社会労働委員会 第5号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/02/13
会議録
○理事(山下義信君) これより社会労働委員会を開会いたします。 労働情勢に関する調査の一環として、昭和三十三年度労働省関係予算に関する件を議題といたします。まず、労働大臣から、大綱について御説明を願います。
○国務大臣(石田博英君) この機会に、新年度の労働行政につきまして、私の所信を申し上げたいと存じます。 ここ数年のわが国経済の著しい発展に伴いまして、近代的雇用の増加、実質賃金の向上等、労働経済の面におきましても、相当の改善をみておりますことは御同慶にたえないところでありますが、なお、ここ当分の間、年々八十万人に及ぶ新規雇用労働力の増加が予測されますとともに、大企業と中小企業との間における賃金の格差が逐年拡大の方向に向いつつありますことは、わが国のいわゆる潜在失業問題の深刻さを物語るものでありまして、これが解決をはかることこそ、労働政策の最も重要な課題であると信ずるものであります。 これがため政府は、昨年末長期経済計画を策定し、国際収支の均衡と通貨の安定を維持しつつ、最大限の経済成長をはかることにより、新規労働力の吸収と労働状態の改善を促進し、完全雇用の達成を計画の理想といたしておる次第であります。 私は、労働政策の分野におきましても、さらに具体的な施策を押し進める必要があると考え、来年度におきまして、最低賃金制の実施、小規模事業所への失業保険の適用、職業訓練制度の拡充強化等の措置を講ずるとともに、労働経済をより的確に把握すべく、統計の整備に特に重点をおいた次第であります。 以下、これらの点につきその概要を申し上げたいと存じます。 第一に、最低賃金問題でありますが、最低賃金制の実施は、ただに労働者の労働条件の向上に資するのみならず、ひいては企業の公正競争の確保、国際信用の維持向上等、国民経済の健全な発展を促進する上にも必要なことは、今さら申し上げるまでもありません。しかして最低賃金制の実施については、わが国経済、特に中小企業の実情より時期尚早とする論が存し、事実わが国の中小企業にはこれを裏付ける実態が存することは否定できません。また一方には、全産業全国一律の最低賃金制を実施せよという議論もありますが、これは中小企業に甚大なる影響を与え、ひいては、経済に摩擦と混乱を招くもので、なおわが国の実情に合わないものと考えます。 しかしながら、これらの中小企業の実態を充分勘案し、最低賃金を業種別、職種別、地域別に決定し、漸次これを拡大していくような最低賃金制を実施することは、かかる弊害を伴うことなく、所期の目的を達することができる適切な方策であると考えるものであります。政府は、昨年五月中央賃金審議会を再開し、わが国の実情に即した最低賃金制はいかにあるべきかについて、慎重審議を願ったところでありますが、御承知の通り、昨年来の答申においては、右の方式を骨子とする最低賃金制の実施をうたっている次第であります。 政府は、目下この答申に基いて、最低賃金法案を作成中でありますが、近日中に今国会に提出いたす所存であります。 次に、失業保険の適用拡大について申し上げます。 失業保険制度を五人未満の事業所に拡大適用いたしますことは、社会保障の画期的充実であり、これらの事業所に働く労働者諸君にとって一大福音であると信ずるものであります。 ただ、これら事業主に対する適用の実施に当っては、事業所の把握がむずかしく、また、事業主の事務処理能力にも限度がありますので、一挙に全事業主について強制適用とすることなく、当面は、事業主の団体が、失業保険の事務を一括して処理する制度を設けること、保険料の納付につき簡便な制度を設けること等、事業主の事務負担を軽減する措置を講じ、漸次所期の目的に到達し得るようはかって参りたいと考え、本国会に失業保険法の一部を改正する法律案を提出いたすべく準備中であります。 次に、職業訓練制度の確立でありますが、最近の産業界においては、生産技術の発達、機械設備の近代化が進むにつれ、高度の技術及び技能を必要とする生産分野が拡大し、このため、技能労働者の確保が強く要請されております反面、労働市場の現状は、多くの失業者や不完全就業者をかかえながら技能労働者が著しく不足しており、このことが雇用及び生産の隘路となっております。さらに、中小企業における技能水準が一般に大企業に比べて著しく低いことが、生産性の低位と賃金格差をもたらす原因ともなっております。わが国における職業訓練は、従来職業補導、技能者養成等別々に行われておりますが、その内容は、必ずしも満足すべきものでないので、昨年八月労働省に臨時職業訓練制度審議会を設けて、慎重に御検討を願った結果、総合的職業訓練制度の確立、技能の国家検定制度の創設等を内容とする答申が出されました。政府は、これに基き職業訓練法案を今国会に提出するよう、その準備を進めております。 なお、以下のごとき政策を円滑に推進するためには、何よりもまず、労働実態についての基礎資料を完備することが必要でありまして、労働統計は戦後逐年整備されて参りましたが、さらに賃金基本調査を始め、賃金、雇用、その他労働経済に関する統計調査を整備拡充することとし、相当な予算を計上いたしたのであります。 以上のごとき長期的根本的対策の充実と並行して、特に明年度におきましては、経済引締めの影響、駐留軍の撤退等の原因から、相当数の失業者の発生が予想されておりますので、当面の失業対策の強化に意を用い、予算の編成に当りまして、特に雇用効果の高い道路整備を中心とした公共事業費の増額及び財政投融資関係事業の拡大をはかり、健全な雇用機会の増加に努めたほか、失業対策事業につきましても、前年度に比し予算額において二十二億八千五百万円、吸収人員において二万五千人の増加をはかった次第であります。 すなわち、特別失業対策事業三十五億円、一日平均吸収人員一万八千人、臨時就労対策事業七十四億円、二万人、一般失業対策事業百七十五億四千八百万円、二十一万二千人、計二百八十四億四千八百万円、二十五万人となっております。 なお、失業対策事業に働く日雇労働者の生活の実情にかんがみ、その住宅費の軽減をはかるため、最初の試みとして、差しあたり、東京、大阪に日雇労働者住宅の建設を計画しております。 また、失業保険給付金につきましては、三百一億五千万円を計上し、月平均三十七万三千人の離職者に対し給付をはかることといたしましたが、これは、前年度に比し、予算額において七十五億八千万円、人員において六万八千人の増加となっております。このほか第一線の職業安定機関の事務費を増額し、その活発な運営を期しております。 次に、労使関係について申し上げたいと存じます。 わが国の労働運動は、逐年健全化の道をたどってきていると考えられますが、一部には、なお未成熟な面がかなり残存し、国民の強い批判を受けて参りましたことは、きわめて遺憾に存ずるものであります。政府といたしましては、これら労働運動の欠陥を是正し、健全な労働慣行を育成するために、昨年来現行法規の順守という点に重点を置いて諸施策を講じて参ったのであります。すなわち政府としては、人事院の勧告を尊重し、仲裁裁定の完全な実施に努めるとともに、官公労の組合に対しては、違法な争議行為を行われないよう法の解釈を明らかにする等の措置を講じてきたのでありますが、最近労使双方において、政府の意図並びに国民の世論に従って、よき労働慣行を作ろうとする動きが見られるに至ったことは、まことに喜ばしいことであります。 近代的労使関係の確立のためには、労使はもとより、国民全体の労働問題に対する理解と良識をつちかうことが不可欠の前提条件と考えられますので、本年は、民間の労働教育機関として日本労働協会を設立し、労働問題に関する調査研究等を行い、広範な教育活動を実施するとともに、労使の自主的教育活動を一そう促進したいと考えております。このため、十五億円の日本労働協会基金を資金運用部に預託し、これが利子収入をもって当該事業費に充当することとし、このたび日本労働協会法案を提出いたした次第であります。 最後に、労働基準及び婦人少年関係の行政について一言申し上げたいと存じます。 労働基準法の運用に当りましては、中小企業が大企業に比し、あらゆる点におきまして格差がはなはだしい現状にかんがみまして過般の臨時労働基準法訓育会の答申にもある通り、各般の施策により、中小企業の振興を一段と推進し、中小企業のよって立つ基盤の強化をはかり、法の定める基準を順守し得る態勢の樹立をはかるとともに、監督行政の運営につきましては、これらの措置と見合いつつ、重点的段階的な監督を推進し、積極的な啓蒙指導を行う所存であります。 また、産業災害の防止については、一段の努力を重ね、けい肺その他の職業疾患に対する予防対策の充実をはかるとともに、労災保険の面におきましても、予算規模を三百十六億円にまで拡大し、なかんずく補償費関係予算を前年度に比し四十二億円増の二百三十七億円とし、保険給付の適正化を促進する措置を講じ、労災病院その他の保険施設につきましても、さらに整備拡充に努める所存であります。 婦人少年行政については、現下の未亡人問題の重要性にかんがみ、婦人の職業対策を推進するため、内職公共職業補導所の拡充強化、家事サービス公共職業補導所の整備充実をはかるとともに、三十三年度において、婦人労働者の保護と福祉を推進するために、中小企業の密集地に働く婦人の福祉施設を設置すべく、所要の予算を計上しております。また売春問題の対策につきましても、更生を望む婦人のための相談、職業補導等の機能を強化するための予算措置を講じたほか、来年度は、とくに婦人少年室の職員を約五割増員し、又事務費を増額して、その機能の充実をはかって参りたいと存じております。 以上、昭和三十三年度の所管行政について、私の所信を申し述べた次第でありますが、今後とも、各方面の御意見に充分耳を傾けつつ、政策の推進に当って参る覚悟でございます。何とぞよろしく御協力を賜わらんことをお願い申しあげる次第であります。
○理事(山下義信君) 次に、政府委員から説明を願います。
○政府委員(松永正男君) お手元に差し上げてあります横書きの資料につきまして、昭和三十三年度労働省関係予算の概要につきまして御説明を申し上げます。 まず最初に、労働省所管の一般会計につきまして御説明申し上げます。お手元に差し上げてございます資料の一ページをごらんを願いたいと思います。一般会計の三十三年度予算の総括でございまして、一番下に合計が出てございます。昭和三十三年度の一般会計の合計は、三百八十八億五千五百二十万五千円でございまして、前年度に比較いたしますと、五十三億五百四十一万八千円の増と相なっております。 これの内容は、第一から第九まで掲げてございますが、第一、失業対策に必要な経費は、三百二十一億九千二百万円でございまして、三十二年度の二百七十三億九千二百万円に比較いたしますと、四十八億円の増と相なっております。 第二は、職業訓練に必要な経費でございます。これは、五億八千三百五十八万二千円でございまして、三十二年度に比較いたしますと、七千三百四十四万八千円の増と相なっております。なお、職業訓練につきましては、このほかに特別会計の計上分といたしまして、約十二億五千万円の経費を計上してございます。これを合計いたしますと、前年度に比較いたしまして四億四千九百万円の増と相なるわけでございます。 〔理事山下義信君退席、理事勝俣稔君着席〕 それから第三は、労使関係安定促進に必要な経費でございますが、これは、二億一千四百十九万八千円、前年に比べましてやや増額をいたしております。 それから第四は、労働保護行政に必要な経費十六億九千五百五十二万円でございまして、前年度に比較いたしまして、一億三千百九十三万七千円の増と相なっております。 第五は、婦人及び年少労働者保護に必要な経費でございまして一億九百九十二万六千円、前年に比較いたしまして、一千百七十万六千円の増と相なっております。 第六は、職業安定行政に必要な経費でございまして、三十三億八千七百七十五万六千円でございます。前年に比較いたしまして二億四千六百十一万七千円の増となっております。 第七は、労働統計調査に必要な経費でございます。二億三千九百六十七万八千円、前年に比較いたしまして、二千三百二十三万九千円の増でございます。 第八は、国際協力に必要な経費でありまして、七千五百六十七万四千円、前年に比較いたしましてやや増加をいたしております。 第九は、その他一般行政に必要な経費でございまして、三億五千六百八十七万一千円、前年に比較いたしまして、一千三十六万一千円の増となっております。 なおこのほかに、二ページに掲げてございますように、大蔵省所管といたしまして、日本労働協会の設立に必要な経費十五億円を計上してございます。 それから、建設省所管といたしまして労働本省庁舎及び労働省地方官署庁舎の整備に必要な経費といたしまして、一億二千三百六十万二千円を計上してございます。 これを合計いたしますと、二ページの一番下にございますように、総額四百四億七千八百八十万七千円でございまして、前年度三百三十六億一千三百四十五万四千円に比較いたしますと、六十八億六千五百三十五万三千円の増ということに相なっております。 以下、逐次各予算の概要につきまして御説明を申し上げます。 第一は、失業対策に必要な経費でございまして、三ページ以下に掲げてございます。失業対策に必要な経費は、失業対策事業費と失業保険費の国庫負担金と、それから政府職員等失業者退職手当と、三つに相なってございます。 そのうちの失業対策事業費でございますが、これは、一般失業対策事業費と特別失業対策事業費と臨時就労対策事業費と、三本立になっております。これらを合計いたしますと、失業対策事業費として掲げてございます二百十億四千八百万円、これに建設省所管の七十四億を加えますと、二百八十四億四千八百万円ということになるわけであります。前年に比較いたしますと、大幅の増加になっておるわけでございます。この内容は、要求の概要のところに書いてございますように、三十二年度におきましては、二十二万五千人の吸収人員を見込んでおったわけでございますが、三十三年度におきましては、二十五万人を見込んでおるわけでございます。これは、特別失業対策事業、臨時就労対策事業等は前年と同数でございますが、一般失業対策事業におきまして、二万五千人の吸収人員の増加を見込んでおるわけでございます。その他備考のところに具体的な内容が書いてございますが、これは省略をさせていただきまして、次に、四ページに参りまして、失業保険費の負担金でございます。これは、百五億一千八百万円と相なっております。失業保険の受給の見込みにつきましては、四ページの要求の概要欄に書いてございますが、三十二年度におきまして初回受給者が五万六千人、これに対しまして、三十三年度におきましては六万八千人を見込んでおります。受給実人員におきまして三十二年度が三十万五千人でございますが、三十三年度におきましては三十七万三千人、大幅の増を見込んでおるわけでございます。この結果、保険金総額におきまして、四ページの下の方に書いてございますが、三百一億五千六百万円と相なっております。このうち国庫負担額が三分の一額でございますので、三分の一としまして、百億五千二百万円ということに相なるわけでございます。その他、五ページに書いてございますが、日雇保険につきましては、保険金総額十億九千五百万円、国庫負担額、三分の一額三億六千五百万円見込んでございます。移転費につきましては三百万円、国庫負担額百万円を見込んでおります。これを合計いたしまして、保険給付費の負担金が百四億千八百万円、前年度に比較いたしまして、二十三億千九一百万円の増ということに相なるわけでございます。 それから、失業保険の事業費の負担金は、五ページのまん中のところに書いてございますが、事業費総額から運用収入、雑収入等を差し引きました残りにつきまして、不足分を国庫が負担するということにいたしてございまして、一億円の負担でございます。前年度二億円に比べて減っておりますのは、運用収入、雑収入等が増加する関係でございます。 失業対策費の三番目の政府職員等失業者退職手当でございますが、これは、前年度四億三千万円に対しまして、過去の実績等に基きまして推定いたしまして、六億二千六百万円を計上してございます。 合計いたしまして、失業対策費で三百二十一億九千二百万円ということに相なるわけであります。 第二は、六ページに掲げてございますが、職業訓練に必要な経費でございます。職業訓練に必要な経費といたしましては、職業訓練所に必要な経理と企業内職業訓練に対する補助金と、その他の事務費とに分れるわけでございます。六ページに書かれてございます順序に従いまして御説明申し上げますと、まず、一般職業訓練所に関する経費でございます。これは、三億九千九百六万二千円でございます。これが一般会計分でございまして、このほかに、特別会計から一億円の支出がございます。合計いたしまして、四億九千九百六万二千円と相なるわけであります。内訳は、一般職業訓練費と夜間職業訓練費と職業訓練施設費の補助金の三つになるわけでございます。要求の概要のところに、職業訓練所の概要が掲げてございます。前年に比べまして設置個所及び補導訓練種目、訓練人員等同額でございます。夜間職業訓練につきましても、前年とほぼ同額でございます。職業訓練施設の補助金は、前年度ございませんのを、本年度におきまして特別会計から一億円、都道府県に対する補助を計上いたしたわけでございます。 特別職業訓練所につきましては、七ページに掲げてございますが、駐留軍離職者に対する職業訓練と、身体障害者に対する職業訓練と二つございます。駐留軍離職者につきましては、本年度予備費によりまして訓練費を支出いたしておるのでございますが、三十三年度におきましても、引き続き駐留軍離職者が相当多数出る見込みでございますので、これに対しまして二千九百三十一万三千円の訓練費を計上いたしてございます。