決算委員会 第23号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/04/21
会議録
○委員長(高野一夫君) ただいまから本日の決算委員会を開会いたします。 昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く使用総調書、昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基く使用総調書、昭和三十二年度一般会計予備費使用総調審(その一)、昭和三十二年度特別会計予備費使用総調書(その一)、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用総調書を一括して議題といたしまして、予備審査を行います。以上、七件につきまして、質疑のある方は順次御発言を願います。 なお、本日は、白井大蔵政務次官、瀬戸山農林政務次官外、各省から関係政府委員が御出席であります。順次、御発言を願います。
○相澤重明君 予備費の支出について、岸内閣総理大臣等の東南アジア諸国訪問に必要な経費の項の中でお尋ねしたいのでありますが、報償費というのがあるわけです。具体的にどういうものなのか、一つ御説明をいただきたいと思うんです。
○政府委員(佐藤一郎君) すでに、衆議院の決算委員会におきまして御要求がありましたので、私どもが差し上げた資料がございますが、その資料をもとにして御説明申し上げると、一番おわかり願えるかと思うのでありますが、たとえば内閣におきましては、内閣として行う外交または内政上の接待等に要する経費、あるいは、内閣の重要政策に関する情報資料の収集整理に関する経費というのが内閣に計上してございます、また、警察庁におきましては、警察職務遂行上一般の模範と認められる職員、及び部外協力者に対する表彰金、あるいは危害をこうむった職員に対する賞恤金と、こういうものが警察庁に載っております。また、防衛庁におきましては、殉職者等に対する賞恤金、見舞金、あるいは情報資料の収集整理に関する経費が載っております。また、外務省におきましては、外交工作を主とした接伴経費、贈呈品経費、要人の招待及び派遣の経費、外交の宣伝経費、在外公館の活動に必要な経費と、こういうようなものがただいま報償費という名目のもとに計上されておるわけであります。
○相澤重明君 分類で今のお話があったわけでありますが、それでは具体的に、まあ説明がどの程度までできるかわかりませんが、たとえば情報というようなものについては、どういう形のものが情報の範囲なのか、その点を一つ御説明をいただきたいと思うんです。
○政府委員(佐藤一郎君) 報償費につきましては、ただいま御説明申し上げましたように、概括的な概念があるわけでございます。一般の庁費なり調査費なりをもってしては、やっぱり感じのはっきり出てこない、そういう特殊な経費でありますが、具体的の使用の内容につきましては、各省から御説明を願った方が適当かと思います。
○説明員(中川進君) お答え申し上げます。外務省の関係報償費による情報と申しますのは、いわゆる機密に属する情報でございまして、ちょっと表立った経費からは支出困難な種類の情報を収集する場合に支出する経費でございます。
○相澤重明君 外交上のものでは実際になかなか発表できないととろであろうと思います。思いますが、私どもがやはり外国を回ってみても、そういうことが痛感されるわけ、ですが、日本の外交上の問題点として、やはり何か宣伝が足りないんじゃないかというような面もあるし、情報の収集が足りないんじゃないかというような面も考えられるんです。そこで、その今の言われた抽象的なことではちょっとわからぬが、在外公館におけるいわゆる政府職員のものでなくて、一般の人もそういう情報を収集するに当ってまあ委嘱をするとか、あるいはまた情報専門に謝礼をしてやる場合があるとか、いろいろあると思うんですが、そういう点について、もし話せる範囲内のことを聞かしていただきたいと、こう思うんですが、いかがですか。
○説明員(中川進君) 先生のお説の通りで、ございまして、政府公務員がみずから情報収集するということは、御承知のように情報収集の方法としては必ずしも当を得たことではございません。もちろん絶対そういう場合がないいうのではございませんが、むしろ先生のおっしゃった後者の場合、そういう場合が多うございまして、そういう場合にこの報償費が活用される、こういうわけでございます。
○相澤重明君 それでは今度は接待費のことについて、これは総理大臣ほか、国会議員もお供をして、東南アジア等を訪問されたわけですが、その場合に、接待費というのは、純然と考えると、外国の方を御招待をした、あるいは報道関係の人と懇談をした、いろいろあろうと思うんですが、政府あるいは国会議員が海外に出張した場合、幾分なりとも接待費の中にまあおみやげ的なものは入るかどらか、こういう点について、おおかりになったら一つ御答弁いただきたいと思うんです。
○説明員(中川進君) 接待費にはいろいろ種類がございまして、まあ何と申しますか、全くの儀礼的な見地に基きまして、まあ接待せざるを得ない場合がございます。このために交際費がございますが、この報償費の接待と申しますのは、そうじゃなくて、やはりその底に何らかの意図がある、外交工作をこれによって、この接待によってし遂げようという場合に行われます、そういう接待にこの報償費を使用しておるのでございます。その形式は、もちろん単におごちそうするという場合もございます。ただいま先生のおっしゃいましたように、場合によっては贈りものを、するというような形において接待をするということも行われる次第でございます。
○相澤重明君 そこで、私はお尋ねをしておきたいのでありますが、岸総理大臣が東南アジアを訪問された際に、外国の情報によると、国内の報道関係でもだいが問題ですが、猫目石とか、あるいは何の宝石とかいうことが話にら出たのですか、あれは、接待費の中から出たのですか。
○説明員(中川進君) 総理府の関係でございますので、そちらからお答えいただきたいと思います。
○政府委員(吉兼三郎君) お答えいたしますが、ただいま御指摘ありました点につきましては、猫目石云々のことだと思いますが、これは新聞の記事によりますと、総則が側人的な立場でおみやげにお持ち帰りになったという、そういった意味の記事じゃなかろうかと思いますが、報償費でもってみやげ物を買う云々といいますのは、こちらからあちらに参ります際に、訪問されますところの列国の方々にお持ちになるところのおみやげ等でございまして、そういう場合に、報償費から出すということでございます。
○相澤重明君 ですから、私のお尋ねしておるのは、報償費というのは、先ほども概括的な説明は聞いたわけでありますが、具体的に接待をする場合には、報道関係とか、あるいは外国の方とか、いろいろあると思うのですね、そういう費用の中でおみやげを差し上げる場合もあろうと思う。しかし、接待費の中で、今度お持ち帰りになっても少しはいいものじゃないかと、こういう点で、その中から支出ができたのかどうかと、こういう点を私はお尋ねを、しておるのです、その点はいかがですか。猫目石は話に聞くと四百万円ということでありますが、そろいう点はどうなんですか。
○政府委員(吉兼三郎君) 総理が東南アジアを訪問されました際に、お持ち願いましたみやげ物等は、これは日本の国内で現品を調達いたしまして、それでお持ち願ったのでございまして、従って報償費の関係は、現地でそういうものを調達したというわけではございません。御指摘のような疑問は起らないと思います。
○相澤重明君 そうしますと、これは外務省かね、お尋ねをしておかなければいけないと思うのでありますが、日本の国会議員なり、あるいは一般の人が、それぞれ海外旅行をする際に、いわゆる外貨の割当を行わなきゃならぬと、こう思うのでありますが、それは政府の場合は、一般の人と違った形でお持ちを願うのでしょうか。その点はいかが、でしょう。
○説明員(中川進君) ただいまの御質問の点でございますが、政府の役人が海外へ出張する場合には、外貨の所持の手続は要らないかと、こういうことと思うのでございますが、政府の役人の出張、多分大蔵省さんの方がいいと思いますか、一般的にやはり日本の政府以外の人が出張される場合でも、全然手続は同じでございまして、ちゃんと外貨の許可を受けて行くのでございます。
○相澤重明君 これは白井政務次官にお尋ねしておかなければいかぬと思うのですが、一般の国際旅行をする際には、どこの国で何泊、どのケースをとって、どのくらいの費用という外貨のあらかじめ割当をする場合に、その旅行目的あるいはその必要経費というものは出てくると思う。そうすると、四百万円の猫目石を買ってくるというと、これはやはりドルの割当がどうも一般のものとは違うのじゃないかと思うのだが、その点は大蔵省はどのように査定をしたのか、割当をしたのか、その点を一つお答え願いたい。
○政府委員(白井勇君) どなたがいらっしゃいますにしましても、一応それに応じましての外貨割当があるわけであります。今の猫目石云々のことは、大蔵省としましては別に関係はたかったと思います。
○相澤重明君 これはそれじゃ税関の関係の方はおりますか。海外旅行をした場合に、税関ではきわめて所持品検査ということは、これはやることにたっていると思うし、やっていると思う。これは前の沖繩のいわゆる選挙の際に、必要以上な検査をしたということをわれわれは聞いているのでありますが、一体岸内閣総理大臣なるがゆえに、外国から幾ら品物を買って来てもいいと、あるいはおみやげを持って来てもいいという理由には私はならぬと思う。税関は一体この猫目石というものは、どんなものであったか、一つ御答弁を願います。
○政府委員(佐藤一郎君) これは私のお答えすべき筋ではないと思いますが、大蔵省の関係でございますから――ただいま実は税関の担当官が今のところ出席しておりません。それで私ども詳細は知りませんが、いずれにしましても、これは新聞が伝えられたことでありまして、まあ誤報であるということも聞いておりますし、詳しい真相については、私どもが答弁する限りではございません。従ってまた税関の方でどうしたということもないことと思います。あるいは一番関係の深い内閣の方で、はっきりあした御答弁を願えるかもしれませんが、大蔵省としては直接これには関知してないと申し上げていいのじゃないか思います。
○相澤重明君 それでは本日はこの税関の担当者もおらないし、まして岸内閣総理大臣も御出席がないので、この点については保留をしておきます。 それで次の問題に入りますが三十一年度一般会計予備費の使用総額の中で皇室費といろのがありますね。この皇室費の中で、皇太子殿下のお住居については、すでにできていると思うのでありますが、御成婚をお考えになって、そういうような費用というものをどのくらい見込んでいるか、あるいは全然今のところは考えておらないのか、そういう点についてお尋ねをしておきたいと思うのですが。
○政府委員(高尾亮一君) お答えを申し上げます、皇太子殿下の御成婚につきましては、現在本年度及び明年度の二カ年にわたります東宿御所の御造営以外は、全く予算的に見込表れておりませんのでございます。時期がきまらぬ、それから御成婚そのものもきまっておりませんので、全然現われておりません。
○相澤重明君 今の御答弁ですと、東宮御所の造営だけで、調度品等については全然考えておらぬということですか。
○政府委員(高尾亮一君) さようでございます。
○相澤重明君 しかし、すでに皇太子殿下の御成婚も、いわゆる年令等から考えまして、国民的な輿望も、いつ一体皇室は御成婚を発表されるだろうかと、こういう点が非常に大きな関心の的になっているというときに、少くとも皇室がまだ一年も二年も全然予算もそういうことは考えておらぬということは、一体どういうことなのか。今は全然そういう繁繁費というものは考える必要はないとお考えになっておるのですか。どうなんですか、その点は。
