社会労働委員会 第14号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/03/18
会議録
○委員長(阿具根登君) ただいまより委員会を開きます。 社会保障制度に関する調査の一環として、一般厚生問題に関する件を議題といたします。 まず、結核予防について質疑を願います。
○木下友敬君 結核の問題で質問をいたしたいと思いますが、その前に、この間からずいぶんやかましくなっていた医療費の問題について、一言大臣に質問しておきます。単価の値上げで、ずいぶん日本医師会、日本歯科医師会、あるいは病院協会その他と厚生省との間でやりとりがあっておりまして、どうなることかと思っておりましたが、ついに予算がきまりまして、八・五%の値上げが十月からあるということになっております。ところが、これは神田さんが大臣のころでございましたが、当時、七、八月までには結論を出すのだということを言っておられ、次には、おくれたけれども、秋までには単価の値上げができるというようなことで、私ども非常に喜んだ。なお、堀木さんが大臣になられてからも、私の質問に対して、四月一日からこれを実行するということをおっしゃった。私は非常に心外にたえぬと、そのときに申し上げたのです。神田さんは、秋までということをはっきり言っておられるのに、神田さん以上に大物大臣が来られて、それが今度は四月になってしまうということは、納得いかぬのだということをやかましく言ったのを私は覚えていますが、ところが、今度予算がきまったらば、さらにもっと延びまして、十月ということになってしまった、これは大へんなことでございまして、今開業しているお医者さんは別といたしまして、公立の病院、官立の病院なども、非常にこの単価の問題では困っているということは、しろうとの大臣でもおわかりになっていると思う。それをさきには四月と言い、今度は十月ということで、大蔵省とのやりとりで引き下っておいでになったということは、これは大臣のくせかもしれません。三十億もらっておったのを十億ですっと引き下るという、非常に手ぎわよくお引き下りになる習性があるが、四月と言っておったのを、十月でがまんなさったのは、お人柄とも言えますけれども、これは、国民大衆としては非常に困ることです。何とかこれは、もう少し早くならないかということを、私は非常に国民とともに憂えているところでありますが、聞くところによりますと、十五人委員会というものをお作りになって、そしてそこで、この十月までにはこの問題を解決するというようなお話を承わった。まあ十月までに解決するというんではおそきに過ぎるわけでありますが、私は、一体この十五人委員会というのは、どこからこの話が出てきたか、だれが言い出したか、その目的がどんな目的であるかということもはっきりは知りません。性格がどんなものであるか、もちろん法律できめられた協議会のようなものでないことはわかっておりますし、また、衆議院で滝井議員の質問に対して、大臣は、十五人委員会というけれども、その人数にはとらわれないのだ。また、りっぱな法律できまった協議会があるのだから、それとまぎらわしいものを作るのではないけれども、率直に言って、お互いに会って、中央医療協議会の答申に従って、共通の目的を持って事務局案を処理していくために話し合いの場を作ることはいいと思うのだからやるのだと、こういうことを滝井君には返答しておられる。またここでも、山下委員の質問に対しましては、八・五%を値上げすることの、その内容の事務局案について完璧を期するために懇談の場を持ちたいのだということを言っておられる。はっきりこの十五人委員会をやるのだということを言っておられますが、ただそのとき、時期については明言しておられません。私どもとしては、少くももうこの十五人委員会が発足するであろうというので、首を長くして待っておるのです。また、おのおのの団体からは、名簿もすでに提出されたということを聞いておるのです。私はこの際、この性格なり、名簿が出たとすれば、どういう人たちが委員に任命されたか、そしていつごろからこれをおやりになる気か、これをはっきりしてもらいませんと、全国の医療関係者というものは、これをただ一つの頼みにしておる。この点一つ、大臣のはっきりした御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(堀木鎌三君) 医療費問題につきましては、私も、かつて木下委員の質疑を受けまして、四月一日から実施をいたしたいと思っておりますと言う際に、木下委員から、四月一日の実施については、おそ過ぎるというおしかりを受けたことを記憶いたしております。しかし、はなはだこれが、三十三年度予算におきましては、三十三年度の下期、十月一日から実施いたすことにして、予算を提出して御審議を願っておりますが、この点は、時期がおくれましたことは、私まことに申しわけないと思っております。私どもとしては、御趣旨に従って、過去六年間未解決でありましたものを、一日も早く実施いたしたいという考え方で進んでおったのであります。私の習性とおっしゃったのでありますが、私は、決して妥協の習性ではないのであります。しかしながら、諸般の情勢が、ああいうふうに、私どもの案についてこまかく御協力が得られて、そしてきちっとしたものができておりますれば、私は、時期もあるいは変って参ったかと思うのであります。しかし、いずれにいたしましても、三十三年度下期から実施ということに決定して、御審議をわずらわしておる次第でございますが、この際、一部の新聞に、十五人委員会というものが伝えられたのであります。しかし、この十五人委員会というものは、一体どういうものであるかと、いかにもこれが、何と申しますか、権威ある一つの機構であって、それに対して厚生大臣が諮問しなければならないような性質のものではございません。御承知の通りに、われわれが諮問しなければならないのは、唯一の機関は、これは中央社会保険医療協議会であります。中央社会保険医療協議会の御答申は、医師会も含めて、満場一致でもってちょうだいいたしておるような次第でございます。従いまして、ここに残りますことは、ただこの実施時期が延びましたので、私どもとしては、実施までに全力を尽して、より完璧なものを作りたいという考え方は持っておって、それに対しまして、いかなる方面の御協力も仰ぎたい。ことに御質問の八・五%の問題が、実際に適用して八・五%になるのかどうかというふうな御疑問がある向きもございますので、私どもとしては、この八・五%を中央医療協議会の御答申の線に沿いまして、すなわち、言葉をかえて申しますれば、合理化をするかしないか、合理化の観点に立って、これは、日本医師会の方も含めて、合理化は賛成された御答申でありますが、それに沿うて、そしてしかも、八・五%を真に確保できるかどうかという実際のあてはめ作業を念には念を入れてやりたいと、こういうことは、かねて私は、実施の時期まで最善を尽したいという考えを持っておったのであります。 ただ、たまたま、率直に申し上げますが、一月ごろでございましたか、日本歯科医師会が主として発案者だといわれておりますが、日本歯科医師会と、そして日本医師会の方が来られまして、党の方に、何とか五人、五人、五人ぐらいで委員会を作ったらどうだろうと、それは法律によってできる必要もなく、また、かつてのマル単の会議のようなものである必要もない。厚生大臣が実施の完璧を期するために、そういうふうな五人、五人、五人でできるようなところで話し合ったらどうだろうという申し出があったと聞きました。確かにそういうふうな点も一つでありましょうが、何か十五人委員会で万事が決定していくようにお考えになることは、非常に私どもとしては迷惑な話である。それからもう一つは、これはもう、木下さんよく御承知でありましょうが、マル単の会議を日本医師会が脱退されるという事態が中央医療協議会にかける前に起りました。 私どももはなはだ困惑いたしましたし、迷惑をいたしました。しかも、そのマル単の会議は、かつて日本医師会から御主張なすってできた会議であります。それをみずからぶっこわしなさるような状態であった。しかも、私就任早々であって、日本医師会と何ら特別に取り立ててお互いの間に確執が起る余地もないのですが、そういうふうな問題が起ったということは御承知の通りであります。私としては、どんなものを作り、完璧を期そうと努力いたしましても、その共通の話し合いができる状態になりませんと、しばしばの会合が逆に悪い結果を起しておるのであります。現に私は、しばしばその経験を厚生大臣になりましてから経験いたしております。従いまして私は、どういうふうな方法で、こういう八・五%の完璧を期するかという問題については、私自身が諸般の情勢を見まして、そうして共通な話し合いの場ができる場合でなければ、私はかえって逆効果だと思って、しばらく推移をながめておるというのが現状でございます。これで事態は隠すところなく申し上げましたから、おわかり願ったろうと思っておるのであります。
○木下友敬君 話術がうまいので、私はわからない。十五人委員会というのは、一体認めておられるのかおられないのか。ただ話し合いの場を持つというのは、人間であれば、だれとでも広く意見を聞くというわけで、おいで下さい、おいで下さいと言って話はできるけれども、私のお伺いしておるのは、この目的は、円満に話をつけるために、名前も十五人委員会という名前が喧伝されておるわけなんです。これをお認めになって、そしてさっそくお開きになるかというお尋ねをしたらば、今のお答えは、当分は開かぬというお話であったが、あとでは、開くのかどうか、いつまで待たせるのか、それをお伺いしておる。
○国務大臣(堀木鎌三君) 十五人委員会という公称の名称のものは何もございません。はっきり申し上げます。ただ私が、今後事態の推移をながめて、円満に話し合いのできる場を作ることには、私は最後まで努力をしなければならぬし、さらに、私自身が、八・五%の確認をするという、あらゆる手段を尽すという考え方はあります。しかし、十五人委員会という、いわゆる公称されたものは何もございませんことをはっきり申し上げます。
○木下友敬君 名前は、十五人委員会という名前のものはないけれども、歯科医師会あるいは日本医師会から、党の方に申し入れがあって、おそらく党の方でそれは御賛成になったように承わっておりますが、その会はお持ちになるつもりですか。
○国務大臣(堀木鎌三君) 党と私どもの話し合いはいろいろございますが、この際に申し上げることは、何ら権威がないと思うのであります。今になれば、厚生大臣として、どう決心して、この問題を解決していくかということだけにかかっている問題だと私は思っております。ただ、不思議なことには、そういうふうでありましたら、突然日本医師会と歯科医師会から、五人の御氏名をただ連ねた書面が参りました。何のことか私にはわかりません。かつまた、そういう形でそういう問題が出て参りましたときに、先ほど申し上げた円満なる話し合いで、進歩ができると私は思いませんでした。でありまするから、その問題は、私どもとして、今のところ考慮外にあるということをはっきり申し上げておきます。
○木下友敬君 何か大臣は、この十五人委員会のことを質問したら、ふだんに似合わず戦闘的で、何か、日医と事をかまえているような言いぶりだし、また、私の質問に対しても、私は、ここでは議員として質問しているが、日医の一員として質問しているのではないから、もっと落ちついて、ゆっくり話してもらいたいと思うのです。先にお尋ねした、たとえば、そういう名前が突然来たから、何のことかわからぬということも、これはおかしいことで、これは、十五人委員会の名簿を提出したのだぐらい、おわかりになったと思うが、その名前がどんな人が出ているのか、これも事のついでにさっき質問しましたから、もうお受け取りになって、すぐ捨ててしまったものか、でなかったら、それを発表してもらいたい。
○国務大臣(堀木鎌三君) 非常に戦闘的ということで、申しわけございません。そういうつもりはございませんが、この段階におきましては、物事はあいまいを許さない段階だと思いましたので、はっきり申し上げたいと思って、そのために、幾分強く申し上げたかもしれません。その点がお気にさわりましたら、お許しを願います。私の方としては、率直に申して、ほんとうに話し合いの場というものは、従来の経緯にかんがみますと、形式的な話し合いの場を持つと、あとの結果がいつもよくないのであります。これは私も、不敏といえども、半歳の間にしばしば経験をいたしましたところであります。話し合いをいたしました結果がよくなければ、かえって所期の目的を達成しないというふうな考え方でありまして、お互いに信頼と、そうして共通の目的により、いいものを作り上げようということが、厚生省はむろんのことでありますが、相手方の人にもそういうふうなお考えがあって初めて実を結ぶ問題であります。それに私には、何らそういうお話し合いがなしに、ただ使いが五人の名前を並べておいでになった、書面がきたということは、逆に今後のそういう話し合いがうまくできないという私は証拠だろう、両方の責任者がほんとうにいいものを作ろうと思えば、そういう形で物事が運ばるべきものではないと思います。実は、どういうものか、たしか私が留守中にそういうものが来て、次官が応接してお帰ししたということを聞いておりますので、私自身は見てもおりません。
○木下友敬君 お話を聞いておりますと、党の方には申し入れがあったが、自分には何の話もなく、突然人の名前を書いて持ってきた、けしからぬ、こういう話を何も党に持っていかぬでも、所管大臣に持ってくるべきものだ、自分をないがしろにしたからというので、それでどうも、ちょっとひがんでおられるようなふうにも聞えるわけでございますが、ほんとうは、この医療行政を最も効果的に行なってゆくためには、やはりこれは、医療担当者とよく話し合って、仲よくやっていくということでなければ、どんなに偉い方が大臣におすわりになっても、これは全うしていけないことだと思う。ことに今、保険の単価問題を中心といたしまして、あるいはその値上げを八・五%にするか、あるいはもっと高くしてくれとか、あるいは早くしてくれとか、その他の問題で、点数の合理化とかいろいろな問題で、実は協議会の答申はどうであろうと、医療担当者は決して満足していない。満足どころか、非常に憤慨している。こういう状態で、医療担当者と厚生省の間は、これは膠着状態に陥っておる形だと私は思う。監督官庁であり、また行政機関であるから、思うようにするのだから、お前たちはついてこいという行き方では、日本の医療行政というのはできないので、なるたけ腹が立っても、こらえこらえてでも、子供をあやすようにしてでも、ほめすかして、そして医療担当者が喜んで厚生行政に協力するようにされるのが私は大臣の務めだと思う。ですから、幸い十五人委員会というものが話に乗ってきて、ここで話し合いの場ができて、そして今度改正されようとするこの実体について、一つそこで話し合いをして、円満に遂行をしようとするなら、大臣は喜んでそれに乗っていくべきはずだと思う。それから、声を高らかにして、十五人委員会というようなもの、そんな名前のものはないと、自分はやる気はないのだと言って突っぱねるということでは、非常に大臣の考え方は、私の考え方とは違っておる。非常に官僚的で、全国の医療担当者は、大臣の言うところに、昔の軍部のように、おれの言うことについてこいというようなお考え方でいられるような気がするのです。それでは私はとても……、一番困るのは被保険者であり、国民大衆であると思う。これは、大臣には考え直して、一つ十五人委員会でも、名前がおきらいならば、何か懇談の場を早く作って、そうして円満に解決していくということに希望を持たなければならぬことを、あくまでもこれを突っぱって、もうかえって、今まで話し合いの場を持つたびに結果が悪かったから、これからは一切もう話の場なんというのは持つ気はないのだという、非常に短気なお考え方は、それはもうあなたは、すぐ解散にでもなれば、大臣はやめるから、何と言ったっていいと、あとは次の大臣がするからいいと思われるかもしれぬが、一ぺん大臣になったら、永久に自民党の大臣としてのつながった責任の上で話をしてもらわなければならぬ。それは、なぜそういうことを言うか。たとえば、三十億の問題にしても、これは、一萬田さんにせよ、あるいはまた前の神田さんにせよ、これは赤字だから、これは出す金じゃないのだということをくれぐれも言うておられるのを、今度あなたが大臣にかわると、それは弊履のごとく捨てられる。これは国民保険にやったのだ、日雇いにやったのだと、同じ政党が作っておる政府であるならば、前の大臣のやったことと今度の大臣のやることとが、全然質的に違っては、これは政党としての価値はない。ここで政党を論ずる必要はないけれども、やっぱり前の人のやったことは、あとの大臣は責任を持っていくという考えでなければならぬと思う。そういう意味から言っても、私は、大臣にはここのところは一つ考え直してもらって、一つそう怒らんで、何とか話し合いをするというようなお考えは、今のところないと考えていいのですか。
○国務大臣(堀木鎌三君) 私は、どうも表現がうまくなくて、悪くて、誤解を招きそうなんでありますが、私は、話し合いは常にいたします。どんなに私が罵倒されましても、私は、国民のためにこの問題を少しでもよく解決いたしたいという信念は変りません。しかし、その点は、もう木下さん間違いなく、誤解のないようにしていただきたい。私はどなたとでも、よりよく国民に社会保険を通じていい医療を行うことには、これはもう、この職にあります限りは、全力を上げていたします。少くとも、よく怒りっぽいと言われる私の半歳の間、半年の厚生大臣の在職中をお考え下されば、あれだけ罵倒されましても、私は決してそれによって自分の行動を感情によって左右いたしたことはございません。それだけは申し上げられると思うのであります。ただ問題はでございますね、お互いに話し合って、よりよくしたいという気持の上に立って、共通にほんとうに話し合うということができないと、従来も悪い結果を非常に生じておるのです。これも、過去しばしば経験を半歳の間にしておる。よりよい場合において私どもがよりよくするということに努力する。また、私どもが反省すべきは、それは幾らでも反省いたします。これは、国民のために、個人の感情とか、そういう種類の問題でないという、慎重さを期して参りたいということをはっきりお約束いたしますから、どうぞその点は御安心を願いたい。
○委員長(阿具根登君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(阿具根登君) 速記を始めて。
○木下友敬君 お急ぎのようですから、私は結論的に話を伺っておかなければいけませんが、山下さんが質問したときには、この十五人委員会をやるのだというように私は思っておったのです。今までのを要約して言いますと、きょうお伺いしますと、結論的には、やる気はないのだ、こう言われたように私は受け取るのでありますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(堀木鎌三君) 話し合いの場は必ず持つように、できるだけの努めはいたしたい。ただし、十五人委員会とか何とかいう固定したものではない。ただ、先ほども申し上げましたように、十五人委員会は、党と私の間にも話し合いはございます。それは、十五人委員会というものではなくて、一つのアイデアであります。私にその裁量はまかされておる。話し合いをしてよりよくしていくということは、むろん党も私も同じ方針で従来ともやって参りました。それだけは御了承願いたい。
○木下友敬君 その話し合いは、あなたもさっき、だれとでも話し合いはするのだと言われますから、それはそうでしょう。だれとでもお話し合いになる。しかし、委員会がないと言われますけれども、少くともメンバーがきまって、このことでずっと話し合えば、十五人委員会であろうとなかろうと、一つの委員会みたいなものになりますけれども、そういう面会に来た者とは、だれでも話し合いをするということはだれの場合でも同じで、大臣の場合だけでなくてもそういうことは言えましょうけれども、今の問題にしているのは、十五人委員会という名前で私は質問していますが、そういうような一つの固定した機関のようなもので、それが十五人か十七人か知らぬけれども、そういうもので話し合いをしていくということのないように私は受け取ったのですけれども、かように承わってよろしいのですか。
○国務大臣(堀木鎌三君) 私は、人数にとらわれませんが、つまり、どなたとでもお話し合いをしますし、話し合いをよりよく有効にやる方法は生みだすつもりでおります。それは単純に、今現実におあげになりましたように、ただそのとき話して終るというものでなしに、建設的に、コンスタントに話し合いの場が持てるような状態があれば、十分そういう努力はいたして参りたい。
