地方行政委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/06/06
会議録
○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。 まず、今期閉会中の委員の異動を御報告いたします。 五月二十九日、三木治朗君が辞任され、久保等君が補欠選任されました。翌三十日、伊能芳雄君が辞任され、佐藤清川郎君が補欠選任されました。また、本月三日には松野鶴平君、佐藤清一郎君が辞任され、佐野廣君、伊能芳雄君がそれぞれ後任として選任されました。 以上、御報告いたします。 —————————————
○委員長(小林武治君) 本日は、地方行政の改革に関する調査として、今次の衆議院議員総選挙の執行状況に関する件を議題に供します。 まず、関係政府当局より説明を聴取いたします。
○説明員(兼子秀夫君) 去る五月二十二日に執行されました衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査につきまして、その概要を御報告申し上げたいと思います。 第一に、先般の国会で、公職選挙法の一部改正が行われました。その観点から申し上げますと、まず第一に、選挙運動期間が、御承知のごとく短縮されたわけでございますが、その短縮の結果、運動面に支障があったかどうかというような点でございますが、新人の進出が少いという批判が若干あったのでございますが、これは、今回の選挙は、お手元にお配りいたしております統計表の第四ページをごらんいただきますと、候補者数に関する調べがございますが、総計で九百五十一名でございます。今回の選挙は、両党におかれまして、候補者を相当しぼったと申しますか、数を少くされましたような関係上、前議員あるいは元議員というような方の当選率が向くなり、そういう面で新人の進出が少くなったということが若干あるようでございますけれども、全般といたしましては、運動期間の短縮の結果、それが原因であるということは認められないと思うわけでございます。一方、運動期間の短縮が有権者の関心を薄くしたのではないかという問題でございますが、今回の選挙におきましては、初めのうちは街頭演説等も、前回の選挙に比べますと非常に少いようでございまして、選挙の関心が低いということが非常に懸念されたのでございますが、その後、立会演説会あるいは個人演説会等の実施状況を見ますと、非常に盛況でございまして、関心が相当深いというふうに私ども見ておったのでございます。 選挙の投票の結果を見ますと、お手元の第一表にございますように、前回七五・八四%の投票率に対しまして、今回は七六・九九%に上っておるのでございます。しかもその内訳を見ますと、男子におきましては前回より若干投票率が下りまして、女子の投票率が上り、男女の投票率の差が少くなったという傾向を示しておるのでございます。そういう点から見ましても、今回の選挙は、有権者の関心が特にその面から少くなったということは認められないのではないかというふうに考えております。 なお、先般の国会におきまして改正されました立会演説会の秩序保持に関する規定が強化されたわけでございますが、私ども立会演説会の執行に当りましては混乱を心配いたしたのでございますが、今回の規定の改正が非常に効果があったと申しますか、場内に掲示をいたしまして、司会者が注意をいたしまして、十分に秩序が保持されておったようでございます。なおまた、聴衆はよく候補者の言論に耳を傾けた、従来以上に熱心になったというふうな状況を示しておるようでございます。 それから、それ以外に、今回の法律の改正に捲きまして、ポスターの枚数が五千枚から八千枚になりましたに伴いまして、いわゆる電信柱、電灯柱にポスターを貼付させるように電信電話公社並びに電力会社と話し合いを行なったのでございますが、電信電話公社の電信柱につきましては、これは無料でいいということだったのでございますが、そのかわりあとから候補者において取ってもらうという条件がついたのでございます。電力会社におきましては、関東電力株式会社におきましては、従来、清掃下請の広告会社に清掃料として十五円ずつ徴収さしておるというような実態でございますので、一枚につきまして十五円の清掃料がもらいたい、こういう話し合いになりまして、そういうことで協定を結んだのでございます。全国的には電力会社が、関東電力のように必ずしもその撤去料を徴収したということはないようでございます。関西におきましては、これは無料として、候補者で撤去願う、こういう方法をとったようでございますが、このやり方が、今回初めて電信柱、電灯柱にポスターを張るということを組織的に認めると申しますか、できるようにいたしたのでございますが、候補者の方はこれによりまして相当の何と申しますか、運動上の便宜を得られたと思うのでございます。ただ、電力会社の方からいいますと、承認を受けて張ってもらいたいということにつきまして、承認を受けずに張る、十五円の関東の地区でいきますと、その撤去料の何と申しますか、納入なくして張られる、あるいは電信柱と間違えて電灯柱に張られるというようなことがあったようでございます。その後の撤去につきましては、これは膨大な仕事になっておるようでございますが、まだ電力会社あるいは電信電話公社からその後の話は聞いておらないのでございますが、相当の清掃につきましては負担になっておるかと思うのでございます。なお、このポスターの張り方につきまして、京都市におきましては、観光都市の建前上、電信柱、電灯柱には張らないようにということを、市長が何と申しますか、干渉をしたようでございます。そういう都市美観の見地との問題をどうするかということが今後に残されておる点でございます。 それ以外、選挙の結果につきましては、第一表は先ほど申し上げましたように投票率でございます。第二ページは付表で、群馬県がやはり前回同様第一で八七・三〇%、山形県が二位、長野県が三位、山梨県が四位、福島県が五位でございます。なお、そのほかに(ロ)9として、男女投票率の差が従来大きくて、今回その差が小さくなった、非常にその成績がよくなった府県を拾ってみますと、兵庫県とか東京都、千葉県、愛知県、徳島県というような府県におきまして女子の投票率が非常によくなっておるのでございます。 第三ページは戦後の投票成績でございまして、今回の選挙が戦後におきまして一番成績がよかったのでございます。 第三表は、先ほど申し上げましたように党派別候補者数に関する調べでございます。 第五ページ、第四表は、党派別当選人に関する調べでございます。自民党が二百八十七名、社会党が百六十六名、共産党が一名、諸派が一名、無所属が十二名でございます。 第五表は、党派別当選率に関する調べでございます。自民党が六九・二%、社会党が六七・五%、共産党が〇・九%、諸派が〇、三%、無所属が九・〇%、前回の投票率と比較いたしますと、これは先ほど申し上げましたように候補者のしぼり方と申しますか、そういう点が影響しておるように見受けられるのでございます。 次は第七ページ、第六表は、新前元別当選人及び当選率に関する調べでございます。新人の当選率は今回は前回より若干上っております。前議員の当選率は前回より今回の方がよくなっておるのでございます。 それから第七表は、婦人当選人に関する調べでございまして、十九八の立候補者があって十一人当選いたしておりますので、率から申しますと、今回の率は非常にいいということが言えるのでございます。