新聞に載っておる。これによると、「不許可になる理由の多くは事業計面と健全経営能力に欠けている点と」この二つだ、不許可になったのは。「だからといってどこが悪かったということは結果的に次の申請の示唆を与えるようにもなるので明らかにしない。こんどの場合、申請者が多いうえ免許のワクが少く赤線業者の転業という申請者のいい分を考えないことはなかったが、それよりも免許基準に合った他の優秀な申請者が多かったためで、優秀なものから免許を与えたわけだ。」と、こういうようなことがいわれておる。そこで、福徳タクシーの設立発起人代表の徳久徳正という者の話がここに載っておる。「売春汚職がまさか影響したのでもあるまいが、不許可というのは心外だ。業者たちが相談して真剣に転業を考えた結果が認められなかったのでがっかりしている。前途の希望もまったくなくなってしまった。なぜ認められなかったか理由もはっきりしないので、二、三日中に大阪陸運局長に会って話し合うつもりだ。」ということが書いてある。それはこの業者の言ろ通りである。せっかく政府が、こういうような転廃業するものに対しては、一つ指導して、これにそういうようなものを優先してこれらの転業ができるようにしていく、失業をしないようにしてやりたいという親心をもって出されたこの知事あての訓令が、全くじゅうりんされておるに至っては、将来これらの転廃業をしようと思うものが、自分らが出願する、そうすると、既存の業者がこれを許すまいというて猛烈な反対運動をする。それがために、ちょうど今回のこの神戸のようなふうに許されなかったというようなことになってくると、転業者というものは、転業が完全にできないじゃありませんか。そうすると、せっかく法律をもって政府も親心をもってやりなさいよと、お前方の生活の困らないように、お前たちが転業するについては親心をもって優先的にお前方転廃業さしてやると言ったことは、全く水泡に帰した、これでは。私政治家としても、こういう点については大いに考えなきゃならぬと思うのでありますから、この点につきまして、まず一つ厚生大臣からお話を承わって、この方針がどうであるということと、次に、当局の中村運輸大臣に、中村運輸大臣は陸運局長に万事まかしてあるのだから、ちょっとおれは言えないと言うかも知りませんが、大臣として部下のやったことですから御意見だけは発表していただきたい。 ここにまたこういう問題がある。この道路運送法の第百三条の五項、「自動車運送協議会は、自動車運送に関する苦情について調査し、陸運局長に意見を述べることができる。」それから今度は、陸運局長は、その陸運の運送協議会の意見を尊重しなければならないということが百三条の三項に規定してある。「新掌事務の遂行上、これを尊重しなければならない。」だから中村運輸大臣は、おれはまかしてあるのだから、局長の方でそういうことをすれば、その運送協議会がこれこれというて上申すれば、それを尊重して、こういうことになって、売春業者の転業者にはこのような不許可になったのだ、やむを得ないことだとおっしゃるかもしれないが、これはしかし、そういうようなことを尊重しなければならぬということは、ただ尊重する必要がある場合に尊重しなければならぬが、こういろように今回のような政府の方針が、特にこれを優先してやれ、特に指導してやれというようなときに、現在営業に従事しておって、何も生活に困らないような、既存の業者に八十何台もこれを許可したということは、あまりにもやり方がよくないと、私、かようにも思うのでありすすが、そういう点についても一つこまかにお答えを願い、御教示をお願いしたいのであります。
○国務大臣(堀木鎌三君) 売春業者の転業につきましては、今一松委員から御例示になりました関係各省の次官から通知をいたしておりますような通りに、指導して参ったわけであります。 まず第一に、お礼を申し上げなければならぬことは、大体現在の段階に至りますと、従来幾分転業につきましてちゅうちょいたしておりました業者も、大勢のおもむくところ転廃業をすでに決意しているような状態であるということは、ひとえに先ほど一松委員が言われましたような御指導の結果も、大いに貢献しているというふうに考えている次第であります。私ども何と申しても、この一つの社会組織、しかも長い間の社会のうちにありました組織、そういうものが非常な変革を受けるわけでございますので、これらの転廃業につきましては、できるだけわれわれ自身が行政指導的に、しやすいようにいたしたいという心がけから、先ほど申し上げましたような指示をいたしましたような次第でございます。 で、問題の例の今おあげになりました福原の問題につきましては、私のところに、確かに今一松委員がお話しになりました通りの山田君が、福原の業者自身を連れまして参りました記憶がございます。そのときに業者全体が、皆出資いたしまして、そうして一つのタクシー企業をいたしたいというふうな考え方を述べられました。で、私も非常に賛成したことは、お話しの通りでございます。私自身、中村運輸大臣にも御考慮を願いたいということを申し上げましたような次第でございます。ただ、タクシー事業につきましては、率直に申しますると、今政府が当面いたしております失業対策といろ問題から、いろいろな問題に当面しているわけでありますが、一番大きな問題として、もう一つ進駐軍の撤退に伴いますこれらの仕事に従事しておった従事員の失業の問題がございます。これらの多くは自動車の運転について経験がある。また、事実これらの従事員諸君が、何と申しますか、失業の結果、自分らの生計をはかるためには、タクシー事業というものが一つ十分考えられなければならないというふうなことで、石田労働大臣の方からも、何とかとれらについては十分政府として考慮してくれという問題があるわけでございます。で、実は各都道府県の知事にあてました通牒のうちにも、タクシー企業について、検討いたそうと考えたこともあるのであります。しかし、実は運輸大臣の方も、進駐軍従事者の失業対策があり、さらにとの売春業者自身の転廃業というようなものを、皆まともにぶっつけられては、自動車運送事業について非常に熾烈な、業者として新しく営業を開始したいという人毛非常に多いととろへもってきて、とれらを全部引き受けるということは相当実際上困難な状況にあるというお気持もあったやに見受けるのであります。従いまして、個々の問題としては十分考慮して参るつもりであるが、一律に自動車運送事業について、いわゆるタクシー事業について許可するような政府の方針が出されることも非常に困るという実情にあるととをお話になりましたような次第で、しかし、個々の問題については十分好意的に物事を考えてもらいたいというふうなお話し合いの上に立ってこの通牒ができておりますような次第でございます。福原の問題は売春業者の転廃業としては以上のようでございますが、実情、それなら運輸行政上御認可になるべきかどうかという問題は、私の方で判断することができない問題でございますが、事実私どもは業者の転廃業の意欲をできるだけ増強して、そうしてこれが円満に参りますようできるだけの努力をいたしたい。ことに先ほどおあげになりましたように、健全なる業種に転換いたしますにおいては、われわれ自身もこれをお手伝いするにやぶさかでないと、こういうふうに考えておりますような次第でございます。
○委員長(青山正一君) 一松君にお伝えいたしますが、あとに亀田さんなり赤松さんなり、皆さんの御質疑もありますから、一つ御質疑は簡単にして……。
○一松定吉君 そこで、今厚生大臣のお話よくわかりましたが、あなたが初めからそういう考えであり、現在もそういうお考えを持っておるということは、この法律の運用の上において国会議員の決議の意思に沿うべきお考えであることはわかったのでありますが、ところが、結果がこういうようになって一両も許可されないというような結果になったことについては、あなたはどうお考えになりますか。それをもう一つお答え願いたい。
○国務大臣(堀木鎌三君) 方針はおわかり願ったのでありますが、個々の——これは関係各省で打ち合せました行政指導でございまして、個々の問題についてはそれを所管いたしております大臣によって現実に処理さるべき問題でありまして、私が実は現実今御指摘の具体的な問題について運輸行政を批判いたしますことはどうかと思いますので、お許しを願いたいと思います。
