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28回国会参議院1958/04/09

商工委員会 第17号

発言数
63
登壇者
10
会派数
4
開催日
1958/04/09

会議録

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) これより商工委員会を開会いたします。  本日は、公報でお知らせしましたように、中小企業信用保険公庫法案外二法案を議題とし、参考人の御意見を伺い、参考人並びに政府当局に質疑を行い、審議を進めることとしております。参考人については、その人選を委員長に御一任願つておりましたので、お手元に配付の印刷物のごとくになりましたので、さよう御了承を願います。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 参考人の方には、御多忙中わざわざ本委員会のため御出席下さいまして、まことにありがとうございます。  参考人の方の御意見を伺う前に、まず中小企業庁長官から三法案の内容につき説明を願います。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案要綱につきまして、簡単に御説明申し上げます。  これは二点ございまして、一つは、中小企業金融公庫の貸付対象のうちで、さきに臨時国会におきまして通過いたしまして、現在実施しております環境衛生同業組合及び同業組合連合今につきまして、その貸付対象についての法律において若干不備がございますので、これを是正するという点が一つで、ございまして、これは具体的に申し上げますというと、この前の法律によりましては、中小企業だけじやなくて、大企業関係のものも環境衛生同業組合を作ることになっておるのですが、その大企業関係のものも、貸付の対象に実はなっておるように法律ではなっておりますから、私どもの方としましては、ほかのものと同じように、中小企業が主であるものだけを対象とするということにこれを改めようとするわけでございます。  それから第二の問題につきましては、現在中小企業金融公庫には代表権を持っております者は総裁だけでございますが、これを、副総裁制度を設けまして、代表権を持たせようという考えでございます。現在、中小企業金融公庫は役員が八名でございまして、それから職員の数が五百六十五名、それから貸出額は五百四十九億ということに、非常に金額も大きくなっておりますし、職員の数もふえておるわけでございます。これとほかのいろいろな金融機関を比較いたしますというと、国民金融公庫につきましては、これまた役員は八名でございますが、これは副総裁制度になっております。職員の数は二千二百五十六名ということになっておりますが、貸付額は七百七十億ということに国民金融公庫はなっております。それから住宅金融公庫につきましては、これは職員の数が七百八十七名、貸付の額が二百九十六億ということになっております。その他農林漁業金融公庫その他のものと比較いたしまして、中小企業金融公庫につきましては、ほとんど職員の数につきましても、あるいはその貸付額につきましても劣らないというような状況になっておりまするが、この副総裁制度につきましては、中小企業金融公庫と、それから農林漁業金融公庫だけがその制度をしいておりませんので、今回農林漁業金融公庫につきましても、副総裁制度をとるというようなことになっておりますので、これと同じような扱いをしたい。これはいろいろな仕事の面において不便な点がございますので、そういう措置をとりたいということでございます。この二つでございますが、衆議院の方におきまして付帯決議がつきまして、中小企業金融機関の機構の充実の必要性につきましては、単に中小企業金融公庫だけではなくて、あるいは国民金融公庫とかあるいは商工中金とかそういうものにつきましても、もっと強化拡充すべきであるというような決議がついておりますので、私どもの方としましては、商工中金につきましては、現在法律上の副理事長制がございませんが、これはほかのいろいろな問題について、近いうち改正をしたいと思っておりますので、これと一緒に法律によりまして、副理事長制度をそのとき設けたいというような気持を持っておるわけでございます。それから国民金融公庫の理事につきましては、現在役員は八名でございますが、これにつきましても、十分今後検討をして、なるべく機構を充実するように持っていきたいというふうに考えております。  それから中小企業信用保険公庫法安につきまして、これまた要綱につきましてきわめて簡単に御説明申し上げますが、現在中小企業関係の信用保険、それから保証関係につきましては、保険の関係におきまして、私どもの方に保険の特別会計というのがございまして、ここでいろいろ保険の仕事をやつておるわけでございまして、現在におきましては保険の付保額が、実は三百九十億くらい、四百億くらいに上っておるわけでございます。それから保証につきましては、全国五十二の保証協会がございまして、この保証協会の保証額も現在五百億程度に実は上っておるわけでございます。この二つの制度につきまして、昨年の暮れに金融制度調査会がいろいろ検討いたしました結果、第一は、保険と保証とをきわめて有機的のつながりが持てるようにすべきであるということがまず一点、それから第二につきましては、この保証協会をもっと強化して、基金を充実させるべきであるというのが第二点でございます。第三点につきましては、何らかこの際特別な機構を作つて、そうして保険と保証関係を強化すべきであるというような意見が答申になっております。なお、その保険事業につきましては、もっと詳しい具体的な要求がございますが、これはあとで申し上げますけれども、以上三つの点について政府へ答申がなされておるわけでございますので、私どもとしましては、この際この趣旨に沿うような特別の機構を作りたいということで、中小企業信用保険公庫法案を実は出したわけでございます。  この公庫につきましては、先ほども申し上げましたように、要綱の第一の目的のところにありますように、一つは信用保証協会の資金を拡充する、そして保証業務が十分拡充されるように持っていく、もう一つは、信用保険制度をやはり強化する、この二つの目的を持っておるわけでございます。現在におきましては、三十二年度において保証協会に対しましては、政府の方から十億円程度を、低利の貸し付けをいたしておるわけでございますが、今回は三十三年度におきましては十億以外にさらに二十億加えまして、三十億この保証協会に貸し付けをする、その場合この公庫を通して貸し付けをするということにいたしたいと考えておるわけでございます。  それから保険事業につきましては、現在十数億の基金がございまして、これまた相当の保険をやつておるわけでございますが、この際もっと金額をふやしまして、保険の事業がもっと大きくできるようにしたいということでございます。  この公庫の性格につきましては、これはほかの、たとえば中小企業金融公庫とか、その他の公庫と同じような性格を持たしておるわけでございます。  それから資本金につきましては、先ほども申し上げましたように、現在信用保険特別会計に持っております基金と、それから新しく二十億の金を政府の一般会計から出しまして、この基金に基きまして、さらにまた、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律の規定により、政府の方から出資されます六十五億を入れまして、百七億六千万円の基金をもって最初進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。従って保証協会に対しましては、従来の十億プラスの二十億を合せまして三十億という金が、三十三年度においては出されることになっております。その利子とかその他のものについては、従来の十億と大体同じようなやり方をとりたいというふうに考えております。六十五億につきましては、先ほど申しましたように、これは政府の方で一応その出資をするわけでございますけれども、この法律及び経済基盤強化のための関係の法律によりまして、一応たな上げすることに実はいたしておるわけでございます。これは資金運用部の方へ預けることになっております。それからなお、従来の基金につきましても、資金運用部の方に預けるということに実はいたしているわけでございます。  公庫の役員につきましては、理事長一名、理事五名、監事二名ということにいたしております。  業務の内容につきましては、先ほども申し上げましたように、保険をやるということと、もう一つは、保証協会を拡充するための資金を貸し付けるということでございます。それから業務の方法とか、あるいはその事業計画とか、資金計画、予算、その他の問題につきましては、一般の公庫と同じような扱いをいたしております。  なお、その要綱の第十一にありますように、利益が出た場合、あるいは損失が起きました場合の措置が書いてございますが、これは一般の会社と違いますし、このいわゆる資本金という本のは、基金的な性格を持っておりますので、こういう措置をとつたわけでございます。  それから監督につきましては、これは大蔵、通産の共管ということに実はいたしております。  以上申し上げましたように、公庫につきましては、大体こういうような考え方でやりたいと思っておりますが、これにつきましても、衆議院の一方で付帯決議がありまして、第一は、公庫設立の主旨を全うするため、公庫の保険事務並びに貸付事務については、簡素化と迅速化の徹底を図ること。これはもちろんのことと思いますので、私どもとしましては、この趣旨に沿ってやりたいというふうに考えております。  第二に、公庫の保険準備基金六十五億円については、これを、信用保証協会への貸付又は中小企業金融機関への預託に運用できる途を開くよう、速かに配慮すること。これは私どもの方としまして、中小企業対策からいいましても、ぜひこういうふうにした方がよくはないかと思っているわけでございますので、さしあたり資金の統一的運用の関係から資金運用部に預けるということにいたしたのですが、私どもとしましては、なるべく早く信用保証協会の方にもっと貸し付けられるように、あるいはまた、中小企業金融機関の方に預託ができて、その利子収入も多くなるような措置をとりたいというふうに考えておりますが、こういう趣旨をなるべく早い機会にやつていただくように努力したいと考えております。  第三の、包括保証保険を大巾に拡充しようとする今回の保険制度改正に対応して、公庫が信用保証協会に資金を貸し付けるにあたつては、すべての信用保証協会が包括保証保険制度を活用するに充分な保証基盤を持ちうるよう、融資配分に特に留意すること。これは後ほど申し上げますが、私の方としましては、弱体な保証協会は、これは場合によりましては、なかなかその保険の方につなぐことができないというようなこともあるかもしれませんので、その点も十分考えまして、この弱小保証協会を極力今後におきましても強化するため、この基金の三十億の貸し付けについても、なるべく公立に、またあるいは優先的といいますと、その点は少し語弊があるかもしれませんが、十分この趣旨を体しましてやつていきたいと考えております。  それからその次は、この保険関係の実は実体の規定でございます。この整理法につきましては、たとえばこの外庫につきましては、登録税、印紙税、そういうようなものは課さないとか、いろいろなことが書いてありますが、問題は中小企業信用保険法の改正につきまして、従来よりも相当違つた措置をとろうと考えているわけでございます。法律の上におきましては、いわゆる保証の限度、それからてん補率、この二つしか載つておりませんけれども、実は保険の料率というものにつきましても、非常に大きな問題でございますので、従来のものと、今回のものとどの点において変つているかを簡単に御説明申し上げたいと思います。お手元に配付いたしてあります中小企業信用保険公庫保険業務新旧比較表というのがございます。現在の制度とそれから新しい制度につきまして書いてありますが、まず第一に包括保証保険というのがございます。現在の制度は一番右のところに書いてあります。現九の制度は包括保証保険につきまして一つございまして、それは二十万円以下のものについて包括保証保険をやつておるわけでございますが、これは現在てん補率が九〇%でその保険料率は一分四厘六毛ということになっております。私どもの方としましては、包括保証保険については、さきの金融制度調査会におきまして、特に零細企業関係については非常に大きな効果を持っておるものであるから、なるべくその包括保証保険の方へ切りかえていくべしという答申も参っておりますので、二の趣旨に沿いまして今回は従来のものを改めまして二十万円以下につきましては、この保険料率を七厘、従来の一分四厘大毛というものをうんと減らしまして七厘ということにいたしました。それからてん補率につきましては、この包括保証保険ということになりますというと、これももう半ば強制と申しますか、そういうような措置をとりますというと、結局この保証協会の責任体制というのがとれなくなるような感じもいたしますので、てん補率については九〇%というものを七〇%ということにいたしたわけでございます。  それから包括保証保険につきましても、第一種第二種と分けておりますが、今申し上げましたのは、第一種の二十万円以下のものでありますけれども、二十万円をこえまして五十万円までのものにつきましては、てん補率は同じにいたしましたが、保険料率につきましては九厘ということにいたしました。そういうふうに今考えております。これは別に保険料率というものは法律条項じゃありませんので、政令で規定するわけでございますが、そういう考え方で実はいきたいと思っていたのでございます。  それから第二種の包括保証保険につきましては、これは五十万円から五百万円まででございますが、てん補率につきましては七〇%保険料率は一分三厘という新しい制度を設けようという考えでございます。  それから普通保証保険、これにつきましては、これはなるべく今後におきましてはだんだんこれをやめて、そして包括保証保険制度の方へ切りかえるという趣旨からいいましても、現在よりも実はある程度保険料率も高くし、てん補率は逆に引き下げるというような考えをもちまして五十万円からしかも七百万円までのものだけに限定いたしまして、てん補率については従来七〇%を六〇%に、それから保険料率につきましては二分というのを二分五厘ということに、実は私どもの方は当初は考えていたわけでございます。  それから小口保証保険につきましては現在ここに書いてありますような措置をとつておりますけれども、包括保証保険を今後大いに強化するということになりますれば別に必要はないじゃないかということになりまして、これはとりやめることにいたしたわけでございます。  それから融資保険につきましては、これが一番いろんな問題を提供しておるわけでございますが、従来はてん補率八〇%それから保険料率は二分一厘九毛ということになっておるわけでございますけれども、私どもの方としましては、融資保険制度はなるべくやめて、そして先ほど申し上げました保証協会関係の保証保険、特に包括保証保険に移行すべきであるという結論も、金融制度調査会の方から出ておりますし、かつまた、この融資保険については、相当事故率が高くて、欠損もそのために非常に大きい。そしてまた、どうも金融機関の不良債権のこれは身がわりをしておるような格好にまたいわれておる点もありまするし、必ずしもそうでもないものが大部分でございますが、特にまた、決算委員会等におきましては批難事項も、この制度について特に出ておりますから、私どもとしましては融資保険については今後だんだん減らして、そうして包括保証保険の方へ切りかえていくというような考え方で、一応そのてん補率については五〇%、保険料率については二分一厘九毛ということに実はいたしておるわけでございます。  それから金融機関を相手方とする保証保険、これについてもまたいろいろ意見がございますので、しかもこれは大して大きく利用されておりませんから、私どもの方としましては、これも取りやめたいというふうに考えておるわけでございます。  以上申し上げましたように、この制度につきましては従来と相当異なるわけでございますが、これに対しまして衆議院でいろいろ検討いたしました結果、二十万円から五十万円までのこの九厘という保険料率は、これはもっと下げるべきだという意見がございますので、私どもの方としましては、大体これもさしあたり、この二十万円以下のものと同じように七厘ということで実施いたしたいというふうに考えております。  それから普通保証保険につきましては、どうもてん補率を七〇%から六〇%に落したということも非常におかしい、また二分という保険料率を二分五厘に上げたということは、これも非常におかしいじゃないかというような議論がございましたので、衆議院の決議もございましたので、私どもとしましては、現在やっておることと同じような措置をとっていきたいというふうに考えております。従っててん補率につきましては七〇%、それから保険料率につきましては二分ということで進んでいきたいというふうに考えております。  以上申し上げましたように、私どもとしましては、今回の措置は特にその包括保証保険制度に対しまして、今後大いに拡張していきたいというふうに考えておるわけでございます。それが結局中小企業の中で、特に弱小企業に対して非常に大きな役割を果してくるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  以上簡単でございますが、この三つの法案につきまして御説明を申し上げましたような次第でございます。   —————————————

