大蔵委員会 第12号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/03/11
会議録
○委員長(河野謙三君) これより委員会を開きます。前回に引き続き場、接収貴金属等の処理に関する法律案を議題として質疑をいます。
○栗山良夫君 議事進行。ちょっと政府の方にお尋ねをいたしますが、いよいよ年度末もだんだん近づいて参りまして、目下参議院においては予算案の審議がたけなわでございます。私の想像と申しますか、予測が間違いなければ三十三年度の予算案は十分今月末か、あるいはおそくとも自然成立をする前に参議院で可決決定に相なることと私は思います。従いまして過日も大大蔵委員長は、大蔵省が提出になっておりまする本委員会付託の法律案については、委員会として責任をもってこれを審査し処理しなければならぬということをおっしゃいました。私もその点については国会議員の一人として何ら異議をはさむものではございません。そこでただいまたくさんの法案が当委員会に付託されておりますが、この法案について予算を執行する上において、その重要度と申しますか、ぜひともこれは予算の執行上、必要あるというものについて、軽重の度合いを一応お聞かせをいただきたいと思うわけです。
○政府委員(白井勇君) まことに御好意ある御心配をいただきましてありがたい仕合せでありますが、せっかくのお話でありましたので、各法案につきまして具体的に私の方で今お話のような色分けをつけましたものを別途一つ御提出申し上げることを申し上げておきます。
○栗山良夫君 その法案の提案になっておりますのは、大体ここにも私今事務当局からもらったテーブルを持っておりますからわかっているわけです。この中で大蔵省として予算を執行する上において、必要の度合いというものが当然ある程度ありましょうから、それを順次一つずつ今お聞かせを願いたいと思うのですがいかがですか。今すぐというわけにいきませんか。
○政府委員(白井勇君) できますれば、もしあとに御迷惑をかけてもいけませんので、私の方で色分けをしましたもので御提出できますれば幸いと思いますが、・・。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○栗山良夫君 そう簡単に異議ないというわけにいかないので、そういたしますと、これは理事会の問題でもあると私は思います。理事会の問題であると思いますが、委員長は今まで法案の審議を進めておいでになったのに、最近の諸般の政治情勢を加味せられて、そして審議日程というものを今までお作りになっておいでになりましたか。あるいはそういうこととは無関係に、衆議院からあがってきた法案、あるいは国会提出の順序、そういうようなものに従いまして、普通のときの政治情勢と同じような工合に日程をお組みになっておりましたか、その辺を伺いたいと思います。
○委員長(河野謙三君) ただいま、栗山委員からのお話ですが、もちろん当委員会の審議の順序につきましては、そのつど理事会を開きまして、理事の方々の御意見を聞きながら議題を取りきめて今日まで進んでおります。その大前提は、理事の諸君も同様と思いますが、必ずしも機械的に事が運ばないで、まず期限を付していつまでにやらなければならぬ法案とか、また法の内容が比較的簡明であってあまり質疑等もないというような法案とか、そういうものを順次取り上げております。もう一つは継続審議になっておる法案、これもすでに本日議題になっておりますように、できるだけこれは継続審議の性質上早く進めたいと、こういうような希望を持って今日まで来ております。
○栗山良夫君 私は普通の年度における通常国会の審議ならば、ただいま委員長がおっしゃったような通りで十分と思っております。しかし、この前も私は委員長に申し上げましたが、委員会の審議の責任云々と言われましたときに、こういう政治情勢では委員長、あるいは大蔵委員会そのものが全部の責任を負うという態勢ではないということを、私はまあちょっと言葉は足りませんけれども申し上げたのです。その要旨は、最近新聞紙上、あるいはその他で伝えられておりまする政府の動き、あるいは与党の動き等を見ましても、四月国会解散というものがあるいは否定をせられ、あるいは半ば含みのある肯定をせられたり、きわめて国民の側からみるならば、非常につかみにくい不安定な状況にあることはだれも私は否定をなさらぬと思うのです。もしこれを完全に四月解散はないということを否定なされば、通常国会は法律の定めておる通りに百五十日間あるのだ、こういうことを言い切って、しかも責任をお持ちになる方があれば、私は何も申し上げません。しかし、最近の情勢はそういう情勢でないりで、そこで今政府に私は質問を申し上げたわけであります。そこで、これから先当大蔵委員会が扱っておりまする法案は、予算実行行の上において特に重要な内容を持っておる法案が多いのでありますから、本来ならば首相に出席を求めて、そうして解散の時期等についてある程度やはり明確にしてもらって、その上で法案の審議の日程等を組む、こういうことでなければ私は当委員会の責任は十分に果し得ないと、こう思うのです。しかし、これはまあ政治論としてはそういうことでありましょうが、なかなかむずかしいことでありましょう。そこできょうは言えないということでありますから、次回までに大蔵省として、ここに提出されておりまする法案全部にわたって、一つ大蔵委員会に要請をせられたい審議の軽重の度合いですね、そういうものを責任をもって提出を願って、われわれの審議が渋滞をしないようにせられる用意があるかどうか、それを伺っておきたい。もしそういうようなことにしましても、国会の審議のことでありますから、予測をしないような困難な審議問題が出てきたりして、予定の通り運ばないかもしれません。しかし、まあ一応われわれは善意に委員会の審議に協力をする、政府の法律案の審議に協力をするという意味において、やはりそういう目標を立てておかなければならぬのではないかと私は考えます。この点を一つ明確にしておいていただきたい。
○政府委員(白井勇君) 国会で御審議願います法案は、いずれも一日も早くお通しを願いたいということは申し上げるまでもないのでありまするが、ただいま栗山委員の御心配のような点もあり、われわれとしましても、ことに予算関係の法案もありますし、できますだけ三月中にこれこれは是が非でも一つお願いを申し上げたいというようなものもありますし、あるいはまた四月に入りましてもやむを得ないというようなものもなくもないわけであります。その点をよく検討を加えまして、色分けをしました後、また資料を提出したいと、こう考えております。
○栗山良夫君 大体わかりましたが、提出せられる時期は、資料要求をいたしておりましても、なかなか資料が出て参りませんが、そういうことでははなはだ限られました日程、日数になっておりますので、従って困るので、いつ御提出願えるか、それの御約束を一つ願いたいと思います。
○政府委員(白井勇君) できるだけ、さらにまたきょうの御意見もありましたので、検討をしてみたい、こう思いまするし、しかしながら、できるだけ早く一つ提出をいたしたいと思っております。
○委員長(河野謙三君) 政務次官に申し上げます。できるだけ早くというようなことでなしに、当然いろいろな検討も済んでおるはずでありますから、明日委員会をやるはずでございますから、明日の委員会の劈頭において今の栗山委員からの御要求についての説明を私は求めたいと思います。間に合うはずであります。
○政府委員(白井勇君) 今委員長のお話のようなことも含めましてできるだけ早くいたしたいと思います。
○平林剛君 今、栗山委員の議事進行についてはいずれ政府から提出をされた考え方に基きまして理事会でも検討いたしたいと思います。そこで今議題になっておる法律案は継続審議の案件でありますが、予算執行には直接関係のない法律だと存じますが、内容が重要でありますから、慎重な審議を行いたい。その審議にまだ若干必要な資料が欠けておりますから、本日私からは引き続き政府に対して資料の要求を行いたいと思います。昭和三十一年の十月一日東京地方裁判所民事部に弁護士の永井元という人が国を相手にして銀、地金返還請求の訴訟を起しておられます。その後この地裁の審議も進められたと思いますが、この人の要求は銀の地金一万八千百五十三キロ、現在の価格にして一億七千万円に相当します。今審議中の法律案が成立いたしますと、この永井元という個人は個人で一億七千万円の地金の返還請求ができることになるわけでありまして、現在どのように進行しているかわかりませんが、政府も国を相手取って行われた訴訟でありますから、しかるべき答弁書を用意されておられると思います。法律案の政府の考え方とそれからこの裁判所における政府の答弁書というものの関係を明らかにして今後の審議をしたいと思いますので、答弁書を資料として御提出を願いたい、それを十分研究をさせていただきまして審議を行いたいと思います。本日は資料の要求だけにとどめておきたいと思います。
