地方行政委員会 第10号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/03/06
会議録
○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。 委員の異動について報告いたします。昨五日、久保等君が辞任され、三木治朗君が補欠選任されましたので報告いたします。 —————————————
○委員長(小林武治君) 本日は、まず奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を議題に供します。 本案の趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
○小柳牧衞君 このたび奄美群島の復興計画を改訂されたということは、同地方の開発にきわめて適切だとは思うのでありまするが、前の計画がここに改訂しなければならぬということに至った理由は、大体趣旨説明にもお聞きしたのでありまするが、もう少し詳細にその理由を聴取いたしておきます。
○政府委員(藤井貞夫君) 奄美群島の復興計画は、御承知のように昭和二十九年から五ヵ年計画をもちまして始まったわけでございます。総事業費は百五十二億円ということでございまして、そのうち国費約百十一億円を予定をいたしておったのでございます。ところが、その実施状況を見まするに、最初の年度でありまする二十九年度におきましては、これはまあ年度半ばから発足をいたしました関係もございまして、事業費は八億八千九百万円、三十年度からは漸次軌道に乗って参りまして、三十年度は二十一億一千万円、三十一年度は二十四億七千万円、さらに本三十二年度におきましては二十六億三千万円ということで進んで参ったのでございます。しかしながら、この総計を見ましても、まだ実施額は八十一億余円ということでございまして、当初計画の百五十二億円というものから見ますると、五三%の進捗率しか示していないということに相なっておるようなわけでございます。で、このように実施計画が遅延をいたしておりまする理由につきましては、私たちこの衝に当っております者といたしましても、はなはだ遺憾に存じており、また、申しわけのないことだと思っておるのでございますが、この理由は、何と申しましても奄美群島の置かれておりまする地理的条件というものが、本土から遠く海上に隔絶された所にあるということ、さらには、この地区が御承知のように台風の常襲地帯であり、さらには、冬季におきましても季節風というものが非常に被害を及ぼすような状況でございます。そういうことで、事業をやるにいたしましても、輸送関係その他で隘路が非常に多いために、どうしても思うにまかせない。また、技術関係にいたしましても、群島関係で、これを得ますることがなかなか困難な事情等もございまして、そのために事業がなかなか思うにまかせないというような事情がございます。さらには、地元自体の関係から申しましても、事業の消化能力と申しまするか、負担能力といいますか、そういうものがなかなかこっちの予期いたしておりまするようには進んで参っておりません。さらには、全般的な国家財政の事情等もございまして、今日のような進捗率にとどまっておるということでございます。と、いたしますると、あと、今までの予定によりまする百五十二億円というものを完遂するということになりますると、残っておる四七%の事業というものを一ヵ年度でやってしまわなければならぬというようなことに相なって参るわけでございまして、この点は、事業の消化能力の今までの実績その他から見ましても、さらには財政的な問題から申しましても、とうてい困難ではないか。また、一ヵ年度にそのような大規模の事業を実施いたしますといたしますと、その後において、打ち切られた後の状況というものにつきましても、これはなかなかうまく参りません。そういうような点を考えまして、何としても、事業計画自体をある程度合理的に前進をしなければならないという事情が出て参ったのであります。かたがた、四ヵ年度にわたりまして事業を行なって参りましたその間におきまして、当初立てております計画自体に、もう少し実情に合った再検討を加えた方がいいのではないかというような面も多々出て参りまして、そういうような点を総合的に勘案をいたしまして、基本方針としては、今までの復興計画というものはもちろん変更をいたさない、基本として貫きながら、その後の地元の状況、あるいは事業の実施の状況等を勘案をいたしまして、事業計画全体に再検討を加えるべきではないかということが奄美群島の復興審議会において問題になりまして、昨年の末に本復興計画を改訂することが適当であるという旨の意見具申がなされたのであります。で、私たちといたしましても、その計画内容はおおむねけっこうであり、また現実に適した適当なものではないかというふうに考えておるのでございまして、その計画によりますると、大体事業量といたしましては、従来の百五十二億というものが約三十億ふえる、二割方ふえる、そういうような全体の計画で、重点的にそれぞれの事業について当りまして、これを適宜に配分することによって奄美群島の復興を促進をしたい。かように考えておるような次第でございまして、 以上、ごく概略申し上げましたが、本計画を改訂をいたす必要性について申し述べた次第でございます。
○小柳牧衞君 ただいま復興計画を立て直す理由についてお話しあったのですが、私どもの知っている範囲におきますると、復興計画が改訂しなければならぬということについては、二つのおもなる見方があると思うのです。その一つは、従来の予算の実施が十分所期の目的を達し得なかったという予算運営それ自体の問題。それから第二は、その事業執行に伴って、地方の開発が同じ歩調にいかなかったという問題と二つあると思うのですが、その一つの予算の実施運営がうまくいかなかったという理由については、ただいま、地理的状況であるとか、気候風土の関係であるとかいうことを御説明になったのでありまするが、これはいずれ同じことなら、今後新たに計画を立てる際に、それは勘案することは必要でありまするが、その理由によっておくれるのだということであっては一向かいのない話だと思うのです。その他にまだ理由があるのではないかと思うので、先ほど御説明にもふれておりましたが、請負業者の力のないということや、あるいは地方財政の関係とかいうようなことも考えられるのですが、要するに予算運営の実施について、将来どういう御研究をもってこの欠陥を補っていかれるか。
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻もちょっと申し上げましたように、四ヵ年度にわたりまする事業の実施の経過というものを見て参りますると、当初の年度でございまする昭和二十九年度は、これは年度半ばから計画がきまりまして、発足をいたしました関係もありまして、事業費は九億たらずにとどまったわけでございます。その後はだんだん軌道に乗りまして、二十一億、二十四億、二十六億というふうに、だんだんと安定した姿になってきておるのではないかというふうに考えられるのでございます。で、大体今までのところを見まして、二十六億から三十億程度の事業量ということでありますれば、そう無理もなく、また行き過ぎでもなく行われる一つの事業規模ではないかというふうに考えられるわけでございます。今度改訂をいたそうと考えております改訂計画によりますると、これは百八十二億ということになっておりまするので、今まで実施をいたしました八十一億というものを差し引きますと、約百億ということに相なるわけでございます。これを六年度にわたって実施をしていくということに相なりますると、大体今までの実績から見ましても、そう無理なく事業が実施をされていくのではないかというふうに、私たちとしては考えておるのでございます。今、御指摘のありましたように、事業を実施するにいたしましても、地元の請負業者等に力のないために、非常に仕事がうまく進まないというような点のありますることは、私たちといたしましても率直にこれを認めておるのであります。ただ、この点につきまして、地元の業者等を排除いたしますということになりますと、一面、地元産業の振興ということとの関連性というものも、これは無視するわけにも参りません。しかし一面、大規模の工事でありまする港湾建設の関係等につきましては、御承知のように、今、国で直轄でやっておりますのは、名瀬の港だけでございます。しかしながら、ほかの重要な港湾建設事業等につきましては、地元の請負業者にやらしておくということが、果して適当であるかということについては、実は多大の疑問を私たちは持っておるようなわけでありまして、そういうふうな点につきましては、国の工事に一つ委託をしていく、直轄というような形をとりませんでも、事業の実施につきまして、運輸省なり建設省に委託をしてやってもらうというような点につきまして、これは法的にも研究を進めておりまして、可能なようでございますので、そういう点はさらに事務的に折衝を進めまして、事柄が、重要な港湾建設事業というようなものにつきましては、国に委託をするというような形式をとることによって、事業の一つ円滑な、しかも適正な実施をはかっていくということも、同時にあわせて考えて参りたいというふうに考えておりまするし、なお地元の財政負担能力というものが、内地に比べまして非常に劣弱であるということも、これは御指摘の通りでございます。こういうことのために、国といたしましては特別の措置を講じて、法的な財政援助をいたしまして、事業の進捗をはかっておるわけでございますが、これでもって十分であるというわけには参りません。もともと、非常に生活水準、その他の財政力というものが、内地に比較いたしまして、きわめて低いものでございますので、なかなか十分の期待をするわけには参らないのであります。ただ、そういうような点につきましては、だんだんと本事業を進めて参るに従いまして、だんだんと島民の力というものも上って参りまして、それに応じて市町村財政という面にも明るい面が見え始めていることでもございます。さらには、一般の産業振興のためには、金融措置その他の点につきましても、今後ともさらに格段の配慮を加えますることによりまして、それらの方法を総合的に講ずることによって、本事業の一つ遺憾のない達成を期して参りたい、かように考えている次第であります。