訓練所は、ここの要求の概要に掲げてございますように、特に多発地帯に対しまして臨時施設十カ所を設ける、従来の一般訓練所に併設するものは七カ所を予定するということで、訓練人員四千三百八十人を見込んでございます。それから、駐留軍の離職者職業訓練費につきましては、このほかに、あとから出て参ります総合職業訓練所の経費の中に、駐留軍離職者分といたしまして、一千十八万六千円を計上してございます。従いまして、合計いたしますと、三千九百四十九万九千円ということに相なるわけでございます。それから、特別職業訓練の第二は、身体障害者職業訓練費でございますが、これは、前年とほぼ同額を見込んでございます。訓練所数、種目、訓練人員等も同数でございます。 それから、企業内職業訓練の補助につきましては、前年度九百万円に対しまして、三十三年度において三千万円を計上いたしてございます。これは、特に中小企業におきまして、企業内職業訓練を実施するものに対しまして補助をする経費でございまして、従来は、企業に対しまして直接補助をいたしておったわけでございますが、三十三年度におきましては、都道府県を通じて間接補助をするということにいたしてございます。国が四分の一を負担いたしまして、都道府県がやはり四分の一を負担する。残りの二分の一を企業体が負担をする。こういう構想になっておりまして、三千万円を計上いたしておるわけでございます。 それから、八ページに参りまして、中央職業訓練指導所の経費でございます。これは、三十三年度におきまして新たに建設をいたす施設でございますが、その施設費の一部といたしまして、五千三万七千円を計上してございます。これは、職業訓練所の中央センターといたしまして職業訓練指導員の訓練、職業訓練に関する調査研究を行うという、センター的な訓練所でございます。 それから、次の総合職業訓練所、これは、各都道府県に設置をいたす目標で、現在二十三カ所を設置をいたしておりますが、三十三年度におきましては三十三カ所の運営をいたすという予定になっております訓練所でございます。これが十一億五十七万六千円を計上いたしておりまして、前年に比較いたしまして、二億二千五百八十一万四千円の増となっております。内容は、この備考に掲げてございますように、運営費と建設費と機械器具購入費との三つになっておりまして、運営費は二億二千八百九十一万五千円、三十三カ所の運営をいたします。前年に比較いたしまして、訓練種目、訓練人員等も大幅に増加いたしております。それから建設費は、新たに三十三カ所のほかに四カ所を建設するという予定の経費が三千百九十五万円でございます。これは、建設費の一部でございます。そのほかに、既設の訓練所の整備費といたしまして五億三千六百五十三万二千円、その他の事務費を計上してございます。それから、機械器具購入費は、三十三カ所分の機械器具の整備費でございまして、二億九千二百九十五万六千円を計上いたしてございます。 それから、その他の事務事業費は、職業訓練行政につきましての人件費、事務費等でございまして二千五百三十七万四千円を計上してございます。 で、職業訓練関係は、合計におきまして五億八千三百五十八万二千円を一般会計、十二億五千六十一万三千円を特別会計から支出をいたす予定になっておりまして、合計いたしまして十八億三千四百十九万五千円ということに相なります。前年に比較いたしますと、四億四千九百二十九万九千円の増ということに相なるわけでございます。 それから次に、十ページに参りまして、第三の労使関係安定促進に必要な経費でございます。これは、第一は労使関係対策費でございますが、前年とほぼ同額を計上してございます。内容は、労働情報の蒐集費、労働教育費、中小企業労使関係対策費との三つになってございます。このうち労働教育費は、先ほども申し上げましたように、大蔵省所管に十五億円を計上いたしてありまして、日本労働協会設立の基金にいたしておるわけでございます。 それから、その次の十一ページに、その他の労政同の一般行政費が掲げてございます。三千二百四十万三千円でございまして、前年とほぼ同額でございます。それから、労働委員会の経費は、一億三千九十六万八千円でございます。これは、中央労働委員会と公共企業体等労働委員会と、二つの委員会の経費でございまして、前年に比べまして、やや増額いたしてございます。 それから次に、十二ページの労働保護行政に必要な経費でございます。これは、労働基準局系統の経費でございますが、第一は、最低賃金制度の実施に必要な経費でございまして、一千十四万円を計上してございます。この経費は、最低賃金法に基きまして、最低賃金制度を促進して参るための事務費等でございますが、内容は、ここにございますように、最低賃金審議会、専門審議会等の最低賃金法に基く各種審議会の活動費並びに業者間協定の推進費、また、これに伴います各業種の実態調査費、それから関連の家内労働の実態調査費、これらの経費でございます。合計一千十四万円になっております。 それから次に、けい肺等特別保護費でございますが、一億七千四百四万六千円を計上してございます。前年に比較いたしまして増額いたしておりますのは、給付を受けますけい肺並びに外傷性せき髄患者の増加に対応するものでございます。これは、けい肺及び外傷性せき髄患者に関する特別保護法に基きまして、労災保険特別会計に計上をいたしまして、その半額を国庫が負担するということになっておりまして、その半額相当額が一億七千四百四万六千円でございます。内容は、けい肺及び外傷性せき髄患者に対する給付費が一億七千四十万円、給付の事務費が三百万二千円でございます。なお、健康診断につきましては、けい肺法の付則によりまして、最初の健康診断は国が行うということになっておりまして、これを昭和三十年以来三カ年にわたりまして国が実施をいたしまして、それが完了いたしましたので、来年度以降におきましては、けい肺法に基きまして、各事業主がこれを行うということになりますので、この関係の経費が落ちておるわけでございます。けい肺等給付費の内訳につきましては、ここに書いてございますような内訳でございます。 その他の労働保護行政費が十四億七千八十一万三千円と相なっておりまして、前年度に比較いたしまして、やや増加しております。 なお、産業安全研究所、労働衛生研究所等の経費も、それぞれ千九百十一万二千円、二千百四十万九千円を掲げてございまして、前年度より増額をいたしておるわけでございます。 合計におきまして、労働基準局関係の経費といたしまして、十六億九千五百五十二万円でございまして、前年に比べまして約一億三千万円の増ということに相なるわけでございます。 それから次は、第五は、婦人及び年少労働者保護に必要な経費でございます。これは、婦人労働者の福祉施設といたしまして新規に二百八十万円、わずかでございますが計上いたしておりますが、これは、特に婦人労働者の密集地帯に対しまして、婦人労働者のための福祉施設を建設する経費でございまして、三分の一補助でございます。三十三年度におきましてまず一カ所建設をして、運営してみるということで、一カ所分を計上してございます。 それから、第二の婦人の職業対策費は、一千八百五十三万二千円を計上してございますが、これは、内職公共職業補導所の施設費、これが前年に比べまして大幅に増額をいたしてございます。三十二年度におきましては、この施設は八カ所の予定になっておりますが、三十三年度におきましては、新たに七カ所を増設いたしまして十五カ所の相談施設を持ちたいという予定でございます。これは、特に未亡人等の状況にかんがみましてその内職相談の施設費を大幅に増額いたしたいという考えでございます。これも三分の一額の補助でございます。 家事サービスの公共職業補導所は、前年とほぼ同額、同数の施設の経営費でございます。 その次に、売春問題対策費は、前年に比べまして大幅に増額をいたしてございまして千七百二十七万五千円を計上してございます。主として増額の内容は、地方の婦人少年室を強化いたしますために、婦人少年室の職員の増員を行いましたことと、その活動費を従来に比べて大幅に増額をいたしましたことでございます。この関係の経費が、内訳の一番下に書いてございまして一千百三万九千円ということに相なります。そのほかに、その上にカッコ書きで、職業訓練施設費二百四十万円というのがございますが、これは、一般職業訓練の経費の中に、特に婦人関係の経費といたしまして二百四十万円が含んで計上されておるものでございます。合計いたしますと、千九百六十七万五千円ということに相なるわけでございます。その他婦人少年室の経費といたしまして七千百三十一万九千円を計上してございます。これは、その他の人件費、事務費等でございます。ここで前年に比べましてやや減っておりますのは、青少年ホームを三十二年度におきまして新たに建設をいたしまして、これが一千万円でございますが、この運営がまだ手がついておりませんので、今年度は、青少年ホームはその運営を充実するということで、新設費を計上してございませんので、その減でございまして、その他の経費が増額いたしておりまして、七千百三十一万九千円ということに相なっておるわけでございます。 それから第六の、職業安定行政に必要な経費でございますが、これは、本省並びに都道府県及び職業安定所に関する経費でございます。一の職業紹介業務費は、職業安定所に関する経費でございまして、三十億二千六百八十四万七千円、前年二十七億九千六百二十万三千円に比較いたしまして、二億三千六十四万四千円の増でございます。来年の雇用、企業情勢に対処をいたしまして、職業紹介の業務費を大幅に増額をしてございます。 その他の職業安定行政費は、これは、本省及び都道府県の経費でございまして、三億六千九十万九千円でございます。前年に比較いたしまして、相当の増額になっております。 合計三十三億八千七百七十五万六千円ということに相なってございます。 それから次は、第七の労働統計調査に必要な経費でございます。このうち、一の賃金基本調査費でございますが、これは二千三百四十五万五千円、前年に比較して大幅に増額をいたしてございます。これは、特に賃金問題につきましては、ここに掲げてございますように、職種職能及び年令、学歴、経験年数等と賃金との関係を地域別、産業別、規模別に明らかにするという構想のもとに、基本的な調査をいたしたいということで、二千三百四十五万五千円の経理を計上してございます。 三の毎月勤労統計調査費でございますが、三千七十三万四千円でありまして、これは、従来ともやっております三十人以上の常雇規模の事業所に関する調査が甲調査でございまして、前年度とほぼ同額を計上してございます。そのほかに乙調査といたしまして、常雇規模五人から二十九人の調査費を計上してございます。これは、三十二年度におきまして、新しく実施をいたしました分でございまして三十三年度以降において、これを経常的に毎月調査をいたすということで、一千四百五十万九千円を計上してございます。このほかに特別調査といたしまして、五人未満の事業所につきましても、年一回調査をいたすという予定で、これは特別会計に計上してございますが、四百四万七千円を計上してございます。 その他の労働統計調査費といたしまして、一億八千五百四十八万九千円を計上してございます。内容は、ここにございますように、海外労働事情、職業別雇用事情、労働時間、給与構成等等の毎年行いますところの統計調査の経費でございます。 合計いたしますと、統計調査関係におきまして、二億三千九百六十七万八千円ということに相なっておりまして、前年に比べて二千三百万円余の増になっております。 それから次は、国際協力に必要な経費でございます。これは、ILO関係の分担金並びに会議の参加費、その他の事務処理費でございまして、合計におきまして七千五百六十七万四千円ということに相なっております。 それから九は、その他一般行政に必要な経費でございまして、これは、その他の人件費、事務費等、大臣官房所掌の経費でございます三億五千五百七十八万七千円、それから労働保険審査会の経費百八万四千円ということに相なっております。 それから、次の第十は、日本労働協会の設立に必要な経費でございまして、これは、先ほど申し上げましたように、大蔵省所管に計上してございます。 第十一は、庁舎の整備に必要な経費でございます。これは、説明を省略させていただきます。 以上が、労働省所管の一般会計の三十三年度予算の概要でございます。 次に、特別会計につきまして御説明を申し上げます。 特別会計は、労働者災害補償保険特別会計と失業保険特別会計と、二つございます。一ページに掲げてございますように、労災保険特別会計におきましては、歳入歳出とも、三百十六億四千四百六十九万六千円でございまして、前年度に比して五十三億八千五百九十九万七千円の増と相なっております。失業保険特別会計におきましては、歳入歳出とも四百九十五億九千二百六十一万四千円でございます。前年度に比較いたしまして、九十九億九千百四十一万七千円の増と相なっております。なお、この内容につきましては、事務的な経費は省略をさせていただきまして、六ページの保険施設費のところをごらん願いたいと思います。これは、労災保険施設費でございますが、労災病院並びに傷痍者訓練所、看護婦養成所等の経費でございます。労働福祉事業団をして設置経営せしめていく予定でございますので、この交付金といたしまして、一億七千七百二十二万八千円を計上してございます。これは、労災病院がだんだん完成して参りますので、独立採算病院がふえて参りまして、交付金の支給対象病院が、三十三年度においては八病院を予定しているという結果でございます。それから、その他の労災保険の福祉施設費といたしまして、外科後処置等診療委託費、義肢等支給費、災害防止対策費、職業病防止対策費、巡回診療費等を掲げてございます。この合計が三億六千二百四万六千円でございます。それから次に、労働福祉事業団出資金十三億二千百八十三万二千円でございますが、これは、労災病院等の施設の建設費及び機械器具等の購入費でございまして、内訳は七ページに掲げてございます。これは、労災病院は、三十三年度におきましては、建設費を十六病院を予定してございまして、十一億九千四百四十六万五千円を計上してございます。機械器具につきましては、一億二千七百三十六万七千円を予定いたしております。なお、労災病院の完成度合いは、その内訳にございますように、完成病院が十カ所、その他が十六カ所になっております。その他予備費等を計上してございまして、歳出合計が、ここにありますように、三百十六億四千四百六十九万六千円と相なっているわけであります。 〔理事勝俣稔君退席、理事 木島虎藏君着席〕 それから失業保険におきましても、十ページをごらん願いますと、保険施設費が掲げてございます。保険施設費といたしまして三億四千九百七十万九千円を計上してございます。このうちの総合職業訓練所、簡易総合福利施設、駐留軍労務者の臨時住宅等は、労働福祉事業団をして経営せしめるわけでございますので、これに対する交付金といたしまして、二億四千五百十七万七千円でございます。その内訳は、要求の概要に掲げてございますように、総合職業訓練所の管理費が二億二千八百九十一万五千円、簡易総合福利施設経営費が百八十九万円、駐留軍労務者の臨時住宅運営費が二百三十万二千円ということに相なっております。それから、その次の十一ページに、労働福祉事業団出資金、上から三行目のところに書いてございますが、十億五千二十九万一千円と相なっております。これは、総合職業訓練所の建設費、機械器具購入費、それから中央職業訓練指導所の建設費、簡易宿泊施設の建設費、簡易総合福利施設の建設費、日雇労働者被保険者住宅の建設費、この五種類になっております。総合職業訓練所の建設費が前年とほぼ同額――やや増加いたしまして五億七千八百七十万五千円でございます。この内容は、新設の訓練所の新営、既設訓練所の整備拡充等でございます。次に、中央職業訓練指導所は、先ほど申し上げましたように、三十三年度建設費の一部、五千三万七千円を計上してございます。簡易宿泊施設は、前年と同数の設置個所でございまして、建設費も四千九百六万二千円を計上してございます。それから簡易総合福利施設は、日雇労働者のための託児所、食堂等の経営をいたす福利施設でございますが、これは、前年六カ所建設いたしましたが、さらに、三十三年度において三カ所を建設いたす経費で、二千四百五十三万一千円を計上してございます。 日雇労働者の被保険者住宅は、三十三年度におきまして二カ所の予定をいたしておりまして、五千五百万円を計上してございます。 以上で、きわめて簡単でございましたが、労働省所管の一般会計並びに特別会計の三十三年度予算の概要につきまして御説明申し上げました。
○理事(木島虎藏君) 御質疑のある方は、順次質疑を願います。
