地方行政委員会 第28号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/04/10
会議録
○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。 まず、委員の異動を報告いたします。 昨日、小柳牧衞君、西郷吉之助君が辞任されまして、土田國太郎君、左藤義詮君が補欠選任されました。また本日、館哲二君が辞任せられ、三木興吉郎君が選任せられました。 以上、御報告いたします。 —————————————
○委員長(小林武治君) 昨日に引き続き、地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題に供します。 御質疑のおありの方は、御発言願います。
○中田吉雄君 この今回の重要な改正のポイントの一つであります剰余金の処理の問題は、国の予算でも大きく取り上げられた経済基盤強化確立資金、フィスカル・ポリシイの問題としてこれは取り上げられたのですが、どうもいろいろ検討してみますると、中央、地方相互の関連のもとにやられたのではないか、フィスカル・ポリシイの一環として、そういう一環として取り上げられたのかどうかという点をお伺いしたい。
○政府委員(小林與三次君) 国の経済基盤強化確立資金の問題とは私は全然関係ないと思います。これはもう要するに明年度限りの、本年度限りの国の財政の特殊事情に応じてお考えになったものでございまして、この問題は、制度的に地方財政の、こういう制度というものが、それぞれ自治団体の運営上自主的に考えられてしかるべしと、そういうことが財政の長期的合理性を保つために必要であるという、こういう自治団体の基本的制度としてむしろ確立いたしたい、こういう考えでございます。
○中田吉雄君 しかし若干のニュアンスの相違はありますが、時同じくして出ているという点、あるいは地方財政には相当余裕があるではないかというような大蔵省の攻勢というようなものとの関連で、どう言われようが、やはりその機能としては、国家財政に出ています経済基盤強化資金と同じ作用を持つものじゃないか、これはどうですか。
○政府委員(小林與三次君) 機能的には中田委員がおっしゃるように、似ておるところがあると思います。特定の団体においてこの条文に該当するような、非常に大きな増収があって、積立金を考える場合に、それと今年国がとった措置と類似しておる点は、私はこれはあろうと思います。
○中田吉雄君 今回改正しないでも、現行法でも十分目的を達することはできないのですか。
○政府委員(小林與三次君) 現行法のままでは少し無理でございまして、やはり自治団体自身が自主的に、ほんとうにやろうと思えば何でもできるわけでございますから、こういう積立金条例を作ってやろうと思えば私はできると思います。ただ現行法の積み立ての規定が現在ございますが、御承知の通り、七条の規定と四条の三の規定がございますが、四条の三の財源調整の規定は、これはきわめて不備でございまして、この規定ではとても、むしろ意味が達せられないというよりも、考え方によっちゃむしろ少し変じゃないか。これは特別交付税の増額しか前提にしておりませんで、特別交付税の問題よりも、やはり一般の税の、特殊の団体における特殊の伸びがございますので、四条の三の規定は、むしろ一般の財源の規定としてそれを考えるのが趣旨だ、そこを是正したというようにお考え願いたいと思います。
○中田吉雄君 第七条にもあり、先に言われた四条の三の規定もあるのに、そうすると、地方公共団体に対する良識といいますか、そういうものには期待できないということなんですか。
○政府委員(小林與三次君) 地方団体の良識と申しますか、財政運営のやはり基本的な考え方として、地方団体はこういう趣旨にのっとって運営してもらいたい。こういうことを、財政運営の基本方針を書いておる財政法の考え方からすれば明らかにしておいた方がよかろう。特に四条の三は、率直に申しまして、規定の上からいいましても、少し片ちんばでございますので、四条の三自体を合理的な制度に是正をしておく方が適当じゃないか。あとの運営は、もちろん自治団体にまかせますが、四条の三がある以上は、むしろ積立制度というものを合理的に是正するという必要をわれわれは考えておるのでございます。
○中田吉雄君 いろいろ地方財政についての今回の改正の措置については述べますが、それと同じ機能を持つ、類似の機能を持つ経済基盤確立強化資金というものが、これはまあ最近出ましたゲルハルト・ホルムの「財政と景気政策」の翻訳者である木村元一氏等も、日本の現状においては、むしろ経済基盤の確立と強化に役立たずに、政情の不安その他から適切でない。フィスカル・ポリシイのホルムの翻訳者である木村氏等も、たとえば今回の四百三十六億の、もうわずか半分しか実際たな上げできない。しかもあとは全部ひもがついちゃって、しかもそれが預金部に委託されて、それがむしろ大規模産業に融資されて、そうしてそれが過剰生産恐慌を抑制するためにも、むしろ投資を抑制しなければならぬほうにいって、強化どころか、景気の調整をむしろ一そう困難にする。そうしてまたそういうものがあることが、政情の不安から、絶えず与党なり政府が目をつけて、非常に財政当局を困難な立場に追いやったりして、日本のような現状で、また四百億程度のもので景気を調節したり、そういうことはほとんど不可能なことで、それも含めて財政金融、総合的な施策でやらねばいけないと言うので、むしろきわめて批判的なんです。私はこの制度でも、今出されているものでも、これが剰余金を四条の三の4によって確実なところに預託する。確実なところに預託して運用するわけでしょう。そうすれば、それは結局預託先が、一種の定期預金のような形になって、経済基盤確立強化資金と同じような作用を持つものではないか、そういうことにならないかどうか、そういうことになりはしないか、四条の三の4ですね。結局それを預託して、条件に合うときだけしか解除しないわけですから、その間は銀行としてはきわめて安定した資金源を持って、原資があって、ちょうど国の経済基盤強化資金と同じ作用をしない、これはどうですか。
○政府委員(小林與三次君) それは、まあ国の考え方は、国の単なる財政調整の問題のほかに、中田委員の言われましたように、大きな財政金融政策というか、景気政策というか、そういうものにもそれは動かし得るという問題点が、これは私はあり得ると思いますが、地方の問題は、これは全く個々の地方の、地方団体の年度間の財政調整の問題でございまして、それは一部積立金があって、それを預金をしておるのだから、その部面において何らか類似の機能があるかないかという問題はあろうと思いますけれども、そういう大きな財政政策というものとの関連においてながめる必要は私はごうもないのじゃないか。この預託先の問題にいたしましても、むしろその団体において公債費等が多くて、公債償還費に充てた方がいいという場合もあり得るのでございまして、そういう場合なら繰り上げ償還をやって、公債費の軽減に充てた方がよいという問題もございます。そうでない場合には、このあとの災害の準備の積立金とか、あるいは後年度において経済の変動等が考えられるような場合の準備金の問題でございまして、全くその団体の年度間の健全財政運営の土台にするという考え方から参っておるのでございます。その副作用と申しますか、反射的な効果として、それぞれ多少の役割というものはこれはあり得ると思いますが、それは大きな今の財政金融政策全般にどうこうと、そういう問題とは私はとても結びつくような規模のものでもなければ、それほどの実際の働きをし得るものでもない。こういうふうに考えております。
○中田吉雄君 規模等から考えれば、そういうことがいえますが、それは構想としては、結果としては同じことで、経済基盤強化資金がどういうものであるかということは、すでに財政学者、その他ごく穏健な人でもすでに評価済みなんです。その構想がどういわれようが、私は同じ一環としてこれは取り上げられておるものだと思うというように見ているわけです。そこで、地方財政との関連で、一体こういうことが、剰余金が出て実際こういう改正をする必要があるかどうかという問題です。国家財政に比べてもっと剰余金が生まれ得る背景というものが乏しいと思うのです。まず、地方財政の自主性がないということであります。たとえば、今回でも法人税、相続税、その他交付税の対象になるものが減税されて、それなかりせば当然七十億くらい交付税がふえるものが、それが何ら措置されずに、あてがい扶持のようなことに……。財政局長のところでも、一・五上ったのだからということでその問題を取り上げぬ。さらに法人税の二%の税率の引き下げが、地方税のはね返りも措置されずにおるというようなことで、きわめて自主性が之しいものに、そしていつでも国家財政のしわが寄ってくるところに、こういう構想が取り入れられる余地がきわめて少い。それはどうですか。
○政府委員(小林與三次君) それは私も仰せの通りだろうと思います。これは要するに地方の制度として考えるだけでございまして、それが四千近くの全団体に一様に働くという情勢かといえば、私はそうだとはちっとも考えておりません。国のように単一の団体の場合と違いまして、それぞれの団体にそれぞれの事情がございますので、要するに制度としてこういうものを確立し、この制度に適合する事態が生じた団体において、その場合にこういう運用をやっていくべきだ、こういう考え方でございます。
○中田吉雄君 私はそういう意味で地方財政の自主性の欠如といいますか、そういう面からいって、この措置をとられねばならぬような特別にたくさんの黒字が出るところが——あとでその問題は質問しますが、そういう自主性の欠如という問題からして、この構想はまず問題点の一つだろうと思います。 それからきのうも朝鮮事変のブーム等のあとに云々というようなこともありましたが、これは私はむしろ財政当局、自治庁の財政局の指導の誤りといってもいい。その後起った赤字というものは、いつもお宅の方では、本年度はどういう構想で予算を編成せい、内翰といいますか、そういうものを出しておられて、ちゃんと毎年予算編成の基本方針を示されて、府県の財政局長なり財政課長なり、地方課長を集められて、そして十分指導されておって、むしろ私をして言わしむれば、自治庁当局が朝鮮事変後の景気変動の見通しを誤まって、指導よろしきを得ないことによって起きている面もかなりあり、そういうことが続くと思ってルーズな予算編成をした責任もあるでしょうが、私はむしろ朝鮮事変後のああいう大きな変動に対処できなかったのは、多年財政局を担当しておられるあなたのところの責任でないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(小林與三次君) それは自治庁の指導が足らなかったということも私は絶無だと申し上げるわけにも参らぬと思います。しかし、いずれにいたしましても、個々の団体の財政運営は、個々の団体がやはり責任を持って考えぬといかぬのでございまして、国が全体として地方財政施策を考える場合は、結局は相対観察で、国と相対的にしかきまらないのでありまして、個々の団体にはやはり個々の団体の特殊な事情で特殊な動き方があるわけであります。それでありますから、それぞれの団体といたしまして、年度間の財政を合理的にやっていくような基本的な制度はこれを確立しておいて、その制度が働く場合は働かせる、こういうことの配慮の方が、私は制度として妥当な措置だろう、こういうふうに考えておるのであります。
○中田吉雄君 私はさらに、地方交付税という大きな調整制度があるのですが、基準財政収入と財政需要とを見て、そうして収入の多いところは少くして、収入の少いところは補てんする、こういう構想の中にそう特別出るはずがないと思いますが、こういう制度を出されること自体は、地方交付税制度の財政調整機能に対する自信の喪失とはとれないですか、どうですか。
○政府委員(小林與三次君) これは今の交付税制度がありまして、中田委員のおっしゃった面があろうと思います。しかし交付税は結局、全地方団体の全財政を百パーセント、カバーしておるわけでありませんで、現に税だって、交付税の配分についてはその八割を見たり七割を見たりしているのであります。その他の収入もあり得るのでありまして、ほんとうの基準的な、私に言わせると、ぎりぎりの行政需要を保障しておる程度だろうと思います。ですから、それだけによってこういうことがカバーできるということにはなかなかならぬことで、個々の団体には各個の団体の動きがあり得るのでありますから、そこにやはり個々の団体の動き得るといいますか、合理的に動く制度的な仕組みだけは考えておくべきだと存ずるのであります。
○中田吉雄君 まあこれは平衡交付金と違って、必ずしも収入と支出の方が年度ごとにぴったり合うということを要しませんが、少くともこの制度があれば、大観的に見て、そう黒字が出て財政運用を誤まるほど心のゆるみが出るほど、そういうことは私はこれによって出ないと思うのですがね。基準財政収入と支出からはじいて、そうして特別収入の多いところには少くやる、少いところには多くやるというような調整制度でどうしてそれができないのですか、具体的に……。
