P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
28回国会参議院1958/03/07

地方行政委員会 第11号

発言数
94
登壇者
10
会派数
2
開催日
1958/03/07

会議録

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。  本日は、前回に引き続き、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案の審査をお願いいたすのでありますが、その前に、この法律案に関連のある請願が一件付託されておりますので、法律案の審査の参考とする意味におきまして、この請願を議題に供したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 御異議ないものと認めます。  第二百十号、奄美群島産業開発基金制度に関する請願を議題に供します。  まず、専門員より内容の説明を聴取いたします。

福永與一郎常任委員会専門員

○専門員(福永與一郎君) ただいまの請願は、鹿児島県の県議会議長からの請願でございます。  内容は、奄美群島復興特別措置法の改正とともに、目下、政府において考慮中と伝えられる産業開発基金制度の設定については、群島における中小企業の零細性にかんがみて、特に、融資機関は業務を委託することなく、あく委員会会議まで独立した金融機関を設置すること。融資は復興の効率を高め成果を期待するよう長期融資の方途を講ずること。中小企業者の育成のために特別融資のワクを設定すること。右の三つの事項を特に考慮されたいという趣旨のものでございます。

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 本請願について政府側で御意見があれば発言願います。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) 奄美群島関係の金融に関する特別の措置につきまして、ただいまの請願の趣旨は、私たちといたしましても全面的に同感でございます。その趣旨に沿って実現のために、今後ともなお努力をいたしたい、かように考えております。

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 何か委員のうちで御質疑ございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 別段御発言なければ、本件はこの程度にいたします。請願の願意を参酌の上、法律案の審査をお願いいたします。     —————————————

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) なお、この際、御報告申し上げます。  ただいま三木治朗君が辞任されまして久保等君が委員になりましたので、御報告いたします。     —————————————

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) それでは、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を行います。  質疑のおありの方は、順次、御発言願います。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 奄美大島の主要産業でありまする糖業のことにつきまして、昨日も質問いたしたのでありますが、なお、これに続きまして質問いたしたいと思いまするが、まず第一に、砂糖の値段を安定することについてどういう政策を持っておられますか、また、どんなふうに実行しておられますかをお聞きしたいのでありますが、きのうも御説明がありましたように、砂糖のうちでも、ことに黒糖についてはその需要額が少いのでありまして、従って、豊作等によりまして供給が少し多くなりますというと、相当の値段に影響するそうでありまして、最近は四十五円のものが三十円を割っているというようなわけで、糖業者は糖価の変動に非常に悩んでいるのでありまして、これを安定させるということは非常に重大なことであり、しかも、それが主要産業であるということになりますというと、最も力を入れなければならぬ政策の一つであると思うのでありまするが、今までどういうような安定策をやっておったのか、また、将来どうするのか、その点についてお尋ねいたします。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) 昨日もお尋ねがございまして、また、今重ねて御質問がございました通り、奄美群島におきます糖業の安定をはかります上に、価格の安定ということは非常に重要な問題でございます。ことに最近は、作付面積も相当伸びて四千町歩をこしているような状態に相なっておりますが、カンショがその性質上、台風の被害でありますとか、あるいは旱魃でありますとかということで、作柄の変動が相当大きいわけでございます。従いまして、これに対しまする生産の動きも相当あるわけでございますので、価格の安定につきましては何らかの対策をとりたいということが、あの地方の農民の経営を考えますときに、当然必要なわけでございます。この点につきましては、私どもの関係におきましては、前々から、何とか農産物価格安定法の対象とすると同様な措置はとれないものであろうかということで、政府部内では協議をいたしたこともあるのでございますが、昨日に引き続きましてのお尋ねでございますので、その後、食糧庁当局とも実は至急な相談をいたしたのでございます。現在に買い上げの対象にいたします場合の事務の担当者としては、いろいろ、たとえば黒糖の品質が相当ばらつきが多いのであります。また、貯蔵を長くいたしますと、相当ロスその他の問題が出るのではないかというふうな、技術的な難点がまだ解決を見ておらないようでございますけれども、農林省といたしましては、何とかこの際、少くとも品質の点あるいは貯蔵性の点についてそういう心配が要らないような上級のものにつきましては、買い上げの対象にするという方向で、至急に一つ検討いたしましてなお関係方面、いろいろ協議をすべき方面も残っておりますけれども、そういうことで至急に検討いたしまして、そういう買い上げの対象にするような運びに持って参りたい、こう考えている一わけでございます。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 昨日の御答弁と大体同じなんですが、実は、それでは私はあまり満足できないのです。糖価安定の政策というものは、去る二十九年の初めの計画に大きく取り上げられている実施の要綱にございます。従って、過去三年の間に相当この問題については研究もし、ものによっては実施してしかるべきものだと、常識的には判断できるのです。それを専門の人が三年も研究しておったということであり、しかも、それは買い上げ政策について相当研究したというようなことでは、三年間というものは、一面においては相当予算を使って、糖業の奨励をしておる。しかも、最も必要な価格の安定というようなことについては何も手を触れてないということは、私どもとしては納得できないのです。買上政策が困難であるということは想像できますけれども、早急にこの問題を研究して、また、関係の部署と連絡をとって研究をし、さらにまた、規格等につきましても、専門的の見地からすれば、何とかもう少し日興のついた報告を聞けるものではないかと私は思うのですが、こういう点については私は非常に遺憾でありますが、どういうわけでおくれておるのでしょうか、三年間も、しかもちゃんと二十九年の閣議決定の実施要綱には大きくうたわれておる価格安定については、まあ極端な言い分かもしれませんが、何ら手を触れてないといっていいのじゃないかと思うのですが、これはどういうものでしょうか。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) 従来までにいろいろ政府部内でもしばしば協議をいたしたのでございますが、結果的に見まして、直接の価格安定政策である政府の買上制度について、何ら具体的な結論が出なかったという点は、まさしく御指摘の通りでございまして、この点は私どもこの際、至急に政府部内におきまして協議をいたしまして、少くとも従来難点と称されておりました品質の点、貯蔵性の点等について、全体の、黒糖の相当大きな割合を占めております、たとえば特等が四〇%、一等が三〇数パーセントというような割合を持っておりますから、こういう上位糖というものだけでも、とりあえず買い上げの対象にできるのではないかということで、この点はまことにおしかりを受けまして恐縮でございますが、至急に引き続きまして結論を出したい、こう思っております。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 ビート糖の方はすでに買上策を実行しているのですが、それと対照しますると、どうも片手落ちのような感じがするのですが、ビート糖とこれとでは、だいぶ品物が違うのですから、一がいに論ずるわけに行きませんけれども、糖業政策の一環として考えるというと、これを対象として考えてもいいのじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) テンサイ糖につきましては、てん菜生産臨時振興法の制定を見ましてから、テンサイの価格安定を目標にいたしまして、できますテンサイ糖を買い上げるという制度ができたのでございます。私ども、制度の趣旨から申しまするならば、奄美群島の零細な農家の生産物の安定という意味で、同様の対策をしてしかるべきものと考えておるのであります。ただ従来まで協議をいたしましても、技術的な点につきまして、なかなか食糧庁当局としては踏み切れなかったのでございますが、私ども至急にこの点はそういう技術的な難点を解決し得る分をスタートにいたしまして、テンサイ糖と同様な制度を作るということについて協議をいたしたい こう思っておるわけでございます。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 黒糖の糖価安定につきましては、大至急御考究して、かつ実施していただきたいと思うのでけが、それと同時に黒糖は、きのうのお話によりましても、その需要というものは決して明るくないというような意味からして、分みつ糖に切りかえるということはけっこうなことでしょうが、分みつ糖に切りかえる以上は、分みつ糖ならば農家経済も非常によく行くということでなければ意味をなさぬと思うのですが、分みつ糖の工場は必ずしも経営が楽でないと聞いておるのですが、それにはいろいろ種類もありましょうが、今度の計画によりましても、百トンから十五トンまでの段階のものもあるようですが、いわゆる普通のものに例をとりまして、果して採算できるというようなものであるかどうか、含みつ糖についてのそういう農家経営についての例をお示し願いたいと思います。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) ただいまお示しの通りに黒糖の需要の将来ということを考えますときに、できるだけこれを、販路の安定をいたしております分みつ糖の生産に切りかえていくということが、糖業を安定させるもう一つの方法であるわけでございます。すでに最近新式の精糖工場といわれますものが徳ノ局に二工場、沖永良部局に二工場、いずれも五十トン以上の能力の工場ができておるようでございますが、これは原料の集荷の面におきまして、黒糖の価格の動きのいかんによりまして、原料の集荷の面で黒糖の原料の集荷と競合するわけでございます。従いまして、できるだけ工場の生産コストの低下もはかっていかなければならない、それが一つの要点であると思うのでございます。私どもの方といたしましては、こういう工場の新設の資金につきまして、できるだけ長期低利の融資をいたしますことにつきまして、農林省として従来もあっせんに努めて参ったのでございますが、将来はぜひこういう方面にも力を入れたいと思っております。ただ、ただいまお示しの具体的な奄美群昂におきます新式分みつ糖工場の採算関係ということにつきましては、これは相当技術的な詳細な検討が必要だと思いましたので、昭和三十二年度におきましては応用研究費を支出いたしまして、そういう経済性の調査をいたしたのでございます。これは三十二年度の報告が実はまだまとまっておりません。なお、来年度もこの調査を引き続きいたしたいと思うのでございまして、それらの調査の結果によりまして、なお農林省として考慮すべき問題があれば手を打って参りたい、こう考えておる次第でございます。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 分みつ糖に切りかえてそうして奨励するという方針はけっこうだといたしましても、分みつ糖によって農家経済がよくいく、あるいは分みつ糖の工場が収支計算においてりっぱにやっていけるという結果を得なければ、ただ白糖に切りかえるととがいいのだということで奨励するということは、ずいぶんこれは変なことだと思うのですが、その各工場における収支計算については、昨年からやってまだ結論が出ないというようでは、もしそのやり方が、損失を受けるものであったら、奨励するということは、とんでもない負担を農民に与えるということになるのじゃないかと思うのです。聞くところによると、どうもこの分みつ糖の工場はけっこうであるけれども、収支計算から見るというと非常に不利益であるために、やむを得ずこの黒糖の方に移っていく、あるいは黒糖を維持していくというような傾向で、ますます黒糖の需要供給がうまくいかないために、糖価の不安定をきたすということと聞いておるのですが、そういうようにせっかく今度の新計画におきましても、かなり多くの工場を設けることになっていますが、その工場が収支計算がどうなるかわからぬというのに、これを実行するということは、どう考えても腑に落ちないのですが、この点はどうでしょうか。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) 今、お話しの通り、今後新設をいたします場合に、その工場の企業的な条件と申しますか、採算関係を完全に検討することが前提条件になると思うのでございます。今まで分みつ糖を製造しておりましたのは、やや試験的な段階ともいい得るのでございまして、今後、ただいまのように農林省としてこの企業の成立を奨励をするという方向を打ち出すためには、当然この企業の採算関係というものをはっきりいたさなければならぬと思うのでございますが、従来、黒糖の価格関係等の競合によりまして、原料の集荷がコンスタントにいかなかったというような事実があるやに聞いておりますが、私どもといたしましては、先ほどの分みつ糖工場の経済的な条件の調査、これをも検討いたしまして、そういう点につきましては、なるべく今後新設する分について企業採算が確実にいくように検討をしなければならぬと、こう考えておりますが、現存のところ、数字的に、コストとしてはどういうふうになるという数字的な資料をただいま申し上げるまでの段階になっていないことは、まことに申しわけないのでありますが、至急そういう点を私どもとしては調査をしたいと思っております。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 同じことを繰り返すようですけれども、収支がどうなるかわからぬというものを奨励するということも、ずいぶん変なことだと思うのですが、聞くところによりまするというと、黒糖は消費税が一斤当り四円であり、白糖の方は二十八円、ところが三十八円ではとうてい収支計算がうまくいかない。少くとも十五、六円以下にならぬというと採算がとれない。そういうふうな意味で、先ほども申し上げましたように、やっぱり黒糖の方がいいというように聞いておりますが、まあそうするというと、どうしても分みつ糖を奨励する以上は、収支計算について十分な検討を加えると同時に、そのおもなる点が消費税にあるというならば、消費税の軽減という問題をも考えなければならぬのでありますが、消費税の一斤当り二十八円ということは、果して適当であるか。もちろん、工場の経営につきましては、カンショをよくするというように努めておられるようで、今度非常に歩どまりのいい、夏植えの方を奨励しておるようでありまするから、よほど経済にも影響することと思いまするけれども、一斤当り二十八円と、従来の四円よりずいぶん高くなっているのですから、この問題に触れなければ、経営も非常に苦しいということは想像にかたくないと思うのですが、この点についてはどうお考えになっていますか。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) 私どももこの黒糖の生産と分みつ糖の生産を今後並行してどういうふうに育成していくかということにつきまして、今後、関係県当局、あるいは地元等ともいろいろ御相談しなければならぬ点がいろいろ残っていると思いますが、ただいま御指摘のように、分みつ糖の方に転換をしていくということになりますと、その採算関係等をある程度数字的に明らかにいたしまして、できるだけ企業成立の可能性ができるように、たとえば消費税の軽減ということも当然取り上げなければならない一つの問題だと、こういうふうに考えます。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 もうこれ以上私は申し上げませんが、要するに、一方においては技術的に相当予算を投じて仕事をやっておられるが、一番大切な糖価の安定とか、農家経営の関係ということに何ら特別の手を触れられないで、三ヵ年間もそのままにしておったということは、どう考えても私は納得できないのですが、今後さらに年限を延長いたしましても、こういうようなやり方では、これはとうてい望みを達し得ないと思うのですが、この点については十分の御留意をいただきたいということを私はつけ加えまして、私の質問を終ります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 大臣の提案の御説明の中に、奄美群島の復興審議会できめられました、立ちおくれた民度を向上する問題と、群島経済の自立化を促進する問題と、この二つをさらに推進するために実施期間を十ヵ年間に延長した、こういうお話でございますが、復興計画の基本方針というものは、この前の昭和二十九年にきまりました中でも同じような、やはり群島経済の自立、あるいは立ちおくれた民度を、あるいは生活水準を昭和九年から十一年の本土平均の、本土並みに引き上げるということがうたわれておったわけでございますが、これが、五ヵ年にはまだなりませんが、今までの過程ではっきりした目標をつけておきながら、さらに五年間延長を計画し、修正しなければならなかった理由は何ですか。