しかも絶対数におきましても、下降傾向をたどって参りましたのが逆に上昇になっておるということが言えるのではないかと思います。十八ページは、党派別得票数に関する調べでございますが、自民党が二千二百九十七万余票で、社会党が千三百九万余票でございます。共産党が百一万余、諸派が二十八万余、無所属が二百三十八万余票でございます。割合にいたしますと、自民党が五七・八%、社会党が三二・九%、共産党が二・六%、諸派が〇・七%、無所属が六%ということに相なっております。 それから次の表は、府県の党派別得票数の内訳でございます。次に府県別新前元別当選人の調べでございます。次は、年令別の当選人の調べでございます。 次の表は、有効、無効の投票数の調べでございまして、無効投票数が、前回三十一万九千四百九十九票に対しまして、今回は二十九万七百九十一票、この面におきましても、無効投票数の減少ということにおきまして、選挙の成績が向上しているように見受けられるのでございます。次は、投票状況に関する表でございまして、これは第一表と同じことでございます。 それから、最後に、最高裁判所国民審査の投票、しまいから四枚目の表は、これは表題が、国民審査の投票総数、有効投票数、無効投票数等に関する調べで、国民審査という文字が落ちておりますので、さよう御了承願いたいと思います。 それから、しまいから三枚目は、高橋潔さん、垂水克己さん、それから次のページは、河村大助さん、奥野健一さん、下飯坂潤夫さん、それぞれの個別の罷免を可とする投票数、罷免を可としない投票数の府県別の表でございます。いずれも法規の定めるところに従いまして、罷免を可とする投票数が少いため決定を見たものでございます。以上でございます。
○委員長(小林武治君) 次に、中川警察庁刑事局長。
○説明員(中川董治君) 私の方の担当しております選挙違反の関係でございますが、これは選挙違反がありました場合におきましては、これを検挙して参っておるのですが、投票日以前も検挙して参っております。ところが、今後まだ捜査の進展に基きまして検挙するものもございますので、現在は中間ということになろうかと思うのでございます。 実は、本日当委員会のことを承わりましたので、最近の状況を取りまとめたのですが、半枚といいますか、紙を半切にした半枚の紙に一ぺん刷ってみたのでございますが、六月四日現在——正確に申しますと、六月四日午後五時現在までに全国の警察が検挙いたしました人員でございます。九千五百四十二人を検挙いたしておるのでございますが、この状況は、大体傾向としては、昭和三十年に施行されました衆議院の総選挙の傾向とよく似た傾向を持っております。全体の件数を私、比較してみたのでございますが、昭和三十年の二月に施行されました総選挙について、この今回の選挙の六月四日に当る日六月四日に当る日と申しますのは、投票日後十三日現在でございますが、昭和三十年の総選挙の投票日後十三日現在についての統計を調べてみましたところ、その数字は、三十年選挙におきましては、人数は一万九百八十六名になっております。件数は五千八百七十件になっております。従いまして、投票日後十三日現在の数字から見ますると、従前の選挙に対して若干少い、こういうことが言えようかと思うのであります。ところが、検挙件数と申しますのは、投票日後十三日現在と申すのは、この前の選挙は、選挙運動期間中が五日多いものですから、従って機械的に申しますと、運動間期中五日分の数字が少かるべきである、こういうふうに考えられますので、そういうことを念頭に置いて考えますと、おおむねこの前の選挙と同じような傾向であろう、こういうことが言えようかと思うのであります。内容について調べてみたのでございますが、買収、利害誘導の関係が多くて、その次が戸別訪問、それから文書図画制限違反、それから自由妨害、こういうような順序をとり、こういう傾向を持っている点におきましては従前の選挙と一緒でございます。 今回の選挙で若干特異に考えられました点は、自由妨害の罪が従前の選挙に比して多うございます。自由妨害の罪は、この前の選挙は、これに当る数字は六十七件、九十五人であるのですが、今回は相当これを上回りまして百七十一件、二百十四名という数字を呈しております。自由妨害の犯罪の相当大きい部分を占めておりますのは、他人のすでに張られておりますところの選挙運動のポスターの類をはいで回る、こういう傾向が今回の選挙に相当、やや著しく見られたような状況でございます。他人が張っております。他の候補者の運動員が貼付しております選挙運動用ポスターをはいで回るというのが、自由妨害でわれわれが検挙いたしますもので、この数字は従前の選挙に比して多くなっているということが言えるのでございます。その他いろいろ選挙運動期間中に私ども考えました事柄は、従前の選挙につきましても若干あり得たのでございますが、今回特にあり得ましたことは文書で、ある候補は、甲候補は大丈夫だから乙候補へ投票しろ、こういう意味合いの文書図画を、ないしは通信を送るという事例が比較的顕著に出たように考えられたのでございます。 現在までの傾向について申しますると以上のような状況でございますが、選挙違反につきましては、選挙運動期間中も検挙しておりますし、選挙後も検挙しておるのでございますが、何と申しましても犯罪捜査でございますので、証拠に基いて検挙するという立場を一貰いたしますので、今後発見される証拠によりまして検挙される面もございますので、もう少し後にまたまとめてみまして、従来の選挙と比較してみたいと思うのでございますが、今日の中間の段階で、この前の三十年の選挙と比較いたしまして、私ども犯罪捜査の面からうかがえる今次総選挙の状況は、以上のように考えておる次第でございます。
○委員長(小林武治君) 何か御質疑がございましたら御発言願います。
○占部秀男君 ちょっと検挙の問題でお伺いしたいのですけれども、それは、今言われた最後の点なんですが、今度例の、何というのですか、あれは大丈夫だからほかへ入れろという文書がたくさん飛んだというのですね、それで、その問題でそれぞれ、何といいますか告発的ないろいろの形のあれが出ていると思いますが、この検挙された中には、それに関する人たちが幾らかあるのですか、または、まだ一人もそれに関連するものはないのですか、その点ちょっと。
○説明員(中川董治君) ただいま申しましたように、そういった事案があったことは間違いございません。それでありました場合におきましては、告発があった場合もございますし、告発がなくても聞き込みその他によってわかりますので、警察では捜査しまして、被疑者の割れたやつ、被疑者の発見できましたものもございますが、まだ目下捜査中の夢案もございます。
○成瀬幡治君 兼子局長は、今度の選挙法の改正をやって一向差しつかえないというような、大へん自画自賛のことを聞いたわけですが、それに対するわれわれの意見もありますけれども、それはそれとして、またいっか、もう少し私の方に資料等を整えて、機会を得て一つやらしていただきたいと思いますが、今度の選挙を通じて感じました点で立会演説の点ですが、これを、代理なんかが立った方がいいのじゃないか、代理が立たねばならないというような規定を入れられた方がいいじゃないかと……。なぜそういうことを申し上げるかといいますと、六人ぐらい一組になりまして、まん中ごろ二人が棄権します。そうしますと、四十分間穴があいて、あとへ続く者は、その四十分間聴衆が待たされるというようなことで、非常に大へんなことじゃないか。それがために、人をばかにしておるということで、聴衆の人たちが憤慨をして、どんどん帰っていくというようなことで、迷惑は、あとに残された方へ被害があるわけです。ですから、こういうものについてはどんなふうにお考えになっておるか、この際一つ承わっておきたいと思います。
