商工委員会 第3号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/02/03
会議録
○委員長(近藤信一君) これより商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。去る一月二十日松澤祐人君が辞任され、その後任として椿繁夫君が、また、同月三十日河野謙三君が辞任され、その後任として豊田雅孝君が、それぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(近藤信一君) 次に、先日委員長・理事打合会を開きまして、今週の日程につき協議しました結果、本日は通商産業省及び科学技術庁関係の政策及び予算について説明を聴取し、質疑を行い、あすは、このたび公表されました新長期経済計画を中心に経済企画庁の政策及び予算について説明を聴取し、質疑を行うということでございます。なお、通産省関係については、本日のみで終了しないと存じますので、残余はあすも続行したいと思います。この点、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(近藤信一君) 御異議なければ、さように決定いたします。 それから、本日は、通商産業省及び科学技術庁の両大臣が見えておりますので、まず、政府側から政策及び予算等について説明を聴取した後、一括して質疑を行いたいと思いますので、これも御了承願いたいと存じます。 それでは、ただいまより通商産業大臣前尾繁三郎君から、政策大綱について説明をお願いいたします。
○国務大臣(前尾繁三郎君) 通商産業省の政策といたしましては、従来からいろいろ私も申し上げてきておりまして、今さら事新しく申し上げるほどのこともないのでありますが、ただ、予算も編成いたしまして皆さん方の御審議を願っております折柄でありますので、予算の説明と多少からみ合せまして、お手元に配付してあります重点施策について申し上げたいと思います。 輸出の増大を中心に逐年発展してきましたわが国経済は、昨年初め以来、経済拡大の速度が早過ぎましたため、輸入が急増し、国際収支は著しい逆調を示すに至りましたので、政府としましては、昨年五月来、金融引締措置を初めとして、いわゆる緊急総合対策を実施して参ったのであります。その後、まず卸売物価が低落いたしますとともに、逐次生産調整が進展し、それに伴って国際収支も当初の予想以上に改善されるなど、全般的には順調に所期の成果をおさめつつあるものと考えられるのであります。しかし、このような短期的調整措置もさることながら、わが国経済が長期にわたって安定した発展を遂げますためには、わが国経済の特質に基く問題点とその解決の方向を把握いたしまして、所要の施策を着実に実施していくことが、何よりも肝要と存ずる次第でありまして、今後の通商産業政策は、これらの問題点を具体的に解明しつつ、均衡のとれた経済発展を積極的に推進することにその重点を置くべきものと考える次第であります。 従って今後における通商産業政策は、常々申し上げておりますように、まず貿易の振興、中小企業の振興、産業技術の振興、産業基盤の強化の四点にその重点を置くものとし、当省関係の二十三年度予算案もただいま申し上げたような重点施策の推進を中心に編成しておるつもりでおるのであります。 当省関係の三十三年度一般会計予算は、その総額において、実質的には三十二年度の約百一億円に対し二倍以上の二百十三億三千七百万円を要求しており、このうち中小企業信用保険公庫の出資金八十五億円及び日本貿易振興会出資金二十億円については、形式上大蔵省所管として計上されますので、これらを差し引きますと当省所管の二十三年度要求額は、形式的には、百八億三千七百万円となるわけであります。もちろん、三十二年度にも特別会計に十億円の出資というのがありますけれども、それを差し引きますと、出資関係を除きましても、相当の増加にはなっておるつもりであります。 また、当省関係の財政投融資予算は千七十二億円と、三十二年度当初計画に比べましても、なお約二十五億円の増額となっておるのでありまして、これにより重点施策の積極的な推進を期することができると考える次第であります。 以下四重点の各項目ごとの具体的施策の概要を申し述べたいと存じます。 まず第一は、貿易の振興であります。今後における世界的な輸出競争の激化に対応し、国際収支の長期的均衡を可能ならしめるよう、重化学工業の育成と輸出期待産業の設備の近代化を推進しますとともに、価格の変動による輸出の阻害を防止しますため、主要輸出品、主要原材料について所要の価格安定対策を講ずると同時に、産業界の自主体制を整備しますため、独占禁止法についても所要の検討を加えるなど輸出振興のための国内条件を整備しつつ、特に次の貿易振興対策を強力に推進する方針であります。 まず第一に、経済外交を推進し、通商航海条約などの締結促進、賠償問題、関税問題、輸入制限問題等の適時適切な処理など、貿易の基本的条件の整備に特段の努力を傾注する方針であります。 次に、輸出市場の培養と輸入原材料の安定的確保をはかりますため、東南アジア諸国等に対し、その開発計画を支援しつつ、海外投資、技術協力など、いわゆる経済協力の促進をはかることが、ますます重要性を加えつつあることにかんがみ、極力これが促進をはかる方針であります。これがため、まず日本輸出入銀行の貸出資金については、プラント輸出の促進とあわせ考慮し、三十二年度に比し約七十億円を増加し七百三十億円を確保し、三十三年度においては特に東南アジア開発協力基金の設定とも相待って、海外投資を中心とする経済協力の強化をはかる方針であります。 また、三十三年度においては、東南アジア諸国の中小企業の振興に資するため、新たに印度の西ベンガルなどに海外技術センターを新設する予定でありまして、このための経費一億一千二百万円を要求しておりますとともに、新たにアジア地域の経済事情の調査、技術者及び中小企業の海外進出促進のための事業を行いますほか、従来に引き続き、海外投資に関する基礎調査及び海外よりの技術研修生の指導事業を強化する所存であります。 次に、輸出振興の常道である海外市場の開拓維持については、今後さらに努力を重ねる必要が痛感されておりますので、海外における貿易振興事業の推進に当る中核体の画期的な強化を行うものとしまして、このため新たに二十億円の政府出資を行い日本貿易振興会を設置し、従来から実施していました海外市場の調査、輸出商品の普及宣伝、貿易の斡旋、国際見本市等の諸事業を拡大強化しましてさらに新たにマーケッティング事業により、重要輸出市場の維持開拓を、積極的かつ活発に行うなど、海外貿易振興事業を飛躍的に拡大する方針であります。以上の貿易振興及び経済協力関係予算総額としては、三十二年度に比し実質的に二十五億円を増額し、三十七億三百万円余を計上し、万全を期している次第であります。 また、わが国商社間の過当競争を防止し、公正なる輸出取引秩序を確立するため特に必要がありますときは、業界に対し、協定の締結またはその改善を指示することができるようにしますとともに、過当競争要因がメーカー側にある場合においては、メーカーについてのアウトサイダー規制を行う等、業界の協調体制の促進をはかるごととし、これがため目下関係法令の改正について準備をいたしているのであります。 次に、対共産圏貿易については、政府としては国際的協調のもとに、極力その増大をはかる方針でありまして、この意味で、昨年末締結された日ソ通商協定による日ソ貿易の今後の発展に期待しておりますが、日中貿易についても、かねて懸案の第四次貿易協定がすみやかに成立するよう期待している次第であります。 第二に中小企業の振興であります。中小企業は、わが国経済上きわめて重要な地位を占めている反面、その規模が零細であり、かつ、その数がおびただしいため、絶えず過当競争による経営の不安定に悩んでおり、またその設備、技術等において立ちおくれておりますので、今後中小企業の特質に応じた振興策を強力に講ずることにより、中小企業の健全な発展と国民経済の安定的成長とを期したい所存であります。 まず、中小企業の組織の強化によりその経営の安定をはかることが重要でありますが、これについては、さきに成立を見た中小企業団体組織法の円滑な運用によりまして過当競争を防止し、中小企業者の不況克服をはかるとともに、目下継続審議となっている小売商業特別措置法案のすみやかな成立を期待いたしまして、もって小売商業の経営の安定をはかる所存であります。 次に、中小企業の金融の円滑化をはかることであります。これがため、まず三十三年度においては、新たに八十五億円の政府出資を行い、従来の信用保険の特別会計の資金を加えまして合計百七億円の基金により、中小企業信用保険公庫を創設し、信用保証協会に対する資金の貸付と、中小企業に対する信用保険業務を行わしめましてもって中小企業の信用制度の飛躍的発展に資する所存であります。 また、政府金融機関である中小企業金融公庫及び国民金融公庫に対しては、それぞれ二百七十五億円及び二百三十五億円の資金を資金運用部から融資し、運用額において三十二年度を上回るそれぞれ五百七十億円及び八百四十五億円の確保をはかることとしましたが、さらに両公庫の運用部借入金の限度は、経済情勢の変動等特別の事由があるときは、大蔵大臣の承認を得まして増加し得るように措置することによりまして、必要に応じ上記金額を上回る貸付を行う等、今後における弾力的な運用を期する所存であります。 また、商工組合中央金庫についても、商工債券三十億円を政府資金により引き受けることとし、三十二年度の実行計画を約三百三十億円上回る二千五百三十億円の貸付を可能ならしめることとしておる次第であります。 次に、中小企業の体質改善をはかり、その経済的競争力を強化するため、中小企業の生産性の向上と合理化をさらに促進する必要がありますので、共同施設の設置及び設備の近代化を引き続き助成するとともに、経営の健全化、技術の向上に関し一そう改善強化する方針で、…十三年度予算においては、設備近代化補助六億円、これは三十二年度に比べ二億円、すなわち五割増であります。協同組合共同施設補助一億円、中小企業相談所補助六千二百万円、中小企業診断指導費一億五百万円、前年度に比べますと二千七百万円の増であります。等、所要の予算措置を考慮しておりますが、特に三十三年度においては、各地方の公設試験研究機関の整備による技術指導の強化をはかるため、新たに六千万円を確保する方針であります。 以上、中小企業振興費総額としては、本年度に比し実質的には約七十八億円増の九十六億四千五百万円となり、中小企業信用補完関係の出資金を除いた分としましては、三十二年度に比し約三億円増の十一億四千五百万円余を計上いたす予定になっております。 最後に、中小企業の税負担の軽減は、中小企業対策の最も重要なものの一つである点にかんがみまして、三十三年度においては、国税関係として一般的に法人税について税率を一律二%引き下げるほか、軽減税率の適用範囲を従来の百万円から二百万円に引き上げることとし、また地方税関係としては、遺憾ながら事業税の軽減は、諸般の事情により一応見送ることとしましたが、自転車荷車税の廃止を行うことにより、今後における中小企業の税負担の軽減に資する所存であります。 第三に、産業技術の振興であります。最近における欧米諸国におけるめざましい技術の進歩に対処し、わが国がその立ちおくれを取り戻すためには、画期的な産業技術の振興が必要であります。これがため学界、産業界等各界の要望を取り入れ特段の措置を講ずることとし、まず国立試験研究機関については、研究設備の更新、近代化等によりその機能の強化をはかり、産業界等からの各種の要請に応じ得る体制を整備するとともに、今後最も緊急を要する電子技術、分析技術、生産加工技術等の基本的かつ新規の技術の研究推進について各試験所の諸能力の総合的発揮に努めまして、迅速な成果を得て各界の要望に応じ得るようにしたいと考える次第であります。 また、民間の研究活動の飛躍的推進をはかるため、特に電子機器の試作、中型輸送機の国産化を初め、木材化学、石炭化学、新金属利用上開発等の重要研究の実施についてその助成を強化する方針であります。以上によりまして、産業技術の関係経費総額においては、三十二年度に比し約三億二千万円増の約十六億七千万円を計上するものとしております。