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28回国会参議院1958/06/03

農林水産委員会 閉会後第1号

発言数
106
登壇者
16
会派数
3
開催日
1958/06/03

会議録

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  最初に、委員の変更について御報告いたします。五月一日、鈴木一君が辞任後退職せられ、五月九日、小林孝平君が委員に選任され、五月三十日、江田三郎君が辞任され、海野三朗君が選任、五月三十一日、大河原一次君及び有馬英二君が辞任され、小酒井義男君及び西田信一君が選任、本日、小酒井義男君、海野三朗君及び西田信一君が辞任され、大河原一次君、清澤俊英君及び佐藤清一郎君が選任されました。   —————————————

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 狩野川放水路漁業補償の件を議題にいたします。  この件については、前国会において問題になり、その際の東委員の御要求によって、本日重ねて問題にいたした次第でありまして、まず、その後水産庁における調査の結果及びこれに対してとられた措置について、当局の説明を求めます。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 前回、狩野川問題に関しまして、この問題の収拾策といたしましては、単位の五組合の連合会と、こういう形に遠洋漁協を改組するか、しからざれば、遠洋漁協に対して、関係補償組合員の全員の参加を求める、こういうことにするか、どちらかであろう、こういうことを申し上げた次第でございますが、その際に、遠洋漁協はすでに解散しておるではないかと、こんなふうな御注意もございましたので、さらにわれわれといたしましてその事実を調査をいたしましたのでございますが、ところが、遠洋漁協は昨年の五月の定時総会におきまして静浦丸と富士浦丸のこの二つの船をそれぞれ別個の組合として分離していくと、従って遠洋漁協も二つの組合に分れていると、こういうことに決議をされておるのでございますが、しかしながら、まだこれが分割に関します法的な手続は完了いたしておりません。そこで、県といたしましては、これが事態の収拾策といたしまして、昨年の五月の定時総会におきまする議決通りに、遠洋漁協を静浦丸関係の三つの漁協と富士浦丸関係の二つの漁協に分割をする、そうして補償金関係者の全員の参加を求める、こういう方針をもちまして指導いたしておるようでありまして、そして補償金関係者の大多数がこれに賛成を唱えておるようでございます。ただ、この問題が、関係者の一部が告訴をいたしたりいたしております関係から、帳簿が現在検察庁へ押収されておること等のために、形式的に定時総会で組合の分割の定款変更を行うというようなことがまだできないでおる、こういう状況にあるのでございますが、県の見通しによりますれば、この六月にはその総会を取り進めまして、遠洋漁協を、ただいま申し上げました二つの漁協に分割をして、そして、それとともに受償者の全員の参加を求める、こういうことに取り運ぶことに相なっておるそうでございます。われわれもそういうことで、この事態が円満に収拾されることを期待をいたしておる次第でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 今簡単な御報告があったのですが、だいぶ疑問がありますので、お伺いをいたしますが、遠協が解散の決議をしたのは、昨年の五月に決議をしておるわけです。ところが、聞くところによりますと、手続をいたしましたものを、県でもって押えておる、こういうふうに聞かされておるわけであります。そこで、県で抑えておる理由は、どういうところにあるかというと、私は、やはり水産業協同組合法の七十何条でしたか、あの例の財産の処分の関係の法律、その関係にからんでくるのじゃないか、こういうふうに考えますが、もしそれにからんでくるとすると、二つの組合に分割をするというそのことが、かえって問題になる、従って水産庁は、前の総会の決議を、何らかの形でもって履行しないような形に持っていって、そして前の一つの組合でもって進めていくのが適切なんじゃないか、こういうような考え方も持ちますが、どういうふうにお考えですか。今、県でもってやっておるような方法が水産庁としては正しい方法だと、こういうようにお考えですか、非常に問題になると思う。それは、結局補償金を全部遠洋漁業協同組合の借入金の形で借りてしまっておる、そして船をこしらえておる、その船も県が仲に入ってこしらえておる、そんなような形で、非常にその間に不明朗なものがたくさんあるのですから、問題の解決を、新しい二つの法人をこしらえて解決をするよりも、前の法人でもって解決しなければならぬ問題じゃないか、そういう問題が非常にそこにあると思う。それを、県の方で、自分たちのやってきた間違った行為を、そのまま帳消しにしてしまって、新しい二つの法人をこしらえて、それにみんなまかせる、権利義務を帳消しにしてしまうようなおそれも多分にある。従って、これの関係を、県が考えているような考え方でもって、水産庁がその通りおやりになるのでしょうか。こういう考え方は少し軽率じゃないかと、こう思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 私は、結局この問題は、組合員の総意がどういう収拾策を希望するか、こういうことにかかると思うのであります。県といたしましても、当然そういう総意の上に適当な解決策の相談にあずかる、こういうことでありまして、その総意を無視して県が一方的な指示をするということは、これは問題の円満な解決をはかるゆえんではないと、かように考えるのでございます。そこで、私が今まで伺っておるところでは、静浦丸につきましては、静浦第一、志下、馬米、それから富士浦丸につきましては、内浦、西浦、このそれぞれの部落及びそれぞれの単協の組合員が、実質的にそれぞれ別個に管理をしており、それぞれの漁民がそれぞれの船に乗り込んで仕事をしている、こういうふうな実際上の関係がすでにでき上っておる、こういう状況にあるのでありまして、従いまして、一方の経営上のマイナスを他方においてカバーするというふうな単一組織では、円満にこの組合がいきかねるような一つの事実関係がすでにでき上っておる、こういうことであるのであります。従いまして、そういうことの基礎の上におきましてこの問題を考えまする際には、この際、昨年のすでに五月にそういうふうな方針をきめておるようでありますので、この方針に従いまして、この両組合に分割をする、そうして受償者の全部を参加させるという方策にいくのが実際的な解決策であろうかと、かように考えておるのでございます。なお、いろいろ不明朗な点があるということでございまするが、実は、形式的には、たとえば遠洋漁協を百十名の部落代表者をもって構成したということに関しましても、やはりそれぞれの組合の決議にかけて、代表として選んでおるようであります。また、これはそれぞれの百十名の組合員の個人持分ではなくして、その者が議決権を行使することができないような纂態があれば、かわりの者が出るとか、そういうふうな、やはり一つの代表者としての考え方ででき上っておるよう様子でございます。しかし、その運びなについて非常に紛糾を起したということについて、これは非常に残念に存じますけれども、今ここで遠洋漁協の組合員の総意の求めるところによって財産分割をする、こういうことが、過去の不明朗ないろんな問題をそのままやみにほうむってしまうということには私は相ならないかと、かように考えて、県のそういう措置を、一応伺っておる次第でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 私は、百十名の者がこしらえた遠洋漁業協同組合というものを簡単に解散をすべきじゃないという考え方なのです。その遠洋漁協の中に、補償を受けた者が全部加入した形にして、しかる上で解散をするのなら話はわかるのですけれども、百十名の者で遠洋漁業協同組合をこしらえて、そうして国からきたところの補償金の大部分をその遠洋漁業協同組合が借り入れて、そうしてそれで船をこしらえる、こういう形になる、しかも、今現実の問題として、漁期の関係その他で、早く港に入ったものは、マグロだの何だの有利にとることができる、そのあとにきたものは非常にまずく処理される、そんなよな関係で、一つにしてやるのはどうもまずい、こういうような形になって、そうしておのおの二つに分けてやるんだ、こういうような形で、きておるわけです。しかも、その形を見ますと、遠洋漁業協同組合一本でやっていないからそういうふうな形が出てくる。だから、遠洋漁業協同組合一本でやっていく形をもう少し計算のやり方をはっきりさして、そうしてやれば、おのずからそこにまとまるのですけれども、しかし、乗組員だの何だの、そういうようないろいろな関係で、はっきりと分れてしまって、そうして二つの協同組合をこしらえなければならぬような形に経営を持っていっている、そうして二つに分けている、総会でそういう決議をした、こういうことになっておるわけです。従って、その前の遠洋漁業協同組合を解散をするときには、その遠洋漁業協同組合の持っておるところの権利あるいは財産その他は、どういうふうに今度は動いていくか、これもわからない。それから、最初に国からもらったところの補償金を受ける資格のある者は、今後はどういうことになるかというと、非常に不明郎なものになってくる。どういうようなことを言われておるかというと、この百十名の中のある者は、お前らから金を借りたんだから、その金を返しさえすればいいじゃないか、こういうふうに広言をしておる人もある、こういうふうに聞かされておる。そういう非常に危険な形になっておる。だから、この遠洋漁業協同組合そのものが非常に不明朗な形ででき上ってきておる。こう言わざるを得ない。というのは、国からきたところの補償金で船をこしらえて、そうして、それから上ったところの利益で補償金を払いさえすればいいじゃないか、そうすれば、百十名の者の遠洋漁業協同組合になるじゃないか、こういうことも言えるわけです。だから、国の金を、補償金を勝手に判をつかして、そうしてみんな集めて、それでもって遠洋漁業協同組合の資金をこしらえて船を作った。そうして、あとでお聞きすると、払いさえすればいい、従って、補償を受けるところの人々は、遠洋漁業協同組合に関係をしておりません。従って、今まで多少支払ったところもあるようですけれども、そういうようなものは、ことごとくみな不明朗になっておる。だから、この際補償を受ける者をはっきりさして、それが出資の形とか、あるいはその他の形に切りかえることによって 一応遠洋漁業協同組合というものを完全なものに仕上げていって、そうしてそれをあとでもう一回分割をするというなら話がわかる。前のやつの債権債務の関係が全然はっきりしない関係にあるうちに、それを簡単に解散をして、そうして二つこしらえる、こういうのは、これは非常におかしなことになるじゃないか。従って、県がそれを押えていったというのもこれは理由はある。県は問題が起きてから非常にあわてかけて、そして今お話になったようなことを始めていると、こう考えているのですが、そうじゃなくて、協同組合の本旨から考えていって、遠洋漁業協同組合というものを作った基本的な考え方から入っていって、そして補償を受けるものがみんな組合員になって、そしてやっていく、こういうことでなければ、補償の意味はなさぬ。もしそういうことをしないならば、百十名のうちでこしらえてもいいけれども、そのときには補償を受けた金額というものは船をこしらえてはならぬ。個人にみんな配分をする、それを配分をしないで勝手に県でもって集めて、そして船をこしらえてしまって、その船も、聞くところによると、遠洋漁業協同組合が注文したのじゃなくて、県庁が注文する、こういうような関係、これは調べていくと調べていくほど中身がおかしくなって参りますが、その県が今おやりになっていることを中止して、もう少し水産庁の方で基本的な対策を確立する考え方はございませんか。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 問題は、百十名の現在の遠洋漁協の組合員が個人としての資格において持ち分を持ち、将来負債を返していけば、それを自分たちの共有財産として管理経営していこうという意識の上に立っておるか、あるいは百十名の組合代表者の選定に必要な話し合いが、組合の中で行われておる、しかも、この百十名の組合員が組合の代表者としての意識において行動しておるか、こういう点が一つの問題であると思うのでありますが、その点に関しましては、紛糾は確かに起しましたけれども、一応形式的には、百十名は組合の代表者として組合において選定されておりまして、そして、ただいまその連中の意識におきましても、また現実の事例におきましても、これを個人的な資産として考えさせるというふうな事態ではないように承知をいたしておるのでございます。そこで、あ問題の解決策は、結局、組合に対しまする行政の関与というものに関しまして、どこまでの限界があるかということにも関連をいたしてくると思うのでございます。もちろん、国の補助金交付等の場合におきましては、これは国といたしましても、この適切なる補助金の使途ということに対して、必要なる勧奨は強力にこれを加えて参らなければならないのでございますが、これはあくまでもこの五つの組合自身の問題であるのでございます。そして、この五つの組合が代表者を選びまして、そして組織いたしました遠洋漁協が、昨年の五月、すでに相当古い段階におきまして現在の静浦丸、富士浦丸という二つの船の運営の状況から見て、この際、組合を二つに分けることが適当であるということを取りきめておるといたしますれば、やはりその基礎の上に立って、しかもまた、百十名の代表者によって構成しておるということ自体が紛糾を来たしておるということであれば、これに対しまして、関係受償者の全員を参加させるというような方向においてこれを解決さしていく、こういう組合の自主性をある程度われわれとしても尊重した行き方というものをとるのが、やはり組合の性格と、今日の状況からいたしまして、適当な解決策であるのではないか。かように考えておる次第でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 百十名の者は組合代表者と、こういうふうにおっしゃるけれども、私は、代表者というものは、何か組合でもって決議をし、あるいは遠洋漁協の定款の中等に相当明瞭にしておかなければ、これは非常にむずかしい問題を起こしてくる、こう考えることが一つと、それから、先ほどお話しになったように、かわりのものがしょっちゅう出るのだ、こういうようなお話も聞かされたわけですが、しかし、これは非常に間違いだろうと思う。家族のもので、おやじのかわりに、そこの息子が出ていったという場合ならば、これはある程度見逃すことができるかもしらぬけれども、全然違う者が出ていってやるということも、これも法律の運営からいったら、非常に間違ったことになろうと思うのですが、これは今後の問題も非常にあるので、組合の運営ということをもう少しはっきりさしておかないと、この点は非常に問題になるのじゃないかと思う。私は、特殊協同組合の連合会ができて、その連合会が遠洋漁業をやるというような形になれば、この問題も非常に簡単に解決がつくと思うのです。今、連合会の形が、組合の形でもっていっておるところに非常に困難な問題がある。そこで、もう少しこの中身を明瞭にされておかないと、あとで非常にむずかしい問題が起きてくるのじゃないかと思う。個人の補償の問題ですね、この問題もはっきりしておかなければならぬ。それから組合でもって総額が一体どれだけになるか、これもはっきりさしておかなければなりませんし、かりに代表を出してやるとしても、そういうような点がほとんど明らかになっていないのじゃないかと思うのですが、その点はどういうふうになっておりますか。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) ただいま代表者の交代の問題について、そういう事例がないのではないかと、こういうお話がございましたが、私この組合の代表者の一人について確かめたところによりますと、たとえばある代表者が死亡するというときには、個人財産であれば当然相続するのでございますが、しかしこれは組合代表という資格において入っておるので、別な組合の代表者がその資格を承継するというふうな取扱いをいたして参っておる、こういう話を聞いておる次第でございます。いずれにいたしましても、私の方といたしましては、なお県が今後取り運びます経過も、これだけの問題でありますものでございますから、十分査察をいたして参りたい、かように考えておりますが、現在、五つの組合の大部分が、そういう解決の方策をきめており、また実態が、二つの船を単一の組合において経営するということには、都合の悪い実態がすでにでき上っておるということであれば、一応、こういう運び方をわれわれとしても了承する、こういうことが、組合の自主性を尊重しなければならない今の組合行政の建前といたしましても、当然、行政当局としてもとるべき態度ではないかと、かように考えておるのであります。なお、今後のいろいろな取り運びにつきましては、十分さらに紛糾を残さないように、相談にもあずかって参りたい、かように考えております。