○説明員(兼子秀夫君) 立会演説会の代理の問題は、おっしゃるように、本人がどうしても出られない場合には代理を立てるということは考えてもいいと思います。ただ、そうしますと、本人が出られる場合に代理を立てるという別の面の問題も起ってくるわけでございますので、その辺は検討をしなければならぬと思います。問題は、出るといって通告をしておいて出ない候補者があるわけで、それが一番因るのでございまして、その場合には、ほかの候補者の御都合を聞いて、繰り上げできるところは繰り上げるようにいたしておりまするが、そういう候補者に一番手を焼いておるわけでございます。それには代理をもってしてもちょっと救済ができないのじゃないかというふうに考えております。
○成瀬幡治君 若干意見が入るわけですが、私、あなたが言うように、出ると通告して、自分がどうしても出られないという場合には代理を出すぐらいに、私は何か義務を持たしていいのじゃないか。初めから出られないものなら、出られないというふうにしたらいいじゃないかと、そういう点については、何か一つ、きょうここでどうというのじゃないが、考えていただきたいと思います。 続いて、警察の関係の方にお尋ねしたいと思いますが、事前の運動と、それから実際具体的に選挙運動に入ってからの問題に分けますと、まあ特にそういうことになれば、どれが問題になるかわかりませんですけれども、そういうのはございませんですか。事前と事後と分けて……。
○説明員(中川董治君) この事前運動というのは、御案内のように、選挙の公示がある以前の違反行為を一切事前運動というわけでありますが、この統計でいいますと、事前にたとえば供応をやっておりますと、第一段の買収の欄に入るわけでございます。事前に戸別訪問をやっておりますと、戸別訪問の欄に入る。公示前に文書図画の違反をやっておりますと、文書図画制限違反の欄に入るわけでございますが、事前のそういった特殊の違反行為につきましては、かねてこの委員会でも申しましたように、警察といたしましては、その捜査に努力をいたしました。そのときにも申し上げましたように、その事前の行為が選挙目当ての行為であるということを立証するのに取締りの隘路があるけれども、これは努力すると、こういうふうに申した通りでありますが、この内訳はどうかというととであろうと思います。その内訳になりますと、両方関連するような事件等もございまして、正確にずっと拾い上げることが困難でございまするけれども、事前であることだけは明確であるということだけを私ちょっと拾ってみたのでございますが、それは、この中で七百十五人ぐらいでございます。それ以外に、事前と事後との関連で不明確な点がございますので、一がいに言えないのですけれども、大体私、事前の違反行為で今日現在明確に検挙された者は、とのうちでちょっと拾ってみたのでございますが、七百十五人ぐらい検挙されておると、こういう状況でございます。
○成瀬幡治君 件数ではどうですか。
○説明員(中川董治君) 件数では四百十二件になります。
○成瀬幡治君 主としてそれはどれに当りますか。買収、利害誘導等と分けて、あるいは戸別訪問等と分けておりますが、そのうちのどれになりますか。
○説明員(中川董治君) 大体、供応関係になりますから、買収関係と文書図画制限違反に大体入ります。ごく一部戸別訪問がありましょうが、大部分が文書図画制限違反、買収、利害誘導に入ります。
○成瀬幡治君 警察官の取調べの態度なんですけれども、こういう問題は自白に基かなければ、なかなか私も捜査の段階じゃ苦しいということはわかりますが、まあ功を急ぐといいますか、一つとめ置くぞという脅迫がましいことを言って、まあ調書を取るというようなのが、よその県は知りませんが、愛知県では二件ほど私は聞いておるのですがね。これはまあ選挙違反だけではなくて、私は警察官全体の取調べ態度にもなってくると思うのですが、非常にこういう点私遺憾だと思う。もしそういうことを言われたような場合に、被疑者というものはこれに対して……、そういうことを言ってくるわけですね。まあ誘導尋問がありますけれども、そういうような場合に被疑者はどうしたらいいですかな。そんなことならどうだといって食ってもかかれないわけだな、警察官に、泣き寝入りする以外にないかね。そういう場合に、被疑者というものを何か私は守らなければいかぬと思うのですが、何も守られていないのです。それとも、それはやりた方が勝ちで、やられっ放しということになるのですか。
○説明員(中川董治君) この選挙違反のときなんか、特によく御批判を受けるのですけれども、犯罪捜査のあり方の問題全体と関係すると思うのですが、私ども警察指導の根本的の要領といたしましては、その証拠を集めることがわれわれの仕事でございますが、証拠は各方面で集めますが、その証拠の中に物的証拠と人的証拠と申しますか、供述、裁判では証言、この物的証拠と人的証拠の両方を集めるのですが、物的証拠を集める場合にはそう大きい問題はないわけですが、人的証拠——供述を集積する問題について御指摘のような問題があるわけでございます。私ども犯罪捜査をする場合につきましては、供述を集積する場合において、これが任意に供述しないと証拠にならない、法廷におきまして。この原則が憲法を中心にしてあるわけでございますが、供述の任意性ということを私どもは相当強く指導しております。ところが、いろいろ御指摘ございましたように、供述の任意性の疑われるという事案が間々起り得るわけでございます。私どもの側といたしましては、供述の任意性が疑われないように、取調べの方法その他につきまして、供述の任意性を確保するように努力する点を十分今後大いに指導いたしたいと思うのでございます。 御質問は、被疑者のそれに対する防衛策ということになるわけですが、供述の任意性の疑われる事案につきましては、まず第一に、弁護人が法廷において供述の任意性を否定していくという、こういうことで防衛策は現行法があるわけでありますが、われわれは、そういう弁護権の方策を期待する考えを持つことは当然でございますけれども、われわれ捜査官憲側といたしましては、そういう疑われないような方法で供述を聞いていくと、こういう方法で十分今後とも徹底していきたいと思いますが、防衛策としては、そういう弁護権によると、こういうことになろうかと思うのでございます。
