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28回国会参議院1958/03/28

決算委員会 第16号

発言数
204
登壇者
25
会派数
4
開催日
1958/03/28

会議録

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ただいまから本日の決算委員会を開会いたします。  まず、委員の変更を報告申し上げます。本日付をもって竹中恒夫君が辞任、千田正君が補欠選任せられました。   —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 本日の審議に当って、住宅金融公庫、愛知用水公団、日本道路公団の責任者から説明を求めるため、参考人として出席を求めることといたしたいと思います。人選その他手続は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めまして、さように決定いたします。   —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十年度政府関係機関決算書を議題といたします。  本日はまず建設省の部を審議いたします。検査報告批難事項は第二千九十二号から第三千百四十号までであります。  まず会計検査院から概要の説明を願います。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 御説明申し上げます。  最初に二百六十六ページに記載してある事項について御説明申し上げます。これは直轄工事につきまして、主として多目的ダム建設工事の経理に関する問題でありますが、多目的ダム建設工事に従事した国の職員の給与を国だけで全額支出しております。これは多目的ダム建設工事は国と共同事業者が共同で建設する事業でありますから、共同事業者にもその受益の限度においてこの工事に従事した国の職員の経費を負担させるべきであるということを言っております。この国の職員の給与の総額は、三十年度に支出した分が一億千余万円になっておりますが、これは受益の限度におきまして、共同事業者にもそのうち若干負担させなければいけない。それから完成後のダムの管理費につきましても、完成した分が田瀬、石淵と二つのダムがありますが、完成した分につきましても、このダムは国と共同事業者の共有でありますから、国と共同事業者の建設費のアロケーションの按分によってこの管理費も負担させるべきである、にもかかわらず、完成後の課税、維持費において管理費の全額を国が持っておるということを申しております。  それから二百六十七ページの事後処理の問題でありますが、これは二十九年度に指摘しました災害復旧等の補助金のうち不当事項につきまして、その後どういうふうに是正されているかという改善の跡を見たのであります。二十九年度の検査報告に掲記された不当事項のうち、国庫補助金を返還または減額するということを建設省できめておられるものが五十五件ありますが、この五十五件のケースでどうなっているかということを申し上げますと、三十一年九月現在でなお未処理のものが十二件ございました。その後三十二年九月末現在でなお未処理が六件ありましたが、これは三十三年二月末現在全部完了しておるということになっております。それから二十八年度分の検査報告に掲記した事項のうち、補助金を返還するという処理をして方針をきめておられるものが、三十一年九月末現在なお七件未処理になっておりましたが、これも三十二年九月末現在では全部処理済みになっております。また補助金の返還または減額にかえて、手直しまたは補強をするという方針にしておられますものを、その後見たのでありますが、二十九年度の検査報告に掲記されたもののうち四十五カ所を現地において実地に調査をしましたところが、この四十五カ所のうちなお未処理のものが三十一年九月末現在五件ありました。この五件のものはその後三十二年九月末現在では一件がなお未完成というふうになっております。なお二十八年度の検査報告に掲記された古いものもあわせて見たのでありますが、二十八年度分につきましては、四十七カ所を実地に見たのでありますが、そのうち三十一年九月末現在で未完成のものが二件、この二件はその後三十二年十一月及び十二月にそれぞれ完成しております。なお手直しまたは補強した工事のうちには、この手直しまたは補強工事が十分でない、不十分でありまして、御注意をしてその後直したものも若干ございます。  次に二百六十九ページの公共事業に対する国庫補助金の経理当を得ないもの、これについて御説明申します。この災害復旧等の工事に対する国庫補助につきましては、毎年実地検査をしておりますが、三十一年中におきましても、六千五百十九カ所の現地につきまして実地検査をいたしたのであります。その結果工事の出来高が疎漏であって補助の目的を達していないもの、まあ市町村の施行した工事において特にこういう例があるのでありますが、表面上は実施設計額と同程度の額で請け負わしたことになっておりますが、実際は国庫負担を下回る額で施行しまして、自己負担を免れているというような例がなおございます。またそのほかに出来高が不足しているというような例もございまして、この不当金額の除外すべき額が十万円以上のものをあげますと九十三工事、金額にしまして二千七百万円ばかりのものがなおよろしくないということになっております。しかし当局におきましては、指導監督を強化しておられまして、また事業主体においてもよく自覚をして改善の跡が見られます。二十九年度におきましては、検査した個所に対しまして、この不当事項が四%になっておりますが、三十年度はこれが一・四、さらに三十一年度は〇・五七というようなふうに改善の跡が見られます。しかし、なおこうした不当な工事がありますことはきわめて遺憾でありまして、指導監督の任に当る者は事業施行の途上において監督を厳重にする。それから事業の進行の際には現地ですみやかに検査を励行するというようなことが望ましいと存じます。  ここに一、二、三とおもな例があがっておりますが、一は岩手県の工事でありまして、粗漏工事、二は静岡県の工事で出来高不足、三は愛媛県の保内町の施行しました工事で事業主体負担不足、その代表的なものが三件あがっております。  それから次に千百三十一から二千百三十四までの災害復旧事業の査定額を減額させたもの、これも二十八年以来、従来の工事が完成した後に検査をしまして、是正をお願いするよりも、まだ着工する前に検査を済ませて是正措置を講じていただくという方が効果的と思いまして、続けてやっておるのでありますが、三十年発生災害につきましても、やはり同じように五千二十八工事の検査を実施したのであります。そうしましたところが、やはり重複して査定をしておるもの、あるいは災害を受けていないのに改良工事を施行しようとしているもの、あるいは現地の確認が不十分で経費も過大に積算しているものというようなケースが百二十四工事見受けられまして、金額にしまして二千二百八十万円のものがよけいに査定されているということを御注意いたしまして、減額措置を講じてもらったわけであります。まあこういうように百二十四工事もあるのでありますが、建設省におきましても、査定官を設置するなど、対策を講じられまして、現地査定を強化しまして、採択の厳正をはかっておることなどにおきまして、改善の跡が見受けられるのでありまして、この検査をしました個所と、不当工事の含まれた事項の比率をとって改善の跡を見ますと、二十九年度は検査をした個所に対しまして不当事項の数か七・二%、それが今申し上げました当年度は、二・五%と、これが三十一年度には二・三%というふうに逐年改善の跡が見られます。なおここに代表例があがっておりますが、二千百三十一は、北海道下川町の施行しようとしております工事につきまして、積算のミスによって設計が過大になったというケースであります。次の二千百三十二号は、山形県が施行する工事でありまして、これはここで査定を受けました三十年災と、さきに査定を受けて、工事が一部未完成となっております部分とが重複しているケースであります。それから次の二千百三十三号は、一部被災の事実がないのに査定をしておるという事態であります。次は高知県の施行しようとする工事でありますが、これは積算のミスによる設計過大、こういうようなケースであります。  次に二千百三十五から二千百三十七まで、公営住宅建設費国庫補助金の経理当を得ないもの、これはここの表にありますように、北海道の深川、天塩、それから兵庫県の中町と、こういうところで施行しておりますが、いずれも事業主体が表面上の設計額よりも実際は安い価格で施行しまして、正当な自己負担をしていない、また兵庫県の場合におきましては、そのほかに若干の出来高不足があるというケースであります。  次に、職員の不正行為につきましては、特に御説明いたしません。  二千百三十九の、建設工事用セメントの購入に当り処置当を得ないもの、これは近畿地方建設局で猿谷ダム建設工事用のセメントの購入に当りまして、単価のうちに含まれた運搬費の決定について、通運事業法に基く悪難路割増しの適用率を誤まったために運搬費が過大になりまして、結局約三百三十万円を過大に支払っているというケースであります。これは当事務局におきまして、この相手方から返還をさせております。  次に、二千百四十号、工事の施行が跛行し、所期の効果をあげていないもの、これについて御説明します。九州地方建設局で昭和二十九年に着工しまして、五億五千二百万円の巨費を投じまして、三十年十月に完成した伊ノ浦橋、この橋が伊ノ浦橋の工事によりまして橋はでき上ったのでありますが、これに接続する道路の関係において連絡の十分でない点がありまして、道路が完成しないために、せっかくでき上った橋が十分に活用されないというケースであります。この問題の道路は、長崎県で国の補助をもって施行することになっておりまして、橋は二十五年に着工されておるにかかわらず、道路の方はようやく二十九年に若干補助がつきまして、二十九年に四キロ、三十年に六キロという補修をやっております。この道路は、全体で長崎から佐世保まで四十七キロありまして、今後において相当長い距離の改修をやらなければ自動車が通らないという道路であります。三十一年度以降、なお三億円ばかりの経費をかけて改修をしまして、まあ三十三年度末にならなければ、この道路の改修ができないという見通しであります。このケースは、よけいな橋を作るなということを言っておるのではないのでありまして、せっかく作った橋でありますから、完成後直ちに活用できるように、うまく道路と橋とのバランスを考えて、特にその道路の方の補助金の配分等につきまして、全体的な改修費の配慮、あんばいによりまして、うまく橋と道路がつながるように施行すべきであるということを申しておるのであります。特にこの橋は、道路整備特別措置法の規定に基いて建設しました有料橋でありまして、この法律によりますというと、特にこの法律によって建設する道路、橋梁等は、これによって著しく通行者が便益を受けるものに限っておる、またこれに要する資金も、資金運用部からの借金によっておるというものでありまして、こういう法律の目的によって作った橋でありますから、特に完成後にこれに接続する道路工事等の関連において、道路ができないために、せっかくできた橋が十分に活用されないというような事態が起きないように、十分な配慮をすべきであったと存ずるのであります。こうした結果、五億円以上の巨費を投じた橋が十分に活用されませんで、この橋の収入金から償還する計画の、日収六万四千円、この六万四千円の日収がなければ計画通りの償還ができないのでありますが、この開通後の二十年十二月から三十一年九月までの実績を見まするというと、日収はわずかに一万三千円しかない、さきの償還計画は日収六万四千円、この六万四千円に対して一万三千円、約二一%の程度しか日収がないというふうになっております。  以上であります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次に建設省から概要の説明を願います。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) 建設省所管の昭和三十年度歳出決算額は、一般会計では、千百一億四千三百余万円で、特別会計二十七億三千余万円でありまして、治水、災害復旧、道路、都市、住宅、その他の事業を遂行したのであります。  これらの経費の執行につきましては、いやしくも不当な支出や、批難さるべき点のないように日夜努力して参ったのでありますが、ただいま御指摘のように、直轄工事において三件、補助工事四十六件の批難事項がございましたことはまことに遺憾に存じます。今後貴重な国費の支出に当りましては、十分慎重を期するよう、一そうの反省をいたす所存であります。  これがためには内部監査につきましては、監察官制度をなお一そう活用するとともに、綱紀の粛正、内部牽制の強化、責任体制の確立をはかり、事業全般の適正なる執行を期し、また補助工事につきましては、監督及び検査機能の充実、市町村の指導強化をはかり、補助金及び負担金の申請、交付、使用及び精算等に関する事務の適確な処理を行い、特に批難件数の多い公共土木災害復旧事業につきましては、昭和三十年八月より新たに査定官制度を設置し、ほとんど百パーセントに近い実地査定を行い、補助金交付の適正化に努めている次第であります。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 以上をもって説明は終了いたしました。御質疑のある方は順次御発言を願います。なお、本件に関しまして御出席の方は、向って右から、会計検査院石渡第三局長、参考人として日本道路公団村岡理事、建設省南部会計課長、堀内政務次官、山本河川局長、富樫道路局長、植田住宅局長、櫻井営繕局長の各位であります。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 一つだけ、今会計検査院の方から最後に指摘された、西海橋に関する道路の整備の問題でありますが、この批難事項に対して、建設省、あるいは道路公団ですか、どちらからでもけっこうですが、どういうふうな自後措置をとることにされたか、御説明を願いたい。この批難に対しての自後措置……。

富樫凱一建設省道路局長

○政府委員(富樫凱一君) 西海橋の架設に当りまして、これに接続する道路改良工事の進捗状況を考慮することなく施行いたしましたために、その効果が上っていないという御指摘をいただいたわけでありますが、これについて御説明申し上げます。  この橋梁の架設工事は、九州地方建設局におきまして、昭和二十五年対日援助見返り資金で着工いたしましたが、二十六年においては見返り資金が打ち切りとなりましたために、長崎県において補助工事として実施し、さらに二十七年以降は、九州地方建設局におきまして、特定道路整備特別会計をもって工事を行い、三十年に完成をしたものであります。本橋に接続いたします道路の改良工事につきましては、長崎県が事業主体となりまして施行いたしておるのでございますが、公共事業費の予算の関係等がございまして、遺憾ながら十分に工事を行うことが困難でございました。しかし、昭和二十九年度以降は、道路整備五カ年計画が実施されることになりました結果、漸次工事を進めて参っております。さらに三十三年度以降は、新しい五カ年計画によりまして、格段の配慮をいたして、所期の効果を十分に上げ得るよう措置する所存でございます。なお、本橋は現在日本道路公団で管理いたしておりまして、料金収入の実績は、まだ当初予定いたしました程度に達しておりませんが、だんだん相当の増加の傾向をたどっておるのでございます。今後本橋の効果に遺憾のないように努力する所存でございますので、何分御了承をお願いする次第でございます。  この道路につきまして、二十九年から三十二年までに使いました事業費は一億五千八百万円でございますが、三十三年度には四千三百余万円を投じまして、一応交通のできる状態にする考えでございます。なお、この完成につきましては、まだ舗装までいたしますには、相当の事業費と年数が要るわけでございますが、新しい道路整備五カ年計画におきましても、三億数千万円を予定いたしておりまして、相当の改良を進める予定でございます。  それから、西海橋の収入の状況でございますが、これは三十年、三十一年、三十二年と、だんだん上ってきております。三十年につきましては、先ほどお話がございましたように、平均の予定収入の二十数%でございましたが、三十一年にはこれが二五%増になり、さらに三十二年には六八%の増になってきております。従いまして、償還期限は延びることにはなりますけれども、償還の計画も一応立ったわけでございます。橋と道路との間に均衡がとれなかったことは、御指摘の通りでございますが、これにつきましては、特に計画的に施行いたしまして、この道路の改良を促進いたしまして、橋の効果を十分に発揮させるようにいたしたいと考えます。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 西海橋については、大体局長の御説明でわかりましたが、規模は少し小さいのみならず、三十年度のこの会計検査院の報告では、別に批難事項として取り上げておられないが、同じような状況の橋が、あなた御承知の佐賀県に住ノ江橋というものがある。これについてはどういうふうな御措置をなさることになっておるか、あわせてこの機会にお聞きしておきたい。

富樫凱一建設省道路局長

○政府委員(富樫凱一君) 住ノ江橋につきましても、同じような状況がございまして、住ノ江橋に続きまして鹿島の方に行きます、あるいは長崎の方に行きます道路がまだ改良されておりませんために、住ノ江橋の成績が現状におきましては、はなはだ悪いのでございます。これにつきましては、この新しい五カ年計画におきましても、あの二級国道を早急に改良いたしますように計画いたしておるわけでございますが、ただいまのところまだ事業費、事業量等がきまっておりませんけれども、考え方は、早くあの道路を促進いたしまして、住ノ江橋の効果も早く発揮させるように計画いたしたいと存じております。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 会計検査院が批難をされれば、あなた方の方は詳細に、すみやかに、少くとも三十三年度未までには四千何百万新しくやって、ちゃんとやれるようにする、あと三億何千万というものもちゃんと計画されるが、ほかにもあろうと思うのでありますが、会計検査院の指摘がなければ、今おっしゃるように、これは当りまえのことなんですが、何もどういう計画をしておるというような御説明は一つもない。新しい道路計画でやるようにいたしますと、これだけのことでは、私ははなはだ遺憾だと思います。こういう事態については、たまたまここで会計検査院の指摘があるから、それについてはこういう計画だと述べられるが、会計検査院の指摘のない限りにおいては、通り一ぺんのあいさつで済ましていかれるということでは、ちょっと私ども納得できない。少くとも会計検査院の指摘がなくても、これと同じようなものが他にあれば、これはどうするかということを同時にあなたの方もお考え願わなければならぬ。これは会計検査院でも、西海橋のこの状態を批難事項として指摘されるならば、私はあらためてここで会計検査院に、住ノ江橋のことについて新しく検査をしていただきたい。これは別段この西海橋を比較して批難するに値しないという御見解かどうか。私はそうじゃないと思う。会計検査院もすべてのものを調べて御批難にはなれないけれども、こういうものが片っ方長崎県で批難されればその隣にある佐賀県の分についても、少くとも建設省としては、これは問題として取り上げて、これはどうするかということについては、西海橋と同じような自後措置の御説明があってしかるべきものと私は考える。次官、それはどういうふうにお考えになりますか。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいま御指摘の点につきまして、現状は道路局長からお答えいたした通りでございますが、実は本年度御審議いただいておりまする道路緊急措置法等によりまして、極力努力いたしたいと考えておりますが、最近に本年度の道路の予算配分そのほかについて研究いたすことになっております。従いまして、その際は十分御指示のような点を加味いたしまして、努力いたしたいと考えます。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 大へんくどいようですが、これは道路局長だって十分おわかりだと思うのですが、長崎県の西海橋についてこういう批難事項が掲げられておる。すぐこれに通ずる片方のところに、これは私は建設の事情等も知っておりますから、一概には申し上げないが、しかし、少くとも建設費としては、これがここで批難事項として問題になれば、住ノ江橋について問題にせぬはずはないとお考えになると思う。そうすれば、これに対しても、西海橋についてはおっしゃっただけの向後の考慮を加えられるならば、住ノ江橋についてもやはりこれに準じた考慮を加えた結果を御報告いだだけるはずだと私は期待しておる。やがて三十一年度の決算の審議も、これは三十年度が終れば入ると思う。私はこの問題について今追及いたしません。ここで申し上げておきます。一つぜひどうなさるのか、西海橋についてはこうした、これと同じような状態の住ノ江橋にはどうする、こういう一つ御説明ができるように御準備をお願いしたい。   —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ただいま委員の変更がございましたので、この際、追加報告いたします。宮田重文君が辞任、松村秀逸君が補欠選任されました。   —————————————