○山下義信君 専門的な同僚議員の御質疑の前に、二つばかり実は伺いたいと思っておるのですが、一つは、石田さんに教えていただきたい。一つは御相談申し上げたい。きのうも衆議院の予算委員会の方で御検討があったようでありますが、私、傍聴の機会を持ちませんでしたので、新聞で見ましたので、よくわかりませんけれども、いずれにいたしましても、本年の問題として、国の大きな重点の一つとしては、失業の問題があります。この際、三十三年度における失業情勢の見通しについて、働省はどういうふうに見ておられるかということを、数字的に明確に一つお示しを願いたいと思う、経企庁もいろいろ作文しておいでになると思うのでありますが、もとより御相談なり彼此御連絡であろうと思いますが、しかし、何といたしましても、労働省の数字、資料をわれわれは信じたいと思う。また、そうでなくてはならぬ。この際、三十三年度の失業者の状況をどういうふうに労働省は見ておられるかということを承わりたいと思う。たとえば、これも経済企画庁の資料を持っておるわけじゃないのでありますから、正確を欠くかもわかりませんが、完全失業者の数にしましても、経済企画庁は、まあ二十万ぐらいだろうと見ておられるのじゃないかと思う。労働省は、どういう今数字をお示しになるか知りませんけれども、おそらく三十万ぐらい出るのじゃないかというふうなあるいはお見込みかもわからぬ。これから承わるのでありますが、その労働省の失業情勢の中の完全失業者の見通しとしても、その見通しはやや過大に失するのじゃないか。これは、あるいは労働省の予算獲得のためというような僻見を抱いている向きもなきにしもあらず。私どもは、どういうお見通しを労働省が持っておられるか、知りませんけれども。三十三年度は、失業情勢は容易ならぬ情勢であろう。あるいは未曽有の失業洪水というか、惨たんたる失業情勢が出てくるのじゃないかと心配しておる側のものでありますが、労働省のお見通しはどういうふうであるかということを承わり、かつ、当然関連いたしますることは、雇用政策でありますが、これは、労働省というよりも、内閣全体の御政策で、これとも御関連は当然あるわけでありますから、昨日わが党の予算委員会における多賀谷君の質問も、この点お尋ねしたようでありますが、雇用政策の面から、十分完全雇用のできないものがどういうふうに出てくるかという点も、労働省のお見込みをあわせてこれもお示し願いたい。ひっくるめまして、いろいろ失業対策について伺う前の前提としては、まず三十三年度の雇用情勢、失業情勢というものを、労働省はいかなる数字的な基礎資料の上に立って、具体的なこの予算に表われておるような諸施策をおとりになるかという、その基本的な前提についての御報告を願いたい、かように考えます。
○国務大臣(石田博英君) 大体の数字を私が申し上げまして、なお、詳細あるいは積算基準等につきましては、事務当局から御説明を申し上げたいと思います。 最初に、私どもが八月、九月ごろに、何と申しますか、世間へ出した数字に比べて現在われわれが言っておる数字はだいぶ減っているじゃないか、こういう御議論、これは方々で承わりました。それは、予算獲得の手段としてやったのじゃないかというようなこともございましたが、実は、八月、九月ごろは、かなり私どもも心配をいたしておりました。数字的に大きなものを考えておりました。その後の情勢は、漸次それほど大きく見なくてもいいのじゃないか、つまりわれわれの見通しについて修正を加えて参りました。それは、予算獲得の手段かどうかということは 号問題といたしまして そういうことでございます。来年度新規就業人口には大体百二十万、そのうち百十万人ぐらいが就業するのじゃないか。うち雇用の方にいくものが六十五万、それからそれ以外の各種の仕事に就業するものが四十五万、その差十万が完全失業者の中に入るのじゃない-か、こういう考え方でありますが、そのほかに、いわゆる失業対策事業あるいは公共事業あるいは財政投融資の増額に伴う仕事というようなもので吸収するものが十万、これは、就業人口の中に加えてございますから、やはり明年度の労働人口の伸びと、就業数の差というものは二十万、そのうち十万を先ほど申しましたようなことで救済する、従っていわゆる完全失業者は、三十二年度におきまして五十五万と推定いたしておりますから、それに十万加わって六十五万、こういうふうな数字を見込んでおるわけでございます。それに対しましてのいろいろな施策の積算基準その他につきましては、事務当局から御説明申し上げます。
○山下義信君 この新規就労人口から出てきます、また雇用吸収から差し引きされましての完全失業者数の割り出し方は、今御説明がありましたのですが、既存の事業場から整理、馘首その他によりまして失業いたしまするものの関係は、今の計算の中に入っておるのですか。
○国務大臣(石田博英君) それは、大体七月、八月ごろは、完全失業者の数が四十七、八万じゃないか。その後に出て参りましたもので、各種の就業の機会を持ち得ないものを加えたのが五十五万、そこへ十万プラスする。こういう考え方でございます。なお、補足説明をいたさせます。
○政府委員(百田正弘君) ただいま、大臣から御説明がございましたように、本年度の当初におきまする金融引き締め等によりまして七月ごろから非常に完全失業者の数がふえてきた。従って、その当時の状況からいって私ども非常に心配いたしまして、相当な数になるんじゃないかというふうに一考えておったのでございます。五月、六月の候が完全失業者が四十六万、その後四十八万、四十九万、十月には五十万というふうにふえて参ったわけでございます。その後の情勢を見ますと、そのころで停頓いたしまして、十月、十一月ごろが大体四十万というふうな数字に落ちて参りました。従いまして、われわれが当初に見込んでおりましたよりも、この本年度に入りまして、四月から十二月までが、大体平均完全失業者の数は四十八万程度で推移しておるというような状況でございます。従いまして、今後おそらく一、二、三月、季節的なものを含めて考えてみましても、年度当初に考えておりました六十万の年間平均の失業者が出るであろう。実績においておそらく約五十四、五万程度にとどまるんじゃないかというふうに、今年度については考えるのです。来年度につきましては、経済成長率におきまして、実質三%程度にとどめるということでございまするから、これから就業者数を推算いたしますと、同時に、諸般の対策を講ずることによりまして、先ほどのお話のように、本年度より十万増の六十五万程度になるんじゃないか。こういう見通しでございます。
○山下義信君 この六十五万の見通しですね。言いかえますと、三十二年度の平均数、それからいろいろな諸要素を考えられまして、三十二年度の完全失業者の予想が六十五万と。つまりこの十万増加と見込む内訳といいますか、見込み方はどういうふうに見込んでおられますか。
○政府委員(百田正弘君) 三十三年度におきましては、本年度よりも経済成長の伸びも少いというようなことで、特別な対策をいろいろ講ずる必要があるのでございます。そのために、あるいは失業対策事業とか、あるいは公共事業、その他財政投融資による吸収といったようなもの並びに職業紹介所の拡充、活発化というようなことによりまして、できるだけ努力をいたしまして、なおかつ本年度よりも十万ふえる。こういうことでございます。
○山下義信君 それでは、三十三年度におけるいわゆる各産業別事業分野におけるこの労働者の解雇的な――解雇といいますか、そういう失業者数の見通しはどういうふうに持っておられるか。そういうものがおありにならなければ、三十三年度の完全失業者の見通しの数の増減というものは立たぬと思うのですが、そういうものがやはり若干は――見通しですから、どれだけの首切り、整理、失業者が出るかということを、済んだことの集計はできるが、これからの見通しを、一々こまかな数字は、的確な数字をお持ちというわけにはいかぬけれども、その諸情勢をにらんでおられねば、完全失業者の増減を、ただ単に大づかみに、四十五万から五十五万にいくと、十万ふやしたと言ってみても、何ですよ。具体的には、そういうことの資料、見通しはどういうふうに持っておられますか。
○国務大臣(石田博英君) 私からお答え申し上げます。 大体、産業別にこまかく積算いたしたわけではないのでありますが、当初、たとえば駐留軍の撤退に伴いまする失業者数というもの、これは、特需等も含めまして、まあ四万人前後と見込んでおりました。それから、そのほかについても、産業別からは見たわけではございませんが、その他の基準から見たものを見込でおりましたのですが、駐留軍関係、特に特需関係におきましては、最近非常に情勢が変って参りまして、また、新規の雇用が始まっている情勢も一部に見られて参りました。それから、一般の他の産業についての整理は、大体一巡をこの三十二年度中にするのじゃないか。それから、三十三年の後半、下半期においては、景気が好転するという見通しでございます。その方面からの積算の基準については、今、職業安定局長から申しあげますが、大ざっぱな見通しとしては、そういうふうに考えておるわけでございます。
○山下義信君 あるいは関係経済省、あるいは経済企画庁あたりといろいろ御検討になるのだろうと思いますが、労働省自体が各産業別にいろいろ尋ね合せなさるのか、私、その辺知らないのです。知らないのですが、若干の資料は、どこからかお持ちにならなければならぬ。たとえば、今大臣の言われた、昨年の秋の予算編成前後ごろにあなた方が……。
○国務大臣(石田博英君) いやあります。
○山下義信君 あああるのですか。
○国務大臣(石田博英君) 私は見た覚えがあるのですが。
○山下義信君 それを手直しといいますか、私どもの持っております資料は、これはプライベートのですから何ですが、たとえば、昨年のあなた方の御検討になりましたときには、鉄鋼業界からは四千人ないし八千人失業者が出るだろうと、整理されるだろうと、造船は八千人から二万幾らとか四千とか、機械から二万幾ら出るだろうとか、繊維から三万人くらい見ていく。建設方面から七万五千、駐留軍から幾ら、石炭合理化で幾ら、製塩関係で八千六百人、繊維のいわゆる操短による整理が約どのくらい行われるというものを持っておったじゃありませんか。
○国務大臣(石田博英君) いや、今説明させます。
○山下義信君 ですから、そういうことがこの失業者の出てくる見通しのもとにと、こういうことを一つ……。
○国務大臣(石田博英君) 今説明いたさせます。
○山下義信君 して下さいませんか。
○政府委員(百田正弘君) 昨年の八月当時に、われわれが、今後の見通しにつきまして、業界その他につきましての調査をいたしました。それから、今後の経済情勢の推移等を勘案いたしまして、一体どのくらいの最小限度の幅において失業者が出るかというものを一応試算したわけでございますが、その後におきまして、最近われわれが同じような方法によりましてやった結果、一番大きく変って参りましたのは、前の計画におきまして、約七万五千程度を建設業に見込んでおったのでありますが、これは、来年度の状況等について見ますると、三十二年度よりも三十三年度はやや中小の面においては多少発生するかもしれませんが、全体としては、むしろ問題が少いのじゃないかというような見通しでごいます。
○理事(木島虎藏君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(木島虎藏君) 速記を始めて。
○政府委員(百田正弘君) わかっている限りについて申し上げます。 大体、化学繊維関係が七千人程度の離職が判明いたしております。これは、大体夏ごろまで続くのではないかというふうに考えられます。それから紡績関係におきして、綿紡ではございませんが、羊毛関係で七千人程度の離職は予想される。これも、景気好転までの間のおそらく一時離職という格好になるだろうというふうに考えられます。その他織布関係等につきましては、二万四、五千といったようなものが予定されておるわけでございます。 繊維関係におきましては、大体以上のような状況でございます。これは、現在大体一月ごろから発生しておりますが、これは、年度途中まで続くのではないか、こういうように考えられます。 それからその他に、非鉄金属鉱業関係におきまして、約三千名程度の離職が予想されます。これは、土地の人が多いために、いわゆる失業者としてうんと出てくるかどうかということは別として、三千人程度の離職が予想されております。 それからその他、個々につきましては、現在数字的にはっきりつかまえておるものは少いのでございますが、全体として、大体数字的な見込みのあるものが七万四、五千はあるわけです。全体の中で、われわれの方で大体つかまえた数字でございます。各業種それぞれにつきましては、現在のところはっきりした数字は、傾向だけはつかまえておりますが、わかっおりますものは繊維関係だけでございます。
○山下義信君 ちょっとわからないのですが、これは一つ午後にでも、同僚、諸君から承わることにして、結局、完全失業者が六十五万出ておるという基礎は、いわゆる雇用面の夫就職者と、それから企業から出る離職者、従来の完全雇用者、私は完全雇用だけ聞いておる。失業情勢、不完全な失業者とか、そういうものを聞いていない。実は、そういう諸情勢も総体的に承わりたいのです。潜在失業者の情勢がどういうように変っていくだろうかということを予想されなければならない。潜在失業者の対策は、ここに直接には出ていない。あなたの方ではやっていなければならぬけれども、全体の失業者というものの中には、言うまでもなく、その中に完全失業者もあるし、不完全もあるし、そういうものを把握していかなければ、内職関係の施策もできない。今は完全雇用の六十五万と見通す基礎の数字は、これは一つ、こういうふうに見通して、三十三年度を三十二年度の実績からこういうふうに見ておるということも、何か具体的な数字から積み上げたものがあればおっしゃろうし、そうでなしに、ただ抽象的に、大体の見通しならそれでもいいのです、政治ですから。けれども、数、字でやるときには、数字がないと工合が悪い。
○理事(木島虎藏君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(木島虎藏君) 速記をつけて。
○国務大臣(石田博英君) 大体先ほど職安局長が説明申し上げましたことを、取りまとめて御説明を申し上げておきたいと思いますが、各産業別についての失業発生の見通し、それは、昨年の八月に、三十二年及び三十三年片わたって発生するであろうというものを予想いたしまして、これは、予算請求の一つの基礎として予想いたしたのであります。これは、鉄鋼において四千人から八千人ぐらいではないか。造船におきまして八千から二万四千人の間じゃないか。これは、主として小規模の出船業。それから、機械において二万人前後じゃなかろうか。それから、繊維において三万から三万六千ぐらい上るじゃないだろうか。それから、建設業において約七万五千人ぐらい出るだろう。こういうふうに大体見込んだしけでございますが、そのほかに、先ほどお話し申し上げました、駐留軍関係がございます。しかしその後、先ほども職業安定局長の説明にもございましたように、建設業につきましては、非常に新規の公共事業の増加あるいは財政投融資の増加が、八月に考えておりました予算規模と違って参りました。従って、これがこんなにたくさん出ない、あるいは逆に、幾らか吸収してもらえるのじゃないかというような、これは全部見通しでございますが、そういう空気になって参りました。それから繊維は、大体一巡と言うと言い過ぎでありますが、三十三年前半期ぐらいは続くと思いますが、これも、これほどの数じゃないのじゃないかというようなことであります。大体三十三年度において、相当部分が一巡をするというような見通しの上に立ちまして、そうして限界雇用係数という、私にはむずかしくてわかりませんが、計算方式で、そうして三十三年度の雇用状態と いうようなものをそちらの方面から計算をいたして、先ほど御説明を申しましたような数字を出したものでございます。 従って、こういう出てきた人たちは、結局は完全失業者として失業保険の給付対象になる人と、それから、いわゆる不完全就業状態の中へ吸収されていくものというような形になるわけだろうと思うのでありますが、不完全就業の推計というものは、御承知のように、非常にむずかしい問題でございますから、これは、われわれの古い資料で申しあげても、それは今日オーソリティーがないと思いますので、差し控えたいと思います。大体そういうことであります。