○国務大臣(中村三之丞君) 一松さんの御質問のことは、一松さんも私のところへおいでになりました。それは事実です。しかし、その話し合いは私はここで繰り返しません。個人的にお目にかかったのでございますからここで私は繰り返しません。ただ、厚生大臣からこの転業問題について非公式に御相談がありました。そこで、この指導方針に、最後に書かれております文句を申し上げます。「その他法令により許認可等を必要とする業種に転業を希望するものについては、特に前歴等により差別的な取り扱いをすることのないよう留意するものとする。」とあります。従いまして、売春業者についてもわれわれはこれを差別的取扱いをするという考えはござりません。駐留軍労務者の転業、これは閣議におきましても優先的取扱いをするという、優先的取扱いでござりまして、あるいは聴聞会あるいは急速的なる処置をするようにということは、私は各陸運局長に指示をいたしております。そこで問題は、われわれは売春業者なるがゆえに差別待遇はいたしません。しかしながら、事タクシー事業の許可認可であります。従って、これは道路運送法初めその法律の示すところに従って許可、認可を決すべきものでありまして、しかもそれはわれわれは各地の陸運局長に代決を許しておるのであります。この点は私ははっきりいたしておく次第であります。従って、神戸の例は、これは局長から今詳細に数字をもって、何がゆえに不許可になったかという理由もまた明白にいたします。しかしながら、神戸が不許可になったから全国のそういう赤線業者のタクシーの認可について全部つぶしてしまろ、そういうようなことは考えておりません。これを私は申し上げて、あとは自動車局長から何がゆえに神戸の一つのケースが不認可になったかというお答えをさせたいと思います。
○説明員(山内公猷君) 神戸地区におきますハイヤー、タクシー業者につきましては、一応経過から御説明申し上げたいと思いますが、自動車運送協議会の諮問を昭和三十一年九月十二日にいたしまして、答申は三十二年の六月二十日でございまして、長文でございますので簡略にその答申の内容を申し上げますと、神戸市内及び明石市内におきましては、既存車両の一〇%の増車、尼崎、西宮、芦屋におきましては二〇%増車、それから伊丹、宝塚及び神戸市、明石市周辺部においては陸運局で適当と認める程度の増車をするのがいいという答申を得ております。これに基きまして、陸運局長は審査に当ったわけでございますが、申請の内容を申し上げますと、既存業者におきましては六十九件、四百三十五両の増車の申請がございまして、新規業者におきましては、六十一件、八百五十七両の申請がございました。合計いたしまして百三十件、千二百九十二両の申請があったわけであります。事務的な手続といたしましては、公示を三十二年の九月十九日及び三十二年の十一月一日に公示をいたしております。聴聞は三十二年の十一月より三十二年の十二月十一日にわたりまして十一回の聴聞をいたしておるわけでございます。個々の具体的なケースにつきましては、ただいまの御質問にありましたように、非常にいろいろ申請者の運動その他が入り乱れまして、陸運局といたしましては、慎重の上にも慎重を期しまして、個々の具体的な問題につきましては慎重に調査をいたしました。たとえば申請の内容にあります車庫及び車といろものにつきましては、一々現地に当りまして、それが的確に申請者の所有であるか、あるいはその自動車が的確にその申請者が持っておるもりであるかというような点までわたりました。これらにつきましては、先ほどからしばしば話が出ておりますように、大臣権限が政令委任されておりますので、陸運局長が事に当りました。従いまして、本省といたしましては、個々の具体的審査の経過については知っておりません。結果についての報告について御説明を申し上げておるわけでございます。参考のために、それでは現在ただいま問題になりました地区におきまする車両はどのくらいあるかと申しますと、千三百八十七両でございます。これらにつきまして、既存業者の増車が百六十四両、新免業者につきましては三十二両、合計百九十六両がとの地区に新しく増車になるということでございます。とれが自動車運送協議会の答申そのものの数字になるわけでございます。 そこで、ただいま御質問のございました福徳タクシーにつきましては、先ほど来両大臣のお話もありますように、厚生省及びその他の官庁の共同通牒につきましては、われわれの方も各陸運局に流しております。ただいま大臣の読み上げました一番末項「その他」の点について十分審議をするようにということも、十分徹底をいたしております。これは駐留軍の労務者及びこの件についてだけ、われ一われの方は各陸運局に指示をいたしたわけでございます。それでただいま申し上げましたように、陸運局長の権限におきまして慎重に審議して結論を出すようにという指示をいたしております。福徳タクシーにつきましては、道路運送法第六条の第三号を用いまして……、第三号と申しますのは、第六条の三号は「当該事業の遂行上適切な計画を有するものであること。」という条項を用いまして、これに該当しないということで却下の処分をいたしております。個々の具体的な詳細のことにつきましては、まだ時間がございませんので調べておりません。
○一松定吉君 それじゃあなたに伺いますがね。新たに出願をした者に対して自動車を検査するとか、車庫を検査するとか、その他を検査するということは、まだ許可になっておらぬと自動車も何もないのでしょう。そういうものを何を検査なざったのですか、新たに出願した者……。以前の既存の業者は自動車も持っておるし、車庫も持っておるし、運転業務に従事する者も持っておるが、これから許可を受げるような人間は、自動車も持っていなければ、車庫も持っていなければ、運転に従事する者もまだない。許可あったときに初めて自動車を購入し、車庫をこしらえ、運転に従事する者を養成するというようなことができようと思うのだが、その新たに出願しておる人に対して調査して、何を調査したのですか。
○説明員(山内公猷君) たとえば車庫について申しますと、営業開始の場合には、車庫の所在地が十分入手確実でなければならないということで、その土地が大体申請者は自分の持っておる土地、あるいは十分貸借関係が成立し得るという証拠を添えて出してくるわけでございまして、そういう書類に基きまして、陸運局におきましては現地調査をするわけでございます。車両につきましては、こういう車両を使うということをつけてやはり申請者が出して参ります。それに基きましてそういう入手は確実であるかどうかということを個々に当りまして調査いたしますので、非常に長い時間をかけて調査をいたしております。
○一松定吉君 今あなたのお話によりますと、出願者が千二百九十二件、そのうちで許したものが、新規免許をしたものが三十二両で、あとは増車四十五社、百六十四両とあるね。そうすると、この新規に出願した者に対しては、今言う通りにアメリカ軍の雇用者で解雇された者が二組、それからあとに土建業者か何かが、それが少しばかり……、六甲というのと長田というのは、これは土建業者か何かでしょう。それから共同と銀星、これがアメリカ軍から解雇された人でしょう。そうすると、これらの者だけに対してで、あとの生活の困らない、何も困らないような既存の会社に対して百六十四両も許すということはですね、これはどうなんですか。政府は売春業者等の転業する者に対しては、一つこの通牒によると、優先的に許すということが見えるようなんだが、こういうものを全く眼中に置かずして、既存業者に百六十四台も許して、新規許可のものはアメリカ軍よりの解雇者とほか二組合計三十二輌だけでその他新規出願者に対しては全部これを排斥してしまうということについての根拠を聞きたいのです。調査をした、調査をした、どういう調査をしたところがどういう結果が出たということを、具体的に一つ説明していただかぬと、われわれの疑問が解けない。
○説明員(山内公猷君) この売春業者の転廃業につきましては、駐留軍と同様に優先取扱いをするという通牒にはなっておりませんのでございまして、先ほど大臣が読み上げました「その他法令により許認可等を必要とする業種に転業を希望すものについては、特に前歴等により差別的な取扱いをすることのないよう留意するものとする。」と、一般の申請者と差別をしてやってはいけない。前歴だけで却下をするというようなことをしてはいけないというのが今回の政府の取扱いでございます。それで、駐留軍と同様にこれを優先的にしろという実は指示はいたしておりません。差別的な取扱いをしないようにということでございますので、そのように一般の人と同じような状態において陸運局長は審議をいたしたわけでございます。 それから増車、新規免許の増車におきましては、増車は多いというふうにも思われますが、これは新規免許におきましては五両あるいは七両という免許が行われておりますが、増車におきましては、業者がまじめに経営しているならばやはり一両、二両の増車をいたしております。それで、あるいは交通事故を起したとか、あるいは法規違反をした業者については免許増車の認可をいたしませんが、まじめに経営をしておるものにつきましては一両、二両の、それもいろいろ点数制をとりまして、非常に厳密に調査してやるのがタクシーの例でございますが、それで数が多いのでございますが、個々の業者に渡る両数は非常に少いものでございます。
○一松定吉君 新規に出願するものが既存の業者に比較して、経験だとかあるいは技量とかいう点について既存のものに及ばぬことは、異論はないが、そういう新規のものに対して政府が許可するということは、いわゆるこれらのものを指導して、そうして完全な域に達するように指導してやれば、多少の不完全はあっても、政府の意思に沿うためには許可することの方がいいのじゃないかと私は思うのてすが、これは厚生大臣に一つ……。