郡祐一自由民主党自治庁長官

○国務大臣(郡祐一君) 奄美群島が復帰いたしました後、政府といたしましても極力熱意をもって当ってきております。しかし、何と申しましても、奄美群島の経済力というものは確かに低いのであります。それで、これは相当長期にまたいたさなければならぬことはたくさんあります。ありますが、相当長く、あるいはもしこれに言葉を加えれば、長く、しかし細くとは申しませんが、長くある程度続けて力をつけていく、なかなか一挙には、いろいろな地理的な条件から申しましても、群島民の力から申しましても、一挙には参らぬところがある。これは年限を延ばすということの方が実情に即している、こういうふうな判断を下した次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 奄美群島の地理的条件とか、あるいは社会的条件といったものは、昭和二十九年の当初計画を立てるときからわかっておったと思う。そういう社会的条件や経済的条件というものがわかっておった上に計画を立てて、しかも、その計画がうまく進まなかったという理由は、今の長官の御説明だけでは、私どもどうも納得できない。初めの計画が非常にそごを来たして、さらに五年間延長をしなければならなかったということは、ほかに何かないのですか、その点をもう少し詳しく御説明をいただきたい。

郡祐一自由民主党自治庁長官

○国務大臣(郡祐一君) それは地理的と申しましたのは、初めからわかっていることですよ。わかっていることですが、なかなか台風の激しいところで、そうしてやっていってみると、いろいろやっていってみると、それから、港にしましても、なるべく地元の力をつけていくというような工合に地元にはやらしてみた。しかし、それよりも委託した方がよろしい。そんなことは全部初めからわかっているじゃないかといえばそれっきりです。しかし、私は、むしろやってみた、そうして徐々に力をつけていく、これは相当長いこと取り組まなければ相ならぬ、何もそごを来たしたわけではない。それは見方によれば、もっと国の支出を多くし、国庫支出をもっと多くしたらよかったということがあるかもしれません。しかし、私は、私が承知しているところでは、割にこなし得る限度のものは相当注ぎ込んでやっておる。そうしてここへ初めの五ヵ年−率直に申しますならば、初めの五ヵ年でというような年限が、私は少し無理だった、そういう点を率直に認めて、今度年限を延ばしたという方が実情に合っている、こう思うのであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治庁から配られました関係資料によりますと、台風とか冬季の季節風といったような気象的条件で事業がはかばかしくいかなかったという理由が一つ、資材の大部分を本土に求めなければならなかったので、そういう関係上、輸送力が非常に不足しておったという点が一つと、労働力、技術力の不足という点が一つと、市町村財政が貧困で負担力が乏しかったという点が一つと、地元の民間資本に信用がないので他の民間資本の流入というものができなかったという点が一つと、この五点を実施状況が進捗しなかった理由として御説明をされているわけであります。しかし、このことは、こういう諸条件があるからこそ奄美群島の復興というものが計画されたという、そもそもの奄美群島の復興の前提条件のはずなんです。今さら、一番初めからわかり切ったことが理由になって五ヵ年の計画が進捗しないということでは、私は説明にならないと思う。このほかにこういうことがわかり切っておった、それで計画をされたのだ。しかし、最初の計画のようにいかなかったということは、こういう条件じゃなくて、計画そのものにどこかずさんなところがあったのじゃないか、こういう反省を私は当局に求めたいのであります。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) 復興計画が遅延をいたしておりまする理由につきましては、ただいま加瀬委員もおあげになりましたようなことをわれわれも考えておるのであります。で、このような点は、実は復興計画の樹立当時においてすでにわかり切っていたことではないかと、そういうふうにおっしゃれば、そういうような点は全くその通りでございまして、わかっておるにもかかわらず、そういうようなことになってきて、しかも実施が遅延をしてしまったということになれば、そもそも初めの復興計画自体がずさんであったのではないかという御指摘の点は、なるほど、ごもっともな点もあるのであります。ただ、当時といたしましては、できるだけ立ちおくれた民度というものを復興をして、行政分離によって荒廃に帰しました経済力というものを、できるだけ一つ急速に復興しなければならぬ、そういう要求もございまして、当時の能力としては、実は最高限度のつもりの力を発揮して種々の調査をいたし、計画の策定をいたしたのであります。ただ、当初の第一年度といたしましては、実施に移りまする段階がすでに年度半ばを過ぎてしまっておったというようなことで、第一年度はなかなか思うにまかせぬ進捗ぶりであったのでありまして、その後におきましても、諸般の事情——先刻加瀬委員も御指摘になりましたような事情が重なり合いまして今日のような状況になってきたのであります。そういうような点から見まして、今振り返って、復興計画の樹立自体がずさんではなかったかというような点について反省すべきであるということでございますが、私たちといたしましても、その点は率直に反省を加えたいと思います。反省を加えなければならぬという事態が起きて参りましたために、従来の実施計画の実情というものともにらみ合せまして、従来の復興計画というものについて再改訂を行わなければならぬという段階になってきたものだというふうに考えておるのであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この奄美の復興計画と同様の計画は、過去においても行われた。それもあまり成功しておらなかった。ですから政府におかれても十分、少くもさっき私が例にあげましたような困難な条件というのは、もうわかり切っているはずだ。しかも、占領地であった関係のもろもろの悪条件をもこの際克服していくというのであるならば、復興計画である限りは、五年なら五年という短かい期間に効果を現わさなければ、これは復興計画にはならないと思うのです。振興計画ということで、五年計画が十ヵ年計画に延びて、さらに振興の度合いを広げていくというのならわかるけれども、復興計画というものを五年と年限を切って、これだけの資本を投下しよう、民度をこれだけ引き上げようと考えたものを、それを十年に延ばすということは、復興計画が結局逆に、二分の一モーションがおそくなったにすぎない。こういうことでは、私は復興計画としては、はなはだずさんだと思うのです。しかもあなた方は、復興計画の基本方針をきめているときに、すみやかに群島経済の自立を可能ならしめ、立ちおくれた民度を引き上げるために必要な施設の整備と産業の振興をはかるという点をはっきりあげておる。それから、今まで小柳委員からいろいろ問題になりました、群島の気象的、地理的特殊条件にかんがみ、必要な防除対策を講ずるとともに、特殊産業の開発振興をはかるということをあげておる。それで、特殊産業の開発振興が具体的にどうだった——これから御質問を申し上げますけれども、たとえば黒糖の問題一つ取り上げたって、糸口すらもってておらないという現状じゃありませんか。あるいはハブの問題をあげたって、ハブの問題というのは地元まかせこれにハブの防除計画というものを具体的にどれだけ計画のしに現わしてきたかということになりますと、私は、まだ、これは地元の人々の気持を率直に伝えるならば、はなはだ不満足ということの結論しか出ないと思う。それで、同じようなことで、また五年延ばしたところで、一体、それならば、五年間たってこの計画が今度は確実にできるかといったら、このままの態勢では、私はやはりできないと思う。そこで五年に近い期間、全期をやってみて、基本的には、こういういわゆる地理的条件とか気象的条件ではなくて、行政的な欠陥というものがこういうところにあったという反省か何か、新しい計画なりというものにお気づきになっておられるなら、それをここにはっきり打ち出さなければ、もう一度同じことを繰り返すと思う。この点はどうなんですか。

