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28回国会参議院1958/03/19

決算委員会 第14号

発言数
106
登壇者
10
会派数
3
開催日
1958/03/19

会議録

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ただいまから、本日の決算委員会を開会いたします。  まず、委員の変更報告を申し上げます。  三月十九日付をもって、下條康麿君が辞任されまして、森田豊壽君が補欠選任されました。     —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算 昭和三十年度特別会計歳入歳出決算 昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書 昭和三十年度政府関係機関決算書 を議題といたします。  本日は、農林漁業金融公庫の部を審議いたします。検査報告批難事項は第二千百八十三号から第二千百八十五号までであります。  まず、会計検査院から説明を願います。

上村照昌会計検査院事務総局第五局長

○説明員(上村照昌君) 農林漁業金融公庫の昭和三十年度の検査の結果について御説明いたします。  三十一年二月から九月までの間に三千二百三件、百三十八億千四百余万円の貸付金について調査いたしました結果、一部前年度調査未了のものを含め、管理不十分と認められましたものが四百五件、四億千七百余万円でありましたが、検査報告を整理する時期までに、公庫においてそのうち三百五件、二億九千二百余万円については是正の処置をとったのであります。是正未済の主要のものにつきましては、二千百八十三号から二千百八十五号に記述しておる通りでございます。  二千百八十三号は、補助金を国等から受領を受けたときは、補助金に対応する金額を繰り上げ償還することを条件として貸し付けておられるのに、補助金が交付済みとなっていても、償還の措置がとられていなかったものでありまして、件数にして二十一件、要償還額が千百三十三万余円となっておるものであります。  二千百八十四号は、資金を借り受けた者が当初申請通りの工事を施行しなかったり、または実際の工事費が申請額より少くて完成したなどのために、業務方法書に規定します貸付の限度をこえる結果となっていましたものが、四十二件、八千二百余万円となっている事態であります。  二千百八十五号は、貸付の目的以外に資金が使用されていたもので、件数にしまして五件、金額にして二千百余万円になっております。これらについては、公庫において償還等の是正の処置を順次とっておられる状況でございます。  以上簡単でありますが説明を終ります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次に、農林漁業金融公庫の側から説明を願います。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) ただいま会計検査院から御説明のありました指摘案件につきましては、まことに遺憾に存じております。公庫におきましては二十九年度以来監査室を設けまして、受託金融機関の委託業務を監査いたしますると同時に、貸付先につきましても資金の使用状況を調査をいたしております。また受託金融機関に対しましても、でき得るだけ貸付先の実地を見て回っていただくように要請をいたしておるのであります。そのほか資金を貸し付けますときに、最近におきましてはこの補助金の繰り上げ償還でありますとか、あるいは限度超過、すなわち公庫は八割きりしか貸さないのでありますが、その限度超過のときにはすみやかに返してもらわなければならぬ、こういうような事項を書きましたビラのようなものを交付いたしまして、貸し付けを受ける人の注意を喚起しまた資金の払い出しにおきましても、受託金融機関におきまして、工事の進捗状況等に応じて必要な額を出していく、こういうふうなことによりまして、できるだけこのような、御指摘のような事案が起りませんように気をつけておるのでございまするけれども、何分まだその趣旨が徹底していない向きがございまして、まことに遺憾であります。今後ともこの点につきましては、一そう努力をいたしていきたいと存じております。ことに補助金の繰り上げ償還、これは実際問題といたしましては、災害がございますそのときにとりあえず公庫から資金を融通いたしまして、その災害復旧の資金、政府の補助金が参りました場合に公庫に繰り上げ償還をしていただくわけでございまするが、これにつきましては、特に県庁との連絡をよくいたしますれば、この実効が上がるわけでございまして、この点につきましては、かねて農林省からも府県に通牒を出していただいておりまするし、また非常に県の協力を得まして、こういう事故の起っていない県もあるのでありまして、今後とも県庁の御協力を求めまして、これらの事故がなくなりますように努めていきたいと存じておる次第であります。  ただいま会計検査院からあげられましたもののうち、現在までに処理済みの状況を申し上げたいと思います。  第一点は補助金を受領いたしまして、その相当額を返していないもの、これが一千一百万円余でございますが、そのうち九百万円は是正済みとなっておりまして、率にいたしますると八八%は是正済みでございます。  第二点の貸し付け限度、すなわち事業費の八割を超過しておるというもの八千二百万円のうち七千五百万円が是正済みでございまして、率にいたしますと九四%の是正済みでございます。  第三点のまあこれが最も遺憾なケースでございまするが、貸付金を目的以外に流用したもの二千百万円のうちにおきましては、三百九十万円が是正済みとなっております。率にいたしますると十九%でございますが、これは一番大口の岡山木材の回収がまだ残っておりまするので、率としてはそういうふうに低きにとどまっておる次第であります。  なお、これを今後とも処置をいたしまして、きれいにいたしたいと努めておる次第でございます。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 以上をもって説明は終りました。  この際、皆さんにお諮りいたしますが、審議の都合上、農林漁業金融公庫の決算審議と、公報に掲げております調査事件の審議もあわせて御質疑をお願いするような運営をして参りたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) さように決定いたします。  この際、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査をあわせて議題といたします。  農林中央金庫等の融資状況に関する件として日本農工株式会社に対する融資に関する件を公庫の決算審議とあわせ議題にいたします。  御質疑のある方は、順次、御発言を願います。  なお、本日御出席の方は会計検査院から中川第四局長、上村第五局長、農林省から本名政務次官、森農林経済局参事官、並びに参考人として農林漁業金融公庫山添総裁、真板検査役、農林中央金庫楠見理事長の御出席を願っております。  御質疑のある方は、順次、御発言を願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 農林中金の日本農工に対する金融問題につきましては、当委員会で、すでに一カ月半にわたる長い間、熱心に審議されて参った問題だと思うのであります。この問題につきましては、私は現在政府が持っておる一体農業政策、これとの関連におきまして金融問題を一体どのように考えるのか。こういう問題をからめまして以下数点にわたって御質問を申し上げたいと思うのであります。  まず第一に、私のお聞きしたいと思いますことは、この問題の発端になりましたこの中央農水でございます。この中央農水といういわばこれはほとんど幽霊会社じゃないかと思う。当委員会におけるところの証人の証言によりますと、全くあいまい模糊としたこれは性格を持っておる会社であります。しかもこの会社の構成員を見て参りますと、旧農林官僚である。こういう人たちによって作られておる。しかも高橋君の証言によりますと、農林中金の元のこれに関係した官僚たちの厚生資金を何とか得る。こういうような目的もあって作られたところの会社だというふうな証言も行われておる。私はこの点に関しまして、このような農林省関係を持っておるこれらの旧官僚たちが集ってこのような会社を作る。いわばこれはざる会社のようなものであります。そして、そこにこれは中金からの融資を受ける。結局まあざる会社のようなものでありますから、それはどんどん水が漏るように漏ってしまう。そうして結局誰かが食っておる、食っているから、これはどんどん湯水のように水は消えていくわけであります。損を受けておるのはどこかというと、これは当然国民であります。最終的には国民であります。そういう点を考えますときに、このたびの問題の発端になりましたこのような中央農水というような会社を旧農林官僚たちが結託して作る。こういうことについては一体綱紀粛正の立場をとっておられるこの農林当局においては、この問題をどういうふうにお考えになるのか、あわせてまた理事長の楠見さんからも、これに対してはどのような見解を持っておられるか。まずお伺いしたいと思います。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) お話の農林省あるいは公庫、中金等、官庁、公的な機関の仕事に携わっていたものが会社をこしらえて不仕末を起すということは、御指摘の通りまことに遺憾なことでございます。私どもは、たとい前職がどうあろうが、会社の設立に対しては一般的に制限を加える必要はごうもないと考えております。ただ本件に関連いたしまして、このような不始末をしでかした結果からみますと、なるほどそういうつながりのあったことは一つの大きなあやまちのようにも考えられますが、これは必ずしも公庫その他公的な機関に関係があった者の会社であったからあやまちを犯したということよりも、時の経済情勢あるいは会社の運営のあやまち等によって、こういう結果を来たしたのではないか、このように考えております。しかしながら、いずれにいたしましても、このような結果を招きましたことは、農林省といたしましても監督があるいは不行き届きであったか、あるいは日ごろの注意が足らなかったか、非常に遺憾に存じております。従いまして、本委員会におきましても、その内容を十分御検討いただきました後において、われわれも善処いたしまして、本問題をでき得る限り損失の少いように、また今後再びこういうことの繰り返さないように注意をいたすつもりでおります。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) ただいま岩間さんからの御質問の点でございますが、大局的にはただいま本名政務次官からお話があった通りでございます。ただ私どもといたしましては、いやしくもその設立において、あるいは運営等におきまして、世の疑惑を招くことのないように、できるだけ今後努めて参るということを決心いたしておるような次第であります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 次官並びに中金理事長の御答弁があったのでありますが、私たちはこういう御答弁では問題の本質はつかんでいられないのじゃないか。こういうように考えております。  あなたの今のお話ですと、前職のいかんによってどのような会社を作ろうがそれは関係したことでない。この問題はむしろそういうような縁故関係、前歴は旧官僚が作ったからということでなくて、むしろ経済情勢の変動とか、そういうことで問題が起った。こういうふうに言っておられますが、これは大へんなやはり事実の認識が不足していられるのじゃないかと私は考えます。これはおいおいこの質問の経過の中で明らかになることと思うのです。これはこういう点で、きょうは大臣も見えていない、岸総理も見えていない、われわれはできれば政府の最高責任者に実は聞きたいのです。綱紀粛正を掲げておる、そうして汚職の追放ということを三大政策の一つにうたっておる岸内閣の政府委員としては、ただいまの御答弁は納得できない。なぜかといいますと、ほとんどこれは同じ穴のムジナ、そうしてそこでなれ合いになっておる、結託をしておる、そういう格好で実は金融もなされているのであります。現に当委員会におきまして、元理事長の湯河証人が参りまして、この証言の中で、再三再四にわたって実は言われておりますのは、日本農工あるいは中央農水、こういうところの関係者というものは、元中金の職員だ、従ってこれを救済しなければならない、こういうことを非常に感じた、従ってこれについてできるだけの配慮をしたのだ、その配慮の結果が、御承知のように数回にわたって、これは今日大きな穴をあけなければならない、こういう形で融資がなされておる。そうしてきょうここで当委員会で何日にもわたってこの問題を追及しなければならないような、実は問題の原因がそこから発生しているのです。そういうことを考えますときに、同じような、いわば同族的な、そして仲間意識をもった連中がなれ合いによりまして、その安易さになれて、ある場合には結託をして、そういう形でこの融資をやすやすとやる。そういう態勢をもし許すというような事態が承認されるならば、これは私は大へんなことが起るのじゃないか、そういう点からただいまの次官の御答弁ではわれわれは絶対に満足することができないのであります。綱紀粛正の立場から考えて、これとにらみ合せて、このような関係の深い利益関係のつながった、そして縁故関係でも結ばれているこういうような同族的な人たちが、その周辺にこのような会社を作る、こういうやり方については私はこれはやめるべきであると思うし、また今度の問題の発端の一切の原因はこういうところにあると、こういうように考えるのでありますが、この点についてもう一度次官の答弁をお願いしたい。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) 重ねてのお話であります。先ほども申し上げましたように、結果からこれを判断いたし、またさらに結果から深い反省をいたしますと、一応御指摘のような御意見もごもっとものようにうかがわれるのでありますが、先ほども申し上げましたように、これは中金の前職を奉じていた者が退職いたしまして会社を作るということ、並びにその会社が成規な手続を経て融資を申し込み、借り入れをした、そのこと自体については実は私どもは手落ちはなかったと考えておりますが、結果は、その当初に考えましたあるいは検討いたしましたそのこととは全く相反して、このような不始末を出かしたということは、まことに遺憾に堪えないのでございます。従いましてその結果からくるところの処置というものは、当然中金の責任においてとらなければならないかもしれませんが、これはあくまでも貸借上のことを中金がとられることになろうと思いますが、今後かかることの再び繰り返すことのないように一そうの注意をいたしたい、このように考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 当委員会は決算委員会であります。従って、諸般の指摘事項がここで究明されているのでありますが、われわれは少くとも委員の任務としまして、その原因を突きとめ、これを繰り返さないように努力するのが、当然だと思います。ところが今の次官の再度の答弁によりましても、この点は何らはっきりあなたは認めていられないと思う。やはりこれは同族でなかったら、このような縁故関係のない……同じ穴という言葉が言い過ぎとしたらとにかくこういう利益でつながっている、仲間意識の強い人たちが作った会社でなかったら、果して一体次官はこのような融資に応じたとあなたはお考えになりますか。次官、どうですか。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) 私は中金の性格から申しましても、今日までとってきた態度は、決して御指摘のような同じ穴のムジナであるとか、特殊な縁故があるために特別有利な計らいをした、あるいはあやまちを承知しながらも融資を認めたということは絶対になかったと考えておりますが、ただ世間ではいろいろこのようないわゆる貸借上の不始末ができました場合に、本件のようないわゆる前職に関係がある場合には、往々にして御指摘のような御見解に立たれることは無理はないと思いますが、私の知る範囲では、また信ずる範囲では、融資申込等諸般の手続上並びにその手続に対する審査の過程においては私は間違いはなかったと、いろいろ関係があったものの会社といいましても、正しい意味で融資したのであろうと信じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは湯河証言の中に、農中金の前役職員が苦境のとき何とかしてやらねばならぬと考えた、また旧職員でこれがうまくいっていないので非常に同情した、こういうような形でこのような融資がなされているのです。あなたは中金の方針としてはそういうことはないというようなことをおっしゃるのですが、これは何を根拠にしておっしゃるのか、この点わかりません。われわれは二日にわたって証人を喚問した、その証言のもとにおいて言われた湯河前理事長の証言の中から、はっきりそういうことが見えているのです。これは仲間の意識じゃないですか、仲間を先にするという意識じゃないですか。一体中金の融資の状況を見るというと、これはあとで触れようと思うのでありますが、一体こういう仲間を先にこれを助けるために出さなければならないような、そういう性格のものなのか、あるいは中金の本来の性格から言えば、私はそういうところにないのだろうと思うのです。ところがあなたの話によりますというと、はっきり前理事長の責任者がそのような証言をしている。そういう傾向から私は質問申し上げているのですが、それはないのだというふうに否定しておりますけれども、これはどういうことになるのですか。私はそういうことはわからない。そういう点は私は事実をあげてお伺いしているのですから、こういうものをもう少し研究される必要があると思います。私はこの問題については、やはりこのような利害関係に連なる連中が前職というような役職の権利を利用して、そうしてこのような会社を作るということは、非常にこれは腐敗汚職の根源になっている。単にこの問題だけではありません。もう目に余るほどこの問題は現在いろいろな金庫の中で行われておる。従いましてこのような官吏に対しては退職後、こういう会社に、これは何年とか期間を切っても関係すべきでないというような、こういうような立法がこれは考えらるべき時期だというふうに考えるのです。そうでなければ、当然このような腐敗堕落というものを私は断ち切ることはできないと思う。当然決算委員会でやはり政策的に問題になるのはその点なのであります。あなたは単にそういうふうにこの事件だけをわれわれが取り上げているというふうにお考えになるかもしれませんが、われわれはそういうことではないのです。これはほんとうに目に余るようなことをたくさん耳にしている。単にこれは一つのたまたま現われた氷山の一角にすぎません。こういうような形で実は非常にプライベートに運用されている面がある。こういう点について私は問題にしているのでありまして、こういう点についてあなたは事実の認識を欠いて、ただその上に立って抽象論を述べておられるようでありますが、その点について、今のような具体的な資料に関連して、湯河証言の中に現われた一つのそういうような同族的意識——自分の仲間を擁護しようとする意識、そういうものをはっきり表明された。こういう考え方に関連してあなたの先ほどのお話が、御答弁が成立するかどうか、この点についてお答え願いたい。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) 前理事長がかつての仲間を助けるために融資したという証言をした、陳述をしたということでございますが、私はその証言の席におりませんでしたので、それは直接は聞いておりませんが、間接にこのことは聞いております。しかしながら、この仲間を助けるという言葉がその通りであったかどうかは別といたしましても、特別の情実因縁で手続上のあやまちを犯してまでもやったことであるとは考えておりません。ただ結果から申しまして、このようなことになったために仲間を助けるという善意の、しかも手続上のあやまちのないものがあやまちとなり、あるいは善意でなくして悪意で融資をしたという結果に判断されることになったと思われるのでありますが、私はそういうふうに聞き、また考えておりましたので、先ほどの御答弁を申し上げたわけであります。なお、農林省の方におきましても、もちろんその内容等については十分に審査をしてそのようなことのない取扱いをしたと信じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたはそこのところをいつまでも固執されるようでありますけれども、それは事実の上に立たない御答弁なのでありまして、その点は非常に今後の運営の上において重要な問題だと思います。そうして正常にちゃんと手続をふんで、それが正常に運行された場合なら、これは何も問われる必要はないのでありますが、そのことによっていろいろなあとで問題を発生しているのです。その原因は全くここにあるということは、これは明確だと思うのです。それはあなたの立場から、なかなかそれを肯定するということは困難なのかもしれませんけれども、しかし私たちはあなた方に期待しているのは、あくまでもこれは政府委員の立場として、そうして公的な綱紀粛正を今期待をし、そうして汚職の追放ということを……、現にこれは本会議におきましても岸総理には重ねてこれは言明されておるのであります、当院において。そういうような立場に立つところの政府委員の答弁としては、どうもとらわれているのじゃないか。われわれは何も単に責任を追及しよう、あるいはこれについての罪人を出そう、こんなことを考えているのじゃありません。われわれはあくまでも今後のやはり政策面をほんとうに正しい線に乗せる、そこのところに重点を置いて論議しているのです。従ってあなたの答弁そのものは、非常に何かとらわれて、狭い立場に立っておられると思うのでありますが、そういうことでは私は綱紀粛正というものを貫くという立場において非常に工合が悪いのじゃないか。今、前職にある者で利益に連なるものでもどんどん会社を作って、これは認めて差しつかえないということになる。結局あなたの言葉をこれはずっと突き詰めていけば、そういうことになる。少しもそういう問題については何ら警戒を要する必要はない、ただ、たまたまこの問題についてこういうことが起った、こういうようなことについてのことだけを言っておられますけれども、これは私は非常に不十分だと思う。で、その点でだんだんと水かけ論をやっていても、これはあとでほかの委員からも追及があると思いますので、私はそんなら関連して伺います。農林中金はどういう目的によって作られている会社ですか、どういう目的を持ったものですか、これは理事長にお伺いします。一体どのような性格を持ち、どのような目的を持ち、そうしてだれの利益のために、これは作られたところの一体金庫であるのか、この点理事長から御答弁を願いたいと思います。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 農林中央金庫は、農林水産業の健全な発達をはかるために設立されたものでございまして、御案内のように当初は大正十二年でありましたか、産業組合中央金庫として発足をいたしまして、その後水産林業その他の所属組合も加わりまして、今日は農林中央金庫と称しておりますし、またその目的は今申し上げましたような目的でもって仕事をやっておるわけでございます。

