決算委員会 第6号
- 発言数
- 342 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/02/19
会議録
○委員長(高野一夫君) ただいまより本日の決算委員会を開会いたします。 まず、委員の変更について報告申し上げます。 二月十八日付をもって、塩見俊二君、小山邦太郎君、大沢雄一君、野本品吉君、後藤義隆君が辞任されまして、西岡ハル君、井上清一君、永野護君、林屋亀次郎君、吉江勝保君が補欠選任されました。なお、本日付をもちまして、吉江勝保君、林屋亀次郎君、宮田重文君、大倉精一君が辞任されまして、仲原善一君、勝俣稔君、稲浦鹿藏君、鈴木一君が補欠選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(高野一夫君) 本日の委員長及び理事打合会におきまして申し合せました事項について御報告申し上げます。 次回は明後二十一日午後一時から太田川の河川改修工事補償金に関する問題についてを議題に供します。その次は来週月曜日二十四日、時間はいずれあとで御連絡申し上げますが、通産省の昭和三十年の決算についての審査をいたします。さように決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) 御異議ないものと認めて、さように決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(高野一夫君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題といたします。 本日は、農林中央金庫の融資状況に関する件といたしまして、日本農工株式会社に対する融資の問題について調査を行います。 本件に関しまして、前農林中央金庫理事長湯河元威君、前農林中央金庫理事山下利義君、元全国購買農業協同組合連合会会長理事田中順吉君、元日本農工株式会社社長高橋武美君が参考人として御出席になっておられます。 調査を行なうに当りまして、委員長から一言参考人にごあいさつを申し上げます。 参考人の方々には御職務御仕事の御多忙のところ、わざわざまげて御出席をわずらわしまして、まことに恐縮に存じます。各委員から参考人の方々に御発言を願う前に、これまでの経過について概略私から参考人の方々に申し上げておきたいと思います。 実は、当委員会におきまして昭和三十年度決算農林省の部を審査いたしまする際に、たまたま農林中央金庫等の融資問題についての質疑がなされたのでございます。それに関連いたしまして、現在の農林中央金庫理事長楠見義男君、農林漁業金融公庫の山添総裁、全購連園木副会長に参考人として御出席を願いまして、委員側からいろいろ質問を申し上げて、答弁、説明を求めたのでございまするが、いささか核心に触れないような御答弁、御説明があったやに各委員感じましたので、そこで委員会において協議の結果、あらためて本日お四方の皆様が当時の関係者でおありであったということで、参考人としておいでを願ったようなわけでございます。しかしながら、本日参考人としておいでを願うにつきましては、強く委員側から証人として喚問して、宣誓をしていただいた上で証言を求めるべきであるという強い要求があったのでございます。しかしながら、委員会におきましては、いろいろ論議、協議いたしました結果、とりあえず一応参考人としておいでを願う。しかしながら、さようないきさつもございまするので、十分一つ形の上では証人――証言ではございませんけれども、証人として御出席になりましたお気持をもって、委員の質問に対しましてはどうか的確なる御答弁、御説明を願いたいと思うわけでございます。 なお、あらかじめ御出席をお願い申し上げるときに申し上げておきました通りに、もしも御答弁あるいは御説明が適当でないと考えられるような場合は、また新たなる立場から皆様に御相談を申し上げなければならない、かような事態が起るかもしれませんので、さような点を十分一つ御理解を賜わりまして、本日は的確なる御答弁御説明をわずらわしたいと思います。 質疑のある方は順次、御発言を願います。
○島清君 高橋さんにお尋ねをいたします。高橋さんはもと農林中央金庫の監事をやっておられまして、そうして昭和二十四年の十一月でございますか、中央農水産株式会社の社長におなりになったと承わっておりますが、それは相違ございませんでしょうか。
○参考人(高橋武美君) お答え申し上げます。相違ございません。
○島清君 それは承わるところによりますというと、農中金の現職の役職員の更生資金を得るために、子会社として五百万円の株式会社として発足をしたように承わっておりますが、この株式の構成はどうなっておりましたでしょうか。あなたは社長でございまするので、あなた自身はどれくらいの株をお持ちでございましたのですか。
○参考人(高橋武美君) お答え申し上げます。事情がございまして、よくはっきりしたことを申し上げにくいのでございます。従ってどういうふうに出資が行われたか、また、その出資者がどうなっておるかというようなことについて、お答え申し上げかねます。
○島清君 あなた御自身は幾らの株をお持ちになりまして、そして社長におなりになったのか。
○参考人(高橋武美君) お答え申し上げます。実は自分でも金を出したということについて申し上げかねるような状態でございます。
○委員長(高野一夫君) 大きい声で願います。会場が広いので聞えにくいですから。
○参考人(高橋武美君) 自分といたしまして、金を出したことについてお答え申し上げかねます。
○委員長(高野一夫君) 参考人の方に申し上げますが、先ほど私が、るる、今日あなた方においでを願いました経過を申し上げたわけであります。そこで、委員長が申し上げたことを十分御理解願いますならば、的確なる御答弁を願いませんと、どうもただ当時のことを当時の責任者たるあなたが、知らぬ存ぜぬでは通らぬのでございまして、ここは国会の決算委員員会でございますから、十分一つ御記憶をおたどりになっていただいて御答弁を願いたいと思います。
○島清君 それでは重役の顔ぶれ、あなたを社長にしまして、そうして重役の顔ぶれをお聞きしたいと思います。
○参考人(高橋武美君) お答え申し上げます。委員の方からお尋ねがありましたように、農林中央金庫の役職員の更生施設として発足したような関係でございまするから、従いまして役員は農林中央金庫の前役職員をもって構成されまして、私はお尋ね通りに農林中央金庫の常任監事を勤めておりました関係で、一つ社長になってくれというのでなりまして、ほかの人は村上博行という人と宮崎小太郎、木下啓一という人が役員でございましたが、これはみな農林中央金庫の前職員でございます。
○島清君 多分に想像いたしまするに、出資は全然なくして幽霊会社みたいな、五百万円の会社の設立の形をとっての幽霊会社だと思うのですが、実質的には農中金の子会社として発足して、今参考人から申されたように、現職の役職員の更生資金を獲得されるということだったと思うのですが、当時の理事長でございました湯河さんにその間のいきさつをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(湯河元威君) 中央農水産株式会社と申しますものは、農林中央金庫の退職役職員の方々が昭和二十四年当時、経済的に非常に困難なときでございましたので、それらの方々の更生と申しますか、お暮し向きのために、それらの方々によって作られた会社でございます。ただいま島さんから子会社というお言葉もございましたが、実は農林中央金庫といたしましては出資等はいたしておりません。別個の会社でございます。
○島清君 農中金の方も出資をなさらずに、さらにまた社長であられますところの高橋さんも出資をしておられない。それで五百万という一応は株式会社の発足をいたしまして事業をおやり になって、その事業資金といたしまして第一銀行と第一信託銀行から合計五千万円の金が設立と同時に出ておりますが、その第一銀行と第一信託銀行から事業資金として引き出された、借り出された経過について、高橋さんから御説明を願いたいと思います。
○参考人(高橋武美君) お答え申し上げます。その御質問になりました資金の借り出し事情につきましては、私は関係しておりませんので、どういうふうな径路で行われたかということを、この場合にお答えいたしかねる次第でございます。
○島清君 それでは社長であられる高橋さんが御存じなかったとするならば、農中金の方では御存じだと思うのですが、私は御存じだと思うと申し上げておりまするゆえんは、先日楠見さんがこちらの方においでをいただきまして、両方に品をきいたというような、こういうようなお話があったわけであります。そこでなるほど出資していない五百万円の幽霊会社でございまするので、それはあるいは社長が御存じなかったのかもしれませんが、農中金は御存じあったはずであります。その間のいきさつについて御説明を願いたいと思います。
○参考人(湯河元威君) 私は先ほど申し上げましたように、農林中央金庫が、中央農水産株式会社に出資していることはないと、こう申し上げました。その会社が幽霊会社であったという事実につきましては認識を持っておりませんので、当然それらの諸君は、関係者は正当な会社を作ったものだと、当時から思っております。今でもそう思っております。 そこでただいまの島さんのお尋ねでございますが、会社ができ、事業をするについての資金を調達するについて、農林中金は、その間の事情を知っておるかというお尋ねでございます。はっきり申し上げまするが、農林中央金庫の先輩諸君が作っております会社でございまするから、せっかくできた会社が資金を得るにつきまして金融機関から金を借りるにつきましては何とか面倒をみてやってくれという趣旨をもちまして、その当時の中金の諸君が厚生部の諸君と記憶しておりまするが、銀行等に依頼をしたという事実はあったと私も記憶しております。その具体的な内容につきましては私は承知いたしておりませんが、裁判所の方で当時の関係者をお調べになりましたときの訴訟についての書類がございますので、私はそれによってやはりそういうことがあったなということについては記憶を持っております。その書類に現われておるところを見ますると、私自身としては、少しそんなにまで言うてもらうことは、われわれの方ではなかったような気はするのでございまするが、何と申しましても先輩諸君が作っておる会社が新しい仕事をするときでございまするから、金融機関に向ってできるだけ面倒をみてくれということを言うたことにつきましては、私といたしましても、さもあって差しつかえなかったと、こう思います。
○島清君 私たちの常識では、まだ取引の実績もない五百万円の会社に第一銀行と第一信託が五千万円を融資するということは、常識上考えられません。それは普通の正常な取引からいたしましても、一年ならば一年、二年ならば二年という取引の、実績を見た上で、しかもそれが四、五百万円や、千万程度の金が出たというのならば了解ができまするけれども、設立と同時に五千万円からの金が出たということについては、バックに農中金があるばかりではなくして、ただ単に先輩諸士の人格軒の方々がやっておられるからよろしく頼むという程度では金が出ないと思います。それは必ず私は農中金の方が、何かそこに、取引がございまして、そうして、そこに取引関係からいたしまする物的の保証がないと、そんな膨大な金が出るとは私たちの良識では考えられません。湯河さん、何かそういったような物的な保証をされておられて、そうして何かお忘れてはないでしょうか。もう一度、一つ思い出していただきたいと思うのですが。
○参考人(湯河元威君) よく記憶をたどりましても、私といたしましては、金融機関に対しまして、今島委員の申されましたような物的な保証と申しますか、何かそういうものは出した覚えはございません。よけいなことでおそれ入りますが、金融機関の立場で申し上げてみますると、保証をするというふうなことは、これはよほど大事なことでございまするし、それから、資金を、その今取引をしようとしております金融機関に預託する等のことも、よほど大事なことでございまして、さような措置は当時とったことはございません。
○島清君 当時の理事は、あなたを理事長にいたしまして、まあ山下さんも理事をしておられたようでございますが、山下さん以外にどういう方々が理事をしていられたのでございますか。ちょっとお名前をお聞かせ願いたいと思います
○参考人(湯河元威君) 全部の名前がちょっと出ませんですが、山下理事、更級理事、小野理事、松本理事、多賀谷理事、それから副理事長が大矢、そんなところだったと思います。
○島清君 多賀谷さんが銀行の方に念書を入れて、おりまするが、御存じですか。
○参考人(湯河元威君) 私はその事実を存じません。
○島清君 多賀谷理事が第一銀行の方へ念書を入れて、おられます。今、参考人でそれ以上お答えになれなければ、それで、よろしいわけでありまするが、今度は山下さんにお聞きをいたします。 山下さんは、現職理事で、高橋さんがやっておられた日本農工の方へおもむかれまして、社長になりましたですね。それは農中金の現職理事として御就任になったのですが、私たちは、農中金の方から御派遣になったのだとこういうふうに理解をしているわけですが、その間の事情はいかがでございましょうか、御説明いただきたいと存じます。
○参考人(山下利義君) 私は、二十六年に任期満了で退任をいたしました。しばらく遊んでおりますうちに、日本農工へ行かないかという話がありまして、そして参りましたわけでございまして、現職理事ではございませんでした。
○島清君 それは、高橋前社長からの懇請に基いてでございますか。農中金関係からの要請に基いてでございますか。
○参考人(山下利義君) その間のいきさつはよく存じませんが、高橋さんの方からも懇請をいたされまして、それで私はお引き受けしたのでございます。
○島清君 あなたが行かれた時分には、日本農工の公称資本額は五百万でございましたですね。
○参考人(山下利義君) さようでございました。
○島清君 それから、あなたが行かれまして増資をされまして、それで全購連が、一千五百万を増資をして全株を引き受けている形になりまして、農林漁業金融公庫から三千五百万の融資をお受けになりましたですね。
○参考人(山下利義君) さようでございます。
○島清君 それは、漁業金融公庫からは、全購連が株を所有しなければ融資ができないわけでございまして、それについて私たちが非常に疑惑をもっておるわけでございますが、この前は全購連の副会長の方がお見えになりまして、株は所持しておる。こういうことでございましたが、私たちが株を所持しておるということの納得の参ります説明を拝聴することはできませんでしたけれども、その間のいきさつについて御説明をわずらわしたいと思いますが……。
○参考人(山下利義君) 御質問がちょっと理解ができませんでしたが、全購連が株を取得をしておる理由でございますか。
○島清君 五百万円の資本の会社に、これは高橋さんの親族の会社でございまするので、これでは金融公庫からは融資を受けられないわけでございますですね。そういたしますと、融資を受けれるためには、どうしても漁業金融公庫から融資を受けられる資格をお作りにならなければならないわけです。それで一千五百万を増資をされまして、その増資株は全株全購連の方がお引き受けになられた。こういう形をお作りになりまして、金融公庫から融資をお受けになったわけですね。その間について、事実そうであったかどうか。そうでなかったのであるかどうか。その間の詳しいいきさつを御説明いただきたい。こういうことです。