郡祐一自由民主党自治庁長官

○国務大臣(郡祐一君) 局長から詳しく申し述べますが、私は加瀬君の言われます、同じような計画があるのじゃないか——私自身も、この沖縄の開発計画を、復興を見まして、私自身に感ずることがありまして、私は、沖縄の振興というのを受け持ったことがあるのであります。これは私の経験だけでも、五ヵ年計画を五ヵ年延ばし、五ヵ年延ばし、十五ヵ年というのを私は何がしか関係しておったのです。沖縄と奄美と、もちろん事情が同じであるというわけじゃございませんが、沖縄のときに私が感じましたのは、当初立てた計画がある程度実際と合わなかった。それは率直に申しまして、沖縄の場合にはかやを各戸に配るという計画から戻って、そしてやり直したというような経験があります。私自身も、この奄美の復興の計画を考えまして、いろいろな、私は私なりでの経験を審議会の方にも、事務の方にも伝えるようにいたしておったのであります。そういう点での反省というのは、確かに取り組んでみますとあります。これは率直に私は大いに反省しなければ相ならぬ。ただ、どうかいろいろな国会のお力を借りまして、群島復興というのはこれは仕上げたい、仕上げたいという点では、当ってみますと、なかなかにむずかしい点がある。そういうような意味合いが、一番この年限を延ばす理由でありまして、決して私自身、当初の計画が満点であったということは申しません。そういう意味合いで、私は加瀬君の言われることは、まことにごもっともな点が多いと思います。詳しくは局長から申し上げます。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) 今度の改訂の復興計画の大体の見通しといたしましては、事業費といたしまして百八十二億程度になる見通しを持っておるのでありまして、これは事業費といたしまして、ただ単に従来の復興計画の引き延ばし、年度の引き延ばしということではなくて、事業費自体につきましても、基本方針の点については、もちろん、従来の計画を踏襲をいたしておりまするけれども、具体的な事業自体につきましては全面にわたって再検討を加えまして、最も有効適切なものに仕事を振り向けるという建前のもとに、これらの事業を実施をしていきたいというふうに考えておるのであります。今までの仕事のやりぶりから見れば、いろいろな点で欠陥が露呈されておる。従って、これは単に年限を延ばしてみたところで、また同じ轍を繰り返すのではないかという御懸念の点でございますが、その点につきましては、事業実施の実績は、二十九年度こそ、これは開始の時期がおくれた関係もございまして事業量は少うございましたが、三十年度以降につきましては、事業費といたしましてはそれぞれ三十億以上の仕事をやって参っておるのであります。そういうような点から申しまして、今後残された事業というものを六年度間に振り割って参りますると、おおむね従来の実績から見ましても、この程度のことは消化されて参るのではないかというふうに、われわれとしては考えておるのであります。ただ、御指摘になりましたように、いろいろ従来の点では不手ぎわもございました。やはり反省すべき点もたくさんございます。あるいは指摘をせられておりながら、いろいろの難点がございまして、解決がおくれておる問題も一つにはとどまりません。そういうような点につきましては、われわれとしても十分反省を加えたいと思っております。ただ、全体といたしまして、今度の改訂実施計画につきましては、従来の経験にもかんがみまして、大丈夫やり得る目途を持って進めるのではないかと、かように考えておる次第であります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 きのうの局長の御説明によりますと、今までの実績に応じて、これくらいの継続事業をしていくのだというふうな御説明がありましたが、一体、今までの実績というのは、百五十三億の予算が六十九億しか使えなくて、二分一以上余っておるのですよ。どうして計画した財政投資がそのまま行えなかったか、こういう反省こそまず私は関係当局として先に述べられなければならないと思うのです。それから、今までの実績に応じてというが、今までの実績のようなテンポでは復興計画はできないですよ。できないから、また五ヵ年間延長するわけです。このような実績しか取り得なかったのは、一体どういう原因なのか、こういう原因を私は明確にしなければならないと思うのです。先日も小柳委員から、行政的な方法として、鹿児島県庁に委任するような形でやらした方がいいか、あるいは鹿児島県庁の単独事業みたいな形でやらした方がいいか、それとも国がやるべきか、こういったような問題も検討しなければならないという御意見なり御質問なりの趣旨がありましたが、私どもも現地を見て、つくずくそういうことを感ずるのです。地元の資本によって地元の業者というものを経済的にふくらますために、地元の業者に仕事をさせていく、それも一つの理由にはなりましょうが、それによってさっぱり計画そのものが進捗しないようなことでは、計画を進捗させるという大きな目的のためから、地元を経済的に潤わせ、しかも仕事を進めるという、どういう行政的な措置が進められたかといえば何もない。こういうことでは、私は今度の新しい計画というものも、島民が期待しているような効果というものはあまり見られないというような結論になるのではないかと思うのです。行政的に一体欠陥というものが全然なくて、こういう結果しか現われなかったということなんですか、もっと方法を変えれば効果を上げられるということなんですか、こういう点をもう少しお話し下さいませんか。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) 事業の実施が遅延をいたしておりますことは、御指摘になりました通りでございますが、三十二年度、本年度を経過いたしますると、大体事業費といたしましては八十億程度のものが実施をされる予定に相なっております。それにいたしましても、今仰せになりましたように、当初計画をいたしましたものに対して五三%、半分よりちょっと上回っておる、これが四年度間の実績でございましてそういう点から申しますれば、事業が遅延をいたしておりますことは、これは歴然とした事実でございます。この原因につきましては、先刻もいろいろ申し上げておりましたところの、いろいろの競合の結果が出てきておるのであります。それらの点につきましては、また別に、行政的に何か欠陥があるのではないかというような点につきましても、われわれとしては十分反省を加えなければならぬ面があると思うのであります。小柳委員からも御質問がございましたですが、いろいろ機構の面についても、さらに根本的な考え方を改めていくというような方式もあるのではないかということもございましょう。また、事業の実施主体というものにつきまして、大規模の工事、また重要な港湾工事等につきましては、請負業者に請け負わせるというような方式ではなくて、さらに国が直轄をしていくというような方式も考えていってよいのではないか、その方が効率的にいくのではないかというような点につきましても、考慮をめぐらすべき点が多々あると思うのであります。ただ、それらの点につきましては、私たちの現在のところの立場では、行政的な組織につきましても、もちろん検討は加えて参らなければならぬと思うのでありますが、今やっておりまする地方事務官、地方技官の制度というものは、そこにある程度国家意思というものとの調和というものをはかる建前として採用されている制度でありまして、これが全く効果が上っておらないというふうには考えておらないのであります。また、工事のやり方等につきましても、これは御指摘の通りでございまして、私たちといたしましても、その点につきましては、港湾の工事等の大規模な重要なものにつきましては、今後、名瀬以外の港湾等につきましても、運輸省なり建設省なりというものと話し合いを進めまして、その点、法律的にも委託をしていくというような余地はあるようでございます。ただ、引き受ける側の建設省なり運輸省について、人員なり機材なりの遊休関係というような点も、もちろん十分相談をして参らなければなりませんが、とにもかくにも、そういうような点をにらみ合せながら、工事の有効適切なる執行を一つはかっていくような努力を続けていきたいと思っておるのであります。総じまして、大体、従来の実績というものも、四ヵ年度を経過するに当りまして、ある程度の見通しを得るに至っておりまするので、今後こういう体験を通じまして、反省すべき点は反省し、延ばすべきものは延ばすという方向でやって参りまするならば、今度の改訂計画の実施というものは、相当見通しとして明るい、またわれわれとしては、ぜひともこれは達成しなければならぬというふうに考えておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今度の計画の御説明で、土地改良を数倍の予算にした、あるいは産業振興との関連から公共事業をふやしたと、こういう御説明がありました。しかし、またの説明では、事業の消化能力が不足しておるという点も認めておる。新しい予算で新しい事業をするときに、今までの事業の消化力の不足というものを解決しなければ、やはりこれは帳面の上で数字が並んだだけで、住民の福祉という点ではさっぱり予算効果が現われないということになってくる。事業の消化力が不足しておる点をどう解決しておるか、どう解決しようとしておるか、この点はどうでしょう。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) 今、御指摘になりました、特に産業振興関係の事業は、今まで公共事業に重点を置いて参ったことから考えまして今後、産業振興にもっぱら重点を置きまして、群民の所得水準を向上するという見地から計画を改訂いたそうと考えておりますが、産業振興にかかわりまする補助金は、いずれも全額国庫補助というものではございませんで、確かに二割ないし三割、あるいは五割程度の地元負担金を必要とするわけであります。