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) それでは、これより参考人の方から御意見を伺います。御発言の時間は、御一人約十五分程度にしていただければまことに好都合と存じます。  それではまず福島県信用保証協会専務理事平子忠君にお願いいたします。

平子忠福島県信用保証協会専務理事

○参考人(平子忠君) お許しを得まして申し上げます。  私は福島県信用保証協会専務理事の平子忠でございます。  保証協会の問題につきましては、三十二年度におきまして十億円の貸付金をいただき、さらに三十三年度におきましては保険公庫というようなものの計画がありまして、いろいろ保証協会の問題につきまして、国の御配慮をいただいておりますことにつきまして、厚く御礼申し上げます。特にこのたびの保険公庫の制定につきましては、従来われわれが国家の保証協会というような点から、強くかねてから念願しておる問題でございまして、そういうような問題が、新しく生まれ出でるということは、まことに画期的な御計画でございまして、今後ますます困窮を加える中小企業金融のために、非常に心強い基盤をなすものであるというふうに考えまして、心からこれらの御高配に対しまして、あつく御礼を申し上げる次第であります。  なお、三十三年度におきましては、三十億の国家資金の貸付を、公庫を通じて下されるというようなふうに漏れ承わつているのでありますが、今後中小企業の金融の問題が、ますます困難なときでもございますので、一そうの増額方、あるいは貸付金でなくて、今後保証協会の出捐金に振りかえられて下さるというようなことにつきまして、今後特段の御配慮をお願い申し上げます。  それでいろいろ御要望を申し上げます前提といたしまして、福島の協会につきまして簡単に御説明申し上げまして、御理解を得たいと思うわけでございます。大体全国の保証協会は、東京都を除きましては、設立の時期をほとんど同じくしておりまして、昭和二十三、四年ごろに一斉に設立されたのでありますが、当協会といたしましても、昭和二十四年の四月に、当初ささやかな社団法人でもって生まれまして、二十五年に財団法人に切りかえられ、二十八年の国会でもって制定されました信用保証協会法に、二十九年の五月一日付をもって乗り移りまして、今日に至っているわけでございます。当保証協会の基金は七千八百万円でございまして、大部分を地方公共団体、それから金融機関、業界、こういう方面からいただいて、合計七千八百万の基金構成になっているわけでございます。それでこの基金の十倍、七億八千万円ですが、これが保証限度でございまして、残高七億八千万円をこえますというと、一応当協会といたしましては、それ以上の保証はできないということになります。これは保証協会の支払能力というような関連もございまして、一応の限界をつけておりまして、全国的に見ましても大体十倍というのが大部分の協会の保証倍率であります。一、二多いところは、十三倍、十五倍というところもございますが、大体は十倍の倍率でもって動いているわけであります。昭和三十一年度におきます当協会の年間の保証額は約十億でございます。三十二年度の保証額は十三億円でございまして、大体三十一年度に比しまして三〇%の保証増というふうな増勢をたどっております。今までの九カ年問における保証累計額は件数で三万二千件、金額で約五十五億円というような事情でございまして、一件当りの保証金額は二十五万円というような程度で、全国の平均は三十四、五万円かと思いますが、それよりも低いというような事情になっております。保証残高が七億六千万円でございまして、大体倍率七億八千万ぎりぎりのところまでいっております。年末には、ちょっと暫定的ではございますが、倍率をこえたというような事情でございました。それでこの保証残高は現在の全国五十二協会のどの辺に当るかということを申し上げますというと、保証残高におきましては全国二月末の残高でもってみますというと、十六位というような点にございまして、大体中位程度の協会の立場であるというような実情でございます。  それで今までの代位弁済の、経営者が払えなくなりまして、保証協会がかわって、金融機関に支払いますいわゆる代位弁済の金額は一億三千九百万円でございます。これは当協会の保証総額に比しまして二・五%、保証総額の二・五%の代位弁済でございます。全国の約二%という線から見ますというと、やや代位弁済は上回っているというような事情でございます。一億三千九百万円代位弁済いたしまして、そのうち回収をみたものは八千四百六十六万六千円でございまして、代位弁済総額から見た回収率は約六一%というようなふうに相なっているわけであります。  保証する場合に保証料を業者から徴収するわけでございますが、保証料は、普通のものは日歩七厘の保証料を徴収しております。それから国民金融公庫のものにつきましては六厘の保証料を徴収しております。県並びに市が、特別に保証協会に金を貸して、それでもって保証をしている分があるのでありますが、この県並びに市の預託によるものにつきましては、日歩五厘の保証料を徴収しているということでございまして、大体この辺の保証料は、全国のあれから見ますというと、大体中どころのものではないか、大体似たり寄ったりでございますが、大体全国でもこんな足並みじゃないか、こういうような保証料率でございます。  以上が福島の保証協会の大体現状でございますが、なお二言、全国五十二の協会の事情について申し上げまするならば、名称はいずれも法律で規定しております保証協会なのでありますが、その内容に入りましては、全く千差万別でありまして、なかなか問題点がそれぞれ違うのであります。ここにこのたび公庫によるところの保険業務というようなものを一律に押えようとする場合におきまして、いろいろ問題点が出てくる一つの理由であろうと思われます。まあ、基金の問題にいたしましても、これはいろいろ内容が違っておりまして、必ずしも県から、中央公共団体からのみ出ているという問題でもなくて、その比率なんかもいろいろまちまちでございます。それから地方公共団体と保証協会と損失補償契約をいたしておりますが、その損失補償の問題につきましても、いろいろあらかじめ損失補償の金額を保証協会に前渡しいたしまして、それで自由にそれが支払いし得るというようなふうのところもございますし、それからまたほんとうのから手形でございまして、実際にはいつになったら、その損失補償を受けられるのだかわからないというような立場の損失補償契約もございます。それからいろいろ地方公共団体の補助金というような問題につきましても、あるところもありますし、ないところもある、あるいはまた、保証料、保険料の場合におきましても、一部地方公共団体がそれを負担するというようなところもございまして、そのために特別低い保証料を徴収したり、あるいはまた、包括保険料なんかを支払ってくれるというような立場の地方公共団体もあるのでございます。  それからまた保証の金額の方面をみましても、大きな協会、たとえば北海道のごときにおきましては、最高三千万もの保証をやっております。ところが、半面小さな協会になりますと、たとえば長野、佐賀、こういうようなところになりますと、その保証協会の最高保証限度というものは五十万円、それ以上は保証できないというようなことでありまして、ここにいろいろまもまちの状態でございます。従いましてあとで申し上げますところの包抱保険の場合におきましても、いろいろ五十万がいいとか、二十万がいいとか、あるいは十万まで入れてくれとか、そういうような問題が非常に多く出てくるわけでございます。  大体以上が福島の保証協会を中心といたしまして、全国の保証協会の大ざっぱな問題につきまして、御了解を得るためにお話し申し上げたわけでございますが、このたびの保険公庫を通じまして行われますところの保険制度、この問題につきましては、先ほども感謝申し上げましたように、非常に画期的な行き方でありまして、制度そのものにつきましては、全く異議がございませんで、感謝申し上げるところでございますが、しかしながら、これを急激に早急に一律にもっていくというところに、その実施方法、内容というような問題につきましては、非常に全国各協会の不満が強く出て参りまして、各協会の集まりにおきましても、再三これが是正方につきまして、関係方面に強く要望を申し上げたような次第でございまして、これから大体全国保証協会の要望の問題を中心にいたしましていろいろ申し上げたいと思うのでございますが、制度そのものは、非常にけっこうなんでありますが、今申し上げましたような区々まちまちな内容を持つ保証協会のことでもありますので、これが実施につきましては、緩急よろしきを得まして、逐次実情に応じた強化対策というものをお願い申し上げたいというふうに考える次第でございます。  まず第一の問題点につきましては、先ほど川上長官から御説明のございました包括保証保険の問題でありますが、特に、この包括保証保険の問題の第一種保険の問題につきまして、五十万一本でなくて、五十万の下にさらに段階制を設けまして、逐次実情に合うようにやっていただきたいということと、手続事務の簡素化をお願い申しあげたいということでございます。