○政府委員(小林與三次君) この交付税制度は、おっしゃいますように、必要なところに必要な金をある程度流そうというだけでございまして、結局、交付税で流れるか、税で入るか、その他の収入があるかは別として、要するに、具体的に入った金を具体的にどう使うかということは個々の団体の問題でありまして、自治庁としては、そこにひもをつけておるわけではありません。コントロールしておるわけではありません。結局、交付税制度がどうあれ、それぞれの団体の財政運営のいかんによってはどうともなり得るのでありまして、これは私は、もっぱら個々の団体の財政通常についての基本的な制度的配慮、こういうふうに考えておるのであります。
○中田吉雄君 それなら、これまでにこういう積立金制度を作らなければいけないというような府県なり市町村、具体的にそういう例証がどことどこにあったか。特に先ごろ地方制度改正等について奥野局長にただしましたところ、この大蔵省の国民所得に対する中央、地方の三十三年度の負担割合という欄にも、来年度の地方税の伸びは、自然増収は百億だと、私はもっとたくさんありはしないかと言うのですが、百億程度で、そうないという見通し等もあって、私は不案内ですが、三千幾らの地方公共団体にそういう例はそう多くないと思うが、どうですか。
○政府委員(小林與三次君) 私もそんなにたくさんあるかということになれば、そう今年度どれだけ出てくるか、私も確言できません。特に今年度の経済の見通しをどう考えるかと、こういう問題でございます。よほど予想以上に、今回の財政計画で前提にしておる以上の自然増収でもなければ、それほどえらく金が余るとは考えておりません。しかし個々の団体におきましては、やはりそういう場合があり得るのです。それから何もこれは今年だけの経済の動きを問題にしておるわけではないのでありまして、こういう制度はむしろ一日も早く確立しておいて、そしてそれぞれの団体が乗っかって動く場合には動く、必要のない場合はやらない、こういうことの方が、私は制度として正しい行き方だろうと思うのでございます。
○中田吉雄君 それは株式会社や営利団体ならば、積立金をして社内保留でもして、不況に備えるという構想も承り得ると思うが、私はむしろ地方公共団体なり国家財政では、その制度は、特に税負担がはなはだしく重いようなときにおいては、私は適切でないというふうに思いますし、今ある構想でなしに、基本的な将来の構想ということは、それはやはり過去数年間の中にそういう制度を設けざるを得ないというような経験の事実が積み上らぬのに、そういう制度を持ち越んで、地方財政を必要以上に縛るということは、私適当でないと思うのですが、どうですか。
○政府委員(小林與三次君) 私は公共団体、国もそうでしょうが、民間の会社とはそれは性質が違うということも、私もそのように考えております。しかしながら、結局それぞれの団体が必要な金は税金でとるのだ、こう申しましても、一体、要るからといってよけい税金をとれるわけではなし、そう税率を上げたり下げたり、これは実際の運用で私はできるものではないと思うのでございます。それでございますから、結局税制というものはある程度安定した動きをやらざるを得ない。しかしながら、現実の税の増減の問題は、景気のいかんによって非常に変動があり得るし、それから財政需要のこの問題も、時の財政需要のいかんによって非常に増減があり得るのでございます。それでございますから、そうした要るだけとるのだ、要らぬときにはそいつを税をやめたりどうかするのだというわけには、実際の運用は私はできないと思うのです。そこで、やはり自治団体もある程度長期的な運用というものをはかる必要があるのでございます。現に過去に具体的にどんな事例があったかと申されますが、私はないわけではない、あり得ると思います。そいつは、その県の具体的の財政がどうこうということになれば非常に議論はありますが、たとえば朝鮮ブームなら朝鮮ブームで非常に財政収入が伸びまして、それがすとんとがた落ちになって、そのときに財政規模を広げてしまって、動きがつかない、それが赤字になっておる。再建団体の赤字府県などにもそういう現実に事例があるのでございます。それはそういうわけでございまして、ある程度のたとえば災害などだって、ある年もあればない年もあるし、大規模な大災害があれば全部国が見るべきだという考え方も、それはある程度国も責任を感じなければなりませんが、自治団体だってやはり自主的に備えるということは当然考えていいのでございまして、少くともぎりぎりで全く寸分のゆとりもないということになれば、そういうことはできませんが、多少のゆとりがあり得るようなときには、そういうことを私は配慮するのは当然じゃないかと思うのでございます。
○中田吉雄君 その考えの中には、先に言われたように、税率をそう毎年どうこうすることも困難であろうし、とれるとき、与えられた税率でとれるときにはとっておいて不時の災害に備えるというお考えでしょうが、しかし中央にしても地方にしても、昨今のように一割くらいも自然増収がある。そうして中央、地方を問わず、決して税負担が軽くないという際には、やはりそういうものにたな上げしておくよりか、何よりかも、やはり税の負担を適正にすべきであってその構想は、たとえばドイツなんかも、もうほとんど議会で認められた予算で、税収入がはなはだ多くても、決して大蔵大臣の手腕にならずに、税のとり過ぎとして、はなはだしく議会で批判され、むしろ歳入欠陥があっても、はなはだしく、見積りの誤まりとして議会で指摘されない。たとえば一九五〇年にはドイツでは歳入超過は一・六、五一年一・二、五二年は不足が〇・七、五三年は不足が一・四、五四年が不足が〇・三、五五年には超過が五・五というふうに、シェーファー蔵相は非常にきめたそれに近いということを誇りとして、日本のように、中央、地方とも一割程度多くとって、もうとったらそれを放さないというこの構想は、そういうこととの関連からしても、苦労してとったのだから、また過去数年間赤字財政で苦しんだからという、過去の苦しい経験からそういう構想の生まれることも考えられますが、余儀ない点もあると思うが、そういう点からいって、この考えは現行の税制を妥当だという前提に立っておると思う。すでに自民党が一千億近くの減税をやられるという構想もあり、おそらく今度の総選挙を通じて国民への公約等からしても、こういう構想の成り立つ背景がないではないかと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(小林與三次君) 私はこの減税の問題は、だから税負担全体として、もちろん軽いとは思っておりません。非常に無理な税金もかかっておると思うし、できるものなら廃止……減じた方がいいと思うものがあり得ると思います。それは結局この問題は、異常の収入があったときにその収入の部分をどうするかと、こういう問題でございまして収入がむしろ恒常的に増加して、そうしてそれほど歳出をふやす必要がない、むしろ減税にした方がいいという場合は、それぞれの団体においてむしろ税率の調整をしかるべくやって私はけっこうだと思います。おそらく団体自身もそういうふうに配慮するに違いない。そうではなしに、結局積立金を考えておるのは、恒常的な収入でなしに、異常収入というものを常に前提にいたしておるのでございまして、異常収入のある場合に、直ちに恒久的な減税をやるということは、これは財政運営としては無理だと思います。その収入がなくなったときに、もう一ぺん税率の復活ができるかといえば、実際問題としてなかなか困難でございます。そうなれば、むしろそういう部分を後年度のほかの部分に調整的に保つということの方が、住民の立場からいったって、財政の恒常的な運営という立場からいったって、むしろその方が適当ではないかと、こういうふうに考えるのでございます。
○中田吉雄君 昨年は近年にありません好況でした。おそらく今後もそうないと思うのですが、その中においてこういう法がなかったことによって、財政運用が適切でなかったというような代表的な府県、市町村についてティピカルなものを一つ二、三あげて具体的に納得さしていただきたい。
○政府委員(小林與三次君) 私は昨年度の問題は、三十二年度の決算が確定いたしておりませんので、精細なことは知っておりませんけれども、これは個々の団体の、あの団体のやり方がけしからなかった、よかったという、こういう問題と申しますよりも、こういう制度でこういうものをやって、あとはそれぞれの団体が自主的に運営して、制度の大筋に乗ってそれぞれの団体として筋の立った経営をやっていく、こういうことを考えるならいいのでありまして、あの団体がやったのがけしからなかったからこれをやってやるのだというふうなことは考える必要がないのじやないか、またそう考えるような懲罰的な気持でこういうものを作るわけでも何でもないわけでございまして、要するに団体の長期的な財政運営としてどういう配慮をさせるべきか、そういう事柄、立場から問題を考えたいと存ずるのでございます。
○中田吉雄君 そうすると、これは市町村や府県の財政運営の指針、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(小林與三次君) その通りでございます。財政法はもともとそういう財政運営の基本原則を書いておる、こういうふうに理解しております。
○中田吉雄君 そうすると、その指針沿わなかったらこれはどうなりますか。
○政府委員(小林與三次君) この条文自体の具体的の運用につきまして、もうこの間からいろいろ議論になっております通り、それは個々の適用についてはいろいろ議論があろうと思います。これも結局、その自治団体の、この法律の趣旨にのっとった常識的な判断を基礎にしてやるならばよろしいのでありまして、われわれとしては、それを一々とやこういうものではありません。ただ条文の精神を全く踏みにじったような格好でやって、団体自身がにっちもさっちもいかぬ、自分で始末がつかぬというようなことになることだけは避けていただかなければいかぬのでございまして、そういう点はわれわれとして必要な指導はやらざるを得ない。しかしその指導と申しましても、現在の自治法なり財政法なり、そう自治団体の税財政について、再建団体は別として、そうとやかく言える権限もないことでありまして、そういう一般的な権限の範囲内において必要な措置をする以外にはないと考えております。
○中田吉雄君 そうはなはだしく収拾のつかぬというようなことでなしに、この趣旨から若干それたというようなものは、財政法の二十六条のような地方交付税の減額とか、いろいろなこういう措置が適用されるのですか。
○政府委員(小林與三次君) これは結局この法律にかりに明白に違反した、そういう場合にどういう措置があるかというので、二十六条をおあげになりましたが、二十六条に該当する場合もこれはあり得ると思います。しかしこれは非常に二十六条というのはきびしい規定でございますから、大ていの場合にはこれに当るとも考えておりません。そのほかに考えられるといえば、地方自治法で法令の違反等の場合に是正勧告の措置を求めることができる、そういう趣旨の規定もございます。そういう条文に、あの条文も相当きびしい規定でございますから、どういう場合に当てはまるかということになればまた問題があろうと思いますが、そういう一般的な規定によって担保いたしたいと考えております。
○中田吉雄君 自治庁は、お宅のところは四十六の都道府県と五百の市と、三千幾らの町村が一体この趣旨に沿っているかいないかということは、どうして見られるのですか。
○政府委員(小林與三次君) これは私は、そもそもこの条文は、自治庁が監督的な立場で作る気持はごうもないのでございまして、それぞれの団体がこの条文にのっとって自主的な運営をすればいいのでございまして、一々ことしみな、どうやったかということを調べて文句を言うという気持は、これはございません。まあ折に触れ時に触れて目につくことがあれば、必要な場合には必要なことを申します、これは要するに一般的な指導方針でも、われわれの考えは申し述べますが、個々の団体の運営につきましては、もっぱら自主的な運営というものを主体にいたしたいと考えております。
○中田吉雄君 私はその関係がやはりこういう規定を作られたからには、やはりこれが厳正に実施されているか、適切に運営されているかということを見られるには、四十六の都道府県、五日の市、三千数百の地方公共団体に対する強力な支配関係といいますか、中央統制といいますか、一段と、これまでも自治法なりいろいろな関係法で十分規制はできているが、さらにどうしてもこの関係が加わってくるのじゃないかと思うのですが、それはいかがですか。
○政府委員(小林與三次君) 私は重ねて申します通り、自治庁として自治団体に対するそういう規制の能力と申しますか、権限と申しますか、そういうものは自治法なり財政法なりにきまっておりまして、それ以上一歩も踏み出るわけにいきません。そうでなしに、この条文は、現に財政法一、二条以下それぞれ財政運営の基本方針が書かれておりますが、それと同じ趣旨で、自治団体が合理的な財政運営をやるための基本的な考え方を立法的に示す、こういう考え方でございます。