そのうちおもなるものは、試験研究機関の設備近代化更新整備関係経費約二億四千五百万円、特別研究費七億四千三百万円、電子機器試験設備費五千万円、民間の鉱工業試験研究に対する助成費五億二千八百万円等であります。 なお、最後に科学技術振興のための税制上の措置といたしましては、現行の優遇措置の強化拡充を行うとともに、特に国産新技術の企業化促進のための特別の償却制度を新たに設けるよう目下検討中であります。 第四は、産業基盤の強化であります。わが国産業の対外競争力は、欧米諸国に比べましていまだかなり遜色があり、産業の合理化、近代化をさらに徹底的に実施する必要があると同時に、生産水準の上昇、産業構造の高度化に伴いまして電力、鉄鋼、輸送等の基幹産業部門における供給力の不足が生じ、今後の経済発展の隘路となっている現状にかんがみまして、次の諸対策を強力に講ずる方針であります。 まず第一に、将来の産業構造の高度化及びエネルギー需要増大の要請に対処し、低廉かつ安定したエネルギーの供給の確保並びに金属鉱物、天然ガス等所要原材料の確保をはかるとともに、・国際収支の長期的均衡の達成を目途といたしまして、重化学工業特に機械工業及び新規輸出産業の育成をはかる方針であります。 特に、三十三年度におきましては、エネルギー関係施策の充実に重点をおくものとしまして、まず電力については、長期開発計画に基きまして、早急な開発を推進するため所要資金の確保に努めるとともに、コストの低下を期するための有効適切な措置を講ずる所存であります。それがため三十三年度財政投融資計画においては、電源開発会社関係としては九十億円の出資を含め三百四十四億円、九電力会社関係としては開発銀行融資二百五十億円、合計約六百億円を予定しまして全工事量においては、三十二年度を上回る開発が期待されている次第であります。 石炭につきましては、現有炭鉱の合理化を促進するため所要資金の確保に努めますとともに、新炭田の綜合開発を促進する方針であります。これがため、三十三年度予算におきましては、新たに新炭田開発のため四千万円の経費を要求しておりますほか、財政投融資計画における開発銀行融資におきまして、三十二年度繰延分の復活分を含めまして百億円を確保いたすことと相なっております。 石油については、国内及び国外の開発を積極的に行いまして三十三年度は特に国内における海底油田の開発に着手する方針でありまして、このため石油資源開発会社に対しまして、三十二年度に比しまして三億円増の十八億円の政府出資を行い、その開発事業の強化拡充を期している次第であります。 次に、産業合理化方策といたしましては、従来の各産業を通ずる企業内部の合理化、設備の近代化をさらに一そう促進するため、特別償却制度の充実合理化、設備耐用年数の改善等の税制面の改善、並びに開発銀行の資金運用等にさらに一段の工夫を加えるほか、経済情勢の進展に即応いたしまして、過剰設備の処理等、産業の実態に即した対策につき、今後とも充分配意しまして、万遺憾なきを期したい所存でございます。 さらにまた、将来におきます産業の発展と近代化の基調となる道路、港湾、工業用水等の産業関連施設を総合的に整備いたしまして、これに基く主要鉱工業地帯の整備並びに造成を一そう促進するとともに、三十三年度は、特に産業の合理的配置に関する施策の整備をはかるため、所要の予算的措置を講ずる所存でございます。 なお、産業立地条件中、当面急務となっております工業用水道については、三十二年度の継続工事を進めるほか、新たに、北伊勢、愛知地区等に工事を拡張することとしまして、その助成のため三十二年度に比しまして、二億円を増加し五億円を計上いたしますとともに、その布設の適正化と促進をはかるための所要の立法措置を講ずる方針でございます。 以上によりまして産業基盤強化費総額としましては三十二年度に比べまして、約三億四千万円増の十一億三千五百万円を計上することとなっております。 以上が今度の予算と関連しました重点施策の概要でございます。 ただ申し上げておきたいことは、通産省の予算は、実はあまりはなばなしくありませんで、御承知のように直接的な補助金がありませんので、額としては大きな額に上りません。間接的な府県等の補助というふうな式の補助金でありますために、あるいは表から見ますと、必ずしも大きな額に、要求する根拠に乏しい点がありました。ただ、また私の性格から申しますと、だんだんよくなる政策ということを言いたい。少くとも、まず基礎を築いていきたいというような考え方もありますが、また、来年度といたしましては、御承知のように経済に刺激を与えずに基盤を築いて、そうして着々経済の安定的成長をはかるということが根本方針でありますので、またその線から申しましても、ただいま申し上げましたような予算の行き方にならざるを得ないのでありまして、その点は御了承を願いたい。かように思っておる次第であります。
○委員長(近藤信一君) それでは引き続きまして、通商産業省の三十三年度予算案及び財政投融資計画について、説明をお願いいたします。
○政府委員(齋藤正年君) お手元に三十三年度通商産業省予算についてという縦書きの文書のものと、それから要求重要事項別要求調書という横書きの表と二つお配りしてあるわけでございます。予算の大綱につきましては、今大臣から御説明申し上げましたので、私は予算の表についてごく簡単に、特に本年度と異った点、あるいは増額された点について、御説明を申し上げたいと思います。 予算の総額は横の表でごらん願いますと、下から三行目に所管合計という欄がございまして、来年度百八億でございます。本年度は通産省予算とし一信用保険特別会計への繰り入れ十億一ございましたが、それを差し引きま一と、実質のと申しますか、通常の経費の予算は九十一億弱でございますが、来年度はこれが出資を除きました実質的な経費が百八億になりまして、十と億強が来年度新規にふえたわけでございます。大体二割弱くらいの増加になっております。そのほかに出資金が本年度信用保険特別会計に対する分が十億円、来年度は先ほど御説明いたしましたように、日本貿易振興会に対する田資金が二十億、それから中小企業の信用保険公庫に対する分が八十五億でございまして、合計百五億の出資でございます。それを全部加えますと、先ほど御説明いたしましたように百一億ばかりのものが二百十三億になりまして、二倍強ということになったわけであります。 それから次に、具体的な経費の内容でございますが、まず、貿易振興について申し上げますと、これは日本貿易振興会というものに、二十億円の出資をいたしまして特殊法人にするということが、来年度の貿易振興の予算のうちで最も大きな項目であります。それと同時に、従来海外貿易振興会、俗称ジェトロ、それに対する補助金あるいは委託金は、それぞれの項目の中から、その団体に補助ないし委託するものと、他の団体等にまかせるものと一緒に入っておりましたけれども、そういうやり方では、事業の弾力的な運用がうまくいかないということで、来年度は日本貿易振興会に対する補助あるいは委託の分は一括して計上することにいたしました。この点が従来の予算と相当大きく形式上変った点であります。 それからこの日本貿易振興会の事業の内容は、大体従来とほとんど変らない。ただ、この規模が、一ぺ−ジにございますように、本年度が五億七千万円のものが八億八千万円と、大体三億強ふえた。従って相当事業の範囲が拡大されたのが大きな差でございます。どういう点が大きく違ってきたかと申しますと、これは二ぺ−ジでございますが、国際見本市の参加関係と、それから貿易斡旋所関係が非常に大きくなったこと、それからその次の海外広報宣伝関係、この三つが非常にふえております。見本市につきましては、従来の見本市に対する参加等が非常に小規模で効果が薄かったという点にかんがみまして、個所数も従来よりも若干ふやしますけれども、主として内容を充実して、りっぱなものにしたいというのが予算の大幅の増加をいたしました理由でございます。 それから貿易斡旋所につきましては、現在四カ所ございますが、新たに一カ所ないし二カ所ふやしたい。場所としてはヨーロッパあるいはもう一つ……。
○海野三朗君 委員長、どこを説明しているのかわからない。もう少しはっきり……。
○委員長(近藤信一君) 横書きの……。
○政府委員(齋藤正年君) 横書きの表で三枚目でございます。貿易斡旋所でございますが、この表の二ページの貿易斡旋所でございます。二カ所程度、一カ所ないし二カ所ふやそういうのであります。 それから宣伝費がことしの倍以上ふえましたのは、従来の、宣伝を強化いたしますと同時に、新しく予防的な宣伝、調査と申しますか、そういったものをやろう。特に米国を中心にいたしまして、そのほかにカナダとか、あるいは最近通商協定締結以来、豪州あたりの輸出が非常に伸びておりますので、そういうあたりにも、宣伝活動を強化しようということであります。 それからあとは大体本年と大して違わない。ただ、若干金額が増加して施設の内容を充実する程度でございますが、三ページをごらん願いますと、表の三ページでございますが、農林水産物輸出振興事業費というのがございます。これで新らしくここにみかんとお茶の宣伝をヨーロッパとアフリカでやるということになっております。 それから五ページに参りまして、一番上でありますが、巡航見本船補助というものが新しく一項目加わっております。これは非常に大きくふえたような形になっておりますが、これは本年度は実はいたしませんで、昨年度に東南アジアにやはり巡航見本船を出したわけでございます。それを来年度は中南米に派遣をしたいということで、新しく大きな金額が入ったわけでございます。あとは特に御説明を申し上げることもございませんので、省略さしていただきます。 それから七ページに参りまして、経済協力費というのがございますが、これは本年度はこういう費目はございませんで、輸出振興予算の中に入っておったおけでございますが、来年度は経済協力という問題が非常に大きく取り上げられまして、また、予算的にもかなりな金額が入ることになりましたので、新しく項目を起したわけでございます。その中の一番の中心は、5の(イ)の海外技術センター事業委託費という費目でございます。これは先ほど大臣からの御説明にも申し上げましたように、総理が東南アジアをお回りになりましたときの関係から、インドの西ヘンガルに、何と申しますか、技能者の養成所というようなものを作り、それに対して機械と費用とを日本から提供するということになっておりまして、その費用が大半でございます。そのほかにインド以外にマレー、その他の国並びに賠償に関係のない国におきまして、こういった事業を日本としては積極的にやりたいということで、その他の地域に対する若干の調査費、その他の準備費が織り込まれております。 それから海外投資等基礎調査補助という項目でございますが、その次の…。これは従来プラント協会に対する補助の中に入っておりましてプラント協会の事業としてやっておりましたのを、今度改めまして、政府の直接補助する事業として取り上げる形にいたしました。これは海外に、主として東南アジア、あるいは中南米におきます資源の調査のために、各種の調査団等を派遣します場合の費用に充てるためでありまして、本年度の倍額を新たに計上してございます。 それからアジア経済事情調査委託費というものが、新しく一千万円つきましたが、これは現在いろいろの調査が非常に断片的と申しますか、表面的と申しますか、根本的に突っ込んだ調査が少く、それでそういう相当深い調査をこれから逐次やっていきたいという考えでございますが、今後経済協力が大きく取り上げられるに従いまして民間側でも、そういった政治、経済の調査研究のための研究所を作りたいという声がございまして、そういうものができますれば、それに対する補助金として使う考えでございます。 それからその下の、技術者及中小企業海外進出事業委託費という項目がございます。これは技術者、あるいは中小企業者の中で、海外進出を希望しているものが、全国的には相当たくさんあるはずでございますが、現在の組織では、そういう人たちを具体的に発見するということは非常に困難でございますので、今度、来年度から商工会議所等にそういう希望者のリストを整備しておきまして、必要があればすぐに連絡をとれるようにしようという考えで、その費、用でございます。 