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28回国会参議院1958/04/09

地方行政委員会 第27号

発言数
105
登壇者
5
会派数
3
開催日
1958/04/09

会議録

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。  前回に引き続き、地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題に供します。  質疑のおありの方は御発言を願います。

森八三一緑風会

○森八三一君 前回の委員会で加瀬委員の質疑で、大要は了解いたしましたが、さらに二、三の点をお伺いいたしたいと思います。  それは国民経済の発展に従って地方の一般財源というものが当然伸びてゆくと了解せられるのでありますが、今回新しく挿入される四条の三によって、前年度における一般財源の額というものに固定せられるというような結果になりますれば、行政水準が今日の実情では十分でないことは、これはもう当局もお認めになっておると思う。それを上昇せしめてゆくということがここでチェックされるような形になるのではないかということをおそれるんですが、そういう場合に具体的にどういう措置をお考えになるのか、その点をまず第一にお伺いしたいと思う。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) ごもっともでございまして、われわれも、当然に一般財源は伸びていくし、地方の一般の財政需要も伸びていくものだと考えております。それでこの考え方は、前年度よりもいつも伸び工合が通常の伸びよりも著しく大きいときに、その大きい部分について積み立てを考えるようにしよう、こういう考え方でございます。従来から見ておりますというと、一般の財源の伸びが、平均大体一割二、三分毎年伸びてきております。これは国の経済の伸びと大体バランスはとれております。それで、そういう平均伸び率よりも多い伸びをする場合に、その伸びる部分について、ここに列挙してありますところの特別の動きのつかぬ経費がございますので、そういうものを除いたものについて積み立てを考えるようにいたしたい、こういうふうに考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 そうしますると、この法律の規定に使われている用語として、「著しく」ということが至るところに出てくるのですが、その「著しく」とは、今お答えのありましたように、過去何カ年間かの平均の伸び率を限度として考えていくということのように理解をせられますが、その場合に具体的に、何カ年平均より伸びた場合とかということを具体的にお考えになっているのか、感覚として、さらに裁量の余地を残されておるのかどうか、この問題も具体的に、過去五カ年なら五カ年間の平均のその伸び率というものをこえた場合ということが「著しく」ということに当てはまるといたしますれば、これは機械的に財政計画を立てることができまするが、裁量の余地があることになりますると、政府と地方団体との関係において、中央の圧力が非常に強く感ぜられるというようなおそれがあるように思いますが、そういう点について具体的に考慮されておるとすれば、その具体的の内容についてお伺いをいたしたいと思います。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 大体われわれの見当は、今仰せの通り、過去四、五カ年の平均の伸び率を考えていいのじゃないか、そういうふうに考えております。まあ何年でなくちゃいかぬということまで考えておりませんが、およそ、やはりこの条文の運営のめどというものを考える必要もあろうと思いますので、今仰せのような程度のところで一応の考え方をこちらとしても示したい、こういうふうに思っております。

森八三一緑風会

○森八三一君 今の御答弁では、三年の平均的なものを考える場合もあり得るし、前年度だけを考えて考慮される場合もあるし、あるいはもっと五カ年間ぐらい長い期間をとるということも可能であるということで、きわめてその基礎が、そのときの情勢によって動いていくように理解せられるのであります。そういうことになりますると、地方団体としてはいろいろの計画を立てる場合に、一々この条章に基いて本省との打ち合せをしなければ、地方独自の計画というものは立ち得ないというようなおそれを感ずるのですが、具体的に、前年度だけを考えるのか、三年平均を考えるのか、五年平均を考えるのか、この法律が実施される段階ではそういうことを明確にされる御意思かどうか、その点をさらにお伺いしたい。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これはごもっともでございますが、法文の上だけは、前年度との比較になっておるのでありますが、著しくこえるということになりますと、前年度との比較だけでは、前年度にいかなる特殊事情があるのか知れません。経済の特殊事情もあれば、当該団体にとりましても、災害その他の特殊事情もございますので、私はやはり過去の数カ年の、まあ五年ぐらいの見当でいいだろうと思いますか、そういう見当の伸びというものを前提に置いて問題を考えた方がよかろうということに一応考えておるのでございます。なお一面におきましては、基準財政需要額というものも頭に置いて、私は考えていいのじゃないかという考え方もあるのでございまして、基準財政需要額は、御案内の通り、毎年国で地方の財政計画を立てまして、国の財政施策に照応して、地方の財政需要かこれだけ伸びるだろう、こういう前提で地方としても財政運営をやる仕組みになっておりますので、そういうものも一応頭に置くことも考えられると思っておるのでございます。ここらの点は、あまり具体的にこの数字以外はどうこうというほどのことも、なかなか言いにくい問題もございますので、一応の考え方としては、そういうふうな考え方で参りたいと思っておますが、なおこれは研究をいたしまして、具体的な指示をやる場合には、それぞれの団体におきまして一応のめどがつくような方策だけはとっておきたい、こういうふうに存じております。

森八三一緑風会

○森八三一君 さらに、一般財源が膨張する場合の例として、それぞれの市町村が工場その他の誘致運動に相当の努力を払っていることは現実の実態であります。ところが、そういうような工場等を誘致する場合に、設置される工場経営者に対して相当有利な条件を出さなければ誘致ができないというようなことのために、当然財源になるべき姿のものを、ある一定期間免除するというような措置がとられている。それがこの法律の制定によって、その免除の期間の切れるときにぶつかりますと、形式的には前年度の財源より相出額のものが膨張してくるという事態が発生する、そういうものをも、この額をこえる場合ということの内容に考えられるのかどうか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは普通の状態におきましては、免除か軽減か、いろいろやっておるのでございますが、大ていは漸減方式をとっておると思います。一度にごそっとゼロから百パーセントという形をとらずに、大体ならしておるようなことがございまして、そのために急激にごそっといくという扱いは、私は普通とっておらぬように理解いたしておるのでございます。それでございますから、今お尋ねのような極端な例というものが普通は出てこないだろうと思っております。かりにそういう場合があったとすれば、むしろその後、恒常的にその町の財政力がそれだけふえていくわけでございますから、過去だけを例にとるということは、これは無理な場合が私はあり得るとも思うのでございます。そうは申しましても、非常に財政の規模というものが極端に変化をするという場合は、やはり財政運営上ある程度の考慮というものが必要じゃないか。そこらの点は総合的にしんしゃくを加えて、普通の事例でまかない切れぬ場合は、まかない切れぬように考えなければならないのじゃないかと存じております。

