社会労働委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1958/06/09
会議録
○委員長(阿具根登君) ただいまから社会労働委員会を開きます。 委員の異動を報告いたします。 六月四日付をもって坂本昭君が辞任し、その補欠として木下友敬君が選任されました。六月九日付をもって木下友敬君が辞任し、その補欠として坂本昭君が選任されました。 —————————————
○委員長(阿具根登君) 次にお諮りいたしますが、派遣委員の報告を議題といたします。 五月中二回にわたり、中共地区からの引揚者の実情調査のため委員派遣を行なったのでありますが、その報告は、口頭報告にかえて書類による報告を委員会会議録に掲載してごらん願うということにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます、よってさよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(阿具根登君) 次に、社会保障制度に関する調査の一環として、一般厚生問題に関する件を議題といたします。 質疑を願います。
○坂本昭君 当委員会では、第二十八国会におきまして、再々保育所の問題について審議をいたして参りました。この問題は、児童福祉法ができましてはや十年になろうとしておりますが、保育所の必要につきましては、もう社会的な重大な問題になっている折柄、厚生省において新しい措置費の改善案を提案し、そのために全国の保育所において非常な経営上の困難を見るような事態が発生せんとしまして、そのためにしはしば委員会で公聴会も行われ、また審議も行われたのであります、。ところが、二十八国会が終りまして総選挙になり、その留守の間に、委員会が審議のすることのできない間に、厚生省事務当局においては逐次その案を固めて、これを実施せんとする段階に至っております。われわれとしましては、委員会においてきわめて慎重に審議をしてきたにもかかわらず、そのまだ結論を見るに至っていないときに、この事務局案を強行しようとする態度は、はなはだ遺憾であると考えざるを得ないのであります。つきましては、大へん忙しいときでありますので、今、新しい案の詳細について厚生省から説明を求めるのには、時間も不足でありますので、詳細な案については、説明書を委員会に提出していただくことにいたしまして、私からは、当面急迫するところの幾つかの問題について、厚生省にお尋ねを申し上げる、そういう趣旨のもとに若干質問いたしたいと思います。 まず第一に、今度の保育所の措置費改善の案におきまして、実際的な問題としては、経過措置が一番大きな問題であります。その経過措置について三つほどお尋ねいたしたい。 第一は、新しい単価で赤字となる施設、これを第二類施設というふうに呼んでおります。との第二類施設の運営をカバーするために、保育単価についての経過措置を現行限度額を下回らないように行政指導ができるか。特に申し上げたいことは、〇・五ヵ月の期末手当、あるいは給食費の値上げ及びべース・アップの行われる場合にも、それを込めて、現行限度額を下回らないように行政指導ができるかというととが第一点であります。一つ一つ一応説明していただきたいと思います。
○説明員(高田浩運君) 保育所の問題については、当委員会におきましてもいろいろ御心配をかけておりまして、これにつきましては、従来の徴収なり公費負担のやり方についていろいろ問題がありまして、これについて当委員会においても御指摘を受け、また私どもも、これについて率直に適当ならざる点があることを認めまして、改革の方向に志し、またその考え方の大綱というものは、前国会において申し上げた次第でございます。しかしとの問題は、非常に及ぼすところ広範な問題でございますので、年度は四月から開始されたにもかかわらず、なお慎重を期するという意味において、いろいろ具体的なデータを四方から取り、また県その他各方面からも、との私どもの考え方についての意見の聴取をして参っておったのでございます。これらの基本的な考え方についての出されました意見は、私どもの方でも十分慎重に検討いたしまして、ほとんど全部というほど採用をして、新しい改善案の作成をしたような次第でございます。この点一つ御了承いただきたいと思います。 ただいまお話のような経過措置の問題でございますが、もちろんこれは、私どもの方で十分配意をしなければならない問題でございまして、それについてのいろいろな資料を取っておるのでございます。