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28回国会参議院1958/05/31

逓信委員会 閉会後第1号

発言数
36
登壇者
5
会派数
2
開催日
1958/05/31

会議録

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、郵政事業の運営に関する調査を議題といたします。  横川君より発言を求められております。この際発言を許します。

横川正市日本社会党

○横川正市君 きょう大臣の出席を求めておったのは、きょう突然私から要求したのではなくて、委員会開催の要求を出したときに、大臣に私の方から出席方要請しておいたわけなのです。突然開催して出られないというのであれば、私もその事情を必ずしも了承しないわけじゃないのでありますが、事前に要求しておいて委員会に出席できないということは、私は非常にこれは遺憾の意をまず表明しておきたいと思います。それから出席できないということになりますと、まあ本日出ておられます事務次官以下、大臣にかわって本日は責任をもって答弁願えるものと思いますから、やむを得ませんので質問を続けていきたいと思います。今後まあこういうことのないように一つしていただきたい。  それから第二の問題は、きょう私の質問したいと思うことは、メンバーはかわりましても過去の逓信委員会で審議をされた法律案の内容に伴ってまあ質問いたしたいと思っておるわけでありますが、これはこの国会の権威にかけて国会で審議され、ないしは国会でもってこう付帯決議とか、あるいは声明とかいうものが出された場合には、私はこれは与野党という関係でなしに、その審議の内容というものをしっかりと守っていくという、こういう建前というのは必要じゃないかと思うのです。たとえば、これは野党が追及するから、与党の人たちは審議のときとは全然別個の態度でいいというものでは私はないと思う。そういう意味合いから、きょう実は時間の制限を受けたことはまことに残念なのでありますが、時を得てぜひこの問題は当委員会の一つの歴史的な使命でもって審議された法律案に対しての結論は守っていただく。それからもしそれがそのときの情勢と違ってきたのならば、これは私は法律改正をして新たな情勢に適応する法律案というものを出すべきだと、こういうふうに思っておりますので、この二つの問題は当初の劈頭の問題として私の方から御要望申し上げておきたいと思います。  そこで第一点でありますが、ちょうど選挙期間中にですね、郵政当局とそれから全逓労組との間で紛争を行いました春の闘争の結末について、検察当局が郵便法の七十九条違反容疑で相当広範な家宅捜索、それから個人の逮捕、こういったことが行われておるわけなんでありまして私はこれは社会労働委員会でも、その不当性については追及されたと思いますが、当委員会としては、まず第一点は、立法の責任者である郵政当局は、郵便法違反容疑という形で逮捕が行われておるという事実に対して、一体どのような考え方を持っておられるか、まずそれをお聞きしたいと思う。  それから第二の問題は、この郵便法七十九条は、これは当然郵政省の立法の側に立っている方々がどういうふうに解釈されているか、この二つをまず明らかにしていただきたい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) お尋ねのただいま検察庁で処置をいたしております問題につきましては、そういった事態の発生を私ども最も好まないところでありまして、それゆえにいろいろ闘争の前に数回にわたりまして法律的な見解を明らかにし、そういった法に触れることのないように話し合いもし、警告も発したのでございます。そういうことで郵政省がいろいろとっております労働問題に対する処理の基本方針は、どこまでも円満に話し合いをいたしまして、組合の正当な要望につきましては、これはあとう限り最善を尽して実現に努めていき、無用な、そこに不必要な闘争形式の出ないようにということをいろいろと考えておりまして、年末闘争等におきましても、そういった理想な線を管理者側もまた組合幹部の諸君もよく腹におさめて当りましたので、近年例を見ない非常にうるわしい妥結を早く見たのであります。そのためにいろいろ年末首の最も繁忙な時期を控えまして、国民からも感謝こそされ非難される事態を生じなかったことは、労働問題の処理といたしましては非常に誇っていいことではないかと思っておりますが、春季闘争におきましても、組合との関係の問題につきましては、いろいろ話し合ってもおりますし、省との間においては何らそういう対立問題はなかったのであります。これは組合の幹部諸君もみずから認めておられたところでありますが、いろいろ組合としては組合の立場もございましょう、われわれもこれを理解するにやぶさかではないのでありますが、そういうような立場もありまして、われわれもそういうことを理解できると思いましたので、立場上の問題はやむを得ないが、できるだけこういった問題には触れない方がいいということで、違法の限界等につきましては、明確にその線を示しておったわけであります。そういった面で今回の検察庁のそれは、これは検察当局の独自の見解に基いて行動をしておられるわけでありまして、政府部内のわれわれからこれをどうこうというようなことはいたしかねるような状況であります。ただ、そういう事態につきましては、まことにわれわれといたしまして遺憾にたえないところであります。  ただ、第二点で御質問になりました点と関連すると思いますが、郵便法第七十九条の解釈におきましては、岸内閣成立以来、労働問題に対する処理の明確な線を出しております。そういった面で何が違法行為であるかという面は、いろいろな組合の行動の過去のケースにつきまして、個々別々に明確な見解を示してあります。郵便法第七十九条の方は、いろいろ立場によって議論はありましょうが、私どもの見解といたしましては、これは労働運動を通じて起きる事態であろうと、そうでない事態であろうと、法の禁じておるそれに触れる場合は、当然に当該条文の発動があるのだ、このように解しておるのでありまして、労働運動なるがゆえに、同様な事態を生じた、労働組合以外の問題で生じたそういう事態が適法であるというような解釈はいたしかねるわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は小野次官の答弁はきわめて不勉強だと思う。まず労働問題として、基本的な問題として、あなたの方では結局実力行使がない方が一番いいのであって、実力行使が伴ってそして紛争の事態というものが困難になることは、あなたの方が一番いやな立場だから、いやだということを鮮明にするということは一向私はかまわないと思う。しかし、問題の本質は、解決するかしないかにあるのであって、その解決するかしないかは、団体行動と団結権を持っている組合ですから、これを行使することは一向私は違法ではないと思う。そういうことで今度の場合、あなたの方とそれから全逓労組との間で起った紛争というのは、これは逐次あなたの方では警告を発したり、あるいは要請をしたかもしれないけれども、問題解決のために何にもなっていない。あなたは問題をこう解決したいと言っておらない。ただ、紛争だけを起すな、起すなと言っているのが警告であり、要望であったわけです。そういう点を今の解釈の上で鮮明に打ち出してくることは、いわば勝手な言い分だと私はこう言わざるを得ない。  それから第二の問題は、少くとも今度の事態が起って、郵便法七十九条の容疑という形で職場に働いておる者が逮捕される、あるいは検束されているという事態が起っているのに、あなたの方で七十九条の考え方を、単に郵便法の立法の精神というのは、労働運動だから、あるいはその他だから全然これは適用しないとか、するとかいう判断に立っておりませんと言うけれども、これは私は先ほどもちょっと一番最初に言いましたように、今度の事態というのは、検察当局も、労働問題の一環として行なったということは認めております。これはあなたの方も認めるでしょう。その点は。そうすると立法の、法律を一番最初に審議するときの国会の審議というのは、労働問題には適用しないように、念には念を入れて立案をされている、昭和二十二年に。