それで現行の包括保険制度は、五十二全国協会のうち、これを実施している協今が十三協会でございまして、他の三十九協会は実施されておらないのであります。これは今までも全部が満足しておるならば、全部ともやるわけでありますが、わずか十三協会きりしておらないというところに、いろいろ問題があるのでございまして、その問題の一つは、非常に手続が煩瑣であって取り扱いにくいということと、それから保険料の支払い、保険料の受け入れというような、そういうような数字の上から見ましても、実質的に有利でないというような、この二点から行われていないということが言えると思うのでごります。それで福島の例を申し上げますというと、福島は最初からこれを実施しようと考えまして、最初実際に受け入れたわけであります。三十一年の四月から三十一年の九月まで六カ月間これを行なったのでありますが、どうしても少い人数ではやりきれないというような点から、ついに包括保険制度を放棄せざるを得ないということになりまして、半年問でこれを中止したというような実情にあるのであります。それでこの半年間ではございますが、この包括保険を実施しましたその実績をながめてみますというと、件数で六百四件でございます。金額で五千九百三十一万円でございまして、保険事故は三件二十九万円で、ございましたが、これらはほとんど大部分すでに回収になりまして、請求を要せざる状態で、未請求のままで済んだわけでございます。従って、保険金の受領はゼロでございました。一方、支払保険料はどうかと申し上げますというと、三十九万四千五百八十六円というものを支払っておったわけでございます。私の方から見ますというと、数字だけの面から見ますというとまる損になった、こういうようなことに終ったのでございます。これは単に私の方の一つの例にしかすぎないので、これをもって一律に全国の協会の場合を申し上げても当てはまらないとは思いますけれども、大体各協会とも、この割合に零細の方面の危険というものは、それほどおそれるべきものじゃないというふうに考えられるかと思うのでございます。  こういうような点から、大部分の協会が現行の包括保険を受け入れなかったという問題があり、そうしてまた、今回の五十万以下を一審とした第一種保険というものに対して、いろいろ不満が多いというような理由が存するのだと思うのであります。従って、この五十万一本でなくて、五十万の下の方に、さらに三十万とか、二十万とか、十万とかの段階制を設けていただきまして、それぞれの立場から、納得して全国の協会が受け入れできるような措置を講じていただきたいとかように念願する次第でございます。五十万と申しましても、先ほど申し上げましたように大きな協会は大した苦にならないのでありますが、たとえば長野、佐賀というような場合には、最高五十万きり保証できないのでありますから、全部が引っかかってくる、それからこれは私の方の場合で見ますというと、五十万以下というものは件数で八九%、約九〇%近い件数が大部分を占めるのであります。金額で六〇%というようなことになりまして、従って、小協会におきましては、五十万というものは、ほとんど全額であるといっても差しつかえないという実情でございます。ここにいろいろ問題があるのでありまして、それぞれの協会の立場で受け入れられる、どちらか一つを受け入れられればいいという段階制を、五十万以下において設けられるようにお願いしたいと思うのであります。特に小さな協会になりますと、非常に職員の数も少いのでございます。従って、職員をふやせば手続でも何でもできるのでございますけれども、半面においては業界、それから関係方面からは絶えず保証料の引き下げという問題が強く打ち出されているのでありまして、そういうような点は、これはいやおうなしに聞かざるを得ない立場でありまして、そういうような際に、いたずらに人数をふやしてこの経費を増大せしめるということは、かえって業者対策に逆行するというような点もありますので、これらの点は特に今後御了解を願いたいと思うのであります。  それから第二の問題点は、保険料率の引き下げとてん補率の引き上げでございます。この点につきましては、先ほど川上長官から御説明がございまして、衆議院において付帯決議になりまして、非常にわれわれの要望する線に近づいて参ったのでありますが、なお今後、一そうこれらの点につきまして御配慮をお願い申し上げたいと考える次第でございます。それで、このてん補率は、大体全国協会の要望といたしましては、九〇%程度、それから保証料率は七厘以下というような要望をかねがね申し上げておったわけでありますが、今後あらゆる機会にこういうような点につきまして御高配をお願いしたい、特に小口二十万以下の問題につきましては、先ほども福島の例によりまして、保険金の請求はなしと、四十万近い保険料を払っておるというような事情でございまして、これはまるまる損をしましても、これは単独協会の力で十分成し得るような状態でありまして、特に二十万以下の零細企業というものは、特に経済問題よりも、むしろ社会問題の方が多くしわ寄せされてきているケースであります。従ってこういうような問題につきましては、特に国におかれましても社会制度的な意味合いを強く打ち出されまして、特別のまあ、たとえばただということもあれでしょうけれども、まあ五厘程度でも十分成り立つのじゃないかというふうに考えられまして、こういうような点については、特に御高配をお願い申し上げたいと思うのであります。  なお、今回の政府案によりますというと、この保険料の算定基礎というものは、保険金の支払ったあとの回収率という問題を一つの基準にして出されているようにお伺いしておるのであります。それで回収率を四三%に引きまして、保険料を算出されたというふうな話をお伺いしておるのでありますが、大体現在の全国の保証協会の実際の回収率は五〇数%になっておりまして、四三%を上回っておるようなわけでございます。それで従って五〇%で算出いたしますれば、少くとも全国各協会の要望を受け入れましても、なおかつ保険公庫の採算というものは維持されるような予想が立つのではないか、かように考えるのであります。それでこの回収率の問題につきまして、福島の例を申し上げますというと、これを年度総体では、六一%の回収率になっておりますが、これを年度別に見ますというと、二十六年度までに代位弁済したものの回収率は七七・七六%の回収率になって参ります。それから二十七年度中に代位弁済したものの回収率は七八・一%というような回収率、二十八年度中の代位弁済のものにつきましては、八三・三七%の回収率であります。二十九年度におきましては七三・三六%、三十年度におきまする代位弁済の回収率は六九・三五%、三十  一年度が四三・九六%、三十二年度、すなわちもうやっと終ったばかりの前年度の三十二年度につきましても、一九・〇二%というような回収率でございまして四三%という回収率は、あまりに低過ぎるというふうに考えられますので、この点については十分の御了解を申し上げたいと思うのであります。  それから申し上げます第三の問題点は、保険業務の徹底的な簡素化をお願いしたいということであります。御承知のように、保証協会は決して陣容的にも、いまだ充実されていない組織でございます。従ってほとんど全部が引っかかってくるような五十万以下の包括保険の業務というふうになりますというと、これはただ一回の手続では済まないのでありまして、全部保険台帳に記載しまして、そうして大がい回収というものは毎月月賦返済であるとか何とかになりまして、何年も何年も長くかかって回収するのでありまして、これらのものを小人数の者でやるということは、なかなか損得を度外視しましても、実際問題としては容易でないというようなことになるのでありまして、そういうような意味合いからも、どうぞ思い切った事務の簡素化と旧いうことをお願い申し上げたいと思うのであります。  それから第四点は、保証協会の自立性の確立でございます。これは五十二の保証協会があるのでございますが、これらは地方公共団体の大方の援助によりましてやってきたのでありますが、それぞれ各地方には、地方の事情がございまして、それらの特殊事情に合ったような行き方が多く見られるのであります。従ってこの特異性を生かすことが、結局は地方の中小企業対策の誤りない行き方であるというような観点から、こういうような問題につきましては、特に御認識をお願い申し上げたいと思うのであります。なお、地方公共団体といろいろ摩擦があるようでは、実際協会の発展というものは、なかなか望み得ないのでありまして、特に国家貸付金というものが出て参る場合におきましては、さらにそういうようなものを土台としまして、今後ますます地方公共団体との結びつきということをあわせ考えて、保証協会の育成強化ということを御高配をお願いしたい、かように申し上げる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ちょっと平子参考人に御注意しますが、もう予定の時間の倍も過ぎておりますので、あとの方の時間の都合もございますから、結論を急いでお願いいたします。

