大蔵委員会 第20号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/03/26
会議録
○理事(木内四郎君) ただいまより大蔵委員会を開きます。 まず、たばこ専売法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質問のある方はお願いいたします。
○平林剛君 本日は総裁か専売公社の責任者にもおいでを願うようにお話をしておいたのでありますが、とりあえず専売監理官に若干最終的質問を行います。 第一は、たばこ耕作審議会の委員の選任の方法についてであります。先回私もこの点についてお尋ねをいたしておきましたが、監理官の答弁は、これに対して耕作者を代表する委員については耕作団体の推選する者をこれに充てるというお話がございました。ただそこで若干疑問に思いますのは、今回その構成数の半数程度が耕作者の代表として選任をせられるわけでありますが、そのとき耕作者団体が、九名であれば、四名を推選をしてきてそれをそのまま認めるか、かりに今検討されておるような十一名構成であれば五名を推選をしてきてそのまま政府がこれを認めるのかこの点が明確でないのであります。先回のお答えの中には複数程度を推選してもらって、それをチェックするというような意向もあったように思うのですけれども、一体その点はどういうふうになっておるのですか、どういう考えで政令に定めるつもりか、この点を明らかにしておいていただきたいと思うのであります。
○政府委員(村上孝太郎君) ただいまの御質問は、総裁が審議会の委員を委託します場合に、必要数の推選を受けてそれを委嘱するか、それとも必要数以上の人数の推選を受けて、その中から委嘱するかという問題のようであります。推選の形というものが、どういう形でありましても、事実問題といたしましては、審議会の委員を耕作者から出ていただきますときには、事前に委嘱をします公社側と、それから推選をします耕作者側との間に十分な隔意ない話し合いが行われるわけでありますし、こういうふうにお互いに立場を尊重したような選任の仕方を事前にやっておきませんとあとの運営もなかなかうまくいかないわけでございますので、私はそうした事前における両者の話し合いというもの、あるいは意見の交換というものが行われるという従来のしきたり、数から申しますというと、推選は、必要数だけの推選を受けてそれを委嘱する、こういうことだけでも少しも支障はなかろうと思っております。
○平林剛君 事前において隔意ない話し合いをしてきめることもいいし、それから耕作団体の推選する者をそのまま認める形でも差しつかえはないというお答えのように聞きましたけれども、私はこの推選は耕作団体の自主的立場を尊重するという立場をとる必要があると思います。ことにもしかりに、事前において隔意ない話し合いを耕作者を代表する者について話し合うならば当然総裁が自由に認定することのできる学識経験のある者の委員についても、事前に隔意ない話し合いを行う必要がある、こうなって参りますから、もしかりに学識経験のある者の中から、公社の総裁が委嘱する者については、事前に隔意のない話し合いをしないならば、同様に耕作者団体の推選する者もそのまま推選をしてそれを任命する、委嘱する、こういうやはり対等といますか、不公平のないようなやり方をとる配慮が必要だと思うのであります。法律の趣旨はいずれについても阻害しておるものではありませんから、結局総裁の判断、あるいは今後の運営についてお尋ねをしなければなりません。のちほど総裁が来たならば、この点について私としては確認化して参りたい、こう思って、おります。 そこで第二の問題でありますが、葉タバコの標本を定める場合の措置についてお尋ねいたしたいと思います。御承知のように今回の法律案で葉タバコの価格についての基準や、あるいはそれを検討する機関については法律で定められることになりましたが、葉タバコの標本の設定いかんによりましては、葉タバコの収納は大きな変動を受けることは、これは従来から見ても当然のことになって参ります。私は葉タバコの標本は、葉タバコの価格と切り離すことができない。従ってたばこ耕作審議会は、この標本設定についても当然必要になると思いますけれども、政府の今回の提案は、この耕作審議会において、葉タバコの標本の設定の仕方等については触れることを禁止しているかどうか、そういうものでないと私は解釈をするのでありますが、提案者である政府当局の考え方はどういうことで提案をなさっているか。
○政府委員(村上孝太郎君) ちょっと私趣旨を聞きもらしたのでありますが、葉タバコの標本の設定がどういう趣旨かということについて、ちょっともう一度説明していただきたいと思います。
○平林剛君 よく聞いていてもらいたいのですが、葉タバコの標本はこれは価格と切り離すことができない関係にある、つまりいかに葉タバコの収納価格を一等から八等まで幾らであるときめましても、標本のきめ方によっては、その最終的な結論というものが変ってくるわけなんであります。特に葉タバコ耕作地帯地方へ参りますと、現在はどうかわかりませんけれども、従来では優等葉のある地域と優等葉のない地域とありまして、優等葉のない地域では幾ら優秀な、優等葉に匹敵するようなタバコが生産されましても、優等葉で買い上げにならぬ、専売公社の方も、優等葉をその地域に置くかどうかは、かなり政策的にきめていた時代もあったわけであります。こうなりますと、葉タバコの標本の設定いかんによって、タバコ耕作者の収納値段は、財源的にも相当違ってくるわけであります。すなわち葉タバコの標本は価格と切り離すことができない条件下にある。そこで私はこの標本のきめ方についても、価格と切り離せないのであるから、たばこ耕作審議会においてもそれぞれ意見なり、あるいはそのことについての検討を行うような事態が起きてくる、今回の法律案は、それを禁止はしていないでしょうねと、こういうお尋ねであります。
○政府委員(村上孝太郎君) 今度の審議会におきましては、価格及び耕作に関する重要事項の審議をいたすことに相なっております。そこで価格といっておりますのは、もちろん何等の葉を幾らにするということのみならず、価格に関係する重要な事項でありますれば、もちろんこれを禁止するわけではございません。ただ標本の設定に関しましては、従来もそういうような価格のいかんにかかわらず、標本のきめ方いかんによっては結局価格である程度値上げをしようが、値下げをしようが、標本の作り方いかんによっては、逆の結果にもなるということから、その決定の民主的な方式というものがいろいろ要求もされておりました。それで現在ではそういう御要望も入れまして、この標本の設定に関しましては、その地方の耕作関係の代表者といえる方々を入れまして、われわれの方としましても民主的にやっているつもりでございます。 それから先ほどちょっと審議会の委員の推選のことについて、私が御説明申し上げましたことを、まあ趣旨は平林委員のおとりになった通りでございますが、ちょっと私の申し上げました言葉の表現が足らなかったというところを補足させていただきますけれども、事前にいろいろ打ち合せてもいいし、推選してもらった者をそのままのんでもいいというようなふうにおとりになったようでありましたが、私が申し上げましたのは、たとえ四人なら四人、五人なら五人、必要数の推選をしていただく形にしましても、その場合に、これは通常のしきたりとしまして、正式に推選をしてくる前に、いろいろ業界の方と公社の方々との間で、話し合いが行われておるような事情でありまするから、公社としましても、四人なら四人の必要数は、そのまま推選していただいても、決してその推選形式には困ることはない、こういうことを申し上げたわけであります。
○平林剛君 第一の質問については、またあとで直接運営に当る総裁にお尋をいたしますから、そのときに、またあなたの方にお考えがあったら述べていただきたい。今の第二の私がお尋ねをしたことについては、葉タバコの標本のきめ方等について、たばこ耕作審議会で検討することを拒否しているものではないかという質問をしたのであります。立会制度を従来やっていたとかいないとかいうようなことではなくて、この審議会でその問題を検討することを拒否しているのではないでしょうねということについて、私の質問に的確にお答えを願いたい。
○政府委員(村上孝太郎君) 私は、それが審議会の対象といたしておりますところの重要事項であれば、もちろん拒否するものではございませんということを申し上げたのであります。
○平林剛君 葉タバコの標本のきめ方は、たばこの価格と切り離すことのできない重要なものでありますから、これは今のお答えで、耕作審議会の中において議論し、検討することができるものである。こう解釈いたしまして、総裁がおいでになりましたから、先ほどの質問に戻りたいと思います。 専売公社の総裁にお尋ねをいたしますが、今回、たばこ専売法の改正で、新たにたばこ耕作審議会が設けられることになるわけであります。この場合に、審議会の委員は、その半数程度耕作者を代表する者を総裁が委嘱することになっております。これが四名になるか五名になるか、なお、審議を継続中でありますけれども、この委員の委嘱に当って、私どもとしては、耕作者を代表する者は、耕作団体から推選した者を専売公社の総裁が委嘱する形をとるべきであることを要望しておるわけであります。これについては、政府の提案趣旨もその通りであるということを開いております。ところで、たとえば四名なり五名の耕作者を代表する委員を耕作団体が推選する場合、あなたは五名の委員を選ぶのに、八名を持ってきなさいとか、十名持ってきなさい、その中から私が適任者を選びますというようなやり方をとるのか、それとも耕作者の団体が自主的にきめてきた者を、自動的にその自主性を尊重して総裁がこれを委嘱する形式をとるのか、どういうお考えですか。今後の運営にも関係がございますから、あなたのお気持を、今後の方針について明らかにしておいていただきたい、こういう質問であります。
○説明員(松隈秀雄君) たばこ耕作審議会ができました場合において、その委員の中に、耕作者を代表する委員を委嘱するという場合についてのお尋ねでありまするが、耕作団体とあらかじめ話し合いまして、たばこ耕作審議会の委員として適当である。こういうような人の推選を待って委嘱したいと、かように考えまするので、実際においては、話し合いの結果、十分了解を得た人が推選されて、その方々を委嘱申し上げる、こういう運営になるかと考えております。