昭和二十二年の第一国会のときにこれは制定されたもので、当時は深水六郎さんが逓信委員長をされていた、また衆議院では共産党の林百郎さんと、それから当委員会に出席されております新谷寅三郎さんが、この問題は当時起った中郵の職場離脱の問題と関連して、労働問題に関連することがこの法律によってできるのかできないのか、念には念を入れて審議をされて、これはしないということを当時の政府委員である小笠原さんが答えておられるわけです。そこで、そういうようなものがあるために、今度の七十九条で検察当局が手を入れるときに、これはどういう法律解釈をしたらいいかで私はおそらく検察当局も非常に苦慮された問題だと思うのです。そういうような問題であるのに、当事者である郵政当局は、そのことの起った事態も、監察局長来ておるんですが、監察局長は監察官を動員して事態を明らかに知っている、そういう事態を明らかに知っておりながら、明確な態度をとらないであいまいな答弁をするのは、それはきわめて不親切だと思う。あるいは不勉強であると思う。その点をもう少し立法の趣旨から、あなたの方では今度の七十九条の検察庁の捜索というのは、こういうことなんだからわれわれとしても手が出せるとか出せないとか、はっきりその点を答弁してもらわないと、私の方では、単に罰則規定のある法律なんだから、他の関連法規を全然無視して行動を起されてそれで黙っているというわけにはいかない。ことに国会で先輩の議員が審議をし、委員会の決議にして、しかも、あなた方に実行しなさいとそれを渡しているわけです。私たちはむろん後輩であるかもしれないけれども、委員会の一委員として、先輩の作った法律というものは、まじめにあなた方が実行することを要求する、こういう立場をとるのは当りまえだ、こういう建前で私はこの問題に対して質問しているのですから、もっとはっきりと答弁していただきたい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 前段の労働者には団結権、団体交渉権が与えてある、従って、それに付随して起きる混乱は当然に与えられた権利の行使によって生ずるものであって、それをすべて法によって処分その他の面で律するのはどうかと、こういうような御質問でございます。明らかに団結権、団体交渉権、こういう労働基本権は認められております。しかし、公労法はそういった行動によって何ものの自由も許しておらないのであります。公労法上の一定のそういった労働運動のワクが明確にはめられているわけであります。そういう意味でとかく労働問題の処理に当りましては、非常にデリケートな問題があることは十分に承知しております。組合としてもいろいろ闘争過程におきましては、法の解釈の違いはともかくとして、一応政府の見解としてはっきりとした線を出しておさめておりましても、勢いのおもむくところ、これを幾分か出ることがあることも、過去の例からしてよく了解をしているところでありますが、それゆえにそういったことが起きて、その結果お互いに非常な望まないような事態が生ずることを避けるために、われわれといたしましては、政府としての労働運動の限界、また個々のケースに当っての行動の違法性、こういった問題は明確に列挙いたしまして、何回も警告を発しているわけであります。ただいまの七十九条の問題にいたしましても、二十二年の当時の委員会審議の模様を御披露になりましたが、その辺もわれわれとしても承知をいたしておりますが、法の解釈としては、明確にそれは、労働問題については郵便法七十九条は適用がないということには解釈はいたしかねるのでありまして、こういった事態の起きる事前におきまして、七十九条違反のおそれがある問題はこういうような行動なんだということを明確に示してあります。ただ、集団的にああいった職場離脱のような件為は、もう当初から非常にわれわれも避けてもらうように考えて、何度も知合の方へお話をしたのでありますが、そういったような事態で、われわれとしてはまことに遺憾に存ずる次第で点ります。ただ、本質的な労働問題の処理に当りまして、少くとも春季闘争におきましては、郵政省との間に、実習的に何がしかの解決をしないからそういう事態になるんだというような御質問もあったように記憶いたしますが、そういった面につきましては、本質的な問題は、別段にお互いに闘争という形で盛り上げなければならない問題はなかったのでありまして、これは組合の幹部諸君も明らかに言明をいたしておったのであります。ただ、いろいろな立場上の問題もあったでございましょう、さらに当時、問題はあげて両者の団体交渉で解決できない問題でありましたので、調停委員会にかかっておったわけであります。中立公正なそういった調停委員会にかかっておつだ問題につきまして、その結論が不利になりはしまいかということで、その方へ向けての闘争なんだということを組合の諸君も言っておったのでありますが、このようなことは非常に労働問題といたしましては、不測の結果を招くおそれもありますので、数度にわたりまして、この点は警告をいたしました。また、そういうことのないように、また、かりにやむを得ずやる場合でも、法の非常に厳粛な適用によって、意図しない、また希望しない結果を生ずることを避けるように、何回も話し合いをいたしたわけでありますが、事態はそのように進みませんで、集団的な職場離脱、こういうような、きわめて激しい、公労法の明らかに禁止する行動があったのでありますので、まことに遺憾にたえません。検察庁の関係につきましても、検察当局の郵便法七十九条の解釈も、大体これは、労働運動はこの違法性を阻却する、このようには解しておらないのでありまして、この見地から独自の見解をもって行動をいたしておるわけであります。われわれといたしましては、この行動に対して、法律上の見解をもって、その否であることをあげて措置するというようなことは、遺憾ながらできないということは、法律の解釈といたしましても、われわれもそのような解釈をいたしておりますし、何回も法の解釈の内容を明確にいたしまして、警告をいたしておる問題でありますので、まことに結果につきましては遺憾に存するわけでありますが、経過は大体そのように相なっております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今の事務次官の答弁でいきますと、ことに分れ目というのは、ちょうど当日における行動の中で起ったその具体的な事例というものは、それは職場離脱というふうに判断をされたいということですね。そうすると、これがもし労働組合の指令に基く行為として、その一環として起ったというような場合には、あなたの方では、七十九条というものをこの事態に適用するということは、これは違法である、こういうふうにお考えになっておりますか。職場離脱という判断のもとで行われた今の検察当局の行為については指摘するわけにはいかない。しかし、これがもし組合の指令に基く闘争の一環として行われたものであれば、この点については検察当局の今度の行為というものは、これは無理だ、こういうふうにあなたの方ではお考えになっておると、こう思うんですが。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 遺憾ながら、そのようではないのでありまして、七十九条の解釈のわれわれの立場といたしましては、検察当局も同様でありますが、先ほども御答弁申し上げました通り、労働運動が違法性を阻却しない。労働運動であるがゆえに、それは他の行為でやった場合には違法であるが、労働争議の場合においては、労働運動の一環としてそのような事態が出た場合には、これは違法でない、適法性が与えられる、このようなものではないのでありまして、郵便法七十九条は、労働運動の一環として起きましょうと、あるいは公務員法違反の原因によって生じましょうと、またその他の原因によって生じましょうと、いわゆることさらに郵便を取り扱わない、あるいは遅延せしめた、こういう場合におきましては、同様に適用があるものと解釈をいたしております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 あなたのその解釈でいけば、いわゆる全逓労組に限らず、一切の、何といいますか、国鉄法とか日鉄法とか、あるいは公労法とかという、そういう罰則規定のある法律が一本あれば、そうすると団体行動とか、それから団結権というようなものまでも、その法律によって阻止される場合があり得るということになるわけですね。