○委員長(青山正一君) 一松さん、厚生大臣もだいぶ急いでおるようですから、一つ質疑だけ……。
○一松定吉君 つまり完全な施設ができ、完全なことでなければ転廃業を許可せぬ。換言すれば、既存の業者と比較して、既存の業者に劣るようなことがあれば許さぬという方針ですか。あるいは多少のことは欠陥があっても、相当ある期間を与えて、この間に整備せよというような指示を与えて、そうしていわゆる同情を持って、あたたかい心をもってこれにそういう転廃業を指導していくという方針でありますか、どうですか、政府の方針は。
○国務大臣(堀木鎌三君) 私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、長い間の事業を転業いたしますので、できるだけ円滑に他の業種に転換をしたいものであると考えておるのでありますが、しかし、業種によりましては、必ずしも何と申しますか、完全なものでなければならぬというふうに考えておらないのであります。しかし、業種によっては私はその所管大臣として、これではこの事業をやっていく場合に不完全であるという御判定に立つものに従わなくてはならない、現に私どものこのただいまお引きになっております通牒によりましても、一例をあげてみますと、旅館業、下宿業につきまして、「旅館業法による旅館業、下宿業等の許可に当っては、政令で定める構造設備の基準につき、部分的に充足していない場合であっても、一定の期間内に適合せしめる等適宜の条件を付して許可を与える」というふうなことを現に出しておるわけでございます。ただ業種によりまして問題が起って参るのでありまして、一般的に不備であっても、不完全であっても、どういう事業であっても許さなくちゃならぬというふうなことはむろん考えておりませんような次第でございます。
○一松定吉君 もう一言だけ。 今、厚生大臣の御意見、この指令の中にも書いてありますが、この質屋営業についても法律に違反しない限り、できるだけ便宜を与えると書いてある。それから今あなたが御指摘になりました旅館、下宿等についても、多少部分的に不足な場合があっても、一定の期間を定め、その条件に適合するように、時期と期間を定めてやらせ、そして便宜に許可をやるがよろしいという、こういう親心は、私はやはりタクシー業者にもなければならぬと思うのですが、そういうことは神戸の方は少しも考慮に入れていなかったのですか、どうですか、自動車局長にお尋ねいたします。
○説明員(山内公猷君) ほぼ具体的な例でもおわかりになりますように、われわれの方の増車というものは、交通需要と、それから交通の供給のバランスをとることと、そのほか、都市内におきます交通の安全等、いろいろの見地から検討しなければならないわけでございまして、その関係で自動車運送協議会に諸般の情勢からどの程度の増車が必要であるかというワクを一般的に与えられ、その範囲内で局長は判断をしなければなりませんので、その間相当慎重に個々のケースを取り調べた上決定しなければならなくなるわけでございます。その点ただいまあげましたものは自由営業ではございませんが、自由営業に近い小業とはおのずからやはり趣きが異ならざるを得ない、それもまた御了承願いたいと思います。
○亀田得治君 時間があまりないようですから、大事な点だけ二、三、まとめてお尋ねしたいと思います。 先ほどから両大臣のお話を聞いておりますと、駐留軍労務者の場合には閣議で優先取扱いということを決定した。しかし、この売春業者の場合にはそこまでいっていない、こういう意味のことをおっしゃっておる。しかし、私はこれは根本においてそういう考え方で両大臣がこの問題に対処されるということははなはだ間違っておるのじゃないかと実は考える。その理由は第一に、売春禁止法というものは単なる一閣議の決定ではない。これは国会の承認を得て、しかも国民のほとんどの人の賛成のもとにこれはできておる。売春禁止ということは同時に転廃業ということがこれは伴っておるものであります。今さらそういうことを関議決定云々というようなことになるべき問題ではこれはないわけであります。そうでしょう。そういう点を見落しておられると思うのですね。し九も、今現実に問題になっておるこの運送業、これは政府としても転業の対象としては望ましい業種だと、こういうことは一方でまた出ておる。だから、こういう売春禁止法が作られた基本的な考、え方とあわせて考えれば、私はこれは特に優先取扱いというような決定がないからといって駐留軍労務者の場合よりも何か軽く見る。これははなはだ間違っておると思うのですが、もっと重く見ても、これは軽く見るべきではない。駐留軍労務者の場合と質的にちょっとこれは問題が違うわけですね。だからその重大性ということに特に閣議決定がないからというふうな先ほどから繰り返される考え方、これははなはだ間違いであると思うのですがれ。両大臣の忌憚のない一つ見解を承わりたい。果して駐留軍労務者の場合よりもそういう扱いでやることが、この法律が制定された趣旨等に合致するものかどうか、お伺いしたい。別々に。
○国務大臣(堀木鎌三君) むろん亀田委員の御指摘のように、この売春業は国会の全会一致をもって御通過になった法律に基くものであることは了承いたしております。しかし、この法律から当然いかなる要件をも無視して、そうして転業についてしなければならぬということも私はすぐ帰結は来ないと思うのです。しかしながら、実際に転業されるということに当りまして多くの困難が伴うということもまた予想され得ることであります。従いまして、政治なり行政に携わるものといたしましても、この転業を円滑ならしむるように配慮することも私は当然であります。特に健全な事業に転業しようとする意欲を積極的に助長して参ることがいいことであるというふうに考えておるのであります。従いまして、今回の通牒に当りましても、第一項におきまして、健全な事業に転業するように積極的に奨励指導を行うものとするということを書きましたのもその趣旨にほかなりません。しかし、結局問題は個々に具体的に転業される場合に、すべての業種について行政上の認許可があり、あるいはその他の手続がありますものを、それを全部無視するというところまで踏み切るわけにも参りません。私どもとしては、行政面においては積極的にこれを健全な事業に転廃業するようにむしろ積極的に指導し奨励しいたしますが、個々の問題につきましても、その業種によってある程度の緩和規定を設けております。先ほど一松委員が御指摘になり、私も申し上げましたような点について、ある程度の緩和条件−しかし、それは暫定的な場合が多いのでありますが、そういうふうな見込みが立ちまするならば、その程度は業種によってはやむを得ないのではなかろうか、こういうふうに考えておるような次第でございます。他の省の所管の業種についても私どもとしては積極的に御指導は願いたい。しかしながら、個々の事業の問題については、その省の御判断に従うよりやむを得ないのではなかろうか、こう考えておるような次第でございます。
○国務大臣(中村三之丞君) 優先的取扱いでございまして優先的許可ではございません。また、個々に差別待遇をしてはいかぬというこの線に沿うてやるわけでありまして、従いまして、問題はその転業をせられる場合において、これが円滑になさなきゃならぬということは私も考えております。しかし、といってわれわれの方は道路運送法などがございまして、その計画とかあるいは事業内容というものを検討しなければならない。ことにまた、中央におきましては、いろいろな諮問機関も経なければならない。これは一種の民主的手続でございましょう。そういうものを経てやってもらわなければならない。これは私はやむを得ないことだ、こう思います。しかしながら、転業を円滑にするという根本的な考えはこれを私は貫くということは申し上げておきます。