○政府委員(賀屋正雄君) ただいま平林委員から御要求のありました資料は、さっそく明日中に、この委員会の前までにお届けしたいと考えております。
○西川甚五郎君 先般の委員会におきまして、大体議論の中心はやはり民間に返されるものが議題となるように思われるのでありますが、現在保管しておられます。金の十三カ年分、それから銀の九カ年分、そうして白金の一カ年輸入分でありますが、これが一時に解除せられた場合どういうように政府は処置せられるか、ちょっとそれを御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(賀屋正雄君) 接収貴金属の返還の何と申しますか、実際の見込みでございますが、これは法律案が幸い今国会を通過いたしまして、すぐ返還の事務を開始いたしましたといたしましても、実際問題といたしまして、いろいろ認定等の仕事もございますので、ただいまのところでは四年ぐらいかかるという見通しでございます。従いまして一時に全部が返還されますものが国に返るということではないと見込まれるわけでございます。で、国に帰属いたしますものは、一般会計に帰属する見込みのあるものは無償で法律の規定によりまして貴金属特別会計の所属に移すということになっておりまして、政府がこの会計のうち所属に移されました金をどう処分するかということは今後の問題でございまして、この取扱いにつきましては、今後慎重に諸般の財政事情その他を考慮いたして決定すべき事柄であろうと考えておるのでございまして 一時に返りましたものをすぐ処分するというようなことはただいまは考えておりません。
○西川甚五郎君 昨年百円硬貨の問題があったときに銀の材料、これを接収金属の、五カ年分の産銀から割り当てて使うというような説明があったのですが、そうすると、ことしのその百円硬貨の材料はどういうようにしてお使いですか。接収金属が解除されなかったら百円硬貨はできないでしょう。銀が解除できなければ百円硬貨の材料はないですね。そうではないのですか。
○政府委員(賀屋正雄君) 銀の現在の百円硬貨用のストックの数字はただいま詳しい数字を持っておりませんが、今年度で当初の計画の百円硬貨を作りますと残りはほとんどないというふうに聞いておりますが、従いまして来年度におきまして百円百硬貨を作りますためにはやはりこの接収されております貴金属のうちの鉄を使用せざるを得ないと存ずるのであります。造幣局の分が約百トンばかりございますし、そのほかそれで足りません部分は一般会計から造幣局へ売るということで百円硬貨の素材を用意したいと考えております。
○西川甚五郎君 そうすると、三十三年度の百円硬貨は接収金属が解除せられなくてもできるのですか。
○政府委員(賀屋正雄君) 今申し上げましたように解除しないとできないことになるわけでございます。
○西川甚五郎君 もう一つ伺いたいのですが、この供出の中に特に返還されるというのがありますね、これはどういうものですか。たとえば戦時中にわれわれが供出したそれは代金を払ってもらっておりますが、この中に供出のうちに返還されるものが数億ありますね、これはどういう種類のものですか。
○政府委員(賀屋正雄君) 戦時中に供出されまして、代金を国が払いました分はただいまの法律案によりましても返還はされません。
○西川甚五郎君 その中に、供出した中に、もしも不要になった場合は返還するという種類に入ったやつは返還するのじゃないですか。
○政府委員(賀屋正雄君) ただ日本銀行に対しまして売り戻し条件つきでもって日本銀行が買い上げました分は民間の人はその買い戻しの権利がございますから、日本銀行から買い取ることができます。それが約三億ばかりあると推計いたしております。
○西川甚五郎君 それの例を一つあげて下さい。どんなものがありますか。
○政府委員(賀屋正雄君) 金製品がおもなもののようでございます。加工しております特定物でございます。
○西川甚五郎君 そうすると戦争中に供出する場合に、特にそういうふうな条件をつけてもよかったのですか、そのときは。
○政府委員(賀屋正雄君) これは日露戦争のときもそういう取扱いをやったように記録がございますが、日本銀行がそういう方法によりまして、条件付で、不要になったら取り戻すという条件をつけまして買い取った分があるのでございまして、これは当時の日本銀行が回収いたしますときの案内のようなものの中にはっきり出ておりまして、特定の人に対してそういう措置をとったというわけではございませんで、一般にそういう供出の仕方をすることができたわけです。
○栗山良夫君 本案件に直接関係はないかもしれませんが、ちょっと二、三伺っておきたいと思います。 〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕 大東亜戦争の当時ですわ。当時の軍事内閣の手に上って、当時の憲法が保障しておった財産権あるいは人権に非常に大きな制約がいろいろな意味で加えられました。その一つがやはりこの中にも入っているわけであります。それから終戦後占領軍の絶対権力のもとに、戦争前と、軍事内閣と性質は違いますけれども、国民の側からすれば大へん迷惑ないろいろな犠牲を負担したものがあるわけです。それが、その一部分がこれに該当するわけです。従ってそういう憲法が保障しておった、あるいは憲法の付属法規で保障されておった諸権利というものがじゅうりんされたことについて、復権の要求が国民の中からいろんな格好で起きてくることは、これはあるいはやむを得ないかもしれません。その場合に本件の衆議院における審議等を見ましても明らかになっておりますが、国民感情的にはきわめて妥当だと思われることが、法理的にこれを採用することができなくて葬られるもの、あるいは逆に法理的には採用されて国民感情的には葬られている、そういういろんな種類があると思います。そういう非常に複雑なものではありますが、やはり政府が少くともそういう国民の犠牲的な負担を解除して復権をしようということになれば、やはり一つの私はルールというものがなければいかぬと思います。そのルールがなるべく大ぜいの国民に均霑し得るようなものである、あるいはまたなるべく犠牲を負ったいわゆる庶民大衆を救済し得るものであるとか、そういうような一応のルールというものがなければいかぬのでありますが、この法案はそういう意味からははるかに私は遠ざかっているものではないかと思います。たとえば法人で百四十八件、民間で二百件足らずの人が、この法律によって四十数億のまあ権利を復元するわけでありますから、そういう意味においては非常にこれは特殊なものだと言わざるを得ない。そこで政府に私は自分の頭を整理するために必要な材料として、今申し上げるようなものを一つ作っていただくわけにはいかないかということをお願いするわけです。それは戦前と占領軍の占領治下、この二つの期間に分けて、国民に有形無形のいろいろな犠牲を負担させたことがあると思います。そういうものをずっと一つ項目別でよろしいですから列挙していただきたい。そのうちですでに復権させておるもの、まだ復権のできていないもの、こういうものを一覧表にしていただきたい、こう考える。国民感情からいえば、たとえば戦争前にかけました生命保険の掛金等は、当時おそらく大ぜいの国民が老後を守るためには相当苦労をして掛金をかけておる。保険金額一万円、二万円というような額でありますが、それが今日、インフレーションが進んで貨幣価値が下落した今日においてもやはりその権利は一万円、二万円です。これはどうしようもないのです。戦争前の貨幣価値からいえば数百万円、千万円に近いような保険金額というものが、たまたま戦争をやった、そういうことのために一万円、三万円で済んでしまっておる。これはなかなか国民感情として忘れることのできない大きな犠牲です。また最近は地主の土地返還運動が起きておる。これは現内閣はそういうことは聞くわけにはいかぬとおっしゃる。これはですから国民の要望がかなえられておりません。しかし軍人恩給は今国会に出ておりますように、ある意味において復権をしております。従って克明に、今申し上げましたように、戦争前、占領軍の手によって国民に加えられた大きな犠牲負担ですね、それを項目別にずっと調べて、そしてそのうちですでに復権しておるものと復権していないものと、それを緊急にこの本法を審議する資料として私はぜひ知りたいと思うので提出を願いたいと思う。特に復権々々といっていろいろ言われまするが、最近の軍事基地設定のために、農民が供出をいやがるにかかわらず、ほとんど戦争前にあった土地収用法にかけるがごとき態度で、農地がどんどん政府の帰属になっておることは、だれも否定する人はないわけです。従って、やはり法を運営する上においては、万人が了承するような格好で運営しなければいかぬと思います。