○山下義信君 大体のことは、大臣の御説明でよくわかりますが、私要求しておきますが、数字のことでございますから、お見通しなんですから、見方はお互い違っていいのですから、一応完全失業者の三十三年度における見通しの御計算になりました基礎的なものをできるだけ一つ、これはお見通しなんですから、それから先はそんなにやかましく言いませんから、一応見通しですから、一応資料として、ただいまの御説明でわかりましたが、御要求しておきます。 なお一分間だけ、私のだけ済ましておきますから。大臣に御相談したいと思いますのは、実は、一体労働省は、将来労働省という役所の性格をどういうふうに持っていこうとしているかということですね。労働高等政治局というようなものの性格ばかりでもいけますまい。非常に労働者の福祉関係にも今回は力を注いでいただいておりますが、私ここで、日本の政治の上で、まあどういう内閣になりましても、また、将来石田内閣になりましても、考えなけりゃならぬことは、日本の社会保障制度というものに、労働省がちょっとわき役のような形になっているのは、一考せにやあならぬと私は思う。実は、今持っているのは失業保険だけですね、実際は。労災は性格がまあ別に……。含めてもよろしゅうありますが、考えてみると、労働者の年金問題も、所管省がどこかしこということは別にして、労働者の年金問題、これは、あなたのところと関係ないのです。二千三百億を超過しようとする厚生年金の積立金、それを何に使うかということも、一部を還元融資していることもあなたの方には関係ない。また労働者の健康保険もあなたの方には関係がない。考えてみると、いろいろに、社会保障制度の実際の対象は国民年金である。国民保険だと言ってみても、八〇%、九〇%は労働者です。これは、労働省という役所をこさえますときも、これらの社会保障制度のことについては、労働省で持っていこうか、置いておくか、なかなか御議論のあった当時のことは、大臣御承知になっていると思うのでありまするが、私は、労働行政労働関係の、対労働組合の、そういったような、それも非常に政治的に重大であるが、何といっても、労働者の経済諸条件を中心とする、言いかえますと、労働者の社会保障的な面についての非常な考え方をしていかなければならないので、この社会保障全般については労働省か厚生省、あれは厚生省の担当だというふうにまあ考えてもいまいけれども、私は、むしろ労働省というものは、社会保障省のような性格を持って、将来労働者の基本的人権、労働者の生活の保障をやる上においても、一面には完全雇用、一面には最低賃金という、この二つの基盤を、レールを敷いて、その上に乗っかるものは労働者の社会保障の拡充であり、完成でいかなければならぬ。私は、労働省の将来のあり方としては、いつまでも労働組合を相手取ってのはなばなしいような一戦を交える式のものばかりでなくして、真剣に一つ、労働者を中核とする社会保障制度を労働省はどれだけ考えていくか、持っていくかということですね。一面から言いますと、厚生省は、公衆衛生とか、あるいは低所得者層に対しまする福祉の仕事とか、いろいろなこういうことで実は一ぱいなんですね。それでこれは、労働省の将来のあり方としては、一つ十分御検討下さって、それで私は、石田労働大臣が一つ真剣に、将来の労働省のあり方としても御検討を願いたいと思うのです。これは御相談でありますが、御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) どうも私が、いわゆる労政の面ばかりに興味を持ち、高等労働政治局のような働きに重点を置いているような御印象を与えているとすれば一すればじゃない、与えている。私の意思ではありませんが、与えている事実を私も残念に思います。むしろ労働者諸君に対する保護及び生活条件の助長ということに主眼を置き、そしてまあ、言葉は適切であるかどうかは知りませんが、サービス官庁たるの実をあげたい。こう念願いたしているのでありまして、今次予算の重点的要求につきましても、その点を十分留意いたしまして、努力をいたしたつもりでございまするし、あるいは今国会に対する法律案の提出にいたしましても、そういう点からのみいたすように限局をいたしたわけでございます。ただ、私どもの役所の対象といたしておりまする雇用労働者とその雇用労働者以外に対する社会保障。雇用労働者分に対する社会保障は労働省で握るべきじゃないか。事実私どもも、そういうことを感ずることがしばしばございます。そうして現在においては、でき得る限り関係省との緊密な連絡をとっておるのでありますが、しかし、御指摘のように、われわれの立場から申しますと、不満も不便もございます。これは、なんとか行政全体を考えつつ、解決して参りたいと思っておる次第であります。まあ一例を申し上げますと日雇労働者に対する保険の問題にいたしましても、あるいは日雇労働者に限りませんが、恵まれない人々に対する住宅建設の問題にいたしましても、なかなか、私の方で直接扱わないと、むずかしい問題が非常にあるわけであります。まあしかし、きわめてわずかでございますが、住宅の面では、特に日雇労働者に対する住宅建設は、私の方で完全にやる端緒を開いております。大体、漸進的ではありますが、そういうふうにして、社会保障省と申しますか、労働者諸君に対するサービス官庁の実をあげるように、これからも一そう努力をいたしたい所存でございますので、御指導と御協力をお願いいたします。
○理事(木島虎藏君) これにて暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ――――・―――― 午後一時四十四分開会
○理事(山下義信君) 社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、質疑を行います。御質疑を願います。
○藤田藤太郎君 午前中に、労働大臣臣から予算の説明がありましたので、この説明の中には、いろいろ、最賃とか労働協会とか、いろいろ含んでいますけれども、これは法案がありますから、別に譲りまして一般的な予算案をめぐる問題について、少しお伺いをしたいのでございます。 まず、第一に聞きたいことは、午前中に山下委員からの質問があって、現状把握についていろいろお話がありまして、私は、予算要求と決定予算という関係について、よう追及したくはございませんけれども、しかし、予算要求をされたときにも、私は、大臣に、あの当時の見方の現状について意見を述べたと思う。大臣はいろいろと、午前中の話を聞いていると、いかにも好転したような話がありました。私はどうも、あとでお伺いしたいと思うが、なかなかそうは理解ができないわけです。そこで、予算要求を出されたときに、三十万人の失対、要するに失業対策の中で、今にしまして六十五万人の失業者ですから、三十万人というのも、それが、やったところで、まだまだ全体の面から見て、そうやり過ぎたということはない。私は、それでも足らぬと思っているくらいです。今度の確定予算との関係において食い違いが非常に出ているのです。これは、どういう工合におやりになるのですか。
○国務大臣(石田博英君) 失業対策についてですね。
○藤田藤太郎君 ええ、そうです。
○国務大臣(石田博英君) 失業対策費の二十五万という数字は、ちょうど昭和二十八年、九年に、今のような引き締め政策を実施いたしましたときの数字がやはり二十五万でありまして、その数字に基いて、二十五万ということを最低線として要求をいたしました。これはまあ推定でありますから、二十五万で十分間に合うかどうかということになりますと、確言はいたしかねますが、不足をいたしました場合は、当然予備費等をもって支出いたすことに相なるわけであります。そういう余地は十分残しておるわけであります。それで、最初三十万と要求しておいてどうしたと、こう言われますと、これはまあ……。ちょっと速記をとめて下さい。
○理事(山下義信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(山下義信君) 速記を起して。
○藤田藤太郎君 この前の予算要求には二十八万、二万は調整のゆとりがあって、五十万という要求があったと思う。今度は二十五万、二十五万ということで、そのゆとりの問題は、今大臣は言われたけれども、この予算書には出てない。それが一つです。 それから、もう一つの問題は、労働保護対策を中心に経済計画を立てるとおっしゃったんだが、次の委員会では、どうも一、二年困るというような発言を大臣がせられた。そこで、今度の予算案をめぐって雇用問題、完全雇用ですか、こういう問題について、衆議院の予算委員会の問答を聞いておると、完全雇用という問題は捨ててない、しかしことしはくずしていくのだ、こういうものの言い方をされる。非常に私は、言葉というものは重宝にやれるものだと、どうも痛み入っておるわけなんですが、そこで、今のような格好ですと、全体の数理と、それから見通しとの関係を見ると、なかなかむずかしい問題ですけれども、しかし、今いう完全雇用ですね。完全雇用という考え方は、ここの労働大臣の午前中のあいさつにも、完全雇用ということを非常に強く言っておられる。それでは、予算書から見ると、ことしはくずしたということを政府として総括質問で答弁された。この食い違いはどうなるのか。完全雇用というものは、どういう工合にお考えになるのか、この点を一つお聞かせ願いたい。
○国務大臣(石田博英君) 完全雇用という問題を考えます場合は、日本の産業構造、雇用構造という面から見ますると、結局不完全失業者と申しますか、不完全就業者と申しますか、この状態を解決する。完全失業者の就業者に対する割合は、いわゆる西欧の完全雇用が行われておる国と比べてみても、それだけではそう大した問題ではございませんが、結局不完全な就業の状況にある人たちの問題を解決することが重点である、私どもはそう理解しております。従って、それは、具体的にはやはり最低賃金制の実施、あるいは労働条件の向上、技能の附与その他による就業状態の安定ということをやって参りたい。同時に、私どもの直接の所管ではございませんが、中小企業対策等の推進ももちろん必要になる、こういうふうに考えておるわけであります。 それから、本年度は、完全雇用、そういう形の完全雇用を目指して努力するということを捨てないで、そうして本年度の経済計画では、成長率を三%程度に見て、これでは結局雇用増大という問題は大きく伸びない。これはどうかという御質問でありますが、私はなるほど直接的には矛盾があるように思われまするけれども、実体的には、結局今日の国際収支の状態を改善するということが、長い目で見たら、雇用増大の基礎を作ることになる、こう考えておるわけでございます。
○藤田藤太郎君 そこで、あとで言われた問題はあとに譲りまして、完全雇用をするには、やはり今の九千万の国民の中の労働力をどう配置するかという問題と関係なしに私は考えられない問題じゃないかと思うのです。この前の労働大臣との質疑のときに、たとえば農業労働力、要するに四千五百万の産業労働力の中の雇用労働力、農業労働力、それから一般の自党業者、特に最近の例といたしまして農業労働力が雇用労働力に転換していく。この問題は、もう顕著に現われているわけです。だから、この関係に立って、労働力の配置という問題を考えなければ、完全雇用という問題が出てこないのじゃないかと、私はそう考える。だから、そこらあたりをお考えになっている点があったら、一つお聞かせ願いたい。
○国務大臣(石田博英君) ただいま御指摘のようなことも含めて、日本の低賃金状態の改善、不安定な雇用の条件の改善ということは、私は、日本の完全雇用の道であると、こう考えておるわけであります。
○藤田藤太郎君 そうしますと、午前中の山下委員の質問のときに出て参りました新規百二十万ですね。その中の就業として百十万、新規というのは、学卒だと思うのですが……。
○国務大臣(石田博英君) そうです。
○藤田藤太郎君 そうすると、そのうち雇用が六十五万、その他それ以外の就業というのは、どこで推定されるか知らないが、四十五万、それで、完全失業というのは十万程度だと、こういう工合におっしゃったと思うのです。そうすると、一般からくる失業の八月の把握の問題、非常にむずかしい、えらいことを言われたが――限界雇用係数ですか、何かそういう数理でやっていくとこう減っていくのだと言われたのですが、この限界雇用係数というのは、私たちはわかりません。
○国務大臣(石田博英君) それはあとで説明をいたします。
○藤田藤太郎君 それはあとで説明をしていただきたいと思うのですが、ところが、この新規の百二十万の雇用計画のことと、六十五万と、われわれがわからぬ四十五万と、それから、今行われておる要するにオートメーションその他による経済収縮、それらから来る失業、これは、非常に最近では少く見られているようですけれども、新聞の面に現われてくるだけでも相当な数が出ておる。そういう全体の面からして、労働省自身も、今年の失業というものに対して大きな問題があるという工合にほかのところで言っておられる。そうなると、完全失業が十万になるというようなことがどうも私はわからぬのです。これだけということで日通しを立てられてもわからぬ。 もう一つは、経済の成長率が三%くらいだと、こうおっしゃった。ところが、労働省の見ておられる雇用指数……。いうものは千四%だと見ておられる。しかし、これもどうもわからないんですね。そこらの点を一つもう一度。
○国務大臣(石田博英君) 今の推定の基礎については、あとで事務当局から答弁をいたさせますが、きのうも問題になったのでございますが、雇用の増大率が成長率を上回っているという点でございましたが、これは私は、いかなる時代におきましても、こういう長期の雇用というものを目指した一定の定期的な雇用というものは、常にベースとしてあると思います。たとえば養成工でありますとか、あるいはそれに類するものがあり、そういうものが常にベースとしてある。その上に、景気変動によっての雇用の増減があるのでありますから、そう、景気の悪いときでも、そのベースをくずすわけにはいきませんから、私は、雇用の伸びというものが、その場合におきましては、成長率を上面ることがあるものと、かように考えるわけであります。従って、経済企画庁で出しました数字に対して、私どもはこれに不審をもたないわけであります。 それからもう一つ、四十五万の雇用外の就業者というのはどこへ行くんだと、こういう御質問でございますが、これは農業、自家営業に入る。そういう自家営巣、自分の家で働くもの、また自分でやられるもの、そういうものを含んでおるわけでございます。 残余は職業安定局長から……。
○政府委員(百田正弘君) 先ほど御質問になりました失業対策事業の二十五万の点につきまして、御説明を申し上げます。当初の要求の際におきまして、二十二日稼働三十万人ということで要求いたしたわけでございます。その当時における見通しといたしまして、大体失業対策事業の吸収人員のワクを算定いたしますには、安定所に出て参ります日雇労働者の登録の数を基礎といたしているわけでございます。本年の七月ごろになりまして、それまで四十六万台であった日雇労働者が四十七万台になると、この計算で行きますと、おそらく五十万台を突破するのじゃなかろうかというようなことで、大体三十三年度におきましては、この前の予算の基礎になっております数字といたしましては、大体五十六万人程度の登録者が出るだろうという見通しのもとに計算いたしたわけでございまして、これを二十二日稼働させるというようなことでやったわけでございます。その結果、その後の状況を見ますと、大体その程度の数で日雇労働者の数が横ばいになりまして、年間大体四十七万程度の見通しになりましたので、これを基礎といたしまして、大体二十八、九年のデフレ期におきますところの実績を根拠といたしまして、約一割増の登録者があろう。従って、大体五十二万人程度ということで積算をいたしたわけでございます。今回の場合には、こうして大幅にふやします関係上、やむを得ず就労日数の増加を見送らざるを得なかったのであります。その関係上、二十一日計算といたしまして、それから登録者の数におきまして五十六万を五十二万に下げたというようなことで、大体二十五万という数字が出て参ったわけでございます。
○説明員(三治重信君) この限界就業係数の問題でございますが、これは、労働力調査で、従来農林、非農林の区別で、就業者労働力調査を出しているわけです。農林関係は、これは自営業が主で、大体農林生産並びに新規学卒なんかの就業関係と、いわゆる農林就業の関係は、大体前年度や過去の経験から見て、一つの慣例で、農林就業は大体十万減る。これは大体、特別の計算の基礎がある数字ではございません。非農林の方で百二十万ふえるという計算は、過去の産業活動指数、これは、昭和九年――十一年が基準になっておりまして、その産業活動指数に対して、非農林の就業者とどういう関係にあるかという線を出している。これが非常に、過去の戦後の二十五年以降になりますと、大体戦前の産業活動指数が、二十六年で戦前の百をこしたわけなんですが、それ以後の年々の産業活動の動きと就業者の動きが割合に関係がよく出ているわけです。そのときに出たこの答えは、産業活動指数が非常に伸びたときには、その産業活動指数一ポイント当りに対して雇用者の数が非常に少い。たとえば、二十八年のように、非常に輸入が多くて、非常に経済が大きな活動になった場合には、産業活動指数一ポイント当り約二万二、三千人の増加になる。ところが二十七年ころみたいに、非常にデフレ政策をやった場合当には、産業活動指数一ポイント当り十一万から十五万の増加になる。これはどういう関係かと申しますと、結局毎年新規に供給される労働力というものが百万、百二十万から百四十万の新規労働力が出てくる。それは、産業活動の非常によくなった場合には、それに対する負担が少い。産業活動が弱くなった場合には、やはりそれでも就業者がふえていかないと、結局国民が生活できないために入ってくる。この関係は、すなわち産業活動指数の一ポイント当りに対する景気、不景気によっての就業数の比率をとって、それで、来年度が大体一一・二%の伸びである。それの過去の一番適当なときが二十七年度である。二十七年のときには、一ポイント当り大体十二万程度ということで、来年の数が、百二十万就業者が伸びるであろう、こういうふうな計算で出した。前年に対する就業者の増加と産業活動指数の増加の比率をとって、過去との関係で来年度の見通しを立てて、百二十万の数字が出た、こういうふうになる。雇用者の六十五万の増加も、これは製造業につきまして、大体これは鉱工業生産指数でございますが、鉱工業生産指数の伸びに対する雇用労働者、賃金労働者の関係を同じように出して、製造業で大体どれだけふえる。そういうふうなものを出してあとそれが、製造業がふえた場合には、ほかの非農林業の就業者との割合で、六十五万くらいの増加になるという数字で出しているわけです。この点で非常に、われわれの方として見通しをつける場合には、過去の何か一定の就業と産業活動あるいは鉱工業生産指数というものとの比較で見通しをつけるのが一番科学的じゃないかという関係で出しておるのであります。従って経済五カ年計画のように、年率六・五%という関係というやつは、われわれの方としては、来年度の見通しだものですから、そういう過去の対前年度の増加に対する割合ということから雇用関係の数字を出しているものですから、長期計画のやっとは必ずしも合わないという結果になっておりますが、やはり年度計画の見通しは、その方が正しいのじゃないかというのが、正しいといいますか、説明とか見通しを皆さん方に参考にしていただくのは、その方が非常にわかりやすいのじゃないかというので、数字を出しているのでございます。