○小柳牧衞君 今度の改訂は、従来の実績に徴して、予算消化の能力に合せていった、それは当然けっこうな話だと思うのでありますが、しかし、そういいますると、あまりよけいに仕事ができないということになって、結局、従来の計画を、年期を延ばしたというようなことにもとれるのですが、むしろ事業量はよけいにして、それを十分消化し得るような機構なり、あるいは力なりを考えた方がいいと思うのですが、今の請負の点も確かにその通りで、実際、請負は地元の産業をかばう上において、地元にやらせるということはけっこうですが、そのために、工事自体もずいぶん変なものがあるのじゃないかと思うのです。聞くところによると、徳之島一周道路のごときは、もうすでに崩壊したものもありますし、また、今御指摘のような港湾、徳之島ですか、喜界島ですか、あの辺の港湾のごときも、非常に請負が不十分である。土木業者で港湾の経験のないものがやっているというような、また非常に資力が乏しいために、賃金の未払いで非常に困っている。また鹿児島ですか、枕崎ですか、あそこの造船業者に漁船を委託しても一向できない、そういうようなことがひんぴんとしてあるのでありますから、請負業者の選択ということについてはよく考えていただかなければならぬと思うのです。そうしなければ、やはりこれはまた新しい計画も思うようにいかないということを繰り返すにすぎないのじゃないか。 それからもう一つ、県庁の言うところによりまするというと、予算の配分令達の時期が、地方の状況に合わないで、いわゆる農繁期にぶつかるからしでいかぬのでありますから、その点について考慮してもらいたい、こういうことも言っておりました。そういう点から考えまするというと、今度の仕事が思うようにいかなかったという理由は、いろいろありましようから、各方面の改良、また改善を要すると思うのですが、今の令達の点はとうなっておりましょうか。
○説明員(吉浦淨眞君) 令達が全体としておくれておりますということはないと思いますが、部分的には実施計画というものができまして、設計その他についてやはり十分に審査をいたさなければなりませんし、特に港湾等の設計につきましては、よく精査をいたしませんと、台風等でさらわれてしまうというようなものも入っております。それで部分的におくれたことは事実でございますが、特に本年度は、あるいは御承知でもあったかと思いますが、一連のそういった措置がなされまして、若干おくれたことは事実でございます。しかしながら、全体といたしましては、できるだけ早く措置いたしているつもりでございまして、ただ部分的にはおくれたところ心あることは事実でございます。
○小柳牧衞君 私は、ただおくれたという意味じゃないのですが、先ほどもお話があったように、気候風上が違うというので、農繁期等の関係にちょうどマッチしないというので、おくれるというので、おくれたのか、早まったのか、知れませんが、そういう点もありまするから、実際の状況によって予算の点も考えなければならぬ、こう思うのですが、その点はどうなんですか。
○説明員(吉浦淨眞君) 確かに奄美群島におきまして、土木事業を含めた公共事業につきましては、幾ら土木業者に請け負わせましても、やはり農民、その他の土地の者を使用いたします関係で、そういった農閑期を利用してやらなければ事業が円滑にいかないようになっておりますので、そういった配慮も十分加えて参ったのでございますが、部分的に、先ほど申し上げましたような事情から、農繁期にぶつかりまして特に黒糖の生産時期にはネコの手も借りたいような忙がしさであるということでありますので、できるだけ避けておりますが、そういう時期にぶつかりますと、もうとても労力が得られないという状況でございまして、そのために、またその時期をはずして事業実施がおくれる。特にその間、台風等がございまして、手戻り工事ができてくる。非常に内地で考えられないようないろいろな悪条件が重なっております。十分に今後注意して参りたいと考えております。
○小柳牧衞君 従来の実績に徴しまして、予算の執行について十分考慮する点が多々ありますが、この点はすでに御研究になっておるものと思いまするから、これ以上申し上げませんが、第二の、予算の実施によって、地方の振興をそれに伴わしていくという点について、十分考えて新しい計画を立てなければならぬと思うのです。今度の御説明によりまするというと、従来の計画によって約五割くらいの民度といいますか、行政水準と申しますか、高まったといっておるが、数字の上では確かにそうでありましょう。でありましょうが、五割の増加というものは、実は民力と申しましょうか、行政水準の増加ということよりも、この事業によって地方に流した金によって潤うたということであって、この仕事自体がやめまするというと、産業の振興がこれに伴わなければがた落ちになるだろうと思うのです。そうしまするというと、どうしても、これからまたお尋ねしたいと思いまするが、今度の計画には、単に占領時代のおくれを取り戻すという問題だけではなく、地方の振興開発ということに十分力を入れなければならぬと思うのでありまするが、その点につきまして政務次官にお尋ねいたしたいと思うのです。大体、奄美大島の復興ということは、従来、鹿児島県の一行政として行われておったようでありまして、今度も国で復興計画を立てるにしましても、鹿児島県に一課を置きまして大体やっておる。こういうような行政機構になっておるのでありまするが、私どもの知るところによりますれば、大体、奄美大島の復興が、振興がおくれておるということは今に始まったことではないのであって遠くは島津藩時代の付属の島であったというふうなことで、政治なり行政が非常に手薄であったということに起因するのであって、しかも気候にしても地味にしても、また島民の気性にしましても、決して立ちおくれるべき地方ではない。しかし、政治が非常に貧困であったということに起因しておるのではないかと思うのです。現に、県会議員の諸君と懇談をした際に、県会議員諸君は、鹿児島県の県会において私どもの発言権が弱いのですと、こう言っておる。そういう点は、すなわち、奄美大島の開発に、鹿児島県の財政の窮乏を告げておる点もありましょうが、大体下積みになっているということに起因するのじゃないかと思うのです。そういうように考えまするというと、奄美大局の開発には、行政機構なり、あるいは行政区域なりという大きな問題もとらえて考えなければならないのじゃないか。もう少しこまかしく申しまするならば、いろいろの役所があります。たとえば、農業試験場であるとか林業指導所であるとか、あるいはまた水産試験場とありまするが、本場はみな鹿児島にありまするので、できるだけの権限等を与えてはおりまするけれども、どうしても本場の指揮のもとにあるということは免れない。従って、本場本位において、地方のことにあまり多くの力を入れないということは、これは当然起ることだと思うのです。また人事につきましても、どうしても優秀な人を鹿児島県に置いて、奄美地方には特別に奄美出身の人とか、あるいは特殊の関係のある以外の人はどうしても——そう言っちゃ今の職員諸君に失礼かもしれませんが、二流、三流の人が行くおそれが多分にあるのです。こういうような点から考えまするというと、どうしても奄美大島についての行政機構なり行政区域というようなことについて新しく考える必要があるのじゃないか。先ほど来言っておりまする、たとえば工事にしましても、運輸省のやった港湾工事はいいけれども、地方のほかのものはよくないというようなことも、これは実際その通りなんです。これは要するに、鹿児島県としましては、地方産業の振興上、地元の業者をかばうということもこれは当然だと思うのです。しかし、国策の上からいうと、そうばかり放っておけない問題だと思うので、どうしてもこれは国が力を入れなければならぬ、かように考えるのであります。 それからもう一つは、従来は奄美大島というのは鹿児島県付属の島であったといってもいいのでしょうが、今日、台湾を失い、琉球も別な状況にある今日におきましては、どうしても奄美大島において、亜熱帯のいろいろの産業の振興をはかるなり、あるいはわれわれが南方に進出するところの足だまりとなり、あるいはまた、それに要するいろいろの訓練なり教養を積むとか、あるいは技術を練る、試験をする、こういうような日本の南方政策に対する重要な地点になってきた、こういうようなことも考えられますので、もう少し行政区域なり行政機構なり、国策的の見地より、従来のやり方を改める必要があると思うのでありまするが、これについて自治庁はどう考えておられまするか、御所見を承わりたいと思います。
○政府委員(中島茂喜君) ただいま小柳先生から御意見がありましたが、全く、自治庁といたしましても先生の御意見の通りに考えておりまして、この奄美群島の占領中の空百を、この法案の実施によりまして、一日も早く立て直しまして、その後は、今御指摘になりましたような点を十分考えまして、奄美群島の住民の方の生活の向上のために、いろいろな施策を講じなければならないと考えております。経済的な面からいたしましても、あるいは御指摘のような行政一面からいたしましても、十分考え方を新たにいたしまして今後やっていかなければならない、かように考えます。
○西郷吉之助君 今、政務次官の概柳的な御答弁を聞きましたが、今、小括さんの意見と私も同感なんですが、それについては、ああいう亜熱帯地域で、くだものでも何でもできるし、気候風土が一年中暑いのですから、そういう点、農林省当局はもっと大局的見地から、相当はっきりした計画を持ってやるべきじゃないかと思うのですが、農林省当局の見解をお聞きしたいのですが。