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 建設次官にお尋ねをしたいと思うのでありますが、それは直轄工事の、この多目的ダムの建設工事は数多く行われておるわけでありますが、その中で特に会計検査院が指摘しておる事項について、いわゆる共同事業者との共有分担金あるいは負担金ということで、一体建設省はこの問題を本質的にどう考えておるのか、こういう点を昭和二十九年度の決算検査報告書の中でも、いわゆる改善要求というものをしたのであるが、三十年度についてもそういうことについてはついに触れておらない。とにかく会計検査院の指摘しておる内容を、ここの冒頭に書いてあるように、これをお互いに調べていくならば、国の負担額は相当軽減されるはずである、こういうふうに言っておるのであるけれども、どうも建設省としては、まだ会計検査院に指摘されておるようなことについてお考えがなっておらぬというふうに受け取るのであるが、一体それはどういうふうになっているのか、またどういう考え方を持っておるのか、こういう点についてまず御説明をいただきたいと思うのです。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) この点につきましては、御説の通りしばしば指摘を受けまして、建設省といたしましても、早くその線に沿わなきゃいかぬということで努力して参ったわけでございまして、実は昭和三十二年の四月一日から、例の特定多目的ダム法が制定されまして、特別会計で大部分の直轄ダムが行われるということに相なりまして、その費用の負担に関しましては、施行令の第八条におきまして、電気事業者等が負担する負担金の対象となるダムの建設の費用の範囲を明確に規定いたしました。従いまして、人件費を含む事務取扱費を建設費用の範囲に含めることといたしまして、電気事業者等にも人件費の相当額を負担させることにいたしました。従いまして、昭和三十二年度の四月一日からダム法によってやっているものにつきましては、負担をさせることにしておりまして、それによりまして費用の割り振りができております。それからダム法の適用を受けないものがございますが、これにつきましても各省庁と協議をいたしまして、申し合せを完了いたしましたので、この御趣旨に沿って処理できるということに相なったわけでございます。また管理費用の問題がございますが、川瀬、石淵の管理費の問題につきましても、これは御承知のように電源開発株式会社と建設省との共同のダムでございまして、従いまして、電気事業者である電源開発株式会社に管理費の一部を持たせなきゃいかぬわけでございますが、これにつきましても折衝の結果、三十二年の九月十二日に電源開発株式会社の間に覚書を締結いたしまして、二十九年から三十一年度までの管理費の分担額は三十二年の十月十五日に納入させまして、それから本年度の分につきましては、もちろん精算をいたしまして、近く徴収するということに相なっております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 改善の跡が見られ、特に今の御説明では非常によくなったということでありますが、そうしますと、今までの方が、いわゆる特別な特定多目的ダムの問題についてはいいのですが、従来から行われておったものについてまだ不十分な点がたくさん見受けられるように思うのだが、一体これらの問題については、いつごろまでに今まで残されておった問題が処理をされるのか、こういう点について計画的なものがあれば、それを僕は発表をしてもらいたい、こう思うのですが。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 実は工事が完成いたしまして、決算の済みましたものにつきましては、これをさかのぼりまして徴収するとか、あるいは負担の問題を変えるとかいうことに相なりますと、実はこれは各省庁とも協議いたしまして、国と電気事業者との間で協定をいたしまして、分担額を決定いたしておりまして、建設を完了したわけでございまして、これを分担をやり直すというようなことになりますと、非常に単価の変動と、あるいは電気事業者が自分で行います発電所等の事業費が非常に変って参りますものですから、それを根本的にやり直すということになりますと、非常に複雑でございますので、すでに完成いたしまして決算の済んでおるものにつきましては、一つごかんべんをいただかないと、非常に事務的にも困難でありますし、またあるいは国がよけいに出さなければならぬような結果にも相なる心配のものもございますので、すでに決算の終了したものにつきましては、一つごかんべんをいただきまして、今後三十二年度の四月一日からダム法の施行と同時に解決すべきものは全部それに準拠いたしまして、あるいはダム法でやるものはその法律に基いてやるというふうにお願いしたい、こういうふうに考えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の局長の御答弁を聞いておるというと、昨年の四月一日以降ですね、この法施行に伴ってきめられるものについては、そういうふうにしたいけれども、その以前のものについては、もし変更したとすると、国の負担が多くなるものもあるし、会社側もなかなか大へんだ、こういう答弁をされておると思う。しかも決算の済んだものについては一応了承願いたいということであると思う。今は三十年度の決算を行なっているのであるから、局長の答弁であるというと、三十年度以降のものについてもそういう考え方でもっていいのかどうか。あなたのさっき言われた三十二年の四月一日以降の問題につきまして、そういうふうに考えるのか。三十年度以降のいわゆる決算の対象になるものについては全部そういう今度は考えに立つのか、これはいずれをとっておるのか、不明確な点があるので、お答えをいただきたいと思います。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 先ほど申し上げましたのは、四月一日におきまして工事中のもの、それからダム法によりまして工事中のものはもちろんのこと、現在工事中のダム法によらないものは、一つこの事務取扱い費もアロケーションの中に入れて負担する。それから決算が済んだというのは、決算委員会の御承認を得たということではないのでございまして、これは一つ国と電気事業者が契約いたしまして、工事の完了したものはごかんべんいただきたい、こういう趣旨でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 この、特に前からの決算委員会で数回取り上げられました太田川事件の問題については、きょうはやりません。これはいずれあらためて審議が多いのでお尋ねをしたいと思います。  では、次に進みまして、これは前の決算委員会でも松岡委員から何回も指摘をされておるわけでございますが、災害復旧の問題について、特にここ一、二年の間は少いわけでありますが、旧災の非常に多いものがある、これはやはり国として計画的に処理を早急にしなければ、むしろもう災害復旧に投資したものは実際に役に立たなくなってしまう、こういう問題について一体建設省はどうするのかという点を指摘をされておったのでありますが、その後この旧災の処理について一体どういう基本方針を出しておるのか、それを一つお答えをいただきたいと思います。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 古い災害が残っておりまして、これが復旧できないためにまた災害を起し、また復旧事業費がふえるということは、私どもも非常に心配しておることでございまして、災害復旧を早くやらなければならぬということは、常に努力しておるわけでございます。御承知のように昭和三十年の発生災害以降のものにつきましては、法律の改正によりまして、緊要工事は三カ年、その他も含めて四カ年で完成するという線で進んでおります。実際予算もその通りに現在のところついて参っております。問題は三十年災害以前のもの、二十九年以前のものでございまして、これらのものにつきましても、ぜひ一つ三十三年度においては完成したいということで、私どもといたしましては考えた次第でございますが、御承知のように二十八年災害が非常に大きな金が残っておりますので、補助災害につきましても、前年度より若干多い予算をつけたのでございますけれども、残念ながら二十八年と二十九年はその残事業が、残っておる事業の四割近くがまだ残る、三十四年度に持ち越すというようなことになるわけでございますが、ぜひこれは三十四年度には全部二十九年以前のものも完成したいというふうに考えておる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今のお話しですと、今年度の予算を私どもは調べてみると、今局長の言うように、どうも完成の見込みはない、このままでいくと、もし今年でもまた災害が起きたならば、また来年もできなくなってしまうという点で、現地の人たちの苦労と、そしてまた国家の資本投下という面から申し上げますと、どうしてもこれは早急に処理をしなければならぬ、従って今年度まあやむを得ないにしても、少くとも補正予算でできるものは補正でやる、あるいは三十四年度の上半期なら上半期にはとにかく早急に処理ができるという、こういう考え方に立たないと、三十四年度には、何とかしましょう、しかしそのときになったら、また三十四年度は残りましたから、三十五年度に何とかしましょう、こういうことであってはいけないと思う。そこで次官も御出席ですから、そういう私が申し上げたように、とにかく三十四年度ということは一応仕方がないにしても、早急にこれが三十三年度の補正なりあるいは三十四年度の上半期にそういうふうにやる、誠意をもって処理をするような考え方で進むのかどうか、こういう点を一つお答えをいただきたいと思うのです。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいま相澤委員からの御指摘の点、まことにごもっともでございまして、実は本年度の予算のときも、私どもといたしましては、ずいぶん努力したことでございますが、しかし国家財政の状況上、これ以上のことができなかったことをまことに残念に存じます。しかし今後におきまして、ただいま御指摘のように、三十四年度におきまして、必ずこれを実行するということで、私ども最善の努力を尽すことをお答えいたします。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 特にそれでは一つその誠意の披瀝されたところを私は了としますが、そこでこれらのたくさんの事業を完成するためには、先ほども次官が述べられたように、監督の強化、あるいは監査の充実、指導面、いろいろあろうと思うのです。そこで建設省は新年度における工事量に対する職員の定数というものをどのように考えておるか、あるいはまた職員の出張あるいはまたいろいろな事業に対するところの熱意の入れ方について、かなり努力されておるのでありますが、どうも給与関係においてあまり芳ばしくないと思うのだが、そういう点について引き上げる考え方をもってこの予算というものを作られておるかどうか、あなた方は折衝されたのかどうか、この点について次官の一つ御答弁を願いたいと思います。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) 職員の定員並びに出張そのほかに対する御質疑でございますが、私どもといたしましては、定員外職員をぜひ定員内に入れて、十分その地位の安定をさせると一緒に、積極的にこれを努力させるといったようなことについて努力いたしているのでございまして、すでに建設省の職員の中にも四千五百人を、御承知の定員化がされない者を定員にするというようなことになりますれば、いろいろな方面において御指摘のような点について改善されると存じますが、今後ともそういう点に努力いたしたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これは、こまかい点まで政務次官に御答弁をわずらわすということもどうかと思うのですが、これは関係の局長は全部知っているはずだ、建設省の職員が今のいわゆる臨時職員——定員外の職員ですね、これらの職員としての努力について、あるいは組合側でぜひこういうふうに早く身分の保障確立をしろというような要求もたくさん出ているはずです。これらについて、今年度この四千五百人のいわゆる職員としての定員に直すということでは、実は現在の工事量、あるいは建設省の先ほどからの御答弁をいただいているいわゆる国の方針の事業というものを完成するためには、まことに不足なんだ、こういう点を実は局長さんはそれぞれ次官、大臣に折衝されたと思う。ところが残念ながらこの予算の面において削減せざるを得なかった、こういう点は私はまことに遺憾だと思う。やはり責任ある立場においてこれらの事業に取り組み、監督を強化されることでないと私は相ならぬ、こう思うのだが、次官としては、一そうさらにこれらの定員外の人たちを定員にする考え方を持っているかどうか。  それから第二点の給与の問題について、あなたは先ほど御答弁を抜かされているが、先般の職員の問題について、これだけたくさんの工事をして深夜——それこそ昼夜寝食を忘れて努力せられている第一線の建設省の職員に対して、一体あなたはどういうふうな待遇をしていくのか、こういう点について先ほどは御答弁がなかったのですが、この点の御答弁を一つ聞かしていただきたい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連して。ただいまの相澤委員の御質問に関連してお伺いいたしたいが、この職員の定員は幾らあるのか、そのうちで定員外の臨時は幾らあるのか、そういう中で定員外の臨時で非常に長期間にわたっている人もあるだろう、そういう例ですが、具体的な数字をちょっと。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいま相澤委員の御質疑の点につきましては、実は建設官といたしましても、御意見のような趣旨からずいぶん努力をしたつもりでございますが、そのことにつきましては、行政管理庁とのいろいろな関係がありますので、われわれの考え通り行っていないことは、まことに残念であります。しかし今後におきましても、われわれはこれを努力する所存であります。  それから待遇等につきましては、やはり建設省だけというわけにもいきませんので、いろいろな点について努力はいたしているのでございますが、御質問の御趣旨のような点を体しまして、今後も努力する所存であります。  なお、岩間委員の御質疑に対しましては、会計課長から御答弁を申し上げます。

南部哲也建設大臣官房会計課長

○政府委員(南部哲也君) お答えいたします。  建設省の三十三年度の定員総数は一万四千四百六十六名ということに相なっております。それからお尋ねの定員外の職員につきましては、常勤職員につきまして、今回四千五百名の定員化がございました。それがただいまの数字に入っておりますので、その残りの七千八百八十名ほどが残っております。それから常勤職員以外の臨時職員につきまして、同様やはり七千人ほどの職員が建設省関係の仕事に従事しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今ちょっとわからなかったのですが、四千五百人はどっちに入るのですか。三十三年度では一万四千四百六十六人のうちに入るのですか。入ってそうなるのですか。そうすると、今年度は四千五百人まあ入らないとすれば、今まで大体一万人ですね、定員は。

南部哲也建設大臣官房会計課長

○政府委員(南部哲也君) さようでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そして定員外は大体二万ですね。大体二万……。

南部哲也建設大臣官房会計課長

○政府委員(南部哲也君) 一万八千でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはどうです、私たちはいささか聞いているのだけれども、こういうことでこれはやっていけるのか。それともう一つお聞きしたいのは、この一体、定員外の人たちこそ、定員外だけれども、実際は技術においてもそう見劣りするとか、そういうことじゃないでしょう。これは予算の関係なんですか。それとも建設省の方針なんですか。この点お聞きしたい。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) 建設省の方針というよりも、私は、建設省といたしましては定員化を努力いたしておるのでございますが、この定員の問題につきましては、先ほども申し上げましたが、行政管理庁ですか、その方の関係等もありまして、私のところの方針としてどうこうということを申し上げることはいかがかと存じますので、御了承願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは建設省さんの方としては、やはり定員化したいという熱望を持っておられるのでしょうね。そうこれは考えていいでしょうな。しかし国全体のこれはまあ予算の関係とか、そういうものの関係でなかなか定員化できないと、それで実際は定員の約二倍になんなんとする臨時を持っておったと、こう解釈してこれはいいわけですね。これはどうですか、事務的にお伺いしたいのでありまするけれども、こういうやり方でやっていって、果して建設行政を正常なルートに乗せることができるのかどうか。この中ではだいぶ長い間、もう三年も四年もこの定員外にされている人もあるということを聞いているのですが、こういうことで一体能率が上るのかどうか。それから職員としては安心して仕事を遂行することができるのかどうか。また責任をもって遂行することができるのかどうか。従ってたくさんの不当件数が指摘されたりしているのです。いろいろ出来高不足とか、そういうものが非常に指摘されておるわけですが、こういうところと関係がこれはないのでしょうか。こういう態勢でもっていって、そうして建設行政というものが一体検査院の指摘を免れるようにできるのかどうか。こういう点について少くとも政策面でこれは検討されるべき非常に重大なときにきていると思うのですが、これに対して次官の御意見、並びにこれは事務当局の方としてはどう考えておるか。事務の方面から厳正に事務を遂行する立場になって、そういうことが果して遂行できると考えておられるのか。こういうことについてお伺いしたい。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいまの御意見、いろいろ参考になる点も多いのでございますが、建設省といたしましては、この定員外職員をできるだけ多く定員の職員にしまして、安定の上に勤務させたいと存じて努力いたしておることは先ほどお答えいたした通りでございます。ただ建設省の職員はそれが定員外であるとか、定員外でないとかいうようなことで勤務の上において差等が出るというようなことは、私はないと確信いたしております。それが定員外の職員でありましても、誠心国家に奉ずる考えから非常に勉強して下さっておることを申し上げておきたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあせっかく次官がそうおっしゃるのでありますが、それでは何のために努力されているのかわからないということになるわけです。定員外のものを定員内に入れるために努力されておるということが、これは今の御答弁だとわからない。少しもそういう欠陥が起らないのだ、もう一生懸命やっているのだということでしたら、何もそれは差しつかえないと思う。ところが実際は待遇の面においてもいろいろなこれは定員外の人たちは不利な条件にある、従って生活の安定もできない。一生懸命になんぼ精神主義で——これは戦争前の話じゃありませんけれども、あくまでも忠実にやる、こういうことを言っても、できないような条件の上において行政をやれということでは——やはりはっきり裏づけとして、生活保障の裏づけをやって、そしてほんとうの正しいレートに乗せるという、ここにやはり努力の何があると思う。そういう面を、単に定員外といえども、一生懸命にやっているのだ、そういうような心配はないだろうというような御答弁では、これは少しおかしくなるのです。私はそんなことをここで論争することじゃなくて、実は建設行政を正しく正常に乗せるために技術的に考えても、これは国家の方針としてもそういう点を私はもっと明確にすべきだと、こう考えるのです。ことにその衝に当る建設当局としては、この点を少くとも国家全般の行政管理庁あたりのやり方に不十分なものがあれば、これに対して意見を十分に反映する、こういうことでこの穴を埋ずめていくということが当然の任務だと考えているのです。ところが、議論を申しているのじゃありませんけれども、こういう点で、やはり非常に欠陥が起ってきているのじゃないか、そういう点についてこれはどうですか。事務的な立場についてのこれは事務当局の見解を伺っておきたい。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 岩間委員は事務当局から御説明を願いたい、こういう要求でありますが、どなたが御説明になりますか。

南部哲也建設大臣官房会計課長

○政府委員(南部哲也君) 常勤労務者の定員化につきましては、建設省といたしましては、できるだけ多くの人々に地位の安定をしてもらいたいということで、相当数の要求をいたしておったのでございますが、この定員化につきましては、最終的には公務員制度の改正との関連において解決すべきであるという考えがございまして、従来そういう考えで延期され、あるいは放置されてきた。しかし本年度におきましては、もはやそういう公務員制度の改正時期まで放置することは、人事管理の点から見まして好ましくないということで、今回の先ほど申し上げました四千五百何人というものを、行政管理庁においても定員化を認めるということに相なったわけであります。その考えといたしましては、これらの定員外の職員のうちで、定員内の職員と均衡を失すると認められる者、すなわち職務内容とか責任度とか、あるいは勤務条件等が、定員内の職員と同様に見られるという者をピック・アップいたしまして、四千五百名を定員化するということで、この数字が出ているわけであります。私どもといたしましては、できるだけ職員の身分を安定いたしまして、そうして仕事に専念していただくということがもちろん望ましいのでありますが、国全体のそういった方針に従いまして、本年度は一応この程度で了承したという経過になっているわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私も、もう時間がないので一つだけお伺いしておきたいと思うのですが、有名な元の総理の吉田茂さんが大磯から国会に通うのに、どうも東海道の戸塚の踏み切りは長い間自動車をとめられて困るということで、戸塚道路、いわゆるワンマン道路というのができ上った。ところがこのワンマン道路ができ上って、その上で料金の徴収を一生懸命にやるものだから、旧国道の方はそのまま放任されるということが多い、こういう非難が非常にあった。しかし最近ようやく着手をしております。この点は私も努力は認められるが、ここで一つ問題になるのは、ワンマン道路ができたから、旧国道の踏み切りはそのままでいいということにはならないと思う。もちろん、これは建設省ばかりではなくて、関係としては国鉄当局の問題もあるでしょう。しかし、いわゆる料金を払って通る人と、料金を払わずに通る、——どうしてもここを通らなければならない人たち、こういう人たちのことを、ほんとうに建設省は国道という立場で考えたことがあるのかどうか、こういう点について私は疑問を持っておるわけであります。そこで、次官は、あの戸塚の踏み切りの問題について、地下道なりあるいは高架道なり、いずれにしてもそういう技術的な問題も含めて、国鉄なり運輸省なり、関係の地方自治団体、そういうようなものと話し合ったことがあるのか、それとも、もうあれはワンマン道路ができておって、あそこを通ればいいのだ、こっちは通らぬでもいい、こういう考え方で、いわゆる旧国道というものを放任しておるのか、その点あなたの見解を一つ表明してもらいたい、こう思います。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいま、相澤委員から御指摘の点につきましては、実は、ひとり戸塚の踏み切りばかりでなく、日本の国内におきまして、平面交差という問題が、これは全般的の重要な問題となっていることと存じます。そこで、運輸省の方におきましても、この踏み切りの問題につきましては、今年度も非常に努力しておるのでございますが、それに関連いたしまして、当省の方といたしましても、運輸省と密接な連絡のもとに、その処置をいたしておる次第でございます。ただ、戸塚の問題につきましては、関係の局長からお答えをさしていただきたいと思います。

富樫凱一建設省道路局長

○政府委員(富樫凱一君) お話の戸塚の有料道路は、もともと無料の道路として着工されたものでございます。ただ、非常に建設費がかかるものですから、有料道路ができました機会に有料道路の費用で建設したものでございます。従いまして、有料道路の資金だけを返せばいいということで料金がきめられておりますが、私どもも、ああいう道路は無料でやるべきものであろうと考えておるわけでございますが、先ほど申しましたような理由で、有料道路になったのでございます。従って、これが早く無料になるようにいたしたいと考えるわけでございますが、現在、旧道路にあります踏み切り、これは、立体交差にいたすためには、非常に技術的な困難もありますので、もともと切りかえるべく有料道路の線が選ばれたものであります。私どもといたしましては、今の有料道路を早く無料にするようにいたしたいと考えておる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 何を一体答弁しているんです。今のワンマン道路の本来の趣旨は無料ということで発足をしたのだけれども、まあ有料道路にした、有料にしたところが、当初の十一年の計画が、収入がよくなったからこれを十年なり九年なり、あるいは七年になるかもしれぬ、こういうのが今のワンマン道路の話なんです。私の質問しているのは、そうじゃないのだ。ワンマン道路の方はとにかく有料道路として金を払っておるのだ、一般は。ところが旧国道は、東海道五十三次の一つの旧国道は、あのたくさんの国鉄の電車や貨物が走っておるために、あそこは十五分も三十分もとめられることが多い。従って、ワンマンと言われた吉田さんがかんかんになっておこってしまって、あのワンマン道路ができた。しかし、あそこを通らなければならぬ人があるわけだ。旧国道を通らなければならない人たちがある。その人たちのために、一体旧国道は、もうワンマン道路ができたから、それが七年なり八年のうちに償還をされるまでそのまま放任しておくというのか、こういうことを私は基本的にどう考えているかということを聞いておるのです。それが先ほどの次官のように、運輸省なり、あるいはいわゆる土地の横浜市なり神奈川県なり、何らか関係当局が打ち合せて、一体これは立体交差をどうすればいいのか、あるいは地下道にするのがいいのか、高架線にするのがいいのかわからぬけれども、そういうことを本気にやって、その住民の苦労を、通行人の困難を直す考えがあるのかないのか、こういう点について私は建設省の考えを質しているわけです。道路局長は、そういうことを一体やる気があるのかないのかということを聞いているのですよ。ワンマン通路のそれが三年早くなるか、二年早くなるかということによって、それはそのままでいいということにはならぬ。私の質問はそんなことを言っておるのじゃない。それに対して、一体局長の考えはどうなんです。これは、先ほど次官の答弁をしたことと、あなたの今言うこととまるきり違う。次官もこの点については再び答弁して下さい。