○藤田藤太郎君 今の限界雇用係数の問題は、一つ資料をいただいて、研究をさしていただきたい。それでないと、議論にならないと思います。ただ私は、二十九年度で三十九万、三十年度四十五万、三十一年度はどれだけになっているか知らぬが、農業労働力が工業労働力に転換しております。こういう政府の統計が出ております。だから、昨年度はやはり幾らかということを聞きたい。こういう転換というものがあって、今度のを見ると、私の聞き間違いかもしらぬが、農業労働力が工業労働力に十万転換するという見通しを立っておられる。そうすると、そこ下押えられるのは、昨年は四、五十五だろうと思うのだが、そういうものが十万人に押えられるということになりますと、結局潜在失業者ということにならざるを得ないと思う。だから、雇用の見通しの議論は、私は、今説明されたようなことではなかなか納得できない。これは一つあとで伺います。潜在失業者というものは、今度の予算措置から見ても、表面づらだけは合したけれども、顕在失業として出てくるやつは、計算で十万人です。農業から工業に転換するもの十万人と押え、完全失業者は十万人ふえると言われるが、二、三年の推移というものは、そんなものでないと思う。そこで、潜在失業者について、午前中大臣は答弁されたかったのですが、どういう工合に見ておられるか、これを一つ聞かせていただきたい。
○国務大臣(石田博英君) これは古い統計でございますが、これは、こういう見方もありますし、別の見方もあると思いますが、所得標準で、これは年額二万五千円以下の業主、家族、従業者五百十四万人、この五百十四万人の内訳ですが、農林業が四百二十一万人、非農林業が九十三万人、それから、所得が十九才以下月額三千円、二十才以上、月額四千円以下の雇用者が百六十七万人、所得が標準以上であるが、就業時間が六十時間をこして、かつ転職または追加就業を希望する雇用者十五万人、そこで六百九十六万人という数字が出るわけであります。このほかに、本人の希望その他で転職を希望しているものが、現在仕事についているけれども、転職を希望しているものが、三十一年三月では百十一万人、それから、三十一年の七月の調べによりますと九十三万。これは、調査の仕方が非常に違っておりますが、これはあとで申し上げますが、三十二年三月は九十一万人となっております。三十一年三月と三十二年三月は、労働力臨時調査というのでやっております。それから、三十一年七月は、就業構造基本調査というものでやっております。これからあとで述べる数字は、この方法によるものであります。追加就業希望者というものは、平生仕事をやっておりますけれども、それ以外に仕事がほしい、そして求職活動をしているものであります。それが、三十一年三月五十六万人、三十一年七月四十二万人、三十二年三月六十一万人、就業希望者は、平生においてもあまり仕事というほどのことはしていないけれども、何か家事に従事したりしておってそれが求職活動をやっておる。それが三十一年三月が三百十三万、それから、三十一年七月が二百七十八万、三十二年三月が二百六十五万、こういうことになっておるわけでございます。だから、そのどこをどうとるかということは、数字としては非常にむずかしい問題でございますが、まあこういう状態、今ちょっと数字を間違えました。それは、最後のやつですね、最後のやつが百四十六万、百四十三万、百十三万、こうなります。一番最後に私が申し上げましたのは、横の全部の計です。ですから、それがこの数字で、こういう調査で参りますと、三百万前後というところが、いわゆる不完全就業者と申しましょうか、それから、先ほどのような調査で参りますと、六百九十何万ということになる、そういうことに相なるわけであります。
○藤田藤太郎君 この年間所得二万五千円ですか、ちょっと合わぬのじゃないですか。年間所得、これは世帯収入ですか。
○国務大臣(石田博英君) 二万五千円以下のもの、世帯じゃなくて個人です。
○藤田藤太郎君 そうですか。それと、それから十九万三千円、それから二十万四千円以下、こういうことですね。
○国務大臣(石田博英君) いや、それは別々です。つまり第一は、年間所得二万五千円以下のものが五百十四万、それを内訳しますと、農林業が四百二十一万で、非農林業が九十三万、その次に、所得の標準が月額三千円以下となりますから、二万五千円よりちょっと上になりますね。それから、二十才以上四千円、これが百六十七万、それから第三番目は、賃金の方はこれ以上取っているけれども、労働時間が長過ぎるというもので転職を希望したり……。
○藤田藤太郎君 十九才以下はなんぼになりますか。
○国務大臣(石田博英君) 十九才以下月額三千円、これはまあ標準、それを標準に調べてみて……。
○藤田藤太郎君 わかりました。問題は、今これとの関連において、この調べられた年度というものを私はお聞きしたいのですけれども。
○国務大臣(石田博英君) 年度は、ただいま詳しく申し上げました年度が二十七年です。それから、そういうような調査でやりましても、二十八年はどうなっているかというと、六百九十万が六百七十万、それから、二十九年が五百七十六万と、そういうことになっております、こういう調査でいたしまして。
○藤田藤太郎君 そこで、労働省と厚生省との関係になるのですが、今年のボーダーライン層といわれるのは、昨年は九百七十二万人で、今年は千百十三万人という数字が出ておりますね。その数字との関係で、年額二万五千円以下が五百十四万、これを積み重ねて月額四千円以下ですね。これを合せて六百九十万、最近のやつは知りませんけれども、そうすると、厚生省の出した白書で、千百十二万ですか、という数字が出ているのです。これの数字は、もっと下のような感じがするわけですが、二万五千円ですから、そうすると労働省でお考えになっているこの潜在失業者の基準というものはこういうところに置いて潜在失業者の概念、これ、から以下が潜在失業者、こういう工合にお考えになっているのですか。
○国務大臣(石田博英君) 一応こういうことを基準に調査しているわけで、それから、厚生省がこれに数字を出しているのは、これは、いわゆる就業可能人口以外のものもそれに加わってくるのではないか、そう思いますが、私どもの方では、結局就業者の中で、こういう基準で調査したものはこれだけの数にのぼる、それから逆に、本人の意思、現状に対する考え方というもので調査したものが、先ほど申しました別個の統計になっておるわけでございます。
○藤田藤太郎君 今の潜在失業者の基準を大体これぐらいの収入以下の人だという工合にお考えになっていると判断していいわけですね。
○国務大臣(石田博英君) それからもう一つ、今の千なんぼという数字は、家族全部含んでおります。
○藤田藤太郎君 厚生省のやつはそうです。
○国務大臣(石田博英君) ですから、私どもの方は、働くことのできる年令に達した者というわけでありますから……。
○藤田藤太郎君 しかし、この潜在失業者というのは、働く能力があって、個人の場合があるけれども、またはその生活の主体者である場合が多い。
○国務大臣(石田博英君) それもありますし、そうでない場合もあります。
○藤田藤太郎君 ありますけれども、そこで、潜在失業者というものは、非常に悲惨な状態に置かれておる。私たちが見ても、一人前の生活ができないのですが、最低の生活を保障し、そして福祉国家への道、社会保障への道、労働者の保護ということを盛んに言っておられるけれども、潜在失業者に対してどういう意図があるかどうか知りませんけれども、年間二万五千円くらいのところ以上の者は潜在失業者ではないと……。
○国務大臣(石田博英君) 二通りの分け方で計算しておるわけです。それが潜在失業者、それ以上のものはそうでないという見方ではございません。それでなくて一体どの程度のものを基準に置くべきかということは、私ども、いろいろな議論がございましょうけれども、今こういうふうな形で調査いたしますると、こういう結果が出るというのであってこれ以上のものは潜在失業者でないと考えているということではございません。 それから、先ほど申しましたように、今度は逆に、本人が現在の状態においてどう考えているかという点から調査するのと、やっぱり失業者といいましょうか、そういうものの調査の一つの方法といたしまして調べましたのが、先ほど申し上げましたような数字であります。だから、どれくらいのものが潜在失業者であるかという見方というものもなかなか、いろいろ基準によって違うと思いますが、現状はこうでございますということを申し上げたわけでございます。
○藤田藤太郎君 今、潜在失業者の一応の調査をされた。これは全体ではないけれども、その中で、五百十四万の中で四百十四万までは農林業……。
○国務大臣(石田博英君) 四百二十一万、これは二十七年でございますから、今日はだいぶ違っております。
○藤田藤太郎君 これの農業労働者が雇用労働者に転換していこうと、生活を守るために転換していこうという意欲がここにあるのですから、先ほど私が申し上げましたように、潜在失業者の非常に苦しい中に、農業労働力というものがずっと密集しておる。それを十万に押えてというところで、一面では顕在化さないけれども、非常に困難な生活に置かれている農業労働者の潜在化したものというか、家族的な中に吸収式されている悲惨な状態があるというものだけは、労働省は見ておられるのですか。
○国務大臣(石田博英君) それは十分わかっております。
○藤田藤太郎君 それから次の問題は、そういう格好で一応新規の労働者だけに大別されるわけですけれども、新しい失業者ですね。失業者が機械化のために出る場合もありましょうし、それから、購買力との関係から出る場合もありましょうけれども、かちかちに見られた、先ほどおっしゃった数字だけでも三十万近くになる……。
○国務大臣(石田博英君) そんなにならない。十四万くらいになりはせぬか。
○藤田藤太郎君 二十万くらい……。
○国務大臣(石田博英君) そうではない。そうはならない。それは、もう一ペん念のために申しあげましょうか。 それでは、現在の、ごく最近の、私どもの方で見ておるものをちょっと申し上げます。それは、非鉄鉱業で九千人くらい、それから鉄鋼で五千人くらい、それから造船と機械とを合せまして二万人くらい、繊維で三万四、五千人くらい、紙パルプで一手工百人くらい、肥料で千人、大体七万五、六千、それから駐留軍関係が四万くらいじゃないか、それから石炭鉱業が一万一千人くらいではないか、それから製塩業が千八百人くらいじゃないか、こういう工合に大体見ておる。
○藤田藤太郎君 この総計は何ぼになりますか。
○国務大臣(石田博英君) このトータルはさっき申しました七万五千の……十二、三万でございますね。これは推定ですから、大体幅をもって考えますから……。
○藤田藤太郎君 そこでこれは推定で、今いろいろむずかしい数字から出されてきた要素が一つあって、それからこういうものが一つあるわけです。それから農業労働者の今の問題が一つある。だから最終的に百二十万の新規に対して完全失業者が十万だけ出たという見方は、どうもどういう工合に言っても非常に困難ではないでしょうか。
○国務大臣(石田博英君) それは二十万くらいは見ておるわけです。二十万は出るだろう、ふえるだろう。十万の部分は対策で処理しよう、こういうことであります。 それからもう一つは、今申し上げましたものは、つまりずっと年度にわたって出てくる推定でありますから、現在八月ごろ四十七、八万であったやつが、すでに三十二年度の完全失業者のネットを五十五万に見ておるわけです。そこで七万人くらいはすでに見ておるわけです。それと合せて先ほど申し上げたような数字になるわけです。
○藤田藤太郎君 それは、数字の計算様式をもらったらもう一度研究してこの問題を討議いたしましょう。
○国務大臣(石田博英君) ただいままで私ないし政府委員が説明いたしましたものを資料にまとめましてお配りいたします。
○藤田藤太郎君 そこで次の問題なんですが、今の三%を三・四%増加するという格好の説明がもう少し足らなかったのですが。
○国務大臣(石田博英君) 大ざっぱに私が申し上げましたことは、大体ネットの雇用というものは景気の変動ではなくて一時的な景気の変動とは関係なく、長期の雇用を目標とする。ベースとして一定量がある。その上のものが景気の変動によって動くのだから、悪く減ったときでも経済成長率よりも上回る場合があるということを申し上げたのですが、なお詳しい説明を申し上げます。
○説明員(三治重信君) その三・四%は、就業者に対する百二十万の割合がそういうふうになって三・四%、逆算したわけではなくて、百十万の就業者の増加、現在の雇用に対して三十三年度に対して三十三年度はそういうふうになる、こういう大体割っただけの数字でございます。数字の積算は先ほど申しあげたように、限界雇用係数から出して百十万の就業者の増、農林で十万減って非農林で百二十万ふえる。その結果就業者の伸びがそういうふうになるという伸び率は割ったやつ、三十二年度に対する三十三年度の比率だけでございます。
○藤田藤太郎君 そうすると、経済成長率は三%であるけれども、雇用指数が三・四%になるというのは別々ですね、出発点が、その積算の基礎というものが……、三%経済の成長率がある、それに三・四%の雇用率か出るという、その理屈がつながっていないわけですね。
○説明員(三治重信君) その就業者の百二十万増加するというやつが、結局先ほど申し上げましたように、産業活動指数とか、その産業活動指数は鉱工業生産が四・五%伸びる、こういう率の来年度のそういう率から、その産業活動指数が結果として出てくるわけです。鉱工業生産の四・五%伸びるというのは、どういう工合にして出てくるかというと、国内的の消費、それから輸出貿易を三十一億五千万ドルまで伸ばすという、そういう輸出貿易と輸出する商品の価格、それから国内の消費価格、そういうものを計算して、そういうものがどういうふうな産業活動になるかというので、一番初めは鉱工業生産の四・五%伸びると、産業活動の指数は自動的にずっと伸ばしていって百十万伸びるというふうな、鉱工業生産、産業活動、その元は輸出貿易、国内的の消費というものから積み上げていったものから出てくる、その産業活動、鉱工業生産というものから雇用者を引き出しているわけですから、それがわからなければ雇用者の百十万増加というものは出てこないわけですから、非常にこの関係は相互に、就業者が非農林で百二十万ふえるというやつは、そういうふうに相互関連して出しておりますから、決して別々の計算ではないわけであります。
○藤田藤太郎君 なおさらわからぬようになってきたのだが、今日の投資関係から見ても、産業活動から見ても、機械化ですね、機械化、オートメーション化の中においては、むしろ産業投資の比率というものは、たとえば百万円投資に対して一人の就労ができるというのですから、化学産業なんかになったら五百万とか一千万投資しなければ一人の就労の機会が作れないというように推移しているのが今日の情勢ではないのですか、政府の長期計画を見ても、経済の成長率の中における雇用指数というのは、相当比率を減らされて出しておるという工合に私は認識しておるのですけれども、ことしは成長率が三%で雇用率が三・四%、もう一つ伺いますが、それじゃ百二十万というものを対象にしたから問題があるので三・四%になるのだけれども、六十五万という雇用者を対象にしたら、その半分か何ぼかになる、だから三・四%が雇用指数というのは、現実的に一・何パーセント、二%ぐらいになるという工合にこれを見ていいのですか。
○国務大臣(石田博英君) それはそういうことになります。
○藤田藤太郎君 それだけじゃ理屈か……。
○国務大臣(石田博英君) それから、先ほど申し上げましたように、それを従業員の年令断層やなんかを作らないために、景気変動に関係ないある一定度のものは雇用しますが、従ってある場合においては成長率よりも伸びることがあり得るのだということを申し上げた、それから雇用者だけが就業ということでないので、やはりそう他の就業も含まれるのじゃないかと、私はこう思います。
○理事(山下義信君) ちょっと私から関連して三治部長に伺いたいのですが、就業者の率と、それから経済の成長率と、率と率との合せての問題、これはそうでないという答弁ですが、雇用者の数の増加は、大体六十万前後の新雇用者が増加するためには、経済の成長率はおよそ七%ぐらいが必要だということが、いわゆる経済学者あたりの言っているような話のように承わっておりますが、いはゆる雇用者と経済の成長率の伸びの率との関係は、どういうふうな関係になりましょうか、関連して伺っておきます。
○説明員(三治重信君) 先ほど申し上げましたのは、全体の非農林の就業者と経済の伸びとの関係でございますが、雇用者につきましては、おもな製造業を中心にしてやっておりまして、その製造業の就業者を出して、それに対して今度は雇用者の割合の方は生産の指数、これも昭和九――十一年の生産指数でございますが、それの対前年度の伸びと、雇用者の対前年度の伸びを、過去二十五年からの線をずっと引いてみまして、その対前年度の伸びの関係で、限界雇用係数を出して、それが生産活動指数の一ポイントあたりの伸びで、来年度の雇用者数がどれだけ出るかというので出しておるわけでございまして、雇用者全体としてはなかなかこの産業活動指数みたいに、ほかの各商業、ほかの産業までこまかくちょっと今までの統計資料からでは出ないので、製造業関係の雇用者でそういうものを出しております。
○藤田藤太郎君 だから問題は、四十五万人というものを雇用指数に入れられるところに問題が出てくるのじゃないですか。四十五万人というのは、その他以外の就業や家族とか何とか、農業とか何とかに就業するとさっきからおっしゃっているのですけれども、これは私らから見たら潜在失業的就業でしょう、どうですか。
○国務大臣(石田博英君) いわゆる事業主の家族というか、中小企業なんかのそういうものも相当の数に上りますから――今中小企業の数は三百万と言われるわけですから、そういうような数も相当に上ります。それを潜在失業者だとも言い切れないのじゃないかと私は思うのですが……。
○藤田藤太郎君 だから、潜在失業的要素を持った就業じゃないですか。
○国務大臣(石田博英君) そう言えるでしょうか。雇用主の家族であれば出ないでしょう。
○藤田藤太郎君 出ないものを四十五万推定して雇用指数という格好で、三・四%ということにおいて……、就業というのは自分の仕事へつくということでしょうから、そういうものをここへ入れて三・四%という数字を出されたところに、そこに無理があるのじゃないですか。