○谷口弥三郎君 一言はっきりと、簡明直截に御返事をいただきたいと思います。 ただいまのお話を聞いておるというと、今現在、十五人委員会とかなんとか、名前はどうでもいいが、そういうものをこしらえても、特別に役にも立たぬから、それで、当分こんなものはこしらえぬつもりである、作らぬつもりであるというようなお考えのように受け取れましたが、さようでございますか。
○国務大臣(堀木鎌三君) さようでございます。 —————————————
○委員長(阿具根登君) 途中でございますが、委員の異動を報告いたします。 三月十八日付をもって高野一夫君が辞任せられ、その補欠として榊原亨君が選任せられました。 —————————————
○委員長(阿具根登君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(阿具根登君) 速記をつけて下さい。
○木下友敬君 この前のとき、山下委員が厚生大臣を大へんおしかりになりまして、これからもう蒋介石を相手にせぬということを言うておる。わが党の先輩であり、理事である山下先生が言われたのに、私が大臣を相手にするということはよくないと思って、大臣がおっても大臣とは話をせぬで、事務局と御相談をしようと思ったが、つい顔を見たらやっぱり言いたくなって、十五人委員会のことをさっき言ったのです。これからは幸い大臣もいませんし、事務局にお話しますから、大臣にかわって責任のあるお答えを願いたい。もっと大臣よりもあっちこっちするようなあいまいな返事でなくて、簡単でいいですから、はっきりお答え願いたいと思うのは、最初結核の問題からいきます。重要政策の一環として、初め厚生省から御説明になった説明では、結核対策は、国の責任において強力に実施していく、今後十年間に結核問題の抜本的な解決をするという前ぶれで、初め第一回の予算の案をお見せになったことはお忘れでないと思う。これは、非常に機宜を得た処置だと思って、私ども賛成しておりましたが、いよいよ今度予算の要求をされてみたらば、それが全く削除されてしまっておる。これじゃ、十年計画で結核問題を抜本的に解決するのだというようなことは、もうこれは、一つも実現の可能性がないと思いますが、あの十年計画の結核対策というものは、ここでがらりと捨てて、やりかえて、何か新しい方法で、三十年計画とか、五十年計画で今度おやりになるということにおかえになったのですか。でないと。今度の予算では、とても十年やそこらで解決できないと思います。これは、簡単でいいですから、かえたならかえた、かえないならかえないということをお答え願いたい。
○政府委員(米田吉盛君) 根本の方針はかえておりません。なるべく早急に結核の撲滅を期したい、こういう考えでおることは不動でございます。ただ、政治は生きものでありまして、御承知のように、これを裏付けるところの予算というものが十分取れません。勧告案のように、結核対策を一本化でやっていくことを検討しておりますが、これを一本化してやっていきますと、相当の予算が裏付けられなければ実現できないのでありまして、私たちは、医療の単価引き上げの問題とか、その他いろいろございまして、今年は、まずとりあえずそういう方面を先にやって、そうして次年度以降に基本の方策の具体化を期す、こういう考えになったのでございます。考えの根本そのものはかわっておらぬことを御了承願います。
○木下友敬君 考えはかえないで進んでいくのだと言われますけれども、御承知の通り、たとえば、健康診断とかあるいは予防注射にしましても、最初お示しになったのは、二十三億五千万という金だったと思うのです。ところが、予算書を見てみると、今度は七億幾らとなっているでしょう。三分の一にもならないような金になった。当初の考えはかえていないのだと言ったって、これはかえていかなきゃ、三倍の金でやろうと思ったことを三分の一の金でやっていくのに、方針をかえんでやっていくということは、私はできないと思う、それはどうですか。
○政府委員(米田吉盛君) 基本の考えは不動であると、こう申し上げたのであります。それで、予算は三億八千万ほど、今度の結核の予算について、前年よりも多く、三億八千万円ほどふえております。これで基本の方針に従いながら、今年はとりあえずこの範囲でやっていく、しかしながら、明年度以降におきまして予算を裏付けしまして、既定計画を実現いたしたい、多少の点の差はございますけれども、基本方針だけはかえておらぬということを御了承願いたい。
○木下友敬君 それは、口の先で、あるいは頭の中で基本の方針はかえないということはやすいですけれども、実行されなければ、それは基本の方針をかえなければしようがないでしょう。たとえば、受診率にしましても、今までは三三%であった。ことしはこれを六四%に受診率を上げるのだということを言っておいて、これは基本の考え方ですよ。その基本の考え方をかえなければどうしますか。基本の考えはかえぬと言ったところで、それが実行できますか。三三%が六四%に受診率が上げられますか。
○政府委員(山口正義君) 具体的な数字の問題でございますから、私からお答え申し上げます。ただいま政務次官がお答えになりましたように、結核を早急に減少させていくという基本方針はかわらないことは、今お答えのあった通りでございますが、ただ具体的にただいま……。
○木下友敬君 これはあなた、変なことを言う。結核を早急に減らしていくという基本方針はかわらないということは、これは、あなたが言わないでも、小学校に行ってもそれは言いますよ。結核を急速に減らすという基本方針はかわらないと、そんなことを委員会で答弁するやつがあるか。結核を減らしませんと言う局長はありませんよ。ですから、ただ基本方針がかわらぬということを答弁するのはもってのほかだ。それはきまっておる。それをどうして実現するかということを僕は聞きたい。
○政府委員(山口正義君) 五年間で半減させるという方針であるのでございますが、先ほど政務次官からお答えがございましたように、財政上の都合、理由もございまして、当初の予算通りに予算を計上するということができませんでしたので、ただいまの三十三年度の予算に計上されております予算で実施して参ります場合には、五年間で半減させるという、当初のその年限を五年間で切ると、五年間で半減させるということの実現はむずかしいというふうに考えるわけでございます。 具体的に申し上げますと、先ほど木下先生の御指摘になりました、健康診断の受診率を三三%から六四%に上げるということは、今度の予算では困難で、大体平均いたしまして、五五%まで上げるというようなことでございますから、そこで、結核を減少させるという点についての年次的なズレを考えなければならないということは、今度の予算の結果から、やむを得ないことじゃないかというふうに考えております。
○木下友敬君 それじゃ、一体半減するのにはどれくらいの年限がかかりますか。
○政府委員(山口正義君) もしも三十四年度以降におきまして、三十三年度と同じ程度の予算の増加率というようなことを見込むというふうで考えて参りますと、半減させますのには十年以上の年数がかかると思うのでございますが、三十三年度は、遺憾ながら五年間半減というようなペースにおける予算の計上はできなかったのでございますが、三十三年度において計上されました予算をできるだけ有効に使いまして、そうして受診率三三%を五五%ぐらいまで上げ、受療率も向上させて、従来の結核患者総体から考えますと、やや減少の傾向をとっておりますが、それの減少の傾向をさらに少し強めることはできると思うのでございます。三十四年度以降にどういうふうな予算を計上して計画を実施していくかということによりまして、今後何年間に半減させるかというようなことが考えられると思うのでございます。
○木下友敬君 それは非常に困るのです。五年間でできようと思ったものを十年間、当局の口から、十年間かかるだろうというようなことを平気に言ってもらうようなことじゃ困るのですが、一体それじゃ、その健康診断にしましても、百九十八班の検診班を作って検診するのだ、こういうことを言っておられますが、百九十八班の検診班の編成は、どういうふうな形でやるのですか。
○政府委員(山口正義君) 医師が一人、それからレントゲン技師が一人、それから看護婦あるいは保健婦、それを一人、予算的にはその三人を考えております。実際的な編成といたしましては、そのほかに、もちろん自動車の運転手も必要でございます。事務職員も必要だということを考えております。一応実際的には五人ぐらいを必要といたすと存じますが、予算的には、最初に申し上げました技術職員三人を考えております。
○木下友敬君 従来、結核の予防につきましても、保健所が中心になってやるということになっておったように思うのです。全国に七百八十か、七百九十幾つかの保健所がある。今後もこの七百九十幾つという保健所がおそらく中心になってやるとすれば、単に百九十八班だけでなくても、七百班とか、八百班とかいうもので活動ができるのだと思うのですが、ところが、それだけの保健所があるにもかかわらず、百九十八班の班で健康診断をするのだ。しかも、これは新聞の報道ですが、それには、日本医師会の会員が無料奉仕で自動車に乗り込んで、そうして厚生省の企てに御協力を申し上げるのだというようなことが新聞に載っていますが、どうですか。それは予算の関係もありましょうが、医師会の応援を得るということもいいけれども、自分のところの手元にあるところのこの七百九十幾つという保健所を一つ動員して、七百班の検診班を作ってやるというためには、予算がないから、予算が取れなかったから、百九十八でがまんするという考えですか。
○政府委員(山口正義君) ただいまのお尋ね、非常に重要な点でございますので、少し詳細にお答え申し上げたいと存じます。 従来健康診断は、ただいま木下先生おっしゃいましたように、保健所が中心になってやっておったのでございます。保健所に可搬式のレントゲンの装置がございます。保健所にまた、可搬式のレントゲン装置を運ぶ自動車がございます。そのほかに、従来、過去数年来、検診のレントゲン自動車を整備して参っておりました。それは、大体目標としましては、三保健所に一台の割合で整備して参ってきております。それがまだ途中でございます。あとまだ四、五十台整備いたしませんと、当初の目的に、当初の計画通りにいかないのでございますが、従来は、保健所の可搬式のレントゲン、それからレントゲン自動車、レントゲン装置のちゃんとできておりますレントゲン自動車、そういう二つの装置があったわけでございます。それで、保健所で参りますときには、学校、工場のような、比較的対象の集団しております所へは、その保健所の可搬式のレントゲン装置をほかの運搬自動車に積んで参りまして、そうして学校なり工場におろして、そこで対象者の健康診断をするというやり方をいたしております。それから、一般の市町村民に対しては、一カ所にたくさん集まってもらうということがなかなか困難でございますので、レントゲン自動車をところどころずっと回して、そこへ来てもらって検診をするというやり方をいたしております。ところが、従来は、その保健所の職員が、まあ特殊な県は別でございますけれども、大体において保健所の職員がその保健所の可搬式のレントゲン装置も使い、あるいはレントゲン自動車にも乗り込むということをしておりましたために、せっかくレントゲン自動車を持ちながら、同じ職員が両方に使われなければなりませんので、効率が必ずしも十分でなかったといううらみがあったのでございます。そこで今回は、三十三年度からば、保健所の職員は、その保健所の可搬式のレントゲン装置を使っての検診に集中して、そうしてレントゲン自動車の方は、今度予算に計上していただいております百九十八班の班を編成して、レントゲン自動車に乗ってもらって、そして保健所の働きと別に、もちろん全体計画としては保健所でいろいろと考えますが、動きとしては、保健所の職員は、その保健所自体のレントゲン装置を使っての検診をやる。それから、レントゲン自動車の方は、今度新らしく考えております検診班によって検診をしていく。その検診班の編成は、先ほどお尋ねがございましてお答え申し上げましたような人数を考えているわけでございます。その検診班の費用としまして、お医者さんを嘱託し、それからレントゲン技師に臨時に出てもらう。あるいは保健婦さんまたは看護婦さんに出てもらうという費用を計上しているわけでございまして、決して医師会の方々に無料で奉仕していただくという考えは持っておりません。役所の組みます予算でございますので、なかなか十分な謝礼は差し上げられないのでございますけれども、一応従来の予算で計上しておりましたような、ほかの予算でも計上しておりましたような、お医者さんあるいは看護婦あるいはレントゲン技師に対する謝礼という金額は組んでおりまして、医師会の方にお手伝いをいただく場合にはそちらに差し上げ、また大学の医療機関あるいはほかの公的機関からお手伝いをいただくときに謝礼を差し上げる、そういう考えでやって参りたいと思います。
○木下友敬君 編成の工合はよくわかりました。ところで、私はそこに少し疑いを持つのは、保健所の者がその検診の自動車に乗っては行かないということなんですが、保健所に乗る人がいないのじゃないでしょうか。保健所は、医者が非常にいない所がある。特にレントゲンの自動車に乗って結核の検診を得るというような有能な医者がいないので、非常に老朽なお医者さんが名目的にいるというような保健所がかなりあるように思うのです。それからまた、保健所は、医者がほしくても、お医者さんが来てくれないというような状態で、困っておられるという、私はそういうふうに考えている。保健所にお医者さんを雇うことさえ困っているのに、ここへ百九十八の新しい班を作って、そこにレントゲンのわかるようなお医者さんも嘱託し、それから、新たにレントゲンの技師も、これもなかなかそうたくさんおりません。そのレントゲンの技師も、百九十八人新たに雇って編成していく。金はあなたお作りになったでしょう。しかし、その人間を得ることが、固定した保健所に勤めてもらう人さえ手に入らぬのに、あまつさえその上に、今度新しく検診班の医者をさらに、今からやるのだといって、気やすく雇い入れることができる見込みかどうか、私は、これは非常にむずかしい考え方で、とてもそういう——医者でさえあれば、免許さえ持っておればいいというなら、それはいいでしょう。私でも行きましょう。ですけれども、少くも結核の検診で、そういうわけにいかぬとすれば、一体それは御自信があるかどうか。自信があるくらいなら、なぜ保健所の医者を補充しないかということも言ってみたい。
○政府委員(山口正義君) 御指摘のように、保健所の職員、特に医師の充足ということについて、非常に不自由を感じているわけでございます。申しわけのない話でございますが、専任の所長のいないというような保健所も、数はわずかでございますがあるというような状態でございます。従って、まず保健所に医師を得るということが第一だと思うのでございますが、それは、別にいろいろな方法を講じて、今努力をいたしておりますが、今回の検診班の編成は、検診班に人を得られるくらいならば、保健所に配置できるじゃないかという御指摘でございますが、検診班のは、臨時に来ていただくわけでございまして、ほかにきまった仕事をお持ちの方で手のすいた方、たとえば、大学の医局で時間をさいていだだけるというような方を、固定した方でなしに、かわるがわる出していただくというようなこと、特にレントゲンの技師につきましては、その点なかなかむずかしい問題もあるかと存じますが、大きな医療機関、大学等に頼んで、出していただきたいというふうに考えているわけでございまして、この検診班の稼働日数も、一年間フルを考えているのではございませんで、積算の基礎といたしましては、稼働日数大体二百日というふうに考えております。保健所に専任でお医者さんに来ていただくということは、なかなか現在むずかしい状態でございますが、臨時にこの検診班の要員として乗り込んで、お手伝いいただくということは、その方がよりやりやすいのではないかというふうに考えているわけでございます。
○木下友敬君 それは、そういう方針でいかれるのもいいと思いますが、私は、どうしても保健所の医療従事者の充実ということには、一段と力を入れてもらいたいと思う。これにほんとうの力が入っておれば、今度の検診班を作るということも、私は、非常に気やすくいくと思うのです。ところが、やはり臨時雇いにあっちこっちから拾い集めて、そうしてまた、レントゲンの技師に至っては、これは、それ以上入手が困難だと思うのですが、それも果して雇い込み得る自信があるかどうか、方針はそうであろうけれども、これは、実際に得なければだめなんです。しかも、結核の検診なんというものは、一人一人のものをつまみ出して連れてきたからできるというのではなくて、一つのチーム・ワークなんです。型通りやっていって、そうしてできるというならいいが、そうでなくて、誠心誠意をもって、自分の仕事としてやる人を得なければだめなのに、ちょうど自由労働者を雇ってきたように、どこがあいたならあいたといって、かき集めてきてやるというのでは、これは、お役所の仕事としては、それで顔が立つかもしらぬけれども、ほんとうに結核と取り組んでいくというためには、もう少し本気で、保健所の拡充ということから、基礎的な考えからやっていかなければ、基礎はできないのに、上から手を広げていくというようなやり方には、私は賛成できないのです。
○政府委員(山口正義君) 保健所をまず充実しなければならぬという御意見、その通りでございます。現状、なかなか保健所に専任の職員を得るということがむずかしい実情でございまして、従来、その保健所の不十分な職員がレントゲン自動車も駆使し、また、可搬式レントゲン装置も使うというようなことでやっておりましたが、根本的には、保健所の職員を充実するということでございますが、とりあえずこの結核対策を、先ほどおしかりを受けましたけれども、本年はこの程度しか予算は計上できなかったのでございますが、少くとも三十四年度以降は、もし五年間でできなければ六年間、あるいはできるだけ短かい期間に、当初の目的通り実現させるというふうに持っていかなければいけません。それで、とにかくこの結核対策の出発点でございます健康診断の実をあげるという点で、一つの手段として、この検診班を考えたわけでございます。
○木下友敬君 保健所も、今の状態では、非常に能率が上っておるところもあるし、上っていないところもありますが、一段と御努力願って、もう少し一つよくしてもらいたい、こういうことをお願いしておきます。 それから、この前にもそういうお尋ねをしましたが、このごろ結核療養所が非常にベッドがあいておる、空所がだんだん多くなってきた、こういうことなんですが、これは、地方別にも違ってくるだろうし、それから、その大きさの工合で、機能別にも、あいているところとあいていないところ、また、中の設備の工合、手術をするところとかしないところとかいうような、そういうことで、あいている状態が違うでしょうが、一体どれくらい、今、部屋があいているのでしょうか。
○政府委員(山口正義君) 全国で、昨年の十月現在で二十六万三百床、結核病床が整備されているのでございますが、利用率が大体八三%程度でございます。二十六万床のうち利用率が八三%、従いまして、逆に申しますと、一七%程度の空床率があるわけでございます。
○木下友敬君 そこで、最近、療養所を統合するとか、あるいは廃止するとか、あるいは整備するとかという言葉が使われておるようですが、それを整備統合するというような考え方は、それは何ですか、その療養所が非常に小さいとか、あるいは老朽で用に立たないとか、あるいは、そういう原因でだんだん空床がふえてきたとかというので、これはもうたたんだ方がいいというようなお考えで、結核療養所を廃止していこうというようなお考えであるか。聞くところによると、たとえば、花巻であるとか、岐阜であるとか、京都、柳井、岡山というような所にそういう問題が起っておるように聞いておりますが、それらについて御意見を承わっておきたいと思います。
○政府委員(山口正義君) ただいま木下先生のお尋ねの点は、国立の結核療養所についてのお話かと存じます。民間の、あるいは府県立の結核療養所、あるいは法人立の結核療養所につきましては、私ども、今そういう話をあまり耳にいたしておりません。むしろ、たとえば法人立の結核療養所につきましては、その空床対策をどういうふうにしてやっていくかというようなことをいろいろ検討しているようでございますが、国立の療養所につきましては、所管が医務局でございますので、医務局の総務課長が参っておりますので……。
○説明員(熊崎正夫君) 医務局の総務課長でございますが、国立療養所につきまして、統廃合を考えておるのかという御質問のことでございますが、国立療養所は、発足当時からいろいろ歴史を異にしておりまして、立地条件やあるいは施設の規模、設備等において、医療機関として必ずしも適正でないという点も多少あるわけでございます。それで、御指摘のように、そのために若干病床利用率等につきましては、各療養所におきまして多少差を来たしております。そういう点も考えまして、将来一部施設については、予算の範囲内で統廃合も考えていきたいというふうに、目下検討中でございますが、具体的にどの施設をどうするというふうなところまでは、まだ現在のところ決定をいたしておらない状況でございます。