富樫凱一建設省道路局長

○政府委員(富樫凱一君) 先ほど申し上げましたのは、戸塚の踏み切りに対する私の考え方を申し上げたわけでございますが、踏み切り全般につきましては、先ほど政務次官の言われましたように、踏み切りというものがあるので、道路の交通の能率も悪いし、事故も多くなりますので、全般的には踏み切りを早く立体交差にするということを考えておるわけでございます。戸塚の踏み切りにいたしましても、これは立体交差にしなければならぬものでございます。ただ、財政の都合等がございますので、かかる時期につきましては、あすこに有料道路もありますので、すぐかかるということには参りませんけれども、方針といたしましては、立体交差にいたすように考えておるわけでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私は、会計検査院から述べられました、補助金の公共事業に対する国庫負担金等の経理について不当なものとして批難された点のうち、一、二をお尋ねしたいと思うのであります。というのは、毎年々々この問題が起きて来ますけれども、最近次第々々に批難事項が減ってきたということは、お互いに御同慶の至りでございますが、なお今日においても、かような問題が起きておるという点について、いささか残念に思うのであります。特に、本日報告された中で、岩手県の磐井川の堤防砂防工事に対する不当の問題が起きておりますが、これは、御承知の通り、アイオン、カザリン等の大水害に幾多の悲劇を残した場所だけにあって、この工事の完成というものは、住民の福祉あるいは生活の安定の意味からいっても、岩手県民としては待望しておっただけに、かような不正工事が行われたということに対して、私は非常に残念に思う。それで、一体こういう工事の不当がときどき——じゃない、毎年起きてくる、漸次減ってきてはおりますが、起きてきておるということは、これに対する監督の立場にある——これは県営事業のようでありますが、直轄でやっておるわけじゃないからというのでその責任を免れるわけにはいかないと思うのであります。今後こういう問題を払拭するためには、一体建設省ではどういうお考えを持っておるのか。たとえば、これを請け負った工事請負者、批難されるような結果を来たした請負者に対しては、次の場合は、何年か、県営工事とかあるいは国営の工事等に対する公共事業の工事には一応入札を控えさせるとか、いろいろな方法があると思うのであります。建設省当局としての、こういうことに対する今後の方針というものをはっきりしてもらいたいという点と、一体この会計検査院から指摘されたこの事項に対しては、いかなる補修工事をやられたのか、今後ともここは水害が起るであろうと予想されておる土地でありますので、よほどしっかりした工事をやらなければならないはずであります。この指摘された事項に対してどういう補修をやり、あるいは改修をやっておるのか、あるいは今後やろうとするのか。また、たびたび起るこういう不当事項に対して建設省それ自体がいかなる方針によって今後監督あるいはそれに対するところの事前の措置を講ずるかという、政府当局の方針を承わっておきたいと思います。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) お尋ねの磐井川の砂防工事の問題でございますが、これは請負工事の施行に当りまして、監督が不十分であったために御指摘のような粗漏工事になったわけでございまして、まことに遺憾なことでございます。これに対しましては、その後、粗漏個所を全面的に補強、手直しをさせまして、当初の計画通りの目的を達するようにいたしたわけでございまして、この工事も本年度内には完成をする、こういうふうな予定に相なっております。その個所につきましては、そういう処置をいたしたのでございますが、それでは工事ができ上っていたと思っていたのが弱くて、実際は今後は災害が起るおそれがあるということになるわけでございまして、そういうふうな手直し工事が行われない間は非常に不安であるわけでございます。その点、私どもも十分注意もいたさなければならぬわけでございますが、監督の方法といたしましては、本省関係といたしましては、こういうふうな砂防工事につきましては、工事の途中で検査を行う、でき上った後でなくて、途中で検査をするというような方法、あるいは監察官というものが本省にございますので、そういう機関を活用いたしまして、補助工事等も十分に監察をするということでございますが、ただそれによりましてもなかなか全般的にできないというような問題もございますので、先ほどお話もございましたように、こういうふうな事件を起したような業者につきましては、直轄の工事はもちろんのこと、府県の行います補助工事等につきましても、業者の責任をはっきりいたしまして、今後はそういう問題が起きないように指名停止とか、あるいは期間をきめまして指名停止をする。その後の成績を確かめるまではやらせないような方法をとりたいと考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 建設省の方針を承わりましたが、会計検査院といたしましては、これは毎年こうした予算の執行上の検査を各地においてやられておるわけでありますが、ただいまのような問題が起きた場合に、何回もこういうことを繰り返す業者がないとは限らない。そういう面につきましても、特段の注意を払って検査をしておるのかどうか。またそういうことがあったならば、たとえば同一の業者が二つも三つも同じような工事を行なったというような場合においては、特別現業官庁に対して、あなた方としては注意を喚起しておるのかどうか。会計検査院の検査方法の一環として、こういうことを考えておるかどうか、その点を伺っておきたいと思います。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 本件の場合には、指名競争でやっておりますが、指名競争の場合は、特定の個人を指名しまして、その指名された者の間で競争をしております。従って、もし本件のような非常にまずい結果の工事をしでかしたというような業者を指名した場合は、やはりその指名が妥当でないということになりまして、そうした場合には御注意をするということはいたしております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ちょっと私のお尋ねの言葉が足りなかったかもしれませんが、同じ業者が二度も三度も同じような——故意にしろ、過失にしろ、こうした国庫の金を使った工事において、結論においては粗漏工事であったり、不当な工事をしたような場合が過去においてもおそらくあると思います。そういうのを各地に出張して調査した場合、批難すべき事項が起きた場合、この業者が前にもやっておったが、こういうことをまた繰り返したのか、そういうことを注意深くあなた方は検査をしておるかどうかということを私は聞いておるわけですよ。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) そういう点は注意して検査しております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 はなはだめんどうなことでありますけれども、過去三年間におきまして、同一業者において不当工事を行なったという実績があるならば報告していただきたい。これはあなた方の方では各県に出張しておる。国庫補助に基いて工事を施行した業者において不正な、あなた方が批難する事項に当るようなことが二度も三度も繰り返しておるような業者があるとするならば、これはある程度建設省としてはほうっておくわけにもいかぬでしょうから、一応そういう検査の結果、そういう業者があるということを認められたならば、報告していただきたいと思います。私の要求事項ですから、その点は調査していただきたい。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 過去何年分ぐらいの……。

千田正無所属クラブ

○千田正君 過去三年。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 古いものはもう証拠書類を引き継ぎまして、それを出して調べるのだ多少ひまがかかると思いますけれども、あとから調べまして、もしそうした事態がありますればお出しいたしたいと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私は会計検査院は場当りの検査をしているのではないと信頼するから、そう言っているのですよ。少くともそこに行った場合に、場当りの検査だけではないはずだ。であるから、あなた方が見て不当な事項に該当するものがあるとするならば、あなた方の担当検査官は少くともその頭脳の上においては銘記しておるはずです。だからそれに従って、過去の書類がありましたら、お調べすればわかるはずです。それについて報告をいただきたい。要求しておきます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 石渡第三局長いいですか。今の千田委員の要求に対して。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 調べまして、そういう事態がありますれば出します。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 当委員会に御提出願います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 三十年度の決算が非常におくれておりますので、早急に三十年度の決算を終了しなければならないという時期的な問題もありますから、批難事項の個々にわたって具体的に質問するということは省略をして、考え方の上において、もしも政府の考え方が私どもの考えていることと大きな開きがあるということがあるとすれば、その点だけを指摘したいという立場で、きょうの建設省の部の検査報告に対する質疑を行なっているわけでありますが、そういう意味におきまして、私もこまかい問題を今取り上げて質問する気はないのですが、ただ基本的な考え方におきまして、先ほど次官から述べられました批難事項に対する態度と申しますか、今後の方針というものについて理解しがたい点がありますので、一点だけ政務次官の態度をこの際承わっておきたいと思います。それは、あなたの先ほどの説明によりますと、批難事項は減少しておるということでありますが、これはもちろん千田委員の言われた通り、私も喜んで余りあるところだと存じますけれども、しかし検査の対象というものがすべてではないという事実と、それから隠れた、検査の対象にならない部分に、果して不当行為が同じ比率で存在するかどうかということについては多くの疑義のあるところでありますから、手離しで減少しているという事実を喜ぶわけには参らないと存じます。そこであなたの態度としては監査を十分にしたい、監察官をでき得る限り多く派遣をして、内部の実態の監査を行うことによって不当事項や、それから是正しなければならない事項を極力減少させたいという意思の表明があるのでありますけれども、私はそのことももちろん必要なことであろうと存じますけれども、その監査の仕事の対象の、対象となる以前の問題について理解しがたい点があります。それはたとえば先ほども橋の問題について指摘をされておりますが、経済効果の伴わない工事というものが現実に行われつつあります。これはもう監査の対象外の問題であります。たとえば私の地方にも一つ問題点があって、これは建設省の所管の部分ではございませんけれども、たとえば土地改良に関係をいたしまして、一億何千万という膨大な金をかけて客土のための索道工事なんかが大がかりにできました。ところが現実に土地改良を行うに当っては、この索道の使用期間というものが一年を通じてわずかに一カ月しかない。あとの十一カ月は索道が眠ったままになっておるという実例があります。これなんかもいわば宝の持ちぐされでありまして、むだな所に金を使うという結果しか出ていない。これを翻って考えますれば、経済効果の伴わない政府のいわゆる資金のつぎ込みというものが行われたのではないかと考えます。先ほどの橋の問題にいたしましても、道路がなくて橋ができるなどということはナンセンスであります。と同時に、道路が先か橋が先かという議論がありますけれども、それは同時に並行的に行われて初めて経済効果が伴うのでありまして、それが片方の橋だけが先に行われましては、経済効果が伴わないのであります。経済効果が伴わない国の経済活動あるいは投資活動、あるいは国の福祉の伴わない投資活動あるいは国の補助金の交付というものにつきましては、私は十分検討しなければならぬ問題があるのではないかと思います。そこでこういう問題についてどう対処されるのか、その点についての政務次官の御所見を承わっておきたいと思います。先ほど言われた中には、監査を十二分にやれば不当事項がなくなるかのようなお話でありますけれども、それだけではとうてい不当事項はなくなりません。わずかの金額の補助金の見積りの過大や積算の過大が指摘されても、経済効果の伴わないところで、大きなところで抜け道があったのでは、これは監査人員を幾らふやしてもいけませんので、この点についての御意見を伺いたいと思います。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいま御質疑の点、まことにもっともと存じますが、現在この決定に際しましては、道路等に関しましては道路審議会等もありますが、それぞれのそうした外郭的な審議会等の意見も徴し、それから私ども最善の努力をして、今の経済効果等の問題につきましても、関係方面とよく協議いたしまして、やっておるのでございますが、ただいまの西海橋の問題のごときは、御承知のちょっと変則なでき方があったのは御承知の通りでございます。そういうような点が今日まで、まあきょう御指摘のような問題も原因しておるような事情もありますので、今後におきましては、そういったようなことのないように努力していきたいと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 努力するという言葉だけじゃどうも私どもは理解できないのですよ。少くとも不当事項が具体的に個々の面にありとすれば、監査を強化することによってそれを改善することができるというような形があると同様に、ただいま申し上げましたような経済効果の伴わないような点についてはどうするかという、相対的な政府としての態度と方針がなければいかぬと思います。たとえば、私のところの北海道に一つ重要港湾に指定をされて、現在港湾整備を行なっているところがありますけれども、ところが今度は大蔵省の法律改正によって、片方では重要港湾に指定をして金をつぎ込んでおきながら、片方では外国の貿易船が入れないような法律の改正が行われたりしている。これなんかはまことに不つり合いな、政府内部の不統制と申しますか、統一のとれない行動の現われじゃないかと思いますが、こういうものをどういうふうにして処理をされるかというのです。これは一例を申し上げましたが、ただ単に善処されると言うだけじゃ納得はいきませんし、黙っていても解決のできる問題じゃないのですよ。こういうものをどう処理するか、ただ善処するというのではなくて、もっとわかりやすく具体的に説明してもらえませんか。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいまの御質疑の点は、よその省等の問題でも御引用になっておられますが、しかし建設省といたしましては、現在道路の交通量なり、そのほか経済価値というようなことにつきましては、この決定に際しましては、地方の行政機関とも連絡をいたし、それからまた審議会等にもかけまして、疑問の点のありまするのは、そういうところの機関にもかけまして、よく意見を聞いてやっておるのが実情でありますが、そうしてあとは私ども責任をもちまして、御期待に沿うように努力いたしておるというのが実情でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっとそれに関連したことをお伺いいたしますが、そういう経済効果の伴わないような放漫なやり方をしておるところをちゃんと指摘して、何とかそういうものを一覧表でも作っておりますか。そういう努力をしておりますか。問題点を明らかにしておりますか。

富樫凱一建設省道路局長

○政府委員(富樫凱一君) 道路の問題が出ましたので……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 道路だけではありません。全般です。建設省の一千何億にわたる膨大な工事の中で、今大矢委員の指摘されたように、非常にどう考えてみても平仄が合わない面があるのです。一方だけできるとか、一方がだめになるとか、そういったような片ちんばなそういう点をはっきりして、そういう点で今一覧表を作って問題を明確にしておるのか、その努力をされておるかどうか、この点はどうですか。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいま申し上げましたように、事前におきまして十分審査をいたし、それからまた実際の実行に際しましては、監察官並びに災害に対しましては査定官というような機関を使いましてやっておるのでございまして、もちろん先ほどの西海橋のごときもこれを取り上げまして、善後処置を研究いたしておるのであります。ただ現在のところ、そうした問題の事前の処置が適当でなかったというような問題がありました場合には、それを関係の各部局において取り上げまして、善後処置をやっておるということが実状でございまして、今表を作ってやっておるというほどそうたくさんあるようにも考えておりませんので、その点につきまして、また御注意等がありますれば、そういう必ずしも表にはいたしませんが、善処するようにいたしたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 やはりこれは全般的に見て、政策面からしぼってみなければならぬのですが、それをどう解決するかというと、これは病気のあるところを明らかにしないでどうして病気を直せますか。一般に病気を直すのだって、そういうやり方でははっきりしないのですね。従って私はそういう建設行政の中でそういう機能がなければならぬと思う。非常に国費の効率的な運用、経済的な投下という面から考えれば、はっきり今の問題がとらえられて出てくると思う。そういった点が明確にならないでどうしてこの問題が追及できるか。今あなたたちの一覧表も作っておらないという行政の仕方、行政の指導において何か焦点の合わないものを感じますが、これは論議になりますから、こういう点について努力すべきじゃないかと言うだけでこの点はとめておきますが、もう一点は、補助金の経理当を得ないもの、こういう問題が無数に出てくるわけです。この前の太田川の例なんかはその一つの大きな現われです。こういうところで私はお聞きしたいと思うのですが、毎年毎年出てくるのですが、その補助金の渡し方、それからそれに対するあとの管理の仕方、これは具体的にどうなっておるのですか。前渡金はどれだけ渡すのか、それから工事はそれに伴ってどのようにこれを進捗しなければならないのか、それからその完成したものについて一体どれだけの検査をして、さらに最後に締めくくりをつけるのか。こういうようなやり方そのものについて、あなたたちは検討されたかどうか。こういう方式は大体あるでありましょうけれども、この点について、ほんとうにこれは鋭意努力をしてきたかどうか、検査院からもお伺いしたいのです。こういうような大きな面で——一つ一つの問題を取り上げていくことも大切でありますけれども、総合したやり方の中で共通の問題が引き出せるだろうと思うのですが、それで今までのやり方でこれは十分だと考えておられるのかどうか。第一まあ今までのやり方が大体どういうことになっておるのか。その点からお聞きして、それについて私の意見を述べてみたいと思います。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○政府委員(堀内一雄君) ただいま御質疑の問題につきましては、われわれといたしましては、ひとり既往の経験ばかりじゃなく、広く各国の情勢等も検討いたしまして、そうして最善と思う方法を考えてやっておるのでございまして、しこうして、それに伴って逐次改善しておるのでございますが、御意見等がまたありましたならば、それを検討いたしまして、そうして改善の上に資していきたいと考えておるのでございますが、ただいまの具体的問題につきましては、会計課長の方から……。

南部哲也建設大臣官房会計課長

○政府委員(南部哲也君) 補助金の関連いたします事業の執行方法でございますが、補助金につきましては、各事業主体から、年度が始まりますと、自分のところでこういう仕事をしたいというそれぞれの申請が建設本省の方に参ります。それを本省におきましては、その年の予算額の範囲内で、経済効果の多いもの、あるいは緊要を要するものから採用いたしまして、大体それではAという事業主体にはどれくらい、道路についてはどれくらい、川についてはどれくらいというような内定通知をいたします。それに基きまして、府県の方はさらにそれの予算化に努力いたしまして、府県会なり、あるいは市町村議会におきまして、その事業の予算が通過いたしましたならば、正式に補助の申請をして参ります。それに対しまして、こちらといたしましては正式に補助額の確定通知をいたしますれば、それに基きまして事業主体は、自分のところの府県におきまして、直営のものがあれば直営、あるいは請負に出しまして、この仕事に着手するわけであります。その際に金の払い方は、大体現在は公共事業関係におきましては前払金の制度をとりまして、概算三割程度を前払い請負にし、以下出来高に従いまして、それぞれ事業執行の府県の規則に基きまして、毎月月末検査、あるいはそれよりもっとひんぱん、あるいはその間隔はございますが、中間検査におきまして、出来高に相応する金額を、概算額を差し引いたもの以上にできた場合にそれを支払って、最後に竣工検査を受けまして、竣工検査に基いて最終額を決定して、これを支出するという方法をとっておるわけでございます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間の関係もありますから、この問題はまあこれ以上はあまり深く追及しませんが、つまりそういうようなやり方で、今お話をされたのでありますが、これはやはり補助金の渡し方と工事の進行、そういうものをどういうふうにこの点を検査していくかというような問題を、基本的にやはり検討することも本委員会の大きな任務の一つであります。もっとも会計検査院がそれをやっておられると思います。どうもそれにもかかわらず、今のようなお話だと、これは以後起らないだろうと思うのでありますが、しかし年々依然として指摘されておる。それでそのうちでやはり地方公共団体が補助金だけを当てにして、自分の自己資金はできるだけこれを少くして、そうして出来高をごまかす、あるいは粗漏工事でごまかすというやり方が実際は行われておる。これは非常に行われておる。量からいうと非常に多いのです。これは会計検査院の指摘はその一部分に過ぎないのであります。まあわれわれがよく地方に行きますと、そういうことをたくさん耳にするのです。これはほかの農林省の補助なんかの問題とも関連して非常に問題が多いところですから、これについてもっとやはりどういうふうにくさびを打ち込んで、こういうような補助金の公正でない使用に対して、もっと適当な方法を講ずるかということが非常に重要だと思うのです。私はここに指摘された例で、実は詳しくお聞きしようと思ったのですが、これはやめます。やめますけれども、この補助金の出し方について何か方式があるだろうと思いますが、そういう方式のようなものを、これはデータにして出してもらいたいと思います。これはわからないのだ。大体ここでは論議されておるけれども、はっきりしたこういう方針だといわれて出されたことはない。だからそれはある一つの例、二、三の例について——いろいろな例があるだろうと思いますが、画一にいっていないと思う、案件によりまして。そういうような例について何月にどれだけ工事が進んで、そのとき前渡金はどれだけ出した、これだけ竣工してこう出したという過程があるだろうと思います。そういうものを一つわれわれ頭に入れておく必要があると思いますので、それを出してもらいたいと思います。そのことをつけ加えて、一応これで終ります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ただいまの岩間委員の御要求、よろしゅうございますか。