森八三一緑風会

○森八三一君 十二条の二に、「会社その他の法人に対し、債務の保証、損失の補償又は元金若しくは利子の補給をすることができない。」という規定が、前の一般的な規定をさらに補完する意味において設けられることになったのですが、その具体的な内容は、「法律又は政令で定める場合」、法律に明記されている点は、これはもちろん問題はありませんが、政令できめるということになりますと、いろいろここに問題が起きてくると思うのですが、その政令案についてどんなことを考えておるのか、腹案がありますれば承わりたい。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 政令につきましては、まだあまり具体的なことも考えておりませんが、一般的に、ものによって当然はずしていいものが一つあろうと思います。たとえば、この前の委員会でも議論になりましたが、身元保証のようなものは、現に公共団体が相当やっております。親なし子について就職のために身元保証をやる、こういうような問題は、私は行政上も必要でしょうし、財政的にも問題がありませんので、そういう身元保証のようなものは、政令でも一般的に除いてしまいたい。それからなお考えておりますのは、信用保証協会がございまして、信用保証協会はほとんどは公共団体が全額出資をいたしておりまして、自分が出資をして、そして信用保証をやる。その上でさらに債務保証をある程度やる。これはダブってやっておるといえばダブってやっておることになりますが、どうせ自分が出資者で、最後のしりがくる以上は、ある程度のものは認めざるを得まい。そういうようなきわめて性質がはっきりいたしておりますものは、特定事業をあげまして、政令で全般的にはずしてしまいたい。それからもう一つは、やはり個別的に債務保証の条件とか、そういうものを考えなければ動きのつかないものがありますので、そういうようなものにつきましては、自治庁長官の承認を得てやれるような、そういう一般的な規定を置きたい。大体そういうようなことを今考えておるのでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 二十七条の市町村の負担すべき金額について、関係各所掌大臣と自治庁長官との協議を義務づける規定があるのですが、この意味はよく理解されます。道路等の場合についてこういうことが考慮されなければならぬと思いますが、国との直接の関係のない、都道府県だけの関係において行われる土木その他の建設事業について、その事業の実態についての打ち合せであれば、これは将来国の行う土木事業との関連において考えられることもあろうかと思うのですが、金額について関係所掌大臣に打ち合せするというのはどういう意味なのか。事業そのものについて、単県費で行う事業が、将来国費で行う事業とも関連があるようなことについては、あらかじめ協議しておくことが便利だと思いますが、事業じゃなしにその金額について、具体的に建設大臣に市町村の負担すべき金額を打ち合せするというのはおかしいと思うのです。何のためにこういう必要があるのか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これはごもっともでございまして、この条文が都道府県だけでなしに、この間申し上げました通り、機関委任事務につきましての負担区分の規定も入れまして、それに伴いまして、国の補助負担金があるものもあり、ないものもあり、機関委任事務もあり、団体委任事務も、いろいろございます。これを一つ精密に区別をして議論をするという考え方も私は成り立つと思うのでございますが、また別の意味からいえば、それぞれの道路法なり河川法なりで、道路の主管行政がある以上は、その道路法に基く道路等につきましては、一応所管省の意見を聞いて手続をした方がいいんじゃないか。あまりこまかく個々に区別して書くのも、実際問題でも複雑にもなりますし、そこはそういう意味で協議の規定をそのまま一般的に入れることにした方が適当じゃないかと思っただけでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 市町村の負担すべき金額について、この場合は建設大臣あるいは農林大臣が相手方になると思うのですが、事業ではなくて、金額についてそういろ事業所管の大臣と打ち合せをするということは、どういう意味があるのですか。建設大臣なり農林大臣が、地方自治体の財政問題について詳しい知識をお持ちになっておるということであれば、これは意味もあるかと思うのですが、関係の大臣がそういう点について、一般的な知識はあろうとは思いますが、具体的に山町村の財政についての考慮というものはないと見るのが普通だと思うのです。そういうところで金額の問題を打ち合せしたってナンセンスだと思うのですが、どうなんですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これはお尋ねごもっともだと思いますが、今申しましたように、それぞれの道路法なら道路法で、道路の、府県道はそこがやれ、負担区分がきまっておりまして、それに基いてさらに市町村に対する負担金を課することができるという根拠規定を置いて、その場合は大てい受益の限度ということになり、今度はこれによりまして、政令で一応基準がきまる、こういうことにもなりますので、それぞれの母法において、負担金を前提にして仕事をいろいろやっております関係もありますから、やはり最後に府県と市町村との間に争いが起った、決着の問題でございますから、中心はもちろん自治庁でこれは考えますけれども、それぞれの母法の所管庁にもあいさつをするのが適当じゃないかと、まあきわめて簡単に申し上げますというとそういうことで、一応協議の手続をとることにいたしたのでございます。おまけに、これは自治庁内部の役所相互の問題でございますので、それぞれの団体にとりましても、手続が二重になるとか三重になるとかいう問題でもございませんので、そういうことによって事業省の事業遂行等のやはり円滑を期した方がよかろうという考えでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 どうもその点が私まだ理解できかねるのですが、市町村の財政に関連する問題を、事業官庁の大臣に打ち合せして答えが出てくるのでしょうか。出てくるという考え方をするというと、これは非常に私としては割り切れぬものを持つ。母法があって負担させることができるということと、金額について打ち合せをするということとは、全然私は関連はないと思うのです。それを今度は、協議をしなければならないというように義務づけて、その結果、関係大臣の方に意見がありますると、相当厄介な問題がむしろ発生してくる。地方自治体関係、市町村の財政の問題について常時指導をし、監督をし、協議をしておる立場にない感覚から、別の意見が出されるということは、かえって問題を複雑にしていくという危険が私は残るだけで、益する点は一点もないと思いますが、これはどうなんですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これはごもっともでございまして、われわれもその点ずいぶん考えたのでございますが、問題は、母法では大体受益の限度においての負担金ですから、かけることができると、こういう問題になりまして、結局その仕事は、地元の市町村との受益の限度というものも、これはなかなかむずかしい問題がございます。その上に今度それぞれ政令で府県の一応のめどをきめることにいたしますので、それぞれの事業法で政令があり、受益の限度、こういうような問題があるとすれば、争いは、市町村にとって受益があるかどうか、受益の限度が少いじゃないか、こういう問題に私はなると思うのです。自分の市町村よりも、隣の町村の方が利益があるじゃないか、そういう議論が争いの論点になると思うのです。とすれば、やはり事業法におきましてもそういう意味の規定がある以上は、その法律を主管いたしております役所と相談をしてきめる方が、行政の遂行上円滑を期し得るだろう、こういうふうに考えておるのでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 受益の限度という問題が中心となってくると、また非常に問題が発展してくると思うのです。これはたしか予算委員会のときに、社会党の中田委員から質問があった案件と思うのですけれども、東京と長野を結んでおる路線の場合に、それは長野のリンゴを運ぶということのために利用されておる形が一番大きい。しかし通過しておる地点は、埼玉県を通過しておる距離が長いのです。そういうことで、むしろ通過しておる距離の長い府県の負担が多くて、それを利用しておる受益者は、その一番終点の長野県なのである。そういう場合に、一体、受益ということから考えるというと、どういうそろばんをはじくのかということが問題になったのです。私はそういうことも十分考慮されなければならぬとは思いますが、こういう公共事業を完成していくためには、ある程度やはり市町村の財政的な負担能力というものも相当考えてやらぬと、実際問題としては進行しないと思うのです。それだけではいきません。いきませんが、受益と市町村の負担能力というものとのからみ合せというものを考えなければならぬ。ところが、協議によって、そういう実態というものが形式的にこうゆがめられていくということになって、むしろ町村の財政を破壊するようなことになる危険があるだけで、協議するということは、どこにも利益はない。こういうように強く考えられてくるのですが、それをまあ局長も、簡単にきめた、きめたとおっしゃるけれども、一たんこういう規定ができてしまうと、義務づけられておるのですから、自治庁としては非常に困ることになり、それが及んで市町村に悪影響を及ぼすという、悪だけ残って、利益するところはちっともないように思うのですが、これはどうですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これはごもっともですが、結局、今考えておりますのは、この二十七条の二にあります通り、まず府県と市町村の分担の基準は政令できめることにいたします。それで、この政令は、財政法に基くこともございますが、それぞれの道路法なり海岸法なりのそれぞれの法律に、今の問題なら道路法に根拠の政令がございまして、そこで政令でその基準をきめるわけでございます。結局それに基いて府県が分担金を謝し、それについて市町村がかりに異議があるといたしますというと、結局、政令の基準に合っておるかおらぬか、いわば御議論がそういうところに発展するのじゃないかと思うのでございます。それと、それの政令のワク内でも、おれのところは利益が一つも、あるじゃないか、ないじゃないかというような問題になるかと思いまして、結局その政令の解釈問題をめぐる議論というものは、どうしても出て参ると思うのでございます。それでございますから、そのときに政令の主管省というものを抜きにして、自治庁だけでさばきをつけてしまうというのも、そこは私は、まあ役所としては行き過ぎじゃないだろうか。ですから、両方話を合せまして、基準も政令できまっておりますから、適正な法の解釈と運用を確保するようにいたした方がよろしい。それによりまして、市町村の立場も十分に私は保障されておるものだと考えるのでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 今のお話で、関係市町村が数カ町村に及ぶような場合には、そういう意味もややうなずける点がないわけでもありませんけれども、都道府県と相手方の市町村とが一である場合、その場合でも、そういう問題が起きるとは思われませんが、それはどうなんですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 一の場合でも、道路法でも、こういう府県道なら府県道、あるいは国道なら国道について、舗装については一割なら一割、こういう式の政令の基準が私は出るだろうと思うのでございます。結局それに基いて府県が負担金を課して、なおかつ市町村がかりに異議があるといたしますというと、結局、府県のやり方が政令の基準に違反しておるじゃないかというのが争いの主要な問題点になろうと思います。そういたしますというと、結局その政令の基準の解釈問題も出て参りまして、自治庁といたしましては、その政令を主管しておる役所の意見も聞いて、そしてやはりきめなければ、政令の解釈の問題になれば、自治庁だけで一方的にやるということも、行政の円滑な運営上いかがかと、こういうふうに考えるのでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 政令の解釈について同じ政府の部内で異議があるから、そこでこの二十七条の義務づける規定を設ける、少し議論として飛躍し過ぎると思うのですが、それはどうなんです。それは、同じ政府部内において、各省の間における解釈の問題が起きるから、それで法律に義務づけるような規定を作る、そういうところまで発展するとなると、これはもう今後、法律を作る場合に、もうあらゆる機会にそういうようなことをやらなければおさまらぬような事態になる。これはひとり自治庁と建設省の関係だけではなくて、これは厚生省と農林省とかいうような、おそらく、今御説明のようなことであれば、あらゆる法律にこういう規定がなければ運営できないという結果になるように思うのですが、どうなんですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは両省に共管のような事項につきましては、共管の場合は、普通ならば両者とも権限を持って、両方できめるということになっておりますけれども、そういうことよりも、むしろ一方に中心を置いて他方に協議をする、こういう扱いの方が、むしろ行政事務の遂行上からいって便利でございまして、こういう類似の協議の規定が私は相当入っておると思います。それで今の場合も、自治庁の作った政令だけの運用を自治庁でやるのならば、それは自治庁一存で一向にかまいませんが、道路法ならば道路法の施行令の政令が基準になっておる場合に、自治庁がこれを一方的にやるということは、やっぱりいかがかと、そういう場合にはその道路法の主管省にも相談をしていいじゃないか、これは役所内部の協議の問題でございますから、そんなこと法律にきめなくったって、役所相互で相談したらいいじゃないか、こういう御議論は十分に成り立つと思いますけれども、こういう共管事務につきましては、協議という扱いをしておる事例も少くないのでございまして、そこでこれは、各省の話し合いの結果こういう規定を入れることにいたしたのであります。率直に申しますれば、たとえば国の補助金とか負担金がついておる仕事についてだけ協議したらいいじゃないか、こういう議論が一つこれは成り立つのでございまして、われわれもそういう議論もいろいろ議論をしたのでございますが、補助金の有無にかかわらず、機関委任事務ならば国の事務を委任しているのだから、おれのところに相談すべきじゃないか、こういう議論もある。さらに、いやしくも自分のところで政令に作った以上は、その政令の基準に違反するかどうか、議論になる以上は、自分のところに相談があってしかるべきじゃないかというようないろいろな議論がございまして、率直の話が、立法の過程において各省といろいろ協議した結果、それならば、実際からいっても、われわれといたしまして実害もなし、そう無理な規定でもないので賛成をして、円満な協調のもとに経費の分担も考えていった方がよかろうと、こういうふうにいたしたのでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 今の御説明で気持はよくわかりましたが、どうも私としては、この規定が非常に目ざわりに思いますが、その点は別にしまして、今度の改正全体を通じて、何となしにこの地方団体に対する中央のこの圧力が非常に深くなっていくような感じを持つ、自主性というものが失われていく、こういうことになってきた一つの出発として今度の交付税一・五ですか、あれの引き上げが行われた。