○国務大臣(石田博英君) いけないとすれば、求職人口の百二十万から四十五万引いたものになります。
○藤田藤太郎君 だから、それを雇用指数として三・四%として、これも含めてそれは発表され、産業活動と対比する、そこに無理があるのじゃないか。
○国務大臣(石田博英君) 産業活動には、やっぱり自家営業に入れば、産業活動に結局従事することになるわけですから、遊んでおるわけじゃなくて。よそへ就職の先を求めないというのであって、自分の家の仕事に従事するという者は、日本のような産業構造の場合には相当いるわけでございますから……。
○藤田藤太郎君 いや、どうもそこいらあたりが非常にむずかしいところで、一般的に出てくるのは経済の成長率が三%だと、雇用指数が三・四%だというような格好に出てくると、その四十五万というのが非常に問題になってくる。
○国務大臣(石田博英君) ですからその四十五万の中にもいわゆる低賃金と申しますか、そういう家族労働ですね、ですからこれは換算すれば非常に低賃金であり、できれば他に雇用の機会を求めたいという人もそれは相当おりましょう。おりましょうけれども、全部が不完全就業者だとは言い切れないじゃないか。
○藤田藤太郎君 この四十五万というのは的確な把握数字がありますか。
○国務大臣(石田博英君) 三十三年度の見通しですから、これからの……。われわれの立てている推定の数字であります。
○理事(山下義信君) 藤田委員に申し上げますが、それに関連しての資料は労働省で出すと大臣言われましたからまた資料を見ていただきまして……。
○藤田藤太郎君 それで私は、私らの判断の立場からいくと、非常にうまくずっと帳面づらを並べられておるが、そんなものではない。そこで二十五万の失業対策では私はやはり非常に問題がある。もっともっとふやして、政策として一番大きく、たとえば貧乏をなくするとか、失業対策をやるといっておられるところで、これは議論があるといたしましても理解できない問題を含んでいる。それから農業労働力の関係があるのにどういう工合に……、失業対策が二十五万じゃ少いじゃないかということが一つ出てくると思います。 それから私はこの際もうちょっと聞いておきたいのです。それは国際労働憲章との関係ですね。この前も少しお聞きしたのですけれども、いずれ本式の討議は別にするといたしまして、この労働者保護、要するに批准関係、現在ある問題の中でも、たとえば具体的に例をあげると、有給休暇の問題とか、労働時間の問題、生活に関係ある国民年金の問題とか、医療制度の問題とかたくさんあるわけです。年金や医療の問題は厚生行政だと、そう言われるならそれでいいですけれども、有給休暇や労働時間の問題について国際憲章との関係についてどういう工合に見ておられるか。
○国務大臣(石田博英君) 有給休暇の問題は、ちょっと私今すぐお答えする材料を持っておりませんが、労働時間の問題は日本の基準法と立て方が違っておりまして、従って日本の基準法の方がより進んだ面もあり、それからそうでない面もある。立て方が違っているというところがまだ直ちにそのまま批准できない理由でございます。 有給休暇の問題は基準局長が……。
○政府委員(堀秀夫君) 有給休暇につきましては、ILO条約第五十二号年次有給休暇に関する条項があるわけでございますが、これについては現在のところ批准いたしておらないわけでございます。その理由といたしましては、やはりその立て方、考え方がだいぶ違っている。特に一番問題になりますのは国際労働条約では分割休暇は原則として認めておりません。しかしながら、わが国の場合においては実際その休暇の利用につきましては、これは労働者側の希望が多いわけでございますが、分割休暇をむしろほしいと、こういうことでございます。基準法でも分割休暇は認めておるわけでございまして、そのような立て方の相違がございまするので、現在のところ批准は困難であると考えております。
○藤田藤太郎君 少し基準局長何ですが、一九五四年に、条約ではありませんけれども、政府の代表も行かれて有給休暇に関する勧告というものが出ておることはどうなんですか。御承知なんですか。それは十二労働日、要するに有給休暇は二週間の有給休暇にしようということで、他の例から見ても他の国が実施している面から見れば、一段とは言いませんけれども、二段目ぐらいのところから線を引いて、十二労働日、要するに二週間の有給休暇を実施しようという勧告をきめておるわけです。そこのところの有給休暇の一つの面を見ても、今の基準局長がおっしゃったのは少し食い違うのじゃないですか、日本は六労働日だから。
○政府委員(堀秀夫君) ただいまのこともう少し詳しく申し上げますと、ILO条約におきまして、一年間継続勤務した者に対しては、六労働日ということになっております。それから十六才未満の者については十二労働日、こういうことになっておるわけでございます。わが国の場合には六労働日というのが一般的に規定されておるわけでございます。それからもう一つは、ILOの条約におきましては、この分割支給というものは、このきめられた休暇を分割して支給することはできない、こういうことになっておるわけでございます。わが国の場合においては分割して支給してもよろしい。具体的に申しますと、たとえば一日、一日とあるいは二日刻みというふうに労働者の請求に応じまして与えて差しつかえないということになっております。その一つの点がわが国の基準法と、このILO条約との相違する点でございます。
○藤田藤太郎君 それは五十二条の条約の問題ですね。
○政府委員(堀秀夫君) ええ。
○藤田藤太郎君 私の言うのは、一九五四年に勧告として十二労働日、二週間の有給休暇をきめようと国際条約できまっておるのですよ。あれは条約じゃないけれども、勧告という形式をとっておるけれども、実質上きまっておる。それとは食い違いやしませんかと、こう言っておる。
○政府委員(堀秀夫君) たとえば年次有給休暇につきましては、条約と勧告と二つあるわけでございます。そこで勧告につきましては、ただいま申し上げました条約の原則のほかに、さらにその国の実情に応じていろいろ与えることの望ましい方式をさらにつけ加えておるわけでございまして、lLO条約よりもさらに少し高い面を勧告しているわけでございます。で、私の申し上げますのは、ですから勧告につきましても今私の申し上げましたILO条約と同じことを規定し、それからさらにそれにつけ加えましていろいろこまかいことがございます。これは御承知のことと思いますので、もうここには申し述べませんが、さらにいろいろこまかいことを規定しておるわけでございます。その両方に対しましてわが国の基準法の立て方は今申し上げましたように原則が違っておる、こういうことを申し上げたのでございます。
○藤田藤太郎君 まあ議論になりますから、私はその会議に出席したのですから、議論になりますからあとでまたいたしますけれども、労働時間の問題ですね。これは一つの例ですけれども、労働時間の問題というのは大体工業国においては、四十時間制がしかれておるので、いつも労働大臣は努力をすると言っておられるわけですけれども、今年はこの問題は積極的に努力をしようという考えはないですか。労働時間短縮の問題……。
○国務大臣(石田博英君) やはり全体としてこの雇用の状態を改善していくためには、労働時間の短縮ということが一つの方法だとは思います。それから雇用の問題だけでなく、労働者の生活条件改善のためにもそれは望ましいことだと思います。しかし、これを画一的に行うということは、まあ今のところは非常な困難と摩擦を生ずるだろうと考えておりますが、そういう方向に努力はして参りたい。特に生産性の向上とか、オートメーションの発達とかに伴った雇用の問題の解決策としてはそういう方法がとらるべきものと考えておるわけであります。
○藤田藤太郎君 それじゃその問題はそのくらいにしておきましょう。 それでもう一つの問題は、これは労働行政と非常に密接な関係がある。たとえば潜在失業者の調査のときに出て参りましたが、非常に低いところで調査をせざるを得なかったということもあると思うのです。年金制度の問題、医療制度、皆保険の問題ですね。こういう問題は厚生省との関係で今度どういう工合にしていくか。それで、労働大臣自身も午前中にお話がありましたけれども、二つの具体的な問題について何かお考えがあったら聞かしてもらいたい。
○国務大臣(石田博英君) 基本的には厚生省が立案をいたすものと思いますが、しかしやはりその中に、その相当な部分は雇用労働者が含まれるわけでございますから、私どもの方もその促進について協力はして参りたい、こう考えておるわけであります。
○藤田藤太郎君 それじゃ、ILO関係で最後にもう一つ聞いておきたいのですけれども、条約、勧告、決議というものが百四つですか、勧告、決議があるわけです。これはやはり精神を生かすためにあるわけですが、この手続、政府が今までとってこられた手続を今後どうやっていかれるかということ、この前もお伺いしたと思いますけれども、一つこの際聞いておきたい。
○国務大臣(石田博英君) 私、就任をいたしましてその手続等の慣例、現状等をいろいろ調べてみました。不十分な点があると思いますので、これから決議、勧告等がございましたら、条約等がございました場合におきましては、今までは国会にそれは通達いたしておりますけれども、これからは政府の意見を付してそしてもっと慎重な手続をとって参りたい。こら考えておるわけでございます。
○藤田藤太郎君 これからの問題、これから条約、勧告が出たらということですか。今、今日でも国の進展の推移に応じて百四つもあるやつが、十七ですか――はっきり数字はわかりませんけれども、それくらいしか批准をしていないんです。ですから、その点はどうされるんですか。今後のやつだけですか。
○国務大臣(石田博英君) 百七つのうちで、今二十四批准しておるそうです。現在までは、ILO憲章の十九条に基いて昭和二十八年十二月八日の閣議決定によりまして文書による報告として条約または勧告の内容を簡単に説明し、そうして和文テキストを添えて議会に提出いたしております。しかし、これからはなお一そう慎重に扱う意味におきまして政府の意見等も付して提出いたしたいと思っております。なお、今までの分についてもそういう御要求がございましたら、今日までの分についてもその準備をいたさせる用意はございます。
○片岡文重君 今のILOの条約の問題ですがね、これはいろいろ重要な条約がほとんどであるにかかわらず、一般に直接それの利害を受ける労働者諸君ですら、知らない者がやはり多いようですね、そこで労働省としてはこれらの条約を歴史的に一括されて、政府の意見は必要ありませんが、それらのものを一括されて歴史的に編集されて当委員会に私は配っていただきたいと思うのです。
○国務大臣(石田博英君) それはお出ししますが、政府の意見を付してということは、従来、つまり戦争前ですね、戦争前は、つまり政府は詳細な意見を付しまして、その当時は枢密院でございますが、出した。その手続をもう一ぺんその手続に返って扱いたいというわけでございます。
○片岡文重君 わかりました。
○国務大臣(石田博英君) そういう方法をとりたい。政府の意見なんか必要ないとおっしゃれば、それはまた別でございますが、そういう方法をとりたいということを申しておるわけで、今の資料の要求はできるだけすみやかに編集して提出いたします。
○藤田藤太郎君 雇用関係についてはまたその今の計数の材料その他を見せていただいてから、もう少し私も詳しくお尋ねいたしたいと思うのです。 そこでこの予算の上から、ちょっともち一つお尋ねしておきたいのですが、労災保険の問題なんです。この労災保険というのは、私はこれは名実ともに一体となってやらなければならぬ非常に重要な保険だと思うのですが、今度の施策、予算上の措置としては、だいぶ延びてきておるわけです。問題は査定価額、それから給付というものが、被害を受けた労働者に対してどういう工合にやられているか、大まかな点を先に日数とかそういう面でちょっとお聞かせを願いたいと思います。
○説明員(村上茂利君) お答えいたします。労災保険の建前は業務上の傷、疾病がございましたときには、療養補償という形で給付がなされますし、死亡がございました場合は遺族に対する遺族補償、それから葬祭料の支給がございます。なお長期にわたって療養しておるがなかなかなおらないという者については打ち切り補償の制度がございまして処置しておるようなわけでございます。なお、一応症状は固定したが、身体に障害が残っているという者につきましては、障害補償という制度がございます。
○藤田藤太郎君 途中ですけれども、そういうことを聞いているんじゃないんです。大体労働者が傷害を受けたらどれくらいの日数やその他の状態で支給されたり、されていくかということを聞いているのです。たとえば給付の問題、査定がどうなって、把握がどうなって、日数はどれくらいで労働者の手に渡っているか、こういう点を一つ聞かしていただきたい。
○説明員(村上茂利君) 答えを取り違いましてはなはだ失礼いたしました。 査定でございますが、監督署に労働者から請求がございましたならば、できるだけすみやかに支給をいたしたい。こういうことでやっているのでございますが、それは各補償の種目によりまして、所要日数は違いますけれども、大体一週間ないし二週間の期間でやるように指導いたしております。もっとも業務傷害の認定などでなかなか困難なケースがございまして、事実確認がおくれるものにつきましては、例外的に数カ月を要するものもございまするが、一般的に申しますと、せいぜい二週間程度で支給をいたすようにいたしております。実績もそれに近い状態になっております。
○藤田藤太郎君 その給付するときに、財源上各監督署、要するに各基準局に財源上の欠陥は、金がないから払えないとか、そういう点はないですか。
○説明員(村上茂利君) 御承知のように、全国一本で経理をいたしておりますので、特定局ないしは特定の監督署で金が足らんというようなことは問題にせず、必要額は全部本省から直接地方局に配付いたしまして支給をいたしております。従いまして金がないためにどうこうという問題は現在のところございません。特に三十二年度におきましては神武景気の余波を受けまして、保険料収入状況も例年になくよろしゅうございますので、金が不足するために支給がおくれるとか、あるいは払わんということはほとんどないものと私ども確信いたしております。
○藤田藤太郎君 もう一つ。あとへ返って恐縮ですけれども、失業対策の面で、この国内の経済配置、労対の面を見ると非常に府県によってよい所と、悪い所があるわけですね。本来悪い所には失業者がたくさん出ている。こういうところをやはり失業対策の面ではより重く、より重要に取り上げていかなければならん面が私いろいろな面から見てたくさんあると思うんです。片方で二十五日稼働があると思うと、十六、七日ぐらいの京都のようなところがある。民間雇用は一つもない。東京や大阪あたりで十五、六日組んで、二十五、六日の民間雇用の関係で満配になる。十八日組んでも一日分も民間雇用がない。結局そこにいる人は非常に困っているというふうな現状だと思うのです。私は今まで努力されたと思いますけれども、しかし実際の面から見ると、なかなか雇用日数のそういうところこそ困っているので、私はその点は抜本的に施策をやってもらいたいと思うのです。だから、それは単に一日ふやしたからどうこうというのではなしに、その地方の経済活動の面とにらみ合せて、何らかの措置を講じられることが至当ではないか。二十一日でということなんですから、二十一日の線まではぜひそこまでいってもらいたい。そこで結局これを突き詰めていくと、地方財政力との関係が非常に関係があるのじゃないか。だから地方財政に負担をかけないような方針でその問題を処理するという考え方も特別失対、臨時失対ですか、そういうものまであるわけですから、それは一つ労働大臣として考えてもらえるかどうか。
○国務大臣(石田博英君) 今のような経済状態、地方の経済状態の差によって生じます事態につきましては、実は、特に大阪、東京、あるいは大阪、神戸、その他と、京都なんかの関係が一番顕著な例であろうと思いますが、京都につきましては、私はいつのころでしたか、八月ごろに京都に参りまして、その実情を承知いたしましたとき、直ちにその調整方を命じまして、でき得る限りの調整はいたしました。しかし、残余の分については、その地方、当該市、あるいは当該府の方に原因があって解決がつかないものも相当ございます。ですが、御趣旨はよくわかりますから、そういう方向に努力をいたすつもりでございます。
○藤田藤太郎君 地方に問題があるというのは、地方に財政力がないということです。三分の一の負担ができないということですね。だから私は、やはりそういう高額な補助をするようなものを、やっぱりよりそこに振り向けてやるようなことをして操作をしてやるということができないかどうかということなんです。
○国務大臣(石田博英君) そういう方法をとっておる所もございますが、それはまあ、結局は財政力と言われればそれまでですが、あるいは何といいますか、責任の悪い言葉で言えばなすり合いといいますか、そういう事態もなきにしもあらずでありまして、必ずしも財政力だけとは言えない。ですけれども、財政力が明らかに負担に耐えない所、たとえば呉市などというようなところの場合においては、そういう方法を、高額補助の分を回すというようなことにそれはいたしております。