○亀田得治君 運輸大臣は、各知事に出された通牒の一番最後のところだけを盛んに言われるわけですが、これはその他ということでつけ足しの問題なんです。優先取扱いにも匹敵するような考え方というものはこの通牒の第一にちゃんと書かれておるわけなんです。その点は今厚生大臣も「積極的に勧奨指導を行うものとする」という点を指摘された通りなんです。これは私は言葉をかえていえば、駐留軍労務者について、特に閣議決定のあった優先的取扱いと大して違わない意味のことだと思うのです。しかも、駐留軍労務者の場合にはないところの売春禁止法の制定といったようなことが、閣議どころではない、全国民の要望のもとに作られておる法律なんです。今さら閣議決定することのない問題なんです。だから私は政府の臨む態度としては、いやしくも駐留軍労務者の場合と差別等があっていいわけはない、論理的に考えて。 そこで、第二段の問題は、そう言いましても、しかし、運輸大臣は、おれの方では道路運送法というものがあるのだから、実際の判断ということになると、その法律というものの比重といいますか、それを重く見なければならぬというふうな気持のようであると思う。そこで、私のそういう第一の前提を主張するからといって、何も道路運送法なんかを無視して優先的な扱いをすべきだ、こんなことを言っておるのではないのでして、道路運送法の第六条第一項、第二項は客観的な問題です。これは客観的にきまってくる数字上の問題です。ところが、第三項、第四項などの問題は、これは非常に主観的要素の強い問題なんです。従って、その申請者の努力あるいはその申請者のいろいろな計画等に対して訂正等を命ずれば、またそれは可能な問題です。私はそういう条項の運用については正しい意味での考慮の余地が相当あろうと思う。それからこの道路運送法の第六条の第五項、ここには「その他当該事業の開始が公益上必要であり、且つ、適切なものであること。」こういうことが書いてあります。おそらくこういう条項が入ったのは、もう少し別な意味で入ったものと私は普通の法律解釈としては考えておりますけれども、しかし、こういう売春禁止法というものが作られて、その転業がスムースに少しでも進むべきだというのが国民の要望であるとすれば、この第六条の第五項の、これは公益上の必要があるのです。一人でも二人でも正しい転業をこういう業者の方がされるということは非常に必要なことなんです。だから、私は閣議決定とか、そういう政府の方針も必要なんであるけれども、何も法律を無視してやってくれということは言ってない。第六条を見てもそういう考慮の余地があるんじゃないかということを実は感じておるのです。 それからその第六条の第三項には「前二項に掲げる基準を適用するに当つては、形式的画一的に流れることなく、」こう書いてある。こういう場合にどうしてこれが運用できないのですか。何も業者が無理を言うてくる、ほんとうはふやしてならないのだが、ちっとこの条項でふやそうとか、そういう悪い方向にだけこれは運用すべきものじゃないと思います。私は大体この営業に対して許可制をとるということ自体が、これは公益的な問題です。本来は営業は憲法上自由でしょう。公益上の必要からきておる。そうすれば、これだけ公益上の問題から出てきている問題について、そんなにかた苦しく考えるその考え方が私は了承できない。だから、第六条そのものを私はもっと運輸大臣としては検討してもらいたいと思う。それの運用を正しくすることによって多少不備なところなどは直すとか、いろいろな努力を私はすべき問題じゃないか。法律自体から言っても、また、厚生大臣としても具体的な免許等の問題については私の管轄ではない、それはどうもほかの管轄の大臣の仕事だ、こういうふうに逃げないで、もっとやはりそこまで売春禁止法の円滑な運用という立場から追及する義務があると私は思うのですがね。この第六条そのものから私はもっと反省してもらいたいと思うのですが、その点、両大臣の御見解はどうでしょうか。
○国務大臣(中村三之丞君) 売春関係に対する転業あるいは正業につかしめるということはまず売春婦のことでありましょう。これは必要だと思います。同時に業者も必要である。これは私も認めます。 そこで、売春婦の更正対策、これは厚生省でおやりになる。私の方はこの業者がタクシー業をやりたいというので、これは冷静に考えております。しかしながら、今神戸の例が一件不許可になったからといって、先ほども申し上げたように、この自動車計画の線に沿うて、法律の第六条に沿うたものまでこれをけるという考えはござりません。これはケース・バイ・ケースによって考えていくということは私はここに申し上げておきたいのであります。しかしながら、この法律にはずれた、道路運送法にはずれたものを、今あなたがおっしゃったようにこれはできないのであります。ただ、この法律を改正するかいなかは、もっと弾力性のあるものに改正すべきかいなかは、今後の研究に待たなければなりませんが、現在のこの法律の線に沿うてわれわれはやっていきたい。決して一つの場合を全国に広げるということはございません。同時にまた、一たん不許可になっても、また、新たな改善をしてこられて再提出もできるのであります。一体この自動車の許可は何度でもできるのです。極端に申しますと、プリントさえできればできる。これは自由です。しかしながら、ある程度の許可、認可ということをしなければ、みんながこれをやると、自由にやるということは、これは自由放任なんでございまして、交通秩序を乱すものであると私は思います。従って、道路運送法なるものはできておると思うのでありまして、もとよりこの道路運送法というものは今日の時代に照らして、もし改むべきところがあれば、これはわれわれも検討して国会に御相談申し上げることはあると思いまするが、現在のところはこの線に沿うていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○亀田得治君 道路運送法を何も変える必要はございません。私はりっぱにこの第六条そのもので、こういう売春業者の転廃業というような問題については相当考慮をして運用する余地があるということを申し上げておるわけです。従って、そういう意味では、あくまでも私の主張も法律に沿ってやってもらいたい。ほんとうに法律に沿ってもらいたい。金もうけの便宜をはかるためだけにちょっとワクを広げてみたり、つぼめてみたり、そういうときだけに政治的な考慮をしないで、こういうときこそすべきじゃないか、そういうことができるように第六条はなっているじゃないか、そういうふうに私は申し上げておる。決して法律改正は必要ないですから、この点はもっと真剣に考えてもらいたい。 それからどうしても優先取扱いということが、閣議できめてもらわないと、この第六条だけではできないというお考えであれば、私はやはり閣議に問題を出してもらって、そういうふうにきめてもらったらいいと思うのです。私としては、そんな閣議決定がなくったって、これは当然法律の建前からいったって、そういうふうに主管大臣はおやりになっていいと思う。だから、その辺の御判断は、時間もないからこの程度にして両大臣におまかせしますが、最後に一つお聞きしておきますが、あるいは却下された方々が多少欠点だと思われるような点、そういう点等を訂正されてまたお出しになるかもしれません、あるいは今後急速に転廃業というものが単に運送業だけじゃなしに、いろいろな方面にいくでしょうが、そういう場合の扱いですね。今大臣も若干その点に触れられましたが、私は悪いところは直さすとか、いろいろ余地がある。三号、四号なんというものは主観的な要素の相当深いものですから、そういうことが私は望ましいと思うのです。できるだけ同じく許可するのなら、その諸君にもやはり幾らかその効果がいく、こういうようなことが望ましいと思うのです。その点について、もう一度運輸大臣と所管の局長の考え方を率直に聞いておきたい。
○説明員(山内公猷君) ただいま第六条の解釈の問題がございましたので、私から簡単に御説明を申し上げたいと思います。御指摘の通り、三号、四号、五号というものは主観的な要素もある程度あります。しかし、ハイヤー、タクシーに限らず、自動車運送事業の免許につきましては、非常に政治的にも問題になることが多いので、われわれといたしましては、主観的な要素をできるだけ排除して客観的な証拠によってそれを決定しようということで、先ほどから御説明申し上げましたように、車庫の位置がどうであるか、自動車の予約契約がどうであるかというようなことを逐一物的に調査をしてやっておりますので、われわれの行政の方針といたしましては、主観的要素をなるべく排除して、客観的なもので判断するように陸運局長に指示しております。また、よくあることでありますが、申請中に悪いところを知らせてくれ、悪いところを直すからという話がありますが、これは競争事案でありまして一応答案を出したようなものでありますので、免許当局からここが悪いから直せ、ここが悪いから直せということになりますと、初めから個々の業者に対して免許という意図をもって指示するということになりますので、これは陸運局長としてできないわけでございます。ただ処分をいたしましたあとでは、第三号を用いてやったということになれば、事業計画が悪い、事業計画というものは申請書の中に逐一書いておりますから、それを検討されればどこが悪かったということがわかるわけでございます。具体的の問題で、それでは却下したならばあとは申請できるかどうかという御質問でございますが、これは法律的にはいつでも、あくる日からでも申請はできることになっております。ただ先ほどから申しましたように、これは自動車運送協議会が、その地方の交通情勢を見て、何両ふやすのがいいというのは、一応一定の期間の交通情勢を見て判断をすることでございまして、大体において一年ぐらいの期間にこの程度ふえればその地方の交通要請が満たされるということでございますので、事実問題といたしましては、客観的な輸送情勢が著しく変るというならばともかく、通常の変り方ではやはり急にそういう申請をすぐ取り上げてまた免許ということはむずかしいと思います。