○木下友敬君 今、花巻とか、岐阜とか、京都とか、柳井とか、岡山とかいうような名前を私言いましたが、そういうことについて具体的に問題が討議され、研究されておるのではないのですね。あわせて、今申しました中には、もう相当古いものも私も見てあるように思うのですが、今述べたものの保安度からいって、常識的に、あるいは行政面からいって、これはもうやめなければしようがないと実際考えておられるものがありはしないかと思いますが、それはどうですか。
○説明員(熊崎正夫君) 具体的に、ただいま先生がおっしゃるような、施設をどうこうするというところまではまだ決定をいたしておりませんが、しかし、御指摘のような施設につきましては、相当腐朽したりしておるようなものにつきましては、これを他の療養所に移すとかいうふうなことは考えなければならないということで、検討中でございます。 ただこの際、その場合に、私どもの方としましては、国立の結核療養所の全体のベッド数が現在よりも少くなるというふうな考え方で統廃合を考えるということは毛頭思っておらないわけです。現在のベッド数はそのままにしておいて、それで、悪い施設からいい施設にかえていくというふうな方針で考えたいというふうに思っております。
○木下友敬君 これはまあまあ、私心配だからお尋ねしておくんですが、国立の療養所なども、今非常に経営がむずかしいですね、実際にやっていけないという状態。まあ幸いに国立だから、足らないときは国が補ってくれますから、やっていけるようなものの、それでは果てがないというようなことで、これを特別会計というような形に持っていって、独立採算にやらせるというようなことを考えておられるようなことはないですか。
○説明員(熊崎正夫君) 目下のところは、そういうことは考えておりません。
○木下友敬君 目下のところ考えていないけれどもね。そうでもしなければこれはいけないのじゃないかということで、そういうふうなことについては、全然思ってみたこともありませんか。それとも、将来検討せなければならぬというようなことを話題になっておるというようなこともございませんか。
○説明員(熊崎正夫君) 一部そういう議論をいたしておることはございまするが、しかし、現段階におきまして、少くとも来年か再来年か、そういう形で特別会計に移行するというふうなことは考えておりません。
○木下友敬君 それは非常にけっこうです。もし特別会計というようなことになってくれば、これはもう非常に営利化してきましてね。まあ実際に、一般会計でやっておったものが独立会計になってくると、そこの従業員の第一首が関係してきますし、また、働いておる人も、成績を上げなきゃならぬというので、非常に無理をするというようなことで、公共性が失われるというようなことがあるから、これは私、非常に心配なことだと思っていましたが、今のお言葉で、当分はそういうことを考えないということで、安心をいたしたような次第です。どうかこれだけは、まあ十年計画になるか、十五年計画になるかわかりませんが、結核という問題を解決するために、ぜひこの国立療養所の独立採算制ということは考えないでおいていただくように、私はお願いしておきます。 そこで、今、一七%のあき部屋がありますが、当局として、一体こういうふうに部屋があいてくると——患者数は決して減ってはいないんです。死亡率は減っているけれども、患者数は減っていないのに、二十六万ちょっとしかないところの病床ですね。二百九十二万もおる患者の中から、たった二十六万の病床しかないのに、それが一七%もあいておるという……、何か原因があるだろうと思う。一ころは、どんな小さな療養所でも、二十人、三十人の患者さんが、まだ部屋があかないかあかないかと言って待っておったのが、今はあいておる。この空床の原因ということについては、十分御検討になっておると思いますが、それを一つ御説明を願いたい。
○政府委員(山口正義君) 空床が増加して参りました原因は、単一ではないと思うのでございます。いろいろ考えられるのでございますが、一つは、現在の空床の状況から、あるいは利用率の状況から見てもわかりますように、地理的に、地域的に偏在いたしておりまして、待機患者の多い療養所はまだ依然としてございます。それにもかかわらず、一部において空床があるということでございまして、これは、先ほど木下先生が御指摘になりましたが、病院の、療養所の設備、これは物的にも、あるいは人的な点も考えられると思うのでございますが、そういう点、ことに最近外科手術が進歩して参りましたので、結核の治療を受けられる方は、外科の治療を受けたいという方が非常に多うございます。そういう点から考えまして、従来のようなサナトリウム式に、寝ているというだけのやり方でない方向に進んできておりますので、それで、患者の方もいろいろ選択的になってこられているということが一つの原因だと存じます。 それからまた、化学療法の進歩に従いまして、必ずしも入院しなくても医療の目的を達せられるという患者が相当ふえてきているということも一つの原因だと思うのでございます。 それからもう一つは、やはり実際に治療を受けたくても、経済的に突っかい棒がないために入院できないという方が相当数あるということも、これも否定できない事実だと思うのでございます。 それからもう一つは、回転率が比較的最近早くなって参りましたので、そういたしますと、実際に空床率と申しますか、退院してすぐ入るということでなしに、その間に一日か二日あくのが通例でございますので、見かけの空床率が割合ふえてきているというのが一つの原因だというふうに考えられるのでございます。いろいろ原因が考えられると思うのでございますが、おもな点は、ただいま申し上げたような点ではないかというふうに考えております。
○木下友敬君 今お述べになったうちで、地域的偏在とか設備の工合とか、あるいは化学療法が盛んになったとか、経済的の理由だとかいうようなことは、これは納得できますが、回転率というのは、これは一日か二日あくだけでございますが、実際このごろの部屋があいているというのは、もう長いことあいておるんです。もう固定的にあいているという状況がふえてきている。だから、これは回転率ということでは説明がつかないが、問題になりますのは、今おっしゃった経済的な面、これは非常に重要だろうと思うが、たとえば、医療保護が非常に圧縮された。生活保護の面で、非常に医療保護が圧縮されたということが私大きな原因だと思う。それから保険関係では、入院の一部負担を支払うようになった。こういうことが圧迫になって、私は、入院の足を鈍らせるということが考えられると思うんです。これは、あなたの関係ではないけれども、保険の関係になってきますけれども、保険の方が一部負担を取ることになったので、療養所に入るということが非常に足が遠くなってくるということに私は関係があると、こういうふうに考えております。ところで、これは委員会のたびにどこでも言われておりますが、保険局長いますか……。
○委員長(阿具根登君) 予算委員会に出ておりますから……。
○木下友敬君 だれもいない、保険関係は。いなければしようがないですね。予算委員会には大臣が行けばいいんで、局長くらいは呼んでおいてもらわぬと困りますな。 それから、もう一つ原因は、私はやっぱり保健所で言ったように、療養所にお医者さんが足らぬと思うんですよ。ひどい所になりますと、鹿児島の志布志療養所には、ベッドが二百あって、お医者さんが四人しかいない。そこに四人というけれども、一人は七十何才だそうです。一人は六十何才、それは、年は幾つになりましても、有能であるかもわからないけれども、二百人のところに四人のお医者さんしかいない。しかも六十才、七十才では、患者は安心しないと思うんです。また、青森県の八戸療養所でも、百五十人のところに、お医者さんが二人しかいない。こういうふうに、内容が充実していない。そうすると、そういう所はどうしても患者が集まっていかないという結果になっておると思うんですが、これは、さっき保健所の問題で申し上げましたと同様に、適当な医者を適当に雇い入れるということにもっと努力せなければいかぬ。私は、療養所のある所は、従来はまあへんぴな所でありまして、へんぴな所では、子弟の教育などにも困るし、なるたけ都会に赴任したいというような考えから、療養所などに勤める人が少いのだろうと思うのです。また、公務員でありますから、給与の点についてもきまっているでしょうけれども、こういうような特別職と言ってもいいような者については、給与の点も考えて、何とかして、療養所があるからには、これは、医療法できめられた定員のお医者だけは確保しておくということでなければ、厚生省が直轄するところの国立の療養所で、定員だけのお医者が確保されていないというようなことは、これは、民間の病院などに対しても非常に申しわけのないことである。厚生省みずから医療法に違反しておるという結果になるのですから、これだけは、しゃにむに一つお医者を雇い入れるということに努力をしてもらいたい、こう思うのです。 なお、結核の問題で私は非常に遺憾に思うのは、予防々々と言っておるけれども、予防の上で一番大事なことは、私は、予防接種だとか健康診断、これは最も大事だけれども、やはり感染源を隔離することですね。ことにばい菌を散らかすところの、人の大ぜいいる所などに行ってばい菌を散らかす、いわゆる菌を発散しておるところの感染源、これを始末せんことには、予防々々と言ってもだめであると思う。厚生省も、そのために二十六億幾らというような、感染源の患者を強制収容するとか、あるいは従業禁止をするとかというようなことで、そういう案をお立てになりましたが、今度またそれができなくなりましたね。これは致命傷だと思う。感染源の問題を結核の予防の上で見のがすようでは、私は、本気で結核と取っ組んでおるようには思えない。しかも、この予算が取れぬようなら、関係者はみな責任をとるというくらいの覚悟でやらなければ、大蔵省はそれはくれぬ。ああそうですかというようなことでは。これは、ほんとうに熱意を持って結核と取っ組んでおるとは思えぬ。これはどうですか。
○政府委員(山口正義君) 先ほどの療養所の職員の問題、これは、医務局の管轄でございますから、私からお答え申し上げる筋ではないと思いますが、療養所の職員、特に医師の待遇改善については、厚生省としても、従来からいろいろ方法を講じておりまして、三十三年度の予算でも、研究費の増額というようなことで、医師がよりよく充足されるように努力をしている。今後もその線に沿って努力は続けられていくというふうに考えておりますので、御指摘の点は、十分尊重していかれるようになると思うのでございます。 それから、感染源の隔離の問題でございますが、これは、御指摘のように、結核対策として最も重要な手段の一つでございます。三十三年度では、当初計画しましたような予算が計上され得なかったのでございますが、ただ、先ほど木下先生も御指摘になりましたが、現在入院患者がどういう費用で入っているかというふうな点から見てみますと、生活保護法による患者が相当たくさん入院をいたしております。その中には、感染源になる患者が相当数に上っておるのでございまして、結核予防法による感染源の隔離、入所命令を出して入所させるという者に要する予算の計上は、所期の通りに参らなかったのでございますが、生活保護法の費用によって、この感染源の隔離ということも相当できております。また、その他の社会保険の活用によっても、感染源の隔離という点はやっておられると思うのでございますが、それらの諸施策を総合して、やはりこの感染源の隔離ということに重点を置いてやっていかなければならないというふうに考えておるのでございまして、これらの当初の計画されました予算が十分計上されなかったことに対して、厚生省の当事者は、十分責任を感じるようにというふうな御指摘でございます。私ども、その点十分申しわけないというふうに考えておるのでございまして、今後さらに、計画いたした短期間における結核患者数の半減ということに努力を倍加していかなければならないというふうに考えているわけでございます。
○木下友敬君 それから、今度は子供の問題ですが、現在やはり結核の子供で、入院を要するというようなものがかなりおると思うのです。あるいは三万、四万、五万——四万くらいの結核児童というものがおると思うのですが、実際に結核の児童を入院さすというための設備というものは非常に貧弱だ。これは一つ、何とか児童用の結核の病院というようなものが設立されて、そこでは結核の子供のあわせて教育方面も考えて、ことに結核の子供を詳細に見ますと、もうとくに御承知と思いますが、貧困な家庭の子供ですね。これがどうしても収容しなければならないという状態は、御存じの通りだと思う。そうすれば、入院した上に、また勉強までさすというような費用は、なかなか出ないかもわからないけれども、何とかそれは、教育委員会と話をするとか、あるいは生活保護法を考えるとかして、一つ入院しているところで、また学校の課程もある程度やれるというようなことも考えていかなければ、その子供たちがだんだんおとなの結核になっていくのですから、願わくはなるだけ小さいうちに感染してもらって、小供のときよくなってしまえば、これはほんとうは安全なんですから、子供に対する結核対策が、現在の厚生省としては、私は非常に力を入れられていないと思いますが、入れておりますか。何かもくろみでもありますか。
○政府委員(山口正義君) 児童の結核対策につきましては、一般の療養という以外に、教育ということもからんで参りますので、特別の対策を考えていかなければならないということは、御指摘の通りでございます。現在小児結核療養所あるいは保養所というような名前のつきましたものが全国に六カ所ばかりございますが、ただ、府県立あるいは国立の療養所等におきまして、一般の患者にまぜないで、特別な病棟を作って、そこで教育もあわせて行えるというような方向に進めつつあることは、数府県において現在そういう措置がとられているのでございます。厚生省といたしまして、全体的にこれらの児童の結核対策、ただいま御指摘のような教育とか、あるいは保育という面を含めてやっていかなければならないのではないかというようなことで、三十三年度当初におきましては、所管は児童局でございますが、私の方と協議をいたしまして、療養のほかに保育ということを考え、さらに文部省と連絡をとって、それに教育を加えるという一貫した対策を立てていくべきであるということで、計画を進めておったのでございますが、遺憾ながら政府自体として、三十三年度にその予算を計上していただくということはできなかったのでございますが、これは、厚生省といたしましても、今後御指摘のような線で、これがぜひ実現できるように努力していかなければならない、そういうふうに考えております。
○木下友敬君 次に、アフター・ケアについて質問をいたしますが、これは、社会局の所管だと思いますが、私は、アフター・ケアの政策的な……政策についてですから、局からでなくて、次官から御説明願います。おそらく後保護の問題は、福祉事業法が出ておりますから、そのときにまた出てくる問題だと思いますが、結核対策の一環としてお尋ねをしていきたいと思うのです。 それは、今、後保護というのは社会局に属しておるのですね。社会局のあれは何ですか。
○政府委員(山口正義君) 更生課です。
○木下友敬君 更生課に属しておる。それもけっこうでしょう。ところが、ほんとうからいえば、結核の問題からすれば、結核の予防、それから早期治療、そして後保護、この三つが結核の対策の一つの系列だ。それを今度、あとで議案にも出ますように、社会局の方に持っていったということに私は疑問があるのです。それはけっこうですよ。今までは、後保護については何らの法律的な根拠がなかった。それを今度は社会局がお骨折りになって、法律的な裏づけをしようと言われるから、あの法案では、私は何も異論を申し上げることはないが、結核予防対策という方面から見ますと、今度は結核の係列の方がこれでいいかということをお考えになるのが至当じゃないかという気がするのです。それはいろいろ問題がありますが、たとえば、これは非常に正確な統計ではございませんけれども、後保護で収容されておった人が、一年の間に一〇ないし一二、三%が再発しております。福島などの施設では、三分の一が再発しておる。こういうのです。これは、後保護の施設でこんなたくさんの再発者があるというのは、これはもうすでに、私、社会局の仕事じゃないということを思うわけなんですよ。また、調べてみますと、それじゃ結核の治療方面で作業療法というのがありますね。退院さす前に作業療法をさすというのがあるが、現在後保護の施設に収容されておるところの人たちは、一体作業療法を受けてきておるか、受けてきているとしても、作業療法を受けた者は一〇%か一二%しかない。大多数の人は療養所の治療を受けて、作業療法はしないで、まっすぐこの後保護の施設に来ておるわけです。そうすると、この後保護の施設というものは、これは、見方では、どうかすると作業療法みたいなものじゃないかとさえ思われる。すでに後保護のところの人たちは、もう患者じゃないわけです。社会復帰するためのインターンみたいなものなんです。だけれども、その中から三分の一あるいは少くも一〇ないし一三%の再発者が出てくるということは、これはまだ患者というにおいが非常に強い。しかも、まだこれは、作業療法というのが可能であれば、作業療法として医者が取扱わなければならぬ範囲のものじゃないかという気がするわけです。それを、患者の方とは縁を切らして、今度社会局の福祉事業の一部分に持っていくということに、ほんとうは私は異論がある。この点については、一つ私は、それは作業療法じゃない、作業療法のにおいが一つもないのだ、これは患者じゃないのだということの確かな一つ見きわめがないと、こういうたくさんな再発者が出てくるというところに非常に心配がある。現に東京都の施設の案内書を見ましても、こういうことが書いてあるのですよ。目的のところに、「結核回復期にある者を収容し医学的健康管理によって体力を養い」と、こう書いてある。「結核回復期にある者を収容し」ということは、まだ患者ということですね。「結核回復者を収容し」というのならば、これは患者じゃないけれども。今度の法律では、そうはなっていない。やはり結核回復者と、こうなっておりますけれども、実際に取扱っておるところの東京都のそういう施設自体がどういう気持でやっておるかといえば、はっきりここへ目的といって書いてあるように、結核回復期にある者を収容し医学的健康管理をやる……、本人が言うのです。施設そのものがそういう気持で、まだ患者として取扱っておるのだということを言っておる。これは私は、非常に混乱のあるところだと思う。患者か回復者かという問題が起ると思う。そしてあとあとその議案が出ましょうけれども、そこで、大きな点で私は反対を唱えるところはないように思うけれども、患者じゃないということをはっきりさした者を収容するということでなければ——三分の一も、あるいは少くとも一〇%ないし一三%が再発している。そうして行って尋ねますと、耐性菌が出ておる、こういうことを言っておる。こういうような者も収容しておるということは、私はその本質が違うと思う。それで、社会局が扱われるのもけっこうだけれども、社会局が扱うからには、もうこれは患者じゃないとはっきり銘打ったものを取り扱うということに限定しなければいけない。この点は、実際問題としては、医学的に非常に私はむずかしい問題だと思う。これはもう、境にあるものは、どっちに入れていいかということに困ると思いますけれども、厳格に一つやるということに決心してもらいたいと思いますので、しかも体系としては、どうしても予防治療、後保護というものが結核対策の一貫した考えであるということを、各国の例にもならって、そうしなければ、これをただ結核の回復者は、一つのこれはもうハンディキャップがついておるのだ、身体不自由者と同じような意味で、これは社会局に回したのだというような、廃物扱いにしないで、まだ患者で、先は望みがあるのだということの考えのもとに一つやっていく考えでなければいけないと思う。結核の回復者が、これがもし身体不自由者のようなものと同じく、ハンディキャップというのならば、世の中にはまだハンディキャップの者がたくさんおるのですよ。病気でなくても、いろいろな関係でハンディキャップの者がたくさんおる。だから、結核に限って、結核回復者はハンディキャップがあるからといって、身体障害者の部類に持っていくということは、考えなければいかぬというようにも思いますが、結核を担当しておられる課として、予防と治療と後保護というものが、これは結核対策の柱であるということに御異論がありますかどうか。これは、結核の担当者の方から一つ伺いたいと思います。