以上で貿易振興を終了いたしまして、その次の中小企業の関係を御説明申し上げます。これは文章の方では六ページになっております。それから表では八ページでございます。貿易振興同様に表に従って御説明申し上げます。第一番の公庫の出資金は、これはすでに何回も御説明いたしましたので、省略いたします。それから設備近代化でございますが、これは予算が組まれる前には、当委員会等でもいろいろお話もございまして、金額を大幅に増加するとか、補助率を引き上げるとか、種々検討いたしましたが、なお相当そういう点については研究を要する点がございますので、さしあたり金額だけを二億円ふやしまして、補助率等は従来通りでいくということになっております。それから四番目の中小企業技術指導費でございますが、新しく上千万円ふやしまして、これは府県あるいは市町村の持っております試験所とか、研究所とか、技術の指導所というようなものが全国に百数十あるそうでございますが、そのうちでさしあたり輸出に直結するような産業の指導、試験設備につきまして、設備の近代化をはかるための補助金でございます。第一年度でございますので、これで五カ所ないし十カ所くらいの間の試験所の設備を改善することができるようにたる予定でございます。 それから次の九ページに参りまして、七番の企業診断の補助金でございますが、これを大幅に増額いたします。企業診断は現在の中小企業の技術指導に関する技術、あるいは経営の指導に関する中心的な事業になりますので、それを大幅に増加したわけでございます。 それからその下の中小繊維工業設旛調整補助でございます。これは一億一千万円で、本年度と同額になっておりますけれども、本年度は当初予定綿スフ関係が七千万円、絹人絹が五千万円合せて一億二千万円になっております。実際の実施は綿スフ関係を五千万円に減らしまして、絹人絹関係が七線万円ということで、本年度の実施実情はそうなるものと思っておりますが、来年度の一億二千万円は、これは全部絹人絹関係に充当いたしますので、絹人絹関係の設備の整備としては、今年に比べまして相当大幅に増加できる。従って補助率も相当大幅に引き上げることができることになっております。以上で、中小企業を終了いたします。 その次に、技術関係に入ります。これは表で十ページでございます。それから文章の方では七ページの裏側でございます。この関係では 全般的に技術振興が非常に来年度も重要な国策になっておりますので、全般的に金額が今年に比べてふえたという形になっております。ただ、この新しいものといたしましては、二番目の鉱工業技術試験研究助成という項目がございますが、九千八百万円ばかりふえております。このうちで中型輸送機試作研究費補助一億二千万円というのがございます。これは本年度から中型輸送機の国産化のために設計研究に着手いたしまして、本年度は三千五百万円だけこの研究助成費から出すことになっておりますが、来年度はそれをもう一歩進めて、試作のために必要な精密設計、さらに機型の製作まで進行しようということで、予算が大幅に増額してあるわけなんでございます。 それから、申し落しましたが、1の下に、待遇改善費ということで千百万円ばかり本年度から新たに入っておりますが、これは研究公務員の待遇改善のために超過勤務手当、あるいは管理職手当というものをふやすということで、各省共通に技術振興の一つの方法としてとられたのですが、その通産省関係の分を計上したものであります。以上で技術関係を終ります。 次に、産業基盤関係でございますが、縦書きの方の説明書としては九ページの裏、それから横書きの表では十一ページでございます。内容は、新規の経費と申しますか、それといたしましては、十一ページの表の3に、産業立地条件合理化費というのが計上されております。これはことしも若干の調査費が実はついておったわけでございます。この産業立地、特に工場の新設等をいたします場合に、水の問題、あるいは鉄道、あるいは道路、あるいは港湾というような工場立地を制約します諸要素につきましては、従来、全国的に統一された調査とか、あるいはそれを組織的に整備した資料とかというふうなものは非常に乏しいわけでございまして、工場を新しく新設したいと思う場合には、大体見当をつけて、適当な自治体まで一々行って調べなければできなかった。それを今度通産本省、及び各通産局に特別の組織を設けまして、そこで資料の整備をやりますとともに、調査を進めていこうということで、金額は少い費目でございますが、通産省として将来工場立地法と申しますか、そういった産業立地全般に関する調査、指導というものを推進していくためのステップとして、われわれとしては、非常に重要に考えている費目でございます。 それから、その前の工業用水道事業費でございますが、ことしの三億円に比べまして五億円になりまして、二億円ばかりふえました。これによりまして、本年度の継続分の三地域のほかに、新たにことに載せてありますように五地域の着手ができるということになっております。 それから、その次の十二ページでございますが、炭田総合開発費というのが新しく四千万円ふえております。これは新しい炭田、北海道で申しますと、釧路炭田、あるいは天目炭田の、新しい炭田につきまして、国がみずから合理的の開発のために、必要な総合調査をやろうということでありまして、四千万円の金額は十分ではございませんが、第一年度でございますから、この程度でございます。さしあたり北海道と九州におのおの一地域づつ着手することになっております。 大体、通産省関係の予算の説明は以上の通りでございます。 なお、文章の方の最後のところに、特別会計の説明がございます。現在特別会計ば五つありまして、その五つの特別会計の内容は、十二ぺ−ジ以下に書いてございますが、これは非常に特殊なものでございますから、説明は省略いたします。ただ、この五つの中で、文章の十一ページをちょっとごらん願いたいのですが、アルコール専売事業と、特定物資納付金処理及び輸出保険の三つの特別会計は従来通り継続いたします。特に輸出保険については、本年度に比べまして相当拡張する予定でございます。中小企業信用保険特別会計は先ほど申し上げました保険公庫がスタートいたしますのは、七月になっておりますので、七月以降廃止になります。それから特別鉱害の復旧の特別会計につきましては、もうすでに前年度で大体事業を終っておりまして、ただ残務整理のために、今年度も引き続き残っておりますが、来年度もその意味で来年度一ぱいは残務整理のために残りますけれども、大体これも来年度一ばいで残務整理も終了いたしまして、従って来年度一ばいで廃止になる予定で現在やっております。 以上、通産省関係の予算の説明を終ります。
○委員長(近藤信一君) それでは引き続きまして科学技術庁長官正力松太郎君から説明をお願いいたします。
○国務大臣(正力松太郎君) 科学技術振興のための昭和三十三年度における基本的施策について御説明を申し上げます。 近時における世界の科学技術の進展ば、まさに画期的な段階に達しており、従来の宇宙観すら一新されねばならぬ時期に遭遇している。その成果の影響は、人類文化の各般に及んでいるが、なかんずく、生活水準の向上、産業活動の活発化に寄与するところはきわめて大なるものがある。このような時期に際会して、天賦の資源に恵まれぬわが国が、世界先進諸国に伍しつつ、なお文化国家建設の理念を追求するためには、国内資源を最も有効に利用し、輸出を飛躍的に伸張せしめなければならない。そして、これを可能ならしめる最も重要な方策が科学技術の振興であり、もって生じる研究成果が、その強力な推進力になるものと言えよう。しかし、戦後におけるわが国の科学技術の水準は、遺憾ながら、いまだ低位にあるというほかなく、これを向上せしめることこそ、刻下の急務であると言わねばならない。 これに対処するため、政府がその重要政策の一環として科学技術の振興を大きく掲げたことは、当然のこととはいいながら御同慶にたえない。この大目的を達成するために、種々の方策が考えられるのであるが、当面の施策として科学技術庁が、新年度に実現化を期している施策は、次のごときものである。 まず、科学技術振興の基本的政策を確立し、国の諸施策にこれを十分に浸透させる目的で、新たに、総理府に審議機関として科学技術会議を設ける。その構成は内閣総理大臣を議長として、大蔵、文部、経済企画、科学技術の関係各省庁の長のほか常勤二名を含む学識経験者四名からなり、その審議事項としては、科学技術に関する長期的かつ総合的な目標の設定、国家的に見て特に重要と認められる研究の推進、日本学術会議からの意見についての検討等が考えられるが、これら以外の基本的な科学技術振興方策についても、この会議で最高方針を力強く審議していただきたいと考えている。 次に、原子力平和利用の推進については、現在までの研究により、予想以上の成果を上げ得たので、日本原子力研究所においては、従来の試験的研究と並行して、新年度においては、さらに実験用動力炉を導入し、原子力実用化への強力な一歩を踏み出すこととした。導入すべき動力炉の型式等について、なお検討すべき分野が残されているが、これが設置され稼働を開始する時期が至れば、わが国原子力産業にも巨大なるともしびが点ぜられることとなろう。なお、一般動力炉及び燃料の導入については、関係諸国と一般協定を締結するため、引き続き折衝を行なっており、近くその妥結が見込まれている。また、原子燃料公社については、その探鉱を促進し、精錬施設を整備強化せしめることとして、原子燃料国産化の緒を開かしめるとともに、昭和三十二年度に設置した放射線医学綜合研究帆においても、放射線の障害防止及び放射線利用による治療の研究等を行うために、その施設、人員の整備充実に力を注いでいる。 また、原力子利用と並び称される電子技術の振興方策については、さしあたり、科学技術庁に附属機関として、関係行政機関の職員及び学識経験者からなる電子技術審議会を設置することとし、この審議会をして、電子技術に関する基礎研究、応用研究、研究成果の実用化の各分野につき、総合的な検討を行わしめ、もって今後のわが国の電子技術振興方策を樹立する所存である。 さらに、科学技術の基礎、応用両面にわたって、独自の存在価値を示してきた株式会社科学研究所を、特殊法人理化学研究所(仮称)に改組して、その伝統的な研究業務を強化充実せしめるとともに、これに新技術の開発業務を付加することにより、従来企業化に伴う経済的な不安が大きいために、机上に眠っていた優秀な新技術を開発企業化せしめることとし、研究と産業との橋渡しの役割をも果させることとした。このような開発に伴う危険を負担する機構は、わが国においては新しい制度であり、この面においても、従来の科学研究所の輝かしい業績に優るとも劣らぬ成果を期待したい。 その他、昭和三十二年に設けられた日本科学技術情報センターは、外国最新知識の導入、国内科学技術研究成果の普及、その啓発宣伝のための業務に関し、資料の収集、整備等を着々と行なって来たのであるが、新年度においては、全面的にその活動を開始することになる。他方、当庁所属の航空技術研究所、金属材料技術研究所も施設、人員面において所要の増強を行なったので、それぞれの面における国内技術水準の向上に大なる貢献を果すものと期待している。 なお、如上の具体的な施策のほかに、国として科学技術の振興をはかるために忘れられてならない最も重要な問題は、科学技術教育の振興と、科学技術者の待遇改善に関する方策である。科学技術教育については、別途主管官庁において、振興の方策も講ぜられることになっているが、わが国における科学技術水準低下の遠因が、学校教育における文化偏重の風に大きく災いされたことに思をいたし、今後とも、均衡のとれた文教制度を確立するための強力な政策が強く望まれる。このような制度下にあって、初めて科学技術尊重の風潮も生れ、優秀な科学技術者と科学技術とが育成されるものであることは言を待たない。また、この風潮を積極的に推進する方策としては、科学技術者の待遇改善を行うことが肝要であり、技術革新的傾向から、民間企業体の科学技術者はある程度優遇されているとしても、国家及び地方公共団体の研究公務員の待遇は、諸先進国に比して著しく劣り、その研究意欲を阻害していることはいなめない事実である。この弊を除去するための方策も、目下検討を進めており、関係方面の協力を得て、合理的に解決したい所存である。 以上要するに、目ざましい世界先進諸国の科学技術水準におくれるととなき体制を樹立するための諸方策につき、るる述べたのであるが、もとより、これのみで十二分の効果を期しているわけではなく、以上の諸施策を基盤にして、より一そう世界の現状に即応した科学技術振興政策を樹立し、もって産業基盤の確立、輸出の振興等、わが国刻下の要請にこたえたき所存であり、この面における国会議員各位を初め、関係各方面の御協力を心から望む次第である。