従いましてそういう資料を一つ……。 それから第二番目に・私は非常に不可解に思うことは、戦争前に持っておったこういう貴金属ですね、貴金属は、これは貴金属でありましょうから価値は時価でどんどん上って参ります。現在膨大な価格になっております。ところがその過程において普通の一般財産であった場合には、戦争の直後には財産税というものがありまして、そしてこの法律を見ますというと、たとえば一件について千五百万円をこえるものは百分の九十の税率で取られております。五百万円をこえるものでも百分の八十五の税率で国庫に納金させておる。もしこの貴金属を当時占領軍が接収しないで、個人の自宅で持っておった場合には、財産税としてこれは当然徴収されておる。そういう私は法理論的にも少し疑問を持っておるものが、今ここで占領軍が返した。接収は没収なりと、僕らがつめ寄っても、法理論的にはそこまでは飛躍はできない、こういう工合にお逃げになって、わずか一割の保管料その他の手数料を取って、全部の、法人と個人と寄せてもわずか五百件に足りない人に四十何億を分けてしまうというようなことについては、何としても了承し得ないわけです。従って、まあこういうことをたくさん申し上げれば、私は国民感情の上からいっても、これは切りのないくらいの、法律は国民にすべて公平でなければならぬという議論からいって、非常な意見を持っております。持っておりますが、そういう意見を申し上げる前に、政府としては——大蔵省だけでできないことかもしれません、これは各省にわたっておるかもしれませんが、とにかくそういう、戦争前、占領軍の治下にあったときに、国民が非常な迷惑をした——迷惑をしたということは、あまり言葉が足りないで申し上げますと誤解を招くかもしれませんが、率直に、個人々々からいえば迷惑をしたと、そういうものについて、有形無形のものを項目別に全部そろえていただきたい。それがそろったところで・私はこの法案の本格的な審議に入りたい、こう思いますので、資料の要求をいたします。
○政府委員(賀屋正雄君) ただいま栗山委員からの御要望の資料でございますが、なかなか広範な資料の御要求でございまして私どもの管財局に関する行政だけにはわたらないようでございます。また、戦前戦後におきましていろいろな措置がとられましたが、それは、主観的に見ればいろいろ犠牲をしいられたというふうに考えられておりましても、法律的には、戦前にありましても憲法上所有権不可侵の規定がございまして、法律に基いて所有権にある程度の制限を加えるという建前をとっておりまして、戦後におきましてもいろいろな措置がとられたわけでございますが、これについて復権されておらないというものがありますかどうか、その点はよく調べてみないとわかりませんが、一応、農地の解放問題にいたしましても、法律によって処理せられた問題でございまして、その価格につきましては、最高裁の判決で、相当な補償であるというような結論が出ておりますから、まあ提供しました旧地主の側からすれば、まだ解決しておらないというふうにとられるかもしれません。政府の提出いたします資料としては、従いまして、各人が犠牲と思われたというものを、あらゆるものを網羅するわけには参らないと思いますが、よくその点はしさいに検討いたしまして、もしそういう未解決のものが残っておりますものがありますれば、項目として提出いたしたいと思います。
○栗山良夫君 私は、頭を整理する上の問題があるので、すでに済んだもの、復権を済んだもの、終ったもの、まだ終らないもの、双方とも列挙していただきたいということを申し上げているわけです。 それで、今の私のお話しが誤解を招くといけませんから、もう一言つけ加えておきますが、おそらく、政府並びに政府の手足になって動いておられる各行政庁においては、これは、法律の権威者がそろっておいでになりまするから、そのときどきの法律において違憲の法案をお出しになったということは、私はまずないと思います。また、国会も、さようなものを審議して可決したことはないと思います。しかし、問題は、一たび作った法案が、戦時中、占領中、占領後、一ぺんできたものが、もう、一事不再理で、絶対に動かすべからざるものとして、そのときどきの政治情勢、そのときどきの政治の解釈で進んでおればいいんです。ところが、ある年限がたっというと、前に行われたものが、法律によって再び修正されていくわけです。どんどん修正されている。法律によって修正されるということは、国民感情というものが育ってきて、そうして前に決定せられたものが非なりとして、そうしてそのときの法律に照して違憲にならぬような範囲において修正がせられておる、そういう事実が幾つかあるから、そこで今あなたのおっしゃったような狭い意味の違憲でなかったということだけでは了承できないので、よく整理をして提出を願いたい、こういうことなんです。 たとえば、土地返還運動ですね、地主の土地返還運動にしましても、今のところはこれで済んでおります、岸総理大臣は絶対しないとおっしゃる。しかし現に国会の中には、この問題に対して一反十万円かどうか知らぬけれども、その金を国から補償させようというために地主団体と協力して、大いに運動をせられておる何名かの議員がおられるじゃありませんか。そのために当選してきておられる方もおる。これはだれも否定できない。そうして、そういうことが今は法律になっておらないかもしれませんが、何年先に法律になってこれが税金で補償されるか、あなたは補償されないという証明ができますか。そういうことを考えた場合に、もし補償されれば、地主さんはこの貴金属が返還されても、うちもやがてはくれるということで満足するかもしらぬ、しかし、土地の方は絶対返還されない、ところが貴金属だけは返還されたということになれば、これは非常に大きな国民の内部に不満が起きます。それから同じものでも、昭和二十一年のときに財産税でごっそり出した人と、こういう工合にたまたま日銀の倉庫に入っておったために財産税で没収をされないで、十何年間もこの貴金属を完全に保管してもらっておって、今一割の手数料を払って残り全部四十何億か戻ってくるということは、これは何といっても議論が出てくるところです。そういうことから見ますれば、今あたなのおっしゃった狭い意味の法律論でなくて、政治はやはり生きておるわけです。そういう意味で表を一ぺん作っていただきたい、またそれで気に入らなければもう一ぺん補足資料を作っていただきますが、まず出していただきたい。
○政府委員(賀屋正雄君) よく検討いたしまして、調製いたしたいと思います。
○前田久吉君 さっき西川委員との答弁のときにもありました、日銀の方から出ておる何か買い戻しといういきさつ、それはどういうところから出たんでしょうか。もしも一般に売却しておる中においてでも、買い上げる機関において、何かの場合に返還してもいいんだという言葉でも、あるいはそういったものがあっても、それに準じますかどうか。
○政府委員(賀屋正雄君) これは日本銀行が売り戻し条件付で、先ほど申し上げましたように、主として金の製品を買い上げたのでございまして、これは昭和十三年の七月ごろから行なったのでございます。この制度の目的といたしますところは、できるだけ金を日本銀行に集中しようというところにねらいがありまして、海外への散逸を防止いたしまして、日本の経済力の潜在力としようということにありまして、不要になった場合には売り戻すということになっておった分でございまして、こういうはっきりした契約のあるものにつきまして今度日本銀行から売り戻すわけでありまして、それ以外のものにこういった事例を準用するというようなことはございません。
○前田久吉君 現在返還するという金銀ダイヤというようなもの、それは、その出所はどういうところから出たものなんですか、国内から出たものですか。戦後どこからか買ってきて、外国からでも入れて持ってきたものでしょうか、現在保管している物品ですね、物品の出所ですね、それはどういうふうにお考えになっていらっしゃいましょうか。
○政府委員(賀屋正雄君) 接収前にその貴金属がどういう経路で入りましたかという点はつまびらかにいたしませんが、大体どういう方々が接収を受けたかという点につきましては、この前資料としてお配りいたしておりまするように、個人について申しますれば、貴金属の売買加工をしていたものとか、あるいは金等は歯科医師等が使いますから、その医師が業務用に持っておりましたものとか、あるいは時計業者でありますとかあるわけでございます。また法人の部につきましても、貴金属の売買加工業者でありますとか、あるいはダイヤモンドの売買加工業者、その他いろいろな業種にわたっておりますが、写真材料、工業等は銀を相当使います。そういった関係で、いろいろの方々が業務上持っておられましたものがやはり相当あると思われますので、純然たる個人が持っておりましたものは、これは先ほど来お話に出ておりますように、戦時中国策に協力せられまして供出せられました方が大部分であろうかと思いますが、若干供出漏れのあるものもあることは、これは想像することができると思います。