○政府委員(山口正義君) 予防と医療と後保護、これが結核対策の三本の柱である、それが一貫した施策で行われなければならないという点につきましては、木下先生のおっしゃる通りでございます。
○木下友敬君 そうしますと、あなたの方としては、後保護、アフター・ケアが社会局の方でせられるということほ、異論があるわけですね。
○政府委員(山口正義君) これは、昭和二十六年に現在の結核予防法が制定されますときに、厚生省といたしまして、ただいま御指摘になりました三つの柱、結核対策を一つの流れとしてやらなければならないというふうなことは、はっきりしておるわけでございますが、ただ、先ほど御指摘になりましたように、後保護に参ります前に、十分作業療法というようなことで、後療法をしなければならぬというような点は、十分考えていかなければならないと思うのでございます。ただ、後保護をやります場合には、社会福祉との関係が非常に大きくクローズ・アップして参りますので、私ども厚生省内部といたしまして、予防、医療の面は公衆衛生局あるいは医務局において所管をし、後保護の問題は社会局において所管をしてもらうというふうに話をして、その間に一貫した施策で、お互いによく話をしてやっていくという方針にきめたわけでございます。決して所管の局として反対しておるとかなんとか、そういうことではございません。厚生省として一本でこの仕事を進めていくという考えでございます。
○木下友敬君 大体わかりました。それで、まあほんとうは、あなたのお気持としては、これは結核の対策として、三本の柱を平等に進めていくのが本筋だと思うけれども、あとあと法案が出してありますが、これは厚生省として出してありますから、あなたの意見と社会局の意見と違ってはなりませんから、そういう御発言があることは当然かと思いますが、社会局の方では患者じゃないものを取り扱うということをよく一つ確約した上で、後刻この法案の審議の際にも、そのことをはっきり言ってもらわないと、患者を医務局から取っていって、社会局へやるというようなことがあっては、これは大へんですから、この結核について質問をいたします機会に、このことを要望しまして、一応私の質問を終ります。
○委員長(阿具根登君) 本問題に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。一般厚生問題に関する本日の調査は、この程度にしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(阿具根登君) 速記を始めて下さい。
○委員長(阿具根登君) 次に、旅館業法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑を願います。
○山下義信君 本改正案は、現行法の規定が変りましたので、当然新たな条文を差し入れるということで、改正案の趣旨はきわめて簡単明瞭で、問題はありませんが、しかし、私として伺っておかなければならぬ重大な点は、従来ただ二カ条の規定でありました勅令九号を、内容で申しますと、困惑等によりまする売春、売春をさせる契約をした者を主といたしました勅令の九号を、今回、売春防止法の中の第二章の刑事処分の各条の条項を広範にわたって、旅館業法の中において、それらの違反者に対しては、営業停止あるいは営業禁止の行政処分をするということに改めるということになりますと、規定を置きかえることそれ自体には問題はありませんが、言うまでもなく、行政処分の対象の売春に関する犯罪の場合が非常に広範囲に相なって参ったという、旅館業法のこの面における取締りの質あるいは量が大きく変化したということは、言うまでもないことなんです。そこで、一体現行法の勅令第九号を犯したときに、行政処分をしたものはどれだけあったかということの資料をお願いしておきましたら、前回御配付になった。それを見ますというと、許可を取り消したものはない。もっとも実施期間が六カ月という短期間ではあるが、許可を取り消したものはない。営業を停止したものは二件であるという。なお、今聴聞をしておるものがあるということであるが、要するところない。行政処分をしたというものはほとんど一、二のものにとどまる。しかるに、同じく警察庁の資料を拝見しますというと、昭和三十二年の一月から十二月までの、すなわち昨年中でありますが、その間にそれぞれの売春関係の、あるいはその他刑法、風俗営業取締法等の規定は言うまでもなく、勅令九号は申すに及ばず、あるいは条例等の規定に違反した、いわゆる売春関係の犯罪というようなものが約七百七十二件ある。しかも、これが旅館業法に関係しての犯罪なんです。これを半分の六カ月で見ても三百八十六、約四百件に近いこれらの旅館業の営業者に売春関係の犯罪行為が行われておる。言いかえますというと、四百件近い犯罪行為が行われておるのですが、一方その六カ月の間、この旅館業法の営業停止あるいは禁止という行政処分を行なった件数はわずか一、二件、これは何を物語るかという御説明を願わなければならぬ。委員長ちょっと速記をとめて……。
○委員長(阿具根登君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(阿具根登君) 速記を始めて。
○政府委員(尾村偉久君) まず、警察庁から私の方を通じまして差し出しました資料でございますが、ただいまの御質問を聞いておって、件数とございましたが、これは、註にございますように、人員数でございますので、従いまして、旅館業のこれらの違反につきまして、一件から数名の連関者、たとえば、従業員と営業者というふうになったものがそれぞれ延べで出ている数字でございます。これをいろいろと旅館業の件数単位の違反数について調査いたしたのでございますが、この点は、今までのところ判明いたしませんで、これは、人数の延べになっておりますので、この点をまず第一に御了承願いたいと思います。 それから次に、それにいたしましても、半年といたしましても相当な数に対しまして、営業の方の行政処分が少いということでございますが、一つには、これらの新しい昨年の改正の結果、営業処分についてどういうように扱うかというのが、これは警察庁と十分連絡をとりまして、地方長官がこれらの処分をすることについての指導方針をそれぞれ通知をいたしたのでございますが、これが十一月の十一日付をもちまして、警察庁の次長からも、これを都道府県の公安委員長並びに管区警察局長に手交されました。私どもの方からは、同日付で公衆衛生局長から都道府県知事、指定都市にやはりこれを通知いたしまして、直ちに衛生部長を招集いたしまして、これと旬日ならずして会議をいたしました。また、その内容を指示いたしました。さようなことをもちまして、実際に府県知事が通告を受けまして、行政処分にとりかかりましたのが十一月下旬でございますので、それ以前のものがその後実際に聴問その他を開始しておるということでございますので、この許可件数に対しまして、一月末で締め切った数を御配付いたしましたが、この間約二カ月間に実際に進行して処理を決定した数がかような形になったわけで、若干のズレがあったということであります。
○山下義信君 わかりました。それで、今のお答えで、私は、次に三つのことを言わなければなりません。 一つには、あなたの答弁の中にもあるように、人員はこれでわかるが、それでは、各旅館業関係者の件数はわからないということですが、どうしてわからないのですか。 それから二つには、今の警察庁関係者と緊密な連絡をして通牒を出したと言われた。それは、今回この改正をした旅館業法の運営についていろいろ心がまえの通牒をしたのか、現行法についての通牒をしたのかわからない。それから、そういう通牒を出したのならば、その通牒のようなものをなぜ資料にして出さないのか。きわめて重大な通牒であるのじゃないですか。この資料の中にはない。今ごろになってそういうことを言うことになっては審議ができぬ、実に重大なことです。一体、旅館業法をこのように改正して、行政処分をしようという方針はどういう方針であるかということは、この改正案の最大の眼目であるのです。これを明確にいたさなければ、こういう改正をしまして、この改正をいたしました旅館業法の運用はどういたしますかという運用の方針、厳罰にいたしまして、違反者がありましたら、売春防止法の趣旨に沿いまして、ことごとく旅館業に対して処分をいたしますという峻厳な方針でいくのか、売春防止法の運用とそれに準じまして、ぬるぬるぬるといたしますと、こうは法律を改めましたが、旅館業の営業停止だの営業禁止ということは、これはなかなか実はいたさぬのでございます、一応のおどかしでございますというような、そういう緩慢な方針をとるとかいうことは重大な問題でしょう。きょう、警察庁の当局者と、あなたの方の厚生省の旅館業法の事務局の最高責任者がここにおそろいで、その両者が緊密な連絡をとって出されたという通牒は、現行法の勅令九号の運用についてどういう方針をとられたか知らぬが、それをそのまま、今度の売春防止法の第二章を入れたあとも同じように運用されるのか、こういうような、非常に違反が出るであろうと予想されるような膨大な規定を挿入した後の運用の方針はどうされるのであるかということは、国会としても承わっておかなければならぬ。そうしてこの運用方針をどうするかという国の意思をここで決定しなければならぬ。非常にたくさんな旅館業者、中にはこれを犯すものもあるでしょう。いかがわしい業者のあることは当然である。これらの関係の旅館業者に対して、この改正案によって、当局はいかなる運用の方針を持つのであるかということは、きわめて明確にいたしておかなければならぬ重大な点である。ことごとく峻厳に実行することになったら、片っ端から、営業停止のものがおそらく数万件は立ちどころに出るでしょう。やらぬとなったら一件も出はしない。聞くところによると、売春防止法の実施は、法務省当局も警察庁当局も、適当に手心を加えて、これは語弊があるかもしらぬが、ぼつぼつやる、こういうことである。旅館業の方はどうするか。売春法の運用と同じように歩調をそろえて、こうは規定したが、たちまち営業禁止、営業停止というようなことは、すぐには……、峻厳にやるとかやらないとか、歩調をどう合したとかいうことを、ここで明確にせんければならぬ。ここでこういうような、両者が共同して通牒を流したという資料は重大な資料でしょう。どういう方針になったかということ、なぜそういう資料を出しませんか。ここで簡単に、明確に出して下さい。答えて下さい、どういう方針になっているかということを。
○政府委員(尾村偉久君) まず、この十一月に出しました通牒は、改正になりまして、勅令九号の入りましたにつきまして、これの取扱いについての通牒でございます。従いまして、この通牒の写しなり、あるいは要綱を当委員会に差し出さなかったのは、われわれの方の手落ちでございますので、これは至急御提出いたします。 それから、方針でございますが、これはあくまで、勅令九号のときにも、法律の改正に従いまして、これに違反事項がありまして処分された、すなわち法の、勅令九号の違反として処分された場合には、これを厳正に営業許可の関係にも取り上げると、こういうことで進んで参りまして、通牒もさようなことになっております。従いまして、今般お願い申し上げております売春防止法にこれが振りかえられまして進む場合には、売春防止法違反によりましてこの法で処分されたものは、同様な方針で、旅館の営業についても十分厳正に取り扱っていく、かような方針でおるわけでございます。
○山下義信君 方針はわかりました。重大な点が二つある。一つには、非常に厳正にやる方針だということ、それから一つには、処罰された場合にはということを言う。これは重大だ。あとで刑事部長の所見を承わっておかにゃならぬ。本法案は、こういうことは書いてない。この旅館業法の改正の第八条には、そういうことは書いてない。処罰された場合に行政処分をするということになれば、処罰は、立ちどころにされる場合もあるし、係争すれば二年も三年もかかる場合があるし、犯罪事実が確定して、処分を受けた場合に適用するのですか。この第八条はそう解釈するのですか。「罪を犯したとき」とあるのは、処分が確定した場合と解釈するのですか。
○政府委員(尾村偉久君) 処罰された場合ではございませんので、私、前にばく然と処分と言いましたのが、非常にこれはあいまいでございますので、明白に申し上げますが、旅館業法第八条の、九号に規定する罪ということ、その他幾つか列挙してありまして、そのうちの一つに、従来は勅令九号、今回の改正では売春防止法の第二章ということになっておりまするが、これらの罪に関して、警察が検察庁に事件を送致した場合において、警視総監または都道府県の警察本部長が必要と認めたときは、これがまず前提であります。そちらが必要と認めたときは、これらの旅館業の営業施設の所在する都道府県知事に通報が参ります。それに対しまして、当該通報を受けた都道府県知事が、旅館業法第八条の営業許可の取り消しまたは停止に関する処分を決定する場合の判断資料にこれをする、こういう方針であります。
○山下義信君 私もしろうとですから、法律論、法律解釈は私はよく知ってない。知ってないですから、ここでもう明白にしておかにゃならぬ。しろうとの私どものわからぬような答弁をしておったのでは、大切なことですから、せっかく中川刑事部長が見えておるのですから、この第八条の「罪を犯したとき」とは、いかなる場合をいうか。私は、これは犯罪事実が確定して、それぞれ起訴処分に付せられて、そして判決がきまったときをいうのでなくして、ここに列記せられてある、現行法でいえば三号の各号の場合にそれぞれ触れて、あるいは告発なり起訴なり、あるいは何なり、それぞれの取締りの当局にこの犯罪の事実が認められたときから罪を犯したという場合が発生すると考えるのですか。それが、検察庁が起訴をして、その事件をそういうふうにはっきりと、犯罪のある事実を起訴ということによって確認したときをいうのでありますか。どういう場合をいうのであるかということを明確にしておかなければ、あとの行政処分をする場合には不明確でありますから、明らかにしておいていただきたいと思います。教えていただきたいのです、私は。
○政府委員(中川董治君) これは、今議題になっております八条の関係についてもいえることなんですが、すべてに共通する問題でありますので、申し上げておきます。行政処分をする対象の規定は、この八条にもございますし、ほかの各法律にございます。たとえば、道路交通取締法等によって運転者がスピード違反をやった。こういう場合の行政処分として、運転免許証を取り消すと、こういう行政処分もございます。行政処分をやるということと刑事手続が進行するということとは、それぞれ別個でございます、観念として。刑事手続の方は、御案内のように、まず犯罪を思量するのはおおむね警察官でございますが、警察官が犯罪ありと思量して、だんだん証拠によりまして犯罪を証明して参ります。証明し終りました場合におきまして検察庁に送致いたします。検察庁はこれを調べまして、これは、起訴便宜主義と申しまして、本人の環境その他によって、起訴する者もあれば、起訴猶予にする者もあるし、不起訴にする者もある。こういうようにそれぞれございます。行政処分は、その刑事手続とは直接関係はなくして、当該行政処分権者、この場合におきましては都道府県知事でございます。都道府県知事が、この八条各号に定むる事実がありと思量して、行政処分をやる必要があると、こういうふうな認定に立ちました場合において、行政処分が行われるのであります。ところがこの旅館業法によりまして、都道府県知事が行政処分をやる場合に、その事実をみずから認定するのも一つの方法でございますけれども、犯罪捜査をやっている警察機関が、刑事手続の立場においていろいろ捜査をする、その捜査をした結果を行政処分権である知事に、ともに行政機関でございますので、相互協力するのは当然でございますので、警察官が犯罪ありと思量して、その思量した結果を行政処分権者に連絡する。その連絡に基いて、都道府県知事が行政処分権者として処分する。こういうことに相なろうかと思うのであります。従いまして、お尋ねの最後の点になるわけでございますが、都道府県知事が行政処分をするのは、刑事手続が有罪になるとか有罪にならぬとかいうことと直接に関係ございません。起訴便宜主義の結果、起訴猶予になるならぬとは直接関係ございません。多くの場合、実際運用の例としては、起訴便宜主義を働かせます場合に、行政処分になることでもあるので起訴しない。こういう場合もございます。たとえば、公務員の犯罪なんか起りまして、公務員が国家公務員法に違反するようなことがありました場合におきましては、公務員秩序のために、行政処分として懲戒処分が行われます。懲戒処分と刑事処分とは別個でございますので、懲戒処分が行われたという事実も一つの思量にした起訴便宜主義が働いて起訴猶予にする。こういう場合もあろうかと思います。この場合、旅館業法第八条の行政処分も同様でございますので、行政処分権者である都道府県知事が行政処分として許可の取り消しをするとか、あるいは停止をするとか、そういった行政処分を必要と、こういう認めるという状況によって処分されることになろうと思うのであります。それで、われわれ警察といたしましては、その犯罪捜査に当り、旅館業法第八条各号に掲げる事実を発見いたしました場合において、必要と認める場合において、行政処分権者たる都道府県知事に通知する。通知するということは、行政機関同士の相互協力の結果である。こういうように考えておるのであります。
○山下義信君 そこで厚生省は、どういうときに行政処分をするという方針にきめたというのですか。
○政府委員(尾村偉久君) 警察が捜査をいたします。検挙をして検察庁に送致した、要するに送検でございますが、昔からいう送致をしたときに、まずそれが条件になりまして、その中で、警察側が知事に通告をして、必要と認める、こういう通知があった場合に、この行政処分の対象にする。かような線をきめたわけでございます。その場合に、実際問題といたしましては、全部送致して、必要であったというので、警察側から来たもの全部を無条件にとはいきませんが、これは聴聞会がございますので、最近の、今までここに二件ございますが、例では、聴聞会を開きまして本人を呼ぶ。それによりまして、内容を自認した場合は、これはもう直ちに行政処分の対象にする。それ以外の場合にはいろいろと、知事がこの行政処分に適当であるかどうかということについては、若干の行政運用の余地はあると、かように存じておりますが、しかし、その場合には、あくまで厳正にやるということは、間違いないことでございます。従って、送検はされたが、本人は自認しとらぬという場合に、若干のその後の経過を見た上で、とにかく行政処分でございますか、これをするという余裕は若干持たしたわけでございます。
○山下義信君 厚生省の方針が間違っているかいないかということは別問題として、 〔委員長退席、理事木島虎藏君着席〕 一応そういう場合に行政処分の対象にするという線を引くということになれば、それが妥当であるかどうかということは別の問題で、一応はそれが明らかになった。だが、実際問題として、これらの違反の事件が起きたときに、ことごとく警察関係者から厚生省に通知があるでしょうかね。すでに今、この人員の延べ実数であるから数が多くなっておるけれども、各旅館業のそれぞれに当って何件あったかということは明確でない、一体警察から、そういう違反事項はことごとく一応旅館業法の執行者である厚生省に通知が行っているかどうかということですね。
○政府委員(尾村偉久君) これは、都道府県の警察本部長から都道府県知事、すなわち旅館業法の執行は都道府県知事がいたしますので、都道府県知事に通報が行く。これが、警察側と都道府県側の両方がその二つになりまして、通報を合して出すのです。従いまして、いまの送致されたもの、すなわち先ほどの数は、全部の検挙件数でございます。そのうちからさらに送致された人員が出ておりますが、検挙数の中の送致された数でございますが、これにつきましては、それぞれの都道府県には、このうちの必要と認めたものは警察本部長から通知されておるわけであります。ただ、本庁から厚生省に向って義務的にこれを通知するということにはなっておらぬわけであります。
○山下義信君 ああ言えばこう言う、こういえばああ言う、答弁だけは上手にされるが、厚生省では何もわからぬということではいかぬのではないですか。都道府県知事が処分の第一線にあったならば、厚生省は何もしなくてもいいの。
○政府委員(尾村偉久君) 都道府県知事から、これを警察からの連絡を受けまして処分いたしたものは、本省に都道府県知事から報告することになっております。