○政府委員(高尾亮一君) 考えてないというよりは、その事柄自体が、必要のある事柄自体が具体的になっていないものでございますから、予算的に表われてないということでございます。
○大矢正君 私は大蔵省の主計局次長に質問をいたしますが、三十二年度の特別会計の予備費の予算使用の中で、外為会計の中で国際通貨基金から外貨の買い入れによってその手数料として見込まれた経費というのが載っておりますが、これは一体どういう内容のものであるか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(佐藤一郎君) この詳細につきましては、大蔵省の会計課長が出席しておりますので、そちらから御説明を願った方がいいかと存じます。
○政府委員(牧野誠一君) これは昨年の夏に外貨事情が非常に悪くなりましたときに、緊急対策の一環といたしまして、国際通貨基金から米ドルを買い入れたわけでございます。その際にその買入額は、希望額は一億二千五百万ドル。それでそれに対する手数料と、それからそれを金で払わなければなりませんそのための手数料と、両方合せまして、ここに計上してございます二億二千五百五十六万三千円、これを予備費から使用することをお願いした次第であります。
○大矢正君 買い入れを金で払わなければならないということは、これはもう当然のことでありまして、そのことを私はどうのこうのと聞いておるわけではなくて、手数料というものは一体どういうことなのかということを質問している。
○政府委員(牧野誠一君) この手数料の根拠は、国際通貨基金協定というのがございまして、これの第五条の第八項に、こういう場合には、加盟国は手数料を支払わなければならないということがきまっておりますので、これに基きまして手数料を支払ら必要があったわけでございます。
○大矢正君 それでは、この外為会計と関係をいたしまして、海外への投資につきまして、私質問したいと思うのですが、このことにお答えがいただけ6かどらか、大蔵省に関係がありますから、白井政務次官に伺っておきたい、海外に対するわが国の投資についてお答えをいただけるかどらか。いただけたら質問したいと思います。
○政府委員(白井勇君) 為替局の関係になりますので、できますれば為替局長を呼びまして、お答えをいたさせたいと思います、ただいま来ておりませんので、今すぐ呼びますが……。
○大矢正君 それでは呼んでいただかなくてもけっこうですが……、 それでは、これとは多少ずれますけれども、賠償に関係することで質問したいと思うのですが、賠償に関係して御答弁していただける方がおるかどうか……。
○政府委員(白井勇君) 理財局長も実はきょうは見えておりませんので、もし御必要がありましたらすぐ呼びます。
○大矢正君 先に私質問をして、お答えいただけるかどうか、いただけない部分は来られた局長なり、その他課長の方から御答弁いただいてけっこうだと思うのでありますが、最近フィリピンと日本との間における賠償の協定に伴って、物資の調達をめぐり非常に志まわしいうわさが流れていることは御承知の通りです。日本へ賠償として求められる使節団の求め方に調整があるやに一面言われておりますし、またこれの契約に当っての業者とそれから賠償使節団との間における話し合いがどらも芳ばしくないといち意見が最近ずっと出ているわけでありますが、賠償を協定し、それを具体的に年次計画に従って実施をしていく方法について御説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(白井勇君) 私ただいまの大矢委員のお話は初めて承わるわけであります。いずれ専門の担当官からお答えする機会を作りたいと思います。
○委員長(高野一夫君) 私からちょっと大蔵省に伺いますが、予備費についてのことでありますが、いわゆる予備費であるわけだけれども、年々の経験その他等にかんがみまして、大体本年度の予備費はどのくらい出るだろうというような一応の想定、計画があると考えます 従ってそれについて災害復旧費あるいは対策費等の補助問題等については、どういう程度の重点が置かれているか そのほかの点も知りたいので、次回明後日午前十時から当委員会において、あらためて予備費の審議をいたしますので、それまでに最近五カ年間における予備費の使用金額並びにパーセンテージの資料を作成して当委員会に御提出願いたいと思う。
○政府委員(白井勇君) ただいま委員長からお話のありました点はよく承知いたしましたから、準備いたしたいと思います。 なおこの機会に申し上げておきまするが、あらかじめ御要求がございますれば、できるだけの準備はいたします。
○委員長(高野一夫君) 建設省の方に伺っておきたいのでありますが、昭和三十二年度に天龍川の美和ダム建設事業費として一億円の予備費の支出が出ております。これは御説明によりますれば、関連事業である発電事業との工事工程を調整するため必要である、こういうことでございまするが、その経過と申しますか、その調整を必要とするに至った理由を御説明願いたいと思います。 なおまた補正予算として提出を待てなかったほど緊急性を帯びたものであったかどうかという点についても、あわせて御説明、願いたいと思います。
○政府委員(山本三郎君) 天龍川の美和ダムにおきましては、昭和三十二年度におきまして、建設費予算額が八億二千五百五十万円で施行中でございます。ところが、そのダムを使いまして発電するわけでございますが、その発電所の建設が予期以上に進捗いたしまして、またダムの建設も非常に順調に進みました。その関係でせっかくできました発電所の効率を上げる必要が生じましたので、予備費の一億円を追加いたしまして、工程を進捗さしたわけでございます。その結果ダムの水の湛水が三十二年の十二月二十五日にできまして、発電の開始が三十三年の二月の十七日にできたわけでございます。それから補正予算の問題でございますが、このダムは多目的ダムの特別会計の中で施行しておるのでございまして、予備費のワクを特別会計の中に設定してあったわけでございまして、その予備費が使用できるのでございましたので、それで行なった、補正予算を必要としないでできたということでございます。
○委員長(高野一夫君) もう一度。今度は宮内庁に伺っておきたいと思いますが、先ほど相澤委員から皇太子妃の問題が出ましたが、いろいろ予算の価には何らの準備がないようでございますけれども、もしも本年度内に内定をいたしまして、本年度内に御成婚のあるなしにかかわらず、諸般の準備は予備的にお進めにならなければなるまいと思いまするが、さような費用はすべて今後予備費から求めなければならない、こういうことになりましょうか。
○政府委員(高尾亮一君) お答え申し上げます、その御婚儀の費用でございますけれども、御婚儀の費用は、御婚儀そのものが御内定になりましてからある程度の、半年なり一年なりの少くとも時日があるものと思います。もし予算編成のときにそれがきまりましたら、経常予算に組みたいと思います。 それから、その時期が非常に狭まりまして、緊急になりましたら、予備費をお願いしたいと、かように考えております。
○相澤重明君 政務次官にお尋ねしておきたいのは、衆議院の解散もこれは自民、社会両党首の会談、あるいは両幹事長、書記長の事務手続の促進というようなことで、衆議院の解散も二十五日ごろには行われるだろう。そうしますというと、この費用ですね、いわゆる臨時国会を開催するに当ってのそれまでのいろいろな費用が必要になると思うのでありますが、その点はどういうふうにこれはなっておりますか。
○政府委員(白井勇君) 選挙の費用は、御承知の通りに三十三年度の予算にそれぞれ計上をいたしておるのであります。
○委員長(高野一夫君) ほかに御質疑ございませんか。……別に御発言もなければ、本件に関する本日の審議はこの程度にとどめたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) さように決定いたします。
○委員長(高野一夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて下さい。 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十一年度政府関係機関決算書を議題といたします。 本日は文部省の部を審議いたします。検査批難事項は第二百十号から第二百十九号までであります。 まず会計検査院から概要の説明を願います。
○説明員(保岡豐君) 二百十号、不急の機械のこぎりを講入しておるもの、これについて御説明いたします。北海道大学農学部演習林で使用する目的の米国製の機械のこぎりを二十九年度から三十年度にわたりまして、九台を購入いたしましたが、当時の風倒木処理など官行研伐に一度も使っておりません。その理由といたしまして、この機械のこぎりは故障が多く、またこれを使用するに当って共同作業員の組み合せが必要であって、臨時人夫には向かないというのでありますが、これは従来の経験からわかっていたはずでありますから、すでに十台持っておる上に使用しないものを買う必要はないというのであります。 次の二百十一号は、薬品の職人に当り処置当を得ないもの、というのでありますが、弘前大学付属病院で薬品の購入に当りまして、前回購入時の単価を基準としたばかりで、取引の実例について調査しないため、大口需要者としての普通の価格より高く買ったというものであります。三十一年度中同一範囲の店から買っている百二十八点を、同じ別の国立弘前病院と比べますと、弘前病院より年間購入金額は多いのに、逆に百十五万円高く買っております、また、なお書で、言っておりますように、同じ薬品八十九点を東北大学と比べてみましても、七十万円高く買っている状況であります。 次の補助金でありますが、公立諸学佼施設整備に対する国旗補助金の経理の実態に関しまして、北海道ほか十五都府県所在の四百七十夜を実地に調査いたしました結果、六十九ページから七十一ぺ-ジに表示いたしましたように、二百十二号の静内中学校から二百十六号の青山中学校までは、事業主体が申請に当りまして、基本となる保有坪数を聞違えたもの、それから七十ぺ-ジの二百十八、二百十九は、危険坪数を間違えたもの、二百十七号は山梨県のろう学校で害宿舎の収容児童数を誤まったもの、 二百一三号と二百十六号は今申しました保有坪数の誤まりのほかに、実際の事業費が決定事業費に達しなかったのにそのまま精算しているものであります。これら合計批難金額四百万円は、昨年の十分の一でありまして、この点から申しますと、相当改善されていると申し上げることはできると存じます、以上であります。
○委員長(高野一夫君) 次に文部省から概要の説明を願います。
○政府委員(臼井莊一君) 昭和二十一年度決算につきまして、会計検査院が小当事項として指摘いたしました件数は、大学の経理につきまして、北海道大学ほか一件、補金助につきまして、北海道静内中学校整備工事ほか七件であります。これらの不当事項の発生につきましては、まことに遺憾しごく、に存ずるものでありまして、事情を詳細に検討した結果、大学の経理については、今後このようなことのないよう適切な措置を講ずる、補助金関係については、補助金の返還及び交付決定の取消しを必要とするもりにつきましては、関係の事業主体に対しまして、それぞれ返還及び取り消しの指令を交付いたし、また関係者に対しましては、厳重注意いたした次第でございます。これらの不当事項の発生にからみまして、従来にまして今後におきましても、関係職員の資質の向上に努め、職責の自覚を一そう促し、会計監査の厳重な施行等により、このような指摘事項を再び起さないように極力努めたい所存であります。
○委員長(高野一夫君) 以上をもって説明は終了いたしました、質疑のある方は順次御発言を願います。 なお、ただいま政府委員席には、会計検査院から保岡第二局長、臼井文部政務次官、官房の天城会計参事官、小林属管理局長の諸君が御出席であります。