○成瀬幡治君 それは、裁判所に出て、調書が効か無効かというような点について、供述が任意であるとかないとかやっても、これは水かけ論になつちゃうんですね。脅迫されて述べたことだけはその通り調書に書かれて、警官が言ったことは書かれていないわけですね。どうやっても水かけ論になってしまって、争って、私はよほどの場合でないと、それは事実を曲げたような場合で、物的証拠が逆に出てきたような場合には、逆にそれをくつがえすようなことは公判廷においてあると思うのですが、そうでない場合には泣き寝入りに終っているのが実情じゃないか。そうでなくて、その場で何か防衛されることがなければ、これは実際、被疑者はたまったものじゃないと思うんですね。あなたに聞くと、何もなさそうなんだが、そうすると警官の方が強い、何をやってもいい。わけのわからないことによって、こういうことを言ったんだろう、いや、言った覚えはない。むしろ警官の方は二名おって被疑者は一人なんですから、二対一になったり、三対一になったりというような工合で……。事実そういうことをやられて、われわれはその話をそういう被疑者から話は聞いて、抗議を警察官にしても、いや、そんなことはありません。そういうことはあなたが言うように、署長はあるいは次席は、必ずそういうものに対してはそういうことはないと言って、注意しておると、あるいは刑事部長もそう言いましょう。しかし、やっていることは事実なんだね。ですから、自白は強要されちゃならない、それから黙秘権もあるんだということを、ちゃんとその通りには書いてある。一番初めにやらせるんです。しかし、非常に形式的になっているんじゃないかと思っているんです。
○説明員(中川董治君) これはまあ非常にむずかしい問題でございまして、結局、民主主義の根本にも関係すると思うんですが、結局すべての供述がそれぞれ、日本国民の、関係者がそれぞれ自分の意思を中心にものを考えるということに関係するわけですが、まあ、私外国などのちょっと事情も聞いてみたんですが、外国の場合でもそれ以外に対策はないのでございます。それで、もう根本は、何といっても犯罪捜査というのは国民の協力がなくちゃいけませんから、たとえば、私がだれかを殺したという場合において、それを見聞した人が、中川がやったことだからあまり言わぬことにしようというようなことだったら、どうしても犯罪の発覚がおそうなりますので、犯罪の捜査ということが、事実を供述するという意味において国民が供述すると、こういうことを基盤として、しかも、その供述は自己の独立した意思に基いて曲げられないでやっていくと、こういうことを基盤にしないと、まあほかのこともそうだと思うんですけれども、犯罪捜査というものは実体がくずれていくと、こういう宿命を持っているのでございますので、私どもといたしましては、警察官憲にその根本理念をよくわきまえさすということはもちろん重要でございますが、だれかがどうこう言ったからしてそれを曲げられて供述すると、こういうことがあってはならないという、国民一般、道義と申しますか、それと両々相待たぬと、なかなか問題の解決には相当むずかしいと思うんです。私ども外国の事情なんかもいろいろそういう問題について聞いてみたんですけれども、それ以外に適当な方策はないと、結局は、自己の意思を良心に基いて話すと、また、話すことは曲げられないで話すということの基礎の上に立って、ずっとみなすべて進んでいくと、こういうことしか方策がないようでございますので、そういう普通の方策でございますけれども、普通の方策をどしどし、警察官はもちろんでございますけれども、犯罪捜査にそういう意味において御協力願う方々にやっていただく、それを妨げるものにつきましては、どしどし発見次第、そういうしかるべき処置をとっていくと、こういうことしかないのじゃないかと思うのでございますけれども、何と申しましても犯罪捜査の根本の問題でございますので、そういう根本の問題が適正にいくように、皆さんとともに努力したいと思うんですけれども、ほかの国の事情なんかを聞きましても、そういう根本の方式を進めていくと、こういうことしかないのじゃないかと思われるのでございます。
○成瀬幡治君 私はそれは、取り調べた警官の方と、それから、それに取り調べられた人を、こういうときに来てもらってやれば、私はある程度明瞭になってくると思う。どこかで一、二回そういうような問題を取り上げてみないと、あなたがおっしゃるように、努力すると、あるいはそういうことのないように万々注意すると、おっしゃることはよくわかりますし、また、御努力されていることもよくわかるわけです。しかし、大体そのぐらいのことで、あなたの方では訓令というんですか、何か、注意せよと、そういうことで終ってしまっておるんじゃないかというので、非常に遺憾にも思います。私も、もう少ししろうとを集めて、機会があったらそういうような取扱いと申しますか、そういうようなことをやつてみてもいいじゃないかというような気持もしているんですが、まあこれはそのときに……。とにかく、何とか一つあなたの方で、そういうことのないような手を打つていただかなくちゃならぬと思う。まあ、ただ注意せいというぐらいのことでは私は持たぬ——持たぬというんですか、だんだんと警察官の方が強くなってしまって、やはり誘導尋問というよりも、むしろ脅迫されてやる方が大きいじゃないかという点を心配しておるから、一つこわされないように守っていただきたいという立場で希望だけ申し上げる。それからまた、機会があったら一つ委員長に取り上げていただきたい。
○本多市郎君 関連して。事前運動の疑いについてですが、裏面においていろいろ現われた事前運動、これはもちろん捜査が非常に困難だけれども、これはやらなければならぬと思うんですが、目に余るように思われるのは、告示の直前、はなはだしきは二、三日前あるいは十日、一週間前に、演説会の告示というポスターの形式はとっているけれども、形式的な演説会を開いて、ポスターを非常に広範囲一斉に張るというようなのは、どうしても事前運動の疑いを受くべき性質のことじゃないかと思っておりますが、ああいうことで疑いを持たれて取り調べられたというようなのはありますか。
○説明員(中川董治君) 今の本多委員の御質疑の点、大へん苦心しておる、のでございますが、どういうことかと申しますと、事前の政治活動は合法である、時局講演会とか、そういったものをやるということは合法であると、それを周知するのにほどほどのことをやるのはけっこうだと思うんですが、お話のようにほどを過ぎて、どうしても事前運動だと認められるものは警察で調べております。調べた結果、その文書図画制限違反として有罪が確定できるものもありますが、それでなしに、どうしても弁解として、事前の政治活動だという弁解がついてしまう、こういう面で有罪の判決を受けられないということが多いので、こういう点で私どもも苦心しておるのでありますが、度を過ぎたというものは調べておりますが、調べた分についても、あるいは起訴され、あるいは有罪判決を受けたものは相当少い数字になってしまうということが多いのであります。私どもは大へん苦心して努力しておりますが、一般の政泊活動であると、こういうような弁解がつく場合が非常に多いということがあります。そういう現状をいろいろ苦心して、一般の政治活動を越えているということの証拠をつかむのに大へん苦心しているのは事実でございます。その結果、あるいはそれを送致する、こういう点もやっております。ところが、有罪判決となりますと、有罪判決を受けた例はきわめて少いというのが実情でございます。
