逓信委員会 第9号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/03/13
会議録
○委員長(宮田重文君) それではただいまから委員会を開会いたします。 まず、お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正する法律案及び電話加入権質に関する臨時特例法案を議題といたします。 まず、政府の説明を求めます。
○政府委員(最上英子君) ただいま議題となりましたお年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。 現行の法律は、郵便はがきにお年玉をつけることと、郵便はがきや郵便切手に寄付金をつけることとの二つの内容を持っている法律でありますが、今般改正しようといたしておりますのは寄付金に関する部分でございます。現行法は、昭和二十四年に制定されたのでございまして、当時は終戦後日浅く、社会情勢は、いまだ十分安定しておらなかったため、寄付金額にいたしましてもそう多くを望み得ない試行的状況のもとに、さしあたり急いで現行法のような内容をもって立法せられたものであります。従いまして、その関係条文も、わずかに一カ条という簡単なものでありまして、手続的にもかなり不十分なものを残しており、実施後の状況によりまして早晩改正せらるべきものと考えられておったのであります。その後鋭意研究いたし、政府内部の意見調整に努めました結果、本改正案を提出するに至った次第であります。 その改正の要点について申し上げますと、第一は、寄付金を配分する対象の範囲を拡張いたそうとするものであります。現行法によりますと、郵便はがき等に付された寄付金は、社会福祉の増進を目的とする事業に対して配分されることになっております。この制度を始めました昭和二十四年度ごろには、寄付金額はせいぜい一億五千万円程度にすぎず、また、戦後の社会情勢から見まして、このような規定をしたわけでありますが、この寄付金つきはがき等の消化能力は、社会情勢の安定とともに逐年増大し、今日では年間五億を上回る状態であり、本年までの統計は三十五億にも達しております。一方、十年の経過の間に、新しい社会的解決を要請される問題で国民の好意によることがふさわしい分野も拡大し、各方面からの要望もありますので、第一に、風水害、震災等の非常災害の場合の救助、第二に、ガン、結核、小児麻痺等いまだ治療方法の完全な解決を見ない疾病の学術的研究と治療、第三に、原爆被災者に対する治療その他の援助を行う団体にも寄付金の配分を行うことができるようにいたしたいと考えたのであります。 第二は、寄付金つき郵便はがき等の発行手続を整備いたそうとするものであります。すなわち、はがき等の発行前に国民に寄付目的、発行枚数、寄付金の額および寄付金の配分を受ける団体の名称を告示しまして、あらかじめ寄付の趣旨を公開しておくことにいたしたいと存じます。また、寄付金の配分を受ける団体の指定および配分額の決定は、寄付目的の拡張ということに応じ、団体の事業を所管する大臣と協議した後、郵政審議会に諮ってからすることとし、配分額の決定についてはその団体ごとに配分額を公示することにいたしたいと存じます。 第三は、郵便募金管理会という特殊法人を設立いたそうとするものであります。この法人は、寄付金の管理およびその使途の適正をはかることを目的としております。その業務は、寄付金の受け入れ、保管、交付および寄付金の使途の監査等を行います。現行法によりますと、これらの点について責任の所在が不明確でありますので、責任ある団体に寄付金の処理をさせることが適当と考えられるからであります。さらに加えて、従来の寄付金の使途状況から見まして、計画が具体化するまでに半年から一年間の時間を要しているものが大半であり、かたがた今回の改正により災害救助等の未確定要素もありますので、これも責任ある団体に保管させることが寄付金の適正な取扱いをすることにもなると考えられます。 第四は、寄付金の使途の適正をはかるための措置をいたそうとするものであります。寄付金の使途の適正をはかるため、逓信大臣は、寄付金の配分を受ける団体の事業を所管する大臣と協議し、かつ、郵政審議会に諮って当該団体の守るべき準則ともいうべき事項を定めることができることとし、あわせて管理会に対して、逓信大臣が所要の監督をすることができることといたして、必要な規定を設けようとするものであります。 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようにお願いする次第であります。 ただいま議題となりました電話加入権質に関する臨時特例法案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。 