その地元負担金の調達についてどのように考えておるかという問題でございますが、今、特にわれわれが考慮いたさなければならない問題は、大きな、農業協同組合でございますとか、漁業協同組合等の団体を通じて行わせる事業が多いわけでございまして、個々の農家に、あるいは漁家に、直接補助金を交付するという面は、多少はございますが、少いわけでございまして、主として団体に対しまする事業の地元負担金というふうに考えておるわけでありますが、この点につきましては、御承知の通り、本土に復帰いたしまして以来、農業協同組合を新たに組織させまして、活動を開始したわけでございますが、何分にも非常に立ちおくれております。協同組合の加入もきわめて低率でございますし、また、でき上りました協同組合自体が、いろんな今までの経験もございませんし、赤字等を作りまして、非常に困った状態に立ち至っておるわけであります。内地におきましては、協同組合のそういった再建整備に対しまする法律の適用、整備もありまして、着々と再建が行われたのでありますが、奄美群島はそれにも間に合わなかったというような状態でございますので、まず何よりも農業協同組合等に対しまする組織の強化という点につきまして、種々対策を講じていかなければならぬと存じておる次第でございます。なお、個々の住民に対しまする、農家なり漁家なりに対しまする融資につきましても、これは御指摘の通り、きわめて零細でございまして、いわゆる金融機関の目から見るならば、貸せるような信用力を持っておらないわけでございまして、この点は、いわゆる金融機関のペースに乗らない存在になっております。そこで、もとより貸し倒れにならないように、信用保証ということをいたしておりまするけれども、それをもっていたしましても、なお不足をいたしておる現状でございますので、昨日も申し上げましたように、特別の金融対策を講じまして、現地にそういった、特に、第一次産業を対象といたしまする融資につきましての特別の基金制度というものを考慮することによりまして、今後漸次金融措置を改善して参りたい、こういうふうに考えておるのであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 答弁簡潔に願います。質問も簡単にいたしますから。事業の償還能力が不足しているとか何とかいっても、結局、あなた方が復興計画の基本方針とした民度の引き上げ、あるいは民度引き上げの裏づけとなる特殊産業の開発振興というものが、はかどるか、はかどらぬかの問題になると思うのです。特殊産業の開発振興ということは成果を上げているとお考えですか。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) 成果を上げておると考えます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それじゃ聞きますが、一体、戦前の奄美群島における三大産業というのは、御存じのように、つむぎと、カツオぶし等の水産加工業と、それから黒糖ですね。その水産業について言いますと、戦前と比べて、一体カツオの漁獲量、あるいはカツオぶしの加工業というものはどうなっていますか、成果を上げているのですか、戦前と今と比較して下さい。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) 水産業、カツオ、マグロ等につきまして戦前の統計が不明でございます。水産業につきましては、御承知の通り、あの地域が、琉球、沖縄を含めました戦闘地域に入りまして、漁船はほとんど爆撃で沈みますし、また残ったものも徴用されるということでございましたので、それらに対する復興を現在やっておるわけでございまして、戦前との比較ができないわけでございますが、復帰した当時から比較いたしますと、漸次、物によりましては数倍に伸びておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなた方が、ちゃんと目標に、昭和九年から十一年度の民度というものを、内地の民度というものを抑えて、そこに引き上げるという目標を掲げておるわけなんです。いかがですか、数倍どころじゃありません。数分の一にも達していませんよ。水産加工業は、あなた方がこの前御説明になったように、水産試験場は何を指導していますか、売れるか売れないか、悪口を言うならば、わからない半円真珠なんかやったって、一体それだけで、カツオ漁業にかわる、あるいはカツオぶし加工業にかわる民間の事業の所持収益というものが上りますか。何もやっていないじゃないですか。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) カツオについて、二十八年復帰当時の生産量を申し上げますと、一万八千五百貫でありますが、三十一年、つまり昨年度の生産量は十四万八千六百貫、この点につきましては、役七倍程度の増加を見ておるわけでございまして……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 船の一そうもなかった、漁師が戦争に行っちゃって、一人もなかったような状態に近いような状態から何百倍したって、それは戦前の状態に復帰したということにはならない。水産庁も来ておるようですから、あとで伺いますが、あなた方の自治庁が出した資料で、戦前の群島における三大廃業の特に漁獲というのはどれくらいであったかということがはっきり出ておる。それと比べまして、水産加工業というものが大きな産業であったにもかかわらず、水産加工業に対しては、島民の指導というものにはさっぱり力が入っていない。われわれは見てきている。カツオぶしを作っているにおいすらありませんよ。こういう状態で、戦前の、船が一そうか二そうしかない、漁師の三人ぐらいいるときに比べ百倍に上ったって、そんなものが比較になりますか。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) 要するに、今御指摘の通り、ほとんどゼロに壊滅したわけでございまして、それを一挙に戦前に復するという問題について努力をいたしておるわけでございますが、過去二年ないし三年やってきたのが、何にもやってないというふうなことでございますが、私は、カツオぶしのにおいもかいで参りましたし、(笑声)事実やっておるわけでございます。り加瀬完君 それは、カツオぶしの加工工場のそばに行かなければにおいがないぐらいの程度ですよ。漁師町というのはそうじゃない。ほんとうに加工業をやっておるところの地帯へ行けば、遠くの方からにおいがする。そういう状態にならなかったら、漁業の復興ということにはならない。魚町で魚のにおいがないような所へ行って、漁業が振興しているというような感じでお帰りになるのは非常に困る。私は、一つもやっておらないとか何とかということを言っておるのではない。一番の基幹産業であるこのカツオ漁業というものに対して、このカツオの加工業というものに対して力が入らないではないか、あるいは島民の要望しているような対策というものが十分に講じられてないのじゃないかということをもっと反省してもらいたいということです。その点は、これはお認めにならざるを得ないと思う。統計ではっきりわかっている。  その次に、黒糖の問題ですが、水産加工業にしても、黒糖にしても、自治庁なり、あるいは関係官庁でのお打ち合せの結果出ているものは、生産指導はしていますよ、生産指導は。しかしし、経済指導というものがどこに打ち出されていますか。あるいは、われわれが見たところでは、木炭なんかにつきましても、係官が非常に熱心な者がおりまして、よく指導しております。いい木炭が出ています。しかし、その木炭も、高い値段でどこかへ売りさばくということになりますと、これは一人の係官ではどうにもならない問題なんです。ところが、そういう問題にはさっぱり手が打たれておらない。販路の開拓とかあるいは価格の引き上げということについては、経済的な計画というものは、指導計画というのは一つもない。こういうふうにわれわれには感じられる。そこで、まあ自治庁が計画したわけでありますが、問題は農林省の関係でもありますから、黒糖で——テンサイ糖の対策と黒糖の対策というのを比べて、テンサイ糖の対策はどうなっていますか。それに対して黒糖の対策は、比較したときにどうなっておりますか。この点を一つ御説明いただきたい。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) テンサイ糖につきましては、先ほども申し上げたのでございますが、てんさい振興臨時措置法に基きまして、テンサイの指示価格というのを毎年春に定めまして、この価格で製糖工場が買い入れまして砂糖を作るわけでございますが、そのできました砂糖につきまして、政府は買い上げの指示価格をきめまして、現在ではそれでほとんど全量を買い上げておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 テンサイ糖に対する財政的な——広い意味の補助的な財政の裏づけというのはどうなっておりますか。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) テンサイ糖の直接の生産について、農民に対する補助金その他はないのでございますが、国におきましては、テンサイの品種の改良のための試験研究機関に対する補助、並びに新品種の農家に対する普及をはかりますために、テンサイの採取に対する補助を計上いたしております。そのほかに、ただいま申し上げました食糧管理特別会計に掲げるということによりまして、これは必ずしも最初から食管会計に損失が出ると、当然出るという性質のものではございません。糖価のいかんによってその関係は動いて参るのでございますが、最近の数年間においては数億の赤字が出ているということでございます