平子忠福島県信用保証協会専務理事

○参考人(平子忠君) 時間もはなはだ申しわけないのでございますが、以上申し上げまして、今後保険公庫のための保証協会ではなくして、ほんとうに保証協会のための保険公庫であるというふうに、バツク・アップをしてくれるように、公庫の運用につきましてお願い申し上げまして、私のお願いを終る次第でございます。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ありがとうございました。   —————————————

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 次に、全国銀行協会連合会事務局長安原米四郎君にお願いいたします。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) 私全国銀行協会連合会の事務局長をいたしております安原でございます。  今度の中小企業信用保険公庫法案につきまして、われわれ全国銀行協会連合会は、長いものですから通称略して全銀協と申しておりますので、あと全銀協と言わしていただきますが、全銀協の考え方は、先ほど川上長官がお話しのように、この法案は金融制度調査会の答申に基いて作られております。同調査会には全銀協の会長その他銀行の代表も委員として出ております。特にこの信用補完制度を中心として検討されました調査会の小委員会の主査には、全国地方銀行協会の会長であり、同時に全銀協の理事をいたしております亀山常陽銀行頭取がなっておりまして、その検討につきましては終始われわれの方も参加いたしております。従って本法案につきましては、原則として大筋はもちろん賛成でございまして、ぜひこの国会で実現さしていただきたいと思いますですが、ただ、この法案の内容につきまして、実務を担当いたしております銀行の立場から申しますと、新しい制度に移り変るその経過的な措置はもう少し考えてもらった方がよかったんじゃないかと、特に銀行が直接関係ございます融資保険につきましては、先ほど川上長官から詳しく御説明ございましたので、詳しいことは省略さしていただきますが、われわれ銀行の方から見まして問題にいたしておりますのは、てん補率が従来の八〇%から一挙五〇%に引き下げられていると、まあ保険料率はそのまま据え置かれてございますが、また保険される対象としての貸付額が従来は最低限度がございませんでしたのに、新しく五十万円超と、それから最高限度も従来は一千万円まででございましたのを七百万円というふうに引き下げられる、こういうふうなことは、実際に担当いたしております者の立場としまして、こういう保険を利用するためには、あまりこう急激に変るということは運用がなかなかむずかしくなる。従って、将来信用保証協会が拡充強化されて十分の活動ができるようになれば、その方に移ることは当然でございましょうが、それまでの経過措置としてはこれらの条件をこのように一挙に変えないでやってほしかったと、まあせいぜいその保険額の総額は若干下げられるということはやむを得ないかもしれませんが、そういうふうにとっていただければよかったという希望意見はございますが、全体的にこういう方向に今後進んでいかれるということについては、銀行の方も賛意を表しておる次第でございます。  まあ、お尋ねのこの法案につきましてのわれわれの考え方はその程度でございまして、ちょうどまかり出ました機会で、昨年の金融引き締め後の金融の状況並びに全銀協としましてのその間の対策についても、若干お聞き願えれば非常にけっこうだと思っておりましたのですが、御予定の時間がだいぶ過ぎておるようでございますので、あとでもし御質問がございましたらその点についても述べさしていただきたいと思います。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) どうもありがとうございました。   —————————————

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 次に、中小企業金融公庫理事中野哲夫君からお願いいたします。

中野哲夫中小企業金融公庫理事

○参考人(中野哲夫君) 私、中小企業金融公庫の中野でございますが、公庫の運営につきましては、平素何かと御指導、御注意をいただきまして、三十二年度も年度当初ほぼ計画と同様に仕事を、貸付を終ったような次第でございまして、この機会を借りまして厚く御礼を申し上げたいと思います。  ただいま公庫法の一部改正について御審議を願っておりまするので、この機会に三十二年度の公庫の貸付のあらましと、先般成立を見ました三十三年度——新年度の予算に基く公庫の貸付の概要を申し上げまして御参考に供したいと思います。  まず、三十二年度におきましては、当初国会で御審議を願いました予算では、総貸付を四百十五億円といたしたのでございます。うち借入金が二百億円、残りの二百十五億円が回収金等であったのでございます。ところが、昨年の春以来、金融引き締め、それに引き続く総合緊急対策等のことがございまして、第四・四半期に借り入れる予定の運用部資金約六十億円を繰り上げ借り入れいたしまして、第二・四半期及び第三・四半期において増額貸付をいたしたのでございます。秋の臨時国会におきましては、そういう四・四半期の穴のあいた部分を埋めると、あるいは年末の金融を厚くするというような意味合いで百億円の借り入れ増加を可決していただきまして、貸付計画を改訂いたし、お手元に資料に差し上げてありまする通り五百四十八億円、借り入れが百億ふえましたのと、自然回収の増が約三十三億を見込みまして五百四十八億円と、こういう計画を立てました。そのうち直接貸付を七十億円、残りの四百七十八億円を代理貸付、さらにそのうち商工中金に対しては年間約四十億円を代理貸付としてお願いするというようなことにいたしたのでございます。それがこの三月三十一日で終りましたのを締め切ってみますと、まだ概数を出ないのでございまするが、三十二年度におきましては直接、代理貸し合計いたしまして二万四千五百十四件、五百五十三億円の貸付決定を見ました。で、ほぼ計画通り、あるいは計画を多少上回ったというようなことになっておるのでございます。直接貸付も七十億円の計画が三十一日では七十六億円余りの融資承諾を行いましたので、これまた計画を上回ったような次第でございます。  次に、三十三年度の計画でございまするが、これは貸付規模を五百七十億円にいたしております。そうしてそのうち直接貸付を九十億円、代理貸付を残りの四百八十億円と、こういたしております。その原資を申し上げますと、資金運用部からの借り入れが二百二十五億円、簡易保険、郵便年金からの借り入れが五十億円、合計二百七十五億円が借入金で、残りの二百九十五億円を回収金等で充てることにいたしております。この五百七十億という年間の貸付規模は、先ほど申し上げました前年度の五百四十八億円に比べますと、わずかにまあ二十二億円程度の増加にしかならないのでございまするが、いろいろ財政の規模へ他の政府金融機関との関連等がございまして、こういうことで予算の可決をいただきました。ただ、本年度は予算総則に初め規定が入りまして、産業経済情勢の急変がありまして、中小企業金融をさらに手厚くする必要が起ったような場合には、国会の議決を経ずして大蔵大臣の行政措置をもって予算で定められた借り入れ限度額の百分の五十以内の金額であれば、借り入れ限度の増額を認めることができるというような、いわゆる弾力条項を設けられましたので、ただいま計画しておりまする五百七十億円という貸付規模をもって仕事を始めて参りたいと思います。もっともこの五百七十億円という貸付規模では代理店から調査、照会いたしました公庫に対する需要、あるいは手前どもの本店、支店の窓口に申し込まれておる直接貸付の需要に比べますと、ほぼ五〇%程度の充足率にしかならないというような現状でございます。本年度は予算といたしましては前年度より総貸付額が回収額を入れて若干上回る、特にその内訳としては、直接貸付を前年度七十億円から九十億円に拡大するようにというような点が主でございまして、それに伴いまして、直接貸しの処理に必要とする人員、あるいは貸付残高がふえまして、いろいろ管理、回収に手数がかかって参りますので、それらの人を埋めるという意味で約八十名の定員の増加を認められ、その一部分をさきまして、熊本、新潟に新たに店舗を設けることにいたしました。目下その準備を進めておるような状況でございます。この八月末をもちまして、ちょうど創立満五周年を迎えるわけでございますが、先ほど中小企業庁長官からもお話のございました通り、貸付金高、あるいは借入金高、政府の出資額、職員の数、店舗の数というようなものも逐年増加いたしまして、三月三十一日現在の総貸付残高は八百九十億円くらいに相なり、本年度末、来年の三月末には残高が一千億円をこえるような見通しに現在なっております。  なお、いろいろ公庫の融資につきましては、代理貸付制度についても、いろいろ御注意をいただき、また、業界からも御要望をいただく点が多々ございます。また、直接貸しの処理等についてもいろいろ業界に御不便をかけておる点も少くないのでございまするが、これらの点は今後一そう運営を円滑に簡素化するという方面に公庫といたしましても努力を一そう払いたい、かようにわれわれ念願して努力をしておるような次第でございます。  非常に簡単でございまするが、最近の概況を御参考までに申し上げました。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ありがとうございました。   —————————————

