P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
28回国会参議院1958/02/20

逓信委員会 第3号

発言数
39
登壇者
8
会派数
2
開催日
1958/02/20

会議録

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。去る十七日前田佳都男君が委員を辞任され、補欠として西田隆男君が選任されました。また、十九日松野鶴李君が辞任され、補欠に黒川武雄君が選任されました。   —————————————

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) それでは郵政事業の運営に関する調査及び電気通信並びに電波に関する調査を議題といたします。  先般郵政大臣より所管事項について説明を聴取いたしましたので、本日は、これに対し質疑を行います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 過日本委員会での郵政大臣の所信の説明につきまして御質問いたしますが、まず第一に、過般われわれにもこの放送法の一部改正に関する要綱をお示し願ったのでありますが、これは、法案が出された後にいろいろ審議する順序になると思いますが、過日の郵政大臣の御説明に関連して、放送法の一部改正について若干御質問を申し上げたいと思います。  御承知のようにNHKもすでに来年度の予算の編成ということについて、もう着手もしているでありましょうし、結論も出ているのかもしれませんけれども、過般大臣の説明では、聴取料の値上げをする、これはテレビの予備免許を受けた施設の準備あるいはラジオの施設の改善と、こういう方面に向けるために聴取料の値上げという問題が起きたのだろうと私は思うのであります。しかるに、今回の田中郵政大臣の所管説明の中ではこの点について一点も触れられていないということがちょっとおかしく感じられるのですが、どういう理由なのか、この点について大臣からお伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) 前の衆参両院の逓信委員会でNHKの聴取料について御質問をいただきましたときにおきましては、三十三年度予算を編成するに当って聴取料の値上げを必要とするかどうかというようなお話に対して、私は聴取料の値上げをしなければならないかもわかりませんと、こういうお答えをいたしておるわけでございます。しかし、現在まだNHKからは正式に三十三年度予算案が提出せられておりませんが、いずれにしても、この一、二日のうちに提案をせられる予定であります。もうすでに二月も末に入っておりますので、国会の御審議をお願いするにしても一日も早く提出をしなければならないと、こういうふうに考えておるわけでございます。私は聴取料の値上げを必要とするかもしらぬということを申し上げたのは、三十二年度のNHKの予算を大別してみますときと、新しい電波事情によって民放等に予備免許を与え、それに対応して三十三年度ふくれ上るであろうところのNHKの予算を予想いたしますときに、何らか財政措置をとらなければならない、今までの受信料だけでまかなうことはとても不可能であろうと思うと、そういう結論に達しますと、一つの方法としては、受信料の値上げがありますし、もう一つは、財政資金を大幅に投入するという道もあるでありましょうし、借入金を行うという道もありますので、何らか予算措置をとらなければならない、その一つの具体的な方法として、値上げも当然考えられるわけでございますと、こういうふうに答えておるわけでございます。しかし、NHKがどういう予算を出してくるかは、まだはっきりとした最終的数字はわかりませんが、今まで郵政当局とNHKとの間で事前の話し合いを行いましたり、いろいろな調整を行なっておる段階につきましては、今般の提案には、聴取料の値上げをするということではなく、何らか別の方法で財源を見つけようというような姿で提案されるようでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 そうすると、御承知のようにもう担当大臣のもとでNHK、それから商業放送の四十局に近い予備免許が与えられたわけですが、公共放送の立場としてNHKはやはりすみやかにテレビ放送の準備に着手しなければならない。それに所要の資金が一つの隘路になって、大臣もこれについて非常に御心配になっておることは新聞でよくうかがっておるわけでございます。しかし、これはNHKは御承知のようにああいう特殊法人であって、担保物件というものを——担保で金を借りるということになり、そうすると、おのずから制限があるのではないか、残るところは放送債券の募集あるいは減価償却費の蓄積したものを食うか、ほかに道はないであろうと思う。そうしますと、大臣も聴取料の値上げは当然だというようにお考えになっていながらも、諸般の事情から、今回は聴取料の値上げをさせない、自己調達の資金でやると、しかも、その金は相当な額ではないか、五十億に余る金ではないかと私は想像しますが、そうしますと、自己調達資金については、政府がある程度の責任を持つという前提のもとで聴取料を上げない予算をNHKが出すというのかどうか、この点一つ伺いたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) 法律的に申し上げますと、NHKが提案をして参りました予算案に、意見を郵政大臣が付して国会の審議に待つわけでありますから、現行法制上は、すべてNHKの予算に対しては国会が権限を持っておるというふうに明確に規定しておるわけでございます。しかし、実際の問題は、ざっくばらんに申しあげますれば、意見を付すと言っても、不承認を与えるような意見を付せるわけでもないのでありますから、NHKと郵政省との間に、十分連絡して最終的結論に達したものを国会に提出するというのが実際でございます。その実際の面におきまして、いろいろの折衝を行い、またいろいろの面を考えたのでありますが、おおむね今年度値上げをしないで一つ予算を組んでみようということで予算の作業を進めております。大体三十三年度の予算は、三十二年度の予算に比べて、どのくらいふくらませれば理想的かということを端的に申しますれば、ラジオにおいて三十億、テレビにおいて三十億、合計六十億くらいあれば、最も理想的なNHKの機能が発揮せられるというふうに私も考えております。おりますが、諸般の事情と今山田さん言われましたが、諸般の事情等も勘案し、いろいろのNHKの計画の上からも再検討を行なったりしまして、値上げをしないで最小限の増収でまかなうということになりました。ラジオが大体四、五十万台ふえるだろうという考えであります。テレビも十万台から三十万台くらいはふえるだろうというくらいのことでございますから、ラジオ、テレビいずれにしても、せいぜいふえても二、三億から十億の間というくらいのことであります。理想的には六十億も必要であるという資金から見ますと、当然足らないわけでございます。だから、減価償却の率をどうするかという問題もございますし、あるいは借入金を行うという場合もありますし、借入金を行なっても、これは当然聴取料でまかなうべきものに投資をせられる金額を借入金でまかなったとするならば、全く赤字になるものを借り入れるのでありますから、建設勘定と全然違うものであります。そういう意味で一年でも半年間でも食いつぶしたものを、いつ一体補てんをするかという問題があります。無制限に借入金を行うわけにはいかないのであります。借り入れを行うにしても、相当膨大な金額を現在の逼迫した市上金融の中でまかなえるかどうかということもありますので、借り入れを行なったとすれば、当然政府が何らか財政的措置をしてやらなければならないという考えもあるのであります。この意味で、政府はNHKが正式に予算を提案し、借入金を相当大きく起さなければならない、また、放送債券のワクも広げなければならないというような予算のきめ方を正式にしてきた場合には、政府として相当の財政的援助を行うという考えでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは、今大臣の御説明を了承して、来たるべきNHKの予算の提出によって、その上でまた御質問申し上げたいと思います。  過日郵政省から言われた放送法の一部改正に関する要綱の案でございますが、これは公式に郵政省の意思として発表されておるわけです。これは御承知のように、放送法、電波法は第七国会できまりまして、その前に占領軍政、連合軍司令部からNHKに根本的改組を命じてきた、同時にあの放送法を制定します当時、一般放送業者の条項を三項目入れた、これはやはりマッカーサー司令部としては、日本の何と申しますか、対日政策、すなわち民主化、財閥の解体、農地の解放、同時に放送事業もNHKの独占事業ということは、これはいけないということは、かつては軍部がこれを禁止して独占したような格好になっておって、やはり日本の思想、日本国民の思想というものの統一の道具に使う、だからどうしてもやはり民間放送というものを併存せしめなくちゃならぬというような意向もあって、このNHKの改組という占領軍の命令のもとに、放送法の制定あわせて電波法の制定ということを行ったのであります。自来昭和二十八年以降民間のラジオ放送が始まり、NHKはテレビジョンを始め、さらに、民間のテレビ放送も始まるというようなことで、この放送法を制定しました当時と今日とでは非常にその条件が変ってきている。不幸にして、日本の民間放送と公共放送とのいわゆる併存といいますか、競合ということになっておりまして、これがいいか悪いかということは、私ここで簡単には申し上げられませんが、結論から申し上げますと、日本は非常に誤まったことをした。私、昨年西ドイツへ参りまして、ハンブルグの西ドイツ放送連合会の人に会って事情を聞いた。西ドイツにおきましても、やはり商業放送を改組しろという強硬な要請をしたそうであります。しかし、西ドイツの放送業者、政府はがんとしてこれに抵抗して、ついに商業放送の改組ということをさせなかった。しかし、日本は商業放送を併存いたしまして、しかも、民間放送が非常に今日は隆盛といっては語弊があるかもしれませんが、とにかく事業としては拡大されてきたわけであります。