○参考人(山下利義君) 日本農工へ就任をいたしていまして、ゴム事業の困難なことを正そう知ったわけでございます。がしかし、全購が協力をしてくれるということで、これならばいけるであろうという見通しをつけました。ところがしばらくやっておりますうちに……、それといま一つは会社の工場の機械が大へん古うございまして、技術面は苦心をいたしまして一流メーカーにも劣らないという自信をようやく持つようになりました。ところが機械の能率が悪うございます。少しくどくなるかもしれませんが、少し機械の掃除でもしなければと申しますと、いやこれを掃除するとがたがたになるのですというようなわけです。品質の問題においては自信を得ましたが、能率が問題でございますので、どうしてもこれは新しい機械を入れなければならない。それとともに、工場のごく一部しか動いておりませんから、非常に不経済な問題です。そのためにも増設もしなければいけない、かたがた、また全購連も協力をしてくれるということになっておりますけれども、一年ばかり経営しておりますうちに、それよりも全購連がやっぱり企業参加をしてくれることが会社のためになるんだ、こういうふうに考えました。全購連自体も神戸の工場が小さいものですから、農工を活用しようというお考えもありました。そこで一致をいたしましたので、それで全購連に出資を持っていただき、そしてそれによって農林漁業金融公庫の資金を借りるということにいたしたわけでございます。
○島清君 その借りるということにされたということについてはわかりますが、その借りる資格についての資格条件を具備されるについては、果して一千五百万円の増資をされまして、そしてそれを全株全購連の方がお引き受けになりまして、そして今までありました五百万と合せて、それで九三%の持ち株になったということは相違ございませんですか。
○参考人(山下利義君) さようでございます。
○島清君 田中さんにお伺いいたしますが、その点についてはほんとうに御投資になりました株を取得されたわけでございますか。
○参考人(田中順吉君) 千五百万円の新株の取得につきましては、確かに三菱信託銀行の丸の内支店に現金をもって払い込みをいたしました。最初にたしか九百万円、あとで六百万円、それが二十八年の五月と七月くらいであったと記憶いたしますが、確かに現金を払い込みまして、株式取得をいたしたことに相違は、ございません。
○島清君 山下さんがそういうことはないということを、高橋さんですかに念書を入れておられるのですが、今でも記憶がおありでございましょうか。山下さんにちょっと御説明いただきたいと思います。
○参考人(山下利義君) 念書と申しますと雑誌などにも載ったものでございしょうか。
○島清君 あなたがこういうことをいって田中さんに出しておられるのですね。雑誌に載ったかどうかは存じません。証第一といたしまして、「日本農工が農林漁業金融公庫より資金引出の手段として工作せる全購連差入れの念書なんです。 念書 今般当会社株式払込金として、金六百万円なり領収致しましたが、右は払込の「見せ金」として仮払を受けたものにつき登記完了後速かに相違なく返金致します。 昭和二十八年七月二十四日 日本農工株式会社 取締役社長 山下利義 全購連全国購買農業協同組合連合会 会長理事 田中順吉殿 これは偽わりの文書でございますか。あなたがお出しになった念書でございましょうか。それともどこかで捏造された文書でございましょうか。
○参考人(山下利義君) それは雑誌にも載りまして、私も見ましたが、そのような覚えはございません。
○島清君 高橋さんにもう一ぺんお尋ねをいたしますが、あなたは、すなわち社長として中央農水の五千万円の融資を受けられて、そしてその中央農水の会社は半年そこらで倒産をしておるのですが、せっかく農中金の現職の役職員の方々の更生資金を得ようとして、とうとい使命をもって発足されたその会社が五千万円の融資を受けて、さらに半年たたないうちにそれがなくなって倒産するということは常識上考えられないことですが、その間の資金の使途について御説明を願いたいと思います。
○参考人(高橋武美君) お答え申し上げます。ただいま御質問になりました中央農水産の資金の使途につきましていろいろやはり事情がありまして、それが半年足らずになくなったということは遺憾に考えますけれども、その資金を動かしましたことにつきましての内容は私自身が関与しておりませんものですから、どういうふうになっておりましたか、この場合お答えいたしかねると存じます。
○島清君 高橋さん、あんたも農林省の御出身で非常にまあ苦衷のあるところはお察し申し上げますが、委員長からも御注意がありましたように、社長としてあれも存ぜぬ、これも存ぜぬということになりますと、どうもこれ以上御質問を申し上げても、あれも知らぬ。これも知らぬということは常識上考えられないのでありますが、もう少し一つ誠意をもって懇切にお答えいただきたいと思うのです。それではその資金の使途すら最高責任者である社長として御存じなかったといたしますならば、これは私は問わないことにいたしましょう。 そうするとあなたは、農林省の私たち委員会の方へお出しになりました資料によりましても、あなた方が道義的責任を感じて云々ということがありまして、日本農工がゴム事業を始められて、そうして山下さんが日本農工の方へ派遣をされた。そうしてあなたはあなたの工場財団に五千万円ぐらい債権を設定されまして抵当権の設定をされておるのですが、あなた御自身は農中金からお金をそんなに融資を受けられたのでありましょうか。それともまた、融資を受けられたといたしますならば、あなたの御事業はゴム事業でございまして工業なんです。農中金から融資を受ける資格はございませんが、この抵当権を設定されたことについては、融資を受けられたのか、それとも農水産の赤字を埋めるために道義的責任を負われて、そうしてただ単に、融資を受けないのに抵当権だけを設定されたのであるかどうか、この点についてはどうぞ一つ詳しく御説明を願いたいと思います。
○参考人(高橋武美君) お答え申し上げます。今御質問をいただきました、私が中央農水産の社長として五千万円の金がなくなったことの……なくなったと申しますか、使途が明らかでないということについて道義的責任を感じてということが、拝見いたしますこの農林省提出の資料に「道義的」という字句もございます。それからただいまも道義的責任を感じてということがございますが、その中央農水産の社長としての責任というものは、これはやはり私の責任というものがあるんですから、それはもちろん負うべきでありますが、しかしながら、その金がなくなった――なくなったじゃない、金を回収不能、つまり現在回収不能ということになっておるのでありますが、そういうことに至った実際の仕事をした者はだれかということになりますと、私としましては、そういう場合におきましては、中央農水産と日本農工とははっきりした区別がございます。ことに私の個人的責任ということは別問題であります。かりに中央農水産の責任があるといたしますれば――追及される場合におきましては、実際仕事をやった者に対して損害賠償を請求しなければならぬという形になるのでありますが、その問題と日本農工の問題は別でありまするから、従ってそういう事情でございまするから、日本農工の抵当をつけまして、中央農水産の損害金の融資を受けて責任を負ったということはないのでございます。
○島清君 会計検査院にお伺いいたしますが、会計検査院といたしましても、今問題になっておりまする農中金の関係をいたしている部分について当然に御発見になったと思うんですが、そういうものを御発見になりまして、あるいは忠告をしたなり、あるいは指摘事項として取り上げないまでも、こういうことは好ましくないからというて御忠告なりをされたようなことはないでしょうか。それともまた、発見はしたけれども、忠告はしなかったとか、こういうようないきさつがございまするならば、お聞かせいただきたいと思います。
○説明員(上村照昌君) ただいまの四千六百七十万円、五千万円に関連する問題でございまするが、この点につきましては検査いたしまして、いろいろの角度から見ていったわけでございますが、最終的には短期融資としまして、銀行の手形を割引されて銀行に金を渡しておられるわけですが、それをその後におきまして日本農工の債務ということで、初めの銀行に対する債権を追求しないで、そういう形に肩がわりになったことですが、肩がわりになりました結果は多少債権の様相が変ってくるわけであります。で、かような事態はおもしろくないからということを、農林中金の方に申し上げたことがございます。
○島清君 高橋さんにもう少し御説明を願いたいと思いますが、五千万円の金がどういうふうに使われたかわからないとおっしゃったその口うらから、焦げつきになっておると、回収不能ということになっておると、こういう御説明でございましたが、その回収不能になっておりまする相手先はどこでございましょうか。さらにそういう相手先に対しまして、どういう処置をおとりになったかを御説明いただきたいと思います。
○参考人(高橋武美君) お答え申し上げます。回収不能の相手方別の金額であるとか、それから現在どういう方法をとっているかとかいうことは、私は社長として当然知っていなきゃならぬわけでありますが、実務は他の重役がやっておりますものでありまするから、よく存じませんで、お答え申し上げかねます。
○島清君 これはしかし、あなたはお答えにならないわけにいかないと思うんです。それは、山下社長があなたにあてたこれは文書です。それは、 当会社儀今回都合に依り資本金一千五百万円を増資する形を採り全購連を株式名義人として記載するごとに致しましたが、右は正当の増資とすれば法令及び定款の規定により当然新株は現在株主に割当てることを要する儀につき貴殿が当会社の全株式を所有せらるる株主権には何等の影響を及ぼすものでない事を確認いたします。 右に就いては農林中央金庫及び全購連も当然了承して居られますので今後貴殿から御請求のあったときは何時でも右増資株式全部も貴殿名義に書替えますから為念本書差入れます。 昭和二十八年八月十日 日本農工株式会社 代表取締役 山下 利義 高橋 武美殿 と書いてありますが、これはお受け取りになった御記憶がございますでしょうか。
○参考人(高橋武美君) その当時、そういう文書を受け取りまして、そうして農林中央金庫が、いろいろ日本農工の会社につきまして策動しているという風聞を聞きましたので、その念書によって昭和三十年の一月に日本農工会社に向って株式名義書換を請求いたしました。その念書によって請求いたしました。それを受け取りました。念書を受け取っております。
○島清君 山下さん、これはお出しになった御記憶がございましょうか。
○参考人(山下利義君) それも雑誌に載っておりました問題でございまして、私としては、どうしてそのようなことになったのか不思議でなりません。私自身が記憶がございません。
○島清君 これは、本人は受け取ったとおっしゃるし、さらにこういう明確に判こも押してあるんですね。しかも、その念書もその通りなんですが、こういうことを知らぬ存ぜぬでこの議事を進めてみても、全くこれは私たちが予想し、心配したように、私たちは事件の真相究明をすることは、とてもできないと思うんですが、ぜひ一つもう一段と、私たちが要求いたしました証人になっていただいて、そうしてほんとうに誠心誠意お答えいただきたいものだと、こう思います。 どうぞ一つ委員長におかれまして、適当にこれをお取り上げいただきたいと思います。
○委員長(高野一夫君) 山下参考人と高橋参考人にあらためて御注意を申し上げ、お願い申し上げますが、どうか再度繰り返して申し上げてくどいようでありますけれども、本日は証人としておいでになっている、こういう気持で、知らないことは知らないで仕方がございませんが、また絶えず、別のお立場でおいでを願って、そのときの御発言ときょうの御発言と食い違うようなことになりますと、あなた方のお立場にきずがつくようになりますので、どうぞ一つ事実のところを御両者から御説明を願いたいと思います。 なお、私は高橋参考人にお願い申し上げますが、社長として経営不振になって、農林省の報告によりますれば、道義的責任を感じ、そうして日本農工株式会社に合併をする、こういうようなことでございますならば、先ほど島委員の御質問がありましたように、どこに焦げつき、どういう焦げつき方をしておったか、合併する前にどういう処置をされたか、こういうことを、この会社の社長のあなたが御存じないということは、とうていわれわれは理解ができないことである。どうぞ 一つ御記憶をおたどり下さいまして、的確なる御説明を賜わりたいと思います。
○参考人(山下利義君) 先ほどの御答弁を少し補足させていただきます。 その念書に覚えがないと申し上げましたが、先刻御説明申し上げましたように、私としましては、全購が企業参加をしてくれることが最もいいんだと信じておりますので、そのようなことを申し、あるいは念書を書くということが、私自身に納得が参りません。従って覚えもないわけでございます。
○大矢正君 議事進行について。 私は理事の立場で特にこの委員会の進行について、この際提案をいたしたいと思うのでありますが、このままの形で幾ら質問をしていっても、最後の一線に行くと片方は存じておる、しかし片方はそのことについては全く知らないというような形のものが随所において見受けられるし、またこれをこのままやっていっても、結果としては、このような状況で委員会を継続しても、私は何にも効果が上らないと思いますので、この際、前回も特に私の方から御要望申し上げておりましたごとくに、さっそく理事会なり何なりを開くことによって、証人として喚問することについての手続をいたしていただきたいと、かように委員長に議事進行についての提案を申し上げたいと思うのです。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(高野一夫君) 暫時この席のまま五分間休憩いたします。 午後二時二十一分休憩 ―――――・――――― 午後三時二十一分開会
○委員長(高野一夫君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。 まず委員の変更について報告申し上げます。本日西岡ハル君が辞任されまして、後藤義隆君が補欠選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(高野一夫君) 先ほど大矢委員から、ただいま問題になっておりまする案件に関しまして、本日御出席を願っておりまする四人の参考人の方々をあらためて証人として御出頭を求め、証言を聴取する動議が提出されました。
○相澤重明君 私は、今の大矢委員の動議に賛成をいたしまして、本委員会で直ちにその方向をとっていただきたいと思います。
○委員長(高野一夫君) 動議は成立いたしました。 それでは、ただいまの証人出頭要求に関する件の動議についてお諮りいたします。 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、農林中央金庫等の融資状況に関する件といたしまして、日本農工株式会社に対する融資の件を調査のため、前農林中央金庫理事長湯河元威君、前農林中央金庫理事山下利義君、元全国購買農業協同組合連合会会長理事田中順吉君、元日本農工株式会社社長高橋武美君、以上を証人として出頭を求め、その証言を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。よって大矢委員の動議は可決されました。 証人出頭の手続につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。 暫時休憩いたします。 午後三時二十四分休憩 ―――――・――――― 午後三時四十七分開会