○委員長(小林武治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。 西郷君の質問に対しては、追って答弁を求めることにして、次に移ります。
○小柳牧衞君 現在の行政の機構は、私は、今申しましたように、再検討すべきであると思うのですが、しかし、あまり法令等の大改正を要しなくても、国の施策が十分に透徹するように、何か適当な方法が考えられるのじゃないかと思うのですが、離島等においてはいろいろ考究されておりますが、それと同じような考えで、特に県を置くとか、あるいはまた特殊の地域を置くというようにせずして法令の許す範囲において少し考慮したらできるというような方法があるのじゃないかと思うのです。それについてお考えないですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 御指摘の点につきましては、どういう格好にしていくことが、国の施策の浸透をはかるために適当であるかという点を主眼にして考えて参りまする際に、国の直轄の何か機関を置いていくというようなことも、一つの方法かと思います。北海道にありまするような開発庁というような構想を持つということも、一つかと思います。ただ、その場合におきまして、やはり同じ鹿児島県下の一郡としてあるときでございまするので、やはり鹿児島県の行政との調和というものも、これは無視するわけには参らないのじゃないかと思います。その点の調整をどうしていくかということが、一番問題の中心になってくるのではないかと思うのであります。現在は御承知のように、若干微温的かもしれませんが、そういう点の調整をはかりまするために、地方事務官、地方技官の制度を採用いたしておりまして、そこに国家公務員を配置することによって、鹿児島県の機構ではございまするけれども、そこにまあ国家意思というものをできるだけ浸透せしめるような方途をとっているわけであります。しかし、このやり方というものが、果して万全であるかどうかということにつきましては、私たちもこれ以上の方策はないというふうにはもちろん考えておりません。特に、お話のございました奄美群島自体を考えていく際に、ただ単に、今までの立ちおくれを取り戻すとか、民度を戦前並みの内地の平均水準に引き上げるとかいうような、そういういわば消極的なことではなくてむしろ積極的に奄美群島の地理的条件、特にわが国に残された唯一の亜熱帯地域であるというような面から、この地域の積極的な総合開発を一つはかっていくというような面から考えていかなきゃならぬ時期がすでにきておると思います。そういうような観点から見まする際に、これに適応したような行政機構、行政組織というようなものを考えていけば、どういうふうになるかということになりますると、今の制度というものが、これは万全とは考えられないのであります。ただ、私どもといたしましても、今直ちにこの制度をどうやっていくかということについては、まだ具体案は持っておりません。持っておりませんが、今お話しのような点も含めまして、少し積極的な角度から、本問題について、行政機構、行政組織というものをどういうふうに持っていけばいいのかということにつきましては、さらに一つ検討を加えたいと思っております。
○小柳牧衞君 私は、この前の国会に、実地調査の報告に基いて、この趣旨を自治庁当局に進言をしてある。その際に自治庁の当局は、御意見ごもっともであるから善処しますと、こういう答弁をしております。私は、根本的にやるということは、いろいろの法令の関係があるから、容易じゃないと思うのですが、しかし、そうでない簡囲においてできるのじゃないか。現に北海道の開発あり、引き続いて、これは法制上には、あまり多くやれないにしても、東北開発あり、また今度、九州開発の問題がある。こういうように、すでに総合的な開発を百標として、行政上のいろいろの措置をやっておるのだから、それよりももっと特殊的な地位にある奄美大局について、さらに考慮をしていただいていいのじゃないか。しかるに、今度の改正案においては、そういうことに何ら触れていないということは、私たちは非常に遺憾ですが、どういうような研究を今までしておったのですか、一つ承わっておきたい、この問題について。
○政府委員(藤井貞夫君) この点は、今申し上げたことにまた重複になるわけでございますが、もちろん、前の国会等におきましても、小柳委員から、実地調査の結果に基くいろいろ貴重な御意見を拝聴いたしまして、私たちもその線に沿って、いろいろ検討を加えてきておったのでありますが、事、行政機構、行政組織等の問題に相なりますると、北海道並みの開発庁というようなことにやっていくのがいいかどうかという点につきましては、なおどうも踏み切りをいたしまする段階にまで至っておらないのであります。現在、国家公務員の制度を採用いたしますることによって、その間の調整を微温的ながらはかっておるわけでございますが、これを一歩進めて、開発庁式な、国の出先機関というものをさらに現地に置きまして、これはこれでやはり、国家的に重要な仕事というものは直轄でもってやらしていく、その他の一般の民生、その他の諸般の行政事務等については、これはやはり鹿児島県の系統でやらしていく、いわば並列した形でやっていくというようなことも、一つの筋の立った考え方ではあろうと思うのでありますが、その間、やはり県行政との調和というものも、ちぐはぐが出て参っては因るのでありまして、その点の調整をはかるという点も、一つの重点として考えて参らなければならぬというふうに考えられる点もございまして、まだ、われわれといたしましては、現存の国家公務員制度というものを、一歩進んで、さらにもう少し独立の機関というものを設置する方がいいかどうかという点につきましては、なお結論を得ておらない段階でございます。
○小柳牧衞君 この問題についてだいぶ御研究になったと言っておられますけれども、内容を拝聴すると、一向御研究をしておらない。審議会にはどういう論議が出たか知りませんが、これは当然触れなければならぬ問題であったろうと思うのですが、そういうようなことはお聞きすることはできない。そういたしますると、私はまた大きいことを言っても仕方がないと思うのですが、少くとも水産試験場のごときは、国立の試験場ぐらいを置いてやるべきものだと思うのですが、今度の改正案を見ますると、従来、ただ問題になっておりますものを少し拡張したぐらいのことで、事、水産試験場のごときは、ほとんど大した拡張をしておらないというので、これは、南方の亜熱帯の開発をやるとか、いろいろな大きなことを言っても、これは問題にならぬと思うのですが、具体的にいえば、試験場を国立にするとかいうような問題等については、何も考えなかったのでありますか、お聞きしたい。
○政府委員(藤井貞夫君) 試験場等につきまして、少し大きな観点から、国立の試験場、あるいは総合的な試験研究機関というものを設置をすることがいいのではないかという点でございますが、こういう点につきましては、審議会においてもいろいろな角度から検討されまして、問題としては、委員さんの中にはそういう論議をされた方もございます。特に、試験研究機関というものが非常にばらばらであり、また力が弱い、そういうようなことではだめなのであって、これをもっと系統的に強力なものにしていかなければならぬじゃないかというような意見も述べられた方もあったのであります。ただ、しかしながら、さらに進んで、国立の総合的な試験研究機関というものを置くべきだというところにまでは、実は論議が発展をいたさなかったのであります。しかしながら、お話の点につきましては、私たちといたしましても、今の現状というもので決して満足をいたしておるわけではございませんで、こういう点につきましては、なお現地の事情その他を勘案をいたしまして、必要がある、あるいは各省との協議の上でそういう具体案が今後まとまって参ります際には、計画改訂その他の際において一つ考慮をいたしたい、かように考えております。
○小柳牧衞君 今度の改訂案というものは、要するに、従来十分に消化できなかった予算を、できるだけ消化するという限度に年度額をきめて、そうして総額においては多少ふえましたけれども、大体引き延ばしたというくらいにしかならぬ。また内容を見ましても、今、試験場の例をあげたようでおわかりと思いますが、大体、大した変りもない。でありますから、地方の開発なり振興なりには、役立たぬとは申しませんが、年限を延長したような割合に、飛躍的に増加拡大するものとも考えられない。従来の状況から見ましても、この地方の財政は、御承知のように自主財源というものはほとんどないのです。歳入の七・六%という著しい低い線、こういうような自主財源を見ておる状況において、ただ年限を延ばしてやらせるというだけでは、きわめてどうも心細いものだと思うのです。でありまするから、この改訂案をやる場合には、従来の実績によって、金額を消化能力に合せたというだけじゃなくて、もっと別な観点に立って大きく開発振興なりすべきものと思うのですが、そういう点について私はあまり努力しておらぬと思うのですが、そういう点について、従来とは非常に違った角度において地方の開発なり振興に努力したという点を、一、二例示していただきたいと思うのです。