○相澤重明君 会計検査院にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、この批難事項の中の(3)の公立諸学校危険校舎改築費補助金の二百十八、十九号の問題ですが、この摘要欄を見ると、「危険坪数を過大にしているもの」と、こういうふうになっておるのでありますが、実際にこの危降坪数が過大になっておるだけで、他にそういうようなものが全然見積ることができなかったのかどうか、どうも、ただこの文書だけを見るというと、よけいになっておるように思えるわけですが、その後再査定をしたとか、あるいは再調査をしたとか、そういうことはなかったのですか。
○説明員(保岡豐君) 今おっしゃいましたように、その後再任定をいたしまして、危険と認めたものもあります。しかし、三十一年度に補助金を交付するに当りまして、調査いたしましたところにおきましては、まだその点数が危険に達していなかったと、また点数の坪数として申請していなかったと、こういう件でありまして、文部省の物さしに従いましていたしたわけであります。その危険の認定の仕方は、点数をつけまして、かなりむずかしいのでありますが、その点数で危険と認めたかったものまで申請してきた、こういうものでありまして、実際において申請しないものが安全であるかということは、亙るいは問題であるかもしれませんが、その点数におきまして、そのときの申請は、そのときの調査以上に申請していたということであります。
○相澤重明君 会計検査院のいわゆる現地調査をされたその調査は、もちろん申請に基いて調査をされたと思うのでありますが、画一的なしゃくし定規の検査を行えば、今言った申請をされておるものについてということになろうと思うのですが、実際に現地を調査をされ、あるいは査定をした場合に、これはどうも危険ではないか、こういうような場合には、やはりそれを親切に指摘をするということがむしろ国費を使用する場合においては一貫した作業ができるのではないか、こういうふうに思うのだが、そのときにはそういう点については検査院としては別にお考えにならなくてあとで再査定をしたときにその危険というものも認めたと、こうお話しになったと思うのでありますが、そういう点については現地に行った場合に、そういう点をお考えこなることはなかったですか、その点いかがでしょう。
○説明員(保岡豐君) 現地に行きましたときには、前に調査してあった結果と申請と見比べてやります。それにおいてこれだけの誤まりがあったと、こういうわけでありましてわれわれ行ってこれは危険であるとか、どうこうということは私どもやりません。その後に出たというのは、また文部省関係で調査されて出たものであります。
○相澤重明君 文部次官にお尋ねをいたしますが、今の会計検査院の指摘されることは、文部省の方から具体的な資料を提出をされてそして検査院ととしてこの現地調査も行なったと私は思う。ところが検査院としては、いわゆる報告をされた事項あるいは申請書に基いてその個所だけを行なった、しかし実際には、今検査院の言うには、あとでまた申請が出たときに、調べてみれは危険であったということを認めたと、こうおっしゃるのでありますね。そこで文部省としては、そういうふうにあとで追加をしなければならぬ、あとで当然認めてもらわなければならぬと、こういうようなものは、そのときには全然発見することができなかったのかどうか、その点についての一つ御説明をいただきたいと思うのです。
○政府委員(小林行雄君) 二百十八番、二百十九番の危険校舎の改築についてのお尋ねでございますが、これは先ほど検査院の方からお話のございましたように、最初の調査のときには、耐力度調査表によって会計検査院の方で御調査になったものと私どもとして考えております。文部省といたしましては、それ以前には具体的な資料を特に検査院の方にお回しして調査を援助するというようなことは従来やっておりません。ただ御指摘を受けました後に、実際に危険校舎の坪数が幾らあるか、健全坪数が幾らあるかということで再調査いたしました結果、三百十八番の豊頃小学校につきましては、危険校舎の坪数がかなりよけいに出てきた。それから二百十九番の加来中学校につきましても、その後の再調査の結果危険校舎と認められる坪数がかなり出てきた。そういうような事情でございましてそのために私どもといたしましては、一応補助金は返還させないことにいたしました。調査の事前に文部省の方から基礎的な資料をお渡しするというようなことは従来いたしておらないのでございます。
○相澤重明君 ですから、私のお尋ねをいたしたいと思うことは、再調査をしたときには、危険のさらにあるということが認められた、従って補助金についても返還をさせなくても済んだ。済むのは当然な話ですね、危険であるのだから。そこで会計検査院に指摘をされて、これは少し坪数が多いじゃないか、見積りが。多いからといって指摘をされたからこそ、また再調査をした、再調査をしたところが危険ということがはっきりした、こういうことであるという結論になると、当初のいわゆる申請をしたときに、あなた方は実態をつかんでおらなかったのではないか、こういうふうに私どもは考えられる。これは全国の各学校の危険校舎をそういう早く直してもらいたいという強い要望があるにもかかわらず、文部省がお役人的な立場で、とにかくそんなに予算はない、あるいはそういうことを言ったってできるものじゃない、こういうような形で査定をするからそういう問題が起きたのじゃないか、こういうふうにまあ私どもには考えられるわけです。従って、その査定をして申請をする際に、一体どういう具体的なそれでは書類を作ったのか、その経緯をいま少し詳しく御説明願いたいと思う。
○政府委員(小林行雄君) 危険校舎の改築につきましては、危険校舎改築促進臨時措置法という法律がございまして、この耐力度調査によって危険度を判定するということになっております。そして実際の補助金の配分につきましては、危険度の高いものから逐次まあ改築をやっていくという配分の方針にいたしております。この調査につきましては、三十六年に調査を実施いたしました、その後さらに危険度の進行いたしましたものにつきましては、逐次再調査をしてもらって、文部省の方に提出をしてもらうといういき方をとっておりますが、ただいまお話のございましたような、予算のワクの関係からこの危険度につきまして査定を加えるというようなことは、文部省といたしまして絶対にいたしておりません。文部省といたしましては、各市町村並びに府県の教育委員会が実際に耐力度調査をいたしました数字を、そのままいただいておるわけでございます。ただ中には、先ほどこの検査院の御指摘を受けましたような漏れのあるものもございますので、昨年度の暮れに、文部省といたしましては、絶対に今回漏れのないような調査を全国的に実施してもらいたいというので、各都道府県の教育委員会を督励いたしまして、全国の実態調査をいたしました。これにつきましても、もちろん先ほど申し上げましたように、予算のワクの関係から、危険であるものを危険でないというような査定の仕方ということは絶対にいたしておらないのでございます。
○東隆君 今の問題に関連して伺いますが、この二百十八号ですね、これは私は十勝沖震災のあのことをお忘れになっておるために、こういうようなことになったんじゃないかと思う。豊頃はこれはやはり震災のときの中心地帯になっておる。そのために、相当普通の調査要項では入らないようなものが該当の中に出てきておると思う。そんな関係で、会計検査院の方でお調べになったときには該当からはずれると、そして事実は危険校舎だと、こういうことから出てきたケースじゃないかと、こう思うんですが、そうだとすると、会計検査院の方で見方が悪かったということになりますし、それからもしそうでないとすると、文部省の方で手落ちがあったということになる、これはそういう問題になってくるわけです。ですから、私は十勝沖震災のあのときにおそらく改築をしなかった、直さなかった、そういうようなものがここに残っているんだ、こういうふうに見るわけですが、その辺のことがおわかりになりますか。
○政府委員(小林行雄君) 私どもこの北海道の豊頃小学校が十勝沖震災で直接被害を受けておったかどうかということは、実はその辺のことは明らかにしておりませんが、しかし文部省が北海道の教育委員会を通じて調べました危険坪数が、その後の調査に比べますと、かなり甘かったと、大体保有坪数の三百二十坪のうち、まあ危険の坪数が一応その当時といたしましては百四坪というふうに出ておったわけでございます。その後再調査いたしました結果百七十六坪が危険坪数であったということでございまして、その間に七十坪以上の差が実はあったわけでございます。しかし、これは北海道の教育委員会の学校建築の関係の建築士が出かけて行きまして、その当時の実情を調べたのでございまして、そういった耐力度調査表の結果をそのまま私ども受けておった点からいいますと、文部省にも多少疎漏があったかもしれませんけれども、北海道の建築士がこの現地の市町村と共同して調査をいたしました結果は、ただいま申し上げましたような数字として耐力度調査表ができておったわけでございます。
○東隆君 この第二百十号の「不意の機械のこぎりを購入しているもの」、これも会計検査院の方で、「随意契約により株式会社新宮商行から」、こういうふうに書いて、随意契約が何か悪いように書いてありますけれども、これは特殊なマッカラー・チェンソーですか、これを買うために外国から入ってくるもので、代理店が一つと、こういうようなことに限定されて参りますると、これは随意契約よりほかに手がないと思うのですが、こういうような場合でもその随意契約はいけないと、こういうふうにごらんになるのですか、会計検査院の方では。
○説明員(保岡豐君) ここに随意契約と書きましたのは、批難の意味で書いたのではございません。契約の形式を書いただけでございます。今おっしゃいますように、新宮商行はチェンソー・メーカーの日本総代理店でありますから、このチェンソーを買うという場合には随意契約よりいたし方ないと思います。
○東隆君 その次に私は、これは大学の演習林におけるいろいろな設備ですが、そういうようなものを設備する場合における物の買い方と、普通の役所でもってやっている場合の買い方ですね、この間には非常に相違があると思う。大学の演習林は、これはやはり学生にいろいろなことを研究させるので、場合によっては非常に機械の悪いのを使う場合もあるし、それから非常に能率の高いものを使う場合もある。そしてそこに研究をする機会を与える必要もあるかもしれない。そんなようなことで、私は一がいに普通の場合におけるような見方をする必要はないと、こういうように考えるのですが、この点はどうですか。 それからこのチェンソーですね、この機械のこぎりは、これは私は日本にあまりいいのがないと思う。それでおそらく演習林の方としては手ごろのものでもって一番いいものを選んで、そして買っているのじゃないかと、こう思うのです。 それからもう一つは、風倒木は、これは二十九年の十五号台風によるところの何で、従ってあの風倒木だけを処理するということ以外に、やはり演習林としてある程度のものを整理しなければならない、そういうような問題が出てくると思うのですが、こういうような点で、私は普通の国でもってやっておる仕事でもようございますけれども、営林局でやっておるようなやり方でもってのこぎりを買うべきじゃないと、こういう考え方を持ちますが、これは私は文部省の方ではどういう態度でお臨みになっておるか、その点を明らかにしていただきたいと思う。