そういうようなもとにおいて、この放送法の改正ということは、これは私は根本的に放送法、電波法の改正を行わなければならぬということにおいては、政府と全く同一の意見でありまして、示された要綱を見ますというと、いろいろな点において、私はどうも根本的な改善でなくて改悪になるのじゃないか、この点につきましては、いずれこの法案をお出しになれば、その上で御審議申し上げたいと思いますが、この中で私最もけげんに思いますことは、民間放送は全部無料である。スポンサーがついているプログラムには、いわゆるサス・プロ以外においては全部有料な広告でやっているのだから、料金は聴取者からとらない、こういう原則で示されているわけであります、しかしこれは、郵政省には電波関係の権威者が相当たくさんあるのであります。おわかりになっているかと思いますけれども、民間放送が無料であるというこの原則を要綱に示すということは、テレビジョンの発達からいうと非常に私は、疑問である。その例を申し上げますと、たとえば、アメリカに参りますと、御承知の民間放送ばかりでありますけれども、特殊な教育放送、それから映画放送、こういったようなものが、有線あるいは無線の形において、いわゆるサブスクリプション・ブロードカストと称し、有料で特殊な者だけに、金を払う者だけに放送する、これはやはり受信機に有料の者でなければそれが見えないというような仕掛けにして、民間放送が有料でやっているわけであります。そういうような工合に、テレビジョンの放送というものが非常に各方面に広げられてきて、しかも、そういう特別な人に対して有料で映画あるいは特殊な教育放送をするということは、やがて日本におきましても、商魂たくましい民間業者が考えることは当然だと思うのであります。そういうようなことを太平洋の彼方でやっておるにもかかわらず、民間放送は無料である、聴視料は払わない、出さないということをここに設けるということは、今日のテレビジョン文化といいますか、テレビジョン事業の発達の過程からいえば、むしろ弊害になる、そういうワクをなぜはめるのか、こういう疑問を持つわけであります。その点についての電波監理審議会、あるいは郵政省当局はそういうことも勘案して、なお、日本はもう民間放送なり、テレビ放送は全部無料なのだという原則を貫かれる根拠はどこにあるのか、御検討になったのならばその点を一つお伺いいたしたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) 受信料の問題は、放送法に対して相当大きな問題でございます。現在の段階においては、民放に対しては受信料を徴収してはならないという線は明確にしたいという考えでやっております。どうしてそういうことになるかと言いますと、この放送法の一つの山になると思うのです。民間放送は、ここでもってぴしゃりと、受信料はいかなる名目にもせよ取っちゃならぬということを言われた。これに対して民放は相当反対があると思います。しかし、私は率直に申し上げるならば、受信料の問題、現在のような放送法の状態では受信料の性格が明確になっておりませんから、受信料とはこういうものなんだ、政府が取ってもいいんだけれども、一応現行放送法のような建前で契約をしなければならない。NHKは契約に基いて徴収をする。ただし、九〇何%も徴収率が上っておりますように、ほとんどこれは相互契約に基くというよりも、相当強い意味で、受信料というものは無条件に納めておるというような状態でございますが、受信料を民放も何らかの名目で取れるという時期になりますと、これは民間放送とNHKの差というものがほとんどなくなってしまう。そういう意味でNHKというものはその放送機関としての特殊性を保つために、現行法のような体制でNHKが作られておりますが、いずれにしても、民間とは違うのだ。違う一点は何かというと、受信料を取るという固有の権限を与えられているからであります。これが民放も受信料が取れる、こういうことになりますと、NHKは、それじゃ、逆論から言いますと、ゴールデン・アワーにスポンサーをつけてもよいかという議論がNHKから出ているのであります。これではほとんど全部が民放になってしまう。現行のNHKと民放との差はどこにも見受けられなくなってくる。ただ、民放へは政府は助成その他をしないが、NHKに対しては法律によって政府が助成することができる。また、国際放送の義務がある。また、国際放送に対しては国が負担しなければならない。研究命令を出せる。研究をしなければならない。全国あまねく放送しなければならないというような、放送法に規定しておるものをNHKがやらなければならぬ。また、やれるというだけであって、受信料を民間にまで取らしてもいいという道を開くということは、これは大へんな問題になるということで、現在の考えでは、NHK以外に受信料というものは絶対に許さない、こういう考えを貫くつもりであります。そうすることによって、NHKが特殊な立場でもってこの受信料を与えられているのだというNHKの性格を明確にしたい、こういう考えに基くのであります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは、ここに持って参りませんでしたけれども、過日民放連からの意見書というものが出ているのですが、これは、私が今申し上げたことを意識しているのかどうかわかりませんが、その受信料を取らないというようなことに対しては不満のようなことを言っておるのであります。今大臣のおっしゃったような、民間の放送は全部受信料は取れないのだということが、むしろこの民間放送業というもののワクを非常に狭くしていると思う。それから、そういうことが民間放送のいわゆるサス・プロの自己でやる番組以外は全部スポンサーがつくということになりますと、先ほど私が申し上げたような、ある特殊な、東京に五つのダイアルがある。それでやり得ない、たとえば現在アメリカでやっているような特殊な新しい映画、これは日本ではカラー・テレビが実用になっておりませんけれども、特殊な映画を一週間に三本なら三本やる。劇場に行って見るよりも自分の家で見る方がいいから、一週間の受信料を出しても安い、こういうことで、アメリカではそういうことが非常に盛んになりつつある。それから高度の特殊な専門的な教育放送といえば語弊がありますが、教育的な放送、これは一般には興味がない。しかし、あるサークルの人たちについては、これは金を払っても聞きたい、あるいは見たい、こういう需要がある。そういうものまで全部スポンサーのプログラムにしてやっていいかどうか、これは政府が考えなければならない。それよりも、むしろそういう特殊の対象とする者も、東京にしましても万を出ない、一万を出ないようなものでもあえてやる。そこにまた、これは民間放送業者としては新しい事業の分野が開けて、また、視聴者にとりましても、いわゆるテレビの社会的効果という方面から見ても、むしろ全部スポンサーのプログラムで、それで娯楽めいたものばかりやるということがはんらんするよりも、むしろ私はそういうようなことは、民間放送業者としてむしろ奨励さるべきものではないか。これは現実にはまだそういう余裕が日本にはございませんけれども、民間放送のこの間の改正に対する意見書の一部を見ましても、意識か無意識か知りませんけれども、そういう一句がうたってある。これは私はワクをそういうふうに狭く設けておくということは、そういう事態が起きた場合、また改正しなくちゃならないというのでありますから、今大臣のおっしゃったような、窮屈にものを考えないで、そういうものをワクをぴちっときめておくことは、むしろ受益者の立場からすれば非常に苦しくなるんじゃないか。同時に、これは今大臣のおっしゃったようなNHKの受信料、これはすでに世論としても、現状のままでは聴取料なり、あるいは視聴料というものを払う必要はないというような事態もこれは起きてきつつあるんであります。こういう方面をやはり一応根本的に、今度の改正をお考えになると同時に、民間放送については、これは全部無料であるという苦しいワクを設けない方が、この放送事業の将来の発展のために、それから国民の受益者の立場を擁護するということから見ても、やはりその方が賢明じゃないか。今の大臣のお言葉では、おそらくそこまでのお考えがなくて、ただ民間放送という先入的な観念から、全部無料というようにおきめになるということは、むしろこれは危険というよりも窮屈過ぎるのじゃないか。窮屈過ぎるというように私は考える。この点は電波監理審議会なり、あるいは電波監理局の専門の技監各位がいろいろ検討されたと思います。これは私は重大なポイントになると思う。私自体としてはもう民間放送事業というものは、もう日本のこの現状からすれば、決して有利なものとは思いませんけれども、しかし、始まった以上は健全な発達、やはり国民の立場でなるべく受益の範囲を広くせしむるということは、必要なことだと思いますから、そんなに窮屈に考える必要はないと思う。どうでしょう、今おっしゃったような原則論というものを、もう少し高い視野からお考えになる必要があるのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。受信料の問題に対しては、これは非常に深刻に考えましたし、また、世界の例もいろいろ考えました。根本的に申し上げますと、イギリスは御承知の通り公共放送一本であります。アメリカは民間放送一本であります。しかし、日本は公共放送がありましたのに、プラスして民放に道を開いた、世界で例のないようなことをやったというようなお説でありますが、まさにそうだと思います。しかし、アメリカは民放万能でもってやってきたのですが、アメリカでもどうも民放といっても野放しな民放では困るというふうになって、公共放送的な動き、もしくはこれを何らかの形でもってもう少しより違う性格のものにしようという動きのあることも御存じの通りであります。イギリスでは公共放送とは言いながら、実際は、法律によりますると、政府がみな任命をし、政府機関を使い、政府の施設を使い、国は放送の施設をしなければならない。非常に明確な公共放送をやっておりますが、実際人事の任命も政府が行なったという例もなく、全く自主的に非常に合理的に行われておるという姿であります。