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 以上で、参考人の方の御意見は終了いたしましたので、ただいまの参考人の公述に対し、質疑のおありの方は順次御発言を願います。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 最初、中小企業金融公庫法の一部改正法律案に関連いたしまして質問をいたします。特に基本的な問題について質問をいたします。  日銀の発表したところによりますと、昭和三十二年中の全国銀行貸し出し状況を見ますると、大企業向けの貸し出しが圧倒的に増加しておるのであります。年間の増加額は八千五百六億、前年から見ますと八〇%増加しておる。ところが、これに反しまして、中小企業向けの貸し出しは年間の増加額はわずかに千九十三億でありまして、前年に比較しますと二七%という激減ぶりになっておるということが日銀の発表で明らかになっておるのであります。こういう数字から見ますると、中小企業専門金融機関に政府資金を投入いたしましても、プラス、マイナスしてみるというと、大した効果が、全体の金融としては違いがないというような結果になってきておるのでありまして、この点を非常に憂慮いたすのでありますが、これに対しまして、参考人の安原さん、それからまた中小企業金融公庫の中野理事の所見を伺いたいと思います。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) 今、豊田委員からお尋ねのございました銀行の貸し出しが大企業に集中しておるのではないかというお話でございますが、数字の絶対額を見ますと、確かにお話の通りでございます。先ほど、昨年の金融引き締め以後の実情につきまして若干説明さしていただこうと思っておりましたのですが、この機会にそれに関連いたしまして少し述べさしていただいてよろしゅうございましょうか。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 簡単に……。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 なるべくポイントだけ答弁していただきたい。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) 銀行の貸し出しは御承知の通りに、ずっと前々からの残高を見ましても、いわゆる中小企業といいます資本金一千万円以下の会社等に対する貸し出しは三十数%ということで、大半はより大きいところに貸し出しが行われておりまして、これはまあ銀行の性質上、一面やむを得ない点が、やむを得ないといいますか、当然な点で、問題はむしろその比率が低下する、あるいは絶対額がどうなるかという点にあるということは御了承願えると思います。ただ、絶対額としましては、中小企業に対する貸し出しの全金融機関の比率を見ましても、銀行の占める割合は過半数を占めておるわけでございまして、まあ、それだけに銀行の貸し出しがどういうふうになるかということは非常に注目されるのはごもっともなことだと思います。それで、昨年は御承知の通り、外貨の危機を契機といたしまして、前の二十八、九年当時以上の金融引き締め政策が急激にとられまして、それでわれわれの方としましては、さっそく全銀協の小中企業金融対策委員会を開いて、中小企業について十分気をつけてやることにしようというふうな線も出したわけでございますが、ただお話のように、絶対額としましては大企業に対する貸し出しより中小企業に対する貸し出しの比率は低いということは事実でございます。ただ、われわれの方としまして、言いわけ的に申さしていただければ、前回の二十八、九年当時の金融引き締めのときよりも、今度は各銀行は相当努力いたしまして、ちょうど昨年四月末には中小企業向けの貸し出し残高は、一兆五千二百五十六億円、これがまあ全国銀行の中小企業に対する貸し出しの残高でございますが、九月末には一兆五千五百五十億、まあ、その間御承知のように、五月以降非常に金融が引き締められて、逼迫がひどくなったわけであります。しかし、まあ、とにかくわずかではございますが、絶対額としましては三百億足らずの増加になっておる。それから、昨年末は全銀行の貸し出し総額は一兆六千百九十一億円でございます。従って、四月末に比べますと九百三十四億円、約千億円の増加になっておるわけでございます。それで、これは前の二十八、九年当時の状況よりはかなり改善されておるのではないか。今お話のように、御不満の点もございましょうが、少くとも、ある程度努力をいたしておりまして、ことに昨年末には年来金融対策といたしまして、十月から十二月までの四半期に銀行の増加する預金の少くとも二割、二〇%は中小企業向けに融資することにしようという申し合せをいたしまして、各銀行の御協力を願ったのでございますが、その結果十月—十二月の第三四半期、三十二年度といたしましては第三・四半期の間に六百億余りの増加で、ちょうど預金増加額の二割相当額が中小企業向け貸し出しに出されたわけでございまして、まあ私どもとしましては、かなりの努力はいたして参りました、と思っているわけでございまして、それで第一線の方の話し、また全銀協でやっております金融相談所の窓口を通じて見ましても、まああれだけの金融引き締め政策で、もちろんいろいろ個々には強く影響があって、整理、つぶれるというところもございましたでしょうが、大勢的に見ますと、まあまあ思ったよりはうまくいったのではないか。それはまあ年がかわりまして、今年になってからも一—三月危機説なんかも唱えられましたが、幸いに大過なきを得ているというふうに考えているわけであります。

中野哲夫中小企業金融公庫理事

○参考人(中野哲夫君) 公庫といたしましても、日本の全金融機関の中小企業向け貸し出しの設備資金なり、運転資金なりの動向については、平素いろいろ注意を払っているのでございまするが、公庫は公庫法の第一条にもございます通り、民間の金融機関の足らざる点を補う、補完的な金融を行うというふうに定められておりますので、平素手前どもへ融資相談にお見えになつた方々にも、取引銀行というものが一番大切なのでありまして、公庫は預金の制度もなし、二年に一ぺん、三年に一ぺん設備の改良、入れかえをすると、そういう際に普通銀行ではなかなかめんどうの見れないような長期の金をお貸しするという建前ですから、平素しっかりした取引銀行をお持ちになって、日常の金繰りはそういうところで御相談になるということが大事です、ということを申し上げているようなわけでございます。  昨年の金融引き締めの当時、私は大阪の支店長をやっておりましたのですが、そのころはっきり感ぜられました一点は、都市銀行の取引相手となるような、中小企業でも中規模の企業、売り上げが年数千万円、あるいは数億円のもの、また従業員も百五十人、二百人、二百五十人などというような中規模の、しかもかなり内容のいい、われわれから見ますとしっかりしているような企業が、従来の都市銀行からまあ金融引き締め、あるいは親会社からの支払いの引き締めというような問題もからんで参りまして、公庫の直接貸しを希望するという傾向が非常にふえて参つたのでございます。  昨年度の直接貸付の平均金額は六百万円を越すような状況でございまして、これは今申し上げたような金融引き締めによる今までの取引銀行からの融通が不円滑になったしわが、公庫に及んできたということをはっきり申せるかと思うのでございます。私の方でも、努めてそういう向きに対しては、従来の取引銀行からもめんどうを見てもらうように、直接、間接に援助し、われわれとして設備資金を中心とし、必要最小限度をお貸しするというような配意をいたしてやって参っております。実はこの四—六月、第一・四半期の貸付計画は、先ほど申し上げました五百七十億円のうち、百四十億円を予定したのでございまするが、これに対する第一・四半期の需要は、三百億円を越すような状況で、充足率が五〇%に満たぬというような数字が出ておりまして、この点はいろいろ設備投資の水準が下るだろうとか、金融が緩和されるだろうというようなことが経済雑誌、その他に言われているのでございまするが、公庫に対する資金需要は、私どもが想像した以上に強いのにいささか驚いているような状況でございます。これらについては、まあ総額五百七十億円で押えられている関係もございまするが、できるだけ適切な運用をいたしまして、これでもどうしても足りない、もっと厚くすべきであるというような情勢がございましたら、さらに政府側にお願いいたしまして、その対策に誤まりないようにいたしたいと、かように考えている次第であります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 せっかく答弁してもらっておるのですが、私の質問のポイントには一向に触れておらぬように思うのでございます。私の質問しておりますのは、中小企業金融公庫でも昨年末の貸し出し残高はかれこれ八百億以上、それから商工中金にいたしましても貸し出し残高は昨年末九百億以上、それから国民金融公庫は昨年末貸し出し残高は七百億くらい、合計いたしますと二千四、五百億の政府資金を中心とする貸し出しが行われておるのであります。ところが、一方において銀行の貸し出しが中小企業向けのものが大企業の伸び方に比べると非常な開きがそこにある。要するに中小企業金融公庫等あたりからどんどん出してはいるけれども、それだけ普通銀行の方からは伸びるべきものが伸びない。そこに全体としての中小企業金融の緩和の道がきわめて憂慮せられるのじゃないか。これに対して、銀行側と中小企業金融公庫側とに率直な意見を承わりたい。特に中小企業金融公庫は代理貸しというものをやっておられるのでありますが、代理貸しをやればやるだけむしろ一般の銀行は肩の荷が軽くなって、普通ならば自己資金で銀行が出すべきものを中小企業金融公庫の政府資金でやる、それだけ本来銀行が自己資金で出すべきものはへこんでくるというようなことがありとすれば非常に困ったことになるのではないか。この点について一般銀行の立場と、そうして中小企業金融公庫の立場と、その両方から端的な御見解が承わりたい、こういうことであります。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) 先ほど実情を御説明申し上げたつもりでおりますのですが、銀行の立場としましては、御承知の通りに昨年の金融引き締め後中小企業金融にもできるだけの努力をするということでやってきておるわけでございますが、銀行の性格上、一方では御承知の通りいわゆる重点産業にできる限りの資金の調達をはかるようにという問題が一方にございました。そのために従来からございました全銀協の組織としての融資規制委員会あるいは投融資委員会というものを改組いたしまして、投融資委員会を作りまして、それで銀行の融資をいかに配分すかということにつきまして従来に見なかったいろいろな努力をいたしたわけでございます。で、重点産業を極力見る、同時に中小企業並びに輸出増強のための金融対策というものも検討します。また地方不要不急の融資の削減をはかるということで、今度初めてとにかく絶対額自体も落す。昨年の九月末残高が、いわゆる不要不急の融資の貸付残高が八百四十億でございましたが、それを今年の六月末までに五%残高を減らすという、これは非常な努力をしなければ実現できないことでございますが、そういうこともいたしまして、私が戦後全銀協の方へ、全銀協が発足しまして入って十年余り、今までになかったいろいろの努力はいたしてきたように思うのでございますが、まあそういうふうに資金量の足りないところへ需要が非常に多いということで努力はしたけれども、今御期待されているほどの融資が行えなかったということは、中小企業金融にかかわらず、各ほかの大企業についてもそれは言われておるわけでございます。今後も引き続き努力はいたすことにいたしておりますが、その間の事情を一つ御了承願いたいと思う次第でございます。

中野哲夫中小企業金融公庫理事

○参考人(中野哲夫君) ただいま御指摘の点はいろいろデリケートの問題でございまして、これを端的に規制すると申しますか、コントロールするという点はなかなかむずかしいのではないかと思いますし、いわんや公庫の立場から、さような政策にわたる面はいかんとも考えられませんので、手前どもといたしましては、公庫法の趣旨に従って業界の切実なる資金需要に対して親切にお答えする、こういうことで仕事をやって参りたいと、かように考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 これ以上質問するのは無理かと思いますから、あらためて別の機会に関係方面を追及することにいたしす。  それでこの際、具体的の問題を二、三承わっておきますが、時間の都合がありますので、一括してお尋ねをいたします。  まず第一点は、これは全銀協の安原さんにお尋ねいたしますが、昨年地方銀行などの手持ちの金融債を中小企業金融の円滑化をはかるために買い上げた、今度それを売り戻そうとしておるのでありますが、これがまた中小企業金融の逼迫しておる今日、非常に圧迫材料になるだろうというふうにわれわれ考えておるのであります。これに対しまして全銀協としての率直な御見解が承わりたい。  それから、信用保険公庫の関係でありますが、包括保証保険第一種保険につきまして、今回はてん補率が従来の九〇%から七〇%に下げられてくるのであります。これについてどういうふうにお考えになっておるか、これは福島県信用保証協会の平子さんにお尋ねをいたしたいと思います。次に、融資保険を将来はやめる、暫定的にこれを存続しておくのだというようなことになりつつあるようでありますが、これについて安原さんは多少困るのは困るのだが、全体の線としてはやむを得ないというようなふうな説明があったわけであります。しかし、私どもの見まするところでは、信用保証協会というものは主として零細金融に今後重点を置いていかなければならぬ、従って融資保険をやはり存続しておかないというと、ついつい信用保証協会は大口の方に向けていって、せっかく零細金融に重点を置いていって、今後零細金融の円滑化を特にはからんならぬという考え方からいきますというと、融資保険がなくなることによって信用保証協会がどちらかというと、大口保証の方へ向いていきやしないか、そういう点から融資保険というものは暫定的のみならず、この際、これを残し、また伸ばしていくべきだ。しかして信用保証協会は零細企業金融に徹底的に専心させていくように、こういう面からもしむけていくべきだというふうに考えるのでありますが、この点についていかなるお考えを持っておられるか。  それから次の問題といたしましては、中小企業金融公庫の代理店たるところの金融機関が、保証債務、これに対する保険、これをやめていこうというわけであります。これについてもやはり中小企業金融公庫の資金を十分に、円滑に中小企業方面に流していこうという際には、普通銀行に踏み切らせる意味合いから、信用保証債務の保険というものがやはり必要なのではないかというふうに考えるのでありますが、この点については安原さんと、中野理事にお尋ねしておきたいと思うのであります。  以上一括して御答弁を願います。