○前田久吉君 戦時中のあの当時の供出のやり力は御存じだろうと思うのですが、全く強制的で、おそらくほとんど全部出したんだろうと思っておったんですが、そうすると、こういうときにごまかしてそしてそれを隠しておいたものは返還されて、正直にいろいろな、あとでまた使わなかったらもどすことになるというようなことまで町内会で言って、そして取り上げたものは実際戦時に使わなくて、そのまま日銀で保管されておって、それは返してやらない。ごまかしておって、国策に反したものは返してもらえる、こういうことなんですか、今度の法律は。
○政府委員(賀屋正雄君) 戦時中供出漏れになった貴金属が接収されたものはあるであろうということは想像いたされるのでございますが、この点につきましては、そういった方々のみについて考えますというと、あるいは国民感情からいかがかと思われる点もあるのでございますが、法律論を申し上げますれば、前々から申し上げておりますように、所有権があるものは強制的に無償で占領軍の占領下に置かれて、それが返ってきたということでありますし、また他面均衡の点から考えましても、戦後持っておられました方々のうちから占領軍に接収せられました例はある限られた一部分でございまして、たとえばこの点につきまして推測し得る資料といたしまして、連合国占領軍は接収を行うに当りまして、参考資料とするために昭和二十一年に臨時貴金属数量等報告会というポツダム勅令を政府は出したわけでございますが、この報告令によりまして金、銀、白金を持っておるという報告を出した人数が、個人で一万一千人あるわけでございますが、この中から現実に占領軍が接収しましたものはわずかに七人と、ごく東京の周辺の手近なところのわずかな人から接収したということでございましてこの人たちの間の均衡という点を考えますと、そのごくわずかな人だけ特別に返さなくするというようなこと、あるいは特別な税をかけるということは不合理ではなかろうかと思うのであります。
○理事(西川甚五郎君) 本案の質疑は後日に譲ります。 —————————————
○理事(西川甚五郎君) 入場税法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質問を願います。
○平林剛君 初めに入場税法の一部を改正する法律案に関係のある、税制特別調査会の答申に関してお尋ねをいたします。この答申案には、相続税制度の改正や法人税の軽減、貯蓄控除制席の創設など、今般政府が提出いたしました税法に関する内容が含まれておりますが、これは後日また御説明を聞いたりお尋ねをいたしたりいたしますから、その最後の純演劇に対する入場税の軽減に対する参考意見に限って、主税局長のお考えをお聞きしたいと思うのであります。そこで念のため、この税制特別調査会に政府を代表して主として説明をされた方は、主税局長であると理解をいたしますが、まさしくその通りでありますか。 〔理事西川甚五郎君退席、委員長着席〕
○政府委員(原純夫君) その通りでございます。
○平林剛君 政府を代表して主として説明に当られた方が主税局長であることが明らかになりましたから、お尋ねをいたします。この答申案に、私が申し上げた入場税法の改正に関連し、こういう説明が加えられております。入場税に関する「議員提出法案が衆議院で可決され、参議院で継続審議に付されているのであるが、参議院は、継続審議に付するにあたり、政府に対し次の二点について意見を求め、政府は当調査会にその検討を求めた。その第一は、演劇について純演劇とその他のものとを区分する明確な基準が求められるか、第二は、提出法案が三百円までに軽減税率を定めているのは妥当であるとしても、三百円をこえると直ちに五〇%の税率が適用されることは適当か、また、演劇と音楽等とに異なる税率を適用することが適当かということであった」、こういう説明が書いてある以上、主税局長がたぶん参議院の模様について臨時税制特別調査会の各位に御説明をなさったものと思うのであります。そこで私疑問に感じますのは、参議院は今指摘いたしました二つの点について、正式に政府にその意見を求めたような記憶はないんであります。あるいは、あなたがこの大蔵委員会に出席されて、私どもに御説明になった見解とごっちゃにされて これは参議院の意向であるかのごときお話をしているのではないかという疑問を感ずるのでありまして、一体どういうところを根拠になさって、こういう御説明をなさったか、この点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(原純夫君) 日ははっきり覚えておりませんが、二十六国会の三月の終りであったと思います。この部屋でありましたか、並びの部屋でありましたか——ああ、向うの部屋でありましたが、継続審議に付する決議をされるというときに——夜中でございましたが、私、少しおくれましたが、おくればせにあがりましたときに、どなたでございましたか、決をとられる前に、この法案についてはいろいろ問題の点がある、そういうような点を政府としてさらに研究して、どうしたら、いい、すらっとしたものになるかということを考えて、意見を出すといいますか、用意があるかというお尋ねがありまして、私、それに対して、そういう努力をいたしましょうということを申し上げたのでございます。もちろんそういう最終の段階におけるかなり一般の気分も緊迫した空気の中でありますから、その日に、これらの三百円がどう、あるいは基準がどうということを、その方はそれをその際あげてはおっしゃいませんでしたけれども、これはそれまでの議論において問題点はそういうところであるというふうに承知いたしておりましたので、私はそれらを含めて、こういう角度から問題点があって、それについて政府の意見を求められております、というふうに調査会には御説明したわけでございます。ただいま速記録の写しを手元に持っておりませんが、必要でございましたら、のちほどまた別途でもお目にかけたいと思います。
○平林剛君 議事録を見ますと、五月十八日の大蔵委員会、それから九月の十二日の大蔵委員会、都合二回入場税法の一部を改正する法律案について審議が行われております。そして今お話しの、最後の締めくくりに入場税法に関して質疑を行なったのはほかならぬ私です。私が一番よく知っておる。そのときの議事録を見れば、あなたもわかりますように、私は少くともこの二つのことについて、特にその第二の点については、少しもあなたの意見を求めたこともなければ、これについてどうかというような質疑もしていない。だから私は、ここで説明をされたあなたの内容は、政府当局が従来お持ちになっていた見解を一緒に、ごっちゃにされて説明をされた、こういうことが言えるわけです。それがどうこうというわけじゃありませんが、議事録から見ますと、はっきりそう書いてある、それから私は特にその点強調したのですが、音楽あるいは舞踊等について純という字がある、これをはずすと、将来やはりこれに関連して問題が大きくなるから、こういうことは一つやらないでもらいたいという主張もつけ加えて、あなたの答弁が行われているのです。しかるに、衆議院において同僚議員の質問に対し、このような意見を求めたのは、社会党の議員も含めて求められています、という答弁をして、実はこれは内輪の話ですけれども、私、大へんしかられてしまった。きょうは汚名を挽回しなきゃいけない。あなたもこういうふうに私どもの意見とあなたの見解とごっちゃにされて答申をされたということは、私としては、委員会に意見を聞かれたということは、まことに遺憾に存ずるのであります。この点だけを私はきょうは明らかにしておきたい、こう思うのでありますが、まああなたはうなずいておりますから、これ以上追及しませんが、その点一つ明らかにしておいてもらいたい。
○政府委員(原純夫君) 私、手元に五月十八日の私の発言の写しは持っております。が、平林さんの御発言の写しは持っておりません。従いまして、ただいまの際のように、その重くなる部分が出るということについては、おっしゃったかおっしゃらないか、それは議事録によってはっきりいたしたいと思います。私は、この際に「しかしながら、手入れいたします場合」——手入れというのは、この案を改めるという場合でございまするが、その場合に「今、純音楽、純舞踊についてとられております税率が、果して最終的によろしいかどうかとなると、多分な問題があると思っております。それらを含めて」云々と言っておりまするので、まあ私としては、こういうふうに申したと、従ってこの点は、その節意見を出せと言われましたのに対しては、私の方の意見がこの点については入っておるということは確実であります。それが皆様の御意見の中に全然なかったか、あるいは一部あったかという点は、これは速記録をもう少したんねんに見なければわかりませんが、それを別段私はどうこう申そうと思いません。私が申したということが、この速記録の写しではっきりいたしております。