○中田吉雄君 それではこれは新たなる中央の統制の強化というか、そういうことにはならない、こういうことですか。
○政府委員(小林與三次君) 自治団体自体が財政上のっとるべき基準と申しますか、筋道が一つ具体的に確実になった、これは事実だろうと思います。しかしながら、これによって自治庁が特別の権限をこれでプラスになったという筋のものじゃないだろうと思います。
○中田吉雄君 税収が、財政収入が著しくきこえたときは、義務的な経費との関連で剰余金が出た際には、赤字補てんとか公債の償還とか、過年度の災害の復旧とか、いろいろあるのですが、もう少し剰余金が生じた際に、おそらく私はこれなしでも大体そういうことを……。第一、府県で四十六のうち、十八は再建団体で、まずその面で穴を埋めているでしょうし、また全国数千億の過年度災害が累積して、そういう面からいっても、こういうこと以外に、あるいは大規模な県の産業振興とかいうようなこと以外に、やはりこの基準なしではそれるようなおそれがありますか。
○政府委員(小林與三次君) 再建団体は自治庁が握っておるのは事実でございますが、これは全く異常の臨時的な措置でございまして、われわれといたしましては、ああいう関係を早くわれわれ自身もごめんをこうむりたいと思っております。それでございますから、ああいう異常の措置から離れて、むしろ自治団体自身の財政運営の筋道を立てるというところに財政法の趣旨があるのでございまして、再建団体のいかんとかかわりなく、こういう問題は、私はやはり考えなければいかぬじゃないか、それからまた再建団体につきましても、再建計画で、いろいろ問題を指導する場合にも、そういう一般的な制度というものにのっとるべきであって、これはやるべきでございまして、こういうものがかりに設けられるといたしますれば、それぞれの計画のワク内においても、災害対策等のためにある程度余裕金があれば、準備をして、つまり、むしろその金が余ったらすぐに繰り上げ償還をして、再建期間を短縮してしまうというより先に、むしろある程度災害の後年度の準備金を作った方が、再建計画のためにも私はむしろ筋であろうと思うのでございます。
○中田吉雄君 私は、たとえば再建の指定団体で、該当団体で、こういう順序で剰余金が出たらやるというのが大筋だと思う。そして私は再建期間が短いものはこういうことでも住民がつなげると思う。しかし八年なり十二年なり、十五年なりというような長期にわたって、剰余金が出た際に、まず赤字を埋めて再建期限を短くせい、さらに公債を償還せい、過年度災害を復旧せいというようなことで、直接そのときの県民の負担にこたえるような積極的な事業を織り込まずに、また税収等が十年も十五年にもわたって確保できる、そういう耐乏をしていることも、私はやはり緩急よろしきを得ない。このことはもうこれでしたら、やっぱり赤字の補てん、災害の復旧、公債の償還ということで、やはり知事や市町村長が、まあそういうことは第一義的な原則であるが、経済効果の大きいこういうことも、剰余金ができたら若干やるということなしに、そういうことの関連なしに、地方公共団体の運営をスムーズにやるということは、なかなか責任当局として困難じゃないか、その関係はどうでしょう。
○政府委員(小林與三次君) それはごもっともでございまして、それですから、この考え方は、要するに経済が伸びていけば当然仕事も伸ばさぬといかぬ、そういう意味で、それぞれの再建団体にあっても、財政の規模を漸次に伸ばしていくのはこれは私は当りまえだと思うのです。問題は、その再建期間が十年あったって、その間にもそういう一般団体に歩調を合せるような、漸増というか、レベル・アップして私はやっていかなければならぬ。問題はそうではなしに、漸増の線よりも違った異常の収入があり得ることがある。そういうときに、その収入部分の使い方の問題でございまして、その場合には、その異常収入があるからといって、その当時限りで使い切ってしまったら、それがなくなった場合にとたんに財政の規模を縮小させなければいかなかったり、準備金がなくて動きがつかぬ、そういうことになってはいかぬじゃないか。そういう意味でございまして、中田委員のおっしゃいました通りに、現にきまった計画を一歩も譲れぬという考えはごうも持っておりません。ああいう計画は、そもそも私に言わせますと、まともな計画ではない、むしろ仕事を伸ばしていく計画に早く是正しなければいかぬ。それが第一条件で、そのあとで初めていろいろな、繰り上げ償還とか何とかそういう問題が第二段階に出てくるべきものだ。そのくらいの気持で再建計画の変更も考えたいと思っているのでございます。
○中田吉雄君 しかしこの順序を見ますと、なかなかそういうところに回ることができぬようなことになっているのですが、これはどうでしょうか。こういう順序で補てんしていけというように、大体全く手を取り足を取り、鎖をつけている、これじゃそういう困難な中だがまあこういうこともやるのだということにつなげないじゃないですか、この条文からいったら……。
○政府委員(小林與三次君) いや、それは、私も今まで申します通り、要するに、著しく伸びたときのそのたんこぶの部分をどうするかという問題です。普通に伸びていくものは、これは私は当りまえだと思うのですが、普通に伸びていくものは、これは当然、行政の向上なり確保なりに当然使うべきものだという前提でございます。それ以上なおかつ異常のたんこぶがあったときにそれをどうするか、その使い方をここに書いてあるのでございます。
○中田吉雄君 だから、著しくこえるときは、当該地方公共団体は、災害によって生じた経費云々とあって、積極的な県政なり市町村政を、そういうものを補てんしながらなおやるということは出てこないのじゃないか。そういうことをやってしまってからというなら出るでしょうが、出ないじゃないですか。
○政府委員(小林與三次君) そうでないのでございまして、いろいろこれで充てるものを書いてありまして、なおかつ、著しくこえることとなる額でやりたいと、こういう考え方でございまして、だから普通にしか伸びておらぬというものは普通で、この条文はそもそもが働きようがないのでございます、普通にしか伸びておらぬ場合には。そうでなしに、非常に著しく伸びた場合は、その伸びた金をそれならばすぐ積み立てるかというと、そうはいかぬ。こういう緊急な経費があるのですから、その経費に充ててなおかつ金が余った、余った場合に積み立てろ、こういう規定でございますから、逆に言えば、これはざるじゃないかというような判断が逆から出てくる議論も現にあるくらいの規定でございまして、これは中田委員が御心配になるようなことは私はないと思います。
○中田吉雄君 とにかく四十六の府県のうち十八ですか、再建団体で、過年度災害が莫大な額あって、なおかつこういうものを埋めていくというようなことはないので、まあこういう規定ができれば、小林局長や柴田課長の威力が全国の自治団体に及ぶという効果はあるでしょうが、これは実際そういうことはあり得ないのですよ。地方財政の現実から、ないことをいれたとは言いませんが、想定して入れたということは、やはり知事の官選制度はなかなかできないし、こういう面で事実上の統制を及ぼすという結果に——善意であっても、そういう結果になると思うが、どうですか。
○政府委員(小林與三次君) これは財政法の改正を考えておるだけでございましてこれはほかに何もないのでございまして、もっぱらそれがこの法律の趣旨ですから、善意に一つ御解釈を願いたいのでございます。
○中田吉雄君 まあ私はこの点は、剰余金の問題は、本年度の国家予算におけるたな上げ資金と同じように、多くの問題を含むということを指摘して、どうしても納得できない債務保証の制限という問題について——とても十二時までにはできぬかもしれませんが、委員長のお許しを得て御了解いただきたいと思うのですが、一体こういう規定を入れられた理由をまずお伺いします。
○政府委員(小林與三次君) この債務保証の規定は、この前も申しました通り、現在大蔵省所管の法律でございますが、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律というのがございまして、政府または地方公共団体は、会社その他の法人に対して債務の保証ができない。大蔵大臣が指定した会社その他の法人の債務についてはこの限りでない。こういうような現行法が現にあるのでございます。それで現行法に基きまして、大蔵大臣が指定した場合にだけ債務保証ができるということに現になっております。われわれといたしましては、地方団体の問題につきましては大蔵大臣が権限を握るというのは、むしろ筋違いでございまして、どういう法人にそれはやるかという、問題として議論があるかもしれませんが、むしろ地方団体の財政運営の問題として考えるべきでございますから、むしろ規定は財政法に入れて筋を通すべきじゃないか、こういう考え方を持っておったのでございます。それでこの際、大蔵省と話がつきまして、向うの法律の地方団体を削ってこちらへ持ってくる、こういうことにいたしたのでございます。
○中田吉雄君 この点は加瀬委員からも質問されたそうですし、ただいま言われた国の措置との関係でやったということですが、これは最近における地方公共団体が、地方産業の振興のためにとりつつある重要な産業経済政策と私は背馳するのではないか。まあどういうふうに政令で定めていただくか、あとでその問題をお尋ねしたいのですが、私は、そう多くはありませんが、たくさんの県で農業振興資金制度というような制度を作りまして、たとえば信連、あるいは最近数千億という金が集まるであろう農協共済等の金を、中央に吸い上げずに、それを信連なり共済が、一定の県の計画に基く地域計画等を立って貸せる際に、それを損失補償をし、利子補給をしたりして、これがむしろ補助金よりもっと少い金で強力な地方産業の振興になっているのに対してむしろ問題じゃないか、大きな障害になるじゃないかといって、先の点以上に私はこの点が最近の動向にかんがみて問題を含むじゃないか。これは昨日、森委員も質問されましたが、一体これはただ大蔵省が国の措置としてやったからやるというのですか、こういう弊害がすでに見られて、今のうちにやっておかねばいけないというようなことでお考えになったのか、その点はどうですか。
○政府委員(小林與三次君) これは現在国の制度がそういうことになっておりまして、この制度の筋を立てるという意味もございますし、それから中田委員がおっしゃいました通り、公共団体のつまり私的な個人、特定の個人、法人等に対する債務保証というものは、それは公益上必要な場合もありましょうし、それから公益上どうかと思う場合もこれは私はあり得ると思うのであります。どうせ公共団体ですから、公共的な立場でしか議論ができないのでございまして、元来特定の会社その他の法人に対する債務保証というものは筋からいえば私はおかしいと思うのでございます。しかし、仰せの通りいろいろ農業政策をやったり、中小企業対策をやったり、そういうような場合に、府県なり市町村なりがそれぞれ財政的な負担を一部持つということは、私はもう当然あり得ることでございまして、現在補助金政策がある以上、補助金のかわりに債務保証制度があったっていいじゃないかと、私はこれは当然だろうと思います。それで現在天災融資法なり、たとえば農業改良資金助成法なり、その他いろいろな国の制度におきましても、債務保証制度というものを通常いたしておるわけでございまして、そういうものにつきまして、公共団体も一つの役割を演ずるということは少しもおかしくない、私はそういうふうに考えております。しかしながら、そういう制度をとるならとるで、これはやっぱりきちんとして、国の責任もはっきりし、府県、市町村の責任もはっきりし、そうするならば、それに伴う財政上の手当の問題もこれはやっぱり考えてやらなければいけないのでございまして、そこらの筋をやっぱり立てた方が、財政のためにもよくはないか。さらに申しますというと、債務の保証は、結局これは借金を背負うのと一緒でございまして、やり方がルーズになりますというと、動きがつかぬ場合がこれは出てくるのでございます。現にまあこれはしばしば火災共済の問題が議論になりましたが、秋田県で火災共済に債務保証をしておって、大火事が二度も出て動きがつかなくなった、こういう問題もありまして、やること自体は悪いとは言いませんが、おのずから限度とか方法とかいうものも考えなければ、動きがつかぬ場合もこれはあるのでございます。それから市町村だって現にそういう事例がございます。で、その債務保証をするときには、やっぱり起債なら議会でずいぶんやかましく議論しますけれども、ちょっと、あるやらないやらわからぬということがあるものですかう、どうも見ておると気やすくこれをやる傾向がございまして、むしろこれらの額も調べなければ、起債の公債費の現債高だけを調べたって自治団体のほんとうの負債状況がわからぬのでございます。そういうこともございまして、やはりやる以上は、団体の財政力も考え、その仕事の公共性も考えて、筋を通してやるべきじゃないかという考え方もわれわれは持っておるのでございます。それによって自治団体の必要な公共活動を抑制しようというような気持はごうも持っておらぬのでございます。
