決算委員会 第21号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/04/16
会議録
○委員長(高野一夫君) ただいまから本日の決算委員会を開会いたします。 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題といたします。 本日は、農林中央金庫等の融資状況に関する件を調査いたします。 なお、本件に関し説明を求めるために、農林中央金庫理事長楠見義男君を参考人とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めて、さように決定いたします。 御質疑のある方は順次御発言を願います。 なお、政府委員席には、会計検査院の中川第四局長、同じく上村第五局長、楠見参考人、瀬戸山農林政務次官、農林省の渡部農林経済局長の諸君が御出席であります。
○島清君 楠見さんにお尋ねいたしたいと思いますが、お答えをいただきますることは非常に簡単だと思います。 今、大体事件の真相は煮詰められて参りまして、私たちが疑点に思っておりますることは、四億近い財産の評価額をされておりまするものが、なぜ農林中金の方が一億一千万という、その半額の評価額をされて、さらに、ことさらに農林中金の方に二億近い赤字を出さなければならないかということであります。そこで、この前もお尋ねをいたしましたが、高橋の方に五千五百万お渡しになるということが、私などの理解できないところでありますが、理解し得ないという問題の根拠をお尋ねいたしたいと思います。それは、湯河さんはこの前の本委員会におきまするところの証言におきまして、農林中金は農工株式会社を相手にして取引をしたと、こういうふうにおっしゃったのであります。もちろんまた、そうでなければならないと思いますが、ところが、あなたがこの前本委員会で御答弁になりましたことは、高橋に五千五百万円おやりになるというふうに私は印象を受けたわけでありまするが、なぜ高橋個人と日本農工とが分離をして、そうして個人高橋に五千五百万円の金を渡さなければならないかというようなことは、どうしても私にはわかりません。専門が法科でございまして、高等数学を専攻いたしておりませんので、あるいは理解がしにくいかと存じまするけれども、その点を十分に私たちに理解ができるように御説明をいただきたいと思います。
○参考人(楠見義男君) 島さんからお尋ねの二点の、第一点の評価の問題でございますが、この点は、ただいま四億円というようなお話がございましたが、そのような数字はたびたびこの決算委員会に出席した際に、御質問の中にそういう数字が出てきたことはございまするけれども、私どもは四億円等とは考えておりません。これは、三井信託銀行に昨年の暮れに評価をお願いをいたしましたのでありますが、その評価額は二億一千五百万円、こういう数字でございます。従って私どもは、その評価額を基礎にしていろいろ考えておるようなわけでございます。 それからお尋ねの第二点の問題でございますが、これもこの委員会で、その現在の日本農工の財産である土地、建物、機械等について、委員会の席で高橋さんの物であるというようなお話が出たことは承知いたしておりますけれども、私はその際にも申し上げたことを記憶いたしておりますが、土地、建物、機械は日本農工の財産であり、また日本農工に対する債権の弁済の手段として代物弁済が行われる、それは日本農工の財産であるものを代物弁済に供するんだ、こういうことでありまして、今お話の高橋さんにお金を渡すというようなことは考えておりません。日本農工を相手にいたしておるのでありまするから、日本農工との間で債権債務の処理が行われる、こういうことでございまして、もし私の申し上げたことから、あるいは今お述べになりましたようなふうに印象づけられておるといたしますれば、それは私の言い方がまずかったせいかとも思いまするけれども、私はそういうふうなこととは考えておりません。ただいま御説明申し上げたふうに考えております。
○相澤重明君 関連質問。楠見さんにお尋ねをしておきたいと思うのですが、今島委員の御質問に対してあなたがお答えになったのは、日本農工、いわゆる会社に対して中金は話し合いをする、あるいはそのことについて弁済についての折衝をする、あるいはそれを出す、こういうように私は受け取ったのでありますが、前のいわゆる証人喚問の際には、高橋さんと交渉を持つ、あるいはそういうことで今話し合いを行なっておる、こういうような点をお話しになったと思うのでありますが、その点はいかがでありますか。
○参考人(楠見義男君) 私も三回にわたっての委員会の経過に関する速記録等も十分に読んでおりますが、問題がこの委員会で高橋さんの財産を特に乗っ取るようなことから出たのではないかとか、高橋さんの個人の財産をどうこうしたのではないかというようなことが、ずいぶん論議をかわされたように思います。そこでその問答の中に出てきた御質疑に対するお答えとして、いろいろ今申し上げたような印象の生じたこともあったかと思うのでありますが、しかし証人の方に、また参考人の私が申し上げたことは、終始日本農工に対する債権、またこれに対する処置と、こういうふうに言っておったように私は理解をいたしておりますし、また記憶いたしております。
○相澤重明君 渡部経済局長にお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、今楠見理事長からの御答弁はさることながら、前の本委員会に提出をした資料について、農林省当局の見解に基く資料作成、そういうもので本委員会に提出をしたということではなくて、農林中金の意向を聞いて、そのことを資料として提出をされたという問題について、本委員会において農林省の自主的な判断に暴くところの資料というものを提出をしてもらいたい、こういうことを申し上げたことがあなたの記憶にあると思うのでありますが、今の楠見理事長の言葉にも大へん影響することだと思うのでありますが、農林省自体としては、参議院の決算委員会に対する農林省のその見解、そういうものに基く資料の提出ということは、どういうふうになっておりましょうか。
○政府委員(渡部伍良君) 農林省の立場を申し上げますと、農林省は本件に関しましては、農林中金が日本農工に融資をする際、余裕金の運用として十五条等の規定で認可をしております。その認可をするに際して、認可申請書に添付されておる資料を調査いたしまして、その調査に基いて余裕金の貸付認可をいたしておるのでありまして、その範囲内において私の方は中金の資料に基いて私の方の書類を作っておる、こういうふうに御理解を願いたいのであります。しこうして、最終的結論については、目下関係者の間で話が進められておって、昭和三十二年の十二月に調停人が裁定書の案を作成しておる。それを第二国に資料として農林中金の処理方針という名前でお配りしておるのであります。その間において農林省の調べ方が足りないじゃないか、あるいは日本農工側、あるいは日本農工の関係されておる方々と中金側との意見が食い違っているじゃないか、そういうような点もう少し調べなければならないじゃないか、こういう点が指摘されたように私は理解しておるのであります。おいおいそういう点の資料の整備をいたしまして、ただいま調停案が出ておりますので、その調停をもし双方で納得されるのであれば、これについて農林省としては、今までの調べでは異議を差しはさまなくてもよろしい、こういうふうに考えておるのであります。
○相澤重明君 農林次官にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、今経済局長の御答弁によりますというと、調停の趣旨をお互い理解されれば、その結論を待って納得したものによって、さらに本委員会に対する御答弁としてはっきりしたものが出る、こういうように理解をされるのでありますが、私の質問をしているのは、本参議院の決算委員会において農林中金の融資の問題について農林省当局の出した資料というものは、これはあまりにも農林中金の言われたことが資料に出されているのじゃないか、農林省の自主性を持ったものが出されておるとは思えない、こういうことで、実は資料の再作成ということについての強い意見が各委員から述べられたと思う。そういうことに対して調停委員会の結論が出るまで、あるいはその調停委員会で議論をされたそれが納得されるまでという今の渡部経済局長の御答弁では、前の委員会の問題とちょっと意見が違うのじゃないか。農林省当局の自主性というものと、農林中金の言われたことをそのまま資料に載せられておるということに対する質問との若干食い違いがあるのじゃないか、そういう点について一体農林次官は本委員会、いわゆる農林中金の問題をこの委員会で取り上げるについて、そういう質問に対して一体農林省としては、どういう見解を持ち、またその資料というものを提出をする考えであるか、こういうことを一つ農林次官からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(瀬戸山三男君) 実は私はこの事件について当委員会に参りましたのは、きょうが初めてでありますが、ただいま経済局長からお答えをいたしましたように、農林省の立場といたしましては、農林中金の貸し出しについて大臣の特別の認可を要する場合があるわけであります。まさに本件がその場合に該当いたしております。従ってこの問題に対する資料等については、農林中金から提出されました資料に基いて認可等の処置をいたしておりますので、その資料を農林省の立場において当委員会に提出する、こういうことであります。先ほど経済局長から、事件と申しますか、債権、債務の処理状態についてちょっと触れましたが、これは御承知の通りに、先ほど楠見参考人からお話がありましたように、農林中金と日本農工との間で種々今協議を進められているようであります。従ってその協議の結果を、農林省といたしましてもそれが適切であればそういう処置をお願いいたしたい。もちろんこれについては大蔵大臣の認可が要るそうでありますが、さように考えておるわけであります。
○相澤重明君 次官何かあなたちょっと私の質問について的確な判断がまだできていないのではないかと思うのですが、今私の御質問をしたのは、農林中金の言われたことについて資料を作成をして、農林省当局のいわゆる本委員会に対する資料として出した。ところが私の言ったのは、それは少し農林省の自主性というものから考えてそのままではいかぬではないか、こういうことを前の委員会で何回も指摘をされたのであるから、当然に農林省の立場に立って資料というものが本委員会に提出されなければならぬ、こういうことであったが、一体農林当局はどうしましたか、こういうお尋ねを先ほどしたつもりでおります。今あなたの言ったのは、中金の資料に基いて、そして当局の立場というものを、見解というものをそのまま資料で提出をされた。こういうことになると、前の委員会で指摘された事項というものは全然顧みられない、こういうことに私はなろうかと思います。ちょっとその点が次官の今の私の質問した点に対する理解の若干足りなかった点じゃなかろうか。だから、農林省の自主的な判断について、こういう結論になっておりますという資料の提出があれば、それはそれでよろしいですよ。それでよろしいですが、前と同じであるということになると、これは前の委員会で参考人なり証人を喚問をして、そして本委員会で農林当局に対して御質問したところが、渡部経済局長の答弁に対して、本委員会としてそれでは少し中金の立場だけではないか、こう言われたことのお答えにはならぬじゃないか。その点をはっきりしておかないというと、この委員会の審議を進めることについて大へん支障を来たすと思うのです。その点今少し渡部経済局長の先ほど御答弁もあったのだけれども、次官として、なるほど前にも指摘されたことについて、農林省当局としてはこう考えておる、このように資料を作成をいたします、こういう点がなければ、ちっとも話が前と変っておらぬじゃないか、こう思うのですが、その点次官いかがですか。
○委員長(高野一夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。
○政府委員(瀬戸山三男君) 先ほど委員長からの御注意がありましたように、私はこの問題について当委員会に初めてきょうお伺いいたしました。従ってまことに恐縮でありますが、私も前のいきさつはよくわかりません。私からお答えできますことは、先ほども申し上げましたように、農林省といたしましては、農林中金からこういう余裕金等の貸し出しをいたしますときに大臣の認可を要することになっておりますので、その認可申請に対する記録と申しますか、資料に基いて決定をいたしておりますから、当委員会に差し出します資料についても、その判断の資料となりました資料をこちらに提出をいたしております。こういうことであります。その後、今局長から承わりますと、関係者の証言と申しますか、御主張がある程度違っておるところがあるそうであります。それについての農林省の判断と申しますか、調査資料と申しますか、それを何かお話があるのじゃないかと思いますが、その点についてはもう少し調査をしなければ資料として農林省が出し得る段階ではない、こういう状態であります。もう少し突っ込んだ詳しいお話をする必要がありますれば、局長からお答えいたします。
○相澤重明君 次官の誠意ある答弁で、次官の本委員会における審議の経過についての御答弁については了承いたします。しかし、少くとも農林省当局として本委員会において指摘せられた事項について、当然農林省としての立場においても資料を提出しなければならぬ、こういうことに私はなろうかと存じます。従ってそういう点について当局から一応御説明を願って、本日はむしろまだそういう点について若干後に残されるということであれば、主として楠見理事長に対する質問で終りたいと思います。しかし、これは一応議事の進行上の建前として、これはその点だけはやはりお話をしておかないと、本委員会のやはり権威というものがございますから、そういう点で御質問を申し上げます。それは渡部局長から御答弁を願います。
○政府委員(渡部伍良君) ただいま次官から御説明申し上げましたように、当委員会で非常に詳細にいろいろな疑点を提出していただきました。参考人、証人からいろいろな御意見を承わりまして、私どもの方としてはこれを全部整理しまして、一つ一つについて当っておるわけであります。そうでありますから、これを今あっちが正しい、こっちが正しいということをすぐにはやれません。そういう点で御了承願いたいと思います。
○島清君 ただいま五千五百万円を高橋の側には渡さない、日本農工の方に渡すのだということでありましたが、その点は農林省はそういうことを御承知の上でこういったようなことを一応の資料をお出しになったわけですか。今楠見さんのお答えになりましたことは、農林省としても現段階においては、それはそうあるべきであるという、そういうふうな承認をされてここにいろいろな資料を出されたことを、責任を持ってお出しになったのでありますか。それともまた、今の楠見さんがおっしゃいましたことは、これはそのままやはり農林省としては承認されますですか。
○政府委員(渡部伍良君) 私の方で調べました資料で、その点に関する分では、現在は高橋さんは直接は日本農工の代表取締役になっておりません。しかし案件は、日本農工と中金、その他の関係になっておるわけでありますから、日本農工の債権債務を処置するということになりますから、どうしても相手方は日本農工ということになりまして、その日本農工と高橋さんとの関係は、これは日本農工側の内輪の関係になる、こういうふうに理解しております。
○島清君 日本農工の方へお貸しになって、そしてその回収が不能になって、一億八千万の赤字を農林中金の方で背負わなければならないということを農林大臣もここでおっしゃったわけであります。そういたしまするというと、日本農工に何ゆえに五千五百万円の金を渡して、そして日本農工という会社を代物弁済という名において日本農林中金がとらなければならないか、この点を明確にしてもらいたいと思います。どうも私たちの正常なる日本農林中金に対しまする信頼感、さらにはまた私たちが見ておりまする銀行業務からはそういうものは出て参りませんので、これが私たち門外漢にもわかるように御説明をわずらわしたいと思います。
○参考人(楠見義男君) これは前回におきましても御説明申し上げたかと思いますが、最終的に日本農工に対する債権を集中いたしまして、そして従来の経緯にかんがみて、互譲の精神で物事を解決する。そこでその集中された債権のうちで、農林中金が負担すべき損失額というものが今一応裁定人のところで裁定されておるわけであります。そういうことで分担すべき損失額がきまり、その結果集中された債権の中で、いわば確定した債権と申しますか、その債権がきまるわけであります。ところが一方それに対して日本農工の現在持っておりまする総財産、土地、建物、機械、これを評価いたして、先ほほど申し上げたように、二億一千五百万という数字が出たわけでありますが、先ほど申し上げました確定された債権と代物弁済に充当すべきその資産との間に差額がございます。わかりやすく申しますと、一億六千万という債権が確定する。その確定された債権に対して代物弁済をすべき財産が二億一千五百万円であるということになりますと、払い過ぎるという格好になるわけでありますから、その差額の五千五百万日を日本農工に渡す、こういう経緯になるわけでございます。