日本がなぜそういう変形した新しい民放と公共放送と並立するような姿でもってやらなければならないかということの論拠を申し上げますと、これはもう現行法がそうなっております。現行法は、電波法において、申請があれば免許を与えなければならないと、こういうふうになっておる、自動的に。NHKがあっても、民送が申請をしてくれば、もう拒否をすることができない、よほどの欠格条項がなければ、免許を与えなければならない、こういうふうになっております。そういう意味で昭和二十五年に放送法が作られたころは、御承知の通り、占領軍の治下にあり、とうとうとして流れる一つの思想があったわけでありますから、そういう一つのラインで作られた法律、現行の電波法も、放送法も、そういうので、NHKを民放と同じものにするか、NHKをそのままにしておくならば、それにプラスして、民放に道も開かれるように作られております。これが民主化されることであるという思想に基いてこの法律が作られておりますから、その法律のまま免許を与えるとすれば、NHKは現行のままで、民放にも免許を与えなければならないということで民放に免許を与えたわけです。さて在来あるところの公共放送であるNHKと民放との調和点というものをどこに求めるかという問題と、もう一つは、NHKと民間放送との別を一体どうするか、こういうことはもう当然考えなければならない段階に至っておることは御承知の通りであります。だから、民放に免許を与えない前に、私もしばしば申し上げておるように、民放と公共放送との性格を、明確に放送法を規定し、準拠法が整備されてから免許を与えることが正しいのでありますが、いかんせん、何代か前の大臣からもう継続的な事案として、一件々々ずつ許可をされてきておりますのに、今日は準拠法を整備してからでないと免許を与えないという状況であることを遺憾としますということを、これは私も大臣就任と同時に、この委員会で申し述べておるのでありますが、おそまきながら、三月三十一日までには確認を行わなければならない、すなわち、三月三十一日まで停止条件付の予備免許を交付しておりますから、どうしても今の段階において、民放と公共放送との間に、おのずから定義を明確にしなければならぬ、こういう考えに基いて放送法の改正案を提出する予定でございます。まあその中の確かに大きな山は受信料の問題だと思いますが、きのうも民放の諸君とも十分会って調整を行い、また私の意見も申し述べたんですが、それは長い将来に、民放が当然、特に特殊な技術教育とか、特殊な人たちが料金を払ってもそういう放送が必要だという事態が起りますが、今の段階においては、聴取料を民放も取っていいんだという道を開くことは、それは大へんなことになると思います。簡単に裏を返していうと、それじゃNHKもスポンサーをとっていいのか、こういう議論をきのうも民放の諸君に申し上げましたら、それは困ると言うんです。NHKが聴取料を取っておりながら、スポンサーをとるとは何事であるか、民放に対する侵害である、絶対に困る。いや、あなた方も聴取料金を取れるとしたならば、それは当然そうなるんですよと、こう言いましたら、これは困ると言うんです。そのスポンサーをつけることが困るという度合と、この民放が受信料を取れないと規定をして困る度合はどれくらいですかと、こう言ったら、それはまあ現在、民放は受信料を取ってはならないと法律には明確に規定してあるから、取れるものとも思っておらないで免許をもらったんですから、それはNHKにスポンサーをつける道を開くことの方が困るでしょうというようなことで、まあいずれまたお話をしましょうということになっておるのですが、NHKと民間放送との区別は、現在では、もう聴取料を取る権限はNHK固有の権限である、こういうことぐらいで区別をしておるのでありますから、これを民放にも受信料を何らかの名目で取れるという道を開くということは、私も相当研究をしたのでありますが、今度の放送法改正では、どうしてもこの一点、すなわち、NHK以外の放送業者は、いかなる名目によるとを問わず、聴取料を取ってはならない、こういうふうに明確に規定しなければならないというふうに考えておるわけでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 まあこれは私幾ら申しても、そこの見解が少し違うので、やむを得ませんけれども、これはまたいずれ改正法律案が出た場合に、またよく御質問を申し上げたいと思いますが、要するに、今の政府が考えておることは、民間放送と、それから公共放送を、そういう受信料を取るか取らないかということを、非常に截然と区別することによって両方の性格がはっきりするという立場をおとりになっておることは、今大臣のおっしゃった通りであります。それからもう一つは、やはりプログラムにおいて、公共放送と商業放送との性格をはっきりさせよう、この要綱を見ましても、片方は教育放送、片方は娯楽放送、これで受信者からいえば、総合的な一つの番組を受信できるというような、そういう意味から、この公共放送と民間放送の番組を区別されておる。これもやはり先ほど申し上げたような、受信料に対すると同じような、この点につきまして、きわめて窮屈な解釈をされておるように思うんです。ですからこれをまた、私この話ばかりするようですけれども、昨年の秋、BBCの総裁を長いことやっておった、今はやめたが、サー・ウイリアムス・へーリー、これに私はしばらく会って、日本のように民間放送と公共放送と併存しておる場合に、公共放送は教育、教養に重点を置いて商業放送と区別をすべきものだという意見が相当にあるが、どう思うか、率直に一つ意見を聞きたいというふうに言いましたところが、イギリスでは、テレビジョンだけが商業放送一個とBBCが競争しておるわけであります。しかし、自分の経験から考えてみると、そういうように公共放送と民間放送との番組にワクを設けて、それで併存せしむるということは、これは実際上不可能じゃないか、むしろ公共放送と民間放送とは、番組の制約をやらないで、どっちも自由に競争させる方がいい、それによって番組の質の向上というものがはかられるんじゃないか、ワクを公共放送と民間放送に加えるということは、かえって番組の質の低下を来たすんじゃないか、こういう意見の開陳があったわけであります。この点は、私もしろうとでありますけれども、日本よりまだ自由資本主義の立場をとっておるところの国におきましては、むしろその方が、悪貨が良貨を駆逐するという結果にならないで済むんじゃないか、かように私は考えるわけであります。これは前に平井大臣の時からのことだと思いますが、田中郵政大臣の、教育放送については純粋の教育放送と、準ずる教育番組について、パーセンテージの一つワクをつけて、それで純教育放送のワクをきめよう、こういう構想をお持ちになるやに聞いておる。こういうところが、実際におきまして、いたずらにその番組の編成というものを窮屈にせしめる。やはり受益者の立場にある国民からいえば、プログラムというものは、むしろ非常に偏狭なものになってきて困るんじゃないか、こういう不安があるわけです。どうでしょう。今度のこの改正案についても、番組については、特に意を用いておられますけれども、この点も、実際放送事業の現実から申しますと、むしろ悪い結果を来たすんじゃないかと思うんですが、どういう御見解をお持ちか、この点について一つお伺いしたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) 今度の放送法の改正案で、NHK及び民間放送の番組の内容の規制はいたしておりません。番組審議会を作らなければならない、その番組に対しては、報道、娯楽、教育、教養等、バランスのとれた番組を放送するようにと、こういう訓示規定だけでございますから、NHK及び民間放送との間に、全然別な番組上のワクをはめるというようなことは考えておりません。だから、しいていえばNHKには国際放送という義務がある、ただ国際放送をやる権利を持っておるというふうな状態だけでございまして、番組の面において民放とNHKとの差をつけようという考えは全然持っておりません。ただし、いろいろな論はあります。民放と同じような状態においてNHKが同じ番組を放送できるということは不合理である、民放は娯楽主義でいっていいのだ、NHKは少くとも教育、教養主義でいかなければいかんのだ、そうでなければ受信料をNHKが特殊な立場で固有の権限としてとることはおかしいじゃないか、こういう議論があります。その意味で、場合によってはNHKの娯楽放送を全部やめて第一放送と第二放送をともに教育、教養、報道というものにすべてをやるべきである、こういう相当強い議論があります。これは民放の内部に相当あります。NHKが同じ娯楽をやれるのであるならば、われわれもどうして一体受信料を取れないのだ、われわれはスポンサーをつけてやらなければいかん、NHKは固有の権限として聴取料をとりながらわれわれと同じ娯楽をやっておる、しかも薄謝協会であるということで少し料金が安いからまだバランスがとれておるけれども、これは今度受信料の値上げをして民間と同じベースまで謝礼ベースを上げようということになったら、これはもう全くの民放圧迫であって、これは悪い考えである、こういうことも民放は相当強く言っております。おりますが、私はNHKが長い間日本の放送の責任者として、また責任機関として文化の向上に寄与してきた今までの功績もこれは一朝一夕に忘れ去るべきものじゃないと思うし、民放が今日免許されたからといって直ちに教育、教養にNHKが全部切り変えろと言っても理論としては成り立つのですが、実際問題としてはなかなかそういうふうにいかないと思いますので、世論の動向、NHKの将来の性格、NHKのあり方というような問題に対して世論が、NHKはこうあるべきだというような状況が出てくることによって自然に番組のいくべき道がきまることにゆだぬべきだという考えで、相当、第一放送が現在の第二放送式な放送内容に切り変えるにしても長い年月を要するであろう、こういう考えで今日の段階においては、NHKは民放に比べて少くとも教育、教養のみを放送するように努力をしなければならないというふうな規定さえも置かなかったのでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは最後の質問にしますが、これは順序として逆になりましたけれども、NHKの受信料の値上げ問題に関連して一つ大臣の御意見を確かめておきたいと思うのですが、ラジオの民間放送が始まってからしばらくしまして、本委員会か何かの公聴会か何かのときにNHKの、われわれが民間のラジオ放送事業を一年ばかりやってみて感じることは、NHKがもう非常に放漫な経営をしておる、人においても施設においても非常に何といいますか、三十年間のきわめて安易な独占的な特権の上にあぐらをかいておるように考えます。