平子忠福島県信用保証協会専務理事

○参考人(平子忠君) 包括保証保険のてん補率九〇%が七〇%になったという問題についてでございますが、これはわれわれは一応要望といたしましては、九〇%の線を要望したのでありますが、遺憾ながら二〇%引き下げられたということです。これが保証協会にどういうふうに作用してくるかという問題につきましては、まず第一番に、零細金融につきましては、私どももあまり回収を急ぎたくないという問題であります。九〇%のてん補率であれば、ほとんど放任しておいても差しつかえないという程度のことになりまして、気長に回復を待ちながら回収できるということなのです。それが七〇%になりますと、小さい協会といたしましては、なかなかその日その日の問題で、苦しい事情もありまして、やはりある程度回収を積極的にしていかなければならぬというような事情が第一点に考えられまして、そういう点からは業者をやはり若干苦しめるのではないかというようなことが、第一番に問題になるのではないかと、かように考えます。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) 最初に、お尋ねの例の資金運用部のオペレーションの問題でございますが、これは最初始めるときに、短期的な運用をする建前になっているということで、できれば三十二年度内で、おそくとも五月、六月ごろまでには買い戻しをする建前になっているというふうな大蔵省の方の事務当局の話でございましたが、御承知の通りにやはり中小企業金融対策として今やるべきでないということで、そのまま延ばされておりまして、われわれの方も先般理事会の方でその話がございまして、こういう情勢のときには引き揚ぐべきでないというふうな話もございまして、銀行の立場としましては、できる限りそのまま延ばしてもらうことを希望いたしております。  それから次の融資保険の問題でございますが、銀行としましては御承知の通りにかなりこの保険は利用させてもらっているわけでございまして、先ほど金融制度調査会からの答申は、一本化される線が出されておりまして、これは国策としてきまれば、もちろんそれでやられることが非常にけっこうだと思うわけでございますがやはり並行的にこれも残しておくべきだというふうに国策として決定されれば、もちろん銀行としては従来やって事務的にもなれておるわけでございますし、それがいいというふうにも考えられるのじゃないかと思うのであります。まあ保証債務の保険についても同様に、これもこの制度の存続がまあ全体的な観点から必要であるというふうな決定で残されることになりますれば、その線で銀行はやっていくということはもちろんいいことじゃないかと、私も考えておるわけであります。

中野哲夫中小企業金融公庫理事

○参考人(中野哲夫君) 金融機関の保証保険についての御指摘でございましたが、その保証保険の基礎になりまする保証につきましては、金融公庫は三十二、三の保証協会と契約を結びまして、公庫の代理貸付自体の保証を当該保証協会にお願いしておる、こういう状況でございます。残りの十数の府県についてはまだ契約締結の運びに至っておりません。それからこの保証協会の保証付の貸付の点を調べてみたのでございまするが、公庫開始以来、本、支店を通じまして、保証付の貸付は件数で千二百八十五件でございます。これは総貸付件数の累計に比べますと一・九%、約二%。全額は二十二億五千万円余りでございまして、これも貸付累計千四百九十九億円に比べますと、まあ一・五%、こういうようなことになっております。この保証がどれだけ保険にかけられておっただろうかという点は、残念ながら私の方に資料がないのでございますが、実績といたしましては、これまではあまり多くはなかったというふうに推定されます。さてこの制度を廃止するがいいか、今後存続するがいいかというような点については、実はまだ的確なる公庫としての考え方がまとまっておりませんが、まあこういうことで中小企業の金融が、さらに信用補完を厚くして円滑にいくというようなことになりますれば、存続されるのもけっこうだと思いまするが、いろいろな実際の運用の面で、他の制度でそれを補う、こういう制度はまあ行く行くは廃止されるというような点につきましても、ということでありますれば、まあ公庫として金額の点、あるいは件数の点から言いましてただいままではあまり大きな影響というものはないように思われます。どうも従来のこの保険制度についての勉強が足りませんので、詳しいことをよく存じないわけでございます。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ちょっと申し上げます。修正点の説明を願う関係で、内田衆議院議員も見えておりますので、参考人に対する質疑は、質問も答弁もできるだけ簡潔にお願いいたします。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 私は平子さんにお願いいたしますがね。この「中小企業信用補完制度の現状」という、ここでね。この参考資料の(4)のところをごらんいただきたい。左側には協会名とありまして、右の一番端には保証料率と、こうありますが、この保証料率の差がどこからこういうふうに出てきておるのでありましょうか。二分九厘になっておるところもあり、あるいは一分八厘になっておるところもあり、ここがどうしてこういうふうな差が出てきておりますか。ごく簡単にお答えを願いたい。三分のところがあり、一分八厘のところがあり……。

平子忠福島県信用保証協会専務理事

○参考人(平子忠君) 何ページでございますか。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 二十一ページと二十三ページになっていますね。参考資料の(4)、信用保証協会別業務状況という表があります。

平子忠福島県信用保証協会専務理事

○参考人(平子忠君) この保証料率の問題でございますが、この保証料率は各協会とも一定していないのでごいざます。高い料率を取っているところもありますし、低い料率を取っておるところもある。大体今の全国平均でやられているのは日歩七厘という線が大部分多いのでありますが、また日歩八厘という料率によっているところもございますし、それからあと県その他の地方公共団体から保証料の補助を受けておるというようなものにつきましては、日歩一二厘くらいの保証料でやっておるところもある。こういうふうにそれぞれ各協会とも料率が同一でございませんので、そこからくる、これは年利でございますけれども、相違が出てきているわけでございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そういうふうな状況では、地方々々のこの保証協会というものはむちゃくちゃな率でやっておるわけですか。

平子忠福島県信用保証協会専務理事

○参考人(平子忠君) それはですね、大体地方公共団体の援助をもとにしまして各協会が動いているわけです。従って、地方公共団体の非常に援助の厚いところは安い保証料でもできるということですし、それから地方公共団体の援助が非常に低いというところは日歩一銭くらいの保証料を取ってもなお経費がまかなえないというようなことになりまして、遺憾ながら高い保証料を取らざるを得ない。こういうようなのが保証協会のおい立ちからきました現状でございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 これに対して政府当局はいかようにお考えになっておりますか、御所見を承わります。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 私の方としましては、大体通牒を出しまして三分以内でやつてもらいたいということを言っておりまして、今お話がありましたように、平均としましては二分三厘という程度なっておりますが、これをもっと引き下げてもらうように今後におきましても努力をしたいというふうにまあ考えております。というのは、その方法としましては、やはり府県の援助なり、あるいは国の援助ということがありませんというと、単に合理化だけではなかなか引き下げることは困難かと思いますので、三十二年度に十億貸付をしておりましたが、さらに本年度におきましては二十億加えまして三十億の貸付をする。あるいはその保険の料率につきましても相当従来よりも低くするというような援助によりまして、この全国平均二分三厘というものがもっと引き下げられるのじゃないかといふうに私どもは考えて、今後におきましてもさらに援助していきたいというふうにまあ考えます。  もう一つは、先ほども申し上げましたように、保証協会自身としましてもやはりいろいろ事務的な問題等につきまして合理化をしまして、そうしてこれを引き下げていくように努力してほしいというふうにまあ考えておりますし、また県その他の方からもさらに今後援助してもらわなきゃならないというふうに考えています。ただ、現在の保証協会というのは、御承知の通り全国五十にございまして、すべてその資金の内容につきましても、あるいは量につきましても、すべて違いますので、従ってこの料率についてまちまちな料率になっていますことは、これはやむを得ないんじゃないかというふうに考えております。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そのただいまのお話の、まちまちになっていてもやむを得ないのだというようなことでは、中小企業庁としては私はどうかと思うのですね。これが二分三厘なら二分三厘になるべく合わせるように行政措置をとるなり何か方策をめぐらしていきなさるのがあなたとしての責任じゃないかと私は思うのですが、どうなんですか。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 どうですか、政府の答弁はこれから聞くと思うのですが、当局の方はあと回しにしようじゃないですか。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 速記を始めて。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 過日福島県に私が参りまして、いろいろ業者の話を聞いたんですが、銀行から借りるより困難である、中小企業金融公庫もそうであるし、中小企業方面から借りるのは非常に困難である、手続がめんどうくさいといって、それをこぼしておりましたが、そうしてまた利率は銀行と大差がないという話なんです。これはどういうわけですか。