○島清君 どうしても農中金はあの工場を代物弁済の名において御自分の方に肩がわりをしなければならないのですか。そういう理由はどこにあるのですか。
○参考人(楠見義男君) 債権のこの問題の処理について、あるいは島さんも御調査になって経過を御承知かとも思いますけれども、従来いろいろの手段、方法が考えられたわけであります。たとえば日本農工自身が適当に処分をして、そうしてその得た金で債権を弁済していくというような方法が考えられましたり、いろいろの方法が従来も考えられたわけでございますが、そのいろいろ考えられた方法がすべてうまく参りませんで、その間、これも御案内のように訴訟が続きましたり、いろいろのことをいたしました結果、結局これは代物弁済で処理することが一番事件を円満に解決するのに最良の方法である。こういう結論になって裁定ができた、こういうふうに御承知いただければけっこうだと思います。
○島清君 それが楠見さん、承知ができないのです。それはあなたたちの方で、昭和三十一年の七月の十二日ですか、契約を結んでおられる契約書、それには農林中金の理事長の湯河さんと東京南多摩郡の町田町にお住いの高橋武美さんと契約をしておられる。立会人は三浦一雄さんと荷見安さんと、これは少し印刷が消えておりますので、もう一人ですが、名前ははっきりしておりませんが、三方が立会人になってこういう契約書を締結しておられる。そうしてその契約に基きまして、この方々が中に入られて、それに基いて裁定書というものをお出しになっておられる。そこで楠見さんも、島君はよく知っているはずだとおっしゃいましたが、御指摘の通りよく承知いたしております。最初、高橋の方に渡そうという金は百万円だったと記憶いたしておりますが、百万円でお前がまんしろ、農中金の方が取ろうと思えば、こういう工合に寸分の隙のないようにちゃんと登記を取るものは取ってやっているのであるから、お前は全財産を取られるぞ。しかし百万円でも取った方がよろしいということで、百万円の涙金で高橋にあきらめさせようとしたようでございますが、しかしながら、築地の方にお勤めの方で農林省の出身の方が中にお入りになって、五千五百万まで増そうじゃないかというて漕ぎつけたように私は聞いております。それはいずれでもかまいません。こういうふうな契約書などには高橋個人とおやりになっておられる。しかも高橋以外に、三浦一雄さんが社長をしておられますところの日本農工というのがある。わけがわからないのです、一体。そこを私は、私たちがわかるように筋を通して——高橋さんはそう言っておられる。それは財産は取られたのだ。私の意思に反して取られたのだ。私は別に高橋さんの側に立ってものを言っているわけでもない。それはどちらでもかまわない。高橋さんは、日立製作所が高橋さんの財産を三億七千万円ならば買ってもよろしいというふうに値段を出したやに私たち聞いている。今、じかにすぐ三億七千万ならば買手があるという財産を代物弁済を受けるという名において、農中金のものにするという形において、二億一千五百万円という半分の値段の評価を出しておられる。しかもあなたは五千五百万円を日本農工に渡しておられる。それは三浦一雄さんの社長をしておられる会社である。そうすると、この財産からみましても、一銭一厘も農林中金は損をしないで、担保にとった金は全部この財産を処分して弁済を受けるにしても、日立製作所が買おうという値段で処分ができるといたしますると、一億幾らという余剰金が出てくるわけであります。こういうふうな計算になるにかかわらず、なおかつ農中金は一億八千万という損をして、五千五百万円の金を渡さなければならぬということ、しかもこういうふうな契約は高橋というふうにやっておるので、それをお渡しになるというのは三浦一雄さんが社長になっておられる三浦さんにお渡しになる、これはうその契約書でございましょうか。昭和三十一年の七月の十二日に契約しておられる。そしていろいろお読みすればよろしいわけでございましょうが、非常に不穏当な文句などもここに入っております。その四の中に、「当事者双方は本問題の解決に支障を及ぼすことあるべき第三者の行為に対しては共同してその防衛に当る。」と書いてある。この第三者の妨害というのは一体何を意味するか、こういうこともあわせて説明をいただきたい。
○参考人(楠見義男君) まず御質問の第一点の、高橋さん個人との間の契約の問題でございますが、これは御案内のように、日本農工の問題について、株主権の問題であるとか、あるいは抵当権の設定についての問題であるとか、いろいろ前の社長であられる高橋さんとの間に訴訟関係その他非常な紛争があったことは御承知の通りであります。従って、その問題についての処理の一つの方法といいますか、手段としてそういうふうな契約が結ばれる、お互いにこの問題の円満解決をはかることに努力していこうという趣旨で契約が結ばれたものと私は存じます。その中に第三者という問題がございましたが、これも御案内のように、長い間の訴訟に際しまして、この種の問題についていろいろ、言葉は適当ではございませんが、いわば利権屋が介入いたしましたり、いろいろのことで問題が一そう紛糾に導かれることが従来もあったようでございます。従ってそういうことをせっかく共同して円満に解決をしていこうということを約束する以上、そういうような外部からのいろいろの不純な介入を阻止することについての話し合いが行われることは、これまた当然ではなかったろうかと私は実は考えるわけであります。 それから今お述べになりました、日立から三億七千万円で買い入れ申し込みがあるというようなお話でありますが、実は私はそれは初耳でございます。私承知いたしておりましたのは、先ほど申し上げましたように、昨年の暮に三井信託銀行に評価していただいたのでありますが、それが申し上げましたように二億一千五百万円、その前に、そう遠くない、直前と申してもけっこうでありますが、そのときに日立から二億円で買いたい、まあいろいろ立ちのきとか、いろいろなこともあるようだから、せいぜい二億一千万円までは出してもよかろうが、できれば二億で買いたい、こういうような話があったことを聞いております。従ってその二億あるいは二億一千万円というのを、どこからそういう数字が出たか存じませんが、三億七千万円というふうにあるいは島さんお聞きとりになったのかとも存じますが、私の承知しているのはそういうふうに承知いたしております。 それからもう一点、日本農工の三浦さんに渡すということでありますが、現在三浦さんは申すまでもなく日本農工の社長であります。裁定ではその現在の日本農工の株を高橋さんに集中をするということで、株主としての高橋さんがやはり日本農工の今度は大株主でございますから、そこにまた関連が出てくるのでありますが、お話の通り金は日本農工に渡す、こういうことになるわけでございます。
○島清君 私は楠見さん、御答弁はあなたたちの農林中金側の主観的な立場ではなくして、委員会はどっちの側でもございませんので、普遍妥当性を帯びなければならぬと思うのです。そこで高橋さんが知らないという昭和二十六年の十月ですか、あなたたちが融資をしたとおっしゃいますその融資、これに基いていろいろと事件が複雑になって参っておりますけれども、そして湯河さんの証言をお聞きいたしますというと、すべて合法的にして高橋社長の依頼を受けて取り引きをしているのだ、こういうことであります。そういたしますならば、昭和三十一年というのは高橋さんはもう会社とは関係がない、過去においては関係があったかもしれませんが、その出時はそう関係のない立場におなりになっておられるはずです。株も全部農中金の方が持っておりますし、全購連関係の人々が持っておられるのでありますから、株を持っておられるにしてもわずかの株しか持っておられないはずであります。その高橋さんと農中金ともあろう方がこういう契約をするということは、さらに振り返って高橋さんの農中金に対するいわゆる主張というものや、日本農工に対する主張というものを認めなければできないことだと思うのです。そこで私たちはそれを認めなさいと申し上げているのじゃない。認めなくてもよろしい。認めなくてもよろしいわけです。過去においては否定している、正当な行為によってすべて運営をされたのだというふうにして高橋さんの存在を否定していて、ここに処分をするということになって高橋さんが出てくるということは、どうも私たちにはわからない。法律知識においてもわからないのです。おそらくあなたは主観的に説明をされようと努力をしておられるようでありますが、それはあなたの単なる主観的な言い分にしかすぎない。客観的な妥当性を持ってこないのですね。そこを一つ第三者が聞いても話がわかるように簡単にしていただきたいと思います。御説明を願いたい。
○参考人(楠見義男君) その点は、二回にわたる証人喚問においてもいろいろとお聞きただしになった点であります。先ほど申し上げましたように、法律的には理解できないとおっしゃいますけれども、法律的にいろいろの手段を講じて、訴訟において枝葉末節の点でもって長い間訴訟が続いたことは御承知の通りであります。しかもその一つの原因として先ほど申し上げたように株主権の問題であるとか、あるいは役員会会議決議不存在の問題であるとか、いろいろの問題が法律技術的な問題として訴訟が続いた、これではとうてい耐えられない。従って何とか早く円満に解決しようじゃないかというのが今日のこの段階である、かように私は承知いたしております。
○島清君 あの二億一千万円の財産の評価額があると仮定をして、その仮定の前提の上に立って御質問申し上げますが、二億一千万の価格がありますというと、そしてあれに抵当権の設定されておりまするのは、借金は二億六千万ですか、結局五千万損をすればよろしいということになるわけでありますが、さらにそれ以上一億六千万損をしなければならぬというのはどういう算術になるわけでございますか。
○参考人(楠見義男君) 日本農工に対する債権を集中いたしますると、三億七千万になります。それを裁定におきましてはそれぞれの段階に区分いたしまして、たとえば中央農水産の当時の債務はこれは農林中金が背負うべきである。その次には高橋さんが社長をやっておられるときにおける計上損失は高橋さんが当然背負うべきである。それから両方の話し合いで私どもの方の関係のある山下前理事がその後日本農工の社長になって経営をやっておった。その場合における損失はかくかくの割合で金庫が負担すべきである。それから整理の段階で三浦さんが社長になっておられる間の損失は、これはまたかくかくの割合で農林中金は負担をすべきである。こういうようなことをいたしました結果、その全体の中で農林中金が一億九百万でありましたが、その損失を負担すべきである。こういうような結果になって、それから先ほど来申しますような計数上の数字が出て五千五百万となっている、こういうことでございます。
○島清君 まあ私は裁定の問題についてもロジックが合わないようなやり方でございますので、お聞きしたいと思うのですが、楠見さんにお聞きをいたしましても主観的な立場で、主観的な陳述でございますので、客観的な妥当性のある御答弁は得られないと思うのです。そこでどうですか、農林中金は一億八千万なんというような損をしなくても解決できると私は思うのですが、それは高橋さんに全部財産を渡してしまうのです。そして、その高橋さんの財産の上に抵当権を設定しているものは、あなたがこれは農中金の方で責任を負わなければならないというものを全部高橋さんの方に負わしてしまう。そして財産を処分する。それならば私はしろうとが考えても一億八千万なんというような大金を損をしなくても済むと思うのですが、いかがでございますか。
○参考人(楠見義男君) 先ほど申し上げましたように、従来の経緯におきまして、いろいろの解決方法が講ぜられたのでありますが、それがなかなかうまくいかない。訴訟は長引くし、うまくいかない。第三者の介入というものも出てくるし、そこで今日の段階ではこれが最良の方法ではなかろうかというのが裁定の結論ではないか、かように私は考えております。
○島清君 あの裁定は完全にして無欠なる、それ以上の解決の方法はあり得ないという今でも確信のもとに御答弁をしておられるようでありまするが、これはあるいは国会で問題にならない前ですね、裁定書が作られておったのでありますが、国会でこういう工合に取り上げられますと、国民が納得するような私は形においてこの問題は、結論が出されなければならないと思うのです。私たち委員が、私もそうですが、それじゃ納得ができないのですね。いわんや私は国民はとてもじゃない、納得できないと思うのです。私の疑いをここで申し上げますというと、私はあの財産は三億五千万以下ではないと思っております。そういうふうに私は信じております。それは評価はあるいは見解を異にする場合があり得るのです。あり得ても、二億一千万という評価をして、そうして農中金の方には一億八千万損をさせて、さらにこれ以上の裁定を実施するということになりますと、何か知らないけれども、世間は三浦一雄さんを中心にして、さらにここに名を出しておられますところの荷見さんとか、その他の方々が私はそういったような財産の受け取りといいますか、そういうものに深く関与しているかどうかということはわかりませんけれども、どうもやはりそういうものに固執しておられるのではないか、こういう印象をぬぐい去ることはできないから、もしこういう印象をぬぐい去ることができないということになりますと、ぬぐい去るために、そういうものが起らないために、私たちは委員会でこの問題を取り上げているわけですから、おそらくこの裁定書は私はこういうふうに表に出て参りますと、私はこの農林中金対さらに高橋個人、さらには三浦一雄さん、さらには農林出身の官僚の諸君というような舞台裏でこそこそするようなこの裁定案というものは、私は国民の前には公表できないものだと、こういうふうに考えているのですが、その点いかがでございますか。
○参考人(楠見義男君) この問題は十年近い紛争を続けた問題でございまして、従ってこの十年にわたる長い間の経緯というものが十分に御理解といいますか、事情を御承知いただければ、結局この方法がいいのではないかというふうに私は御理解いただけるのではないかと思います。ただ私も法律を学んだ人間でありますけれども、その法律をその通りに実行してうまくいくかどうか、経済的に有利に解決できるかどうか。たとえば競売をやって、そうして有利に売れるかどうか、そういうことになりますと、これは御案内のように、ずいぶんそのことによってかえって経済的に不利を生ずることもございます。また法律的に先ほど申しましたように、枝葉末節、訴訟技術上の紛争で何年も長引かそうと思えば長引かされるという欠陥もございます。従ってそういうことによってとことん十年あるいは二十年かかってもやるのが有利であるか、あるいはそうでない、次善、三善と申しますか、法律的にはそうでなくても、経済的にかえって最良の方法を談ずることが負担を軽減する上においていいかというようなことを彼此勘案をいたしますると、結局法律技術ばかりでもって物事は解決しないのではないかというのが、今日の段階であろうと私は承知をいたしております。
○岩間正男君 関連して。これはこの前私も質問をしたのでありますが、なかなか結論が出ない問題で、島委員の今質問されている要点については、私もこれは同感しているものでございます。 第一に、ここでまたあらためてお聞きすることになるわけですが、一体農林中金側の今までやってきた金融のやり方というものは、これは欠点がないと認めておられるか。それともこのやり方の中にやはり手落ちがあったと、こういう点は認めておられるのか、この点はどうなんですか。その点はっきり私聞くわけです、第一点として。
○参考人(楠見義男君) この点は、前回の証人喚問の際に、前理事長からも御質問に対してお答えいたしましたように、当初やはり金庫としては遺憾の点はあったということを証言されております。
○岩間正男君 私聞いておるのは、やはり農林中金は法によってこれは運用されておるわけですね。これは御存じだと思う。従いまして、この金融の手段方法についても、これは法的に正しかったかどうかということがこの問題を処理する中では一つの非常に重要な問題になるわけです。今まで農林中金関係の参考人、証人を喚問をいたしたのでありますが、手落ちはないという点は今まで押しなべてもう結論づけられておると思う。ところが今、これは楠見理事長のお話の中では、まあ遺憾な点があったというようなことを表明されたんですけれども、ずいぶんこの点違ってくるわけです。そうすると、われわれの審議の対象、やり方がだいぶ違ってくる、そういう点を認めておられるんですが、とにかく中金というものは公けのものです。プライベートなものではありません。普通の市中銀行にしても、これは公的な性格を持ちますから、普通の市中銀行でもこれは問題はなかなかそうプライベートには扱えない問題だと思う。ましてや農林中金であります。国家資金もこれに関与している。そういう点から言えば、公的な処置というものは非常にこれは要求される、百パーセント要求されると言っても過言でない。従いまして、そういう点から私はこの問題を判断しなくちゃならぬが、その点では手落ちはないということは当委員会でも確認されておる。そうしますと、私がお聞きしたいのは、一体互譲の精神とか、円満な解決とか、盛んに心理的なものを持ち出してきておるわけです。これは東洋の道徳かもしれない、しかし、こういうものは通用しないだろうと私は思います。そういう点から言いますというと、この中で——これは楠見理事長のお話の中にしょっちゅう出てくるのは、そういうような互譲の精神とか、話し合いとか、そういうことによってやった、こういうふうに言われておるのでありますが、こういうような要素でもってこの問題を解決しなくちゃならないところの、つまり今までの中金のやり方に手落ちがあるのか、欠陥があるのか、そういうことを認めておられるのか、その結果やむを得ずそういうことをせざるを得ないのかどうか、この点これは明確にしていただきたい。