○委員長(高野一夫君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。 先ほど委員長、理事におまかせ願いました手続は一切完了いたしました。本委員会は先ほど申し上げましたように、日本農工株式会社に対する融資の問題につきまして、調査の必要上、あらためて証人として御出席を求めたわけであります。証人の方々は本問題について簡潔に御証言を願いたいと存じます。 その前に一言証人の方に御注意を申し上げておきたいと思います。もしも証言に虚偽の陳述をなされるような場合がありまするならば、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第六条によりまして、三ヵ月以上十年以下の懲役に処する罰則がございます。また、正当な事由なくして、宣誓もしくは証言を拒んだときは、同法第七条によりまして、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられることになっておりますから、この点十分御留意をお願いいたします。ただし、民事訴訟法第百八十条のうち第三号及び第二百八十一条のうち第一項第一号及び第三号の場合を除き、これらの規定に該当する場合に限り、宣誓または証言、もしくは書類の提出を拒むことができます。念のため、民事訴訟法第二百八十条の該当部分を朗読いたします。 第二百八十条 証言カ証人又ハ左二掲クル者ノ刑事上ノ訴追又ハ処罰ヲ招ク虞アル事項二関スルトキハ証人ハ証言ヲ拒ムコトヲ得証言カ此等ノ者ノ恥辱二帰スヘキ事項二関スルトキ亦同シ 一 証人ノ配偶者、四親等内ノ血族若ハ三親等内ノ姻族又ハ証人ト此等ノ親族関係アリタル者 二 証人ノ後見人又ハ証人ノ後見ヲ受クル者 次に、民事訴訟法第二百八十一条の該当部分を朗読いたします。 第二百八十一条左ノ場合二於テハ証人ハ証言ヲ拒ムコトヲ得 二 医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教又ハ祷祀ノ職二在ル者又ハ此等ノ職二在リタル者カ職務上知リタル事実ニシテ黙秘スヘキモノニ付訊問ヲ受クルトキ 前項ノ規定ハ証人カ黙秘ノ義務ヲ免セラレタル場合ニハ之ヲ適用スル 以上でございます。 それではこれから証人の宣誓に入りますから、全委員、全証人総員御起立を願います。 それでは、証人の万は、順次、宣誓書の朗読を願います。 〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なった〕 宣 誓 書 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。 証人 田中 順吉 宣 誓 書 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。 証人 山下 利義 宣 誓 書 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。 証人 湯河 元威 宣 誓 書 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。 証人 高橋 武美
○委員長(高野一夫君) 御着席を願います。 証人の証言を求めるために委員各位から御質疑御発言を願います。
○島清君 先ほど参考人のときにお尋ねして御返事を得られなかった部分について、ごく簡潔に質問をいたしますので、簡潔に御答弁を願いたいと思います。 高橋さんに、社長であられて幾株をお持ちになったか、さらにそれら全額の払込みであったかどうかということも御記憶がないということは、どうも納得が行きかねます。そこでもう一度あなたは幾株をお持ちになっておられたか、その五百万円の会社は全額払込みであったのか、さらに一株の額面は幾らであったか、それをお答えをいただきたいと思います。
○証人(高橋武美君) 御質問にお答え申し上げます。会社の資本金は五百万円で、一株は五十円ということになっております。その株主別の所有額については存じませんが、私の名義になっておるものは一万株くらいではないかと思います。明確にこれは存じておりません。そうしてその払込みとか登記とかいろいろなことは、中央農水産会社の設立準備に当りました農林中央金面の現職のものがいたしたのでありまして、銀行は第一信託銀行に払い込んだのではないかと思います。これも書類等を見ておりませんから、明確にお答えできません。
○島清君 名義は一万株ということでございますが、実際には御出資にならなかったわけでございますね。
○証人(高橋武美君) 払い込みしません。私は現金を出しておりませんので、名義人と申し上げました。
○島清君 社長がただ名義だけで、御出資になっていないのでありまするから、他の重役の皆様もやっぱり御出資にならないことは御同様でございましょうね。そういう工合に了解してさしつかえないでしょうね。
○証人(高橋武美君) そういうふうに考えます。しかし一部は実際払い込んだ人があると思います。
○島清君 一部の実際に払い込んだとあなたが思われる方々は、何か中金以外の外部の人が参加したのですか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。それは一人でありまして、その証書とか何とかを私は見ておりませんから明確なお答えではございませんけれども、北日本水産会社の専務をしておりました氏名はちょっと忘れましたけれども、その人が現金で払い込んだということを聞いております。
○島清君 その実際に払い込んだ方は幾らぐらい払い込まれたのでしょうか、御存じないですか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。金額等不明瞭であります。
○島清君 金額は。
○証人(高橋武美君) わかりません。
○島清君 大体それで農林中金の実際お金をお出しにならないで、ただ形式的に、名義上五百万円の会社をお作りになったのだということが了解できましたので、そこで先ほどのいわゆる五千万の事業資金をお出しになったことについても一切おわかりにならないと、こういうふうなお返事でございましたが、全然おわかりにならないということは私はないと思います。 それは実際に扱かったといわれておりまする水崎政雄君、この人が刑事事件に問われまして被告として裁判に、事件の係争になりましたときに、あなたも証人として御出廷になりまして若干の証言をされておるようでございます。ですから全然おわかりにならないということはないと私は思いますので、全部ではございませんが、おわかりになる部分だけでも、ここで御説明を願いたいと思います。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。銀行の借入金は五千万円でございまして、その銀行との借入れ交渉その他に私は全然関与しておりませんものですから、その具体的の内容を存じないということを申し上げたのでございます。
○島清君 具体的な交渉は誰がしたのですか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。これは私はあとから聞いたのでありまするが、結局、その金融関係は、農林中央金庫の役員と職員でございます。
○島清君 そこで第一銀行と、第一信託銀行から出たわけでございますね。それでその手形の性質が違っておると思うのですが、第一銀行からはどういうふうな手形を、それから第一信託からはどういうふうな形で融資を受けられたか、それは直接にお扱いにならなくとも、社長でございますので、事後の承諾を求められたとかいうことがございまして、若干の御記憶はあろうかと思いまするので、それを区別いたしまして御説明願いたいと思います。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。第一銀行から三千万円でございます。それは中央農水産会社から手形を出しまして、そうして第一銀行から三千万円借りました。それから第一信託銀行の方はあとから借りたのでありまするが、それは第一信託銀行に対しましてやはり手形を出しましてそれで借りました。
○島清君 第一信託は二千万円でございますか。
○証人(高橋武美君) 二千万円でございます。
○島清君 会社は設立早々でございまして、ただ約手を振り出されても、簡単に三千万円を割り引くとは常識上考えられませんが。当然に農中金の方の保証がなければなりません。それは先ほども申し上げた通り、楠見さんも何がしかの言葉上の援助を依頼したとこう言われますのではっきりしておりますけれども、私が承知しているところによりますというと、農中金の方から物的な保証があったと聞いております。そういうことはあとでお聞きになったようなことはございませんのですか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。借り入れ当時私は関係しておりませんけれども、あとから聞いたのでありますが、やはり農林中央金庫が援助したということを聞いております。
○島清君 具体的には何か取引の関係があって、さらにそれを決済するまでは農中金の方が保証するというようなことで多賀谷理事の念書が入ったということを聞きましたが、それに近いようなことを、そういうようなことをお聞きになった御記憶はございませんですか。
○証人(高橋武美君) お答えします。その内容は存じませんが、それに類した意味のことを聞いたことがございます。
○島清君 第一銀行との関係は、農中金の方の多賀谷理事が念書を入れて交換の方には回さないからというようなことで、まあ出たということが大体あなたの証言によって立証できましたが、第一信託の方はどいう形で出まして、それからどういうふうな結果になっているのでございますか。
○証人(高橋武美君) 第一信託の方は中央金庫で手形の再割引を求めたということを聞いております。
○島清君 それでその五千万円の金をそういう形で融資を受けられて魚かす事業をお始めになった。それを送金をされてすぐこれが品物にかわらないで、何か北海道拓殖銀行に差し押えられたということでございますが、それは事実でございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。北海道拓殖銀行に送金したものを拓殖銀行で押えられたということを聞いたことはございます。
○島清君 そのお聞きになりましたのは、いつお聞きになったのでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。会社を設立しましたのが二十四年の十一月かと思いますが、二十四年十二月ごろではないかと思います。あるいは翌年になりましたか、翌年の一月か二月になりましたか、その点今記憶ございません。
○島清君 その五千万円をそういう形で融資を受けられて送金をされてさらに押えられて仕事ができない、半年で倒産をしなければならぬというような事態は、まじめに事業を考えまする場合に、どうも常識的に納得のいかないようなことですが、その押えた、押えられたというようなことに対して、あなたを含めて農水の関係者はどういうふうな処置をおとりになったのですか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。仕事をいたしますときに業務規則を作りまして、魚かすの売買を扱うのでありまするから、その場合に、金を出す場合においては、当時魚かすは統制品でございましたから、その倉庫証券と検査表とを引きかえに金を渡すという業務規則を作って、その業務規則を守ってやることに会社といたしましてきめていたのでありまするが、その場合に北海道の北日本水産会社というものに品物と引きかえでなしに金を渡しました。そうしましたら、当時その北日本水産会社というのが北海道の拓願銀行に未整理の借金があったそうでございます。そうして北日本水産会社の出した金を北海道拓殖銀行に預金いたしましたら、それを押えられてしまいました。そういう事情でございます。
○島清君 北日本水産全社というのは幾らの会社で、その当時の代表取締役はどなたでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。その北日本水産会社というのは、元の戦時中統制時代に中央水産会というのがございまして、それの北海道における支部が終戦後改組したということを聞いておりますが、社長は私は存じません。専務の人には面識がございます。それがあの出資を現金で地方の水産会社に、金額は不明でありますけれども、出資したということを聞いております。
○島清君 その専務は面識があられて お名前は御記憶はないのですか。
○証人(高橋武美君) はっきり記憶はございません。
○島清君 第一銀行や第一信託銀行との手形取引の関係で永和商事というのが介在をするのですが、永和商事というのはどういう役割をやりましたのでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。これは私はあとから聞いたのでありまするが、第一銀行の三千万円を返済するために永和商事から三千万円借りまして、そうして第一銀行に三千万円を返済いたしたそうであります。そういう関係でございます。
○島清君 その永和商事に対する債権債務は今どうなっておるのですか。
○証人(高橋武美君) 現在は中央農水産と永和商事との間には債権債務はないと思います。現在ないと思います。
○島清君 どういうふうに解決されて、それがなくなっておるのですか。
○証人(高橋武美君) お答え出し上げます。その三千万円を結局第一信託銀行からの借りかえに振りかえて、そうして永和商事に決済した思います。
○島清君 そこのところがはっきりしないのでございますけれども、高橋さん、この第一銀行から三千万円を借りられて、第一信託銀行から二千万円借りられた。そうすると、事業は全部だめになったのでありまするから、金が入らないわけでございますね。そうしますと、その第一銀行に対する穴埋めは手形を振り出して、それで中金の方が口をきいて保証して穴を埋めた。だが今の第一信託の方の永和商事との関係においては、これは手形の操作等によって、貸借関係等によって、一時は切り抜けたといたしましても、これはいつかはだれかが責任をもってこれは解決しなければならないはずなんです。私はそのことをお聞きしているのです。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。島委員のおっしゃいます通り、一時のやりくりはできるわけでありまするが、結局その三千万円――つまり第一銀行の三千万円の終局的の決済はできませんのですから、それを中央農水産の農林中央金庫に対する債務に振りかえることになったのじゃないかと思います。しかし、このあとの金融操作は私は存じません。関与しておりませんでしたので存じません。
○島清君 こういうような問題が解決できないので、そこであなたは、農中金の方から、借金がないのにもかかわらず、道義的な責任とやらをお感じになりまして、あなたの工場財団を担保に提供されまして、そして農中金の方から金を借りたような形をおとりになったのではございませんですか。もし、私のそういう推定が誤まりであって、そうでないとおっしゃいまするならば、農中金から抵当権を設定されて、そして融資を受けられたというような、この融資を受けられた事業の目的等について、御説明を願いたいと思います。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。ただいま島委員の御推定の通り、実際に資金が動いたのではございません。
○島清君 そこでお借りにもならない金を借りたような形にされまして、形式的には、ただ単なる債務証書でございますか、それともまた、何か事業計画というようなものをお出しになりまして、その事業計画を一お出しになって、さらに農中金の方から融資を受けるというような形であの債権債務が発生したと、こういうことなんですか、どっちの方でございましょうか。