平子忠福島県信用保証協会専務理事

○参考人(平子忠君) お答え申し上げます。この手続がむずかしいというような問題で、なかなか銀行よりも困難だというようなお話ですが、これは私らもたびたび直接聞く例でございます。私どもとしては、一応業者の立場になりまして、大体福島の場合は、ほとんどくるもの全部を何とかのっけたいという考えで、あっせんを主にしてやっておりまして、総体的にはそういうことはないと思うんですが、結局そういうような声もまたあるというので、この点は十分注意しなくちゃならぬというので、そういうつもりで是正策を講じておるわけでございます。それから銀行の利率よりも高いという問題につきましては、これは全然そういうことはございませんで、福島は全国平均よりも、むしろ下回るとも上回る保証料ということは考えられませんし、それ以外に、よそでは調査料とか、あるいは用紙代とか、こういうようなものを取っております。あるいはまた期限が過ぎて延滞した場合には、延滞保証料というようなものを徴収しておる協会もございますが、当初から、福島の場合におきましては、大体調査料も延滞保証料も用紙代も、全然何も取っておりませんで、保証料は、先ほど申し上げましたように、普通のものが日歩七厘、国民金融公庫のものが日歩六厘、それから県、市の預託のものが日歩五厘、この三種の保証料でやっておりますので、そういう点はないと、かように私はお答え申し上げます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 私は安原さんに一点お尋ねをいたしたいんですが、先ほどあなたの御説明の中に、豊田委員の質問にお答えをいたしまして、前年度に比較いたしまして、金融状況というもの、ことに貸し出しの状況等については、むしろ多いというような意味をおっしゃったのでありますが、しかし先ほど来話にも出ておりましたが、昨年の春以来の、いわゆる総合経済政策によって、一部におきましては、恐慌状態さえ経済界にはきている。こういう点で、これはむろん従来の過度の設備というような問題もあると思うのでありますが、これはあなた方にお聞きするのが一番いいと思うんですが、そういう意味において、昨年の総合経済政策以後における倒産、ことに中小企業関係の倒産等について一つ御説明を願いたい。ということは、まあいろいろ中小企業の金融機関というものは、御承知の通りたくさんありますが、何といってもあなた方関係の銀行に依存する面の方が、価額において、それから数において、はるかに多いのであります。そういう意味におきまして、いわゆる全国銀行協会として見られた昨年の、いわゆる不況を中心にしました、ことに重点を中小企業倒産あるいは恐慌というような面に置いて、簡単でけっこうですから、一つ御説明願いたい。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) 今お尋ねになりました点で、一つ私が御説明申し上げたのは、ちょっと私もはっきり申し上げなかったので、誤解していらっしゃる点が一つございますが、昨年の中小金融に対する銀行の貸し出しが多いと申しましたのは、前年に比べて多いと申したのではなくて、前回の金融引き締めのときよりは多いと、こう申しましたのでございまして、先ほど申しました数字をもう一度締り返さしていただきますと、前回の金融引き締めのときの銀行の中小企業に対する貸し出しは、二十八年の九月末に、残高としまして九千二百二十二億円でございます。それで翌年の九月末、ちょうどその間一カ年間に、わずか百五十五億円の増加で、二十九年の九月末に、九千三百七十七億円、これだけしか中小企業に対する銀行の貸し出しは増加しなかったのでございます。ところが昨年の場合は、昨年の四月末から昨年の末までに九百三十四億円の増加、そういうことになっておるわけでございまして、従って前回の金融引き締め政策がとられたときよりは、今回は銀行としては、かなり努力をして中小企業金融のために出しているじゃないか、こういうふうに申し上げたわけでございます。それから中小企業の倒産の状況の御質問でございますが、これは実は私資料をあいにく持っておりませんで、どの程度倒産があったかということは、ちょっと御回答申し上げかねますので、失礼いたしますが、それに関連いたしまして、われわれの方では、手形交換の方をやっておりますので、不渡りの状況が昨年どういうふうであったかということで御類推いただきたいと思います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 数字は概略でよろしゅうございます。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) まあ東京手形交換所の東京手形交換高、これは全国の半分近い数字を示しております。最も中心的な動きをしておりますので、その数字で申し上げさしていただきますと、昨年の三月、四月ころは、大体一カ月に五万枚見当の不渡手形が出ておるわけでございまして、それで全体の交換高に対する比率から見ますというと一%前後でございます。それで金融引き締め政策がとられましてから後、七月、八月、九月、十月とこれが漸次増加いたしまして、一番枚数の多かったのは十月の七万一千枚、そうして全体の交換高に対する比率が一・三%、ここまで上ったわけでございますが、その後枚数も漸次少くなって参ります、交換高に対する比率も大体引き締め前と大して変らない一%前後に落ちてきておりますので、それから現実に、先ほど申しましたように、全銀協といたしまして、東京、大阪、名古屋等で金融相談所というもをやっておりまして、日々実際に窓口で中小企業の方々の御相談を受けておるわけでございますが、その方の話を聞きましても、前回の金融引き締めのときに比べればそれほど深刻でないというふうな印象を受けておったのでございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 いま一点伺いますが、これはあるいは資料の中に入っておるのかと思うのでありますが、あなたの方の関係の都市銀行と地方銀行の中小企業に対する貸付のパーセンテージというものは相当違うわけであります。昨年のたしか三月の資料を私どもいただいたことがあるのでありますが、この金融引き締め後、これは、そのこまかい数字は要りませんが、この比較といたしましてどういう変り方があったかということをもしおわかりになりましたら御答弁願いたいと思います。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) お答え申し上げます。銀行全体としまして、中小企業金融の全体に占める比率を見ますと、いわゆる普通銀行、債券発行銀行を除きました銀行では、昨年の五月末の残高を見ますと、普通銀行全体で一兆四千九百十四億、そのときの都市銀行と地方銀行の内訳を申しますと、都市銀行が七千九百二十七億、それから地方銀行が六千九百八十七億、それでこれが全金融機関の中小金融に対する総額に対する銀行の比率を見ますと、普通銀行全体としては六〇%でございまして、その中で都市銀行が三二%、それから地方銀行が二八%、こういうことになっております。それが最近の数字では、まだ一月末までしかわかっておりませんですが、これが普通銀行全体としまして、絶体額は一兆五千三百六十七億、それで全体の中小金融に占める比率は五七・五%ということでございますので、若干全体に対する率は低下しておる、絶対額は四百億余りでございますか、増加しております。その内訳を申しますと、都市銀行が七千八百三十五億、それから地方銀行は七千五百三十一億、そういうことになっております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私安原さんにお尋ねいたしますが、第一点は、本法案と直接関係ありませんけれども、日本銀行の政策委員会委員ですね。あれは学識経験者とか、地方銀行とか、中央の大手銀行を代表するものということに選ぶ範囲をきめてあるのですね。しかし選ばれてきた人を見ますと、地方銀行の代表と目される人が全然入っておらないです。あれはあなたの方でどういうふうなことでお選びになるのですか。おそらくあなたの方のやはり了解なり、推薦を求めて国会に氏名が出されてくるというように私は聞いているんですが、その点はいかがですか。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) 最近いわゆる地方銀行の方の方という方お変りになりましたんですが、この方は、御承知の通り、前には日本銀行へ長くおられましたんですが、戦後岐阜の方の十六銀行、たしかあの頭取を数年やっておられましたので、やはり地方銀行の経験のある方と私は考えておりますが、その方の御推薦につきましては、私は実は全然存じませんで、あるいは何か意向を聞かれたとしますれば、全国地方銀行協会というものが別にございますので、そちらの方で話があったかと思いますが、私は実はその点存じませんので、ちょっと御質問にお答えできないことをはなはだ遺憾に存じます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私どもがその方をおきめするときにですね。あなたの方も全国銀行協会の連合会の御承認を得ている、そういうようなお話がございましたから承認したわけですが、私どもとしては地方のローカル銀行の代表もやはり法文の中に盛っておりますから、当然純然たる地方銀行の代表者でなければならぬ、こう言いましたところ、現在は、今安原さんのおっしゃる通り、確かに岐阜のローカル銀行の頭取ではあるけれども、今までの経歴は全然ローカル銀行に関係のない方だったものですから、非常にあなたの方の御推薦を不審に思いました。しかし御関係がないということであればこれ以上お尋ねしませんけれども、その次に中野さんにお尋ねいたしますが、理屈を抜きにいたしまして、国民金融公庫等でこういう話を私聞いております。とにかく貸付する金額の絶対量が不足だ、政府にいかに陳情しても、なかなかワクを若干ふやしてくれるくらいのもので、なかなか希望するだけふやすことができない。従って、地方に宣伝して、こういう安い金を貸す機関があるぞという宣伝はとてもできません。宣伝すれば要望の十分の一も満たすことができませんからと、こういう話を国民金融公庫からときどき聞くわけです。従って、あなたの方で現在の量が十分なものであるか、あるいはもし大いに宣伝啓蒙すれば、まだまだ要望者がふえ、額がふえるものか、その点を一つまずお尋ねをいたします。

安原米四郎全国銀行業界連合会事務局長

○参考人(安原米四郎君) 済みませんが、先ほどの説明を補足してよろしゅうございますか。今の政府委員の件でございますが、政府の方から全国銀行協会連合会にも説明したというふうなお話でございました。実は私それ初めてお聞きいたしたわけでございまして、私は事務局長の資格で来ておりますが、やはり全国銀行協会連合会の事務局の一員でございまして、その代表権は持っておりませんので、その話が会長かたれか、しかるべき人にあらかじめお話があったかどうかという点は私耳にいたしておりませんので、本日そういう話があることも存じませんでしたので、先ほどの全銀協として相談を受けなかったとか、どうとかいうようなことは私存じませんので、この場は御了承願いたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 安原さんの方はさいぜんの問題ですから……。