まだ一、二出て参りません県もございますが、大体の見通しはつけておるつもりでございます。それによりますというと、私どもは、大体においては従来の限度額にプラスのことしの予算に加算されたもの——一ぱい一ぱいの形においてこの経過措置を考えることができると思っておるのでございますが、ただこれを一ばい一ぱい認めるかどうかということについては、もちろんこれは、それに近い形においてしなければならぬことは言うまでもございませんけれども、やはり保育所につきましては、個々の事惰がございまして、相当新しい方向への努力の可能な面もこれはあるわけでございます。県によりましては、もちろんそういう観点に配慮して、そっちの方に努力しておるような状況でございます。それらの点も勘案いたしまして、結論としては、大体お話の線に近い形においてこれを見得る、かように考えております。
○坂本昭君 最初にお断わりしておきますが、新しい改善案の具体的内容を当委員会に必ず出していただけると思いますね。
○説明員(高田浩運君) 提出いたします。
○坂本昭君 次にお尋ねしたいことは、しからば第二類の施設に対して厚生大臣が特に定める単価、その特に定める単価というものをいつ定めるかということと、もう一つは、一ばい一ばいという今説明がありましたが、その百パーセントに認めるか、あるいは八〇%に認めるか、その基準はどういうふうにして決定するか、その点の御説明をいただきたい。
○説明員(高田浩運君) 決定は、七月一日以前において決定をするつもりでございます。 それから認める程度は、これは百パーセントそのままというふうには私ども考えておりません。しかし、実情によりまして、それに近い形においてなり得ると思いますが、まあ、この点は、県によりまして相当状況が違いますので、一がいに申し上げかねますけれども、はみ出した分の九〇%前後というふうに考えておりますので、単価全体として見れば、減る分がきわめて軽微な形になると思います。そういうふうに考えております。もちろんこれは、今申しました数字というのは、いわゆる単なる何でございまして、個々の県によりまして、相当事情が違うと思いますけれども、それより以上に相当強力な削減を加えるつもりは私どもは持っておりません。
○坂本昭君 従来厚生省は、各保育所の定員の基準あるいは設備の基準をもって指導してきておりますが、その指導に従って比較的水準の高い保育所の運営をしておった場合、そして、にもかかわらず、このたび個々の場合に応じて九〇%前後に押えるということになれば、今までの指導と食い違った結果、赤字の経営をしなければならぬという、そういう羽目をきたした場合、その責任はだれがとってくれますか。
○説明員(高田浩運君) その限度が従来高かったものにつきましては、これは、一々検討いたし、直すと、それぞれによって非常に事情が違うわけでございます。従って、お話のように、実質上相当な、役所の指示等に基きまして、いわゆる保育内容をいい形において実施をする、実質上いいものについては、これは相当考えるつもりでございます。しかし、そうでない、ずさんな経営をしておりた、そのために経営費が相当かさんでおったというものについては、これはある程度この際しんしゃくをすることが適当ではなかろうか、かように考えております。
○坂本昭君 ももろん九千百をこえる施設ですから、中にはずさんなものもあり得るでしょう。しかし、今回の改善案というのは、ずさんなものを訂正することにももちろん目的はあったでしょうが、正確に保育の目的に沿ってやっている施設に対して、それも一率に九〇%前後に切るというようなことは、これは絶対にないことは私たちは確信しておりますが、その点については、局長としても、ずさんならざる保育所に対して、それも一率に九〇%前後に押えるということはしないと、はっきりお答えできますか。
○説明員(高田浩運君) 私が九〇%と申しましたために、あるいはこれは、誤解を生じてもいけないと思うのでございますが、全部九〇%という意味で申し上げたのではございませんで、先ほど申し上げましたように、全体としてはそういうことになるかもしれないが、個々によっては平帯が違う。個々の事情については十分これはしんしゃくをするつもりでございまして、経営のまじめなりっぱなもの、それから将来における保育市価への適合の努力、その辺のところをしんしゃくをして、実情に合った形において、あるものは従って百パーセント、あるいは百パーセントに近い形、あるいは九〇%以下のものも出てくる、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○坂本昭君 今の点はきわめて重大な点でありまして、特にそれは、七月一日までにきめると言われていますが、七月一日までに、ずさんであるかないか、そういうことを厚生省で責任をもってきめることができ得ますか。