○平林剛君 私は議事録をたんねんに読んできたのだから、まさしく、ここの答申案の説明は参議院が意見を求めたようになっておりまするが、事実は誤まりであると、こういうことだけを指摘しておきます。そこで、結局、現在審議中の法律案は、好むと好まざるとにかかわらず、税制調査会の答申を参考にして今後の審議を行わなきゃならぬと思います。この意の中には、悪い点ばかりでなくていいこともあるわけですから、そういう意味では、いい点は大いに取り入れていくことは、私どもこれをはばむものでありません。そこで、かりに税制調査会の答申をそのまま法律化する場合に、増税になってくるところがあるわけでございますね。当時、私が特に強調いたしましたのは、歴史的な過程からいって、衆議院から送付されてきた改正案を中心にして一つ考えてもらいたい、こういうことを特に強調しておいたのでありますけれども、答申案をそのまま法律化する場合に、かなりの部門にわたって増税になるのであります。一つ、どういう点が増税になっていくかということを、この機会に明らかにしてもらいたい。
○政府委員(原純夫君) 税がふえますのは、従来特別の税率の適用のありましたところのグループのものについて、三百円をこえる入場料金の場合に、私どもが調査会の答申を受けて申し上げました意見によれば、その部分が現在二割の税率であるのが、三割の税率がかかるということでございます。
○平林剛君 詳しくお話がありませんでしたけれども、まあ演劇の中では文楽、演芸の中では能楽、舞踊、それから音楽、特に外国の楽団等に対する税金、スポーツで言えば日本野球のうちでオールスター戦あるいは日本シリーズ、または相撲のます席、プロレスのリング・サイド等については、特に増税なると理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(原純夫君) 大体その通りでございます。ただ、まあ若干、さらにこまかくなって恐縮ですが、今おあげになりました中で、文楽それから雅楽は、無形文化財であるという指定を受けておりますので、税法の規定によりましてその分は非課税となっておりますので、今般のあれには関係ないということになりますが、その他はおっしゃる通りであります。
○平林剛君 文楽、能楽、雅楽、私は専門家じゃありませんから、こまかいことはよくわかりませんが、文化財保護法で財成の措置がとられて、この指定を受けた人は免税になるというお話ですが、大体こういうものは一人でやるわけにいかないでしょう。そうすると、文楽、能楽雅楽に限ってお尋ねいたしますけれども、その人が出演をなさっておれば、その興行全般については免税になるという御趣旨と理解をしてよろしいかどうかこれが一つ。 それから私も新聞で見ただけでよくわかりませんが、これらに指定をされた人は全般ではなくて、その他の文楽、能楽、雅楽等についてはやはり増税になると理解をしなければならぬと思うんですが、その点はいかがです。
○政府委員(原純夫君) 文楽の場合は集団的に指定をいたしております。前提として条文の規定は、「文化財のみを公開する場所への入場については、」となっておりますから、一人だけが指定を受けておられて、ほかに相当の人数が加わってやるという場合は、この非課税の規定が働かないことになりますが、文楽の場合は大体そういう集団的な指定をいたしておりますので働くのではないか、雅楽も同様であろう、能楽あたりになりますと何人かの人が指定を受けてその他の方もやるというようなことになりますので、この条文が働かないということになる場合が多かろうかと思います。
○平林剛君 この問題はまた別に検討いたしましていたすことにいたしまして、次に入場税の改正案、すなわちかりにこの答申案を中心に法律化いたしますというと、大体国家として減収になる試算について御説明を願いたいと思うのであります。
○政府委員(原純夫君) 平年度において五億五、六千万、それから初年度が五億ちょっと、まあ端数をつけて申すのも何でございますが五億ちょっとのところ、初年度でございますね。平年度は五億五、六千万というようなのが一応私どもの計算しました数字でございます。
○平林剛君 私の承知しております資料では、純演劇、演劇全般について改正税率によって課税をされることになりますと、減収の試算は六億二千八百万円、それから舞踊あるいは音楽等の一般の減が合計いたしまして四千七百万、大体そんなふうに理解をしておるのでございますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(原純夫君) おっしゃる通りであります。それの合計が六億七千五百万円ということになりますが、それが一方でただいまお話のありました純音楽その他で増になる分がある——増収になります分が一億三千万円ある。差引、あと端数出して申し上げますれば五億五千五百万円が平年度における減収見込額であるということになる、おっしゃる通りであります。
○平林剛君 そこで、大体私ども一番本日指摘しようと思っております純音楽、スポーツ等を従来通りにいたしましても、その減収は一億二千万円程度になるという試算が出てくるわけです。まあこの程度の税のふえるかふえないかということは、入場者の増加、あるいは減少によって確実な数字がなくて、財政に与える影響というものはそんなに大きいものではないというふうに理解をするわけでありまして、今後の審議のときにおきましても、一億二千万円の措置について私どもいろいろ検討しなければならぬと思いますが、特に諸外国の例を見ますと、文化国家として、それを表示しておる国々におきましては、演劇や音楽等に対しては免税あるいは低率の課税の措置をとられておるように理解をしておるわけでありますが、参考のために諸外国の例について説明をしておいていただきたいと思うのです。
○政府委員(原純夫君) 冒頭のお話の点は、いろいろ考え方があることなので、前回もいろいろ御議論があったと思いまするし、まあ税制審査会の意見のような考え方もあるかと思いますが、外国の制度はどうなっておるかというお尋ねでありますが、アメリカにおきましては、映画と演劇につきまして、演劇等は映画と同様の税を課しております。差をつけておりますのでは、私どもにわかっておりますのは英国とイタリアであります。英国におきましては、由来映画と演劇その他とはかなりに段階をつけた課税をいたしておりましたが、昨年から演劇等については課税を廃止しております。映画の方につきましてもだいぶ税率を下げたというようなことがございますが、現在では英国では演劇、音楽会というようなものには入場税をかけておらないようでございます。イタリアでは、映画に対しまして演劇等は低い税率——映画が二五%から五〇%ということになっておりますのに対して一五%の比例税率でかけておる。なおプロスポーツ等は少し高くて一八%という税率でやっておるということをとりあえず手元の資料でお答えいたします。
○平林剛君 そこでもう一つ答申案に基いてお尋ねしますが、この答申案の説明によりますと、純音楽、あるいは純舞踊など純という字がついていると一般の音楽、舞踊となかなか区別ができにくくて、「実際上、少からぬ紛争や支障があるように見受けられる」と、こう書いてございます。しかし先般このことに関して政府と質疑を行いましたところ、もっぱら研究発表する会場への入場税については特別の支障なく運用されておるという趣旨のお答えがあったのであります。ここでは「少からぬ紛争や支障があるように見受けられる」と、こう書いてありますので、何か私の承知しない、あるいは政府の答弁以外の紛争なりあるいは支障があったかもしれませんけれども、純粋に芸術的価値を目的として発表する場合と、芸術的価値以外の要素を加えて行う場合とでは発表の形式から見て異なることは明らかでありますから、これは従来実際の問題としてあまり支障がなく運用されてきたと理解をするのでありますが、いかがなものでしょう。
○政府委員(原純夫君) これは現在の純というのも国会でおきめになりまして以来いろいろむずかしい点が多いのですが、法律がそうあるわけでありますから、私どもはあらゆる努力をいたしてこの趣旨に沿うような運用をいたしております。やっておりますが、むずかしいということは、これはだれでもお考えになれることだろうと思います。何が純で、何が純でないかというのは、非常に境目はむずかしいわけであります。むずかしいもんですから、われわれは御趣旨の何を通達に書いて、それで具体的な事案について読み分けるということにいたしておりますけれども、通達にどう書くかということ自体がなかなかむずかしい、またそれを適用するのがむずかしい。私どもとして、この法律が適用できないということは申し上げられないわけでありますが、非常にむずかしいということは確かであります。やはり個々の事案について、純に当るか当らないか、またもっぱら研究発表かどうかということは、やはり判断が非常にむずかしいということに私どもは感じておりますが、何か前に申したことと食い違っておると大へん恐縮ですが、率直に申しますと、そういう気持です。