○平林剛君 そこで私、問題になるのは、事前において隔意のない話し合いをすることは、専売公社と耕作団体の従来の関係からいって、望ましいことであります。望ましいことではありますが、事前において隔意のない話し合いという中で、権力機構の強い専売公社側が、ある程度耕作者の団体から推選する者に対して、チェックをしたり批判したりして、そうして公社の思うような人を選ばさせるまでは、その事前の話し合いがついていないというような運営の仕方をいたしますと、耕作者の団体の自主性を著しく阻害されることに相なるわけであります。私はそういうことを考えて、公社の総裁が、耕作者を代表する者を委嘱する場合には、耕作者の団体の自主的立場を尊重するという言明をいただきたいと思うが、いかがですか。
○説明員(松隈秀雄君) 耕作者の団体の自主性を尊重しつつ、たばこ耕作審議会の委員として適当であるかどうかということをあわせ考慮して、あらかじめ十分な話し合いによって、了解を遂げて委嘱するということになりますれば、ただいまお述べになったような御心配の点はない、かように考えております。
○平林剛君 私は、耕作者の団体が、この法律に基いて、耕作者を代表する者を推選する場合には、今総裁が述べられたようなもう一つの条件については、十分検討して推選するものと考えておるわけであります。耕作者の団体といえども、この法律に反したり、あるいは適任者でない者を推選するはずがない。それを前提にしている。それは信用してよいのじゃないか。そういう場合に、専売公社は、耕作者の団体の自主的立場を尊重すべきだ、こういうことを申し上げておるわけであります。もしかりにあなたが、それでも専売公社の総裁から見て、適するとか適さないとかいう争いが起らないとも限らない。そうなった場合を憂えるので、私は自主的立場を尊重するのを第一原則にすべきだということを強調しているわけであります。もし公社が尊重しつつ、なおかつ総裁としての判断を加えるというならば、逆な立場でいって、専売公社の総裁が、独自で委嘱できる学識経験がある者についてもどうだろうか、こういう人を私は選びたいと思うけれども、事前にあなたの方とも隔意のない懇談をしたいという程度のことをおやりにならなければ、どうも片寄ってしまうではないか、今後の運営を心配して申し上げておるわけであります。先ほど申し上げたことを繰り返すことになりますが、あなたは法に基いて、そして耕作者の団体が、全般の知識その他経験がある者を推選するということを信用して、その自主的立場を尊重してもらいたいと思うのでありますが、再度お考をお聞きしたいと思います。
○説明員(松隈秀雄君) 耕作者団体の自主性を尊重するという御趣旨については、おっしゃる通りであります。そのつもりで運営して参りたいと考えます。
○平林剛君 そこでもう一つ最後に、総裁並びに白井政務次官あなたにお尋ねをいたします。今日までたばこ専売法の改正懇談会として、当大蔵委員会の委員が、昨年来いろいろ相談をして参りまして、先ほど葉タバコの標本の決定の仕方、それから鑑定の方法等について、特に葉タバコの標本の作り方に当っては技術的に正確を期するということはもちろんであるけれども、同時に科学的権威を加えるための研究機関を設置するとかあるいは標本の作り方、作る場合にタバコ耕作者の代表を立ち会わせる等、格段の措置を講ずる必要がある、こういう結論に達しておることは御承知の通りであります。政府はその具体的な方策についてこの懇談会の結論を受けてしさいに研究をし、成案を得て、これをすみやかに実施する用意がございますか、政府の責任者のお考えを聞きたい。同じ問題についても総裁からもお答えを承わっておきたいと思います。
○政府委員(白井勇君) 今平林委員のお尋ねでありますが、これはたばこのみならず、たとえば食糧のようなものでも同じことだと思いまするが、管理あるいはそれに近いような形で集売されておりますようなものにつきましては、もちろんこれは法律等あるいは規則によりまして一つの資格といいますか、そういうものがきまっておると思います。それに基きましての今お尋ねの標本でありまするが、そういうようなものを設定をいたします場合には、これは当然生産者はもちろんのこと、その方面に関係のありまする方々の考え方を十分参酌いたしまして適正にきめられるような制度が順次確立して参らなければならぬのではないかと思います。今お尋ねの点につきましても十分検討いたしまして、もし今足りない点がありますればそういう方向に向くように考えたいと思います。
○説明員(松隈秀雄君) 葉タバコ鑑定標本を作成する場合におきましては、現存地方局において鑑定標本を作成しまして、それを本社において査定して決定いたします場合に、事実上耕作者の代表者を立ち会わしているという実情でございます。 なお、現実の収納の場合において鑑定して等級、価格をきめるのでありますが、その場合に一々耕作者を立ち会わせるということは、実際問題として非常に手続が複雑になりまするので、現在では行なっておりませんが、今後においてもその点は無理だと考えております。
○平林剛君 総裁は専門的立場で今後無理だというお話をしましたけれども、私どもの懇談会としては各方面からの意見、それから実際上の方式に検討を加えて、葉タバコの標本の設定に当っては技術的に検討することはもちろんであるが、科学的な権威を加えるために何か適当な機関を設けて、それについて研究をするとかあるいはタバコの耕作者の代表を立ち会わせるような格段の措置を講ずることの必要があるということを認めたわけであります。政務次官は考えたいということでなく、本来であれば、これは私ども共同して決議をしたいと思っているくらいのものでありますから、考えたいではなく、大体懇談会の結論を研究し、そうしてこれをすみやかに実施するように配慮する、こういう答弁をいただければ、そうすれば私はこの質問を終るのです。
○政府委員(白井勇君) 私申し上げた点において欠ける点があったかと思いますが、前提といたしまして私はそういう方向にあるべきものであるということは先ほど申し上げたはずであります。で、現在のタバコの収納につきましてそういう点につきまして欠ける点がありますれば、そういう方向に順次持っていくように政府といたしましても努力をしなければならぬ、こういうことを申し上げたのであります。 それからただいま私聞いておりまして、総裁の御答弁がありましたが、その収納も、何も収納の現場そのものに生産者を一々立ち会わせまして、そこで標本をきめるということではなく、標本をきめます場合の措置について平林委員は御質問になっていると思いますが、その点については私はお答え申し上げたのであります。
○平林剛君 まあ万全のお答えとは言えないけれども、この点で将来何らかの結論は出ますから、私の質問は終ります。 総裁に申し上げておきますが、たばこ専売法改正の懇談会においては、現在の専売事業の運営等をしさいに検討した結果、葉タバコの鑑定等に当っても、あとうる限り耕作者の代表を立ち会わせるなど格段の配慮が必要であるという結論に達しておるのでありますから、まだ法的の決定というわけではございませんけれども、そういう要望が議会に強いということを承知して、今後の運営につきましても研究をしていただきたい、これを要望いたします。
○野溝勝君 総裁に簡単にお伺いをいたします。 昨日、全日本農民組合の大会がございまして、その大会の決定を持たせまして、それぞれ各当局に陳情要請をしたのであります。その一つとして石川県の全日農農民組合連合会の要請は、黄色種葉タバコ減反と、それから検査制について強い要請がありました。昨日、代表が石田副総裁にお目にかかりまして要請をしたのでございますが、その件につきましては総裁は了承されていますか、いかがですか。
○説明員(松隈秀雄君) 昨日、タバコ耕作をされる農民の方々の一部の代表の方が公社にお見えになりまして、本年においてはタバコを作り得るであろうという予想のもとに松林であったか、切り開いて準備をしておったところが、公社の方針が、葉タバコについては減反という方針をとったことの結果、せっかく準備したのに目的が達せられなかった、ぜひこれらの地域についてはタバコ耕作が許可されるように配慮してほしいという陳情があったということは承わっております。その際も公社側としてお答え申し上げたと思うのでありまするが、三十三年産の葉タバコにつきましては、ことに黄色種につきましては三年連続豊作のために、非常に公社の葉タバコ手持数量が増加いたしましたので、やむを得ず七%程度の減反をいたすことに相なったので、そういうようなある意味での手違いというようなことも起きましたことは、まことにお気の毒だと、かように思うのであります。三十三年度としてはきまったことであるからやむを得ないことである。次の年度においてそういうような特別に予定までしたというようなところをどう扱うかということは、次の年度の葉タバコ耕作計画と関連せしめて考えざるを得ないのでありますが、今回法律が改正になりまして、葉タバコ耕作審議会と、こういうようなものが設けられまして、いずれ耕作反別につきましては重要事項として耕作審議会の意見も聞くと、こういうようなことになりますと思いまするので、そういう特殊事情のあるところはあるところとして、そういう説明もして、審議会の意見を聞いてきめることになるだろうと思います。ただ、大勢として三十四年産の葉タバコがふやせるか、あるいは大体横ばい程度か、やはり依然としてもう少し減らしてもらいたいというような段階になるかと申しますることは、三十三年産の葉タバコがまだ何とも見当がつかない。ことにこれは相当天候等によって支配されまするので、それらの状況を見た上、あらゆる資料を取りそろえて十分に御審議を願うことにいたしたい、かように考えております。