○委員長(近藤信一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(近藤信一君) 速記を始めて。 それでは引き続き、科学技術庁の三十三年度予算案について説明をお願いいたします。
○政府委員(原田久君) それではお手元にお配りしてあります二枚とじの横書きの資料でございますが、表題は昭和三十三年度科学技術振興予算重要事項大蔵省査定額と書いた表がございます。それを参考にいたしまして御説明さしていただきます。 事項といたしまして前年度予算額A、それから次に三十三年度要求額とございまして、その隣りに三十三年度予算内示額とBございまして、差引増減額AマイナスBという欄がございますが、政府提出予算案といたしましては、三十三年度内示額Bという欄につきまして、御説明を申し上げます。これが先刻通産省の御説明にありました予算要求額に相当するものでございます。御了承いただきます。 一般の部と、それから原子力の部と便宜上分けて書いてございますので、まず一般の部から御説明を申し上げます。 その第一は、科学技術振興長期計画作成というのでございまして、これは内容といたしましては、科学技術振興方策の長期的な観点に立ちましで、その目標の設定ということをいたしたいというのでございまして、昭和三十三年度には二百十四万九千円の予算に基きましてこれを作成したい考えでございます。 次は二の試験研究の促進、その内訳から御説明申し上げますが、多数部門の協力を要する試験研究助成、これは前年度予算額二千五百万円に対しまして、三十三年度は計上してございません。Bの欄に計上してございません。これは終りの方から五行目に総合的重要研究促進特別措置二十億円という要求額が第二欄にございますが、それに含まれるべきものであるというので計上いたさなかった次第でございます。その総合的重要研究促進特別措置につきまして若干説明さしていただきますが、これは経済基盤強化資金の中から補正予算を組んで要求をしたい考えを持っておりますが、一般会計には現在計上しておりませんということを御報告申し上げます。 次に(2)の在外研究員の派遣でございますが、Bの予算要求額は四千二百二十二万八千円で、前年度同項目につきましては、二千九百二十七万五千円、差し引き千二百九十五万三千円の増でございますが、この内容は、関係各省庁の研究員を海外に派遣いたしまして、科学技術の研究、勉強をしていただく経費でございます。 三番目の科学技術者の褒償制度確立でございますが、これは栄典制度との関係もございましたので、当初要求額は千二百五十二万四千円ですが、その制度の関連におきましてとりやめることといたしたものでございます。 四番目の所属試験研究機関の整備でございますが、その内訳といたしまして、航空技術研究所の予算を御説明申し上げます。現金予算といたしまして、十一億二千五百六十二万三千円、債務負担行為額といたしまして、十五億八千万円計上してございます。計二十七億五百六十二万三千円と相なるものでございますが、これは前年度債務負担十四億八千万円、現金予算八億六千七百二十一万一千円のものに対応するものでございまして、内容といたしましては、研究施設、特に遷音速風洞の完成を内容とするものでございます。差し引き増加額は現金にして二億五千八百四十一万二千円の増、債務負担行為におきまして、一億円の増でございます。研究要員といたしまして三十人ほど増加をみております。 (ロ)といたしまして、金属材料技術研究所でございますが、現金予算といたしまして、四億一千三百四十六万三千円、債務負担行為といたしまして、一億三千九百万円、計五億五千二百四十六万三千円でございます。これを前年度同期につきまして申し上げますと、二億一千三百九十三万三千円でございますので、差し引き現金予算といたしまして、一億九千九百五十三万円、債務負担行為額といたしまして、一億三千九百万円の増でございます。研究要員といたしましては、四十人の増員をみております。次に、三番目の研究成果の活用促進でございます。この内訳は、第一に、新技術開発機関の創設でございますが、昨年来独立機関といたしまして、新技術開発機関を設立いたしたい計画でございましたが、初年度のことでございますし、わが国としても初めての経験でございますという関係もございまして、後ほど御説明いたします科学技術研究所出資金のうちといたしまして、八千万円ほどついたものでございます。 次に、特許発明の奨励及び実施化でございますが、これは前年と同額がついたと申し上げられると思います。補助金等三%減がございますので、金額といたしましては二千三百四万七千円、前年度は二千三百七十六万円でございますので、その補助金三%減の七十一万三千円の減でございます。 次に、大きな項目の四でございますが、科学技術調査及び情報活動強化でございますが、その内訳から申し上げますと、科学技術に関する調査活動強化費でございますが、五%減を受けまして百九十四万七千円、前年同期の費用につきましては九万七千円の減に相なっております。 次に、二番目の日本科学技術情報センター強化費でございますが、八千万円の予算を計上しております。これは前年の七千万円に比しまして一千万円の増に相なっております。 三番目の科学技術アタッシェの増強でございますが、ウィーンに一名を原子力関係から派遣することになっております。この予算は外務省に計上されております。 五、資源に関する調査活動強化でございますが、これは二千百十五万円でございまして前年に比べまして六百八十二万九千円の増になっております。内容といたしましては、資源関係の各般の調査を全体的に総合的な調査を完成したいという内容を含んだものでございます。 次に、国際技術協力の強化及び技術革新に伴う科学技術者需要調査でございますが、これは特に経費を計上しておりません。 次に、追加の分でございますが、科学技術会議(仮称)設置でございまして、これは常勤議員二人と、それから非常勤議員二人でございますが、そのほかに会議の職員として五名ほど計上しております。その他初度調弁費など含めました全くの事務費的な経費だけでございまして、金額は千五十七万四千円でございます。 追加の二の総合的重要研究促進特別措置、これは先刻御説明いたしましたように一般会計には計上しておりません。 次に、電子局新設でございますが、諸般の事情によりまして電子局の新設をとりやめましたが、それと別個に電子技術の総合的な審議機関といたしまして、電子技術審議会を科学技術庁の付属機関として設置することになりました。その経費として三十四万八千円を計上しております。 追加の四番目でございますが、特殊法人科学技術研究所(仮称)設置でございますが、二億五千万円が計上されまして、前年度に比べまして一億円の増になっております。この二億五千万円のほかに、先刻三の研究成果の活用促進という項目の(1)の新技術開発機関の創設八千万円分を付加して計上することに相なっております。 追加の五でございますが、科学技術振興のための普及活動強化及び追加の六アジア科学技術会議開催、これは時期まだ尚早というのでとりやめにいたしましたが、追加の五の科学技術振興のための普及活動強化をいたさないというのではなくてほかの事業に関連してやって参りたいと思いますが、予算としては特に計上しなかったものでございます。 以上合計申し上げますと、一般の部の合計は債務負担行為を合せまして三十七億六千九百五十二万九千円に相なりまして前年に比べまして八億九千三百九十八万五千円の増加に相なっております。 次に、原子力の部を御説明申し上げます。日本原子力研究所の経費といたしまして第三段のBの欄について御説明申し上げますが、現金予算として四十五億円、債務負担行為額として三十一億六千百四十万円、計七十六億六千百四十万円でございまして前年の予算額に比べまして債務負担行為の方は十六億二千二百十四万五千円の増、現金の方は四億二千百七十六万一千円の増でございます。なお、この予算のうち、実験用動力炉が含まれておりまして、現金予算として一億円、債務負担行為二十四億円がこの中に含まれておることを申し添えておきます。 なお、人員といたしましては三百名の増員が認められております。 次に、原子燃料公社でございますが、現金予算といたしまして十二億五千万円が認められておりましてその増減を申し上げますと、債務負担行為におきまして、四億二千七百四十二万円の減、現金予算につきまして五億九千九百十二万八千円の増に相なっております。人員は七十名の増でございます。 三番目、原子技術者の海外派遣でございますが、三千四百七十七万円計上されております。前年の経費に比べまして千五百六十二万円ほど減になっておりますが、原子力研究所の職員五名、原子燃料公社の職員三名の分はそれぞれ1と2の項目に入っておりますので、実質的には海外へ行く人員の減はございません。 四番目の核燃料物質の購入等でございますが、六千四百六十九万一千円でございまして、前年に比べまして四百三十六万二千円の増に相なっております。原子力平和利用研究、これは民間に研究を委託し、あるいは補助する経費でございますが、現金予算で四億七千万円、債務負担行為額で一億円でございまして、前年に比べますと、現金の方は一億五千三百四十万円増、債務負担は二億二千百八十万円減でございます。 六番目の核燃料物質の探鉱でございますが、三千万円、これは従来通産省計上分でございまして、探鉱奨励金でございます。 七番目の放射線量測定調査研究予算としましては、三千六百二十四万九千円、前年同期に比べまして三百二十五万二千円の増でございます。 八番目の国立機関の試験研究、これは関係各省庁にお願いいたしまして、関係各省庁でやっていただく原子力関係の研究予算でございますが、予算額といたしまして六億七千百五十六万九千円で、前年度に比べまして現金で一億六千二百八十八万円の増、債務負担行為で二億六千三百九十五万八千円の減に相なっております。 九番目の放射線医学総合研究所でございますが、現金予算五億六千九百三十三万五千円、債務負担額一億二千万円でございまして、前年に比べますと、現金におきまして四億二千五百七十六万四千円の増、債務負担行為にいたしまして三億二千七百五十六万七千円の減でございます。なお、この研究所には三十名の定員増を認めております。 次に、原子力委員会関係、原子力事務処理費、それぞれ一千百六十八万六千円及び五千八百三十七万九千円それぞれ計上されておりますが詳細な説明を省略いたします。 最初原子力の報告を申し上げますと、現金予算七十六億九千六百六十七万九千円、債務負担行為三十三億八千百四十万円で、前年同期に比べまして現金十七億五千七百二十九万三千円、債務負担行為三十八億一千四百万円の増になっております。 そのほかに雑件といたしまして技術士法の施行、一般行政事務処理、人件費において増がございますので、一般の部、及び原子力の部、雑件の部の合計を申し上げますと、債務負担行為五十一億四十万円現金予算九十八億六千七百五十九万七千円でございまして、前年に比べますと、現金におきまして二十四億四千五百四十六万三千円、債務負担行為で六億二千四十万円の増、計三十億六千五百八十六万三千円の増に相なっております。 以上、予算案の説明を終ります。
○大谷贇雄君 資料の問題についてはなはだ皮肉なことを言うようですが、先ほどの長官の御説明に、所信についてのこの資料すら提出をしてない。一体事務当局は何をしておる。それから今、提出のあったこれはですな、今、御説明なさった方、大蔵省の官房長ですか。
○政府委員(原田久君) 科学技術庁です。