南部哲也建設大臣官房会計課長

○政府委員(南部哲也君) 承知いたしました。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ほかに御質疑がございませんか。——別に御発言もなければ、建設省の部、検査報告批難事項第二千九十二号から第二千百四十号までの質疑は終了したこととすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) それじゃ速記をつけて。  次に住宅金融公庫の部を審議いたします。検査報告書には三百五十七ページに掲載されております。会計検査院からまず説明を願います。

上村照昌会計検査院事務総局第五局長

○説明員(上村照昌君) 住宅金融公庫につきましては、三百五十七ページから五十九ページにかけまして、公庫の事業概要及び決算の概要が簡単に記述してございますが、特に補足して説明する点はございません。  検査といたしましては、書面検査のほかに本所、東京営業所、それから四つの支所の実地検査を施行いたしました。実地検査の結果、不当事項として特に報告する点はございませんので、検査報告には記述がございません。  以上でございますが、簡単に御説明申し上げます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次に住宅金融公庫側から説明をお願いいたします。

鈴木敬一日本住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) 住宅金融公庫の昭和三十年度決算の検査に関しまして申し上げます。  ちょうどこの年は暫定予算が続きまして、本予算の成立が相当時期がおくれたためもありまして、私どもの方の当該年度の事業計画の策定が自然おくれまして、それらの原因のために、すべて事業がいささか例年よりは遅延いたしておるのでありまして、年度末までには若干の手おくれができた。こういう状況でございまして、これはこの会計検査院の御報告の中に記載してある通りでございます。大へん遺憾に考えますが、そういう暫定予算等のための障害にもかかわらず、できるだけ事業実施を努力いたしまして、急いだのはそれに相違ないのでありますが、結果としてかようなことに相なった次第であります。  なおまた、この年から初めて住宅融資保険という事業が私どもの金融公庫に課せられまして、市中金融機関が住宅融資を一般の人に向っていたします際に、公庫に付保した額が当該年度中に三億一千九百余万円にすぎなかったのでありまして、これまた会計検査院の御報告にある通りでありますが、何分全く新規の事業でありまして、事業開始が十月に相なった次第もありまして、この保険の制度の趣旨が借り入れ者側にも、また金融機関側にも周知徹底に十分でなかった点がございまして、これらも公庫といたしまして、不なれなことながらできるだけ努力はいたしましたけれども、この程度で終った次第でございます。  なお、会計検査院から特に不正不当として指摘せられたことのなかったことは、ただいま院の方から御報告のあった通りでございます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) これをもって説明は終りました。  御質疑のある方は順次発言を願います。なお、本件に関しましては、会計検査院から上村第五局長、建設省から植田住宅局長、参考人として鈴木総裁、岩永理事、鈴木経理部長が御出席になっております。御発言を願います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 公庫で貸付金の利子が五分五厘ですか。そうしますというと、年々の計画は、実は政府のいうところの四十万となり、あるいは三十万となるというその年々の住宅建設の計画ですね。これに対して政府出資なりあるいは資金運用部資金の融通なり、こういうものから考えていっても、やはり国民の欲する住宅希望にはなかなか到達しないと思う。その上に、従来の貸付残高が多くなればなるほど、やはり資金運用の面で住宅金融公庫そのものが苦しくなりはしないか。そういう場合には、なお政府の資金融資というものを見込まなければいけないのじゃないかということが考えられるのであるが、今のところ運営面で考えて、いわゆる利回りの点、そういう利子の点を考えて、どういうふうにお考えになっておるか。  いま一つは、国民の欲する住宅希望に対して、どの程度まで一体あなた方は資金というものがあったならばいいと考えられておるか。その二つの点について一つお答えをいただきたいと思うのです。

鈴木敬一日本住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) お尋ねにお答えいたしますが、あるいは御趣旨に少し食い違う点があったら、なおまたお尋ねによって修正もいたしますが、ただいまの御質問で、私どもの方は原則として五分五厘の貸付利息をちょうだいいたしております。ただ産業会社に社宅用に貸します産業住宅と申しておりますが、これらには六分五厘の貸付利息でございますが、ほとんど全額に近く五分五厘の利息でございます、収入利息はわれわれの方では経常に充てておる次第でございまして、償還されました元金は、まず私の方の資金構成が主として政府預金部資金、ごく近年に至りましては、郵政省所管の簡易保険積立金等からも借り入れておりますが、この借り入れ利息が六分五厘でございまして、大体は一般に五分五厘にしか貸付利息をちょうだいしません。いわば逆ざやであるものですから、公庫の発足当初の数年間は、初年度だけは、二十五年度だけは政府の出資だけでまかないましたが、あとは大体借入金が額が多くて政府出資がほんの一部である。ことに昭和三十年度には政府出資がなくなりまして、三十一年度、におきましては、政府からの借入金のみになりまして、政府出資が一時とだえたこともございまして、この場合にはただいまお尋ねのような、運営上苦しくないかというお尋ねに該当するような場面もございましたけれども、当該年度三十一年度は赤字までには至りませんで、収支償ってなお若干の積立金をしたという程度には参っております。その後におきましても、事情をよく申し述べまして、財政当局からも若干の政府出資、すなわちこれはただでいただく資金でございますから、逆ざやになります借入金をまぜ合せまして経理いたしますと、堅実に経理さえいたしますれば、どうやらただいまのところまかなっていける程度に相なっております。  大体以上でお尋ねの趣旨に沿うかと思いますが、なお足らなければ申し上げます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今あなたの御説明になったように、貸付については五分五厘だと、しかし融資の場合は六分五厘だと、実際には一分足らなくなってね、従って融資だけでは、これは公団の運営そのものは非常に苦しく、従って、当初のいわゆるこの住宅金融公庫の発足するのは、国民に健康的な文化的な生活を営ませると、この趣旨であれば、もっと政府は出資をしてもいいのじゃないか。今あなたの公団が言ったように、ただの金を出せば、公団自体も運営は大へん楽になる。ですから貸付金が、住宅が多くなれば貸付利子が一分低いだけに、政府の融資を多くしていけば、結局はだんだん経営というものは苦しくなる。むしろ単なる融資というだけじゃ、出資が多くなる方が、まぜた方が確かに経営が楽になるということだと思うのです。そういう点について、あなたの方では政府に対しては、どういう考え方を出しておられるのか、こういう点を私はお伺いしたがったわけなんです。それが一つ。  それからいま一つは、政府の言う住宅政策について、あなたの方は専門的な立場として、今国民が要望をしておるところのこの住宅問題について、どの程度まで必要とするか、どの程度実は計画を持ったならば、この住宅問題というものは解消するだろうか、あるいは戦災地における商店街の復興というものはできるだろうか。こういう点について、おそらく統計なり資料というものを備えておられると私は思うのだが、そういう点についてどうあなたはお考えになっておるか、こういう点を実は質問しておるわけなんです。

鈴木敬一日本住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) まずもって、第一の御質問の御趣意もよくわかりました。で、私どもは、公法人でございまして、御承知のように年度に剰余金があれば、政府に納入するということに相なっておりますが、過去に若干ずつ納入したことも二カ年ばかりございます。その後は貸し倒れの場合が生じました場合、その償却の積立金をすることにしておりまして、これはもちろん財務当局からの指令もございまして、一定の割合をもってしないで積み立てるということにしておりますので、三十年度におきましても、若干の余裕金はございましたけれども、それは固定資産の償却積立てと、それから貸し倒れの償却積立金、双方に充てまして、民間会社でいいますれば、いわゆる社内留保をしておるのでありまして、そういうような財政状態でございますから、ただいま現在のごとく二、三十億程度、あるいは四、五十億なら、なお楽かもしれませんが、現在程度の政府出資を年々いただきますならば、この運営上はさしたる困難は伴いません。で、私の方は、もしお尋ねが公庫の運営に同情的な立場から憂慮をお払い下さっておるのでありますれば、その点は、近年のごとく二、三十億ぐらいずつの絶えず補給をされると、いわば利息を埋める作用が若干できますれば、運営上は、社内留保までできる程度のことで済んでおりますから、どうか安心を願いたい、こう申し上げたい。そこで政府に対する感想も同様な立場から言っております。  それで私どもの精神的立場をついでに申し上げさしていただくならば、われわれはもちろん営利団体でございません、政府機関でございますから、若干の社内留保を得て、将来の運営上の安定が期せられる程度でございますれば、安心して私初め職員一同奮励努力ができる次第でありまして、使命とされておりまする庶民住宅の資金の供給ができれば足ると、かように考えております。もっぱら事業運営のねらいは、鉄筋コンクリートの関係の貸付等もございますけれども、こういうものを貸しつける場合でも、対象の事業主体が政府の安い長い資金の利益を、中間のものが得るということは、断じてこれは排除しなければならぬ、かような心境でございます。ことに利息の安い年期の長い命による利益は、住宅を建てる、あるいは貧貸住宅に入る庶民階層にその利益を直結したいと、かような心境で、万事の業務の運営あるいはまた計画の立て方等も、それで邁進しているような次第でございますから、ついでながら申し上げておきます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 前段の方はわかりました。後段のあとで申し上げたところの、いわゆる国民が住宅金融公庫に融資をしてもらいたいという希望の数というものは、たくさんあるはずだと私は思う。あなたの方も、全国民のいわゆる現在の住生活というものについての科学的な資料もたしかとっているはずだと私は思う。そこでそういう面から考えて、現在どのくらいの率にしかなっておらない、これはもうかなり私は、公庫のお金を借りて家を建てるという人で、希望に沿えない人がずいぶんあると思っているのだが、それはどのくらいになっているかということを実はお尋ねしている。

鈴木敬一日本住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) 今の第二のお尋ねにつきましては、私どもの方で、住宅政策を樹立するという立場でございませんので、ちょうど建設省の住宅局長が出席しておりますから、建設省の方から、住宅政策の一環としての公庫住宅を、どの幅でどういうふうにみるかというようなお立場から、説明をしていただきたいと思います。その方へ譲りたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 総裁、私が言ってることわかりませんか。あなたが今やっている住宅金融公庫の方に希望する人はかなりあるはずである。その希望する人が全部それでは金融公庫でまかなっているのか、あなたはそういう御答弁になりますか。

鈴木敬一日本住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) そういう答弁の趣旨ではなかったのであります。もちろん申込者の相当な数の希望はかなえて差し上げていると思いますけれども、たとえば、主としてお尋ねは、個人住宅の問題になるかと思いますが、これは近年のところ、非常に希望がなおなお多いのでありまして、住宅の規模それから融資の金額の規模、希望等によりまして、数種の申し込みに分けておりますが、平均いたしまして、個人住宅の希望の四、五分の一なり六分の一程度の需要を満たしているにすぎないのでございます。最もこの中には実需要と仮想需要と、これは想像でしか申し上げられませんけれども、あると思います。私の方でお尋ねのようなことに関連しまして、むしろこの希望者の数、それに対する個人住宅でいえば抽選をしておりますが、当選率の問題というようなものも、正確にほんとうの実需要をどの程度で抑えるかというような点につきまして、非常にむずかしい点がございまして、それからちょっと簡単に申し上げて、かえって妥当を欠くかと思いますが、それより実は近年は個人住宅等につきましても、一般の住宅のすべてについてでありますが、土地が割合に得にくくなった、それからかりに得られても、その価格が非常に著しく騰貴を重ねておる。建築費もそうでありますが、建築費の方はさしたる高騰はないと思いますけれども、土地を得る点において非常に困る結果、結局私の方から個人住宅に貸しつける金だけでもって建たぬのでありまして、初めから法律にも八〇%以内に貸すというようなことになっておりまして、一五ないし二五%ぐらいは自己資金でもってまかなわなければならぬということが、土地の価格騰貴等の関係上、自己資金がたくさんなければ建たないというようなことが漸増をしている傾向にはございますので、これらはなおわれわれの努力も足りませんが、財政当局にも絶えず御相談しまして、ことに主管省の建設省の御努力にも待って、もう少し自己資金の負担が軽くて建設が容易にできるというふうに導く将来が実現することを念願しておるわけでございます。少しお尋ねとはやっぱり違ってきたことを自覚しながら申し上げております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連して。事務当局見えておりますか。やっぱり今の相澤委員の質問は、当面する現行のやり方で、希望があると、そのうちの希望の何パーセントが満たされているような形になっているか、こういうようなデータがあるかどうかということだと思うのです。もう一つは、今いったような土地の問題とか、頭金の問題がもしも変ってくるとすれば、これは要望が非常に多くなるわけです。全体のつまり国民の足らない住宅の戸数は一体何百戸あるのか、これについてどうするのかというような、基本的な政策の問題とも関連してくるわけですが、公庫に対しては、今いったような当面した問題についてどういうふうにこれはなっておるか、ということを一つは相澤委員は聞かれているのじゃないかと思うのですが、そういう用意はございますか。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 簡潔に数字だけで御説明願います。

岩永賢一日本住宅金融公庫理事

○参考人(岩永賢一君) ただいまも総裁から申し上げましたように、全国の住宅を必要とされます方々に対しましては、資金が十分ではございません。個人で申しまして、従来全国的な平均でまあ五人に一人ぐらい。ただし来年度は相当資金をおふやし願いまして、やはり四人に一人ぐらいしか希望に沿えないのじゃないか、こういうふうに考えております。それから昨年から始まりました都市の不燃化、及び各種の高度利用のため中高層耐火建築物に対する貸付は、昭和三十二年度相当希望が多うございまして、来年度におきましても、相当多いということが予想されますので、それに対しまして、予算は十分ふやしていただくことができませんでしたので、申しますと、やはり三件に一件か、四件に一件程度になるのではないか、かように考えております。その他はおおむね政府が計画されました住宅建設の五カ年計画の本年度計画の範囲内におきましては、従来の需要等にかんがみまして、おおむね妥当な数字ではないかと、かように考えておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 結局、総裁のさっきお答えになった、当面運用には支障がないということは、現行の場合、たとえば、今お話しの六分の一あるいは四分の一を認める、その範囲内での運用には支障がないというお話になるわけですね。実際国民の要望をもっと満たすということになれば、資金面において相当これは考慮しなければならないと思う。さらにまあもっと根本的に問題を提起すれば、これは頭金の問題、それから用地の問題、こういう問題についても、これは国家の施策が伴わなければ、これは私たち大体何万戸かよくつかんでおりませんが、まあ五百万戸とか六百万戸とか、足りない絶対量があるだろうと思います。これはすごいことになっておるんですから、そういうものに対して考えるというと、今のこの面の恩恵はあるにはあるのでありますが、なかなか基本的に解決するところまでは行ってないんじゃないかという点が出てくるわけであります。しかも人口増加率がありますので、こういうものとずっとあわせて考えていくと、果して現状の金融公庫におけるこういうような運用だけで、ほんとうにこの住宅問題にくさびを打ち込むことができるのかどうか。年々解決の方向に政策をずっと強化していくことができるのかどうか、こういう点、非常にやはり問題を感ずるわけです。そういうことを実はお聞きしたかったわけですが、まあこういうものについてのいろいろなデータ、そういうものを一応お持ちになっていらっしゃいますか。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) どうぞ簡単に御答弁願います。

鈴木敬一日本住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) お尋ねの御質問は、やはり住宅政策全般に対する御質問でありまして、私の方は単なる融資による公庫住宅のみを扱っておりますので、私どもの方のいわゆる融資住宅とともにもう一つの住宅公団、この方は鉄筋コンクリートに限りますが、住宅を建てて貸し、あるいは分譲しておられます。もう一つ、もっと古くからあります公営住宅、半額もしくは大多数国庫補助をして地方公共団体で貸家経営をしておられる公営住宅、三つを合せて、住宅政策の政府の息のかかりました施策ということに相なっておりまするので、その点は私から申し上げるのも少し僭越だと思いますので、先ほど申し上げたように、住宅局長が出席をしておられますから、その方からの御答弁に譲りたい、かように申し上げた次第でございます。なお、あるいは他の機会にお尋ね下さって、建設省の明答を得られた方がおよろしいかと思います。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ほかに御質疑はございませんか。

仲原善一自由民主党

○仲原善一君 それでは簡単に一点だけお伺いいたしたいと思いますが、宅地造成の問題でありますが、三十万坪ばかりの計画のところに十四万坪くらいは非常に少いというので、その理由として暫定予算をあげておりますけれども、これは農地の獲得、所有権の取得のために例の農地法が関係して、それの摩擦のために何かそれがおくれておるんじゃないか、そういう懸念もございますので、そういう点があるかないかということでございます。もし、そういう農地法との関連で非常に農地の取得が、改廃がむずかしいということでありますれば、農地法の改正とか、もっと抜本的なことをお考えになっているか、その点だけを一つ。

鈴木敬一日本住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) 私の方としましては、やはり農地法との関連上多少の摩擦というか、そのために遅延するような傾きが時々ございます。ただ私の方の宅地造成用に貸し付ける場合は、地方公共団体、または地方公共団体が人的にあるいは資金的に援助しておりまするいわゆる都道府県市町村の住宅協会、住宅公社、こういうものだけに貸し付けて、住宅、宅地造成を営んでもらっている次第でございまして、それで、だから県の予算措置しかいただいておりませんので、現在はそういう範囲のみに融資をして、宅地造成をしてもらっておりますので、農地と宅地との衝突ということは、大都市においてしばしばあることであります。困却はしておりまするけれども、比較的スムースに行っていると、ただいままでのところは、そういうふうに申し上げて誤まりないかと存じます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ほかに御質疑ございませんか。——別に御発言もなければ、住宅金融公庫の部の質疑は、これをもって終了したものとすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めまして、さように決定いたします。  午前の分の審議は、これをもって終了いたします。暫時休憩いたしまして、午後は二時十五分から再開いたします。    午後一時四十二分休憩    ————・————    午後二時三十八分開会