○参考人(楠見義男君) 金庫が金を貸す場合に、手続上手落ちがあったというようなことはないわけであります。ただ国会の証人喚問においてお聞き取りになりましたように、中央農林水産株式会社の設立の経緯、またこれが他の銀行から資金を借りるに際しての経緯において遺憾の点があったと、こういうことを湯河証人が証言された、こういうことを申し上げたのであります。 それから互譲の精神という問題は、金を貸すとか何かという場合の問題ではなしに、長い間の紛争をどうすれば解決するかという解決において、御案内のように訴訟の問題もあればあるいは和解の問題もある。その和解の際には互譲の精神でなければ和解はできない、そういう意味で互譲の精神でもってこの問題の解決をはかっていきたい、こういう意味において互譲の精神ということを再々申し上げた次第でございます。
○岩間正男君 私は明確にしていただきたい。やはり公約機関にいる力の責任というものは、それはいろいろ人間でありますから、そういう心理的な要素が加わるということを私は認めないわけじゃない。しかし少くとも、厳正を持し、綱紀粛正などということは非常に今問題になっておる。そういう中で法律による執行面を正確にすべきだということは、これは当然の任務だと思います。ことに公的な機関でありますから、私はそのことを要求して、その面から公庫に損害を与えないようにするということが、少くとも当事者の責任でなくっちゃならない。ところが今のお話では手続上には手落ちはないと言われておるのであります。そうしたら、私はその手続に従ってこの問題をやはり処理していく、そこにプライベートないろいろなそういうものを加えていくということによって、なるほど問題は円満にいくかは知らぬけれども、それはただ今の問題が円満にいくということで、私たち国民関係におきましては、これは円満にいっておることではない。この問題は処理されていないということになるわけです。この点を島委員も先ほどから強調されておることだと思うのです。これは国民が承認できるかどうかということになると、こういうことは承認できない。あなたたちのそれは一つのプライベートな感情上の問題、そういうような問題にこれは属するものなんですね。こういうことでは話にならない。それはまた別にこれは責任をとらなければならない。当時の湯河元理事長初め関係者のそれについての責任は、これはまた別だ。しかし公庫を運営する上において、手続上においてこれは間違いなかったと、そうしてこれを処断するときに、そういう点から自分がそういうような落ち目があるから、従って互譲の精神とか、あるいは円満な解決ということで、実は自分の欠陥をおおい隠す結果になりやしないか、それらの責任をごまかす結果になりゃしないか、そういう形でこの問題が運営されているということは明らかであります。ここのところを私は問題にしたいのでありまして、こういう点から、私ははっきりした態度をとられるということが、少くとも当決算委員会に臨まれる当事者の責任じゃないかと私は思う。そういう点から、これと関連してどうしても納得がいかないのは、たとえばこれは関連産業であります。この前も金融事情についてお聞きしたのでありますが、関連産業に対する、そのほかインター・バンク、それからコール市場、こういうところに融資されておるのは、中金において実に七〇%、そうして実は第一義にやらなければならないところの農業関係、農林水産関係におきましては、わずかに三〇%の融資しかされていない。しかもその三〇%の中には、この前私が御質問申し上げましたように、開拓農民のような切実な問題がある。しかしこの開拓農民に対しては、相当これは厳重に私は回収を励行しているだろうと思う。これもこの開拓農民に対して今の互譲の精神とか、円満の精神、これに基いてもっとこれは当然そういう気持というものは発動されなければならないと思うのでありますが、こっちの方は相当過酷にやられておる。それなのに関係のあるところの旧官僚によって、同類的な官僚によって作られておるところの会社に対しましては、このような互譲の精神とか、円満な解決の方法ということを口実にして行われておるというところに、当決算委員会の承認できないものがあるのであります。私はこの点についてもこの前御質問申し上げたのでありますが、ただいまの島委員のこの質問をお聞きしておりまして、やはりこの感をますます深くするのであります。この点を明確に、私は当然この公的機関にいられる理事長として、責任ある立場からこの点について明確に処断されることが望ましいと思うのです。この点についてお伺いします。
○参考人(楠見義男君) 金融機関、特に公共的な色彩の強い金融機関の責任者としての心がまえ、あるいは運営についての基本的な態度、心がまえ、こういう問題についてのただいまの岩間さんのお話は全く同感でございます。私どももお話のような基本的な態度なり考え方をもって慎重に処理していかなければならぬと考えておりまするし、今後もそのようなふうに慎重に留意をして参りたい決心でございます。ただ、申し上げましたように、問題を処理するのに、私どもは訴訟で十年続いても、二十年続いてもこれはいいわけであります。しかしそれが経済的に最良の方法であるかどうかということになった場合に、別の方法の方がむしろ右利であるということならば、その方法の方がベターではないか、こういうことを考えておるだけでありまして、裁判で何年かかってもその方が有利だという結論になりますれば、それは裁判を続けることにやぶさかなものではございません。 それから開拓の問題についてのお話は、これはこの前岩間さんからこの問題について詳細な御質問がありまして、実は冗漫にわたりましたけれども、私からも詳細にお答えをしておいたつもりでございます。開拓については私どももずいぶんと留意をいたしまして、しかも今いろいろ御心配のようなお話がございましたが、前回もお答えいたしましたように、十二分にこの面については留意をし、また心がけて遺憾のないような金融をいたしておるつもりでございます。
○島清君 五千五百万円ですがね、それは日本農工にお渡しになるとおっしゃるのですが、三浦一雄さんはそれをほしいとおっしゃるのですか。
○参考人(楠見義男君) 三浦さんがほしいとかいうのじゃなしに、こういう処理方法をするとこういう結果になるから、その差額は日本農工に渡すべきである、こういう結論でございます。
○島清君 そうすると、向うはほしいとも言わないが、あなたたちの方でまあ上げましょう、こういうようなことだというふうに理解してよろしいわけでございますか。
○参考人(楠見義男君) 紛争の処理過程においては、ずいぶん高橋さんの方からいろいろの御希望のあったことはございます。しかし私どもは妥当な線で落ちついていくことを希望いたして参ったのでありまして、その結果大体今日の仲裁のようなところの結論を見たと思いますが、これにつきましても、これは相手のあることでありまして、高橋さんといいますか、その方のお気持等も十分に承知いたしませんければ、私どもの立場だけで一方的にこの裁定に基いて和解をするかどうかという結論にはまだならぬわけでございます。
○島清君 五千五百万は日本農工の方へお渡しになるのだ、高橋に渡すのではないということは明確におっしゃったわけであります。そういたしますると、今の日本農工の社長は三浦一雄さんでありまするから、三浦一雄さんがあなたたちの相手側になるわけであります。そういうふうに理解してよろしゅごさいましょう。そういたしますると、それをほしいというのは三浦一雄さんだということになるわけですね。三浦一雄さんを相手にしてあなたたちが折衝しておられるのだからして、何もほしいということを言わないのにもかかわらず、ほしいだろうというので、どうせ農中金の金だから、自分のポケット・マネーじゃないのだから、一億八千万損しようと幾ら損しようと、ほしいとは言わないけれどもそれはやるのだ、こういうふうにしか理解できないのですが、お出しになる以上は、あなたたちが正常なる銀行業務を善良な意心によって運営されておるといたしますならば、向うがほしいと言っても、実は、こういったような農中金の方に赤字が出るのだからしてがまんしてくれ、とにかく取らないでくれと言うのが私は当りまえのような気がするのですが、ほしいと言わなくてもあなたたちの方はお出しになるつもりなんですか。裁定の経過は別にいたしまして、結論的にはどうなんですか。
○参考人(楠見義男君) 三浦さんはこの問題については整理の段階に入って、日本農工をいわば一時お預かりになっているだけでありまして、従って金の問題が円満に解決すれば、一日も早くやめたいということを言っておられるわけでございます。金を少しでもよけいもらいたいということを陰ながら言っておられますのは、高橋さんでございます。というのは、結局先ほど申し上げましたように、全株式が高橋さんに集まるわけでございますから、結局日本農工の財産が、また株主である高橋さんの株主権に基く資産といいますか、こういうことになるわけでございまして、三浦さんの御心境は私ただいま申し上げた通りと存じております。
○島清君 農林省はいかがでございますか、今の楠見さんの書をお認めになるのですか。先ほどは日本農工の方に九千五百万円渡すのであって、高橋という者は関係があろうとなかろうと、こっちの知ったことではないというような意味のことを言っておられたので、私は念を押したわけであります。それは内部的にはいろいろ関係があるかもしれません。人の財産を横取りして、涙金五千五百万円であきらめろということでありますから、内部的にはあれはあるかもしれませんが、しかしながらそれは裏のできごとであって、こういう工合に表面に出て参りますというと、そういうことは理屈にならないと思うのです。ところが今楠見さんは前言を翻えされて、今、三浦一雄さんはただけんかを預かっているのだと、いかにも町やっこのやくざ者のけんかみたいに、おれが預かっておるのだというような格好の預り金であると、こういうことなんですが、そういうことになりますというと、委員会の方でその発言の権威か径しくなるわけなんですが、それをお認めになるのですか、そういうふうに。
○政府委員(渡部伍良君) 裁定書の第一条によりますと、「旧株については無償にて、新株については額面金額を以て高橋側に譲渡すること。」、こういうような条項がございます。従って日本農工はこの裁定書によりますれば、高橋さんがまた主導権を持つ会社になるのじゃないかと思います。第九条では、「中金は、日本農工に対し金五千五百万円也を第三条の代物弁済物件の登記及び引渡と同時に支払うこと。」、こういうことになっておりますので、渡す相手は日本農工であります。従って日本農工の内部関係が現在は三浦さんが代表取締役でありますから、三浦さんになりますけれども、この裁定書をそのまま実行いたしますれば、実質的には会社の内部関係といたしましては、高橋さんが主導権を持つことになるのではないか、そういうふうに私どもの方では理解しておるわけであります。
○島清君 この裁定書というものは、そんなに権威のあるものでございますか。
○政府委員(渡部伍良君) 裁定書に基いてただいま関係者の間で話が進行中であるからして、その結果を見て、もしそれで話し合いがつくとなれば、私の方は異議を申し立てる必要はないじゃないかということを最初に申し上げたのであります。せっかく関係者の間で相談されておるのでありますから、それを相談の途中に、私どもの方から、いいとか悪いとか言うのはまだ早過ぎるのではないか、こういうような意味であります。
○島清君 ここに出ておりまする裁定書の作成者は、荷見さんであるとか井野さんであるとかいう方々でございますね。全部あなたのおっしゃいまするところの農林省の先輩でございますね。そういうような農林省の先輩の方々がけんかみたような仲裁に入って、三浦さんがまあけんかを預かっておるというような形の今御答弁でございますが、その結果は、大臣がここであやまらなければならないというような一億八千万、まことに遺憾であるというような事態が起るわけですね。それは起らなくても済むわけですよ。起らなくても済みますよ、これは。なぜそういうものを起すための裁定書というものをそれほどまでに権威を認めて、農林省がこれを認めなければならないのですか。それから裁定書のB項にあります、中央農水産関係含欠損は全額農中金の負担とするというのは、これはどういったような契約と、農中金の業務上のどういったような事柄からこれが発生してくるのですか。説明して下さい。湯河さんは、これも全部合法的だ、正しいと言うてここで証言している。しかも、その裁定が、湯河さんの証言を否定して全部農中金の責任であるというて認めている。説明して下さい。
○参考人(楠見義男君) 中農水の関係については、これはたびたびこの委員会でも問題になった点であります。これまた再々同じことを繰り返すようで恐縮でありますが、とにかく損失といいますか、それが二億七千万円になって、これをどうして処理しようかという場合に、そこでこの部分については、経緯にかんがみて、もともと農林中金の旧役職員でできた会社、それに対する融資ということであるのだから、これはこの部分、農林中金はこれだけできるだけ負担をしろ、あるいは高橋さんの方はできるだけ負担をしろという場合に、どちらに入れるかという場合に、これは農林中金の負担すべき部分に入れるべきである、この部分はこれは両方に責任があるのだから、両方が分担すべきである、こういうふうなことでこの中農水の問題が出てきておる、こういうふうに理解をいたしております。
○島清君 そうすると、たびたびの委員会でという委員会の例が引かれましたが、高橋さんはそれは知らないのだ、からくりによって自分はさせられたのだ、しかし、あなたの方は、いやそうじゃないのだ、合法的で、高橋さんの頼みによってやって上げたのだ、正当な貸し出しである、こういうことを言っておる。正当な貸し出しであるならば、ここにおいて農中金が責任を負うはずはない。それとも、高橋さんが言うことが真であって、農中金の方が誤りであるといたしまするならば、当然にこれは責任を負わなければならないのです。どちらですかというのです。
○参考人(楠見義男君) この点も、この前申し上げたように、一体どちらの証書を信用するかというような趣旨の御質問に対して、私といたしましては、湯河証人の証言を信用いたしますということをお答え申し上げたのでありますが、その根拠としては、中農水の債務を日本農工が引き受けるに当りまして、高橋さんみずからがお見えになって、そうして懇請書をお渡しになった。その懇請書の原本も私の力は持っております。従って、私としては、湯河さんの証言を信用いたしますということをお答え申し上げたのであります。そのことと、事件をどういうふうに当事者が和解に持っていくか、いかに処理するか、また分担し合うかということとは、これは一応別にお考えいただいていいのではないかと思います。ただしかしながら、全然別とは申しましても、事の経緯にかんがみて、この部分はそれでは私の方が持ちましょう、この部分はあなたの方で持っていただきたいということは、和解をするに当りましては、当然他の案件におきましてもそうであろうと思いますが、出てくる問題ではなかろうか、こういうふうに私は考えております。
○島清君 和解は、人間社会においては望ましいことです。しかしながら、和解することによって双方が利益を得るか、ないしは被害を受けるであろう被害を最小限度にとどめるという範囲内において和解というものは肯定されなければならない。しかも、あなたたちのその和解というものは、和解という名において農中金が損をしなければならないということが結果づけられておる。それが納得ができないというのです。そこで、私がお聞きしておりますることは、高橋の主張が全面的に認められるということになりますると、なるほど農中金は高橋の財産にからくりを作って、そうして高橋の知らない間に抵当権を設定したのだということになります。そこで、あなたの方の主張を全面的に肯定するということになりますると、その裏においてのからくりは何であるかはしりませんが、表面的には、合法的な抵当権が設定をされて、合法的な業務の運営をしておったということになるわけであります。どちらかなんです。中途半端なものは許されない。今あなたたちがやろうとするものは、高橋の財産であるから、全部取り上げてしまうと高橋も困るであろうから、五千万円の金をやれば、二千万円やそこらの借金もあるだろうし、三千万円の金が残れば銀行に預金しても、一カ月十万円ぐらいの利息で食っていけるだろうから、まあ高橋も化けて出るようなことはなかろう、こういうようなことだと思うのです。こういうようなことではわれわれも納得しませんし、国民はなおさら納得しません。そこで私の言うのは、互譲の精神であるとか和解であるとかというのじゃない。ほんとうにあなたは農林中金の理事長として、与えられた公けの立場において、なぜこれを農中金が認めなければならないかというような契約上のこと、法律上のこと、こういうことを御説明を願いたいということなんです。