○大谷贇雄君 これは大蔵省査定額と書いてありますな。査定をなさったことを御説明になったのかと私は思った。まさか大蔵省にかわってあなたが御説明になったんではなかろうと思う。政府のこの提出した予算案であるならば、今年度の予算と、それから前年度に比べてこれだけふえたんだということであっていいわけだ。これは中間報告じゃない。すでに決定をしたことなんだ。それをお出しになるならば、当然私は通産省のものとしてお出しになることが、あなた方の自主性を高めるゆえんである。はなはだ私は遺憾である。
○相馬助治君 私は第一段の、この長官が説明するのに資料のなかった点については、大谷委員のおっしゃる通り同感。しかし、これはわれわれの同僚でもありまする政務次官からの釈明で、全くみんな了承した。だから第一段は問題ない。 第二段は、大谷委員の発言と私は全く反対であって、ただいまの科学技術庁の官房長の説明こそ当委員会の権威を高からしめるものと私は思う。という理由は、科学技術庁としてはこれだけのものを要求した、しかし大蔵省において、それから閣議において現在内示されておるものはこういうものであるという、ありのままの姿をわれわれの前に出した。これでこそ審議に非常に便利であって、この建前から言うと通産省の説明こそは、不親切きわまるもので、なっていない。しかしだけれども、これは話だから、通産省の話のそばづえを食っただけですが、私はただいまの問題については科学技術庁の官房長の説明並びに資料を全く了としたいので、これは大谷先生の誤解もあるんじゃないかと思うので、あえて発言をしておきます。
○大谷贇雄君 そういうふうに相馬委員が非常に善意な御解釈でありますることであれば、私も快く了承いたします。ただ私はね、大蔵省の査定額というようなことを、このままお出しになるという説明の中において、われわれはこれだけ要求したのだ。しかしながらこういうことであったのだということであるならば了承しますけれども、私は少くとも科学技術庁としてはもう少し正力大臣のあの堂々たる御抱負を実現する事務当局としては、もう少し科学的な立場で御善処が願いたい。こういうことを御要望をするわけです。了承しました。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいま大谷委員の話がありましたので、ちょっと一言付け加えておきたい。実は科学技術庁の予算については、大蔵省も非常な好意を持ちまして、従って何ですね、各省の関係で一番早くきまったのは科学技術庁なんです。それほどこれは時勢のおもむくところでもありますけれども、大蔵省が非常にこれに好意を持ったということだけを、付け加えておきたいと思います。
○海野三朗君 この大蔵省の査定額というのは、つまり科学技術庁に対しては何億という予算を割り当て、その割り当てた一部を、つまりあなたがこういうふうに査定なさったのか。大蔵省がこういうふうに査定したのならば、大蔵省当局の出席を私は要求いたします。何もわかりもしないで勝手に金を振り当てたのは、だれが充てたのですか、私はそれを聞きたい。大蔵省当局を呼んで、そうして長官と一緒に顔を並べて私はこれを審議しなければ意味がない。大蔵省の小役人たちがこんなものを勝手にきめたって、審議できますか。
○国務大臣(正力松太郎君) 実は初め大蔵省の意見がありまして、私ども強く主張してこれは事務当局が非常に苦心したのです。ところが、大蔵省も科学技術庁に非常に譲歩してくれた。それから先ほど申し上げた通り時勢の動きでもありますけれども、非常に私どもの要求に近いことになってきたのでありまして、この点はわれわれは満足すると言うと、語弊がありますけれども、とにかく大蔵省が非常に好意をもってやってくれまして、これならわれわれは仕事をやり得るという自信を持っているわけであります。どうぞ、そのつもりでお願いいたします。
○海野三朗君 しからば私は長官にお伺いいたしたいのは、この要求額を出されたのは一体うそですか。要求額を出されてそれを大蔵省が削った。削っても、それでやり得るというようなあやふやな予算をお出しになったのかどうか。私はそういうことをはっきりお伺いいたします。
○国務大臣(正力松太郎君) 決してあやふやな予算じゃないのでありまして、その点大蔵省も大蔵省の立場としてはずいぶんひどい案を出したのです。ところが、両省の折衝の結果、これならわれわれも役所でやれる、大蔵省もこれなら出そうということで、これだけ出したわけであります。
○委員長(近藤信一君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(近藤信一君) 速記を起して。 これにて午後一時半まで、暫時休憩いたします。 午後零時十五分休憩 —————・————— 午後二時五分開会
○委員長(近藤信一君) これより委員会を再開いたします。 まず、科学技術庁関係の政策及び予算について質疑を行います。御質疑のある方は、順次御発言を願いまする
○海野三朗君 先ほど正力国務大臣の基本的施策についての御説明がありましたが、拝聴しておるところによると、技術者の待遇改善に努力しようというお話でありましたが、この前の予算委員会においても、私は、格段の、科学技術者を劣等視しておる日本の政府であるのです、それを指摘したはずであります。研究者は技術者よりも劣っておるのです、待遇が。技術者というものは今の事務官よりも劣っている。研究所長、あるいは医学博士とか、理学博士、工学博士、そうそうたる前歴のある人たちでも研究所長となるというと、事務次官に及ばないというような待遇である。こういう待遇では幾ら科学技術の振興をあなたがお叫びになったところで実が上らないと思います。その根本から改めなければならぬ。こう思うのですが、今まで法科万能に傾いてきた日本のありさまですから、一朝にしては改められないかもしれませんけれども、これはもう思い切ってただいまの公務員の待遇問題、そういうことに対してはあなたが閣議においてどれほど御努力なさっておるのでありますか、まずそれを一つお伺いいたしたい。 それから次に、この予算の面を拝見いたしますると、査定案の中でゼロのところがだいぶたくさんある。ところが、このうちで必要であると思うものがだいぶあるのですが、そういうことに対してはあなたは目をおつぶりなさったわけでありますか、その点を私はお伺いいたしたいと思うのです。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいまの御質疑の趣旨は、私は全く同感であります。科学技術振興をやるときには、どうしたって技術者の待遇ということは、この点ずいぶん骨を折りました。ところが、今度公務員の待遇について六千万円、わずかでありますが、取りました。これで幾らかよくなった。それからまた、僕の方で出した中で、だいぶゼロがついているとおっしゃいましたが、これは実は私どもの当初主張した点が切られたということですが、全般的に見て、これは先ほども申し上げたように、大蔵省も科学技術に対しては非常に好意を持っておりまして、従って予算としてはあらゆるわれわれの要求を非常によく聞いております。このゼロというのは、実は今の、あった方がいいということでありますから、私はそれで強く主張いたしたのであります。このことも、ことに私どもの方で追加を六つ出したのでありますが、追加さしたものまで向うは聞いておる、こういうようなわけであります。私どもの方としては、大蔵省に対しては、先ほども申し上げましたように、大体自分たちの希望をいれられたと信じております。
○海野三朗君 ここの一ページ、一般の部のところで、「試験研究の促進」のところの、一番目の「多数部門の協力を要する試験研究助成」こうありますが、この原子力というのは原子力だけでは仕事にならないのです。どうしたってあらゆる方面と連絡をとっていかなければ実が上るものじゃないのです。大工さんだけでは家が建てられない。壁屋も要れば土方も要る、屋根ふきも要る。そうでなければ一軒の家は建たないものである。私はそういう見地から考えて、この多数部門の協力を要する試験研究助成ということは、これはもう非常に大切なことだと思うのですが、そういう点についてはどうお考えになっていらっしゃいますか。国務大臣がこの科学技術について御熱心なる点については、非常に私は敬意を表するものでありますが、最も大事なところ、こういう部門に対してはどういうふうにお考えになっておりますか。一軒の家を建てるにしても、大工さんだけじゃ家は建たないのである。屋根ふきも要れば、壁を塗る人も要れば、張り師も要れば、障子を入れるとすれば紙まで張らなくちゃならない。こういうふうに共同していかなければりっぱな家はでき上らない。こういうふうに、科学技術と一口にいっても、原子力、放射能とかいってみても、その協力部門が非常に大切であると私は思うのですが、その辺に対してはいかようにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(原田久君) お答えいたします。ただいまの御質問の要点であります、「試験研究の促進」の第一項の「多数部門の協力を要する試験研究助成」が、昨年は計上されておるが、本年は計上されていない、この点はいかん。また、それに関連して原子力の研究の外側にあるいろいろな関連技術というものの多数部門の協力を要する問題もあるであろう、そういったものについてどういう考えか、という御質問のように承わりましたのでお答えいたしますが、まず最初の多数部門の協力を要する試験研究助成につきましては、昭和三十二年度におきましては、クロレラの研究を取り上げて実施を現在しておるわけでございます。で、要求といたしましては八千万円ほどやはり同種の研究の要求をいたしたのでございますが、折衝過程におきまして、この追加の終りの方の、追加の2にあります「総合的重要研究促進特別措置」というので二十億円ほど要求しております。この二十億円の資金につきましては、考え方といたしまして各省庁を超越いたしまして、総合的に推進をしなければその効果が上らないというような問題で、特に重要な問題につきまして予算を計上いたしたわけでございますが、この金につきましては、その後予算折衝で経済基盤強化資金の中の科学技術振興費の中でうたうということになりまして、補正予算を組んで出すという形に相なっておりますので、その段階におきまして、ただいま最初に説明いたしました多数部門の協力を要する試験研究助成は入るであろう、従って特掲しないでおいてもよいであろうというような、大蔵当局と科学技術庁との話し合いによりまして、特に多数部門の協力を要する試験研究助成費は計上しなかった次第でございます。以上でございます。
○大谷贇雄君 ちょっと海野委員の発言に関連をしてお聞きしたいと思います。 今の第一点は、クロレラの研究をしておるというお話ですが、これは先般正力大臣の代理で吉田政務次官も日本クロレラ研究所の発会式においでになりまして、私も参りました。ところが、あなたの方でも研究をしていらっしゃる。あるいはまた東京大学やその他でも研究しておるというような状況ですが、これの研究過程並びに現在の状況はどんなふうであるかということを一ぺんお聞きしておきたい。 それから今のいろいろな今日研究しておるというお話ですが、そういうものは、たとえばどういうような研究を進めておるかというようなことを、何か資料等でもいただければ非常に幸いであると思います。これは第二点。 それからさっき海野委員からお話がありました、事務官よりも技術者が待遇が低いということでありましたが、どうも私も全くあの海野委員の御説に同感なんであります。私は科学技術振興といっても、この方がやっぱりいしずえだと思う。技術者を尊重する、研究力を尊重する、この研究力の不尊重ということが日本の非常な私は欠点だと思う。これは手前みそになって恐縮ですが、委員長も実は名古屋で私と御一緒でありますが、名古屋が御承知の通り空襲でめちゃくちゃになってしまった。ところが今日あの道路が、非常にりっぱな道路ができて、これはもうおそらく全国まれに見ることだと思う。これは実は名古屋市の助役に、田渕という助役を——これは技術者です。当時私は市会議員をしておりまして、あの人を助役にすることを徹底的に推薦した。ところが一般は、技術者などは、助役なんかだめだといい、反対が強かった。が、とにかくそういうことで私ども推薦しまして助役になった。ところが今日その助役の頭によってあの都市計画と、あのりっぱな道路の計画ができた。従って技術者を尊重せざることであっては、私は断じてならぬと思う。ことに科学技術振興という大臣の大きな構想を、これは吹きっぱなしじゃ何にもならぬので、らっぱが鳴ったらちゃんとそれに呼応して、そのらっぱによって進軍するということでなければ意味をなさぬと思う。それには私はこの際日本の研究力をほんとうに尊重すると、こういう建前から一つ技術者を、物的におきましても精神的におきましても大いに優遇していただくということ、海野先生のお話の通りだと思うので、従ってその表を出していただきたい。どのくらい低いんだ、またどれくらい改善をしてきたんだという資料を一つお願いいたします。