島清日本社会党

○島清君 本名さんにちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、私たちがきょうの委員会を開くまでに、農林大臣にも、それから楠見さんにもお尋ねをいたしまして、それから二日間にわたりまして四人の証人の方々においでをいただきまして、そうしてきょうの委員会になっておるわけであります。そうしますると、この二日間の委員会におきましては、これはどなたがお聞き下さっても農林中金の融資というものは正当ではなかったというような結論が出ていると思うのですよ。そこで私たちは農林大臣にもおいでいただいて、お話を承わりたいと思ったのですが、時間の都合でおいでをいただかないうちに、機会を得ないうちに、ソビエトの方へ旅行されましたので、それであなたのおこしをいただいたわけなんですが、今岩間君の御質問に対して、結果論であって、主観的な条件においては欠くるところがなかったんだ、ただ経済的な客観的変動によってこういう結果が招来されたんだというようなことは、第一回目の委員会での御答弁であれば、それで本委員会で通るかもしれませんが、今日ではもうそれが通らぬ段階にきておるんです。そこで本名さんも当然にその責任の重大性にかんがみて、速記録をごらんいただいた上でお越しをいただいたと思うのですが、もし速記録をごらんにならないで、ただ一時のがれと言っちゃ大へん語弊があるかもしれませんが、責任は負わない、そこで委員会の答弁を一時的にやっておけばいいんだというような心がまえで来られたとすると、私は問題を提起した側の方でございまするけれども、今日ではそういう段階ではない、こういうことをお知りいただきたいと思うのです。たとえば一つの例をとりましても、あなたたちの方で五千五百万を日本農工の方にお払いになるということを認めておられるのです。それをなぜ農中金が一億八千万の赤字を背負わなければならない形において、五千五百万を渡さなきゃならないかということを、本委員会あたりでは承認する人は一人もないということが一つ。それから四千七百七十万ですか、これも会計検査院の方から指摘をされているのに債権が変質しておるのです。これは主観的な条件は欠くるところのものがなかったんだということはうそにも言えないわけなんです。これは作為であったかどうであったかということはこれは別の問題として、少くとも今岩間君が指摘したような形におけるところの主観的な条件において欠くるところのものがあったことは証明済みなんですよ。だからそういうつもりで御答弁を願いたいんでありまするけれども、ですから私は速記録を、三日間にわたりまする本委員会の速記録を十分にお読みになったかどうか、それでその上で、十分熟知された上で本委員会の方へお越しをいただいたのであるかどうかということをまずお伺いしたいのです。  それからもう一点は、今までは当面の責任者でありまする経済局長がお見えでありましたけれども、そしてきょうは経済局長お越しにならないで参事が見えておられるのです。農林省の機構からいいますると、局長の責任とさらに参事の責任とどちらの方が重いか、それを明確にしていただきたいと思います。私の理解するところによりまするというと、責任を負わなきゃならぬ立場にある者——この問題だけじゃないんですよ。こういった事態に対しては、私は担当の局長だと思うのですが、きょうは参事が見えておられる、何かそれを見てもあなたの御答弁と、さらに農林省のその心がまえというものは、はるかにこの委員会にそぐわないものを感ずるわけです。こういうことについてちょっと御答弁を願いたいと思います。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) 私が参りましたについて議事録を見たか見ないかということでございますが、実は率直に申し上げまして議事録全部拝見いたしておりません、おりませんと同時に、中間でいろいろな報告を聞いて、その報告の上に立ってお答えを申し上げております。従いまして御質問の要点にそぐわない答弁があったかもしれませんが、全体の考え方として先ほど申し上げたわけでございます。決してこの席を一時のがれするためにいいかげんに申し上げようという気持は毛頭ございません。  それから本日は局長が出なければならないのでございますが、農林委員会の方におきまして今日までしばらく審議をはずしておりましたので、きょうは農林委員会の方に参りましてやむなく参事がここに参りましたようなわけでございます。  なお、数字の問題、当時のいきさつ等について、その取扱い上まさに不正融資であったということは、これは先ほども申し上げましたように、御審議の過程、今日まであるいはまたこの問題の結果から申しまして、そういう御判断をなさることも無理からぬことと存じますが、少くとも特に日本農工が融資の過程において、一時相当の成績をあげかけたようなことや、あるいは回収を確実にされるために、一般の金融機関でも行われているところの、さらにあらためて融資をいたしまして、回収をなお確実ならしめるというような方法も打たなければならなかった、こういうようなことになりましたために、率直に申し上げまして、だんだん深入りしたという結果もありますが、いずれにいたしましても、数字や取扱いの点において誤った発言をいたしましてもいけませんから、事務的なことにつきましては参事の方からお答え申し上げたいと思います。