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 午前に引き続き、会議を再開いたします。  委員の変更を追加報告いたします。大谷贇雄君が辞任、館哲二君が補欠選任されました。   —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十年度政府関係機関決算書を議題といたします。  労働省の部を審議いたします。検査報告批難事項が第千九百九十三号から第二千九十一号まであります。  まず最初に会計検査院から概要の説明を願います。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 御説明申し上げます。失業対策事業費補助金の経理当を得ないもの、この失業対策事業費補助金の経理につきまして、三十一年中に二百六十事業主体について、その経理を実地検査したのでありますが、なお従来のように補助の対象にしてはならない経費を含めて精算しているという例がありました。すなわち、労力費において民有地の整地に要した賃金及び事業主体の臨時職員の人件費等を含めて、あるいは資材費において多量の不用資材及び認証外の資材を含めて計算しているというふうなものがありまして、この検査の結果、補助対象外の経費を除外すべき額が、一事業主体二十万円以上のものをあげますと、次の千九百九十三号から二千四号までに掲記したような次第と相なりました。こうした不当な経理がありましたことは、まことに遺憾でありますが、労働省関係におきましても、都道府県の安定所、職業安定事務課の指導化によりまして、不当事項が漸減しておりまして、二十九年度は検査した個所に対しまして不当事項の件数は一一%になっておりますが、三十年度はこれが四・六と、さらに三十一年度は三・一というふうに漸減しておりまして、当局の努力の跡が伺われますが、なおこうした不当経理がありますので、今後の指導強化を一そう徹底していただきたいと存じます。  なお農村地帯におきまして、農民が農閑期に職業安定所を通じて失対事業をしているのでありますが、調べてみますというと、どうも失業者というには少しどうかと思われるものがありまして、これは職業安定所におけるところの適格審査が十分でない。またそうした者の身上調査を町村長に依願するのでありますが、その町村長の証明が間違っているというものがありまして、今後こうした点につきましては、失業対策の法の精神に基きまして、なお改善をお願いしたいと存じます。  次に二千五号の政府職員等失業者退職手当の誤払いとなっておりますもの、これは政府職員等失業対策手当に関する問題でありますが、この手当は国家公務員等退職手当暫定措置法第十条の規定によりまして支給するものでありますが、これを支給しますには在職年限六カ月以上、こういう者につきまして、その者が受けた退職手当とそれから失業保険法によってその者の受けられ得べき失業保険金、これを計算しまして、両方比較して、もし失業保険法によるところの保険金の方が多い場合にはその差額を支給する、こういう性質のこの差額を職業安定所を通じて支給する、こういう性質の手当であります。それでこの本件の場合は、防衛庁の職員の中で、任用期間を定めて任用される自衛官に対するものでありまして、このように任用期間の二年とかいうような規定のあるものにつきましては、特別の退職手当が支給されまして、そうしてこの特別の退職手当が支給されるこうした自衛官につきましては、さっき申しました国家公務員等退職手当暫定措置法、この法律によりますというと、その特別の任用期間の者はこの法律による勤続期間から除算するということになっておるのであります。従ってこの手当を受けた者は、大部分はこの法律によりまして勤続期間から除算されまして、勤続期間はゼロになる、従って失業保険法によるところの失業保険金のはじきようがない。勤続期間六カ月以上という条件がありますから、はじきようがない。にもかかわらず法律の適用を間違えまして、二年なら二年という勤続期間を考慮に入れたものでありますから、こうした間違いが出たのでありまして、それで陸上自衛隊におきましては、このようにやめた職員に対して退職票の交付を、政府職員退職票の交付をいたしたのであります。この交付することが法律違反になるのでありますが、この法律違反をして、この間違って出された退職票を安定所に提出しまして、安定所で失業の認定を受けて、この手当を受けるのでありますが、安定所の方におきましては、この退職票を交付する権限を持っておりますのは各省庁の長になっております。各省庁の長が出した退職票は、安定所においては一応形式の整備あるいは不備を見る。形式が一応合致していれば内容を見ないでそのまま出すということになっておりますので、間違って出された退職票を十分に内容を見ないで安定所が出したということが、ある程度宥恕すべき点があると思うのでありますが、ただこの問題がおかしいということがわかりました後に、労働省から防衛庁に関する退職票が間違って出されているから、十分に気をつけろという趣旨の通牒が各府県知事に行っております。その通牒が出た後に、なお安定所で間違って手当を支給した分も若干この中に含まれておりまして、そういう点につきましては、各省においてもなお注意が十分に行き届かなかったものと認められております。こうして間違って交付されたものが千九百七十九件、千四百万円ばかりございまして、そのうち回収されたものが三十一年九月末までで二百七十八万円というふうになっております。  それから次に労災保険の給付でありますが、その給付は、主として労災保険の休業補償につきまして検査をしたのでありますが、全部で三万八千六百四十七件検査をしまして、そのうち不当に休業補償が払われておりますのが二千八百二十件、検査しました件数に対して七・三%になっております。こうした間違いは結局実地に会社の出勤簿あるいは給与台帳といったものとつき合せることが足りなかったために起ることでありまして、今後において一そう会社の帳簿の実査というような点を御励行をお願いしたいと思います。  次に労災保険の保険料の徴集不足を来たしたもの。これが三十一年中に一万五千五百七十八の事業所を見まして、そのうち徴収不足があります事業所が千四百四事業所、パーセンテージにしまして九%になります。これも労働省が努力をされまして、逐年改善の跡が見られます。二十九年度はこの比率が二一%、三十一年度は六・九%に改善されております。ここに上っております金額は、労災保険の当然適用がある事業所を漏れていた適用漏れと、それから保険料の算定の基礎になる賃金総額を間違っていたというものであります。これも関係当局と連絡を十分にし、また事業主体について調査を一そう徹底されまして、こうしたことがないように御努力をお願いしたいと思います。それからなお労災保険におきまして、保険料の収納未済が相当ありますので、この収納未済の実査についても格段の御努力をお願いしたいと思います。  次に失業保険特別会計について申し上げます。失業保険の保険金の給付の適正を欠いたもの、これは毎年検査して報告しているのでありますが、なお、再就職をした者が届出を怠っている、あるいは再就職した事業所から提出される被保険者資格取得届出というものがありますが、これとのつき合せが十分にできていない。こういうことから、就職しているにもかかわらず、失業者を装って保険金をだまし取られるという件数が相当ございます。今後におきましても、この本人がかりに届出をしない場合にも、事業所から提出されるところの被保険者資格取得届出というものを十分に活用されれば、こうしたことは防止できますので、こうした点の活用によってその不正受給の絶滅を期せられたいと存じます。  それから保険料の徴収不足、これも毎年やっておりますが、やはりこうした金額が跡を絶たない。それは当然法律上適用になる事業所が適用漏れになっている点と、それから保険料算定の基礎になる賃金総額の把握が不十分で間違っているものの総計になっております。これにつきましても、三十年年度は検査した個所につきまして、徴収不足を来たした個所の比率は一二%になっておりますが、二十九年度は一九%、三十一年度は一三・六%とだんだんとよくなっている傾向がございます。これもほかの労災保険と対照するとか、あるいは事業主体についてももっと実際の調査を徹底されたいと存じます。  次に職員の不正行為が二件上っておりますが、これはここの注に書いてあります通りのことでありまして、特に御説明は省略いたします。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次に、学働省側から概要の御説明を願います。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) 御説明を申し上げます。  昭和三十年度労働省所管の決算につきまして、批難されました事項は、一般会計におきましては、失業保険対策事業費補助金の経理に当り、その精算が適正を欠いているもの、並びに政府職員等失業者退職手当の誤払いについてであります。これらはいずれも会計検査院御指摘の通り、まことに遺憾に存ずる次第であります。  補助金の効率的使用及び適正な経理につきましては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基きまして、補助金の申請、交付及び確定等の手続を改正整備するとともに、昭和三十一年におきまして、新たに失業対策事業監査官規程を制定し、中央、地方に失業対策事業監査官を設置する等、都道府県における監査機構の整備充実をはかりましたので、今後は一そう事業主体の指導並びに監督に努め、このような御指摘を受けることのないよう十分注意いたします。  また、政府職員等失業退職手当の誤払いにつきましては、退職票を発行する関係機関との連絡に欠くるところがありまして、これが改善につきましては、その後関係機関と連絡を一そう緊密にし、誤払いの防止に努力いたしておるところであります。  次に労働者災害補償保険特別会計並びに失業保険特別会計につきまして、保険給付の適正を欠いたこと、及び保険料の徴収不足について御指摘を受けましたが、保険金の不正不当請求に基く過誤払いの防止につきましては、極力実地調査を行うとともに、不正受給調査機構の充実をはかるほか、実地調査の対象選定にも工夫を加え、より一そう給付の適正化に努力いたしております。  なお、保険料の徴収不足につきましては、未報告事業場の発見及び保険料の算定の基礎となるべき賃金の把握について実地調査を励行するとともに、関係機関との連絡を密にし、適正保険料の徴収に万全を期する所存であります。  また職員の不正行為につきましては、実行者については懲戒免職処分を行い、監督者及び責任者につきましては、減給、戒告等の処分をいたしました。不正行為者については、常に厳罰をもって臨む方針であり、不正防止の対策としては、内部牽制及び責任体制を強化し、監察官及び監査官等による業務監査を一そう強化して、かかる犯罪の根絶を期しておる次第でございます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 以上をもって説明は終了いたしました。  御質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、本件に関しまして御出席の方は、向って右から、会計検査院の石渡第三局長、労働省から二階堂政務次官、松永会計課長、職業安定局の三治失業対策部長、堀労働基準局長、労働基準局の村上労災補償部長の各位であります。  順次御発言を願います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 失業対策について一つお尋ねをしたいと思うのでありますが、先ほど会計検査院の説明によると、農村地帯における公共職業安定所の日雇い求職者を紹介するに当って、いわゆる適格審査が行われていない、いわゆる欠格条件の者が多いように思う、こういうようなことが指摘をされていると思うのであります。いま一つは、日雇い求職者の身上調査票の記載事項について、市町村長の証明がやはり誤まりが多かったという検査院の指摘があるのであるが、一体農村地帯における失業者というのはどのようにあなたは理解をしておるのか。まあそういうことで会計検査院の検査をした実情を私は報告をしてもらいたい。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 職業安定所が紹介しておりますから、形式的にはその者が適格者であるということは言えるのでありますが、安定所が認定をします場合に、大体におきましては町村長の身上調書をとっております。身上調書によって安定所の方はこの者は働かなければ生活できないという認定をしまして、紹介をしているのでありまするが、さらにあるごく限られた地域でありますが、限られた地域におきまして、町村長の認定と実際とがどうかということを、実地にあるごく少数でありますが、見たのであります。ところが、町村長がたとえばこの者は畑が三反歩しかない、それで働かなくちゃならないという証明をしておるのでありますが、実際調べてみますると、一町歩もある。そうして保有米も持っている。たくさんな供出をしているというような事実がわかりまして、結局町村長の証明が間違っている。その間違った証明を安定所の方がうのみにして紹介しているという事実がありまして、まあその限界が非常にむずかしいのでありますが、結局供出もし、また一年間食いつなぐ自家米も持っているという者は、これは失業者ということは言えないんじゃないか、こういうようなふうに考えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 会計検査院の今の調査をしたということに対して、私の特に指摘をしたいのは、農村の次男、三男が、いわゆる仕事が実際になくて、うちの手助けをしておるのを、これを正常な形のいわゆる雇用条件なり、あるいは業務に入っている、就職をしておると見るのは私は間違いではないかと思うが、こういうことが今の答弁の中にうかがわれるのであるが、あなたの今言われたのは、調べてみたら一町歩もあり、保有米も持っておる、だからこれは確かに欠格条件である、こういうふうに言われておるのであるが、農村においても今あと取りの人とか、あるいはほんとうに土地をたくさん持っておる人というのはごくもうこれは限られている。次男三男というのは、これはもう仕方なく就職ができなくて、やむを得ず手助けをしておるというのがあるのではないか、従ってその手助けさえ、ときによれば耕作反別等によってはこれはもう働くことができない、従って就職したいんだけれども、できないから失業対策事業に従事をしたい、こういう気持で私は職業安定所の門をくぐる人が多いと見ている。しかし会計検査院の検査というものがそういうふうに的確に行われておるのか、あるいはこれはもう農村というものはそうでなくし、かなりの隠し財源がある、ふところにしまっておるんじゃないか、こういうふうな考え方で物を見ておるのかどうかというところが、実はこれは非常に問題の分岐点になる、労働省は、時期によってはいわゆる稼働労働者というものについて、地方の農村地帯に行って一生懸命に就職のあっせん、あるいは雇用の増大をはかっているとわれわれは理解をしておるんだが、会計検査院の指摘事項がもしこの方針に反するということになれば、これは重大な問題である。そこで具体的に会計検査院がそういうことについて実際調査をした結果、どうなっているかということを一つ例をあげて示してもらいたい。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) ここにあげておりますのは、検査院としましても、見た県が非常に数が少い、わずか数県でございまして、数県につきまして、さっき申し上げましたような事実がございますので、ここに記載してありますのも、不当事項としてカッコに番号を振ってあげるという体裁をとりませんで、こうした傾向があるから、まあ労働省の方で適格審査をして、職業安定所が紹介する場合に、適格審査をするについて御注意をお願いしたい、こういうような意味であげているのであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それでは会計検査院の今の答弁では、これはもう単に——単にというと形式だが、とにかくできるだけ労働省によく調査をするようにという趣旨のものであるということで理解をしておきます。  次に労働省にお尋ねをしたいのでありますが、従来からこの失業対策事業というものについては、国民に非常な関心を持たれておる。しかも緊急失対等の問題についても、事業主体あるいはまたこの賃金の支払い等についていつも問題を提供しておる、新聞種になっておるということは皆さんも御承知だと思う。そこでこの会計検査院から指摘をされておるように、漸次不当事項というものは確かに減少をしておると認めておると言われておるけれども、まだ前年と同様な、補助の対象として算入してはいけない経費とか、あるいは労力費において民有地の整地に要した賃金、こういうようなものをいまだ改善をしておらないということが検査院から指摘をされておる。こういう基本的な問題について労働省はどのような指示をしておるのか、また監督をしておるのか、こういう点について労働省の一つ意見を表明をしてもらいたいと思います。

三治重信労働省職業安定局失業対策部長

○説明員(三治重信君) 今度のあがりました批難事項の中で、先ほど御指摘の事例の土地の関係でございますが、たとえばここに載っております茨木市は、これはやった事業を、最初計画を持ってきましてわれわれの方が承認したときには、茨木の市有地であったわけなのです。それを阪神電鉄にその整地の跡を、整地の途中で売買契約ができた、そのために、売買契約ができたその坪数が不当経理に御指摘になったわけでございまして、この茨木のときには千五百坪の焼け跡の整地、いわゆる公共空地の整地だったわけですが、それで途中で、具体的には三十年の三月二十九日に売買契約した。そういうふうな当然事業をやっておる途中で売買するような予定の——売却するような土地であるならば、いかに市有地であっても、これはやはりこういう対象にすべきじゃないんじゃないかというのが会計検査院の御指摘であるわけでございます。  それからもう一つの岡山市におきましては、これはまあ市当局は土地区画整理なんかで代替地に予定していた民有地の焼け跡を、これは市当局ではそういうふうに一部区画整理や、市街地整理で道路になるもの、道路に民有地が編入されて、そのための代替に提供する土地だから、民有地といっても非常に半強制的な土地の代替になるだろうというような認識であったと思います。それでまあわれわれの方もこういうふうな公共の土地にはそういうふうな市街地整理とかするために、焼け跡の整理のために必要だという書類なものですから、それに当時としては一日も早く戦災復興のためにというので承認したのですが、それが結局市当局と労働省の方との説明が十分でなかったのと、市がそういうふうに誤認してやったというふうな関係でございまして、まあこの点は、今現在においては逐次こういうふうな公共空地の整理の事業は少くなりましたが、この当時は相当焼け跡整理とか、街路の復興、市街地復興というようなことがありまして、われわれの方の監督が完全に十分いかなかった点もあるし、また市町村もそういうことについて厳密に計算しなくて、常識的な観念でやったという点もあったろうかと思います。  それから、そのほかのことにつきまして、この際御説明申し上げますると、この人件費の関係、ことに臨時職員とか技能者とかいうふうな、事務系統の経理についてやはりこちらの方の基準以上に使っていたために、不当経理の御指摘がございますが、この点につきましては、やはりどうしてもわれわれの方の当時の予算が、そういうふうな事務管理上の要員、それから技能者というふうなところに補助金を十分に配っていないために、それが全部市負担になるものを避けるために労力費をそちらの方へ持っていったというのが不当経理のおもなものでございます。従ってこういうのは、われわれの方としてもやはりそういうふうな事務職員なり、技能者関係の事務官組織のものについては、できる限り大蔵省と折衝いたしまして、地方が全部負担にならなくて、補助対象になるように努力しておりますとともに、会計検査院とも御相談申し上げて、予算の不十分な点は労力費から、こちらの方から補助を出す場合に、あらかじめその労力費の中で一部は事務職員に、同じような安定所から紹介される事務職員ならば、現場についてもそういうふうな人の賃金支払いとか、その他帳簿の整理等の事務等についても、一部の流用は実際上範囲のワクをきめて補助するようにして是正に努めているところでございます。  以上でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 しからばさらに、具体的な事項で一つお尋ねをしていきたいと思うのであるが、失業対策事業について従事するものに、特に夫婦ともにいわゆる失業者である。ところが失業対策の予算のワクの制限あるいは事業経営、まあ実際この失業対策事業そのものの予算に制限をされて、どうもその夫婦の場合には、男の方はいいけれども、女は困る。あるいは親子の場合には、親はいいけれども、子供は困る。こういうようなことを指導したことがあるのか。それとも失業者はやっぱり失業者として、平等にいわゆる対策費というものを増額をするようにして吸収をする方針というものをとっておるのか。これは一つ政務次官の方からお答えを願いたい。政務次官、これはどうなんです。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) 労働省の方で、失業者の適格条件というのが、安定行政手引に記載してあることは御承知だと思いますが、その適格条件は、第一には、失業者であるということが一つの条件であります。第二には、家計の主たる担当者である、こういうことになっているわけでございまして、まあ夫婦ともに失業している場合も、その一家のやはり主たる家計者ということが一つの条件になっておりますので、まあ男の方、主人の方を主として考えていくと、こういうふうに私どもは指導をしておるような次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これは大へん、政務次官の言うことは、これは問題になると思うのだが、そうすると政府の方針は、失業者といえども、これは失業には区別がある。いわゆる失業をしておっても失業者とは見ない、こういう解釈を政府はとっておるということに、今の次官の言葉をうらはらを返せば、そういうことになるのであるのだが、そのように理解してよろしいか。政務次官、この点どうです。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) 少し説明が足らなかったかと思うのですが、失業者であるということは、これはもう第一点でありまして、それから先ほど申し上げたように家計の主たる担当者である、こういう条件が具備しておらなければならない。こういうふうなわけでございますので、その失業者であるということが第一の点であることはもう間違いないと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうすると、今の政務次官の答弁によると、失業者については、これはもう失業者としてその通り扱う。しかしもし失業者が複数以上の場合においては、家計の主たる人を優位な条件、第一条件とする、こういうあなたの説明に私は理解します。そうするというと、政府は失業者に対してもそういう順位によって就職をさせるのであるが、いゆる失対事業に使うのであるから、その失対事業に使わない人もある。食えない人が出てくる。これを当然なことであるとあなたは理解をするのか。この点いかがですか。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) 先ほど申し上げたようなこの適格条件に従いますというと、そういうことになろうかと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これは、そういたしますというと、今の政府の考えでは、失対事業に従事する失業者が、その個々の家庭によっては、失業をしておっても、いわゆる失対事業に従事することができない。食えなくても仕方がない、こういう、あなたは今答弁をしましたね。私はその点については非常に重要な問題だと思うのです。これはもうすでに、労働省の他の部を審議する必要はないほど、これは重要な問題になってくる。私の言っているのは、少くとも労働省の失対事業の性格というのはそのようなものじゃないだろうと思う。これは今もしあなたの感覚で言われたことが、政務次官、あなたの言われたことがこのように言われたならば、まだ理解ができるのです。少くとも一カ月のうちに、三十日の日数の中で二十五日なり二十八日なり、とにかくいわゆるきまったこの失業対策に当てられたワクというものがありますから、そのとにかく日当というものは支給される、こういうことであれば、定収一万円なりあるいは八千円なりというものは出てくる。ところが失対事業というのは、そのようにあなたは理解しておるのかどうか。つまりこの人は、失業者であるからといって、失対事業に職業安定所の窓を通してとにかく使っていく。けれども、その人たちが一カ月のうちに二十五日なり二十八日なり三十日なるものを働いておれると、あなたは考えているかどうか。これがまず前提条件にならなければ、あなたのその先ほどいわれた答弁というのは、非常に重要な問題なんです。この点いかがですか。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) 失業した人をなるべく仕事につけて、そうしてその家族なり、その人たちが生活ができるようにしたいということは、これはもう私どもも念願をいたしておるところであります。しかしながら一家の中に、すべて実族が失業しているというような場合もあろうかと思っております。あるいはまた夫婦が失業している場合があろうかと思っておりますが、この場合もちろんこれは職業は紹介はいたすことになろうかと思っておりますけれども、実際先ほど申しましたように、適格条件に照らして見た場合は、やはりこの一家の中で家計を主として担当している者というものを、優先的に取り扱うというふうに一応規定はいたしておるわけであります。これをまあもちろんその失業した人に、先ほど申しました通りになるべくよけい働いてもらって、そうして家計を営んでもらうというふうに指導は私どもはいたしたいと思っておりますけれども、これはまあ、その一家の中で数人が失業しているから、数人を全部優先的に同じように取り扱うということは、この摘格条件の上からいいましても、現在の段階においては非常にむずかしいのではないか。食えないからそのまま放っておいていいということは、私ども考えておらないわけであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 政務次官の今の言葉はだいぶ直ってきたけれども、先ほどの私の質問したことに対しての答弁というものは、これは全く重大な問題になるわけです。少くとも失対事業に従事をされるような人たち、いわゆる失業をしている人たちは、一般的に会社等に使われている人たちのように体のいい者ばかりはおらぬ。これはまあ第一の問題になる。それはやはり生計等においてこれはもう立証できると思う。それから二つ目は、この人たちが普通の勤め人のように、失対事業に従事することができない、予算の制限というものはあなたも御承知だと思う。従っていわゆるニコヨンといわれている人たちが、とにかくワクの増大、稼働日数の増大ということを常に労働省に強く要望を示し、あるいはまたわれわれ国会議員に陳情されていることもあなた御承知だと思う。従って今のいわゆる日当で、そして雨風が吹くときは、その事業のあり方によっては、月に平均何日働かしているかということがあなたおわかりになりますか。まさか先ほどあなたのいわれたことが、四千円や五千円で、いわゆる一家の支柱であるからということで、御主人だけが働けば、あとはもう欠格条件である、つまり優位にはならない、こういうことで御遠慮していただく、こういうことができるかということは大へん問題になってくる。これはもちろん四千、三千円ということはないでしょう。もっと現在は額はふえているけれども、少くとも最低の生活を、一体あなた方はどのように考えているか。最低生活というものをどのように考えているか。こういう点を次官がお考えにならないと、私はもしあなたが反論をされれば、その速記録をいま一度読み直して見ましょうや。いかがですか、この点は。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) この就労日数は御承知の通り予算の上では二十一日というのを見ておるわけであります。先ほどの私の申し上げたことが少し説明が足らなくて、誤解していただいたと思うのですが、そういうふうな、お叱りを受けたような意味で私は申し上げたのではないのであります。どうかその点は御了承を願いたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の政務次官のそういう誠意のあるお言葉ならば、ここで私はさらに労働省に一つ、指導上の問題、あるいは監督上の問題としてお尋ねをしておきたいと思うのです。これは担当の局長の方がよろしいと思う。  それは今前段に申し上げたように、失対事業に従事する人たちがとにかく一生懸命に働きたい。こういう希望をもっておっても、その安定所のあり方によってはこれはなかなか思うようにいかない。労働省は二十日なり二十一日というものを目標にしておっても、これが十七日になる場合がある。十五日になる場合がある。十五日といえば一カ月のうちの半分である。そうすると、普通にまるまる二十五日なり三十日働いて一人前、一人前というか、今の失業者の失対事業の給料では一人前じゃないのです。ところが、その足らない中からさらに半分に減らされて、そして他には働く能力のある定職を持っていない家族がおっても働くことができない。こうなったら私は非常に重大だと思う。従って、いま一つの点は、そういう丈夫な人でさえ働くことのできない中に、中には体の悪い人がおって、自分は二十日働きたくてもどうしても体の工合が悪いから五日なり一週間休みたいという場合、これは当然私は監督上、指導上の問題として、その現場の作業状態なり、あるいはまた職業安定所のその事業の内容なりによって、これは今言った、たとえば、あなたの言われた、主たる家計のいわゆる維持者というものの次におる人たちがそういう場合におったならば、これを優先的に扱う。あるいはそういう人たちは普通並みな他のものと同等に扱っていく。こういう配慮がなくてはならぬのじゃないか。そうでなければ労働省の、ほんとうのいわゆる失業者を雇用して、そうして、少くとも生活を維持させるという方針には私はなっていかない、こう思う。だから、これをすなおに、簡単にいえば、あなたの言われた、ただ機械的に、二人でも三人でも家族の中で失業者がおった。しかし、そのうち主たる生計のものを一人だけをとにかくこの職業安定所によってきめてしまって、他については一切やめてもらう。こういうような考え方があっては、これは非常な問題であろう。こういうふうに私は考えるのであるが、政務次官としてはどのようにそういう点について指導あるいはお考えになっておるか。こういう点についてお答えいただきたいと思う。むしろ担当の局長の方からがいいかもしれないが、局長から答えて、もしあなたの意見が違ったら言って下さい。