これには国の全体の財政当局としてはかなり反対もあったというようなことで、そういうことの関連においてこういう規定を作らざるを得なかったというようなことに発展していったのじゃないかというようなことに邪推も出てくるのですが、そういうような何か打ち合せがあったのかどうか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 交付税の引き上げそのものとは別に取引と申しますか、そういう条件のような形でこういうことになったものではこれはございません。ただ、われわれといたしまして、地方財政が、財源問題でこれは十分じゃございませんが、だんだん改善をされてきた以上は、自治団体自体としてでも、むしろ自治的に長期的な運営をはかって、健全財政運用をやっていくという考え方を徹底させなければ、この財源を充実した成果も十分にこれは上らぬのでございまして、そういう意味でこれはそういう規定はぜひ考えるべきだ、従来もありましたけれども、不十分なので、ぜひ是正すべきだと、こういう考え方は基本的に持っておったのでございます。それともう一つは、やはり国と地方の財源負担を議論をしますために、国から無理な圧力がかからぬようにということになっておりましたけれども、国に類似しておる公社、公団、公庫等につきまして、相変らず地方に無理な押しつけがある場合も少くないので、これはやはり筋を立てておくべきで、こういう規定はむしろおそきに過ぎたといってもいいくらいじゃないかと考えております。それといま一つは、府県と市町村の負担区分の問題でございまして、国と地方が、全般として多少格好がついてきても、府県と市町村の間がちぐはぐであっては、これはまた市町村の財政運営がいかぬというので、そういう問題の筋をもう立てるべき段階に到達したというのがわれわれの考えでございます。ほんとうはこれより一歩進むと、今度は市町村、府県と住民との間の負担区分をもっとはっきりさせるというのが、私は最後の、率直に申しまして仕上げだろうと思うんです。地方の財源も、率直に申しまして、もう少し充実しなければ、そこはいかぬぞということまで、今大だんびら振り上げるわけに参らぬので、これは私は、この次の緊急な問題としてぜひ解決をいたしたい。今日はまあさしあたり、この段階が穏当じゃないかと存じておるのでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 いろいろ聞きたいことがあるわけですが、国の方にも資金のたな上げということがあったようで、それと関連して、地方でも積立金制度というようなものを作るという、何かそういう大蔵省の方から話しがあって、こういうふうな積立金制度というようなものをこしらえたんですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは、積み立ての問題につきましては、国の四百何十億の積み立てにからんで地方も積み立てるべきじゃないかというのは、この財政法とかかわりなく、率直に申しまして、そういう意見がございました。特に、前年度の補正予算によって相当な財源が地方に行くので、この金は、国の場合は積み立てたんだから、そっくりそのままたな上げをして、むしろ交付税としてたな上げをして、将来配ったらどうだ、地方に配るべきじゃない、こういうふうな意見も大蔵省側に一部あったのは事実でございます。まあ、この財政法とは直接私は関係はないと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 直接関係がないかもしれないですけれども、しかし、やはり大蔵省というか、あるいは政府の一部に、この積立金制度を確立していくという、そういう気持があったんじゃないかと、こう思うんですが……。金をやるから、やはり何か縛らなけりゃならないと、こういったような、やっぱり中央の支配というものを地方に押しつけていくという、そういう傾向が非常に強く出てきたように思うんです。どこまでもそういう意味じゃないんですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは今、森委員からもお尋ねの御趣旨は、そういうところと関連しておったんですが、そういう意味じゃないのでございます。積立制度自体は、まあ御案内の通り、現行法でも四条の三なり七条なり、現にあるんです。しかし、まあ特に国から金をやるからといえば、まさしく現在の四条の三などがそれにぴたりと当るのでございまして、特別交付税がふえたらそいつを積み立てろというのが、私は四条の三の問題だろうと思うのでございます。しかし、そういうこととはかかわりなく、むしろ、地方がほんとうに自主的に一本立ちでやっていくためには、自治団体自体がやっぱり財源の伸び縮みを考えて、自主的に財源調整を考えていかなければいかぬじゃないか、金が入ったら入ったなりで使っちまい、ないときはないときで大騒ぎをすると、こういうことでは、ほんとの健全な財政逆意ができないのでございまして、その筋を早く立てたい。しかし、まあ率直に申しまして、今まではその日暮しだったから、とてもそんなこと言うてみたってというところのあったのは、私は率直に申しまして事実だろうと思います。取引どうこうという問題でなしに、今ではやっぱりそういう問題を当然考えていいじゃないか、こういうふうに存じただけでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 まあある程度地方財政が安定してきているという、この事実は認めなければなりませんけれども、しかし、将来こういう状態が、今後もやはり続いていくであろうかどうかという、将来の地方財政の見通しというものは、どういうものですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) まあ長いことは私もわかりませんけれども、それですから、われわれの考え方も、過去より金がふえれば当然に積み立てるとかという、そういうことをごうも考えておるわけじゃないのでございまして、当然に経済の成長、行政の成長に伴うてある程度の伸びというものは当然あるべきものだと、将来といえどもあるべきだと。ただ、そいつが特別の一時的な事情で、その伸び方が非常に山ができたときには、その山が続くとは限らぬので、将来谷ができるに違いない。その山と谷との調節は、むしろ自治団体自体が自主的に考えるのが筋じゃないかと、その考える筋道だけははっきり出しておこうと、こういう考え方なのでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 将来山か、現在山であって、将来谷になるかもしれないが、しかし、一方考えなければならないことは、行政水準というものが現在のままでいいのかどうか、こういう問題があると思うんですね。やっぱり、それぞれ公共団体の長という立場からいえば、あまりこれまで十分に府県なりあるいは市町村のために仕事をやっていないんだと、こういうときこそやって上げなければならないと、こういう気持も一方では持つと思うんです。ただ、しかし、この地方財政法の改正で、まあ俗に言えば、去年よりもたくさんの財源が生じた場合には、これは積み立てしなければならないということであれば、地方自治のうまみというものは全然なくなってしまうんじゃないか、こう思うんですが、どうですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) その点はまあすこぶるごもっともでございますが、それはそういう意味で、どうしてもやらなくちゃならない仕事は、私はやり得るようにしておかなくちゃいかぬのじゃないか。そこでこの法律は、逆に言ったらざるじゃないかという批判が出てくるので、緊急に実施が必要な建設事業などは除いてしまうことにいたしまして、ほんとうに目の前の堤防がこわれかかったのをほったらかしておいて、積立金を作るという必要は私はないと思います。そういう意味の一時的な経費に充てて問題のけりをつけるということは、私は一つの意味のあるやり方だと思います。ただ、そうでなしに、ふくれたからといって、後年度に影響のあるような財源のふやし方を一般的にやっちゃってその結果、谷にきたときに全く身動きがつかぬ、こういうことが過去における赤字の重大な原因の一つでもございまして、そういうやり方はやっぱり考えてもらわなくちゃいけない。だから恒常的に必要な経費は恒常的な伸びで考える、臨時的な経費は臨時的に考える、こういうやっぱり考え方だけは、はっきりさしておくべきじゃないか。しかもこの法律の運用は、もっぱら自治団体の自主的な運営を中心にいたしておりますので、自治団体の財政の運営の基本方針としては、この筋だけははっきりしておいてしかるべきだと、こういうふうに存ずるのでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 堤防が切れたのをほったらかしにしておく、それを直すというようなことは、これは別に行政水準の問題にはなりゃしません。行政水準を高めるということは、やはり最小限度、堤防が切れてないものと、こう考えて、木の橋は永久橋にするとか、いうようなことは、水準を高めていくことであって、それをしも緊急性のある仕事と判断ができるかどうか、こういうような問題になってくると思うんです。水準を高めるということは、そういう意味で考えて、そういうことのために金を使うということが抑えられるという格好になると、さっき言ったように、地方自治のうまみというものは一つもない、そういうわけなんですがね。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) まあうまみと言われますと、多少うまみが減殺するということも、これは率直に言って事実だろうと思います。しかし私は、団体の財政というものは常にこれは起伏があるのでございまして、そのふくれたときのことばかり考えて、縮んだときのことは考えない。事直に申しまして、今の、朝鮮ブームのときに、やけに歳出が伸びちゃって、そうしてごそっと落ちて、全く始末に因っていると、こういう事例が現に大きな赤字の原因になっているところも少くないのでございまして、私はやっぱり、そういう臨時的に伸びた場合におきましては、仕事のやり方はやっぱりある程度考えて、臨時的な減が当然あり得るのでございますから。そうでなしに、心配なしに常に伸びていく、伸び方が永久に伸びほうだいという形になっておりますというと、現に考えております、そう一般財源が著しく伸びたということになるかならぬか、私はわからないと思うのでございます。そうでなしに、ごそっと伸びた場合には、やはりある程度考えるのは、これはうまみを超越して、むしろ財政の健全な将来のうまみをリザーブしておくものでございますから、当然これは考えるべきものでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 ごそっと伸びるといいますが、著しく余った、著しく多くなったというようなことは、それはあなたが考えれば「著しく」ということは判断できるかもしれない。しかし地方自治をやっていく責任者としましては、そうこれが著しくというような判定が下せないということがあるのじゃないですか、そういう判定はどうするのですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは当事者として見れば、ありったけの金はありったけ自分の手で使いたい、こういう気持が働くのは、私はある程度やむを得ぬと思いますが、その考え方はやはりある程度自分でも自粛自制しなければ、これはあとの人にむしろ迷惑が及ぶのでございまして、われわれの年度間の財政調整という問題は、結局後世に迷惑を及ぼさぬように考えろということに私はもう趣旨は帰着すると思うのでございます。それでございますから、この「著しく」の限度ということになれば、それはいろいろ判断、認定の問題があります。先ほど森委員がお尋ねになったのもそういうことだろうと思いますが、大よその考え方をあげまして、そして、しかも使ってもいいという金が具体的にどれがどれだということになれば、私はいろいろ判断があろうと思います。そういうこともそれぞれの、団体が良識を持って、長期的な、自分の町村の過去の姿から将来の姿へ良識を持って運営していけばいいのであって、この程度の配慮はむしろ自主的に積極的にやってもらいたい、こういうふうに存ずるのでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 知事にしても市町村長にしましても、たくさんの金が入ったからといって、まるまる使ってしまうということもおそらくないと思うのですけれども、局長は僕の反対のことばかり言って、極端なことばかり言って、入った金はみんな使ってしまうのだ、そういうことをさせないようにするのだと言うけれども、それも私は極端な例証だと思うのです。まあ話は中正なところでもってやっていかないと。そうむちゃくちゃに使うということはないけれども、とにかく長年の地方財政の窮乏で、行政水準というものが確かに落ちていくということは考えられると思うのです。だからこれで景気のいいときに、今までやらなかったのだから、少しは何かして上げなければならぬという、そういう親心的な地方団体の主張ということもあると思うのです。そういうようなことまで自治庁はいろいろ干渉するということは、それはいけないと思うのです。これはだれが考えましても、やはり中央が少し地方自治というものに対して干渉がましく指示をするというような結果になりはしないかということは、これはだれが考えても思うと思うのですよ。そういう保証はほんとうにあなたの方でできるのですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 私はこの積立金の規定などにつきましては、そう御心配になることはないと思うのでございまして、今申します通り、私も極端な例を申したかもしれません。そうでなしに、団体によってはそんな心配がないようにちゃんとリザーブして積み残してやっているところが現にございます。そして、そのために後年度ずっと黒字、健全財政を続けたという自治体も私は知っております。そういう場合でも、これは非常に残念な話なんで、みな金を隠しておる、率直に申しますと。出したら使われてしまうというので、赤字を隠すというより黒字を隠す。私はこういう財政の運営は、公共団体としてはやはり筋が通らぬと思う。入ったものは入ったもの、リザーブするものはリザーブするもの。個人の経済ならばだれも貯金をするのは当りまえだと思うのでございまして、私は財政の大筋だけは確立して、あとのこまかい、お前のところは十万円多いじゃないか、少いじゃないか、そんなことを言うつもりは毛頭ございません。だからここらの規定は、片一方から見れば、これじゃまるで抜けてしまうじゃないかというような批判も出てくる。そういう批判も出てくるところでほどほどの中正ではないかと思って、この程度にいたしたわけであります。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 先ほど森委員からお話がありました。前年度に直接比較して、それで著しく多いとか少いとか……少いということはないが、著しく多いという、こういう条件を設定するということは、これはずいぶん危険なことではないかと思うのですが、危険というか、無謀なやり方ではないかと思うのですけれども、もう少しやはり平均的な傾向というものを見て、そうして三年なら三年続いて著しく多いというような結果が出てきたときに、初めてそれはほんとうの意味における財源が多くなったのだ、こういうようなふうに見られるのじゃないかと、こう思うのですけれども、どうしても前年という、すぐ前の年ですか、一年で比較しなければいけないのですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは法律に「前年度」と書いてしまいましたものですから、そういうことになったかと思うのでありますが、私はこれはやはり「著しく」という意味は、結局平均的な問題を考えて、そうして従来の傾向よりも特別に伸びた、特殊の事情でいわば伸びた、こういう前提で考えます。