島清日本社会党

○島清君 あのね、本名さん、言葉じりをとらえるわけではありませんが、不正どころではない、不正を通り越して公金の詐欺横領があった、私の質問の段階になりますと、そこを私は追及しますけれども、非常な広い意味においては詐欺横領、それも不正の中に入りましょう、しかしながら非常に狭義におけるところの不正ではない、あとで私は私の質問の時間で御質問申し上げますけれども、段階はそこまでの段階にきておるということを十分に一つ頭に入れていただいて御答弁を願いたいと思います。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 関連質問、政務次官の御答弁は御答弁として、この事案について楠見理事長は、中金がこの事件を起したことについては、貸出しその他については別段の、今岩間委員があげられたことがそのままでないにしても、どこかにやはり欠くるところがあったとお考えになるのか、それとも今農林省の政務次官が、本名政務次官が言われるように、経済界の変動のもたらしたやむを得ざる結果である、中金としては俯仰天地に恥じない貸出しをちゃんとやっているのだ、どこにも文句のつけられるところがない、あなたの前任者がやられたことであるが、事件をこまかく検討しておられて、現中金の責任者としてどういうお考えになっていらっしゃるか、一応参考のためにこの機会に聞かせておいていただきたいと思います。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) この点につきましては、私は速記録を十分に拝見いたしましたし、またいろいろ事情もみずからできる限りの調査をいたしたわけでございます。中央農水産に対するための金融機関の融資のあっせんといいますか、そういう点につきましては、前理事長の湯河さんがこの委員会の席上で証言せられましたように、善意であったといたしましても、金庫の職員の一部に行き過ぎがあったということは、確かに肯定せざるを得ないと考えております。この点は私はその後自分自身調査いたしましても、そういうふうに感じた次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連質問がございまして、政府委員の態度について話があったのですが、どうも速記録をこれは読んでいられない。ですから、こちらの質問に対する答弁が非常に食い違いがある。私はここでちょっとお聞きしたいのですが、農林大臣は今モスクワへ向けて旅行中です。そうすると当然、この問題は当委員会としまして非常な重要な問題として長い間かかって努力を傾注して参った。従ってこれに対する責任者です。責任者がはっきり出て、赤城農林大臣がいられないが、しかしそれに対してできるだけそれを償うに足るような資格の政府委員をわれわれとしては要求し、当委員会も要求すべきであったと思うのでありますが、私は何も時間が不足だということではありませんで、ただいまの答弁を聞いていまして、非常に不十分だと思うのです。これについてどういうような努力をされたか。つまり農林大臣代理がだれかあるだろうと思う。ですから、そういう人は政治的責任において当委員会に出席する必要があると思うのです。われわれは特に政策面においてこれを論究したいと思う。むろん事実の究明とこれに関連する政策面について私は審議をやはり前進させなければならないと、こういうふうに考えておるのでありますが、どうもそれに対して非常に不十分だと思う。この間に対する委員長の御努力についてちょっと承わっておきたい。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。  赤城大臣がこの問題について、かつて答弁に立たれましたが、御承知のように、ただいま旅行中であります。従って政務次官が当然大臣にかわって御出席願って御答弁願えるものと思って御出席を願っておるわけであります。かように御承知おきいただきたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは農林省は大臣がおられないのです。この代理のような何を作られたのですか、どうですか、これは作っておるのですか、農林大臣代理というのはないのですか。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の問題についてちょっと次官釈明して下さい。どういう態度であるのか。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) ただいま懇談の機会に申し上げました通り、冒頭私の言葉が足りなかったために、この案件の当初におけるいわゆる融資は、私は不正でないという意味のことをあまり強く申し上げ過ぎたために、言葉が至らないと存じますが、その間における融資については不正はないが、後段におきまして御質問の繰り返されるうちに、不正ではないが行き過ぎがあったというだけは私も認めております。従いましていろいろ不慣れもあり、また不勉強もありまして、詳細について御質問の御趣旨に沿わない点も多々あったと存じますが、今局長も参りましたので、なお、具体的なことについては局長と打合せ、または直接局長からお答えいたすようにいたしたいと思います。どうぞ御了承願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 農林省を代表して、責任において御答弁を願いたいと思います。  それじゃ質問を続けたいと思うのでありますが、不正はないというような話でありますが、とにかく今までの経過を大きく見ましても、最初は四千六百七十万のこれは融資をする。それが実際は、中央農水の損害を肩がわりさせる。そして、それの前途がはっきりしないのに、さらに今度は、日本農工を救うために四千万を投入する。さらに一億円をやる。その過程で、この経営については、もっと厳格にやはり調査、並びにこれに対する監視が必要だと思うのです。あとからあとから、まるで自分のやった行為に対して、それを償わなければならないというので、穴埋めをやっておる。こういうようなやり方というものについて、これは一体、正しい運営だとお考えになることができるのか、この点について、これは次官並びに楠見理事長から御答弁願いたいと思います。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) 四千六百七十万円から貸し出しを始めて、その後において、重ね重ね融資をしておるということは、これは全く当を得ないではないかという、しかも、その間において何か過ちがあった融資ではないかという御指摘でありますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、当初の融資以来、日本農工は一時立ち直るという考え方もありましたし、また、回収を円滑、あるいは促進いたしますために、重ねて融資をして回収をはかるという考え方に立ちまして、その後重ねて融資をした。その結果が、たまたま、いろいろな事情のために回収不能になった。経営が不振になり、回収が不能になった、こういうような実情に立ち至ったと考えられるのでありますが、結果から見れば、重ねて申し上げますが、まことに遺憾であり、御指摘のように、当初においてもっと慎重さがほしかった。と同時に、過程における会社の実態、あるいは当時の経済情勢というものを判断して、むしろ思い切って、結果から見れば、第一回の融資で打ち切って、しかるべく処置すべきではなかったかという考え方は、今日にして起るわけでございます。従いまして、あくまでも、この結果を見ますと、強く反省をさせられると同時に、今後、かかることの再び繰り返すことのないように、十分なる指導監督をいたして参りたいと、このように考えております。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 中央農水産から日本農工に移り、そして今日に及びました経緯につきましては、二回の証人喚問で詳細にお聞き取りになった通りでございます。当時の事情は、湯河証人の証言された通りと私も存じます。ただ、今、本名政務次官からお話がございましたように、結果的に見て、はなはだ遺憾であったということは、私もそういうふうに感じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 結果から見て遺憾だというようなお話でありまするが、私は、この点もっと明確にしたいと実は考えるのです。といいますのは、先ほどの、懇談会に入ります前の楠見さんの発言の中で、これは農林中金の一体、本来の使命はどこにあるか、こういうような問題について、私が質問したのに対しまして、農林水産業の発展のためにこれは寄与するのだ、それが元来の仕事だ、こういうようなお話なんであります。そうしますというと、農林水産業の発展といいましても、これに直接あずかるのは、これは農民であり漁民であります。そういう層じゃないかと私は考えるのです。一体、どういうふうに、この農林中金の資金面の運用がなされておるのか。大体、この日本農工を見ますというと、そのような農民を対象として利益を上げる、ゴム製品を作って、これを農民に売って、そこから利益を上げる、こういうようなところに、これは融資されておる。それについては、何回も融資がされておるのであります。しかし、一般の農民に対して、現在どういうふうな融資状況になっておるのか。これは農林中金の場合も、これはどんなふうな状態になっておるか。ことにお聞きしたいのは、現在、選抜融資という問題が出てきておるのであります。それで回収能力のないものには貸さない。これは一応銀行の建前としては、そうかもしれません。しかし、これは回収能力があるかないかということは、それはわからない。資金をつぎ込んで、そこで、農業の経営をやる、開拓なりをやる、なるほど、これは短期には回収はできないかもしれませんが、これも十年なり十五年の後には、相当これは利益を上げれば回収ができることになる。ところが、みすみす、この零細な、ことに貧しい層に対しては、ほとんど、この農林中金の恩典というものは、これは全然ないのじゃないか。こういう形で一方で締めつけられておる。しかも、それが農林中金の性格を考えれば、元来は、農漁民の——農林漁業の発展というものを問題にするとすれば、農漁民の発展なくして、農水産の発展というものはあり得ないわけですから、どうしてもそこのところに、これは今後、運営の面で十分考えなければならぬ問題があるのじゃないか。一方では、利益会社に対してこのような犠牲を払って大穴をあけて、そうしていろいろな紛争まで起して融資がされておる。それなのに、一方におきましては、ことに開拓農民なんかの最近の例というものは、非常にこれは問題になってきておると思うのであります。政府は、非常に貧しい資金を、営農資金を与えて、そうして入植させますが、しかし、これは間もなく過酷なほど取り立てられる。しかも、その後の資金が続かない。そういうことのために、途中で生産性はほとんど落ちてしまう。結局、最後になれば、その結果は生活困窮に落ちてしまう。中には、娘が結婚することもできない、食糧にさえ事欠くというような悲惨な状況が、最近こもごも伝えられておる。こういう点を考えますときに、私は特にこの点でお聞きしたいと思いますが、一体、農林中金の運営の方法、融資の政策面というものはどういうふうになっておるか。ことに今の選抜融資との関連におきまして、この問題を明確にするということは、少くとも当委員会における国政の問題をわれわれが追及する場合に必要なことではないか。大衆的感覚から、なかなか許すことができないだろうと思うのです。一方では、このような事態が起って、膨大な借金を、億以上をこえるものを農林中金はしょおうとしておる。それなのに、一方においては、飢えるところの貧しい農民たちがたくさんある。こういう事態をこのまま看過していいのかどうか。にれはやはり金融問題と強い関係がある。この点で、どうしても私は、これはお聞きしなければならぬ。ですから、楠見さんからその点をお聞きしたいと思います。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 農林中央金庫の運用の問題についてのお尋ねでございますが、農林中央金庫がいろいろ各方面に資金を貸し出しておりますが、その資金源はどういうところからくるかと申しますと、御承知のように、農林中央金庫には所属組合というものがございまして、水産、森林あるいは農業関係の各組合が、所属組合になっておるわけであります。それらの所属組合を通じまして、農山漁民の貯金が、農業で申しますと、農業協同組合、府県に信用農業協同組合連合会——信連と称しておりますが、農業会から信連を経まして農林中央金庫に預金が上って参ります。単協——農業協同組合でありますが、単位農業協同組合で集まりました預金を、一方また、貸し出し等をいたしまして、その余裕金が信連に集まり、信連の段階では、県区域内の農協間の彼此融通をいたしまして、その余裕金が中金に集まる、これが一番大きな農林中央金庫の資金源でございます。そのほかに産業組合中央金庫当時から認められております農林債券の発行というものがございます。この農林債券を発行することによって一般市中から得ました資金、これも中金が運用する場合における大きな資金源になっております。こういうような預金あるいは農林債券で得ました資金を運用するわけでありますが、その主たる運用先は、これは申すまでもなく、そういうような系統金融機関でございますから、所属組合にまず優先的に考えるわけであります。そしてそういう方面の運用をいたしましても、なお余裕が生じました場合に、その余裕金をもちまして従来ともにそうでございますが、関連産業、肥料あるいはアルコールとか農機具とか、そういった農産物を買う側の産業、あるいは農民側から必要な資材を買う肥料、農機具等のそういう産業、こういう産業に運用をいたしておりますし、さらに時期的にこれはそう長い時期ではありませんが、余りました場合にコール市場に出しましたり、あるいはインター・バンクの運用等をいたしておるわけでございます。関連産業に出しまする趣旨は、私どもの考え方といたしましては、会社ではありますけれども、今申しますようにそれらの方面の資金がうまく円滑に金融がいくことによって、一方農家側から見れば自分たちの生産したものを円滑に買ってもらえる、あるいは買う方から言いますれば、それらの産業が健全に発達をし、またうまくコストも合理化されまして、コストが安くなってくる、そうすれば買う面においてその便益を受ける、こういうような農民の立場から申しますと、売る場合あるいは買う場合ともに有利になることを目途といたしまして、余裕金運用を従来もいたして参ったわけでございます。この点はあくまで私どもは系統金融が中核でございますけれども、それと関連して同等とは申しませんが、できるだけそういう方面にも考慮を配っていかなければならぬ、かように考えておるわけでございます。  それからただいまお述べになりました開拓関係についての選択融資の問題でございますが、実は率直に申し上げまして、おほめをいただこうとは思っておりませんけれども、しかし開拓につきましては、私どもとしては非常な努力を払っておるつもりでございます。ただ御案内のように開拓は非常に零細でございまするし、また二十人未満の開拓組合が三〇%から四〇%もある、五十人未満の組合が全体の組合の中で六〇%近くもある、こういうように非常に何と申しますか、脆弱でございます、組織もしっかりいたしておりません。従って私どもは実は私どもの職員を全国に二十数名こちらの手弁当で開拓の組合、連合会でございますが、全国の連合会あるいは府県の連合会にも出向せしめまして、できるだけお手伝いをいたしております。これは組織面における問題でございますが、金融面におきましてもできるだけの実は努力をいたしておるつもりでございます。ただ最近今お述べになりましたような選択融資とかいうようなことが最近出て参ったのでありますが、それは実は私どもの趣旨を取り間違えて申されておる向きが一部あるようでございます。と申しますことは、いろいろの災害等の融資をいたします場合に、国の保証とか、あるいは県の保証等がございます、そういう保証があることによって、言葉は適当ではありませんが、何だか親方は日の丸だとかいうような気持で融資が乱雑にといいますか、粗雑になるというようなことになっては、これはよろしくないので、あくまで開拓の組合をしっかりさせるということがねらいでありますから、イージーにものごとを考えてはいけない、根本は今申しますように、開拓組合をしっかりさせることだ、たまたま更生、再建整備というようなふうに臨時措置法ができまして、それぞれ開拓組合で更生計画といいますか、再建計画を立てまして不振組合の更生をはかろうとしております。こういうことにできるだけ御協力申し上げて、しっかりとしたものを作り上げるようにということを主眼にいたしておりまして、決して開拓に対する従来いたしておりました態度を後退するとか、そういうような気持は毛頭持っておりません。ただいまお述べになりましたような一部に誤解を生じておる向きもあるようでございますから、この点は私どもも本所の職員あるいは地方の支所の職員等にも厳重に注意を喚起しておるような次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大体でいいんですが、系統の融資ですね、所属組合に対する本来の融資、それから関連産業に対する融資、それからコール市場に対しての融資、これらの額は大体パーセントでわかりましょう。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) これは先ほど申し上げましたように、時期によって非常に違いまして、たとえば十二月とか一月米代金が入って参りまして一番余裕金の多いときには、関係の会社、先ほど申し上げました関連産業あるいはインター・バンク、コール市場等の比率が多くなって参ります。それから五月、六月というふうに金庫としては全く余裕金のない時期が出て参ります。あるいは余裕金はありましても非常に少いという時期があります。そういう際には今申し上げましたインター・バンクとかあるいはコール市場に対する運用はございません。そういうことで時期によって非常に違うわけでございます。で、今最近の数字として持っておりますのは、今年の一月でございます。一月は今申し上げましたように余裕金の多いときでありますが、大体農業団体に融資をいたしております金額は三百七十一億でございます。水産団体に百八十八億、森林団体に二十三億、そのほかの所属団体に五十九億、この五十九億の大部分と申していいと思いますが、これは塩業組合にいたしております。そのほかのものが、関連産業とか、それからインター・バンクとか、コール市場でございますが、これが一月末現在で九百五十億程度ございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますと、大体の何で今お聞きしたのですが、所属組合に出している総額よりも、関連産業その他に出している方が多いわけですね。今のあなたの御説明では、一番多いわけですな。こういうところにまあ一つの問題があるのじゃないか。先ほど開拓農民に対する措置について、むしろほめていいというお話があったのでありますが、しかしこれは果して末端の農民まで潤っているかどうか。潤っていれば、ああいう問題は起らないと思う。これは対照的な意味合いから申しましても、最近の週刊朝日あたりでも開拓の問題を取り上げて、忘れられた開拓農民というので、録音までしている。私の近くにも、蔵王の村のあそこの農民の実情を私見ているのです。あるいは仙台の郊外の元の王城寺原、ああいうところを見ているのです。こういうところに行けば、必ず金融の問題が出るのです。ほとんどまあ金は行っていない。