電話加入権を質権の目的といたしますことは、通信政策上の見地等から、現行の公衆電気通信法において禁止しているところでありますが、現に相当な財産的価値かある電話加入権もあり、中小企業者等の間におきまして、これを担保にして融資を受けることに対する強い要望がありますので、現下の経済事情、日本電信電話公社の事業運営の実情等諸般の事情を考慮し、関係各省とも協議の上、慎重に検討の結果、五カ年の期限を付して質権の設定を認め、加入者の利便に供することといたそうとするものであります。 電話加入権に質権の設定を認めることといたします場合、これらの権利関係の公示の方法を必要といたしますが、不動産登記のような登記制度を採用いたしますことは、実務上、日本電信電話公社に対し、いたずらに事務の複雑化あるいはむずかしい法律上の実務を要求することとなり、臨時的な時限立法である点をも考慮いたしますと妥当でなく、また、もともと電話加入権の担保価値が少額でありますので、質権の実行に当り一般の強制執行の方法によりますことは、電話の担保化が不利・不便になります等のために、簡易な登録制度の採用、質権者の範囲の限定、質権実行手続の簡略化、日本電信電話公社及び加入者に一定の制限ないしは義務を課すること等一連の規整を行いまして、日本電信電話公社の事務上の煩雑化を救うとともに加入者、質権者の利益を保護し、この童話加入権の担保制度の円滑な運営をはかろうとするものであります。 この法案のおもな内容について申し上げますと、第一は、質権の目的とすることができるものは、現に電話取扱い局に収容されている電話の電話加入権に限定することとし、質権者の範囲は、さきに述べました理由から一定の金融機関等に限定することといたしました。質権の実行手続につきましては、質権者の範囲を特定することにより民事訴訟法第六百二十五条第三項に規定されております特別の処分として裁判所が質権者自身に電話加入権の換価を命じ、あるいはその換価に当り鑑定人による鑑定を要しない等簡略な実行方法をとることができることとし、少額融資を目的とする電話加入権による金融を実効性あるものとするよう配慮いたしております。 第二は、二重質、転質につきましては、電話加入権による金融が少額であるため金融取引の実際から見て重大な支障もなく、また、簡易な登録制度をとつておりますので、法律関係を簡素にいたしまして困難な法律問題の発生をできるだけ避けるため、これを禁止することとし、また、流質につきましては、加入者の保護をはかるためにこれを禁止することといたしております。 第三は、質権の得喪・変更は、登録によっつてこれに対抗力を与えることとし、これを公示することによって権利関係を明確化いたしますとともに、質権の設定が認められることによって、電話加入権の移転あるいは滞納処分または強制執行による差し押え等の処分の制限との間に複雑な権利関係が生じますために、付則において公衆電気通信法の一部を改正するとともに、本法においてもこれらの点を調整することといたしております。 第四は、質権が設定されている加入電話の加入者が、加入契約の解除または加入電話の種類の変更その他電話加入権の担保価値に影響するような請求等を公社に対してするためには、質権者の同意を要することといたしまして、質権者の保護をはかりますとともに、日本電信電話公社が法律に基いてこのような行為をいたしますときは、これを質権者に通知することといたしております。また、質権の実行手続に入りましたときは、裁判所に申請して、一定期間質権の目的となっている電話の通話停止を裁判所が命ずることができることといたしまして、実行期間中における電話の担保価値の減少を防ぎ得るようにする等電話加入権の担保化に必要な規整をいたしております。 以上が、この法律案を提案いたしました理由でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(宮田重文君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(宮田重文君) では速記を始めて。 —————————————
○委員長(宮田重文君) では、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。
○光村甚助君 この間の質問の中で保険局長が、二十年満期の保険で、民間が四百十七円ですか、簡易保険が四百十円で七円安い、こういうお話だったのですが、これはあれですか、民間の保険会社では、初め一年に五千円とかいう保険料をきめますと、毎年これは安くなってきておりますね、配当がありますから。その分を計算しても、やはり簡易保険の方が安いのですか。