○説明員(高田浩運君) この保育所につきましては、御承知のように、都道府県知事が第一次の監督者になっておりますので、もちろんこれは、私の方で九千幾つかの保育所を全部一々勤務評定しているわけではございませんので、私の方で独断的にそれをきめていくつもりでは毛頭ないのでございまして、その辺については、これはむしろ府県知事の意見を中心にして実施をしていく、そういうふうに考えております。
○坂本昭君 勤務評定は府県知事の方でやってもらうということですが、今のような説明の裏には、地方自治団体に対して、終局的には保育所の赤字の責任を転嫁させようという、そういう意図を厚生省として持っておられるのではありませんか。
○説明員(高田浩運君) 地方団体との関係につきましては、実は今までの制度で、結局結果的には市町村等に赤字が結末として振りかかってくる。と申しますのは、結局年度末になってみなければ、幾ら取れたか、幾らもらえるかわからない。従って、これだけこちらの方では取れるはずだが、実際は取れてない。取れた取れないという格好で、結局押し問答になって、最後は私の方からも一部分金を出す、あるいは市町村の方で負担をする、そういうようないわゆる妙な格好になっておったのが今までの姿でございます。これを是正をしたいというのが今度の案、考え方の一つのねらいになるわけでございます。従って、その今までのような形において、何かわけのわからぬ形において赤字を負担させるというつもりはございません。しかし、ただこれは、赤字負担ということではなしに、これは市町村も県も、あるいは地域社会も、すべて児童福祉のためにはこれは関心を持っていただいておりますし、またそのことは、児童福祉全般の向上の上からいって望ましいことでございますからして、自分の独自の考えにおいて御負担いだだくということについては、私どもは、これはけっこうなことである、かように考えております。
○坂本昭君 今の問題は、もう一度あとでお尋ねすることといたしまして、三番目に、経過措置は、来年の三月末までで打ち切るようにしておられるようでありますが、全体的、あるいは部分的にでも、これを延期して指導する、そういうお考えはありますか。
○説明員(高田浩運君) 私どもとしては、今年度中にこれを適合させることに努力をいたしたいと考えております。その後の問題については、これは、今後における予算編成の問題とも関連をすると思いますので、その辺との関連において最終の判断をしなければならない、かように考えます。
○坂本昭君 次に、今度の改善案の中にも盛られている大事な点は、保育単価を制定したことと、同時に甲乙丙の地域差を作っております。ところが、保育料の徴収の方にはこういう地域差がない。それからまた、給食費の方にも地域差がない。まあとれは昔からなかったのですけれども、こういう論理的な矛盾については、どういうふうにお考えになっておりますか。
○説明員(高田浩運君) まあ徴収と費用とをある率においてリンクをさせるかしないかという問題が一つあるわけでございます。これについては、財政上の、観点からは、これはリンクさした方が、将来の問題としては一つの解決になるわけでございます。それから、いわゆる費用を上げる、あるいは徴収に関する負担という立場からいえば、これは反対の方が妥当であるという見解が成り立つわけでございます。理論的には、この両者をリンクさせるかどうかという問題は、これは確かに一つの問題でございます。 それからもう一つ、理論は理論として、現実にまあ違っているじゃないか。これについては従来、御承知のように、非常にめんどうな徴収基準が六表ございました。これは地域によって分れておりました。これによりますというと、むしろ地方の方を甲乙丙に分けますと、丙地区の方が金額としては非常に酷になっております。今度の場合は、それを是正をしまして、いわゆる一本にしたわけでございますから、その意味においては、従来の徴収基準それ自体これは理論的な根拠があるという考え方をとる場合と、そうでないという考え方をとる場合と、これは考え方が違うと思いますけれども、むしろ従来の徴収基準から比べますというと、丙地区の方に有利な編成をした、そういうふうに御理解をいただきたいと存じます。