三治重信労働省職業安定局失業対策部長

○説明員(三治重信君) 先ほど政務次官が御説明になりましたように、主たる家計の担当者ということにしておりますが、この主たる家計の担当者が、病気なり、あるいは老齢化してきて、しかもその息子さんなり、あるいは妻が働けるという場合には、その方と交替して登録がえをするように指導はしてございます。ただ先ほど先生のおっしゃいました、失業者であれば一つの家計から二人でも三人でも、そう無限という先生のお気持ではないでしょうけれども、まあ夫婦とも二人、失業者といっても、農村関係だと、どこもみな夫婦が働いておりますけれども、都会においては、一般の近代的な失業者だと、やはり普通、男だけが働いて妻は家庭におるというのが一般、あるいは低所得家庭では妻、子供が内職する。また、ほかに少しずつのかせぎをやっているというのが、低所得者の家計の実態であることも、われわれ存じておりますが、やはりまたその一面、われわれの方の紹介機関としては、失業者をできるだけ失対事業なり民間事業なりに紹介をして、できるだけ職を得ていただきたいわけなんですが、一方、事業をやります市町村、県におきましては、やはり予算の制限がございまして、そういうことから、たしか二十六年からだと思いますが、市町村関係事業主体等の要望もございまして、やはり失対事業に就労してもらう失業者につきましては、主たる家計の担当者で、一つ職業紹介機関としてそういうふうな基準をやって、その上で、その失業者として職業安定所へ登録するもののうちでも、失対事業の適格者として失対事業に紹介し、就労するという部面につきましては、そういうふうにいわゆる制限をしておるわけでございますが、その他一般の、そういうふうな市町村が国家の補助を得てやる事業以外の事業につきましての紹介は、それは一家のうちで失対適格者が登録されておっても、それは登録して紹介してございます。  大体以上であります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の点は、私はたとえば夫婦の場合、あるいは片親、子供の場合、こういう場合の一つの例を実はあげてお話をしたわけであります。この場合、日本のどなたの家庭においても、普通に御主人が働いておれば、まさか奥さんがきたなくなって、まっ黒になって働こうということは、これはないと思う。普通の正常の職業ならこれは別です。失対事業というのは、かなりこれは苦労のある、ほんとうに御苦労な話だと私どもは考えておるわけであります。そういう面で、生活さえ普通にできればだれも好んでやるものじゃないと思う。そういうことから考えますと、できるだけ今言った通牒を出す。あるいはまたその通牒に基いて作業をする場合にも、あたたかい心持ちがなければ、この失業者の仕事に対する熱意というものもだんだん薄れてしまうと私は思う。この点については、ぜひ監督行政上の問題として、指導については誤まりのないように進めてもらいたい。これは特に希望を付しておきます。  次にお尋ねするのは、この検査報告の中で、たくさんの事項が出ておりますが、その中で防衛庁の、いわゆる陸上自衛隊の隊員が退職をした後の取扱いについては、これはまことに遺憾だと思うのです。これは次官も先ほどおっしゃったように、これはまことに遺憾だと思う。こういうことについては、これはどうしたならばこういう点がなくなるか。こういう点について労働省としてはどのような御措置をとられたか、一つ御答弁をいただきたいと思う。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) ただいまの政府職員の退職手当の誤払いの問題でございますが、これは、実は、自衛隊の発足に際しまして、いわゆる保安隊と称しましたころから自衛隊に転換いたしました際の過渡的な事件でございます。法律の建前から申しますと、先ほど検査院から説明がございましたように、自衛隊に切りかわります際に退職をいたしたものにつきましては、防衛庁の職員給与法の二十七条によりまして、これは別個の高い退職手当を支給するということになっておりましたのでございます。その結果、一般の公務員の退職手当の計算におきましては、その部分を計算期間から除外するということになっておるのでございますが、これを防衛庁が退職した職員に退職票を交付いたします際に、その点の解釈を誤まりまして、誤まった退職票を交付したわけでございます。その後につきましては、こういった事例がございませんので、われわれといたしましても、この事件を契機に、先ほども御説明がございましたように、各安定所に対しまして、職業安定局長名をもちまして、この自衛隊の職員の退職手当の支給につきましては、十分誤まりなきを期したいという通牒を流しておるわけでございます。なお、この誤払いにつきましては、先ほどの説明がありました以後におきまして、さらに回収に努力をいたしておりまして、昭和三十二年の十二月末現在におきまして、四百十五万五千九百六十三円の回収をいたしておるような次第でございまして、なお残額につきましても、各関係の安定所におきまして、回収に現在努力をいたしておるわけでございます。退職いたしました隊員が、それぞれ、あるいは国に帰り、あるいは他に就職する等、それぞれ転属をいたしたりしておる事情がございまするので、なかなか回収につきましては困難でございますが、今後とも回収の努力を進めて参りたいと考えておるような次第でございます。  なお、政府職員の退職手当の支給につきましては、こういう事件がございましたので、関係者とも十分打ち合せをいたしまして、かつまた、大蔵省の方におきましても、この退職票の様式等につきましても、さらに詳しく改正をいたしまして、このような誤まりがないようにということで努力をいたしておる次第でございます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 防衛庁から山本調査官が見えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 防衛庁のいわゆる陸上自衛隊の人の退職票の交付の問題、あるいはまた、それに基くところの取扱い方について、会計検査院では、この通達文書についても不明確な点があったのじゃないか。それで、私は、先ほど申し上げましたように、その後どういう措置をとったかと、こう言ったのですが、文書については、的確な、だれが見ても、第三者が見てもわかるような指示がしてあったのかどうか、これを一つお尋ねをしておきたいと思う。  会計検査院には、このことは会計検査院自体が発見をしたのか。それとも、労働省自体が発見をして、こういうことがありましたということを、あなた方がさらに調査をされたのかどうか。この点について一つお答えをいただきたいと思う。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) 労働省といたしましては、この自衛隊の退職手当の問題につきまして、どうもおかしいということを大分県の職業安定所で発見をいたしまして、本省に連絡をして参ったわけでございます。それで、本省の方でも、これを調査いたしまして、退職手当法の解釈につきまして防衛庁とも連絡をいたしておったのでございますが、まあ当時のいきさつといたしましては、防衛庁自身におきましても、必ずしも明確な解釈はしていなかったような事情もあったように聞いております。しかし、労働者といたしましては、その点、法律解釈上不審がございますので、二十九年の末に、職業安定局長から、「防衛庁関係職員に対する回収についての措置について」という通牒を出したわけでございます。で、この通牒の内容といたしましては、ここに、先ほど御説明を申し上げましたように、「防衛庁の職員給与法二十八条による退職手当につきましては、一般の退職手当の通算期間から除外するということの解釈であるから、退職手当は支給されない。従って、すでに支給したものにつきましては、回収について所要の措置を講ぜよ。」という趣旨の通牒を流したのでございます。なお、これに関しましては、本省から防衛庁に対しましても、該当者から極力退職票を回収するように要請をしておるという註をつけまして、各都道府県知事にあてまして通牒を出したわけでございます。その後三十年の八月二十四日、三十年の十一月、三十一年の一月、この自衛隊関係の処置につきまして、会計上の手続あるいは調査事項等を指示をいたしまして、実情の調査に努め、なお返納の促進に努めたわけでございます。具体的には以上のようなわけでございます。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) これは、今労働省から御説明がございましたように、この発覚の発端は、大分県の職業安定所で、自分で発見した、こういう次第であります。それで、何分、職業紹介所が非常に多いものでございますから、二十九年度は未確認におきまして、そして三十年中に、ある職業安定所では検査をしまして、そうした事態がなお続いていやしないかということを検査院で見て、なおそうした間違いが続いているのも数件発見しておるような次第でございます。しかし、大体は労働省が自分でまあ発見をされたケースであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 防衛庁見えておりますね……。防衛庁は、昭和二十七年にこの法律が制定されたのであるが、今労働省では二十九年の末にそういうことが大分県から、わかって具体的な通牒を出した。こういうのであるが、それまでの一体防衛庁の立場としてはどういう見解を持っておったか。各省にそういう点の連絡なり、あるいは、政府機関としての立場において、これらの解釈の統一ができなかったのか。他省と意見が食い違って、どうしても自分の意見を聞いてくれぬから、自分はこのようにやったのだ、こういう解釈であるか。それとも、それまで気がつかずに実は出してしまったということなのか。これはいずれなのか。

山本壮一郎防衛庁人事局調査官

○説明員(山本壮一郎君) 実は防衛庁職員給与法におきまして、規定いたしておりますこの一般の隊員につきましての退職手当の支給の資格は、他の省と若干異なることは先ほど来お話の通りでございます。と申しますのは、一般の隊員は、特例の退職手当をもらっておりますので、三十七年に作りました防衛庁職員給与法では、特例の退職手当をもらっている期間は、失業者の退職手当を受けるための資格要件の一である勤務期間から除算するという規定がございまして、この点が違っておるわけであります。ただ、こういうケースが具体的に起りましたのは、二十九年六月以来、この切りかえのとき以来初めて起ったわけでございます。従いまして、具体的な事実がそのときに初めて起ったわけでございますが、これに対しまして、もちろん指導等は前々からいたしておったのでございますが、陸上幕僚監部におきまして、末端におきまする事務取扱い者に対する指導、これは幕僚長の通達で出ておるわけでございますが、これが問題が起りまして後、しさいに点検してみますと、必ずしもその通達そのものが十分でなかった。私は法律の解釈としては間違っていないと思うのでございますが、通達が不十分であるということで、こういう間違いを起しまして、この点は、はなはだまことに申しわけない次第でございます。従いましてわれわれの方といたしましても、この通達、つまり事務指導の不備の責任者につきましては、すでに減給なり戒告なり訓戒なり、処分はいたしたわけでございます。その後たびたびこういうあやまちが再び起らないように、労働省初め各方面とも緊密な連絡をいたしますが、末端の指導にも十分心がけまして、その後はこういう事態も起っていないということでございます。なお回収につきましては先ほど労働省からお話がございましたように、労働省の方でも全力をあげてやっていただいておりますし、これに対しましても、われわれの方も末端の各駐屯地をあげまして御協力申し上げておるような次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これは会計検査院の方では、今の防衛庁の調査官が言うような解釈をとっておりましたか。会計検査院はどうですか。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 今の御説明では、法律の解釈としては検査院と同じような解釈をしておられるように聞いたのですが、ただその法律の解釈を末端の部隊に通達する、その通達の文書が十分徹底しなかったというふうに拝聴したのでありますが、私どもその通りに理解しております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 あなたの、先ほどの会計検査院の御説明を聞いたときにそういうことだったのですか。法違反の疑いがあるということであなたはされた。特にまた通達文書についても不十分な点があるというように言われたのではなかったですか。あなたの、会計検査院の解釈と防衛庁の法律に対する解釈が完全に意見が一致しておりましたか。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) これは国家公務員等退職手当暫定措置法の規定によりまして、特例の退職手当を受ける者は、その法律によるところの勤務期間から除算すると、特別の任用期間——ある者が在職したその期間というのは、今の法律に規定するところの在職期間か除算すると、こういうことになっているのに除算をしなかったと、これが法律の違反になるということを申し上げたのであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これは当時のいわゆる法律が施行される場合に、適切な指導がなかったことがやはりこの問題を起したものだと思う。これは主としてやはり防衛庁がそうした正しい理解をし、また通達をしなかったというところに、根本の原因があるだろうと思う。今後そういうことがなくなるように努めたということであるから了承いたしますが、この点はまことに私は遺憾だと思う。そこで、先ほど労働省の説明によりますというと、まだ回収未納額があるわけですね。一体この回収未納額というものはどの程度実は今後かかるつもりなのか、あるいは何%ぐらいでどうしてもこれはあと回収できないと見ておるのか、こういう点についても一つお尋ねをしておきたいと思う。  それから私もほかの委員からの質問があるからこれで終りますが、労働省のこのたくさんな不当事項あるいは業務内容等から考えた場合に、現在の労働省の職員定数で一体これだけの作業をやっていって現在のような事項というものをなくすることができるのかどうか、これは政務次官の方から一つ答弁をしてもらわなくちゃいかぬ。一体労働省は現在の定員というものがこれでもう間に合うのだと、こういう考えなのか、それともどうしてももっと定員を適正化しなくちゃいけないということで、三十三年度の定員増を考えた、あるいは考えなかった、こういうことについて一つ答弁をしてもらいたい。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) 未収金の回収につきましては、先ほど申し上げましたような事情で、防衛庁にも御協力をいただきまして回収に努めておるところでございますが、何さま隊員がその後転々と移動しておるものもございますので、なかなか、実際上申し上げますと、回収は困難でございます。現在まで一千四百万円のうち、四百万円を回収いたしまして、まだ一千万円残っておるわけですが、私どもといたしましては、できるだけこれを早期に回収いたしたい。ただ、いつまでにできるとか、あるいはできないというようなことも、現在といたしましては努力をするということを申し上げまして、具体的には申し上げかねるような事情でございます。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) お尋ねの職員の数の問題でございますが、現在の職員の数をもってしては十分な指導監督はできかねる、もう少し定員をふやしていただきたいということで、いろいろ折衝もいたしましたけれども、財政上の事情もありまして、十分私どもの考えておるような定員の獲得はできなかったわけでございますが、今年は労災関係で九十二名、失業保険関係で六十二名、定員の増を認めていただいたわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 あなたは各局長から、それぞれの専門局長から定員の要求があったと、あなたは政務次官なんだから、大臣と相談をされて、そうして政府に対して、労働省としてはこれだけの毎年たくさんの会計検査院から指摘され、あるいは国会からもこういうことを繰り返してはいけないというようなことをなくするためにも、自分達としてはもっと仕事をしなければいかぬということで、それらの一つの隘路にもなっておるところの職員の定数不足について、これはもう十分相談を私はされたと思う。ところが今の話では、九十二名と六十二名とかなんとかということでやむ得なかったというのだが、やむを得なかったからこれでやってくれ、しかしこれで会計検査院から指摘されたことも、国会の特にこの決算委員会というのは各省に所属しておるわけではなくて、いつも私どもが言うように、とにかく政府関係機関に対しては裁判のようなつもりで、実際厳粛に実はこれを決算委員会を行なっておるわけなんです。そういう意味で、あなた方は単に国会に出てきただけで、そのときのおざなりの答弁だけでは、これは私は将来問題が残る。従って誠意を持って国会の意思というものを、執行に当ってやっていただくということになれば、私は今申し上げたようなことであるならば、これは大へん次官のお言葉ではあるけれども、意思に反するのではないか、こういうふうに考えるのだが、その点についてあなたは、これはもうしようがない、おれは政務次官であるから、一生懸命やったのであるが、これっきりしか予算がもらえない、職員の数がふやせないけれども、しようがない、だから場合によってはこういうふうに指摘されるような事項が起ってもやむを得ぬ、こういうふうにあなたはお考えなのか。それとも、いや、あなたはこれは次の補正予算で、あるいは今年は特に間に合わなかったけれども、来年はせめて各局長の要求しておる人数というものを、あなたは政府の中でも一生懸命取るつもりにいわゆる考えを持っておるのか。こういう点について、私の最後の質問ですから、あなたの誠意ある答弁を求めたい。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) 毎年こういうような御指摘を受けるような批難事項が出てくるということは、私どもとしましても非常に遺憾に考えております。私どもとしましても、こういうような批難事項が年々減っていくように最善の努力をいたすことは当然のことであろうかと考えております。本年につきましても、定員の増加につきましは、私といたしましては非常な努力をいたしたつもりであります。労働省関係におきましても、常勤労務者の定員化の問題につきましても千三百名程度認めてもらったこともありますし、なおまた婦人青少年局におきましても、定員四十六名をふやしていただいたことも実際あるわけであります。しかしその他先ほど申し上げました通りに、労災失業保険関係等で百数十名の定員をふやしてもらった、この定員の増加につきましては、私は政務次官といたしましても、予算の編成当時におきましては、私は非常な誠意をもって当ったつもりでございますし、今後も一層こういう批難事項ができるだけ少くなるように、定員の面からもさように努力をいたすつもりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私も簡単に、二、三点お聞きしたいと思うのですが、その前に、どうも委員の出席が悪いのですね、非常に。こういう形で審議されることに対しては問題があると思うので、なるたけ委員の出席を要求してやまないわけです。それからそれと関連して、これは今までの審議の中で、実は大蔵省側の態勢なんだけれども、これはたとえば失業保険の運用実況、何というかそういうような名前——経理状態ですね。あるいは労災保険の経理の状態、こういうものを資料をお出しになったでしょう、当委員会にお出しいただいたでしょう、今まで。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) 決算書に載っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 決算書に載っておりますか。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) 昭和三十年度につきましては、昭和三十年度の一般会計の歳出歳入決算書並びに決算明細書、それから昭和三十年度特別会計の決算書並びに説明書、昭和三十年度特別会計の決定計算書等の資料が一括政府から出てございますが、その中に労働省関係一般会計並びに両特別会計の数字が掲げてございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それでは三十年度の失業保険の経理状況を簡単にこれを話してもらいたいと思います。簡単でいいのです。大筋で、あまりくどいことは要りません。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 要点だけを。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) 昭和三十年度の失業保険特別会計におきましては、まず収入から申しますと、収納済みの収入額が三百八十二億六千三百二十七万五千六百十円でございます。それから歳出の方は支出済み歳出額が三百三十九億一千九十七万八千八十九門でございます。従いまして歳入歳出の差引剰余金が四十二億五千二百二十九万七千五百二十一円ということになってございます。歳出の方を申し上げますと、歳出の予算額は四百五億九千三百五十八万四千円でありまして、これに予備費使用額が二千二百七十三万八千円でございます。これに対しまして支出済み歳出額は、先ほど申し上げました三百三十九億何がしでございます。このうちで主要なるものは、失業保険の保険金でございまして、保険金が三百十九億八百二万一千六百五十三円が支出済み額でございます。それから事務に要する経費といたしましては、十三億九千二百十三万三千五百七十六円ということに相なっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その保険金のことでちょっとお伺いしますが、前年度との比較を今探しているのですが……、明確でございませんから、前年度との比較、額とそれから計数ですね、適用計数、これをちょっと明らかにしてもらいたい。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) 保険金につきましては、昭和三十年度が受給人員が月平均四十一万四千人でございます。二十九年度はこれに対しまして四十九万九千人でございます。それから保険金の給付額は三十年度が三百八億三千四百万円でございます。これに対しまして二十九年度は、三百五十五億二千二百万円でございます。二十九年度に比較いたしまして受給人員並びに保険金額におきまして減少をしておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この理由はどういうふうに押えておられますか。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) これは御承知のように、昭和二十九年におきまして金融引き締めがございまして、その結果経済界の変動に伴いまして失業者が相当多数出たわけでございます。従いまして、三十年の前半期にもその影響は及んでおるわけでございますが、主として二十九年におきます不況が大きかったというふうに見ております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 一応経済の動向のそういうウエイトのあることはわかります。しかしこれは三十年度にそんなに顕著にこれは好況の影響は出ていないのじゃないかというような考えを持っておる。私は今の数字を実は聞いて感ずることなんですが、非常にこの失業保険の適用が厳格になったのじゃないですか、条件が。このあたりから……。そうして実際は人員も減らす。それから金額も減っておる。こういう事態が出ておるのです。これは東北の例ですけれども、たとえば東北の農村地帯ではとにかく潜在失業者が非常に多いわけです、御承知のように。それで大てい春になりまして、これらの過剰労働力というものは、大てい北洋漁業とかそれから北海道あたりに出かせぎが非常に多い。ところがこれはたしか三十年じゃなかったかと思いますが、法改正がなされたと思うのですが、六カ月かければ向うの出かせぎが終って帰ってきて、あと六カ月以上今度は保険の給付を受ける、こういう形であったのを、たしかこれが九カ月保険金をかけなければその適用を受けることができない。そうしてしかも、それは三カ月と、こういうふうに、非常に今までの条件を過酷にして、それによって適用者の数を非常に減らして、額も減らした。これは一例でありますけれども、こういうような方法がとられたと思うのでありますが、このような結果、今のような統計面では、これは金額でも人員においても非常に少いという格好で現われている。それが好況と、はしなくも結びつけておりますけれども、まあ三十年度にはそんなに好況の波というものは出てないのじゃないか。なるほど三十一年、まあ三十二年度の中ごろまでこれは非常に濃厚にそういう姿が出て参ったのでありますが、今あなたのお話のありましたように、三十年度の上半期というものは、二十九年度から尾を引いておる、こういう点で、必ずしもこういう統計に表われたような形ではできっこないのじゃないか、こういうふうに思えるのですが、この点はいかがですか。