○委員長(青山正一君) 運輸省はお引き取り下さい。厚生大臣はもう少し勉強していただきたいと思います。
○亀田得治君 ちょっと、もう時間もないですから、希望だけ申し上げておきますが、これは私きょうの質疑はなはだ納得しないし、閣議決定の問題ももっと聞いてみたいのです、そういうことなら閣議に出してもらったらいいので……。今の局長の答弁でもやはり非常に答弁がかたいわけなんです。そういうことでは全体を間違えると思うのです。厚生省の気持とははなはだしく結果においては違うわけです。ことに今度一たん免許をしてしまったわけです。そうすると、すでにそれによって必要台数というものが社会的に満たされているわけです。そうすると、あとはなかなかむずかしいのです。第一号と第二号の客観的な問題にぶつかってくるわけです。私は、それだけにあとからまた出してもいいのだといった言い方じゃなしに、最初に出たときにもう少し親切に取り扱いを考えてやるべきだ。私どもは売春禁止法は大いに率先してやったわけなんですが、しかし、転業ということは、これはまた別個の問題だし、もう少しこれは検討してもらいたいと思う。自分たちの既成概念だけであくまでも突っぱっていくということじゃなしに、事実上一応許してしまえばあとがむずかしくなるわけですから、とにかくしばらくの間、業者がそういう計画をもってやったことでも全くむだになってしまうわけです。まあこの程度にしておきます。
○赤松常子君 厚生大臣も大へんお忙しいようでございますから、要領よく一、二お尋ね申し上げたいと思います。申し上げるまでもございませんが、厚生大臣は大へん売春婦の更生問題に御熱意を示していらっしゃるようでございますけれども、私もここ一、ニヵ月の間、五つの県の実情を調べて参ったわけでございます。その結論を申しますと、まだまだ私の目では不十分だというふうに考えているわけでございます。あと、ことしもわずかでございます。来年一月から勘定いたしましても三月しかございませんので、この期間に、これほどの風俗史の大革命を行うという問題をかかえて、もっともっと本気でこの対策をしなければいけないと思っております。ただ単に、厚生省だけにおまかせすべき問題でもないし、われわれ民間の婦人団体もこの問題にもっと協力と熱意を示すべきだということも私ども常に考えているわけでございます。最近、厚生省でもこの暮れの十七日に民生部長会議をお開きいただいて大へん熱意をお示しいただいていることも私はうれしく思っているわけでございますけれども、いかがでございましょうか。厚生省が所期しておいでになるその売春婦の更生対策がスムースに行われているかどうか、全国的にごらんになって御満足でしょうか、いかがでございましようか。
○国務大臣(堀木鎌三君) 就任以来、この問題といいかげんでなしに、ほんとうに取っ組んできたと思っておりますが、実情は赤松委員もよく御承知のように、なかなか業者自身の何と申しますか、一種のひより見的な態度と申しますか、少くとも従来の——これはまあだれしもあることでございますが、従来の仕事に執着があるというのでありますか、私どもがせっかくこの法律のために二年間準備しようといたしておりましたことがなかなか実現しなかったという点で、しかも、現在の実情から急速に保護の対象になる婦人も多く出て参るだろうということを感じますと、実情必ずしも満足すべきではないと率直に申し上げなければならぬと思います。しかし、この際に最大限の努力はやはり私どもとしてはするのが当然の責任でございますので、今御指摘のように、十七日は各県から民生部長を招致いたしまして、そして新たなるこの行政の指導方針につきましてよく説明をし、納得させ、と同時に私も地方を見ておりますと、ところによっては非常に熱心にやっておるところもございます。そしてすでに対策自身もある程度立った県もある、しかし、ところによっては必ずしもいまだこれではと思わざるを得ないところもございます。指導に遺憾なきを期して参りたいということを考えております。また、政府としても従来考えておりませんような事柄について、費用の要ります点は大蔵省とも折衝いたしまして、ある程度の目鼻がついたものですから、これならば民生部長、実はいわゆるしりをたたいてもいいじゃないかと思っていたしましたような次第でございます。
○赤松常子君 非常に厚生御当局の御努力はよくわかるのでございますけれども、末端に参りますと、たとえば地方の府県の推進本部などに行ってみますと、非常に厚生御当局の意思というものが十分伝わっていないし、むしろその地区の業者の団体に押されまくっておる、私、この間一週間ほど山口県へ参りました。推進本部の方にお会いしましたり、知事さんにもお会いしました。山口県のおくれておる原因をよく聞きますと、やはり業者との懇談を開いた際に業者のいわく、まだその売春防止法の実施が四月一日からはないのだというふうな業者の見解です。であるから、そうあわてることはありませんよということで、そういう発言がまだ言われていた。それは私が一週間前に行って聞いたのであって、その業者との会が一ヵ月くらい前かと思っております。そのときになおこういうことを業者が言っておられる。最近汚職が出たのでしゅんとなさったようでございますけれども、それがまだこういうことを言っておられる。それにまた、県がしゅんとしておる、そうではないのだということを押し返して説明しておられない、これを係長がはっきり言っておられるのですから。一月前の実情、末端のこういう実情でございます。これをいろいろ推進できない理由の一つにそういう圧力、抵抗というものがある事実をはっきり私は見て参りましたし、最近社会情勢も変化して参りましたから、やっと見切りをつけられたと思うわけでございますが、私非常にまだ上の本省の意向というものが末端に徹底していないのではないかといううらみを非常に強くしたわけでございます。それからもう一つは、私の方の調査、これは間違っておるかもわかりませんが、婦人相談所が設けられていない、あるいは一時保護施設もまだ設けられてない県が十二、三県あるやに聞いております。これは私の方の調査が不十分かもしれません。実は山口県はどうなっているか、今申しますように、婦人相談所の看板が掲げてあるのです。本省にも婦人相談所を設けておりますという報告がきておるらしいのです。ところが、その実情を見ますと、その婦人相談所の看板はよその労働基準局か何かの一部屋に雑居しておりましてたった一つのテーブルが置いてあるだけです。そうしてそこに相談にくる施設もなければ、ただ看板がかけてあるということだけなんであります。それで私は、一ぺんそこを見せていただきたい、こう申しましたけれども、いやいや、まだテーブル一つでございましてというようなことでございましてそれで本省には婦人相談所を設けておりますと、そういう報告がきているのでありますね。ですから、この報告とそれから実情というものが、これほどずれているということも、どうぞ御認識をいただきたいと、こう思うわけでございまして、今にまだこの施設も相談所もできていない県があるという実情は、一体どこに原因があるのでございましょうか、どうぞ御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(堀木鎌三君) まことに現地を御調査願って、はなはだ何と申しますか、御指摘になりました山口県は、私どもの方は婦人相談員も充足いたしておりますし、婦人相談所も設置いたしておりますし、保護施設も近く開設の予定であり、予算処置もすでにやっておるというふうな報告を受けておりますが、内容は今現地においでになって御指摘になりましたようでは、はなはだ遺憾でございます。しかし、今ごろ売春防止法の延期だと私は考えている人は、もう全然ないように思いますが、業者自身が現に、全部私どもは転廃業いたしますと言っているわけでございますので、それと、この客観的な社会情勢というものをお考えになれば、そういう問題が出て参るわけはないと思うのであります。私も実は婦人相談所なんかの設備は、率直に申しますと、相談しやすいような設備が非常に大切なんで、現に一、二の婦人相談所には、これじゃ入りにくいからもう少し入りやすいようにということまで気をつけて言っておるような次第でございます。相談所の方はしかしおかげをもちまして、大体婦人相談所は全部の県、今一県だけ、名前をあげるのはちょっと差し控えますが、もうすぐしてくれることになっておりますが、できますと、全部でき上ることになります。ただ私どもはそういう形式的な問題よりも何とかしてこれを、先ほどは業者の転廃業でございましたが、私どもやはり本来の婦人対策というものについて十分努力いたして参りたい。先ほど赤松さんのお話のように、どうか婦人団体の方も積極的に御指摘、行き届きませんところは御指摘願い、また同時に、御協力を願いたいということを特に申し添えておきます。