そうして、全くこの借金は苛酷なほど取り上げられている。そのために先ほどから申しましたように生活の困窮というものははなはだしいです。ことに寒冷地でもあり、そういうところに対しては相当な長期な資金の貸付がなされて、しかも相当経営を円満にやっていけるような資金の貸付がなされなければならない。ところが、まあ一戸あたり五万円とか何ぼというような、そういうような資金が貸し出されて、それでもって経営ができるかどうか明白なんです。私は、そういう点から言いますと、今の御説明があるのでありますけれども、どうもこれは納得することができない。しかも、先ほどからお伺いしますと、まあ金融源の一番大元は、何といっても所属組合からの預金その他のものになるわけでありますが、しかしそれが関連産業の方に、実は全体の額は私計算はしておりませんけれども、六〇%くらいは関連産業の方とかその他に融資されているというような形になっている。そうすると、本来の目的は農林水産の発展のために使うべきなんです。そうして、結局先ほど申しましたように、そのためには農民、それから漁民の発展がなければ、実際はできないことなんです。そこまでほんとうに浸透しているかどうかというと、そういうふうになっていない。あるいは、これは御存じだかどうかわかりませんけれども、その中間に組合があったり、いろいろなそういう組織があって、なかなかこれは浸透しないというような格好になっておる。こういうような中で、一方におきまして日本農工の問題が起っておる。そこで、やはり金が非常にプライベートに使われておる。こういうことになったならば、国民感情としても、一体これは了承することはできない面があるのではないかと、こう思うのです。私は、日本農工のこの問題を当委員会で数日にわたってやっておる間に、いつでも考えるのは、果してそういう面ではこの金融が正しく行われておるかどうか、元来の目的に沿ったところの線で行われておるかどうか、こういう問題です。従いまして、この面につきまして、私は当然今の政府の農林政策と水産政策と関連させて考えなければならぬ。一体どうなんですか、開拓の場合なんか。そのほかに、土地改良とか、生産性の向上を高めなくちゃならない、そういう国内の農水産を高めなければならない、そのためにこれらの資金というのは使われる、これは当然だと思うのでありまするが、今の政府の方針はそうなっておりますか。この問題と、農林中金の金融の問題というものは、私は密接不可分の関係がやはりあると思う。一体政府の監督機関である農林省の方針がどうなっておるのか。それによりまして、金融機関におきましても、やはりその政策によって金融を運営しなければならない、こういうふうに考えるのでありますが、一体今の基本的な政策、そういうものをどういうふうに考えておられるか、次官にお伺いしたい。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) ただいま具体的に御指摘の開拓の融資に対しましては、積極的に考慮を払いまして、対策を進めております。今日まで開拓行政の上において、いろいろ気の毒な開拓農民が現実に出ておるということは事実でございます。しかし、このことは、今日の中金の開拓融資の制度そのものが悪かったということだけではなくして、ほかにも原因があろうということを考えまして、その他の原因についても積極的にこれを検討いたしまして、特に三十三年度からは、開拓融資に対して相当の増額をすると同時に、新しい土地条件、新しい営農類型のもとに入植いたす者については、従来よりも相当大幅の融資をいたすことにいたしております。従いまして、先ほど理事長からの御説明にありました、いわゆる資金源と融資先の不合理が考えられるような内容についても、努めて実質的な基本対策と相待って、御指摘の開拓融資の方にも重点を注いでいくような方策をとっておる次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私はもっとお聞きしたかったのは、その根本的な対策です。一体今の政府の方針というものを、外国食糧との関連についてお伺いしたいと思うのです。やはり、外国食糧に非常に依存する部分が多いのです。もっとも、最近二、三年は豊作などということがありました。しかし、それにもかかわらず、基本的なものは外国食糧依存の政策を捨てかねておる、こういう格好になっておると思います。そうして、結局過剰農産物を必要以上に輸入しておる。その方が安上りだ、国内の開拓をやる、開墾をやる、あるいはまた土地改良をやる、あるいはいろいろな災害を復旧する、そうして生産性を高めて、国内自給の態勢に持っていくという、この基本的な、当然これは日本の独立とも深い関係のあるこういう問題については、なおざりにしてきたが、ここもう十数年来の自民党の政策の累積した農林政策ではないかと思う。そういう点から、これは農民の要求が下から激しく起りますというと、一部分何とかちょっぴり、これはスズメの涙程度の措置をやったりしますけれども、しかし実際予算で検討してみますと、年々そういうふうな資金というものは削られておる。それで外国食糧に膨大な部分を依存しておる。こういうやり方が、やはり今度の中金の金融の性格にも私は深い関係があるのではないかと思う。この点をやはり見なければならぬと、こういうふうに思うのです。この点については、政府は努力しておられるという話でありますが、基本的に努力の跡が見えないのです。昨年あたりから、政府の政策の中で、非常にやはりこの点が貧困になっているのではないかと、こういうふうに考えるのでありますが、一体このような態勢で、外国食糧に依存するというような方針のもとに、現在のこの農業開発がなおざりにされておる、こういう態勢については、次官としてどういうふうにお考えになりますか。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) お話によりますと、何か国内生産を圧迫し、あるいは押えるようなことをして、輸入食糧が過剰に過ぎる、そういう方針をとってきたではないかというふうにもうかがえたのでございますが、実は、終戦後の食糧事情の逼迫ということによりまして、なるほどある程度国内の食糧需給のために外国食糧に依存しなければならない実情にあったことは事実でございます。しかしながら、あくまでも国内生産を第一に考えて、その上に見合った、いわゆる不足食糧を輸入するという方針は変りなかったと同時に、今後においてもそのような間違いは絶対にやるつもりはございません。さらにまた、国内におきましては、全く関係外において、国内のコストの高い食糧品よりも外国の安いものを入れて行ったらどうかという意見、論議のあったことは私も聞いておりますが、それを率直に受け入れて輸入食糧重点の政策をとったこともございません。ただ日本の農業の食糧増産の基盤でありますところの、いわゆる生産基盤が確立されないときにおいて、いたずらに増産をしいる場合には、いろいろな弊害が起きて参りました事実もございますので、このたびはその弊害を改めて、まず第一に生産基盤を確立するというところに重点を置き、さらにその上に乗っかった新しい営農方式、営農類型を無理なく積み上げていって食糧増産に資したい。このように考えて新しい政策と新しい予算を計上いたしたわけでございます。  それから途中におきまして、余剰農産物の受け入れもいたしましたが、これは決して過剰なものを入れたというのではなくして、むしろ不足のものを満たすために重点が置かれると同時に、この余剰農産物の見返り資金を食糧増産の面に活用して、さらに今日までの食糧増産の隘路を資金の面からも補なっていきたい、こういうことで余剰農産物を受け入れたわけでございます。従いまして、特に三十三年度におきましては、農家の経営の基盤を確立し、そして生産性の向上を期するために一段と心を尽して、また努力をいたして対策を立てているわけでございます。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 議事進行。大体私たちの了解しておったところでは、本日、農林金融公庫の三十年度の批難事項についての質疑と、先般来問題になっている中央農水産と農工というようなものに対する金融についての事情をあわせて議題にするという——先ほど来同僚委員の御質問を聞いておりますが、事実の解明ということを私は急いでいただきたい。いろいろ御意見の開陳があって、私たちが期待しておったその事実を、幸い楠見中金理事長が来ていらっしゃるから、この機会に事実を明らかにしたいというふうに私たちは考えて出席しておるわけであります。どうもその事実の解明よりも違うところで非常に時間が費やされておることははなはだ私は残念です。委員会の運営について委員長は少し質疑応答についてお諮りを願って、その問題について質疑を進めるようにしていただきたい。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ちょうど私も岩間委員に御注意しようと思っておったのでありますが、時間の関係もございますので、かつ本日は農林省関係者は衆議院の農林委員会とかけ持ちの状態に遺憾ながらあるわけでありまして、さような点を御考慮たまわって、それで多くの決算とそれから調査事項、これにつきまして、農林中金の融資に関する調査事項、これの問題の質疑と、こういうことを議題に供しておるわけでございますから、さようの点にしぼって御質疑を願いたい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この前、委員長はこういうことを言ったのです。当委員会は、事実の究明も必要だが、政策も論議しなければならない。あなたは委員長席を離れて一時間くらいにわたってこの前討論されたことがある。われわれもそう思っている。この前十時間近くもかかって事実の究明ということをやりました。しかし、その中でなかなか事実が明確にならぬ。そうして実際は証人の食い違いの問題があって、これを明らかにするということもこれは一つの問題になっているわけで、そうして事務局の方でもこのようなことを作業して、この問題の食い違い点は出されている。しかし今日の中でこれが全部できるかと言ったら、むろんできる部分もありましょうが、証人の問題については、これは証人が出て、さらに責任者が……非常に今の形ではこれは十分できないと思う。私はやはり当委員会の論議の中で足りないのは、この問題と関連した政策面の問題だと思う。政策面の問題をもう少しやらなければ、何のために決算委員会をやっているかわからない。しかもこれは決して離れた問題ではありません。離れた問題でないので、現在のこの農政なら農政の関係と、それからこれに対するこの金融の状況というものも論議して、その中に当然これは二つのこの問題が関連してきているのであります。そういう点でこれは論議をしているのでありまして、こういうような論議を抜きにして、ただ事実だけを究明しようとして何回かやる。しかしながらこれはなかなかうまく行われない。しかしこれはあくまでも一方で努力すると同時に、こういう問題についてやらない限りは、私は問題はほんとうに正しい審議の路線に乗らない、こういうふうに考える。私には私のまた考えがあり、もっとも、あまりあと時間はとりません。時間はとりませんから、こういう点で一つのそういう政策の関連からさらにまあ追及してみたいと、こう考えております。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) できるだけ簡単に。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 せっかく同僚議員の注意もありましたので、その点につきましては、私もあまり時間をとろうとは思いません。二、三あと残った問題についてお伺いしたいのですが、とにかく今お話がありましたけれども、この次官の説明の通りには現状でもなっていないだろうと思うのです。それは一応あなたの希望的な考え方としては、そういうふうに言われることはわかるのでありますけれども、しかし予算の状況、それから農政の実際を見るというと、そういうことになっているかどうか。これはなっていないだろうと思うのです。これはまあ輸入食糧補給金の時代から非常に問題にされました。その後情勢はこれは相当変わって来たと思いますけれども、しかし基本的にこういう問題が、もしもほんとうにあなたの言われるような政策だとすれば、私は先ほどこの説明を求めました、この農林中金の資金運用面においても、当然十分変わってこなければならぬのではないか。つまり農林省の政策、政府の政策に対して、農林中金としては当然もっと農民のところまで、ほんとうに困っている農民のところまで、この金融の潤いが浸透するような方策を意識的に努力しなければならない。農林省としてはまたそういうような政策を、これは監督官庁の立場から、これを当然行わせなければならないのだと思うのですが、その点いかがですか。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 岩間さんの御質問の点につきましては、御趣旨は十分私どもも同感でございまして、従って私どもはそういう方向で従来も努力いたしております。先ほど申し上げましたように、時期によって非常に違って参りまして、出来秋から三月ごろまでは、単位農協組合も信連も比較的に資金が余裕がございます。農民自身が米代金その他の代金が入って参るわけでございますから、従って従来農協あたりから借りておりました金を返し、それをだんだんと四月ごろは、逆にまたそういう方面から借りていくと、こういうような循環をいたしておるわけでございます。従って先ほども申し上げましたように、金庫といたしましても、十二月、一月ごろと、五月、六月ごろとは非常に様相が変わって参りまして、先ほど申し上げましたのは、一月の数字を申し上げました。  そこで今申し上げましたようなことの裏打ちといたしまして考えて、実際を見て参りますと、たとえば昨年の六月の状況はどうであったかと申しますると、全体の貸し出しは千三十五億でございましたが、そのうちで七割程度のものは、これは所属団体に回っております。こういうふうに所属団体、非所属団体との運用の面における率は、そのように大きな変動を見て参るのが今日の農業金融の状況でございます。そして同時にその中における開拓問題について、先ほどもお話がございましたし、週刊朝日の記事を私も拝見をいたしました。その点は先ほど申し上げましたと同様でございますが、いかにも開拓については、組織が未組織である。開拓民の中には、一体自分がどれだけの金をどの方面から借りておるかはっきりしないというような組合員もずいぶんございます。そういうのを組織をしっかりとさせる、こういうことを私どもはお手伝いをいたしておるわけでございますが、しかし資金面で開拓融資について、従来の積極的な態度から後退をしていくとかいう気持は毛頭持っておりません。依然として積極的に開拓民を立ち上らせるための努力は続けるべきであるということを私も再三にわたって職員にも訓示を続けておるような次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 開拓農民についてのお話がありましたが、これはいろいろ隘路があり、難関があるだろう、こういう点について努力をされる。これは今までの楠見さんのやり方については、われわれも一部分は了承しておるのでありますから、そういう中でこれは努力されるべきだと思いますが、非常に隘路があって、実際はそうなってない。従ってそういう中でこのような日本農工のような問題が発生すると、これは対照的に国民の間には映るわけです。そういう点から考えまして、たとえば、私はお聞きしたいのですが、今度中金の出しておられる解決策みたいなもの、これで一体国民は了承するだろうか。つまり一億九百万の損害を中金が背負う、しかし農工には五千五百万の金を渡す。しかも中金の損失は、これは一億八千万ですか、九千万ですか、そうすると、自分の損害がはっきり償われないのに、なぜ一体日本農工に対して、このような五千五百万という金を渡さなければならないのか。先ほどからの次官の説明によっても、それから楠見さんの説明によっても、行き過ぎは認めるけれども、しかしこれは事務的には別に間違いはないのだ、間違いを犯していないというなら、なぜ一体これらの大きな負担を背負いながら、しかも一方において日本農工に五千五百万というような金を渡さなければならないのか、だれが考えてみても、この点では納得のいかない問題があると思うのです。もしもほんとうにあなたたちが正しく今までの日本農工に対する金融がなされておったというならば、あくまでこれは金庫を守る立場から、当然明確にこのような債務の履行をされるということが当然だと思う。なぜ一体そういうふうになったか。この点でこのようなこの解決の方針というものは非常問題だろうと思うのです。この点について一体どういうふうにお考えになりますか。これは理事長並びに次官からお伺いしたい。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 岩間さんのお話の、大衆的な観点から見て非常に妙な感じが持たれるということでございますが、まさにその通りでございまして、従って私どももこの問題については非常に遺憾に思い、また申しわけなく存じております。ただお述べになりました解決案でございますが、最終的にまだそのように決定したわけではございませんが、大体そういう線でいくことにしてはどうだろうか、こういうふうに今考えておるわけでありますが、中金が損失を一方で負担し、一方で五千五百万円を出すという問題でありますが、損失を負担するにつきましては、これは裁定といいますか、調停で御努力願いたい。その案でそういうふうになっておりますが、大体中金が、たとえば中央農水産の問題については、中金側にも大きなそごがあるのであるから、中金が負担すべきであるとか、あるいはその後の経営については両方が互譲の精神でもってそれぞれ分担すべきものを分担をしていくべきであるとか、そういうような考え方が漏らされております。そういうようなことを私どもがのむといたしますれば、一方でそういう損失負担をすることになるわけであります。そういうことをいたしました結果、すべての債権を集中して、そうして代物弁済をするということになりました場合に、建物の現在の評価額というものを一方に立てて見ますと、その差額が五千五百万円出る。従ってそれは余分のものを代物弁済を受けることになるのでありますから、その差額を中金が出すべきである、こういうことでありまして、五千五百万円の方はそういうような純負担額及び評価額というものからきた計算上の問題でございます。その前の中金が負担すべきである一億九百万円の問題は、今申し上げましたような経緯でもってそういうような方向が打ち出されておる、こういうことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 農林当局のそれに対する御意見を……。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) ただいま理事長からこの問題の処理の方針について内容的な御説明がありましたが、農林省といたしましても、いろいろ取扱い、あるいは経済の情勢等において判断を誤まったような結果を来たしましたことは、ほんとうに遺憾でございますが、もし今説明のありましたような処理方針によって話し合いがつくなれば、農林省といたしましては、反対はいたさないつもりであります。しかし、いずれにいたしましても、若干の損失を見るということは非常に遺憾に存じますが、一応この線で早急に解決をしていただきたいと望んでおるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これに対する会計検査院の見解をお聞きしたい。