そういうふうに解釈していいわけですか。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 団結権といったような問題は認められておりますが、これは無制限なものではありません。横川委員御承知だと思いますが、公労法によりまして与えられた権利でありますが、同時に、その団結権に基いてなす行動は、何をやってもいいということではなく、公労法に明記いたしてあります通り、一定のストライキ行為なり怠業行為は、厳にこれは公労法自体が禁じております。従いまして、公労法によって与えられた団結権、同じ法律によって団結権行使の限界をきめられておる。その限界がどこにあるか、こういうような解釈のいろいろな微妙な面はありましょうが、横川委員の言われるごとく、団結権に基いてやった行為は、郵便法七十九条と抵触しようと、また公務員法の関係条文に抵触しようと、これは団結権という、優先的な権利に基くものなんで、違法のとがめを受けることはない、こういうような解釈には相ならぬと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私はそのくらいのことは知っているんですが、ただあなたの言うように、郵便法の七十九条というものが、起ってきた行為というものについて、それが労働問題の一環であるということであっても、違法であれば違法であるというふうに指摘をいたしますというのは、これは法律の解釈でしょう。しかし、具体的な違法、適法の問題になってくると、このたびの場合でも、八時三十分から行われた職場大会二時間という問題については、あなたの方は、対抗処置として公労法の十七条、十八条ないしは行政処分をもって対抗しているわけです、具体的に。今度の検察当局が手を入れているのは、そういう問題とは別個に、七十九条を対抗処置として出してきているというところに私どもは問題を指摘しているわけです。ですから公労法上処分された云々ということは、あれは違法だということを一言も言っておらない。それはもっと深く審議してみなければいかぬ問題でしょう。しかし、そういうようなものがあるから、われわれとしては郵便法七十九条というものは、別途起ってくる事態に対して、この法律が作られたものであって、労働問題の一環としてこれは作られたものではないんじゃないかということを私どもの方では言っているわけです。あなたの方ではみそもくそも一つにして、違法行為については、郵便法が全部何か適用されるように言うから混乱するわけです。これはまずおいて、公労法で処分された二万二千四百何ぼですか、あなたの方の馘首を含めて、この問題に現在触れておらないのは、この郵便法の七十九条が審議されたときの十一月二十日のときに、いろいろ内容からいきますと、これは明らかにこの次には公務員法の適用になって、身分上は変ってきているわけです。それからその次には公労法をもって変ってきている。労働問題の一環として行われた適法というものは、少くともこれに関連をしないで、当初労働組合法の一条二項ないしは刑法の三十五条、こういったものが、労働法の問題としては、あなたの方で適法として出てくるでしょう。それは公務員法に変ったときに、公務員法によって処分される、公労法に変った場合には、公労法の十七条、十八条というのがあり、行政処分をあなたの方で行なっているのだから、これがすぐ今あなたたちの考え方として、労働争議あるいは怠業に対して対抗処置として行う法律的な見解だと、こういうふうにあなた方は考えている。ところが、七十九条というのは、これはもしもあなたの考え方でいったら、八時三十分から九時か十時まで行なったすべての職場大会に対して、あるいは過去に行われた休暇闘争とか、あるいは時間内三十分か、四十分の職場大会とか、一切のものは郵便を、これは一通にしろ十通にしろおくらしているのですね。実際上は。そういう事実からすれば、そういう行為も一切これはできませんということを言っているのですよ、あなたの言う今の解釈では。私はそうではなくて、そういうものは労働問題という微妙な問題ですから、刑の量刑というものは、あるいは処分の内容というものは、いろいろ千差万別だろうけれども、それは今まで行なったと同じように、公労法の処分の問題とか行政上の処分の問題で、それにあなたの方としては対抗するのが正当じゃないですか。郵便法の七十九条を今度持ってきたのは、いかにもこれはこじつけで、実際上は検察当局も苦慮されているようでありますけれども、そういう困難な解釈をしてまでこれを適法としてしなければならなかったということは、一体どこに原因があるのか。私はそれをこれから究明していきたいと思うが、これを、七十九条の立法関係当局としての郵政省は一体どう考えているかということを私は聞いているわけです。敷衍的にあっちもこっちもつまみ食いしないで、もっとこの問題について、郵政当局としてのはっきりした見解—少くとも立法府であなたは答弁しているのですよ。立法府ではこういうことを答弁しているのです。それと違ったことをここで当局は言っているわけです。少くとも私どもを侮辱していると思うのです。あくまでも立法府は立法府としての見解というものがはっきりされている。その建前の上に立って、これはこういうふうに解釈いたしましたと、こういうふうに答弁されたい、これは事務的な問題ですから。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) お話の通り、きわめて事務的なお答えとして私もお答え申し上げているつもりでありまして、法律の解釈問題として御答弁を申し上げているわけであります。立法のその当時の事情から申しますと、当時全逓にいたしましても、団結権だけでなくて、罷業権もあったわけでありますが、これは非常に今日と事態が違っております。そういうことで郵便法七十九条の問題は、ひとり団結関係から出るのでなくて、罷業権を行使する、こういう法律上の許容された行動によって出るわけでありますが、これは明らかにその行為、条文に該当する事実がありましても、罷業という事実によりましてこれは法を阻却する事由にもなろうと思います。しかし、同じ条文でありましても、これは法律の解釈は常に時代の変移に即応し得るものでなければならないわけでありまして、決して解釈は固定してはならないと思いますが、今日の事態は、そういう行動は明らかに公労法によって禁じられているわけであります。公労法の禁じていることをやってしかも、それが同時に郵便法七十九条の事態にも該当するという場合には、これは七十九条としては発動しなければならない問題であります。ただ、そこにいろいろ軽重の問題を申されました。処分その他の処置の扱いの軽重の問題は、これはいろいろな事由によりまして、刑法上のいろいろな問題につきましても、たとえば懲役刑から罰金刑もあるわけでありまして、私どもはその点についてその事態の実情と、その他いろいろな情勢を判断いたしまして、刑の量刑にかげんをいたすことは、これは当然であります。しかし、筋といたしましては、法律の解釈としては、果してそれが郵便法七十九条に抵触するかどうかという問題は明確になっているはずであります。量刑の問題とはおよそ違いまして、これは事情によってしんしゃくを加うべき問題ではないと思います。そういった七十九条の法文の解釈の問題といたしましては、そういった公労法上一応認められておらない行為によりましてそういう事態を生じました場合におきましては、七十九条は明らかにそれを発動し得る状況になるわけであります。この点解釈上われわれも決してあいまいにいたしておりません。きわめて明確にいたしております。そういう見地で、できるだけそういった郵便法に触れるような事態の起きないように、その辺を考えてやってほしいということを何回もお話を組合側にもいたしたわけであります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 具体的な事例でそれじゃあなたの方にちょっと質問をいたしますが、この中郵事件の性格というのは、あなたの方では二つに分けておるわけですね。一つは、二時から行なった行為、一つは八時半から行なった行為、こういう二つに分けておりますね。この八時半から行なった行為というのは、二時から行なった行為と、そ  の内容については違わないわけである。ところが、その法律の適用が違ってきている。これはどこに原因があるのですか。