○政府委員(藤井貞夫君) お話しになりましたように、今度の改訂をいたそうと考えておりまする計画というものが、従来の五ヵ年計画と本質的には異なったものにはなっておりませんことはお話しの通りでございます。当初の復興計画自体が、早々の間とは申しますけれども、やはり現地の事情というものをできるだけ可能な条件のもとに把握をいたしまして樹立をいたしました計画でございまして、実際上、今まで四ヵ年にわたってやって参りました実績を見ましても、そう的がはずれたものではなかったということは、実施面からもはっきりと示されておると思うのであります。そういうような点で、今後の改訂計画自体につきましても、従来の基本的な方向というものはこれは踏襲をいたしております。踏襲いたしておりますが、今までやって参りました実績に応じまして、さらに全面的に計画自体について再検討を加えまして、うんと経済の実質的な発展の確立をしようという方向に、もう一度計画の再編成をやったということになるわけであります。その中で、今後法律ができ上りまする場合において、審議会においてさらに改訂計画を練り直しまして、総理大臣が改訂計画自体を作成をする段階に入るわけでございますが、その場合に考えておりますることの重点を一、二申しあげてみたいと思います。 第一に、交通の整備の関係でございますが、交通の整備の面つきましては、道路、橋梁の整備というものは、今度の道路整備十ヵ年計画等との関連をも考慮しながら、さらに主要幹線の早期実施ということを目標といたしまして、陸上交通の確保をはかりまするとともに、港湾につきましては、ああいう島嶼部でございまするので、なかなか思うようにはまかせませんですが、大体の方針といたしましては一島一港主義、一島一港で、一港は一つ完全なものにしていくと、それに対してもう一つは副港というものをあわせて作っていく、主港と副港というものを、一島にはこれを整備をしていくという考え方を推進をして参りたいというふうに考えておるわけでございます。 それから空港の問題につきましても、ああいう地理的条件にある所でございますので、この必要性というものがつとに叫ばれておりまするが、ただ空港につきましては、やはりどうしても中心でありまする大島本島にその設置を認めてやっていかなければならぬということで、実地調査を今までやって参っております。大体、場所としては二ヶ所ぐらいあがっておるわけでありますが、なるべくやはり名瀬に近い所がいいという地理的条件を考慮しなければなりませんことと、一面、あまりこれによりまして、現在生産を上げておりまする耕地が、あまり大量に壊滅をするというようなことにもなっては困りますので、その点のにらみ合せをしながら適地を物色いたしておりまして、今、二ヶ所を大体候補地にあげまして、その利害得失についてさらに調査をいたしておる段階でございますが、ただ、これが急速に参りません場合も予想せられますので、そのためには、暫定的な措置といたしまして、一応喜界島にございまする旧軍港、軍の飛行場がございますが、これを整備をいたしまして、あとはこれと、喜界と、それから大島の方との海上交通、これによって当分の間は暫定的に措置をとっていってはどうかというふうに考えておる点が変っておる問題でございます。 それから、その次には、産業振興ということは、特に重点を置いて参らなければなりません。その際に、気候風土に適した産業、特に砂糖とか林産物あるいは畜産物等の基幹産業の復興、あるいはパイナップル、これは特に現地の気候条件に適しておるようでございますので、パイナップルの振興等については特に重点を置いていきたい。また、全体の農家経済の基盤を確立をいたしまするためには、協同組合というものがいかにも現地の情勢は未整備であり、また整備されておりますものについても非常に貧弱でございます。この協同組合の整備ということについては、特に一つ重点を置いていかなければいかぬのではないか。夫組織のものにつきましては、これを完全に組織をせしめるとともに、でき上ったものにつきましては、これを基礎の確実なものに一つ経営の立て直しをしていく。そのために内地の方から参事を派遣いたしましたり、その他講習等につきまして、積極的にあまねくやって参りまして、これの対策を今後数年にわたって実施いたしまして、レベル・アップというものをはかって参りたい、かように考えておるのでございます。 また、文教施設の問題等につきましては、今度は特に校舎を建築いたしまする場合には、木造は一切やらない、全部ブロック作りでもって校舎の建設を進めていく、そういうような計画を改訂計画ではとりたいというふうに考えております。 以上、特に重点的に改訂計画において考えて参らなければならぬ二、三の点について申し上げた次第です。
○小柳牧衞君 ただいまの御説明、よくわかりますが、私も従来の復興計画が大した異議はないと、こういう意味じゃないのです。相当効果は上げておるのだが、予期以上の効果は上げなかった。今度の改訂についても、ただ従来の計画を引き延ばしたというような感が多分にある。もっとも、今、空港の問題とか、そういうような問題はやや目新しいものですが、これも従来は計画しておった。その他、従来のことと、どうもあまり大した変りはない。もっとも、復興計画の根本理念としては、単に復活とかいうことじゃなく、振興であるということもねらっておりますから、その範囲でやったということは、それはけっこうだと思うのです。しかし、それでは具体的にどんな点をやったかというと、大した変りはないということに帰着するのです。ことに、試験場等の施設等を見ますと、どうも各府県においてやっているのと幾らも違わない、各試験場の分場でやってるのと少しも違わない。こういうのでは、東南アジアに進出するなんということは思いもよらないのじゃないか。こう考えるので、はなはだ遺憾にたえないのです。それから、文教施設については、校舎はなるほどりっぱな校舎がだんだんできております。しかしながら、今なお掘立小屋のものがある。これは実にどうも教育上の問題じゃなくて、むしろ人道上の問題といっていいような学校が三、四十校もあるのです。それを早く何とかしなければなりませんが、また産業等の関係において、産業等の施設はどうするつもりですか。
○説明員(吉浦淨眞君) 今、御質問が大体二つあったと存じますが、第一の、あまり目新しいものがないということにつきましては、先ほどの行政局長の説明を補足して申し上げますと、たとえば、産業振興につきましては、今回は生産業というものの将来の姿をある程度算定いたしまして、これは数字上の問題でございますから、必ずしも明確に予想し得たわけではございませんけれども、大体、現在の精算額を、六ヵ年たちました十年計画のあとにおきましては倍額に引き上げる。従って、所得水準もそれに応じて引き上げていくわけになりますが、その目標をことこまかに立てまして、たとえば、黒糖につきましては、今のでき上ります——植えてあります品種を徹底的に改良いたしまして、非常に多産系統の黒糖に切りかえて参りたいと思っております。また、土地改良につきましても、従来は用排水あるいは農道、井せき、ため池、それぞれ別個の計画ででき上っておったのでありますが、今度は地区別にそれを統一いたしまして、要するに、土地改良というものを総合的に勘案いたしまして、生産額をふやすということを重点的に考えて参っております。従って、土地改良に振り向けます予算額も、従来よりも数倍になるように持っていっております。考え方といたしましては、そういった産業の振興というものを、基幹産業あるいは特殊産業の振興というものにつきましては、従来、たとえばバナナ等も相当植えてみたのですが、これが台風等でかなり弱いというようなことが判明いたしましたので、いろいろな角度から考えて検討して、これなら大丈夫だというふうなものを植えさしていこうということで、だいぶ内容的には転換をいたしておるのであります。 それからもう一つ、従来公共土木事業にきわめて重点を置いて参ったわけであります。道路、港湾、河川、海岸堤防等についてやって参ったのでありますが、これも、もとより過去八ヵ年空白にさらされておったわけでございますので、いたむだけいたんでおりますけれども、これを直す場合のめどといたしまして、たとえば、それを直さないために耕地が非常に荒れる、あるいは人家に被害を及ぼすというふうなところにつきましては、これを重点的に直していくけれども、あまり、ただ単にくずれたというだけで、それが何ら影響が少いというところにつきましては、これを切り上げまして、産業振興との関連というものにおきまして公共土木事業を考えていくというふうに重点を切りかえておるのであります。そういった点を考慮いたしましてやって参ったので、ただ単に従来の計画を引き延ばし、二割方増大したということにとどまるものではございませんで、将来この計画が終了いたしました場合に、要するに現在の生産力を倍額に増額するというところに大きい目標を置いて策定いたしたわけでございます。 それから、実業教育の点でございますが、現存奄美におきまして高等学校が各島嶼にあるわけでございます。与論にはございませんが、それを除きまして各島嶼にございますが、そこに実業高校という名を持っておりますものは、大島にただ一つだけでございますが、他の一般の高等学校におきましても、普通科のほかに、そういった産業関係の特別の科目を設定いたしておりまして、そうして別科というふうなことで教育をいたしております。私、現地にも参りまして——小柳先生と前後して行ったわけでございますが、たとえは、沖之島に参りましても、高等学校で牛も飼っておりますし、また耕地も持っております。そうして産業教育について重点的に実施をいたしておるのでありますが、この復興計画自体の問題ではございません、一般の行政の問題でございます。けれども、要するに、今現に従事しておる農民の大部分は、古い昔からの習慣によりまして農業に従事しておりまして、その用いる農具からして、もうだいぶ時代おくれのものを使っております。また、ただ、単に米なり黒糖に依存するという傾向が多いわけでございまして、新しいものに若干飛びつきますけれども、それを十分に消化する能力を持っておりません。従って、やはりわれわれといたしましては、若い青年が新しい産業教育を受けまして、それが大きく成長する場合に、ほんとうに奄美がよくなって参るのじゃないかというふうに考えておりますが、ただ遺憾なことは、これまでは、そういった産業教育を施された学生が育って参りますと、その多くが奄美群島を離れまして、内地に就職するという傾向が今までに見られたのであります。これは奄美群島の人口が、二十年、三十年前から一向にふえないという最大の原因は、あそこには人口の収容力が、これ以上になっては生産が伴わないという最大の原因があったのではないか患います。従って、今後、生産力を二倍に増強するという目標を掲げまして、そのために今の産業教育をそれにプラスして参りまして、奄美にとどまって、郷里に帰っても農業に従事し得るという態勢を作っていかなければ、これは問題にならないのじゃないかというふうに考えて、その関連性も十分に考えておる次第であります。