上村照昌会計検査院事務総局第五局長

○説明員(上村照昌君) 今後の処理の問題でございますが、実は現在最終処理の段階については、まだ私ども検査の段階になっておりませんし、しかも、そういう処理をされる場合にいろいろの見通しその他を立てて、おそらくおやりになっておるのだろうと思いますが、そういう点をいろいろ検討していきませんと、いいか悪いかという点をここで早急に検査院の意見として申し上げることはいかがか、こういうふうに考えておりますので、御了承願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もっと責任をもって検討していただきたいと思いますが、われわれはこういうような解決のやり方には非常に疑問があるので了承できない、こういうふうに思うのです。この問題については、これはこの問題と関係あるかどうかわかりませんが、現在日本農工の社長はだれですか。これは御存じですか、次官から一つお答えしていただきたい。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) 三浦一雄氏と存じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは自民党の役員をやっている三浦さんですか、同じ人ですか、一雄と言うのですか。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) さようでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 やはりこの問題についてもわれわれは了解できない。やはり三浦さんはもと農林省関係の役人出身である。現在自民党においてとにかく幹部をやっている人だ。幹部の役員をやっている人だ。そういう人がとにかく社長をやっている。こういうような圧力があるのかないのか、ここでまああるのかないのかと言っても、これについてあるというようなお答えをなさるような人は一人もないだろう。しかし、この問題はやはり国民が判断する問題ではないかと思う、私は。この農林中金の金融の状況が、今の日本農工とそれから開拓民との対比において明確にこれは国民が判断するように、こういう解決の策が、実はその当時の権力の背景においてなされるという印象を与えるとすれば、これはゆゆしき問題ではないかと思う。こういう点についてなお世間の疑惑を避けるために、当然そのような衝にある人は、これは私は努力すべきだと思うのでありますけれども、これは農林当局の意見としては、ことに旧農林官僚であり、そして現在とにかく政党の幹部役員である、この人が社長になっておる。こういう会社との話し合いにおいて、そうしてこういう事態で、何かやはり今までの話し合いからいうと、筋が通らない。とにかく事務的には間違いがない、ちゃんと法律的には施行しておる。しかもその金は公金だ、しかもその公金が、これは国家の農林水産を発展させるために、それを本来の使命とするために使われなくちゃならない金なんだ。それが当事者の認定によりまして、それだけの損害を、大きな穴を認めるという形でこれが解決されるということについては、非常にやはり当委員会としても、これはこのやり方について見守らなくちゃならないし、それから簡単にこのことを了承することはできないと思います。従いまして、農林当局としてはこういう問題について一体どういう考えを持つか、次官の御答弁をお願いしたいと思います。