○山下義信君 答弁の上手なばかりではだめなんです。厚生省が旅館業法を持っていて、これらの旅館業法の法の執行に当り、その実際のことを把握してないで、よいかげんにするのであれば、旅館業法の所管は厚生省はやめて、警察庁に回した方がいい。旅館業法の実体は、七割までが取締り規定になっている。処分規定になって、処分法律になっている。昔は警察関係の仕事であったのです。公衆衛生上から厚生省に回して、そのうちにだんだんと取締り規定を次から次に差し込んできて、今回改正法で厳格に実行するとすると、ほとんどこの法律の八割までが処罰規定です。そういう実体になった以上、これは警察の方に回した方がいい、警察行政の方に回した方がいいと私ども思うのです。これも、国の方針としてどうかということを実は明確にしてみなければならぬが、きょうはそこまでは言いませんが、厚生省で持っておる間は、都道府県知事がやるのであろうと、何であろうと、その実態は十分握っておるようでなければならぬ。実はわかっていない。わかっていないどころではない。これらの旅館業法の違反事件は、警察から行政庁にことごとく連絡をしておるのではなくして、まず警察庁の方で、警察の方でより好みしておる。中川刑事部長の方でより好みしておる。この問題はどうしても処分してもらわなければならぬものだけ連絡しておる。処分の実権が、厚生省当局、府県知事にあるのではなくして、警察の関係者が、これはどうにも処分しなければいかぬ旅館であるというものだけ連絡しておる、実情はそうだろうということを聞きたいのです。そうであるならば、そうであってよろしい、ただ、事件がこう送られてきたら、処分を関係行政庁だけの独自の判断でやっておる、そうではないでしょう。ほとんど実態は、警察行政の関係者が、これは処分をしなければならぬ旅館であるということをちゃんとおよそセレクトして、そして関係者が連絡しているのが実情でしょうということを言っておる。
○政府委員(中川董治君) 実情はこうなんですが、旅館業法に基く行政処分権者は、旅館業法の定めにより都道府県知事でございます。都道府県知事がいろいろ行政処分をするのでございますが、その処分する内容は、犯罪捜査によってわかり、判明したことが処分である場合におきましては、犯罪捜査にあずかる都道府県機関が都道府県知事に協力すべきものであると理解するのであります。犯罪捜査は、御案内のように、初めはうわさから始まりまして、いろいろうわさが証明し得まして、だんだん刑事手続を進行していくわけでございますが、刑事手続をして、最後に起訴、有罪の判決と、こういうことになるのでございますけれども、行政処分となりますと、行政処分権者が行政処分の必要を認める、こういうことは最終的に相なろうと思います。ところが、うわさから始まる犯罪捜査でございますので、確実なものからやって参りますと、大へん関係者が迷惑しますので、行政処分を必要とするという点を犯罪捜査機関が認定して、それを連絡して、その連絡に基いて、それに都道府県知事が検討を加えられまして、行政処分を必要とする内容をおきめになる。また、その程度もおきめになって、行政処分権者であるところの都道府県知事がこれをきめる。中央はどうかということになるのですが、中央といたしましては、行政処分権者である都道府県知事の行為を監督する機関は厚生省でございますので、厚生省が都道府県知事からいろいろ事情をお聞きになりまして、あるいは通牒をお出しになる、そういうことによって都道府県知事の行政処分の実態を承知していただくようにする、私どもが必要がありまする場合におきましては、県の警察がどういうふうにやっているかを照会することもございます。そういった照会することがありました場合におきまして、中央同士の連絡をやるでしょう。行政機関同士の間で、厚生省と警察庁と、その意味においての連絡もございますが、その意味の連絡も密にやっておりますけれども、具体的な個々の事件につきましては、都道府県の警察と都道府県知事の連絡で十分である。監督する必要があります場合におきましては、都道府県知事の監督は厚生大臣にお願いする。警察のやり方等について不届きな点その他がございましたら、われわれの方でめんどうをみる。こういうふうに行っておるのでございます。
○山下義信君 手続はわかりました。そうです。手続はそうですけれども、実態というものは、警察の方が握っているのでしょう。それが実態でしょう。こう言うのです。それでは、都道府県知事の場合においても、厚生省の場合においても、そちらの方の関係者は、もう警察におんぶしていくというだけのことになる。従って、旅館業法のこれらの行政処分の方針というものも、なんぼ厚生省が厳正にやります、片っ端からやりますと言ってみたところで、警察関係者の方から連絡する、その連絡に、警察関係者の方針に手心が入っておったら、厚生省がやり、都道府県知事がどのように片っ端からやるったって、実際できない。実情はそうでしょう。そうならそうでよろしい。それならそれで、歩調を二者がそろえて、警察関係者と厚生省関係者というものが、この旅館業法の改正に関連して、売春防止法の運用と同時に、これらをどうするかという根本方針がきまっておったら、どういう方針でやるのだということを明確にしておけばよろしい。私はどちらでもいい。どっちが不都合だと言っているのじゃない。たとえば、これは数日前の記事、「初の行政処分に白線旅館七軒を摘発」、「警視庁売春取締本部では十一日、つぎの七軒の白線旅館の行政処分を都に申請した。」渋谷区何々、桜旅館経営者なにがし、港区芝田村町旅館芝富士経営者なにがし、台東区千束町旅館あづま経営者なにがし、中野区住吉町やなぎ旅館なにがし、以下何々、「この措置は、昨年六月十五日旅館業法が改正され、旅館業者に対しても行政処分ができるようになって初めてのこと。司法処分の強化とともに、今後ふえることが予想される旅館のもぐり売春に対する本部の強い方針を示すものとして注目される。」行政処分をしてもらいたいという対象者というものを、まず警察関係者の方でちゃんと、どう言ってよろしいか、けじめをつける。それから都の方に申請をする。すなわち、厚生省関係者の方に警察関係者からこういうふうに連絡をしてくるのです。しからばすなわち、どの旅館を、どの場合をこの行政処分によって処分していくかということは、都道府県知事や厚生省関係者でなくして、実際としては、警察関係者がいろいろその実態を見きわめて、それからこのものを行政処分してくれ、こう連絡してくる。これが実情なんです。そうでなくて、厚生省が主体性を持って、すべての件数が報告をされ、その件数の中から厚生省自体がよくそれを詮議して、そして行政処分をするならば、またするやり方があるけれども、実情はそうでないのだろうと私は思うから、両者が当然連絡をせなければならぬが、連絡した結果、今回の通牒は現行法の勅令九号であろうが、今回このように広範囲な大改正をする。しかも重点は、今までになかった売春関係について場所の提供をしたという、売春防止法の第十一条であったか、それが今回入ってきたということは重大な関係がある。これは、旅館業法にまっ正面から響いてくるところの違反の条文である。だから、運用そのもののやり方によってはぴしぴしともやれるし、おうように見逃すということになったならばみな逃げてしまうので、どういう基本的な方針をもって改正されて——四月一日から実行しようとして、あなた方審議を急いでおるのじゃないか。急いでおるならば、そういう大方針を示して、ただ単に旅館の関係者だけじゃない。一般の国民にも明確に示していくということが必要なんだ。もし峻厳にやるということになったら、あるものが漏れて、あるものが大目に見られ、あるものが摘発されているというような不公平があっちゃいかん。やるならばぴしぴしやる。けれども、売春防止法の運用というものは、そういうふうになっていないということを聞くので、売春防止法の運用は、そういうふうな厳重に、片っ端から処罰するというような行き方をしないという方針であって、旅館業法の方だけはぴしぴしと行政処分をしていくのだというふうなことでは、平仄が合わぬじゃないか。どちらでもいいから、どういう方針でいくのか、指導啓発でいくのか、注意を加え、注意を加えていくのであるか、片っ端から違反した者は処分していくというのでいくのかということの、旅館業法の運用の方針というものを示しておかなければならぬ。それはどういうふうになっているか。
○政府委員(尾村偉久君) 今の御指摘の中の、あくまで警察の方で捜査をして、必要と認めた者を通報を受けまして、それを対象にして、その中から、この旅館業法による処分の適当不適当を定めるということでございますので、端的に言いますと、警察の絶大の協力といいますか、むしろ協力よりも、旅館業法に照し合すもとは、やはりこの売春防止法の犯罪違反を十分捜査して、摘発した警察の資料に基き、しかも、そちらから行政処分適当と認めて送られてきた者を対象にする。直接都道府県知事がうわさを聞く、あるいは捜査をしてやるというようなことは、これは現在のところ、都道府県知事の旅館業法の施行に当る者が環境衛生監視員でございます。これは、そういう能力もございませんし、また人員から申しましても、さようなことで、衛生措置その他でさえなかなか人手が回らぬというときに、法律だけをたてにとりますということはございません。先生の言われました、警察に依存するということでございまして、その意味で、両方で十分連絡をとって運用していく、かようなつもりでおります。
○山下義信君 取締りの方針は、実際問題としては、あなたに聞くよりは警察庁長官に聞いた方がはっきりする。中川刑事部長に聞いた方がはっきりするので、あとから明確にしてもらわなければならぬ。運用の方針というものが不明確なままで、法案が通せるものじゃない。それで今、赤線業者、青線業者、皆が転廃業をやるんでしょう。旅館業に転業する者が大部分でしょう。そういうことは、今ここで数字をあげて言うまでもない、天下周知である。それで、それらの転業者が旅館という名目で、依然としてこの行為が継続させるような場合があったら、旅館業法の適用をしなければならぬでしょう。そういう場合におけるこの売春防止法の運用についても、そういう面についても、国家全体の大局から、一つの方針というものがあるでしょう。すぐに処罰するのか、十分警告を加えて指導するのか、どうするのかという、いわゆる運用というものについてのいろいろ当局の方針があるやに私は漏れ承わっているのです。一体旅館業法の改正案について、運用の方針について、厚生大臣と警察庁長官とで打ち合せたことがあるか。打ち合せて、何らか両者において取りきめたことがあるか。一体旅館業法改正案を国会に提出する場合に、閣議に諮ると思う。そういう点について、閣議で何らか触れたことがあるかないか、その次第を明確にしてもらいたい。
○政府委員(中川董治君) 私、久しく刑事部長をやっているのですが、その間のいきさつを申し上げますと、ただいま旅館業法の運用につきましては、厚生省の部長がお答えなられた通り私どもも理解しております。ただし、そのもとになりますところの売春防止法——旅館業法というのはいろいろ規制があるわけですけれども、その旅館業法の規制の一つに売春防止法違反、現行法でいえば、勅令九号の違反というものの取締りの方針、こういうことがそのもとになっている面があろうと思うのです。この関係につきましては、次のように関係の向きと相談しているのであります。と申しますのは、行政機関同士各方面関係いたしますので、もう大きい問題ごとに打ち合せしております。内閣には売春問題対策協議会等もありまして、それを中心にして、各省庁打ち合せいたしておりますし、法律にも明確に書いておりますので、その考え方は、売春防止法に規定する犯罪がたくさんございますけれども、その中で、第五条の罪と申しまして、売春婦が行う罪がございます。売春防止法の第五条の規定でございますが、売春婦が犯す罪がございます。これに関しましては、なるべく保護更生の線に乗っけていって、やむを得ぬ場合といえども補導処分等をやる。最悪の場合には刑罰の適用を受ける、できるだけこういうふうに運用して参りたい、こういう考えを持っております。第五条以外の罪は、売春を助長する罪でございますので、たとえば、俗にいうところのひも、それから売春を助長する犯罪、こういう点につきましては、厳正に取締りを施行する、こういう態度を関係各省いずれも持っております。その結果、関係各省とも打ち合せまして、なるべく転廃業を促進して、転廃業を促進することによって売春防止法が規定する犯罪が少いようにするように、こういう努力を厚生省も十分大いにおやり願いましたし、お互いに協力いたしまして、その目的は、おおむね達成しそうでございます。おおむね達成しそうでございますけれども、本年四月に全面施行になりますので、全面施行後に、相変らず売春防止の趣旨に反する慣行、助成する犯罪を慣行する者がありますならば、厳正に取締りを加えて参るべきであろうかと、こういうふうに考えておるのであります。それから、この旅館業法について、警察の連絡につきましては、売春防止法の施行条件につきまして、厚生大臣と私どもの方の大臣とは十分打ち合せはしばしばやっておられます。 それから、さらにこまかい点になりますが、現行の勅令九号の問題につきましては、大臣同士の話というよりも、話がこまかいものですから、当時の環境衛生部長さんと私とが、大臣の命を受けまして、こまかい点でございますから、打ち合せをいたしたような次第でございます。売春防止の全般の建前につきましては、これは、警察も関係いたし、法務省も関係いたしますし、厚生省の各部局も関係いたします。そういう意味合いで、内閣に売春対策審議会という機関がございますので、これを中心に、関係各省庁の連絡を密にするとともに、閣議その他の席上ないしは閣議を離れての各監督庁同志の御協議も十分行われて参ったのでございます。
○山下義信君 中川刑事部長の御答弁でございましたが、前回の改正のときに、楠本環境衛生部長と中川刑事部長とが、いろいろ取締りの連絡関係その他について話し合いを行なったことは承知しております。今回この広範な改正をするについて、あらためて大きな方針について、運用の基本的な話し合いがされたということは、私は承知しておりません。おそらく中川刑事部長のお答えは、所管の大臣が連絡されたであろうと推測されての御答弁だろうと思う。それはそれでよろしい。そこで厚生省は、転廃業者が旅館業に向って転業する実数その他を十分承知をしていなければならぬと思うのですが、それらについての指導とか、いろいろなことは、厚生省がすぐにはやらないでしょう。警察の方に頼んでやっているのでしょう。また、警察の方がやっているのでしょう。あなたの方が、いわゆる環境衛生法の旅館業組合の従来の業者を集めて指導啓発するごとく、従来の赤線業者の転廃業して旅館業になったものを集めて、厚生省の指導のもとに、何らかそれらについての啓発指導等をやるのですか。従来も私はやったことはないと思う。それらの業者は、まだ厚生省が集めてやったことはないと思うが、これからもやる計画はないのでしょう。またやれないのでしょう。これは警察がやるんでしょう。警察庁方面が大いに努力してやるんでしょう。しばらくその方のやるのを待っているのでしょう。どっちでもいい、あなたの方でやるとか、これは明確にして下さい。どういう計画になっておるか。ほかの方の法律の改正はみんなわかっておる。ほかの方の法律の改正は、政府はもう国会にお出しになるその通過以前に、その改正法律案施行について、あなた方はすぐに関係官をお呼びになって、しばしば会議を開いたり視察をしたりして準備をするのであって、法律が通って、その法の施行の準備に取りかかるのか。従来の法律はそうでないでしょう。法律案の改正を国会にお願いするという段階になって、あなた方は関係者を、部長なりあるいは課長なりを集めて、改正案の趣旨を説明して、それぞれの準備を命令するんじゃありませんか。今回の改正案の関連するところは、従来の赤線業者、従来の問題の業者がそれに触れるところが非常に多い。従来の通常の旅館業者は、これらの改正法律に触れるおそれはないのでしょう。それも幾らかはあるのでしょうけれども、大部分は転廃業してくる、旅館業に転業してくる者に非常に触れることの多い法律の改正をする。その執行に当る府県知事、実際の第一線に当るところの衛生部長とか保健所長とか、何か知らぬけれども、それらについて集めて、この改正案の趣旨を説明したか。何の準備をしたか。してないでしょう。してないということは、厚生省自体がこういう法の運用を主体性をもってやるという基本方針を持っているのか持っていないのか。法律が通ったらやるのか、これから。私は、従来法の改正をするときに、その実施の準備を何らしないで法律改正案を出したという事例を見たことがない。あなた方が国会に対して、これは、従来の第八条の三号の勅令九号を、ただ売春防止法が実施されましたので、その処罰規定を入れかえるだけでありますという簡単なことを言うて、ここを通過しようとする、そういう粗雑なことで、国会を通すわけには参りません。 〔理事木島虎藏君退席、委員長着席〕 それだけの改正をいたしますと、運用上非常に波及するところがある。どういうように実際上運用していくかということを、一体プログラムを持っているのか持っていないのか。何にもないのだろうと思うのです。それではいけません。警察の方と十分協議をせられて、方針がきまって、どういう、この法律が通過したらば、四月何日に業者を集めるのか、どうするのか。どういう方法で、この大改正をして、この法律に触れるものが多くなる予想のもとにこの運用をする、この準備する計画があるのかということを聞かなければならない。なかったらないでいいのです。無理に上手な答弁を聞きません。もう実質が明らかになればいいのですから、もしなければ、今後すみやかに計画を立てて、そうして警鐘を乱打し、そうして違反者があるならば、警察の通告も厳重に要請し、厚生省関係者が主体性をもってこの行政処分に当るという確信を持つのでなけらねば、この旅館業法の運用は、行政機構を改革して、警察行政の中に変更さした方が実質上早いと思う。そういう根本方針はどうなっているのか。政務次官もし御承知であるならば、そういう基本的な方針とか計画とかいうものをお示し願いたい。なけらねば、今後御検討下すってよろしゅうございます。
○政府委員(米田吉盛君) 基本の方針としましては、厳重にわれわれの方としてはやるという考えでございます。
○政府委員(尾村偉久君) 一つは、われわれの方で不満足ながらやった点を一つ申し上げますが、旅館の同業組合をわれわれの方で今でき上るのを指導しておりますが、その際に、旅館の組合当事者と話し合っているときに、いつも出ますのがこの問題で、新たに今度旅館へ転業してくる元これらの赤線業者というものが非常に違反を起す。従って、同業組合としてのいろいろな事業のうち、同じ旅館業の中で、これらのような違反を出さぬようにするのが一番目標だということを組合の方も言っております。われわれも、さような線で、ぜひそういうことを重要な事業に取り上げるようにということで、これを旅館業の同業組合を通じても、現在までさような趣旨は徹底しております。 それからもう一つ、売春業者の関係業者の転業策といたしましては、厚生省としては、極力、旅館を望む者は旅館として条件に合えば許す。場合によっては、若干の短期間の間に設備の改善ができれば、それさえ見込んで許してやる。この方針は、先般売春防止の対策審議会の方に四省から出しました案の中にも入っております。これが都道府県知事に行っておりますが、この方針で、旧売春業者の旅館への転業は、衛生部長がこの趣旨に従いまして集めまして、促進をしたわけであります。愛知県のごときも、早くこれが全部転業いたしまして、その際相当数な旅館になるという場合には、やはりこれらを集めて、この線で指導をいたしてやっていく。そのかわりに、その際に、将来旅館を許されながら、かようなもとのようなことをやってはいかぬということは、もう最初から厳重なこれは指示付で、これらの便法まで講じている。こういうことでありますが、今までやっているのはその程度でございますが、今後につきましても、一つは今の同業組合を通じ、ただし入らぬ者は、直接さような者をチェックして呼んで、衛生部長からこれを指導しなければなりませんが、同業組合が今着々とできつつありますので、これを通じまして、地方では地方の同業組合、中央に中央連合会が近くできると思いますが、これを通じてやるというような形でいきたいと思っておりますが、しかし、厚生省だけでやるのは、やはり力が若干弱うございますので、警察とも密接に並行いたしまして、要するに、これらの売春防止法の違反を起してはいかぬということについては、この法のお目付役としての警察の方の協力を得る。指導を厳格にやるためには、その方がいいと思います。これは並行してやろうと、こう思っております。