荒巻伊勢雄郵政省監察局長

○説明員(荒巻伊勢雄君) お答え申し上げます。二時からの関係のものと、八時半以後の問題につきましての、ということでございますが、二時からにつきましては、現に担務中の仕事を放棄して職場を離れたということで、職場離脱というような表現でございますけれども——感じがするわけであります。それから八時半以後につきましては、出勤する上におきましてのさまざまな条件がありまして、たとえばピケだとか、そういうふうなことで、個々の人たちの就労に関する条件が若干違っておるのでありましてこの間に当り若干の相違というものが調査する上において出てきておる、こういうふうに考えます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 郵便をおくらせた、おくらせないという、阻害行為の問題はどういうふうに解釈しておりますか。

荒巻伊勢雄郵政省監察局長

○説明員(荒巻伊勢雄君) 現に取り扱っておる郵便を取り扱わないということでありますから、郵便法七十九条のこれを取り扱わずというふうに解釈せられると思います。それから八時半以後のものにつきましても、取り扱わずということでありまするけれども、主観的な事情におきまして若干相違があるということで、これはなお相当に調べなきゃならないと、こういうふうに考えておるのであります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 先ほどの事務次官の答弁でいきますと、今、監察局長の言ったような種別というものは私は成り立たないと思うのです。そういうことではなしに、公労法によって禁止されておる関係、禁止せられた行為を行なったので郵便法が生きてくるのだというのなら、公労法の十七条、十八条のように、対抗処置として、もっとも極刑であるところの誠首というもので対抗しなきゃいけないのです。私は労働問題というものを一般措置として考えた場合には、罷業権がある場合、罷業権が剥奪されて、公務員法で職員団体が構成された場合、それから職員団体が変って、公労法に変ってきた場合、この一連した十何年間の労働運動の過程の中で、少くとも労働運動の一環として起った事態に対しては、これらの法規を適用させて、これに対抗するというのがあなたたちの最終的な私は態度であろうと思う。郵便法の作られた趣旨というのはこういうことから起ってくる事態に対して作られたのではなしに、少くとも立法当時の趣旨から見れば、窃盗であるとか、あるいは破棄であるとか、あるいは計画的な犯罪も含めたところの問題等に対抗するために七十九条というものは作られたものだと思っているわけなんです。  それからもう一つ関連としていえば、当時は、中郵というものに対して——まあ山ネコ争議というものがありました。これに対抗する処置だった。しかし、今度起ってきている事態というのは、これとは全然質的にも内容的にも別個なものと私は思う。おそらくあなたたちもお考えになっていると思う。それに対して検察当局が七十九条を発動してきたということに対して、あなた方は検察当局と全然同じなんです、ここに私は非常に問題の究明が粗雑だというふうに思わざるを得ない。しかも、今、監察局長が言ったように、二時からのやつは、現に郵便を持っておったのをやめたから、しかし、八時半からのやつは、出勤して郵便を持たなければならないという義務、これは法規上の違いなんですというようなものの考え方で郵便法が適用されてくるということになりますと、私はこれはおそらく、あまりにも細工がこまか過ぎて、いかにも郵便法をもって将来の労働組合運動に対して弾圧を加えようという意図のもとに行われたということに解釈せざるを得ないわけなんです。そういうことならば、私は政府自体のものの考え方が、あなたがさっき言ったように、労働大臣の警告書以来のことなんだからといって、それでここで答弁が済まされると思うのですか。それでいいでしょうか。しかし、実際問題として、郵便法というものがこれからどういうふうに適用されるかということは、全逓という組合にとってみれば、組合運動の全体にこれは影響する問題なんです。軽々に、あなたの方からやったことで、その場限りで、たとえば起訴猶予になりましたとか、あるいは処分保留とか、そういう事態で済まされない問題なんですよ、これは。だからそういう点で私は、この前の二十八国会のときにも、監察当局が資料を検察当局に提出したやつを全部出しなさいと言ったのだが、これは委員会に出されておらない。そういうあいまいな取扱い方では済まされない問題だから、私の方ではこれに対して追及をいたしておるのです。ことに、これはきょうは郵政大臣が出席すれば——あなたは代理ですから、おそらく御答弁願えると思うのですが、郵政大臣は私たちに、少くともこのたびの起った事態に対しては、誠首と行政処分をもって、その刑の量刑がきめられることによって検察当局は手を引くか、引かないかという問題にまで発展しますということを言っていますね、これは。そういうことを考慮した上であなたの方では処分というものを発令しておるわけです。これは大臣の明確な意思なんです。こういうふうになってくると、当時の郵便法七十九条に対するあなたたちの考え方というのは、私は、現在あなたが言っていたものとは全然違ったものである。今起ってきている事態に対して、非常に手おくれながら事態を政府の見解として統一しなければいかぬ、こういうことになって無理々々見解を発表したということに私はなるのじゃないかと思う。こうなれば事のしさいというものを明らかにしていけば、私はこの委員会が、言葉の表現上足りなかったかもしれないけれども、こういうことで決定をしたことに対して、あなたたちはかような解釈をするということは、これは立法府に対するきわめて悪らつな私は侮辱だと思うのです。そういうことを明確に考えて、この点をやられたかどうかですね、その点を一つはっきり答弁願っておきたいと思います。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 郵便法七十九条の扱いにつきましては、自後のこの事態を収拾するためにいろいろ解釈をでっち上げておるわけでは毛頭ありません。相当事前に組合等に対しましても、こういった行為は郵便法七十九条の罰則に該当するのだということを、解釈を明確にして警告を発しておるのでありまして、決して検察庁の今の行動が出ましたあとにおいて解釈をでっち上げているわけではありません。この点につきましては、解釈問題としては、終始一貫をいたしておると思っております。また監察局長の先ほど答えました二時と八時と、この限界において、この辺の扱いは、この起きた事態に対する多少の相違をも申し上げたのでありまして、法律解釈としてこれが違うということを御答弁申し上げたわけではありません。