○中田吉雄君 原則的には異論がないが、火災共済等の例もあるし、一定の限度がなくてはならぬ。私はそれなら第十一条の二は、こういうものはやってはいけないというふうになっていればいいですが、原則としてはやってはならぬと書いて、法律と政令で定めたものだけやれるということになっておれば、そこになかなか問題があって、むしろ、ただし書きの方だけ入れておかれれば、私はあやまちは防げるというふうに考える。 私は実は昨年、党で政策審議会の諸君六名と約十日間、長野に泊り込みまして、長野では米の一反当り収穫は日本一、リンゴも青森に次第に接近する、二十世紀も鳥取県をもう二、三年で越す、花卉栽培、その他酪農、見るべき農村の全国トップ・クラスの特産物がたくさんあるんです。これが一体長野県が特別な補助金を出しておるかどうかということを調べてみると、結局、信連の金と共済の金を、単に県の債務保証だけでなしに、信連やそこの保証もくっついているんですから、決して貸せる際に、県に負わしてしまえばいいんだからということはない。必ず幾らかはその農協にも信連にもはね返ってくるということで、私の聞いた限りでは全く損失補償というようなことに至らないということで長野県農政の大きな振興の……。最も少い金で、補助金で一千万円出せば、それだけ利子補給をするという気なら数億の金が動員できて、それが中央に中金等を通じて吸い上げられずに、地方産業の発展のために行く、特に農協共済等はますますそういう資金が蓄積して、もしこの関係が厳密に適用されますならば、地方産業に還元されずに、中金パイプを通じ、あるいは信連あるいは農協共済を通じて地方資金がどんどんパイプのように取られて、実は地方財政の基盤である地方産業の培養に対する最大の障害になるということで、これは私の調査しましたのは長野、三重、山口、その他非常に貸し倒れその他が少くて、少い金で補助金のもう何倍の効果を上げる有力な地方産業振興のてこであるのに、もう原則はだめだ、法律または政令で定めた特別な場合のみ許すという規定は、非常にその点が問題があるじゃないか。ここはどうも地方産業の実態というものについて、新しい府県なり自治体の動向を私はもう少しお考えいただいて、その点はやはり障害にならぬような措置が絶対必要だというふうに思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(小林與三次君) それは私もその必要を認めておるのであります。この債務保証とか利子補給の制度が全部いかぬという理由は一つもない。公共団体の活動の目的からいっても、やらなくちゃならぬ場合が私は少くないと思います。しかし問題は、要するに個人的な責任について公共団体がどれだけ責任をとるか、こういう問題がやはり基本的にございまして、そこに主として考えましたのは会社、その他の特定の個人、いわば個人的な責任について公共団体が無制限に債務保証をやることはおかしい。それは公共上許された限度においてしか許すべからざるものではないかと、私は基本的に思うものでございます。それで、今の現行法もこういう体制をとっておりますので、その現行法の体制をそのまま形の上で持ってきたのと、一つは債務負担は、これは起債と一緒でございまして、長期の債務を負担するわけでございますから、起債につきましてもこういうまあ許可が条件になっておることは御承知の通りでございます。それでわれわれといたしましては、そうしたいろいろ一般の住民に対して公共的な理由でやる場合はもちろん差しつかえありませんが、場合によりますというと、その特殊な金融機関救済のために、実は債務保証なり損失補償なりか行われるという事例もこれまた少くないのでございます。本来そういう、たとえば県信連、信連なりを考える場合に、これはまあ具体の例はあまりよくないと思いますが、これは農民のための金融機関として設けられている以上は、農民のために百パーセント働くのがこれは当りまえであって、低利な、なるべく安定した資金をやるのが当りまえで、それが県の債務保証が条件でなくちゃいかぬというのは、災害とか何か特殊な場合は別といたしまして、私は必ずしもその運営として、筋が通っておるかどうか、議論があり得る場合がなきにしもあらず、私はそういうふうにも考えられることだろうと思うのでございます。それでございますから、どうしても補助金政策もとらぬならぬほどの場合に、その肩がわりに、ある程度の利子補給をしたり損失補償をしたりすることは、私はそれは一向にかまわぬと思います。金をやっちまうかわりに、ある程度責任を持つということでございますから、そういう場合には、もちろん道を開いておく必要が当然にあろうと思うのでございます。
○中田吉雄君 私はその考えは、個人や会社のような法人にやることはおかしいということでは、たとえばある県で、いろいろな経済的な激変等で、特殊な産業があって、これがどうもつぶれるかもしれぬという際には、一県の知事ではなかなかそれを見過すことができない。補助金なり、この規定で幾らやってもいい、やれぬこともないでしょう。減税をしたり、形の変った補助金として、いろいろやれるのに、補助金よりもっと少い額でもっと効果が上るのに……。私はそういうことでは、特に農業のような劣勢産業は、やはり国でも今度そういう基金を作り、いろいろやるようなことですから、小林局長が今言われたような考えなら、ますますもってこれはやはり問題で、私たちは県の担税力の基盤でもある諸産業を育成するためには、補助金をやるよりも、もっと効果的な、また信連等が一時そういうことをよくすることはできないのです、それは。それには信連等のコストからいって、やはり県かあるいは市町村が誘い水をかけてやることによってそれがいくわけでありまして、たとえば私、最近の統計がありませんので、きのう調べて見ると、三十一年度の上期から下期まで見ますると、たとえば三十一年の三月には農協の預金が九百十一億あるのに、地元に対する貸付は三百五十二億で、たった二割九分しか貸してない。一番多い米の代金が入って、千四百三十七億入ったときは、中央の方に大半出てしまって、地方に対しては三百三億、一八%しか還元されない。こういう状態をどうしてせきとめて、農民金融の逼迫を緩和するかという措置としても、私はやはり個人であろうが法人であろうが、公的な性格を持つ農協を通じて、単に県に全部肩がわりするというだけでなしに、信連も農協の信用部も損失補償なり利子補給をやる、それに県が若干さそい水をかけるという共同責任にしますれば、みな県にはね返る、みな役場にはね返るというのでしたら、そういう危険もありましょうが、相当部分が返るということであれば、そういうことはないし、特に信連がその二割ぐらいしか、多いときも三割しか地元に還元しない。さらに農業共済の金が数千億になって、そういうものがみな出てしまうといえば、ほんとうに地方財政の確立をこいねがう基盤をくずす、資金的な基盤をくずす大きなこれは問題になって、そういうおそれもありますが、そのおそれのためにそれをとめてしまうということは、なるほど、地方財政はやせこけて、健全になったが、産業は滅びたということになって、これは私は本意ではないということになってくると思うのですが、そういう点からいって、政令では、はっきり何と何と何はということをしてもらわぬと、本日はこれを、委員長理事の打ち合せでどうあろうと、はっきりしてもらわぬことには、ただいま、小林局長の言われた言明では、なかなか了承できない。いかがでしょうか。
○政府委員(小林與三次君) これは今、中田委員がいろいろなことを言われましたが、私もその通りだと思います。地方のそういう農民の資金などは、その地方にそのまま還元されるのが当りまえで、これは現在の運用の仕方が根本的にむしろおかしいと思うのでありまして、そのまま、農民のために作った組織なら、農民のために還元するように当然本来運用さるべきだと思うのでありますが、これは何もこっちの債務保証のいかんを問うない問題でありまして、当然そういう指導体制、運用体制というものが確立されなければならない、私は基本的にはそういうふうに考えております。しかも、ただ、そういう場合に、いや、地方団体の保証が全部いかぬか、認めぬか、そういう気持は私はごうも持っておりません。今仰せの通りに、補助金政策さえとるのでございますから、補助金のかわりに、それよりも責任の軽度のものを認めるのは、私は一向にそれもかまわぬ、そういうふうには考えております。ただ、それがいろいろ、債務保証と申しましても、無制限になって、団体の財政力を無視して行われる、起債とちっとも変らぬのでございますから、そういうものはやはり考えなくちゃならないし、それからまた、零細な大衆的な救済でなしに、個人的な救済というものに公共団体があまり行き過ぎちゃ、これまた私は、公共団体のあり方として必ずしも適当でないと思うのでございます。そういう意味のことを考えて、この法律や政令で、必要な場合にはもちろん穴をあける必要があるだろうと思います。 そこで、政令につきましては、今いろいろ考えております。関係各省とも協議をしておりまして、関係各省の注文も現にございます。たとえば、今まで申しました通り、信用保証協会に対する債務保証などというものは当然認めていいことじゃないかとか、それから、たとえば、この身元保証なども認めていいじゃないかとか、これは関係各省もいろいろ注文がございます。これは私は、当然そういうものは認めなければならぬものだと思います。それからまた、緊急な災害等の場合に金融機関が臨時に融資するような場合には、やはりなかなかその災害の跡始末でごたごたしているときに、金融機関も十分に働きがたいときには、公共団体の一時的な債務保証も必要じゃないがそういう問題も私はあると思うのでございます。そういうことで、それぞれ各省の意見も聞きまして、妥当な範囲で政令をきめたい。それにいたしましても、なお穴をあけなければ、いろいろ個別の問題が当然ございますので、これは起債と同様に、自治庁長官の承認を得た場合には差しつかえないという、これはどうしても穴をあけなければいけないので、穴をあけるつもりでおります。その運用は、要するに起債の限度額の問題とか、そういうものとのからみ合いのワク内においてそれぞれの団体がやり得るような方針を打ち立てまして、承認の手続も考えていかなくちゃならぬだろう、こういうふうに考えておりまして、実際に必要な行政をストップさせるようなことは、われわれとしてもごうも考えておらぬものでございまして、まともな行政はなるべく活発にやった方がいいと思っておりますから、それぞれ、その仕事の性質と団体の財政力の範囲内において事が動くようには考えていくつもりであります。
○森八三一君 関連。今の中田委員の御質問のことは、きのうも私は聞いたのですが、きのうの答弁では、かなり地方団体の自主性を認めるような意味の御発言であったと思いましたから、一応質疑はその程度にしたのでありますが、今の局長の御答弁だと、例示されたものが数点ありますが、その他については関係各省と打ち合せをして、その希望を十分参酌した上で政令をきめる。なお、穴をあけておく必要があるから、自治庁長官の承認を受けたものはその限りではないといったような包括的な規定をするということですが、最後の長官の承認を受けた場合というのは、これはきわめて極限された特定の場合であってこれは事実上大した威力を持つもので私はないと思う。そういたしますると、今、中田委員の御質問がありましたように、この政令のきめ方いかんによっては、地方の産業を萎靡沈滞せしめるという結果になるおそれが多分にあるだろうと思う。といたしますれば、政令内容についてもっと具体的にお話し願わぬと、これはちょっと進行できないと思うのです。ただ、まかせっ切りで、あとは政府が適当に政令をきめればいいとかいうだけでは、問題の解決に対して、誠意を持ってわれわれが審議したということにはならぬのであって、もう少し具体的な内容について説明をしてもらいたい。特に、中田委員の御発言になったように、国としても、農村に例をとりますれば、機械化の問題をかなり推進をしようとしておる。そういう場合に、農家が進んだ機械を一ぺんに十何万円、二十何万円というものを買うわけにはいかない。また、それを購入いたしましても、直ちに期待するような利益もあるかないかわかりませんので、融資に対して、融資機関もちゅうちょをする場合がないとは言えませんので、そういう場合に保証をするとか、あるいはその金利の一部を助成してやるというような施策が現にとられておる。酪農の問題にいたしましても、これは政府の重要な施策として、畑作の改善と食糧の総合的自給対策を確立するといいうことで進んでいく。その場合に導入する大動物の購入について一部の利子補給をしてやるということが、現に各県に行われておるのです。そういうことが、今のお話だというと、そんなことは当然、中田委員のお話にあったように、農民みずからの金融機構として千数百億、時によっては数百億の金が集まっておって、その六〇%、七〇%が中央に吸い上げられておるなんというのはおかしい。それは積極的にその機関がやるべきじゃないか。そんなことに対して利下補給したり、債務保証したりするということは筋違いだというような御発言だと思うのです。農民がみずからの金融機関を作っておいて、そこに預けた金が、それが地方に環元されないで中央にくるということ自体がおかしい。そのことに対して利子補給したり債務保証したりするのは筋違いだ。それは当然の本来の業務としてそれは行われるべきである。やっておらぬやつを考えるのがおかしい。しかし、時によってさそい水の必要な場合もあろうから、穴をあけておくというような程度でそれを解決するという、そんな問題では私はないと思う、現在の地方の情勢というものは。ですから、政令の内容について、政令でどんなことをお考えになっておるかと聞きましたら、中小企業の関係で例示をされ、身元保証のことで例示をされ、その他、大体においては地方団体の自主性というものを十分認めるというようなお話でございましたと、私承知をしましたから一応了承したんです。今の質疑を通じますと、そうではない、かなり窮屈に考ておる。こうなりますと、問題が非常に大きく発展してくると思う。その点どうなんですか。