○赤松常子君 もう一つ厚生大臣に、まだいろいろこまかいことはまた局長にお尋ねいたすことにいたしますが、これのこの防止法が完全実施されますと、やはり一時混乱が予想されるということは、いろいろな面からいわれると思うのでございますが、その中で一番重要なことは、性病の蔓延ということだと思うのであります。あるいは一説によると、いやいや検徽を今までしていたわけで、少し油断していたけれども、今度検徽がないのだからよけいお互いに性病を警戒するであろうから、そう思ったほど蔓延はしないだろうという見方もあるけれども、これは私は甘いと思うわけでございますが、こういうこの性病の蔓延に対して、厚生当局は今具体的にどういう対策をお考えでいらっしゃいましょうか、その場に臨む前に完全なる指示なり、対策というものをお示しいただくことも大事であろうと思っております。この点について、御当局の御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(堀木鎌三君) いわゆる売春業者がなくなったときに性病関係がどうなるのだろうということは、いろいろな説をなす人はございます。しかし、私どもとしては、いやしくもそのために少しでもそういう心配をなくそうということが当然であると思う、この点はたしか赤松さんからも、前に御指摘なさったのじゃないかと思いますが、私ども大蔵省と交渉いたしましてこれらの婦女子が病気を持って世の中へ解放されることのないように、しかし、御本人たちの負担能力というものはほとんどないというふうなところで、現在の性病の予防法自体では費用が半々持ちになっておりますが、これらの婦女子に対しては国庫において負担いたしまして、いやしくも世の中へ解放されたときに、そういう性病関係の病気にかかっていないように万全を処置いたしたいと思いまして、年が明けますと、それに全力を集中いたします。で、予算的に処置も講じました次第でございます。
○棚橋小虎君 厚生大臣も大へんお急ぎになっておるようでありますが、この問題は非常に重要な、大事な問題でありまして、厚生大臣の御所管でも大へんに大事な問題と思うのでありますが、すでに売春禁止法の完全実施を百日後に控にて、非常に事態が切迫しておると思うのであります。それで、私ども先ほどから全国的の赤線区域をだんだん回って視察して見ておるのでありますが、このままでいきますというと、来年の三月いよいよこれが禁止になる際には大混乱を起すだろうということを非常におそれましたので、年内に一日も早く厚生大臣でもお伺いしまして、こういうところは対策を早く講じなくちゃならないということで、当委員会におきましては、年内も余日がないもので、きょうこんなときに伺うようになったわけでありまして、一つ時間がお許しできる限りお話を願いたいと、こう思うわけであります。そこで、私どもいろいろ厚生省の方では、今日までも売春禁止法の実施については御計画あるいは御尽力になっておることはわかっておるのでありますが、いよいよ最後の段階に参りまして、どういう点に重点を置いてこの来年の三月限りの禁止に対して準備をしておいでになるか、どういう点に一番の力を入れて指導しておいでになるのかというところをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堀木鎌三君) 大へん御心配にあずかりまして、ほんとうに私自身もこの問題の円滑なる処理については、何と申しますか、世の中の客観的諸条件がなかなか熟しませんで、残すところ時間が非常に少くなった。その間に、私どもが万全を期さなければならないということについて御同情願いまして、ほんとうにありがたいと思います。何と申しましても厚生行政で考えて参りますことは、ただいま赤松委員の言われました性病予防の関係でございます。で、さしあたりの問題につきましては、問題が解決いたしましたが、さしあたり、と申しますのは、本年度内に婦人の性病をなくすという点について費用的な問題は解決いたしましたが、これをほんとうに実施することは費用だけが支障になっておる問題ではございませんので、これらについて十分具体的に考慮いたして参らなければなりません。その点が重大な一つの問題であります。 なお、解放されました婦人が、率直に申して形を変えて、そうして何と申しますか、いわゆる一種の、よく言われる、町のボスの、違った形ですが、町のボスのまた束縛するところとなって、形を変えてやはり同じような、何と申しますか、事柄に当るようなことがないように、この問題の取締り関係が相当私は重大だと思います。それから解放されました婦人の収容所というものが必ずしも十分にいっておりません。これらの婦人に対して、更生された今後の生活指導というものを婦人の能力に応じまして適切に指導して参る。さらにこれを生計を立てて参るような状態にまでいたさなければならぬ。その間には実はほかの人で心配しなくていいような衣服の問題でありますとかあるいは職業的な補導の問題でありますとか、種々なる問題を控えておるわけであります。で、保護更生に、何と申しますか、立体——縦の筋でほんとうにただ解放されたということだけでなしに、社会人として健全に立っていけるようにするという問題が非常にむずかしい問題でございます。これらにつきまして、私どもとしてもさしあたりの、何と申しますか、衣服類あるいは更生資金等についてもある程度の予算的処置を講じて参りたい。大体それらについては不十分ながら、目鼻が従来考えておられませんところを予算的処置はやや講ぜられるようになっておるわけでございます。しかし、御指摘のように、この問題は率直に申しますと、行政部面だけの何と申しますか、処置でほんとうに完全にいくかどうかという問題は非常に重大な問題であります。基本的に婦人自身が自分の、何と申しますか、自分の個人の尊厳といいますか、そういう問題に真に目ざめてそうして真に更生しろというふうな方向にいかなければなりませんし、社会もこれを同情して、何と申しますか、特別な目をもって特別に考えるようなことがいやしくもあって、これを支障させるようなことがあってはならないというふうなことを、主なる点はそこら辺が大切なことではなかろうか。で、民間のあたたかい手でもってこれを救い出すような環境を作り上げるということも私はぜひ必要なことである、こういうふうに考えておりますような次第でございます。
○棚橋小虎君 ただいま非常に売春禁止法の完全実施ということに対して、非常な困難があるということについてのお話、よく同感いたすのでありまして、それだけにまた、非常に厚生省の方で、当局者としてお骨折りになっておることもわかるのでありますが、私はこの際申し上げておきたいと思うことは、いろいろ歩いてみますというと、施設がまだ十分でない。たとえば婦人相談員などの定員が充足されておらぬ。あるいはまた、そういう施設もできておらぬというようなことで、こういう点は、これは一日も早く充足しなければならぬと思うのでありますが、一つここに大事なことは、根本の方針と申しますか、全国の赤線区域の中で、業者やあるいは従業婦などに接して直接いろいろ話を聞いてみますというと、業者とそれからして従業婦と手を切るということですね。五人なり十人なり、そういう婦人をかかえておる業者が一日も早くその婦人をみんなひまを出して、手を切ってしまうということをしないというと、いかに売春禁止ということをやろうと思ってもそれはできない。ところが、現在のところでは、業者の方は故意にそういうふうにやっておるかどうかは知りませんけれども、従業婦との手を切らない。それを皆依然としてかかえて、そしてかかえたままでもって転業しよう、こういうことを考えている。そうなりますというと、たとえば何かに転業しましても、それは擬装転業、今までのような仕事を形を変えただけでやっているということになって、決して転廃業にならぬと思いますが、業者の考え方はやはり子供をかかえたままで転業しよう、こういうふうに考えておるのであります。それからまた、従業婦の方も何とかして親方にくっついておったら来年の四月になってもどうかなるだろう、こういうところからしてやはり自分でもって自分の生活設計をしようとしないで、依然として親方にくっついておる。これでは私は完全禁止ということはできないと思うので、これは厚生省としてこれを指導される場合において、一日も早く、とにかく手を切らせるように、ひまを出させるようにするということが私は大事じゃないか、これが前提になるのじゃないかと思っておりますが、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(堀木鎌三君) 御指摘の点は、まさに私は非常に重要な部面であると考えておるのでありまして、先ほど民生部長に出しました通牒のうちにも、「接客関係事業に転業する場合においては、現在雇用している従業婦を引き続き雇用することは極力避けるよう勧奨指導」をするのだというふうに出しておるのであります。