○証人(高橋武美君) お答えいたします。事業計画に基いてやったのではございません。ただ単に、中央農水産の債務を整理するという意味で、そういう操作をしたのであります。従って日本農工会社は、その四千六百七十万円の債務を形の上において負担すると同時に、中央農水産に対して同額、同条件をもって中央農水産に対する債権が設定してございます。
○島清君 湯河さんにお尋ねしますが、たぶんそうだと思うのですが、農中金の書類上の形の処理はどうなっておりましょうか、説明を願いたいと思います。
○証人(湯河元威君) 島委員のただいまのお尋ねは、ただいま高橋証人の仰せになりました四千六百七十万円、その問題についての御質疑だと存じますが、さようでございますか。
○島清君 そうです。
○証人(湯河元威君) 少しそれだけの経過を申し上げてよろしゅうございましょうか。
○島清君 どうぞ。
○証人(湯河元威君) 中央農水産株式会社の資金が固定いたしまして――固定いたしましたというのは、先ほどお話のございましたように、魚かすの取引をするときに、その前渡金です、代金の前払い金が銀行で押えられておることは、ほんとうのようでございます。そこで中央農水としては、非常にそのことについて苦慮いたしまして、いろいろとその打開をはかられたようでございまするが、そのとき、中央農水の社長であられる高橋証人は、日本農工の事業との連関において問題を解決するということをお考えになりまして、その計画をもって中金に私をおたずねになりました。で、そのとき承わった話でございまするが、高橋さんは、両方の会社の社長をお兼ねになっていらっしゃって、中央農水の事業の蹉跌については、農林省の御提出の御書面にもございますように、道義的責任を感じたということを仰せになり、また書面の上にもおしたためになって御提出がございます。そういたしまして、その窮境を打開するために、自分は日本農工株式会社というものを主宰しておる、これはゴム事業をやることを目的とする会社であって、りっぱな工場を持って農村のために配給しよう、だからこの点について農林中金のぜひ協力を求めるという懇請でございました。私は、実は先ほども参考人として申し上げましたように、中央農水の設立ないし資金調達の過程におきまして、できるだけめんどうをみてやってくれという趣旨の、中金の職員が動いたことにつきましては了承しておりますので、また中金の前役職員が作っております中央農水が苦境に立っておりますることは、これは何とかしゃらなければならぬという気持がございましたときでございまするし、片方全購連がゴム製品を需要しておるということもよくわかっておりましたし、書面によりますれば、日本農工は全購と事前にいろいろの打ち合せをしたという事実もございます。そこで、両社の社長を兼ねておられます高橋さんの懇請がありましたし、ただいま申し上げましたような中金並びに系統のさような状態を考えまして、これは何とか一つここで日本農工の事業がうまくいってくれれば、問題が解決できる、ないしはゴム製品の農村の需要を満たし得るという気持ちを持ちまして、その高橋さんが持ってこられました事業計画、それを含んだ懇請書を事務当局に渡しまして検討してもらったのでございます。で、その中には、全購連が発注をするについて必要なる最高五千万円限度における前渡金の必要もある、また他の一面におきましては、さような書面を私の手元まで持ってこられる前に、日本農工と中央農水産との間におきまして、中央農水産の不良債権を、日本農工へ譲渡するという事実が成立しておったのであります。そのことは新聞にでております。それで、それは察するに、道義的責任を感じられました高橋さんとして、その銀行に対する債務を、その不良債権を引き受けて、そしてその不良債権の額面通りの代金を中央農水の資産として計上し、そして、片方日本農工の方におきましては、その不良債権を取り立てるまでの間、中央農水の方で困る、つまり見合いの代金に相当するものを四千六百七十万円ばかり農林中央金庫から借りて、それを中央農水に貸すという予定計画になっておったのであります。すなわち中央農水は事実上、日本農工に経済的の関係においては吸収された形になり、債権債務が引き継がれ、それを日本農工が新しい事業を開始する際に、あわせてその銀行に対する債務を日本農工は引き受けた形になりまして、それを中金の借入金で返すという予定になっていたように記憶しております。そこで私といたしましては、全購のお仕事であるゴム製品の製造、これを日本農工と全購との間でお話がつき、それを日本農工が更始一新事業をお始めになれば、当時事業計画も十分検討いたしましたが、まず三年くらいで利益が出て、その利益をもって中水の欠損を埋めるということでございまするならば、両方兼ねておられる社長が、道義的責任を感ぜられ、そういう措置をなさるということは、これはしごくもっともなことだと思いまして、そうなりますると、中央水産の銀行に対する借金を何とかしなければならぬ。それは事実上合併された日本農工の方で、中金から長期の金を導入すること、整理資金を導入することによってそれを片づける、こういたしませんと、手形の債務はときどき期限が来て事業を不安定にならしめます。中央農水の債務を整理するのでございまするが、今や問題は、日本農工が新しく発足して、その仕事をする上に必要な前渡金限度五千万円のものが出ようというときに、銀行がそばから日本農工を責めちゃかないませんから、むしろそのもとを断つ意味をもちまし必要なる資金四千七百六十万円を中金は日本農工に貸付けを行なったのであります。この貸付けは三年の期間に整理がつくということでございますから、三年の長期貸付けを起しました。これにつきましては、特例として政府の農林中央金庫法の第十五条の二の規定による貸付けを起し、政府の認可を得ております。先ほど短期貸付けというお話があったようでございますが、これは長期の貸付、整理資金でございますから長期でなければならぬ。この貸付けを起して、この貸付の資金は、中央農水に貸され、そして銀行の手形を落す支払いにあてられた。そこでこの四千六百七十万円と、それから全購の方で出す前渡金につきまして、非常に新しく発足する日本農工のゴム事業はまことに農村のためには必要がございまするが、しかし心もとないと思いまして、先ほど申し上げました事業計画並びに懇請書に出ておりまする抵当権をもらうということにつきましては、懇請書のその事業計画の趣旨に沿いまして、私の方でもらうことにいたしました。抵当権をいつつけましたか私はっきり記憶いたしておりませんが、基本的な問題はさようになっておりますので、私どもといたしましては、決してこちらの農林中金の諸君が口をきいて口添えをした、それだけのことについての責任を感じて、何とかするために、それを何とか銀行に迷惑をかけないようにするために、架空の債権を起したということではございませんので、全貌といたしましては、ただいま申し上げましたような、日本農工によるゴム事業によりまして、一方においては農村の需要を満たすということ、他方においては日本農工の社長が、その上げた利益をもって中央農水の欠損を埋めるという趣旨に、私は当時明確に高橋さんから伺いましたし、書類も私が受領いたしました。その書類にそう出ておりました。その計画を適当と認めて、事務当局にも審査をいたさせまして、十分精査いたさせました。また全購連の御当局とも十分に連絡をとり、日本農工の諸君の御協力も願って種々検討した結果、見込みありというつもりをもちまして貸付を起したのでございまするし、全購も五千万円を限度として、たしか四千万円程度の前渡金をその後お出しになったということでございます。この際、私申し上げて、おきまするが、さように綿密にはしたつもりでございます。できる限りのことをしたつもりでございまするが、その日本農工のお仕事が事志とたがいまして、その後に行き詰った。いずれこれにつきましては後にお尋ねもあろうかと思いますが、そのことにつきましては、まことに遺憾でありますということはみずから深く感じております次第でございます。非常に長くなりましたが……。
○島清君 農水のその苦境に対しては、非常に同情されたようでありまするが、しかし今高橋さんから証言がございました通り、五千万円の行方について高橋さんは御存じない。五千万円の借金ができて苦境に立っておること自体については御同情されたのでありまするが、これの五千万円の回収の処置については、どの程度の御配慮をなさいましたのですか。
○証人(湯河元威君) ただいまのお尋ねはちょっとお答えしにくいのでございますが、中央農水の五千万円、これにつきましては、中央農水自身の問題として、中央農水の責任者が御措置になる、これは当然でございます。それから私どもといたしましても、ほかならぬ子会社ではございませんが、旧役職員の作っております会社の行き詰りにつきましては、非常に心配をいたしまして、何とかしてその回収はできないものか、特に同業の北海道拓殖銀行がそれを押えているということにつきましては、あまりひどいじゃないかという気持を持ちまして、金融機関としても何とか措置はならぬかということについての相談もしたのでございまするが、がんとして聞きません。中央農水としては、そうならば何とかしてそこを切り抜ける措置をとるべきところであったと存じます。ただ慢然としているべきじゃないと思います。 それから五千万円というお話でございましたが、ただいま申し上げましたように、高橋さんの方からその中央農水の苦境打開のために、日本農工の担保も提供し、不動産を抵当にも提供して、そうして中金より四千六百七十万円の資金が借りられるならば、それをもって中央農水にそれを貸して、そうして銀行の滞りになっておる債務を支払う、こういう計画でございましたから、私はそれもいいだろう、とにかく新しく……それは私がその話を聞きます前に中央農水と日本農工との間におきましてすでに資産の譲渡等が行われておりまするので、これはそうした方がいいだろうという気持をもちまして日本農工に対する正規の貸付を長期で起しました。整理資金として出したんであります。日本農工はこの整理資金によってその不良債権に相当する銀行借金を落すことによって銀行から責められることなく、安心して事業を経営し得る。このために四千六百七十万円の貸付は必要だと、かように信じて長期貸付を起しました。
○島清君 私が聞かない点についてお触れになる必要はございません。私が非常に不審に思いますることは、農中金の現職の役職員が中心になられて、そうして出資もしないような会社をお作りになって、それでお見受けしたところ人のいい高橋さんを会長に推戴して、そうしてどういうふうな工作で金が出たかわからないような形で金を引っぱり出して、そうして送金したと称して、それが行方不明になる、高橋さんは御存じないと、こういうふうにおっしゃっておる。高橋さんは今日に一ぱい涙を浮かべておられる。それでもそのこと自体についての――あなたは部下のやったことに対して、そのこと自体についての善後策をお講じになる前に、さらにはこれを既成事実としてその既成事実の上に立って、そうして非常に詳細に調査をされて融資をされたと、こうおっしゃる。ところがあなたの部下でありました、しかも秘書室です、秘書室の水崎君、これは第一審においては有罪で、第二審では無罪になっておりまするけれども、その無罪の判決の理由としては、それは農中金の方の責任である、農中金のためにやった行為であるから水崎個人が負担すべきことではないという判決が明確になっておる。しかもこの水崎という人は秘書室にいた人です。秘書室といえばあなたの秘書も同様でございます。もちろんこの農水産でこういう穴をあけた、そこで同情されるならば、その五千万円の行方を追求いたしまして、そうしてそこの回収に全力を尽して、なおかつそれに対する最善の対処がなされなければならない、そこで高橋さんに頼まれたと称して、そうして抵当権を設定しておられる。常識上考えてみても議論にわたりますので申し上げたくはございませんが、その会社の社長であるがゆえに全責任を負うて、今時価にすれば三億ぐらいだといわれておりますこの個人財産に抵当権を設定するということがどうしても私たちにはわからない。そこで融資をされたという理由で、農林大臣の許可を受けたということが融資をしたということの大きな理由に取り上げられておりまするけれども、それはまた農林大臣に伺うことにいたします。高橋さんは、今金は借りてないとおっしゃる。だがしかし、言葉が足りないようでございまするけれども、そんたくするに、だれかが被害者が出るというので、そこで頼まれて私がその財団に抵当権を設定したんだ、私はあとで五千万円の行方を聞きますけれども、少くとも乗りかえをいたしまするときには、ただ無条件に抵当権を設定するはずはないと思います。しかも、今農水は農水として現存する、農工に吸収はされてないはずです。今も農水として、現に丸ビルに、小さい部屋ながら、看板を掲げておるはずでございます。そして、あなたは、今農水が農工に吸収された、合併された、こういうことをおっしゃって、そしてマイナス同士の二つの会社が合併をすると一千万円になって、非常に力が強い会社になるような印象を与えるように御答弁になりましたが、マイナスは幾つ合せてもマイナスでございまして、しかも五百万円の出資もない五百万円の会社、五千万円の債務を背負った会社、これが日本農工と一語になったところで、決して健全な会社とは言い得ないわけであります。そこであなたが、その当時は、まあ三年間ぐらいすれば五千万の穴埋めができるであろうという、この私は判断にお立ちになったということは、偽わりのない正しいことだと思います。そこで、この五千万を穴埋めするために、私はあなた自身も、高橋さんにそうしてくれないかというて頼まなければできない芸当だと思います。その点については、高橋さんに御証言をいただきたいと思いますが、高橋さんは、ほんとうに農水の債務を、みずからの道義的責任をお感じになりまして、自分の財産を提供されて、そして抵当権を設定されたのであるか、さらに抵当権を設定をされますると、その事実の有無にかかわらず、あなたは財産を取られることにきまっておる、そういうことを委細承知の上で抵当権を設定されて、そして農水のこの全責任をあなたは背負うという決意をされたかどうか、この辺のいきさつを御説明願いたいと思います。
○証人(高橋武美君) お答えをいたします。先ほど島委員殿の御質問がございました四千六百七十万の農林中金の日本農工に対する債権なるものが、形式的なものであって実在しないという意味合いで、島委員殿の形式的な意味合いであるという御質問がございましたから、私はそうであるという証言を申し上げた次第でありまするが、ただいまさらに引き続きまして、中央農水産の債務について責任を負うという意味において、いろいろなあとの工作をしたかという御質問でございますが、私は、中央農水産の債務について責任を負うということは考えたこともございませんし、ことに私が非常に遺憾に思いますのは、私は、農林省が委員会に提出した文書をここに配付を受けたのでありますが、そのうちに、高橋は中央農水に対する道義的責任を感じてこういうことをしたということがあります。道義的責任と経済的責任というものは、全然別個のものであります。いやしくも金銭に関することについては、これは経済的責任である、また一面からいえば法律的責任である。(「その通り」と呼ぶ者あり)それを私が、私の個人財産を提供して、そんなことに、農林中央金庫の現職の者がやる、それに対する道義的責任は、私はもちろん感じません。中央金庫のものに対して、そういう道義的責任を感ずる必要もない。それからまた、経済的責任と申しますか、それにつきましても、また法律的に考えても、私は感じもいたしませんし、実行する意思もない。従って島委員殿の御質問に対する私の、仮想的なものであって、無効なものであるということをさらに証言いたします。同時に申し上げたいのは、他の証人殿のお話に、三年間に四千六百七十万円の穴埋めができるというような意味がございましたが、そういうようなことは事実においてあり得ない。そういうことはあり得ないことなんであります。農林中央金庫の四千六百七十万円は、農林大臣の認可を受けておるから債権が成立したようなお話もあったように承わりますけれども、これは農林大臣に対して、事実にあらざることをかまえて書面を出しまして、そうして認可を得たものであるというふうに確信いたします。と申しますのは、これは農林中央金庫の文書を拝見しませんとわかりませんけれども、四千六百七十万円は、日本農工の旧債整理資金であるというので、何か年賦で貸したようなお話でありまするけれども、日本農工というものは、中央農水産に対して旧債というものは事実においてないのであります。事実においてないことを幾ら書き立てましても、これは法律上見まして、いわゆる仮想的のものでありまするし、無効でございます。そういう意味合いにおいて、私の前に証言いたしたことを、さらに確認いたします。