○政府委員(原田久君) クロレラの研究状況は各方面どういうようになっておるかというような資料があったら出してほしいという御質問、なおクロレラのみならずそのほかの研究状況はどうなっておるか、この資料を提出してほしい、それから第三点は事務官より待遇が低いという現状について資料があったら提供してほしい、こういう御要求のようでありますが、企画調整局長が担当しておられますので、その他の事情をここでできるだけ御説明させていただきたいと思いますが、いかがでございますか、お願いいたします。
○政府委員(鈴江康平君) 申し上げますが、クロレラの研究につきましては、従来これは世界的に見まして、日本がかなり進んでおる研究でございますが、今までやっておりました中心は、徳川微生物研究所の田宮博士でございます。その方が基礎研究としては相当やっておられましたのですが、その応用面になりますと、これを人間の栄養に使うとか、あるいは動物の飼料に使う、あるいはそれから薬品を作るというようないろいろな研究がそれから発展するわけでございますが、ただいまの徳川微生物研究所だけでは規模が小さくて、そういったいろいろの研究をやりますための、クロレラの資料を作るだけでも非常に足りない、そういうことでございましたので、当庁におきましてその方の研究者を非常に大ぜい集めまして、また関係の各省もきてもらいまして、一昨年でございますが、どういう進め方をすべきかということを十分討議いたしました結果、このクロレラの大量培養の研究というものにつきましては、各省のそれぞれ関係があるものでございますので、どの省が責任を持って育てるというよりは、科学技術庁でやった方がよかろうというように意見が一致したわけでございます。従いまして当庁といたしましても大量培養の試験ということを目標にいたしまして、本年度でございますが二千五百万円の助成金をクロレラの研究のために支出したわけでございますが、その対象といたしましては財団法人の日本食生活協会というのがございまして、これがそういった食生活の改善ということをかれがね研究しておりましたものですから、それが最も適当であろうということで、それに助成をいたしまして、それが付属の研究機関といたしまして生生がごらんになりました日本クロレラ砥究所というものを、その助成金をもとにして作ったわけでございます。それでただいまの研究状況といたしましては、農林省におきまして動物の飼料ということをまず考えて研究しております。それからさらに魚のえさということも考えておるようでございます。それから厚生省におきましては、栄養研究所等が中心になりまして、人体栄養の問題を研究しておりますが、しかしまあクロレラというものは栄養はございますけれども、なかなか人間に吸収されにくいという点もございますものですから、いろいろクロレラの細胞を破壊するというような研究を別の民間の研究機関にも連携をとりまして試験をしてもらっております。それで破壊されますれば、これは人体に使えるのじゃないかということでございますが、そういったようなこと、主として農林、厚生でございますが、そのほかに通産省の発酵研究所においても、出て参ります炭酸ガスの利用というような面からクロレラの研究について非常に関心を持っておりますから、この日本クロレラ研究所につきましては、それぞれ各省の担当官、研究者及び民間の人が集まって共同であの場所を使おうという態勢でございます。これはまあ研究所も最近できたばかりでございますが、ああいった研究でございますから、冬季は割合繁殖率の低いもの下ございますから、この春からは相当大量のものができますし、その研究が相当進展するのじゃないかというふうに非常に期待しておるわけであります。 それからなお、私どもただいま資料がございませんが、できるだけそういう資料をそろえましてお届けしたいと思います。
○阿部竹松君 関連しておるのです。私は午前中議運に出ておりまして、もしどなたか委員の方が質問されて答弁されておればお答えなくてもけっこうですが、実はこういう予算書と大臣の御所見と、それから出されようとする予算の内示と申しましょうか、何か出ておりますが、大臣の御所見とこの予算の内容とがてんでんばらばらのような気がするわけですね。それはこの次に聞くとして、この法案はいつ出るのですか。
○政府委員(原田久君) 法律といたしましては四法案を現在用意しておりますが、まだ政府としての提案をする段階に至っておりません。予定になっております法案としましては、科学技術会議設置法案、それから科学技術庁設置法の一部を改正する法律案、それから科学技術研究所法案、これは仮称でございまして、大臣の所信表明の中では、理化学研究所法案になっておりますが、その法案と、それからもう一件は放射線障害防止基本法案と、四法案を用意中でございます。まだ閣議において提出する段階に至っておりませんので、予定といたしましては来たる二月十四日の閣議に提出すべく準備を進めておるような状況でございます。閣議で政府提出ときまり次第至急提出したいと考えております。
○阿部竹松君 官房長、おざなりの答弁ではだめなんですよ。十四日の閣議にかけると言っても、ここに出ているのは全然法制局でも審議状態が皆無なんでしょう。そこでこの予算には法案が伴うものもあるし、予算の一銭や二銭高いとか安いとか言ってみたって、今までの慣例に従えば、そのままわれわれがなんぼ言っても修正されずにいったのが今までの実態ですよ。ところが、憲法に基いて召集した日数の三分の一を使っているのですね。三分の一使っておってまだ法案が全然海のものとも山のものともわからぬと、こういうようなことで、あなた方は今まで一体何をやっておったんですか。どういうことをどうするためにこの予算を大蔵省に要請したのですか。法案の内容も何もきめぬで、もちろん法案の必要のないものもありますよ。しかし、予算を必要とする法案もあるわけでしょう。何を基準として大蔵省に予算折衝をしたのですか。法案はどういうことになるかわかりませんと、しかし、法制局の審議は皆無なんですよ。それで十四日の閣議にかけると言っても、それはここだけの答弁で、果して十四日の閣議に全部をかけるととは私は不可能だと思う。そういうちぐはぐなことを審議してくれと言われても、私はきょう国会が召集された第一回目の委員会ならそういうことを申し上げませんよ。しかし、国会が召集されて五十日になる。五十日の間にあなたたちは一体何をやっておったのですか。でたらめな答弁でなく、もう少しこの法案はこういう裏づけがあってこういうことをしたいと、大臣の所見はまた全然内容が違うんでしょう。大臣はここに重点を置かなければならないというので予算を見れば、必ずしも予算が多く取られていない。こういうことをはっきりもう少し御説明願いたいと思うのです。
○政府委員(原田久君) 御指摘の点につきまして審議模様を申し上げますが、第一に科学技術会議設置法案でございますが、これにつきましては一千万円ほど予算は認められております。で、この内容につきましては関係するところが広いので、ただいま各省と連絡をとりまして意見を調整中でございます。意見調整を終り次第、法制局審議にかけると、こういう予定で進めておりまして、内容については十分研究を進めておりますので、御了承いただきたいと思います。 それから第二の、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案でございますが、これば科学技術庁の付属機関といたしまして、電子技術審議会を設置する法案でございますので、これば法制局審議も始まりつつありますので、これは間もなく成案が得られると思っております。 それから三番目に、科学技術研究所法案と書いてありますが、これは先刻申しますように理化学研究所法案という形で出るものでございます。内容といたしましては株式会社科学研究所を廃止しまして、特殊法人の理化学研究所を設置し、かつこれに新技術の開発業務を行わせようとするものでございまして、これにつきましても法案の内容は成文化されておりますが、それにつきまして若干事務的な折衝も要しますので、それにつきまして関係省庁と連絡中でございますので、これも遠からず提出できる予定でございます。 ただお断わりしておきたいと思いますのは、第四番目の放射線障害防止基本法案につきましては、内容といたしましては放射線障害防止に関します基本方針を決定するということになっておりまして、対象といたしましては放射線同位元素から出る障害のみならずX線の障害その他を含めた基本的な法案を準備中でございますが、この法案につきましては関係するところがいろいろありまして、まだ結論を得ていないというような状況の審議模様でございます。
○阿部竹松君 そうすると官房長、こういうことですか。予算がきまってから法案を作るのであって、こういうことでいきたいから予算をこれだけ下さいということになったのではないのですか。あなたのお話を聞くとまだ各省とも、たとえば予定法案のナンバ一・ワン、これなども各省とも連絡もしなければならず、研究もしなければならずと、そうしてその結果法案にして出しますと、はなはだ予算取るときにはあいまいもことして予算を取ったわけですか。それでなければあなたのお話がつじつまが合わぬということになるのですがね。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいまの御質問、まことにもっともと思いますが、実は官房長の話は少し足らぬところがありましたので、実は予算を取ってからではない。予算のまだきまらぬ前から盛んに折衝したのです。折衝してやったけれども、なかなかむずかしかったものだからつい延び延びになったわけであります。ことにこの科学技術会議なんかにあっては初めばずいぶん反対があったので、これはずいぶん骨を折って、それでようやく大体了解を得ました。しかしそれと同時に法案の大体の骨子はこっちで作っておるのです。ただ法案の二、三点が少し問題があるものですからして、それで多分私どもは中ごろまでと、これは私どももぜひ中ごろまで出せ、三月になってしまうと、つい議員の人も国に帰ったりすることもあるかもしれぬから、二月にどうしても出さなければならぬから、それについては二月中ごろを標準としてやれと、こう言うておるのでありますが、多分それまでできるつもりでおります。
○阿部竹松君 正力さんは大物だから冨山に帰らぬでも選挙は大丈夫でしょうから、それはいいでしょう。しかし今もうすでにあまり出席率がよくないという話を聞いているのに、法案が全然いつ大体ここに出るのか目安がないわけでしょう。法制局でまだ審議状況がゼロと、こういうようなことがちゃんとわれわれのいただいたプリントにあるのですよ。これは官房長のおっしゃるようにゼロでなければこれはいいですよ、二月十四日ということになれば。しかし、そういうことなんですか——それは答弁なければないでいいわけですが、私はただいつも会期末になって法案が山ほどたまるのですね。それで審議審議といってまあ追い立てられるわけですから、相なるべくば早急に一件でも二件でもいいから——これはこないだ自民党さんの理事とも話したことは、衆議院が先議であるから、衆議院の方から回ってくることは望ましいけれども、しかしながら、なるべく熱心に審議するために、ある法案については参議院先議でもやろうじゃないかという約束もあるわけです。全然法案が出てこんで予算だけ見ろと言ったって、どんな法案が出るのかわからんのに、これは法案を伴わない予算だからお前ら検討せいというんなら別問題です。しかし、これは総体的なことをやっているから、総体的にどうなるかということをお伺いしておるんで、官房長がおっしゃったように、二月十四日に全部出るということならば、けっこうです。