○政府委員(大塚茂君) お答えを申し上げます。この間申し上げましたのは、表定保険料——結局正式にきまっている保険料でございまして、配当を差し引く場合の計算は、また別なことになるわけでございます。この間もちょっと申し上げましたように、現在民間では運用利回りが相当高くなっておりますので、配当が相当多くなっております。従いまして、現在の配当がいつまで続くかというのが問題でございますが、ただいまのところの配当を計算に入れますと、かえって民間の方が実質保険料においては少し安くなるというようなことになっております。
○光村甚助君 だから、結局は簡易保険の伸びもやはり悪いという原因はここにあると思うのですよ。ただ表面、第一回の保険料だけは確かに簡易保険が安いでしょうが、今、局長のお話のように、配当金を入れると民間保険がこれはずっと安くなると、民間の方でやはり十万だ、二十万だという保険をどんどんやるということになると、勢いこれは簡易保険の分野というものが荒されて、結局募集難なんてことで、従業員にしわ寄せが来ることも事実なんです。それからこの前の質問で、ほかの先生からもお話があったように、非常に零細な人の金を集めておる簡易保険なんです。これはやはり運用の利回りをよくして、なるべく長期還付金ですとか、保険金をやはりふやしてやるという制度を作るということで、民間のように利回りをよくしなければ、こういうことはやはり成り立たないと思うのです。ただ、資金運用部に預けている利回りが年五分五厘なんてことは、だれが考えてもこれはけしからぬことで、簡易保険で集めた金を貸付先も法律できめる、利回りも法律で制限して六分——今、平均三厘ですか、そういうので押えられていっては、簡易保険を創設した当時の私は意義も失うと思うのですが、この点について大臣は今後どういう折衝をなさるおつもりですか。
○国務大臣(田中角榮君) 少額の契約を民間から排除しようという考えも一部にございますようでありますが、これは今の法律ではなかなかずかむしいようであります。しかし、私は零細な、しかも、そのままにしておけば消費に回るものが国の資金となる簡易保険や郵便貯金の利子に対しては、相当抜本的な考えをしなければならないというふうに考えております。今も、現在大蔵委員会からもそういう質問が出るようでありますが、今年度六千円、二カ年据え置きの減税をやりましたが、このようなことをやるのであるならば、こういうことをやめて簡易生命保険及び郵便貯金の利率をもっと上げるような本的な施策をする方がより効果的だというような意見も専門家の間にあるわけでありますから、私はこういう考え方が、正しいと考えております。なお、簡易生命保険の運用金は、今までの例からいいますと、資金運用部の資金と同じように、どうも地方還元ということだけが大きく打ち出されておりましたので、公共事業という面から、できるだけ安くとだけ制限を受けておりますが、私は現在の段階においては、簡易生命保険の運用金の対象はもっと広げなければいけないし、もっと利率は合理的なものにしなければいけないと考えております。まあ大蔵省が六分五厘で貸して六分三厘しか払わないというようなこと自体がおかしいので、しかも、郵便貯金においては、年々繰り入れを行い、それはいつか返さなければいかぬというようなことでありますから、こういうものは自主的な運用ということを前面に打ち出すということには、まだいろんな考え方もあるようでありますか、いずれにしても、高率の利回りに回るようにしなければならないということは当然であります。その意味で大蔵当局とも話をして、今年度は電電公社や国鉄にも幾らか貸し付けることにいたしましたし、まあできれば近く、法律案の改正で国会の審議を仰いでいるので、もう少し高率で回って、少くとも簡易保険事業が創設をせられた当時の目的が達成できるような措置はどうしてもとらなければいかぬと、こう考えておるわけでございます。
○光村甚助君 民間の人たちは簡易保険の最高制限額を引き上げるということを民業圧迫だと、こういうことを言っているのですね。去年もこの問題で平井大臣にもだいぶお願いをしたのですが、民間保険は下は幾らでもやれるのだ、上も幾らも無制限にやれるのだ、しかし、簡易保険だけは最高を制限しているのだと、そういうことに対して、私自身非常に矛盾を感じているのですがね。ただ、民間保険を三十万以下をやつていけないということになると、これはまあ独禁法か何かに触れるそうですけれども、この面についてもう少し何とか研究してやらなければ、簡易保険の将来というものは非常に私は危ないと思うのですよ。その点、大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(田中角榮君) 私は、原則的な考え方といたしましては、戦後の日本の経済は非常に浅いのでありますし、これからまだ将来も相当苦しい金融情勢を乗り切っていかなければならないということであります。