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 生産者にとっては、価格の安定というものの裏づけがあれば、これ以上の保障はないわけなんです。そのテンサイ糖と比べて、一体黒糖はどうですか。先日来のいろいろ御説明を承わっても、黒糖というのは全然計画の表面にはあがっておらないと言ってもいいと思うのです。で、農林省自体は、砂糖の一つの黒糖というのが国土資源だと思うのですよ。この開発なり助成なり、あるいは生産者の維持なりというものに対して、もう少し熱意のある考え方というものが立っていいと思うのですけれども、将来どうですか。もっと何とかしてやろうというお考えはございますか。まあ遠くの方だから、陳情もないからうっちゃっておこうと、こういうお考えですか、どちらですか、率直に伺います。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) その点につきまして従来、具体的な措置につきましては、はなはだおくれておりましたことは、深くお詫びを申し上げなければならないと思うのでございますが、現地の農家の経営の安定という意味からいきまして、黒糖の価格安定の直接の施策といたしましては、政府における指示価格による買い上げ制度ということが、当然考えなければならない性質の問題であろうと思うのでございます。従来まで、品質あるいは貯蔵性の点について技術的な問題がございまして、なかなか急速な解決ができなかったのでございますが、少くとも今後は、検査の上級位のものにつきまして、貯蔵性の点についての難点を克服いたしまして、できるだけそういう措置を至急にとるように検討いたしたいというふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、農産物価の安定のワクの中に黒糖も入れて、生産者の、利益というものを農林省が裏づけてやろうというお考えと了承してよろしいですね。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) できるだけ早急にそういう方向に取りはかっていきたいというふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 できるだけ早急というのは、いつごろからそういうことを実施できるというお見通しですか。これはまた五ヵ年計画が延びたのですけれども、この十年くらいの間ということですか。来年あたり、少くももう実施できるようにやろうというお考えと受け取っていいですか。