○野溝勝君 さようなことは総裁の耳に入りまた総裁自身でさような要請にこたえての考え方を今お答え願ったんですが、私はこれは重大問題だと思うのです。専売法二部改正法案につきましては、種々検討されましてだんだんと結論に近くなったようでございますが、特に今日この改正法案についての審議の山ともいうべきものは、働く農民に希望を持たせる。耕作者に経営の安定化を期し、その生産を高めるということが大きな目標となって意見が開陳されておると思うのです。今申されましたごとく、これは石川県の耕作農民の悲劇でございますが、これは石川県だけではございません。せっかく当局が大いに増反をしてもらいたい、大いに種類の改良をしてもらいたいといって盛んに指導奨励しても、農民はそう簡単に作付転換などできるものではない。何年かの展望において作付転換をするのです。ほかの商売と違って、ことしはこうだから来年はこう、ことしは増産をする、来年は減産だと、そんなことでなかなか農民は転換ができるもんじゃないのです。大体将来の長い展望においてせっかくタバコ耕作に転換したんです。まあ作付用意をし、また万般整えてタバコの耕作をした。しかるに一年後に減反だとは何事ですか。一体あなた方は、森林政策等からみて、せっかく伸びんとする松林を伐採せしめて、そうしてタバコを耕作する。ところが、その伐採をしたということは、森林自体が樹齢、すなわち年齢が来ない若木でおしい時期に伐採さしたでしょう。この点からみても、国家的損失が大きいと思う。それから農家経済からみてもそうなんですね。こういうことは単に石川県だけじゃない。昨年本委員会の命令によりまして私どもが四国方面の視察に参った際に、四国におけるタバコ耕作者の方方とも会い、また耕作地の状態も視察して参りましたが、彼の地におきましては、あの専売局の真柄局長以下専売局の方々と耕作者の方々とは非常に緊密な連絡をとっているために経営技術各般が円満に遂行され、行政がよくいっていたことは委員一同は感心をしてきたのであります。他地方におきましても専売局の係の方々とそれから耕作者の方々が、お互いが生産者の気持ちをくみ、お互いがほんとうに率直な話し合いをしていけば、こうした間違いは起らぬで済んだと思うのです。他に長野県、栃木県におきましても福島県におきましても、石川県のような問題はたくさんあるのです。そういう点についてこの際総裁も本法案が可決された暁においては、審議会等において減反検査制度、価格等の問題を十分考慮すると言いますけれども、考慮するというだけで過ごすのでは非常に物足りない。こんなことでは私反対なのであります。そこで七%を一律に減反すると言いましても、一体今申しましたように当局が奨励しておきながら急に減反を強いる場合、それから奨励をしなくても農民が経済的に他農産物よりは引き合うという場合すなわち自主的にやった場合、これは大きな違いがあると思うのです。耕作地として適するという場所で奨励をしたものは、当局が土壌検査なりの結果適地とされたのであって、これが一年後に対象にするということは公社の責任である。それから後段で申し上げましたように、自主的に作付転換する場合、たとえばコンニャクよりは割が合う、やあ養蚕より割がいいぞということで、自分がみずから転換をした場合、減反されたとしても、それは思惑外れということで公社の責任ではない、この二つの考え方に大きな違いがあると思うのです。これを一律に減反するということは酷というより失政である。それが、昨日の陳情になって表われ、日本農民組合——全日農の大会で取り上げ抗議となったのである。この考え方に対して、今後総裁は、どういうふうに一体善処しようとするのか、この点を一つ明らかにしておいていただきたいと思う。
○説明員(松隈秀雄君) 今回のと申しますか、昭和三十三年葉の耕作反別をやむを得ず減反するに当りましては、できるだけ耕作農民の方々の了解、納得を得るようにということのために、わざわざ地方の局長、あるいは生産部長を集めて十分に審議をいたしましたので、できるだけその方針のもとに実行に当ったと思うのであります。ただ地方によりましては、それが十分徹底して行われたところもあり、また地方によっては必ずしも十分とは言えなかったと、こういうような点がありまして、御不満のお言葉になったところもあるかと思うのでありまするが、手前において十分話し合いの上減反を円滑に実施するようにということのために手を尽したことは事実でございます。 それから次の、黄色種を七%減反するという方針を立てたのでありまするが、この場合におきまして、非常に希望の高いところと、あるいは他に転換等できるからして希望が比較的薄いと認められる地域との間に差等を設けて減反をして、全体として平均七%になる程度の減反を実施したらどうかということは問題になりまして、全国の生産部長を集めた際にも、その点慎重に審議したのでありますが、実際問題といたしますと、大体特別に今年は手が足りないとか、あるいは他の農産物にかわりたいというような関係で、廃作を希望する向きがぼつぼつありますけれども、地域としてまとめてみますと、耕作を続行したい、場合によってこれを拡張したいと、こういう希望者の多い方がほとんど全部といってよいぐらいでありますので、その間に平均七%としたときに、現状維持とかあるいは五%減とかいうようなものを作り、一方においてそれをカバーするために一割も減反する、こういうような地域を設定することは非常に困難で、むしろ実行不可能、かように考えましたので、全国の標準としては七%ときめましたけれども、これを実際におろす場合におきましては、やはり数多くの耕作者の中には手不足であるとか、あるいはタバコは連作ができませんので、耕作反別が少いというと、うまく他の畑を得て耕作を代替させるという点に不便があって、今年は休むというような人も出ることは事実であります。それらの点をかみ合せて、同じ七%を地方におろすにいたしましても、なるたけ廃作者というようなものを考慮して、どうしても続けたいという人、あるいは拡張させなければ無理だというようなものに強く当らぬようにという配慮は十分に加えつつ実行した、こういうことになっております。
○野溝勝君 今総裁は耕作農民は減反はおそらく皆反対という傾向にあると、そこで問題は余剰農産物との関係になってくるのでございまするが、それほど日本のタバコ耕作者が熱望しておるのに減反をして、何で一体外国のタバコを入れなければならぬのですか。総裁の所見を聞いておきたいと思うのです。また今後さようなことについては耕作者の要求に応じ、日本の農民の要求に応じて、外国のものは入れないという方針をとるのか、あるいは高等政策によってさようなことができないような情勢になるのか、あるいは専売当局の自信によってやることができるのか、あるいは全回の一部改正によって今度審議会というものができるようになって、減反の問題もここで審議することになるのでございますが、果して審議会の自主性が保たれるのかどうか、そういう点を一つこの際あなたの将来の展望としてお答え願いたい。重大な問題でございますから……。
○説明員(松隈秀雄君) 余剰農産物といたしまして葉タバコを買いつけたというのは昭和三十一年まででございます。三一二年におきましてはすでに三十三年葉を制限せざるを得ないというような状況が大体見通しされましたので、一時そういう話が出たこともございまするけれども、公社といたしましては葉タバコ手持ちが増大しておる際に、もう余剰農産物としてのアメリカ葉の輸入は受け入れかねる、こういう方針をとりまして政府に連絡いたしましたので、三十二年度からは余剰農産物の葉タバコは買っておりません。しかし他の目的で外国葉は輸入しておるのでありますが、これは日本の葉タバコの性質が多雨多湿であるというような関係からして非常に中性的な葉が多い。それはなるほど各地においてそれぞれ色なり味なりについて特色のある葉ができつつあることは事実でありますけれども、なお、それだけを組み合せましても日本葉全体の特色からいたしまして十分なかおりと味が出にくいそういうことのために上級たばこには外国葉を入れておるのでありますが、これは全く特殊なにおいと味とを出したいというだけの目的のために入れておりますので、最小限度の輸入にとどめております。全体として外国葉を使っておりますのは全葉タバコ消費量の三%か四%程度のものでございます。従ってその数量は決して多いとはいえない。なお、これをやめてしまえれば、それにこしたことはないのでありますけれども、これをもしやめるということになりますれば、たとえばピースにしてみたところで世界一流品と比べて遜色はない、こういうようなことをいって国民にあの値段で売るということが無理になってくる、かように思うわけであります。しかしできれば日本葉についてタバコの試験所もあります。それから公社として中央の研究所も狩っておりますので、これらに研究させまして、日本葉についても外国葉に劣らないようなにおい、味を持たせるようにという研究は、公社も全力をあげてその方向に向っておるのでありますが、どうしても気候、風土の支配からいいまして、ここ当分は上級品に対して全然外国葉を入れないでは自信が打てない、こういう状況であります。将来葉タバコ審議会ができまして耕作反別ということも当然その議題となると思いますが、そういう際におきましては、やはり内地葉の生産それから使用状況はもちろん、外国葉をどのくらい入れなければならぬか、こういうような一連の資料をよくお目にかけ、なお、消費の方面においても、たばこの消費がどういうふうな動きを示しておるか、それから日本の葉タバコ、製品の方はきわめてわずかでありますが、輸出されておりますので、この状況なんかもお話し申し上げ、その見通しについての御意見も承わって、審議会の運営については十分注意して参り、適当な結論を——耕作者それから学識経験者の御答申を待ってきめたい、かように考えております。
○理事(木内四郎君) 他に御質問もないようでありますから、質疑は終局したものと認めて差しつかえありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(木内四郎君) 御異議ないと認めます。質疑は終局いたしました。これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のある方は討論の段階においてお述べを願います。