その意味からいいますと、どうしても政府資金というものが必要であるということは論を待たないわけであります。戦前は御承知の通り、日銀及び銀行法も、相当財政資金に準ずるものとして、時の政府がいろいろな情勢において、利子も、すべて行政措置ができたのでありますが、御承知の通り、マッカーサー・メモランダムによって、抜本的に法律は改正せられて、一切市中金融というものに対しては、財政当局が口を出せないというふうに、まあ名前は自立でありますが、ある意味からいうと野放しの状態になっております。こういう状態で戦後の日本の経済を復興せしめるということは、これはもう実際問題から考えると至難なわざであります。でありますから、市中金融がより合理的に政府の財政方針にのっとって厳密に使われるということがどうしてもできない場合においては、基礎産業、隘路産業、国家がどうしても経済復興のために必要なものに対しては、計画的に資金を投入しなければならないということであるならば、どうしても政府資金にたよらなければならないわけであります。三十三年度等は剰余金も相当あるということで、こういう状態を基礎にして安逸の夢をむさぼってはならない、こういうときこそ、政府資金の将来、それが合理的な、また、効率的な運用というものに対しては、抜本的にものが考えられなければならないと、こういう考えでおるわけであります。でありますから、私は政府関係機関や基礎産業に大幅に投下をせられる政府資金の原資の確保には十分努めなければならない、そういうことであるならば、簡易生命保険や郵便貯金というものに対しては、今までの民業圧迫というような考えではなく、もっと抜本的な育成方法を考えるべきだというふうに明瞭に割り切っておるわけでございます。
○光村甚助君 局長にお願いしますが、衆議院での付帯決議の第二項をちょっと読んでくれませんか。私、ここに持ってきていませんので、忘れたのですが、まあ一項から読んでもらって……。
○政府委員(大塚茂君) それでは衆議院で付されました付帯決議を朗読いたします。 一、最近における経済情勢の推移にかんがみ、今回の簡易生命保険の保険金最高制限額の引き上げをもってしては、なお簡保事業の使命を果すにじゅうぶんでないと認められる、よって政府は、なるべく近に時期に、右最高制限額を更に引き上げるよう措置すべきである。 二、現在、簡易生命保険事業と民間生命保険事業とは事業経営上競合するところがある。よって政府は、両者の事業性格の差異を検討し、各その性格に合致する経営方式につき研究を進めるべきである。 右決議する。 以上であります。
○光村甚助君 私がさっき質問したのとこれとまあ非常に関連があるわけなんですが、はっきり、じゃ、民間生命保険を三十万円とかあるいは四十万円以下やっちゃいけないということは、これはまあできないわけですが、こういうことを付帯決議をされると、これは民間保険の方ではこれを利用して、簡易保険の分野が非常に狭められるというようなことはないですか。
○国務大臣(田中角榮君) この付帯決議がつけられる前にも十分の御質問があったわけでありますが、これは狭められるというよりは、広げられなければいかぬと、こういう趣旨の決議でございます。でありますが、簡易生命保険の特性を生かすためには、しかも、最高制限額が二十万円ないし二十五万円というふうに制定をせらるる以上は、民間生命保険は少額のものはやっちゃいかぬ、こういうものをやるべきだと、しかし、それが独禁法その他の法令に抵触をしてできないならば、民間資金と同じように制限を撤廃すればいいじゃないかと、こういう議論のうらはらになるわけであります。がしかし、まあ民業圧迫ということも十分考えなければいかぬので、その場合には、同じ状態にしておいて利率が幾らか下つておれば、それでも民業圧迫にはならないじゃないか、しかし、そういう問題は今軽々に委員会としても即断できないので、この法律案が通過をすることを契機にして、近い将来に政府は明確な結論を出すべきであると、こういう趣旨の決議でございますから、狭めるというようなことではなく、簡易生命保険そのものに対する抜本的な一つの考え方を次の国会には出すべきであると、こういう決議でございます。
○光村甚助君 それでわかりました。保険局長にお伺いしたいのですが、あなたが書かれた何か論文の中で、通信世界という雑誌の中に、事業費は民間保険より安いが、もっと事業費を引き下げなければならないということが出ていたわけですが、この事業費を引き下げるということは、結局は従業員のしわ寄せになるのじゃないんですか。