○参考人(楠見義男君) 先ほど来同じことを申し上げて恐縮なんですが、何年かかっても訴訟を続けて、裁判の力によって解決をしていくということが有利であるならば、決してその手段をいとうものではございません。しかし、それが有利であるかどうかということの判断をいたしますると、必ずしもそれのみを唯一の方法と考えることについてはどうであろうかと、こういうことが出発点であろうと思うのであります。従って、その考え方で私どもは善処していきたい、かように考えておるわけでございます。
○島清君 裁判をする相手側はだれですか。三浦一雄さんですか、高橋さんですか。
○参考人(楠見義男君) 抵当権を実行するに当りまして、御案内のように競売公告等をいたしますると、異議の申し立てが出てくる、あるいは日本農工の処理について抵当権提供について、株主権の決議桁についての存在、不存在の問題を出してくる。これが過去の実際であったわけでございます。そういうことを繰り返していってどれだけプラスになるかどうかということの判断をする必要があるということを申し上げた次第でございます。
○島清君 その判断は御自由になさってけっこうですが、だからその裁判の相手になるのは日本農工ですか、それとも高橋さんですかと聞いておるのです。
○参考人(楠見義男君) 抵当権を実行するのでありますから、相手方は日本農工になります。
○島清君 そうしますと、高橋さんは日本農工の今何に当っておるのですか。
○参考人(楠見義男君) それは先ほど申し上げたように、株主権の問題を訴訟提起をいたしましたりしておるのは高橋さんが従来いたしておったわけであります。
○島清君 そうすると、楠見さんのお考え方からすると、農中金のやったことは全面的には認められないわけなんですね。高橋の言い分にも当然真実があるのだ、こういうことなんですね。
○参考人(楠見義男君) いや、そうではございませんで、私どもの従来やったことは合法的であったと、ただ合法的であったけれども、それを実行するに当っていろいろの支障が出てくる。それが先ほど申し上げたように、訴訟技術上の松葉末節なことで、訴訟が延ばされるとかいうように、いろいろの故障が出てきて今日まで遷延した、それを何とか同じような轍を繰り返さずに済む方法はないかということが、仲裁人に頼んだり、あるいは裁定が出てきたというような経緯であると承知いたしております。
○島清君 どういう訴訟をされたんですか、あなたの方は……。
○参考人(楠見義男君) これは十数件にわたりまして、いわば、言葉は適当ではありませんが、南朝北朝というようなものができましたり、あるいは事務所を移しまして、そしてその問題について訴訟ができましたり、いろいろの訴訟技術上の枝葉末節にわたる問題に関しての訴訟が続けられたわけであります。
○島清君 訴訟は高橋側からされたんじゃありませんか、あなたたちの方は被告人ではありませんか。
○参考人(楠見義男君) いや、高橋さんが原告の場合もありましょうし、私どもの方が原告になった場合もあろうと存じます。
○島清君 あろうじゃ困るのですが、どういう訴訟を提起されたかということを聞いておるのですよ。
○参考人(楠見義男君) 今その訴訟の何を調べますから、ここにありますから、ちょっとお待ちいただければ、のちほどまたお答えいたします。少し長くなりますが……。
○委員長(高野一夫君) 要点ぐらいのところで一応とめておいて下さい。
○参考人(楠見義男君) 工場財団抵当が設定されたときに、高橋さんが、これはこの機会に会社を全部乗っ取るんではないか、こういうようなふうに考えられまして、弁護士に御依頼になって、いろいろ会社整理に関する妨害工作を行われたのであります。そして、たとえばその当時やめておられましたのを、株主総会を開催して高橋さんを代表取締役にしたような決議をお作りになって、そしてそれを東京法務局品川出張所に取締役変更の登記を行うと、それに対してこちら側では東京地方裁判所に、今の点に対しまして、株主総会決議及び取締役会決議不存在確認の訴えを出すと同時に、取締役及び代表取締役職務執行停止仮処分の命令を行う。ところが、さらに高橋さんの方では経営権をとるというつもりで職務代行者、職務代行者といいますのは、裁判所に取締役兼代表取締役職務代行者の選任の決定を受けたわけでありますが、その職務代行者の登記抹消の目的をもって、また別に株主総会を開いて、その前と同じことをお繰り返しになるということをやりましたり、そういったように、いろいろのことを、その後引き続いて同じような確認の訴え、あるいは不存在の訴え、仮処分の決定というようなことを何回も何回も繰り返してきたということを先ほど来申し上げたのでございます。
○島清君 そこなんです、楠見さん。非常に重要なことは。まだあなたたちは権利を確定するとか、その存在するとか不存在であるとかいうような、こういったような権利確定の訴訟しかやっていないでしゃう。ところが、そういたしますると、この抵当権というものが径しくなるのですよ。もちろん私はこの抵当権に基いて求償的な、請求的な訴訟を起しておられると思っていたのです。それらの権利が確定するとかしたいとか、存在するとかしないとかいうようなことは、要するに高橋側から言わせれば、そうやって自分は財産を横取りされたのだ、こう言っておる。そこであなたたちの方は、そうではない、合法的だと言っておる。合法的ならば、その存在するとか存在しないということはあり得ないはずなんです。それは私たちはどっちでもいいのです。どっちでもいいのですが、そういう形において農中金の方に二億近くの赤字が出るということが、われわれがここでただしておかなければならないという焦点なんです。繰り返して申し上げておるのです、それを。 そこで、もしそういったような繰り返し繰り返し権利の確定を裁判所でしてもらうとか、あるいは存在を認めてもらうとかいうようなことになると、あなたたちの方の行為が径しくなるというのです。だから、怪しくなるからして、あなたたちはこういうふうに、それじゃ昭和二十六年の中央農水産の関係のことは、こっちの方は認めようといって、いかにもどろぼうの分け前を分け合っておるような印象を受けるのです。そこなんです、私が明確にしてもらいたいということは。そんなことはどうでもいい、高橋さんの言い分が正しかろうが、あなたの方が正しかろうが、どちらでもはっきりとわれわれの了解できるような姿で——財産を三億一千万円とあなたたちは言っておるけれども、二億六千万円の抵当権をとっておられる。それで処分をしてみて、これは一億にも売れなくとも仕方がない。競売をしてみて、なおかつ一億八千万円の赤字を背負わなければならないということなら、国民も納得をするでしょう。そういう形ではなく、片方においては四億に近い財産の評価をされておる、しかも抵当権は二億六千万とっておる。しかもその抵当権の権利の行使を全然しないで、代物弁済という名においてさらに五千五百万よけいな金を出して、そうして農中金の赤字を出さなければならないということが、先ほど来申し上げております通りわれわれは了解できない。いまもって高橋さんとあなたたちの方が権利を認めるとか認めないというような訴訟を繰り返しておるとするならば、それは高橋さんの主張の方が正しいようです。私はさように解釈せざるを得ないのです、どうしても。
○参考人(楠見義男君) 私どもの方は高橋さんの主張が正しいとか、そういうような気持をもって、あるいは一部でもそういう点があるということでこの問題を処理しよう、こういう考えではございません。そうではなしに、結局こういうことを繰り返すことによって、いま島さんもお述べになりましたが、そういうことをやった結果、たとえば競売で現在二億一千五百万円と評価されておるのが一億になっても、あるいは八千万円で落札されてもそれでいいのじゃないかというその点を実は問題にして、そういうことで損失を生ずるのと、できるだけその損失を少くする方法によって、やれる方法はないかということが第二段に考えられた問題でございます。従って、こういうようなエンドレスな訴訟をやっておる。そこにいろいろな事件屋が入ってくる、また金融機関としてもずいぶん迷惑な話でございますが、それでなおかつ有利であるならば、これはけっこうでありますけれども、決して有利とは考えられない。そういうことで最近では高橋さんも、こういうような訴訟を繰り返すことはよそう、そうして円満に解決することがこれはお互いに有利ではないかということで、仲裁なり裁定というような段階に入っておるのが現在の実情でございます。
○島清君 一体、そういうことは農林中金法の第何条から出ているのですか。
○参考人(楠見義男君) 債権の処理の方法については、これは別に法律に規定があるわけではございません。ただ、先ほど岩間さんからもお話がございましたように、手続において慎重を期することがまずもって必要でありますが、そういう債権の処理について最善の方法を講じていくということが、これは実際の債権の処理の方法として、法律に第何条の規定によるというような規定はございませんけれども、当然の務めであろうと考えております。
○島清君 それは正常なる銀行業務といたしまするならば、たとえば抵当権を設定いたしまする場合には、普通常識で考えますると、非常なコネクションがあって、半額ぐらい、さらに信用が加って六割ぐらいにしかその抵当権をとらないものです、設定しないものです。そうしてその抵当権というものは、貸借関係を離れてすぐに物的な保証があるわけでありまするから、百パーセント貸した金は取れるのだというふうになっておるわけです。そういうふうな業務の遂行をしておったといたしまするならば、それから自後の問題は機械的にその元本の保証は当然になされるということが抵当権の持っております趣旨なんですね。(「その通り」と呼ぶ者あり)だから抵当権を設定しておいて、なおかつその抵当権設定の根底に疑義があるといたしまするならば、もちろんこの銀行業務以外の何ものかの要素が入っておったということになるわけです。(「その通り」と呼ぶ者あり)そういうことでしょう。そこをわれわれみたいなしろうとが、国民はなおしろうとです、わかるような説明をしてほしい。そうでないということを説明してほしい。
○参考人(楠見義男君) 今御質問になりました点も、二回の証人尋問で詳細御尋問になった点でございます。当初は、繰り返して申し上げることを省略いたします、簡単に申し上げますが、ゴム事業を再開することによって、この日本農工がうまく運営をしていくということが前提で、先ほど来申しますように、高橋さんが懇請書をお出しになり、それには計画もはっきりつけておやりになったわけでありまして、その当時は今、鳥さんがお述べになったような状態で担保権も設定されたと思います。それからその次に、結局いろいろの債権を集中して、そしてこの債権を確保する手段として一億円を、債権を集中し、そして抵当権を設置したというときには、今お述べになりました趣旨とは違うような客観的な情勢であったかとも思うのでありますが、これは債権を確保する手段として講ぜられたものでありますから、一般的の事例をもって律するわけにはいかない、こういうふうに考えるのであります。
○島清君 一体あなたはどっちの方の証言を繰り返そうとされるのですか、高橋側の方に立って証言を繰り返そうとされるのですか。それとも農林中金の理事長として、そうして湯河さんの申された証言を引用しようとされておるのですか。それは対立しておるのですよ。
○参考人(楠見義男君) これは再々申し上げますように、どちらの証言をお前は信用するかと言えば、私は湯河さんの証言を信用いたします。しかも、それについてはある程度私どもも確信を持てるような資料もある。こういうことから、そういうことを申し上げて参っておるんでありまして、私はあくまで湯河さんの証言を信用して進んで参りたいと考えております。
○島清君 それならば、ここにB項にうたっておりますところの農中金の責任というものも生まれてこないのじゃないですか。高橋さんの主張を認めるからこそ、ここに生まれてくるのでしょう、このB項というのが。
○参考人(楠見義男君) その点は、先ほどお答え申し上げた通りであります。高橋さんの証言を信用するしないということと、それから、この現在の状態における事件を、どう処理するかということとは、関連はあるけれども、別の観点に立って考えていいじゃないかと、こういうことを先ほども申し上げたのでありまして、私はさように考えております。
○島清君 この前も、あなたに責任ある答弁をしてほしいと、その前任者の仕事は批判的な、第三者的な立場に立って御答弁をしてもらっては困るということで、念を押してきょう出てもらったわけでありまするが、この裁定書が非常に金科玉条であるかのごとくに言っておられる。これはもうベターで金科玉条のようにとられるし、農林省もこれを認めておられる。そうだとすると、農林中金法のこの法律に基いてそれで貸借関係というものが確認をされて、その確認をされた結論として出てこなければならないはずでふります。そうでしょう。法律に基いてあなたたちは公金をお預かりになって、そうして融資を、銀行業務をやっておられるわけですから、抵当権を設定したことが合法的でなかったということになると、こういう項目が出てくるのでありまするけれども、すべてが法律に基いて、そして善良なる銀行業務を運営しておられたとするならば、こういったような木に竹を継いだというようなこの裁定書というものは出てこないはずなんです。そうでしょう。だから、A項においては農中金の主張を認めなさい、B項においては高橋側の主張を認めようじゃないかというて突き合せる。これは、だれも被害者が出なければよろしい。農中金に一億八千万という赤字が出なければいいですよ。その結果は赤字が出る。しかも、今私が言ったように、一体この五千五百万というのはだれに渡すのか。日本農工に渡すのか。それじゃあ代表者は三浦さんですねと、その通り、日本農工に渡すのだ、こういって御答弁になった。その舌の根のかわかないうちに、また高橋さんという方が出てくる。一体亡霊を相手にして仕事をやっておられるのか、権利の確定されたものに基いてそして業務を遂行しておられるのか、一向にわからないですね。その点を明確にしてもらいたいと思うのですよ。
○参考人(楠見義男君) 債権を確認いたしておりますから、この部分については、それではわれわれの方で負担しようとかいう問題が出てくるわけでございまして、債権の存在しないところに条項とか何とかという問題は出てこないと考えております。従って、今お述べになりました、債権を確認して上の話かどうかということになりますと、私どもは、償権を確認した上でこういう問題に当っていると、こういうふうに御了解いただければいいと思います。
○島清君 そうしますと、高橋さんが中農水の社長として、日本農工の社長として、高橋対高橋の契約をして、そして農中金の方に、ゴム事業を始めますから金を貸して下さいといって来られたから、金を融資したんだと、こういうことですが、このB項によりますというと、農中金の責任だということになっておりまするので、この農中金の責任の発生する理由はどこにあるのか、貸さなかったけれども、高橋が言うように、あれは実は貸したような形にしておったのだ、貸した金なれば取れるはずです、これを。そうでしょう、抵当権も取ってあるのでありまするから、真実貸した金であるならば、抵当権も取っておるのでありまするから取れるはずです。貸してないから、貸したように擬装したのであるから——なるほどそう言われると、高橋に救ってもらったのであるから、みんなが刑事被告人にもならないで救ってもらったのであるからして、それはやっぱり金銭的な関係においては、農中金の方が責任を負わなければならない筋合いのものである。こういうことなんですから、契約とかあるいは法律的に金銭の貸借関係から、和解とか互譲の精神、こんなことじゃなくて、契約とか貸借関係、貸したか貸さぬか、貸した金をなぜ農中金の方がこれだけ責任を負わなければならぬのかということを、簡単明瞭に一つ御答弁を願いたいのです。
○参考人(楠見義男君) これも、この前に申し上げた通りでありますが、中農水の債務を日本農工が、いわば肩がわりをしたことになるわけでありまして、それについては、この前申し上げましたのは、農林中金としても道義的の責任を感じておった。その点において苦慮をいたしておったのが、いわば渡りに舟と申しますか、高橋さんの方の救いの手が伸びた、高橋さんはまた高橋さんで、自分の事業を伸ばしていく上においていろいろの思惑を持っておられた、そういうことがぶつかって中農水の肩がわりの問題が日本農工に起きたわけでございます。そういう経緯で今日までやってきた。だから手続の上では合法であるけれども、まあいわば渡りに舟で救ってもらったといいますか、ほっとしたというその中農水の債務は、先ほど来申しますように、どちらの分担する方に入れていこうかというときに、これは農中金の方に入れていく、こういうふうに裁定が下ったもの、こういうふうに考えております。
○島清君 それだから、裁定書というものを非常にまああなたは農林官僚だから、農林官僚の先輩が作った裁定書というものは金科玉条として奉じられたかもしれませんが、私たちはそういうふうに権威あるものとは認めていないということなんです。よろしゅうございますか、そこでです、B項のこれは農中金の方が責任を負わなければならないとすることは、金を貸してなかったから貸してあるように擬装して、実際は貸してなかったから、これは今になっては農中金の方で責任を負わなければならないという趣旨の裁定なのか、貸した金で、融資をした金であるならば、なぜこういうふうに農中金の方が責任を負わなければならないかということですね。経過じゃなくて結論だけ言って下さい。