○本多市郎君 むずかしい問題のようですが、一たんポスターを張られた土地の選挙民は、それによってあの人が立つのだということを知る。それがまた明らかに選挙の準備だと万人が認めていながら、法律はそれを認めることができないというのも少しおかしいようです。むしろ期間でも法律で制限して、いつ以後はその氏名の宣伝はできないということに取り締れないのかと思うんですが、これはなお御検討を願います。 なおまた、立会演説のことについて選挙局の方にお尋ねいたします。 立会演説会について、候補者が自分の演説時間におくれた場合の取扱いについて、管理委員会の方針によってまちまちになっておるんじゃないかと思われるんだけれども、たとえば二、三分間おくれたという場合に、三十分なら三十分持ち時間がなお残っているのに、これは失格ということで、次の時間の、次の候補者が来るのを待って、その余り時間を登壇させない、やらせないというようなことになっておるんですか、それとも余り時間はやらせるということになっておるんですか、指導方針はどうなっておりましょうか。
○説明員(兼子秀夫君) 前もって立会演説会に欠席の通知がない限り、その候補者の持ち時間というものは選挙管理、委員会において当然見るべきであると、このように指導しております。でありますから、候補者の到着がたとえ二分、三分おくれましても、おくれたところからスタートして、その残りの時間で演説していただこう、このように指導をいたしておるのであります。 なお、府県によりまして規則で作っておりますので、御指摘の点は十分精査いたしたいと存じます。
○本多市郎君 これは私の体験したことで、栃木県でしたが、候補者が演説会場の前で盛んに演説をやっているから、どうしたのだと言ったら、二分おくれたために登壇ができない。そこで聴衆は待っているのがめんどうくさいのでどんどん帰っていく、しかしあとにまだ二名ほどやる人がある。帰る人に向ってここでやるよりほかはないというのでやっていたのでありますが、二分か三分——何分おくれても理屈は同じですけれども、二分か三分おくれて、なお二十分とか二十五分というような時間が残っている場合は、そのおくれた時間だけその人が権利がなくなったものとして、残りの時間は登壇してやらせるということが、聴衆にも親切だし、候補者にも親切だと思うのですが、そういうような扱いになっておりました。そこで私は、おくれてもやらせるのが当然じゃないかと感じたものですから、ちょっとお伺いしたのですが、できれば、そういうふうな指導をなお強化していただきたい、それだけです。
○説明員(中川董治君) 前の成瀬委員の御質問ですが、御質問の要点は私もよくわかります。私どもも努力します。これははっきり申し上げますけれども、保証という点でございますけれども、両方呼んできて調べたらいいのではないかという考え方、これは現在の裁判がそうなっているわけです。裁判はなるべく間接でなしに、直接審理主義で、警察官も証人に呼び、それから関係者も証人に呼び、裁判所でその供述の任意性を裁判官の自由な心証の前ではっきりさせる、これは現行刑事訴訟法で保証しているわけでございますけれども、間接には調書も作りますけれども、これはおおむね証拠にならない。裁判所は直接審理主義でございますので、調べた警察官も証人に呼び、それから供述した人もそれぞれ証人に呼んで、裁判官の面前で裁判を行う。成瀬先生は水かけ論だとおっしゃいますけれども、そこで裁判官の面前での直接審理で、自由な心証を裁判官に得ていただく、こういう方法で適正の確保をやるわけでございますけれども、それはもちろん期待いたしますけれども、お話のように、捜査官としては供述の任意性については努力することは当然でございます。これは大いに努力しますけれども、最後の直接審理ということは、現行裁判制度が保証している、こういうことになろうかと思います。
○松澤兼人君 ちょっと兼子選挙局長に伺います。さっきお話がありました、新人が今年の選挙で一八・七%という当選率で、期間の短縮ということがさほどこたえていなかったのではないかという御説明があったのですけれども、この中でほんとうの新人と、それから前回出て落選された人、これを分けてみたらどういうふうになるのですか。
○説明員(兼子秀夫君) この七ページの第六表の新人の欄の問題でございますが、私どもの方は、まだいまだかつて当選した御経験のない方を新人として集計をいたしておりますので、今お話のような今までに衆議院議員の選挙に出た人は、あるいは全然初めて研た人という分け方では集計をとっておらないのであります。これをやりますとすると、新聞等で……全部役所の方に統計がないものでございますから、それらでも洗い直さないと、ちょっと統計が出ないのでございます。
○松澤兼人君 逆を言って、当選した人が、前回立候補して、次点かその次か知れないが、落選しているというものは比較的調べやすいと思うのですが、そうして見れば、前回立候補していないという人と、それから全然の新人、それから前回立候補して負けたという人を分けられるのじゃないかと思うのですが、それを分けてみますと、いわゆる新人のうちでも、前回あるいは前々回立候補してだめだったという人、あるいは前回立候補して落選した、その同情票というものがあるということが大体見当がつくのじゃないかと思うのですが、そうすると、そこでもし、前回あるいは前々回立候補して難選したけれども、今回二回目あるいは三回目の立候補で当選した。そういう人は、もう相当選挙民にもなじみができておりますから、あるいは二十日間でもいいということになるし、そうして全然の新人が比較的少いということになると、やはり選挙期間の短縮ということが、やはり影響を与えているのじゃないかという結論が出てくるわけなんでありますが、新人というここに六十六人の当選者がある。パーセンテージでいえば、前回の一五・三%から一八・七%になった。だから新人に対して期間短縮が悪い影響を及ぼしていないということが言えるかもしれないのですけれども、分けてみたらどういう結果になるか、調べられるのですか。
○説明員(兼子秀夫君) 御指摘のようなことが十分にできるかどうかわかりませんが、調査をいたしてみます。
○松澤兼人君 実際は、私たちが公職選挙法の改正法律案を審議したときに申し上げましたように、ほんとうの新人というものは、やっぱり二十日間というものは短かいし、さらに申しましたように、大がい私たちの選挙は、立会演説会になる前に一回りして、それから立会演説会が済んでからまた一回りする、こういう方針をとっているわけなんです。そこで、全然の新人という人がほんとうに名前を売り込むというのは、おかしいけれども、名前を周知徹底させるのに、やはり十日間かかるとすると、たとえば私たちの経験で、真の農民代表だれだれが立候補のごあいさつに伺いました、こう言いますと、真の農民代表だれだれというキャッチャー・フレーズを徹底させるのに、なかなか並み大ていじゃないのです。前議員の場合には、だれだれが参りました。平素何かと御声援ありがとうございました、こう言えば、それで済むわけです。ところが新人の場合、キャッチャー・フレーズでもつて名前を周知徹底させるというのに、どうしても十日くらいかかるのです。その人が来たら、これは真の農民代表だというような結びつきができるまで相当な苦労をしなければならない。相当山の谷合いに入っていくような場合に、あるいはちょっと短かいと思うので、それでさっき言ったほんとうの新人と、そうでない、前回なり前々回なり立候補した人の振り分けをして、そうしてほんとうの新人という人の当選率というものを見なければ、期間短縮というものは悪い影響を与えなかったということの立証にならならないと思う。それは一つ御希望を申し上げておきます。 