○政府委員(小林與三次君) これは私の言いようの問題もあったと思いますが、現在、国の政策として法令上でやっておるものはもちろん問題ありませんし、予算的な措置でいろいろ施策をやっておるものもたくさんこれはございます。特に農林省関係にはずいぶん多いので、私もよく承知しております。こういうものは、もちろん国の予算措置まで講じてやるのでございますから、当然政令でわれわれとしては、はずすことを考えなくちゃならぬと考えております。それから現に、県におきましてもそれぞれやっておるものがあろうと思います。現にやっておるものは、これは経過措置で認めますし、それと類似のものにつきましては、私は当然考えるべきものは考えていいだろうと思います。 先ほど申しましたのは、それは、そういう金融機関の考え方について申し上げただけでございまして、そういうものについて債務保証をするのはやめるという意味で申し上げたわけじゃないのでございまして、それぞれの地方の行政が動くようにわれわれとしては考えるのは、こっちの責任でもございます。ただその場合に、府県の将来の財政力のワク内においてやるという考え方だけは、これははっきりさせる必要があるじゃないか、そういうことを申し上げたのでございまして、その点につきましては、運用上は、われわれといたしまして十分弾力性を持って問題は考えるべきものは考えなくちゃならぬ。そういうふうに考えております。
○委員長(小林武治君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) それでは速記を始めて。 質疑を続行します。
○中田吉雄君 私も、森委員の言われた点を質問しようと思ったんですが、とにかく、そういうものは、農民の自主的な機関である信連や単協や、そういうものでやればいいという、そういうものがあるのだから、なお今日国の方にどんどん吸い上っていって、そうしてまた国ですら、もう今度小団地向けの資金を作って利子補給をしたりするんですから、これはやはり中小企業にしましても、農業でも、劣勢産業として、国だけで完璧を期することはできないし、やはり地方も、落ち穂を拾うというのではありませんが、それと呼応してやはりやっていくと。私は小林さんの考えの中には、旧内務省時代の、あまり、産業等は自主的にまかしておいて、そういうものはという観念が……。私はやはりもう府県や市町村の産業振興というものは重要な施策で、私はその制度なしには、あなたの言われることは、地方財政の基盤を……。信連なり農協共済を通じて数百億の金が毎年中央に吸い上げられて、これはもう農村振興の基盤であるファウンドをなくして、それをせきとめる意味で、だから、あなたの言われる、あとあとまで大へんな赤字のことを残さぬような措置を考えながらやれば異議がないんですから、そこをはっきりしてもらわぬと、これではもう原則としてだめだということで、われわれは政令にといっても、白紙委任状で、この政令というものは、ある意味では法律の一部みたいなもので、その関係がはっきりしないと、私は、現在府県がやっておる、また将来やはりその制度は、最も少い金で最も経済効果を上げるてことして、私は今後採用すべき問題だと思っているんです。どうですか。
○政府委員(小林與三次君) それは仰せの通りでございます。まあ私の言い方が少し不十分だったかもしれませんが、われわれの気持は、現行法は御承知の通り、むしろその法人の債務について保証契約することができない、大蔵大臣の指定した債務についてはこの限りでないという、これは非常にきびしいのでございます。何も穴があいてない、実は大蔵大臣の指定にかかっておるのでございまして、私は、むしろこれよりも実は緩和したつもりでおったのでございます。だから、法律できめる場合、政令できめる場合、必要なものは、包括的にはずすものははずすと、それからなお、現行法のように、全部拾い切れぬものは個別的にはずす道を開かなくちゃいかぬじゃないかというので、こういう立法の形を考えたのでございます。それで、実際の運用につきましては、中田委員おっしゃいます通り、国がいろいろ施策をするような問題につきまして府県が協力するのは、私はまあ当りまえでございまして、国と相呼応して地方もそういう責任をとらして一向に不思議じゃない。それからまた、それと全く類を、性質の似たようなものにつきまして、地方か自主的にやるものも、これは何もいかぬと言う必要は必ずしもないのでございまして、それは財政上の配慮を考えて必要な条件さえ考えておけば、そう窮屈にいう必要はない、こういうふうに考えておるわけでございまして、規定の上からいえば、かえって非常にゆとりがあって、問題がむしろ積極的に進むだろうという考え方でもありますし、運用につきましても、今仰せの通り、地方産業の育成に公共団体が重要な役割を演ずるということは当りまえの話でございまして、そういう点につきましては、われわれも協力することをやぶさかな意向は全然ございません。
○中田吉雄君 これはまあ小林局長は、自主的な機関でやるべきだという考えを補足説明されて、しかし、どうもあの考えが基本じゃないかと思うんで、これでは非常に問題で、私はむしろ十三条の一があり、二をもし入れられるんならば、せめて、こういうことをやる場合は自治庁の認可を要するというようなことになればまだいいと思うんです。もう原則としてだめだと、法律または政令で定める場合はこの限りでないということになると、もう非常にこれは、個々で各省と相談してきめるということでは、われわれを安心させることできないんです。それで私は、農協が現在やり、さらに農協共済等が最近やりつつある制度は、もっと中央に資金を吸い上げずに、また貯蓄奨励等をやる意味においても、そういう制度で還元するんだからということなしには、県知事や市町村長にまかせ、割り当てられてやる貯蓄奨励等もなかなかうまくいかないんです。そういうことからして、もうそういうことははっきり、そういうものは政令に入れると、そして、あとは行政指導で心配のないようにされるという程度ならいいが、その関係はどうですか、もっとはっきりできませんか。
○政府委員(小林與三次君) これは政令の問題は、まあわれわれも慎重にいろいろ委員会の意見も参酌して考えていきたいと考えております。ただ現行法は、御承知の通り、現在の法律ではもっときびしい規制が実はあるのでございまして、大蔵大臣の指定する会社その他の法人の債務以外にはもう保証ができぬと、これは現行法があるのでございます。そこで私は、これよりもむしろ実情に合うようにまあ法律を作りたい、こういうことで、法律や政令でワクをはずすものはもう一般的にはずしてしまう。なお、どうしても動きのつかぬものは、現行の大蔵大臣の権限のように包括的な運用上の穴をあけておく、こういう考え方でございまして、われわれといたしましては、その点ではむしろ非常にこれは積極的に改善したつもりなのでございます。この機会にもっとどうこうしたらどうかという、こういうお気持だろうと思いますが、それは私は政令の段階におきまして、今御趣旨のあることも十分考えて、できるだけゆとりのある規定を考えたいと思うのであります。
○中田吉雄君 これはどうですか、このただし書きを抜いてしまって、そういう制度をやろうと思えば認可事項となると、法律技術的にはどっちが実際……。たとえば、こういう制度をやろうとするときは認可にしますか、を要する、そうして県なり市町村だけに損失補償をかぶせずに、その融資をする信連なりというようなものも半分なり三分の一を持つというようなことにすれば、私は放漫なことにならぬと思う、その機関自体も受けるんですから。そういうような条件のものは認可するとか何とかというようなことにしたらどんなものですか、その点は。
○政府委員(小林與三次君) 中田委員のおっしゃいましたことは、われわれも考えておるのでございます。それで要するに、ある特定のものは理屈なしにはずしてしまう。それからいろいろな仕事でいろいろな態様があって、これはなかなか押えようがないものは承認にかけておりますが、その場合も、私は結局地方団体全体の損失補償、債務のしりがかかってくる負担限度の問題でございまして、いろいろな形でいろいろな団体にいろいろなものをやるだろうと思うのでございます。一つ一つの押え方が、片一方に考えられるとともに、総体的に府県の財政力のバランスを考えて、一定のワク内においてはそれはある程度自由にする、こういうことも考えないといかぬのじゃないか、そういうふうな含みを持っておるのでございます。どの事業がいいとか悪いとかいうことは、なかなかそう一々言うわけにはいきませんので、それぞれの市なら市の財政規模で考えなければならぬし、府県なら府県の財政規模で考えていいでしょうし、そういうことも考えて政令は考えたい、こういうふうに思っておるわけであります。(「どうも納得できぬ」と呼ぶ者あり)
○森八三一君 今また新しい発言があったんですが、それはどうなんですか。地方団体の財政力の範囲において考えなければならぬという前提は、これは当然なことです。これは私には異議ありません。異議ありませんが、その財政力の範囲内において、さらに一定のワク内で処理するワクというものは、政令でおきめになるというように理解されるんですが、そのワクというのはどういうことをお考えになっておるんですか。今の御発言では、大前提の財政力の範囲、これは当然なことなんです。これは規定があろうとなかろうと当りまえなことなんで、今度その中に一定のワクを作って、そのワクの範囲において認めていくということになると、そうなると政令のワクというものの締めが行われるということになってくる、そのワクとは一体どういうことをお考えになっておるか、それが一点。もう一つは、中田委員の御発言に関連しての質問ですけれども、こういうようにこれはなりませんか。現に中小企業といわず、農業といわず、水産業といわず、産業の発展のために地方団体が行なっておるこの種の事案については、新しく始める場合も、その事案を継続する場合も、それを認めるという前提の了承ができぬのか。
○政府委員(小林與三次君) 私が財政のワクと申しましたのは、政令で一々そのワクをきめるわけにはいかぬと思いますので、自治庁長官の承認を得る場合の承認の基準の考え方が、要するに団体のそれぞれの財政力で負担限度がきまりますから、この程度ならばよろしいという、こういう式のワクを考えて、そしてその承認の基準にいたしたいと、こういうふうに考えておるのでございます。これは運用の問題で、それぞれ起債の運用と私はからみ合いできまるだろうと思います。起債も借金、債務保証も一つの借金、そういうものを総合的に考えて団体の財政力との比例でワクを考える、こういう趣旨で申し上げたのでございます。 それからもう一つは、現在やっておるものはこれはもちろん経過規定で当然動くのでございまして、現在やっておるものを今度は更新する、あるいは全然新しい契約を結ぶということがあろうと思います。私は現にやっておるものにつきましては、これは非常にむちゃで団体の運営上ひっくり返るような特殊なものは別といたしまして、現に財政上動いてきておるものにつきましては、更新その他、それと同じ種類のものは認める扱いはしなくちゃならぬ、そういうふうに考えております。
○森八三一君 前段の方の債務保証の場合には起債と同じような感覚で一定のワクというものを財政力の規模に応じて考えなければならぬ、そのことは私も一応了解します。が、利子補給のような場合にはちょっと意味が違うのです。そういう場合も一定のワクということをお考えになるとすれば、これはかなり問題が窮屈になってくるので、利子補給の場合にもそういうような何か財政規模の何パーセント以内とかいうようなワクをお考えになるのかどうかという点、これはいかがでございましょうか。
○政府委員(小林與三次君) 利子補給の問題は、御承知の通り片一方で寄付制限の規制が再建法にございますが、私は寄付などと類似のものだろうと思います。それよりもっと程度が強くて、補助金と類似なものだろうと思います。それでございますから、補助金と類似で、補助金はもう公益のために必要ならば、補助金はみな公共団体が自主的にやっておりますから、寄付類似のような問題になってきて、寄付制限のワクとからみ合いで考えていかなければならぬと思いますが、今の総体のワクのうちの何パーセントしか認めぬと、そういう考え方はとる必要がないと思います。それは、もっぱらそれは公益上の判断でいきたいと思います。要するに御心配になっておる問題は、現在自治団体がいろいろ広範囲にやっておるそれをどうこうしようという気持はちっともないのでございまして、特別に弊害があるものは格別として、弊害を認められぬ限りは、現在行われておる運営というものはこれは保障していく考え方をとって政令も考えなくちゃならぬと、こういうふうに考えております。