阿部泰治労働省職業安定局失業保険課長

○説明員(阿部泰治君) 今お話ございましたように、三十年の九月に失業保険法の一部改正をいたしまして、従来被保険者期間が六カ月でありましたものに対しまして、六カ月間の保険金の給付をいたしておりましたものを、給付期間を三月に短縮いたしまして、従いまして、北海道、東北等の出かせぎ労働者、これらの人たちに対しましては、おっしゃいますように、給付期間が短かくなったわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私の質問した点と合ったわけでありますけれども、そういう格好で、たとえばその出かせぎ者の数だけでこれはどのぐらいありますか。この適用を受けた数ですね。この数を一体どのくらいに押えておられますか。

阿部泰治労働省職業安定局失業保険課長

○説明員(阿部泰治君) 約十万人でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは非常に膨大な数ですが、私も東北の各地を回ることは多いのでありますが、非常にこれは切実な出かせぎ労働者の要求になっておるのです。それで、こういうような、これはあなたたちからいえば、改正などということで、法律の改正ということになろうけれども、適用者から見ると、非常にこれは改悪なんですね。しかも半カ年払って半カ年今までもらっておった、実情を見ますると、五月ごろ出て、そして十月か十一月に帰ってくる。しかし東北の農村へ帰ってきてこれは仕事があるかというと、御承知のように、ない。しかも農閑期にこれはなってしまう。そういうわけで、寝食いだ。そういうわけで半年間これはつないで、それからまた出かせぎに次の年になっていくのが東北の実情なんだ。これが九カ月かけなくちゃならない。そうしてあと三カ月しかもらえない。こういうことでは、全く東北の非常に仕事の少い、しかも冬の期間の長い、こういうような過剰人口があふれている、こういうような実情には合わない。それをもしも、あえてこのような改正をやった。そうして法の姿、統計の面に表われた面だけ見ますと、これはなるほど失業者は減っておるのだ。額もだから従って減ったんだ、こういうことでこれはまかり通っておるようでありますけれども、これは実情に合わないのじゃないか。これは私は何も東北の出かせぎ労働者だけのことを……、今例として上げたんでありますけれども、こういうような適用の仕方、こういうような最近のやり方がこのごろの政府の労働政策になっているのじゃないか、こういうことを非常に痛感するわけなんです。従って東北のこの適用を受けた出かせぎ労働者なんかは、非常にこの改悪に対して、これは反対の要求を持っておるのです。これは次官はこういうものをお聞きになったろうと思うし、またこういう問題について、さらに今年度は経済情勢は非常に悪くなってきておる。政府の統計でも、これは失業者の増加というものは非常に多く見込まれておる。予算措置も、幾分ではあるけれども、実態を救済することはできない額ではあるけれども、幾分そういうような形でなされている。これは政府自身が認めておる。こういうような不況態勢の中で、しかもこれは山際日銀総裁などは、今年中には景気は回復しないと、こういっておる。どうも回復するまでには年末まではかかるだろう。一萬田さんあたりは、これはアイゼンハワーあたりのまねをして、そうして後半期には幾らか景気はよくなるかもしれないといっているが、しかもこれは少しも根拠はない。おそらくこれは山際総裁の方に軍配が上ってしまうような見通しになるかもしれない。こういうような深刻な不況を前にしている。こういう態勢の中で、今までのような失業対策でこれは十分でき得るかどうか。私はこのことをまず次官にお聞きしたいのです。

二階堂進自由民主党労働政務次官

○政府委員(二階堂進君) お説の通り、金融引き締め等の影響もありまして、本年度は失業者が非常にふえるであろうということで、この失業対策事業費の御承知の通り大幅の増額をいたしておるわけでありまして、さらにまた失業保険の対象人員も約七万名近く増加をいたしているような状態でございまして、まあその他一般公共事業と国でやります財政投融資をもってする事業等にも、相当積極的に失業者を救済するような政策を私どもは考えておるわけであります。この失業保険法の改正が行われた当時の事情等につきましては、私もよく事情を承知いたしておりませんので、失対部長の方からなおまた補足して説明を申し上げます。

三治重信労働省職業安定局失業対策部長

○説明員(三治重信君) 東北の労務者の関係につきましては、当時、私、失業保険課長をやっておりましたのですが、これの被保険者になりましたのは、大体二十六年まではほとんどこういう制度、失業保険が始まってからそういうような季節労務者の適用関係というものは、二十六年までほとんど出ていなかった。それで二十七年に少し出まして、二十八年になるとぱっとふえたわけなんですが、このときに、二十八年の好況のときに、北海道のそういうふうな季節労務者の方の求人が非常にふえた場合に、そういう労務者の需要が出なくて、そこで思いつかれて、その失業保険の六カ月の適用という——、元来は季節労務者の関係は被保険者にしないのが世界各国共通の失業保険でありまして、この六カ月の給付をやりますというと、大体被保険者期間が十六、七年ないというと保険経済がペイしないようにできているわけでございます。従ってそういうふうな二十八年の非常なブームのときに、そういう北海道の土建労務を中心としてのそういうふうな労務の募集対策として業者が考えついて急激に……、もしもこれが東北の季節労務者につきましては、それはお説の通りの経済状態というものも存じておりますが、片方、労働省として失業保険だけで全部の失業対策はできないわけでございます。失業保険としても財政上からいえば、一般のまあ商工業者の保険料でこの季節労務者の関係を相当カバーしなくちゃならぬというのも、やはり保険運営上、責任者としてはどうかと思う、こういうふうな関係で、二、三年、まあ一時的かと思ったらだんだんそれが非常にふえてきたというふうな関係で、それでは非常に失業保険の運営上まずいということで、たしか三十年に改正したわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはむろん失業保険だけで失業対策はできないことはこれは事実です。ですから、これに対して、たとえば季節労働者に対する対策が行われればいいのです。そうすれば今の問題も保険の公平の面からそれは一応改正されることもあり得ると思います。しかし、何らそれは手当がされていないのです。そうして実際は赤裸にされているのが実情です。だから、あなたの方は事務的な説明としては成立するかもしれませんけれども、合わないのです。世界の現状ではそういうものをやっているところはない、こういう話ですが、これは日本的な姿なんです。日本の後進性の、経済の後進性がこういうものを生んでいる。だから必要があってこれは行われているのです。それを世界に例がないからというようなことで、これで事務的処理をされたのでは、これは政策にならぬということです。そういうことは明らかにしておきたいと思います。本年度はどうですか、——これに対して、今言ったように、大量の失業者の増加を見込まれている。予算措置さえこれは失対事業費なんかではなされているが、失業保険についての手当はどうです。どの程度ですか。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) 失業保険につきましても、昭和三十三年度の雇用失業情勢が相当悪化するのに対処いたしまして、保険金の初回受給者におきましても、受給実人員におきましても、三十二年度に比較いたしまして大幅の増加を見込んだ予算を立ててございます。昭和三十二年度におきましては、受給実人員が月平均三十万五千人と見込んでおったのでありますが、三十三年度の予算におきましては三十七万三千人の受給実人員を見込んでおります。従いまして保険金の総額におきましても、三十二年度二百二十五億七千五百万円に対して、三十三年度は三百一億五千六百万円という見込みをいたしております。これに対する国庫負担もその三分の一の百四億千八百万円を見込んでおりまして、昨年に比べまして約二十四億の増を見込んでおります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう食い違いがそういうふうに出てくるのですね。これは聞くに限る、資料はその方が一番早い。三十年度は四十三万四千人を見込んで、額も三百八億だ、こういうことだったのです。ところが、これは東京だって、あなたの説明によると、少くとも後半は好況になった、その年の額がそうなのですね。ところが、今年度を見ますと、それ以上深刻な不況が伝えられて、政府統計でもはっきりそれをオーバーするものがちゃんと出ているにかかわらず、その手当はどうかというと、これは適用人数において三十七万、ずっと三十年よりも六万も減っておるわけですね。額においても七億も減っておる、こういうものが出ておるのですから、果してこの失業保険一つ見ましても、これは不況に対応する措置になっておるかどうかということは明白だと思います。私はここでその論議をこれ以上繰り返すつもりはないのですけれども、こういう数字を見ておっても明白だと思う。こういう点はあなただって認めると思う。次官もそう思うでしょう。数字がものを言っている。私が言っているのではない。数字がはっきりこういうふうにものを言っております。  もう一つこれと関連してお聞きしたいのですが、労災保険ですね。会計検査院の指摘によると、今までは、二十九年度はこれは十六億八千七百余万円の損失であったのに三十年度はこれは三億九千六百余万円ですか、これだけの利益になっておる、こういうふうに報告されているのです。しかしその理由は、そのあとの説明によっても明らかなように、保険料が大幅に増額されておる。それから適用者の数が、適用事業場が増加した、こういうことなんですね。そうしてしかも一方では、保険金の支払いが一方で収入の増加に伴って非常に減っている。これもまあ時間があれば詳細にやりたいところですが、時間の関係から、省きますけれども、やはり失業保険と同じような適用で非常に基準を厳格にしてそうして締めてきている、こういう形が明白にやはりこの労災保険の運用の面にも現われておるのではないか、こういうように思うのです。これについては時間の関係でこのくらいにしておきましょう。

堀秀夫労働省労働基準局長

○政府委員(堀秀夫君) 三十年度におきまする労災補償保険の特別会計の利益を来たしましたおもな原因は、ただいま御指摘のように保険料収入の増加でございまして、これは適用事業場の増加、並びに、労災保険の保険料は御承知のように過去五カ年間におきまする各産業の災害発生率を勘案して定めることになっておりまするが、この料率の引き上げというようなことのために増加になったわけでございます。これに比べまして保険金の支払高につきましては、災害補償の件数が減少したというわけでございまするが、これにつきましては、これは労働基準法及び労働者災害補償保険法の定める基準によりまして、われわれといたしましては適正な給付を支給しておるわけでございまして、労災保険の補償を引き締めるというような事実はないわけでございます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記を始めて。  私から防衛庁関係にちょっと伺っておきたいと思うのですが、先ほど来、各委員から質疑が出ました自衛隊退職者の問題、これは先ほど山本調査官の御説明によれば、大分県の職安で発見されて、それが端緒になってこの問題がわかってきた、こういうことであったやに私は記憶しております。わかったのでありますから、しかも誠意をもって善後措置をされていることでありますから、まことにけっこうなことだと思いまするけれども、この報告を見ますと、実に二十九年、三十年、両年度にわたって行われておることである。こういうようなことが、両年度にわたって法律違反の処置を防衛庁がされておって、そうしてその二年間の年度にわたって何ら気づかれなかったものであるかどうか、この点だけ確認しておきたい。山本調査官に答弁を願います。

山本壮一郎防衛庁人事局調査官

○説明員(山本壮一郎君) 私ども、この事件が起りましたのは、先ほどちょっと申し上げましたように、二十九年の六月から大体二十九年の十二月までの退職者について起ったことであるように了解いたしておるのでございます。もちろん労働省の職業安定所の方から御注意を受けまして初めて気がつきましたのは、まことに申しわけのない点でございますが、事件が起っておりますのは二十九年の六月九日、これは自衛隊法公布の日でございますが、これから同月三十日までの、つまり自衛隊法の施行の日の前日までの退職者と、その七月一日から十二月末日までの満期退職者につきまして、このあやまちの事件が起きたように思っておるのであります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 再度伺いますが、退職期間は半年であるけれども、この受給されたる期間は二十九年、三十年、両年度にまたがっておることはちゃんと書いてあります。従ってこの両年度からこの問題のあるまでの間に防衛庁では何ら気づかれなかったのかどうか、こういうことを私は伺っておる。

山本壮一郎防衛庁人事局調査官

○説明員(山本壮一郎君) 御指摘の点はわかりましてございますが、実は最初の事件が発覚いたしましてから、すぐ部内で事故が起りました理由を検討いたしまして、関係者を各方面に出張させまして、あやまちのないようにこの解釈その他の徹底を期したのでございますが、何分そのときはすでは退職票が出ておりまして、その退職票をもちまして受け取りに行きました期間がずれた人が三十年度に出て参った、こういう関係になっておるのでございまして、この点もまことに申しおけない点でございますが、今後はこういうことが起らないように十分注意して参りたいと、かように考えております。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 私は今後防衛庁の問題が出て参りますから、そのときにまた伺いたいと思うけれども、あとのいつごろから発見されて、そうしてそれに対して善後措置を講じたと、こういうようなことを伺っているのじゃなくして、両年度にわたってこういう事態があったのを何も御承知なかったのであるかどうかと、これを参考のために確認しておきたい。

山本壮一郎防衛庁人事局調査官

○説明員(山本壮一郎君) 大分県の方から御指摘を受けましたのは、二十九年のすでに十一月の二十六日付の文書でございまして、それから私の方では直ちに同年の十二月二十日付をもちまして、これについての当該事務の正確を期すべき通告を一般隷下に通知いたしておるのでありますが、すでにその年の年度も終り近く、こういう事件を初めて気がついたものでございますから、すぐに対策はとったのでございますが、給付の方が両年度にまたがって出て参ったわけであります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ほかに御質疑はございませんか……別に御発言もなければ、労働省の部、検査批難事項第一九九三号から第二〇九一号までの質疑は終了したものとすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないものと認めましてさように決定いたします。   —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次に愛知用水公団の部を審査いたします。検査報告書には三百六十六ページに記載されております。会計検査院からまず概略の御説明を願います。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) 愛知用水公団につきまして概略を御説明申し上げます。  愛知用水公団は、当初主たる財源を余剰農産物資金融通特別会計からの借入金と国庫補助によることにいたしまして、総事業費を三百二十一億二千八百余万円の計画によって昭和三十年の十月十日に発足したものでございますが、余剰農産物の受け入れが第二次で中止されましたために、資金計画に大きなそごを来たしまして、これが補てんの意味で、余剰農産物資金に比べて相当高利となります資金運用部資金によることになりましたなどのために、資金計画の変更を余儀なくされまして、現在では総事業費は三百三十一億円となっております。この公団は前記の特別会計から逐次借り入れをいたしまして、昭和三十年度に一二億二千九百余万円、三十一年度に十四億七千四百余万円、三十二年度において——これは九月末現在の状況でございますが、七億七千九百余万円、都合二十五億八千三百余万円をもちまして、事務所、宿舎等の取得、役職員の給与、旅費の支払いに充当いたしますともに、農林省から示されました事業基本計画を具体化する意味の事業実施計画作成のために、堰堤及び幹線水路の予定地の地質の調査、用地買収のための準備調査その他の技術士の調査準備を進めましたけれども、世銀借款の契約の遅延その他の事由によりまして本工事の差手が著しく遅れまして、三十二年の十二月に至って曲り池貯水池及び牧尾橋ダム地点の仮排水隧道とか、架設工事等にようやく着手したような状況でございます。会計検査院の検査は、以上のように本工事の着手に至っておりませんので、経理検査を主とせざるを得なかったのでございますが、発足当初からしばらくの間、事業資金の運用について一部食糧証券等の有価証券に運用されているものもございましたが、大部分を市中銀行の当座預金に振り込んでありましたために、当時の事業の状況等から考えまして、これは無利子の当座預金でなくて、何らか利益を生む資金の運用をはかるべきではないだろうかという御注意を申し上げました結果は、そのように是正されておりまして、現在では利益を生む通知預金等に運用されている実情でございます。簡単でございますが以上をもって説明を終ります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次に愛知用水公団から御説明願います。

浜口雄彦愛知用水公団総裁

○参考人(浜口雄彦君) 大体の事業の概要でございますが、……。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記つけて。