東隆日本社会党

○東隆君 組合の自主性を云々と、こう言われたのだけれども、この場合は、組合の自主性は、結局、組合の代表者の百十名、そのうちのごく少数のものなんです。普通の言葉でいえばボスになりましょうか、そういうような者が組合をやっておるのでありまして、その組合をやっておるその連中の自主性などということをやっておったら、これはもう遠洋漁業協同組合そのものがこれは変なものにいくと思うのです。だから問題は、組合の自主性だの何だの、そういうような名にかくれてやるのじゃなくて、組合員全般を考えなければならぬし、この場合は、問題は、百十名について考えるのじゃなくて、補償を受けた者、それが全組合員にならなきゃならぬ。だから、初めからもう出発点が間違っておるのですから、その間違っておる出発点を直して、そして自主性を十分に保ち得るような組合に仕上げることが必要なんです。これが前提なんです。この前提をやらないで、そしてそいつを解散して二つの組合をこしらえていくというのだから、これはいよいよもっておかしな形になっていく。だから、まず不明朗な形にできておるところの遠洋漁業協同組合を、全戸加入の形態、遠洋漁業協同組合の補償を受けた者、この者がみんな加入した形でもって遠洋漁業協同組合を作り上げて、そして、しかる後にそれを分割するなり何なりするというなら話はわかる。だから、その過程をとらないで、前のやつをぶっこわしてしまって債権債務の関係をみんな帳消しにしてしまって、そうして分割して、そして新たに船を中心にして組合をこしらえる、こういうふうになってきても、これはなかなか五つの漁業協同組合があることだし、船の価格を同じ価格にかりに考えても三つの組合と二つの組合をもってそれを分けるというときに、債権関係なりその他の問題で、いろんな問題が起きてくる。だから、もう一度組合をりっぱなものに仕上げて、もし仕上げることができなければ、債権債務の関係をはっきりさして、そして補償をすべき者の補償額なり何なり、そういうものを、分割をする金額を、はっきり明瞭なものにして、そしてどれだけのものが出資になっておるか、そしてどれだけのものが借入金の形に使われておるか、そういうような点もはっきりせなけりゃならぬし、使途の関係だの何だの非常に不明瞭な関係になっている、こういう点もありますし、そういう点をもう少し明瞭にしておかないと、あとに、問題は何ぼでもどんどん、どんどん起きてきます。こういうふうに想像されますが、その点くどいようですけれども、前の遠洋漁業協同組合を再組織をしていく、こういう点で水産庁の方ではお考えになりませんか。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 当然組合を分割するに当りましては、それぞれの債権債務の関係、あるいは受償者の個人別の配分等は精細に計数の上でとりきめられなければならないのでありまして、今、遠洋漁協の分割に関する今後の運び方につきましても、そういうことをはっきりとさせたいということが予定のプログラムの中に入っておる次第であるのであります。そこで、遠洋漁協というのは、結局は五つの構成組合、この百十名はそれぞれの組合の代表者ということで入って参ったのでございまして、従いましてこの五つの組合のそれぞれの総意というものが積み重ねられて、そして当然分割あるいはその他の措置がとられる、かように考えるのでございます。従って、それぞれの組合におきまして、なお、われわれとしても十分より以上確認の努力を払うことはやぶさかではございませんが、こういう解決の方策を大部分の総意として希望しておるということであれば、できる限り手続を、組合の総意を尊重して簡略にするということによって、結果においては、将来あるべき姿にこれを改めていくと、こういう結果を実現するということに相なれば、それでまあよろしいのではないか。まあそういう程度の監督でこの問題は十分なのではないかというふうに、われわれは判断をいたしております次第でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 非常に水産庁長官安易にお考えのようですけれども、結局、補償を受けた者で組合員になっておらない者は、金を無利息、無期限に遠洋漁業協同組合に借りられて、そしてその補償金のうちからある程度のものが出資金になって出ておる。従って、組合の運営からいきますと、どういうことになるかというと、その出資をしておる者に対する配当その他の問題が起きてきておるし、そして借入金そのものに対しては無利息、無期限でありますから、利息を払う必要がない。従って、これを続けていって、将来において利益が上ったときに、その金を払えばいいじゃないか、こういうふうに遠洋漁業協同組合の幹部の者が考えても、これは可能なわけです。そういう形になっている。そうすると、どういうことかというと、補償を受けた者は、これは無利息、無期限ですから、いつ払ってくれるかわからない。補償金を、かりに個人別のやつをはっきり分けても、それは今の形ではいつ払ってくれるかわからない。組合が利益が上ったときにそれでもって支払いをする、こういう形になっておるわけです。だから、もしこれを適切な方法でもって解消をするとすれば、かりにその借入金全部を肩がわりをして、そして組合員にみんな返してやって、そして負債をしょった遠洋漁業協同組合という組合ができる、そういうようなものができる場合は、それは百十名の者でいいと思う。しかし、そういうような非常に不自然な形にしないで、そして全体が遠洋漁業協同組合の利益を受ける、こういう形ならば、借入金の形でなく、あくまで出資というような形態にしなければならぬ。これを加入をさせてやる。そうして組合は任意加入で、加入、脱退の自由があるから、従ってその中には私は加入をいたしませんと、こう言う者もできてくると、そういう者には補償の分割金を払わない、そういう問題が出てくると、これは非常にそのまま推移をすれば、何かというと、国から出たところの補償金を組合がかすめ取って、そして使っておると、こういう問題になってきておる。だから、この問題は長く延ばせば延ばすほど、組合が非常に乱暴なことをやっておると、こういうことになるわけですが、この解決は、すみやかに解決をしなければいかぬ。だから、どれだけの補償になるか、補償額をはっきりさして、そしてそのものが出資をするかどうか、そして出資したものとそれから借り入れしたものは帳消しにしていくんですから、それもおのずからできると思うのですが、そのいうような形に直すか、何かやらなければこれは問題になるわけです。それをやらないでおいて、そして組合を解散して、そして二つこしらえる。これはいよいよもって不明朗なものに輪をかけていく。その点を明らかにしないと、いつまででもこの問題が残ってくるのじゃないか。それから、当初の形において遠洋漁業協同組合の整備をやると、そういうことによって加入脱退の自由があるのだから、個人でもって補償金がほしい人もありましょう。そうしてその人は将来そこを立ちのくかもしれない。もう立ちのいた人もあるかもしれません。そういうような人もあるのじゃないか。漁業ができなくなりますから、やめて、別な方面に行っている人もある。いろいろな問題があろうと思う。そういうものをはっきりさしておかなければ、これは非常に問題が将来に残ってくると思う。そいつを組合の自主性というようなものの名に隠れて、そうして官庁がほったらかしておいたら、これはもう大へんなことになろうと思う。だからこの際、やはり官庁が持っておるところの監督権あるいは指導権を十全に働かして、そうして遠洋漁業協同組合の成立した当初においての形において、加入脱退の自由のもとに、出資の形にそいつを返して、そうして組合員をふやしていって、そして一応のものができ上ると、そいつが将来二つになるというならば、これは二つにしても一向差しつかえない、五つの組合があるのですから。そういう形にすべきじゃないかと思う。そいつを三つの組合と二つの組合でもっておのおの船を中心にして遠洋漁業協同組合が二つできるんだと。そしてそれは全部が入っておるのだから、それでもってやれば、遠洋漁業協同組合は一向差しつかえないものができるのだと。こういうふうに考えられるのは、これは非常にむずかしい問題が起ってくると思う。だから、やはり債権債務の関係、そういうようなものをはっきりさして、そうして個人の補償金額、そういうようなものをはっきりさして、しかる上で一応成立をさして、そのものの今度は総意によってこれは二つにやると、こういうならば、これははっきり債権債務その他の関係がみんなケリがついておるのですから、これは一向差しつかえないと思う。ケリの一つもつかないものを勝手に分割するという、そういうべらぼうな方法は私はないと思う。この点は、水産庁長官はもう少し考えなければならぬと思うのですが、どうですか。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 私は、おそらくそういうことに相なれば、この遠洋漁協を作ろうということを五つの組合でそれぞれきめたそのときのいきさつにも私はさかのぼらなければいけないのではないかと思います。個人に分けてしまえば、これは消費資金その他で雲散してしまうおそれのある金を、この際、全組合員の総意のしに立って、そして生産資金として活用していこうというところから遠洋漁協が発足したのであろうと思うのでありますが、その際の手続が形式的には整っておるが、実質的な宣伝が非常に不十分であったというふうなことのために、今日こういう紛糾を起しておるのであろうかと思うのであります。しかし、これはわれわれのこういう問題に対する指導の態度としては、その当時にとにかく組合員が総意で遠洋漁協というものに投資をしていこうということに取りきめましたという、そのいきさつから、今日このいきさつを御破算にして、そうしてこの金を分けてしまう。こんなふうな考え方をなるべく組合がとらないような方角に指導をしていくのが、私は望ましいのではないか、かように考えるのでございます。で、私はただいまお話がありましたように、この際、遠洋漁協自身に関係漁民の全員を参加させるということ、その上で分割させるということも一つの方法でございましょう。また、遠洋漁協の状態におきまして、これを二つに分割をして、その上で関係漁民の全員を参加させようというのも、これもまたそういうことを組合が選べば、それも十分尊重していい一つの行き方ではないか。問題は、その移り変りの際に、今までの権利関係等が不明朗に処分されないこと、こういうことが望ましいのであります。そのためには、あくまでも遠洋漁協というのが、これが五つの組合の信託の上に立っておる協同組合であるということで、五つの漁協が十分これが処理について参画をして、そうして権利関係を明らかにし、片づけるものを片づけていく、こういうことにいたすように指導をすれば、私は、必ずしも先ほど申し上げました二つの方法のどちらでなくちゃならないということを、この際、特にここで申し上げる必要もないのではないか。現地の事態が第二の方法を選んで進行しておるということであれば、その際に、ただいまのような移り変りの際の明朗なる措置が確保され、それが五つの組合のそれぞれのやっぱり総意の上に立っておるということであれば、その方法を認めるということも、これもまた一つのやり方ではないか、こんなふうな気持から申し上げておる次第でございまして、どうぞ御了承いただきたいと思います。

東隆日本社会党

○東隆君 私は、その補償を受けた金額ですね、その金額を借入金の形にして、無利息、無期限にしておる、この関係ですね、これは長く続ければ続けるほど、非常に不明朗なものになると思うのですよ。それは組合員になっていない者にはこれは何らのなにがないのですからね。利子も入ってこないし、それから配当ももちろんないのですから。そうすると、この運営はどういうことになるかというと、組合が解散してしまったら、今度は非常に変なことになってしまうのですよ。新しい組合がどういうふうに債務の継承をするのか、そういうような問題が起きてきましようけれども、しかし、それにしても依然として借入金の形でもってやられたんじや、これはかないませんよ。やはりみんな出資の形で処理してもらわなくちゃならない。それを、加入脱退の自由の問題があるから、その地域にいなくなる人も出てきましょうし、そういうような人は、これは当然脱退しなきゃならぬ。私は、何も加入脱退の自由だからといって、そこに居住している者が勝手なことをしてもいいと、そういうような意味じゃない。やはり中から出て行く人も出てきますから、そういう人には、やはり一応考えてやらなきゃならぬ問題があるから、その当初において補償金額というものは個人当りどれくらいになるかということを確認しておかなければ、だんだん問題になってきますよ。船をこしらえます場合におけるやり方だの何だの、これは官庁が中に入って、そうしてやっておるやり方が、非常に普通のやり方でなくて、組合の自主性でもって船をこしらえるというわけじゃないのですよ、県でもってやっておるのですから。だから、あくまで県の指導が、組合をこしらえるときの当初においての考え方が、非常に間違っておった。だから、その考え方をやはりすみやかに直して、そうして出発をしなければ、今までのを、かりに銀行に預けておいても金利がつくのですからね。その分はどこにころんで行っているかわからないことになっている。だから、組合員でない補償を受けた人たちが騒ぐのは、これは当りまえの話なんです。そのままぶん投げられておるのですから。だから、これを解決する方法をやる場合に、二つの組合を作って、そうして解決されると、こう言うけれども、その前にさかのぼって、そうしてやはりその当時の人においてちゃんと分割をして、はっきりさせておかなければならない。それをやらないで、二つの組合を作るというと、またあやふやなものになって、非常に問題がますます複雑になってきますから、だからもう一度考え直して、そして、個人の補償額がどれくらいになるのか、それをはっきりさして、おのおののものをはっきりさして、そうして借りられた金額の場合にはそれを出資に振りかえていく。こういうような形をとるべきじゃないか。こういう考え方にならざるを得ないのじゃないですか。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) どちらのやり方をやるといたしましても、ただいま申し上げましたように、加入しておる組合員及び実質的には加入しておるが、百十名というもののらち外に出されました組合員、それぞれの権利関係を明瞭にして、そして、過去の犠牲的な貸付関係等を適切に整理をしていくということは、この移り変りの際に、的確にやらさなければならない。かように考えております。  それで、現在のスケジュールにおいても、そういうことをこの際やる。すみやかに臨時総会を開いて、そういうことをきめていくということがはかられておるのでありますが、私は、さらにそれが、単位の五つの漁協というもののさらに総意の上にも基いて行われるように、また、この際、計算関係についてのいざこざを先に残さないように、一そう県の方で良識のある指導をするように、われわれの方も注意をいたしたい。かように考えております。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 本件は、この程度にいたします。   —————————————

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 北海道底びき漁業の件を議題といたします。  この件について、前国会において問題になり、当局の善処が求められておりましたが、その後の事情について、水産庁当局の説明を求めます。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 北海道の底びきの禁止区域の拡大に関しましては、現在底びきの禁止区域拡大を要請しておる考え方の中にも、いろいろな考え方があるのでございまして、問題の内容はいろいろ複雑でございますので、そこで、われわれとしましては、現段階でやり得る禁止区域拡大というのはどういう程度のものであるべきかということにつきまして、いろいろ検討を重ねておる次第でございます。まだ現地にそれを流して、現地のそれぞれの対立しておる利害の調整をはかるというところまで、われわれの方も進んでおらない次第でございますが、ぜひともこの夏の禁漁期明け前には、そういう態勢ができ上るように努力いたして参りたい。かように考えておる次第でございます。  どちらにいたしましても、七月に入りますれば、やはりこれだけの問題でございまするので、八月末までには仕上げるといたしますれば、やはり七月には案を提示をして、そうして、両者の調整をはかるという努力を開始しなければならない。かように考えて研究をとり進めておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私は、この休会中に次から次へと問題が起きてきましたところの国際漁業の問題について質問をしたいと思います。  わが国の国際漁業が、きわめて重大な段階に当面しておるということは、私が申し上げるまでもありません。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 今のは御質問ないですか。