○坂本昭君 今の地域差の問題については、これは比較的時間を要する検討の問題だと思いますから、差し当っての問題からちょっとはずれると思いますので、これは、一つまた後日に検討してみたいと思います。 三番目に、保育料についてお尋ねをしたいのですが、第一に、新しい保育料の徴収は、きわめて深刻な社会問題となるおそれがあると思います。現にこの選挙の最中にも、私は各地域をずいぶん回って歩きましたが、お母さん方が、現在まで四百円くらいであったのが六百円に引き上げになった。もう子供たちをどうも保育所にやりにくい。そういう訴えを再三聞いたのです。こういう点で特に問題になる点は、ABCDの四つの階層に分けて徴収されることになっていますが、この階層別のパーセントの移動、この見通しをどういうふうに考えておられるか。またこれは、特に与党は、減税の問題も取り上げて、三十万以下については減税をやるというようなことも公約の中に入っておりましたが、これを全部含めて、それからまた、不景気がだんだん進んでいくこととからみ合せまして、たとえばC層は、今までの皆さんの発表によると、たしか六割五分ぐらいだったと思いますし、それからD層が二割二分くらい。それが本年度の不景気の進展とともに、どういうふうにパーセントが移動していくという見通しを持っておられるか。この見通しがはっきりしておらなければ、皆さんのせっかくの改善案というものが、非常に私は蹉跌をきたすのではないかと思うのです。その見通しを御説明願います。
○説明員(高田浩運君) このABCD層の移動は、今お話のように、大局的に見れば、一般的な不況の時期になりますというと、AB層がふえてCD層が減る。それから、非常に好況になりますと、CD層がふえてAB層がその割にはふえない。まあそういうようなことになることは、これは言うまでもないことでございます。一応現在のところは、その好況不況の問題については、これは特別に私ども、これを予算に織り込んでどうこうということは、これは考慮はいたしておりません。ただ、こういうふうな補助金のやり方を変えることによって、多少ABCD層の移動というものは、これはあり得ると私どもは考えておりますし、その結果として、今お話のように、たとえばAB層がふえてCD層が減るということになりますというと、全体の人数がかりに変らないという前提をとれば、国庫負担は、これは飛躍的にふえるわけでございます。それを現在の予算でそのまままかなうということは、これはもちろん、お話のように、できないことになるわけであります。そういう場合には、これはもう当然の問題として、予算を要求するつもりでございます。
○坂本昭君 おそらく補正予算を組まなければならない時期が来るのではないかと思うのですが、それについて、この改善案は、大蔵当局とも話し合っておられると思いますが、大蔵省との話し合いの結果について御説明いただきたい。
○説明員(高田浩運君) この保育所の問題については、これは、前々から私の方としてはもちろん非常に大きな問題でございますし、大蔵省の方としても非常に重大に考えておった問題でございますので、この案の作成、それから考え方その他については、十分大蔵省事務当局と打ち合せをして参りましたし、それから、各県等の意見についても、十分なまのまま向うの方としては承知をいたしておるような状況でございますし、従って、これはABCD層のたとえば移動等に伴って予算の根底が違ってくるということになりますというと、これはまあ、当然予算上の問題としてお互いに話し合うということは、これはもう当然のことでございます。
○坂本昭君 ただ、そこで心配になるのは、なるべく補正予算を組みたくない、そういうことのために、第二類の赤字施設、その限度額をできるだけ低く押えるというような行政指導を厚生省はしゃしないかということを私どもは危惧する。そういう私のおそれは、単なる杞憂にすぎませんか。
○説明員(高田浩運君) これは、実は財政上の観点から申しますというと、やっぱり一番大きい要素というのは、今お話になりましたABCD層の移動の問題でございまして上の単価云々の問題というのは、これはそう大きな問題というか、数字上のウエートにはならないと私ども考えておるわけでございますが、おそらくABCD層が、大々的にいわゆるCD属からAR層に移動をするということになりますと、そういうような小細工では、とうていこれはまかなえないことになるわけでございまして、その点は、十分私ども心得て措置をするつもりでございます。