実はたくさんある業者でございまして、また、地域によって非常に違うのでございます。現に現在、相当積極的に踏み切ろうというのには、業者のうちでも、もう従業婦を一ぺんともかく親もとへ帰すのだ、そして親もとへ帰るだけの旅費も支給するのだということすら実行するということを約束している業者もあるわけであります。ただ、これらの点は非常に、私全体であるとは申しかねますが、地域によりまして、全体でそういうことを踏み切っておるような業者もあるということが言い得ると思うのであります。なおもう一つは、今おっしゃったように、先ほどもちょうっと申し上げましたが、婦人そのものがやはり目ざめてくれないと困ります。婦人そのものの自覚、それから今まではどうしても業者が、先ほど申し上げましたように、ひより見的でございましたから、何としてもとかくこの関係が断てないといううらみがあったのでございますが、今御指摘のように、私どもも業者並びに従業婦に積極的に手を切るということがスタートであるということは十分説得して参りたい、こういうふうに考えます。婦人相談員もほぼ私が申しましたときよりはよほど充足して参りました。一番問題は、この事柄に挺身して、ほんとうに適当な婦人相談員を得ること自体が相当困難だというふうな情勢でございますが、もう現在に至っては大体定員は充足する方向に向っている、こうごらん願っていいのじゃなかろうか、こう思っております。
○棚橋小虎君 ただいまのお話でよくわかりましたが、それからもう一つ私は申し上げたいと思うことは、この売春禁止法をほんとうに最終の目的を達しようと思うならば、業者の間に協力者を求めなくちゃいけない、業者が協力をしてくれなかったら、これはとても実行はできない。ところが、今日まで業者の方では連盟を作りまして、そうして政府にこれを実行させないように、来年の四月になっても何とかこれは延期になるだろうとか、何とかしてかたい陣容をかためておるわけであります。ところが、これが売春汚職の問題が進展いたしましたので、業者たちの確信がゆらいで、これはどうもむずかしいのじゃないかというふうにぐらついてきておることは事実であります。しかし、今日でもなかなかその陣容はかたいと私は見ているのであります。そこで、業者の間から政府のこの方針に協力するものを求めて、それを援助して、その協力者たちの勢力を盛り上げて他を誘導するように仕向けていかなくちゃこの問題は私は実行できないと思う。この間、私ども視察をしておりましたときに、名古屋の業者十数名と会談をいたしたのでありますが、名古屋の業者は、この性病予防東海連盟というものを作っておりまして、これは名古屋の業者を初めとして、愛知、三重、岐阜、静岡、この四県にわたっている業者であります。これは非常にまあ売春禁止の問題につきましては熱心であるのですが、全国で一番ここが熱心であるのじゃないか、こう見ておりまして、年内にこの仕事をやめようという考えをもって今日までやってきている。ところが、これに対していろいろ、これが政府に対して転業に対する融資であるとか、いろいろなことをお願いしておるけれども、政府の方では一向これに対してはっきりした方針を示してくれない、明示してくれない。そこで、連盟員の間でもどうも政府はたよりにならぬ、こんなようなことをしておったのではわれわれはばかをみるのではないかというようなことで、最近に至ってこれはあてにならぬからして、ほんとうはやる方がいいのだ、ことに十二月、一月は書き入れどきであるからしてこれは一つやる気になってやろうじゃないかというようなことを一部の者が言い出しているのであって、そこで今日まで連盟の幹部は非常に中に入って困っているので、政府はこういう方針をするのだ、融資に対してこういうことをするのだということを示してくれれば、われわれの力をもってそういう連中を押えていく確信があるのだ、こういうことを申しておったのであります。私はこれらの人の言うことを全部信用したわけではありませんけれども、また、これらの人の言う融資とかいうことが全部理由があるとは思いませんけれども、中には相当理由がある、これは助けてやらなければならぬというものもある。たとえばその中の一つには、今日までかかえている女の子に対してこの際ひまを出すについては、その年数やいろいろ今日までの勤めた成績によりまして、最低五千円からして、二、三万円くらいまでの、この際退職手当と申しますか、そういうものを支給したいのである、ところが、それは相当の金額に上るので、それについても政府から何とかして金を借りたいのであるということを申し出ているが、厚生省の方でも、また、県の方でも一向これに対しては相談に乗ってくれないので実は弱っているのだ、こういうことを申しております。そこで、私は政府とされまして売春汚職の問題があったので、こういうことについてはいわばあつものにこりてなますを吹くというか、そういうことを言ってきているのに一向取り合わぬようになってきているような印象を受けるのでありますが、それはそれとして、売春汚職の問題は汚職の問題で、こういうようなものに対しては正々堂々政府の方針を実行する上に必要と思われる限りは私はやはり援助されるべきものであろう。そうしてやらなければ、この大きな仕事を実行しようという場合に、最終の目的を達し得られないと思うのでありますが、こういう点について、どういうお考えでありますか、お尋ねしたいのであります。
○国務大臣(堀木鎌三君) 棚橋さん、実は私は東海四県の人には会っているのです。彼らは率先して転廃業を表明した方でございます。しかもその他に率先して実効をあげようというふうな、今東海四県は私は非常に何と申しますか、非常な踏み切り方がはっきりしたものである。で、私自身も、実はまだそのときは全体の空気が、客観的情勢が今日のように至っておりませんときでありましたが、できるだけ御相談に乗ってりっぱにその実をあげたい、そして世の中にモデル・ケースを搾りたい、こういう意欲に私も燃え、業者自身も燃えておったと思うのです。で、今おっしゃったのでちょっと私実情を申し上げますと、転業資金についてはこの東海四県のは初めから割合にいっていないのでございます。自分たち及び自分らの組合の財産で何とかやって参りたいということを言っておりましてただ私ども実は、まあ私の経験から申しますと非常に何と申しますか、強硬に業者自身に働きかけるのと、それから非常に緩和的な方向にやっておられる方と両方あるわけでありますが、私は終始一貫今おっしゃったような方針で押してきているわけであります。世間で汚職があろうがなかろうが、現にこういう行政指導をいたしますと同時に、相当客観的条件が整わないときといえども、敢然とこの問題の完全実施に当りたいというふうなことを言っておりますが、ただ、今回この行政指導がややおくれましたのは、何とか早く東海のそういう意欲にも適した時期に出さないと、彼らが踏み切りにくいであろうということを考えまして出したのと、それから関係県の方も実はその意図をくんで現実にはよほどよそよりは相談にあずかっておる、そして指導いたしておる、こう考えております。なお、実際に彼らが、たしか私の記憶では大体九七、八%の業者がすでにお互いに申し合せをしておるという状況でございますので、真実に彼らが踏み切っていく場合に、相呼応してモデル的なものをぜひいたしたい。私どもの方にある売春対策委員の方々も熱心でございますし、私どももぜひこれをモデル・ケースにいたしたい、こういうふうに考えております。ただ、資金の面は、先ほど申し上げたように、確かに彼らはその問題について特に取り立てていないところに非常に特徴があったと思うのです。ただほかの事業で、同種な事業で資金の融通を受けられるような業種というものについて、売春業者であったがために資金を受けられないというふうな差別的な待遇は私ども初めから考えていないという状況でございますが、いずれにいたしましても、よく現実に即応いたしまして、決して見放しているつもりはございません。今後とも打ち合せてこの問題を推進して参りたい、こう考えております。
○棚橋小虎君 まだいろいろさような点についても、あるいはその他の点について御意見も伺いたいと思いますけれども、時間もありませんし、またあとに質問者がありますから一応打ち切ります。
○大川光三君 時間の関係でごく要点だけを申し上げましてお伺いいたしたい。 先ほど、棚橋委員の御質問に対しまして厚生大臣から、業者と従業婦との手を切らすということが一応肝要であるというお答えでありまして、全く私どもも同感であります。業者と従業婦の手を切らすということ自身が業者の好むと好まざるとにかかわらず、転廃業しなければならぬということに帰着するのでございますが、そこで伺いたいと存じますことは、御承知の通りに、今日赤線地帯ないし青線地帯におりまする従業婦の数というものは十五万人にも及んでおる。しかもこの十五万人の中には、大阪市の調査でございますが、大体子供を持っている者が、七割程度はほとんど子持ちである。従業婦の七割程度が子供を持っているのだという調査が出ております。また、その従業婦のうちで、自分が生活する以外に親元へ月々送金をしておるいわゆる扶養家族を持っておる者が大部分だこういう統計が出ておるのでありまして、そういう場合に、従業婦に対しての更生資金という面で当局はどういうお考えを持っておりまするか、数字的に御説明が願いたいと思います。