東隆日本社会党

○東隆君 ちょっと、底びきで私お伺いしたいのですが……。  この前の委員会で、堀委員の質問、それから、それにあわせて、私も、実は要請をしておいたわけですが、できるだけ国会の選挙期間中くらいに一つおきめになったらいいのじゃないか。できるところだけおやりになったらどうか。こういうお話をしたわけであります。それで、きょうは、実は、そのあらましが聞けるのじゃないか、こういう期待をいたしたのでありますが、まだ七月ごろまで延ばすというようなお話であります。私は、北海道から要請をしておるのは、北海道議会でもって決定をしたものを要請をしておるわけです。それで、道議会でもってやったのは、もちろんそれに反対の側もあったかもしれませんけれども、一応決議としてきめたわけであります。それをきまった範囲の、決して戦前のもの以上に上回った禁止区域の拡大ではないと思う。そういうような、どちらかというと一日も早くやれば早くやるほど資源の確保になる、こういうような問題になろうと思う。そういうような問題を一日延ばしにされるのは、非常に残念だと思う。それで内閣の構成、その他ももちろん起きてくると思うのですが、また長官が栄転をされるようなおそれがある。こういうような、皮肉って、この前は、そういうような心配もあると、こういうわけで、早くやってほしいと、こういうことを申し上げたのであります。  それで、七月というと、あれは八月十五日までですが、もう少し早くおやりになるようにできないのですか。いろいろな食い違いがあると、こう申しますけれども、結局二つじゃないですか。底びき業者の方の側の反対と、それから沿岸の漁民の区域拡大の要請の問題と、こう二つになるのじゃないですか。しかも、その二つの問題の調節をとって、道でもって出してきておるわけです。だから、何もそんなに問題がないと思うのです。  それから自由民主党側の堀委員も、すみやかに決定をせよと、こういうように要請をしておるんです。私は社会党に所属しておる。社会党のものもそういうことを言っておるわけです。そうすると、二つの争いの側の、自由民主党側の方が実は、北海道では、底びき業者の方を代表されておる側の問題があったので、堀さんの発言からいえば、そう強く言う必要はない、こういうようなところまでいっておると思う。だから、もしこれについていろいろの問題があるとするならば、北海道で起きた水産疑獄関係でも何でも、そういうようなもののまだ圧力がだいぶ残っておると、こういうふうに言わざるを得ないように思う。私は、やはりこの際、すみやかに水産庁の方で決を下すべきだと、こういうふうに考えるのですが、七月に延ばされるのならば、もう少し早くならないものですか。この点を。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) われわれとしましては、これは純粋に事務的な、かつ科学的な問題という観点から取り組んでおるのでございまして、従って、長官自身のどうこうというような問題にもかかわらず、われわれの方のこの問題に対する態度は、変りはない、かように御了承いただきたいと思うのであります。  ただ、現在内容にいろいろあると申しあげましたのは、沿岸と、底びきの対立ということでなしに、現在の禁止区域としていわれておる観念の中に、当面しておりまする操業の相剋摩擦というきわめて緊要な内容のものから、資源の保護の上における相剋摩擦、あるいはまた、将来沿岸がそこまで伸びていくであろうから、この際、沿岸の漁場を確保するために、底びきを引かしておけばいいのではないか、こういうふうな考え方、さらにまた、そこまで沿岸はいく必要はないのだが、底びきを遠く追っぱらっておかないと、違反操業をやられて、沿岸が侵されるおそれがあるというふうなもの、いろいろな観念の内容があるのでございまして、これを実際の海面に当てはめまして、どういうふうに処理していくかということがなかなか困難である、こういう意味において申し上げたのでございます。  しかし、われわれもこの問題が遷延しておることは許されない問題であることも十分承知をいたしておりまして、合理的な解決案を早く現地におろして、そして調整をする、こういうことにいたしたい、かように努力をいたしておる次第であります。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 本件は、この程度にいたします。   —————————————

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 次に、国際漁業の件を議題にいたします。  わが国の国際漁業は、きわめて重大な局面に逢着し、その成り行きにきわめて深い関心が払われておるのであります。これらの問題について、千田委員その他の委員から、質疑の御要求がありますので、この際、御質疑を願うことにいたします。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ただいまの委員長のお話の通り、この休会中に起きた国際漁業を中心としたいろいろな問題が出ておりますが、時間もだいぶ過ぎておりますので、きわめて重大な点、三点を基調としてお尋ねいたします。  第一点は、日中漁業の問題。  第二点は、北太平洋漁業条約、すなわち日本、アメリカ、カナダの三国においてなされておりますところの漁業条約に基くサケ、マスの漁業に関する問題。  第三点は、ただいまアメリカの国会に、日本の商品排斥運動の一つとしまして、冷凍マグロの輸入阻止の件並びにカン詰その他に対する日本の商品阻止に対する法案が、ただいまアメリカの国会において論議中であります。  これらが、すべて日本の漁業並びに日本の経済に影響する問題で、非常に重大である。こういう点からいたしまして、政府当局の所信を明らかにされたい。特に現業官庁でありますところの水産庁長官から、所信のほどを伺っておきたいと思うのであります。  第一点の日中漁業の問題でありますが、五月の初めにおいて中共の日本漁船の拿捕から問題が始まっておりますが、これは長崎におけるところの国旗掲揚事件その他に尾を引いて、直ちに拿捕の問題に移って参りました。しかも、この漁船の拿捕という問題は、日本の将来——日中間の漁業に対する重大なショックとして現われておりますが、六月十二日をもって、かつて民間側において協定をされました日中漁業協定というものは期限が切れるのであります。もしもこのまま放置しておるならば、おそらく南支那海あるいはその他の海域において、日本の漁業はできなくなる、この問題に対して、われわれとしましては非常な注意を払っておると同時に、このまま推移しておったならば、日本の漁業という問題は、まさに衰滅に陥る、かような観点からいたしまして、この問題をどう取り扱うか。これをまず第一点として、日中間におけるところの漁業問題についての所信を明らかにしていただきたい。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 五月の六日から七日にかけまして、十四隻の船が中共により拿捕され、その後さらに一隻追加されまして、現在十五隻の船が拿捕されておるのであります。五月の七日中共の方から、日本は日中協定によりまして約束をしておりまする禁止区域を侵して、その違反事例はきわめて悪質なものがあり、また漁船と衝突をして、一名の漁夫を死亡させて放置をした、こういうことについて激しい非難をいただいたのでございます。で、われわれは従来、日中漁業協定に関しては、まことに中共側の大国としての襟度に敬意を表して参っておったのでございますが、しかし事実は、まだ十分確認はできませんけれども、日本の漁船が禁止区域を侵した、こういうことであれば、これはわれわれ民間業者が中共側の好意の上にあぐらをかいたものとして、万謝いたさなければならない、かように考えるのでございます。  そこで、これが謝罪のために使節を派遣したいという連絡をいたしたのでございまするが、中共の方からはまだ返事が参っておりません。しかも一方において、十二日には、現在の一年間を約束いたしました民間協定の期限が切れるのでございまして、従って、われわれといたしましては、協定の更新について焦慮を感じておる次第でございます。そこでこの際、日本の関係業界の態度といたしましては、過去のわれわれのあやまちはこれを反省して、そして将来の協定の順守に関して十分なる誠意を披瀝する。それとともに、協定の更新について、これを低い姿勢で取りつけることに申し入れをする、こういう態度に目下徹して努力をいたしておる次第でございます。政府といたしましても、もちろん今日の国際情勢におきまして、日中漁業協定を民間協定として取り結ばなければならない事情は、これはまだ解消はいたしておらないのでございますが、しかしながら、これもその協定の形いかんにかかわらず、非常にわれわれとしても深い心痛をいたしておるのでございまして、政府の立場におきましても、これが打開についていろいろ目下構想をいたしておる次第でございます。しかしながら、問題は非常に微妙でございまするので、まあこれ以上具体的に申し上げることは差し控えをさせていただきたいと存じます。幸いにいたしまして、本日の新聞にも出ておりますように、中共の方から、この十五隻の拿捕したものの中で、六隻は釈放する、こういう連絡があったという非公式な情報を得ておるのでございまして、実はこういう態度に中共が出られるということの中にも、われわれとしては、いういろいろみ取らなければならない、あるいはまた、今後検討しなければならない意義があろうかと、かように存じておるのでございます。われわれも、一日も早くこの問題が解決することを努力しつつ、なお、国内においても、十分いろいろな対策の検討をいたしておる最中でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 さなきだにこの国際間における漁場という問題に対しては、日本側が日々に締め出しを食っておるというような現状にかんがみまして、特に日中間の問題は、かりに日本政府がいまだ国交を回復しておらないとしましても、民間の間においてはきわめて親密な状態に軌道に乗っておる際に、日本側から一方的にかような違反を侵したということは、まことに遺憾でありますが、同時に、今後の問題としまして、ただいま長官が申されたように、本気になって日中間のこうした問題を解決するとするならば、少くとも民間の日中漁業協定をやられた当事者間において、一日も早くこの解決のために努力するような方向に行くように、水産庁としましてもさらに一そうの処置を考える必要があると思いますが、緊急処置としまして、この六月十二日にこの協定が切れる、切れたあと、直ちに結ぶ方法あるいは暫定的でもいいから出漁ができるような方法について、何らかの処置を考えておられるかどうか、もう一ぺんこの点について確かめておきたいと思います。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 実は、今の段階におきましては、われわれは六月の十三日で無協定に入るということのないように、協定の更新について、ひたすらわれわれの非を非として、お願いをする、こういう段階にあるのでございます。従って、その以後においてどうするかということに関しましては、われわれとしては、もちろんいろいろな場合の検討をいたしております。しかし、その前に、われわれとしてはひたすら中共に対して協定の存続をお願いするということに徹すべきであろうかと、かように考えて、努力をいたしておる次第でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 関連して。もう六月十三日といったら目の前にきております。これからいろいろ考えて段取りするとか言っているうちに過ぎます。問題がはっきりわかっておるのですから、それは、今長官の言われた範囲の、そのくらいのものだと思いますけれども、それは問題になっておる通り、国旗事件を中心にした一つのわだかまりがあると思う。そういうものがあるとすれば、なおさらもう少くとも民間でその程度くらいの手は打たれておるのじゃないかと思う。大体の目安はついているのじゃないかと思う。私はそう思うのです。その点はっきりしてもらわないと、問題を解決するのに非常に困難性がある。今、長官の言われておることを幾ら言い合ってみても、これは問題にならない。そういうわだかまりがあって、少くとも困難性が出ておるなら出ておると、こういうふうにはっきり言っていただきたい。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 水産庁長官の立場といたしまして、かつまた非常に微妙な段階にある問題でもございまするので、直截に御質問にお答えいたしかねるのでございますが、当然われわれといたしまして、今度のこの問題の起って参りました背景については、いろいろ検討をいたしておる次第でございます。しかし、今日まで中共との間で電報その他で話し合いをいたしましたその内容は、実は漁業の問題だけにしぼられておるのでございます。日本側が協定順守に誠意を欠いた、こういう非難を受けているということにしぼられておるのでございます。従いまして、われわれの立場といたしましては、その中共の非難にこたえて、そうしてわれわれの非を非とし、今後の誠意を披瀝するという態度でいきつつある次第でございます。しかし、その背景にあるいろんな可能性についての検討も、もちろん十分いたしております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 ちょっと関連して。今、長官のおっしゃいました話では、そういう考え方の中で十二日までにこの問題が解決できる、こういう確信を持っておられるかどうか、これは大へん重大な問題であります。そうして、もしそういう形で解決ができなくて、無協定のままで今後これをやっていくということになったときには、どういう心がまえでおいでになるのか、私は、昨年も中国へ行きまして、中国政府の意向というものをいろいろ聞いておりますが、非常に複雑でありますし、そう日本のわれわれが考えておるような簡単な考え方には立っておられない。しかし、今あなたがおっしゃいましたように、これは漁業の問題は漁業の問題として解決ができる、こういうふうに長官はおっしゃいますが、そうであるとすれば、今質問しましたことについて、どういうふうに善処しようと考えておられるか。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) われわれの態度としては、漁業の問題としてわれわれの非をわび、今後の誠意を披瀝する、こういう態度でいきつつあるのでございますが、しかし、背景がいろいろまた考察されるものもあるのでございまして、従って、十二日までにこの問題が解決できるかどうかということについては、われわれの誠意を中共側でどういうふうにとってくれるか、こういうようなことにもかかっておる次第でございまして、今私これは必ず解決できるのだということを申し上げる自信は持たないのでございます。できる限りの努力をいたしておる最中でございます。  なお、一体無協定になったらどうするか、こういうことでございますが、われわれとしては、今の段階においては協定の継続を願っておる最中でございまして、無協定の際におきましてはあくまでも日本側は誠意ある態度をもってこれに対処をするということ以上に、具体的にはこれを差し控えさしていただきたいと思います。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 一作々日のラジオ放送によりますと、業者の方が会合を開かれて、この問題を奥剣に討議された。その段階では、おそらく日本の業者が考えておるような円満な解決ということはむずかしい。そこで、もしそういう結果になった場合には、無協定のままでいくより仕方がないということをきめられたかのようにラジオ放送——これはNHKが放送をされましたので、確信のあるものだと思いますが、そういうふうに、もう問題の中心はそこまできている、こう私どもも考えるし、よっぽど何か手品でも使わなければ、先ほど長官が非常に希望をもって観測しておられるようなことは、むずかしいのじゃないか、ほんとうに円満な解決は望ましいことでありますし、そうありたいと私どもは願いますけれども、この問題が、ただそれだけの問題だけでないということは、これはもうみんな知っておることでありますから、このことについて、やっぱり長官とすれば、もっと根本的な対策を立てられる、あるいは政府に進言するとか、あるいはここの水産委員会で決議をして、政府に反省を促すとかという、あらゆる方法をとらなきゃならない段階にきているのじゃないかと思いますが、その決意はどうですか。長官は、ただ傍観していて、成り行きにまかすという考え方かどうか。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 過般の日中漁業協議会の総会に関しまする新聞その他の報道は、決して正確ではございません。われわれは、今、無協定の状態においては、どうするんだということをうそぶいて言い得るような時期ではないと、かように考えておるのでございまして、いろいろ筆が走り、言葉が非常に誇大に伝えられることを、われわれも残念に思っておる次第でございます。この背景に横たわっておる問題については、われわれも十分承知をいたしておるのでございまして、従って、われわれとしましては、内閣首脳部に対しましても、不断にこの問題の所在点についての連絡も尽しておるつもりでございまして、まああらゆる可能性についての検討をいたしておるという程度で、お答えを御了承をいただきたいと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 次に第二の問題として、北太平洋の日、米、加漁業条約に基くいろいろな問題が波及して参りましたが、特に日ソ間におけるところの漁獲量の協定に基く影響が非常に大きいのじゃないかと、かような点につきまして、先般、水産庁からは西村次長がカナダに行って、アメリカ及びカナダと三国間の論議を戦わしてきたようでありますが、伝えられるところによるというと、アメリカ側は、昨年、日本側が漁獲したところのサケ、マスのうち、アメリカ産、カナダ産の紅ザケが多量にあった、これに対して、あくまで制限するかあるいは制限地域を指定しなければならないと強硬な議論が出たように、外国の新聞も報道しております。それについて、日本側はどういうふうな態度をとってきたか、この点についての御報告をいただきたい。  さらに第二点といたしましては、日本側が、アメリカ、カナダ産の紅ザケをとったという報復手段としまして、アメリカの下院議長でありますところのペリー氏が、北太平洋で漁獲したところのサケ、マスの輸入禁止法を、下院の海運漁業委員会漁撈分科会でその法案を可決した。日本側でとつてきたところのサケ、マスは絶対アメリカ側は買わない、かような強硬な意見がアメリカの下院において論議された。これの真相と、これに対する日本側の対処方針について、水産庁はどう考えておるか。この二つの点について一応お伺いしたいと思います。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) 昨年の十一月のバンクーバーにおきまする日、米、加漁業条約に基く会合におきまして、アメリカ側といたしまして、西経百七十五度のアブスティン・ラインの改訂に関する検討を一方において進めるとともに、それが実現するまでの暫定期間、その周辺におきまする漁業の自粛を求めて参ったのでございます。これに対しまして、日本側といたしましては、条約において定めておるのは西経百七十五度線の問題でありまして、その問題は、条約で定めた手順によりまして科学的なデータの上に再検討をさるべき問題であり、その改訂されるまでの暫定期間の自粛の問題は、これは条約外の問題であり、あらためて日本側といたしまして日ソ交渉終了後、船団計画を作る際に検討すると、こういうことで別れました次第でございます。で、日ソ交渉妥結後、日本政府といたしましては、業界をも指導をいたしまして、日ソ交渉におきます魚種別の規制割合の問題が論議せられ、ことし一年研究すると、こういうことに相なっておる経緯をも尊重いたしまして、昨年、紅ザケが二千万尾とれましたものを、ことしは千百万尾ということで規制していくということにいたしました次第でございます。で、西村君をワシントンに派遣をいたしまして、アメリカ政府筋に対して、日本側のその態度を伝えたのでございますが、これに対しましてアメリカ政府筋は、まあ一応は日本側のその態度を了としつつも、なおアメリカ自身の立場に立って、必ずしもそれでは満足はできないと、こういう態度で、帰って参りました次第であったのであります。しかしながら、アメリカが非常に懸念をいたしておりますのは、日本が、ほとんど昨年の半分に全体の紅ザケの漁獲量を押えると言いつつ西経百七十五度のあの近い所において集中的な操業をするのではないか、こういう懸念であるのであります。その点に関しましては、日本は決してそういう誠意のない態度をとるいささかの意思もないということを十分説明をいたして参ったのでありますが、なおそれについての不安がありまするのか、過般、先月の終りに、アメリカのパッカー連中が、四名非公式の資格で日本に参りまして、日本の母船会社との間で話し合いをいたしたのでありますが、日本が、ただいま申し上げました昨年の漁獲量をほとんど半減するというそういう態度をきめ、しかもまた、その態度は西経百七十五度の近くにおいても一貫しておる。こういうことについて、一応了承をして帰った次第でありまして、その後の非公式情報によれば、これらの連中は、アメリカに帰りましてから、比較的日本にとって有利な報告をいたしてくれておるのもさこそかとわれわれは考えておるのであります。ところで、現在アメリカの国会において、ペリー法案が上程されておるのでございます。これらのパッカー諸君は、アメリカの政府とも連絡をとり、かつペリー氏とも連絡をとって参ったようでございます。で、これはアメリカの輸入制限法案について、一般的に申し上げ得ることでありますが、日本は比較的一つの業界が統制がとれておりますけれども、アメリカの業界はそういう意味の統制はとれないのであります。従って、不利な立場に立つ者はすぐ国会工作に出、またそれを取り上げる議員がおられるというのは、これは日本では見られない場面であるのでございます。しかし、われわれとしましては、ガット精神をもって世界の貿易の拡充をはかろうとするアメリカの伝統的な国策というふうなものが、世論の上において支持を失うというふうには考えられないのであります。しかし、また同時に、こういう法案の出ました根底につきましては、先ほど申し上げましたように、われわれとしても、その聞くべきものは十分聞き入れて善処するという態度をとりますとともに、アメリカの国内において積極的に日本に対する支持を啓蒙する、こういうことの努力もいたしておるのでございます。われわれは必ずしもペリー法案が近く法律としてきわめて有望なコースにあるとは考えておらないのでございます。しかし同時に、先ほども申し上げましたアメリカから参りましたパッカー諸君の報告等も、この法案の進行には相当なる影響力があるものと期待をいたしておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 手放しで私は楽観はできないと思うのです。それは、アメリカにおいては中間選挙が行われ、選挙が行われる直前において必ず日貨、いわゆる日本の貨物の排斥運動が一つの選挙の運動として従来行われておった、そういう過去の歴史から見まして、決してこれは楽観を許さない。かような観点に私は立っておりますが、特に長官は、この点は御承知であろうと思いますので、手をゆるめずに、いろいろな手を打たなければならないのじゃないか。  もう一つ最後に、これはアメリカにおけるところの冷凍マグロに対する輸入関税に関する件であります。昨年の八月、アメリカの下院議員でありますところのキング氏が、キング法案というやつを、いわゆるマグロの輸入を規制するマグロ輸入規制法案を、歳入委員会に提出されて、その成り行きを非常に注目されておったのでありますが、またアメリカ下院の歳入委員長ミルス氏が、最近アメリカ下院歳入委員会において政府から提案された互恵通商協定法案において、九カ条にわたる修正案の決定をみたと発表しておるのであります。これらの修正案の中には、まず第一は、大統領が関税委員会のリコメンデーションの全部または一部を拒否した場合は、国会の土下両院は付帯決議によって六十日以内に各院の三分の二の票をもって関税委員会のリコメンデーションを承認するよう手続することができるという問題、第二は、通商協定法に免税品としてあげられている冷凍ビンチョウマグロ等十品目の商品については、関税委員会は大統領に対し、従価五割をこえざる関税を賦課することができるようリコメンドすることができることとするというような、きわめて重大な規定が設けられていると報告されております。もしこれが事実であって、しかもこれが実現するようなことになれば、わが国のマグロ漁業は致命的な打撃を受けると同時に、また日本のアメリカ向けの輸出に対しましての大きな影響が現われて参りますので、今後の日米通商問題並びに日米間におけるところの貿易の伸張に対する影響の重大さを考え、さらに、国内のマグロ漁業に対する影響が非常に大きな問題になってきておるので、これに対する真相と、これに対処する方針を、どう考えておられるか、これまた国際漁業をめぐるところの重大な問題の一環として、われわれは研究しなければならぬと思いますので、長官から、この点の真相並びに処置についての御答弁をいただきたいと思います。