永野正二農林省振興局長

○政府委員(永野正二君) できるだけ早急にいろいろな技術的の準備を急ぎまして、できれば来年度から実施できるように努力いたしたい、こう考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治庁に伺いますが、製糖工場の設置ということで、工場の誘致とか、金融対策の措置ということが書かれておりますが、今までもこういうことをたびたび聞いたけれども、さっぱり実現されておらない。今度はどういう工場をどう誘致するかという御計画なのか、金融対策というものはどういう形でつけて、現地で工場設備まで持っていかせようとする御計画なのか、そこははっきりしておるのですか。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) 製糖工場につきましては、そこに若干資料も添えておいたわけでございますが、終戦後、本土の食生活の内容が変りまして、黒糖から転換しなければならないということは、今お話しの通りでありますが、現在までに新式三十トン工場三ヵ所、それから動力の三十トン工場八ヵ所というふうに作って参ったわけでございますが、今後の計画といたしましては、五十トン工場二ヵ所、百トン工場二ヵ所を予定いたしておるわけであります。分みつ糖工場は百トン工場を予定いたしておるのでありますが、もとより、今の価格の問題、それから砂糖消費税の問題があるわけで、ございまして先ほど御指摘になりました北海道のテンサイ糖と同様の措置、あるいは国の税に対しまする保護政策というふうなものを実施いたしませんと、この実効は上らないわけでありまして、それと一緒にいたしまして、新式工場に切りかえる方針をとっておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それから土壌改善ということをうたっておりますが、土壌改善ということになれば、当然肥料対策というものが立たなければならないと思います。肥料対策というものは一つもありませんが、この表の上では。どういうふうにお立てになっておりますか。土壌改善と関係して肥料対策というものを一つ御説明いただきたい。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) それは、肥料対策というのは、これは現地に参りますと、いわゆる略奪農業と申しますか、金肥を入まして、それでできるだけ多収穫をやるということで今日まで参っております。従って、非常に土壌が荒れておりまして、もう今や、金肥ばかり注ぎ込みますと、全く何もとれなくなるという状態でございますので、堆肥舎というものを作らせるように考えておりまして、これは生産組合単位に数ヵ所ずつ補助金を交付いたしまして、相当程度のものを作らせるように計画をいたしております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 住宅対策あるいは住宅の改善対策ですがね。民度を引き上げるということであるならば、あの群島の住宅対策なり住宅の改善対策なりというものも、相当強く打ち出さなければ、なかなか住の問題があの通りでは、民度の引き上げということもいろいろ支障を来たすと思うのです。これらについてはどういうようにお考えになっておりますか。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) 御存じの通り、現地におきまして、台風の常襲地帯でありながら、きわめて貧弱な農家住宅が多いわけでありまして、一たび台風が参りますと、すっかり倒れまして、また、非常に起すのも容易でございまして、数人がかりで簡単に起きるというようなことを現在まで繰り返して数百年続けて参っております。従って、現地におきまする住宅の状態は、われわれの日から見ますと、まことに困った問題だと考えております。  そこで、現在、困窮者その他に対しまするいわゆる住宅につきましては、いわゆる公営住宅として相当程度建っておるのでありますが、これが個々ばらばらに、農民の所有地の中に一軒ずつまた建てていくという方策も適当でないと考えまして、あらゆる方向から検討いたしておるのでありますが、現在の段階では、コンクリート・ブロックのようなものを、これは現地にありまするサンゴ礁等のものから作れないだろうかということで、現在検討いたしております。将来はコンクリート・ブロックによる住宅というものをできるだけ住民の手で建てさしたい。それにつきまして、モデル・ハウスなり、あるいはコンクリートの練り方、建築様式、そういうものを、ある程度の調査費をかけましてやっていきたいと考えております。根本的な対策といたしましては、何しろ現在ありますような制度の金融措置——住宅金融公庫でございますとか、住宅公団を通じての金融措置を幾ら講じましても、これについてこられるような階級ではございません。従って、結局、学校の子供、中学生等に、そういった家の建て方を教えて、教育いたしまして、逐次数年がかりでやっていきたいということを考えておりますが、具体的な問題につきましては、今後果してコンクリート・ブロックの家が台風に耐え得るかどうかということも研究いたしたいと考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 このお配りいただきました関係資料の説明の末尾に、「土壌の改善、水資源の利用等に関する根本的な対策を樹立するため、必要な基礎的調査を行う」ということが書いてございますが、これが私は非常に腑に落ちないのです。これから新計画に入るというなら、大いに基礎的調査も必要でしょうが、実際においては、計画としては三回目なんです。新らしい計画としてでもすでにもう何年か過ぎておる。基礎的調査などはもう済んでおるはずです。基礎的調査が済んで、その上に計画的にどういう建設が運ばれるかという問題のときに、相変らず土壌の改善、水資源の利用等の基礎的調査をしなければならないというようなことを書かなければならないということは、語るに落ちるということになるのじゃないか、あけすけに申し上げれば。こういうことをここに書くということは、今まであまりやっておらなかったということを裏書きしておるようなものだと思うが、どうですかこれは。私は、こういうことをかりに、最も熱心な現地の人たちが見たら、自治庁が一生懸命やってくれておることはわかるにしても、どうもその度合いというものに疑いを持たざるを得ないという感じを持つだろうと思う。これは今までの基礎調査と別のものをやるならば、書き方は別だと思う。計画の当初にやらなければならないようなことをここに麗々しく書き上げるということは、どういうわけですか。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) 各種調査の問題でございますが、現在の復興計画を改訂するに当りましての基礎調査は、もとより数回計画して行なって参ったわけでございますが、この復興計画というものは、かりに改訂いたされましたにしましても、十ヵ年の年限を切って行うわけでございまして、これは特に国の補助というものを対象にいたして考えております。もとより、地元の負担金等もございますが、今ここで各種調査としてあげましたものは、要するに、奄美群島の復興あるいは振興というものを通じまして、全体的にどのような調査をやらなければならないかということを今後検討いたさなければならないと思っておりますが、たとえば、水資源というものについて調査ができてないじゃないかという御指摘なのでございますが、われわれは、現在の復興計画をやります程度には調査をいたしておるのでございますけれども、全面的に、また最近の様式における水資源の調査というものにつきましては、そこまで至ってないわけでございます。また、風土病につきましても、これは従来の改訂計画にも載っいなかったのでございますが、風土病における調査というものを今後継続いたしまして、環境衛生等についての根本的対策を、この復興計画期間内に樹立しておくべきではないか、全部が復興計画ではございませんが、そういった総合的な対策は、少くとも復興計画期間内にめどをつけておきたいというふうなことから考えたわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 まあそのくらいにしかまだ計画が進んでおらないということですね。自治庁にはあとでまたお伺いするとして、厚生省がいらしっておりますが、ハブの対策というものを厚生省はどう考えておりますか。

高部益男厚生省薬務局細菌製剤課長

○説明員(高部益男君) ハブの人体に与えます害につきましては、私ども過般、調査部の一員として参画いたしましたとき以来、いろいろ具体的な方法等について考究をして参ったわけでございますが、いかんせん、現在の手段といたしまして、御存じの通りに、予防薬が見つかっておりません関係上、とりあえずハブの咬傷に対しまして適切な医療をすみやかに適時実施しなければならないという考えで現在進めておるわけでございます。で、その中で特に問題になりますのは、御存じの通り、ハブ毒に対しましては、幸いにして現在ハブ毒血精がございましてこれを適時適切な方法で使用するならば、少くとも死亡から救うことはできるということになっておりますので、その組織的な運用等につきまして、極力、現地の保健並びに医療機関と連絡の上、努力をして参っておるつもりでございます。なおハブ毒の抗毒素それ自体につきましても、国立の予防衛生研究所に指示をいたし、それから伝染病研究所等の協力も仰ぎまして、よりよい品質のものを提供できるようにということで現在努力中でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういうお答えは、まるで研究所か何かでおやりになっていることについて私が質問するならば、そういうお答えはけっこうですが、一体ハブで死ぬ人が何人もいるのです。あるいは、それによって何ヵ月という重傷を受ける人も何人もいる。こういう事態の解決には面接的にはならないのです。率直に伺いますが、厚生省は現在でも、将来についてでも、ハブの対策というものに国の予算というものをどれくらいかけようとするお考えがあるのか。

高部益男厚生省薬務局細菌製剤課長

○説明員(高部益男君) ハブの人体に対する害につきましては、御存じの通りに、一般の保健医療体系の整備の問題が基礎になって参っておりますので、自治庁、それから予防対策の中心をなしまする絶滅対策の方面と関連をとりまして、農林省の御協力を得ましてすみやかにそれが実地に行われるように努力をしていきたいと存じております。それから厚生省自体の予算のワクの中では、現在のところ持っておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 絶滅対策といったって予算が一つもなくて農林省にまかせておいたって、ハブがなくなりますか——ですから私の伺いたいのは、厚生省自体として、ハブの絶滅対策というものをどう考えておられるか、考えておられるなら、当然毒素に対するいろいろの血糖などの問題はあるとしても、基本的にはハブの絶滅対策それ自体の予算なり計画なりというものをお持ちにならなければ、具体的な問題の解決にならない。この点どうお考えになっておるかという点を伺っているのです。

高部益男厚生省薬務局細菌製剤課長

○説明員(高部益男君) ただいまのところ、自治庁並びに農林省と御連絡の上、私どもといたしましては、技術的にこれを御援助申し上げるという態度でございまして、厚生省みずからがこのハブ絶滅対策に乗り出すような体制にはなっておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ハブの絶滅対策というものは、厚生省の計画の中にはない………。