○政府委員(天城勳君) 北海道大学の演習林につきまして、このチェンソーにつきまして御指摘を受けた点でございますけれども、私たち一般に大学の設備につきましては、御指摘の通り大学の研究、あるいは学生の教授という観点から考えなければならないことが多々ございまして、一般の行政官庁の備品の購入とは違う点がたくさんございます。演習林におきましても、一般の森林と同じような施業案は持っておりますし、研伐もございますが、同時に学生の研究というものはたくさんございますので、本件につきましても、大学としましては、学生の教育というものを十分考慮に入れては買ったはずなんでございますけれども、当面の風倒木処理、あるいはこれらの機械の使用状況が必ずしも適当でないということで御指摘を受けたと考えておるわけでございます。その後大学ともよく打ち合せておりますが、御指摘の通り、これは教官の研究の面からも、また学生の実習の面からも、十分活用していく考え方でもって、決して無用にはしないという考え方で進んでおります。
○東隆君 私は今のお答えで満足するのですが、しかし文部省の方で、会計検査院の検査報告に対する説明書の書き方は、平あやまりにあやまればそれで事が済んでるように、書き方がはなはだ――あやまればそれでいいような調子でもって書かれておるので、はなはだ遺憾に思うのです。私はやはり演習林なんかにおけるところのものは、必ずしもいい機械でなくてもいいし、それからそうかといって古いものばかりを使う必要はない。やはり新しいものもときどきは入れなければなりませんし、それから場合によっては集団的に使って、そしてやるというやり方もありましょうし、いろいろなこれからのやり方というものはどんどん変っていくと思う。だから小さな場所で、そしてあらゆる方法をやるのですから、外から見ると非常に不経済なものだけれども、しかし教授を受けるものにとっては、非常にためになるような、そういうようなことが非常に多いと思う。そういうものに金が使われるから、教育費というものは私は尊いのだろうと思う。そういうような意味で、私は文部省はこういうふうな場合には、もっと堂々と一つ会計検査院でも抗議を申し込んでしかるべきじゃないか。こういう考え方をもちますので、お聞きをしたわけです。
○相澤重明君 公立文教施設の整備費の補助の問題についてお尋ねをしたいと思うのでありますが、三十二年度の特に公立文教施設災害復旧費の補助について、三十二年度のものについては、三十三年の二月末現在に支出済み額はゼロとなっておるのですが、これは実際問題として、三十二年度に、おそくなって三十一年の末に、十二月ごろ閣議決定されたものがあると思うのですが、そういうようなものが実際にこの二月末現在で支出済み額がゼロというのは、そんなふうに考えられるかどうかというちょっと疑問が起きるのですが、その点を一つ御説明をいただきたいと思うのです。 いま一度申し上げますと、公立諸学校建物、その他災害復旧費補助金の中で、三十二年度使用決定、三十二年の十二月二十七日に額がきめられております。そのうち三十三年の二月末現在で支出済み額はゼロである、こういう点については一体どういうことなのか。ちょっと疑問が起るので、その点を説明を願いたい、こういうことです。予備費の方ですよ。
○政府委員(小林行雄君) ただいまのお尋ねの点は、第五号台風に対する災害復旧に必要な経費の関係だと思いますが、これは御承知のように、閣議決定になりましたのが十二月の二十七日、十二月の末でございまして、普通、事務そのものはその後二ヵ月ぐらいの間に進むわけでございます。しかし最後の事務的な処理といたしまして、補助金関係の交付決定がありましたのが、この五号台風につきましては二月の十九日でございます。実際に工事そのものはもっと早くから進んでおるわけでございまして、年度末までには一応全部の支出を終っておる状況でございます。
○相澤重明君 年度末までには全部支出が終っておる――、実際今の十二月の末ですね、二十七日に閣議決定をして、そうして三十三年度の二月末現在は支出済み額はゼロであって年度末には全部支出済みになる。全然繰り越しというようなことについては考えておらなくてよろしいのですか。ちょっと変なように思うのですがね。
○政府委員(小林行雄君) この関係につきましては、二月の中旬の二月十九日の交付決定までに、これは第五号台風の関係は、小さい建物の破壊等が多かったわけでございまして事務的にその二月十九日までの間に工事を進めてもらったわけでございまして、従って交付決定そのものは先ほど申しましたように、かなりおくれたわけでございますが、工事そのものはその間に進捗いたしましたので、年度末までに終ったわけでございます。
○相澤重明君 それからもう一つ。予算の翌年度の繰り越し問題も含んで、この公立諸学校施設整備に対する国軍補助金等の経理当を得ないもの、こういうことで二百十二から十九までありますね。それはさておいて、公立小中学校の建物整備費補助金について、ちょっと基本的なものをお尋ねしておきたいと思うのでありますが、これは各府県あるいは市町村から、教育委員会からそういうものが申請をされた場合には、いつごろ一体基本調査というものは終るのですか。
○政府委員(小林行雄君) 文部省といたしましては、例年公立学校の建物の状況につきまして、その年度の五月一日現在の全国調査を行なっております。五月一日現在で全国の建物のたとえば危険の状況、あるいは不足の状況というようなものを各府県の教育委員会を通じて実態調査をしてもらっております。これが全国的に集計されて参りますのが大体六月の末ということになります。従って、文部省としてどんなに早く交付関係の事務を実施いたしましても、早くて八月の末ということになるわけでございます。三十二年度におきましては九月に入っております。それからそれ以前におきましては、もっと時間がかかったのでございますが、私どもといたしましても、なるべく、こういうことが原因になって繰り越しが生ずるというようなことにならぬようにできるだけ事務も簡素化いたしまして、事務的に迅速に進めるようにいたしましたので、昨年度は九月中旬に交付決定がなされております。文部省といたしましてもできるだけ早く取り進めたいと思っております。
○相澤重明君 そうしますと、今の御答弁でいきますと、基本調査を五月一日に行なって、六月下旬にそれが全国のがまとまってそうして交付が八月の末ないし昨年度からいけば九月というと、当初の計画をして、いわゆる各都道府県、市町村は計画をして立案をして実際に工事にかかろうと思っても、工事にかかるのはかなりおくれるのですね、今の交付がおくれると。そうするというと、必然的にいわゆる材料費等の値上げ等が行われた場合には、関係の府県、市町村というものはそれだけのよけいな金というものを支出しなればならぬということにもなる心配が私はあろうかと思うのですが、そういう場合の一体赤字になった――まあこれは予定額からいけば、材料費が値上りになればこれは赤字になるわけですが、その場合の責任は一体だれが背負うのですか。
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、学校建築の工事費の単価は資材の材料費の関係あるいは労賃の関係、いろいろ要素があるわけでございまして、またこれらは場合によっては従来よりたとえば鋼材が安くなるとか、あるいは労賃が移動するというようなことで、ときどき変化をいたしますので、単価につきましてもそういった面を考慮して文部省といたしましても、大蔵省と話し合いをして年々きめておるところでございます。一応全国的に木造の単価あるいは鉄筋の単価というものをきめておりますが、これは御承知のように地方の実情によりまして多少の開きがございますので、私どもも、実際にその地方の実情からどうしてもある程度割り高でなければならぬというようなところには、必要の程度の材料費と申しますか、単価の値上りを認めて工事の建築を実施させております。 ただいまのお話の中にございましたような、計画したときから交付決定までの資材費の値上りというようなことにつきましては、従来たとえば鋼材の値上りのことがございました。この場合には、文部省といたしましては、一定の基準の鋼材が、たとえば学校建築の場合には十九ミリの棒鋼というものが非常に要るわけでございますが、こういったものを特定の値段で配給してもらうように鉄鋼業の団体の方と話し合いをいたしまして、これはもちろん通産省のごあっせんにもよるわけでございますが、できるだけそういった材料費の値上りが起きないように措置をして参っております。特にそのために赤字を生じたというような事例は今までのところ私ども伺っておりません。
○相澤重明君 文部省は、今言った全・国の学校建設に対する資材、材料費等については大手メーカーとそういうことは一応できても、各都道府県、全国のいわゆる教育委員会はそれぞれ今の予算の配賦案の中で競争入札等でこれは工事を起すわけですね。従ってその大メーカーと取引しているのもあるかもしれぬ、しかし、都道府県の中に、あるいは市町村も含んでですね、そういういわゆる登録業者の中で競亀入札をするのも私はあると思うのです。だから必ずしも大メーカーだけということに私はならぬと思う。そうしますというと、今の大元締めではそういう形はとられても、いわゆる地方の市町村の場合には、かなり材料費等の問題について私はやはり高低というものは予想ができるのじゃないか、現に文部省の予算の翌年度の繰り越しの中でも、三十一年ですね、三十一年の八月末までに九〇%以上終っておっても、その後の鋼材取引での著しい値上げのためにズレたということの計画が若干出ていますね。こういう点はまあ御承知の通りなんですが、そういう点も考えていくと、やはり事実上経費の赤字になったような場合に、地方の財政の貧困なところでは、若干でも赤字の出た場合には非常に苦労するわけですね。そういう点について、交付金がおくれたということが私は一番やっぱり問題になると思うのだが、たとえば今年度の場合に、具体的に交付金を交付される時期はいつごろになるのか。こういうこともあわせて一つお伺いしておきたいと思う。前のは赤字が出た場合、そういうふうな工事関係については、私は大メーカーだけでなくて工事の請負いというものは必ずあると思う。そういう場合に、鋼材の値上り等の欠損というものは一体どうするのか。それから今年度の一体見込みというものはいつごろになるのか。こういう点の御答弁をいただきたいと思うのです。
○政府委員(小林行雄君) 先ほど申し上げましたこの鋼材の実際の値上り関係で、いろいろ全国的に問題を起しましたが、私ども伺っている範囲内におきましては、もちろん大メーカーと直接取引をしているところは、協定の値段で比較的早い期間に入手ができると、ところが中小メーカーなり、あるいはいろいろな業者を介在させますと、その値段で入手することについては、大メーカーの場合に比べて非常に時間がかかっておくれるということはございましたようでございますが、特にそのために値段が高くなったというようなふうには、私ども今まで聞いておらないのでございます。 なお、この国の補助金がいつごろ出るかということでございますが、これは先ほど申しましたように、八月の末、あるいは九月に交付決定をする予定でございますので、それに応じて金は出ていくわけでございますが、ただ工事そのものの進捗状況によってかなり実情が違って参ります。と申しますのは、その後いろいろ建築を実施している場合に、従来の計画と多少模様がうになるというような場合もできて参りまして、計画の変更の申請等もその後に出てくるわけでございますので、工事が一応見通しがつくころに実際の金は渡る。ただ間違いなくそのころまでに順調に進行している場合には、八月の末あるいは九月の初めごるから金は出ていくということでございます。