奥原日出男水産庁長官

○説明員(奥原日出男君) アメリカの互恵通商協定法の期限の延長に関連をいたしまして、ただいまお話のありましたような現行互恵通商協定法の改正が挿入されたということは、その通りでございます。ただこの問題は、しばしばアメリカの国会に上程される関税引き上げの法案と異なりまして、大統領に対しまして免税品に対して従価五割の関税を課し得る行政権限を与えよう、こういうことであるのであります。従いまして、アメリカの国策というものがどういう方角をたどるかということに非常に影響されると存ずるのでありますが、今日ガット協定によりまして各国間の輸出入の範囲を拡大していこう、しかもガット協定の中枢としてアメリカが参画しておる、こういう情勢下において、直ちにこの規定が冷凍マグロについて発動するということは、実は考え得られないことではないかと、かように考えておるのでございます。しかしながら、われわれはアメリカが今日、日本のマグロの輸出に対して持っておりまするいろいろな不満というものの中に、もちろん日本と異なりまして、一つの業界としてのまとまった意見ではなしに、それぞれの利害の立場に立った意見ではございますが、しかし、その中にわれわれとして十分傾聴しなければならないものにつきましては、直ちにとって、われわれの輸出政策あるいは国内の生産政策に反映をさせるだけの準備と誠意を持たなければならない、かような考えをもちまして、この問題を今見守っておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 時間もありませんから、最後に、私は要望を申し上げておきたいと思います。  こまかい点に関しましては、国会が開かれてからあらためて委員会において十分論議をしたいと思います。  いずれにいたしましても、日本の漁業は非常に重大な立場に立っておる。ソ連に関する問題、アメリカに関する問題、韓国に関する問題あるいは中共に関する問題、あるいは豪州に関する問題等、こう考えてみまするというと、日本の漁業というものは、ますます狭隘な地域に追い込まれてきておる、まさに締め出されるのじゃないかというほど、われわれは杞憂を持っております。幸いにして杞憂に終って、何か突破口が見つけられるならばいいのでありますが、そう簡単にはいかない。国際的な微妙な関係のもとに、その谷間にある日本としては、漁業の行く末というものは重大な問題であると私は考えておりますので、ことに水産行政を担当しておる長官は、この際、抜本的にこの問題の解決のために、あらためて日本政府として新しい態度でもって臨んでいかなければ、これは解決できないのじゃないか、こういう観点から、私は次の国会が開かれると同時に、いろいろな諸点についてあらためて御質問いたしますから、それまでに十分政府の態度を決定するような、また、われわれをして満足させるようなお答えのできるように、一つ研究していただきたい。  以上で私の質問は終ります。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) ここでしばらく休憩いたしまして、午後一時半から再開をいたします。    午後零時七分休憩    —————・—————    午後一時五十四分開会

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 委員会を再開いたします。  政府出席者の都合で順序を変えて蚕糸対策の件を議題といたします。  繭糸市場の現状にかんがみ、政府においては、繭糸対策について検討が進められておるように伝えられておりますが、その件について、関根委員から御質問の御要求がありますので、この際、御質疑をお願いいたします。