○森八三一君 そうしますと、今私は全般的のことをよく承知いたしませんから、そういう質問をすると思うのですが、私の承知しておる限りにおいては、現在市町村なり都道府県でやっております産業助長のための施策というものについて、非常に行き過ぎがあるという例を聞いたことがございませんが、こういう制限を設けなければいけないというようなお考えを持たれるに至った過程においては、弊害を生じておるという事例を認められたからということであろうと私は思うのですが、どこかに弊害を生じておるような利子補給の例、もしくは債務保証の例等がありますれば、それを具体的に一つお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(小林與三次君) これはこの前の火災共済で、えらい議論になった例ばかり申し上げて悪いのですけれども、それだから火災共済を認めぬというわれわれは気持はありませんが、その限度の問題で議論になったのが、秋田の大火についての県の債務保証だろうと思いますが、保険制度ですから、保険が成り立つような経済的な基盤があればよかったのですけれども、新店早々のときに大火事が重ねて起ったから、入った加入者は金がもらえると思うし、県だって金がないというので大騒動したことが現にあって、その保険制度がいいかどうかという議論もあって、われわれは現につるし上げを食ったこともありますが、これは限度、方法の問題だろうとおもいます。 それからなお、ある市町村などが特定の会社に対して、ある営業会社でございましたが、その債務保証を多くしようとする、財政の規模の二、三千万円のところでそういうものをやろうとして大騒ぎをしたような事例もございます。 それからまた、これは私はすぐに悪いというか、やらした方が悪かったのだろうと思いますが、この土地改良か何かの事業全部を町村が肩がわりをしてしまいまして、そうして今度は償還金が入ってきて、それが町村の財政力から見てべらぼうな大きな金額になってきて、その跡始末を自治庁で現に特交で見てくれといって大騒ぎになった、これは相当な県がございます。 それからさらに合併などになりまして、新市でそれを引き継ぐか、引き継がないかという問題で、当然公共的な村費でやるものは引き継ぐが、そうでないものは引き継がないというようなことで大騒ぎになって、訴訟騒ぎを起したような例もございます。これは悪い極端な例だと思いますが、普通の団体はもちろん常識的にやるだろうと思います。ただ問題は、今いろいろ仰せになりました通り、だんだん何がなんでも国が財政的な援助ができぬものだから、みな債務保証におっかぶせよう、きわめて露骨に申しますと、そういう問題がありまして、債務保証だと安直にやれる、そこのところは、将来ある一定のめどだけは立つように規制だけはしておく必要があるだろと思います。個々のものにつきましては、特別の弊害のあるものは別といたしまして、まずまず常識的に行われておるのが多いと、こういうふうに考えていいだろうと思います。
○成瀬幡治君 私はやはり問題になっておるその政令の問題について、特に火災共済に限って一つお尋ねしたい。 御承知のように、団体法の成立の当時に、その経緯にかんがみて、特に郡長官は参議院の当時の自民党の幹事長をやっておいでになった、党の幹部で、この経緯等は十分御承知だと思います。ところが、こういうふうに、政令の中で火災共済が一体入るのか入らないのかということが非常に重要な問題なんで、だからそれがどういうふうに取り扱われるかということについて、明確に御見解を承わりたい。
○国務大臣(郡祐一君) これは地方公共団体の債務保証が全部が入るわけでありまするが、今も政府委員からも申しておりましたように、既存のものは、これは付則で解決いたしまするし、それから新規のものにつきましては、政令で自治庁長官の承認を得ました場合には債務保証が可能である旨の一般的規定を設けることにいたしたいと考えております。従いまして、そのような規定を設けまして、運用上、個々の場合について、当該地方団体の財政がこれを可能ならしめ、かつ内容が妥当であるものについては認めて参るのが当然でございます。非常に現状を変更するようなことはないと存じます。これはさっき政府委員も申しておりましたが、私はどうもこれを納得できずにおりましたのは、地方団体の保証契約について大蔵大臣が承認したものはよろしい、それっぱなしになって、それで運用されておる。これだけの重要な問題は、法律、政令なり、あるいは地方団体の財政を所管しておる大臣なりが扱いますのが当然でございます。これを大蔵大臣の承認だけにしておる、これは早急に整えなければならない。そうした筋道を立てることを十分考えておりますが、同時にまた、実際の問題について、地方団体の財政もこれを可能である、事柄が妥当という問題については、その運用を決して阻害するような考えは持っておりません。
○成瀬幡治君 特に心配しておるのは大蔵省ですね。あるいはまあその裏にあるいわゆる火災保険事業団体ですか、一つのプレッシャー団体になっていると思うのですが、こういうものは喜ばないと思うのです。しかし片一方から、火災保険思想等の普及は、新潟の大火のときの記憶が、若干違うかもしれませんが、火災保険に入っておる人が一割九分何厘しかなかったというような点で、私はやはり被害者の立場に立てば大へんだと思うのです。そしてこういう一つの火災共済等が健全に行われていくなら、火災保険思想の普及にいいのじゃないか、こういうふうに考えておる。ところが今申しておりましたようなとんでもない圧力団体がある。一体自治庁はこういうことに対して、今後育成の方向をとられようとしておるのか、それとも言葉は悪いですけれども、火災保険事業団体のような立場に立って、こういうものを押しつぶそうとしておるのか、育成の方向にあるのか、どういう方向をとられようとしておるのか、長官のお考えを承わりたい。
○国務大臣(郡祐一君) 私は前から地方の発達というか、それから地方住民の福祉というのは、地方団体が中心になっていくべきもので、府県市町村がすべきものだ。それが戦後の傾向でございましょう。非常に分れていってしまった。何と申しますか、府県なり市町村なりという自治体というものが中心にならずに、実は最中のあんがなくて、皮ばかりのようなことになってしまった。これは非常におかしいのであります。ですから、その地方のために必要であることならば、そうしてむしろそれが住民の福祉に合って、地方団体がして差しつかえないことであれば、積極的にいたすのがよろしいと思います。しかし、何分にも三千何百の自治体を見ております。従いまして、その中に住々にして自己の財政力を考えないで、むしろ場合によっては違った意味でいろいろとプレッシャーがあって、内容はよく吟味せずにものをやってしまう。これについては必ずしもあまり自治庁をとがめることはできないと思う。自分のところの仕事をやって、全体を見てということはなかなかできませんから、そういう場合に、親切にその自治体のほんとうに正しく意図するところを伸ばしていこうというために、この法律もまた自治庁長官等が承認というような扱いをいたしまして、さような意味で扱うべきものである。なお、地方財政というものだけの見地からものをやろうというのではなくて、地方財政の許容する限り、自治団体の中で必要なことは地方団体がむしろ、うしろだてになっていく、この法律の運用についてもまた私はさように考えております。
○中田吉雄君 朝から少し御質問しているのですが、債務保証の制限のことを長官にお尋ねしますが、この債務保証、損失補償、元金もしくは利子を補給することができない、できるものは政令または法律で規定する、この規定が、最近府県や市町村がやっています農協の信連の金、あるいは農業共済等の金を利子補給をしたり、信用保証をしたりして、そうして最近非常に劣勢な中小企業や農業振興に役に立っていますが、この制度では非常な制約になって、地方産業振興上問題があるじゃないかという問題で、政令がはっきりしませんし、この点いかがでしょう。
○国務大臣(郡祐一君) これは先ほど成瀬委員にもお答えしましたように、地方財政がまず許容することでなければ地方団体ができるはずがない。また、地方財政が可能であって、そうして事柄が今申しましたように、今、成瀬委員にお答えしましたような意味合いで、内容が妥当であるならば、これは地方団体がするのは当りまえでありまして、ただ法律をかように整え、あるいは法律あるいは政令、その政令の中で自治庁長官の承認というようなことがございましょう。現在の国ならとにかく、これは政府委員も触れておりましたが、地方団体が債務の保証をするのに、債務の保証契約はできない。ただし大蔵大臣が承認をした場合はこの限りでないという現在の法律で運用しておる。これはいかにも大蔵大臣という他の仕事を持っている人が、この自治体の保証について承認を与える、しかもそれだけである。私はこれは法律のどうも不備と言わざるを得ないのであって、法律なり政令なり、正当の手続をもってきめられまするもの、さらにそれはものによりまして、自治庁長官の承認というようなことがございましょう。従いまして、正しく育てて参るという現状はどこまでもこれを伸ばして参る。そうして法の一方では、整っておりませんところは、この機会にぜひ国会の御議決によって正しいものにいたしたい、このように考える次第でございます。
○中田吉雄君 そういうふうに一々、大蔵大臣の認可ですか、それでやることは好ましくないということで、地方公共団体に関して長官の方に移されるという法の整備は了解するわけです。しかしこの文面からしますと、やはり補助金なら出せるのです。もうこういう規定なしに、補助金なら出せますが、だのに補助金よりもっと少い県の負担で、そうしてもっと経済効果を上げることがこの措置では非常に制約される。そうしてかたがた政令の内容もわからぬので、せっかくの意図が若干行き過ぎのものがあったために、かえって角をためて牛を殺すというようなことになるではないか。たとえば、さきに森さんが言われました自動耕耘機がどんどん入ってきておる。これに対して一台幾ら補助する、あるいはそれに対して三年間減税するというふうな措置は幾らもやっているのです。ところがもっとそれより少い利子補給でやれるのにその方は非常に制限を受けるというようなことで、これは好ましくないじゃないか、こういうことなんです、どうでしょう。
○国務大臣(郡祐一君) これは金額の多寡の問題もありますけれども、とにかく補助だとか、それから出資だとか、こういうものは、その議会でちゃんとその事柄を一体幾ら、補助するのだ、幾ら出資するのだと、すぐに出てきますね。ところが、とかく債務の保証だとか損失の補償だとか、後年度にわたるが、そういうような損失があるかないかわからぬというようなときには、まあこれは人情と申しまするか、議会でも、つい後年度のことで、あるいはそんな損失は今のところ予想されぬということでものが扱われてしまうのでは、これはそのまま、補助とか出資だとかいうようなものについては一一議会が議決をしているのに、後年度にわたるということがそのまま放置されていては好ましくない。それじゃどうするかというと、今、中田委員の言われたように、現在の法律では大蔵大臣の承認を受けにいくのだ。これは何とも納得できない話です。そういたしますと、そういう額はなるほど小さいかもしれない。またそのようなことは金額では出てこないことではあるけれども、後年度にわたること、あるいは目には見えないことでも、場合によればまた思わざる損失が後日起る。そうしたものについては規定を整えていこうということでありまして、御懸念のようなことは全く起さないようにこれから運用して参りたいと思います。
○中田吉雄君 それで後年度にわたったりするような、ともすれば、そのときに地方公共団体の負担が少いが、あとで予側できぬ債務の保証が出てくるというおそれはありますが、しかし中小企業等の信用保証の例に徴し、その債務保証の頻度を見たり、また私がいろいろ数県にわたって調査したところでは、割合百姓が自動耕耘機を購入するとか、あるいはもみすり機を買うとかいうようなことに対して、まず債務保証をやった県はほとんどないというようなことで、とにかくこれではそういうことも、あまり健全財政をおもんばかれるあまり、むしろ県政なり市町村政の財政的基盤である産業振興というものができない。私はむしろ補助等は経済効果からいっても少い。むしろあとあと返していくというような信用保証なり、利子補給という方が、少い金で乏しい県財政や市町村財政で経済効果が上る、条例等の設定に慎重な配慮をしていき、また自治庁がやっておられるような財政指導よろしきを得れば、火災というような、あるいは空襲というような特殊な場合を除いては、私は小林局長等が心配されるようなことはないと思うので、郡長官が国と地方との建前をはっきりするということは了承するが、ゆだねられた政令の内容を、われわれの安心する程度にしていただかぬと、せっかく乏しい財政で大きな経済効果を上げようとし、現在、地方公共団体で広範に取り入れられようとする制度にこれは重大な支障を来たす。何らかわれわれを納得させるような……。小林局長の言われたのでは、なかなか小林さんのところに権限が保留されて、白紙委任状とは言いませんが、どうも安心できないのです。その関係をもっとはっきりしていただければ安心できる。