○杉山昌作君 ただいま議題となっておりまするたばこ専売法の一部を改正する法律案でありますが、実はたばこ専売法は五十年も一前に制定されまして、その後実質的な修正というものはないのです。だいぶ時代色を帯びておる法律なんでありますが、特にそのうちで葉タバコの生産関係につきましては、一切専売公社がこれを決定するというようなことで、タバコ耕作者の意見というものは、発言のチャンスというものがほとんど法律の上に認められていない、まあ実際問題としては、いろいろな協議、連絡もありまするけれども、法律面ではそうなっております。これをどうしても改正して、タバコ耕作者の発言権を法律の上でも認めるようにしてもらいたいというのが、長い間の耕作者の要望でありましたので、幸い今回政府がその要望の線に沿いまして法案の二部改正を提出されたことは、まだ十分とは申しかねますけれども、まことに機宜の措置であると私は賛成をいたすものであります。 ただしかし、それぞれの改正点をしさいに検討いたしますと、若干不十分であると思う点がありますので、それに対して以下修正を提案するものでございますが、この修正は先般来各派の代表者が謝りまして熱心なる協議を行いました結果まとまったものでありまして、各派の共同提案として提案申し上げるわけでありますが、便宜私から御説明を申し上げたいと思います。 修正案はお手元に配付してありますので、朗読を省略さしていただきまして、その修正の理由を順次申し上げたいと思います。 第一の修正点でありますが、元来このタバコの収納価格を決定する場合に、その目標をどこへ置いたらいいかということでありますが、これは葉タバコの生産から収納に関する制度の実際の取り運び方から考えまして、それは進んでその耕作者が耕作の許可を申請してくる程度に耕作者にとって勘定の合う値段でなければならない、換言すれば、耕作者に適正な収益を得させることを目標としてこれを定むべきものであると考えるのであります。ところが、原案には「適正な対価」という言葉が使ってありますので、この言葉によりますと、葉タバコ自体の持つ効用といいましょうか、使用上の価値というか、それに相当する値段というふうにも解釈されまして、先に申し上げましたような趣旨がぴったり出ておりません。そこで、この言葉を改めまして、「適正な収益を得させることを旨として」というように改めたいと思うものでございます。 それから修正の第二点は、原案では審議会の意味を聞く云々という表現を使っておりますが、意見を開くという表現では審議会の答申を尊重しなければならないという気持がどうもはっきり出ていないうらみがあります。そこで審議会の答申については、その議に服するくらいにまで、これを尊重すべしという趣旨を盛り込む意味で、審議会の議を経る云々というふうに文字を改めるものであります。しかし、これによって審議会が諮問機関から議決機関に性格を変えるものでないということは申すまでもないことでございます。 それから第三の修正点でありますが、過日のこの委員会におきまして、審議会の委員の中で耕作者を代表する者の数は委員総数の二分の一程度にしても苦しくない旨を政府側から明らかにせられておるのでありますが、それにいたしましても、委員の総数が九人では事情の異なる多数の産地の実情を反映せしめるに足るだけの耕作者代表を出すのにはなお不十分と思いますので、そこで、この総数を十一人に増加しようとするものであります。 以上の三点が修正案でございます。どうぞ一つ御賛成を願いたいと思います。
○平林剛君 私は日本社会党を代表して、ただいま杉山議員が説明をいたしました修正案に賛成の意思を述べます。修正部分を除く原案に対しましても賛成をいたすものであります。 その理由を若干申し上げます。 第一は、このたばこ専売法の一部を改正する法律案は昨年の三月九日、日本社会党が最初に第一次の修正案を本議院に提出をいたしましてから、これが動機となって、たばこ専売法を民主的に改正しようとする動きが活発になったことは御承知の通りであります。政府の第一次たばこ専売法の改正案、自由民主党からもたばこ耕作組合法案、昨年におけるたばこ専売法改正懇談会並びに今回の政府の第二次改正案、このように従来比較的検討の機会に恵まれないまま、古い慣習の中で多くの要望を掲げて埋もれていた耕作農家の立場が議院内において大いに検討されたことは喜ぶべき現象であると思うのであります。私どもの法律改正に対する基本的な考え方は、一つは明治三十七年に制定されて以来、大きな改正もなく専売事業の名のもとで強い権力機構と、最近は若干改善されつつありますけれども、まだ相当に残存されておる官僚的な運営を是正して事業の民主的な発展をはかること、及びこの修正によって、タバコ耕作者の自主的な立場を確保し、その待遇を改善することにあったのであります。今回の法律案の修正案は、その意味では完全なものではありませんが、右の趣旨を一歩前進せしめる役割を果すことができると判断をいたしますので、これに賛成をいたすことにしたのであります。 第二の理由は、たばこ専売法の一部を改正する法律案の成立をはかることが、当面の問題解決のために役立つであろう、こう判断いたしたからであります。 今回の修正案は新たにたばこ耕作審議会を十一名構成で出発し、これに耕作者の代表を参加させて重要な耕作問題を議することになっておりますが、今年の収納価格の問題はすでに結論を得たようでありますが、先ほど臨海議員が質疑を行いましたように、タバコ耕作面積に対する減反問題、あるいは災害補償に対する最近の政府の改正意向などから考えますと、今回の法律案を一日も早く成立させて、当面の問題解決の一助たらしめることが必要である、こう考えます。 以上、簡単に賛成の理由を申し上げましたが、この法律案で、今日までタバコ耕作者の要望と、たばこ専売法における問題点のすべてを解決したものではない、この点は誤解をしてはならないと思います。この法律案を出発点といたしまして、さらに検討すべき問題が残っております。葉タバコ標本の設立、あるいは葉タバコ鑑定の方式の問題、たばこ耕作組合に自主的な立場を与えて、この組合が一歩進んで耕作者の立場を代表し、待遇改善のための役割を果す。同時に耕作団体の運営の改善、あるいは進んで肥料問題等に、あげればなお検討すべき問題は残っておるのであります。しかし、今回の法律案審議において、私ども、これらの問題について十分ではありませんが、若干われわれの意のあるところを述べて参りました。専売公社当局並びに政府においても、私どもの意のあるところを十分承知をして、事前に積極的に改善すべきものは改善し、よりよい企業運営に当るように要望をいたしておきます。 以上をもって賛成の討論といたします。(拍手)
○理事(木内四郎君) 他に御発言ありませんか。——他に御発言がなければ、討論は終局したものと認めます。
○理事(木内四郎君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(木内四郎君) 速記をつけて。 それでは採決をいたします。まず杉山委員から説明されました各派共同修正案、お手元に配付いたしましたものにつきまして、採決をいたしたいと思います。修正の、原案に賛成の方は御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(木内四郎君) 全会一致と認めます。よって、修正案は全会一致可決されました。 なお、修正部分を除いた政府提出原案について採決をいたしたいと思います。賛成の方は御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(木内四郎君) 全会一致でございます。よって修正部分を除いた政府提出原案は可決されました。 よって本案は修正議決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は委員長に御一任を願いたいと思います。 報告書に付する御署名を願います。 多数意見者署名 西川甚五郎 小笠原二三男 平林 剛 青木 一男 岡崎 真一 左藤 義詮 木暮武太夫 塩見 俊二 廣瀬 久忠 山本 米治 栗山 良夫 小林 孝平 杉山 昌作 前田 久吉 野坂 参三 —————————————
○理事(木内四郎君) 次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計における資金の設置及びこれに充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたします。
○小林孝平君 本件につきましては、一昨日の委員会においていろいろ政府当局にお尋ねをいたしましたのですが、そのうち明確ではない点がございましたので、本日あらためて留保された部分についてお尋ねをいたします。 最初に米価の問題でありますが、本年の予算米価は一万二百円となっておりますが、この算出の基礎の中に早期供出米、いわゆる早場米として考えられるもの、それに百七十六円を含ませるという政府の御説明であります。そこで、この百七十六円の早場米の金額は、政府の御答弁では、ただいまのところ、これは早場米として出すか、あるいは基本米価の中に入れて出すか、まだきまっておらないという御答弁であったのですが、これはおかしいのであって、昨年も実質的には百八十三円の早場米奨励金として出されたわけです。これは従来ずっと出されておるものでありますから、今年は当然、この計算上は百七十六円でありますが、実際はこれは百八十円になるか、百八十何円になるかわかりませんが、ともかく基本米価と別に早場米として、金額として出されるのが当然だと思いますが、農林大臣の御所見を承りたい。
○国務大臣(石井光次郎君) 予算米価は今さら申し上げるまでもなく、まあ平均で出すわけでありますが、内容的な、今のお話の早場米の問題はこれは出すのか出さんのかという御質問でございますが、これはそのときの情勢をいろいろに研究してきめる問題でありまするが、これは出すということだけは申し上げられると思うのであります。その金額等につきましては、まだ先にきめる問題でございますが、その方針だけははっきり申し上げておきます。
○小林孝平君 出すというのは、早場米として出すという意味でありますのか、そういうふうに受け取れましたけれども、少し不明確でありますから……。
○国務大臣(石井光次郎君) 早場米として出すということでございます。
○小林孝平君 早米場として出される際には、当然、少くとも今の予算米価一万二百円が、これが適正であるかどうかというのは今後の検討にまたなければなりませんでしょうが、まあこれより下ることはないわけです。そこで、早場米として出されるのは、この予算米価の一万二百円の算出の基礎になっている百七十六円以上出されるというのが、これは当然だろうと思うのですが、念のためにお尋ねいたします。
○国務大臣(石井光次郎君) それは、金額も米価決定のときにあわせてきめるのでございまして、今はっきりとしたことは申しかねます。