○平林剛君 むずかしいというお言葉がありましたけれども、実際上運営しておって、各関係団体の意見を聞いてみましても、従来税務行政の上からもスムースにやってきておるのだという話もあります。この点についてはやり方いかんによるものと思いますけれども、ただ私特に検討する必要があると思うのは、この際、軽減税事制度の統一的な運営をはかるためという理由はありましても、純音楽や、あるいは舞踊等について、特段に、現段階において税率を上げる理由というのは、あまり発見されないのじゃないだろうか。この点は私は客観的に見ても、純音楽や舞踊を、この際値上げをしなければならぬ、値上げというか、税率を上げなければならぬという理由はなかなか発見するのが困難に感ずる。この点は主税局長においても、私と同様の見解を持っておると思うのであります。ただこれを百歩譲って、理由もなく税率を上げるには、それ相当の理解というものがなくちゃいかぬ。私はこの点、先の国会におきましても、文化国家である以上、国家として相当の援助を、これら純演劇、あるいはもっぱら研究発表をする芸術性の高いものについては援助を与えたらどうだろうか——国庫上の補助です。そういうことによって、今非常にこれらの方面に対する青少年の関心が薄れていくときに、むしろこれを奨励させる方がほんとうだろう、政府もどうか一つ積極的に検討してもらいたい、という質問をいたしました。当時政務次官は足立さんでありましたが、私の御質問に答えて、「仰せの御趣旨は重々了解をいたしましたので、仰せの御趣旨に沿ってできるだけ善処いたしたい」「仰せの趣旨は十分体して今後研究いたしたい、これだけはお約束できると思います。」、こういう答弁をなさった。白井政務次官は当然それを引き継がれて、政府のこの言明がうそ偽わりのないように、委員会に対しても、私の質問に対しても、善処してもらえるものと思うのでありますが、主税局長には、純音楽等を客観的に値上げする必要は、私はないと思うけれども、どうかということ、政務次官からは、この足立政務次官の答弁でありますけれども、あなたがその継承者として、これについて何か特段の措置をおやりになったかどうか。もしこれをやってないというと、客観的に見ても、あるいは政治的に見ましても、これを上げるという、課税を高めるという理由はなかなか理由として納得でき一ないものがあるのじゃないか。こう思うのであります。それぞれから一つお答えを願いたいと思います。
○政府委員(原純夫君) 上げることができるというものについては、私は上げろ、上げろというような憎らしい気持でなくて、私は上げることができてもやむを得ない場合があると思います。この場合はそうではなかろうか。といいますのは、前回の審議でも、衆議院から参りました法案は、純演劇について、三百円をこえますと五割のままでよろしい、やはり上の方は相当下げてよろしいのだという思想があってきたわけです。こちらでいろいろ御審議になる場合に、どうも五割までいくのはいき過ぎかもしらぬが、相当のところまで上げるのはいいじゃないかというようなこともいろいろ議事に出ましたが、あるいは実際の御相談の際に出ましたか、そこまではっきり覚えておりませんが、いろいろそういうなにもありました。見解はいろいろあり得るところですが、私は上げることがいかぬというふうにも思いません。間接税体系の再検討というのは私ども今やっておりますけれども、これは決して上げる分があるよというような憎らしい気持じゃなくて、やはり体系的にバランスをとるという場合に、どうも現在の他の物品に比べて低過ぎるということがある。調整のために上げるのはやむを得ぬという場合もあるのじゃなかろうか。これは他の部門につきましては、今鋭意検討中でありますから、どういう結論が出ますか、それをどうこなされますか、こなしようがあると思いますが、私は上げる場合があっても、それはあり得ると考えます。本件の場合は、御審議の経過から考えても、私どもの出しました意見は、ある程度御審議の気持も含んでやったようなつもりであり、従って何もそれは皆さんがおっしゃるからという意味じゃなしに、私どももそういうつもりを持って申し上げておるというように考えております。
○政府委員(白井勇君) 当委員会におきまして、前政務次官がお答えいたしました御趣旨に沿いまして善処いたしたいと思っております。
○平林剛君 それじゃ答弁になっていないのだけれども、政務次官にしても、そういう今の答弁だけじゃ無責任過ぎますね。第一、文化国家としての名前が泣きます。岸内閣だって、芸術に対する政策、そういうものがまことにこの程度のものであるということを国民の前に表わすことになって——これは小さい問題じゃないと思うのです。主税局長が税金の方の親分だから、今のようなことを言って済ましておるのなら、これは別ですけれども、あなたの方はそういう態度ではまことに困ると思う。これはまたいずれあらためて責任者の方から意見を聞かなければならぬと思いますけれども、きょうはこの程度にしておきます。 最後に、原さんにお尋ねいたしますが、われわれとしては、現在継続審議中の議案を中心に、税制調査委員会の答申を参考にしながら、今後の審議を与党とも相談をするつもりでありますけれども、今までのあなたの御発言を見ておりますと、政府として次の機会にじっくりした案を提出したいと思っておる——政府として何か提出をするつもりだというようなことを三回三回にわたって述べられておる。これは私は今継続審議中の法律案の処理は委員会にゆだれるのがほんとうであって、政府からあらためてこれに対抗する案をよもやお出しにならないと思いますが、あなたがしばしば委員会でそういう御発言をしておりますから、この際明確にけじめをつけておきたい。政府から答申に基いて新たに提案をするおつもりですか。 〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕
○政府委員(原純夫君) その点につきましては、先ほど申しました五月の委員会でお答えいたしました当時の私の気持は、実は私が物事を誤解しておったということがあとでわかりましたが、気持は、政府が法案を出すというような気持を実は持っておりましてお答えした言葉はどちらにもとれるようになりますが、雰囲気としてそうお聞きになったのは間違いでないと思います。ところがその後だんだん間接税体系の再検討という形で問題を取り上げるということになり、秋に——十月でしたか十一月でしたか、そのころだと思いますが、衆議院の大蔵委員会において、その点についてお尋ねがありました際、私がそういうまあ惰性的な考えで申し上げましたところが、それは国会で継続審議の法案があるのであるから、一事不再議の原理ということから考えても、事柄の筋合いからいってもおかしいということを衆議院の大蔵委員長から私は注意を受けました。考えまして私はその通りだと思い、自来政府はこれについては参考の意見を申し上げ、法案を別に出すということにはしない。特に前段に申しました全般的な再検討という際でもありますので、そういうふうにはっきり考えを改めております。御了承願います。
○平林剛君 それで大体この答申案の処理については、当委員会の審議並びに議員の判断にまかせるという趣旨はわかりましたから、今後私どもとしては与党との間にこの処理を相談することにいたしたいと思うのであります。 委員長にちょっと申し上げておきますが、この法律案は御承知のように衆議院の大蔵委員会におきましては、与党である自由民主党と社会党が全会一致をもって本委員会に送付をしてきたのでございます。しかも、この法律案につきましては、さきの国会におきましても、もう可及的すみやかに成立をさせるというお約束もあった際でありますから、一つ委員長においてもこの法律案について、各与党、野党と相談がまとめられて、前回の約束通り一日も早く結論をつけるという点に御配慮を願いたい、これを要望いたしまして、私の質問を終ります。
○左藤義詮君 先ほど平林委員の御質疑がありまして主税局長はっきりおっしゃらなかったと思うのですが、純音楽、純舞踊等の入場税を、もし三百円以上三割に抑えるというと、一億一千万ほどの減収になる。それは相当に伸びもあるし、減税になればまた入場者も多くなるだろうし、何とかそろばんが持てるというふうに平林委員御発言があったのですが、それに対して主税局長はっきり確認できますか。