○山下義信君 私は、今まで質疑いたしまして、御答弁をいただきましたが、納得いたしかねます。しかし、今後十分、私が申し上げましたことでおわかりだろうと思いますから、本格的にやるならやるように一つ準備をし、警察庁とも連絡をして、しっかりした方針を打ち出して、そして国民の前にも明確にし、何も処罰や処分することが法の目的ではないので、そういうことをしなくてもいいほど関係者側が自粛することが、これが満点の行政なんですから、そういう点を明確にされることを望む。今までの応答では、おそらく私は、委員長報告で、この法の運用についての当局の方針について質疑があったが、当局がどう答えたかということの御報告のなされようがないと思う。専門員は、今までの質疑で、どれだけの要点をチェックされたか知らぬけれども、非常にこれは重大です。旅館業法、組合々々というような雑駁なことを言わないで、赤線から入ってきて旅館業に転業した者は、これは特殊の対象で、玉石混淆するような指導やら扱い方を言ってみたところで、そんなことが行政の一番トップ・レベルの当局の言うような言葉ではない。転廃業した者は転廃業した者として呼び集めて、そして趣旨をさとして、警察とも連絡して、万一これに触れたならば処分するぞということを言い渡して警告するのかどうするのか、やり方は幾らでもあろうと思う。また、そういう悪いことをする、法に触れる者ばかりが相手ではないのであって、善良な旅館というものをどう明確にさせてやるかということの半面の指導もしなくてはならない。優良旅館が、この旅館は売春などはいたしません旅館でありますということをどう表示してやるのか。旅客をして安心してその区別をさせることは、どういう方法をとったらいいか。幾らでも、売春的な旅客を泊らせないようなやり方をさせることは、旅館業法の規定を応用すれば自由自在にできる。そういうことも法律で、厚生省関係者に、都道府県知事にも権限が許してある。それは、警察官の臨検のようなことはできぬけれども、この旅館業法の執行について、旅館業者に、優良な旅館業者には、いかがわしい客の宿泊の拒否をさせることもできるようになっている。あるいはいかがわしい旅客名を宿泊名簿に記載しているかどうかということを調べることもできるようになっている。警察の取調べの範囲に足を入れないで、この旅館業法の公衆衛生の見地から、それらの係員に仕事のできるようにしてある。いろいろに考えたらば、この今回の改正案に伴うて、あらためて新しい角度から、一つには売春防止法のわき役となり、わき役どころではない、場所の提供ということではこれが主役である。それとタイアップして、売春防止法の目的を貫徹させるためにはどうしたらいいか。優良な旅館業者にはどういうふうにバック・アップしてやるかという、いろいろのやり方というものがあるはずだ。そういう基本的な計画があるべきだ。堀木君は何をしている。おそらく何にもしていないから、私は大声疾呼している。実は、厚生省としては怠慢なんです。そういう点を十分考慮されまして、また、法案が通った、審議の終った後でもよろしゅうございますから、委員会を通じて所信を表明なさることは、国民の前に公表することでありまして、それによって実は相当の効果もあろうかと思いますから、質疑応答は不満足でありますが、私の質疑は、一応この程度にいたしておきます。
○政府委員(米田吉盛君) ただいまのお説、しごくもっともだと思います。地方の衛生部長に努力を願いまして、十分、法を執行する前に、この法によって処分される者のないように、特に赤線業者から転業しました旅館業者については十分警告を発して、一人でも実質的の犠牲者のないように努めたいと考えております。なおさらに、優良な旅館につきましては、お話もございましたように、何らかの方法を一つ見出していきたい、こういう考えでおります。
○政府委員(中川董治君) 売春防止のことにつきまして、ただいまの山下先生の御発言に関連して一応申し上げたいと思うのですが、売春防止という関係は、売春防止法の規定を中心として動くわけでございますが、何といっても、これは大事業でございます。それで、私ども警察機関によるところの取締りも、重要な役割の一つだと心得ますけれども、何と申しましても、行政各庁全面的の御協力がなければ成果が得にくい、こういうふうに考えておりまして、現に地方におきましては、中央でもそうでございますが、特に地方におきましては、知事を中心にして、関係機関がこれに協力いたしまして、都道府県の機関はもちろんでございますが、国の機関も協力いたしまして、売春防止本部というのを作っております。この売春防止本部というのを中心にいたしまして、啓蒙もやりますし、それから、いろいろな措置もやる。そして取締りももちろんやりますけれども、そういう関係各省庁の協力によって、さらには国民の方々、皆さんの御協力によって、この問題を解決するように努むべきである。警察も一つの役割でございますけれども、警察だけで問題を解決するとは考えておりませんので、あるいは旅館の問題もございますし、私どもの方は、料理屋の問題もございますし、いろいろな各般の問題を包蔵しておりますので、関係各省庁とも、中央においても地方においても全面的に御協力願って、現にもう相当協力を願って、実績を上げておりますが、今後ともそういう趣旨に基いて努力して参りたいと思っております。
○山本經勝君 いま一点だけ御質問を申し上げておきます。それは、今ここに、労働省の基準局監督課長がお見えになっているはずなんですが、一つ基準局監督課長にお伺いを申し上げたい。それで、この旅館、あるいはこの資料によりますと、料飲店等を含めておられるようでありますが、昭和三十一年の七月から三十二年の六月にかけて、約十一カ月間に、いろいろと行政監督をなすった報告が出ている。これによりますと、定期監督のところで三百四十八件、申告監督で千百十三件、こういうふうになっておるのでありますが、これは私ども、ちょっと事情がわかりませんから、御説明を願っておきたいと思いますが、定期監督と、それから申告監督の違い、いわゆる内容なんです。それをまず第一点に伺っておきたい。
○説明員(鈴木健二君) お答えいたします。定期監督というのは、一四半期なり一年に、監督署におきまして計画を立てまして、監督官が出向きまして、一般的な監督をやるのが定期監督といたしております。申告監督というのは、労働者から申告があった場合に、その申告に基いて、その事業場を監督するのが申告監督と、こういうふうにいたしております。
○山本經勝君 そうしますと、おたくの方で出されております監督件数の中で定期監督、これの結果現われている違反状況と、また主要事項違反状況というのがあります。それを見ますというと、解雇の予告手当、退職金の不払い、賃金の不払い、労働時間の決定のないもの、休暇あるいは休日を与えないもの、割増し賃金の支払いのないもの、こういうものを合せて四百四十九件に上っておる。その中でも労働時間等については、百五十五件の多数に上っておる。これは、まさに実態であろうと思うのですが、こういう状態に対して、定期監督の結果、十分に監督指導をなさったかどうか。また、なされなければならぬはずのものです。そういう状況について、再監督実施事業場数というものに三百二十三件が出ている。完全是正がなされているのが百四十三件、一部是正が四十一件、是正がないのが百三十九件、こういうふうになっておる。この資料は、むろん直接労働省から私いただいたのではありません。組合の方に提示された資料によるわけですが、こういう監督の状況というのは、かりに旅館が今、全国六万軒、多数の旅館のうちの何分の一ですか、六十分の一、まことに微々たる一部なんですが、これは、もっともっと監督行政を強化する必要があると思うのです。そこで、当面の法改正に関連しまして、さらに強化されるであろうことを期待するのですが、その点の基準局の方の所信を伺っておきたい。
○説明員(鈴木健二君) 旅館におきまして、基準法違反の実態が非常に広範にわたっておるということは、まことに遺憾に思っております。しかしながら、旅館業の実態を見ますと、工業的企業と違った特殊性を持っておりまして、これを一律に摘発主義的な考えで監督するということが、直ちに実効のある効果を期待し得るかどうかにつきましては、われわれといたしましても疑問を持っておるわけでございます。従って、われわれの現在の、こういう非工業的企業、特に旅館のような業態に対する指導監督の方針といたしましては、これらの業態に対しまして、団体を通ずる団体指導を一方で行いながら一方において労務管理全体についての近代化、合理化を促進して、基準法になじむ基盤をまず作っていくということが先決問題じゃないか、こういう観点に立ちまして、まず業界指導あるいは個別指導というものを通じまして、そういう基盤をまず作る、必要によっては、業界に対しまして、基準法に必要な事項の申し合せを行わせる、漸次、必要な事項から段階的に基準法の線に近づけて、それに特に違反した悪質なものにつきましては、断固たる処分をとっていく、こういう運営方針で臨んで参りたい。そういう観点に立ちまして、先般基準局長通牒をもちまして、地方の基準局長に、そういう点について旅館業を指導監督されたいという通牒を出した結果、各地におきまして、漸次この指導監督が進んでおりまして、たとえて申しますと、某局におきましては、旅館の営業者団体が申し合せをいたしまして、一つが休日を与えること、二には、労働時間を当番制、交代制その他の方法により、法定の時間内でやることにきめること、年次有給休暇を法定通り与えること、賃金は毎月一回以上、一定の期日に支払うこと、就業規則をすみやかに作成し、監督署に提出するとともに、労働者の見やすい場所に掲示する、こういうようなことを業者自体で申し合せて、基準局に届けてきたというような実例もありますので、こういうような団体的な指導というものを中心とした業界指導をやって参りたい、こういうふうに考えております。
○山本經勝君 課長さんにもう一度確かめておきたいのですが、これは、たとえば旅館等は特殊な業務である、一般に工業等の企業形態とは違うから、お前の方は基準法を手心をしてやるからという前提に立っておられる。ここにあります、あなたの言われた趣旨の通牒が出ておることは認めますが、そういう前提に初めから立つならば、いわゆる働いておる者に対する取扱い方が、従来の慣行とかなんとかいうので、全くもって不徹底な状態にあるのが実態ではないかと思う。これは、特に課長さんに申し上げたい。また、この委員会で、本日ここで議論しようとは思いませんが、これは十分御検討願っておかなければならぬことです。去る三月七日の参議院の法務委員会で、旅館等における従業員の給与あるいはその他の労働条件について、こういう点が指摘されておる。第一点は、賃金の明確な規定がない。あるいは賃金台帳等、基準法に規定する備えつけの基本的な条件が備わっていない。それでいて、あるいは器物を破損した、あるいはお客さんが物を持って行った、その危険負担を従業員の給与の中から天引して取り立てておるという事実が指摘されておる。これは、基準法違反ではないかときめつけたように聞いております。そうしたら、あなたは、基準法違反とは考えておらぬ、こういう御答弁。それから十一月十三日の衆議院の社労委員会で堀局長は、同じ問題に対して、基準法に違反するものと考える、こういう御答弁になっておる。これは、労働基準をつかさどる最高のスタッフ、すなわち局長と課長、こういう二つのいすにおられて、労働省の中で労働者を擁護し、あるいはサービスをするための省としての労働行政の中で、この重要なスタッフに意見の相違がある。こういうことはきわめて私は重大だと思う。ですから、私は、これは追ってこの委員会で解明することが必要であると考えておりますが、本日は時間もありませんし、このことは、まず十分局内において思想統一をしてもらわなければ困る。いわゆるこの通牒の内容のように、お前のところは特殊な事情にあるのだから、地域的な条件を加味して考慮してやるのだということが前提で監督をしたのでは、基準法の厳正な施行というものは、おそらく期待できないと思う。そのことは即、こういうような不都合きわまる、労働者にしわ寄せを経営者がやっておるということ、こういうことが見のがされていくという結果になる。私は、法は法であって、厳正に施行しなければ意味をなさないと思う。先ほど山下委員の質問に対する問題等とも関連して、この点、基本的態度が私は解明されなければならぬと思いますが、時間がありませんから、私は、その点は一応お預けを申し上げます。ただし、課長さんの考え方として、今の問題を離れて、いわゆる基準法を適当に手心を加えてやるというような前提の通牒は意味をなさないということについて、私の意見についてどうお考えになるか、伺っておきたい。
○説明員(鈴木健二君) 旅館就業の労働条件の実態で問題になりますのは、まず第一に、従業員そのものが自分の労働条件というものがどういうふうになっているのか、休日が一カ月に何回与えられるのか、あるいは一年働いたら有給休暇が与えられるのか、そういった労働条件自体がわからないというところに根本の問題がある、こういうふうに認識しております。そういう結果、賃金が幾らかわからないので、社会保険に入ろうにもなかなか入れない、こういうところが根本問題だろうと思います。 基準法の実施についてでございますが、法の目的を達するためには、実現するためにいろいろの手段、方法があろうと思います。その方法につきましては、先般の基準法臨時調査会で答申が出ております通り、中小企業、零細企業につきましては、今直ちに摘発的な監督をやらずに、啓蒙指導を中心にした監督をやるようにという答申も出ておりますし、特にこの旅館業というようなものの従業員につきましては、調査会の答申通り、指導啓発を加えた監督指導をやっていくことが正しい方法だと私は考えております。
○山本經勝君 私は、今の鈴木監督課長のお話は、全くもってけしからぬと思う。たとえば、労働条件等は、これは基本的に明らかにできると思う。給与の高い低いはその自後の問題、次の問題、そのはっきりした給与を何月何日に、基準法が定めておる通りに、通貨で直接本人に支払うと、こういうふうに明確な規定がある。こういうことがなされておらぬところに問題があると思うので、給与の問題などは、てんできまっておりませんよ。こういう事実を知らんと課長が言っておられるのか。こういうことを知らないのは、きわめて重要問題だと思う。労働条件について旅館等の従業員が十分に知らないから、わかっていないものだから知らない、こういう解釈であるならば、私はきわめて事態が重大であることを申し上げざるを得んのです。この点について、重ねて解明を願っておきたい。
○説明員(鈴木健二君) 旅館の従業員の労働条件については、いろいろ問題はありますけれども、現在さしあたって特に重点を置いてやらなければならないことは、労働条件の明示と、今言った賃金台帳の整備、そういうものをめぐったものがさしあたりの重要問題であるので、その点に重点をおいて監督指導をやっていきたい、こういうふうな考え方であります。
○山本經勝君 私が先ほども申し上げたように、局長の答弁と違う。全く根本的に食い違います。同じ一つの具体的な事例をあげて答弁を求めて、そういうふうに違う。そこで、たとえば労働条件について、労働時間なりあるいは給与なり、まず賃金台帳等を備えて、支払いの期日を定めて、通貨で、現金で、しかも一定の期日に払うという、基本的なものがきめられる。これは必要なことだし、当然やらなければならぬ。これはやれぬことはないでしょう。それとも、旅館であるがゆえに見のがしていかなければならないという理由はないと思う、零細企業でも、人を使う以上は、国民なんですから、自分の親や兄弟ではない、人を使うには、その基本線をはっきりしておかなければならない、これは企業前の問題です。これをぼやかすような監督行政では、しょせん労働者の基本的な権利は擁護できない。こういうことがはっきり言えると思うのですが、この点はどうですか。
○説明員(鈴木健二君) その点につきましては、先生のおっしゃることと同じことを私は言っておるつもりでありますが、まず、先決問題としては、賃金台帳を整備するとか、労働条件を明示するとか、そういうことがきわめてこの旅館業の従業員に対しては大切なことであるので、それを中心として、それが実現できるように監督官庁としては指導したいというふうに申し上げておるので、大体先生と同じ趣旨のことを申し上げておるつもりでございます。
○山本經勝君 これは要望みたいになりますが、少くとも先ほど御質問の中でも話されておりますが、また同じことになりますが、少くともこれらの業者に対する摘発や処分が目的ではない。従って、これらの業者に対する指導育成といいますか、あるいは監督するとともに、一方で指導をするということが行政的には必要な要件である。ですから、それに適切な方法として、労働省としては今何かお考えがあるんですか。それとも、先ほど集団的に指導をすると言われたが、これは、旅館業が同業組合等を作って運営されておる関係もあると思うのですが、そういうような点から、組合等に対して流すという、いわゆるありきたりの一片の義務的な形式的なやり方を考えておられるのか、そこら辺を一ぺん伺っておきたい。
○説明員(鈴木健二君) 先ほど申し上げた状況でございますので、今、基準法百何条にありますものを全部守れということで、摘発的に監督官をやりましても実効を期しがたいし、また、監督官の主体的能力にも限度がありますので、ざっくばらんに申し上げまして、現在考えておるこれらの指導の方針としましては、今申し上げました賃金台帳の整備、休日の付与、労働条件の明示というようなことを中心といたしまして、業者間に申し合せをさす。申し合せをさして、その厳格なる実施を監視している。そうしてその申し合せを破った特に悪質なものに対しては、断固とした態度をもってこれを摘発する、こういうふうな運営方針で参りたい、こういうふうに考えております。
○山本經勝君 もう一点、課長に伺っておきたいんですが、申告監督なんかの場合に、直接やはり指導を要する点もあると思うんですよ。たとえば、先ほどお話のあった労働条件等について、労働条件とは何かということを女中さんで知らぬ人があるかもわからぬのです。あるいは休日、年次有給休暇、これは、当然とれるものだとは考えておらぬかもわからぬ。こういう点に関する指導は、やはり従業員に対しても同様になされねばならないと思います。組合が現在できておりますから、組合が相当強力にやっておりますが、むしろこれらに対して阻害をするような、いわゆる基準局の下部、出先といいますか、末端には、機構の動きさえあるといわれる。ですから、私は、そういう点については、もう少し積極的な本省の指導が必要だと考えておるんですが、そこら辺はどうでしょうか。
○説明員(鈴木健二君) もちろん、従業員が基準法でどの程度自分が保護されておるのかということを知ってもらうことが、基準法施行の根底になるのでございまして、先生の御存じの通り、上山におきましても、従業員を集めて基準法の説明会を開く、また京都においても、そういう説明ができていないところを特に留意いたしまして、従業員に基準法の説明会を開く、こういう措置も講じておりますし、先ほど申し上げたように、業者が申し合せをやった場合にも、労働組合の意見も十分聞いた上で、こういう申し合せをいたしたわけでございます。
○委員長(阿具根登君) ほかに質疑ございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のおありの方は、討論中にお述べを願いたいと思います。
○山本經勝君 本法の審議につきましては、基本的に、改正点の問題になっております売春等防止に関する法律の関連において当然でありまして、これについて反対を申し上げるわけではございませんが、この審議を通して明らかに伺っておる問題は、前の国会におきましてもそうでございましたが、従業員の待遇あるいは健康の保持という問題が非常にやかましく、そういう点から私は、この際、付帯決議を付して賛成をいたしたい、かように考えます。まず、案文を申し上げます。 旅館業法の一部を改正する法律案に関する附帯決議 旅館従業員の待遇等の問題については、前国会以来本委員会で指摘されたところである。 此際政府は従業員の待遇の正常化と、その健康の保持について、適切妥当な行政措置を講ずべきである。 右決議する。 以上であります。 それで、これは先ほども申し上げた点なんですが、前回の社労の委員会でいろいろ議論があって、最終的に討論の末賛成で決定した中に、従業員の待遇問題については、詳細に述べられております。そしてこれを改善すべきであるという要望が付帯されておりました。この点が事由となるわけでございまして、一つ御賛同を得たいと思います。