○相澤重明君 よくわかるわけでありますが、どうもその点について、私はまあこの大メーカーがもちろんいけないということを言っているのじゃなくて、大メーカーの請負というものもあるでしょう。しかし、まあ私どもが今年の一月、大阪や京都を決算委員会で現地調査をした場合も、各関係のこの省庁の、あるいは都道府県の請負業者の登録というものはどんなものかということまで実はわれわれはいろいろ質問をしたわけであります。これは都道府県によってかなり差があると私は見ておるわけです。そういう点からいくと、今申し上げた予算の配賦そのものについて、あるいは交付については適切な処置であったと考えられても、今度は地方の末端の工事の関係いかんによってはかなりの私はそこに差益というか、損害あるいはそういうものが起きる場合があり得るということ、こういうことを実は見ておるわけです。現に私も横浜に住んでおるわけですが、これはまあ学校というよりは講堂の問題が一つ出ておりますが、中学で講堂を作る場合にも、少しこの工事の関係で値段が上ったり、あるいは工事が難工事であったということで予算が増額になる、こういう場合には市なりあるいは地元なりというものがよけいにその負担をしなければならぬけれども、結論としてはその工費というものは出てこない。こういう場合にどうしてもPTAなり父兄の費用というものは非常に増額をされるということが考えられるわけです。まあ何といってもしょうがない、お役所の予算であるから、予算がないときには地元で泣いてくれということになれば。これは一つの例ですが、私は学校の問題については、先ほども申し上げた場合によると、台風等が起きた場合とか、あるいは異常なこの風水害という場合には、その災害復旧費というものももちろんお考えになるだろうが、原則的にいってそういう問題が起きはしないかという心配をしておるのです。あなたの今の答弁は、今までそういうことはないのだというのだが、むしろ地元が泣いているのじゃないかという気がするのだが、そういうことは聞いておりませんか。
○政府委員(小林行雄君) 私も的確なことを伺っておりませんのですが、しかし今まで別の委員会の関係で、横浜の学校の庭内運動場の関係で寄付金が募集されておるというような御質問を受けたことがございます。まあこれは義務教育の関係かあるいは高等学校の関係か存じませんが、義務教育の関係であれ場はなるべくまあ――ことに義務教育の関係の場合には、施設の関係のために特に父兄から金を集めるというようなことはなるべく避けてもらいたいと私ども考えております。ただ最近の実情を申し上げますと、生徒一人当り何坪という基準がございます。この基準以上に、それぞれ学校の設置者なりあるいは御父兄の方がりっぱな屋内運動場を建てたいというようなことから、まあ最低の基準以上に作るためにそういった命を集められるというようなことも承わっておりますが、どうしても御父兄の方の御希望でそういうふうになるなら私どもいたし方がないと思っておりますが、なるべく、集めてもらいたくないと思っております。ただ難工事であるとか、あるいは土地の状況があまりよくないのでというようなことから、工事単価がふえるというような場合には、寄付を集めるということは私どもあまり好ましいこととは思っておりません。
○相澤重明君 今御答弁は大体よくわかりました。わかりましたが、それでは学校施設の問題でさらに一つお尋ねをしておきたいのは、御承知のように大都市ではまだ二部授業というものが実は解消されておらないわけです。三部授業というのは、私の住んでおるところは四年生まで二部授業をやっておるわけです。これはまあ実際に言ってこの小中の教育というものは、これは国家的ないわゆる義務教育とわれわれ考えておるわけでありますが、実際には午前番、午後番、あるいは休みをしなくてはいけない、青空教育もしなければならない、こういうようなことが実際にどこの都市も大きいところは必ず私は行われておると思うのであります。そういうところでは雨なんか降ったときには、実際講堂とかあるいは今あなたのお話しになった雨天体操場ですね、そういうところがなければ実際の教育は行われないと私ども考えるのですね。従って父兄の立場では、まあ国の予算でできるだけやってもらいたいという強い希望はあっても、二部授業そのものさえ解消できない今日では、なかなかそういうものはできないのじゃないか、こういう心配をみんなしておるわけです。そこで文部省としては二部授業の解消については、もちろん五カ年計画なら五カ年計画の中でおやりになっておると思うのでありますが、講堂とか雨天体操場の場合には、そういう計画の中に入れておるのか入れておらないのか、その点一つ私はお尋ねをしておきたいと思うのですが。
○政府委員(小林行雄君) この施設の関係では、御承知のように不正常授業という言葉を使っておりますが、不正常授業の中にはいろいろ種類がございましてただいまお話のございましたような二部授業を初め、たとえば仮校舎でやっておるとか、あるいは借用校舎でやっている、あるいは非常な生徒の詰め込みをやっている教室、いろいろな種類がございます。私どももこの施設の関係から申しますと、まず二部授業だけは何としても最初にこれな解消したいということで従来努力して参りましてこの、不正常授業の中で二部授業の形態は非常に最近少くなっております。ただいまお話のございましたこれは大都市にもあるのでございますが、横浜あるいは神奈川県下の二部授業は、よそに比べて相当まだ残っている。実は先日も川崎なり横浜の二部授業を拝見に出たことがございます。これは他の大都市よりもいろいろ都市への人口の集中の関係か、あるいは県あるいは市の当局者の努力も足らない点も多少はあるのかと思いますが、二部授業はよそよりも多いのであります。私どもといたしましては、不正常授業の中で特にこの二部授業の解消ということには、今後も極力努力をして参りたいと思っております。 なお、この屋内体操場につきましては、これは従来御承知のように積雪寒冷地を、まず手始めに積雪寒冷地の小学校、中学校に屋内運動場を作るということでやっておりまして、ここ両三年ばかりそれ以外の地域にも屋内運動場の設置が認められておるわけでございますが、現状では、ことに積寒地以外の地域では非常に要望が強くて非常な競争になっておるわけでございます。それで、これは今の現在の予算では、実は何カ年計画というようなことを言える段階では実はないのでございますが、全国に漏れなくこの小中学校に屋内運動場を作るということからいきますと、現在の予算では非常に不足をいたしておりますが、将来この屋内運動場のワクも予算の許す範囲内でできるだけ文部省としては確保したいと、かように考えておる次第であります。
○相澤重明君 一度私も、次官もおるから次官に現地を見てもらいたいと思うけれども、これは総選挙が終らなければしょうがないけれども、いずれにしても、文部省当局に学校をやはり具体的に私は見てもらいたいと思うのです。私の主張しておるのは、今申し上げているのは、ほんとうにこの二部授業の解消をしてもらいたい、どの地域に行きましても親御さんのみんな希望していることなんですね。子弟を持っておる者としては、何とかして早く二部授業を解消したい、こういうことでありますので、端的に一つお答えをいただきたいのですが、文部省としては二部授業をいつまでに大体なくす見込みでおるのか。
○政府委員(臼井莊一君) この不正常授業でございます。ね、これをなるべく早く解消したい。特に二部授業を先になくしたいというので、いろいろ計画を立てておりますが、ただ予算の問題でいつも悩むのでありますけれども、しかし、大体文部省で考えておる予算、それが取り得れば、大体五カ年ぐらいで小学校、中学校ともに解消できる。かように考えております。と申しまするのは、一つは御承知のように三十四年度からは小学校の生徒数がピークとして、それ以後漸次児童数が減少いたして参りますので、そういう点からいたしまして、ただ中学校の方は逆にその三年ばかり増加いたすのでありますが、まあ通じて大体それくらいの間に解消をいたしたいと、かように考えております。
○相澤重明君 そうしますと、大体三十四年度が一応の文部省の考えておる小学校児童のピークである、山である、それ以降についてはそうふえる見込みでないから、小学校の二部授業についてはここ二、三年のうちに解決をする、中学の場合には、三十四年度から二、三年というものはやはりふえる見込みであるから、それらを考えてやはり大体小学校と同じくらいに考えていいと、こういうふうに理解をしてよろしいんですか。
○政府委員(臼井莊一君) 大体さように御了承いただいてよろしいと存じますが、ただまあ御承知のように、全国を通じますると、そうすし詰めにもなっておらないのでありまするが、二部教授にしても、大都市と申しますか、急激に人口が増加する、こういう都市に非常に顕著でありましてたとえば大きな工場がどんどんできる、そういうところに顕著でありますので、若干そういう点について、予算の関係もありますが、狂いを生じますが、大体そういう、五年くらいに解消いたしたいと、こういうふうに努力をいたして参りたい、かように考えております。
○相澤重明君 文部次官の御答弁で、大体まあ三十七年くらいまでには二部授業というものを解消するということですね、三十四年から二、三年というんだから。そういうことで特に私は労働力の多い、あるいは急激に人口の膨張するという大都市ですね、この地域の困難性というふうなものは大へんなものなんです。これは六大都市の市長なり、あるいは市会議長、それぞれそういう問題については、政府なり関係当局に強い要望を出しておると思うのです。特に私はそういう点を、やはり心して文部当局がやはりやってもらわぬことには、全国的に見て平均をしてみて今のは二、三年あればと、こういうことでは、私はやはりほんとうの教育を、義務教育を進めることにはならぬ、こう思うのであります。いかに松永文部大臣が道徳教育を主張されようと、あるいは教師の勤務評定ということをやろうと、教えてもらう子供自身が教えてもらうことができないような実情では、これは何も意味ないと思うのです。そういう意味で、大都市のそういうようなところについて特別な御考慮というものが考えられるのかどうか、こういう点について一つ政務次官のお答えをいただきたいと思うのです。
○政府委員(小林行雄君) 大都市並びに周辺の中小都市での人口増加は非常に多いわけでございますが、これにつきましては補助金ばかりでなく、従来もこの年度末にそれぞれ自治庁とも話し合いをいたしまして特別の起債のワクをもらって、この不正常授業の関係に対処してきておった次第でございます。すでにここ数年の間に数十億の金が起債を認められまして、これで学校の校舎の建築をやっておりますが、なお、まだ不十分でございます。三十三年度におきましてももうすでに当初から大都市の不正常の関係は特に市税をして、自治庁の方も起債を認めるということになっておりますので、補助金等いろいろ相待ちまして、できるだけ早い機会に解消するように努めて参りたいと思います。
○相澤重明君 それからその次には、今のは教室の問題ですね。そこで先ほどもちょっと答弁に触れられましたが、いわゆる講堂とか、あるいは雨天体操場ですね、そういうものについては今の二部授業さえまだここ数年は解消に手間取るということで、教室ができないんだから、とうていそれは望みがないという形で、各都道府県あるいは市町村教育委員会でも、地元の人にもお答えになっておると思う。従って地元の人はかわいい子供のためには何と言われたって、やはり自分たちが、そういう雨天あるいは降雪等の場合には、何とかしてこれを避けるように、子供のために一つ暖かい部屋を作ってやろうという形が、私は寄付金という問題になってると思う。そこで私は、先ほどのお話では、まず雨天体操場とか、あるいは講堂等の問題については、第一の考え方は積雪寒冷地帯を着手しておる、こういう問題であります。が、具体的に各都道府県あるいは市町村の教育委員会がそういうものを地元の要望によって、新設を申請されるような場合には、これは国費で半分持つというわけにもなかなかいかないだろうと思うのです。今の場合そういう場合には助成金というものはどの程度出すのか、あるいは全然出していないのか、そういう点についてお考えをこの際一つ出していただきたい、こう思うのです。