われわれがもしNHKを経営すれば現在の三分の一の費用でやってみせる、こういう、これはある有名な実業家がこういうことを率直な意見として申されたのですが、これは私たち外部から見ておりましても、NHKが必ずしもすべてなまけておるというように私は感じるわけではありませんけれども、しかし公共放送の立場から言って、しかも税金に等しい聴取料を国民から強制的に取るということになっている立場からいえば、ややそういう面においても放漫な機構なりあるいは経営をしているのじゃないか。たとえば、この新聞社と同じように放送記者というものを持っております。ロンドンのあれほど大きなBBCに行ってみましても、取材に対する人員の数というものはきわめて少い。BBCがアメリカに特派員を出しております。ヨーロッパの方には数カ国に出しておりますけれども、日本のようなとても遠い所からフランスはパリー、ロンドンあるいはニューヨーク—ワシントンか知りませんが、総局を置くというようなやり方、いろいろな意味から見て、NHKの今までの経営がとにかく必要もあったんでありましょうが、ふくれるままにふくれてきているということも私は事実じゃないかと思う。大臣として、今回どうしても施設の拡張あるいは新設等によって金が要るということになれば、やはり普通の民間企業でいえば、まず第一に経営の内容というものに対して再検討すべきだということは、これは責任を持っておられる大臣として、当然NHKにそういうことも私は御意見としてくらいは申されたことがあるのじゃないかと思うんです。しかし、その間われわれは何らかNHKが、永田会長は非常な意気込みを持って就任されましたけれども、そのことが実現なくして逝去されたのでありますけれども、どうしてもそういったような声がその放送法の改正等についても民間放送経営者だけでなく、世論としましても、NHKの今日の経営というものをもう少し再検討する必要があるのじゃないかということは、経費の節約なりあるいは合理化ということについても意を用いれば、三十億円の投融資を政府が保証しなくても、また値上げしなくても、あるいは極端にいえば、五十円に値下げしてもやっていけるのだというような工合になるのじゃないかという意見を各方面から聞き及ぶのであります。こういうことは、今回の受信料の値上げということについて、大臣はNHKに対して、そういうようなことも一つの関心を持たれて調査をされ、あるいは意見を述べられたことがあるのかどうか。もしあるとすれば、NHKはどういうような答弁をあなたにしているのか、この点について一つお伺いしたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) NHKの内部機構その他事業運営の実態に対しましては、現行放送法では郵政省はなるべくタッチをしてはならない、かように書いてございます。それから、年間予算を提出をいたす場合でも、郵政大臣は意見を付すのみであって、ある人は極端に——国会議員の逮捕の場合に内閣を経由して国会に許諾の請求をしなければならない、その場合に内閣は自動的に経由をするだけであって、意見を述べることはできないのだ、それよりも放送法上の郵政大臣の権限はちょっと大きいだけで、いろいろなことを言っちゃいかぬのだというように、極端な議論をされる方がありますけれども、意見は自信がないところで書けるものじゃありませんから、実際問題としてはやはりお互い話し合いをしたり、調査書類を出してもらったりして納得の上に提出をするわけでございます。また、私たちもNHKの自主性を侵さないという限度において、大臣としての責任は国会に対して果さなければならぬのでありますから、そういう意味でいろいろな話をし、NHKそのものの将来の運営に遺憾のないように、しかも聴取料金を値上げするというような問題を考える場合に、国民の前にこの経営の実態をオープンにしなければ私どもとしてとても国民の共感を得られるものでもないので、特に慎重にやってもらいたいということは、就任と同時に故永田会長に正式に申し入れしてあります。永田会長と私の間には二日、三日にあげずお互いが意見を交換し合って参ったのでございますが、御承知の通り、初志を貫くことができなくて他界せられたのであります。しかし、私と永田会長との間の、お互いが良識と好意を示し合って一つのものをまとめていこうという考えは、今日もなお持ち続けているのであります。NHKの機構そのものに対してはいろいろなうわさがあります。また、もっと合理的なやり方があるじゃないかという方もあります。また民間業者からいえば、ただでさえわれわれは堂々とこうして放送事業を経営し、しかも限られたところでもって免許を受けて三年、五年しかたたないのに、すでに株価は三倍、五倍になっているじゃないか。それは、NHKがああいう特権を持ちながら、自分で施設の改良を十年も十五年もほったらかしておいて、現在テレビがどうしてもやらなければならぬということを知っておりながら、しかもUHFのチャンネル・プランは決定し、カラー・テレビもやらなければならない、FM放送も始まるというときに、なぜラジオの老朽施設さえも改善しなかったのだと、これは一体見込みが悪いのだ、見込みが悪いということは、そのものの考え方が甘いのじゃと、非常に手きびしい議論を私にされる方もございます。これは、私は議論は議論としてお聞きをしておりますが、先入観を持たないで、フェアな立場で、NHKに対して公共放送機関としての実を果すようにということを私からも申し入れてありますし、経営委員会とNHK幹部との間にも何回となく意見の交換をやっております、しかし、ただ意見の交換をやっておるというだけではなくて、三十三年度は、先ほども申し上げました通り、どうしても新しい道を開かなければならないという現実にぶつかっておりますので、機構で整備をしなければならぬものは整備をする。まあ今までは人間は三分の一でもということは少し極端だかもわかりませんが、過剰人員がもしあったとしたならば、ラジオもふえますし、テレビという非常に新しいものをもう一つ合せて事業を開始して参るわけでございますので、今まで十局や十五局でやっておったものがNHKだけでも七十局、七十五局に近いものをやるということでありますから、そういう面で合理的に配置転換をすることによって、NHKの内部機構の整備をしてもらいたいということを私の方でも今申し入れもし、お互いが良識ある立場で機構の整備を進めておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これから先の放送法の審議に当って大事な資料になりますので、二、三の点について聞いておきます。  その第一は、先般大臣が新聞紙上で両三度にわたって一億総白痴化、こういう表現を使って、民間放送はいかにも低俗きわまりないというような、こういう表現があったのであります。そこで、この委員会としては、いやしくも民間放送を所掌しておりますから、果してどういうことが一億総白痴化であるのか、まあ当然これはわれわれとしては審議をしなければなりません。それで、この一億総白痴化という具体的な内容はどういうものか、またそれは行政上のいかなる基準を判定にして一億総白痴化というものを言い出したのか。あるいはまた学界の意見などを求めた郵政省の結論であるのか。さらには単に聴取上の常識的な判断によるものか。要するにこの委員会としては民間放送を扱っておりますから、単なる大臣の新聞紙上の談話としてはわれわれは済まされない。だから、この一億総白痴化の内容について聞かしてもらいたい。  それからもう一つは、今まで放送法の原案をわれわれは手にいたしておりますが、残念ながらこういう点を私は見ることができません。それで省が、大臣が放送法を立案するに当って考えたことがあるかないか。これはもう端的に答えてもらえばいいのですが、前の国会で二回ほど民間放送の決算報告がこの委員会に出て参りました。これは前期あるいは後期、いずれの内容についても全国の民間放送は非常に黒字経営になっております。成績が非常によろしい。で、そうなると、現状のままこれは、野放しに民間放送の経営状態をこのまま放置すべきであるかどうか。まあこれをもう少し具体的に申し上げるならば、スポンサーとの間に一社が取りかわしている料金の内容ですね、こういうものがある意味では一種の大衆課税的な色彩も私は持つのではないか、こういう工合に考える。で、そうなると当然これは、一種の今日政府がとっている物価の指数の一つの際限といいますか、こういう問題にも自動的に関係を生じてくると思うのです。ですから、通産省の大体言えばこれは所管じゃないかと思うのですが、現在の民間放送のいわゆる宣伝の広告料、こういうものに対しては郵政省としては一考もわずらわす必要はない、このことをこの放送法の今回の改正提案に当って郵政省としては考えたことがあるかどうか、これを聞かして下さい。それから、まだ正式に放送法が上程をされておりませんが、この上程の時期、それと原案にいっているように放送協会の場合には値上げでいくのか、財政投融資でいくのか、融資の場合に三十億ということが出ていたかに思いますが、あの原案と今日まで状況は変っていないかどうか、これを聞かしていただきたいと思います。  それからもう一つの問題は、先般衆議院の逓信委員会で中共との電波協定を結びたい、こういうきわめて積極的な意見が大臣から漏らされておりまして、非常にわれわれとしては欣快に思っております。そこで、この電波協定というものは果して事務的に進捗を見せておるのか。さらには中共との間に何がしかの意見の交換あるいは折衝が運ばれておるか。以上私は簡単でありますが、これから先の審議に重要な資料になりますので、大臣の今までとってきた内容の一つとして、これだけのことを聞いておきたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。  