○片岡文重君 きょう予算の御説明を伺っただけで、まだ十分検討はいたしておりませんから、詳細な点についての御質疑は後日に譲りたいと思いますけれども、一応伺った範囲内で気づいた点を二、三伺っておきたいと思うのですが、この予算を御説明下さるに当って述べられた、いわゆる大臣の所信というものを拝見すると、最低賃金制の実施を初めとして、数項目にわたって述べられておりまするし、事実これらの諸項目を実施されようとする熱意はおありになるだろうと私はすべてを善意に解釈申し上げます。しかし、盛られた予算の内容を見れば、いわゆる政策的な経費というものは私はほとんど盛られていないと思うのです。 まず第一に、この職業補導とか、特に青少年対策とか、あるいは基準監督行政の点についてもそういうことが一言えるわけですし、失業対策の面についても、先ほど藤田さんの質問に対する御説明の中でるる数字をあげておられましたけれども、その数字は、結局この二万五千人増加にどうつじつまを合せていくかという数字の羅列であって、経済の見通しや、あるいは失業者の増加に対する見込み等については、われわれの見通しとしているところとは非常な開きがあると思うのです。第一政府自体、特に労働省自体が、当初これだけの見込みでは私はなかったと思う。先ほど大臣は、予算の要求額と、査定をされた間の開きについて云々というお話がありました。しかし、まあ今に始まったことでもなし、労働省に限ったことでもありませんから、おっしゃる通りであろうと思いまするし、今後もまたこういう事態は相当続くでしょうけれども、その斧鉞を加えられる限度というものが大よそあるのじゃなかろうかと思うのです。この中には、お出しいただいたこの表を見ると、五十三億の今年度増加の中で、四十八億が失業対策に向けられた経費、この五十三億のこれは九一%に当る。だから、この面については、大いに失業対策に力を入れているんだとおっしゃりたいところでしょうけれども、この増額した五十三億に対しては九一%なんですが、失業者に対する経費としては、わずかに二万五千人を見込んだにすぎない。しかも、あなたが最初に要求された公共事業費等は全部削除されておると私は聞いております。こういうことでは、この失業対策に、これから増加していく人員を、果してよく吸収できるかどうか、はなはだ危ぶまれる次第ですが、一体幾らの失業対策費を要求されて三百二十一億になったのか、この点を一つ。
○国務大臣(石田博英君) 今、五十三億、それは一般会計で五十三億です。そのほかに職業訓練費では、特別会計から振り向けて、実際施設を行いますものが約四億ございます。ですから労災及び失業保険特別会計を除きましても、それで予算増が五十七億、そこへ今の日本労働協会の出資がございますから、まあ、失業対策事業だけが九一%はちょっと酷だろうと思います。それの要求した経過は、今事務当局から説明いたさせますが、失業対策の対象人員が、これはあくまで推定でございます。ですから、これで足りるか足りないかとおっしゃれば、これは結局水かけ論でございますが、昭和二十八、二十九年に見合う分として、三十年でしたか、三十一年に組みました二十五万、この二十五万の失業対策事業費というものは、ちょっと余したのであります。二十五万というのは一番大きな数字でございますが、余した、そういう実例もございます。また、推定でやって足りない場合においては、他の予備費なり、その他の措置をとって処理しなければなりません。現在は、現在の見通しの上に立って、現在まで最高限の対象人員を組んだということでございます。
○政府委員(百田正弘君) どの程度の予算を当初要求したかという御質問でございますが、当初におきましては、かつてこの委員会でも御説明申し上げたと存じますが、吸収人員は三十万人、それから就労日数は二十二日、そのほかに資材費等の大幅増額を実は計画いたしまして特に一般失対費の中から、資材費の高い選定事業というものを特に取り出しまして、これに効率的なものをやらせるということで要求いたしましたので、ただ結果におきましては、先ほども申し上げましたように、日数は二十一日、三十万を二十一日に直しますと、大体二十八万くらいになるわけです。さらにまあ、登録人員のその後の伸び悩みがございましたので、その分の五万、これで約三万程度の吸収人員の減になります。従いまして吸収人員が二十五万に減じたことが一つと、それから、今の資材費等の関係につきましての分が、前年通りということになりました関係上、この一般、特失の両者を合せまして二百八十四億ということに相なったのでございますが、その当初におきましては、この倍額程度の要求でございます。
○片岡文重君 明確な数字はお示しになれないようですが、三百二十一億九千万、大体三百二十二億、これに特別会計の四億を加えてみたところで、これは要求額の半分にもおそらく満たないんじゃないですか。
○国務大臣(石田博英君) いや、その四億というのは、これは職業補導費ですから、失業対策費じゃありません。ですから要求額の半分というのは、今、職業安定局長が御説明申し上げました通り、その作業効率の高いものをたくさん要求したわけですが、それは一般の公共事業費の方で相当多額に見てございますので、そちらへ吸収される、それから財政投融資の増額もございます。そこで、まあ私の方といたしましては、一般失対で二万五千ふやしたという結果になりました。ですから要求から見ればひどく減ったじゃないかというような御意見も出て参りますが、今度は逆に申しますと、大蔵省の第一回の査定案から見れば、相当取ったつもりでございます。
○片岡文重君 ものも見ようですから、むしろ大蔵省でゼロにせられれば、これは二百二十億の金をまるまるもうけたことにもなりますから、それはそういう見方も成り立つでしょうし、要求されるからには、幾らに削られるであろうということを考えたからといって、まるまる根拠のない金を要求されたはずはないでしょうし、一割や二割の削られ方ならともかくとして、しかも完全雇用を大きく呼号され、三悪追放を大きく大上段に振りかぶった岸内閣の労働省の予算の中で、しかもこの予算を見れば、あなたがどう弁解されても、これはまさに労働省の予算ではなくして、口入屋の予算じゃないですか。失業対策しかやっていないじゃないですか。こういう予算を平気で持ってこられて、しかも復活したんだ、こういって大きくかまえられるということは、まあおそらく心中はそうではないでしょう、これは御推察するにかたくありません。苦労されておられるでしょうけれども、一体こういうことで今後の労働行政をやっていけるのかどうかということを私たちは心配するのです。特に駐留軍にしても、すでに今年度の米国会計年度によれば、どう見たって六万ないし七万の離職者が出るわけでしょう。これに付帯する特需関係も加えれば、相当のものになるはずです。こういう場合に、労働省としては、なるべく数を少く少く見込もうという傾向があるようですけれども、むしろこういう離職者等の対策に当っては、私はなるべく甘く見るといいますか、数を多く見込んで対策の万全を期せられることの方が、私は政策としてよいのではなかろうかと思うんです。もちろん予算をよけい取ったからいいというものではありますまい。国民の血税ですから、一円でも少くして最大の効果を上げるということが政治の要諦であって、そういうお心がけを持っておられるわけでしょうから、むだな経費を取ってこいとは申しませんけれども、この駐留軍の離職者を考えて見ましても、オートメーションによる離職者、あるいは金融引き締めの影響もまだまだ続いているはずです。政府自身がこれを認めておられるわけです。こういう状態の中における失業者の対策に当って、これだけのことで果してやっていけるのかどうか、私は重ねて申し上げますが、きわめて不安にたえない。しかもその不安にたえない経費が、労働省としては最高の経費であり、最高の努力日目標であるというに至っては、石田労働大臣が就任をされました当初に、労使の健全な慣行を樹立するために非常な努力をされるということで、私たちも大いに期待しましたが、その後における石田労働大臣のおやりになられた業績というものは、たとえば次官通達を初めとして統一見解の発表であるとか、ことごとに労働者を弾圧する、あるいは弾圧といったらあなたに怒られるかもしれませんが、少くとも抑圧し、労働省的な方向に指導していくやり方でやってこられた。だからそういう面について努力をされるその努力を一つもっと失業対策なり職業訓練に努力をして私はほしいと思うのだが、この予算の面から、一体具体的にどういう点が努力されておるのか、もう一ぺん一つできたら御説明していただきたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) これは上を見れば切りがございませんが、また私もこれで十分予算を獲得したのだとあえて申しませんけれども、まず第一に、失業対策事業の対象人員の問題でありますが、これはあくまで推定を基礎といたしておりますから、実情がそれに違った場合においては先ほどから繰り返して申しました通り、他に適当な予算措置を講ずるわけでございます。予備費からとるなり、補正を組むなりという方法が考えられるわけであります。これは推定が基礎であります。そこでその推定額でも、今まででも一番多くの数を見込んでいるわけであります。 それから職業訓練費は前年に比べまして三割くらいの増になっているはずであります。前年十三億幾らに対して、本年は十八億くらいになっております。これはもうまあ一ぺんに――大体特に今年のような国際収支の改善のために緊縮した予算を組みます場合において、一項目について三割以上の獲得をしたということは、これはやはり労働省としては最大限を尽したものであると考えているわけであります。 それから金の絶対額については、いろいろございますけれども、それ相応に、私どもの方の役所としてやりたいと思っていることが一通りやれるようにはやっているつもりでございます。 それから私が昨年来やって参りましたことが弾圧であるか、抑圧であるかどうかは、別に、おっしゃったからといって別にその腹も立てません。腹も立てませんし、私はやはり労働運動というものを、労働運動自身の健全化のために、まあ指圧療法くらいのことはやったつもりでありますが、弾圧など考えたことはございません。従ってそれに対する御批評は御批評として承わっておきますが、まあ私は第三者である人たちが見ても、他省に比べて労働省は決して努力の結果が少なかったとは思っておりません。
○片岡文重君 ここでちょっと資料を要求しておきますがね、一般会計、特別会計、それからその一般会計の中にも経費がいろいろ入りくるっているものもあります。それから建設省所管のもの、大蔵省所管のものがある。で、これを一つ――このきょう配られました三十三年度歳出予算事項別総表、こういうこの表の項目に、第一、失業対策に必要な経費、それから第二に、職業訓練に必要な経費等々とあります。で、これに一つ項目を合せて、もう少しわかりやすく、たとえば公共事業費に幾ら盛られているのか――失業対策の場合はですよ。それから職業訓練にはこの一般会計の五億八千三百万、それに特別会計には、四億ある、こういうようなふうに一括して、会計別でなしに、経費として項目別に労働省のやっておられる重要な項目別にして合せて、項目が合うように一つ一表にまとめていただいて、これを御提出していただきたい。なるべくこれは急いでいただきたい。相なるべくはこの次の……。わかりますね、
○理事(山下義信君) お願いします。
○国務大臣(石田博英君) ええ。
○片岡文重君 それからちょっと途中で、ついでですから伺っておきますが、労働大臣はもちろんこの大蔵省の主計局で出されている年度予算の説明書、これはごらんになっていると思うのですが、三十二年度予算についても全然なかったのですけれども、この特別会計の項に労災補償保険の説明も、それから失業保険の説明も全然載っておらないのです。これはどういうわけで載せないのですか。まあ主計局に行って聞けといえば別問題ですが、所管大臣として、こういう項目をなぜ載せないのか。それほど重要な問題でないとお考えになっておるのか。
○国務大臣(石田博英君) いや、そうでなくて、事業の性質がシンプルだからじゃありませんか。これはどういうわけか、どういうふうに判断するか……。私は説明に書かれなくても、取るものだけ取れば同じことだと思って……。
○片岡文重君 冗談じゃありません。取るだけ取っておらぬじゃないですか。取るなんて言ったら因るよ……。四十七ページを見て下さい。本来ならば四十七ページか、八ページのところに入るべきものでしょう。
○政府委員(松永正男君) 私も書いてないということにつきましてはこまかい説明はございませんが、四十七ページに失業保険特別会計の説明は載っております。
○片岡文重君 そう。ああ、ちょっと言葉が足りませんでしたがね。両方とも載っておらないのは三十二年度で、ことしのはこの失業保険特別会計しか載っておらぬということで、労災保険が載っておらぬということです。
○政府委員(松永正男君) これはお答えにならないかも存じませんが、財源から見ますと、失業保険特別会計は保険料収入と、国庫負担金、両方からなっております。労災保険特別会計は全額保険料――事業主から徴収いたします保険料負担になっておりますので、国庫の支出と直接関係が全くございません。まあ、そういう関係ではなかろうかと存じますが、これはお答えにならないかと思いますが……。
○片岡文重君 まさにお答えになりませんな。それはそういう理由だったら、これはほかにもたくさんあるわけですね。主計局の出しておられる印刷物について労働省にお聞きするのはそもそも筋違いかもしれませんが、しかしながら、やはりこれは国会に出される説明書であり、私たちはやはり一応これを拝見して、労働省から配られる資料の手元に参りますまでは、これを拝見していろいろと検討していくわけですから、やはり重要な問題じゃないのだという御見解ならば別として、少くとも労働省の重要な所管事項の一項目であるというなら、ぜひ――これはこの特別会計のうちに加わっておるのですから、適当な措置を私はお願いしたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) はい、承知しました。
○片岡文重君 それから次に、職業訓練の費用についてお伺いをしたいのですけれども、この表のほかになお――この表の中にいろいろ入りくるっておるのでしょうから、金額としてはあまりはっきりとした数字が私にはつかめませんので、明確に申し上げることはどうかと思うのですけれども、この一般会計予算の資料を拝見をすると、今大臣が言われたような経費というものは、そう大幅に、大言壮語して自慢をされるほどの経費は私はどこにも見当らぬと思う。一体これでもってこの職業訓練に必要な経費がそもそも十分だとお考えになっておられるならば、この職業訓練に要する経費のうちで、たとえば中央職業訓練指導所費とか、あるいは総合職業訓練指導所費などというものは、これは要求をされても……、これは要求されたはずですが、全額削除されているはずです。
○国務大臣(石田博英君) いや、そんなことはないです。そんなことありませんよ。
○片岡文重君 全額削除されているのでしょう。
○国務大臣(石田博英君) いや、今一覧表を持って参ります。それは多ければ多い方がいいにきまっておりますが、もう一つの制約は、指導員の不足ということがあるのです。従ってその指導員の供給、というとおかしいのですが、指導員をそろえないで予算要求ばかりいたしましても働けないわけでございまして、そこで指導員の数及びその養成とにらみ合せつつふくらんでいかなければならないというところに一定の限度はございます。そういう意味では前年度十三億何千万円かが本年十八億になりましたということは、別に大言壮語はいたしませんが、いかにも何にもしていないようなお話でございますから一例として申し上げたのでありまして、四億円ばかりふやしましたのは、指導員の養成ということも重点を置きまして、そうして指導員の伸びと合せて最善を期しておる次第でございます。ちょっと申し上げます。たくさんありませんけれども、私一応申し上げまして、あとで資料は配付いたします。これは一つ一般職業訓練所費三億九千九百六万二千円です。このほかに特別会計から一億円入っております。つまり一億円入っております。それの内訳は、一つ一般職業訓練費、これは三億七千五百六十万円です、これは全部一般会計です。それから夜間職業訓練費二千三百四十六万円、これも一般会計です。それから職業訓練施設費補助というのが一億円でございます。これは特別会計であります。それから第二番目は特別職業訓練所費一億二千九百十四万円、これは全部一般会計であります。その内訳は駐留軍の離職者に対する職業訓練費が二千九百三十一万円、それから身体障害者職業訓練費が九千九百八十三万円となっております。それから企業内職業訓練費が三千万円であります。それから中央職業訓練所費というのが約五千万円、これは特別会計であります。それから総合職業訓練所費というのが十一億五十七万円、これも特別会計であります。それから職業訓練行政に必要な経費、二千五百三十七万円、これは一般会計であります。そしてその合計が特別会計において十二億五千六十一万円、一般会計において五億八千三百五十八五円、合計が十八億三千四百十九万五手円でございまして前年は……。
○政府委員(松永正男君) 十三億八千四百八十九万六千円。
○国務大臣(石田博英君) だから四倍五千万円程度の増加になっておるわけであります。
○理事(山下義信君) その資料をただいま配付いたします。
○国務大臣(石田博英君) これに書いてありますからよくごらんいただけば……。
○片岡文重君 僕の言っているのはこれには載っておらないけれども、あなたが大蔵省に年度予算として要求された経費の中に、さっき言ったその中央職業訓練所費とか、総合職業訓練所をもっと拡充強化したいということで……。
○国務大臣(石田博英君) これは新設ですから、中央職業訓練所というものは新設なんです。新設です。これは要求いたしまして五千万円ついているわけです。
○片岡文重君 五千万円つきましたか、それは大へんけっこうであります。
○国務大臣(石田博英君) それで結局今度は対象人員、訓練を受けてくる対象人員の伸びをちょっと御説明申し上げます。