それで、森委員にもお答えしました通り、過去五年余りの傾向から伸びるということで運営上差しつかえないじゃないか。「著しく」というのはそういう考え方で参りたいと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 「前年度」と書いて過去五年間の一般的な傾向を見るということに読めますか。あなたはずいぶん一般の法律を作っておるのだが、そんなむちゃを言うものじゃありませんよ。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは私は、著しく伸びるという判断の問題で、結局、急激な伸びを、去年は特殊な事情で少いのに、今年は大きくふえる、こういう場合が一つあろうと思います。災害や何かそんなものは私は「著しく」の判断に入らぬ。普通の場合ならば、「著しく」の読みようで、そういう傾向を前提にしなければこれは出てこぬだろう、こういう考え方だけでございます。特殊事情があった前年度は考えない、こういう意味でございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 それならやはり森委員か言うように、この字句を修正して、過去何年間に比較して著しくこえるというようなことにしなければ、これは「前年度」と書いて、あとに「著しく」と書いて、「著しく」の判断の基準というのは、過去五年間の一般的な傾向を見るのだというふうには読めないと思う。まさか修正してもいいという考えはないでしょう。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これはつまり非常にぎくしゃくと何年以上、どれだけ以上だったら必ず金額はどれだけせぬければいかぬ、私はそういう立法のやり方もあったと思いますが、そうしなくちゃきちんといかぬじゃないか、きつい議論はそういうことにきめてしまったのでございますが、私は自治団体の運用なんだから、規定自体もふくらみを持たせてもいいのじゃないか、こういうことから始まったのでありまして、前年度との比較は、急激に財政が伸びたときに考えなければならぬ。そのときの前年度ということは、私は平均的な前年度を考えておる。特殊の事情のある前年度はそう考える必要はない。そんなことを一々個々に、それこそまさしく自治団体の良識の問題でございまして、そう心配することはない。そこで「著しくこえる」ということで運営がうまくいくだろう、こういう考え方でございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 それだからいつも言うのですけれども、財政局長あたりは、話をすればよくわかるのだけれども、これが地方へでも行ってしまって、地方のわからぬ人たちがやるときに、町村長なんかをつかまえて、去年は幾らだったから積み立てろ、こう言ったらおしまいじゃないか。そんなことはありませんか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは松澤委員も、予算委員会でもそういう趣旨で大臣に御答弁を求められておりましたが、私の方では、その条文の趣旨、気持を十分これを徹底するように指導して参りたいと思います。ぎくしゃく行き得る危険性があるとともに、逆に底抜けになる危険性も、これは率直に申しまして、これはあろうかと思います。そこのところをうまく中をとるように、ぜひかじをうまくとっていきたいと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 これは行政水準が全体として伸びているということは、われわれとしても認められると思うのですけれども、しかし個々の公共団体にとって考えてみまするというと、まだまだやりたいということは幾らでも持っています。そういう人たちは、何とかして行政水準を伸ばしたい、こういう希望を非常に強く持っておるわけなんです。それですから、余分に入った金があれば、ある程度行政水準を高めるということは、どうしてもこれは認めてやらなければならないと思うのです。それが緊急性のあるとか、非常に大きな災害を受けたとかいったようなこと以外には使えないで、義務的経費というところがありますから、ある程度までそういうところに行政水準の向上というようなことは含められれるかもしれませんけれども、しかし、行政水準を高めるために努力をしようという地方公共団体の意思というものは、やはり改正するならば、改正の条文の中にうたっておかなければならないと、こう思うのです。この点いかがですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 行政水準の問題はごもっともですが、この考え方は、結局、恒常的な行政については恒常的な経費でまかなわぬといかぬじゃないか、そこで、こえたからといって、それが当然にいかぬというわけじゃなしに、こえ方が非常に著しいときにその部分だけを考えていく。多少の伸びは当然に考えていいと思うのでございます。そういうものは一般的な、つまり行政水準の種類、性質によっていろいろなものがあろうと思いますが、恒常的に使わなければならぬようなところは使っていいと思います。そうでなしに、特別の臨時的な仕事につきましては、やはり臨時的な財源というものを考えぬといかぬので、それで積立金の処分の場合なども、むしろごそっと金の要る場合に、そういう金に使えるようにしなければ意味がないじゃないか、こういうので、積立金の処分を規定の中に実は入れることにしたのでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 恒常的な仕事は恒常的な経費から支弁したらいいじゃないか、こういうお話です。行政水準が高まっていないとか、あるいは十分向上しないということは、経営的な歳入というものが十分でない。少し金が入ったときに、そういうものをやりたいとして、あと回しあと回しというようになってきたために、道路もいたむし、学校の校舎も危険な状態になるし、あるいは診療所などでもボロボロになってくる。少し余裕が出たときにそういうものを直したいという気持は、これは当りまえじゃないかと思います。普通の財政収入の中からは支弁できない。少し余裕ができて楽になったときにそういうものを修繕しようということになると思うのです。そういうことまでも恒常的なもので見ていけということは、これは結局できないということになりはしませんか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは普通の、今おっしゃいましたような維持補修費と申しますか、管理費と申しますか、その点につきましては、従来私は自治団体の金の使い方がやはり非常に不十分だったと思うのであります。新しい目先の仕事に手をつけることにはかり騒いで、既設の施設をどうして維持管理をしていくかということについては、これは非常に不十分で、私はむしろこういうものは当然準義務的と申しますか、そういう経費と見ていいと思います。たとえば、人間に月給をやって人を使わせるのだけが義務費じゃないのでありまして、考えてみれば、道路の維持管理費というものも、当然道路に砂利を食べさせなければこれは意味がないのでありまして、そういうものの行政のやり方が、従来非常に不十分だったことは根本的に認めなければいかぬし、そこは直さなくちゃいかぬと考えております。われわれがここで考えておりますのは、そういうのはむしろ経営的な仕事で、そうでない、こういう特別に入った金があれば、むしろ特別の大きな建設的な事業というものにリザーブするか、あるいは災害その他のようなものにリザーブするか、そういうことを考えるべきじゃないかというのが考え方でございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 特別に大きい仕事という中に、たとえば学校の校舎の建てかえだとか、あるいはまた診療所の建築だとかいうようなものを含ませることはできるのですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) ここのところは、私は当然含めていい場合があると思います。問題は、つまり団体によって性質が違いはせんか、率直に申しまして。これはかりに考えるというと、府県は、県に高等学校が四十も五十もあって、毎年一つずつ建てかえていかなければ追っつかない。そんなものは経営的な仕事だと見ていいと思います。ところが、いなかの市町村にきてみれば、学校を建てかえるということはこれは十年、二十年に一ぺんで済むことです。これは当然にここに入っていい。そういう意味で、団体ごとにこれは仕事の実態と財源の伸びの実態を考えて、この運用も弾力性をもって考えるべきものだと考えているのでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 いなかの町村というようなことをおっしゃるのですが、たとえば農業高等学校の分校をこしらえる、こういうような場合に、やはり校舎を建てるとか、あるいは教室をこしらえなければ、そこへ分校を持っていくことを認めない、こういうようなことがあって、身分不相応の校舎をこしらえなければ、農村の子弟の教育ができないというようなこともあるでしょう。そういうような場合に、そういう教室を新築するとか、あるいは小さな校舎を建てるとかといったようなこと、そういうようなことを普通の計算の中でやれといってもなかなかむずかしいのじゃないか、こう思うのです。そういうようなときには、多少去年よりもよけいに財源が入ったというようなときにやったって差しつかえないのじゃないか、こう思うのですが、どうですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは私は率直に言って、今おっしゃいました通り、ほんとうにその仕事が当該市町村としてやむを得ずやらなくちゃならぬ、それが長い間やれなかったということがかりにあれば、問題はその緊急性の判断の問題で考えてよかろうと思うのです。今の場合は、主として高等学校の例でございますから、これは私はやはり県と市町村と、高等学校の問題は負担関係でもう少しはっきりさせて、町村も一部出すなら出していいと思います。そこらが逆に、あとから財源の基準の問題にも触れてくるだろうと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 その問題は、県が無理言ったりなんかするので、無理を聞かなければならぬという別の問題があると思うのです。そういうようなものを「あらたに増加した当該地方公共団体の義務に属する経費」というようなふうに読むことができますか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 義務に属する経費というのは、これはほんとうに自分の意思によらぬ義務費でございまして、自分の町村の意思によって左右できるものを義務というわけにも参らぬと思います。そうでなしに、たとえば、河川の分担金のようなものは、理屈なしに法律上かかってきますから、そういうような場合は当然に義務費といわざるを得ないと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 県立の高等学校の分校を作るというような場合、これは話し合いで負担しろ、あるいは校舎を建てなければだめだということをいっているだろうと思いますけれども、それで結局、これはあとの問題ですけれども、しかし、そういうことでも、結局法律的な義務ではないけれども、ある程度押しつけがましく持ってこられるわけですね。そういうようなものでも、こういうあり余った金でもって支弁ができるということであれば都合がいいだろう、こう思うのです。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは、私はどういう高等学校か別として、作る必要があって、県もあとの運営の見通しもあって、もっぱら建設の一点にしぼられて、市町村としてもその地域の必要上やむを得ない、こういうことなら、その他やむを得ない理由によった財源の問題として、それは考えられると思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 もう一つあると思うのですけれども、行政水準といいましたけれども、大都市には大都市の行政水準があっていいと思うし、中都市には中都市、町村なら町村ということがあるので、これはもちろん一律にはいかぬと思うのです。そういう行政水準の向上をはかるという意味において、それなら大都市には大都市の判断があってしかるべきだと思うのですが、別に一律にどうこうということはなかろうと思うのですが、そういう点はいいのですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これはその通りでございまして、大都市なり普通の都市あたりになれば、毎年十何億ずつも税が現に伸びていっているのですけれども、もっと二十億も三十億もふえる、そういう普通の十億や十五億くらい伸びていく場合、当りまえの場合は当りまえでよろしい。その上に、今度十五億のやつが三十億も伸びる、こういうような場合に、そのたんこぶの部分について考えると、その取扱いはおのずから違ってきていいだろうと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 十二条の二の問題なんですけれども、たとえば、ただいま大きな市におきまして、すでに観光施設などに出資をしているというような場合がありますけれども、そういう従来やっていたものは、この十二条の二というような、こういうことの制限には該当しないのですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 過去のやつは、経過規定、付則の二項でみなはめてございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 過去出資した、そういうものは認める。しかし、今後、五カ年計画でもって年々二十万円ずつ出資する、こういうような場合も差しつかえないわけですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 出資金は、ここに入りません。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 しかし、たとえば、先ほども話がありました信用保証協会というようなものに対する債務保証などの問題は、これはもうそのままでよろしいのですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは政令のときにはずすようにいたしたいと考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 やはり大きな都市になりますと、何かそういう保証的なことをやらなければ、たとえば中小企業の振興であるとか、あるいは観光であるとかいうようなことで、そういう保証的なことをやらないと発展しないというようなことがあると思うのですが、そういうようなことは、あまり政令ではずしてしまえば、また、ざるになってしまうかもしれないですけれども、これまでやってきたし、それが相当大きな団体であって差しつかえないというようなものは、おはずしになるお考えなんですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 私は、これは純粋の私的な企業とか、そういうものは、もちろん押えなければいけませんが、その仕事が市の公益上必要である、こういうものである限りは、そして市自身が今出資したり、そういうことがあり得るわけですから、そのあとの債務保証は、市の将来の財政負担を考えて、許容できる限度ならば、そう窮屈に考える必要はないと思います。