中野哲夫中小企業金融公庫理事

○参考人(中野哲夫君) 率直に話せという話でございますから率直に申し上げますが公庫のできましてから、金利も比較的安い、ただいま年九分六厘、日歩二銭六厘三毛ということでお貸ししている。特に喜ばれているのが平均期間で三年半くらいで、ガス事業のごときは七年くらいまでは、非常に期間が長い。それを月賦なり、三月賦で返すので、そのときの利益金の中から長期償却で完済すれば手元にそれだけのものが、工場なり機械が残るという、長期の金だということで喜ばれておりまして、公庫がスタートしたときから関係さしていただいておるのでございまするが、初めなかなかこれが制度がわかりませんで、方々で県庁なり商工会議所なり市なりを中心にして、あるいは中央会のお力を借りて宣伝をして参りましてだんだんふえて参りまして、今日では累計、先ほど申しましたように、六万七千件くらい、金額では一千四百九十九億くらいの貸し出しをやりましたので、公庫に対する需要は、先ほどるる申し上げました通り、この金融引き締めによって従来の取引銀行から融資が得がたいというしわ、あるいは親会社、あるいは親企業からの金融の援助が得られないというようなしわ、そういうものが国民金融公庫なり、私の方で強く受けたいという点もございまするが、それ以外に、かように件数、金額がふえますと、公庫の金は比較的安定して、事業をやる上においてはありがたい金だというようなことが各業界、各地方にもわかって参ったんじゃないかと、ことにここ一、二年来、全国のブロック都市には支店を設けまして、それぞれPRをやって参ったので、それで非常にふえた。この二つの理由で需要がふえて参ったんじゃないかと思います。それで、先ほど申し上げました五百七十億円ということしの計画では、約半分、大ざっぱに申しまして半分程度の貸し出しにしか応ぜられないのではないかということを私どもは確信いたしております。しかし、まあ経済情勢がいろいろ下期好転するというようなこともありまして、いろいろ基調も変化して参っておりますようなわけで、この五百七十億円のうちとりあえず四—六は百四十億円、昨年の同期が百二十億円程度でございますから、二十億円程度ふやしまして第一・四半期に貸し出しをやるというようなことで歩んで参りまして、その後の推移を見ましていろいろ政府当局とも御相談し、先ほど申しました弾力条項なども特に本年度設けられましたので、善処していきたい、こういうふうに考えております。まあ年度当初からこれは絶対足りない、もう何百億この際至急にふやしてもらいたいというほどの点の感じ方で、年度が始まったばかりでもございますので、今後の推移に待ちたい、かように考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 はっきりわからぬでしょうけれども、あなたの方でもおそらく勝手にこういう安いお金の使い方があるのだという宣伝をおそらくできなかろうと思うのです。絶対量が少いから、そういう宣伝をすればおそらくわんさと押しかけてきて、これはとても断わり切れぬという段階になる。しかし、私どもは日本で一つの産業で七社かとにかく八社で五十億も六十億も使う産業がたくさんある。ところが、あなたの方の金額をお尋ねしてみると一千数百億とおっしゃるけれども、対象がとにかく何万という対象になる。ですから、僕は絶対量がやはり問題になるということを考えているわけです。ですから。大体宣伝啓蒙すれば今の三倍にふえるとか、あるいは二倍くらいにふえるとか、正確にはわからぬでしょうけれども、そういう苦しみというものを中野さんは御承知でしょうからそういうことはおわかりになりませんかということをお尋ねしているのです。

中野哲夫中小企業金融公庫理事

○参考人(中野哲夫君) 本年度の総貸付五百七十億円は約充足率五〇%程度ということから考えられますと、まあ代理店の窓口でも直接貸しの窓口でも相当の抑制を加えにゃいかぬ、あるいは今期、間に合わぬから来期に回してくれというようなお話にもなるかと存じます。大ざっぱに申しまして、まあ公庫ができましてだんだん経過をいたしまして、私どもは本年度の最終では貸付残高が一千億円ちょっとまあ越すようなただいま見通しでございまして、第一期目標が残高一千億円というようなことを考えておりましたが、それが現実に達成せられそうになりましたので、第二期といたしまして公庫が——まあ公庫として正式にきめたわけではありませんが、早く残高を二千億円あるいは二千数百億円というふうにもっていきまして、毎年財政資金もそれくらいの規模になりますれば、逐次まあ減っていっても大半は公庫の回収金でまかなえるというような状況に今後数年の間にもって参りたいというようなことを、総裁を中心に話し合っておるわけでございます。大いに活発にPRをやれば本年度当初予算の要求額が七百億円でございましたので、七、八百億円ぐらいのものは貸し出しとして消化できるまあ一種のめどではないかと、かように考えられております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 次に、今のお聞きした金額の金利ですね、これは私よく知りませんけれども、国有財産会計法か何かの中で、この公庫の金利をどうするか、上げた利潤ですね、つまり政府から出して、そうしてあなたのところで何億何千万と上げた金利、これは当然国家にまた還元することになってございますが、それが大体どのくらいですか。もしこの表に出ておればお知らせ願いたいのですが。  それから、その金利を国民金融公庫等においては、若干の金額であるけれども、また金が少いから公庫に保管して使わさしてくれという意見が非常に強い。あなたの方ではどうお考えになるのですか。

中野哲夫中小企業金融公庫理事

○参考人(中野哲夫君) 公庫の金利は特別の貸付では低利のものがありまするが、大半は九分六厘でございまして、借入金が六分五厘の金利を払っております。代理店手数料は累次にわたりましてだんだん下げておりまして、今日では大体平場三分三厘ぐらいになっておると思います。そうしますとそれに公庫の経費を加えますと、借入金だけでは実は逆ざやになるような計算になるのでございますが、二百四十億円ほどの政府出資がございまして、これがまあまるまる金利をかぜいでくれるわけですから、平均いたしまして利潤が出ております。昨年度は約八倍円、年々——三十一年度につきましては八億一千九百万円ほどの利益を上げておるのでございます。で、この利益金は公庫法の規定によりますと国庫に納付すると、こういう建前になっておるのでございまするが、一方その滞り貸しの償却等をやりませんのでそういうものに充てると、あるいは公庫の経営内容をより独立採算制として健全にするというような意味で、大体貸付残高の千分の十五までをアッパー・リミットとして、それまでに達しない金額はそういう公庫内の積み立てに回すことを認められておりまするので、公庫始まってから今日まで納付金をした実績はないのでございます。三十三年度につきましてもそういう滞り貸しの償却引当金へ繰り入れるために、約九億円ぐらいの利益の計算になりますが、それも引当金に積み立てると、こういうことで、納付を要せずという建前になっております。まあ今後数年経過いたしまして積立金もだんだんふえて参りますると、あるいはそのときの情勢でそういう行き方に再検討を加えなければいかぬというような時期も参るかと思いますが、ここ数年は今申し上げたようなことで推移すると思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 最後に、この法の改正する内容について、お尋ねするわけですが、この第一点と二点と二つに分れていると思うのですが、第一点のこの環境衛生法ができたからと、これを対象にするということは、これは当然だと思うんですね。それから、その二点目は、今度副総裁というのを設けるというのがこの法案の内容なんです。ところが、いろいろな公庫がたくさんございまして、全部で六つあるわけですか、その初めの出発は、大ていのところは総裁一人なんですね。それから、理事も少いんです。しかし、二、三年たつと、それは、副総裁を置かなければならんとか、あるいは理事もふやさなければならん、こういうことが問題になってくるわけなんですね。しかし、私どもとしては、一企業会社あるいは民間会社であれば、その代表権を持った人、あるいは補佐する人、つまり、社長、副社長、そういう人が必至かもしれませんけれども、公庫は、やはり、理事者がおりましても総裁がおっても、どなたがおりましても、主たる責任は政府にあるわけです。政府が監督するわけなんです。ですから、機構が全然違いますから、そういうのを副総裁をふやす必要がないのではないかというように私は判断しておるんですがね。この副総裁をふやすということは、二、三年たつと、とにかくどの公庫も出てくるわけです。初めから総裁、副総裁できめて、そして大きく出発したところはほとんどない、私の知っている限りでは。ですから、私は副総裁というのは、必要ないのではないかというように判断するわけですが、最後にこの点だけお尋ねいたします。

中野哲夫中小企業金融公庫理事

○参考人(中野哲夫君) 政府の御提案の法律案でございまして、私の方から申し上げるのもいかがかと思われるのでございまするが、私も公庫の仕事を発足当時からやって参っておるのでありますが、公庫はスタート当時は、役員を入れて五十七人ということであったのですが、だんだん貸付件数、金額がふえるということで、職員も本年度では六百五十人ぐらいになる、店舗も本支店入れて十一になる、内部の部課というようなものも、必要最小限度のものを見ましても、かなり、総務部以下検査部に至るまで整備をして参ったというようなことでございまして、われわれ理事といたしましては、総裁を補佐いたしまして、企画立案、日常の業務を行なって参っておるのでございますが、この仕事量、それから、質の面も、いろいろ貸し出しの当初、あるいは貸し出しのあとの管理、回収というようなことが、だんだんむつかしさを加えてくる、複雑さを増してくる、というようなこともございます。それからもう一つは、総裁も、こういう政府金融機関の代表の地位におられますので、各種の中小企業に関連のある他の団体を委嘱される、あるいは、会合等にも出られる、あるいは、地方の支店の業務を指導、視察するために出かけられるというようなこともございまするので、まあ、総裁を助ける代表権を持っておる副総裁制度、今度の法案で伺いますと、理事をそれに振りかえるようでございます、増員ではないようでございますが、一人あれば、何かと公庫の運営がよりうまくいくのじゃないかというような気持はいたしておるわけでございまして、そのことは、かねて御提案になりました政府側にも、私のほうの考え方、希望というものは申し上げておるような次第でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 中野さんが、それは政府が出されておる法案であるから政府などと言うのであれば、あなた方をここにお招きする必要はごうもないんですよ。御用学者を呼んだと一緒でね。あなた方この法案をどう受け取っておられるか、あるいは、どういうふうなことが利用されるかということを忌憚なくお聞きすることによって私どもはこの法案審議に十分反映したり、全部あなた方の意向が入るということでないけれども、取捨選択できるわけで、あなたのようなお話しであれば、ここへおいで願う必要はごうもないんですよ。政府の言う通り審議すればいい。しかし、そういうことでないので、その道の詳しい人であるというところでお願いしたのであって、そういう点は、遠慮なくお聞かせ願わんと、私どもも困る。それから、企画立案がふえて仕事がふえるというのであれば、副総裁をふやさず——理事と副総裁をかえてどういうことが違うのですか。副総裁でなければ企画立案ができないということにはならんでしょう。結局、同じ人がただ理事が副総裁という名前をもらったにすぎないということになるのだから、僕は、よく機構、内容はわかりませんから、そういうことを言うのかもしれませんけれども、あなたの今の発言では、政府の見解はあとで聞くにしても、どうも賛成できないのですがね。が、しかし、よろしいです。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 以上で参考人の方に対する質疑を終ります。  本日は、参考人の方々には、長時間にわたり本委員会に出席いただきまして、ありがとうございました。貴重な御意見を伺いましたが、委員会では御意見を参考といたしまして、十分本案の審議をいたしたいと思います。  それでは、本日はこの程度にして、明日は午前十時から開会することにいたしまして、本日は散会いたします。    午後四時六分散会

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