○西郷吉之助君 今の御答弁を伺いましたが、先ほど来、小柳さんの質問で感ずるところでは、どうも、今回復興計画がおくれておるために引き延ばすけれども、産業開発なり、その他についても基本的な具体策というものはない。今の振興課長の説明でも、現在まであったものをただ単に取り上げていくというふうに、基本的計画はないが、お話によると、飛躍的にいろいろやるというお話ですが、本年度の予算を見ると、今後六ヵ年の総額は出ているが、今日まで国費では二十数億円の経費を出しておったが、三十三年度は十二億に激減しておる、半分以下である。そういうふうな予算措置で、今の振興課長の御説明のように、今後飛躍的に増加していくのかどうか、この点は……。
○説明員(吉浦淨眞君) 今、最初に行政局長が説明いたしました数字は、これは事業費の総額で説明をいたしたわけでございまして、今まで八十一億余円の仕事をやって参ったということになっておりまして、過去四ヵ年でございますから、平均いたしますならば、大体二十億前後の仕事をして参ったわけでございますが、ちょうど大体その半分程度が国費でございまして、今回、十二億三千万円の予算額がきまったわけでございますが、これはもとより国庫補助金の総額を示すものでございます。このほかに、たとえば電源開発とか、あるいは船舶等につきましては、これは全額融資ということで大きい事業もやって参っております。国家機関においては、開発銀行あるいは農林漁業金融公庫等から融資しておるわけでありますが、たとえば、小学校の建築費におきましては国費九割補助、地元一割負担ということに相なっております。 先ほど小柳先生からお話がありました県の試験研究機関、農業試験場でございますとか、あるいは繭の検定所でありますとか、そういった研究機関につきましては八割の国庫補助ということでやっておりまして、二割の地元負担があるわけでございます。そういった公共性の強いものにつきましては、これは補助額が多いわけでありますが、民間がやりますものにつきましては、おおむね地元負担の割合の方が多くなっております。従って、船舶も作りますし、電源開発も行なっておりますので、そういうものを含めまして、年間約二十億程度の仕事をして参ったということでございます。本年度におきましては、この予算が通りました暁におきまして、詳細な実施計画を提出されてくる段取りになっておりますが、大体のめどといたしましては、やはり二十五億程度の事業を実施いたしたいと考えておる次第でございます。
○西郷吉之助君 今、御答弁がありましたが、どうも予算額と、それから具体的な、基本的な、根本的な対策がまだ立っておらない。先ほど行政局長の説明でも、今まであったものを単に取り上げて説明はあったが、せっかく六ヵ年計画を樹立する際に、基本的な具体案がないということは、非常に今後を考えても遺憾にたえませんが、今の振興課長の説明にも、民間の話もあったが、先ほど小柳さんの御質問にもあった通り、担税能力というものは比較にならないほど非常に低い。ほとんど自主財源というものは認められない。国庫補助も、今の説明では、公共的なものにつきましては非常に国の負担率が多いというお話ですが、今日まで担税能力のないところにやはり地元負担額があるために、それがすでに四億円になっておって、今後民間の産業計画復興ということになりますと、この所得、担税能力からいうならば、ほとんど資金がないのじゃないか。もし従来通り事業債をどんどん出せば、非常に市町村財政を圧迫するのみならず、民間の仕事は、金融対策で行き詰まっておるのじゃないか。従って、昨年十二月の審議会の答申についても、いかにして産業資金を獲得するかということ、非常に橋までの経験に徴して、この点に答申があったのじゃないかと思いますが、そういう最も重要な民間の産業復興計画の資金の行き詰まりということを打開せずして、一方的に国庫補助をやっても、全体の復興計画というものは非常にちぐはぐになってくるのじゃないか、こういう点についてどう考えておられるか、御説明を伺いたい。
○政府委員(藤井貞夫君) お話のございました民間の資金需要というものに対応いたしまする円滑な金融措置をはからなければならぬということは、これはきわめて重要な事柄でございまして、特に奄美のように全体の力が低いというところにおきましては、この点について最も重点的に配慮をいたして参らなければならぬ事柄であるということについては、全く同感でございます。このために、御承知のように信用保証協会というものも作りまして、側面的に金融措置の緩和というものをはかって参るようにつとめておりまして、信用保証協会も発足以来、だんだんと力がついて参りまして、その運営も軌道に乗って参っておるようでございます。しかしながら、信用保証協会というものが、もちろんあるにこしたことはないのでありまして、それ相当の効用も発揮をいたしておるのでありますが、これはいかにも消極的な担保の性質を持つものでございまして、やはり積極的に資金を流していくという配慮を講じて参らなければならぬということが必要であると思うのであります。特に一般の金融機関の金融ベースに乗りません農林関係、あるいは水産等の零細な事業者に対しまして融資をいたしまするためには、やはり今のままでは十分ではないのでありまして、特別の何か、政府関係の特殊の基金というようなものを設けていく必要があるのではないかというふうに考えておる次第であります。この線に沿いまして、審議会におきましても、特殊の一つ金融機関というものを設けることが適当であるという旨の意見を具申されたものと承知をいたしておるのであります。われわれ自治庁当局といたしましても、この必要性は十分認めておりまして何とかこれの実現をはかりたいということで努力をいたしてきたのでございまするが、いろんな事情がございまして、来年度におきましては実現をするに至らなかったのでございます。この点につきましては、なお十分に必要性を各方面に認識せしめまして、近い機会におきましては、ぜひともこれの実現をはかりたい、かように考えておる次第でございます。
○小柳牧衞君 ただいま産業資金等についての御説明がありましたが、御承知のように大島には農林中金なりあるいは商工中金なり、その他公庫がございません。一切地元の銀行が代理をやっておるという状況でありまするが、鹿児島県の銀行で取り扱っておりまする地方の預金は十二億あるのです。しかも貸し出しはわずかに六億、こういう状況なんでありまして、これらの点から考えましても、産業資金をできるだけ流してやるということが必要なんでありまするが、先般、こういうような理由から、何か開発銀行というような、あるいは基金制度というようなものを計画されたやに聞いておったのですが、今度それが実現しておりませんが、この点について政務次官から御答弁をわずらわしたいと思います。
○政府委員(中島茂喜君) 行政局長から……。
○政府委員(藤井貞夫君) 開発基金制度というような構想を立てまして、ぜひこれを実現に移したいというふうに考えておった次第でございます。開発基金の構想といたしましては、大体三年度間にわたりまして、合計五億程度の政府出資資金を求めまして、これを基礎といたしまして先刻来、問題になっております金融のベースに乗らない農林水産等の零細の事業者に対する融資というものを一つ円滑にならしめたいということを目途として考えておったのであります。御指摘にございましたように、われわれといたしましては、できるだけ商工中金なり農林中金というものの資金導入ということについては努力をいたしております。努力をいたしておりますが、しかし地元にはそういう特別の支店等もございませんし、相当な配慮を加えてもらっておりますけれども、どうしても末端になって参りまして、パイプが詰まってしまうということで、うまくいっておりません。どうしても現地にそういう特別の基金というものを設定をする必要があるのではないかという構想を立てておった次第でございます。ただ、来年度につきましては、この問題が具体化して参りました時期的な制約等もございまして、その努力をいたしたわけでございますけれども、来年度予算関係においては、遺憾ながら実現をいたさなかったということでございます。
○小柳牧衞君 この必要はもうすでにお認めになっておるのですが、財政的の理由から申しましても、約五億円という程度のものであれば、さまで大したことはない。すでに北海道なり東北なり、それぞれ公庫を持っておる。ただ大蔵当局としては、公庫が多くなるということには非常に慎重な態度をとっておりまするから、あるいはそういうような理由で実現できなかったのではないかとも想像できるのですが、しかし、南方開発の重要使命を持っておる際に、これは特別の取り扱いをしていいと思うのですが、それは要するに、自治庁当局が十分なこの問題についての熱意を持っておらぬということであったのではないかと想像されるのですが、この点について自治庁当局の御所見を承わりたい。
○政府委員(藤井貞夫君) 結果的には来年度から基金制度が実現をしなかったわけでございますので、われわれの力が足りなかったからだとおっしゃれば、これは一言もないわけでございます。ただ、言いわけではございませんが、この問題が具体化して参りましたのは、昨年の審議会の答申以来のことでございましてそういう時期的な制約もございます。それに今お話しになりましたような、大蔵省当局自体といたしましては、一般的にそういう特殊基金的なものはなるべくふやさないというような方針もあったことも事実でございまして、われわれとしてはできるだけの努力をいたしたのでございますけれども、遺憾ながら、来年度においてはその実現を見るに至らなかったのであります。しかし、われわれ自治庁当局といたしましては、この基金の設定ということについては非常に関心を持ち、熱意を有しておることは、これははっきり申し上げておいてよいことであると思います。できるだけ早い機会にこの実現がいたしますように、今後とも一つ懸命の努力をいたしたいというふうに考えております。