○坂本昭君 なお、C階層はたしか四百五十円を目途としておられたと思いますが、この額はどうも荷いように思うのです。これをもっと下げるというふうなお考え持っていませんか。
○説明員(高田浩運君) この微収額総額につきましては、これはよく御承知の通りだと思いますが、今までの徴収の実績と、それから予算執行に伴って必要とする徴収の増、これは期末勤勉手当等に伴うそれらを加味してこれはきめたのでございまして、従って、総体としては、従来の実績というものに基礎を置いているわけでござい一ます。ただ、御承知のように、従来の徴収の実績というものをとってみますというと、ある県においては総締費の六三%取っている、ある県においてはたりた二六%しか取っていない。すなわち、一番少い県は多い県の半分にも満ちていないというのが現地の実情でございます。その結果、非常に県別のアンバランス——言いかえてみれば、親の負担が非常に不公平になっておるというのが現状でございます。これをある程度調整をするということが必要な問題でございますので、従って結果として非常に少くしか徴収をしていなかったところにおいては、これはある程度高くなるし、むしろ取り過ぎておったところは軽くなる、そういうような現象が起きるわけでございます。そういうわけで、全体としてはそういうことでございますが、今後の問題として、これは、徴収額というものをむしろ下げる方向に努力をするということは、これは当然でございますので、今後の予算の問題としては、その辺のところを十分考えて、予算編成の問題としては考えていかなくちゃならぬと思います。 なお、これは御質問にございませんでしたけれども、念のために申し上げておきたいと思いますのは、C層の四百五十円、これについて、実は各県あるいはほかのいろいろの方面から、これを二つなり三つなりに分けてもらいたいというような御意見が非常に出て参りました。これはやはり、今までのように、収入を認定して分けるということはできませんので、そういたしますというと、たとえば市町村民税の均等側のみを課せられている世帯と、所得割を課せられている世帯と、二つに分けるのはどうだというようないろいろな意見もあって、私どもとしては検討いたしました。そういたしますと、たとえば均等割のみ、それから所得割、二つに分けて、片一方は六百円、片一方は三百円、これは確かに一つの考え方でございます。それによって計算をいたしてみますというと、全国的に見れば、大体両方半々に分れるわけでございます。その意味においては妥当性を持つわけでございますけれども、これを中身に立ち入って検討してみますというと、非常に財政の豊かな某県においては、ほとんど全部これは均等割のみ、従って、低い方の三百円グループだけ、それから、そうでないところは六百円グループだけというような、非常に片寄りを生ずることを発見をいたしましたので、これは、全国的な基準としてはやはりとるべきではない。むしろ四百五十円を一つのものさしにして、各市町村内部において、あるものは高くし、あるものは安くする、その場合に、均等割あるいは所得割あるいは固定資産税その他の要素を考えて上下をつける、そういうような操作を市町村長の方にまかせるというような体制をとることが適当であろうというような考え方をとっておるわけでございます。
○坂本昭君 次には、今度の厚生省の案で一番のねらいとしているところの保育予算をできるだけ獲得しやすい形に改善するということでございますが、第一に、この改善案で、明年度の予算折衝をやられるに当って、具体的に有利な点はどこにあるか。
○説明員(高田浩運君) 御承知のように、従来の保育所の措置については、ずいぶん今まで議論がございました。これはまあ、改善の本旨にも関係することでございますが、従来保育所の予算は、御承知のように、保護者からの徴収と公費の補助と、両方でまかなっておった格好になっておったわけでございます。それで、公費の補助とそれから親からの徴収とは、予算面には、御承知のように、援護率という名のもとに援護奉三六%、公費の負担がすなわち三六%で、残りの六四%というものは父兄から徴収をする、そういうような仕組みになっておったわけでございます。