法律解釈といたしましては、二時から八時までの事態におきましても、八時以降におきましても、郵便法の七十九条に明記いたしております通りの事態に該当するものがあれば、これは明らかに郵便法七十九条の違反であります。ただ、いろいろ実際の現実の処置といたしましては、刑法上の問題につきましても、先ほど申し上げました通り、量刑の問題はこれはいろいろな本人の事情、あるいは客観的な事情等によってしんしゃく、かげんが加えられる問題でありますから、法が適用されるかどうかの解釈の本質論につきましては、これは全然事情によって左右できる問題ではないのであります。解釈といたしましては、先ほど御答弁申し上げました通り、筋がはっきりいたしておるつもりでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 時間のようですが、私もそんなに必要以外におくらせているわけではないのでありまして、もう一つ、時間が超過しておりますけれども、そこで、今の事務次官の答弁なんでありますが、そうすると、あなたの考え方としては、別に罷業権があったときには、罷業権が労働法上許された場合には、七十九条というものは労働問題には適用しない、罷業権がなくなったから七十九条というものは適用する、こういうことになるわけですね。それから現在実際の調査段階は、これは二時から行われた行為と、それからその他労働組合法の一条二項ですか、これに該当する事項と、こういうことで現在の捜査が二つに分けられている。そうすると、その分れているのは、執務中仕事を放棄した場合と、執務以前の、仕事に着手する以前のこの個人が意思表示をした場合、こういうふうに分けて今度の捜査が行われている。しかし、法律は全体に適用されている、こういうふうに解釈しているわけですね。そうすると、公労法の十七条、十八条というのは、これは一体何のために作られたのですか。実際上あなたの解釈からいくと、公労法上罰則は全然なくて他の罰則を適用するということならいざ知らず、労働問題の一環として起ったという事実を認め、そうして労働問題としての事の処理が行われ、あなたの方では公労法によって処分を明らかにする、そういう一連の考え方と、突然として郵便法の七十九条を持ってきて、これによって刑事問題にしてきた、こういう関係は一体どこに問題があるか。かりに罷業権があったとしても同じことだろうと思う。もし労働問題として、いわゆる公労法上の処分がはっきりすれば、罷業権というものがあって、そうして事実上処分があった、この関係は過去と現在は違いますよ、しかし、そのときだって七十九条というものがあなたの考え方ならば別個の行動においてあったのじゃないか。法律の建前として、罷業権というのは仕事を全部やめてしまうわけですよ。それから公労法の怠業、罷業を禁止して、罰則規定があるということは、法が変ったから、今まで何も罰則がなかったのを罰則ができたわけですから、簡単に考えれば私はそうだと思う。郵便法の入ってくる余地というのは、私はいずれも労働問題としてある場合にはないというふうに考えているんですが、その点はどうですか。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 御質問の労働法が労働問題から生起する一切の問題を規律する法規として、各条文を配置して、他の法令に関係は全然持たせない、公労法だけで片づくというような体系にはなっておりません。なるほど公労法にも違法な行為に対する制裁規定はありますが、それを受ければ他の一切の法令の適用を排除するというような法律体系にはなっておらないのでありまして、かりにそこに殺人行為とか、傷害行為とか、こういうものが付随いたしますと、これが公労法で首を切られればそれは刑法上の発動が阻害される、こういう筋ではないと思うのであります。刑法上の問題も、一般刑法の問題もそうでありますが、郵便法、こういった事業法で特殊な条文を設けております。これにもやはり該当する違法な行為に対して各条文の発動があり、また公務員法と違反する事実として、同時に併発する場合に、これはやはり公務員法のそれの発動を妨げるものではないのでありまして、今日の労働法の建前は、労働運動の一切の事態を公労法のみで律するというような体系にはなっておらない、かように解釈しております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 法解釈は、裁判所へ当然いきますから、裁判所で明らかにましょう。  第二の問題としては、この二十二年のときの審議のときには、あなたはそうすると、罷業権がある際に審議されたのだから、罷業権がなくなったので、おのずと立法府の意見は聞かなくて、あなたの方で勝手に解釈して、そうして今度のような処置をとった、こういうことになるんですね。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 当時の罷業権があります場合におきましては、いわゆる仕事をしない、こういう事実が労働運動の一環としていわゆる法律上認められるわけであります。従いまして、ことさらに郵便を取り扱わないとか、あるいは郵便をおくらせたとかいう事実を七十九条の罰則として律するわけにはいかないのでありまして、そういうことをしない行為を労働運動の権利として認められたわけでありますので、七十九条の適用をする余地はないと思います。罷業権のない場合には、団結権はありましても、労働運動の一定の幅は法律上押えられております。法を越えまして、公労法上違法、こういう事実が出れば労働運動としてこれは法律上許容されておらない行為であります。その行為が他の法令に違反いたします場合には、その当該条文によって規律をせられるということに相なるわけであります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 まるきりおかしい解釈だと思うのです。しかし、それは一応おくとして、全逓の組合が結成されて以来十二年たつわけですが、その間に今まで一連として起ってきたいわゆる争議類似行為、ないし違法行為そういったものがずっと毎年々々あったわけですが、こういう事実が起ってきた具体的な事例に対しては、あなたはどういうふうにお考えになっておりますか。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 法律の解釈といたしましては、本質的に変るものではないと思っております。ただ過去の事例において、本質上、解釈上当然にあることをどのように適用したかということの問題になりますと、これはそのときの情勢によって相当な結果的には違いがあることはそのまま認めます。しかし、これは法律の解釈がそれによって左右されるものではない、法律解釈はそれに先行する本質的な問題であると考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 委員長、ちょっと関連して。