森八三一緑風会

○森八三一君 今の松澤委員の質問に関連して、一点だけお伺いしますが、私も実態は聞いておりませんけれども、たしか千葉県で大規模な干拓、工場用地を作る干拓事業をやっている。それに対して県が、特殊な会社がその事業をやっているために、その事業資金について保証しておる。これは、私の聞いたのが誤まっておるかもしれません。誤まっていれば、それはそれでいいのですが、そういうような場合、工場用地を達成しなければならない。その場合に、直営でやれば、これは補助でできるのですから問題がありません。ありませんが、起債のワクに縛られてうまくできないといったようなことが起きた場合に、特殊な会社を設立して、その公益的な事業を推進する。その場合に、その事業のために入り用な資金を借り入れする場合に、県が保証するというようなことは、これは当然、政令でその事業の実態というものを十分究明しなければいかぬことは当然でありますが、それが将来、収支のペイするものであって、地方開発のためには当然であるというような場合には認める、はずすということに考えられるのかどうか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 今の問題は、多少具体的な問題として、これは問題があり得ると思いますが、市が、県が干拓、土地造成事業、これは現にできるわけでございまして、資金も融通はいたしております。そこで、そうでなしに、市が自分で埋め立て事業をやりたいが、資金がつかぬので、自分の仕事を何か肩がわりしてやらせる、こういう場合じゃないかと思いますが、そのために、自分もそのしりをある程度負担する、ほんとうに会社をもうけさせるためにやるものについては、全くこれは理不尽なことであろうと思いますが、ほんとうに市の直轄、県の直轄の仕事のかわりにやって、しかし、債務保証なら、自分が起債するのと一緒でございます。先生がおっしゃいました通り、起債の償還能力、そういうものを当然考えなければいかぬし、事業の採算からも考えていかなければいかぬし、そういう問題を考えて、ほんとうに公益上やむを得ぬというときは、私は検討に値するのじゃないかと思います。しかし、それが全く起債のやみをやるというような形にでもなれば、これは、また別の意味でおかしな問題になりますので、その点は非常に合法的な仕組みで、合法的な計画で、妥当なもので、やむを得ぬ場合には考えられるのじゃないかと思います。