○相馬助治君 海野さんの質問に連関して、話をもとに戻して……。
○委員長(近藤信一君) まだ今の答弁があるから。
○国務大臣(正力松太郎君) そういうふうにやりますというと失礼ですけれども、できるだけそういうことに努めます。今のところは、相当できるだろうと思っております。
○相馬助治君 それでは、海野さんの質問に関連しての質問ですから、海野さんの質問に関連して具体的なことを一つ尋ねておきたいと思うんです。海野さんが問題にしたのは、科学技術者の優遇の問題ですが、科学技術の振興といえば、第一に科学機械の整備と研究者の努力と、この二つを忘れてはならないはずで、そういう角度から言うと、今の政府筋の科学者の冷遇というのは、これはもう明瞭な事実でございまするから、これでは政府が幾ら金を使っていろいろな研究所を作っても、優秀な者は民間に引き抜かれるであろうし、効果が上らないと、こう思うんです。そこで、私は具体的に聞きたいんですが、これは大臣から御答弁願いたいんですが、昨年東海村の原子力研究所で待遇問題が起きました。これは、普通の労働争議などというものでなくて、全くそれ以前のものだ。いわば、具体的に言えば、働いている人々の要求は、もう当然過ぎるほど当然で、そんな冷遇をされていたのかと世間がびっくりするような問題だったと思うんです。そこで、今度の予算では、この原子力研究所なんかの待遇問題等にからんでどんな考慮が払われているかということ、そしてまた、原子力研究所の紛争はその後どんなふうになっておるのか、このことを、予算問題にからみ、海野委員の技術者優遇の問題にからんで、具体的なこととしてお尋ねしておきたいと思うんです。
○国務大臣(正力松太郎君) 原子力研究所の待遇問題のときは、ちょうど私おりませんでしたから、詳しいことは知りませんが、今度の問題につきましては、御承知の通り、非常に悪うございますから、大体六千万円取って、これならば少くとも現在のほかの公務員より悪くないというところまで向上していこうとしております。その内訳は、手当とか、管理職手当でありまして、実収においてはほかの公務員より悪くないということになることにきめております。
○海野三朗君 地方公共団体の研究公務員の待遇は、諸先進国に比して著しく劣っているという先ほど正力国務大臣のお話でありますが、これば全くその通りなんです。それで、閣議におきましても、あなたがどれほど努力を払っていらっしゃるのか、その一端を私はお漏らし願いたいと思うのであります。過日、岸総理大臣の演説の中に、科学技術の振興、あれをスローガンに掲げておりまするが、あれは羊頭を掲げて狗肉を売っていないんですよ。(笑声)実におかしい。ほんとうにねえ。おかしいということは、私がその一事を申し上げますならば、東京大学の講座が三つふえたでしょう。あの講座がふえたのに、予算を一つもくれていない。あれを閣僚の一人としてどういうふうにごらんなさっていらっしゃいますか。大学の研究がさらにできないんですよ、大学の研究は。ただ人間はそのまま医学部から薬学科を移しただけであって、予算をさらに与えていない。そうして科学技術の振興と、よくもこういうふうなうそが言えたものだと、私はこの間から総理大臣の演説を聞いて、よくこの人はうそをつくなと思って聞いていました。こういうことが、科学技術庁の長官としてのあなたとして、それは管轄が違うとおっしゃればそれまででありますが、実になっていないのですよ。過日、私は東京大学を視察いたしました。茅君にも会って、そうしていろいろその内容を聞きましたけれども、研究費なんというものはさらにないのですよ。ただ一講座についてば二十五、六万円の金があるだけであって、オイル・メーターを一個買えば十万円、オイル・メーターを二個買ってしまえばもう研究できないというような貧弱な状態であって、幾ら科学技術庁の方でおやりになっても、学問の府であるところの大学の、しかも、科学技術の専門のそうそうたる人が寄っておる所の予算をあのようにしぼり上げておいては、あれでいいと思っていらっしゃるかどうか。これは一つ大臣の御信念を私は承わりたいと思う。技術者を待遇するといっても、待遇する考えであるとおっしゃるならば、それはただ単に今までの岸さんたちのうそつきと同じなんですよ。どういうふうにあなたが努力なさったか、まず、それを一つお伺いいたします。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいまのお話は、ごもっともでありまして、実は、科学技術を振興するの何のと言ったって、結局、科学者の待遇をよくするより方法はないということは、私どもは痛感しておりますので、それで、先ほどお答えしたごとく、公務員の方は、もうだいたい直すように予算を取りました。ただ、大学関係の方は、私どもの関係じゃありませんけれども、これば陰ながら私どもは援助していますので、こういう問題を直すについてもどうしても科学技術会議を作らなければならん、そうして総理を委員長として、文部大臣も入り、それから私も入る、そうして専門家を四人入れるということにしなけりゃ今の問題は解決できんと、こう思っておりますから、それで実ば科学技術会議の設立を非常にしたわけです。それを幸い大蔵省は認めてくれる。各省も、初めはいろいろ反対もありました。けれども、今では、各省ともまあ仕方なかろうということになってきたのでありますから、この科学技術会議ができれば、御趣旨の通りに行けると思っております。
○海野三朗君 それじゃもう一つここのところでお伺いいたしたいのですが、先ほど申し上げましたように、ある一つのことだけじゃ、たとえば、放射能なら放射能の研究で原子炉を二つ三つ作るというようなことだけで問題は決して解決しないのであって、その関連産業、世の中はすべてコオペレーションでありますから、あるいは油の製造、あるいは材料の吟味、そういう方面の関係諸費も非常に多い。その方面にむしろ力を注げば、ひとりでに原子炉がぽっとでき上っていきます。土台さえできれば、原子炉がひとりでにでき上っていく。その土台に入れるところの肥やしがあまりに足りないように思うのでありますが、先ほどの「多数部門の協力を要する試験研究助成」ということについてはもう少し力を入れなさるべきものじゃないか、こういうように思うのですが、その辺はいかがでございますか。
○国務大臣(正力松太郎君) 関連産業、関連研究というととは、これをつまり科学技術会議の重要な問題の一つにしております。そこでやらなきゃ、ただ一部分だけでやったのではできません。幸い、これが企画はきまりませんが、相当の額がたな上げ式になっているのです。また、科学技術会議を設けた重要な点は、その点にあるのです。それだから、科学技術会議ができれば、との問題は解決し得ると、これまた信じております。
○大竹平八郎君 私は、一点だけ大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、また、その御答弁によりまして、今後の科学技術庁関係の審議の大いなる一つ資といたしたいのでありますが、先ほど大臣が所信の御説明の中に、非常に大幅に予算を獲得できたというお話があったのでありますが、まことにこれは私どももけっこうだと思うのでありますが、しかし一面、御承知の通り世界の状況を見まするというと、従来ソ連でのみやっておられて東西の均衡がとれていなかった人工衛星の問題も、御承知の通り米国が成功いたしまして、東西のバランスというものが一応とれた、こういうふうな世界情勢の中にある日本なんです。そういうところから考えてみまする今の日本のこの科学技術の予算等は、それらの世界の諸国に比べまするというと、実に貧弱そのものだと思うのであります。なるほど国内の他省との比較の問題におきましてはまことに大成功でありますが、この国際情勢を見るときに、まだまだ私は貧弱で、これからであろう、かように考えるのでありますが、そういう意味におきまして、この両陣営のソ連、米国が人工衛星に成功いたしたというと、今度何が出てくるかということはいろいろな意味におきましてわれわれは一つの恐怖的な期待も持つわけなんでありますが、そういう中にありまする日本の科学技術庁といたしまして、ことにその担当長官でありまする正力国務大臣から、この際こういつた世界の目まぐるしい、しかもこの大幅の発展に対して、日本の科学技術というものをいかに進めていかなければならないか、あえてこれは予算の面において縛られておるだけの話でなくして、あなたの御構想を一つこの際承わりたいと思うのであります。あなたは非常に構想を常に実践に移すということで正力さんの名前というものはかくかくたるものがあるのでありますが、なかなかそういう理想がすぐに実現しようとは私ども思いませんけれども、こういうような時代でございますので、この際われわれがあなたの方の諸法案並びにいろいろな点において、これから審議研究するに当りまして、ぜひ一つその所信を宣明していただきたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) 実は先ほども申し上げましたごとく科学技術振興、振興といったって、科学技術庁長官だけの権限で幾らやってもなかなかいきません。それで考え出したのが先ほどの科学技術会議です。そしてどうしても文部省と私の方が手を握っていかなければならぬ。それからいま一つ、あるいは通産大臣、あるいは郵政大臣、みんなであります。ところが、この関係大臣皆入れると、また閣議のようになってしまうから、まずこれには文部省と企画庁、大蔵大臣と私、これだけはいって、総理を委員長にしよう、総理を委員長にしなければ力が出ません。幾ら科学技術庁長官がふんばっても科学技術庁長官だけでは通りません。ですから私は一委員になりまして、そこでほんとうに全体でもってやってもらえばいい。ですからこの科学技術会議というものは相当期待をかけているし、それだけに初めは各省のセクショナリズムでずいぶん反対があり、初めは問題にされなかったが、皆刻下の情勢から見ると必要だろうというので、これができたわけであります。そうして決定機関にすると閣議と同じになりますから、諮問機関にして、そこでいわゆる予算を伴うから大蔵大臣も入れるということにして、これができれば、先ほどの問題は大体解決する。私はそれを考えたのも一つはセクショナリズムを破らなければならぬという考えを持っているのです。現にアメリカすらもあれほど振興しておってもアイゼンハワーが陸海空のセクショナリズムを破らにゃいかぬといっているくらいですから……。ところが日本はあれよりもっとひどい。ですからその意味においてもどうしても科学技術会議を作らなければならぬというので、これは私どもも庁をあげてこれには協力したわけであります。これができれば御期待の幾分は沿い得る、こういうふうに考えていますが、要するにセクショナリズムを破らにゃだめですよ。これあった以上ば研究だって各省ばらばらになっておる。その権限を取ることが一番問題です。それですから、これは幸い総理が議長ですし、関係大臣もそこに出る。そこでさっときめれば押し切り得る、こう思っておりますからどうぞ一つ御期待下さい。