ところが実際は、この徴収額というものは、ここ一年くらいは多少上りましたけれども、累年五〇%に満たないような状況でございます。これが徴収の基準を的確に当てはめてその通りであるならばこれは格別、実際の問題として、これはほかの役所からも指摘をされ、私どももある程度これを認めておる点でございますが、その徴収基準というものをかなり上げて、別の考え方で実施をしていく、その結果、先ほど申し上げましたように、ある県においては六四%、六三%取っておるし、ある県においては二六%しか取っておらぬ。そこで、結局その徴収というものを徴収の基準に照らし合せてみますというと、相当額取り漏れがある。結果から申しますと、公費負担のやり過ぎがある。そういうような結論になりますし、徴収基準が高過ぎて、これが適当でないということを前提であれば、これを変えなくちゃなりませんけれども、それはとにかく、現実の問題として、徴収基準があるからには、これを一応ものさしとしていかなくちゃなりませんので、徴収を取っている、取っておらぬ、これは結局お互いに水かけ論的な、そういうような状況に立ち至っております。 それからもう一つ、公費の負担、すなわち補助の方の点を申し上げてみますというと、九千二百の今日施設がございますが、これはおのおのについてものさしが違うわけでございまして、ある所においては、子供一人頭、月平均の費用というものが大体四百円ぐらい、ある施設におきましては千五百円、もちろん小さなばらつきを見ますれば、さらにそれ以下あるいはそれ以上の所もあるわけでございます。そういうような大きな開きになっておる。このうちの最も大きな要素を占めますのは職員の俸給でございます。私どもも、保育所の職員の俸給というものが決していいとは考えておりませんが、今後これの改善には努力をいたきなければならぬと思っておるのでございますけれども、この千五百円を基礎にして考えてみますというと、最低基準を維持するに必要な経費として、しからば四百円でやっているというのは一体何か。四百円を一つのものさしにいたしますというと、千五百円というのは一体何だというようなことになって、これも結局つかまえどころのない格好になっておりまして、すなわち徴収の面からすれば、非常に浮動的な要素の上に立っておるし、それから、公費負担の面からいいましても、非常にバラエティに富んだ、個々のきめ手がないような格好になっておる。との辺は、今度は改善をするわけでございます。 それから、なおもう一つ、従来は今申し上げたような状況でございますから、幾ら一体取れるかということは、年度のしりをくくってみなければわからない。
○坂本昭君 予算の獲得に有利な点のみ説明して下さい。
○説明員(高田浩運君) それから、公費の方の負担ということから見ても、従ってこれは見通しが立たない。そういうようななことで、国の方としても、これは予算経理が、結局年度を締めてしまわなければプラス・マイナスがわからない。予算計画が立たない。施設自身も立たない。そういうようなことになるわけでございまして、この点を、はっきりした見通しのもとに予算を編成することができる、たとえば、かりに来年が景気が下向きになるような状況でありますというと、先ほどお話のように、いわゆるCD層が減ってAB層がふえる。そういたしますというと、それに応じてとれを予算の編成をすることが可能でございますし、それからまた——。
○坂本昭君 簡潔に願います。
○説明員(高田浩運君) 給与の引き上げあるいは徴収額の低下等につきましても、それぞれはっきりした形において要求ができる。そういうことになるわけでございます。
○坂本昭君 一番大聖な点は、来年はことしよりももっと予算要求ができるか、との案でできるかできないかということ。たとえば、ことしはたしか三十六億科度の要求をせられて、最後に二十五億三千万におさまりましたが、来年この案でいくと、確かに四十億、五十億と、大蔵省を説得するだけの有力な案であるという根拠があるかどうか。そのことを伺っているのです。どれだけの確信を持っておられるかということ。
○説明員(高田浩運君) これは、御承知のように、予算というのは、いわゆる継続性のものでございまして、ことし——三十二年度二十四億八千万円、三十三年度二十五億三千万円。それで、もちろん要求は要求といたしまして、これが結論として倍になる、あるいは三倍になるということは、これはもちろん私どもとしても、そういうふうな確信は持っておりません。しかしながらこれが、たとえば保母の給与の改善等にいたしましても、あるいは徴収の面にいたしましても、これは十分今後、ちょうど予算編成の時期にさしかかるわけでございますから、検討いたしまして要求をし、今後必要な予算の獲得に全力をあげて努力をいたしたいと、かように考えております。