浜口雄彦愛知用水公団総裁

○参考人(浜口雄彦君) 今御指摘の昭和三十年度当座預金の残高が六千二百万円となっております。もとより公団の余裕資金の運用の方針といたしましては、当座支払い資金として必要最小限度の当座預金を置きまして、その他は有利な預金または短期国債に運用いたして参ったのであります。初年度は設立間もない六カ月間でありましたので、この設立当初はいろいろの支払い計画がまだ軌道に乗りませんので、多少の食い違いぎみもありましたので、ただいまのような六千三百万円の当座預金となったのでございますが、その後は漸次軌道に乗りまして、資金の効率化に努めております。もっとも、ただいま申し上げました六千三百万円のうちの三千万円と申しますのは、これは東京事務所の賃貸の保証金として——これは御承知のように、ただいま建物を借りるのに、保証金なしでは借りられないのであります。それで、虎ノ門の虎ノ門実業会館を借りておるのでございますが、そこに東海銀行の虎ノ門支店も出ております。東海銀行虎ノ門支店は、当公団並びに株式会社虎ノ門実業会館両方の取引先でございますので、公団といたしましては、その保証金のようなものはちょっと出しかねる。その見合いといたしまして、東海銀行に当座預金を三千万円いたしておる、こういうわけでございまして、ほんとうの意味の支払い——緊急に支払いを要するものとしての当座預金は残りの二千三百万円でございます。これも先ほど申し上げました発足当座のことでございまして、多少多かったのでございます。その後は極力有利な預金または国債、金融債等に運用をいたしておる次第でございます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 以上をもって説明は終了いたしました。御質疑のある方は順次御発言を願います。  なお本件に関しまして、会計検査院の中川第四局長、農林省農地局の長田愛知用水監理官、安田農地局長、参考人として愛知用水公団の浜口総裁、同じく伊藤理事、同じく桜井理事の各位が御出席になっております。順次御発言願います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 総裁にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、もちろんこの愛知用水公団は発足して日も浅いのでありますから、別に会計検査院からそれほどお叱りを受けるということはないわけであります。むしろこれから一生懸命やってもらって早く目的を達成をしてもらいたい、こういうのがまあ国民の願望であろうと思う。  そこで実は先日——今月の十日ごろでしたかね、これはまあ農林大臣と、経済企画庁長官の河野君との意見の若干の食い違いがあったように思うのですが、あなたが公団の総裁を今度はやめるのではないかというような話が出た。そういうことは、三十年の十月に公団を発足して、あなたが総裁に就任をされたけれども、三十年には、まあ、もちろん仕事はできなかった。三十一年にも大した仕事がない。三十二年の末になってやっとまあ仕事ができてきた。こういう、計画が不十分であった、あるいは見通しがあまりできておらなかった、こういうことに対して一つの不満というものが出たのではないかと、世間では疑っておるわけです。いま一つは、あなたが総裁に、就任をされてから、一体現地の愛知用水の方にどれぐらい年間を通じておいでになられたのであるか、あるいは東京だけにおいでになられたのか、こういうような問題についても、実は新聞等で大へんあなたのことがいろいろ書いてございます。そういうことが、ともすれば、どうもせっかく作ったのだけれども、この愛知用水というものは実はあまり仕事が進まぬじゃないか、国民の期待するような、特に受益者の方の人たちの期待するように仕事が進まぬじゃないか、こういうことを大へんわれわれとして憂うるのであります。そこであなたは、確固たる信念をもって、今後ともいわゆる総裁の重質を果されるおつもりであるのかどうか。まずこれは公団として非常に私は大事なことだと思いますから、一つお尋ねをしておきたいと思います。

浜口雄彦愛知用水公団総裁

○参考人(浜口雄彦君) 初めの、仕事がだいぶおくれておるじゃないかというお尋ねでございますが、これは農林省でもって公団のできる前に大体の計画は立てておられたのでありますが、それに基いて基本計画というのを公団に提示されました。公団といたしましては、実際工事を始めるには、精密な測量、地質の検査その他をして事業実施計画を立てなければいけないので、なお土地の買収補償にいたしましても、何にも手がついていない、これを公団発足後にやり出したのでございまして、また相手のあることであり、なかなかはかどらないわけであります。世間では、公団は初めのうち何をしておるのだと言われましたけれども、これは当然のことでありまして、世界銀行の借款もおくれたように言われておりますが、私の聞くところによりますと、世界銀行の借款は、早くて二年、おそければ三年ぐらいかかることは通例と聞いております。公団の借款の成立はむしろ早かったのじゃないかというぐらいに思っております。とにかく事情はそうといたしましても、ただいま相澤さんのおっしゃいましたように、本格的工事は昨年の暮から始まったことは事実でございます。そうして本年度並びに来年度は一番大事なときと思います。それで役職員一体となりまして、この推進に努力をしておるわけであります。また私の一身上のことにお尋ねがありましたけれども、これは何ともちょっと申し上げかねます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の総裁の御答弁をいただいて、私もよくわかるのでありますが、会計検査院と農林当局にお尋ねをしたいと思うのです。今、総裁の言われたように、少くとも世銀の借款については、やはり二年なり三年というものを事務的にもまた政治的にも今日考えておかなければならぬと、これは通常言われておったわけです。ところが公団の発足をさしたけれども、それがかえって、発足はしたけれども、実際なかなかそういう見通しというものが不十分であったために、実はおくれてしまった。先ほど会計検査院の言うには、余剰農産物のいわゆる見返り資金の減額とか、そういった世銀の借款というものがおくれたから実は不十分であったというような御説明であったと思う。そこで、それならば当時の模様を、今、総裁の言われるように、農林当局は考えておらなかったか。あるいは会計検査院は、この指摘事項の中にそういうことをうたっておらぬけれども、会計検査院自体として、この調査をしたときに、あなたは、今の浜口総裁が言うように考えなかったのかどうか。これは、私は、会計検査院にとっては重大な問題だと思う。少くとも、世間は知らないから、一般に内容をよく知らないから、結局あれは総裁がどうも職務怠慢ではないか、あるいは公団がどうもサボっているのではないかと、こういうように一般的にはとり勝ちである。けれども、その本質を考えてみるというと、むしろ今言った、前段の準備というものは一体どうなのか、あるいは、会計検査院が調査をした場合にそういうことを感じなかったのかどうか、こういう点の方が、より私は重大であると思う。その点について、農林当局並びに会計検査院の答弁を求めたいと思う。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 農林省の方からまずお答え申し上げます。  相澤先生が御質問になっておられますことは、公団を発足させる時期が早過ぎた、この早過ぎた目安は、その後の見通しが不十分であったのではなかろうか。それに関連して、怠慢ではないが、公団の怠慢とか総裁に関するいろいろ若干の批判とか、うわさが出ておるじゃないか、それについて農林省はどうであるか、ということだと御了解を申し上げますが、三千年に発足させますることは、政府当局も、特に農林省といたしましては、これをさかのぼる約五年前から農林省直轄の調査所を設けまして、基本計画を立てるに必要な程度の調査をいたしておりましたが、それを、その調査の結果が、公団が発足しまして、いわば、お述べになりましたような、公団の事業として取り上げて工事の実施をいたして参ります直接の資料にまででき上っていたか、準備が全部でき上っていたかという点について申し上げまするというと、公団が、関係法律の制定をお願いいたしまして、公団を設立し発足させまして以後も、なお詳細なる工事に必要な調査をなし、補償物件の調査をなし、補償事項を片づけまして、その他の資金、特に外国の資金でございますが、世界銀行によりまする借款と、余剰農産物見返り円の手当でございますが、それを中心にいたしまして、遅滞なく発足の三十年十月十日から着々と本格工事自身を始めるほどにはなっておりませんでした。これは、見通しが不十分であったとは思いません。始終相手も外国におり、また、補償等、他の例を考えましても、相手があってむずかしいことで、公団において折衝解決をせられて、そして工事に着手せらるることを予想しておりましたので、それに要する時間がやや延びたとは考えるのでありまするが、いつまでに解決できるからという予測の立てにくいものでございまするので、必ずしも不十分であったとは考えておらないのであります。当時の関係者から引き継ぎを受けましたところによりましても、そうでございます。なお、その間に、余剰農産物見返り円の受け入れ中止等のこともございましたので、一方、公団による工事計画のための調査、それに基いた設計と、世界銀行関係との工事計画の折衝に要する時間等に、一部予定より長い時間がかかったことは事実でございます。補償の関係についても同様でございますが、問題は、発足後今日まで、国民に対しましてはもちろん、国会の当時の御審議に当りましての政府側の御説明に関しましての責任も同様でございますが、愛知用水公団事業いつ終るか、終りがいつできるか、予定通りで終るかということに、むしろより多くのことがかかっておりまして、これは現在におきましても、昭和三十五年の末——昭和三十六年三月末日までには公団が直接仕事をいたしますことは、完了する目途を持っておる。こういう見解でおります。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) ただいま農林当局から御説明がございまして、会計検査院といたしましても、特にこれに対して異を立てるつもりはございません。ただ総裁が、世銀借款はなかなか妥結に至るまでに時日を要し、二年程度かかるのが普通だというような御意見がございましたが、これは結果的に見ればまさにそうであろうと思いますが、世銀借款については、農林当局なり公団当局は、当初は比較的安易に考えられたのではないかと思います。と申しますのが、本工事の着手を三十一年二月と予定いたしておりましたが、この三十一年二月の予定は、このとき以前に世銀借款も完了するという予想であったろうと思います。その世銀借款の経過につきましては、ただいま農林当局から御説明になりましたように、多数回の折衝をなさったわけでございまして、まあ率直に申しますと、あまりに相手方の条件が——条件といいますか、折衝の過程において審議が難航をするので、いや気がさしたというようなことも漏れ聞いたようなわけでございますが、それはともかくといたしまして、貸付の相手方としては、十分な審議をすることはやむを得なかったろうと思いますが、会計検査院といたしまして、全面的に考えました場合に、公団当局の怠慢であったということはこれは言えないと思います。最初申し上げましたように、余剰農産物資金融通特別会計から百六十八億円を借り入れる予定のものが第二次で打ち切られましたために、これが五十何億にとどまったというような経過もございますし、世銀借款もおくれますし、補償の関係においても、時日が経過するに従って補償問題は難航するというようなことが重なり重なっておくれたのでございまして、ことに公団当局の技術陣としては非常に焦躁の状態にあったということを認めざるを得ません。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 会計検査院の答弁を聞いておると、これは非常に重大な問題である。それは、今、君の言うのは、少くとも愛知用水公団を発足さして、そうして世銀等の借款等の交渉をするのも、これは総裁がもっと政治力があり、そうしてもっと熱心であったならば、これはもう早くできたのではないか、こういう裏書きに私はなると思います。先ほどの総裁の言うのは、やはり相手のあることであるし、またいわゆる外国との交渉でもあるから、少くともまあ常識から言っても、二年やあるいはまた長ければ三年ぐらいはかかるかもしれぬ、こういうことを言っておるわけです。ここに会計検査院の考え方と公団との大きないわゆる問題点を私は露呈をしておると思う。もし会計検査院がそういうことであるならば、これは農林省の当時の考えというものは全くあまい、また公団の総裁がどうも適任でない、こういうことが率直に私は述べられなければならない、こう思うのです。そういうふうに理解をしてよろしいか。あるいはそれとも、そうでなくて、あなたの言うのは、やはり先ほど安田農地局長が言ったように、もちろん相手はあるけれども、とにかく見返り資金の問題といたしまして、あるいは世銀との交渉の面で、どうしてもこれは当時の考えよりは結果的によくなかった、これは諸種の事情によってやむを得ないのだ、こういうふうにあなたが結論づけられて言っておるのか。この点は、これから起きる私の質問をするのは、むしろ会計検査院は、これだけ事業の発足がおくれ、本格工事がおくれるならば、なぜ農林当局にもっと慎重に調査をさせ、慎重な計画をさせて、いわゆる国の損害というもの、あるいはまたそういうものをなくするようなことができなかったのか、という結論が出ないか、こういうふうに私は会計検査院の考え方があってしかるべきだと思うのです。しかし今は全く逆に、浜口総裁の方がむしろこれは政治的に能力がない。あるいは総裁の交渉が下手だった、これがために二年も三年もかかったためにおくれた、こういうことをあなたは言われておる。これは私は非常に重大な問題だと思うのです。その点について会計検査院の一つ率直な意見を私は述べてもらいたい。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 要点に触れて、きわめて簡潔に願います。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) ただいまの御意見でございますが、会計検査院といたしましては、公団当局の怠慢というようなことは全然申し上げておりません。先ほど申し上げましたのは事情の経過を申し上げたのでございまして、率直に申しますれば、公団当局も、事志とたがったという点はあると思います。それは相手方のある仕事でございますから、公団当局の絶大なる努力はこれは認めざるを得ない、その点は先ほども申し上げたわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 安田農地局長にお尋ねをしておきたいと思うのですが、農林省は、公団の発足する前に五年か六年かかって調査をし、また計画もした。そうして昭和三十年の十月十日に公団法に基いてこれを設立した、こういうことを先ほどは言われたと思う。またその通り私どもは理解しておる。ところがこの計画をして、調査を十分に行なって、三十年に公団を発足をいたしたけれども、実際に今度は公団が作業にかかろうと思ったところが、計画変更というものが出てきた。このことを考えてみると、これはいわゆる農林当局がやはり十分な調査を行い、十分な計画を行なっておったとは私は言えないと思う。この点について、一体あなたは当時の計画なり、そういう調査というものを五年も六年もかけて十分に行なったと思うのか。それともこれは、先ほども総裁の言われたように、その点について不十分な点があったと認めるのか。この点、農林当局の立場を私は明らかにしてもらいたいと思います。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 先ほど私が申し上げました、農林省が調査事務所を設けて調査しまして、公団に引き継ぎましたその調査は、法律を制定していただきまして、公団を発足させるために必要な基本計画——法に基きます基本計画に必要な程度をやりまして、それは総裁が言われました工事に着手する実施計画と申しますか、その計画までには至ってなかったと思います。他に例を一般の例を借りて申し上げますと、農林省の国営工事でも、関係の県営工事にしましても、農林本省直轄出先機関であります農地事務局におきまして、まず計画部の機構によりまして基礎調査——水、土地、地質、水量その他いろいろにわたりまして調査をいたしまして、それが終りますと、工事をするときの全体設計計画と言っておりますが、これはさらにその後に別個に作ることにいたしておりまして、それから工事に着手するようにいたしておるのであります。工事の新規採択着手というのは、ただいま申し上げました全体設計計画以降のことを申しておりますが、これは公団を設立させるに当りましても、全体設計計画を立て、そのために必要な全体の調査をなお加えてやるということは予想をしておりたのでございまして、総裁の言われるような目的の調査計画としては不備であったかもしらぬが、そこまではいっていない、基礎調査である、こういうことであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 きわめて私も簡単にして質疑を終りますが、今の安田農地局長の言うようなことを国民は知らない。五年も六年も農林省がかかって、少くとも愛知用水を一つりっぱに作って、そうして受益者の人たちのためによくしてやろう、こういうことで、つまり公団が発足したと私どもは考える。ところが当時は基本調査であって、実際の実施計画のようなものは、もちろん公団が発足してからやろうということはわかる。そのまず基本計画なり基本調査というものが十分できておらないで、そうして公団を作って、結果論とはいえ二年も放ったらかしておけば、だれが考えたって、愛知用水公団の責任者である浜口総裁が無能力だ、それで熱意がない、ときによればよろめくというようなことを言われるわけです。先ほどは会計検査院では、いや気がさしたと言っているが、浜口総裁、いや気がさしたことがあるか、私はそんなことはないと思う。一生懸命やったと思う。けれども、やっぱりそういう農林省当局の当初の考え方と、その発足してからの大きな差というものが、ここに私は出てきたと思う。ところがそういうことが表面に出てくるというと、いわゆる官僚の悪いところ、いわゆる政府の特に悪いところは、人事の問題にすぐ問題を介入させてくる。人事問題に触れて、だから私がさっき冒頭に申し上げましたように、どうだ浜口総裁、もうそろそろやめたらどうか、こういうことになってくるわけです。しかも担当でない河野経済企画庁長官が農林省の人事まで介入するようになってくる。これはもちろん河野企画庁長官のやったのは、神奈川一区から現在の藤山外務大臣が選挙に立つと思うから、そういう下心で作ったのだろうと思う。まことにけしからぬと思う。もっとも私がけしからぬと言ってもしようがないので、そこで人事のことは公正に、しかもだれが見ても納得のいくような慎重な配慮がなくてはいけないのじゃないか。これは私どもは国会の立場から、率直に、国民に少くとも公団というものの性格なり、あるいはその当時の考え方というものを持ったならば、そうあるべきではなかろうか、こう思うのでありますが、これはまあ局長から、大臣としての答弁ができないと思うのだが、私は少くともそういう農林当局の立場でなくてはならぬと思う。そうして自分たちが作った以上は、それをりっぱに成功させるように努力をすべきだと思う。  そこで、あなたは先ほど昭和三十六年の三月末までにできるということをいわれたのでありますが、浜口総裁、これはあなたは三十六年三月末までに完成をする現在のお考えでありますか、この点は確認をしておきたいと思います。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 相澤委員がいわれました農林当局がどうかと思うのは、先生が農林当局に御期待をなさっておるように即してあやまちなきを期しておるつもりでありまして、よってもって立論されておる基礎は、うわさか、だれかの意見かのほかのことのようでございますので、間違いであることを御了解願いたいと思います。特に人事関係について慎重を期する点については、遺憾がないと私は思っておりますから、大臣がおられませんけれども、申し上げておきます。  それから計画に比しまして実施が遅れましたことは、その通りでございます。その遅れた理由は、農林省が直轄でやりました土地改良中心のこの愛知用水公団事業の調査との関係は一部でありますが、遅れた理由は他にもあること、すでに御承知の通りでありますので、御了解を願いたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 総裁一つ……。

浜口雄彦愛知用水公団総裁

○参考人(浜口雄彦君) 公団といたしましては、予定の三十五年度末、つまり三十六年三月三十一日までに工事を完了する自信を持ってやっております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 先ほどの安田農地局長の答弁は、これはもちろん局長の問題でありますから、別に言うことはないと思う。しかし、間違いであるとかないとかいうことを言うのは、あなたは僭越だと思う。私どもが、つまり藤山外務大臣が横浜の、一区から出るということは、これは間違いない。自民党は公認してある。そうして前に一回衆議院に立候補して落選をした小林君が今度は出ないということも、これは、はっきりしておる。私は横浜に住んでおるのだから、そんなことは、はっきりしておる。従って閣議の中でどうやったか、あるいは農林省と経済企画庁の中でどうやったか、公式なことは、私はもちろんそれが正しいとか正しくないとか言っておるわけじゃない。そこでまた、そういうことをあなたもいわれたことではないと思う。ですからそういう点については、とかくのそういう新聞辞令やその他いろいろなことをいわれておるから、とにかくそういう点については、人事の点については慎重でなくちゃいかぬ、特に最高の責任者の問題については、私はやはり各省あるいは政府としても十分配意をしなければ、国民から持たれざる疑惑を持たれてしまう、こういうことであっては私はいけないという点を申し上げておる。もちろんあなたの答弁をこれは必要としないことでありますが、まあ総裁の決意を伺って、三十六年の三月末までには完成をする、こういう御確認をいただきましたので、私の質問は以上で終ります。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 ただいま相澤委員からいろいろ御質疑があったわけでございますが、まあ安田さんはなかなか答弁がお上手だから、はっきりは言わないかと思いますけれども、私の見るところでは、要するに愛知用水の事業そのものが、技術の面でも、あるいは資金の面でも、あるいはまた地元負担金の問題でも、まだまだ十分な調査が行きわたらないうちに、地元の政治力に強引に押されて、無理な公団の発足をしたというところに、今度の大きな問題があるのだろうと思います。で、この公団にかつぎ出された浜口総裁以下の方々は、私としては非常にお気の毒だと当時思っておりました。必ず今日のような、工事ができないような、遅滞するような事態が発生するだろうと思っておりました。要はこれは地元の政治力に農林官僚が屈服してしまった、中にはまだまだ早いということで反対の方もありましたし、あるいはまた経済効果の面でもどうかと思うということを、実際いわれておる農林官僚の重立った方も、私、実際知っておるわけでありますが、結局地元の政治力と申しますか、そういうようなものに強引に押し切られて今日のような事態が起ったのではないかというように私は思っております。しかし事ここに至っては、一日も早く工事を完成する以外に私はないと思いますので、どうか一つその今までのことはこととしてやむを得ないというふうに思いますけれども、その非は非として、私が今申し上げたように私なりに認識しておりますが、今後一日も早く工事が進捗いたしまして国民の疑惑が晴れるような責任のある措置を要望する次第でございます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ほかに御質疑ございませんか。——別に御発言もなければ、愛知用水公団の部の質疑は、これをもって終了したものとすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないものと認めまして、さように決定いたします。   —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次にお諮りいたします。前回の委員長及び理事打合会におきまして、次回は来週月曜日三十一日に開会いたしたいと思いまするが、専売公社、国民金融公庫、中小企業金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の決算を審議することにいたします。ついては専売公社以外は参考人として御出席、説明を求めることになっております。その人選並びに手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないものと認め、さように決定いたします。本日の審議はこれをもって終りました。  本日はこれをもって散会いたします。    午後五時六分散会

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