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) 鈴木君、簡単に願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は質問するつもりはなかったのですが、やはり委員会の中で事務次官が御答弁になるような意見を聞きますと、そのままにしておくと認めたことになりますから、そういう意味で質問をするのです。あなたは二十二年に郵便法の七十九条が修正された当時の立法府の意思というものは十分に承知しておる、こういう立場に立って答弁されておりますが、そうであるならば、当初横川委員の質問されているように、少くともストライキ行為ができた当時の二十二年から今日までの、たしか公務員法なり、公労法なりに変ってくるまでの歴史的な経緯というものがあります。ありますが、少くとも立法当時の精神というものは、労働運動、1いうのを片方では認めて、その労働運動が活動する中でいろいろな問題が出てくる、これをどういうふうにするかということによって出てくる問題だと思います。従って、私たちはあくまでもこの委員会でも、あるいは予算委員会でも明確になっておりますように、労働運動としてこういった事態が起きた場合には、これは適用しないということが、少くとも当時の委員会における、あるいは本会議における立法府の意思なんです。労働運動によって生ずる問題については、これを適用しないということがはっきりあるわけです。ですからあなたは、一がいに労働運動全般に対してこういう問題が起きた場合でも、全然これは七十九条を適用しないことをいいということはないのだというように御答弁されておりますが、ここに問題があると思うのです。今、話を聞いてみると、公労法上の不当行為というか、そういうものが起きた場合には、これは適用される、公労法上の適法の労働運動であれば七十九条は適用しないのだ、こういうふうにとれると思う。そこはあなたがさっき言ったよりか、私は、一般法律解釈としては前進しているのです。労働運動全体として七十九条は適用しないということになれば、あなたの解釈はおかしいのであって、やや明確になってきたのは、公労法上の違法行為の場合には適用されるのだ、こういう解釈にあなたは変ってきた。その点は進歩であるが、それでも私は納得できない。要するに労働運動というものを除外しようということは、あなたのおっしゃったように、人殺しをしたとか、あるいは家に火をつけて焼いたとか、こういう問題と明らかに違う。しかも、労働争議とは言いながら、労働問題に関連するとは言いながら、山ネコ戦術的に、各個人の自発的な意思によって、自然発生的に起きたという場合であれば適用になるかもしれない。ところが、労働運動で中央本部が指令を出して、その指令に基いて組合員が行動したことですから、しかも、それが職場大会なり、職場委員会なり、公労法を適用されてから四年なり五年の間ずっとやってきた一つの慣行的なこと、多少そこに行き過ぎがあったかどうかは別として、やり方には相違があったとしても、大体そういうことをやってきた。だから私は、あなたが言うような人殺しをしたから、それによって刑法上の罰則は免れないという、そういうような横にそらす問題じゃない。労働法的な本質としての七十九条の適用ということは、やはり私はやるべきじゃない。公労法十七条、十八条によって誠首するということが、要するに違法行為で出てくるわけですから、それで一切消滅するのであって、さらにそれに追い打ち的に七十九条を適用するということは行き過ぎだと、こういう解釈をわれわれはとるわけです。その辺に対する解釈が、あなたの方の解釈とわれわれの解釈が相違するということは別ですが、一方的に言われても私は、そうでございますと言えない。そのことを私は指摘しておきたい。解釈の相違であれば、いずれ法務委員会なり、横川委員の言うように裁判所までいくと思いますので、そこで明確にしたいと思うが、そういう意味で私たちは、あくまでも人殺しをしたのと違うのだから、七十九条というものの立法精神というのは、あくまでも労働運動に適用しないということをいっているから、その精神を貫いてもらいたい。あなたは、法律というものはその時々の解釈があって違うというが、とんでもない。立法精神というものは、その時々によって法律解釈が変ったのではたまらない。権力者が自分の権力を持っているときに都合のいい解釈をするということは、そういうことは許すべきじゃない。立法の精神というのはあくまでも、時代が変っても貫いていかなければならぬ。時代が変ってなんだったら、法律を変えていけばいい。