○西郷吉之助君 農林省の当局が出席されましたから質問をいたしますが、先ほど来、この法案が出まして、従来の五ヵ年計画ではすべてが予定通り進んでいない。従って今回延長をするわけでありますが、その際に、先ほど来いろいろ質問をしておることは、それには延長するだけではいかんじゃないか、それには根本的な振興対策というものがなければならぬ。特に奄美大島においては気候が亜熱帯地域でもあるので、従来いろいろの農産物資もあるけれども、復興計画に伴うところの裏づけをなす基本的な産業の復興計画というものが今までの自治庁の話ではない。従って、特にああいう土地でありますから、気候風土から考えても、農林省においても、期間の延長と計画の延長と同時に、基本的な農産振興対策というものがなければならぬと考えるので、その点を質問したかったのですが、課長程度で相手にならぬから、局長の出席を求めたわけです。そういう基本的な構想について答弁をしてもらいたい。
○政府委員(永野正二君) 農林省といたしまして、ただいま問題になっております奄美群島の産業振興につきましては、従来、自治庁といろいろ協議をいたしまして、従来の振興法に基きます策をいろいろ講じて参っておるわけでございますが、現在、農林省として考えておりますことは、全国の農業の改良は、水田につきましては相当成果を見ましたけれども、残された大きな問題といたしまして、畑作あるいは島嶼地帯の産業の改良のためには、もう少し大きく力を入れて、画期的な対策を講じなければならないという意味におきまして、昨年の秋ごろから、全国を地帯別に分けて、その地域の特性に応じた農業改良対策を立てなければならないという意味で検討をいたしておるのでございますが、そのうちの一環といたしまして、全国を十四の地域に分けましたけれども、その十四の地域に準ずる一つの地域といたしまして奄美及び屋久島、種子島方面を一つの地域として検討いたしたいと考えておるのであります。今後この方面におきます大きな問題は、一つは、防災営農——災害を防止する営農の確立という問題でございます。御承知のように、非常に台風の常襲地帯でもあり、また病虫害の面におきましても相当特殊な病虫害が発生する所でございますので、これらにつきましては、防災営農の確立という意味におきまして、いろいろ、試験研究面におきましても、また実際の指導面におきましても力を入れて参りたい、こういうことを考えておるわけでございます。また、もう一つは、暖地の特性を利用いたしますために、有利な作物の導入ということが非常に問題になるわけでございます。従来、この方面の非常に重要な産業でございますカンショ並びに黒糖につきまして従来も種苗の育成、改良等、いろいろな対策が講ぜられておるのでございます。今後はショ糖の生産費を低下いたしますために、もっと有利な品種を導入するというような面につきましても力を入れなければならないと思うのでございますが、黒糖の消費ということを考えますと、現状におきましては、相当大きな消費の潜在需要があるように考えておりますが、長き将来にわたって考えますると、やはりこれは分みつ糖工業の確立ということも当然検討いたさなければならないと思っておるのでございます。この意味で、私どもは鹿児島の大学等に依頼をいたしまして、この方面におきます分みつ糖工業の立地の条件が整っておるかどうかというような経済的な訓育も実は着手をいたしておるのでございます。これらの研究のまとまり工合を見ました上で、しかるべき対策を講じなければならないと思っております。また、そのほかにいろいろな暖地特有の園芸作物等で有利なものがあり得ると思いますので、これらにつきましても、十分試験研究等も強力に進めました上で、これらの地方の営農が安定して行われるような対策を今後講じて参りたい、こう考えておるわけでございます。
○西郷吉之助君 一応の話はわかりますけれども、今の振興局長のあれでは、従来あったものをただそれに手直しをするという程度にしかどうも聞えない。ああいう特別な気候風土のところであるので、せっかくこういう長期計画を立るならば、国家の大局から考えても、もっと基本的な計画があってしかるべきではないか、こういうふうに思うのですが、今の御説明では、従来あるものを多少手を加えていくというふうにしか聞えないじゃありませんか。根本的な農林省の産業復興基本計画というふうには聞えない。きわめてありきたりの話にすぎないと私は思う。もっとこういうふうな、せっかく五年の計画が十ヵ年になる。ことに、ああいう南方の、日本の本土では非常に特色のある土地に対する基本計画としては、今のお話し程度では話にならぬ。もっと基本的に全体を考えて、ただ従来あったものを取り上げるというだけでなしに、ああいう特色のある気候風土であるから、そういう点にもっと根本的な検討を加えられて復興計画を立てるべきではないか。今、自治庁の計画でも、なかなか微温的なんであって、農林省の話を聞くというと、もっと自治庁の計画よりも微温的である。単に国会で質問があったから答弁をしたにすぎないというふうにしか聞えないじゃありませんか。 それでは、さらに伺いますが、今度産業復興計画等もきまってきたが、そのうちどういう六ヵ年間の計画を持っておられるか、それを聞きたい。今の抽象的な話では一向に内容がわからぬので、きわめて微温的ではないですか……。
○政府委員(永野正二君) 私どもといたしましては、いろいろ直接の奨励事業に移ります前に、技術的な点について十分試験研究の面においても整備をいたさなければならないと思っておりますので、非常にお答えが、何と申しますか、抽象的なことになりまして、ただいまおしかりを受けたわけでございます。私どもといたしましては、奄美群昂復興審議会等におきまして御決定になりました方針に基いて、現実にいろいろな対策が講じられたと思うのでございましてその際に、私どもの方でいろいろ検討し、確信を持った対策を順次盛り込んでいただくように実は考えておるのでございまするが、ただいまのお話のように、この方面の農業は、非常に宿命的に災害に苦しめられ、また、地味その他の条件からいいましても非常に瘠薄でございます。ここの農業を確立するということは非常に重要なことでございますけれども、また一面非常に困難な面を伴っておるわけでございます。私どもといたしましては、たとえば防災営農の確立をするということを申します際にも、従来は、それ専門の試験研究の場所というものがなかったのでございます。こういう点は、今後は急速に整備をする必要があるということで、来年度の予算を手始めにいたしまして、この防災営農の確立のための試験研究の場所の新設ということも考えておるわけでございます。これは奄美群島、その他南九州に及ぶ範囲のものでございまして、奄美振興の特別な施策ではございません。農林省としての一つの試験研究の新しい施設を設けたいと考えておるわけでございます。今後におきます試験研究の整備、それと並行いたしまして、これを具体的な対策に盛り込んでいくということに相なるわけでございます。今後の年度割りの計画等は、実はまだいろいろ各方面にも御相談をする必要がございます。私どもの方といたしましても、いろいろな作物についてどうするかということについては、現在すぐ具体案をこの席で申し上げるまでの段階に至っておらないのでございます。この点はまことに恐縮でございますが、私どもといたしましても、今後あらゆる努力を傾注いたしまして、いかにしてこの方面の農業を安定して確立していくかということについての具体的な対策を至急に検討いたしました上で、それを逐次この方面のいろいろな対策の中に織り込んでいくということを考えておりまするので、御了承をいただきたい。
○西郷吉之助君 どうも御了承をいただきたいと言ったって何もない復興計画を見て、御了承をいただきたいと言っても不可能なことなんで、了承のしようもないじゃありませんか。今伺いますと、期限は延長するけれども、まだ農林省当局の具体的な案はできていない。しかし延長するという点は、もうすでに法案が出ておるのですね。それなのに当局は、過去四ヵ年間相当の国費も費やしてやってきたのであって今まで四年間も計画を実行してきたが、農林省はこの点に対する具体策が立たぬのだ。これでは了承をしてくれと言うのが無理であって、何を了承するのか。また本年が当初ではなくて、過去四年間もやってきたんでしょう。それを八年間の空白はあったけれども、以前は日本の直接の領土であって、過去のいろいろ資料等もあるはずだ。それなのに具体的な案がないのだ、了承してくれ、そんなばかげた答弁をしてもらっても了承しようがないね。農林省当局の猛省を促しますが、こうやってあと六カ年間延ばしたって、今のような話では、ただ六ヵ年間無為に過ぎてしまって、振興対策どころの騒ぎじゃないと思う。そういう答弁をなさるようじゃまことに勉強が足らざるもはなはだしいものがあると思うので、猛省を促しておきます。そういうような具体案のない話しかできないようなら、これ以上私は質問をしても無意味だから私はしませんが、急速に具体策を立ててもらわなければ、奄美群島の復興はいつまでたってもできぬじゃないか。同時に自治庁の今までのお話を伺っても、農林省ほどではないにしても、あまりけっこうな話ではないので、これまた猛省を促しておきます。
○小柳牧衞君 先ほど公庫の話を聞きましたが、時期的に間に合わなかったということはどうかと思うのですね。私は昨年、東北開発の関係において、もっと時期的におくれておった。北海道の公庫と一緒になってどうやら曲りなりにもできた。それよりももっと大切な場所にある奄美の公庫等についてはやれるのじゃないか。財政的にも金額が少い。要するにこの点については、私は一番先に申しましたように、奄美大島の国策上における地位について政府当局の熱意がないとか、あるいは大きな経綸を持たないということに帰着するのではないかと思いますが、これに関連いたしましてもう一つお尋ねいたしたいのですが、金庫はいかぬといたしましても、何か開発会社というものを考え、そうして復興計画と関連して進んでいくというような御構想はないでしょうか。最近北海道なりあるいは東北なり、またさらに北海道には地下資源の開発会社もできると聞いておるのですが、そういうふうになると、どうも南方に対しては非常にルーズというような感じを持つのですが、これについては自治庁の御意見を伺いたいと思います。これは政務次官からお伺いします。