○島清君 無効であるか有効であるかは、これは私たちは、裁判ではございませんので、ただ私たちがあなたの証言によって明らかにしていただきたいということは、五千万円の農水の金の行方があなた自身御存じない。そこで、あなた自身が責任を負われて、そうして借りもしないような金を、借りたような形において、そうしてその急場をしのがれた。それと相前後いたしまして、そのことは会計検査院から指摘をされまして、発見をされまして、そうしてそれを糊塗するために、何かそこに形式的なもののことがでっち上げられたということは想像ができますので、そういう工合にあなたの証言からは了承しておきたいと思いますが、そのように了承してよろしゅうございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。さようでよろしゅうございます。
○島清君 この点、湯河さんの証言と高橋さんの証言とは、まっこうから食い違っておるわけでありますが、もし先ほどおっしゃったようなことでありまするならば、おっしゃる必要はございませんが、先ほどおっしゃったような言葉の中で、高橋さんのおっしゃいましたようなことを、記憶がよみがえりまして、肯定されるようなことがありまするならばお答えをいただきたいと思います。
○証人(湯河元威君) 特にございません。先ほど申し上げた通りでございまして、私がただ申し上げたいのは、私は農林大臣の認可を得ておるから債権があるんだということは申し上げたつもりはございません。中金の帳簿においてその債権を起しておりまするし、日本農工の帳簿においてその債務がある、かようなことをもちまして、私としては先ほど申し上げたのでございます。
○島清君 そうして、そういうふうな、高橋さんをして言わしむるならば仮想なことで、高橋さんの日本農工がゴム事業としてそれが活用されるようになった。そこでその活用されるということが、湯河さんが、この農水の諸君が苦境に陥っておるのであるから助けてやろうというて資金をお出しになるという決意をされた。この経過はおのおの異なるにいたしましても、とにかく資金工作が行われたことは、これは事実でございます。しかしながら、高橋さんの、今そんなに道義的責任を感じて自分の財産に抵当権を設定するはずはないと、こういうことをおっしゃいましたけれども、しかしながら、そのいかんにかかわらず、このあなたの会社なるものが、日本農工といたしまして事業を――ゴム事業を始めているわけであります。そのゴム事業を始めるについては、いろいろと約束事があったに違いないと思いますが、形式的にしろ、あなたの会社がゴム事業として利用されるということについて、何か農中金なり、あるいはまた全購連なりとの契約みたいなことがなかったでしょうか。
○証人(湯河元威君) 私ですか。
○島清君 いやいや、高橋さん。
○証人(高橋武美君) お答えいたします。会社経営契約というものがございます。……会社経営契約というものがございます。
○島清君 それはどんな契約の内容でございましょうか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。農林中央金庫が日本農工のゴム事業を援助するという前提のもとに四千万円、協力するということを前提といたしまして、全連購から前渡金四千万円の範囲で融資するという融資、それから農林中金がその会社の経営者を派遣する、そうして仕事をやる。その場合において故意、重大過失については農林中金が責任を負うという意味合いの契約でございます。
○島清君 全購連の方から前渡金として四千万円出すと、そうしてその責任は農中金が負うというようなお約束のようでございますが、この点は湯河さん、いかがでございましょうか間違いないでしょうか。
○証人(湯河元威君) 私はどうしても一つ申し上げたいのです。中央農水の問題は、社長によって、日本農工のゴム事業を盛んにすることによって返すと、こういう建前で、私のところに書面をもって高橋さんがお見えになりまして、そのときの様子からいいますると、日本農工は事業が行き詰っている、これを中金の援助によって仕事を盛んにしようという念慮がございましたから、そこで、その日本農工のゴム事業によって中水の救済もできる、それから日本農工のゴム事業は農村のためになるというので、中金はそれでは援助しようということになったのでございまして、ただいまお尋ねの全購連が五千万円を限度として前渡金を払うということにつきましては、これは中金といたしましては、当時、全購連はまだ今日のような全購連になっておりませんで、資金的には非常に苦しいときでございましたから、それでも全購連は、その本来の目的のためにゴム製品をこの日本農工によって得たいという希望を持っておりましたから、私は、全購連による前渡金の約束はいいと思いましたし、それから全購連にそういうことがあったときに、特に迷惑になってはいかぬという意味におきまして、事実、当時全購連の資金は全部中金が見ておりましたから、私は日本農工に対する――当初四千万円であったと思いますが、その前渡金につきましても、中金は全購連のめんどうを見るということになったのでございます。全購連にいろいろ迷惑をかけないということを申しまして、そういう話し合いもいたしましたのは、全購連が当時いろいろと他の事業、肥料その他の事業もございます。このゴム事業を、新しいことを中金も関与いたしまして始めるにつきまして、全購連が迷惑を受けてはいかぬという意味合いをもちまして、全購連に迷惑をかけないというふうなことを言った記憶はございます。
○島清君 そうしますと、まあ非常に回りくどい説明でございまするけれども、事業は日本農工という形の会社と、その設備によって行われるけれども、実質的には農中金の方がおやりになったと、まあこういう形がないと、全購連の方が、お出しになります金の保証という線は出てこないわけでございますがね。また農中金の性格からいたしましても、そういう保証はおやりになるということは、非常に紙一重の問題のところでございまして、非常に危険なことだと思うのですね。どうもやはりその一つの日本農工という、ただ単にこれは民間会社、この民間会社に、全購連がどういうことをおやりになろうとも、それをあなたたちが保証されるということについて今の御説明では納得がいけないのですが、もう少し簡潔に、なぜ保証しなければならないかということを簡潔に一つおっしゃっていただきたいと思います。
○委員長(高野一夫君) 湯河さん、質問者意図、質問の要点だけに触れて御答弁をお願いいたします。
○証人(湯河元威君) ええ保証したことはございません。先ほど申し上げましたように、この問題については、全購連が必要とするまずゴム製品でございますが、それを求めるために、必要な前渡金を全購連が新しく出しますから、そのことからもし蹉跌があるときには、全購連のめんどうを全面的に中金としては当然見なきゃならぬという趣旨でございます。
○島清君 そのめんどうを見るということは、要するに子会社で、事業をこちらの方で主体になって進めるという意味なんですか。それとも、それはやらしておいて、起ったこと自体に対しては農中金がめんどうを見るということは、要するに責任を負うと、こういうことなんですか。
○証人(湯河元威君) 迷惑をかけないという意味でございまして、中金は、日本農工のゴム事業を自分で経営するというふうなことは毛頭考えたことはございません。ただ全購連が金を新しく出すにつきまして、それが全購連の他の事業にも影響するようなことがあるといけないから、中金としては、それをすぐ取り戻すとか何とかいうことをしないで、全購連が苦しくならないようには――これはわれわれとしては、全購連は系統団体でございますから、系統金融機関として当然そういう配慮をする、これは当りまえなことです。
○島清君 いや、全購連に対してそういうふうな配慮があるということは、われわれも、日本農工のやる仕事に対してそこまで中金の方が責任を負わなきゃならないということはなぜですかと聞くのですよ、民間会社ですからね、農工は。資本の方はあなたたちの方がお出しになっておるけれども、一つの民間会社に、そして全購連が幾ら前渡金をお渡しになろうと、なぜそれを責任を負わなきゃならないか。なぜめんどうを見なきゃならないかです。
○証人(湯河元威君) 日本農工のためではございません。全購のためでございます。全購のために系統機関たる中金から、全購が新しく日本農工に協力してさような仕事に手を出すにつきましては、全購をいつまでも中金からお世話を見ていこう、こういうことであります。
○島清君 そうしますと、まあそれは四千万円、そういうふうにめんどうを見られたということは、まあそうであったにいたしましても、積り積りまして、二億八千万円というような赤字を日本農工がお出しになりましたですね。それで農中金さんは、日本農工に対して二億近いですか、抵当権を設定されましたですね。それはその四千万以外に、どういう形で、農中金さんの方が日本農工にそれだけの債権を保持されるようになったのでございますか、そのいきさつをちょっと……。
○証人(湯河元威君) 当初、ただいま申しましたように、四千万円が全購連から日本農工に前渡されまして、農林中央金庫は四千六百七十万円の貸付を起しました。ところで、その後、先ほど申し上げたと思いますが、申し足りなければ申し上げますが、日本農工が新しくゴム事業をやるにつきましては、全購との完全なる了解のもとにということで、全購から役員も派遣いたしましたし、その後、誓約書をもって、その当初の計画を遂行するという意味をもって、日本農工と全購とからお話のございましたときに、中金からも山下理事を派遣いたしまして、派遣いたしてみると、当初の全購の前渡しした四千万は減っているのであります。どうなっているかわからないのであります。そこで、日本農工は山下君を派遣してみると仕事ができない、そこで、当初の計画とすぐ狂って参りまするから、中金としては困るので、日本農工に、さらに四千万円の貸付を短期貸付で事業資金として起しました。ところで、その後いろいろとゴム事業が、事業界が波乱がございましたが、その後、日本農工の事業はだいぶ好転いたしまして、そうして全購との取引もなめらかになりましたので、先ほど参考人として御陳述もありました日本農工としての全購連増資、さらにそれに基くところの農林漁業金融公庫よりの貸付が起りました。で、だいぶ調子がよくなってきたのでありまするが、二十八年ごろ、ゴム業界は、御記憶もあるかもしれませんが、非常な破綻が参りました。残念なことに日本農工もその破綻の中に巻き込まれまして、一方、農村の方では全購のゴム製品が売れないというふうな事態にもなり、そうして、とうとう日本農工は事業停止のやむなきに至ったのでございます。そのときに日本農工に対して、全購連は前渡金その他の債権約一億を持っておりました。われわれとしては、事業の停止した日本農工が他の債権者等より破産等の申請があっては困るということをもちまして、われわれは日本農工の諸債務を中金において肩がわりをして、そして日本農工の更生ないしは整理という、どっちかに行かなければならぬということを考えまするときに、従来の日本農工の対外負債一億円を、むしろほかのものから、いろいろ破産申請等で混乱させられないようにという趣旨をもちまして、農林中金は一億円の貸付を日本農工に起しまして肩がわりをいたしました。そのときにまた抵当権を設定したのであります。さような過程をもちまして、中金といたしましては、債権としては一億八千万円余のものが日本農工の債権全額になっておるわけでございまするし、日本農工はいろいろの損失はたしか二億七千万くらいに達しておったと思いますが、そのうち中金の債権で、事実残念ながら固定したものは一億八千万円余でございます。
○島清君 破産宣告の申請が出るといけないというので、それでさらに一億をお出しになった、こういうことですが、その一億をお出しになったのはいつでございますか。
○証人(湯河元威君) 三十年の一月だと記憶しております。
○島清君 三十年の一月と言いますと、選挙のあった年であり、その月なんですが、そういうものを常識的に考えてみましても、破産の宣告の申請があったので、処置のしようがあったと思いますが、さらに一億の金をお出しになりまして、農林大臣の先日の御説明によりますというと、農林中金は一億八千万でしょうか、どうしても穴埋めをしなければならないのだ、こういうふうな御説明でございました。財産を保全するということは、保全することによって利益があるということが前提にならなければならないはずであります。しかるにかかわらず、一億をお出しになりまして、なおかつ一億八千万の穴埋めを今日しなければならない、大臣をしてそういうふうに答弁をさせなければならないというこの事態については、私たちは納得がいきません。そこで、そんなに差し迫って、三十年でございますか、二十九年の末でございましょうか、一億という金を出さなきゃならないというほど差し迫った事情があったならば、具体的に御説明を願いたいと思います。
○証人(湯河元威君) ただいま申し上げましたような次第で、日本農工は工場を閉鎖する段階になりました。非常に苦慮いたしました。そこで、日本農工に対して債権を持っておりまする各方面から、先取りをされては困るということをもちまして、全購の債権も中金が引き受けて、そうしてその一億の金を中金が貸し、全購の債権を返し、そうして日本農工に対して抵当権を設定したのでありまして、これは当時の計算におきましては、われわれとしていろいろ苦慮いたしましたが、日本農工の不動産並びに在庫を評価いたしますと、担保価値ありと認めまして、それだけの融資をしても大丈夫だという見解で、当時そのことをいたしました。
○島清君 日本農工へ何回にわたって前渡金をお出しになったのでございますか、その総額と、なるべく年月日を一つ。日本農工にお渡しになりました前渡金です。お答えいただきたいと思います。田中さん。
○証人(田中順吉君) 前渡金のワクは、先ほど来お話しがございますように、四千万円ということで会社の方も承諾をいたし、また中金の方も、そういう了解のもとに措置をいたしました。それを何回に出したかは、私今のところ記憶はございませんが、結局四千万円の限度に近いところまでになっておったということは事実でございます。
○島清君 そうしますと、総額は四千万であった、前渡金の総額は。こういう工合に了解してよろしゅうございますね。
○証人(田中順吉君) 四千万円に近いところまで行ったと思いますが、詳しい金額はちょっと記憶いたしません。四千万円にかっきりなっておったとは思いませんが、ほとんど近いところまで、限度に近いところまで達していたという記憶はございます。