○政府委員(小林行雄君) これは小中学校を通じまして学校の教育上からも、児童生徒の保健衛生上からも、屋内運動場が必要であることは論を待たないと思います。ただ小学校は特に年限が延長になったわけではございませんのでありますが、中学校は御承知のように新学制の発足と同時に、新たにスタートしたという関係で、小学校に比べてまだ屋内体操場を持っている比率が非常に低いわけでございますので、文部省としても、この積寒地以外の府県の屋内運動場につきましても、積寒地と同様に中学校の場合は二分の一の補助をいたしております。ただこれは金額のワクがあまり多くございませんために、全国各府県から非常に競争になっておりまして、御申請がありましても、それをまあ御満足させるようなワクが各府県にいかないために、現状では一府県二、三校程度にとどまるわけでございますが、しかしできるだけこのワクは将来広げて参りたいと思っております。
○相澤重明君 今のお話を聞きますというと、積雪寒冷地以外の都道府県市町村においても、二、三校くらいは大体講堂あるいは、雨天体操場等については、文部省としては資金を出しておる、その資金は二分の一を持っておる、こういうふうに理解していいですか。
○政府委員(小林行雄君) さようでございます。
○相澤重明君 そういたしますというと、その他のものについては、実際には政府としては資金は出しておらないということになりますか、今一つ突っ込んでお話ししますと、ただいま横浜なら横浜の例をとって、横浜市で講堂なり南天体操場を小中学校で十なら十作る、国の予算としては三つきりか出さない、その三つきりか出さないけれども、地元としては十校作らなければ困るということで十校に配分するということができるのですか、その点いかがですか。
○政府委員(小林行雄君) 屋内運動場の関係は、従来予算補助でやっておったわけでございます。別に補助法に規定された法律に根拠を持った補助金ではなかったわけでございます。私どもといたしましては、しかし中学校の校舎も同様の考え方から補助率も二分の一ということにして実際やってきたわけでございますが、ただいまおあげになりましたような、たとえば一府県で十校あるいは十校以上屋内運動場を作るという場合も、これは現状では予算のワクが限られておりますから、そのうちの補助の対象になる学校は二校ないし三校程度にとどまるというのが現状でございます。
○相澤重明君 どうも少し私ども現地に住んでおる者として事情が違うように思うのですが、教育委員会あたりで、この雨天体操場とかあるいは講堂を作る場合、それぞれの基準というものを作っておるように思うのです。政府でいわゆる文部省が査定をして、この地域のこの学校はよろしいというのはなるほど二、三校かとも思うのですが、ほとんどが現在のところは父兄から費用を捻出して徴収をしてそしてそれに対して一校百万であるとか、百五十万であるとか、二百万くらいの程度の助成金しか私は出しておらない、こういうふうに聞いておるのであるが、今のお話だというと、たとえば一千万かかった、ものならば、五百万は文部省が持つ、二分の一ですから。そういうことになるのでありますが、そういう点は、文部省は指導は全然しておらんのですか。それとも、もうとにかく文部省としては、たとえば神奈川県なら神奈川県には三校なら三校だけで、あとは一切認めないのだから、助成は一切しない。こういう形で指導しているのですか、その点どうなんですか。ちょっと私現地におるものとして若干意見の食い違いがあるように思うのですが。
○政府委員(小林行雄君) 先ほどお答えの中に申し上げましたが、屋内運動場につきましても、施設の基準というものがございまして生徒一人当りたしか〇・二二坪でありましたか、そういう一人当りの基準坪数に生徒数をかけたのが私ども一応この補助の最高限というふうに考えております。その以上に、たとえば非常に大きな経費をおかけになってりっぱなものをお作りになることも、これは自由でございます。自由で、市町村が自力でおやりになる分は、私ども別にそれに対して何とも申し上げておりませんが、先ほど申し上げましたように、国の補助金のワクというものが限られておりますので、実際補助の対象として国から補助を受ける学校というものは限定されてくるわけでございます。
○相澤重明君 どうもやはり、まだ、実情についてよくお調べになっておるという御答弁をいただいておるのでありますが、私どもの住んでおる町のあるいは市、県のことを考えると若干違うように思うわけなんです。そこで私はこれ以上いろいろ御討論をしても仕方がないと思うので、それで文部当局に具体的な資料を一つ提示してもらいたい。それは小、中学校の場合に、先ほどのお話の計画ですね。何カ年計画でどのくらいの教室というものが実際に増加をして、二部授業というものは解消できるものか、それから積雪寒冷地帯における講堂あるいは雨天体操場、こういうものはどの程度までの計画が立つものか。それからその他の一般の地域、それからいま一つは六大都市等の最も人口の激増すると思われるような地域に対する、そういういわゆる交付金の基準あるいはそれの解消の見通し、こういうようなものも資料として御提出をいただきたい。それによってまた一ついろいろと御意見も申し上げたいと思うのでありますが、今のところそれ以上ちょっと申し上げてもどうもはっきり私ものみ込めないので、そういう点について委員長から資料の提出方を一つお願いいたします。
○委員長(高野一夫君) ただいま相澤委員要求の資料の提出をお願いいたします。
○大谷贇雄君 今の相澤委員の問題に関連をしておるわけですが、公立学校の危険校舎の改築、それから公立文教施設整備費、その不足の坪数が相当まだ充足されておらんのじやないか、その現状、それからそういう整備促進するための予算措置、これについて資料を出していただきたいと思います。
○政府委員(臼井莊一君) ただいまのは資料だと存じますが、あわせてその資料を整理してできるだけすみやかにいたします。 なお、先ほど御質問ございました講堂等につきましても、これも予算の関係で、まことに文部省としても残念でありまするが、もっと各府県にも講堂の援助をしたい、こういうふうに考えているのですが、実際には、やはり父兄が非常に子供のために寄付金をして、一千万円かかる講堂なら五百万円集めて、そうして市の方へ持っていって、これでやってくれ、こういうような、またこれはこういうことからPTAの負担、父兄の負担が加わっておりまして、こういうことも一つできるだけなくして、できるだけ政府の援助の手を広げるようにしたい、かようにわれわれも将来努力いたしたいと考えております。
○大谷贇雄君 今の相澤委員の資料要求の中には、二部授業が現在全国でどのくらい行われているかということはむろん入っているわけですね。 そこでこの際ちょっと承わっておきたいのですが、過日、大蔵省の国有財産の問題につきまして、私から資料を要求しておいたのが届いたわけです。それは、愛知県の名城大学に対しまして、大蔵省の国有財産、土地、建物を終戦直後、大学を建設するについて貸したわけです。そこで名城大学からは払い下げの申諸書があったが、申請は認めがたいということで認可をしなかったわけです。現実におきましては、名城大学は現在それを使用している。膨大な土地であって、二十二万坪からある鷹来のもとの陸軍造兵廠の跡です。そこでその中の三万三千坪、建物三千百四坪というものが昭和二十四年に一時使用を認可した。さらにその後、四万七千七百九十七坪、建物千二百二十八坪というものを認可をいたしているわけでありますが。合計すると大へんな、八万坪以上の土地になると思うのですが、そこでこの学校は、私もよく承知しておりますが、現地を見たことはありませんけれども、今年の三月の現在わずか二百二十二名がいるという現状で、春日井市は、戦争中は軍部ということで発展を策しておったのが、中絶したわけです。そこで現在は平和都市として王子製紙等を誘致してやっている。しかるに、そういう土地の中にこういうたくさんの、膨大もない土地が学校の土地として使用されている、発展をすべき春日井市がこういう――むろん教育のことてありますから、尊重をして大蔵省においても払い下げをしたのだが、現実問題として、わずか二百やそこらの者に数万坪の土地が使用されている。しかもこの学園は、設立者が非常な苦心惨たんして設立をしたわけです。その点については相当いろいろな、無計画というか、むちゃくちゃに文部省に申請をして、文部省も実情を調査せずして認可をしてしまったというようなことで、あれよあれよといっているうちに、膨大もない総合大学ということで各種学校がこういうことになっている。この設立者の非常な努力というものは大いに認めているわけです。全体的にいって私学振興のために、教育のために尽されたということについては思っておりますが、その後、その設立者はついに追い出されてしまって、今日紛争をしている。その一体土地の問題と、それから紛争の経過、その後どうなっているか、またさらにこの学校ばかりでな上に、最近聞くところによると静岡においても私立の学校にそういう紛争がある、また福岡においてもあるというようなことが次から次に私どもの耳に入ってくるわけで、非常に遺憾千万だと思う。実は一面においては私学を大いに振興しなければならぬその際においてそういうようなことがあるということは非常に残念だと実は思って、それらの一体原因はどういうことであり、またこれは当初のように私学というものはノー・サポートのコントロールだという建前から、文部省としてはそういうようなことに対しては何らの指導もなさらぬのか、タッチをなさらぬのか、あわせてそれらの点をこの際伺っておきたい。
○政府委員(臼井莊一君) ただいま御質問のような問題は諸所にあるというようなことも風聞としては聞いておれます。また文部省などに参りましてそういうことを訴えるものもあるのであります。しかし現在の文部省とすれば、大学に対しては認可か取消しか、そういうことが私立大学に対してはできる程度で、これに対して内容等を干渉をするというふうなことがなかな入やりにくいようにも聞いておるのであります。しかし実際にそういう問題がありまして、中には膨大な土地を政府から払い下げてもらって、その膨大な土地があるために何か妙な紛争ができて、学校の方の経営そのものがそっちのけになってしまい、一向に発展せぬというふうな、これは教育上非常に遺憾な点であり、またお説のようにその地方のそれがために発展を阻害しておるというようなこと等もあるように聞いておるのであります。ただ現在文部省といたしましては、私の承知しておる範囲内では、あまりこれに対して調査とか干渉がましいことができないようにも実は聞いておるのでありますが、ただしかし、認可したときの条件がございますから、それに沿ってやってないとすると、やはりこれに対して相当指導でも本来はなすべきものかとも考えるのですが、これは常識の程度でありまして、私もこの点についていろいろ省内でただしてみた点があるのですが、どうも文部省の現在の権限においては、非常にこの点において私学に対してもやりにくいと、こういうように聞いておるのであります。
○大谷贇雄君 小林局長どうですか、土地の問題とか、靜岡、福岡、名屋……。
○政府委員(小林行雄君) 名城大学の点につきましてお話がございました点は、私どもこの土地の関係につきましては、現在までのところそれほどつまびらかにいたしておりません。ただ名城大学につきましては、ここ数年理事者の間にいろいろと紛争がございまして、裁判の訴訟も継続しておるように聞いております。これにつきましては、裁判所の方が非常に解決のために努力をされまして、調停委員を選任されて調停案をお出しになったようでありますが、その後両当事者もこれを不満としてまだ調停に応じてない、なお調停が継続しておるように聞いております。私ども私立学校といいましても、やはり学生を対象とする半ば公けの機関でございますので、できるだけ早い時期にこの紛争が何とか解決して、正常な姿になるように期待をいたしておるわけでございます。それから福岡県の事例、これはおそらく福岡の常盤高等学校のことではないかと思うのでございますが、これにつきましても、県の教育委員会、また県知事が非常に努力をされまして学校の先生と理事者側の間に立たれて調停をなされた結果、これは円満に解決しておるように承わっております。なお、静岡の点については、これは私どもまだ話を承わっておりません。いずれ調査をしてみたいと思っております。