○政府委員(中島茂喜君) ただいまの御意見でございますが、北海道にはそういう構想は進められておるようでございますが、ただいまのところ、奄美群島につきましてはそういうところまで考えておりません。
○小柳牧衞君 自治庁に対しましてはそれ以上申し上げません。 私は農林省に対して、黒糖についての政策をお聞きいたしたいと思うのです。今も同僚からいろいろ御質問がありましたが、奄美大島の産業計画としてまず第一に黒糖という問題が当然浮んでくると思うのですが、これを分みつ糖に切りかえるということも計画には載っております。さらにまた、新しい計画についても、五十トンのものと百トンのものを数個所増設するようになっております。ところが実際の状況から見ますというと、消費税が非常に高いために、分みつ糖につきましても、従来の四円のものが七倍の二十七円になる。これではとうてい立ち行かぬという状況です。であるから、またやむを得ず黒糖に依存するということですが、しかし日本の今日の消費状況から見まするというと、黒糖というものの将来は、おそらくは特殊の砂糖として使われる以外にはあまり販路の拡張を見ないものじゃないかと思うのです。こういうふうなことから考えまして、消費税の軽減なり、あるいはまた分みつ糖に切りかえることにも一段と助成をするというような方策も考えられるのでありまするが、農林当局は、奄美大島の糖業についてどういう御意見を持っておりますか、承わりたいと思います。
○政府委員(永野正二君) ただいま御指摘のように、奄美大島群島におきます黒糖の生産の見通しと申しますか、という点につきましては、私どももいろいろ苦慮をいたしておるわけでございますが、現在のところでは、相当黒糖に対する需要というものはまだ残っておると申しますか、時にはむしろ台湾その他からも分みつ糖が輸入されて、消費されておるという状態があると思うのでありますが、これはやはり、分みつ糖との価格の関係が、非常に輸入の相場の高いときにはある程度消費されるであろうと思いますが、将来の嗜好関係からいいますと、どうしても黒糖の消費というものはだんだん減っていくんじゃないかというのは、私どもも同様に実は考えておるのであります。従いまして、黒糖生産をできるだけ合理的な形に分みつ糖の生産に切りかえていく必要があろうかと考えておるのでございます。そのための経済的な要件を、特に応用研究所を持ちまして、いろいろ調査もいたしておるわけでございます。農林省といたしましては、何としても相当巨額の建設費を要する事業に相なることと思っておりますので、その資金の融通について何かの特別な措置が必要ではないかというふうに考えておるのでございますが、ただいま農林漁業公庫の融資等につきましても、農民の生産物の価格を安定するために、必要な場合にはその農産物の加工企業につきましても融資をできるようなことにいたしたいという検討もいたしておるわけでございまして、企業的にある程度見通しがつきますならば、そういう方面からの資金でもって建設に充てるということも、ただいま検討いたしておる段階でございます。そうしたいろいろな意味で、カンショの生産の段階から、反収を上げるとか、災害による被害を少くするというような生産の段階におきます合理化も相当必要であろうと思いますが、それとあわせまして、分みつ糖の企業化ということも具体的に検討をいたしておる段階でございます。
○小柳牧衞君 計画の条項を見まするというと、糖価の安定ということをいっておるのですが、この点についてはどういう処置をとっておりますか。
○政府委員(永野正二君) 直接糖価の安定ということを考えます場合に、一応問題になりますのは、農産物価格安定法等の支持価格の制度を適用することができるかどうかという問題が一つあるのでございます。そういう御要望もしばしば私ども承わっておるのでございますが、現在黒糖のままで、たとえば食糧管理特別会計において買い上げということにつきましては、黒糖の価格なり、あるいは黒糖の貯蔵性というような点で相当問題がございまして、実は私どもとして、今直ちにこれを対象とするということは困難ではないかと考えておるのでございます。従いまして、これは何らか別途な方法によりまして、たとえば特別な公共的な性格も加味しました会社ができて、ある程度平均的に価格安定の買い入れ、売り渡しをやっていくということも一つの案ではあろうかと思っておりますが、直接政府の手で黒糖の支持価格をしいて、それでもって価格を安定していくということは、望ましいことではありますが、技術的に今直ちに実施するということには今ちょっと難点があるのではないか、こう思っております。
○小柳牧衞君 今の御説明によりまするというと、計画書には価格の安定を掲げておるが、一向にその実が上っておらぬということを裏書きする以上の何ものでもないと思うので、はなはだ遺憾と思うのですね。しかし、これはどうしても安定していかなければ重要産業が成り立たぬと思うのですが、北海道には御承知のようにテンサイには買上制度をとっておるのです。それと対照しますると、どうしてもいかにも手薄いように思うのですが、買い上げなりその他の方法をもって価格の安定をはかる道を講ずる御意思はありませんですか。
○加瀬完君 関連。農林省において黒糖対策というものははっきりしたものはあるのですか、あわせて一つ御答弁願いたい。
○政府委員(永野正二君) 黒糖対策につきましては、先ほどからも申し上げておりますように、生産の段階における合理化が一つの問題でございまして、そのために、優良な品種を農家に普及いたしますための採種、採苗の手続等に相当助成もいたして、普及をいたしておると思うのであります。第一の段階といたしましては、生産の段階でできるだけ生産を安定させ、コストを下げていくということが、これはほかの商品との競合関係のございます黒糖としては、当然努力をしなければならぬ第一の問題だと思うのでございます。製品の黒糖につきまして直接の支持価格をもっての安定をいたしますことにつきましては、これは私どもも研究はいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、黒糖の規格というものが相当まだはっきり、何段階かに商品的にはっきり規格づけるということについて多少困難である。また、これを政府が買い上げて保管をするという点につきましての貯蔵性の点につまましても問題があるというようなことで、検討はいたしておりますが、今直ちにこれを実行するというところにはまだ問題が残されておるという段階でございます。私どもといたしましては、それ以外の何らかの方法でもって、産地におきます共同の施設でもって、何らかの安定の方法がないものであろうかということを考えておるわけでございます。
○委員長(小林武治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。
○小柳牧衞君 ただいまの黒糖に対する諸施設は目下考究中だというので、先ほど西郷議員も御指摘になったように、非常に私は遺憾なんですね。また検討々々というと、六ヵ年ぐらいすぐたってしまう。もう少し急いで、真剣にこういう重要産業について検討をして実施をしていただきたいと思うのですが、今の買上制度については検討中と、どの点がいけないのか、どの点が支障があるのか、もう少しお聞きいたしたいと思うのです。 それからケインですか、サトウキビの問題にしましても、台風に耐えるインドの種子を二、三年前から取り寄せて今研究しているのですね。あそこの地方に台風がくるということは昔からきまっておることで、それを今までほうっておいたというところに、いかにもあそこの農業試験場が怠慢とは言いませんが、幼稚であったと思われるのですね。万事がこの調子なんです。これではいかにりっぱな計画案ができても、実効は上らぬと私は思うのですが、もう少しあそこの砂糖についての施策をはっきり一つお示しを願いたいと思います。もし研究中であったら、どの点を研究しておるのか、また、支障があるというならどの点が支障があるのか、その点をはっきりと御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(永野正二君) 少しお答えを抽象的にいたしましたので、おしかりを受けまして、大へん恐縮でございますが、私どもといたしましても、北海道のテンサイ糖同じく黒糖について、農産物価格安定法の制度と同様な支持価格の制度をしいて、必要がある場合には食糧管理特別会計その他の適当な機関において買い上げをするという制度につきまして、強い御要望がありますることを十分承知しておるのでございます。その点を研究をいたしましておりますが、先ほども申し上げましたように、黒糖の品質を適当に等級分けをする規格の点につきまして、まだ検査の、いろいろ研究もいたしておりますが、買い上げるということになりますと、相当規格の点についてはっきりした基準なり検査制度というものを前提にしなければならぬということが一つ、それから黒糖を長期に貯蔵いたします場合には相当なロス等が出ると思うのでございますので、これらの点を、政府が国費でもって買い上げをするという場合に、その貯蔵性の点を、何とかロスのないように考えられないものかという点について、黒糖のまま置きます支持価格の制度というものは、そういう点に難点が相当ある。むしろこれを分みつ糖にいたしますならば、これは相当商品的にも安定をしたものでございますので、むしろ根本的に黒糖の生産をある程度分みつ糖の生産にかえていくということが一つの対策ではないかという点も考えておりますが、さしあたりの黒糖の直接の価格対策ということにつきましては、ただいま御指摘のように、なかなか、さしあたりの名案が実はないのでございます。