まず第一点は、一億総白痴化という表現でございますが、これは新聞を読んでいただいてもわかる通り、私は一億総白痴化とは言っておりません。一億総白痴化というような議論もございますから、それは新聞に明確に書いてございます。これはどなたがおっしゃったのですか、相当有名な方々がこのままにしておると一億総白痴化運動に拍車をかけるのではないかというふうに相当言われておって、週刊誌などにも一ぱい出ておりますから、私もそれを読んで、なるほどこういう見方もあるのだと、まあ手きびしい見方だと思っておりましたが、放送法の改正に対してはそういう有力な御意見もございますから、慎重に考えなければなりませんと、こう申し上げたのでございまして、私が発明した言葉じゃございませんから、一つ誤解のないようにお願いいたします。  第二番目の民放は黒字決算をやっておる、これはようやく黒字決算の段階に至ったわけであります。で、それはどういうことかというと、ラジオがおおむね黒字決算ができるような状態になりつつある。また大体三分の一ぐらいは黒字決算を行えるいう状態でございますが、まあ中には七千万円の資本金で七千万円の黒字をあげれば五割配当できるわけでございますから、そういうようなものもなくはないのでありますが、これはまあ一つの経過的な過渡的な一つの現象だと思います。ラジオが今度はテレビを始めるようにたりましたが、テレビを始めた場合には、今までようやく黒字にこぎつけていたものが赤字に当分なるおそれがある。赤字にならなくても、大体とんとんだろうというものが一体三年続くか五年続くかということは、テレビの伸び方という問題もあるわけでございます。そういう意味では、まあ現在出ておる黒字決算に対して直ちに処置をするということは考えられないと思いますが、ただこういう問題がございます。この問題に端を発して減価償却率を上げろという民間には相当な猛運動がございます。またテレビは日進月歩というよりは時々刻々に変っていくぐらいにテンポの早い技術でございますから、今までその減価償却を五カ年、三カ年でもって償却してきたものを、ある時期にはまだ帳簿残が二分の一残っているときに、これをスクラップにしてゼロにしなければならぬと、こういうものもございます。まあ例を言うと、テレビ塔がございますが、帳簿価額一塔一億というものが新しいテレビ塔に乗るということになると、あれはもう帳簿残がゼロになってしまう。それでまあ取り除き代が赤字になるというようなテンポが非常に早いという問題から考えますと、償却率を事業の性質に合わして一つ引き上げてくれという運動がございます。しかしこれは、黒字決算をしておるものが減価償却率を直ちに変えるということに対しては大蔵当局はなかなか賛成しないことも御承知の通りであります。ただ私は、この問題に対して調和点を見出しておりますのは、減価償却率を上げると自動的に配当制限を行うべきだという議論が出てくるのです。配当制限を行なって減価償却率を上げ、絶えず不安定な企業から脱するということは、放送事業者としては当然考えてやらなければならぬ処置だと思いますが、これに対して直ちに、というよりもにわかに結論を出す段階ではない、やはりもう一、二年は見なければならぬ。一、二年というのがもし長ければことし一ぱいは十分研究しなければならぬと考えております。ただ、私の方で考えなければならぬのは、これは私の考え方でありまして、さて郵政省は実際において大蔵省と折衝するときに、実際の数字をお出し下さいと言ってもなかなか出さないのです。民放は都合のいいときは出しますが、調査権というものがありませんので、そういうものは言論の干渉である、こういうことを言われると一も二もなく引き下ってしまう。これは、減価償却の問題が今大きく浮び上っておりますから、民放との間にも十分調査をして、また調査資料も出してもらって、できるだけ調和点を見出したいという考を持っております。ただ黒字決算の場合、配当制限の問題、減価償却率を上げる問題がきまりがつきますと、最後に起ってくる問題があります。それでもなおもうかるという場合に起ってくる問題として考えられますのは、今電波法では三年ごとに更新をしたり、また近い将来に、今のチャンネル・プランをごらんになるとわかりますが、三チャンネルの上にそのまま六チャンネルをかぶし、六チャンネルの上に十一チャンネルをかぶしてきたのでありますから、いつかこれを米軍が全部波を返してきたような場合は、日本は合理的な新しいチャンネル・プランを決定しなければならぬ。そうすると、今二番を使っているものが四番になり、四番が十番になるというようなときには、国が補償しなければならないと法律に書いてあります。しかし、これは特殊な人に特殊な権限を与えたのでありますから、そんなにもうけるならばこの補償の義務だけは削除するというような問題が出てくるわけです。これは民放としては大へん反対であります。反対でありますが、大きな立場からはそういうことを考えなければならぬ。もう一つは、俗悪低劣な番組を排除するための必要の措置として考えられますのは、スポンサーが番組にタッチしております。スポンサーは、こういうような番組を作らなければおれはスポンサーにならないというように、事実上の問題としてスポンサーが番組に対しては強い権限を持っておる。これは官が干渉するよりもっと強い干渉が起るおそれがある。ないとはだれも保証しない。そういう意味で番組に対してスポンサーが干渉してはならないということをこの放送法で規定しようかどうか、こういう問題も考えたのですが、今の決算の問題、将来の経理措置をどうするかという根本的な問題が片づいておりませんので、審議の過程において一つ議論をしていただき、いい結論が出ればそうしたいというような段階でございます。  第三番目の問題は提出期日の問題でありますが、これは二十日までに提出をして、二十一日、あしたが閣議でございますから、二十一日までには一つ重要法律案を提出したいという考えでありましたが、法制局等の問題もありまして、少しおくれるようでございますが、総理大臣も今国会中の重要法律案と明確に言われておるような法案でございますから、十分審議の時間も必要なものでありますので、これは事務的にできるだけ早く提案をいたしたいという考えでございます。今の状態でははなはだおそくなって申しわけありませんが、二十五日ぐらいまでに何とか出したいという考えでやっておるわけでございます。  それから値上げをするかどうか、これはまあ正式に御答弁を申し上げるとすると、NHKが今出してきつつあるのであります。今ようやく私のところへこんなものどうですかというような状態でございますので、NHKが値上げをどうしても必要だということを言ってくれば、私は意見を付して国会に提案しなければならない立場にございます。しかし、今までの打ち合せでは、このたびは値上げを見送ろうじゃないか、まあ見送って何とか今山田さんが言われたように、世論が納得するだけの実際を見せなければ値上げもむずかしいのでありますから、いずれにしてもこのたびは自粛をして、生み出せるだけ自分の力で努力をし、三十三年度の予算はそういう意味で組んでみようというような考えにまとまりつつございますから、このたびの三十三年度予算案はどうも値上げをしないで出てくる可能性が相当大きいということを申し上げます。  第四番目に中共問題でありますが、これは衆議院の予算委員会じゃなく、衆議院の逓信委員会で申し上げましたのは中共の郵便協定の問題でございます。電波問題に対して協定を行うということを申し上げたわけじゃありませんが、いずれにしても郵便協定は今進めております。当然起る問題として電波問題がございます。電波は御承知の通り、中共は国際電気通信連合に加入いたしておりませんので、どうも混信問題が非常に起きてくるわけです。中共だけじゃなく、北鮮の電波らしきものが非常に日本の中波に対しては混信があるというので、私たちもこのままでいけばラジオを中波からFM帯に全部しなければならない、そうして混信を防がなければいかぬというような考えも持っておりますが、いずれにしても中共政府との間には話をしなければいかぬ問題であります。当然中共にも国際電気通信連合に加入してもらわなければならない問題でありますから、これらの問題に対しては十分一つ連絡を密にして、できるだけ早い機会に電波協定を行いたいという考えでございます。しかし、電波協定を行うということになりますと、必然的に中共に国際電気通信連合に加入してもらうという問題、国際連合の問題がどうなるか、承認の問題がどうなるかというような問題もございましょうが、郵便協定と同じように純技術的な、政治的問題を含まない問題でありますから、隣国同士ですからできるだけ早く協定を行なって混信を防ぎたいという考えでございます。そういう気分が非常に強いのは、日本では三百二十メートルの電波塔ができまして東洋一だろうと言っておった、テンポの早いのはこの一事でもわかるのですが、中共では四百メートルのものができるそうです。現在の百キロを二百キロに上げ三百に上げて四百メートルの電波塔を出されては今度は混信はいかんともなしがたい。これはできるだけ早く協定を行わなければならないという問題でありますので、この問題に対しては、しかるべく交渉を進めて参りたいという考えでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私は、放送法が出てきたときに、いろいろ今の大臣の答弁に対して納得のいかない点もありますし、後日に譲りますが、ただ二点だけ明確に述べておきたいと思いますことは、今の電波協定の問題は、衆議院における大臣の答弁というのが郵便協定であったのか、電波協定であったのか、私は電波協定も郵便協定もいずれもあったと思うのです。ちょっと聞いて下さい、それは私がはっきりさせます。ただしかし、今大臣の答弁の中から明らかになったのは郵便協定も結ぶ、電波協定も結ぶ、しかもそれは一切の政治的な背景を持たないで純技術的な立場から締結をする、こういう明確な答弁でありますから、私は安心をいたします。さらにその取りきめの方法であるとか、あるいは進行の測定等については後日に譲りますが、そのことを確認いたします。さらにもう一つ苦言みたいになりますが、一億総白痴化の点は、大臣みずから言い出したことでないということであればそれもいいでしょう。ただしかし、ここで考えなければならないのは、あなたは評論家でないから論評を加える必要はない、行政を行なっていく責任のある閣僚なんです。そういう責任ある閣僚が非常に手きびしい論評があったから、これを一つの引用として私たちの前に述べるがごときことは若干見識がない。そういう点の論評は、あなたが評論を加える人であればそれは私は何も言わない。いやしくも白痴化を行い得るような放送をしておるのかどうかということは国会にも責任があります。私どもは今まで今日の民間放送が少くとも一億をして総白痴化するようなそういう俗悪なものばかりとは思っていない。にもかかわらず、あなたが論評家の一つの表現を引用しまして大々的に新聞に一億総白痴化の話があるなどということを軽々に言われるということは、幾ら新聞発表を好いているあなたでも、今後は一つ国会にも関係がありますから、大いに注意してもらいたい。私は以上付言して終ります。   —————————————