もう一つ、立会演説会の問題ですが、これは人口と何か市町村、市部別ですか、何か割当——開催の基準があったように思うのですけれども、これも全くおかしな話なんで、聞いていただきたいと思うのですけれども、兵庫県の二区の場合、阪神間と淡路というものがあるでしょう。淡路から三人の候補者が出ているわけですね。全体で十一人ですから、こちらの方の、本土というか、阪神間で八名出ていると、こうします。ところが、全体で、あれは十四、五日ですか、立会演説の日は……、五日から十九日ぐらいですね。その間に淡路でやれば、五日から六日ぐらい淡路ばかりに取られる。そこでおかしな話、というのは、淡路というところは、非常に属国根性が強いところで、外から行ったってなかなか票はもらえない。そこで、あすこから……、名前は言ってもいいですが、原、永田、塩田という三人が出ている。その三人のために、全体の十四、五日のうちの三分の一ですか、といういうものを淡路で使っちゃうのですね。三人のためにと言ってもいいし、露骨な話ですけれども、三人のために五日間を使っちゃう。それからあとの八人のために十日間使う、こういうような格好になる。それが一点。これは演説をすれば取れるというような、そういう、何というのですかな、一般の有権者の気がまえというものがあれば、これは取れるです。同じ基準で割り当ててもいいのだけれども、帰国根性で、外から来た候補者には一票もというのは、これは極端な話ですけれども、票はあまりやらぬわけです。ですから、淡路からいつも二人は出ている。定員は五人なんだけれども、淡路から二人出る慣習になっているから、こっちの方の阪神間では、定員三名といってもいいくらいで、そこへ八人の人が出て、それで立会演説の振り合いということになって、今言ったようなことになってですね、これは薄遇の基準からいえばやむを得ないことであるし、それが必ずしも間違っているというわけじゃありませんけれども、変だと思えば確かに変だと思うのですね。こういうようなことはほかにございませんですか、ないと思うけれども。
○説明員(兼子秀夫君) 兵庫県の第二区のように、島と本土と合せて選挙区といたしておりますところは、長崎の島嶼部というようなところもあるわけでございますが、選挙運動のやり方等につきまして、それぞれ御工夫になっておられることと思うのでございます。根本的には、そういう遠隔の地と申しますか、交通不便の地域を結んで選挙区を作っておるところに無理があるのじゃないかというふうに考えるのでご、さいます。特にそこの地区だけ、何と申しますか、立会演説会の回数を少くするというわけにも参りませんので、現行制度のもとにおきましては、現在のやり方以外には方法がないのじゃないかと、このように考えております。
○成瀬幡治君 関連して。ちょっと資料なんですが、私は、松津さんとは逆に、ある特定の候補者の出身地のところは、立会演説会をたくさん持って、あとは少くしておるという。そこで資料として、立会演説会数ですね、あなたのこの前、十四、五日、あるいはたくさんやれば十六、七日やれるような予定表を出されたのですが、立会演説会数はどんなふうな状態になっておるのか。一つ各府県別に出していただくとともに、人口と立会演説会数というものが比例していなければいかぬと思う。で、極端に比例していないと思う。ですから、結局郡市と申しますか、人口と申しますか、極端に詰まっておるようなところができはしないか、というのは愛知県の第三区だけなのか、ほかにもそういうようなところがありはしないかという心配がありますから、そういうような資料も一つお願いしたいと思います。
○説明員(兼子秀夫君) 資料の点は、ただいま府県に照会して作成中でございます。若干の時間がかかりますことは御了承願いたいと思います。 立会演説会の開催計画につきましては、第百五十三条の二項の規定によりまして、市の方は人口四万ごとにおおむね一回やるように、計画をいたしておりますのでございますので、先ほどのお話の、ある候補者がその市から出ておりますれば、何と申しますか、人口四万ごとでございますので、人口十二万の市だと、そこでは三回やる。しかるに片方の人口四万の市では一回しかできないということは、これは現在の法律上あり得るわけでございます。そういう意味で、不公平があるのではないかとおっしゃれば、確かにあるのでございますが、これは有権者のバランスという考え方で計画を立てておられる。で、おっしゃるような郡市町村というような観点から見ますと、アンバランスがあるわけでございますが、計画全体は、大体人口基準にいたしまして、その地域の何と申しますか、交通の便利というようなことも考慮に入れまして、大体従来の経験から合理的な計画ができつつある、このように私聞いているのであります。
○松澤兼人君 もう一つ立会演説の問題でお伺いしておきたいと思うのですが、立会演説会を開催する順序と申しますかね、ある郡で、北の方からやっていくとか、桐の方からやっていくということは、これは今まで前例もあることですし、ある程度まで選挙管理委員会で自由に決定できるのじゃないかと思います。場合によりますと、南の方でやって、今度北へ行って、その次はまた南の方へ帰ってきて、また北へいくというようなことをやっているところがあるのですね。これはおかしいのです。おかしいけれども、そういうことを実際やっている。それからその演説会に出る順番というものがこれはさまっている。きまっていますけれども、こういうことはできるのじゃないかと思います。ある候補者の地盤であるところの立会演説会に、その候補者がトップに出るかあるいは最後に出るかという問題——大体はトップに出るなんということはさまっていますよ。それからあるいは最終に出るというその順番は、演説会を追っていって、順繰りに繰りこってくるわけですから、それはきまっている。しかしそのときに、ある候補者の地盤であると、こう考えられるところへ演説会を持っていくのは、選挙管理委員会のある程度自由裁量にまかせられているわけでしょう。そうすると、そこへある候補君が最終の番に出るのと、トップの番に出るのとは、非常に大きな違いがある。市でそこのところをやれば、その次の立会演説会に、最後に当るように開催地を決定すればできるわけです。それは違法でも何でもない。もし政治的な意図があって、それでその人がトップに出るというような場合に、その立会演説会の開催地をもう一カ所どこか先へやっておく、そのときはトップになっても、しかし二番目に、その某候補者の出番というものが最後になったときに、そこへ立会演説会を持ってくるということ、これはできることでしょう。そういうことは全然できませんか。
○説明員(兼子秀夫君) 立会演説会は、現在の府県の傾向では、いわゆる班別編成による方法をとっているところが多いのでございます。そういたしますと、先般の改正によって、その期間を二つないし三つに分けて、くじを引くということで、その期間、まあくじの順序は変ってくるわけでございますが、開催地は初めに開催計画を立てまして告示をいたしますから、これはきまってしまうわけです。それでその班に候補者の数が多ければ、二班に分けるということになりますけれども、その班の編成はきまる。そうするとスケジュールに従って動くわけで、ただ期間を分けて、演説のくじの順序というものがあるわけでございますが、これはもうレールに乗ってしまいますれば、いかんともしがたいわけでございます。それから班別の編成によらない方法をとっておりますところは、一応何市、何郡、何町でやるということを、ずっとその町村名を出しまして、それに希望の申し込みを取るわけであります。それでそこの個々のところでくじを引くということでございますから、個々の候補者の利害と申しますか、その演説の順序をコントロールするということは、御本人もできませんし、選挙管理委員会もできないわけでございます。