○政府委員(原純夫君) その部分は実は減税にはなりませんので、現在の三割のままということでありますが、まあ三割になったために消費減があるというふうには、私どもの数字が見ておれば、おっしゃるようになりますが、それはまあ消費減がありましても、一億二千万と申した数字が動いてくるだけの話でありまして、ちょっと一億二千万は動かないのではないか。つまり二割の、三百円をこえる部分を一割でやるのを三割にすれば、一億三千万増収があると思います。というのはなくなるだけのことでございます。減税による増加はないというふうに思います。
○左藤義詮君 私の申しますのは、二割が三割になると一億二千万ほどふえるのだと、それを二割のままで押えておけば、あなたの方では三割になったために相当入場者が減ることも見込んでいらっしゃると思うのですが、それは減らなくてもまたこういう文化的なものが盛んになって、だんだん入場者がふえるとあまり減収にならないで済むのじゃないか。そういう点をどのくらいに見込んでいらっしゃるか。一億二千万のうちで、それとその他のまた大蔵省が非常に自然増収その他税を隠してあめ玉のように延ばされるのですが、そういう方面で入場税全体を何とか一億二千万をカバーするあなた方の特殊技能はお持ちにならないのですか。
○政府委員(原純夫君) 実は先ほど来申しました五億五千五百万という平年度の正味減収額の計算につきましては税率が上り下るための消費の増減します分は別段に計算しないで出しております。そういう意味では減税になる部分の消費増があるだろうという見方をする計算もないではないと思いますが、まあそれほど大きな影響はなかろうというような意味で増も減もみていないということであります。なおこの減収額につきましては私どもはあまり本件について非常に税収を何千万あるいは一億なり二億なり、それをおしむという気でやってはおりません。と申しますのは、継続審議になっている法案は純なるものに限るという系列でやっておりますから、そのままでおやりになればはるかに少い減収額で済むわけであります。ところが御審議の過程において純というのがなかなか区分がつかないというようなことから純をはずして、その範囲はおおらかにいこうということにいたしましたために減収額ははるかにふえたわけであります。原案のおそらく三倍——いや、原案ではネット一億一千万ぐらいの見込みでありましたものが五億五千万と五倍にふえたということになっておりますので、私どもはこの減収額をどうというだけでなく、むしろ税制として体系的にどう考えるかというような角度から考えたつもりでございます。
○左藤義詮君 先ほど平林委員から与野党一つよく協議して文化国家として一つふさわしいような結論を出したいというお話、私ども非常に賛成でございますが、そういうような場合にたちまち予算その他に響いてどうにも動きがとれなくなるのか。あなた方の方では今のお話によると減収額の多い少いよりも別の角度からそういうことを主張していらっしゃいますが、一億二千万というものは別に歳入予算を変えなくてもしのげるものであるかどうか、そのお見通しを。
○政府委員(原純夫君) 実は本件は予算上の扱いが非常にデリケートなわけであります。政府が提案している案でないものでございますから、政府の提案しているこの予算ないし地方財政計画におきましては一応現行法で税収を計算いたしております。国会において御審議の法案によってそれが変るということになるわけであります。まあ予算には、この地方に参ります譲与税、交付税、特別会計の歳入歳出というようなことになっております。あとは地方財政計画の——まあ地方財政計画は御存じの通り非常に多くの団体のものを一括してやる、若干何といいますか、歳入についてもあれに漏れているものもあるし、というようなこともございます。まあ国会御発議の法案で、しかも継続審議の途中にありますので、一応現行法ではじいて出してあるわけでございます。
○野溝勝君 局長にお伺いするのですがね。僕はしろうとでわからんのですけれども、入場税率これは結局上げたような下げたような、下げたような上げたようなことで、最後一億二千万円というものをしぼり出したわけですが、どうしてこんな回りくどいような税率変更をして、そうしてわけのわからないようなことをして一億二千万円を浮かしたのですが、こうするに至ったのは何か一つ深い根拠があるのですかね。
○政府委員(原純夫君) これは根本には、そのこと自体、演劇なりあるいは音楽、舞踊なりについて、まあ五百円、四百円、五百円、近ごろは千円も、千何百円もする・あるいは千円も二千円もするような料金のなにがあるわけです。そういうようなところまで——映画の方は百五十円こえると五割になる。特別税率を作るにしても、そういうところまで青天上で二割でよろしいかどうかというようなことがいろいろ問題になりまして、そのために衆議院からお回しになりましたこの原案では、純演劇についても三百円を越えれば五割の現行のでよろしいという案になっているわけです。そういうような考え方が一つあるわけですね。それをどの程度に具体的にやっていこうというのについて、いろいろ前々国会、つまり二十六国会において御審議の際のいろいろなお考えも伺いながら、私どもそういう青天上はおかしいという考え方から考えて、どの程度で線を引くか、線を引けば二割の上は三割ですから、三割ということになる。線の引き方は三百円ぐらいが妥当かなというのを、いろいろな料金表を並べて何したようなわけなんで、これは決して私どもは非常におっつけがましく申しておるというつもりでもないのでございますが、そういうような考えで、こういう意見を申し上げているということでございます。
○野溝勝君 国の財源にするということでこの課税をするということは、これは当り前なことなんですが、そこでこの入場税は私どもが政府にあったときに地方へ移譲して、地方で入場税を課税して徴収することになった、それをまた国で徴収するということで、結局国民は国でやろうと、地方でやろうと入場料が安くなるということだね、まあ要は観劇でも観覧料でも入場料が安くなると思っていたのが、入場料は依然として安くならぬどころか高くなる、入場税が安くならぬということになるというと、この税金がどういうところを一体対象に考えておるのか、国民が疑問でたまらぬのです。入場料三百円くらいといいますけれども、三百円というと百姓の米約三升です、ちょっと下回るけれどもね。米三升出さなければ見にいけない、聞きにいけないという、こういうばかな高い入場料を中心に考えておる考え方が誤まっておるのじゃないか。どうして一体こういう商い入場料を取らなけりゃならぬのか、そうしてどうしてこの無理な税金をかけなけりゃならぬのかというようなことが基本的な問題じゃないでしょうか。米三升も五升も、はなはだしきに至っては千円以上ということになれば一斗持っていかなければならぬ、こういうばかな入料金、これに対する税率というものは常識じゃないと考えておるのですよ。かえって政府が物価のつり上げをやっているようなものです。そこで抽象論になりますから省略しますが、一体もっと入場料を安くさせることに一つ政府は少しは努力を払ったことはありますかね。 ついでにもう一つ聞いておきますが、この前渡邉国税長官かあなたかに私は申し上げたつもりだが、野球選手でも流行音楽家でも野放図もない給料を取っている、莫大なるところの手当をとっていますが、こういうものを野放しにしておいて、そうして一方入場料の下の方で高いだの安いだのといっていること自体がおかしいじゃないですか。こういうものとにらみ合せて税制措置を確立しましたか、検討しましたか。私はあらためてこの際聞いておきたいと思うのです。
○政府委員(原純夫君) 非常にむずかしい御質問でありますが、私はこう考えるのですが、高い五百円、千円という入場料がある、それはまあけしからぬから政府においてそれを下げるようなことを工夫したらというのが第一点でございましたが、これはもう政府でちょっとどうしようもないこと……。たとえばプロレスだとか、いろいろな派手な外国のショウだとかいうようなもの、野球でもオール・スターというと相当高いのが出ます。そういうのはやはりそういうところに皆さんがえらい高い金を払って入るということであって、税の方は、やはり高い金を払って入る人と、つましい安い料金の、まあごく庶民的なところの低いものを見られるという場合とで税率をどうかげんするかという問題だと思う。で、その考え方に立って先ほど来申しておりますように、やはり五百円、千円というような入場料金ならまあ二割を三割にするというようなことがあり得るのじゃなかろうかというようなことが一つあるわけです。なお政府として、あなたおっしゃる通り入場料があまりに高いというのはよろしくないわけで、これを極力下げる。かつては入場税は非常に高い二〇〇%というような税率もあったわけでありますが、先般国税に移管しました際にも、この入場税の引き下げをやってそれを期待したわけであります。その際は遺憾ながら大体において入場料金が顕著にそのまま下らないというような事態があったことは、私ども非常に遺憾とするところでありますが、まあ今般かりにどういう形ででも税率の改正が行われる場合には、担当のところが、それが増税なり減税なり消費者に及ぼすようにはっきりやることが必要だというふうに考えております。 なお、そういうもので働かされる方の所得に対する課税の問題は、前々私どももできるだけ適正な課税をしたいと思って努力いたしておりますのですが、なお足らない点がありますれば、いろいろ御指摘いただいて研究したいと思います。