○国務大臣(堀木鎌三君) この問題も私が参りましてから当面したのでありますが、大蔵省と交渉いたしまして、何とか彼らに更生資金を貸し付けなければならぬ。なお、今のような状態になりますると、生活保護の関係、それから学資の関係、そういうものも結びついてくるわけであります。私も実際現実分析してみると、個々の人々が千差万別のいろいろな問題を持っているわけであります。非常な大へんな仕事だと思いますが、できるだけ全力を尽して適切な措置を打って参りたい、こう考えておる次第でございます。ただいまの問題は、更生資金、生活保護母子家庭いろいろな政府の援助、貸付金の問題まで入りまして考えなければならぬ問題である、こう考えております。
○大川光三君 そこでもう新聞などに発表されておるのでありますが、特に政府の方で従業婦の更生資金として一人当り最高五万円の貸付をするのだということは新聞にも発表されておるのでありますが、その貸付の大綱を伺いたいと思うのであります。
○説明員(安田厳君) 婦人の更生資金は取扱いは大体婦人相談所でいたしたいと思っておるのでありまして、そこで、貸付の対象は必ずしも全部婦人相談所を訪れて来ました者におみやげで持たせるというような種類のものではなくて、ほんとうに調べてみまして、技能を修得をしたいから二万円要るとか、あるいはこういうふうな商売をしたいために資金として五万円要るとかというふうなことをよく調査しまして、そうしてそれが確実であると思われるものにそういう方法を講じて参りたい、こういう計画でおります。
○大川光三君 新年度で大体どれほどの金額を見積っておられるのでしょうか。
○説明員(安田厳君) これは申し上げると少し少いじゃないかというおしかりを受けると思うのでありますけれども、現在千五百六十万円で三分の二の補助でございますから、大体二千四百万か五百万ぐらいの金になるのであります。これは対象を千名ぐらい考えておりますが、やはり地方庁で三分の一を自分のところで負担をしなければなりませんので、大蔵省といたしましてもとりあえずこれだけのものを出してみて、そうしてその予算の消化工合によりまして、またいろいろと私どもの方で財源を考えたいということで相談をいたしておるわけであります。
○大川光三君 先ほど申し上げますように、大体従業婦が全国で十五万人、そのうちで七割までが子供を持っている、あるいは扶養家族をもつている、その多数の従業婦に対してあるいは千人とか千五百人を対象とする更生資金の組み方は、これはきわめて私は僅少だと思うのです。もちろん、こういうことは一気呵成にしにくい点でもございましょうが、初年度は一応千人ないし千五百人の対象でもやむを得ないと思いますが、漸次その面について拡大していくお考えがあるのかどうか、伺いたいと思います。
○説明員(安田厳君) この今の予算は、本年度の予算でこういうふうな措置をとったわけでございまして、もちろん明年度も同じようにこういった資金を要求いたしております。明年度が一億四千万円で九千人分要求いたしておるのでありますが、その通り入りますかどうか。 それから売春婦の数は十五、六万人ということでございますが、これはもう赤線と青線と、それから街娼、その他いろいろこういう売春をやっているのじゃないかと思われるようなものを拾い上げて、推定が十六、七万ということでございますから、とりあえずすぐ対象になりますのは、これは赤線です。これが大体四万五千くらいでございますが、九月の調査によりますと、すでにもう二割くらい減ってきております。先日愛知県で、これはもう一人一人に会った調査をいたしたのでありますが、それで、行くところがなくて何とか収容所その他に入れてもらう希望があるというものが一割、しかし、これも全部入るかどうかということはわかりません。そういうふうにだんだんしぼってきますと、案外これは国へ帰るとか、帰郷とかいうものも相当出てくる。 それから今お話で、七割が子持ちだという数字は、これはどういうお調べか存じませんが、少し数字が大きいのじゃないかというような私、気がいたしますが、また、よく調べまして、対処いたしたいと思います。
○大川光三君 七割と申しましたのは、実は大阪市内の調査を対象にして申したのでございまして、大阪市の民生局長の調査の結果、大阪市の場合は、売春婦のうち約七割が子持ちである。そこで、大阪市は、この七割の子持ち従業婦に対して、母子福祉資金のワクから金融をいたしたいというふうなことを市会でも答弁し、新聞にも出ておりまして、大阪市内を対象にした調査でございます。 なお、先ほどお説の全国十五万人というのは、これはあらゆる青線地帯、街娼等を含めてでありますが、実際の赤線地帯におる従業婦は少くも五万前後ある。その五万前後の中には、真に同情すべき従業婦も多いことでございまするから、この上ながら、この面について当局が御善処いただきたいと希望をいたしておきまして、私の質問を終ります。
○赤松常子君 関連いたしまして、予算のことでございますけれども、要望申しておきたい次第でございます。婦人相談員の九千円の手当のほかに、交通費が非常に不足している、こういう訴えがいつもございますが、こういう点の増額はどうなっておりましょうか。それから売春婦、その人々をいなかに帰すとかいう場合の旅費、これも非常に不足しておる。これの問題など、それから一時収容所に収容いたしております際の食費、これも非常に少くて、ある県では四十五円というようなところの報告を聞いておりますが、こういう点についての増額などが、今度の新規予算にどういう程度に改正されようとしておりますでしょうか。きょうはお急ぎでございますから、一応新規予算にこういう点などがどういうふうに考えられているかということを、明細なものを御提出願えればいいと思います。こういう更生関係に要するその予算が、前年度よりどういうふうに増額されているか、この明細を一応お示し願えればけっこうかと思います。
○説明員(安田厳君) ちょっとわかりましたから。今、赤松先生からお話がありましたのは、私どもも耳にいたしておりますが、本年度は八百八十万円ばかりの予算でございますのを、来年度二千六百四十万円ばかりほしいと、実は折衝いたしておるわけでございます。 食費はたしか八十円だったと思います。四十五円ということは、そんなことはないと思います。もう一度調べましてお答えいたします。
○国務大臣(堀木鎌三君) ともかくも何と申しますか、私ども実際にこの問題を処置していて感じますことは、非常に重大な問題である、その問題をただ普通の事務的に考えてはいけない問題である、また、非常な社会の変革なんでございます。それで私、厚生省へ来てから予備費をとるには、売春関係に全力を費して予備費から何とか出させようという努力をいたしたのでありますが、なかなか自分自身としては、もう少し世の中の人が自覚して、実態についてよく見きわめをつけて、そうしてこの新しい社会作りにもっともっと考えてもらいたいというふうな気持は、私自身としてはいたしております。予算その他の折衝でも常にそういうことが考えられますし、それから非常に時の動きによっていろいろなことをおっしゃる方がございますが、私は終始一貫まじめな態度で進めて参りたいと思っておりますが、なかなかそういうような状況になりませんので、それらの点については切に御援助と御鞭撻を願いたいと思います。本委員会におきまして、特に歳末に際してもこの問題をお取り上げ下さるようなことは、私としては非常にありがたい、方々へ行っておりますが、事直に申して、この問題を解決するのには、全社会があげてこれの解決をしなければ、新しい社会はできないのじゃないか。しかし、私は、そのために私の責任を回避するものではございません。御趣旨に従って全力をあげてやって参りたいと、こう思っております。
○委員長(青山正一君) ほかに御発言もなければ、最後に、委員長から、厚生大臣初め法務省その他関係当局に対し、要望いたしておきたいと存じます。 売春防止法の全面施行は、申すまでもなく、目前に迫っておりますが、全面施行以前における業者の転業指導が、どうも徹底を欠いておるのではないか、特に売春に関係のない健全な業種への転業は、最も積極的に勧奨指導し、早急に軌道に乗せるよう努力すべきであると考えますが、この点につきましては、ただ一片の通牒のみでは不十分なのでありまして、関係各当局の協調、完全な指導、あるいは閣議等におきましても積極的に、むしろ売春業者の健全な業種への転業を最優先するよう、新たに何らかの対策をお考え願いまして、世論の納得するよう、転業が円滑に行われますよう、御努力願いたいと思います。 どうもいろいろありがとうございました。 これにて散会いたします。 午後一時九分散会