○相馬助治君 私どもは、この問題は不正があるか、あるいは不当であるかということについては、実は事件が輻湊しておるので、明確に私は何回聞いても実はわからないのです。ただしかし、この島委員が追及していることから推してみてわかることは、刑事上の不正はないまでも、農林中金のやったことは不当のそしりは免かれない。こういうことだけは言い逃れのきかないところではないか、こう思っておるんです。で、いま島委員か追及している五千五百万ですが、これがわれわれにはどうしてもわからないわけです。その理由は、担保を全部売却して、それで農林中金の穴が金部埋まって、しかも相当なものが残ったというならば、これはその会社にお返しになることは当然なのです。ところが、全部穴が埋まりそうにもないというにもかかわらず、五千五百万を返すというならば、五千五百万を返す弱味が農林中金にあるのではないかということは、常識的にいってわかるわけです。それをかりに高橋にやるんだとするならば、直接高橋にやらないまでも、どういう手を経てか高橋にやるんだとするならば、高橋にやって、口どめ料だか、泣き寝入りをする見舞金だかは知らないけれども、高橋何がしを満足せしめる泣き寝入り料が必要だと、こういうふうに考えなければならない。そうすると、一体その高橋さんに、何がゆえにそんなに気を使わなくちゃならないのだということに、話がむし返えされてくるわけなんです。われわれがやはりわからないことは、この誓約書を見ても、農林中金の湯河さんに出したのは、私は非常に異例だと思うのです。農工の社長の高橋武美、中央農水産の社長の高橋武美として判こを押してある、これはわかります。二つの会社の社長であるから、同じ名前で二つ並べてこう書いてあることはわかる。その次に、個人高橋武美と、こうきておる。こういうふうに個人高橋武美と書いて判を押されて、農林中金がその誓約書を受け取らなければ安心できないものが何かそこにあるということが、これは容易に推測できるのです。そうしますと、農工及び中央農水産の財産と称しておるものの中には、当然高橋個人に属すべきものが入っていて、それが形式的にわけがわからなくなって、会社のものとなって、担保になっておるのではないかということが予想されることが一つ、もしそういうことがないとするならば、高橋武美も同じ穴のムジナであるから、みんな担保を処分してしまって、これに金をやらないというて、またこれは訴えられたりして、大きなものがアリの一穴からくずれてくるというようになって、湯河さん初め巻き込まれて困ったことになるということが想定されて、まあ、ここでは泣き寝入りにというので、その何ですか、昔いう三方損だか何だかしらぬが、みんなで損をして泣こうと、こういうことじゃないかと私は思う。個人の金を五千五百万出すならけっこうです。しかしこの結果、損失をこうむるのはだれだ、農林中央金庫なんです。同時にこれは農林省であり、結局するところ国民の税金なのです。だからこそ島君がとっくり返しひっくり返し、このことを尋ねておると思うのです。 そこで私は、楠見さんに端的に聞きたい。私は頭が簡単だから、簡単なものにわかるように言って下さい。この一連の貸し出しは、不正でないとするも、不当であるというふうにお考えであるかどうか、一点。不当であると考えておるならば、その責任は、この処置についてどういうふうに考えるか。すなわち今からでもおそくないから、急いで解決をして回収するとか、五千五百万をどうするなんということは考えられているのか、何か考え方があるかどうか、こういうことを私は尋ねたいのです。あなたの返答によっては、五千五百万を返すということを暗々のうちに認めておるような農林省に対して最終的に責任を追及しなくちゃならないのであって、それに関連するのであるから、重大な問題でございますので、島君の答弁に今答えるについて、私はしろうとですから、わからないから、わからないものでもわかるような、一つ明確な御返答をお願いしたいと思って関連質問をいたしました。
○参考人(楠見義男君) 先ほど相馬さんのお見えにならない際にも、実は申し上げたことなんですが、この問題は非常に長期間にわたりまして、しかも錯雑しました関係で参りましたために、ただいまお述べになりました具体的に誓約書なり契約書というものを基礎にして、御不審の点をお述べになりましたが、この点につきましても、実は先ほどお答えを申し上げたのでありますが、そういうふうに非常に、一見して複雑であるというふうにお感じになることは当然だと思います。御質問に対しまして、要約して結論のところだけお答えいたしたいと思うのでありますが、(相馬助治君「それでいいです、結論でいいです」と述ぶ)金庫が、この昭和二十四年から発端いたしましたこの問題について、欠くるところがなかったかと申しますと、それは遺憾の点はあったと、こういうことは申さなければならぬと思いますが、同時に、今日この段階になりました以上、これの善後措置をいたしまするについては、私どもとしましては、経済的にも負担をできるだけ少くするために、最善の方法を講じていかなければならぬというふうに感じておりますことを、最後につけ加えて申し上げておく次第であります。
○島清君 僕の質問にお答え下さい。
○参考人(楠見義男君) 島さんのお尋ねいただきましたのも、大体相馬さんの御質問になったのと同じ趣旨で…。
○島清君 いや、趣旨はそうかもしれませんが、お答えになっておられないのですね。こういうことなんです。農水の穴があいて、日本農工の社長高橋が、あなたたちのお上品な言葉を引用すると、道義的責任をお感じになったというわけで、自分の御財産を提供されたのだと、こうなんです。それであればけっこうです。それでもいいのですよ。よろしいのですが、そうすると、B項の項は出て参らぬはずでございます。合法的に道義的な責任は感じようとどういう責任をお感じになろうと、自分の財産に抵当権を設定されて、自分の責任としてその肩がわりをしたとするならば、あるいは美談になるのかもしれません。それならそれで、それは日本農工の財産の方に設定をされた抵当権でありまするから、当然に農林中金としては取り立てなければならないものであるし、取り立てられる可能性のあるものであるはずなんです。ところが高橋さんの方は、それを否定しているのであります。そうすると、あなたのところでは、あなたは合法的なものであると言いながら、このB項の方で認めておられる、農中金の責任だと言って認めておられる。そこで私はそれは融資をしなかったけれども、融資をしたということにして、一時のがれのことをされたのか、実際に融資をされておったといたしまするならば、なぜ農中金の方がこういう工合に責任を負わなければならないか、道義的な意味においてじゃなくして、財産的なその資金を責任を負わなければならないかということを、簡単でいいですから説明をして下さい。
○参考人(楠見義男君) これは中農水が第一信託銀行あるいは勧業銀行から借りておった債権を、日本農工で肩がわりをします、こういうことで懇請書も出まして、日本農工が肩がわりをしたことは御承知の通りであります。そうして農林中金がその返済資金を貸した、こういうことでありますから、従って農林中金としては債権がございます。その問題とこの事件を処理する場合は、どういうふうにして両当事者が損失を負担をしていくかという問題は、先ほど来申しますように、別の観点で考えていいじゃないか、事の経緯がそういう経緯であるのだから、農林中金が、じゃこの部分は持ちましょうと、こういうことを申し上げているわけなんであります。
○島清君 楠見さんね、その解決の方法は一つのその便法かもしれません、そういうことも。だからそれは大前提があるのですよ。あなたは善良なる銀行業務を遂行する立場にあられなければならないという前提が必要なわけだ。従いまして、ここのB項の中のは貸さなかったとするならば、これはなぜ責任を負わなきゃならないかということを私は聞いておるのです、貸さなかったとするならば。そうすると、高橋の非を認めますかと、こういうことなんです。貸した金を総合的な全体的な解決のために、それじゃこれは農中金が認めよう、これはお前の方が持ちなさいという筋合いのものではないと思うのです。それは善良なる、正常なる銀行業務を運営される方のとるべき態度ではないと思うのです。あなた一存でできると思いますか、それをそう思われますか、ほんとうに。
○参考人(楠見義男君) それは再々申し上げることなんで恐縮なことなんですが、日本農工が順調にいっていれば、こういう問題は起らないわけなんです。ところが順調にいっておらないから今日こういうような問題になってきた。そこでその中で島さんがこの前、大前提があって、オール・オア・ナッシングという問題が起るのじゃないか、こういうような御質問があったのでありますが、その農水産の債権というものが、やはり事件の発端の一つの大きな要素をなしているのだ、しかもそれについては農林中金も遺憾の意を表しておるのでありますから、この問題はわれわれの方で持ちましょうということをお答えいたしておるわけなんであります。同じことを繰り返してお答え申し上げて恐縮なんですが……。
○島清君 農林省として、融資した金がそういう工合に個人的立場においてそれは棒引きしようなどということを承認されるのですか。その項目だけでけっこうです。全体的な話しは別として。
○政府委員(渡部伍良君) 結局、これは今お話がありましたように、中央農水の事業そのものは、農林中金の退職職員の厚生事業として始められたと、その間農林中金の方でも理事長のお話によれば相当の援助を惜しまなかった、こういうお話であります。従ってその事業がうまくいかなかったのだから、これをその当時の社長であったという高橋さんの責任で持っていくことは、無理といえばいえぬことはないのじゃないかと私は考えます。
○島清君 無理というのはどういうことなんですか、一体私たちがここに楠見さんにおいでをいただいて、そして時間をかけて御質問を申し上げておりますることは、善良にして正当なる銀行業務を運営されておるという信頼感に基いて御質問申し上げているわけです。そこでその信頼感からいたしますると、その無理ということは、要するに不正の事実に組み立てられてそれを押し通すことが無理であると、押せないのだと、法律関係の範疇から眺めまする場合には。そういうところに初めて無理という言葉が出て参ります。そこで私はこの無理の根底は押せなかったということは、高橋さんの主張する通り、実際はあれはごまかされて貸借関係にしたのだ、実際は借りていないのだ。だから借りていない命であるからこそ、大よそ払う筋合いのものじゃないといって、明確に言っておられるわけですよ。だからこの高橋証言を認めますれば、このB項の項が生きて参るわけであります。ところが農中金の主張の方を生かそうとすると、B項がおかしくなる、貸した金をなぜこういう工合に負けてやらなければならないか、こういうふうな個人的立場において貸した金を棒引きしてやろう、そういうことを農林省はお認めになりますかということです。その経過を私は聞いておるのじゃないのですよ。
○政府委員(渡部伍良君) 私の方の純粋法律論からいえば、抵当権をとっておるのだから、その抵当権をそのまま実行したらいいじゃないかと、こう言いたくなるのです、中金に対しては。しかしそれは従来の経過から見ますと、中金の前の理事長が証言いたしましたように、相当農中金の方でも何といいますか、行き過ぎがあった、こういうことを認めておられるのでありますから、それをその法律の規定通り強行しなきゃならぬということは、監督官庁として言わなくてもいいのじゃないか、しかしそれはあくまでも関係者が得心しての上でなければ工合が悪いので、一方に加担して一方を押えるという結果になっては困るのじゃないかと、こういうふうに私は考えます。
○岩間正男君 これはまあ大臣いないので困るので、あなたのそういう事務的な一方的な見解になると思う。そんなことはこの監督官庁として、当然これは中金法にも規定されたそういうものを厳格にやれというのは当然だと思います。これは岸総理を呼んで聞いてみればわかる。綱紀粛正とか何とか言っているでしょう。そういうそこのところを情状酌量しなければならないとかなんとかいっていますが、この情状酌量の内容を聞いてごらんなさい。内容はこれは全部農林官僚だ。この農林官僚の厚生資金を云々ということから発足して、その金を融資するとか、それを肩がわりするとか、足りなくなったから、かごに水をまるで入れるように何回も入れておる、底から水がどんどん流れて行っておる。それがどこに行ったか、これは大きな問題ですよ。こういう格好で運営されているということは明白な事実でしょう。それは普通の場合あり得るかということ、……普通の場合はこういう銀行業務が行われておったら、市中銀行だって問題になって、千葉県の今日千葉銀行の問題が問題になっている。しかし市中銀行とは違うのですよ。もっと公的なもので、理事長も認めるでしょうね、この点は違うのですよ。農林中金というそういう体制のものが、準政府機関ともいうべき公的な性格を持つものが、その監督官庁がそういうようなわけのわからぬ、天下に通用しない、農林省の内部だけで、その穴の中では通用するかもしれないが、そういう理由によってそこのところは情状酌量しなければならないから云々と答弁したとしたら、どこに一体綱紀粛正というものが出るのですか、今日問題になっている……。これは岸総理でも農林大臣でも呼んで、この点は政治的に明らかにしなければだめですよ、ここでなんぼ聞いてみたところで。 先ほどからのことに関連してお聞きしたいのですが、これは理事長にお聞きしたい。あなたは損、得ということを言われております。ですから、今のような今度の和解案でやった方が損が少いのだということを言われた。なるほどこれは当面の目先の損得からいえばそうでしょう。そうすればまあ五千五百万払っても損害は、これはずっと長く続いて二十年も三十年も続くよりは物的な損害は少くなるかもしれない。しかし、少くともこういうような裁定では筋が通らないということ、これによって失うものをお考えになったことがあるか。私が聞きたいのは、これによって農林中金に向く国民の疑惑の目、それから現在の融資の状況、これに対する不信、こういうものの一体損害をお考えになりましたか。これは一億や五千万にかえられないところの重大な問題なんです。私はそのことを同時にお考えにならなければ、今後の農林中金の運営というものは正確を期し得ないと思う。こういう点でプライベートにこの内部だけで通用する話じゃだめですよ、当事者間だけ、銀行と相互の間に話し合いをしたらこれはうまくいくのじゃないか、国会はそっとしておいてくれ、黙ってくれ、私は間かない前はいざ知らず、聞いた限りは黙っておられない。われわれはなぜかというと、これはあくまでも国民に責任を負っているからです。こんなことは通用しないと思います。この国会の窓をあけさしたのは、私はそのためなんです。白堊の中だけで、ここだけで取引をやっていては、われわれはいざ知らず、国民が了承すると思ってこのことに一体御答弁になっておりますか、この点はやはり明確にしてもらいたい。損害とか利益とか言っておりましたが、私はこのように大きな運営上のごまかし、なれ合い、官僚の内部におけるところの取引、こういうような形でこれが運営されているというようなことは絶対了承できない、国民の一人として。この問題についてはっきり明確に答えていただきたい。監督官庁としての事務官としての責任を明確に答えていただきたい。了承できない、何ぼ聞いても同じことだ。
○参考人(楠見義男君) その点は、岩間さんのおっしゃった比較考慮の問題でありますが、私ども本件を処理するに当りましても、その点は単に経済的の問題のみならず、金庫の金融機関としての信用の問題、その他いろいろの点を慎重に考慮いたしまして、最善の方法をとるという方針に変りはございません。
○岩間正男君 そうされるならば、私のそういうふうな意思を尊重していただくならば、先ほどから何回も尊重していただいたわけですが、そういうことになれば、五千五百万円はおやめになるのが当然です。結論的にぴしっと申し上げる。これはおやめになって、均衡を求めれば、五千五百万の損害は、それでも足らないのです。一億八千万の損害があるのですから、まず五千五百万円を埋めて、そして一億二千五百万円の損害で、とにかく、損害を少くするという最良の方法を選ぶのが国民に対して忠実な道であると思うのであります。従いましてこのような裁定書を了承することはできない。こんななれ合いが、しかもほとんどこれは同じ系統に属する農林の関係の人、こういうような形で、一つの官僚系統においてこういうものが穴の中で処理されるということは許されがたいことです。これは農林省が監督行政の立場から等閑に付すというような、こういうあいまいな態度というものは許されない。私はこの点については、やはりどうしてもそうなれば岸総理に出てもらって、今綱紀粛正などということを口にしているから、果してこういう問題を処断することができるのかどうか、こういう点を明確にしてもらう必要がある。委員長ぜひその措置をとってもらいたい。