関根久藏自由民主党

○関根久藏君 いよいよ春の繭の市場へ出ることになりまして、引き続いて夏秋蚕を加えまして、約三千万貫前後の繭が出回ってくることになるのでありますが、御承知のように、いろいろの事情がからみ合って、横神における精算市場では、辛うじて十九万円を堅持したのでありますが、先物に至っては、十八万円あるいは十七万五千円という値が出ておるのであります。これは、一にかかって、内外の関係者が、日本の繭糸価格安定制度に対する不安の現われであると思うのであります。一方におきましては、安定法によりまして、繭は十六匁の二等級のものが千四百円ということが保証され、生糸は、標準価格が十九万円が保証されておるのであります。目先におきましても、いろいろの共同保管の制度、あるいはその他の制度を使わんとしておるのでありますが、その実現にも、なかなか千四百円が確保できるというふうなことがむずかしいような状態になっておるのであります。いろいろ帰納して考えてみますというと、結局、政府が、繭糸価格安定制度を堅持する以外には道はないと思う。端的に申しますれば、相当の金を出して、法律に許されている範囲において、生糸を買い上げる、繭を買い上げる、これ以外には方法はないと思う。本日の閣議において、いろいろ政府の施策が御決定になったようであります。その結果につきまして、蚕糸当局から、政府の御見解を承わりたい、かように考えております。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) ただいま関根委員から御質問のありました件につきまして、お答えを申し上げ、かつまた最近の状況等につきまして、簡単に御説明を申し上げたいと思います。  前国会におきまして、特別の御配慮をいただきまして、糸価安定資金の増額をいたしたのでありますが、その後の情勢は、内外景気の停滞、それに一般繊維の不況というようなことで、全体の情勢が改善されて参りまする気配が出て参りませんので、四月以降の糸価の状況も、引き続き最低価格の線に膠着をいたしているような状況で推移をして参ってきているわけであります。  それで、現実に政府へ最低価格十九万円で、売却申し込みのある数字は、各月相当の量に達しまして、四月におきましては八千二百二十六俵、それから五月は七千七百五十四俵というような大量に上っているのでございます。大体ただいま機械製糸の製糸工場が、一カ月に引いております数量は、大体一万八千俵前後でございまするが、そのうち、ただいま申し上げましたような数字が、政府に最低価格買い入れで売却申し込みをするというような状態で推移をして参っているわけであります。その結果、五月末で政府が買い入れました糸の総数量は四万六千二百六十三俵という数字になっておる。約五万俵に近い数字に接近をして参っておるわけでございます。従いまして、現在輸出生糸保管会社が保管をしておりますものでありますとか、あるいは玉糸の買い入れに一部充当をする予定のものでありますとか、そういうものを差し引きますと、政府が従来の百億の資金ワクをもちまして生糸を買い入れることができまする限度に、ほぼ五月末で到達をいたしたわけでございます。六月以降は別の手当をして参らなければならぬ。結果的に申し上げますと、せっかく前国会でいろいろ手当をお願いいたしましたにかかわらず、その後、状況がまだ立直りの気配を見せませんので、四月、五月で、四十億の糸価安定資金が糸に変るというようなことに相なったわけでございます。それで、先般来政府部内でも今後の対策につきまして、いろいろ検討いたしておるのでございまするが、ちょうど繭の出回りも現実にもう西の方では始まっておりまするし、関東、東山あたりの主要生産地におきまする繭の出回りも、あと旬日に迫っておるような状況でございまするので、この際、今後の糸価安定対策につきまして、基本的な考え方を明らかにする必要に迫られたわけでございます。さような事情でございまするので、本日とりあえず基本的な線だけにつきまして、閣議で了解事項としてお取りきめを願ったわけでございまして、それが、今お手元に差し上げてございまする「繭糸価格安定対策について」という表題の印刷物でございます。すなわち  繭糸価格安定対策について、最近における繭糸価格についての不安は、異常な需給事情に起因するものと認められるので、下記の要領による臨時応急対策をとることとし、これにより生糸の輸出の確保と農家経営の維持安定を期するものとする。  第一は、当面の生糸及び繭の需給事情を改善するため、本年の生糸及び夏秋蚕繭の生糸を抑制する方針をとる。  二は、生糸及び繭市場の安定をはかるため、日本輸出生糸保管株引会社及び農業協同組合連合会において生糸及び繭のたな上げ措置をとることとし、これがため必要な法律手続及び資金手当について所要の措置を講ずる。なお、昭和三十三生糸年度におけるたな上げ数量は約五万俵と予定する。  第三は、繭生産の合理化を促進するための長期対策として低能率桑園の整理転換をはかるものとし、所要の助成措置を講ずる。  四が、以上の供給面の制限措置とあわせて、生糸の新規用途の開拓等需要の増進策を推進する。  ということでございます。これの考え方のもとになっておりますのは、ただいま当面しておりまするような需給のアンバランスというものは、非常に異例と考えられるほどの需給不均衡と考えるのでございます。と申しますのは、逐年繭の生産水準は上って参ったのでございまして、ことしの春繭あたりは、おそらく戦後最高の生産量に達するものと考えております。ことしは、去年の夏秋蚕繭が非常に作柄がよろしかった関係で、桑の木の仕立て工合が非常によろしいのでございます。従いまして桑のでき工合が例年になく順調でありますところに、ことしは桑につきましては凍霜害は例年になくなかったのでございまして、長野県の一部と九州地区に若干ございましたが、その他はほとんど全部無被害であったわけであります。さような条件に恵まれまして、ことしの春繭はおそらく千五百万貫をかなり上回った程度の生産量に相なるのではないかと予想されます。  なお、現に今春蚕がかなり進行いたしておるのでございますが、最近は蚕業等も順調に推移いたしておるようでありますので、ことしの春繭の生産は順調に相当の生産高に達するものと考えられるのであります。一方、需要の方が今回のようにはなはだしく不振であるというようなことも、最近の、特に戦後としては全く初めてのことでありますし、生産の伸びと需要の不振とがはなはだしく大きく食い違いまして、今度のような異常なる需給の不均衡を来たしておるわけであります。全く異例のことと考えられるわけであります。従いまして、今回とります対策も、この異常なる事態に対して、どのように処置をして参るかということを中心にして考えておるわけでございます。  第一は、生糸及び繭のこれからの生産態度でございますが、生糸につきましては、ことしの四月以来生産制限をやって参ったわけでございますが、六月以降におきましても、とりあえず六、七、八、三カ月の計画によりまして、前年実績の一割減の操短計画で現在実行いたしております。これは前年実績の一割減でございますが、ことしの春繭が非常に増産をされますことに対応して考えますと、ことしの春繭を通常のペースで引きました場合に比較しますと、二割の操短になっておるわけであります。  それから繭の問題でございますが、ことしは、あとで申し上げまする三十三年産繭の五万俵のたな上げを考えましても、それだけではなお数万俵糸が余るというような需給推算が一応立てられるのでございます。あとで申し上げる五万俵のたな上げだけで、需給が十分均衡するというところまでには、まだ参らないわけであります。夏秋蚕をある程度調節をいたしませんと、繭価の支持そのものにもひびが入るような懸念があるわけでございます。それで、先般来全養連とも相談をいたしまして、このような異常なる需給状況に直面した以上、繭の生産面について、農家の自衛的な立場から、夏秋蚕についてある程度の生産調節を計画したらいかがなものであろうかというような相談をいたしたわけでございます。全養連の立場といたしましても、このような情勢になりますと、量的に繭が多くだぶつくというような事態がだんだん積み重なって参りますと、最低繭価のささえそのものに対しましても弱い材料になって参りますので、全養連として自主的に農家をそのような方向に指導していくような方針をとるような話し合いを、目下いたしておるわけであります。明日全養連では総会を開きまして、この問題を協議をするわけでございますが、全養連として、当面の繭生産対策委員会のようなものを作ることを目下相談中でございます。そのような線で夏秋蚕の生産計画を検討して参りまして、繭価が適正な価格で支持をされまするような態勢に持って参りたいと、さように考えておるわけでございます。  それから第二の生糸及び繭のたな上げでございますが、これはことしの三月に繭糸価格安定対策を閣議できめました際にも、政府資金が一応満額——生糸にかわりまして、資金に断層ができますような場合は、日本輸出生糸保管会社で政府の代行保管をするという方針をきめておったわけでございますが、現実にそのような措置をとることが必要な場面に到達いたしましたので、六月以降の生糸のたな上げにつきましては、日本輸出生糸保管会社で買い入れて保管をするようにいたして参りたい、それから繭につきましては、乾繭共同保管の制度を使いまして、今現実に関東あたりでももう今月の十日過ぎごろから繭が出回って参るのでございますが、製糸との間に取引が順調に進行いたしましたものは、これは製糸の手元におさまるわけでございまするけれども、値段の折り合いがつかない、その他いろいろなことで製糸の手元に繭が上簇と同時に入りませんものは、農業協同組合連合会で共同保管をするということに相なるわけでございます。この共同保管をいたしましたものは、農協が保管をしておりまする間、引き続き販売努力はして参るわけでございまするけれども、一定の時期になりまして、どうしても製糸需要家に売却ができない、繭が残りました場合は、これは政府において引き取る用意をするわけでございます。そのようにいたしまして、生糸と繭と両建で、一応ことしの—三十三年度の繭につきましては生糸に換算いたしまして五万俵相当量のものをたな上げをするということを、今回きめたわけでございます。従来は生糸の買い上げだけで、糸値及び繭値のささえをいたして参ったのでございますが、最近の状況から見ますると、生糸の買い上げをいたしましても、繭値が千四百円の最低繭価見合いで支持されるという保証は、必ずしも十分ではないような傾向が見えて参っておるわけでございます。と申しますのは、つい先だってまで政府で十九万円で無制限買い上げをやって参ったわけでございますが、そういう買い上げ態勢のもとにおきましても、製糸の方の側では繭値につきまして必ずしも千四百円を全量の繭について補償をするというような態勢を示しておらない、団体協約の締結の状況それから締結されました団体協約に対する製糸と養蚕とのいろいろな折衝の状況等を見ましても、なかなか繭値が千四百円で支持されるという十分な目安を持つことが困難なような状況も見えて参ったわけでございます。従いまして、今回の場合は養蚕農家に対しまして千四百円の繭値を支持することに、重点をかなりずらして参りましたような対策の考え方になっておるわけでありまして、この五万俵のたな上げにつきましても、繭値支持の方に資金がよけい要るような見通しが濃厚になって参りますれば、そちらの方に重点を置いて資金を使っていくという考え方に立たざるを得ないと思っておるわけでございます。なお、この保管会社にとる生糸の買い上げ、それから農協によりまする繭のたな上げにつきましては、今現実に要ります金は、生糸の買い上げにつきましては農林中金から輸出生糸保管会社に融資をお願いしておるわけでございます。それから繭のたな上げにつきましては、これは農協の仕事でありまするので、農林中金の系統の融資といたしまして、中金系統の金がこれに使われて参るわけでございます。従いまして、直ちに今政府自身で金の手当をせなくても、ただいま申し上げましたように、生糸につきましては農林中金、繭につきましては中金系統の農協融資でまかなって参ることができるわけでありまするので、ここに書いてありまする「必要な法律手続」と申しますのは、現在政府部内で考えておりまするのは、それらのいずれも融資の裏づけになりまする損失補償のための法律を、次の国会に提案をするような検討を今いたしておるわけであります。ただ、この辺につきましては、なお最終的にきまって参りますまでに、若干時間を要しまするので、目下事務当局としていろいろ検討いたしておるわけでございます。  それから第三に、低能率桑園の整理転換でございますが、これは非常に能率の悪い桑園が全国に散在をいたしておるわけでございます。まあ私どもが二年ばかり前に調べましたものでは、全国の十九万町歩ありまする桑園の中で、約三万五、六千町歩非常に能率の悪い桑園があるのでございます。これは、もし農家が、今後の繭の需給情勢等を判断いたしまして、他の作物に転換をしたいというような希望がありますれば、これに対して必要な若干の助成はしたいと思っておるわけでございます。ただ、これは現実の仕事といたしましては、次の晩秋蚕が上りまして以降の、いわゆることしの秋以降の問題となるのでありまして、それまでは、労力の関係からいいましても現実に手がつけられませんし、今年の秋以降の仕事になるわけでございます。従いまして、これは府県を通じまして整理転換の見込みあるいは希望等を積み上げまして、ある程度の目安がつきましたところで予算措置等のことも考えて参りたい。現実には秋以降の問題になるわけであります。  それから第四に、需要促進の問題でございますが、これは今当面考えておりますのは、この生糸につきましては、価格安定の制度があります関係もありまして、いわゆる機業の方の側での生糸の販売努力ということは、これは私もう再三申し上げておりまするけれども、どうも十分でないところがあるわけでございます、従いまして、いわゆる生糸を使ってのいろいろな製品の工夫をしていく、織物にいたしましてもいろいろ新規の織り方等の工夫をしていくというような面が、非常に欠けておるのでございます。むしろアメリカでは最近また絹靴下の復活が一部に出て参りまして、最近アメリカのかなりな有力商社で、絹とナイロンの交織靴下の販売を開始いたしまして、かなり宣伝等にも力を入れておる。日本の国内ではそういうことは一つもやらないのであります。そういうようなことで、今回生糸を使いました新製品の企画につきまして、専門家で研究グループみたいなものを作ってもらいまして、新製品試作用の生糸については、政府において政府所有生糸を特別価格で売却をするというようなことも目下検討を進めておるわけでございます、当面、今年の生糸及び繭について考えておりまする施策は、以上の通りでございます。

関根久藏自由民主党

○関根久藏君 ただいまのお話の閣議了解事項の第二でありますが、中金から保管会社に融資をする。系統融資から繭の保管に融資をする。それを政府が保証をするということになるのですか、どうですか。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) 生糸につきましては、日本輸出生糸保管株式会社に中金から融資をいたしまして保管をさしておくわけでございます。この保管期間が現実にどのくらいになりますか、これは今後の問題でありますが、保管期間を経過いたしまして、将来政府が引き取ります場合は、その間に保管会社に金利、保管料等の損失が出て参ります。その損失を補償をするための法律を、この際作ってほしい。それから繭につきましては、一応農協が持つわけでございますが、これも来年三月なり四月に政府で引き取ります場合は、そのときに必要な措置をとるわけでございますが、もしこれを保管会社で繭で引き取らして保管会社で繭で保管させるということを考えますと、その場合は、損失補償の問題が出て参りますので、損失補償の建前で参ります場合は、それも立法措置を必要とする。ただこの辺のところは、現在の段階では、まだ最終的にその仕組みが確定をいたしておりません。この際は、基本的な方針として一応ここにきめたわけでございます。細目は、なお若干の時間がかかるのではないかと思っております。