○野溝勝君 私は特に政府の考慮を願いたいと思いまして、たびたびいやみを申し上げるのですが、飲食税のことを考えてもらいたいと思うのです。飲食税の方は、たとえば三百円でしたか、それまでは税金をかけないでしょう。これだって文化国家とか何とかいうのは、文化が生活の一面であればそういう点からも考える必要がありはせぬかと思うのです。たとえば何百円以下は、百円なら百円以下は無税にするとか、入場料の高くなるに従って累進的に取るとかいうような考え方、あるいはたとえば二百円からどの程度線を引くかということはいろいろ意見はありますよ。そういうような点を考えていかないと、こういう問題は絶えず繰り返えされる。音楽家が陳情にくれば今度舞踊家がくる。舞踊家がくれば今度演劇の方からくると、いろいろにせり合って来まして、どれもこれもみんな文化人だ、どれもこれもみんな芸術だ、そういうことになれば、どこで一体線を引いたらいいのですか。自由党の勢力があれば自由党のところ・にやってくる、社会党の勢力があればこうやる、こんなことであったらあなたどうするんだ。小手先のテクニックは、これはどうも課税方針の原則論に反すると思うのだ。あなた方の考えをこの際聞いておきたいのは、政府の態度があいまいである。そういう点については、どうもわれわれはどうするという権限はないようなことを言われているが、それは無責任だ。課税方針によってどうでもオペレーションできるのじゃないですか。課税のやり方で抑制できるのじゃないですか。そんなことができないはずはないですよ。あなたたちは行政官として大衆生活を守るか大衆生活を脅やかすかというところで、どうでもできるのじゃないですか。今日映画会社にせよ、レコード会社にせよ、あの通り戦後における大成金じゃないですか。どうですか、あの一つのフィルムを作るのに何億もかけて、その中の相当部分が人件費だそうです。こういうばかなことを野放しにしておいたんじゃあ、まじめに税金を納めている者はばかをみますよ。こういう点についてはなはだ理解がないかもしれませんけれども、大衆をいじめてまでも、利敵行為文化といいますか、その特定の業界を太らせるという考え方は、反対であるし、政治を毒すると思っておりますが、こういう点についてあなたの考え方をききたい。行政官としてこの民の声がわからぬはずはない。あなたにはこの欠点を是正ができる私見があると思うのです。一つお話しを願いたい。
○政府委員(原純夫君) 入場税、各種の催しものについての入場税をどういうふうにするかという点につきましては、入場税内部でのいろいろなバランスもありますが、さらに他の各間接税とのバランスもございます。それでこれらにつきまして去る二十六国会における国会の委員会での御決議を受けて、私どもは昨年の春から抜本的な研究を始めております。おっしゃいます通りに抽象的な議論で、これは高いから軽減しろとか、これはどうだというようなことをやりますと、非常に全体が落ちつきのない・バランスのとれないものになりがちであります。そのときそのときこれを軽減するという方々が、まあそう言っては何でありますが、その特定の業界のことをよく知っておられるという場合が割合多いわけです。 そこで、そういうことを離れて、全般を見て各種の消費の間の担税力の関係あるいはその他税率を重くしたり軽くしたりする条件を客観的に調べて、そしてその上で日本の間接税体系を再編成したいということで鋭意ただいま勉強しておりますが、実は本日もそういう委員会をやっておるというような状態なんでありますが、がっちりした結果を得ますために、三十三年度においては若干予算をつけてもらいまして、それで統計局その他に頼んで、統計的に客観的なデータをとろうということで進めております。本年の年末くらいまでにはそれの結論を得た上で、まあ現在可能な限り客観的な基礎に立つ、しかも全般を見ての再編成案というものを作り得ると考えております。 なお、もう一つの税率というものが営業者のふところでこなされてしまって、消費者にはそれが影響がないというような状況につきましては、まことにそれはおかしいわけで、率直に申しますと・税率を下げても消費者の払う金が下らないという場合は、その入場なら入場ということの需要が非常に多くて、結局売手市場であるという場合だと思います。そういう場合には何と申しますか、全般から言いますと、ある意味ではそういうものは担税力が総体的には多いのだということも言えるわけであります。従って現在がどうであるか、現在もまあ映画館の数等がまだまだ伸びておるような状態であります。そういうような状態がありますから、かりに映画について下げるというような場合には、相当その点ではっきりと消費者の料金を下げるということをまあ約束と言いますか、何か条件をつけないといかぬ。また前回の経験から考えると、それがどういう方向で下るかというようなことも、かりにその再検討の際に、その映画を下げるというような案が出れば問題になると思います。演劇類につきましては、まあ実はそういう意味では収益が非常にいいとは申せません。映画の関係の収益に比べるとはるかに悪いようであります。従いまして興行あるいは演劇のもとを作られるところですね、そういうようなところはかなりに俳優さんにしても演劇の方は所得が少い。映画の方は多いというのは大体そうだろうと思います。 従いまして本件は、かりにまあ純演劇に限られますか、あるいは広くやられますかは別にして、下げました場合に、つまりここでは売手市場でなくて買手市場でありますから、やはり料金にも影響がいくのではないかというふうに私は思います。ただ一方で、営業しておられる方が非常に苦しいものですから、そういう部面に全然いかないかどうかという面が、実際上やってみないとわかりませんが、映画の場合に比べるとその問題ははるかに少いかと考えております。大体そんなように……。
○野溝勝君 この際、資料を一つ要求しておきます。戦後十カ年間における映画会社レコード会社の資産状態、たとえばその当時資本金がどのくらいであったか、最近はどのくらいに伸びているかというようなことを中心にして一つ資料を提出願いたい。
○前田久吉君 継続審議になっております入場税の問題は純という特別なものだけに片寄って減税する、ということはおかしいということで継続審議になっておると思うのですが、まあいろいろ問題になっております。三百円以上、四百円以上あるいは外国のオペラだとか演劇が非常に高い料金のようで、それほど高率な税金をかけているということで何ですが、外国のものは、大体アメリカであれば国家が大体本年度あたりは三百万ドルくらいの援助金を出してそれでいい劇団を送っている。実際をこまかくお話すると、日本でまるまる交通費からかけて呼ぶというのはよほど有名なもの以外はほとんどないのです。ソ連においても中共においても交通費なんかおそらく国家の負担だと思います。そうして国でやっている舞踊だとか演劇の方面においても、これは全く非常に高価について、やむを得ないから入場税も高い。それにまた税金一割もここで上げるということは、少し税制としても無理じゃないか。外国からでも入ってきて、非常にはなやかなように一般には見えているのですが、その実態はほとんどその国の芸術を海外に紹介するということで相当な国家の補助金が出ておってやっておるのです。日本には、私の記憶においては、まだ国家が補助をして演劇とかそういうものに国内においても海外においても出しておらないと思うのですが、そういう実態を調べてみたら、大がい主催して、いわゆる純のつく程度のものは相当なみんなそれぞれ赤字を負担してやっているということが多いのです。たまにはそれは当って黒字になるというのもあるかもわかりませんが……。 それから入場税を低くしても入場料を下げないというような主税局長のお話がありましたが、おそらくそういう純演劇を扱うという人は、できるだけ安くしたいというので必死になっておるわけなんですね。少しでも高かったら、やはり今日はテレビもでき、なかなかそういう劇場に客を引くということは容易でないのですから、そういう点は少し見方が、そういうものに対する見方が少し私はきついのじゃないかというように思いますから、これは参考のために申し上げておきます。
○理事(西川甚五郎君) ほかに御質疑がなければ、本案の質疑は後日に譲りまして、次回は明十二日水曜日午後一時開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十一分散会