本名武自由民主党農林政務次官

○政府委員(本名武君) 党の役員がこの会社に関係しているということは、特にこの処理方針に関連して疑惑を深めるではないかというお言葉でございますが、実は農林省の立場からいたしますと、この処理方針はあくまでも自主的に中金がお立てになって、当事者との話し合いをなさることであると同時に、その経過並びに結果については詳細報告をしていただいて、最終決定をすることになろうと思いますが、いずれにいたしましても、中金の自主的な立場においてはあくまでも進めておられると考えております。同時にまた三浦一雄氏のことにつきましては、就任のいきさつからいたしましても、また御本人の人格その他からいたしましても、決して御指摘のような疑念は持たれるようなことはないと信じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 疑念を持たれる方でないとすれば、なおこういうような解決については疑惑を持たせないように、ことに政治家でありますから、身の辺りを潔白にする努力をされるのが当然だと思う。そういう点からもわれわれはなかなかこの問題は簡単にはこれは了承できないと思う。  最後にお伺いしますけれども、これはどうなんですか、私たち当委員会で非常に問題にしまして、結論が出たわけではございません。私の質問もその当委員会の質問の中の一部分にすぎないので、結論はいずれこれは出されると思うのでありますが、この解決方策なり、さらに今後の運営について、一体当委員会のこのような意見、ことに私の申し上げたいのは、国民の大衆的な一体立場からどう見ているか、この問題は今後やはり中金の運営についても考えていただきたい。また農林省の指導監督についても考えていただきたいと思うのです。ことに私たち長い間同職としまして親しんで参りました楠見さんに特に要望したいと思うのであります。そういう大衆的な感覚をあなたはいつでも持っておられる。そういうところで、問題にされたところで私どもは非常に敬意を感じておったのです。そういう中金の理事長がこの問題について、やはりそのような国民の世論というものを反映して、相当にこの問題を検討するということは、非常に重要な段階にきておると思いますので、これについて一体再検討するお考えがございますかどうですか。このことを私はお伺いいたしまして、私の質問を終ります。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) いろいろ御心配をいただきまして、まことに恐縮に存じますと同時に、感謝をするわけでございますが、私といたしましては、本問題の解決については、いやしくも世間の疑惑裏のうちに解決するようなことなしに、あくまで十分に納得がいけるような方向で解決をいたしたいと、こういうふうに考えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 漁業金融公庫の点について一つお尋ねをしたいと思うのでありますが、会計検査院で三十一年の二月から、九月までの間に扱った中で、管理不十分と認められたうちでもさらにあまりよくないと、こういうのが三百五件、二億九千二百十九万三百三十二円と、こういうふうになっておりますが、だいぶん是正をしたということも出ておるのでありますが、金融機関としての立場で、貸付対象事業についての貸付先の経理がまったく不明であるという中で、二千百八十三、二千百八十四、二千百八十五というような項目になっておるわけですが、これは代表的なものであると思うのです。これは一つ会計検査院の意見を聞くわけですが、代表的なものであると思うのでありますが、一体会計検査院が調査をした中で、なお残されておる一億二千四百八十二万七千五百四十六円ですか、それらについて最も大きいものというのは何件ぐらい……、どうして今の二千百八十三から五までのような形になっておるのか、これは会計検査院の方から一つお答えをいただきたい。  それからこの貸付対象が非常によくない、こういうことであるが、公庫の方の総裁はその後具体的にどのような方針というものを、先ほど説明になったけれども、その具体的な方針というものを出されて、それによってはどのくらいのいわゆるそういうものが整理をされる、こういうふうになされておるか、そのことを一つ最初にお尋ねしたいと思うのです。