○小林孝平君 それでは米価が、大体予算米価の一万二百円というのは、これは昨年の一万三百二十二円に較べれば安いので、これが不当であることはまあ明らかでありますが、いろいろ検討しても、これより減るというのはおかしいと思うのです。もうともかく基本米価が一万二百円であれば、早場米として出すのは百七十六円以上であるというふうに御答弁にならないと、これは今の予算案全部の審議にも関係すると思うのです。従ってそういうふうに御答弁を、お気持はそういうふうな御答弁であったろうと思いますけれども、間違いがあると悪いから念のためお尋ねいたします。
○国務大臣(石井光次郎君) 私は下げるとも上げるとも申さなかったのでございまして、これはそういう時期に参りまして早場米の奨励金を出す、その金額はその際にきめるということを申し上げたのでございまして、御了承願いたいと思います。
○小林孝平君 ただいまの御答弁の出すということを明確に御答弁になったことは満足なのでありますが、その後の御答弁はやや不明確でございますが、石井さんは臨時農林大臣でいらっしゃるから、あまり明確に御答弁になると赤城農林大臣の顔をつぶすことにもなるかと、御遠慮なさったのだろうと思って、この点は私が先ほど申し上げましたように大体理解してよろしいものと考えておきます。 それからもう一つは、昨年の米価は一万三百二十二円なんです。今年の予算米価は一万二百円なんです。百二十二円近く下っておる。これは大体どう考えてもおかしいのであって、このおかしい最大の理由は予約申込金の百円は出さないことになっておるわけなんです。昨年も当初はこの予約申込金はもう出さない、こういうことでありましたけれども、国会における論議、米価審議会における論議を尊重されまして、この百円を出されることになったのです。従って今年も当然この百円は出されるものと思いますが、これも念のためお尋ねいたします。
○国務大臣(石井光次郎君) 申込加算の問題でございますが、これはもういろいろこういう制度をとりまして、もう四年目にもなりまして、大体もうこういう奨励の方法をとらないでもいいのではないかというのが農林省として考えておる点でございますが、しかしなお、米価決定の際にその取扱いは最終的にきめたいと思っておりまするが、お話のように昨年は予算の際にはつけなくて、決定米価の際につけたと思います。これもそのときの情勢によりまして今年の作柄、その他を見ていろいろなことを考慮してきめなければならぬと思っておりますので、必ずしもこれを決定的に絶対にだめだというようなことは考えておりません。まずやめたいという心待ちの方向を持っております。実際の決定は米価決定の際にやりたい、こういうふうに考えております。
○小林孝平君 今もお話がございましたが、いろいろの条件を考えて、とおっしゃいましたけれども、昨年百円を復活いたしました最大の理由は、当初これは三年目であるから必要はない、こういうお話でありましたけれども、三年目であってもこの予約売り渡し制度というものを採用する以上は、当然申込金というものを出すのが建前である、これなくしては予約申込売り渡し制度というものの実体がなくなる、こういう意見が国会並びに米価審議会において行われて、政府はこれに従われてこの意見を尊重されて百円をつけられた。従って今石井さんのおっしゃるような諸般の情勢を考慮してと、こういうことは諸般の情勢というのは国会並びに米価審議会における意見を尊重されたのでありますから、今年もすでに何びとも、農林当局はどういうふうか知りませんが、関係者はこの申込金がつくべきものであると考えているのでありますから、当然これも石井さんとしては、そのとき多分出すであろうという御答弁があるだろうと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(石井光次郎君) ただいま申し上げましたように、筋としてはもうだんだんやめていいのではないかと思っていることは依然としてそうであります。昨年もそう思っておりましたが、お話のようにやはりつけたらということになったわけでございます。今年も私ども農林省としては今のところにおいてはその必要はもうない。さらにもう一年、昨年は三年目であるから、今年は四年目でもうその必要はないように思うのだという考えを持っておりますが、これは社会のいろいろな変化、時の経過に従っていろいろな情勢が起って参りますので、米価審議の際にまたいろいろな、ただいまの小林さんの御意見のようなことも出るでありましょう。またそのほかの意見もいろいろ承わって、そのときの情勢によって、これはきめることにいたしたいと思います。
○小林孝平君 非常に明快な御答弁でわかります。 それからもう一つお尋ねしたいのは、今度新たに設定される調整資金百五十億円というものが設定されて、これで食管特別会計の赤字の処理をやる。こういうふうになっておるのでありますが、三十二年度の食管特別会計の欠損は九十六億円なんです。そこで百五十億円から九十六億円を引くと、五十四億円しか残っておらない。ところが三十三年度の赤字の見込みはただいまのところ四十三億円、こう見積られておりますけれども、この赤字がこの申込金あるいはその他のいろいろのことを考えれば今後増大するということは明らかである。従ってこの百五十億円ではすでに三十三年度だけでももう足らない、こういうことになるのでありますが、そうすれば百五十億円の資金を設定した意味がなくなる。もしこれが意味があると大蔵省が言われることなら、それは大蔵省は百五十億円のこの設定をやってその食管特別会計の赤字は全部、これで全部ではないけれども、できるだけこれでやってくれと、一般会計からの負担、繰り入ればもうごめんだ、こういう考え方を大蔵省がとっておるのでなければ、この百五十億円では不十分である。こういう不十分の資金の設定をすることについては、われわれは承服できないわけです。 そこでただいま大蔵大臣がおられないので、農林大臣にお尋ねいたしますが、この百五十億円でいいとお考えになるのかどうか。もしこの百五十億円でもう明らかにまかなうことができないということになったら、どういうふうにされるのか。食管特別会計の建前からいえば、赤字の補てんはすみやかにしなければならないわけです。そこでそういう見地からすれば、そういう赤字が今後出る見込みが出たならば補正予算を組んでその赤字の資金の増額をされるのかどうか。補正予算を組まれるかどうかという点について農林大臣の御見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(石井光次郎君) お話のように、百五十億円が今回食管の特別会計の資金として繰り入れられることは御承知の通りでございますが、その中からお話のように三十二年度の見込損失九十六億を引くと三十三年度に繰り込されるものが五十四億、そして三十三年度の予算としての見込損失が四十三億、この四十三億は今後増すんじゃないかというお話でありますが、私どもがこの四十三億ときめた算数の基礎は、石一万二百円、それから集荷量が二千九百万石という前提のこれは計算でありますから、今お話のようにこの価格等が上の方に変動していくような場合には、損失の額が増加するであろうということも想像されるのでありますが、これは損の方ばかり見ればそうでありますけれども、一方輸入食糧の方から利益が増加するというようなものも考えられると思うのであります。しかしいずれにいたしましても、それは損が起ったらどうするか、五十何億で足りない場合にはあとは補正を組むかというようなお話し、これはこの損失を補うために調整資金を増額する場合もありましょうし、あるいは決算を待って一般会計から繰り入れるという方法もあり得ると思うのであります。補正にいたしますか、三十三年の補正にしますか、あるいは三十四年の一般会計で予算の処置をやっていくかというようなもの等もこれはまだ決定はいたしておりません。その状態が起った場合にはどちらかのそういうような方法を講じて必ず埋めていくようなことを必ずとらなければならぬ、こういうように考えております。
○小林孝平君 ともかく食管特別会計に赤字が出たらこの赤字をすみやかに的確に埋めることは必要なんです。ところが今のようなこの百五十億の資金を設定することによって、大体この資金の範囲内で特別会計をまかなえと、こういうことになりかねない。現に大蔵省はこれは赤字填補のものでない、これは運転資金である、調整資金であると、こういうような説明をされておるところからみましても、そういう赤字をすみやかに的確に埋めることができないで、逆に非常に食管特別会計が窮屈になってくる、こういうことになると思うのです。この点は大蔵大臣に所見をお尋ねしなければならぬのでありますが、農林大臣はこの点をどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(石井光次郎君) 百五十億の繰り入れが運転資金であって見込み損失額を補てんする目的でない、目的はその通りこれが主眼でありまするけれども、起りました損失をこれで補うということになるわけでございますが、それだからといって運転資金であり、それをどんどん損失補填ばかりに減らしていってはいけない。またそれを損失の力が多くなった場合にはその範囲内でまかなえというようなことで、米価の実際の決定の面にも支障がないかという意味のお尋ねだと思うのでありますが、私どもは米価の決定に慎重な態度をとり、そして最後的に決定いたしまして、それから出て参りまする食管会計の赤字というものは、さっき申しましたどの方法かで必ず補わなければならないものであります。ただ幾らでも補えるのだから、食糧の問題だからどれだけ損失を出してもいいんだということは、これはもうないのでありまして、こういうものがあるなしにかかわらず、われわれ慎重にやらなければならないことは当然のことでございます。それからその結果起ったものについては必ずそういう方法を講じて参りたいと思います。