○岡三郎君 この際一、二点大臣に聞いておきたいのですが、日本のような貧困なる財政のもとに高度なる科学技術を研究してみでもとでもそれは及びもつかぬ、ゆえに日本の産業の進路は具体的にいわゆる外国の優秀なる機械を導入することによってこれをどういうふうに企業化するかという点に重点を置くのが日本のいくべき道じゃないかということをある一人の企業家が言っておったのを聞いたわけです。そこで私は最近における科学技術の振興というものは原子科学、あるいはミサイルの研究から発展して非常に高度なる世界の水準に対して、日本の科学技術庁並びに日本の科学者諸君が一体日本の科学の進路というものを日本の経済と総合してどこに大体日本の方向というものをきめるのか、こういう点については私は非常に疑いを持っておる。そのときそのつど官庁機構をいじるということによってこれが推進され得るのか、ほんとうに将来のいわゆる見通しというものをこの国の基本として立てて、科学というものを具体的にどういうふうに持ち上げていくのかというふうな点については非常にさまざまな意見がこんがらがって、ただ異口同音に科学技術の尊重ということを言われておるのじゃないかと考える。こういう点について科学技術庁の長官としての正力さんの見解並びに今後科学技術庁としては一体どういうことをほんとうに考えて日本の科学——単なる科学だけじゃなくて、私は日本は軍事科学よりも産業の科学と直結しなければならぬということを考えておるわけであって、その観点について一つ御見解をお聞きしたい。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいまの御質問の趣意に沿うために先ほど述べました科学技術会議を作ったのです。どうしてもこれは科学技術庁だけでは予算を取るわけにいきませんから大蔵省も企画庁も入れておる。さらに文部省も入れ、そうして学識経験ある者、実業界の人も入れる。だから実業界の意見も聞き、学識経験者の意見も聞く。そうしてしかもみな大臣と同格の待遇にしたいと思います。そうして八人の各方面の人が集まって大方針をここできめる、こまかい点についてはまた科学技術庁でもやります。財界との関係、それから学術の研究の点、これはどうしても専門家でなくちゃならない。それですから、実はこうならぬ先には科学閣僚懇談会でありましたか……けれどもこれはそんなことしたってだめだ、閣僚だけ入れたってだめだ、これはどうしてもその道のエキスパートを入れなければだめだ、学者だけじゃいけない、財界からも入れなくてはいけない、そうして各方面の人でこれをやる。しかも専門家は常勤にして絶えず研究してもらう。大体今までの会議というものは、ごく悪く言うならば、官僚が作ったものが会議できまるようなものなんです。それじゃいかぬからやはり専門家を二人常勤に入れてそうして待遇もよくして、できるならば大臣待遇ぐらいにしてやろう。そうすれば財界の事情も映り、学界の事情も映る。そうして大方針はとにかくそこできめてもらって、科学技術庁、文部省は科学技術会議の方針のもとにやった方がいい。これで初めて科学技術の振興ができるということが今度の会議の要点でありますから、大へん考えておることは大きいのだが、果してその通りいくかどうか知りませんが、そういうふうにいくことに努力したいと思っております。
○岡三郎君 私は官庁機構の中にもセクショナリズムが相当あると思いますが、しかし学者といわれておる中にもセクショナリズムはたくさんあると私は思う。ですから、この点を考えてみると、日本の狭い風土の中で生活していく状態というものは、なかなか言うはやすくして、実は行う点では隘路があると思う。ですから、そういう点で、やはり科学の指導方針というものを一体どこに置くのか、それは世界の科学の水準のトップレベルに持っていくのだ、言うはやすく……一つのミサイルの例をもってしても、イギリスの財政ではちょっと人工衛星の問題は追いつかない、こういうことを言われておる。そうするというと、一体日本の研究というものをどういう方向に持っていくかということになると、中堅技術者の養成ということを一口に言われております。一体中堅技術者の養成というものは、オートメーション化された工業の中においてどういうところに焦点を合わせるか、いわゆる産業の構造が漸次変っていくとしても、ずいぶん古い機械を使った、それこそ機械産業においては原始的な機械がずいぶん中小企業の中にはありますよ。そういうところの需要に技術者を向けるためにこれを養成しなければならぬけれども、これは一つの過渡的な段階であって、もうちょっと集約していけば、どういうふうな方向の技術者が必要であるかということは、政治としての達観ということが先行しなければ、私はなり得ないと思うのです、一つは。だから、そういうような点で、科学技術庁自体としても文部省等と総合せられて、これは私自体としても非常に大きな問題を持っておるわけだが、ここで私は意見を言うのは差し控えますが、現在の科学技術の振興なり、科学の振興なりと、うものはやや時代の潮流というものに乗っているという感じで、まだどういうふうに本格的にやるかということについての見解は私はつまびらかでないと思う。ある人から言わせれば、単に学校の生徒の比率で、ソ連が七対三で科学を尊重しているとか、アメリカは五対五で、日本はソ連と逆で三対七とか言っておるが、現実の問題としては、どういう部門に対してどうするか、これは海野さんが先ほど言ったように、そうなったらその部門に対してその研究費をどう充実するか、日本の財政の範囲内から言えば、すべて同じようにやったら、やはり農林補助予算と同じように、これは私はあまり役に立たないと思うのです。そういう点で、科学を推進していくためには相当の経綸を持ったスタッフ——今会議ということを言われたが、私はそれもけっこうだと思う。これは十分、どういう方向にいくかということの基本的な問題についてはやはり検討してもらわなければ困ると思います。 これ以上意見は申しませんが、もう一点、そういうふうに科学の振興が日本の今後におけるところの進展というものに重大なる関係のあることは論を待たない。この時代において自衛隊が一万人の兵力を増強するということ、これを科学技術庁はどう考えておるかということの私は見解を聞きたい、真剣に。貧乏国で科学、今言ったように一講座に二十五万円、もっと少いところはまるで金がないと言っても差しつかえない。ところが、ずいぶん学者はいるんです。いわゆる学者はいるんです。学者はいるが、それは単なる大学教授なり助教授のタイトルをもらっているだけで、まるでカッパが陸に上っている状態です。こういう現実の状態の中で、学者は相当いるけれども、その学者を動かさないでおいて、そうして生徒をふやす、やれ科学者が足りぬ、こういうばかげたことが一面において私は現実にあると思う。そういう点で、こういう時代において、私はミサイルとか何とかいうことは一ぺんにいきませんが、しかし世界の情勢の中において、一万人の自衛隊を増強する金があったら、それは見解の相違はあるにしても、それだけの金を重点的に日本の科学の基礎的なものなり、あるいは重点産業なりにそれを注いだならば、私はそれだけでも日本の自衛のためにそれの方がプラスとなるというふうに客観的な立場に立たなければ、科学技術教育の振興ということに私はどうしてもならないと思うのですが、これは正力先生どうですか。これは、あなたの言う通りだとはなかなか言えぬと思いますけれども、科学技術庁としての見解を聞きたい。
○国務大臣(正力松太郎君) 私はそういうような意味を解決するにとそ科学技術会議が必要なりとしているのですね。しかして科学技術会議は先ほど申し上げた通り予算を伴うので、大蔵省関係の人もはいる、それからどうしても文部省も要るので文部省もはいる。それからなおまた関係各省、郵政省とか、通産省、この方の人も場合によっては出てもらうということにして、各方面の人に出てもらう。そうしてそれは繰り返すようでありますが、会議だけではいかぬから、常任の専門家の人を二人入れる。非常勤も二人入れて、閣僚の数とほぼ似たような数をとるということにして、そうしてさきにお示しの通り、防衛庁のことは私の管轄ではありませんので申し上げませんけれども、私も人をふやすより技術をふやす方がほんとうだろうと思う。その点はもう同感でありますが、しかしまだどういう都合で防衛庁がふやすかそれは知りませんが、とにかく科学の力によってやります。実は私が、今重要とおっしゃいましたが、私が最初の科学技術庁長官のときにすぐ文部省に話した。これはどうしても科学技術の振興をはかるについては、文部省が小学校の生徒に至るまで科学技術の思想を入れなければいかぬ。そうしてさらに専門家、理工科の学生をふやさなければいかぬということは三年前に言っております。そうしなければいけません。日本のように、先ほど申し上げたように国土が狭くて人口の多いところではそれよりほか方法がないのです。だからその意味においても先ほど申した科学技術会議というものをほんとうに活用して、そうして、あの学術会議の意見もそこでよく尊重してやっていきます。そうしてすべての人の意見をして……これは理想であるかもしれませんが、少くともそういう方向に進みたいと思っています。
○岡三郎君 もう一点。これでやめます。今、まだこれから私は将来、科学技術庁に聞きたいと思いますが、今度は科学技術会議というものが正力さんの隠れみのになっては困ると思います。ほんとうに答弁の隠れみのみたいになってしまって……。なかなかむずかしいと思いますが、実際問題としてこれはいろいろと外交上においてむずかしい点があるとしても、そういう点を科学的に割り切るように、ある程度まで割り切れぬ問題もあるにしても、割り切れるように指導することが、科学精神といいますか、昔橋田さんが科学する心と言いましたが、科学する心が必要になる。科学的な目をふさいでおって、片一方で科学の振興、科学の振興と言っても、これは政府は何を考えているのだということになったときに、まことにあれは非科学的な政府である、そういう非科学的な政府が幾ら科学の振興を言ってもこれは当座のつけやいばみたいであって、国民がそう思っているから太鼓をたたかなければいかぬ……。海野さんが言ったように、羊頭を掲げて狗肉を売るということになっては困る。羊頭は困るので、羊の頭でなくて、もっとりっぱなものをあげてもらわなければ困るが、私は一万人の自衛隊の増強というのは現状においてはばかばかしいと思う。それだけの金があったら、それを科学の振興に向けて、生産の部面に対して持っていこうとする方向に行くならば、一万人どころではなく、二万人、三万人の人を養うに足るところのそういう国の生産に直結することが私は可能ではないかと思います。百歩譲って内乱が起るということで自衛隊を必要とするならば、それに即応するだけのものを確保すればいいので、何だかわからぬけれども、中途半端な、アメリカで言っている局地戦なんということをこのごろ自衛際の連中が言っているが、この宇宙のこういうふうな時代になって来て局地戦なんというものが起るとすれば、それは立ちどころに世界戦争になる可能性を持っているということは三つ子でもわかると思う。世界戦争になったらみなが滅びてしまうから、小さい戦争にとどまるだろう。それは私はとんでもない錯覚だという気持を持っている。だから日常の生活、日常に行うところの政治ですね、この中にも科学的な分析というものが私はどうしてもなければ、日本の科学の振興というようなものはおこがましいと思う。だから、そういう考え方で自衛隊の問題を一つ掘り下げても、科学的に掘り下げても、結局自衛隊というものの一万人は何に必要なんだ、これはいわゆる世界観の違いではなくして、同じ日本人として、自民党も社会党もいろいろと角度は違うけれども、それを科学的に分析するということは、これは私は必要だと思う。そうしてそういうふうな点で正力さんが最高会議においてそういう点を検討するというから私は期待するのですが、だからかりにそれが、それみろ一万人あったってだめじゃないかと言って私は自慢することじゃないと思う、逆に言えば。だから、もう少し物事の考え方について科学的になるように、科学技術庁というものが指導しないと、政府が指導しないというと、どうも国民の科学精神というものが私は養成されないと思う。だから今、宗教なんかについても、話がちょっと脱線しますが、創価学会の問題一つにしても、これは宗教上の問題でいろいろありますよ。あるけれども、これを拝めばなおるのだ、こういうことをやっております。これは、宗教なんか心の問題だからというけれども、そうじゃなくて、一般生活が貧困だから、皆困っているから、これをお祈りすれば病気がなおる、こういう昔の、六百年前、七百年前とちっとも違わないことが現実に流れているのです。そういう迷信とかそういうものの打破ということを考えないで、科学の技術振興というものもおかしいので、私はそういう点で、創価学会がいい悪いということじゃなくて、もうちょっと日常生活が科学的であるようにこれは指導すべきだ。そこに科学を尊重する精神が浮かんでくるので、それを抜きにして私は考えられないということを、一言意見めいたことだけれども言って、やめておきます。
○委員長(近藤信一君) もう衆議院の本会議から呼びに見えております。今始まったそうだから本日はこの程度に……。 都合により残余の質疑は後日に譲り、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会 —————・—————