関根久藏自由民主党

○関根久藏君 そうしますと、結局は安定制度堅持のために、大体五万俵分百億を政府がワクを広げた、こう了解してよろしいですか。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) その通りでございます。その通りでございますが、その百億の金の裏づけをもちましてやります仕事を、ここへ書いておるわけでございます。百億の金を三十三年度の繭及び生糸に対する価格安定の裏づけとして出すということを、これは方針としてきめておるわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 問題はいろいろここにたくさん書いてあるが、当面の問題としては、春繭の出回り期に対する処置が非常に重要性があると前から僕は言っておったのでありますが、春繭には間に合わなかった。そういう点はよろしゅうございます。  そこで問題になりまするのは、第二項の処置に対して、今も局長が言われる通り、繭価協定が果して千四百円を維持していけるかいけないか、困難が予想せられる。従って、買い入れる数量の協定ができるかできないかも、同じく同率の比例で困難が予想せられるのでありますが、そうなった場合に、大体政府はいかなる考え方を持っておるか。今言われる通り、もう春蘭が出つつある。一番大量に出る。この次の生産期にも近づいておる。そういう場合、どうするつもりなんですか。値段もきまらず数量もきまらぬ場合にはどうなるのですか。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) 現実に西の方では、すでに繭が出回っております。それから関東でも近々出回るわけでございますが、現実の繭の動きといたしましては、農協が自分の倉庫へ入れますものは倉庫に入れております。それから西の方では繭の量がそう多くありませんので、実際には製糸工場の倉庫に入っておる。ただそれは取引条件はきまっておりません。それで、実際の問題としましては、目下製糸の方でも、それから養蚕の方でも、中央でいろいろその態勢を作っておるわけでございますが、あと若干の日を置きますと、現実のそれの取引協定に入っていくわけでございます。そこで千四百円に製糸がこの分は買うということにきまりました分は、これはその製糸が現実に最終的に引き取ったということであります。  それからそうなりません分は、養蚕農協の方の自主保管に一応なるわけでございます。そうしてそれは自主保管にしておきまして、引き続きそれの販売に努力をしてもらう。それが来年の三月まで保管をしまして、処分がつかないで残ったというものが最後に出て参りますと、その分は、来年の四月以降において政府が肩がわりをする。その場合は初めにさかのぼって金利、保管料は加算をして支払う。そういう形において千四百円にいたしております。従いまして、今現実に農協ではそれぞれ自分の管下の繭を引き取りますから、その始末は自分の責任においていたさなければならないという目安をつけまして、管下で今やっておるわけであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 実際問題としては、全国的な様子はわかりませんけれども、新潟県あたりは、ぼつぼつ始まっていますが、非常に安心しています、例年通り、繭のこんなひどい、情勢が昨年の十二月から変ってきているなんということには気がついておりませんから、非常に安心しております。非常に危急になっていることを……。これは実は選挙中に、ある村でことしは二割増産をするという新聞が出ましたから、すぐに私は手紙を出したのです。そういうことはちょっと考えた方がよかろうということで、手紙を出した。その後、選挙が済みまして会いましたところが、寄り合いから帰ってきたところを聞きましたところが、ちっとも心配していない。今まで通り繭価協定さえできれば、その通り一緒に団体協約もできるのだから、全部引き取られるであろう、こういう観点に立って出荷しております。実際問題としてはそうではなくして、むしろ十九万円の規格糸は、とにかく厳格に表通りきまっているが、実際は、規格外の糸がどんどんと下ってきて、さっきもどなたかも言われた通り下ってきている。おそらく製糸家はその規格外糸を中心に買っていくのではないか。これは大体くろうとが言っている。そうしますと、政府の言われる通り千四百円という目安は、まずできないものと見なければいけない。局長が今言われる通りこれで協定ができようとは考えられぬ。考えられぬ方がむしろ安全だと思う。従って、団体協約にして定数量だけを今まで通り買うのかどうか。昨年まではとにかく抜き買いされておった状態ですから、ことしも抜き買いにされるであろうというような気安い考えでおるけれども、それでいいのかどうか。ただ保管をやればいいのか。保管の方法をどうしたらいいのか。これが私は重大な問題であると思うのですが、この点、ちっとも触れておられないと思う。  先般もこの繭の問題を審議しまする際に、政府は大体乾繭保管資金で何十万か用意してあるのです。それから国全体において乾繭の措置がどのくらい、倉庫はどのくらいある。かりにあったとしましても、生繭をどんどん運んで、遠くの乾繭所まで持って行くとしても、これは実際できないことであると思う。輸送中の損害なり出ると、手近かなところで何らかの損害の救済の方法を講じなければならぬし、輸送したけれども繭の相場が下ったという場合には、何とか考えていただかなければならない。これは全く養蚕家は、生繭をかかえて、製糸家の手元に私は下手なことをしましたからと、製糸家の店先へ行って、繭を突き出して幾らでもいいからお引き取り下さいという場合が方々に出てくると思う。こういうきわものを扱う上に、もっと養蚕農家に対するところの心づかいが一つも出ておりません。これに対してどうお考えになっているのですか。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) 実際に繭が出回りました場合の繭の始末と申しますか、繭の動きは、これは先ほど申し上げましたように、相当量はやはり製糸工場の設備を使いまして、乾繭をいたしまして、製糸工場の倉庫を借りて納めるということをいたすわけでございます。今から二年前に、乾繭共同保管をする場合、製糸の方の設備はほとんど使わないで、農協だけの倉庫あるいは常業倉庫といったようなものだけを中心に、どのくらいの保管施設の手当ができるかということを調べました場合に、約四百万貫くらいの繭の保管ができるという一応調査、あるいはこれは倉庫別にちゃんときめまして、乾繭共同保管をやる場合の指定倉庫として一応手当をしておるものが、四百万貫くらいございます。ただ今回の場合は、場合によりますと、そういうものだけでは間に合わない場合も出て参るわけであります。製糸の方でも設備を使わせる、設備の使用に便宜を供与するにつきましては、製糸の方でも何ら異存はないわけでございます。ただ御承知のような情勢で取引条件を直ちにきめるということがむずかしいというようなことが現実の事態でありまするので、幾ら幾らで買うということまではきまらない形において一応製糸工場の倉庫に入るというような場合も出て参るわけでございます。いろいろ製糸、養蚕で具体的にその現地で話し合いを進めておりますが、製糸側としても、この際農協が共同保管をするとすれば、自分の方の設備を使わせないということにつきましては、一部はやはり作戦と申しますか、取引のいろいろなかけ引きの中においては、そういうことが起るということが言ったり言われたりしていることもございますが、結果においては、やはり製糸は製糸の倉庫設備を使わせる必要があれば使わして、繭の当面の始末は、これはつけ得る見込みでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 その繭の生産地の近間、いわゆる集荷所、取引所ですね、そういう近間にある場合は、製糸場がある場合はそれでよかろうと思う。しかし、遠くにあった場合は問題にならないと思う。運んで、製糸会社の倉庫を借りてやるのだと言うが、これは話し合いだけにまことに危険じゃないかと思う。大体運んでいった場合に、今までならば、指定せられた繭の取引指定所で売買が行われて、それが製糸家の責任において運送せられている。今度は、ある場合では、養蚕家が、農協がこれを送っていかなければならない。その先までの経費なんというものは、そう計算できるでしょうか。結局は、私はこういうことをして、不確定な……、もっと法律的なしっかりしたものでもあるならばいいけれども、ただ話し合いだとか、場合によればそういう問題が取引の価格の決定の上のかけ引に使われてそういう問題も起るだろうということでは、おさまりがつかないだろう。現実に起きたらどうするか、局長は、現実に繭はどんどん掃き立てを始めている。現実の取引はできない、こういう場合には、一体どうしてやったらいいのですか。そういう場合に、何とかして製糸会社に行って、これを繭にしてもらう話し合いをしてもよかろう、ところが話し合いをするどころの騒ぎでない、もうそういう問題が起きない前に問題が解決されなければならない問題だ。それじゃまるきり——何か言うておられるけれども、繭が下ったらいいじゃないかという底意のようなことが私には実にちゃんと見えている。繭をもうずっと下げたらいいとはっき言ったらいいでしよう。それならそれで考え方がまたある。より以上の混乱が予想されるのだから、それに対してもっと安心のできるものを与えてくれるのがあなたの責任ではないかと思う。あなたとしてはこういう安心のできるものをやったが、いろいろな情勢で、できないならできないでそれはよろしいですよ。しかし、これはちっともあなたのおっしやることは安心ができないのです。これは今初めて言うのではない。この前の解散前の国会において四十億の乾繭保管資金を増してくれという機会にも、私は言うておるのであります。必ずこういう問題が出ると。局長確信があるのですか。これでそういう確信がせられるのですか。はっきりと言えますか。こんな問題は絶対ないと、こういわれますが、私は局長の保証が幾らありましても、それは何とか目安をつけた措置がとられていかぬ限りにおいては、心配は去らない。まるで市場情勢の立場の中で、話し合いということが行われるだろう。この点、もっとはっきりした態度でやっていってもらいたい。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) 御承知のように、非常に繭の動きと申しますか、繭の処理が混乱をいたすようなふうに清澤先生のお話でございますが、現実の問題としては、取引条件の最後のところまでは、おそらく今はもう全部の繭について現段階においてはそれはきまっておりません。  幾らで最後は買うかというところまでは、きまっておりませんが、繭の、農家と処理工場との結びつけというものは、これはもう大体できておるのでございます。まず、現在でもできてないと申しますか、いわゆる国交の対象にきちっと固まっておりません繭は、山梨県において一部あります。それから群馬県に一部あります。そこにややまとまった数量のものがあるだけでございまして、その他のものは、もう繭の出回った場合、どこへ持っていくかという筋道は、一応きめてあるのでございます。それで、そのきめたものが最後までその通り動くかというお話も出ると思いますが、それにつきましては、県も今年の繭処理につきましては、相当手前からそういう事態をいろいろ心配しまして、用意をして参ったわけでございまして、これはお話のように、全国の繭の末端取引の一つ一つについて、私どもの方で一々めんどうを見て参るわけに参りませんが、いろいろ取引上の紛争の予想されましたような地区につきましては、県の方でも、十分手前から用意をしてかかっておりまするので、個々の取引上のトラブルにつきましては、現段階で十分中に入って処理をして参るように、私どもの方でも県の方へいろいろ要請をいたしております。なお、最近の情勢に備えまして、明後日、私の方で各県の蚕糸課長を東京に呼びますが、その際にも、最近の模様を聞くとともに、また、現実の繭処理については、手抜かりのないように、さらに用意をしていくつもりでおります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 だから、その言われる通り、価格協定と一緒に数量協定もできておる。これがスムーズにいくかいかぬかという問題です。もしいかなかった場合の、今お話では、県も中へ入って数量だけは引き取る。引き取るが、その引き取るのは、製糸会社が取る形になるか、さっきも非常に不安のように言われている。その場合、協同組合で保管をさせる場合ですが、こういう二つの形が出てくる。いずれにしても、価格のきまらぬものを一応団交だけの数量だけは取らせる。これに対するはっきりした保証なり何なりがついておらなかったならば、これはスムーズにいかぬと思うのです。それさえはっきりしていただければ、私は問題はないと思う。団交というものが一応スムーズにいくと思うのですけれども、今のままで、ただそれだけだったとしたら、これはおそらくお流れになるのじゃないかと思う。大体繭商人などの七割は、そんなことを言っております。ここのところを一つはっきりさしてやって下さい。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) 先ほど来の話は、繭の現実の動きの話が中心になっ  ておりますが、その一応製糸工場なりあるいは適当な保管場所におさまりました繭のその後の取引としましては、お話のように、直ちに製糸が引き取りますもの、農協の自主保管に残るものと、二通りのものができて参ると思います。農協の自主保管に残りましたも  のは、これは農協としても引き続きそれを売ることに努力をしてもらわなければなりませんが、最後まで残りましたものは、これは政府で引き取るという建前はとっております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 問答はくるくる回っていくようですが、さっきも申しました通り、予算では繭の保管数量というものはきまっているのです。今年の予算では何十万貫以下とか、ごくわずかのものしかないでしょう。それだけしかないのです。そのあとで、なお余分のものはここで今考慮されていることで、その線をふやしていかれるでしょうが、同時に、それが中心だとしますならば、さっきの団交云々の措置は問題にならないでしよう。団交で大体どれくらいのものがはっきりする、この場合に、紛争の起きた場合は、こういう措置で団交の形の割当数量だけは製糸会社に引き取らせる、引き取らぬ場合には、農協の委託の形でやってくるならやってくる、こういう二つの形が出てくるわけだと思う。団交数量の確保というものに対して、そうしてあとのものをどうするということになれば、大体農協をしての乾繭の措置の数量というもの、大体あとへ残った数量はつくと思う。今のお話を聞いていると、どうもたくさん余るときは乾繭措置をやらせると言われる、それではこうこうして間に合わぬじゃないかと言えば、団交でうまくいくと言っておられる。どっちがほんとうか、私にはどうもわからない。どっちかきちんと片方できめてしまえば問題はなくなる。団交できまった割当の数量というものを、製糸会社が取らない場合には、その数量だけはその製糸会社として乾繭保管をせしめるか、もしくは農協をして……、その全部の保管の責任を負うて製糸会社からやってもらうか、こういうことがきまって参りますれば、大体の割当が済んだのですから、あとは残ったものは幾らもない、それが売れない場合には、乾繭をどういうふうにやっていく、こういう形は残ると思います。そうなりませんか。お話を聞いていると、繭が余れば幾らでも乾繭してその措置はとっている、団交は大体話はつくだろう、これではどうもけじめがつかない。もしつかぬ場合が出てきた場合には、局長の言われるような方針では、完全な農協の乾繭というものはできないのじゃないかという点です。もしできなかった場合には、できないじゃないかと私は思う。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) どうもあるいは私のお答えの仕方が悪いかと思いますが、簡単に申し上げますと、こういうことでございます。ことしの繭につきましては、製糸の方ではなかなか生糸の価格の先行きにつきまして、確たる見通しを持つことが困難だというふうなことで、買控えの態勢にいるわけです。従いまして、今回私どもの方で打ち出しましたこの線は、製糸の方は繭は千四百円でお買いなさい、買えるだけお買いなさい、だからことしの春繭につきまして千五百万貫とれます繭のうち、五百万貫だけしか製糸としては直ちにここで千四百円の相当の金を払って引き取れないというのであれば、五百万貫だけをまずお引き取り下さい、そのかわり、農協の方は千四百円以下では売らないようにしなさい。中には千三百円や千四百円ですぐ売ってしまおうというような農協も出てくるかもしれぬが、そういうことはおやめなさい。政府は千四百円で繭が売れるようにいろいろ手配を考えているのだから、千四百円以下では売らぬようにしなさい。そうしますと、千四百円ではすぐ製糸家が引き取らん繭が出てくることは考えられます。それは農協が共同保管へ一ぺん持ってくる。それには信連系統から金を借りて、手配しなければならぬのでありますが、そこで系統金融の金で共同保管に一ぺん持ち込みなさい。それは製糸としても春繭は五百万貫だけ仕入れたら、それだけで春繭は要らぬということは絶対にあり得ない。春繭というものは繭の質もよいし、製糸としては一番ほしい繭である。従いまして、第一次的に千四百円で五百万貫しか買わなくても、もうちょっとすれば、必ず貿ってくる。それで、千万貫一応農協が保管いたしました繭の中で、相当量が引き続きさばけるものと考えます。従って、それで最後に、かりに二百万貫なら二百万貫という繭が最後までさばきがつかぬということになりましたら、その二百万貫は政府において肩がわりをしてあげます。そういう考え方であります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると、大体わかりましたが、ここで問題になるのが、今の具体的のお話で言われると、約一千万貫をここで農協が始末をすることになる。保管倉庫は四百万貫とさっき聞きましたが、そうすると六百万貫現実に足りません。それから乾繭能力は農協独自で持つものがどれだけあるか。この間の前国会のときは六十万貫といわれたと思う。これだけの乾繭能力しかない。あとの部分はどうしても製糸家の倉庫を借り、製糸家の乾繭設備を使用して、製糸家との関係において、政府がもっとはっきりした線を出していただかなければ、この一千万貫は、局長の今の御説明からいっても、数字の上でできない。こういう問題が出ると、そこが問題だと、こう言うのです、私は。こうしたらよろしいということを言われるが、数字の上でできない問題が出るから、そこが問題だというのです。そうなって問題が出たとき、あそこの乾繭所へ持って行ったらいいだろう、ここの乾繭所へ持っていったらいいだろうといっても、生繭は運べばいたみます。これは局長御承知の通りです。持っていたくない手持ちを持っている。こういうところで期限の切れた生繭を扱うのでありますから、従って、一つ調子が違ったら、製糸の庭先へ持っていって、幾らでもいいからお引き取り下さいというものが出てくる必然性があるのじゃないか、こう言っているのです。そこの処置をどう考え、この説明書の第二項をおきめになるとき、やっていけるのかどうか、さっきからそれを聞いているのです。そこのところをもっと具体的なものにして、こうなるのだから安心しておれよ、こうおっしゃっていただけば、清沢安心して下りますが、それが今まで抽象的な話しで、数字的に、あなたの言われる通りやってみても、そういうものが出てくる。製糸家ががん首振ったらどうにもできないものが出てくるから、そこを安心いくようにやっていけるのかどうかということを私は聞いているのです。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) 先ほどの話はたとえ話に申しましたので、数字は何も現実の問題として申し上げているのではない。全販連、全養連あたりがいろいろ県から情報をとりまして、一応共同保管に持ち込まなければならないものが幾らくらいあるだろうというような積み上げをやっているのでありますが、これは実際に製糸との間の取り引きが固まりませんから、数字は日々に動いておるのでありますから、二、三百万貫というところの数字しか出ておらない、一千万貫と先ほどたとえ話を申し上げましたが一千万貫共同保管に持っているということは現実にはありません。決してさばきのつかぬような数字ではない。そのうちの大きな数字は山梨と群馬でございますが、山梨の繭というのは、昔からそういう性格の繭であったわけです。あれは団体協約に乗るものが昨年あたり半分くらいしかない、あとの半分は座繰りの当用買いに向けられますために、あそこで自主乾繭をして持っておったというような実績も出ておる、こういう所がことしは初めからだぶつく、たとえば群馬あたりが去年までは最も激烈な購繭競争の場所であったが、関西の製糸が手を抜いたというようなことで、そういうことが出てくる。これにつきましては、先ほども申し上げましたように、県で非常に心配をしまして、現実に繭が出回ってきた場合に、どこそこの繭は引き取らなかった場合はどこで乾繭して、どこへ保管するという手配は、それぞれするわけです。従いまして、決して繭がどこかで生のままで積んで置かれて、いつの間にかガが出てしまったということには決してならない。その点は一つ御安心下さい。