○大谷贇雄君 そこでこのお話ですけれども、この八万坪、九万坪、十万坪というような土地を大蔵省の管財局が貸すということについては、あるいはもう権利ができてしまうわけなんです。これはこの決算委員会としてほ非常に重要な問題だと思う。しかも大蔵省の国有財産の担当者が、ただ学校から申請があったから貸したというようなことは考えられぬので、当然これはあなたの力で副申なり何なり実情調査なりをしてそうして大蔵省と打ち合せをなすった結果、大蔵省としてはこれを一時貸したものであろうと推察されるのです。そうでなければおかしいですよ。まるでこぶみたいな二百人ばかりおるところに八百万坪のような、しかもますます発展する土地を貸すなんていうことはちょっと常識では考えられぬですよ。それに対しておれの方は知らぬのだというようなことは、これはちょっと私はおかしいと思う。これはもし今御存じなければ、十分に一つお調べを願いたいと思う。 なお、私は、私立学校というものは、今日なかなか慶応義塾ですら経営が困難です。=万六千人からおっても非常な困難な経営をしておる。従ってあるいは科学技術その他の面、あるいはまたそのほかの産業教育の面等については、これは政府としても大いにめんどうを見ていただかんと、私学というものの将来が非常に阻止されると思う。しかし、それかといって今政務次官のお話のように、私学は非常に困難だからといってほったらかしにしておくということであっては、日本全体の教育の振興には私はならぬと思う。干渉をするという意味でなしに、補助金を出していただく以上は、それについては、その補助金が適正にいっておるかどうかということについては、これは十分権限がなければならぬし、ある道理だと思う。従ってコントロールするという意味でなしに、サポートするという意味において、やはり私学というものに対してなかなかむずかしいといえ、ようなお言葉でなしに、今後とも一つ十分な御関心を持っていただきたい、かように思います。
○政府委員(小林行雄君) 大学ばかりでなく、普通教育の関係におきましても、これは中には比較的順調にいっているところもありますが、現状私学の経営はいろいろな理由から相当困難な点がございます。私どもしかし私学の経営につきましては、いわゆる経営的な経営費を国から補助するというようなことは現在では考えておりません。ただ特別の事項に限りましてたとえば先ほどお話が出ました、国が特に科学技術振興の関係から、理科系なりあるいは技術系の学部学科の教授、研究をやっているものにつきましては、理科特別助成あるいは研究設備の特別助成ということをいたしておりまして、これにつきましては、今後も文部省としてはできるだけ予算を増額して、国立と肩を並べていけるようにやっていきたい、かように考えております。この補助金の出ます範囲の事柄につきましては、ただいまお話ございましたように、この予算の執行その他関係の面につきましては、十分文部省も注意をしてやっていくつもりでございます。先ほどたとえばお話の出ました名城大学につきましては、理学部もございますが、紛争のあるような学校には補助金は出せないということで現在までは出しておりません。いずれにいたしましても、そういった補助の出ます範囲の事項につきましては、厳重に文部省も今後も処理していきたいと考えております。
○仲原善一君 義務教育費の国庫負担の半額負担することになっておるようでございますが、この問題に関連してお伺いしたいことがございます。それは高知県のやみ専従の問題であります。新聞等で報告もさ参れておりまするし、またわれわれ直接伺った問題でもございますが、籍をやはり先生の箱においておって、配属されておる学校に出勤していない、同僚同士も知らないし、もちろん生徒たちも顔を見たことがないという先生がやみ専従の形でいわゆる国庫負担金を受け取っておるということを伺ったことがございますが、この問題について文部省も調査においでになったと思います。それからその結果どういうふうになっておりますか、その事情がわかりますれば御報告を願いたいと思います。それから会計検査院にもこの問題は伺いますと、あに高知県のみならず全国的にあるではなかろうかということも伺っておりますが、そういう点についてお調べになったことがあるかどうか、会計検査院の方にもお伺いいたしたい。
○政府委員(臼井莊一君) 高知県におけるやみ専従の問題につきましては、私も聞き及んでおりましてこれにつきまして文部省からも調査には参ったはずでございます。ただ私まだその結果につきましてよく聞いておりませんが、しかし他によしそういうようなことがあってはいかぬというので、文部少の方からそういう注意を各都道府県の教育委員会の方に通達を出したはずでございます。まあその調査に参りましても、たとえば教師として教壇、に立つ建前の上一から二分の一を国庫で俸給について負担をしておるのでありますから、それが専従というようなことであれば、これはとりようによれば少しく正しからざる俸給と申しますか、そう。いうものを取っていたということにもなるので、そこで文部省としてはそれについてもしそういう事実があれば、それは返還を要求するということもできるのであります。ところが何でも実際に調べたあれにつきましては、はっきりしたそういうあれが少しく日にちが経過していた関係でございましょうか、そこまでやれ得る状態には調査ができないようなふうにも聞いておるのであります。しかし高知県から関係の方々の陳情等によりますると、事実そういうことがあったということを聞いております。ただしかし教壇に立つ立たぬといいましても、少しくちょっとでも立ってそれからあとはほかの方の指導の方をやっていたと、こういうような、その区別がはっきりどっちとも片づけられないような点を含んでおるものもある、こういうようなことで多少複雑になっておる点もあろうと思うのであります。なお、これにつきまして一つ後日機会がありましたら調査に出しました者の担当者から詳しく御報告申し上げたい、かように考えております。
○説明員(保岡豐君) 会計検査院の義務教育国庫負担金の検査におきましては、専従者の名簿を提出いただきまして、それによって調べておるのでございます。それで勤務の実態につきまして、どうも検査がそこまで参らないのであります。と申しますのは、統計の資料なり何なり、帳簿または書類資料で調べるよりほかは手が届きませんので、それ以上尋問して調べるというようなことも権限上できませんので、はっきりしているものだけ、それを間違って入れているというときには、それを除外すべきであるということを言うだけでありまして勤務の実態については会計検査院は遺憾ながら入れないわけでございます。
○仲原善一君 ただいまの御当局の答弁によりますと、どうもまだはっきり旧しない、調査の結果によっても、どやらまだ結果が出ていないようでございますが、しかし現実に調査はおやりになったと思いますので、先ほど政務次官もお話になった通り、調査の現在までに判明した点だけを、あとでよろしゅうございますから御報告を願いたいと思います。そして今後はこの問題はやはり火のないところに煙も立たぬという言葉もありまする通りに、何らかそういう問題が相当あったように難の人か詳しく聞いておりますので、その点とくと御留意を願いたい、かように考えます。
○政府委員(臼井莊一君) いずれ後ほど御報告申し上げますが、この点につきましては、高知において出口訴ざたにも一部なったようにも聞いておるのであります。一つの詐取と申しますか、教壇に立つということで給料をとりながら、それを教壇に立たんで専従であるということは、一つ考えによっては俸給の詐取であるとかいうようなことで、ちょっと裁判ざたになったようなことも聞いておりますのでいずれそういうことにつきまして調査の結果を御報告申し上げます。
○委員長(高野一夫君) 私から一点最後に伺いたいのでありますが、最近国立大学にしばしば火災が起ります。東北大学、昨年から一昨年金沢大学にもあり、また鹿児島大学は、国立以前であったか、後であったか知りませんが、大火災があった。これなどは復旧工事についてはどういう方法をとられるわけでありますか、予算を使う方法といいますか、どういうところから復旧工事費を臨時でお出しになるのかを伺っておきたい。
○政府委員(天城勳君) 大学の施設につきましてかなり大きな火災があることは、大へん私どもも申しわけなく思っております、これの復旧につきましては、特にそのために、予算をとって建設するということはやっておりませんで、災害等の場合は別ですけれども、普通の失火の場合には毎年度の文教施設の予算の中から緩急を見まして復旧をいたしておるのでございまして、特にそのために予備費をいただくとか、あるいは補正を組むとかいう形ではやっておりません。
○委員長(高野一夫君) それは私伺いますが、非常におかしいのであって、火災が起って臨時にその復旧工事をしなければならない、それが別に予算をとるわけでもない、予備費からももらわない、文部省あるいはその大学の特別会計かなんか知らぬけれども、その間から緩急よろしきを得て出すんだと、こういうことになると、今そういう御説明であったが、しからば文部省関係の予算というものは常にある金額、何千万か幾らかそういう命というものは緩急自在にほかに流用できるような余裕が、予算の編成がしてある、こういうことにもなってしまうわけであって、それは私は与党だけれども、与党としても政府の予算編成を援助するという立場においてそれは非常に困ると思うのでありますが、その点はどうでありますか。
○政府委員(天城勳君) 言葉が足りませんで、説明を加えますが、たとえばある大学で火事が起きた、それをすぐ復旧するために、そのために補正予算を組むとか、予備費をしていただくということをしないということを申し上げたので、焼けたのをほうっておく意味ではございませんで、まず第一に当面の緊急処理は必ずいたします。それは模様がえをいたしましたり、臨時の仮設をいたしたいというようなことは当面必ずいたしますが、本格的な工事につきましては、翌年度予算を組むときに、その問題を契機といたしまして本格的な再建をする、こういうことを申し上げたつもりでおったのでございます。
○相澤重明君 どうも今の点がのみ込めないのだが、火災が起きてしまえば、教室を初め、重要ないわゆる資料というものがみんななくなってしまうわけですね。従ってそこに在学しておる――今の大学の話でありますが、孝生は非常に勉強に困難を来たすわけです。そこでとにもかくにもいわゆるさしあたってやらなきやならぬ、資料は備えなければ、ということになると、通常の経営費というものの中で、その火災が起きた場合に、その復旧作業をやるとすれば、それだけ経営費の方が穴があく。従って今のあなたの御説明を聞いておると、通常費の中で、経営費の中で、火事が起きた場合、不測の事故の場合の費用を捻出をするのであるから、当初計画をされた通常、経営費の中では穴が私はあく、できないところができてくる、従って本来の筋からいけば、予算編成の筋からいけば、当然補正予算を組むなり、あるいはまたその特別支出というものを考えていかなきゃならぬと思うのだが、今の御説明ではちょっと納得のいかない点があるのだが、その点はいかがなんですか。