上村照昌会計検査院事務総局第五局長

○説明員(上村照昌君) ここで書いております二千百八十三から二千百八十五までは、これは是正未済のもので、二十万円以上のものを大体掲記いたしておるのであります。それから先ほどお話がございました貸付先の経理が全く不明で云々というのは、これは別の事項でございまして、これは会計検査院で検査に行きました際に、時間の関係その他もございましょうが、いろいろ調査した結果では、当時経理が明確になっていないという案件でございまして、具体的にはこの三十年度におきましては、百八十件くらいあったかと思っております。それでこれにつきましては、公庫において調査をされまして、逐次報告されるようになっておりまして、現在におきましては、経理が明確になって、そのままでよろしいというものと、経理が不明のもので償還させなければいけないもの、あるいはその他の理由によって償還しなければならぬというようなもので、大体片がついております。  それから二千百八十三号で、大体大きいもので申し上げますと、数が多いのでありますから、一つを申し上げますと、青森県三本木市大光寺堰土地改良区に、二十八年二月に水路災害復旧事業として三百五十万円貸されたのでありますが、その後補助金の受領がございましたので、二百三十万円余りを繰り上げ償還する必要があるという事態であります。  それから貸付の、二千百八十四号のうち目ぼしいものを申し上げますと、香川県綾歌郡長柄池土地改良区連合というものに、二十六年あるいは二十七年三月に約五千万円ばかり貸しておられますが、当初の事業計画が県営事業を繰り上げ施行するということになっておりましたが、それが取りやめになりまして、地元の負担金として三千四百万円出すというようなことになりました結果、二千四百万円が繰り上げ償還を要するというような事態でございます。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) 案件は、一つは補助金をもらいましたときに償還することになっておりまするのが、償還がおくれるのでございますから、この点につきましては、補助金の交付当局でありまする府県と、災害がおもでありますが、災害を今扱っていただいておりますのは農林中金の支所でございます。その打ち合せによって、補助金を渡すときに、こちらがすぐ取ってしまう——というとおかしいのですが、返してもらう、一旦市町村に行きますと、あるいは団体に行きますと、これがなかなか返らない、こういう事情でございます。ところが県との間の打ち合せが非常によくいっておりますところは、こういう事故が起らないわけであります。この県と農中の出先との間の連絡を一そうよくするように、これは個別にそのつど県庁に話し込むということに努力をいたしていきたいと思います。  第二番目は、実際の工事をやりましたときに、計画変更になって当初の仕事をしないとか、あるいは経費が安く上ったために、当初の査定金額が結局貸付超過になる、こういう場合でございまして、これを防ぎますためには、おもなるものにつきましては、たとえば工事の進捗状況を報告してもらうとか、工事ができましたときに認定調書をもらうとか、これは主として公共事業については県でございます。また一方金を払い出しますのにも、これはでき高がどうであるとか、あるいは請負師からの請求書がどうであるとかというようなことを確認をしてもらって、金融機関が実際に払い出しをする、こういうふうに努めているのでございます。しかし、たくさん指摘を受けますがごとく、まあこういうことも起るのでございまして、どうしてもこれは、貸す方からの監督々々というばかりでは、とうていいくものではございません。やはり借りる人の注意をよく喚起してやりたいというので、最近におきましては、貸付契約を結びますときに、一枚刷りのものを作りまして、こういうときには返してもらうのだからということを注意を促している、こういうような次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 先ほど会計検査院から、なお百八十件くらいの——これはもちろん他のものも含んでおりますが、不明な点がある、こういうことを言われましたが、漁業公庫の方では、そういうようなものについては、ただいま総裁のお話ですと、払い出しについても十分注意をするが、主としてこれは地方の県が扱うのであるということで、その報告を地方出先機関あるいは県庁等でそういう点について報告を求めておったということであるが、その不明な点というのは、漁業公庫の場合にどのくらい今まであったか。  それから、いま一つは、ただ注意ということ、今あなたの言うように、そういう注意だけではこれは問題は解決しないわけです。従って、貸し出しをする本人のこともよく取捨選択しなければいけないということは、これはもちろん当然だと思うのです。あなたの答弁の通りだと思うのですが、公庫自体としては、少し大きいものについては現地を調査をされるとか、あるいはその関係者の身元といいますか、信用というものですね。そういうものについてどういうふうにお調べになってやるのか、そういう点を一つお尋ねをしてみたいと思うのです。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) 貸付の当初につきましては、これは現在の制度といたしましては、委託金融機関に調査、審査等を委託しておるのでありまして、公庫といたしましては、書面上の審理をいたしておるのであります。これは受託機関は、それぞれ府県の信連でありまするとか、あるいは農林中央金庫の支所でありまするとか、地方銀行とかでありまして、公庫は東京だけでありますが、現地の事情にはるかに詳しい人でありまして、この審査に基いておるのであります。  それから後の管理につきましては、監査室を設けまして、ここに三班くらい置きまして、一定の計画でずっと回って、貸付先の現地につきまして見ておるわけでありまして、悪いところについては、注意をして回っておるわけであります。無論これは、会計検査院がおやり下さるほど多くの件数はできませんのでありますが、そういうふうに努めてはおります。それから、何しろ農村のことでありますから、ときどきやはり帳簿等が不整理であるというのもままあるそうでございます。これは、ここに参っておりますが、真板検査役が、主として監査室長でございまして、しかし話はそういうものを聞きますが、そういう件数がひどく多いようには聞いておりません。必要がございますれば、真板君からもお答えをいたしたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 総裁の答弁によると、もっとものようにもわれわれは聞き得るのでありますが、これはやはり漁業公庫というものが、この趣旨にもあるように、多数の人に、あるいは少額の部分もかなりあると思うので、そういうような問題を一々全部が全部その調査はできぬかもしれぬけれども、原則として委託機関に対するところの書類審査ということが、果して今日までに議論をされておるように、できるだけ不当不正の事件というものをなくすることになるのか、それとも今までの経験からいって、今あなたの言われたように、監査室というんですか、そういうものを持って、できるだけ審査もするというんだか、そういう形を強化した方がいいのか、その点は一体あなたはどのようにお考えになっておりますか。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) これは受託機関におきましても、大体この公庫の業務といたしましては、当初と現在ではかなり違っておりまして、別に昔のことを悪く言うわけではございませんが、まあ農林省の特別会計でやっておりましたごく当初のころは、きわめて不整備であった。しかしだんだんもう現在では整備をされてきております。受託金融機関もやはりこれは二割の責任を負うのでございまして、また、対象が農林漁業と、こういうふうに大体団体が多いので、まあ個人もございますけれども、団体が多いので、そういういろんなものが入り込む余地ということは比較的少いわけでありまして、しかし、まあよくやっていただいておると思います。一番悪質といいますのは、用途外流用というふうな点でございます。これは、必ずしも多いわけではございません。しかし、何しろ公庫の責任を十分果しますために、東京だけというのでは、やはりこれは工合が悪い。やはりもう少しもっと現地に密着をして、貸付の審査なり、あるいは事後の管理を周到にする必要があると考えまするので、昭和三十三年度からはブロック別に公庫の支所を設けまして、受託機関と協力して、一そう業務の運営を適切にしていきたいと、かように考えておる次第であります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 楠見さんにお尋ねしたいと思うんですが、各委員からいろいろ御質問があったので、すでにおわかりだと思うんですが、今回の農林中央金庫で貸し出された問題について、先般の御出席の際にお答えがあったことでは、先ほど次官のおっしゃったように、当時はあまりそういう不正とか不当とかいうようなことを考えずに、とにかく貸し付けて、できるだけ社業をよくしてやろうと、こういうようなお話であったと私も思います。しかし、結果的には、島委員や岩間委員のおっしゃるように、農林中金として債権が残っておると。で、これを整理をして、農林中金の損害というものをなくする、こういうことについて、先ほど松岡委員もちょっと懇談の席で話があったんですが、高橋さんと農林中金との間にお話し合いが進んでおるということは、それは両者の民事的な立場でお話し合いになるのか、それとも、もうこの前のお話しのように、訴訟というものは全然取り下げてあるんだから、とにかく、この際国会でもこういう指摘がされておるんだが、早くとにかく農林中金の損害をなくする、その債権確保と、損害をなくするという意味で、こういう問題を早く片をつけたいと、こういうことで妥協といいますか、両者でいわゆる話し合いを進めておると、こういうことなのか、その点はどちらなんですか。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 結局この問題は、両当事者が互譲の精神でやっていかないと、これは解決はできない問題じゃないかと思うんです、おっしゃるように、もしそうでなければ、訴訟ということでいくわけなんです。ところが、訴訟でいくことによって、どれだけの解決の方法が見出されたか、あるいはプラスがあったかといいますと、過去においては非常な訴訟技術上の技術に関する枝葉末節な点だけで争って、得るところはちっともなかったと。やはりこれは互譲の精神でいこうじゃないかということを、私どもは実は考えておるわけなんです。従って、その場合には結局両当事者ともお互いに不満な点があっても、それは互譲の精神で忍び合って、そのかわり損失はゼロということは、これは期待できないんだから、ある程度の損失はお互いに負担し合う、こういう方法でいくのが、過去の長い間の紛争の経緯にかんがみて、この方がむしろベターじゃないか、こういうふうに考えて、その方向に進みたいと思っております。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 議事進行。中央水産ですか、その方の話に入ったようですが、農林漁業金融公庫に対する批難事項についての質疑が大体済んでおれば、もう公庫の総裁その他関係者は御退席願って、わざわざそのことでいていただく必要はないと思うんです。そういうふうにお取り計らい願いたい。ただ、一点私はそういうことにお取り計らいになるならば、この機会に御質問したいと思うんです。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 実は私から申し上げますが、先ほど来、公庫の決算審議に対する質疑が一向出ませんので、まだ公庫の質疑打ち切りをやることができなかったんですが、ちょうど幸いに相澤委員から、この批難事項全般にわたってこの質疑があって、全般にわたっての詳細なる説明がありましたので、一応このほかにあまり御質疑はないんじゃないかと私は考えているが、松岡委員御質疑があるならば、公庫に対する御質疑を願いたい。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 ちょっと公庫の総裁おいでですからお聞きしますが、会計検査院で一応批難している事件というもので、おもなるもの、これは補助金相当額の繰り上げ償還をさせていないもの、それから業務方法書に規定する貸付限度をこえているもの、それから目的外使用、この批難されたものは、処理はどういうふうにしておるんですか。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) これはそれぞれ返すべき、たとえば繰上償還すべき補助金でありますれば、これを請求して返してもらっておるわけです。ただ、場合によりますと、一度では返せぬということがございます。そうすれば、これを二ヵ年間で返してもらうとかというような措置で回収——返していただいておるわけで、これは限度超過になっておりますものにつきましても、やはりそれぞれ償還期日を指定いたしまして、そうして繰り上げ償還を命じておるわけでございまして、これは会計検査院の指摘事項を公庫で一応見まして、これを受託金融機関に移して、しこうして、ただいま申しますような繰り上げ償還の措置をとったわけであります。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 そういたしますと、現在ここで審議しておりますのは、昭和三十年度の批難事項なんです。そのうちで貸付目的外使用、こういうものが五件上っておるわけです。こういうもの、三十年度の指摘されたものを、今日三十二年度が終ろうとするに当って、今おっしゃった償還というようなものが、このたとえば五件のうち、これは目的外に使っておるわけですが、一応指摘されないでもいいようになっているのか、そのほかのものについても二年の間にはちゃんと解決がついたのか、つかないのか、つかなければどういう状態になっているのか、その点だけ、せっかくの機会ですから伺いたいと思います。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) この目的外に使用せられましたものは五件でございまして、そのうち済んでおりますのは、これは香川県の連合会、これは災害のための畜舎等の金を貸したのでありますが、それが農業協同組合の運転資金に使われておった、これは繰り上げ償還済みでございます。  それから、同じ香川県でございますが、善通寺市の大池土地改良区目的外使用三百八十万円、これは全額繰り上げ償還済みでございます。  それから奈良県の北倭村土地改良区というのがございまして、これが百五十万円ございます。これは結局組合員から経費を……この事件は百六十万円借りましたうち、半分の八十万円は他に借り入れた資金の返済に充て、残りの八十万円は他の県営事業の地元負担金等に充てておった。同じ土地改良事業でありましても、こちらが貸しました目的と違う方に貸しておったと、こういうのでございまして、これは組合員から取り立てて経費賦課徴収をやりまして整理するように話をいたしておりますが、まだ片はついておりません。  その次に片のついておりませんものは、徳島の真珠の養殖施設でございます。これは真珠いかだ等に金を貸したのでありますが、これは事業が失敗でありまして、これは担保物件を競売するように申し立ての手続をやっておる。ただしこれは組合員が町の中に住んでおるので、まあ大体住宅あたりがこの担保に入っておりますので、これは全額果してうまく回収できますかどうか、疑念があると思います。  それから金額の大きいのは株式会社中国銀行の取扱いで、岡山木材株式会社、これは二十七年当時貸し付けたのでございます。これは一部の金をこの会社が村有林といいますか、部落有林を買って、その部落有林の開発費ということでございましたが、林道をつけるということでございましたが、こちらが貸しました金の一部は、やはり山林の購入代金の方に回している。道はつけたことはつけたのでございますが、やはりこれはほかの方面に金が使われたということ、その木の一部を売りまして一部返済にはなっておりますが、なお残っておりますのが——一千万円は入金があったのでございますけれども、金利等がありますから、現在まだ一千二百万円残っております。これは残りの山林をさらに処分して返すということでありますが、この残りの山林につきまして、元の売り主である部落と紛争があるわけでありまして、なかなかまだこれはかかる。従ってこれにつきましては、会社の責任者はまあ前に日本パルプに一部山林を売ったんですが、そういうところにほかの山林をあっせんするとか何とかいうことで返したいということを言っておるのでありますが、これは話を続けておるのでございます。そういう状況になっております。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 ちょっとほかの——今のは、五件は目的外の使用に充てられてある。そのほかの部分の処理をついでに、そんなに詳しくなくていいから。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) これは先ほど申し上げましたが、補助金の償還という点につきましては、八八%が処理済みになっております。それから限度超過におきましては九四%が処理済みになっております。でありますから大体片がついておる、こういうことであります。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 処理済みにならないものは——大体片がついておるが、処理済みにならないのはどういう理由で、たとえばこれはさっきお尋ねした目的外の使用とはちょっと違うと思うのです。片方は補助金をもらっているわけですから、補助金をすぐいろいろ手続すれば償還ができると思うのです。片方は貸付の限度があって、これはどういうふうにしているかしらんけれども、これも私は回収できると思うのですが、この分は八〇何%、九〇何%はほとんど処理はついているとおっしゃっているが、問題は二年たって処理がつかないのは一体どういう理由で、それをお聞きしたい。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) これはやはり相手の方で金を工面しなければならぬわけでありますが、この土地改良等におきましては、この負担をやはり課さなければならぬということがあるわけでありまして、そういう負担の課し方というようなものが円滑にいかないというような事情で、なお残っておるものがある、結局、端的に申しますれば、金が限度超過になればそれだけ金があるのではないか、補助金がいけばそれだけ金があるのではないか、現実には金がないわけです。そこでそいつを借主が調達することにつきまして難点のある場合のものが残っておる、こういうわけでございます。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 私うっかりしておりまして、あなたの方でお出しになったのに、非常に詳細な処理の状況、内訳が出ております。これは拝見すればわかると思うのですが、要は、やはり非常に減ってきた、二十九年度に比べれば三十年度はずっと、特に目的外使用は減っております、と思うのですが、こいつはやはり会計検査院が指摘したものの全部じゃないと思うのです。私の言いたいのは、このほかにやはり会計検査院が当られれば指摘されるものが相当あるだろう、こういうものをあなたの方で監査室で監査して、やはりそういうものについては今おっしゃったような会計検査院に指摘されたものと同じような処置をとっておられるのか、おられないのか、この点がとっておられるとすれば、その件数は三十年度に関してどれくらいあったかということをちょっとここで一つ。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) これは監査室で見ました場合に、事故がございますれば、会計検査院の御指摘の案件と同様な措置をいたしておるのでございまして、千二百件の処理をいたしております。

島清日本社会党

○島清君 時間がございませんので、ごく簡単に一つ御答弁いただきたいと思いますが、日本農工に三千五百万お貸しになりましたですね、それは四十五年度ですか、返還の最終期日のようですが、ゴム事業の施設としてお貸しになったわけですね、地元はゴム事業を閉鎖しましたね。そうしますと、これは不良債権で、回収を、償還をおはかりにならなければいけないと思うのですが、そういう意図は、もちろん今おありと思うのですが、いつごろからお持ちでございますか。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) これは管理者でありまする農林中央金庫とも打ち合せをいたしまして、三十二年の六月に全額の繰り上げ償還を請求いたしております。

島清日本社会党

○島清君 それが償還の御要求通りにできてない場合は、当然抵当権を設定しておられるのでありますから、権利行使をおやりになるのでしょうね。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○参考人(山添利作君) そういうことが必要な事態になりますれば、当然そういうふうにいたすわけでありますが、しかしこれは当事者間の和解と申しますか、ということによりまして、それに及ばず返ってくるものと期待をいたしております。

島清日本社会党

○島清君 そういう和解に御期待をしておられるということであれば、もう一ぺん一つ証人か参考人でおいでをいただきたいと思うのですが、すでに委員会ではその段階を越えているのです。オール・オア・ナッシングですね、委員会の結論は……。ですから債権はやっぱり確保されてすみやかにそういった和解の進行にかかわらず、そういったような国の財政資金を預っておられるあなたとしては、十二分な善処を要求しておきたい、こう思います。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をつけて下さい。  農林漁業金融公庫に関する決算審議はほかに御発言もなければ、質疑はこれを終了したものと認めて差しつかえございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) しからばこれをもちまして農林漁業金融公庫の部の検査報告批難事項第二千百八十三号から第二千百八十五号までの質疑は終了したものとすることに決定いたします。

島清日本社会党

○島清君 時間の制約がございますので、私は大へんに不十分ではございますけれども、不満足ではございますけれども、与えられた時間できょうの質疑を終りたいと思っております。  そこで前提といたしまして、私はこの前農林中金の方の不良債権の報告を求めたのでございまするけれども、資料が非常に貧弱でございまするので、私たちの手元に集まっております資料からいたしますると、現地を調査する必要があると思いまするので、これは委員長、理事の方におかれまして現地調査の件を取り上げをいただきたい、こういうことできょうのところは委員長、理事さんの御配慮の通りに大体二、三十分で質問を終りたい、こういうふうに考えております。  従いまして、そこで楠見さんにも一つ御了承をいただきたいと思いますが、第一点にお聞きしたいのは、あなたは湯河さんなんかの当時にできました事態については、責任者としての立場において、この問題の処理に当られる御所存であるのか、それとも前任者のことであるから、前任者のやったことは私は私としてただ善処をするだけである、こういうふうなお考えでこの問題の処理に当られる所存であるか、それを承わっておきたいと存じます。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) どういうようにお答えをしたらいいか……、前任者の当時にできましたことにつきましては私は実は承知いたしておりませんから、その限度においては責任のとりようが実はないわけでございますが、しかしこの事件が私理事長になりましてから処理の段階に入ってきておるわけであります。そこで私といたしましてはこの処理をいたすについては、現在理事長の職にございますから、その意味においては私の責任においてこの事件を円満に処理をいたしたい、かように考えております。