森八三一緑風会

○森八三一君 今ちょっと話の中に起債のやみという言葉が出たのですが、あるいは解釈のしようによっては、そういう形式的には、形になるということにもなるかと思います。そういうことにならしめぬためには、その事業そのものが必要である場合には、償還能力が確実である場合に、むしろ正面から起債を認めるということも、私は筋だと思うのです。ところが、起債のワクの方は縛られておるということで、その年度には、それがワクの中に入れることはできないといった問題もあろうかと思うのでありますが、そういう場合の処置はどうなるのですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは仰せの通り、私は、港湾整備というか、埋め立て事業とか、われわれも起債のワクをずいぶんふやすように努力して、今度もだいぶふえておりますが、この仕事だけは、むしろ計画的に、経済スピードでやらなければ意味がないので、これは、われわれといたしましては、必要なワクにできるだけ確保するために、さらに力を注ぎたいと、こういうふうに考えております。そこで、まあこの起債と債務保証とのやみの問題が、もう現に今日、過去においてもいろいろございまして、債務保証なら自治団体の議会でもあまりやかましく言わぬ、起債の方はやかましく言うけれども、言わぬ、こういうことで、債務保証を何んでもかんでも気軽にやって、あとで困るという事例も少くないので、そういうことも、この規定を一つ入れたゆえんでございます。それでございますから、そこらのところは、軌道に乗るように、起債でやるべきものにつきましては、われわれも起債のワクを確保するように、そうでない純粋な債務保証につきましては、債務保証の限度を考えて指導して参りたいと思います。