○委員長(阿具根登君) 他に御発言はございませんか。——他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより旅館業法の一部を改正する法律案について採決をいたします。 本案を原案通り可決することに賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿具根登君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました、山本君提出の付帯決議案を議題といたします。 山本君提出の付帯決議案を本委員会の決議にすることに賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿具根登君) 全会一致と認めます。よって山本君提出の付帯決議は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成その他の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それから、報告書には、多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は、順次御署名を願います。 多数意見者署名 山下 義信 山本 經勝 草葉 隆圓 松澤 靖介 片岡 文重 鈴木 万平 横山 フク 中山 福藏 勝俣 稔 有馬 英二 木島 虎藏 西岡 ハル 榊原 亨
○委員長(阿具根登君) 休憩いたします。 午後一時四十二分休憩 —————・————— 午後三時五分開会
○委員長(阿具根登君) 再開いたします。 身体障害者福祉法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより本案の質疑に入るのでございますが、まず本案の細部について政府委員から説明を聴取いたします。説明を願います。
○政府委員(安田巌君) ただいま御提案になっております身体障害者福祉法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 この法律の要点は、援護の実施機関が社会福祉法人の設置する身体障害者の更生援護施設で厚生大臣の指定するものに身体障害者の収容を委託できるようにするというのが主たる眼目でございます。ただいま肢体不自由者の更生施設、失明者の更生施設、ろうあ者の更生施設、あるいは身体障害者収容授産施設等があるのでございますけれども、これらは国でありますとか、地方の公共団体が設立いたしたものに対しましては収容を委託することができるけれども、民間のこのような施設に対しましては現在の規定では委託することができなくなっておるわけであります。これを委託する道を開こうと、こういうわけでございまして、現在この種の民間の施設は十四施設ほどございます。 それからその次に、そのようにいたしました場合に、収容委託に要する費用は、入所いたしますものが住んでおりますところの住所地の都道府県とかあるいは市が持つわけでございますけれども、これは一つの施設に収容いたします場合に、いろいろの方面からの収容者が来ておりました場合に、一々それを取り立てることが不便なことがございますので、地元の市町村なり都道府県に繰りかえ支弁をさせることができるということが書いてあるわけでございます。それからもう一つは、民生委員が、これは民生委員はもともと福祉事務所その他の機関に対しまして、仕事の上で協力しなければならぬと書いてあるのでありますけれども、生活保護法でありますとかあるいは児童福祉法には、そのように民生委員が協力をするということがはっきり書いてございますので、身体障害者の方につきましても「市町村長、福祉事務所長、身体障害者福祉司又は社会福祉主事の事務の執行に協力する」ということを、この際はっきり書きたいというのが一つの改正点でございます。その他は必要な条文の改正でございます。 以上簡単でございますが、御説明申し上げます。
○委員長(阿具根登君) 質疑を願います。
○片岡文重君 身体障害者の厚生援護を国や地方公共団体で設置するだけで間に合わないから、福祉法人の設置するこれらに利用できるように施設委託をして収容しようとするお考えからこういう改正をなさることと思います。従ってそういうとりあえずの処置として、民間施設を利用されてまでも身体障害者の福祉をはかろうとする御熱意については私どもも賛意を表するにやぶさかではありません。ただしかし、ここで問題になるのは、今御説明になったこの厚生大臣の指定する施設、この厚生大臣の指定する基準といいますか、指定をする条件というようなものは、すでに具体的に持っておられるのかどうか、どういうところを標準として指定をされるのか、そこをお尋ねしたい。
○政府委員(安田巌君) 民間の施設に委託をいたしますには国の方、あるいは地方公共団体の持っておる施設に入所させるだけでは足りないという場合もございますし、それから民間の施設が非常に特色を持っておりまして実によくやっておられる、しかし、それに対して中に入っておる方々のための事務費というものが差し上げられないというような実情もあるわけでございます。たとえて申しますと、千葉県にベテスタ・ホームというのがございます。これは女の方がやっておられるので、脳性麻痺の女の方だけを収容しておられますけれども、こういうものがほとんど独力でいろいろ寄付金等を集めて、せっかくりっぱにやっておられるようでございますが、こういうものに補助金がいくように、委託費がいくようにいたしまして、せっかくの御熱意なり、あるいは御経験というものを生かしていきたいということも含まれておるわけでございます。そこで、たとえばどういうものを指定するかということになりますが、一応やはり第一種の社会福祉事業として収容施設を行うものでございますから、福祉法人に現在なっておるものにいたしたいということ、それからやはりその近所に公的な授産施設なり、その他の厚生の施設があるかどうかということ、その地理的の関係、人員の収容能力の関係等を考えまして、指定をしていきたいと思います。その指定していきます場合に現在……あとでまたお話しがあるかと思いますが、予算が大体来年度でございますが五百四十万円ばかりに限られておりますので、そういう点も実は見合せて、見合いでやらなければならぬ、こういうふうに考えております。
○片岡文重君 そうすると、現在すでに収容をされておる障害者にも適用をできるものはしていくということなのかどうか、それが一つ。それから社会福祉法人としてそれぞれすでに認められておる機関、施設はすべて現在のところではこれを指定をする機関にするのかどうか、今の御説明の中からこの二点を。
○政府委員(安田巌君) 最初の御質問でございますが、現在入っておりますものを指定をいたしまして、そうして中に入っている者に対する収容委託ということも考えております。それから第二点でございますが、これは福祉法人であるということで、やはり厚生省でまあその監督をいたしまして、そうしてその公共性というものが非常に高いものとされておりますので、福祉法人に限る方が私はいいのではないか、その場合はやはり地理的な条件でありますとか、そのものに対するその施設の特色とかいうことを考えながら指定をしていかなければならぬかと思います。
○片岡文重君 こういう措置をとってなおかつ不足をするといいますか、収容しきれない身体障害者で収容を希望しておる数は一体どのくらいに見込んでおられるのか。
○政府委員(安田巌君) 今のところどの程度の入寮希望があるということは、実は調べがございませんですが、とりあえずこの予算で考えておりますのは、百五十名の収容定員を考えております。比較的重度の者が対象になるかと思います。
○片岡文重君 希望している数がどのくらいかわからないということになると、今後の対策としてどの程度に施設をふやしていくか、既存の施設をどのように拡大していくかという見通しは、おそらく立てられないだろうと思いますが、しかし、一応こういう措置をとるに至ったのは、数も収容するに足らないということと、特殊な問題として障害者の厚生援護を少しでも多くしていきたい、こういうことにあるだろうと思うのですが、そういうことになれば、たとえ的確な希望者の数がわからなくとも、一応将来の見通しとして、あるいは厚生省の希望的な見解でもけっこうですが、そういう将来の問題についてお考えがあるならば、あわせてお聞きしておきます。
○政府委員(安田巌君) 大へんごもっともな御質問でございますが、身体障害者の数が大体七十八万五千人と私どもの方の調査で出てきておるわけでありまして、このうちでいわゆる重度といいますか、一級とか二級とか三級というところの者が大体ちょっと三十万ばかりおるわけであります。で、この中でどれだけが入寮を希望するか、そういう施設に収容されることを希望するかということは、実は現在の収容力とあまりにかけ離れておりまして、詳しい調べがないのでございますけれども、私どもの考え方といたしましては、なるべくそういったような一級、二級、三級辺りのところにも今後重点を置いていかなければならぬだろう、また収容するだけでは、収容施設だけでは実は私どもやってみまして、必ずしも身体障害者の対策としては十分ではないのでございまして、あるいはそういう所を出た者が社会においてどういうふうに就職できるかということ、これは職業の問題がございますし、それから中には重度の者は、そういう所でせっかく援護をいたして厚生をいたしましても、ハンディキャップが大きいために、どうしても一人前の仕事ができない、こういう者のためにはいろいろやはり将来障害年金の必要性ということが実は行政を通じまして痛感されるわけでございます。あるいはまたこういった厚生援護施設を出た者の中からある程度の庇護授産施設と申しますか、赤字を公共団体で若干見てやりまして、ハンディキャップに相当するものを……。そうしてそこで一緒に作業をさせてやるというような施設も必要ではないかということをいろいろ考えておるのでございますけれども、現在のところは御承知のような状態でございます。
○片岡文重君 ともかく厚生省でお出しいただいた障害者の方のこれはおそらく三十年十月に実施した調査結果から推定したものだと思いますけれども、また今局長が言われますように大体これは四十万近い数に上っておるわけですが、それで今収容しておる数はどのくらいか、これには答弁ないようですけれども、いずれにせよ七十八万五千という数字のかりに半分を収容するにしても相当な施設を作らなければならない。しかるに今のような状態ではいつになってそれが達成されるのか、ほとんど見通しがつかないように考えられるのですけれども、過般この委員会で精薄児の問題もあわせてお聞きしたこともありますが、一体にこういう施設に対する予算その他の面において示しておる政府の熱意というものは少し足らぬのじゃなかろうか、こう思うのですが、幸い大臣も出席されておるのですから、この点一つ今後の見通しについて、また厚生省として今後こういう不幸なハンディ・キャップをもつ多くの人たちにどういうふうにして厚生省はめんどうをみていくか、どういうふうにして国の責任を果していこうとされるのか、大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(堀木鎌三君) お手元にさし上げてあります表につきましても、片岡委員のお話しの通り、総数で七十八万五千、われわれとしては大体八十万くらいのいわゆる身体障害者といわれるものがあるのじゃなかろうか。そのうちで、次のページをごらん願うと、収容施設としては四千百三十四人でございますか、国立、公立、私立をまぜまして収容できる数というものはまことに貧弱であります。八十万近い身体障害者の内容は、障害の種類及び程度によって相当違っておるわけでありますが、しかしこれは片岡委員のおっしゃる通りに、大へん身体障害者に対する従来の国の援護と申しますか、方針というものが現実と相当離れておる。なお努力の足らないところが非常に多いじゃないかとおっしゃることは、私はその通りだと思います。大体戦後の日本といたしまして、身体障害者に対する考え方というものは、ほんとうにどこの国でも、もっと突きつめた上に立って社会施策が行われなければならないというふうに私も考えております。一番問題になりますことは、身体障害者が職場に事実復帰できるかどうかという問題が身体障害の状況が起ったときにまず考えられなければならない問題じゃないか。これは相当現実問題としてはもとの職務に復帰することができないにいたしましても、障害の程度によりましては他の職種としては十分やっていける人がたくさんある。そういう人はもとの職場において収容するようになるべく考えるべきであろうと思います。さらに社会事業的な事業として事業をやっている面につきましては、身体障害者の雇用あるいは国がやっておりますような事業につきましは、できるだけ身体障害者の雇用問題について積極的な解決をしていただくことが望ましいことである。と同時に、今度身体障害者福祉法でもって御審議をわずらわしておりますように、国で全部のこれらの施設をやっていこうということが、敗戦後の日本の経済の事情からみると相当困難な部分が現実問題として起って参ります。しかも民間の人がこれらについて社会事業としてやっていこう、そうしてその知識経験を持っているような人、こういう人もやはり同じように協力態勢をもって、そうして一半をやっていただく。この点が私も実は民間の社会事業、ことに身体障害者の関係に当っておりましたが、率直にいえば、民間で考えておりましたことは、国の方も、もう少し国立、公立だけでやろうという考え方よりも、民間の方でそういう経験知識を持ちそうして熱情を持っている。いわゆる社会事業については国が援助してくれていいじゃないかというふうにすら、実は民間にいるときにはむしろこういうことを積極的に私からも希望いたしておりました。そういうふうな各般の事情が伴って、戦後の身体障害者の福祉の関係はできるのじゃなかろうか。そのほかに身体障害者自身の、これは御承知の通り義手義足でありますとか、その他最近の医学的な何と申しますか、考慮、こちらの方の学問も相当進歩して参っております。身体障害者に対する障害の程度によりましては、行われる外科手術によりまして、将来に対して補装具を用いれば相当の動きができるようなことが非常に研究が進んで参ってきている。そういう医学の進歩もあわせてきて、身体障害者が事後帰っていけるように、何と申しますか、社会に復帰できるような状態にして参る。また先ほど政府委員から申し上げましたように、こういう身体障害者に対する医学的の治療の期間というものが相当ありますから、その間に職業の一つの補導的なもの、社会復帰にいけるような状態に初歩の訓練をして参る。そうしてまた相当その訓練を経ました以後は、職場に復帰するなりあるいは他の職業をめんどう見ていくというふうな一貫した事柄も必要じゃなかろうか、こういうふうに考えているわけであります。これらの点につきましては、私はもっともっと全体の国民の協力を得て、そうしてこれらの諸種の問題が解決するようにいたして参るのが私どもの勤めじゃないか、こういうふうに考えている次第でございます。
○片岡文重君 御説明伺っておりますと、一通りもっともに伺われますし、特に厚生大臣は、かつて今のお言葉にありました通り、御自身こういう身体障害者等お気の毒な方々の厚生施設に関係されておられたのですから、もっと私は逆にいえば積極的に予算措置等については御努力を願いたいという気持が強いわけです。特にここで思い出されるのは、前国会から強く要望申し上げている重度の精薄児の収容施設、これは当時三十二年度に開設以後、続けて毎年作っていかれるようなお話しであったのですが、それが三十二年度に百名程度の収容施設を一つ作るということだけで、少くともこれらの収容施設に収容することが適当であろうと考えられる諸君はおそらく五万近い数だろうと私は思います。なお、これを年令を十八才未満ということでなしに広く収容するということになったならばもちろん数十万に達しましょう。これらの多数の精薄児の中でわずかに百名しか収容できない施設を全国で一カ所設ける。あとは総合的に計画を立てて考えましょうということに変更をされてしまっております。しかもその百名の施設もまだ開設する運びには至っておらないやに聞いている。一体いつになってこれが開設をされるのか。すでに今年度予算が使える期限というものは目前に迫っておると思う。こういうことでは、はなはだ誠意が私は疑われると思うのです。重精薄児のような諸君についてもこの通りでありますから、その他の身体障害者に対する措置としても、もっと熱意をもって計画をされ、今後の対策を工夫されるならば、民間における福祉法人の委託収容を考えることはもちろんけっこうですが、それ以上にこれらの施設の拡大等について積極的な援助を与えられるならば、国立もしくは公立の施設の拡大にもっと努力していただくべきではないか、こう思うのです。そこでいま今後の御計画ということで所見を伺ったのですが、お話しの筋としてはまことによくわかります。しかし具体的に、しからばどういう方針でやって行くのかということになると、遺憾ながらその具体性というものが私にはわからない。一つそういう点で何か約束をされるような具体的なものはないのかどうか。特に重度の精薄児の収容については、今後総合的に年次計画を立ててやっていくということになっておるようですから、しかもこの約束はすでに三十三年度予算が初めてこの委員会に出されたときにすでに言われておるはずですから、この計画がどの程度に進んでおられるのか、どういう指示を大臣は与えておられるのか。児童局長がお見えにならないようで、はなはだ大臣にこまかいことをお尋ねするのはどうかと思いますけれども、少くとも指示の内容についてお聞かせをいただきたい。
○国務大臣(堀木鎌三君) 細部にわたりましては政府委員なりあるいは説明員から説明をさしたいと思うのでありますが、率直に申して、まあこれは片岡さんよく御承知だと思うのでありますが、私も民間でやっておりますと、実は金ができて施設をやるのにはほんとうの適格者を得るということが非常にむずかしいのであります。私いつも民間におりまして考えましたことは、施設は適格であっても、それをほんとうに生かしてやっていってくれる人を作り上げることも非常に大切だということを痛感いたしております。今度社会事業学校の方も大学課程を作りましたのも、一つは人間を作るということが非常に大切である。この問題は比較的、ことにおあげになりました児童の、重度の精薄児の問題というものはある程度、私はすべての問題を今後作り上げていく時代であって、人間も施設も作り上げて参る時代であると同時に、最近の社会情勢で一番何と申しますか、社会の声の強いのはおっしゃる通り精薄児の施設が足りないということが非常に強く叫ばれております。そして精薄児の施設というものができますところ、非常に何と申しますか、この社会自身の福祉事業に貢献するところが多いように私自身も考えられるのでありまして、今片岡さんのおっしゃるように、これらの問題に対して従来の努力では足りないじゃないか、もっと努力をすべきであるという点は私もその通りに考えております。かたがた三十二年度で中央に一カ所モデル的なこの精薄児の施設を作りたいということで御承認を願ったのが諸般の関係でおくれておりましたが、やっとそれらがたしか今年度から来年度早々ぐらいにはでき上る予定ではなかろうか、こう考えております。 なお、共同募金等の金の分付につきましても、精薄児施設に対する御要請が地方で非常に強いということを承わっております。今回も群馬、三重等にこの施設を作るというふうにいたしました。またいろいろ精薄児について新しい問題が投げかけられてきておるのですが、これらの問題につきましても、今後御趣旨に従って進んで参りたい、こういうふうに考えておるような次第でございます。 あと足りませんところは説明員でよろしかったらお答えさせます。
○片岡文重君 精薄児の問題については、また児童局長出席の際に具体的の問題についてお尋ねいたします。この場合、その他の身体障害者の問題について、もう少しお尋ねしておきたいのですが。 全額公共団体で負担を、負担というよりも立てかえをしておいて、しかも国から補償されるものは八割であるということになるようでありますが、結局十分の二は地元で負担をしなければならない。これはなぜ全額負担をしなかったのか。こういう気の毒な人々の数というものは、これ自体から見れば大きな数ですけれども、国全体から見ればきわめて微弱であるし、それの経費等も国家予算から見ればそう驚くほどの経費にもなっていかんでありましょうし、特に今までの御説明の中にもありましたように、国がみずからの施設を作って、これに収容をしていくのではなくて、民間団体、福祉法人等に収容を委任をするような場合に、あるいはまた地方財政のきわめて困難な今日の状況下において、他のはなやかな諸経費の支出ですらなかなか思うにまかせない状況下において、こういう方面に回される経費というものは、一そう制約を受けると考えられまするから、こういう関係の経費というものは、あとう限り国の負担ということにした方がよいのではないか、十分の八まで負担をするという覚悟をされたならば、残り十分の二くらいも負担をされてはどうか、こう思うんですが、この十分の二を負担をできなかった理由というのは、単に予算上の措置だけであるのか、それ以外に何らか理由があって、この十分の二というのは負担をされなかったのかお伺いをしたい。