○小林孝平君 最後にもう一つ、この機会に石井さんにお尋ねいたしたいのは、農産物価格安定の対策についてであります。最近繭の値段が非常に下落しおります。また酪農は非常に困難になってきておる。そこで農林省ではこの酪農については酪農価格安定の対策をお立てになって近く法案も出されるように聞いているのですが、この世界的の農産物の生産過剰の状態から考えまして、また国内のいろいろの農民の窮状から考えまして、相当積極的な農産物の価格対策というものが必要ではないかと思うのです。最近政府は最低賃金法案を国会に提案し、あるいは非常に不十分ではありますけれども、いろいろの問題もありますけれども、社会保障費の増額を企図されている。こういうような情勢から考えまして、これらの問題は主として労働者に対する対策であります。そこでこれらと並行して農民に対して、農産物に対して、所得保障を加味した価格政策というものを農林省としては積極的に立てる必要があるのではないか、こういうふうに思うのですが、この価格対策についてどういう意見を持っておられますか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(石井光次郎君) ただいまの生産者の米価は、直接社会保障を目的としていないことも当然でございまするけれども、その再生産の確保を非常に主眼といたしましてこの米価をきめるのでございます。これは自然農家の所得は保障されている、それが思うように十分ではないということは言われるかもわかりませんが、その心持でやっているのだと私どもは信じ、その心持でやっていくべきものだと思っております。
○小林孝平君 この問題については非常に重要な問題であって、ただいまの御答弁では非常に不満足でありますけれども、やむを得ない点があると思いますので、石井さんに対しての質問はこれで私は終ります。 私はこの法案は実に重要な法案だと思うのです。従って農林大臣臨時代理である石井さんは当委員会に出席をされたわけでありますが、所管大臣である大蔵大臣はどうなんです。
○理事(木内四郎君) 大蔵大臣はただいま衆議院の方の委員会がありまして、そちらの方に行っておられますので来られるわけにいかないのです。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○理事(木内四郎君) それじゃ速記をつけて。両案に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○理事(木内四郎君) 厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案、及び補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案を話題として質疑を行います。 暫時休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 —————・————— 午後二時二十七分開会
○委員長(河野謙三君) 休憩前に引き続きこれより委員会を開きます。 地方行政委員会において審議中の公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案は、当委員会と密接な関係がありますので、昨日、連合審査会を開きましたが、ただいま各派協議の結果、当委員会としては、地方行政委員会に対し、次のように申し入れを行いたいと思います。 申 入 公営企業金融公庫法を改正して、短期資金の貸付ができるようにすることは、本公庫法設立の趣旨に反するおそれがあるから、右お含みおきの上、慎重なる検討をお願いいたします。 以上でございますが、右申し入れにつきまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。 なお、申し入れの手続等は委員長に御一任願います。 —————————————
○委員長(河野謙三君) 次に、厚生保険特別会計法等の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。御質疑のある方は、順次、御発言を願います。 別に御質疑はございませんか。——別に御質疑もないようでありますから、質疑は終局したものと認めて、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 厚生保険特別会計法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等は先例により委員長に御一任願いたと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。 それから委員会の報告件には、多数意見者の署名を付することになっておりますので、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 西川甚五郎 小笠原二三男 平林 剛 天坊 裕彦 青木 一男 岡崎 真一 左藤 義詮 木暮武太夫 廣瀬 久忠 山本 米治 大矢 正 杉山 昌作 —————————————
○委員長(河野謙三君) 次に補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。御質疑のある方は順次御発言願います。
○平林剛君 政務次官にお尋ねをしますが、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案、私何回も、こういう同じ名前の法律案にぶつかったのでありますが、こういう同じ名前で、内容も同じ法律案を何回お出しになりましたか。
○政府委員(白井勇君) 二十九年に特別委員会にかけまして、いろいろこの点につきまして御審議を願いまして、現在の法案が出たわけでありまするが、その後、情勢の変移に応じまして順次改正も加えまして、四回ばかりの御審議を願ったと思いますが、その間におきましての、できるだけ、手を加え得るものは手を加えまして、当初は二十五ぐらい該当するものがあったと思いますけれども、今は十五ぐらいに減少いたしておる状態であります。
○平林剛君 四回同じ内容の法律案を提出したということがわかりますけれども、今のお話では、内容についても漸次変ったという言いわけがついていましたけれども、どんなふうに変ってきましたか。私の見たところでは、大体同じように思うのでありますけれども、順次、一回、二回、三回、四回と変ってきた内容について、一つ御説明願いと思います。
○政府委員(白井勇君) 今申しました通りに、当初、該当事項が、この法律の適用を受けましたものが、三十五くらい事項があったわけで、その後、いろいろ情勢の変移に応じまして、適正に、減らすものは減らしというふうに処理をいたして参っております。その間の事情、具体的なことは、政府委員の方から説明させたいと思います。
○政府委員(小熊孝次君) 補助金等の臨時特例等に関する法律につきまして、当初から現在に至るまでの変遷につきまして御説明いたします。 昭和二十九年に制定されまして、三十年におきまして国立公園法が追加になっております。そうして、この国立公園法は、従来は補助とそれから直轄の分がございましたが、地方財政の状況に応じまして、地方財政の財政圧迫を避ける意味におきまして直轄に振りかえたわけでございまするが、その後、昨年度におきまして地方財政もやや好転をしておるというような関係から、これを、一応追加したものを、またさらに削除いたしております。それから自転車競技法あるいは小型自動車競走法、モーターボート競走法というようなものが当初の原案にございましたが、三十年の七月の法律におきましてこれを削除いたしております。それから、新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律がございました。これは、貧富の差を問わずに、教科書を入学祝いとして給与するという法律でございましたが、当初停止しておりましたが、これを三十一年の三月にこの法律から削除いたしまして、実体法を廃止いたしまして、そのかわりに、教科書と学童給食の準要保護児童に対しますところの給与、こういう法律に改めました。それから性病予防法でありまするが、当初、実体法におきまして三分の一の補助でございましたのを、この特例法によって四分の一の補助にいたしたわけでございまするが、これを、その後の状況にかんがみまして実体法の方を改正いたしまして、併設の性病診療所、これは保健所と併設になっておりまするが、これは保健所の補助率と介せまして三分の一に改正いたしまして、その他の病院、大きな病院でございますが、これにつきましては、従来通り二分の一の補助にする、このような実体法の改正をいたしまして、こちらからはずした、こういうような経緯になっておりす。大要、以上のようなあらましでございます。
○平林剛君 補助金制度の合理化に対する措置については、政府でも重要な問題であるだけでなく、複雑でもありまするけれども、われわれが絶えず要求してきたことは、一日も早く補助金全般について合理化するために政府の積極的な施策をとるべきだと主張してきたのでありますけれども、今回提案されているものについては、別に触れますけれども、全般的な補助金合理化については、一体どの程度、政府は積極的努力をなさったか、白井政務次官、去年の予算編成の際には、政府は約四十一億円程度の補助金の合理化をはかっておるわけですね昭和三十三年度の予算編成に際しては、われわれの要望に対して一体どの程度の額を整理なさいましたか。
○政府委員(白井勇君) 現在御審議願っておりまするこの特例法によりまする分は、約十七億くらいのものになっておりまするし、それから今お尋ねの昭和三十三年度予算編成に当りましては、閣議決定の予算編成方針にもあります通りに、できるだけ既定経費の中でも節約できまするものは節約をするというような考え方から、補助金もある程度節約をいたしたわけでありまするが、約六十億くらいになると思っております。
○平林剛君 数字のことをちょっとお尋ねしますけれども、この法律案が成立をいたしますというと、予算の節約額が約十七億三千二百方円になるというお話でありますけれども、具体的に、内容はどういうことで、そういう計算が出てきておるのですか。それから昨年同じ法律案を提案する際、説明をしたのを調べてみますと、この措置を一カ年延長することによって、予算の節約額が十九億円になる。ことしは十七億円になるというと、差し引き二億円ばかりの整理をしたことになるわけですけれども、具体的にいうと、どうしてそういう差が現われてきたか、この二つを一つお聞きいたします。