○坂本昭君 どうも局長の説明を開いておりますと、私は比校内この問題について研究しましたので、説明はおかりますが、ほかの方は、あまりにもこの保育所という、子供を保育する問題について複雑怪奇であり、おそらく御理解できがたいのではないかと思うのです。しかも、今度の改善案によって端的に子供が守られるかどうかという、そういう結論は一つも出ていない。特にあなたの説明の中にも、来年度、第二の国民である子供を守るための熱意と、それから同時に、実際的な成果というものが、この改善案の中には私は期待できるように感じない。たとえば、今度の案によりますと、東京都で六十人の施設だというと、必要な経費を除いて、大体六万円ぐらいがたしか上ってくるはずでした。六万四千円ぐらいでしたかね。その六万四千円で適当に運営してもらいたい、六万四千円で、事務費と事業費が全部突っ込みになって、それで適当に運営してもらいたいということなどは非常に、何と言いますか、経営が楽なように見えて、実はわれわれが見ると、園長と保母、この間の関係が対立的な関係になってくる。私は、そういう点で、非常にこれは保育所の運営そのものにとっていい改善案であるかどうか、疑わしい。特にわれわれとしても、皆さんと一緒に、この予算をたくさん取りたい。この案ならば、来年は一歩も二歩も前進をするという見通しがあるならば、われわれも安心して、ぜひこれはやってもらいたいというふうに後押しができるのです。ところが、どうもそういう点において、私たちは物足りなさを強く感ずる。特に合理化、簡素化ということの必要は、たれもが認めています。従って保育所の経営者、当事者だっても、皆さん方が、今度改善したいということであれば、その趣旨についてはみんな賛成しているが、ところが、具体的な内容が出てくると、みんな一斉に反対している。どうも私は、研究が不十分ではないかと思う。こういう段階においても、なおかつ、特別国会を前にして、局長としては、七月一日からこれを断行しようというようなお考えを持っておられるのですか。
○説明員(高田浩運君) 保育所の問題としては、御承知のように、第一は保育所の増設の問題がございます。まあ簡単にするために、こまかい点は申し上げませんけれども、相当普及している県もございますが、村当まだこれからふやさなければならない所もございます。普及しているとはいうものの、県内におけるアンバランスというものを考えれば、かなりやはり相当ふやさなければならない状況の所が多いわけでございまして、従って、今日九千をオーバーしましたけれども、これはもっとふやさなければならないし、また、ふやしたいという一般の希望はますます盛んなものがある、私はそういうふうに見ておるのでございます。こういうふうに数がふえ、あるいは今後ふやすためには、やはりそれに即応した組織の体系というものを整えるということが運営上も私は必要なことであるし、それから、従来のようなやり方での経理では、これはそれに追いついていけないわけでございまして、これをはっきりした基礎の上に乗っけて、将来予算の増の問題、保育所の拡張に伴う経費の増の問題に対処していきたいということが、私どもの心底からの念願でございます。もちろん、それによって過渡的な問題を生ずる所につきましては、先ほど来申し上げておりますように、経過的措置について十分配慮をするということでございます。そういうような考え方のもとに、去年の夏以来、関係の方々とも十分打ち合せもし、また、府県の方とも打ち合せをし、それらの人たちの意見もよく聞いて参っておったのでございます。四月一日から本来実施すべきでありましたのを、特に第一四半期というものをとの研究検討の時期に費やしたのも、事柄を非常に大切に考え、慎重を期したからでございます。すでに年度も始まっておりますので、なるべく早く、すなわち七月一日からこれを実施するということで、準備を進めているわけでございます。