○島清君 高橋さんにお聞きをいたします。あなた御自分の財産、聞くところによりますというと、奥さんとの関係における財産、あなたの御家族の所有だというふうに聞いておりますが、その会社経営の契約は、農中金あるいは全購連の方とおやりになりまして、そうして増資をしたり、さらにその増資に基いて農林漁業金融公庫から融資を受けたり、さらに全購連との関係の四千万の前渡金、さらに農中金への抵当権の設定、こういうものは一切承知をいたしまして、関与されておやりになったことなんでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。私は昭和二十八年の一月以来、取締役も除名されまして、会社には一切関与しておりませんので、その事情を存じません。存じませんが、あとから、よその人が、日本農工の経理についていろいろなことがある、特に抵当権の不法設定についていろいろなことがあるということで注意を受けました。そうして驚きましたような次第でございまして、事情をよく存じません。
○島清君 何か会社の中にあなたを代理するような、あなたの立場において印鑑証明付の印鑑をお預けになりまして、あなたの名によってそういったような抵当権の設定だとか、それに同意する、こういうことがなされたであろうというようなことは御想像つきませんでございましょうか。
○証人(高橋武美君) 全然想像いたしておりません。ただ、あとから不法に起っておるということを発見いたしました。
○相馬助治君 お許しをいただきまして、関連して事実をお尋ねして判断の資料にしたいと思います。 高橋さんにお尋ねしたいのですが、あなたが農水産の社長になられた経緯を私は簡単に承わりたいのです。と申しまするのは、出資もされていないということですが、事実上は個人の金か何かを、株の形でなくて出すというような犠牲を払われたというような事実があるかどうか。そうしてまた、そのときに裏話があったら率直にお聞かせ願いたい。すなわち中金の旧職員が生活に困ったり何かするから、この際こういう会社をでっち上げようじゃないか、中金の方で何とかめんどうを見てやるから、まあ一つうまくやろうじゃないかというような、裏話でもあったら率直にお聞かせ願いたいと思います。高橋さんどうぞ教えて下さい。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。先ほどから申し上げます通り、中央農水産という会社は、農林中金の役職員が事実上作った会社であります。従いまして、その中央農水産の役員についても、私なり、ほかの古い役職員が中央の役職員になったのであります。それらは全部、中央金庫の理事長推薦という形でなったのであります。そういう次第です。
○相馬助治君 あなたは社長に、本人の意思とか、設立総会における合議の結果ではなくて、中金の理事長さんから御推薦をいただき、そうしてあなたが承諾した、かような経過でございますね。
○証人(高橋武美君) お答えいたします。さようでございます。
○相馬助治君 よくわかりました。そのときに、社長になるということであれば、当然、社長の義務、それから権利と、こういうものがそこで生じたと思うのですが、これは率直にお尋ねしたいと思うのですが、社長としては常勤、有給でございますね。毎日勤めて、月給をもらうということですね。
○証人(高橋武美君) 一切無給でございます。
○相馬助治君 無給ですか、非常勤でございますか。
○証人(高橋武美君) 仕事はございません。
○相馬助治君 わかりました。そうすると、社長は、そこで私お尋ねいたしたいのは、先ほど島さんがお聞きになりました第一銀行並びに信託銀行等との融資の交渉をされたときに、そういう社長としてあずかり知らなかったということですが、今のお話を聞いて、なるほど私納得いたしました。そこで、そのときに会社側で当事者としておやりになったのは、あなたの部下である何という方で、どういう農水の立場の方でございますか、会社側で交渉した人がだいぶあるはずだと思いますが。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。会社の役職員という名義ではございませんが、事実上において仕事をしたのは、中央金庫の厚生部長をしておりました村上平四郎という人です。それから次長をしておられた水崎政雄でございます。
○相馬助治君 わかりました。私その次に中金側の当事者を聞こうと思ったのですが、その水崎某という、いわゆる秘書室にいられた方が中金側から出られて、金融の当面の責任者として具体的な交渉に当られたのでございますね。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。さようでございます。
○相馬助治君 そういう具体的な交渉が成立いたしましたときに、結局、社長は決済をされたと思うのですが、形式的にも報告を受けて、決済の判はあなたが押されたのですか、それともあなたと別な人格の者がはんこを持っていて、社長判をぽんと押したのですか、いずれでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。私は社長印を見たことがありません。
○相馬助治君 わかりました。従いまして、社長印が各所に押されておりますから、あなた以外の人が社長印を押したということが推定されまするが、その社長印を持っていたと推定されるのは、どなたがその社長印をお持ちだとあなたは想像されますか、想像でけっこうです。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。具体的に、だれが持ったかということは、私もちょっとわかりかねます。
○相馬助治君 まことに失礼なことを聞くようですが、あなたは前に非常に大切な、この農林中央金庫の監事の職にあられた方でございまして、そういう意味合いからして、ただいまの話はいささか受け取りがたいのですが、事実を事実として証言されている私はあなたの勇気に敬意を表して、次の点をお尋ねいたしたいのでございますが、そういうふうな具体的な金融その他について、そうすると、あなたのところには事後報告もなかった、かようなことでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。荒筋は、初めの融資の五千万という結果は聞きました。それ以後は存じません。
○相馬助治君 当然、銀行側と交渉されまする場合に、当事者として他の役職の者が具体的な取りきめ等をしたと思いまするが、儀礼的にも銀行側としては、市中銀行として、まあ農水産の社長さんにも、一つ顔を見たいということもあろうと思うので、具体的に皆で夕飯を食おうというような会なんかも一、二度当然あったと思うのですが、そういう会合には、あなたはやはり社長としてお出かけになって懇談なされたのでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。一切ございません。
○相馬助治君 そうしますと、銀行側の人とは、個人的にもあるいは会社の会合でも会ったことがないのでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。第一銀行の資金部長という人にあいさつに行ったことがございます、一回。
○相馬助治君 私、次のことを聞きますが、これは非常に重大なことだと思うので、確たる証言をお願いしたいと思いますが、設立総会の議事録は、あなたは御承知でございますか、農水産株式会社の設立総会の議事録は御承知でございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。議事録もはんこは押してあるかもしれませんが、どうか、見たか見ないか、はっきり申し上げかねます。
○相馬助治君 そういたしますと、その議事録は、事実上の問題として、議事録作成に該当すべき会議はあったと推定されますか、さようなる会議はなく、まあ登記所に出す都合上、だれか文才のある者が文案を作って、あなたのはんこをもらって、そうして出したと推定しますか。
○証人(高橋武美君) 御推定の通りでございます。
○相馬助治君 推定の通りと申しますと、登記所に出すために所要の頭をそろえ、はんこをもらい、そうして議事録を作成し、そして会議がそこに成立したような装いをした書類ができて出されたのであって、事実上の会社成立のための株主総会、ないしはこれに類するものは一切なかったと、あなたは推定されるのですね。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。そういう会合は何回もいたしましたから、どの会合がどうなのかということの区別はつきません。
○相馬助治君 まことにつかぬことをお尋ねするのですが、株式会社の設立総会は、まず議長を選びまして、そして株主総会で社長を推薦という形になるのですが、事実上は理事長さんが推薦されても何でも、形式的にはやはりそういう総会が持たれる。われわれかように承知しておるのですが、あなたは総会という席に連なって、そうして総会の総意によって社長に就任し、そして社長就任のあいさつを述べたというような、そういう会合は御記憶になっておりませぬのですね。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、会合したことは何回もございますから。
○相馬助治君 そんな会合はなかった……。
○証人(高橋武美君) やはり書類を作成して――その会合に該当するというものはあったかと思います。しかしわかりません。
○相馬助治君 わかりました。
○証人(高橋武美君) 記憶ございません。
○相馬助治君 私は湯河さんにもいろいろ尋ねたいのですけれども、関連の質問でございますので、あまりに不思議だと思ったことについて、疑念の点を二、三点ただしたいのでございます。 それでは、私はついでに湯河さんに具体的なことを二、三点聞きたいと思いますが、この長期の借り入れを中金からして、そのときの債務を解決しなければならないという願いに対して、あなたは政府の長期貸付を中金法十五条の二によってなされたと、こういうふうに申しておりまするが、その際は、十五条の二を私は解釈いたしますれば、余裕金があるということが第一、それからやはり農林関係の事業であるということが第二、そうして主務大臣の認可が第三、こういうことになりまするのですが、主務大臣の認可を受けるための書類その他は、これは当然のことと思いまするが、理事長自身目を通され、捺印され、そうしてこれは御申請になったことと、まことに当然なことと思いますが、さように了解してよろしいのですか。それとも、今考えてみると、いささかどうも調査その他で不十分なことがあり、農林大臣の方への申請書にも、自分自身として納得しかねるものも記載しておいたというふうな反省をお持ちでございますか。
○証人(湯河元威君) 別にそういうことはございません。
○相馬助治君 当時の農林大臣はどなたでございますか。
○証人(湯河元威君) ちょっと今記憶しておりませんので、後刻調べましてお答えいたします。
○相馬助治君 当時の農林中金の財政の余裕状態は、金庫法の違反ではない状態、すなわち余裕金を回すという十分なる余裕があっての金融をあなたは御許可になったのでございますか。
○証人(湯河元威君) その通りでございます。
○相馬助治君 そのときのこの農工の方の社長は、すでにもう高橋さんでなかったかと思うのですが、これは理事長はどういうふうに御記憶でございますか。
○証人(湯河元威君) それは高橋さんが社長でございます。
○相馬助治君 当時は社長は高橋さんでございますね。
○証人(湯河元威君) そうです。
○相馬助治君 次に、三十年の一月に一億融資されたときの農林大臣はどなたであり、農工の社長はどなたでございますか。
○証人(湯河元威君) 私、農林大臣として承知しておるものでございますから、どなたかということは、これはすぐわかることでございますが、ただいま申し上げることができませんのは残念でございます。社長は当時山下君でございます。
○相馬助治君 私の質問はこれで終りますが、参考に渡部政府委員、当時の農林大臣はどなたですか。
○政府委員(渡部伍良君) 三十年の一月だと鳩山内閣のときですから、河野一郎さんじゃないかと思います。
○大谷贇雄君 先ほど湯河さんのお話では、山下さんが会社の社長になって行かれたときに、全購連から渡した四千万円の金がなかったというお話でございましたが、これは奇々怪々なことでありますが、それはどういう事情でありましょうか。これは湯河さん並びに田中さん並びに社長である高橋さんから承わりたいと思います。
○証人(湯河元威君) 私は当時このことを山下君から聞いたのでありまするが、四千万円の前渡金がせっかく行っておるにもかかわりませず、事業は一向整備されていない、そうして、たしか残金はわずかしかない、これはゆゆしいこと、だというふうに思いました。その間に当時の高橋社長のもとに、だれかこの不始末があったんだ、かように聞いております。
○証人(山下利義君) お答え申し上げます。その前に少し、そこへ行きますところまでのこれは大事な点だと思いますが、話さしていただけましょうか。
○委員長(高野一夫君) 簡潔に願います。 〔「質問に応じてやれ」と呼ぶ者あり〕
○証人(山下利義君) 質問だけでございますか、かしこまりました。 四千万円全購から出ておるということを聞いて参りましたわけですが、その前に、毎日のように早くこいという矢の催促、不思議に思って行って参りますと、金がないのでございます。これは先ほど湯河証人のお話にもございました。湯河証人の見通しに関連するわけでございますが、専務に、これは推定でございますので、言いたくはございませんけれども、いたし方ございません、しゃべらなければなりませんが、専務に好光という人がおりました、私が参りましたときには。これに、はなはだお気の毒ですけれども、高橋さん御自身も惑わされた。そうして調べましたが、実に巧妙な方法で的確なことはつかめません。あるところ芸ではつかみました。とにかく消えてなくなっております。金が四千万円ほとんど消えてなくなっておる、若干は設備に入りましたが。そのような状態でございます。
○証人(田中順吉君) 前渡金は二十六年の六月でありますか、四千万円ということで、農林中金の了解並びに会社との契約でございましたが、その後、取引の増加に従いまして、最も前渡金が多くなりましたときには、一億一千万円程度にまで上っております。
○証人(高橋武美君) ただいまの四千万円の問題でありまするが、それはなくなるわけがありません。と申しまするのは、四千万円は、経理の監督として、農林中央金庫から監督が、人名は忘れましたけれども、経理の監督が来ておったのであります。そうして、しかも、商品と材料と引きかえなければ金を出さないんです。全購連は出さないんです。すなわち、材料は今度商品になりますですから、四千万円消えて、なくなるということは私は不思議に思います。
○大谷贇雄君 先ほど、社長として道義的責任をおれは感じないんだというお話でありますが、少くとも社長として、先ほど相馬委員も言われましたように、義務並びに権利があるはずなんでありますが、そういう四千万円というような金が消えてなくなっておるということは、これは社長としてどういう御善処をなさっておるか、また、それをまさか御存じないということはおかしいんですが。(「おかしいけれども知らないんだ」と呼ぶ者あり)
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。四千万円消えてなぐなるわけがないです。