○政府委員(大塚茂君) 事業費を引き下げるということは、私も常々申しておることでございますが、これはこの前の委員会のときもちょっと申し上げましたように、何も人件費を減らすとか、物件費をたたくという消極的なやり方でなしに、むしろ高額契約、あるいは長期の契約をたくさんとるということによって、総体的に事業費率が低下していく、こういう積極的な方法によって事業費率の引き下げをやりたいということでございまして、人件費をたたくとか、そういうふうな意味で申し上げたわけではもちろんないわけでございます。
○光村甚助君 ことしの募集目標は幾らですか。
○政府委員(大塚茂君) 予算上は十七億でございますが、実行の最低目標というのは、前例によりまして十五億というふうになっております。
○光村甚助君 去年と同じですか。
○政府委員(大塚茂君) 去年より一億ふえております。
○光村甚助君 募集目標の問題で、去年私がお尋ねしたときに、今の次官は前の保険局長だったので、非常に募集が無理じゃないかということを申し上げたところが、無理じゃないのだ、楽にやっているのだというお話でありましたが、私が草津の例なんかを引いて、こういう例があるじゃないかと言っ、そういう例は一、二の例で、問題にすべきじゃないというお話だったのです。一、二にそういう例があっても、やはりこれは目標が無理だということは、さっきも申し上げましたように、非常に民間の保険より、配当がありますと十年くらいすると、うんと違うのですね、保険料が。私はこれでは、相当私は募集目標を立てられても、従業員が苦労しておるところがだいぶあるんです。また一つ例を引けば、三重県で特定局の郵便局員が募集をやらないというので、だいぶ局長にいじめられて自殺した例があるんです、三重県で。それからつい四、五日前の新聞でも、東京の目黒の郵便局員が募集に行って、うそのことを言って募集をした。何か六カ月かけたら、あとはもうかけなくてもいいんだというようなことを言っている。ほかの集金人が行ったときに、それがわかってしまって、けしからぬじゃないか、前の人に来てもらって下さい、こういったところが、前の人は転勤していないのだ、こういううそをついているのですね。事実、目黒の局に行ったらその人がおったというのです。そういう無理な募集をしておるという事実を認めなければいけないと思うんです。こういう点、どうです。一つ、前の局長は去年そういう答弁をされて、そういう例は二、三の例で、募集目標は楽だとおっしゃったんですが、今でもやはりそういうお考えですか。
○国務大臣(田中角榮君) これは私が就任をいたした当時も、たしか委員会で質問がございましたと思いますが、私は当時の、昭和三十二年度の目標が的確であるかどうかということは、私にもなかなかわかりませんでしたし、なお、去年は非常に経済情勢が悪い時期でありましたから、非常に無理じゃないか、また、無理な状態を強行するようなことではいかぬということで、省議でも、また省局長会議でも十分注意をいたしております。しかし、保険の募集は、年度末が近づくに従って、非常に成績はよく、うまくいっております。しかし、うまくいっているからといって、その陰に目に見えない状態において、今御指摘になったような苦しいやり方をやっておってはならないから、周知徹底せしむるようにということは、相当強く要求いたしてございます。三十三年度に一億ふやしたといいますのは、もう少し、もう二、三億ふやせるではないかというような意見もあったのです。あったのですが、無理な指示目標額を作るということによって無理をしてはならないし、また、簡易生命保険及び郵便貯金に対しては、抜本的な一つものの考え方をしなければいかぬのだからということである結果、無理をしない方がいいだろう、一億くらいふやすということに対しては、国会の御決議前ではありましたが、制限額も二十五万円に間違いなく上るのだし、そういう意味で一億程度のものであるならばやれるだろう、しかも、無理をしてはいかぬ、地方の部長会議も開きました、で、どうだということで慎重に審議をいたしました結果、一億ふやすくらいであれば妥当な線でしよう、実際はそれよりも上るかもしれないということでありましたので、少し控え目ではありましたが、一億増ということでありますので、そういう問題が起きないように周知徹底せしむるつもりでございます。
○光村甚助君 これも通信世界に書いてあったんですが、募集年度というのですか、何というのですか、一月から十二月までですね、それを会計年度と同じように四月から三月三十一日までやってくれないか、こういう声が多いのです。というのは、お百姓さんの金が入るのは十一月とか十二月ころが多い。そうなると大がいの局は募集を大体完了しておる。完了しておるのだからいいようなものですけれども、うんと募集しようという熱意があるときには、もう完了しているのだから、これは来年に回せ、こういうことになる。しかし、来年に回って、一月ころまでにお百姓さんにその金がたくわえられていて、保険に入るかどうか、これは非常に疑問なんですね。だから、会計年度と同じようにすれば、募集の中間ですから、お百姓さんがふところがよくなった時分に募集に行けるから、そういうふうにしてくれという要望が多いのですが、この点、どうですか、局長。