○坂本昭君 保育についての念願は、厚生省の皆さんも私たちも、あるいは保育所の経営者も保母さんも、同じ念願を持っておるのです。ただ問題は、この案がその念願に沿っているかどうかということなんです。あなた方としては、これは単なる事務的な手続だというふうに、簡単に割り切られては、非常に行政上の大きな誤まりだと思うのです。われわれとしては、もし皆さん方のお考えが、今の児童福祉法によってはどうも十分でないというのならば、法律を変えたり、あるいは作ったりすることも、決してやふさかじゃございません。ただ、こうした大事な問題を、あなた方が、ちょうど医療単価の告示案と同じように、国会の審議、そういったものを無視して、勝手に強行するというようなことをされるのは、はなはだとれは穏当を欠く、こういうことでは、われわれも、あなた方と一緒に、保育の予算を獲得したいと思っているにかかわらず、あなた方が勝手にこれがいいのだということを強行するようなことでは、これは、今後の日本の厚生行政を進めるために、はなはだ私はけしからぬことだと思う。そこで、今度の改善案の底に流れているものを見ますと、地方自治団体にかなりしわ寄せをさせ、責任を押しつけるふうな傾きがある。それは、たとえば児童遊園地だとか福祉センターが、本年度新しく予算がつきました。これはけっこうなことですけれども、この保育対策の責任というものは、私はやはり国にあるべきだと思う。しかしこれは、厚生省当局では、どうも市町村に押しつけた方がいいというふうな見解を持っておられるように私には考えられる。これは、今月中に全国の市町村長会議もたしか開かれるはずですし、各地方自治団体からは非常に強い反対があると思う。そういうことを何もかも無視しておいて、去年から一年間各団体と話し合って、これが抜ききしならぬ最後の案だ。だからこれをどうしてもやりますという態度は、私ははなはだ穏当を欠くと思う。そういうことについては、私は、慎重の上に慎重を重ねてやっていただきたい。ことに、きょうの御説明を聞いた範囲内では、来年の予算獲得についても、どうも納得できない。それから、いろいろな説明の中で、これは一番いいというふうに、私たちが心から賛成できない点がたくさんあります。従って私としては、あと次の特別国会においてももっと検討して、お互い子供を守ることのできるような、そういう改善案を作って、それがいいと思ってやりたいなら、やることはけっこうです。しかし、もっと慎重に検討した上でやっていただきたい。そのことについて、最後に局長の責任ある御答弁を承わりたい。
○説明員(高田浩運君) もちろん私ども、独善的に物事を進めるようなつもりは毛頭ないので、それなればこそ、従来各方面の意見を聞き、あるいは市長会あるいは町村長会等にもこの問題の話をし、それから、府県はもちろんのこと、関係の保育関係者等にこの問題について話をし、意見を聴取しておったのでございます。それらのうちから出ました全国的な視野における意見というものは、私は、今度の案にほとんど全部採用をいたしておると確信をいたしておるのでございます。もちろん金額の多寡、それらについては、これは、いろいろそれぞれの立場によって意見の分れる点はあろうと思いますけれども、案の考え方それ自体については、十分今まで慎重にしんしゃくをしてきたつもりでございますので、かような意味において実施して参りたいと、かように考えております。
○坂本昭君 最後に一言。どうも大事な、第二の国民を保育する点について、厚生省の皆さんの考え方は、はなはだ納得できないものがあります。 われわれとしては、義務教育に対して国が責任を持つように、乳幼児の保育についても、国が責任を持つべきだ。私は、こういう新しい見地に基いて、児童福祉法を促進すべきだと思う。従ってこの問題は、次の特別国会においてさらに検討し、慎重審議の上国の方針をきめるべきだ。そういうことで、次に持ち越したい。そのことを申し上げて、私の質問を終ります。
○委員長(阿具根登君) 本問題に対する本日の調査は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(阿具根登君) 次に、調査案件の未了報告についてお諮りいたします。 社会保障制度に関する調査及び労働情勢に関する調査は、いずれも閉会中に調査が完了いたしませんので、その日の報告書を、本院規則第七十二条の三によりまして、議長あて提出することにいたしまして、報告書の内答及び手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。よって、閉会中調査未了報告書を提出することに決定いたしました。本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十二分散会 —————・—————