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 速記を始めて。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 ちょっとお伺いしますが、この改正法案の第四条の三と、それから第四条の四との対比の問題ですが、「災害により生じた経費の財源若しくは災害により生じた減収をうめるための財源」、ここまで一つでございますね。これと第四条の四の三と、これは対応するものだと思いますね。それから次は第四条の三の方の「前年度末までに生じた歳入欠陥をうめるための財源」、これは四条の四の一、二、三、四のうち、どれへ入りますか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは入りません。これは要するに赤字が、過去の赤字があるのに積み立てるということがおかしいので、赤字を解消すべきだということで、赤字がある間は積立金に回さずに赤字解消に回っちゃう、そういうので、四条は積み立てたあとの金の始末の問題ですから、もししいて言えば、繰り上げ償還のところへ思想的に言えば通ずるかもしれません。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 ただ四条の三の文章からしますと、こういういろいろな四つか五つの項目になると思いますが、そういうもののための積み立てとか、償還の繰り上げのための財源に充てるというふうに読み取れるわけなのですが……。私はこういうふうに読んだわけです。今の一番初めの災害関係のこと一つと、それから「前年度末までに生じた歳入欠陥をうめるための財源」ということが一つと、それから「緊急に実施することが必要となった大規模な土木その他の建設事業の経費」ということが一つ、「その他必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てる」ということが一つ、こういうものと、さらに最後に「償還期限を繰り上げて行う地方債の償還の財源に充て」と、こう大体五つあると、こういうふうに項目を読んだのです。そういうために積み立てたりなんかせいと、こういうふうにこの文章からは私読んだわけなのですが、従って第四条の四の中に、今申しました「前年度末までに生じた歳入欠陥をうめるための財源」と、こういうふうになると、どこへ一体入るのか、こういうふうに私読んだのですがね……。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) それは積立金を処分し得るのと、この積立金をやる場合の例外的な理由とは、大体先ほど申しましたようにある程度調子が合っておるわけでございますが、赤字の問題は、過去の赤字を現にかかえておる、そういう場合には、財源がいかに膨大に伸びましても、まず赤字を消す方が先でございまして、積み立てるゆとりなどありっこない、こういう考え方でございます。ですから、そういう場合には赤字を消すに充てたらいいじゃないか、積み立てる必要はない、こういう考えでございます。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 第四条の三の前の方、さっきからもいろいろ問題になったのですが、どうもはっきりしない点があると思うのです。四条の三の「前年度における一般財源の額をこえることとなる場合において」という「前年度」という問題が一つ、これは運用の面で、局長のお話だと、過去五年間くらいの傾向を見てやるので、前年度そのものと直ちに対比するようなことはしないと、こうおっしゃっていますけれども、どうもこの文章からしますと、どうもやっぱり前年度ということになるのじゃないか。これは小林局長御在任中であるならばともかく、この文章通りやらせるということになりますと、ちょっとこの点が問題になるのじゃないかということが一つ。それから「あらたに増加した当該地方公共団体の義務に属する経費の額」、いわゆる「義務に属する経費の額」というものを、普通いわれておりますところのいわゆる義務的なという言葉で示されるあの経費ということにとるのか。あなたの先ほど来の御説明によれば、それも必ずしもそうじゃないというふうなことの御説明のようでございますが、この点についてもちょっとはっきりしないと思うのです。それから「著しくこえることとなる」額ですね一体「著しく」というのはだれがどのように判断をし、始末をするのか。従ってこの問題は、「義務に属する経費」というものをどう見、「著しくこえる」という額をどう押えるということを、一体地方自治団体にまかせておくのか、あなた方が御指示をなさるのか、あるいは規制をされるのか、この点一つお話し願いたいと思うのですが……。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) この条文は、もう全部自治団体の運営のこれは基準でございまして、私どもの方で一一指図をしませんが、この条文の一般の精神、考え方、運営の方針だけはもちろん示したいと考えております。ですから、具体的の適用は団体が自主的に考えてもらいたい、こういうふうに存じております。  そこで、先ほどからいろいろ議論になりましたが、「前年度」と書いた意味も、それは過去の平均よりもふえたと言っちゃかえってひどくなっちゃうから、むしろわれわれは、恒常的に伸びていくその伸び率が非常に程度が高いときは、こういうところで押えぬといかぬ、こういうところで、むしろ「前年度」と「著しく」ということで、著しい伸び方を、この平均率から考えた伸び方を考えた方がいいじゃないかという考え方でございます。それでございますから、額を抑えれば、この平均額などが低くなっちゃいますから、そういう意味じゃございません。むしろ弾力的に伸びていくその伸び率がひどい場合と、こういう考え方でございます。  それからこの「義務に属する経費」というのは、実は例の自治法に、百七十七条でございましたか、義務費を減額、削除したときに再議に付するという規定がございまして、あそこに法令による場合とか何とか、その他義務に属する経費というので、一応自治法上の解釈がきまっておるだろうと思います。それによってやりたいと思います。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 そこで「前年度における」ということは、ただいまの局長のお話だと、まあ心配ないようだと、むしろ前々からの傾向を見て、低い方につくという意味でなく、むしろだんだんよくなるというような意味で前年度を押えていきたいと、こういう御説明であります。そこで、もしそうだとしますと、これは私の一つの見方でございますから、そのまま肯定できるかどうか問題があろうと思いますけれども、少くとも三十四年度あたりからはそんなに、こんな前年度以上に伸びる、著しく伸びるということは出てきやしないじゃないかということも一応考えるわけなのです。ことしは交付税も引き上げられましたし、おそらくこの額は相当にふえるのじゃないか、いわゆる一般財源の額というものはふえるでございましょう。ですが、三十四年度以降まあ多額の交付税の引き上げというものは簡単におやりにならぬだろうと思う。しかしいろいろ問題はあるにしても、いろいろ事情はあるにしても、そんなに大きな額はふえないだろうと思う。まあそれは私の私見でございますが、さしあたり、三十三年度の場合これは相当ふえますよ。ふえますが、ふえた額をいわゆる義務的な経費、こういうものによって見て、重々こえておるのじゃないかというような見方をされると、ここに私はそういう意味での剰余金といいますか、いずれふくれ上った額というものは出てくると思うのですね。それを押えて、あなた方がいろいろ指導といいますか、あるいはこういう法律があるからといっていろいろ監督するというような場合に——これからすればそうしなければいけませんが、しかし、先ほど来、隣の先生もおっしゃっておったように、一体あなた方が常に主張しておられるところのいわゆる行政水準の引き上げということが一体いつそれならば出てくるのか。これはまあ行政水準の引き上げということにいろいろ内容はあろうと思いますけれども、問題は、だからそういうものもいわゆる義務的な経費というものに含めて解釈するのか、解釈させるのか、こういう点、私少しあいまいなところが出ておるのじゃないかと思うのですが、先ほどあなたは、これはまあ自主的な判断というようなことを、まあ言葉はそのままじゃございませんでしたが、そういうふうにまかせるようなお考えでしたが、ほんとうに地方の自治団体にまかせておくのか、一応の法律の建前はまかすにしても、実際の運用そのものは地方団体にまかしておくのかどうかですね、その点一つ……。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは私はまかしておきたいと思います。またこれに、そうすると、この前の委員会でも、これに違反した場合はどうするかという、こういう議論がございましたが、極端な違反をすれば、それぞれ自治法その他で是正勧告等の手段がある場合には、それはもちろん注意を喚起はいたしますが、それぞれの団体の一々予算決算をにらんでどうだこうだというような考え方は毛頭ございません。そういうことをする権限も、自治法の建前からいっても認められておりません。その点は一般の自治法なり財政法の運営の方針に従ってやりたいと思います。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 その際ですね、私心配なのは、再建団体に対するあなた方の態度だと思うのです。これは普通の団体であれば、今あなたのおっしゃる通りでいいと思うのですが、再建団体の場合は、私はそれはその団体の自主的な判断にまかせてどうのこうのというようなことは、あなた方はお許しにならぬだろうと思う。相当きついここに規制というものが行われると思うのです。もちろん再建団体にしても、いろいろな意味での国からのそれを受けているから当然だといえばそれまでですがね。再建団体の場合には、私はさっきも言いましたが、義務に属する経費のそのものの見方という中におきまして、行政水準の問題が、特に私は関連の深い問題がそこにあると思うので、この点、再建団体に対しては、今でも再建計画の変更その他において相当きついことを言っておるのですが、その点いかがでございましょうか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 再建計画につきまして相当きついことというおしかりでございますが、私は、率直に申しまして、まあ受ける団体は相当きついと私は思っておると思いますが、私の基本的な気持は、従来の再建計画では、もう百も御承知の通り、自治団体の行政計画としては、これはもう意味がないと思うのでございます。どうしてでもあの計画を是正をして、ある程度将来にわたっても必要な行政をできるように確保せぬといかぬじゃないか、そのために是正をせぬといかね、それがもう基本的な考え方でございます。それでございますから、将来において赤字ができるような計画であったり、公債費の伸びに応じて仕事ががた落ちしたり、人もまた何百人も首を切っていくというような前提の計画というものは維持できるはずは私はないと思います。そこで、将来の実行もできぬような計画を前提にして、財源が伸びたからと言って当年度使っちまうということは、私はこれほど危険なことはない。むしろ後年度の計画を是正して、必要な行政を確保できるだけの財源はやっぱりリザーブしておかなかったら、後年度の仕事はいよいよ苦しくなるのじゃないかと、こういう考え方で、私はあのいわゆる四分六とか何とかいう考え方もとってきたのでございます。それで後年度まである程度の行政水準が維持できるような仕組みが健全にできるようになれば、そのうちで非常に、私は率直に申しまして長期な、十何年もの再建計画を作っているものは、合理的な期間まで計画の短縮をはかるべきだと思います。だれが考えましても、十三年も十五年も再建計画をやっているというのはおかしいと思います。そういう意味のことはきびしく言うつもりでございますが、そうでないのは、後年度にわたっても筋が通って計画ができるということにつきましては、そう個々の経費の運用についてやかましく言うつもりはないのであります。ただ、その場合に、経費の使い方として、いわゆる消費的経費と申しますか、管理的経費と申しますか、そういうものと、ほんとうにサービスを本体とする経費との配分の筋だけは私は立てていきたい。そうしてほんとうに行政のレベルが上るように、これだけは私はやかましく、率直に申しまして、言わなくちゃこれは意味がないのじゃないかと、こういう考え方を持っておりまして、それ以上ほんとうの行政のレベルを実質的に上げる分野につきましては、私は今後もそうやかましくいう必要はないのじゃないか。特にそれが公債費の問題も一応めどがつきました本年度の計画変更の場合に、もう少しすっきりした計画に、後年度まで直せる場合直して、そうしてあとはできるだけゆとりのある運営をするように、私どもぜひ考えていきたい、こういうふうに存じております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 一般に将来にわたっての健全なる財政運営をするための積み立てとか、そういうことの私必要性は否定しませんが、そういう意味では、これはそれこそゆとりがあったらばやるべきだと思います。しかし、どうもこれを見ますと、四条の三等を見ますと、まことに何といいますか、窮屈なような感じをするわけです。何べんも申しますように、たとえば義務に属する経費というようなことで、法律の他の条項にある程度規制されたそれがあるのですから、一体何か仕事をしたい、さっきあなたのおっしゃったような行政水準の、レベルを上げるため、あるいは維持するための、またはサービスするための施設等をしたいということが、一体義務的な経費というものの中に、範疇に今まで入れておったのかどうかということは、そういうことはないと私思うのですよ。あなたが、だからこまいことは言わぬとおっしゃいますけれども、この文章の中に、将来小林財政局長がおらなくなった場合の局長さんの解釈によっては、これは一体義務的な経費なのか、こういうようなことがはかられる心配多分にあると思うのです。この法律からすれば、文章そのものははっきりしておりますけれども、しかし、あなたは運用の面でそうじゃないようにしたいと言っても、これは現段階においては心配ないかもしれませんが、私は心配があると思う。特に再建団体の問題を私言いましたが、再建団体は、私から今さら申し上げるまでもなく、消費的な経費の面のみならず、投資的な経費もぎりぎりに詰めて、なおかつ容易でない、こういうところなんです。それを前年度の比較とか何年間の比較といっても、これは私再建団体にとっては何もありがたい比較ではないと思う。かりに昭和二十九年あたり、八年あたり見ても、一体それが地方団体における行政水準の一つのレベルとして認め得るかどうかということも、私はこれも問題があると思う。そういう点からしますと、どうも再建団体等においては、特に私は心配なところがあると思うのです。そうして積み立てた金も、第四条の四によりますと、たとえばその二号、「緊急に実施することが必要となった」、その緊急性というようなものについても、一体だれがどういうふうに判断をしというようなことになりますと、これは私、やはり問題が出てくると思うのですが、あくまでも法律の建前はともかく、実際は地方自治団体にまかせた運用をする、こういうのであれば、あるいは多少ゆとりのついた運用もできるかもしれませんけれども、おそらく、こういう法律が出る以上は、そんな甘っちょろい考えでやったら、これはさっきあなたもおっしゃったように、ざる法案だとすぐやられますから、そんなものなくったっていいじゃないかと、こういうことになると思うので、私非常にこの点、さっきも言ったように、原則的には積み立て等の必要は認めますけれども、それは今の地方財政法なり、あるいは現に今自治団体でやっているような条令できめてやっていく、そういうようなものにまかせて——まあまかせるという意味は、これはあなた方のしかるべき御指導が必要だと思うのですけれども、そういう面で私はまかせる方がいいのではないかというふうな心配を持つのですが、この点いかがでございましょうか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは鈴木委員のおっしゃいます通り、われわれといたしましては、この条文の趣旨、精神、運用の方針というものは、これは指導いたします。