○国務大臣(郡祐一君) これは今、中田委員があげられたような事例の保証は、これはあなたの言われる通り、その町村を伸ばしていくために必要なんだから、これを今まで通りよりむしろ伸ばしていくということは、私どもはけっこうなことだと考えております。それでただ、この間の予算委員会でも岩手県の例か何かで、これは工場誘致だったけれども、一生懸命で村が誘致している間に、とうとう山まで切ってしまって金を償わなければいかぬ、あれはなぜ自治庁は見過しておったのだ、よその役所のことだといってけしからぬじゃないか。これなども、その場合は、工場を誘致すれば税金が上るというので、誘致している間に、なかなかそうではなくて、金を出せということになった。とうとう山を売り払うといった状態になってから、われわれのところに跡始末をどうとかせい、これはよくここでも御指摘を受ける、自治庁で見ろというようなことがすぐ出てくるのですが、どうもこういう事柄は、先に何か心配をしておくという手続が必要であります。しかし、これは態様はいろいろございますし、今のような耕耘機をどうするのだというのだって、現在の法律でいえば、大蔵大臣の承認を受けにいかなければならぬ、これは法律通りやらぬで承認しろということでありますけれども、ですからそういう工合に一つの落ちついた、安心して差しつかえないことは、当然これらの法律を置きましても、今まで通りいくという形で、その安定した政令をこしらえていくということにいたしまして、そうしてこれはどうだろう、先行き見込みがあるのかないのかというような判断をせなければいかぬものだけを、自治庁長官が判断をいたしていく、こういうような扱いにすべきものだと考えております。
○委員長(小林武治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) それでは速記を始めて。
○森八三一君 大臣にお尋ねいたしますが、十二条の二の規定に関連いたしまして、法律または政令で定める場合はこの原則をはずすということでありますが、その政令の規定の問題であります。質疑を通しまして、大体は明確になったと存じますが、現に地方公共団体が中小企業、農業等、産業の助長進展のために行なっておりまする債務保証、損失補証もしくは元金あるいは利息の補給事案、さらに住民の福祉の増進に関する同様の事案につきまして、重大な弊害を認めない事項につきましては、政令にそのことの取扱いを可能ならしめるような規定を設けるということについて、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(郡祐一君) お話の点、ごもっともの点でありますので、御趣旨に沿うようにいたします。
○森八三一君 ただいまのお答えで大体明確になりましたが、政令の規定につきましては、技術的にもきわめて複雑であり、困難があろうと思うのであります。趣旨を十分御了承いただきましたので、そういう趣旨によって間違いなく政令が定められることとは存じまするが、なお事柄がきわめて大衆、住民に影響するところが大でありますので、政令案がきまりましたなれば、当委員会に案をお諮りいただきまして審議をされるような機会を与えられたと思いますが、そういうような取扱いはせられまするお気持がありますかどうか、その点をさらにお伺いいたします。
○国務大臣(郡祐一君) そのような取扱いをいたすことにいたしたいと存じます。
○成瀬幡治君 この法律案から少しはずれますが、しかし、地方財政再建促進特別措置法の方に関係するわけですが、実は九つほどの再建団体に対するいわゆる給与ベースの問題なんですが、私がほんとうに聞きたいところは、九県が固まってぐっとくると、そうすると自治庁も意地になってやらなくちゃならぬと思いますが、そこで、今までそういうふうに九県に対する圧力が、公務員の給与よりも高いからと、この一点に尽きるのです。その給与が高いということは、俸給表の形をいうのか、ベースをさしておいいになるのか、どちらをさしておいでになるのか、お尋ねしたい。
○政府委員(小林與三次君) 給与の高いという問題は、両方あろうと思います。現実の給与が高いか低いかという問題は、現実の給与の問題であろうと思います。われわれが今求めておりますのは、給料表が国家公務員よりも高いのを直せと、こういう趣旨で申しておるのでございます。
○成瀬幡治君 そうすると、岩手や山形、静岡、新潟、長野、千葉、長崎、鹿児島、熊本というようなところが、国家公務員の給与ベースよりも高いという、平均ベースよりも高いという数字を、私はそこで言ってもらいたいと思います。私の資料では、公務員のベースよりも低くなっておる、もしベースでいうならば。
○政府委員(小林與三次君) 私は、個個の職員の月給が高い低いということは、これはいろいろあろうと思います。これは一昨々年でしたか、給与実態調査をやった資料以外には、現在においても資料はないのでございまして、その後の給与の実態がどうなっておるということを明らかにする必要がありますので、今年度どうしても全開の給与実態調査をやりたいと、こういうふうに考えておるのでございます。
○成瀬幡治君 それじゃ、あなた方が実態がわからぬから調査をやるというので、わからぬのに高いということは、どこで言うのですか。
○政府委員(小林與三次君) 私の申し上げましたのは、この前の給与の実態調査の結果はわかっております。ちょっと今手元に資料はございませんが、それはわかっております。それによりまして、仰せのように高いところもあるはずでございます、低いところもあるかもしれません。私の申しましたのは、給料表が、給料の制度というものが、昇給の期間その他を書いてあるものが、国家公務員よりも違った、それを上回った形でやるということが、これは適当でない、だから給料表の是正をやるんだ、こういうことを申しておるのでございます。
○成瀬幡治君 そうすると、話が詰って参りまして、給料表のことをさしておるのですか、それのみですか。だから、あなたは高いところがある、低いところがあるとおっしゃる。それじゃ低いところはやらぬでもいいということになる。だから給料表がいかぬのか……。
○政府委員(小林與三次君) 給与の問題は、今是正を求めておるのは、給料表を国家公務員の給料表に準じて直すことを求めております。それ以外の給与全般の問題は、実質的に給与費の圧迫が非常に多いところは、再計画面上給与費の合理化という問題で議論をされておるのでございます。
○成瀬幡治君 そうすると、大体給料表の訂正を求めておるということで、大体問題はわかりました。そこで、そういうことになって参りますと、いわゆる職員の構成というものが、非常に問題になってくると思います。問題は、役づき職員がどのくらいあるかということ、それから年令の問題と学歴の問題とに分れてくると思いますが、そこで一番問題になりますのは、何と申しましても、年令の問題、いわゆる勤続年数の問題と役づきの問題だと思います。頭打ちがあるから、それをある程度直していかなければならぬということになっております。役づきの問題を私若干調べてみますと、たとえば自治庁は五七・一%役職がある。というのは、二人に一人係長とか課長補佐とか、何とかという役づきがあるということです。あるいは警察は六二・一%、厚生省七一・二%大蔵省は六一・一%農林省は六三・一%というようなふうに、大体二人に一人というのが役づき職員になっておるわけです。自治体の方を調べてみると、二四・二%なんです。ですから、まあ三人に一人くらいの割合になっておると思います。もっといけば六、七人に一人というような格好になっております。ですから、問題は、年取った人がそういう上に上れない、しかもまた地方自治団体は自治庁の方から派遣する人が多いですから、上れなくて、年令が詰っておって、頭打ちになるから、それを俸給表で少し何とか手心を加えたいと、こういうところに問題があると思うのでありますが、あなたはどういうふうにそれをお考えになりますか。そういうものは全然認めぬというお考えなのかどうか。
○政府委員(小林與三次君) われわれの方は、全然認めぬと申しておるわけではいませんけれども、原則はこの給与制度というものは、やはり府県、国を通じて一緒であるべきじゃないかと、こういうことがもう基本的な考え方なのでございます。年令の構成とか職務の構成とか、多いとか少いとかいう問題は、これはあろうと思います。これはそれぞれ学歴とか、そういうものは給料表の上で、国だって地方だって同じように考えられておる問題でございますので、給与の制度というものは一緒に考える。ただ、中央と地方の場合に、等級と申しますか、等級の考え方を一体どう考えるか、こういうところに問題がきているのでございまして中央のつまり課長級を地方では一体どう考えるか、極端に言えばそういう問題だろうと思います。それが、国の中央官庁と出先官庁との関係、それと府県庁との関係、実際の人事の交流その他の扱いの関係、そういうことから考えまして、普通中央の課長が地方の部長、中央の課長補佐が地方の課長と、大体そういうグレードになっているのが常態でございますが、その常態を基礎にして地方の給料表というものは原則として考えられなくちゃいかぬ。しかしながら、地方によっては、今仰せの通り、昔の時代と違いまして、それぞれ府県の実態も変ってきておるところがあるし、大府県その他の問題もあって、地方の課長だからといって、中央の課長補佐でなくてはいかぬという理屈は必ずしもない。やはり中央の課長級の人も、これは実はなきにしもあらずでございます。そういう意味で、私の方では、つまり地方課長で、状況によっては、原則は課長補佐であるが、中央の課長クラスまでの段階で、府県の実態に応じてそこは調整してよろしいと、こういう考え方で参っておるのでございます。それが、地方の課長が中央の部長級とか、そういうことになれば、これは行き過ぎではないかという考え方で、この給料表の問題をわれわれは養えておるのでございます。
○成瀬幡治君 あなたがおっしゃることなら、何も文句なくて、再建団体に私は再勧告する必要はないと思う。言ったことをその通りおやりになるなら問題は少しもないと思う。ここはいかぬと言って指摘される、あなたがおっしゃることと矛盾するところがどっかにあるのですか。私がいただいた、たとえば千葉県の行政職の給料表を比較してみると、あなたのおっしやる趣旨なら何も悪いことはない。
○政府委員(小林與三次君) 今千葉県の例が出ましたので申し上げますが、たとえば五等級、これは国、府県を通ずる吏員でございます。これは吏員同士でございますから、ほんとうは吏員同士でいいのでございますが、府県の吏員が、県の側では二万一千四百円ですが、それまでは実線になっております。それを国の例で考えますと、国の下級係長は一万八千三百円となります。上級係長が二万一千四百円になります。それですから、われわれは、普通吏員なら吏員同士でいいので、役づきがえらい議論になるとすれば、つまり国ならば下級の係長という吏員が府県にあるかないかということになるのであって、そうなれば国の下級係長というものをめどにして考えるべきではないか。それが、そこを通り越して国の上級係長までいくと、これは普通の吏員が、国の平吏員、下級係長を通り越して上級係長までいくということは、それはやはりいかがなものだろうか、こういうことで、ここらはやはり考え直すべきではないかと申しておるのであります。
○成瀬幡治君 そうすると、あなたはさっき役づきは、四等職に例をとりまして、国でいえば六等級になるわけでありますが、例をとりますと、大体用の方は二対一、地方公共団体は大体六人ないし七人に対して一人の割合であります。だから、勤続年数が非常に長くなっておるのです。だから頭打ちが出てくるから、そこでこういう国の下級係長を一万八千三百円に抑える。それに対して、県の方は二万三千八百円に押える。いわゆる人員構成を考慮してやる、そういうことは認めるとあなたがおっしゃったのですが、これは全然認めないということになっちゃうのですよ。そういうものをお認めになれば、私はこういうふうな措置でいかなければならないという点が一つ。 もう一つは、今までこういう再建団体のようなところは、昇給昇格は全部ストップしてきたのです。だから、こういうことをまたやらなければならぬ。給料が実際低いわけなんです。だからこういう措置をやるのを一括してやる。私は一歩譲って、あなたが言うように、平均給与ベースが非常に国家公務員より高いというところは、私は考慮してもいいと思う。しかし、低いところもある。ただ俸給表だけで行こうというのは少し行き過ぎじゃないか、こういうふうに考えるのです。