○委員長(小林武治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。
○小柳牧衞君 砂糖に続いて重大なものは水産だと思うのです。ところが、行って向うの状況を見まするというと、りっぱな漁港もできたようです。ますます今度できるようです。しかし漁港ができたといっても漁業が振興するものじゃないと私は思うのです。水産試験場に行って見ますると、この地方にはりっぱな、漁業の適当な場所はないのだというようなことは一応承わりました。それならばまた、遠洋に出るというようなことも考えてよろしい。また漁村を見ましても、ほとんど漁村らしい感じがしないのです。漁船もなければ漁獲物のほしてあるのも見ない。宿屋に着いてみると、鮮魚は鹿児島から来るのだ、これじゃどうも漁港ができても、いつ漁業が振興するのかわからぬです。でありまするから、この改訂案が実施されてから今日まで、漁業がどんなふうに振興してきたか、また将来、今度の新しい計画によって漁業がどんなふうに振興する見通しであるか、その点についてお聞きしたいと思うのです。
○説明員(吉浦淨眞君) 水産業の振興の問題でございますが、ただいま最初に御指摘のありましたように、漁港の計画につきましては、まあ相当な進捗卒を示して参っております。従来、奄美群島が四囲に海をめぐらしながら漁業が振興いたさなかった理由の一つは、やはりバック・グラウンドに消費地を持たなかったというのが最大の理由になっております。しかしながら、終戦当時までは相当な漁船もございましたし、近海でいろいろ漁業をやって参ったわけでございますが、それが不幸にも、ほとんど爆撃によりまして小型漁船が壊滅するというふうな状態に立ち至ったわけでございまして、その後漁業関係におきましてはがた落ちとでも申すべき悲惨な状態に入ったわけでございます。逐次振興して参ったわけでございますが、その間、内地におきます漁業の方は、いわゆる大型漁船の動力化ということの方向に向っておりまして、従来、奄美がとっておりましたような漁業方式ではもはや内地の漁業に及ぶべくもないというふうな状態に至ったわけでございます。もとより水産試験場につきましても、これはほとんど全面的に改築いたしまして、新しい施設、設備にはいたしましたものの、まだ内容として、どの方向に向って研究を進めていいかという問題についての具体的なポイントがつかめないというふうな点も確かにあるわけでございますが、それにもかかわらず、カツオぶしとか、マベ貝が——これは半円の真珠でございますが、そういった新しい研究についてたゆまない努力を続けて参っております。ただ御指摘になりました漁業の問題は、とにかく半年は季節風にさらされまして、いわゆる動力のない小型の漁船はとうてい、瀬戸内というふうな平穏な海上以外には出ていくわけに参りません。従って、まあごらんの通りのような状態でございますが、目下、小型漁船の動力化ということで、まあ三百九十隻程度の漁船に動力を、補助金をつけて——八割の補助金でございますが、全面的にやるように計画いたしておるわけでございます。 そのほか、近代的な漁業方式といたしまして漁探を設ける、——探知機でございますが、そういった計画も持っておるわけであります。なおカツオぶしでございますが、割合品質のいいものもできますので、現地におきまして共同加工場を作るように計画をいたしております。これも乾燥室あるいは倉庫等を付属いたしました加工場を二ヶ所作る予定にいたしております。なお、ごく近海漁業につきましては、漁礁とか築磯とかいうものも百数十ヶ所予定いたしております。漁礁につきましては、コンクリートのブロックを投げ入れる、築磯につきましては投石してやるわけでありますが、これがどの程度の魚族を集めるかということにつきまして、根本的な対策にならないのであります。問題は、やはりあの地理的な条件を逆に利用いたしまして、両方の漁業に対する前述基地としての役目を果させるために必要な基礎条件を整備していこうということを考えておりまして、もとより、目下、電源の問題に悩んでおりますので、電力を開発することからして始めなければならないわけでありますが、製氷、冷凍の施設を作りますとか、あるいは水産の倉庫を作りますとか、いわゆる基地としての条件を整備することに目下検討いたしておる次第でございます。製氷、冷凍につきましては、さしあたり来年から作って参りたいということでございますが、電力の問題とも並行いたしまして、電源開発の見込みがつきましたと同時に、全諸島に冷凍施設を作って参りたいということを考えております。 なお、その奄美の漁家自身が遠洋漁業を行う問題でございますが、これは現在、古仁屋高等学校に水産科ができまして、逐次、遠洋漁業の技術を覚えておるような状況でございます。もとより、資本力が全然ございませんので、ほとんど全額融資で漁船を買わさせなければならないというふうな状態でございます。なお、もう一つ制約がございますのは、奄美群島が復帰いたしました際に、漁業権がすでに内地では確立いたしておりまして、新規の遠洋漁業権が現在きわめて認可が困難な状態でございますので、今新しく奄美群島でどれだけの遠洋漁業に対する認可権を持てるものかどうかを検討いたしておるのでありますが、現地の話によりますと、昔は持っておったということをいうのでありますが、その何らかの、いわゆる文書上の証拠さえ見つかれば、これはできるだけ復活するようにわれわれとしては努力をいたしておるわけでございますが、戦災で焼けたとか、あるいは持ってない者が持っているといっているのかもしれませんが、文書がないとかいうことで進まないでおります。決して無関心でおるわけではございませんので、あらゆる方向から発展するような措置を講じて参りたいということで、いろいろ苦慮いたしております。問題は、やはり農業協同組合と同様に漁業協同組合を持つ、資本力がほとんどゼロでございます、今の内地の農林漁業金融公庫等の措置によりましても、全額融資というものは認められないのでございます。大体六割程度の融資が可能でございますが、そのあとの四割をどうするかという問題で、漁船の問題もなかなか思うにまかせないというふうな状態でございます。従って、またやはり特別の金融措置の問題も起ってくるわけでございまして、結局いろいろな面で悪循環をたどっておるというふうな状態が実情ではないかと存じておりますが、どこかでその隘路を打ちくだいていきたいというふうに考えております。
○小柳牧衞君 水産試験場の建物がりっぱにできておったということは、これは私もはっきり認めます。りっぱな建物ができました。それから半円の真珠の養殖をしておることも見てきました。しかし、これは非常な貴重な水産物かもしれませんが、特殊なものであって、これに関係する人もあまり多くない。そうすればどうしても漁撈とかあるいは製造とかいう方にしなければ、漁村の振興はできないものだと思う。ところが試験場のいろいろ説明も聞き、資料等につきましても、漁掛については何ら、何らといっちゃ言い過ぎるかもしらぬが、あまり研究もしておりません。加工については、私はカツオぶしを見ました。きわめて小規模のものが標本的に民間に一ヵ所ありました。まあそういうような実情で、重大な水産業を振興するということは容易でないと思うのです。こういうことをずっと考えて参りますと、結局、私は一番先に私が言うた行政機構なり行政組織ということに関連するのじゃないかと思います。遠洋漁業については五十トン以上の船は許してないと聞いておりますが、これは今お聞きすれば、前の漁業権がないからだというのですが、しかし、国策の必要があるならば、前の漁業権がなくとも、五十トン以上の船をどんどん許して遠洋漁業に活動さしたらいいじゃないかと思うのです。こういう観点からずっと考えてみますというと、鹿児島県の一属島と見て、いろいろの施設をしておるというところに根本的な欠陥があるのじゃないかと思う。 でありまするから、私は最後に、自治庁の方にこの点について十分に考慮をしていただいて、一番先に申しましたように、何か国策の遂行に重要なる地点として、自治権を尊重することはけっこうですが、その以外に、行政組織なり行政機構なりを考えて、国の施策として大きく新改訂のもとに活動していただきたい、こういうことを申し上げる次第であります。質問を終りま
○大沢雄一君 資料をちょっとお願いしたいと思うのですが、政務次官おいでになりますので、恐縮ですが、道路振興五ヵ年計画の実施に伴いまして、緊急措置法と申しますか、その他道路関係の国と地方の負担がいろいろ変って参る。そのことはもう非常に財政上はもとより、行政上も非常に重要な問題でありますので、非常に複雑でございますが、これらの資料を一つずっとお整え下すって、なるべく適当な早い機会にまとめて御説明願えれば、私はけっこうだと思います。場合によりましては、建設委員会その他と合同審査というようなことも必要な場合も生じてくるのじゃないかということも考えまするので、そのおつもりで一つ資料を整えて、今お願いしたようなことを一つ御配慮いただきたいと思います。
○加瀬完君 資料ですけれども、今、黒糖対策の問題が出ました。自治庁としては、一体黒糖対策というものをどう考えておるか、黒糖対策の資料ですね。それから二は金融対策、三は防除対策、四は特殊産業の開発の年次計画、特殊産業の財政投資の計画は出ておりますけれども、一体どういうものを年次でどう開発するのだということが具体的に出てこないと、この五ヵ年延長したって、五ヵ年たってもまた仕事ができないということになったら何にもなりませんから、一体自治庁としては、大まかなところでもいいから、特殊産業の開発の年次計画をどう思っておるか。それから、水産庁おりましたね。今、問題になりました奄美群島付近の漁業資源の一覧表といいますか、地図ですね。地図に距離と漁業資源の大体、状態がわかるようなものを一ついただきたい。 以上、お願いをいたします。
○委員長(小林武治君) それでは、本日は、この程度にいたします。 これにて散会いたします。 午後零時三十一分散会