○大矢正君 本問題に対する体系的な質問は、島委員を通じまして行われておりますので、私は、ただいままでの質疑の過程における二、三の点について、多少疑点として残っておるところがありますので、この際伺っておきたいと思います。 高橋さんにお尋ねをいたしたいのでありますが、あなたの先ほどの島委員に対する御答弁によりますと、中央農水の社長をやっておったけれども、仕事にはほとんど参画したという記憶がないというお話と同時に、あわせて、社長としての給与の支払いを受けた事実もないという御答弁でございましたが、もう一つ、日本農工の社長として、あなたはこの場合も、前の中央農水の時代と同様に、あるいはそのときと同じように、社長としての給与その他一切をもらったという事実がないのかどうか、このことについてお尋ねをしたい。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。日本農工からはもらっていました。
○大矢正君 農林省にお尋ねをいたしたいんですが、事案が委員会にかかりますときの初めての委員会で、農林省から本件についての説明書が配付されておりますが、この説明書は一体だれがお作りになったのか、この点をお尋ねいたしたい。
○政府委員(渡部伍良君) これは、私の方で中金から経過を聞きまして作成したのであります。
○大矢正君 あなたは責任がある立場から、当委員会に対して経過の内容を書面にして提示をされたわけでありますが、その第二項に、「高橋武美氏は、この事態に道義的責任を感じ、たまたま同氏が経営していた日本農工」云々と、こうなっているわけですが、これは明らかに、高橋武美さんが、みずから道義的責任を感じたという意思の表明、態度の表明があったという前提で書かかれているわけでありますが、先ほど承わるところによりますと、社長としての権限も権利も義務も一切ないという立場において、私は道義的責任を感ずる理由があろうはずがないという、まことに明快な御答弁があったのでありますが、あなたは、農林省として責任を持って当委員会に出される資料に、こういう現実と、それから内容との食い違いを提示されてどうお考えですか、農林省からお答え願いたい。
○政府委員(渡部伍良君) これは、先ほど湯河証人からお話がありましたように、農林中金からの経過報告の中に、道義的責任を感ぜられたということを申し出がありました。で、私、先ほどからの経過を聞いておりますと、まあ、私の方の農林省の大先輩でもありますし、理事長も大先輩であります。同時に、高橋さんは中金の監事でありますから、その先輩同士が中金の退職職員の更生施設を、やるときにお互いにいろいろ努力されて、そうしてそれぞれ責任を感ぜられたことは、私は、ただいまの経過を聞いておりまして、なるほどそういうこともあるのか、しかし、そのときには、全然道義的責任を感ずるのが当り前だと、こういうふうに感じて、これを作成いたしました。
○大矢正君 あなたはとんでもない発言をされるのですがね。いいですか、少くとも推量に基いて経過報告が作られて、権威あるこの議会に出されるようなばかなことを、あなたが堂々とここで発言されるなら、私は責任を追及いたしますよ。あなた、何ですか、今の答弁は。それが責任を持って政府当局として答弁される言葉ですか、あなたの言葉は。
○政府委員(渡部伍良君) 私が答えましたのは、中金の経過報告に基きましてこれを作成したのであります。そのときに、どういうことでこれを作ったかというお尋ねがありましたから、そのときには、関係の方々それぞれ農林省の大先輩でありますから、それぞれ皆さん御苦労なさって努力されてやられたのだろうから、そのときに私の方へ報告さしたときに、高橋さんは道義的責任を感じてやられたと、中金が申し出られたことを、私はそのまま率直に受けたのでありまして、あと少し言葉が、興奮しまして言い過ぎでありましたら取り消さしていただきますが、あとのこの経過を聞いておりまして、、なるほどいろいろな事情があって、私の方もあれは三日目に、月曜の委員会で、水曜に出せということで大急ぎで作りましたので、方々に十分当たる時間もありませんでしたから、あとで考えてみますと、そのこともあったのかと、こういうふうに感じたのであります。
○岩間正男君 私は、今の問題、非常に重大だと思うのですね。大先輩大先輩というようなことで。それで、しかも公式の文書としてわれわれは資料をずいぶん見た。しかも、これは権威のあるものである。ところが今聞くというと、農林中金の報告を元にして、それをそのままうのみにして作ったところの資料だということになっている。そうすると、農林省の権威というのはどうなる。これは私は非常に重大な問題だと思う。と言いますのは、この問題を、大先輩だからだとか、農林省関係者だとか、こういうことでやっているこの慰労が非常に問題だと思う。私はこういう点から、さらにこれと関連してお聞きしたいのですが、先ほどの質問の過程の中に、これは湯河元理事長にお伺いしたいのでありますが、あなたの先ほどからの発言によりますというと、しばしばこういうことを言っているわけですね。元農林中金の関係職員が作っている会社だ、これが非常に不況になってかわいそうだ、気の毒だ、同情した、そのために何とかしてやらなきゃならないというので、これはやった、こういうことをしばしば述べておられます。私のここに記録しているのだけでも、こういう言葉が何回も出る。私は、農林中金の理事長の立場としてお伺いするのでありますが、これは非常にプライベートに聞こえるわけです。一方において、農林中金の融資が公平にいっているかどうかということは、これは天下の非常に疑惑のあるところです。今、当委員会でもこれは問題になっているところ。そういうさなかにおいて、あなたの子飼いかどうか知らぬけれども、元農林中金の関係者の作った会社であるから、特にこれに対して同情的な態度に出なければならなかったというので、何回かの融資をやっている。これは、少くとも公けの立場に立つ政府の出資金によってまかなっておる公的な金庫の性格として、一体妥当であるかどうか。この点は、先ほど大先輩というような言葉で農林当局が述べている言葉と私は決して無関係だと思えない。こういう感覚が非常にこれは重大問題だと思いますので、特にこの際証人としてはっきりあなたの責任において御答弁を願っておきたい。
○証人(湯河元威君) 私は先ほど申し上げましたように、農林中金の前役職員などが非常に困っているときに、それらの人の何か助けになることをすることは、それは私情だというふうに仰せになりまするが、これはやはりその当時から、またその後に来たる中金の職員たちのために、これは経営統率上やはりそういう心づかいを持つということは、私は大事なことだと存じております。ただし、それによって金融を左右するというふうなことがございますれば、岩間委員の仰せのように、これはなはだけしからぬと、かように思うのでございまして、金融はこれは正しく、あくまで公的に判断いたしまして、従いまして、先ほど申し上げましたように、日本農工の申し出は、これは高橋さんだからというふうなことではございません。高橋さんのお話も、日本農工のお気持を当時から伺っておりまするが、日本農工の事業の行き詰まりを打開したいというお気持もございましたでしょうが、何よりも、私感じましたことは、やはり一つは全購連の方で要している、農村で需要しているゴム製品、また他の一面は、中金の関係者が口をききまして銀行に迷惑をかけておりますのを、それを何とか銀行の迷惑をはずしたい。これは同業者、同業のよしみでございます。この点から先ほど申しましたようなことをいたしましたので、私の判断といたしましては、これは私情にとらわれたものではない。十分気をつけてやったつもりでございます。
○相馬助治君 議事進行。体系的に島委員が尋ねております際に、私関連質問をいたし、それから発展して今のような話になっていますが、この農林省から出した資料の問題につきましても、こちらから、大矢委員から確認を求められたのであって、これに対する批判その他というようなことは問題は別だと思いまするし、また、この問題についても、農林省が一部の調査上の疎漏はあったにしろ、現在聞き得る範囲内において、私はかなり精細な、しかも正直な報告をされていると思うのです。だからこの問題の追及その他ということをしばらくやめられて、一つ問題をもとに戻して、島委員の体系的な質問、事実これに関連のある問題だけとして、委員長において進められることを希望いたします。
○委員長(高野一夫君) 委員長から皆さんにお願いいたしますが、できるだけ証人に対する御発言、質問にお願いいたします、時間もだいぶ経過いたしておりますので。
○清澤俊英君 どうも先ほどからお伺いしておりますと、この日本農工という会社が非常に深入りされておるように聞いておりますので、そこで高橋さんにお伺いしますが、この日本農工という会社は、いつ設立になりましたのか。この設立に対しましては、先ほどお話しになった中央農水のような不明確なものででき上ったのか、正規の準備会から総会を開いて会社が成立したのか、そういう点を一つはっきり聞かしていただきたい。
○証人(高橋武美君) 日本農工は昭和二十一年の十二月一日に設立登記いたしまして、諸般の手続は法令によって完備いたしております。
○清澤俊英君 そのときの重役は、全然中金等と関係はありませんですか。株主は。
○証人(高橋武美君) 一切関係ございません。
○相澤重明君 湯河証人にお尋ねいたしますが、あなたはいつ中金の理事長をおやめになりましたか。
○証人(湯河元威君) 昭和三十一年の八月十五日でございます。
○相澤重明君 田中証人にお尋ねいたしますが、全購連は九〇%以上の出資を農工にしているということでありますが、その当時の事業の内容はおわかりになりますか。
○証人(田中順吉君) 全購連はゴム事業の直覚の工場を神戸に持っておりまして、主として地下たびの生産をして、傘下の農協に配給をいたしておりました。昭和二十五年にゴムの統制が撤廃になりまして、非常にゴム製品、なかんずく地下たび、運動靴あるいはタイヤ、チューブ、ゴム長というようなものの需要が旺盛になって参りまして、全購連に対して自己生産を拡大すべきであるという会員からの要望が相当強かったのでございます。神戸の工場が狭隘でございまして、神戸市の中間にありますために、拡張の余地がございません。何とか東日本においてもゴム製品の配給、生産の拠点を持ちたいという考えは持っておりました。たまたま日本農工がゴム製品の積極的な生産に乗り出したいということで、農林中金からもお話がございましたし、当時の高橋社長からもお話がございまして、私は高橋社長と、一回限りではありますけれども、たしか二十七年の当初かと記憶いたしますが、会見をいたしまして、現場も拝見したのでありますが、工場といたしましては、立地条件も建物等の設備も非常によろしいという感じでございました。ただ機械等におきましては、なお非常に古いものが多いので、不十分であるというふうに感じましたけれども、農林中軸の方におかれましても、全購連がこの日本農工を積極的に協力的に利用することによって、農林中金としても既存の債権等に対してはでき得る限りこの会社の再建によって回収をはかりたいということと、また、全購連が農村のそうした需要に応ずるという本来の目的となり使命を十分達成いたしますようにいたしたいというお考えでございましたので、これに協力をする決意をいたしたのでございますが、二十七年ごろの製品は遺憾ながらまだ不十分でございまして、実際に配給をいたしましても、かなりのまだ遺憾な点がございまして、二十八年になりまして、いよいよ中金からも社長、専務が送り込まれるということになり、また全購連からも平取締役を送りまして、これに資本参加とともに、経営参加をいたしまして、東日本におけるゴム製品の農村必需品をこの工場によって生産して、関東、東北の地域に十分に配給をいたしたい、かように考えたのでございましたが、何分にも設備が非常に今申しましたようにまだ機械等が不十分でございましたので、これを積極的に拡充し、刷新するという必要を感じておったのでございます。二十八年になりまして、そういう点で農林中金等からもお話もあり、われわれも相談をいたしまして、この設備を刷新強化して、いいものをできるだけ多く作って、その目的を達成したい、かように考えまして、私の方の神戸の本工場におりました専門の技術者をこちらの日本農工の嘱託にいたしまして、これがもっぱら指導をいたしましたのと、さらに農林漁業金融公庫から資金の借り入れをすることによって、設備が改善刷新できることと相待ちまして、生産能力も相当上り、製品も非常によくなりまして、一時は農村から非常に歓迎を受けまして、順調に進んで参ったのでございますけれども、先ほどもお話がありましたように、二十九年になりまして、ゴム業界の非常な不振にあいまして、乱売あるいは不当な競争というようなことから、この会社もどうしても経営が立ち行かないというような運命に立ち至りましたけれども、経過なり私どもの考えといたしましては、以上のようないことでございます。
○相澤重明君 証人に御注意申し上げますが、今私のお尋ねしているのは、あなたの方で出資をされて、企業参加をされた当時の事業内容はどうか。ですから、たとえば月にしてどのくらいの売り上げがあり、あるいは収入があり、年間にしてどういうふうになっておったか、こういうことを端的に言ってもらえばこれはわかることなんです。それをもしおわかりになったらお話しをいただきたいと思います。
○証人(田中順吉君) 私どもが資本参加をいたしました当時から相当業績が上って参りまして、取扱い分量、生産分量は増加いたしましたが、月別とか、年別とかいうことの記憶はただいまございません。前後相通じまして、金額にして三億二千数行百万円の購入をいたしておるということだけを記憶いたしております。
○相澤重明君 山下証人にお尋ねをしたいと思うのでありますが、あなたが会社の責任者になられたときに、先ほどの証言では、おいでになったときにはすでに資金的に現金というものはなかった、こういうお話でありましたが、そのなかったというのは事業ができないような状態であった、こういうように理解をされるのですが、その通り理解してよろしいですか。
○証人(山下利義君) さようでございます。
○相澤重明君 そういたしますというと、そのときにあなたが会社の内容というものを調査をされたと思うのでありますが、その前に経営不振になったときには、一体どのくらいに会社の経営率はなっておったか、あるいはどうしてこういうふうに赤字が出たのだ、こういうことがおわかりになりましたか。
○証人(山下利義君) それは行きますまでは、話だけはいい話を聞かされておりました。行ってみまして実際に調査をいたしますと、そうではございませんでした。赤字の状態、これは生産をふやすよりほかに仕方がない、ずうたいが大きいですから、縮小しようにも縮小のしようがない。前進しなければ生きる道がないという状態でございました。
○相澤重明君 湯河さんにお尋ねをしますが、これはあとでも島委員から、先ほど申し上げたように、なお材料もそろっておりますし、御質問を続けていかなければならぬので、簡単に私はお尋ねをしていきたいと思うのでありますが、あなたが三十一年の八月十五日におやめになって、その前年の三十年の一月に中金は一億の肩がわりをした、その当時の条件というものをいろいろお考えになるというと、担保というものを見れば貸し出しが十分でき得る状態にあった、こういうふうにあなたの先ほどの証言があったと思うのでありますが、その担保というものはどういうふうな名義になっておったか。たとえば先ほどの農工と水産とがいわゆる統合された、合併されたといいますか、いろいろな形に登記上はなっておると思うのです。だからそれを具体的に、資金的なりあるいは現物的なりにどういうふうにお考えになっておったか、その点を一つ証書していただきたいと思うのです。