千田正無所属クラブ

○千田正君 一番問題は、国際収支のバランス等から見まして、最近の四月、五月の貿易状況を見ますと、貿易関係は輸出が頭打ちの状況なんです。ほとんど横這いで、これ以上の進出は想定もつかない現状からいいますと、生糸あるいは絹製品の輸出というものの前途に対しては、相当憂慮すべき状態ではないか、同時に、国内の問題としましてのただいまの方針については、よく局長のお考えもわかりましたが、当てもなく毎年々々そうしたことに没頭して、政府がなけなしの金をもってかかえていかなければならない余剰の繭というものについては、これは将来大きな問題として考えなければならぬ。そこで近代産業とこの生糸というか、養蚕というもののあり方というものについては、私が言うまでもなく、再検討しなければならない、さっきのお話のうちの第三番目の桑園の整理という問題ですね、この桑園の整理をして、これを転換させる、転換させる目標は何かということは、あなた方も研究しておられるでしょうが、何に転換させようとしているか、この点をお伺いしたい。  もう一つは、現在までこういう状況に立ち至るだろうという想定のもとに考えておられまして、本年になってから製糸工場の操業を短縮し、あるいは閉鎖した大体回数と、それに見合った対処方針として大体五万俵程度を政府が買い上げれば、一応の農家の安定がつくという予想のもとに、この五万俵というものは考えておられるのか、これは春夏秋につきましての繭の問題になると思いますが、これで大体見当がつくと思うのですけれども、製糸工場の操短の問題。第一番目は輸出の見通しの問題と、その次は国内の生産に対するところの操業短縮あるいは閉鎖の問題、第三点においては、ただいまの国内における桑園の転換としての目標は何に置くかという三つについての所信をただしたい。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) 輸出につきましては、これは蚕糸業というものは輸出が継続しておるので、いろいろ国家で特別の対策を講じていく意味があるわけでございますが、最近の、特にことしに入りましてからの状況は、著しく輸出の面につきましても不振でございました。これはむしろ主としてアメリカについてみますと、景気の停滞の問題もあるわけでございますが、もう一つの面は、日本からの絹織物輸出がこれはアメリカ向けの関係において、ここ数年来非常に伸びております。現在でも生糸そのものの輸出は例月あまり振いませんけれども、織物の方の引き合いは今でも続いておるわけでございまして、これはまあいろいろ工賃の問題でありますとか、いろいろな関係で、日本の絹織物がアメリカの一部業者からは忌避せられながらも、実際には、趨勢としてふえているというような傾向をとっております。従いまして、私は今後の見通しとしましては、あまり日本が織物で出すということを言いますことは、海外を刺激をいたしますので、直接の言い方は、これは避けなければならぬと思いまするが、生糸、織物を通じまして、ふやして参るように考えて参らなければならぬと思いますが、またそういう方向でいろいろ努力をいたしますれば、今後ある程度の取引きの回復はできるものと思っておるわけでございます。  それから製糸の操短は、ことしの四、五月につきましては二割、六月以降は一割操短になっておりますが、これは現実には労務者の整理をやりましてまでやっておる操短ではございません。時間の短縮でありますとか、あるいは新規雇い入れをしないといったような調節によって行われておる操短でございまして、ほかの繊維等の操短状況に比べますと、実態は著しくゆるやかなものでございます。ただ、これは四、五月の問題につきましては、現実に去年できました繭を製糸工場は全部抱いておるわけでございます。繭を抱いておる以上は、いずれは糸にしなければなりません。あまり高度の操短はやれなかったわけでございますが、六月以降の問題としましては、先ほど来申し上げておりますように、今後政府としても繭対策に重点を置いていくような考え方に切りかえて参ります場合に、状況によりまして、製糸の操短の方も場合によってはもっと高度のものを考えていかなければならないと思います。  それから桑園の転換でございますが、これは、何に転換をさせるかということにつきまして今お尋ねがございましたが、これは私ども農林省の中でもいろいろ相談、検討をいたしておるのでございますけれども、なかなか今の営農並びに全体の農作物の状態からいたしまして、簡単に割り切って、転換桑園は何へというようなことを、端的に申し上げられるような考え方は、そう簡単には出て参らぬわけでございます。あるいは酪農あるいは果樹あるいはその他の園芸農作物というようなものも考えられるわけでございますが、実際には、その今残っておりまする桑園が転換いたします場合は、果樹等に転換をいたしますものは、これはもう今日までに大体転換をいたしているのでございまして、あるいは労力の質の関係でありますとか、土質の関係でありますとか、そういうような関係で桑園に残しておくほかないような所が桑園として残っておるというのが、簡単に申し上げれば実態でございます。従いまして、なかなか転換問題も容易でないのでありますが、一番合理的にと申しますか、一応考えられまする線としましては、桑園を一列おきに抜きまして、その間に飼料作物を植えまして、いわゆる養蚕と酪艇との結びついた経営というやつが、これがまあ一番営農設計としてはおもしろい行き方なんでございます。現に長野県の伊那地方なんか、かなりそれが普及して参っておるのでございますけれども、ただ問題は、酪農の方にもまだ酪農の方として今問題があるわけでございまして、簡単にその線だけで推進していくということにも、いろいろ検討しなければいけない点もあり、それで私どもはこの低能率薬園の行き方としましては、地区的にもいろいろな形体が出てくると思いますから、県で指導をしまして、いろいろな形の転換形式を、県の方でもいろいろ農家の考え方等もしんしゃくしながら、研究をしてもらいまして、そういうものを積み上げまして、一律の、一定の考え方ということでなくて、いろいろ幅なり類型を、たくさんの形を持った転換形式というものを考えて参りたい、さように考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 局長、何ですか、この特別国会には出す、間に合うのですか、この裏づけというものは。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) これはどういう形式の法律、どういう中味になりますかは、今まだ事務当局でやっておる段階でございますから、その法律案の中味まで申し上げる段階に至っておりませんが、これの裏づけとしての法律を出すということは、閣議できめております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 補正はどうです、予算補正は。

須賀賢二農林省蚕糸局長

○説明員(須賀賢二君) その点もいろいろ検討されておるようでありますが、現段階ではその点は全然きまっておりません。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 一つなるべく特別国会へ出すようにして下さい。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 本件はこの程度にいたします。   —————————————

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 農作物の霜雪害対策並びに雨害及び旱害の点を議題にいたします。  霜雪害対策については、前国会において問題になり、政府の善処が求められておりましたが、是近具体的に決定されたように伝えられておりますので、これらの事情について、農林当局の説明を求めることにいたします。  なお、この機会に雨書及び旱魃被害についても説明を聞くことにいたします。

森茂雄農林省農林経済局参事官

○説明員(森茂雄君) 三月から正五月までに起りました霜雪害その他低温による天災につきましては、被害状況を至急収集いたしまして、五月三十日に天災法に基く政令を公布いたしまして天災法による被害農林漁業者に対する融資のワクと、それから大災の三月の降雪それから降霜及び低温、並びに四月中旬並びに五月上旬及び中旬の降霜及び低温の被害につきまして、経営資金の貸付ができるように手続を終えておるわけであります。私、農林経済局でございまするが、あと各局にまたがる総合各面につきまして、解散前の閣議決定に基く処理を至急実施いたしまして、特に従来まで予算措置が決定いたしませんと手を打てなかったのを、あらかじめこういう範囲でということで、あらかじめ被害回復用の肥料の増投費、それから補助率補助要綱、病虫害の防除費の補助対象、補助率、その他畜産関係のトレンチ・サイロ用のビニール共同購入費、それから技術指導強化費等につきまして、あらかじめ補助率と補助要綱、補助対象をきめましてそして県で計画を出してもらって、農林大臣の承認を得て、手早く措置を打ってもらう、その承認を得たものにつきましては、予算的にこれを処理するということで、各全局にまたがる措置をやっておるわけであります。ただいままで従来と異なりました点は、そういうことであらかじめ補助率、補助要綱等をきめて、あとでこれを予算的に措置いたしまして、予算がきまらなければ実行できないという点を改めたわけであります。さらに、特に保険につきましては再保険金あるいは保険金あるいは共済金の仮渡しの措置につきまして、今まで限度が十分でなかった点も、相当範囲、たとえば概算金、保険金の概算払いにつきましては、今まで九割以上の被害の耕地でなければならなかったのを、七割以上の被害耕地についてもその対象とし得るように緩和いたしました。さらに、従来共済連合会が支払う再保険金見込額の二分の一とされていた概算総額を、その規定を変更いたしまして、三分の二以上に改めたわけであります。現在五月三十日の政令で指定しまして経営資金について準備いたしました予定総額は被害総額、今まで得ておりますので、三百四十億被害を受けたわけでありますが、県とも申請等を精査いたしまして、四十五億円のワクを政令で決定したわけであります。解散前の閣議決定に基きましてその後実施しました大要につきましては、以上の通りでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 政府がすみやかに対策を決定していただいたということはまことに喜びにたえないのであります。しかしこの資料九ページによって見まするというと、九州各県のうちで、これに該当していない県は長崎県だけになっていますが、九州各県で長崎県だけが該当しなかったのであるかどうか、被害額は一億九千万円とか報告があるはずでありますが、その点どういうふうな査定になっているか、伺いたいと思います。

藤巻吉生農林省農林経済局統計調査部長

○説明員(藤巻吉生君) お配りしてございます資料によりますと、長崎県は抜けておるのでございますが、いろいろと被害につきまして、私の方で調べれば調べるほど被害はだんだんふえて参っております。長崎県の事情につきましても麦につきましては最終的に六月一日現在をもちまして実測をも加味いたしました被害の調査をやっておりますので、その結果がわかりますれば、かなり数字がふえてくるのではないかということを考えております。そのほか菜種、果樹等につきましても、私の方で見落しがあるといけませんので、十分注意して調査をさしております。なお九州、四国につきましては、霜雪害のほかに雨の害と申しますか、雨害が相当出ておりまして、これにつきましてはただいま本省の方から特に係官を派遣いたしまして鋭意調査を急いでおるわけでありますが、近くその数字が判明いたすかと存じております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 ただいま雨雲の問題が取り上げられたのでありますが、九州各県の模様を見てみまするというと、長雨のための雨害、これに伴うて病害が非常に発生した結果、私らのところで調査した五月二十日現在によって見まするというと、その被害が二十億円にも達するような状況であるのであります。長崎県では昨年の七月の水害以来、引き続く被害であるのでありまして、県下の農民の経済は非常に疲弊こんぱいに陥って、まことに憂慮にたえないのであります。そこで長崎県の農業団体は、五月三十日に長崎県農業協同組合長大会を開催いたしまして、この対策を練ったのであります。また、県としてもいろいろと対策を練って農協大会の陳情書及び知事の陳情書は、お手元に配付したような次第であるのであります。また、県の議会としてもこの重大な問題を取り上げまして、きょう県議会が中心になって、政府出先機関及び各種の団体と一緒になって、この対策を練りつつあるような状態であるのであります。また、これは長崎県だけではなくて、九州各県及びその他の方面にも連絡をとって議会及び農業会というものが取り上げていこうとしているような状態であるのであります。でありますから、この際、雪及び霜の害によって政府がとられた対策を、直ちにこの雨害に対してもとっていただきたいと思うのであります。またこのためには、政府からわざわざ本月の一日に調査に来ていただいたということは、まことに喜びにたえないのでありますが、被害の甚大にかんがみまして、政府においてもすみやかにこれが対策を講じていただきたいと思うのであります。対策をお願いする事項は、陳情書に書いてあるのでありますから、詳しくは申し上げません。ただ、いろいろと対策を練っていただかなくてはできないような事情であるのでありますから、この点、十分一つ御考慮の上に、最善の方法を講じていただきたいことをお願いいたします。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 今、藤野さんから要望をされました点についてお答えがなかったようでありますが、これは要望だからお答えがないのかもしれませんが、私も同様に、四国、関西、それから九州一帯に及ぼしておりまする今回の被害について申し上げたいと存じますが、今回の湿害と申しますか、長雨による被害でございまするが、これが愛媛県あたりにおきましても、同様にこの調査から漏れているのであります。ところが、最近になりまして、これはすでに統計事務所の方でもおわかりのことと思うのでありますが、激甚な被害を及ぼしておりまして、麦の被害だけでも二十億ということを、最近調査の結果表明されておりまするし、なお、農林省から早急に調査に来ていただきまするように手配をいたしまして、来ていただくことになっております。そこで、心配になりますのは、この霜、雪の害が、ただいま森さんの方から御説明がございましたが、これらのうちに組み込められて、今回の特別国会で予算的措置が講じられるような運びになりますか、あるいは聞くところによりますと、統計調査部におきましては最終の報告を六月十五日ときめられておるようでございますので、もしそれが十五日になって、最終数量がきまるというようなことになりますと、事務上この中に入ることが困難なようにも思えるのであります。しかし、われわれが考えておりまするのは、凍霜害によりまして、要するに冷害によりまして、作物自体に非常に影響を持っておった、要するに、地下部におきましても、地上部におきましても、その成育の状況等から考えて、その冷害の影響を受けて、病虫害その他が異常発生をいたした、こういうふうに考えているのでございまして、一応関連のある問題であろうかと存じます。従いまして、早急にこの調査をはかられまして、これらの問題と含めて予算増額の処置を講じられ、処理をされることを希望をいたしておるのでありますが、その点につきまして、まず、当局のお考えを伺いたいと思うのであります。

森茂雄農林省農林経済局参事官

○説明員(森茂雄君) 三月の末の凍霜害のあとに、またいろいろなことがございまして、一応、政令では五月中旬の低温までと抑えたわけでございます。その後、そういう事態が出ましたものですから、やはり早く汽車を出したいと思いまして、一応そこで区切ってやったわけです。従いまして、下旬の低温とか降雨によるやつは、現在政令の対象にしておりませんです。これにつきましては、今の政令を直していくか、また一つ取り上げていくか、いずれにいたしましても、ここに調査部長がおられますが、被害調査の結果を待って、それから進度を待ちましてそれと、その地区が重なっている場合もありますので、数字を整理いたしまして、これもなるべく早く、次から次へと災害が起きて、昨年は政令を出そうと思いますと、また災害が起りまして、結局一番初めの災害の手が非常におくれちゃったわけですが、今度早く汽車を出しちゃったわけですが、いつごろにこれまた編成しますか、なるべく早く措置を決定することが必要であるわけです。今、被害調査の結果を待って、愛媛、長崎からも具体的にお話がございますし、至急調査をいたしまして、現在の政令に加えて出しますか、単独にまた政令を出しますか、事務処理をきめていきたいと思っております。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 これはなるべく別個に取り扱わないように、この際、冷害の延長でありますので、すみやかに調査を運ばれて、そして追加をしてやっていただきますように要望いたしておきたいと存じまするが、そこで一番問題になりますのは、この二、三日前の新聞を見ますと、減収加算について——きょうは食糧庁がおいでになっておるかどうかわかりませんが、減収加算について、減収者とそれだけの被害のない者との区別をするのだというようなふうな記事に読んだのでありますが、減収加算について、一体どういうふうにお考えになっておられますか、お伺いを申し上げます。