○小柳牧衞君 今度の選挙法の改正が選挙に接近して実施されたので、ずいぶん選挙事務は混雑したと思うのです。従来の例に比較しまして、何か特別に事故等があったのでございますか。また、将来この調子で別に支障なくやっていけるかどうか、この点を第一にお聞きしたいと思う。 第二は、今度運動期間が短編されたり、また開票の時間が短縮されたりして、ずいぶん選管の事務は多忙をきわめたと思うのです。こういうようなこと、改正案と対照いたして、選管の事務を改善する必要があるかないか。さらにまた機構を改革する必要があるかないか。 第三には、そのために経費を増額する必要があるのかどうか、一回の経験だけじゃはっきりした結論も出ないかもしれませんが、今のところの段階においてのお見込みを承わりたいと思います。
○説明員(兼子秀夫君) 御質問の第一点の、今回運動期間が短縮されて事故等があったかなかったかという点でございますが、これは十分に注意をいたしまして、事故はほとんど全国的になかったように記憶いたしております。 それから開票事務につきましては、従来翌日に回しておりましたものを即日開票に改めるということを、相当府県にやっておりますが、今後もこの傾向は増加をいたしたいと考えております。 それから運動期間の短縮に伴いまして選管の事務は非常に輻湊私どもが考えておりました以上に輻湊して参っております。非常に係としては、何と申しますか、負担が重かったようでございますが、これも今後なれますれば、また考え方は別でございますが、今回におきましては非常な苦労をいたしたようでございます。 なお、今回の選挙におきまして、投票日が平日で、しかもこれを休日扱いにしたという関係から、従来、最近の選挙は日曜日の投票でございましたので、たとえば投票所におきましても、学校等はみんな使える、それが今回は、府県なり市町村の教育委員会でおきめになったようでありまして、区々でありました関係上、講堂は投票所に使っているけれども、一方では授業をやっているというような点で、スペースの点で若干無理があったようでございます。私ども選挙管理をする立場から申しますと、日曜投票が望ましいということが言えるのではないか。それからまた、投、開票につきましては、選管職員だけでなく、市町村、区役所等の他の部局の職員を全部動員するわけでございますが、今回は区役所、市役所等におきまして、第一線の戸籍事務等はやはり若干残さなきゃいかぬというふうな点から、前回よりも動員兵力に若干の、何と申しますか、その面で窮屈な点があったということが一点ございます。なお、従来は日曜日で、いわゆる何と申しますか、日曜超勤あるいは夜業の超勤がついたわけでございますが、今回は平日の勤務——経費の面におきましては、平日勤務というような関係でございましたので、そういう面におきましても若干窮屈であったわけでございます。こういう点におきましても、今後平日において休日に扱うというあの考え方は、私どもやはりいま少しはっきりして、国全体が休日の扱いでかりに扱いをとり得ないといたしましても、選挙関係に動員いたしました職員は全く休日とみなすというような規定の整備が必要ではないかと考えておるのでございます。根本的には選管の機構と申しますか、そういう点が強化されることが必要でございますが、とりあえず、そういう考え方をいたしておるのでございます。 大体気のつきましたことは以上の通りでございます。
○小柳牧衞君 ただいまの御答弁によりますと、選挙法の改正によって特に機構あるいは専務の取扱い方なり経費等においては、今直ちに改善なり増加の必要という結論はまだ出ない、こう承わってよろしいと思いますが、いかがですか。
○説明員(兼子秀夫君) 先般の選挙法の改正の結果、特に機構なり経費等について特段の措置を要するという点はないのでございます。先般の改正以前の問題として、やはり経費方面につきまして若干今後改善をはからなければならぬという点はあろうかと存じますが、先般の改正に伴いましては、特段の措置を必要とするというようには考えておらないのでございます。
○小柳牧衞君 次に、公明選挙運動についてちょっと伺いたい。公明選挙運動の効果を具体的に聞くということは、これは無理な話だと思いますが、しかしそれはまことにけっこうなことであって、困難であってもやらなければならぬことでありますが、できるならば、やはり適切な方法を考えて、その効果が現われることを希望するわけなんですが、今御配付になりました投票率等によりますと、群馬県、山形県、長野県等は割合にいい成績を示しておる。前町もそうでしたが、こういう地方は公明選挙運動が相当徹底している結果であるのかどうか、あるいは他の理由においてあるいは偶然の結果であるかというようなこと。 それから選挙違反のことについては、まだこの点をお聞きするわけにはいきませんが、選挙違反等においても、公明選挙との関係において運動の効果が現われておるのだというような点等についてお気づきがありましたならば、その点もあわせてお聞きしたいと思います。
○説明員(兼子秀夫君) 公明選挙運動と申しますか、選挙の常時啓発につきましては、三十二年度から予算措置をもちまして実施をいたしておるのでありますが、この効果が相当あったように見るのであります。具体的に常時啓発の効果がどうなっておるかということは、個々の代表的な府県を選びまして、効果測定という調査をやっておるのでありますが、今回の選挙における投票率を見ましても、女子の投票率が上ってきて、男子との差がなくなったということが一つ、それから東京等大都市の投票率が上ってきたという点は、従来私どもこういう点につきまして力を注いで参ったのでありますが、今回は全国の第一位のところの投票率は前回より低くなっておる。男子の投票率は全国的に低くて、しかも全体の投票率は前回よりは上っておるということは、何と申しますか、投票率の引き上げということを無理をしないで、しかも投票率が上っておるということが言えるではないかと思うのでありまして、こういう点においても、一年間の常時啓発の効果が出ておるというように府県の係は言っておるのであります。私どももそういうふうに解釈をいたしておるのでありますが、なお具体的に、個々の有権者がどういうふうに今変ってきたかというような効果測定の調査はいたしておるのでございます。