○政府委員(小熊孝次君) お答えいたします。十七億三千二百万円の具体的な内容でございますが、これは文部省関係で申しますと、これは五本ございます。対象となる補助金が五本ございまして、そうしてその実体法をそのまま施行いたしますと、四千二百万円ということに所要額がなるわけでありますが、三十三年度の予算額におきましては、それを二千八百万円に見ております。従いまして、千四百二十三万円ばかりの節約になるわけでございます。それから厚生省関係で申しますと、これは三本ございます。それで実体法をそのままにしておきますと、六千四百万円ばかりの所要見込みになるわけでございますが、これをこの法律が施行延長されますと六百三十六万円ばかりになりまして、節約といたしましては約五千七百万円、こういうことになります。それから農林省関係でございますが、これは対象となるものは四本ございまして、これを実体法がそのまま施行されるということになりますと、約五億一千万円ということになりますが、この法律が施行延長されることによりまして約四億三千八百万円にとどまると、こういうことになりまして、差額が約七千百万円、こういうことになります。それから運輸省関係でございますが、これは実体法による所要見込額は約十五億七千三百万円でございますが、この法律を延長することによりまして千六百万円になりまして、節約額が約十五億五千七百万円、こういうことになります。この主体は御承知のように、外交船舶建造融資利子補給の中の開銀分でございます。それから建設省でございますが、これは対象が一件でございまして、実体法によりますと約九千三百万円、この法律を延長することによりまして約六千万円でございまして、差額の約三千二百万円が節約される、こういうことになります。 なお、三十二年度のただいまこれに対応いたしますところの数字でございますが、これはちょっと手元にございませんので、後刻調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
○平林剛君 その点は承知しました。 私どもの主張しておりますのは、ただ予算の節約が多いからをもってそれでよしとするものじゃありません。国家的に見て補助金を出して、それに援助を加えるべきものは加える、加えなくてもいいやつまで現在の補助金の中にあるということが問題なんです。で、今お話のように、十七億円がこれが成立することによって節約になるといいましても、その中には当然いろいろ検討してみれば補助を加えるべき性質のものも、政府の審査が足りないために犠牲を受けておる。一昨年まであった学校の児童に対する教科書の問題のごときものですね、だから十七億円節約になるからといってそれでいいというわけにはいかぬ性質のものもある。特に今御説明になりました中で、厚生省関係の児童福祉法に基く負担の特例や、精神衛生法に基く補助の特例、母子福祉資金の貸付等に関する法律に基く負担の特例等について、私もこまかく研究してありませんけれども、これは適用しない、あるいはこれを補助金を押さえるというようなことは、一体いい方に向いてるんですか、悪い力に向いてるんですか。私よくわからないので、あなたの方の内容の説明を聞いて判断したいと思うから、そのところをちょっとこまかく説明して下さい。
○政府委員(小熊孝次君) 厚生省関係のこの法律の対象になる経費につきまして、御説明いたしますが、まず母子手帳でございますが、これは実体法によりますと、二分の一の国庫負担ということになっておりますが、この母子手帳というものは、従来古くは妊産婦手帳と言われておったものであります。この制度は妊産婦、乳幼児につきまして保健指導上の必要な事項を記入いたしまして、妊産婦あるいは乳幼児に保健指導をすることになるのでありますが、この主要なる役目といたしましては、戦時中及び終戦直後におきまして、妊産婦あるいは乳幼児に対する主食とか、日用品、そういうものが配給統制下にあった時代におきまして物資配給上から必要とされた制度でございます。ところが現在におきましては、物資の需給は著しく緩和いたしておりまして、そういう配給制をとる必要もない、こういうような状況になっておるわけでございます。相当前からの制度でございますので、もう一般的には母子手帳というものは普遍的に行われておるということが言えるわけであります。またこの金額は一県あたり十五万円程度の金額でございまして、非常に普遍的であり、しかも金額も小さい。それから相当長期に行われておると、こういうような実情を見まして、むしろ地方団体に同化されておる、こういうような状況に考えられるわけです。従いまして二十九年度におきましてこれを地方財源計算に移したわけでございますが、その後におきまする母子手帳の普及状況を調べてみますと、この負担金をやめたからということによって特に弊害はないように考えられておりますので、引き続きこの国庫負担という制度を適用しないという規定を存置しておきたい、こういうような考え方であるわけでございます。 それから母子相談員の問題でございますが、これは人件費に対する補助でございます。こういう人件費に対する補助につきましては、地方制度調査会の答申等におきましても、なるべく地方財源によってまかなうべきである、こういうことが言われておるわけであります。そういうような見地から申しまして、母子相談員に対する人件費の補助も地方財源計算の中に織り込みまして、そして地方団体で自主的にやっていく、こういうような考え方で一応整理しておるわけでございます。これと同じような児童生活保護とか、児童福祉法、身体障害者福祉法の事務に従事いたしますところの社会福祉主事とかあるいは児童福祉司、身体障害者福祉司、こういうような職員につきましては、国からは補助金がいってないわけでありまして、地方団体が自分の自主性によって、これらの福祉のためにそういう職員を置いて活動しておる、こういうような状況になっておりますので、そういうバランス等も考えましてそして国庫負担を停止しておるわけでございます。この結果どうなっておるかと申しますと、母子相談員の数も別にこの国庫補助をやめたからということによって減るとか、そういうような問題はないように拝察しておるわけでございます。
○平林剛君 一々私聞きませんけれども、まあ今説明をした限りにおいては、なるほどごもっともだという点があったとしても、他の補助金、三千二百十一億円もある中には、それと比較してむしろこれは残すべきで、ほかの方を廃止すべきだということもあるわけですね、だからそういう意味からいって、私は補助金制度の合理化ということは、国会議員に課せられた最も大事な仕事の一つである。しかるにこれを審議するところの予算委員会は、どうしても大きな問題に取り組んでいる。こまかい補助金のたくさんあるものまで手が届かないという実情であります。外交問題やその他国家の重要な問題についてはしきりに目を向けて議論を尽すけれども、国民の直接関係のある補助金等についてはなかなかしさいに検討する機会もなければ場所もない。そこでそういう段階においては、政府は特に一段と全般的見地から見て、この補助金が公平であるか、妥当であるか、また効果を上げておるかということの責任を負うていなきゃならぬはずです。ところが毎年々々すでに四回にわたって同じ法律案を議会に提出をしてくるということは、私は補助金の合理化に対する政府の怠慢ぶりの標本のようなものである。補助金政策が今日まで政治の明朗性に対して重大な影響を与えていることはしばしば指摘されておる通りで、陳情政治の絶えないという理由もまたここにあるわけであります。私どもとしては、このような補助金の臨時特例措置だけで当面を糊塗していくということは断じて認めることができない、こういう考えを持っておるわけであります。政務次官はこれらの補助金制度合理化について、一体政府としてどんなような態度をとっているか、とられつつあるか、一つあなた気の毒だけれども、政府側を代表してしっかりした考えを聞かしてもらいたい。
○政府委員(白井勇君) 平林委員の御質問でありますが、これはお尋ねまことにごもっともでありまして、政府といたしましても、できるだけ早くこういうものにつきましては、同じようなことを繰り返さないように措置をすべきものと思っております。従いまして、今平林委員からは、何もやってないようなお話でありますが、大蔵省といたしましても、これは重大な関心を持っておりまして、そして今お話しの通りに、非常にこれは一度きまりましたものは、いろいろの意味におきまして、やはり必要度のあったものでありますが、それが最近の事情におきましてどうかというような実態をまず把握しなければならぬものでありますからして、財務を通じまして、厚生省でありますれば厚生省関係の者とともに、各補助金につきまして手を回しまして検討を加えておるわけであります。その全体的の結論がまとまりかねておりますので、申し上げるまでもなしに、非常にこれは広範にわたっておりますので、全体的にこの法案をやめまして、基本的にするという、その措置を講ずるまでにまだ実態調査というものが把握できないという格好になっております。できるだけこれは手を尽しまして、早い機会に、こういうことを操り返さないように一つ措置をいたしたい、こう考えております。
○平林剛君 やっている、やっているといって、そのところだけはりっぱだけれども、実際には出てきた結論というのは、相変らず同じような法律を四回も出されているわけです。しかも、その内容は正鵠を保っておるかどうかということは、なかなか政府だって自信がないのでしょう。自信がないからこそ、関連法規も多いので、慎重に検討の上、後日適当な措置をとることを妥当と考えて臨時措置をお願いしているのだ、従って今回提出されてきているのは、妥当な措置ではないかもしれない、こういう点は、やはり私は一生懸命やっているという言葉だけでなく、実態として、全般の補助金についてこれこれだというような総合的なものをまとめ上げて、議会に対しても審議を要請するという態度をとるべきが妥当である。私は、もうこれ以上質問をせんとする勇気もないくらいだ。まことに政府のやり方は怠慢ぶりであるということを指摘いたしまして、一応質問を留保しておきます。
○政府委員(白井勇君) 今御指摘のようなことを考えておりまするために、先ほど申しましたように、関係方面と実際の現状につきましてそれぞれ当っているわけであります。ただ、今日までは、今お話のありますような総体的の実態をここにお示しをいたしまして、こういう格好になっているということを御提案をできないことがまことに残念でありまするけれども、少くとも、平林委員のお考えのような線に沿いまして政府は善処いたしておりますことを、繰り返して申し上げておきます。