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) 簡単にして下さい。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 やはり私はそういう点については困ると思う。ですからその辺についてあなたの最初言ったことと若干違っているが、その辺の考え方をもう一回一つ明らかにして下さい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 根本的に見ますと、法律の解釈上の立場が違っておるのであります。だから私は政府の法律の解釈の内容を御答弁申し上げておるわけでありますが、今の郵便事業は御承知の通り公共事業でございます。従って、非常に国民の福利を増進し、公共の福祉の増進をはかる意味合いにおきまして、郵便事業の利用並びに運営のいろいろな法律的な規定を設けておるわけであります。原則といたしますところは、憲法の国民の福利の増進、公共の福祉の増進ということにあるわけであります。これから流れまして、もちろん今日の国民のいろいろな権利、労働運動の権利は憲法上保障されておりましょうが、しかし、これは法律によっていろいろな制限を受けております。これは憲法の許容するところであります。そういった面で郵便の取扱いが正常になされない、またどういう原因によりましょうと、郵便が遅延するということは、国民の生活に響く問題でありますので、憲法の最も保障し、念願しております公共の福祉の増進、国民の福利の増進の面から申しまして、絶対に避けたい、こういう流れをくんだ七十九条の規定であります。そこに特殊なものにつきまして例外的に労働運動におきましては罷業権が与えられております場合においては、そういった混乱が生ずることも帯働権の行使上やむを得ない、こういうことでその法律上の適法性が認められるわけでありますが、そういった面が排除せられまして、やはり公共の福祉増進のために、そういったストライキ行為、怠業行為によって理想が曲げられるということになったのではいけないということが、おそらくある種の企業体につきましては罷業権が認められないことになったいきさつであろうと思います。そうなって、そういった大もとの憲法の原則の例外を認める事態が法律上取り払われて参りますと、そこにいかに労働運動上生ずる問題でありましょうとも、公労法だけで一切片づくのであって、郵便法の争議の罰則規定を適用することは穏当ではない、違法だ、そういう解釈にはならないと思います。