大和田啓気食糧庁総務部企画課長

○説明員(大和田啓気君) お答えいたします。実は、私どもまだ三十三年産の麦価について計算をいたしておりません。六月一日現在の作況を見ましてから計算いたすわけであります。従って、減収加算をどういうふうに取り扱うかということも、まだ結論を出しておらないわけです。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 まだ今きまっておらなければ、これは議論の対象になりませんが、ますその一点は、被害の激甚なものと激甚でないものとがあるから、減収加算をする場合に考慮していかなければならぬというような談話のように思うのですが、これは減収加算というものの本来の姿を考えてみますと、そういうものを区別すべき筋合いではないのであります。その点は十分に御了承のことと思いますから、私は特にその点を強調いたして、減収加算というものの本質に従って、全体の収穫というものが一定パーセントから落ちたならば、当然減収加算をつけるべきであるというふうに考えております。  なおまた、麦価が逆ざやであるという関係から、減収加算の問題は考慮しなければならないというようなことを聞くのでありますが、逆ざやであるとか何とかいうことは、それは管理制度の上から考慮すべき問題であって、減収加算を逆ざやであるからしないという理由は、私は成り立たぬと思っております。とにかく、これはまだ直接考慮しておらない当局に、こういうことを申し上げるのはどうかと思いますが、少し早いのかもしれませんが、一応、部内にそういうようなことが言われておるというようなことを伺いますので、この際、私の意見を明らかにして、御参考にしていただきたいと、かように存ずるのであります。

大和田啓気食糧庁総務部企画課長

○説明員(大和田啓気君) ただいま申しましたように、減収加算についてまだ結論を出しておりませんけれども、ただ、もしかりにつけるといたしますと、どういう意味で減収加算をつけるかということを、実は内々に多少は議論はしておるわけであります。今御指摘がございましたが、実は、私たち麦について減収加算をつける理由といたしましては、まあ逆ざやの現象は確かにあるわけで、大麦について申し上げますと、一俵について政府が買い入れます値段の方が売り渡す値段よりも百三十円高いことになっておりますので、そういう点も当然考慮いたすわけでありますけれども、それ以外に、麦の間接統制であるという実態から考えまして、減収になった場合に、当然価格の水準が上るであろうという場合が予想されるわけです。普通の状態でありますと、一割ないし二割減収になりますと、麦の価格が上るだろうというのが普通考えられるとろで、もしそれでありますと、政府の買い入れ価格を上げませんと、政府に内麦が集まってこない。従って麦の統制についての政府の権能が十分に及ばない、あるいは消費者にとって不測の迷惑を生ずるという事態も考えられるわけであります。麦について減収加算をするといたしますと、果して今申し上げたような事情があるかどうか。今御指摘にもありましたが、作柄によって農家の間に不公平が起るかどうかという問題よりも、減収によっても、全然、現在原料の価格、すなわち大麦なりあるいは小麦なりの相場も上っておりませんし、それから小麦粉なり精麦の値段も全然上っておりませんし、そういう事態において減収加算をいたすとすれば一体どういう意味づけで減収加算をするのであろうかということを、実は苦慮いたしておるわけであります。これは別にまだ六月一日の作況も発表されておりませんし、当然つけるとかつけないというふうに結論を出しておるわけではございませんけれども、米の場合と違って、麦について減収加算をするとすれば、なかなか困難な問題があろうというふうに、現在考えておるわけであります。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 今のお話は大体わかるのですが、精麦が下っておらないとかあるいは直接小売販売の価格というものに直ちに影響していないというのは現実の問題であって、これから今収穫しつつあります収穫量の決定がほぼきまり、またその後において減収を来たしたということになって、物が不足をすると、需要供給の原則からして高くなる、不足をしたときには高くなるということが原則なんです。そういう場合に、パリティによって基本価格というものを出していくのでありますから、その以上にそのアルファをつけてやらなければならないという原則は、米も麦も私は変らぬのじゃないか、こういうふうに考えるのであります。今直ちに変っておらないということで、その減収加算をするに及ばぬという議論は成り立たないのではなかろうか、こういうふうに考えます。その他、これについては若干私も意見を持っておりますが、まだきまっておらないことをさように申し上げるわけには参らぬのであるますが、いずれこの減収加算につきましては、特にこの際、御高配を願わなきゃならぬ、こういうふうに考えております。  もう一つ、農林省に伺いたいと思いますが、このいろいろの陳情書の中に、食糧不足により精麦の払い下げをしてくれ、それから種麦を確保する処置を講じてくれ、こういう問題があります。この二点につきましては、具体的にはどういうふうにお考えになっておりますか。

大和田啓気食糧庁総務部企画課長

○説明員(大和田啓気君) 種麦の問題は振興局の方からお答えをいたしますが、ただいま最初の御質問の農家の飯用の麦、これはさきにも申し上げましたように、精麦の値段も実は少しも動いておりませんし、内麦も外麦も合せて、大体需要を満たしている状態でございますので、特別に飯麦をどうするという必要があるかどうかということを、実は検討いたしております。もしも需給事情が悪くなって、精麦の値が上るような気配がありますれば、そういう地域について都道府県知事を通じて農家に飯麦を払い下げることもいたしたい。これは麦の現実の需給状況を見ながら処置いたしたい、こういうふうに考えております。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 種麦の点については……。

酒折武弘農林省振興局総務課長

○説明員(酒折武弘君) 種麦が今度の災害である程度不足する県もあるかと思いまして、先般の凍霜害の際に、またその後起りました長雨の被害につきましても、関係府県に対しまして、県外移入が必要のような事態が起れば、即座に府県に対して連絡をとるとともに、われわれの方に連絡をしていただきたい。われわれの方では、できるだけのあっせんをいたしたいというふうな現在連絡をいたしておるわけであります。具体的にまだ各県から数字が上ってきておりませんし、なお予算的には、種麦確保のための各府県自体の具体的な計画を見た上で、しかるべき措置をいたしたい、かように考えております。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 種子の分はどうです。

酒折武弘農林省振興局総務課長

○説明員(酒折武弘君) それが種麦のあれです。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 黄変米ね、これは食糧として配給はもうずっと前に停止してあるのですか。そうではなくて最近まで配給してあるのですか。その点について。

大和田啓気食糧庁総務部企画課長

○説明員(大和田啓気君) 食糧として黄変米を配給しておることはございません。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 いつごろから……。

大和田啓気食糧庁総務部企画課長

○説明員(大和田啓気君) 実は、私本日は十分用意してございませんけれども、黄変米の問題がやかましくなったころから、食糧としては配給いたしてないわけであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君  この問題はあまりやかましく言うと工合悪いからこれでやめますが、出先食糧庁ですか、検査所で黄変米に似通ったものを配給して、農協の倉庫に持っている、こういう問題がある、それでお伺いするのですが、全くしていないのですね。

大和田啓気食糧庁総務部企画課長

○説明員(大和田啓気君) してありません。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) では……。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 旱霜の問題をごく簡単に……。大河津の分水の下に中ノ口川の土砂がありまして、中ノ口川の入口に土砂がたまって、中ノ口川の水位が低下している、それで非常に水が不足だということは、前々から聞いておりますが、たまたま西川の用水路ですね、ほとんど水が半分くらいしかない、そうして数千町歩にわたっている、こういう報道があるのです。そこで、私どもが見ましたのでは、ただ最近はずっと旱天が続いている、晴天が続いておりますので、非常に水位が下っていることは事実でありますが、私どもが見たところでは、ただそれだけの問題ではなくて、今までにない異常な旱害がここに見舞っていることを見ますと、一つは信濃川における電源のダムの貯水に取られるのじゃないか、こういうふうにも考えられますので、こういうものに対する新しい観点に立って御答弁願えれば……。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 信濃川の問題もさることながら、全国の現在の旱害の状態、あるいは植付が非常におくれるとか何とかいう状況が迫っているように聞いておりますが、全国の旱害に対する状況をあわせて聞きたい。

野知浩之農林省農地局かんがい排水課長

○説明員(野知浩之君) 全国の旱害の状況につきましては、ただいま調査中でございまして、まだ報告が参っておりません。それで、関東の管内でも報告がきておるのは千葉県だけでございまして、その他の県につきましては、まだ県からの報告が参っておりませんので、詳細なお答えが私の方ではできませんのでございます。千葉県につきましては、御参考のために申し上げますというと、主として九十九里浜の沿岸地帯でございまして、これに続いて、利根川の下流小見同時付近でございます。大体この地帯では、九十九里沿岸では、両総用水地帯が約六千町歩くらいの用水不足を来たしております。それから利根川から水を揚げております大利根用水の七千町歩の地帯のうち、約三千町歩が用水不足となって、植付ができない状態でございます。小見川町の近郊は約千三百町歩、合わせまして、千葉県だけで約一万町歩の水田が用水不足というような状況になっておりまして、これは、ただいま調査官が現地へ行きまして具体的の方策を立てる準備をいたしております。その他の県につきましては、あさって五日に全国の耕地課長を参集させまして、詳しく状況を報告してもらうということになっておりますから、いずれあとで御報告したい、こう考えております。なお、清沢先生のところの新潟の管内につきましては、まだ現地の状態が全然わかっておりませんから、あさって耕地課長が参った際、詳しく聞きまして、調べてしかるべき処置をしたい、こう思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 一般の所の早書とは違うと思います。必ず私は、信濃川のダムの貯水の問題があると思う。この点一つ十分やってみて下さい。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 本件は、この程度にいたします。   —————————————

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 農業協同組合共済事業責任準備金の件を議題といたします。  この件に関して、責任準備金に対する法人税免除について、先国会において問題になり、政府の善処が求められておりましたが、この点に関して、その後の実情について藤野委員から質疑の御要求がありますので、この際、御質疑を願うことにいたします。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 前委員会でお尋ねしておいたのでありますが、その際においては、いろいろと検討を進めるということであったのであります。問題点は、生命共済と建物更生共済の異常危険準備金に対する課税問題が、その後どういうふうに、調査の結果なったかお尋ねしたいのであります。

河野恒雄農林省農林経済局農業協同組合部長

○説明員(河野恒雄君) ただいま御質問ございましたが、その点につきましては、御承知の通り、生命共済につきましては、一般の生命保険との関連もありまして、大蔵省はその方の調査も進めて、農業共済と関連をして整理をつけたいということを言っておるわけでございます。従いまして、大蔵省としても、この方に手をつけるということで準備を進めておるように思われます。それから建物更生共済、異常危険準備金につきましては、御承知の通り農業共済におけるこの種の建物更生共済というものは、一般民間保険にもございませんので、特殊の共済事業としてもう少し詳細に事情を承知したいということを申しておるわけでございます。先回の交渉におきましては、私どもの持っておりまする資料を提供いたしまして料率の算定の基礎その他について説明をいたしたわけでございますが、まだ十分に釈然といたしておりません。従いまして、新たに交渉をする準備といたしまして、ただいま掛金率算定委員会というのがございまして、そこで掛金料率の算定につきまして、必要な資料を集めて、現在検討をいたしております。この検討が進みまして、ある程度資料の整備ができますれば、それをもとにして交渉を進めたい、かように考えております。向うの大蔵省の考え方といたしましては、たとえば異常危険準備金等について、それが完全に共済組合の剰余金から細まれたものではなかろうか、つまり、費差なり、利差なり、あるいは危険差なりというものの差益が集まってできた、そこから異常危険準備金が集まるのじゃなかろうかというふうな考え方をして、そういう観点から見ております。従って、そうであるかどうかということを一応向うで考えておったわけでありますが、われわれの従来の資料といたしましては、その点については十分なる説明ができなかったのであります。まあ向うの考え方といたしましては、異常危険準備金のためと申しますか、掛金率の中にそういうものが一体算定されておるかどうか、掛金率の算定の際に、そういうものがあるのかないのか、ということも、一応、向うは研究の対象にしておるようでございます。従って、今回の料率算定委員会における各種の資料を参考にいたしまして、私の方も十分に練って交渉いたしたい、かように考えております。さような段階でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今、農協部長のお話によると、いろいろ検討を進められておるようであるのでありますが、これは、私など農協法を改正した本旨から考えましても、免税の特典が与えられるようにせなくちゃできない。この前の大蔵省の政令及び省令を制定される場合においては、急いで決定せなくては、その他のものにも悪影響を及ぼす、こういうふうなことがあって、急いでやられた結果、ああいうふうになったのでありますから、今回は十分に資料を整えられて、生命共済についても建物更生共済についても、異常準備金については免税の特典が与えられるように、一そう検討を加えられて大蔵省と十分に交渉していただくようにお願いしまして、私の質問を終ります。

河野恒雄農林省農林経済局農業協同組合部長

○説明員(河野恒雄君) 御趣旨の線に沿いまして努力いたします。

東隆日本社会党

○東隆君 大蔵省の方の調べ方と農林省の方の調べ方及びその資料の出し工合、これはもう全然立場が違っておると思う。そこで、やはりこの問題は、今お話しになったように、農林省の方で十分に大蔵省に勝つ条件を整備しなければならぬ、この問題が、先方の資料によって押しまくられたら、これは解決のしょうがないと思う。だから、やはり協同組合の非課税の原則、あいつをまっこうに振りかざして、それに加うるに——私はだいぶあると思うのです。たとえば、償却期間の短縮をやった場合とか、その他貯蓄をした場合に減税をするとか、いろいろ貯蓄をするということに対して政府は非常に力を入れておる。そういうような面だの何だの、向うの税を取り立てるという面からとは逆のいろいろのなにが、だいぶ出ておるわけですが、そういうようなものをうんと一つ援用して、これを一つ何とか早急に解決をしてもらわないと、これは相当影響を及ぼす問題だと思う。  それからもう一つは相互会社ですね、保険会社はたいてい相互会社、あるいは株式会社もあるかもしれませんが、そういうものと協同組合との違いですね、これを一つ根本的にこの機会にはっきりさせておかないと、今後いろいろな問題がたくさん出てくると思う。そのつど税の対象にされる、さようなことになると、問題になってくると思う。それから法人税にいたしましても、やはり株式会社の場合の法人税と、それから協同組合の場合におけるところの問題にしても、今の違いなんていうのは、非常に間違ったやり方ではないかと思う。片方は常利を目的としているのだし、片方は組合員のためにやるのだし、組合員のためになれば、結局、組合員個人が利益を得るのですから、それにはちゃんと税金をかけられることになるのですから、従って、法人にまでかけるということになると、二重の税をかける、こういうことになろうと思う。そういう点は、やはり相当考えなければならぬ問題じゃないかと思います。そういう点、あわせて一つ大いに資料をそろえて、これをわれわれが改正した目的を達成していただきたいと思います。

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 本件については、本日は、この程度にいたします。   —————————————

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 次に、調査未了報告書に関する件についてお諮りいたします。  農林水産政策に関する調査につきましては、いまだ調査を完了するに至っておりませんので、本院規則第七十二条の三によりまして、閉会中調査未了の旨の報告書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の内容及び、その手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重政庸徳自由民主党

○委員長(重政庸徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日は、これをもって散会いたします。    午後三時五十二分散会

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