○政府委員(大塚茂君) 仰せられるような要望も地方の方からいろいろございます。しかし、その反面におきまして、また、一月という時期が最もいいのだというような声もあるのでございまして、慎重に考慮いたしておる段階でございますが、一月から十二月までという暦年制をとりました理由は、さっきおっしゃられましたように、従来は主として農村とか特定局方面の募集のしやすいようにというようなことを考えて、お百姓さんの金があるうち、また、ひまでうちにいるときというときが募集に最もよかろうというようなことで、一月からスタートを切るというようなことになったわけでございます。なお、同じ郵政省の中で、郵便貯金との関係もございまして、貯金が毎年四月から増強運動というようなことをやつております。それで、それと競合しても工合が悪いという点、それから保険の強調をやりましたあとで貯金の強調をやりました場合は、貯金の方にそう大した影響はないようでございますが、貯金の増強運動をやったあとで保険の増強といいますか、募集強調をやりますと、保険は非常な痛手をこうむるという過去の経験等から見まして、やはり一月にスタートを保険としては切った方がよかろうということで一月にしたわけでございますが、だんだん募集の実態が、都会の方に募集が多くかかってきておるというような現実もございますので、そういう面も考えあわせて目下研究中でございます。
○光村甚助君 最後に、御要望申し上げて質問を終りたいと思うのですが、定員の問題でも、末端の管理者の方からもっと定員をふやしてくれという要望もありますから、こういう点も一つ今後努力していただきたいと思います。そうして実際上、保険の集金人というものは、五時に帰ろうと思ったら、三時ごろに集金を終えて帰ってこなければ実際上五時に帰れない場合が多い。だから、大がい保険の集金人というものは、超過勤務手当なしで六時ごろまで働いておるのが実際常識なんです。だから、そういう面でも今後考えて、従業員のために一つもう少し研究していただきたいということと、もう一つは、何べんも繰り返すようですが、民間保険との競合という点で、民間保険が、民業圧迫だと騒いでおりますが、そうして逆に最近は簡易保険の方を民間が圧迫しておるというような事実がございますので、少くとも次の国会には、やはり相当の引き上げを行なってもらうということと、簡易保険ができてからできた民間保険もあるわけですね。非常に小さい保険なんです。こういう資本のために、大衆の郵便の簡易保険というものが圧迫されなければならない理由一つもありませんので、ぜひこの面も考えていただきまして、次の国会には、少くともやはりわれわれが納得するような引き上げをやつてもらいたいということを要望して、私の質問を終りたいと思います。
○手島栄君 この間、大臣おいでにならなかったのですが、今、光村君が言われたのに関連しておりますが、どうも貯金と保険を混同して考えておる傾向があるのです。貯金というのは、御存じのように、約束した利率のものを利息として払えばこれで運用者は満点なんです。それから、保険は、保険料を払って、保険金をもらうという協定の約束をしましても、世界全国もう経営をうまくやって保険金のほかに配当をするとか、いろんなことでだんだん給付を多くする、従って、そのことをやることが事業者の非常な腕であり、責任である。ところが、簡易保険の方も約束した保険金は当然払いますが、民間の方がだんだん勉強して配当をたくさんする。それに対して簡易保険も負けないだけのものをやるとなれば、運用ということが非常に大事なんです。それから同時に、簡易保険ができた当時は、国家の財政資金としてこれを使うことは絶対いかぬという強い反対があったのです。ところが、最近になると、加入者の利益を考えるよりも、まとまった金を国家財政資金の方に充てる方に主力が行っているのじゃないかという気がします。悪いことじゃありませんが、その限度は、簡易保険の加入者の利益をある限度までは持っていって、その上で財政資金としても使うということにされなければいかぬ。従って、積立金の運用も、郵政大臣が主力でやらなければいかぬという理由は今の点にあるのです。実は大蔵省が戦時中やったのは、私の責任で、賀屋さんの大臣のときに私が判こを押して証文を取りかわして戦時中の便法としてあれをやったのですが、そのままになって今きておる。