○小笠原二三男君 これは二十九年に参議院でもわざわざ特別委員会を作って、われわれ出てやったのですが、その当事一番内容的に問題が大きかったのは、農業改良普及員に対する給与の国庫補助、これを打ち切るということ、これが非常に問題になって、当初から削除になった、そういう必要がないという大蔵省側の意見、ところがその後、現に農業改良普及員制度のために、食糧増産なり農家経営の向上なりということが著しいものがあるということで、国も地方もこれをもう認めている。その後ううもぎゃあもその問題についてもう触れない、触れないどころか、その効果を認めた、そういうことさえも実はあったのです。ですから、単にあの当時、今でもそうでしょうが、各省のそれはなわ張り意識からは、大蔵省との対立という点もあって、これだけしか各省から供出願えない、人身御供みたいにしぼり出してきて、そうして大蔵省様の御満足を得たい、あとはかんべんしてもらいたいということで、こういう状態になっている実態もあろうかと思う。けれども、内容としては、金額が少いものであっても、やはり補助行政というものがあるならば、国自身としてはどうしてもやってやらなくちゃいかねというものも、いまだ私は逆に臨時特例の中にもあると思います。しかし、個々にわたって議論する段になれば、他にもいろいろな大きなものがあるのですから、これは単に大蔵主計当局が財源上のことを考えて、行政内容、行政実態には目をおおうて、この特例的なもので補助行政を抑えていこう、こういう考え方も私はいけないと思います。とともに、また、各省が何でも補助行政で地方の公共団体であれ、あるいは一般団体であれ、これにひもをつける、議員は議員でまた選挙のこれを一つの道具に使う、こういうあり方であっても私はいけないと思います。そういう点からいえば、白井政務次官がお話しのように、各省事務当局にまかしてこの問題が処理されることではなくて、全体として、私は補助行政のあり方というものは政治家の責任で基本原則を立て、そうして各会派の協力も仰いで問題を処理していく必要があると思うのです。そうでない限りは、もうこういうものは何年たったって始末できないと思う。私はそういう意見を持っている。あなただって、政務次官でおられるから、大いに大蔵省の立場で補助金をぶった切る方に回ってやるような気持もお持ちでありましょうけれども、ところが、議員の立場に立つというと、この補助金の出るものがあり、地方から陳情を受けるという段になると、あなた自身が、あるいは前大蔵政務次官という肩書きをもって、先頭に立って運動して補助金を取ろうとしないものでもない。ですから、これは非常に私はめんどうなものだと思う。従って、私は断定的に補助行政はいかぬ、補助金を合理化せい、整理せい、大だんびらを振うことについては、私はその前提条件がたくさんあるので、ちゅうちょされるものがある。必ずしも大蔵当局の意見に賛同しません。しかしながら、各省が持っているところの補助金のそれというものにも必ずしも賛成しません。ほんとうにあなたがお考えのようなことをおやりになるとするならば、もうその内閣の基本政策として、綱領としてこういう問題を考えなければ、ほんとうに問題の処理はできないであろうと私は思う。どうですか。
○政府委員(白井勇君) 大体政府で考えておりまするようなお考えだと私も思います。今大蔵省としましてやっておりまするのは、御心配のように、ただ大蔵省の事務当局が今お話しのような、補助金を切ればいいのだというような感覚によってものを見てもいかぬわけでありますので、どこまでも主務省と共同の上に、まず実態の把握をやっておる。こういうことでありまして、御趣旨の点はよく了承いたしまして、今後もわれわれとしましては努力していきたいと思います。
○小笠原二三男君 それで私参考のために資料をお願いしたいのですが、二十九年の当初の委員会においても資料を出したのですが、各省にまたがる一切の補助金を出しておるものを、対象件名別に、目的別に全部出してもらいたい。補助金額も全部出してもらいたい。それから二十九年以降において新たにできた法律において補助金等を出すようになったものについては特にしるしをつけて出していただきたい。これは大蔵省の方は慰んで出してわれわれの協力を願うということになると思うのです。仕事は繁雑でも出してもらいたい。
○政府委員(小熊孝次君) 二十九年以降の各省別、補助対象別、それから補助金額別の補助金の表、それから特にそのうちで二十九年度以降において法律によって補助をすることになったもの、こういう表でございますが、これは相当複雑な作業になるかと思いますので、若干時間をかしていただけましたら、喜んで作成して提出したいと思います。
○小笠原二三男君 そのうち地方の公共団体あるいは類似の団体、農協とか何とか、そういうもの以外に一般の民間の団体ですね。学術団体のみならず、さまざまな団体がありますよ。それに対して各省で出しておる金も相当額ある。これもどうぞ出してもらいたい。そういうのと、こういうあなたの合理的な説明による母子関係の補助を打ち切ったのと、いろいろ妥当性いかんということを比べてみれば、私たちはもっと問題はよそにあるということを考える材料にもなると思いますから、ぜひ一つそういうものを出していただきたい。それが出てきたらまた詳しく法律については審議をしたいと思います。
○山本米治君 この法律はもう二、三年過去やってきたことをもう一年続けようということだけですから、これ自体にはあまり問題ないのです。私はこの際参考までに、この問題の背後にある根本問題について伺っておきたいのですが、ただいまも質問等にありましたように、補助金というものは陳情政治といわれるもののもとになるもので、私はあまり好ましいものじゃないと思う。補助金はできれば打ち切る方向にもっていくべきであるのですが、なかなかそれができなくて、今こういう中途半端なことをやっておるのですが、これをさらに根本的には、原則的には補助金というものは一切なくしてしまう。こういう方向にもっていけないものかどうか。補助金政策のために地方においては非常に依頼心がある。中央に陳情して補助をもらって仕事をしよう。もう各理事者その他が補助をもらうことが腕前の見せどころということになりまして、非常に地方の依頼心をこれは助成するもとだと思う。そういうように根本的に、今まで歴史がありますから一挙にすぐそこまでもっていくということとはできますまいが、原則的に補助金をなくするという政策ができるものかどうか。そうすると、これは財源の問題になるだろうと思う。その場合に、地方と国との間の根本的に財源の配分問題等もからみ合うことは当然なんですが、そういうことができるものか、そういう根本的な方向で大蔵省は考えておられるかどうか、あるいはこういう中央地方の補助金政策等に関連する財源配分等についての外国の事例はどうなっておるかというようなことをちょっとお伺いしたいのです。
○政府委員(小熊孝次君) 補助金の問題でございますが、ただいま先生がおっしゃいましたように、補助金を絶対なくすることができるかどうかという問題でございます。この点につきましては確かな記憶はございませんが、一時イギリスなどで補助金を全部打ち切ったことがあったと記憶しておりますが、それは補助金を全く打ち切る前は、補助金というものの非常な弊害が叫ばれまして、それが非常に累増した。そういうような結果によって補助金を全部打ち切るというようなことがあったように記憶しておりますが、その後やはりまた補助金というものがどんどんふえていって、相当の補助金の数になっておるというようなことも用いております。われわれといたしましては、これは非常に大きな問題でございまして、中央地方の財政調整の問題だけでなしに、中央地方の行政全般の問題だろうと思うのであります。従いましてその点につきましてわれわれとして直ちにどうこうするという判断はまだつきかねるのでございますが 先ほど来御議論のありましたように、補助金というものは必ずしもこれは整理一方でもいけない。やはりいい補助金と悪い補助金、それからいい補助金であっても、そういうものがときを経過したときにおきましてどういうふうなことになっているか。それがだんだん必要性がなくなっておらんかというような点を常時検討いたしまして、そうして常に生き生きした補助金であり、また生き生きした行政が行われる。こういう姿にもっていくべきではないか。ただそこには陳情とかいろいろ問題がございまして、非常にむずかしい点があるわけでございますが、この点につきましては三十年度に補助金執行の適正化に関する法律というふうなものも制定いたしまして、そういう不正の行われないような対策も一応講じておりますので、これによりまして地力におけるところの補助金行政もだいぶよくなって参りました。検査院なんかのお話によりましてもだいぶ締ってきておるというお話しを伺っておりまして、これからやはり漸次よくなっていくのじゃないか。大蔵省といたしましても、何も補助金を切るというような態度でなしに、必ずしも従来そうでなかったという点があるかとも思うのでございますが、いずれしても、切るということだけではないのでありまして、やはり合理化という線でますます補助金行政の円滑化を期していきたい、私個人としてはそのように考えておる次第でございます。
○山本米治君 補助金を一切廃止するということは、これはなかなかそう簡単じゃないと思うしまた、それが必ずしもいいともいえない——私もやはりある種の事柄については補助金が必要かと思うのでありますが、現在はもうすでにかなり多過ぎる。複雑過ぎると思うのです。ですからもっとずっと大幅に整理する必要がある。原則的には補助金をやめるという方向にもっていく。そうするとどうしても財源の問題で、中央地方の再配分、そういう大きな問題まで関連してくると思うのでありますが、私は今の陳情政治の弊害は、実にこれは政治の弊害の中心の一つだと思う。それから補助金といえば、先ほども一言いたしましたが、非常に依頼心を起す。地方自治独立という建前から、もっと独自で、自分の力で仕事をしていくという方向にもっていかなければいかんと思う。そういう意味で、補助金というものは一度できるとこれは既成事実になってなかなか取り去ることは困難ですけれども、一つ相当大きな立場で大幅整理、原則的には廃止というくらいな考えでやっていく必要があるのじゃないかと思います。これはもちろんそんな二、三年でできることじゃないのですが、私はむしろこれはそういう大きな構想でもっていかれることを希望します。これは希望ですから、御返事がなくてよろしいのですが、私はそういうふうに考えております。
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。 本案に対する残余の質疑は後日に譲り、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十八分散会