高部益男厚生省薬務局細菌製剤課長

○説明員(高部益男君) 現在はそうでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 将来はどうです。将来、絶滅対策ということをあなたは御説明になったが、絶滅対策ということをおっしゃるならば、厚生省自体でそういう予算を持ち計画をお持ちになるということでなければ、ほんとうの意味の絶滅対策はできない。農林省などは、ネズミを食っていいというので、そういう考え方が出るかもしらぬけれども、それじゃ問題にならぬから、これは、どうしてもこの絶滅対策というものは、国民の厚生全般をあずかる厚生省そのものが考えなければおかしいじゃないか、私はそう思うのですが、絶滅対策ということを考えておってその計画も予算も、方法も考えないということはおかしい。将来はお考えいただけるかどうかという点です。

高部益男厚生省薬務局細菌製剤課長

○説明員(高部益男君) 第一回の御質問に対しましてお答え申し上げた通り、現在はすみやかに医療対策を確立したいというのが、現在の段階でございますので、今後、情勢の推移によりましては、関係官庁とも御協議の上、あるいは厚生省所管事務として、このハブ絶滅対策を取り扱うことになるやとも存じませんが、現在のところ、はっきりとその点について申し上げる段階ではございませんので、御了承いただきたいと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 了解といったって了解できませんよ、そういうような答弁では。ハブで人が死んでいるというのは、きのうきょうに始ったことではなしに、何千人、何百人という人がハブの被害で倒れている。このごろでは幾らが少くなったというにすぎない。しかし、十数人、二十数人という人が毎年ハブで死んでおる。あの群島の人口に対して、パーセンテージに直したら大きなものです。これを血清や何かの対医療関係だけ考えて基本的にその絶滅対策というものを厚生省が考えておらないというのは、どうも私には腑に落ちない。また、厚生省が考えて、ある程度国の予算的な措置の裏づけでもして、絶滅対策というものを立てなければ、なかなかハブの被害というのは根絶できませんよ。そういう予算は値切りに値切られて、ハブの捕獲なんという費用も非常に安いものですから、それじゃなかなか買い取ろうと思っても買い取りができないという現状です。そこはどうでもいいですよ。あなた個人の考えでもいいから、将来この問題については厚生省が本腰を入れて心配してくれると、こういうふうに了解してよろしいのでございますか。

高部益男厚生省薬務局細菌製剤課長

○説明員(高部益男君) 絶滅対策全般といたしまして、自治庁から厚生省に御協議があるはずでございますので、その際、十分ただいまの御意見の点につきましては、厚生省としては実現できるように努力すべく、省内の各関係機関並びに省外の各関係を取りまとめてみたいと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 風土病なんかに対してすらも、一部の風土病であっても非常に厚生省は熱心である。それならば、ハブ対策というものに対して自治庁から相談があれば、その対策を講じようではなくて、厚生省自身でハブの絶滅対策、あるいはこれらの被害対策というものを講ずべきだと思う。それで、その予算も自治庁がもらおうが、農林省がもらおうが、それはいいとして、方法自体は、厚生省がこれは基本的に考えるべき問題だと思うのです。そういう形で厚生省から強い線を打ち出してもらうし、あるいは予算の裏づけということがあって、保健所の活動としてもハブ対策というのが具体的にできてくる。何も予算がありませんから、そのために死んでいくものだって、それは相当な数です。予算があって、血清が用意され、あるいは医者があると、こういう形になれば、ハブの被害も少い。あなたは、今何にもおわかりになっておらないようですから、現地の保健所なり何なり、いろいろ資料をとって、これは基本的に考えて下さい。将来もう一度ここへ来てお答えをしていただくように、私はきょうはこれ以上質問しませんが、お願いしておきます。  自治省に、最後に二つばかり。この復興計画による歳出の状況を見ると、投資的経費が非常に多い。六二%ぐらいになりますか、消費的経費が三七、何パーセントということになりますね。こういう、投資的経費がこういう非常な高率では、相当に無理が生じてくると思うのですよ。それで、どうしてこういう投資的経費がたくさん要るかというと、暴風雨が来て、せっかくやった仕事がくずれて、賽の河原の石ころを積むみたいに、繰り返してばかりおるということに相なるわけです。根本的には、そういう暴風や台風というものの多い所ですから、その台風の頻度といったようなものを考えて、それによる交付税なりなんなりの算定の基礎というものを、台風がたくさんくる地域は特別に扱うという考え方というものを私は持たなければ、予算的には非常に地元の負担が重なって、無理だと思うのです。この点では行政局長、何かお考えになられておりますか。これは財政局の問題かもしれませんけれども、行政の担当というお立場でどうでしょう。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) 補正の段階におきまして、今御指摘に相なりましたような点は、これは十分考慮に値することではないかというふうに、私もただいまのお話で気がついたのであります。この点につきましては、財政当局とも十分連絡をいたしまして、早急に研究をしてみたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 最後の一つですがね。衆議院で付帯決議がつけられましたね。奄美群島の復興計画の実施に当っては、従来の県営事業というものを、一部国の直轄工事によって進行を早めるということと、開発計画のためには特別に金融対策を講じろということ、この二つについては、もちろん御賛成のあったことと思いますが、その前の方の、国の直轄工事に移して、たとえば港とか大きな道路とかいうものの進捗を早めるということについてはどうですか。この新しい計画の中には、この付帯決議の趣旨というものを盛ろうというお考えはありますか。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) ぜひともその趣旨を盛り込んでゆくように努力したいと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あとの方の金融対策は、たびたび御説明がありますがね、おそらく今度も、金融対策で一番問題が残ると思うのです。今までのような形じゃなくて、下部までこの金融対策の恩恵が行きわたるという形にするためには、どういう金融対策というものをお考えですか。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) この点は、政府付属機関としての各独立の金融機関というものについて、できるだけ末端まで行きわたりますように、特に奄美等については別ワクを設定するというような方法も、これは同時に講じて参らなければなりませんけれども、どうしてもそういうことでは微温的であり、十分に目的を達成をいたしません。そこで、やはり私たちといたしましては、衆議院の付帯決議にもありますような趣旨の、そういう特別の金融機関、奄美復興開発基金といったようなものを設立をいたしまして、これを通じて金融緩和の措置をはかって参らなければいけないのではないかというふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 最後が二つになって申しわけありませんけれどもね、広い意味の金融対策でありまするが、現地の市町村で困っている問題は、市は特別ですが、町村で起債のワクが内地並みに押えられておっては、事業の進捗に非常に困難を来たす。そこで、起債の最低の線というものを、もっと奄美の場合は低い線で、便宜行政的な取扱いをしてもらえないかという要望が強かったと思うのです。この点は、今後そのようなお取り扱いをしていただけるようなことになりますか。