島清日本社会党

○島清君 私がお聞きをいたしました最大の理由は農中金は法人でございます。従いまして私は前任者のやりましたことでもやっぱり同一人格体としてあなたは責任をもってこの問題の処理に当らなければならないという前提。  そこであなたは前任者のやった行為である、あなたはそういう責任を全面的に負うべき立場にない、こういうふうに第三者的な発言をあなたはなされておるのです。そういうことを第一回の参考人としてのあなたの御意見を拝聴したときには、第三者的な、私の知っている限りにおいては、私の承知するところによるとこういうふうな御答弁がございましたので、非常に私は不満であります。これは法人でございまするので、同一人格体の前任者のやった行為は後任者は全面的に責任を負う、責任を負う立場において問題を処理するのだ、こういうことにならなければならないと、こう思うのです。いかがでございますか。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 私前回参考人として参りました際のお答えがもし悪ければ、この機会に訂正いたしたいと思いますが、こういう事実を知っているか知っていないかというような御質問が多かったと思いますので、私は実はその事実は知らないというような御答弁をいたしたことと記憶いたしております。しかし今島さんがお話しになりましたように、私といたしましては、前任者の行為でございましても、それは金庫の、この処理をする段階において理事長である以上は、理事長として前任者のやりました行為につきましてもやはり責任は負って善処すべきである、こういうように考えております。

島清日本社会党

○島清君 そこで全面的に責任を負うという立場においでの御発言でございますので、それを了承いたしまして問題の核心に触れたいと思うのでございますが、今さっき岩間委員から五千五百万円を農工の方に返すことについては了承することができない、こういうことでございました。  そこであなたの説明の中に、中央農水の関係についてはこれは農中側においても責任があるから、これは農中の方で責任を負わなければならないのだ、こういう御説明でございました。ところが問題の発端はそこから始まっているわけです。この責任を負うその農中側の方からお引き受けになるということになりますと、それから発展をいたしまする問題は全部農中側の方で負わなければならないということになろうと思います。それはここに出ておりまする処理方針案というものは、私が幾多この委員会の席上におきまして疑問として提案をしておりまする、速記録をごらんいただけばわかると思いますが、この問題は全部であるか、全部を失うか、オール・オアー・ナッシングだと思います。こういったような妥協というものは、委員会の外において行われるということについては、私たちはそれはよろしいかと思いますけれども、しかし私たちが国家的な立場からこの問題を取り上げた場合、どうしても認めるわけには参りません。全部を高橋側の責任なりとして、これは三億七千万という財産があるのでありますから、せっかく抵当権に基いてそれを処分されて法律行為をおやりになって農中金の方に御迷惑をかけないという形をおとりになるのか。それともこれは農水の問題は、これは通謀です、虚偽の意思表示なんです。通謀いたしました虚偽の意思表示に基いてこれを糊塗するために、切り抜けるために、すべてのからくりが組み立てられた、私たちはこう見るわけです。しかしながらそのからくりがどういうふうに解決されようと、私たちはそれは問題でない。院外の民法の問題でございましょう。問題でないのです。従いまして、この農水と農中金の方に責任があるからとお認めになりますと、すべてこれから発端いたしておりまするところの組立てられた問題は、全部農中の方でお認めにならなければならないと、こういうふうに理論的な構成になるわけです。また実際にも何だかそうであったように私たちは思えるのです。この点はいかがでございますか。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 島さんの御判断はそういうふうな御判断であるようでありますが、私どもは実はそう考えておりません。この点は前二回の湯河さんの証言でも明らかであったと思います。ただこれだけの紛争を起した問題でありまするから、先ほどお答え申し上げましたように、当事者がそれぞれ互譲の精神で円満に解決しようじゃないか、そういう場合に一体中金としてはどの程度の責任を負担すべきであるか、あるいは高橋さん側といたしますれば、どの程度の責任を負担すべきであるかということをお互いが互譲の精神で話し合いをいたした結果、この部分は中金、この程度は高橋側とこういうふうになるということが、事件の経緯にかんがみましても、私は円満な解決方法ではなかろうか、かように考えております。

島清日本社会党

○島清君 それはなるほどお前たちは僕の財産を盗んだじゃないか、そうではないんだ、お前にも責任があるじゃないか、だから盗人は五分五分じゃないか、だから五分五分の責任を負おうじゃないか、七分三分の責任を負おうじゃないか、こういう場合にあなたのおっしゃる通りのどろぼうの分け前ということでしょうが、そういうことがあるいは成立するかもしれません。しかし事実ここに提示されておりまする問題は、湯河さんの説明によりますと、農水の社長は高橋さんであった、農工の社長も高橋さんであった、そこで両面の人格を保有されまする高橋さんが私のところへこられて、その農水の債務は引き受ける、こういうことで懇願をされて、そして抵当権をとったんだ、さらにゴム事業をお始めになるのだから、それには農工側の協力によってゴム事業をお始めになるというから、それはこういうことで先輩諸氏のやった会社の債務を返済する、そのことに努力をしてくれればよかろうというので、そこでまた金を出したんだ、こういうことなんですね。それでありますならば、もう疑う余地なくして抵当権をとっておられるのでありまするから、この抵当権に基いて権利行使をおやりにならなければならない、しかしながらそういう農中金側の主張に対しまして、高橋さんが何も知らないと言っておられます。何も知らなければ、これは何も知らないところの高橋さんに責任を負わすわけにいかぬのだからして、結局は全部農中金側の方で責任を負われるか、それともまた農中金の方は絶対に間違いないものだという前提のもとに立ってそれで権利行使をされるのか、二つのうちの一つしかないと私は思う。そこでこちら側の方はお前の責任だ、こっちの側の方はおれの責任だというようなことは、この委員会に出ておりまする証言からは受けとれないのでございますね。湯河さんの証言もそういう証言です。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 高橋さんの証言を速記録で拝見いたしますと、今島さんがおっしゃったように、全然知らないというふうに言っておられます。ところが私どもは湯河さんの証言された点、これは現実に高橋さんが湯河さんのところにおみえになりまして、中央農水産の問題についても一同が責任の重きを苦慮して、再建整備に最善の努力をしたい、こういうのをお出しになっておられるわけなんでございます。一体どちらの証言を私どもは信用するかという問題になってくると思うのでございまするが、私は経緯にかんがみまして、湯河証言をとりたいと考えておるわけでございます。ただ平たく申せば、中央農水産の問題については、農林中金としても実はもてあましておったといいますか、苦慮しておった。そこへ高橋さんはまた高橋さんの一つの思惑があられたと思いまするけれども、両方の社長であるのゆえをもってこういうようなことを申し出られた。だから高橋さんの方はそういう一つの計画をお持ちになり、農林中金としてはこれは渡りに船であったと、こういうような両方が何と申しますか、解決についていい方法を発見できたと、こういうことからこの問題が次々と発展したのではないかと思います。そこでそういう意味から申しますと、中央農水産の問題は、今、島さんがおっしゃったように、われわれとしても先ほど申し上げますように、一部の行き過ぎもあったのであるから、従ってどちらがこの問題を負担すべきか、あるいは半々にすべきか、七三にすべきかという場合には、中央金庫としてはこの部分は私どもの方で負担するのが互譲の精神に照らして適当ではないか、こういうふうに解釈すべきであろうと私は思っております。

島清日本社会党

○島清君 私は楠見さんがそういう考え方であれば、楠見さんにもう一回おいでをいただいて、そうして真相を究明しなければならないと思うのですが、おそらく私以外の全委員の皆さん方が私と同様な考え方になっておられると思うのです。全部を、その日本農工の財産にかかっておりまする抵当権によって処理をすべきか、それともこれはからくりであったということにして、全部が農中金の責任になるかというふうな、問題はすこぶる明確になっておると思うのです。ですから、これは先ほども申し上げたように、高橋の三億七千万円とみずから称する財産を取られても、五千万円という財産を、涙金を渡せば、二千万円くらいの経費もかかっておるであろう、あとには三千万円残る、三千万円銀行預金をすれば月に十五万円くらいになるから、十五万円くらいあれば一生涯食っていけるから、それで高橋も満足するだろう、高橋も死なずにやっていけるなんというようなことは、もう以前に考えられたことであれば別として、今日ではそういうことをお考えになっても、もうこれはおそらくこの委員会においても承認しがたい問題であろうとまで発展しておる、こういうことだと思うのです。ところが私の質問時間は制限がありますので、きょうはあなたがそういう考え方であれば、ここでその問題を究明しても仕方がありません。いずれまた後日委員会においでいただいて、この問題を根本的に一つ究明しなければならぬと、こう思うわけなんですが、それから今政府の持っておりまするいわゆる株金ですね、あれは幾らですか。

楠見義男農林中央金庫理事長

○参考人(楠見義男君) 現在十億四千百万円でございます。現在の農林中央金庫の出資金は二十一億四千百万円でございまして、普通出資と申しますか、所属組合の出資が十一億円でございまして、それから政府の出資は十億四千百万円、これは当初二十億出資していただいたのでありますが、毎年計画によって返すことにしております。七分五厘の利子を払っておりますが、だんだんと返却をいたしまして、現在は十億四千百万円、こういうふうになっております。

島清日本社会党

○島清君 それで今のこの和解に基きまする裁定の問題ですが、これについても根本的に見方と考え方をあなたと異にしておりますわけで、ゆっくりおいでいただかなければならないと思うのですが、この前の証言からいたしましても、やはり十億以上、私は二十億だと思っておったのですが、十億以上の政府資金が投資された。この農中金において、あなたは余裕金であれば必ずしも狭義の意味におけるところの農林漁業ばかりじゃなくして、ほかの方面にも融資をして一向差しつかえないじゃないかなどというようなことについても、いろいろ私たちは考え方を異にしておりますので、一つきょうは、楠見さんとは非常に問題の認識の仕方も違っておるようですし、楠見さんにもう一回速記録を読んでいただいて、一つ朝から時間をかけてゆっくりやらなければならない、こう思うのです。委員長、理事におかれましては、一つそういうふうな扱い方をされるならば、きょうはせっかく相澤委員から、とにかく四時半までに打ち切ろうということでございましたので、時間がありませんから打ち切りますが、どうですか、そういう取り扱いは。

平島敏夫自由民主党

○平島敏夫君 ちょっと、さっき島委員から言われました証言の問題につきまして、全委員が高橋君の証言をそのまま信用するようなふうのお言葉があったようでありまするが、私は全委員が高橋君の証言をそのまま受け取っておる、そういうことでないということを一言申し上げます。

島清日本社会党

○島清君 そういう意味じゃないのです。オール・オア・ナッシングだ。高橋の証言を認めれば農中金の責任になる。ところが湯河の証言を認めれば、高橋の全財産が没収される。どっちか食い違っている。条件は一致しないのです。どっちもどっちの言い分で並行線にきているのだから、結果においては農中金が一億八千万円負担しなければならぬ。しかもその負担の中には五千五百万円を相手方に渡さなければならぬ。だから一致しておりませんから、どちらをとるかですよ。それは、はっきりしている。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) お諮りいたします。農中金に対する本日の調査事項の質疑は、本日はこれをもって終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。  次回は三月二十四日月曜日午後一時から開会いたします。郵政省の部の決算審議をいたします。  なお、農林中金に対する調査の事項につきましては、次の機会において議題とするか否かは委員長に御一任願いたいと思います。  本日は、これをもって散会いたします。    午後四時四十三分散会

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