こういう点でもう少し運用面を、簡易保険の積立金の運用は郵便貯金の運用と違うのだから、郵政大臣が事業全体とにらみ合せて、利率なり貸付先をきめなければならぬという大上段のかまえであの問題を片づけていただきたいということが一つであります。 それからもう一つは、今の民業圧迫でありますが、これは去年、私ちょっと質問したのですが、昔は簡易保険と一般保険とは全然保険の種類が違っているのです。無診査月掛というのは簡易保険で、これは民業には許さなかった。それを終戦後そういう独特な制度を民業の方に許してしまった。これは圧迫も圧迫、簡易保険の圧迫を政府が民業をしてやらしたわけで、いろいろめんどうなことが起るのは当然なんですが、大きな考え方からいえば、簡易保険が圧迫されているということは、政府が簡易保険だけにしか許さなかった無診査保険を民業に許したという根本的な方針の変更があるように思われますので、この点も昔ほど遠慮しなくてもいいんじゃないかという気がいたします。どうぞ一つ大臣の辣腕でこういう問題を片づけてもらいたい。
○委員長(宮田重文君) 以上をもって本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮田重文君) 御異議ないと認めます。よって質疑は終局いたしました。 それでは直ちに討論に入ります。
○山田節男君 私は、日本社会党を代表いたしまして、以下述べまする条件を郵政大臣が早急に実現されるということを希望いたしまして、賛成いたします。 本委員会でこの議案につきましてはるる大臣の説明があり、各委員の質問もございました。今回の二十五万円に保険金の最高制限額を上げるこのいきさつにつきましても、郵政大臣からるる御説明を受けたのでありまするが、この議案は、従来ほとんど毎通常国会、最高制限額を上げるという修正案が出るのであります。これはもうすでに論議の必要はございませんが、その理由は、この委員会でいろいろ明らかにされましたように、必ずしも民業を圧迫する、あるいは金融界の一部の人人からこれに強い反対を受けるというような、そういう圧力のために簡易生命保険の持っている社会性と申しますか、社会福祉的な本質がいつまでもゆがめられるということは、これはまことに残念なことであります。どうか大臣におかれましては、次回におきましては、もちろん衆議院の付帯決議にありまするように、この趣旨は一つ十分責任をもって折衝をされまして、本案の今後たびたび修正されることのないように、思い切って一つ最高制限額をしつかりとした基礎の上に立てられるということについて、最大の努力を払っていただくということを強く希望いたしまして、本案に賛成するものであります。
○委員長(宮田重文君) 以上をもって討論を終局し、直ちに採決に入ります。 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮田重文君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 —————————————
○委員長(宮田重文君) 次に、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 直ちに本案の討論に入ります——。別に御発言もなければ、以上をもって討論を終局し、直ちに採決に入ります。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮田重文君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 —————————————
○委員長(宮田重文君) 次に、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 直ちに討論に入ります。——別に御発言もなければ、以上をもって討論を終局し、直ちに採決に入ります。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮田重文君) 全会一致と認めます。よって本案は、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、以上決定いたしました三案の本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願います。 順次御署名を願います。 多数意見者署名 手島 栄 松平 勇雄 長谷部ひろ 新谷寅三郎 黒川 武雄 前田佳都男 山田 節男 光村 甚助 横川 信夫 剱木 亨弘 石坂 豊一
○国務大臣(田中角榮君) どうもありがとうございました。
○委員長(宮田重文君) 委員会は、これにて散会いたします。 午前十一時四十分散会