それにのっとって具体的の適用は自治団体の自主的な判断にまかせる、こういう考え方でございます。再建団体は、別の意味で再建計画という問題がございますので、そういう意味で関与はいたしますが、一般の団体につきましては、もう一般にそうやかましく言うつもりはございません。ただ全く県でこの条文を無視した運用をやって、あとから始末に困るというようなことのないようにだけは、それは留意しなければならないと思っております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 たとえば、そうした場合に、前年度における云々というようなことを、これは注釈でもつけてやりますか、あるいは地方の、たとえば府県の地方課長会議等において、はっきりそういうふうなことなんだ、そういう指導をせいというところまでやりますか、どうですか。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) おそらく当委員会で問題になりましたことは、それぞれの団体においてもこれは一番問題にすることだと思います。それでございますから、一応そういう問題点についての考え方だけは、私ははっきりいたしたい。この法律を出せば運営の通牒ももちろん出しますし、それからまた、それぞれの機会がございましょうから、そういう場合には、こちらの立法の考え方と、運営についての考え方だけははっきりして徹底させるようにいたしたいと思います。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 ですから、私さっきから申し上げておるような気持から、この四条の三を、このような形の文章でなしに、従来の、これは現行法では、交付税の問題だけをいっておりますね。ここにいわゆる一般財源というような言葉で置きかえたような意味で、この程度にしておくべきじゃないかと思うのですが、どうでしょうね、これは。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) 要するに交付税の字を一般財源の字に置きかえる、それも一つの考え方でございますが、あとは、これはどういう場合に使えるというか、そのめども、もう少し、現在だと、「災害その他やむをえない事由がある場合」と書いてございまして、その点ももう少しはっきりした方がよかろう、こういうことが一つと、あとは、ただ単に「地方債の償還財源に充てる等」とあるが、これはやはり意味がないのでございまして、償還財源に充てるといったら、公債費に充てるだけであってこういう余裕のある財源は、むしろ使えるなら繰り上げ償還か、あるいは後年度にリザーブするというのが筋でございますから、その点だけはやはりはっきりさして、あとは団体の自主的判断にまかせる。この程度のことは最小限度はっきりさした方がよかろうと思います。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 はっきりさせるために、あまり前提になることが、どうもはっきり書かれていて、しかも運用がはっきりしない運用ですから、ですから私おかしいと思うので、ですから、たとえば積立金の使い方等を、これは当然一つ地方自治団体の指導の場合には、さっきあなたのおっしゃったような、勝手に隠し金として——そんなことはもちろんすべきじゃないと思いますから、これは何といいますか、条例等によってはっきりさせるべきだと思います。その場合に、条例の作り方等についてはあなたの方で、使い方はこうこうこういうようなものであるべきじゃないかというような御指導が私は必要だと思います。私はそういう意味で、全然使い道等について今のただ起債の償還財源に充てさせる、あるいは災害等の緊急の場合に使う、それだけのことを——私はそれでいいという意味じゃございません。しかし、これは地方の自治団体の条例でやられるべきで、その段階においてあなた方の御指導が私はあってしかるべきだと思います。ただ、こういう点になりますと、何か変なことを、何べんも言いますが、小林財政局長の解釈はこうであった、しかし某々局長は、かわった局長はこの文章通りやって、ぴしぴしやるのだ、まあこういうことになる。あるいは財政再建課長でも、財政課長でもかわった場合には、そうじゃないなんていうことになってくると、私は、これは心配な法律だと思いますね。あなた方の腹はそうじゃないんですよ。腹はそうじゃないものを、こういう表現にしますのが、どうも私はおかしいと思うんですが。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) それは、これが一々許可とか承認とか、そういう式のことにでもなっておればいろいろ御心配になる向きもあろうと思いますが、これは要するに地方団体の地方財政運営の基本方針をはっきりさしておるわけでございまして、かりにこの運用が間違っておってどうするかというようなときには、もう財政法なり自治法なりの一般的な手続でしかわれわれが注意を喚起できない、こういう建前になっておりますので、そう鈴木委員、先の先まで御心配なさる必要は私はないのじゃないか。事実またこういう点は、運営の方針がきまれば、一つの解釈とルールが成り立つわけでございまして、たとえ私がかわりましたって柴田君がかわりましたって、そうひっくり返るようなことはございませんから、その点は御心配なく……。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 そんな運用が、この文章とは別なもの、別なものでもないでしょうが、いずれゆるやかなもので許される。しかも自治体にいわばまかせておくというようなものであったら、好んでこんなものを作らなくてもいいと思うのですが、だから私は意図がわからなくなるというわけですよ。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは、逆に言えば、まかせるのだからある程度書くということだと思います。あまり抽象的なことでなしに、ある程度具体的に問題がはっきりするように書いて、そうしてまかせる、これが筋でございまして、何にも書かずにまかせておくということなら、今のままであってしっかりやれしっかりやれということになってしまいまして、これではどうもいろいろ過去、現在の実績を考えてどうも不十分である。そこで、まあ最小限度この程度のことを明らかにして、自治団体の良識ある運営を期待いたしておる、こういうことでございます。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 私はこれはやっぱり法律は守ってもらわなければいけないと思います。守らせるべきだと思いますし、罰則をつけるとかつけないとか制裁規定がどうのこうの、そんなことは、一応抜きにして、やっぱり守ってもらわなければならない。それなら守れるような法律を作るべきだと思うのです。そうしてあなた方も、下手な解釈とか、運用の妙を発揮しなくてもいいような、そういうものを私はやっぱり与えるべきだと思う。与えるというか、そういう法律を私は作るべきだと思う。何か二枚看板になるような、条文は一点の疑点も残さないようなきちんとしたものを作っておき、しかも運用は、たとえば前年度の五年間の平均みたいなものを見ていくとか、「義務に属する経費」というものは、今、法律の他の部分において使われるような、そういう意味でないとか、こういうようなことになりますと、私はやっぱりそこに問題が残ると思うのです。それは今、あなた方が一つの運用なり解釈についての指示をなされば、私が言ったような極端なようなことはないかもしれませんけれども、一体、法律の掲げた条文と違うような運用なり解釈をしてやらなければならぬというところに、問題が一つあると思うのです。どうもやっぱり私は、法律なり、いろいろなそれに関する諸法規というものは、やはり守れるところの最小限度のところを示して、しかもまた、指導もその線に沿って指導する、こういうことでないと、私はおかしいものになると思うのですが……。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) これは、私は法律に書いてある表現の通りの趣旨で運用の方針をやりたいと思うのでございまして、書いてあるのと逆のようなことは私ない。問題は、前年度より著しくという判定の問題だけは私はあろうと思います。それはいろいろ先ほど申しました通り、規定を作るときにいろいろ考えたのでございますが、あまり前年度より何パーセントと書いても語弊があるし、前年度の伸び率、過去何カ年の伸び率より何パーセントという書き方もございますが、何パーセントを一円こえたからどうの、二円こえたからどうのというようなことになっては、かえって自治団体の財政運営としては窮屈過ぎるので、大体の考え方というものをはっきりさせておけば、それはそれぞれの団体のそれぞれの実情に即して良識をもって運営をされるに違いない。また運営していただくように、こっちとしても指導いたしたい、こういうことで、まあさんざん頭をひねった結果、こういうような規定にいたしたのでございます。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 今の「前年度における」という点と、もう一つ私はやはり「義務に属する経費」、この二点だと思うのですよ。たとえば、予算の編成とか何とかの場合、義務的な経費には触れないことになっているでしょう。一方には、さっきもあなたがおあげになった通りなんですから、そういう用語の一つの解釈なり内容なりというものは、現在では固まっていきますね。それをここへ持ってくることになりますと、私はやはりそういうものとの関連においてきちんと考えなければいけないと思うのです、普通は。しかし、それだけでは足りないと思う。たとえば道路の維持補修というのは、これは当然、さっきあなたの御説明では、義務的な経費だと言う。一体いまの法律からいって、あれが義務的な経費だとはだれも考えませんよ。必要なことはみんな認めるけれども、いろんな法律に使われておる「義務に属する経費」だとはだれも考えません。あんなものを修正しても、だれも文句をつけるべき筋合いのものではないのですよ。だから私はそんなものまで含ませるというあなたの心やりはわかります。そうでなければいかぬということはわかりますけれども、法律の解釈なり運用なりからいたしますと、私はやはり、それではあまりおかしなものになりはしないかと、こういうことなんです。ですから、もっと何かの手直しで、こういうことでなしに、もっとすなおに受け取って、そのまま守れるような、また、あなた方もすなおに指導できるような、そういうものが私はこの問題についてはほしいと思うのです。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) ちょっとまあ異常経費の問題にからんで義務的だと申したものですから、解釈的にいろいろ問題が生じておるようでございますが、ここに書いてございます「当該地方公共団体の義務に属する経費」というのは、今の自治法に使われておる、それは用例の通りということで正しく運用しなくちゃいかぬと思います。ここで私はまあ維持補修費のことを申しましたのは、むしろこれは金があるからやるとか、やらぬとかいうことではなしに、これは準義務的のものとして、地方団体がもっと金を使うべきだということを申し上げたのでありまして、この義務費に当るということにならずに、法律論からいけば、私はもう一般の経営的な金で当然カバーさるべきだし、それがどうしても動きがつかないという場合には、その他やむを得ない経費で私は法律論からいけば考えるべきものだと思うのでございます。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 だから、たとえば、そのやむを得ない経費ということでですよ、これはあれでしょう。第四条の四に、今度その積み立てる前にそんなものに使わせるということなんですか、そのやむを得ざる経費として……。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) そういうことでございます。だから私は、今の維持修繕費などというのは、むしろ金があるからやるとか、ないからやらぬとかいう問題ではなしに、これはほんとうに準義務的な経費として地方団体はもっと金を使うべきであるという趣旨でこれは申し上げたのであります。そういうものはむしろ経営的な経費として団体の運営上は扱うべきものであって、ここで議論しておるのは、そうでない、異常収入のあった場合の異常部分の経費の扱いであって、異常部分の問題として、こういう異常収支を考えるというのはむしろおかしいじゃないか、こういう趣旨で、まあ逆に申し上げたつもりでございます。)鈴木壽君 そこで「著しくこえる」という問題と関連してきますが、あなたは準義務的な経費としてそれを認めるとおっしゃる。この条文からいって、それではそういうものが認められるかどうかということなんですよ。「義務に属する経費」というものの中に、私は今まで少くとも使っておる、この言葉の定義とまでもいかなくても、今まで法令に関係する経費とか、いろいろそういう意味で使っておる「義務に属する経費」というものの中に、それを含めて考えるのは、この文章そのものからすれば少しおかしいじゃないか。だから、あなたもそういうものを考えるということはわかります。考えるべきだと思います。しかし、それはすなおにそういうものも当然なる必要経費だと、こういうふうに認められるような、一つのそういうものを差し引いてなおかつ著しくこえる、そのこえたものについてはこうだという規定が私は必要じゃないか、こういうことなんです。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) それは今申しましたこの「義務に属する経費」の中へは入りません。そうではなしに、そういう経費があればこのあとに書いてあります「その他必要やむを得ない」経費としてしいて考えるなら考えられる。そういうものを考える前に、普通の維持修繕費というものは当然幾らか考えておくべきであって、この臨時的な収入があるからどうとか、こうとかいう問題でなく、経営的なむしろ支出として普通の運営上当然考えるべきものだ、私はむしろそういう意味で申し上げたのでございます。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 今の、たとえば道路の維持補修費等は一つの例でございますが、地方団体にとってはやはりサービスをするために、それ以外の仕事もしなければいけないということはあると思います。それがこの第四条の三からいって、まあこれは自主的に地方団体がきめれば、それに対してとやかくは言わぬ、良識に待つんだ、こういうことをはっきり言われますが、少くともこの条文からすれば、そういうことまでできないという、そういう心配が出てきはしないかということなんです。

小林與三次自治庁財政局長

○政府委員(小林與三次君) もう一ぺん言いますと、私はそういう意味のいわば維持補修費などというものは経営的な経費で、むしろ経営的財源で当然にのっけに組むように運営指導しなければならぬ、こういう臨時的な経費が出てくるまでほったらかしにしておくというその運営が、根本的に間違っておるという基本的な考え方を申し上げたのであります。だからそこに出てくるのは、それはそういう臨時的なたんこぶの問題で、臨時的なたんこぶは臨時的なたんこぶとして扱うように運営したい。だからこの運用の問題からいえば、そういう臨時的なたんこぶの問題として問題を考えるべきものだと考えております。

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 質疑は次回に続行することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十八分散会      —————・—————

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