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) ちょっとここで委員の変更がございますので、御報告いたします。  本日西田隆男君が辞任せられて、前田佳都男君が選任されました。   —————————————

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 これはラジオの問題じゃないのですが、郵政職員の退職年金の問題です。これについてちょっと大臣にお伺いしたいのですが、たしか一週間ほど前の大臣の談話に、郵政職員の退職年金の法案をこの国会にぜひ出したいということを何かに発表があったように私は思うのでありますが、聞くところによりますと、一般公務員につきましても退職年金の法案を出そうというような動きがある、ただし恩給局はそれに反対をしておるということを聞いております。恩給局はどういう点に一般公務員の退職年金の法案について反対をしておるのか。これは恩給局に聞けばいいだろうと思うのでありますが、現在おわかりになっておる範囲内において、どういう点を反対しておるのかというふうなことを承わりたい。と同時に、一般公務員の退職年金の法案が何らかの事由で、あるいは反対とかあるいはいろいろ意見の違いによりまして出ない場合でも、郵政職員の退職年金の法案だけはぜひ一つ出してやろうというふうなおつもりであるかどうか。そういうような点をお伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私がどこかでもって発言をしたのではなく、衆議院の逓信委員会で要求がございましたので、その質問に対してお答えをしてございます。退職年金につきましては、私はもう持論として退職年金に切りかえるべきだという持論でございます。これはもう就任以来当委員会でも申し上げておる通りでございます。これはただ切りかえるべきだと思っておって、自分がその大臣の職にありながらやれないということじゃおかしいので、これはもう切りかえるべきだと思ったならば切りかえるように努力をするのは当りまえであります。そういう意味で、半歳にわたって努力をして、事務的にも折衝を続けてきたわけでございます。退職年金法はできればこの国会に提出したいというふうに政府の内部において有力な意見が出てきたことは御同慶にたえないわけでございます。ただしかし、最終的な調整の段階でございます。ございますが、恩給局が反対であるというふうに今前田さんは言われましたが、絶対反対であるということになると、これは閣内不統一というような議論も出ますが、そうでもないのです。これはどういうふうにして出そう、いつ出そう、どういう形態をとろうということに対して、各所管の者たちが合議をして、その過程において意見が違うということは、これは当然のことでございまして、慎重審議をするためには、いろいろな意見の総合したものについてより妥当な結論を出すということは至極当りまえのことでございまして、その当りまえの状態にございます。ございますから、私は今の状態のもとにおいて絶対にこの国会に出せないものだとは考えておりません。私は、初めは三公社の退職年金法と符節を合わせて、三公社一現業と言っておりますから、一般公務員との間には差がついておるのです。特に今度の予算を作るときには、一般公務員は二・五ヵ月ですか、二・五五ですか予算化されたのに、われわれ三公社一現業は二・四ヵ月しか予算化されない。あとは流用でやれ、もうけてから払えばいいじゃないか、こういうことをやられておるのですから、それであるならば、三公社に近い立場で郵政現業職員退職年金法を作ろうという考えで今日まで進めて参っております。ところが御承知の通り、郵政省、すなわち私の所管の中に、電波関係が三千人ばかりおります。この電波関係が公労法の適用を受けられないというのでもって非常に困っておるのでありますが、その上になお郵政現業職員だけ退職年金法を作ってやって、電波はまた落ちるということじゃ、どうも私の立場が非常に苦しいというよりも、良心的にやれるならばみんなにやってやりたい、みんなに適用することが正しい、こういう考えで大蔵事務当局とも相当な折衝を行いまして、大蔵事務当局は出したい、こういうふうに明確に結論を出しております。しかし、内閣、総理府の方では、今御承知の通り軍人恩給の整理をやっておりますので、これも大へんな問題でございます。そのさなかに退職年金法を出されても、今事務的にちょっと能力がないという問題が一つございますし、もう一つは、八十年間の歴史を持っておる恩給を退職年金に切りかえようというのだから、せめてその一割の八年間とは言わないが、八カ月間くらい、お互いにしっかりした研究をし、万遺憾なき時間を与えることは当りまえじゃないか、八カ月とは言わなくても八十日でも与えなければおかしいではないか、これも聞いてみると立場々々でそういう意見があるわけでございます、八十日間といえばわずかの問題でございますから。しかし、八十日というと、これからもう国会の会期が少くなりますので、それもいかない。八日くらいでどうかというくらいに、ほんとうに縮めて出しておるのですが、まあ八日くらいというと、来週一ぱいということなんです。来週一ぱいでなければこういう重要法案は審議ができないじゃないか、出すのであったならば一つそこまで縮めてもらいたいということを私も申し入れておるわけでございます。で、お互いの話し合いがつけば、郵政現業職員だけ単行法で出すということを私の方で引っ込めて、一般公務員とともに一本になることであるならば譲るにやぶさかでない。しかし、一般公務員がどうしても三十三年度中に適用を受けるような立法処置ができないという場合は、これはもう巻き添えを食って、言い出した私が郵政退職年金法さえもできないということでは、これは良心的に困るので、その場合の私の立場を十分考えてほしいということを、今盛んに私の意見を申し述べておる立場でございまして、私はこの問題に対しては誠意と熱意を持って、できるだけ早い機会に国会提出にこぎつけたいということを申し上げておきます。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 ただいま大臣のきわめて熱意ある御答弁を拝聴しまして、私たち非常に安心をしたわけでございますが、ことに電波関係の職員までもみな包括してやろう、そういうお気持も非常にありがたい。また期間の点におきましても、八十日を一週間くらいに縮めてしまうというふうなすばらしい熱意を拝聴しまして、非常に私たちは心強く思っておるわけです。この問題は与党とか野党とかいう問題じゃございませんで、この逓信委員会におる者はおそらくみな希望しておる問題であろうと思います。熱望しておる問題であると思います。電通職員についてはすでにもうその恩典が——それに対して郵政職員にはない。一刻も早く実現してもらいたいという熱望を持っております。どうぞ一つ大臣の今の熱意を持って、郵政省思いの大臣のお力を十分一つ発揮下さいまして、一刻も早く実現してもらいたい。同時に、恩給制度はもうこれは相当限界にきておりますので、一般公務員につきましても退職年金に切りかえるように、一つ大臣が郵政大臣のみならず、閣僚としてハッパをかけてもらいたいことをお願いいたします。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) 了解いたしました。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 放送法の一部改正法法律案要綱案というものがここにきておるのですが、拝見したのですが、これはさっき山田委員のいろいろな質問の中で、私も同じように感じておったんですが、なるほど要綱を見ますと、改正の趣旨という所に書いてあることは現行放送法はすでに八年もたっておりますので、その後にいろいろとNHKも大きくなったのでしょうし、特に民放も相当発展しておりますから、時宜に即した改正をやろうといことは私もそう思うのですが、しかしその提案された要綱の内容を見てみますと、どうもNHKに対しても、会長を定員からはずしてしまうというようなことがありますし、それから監事とか理事とか、こういった数もふやしておるのですが、こういったものも、私は必ずしも役員の数をふやすことが即経営を充実させるものとも考えないのですが、問題は運営にあると思いますから、そういう意味で、NHKに対しても何か改正の趣旨という所に書いてあるのがぼけておりますから、一般民放に対するのを見ても、番組編成に対して教養の時間を設けるとか、それを三分の一だとか、そういったようなことも言っておりますが、さっきの森中委員の一億総白痴化じゃないのですが、そういうふうな何か話があった。それをすぐ、なるほどそういう意見もあるのかと、大臣がお考えになって新聞に御発表になったというようなことは——それは私はやはり放送番組はあくまでも自主性を持たすべきだと思う。むしろ法律でやるよりは、民放の経営諸君の良識に訴えて、そうしてやはり民放の信頼を博するように、そうして公共的な性格を持っている放送ですから、猥談をしたり、とんでもないことをやるのじゃなしに、やはり良識をもってやってくれると思います。そういうものを法律的規定することはおかしい。そうして今度は大臣が民放に対して調査を命ずることができるとか、何かこうあります。