○政府委員(松永正男君) 対象人員におきましては、一般職業訓練所におきましては前年度と変りはございません。ただし、種目転換をいたしまして、一般職業訓練所の施設を充実いたすという方向に向っております。人数においては変りません。それから夜間職業訓練につきましても変りはございません。それから駐留軍離職者につきましては、これは特別でございますから、新規に四千三百八十人の訓練を予定いたしております。それから身体障害者につきましては変りございません。それから企業内職業訓練費につきましては、前年度が九百万円でございます。これは結局補助でございますので九百万円しか働かないわけでございますが、本年度の三千万円は、これと同額の都道府県の補助がつきますので六千万円になるわけでございます。対象人員といたしましては、前年の予定の約三倍を予定いたしております。総合職業訓練所は、予算額におきましても増加をいたしまして、対象人員におきまして約二千七百人の増でございます。前年が四千八百三十五人を対象にいたしておりますが、三十三年度におきましては七千五百七十五人の訓練人員を予定いたしております。以上でございます。
○片岡文重君 きょういただいただけの予算書ですから、私の見落しもあったかと思いますが、もし見落しがあって、せっかくの御努力に相反する点があったとすれば大へん恐縮でございますから取り消しいたしますが、中央職業訓練指導所費、これは新規要求として五千万円、ここに八ページに計上されておりますが、これが建設費としてありますが、先ほどの御説明では何か指導員とか、統計とか等の作成に使われているようで、施設の、建設費は別個なんですか、これも含まれるわけですか。
○国務大臣(石田博英君) 予算が通ってから作り始めるわけでございますから、実際できるまでの間は、本年度は今の建設費だけ計上してございます。明年度におきましてこれが運用費が入ってくるわけでございます。目的はさっき申し上げました通り、主として指導員の養成でございます。
○片岡文重君 あとこまかな問題になってきますが、これは予算書の何ページですか、六百三十五ページを私は今見ているんですが、これに年少労働者の保護福祉に必要な経費やら、婦人の地位向上に必要な経費、売春防止に必要な経費、婦人労働者の保護福祉に必要な経費、こういうものが多少にかかわらずことごとく減額をされております。
○国務大臣(石田博英君) そんなことはない。今説明いたさせます。
○片岡文重君 これはここの欄では削除されたが、ほかに一括まとめられてあるのか、あるいは削られたままなのか、どっか集約したのか、その点一つお聞きしたい。
○国務大臣(石田博英君) 具体的な計数は会計課長からお答えいたしますが、実際の施設といたしましては、たとえば今まで各府県の婦人少年室には定員が大きいところで四名、四名はきわめて限られております。少いところで二名でございましたが、全部一名ずつ増員いたすことにいたしました。それから事業費も、婦人少年関係は土台が比較的低いものでありますからなかなか一ぺんに伸ばすことは不可能でございましたが、それに必要な事務費も相当増額をいたしましたし、予算折衝過程におきましては努力をしたつもりでありますが、詳細それをごらんになるのと、実際との違いは今説明いたすことにいたさせます。
○政府委員(松永正男君) 各小さな項目につきまして多少の増減がございます。たとえば婦人の地位向上に必要な経費というのが前年より減額になっておりますが、これは三十二年度におきましては労働省設置十周年記念でございまして、それの記念行事といたしまして、たとえば婦人運動史を編さんしたいというようなことでその予算が一年限り経費として載っておったわけでございます。そういうものが落ちたりいたしております。全体として申し上げますというと、婦人少年局関係では事務費といたしまして八百十九万八千円の増になっていまして、比率として三一%の増でございます。 それから婦人年少者の福祉施設の関係におきましては、九百五十六万三千円の増でございまして、比率において八一%の増ということになっております。平均いたしまして総合計で前年に比べて四七%増、こういうことになっております。
○片岡文重君 先ほど御要求しました項目別の経費の総括表が参りましたならば今の御説明の事項は全部含まれておると思いますから、その際さらにお尋ねいたしますけれども、今の婦人労働省の保護福祉に必要な経費というようなものは、この政府から出された予算書に関する限りは減額を明らかにしておる。今の婦人運動史の経費はどのくらいかかっておったか知りませんけれども、少くともこれらの経費が、それらの一行事の経費を差し引いたためにマイナスになるというようなことでは婦人及び年少労働者保護に十分努力を払われておるとは大臣言えないじゃないですか。
○国務大臣(石田博英君) それはここだけをごらんになるとそういうことになりますね。約六十万円の減になります。しかし、ほかのところに施設費や何かを入れておりますので、それから、たとえば職業訓練なんかにいたしましても、男ばかり訓練するわけではございませんので、相当なパーセントは婦人、特に少年に向けております。しかし婦人少年関係だけ見まして全体をごらんいただきますと、四七%の増で、四七%も増するということはそれでも足らぬとおっしゃればそれまででございますが、実はこんなことは申し上げたくないのですが、各県の婦人少年室長からほとんど私のところに礼状が参っておる状態でありまして、一つこの辺のところで御満足をいただきたいと思います。
○片岡文重君 礼状は参るでしょう。それは大臣も御承知でしょうけれども、婦人少年室なんというのは、あれは一つの事務所としては考えられません。行ってごらんなさい。ああいうところで、しかもあなた陰の力になって、黙々として働いており、ろくろく手当ももらえない、相談者がくれば自分のポケット・マネーをはたいて喫茶店なんかに連れていかなければ相談する場所もないというような状態に置かれている。そこへたとえ一人でもくれるとなれば、また晴天の慈雨にひとしいものがあるから礼状がくるわけでしょう、しかし、礼状がくるからといってそれで十分だとは私は申し上げません。大臣もそう十分でないとおっしゃっておられますからなんですが、先ほど申し上げた通り、いかほど要求したかという数字を大臣は出しておられない。その要求した数字というものは必要があって積算をされた、その積算に基いて要求されたのですから、それから幾ら削られたか問題だと思います。前年度に対して幾らになったかということは功績でないと思います。いかにそれを押えたかということが問題です。特に大臣が新しい構想をもって始められた政策ですから、これが復活していかたければ、今までのありきたりのものを若干ふやしたからといって必ずしもそう大言されることはないと思うのですか……。
○国務大臣(石田博英君) この辺のところが精一ぱいなところでありまして、各省と比較していただけば、それは要求したものと比較されれば何とも御議論は立ちます。しかし各省と比較され、それから予算総額をお考えいただきまして、私は四つ、五つ重点を置いたものは、大体不満足ながらそれぞれやれるということで、もちろんその婦人少年室の現状は私も約十カ所くらい見て歩きました。それに基いて今回は特に強く要求いたした次第であります。
○片岡文重君 それから、最低賃金信用保証制度というようなことを大臣お考えになっておられるのですか。これも実現はするわけですか。
○国務大臣(石田博英君) 最低賃金制を実施いたしますための有効な措置について、いろいろ研究をいたしました。しかし、中小企業の安定策といたしましては、これは賃金の問題もさることながら、そのほかにもいろいろな要素があります。従ってその要素の中から賃金の問題だけを取り上げて、それに対する有効な措置を特別に講ずるということについては、いろいろ議論がございましたので、今回は一般的な中小企業対策、それは特に今回は御承知の中小企業信用保険公庫というのができまして、政府はそれに八十五億を出資いたしておるわけでございます。そのほか、中小企業に対する一般施策の中で、中小企業最低賃金制の有効な措置もあわせて考えていきたい、こういうことです。
○片岡文重君 中小企業対策の一般的な経費として、八十五億計上されたことはけっこうであります、大いに一そうの努力をしていただきたいと思うのですが、何といっても最低賃金制度の実施に当って問題になるのは、中小企業でありまするし、その賃金支払いの能力いかんが大きく影響するところでありますから、一般的な経費ではなくて、賃金対策だけの信用保証として制度を設けられる、こういうことは私も非常にいいことだと思うのです。で、聞くところによれば、これは大臣のお口から直接私は伺ったわけではありませんから、いや、そんなことは考えていなかったのだと言われればそれまでですが、最低賃金信用保証制度というものを考えられて、実施するために相当な予算要求もされたやに私は伺っておる。しかし、これは実際は実現はしなかったわけですか。
○国務大臣(石田博英君) 予算要求はいたしておりません。当初その最低賃金制を実施いたしますための特別の、それだけまた切り離した有効な措置の中の一つの方法としてそういうこともどうだろうかということを考えたことはございます。しかし、その後いろいろと議論、研究をいたしました結果、中小企業に支払い能力を付与するということは、それは労働賃金の問題だけでなく、金融、設備の改善、その他あるいは過当競争をやめさせるとかいろいろなことがございます。そういうことの一つの要素でございますから、その一つの要素だけを切り離しますと、他のまた要素についていろいろ議論がございますので、それを全体としてそういう扱いをしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○片岡文重君 最低貸金の調査費として幾ら計上されたのですか。
○国務大臣(石田博英君) 約一千万円ちょっとでございます。
○片岡文重君 三十三年度は幾らでしたか。
○国務大臣(石田博英君) 三百万円です。
○片岡文重君 その三百万円に対して一千万円の増額は、相当大幅のものでありますからさぞかし御努力いただいたことと思いますが、(笑声)大体事業所調査その他実績調査をするために一千万円という経費でもって、十分におやりになる自信がおありかどうか。大体これに要する職員はどのくらいの専従職員を見積っておられるのか。 それから組織は、その人員は中央にどの程度、地方にどの程度という具体的な構想がおありになるならば一つお示しいただきたい。
○政府委員(堀秀夫君) 最低賃金に伴います予算といたしましては、まず中央賃金審議会と地方賃金審議会を設置するのに必要な予算を計上いたしました。そのほかにただいまの実態調査を行うために業者間協定の推進関係といたしまして二百四十万、それからさらに国が直接職権をもって指定するための準備のための実態調査費として二百四十一万、さらに家内労働の最低加工賃を規制するための調査をする予算のために八十九万、以上のような予算を計上しておるわけでございます。 なおこれと相待ちまして、労働統計調査部の方におきまして、毎月勤労統計調査を実施しておりますが、これを昨年の中ごろから三十人未満の規模にも拡充することにしておりまするし、また来年度におきましては、賃金基本調査というものを約二千五百万円の予算を計上して実施することにしております。 これらを総合いたしまして、われわれといたしましては、最低賃金制度の実施のための必要な調査を実施できると、かように思っております。
○片岡文重君 なおお聞きしたい点もありますけれども、詳細の数字を検討させていただいた上で、したいと思いますので、質問を留保しておきます。
○藤田藤太郎君 それでは一、二伺いたいと思うのですが、第一に社会労働委員が地方の調査その他に参りまして、実態の報告というものを、たとえば厚生省関係は厚生省関係、労働省関係は労働省関係という工合に、委員から代表していくわけですけれども、その行って、答申をするけれども、またはお伝えをするけれども、その返事というものは一つもないわけですね。社会労働委員会……。これは、どういう工合にこの点見ておられるのか、ちょっとお聞きしたいのです。
○国務大臣(石田博英君) 方々へ御視察においでになりますときには、私どもの方から係員をつけていきまして、その場で措置すべきものは措置し、あるいは協議すべきものは協議いたしておりますが、正式の報告書というようなものを正式にちょうだいしたものについては、それは政府として責任のある御返事をしなければなりません。今まで実は私も承知していないので、今聞いてみましたら、そういう正式の手続でちょうだいしたものはないという話でございます。総務課長の方では……。
○藤田藤太郎君 正式という判定をどこでするかということが問題だと思うのです。一条何々労働大臣殿というような格好に、また厚生大臣殿というような格好にしてないと思う。しかし、少くとも資料を集めて、その県における最重要な問題というものは、特別にピック・アップしまして、そうして労働省、厚生省に――これだけの処理というものは、行った者が報告もこちらにいたします。いたしますと同時に、行政官庁に出している。だからその点について、私は何らかこの点はこうだというような説明というものは、今まで一回もないわけですから、これは石田労働大臣まだ経験はないのだから、今までの問題については関知されてないかもわかりませんけれども、この点は一つ今後明らかにしていただきたいと思う。
○国務大臣(石田博英君) そこでなかなかけじめがむずかしい問題でございますから、私の方からももちろんそういうことになりましたら、処置をしたものはどういうふうに処置したか、あるいはできなければなぜできないかという理由を付してお答えを申さなければなりません。そこでやはり一応正式の書類としてお回ししていただかないと、それこそ繁雑になり、けじめがつきませんから、私の方もいたしますから、一つ正式のものとしてお出しいただくようにお願いいたします。
○藤田藤太郎君 よろしい。それではそういう今の問題はそういうことにして今後は御相談を申し上げましょう。それで今までの問題の処理なんかについて、私も非常に疑念を持っているんです。二、三回行っているんだけれども、そのままほっぽるという感じです。それはなぜそういう疑問が出てきたかというと、もう一つの問題があるわけです。昨年の国会で非常にやかましく、労働省の方からもおやりになったが、今までの失業対策審議会というのが、雇用審議会に――何とかもっと経済の方面も含めてこれを発展的な段階でこれを進ますんだということで、私たちもそれはよかろうと言い、この失業対策審議会を雇用審議会にした。で、第一回の答申として、昨年の九月二十五日に答申が出ているわけです。ところが、私らは書類はもらっておりますけれども、これは非常に異議のあるものだと、たとえば労働行政の面から見るとすればですね、これに対する手当というものが、労働行政の面に生まれてきているかどうかということが第一に問題になると思うのです。で、私はこれを、先ほどは何でしたから申し上げませんでしたけれども、この答申の中には――今まで失業対策審議会の答申にも非常に多角的なものを含んでおった。今度のこの答申にも非常に多角的な、非常にこまかい面まで含んでおる。ところがこれからいくと、今度の予算を出されておる面を見ますと、これは出てくる答申というものが労働行政の面では非常に私は軽く見ておられるんじゃないかという気がするんです。その点はどういう工合にまず雇用審議会というものをお扱いになるのか、これを一つ先に聞いておきたい。
○国務大臣(石田博英君) 雇用審議会の答申につきましては、でき得る限りそれを尊重して措置したつもりでございますが、なお具体的に答申に対して私どもの方の、特に私の方の所管のことについての措置あるいは見解等は、後ほど取りまとめまして御報告したいと思います。
○藤田藤太郎君 それで私は、取りまとめてという、きょうの発言になっておるわけですけれども、私はもっと何でしたら早く、予算提出するときに、また予算を立てるときに言った方がよかったかわかりませんけれども、しかしこれは九月二十五日、それからおくれてわれわれこれをもらったわけです。だからこの面を見ますと、その予算を作ってしまってから、予算は一つも動きませんという状態の中でこれをどう扱ったという言い方ではわれわれはちょっと困るわけです。
○国務大臣(石田博英君) 正式に私の方へきましたのは十一月の二十五日です、有沢会長の方から報告をちょうだいしましたのは。
○藤田藤太郎君 十一月二十五日ですか。
○国務大臣(石田博英君) それでその答申書は予算要求の際にも十分参酌したつもりでございますが、なお個々についてはいずれお答えをいたしたいと思います。
○藤田藤太郎君 ではこの答申についてのいろいろの問題については項目的にわれわれに示していただけますね。
○国務大臣(石田博英君) そういたします。
○藤田藤太郎君 そうしていただきたい。そうして根本的に雇用審議会というこの人格を労働行政の立場から労働大臣は今後どう見ていかれるかということを一つ承わっておきたい。
○国務大臣(石田博英君) これは労働行政に限りません。結局雇用の安定拡大ということが政治の基本でございましてその基本策について御協議を願っているわけでございますから、最大限に尊重していく考えであることは申すまでもありません。特に失業対策審議会を雇用審議会に改めましたのは、私、官房長官在職中のことでございますので、とりわけ重視して参るつもりでございます。
○理事(山下義信君) 本日はこの程度にいたしたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山下義信君) 御異議ないと認めます。 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時四十九分散会