吉浦淨眞自治庁行政局振興課長

○説明員(吉浦淨眞君) その要望は非常に強いのでございまして、その後、公共事業、つまり補助金の事業全体を考えて、そうして今百万というのが一番最低額になっております。それが百万になればつけてゆくということにいたしましたために、現在全部につきまして、百万以下の端数につきましてはやむを得ないことになっておりますが、事業種別に百万ということでなしに、全体ひっくるめて考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 一、二御質問したいのですが、本法案の期間をさらに五ヵ年延長しようということで出されておるわけですが、先ほど来の質疑応答の経過を聞いておりましても、やはり当初、総体的の計画はあっても、逐年ごとの緻密な計画が立てられていないところに、結果から見ると、当初の予定の半分か、あるいはこれをわずかに上回る程度の実は実施しかできなかったという結果になっておるのではないかという気がするのです。従って、この計画を五年延長することによって、さらに今後従来よりもより以上に強力に復興計画を実施していこうということであるならば、私は昭和四十年度までの、いわば三十三年度からは八年度あるわけですが、この八年度における年度計画といったようなものをお立てになるお考えはないですか。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) 今お話しになりましたように、計画自体というものは、全体に総まとめになっておりまして、今度改訂をいたします場合に、その総体の事業費は百八十二億ということになっております。今までその全体の復興計画自体のワクというものは、これは手続といたしましては、鹿児島県知事が一応策定いたしましてこちらに持って参ります。そこで、総理大臣が奄美群島の復興審議会に諮りまして、それでもって決定をするということになっているわけでございます。これは総ワクでございまして、年度内の個々の実施計画は、また別に実施計画といたしまして詳細な内容を決定をいたしております。これは何分にも予算が決定をいたしまして、予算のにらみ合せにおいて具体的に決定をいたしていかなければなりませんものですから、予算がきまりました暁におきましてそれぞれ、やはり鹿児島県知事が一応主体になって実施計画を策定し、これを審議会に諮りまして決定をするという段取りでやっているわけであります。ただ、今お話しになりましたように、全体の計画のワクはあるけれども、さらに大体の目標としては、予算がきまってからというようなことでなくて、毎年度、たとえば来年度から始まって、三十三年度はこういう実施計画でいく、大体目標として三十四年度はこういうふうにやっていくというふうに見通しをつけますることも非常に大事なことだと思います。その点は御意見の点を参考にいたしまして、そういう方向で一つ進んで参りたいと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 私は、もちろん、今後の八年間にわたる計画を最終的に動かし得ない決定としては、当然、国家予算を伴うことだし、それからまた、県の財政にも関係ある問題で、決定し得ない問題であることは当然だと思います。しかし、ただ、今までの実績等から考えてみても、やはり私は、緻密な計画が立てられておって、もしそれが計画通りに実施できなかったということになるならば、振り返ってみた場合に、一体どこに、こういうところに欠陥があったから実施できなかったというようなことは、非常に具体的な問題として検討が加えられると思う。ところが、五ヵ年計画なら五ヵ年計画というものを大ざっば、大ざっぱといっては何かと思いますが、とにかく総体的にワクをきめてあった。ところが、二、三年やっていって、五年の計画が間もなく終るということになって、振り返ってみたところが、非常に実は当初の計画と違って、計画通りいかなかったということで、最終年度あたりに非常に大きな未実施のしわ寄せが実はできちゃったり、いろいろ検討してみたところで、一体どこに果して的確な、欠陥あるいは非協力的な面があったから実施できなかったのだというような結論が下し得ないようなことにもなると思います。やはり年度計画を、八年度なら八年度にわたる計画をやはり相当がっちりしたものを立てて、その計画内のことはせめてやる、できればそれを上回ったことに持っていくことが望ましいと思いますが、しかし、最小限度は計画をお出しになります程度にはやっていくのだという、やはりしっかりした計画を年度ごとに作られる必要があるのじゃないかと思います。単なるめどというのではなくて、どうしてもこの程度は少くともやるのだという非常に決意を持って、私はぜひ、そういう特別措置法まで作り、しかも、特別措置法の期間を延長しょうと力を入れる、こういった問題について、何かじんぜん日を送ったということに結果的にでもなるとするならば、非常に遺憾だと思う。ぜひ一つ私はその点を、今後の実施に当って具体的に、一つできるだけ細部の年度計画を作ってもらいたい。もちろん、途中において非常に経済情勢、その他の特殊な客観情勢の変化があって、改訂をしなければならぬということも起り得るかもしれぬけれども、しかし、初めから何かぼつぼつやっていくのだ。ここ一、二年の計画は立てるのだが、もう五年、六年先のことはわからないのだというようなことでは、これは相ならぬと思うし、四十一年の三月三十一日まで法を延長するのだということであるならば、それについての、今見通し得る範囲内において最低限の一つ目標をぜひがっちりしたものを作ってもらう、こういうふうに実は考えるわけなんですがね。特に、戦後のみならず、戦前においてもこの群島の復興計画というものは非常におくれておった。戦争によって途中から非常に計画が狂っちゃって実施できなかったという、戦前からのいわく付のこういった特殊な地帯であるだけに、私は戦後の、戦争による災害等がさらにプラスされたという特殊な、非常にお気の毒なこの群島に対する施策としては、特別立法までするのだから、当然それに対するやはり年度ごとの、もう少し中央が力を入れた計画をぜひ作って実施してもらいたい。いろいろ個々の問題については、先ほど来各委員から御質問もありましたが、過去のことにつきましては、私は十分の一つ御検討と御批判を願って、今後の問題についてはぜひ一つそういう方向で強力に進めていっていただきたい。単に従来の五ヵ年計画であったものをプラス五年して十ヵ年計画にしたのだというのじゃなくして、今後の私は復興実施速度は従来とは違った形で、やはり非常にスピーディにテンポが早まるような形で実施計画を作ってもらいたい。このことを一つ強く要望申し上げたいと思いますが、これに対するお考えも承わりたい。

藤井貞夫自治庁行政局長

○政府委員(藤井貞夫君) ただいまの御意見は、全く私たちも同感でございます。非常にまた示唆されるところも多かったように感ずるのであります。今まで、率直に申しまして、ああいう早々の間に計画を立てて進んで参りましたことでもございまして、いろいろの点で不備百不完全の面があったことは、これは事実として認めざるを得ないと思うのであります。ただ、四ヵ年度間の実績も持ちましたし、関係当局の方におかれましても、ある程度の経験と、また自信も得てきた段階ではないかと思っておるのであります。こういう際でございますので、今、御指摘のような線に沿いまして、毎年度間緻密な実施計画を立てまして、これに基いて一つそごのないように、またうまくいかなかった場合には、はっきりと、それは計画との間にどのような不一致が出てきたのか、その原因がどこにあるのかということを見きわめながら進んでいくように努めて参りたいと思っております。

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) これにて質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めて、これより討論に入ります。  御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。なお、付帯決議等がございましたら、討論中に提出願います。  ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 速記を始めて。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 私は、自由民主党を代表いたしまして本案に賛成するものであります。  ただ、質問応答の間に現われましたいろいろの事項を勘案いたしまするというと、本計画は、全計画の十分に実施せられなかったということに基くのでありまして、その点につきましては、本計画が十分に当初の計画通り実行されることを第一に要望しなければならぬと思うのであります。なお、復興計画の要綱にある通り、十分にその開発振興の目的を達成するように、各種の事項を勘案して効果的に処する必要があると思うのでありまして、それらの点を考えまして、私は左の付帯決議案をもって賛成するものであります。  付帯決議案を朗読いたします。   奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案に対する付帯決議  奄美群島の改訂復興計画案をみるに、単に従来の復興計画の引延したにすぎず、根本的な問題の解決されていないことは甚だ遺憾である。政府は本法の施行に際し、左の諸点に留意して本群島の復興に努力すべきである。  一、木群島の改訂復興計画の実施に当っては、年次頭初より充分なる計画の予算化に留意し、関係各省庁の緊密なる協力により、予定年度内に計画の達成を図るべきことと。  二、予算の実施については、効率的運用に留意し、国に工事を委託して事業の進捗を図る等適切なる方途を講ずること。  三、本群島の特殊性にかんがみ、産業資金の円滑なる融通を図るため、特別の金融対策を樹立する等積極的なる開発措置を講ずること。   右決議する。  以上。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私は、社会党を代表いたしまして、本案に賛成するものでありますが、次の点を希望をいたしたいのであります。  島民の所得の引き上げについての基本的な問題であります黒糖対策、水産業対策等についての具体性がない。また、福祉厚生の点につきましても、ハブの対策あるいは生活改善対策というものがいまだ具体的でない。また、計画の進め方についても、今までのブレーキの点が確実に改善されているとは言われない。特に、産業振興のためには、各関係省の協力体制が強化されなければならない。以上の点について、まず住民の世論を聞き、早急に改善がなされることを希望をいたしまして賛成をいたします。  なお、以上の趣旨から、先ほどお話しのありました付帯決議についても全一面的に賛成であります。

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 他に御発言がなければ、討論は終局したものと認めて、これより採決に入ります。  まず、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。   〔賛成者挙手〕

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中、小柳君から提出されました付帯決議案を問題に供します。小柳君提出の決議案に賛成の諸君の挙手を求めます。   〔賛成者挙手〕

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 全会一致と認めます。よって本決議案は、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたします。  なお、本院規則第百四条による本会議における委員長の口頭報告の内容、第七十二条による議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。  それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた諸君は、順次、御署名を願います。    多数意見者署名    大沢 雄一  西郷吉之助    成田 一郎  伊能 芳雄    森 八三一  本多 市郎    小柳 牧衞  加瀬  完    佐野  廣  松澤 兼人    鈴木  寿  久保  等

小林武治自由民主党

○委員長(小林武治君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時七分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