調査、資料をとることができるとか、こういうこともいわば民放に対する僕は大臣の監督権の強化になるような気がする。ですから、NHKに対しても、民放に対しても、いずれも今改正されようとする大臣のお考えはどうもぴんとこないのです。だから、何も急いでこういう放送法の一部改正案を私は今度の国会で出す必要もないようと思います。だから、もう少し前段の改正の趣旨に書いてあるような抜本的なものをやるならやるで、おやりになるならよいので、こんな中途半端のものを今度の国会に出すこともないと思うので、撤回でもしたらどうかと思いますが、どうですか。そういう意思はないのですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) 先ほど山田さんが改悪になってはならぬ、その通りであります。改悪をするような意思は毛頭ございません。また提案もせられれば、法律案が出ましたらば、なるほど改正だということは十分おわかりになります。  それから役員の数をふやすという問題、これは私たちも非常に考えた問題で、いつでも機構の整備ということになると、役員の数をふやすことを考えたがる。これは私はそう考えておらない。おらないのですが、なぜ役員をふやすということになるかというと、これはテレビというものがふえてきた。今までは理事は三人であります。どんな会社でも重役は大体百億以上の年間収入になれば十人はおります。二百億になると二十人になる。大体十億一人というのがこれはもう日本のトップを行くものの大体の姿であります。そういう意味からいいまして、ラジオとテレビ、FM、その他を考えますと、昭和三十六、七年になりますと、三十六、七年、おそくなっても昭和四十年ということになると今の倍になる。三百億くらいになると思います。そうしますと、現在のように大阪も、何も皆一般職であって、重役ではないというような考え方ではこれはおかしいのであって、どうしても簡単にいっても、ラジオ係、テレビ係、FM係、国際放送係、技術係、何係、といえば六、七人になるのであって、これはもう万やむを得ず必要最小限度だということで七人以上、十人以下というふうに幅を持たして、できるだけ初めは七人でだんだんと大きくなる。三十五年、三十六年になれば十人は最小必要じゃないか、こういう考えで立案したわけであります。これはその審議の過程において十分御意見を承わりたい。会長を委員会から除いたのも、それから委員会の職務を指導統制から監督に移したのも、これは私には全く政治的な意図は一つもないことをここに明確にしておきます。これは妙に新聞論調その他、これが意図があるようなことを言うのですが、そうかといってそんな意思は全然ありません。それがそういう考えでもって何かするのなら、取りやめて一向差しつかえない、その程度のものなんです。しかし、この考えはおかしい。なぜかといいますと、今の法律の中で指導統制といって書いてあるのはNHKだけです。指導統制よりは私は監督の方が非常に弱くなると思う。こういう法律的な見解のもとに、定義のもとに監督という法律標準用語にかえようというふうに考えておるだけです。指導統制ということは私はどう考えてもいかぬ。私が教わった概念からいうと、指導統制は監督よりも強い、こういう見方をしておるのですが、これは法制局で審議をしておりますから、あなた方がこれが山だ、これがくせ者だというなら変更してもいい。現行法よりも経営委員会の権力を弱めなければならない。これは明確に速記録に残しておきたいと思いますが、どうもあいまいもことした法律用語ではいけない。指導統制というような言葉はアメリカ語の直訳ですよ。そういう法律用語でなく、もっと日本人にぴんと明確にわかるように書いて、責任分野が明確な法律標準用語の監督に変えようということを考えたわけであります。  もう一つ、会長が経営委員を兼ねるというのは、これはおかしいのです。電電公社法では総裁及び副総裁は経営委員会の委員も兼ねておる、これはちょっとおかしい。監査役で取締役というのです。これはおかしいからおかしくないようにしよう、その方がかえって会長の責任が明確になると思って私ははずしたのですが、これは何も今の状態が悪いので、これをはずさなければいかぬという考えじゃございません。で、NHKを放送法の改正ではずすならば、一体電電公社法の改正でもってなぜはずさないのか、こういう議論が出てくると思いますが、私はあえてそれを強調いたしません。そういう意味で指導統制を監督に直し、会長を経営委員会の委員から除くということは全く字句の修正、いわゆるすんなりしたものにしようという考えだけでありまして、政治的な意図が全然ないことを私は申し上げておきます。  それから、一億白痴化という問題は、先ほどもおしかりを受けましたので、私も慎重にいたしますということを考え、またそう申し上げたのですが、これは私が申し上げておるのでもないし、私は今の民放の構想が一億白痴化に一そう拍車をかけるとも考えておりません。考えておるなら、これは免許いたしません。(笑声)絶対にさようなことは考えておりません。しかし、よりいい方向に向上しなければならないことは考えたわけです。一般論として放送法をなぜ改正するのかという問題の中にいろいろな問題がありますが、その一こまとして世論もきびしい。一体これでいいのかという説をなす人もあるし、一億白痴化するという説をなす人もあるので、そういうことも考え合せて改正案を提出したい。こういうことで申し上げた意味でございますから、十分一つその点をお考えになっていただきたい。  それからもう一つは、これは今出さなくてもいいじゃないかというこの議論はときどき出るのです。大体退職年金法はむずかしいから次に送ろう、こういう議論も出ております。とにかくいろいろな問題はこれは慎重に考慮を必要とするから、もっと送ろうと送ってばかりいるのではいつまでも日の目を見ない。だから、民法に免許しなければならないときに、準拠法ができておらない。しかも電波法に基く免許が事業免許になるという不合理をやっておる。こんなものはどこにもありません。あなたがよく御承知の電電公社の場合を見てもよくわかる。電電公社法、国際電電株式会社法があって明確になっている。電気事業法があり、電源開発法があり、鉄道営業法があり、それから鉄道国有法があり、地方鉄道軌道整備法があるが、これは放送法だけなんです。事業法も何もない。ただ放送法だけでがたがた言っている。ただ手をつけると危ないから、なるべく危うきに近寄らずで今日まできたのですが、もう今日の段階では危うきに近寄らなければならない立場にあります。なぜかというと、三月三十一日には、十月に予備免許を与えた三十六局に確認を与えなければならない法律的な立場にあるその場合に、野放し免許ということはこれはどうしても行政の責任者としては考えられないのでありまして、そういう意味で最小やむを得ざる改正案だけを提案しようという考え方でありまして、最も抜本的な問題として私も考えておるのです。先ほど山田さんが言われたのが放送法の山であって、NHKと民放との差をどうするか、どう定義づけるかということを考えないで万全の放送はできない。しかし、私の立場で今そんなものをやろうといってもそれこそ大へんです。そういうものこそ十分慎重に審議をしながらやらないと大へんでありますので、必要やむを得ざる改正の条文だけを現行法にプラスをして放送法の改正案というものを提出する予定でございます。だから、そういう意味でこの国会から撤回をする意思、まだ出してもいませんから撤回ということはございませんが、提出をやめるということは絶対いたしません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私はその内容を具体的に大臣に説明を求めたわけじゃなくて、そういう意思があるかないか簡単に聞きたかったのですが、何ですか、えらい言いまくって私に説教するような話をされたが、この問題についてはさらに出す意思があるようですから私はそのときやりましょう。ただ、あなたが私の質問に対して答えた中で、たとえば会長を経営委員からはずすということに対して、何か私が政治的にものを判断してあなたに質問をするがごとき考え方を持っているような答弁をされている。そういうことがおかしいのです。私はそういうふうに政治的に、どう言っていいか知らないが、純然たる経営論として少くとも会長がNHKの最高責任者として経営委員会のメンバーに加わって指導監督がどうか、これは実情のことは知りませんが、いずれにしても、経営の最高責任者がその経営委員会に出て自分の意見を十分に述べていくということは必要なことですよ。それが構成員になったものが、まあ必要があれば出てきてしゃべってもよろしいという形にやることが、NHKというものの公共性を強調するならば、私はもう少し会長というものを、責任をもって経営委員会に出てやられていることを強くしてもいいのであって、それを逆に経営委員会のメンバーからはずすということはおかしいことだと思ったから、あなたに端的に質問したのだが、私はそういう政治的なセンスをもって質問したわけじゃない。これはいずれ出ましたらいろいろ意見を戦わせましょう。趣旨はなかなかけっこうなものであるが、いろいろあなたが言っているように、理想的なものでもないから、これは正式に提案していないが、出すとあなたがおっしゃったから、やめたらどうかということを私は簡単に質問したわけです。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) これは経営委員会から会長をはずそうというようなことは、私の考えでは現行通りでもいいと思っているのです。それが今まで、あなたの今質問にも出ましたが、新聞等に対してはこれが非常に大きな問題になっているのです。これは、政府が何か特別政治的意図をもって会長と経営委員会との権限を明確に分離をして、その双頭の蛇にしたいのだというようなことが批評されておりますから、私としてはそういう意図によって改正法を考えておるのではなく、特に会長を経営委員会からはずすという問題が大きな論点になりますならば、私はそれは現行法でもけっこうなんだという思想を端的に表明したわけです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣、そこのところは論争になるところですから私はあとに譲りますが、私の言っていることに対して、あなたが政治的に非常に問題になっていると、そううがってものを考えられるということは困ると思うのです。