○政府委員(小林與三次君) 私は、その現実の給与が国家公務員のベースに比較して現実に低いものがあれば、これは私は国家公務員並みに上げるということは、再建計画の運用上ゆとりがある場合には私は考えていいと思う。それはこっちも拒否しておりません。現実の実ベースが三百円低いか二百円低いか、そう大差はないと思う。相当高い県が現にまだあります。ありますが、高いものを下げろという気持までは持っておりません。ただ問題は、ほんとうに低いものがあれば、私は国家公務員並みに上げるということにつきましては異存ありません。だから、それならそういう資料を整えて上げようじゃないか、これは地方にも申しておるわけでございます。そうでなしに給料表の問題になりますと、全部の給与をこれで規律することになりますので、これがベースになって、今後昇給が無限に続き、将来給料制度が変れば、それがまたベースになっていく、こういうところに将来の相当強い影響がありますので、こういう制度はやはり国にばつを合せ、そうして今後給与がほんとうに低いものがあったらそれは上げてやったらいいじゃないか、こういう考えでございます。
○成瀬幡治君 最後に、長官にお尋ねしますが、私はやはり、自治庁と自治体と、この問題でトラブルを起すのは歓迎すべき姿ではないと思う。しかも今、小林さんのお話を聞いておってもちろん実質の問題でなく、形式論になってきておるので、だから非常につまらぬことだと思うのです。これは一つ長官、大いに政治力をお出しになって、円満にこの事態を収拾するように一つやっていただきたいと思う。あくまでも実質論じゃないのですよ。形式論になっておる。だからそういう点のないようにやっていただきたいと思いますが、長官どうですか、あなた一つ乗り出していただけませんか。
○国務大臣(郡祐一君) 実は私もこの資料を見まして、図に書いてあるのでなおさら、こんなに地方と国とが隔たりがあっては困るぞという感じを強く持ちましたので、これは今申しました通り、吏員が国の上級係長と同じではいかぬ、これは私も、再建団体というものは早く財政を再建させたいということが第一の念願それからおっしゃるように、自治庁と自治体との間が円満にいくということはもちろん望ましいことです。しかし同時に、このままで放置しておくことまできませんから、これは早急に改めるべきものは改めさして、そうして円滑な運用をはかっていきたいと思います。
○成瀬幡治君 長官、あなたはこれを見てどうこうおっしゃるが、これは構成人員の問題があって、内輪へ入りまして比較してみますと、たとえば、四十から五十くらいの人と二十二、三の人との比較になってくるのですけれども、ですから、そこらあたりを実物と比べていただいて、そうしてやっていただければ……。こういう形式に見ると、いろんな問題があると思うのです。内容を比較していただければ、問題はおのずから解けてくると思う。ですから、実をとるか、形式でいくかという、この形にかかると思いますから、あまり自治庁は形式ばらずに、一つ実のあることをやっていただきたい。しかも地方自治体の運営がそれによってうまくいくというなら、私は非常にいいと思う。そういう立場に立って一つ善処していただきたいと思う。あまり形にとらわれないように一つ要望して私の質問を終りたいと思います。
○委員長(小林武治君) 他に御発言がなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○大沢雄一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本法案に賛成の意を表したいと思います。 本法案は、地方公共団体が年度間の財源調整、債務保証等の規制、また地方公共団体そのほかにおける負担関係等に関しまして、地方財政運営の基本方針を明確ならしめた、いわば自律的規定でありまして、現行法の不備欠陥を補うものである、こういう意味で私は適当なものだろうと存ずるのであります。しかしながら、この法案の審議の中におきまして、多くの議員から、行政水準の向上等に関していろいろと意見が述べられたわけであります。もとより、この法案の真のねらいは、かえって恒久的な行政水準の確保向上に資するために、年度間の財源調整をするという趣旨にあるのでありまするが、しかしながら、政府といたしましては、いやしくもこの趣旨に反するような反作用がこの法案の施行のために起きないように、本法の運用に当っては十分留意せられんことを希望するものでございます。 以上の希望を付しまして、本案に賛成の意を表するものでございます。
○鈴木壽君 私は、日本社会党を代表いたしまして本案に反対の意見を申し上げるものでございます。 第一点は、第四条の三、四等に関連してでございますが、一応、地方の公共団体に真に剰余金あるいは余裕というものがあった場合に、それを積み立て等の形等において、年度間のいろいろな財政運営の基礎を固めていくという上におきましてのそれは考えられることであり、その限りにおいては私どもも賛成をいたすわけでございます。ただしかし、現在の地方の公共団体の財政状況を見ます場合に、果してこの条文に掲げられてありますような事柄が必要なものかどうかということをまず考えるものでございます。根本的に言って、私は、かりに今私が賛成だと申し上げたようなそういう事柄であっても、現在の地方財政法、あるいは、地方の自主的な財政運用等のために、条例等によって積み立てをするというふうな方向をとるべきじゃないかというふうに考えたわけでございます。従いまして、このような形の条文に示されるようなことで、地方の財政運営というものを規制する、あるいは自主的な財政運用を困難ならしめるようなことにつきましては、私どもは反対をせざるを得ないのでございます。 なお申しますと、この条文からいたしますならば、現在、地方財政が非常に逼迫しており、従ってまた、地方のいわゆる行政水準が著しい低下を来たしておると、こういう現実の上に立って、いかにして地方の行政水準を高めていくかということが、まずもって考えられなければならぬのでございますが、たとえば、前年度におきますところの一般財源の額をこえる場合、あるいは公共団体の義務に属する経費の額を著しくこえる場合等、こういう規定からいたしまして、果してかりに多少の余裕があった場合に、地方の行政水準の引き上げのために使う金が出てくるかどうか。こういうことは、この条文を少くとも正しく解釈していった場合には、私は不可能になるであろうと言わなければならぬのでございます。従いまして、そういうことを前年度並みということにしまして、余った金を将来のためにという、そういうことで積み立てをさせるというようなことは、現在の地方の一般の団体にとっては、これは不可能なことをしているものであるということを私は言わざるを得ないのでございます。 さらに私問題だと思いますことは、この第四条の三等におきまして、質疑の間におきまして明らかになったことは、この条文の解釈運用がきわめてあいまいなルーズな態度でなされるということを答弁しておられますので、私はきわめて遺憾なことだと思うのであります。法律は法律であり、実際の解釈運用はそれとは別なんだというようなことは、これは私は許されるべきではないと思うのでございまして、一つの例を申し上げますならば、たとえば前年度における一般財源の額、それは前年度かというと、過去五カ年間の傾向を見てやるのだと、こういうようなお話、まことに運用の妙を発揮されるようでございますけれども、しかし、こういう法律の建前からすれば、それは私は許さるべきではないと思うのでございまして、親心を示されておるようでございますが、しかし親心はあくまでも正しい法律の解釈、運用によってのみ許されるべきであって、かようなルーズな解釈運用は私は許されないものであろうと思うのでございます。これは一応一つの例として申し上げたの、ございますが、全般についてそのようなことが質疑応答の間にうかがえましたことで、私どもにわかに賛成することができないのでございます。過去の地方団体の財政運営の上において多少の遺憾の点のあったことは、これは私どもも認めざるを得ないと思います。また将来において必ずしもそういう不安がないかということにつきましても、にわかにそういう不安がないということも断定できないと思うのでございますが、しかしこの問題は、現在多くの地方の財政の逼迫しておる状況から、特に赤字団体等におきまして、今後の財政運営については、相当過去とは改善された姿において私は運営されるものであろうと思いますし、また自治庁における指導も、そういう面で私は十分指導の力が発揮されるものと期待するものでございまして、そういう意味におきますところの、法規内におきますところの自覚あるいは自治庁の指導等によって、できるだけ地方の自主的な財政運用がなされるべきである団体に、このようなことをする必要は私どもはないということをまず反対の第一点に申し上げたいと思うのでございます。 第二点は、先ほど来いろいろ論議のありました第十二条の債務の保証等の制限に関する問題でございますが、これは各委員から御指摘のあったように、この条文からいたしますならば、地方産業の育成のために、あるいは住民の福祉のために地方団体が当然とらなければならないいろいろな施策、そういうことに伴うところの財政の運用というものが不可能になってくると、こういうことを私どもは心配をいたすものでございます。質疑応答の際に、これも運用の面におきましていろいろ心配のないようにする、こういうことでございますが、しかしながら考え方としては、こういう条文を立てる考え方としましては、私どもは、今申し上げましたような地方産業の育成あるいは住民の福祉の向上、こういうもの、従ってそういうものは、現在最も問題となっておりますところの地方財政の基盤の強化なりあるいは行政水準の引き上げというような、そういうことの基礎になることでございますので、そういう点についてブレーキをかけるようなことに対しては、私どもはにわかに賛成をいたしかねるわけでございます。 以上、二点につきまして簡単でございますが、反対の理由を申し上げまして、私どもの反対討論とするわけでございます。
○森八三一君 私は、本法に賛成の意を表するわけであります。ただ賛成の意見を表明いたしますに際しまして、一言希望を申し添えたいと思います。 その第一点は、現在の地方団体の財政の運営の実況からいたしまして、ある程度の規制を原則的に行いますようなことは必要かと存じまするが、今回の改正の結果、中央からの指示が非常に強化せられまする結果として、かえって地方団体の自主性を喪失するような懸念が起きるのではないか、さらにそれが発展をして、念願している行政水準の引き上げに支障を及ぼすような結果が生まれるというようなことになるのではないかという心配が持たれるのであります。質疑の過程を通しまして、そういうような心配は全然持たれないのだというようにお答えにはなっておりまするが、法律そのものを真正面に運用して参りますると、そういうような危険が生じ、意図するところとは変った結果が生まれてくるような危険を感じますので、御答弁になられましたような点を十分に生かされまして、あくまでも自主性を喪失せしめず、行政水準の低下になりませんように、本法の運営には格別の御留意をいただきたいと思います。 さらに十二条の関係につきましては、長官から明確なお答えがありましたので、一応了承いたしまするが、政令の規定につきましては、お答えのございましたような趣旨が十分に生かされていきますように、最善を尽されたいと存ずるのであります。 さらに、二十七条の四項に規定されます事項につきましては、これは当然私は、地方自治庁長官の権限において行われるべきことである。これを首相、各大臣に協議するということは、いたずらに繁雑を加えるのみならず、自治庁長官の権限を侵すというような結果が生まれる危険がある。そのことが将来、地方団体に財政運営の上に暗影を投ずるという結果が生まれる危険がないとは言えないと思うのでございます。でございますので、これは将来の問題として運営の結果を見まして、これは地方自治庁長官の専管と申しまするか、専行するというような態度に改めるべきであると思う。そう申しまするのは、この債務保証等について、現行法では大蔵大臣に委任されているということを、当然のこととして、今回は自治庁長官の権限に移すという考えと、私は全く同一のものであろうと思う。こういうような規定の中に前後撞着をしているようなことはいかがかと思いまするので、将来の問題として、十分運営の結果を考えつつ、改正等についても御検討いただきたいという希望を申し添えまして、賛成の討論を終ります。
○委員長(小林武治君) 他に御発言なければ、討論は終局したものと認め、採決に入ります。 地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小林武治君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による本会議における委員長の口頭報告の内容及び第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた諸君は、順次、御署名を願います。 多数意見者署名 佐野 廣 大沢 雄一 三木與吉郎 森 八三一 白木義一郎 土田國太郎 左藤 義詮 伊能繁次郎 伊能 芳雄
○委員長(小林武治君) これにて散会いたします。 午後一時十一分散会 —————・—————