○政府委員(天城勳君) 今申し上げましたのは、火事が起きました場合、当面の緊急措置をやるということを申し上げたので、本格的な復旧は、おっしゃる通り予算を計上いたしませんと、とても手がつかないわけでございます。それから具体的な例で申し上げますけれども、たとえば昨年群馬大学で外来病棟を焼失した事件がございました。これはいわば大学病院の心臓部を焼いてしまったようなわけでございまして、その翌日から困る問題がたくさんございます。これにつきましては、とりあえず付近の残った建物や倉庫を改造したり、あるいは病棟の一部をつめ合せたりいたしまして、応急の措置をいたしますと同時に、年度末までの間にたまたま予定しておりました他の工事が、いろんな事情で延びたものがございますので、その経費を充当いたしまして 一部分の建設に取りかかり、残りを三十三年度の予算で計上するというような措置をいたしておるわけでございます。
○相澤重明君 そうしますというと、今の答弁でいきますと、とにかく授業には支障なくするように緊急工事はやる。そして本格的なものについては、全部そろえるものについては、まあ翌年度でそういう予算を計上していくという理解で、とにかく授業には支障を来たさない。こういう点を確認してよろしいですか。
○政府委員(天城勳君) 最少限度授業や研究に差しさわりないような配慮をいたしております。
○委員長(高野一夫君) 私から伺いますが、非常に授業、教育、研究に支障を来たす状態がある実例を、私は視察をして見ております。それでかりに次年度からは、まあことし火災がある、その復旧工事に三十四年度の予算は、それは別個に組むことはできましよう。かりに三十三年度の予算実行の劈頭、四月、五月、あるいは六月、七月ごろ火災が起って、そして次の予算編成が行われて、次の本格的工事に移るまでの間に、数ヵ月、あるいは一年近くの時日が、空白時期がある。こういうような場合には、やはりそういうような教育機関でありますから、十分の金を借りて復旧工事をやはり急がるべきだろうと思います。それを緊急の措置でほかの方の金を流用してやるということになれば、これはやはり工事がおくれます。それだから学校によっては符付金を集め、それで工事を促進しなきゃならぬということまでやろうとしている。これはどういうわけですか。私はほかの機関と違う、非常に大事な教育機関であるがゆえに一日も早く復旧を急がなければなるまいと思いますが、補正予算を組んだり、あるいは予備費からもらうなり、そういう方法は全然講じられたことはないのですか、またそういう方法を講じようとしても、あるいはほかの大蔵省なら大蔵省で言うことをきいてくれないということでありますか、またその必要がないというわけでありますか。
○政府委員(天城勳君) 火災の、災害の場合でございますけれども、同じ火事でも、まあ大学の失火というのでなくして他の事由による火事、結果的に災害と考えられるような例におきましては、予備費あるいは補正の例も過去にはございましたけれども、普通の失火の場合には、今までそういう出費の方法が認められておりませんのでございます。ただ設備費、建物ではなくて設備費、大学の研究用の道具でございますが、この設備につき、ましては、予備費なり、あるいは特に今ちょっと覚えておりませんが、予備費で支出を受けたことはございますが、建物につきましては、普通の失火の場合には現在のところ特別の財源をもらう、そういう制度になっておらないのでございます。
○委員長(高野一夫君) 私から伺いますが、それじゃ分類して伺います。大学自身から何らかの方法で失火した、あやまち、あるいはその他の爆発等によって失火した場合は、予備費はもらえないというのは、もらおうとしても出さないのでありますか、これは現在予備費の調書についての審理をやっている最中でありますから、明後日の委員会において私はその点について十分確かめてみたいと思いますか、それでもらいたいけれども、もらえないのであるか、くれないのであるか、あるいはそれとも自分の方の大学自身の失火であるから遠慮して、もらうのをやめようという、こういうお話でありますか、そこのところを一つはっきりしてもらいたいと思います。
○政府委員(天城勳君) 具体的な問題で申し上げますと、先ほど申したように非常に大きな群馬のような場合にはわれわれも普通の年度の予算でのやりくりでは困難でございますので、予備費なり補正なりの要求をいたしたわけでございますけれども、結果的には、他の工事の変更がございましたので、それの流用という形で群馬の問題は手をつけたような状況でございます。絶対に予備費ないしは補正が不可能というわけではございませんけれども、最近の例で申しますと、大体そういう特別の支出を認めない、既定の範囲内でのやりくりで当面の処置をするという形になっております。なお、私たちの予算の使用方法といたしまして、大学の新しく建物を建てる問題のほかにいろいろな修理をいたすことを毎年予定しております。これは大体年に三回ぐらいの時期をみてその問題を考えておりますが、先ほど御指摘になったような、年度の途中で事故が起きた場合には、後期で使用を考えておった経費等を緊急にそちらに回して当面の措置をはかるというようなことをやっておるのが実惰でございます。
○委員長(高野一夫君) 私が伺いたいのは、あなたのお考えはあいまいもことしてわからない。われわれは文部省がそういうことで大学のめんどうを見てやろうというお考えであるならば、積極的に文部省のお考えを援助して、そして速急に教室なら教室、あるいは実験室、学部なら学部、あるいは病院なら病院の復旧工事を急いでもらいたい、こう考えているのでありまして、それで程度伺いますが、その予備費をもらいにくいのであるか、もらうべく文部省でいろいろ省議で諮られて、そしてぜひとももらわなければならぬ、こういうような相談をされたことは一ペんもないのでありますか。そしてそれを大蔵省でけられたのでありますか。そこのところをはっきり伺っておきたいと思います。
○政府委員(天城勳君) 内部で検討いたしまして、予備費を要求したこともございますし、補正を要求したこともございます。それが認められたい、現在のところ認められておらないわけでございます。
○委員長(高野一夫君) ところで年度の前半期においてそういう災害が起った。前半期においては次の次年度の予算の編成実行までには相当の月日がかかる。その間、学生の教育はほかの教室を使ったりして、講義はそれでいいかもしれない。ところが実験を伴う理化学の教育機関が火災にあった場合には、それはほかの教室を流用することは絶対できない。またやろうと思ってもどこでも許しません。ほかの学部ではできません。そういたしますと、その間実験を中心にしなければならぬ、ような大学教育というものが半年なり十カ月はストップするわけです。次に次年度の予算を正確に取られて工事にかかられましても、それが完成するまでは一番大事な実験を中心とする学問の教育は片ちんばになっておる。これを文部省はどういうようにお考えになるか。それは大学のことだからというので、ほったらかしておるのであるかどうか。大事な教育機関だから、文部省としては一日も早く復旧してやろうじゃないか、こういうようなお考えのもとに金を使う方法を考えてもらってもいいのじゃないか。こう私は思って今まで国立大学の災害復旧に対する文部省の態度について不審にたえないから、決算審議に関連して伺っておるわけです。
○政府委員(天城勳君) 御指摘の通り火災で実験室や研究室が焼けますれば研究に非常に困りますので、それについて、決してわれわれ放棄しておるわけではございませんで、先ほど少しくだくだ申し上げましたけれども、取りあえずは、当面の修繕費等の流用によりまして最小限度のことをいたしております。大きなものにつきましては、予備費なり、補正の要求をいたすわけでありますけれども、従来火災につきましては、他の風水害のような災害としての認定を現実問題でございますが、受けがたくて、補正ないし予備費をもらう例が少いわけであります。年間の予算の範囲内で、できるかぎりの流用という形で処置しておるのが実情でございます。
○相澤重明君 これは文部官僚がそういう点を遠慮をし過ぎておるといえば、まことに美徳であるけれども、美徳のよろめきであって、これは困るわけです。もっと。学校教育というものについて真剣な考え方がないから、そういうふうな迷答弁になってしまうと私は思う。少くとも国家予算というものは、当初予算を組んでも、どうしても必要やむを得ざるものであれば、これは補正は提出ができる。現に国会においては、第一次補正、第二次補正、第三次補正もやっておる。そういうことを当然しなければならぬ文部当局が、いわゆる一般の災害とは違って、学校のことであるから、予備費の支出を出しても、あるいは補正を組もうと思うて提出しても、今まであまり認められないというようなことでは、これは明らかに文教政策に対する不熱心であるということを証明しておる。いくら口で道徳教育をやろうとか、あるいは勘師の勤務評定をやろうとかいったところで、実際にそういうことをやりもしないで、人のことばかり責任を追及するようなことをしたって、何にもならない。今の点を聞くというと、これは明らかにあなた方の熱意が足らないということを私は思う。これが一つ。二つ目には、大蔵官僚がこれに対する文部省の意向を十分汲んでおらぬ、こういうことに私どもは判断できるように思う。しかしこれはまだ文部省の言うことと、大蔵省が果してそういう文部当局の主張に対してどういう査定をしたか。あるいはまたそういう考えを持ったかというようなことについては、今出席しておりませんから、委員長の先ほど言ったように、あさっての予備費の使用のところで、われわれは徹底的にこれを究明しなければいかぬ。そうでなければ、今まで政府が補正予算を組む、あるいは予備費の支出をする、そういうことに対して、これは全く意味がない、こういうことを私ども思うのだが、政務次官は一体どうなのか。
○政府委員(臼井莊一君) この問題につきましては、ただいまの委員長並びに相澤委員のお説の通り、やはり火災も災害でありまして、従ってこれは過失のための火災だから一つはそういう点であと回しにするというようなことがかりにでも私はあってはならないと思うのであります。たとえ過失の責任者がそこにあっても、その者は罰せられるべきでありましょうが、半生にしても、教授にしても、研究というものがそこによって非常に停滞し、迷惑を受けるのでありまするので、これはや、はり当然直ちに復旧に着手して、補正予算なり何なりを組んでいただいて、すみやかに国において設立する責任があるのでありますから、さよういたすべきものである、かように考えております。従来何か火災は認められないというようなふうな状態のように、実は私も今初めて聞いたのでありますが、こういうことであっては私はならないやはり普通の火災であれば、火災保険をつけておいて復旧すべきものが、国のあれであるから、火災保険をつけぬでも、国において直ちに復旧する、そういう建前からそうなっているのであろう、かように考えますので、今後はそういう点について、文部省としても、段の努力をいたすべきものである、かように考えております。
○委員長(高野一夫君) 私から申し上げますが、今の臼井政務次官のお考えのような御答弁であれば、われわれは今後の問題については快く了承したいと思います。しかし、現実に昨年、一昨年について起っている問題がございますので、明後日の当委員会においては、大蔵省から関係官の出席を求めまして、さらに文部省からもおいでを願って、この問題についてさらにもう一段質疑を続けたいと思います。 ほかに御質疑はございませんか。――別に御発言もなければ、文部省関係の、検査報告批難事項第二百十号から第二百十九号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。 本日の審議はこれをもって終了いたしました。次回は明後日午前十時から、予備費、昭和三十一年度決算、法務省、外務省の部を審議する予定であります。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時二十九分散会