○相馬助治君 岩間さんは結論的にあっさり言ってしまったが、あっさりそうなるのかならないのか私は問題だと思うので、やはり明瞭にただしたいと思うのです。裁定書は井野さんほか一名の調停人を入れて出しておる。裁定書というものが作られた前提が、一体調停人はこの辺の事情を知らないがゆえに、こういうふうな五千五百万は高橋に返すのだというふうな結論を出したものなのか、それとも事態はよく知っておるけれども、こんなふうに片づけることの方が妥当であるという見解で、こういうふうになったのか私は存じないけれども、この委員会においてここまで論を進めてくれば、結論はやはり今岩間君が言ったように、全部の担保を売却しても全部赤が埋まらないのだから、もうこうなったら、一日も早くその担保物件を売却して、できるだけ損害を少くするように措置するというのが中金の責務であり、そのように指導することが農林省の当然の国民に対する義務だと、こういうふうに考えるのです。ところが私どもの調べたところによれば、その抵当物件は、現在何とかやら倉庫業という会社が十人も人を使って倉庫業をやっておる、これはどうやらうまくやっておる、こういうようなことで驚いておるのですが、私は理事長にお尋ねしたい。裁定書にはどうしても従わなくちゃならないのですか。それともここで問題になったから考え直して裁定書を一旦突っ返して、どういうふうにするとも、あらためてこの委員会の意のおるところによって、あるいは後ほど決議等が上ったとしたならば、その精神を体して再考するというのですか。そこを一つ私はお聞きしたいと思うのです。裁定書というのは、こういうふうな手続で調停人をきめて、そうしてこういうふうにして出されたものであるから、農林中金としては、お話はお話として承わったけれども、今さらどうするわけにもいかないから裁定書の通りやるのですというなら、あなたと問答していてもしょうがないから、農林省相手に一発やらなければならないので、一つ裁定書の通りにやらなければならないのか。それともこの委員会の意思を聞いたから、裁定書は裁定書として一つ再考してみたいというお考えなのか、楠見さん、一つ承わっておきたいと思うのです。
○参考人(楠見義男君) 仲裁人に裁定を依頼するまでのいろいろの経過がございまして、しかも仲裁人は、大体この案件については御承知でございますし、そうあらゆる点に問題があったわけじゃなしに、ごく限られた点、すなわち日本農工の現在の財産を処分するかしないか、代物弁済として弁済物件に提供するかどうか、こういうような点、それから債権について、農林中金としてはあるいは高橋さん側としては、この程度のそれぞれの負担をするのがまずまず常識的ではないか、こういうふうな数点に限られておったのでございますが、そういう点についての大体もう煮え詰って参りました点について、両当事者が訴訟もやめて一つ裁定人にお願いしよう、こういうような経緯で参ったのでありますから、私といたしましては、できるだけこの裁定を尊重してやって参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。もっとも、しかしこれは相手のあることでございますから、私が今申しましたように、これを尊重したい、こういうつもりでございましても、相手方の方でこれはだめだということになりますれば、これはこの裁定に基いて即決和解の手続をこれから考えていくわけでございますから、相手がこれに対して不満というようなことでございますれば、問題はおのずから異なって参りますけれども、そうでございませんければ、私としてはできるだけこれを尊重して参りたい、こういうように実は考えているような次第でございます。
○相馬助治君 非常に親切な丁寧な言葉で答弁はなさいましたけれども、結局するところ、裁定書の通りやるつもりです、こういう御返事のようでございます。それで私農林省にお尋ねしたいと思うのですが、大臣の代理として出ております次官にお尋ねするのが断然なんですけれども、具体的なことですから局長にお尋ねをして、その局長の言葉でよろしいかどうか、次官に念を押すつもりですから、一つ局長にお尋ねします。 裁定書に至るまでの調停人決定、その他において、農林省はどういうふうなタッチをしているかということが一点。 それからこの裁定書は、相手のあることだという今理事長の答弁でありますが、それは当然ですが、相手が不満の場合には一体監督官庁として、この裁定書がむだになるのだが、再裁定の積極的な意思をもっているかどうか。この裁定書に相手が不満だという場合には、それなら反古にしろというのか、それともそれは困るから、もう一回裁定書を出して何とかまとめたいというので、監督官庁としては積極的な何らかの手を打とうとする別意があるのかどうか。これが質問の第二点。 第三点は、これは手のうちを見せないためにお尋ねしない方がいいのかもしらんけれども、事ここまできたから、なかなかこの委員会も開けないと思うから、私は端的にお尋ねするのですが、われわれが自民党並びに緑風会の同僚議員と話し合って、国民の名において実はわが党としては農林中金を告発する用意があるのです。明らかに五千五百万円というものが不当に、われわれの言葉をもってすれば不当に支出されるということは、国民を代表するわれわれとしてはがまんができない。しかもこの決算委員会は、御承知のように高野委員長も非常に厳正公正をもって鳴るのです。おせじではありません。しかもまた自民党の委員諸君も、この問題については非常に心痛の色をもって事件の行方を見守っておるのです。従いましてわれわれとしては、決算委員会としてその動議はわが党から出すことになるかもしれませんが、国民の名において告発をし、そしてこの裁定書に盛られた調停人も、それらの事情を知っていて、こういう調停を出したとするならば、井野君というのはわれわれの同僚でありますけれども、言葉が非常に恐縮でございますけれども、俗語をもっていたしますれば、一つ穴のむじなとして十ぱ一からげにこれは告発の相手にしなければならない、そういうふうな事態になっておりまするので、農林省としては、この委員会における審議の経過に照らして、結論は局長としてこうします、ああしますとは言えないと思うのです。それはよろしい。しかしせっかくの御意見であるから、農林省がとくと一つ楠見理事長とも話し合って、善後措置を考えるという余裕をお持ちなのかどうか、やっぱり裁定書通りにやるよりほかないというのか、この三つを、問題は逆になりましたけれども、お尋ねしたいと思うのです。
○政府委員(渡部伍良君) 第一点は、この裁定書は先ほど理事長のおっしゃられたように、相手方のあることでありますから、相手方が得心せねば成り立たないのじゃないかと思うのです。
○相馬助治君 しかし受けているのですか、調停人設定に当っては、農林省は相談を受けておりますか。
○政府委員(渡部伍良君) 農林省は調停人の設定には、あとから報告を受けておるのであります。初めには受けておりません。
○相馬助治君 わかりました。
○政府委員(渡部伍良君) それが、もしこれが成立しない場合には、再裁定ということは、私の理解ではもう一度話し合いを進めることにするかどうかということだろうと思いますが、私はそれはやった方がいいのじゃないかと思います。その上で第三の問題になってくると思いますが、どうしても再裁定もいかないということなら、私の方では監督官庁といたしまして、やはり農林中金の運営の万全を期することでありますかり、まあこの貸付金がいわゆる経済界の変動によって不良貸付になったという部面もあるし、当初の貸付について行き過ぎの点もありますから、そういう点も考慮して、適当に善処しなければならぬと考えております。
○相馬助治君 私、三つの質問をしたのですが、第一と第三の御答弁は満足します。第三は満足しない。というのは、違う。裁定書ですから相手があるのだ、相手が承知しない場合には問題がぶっこわれてしまうから、片づかないから、それはあらためて裁定をするなり、また問題を蒸し返すなりして、理事長の方においても今後考えていくだろうから問題は解決しないでもいいというのです。裁定書であるから。しかし相手がうんと言ってしまったら片づいてしまう、そっちでは片づいてしまうかもしれないけれども、私どもは片づけないぞ、そっち同士によって片づいても、われわれは国民の名において告発するぞと言っておる。その告発する場合に、調停人もよく知っているというのならば、調停人の荷見君も井野碩哉君もこれは十ぱ一からげに相手にして、われわれは国民の名において、五千五百万の金を出すということは明らかに不当であるといって、その筋に告発するぞと、こう言っている。おどかしじゃないですよ、そういうことを聞いたら農林省はどうぞおやりなさいとおっしゃるのか、そういうことであったならば、なかなか問題は大へんだから、一つここでじっくりと農林中金側とも相談をして考えてみましょうとおっしゃるのか、どっちなんですかと、こう尋ねておるわけです。片づく場合の話を聞いているのです。
○政府委員(瀬戸山三男君) 非常に理論的な話をして申しわけありませんが……。
○相馬助治君 けっこうです。わかるように答えてくれれば理論的でけっこうですよ。
○政府委員(瀬戸山三男君) この問題に対する農林省の態度といたしましては、先ほど来いろいろお説がありましたように、農林中金の運営が厳正なることを期待いたしております。そこで今たとえ話でありましたが、ここに出されておりますいわゆる裁定書なるものを、相手のあることでありますが、相手方も了承いたして、双方納得の上でいわゆる和解ができた、こういうことになりますると、今の法律の制度では、監督官庁としての農林大臣は、これを拒否する権限がございません。しかしながら、私の考えをここで申し上げておきますが、先ほど来委員の方の質疑応答を聞いておりましても、まだ十分にこの裁定がこうなされたということの内容について、理解をしがたいところがあります。納得をしがたいところがありますから、その点は監督官庁としては、もう少し中金側の説明を聞きたいと思っております。そこで中金としてのいわゆる理事長の責任において、運営がこれは妥当なりと解釈されれば、その線でやられることになると思いまするが、監督官庁といたしましては納得のいく説明をいただいて、納得しない場合はそれに対して再考を促したい、しかしそれでも先ほど申し上げましたように、農林大臣としてはこれを拒否する権限がありませんから、それによってなおかつこの調停案と申しますか、裁定案に従って、いわゆる銀行業務の処理上、これが適正であるという御決意の上でやられると、農林省としてはやむを得ない、こういうふうに考えております。ただ、そこで先ほど来お話しがありましたが、この銀行業務の処理については、これは私の見解をここで申し上げておきますが、委員の各位のおっしゃることも非常にごもっともだと思っております。また理事長のお話しもごもっともだと思っております。見解の相違というと非常に失礼になりまするが、これを法律規則に従って、抵当権があるものだからその通りにやればいいのじゃないか、それに従って損失があれば、それはやむを得ないものとして認められる、あるいは国民も納得するのじゃないか、これはしごく合理的な御意見だと思っております。しかしながら理事長の方のお話しを聞いておりますると、またこの事件の経過を見ておりますると、非常に複雑な様相を呈しておる、訴訟も先ほどお話しのように相当輻湊して、相互から提起されておる状況であります。普通の債権債務につきましても、必ずしも何もかにも法律規則によって処理するということが、世の中の処理上として、必ずしもこれが適切でないことは、これは私が申し上げるまでもなく、御了解のいけるところだと思います。そういうことから、中金といたしましては、この裁定が適当であるかどうかは別問題といたしまして、そういうふうな趣旨の処理をいたしたいというこの理事長側の、いわゆる農林中金の考え方も、必ずしも私は不当ではないという考えを持っております。それだけを申し上げておきます。
○相馬助治君 理論的に解明するとおっしゃって、ずっと理論的に解明されたが、あなたの最後のところは、しかし法律通りに世の中は片づかないのだと、農中の立場もお前らわかっていないのだと、こうおっしゃるのですが、わたしどもはわかりたいと思って、島君が先頭に立って、いろいろ事情を今日まで問いただしてきたわけです。そうして、なるほど法律的には五千五百万というものを出すことは、実質的におかしいけれども、これはやはり高橋何がしにやらなければならない、中金もその非を認め、こういうわけなんだというならば、承諾するかしないかは別として、われわれも考えたいと思えばこそ、ここまで問題を持ってきたわけです。それから失礼ですが、次官に申し上げたいことは、次官は非常に大切なことをまだお知りになっていないのです。というのは、法律問題じゃなくして、この中金のロスに対して農林省が一億五千万かばうといっているのですよ、中金か穴があいたので農林省から今から金を持ち出すのですよ。そうなんです、そうでしょう。中金の損失を農林省は認めるんですよ。一億何千万というのを認めるんですよ。ここで帳面上で清算しようというのですよ。これを監督官庁が認めるんですよ。だからこのことは、ひいては国民の損失になるからわれわれは問題にしているわけなんです。 次官にもう一言申し上げなくちゃならないことは、この経緯を申しますと、この問題かこんなに大きくなるとはわれわれは思わなかったのです。一番先に楠見さんを呼んでわれわれが質問をしたときには、島君もこんなに資料を持っていなかったと思うのです、楽屋話を申しますと。そうして楠見さんがかぶとをぬいで、どうも中金も不当の点があったと、申しわけなく思っているのだと言うならば、問題が片づいたかもしれません。ところが楠見さんがこれを知らなくてやったのか、ずうずうしくてやったのか知りませんが、悪いと思わぬと、こうきたのです。そんならやりましょうというので、このようにここまできたのです。それで農林省が一億数千万の金を中金がロスとして帳面上落すことを認めているのです。だからわれわれはこれはあくまでせんさくしなければならないということになってきているのです。だから私たちは法律通り世の中が片づかないということは知っています。しかし問題が錯綜してどうにもならなくなったときには、やくざのおとしまえじゃありませんから、国会では、法治国家として法律の指示をするようにやるより手がないというのが、残念ながらわれわれの考え方なんです。そうすれば、会社側は中金から金を借りた、幸いにして担保があった、この担保を処分した、しかもまだ借金全部は埋まらない、しかし大部分埋まると、こうなっているのですね。その場合に埋まらないところから、五千五百万もさんざんぱら迷惑をかけた会社に返すというのは、どういうわけなんだということが問題なのです。そのどういうわけということが、こういうわけなんだと言えば、われわれはああそうかというのでこれは引き下る、そうなのです。ところが引き下れない。依然として中金は、言葉は丁寧ですけれども、あまりがたがた言わなくたっておれらのやったことは、いささかは手落はあるけれどもさして悪くないんだと、こういうことなのです。だからさっきから言いまするように、この裁定書が相手が不満であって片づかない場合は、まあ問題が先に延びるからいいでしょうが、片づいた場合でも——この裁定書の通りに片づいたとしても、事と次第によっては当委員会は国民の名において告発するぞと、こう言っておるのです。そういうときには農林省はどうするのですか、こう聞いておるのです。
○政府委員(瀬戸山三男君) 先ほども申し上げましたように、この二億余の抵当権の物権があるのに対して、五千五百万を返されるという説明がありましたが、また裁定書もそういうふうには出ておりますけれども、私自身がその点が先ほど申し上げたように納得いっておらないのですから、(相馬助治君「そうでしょうね」と述ぶ)それは先ほど御説明がありましたが、物事を解決するためには互譲の精神という活がありましたから、私から申し上げるまでもなく、世間では、言い分も引っ込めるように、そういう引っ込めて話をするということもよくあると思うのです。そのことは理事長は御承知になっておると解しておりますけれども、これだけの抵当物権がある農林中金の性格から言うと、五千万円余りのものをどうして出さなくちゃならないかということは、農林省としてはまだまだそれを納得いたしておる段階ではございませんので、従って私どもの方といたしましては、その御説明を聞いて、なるほどそうかということになれば、それはよろしゅうございますけれども、そうでなければ、先ほど申し上げたように、法律上その双方和解をされるということを拒否する権限はございませんけれども、あるいは監督官庁としては指導をしなければならない、こういう考えを持っておるというわけであります。それでもなおかつ押して調停和解をされて、それを解決される、それは拒否することはできませんから、その先のことを皆さんの方で告発云々ということについては私どもはここで意見を言うべき問題ではない。