○政府委員(安田巌君) 大へんごもっともな御質問だと思うのでありますが、この繰替支弁につきましては、たとえば千葉県に施設がございまして、青森とか茨城とか、あるいは大阪とかいう、その住所地におった人が千葉県の施設へ入ったとしますと、それに要する事務費を千葉県が立てかえるわけでございます。そうしますと、青森県に対しては厚生省から十分の八がいきまして、青森県が二割持ちまして、あとで千葉県の方へ払うということになりますから、地元の千葉としては二割持つのでなくて、住所地の援護をしなければならぬ府県が二割を負担する、これはちょうど現在生活保護の施設、たとえば養老院でありますとか、その他の教護施設、それから児童福祉の方の施設でございますとか、先ほどの精神薄弱児などもそうでございますけれども、そういったようなものも、すべて国が八割を持って、援護いたすべき機関が二割持つ、こういうことになっておるものでございますから、そういう例に従ったわけでございます。
○片岡文重君 児童施設などに収容される場合は大体父兄なり、何なり保護者がおられる場合の方が多いと思うんですが、身体障害者の場合、もちろん子供もありましょうし、むしろ場合によっては生計の中心にならざるを得ないような者もありましょうし、いろいろ家庭の事情等もあり、経費の面でその十分の二の負担もはなはだ困難な者も多いのではないかと考えられる場合が多いと思います。従ってこの十分の二というものが、生活保護法その他によって——他の援護法によって援護され、本人の負担は全然かからぬのだ、こういうことであるならこれはまた話は別であります。そういう点はどういうことになっておりますか。
○政府委員(安田巌君) 生活保護が、ちょうど費用を国が八割持ちまして県が二割持つ、それと同じでございまして、ある困った人がおりまして、しかもそれは身体障害者で援護の必要があるという場合には、その住所地の福祉事務研がそれを措置するわけでございますが、それが千葉県なら千葉県の収容施設に委託するわけであります。そうすると八割を国が持って二割を県が持ちますから、本人はその事務費を持たなくていいわけでございます。
○片岡文重君 わかりました。それではこの施設に収容をされることを希望する場合には、そうすると出身地の承認とか、あるいは届出とか、そういうことは必要ですか。
○政府委員(安田巌君) たとえば、また千葉の例を申し上げて恐縮でございますけれども、千葉の施設に入ろうと思う場合に、千葉市に住所のある者がおりました場合には千葉の福祉事務所へ参りまして、そうしてこれはなるほどベテスタ・ホームへ入れた方が適当であると、脳性麻痺であっても、またそういうところへ入れれば何とか更生できるのじゃないかという者がありましたならば、そういう措置をとればいいわけでございます。そうしてそこへ入所させるわけであります。そうするとその千葉市というものがその二割を持っていくと、こういうことになるわけであります。そのときに本人が食費なんか払えるような人でございましたら、それは食費——払える分だけ持ってもらわなければなりませんけれども、そうでない場合にはもちろん払わなくてもいい措置がとられるわけであります。
○片岡文重君 ちょっと質問の際に言葉が足らなかったと思うのですが、都道府県がこの負担をするわけですから、同じ府県内であったなら問題は大して起らぬと思うのです。たとえば、先ほどの例に引かれたように、千葉県のベテスタ・ホームに入るときに、青森県の出身の者が入る、あるいは岩手県の出身の者が入るといった場合に、現在千葉に住んでおるといったような場合には、青森なり岩手の承認を得るのか、こういうことをお聞きしているのです。
○政府委員(安田巌君) 青森なら青森に住んでおりますとか、あるいは盛岡に住んでおります場合に、その人はそこに住所地があるわけでございますから、本来そこの住所地の福祉事務所——これは責任者といいますると、市でありましたなら市長になりますし、それから県その他の地域でありますと県知事になるわけでありますけれども、そういった人が自分で責任をもってそういった措置をしなければならぬ。たまたま自分のところにはそういった施設がないために、それを他の県に委託するわけでありますから、そこでそこの人が青森なりあるいは岩手であったら、そこの知事が二割の費用を出してそちらへ送ると、こういう措置になるわけでございます。ですから、住所地が千葉へ変っておる人でありますならば、それは千葉の福祉事務所でいたします。そういった主義をとっておるわけであります。
○片岡文重君 この政府から出された提案理由の説明に、「収容委託に要する費用につきましては、出身地の都道府県又は市町村が全額を支弁し、」と、こうなっておるが、そうすると、出身地というのは居住地のある所をさすのですか、あるいは原籍地といいますか、そういう点をさすのか。もし居住地ということの意味ならば、これは今局長の御説明の通りに私理解できると思うのですが、たとえば青森県に原籍があって、そこで住んでおって、そして千葉の施設に収容するという場合と、青森県で生れてそこに原籍があって、千葉市に住んでおって、そうして千葉県の施設に入ると、こういうこと等いろいろ考えられるわけです。出身地の意味というのはどういうことを意味するのですか。
○政府委員(安田巌君) 出身地という言葉が法律的に見ますと不適当で、これは居住地の場合でございます。
○片岡文重君 次に、民生委員が今度はこの法律改正によって協力を義務づけられることになるわけですが、今でも聞くところによると、実費弁償が完全には行われておらないのではないか。ほとんどの民生委員が自分のポケットマネーをさいてやっておるように聞いております。職務柄、名誉職にしておるということは思考できないわけではありませんけれども、もう少し出血なしに、安んじてこの職務に活躍できるような措置を、この際あわせて考うべきではないかと思うのですけれども、この点民生委員の今後の処遇について一つ大臣の所見を伺っておきたいのです。
○国務大臣(堀木鎌三君) 率直に申して、民生委員に対して国としての処遇は私はまだ至らない、こういうふうに考えております。昔のように、一つの何と申しますか、名誉職的な、恩恵的な仕事でなしに、国がほんとうに責任をもって考えていく際に、その手足となって動いてくれる本人たちの非常な、みずからの活動というものだけに御依頼をしていることは非常に足りないのじゃなかろうか。この点は私としても申しわけなく思っておるのでありますが、今回この予算は事実上民生委員の御活動に対しまして三千二百万円を初めて計上いたしましたような次第で、しかしこれでもって私は処遇が十分だとは考えておりませんが、何分にも今まで全然、どっちかというと御厚意に依頼しているような形というものを脱皮して参りたい。初めてのことでございますので、まずこの程度でがまんしていただくよりしようがないと思いましたが、今後とも財政の許す限り努力をいたしたい、こう考えておるような次第でございます。
○片岡文重君 もう一つ伺っておきたいのですが、民生委員は今の民生委員法の十条でしたか、名誉職とするということは、はっきりされておりますが、この三千二百万円の特別の予算を今年度初めて計上されたという、この御努力と御配慮はまことにけっこうでありますが、今も大臣のお話しのありましたように、これで足りるとはしないというお気持で……。 さらにお尋ねしたいのですけれども、従来の考え方でいくと、この名誉職というあり方については、民生委員等の性格からしごくよろしいという意見の方が多かったかもしれません。しかし活動される範囲と対象が、そう巨額な出費を常に必要とするわけではないでしょうけれども、常時相当の出費を伴なっておるようですから、完全に実費弁償ができたとしても、なおそれらの事務的な手続も煩瑣でありましょうし、何よりも経済的な負担はやはりどなたにとっても、そう楽しいものではないはずですから、この際この民生委員の処遇についても根本的に一つ御検討をいただいて、安んじて、特に実費支出等についての経済的な負担がかからないように、そしてまた従来持っておられるところの民生委員の、何と言いますか、自尊心を傷つけるようなことのないような方法において何らか将来この処遇について御検討をいただくべきではないかと思うのですが、これいかがですか。
○国務大臣(堀木鎌三君) どうも社会事業の本質上、実際何と申しますか、非常に一つの人道愛で、みずから進んで活動していただくという人の力を借りませんと、厚生行政はとかくうまく参りません。しかしながらそれがために、その活動のために、いわゆる費用自身まで実は御不便をかけるということは、民生委員制度そのものの活用から見ましても、遺憾に、欠くるところができて参るべきはずのものでございます。それをただ、率直に申して、昔はずいぶん余裕があってお金持で、まあ余生を社会事業にやっていくんだというふうな状態が世の中で現出しておる社会でしたらともかくとして、最近は社会事情もまるで変って参りました。そうするといかに人道的な精神の旺盛な人でも、結局活動自身ができないということでは、これは申しわけないし、またわれわれから見てもこの民生委員の活動に期待している立場から見ましても、このまま放置すべきでなかろうというふうに考えております。それで従いまして民生委員制度については、今後財政の許す限りわれわれとしては考えなければならぬ。今後も三千二百万円と申しますが、率直に申して一人当りには、あの莫大な民生委員に対して実にわずかなんです。しかも世帯更生資金を貸し付けたりいろいろするために、かえってこういう費用は出すべきであるということでやりましたような次第でございます。しかしともかく突破口ができましたので、今後この突破口を境にして私ども努力をして参りたい、こう考えているような次第でございます。
○山本經勝君 今の片岡委員の質問に関連するのですが、大臣のお話しを承わっておりますと、民生委員のいわゆる処遇といいますか、処遇というよりもいわゆる活動に対して必要な実費を弁償するという意味だと受けとりますが、ところがこの民生委員というのは、なかなか私ども地方で動いておられる、あるいは活動しておられる実情を見て参りますと、今お話しのように、大体人道的な民生委員が、初めは人道的な立場でこういう名誉職にあえて身を挺して働こうという考え方であったかもわからぬ。ところがそれが長くなるに従って、どうもいわゆる特権になり、人がものを相談にくる、頼みにくる、その相談相手になって、困った人々の話し相手になるということから、ボス化するという事例が非常に多くなったと、私ども身をもって経験しているのですが、それで本来からいうならば、さっき片岡委員の方から……もしこういうふうな制度で、これをはっきりした給与で、必要な経費は支弁させるという措置ができないか。とかく人道的、奉仕的な立場であるということそれ自体が、今度は地方公共団体の中における一つの何といいますか、ボス的存在を育成するという結果を作っていると思う。ですからそういう点を考えますというと、この民生委員を、法改正によって義務付けてやっていくということは、さらにそうしたボス化の傾向を助長することがありはしないかという心配がありますが、大臣はこの点についてどうお考えになっているか。
○国務大臣(堀木鎌三君) この民生委員制度の運用ということは、御承知の通り、長い歴史を持っております。いろいろな、何よりもむずかしい仕事に当たられるのでありまして、私どもとしては現在民生委員の方々が、よくやっていただくと思いますが、それは例外的の場合においては、こういう民生委員のボス化ということが起るおそれがないとはいえないので、それらは厳に慎しむべきものであるというふうに考えて、お互いにその点については民生委員こそ、そういう点は極力避けるべきである。またそういうことについて私どもも常に考えていき、ともに自粛して参るということに努めたいと思っております。
○山本經勝君 これは具体的に場所を上げるのはどうかと思いますが、こういう事例がある。ある村で民生委員が集まって会議を開く、そうして村議会の民生担当の議員連中も一緒になって、実はその村議会が最高の、村としての公共団体の意思決定である重要な機関であるわけですが、二重の村議会ができ上ったという話を聞いております。こういうような弊害が今あります。民生委員のおかれている奉仕的な、あるいは何と言いますか、名誉職的な仕事、それを通していろいろな経済負担を直接行動する上に本人が自弁をしていくというところに特権化するおそれが非常に多いんじゃないか。ですから、今申し上げたように、村議会は当然法の定めによって、選挙によって村民を代表する機関でありますが、それと平行して民生委員が村内に集まって会議を持って、しかもその中に村議会内の有力な、民生等を担当する議員が参加して、二重の村議会ができ上ったという、まことにかんばしくない話を聞いた事例があります。ですから、そういうような、これは今のところ起らないという保証がなかなかつかないのですが、そこら辺はしかるべく御配慮を願っておるのか。ましてこれを法律で義務づけたということになりますと、さらにこれは強力なものになりはせぬかというおそれを感じるのですが、どうでしょうか。
○国務大臣(堀木鎌三君) 民生委員の協力義務を明確にいたしましたのでありますが、率直に言えば、これは法律上明確化しなくても従来とも相当地域社会のために活動するのが民生委員の職務でございまして、民生委員としては、私は実は法律のあるなしに協力はしていただいておると思いますが、しかし民生委員の職務として、こういう協力義務を明確にいたしますことによって、身体障害者の厚生援護に一そう力の入ることだと思って書いたのであります。法律上に明文化いたしましたような次第でございます。 なお、これらが今のような議会制度というものについての民主主義の筋道を立てて参りますことについて紛淆が起りますような場合は厳に戒めたい。またそういうことのないように処置を講じたい。こう考えておりますような次第でございます。
○山本經勝君 今申し上げたような事例が、今度は民生委員がいわゆる法制化された形で義務づけられて、いろいろな活動をする。その行動費は一応先ほどお話しがあった三千何がしのいわゆる予算によってまかなわれるでしょうが、先ほど申しましたような事例が、その村の財政をゆすぶるような事態を発生したというようなことを聞いたことがあるのですが、むしろそうなりますと、地方公共団体に対する負担が、これらの行動費が不足するんだということで、まあ悪い言葉で言えば、これらの民生委員の行動に条件がついて、相当地方公共団体の負担が増大するということもまたありはしないかという考えがいたしますが、そういう点はどうなんですか。これはしいて大臣でなくても局長でもけっこうですが……。
○政府委員(安田巌君) 先ほどお話しがありました三千二百万円というのは、実は社会更生資金が府県に補助いたされまして、府県の費用をそれに足しますというと約二十億近い金になるのでございますから、そういった意味で社会更生資金を取り扱っていく上の実費弁償的なものとして出した予算でございます。そのほか民生委員に要する費用というのは大体府県が出すのが法律の建前となっております。そういうことで現在やっておるわけでございます。で、確かにこの民生委員に要する費用を十分に出せばいいのではないかと思いますし、あるいはまた今山本委員がおっしゃる通り、出すべきものは、はっきり出してやった方がいろいろな弊害がないじゃないかということはその通り考えておるのでありますが、その当初の建前があくまでこれが方面委員のときから始まりまして、四十年もたっておる制度でございますけれども、民間の篤志家の自主的な活動だということになっておるものでございますから、その辺のところが、はっきり市町村なり府県なりあるいは国から金を出して、一部の事務を嘱託したというのと若干おもむきの違った伝統を持っているわけであります。そういうふうに、大体今大臣のおっしゃったような運用をいたしておるわけであります。
○山本經勝君 局長さんに続いてお伺いしたいのですが、大体厚生大臣の認められた特殊法人というのは全国でどれくらいな団体がございますか。
○政府委員(安田巌君) 約千ございます。これは身体障害者だけでなくて、一般のものをいれまして——児童関係でありますとか、あるいは生活保護関係の施設を全部いれまして千くらいございます。
○山本經勝君 その福祉法人と、今一千くらいあるというその施設ですね。これが動員をされて、その市町村と公共団体に居住する身体障害者を収容しますね。そうしますと、現在行われている収容人員よりどれぐらい増加するお見込みなんですか。
○政府委員(安田巌君) 今申しました社会福祉法人というのは身体障害者だけでなくて、全部を含みました——児童の施設なんかも含めたものでございます。身体障害者で民間の施設と申しますというと、十四施設だけでございます。で、これに入っております収容定員は、大体四百八名でございますが、今度のこの措置によりまして百五十名ほどの予算措置がしてあるわけでございます。で、百五十名が純増になりますか、あるいは先ほど片岡委員の御質問に対しましてお答えしましたように、現在中におります者をそれに振りかえていくかということはそのときどきの状況によってきめていきたいと思っております。
○委員長(阿具根登君) ほかに質疑のある方ございませんか。——他に発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。 なお修正意見等おありの方は、討論中にお述べを願います。
○藤田藤太郎君 今度の身体障害者福祉法の一部を改正する法律案につきましては、この非常にたくさんの中で十分な手当はされていないのでございますけれども、とにかくといたしまして、民生委員の協力を得て、そうして民間にもこの気の毒な人を収容する手はずをきめる法律案だとわれわれは考えて、この法の趣旨には賛成いたしたいと思います。ただこの法案は、一方において民間の委託という格好で幅を広げていくのでありますけれども、本来何といっても公的施設が拡大されて、そこにより多く収容されるという建前、これが本来の姿であろうかと思いますので、そういう建前に立ちまして、日本社会党といたしましてはこの法案に賛成いたしたいと思います。 その賛成の上に立ちまして付帯決議を提案いたしたいと思います。 身体障害者福祉法の一部を改正する法律案に関する附帯決議 身体障害者の収容援護については、国立及び公立の施設において第一次的に行うべきもと考えられるので、民間施設への収容委託と併せて今後もその整備拡充に努力すべきである。 右決議する。 提案をいたします。
○委員長(阿具根登君) ほかに御意見ございませんか。——ほかに御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより身体障害者福祉法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案を原案の通り可決することに賛成の方は、挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿具根登君) 全会一致でございます。よって、本案は、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました、藤田君提出の付帯決議案を議題といたします。藤田君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方は、挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿具根登君) 全会一致と認めます。よって、藤田君提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成、その他の手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 山下 義信 山本 經勝 藤田藤太郎 木下 友敬 松澤 靖介 榊原 亨 草葉 隆圓 鈴木 万平 谷口弥三郎 横山 フク 中山 福藏 勝俣 稔 有馬 英二 西岡 ハル 木島 虎藏
○国務大臣(堀木鎌三君) 熱心に御論議を願いまして、ただいま法案を委員会として御採決願いましてありがとうございます。なお、付帯決議としておつけになりましたことは、むろん私どもは民間施設への収容委託の道を開きますことが、民間のこれらの事業に対する積極的な刺激となるとは考えておりまするが、それがために、本来、御決議にありますように、国立及び公立を第一義とすべきことは、本決議の趣旨に従って、今後行政を指導して参りたいと存じます。ありがとうございました。
○委員長(阿具根登君) 速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(阿具根登君) 速記を始めて。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十二分散会 —————・—————