もっとうがって考えれば永田会長がやめられたあと会長の任免等について大臣のとられたことについても、これは実際いって納得できない点があるのです。そうして相当の空白の期間をおいて野村会長というものがなったのですが、いずれにしてもそういうことが政府のNHKに対する監督権とからんでやはり何かしら世間がいろいろな揣摩憶測することは事実だと思うのだが、私はそういうことを国会の立場において具体的な証拠も何もないからあえてそんなことを私は大臣に質問しようというような気持はないのですから、それが何か政治的にわれわれが言うことを取り上げられちゃ困るということを言っておる。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) そういうことを言っておるのではない。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それではいい。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私は、その内容を今ここでどうこう言おうとは思いません。ただ、大臣が今鈴木委員の質問に答えた中で非常に大事なことがありますから会議録に私は明確に残しておきたい。それは、政治的な意図がないということ、これを明確に会議録の中でも残しておきたい。こう言い切っておりますこと、それでわれわれとしては今大臣がそういうように一方的に言い切ることを承服するわけにも参りませんから、今後法案が提出されてきて具体的に論争をかわす中から果して政治的な意図があるかないか、またわれわれが憂慮するというようなことがあり得るかどうかということは、論争の中から明らかにして参りますから、今会議録の中に明確に言い切っておる、こう言っておりますから断じてこれは大臣のそういう政治的な意図がないということを、承服するものでないということを会議録に残しておきたいと私は思う。  それからもう一つ。

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) 速記を始めて。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 二、三日前のNHKの朝のニュースでお年玉つき郵便はがきの発売に関することですが、郵政省と厚生省とえらくもめて法案を出せないということのニュースがありましたが、これはどういう点でもめているのですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) これはもめておるということはございません。大体きのうで話が片づきました。両大臣との間でもって話し合いをまとめまして、きょうから法制局に入れておりますので、近く提案できると思います。ただ問題になりましたのは、いつでも逓信委員会で御議論があり、特に郵政審議会でも問題になりますのは、国民が四円のはがきに一円プラスして出す、醵金する金ですから法律でこういうふうになっておっても、これは税金と同じ性格のものでございますので、その使途は明確にしなければならない。その使途を明確にするためには何らかの監査機関その他を設けなければならないということでございましたので、今度の法律案には協会を作りまして、その協会が十分責任のある監査、調査を行えるように規定してございます。ございますが、厚生省所管の中央募金会、日本赤十字社は今まで郵便局の窓口から直接受けておったものが管理会を通るというようなことになると、複雑になるのじゃないかというような一般論と、もう一つは郵政大臣が主管する管理会でありますので、郵政大臣がどんどんどこへでも入ってきて監査することはかなわないので、厚生省所管のものに関しては厚生大臣との間に円満な協議が整うようにしてもらいたいということでございますので、これはお互いの間でいつでも各省間でセクショナリズムで争うようなことをしないようにして、明確に実際の職務が行えるということが規定できればいいじゃないかということできのう妥結をいたしましたから近く提案ができると思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 これは憶測ですが、郵政省は金さえ集めればいいので、運用はおれの方がするのだということを言っているというのですが、まことにこれはけしからぬ話で、実際そういうことであったら、そのときこそ田中郵政大臣の腕の見せどころですから、そのことは一つうんとがんばってもらわなければ困る。  もう一つは要望ですが、今のはがきが五円ですね、それを今度お年玉はがきは四円で一円つけるので郵政省は相当な出血になると思うが、それではがきとか、切手とか一種、二種、三種、四種それの原価計算をこの次の木曜日までぜひ出してもらいたいと思う。はがきが幾らで、四円でやれるのかどうか、新聞を一円で配達してそれで郵政省はやれるのか、この次の逓信委員会まで資料を出してもらいたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) よろしいです。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これは大臣、ちょっとあとからの重要問題に関連性があるのでお聞きしておきますが、あなたの正月の通信興業新聞というのがあるのですが、これの対談の中に電電公社の梶井総裁が、もうやめさしてくれ、やめさしてくれと何回か来ておるのだけれども、有能な人物だからこれは死ぬまでか、あるいは何かわかりませんが、相当長くいてもらいたいのだということを言っておるわけですが、これは長くいてもらいたいということは、一体どういうことなのか、一つお聞かせ願いたいと思うのです。  もう一つは、たとえば梶井さんは企業家、あるいは実業家としては、その前身は日本電気であったと言われる。電電公社と日本電気との関係というものは、これはどう見てもだんだんだんだん密接なつながりが出てきておるように見られるわけですが、人物と、それから企業と結びつけて、電電公社の中にいろいろな基盤というものが拡がっていくと、こういうことに対して、あなたは有能な人物が長くいてほしいということと関連してどう考えるか、この二点をお聞かせいただきたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○国務大臣(田中角榮君) 一点目の電気通信新聞ですが、それにそういうことを私がしゃべったかどうか、きっとその記事に、文責記者になっておるか、私はよく読んでおりませんが、そういう考え方は私が持っておりますから、きっとしゃべったと思います。梶井さんが後進に道を譲りたいという考えは、もう私が就任の日から申されております。しかし、私は梶井さんの手腕力量、人格、経歴その他を十分知っておりますが、今の電電公社としてはもう一つ伸びなければならない段階に至っております。今よりももう一段階越さなければならないという重要な段階でありますし、特に電気通信事業に対しては御承知の今度電務局というものを作って、郵政省設置法の改正案を出しますが、それは正力構想と相待ちまして、電電公社以外のもう一つ別に公社を作ろうじゃないかという動きがあります。どうも電電公社が有線主義で無線というものに対して熱意がない、熱意がないというのではない、知らないのじゃないか、だから別にやらせようという極論をする人もありますので、私は就任後そういう考えの間違っておることを非常に強く指摘をしております。電電公社というものは今日までになるのに一体どういう経緯を経てきたか、十分考えなければならない。屋上屋を重ねるようなことをやってはならない、だからよしんば防衛庁、警察、国鉄等が電気通信をやるにしても、こういう問題に対しては、必ず事業その他に対しては電電公社が行うという原則を確認してもらわなければ、にわかに賛成しないというくらいに私は強い自分の意思を発表いたしております。  もう一つの問題は、時間がありませんから端的に申し上げますと、今まで電電公社がやっておったものだけじゃないのですよ。東南アジア諸国に対する賠償問題に対して、通信器材をどうするか、いつだれが一体請負いするか、いつ技術提携するのかという問題が非常に大きく出てきているのであります。海底ケーブルの問題、ハワイと日本の問題をどう解決するかという問題がありますので、これを国際電信電話株式会社と電電公社だけでやるべきものでなくて、その二つに属しないようなものを別に何か考えたいというようないろいろな動きがあることは、私が申さなくても、専門家である皆さんの方がかえって御承知だと思いますが、そういう意味で電電公社としても外部においてはそういう動きがある、内部においては真に伸びようとする第二次五カ年計画、四千百億のワンステップを踏まなければならないという内憂外患じゃないですが、内部も外も飛躍をしなければならないというときでありますので、私はこの段階において人をかえる、中流に馬を乗りかえるということはやるべきじゃないと思う、梶井総裁には強く、そういうことは私としては聞きません、こういうことを申し上げておりますので、梶井さんが、もう後進に道を譲りたいということも、明確に申していることも私は申し上げますが、それに対して私が、そういうことをお考えにならないで、ぜひもう一段御努力願いたいということを要請していることも、明確に申し上げておきます。  それから、電電公社と日本電気の問題、これはきょう初めてお聞きした問題です、私は電電公社を監督しなければならないと、電電公社法に書いてありますが、そういう事業の実態まではわかりません。わかりませんので、どういう関係にありますかはわかりませんが、今横川さんが言われました通り、梶井さんが日本電気の御出身だということを承わりましたので、そういうような風説が一部に出ることだけでも問題だと思いますので、この問題に対しては、きょうのお話を総裁に申し上げておきます。

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) では本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