○島清君 次官は理論的なことをおっしゃいましたけれども、欠けているところがあるのです。それは裁定書というものは訴訟事件などを繰り返したくない、こういうふうな前提があって、裁定書の方が経済的にも損失のないいい方法だというようなことを楠見さんは言っておられるわけです。ところがこれを、こういうこともあり得るのです。高橋に返してしまうのです。抵当権の設定ということは全部認めさせるのです。で、いつでも差し押えをするぞというて過去のことを全部承認させる。そうして会社は高橋に返す。そうしますると、一億八千万なんというようなべらぼうな損はなくても済むのです。今高橋から会社を取り上げて、会社は別の人が持っているのです。高橋は爪を取られて、足をもぎられて、そうしてどこかに日本農工という財産があって、高橋はまる裸にされておいて、お前は騒ぐなと、五千五百万ぐらいやろうじゃないかというて、高橋の方は財産はあきらめさせる、ここには日本農工というれっきとした会社がある、こういうことなんです。そこに私たちが納得ができにい点がある。それをすなおに、いいですか、高橋がかりに百歩を譲ってこれは全部認めましょう、二億六千万全部私が認めましょうと、おそらく認めるでしょう。そうして訴訟事件は起しませんと。差し押えしてお取り下さろうと、私の計算では一億あまり財産がありまするから、御自由にして下さいと、訴訟問題は起らないと、そういうこともあり得る。そうすると、一億八千万は損失をしなくても済むという別の方法もあるわけです。なぜそういうものをおとりにならないで、財産だけは農林官僚を中心にする三浦一雄さんを中心にする方々が持っておって、そうしてその会社にやるのか、高橋にやるのかわからないような金を、五千五百万も出して農林中金の方にそれだけ赤字を背負わなければならない理由がどこにあるかというのです。今次官、ほんとうに農林中金も一銭も損をしないでこの問題を解決する方法があるわけです。それをなぜ避けて、ことさらにわれわれが理解できないような一億八千万というような赤字を背負いたがるかということなんです。どっちが理論的だと思われますか。
○政府委員(瀬戸山三男君) ここで突然そういうお話を聞いて、どちらが理論的でありますということは、私は現在言う判断の能力を持っておりません。そういう点は農林中金の方の説明を聞きまするが、今あなたのおっしゃったような非常な複雑ないきさつのあるものを、こうすればいい方法があるがどうかと言われても、お答えはできないのであります。
○岩間正男君 先ほどの次官の御答弁を伺っておりますというと、農林省の意見が統一されていないということがはしなくも明らかになりました。つまり五千五百万返すということについてはわからないとおっしゃる。ところか経済局長はどうかというと、これはこの裁定書を、それから今まで出された資料、五千五百万を出すことについては、農林中金からこの資料はもらったのだが、しかしこれは農林省の責任において出すのだ、従ってこういう方法は認めるのだと、こう言っておる。そうすると、明らかにこれは二人相互の間の意思が不統一なんです。従って農林省当局の一体意思というものは、われわれはどういうふうに考えたらいいか。従ってこの段階で何ぼやってみたってめちゃめちゃになると思うのです。大体お話を聞いたのだから、この辺でわれわれの決意を明確にすればいい段階に来ておると思うのですが、どうでしょう。僕は、委員長、そういう点ではずいぶん巻き返し巻き返し、ほんとうに巻き返し戦術ではありませんが、ものすごくやったわけです。そうして時間にしたら、当委員会としてはかつてない、決算委員会としては数十時間を費しておる。しかも、出席の責任者がいつでもかわるということが当委員会を一つこんぐらかしている原因になっていると思う。たとえば農林当局についてはそういう形になるのです。いつでもかわって来る関係から途中で話がわからない。なかばの聞き込みぐらいでここへ来て、答弁できないという格好になる。私はそういう点からもっと意思統一をしてきてはっきり責任ある立場で、これに対処してもらうと同時に、当委員会の態度を決定されてもいい段階だと思うので申し上げます。
○相馬助治君 これは渡部経済局長のためにやっぱり明瞭に尋ねておきたいと思いますが、私の理解では五千工百万を出すことを渡部経済局長は認めているのではなくて、五千五行万を返すという調停書が農林中金側から農林省の方へきておるから、資料として、御要求によってこの委員会に配りました、こういうことで、それじゃこれは出すのか、出さないのかと言ったら、そこまで考えておりませんというので、こんな考えてもいないことを出すというのは何事かといって、あなたがしかられた一幕があったと思うのです。従ってこの問題については、岩間君が理解しているように、五千五百万円を返すということを農林省が積極的に認めるとは私どもは思っていない。しかしそういう裁定書がきて、そうしてそれは農林省を通じて当委員会に資料として出された。従って放っておけば多分こうなったであろうということだけは推察されるわけで、岩間君の理解もそういうわけでは正しい。これは微妙なことです。そうですね、出すということはあなた言明しませんね。
○政府委員(渡部伍良君) この私どもの報告書は今の調停書ができて、目下それに従って処理されつつあるということでありまして、そしてそれがあとの補足説明で、結論はまだ出ないわけであります。双方で納得して、私の方でいろいろな事情を調べまして、その事情で得心ができればそれを反対するわけにはいかぬ、こういうふうに思います。
○相馬助治君 従って明瞭な農林省の意思というものはわれわれは聞いていない。だからどうしてもきょうは次官にお聞きしなくちゃならぬ。この裁定書を見て、今から帰って局長を呼んで考える、そんな段階じゃないのです。あなたは初めていらっしゃったけれども、これはもう何回かやって、そうして高野委員長としても、内容的にはまだやらなくちゃならぬ、しかし議事進行上どうもこの辺で打ち切らなくちゃならないという苦しい立場に立っているわけです。われわれもそれを若干認めているという立場なんです。そこで農林省はどうするつもりですか。これは五千五百万を出すことを認めるつもりですか、けっ飛ばすつもりですか、それともさっきおっしゃったように考え直すつもりですか、どうですか。
○政府委員(瀬戸山三男君) 私はきょうは初めて出てきましたけれども、決していい加減な答弁はいたしておりません。あらかじめ断わっておきます。(「いい加減とは言うていない」と呼ぶ者あり)そこで先ほど申し上げました通りであって、五千五百万、この額はまだ理解をいたしておりません。でありますから、いろいろ当事者の主張が異なっておるようでありますから、深く説明を聞いて、なるほど納得いかなければ、農林省としてはこれに同調するわけにはいかない。しかし先ほど申し上げように、どうしても当事者がこれでやるのだということになるならば、それを拒否する原因はないということを、きわめて算術的に申し上げて失礼でありますけれども、そういうことを申し上げておるのであります。農林省としてこれを認めるという態度を決定いたしておるのではありません。
○大谷贇雄君 今相馬委員の、農林省がこの裁定書の五千五百万円の問題が出てきて、かぶらなければならぬというようなことで、実は意外なことを初めて知ったわけですが、最初の御答弁によりますると、この問題については見積価格が、赤城農林大臣の言われたのでは、二億一千万円かということであって、評価額では二億一千五百万円になっておる。従って有利に処分ができるであろう、そうすればまあ実害はない、こういうことに了承しておったのでありますが、今裁定書に書いてあります五千五百万というものが出てくるというと、それは農林中金が純損失をするのか、あるいはまた今相馬委員が言われたように、農林省がこれを負担をするのか、その点一つ明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(渡部伍良君) これは最初にお配りいたしております別紙の中にありますように、日本農工の純損失が一億八千七百万円ありまして、それを農林中金側と日本農工側とで損失を分担いたしますと、先ほどからお話になっておりますように、農林中金側で一億九百九十八万円、日本農工側で七千七百八十万円というものを、それぞれ分担して負担する。そのかわり日本農工が持っております土地、建物、機械装置を農林中金に譲渡いたしまして、これに伴って農林中金は日本農工に対して五千五百万円を支払う、こういうことになったのであります。この計算の基礎は、日本農工が農林中金に譲渡します物件の価格は二億一千五百万円であります。日本農工に支払わなければならない債務が一番下の表にありますように二億七千万円であります。その中から農林中金の損失分担額を差し引きまして、物件評価額との差額を出しますと、約五千五百万円が出てくる、それを日本農工側に返そうというのでありまして、農林省から出すということではありません。
○大矢正君 本日も相当長い間にわたってこの問題について論議をしておりますし、それから以前から数回当委員会において論議をしておるのでありまするが、その間においていろいろ質疑応答が行われておりますが、残念ながらまだ具体的に解明されない部面もあろうと思いますけれども、しかし本日の午後からの質疑の内容を承わっておりまして、この際、最終的に本問題について集約をしなければならない段階にきていると、こう考えるわけであります。 そこでもうこれ以上個々の問題についての経過の説明や、それから考え方を聞いていても仕方がないと存じますので、島委員の方から従来までの総括的な方向として問題をこの際提起していただきまして、そのことに対する農林省並びに農林中金の回答をこの際していただいて、あとはこの問題をどう処置するかは、もうこれ以上農林省あるいは農林中金と話し合いをするのではなくて、当委員会として独自の結論を出す方向に進んでいただけたらいいのじゃないかと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(高野一夫君) 各委員そのようにどうぞ御協力を願います。
○島清君 ただいま大矢君のサゼスチョンに基きまして、私の総括的な結論を申し上げまする前に、私の結論を申し上げまする前提が誤りでありますといけませんので、その前にちょっと一言で簡単でありまするから楠見さんに御答弁いただきたいと思います。一言でよろしゅうございますから。 この裁定がベターなものであるというて確信をされておりますその根拠は、要するに高橋と裁判ざたをしたくはないのだということの前提に立ってのことだと思うのですが、そうすると、裁判ざたというものが起らないという可能性があったら、別にこの裁定にとらわれないというふうにお考え直しいただけるように御了解願えるかどうか。その点をお聞きしておきたいと思います。
○参考人(楠見義男君) 裁判も簡単に短期間に済むということでありますればけっこうでありますが、過去の経過にかんがみましてもなかなかそうは参らない。従ってできるだけそういうことでなしに、この問題を早く処理することがベターではないか、こういう考え方であります。そこで今お尋ねの裁判ざたにならなければ、他の方法があったらどうかということでありまするが、従来の経緯に徴しますると、なかなかそう私どもが期待するようにはいかないというふうに考えまして、できればこういうような方向で進んで参りたいと、こういうふうに私は現在考えておる次第でございます。
○島清君 現在そういうような考え方で進む以外にないということになりまするというと、ただいま三つばかりのの疑問を解決しなければ納得ができないわけだと思います。その点は、相馬委員、岩間委員からもたびたび質問の形において疑問が提示をされておるのでありまするから申し上げる必要はないと思いますが、その裁定案のB項の中に農中金が責任を負わなければならないということも理論的にも実際的にもあなたはその事柄を提示されておりません。さらに一億八千万という赤字を農中金が背負わなければならないというときに、五千五百万をやるということも、これはわれわれも国民も納得できないと思います。さらにまたこれを日本農工にやるのか、日本農工というと、今三浦さんが責任者でありまするから、三浦さんにやるのか、高橋にやるのかと、こういうふうな御答弁を求めましたところが、最初は日本農工にやるのだと、最後の方に参りますというと、高橋個人にやるのだと、こういうふうな御答弁のようでございまして、なかなか首尾一貫いたしません。そういたしまするというと、この受取人が不明である、五千五百万出すということ、自体が非常に納得のいかないところでありまするけれども、受取人不明の五千五百万を出すのだと、高橋に出すとするならば、なぜ高橋は出さなければならないかという理論的な根拠が、実際的にも理論的にも解明をされておりません。そういったような問題を、疑点を残してここに結論を導き出すということは、非常に困難でございまするけれども、せっかく農林省は、答弁をもう少し真相を究めてから答弁をしたいというので、農林省の方が先刻答弁を保留しておられまするので、私は農林省の方が監督官庁という立場において、われわれが期待するような結論を与えていただくであろうという善意なる期待のもとにおいて申し上げまするならば、おそらく私はこう考えられる、高橋は三億七千万の財産の価値があると言っておるのでありまするから、二億六千万の農中金のこの担保のごときは素直に財産を返してくれるならば認めると思います。認めるといたしまするならば、あなたが心配されておるような裁判のさたはなくなると、解消するものだと思います。それは過去のことであって、十分にここに債権担保を認めさせるという処置は講じられると思うのですが、そうなりまするというと、高橋の計算で参りまするというと、三億七千でありまするから、担保額は二億六千でありまするから、一億の差額が生まれるわけでありまするから、五千五百万もらうよりも一億の方がよいというので、彼は確信を持ってその二億何千万、あんたたちが認めさせよう、認めまいという争いごとが一挙に解決をされて、そうして裁判ざたはなくなるものであるというふうに考えております。従ってそういったような農中金が赤字も何も出さないで、ここで円満に解決の道がありそうでありまするけれども、そういうことについて、さらに楠見さんはもう一回お考え直しいただいて、農林省当局ともよく相談をされて、赤字を出さないようにおやり下さることがほんとうの理事長としての立場ではなかろうかと、私はこういうふうに考えるものであります。もしかりにそういうものにがえんじないということに、この裁定書にとらわれるということになりまするというと、ここに大きく疑獄として私たちは疑惑が起って参るわけであります。五千五百万というその金を高橋個人にやおっていて、日本農工という金は残ると、そういたしまするというと、ここに数億の財産が日本農工の財産として残るわけであります。そういたしまするというと、今は三浦一雄さんはあるいはこの契約に基いて財産を預かるという形において預かっておられるかもしれませんが、ここに所有者がないところの財産が浮いてくるわけであります。そういたしまするというと、この財産が一体どうなるかというところの疑惑が当然に起ってくるわけでございまするので、私たちもそういう形は納得できませんし、国民もこの財産の行方については非常な関心を持たざるを得ない、こういうことに相なろうかと思うわけであります。そこで私どもが一番念願をいたしておりますることは、せっかく委員会の方で取り上げて参りましたので、そこで赤字は出さないで国民が納得する姿で解決してほしいということでございまするので、過去のこういったような裁定書等にとらわれることなく、虚心たんかい一つ楠見さんがわれわれの納得するような解決策を農林省当局といろいろ考えられまするところの最善の方策を講じまして、そうして私は近いうちに、すみやかなる機会において御報告をいただきますれば、ほんとうに仕合せなことだと、私自身はこういうふうに考えております。
○参考人(楠見義男君) 最前に申し上げましたように、私といたしましては最善の処理方針を講じたいと考えております。ただ、今お述べになりました点で、あるいは私の申し上げ方がまずかったのかもしれませんが、受取人の不明の金を出すというふうなお言葉でございましたが、かようなことではなしに、日本農工に金がいくと、こういうことでございまして、それが現在三浦さんが社長をやっておられる、それに対して先ほど申し上げましたように、三浦さんは一日も早く事件を処理すればやめたいということをかねがね言っておられると、株式は高橋さんが全部といいますか、集中されることになるから、今度は高橋さんが支配権を持つことになると、こういうことを申し上げたのでありまして、主体はあくまで日本農工という会社であるということを申し上げたつもりでございましたが、あるいは言い方がまずかったので、お話がございましたような受取人というふうなことになったのかとも思いますが、その点はそのように御了承いただきたいと思います。それから評価はたびたび島さんから三億七千万円あるいは四億というようなことを承わるのでございますが、私どもといたしましては、正式に鑑定を依頼いたしましてできた評価が二億一千五百万円でございまして、そのためにいろいろと苦労をいたしておるわけでございまして、その点もくどいようでございますが、申し上げておきたいと存じます。
○島清君 もう申し上げる必要はないような気がするのですが、それは楠見さん、こういう工合に数字で明確になっていることをあまり裁定書にとらわれてあなたがいろいろと理屈を言われるとまた蒸し返しになると思う。ということは、二億一千五百万の評価をしておる。それであなたたちがやっておることは、二億六千八百七十万、差し引きはこの通りいって五千三百七十万しか赤字にならないわけです。この財産からは、さらにここに、じや高橋さんに五千五百万渡して高橋さんが全部赤字を埋め得るということになりますと、ここで一億で済むわけなんです。一億八千という線は出てこないのですよ。どうしても出てこないでしょう。だからあなたたちが三浦さんを中心にしてこの日本農工の財産に執着されると一億八千という問題が出てくるのですよ。算術ではっきりしている。ところがこれを今あなたの話の中に、高橋の方に株は集中するとおっしゃっておられたけれども、五千五百万を出さなくても、それは私が申し上げたような形にして抵当権を全部を認めさせて、それから裁判ざたを起そうということになりまするというと、そこで五千五百万も出さずに、それから高橋さんのものになって農中金の方も一銭も損をせずに回収が可能であるのじゃないか、これが一番ベターな姿じゃないか、こういうことを申し上げているわけなんですよ。理屈をおっしゃるとまた蒸し返しにして、あなた、それは私が質問したらお答え切れないと思うのですがね。