○説明員(中川董治君) 選挙違反の面から公明選挙運動の効果を数字的に立証することは非常に困難なんでございますが、と申しますのは、公明選挙運動が皆さんの御努力によってだんだん進展する結果、犯罪の減る面がございます。ところが、公明選挙運動がだんだん進展することによって、ああいうことをやったのはけしからぬじゃないかというような空気が出てきて、それを警察に構ってくれる。そういう結果、従来よりも、警察の努力のみをもってしては発覚しなかった違反も出てくる、こういう二つの面がございますので、数字だけできちっというわけにはちょっと参らないのでございますが、われわれ、このいろいろな傾向等を見ておりますと、選挙違反の傾向が、どうもだんだん選挙運動関係者相互間の違反が行われておる。たとえば金円を交付するにいたしましても、運動のためによろしく頼む、こういう金円の交換が多くて、選挙人買収と申しますか、投票を直接買収する事件は、あることはありますけれども、そう、だんだん従前の選挙に比しては少くなっておる、こういうこともありますので、大体私どもは、公明選挙運動をいろいろ各方面の御心配によって御努力願った結果、だんだん選挙民の自覚といいますか、選挙はおれたちがやるのだという国民の自覚というものがだんだん起きて一きた。そのスピードはスピーディだとは申し上げにくいのですが、だんだん公明選挙運動の結果が違反上面にも現われてきておるのではなかろうかと、そういうふうに私どもは見ておるのでございます。 先ほど申し上げましたように、プラスとマイナスの面がございますし、数字としてははっきり立証できないのでございますが、私どもは全国の違反の傾向なんかを見ておる立場から申しますと、公明選挙運動がだんだん効果を現わして、お互いが選良を選抜するという空気が、少くとも一般国民の間には普及しておるという……、違反は選挙運動関係者相互間に行われている、相互間で片方のビラをはがしてみたり何かするようなことはもちろんございますけれども、そういうふうにまあ見ておるのでございます。
○小柳牧衞君 その公明選挙の運動は非常に大切なことと思うのです。しかしこれは非常に困難なことだと思います。選挙に直面した際に、ある具体的の事例等をつかまえて将来の方針を定めることがきわめて私は必要だと思うのです。で、今度私どもが選挙に関連して考え、感じたことは、今度選挙の自由の妨害とか、あるいはヤジとか、そういうような点が非常に減ったということは、いろいろ理由もありましょうけれども、公明選挙運動の一つの結果じゃないかと思うのです。その半面に、選管の人とか、あるいは公明選挙運動に運動している人たち自体が、やはり選挙に直接間接に関係あるのですから、その人の行動を見ると、表面で公明選挙を唱えるのと対照して非常な妙なことが多いのじゃないかと思うのです。こういうようなことはよほど将来も運動の根本として考えていただきたいと思うのですけれども、まあ今度の選挙に直面して、何かあなた方の方で具体的にこの点は特に考えなきゃならぬとかというようなととをお感じになったことがあったら承わりたいと思います。
○説明員(兼子秀夫君) 公明選挙運動につきましては、常時啓発は、直接まあ選挙に触れなくても、有権者の考え方と申しますか、自分で判断する力を養うという点に主眼を置いて常時の啓発をやる、選挙に際しますと、いわゆる臨時の啓発と申しますか、選挙の公明化を直接呼びかけるというやり方をしておるのでございますが、府県によりましては推進委員と申しますか、公明選挙のその地区の推進をする人を委員に委嘱をして進めていっておるようでございます。そういう方々に御努力を願うわけでございますが、中にはやはり従来のまあ選挙運動と申しますか、そういう感覚から抜け切らないような人も若干入っているのではないかという点を私ども常に心配をして注意をいたしておるのでございます。やり方といたしましては、有権者の判断力を養うという点に主眼を置きまして話し合い運動を徹底して参る、こういう考え方でございます。
○委員長(小林武治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記をつけて。
○成瀬幡治君 新聞社の当落の予想といいますかね、これで私は有利になった人もあるし、不利になった人もあると思う。普通こういうものについてはどういうふうにお考えになっておるのか。何かいわゆる大新聞の予想というものは、やはり功罪相半ばするのじゃないかと思うのですが、あなたの方では何かこれについて議論されたこともありましょうし、あるいはどんなふうにお考えになっておるか。
○説明員(兼子秀夫君) いわゆる大新聞の選挙記事の扱いの問題でございますが、これは御承知の通り選挙法で報道評論の自由という規定があるわけでございます。それで、特に事実を盃曲しない限り、何を番いてもよろしいということになっておるのでございまして、私どもの方にも、今回の選挙である新聞には自分の名前が載っておらぬ、けしからぬではないかということを抗議された方もあるのでございますが、新聞としてはそれぞれ根拠をもって報道をされておるのではないかと思うのでございます。影響がないというわけではないと思うわけでございますが、刻々運動によって中身は変っていく、新聞はまたそれを追って番いていくということが建前であろうかと思うのでございます。 それから、問題は、投票開票日の予報の問題もあろうかと思いますが、今回は全部の均区ではございませんが、いわゆる速報を従来新聞社でやっておりましたものを、私の方と新聞協会と話し合いまして、府県選管とそれぞれの新聞の出先との間に話し合いをさせまして、選挙管理委員会で速報を一元的に扱う。ただ個々の新聞によりましては、その上にどこの地区がまだ出てないというところで、若干の、何と申しますか、予測というものは入れてやられたところがあるようでございます。そういう意味におきまして、その予測がはずれておるということが若干あったようでごさいますが、そういう点につきましては、今後新聞社の扱いその他についてまた話し合いの機会があろうかと思います。
○成瀬幡治君 開票時の速報については、私も今度は選管と連絡があって、予想的なものはないからそういう悲喜劇はなかったと思います。しかしこれは非常に有力だといわれたために、その人が非常な被害をとうむつたと、それから、この人は非常に危ないからいま一歩だというようなことを出されたために、非常にその人が有利になった場合もある。だから私は功罪半ばすると思うのですが。ですから、こういう新聞の予想というものは、今おっしゃるように法律では何ら差しつかえないじゃないかこう言われればそれまでですけれども、これはやはり予想は予想なんだね、あくまでも。それで、あなたのおっしゃるように、選挙運動の仕方によって刻々変化すると、これは逃げ道もあると思いますが、しかしそういう、何というのですかね、重大な影響があるということは私は認められると思うのです。とするならば、新聞社もよほど私は自重してやっていただかないと、新聞の予想によって落選した人もあれば当選した人もあると思うのです。一つの選挙運動にもなると思うのですがね。一つ私も、どういう結論でいいのか、ちょっとありませんけれども、このままにしておいていいものかどうか、とにかく研究課題だと思いますから、一応検討してもらいたいと思います。
○委員長(小林武治君) では、本件はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(小林武治君) この際、報告書についてお諮りいたします。 本院規則第七十二条の三によりますと、委員会が閉会中調査を終らなかった場合には、議長に対しその旨の報告書を提出いたさねばなりません。よって当委員会におきましては、今次閉会中継続して調査を行いました地方行政の改革に関する調査につきましては、未了の旨の報告書を提出いたすこととして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。 なお、報告書の内容は、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めてさよう取り計らいます。 これにて散会いたします。 午後零時九分散会