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) 速記を始めて。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今の問題に関連して、私は、なるほど政府の政府委員としての問題に対する解釈というのは、あなたの言った通り統一されているかもしれないけれども、具体的には。しかし、少くとも立法府の立場というのは違うわけです。言いかえれば、具体的にこの法律案を審議したときの様子からいえば、罷業権がなくなったから—罷業権があれば罰則がなかった—罷業権がなくなったから誠首というやつが出てきた、労働問題に対して。しかも、これがもしも次の国会でILOの批准をすれば、これはもとに戻るわけですね、実際。そういうときにまた罰則規定がなくなると、こういうふうに労働問題に対しての解釈というのは、そのつど非常に注意をして、各項目に対して委員が発言をして、政府委員の答弁というのをとってこれは速記に残っている、具体的に。それを何も憲法の公共の福祉云々というところから引っぱってきて、そうして答弁をするなんというのは、私はきわめて何か立法府を侮辱していると思う。そうではなしにもう少し具体的に、この問題であなたの方でまあ労働問題を直接担当している学者あたりの意見を聞いてみたって、七十九条を適用するということは違法だということを明確に言っているから、検察当局自体が起訴するかしないか、それはまた全然きめないで、あいまいとしてやっているじゃないですか、あなたの言っているようなことでなくて、そういう事実の上に立って。郵政当局というのは、自分の部下がどんどん検束されていっているという事実、それから郵政大臣が処分を発令したときの態度というものは、刑事問題を何とかしたいというような人情話まであって、それでこの問題がこういうふうに発展してきているのに、ここまできているのに郵政当局は全然責任を明らかにしない。あなた自身だって責任問題でしょう。これは事実上。昔は一人治安維持法に引っかかったら全部上の方まで首になったという時代もあった。この問題に関連して、郵政当局が全然傍観をしているというのは私は受け取れない問題だと思う、具体的にいえば。だから、きょうは私は適法か適法でないかという問題と、それからあわせて具体的な郵政当局の過去に行なった事例やら、今度のとっている態度やらについて、大臣の考え方をただそうと思いましたが、これはできませんでしたし、理事会の申し合せもありますし、これはまあなるべく守りたいと思う。しかし、私はそういう建前に立って質問は一応次回に譲りますが、郵政当局としても、十分この問題については、単にまあいわば労働者の味方をしている社会党がやっているのだから、それはいいのだということでなしに、この問題については取り組んでもらいたいと思う。  それからこれは委員長にちょっとお願いがあるのです。一番最初に私が言ったように、これはやはり逓信委員会の先輩の人たちが審議をして、そうしてその審議だけではなしに、各項目について具体的な事例をあげて質問しているわけなんです。それは先ほど言いました新谷さんも質問をし、労働問題と関連性について具体的に質問をして明らかにしている問題なんです。私は常識的にそれを今ここで表明をして、そうして事務当局は一体この法律案をどう解釈したかということを質問しておるわけです。私は立法府の立場に立って、法律を作った立場に立って、これを行政部門がどういうふうに運用したかという建前を私は明らかにしなければいかぬ問題だと思う。だから、三十分を非常に超過したことは申しわけないのですけれども、そういう基本問題で論議しておるときなんですから、何か与党的な立場でものを解釈しないで、もっとやはり厳然と立法府の立場で、問題というものを深くきわめていくと、こういうふうな態度を私は望ましいものだと思う。そういうことで、次回にはいろいろあろうかと思いますが、諸先生方にもよく勉強していただいて、この問題について明らかにしていく、こういうことで私の質問は一応次回に譲ります。

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) 横川君にお答えしておきますが、この委員会は決して与党的な立場で私は委員長として運営していくつもりはありませんし、それできょうの御質問の御趣旨についても、先ほど、理事会においてはあなたの方の山田理事からお申し出がありましたけれども、近く国会も開会されるので、委員会としてはそういう問題については十分審議の時間をとっていく機会もあるんだから、その機会に譲ったらどうかというお話が出ておったわけです。しかし、どうしても三十分程度でもよろしいからというので、そういうお話が結論としてきまったわけなんです。決してわれわれは、与党的立場とか何とかおっしゃるが、委員会はそういう考え方で運営する気持はないことを明らかにしておきます。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 先ほどの重要な点に横川委員触れられたわけでありますが、法の精神の問題については、決してこれを事情によって曲げようとするつもりはございません。憲法を援用いたしましたのは、そういった憲法の保障している国民の生活の向上なり、公共の福祉の増進のために郵便法の条文ができておるのでありまして、その根本の精神を曲げるようなことになれば、法律改正ということになろうと思います。解釈では補い得ない問題であろうと思うのでありまして、今日の事態の解釈におきましては、そういった精神は何ら曲げる必要なしに、その後の事態の推移によって、そういうような解釈の変遷は、当然合理的になし得るわけでありますから、それと、一応この問題につきましては、われわれは非常に今の事態を座視しておるように申されたわけでありますが、われわれとしても非常に遺憾に存じておるわけであります。事前にこういった事態の起きないように、最も希望しない点でありましたので、何度も警告も発し話し合いもいたしておるわけであります。そういった面で決して座視しておるわけではありませんが、ただ検察庁の行動は独自の自由を与えられておるわけでありまして、これは内閣総理大臣の指揮権によらなければどうすることもできないわけであります。結果については非常に遺憾の意を持っておりますが、いろいろ御質問に対しましては、きわめて事務的に、法律の解釈の問題として、できるだけ疑いの余地のないように明確に御答弁しようというようなつもりで、あるいはそっけないことになったかもわかりませんが御了承願いたいと思います。   —————————————

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) 次にお諮りいたしますが、郵政事業の運営に関する調査及び電気通信並びに電波に関する調査は、いずれも閉会中継続調査を行うことになっておりますが、調査を完了するに至っておりませんので、調査未了の旨報告書を議長に提出することに御異議ございませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮田重文自由民主党

○委員長(宮田重文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願います。  本日は、これをもって散会いたします。    午後零時九分散会

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