○委員長(高野一夫君) 楠見さんの御答弁の前に関連いたしまして、その前提として私は瀬戸山政務次官にお尋ねというよりは先ほどの瀬戸山政務次官の御発言の意味を委員長として確認しておきたい点がございます。 それは、瀬戸山さんは本日一回お出になってまことにお気の毒でございましたが、大臣がお留守であり、かつまたしばしばお出になる本名政務次官が出張中ということであったのでお出になったのであろうと思いますけれども、しかし一回であっても、大臣の代理としての立場にあらわれるその瀬戸山政務次官が、裁定の内容については現在の段階においては監督官庁たる農林省として理解しがたい点があるから、さらに十分こういうような問題については今後検討を進めて、そして不審な点がないようにして監督官庁としての厳正なる立場をとりたい、こういうようなふうの気持で御発言になったように思うので、そういたしますれば、当委員会のほとんど論議もここに尽された形になってしまったわけでありまして、そこで私どもはもしも私が理解するがごとき政務次官の御発言の内容であるとするならば、今後農林省の監督官庁たるその厳正なる態度に対して非常なる期待をかけて、そこで本問題についてはそろそろ一つここで審議を終了をしていきたいと、かように考えるわけであります。そこで瀬戸山政務次官に私から伺いたいのでありますが、ただいま私が理解しているような意味に瀬戸山さんの先ほどの御発言であったということでよろしゅうございましょうか。
○政府委員(瀬戸山三男君) 今委員長から覆われた通りの気持であります。
○委員長(高野一夫君) そうすると、楠見理事長に伺いますが、ただいまもまた島委員から質疑がございまして、この質疑とあなたの答弁はもう何回これは両方から繰り返されるかわからない問題であります。従って、これを繰り返していてもいつまでたっても、これは夜明けになりましても切りがない。従って私は理事長にお願い申し上げたいことは、当委員会しばしばの、六回にわたる審議の経過から考えまして、問題がどういう点にあるかという点については、だいぶ御理解を願ったことと思いまするので、この辺でさらに委員のいろいろな質疑は今後お帰りになって十分一つ吟味、御研究を願って、そうして適正なる善処方をお願いする、こういうふうなお気持になっていただきたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○参考人(楠見義男君) 了承いたします。
○大矢正君 この際、私は、本問題についての当委員会としての結論を出すべき時期に来ているのではないかと思いますが、そういう意味で、私からこの際、提案をいたしたいと思うのでありますが、やはり……。
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。 午後五時五分速記中止 ————・———— 午後五時二十九分速記開始
○委員長(高野一夫君) 速記を始めて。 本件は当委員会といたしましては六回にわたって調査を進め、その間参考人の招致、または証人喚問を行い、慎重に審議を重ねたのでありますが、この段階において審議の締めくくりといたしまして、当委員会としてただいまお手元に配付してありまするような案文の決議を行いまして、関係者の反省と自粛を促そうと考えるわけでございます。この決議案を当委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) 御異議ないものと認めまして、本委員会の決議とすることに決定いたします。
○委員長(高野一夫君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。 当委員会は、先ほど農林中央金庫の融資に関する問題につきまして、決議を行なったのでございます。この際その決議を私から朗読いたします。 農林中央金庫の融資に関する決 議 農林中央金庫の旧役職員をもって組 織する中央農水産株式会社が、その 中小銀行からの負債のうち、四千六 百七十万円が償還不能となつたの で、これが解決策として、同社と社 長を同じくする日本農工株式会社が その負債を肩替りすることとなり、 昭和三十六年十月、右四千六百七十 万円を日本農工株式会社に対する農 林中央金庫からの融質の形に切替え た。これに端を発して、同金庫は三 十年一月までの間に日本農工株式会 社に対し、事業経営に参画し、これ に伴う運転質金上して四千万円並び に事業不振による一般債権整理資金 として一億円、合計一億八千六百七 十万円に上る融資を行つている。右 融資措置に関して仔細に検討した結 果、右両会社の組織及び運営の内容、 方法等に明朗ならざる点が多々あり、 これに対し農林中央金庫の行つた一 連の融資措置は不当である。又、同 金庫の業務に対し直接監督の任に当 る農林省の監督遂行においても措置 妥当を欠くものがある。 農林中央金庫及びこれが監督の任に 当る農林省は、本件融資の善後処理 について適正を期し、今後再び不信 を起さしめることのないよう十分戒 心すべきである。 右決議する。以上であります。 これにつきましては、先ほど来委員長から農林省側並びに中金側に確認をいたしました通りに、両者の間において十分適正なる対策をお考究願うように期待をいたしておるわけでございます。従って、この結果については、当然いずれ当委員会にまた御報告があってしかるべきものと、委員会は期待いたしておるような次第でございます。この決議に対しまして、両君から御答弁を願います。
○参考人(楠見義男君) 農林中金の融資に関する本問題について、数回にわたって各委員の審議をわずらわしまして、まことに恐縮いたしておる次第でございます。しかるところ、本件に関しまして、ただいま当委員会の御決議があったわけでございますが、これの最後にございますように、善後処理につきましては、私ども農林中央金庫といたしましても、十分適正を期して遺憾のないようにいたしたいと考えておる次第でございまして、この点この機会に申し述べておきたいと思います。
○政府委員(瀬戸山三男君) ただいまの御決議に対しまして、農林省の見解をこの際申し上げておきます。 本件は、農林中金の関連企業に対する貸し出しが、当初農林中金の退職軒をもって作られた中央農水産株式会社の債務の整理として行われたものでありまして、あたかも終戦後の統制経済から自由経済へ移行する、いわゆる経済の変動期ではありましたものの、その貸し出し債権が、融資当初の意図に反しまして、その後の経済情勢の変化、あるいは貸し出し先の事業不振等によって回収困難に陥り、次いで当初の債権を保全するために行なった融資とともに、その回収が不能になったものであります。金融機関といたしまして、ある貸し出し債権の回収が困難となった場合に、その貸し出し先とさらに引き続いて取引を行い、長い期間かけて債権の完全な回収をはかるか、あるいは貸し倒れによって起るところの損失を最小限度にとどめるために、なるべく早期にその相手方との取引を停止するか、その方法ないし時期につきまして適切な判断を行うことはきわめて大切なことでありますが、実際問題としてはなかなかむずかしい事柄であると思います。本件について、結果から見ますと、農林中金の判断及び処理の方法などは、遺憾ながら適切でなかったと言わざるを得ません。今日ただいままでの報告によりますと、本件の最終的処理につきましては、当事者間ですでにほぼ内定しているということでありますので、農林省といたしましては、これを十分検討いたしました上で、もしこれでいいということであれば、その方向に沿って円満かつ妥当な解決を見るように努力するつもりであります。監督官庁といたしましては、事情のいかんを問わず、農林中金の関連企業に対する貸し出しについて、本件のような事態か発生いたしましたことは、まことに遺憾であると考えますので、これについては、この際十分反省いたしますとともに、将来再びこのようなことが起らないよう、厳に農林中金に対する指導監督をいたして参ろうと存じます。
○大矢正君 私は、今の政務次官の答弁を聞いておりまして、非常に心外なんです。農林中金の楠見理事長の答弁でありますれば、まだ聞きようがありますけれども、今の政務次官の答弁というものは、まことにただいま委員長から読まれたところの決議とはおよそ反対の意思表明だというふうに聞えるわけです。なぜ端的に、やはり当局としても検討した結果、融資措置については間違いであったと、それからまた、今善後処置として解決しなければならない方向も、必ずしも当を得ていないかもしれないので、その点については十二分にこれから検討して善処いたしたいと、これだけの簡単な答弁がなぜできないか。余計なことをつけ加えて、今までやった行為が正しかったかのごときお答えがあることは、まことに遺憾であります。そういう答弁で打ち切るということは、私は反対であります。何とかしてこの問題について解決したいというので、先ほど来努力しておるにもかかわらず、今のような答弁では、私としても責任が持てない。
○岩間正男君 先ほど委員長は、審議を一応きょうの段階において打ち切って、それから委員会のこの問題に対する委員相互の話し合いに移されました。そのとき確認されたことは、政務次官は、五千五百万の問題については、これは今までよくわからなかった、この問題は納得のいかない問題があるから、十分に検討したい、こういう言葉を取り上げられて、そうして一つの結論に導かれたと思う。ところが、ただいま読まれましたところのこの決議に対する答弁は、全く反しているのです。違います。従いまして、これは全然、そういうことになりますというと、今までここまで進めてきたわれわれの苦心も水の泡ということになってきます。従いまして、ただいまの御答弁につきましては了承できません。これで新たな段階に入ったものと考えます。
○委員長(高野一夫君) 政務次官に申し上げますが、先ほど決議を行う前に、私、楠見理事長と瀬戸山政務次官とに確認をいたしましたゆえんのものは、ここで一応の審議の締めくくりをして、そうして他日御両者の方から結末についての御報告が願えるであろうということの期待ができたので、そこで確認をいたしたわけであります。当時私が確認すべくお尋ねしたことに対しましては、政務次官としても、現在の段階において裁定案について自分はなお納得することができないから、農林省は監督官庁として十分この点について吟味を加える、こういうお話しであり、かつ私はさように理解しているが、差しつかえないかと申し上げたところが、その通りだとおっしゃるから、実は私も安心をいたしたわけなんであります。従ってこの決議に対しまして、全幅的に一つ御了承を願う、そうしてこの決議の線に沿うて、農林省は監督官庁としての責任を果すべく、先ほど政務次官がそうおっしゃったはずであるので、どうか、その点については、われわれと政務次官の意見とが全く先ほどは完全に一致したと、こう考えて私は安心をいたしたわけでありますので、どうかこの線に沿うて善処する、監督官庁としての態度を明確にあらためて端的に御説明を願いまして、そしてその結果については、いずれ適当な機会に農林中金側からも農林省側からも当委員会に御報告を願うようにお願いをしたいわけであります。
○相馬助治君 議事進行。これは大矢君からも岩間君からも言われているように、委員長に指導されて、言い直すというようなことは私は承認できない。前のことをまず取り消して、しかる後に速記をきれいにしておいて言い直してもらわなければならない。なぜ私がこういう強い態度を言うかといいますと、これは楠見理事長はずっとの審議の過程を通じてきて不当であるときめつけられることに私は不満だと思うのです。にもかかわらず、楠見さんは、当委員会の決議であるがゆえにこれを尊重されて、できるだけその線に沿いたいと、こういうふうな答弁をされておるのであります。こうでなくちゃならないはずなんです。しかも委員長の取りなしによって、われわれがここで打ち切ろうとしたのは、瀬戸山政務次官が大へんによいことをおっしゃって、この五千五百万のことについてのこれは重大な疑義があるから考えなければならない、こうおっしゃったから、それを委員長が確認されて、事ここまで運び、しかも決議のあとに、委員長は賢明にも当委員会に対して、両者は報告の義務を負うのであるということも付け加えられたので、われわれは全く満足していたのです。しかも楠見理事長の決意答弁というものは、これは先ほど大矢君は、おおむね満足すると申したが、私はおおむねでなくて、この段階においては私は満足だとこうすら考えております。だからこれは見解の相違もいろいろありましょう、次官の答弁は全くこれと食い違っておる、いいようだったらこれをさせると言っておる、よくないとわれわれは主張しておる。従ってこれは委員長に前の速記録を取り消して、そうして発言をし直して下さい。それが取り消せないというのならば、ここでこの問題を議了することは、岩間委員と同じように、私は反対です。
○委員長(高野一夫君) 一応瀬戸山政務次官に発言を許します。
○政府委員(瀬戸山三男君) 私が今御決議に対してお答えを文章によってやりましたので、あるいは誤解を生じたかもしれませんが、そういうことでありますれば私の方があやまりをいたします。趣旨は先ほどお答えいたしましたのと全然変っておらないという考え方で申しているのでありまして、今御引用になりました、いいようであればという表現はいたしておりません。もし、これでいいということであれば、そういうふうにいたしたいということを、いいか悪いかは検討をいたすと、先ほどお答えした通りであります。またこの問題について、かりに五千五百万円の金を出さなくてはならないということについては、われわれの方としては理解をいたしておりません。そういう点を検討いたしまして、これから検討いたしてみなければなりません。検討してみて、どなたが見てもそうなるということになりますれば、そういうふうにするということでありまして、それはさっき申し上げたのと同じであります。
○大矢正君 私はこの際、政務次官に答弁していただかなければならぬことは、結論的にいけば、先ほどの当委員会における決議の内容についてどう考えるかということを端的に表明していただきたいと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)相馬委員から、先ほどの政務次官の答弁の内容を速記録から削除せよという強硬意見もありましたが、やはり政務次官として一たび言われたことを速記録から削除するということは、なかなか問題もあると思いますから、その点についてはこれは内部における多少の意見の違いはあるかもしれませんが、そこまで私は強く言いませんが、先ほどの当委員会の決議に対して、それをあなたは認めるか認めないかという態度だけ、この際、はっきりしていただきたい、それをはっきりすることによって、私はこの問題が解決されるのじゃないかと思うのであります。 なおまた、この際、一言いっておかなければならないのは、たとえば五千五百万円の金の問題につきましても、明確にこの決議の中で、五千五百万円の金を出すべきだという意見もありますが、それをあえてわれわれはぼかして決議にしていないという気持も十分おわかりいただけると思います。そう考えるならば、先ほどの政務次官の答弁は、それこそ当を得ておりませんので、この際、当委員会の決議をあなたが認めるという立場の表明を明確にしていただきたいと思います。
○岩間正男君 次官の、委員長が要求されました、言い直した言葉というものは私は重要だと思います。先ほど申した趣旨が、文章にしたからおかしくなったという話ですが、先ほど申した趣旨と文章とは全く食い違っている、違っております、内容は。そうすると、あなたたちは、これはだれが書いたのか知りませんが、つまり書かされたそういう文章をここでおうむ返しに読むということは、あなたの意思は全く表明されないことになりますよ。これは重大な問題です。こういうことではわれわれは了承することはできない。従ってこの場だけでここでうまく言い直すということでなくて、この問題を全然理解していないのじゃないかとさえ疑われるふしがある、こういう点からあなたの率直なこれに対する意思を再表明してほしいと思います。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(瀬戸山三男君) 文章によりましたのが誤解を生じますならば、これは全部取り消します。先ほど申し上げました通りの考えを持っておりますので、御決議の点を十分尊重して善処いたしたいと思います。(「了解」と呼ぶ者あり)
○委員長(高野一夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。 以上をもって本日の審議は終了いたしました。 次回は十八日、午前十時から、昭和三十一年度決算として建設省の部の審議並びに太田川河川改修工事に伴う補償金に関する件を審議いたします。さらにその次は二十一日、月曜日午後一時から開会いたしまして、昭和三十一年度並びに三十二年度予備費使用総調書七件及び昭和三十一年度決算のうち文部省の部の審議をいたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後五時四十九分散会 ————・————