○証人(湯河元威君) 約二億二、三十万円の会社所有の名義の不動産がございました。それに当権がついておりましたが、なお数千万円の余裕がございました。それから在庫品が約三、四千万円ございました。これを見返りとして貸すならば、一億円は大丈夫という見通しで貸しました。
○相澤重明君 湯河証人にお尋ねいたしますが、その担保条件の際に、他の金融機関から担保としていわゆる抵当権が設定をされておったかおらないか、もし設定をされておったならば、何位くらいに設定をされておったか。
○証人(湯河元威君) 当時の一億円の抵当権は第八順位であります。それまでに第七順位までございますが、他の債権、金融機関等は第一、第二、第三順位、それから五番目か六番目に農林漁業金融公庫がございます。その前でしたかに全購連、中金がそのあとでございます。そういう順序でございまして、なお担保余力はあると認めました。
○相澤重明君 そういたしますというと、すでに他の金融機関から第一、第二、第三、第四位、まあ五位に中金が抵当権を設定をされた、そういうお話でありますが、第一位から第四位までの総額はどれくらいであったか。あなたがおっしゃるのは、第五位でもなお担保権の設定をしても十分能力はある、こう断定をされているのでありますが、前のいわゆる四位まではどれくらいあるか。それから五位から八位までとあなたは今お話になったようでありますが、あなたの方以外になおどのくらいの債権があったのか。この点を証言を願いたいと思います。
○証人(湯河元威君) 第一、第二、第三順位までが系統外の金融機関でございまして、約二千二、三百万円、それから第四順位が全購連で、第五順位が農林中金、第六順位が農林漁業金融公庫、それから中金とございまして、なお当時の担保余力が六千万円ぐらい残っております。それと先ほど申しました簿価約四千万円の在庫商品を見返りとして、私は当時会社の担保余力ありという判定をいたしまして、一億円を貸付をいたしました。
○相澤重明君 これはあとの話でありますから、先ほどの湯河証人のお話で、当時の状況では担保能力ありと、こう見通されて融資をされたということが言われているわけでありますが、今日の状況になると、農林大臣の御説明のように、実際には一億八千万円以上の赤字というものを中金はかかえている。いずれこれは処理しなければならぬ、こういうことでお話があったと思うのでありますが、端的に申し上げて、あなたがおやめになったのはどういう理由だったでありましょうか。
○証人(湯河元威君) 私事にわたりますが、任期が間近かになりまして、私も大そう長く中金をやっておりましたので、この機会に退任するを適当と認めて、一身上の事由で退任いたしました。
○相澤重明君 大へん湯河証人には御迷惑な点だと思うのですが、任期の中途でありましたか。任期満期でありましたか。個人のことでありますから、お答えになるのも大へん辛い点もあろうが、御了解いただきたいと思うのでありますが、任期が満期になったときということと、任期の中途ということでは、ちょっと私どもの理解の仕方が違うわけでありますので、その点一つはっきりおっしゃっていただきたい。
○証人(湯河元威君) 私の任期は十一月でございましたが、十一月に理事長の更迭があるのは適当でないと私常々思っておりましたし、私も十年近く――三カ月残したのであります。八月と申しますのは、金融が一番楽なときであります。このときに今の楠見理事長にかわっていただくことが適当だと思いまして、さようなことで一身上の理由で退任いたしました。
○委員長(高野一夫君) だいぶ時間が経過しておりますから、できるだけ要点を質問願います。
○島清君 簡潔に質問いたしますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。高橋さんは、かりに今の日本農工が無きずなものであるとすれば、どのくらいの値打のあるものだと思われますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。土地、建物、それから機械装置を入れまして、大体三億七千万円程度あると私は考えております。
○島清君 それで、今特価にすると三億七千万円程度の価値のあるものに対して、さらにそれを山下さんが社長になられてから増資をされて一五百万円全購連が出したということになっておりますが、あなたはそうじゃないとおっしゃるが、山下さんはそうだとおっしゃったわけですが、それは参考人としておっしゃったことも、証人として申される証言も変りはないものと了解してよろしゅうございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。参考人として申し上げた通りでございます。
○島清君 そうしますと、一千五百万の増資がなされて二千万になったということを、あなたがおわかりにならないうちに進められたという事実をあなたは承知をされましたので、関係者の方に抗議を申し込まれた、抗議を申し込まれたので、山下さんからあなたに対するこの差入書というこういうものが参った、こういう工合に了解をしてよろしゅうございますか。
○証人(高橋武美君) そう了解していただきたいと思います。
○島清君 山下さんにお伺いいたしますが、今でもやっぱり高橋さんにお渡しになりましたこの証書というものは、これはあなたが全然関知しないものである、今でもその通りでございますか。
○証人(山下利義君) 私にはどうも記憶がございません。願いますならば、それを拝見さしていただけませんでしょうか、記憶が呼び起されるかも知れません。私にはそういう考えもございませんでした。ただそれがために高橋さんが危惧していらっしゃいますような、乗っとるというようなことは毛頭考えたこともございません。
○島清君 それは聞いておりません。
○証人(山下利義君) ですから、それについては十分に高橋さんの御了解を得たものと信じております。
○島清君 あなたは社長の職務を執行されますときに、何か社長印というものは御自身でいつも捺印をしておられたのでございますか。さらには他に代行させたことがおありでございましたのですか。
○証人(山下利義君) 社長印は常務の総務部長であります春日慎一、これは高橋さんの代表でございます。それに預けておきました。私みずから押したことは一度もございません。
○島清君 そういたしますと、あなたの方から出ておりまする高橋さんへの書類というものは、全然これは事実無根ではない。あるいは社長の名義で判こが押されて、高橋さんに行っているのかもしれません。こういうことは御肯定になるわけでございますね。
○証人(山下利義君) そこいらは推定になりますので、何とも申し上げられません。ただ事実だけを、覚えがございませんと申し上げるよりほかに仕方がございません。
○島清君 高橋さんは一千五百万円の増資については、全購連の方に対して山下さんがこれは見せ金である、こういうふうな念書を入れておるわけですが、このことについては、二千万円に増資になった場合には、やはり幾らあろうともあなたの方が株券を取得されなければならない立場にあると思うのですが、それは二千万円になろうともあなたのものである、こういうようなことを何か立証するようなものがございませんですか。
○証人(高橋武美君) その念書によりまして、名義書きかえを請求いたしまして、すでに名義書きかえが済んでおります。
○島清君 そういたしますると、たとえ二千万になりましても、その会社というものはあなたのものであるということが事実において証明されたわけでございますね。
○証人(高橋武美君) さようでございます。
○島清君 あなたが会社の経営について湯河さんと御契約になっておるようでございますが、それは公正証書にしておりまするのが、昭和二十七年の六月二十五日でございますですね。さらにそれには二十七年の十二月末までというふうな契約になっておるのですが、それはしかとさようでございますか。
○証人(高橋武美君) さようでございます。
○島清君 そしますると、昭和二十八年度に入りましてからは、この契約は切れておるわけでございますが、さらにこれ以後に契約をなさったことがおありでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。それ以後に契約したことはございません。
○島清君 湯河さんにお尋ねをいたしますが、すでにあなたが御心配になりました日本農工の健全なる経営については、あなたたちが御心配をなさるという範囲は、年月に見ますると昭和二十七年の十二月末日までと、こういうことでございまして、二十八年に入りましてからは、そういう御心配は一切に無用ということがこの契約に書いてあるわけでございますが、しかしながらここで見まするというと、あなたは昭和二十八年農林漁業金融公庫に対するあなたの持っておられまするところの順位を変更しておられます。さらには昭和二十九年四千万円、さらには二十九年に一億と、こういうふうに抵当権を設定しておられるのですが、この事実はどういうふうに御説明になりますですか。
○証人(湯河元威君) 公正書証の期限は、お話しの通りになっております。でございますけれども、会社と日本農工は、当時の情勢からいたしまして、系統と深い関係のある事業会社でございまするし、中金はそれまでにも四千万円か八千万円、貸し金を持っております。そうして事業は、ゴム事業は続いておるのでありますから、中金といたしましては、公正証書のその約束としての目的は、会社の経営の健全のためでございます。しかし会社が事業を継続していく上においては、中金としてはあくまでいろいろと配慮しなければならぬ、これは債権者としては当然でございまするし、また取引先の事業が系統のために役立つときは当然でございまして、われわれはさような意味をもちまして、農林漁業金融公庫の貸付も申請をお取次いたしましたし、それから順位を譲るということにつきましては、これは政府の農林漁業金融公庫の要請もあり、こちらとしてはぜひそれを実現してもらいたいために、その順位変更も認めても大丈夫という気持でやったことでございます。
○島清君 それは主観的な判断は御自由でございまするけれども、この契約に基きまして、山下さんが農中金側の意向を体して、農工側の社長になられた。そうしてその山下さんを中心にされまする農工の経営者陣の要請に基いてあるいは四千万なり、あるいは一億と、こういうふうに抵当権を設定されたわけです。しかしながら、山下さんが社長の職務を執行されるその大前提になっておりまするのは、あなたと高橋さんとのこの公正証書になっておりまする契約が、一番の幕礎になっているわけであります。しかもこの契約というものは、二十七年までだということでございます。そうすると二十八年になりまするというと、それから日本農工が事業継続していくか、それとも今までの負債をどうやって処理するかということの段階に来て、そうして全株を所有しておられまする高橋さんと当然にこの公正証書の契約を結ばなければ、二十八年度以降の仕事に対しては、あなたはその権限はないと、こういうことになるわけであります。従いまして、あなたの意思を体して派遣をされました山下さんもその通りであるということなんでございますが、なぜ高橋さんとあなたの間に、しかも二十七年には六月、わずか半年間の間の公正証書をされて、さらに二十八年度に入られてからは、こういったような趣旨の契約がなされてないのでございますか。
○証人(湯河元威君) その公正証書を結びましたのは、その前に誓約書がございました。その誓約書の履行が会社の方でしておらなかった。そこでそれを履行させるために公正証書を結びましたのでございます。公正証書に基きましてできました。で、あとは今申し上げましたように、会社としてはそのまま動いております。われわれとしては取引関係のある会社といたしましてめんどうをみる、金融をみる、これはわれわれとして当然の仕事であります。
○島清君 高橋さんにお伺いいたしますが、これは契約をされて、あなたが委任の――おまかせになったと、そして昭和二十八年に、それが二十七年度末で切れましたときに、何か再契約をしてくれと、こういったような交渉の経過はなかったのでございますか。
○証人(高橋武美君) お答え申し上げます。何もございませんです。
○島清君 山下さんにお伺いいたします。あなたが社長に行かれたのは、当然に湯河さんの意を体して行かれたということは、この契約書に基いて明らかであります。そういたしますると、あなたの権限というのも、農中金をバックにいたしまする権限というのも、これはやっぱり今私が湯河さんに御質問申し上げているように期限があるわけでございますね。その期限以降について社長たらんとするのには、この契約に基いてさらに新しい契約が更新されなければならぬわけなんでございます。しかもその無契約の高橋さんを、あなたたちの方では会社経営に対する委任状的な契約はないにもかかわらず、あなたは社長の仕事を遂行されて、あるいはゴムが統制が撤廃されて思わざるところの赤字をお作りになったのかもしれませんけれども、それ以後の方の出資金の方が多うございますですね。二十八年度に入ってからの赤字の方が多うございます。これは少くとも非常にあなたの方に味方をして、善意に理解するようにいたしましても、あなたが非常に過失を犯したと、私は故意だとは申し上げませんけれども、過失を犯したのだと、こういうふうに理解せざるを得ませんですが、その点いかがでございますか。
○証人(山下利義君) 先ほど来申し上げましたように、日本農工は、中金、全購の援助なしには成り立っていかないと解釈いたしておりました。見ておりました。しかしそこで契約が切れましたけれども、その点ははなはだうかつでございました。そこで御指摘の通りに、契約をすべきであったかも知れませんけれども、高橋さんないしまた高橋さん派遣の重役との間にも、事業を拡張していこうという話し合いはありましたけれども、ここでどうするかという――整理するかということはございませんで、それは了解の上と解釈をいたしておりました。
○島清君 私はあなたたちが乗り込まれる前の日本農工の財産について、資本構成についてあなたがどういうふうに解釈をしておられたかという、認識しておられたかということをちょっと御説明いただきたいと思いますが、それは五百万円というものを受けて、そして一般の人々から株を集めて作った会社だと思われたのか、それともこれは高橋さんの一族の財産であって、さらにそれは五百万円ほどの値打じゃなくて、相当の額の値打のあるものである、こういうふうにお考えになりましたのでしょうか。
○証人(山下利義君) 私は初めからこれらは高橋さんの会社だと了解して参りました。ただそれを育てて作り上げていく、そしてまた中金の借金を返せば、私の使命は終るものと解釈して参りました。
○島清君 非常に私は、あなたに会社の乗っ取りとか何とかということをお聞きいたしませんでしたが、あなたはそういうふうな、俗語で申し上げますると、語るに落ちる、こういうことを申されたのでございますが、今三億七千万円の値打があると高橋さんはそう言っておられる。しかも、私が承知しておるところによりまするというと、高橋さん個人の財産である。資本額はなるほど五百万ではあるけれども、その実質の財産価値というものは、固定資産というものは相当大きな額なんです。それを私たちしろうと的に考えてみましても、それを無条件に高橋さんが提供するはずはございません。そこで、私たちが調べてみましたところが、ここに契約書なるものがあるわけであります。その契約書に基きましてあなたの方が行かれ、あるいは全購連の方からも行かれたのでございましょう。しかしながら、その契約の期限というものは僅か半年間の公正証書の契約期間であります。そこによってその事業をされて、もしこれが赤字になってどうにもならぬということであれば、これは高橋さんと協議されるべきものであって、それにそういう値一ぱいに抵当権を設定をして、そうして今になっては、いわゆる国家資金的な性格を持っておりまする農中金にまで二億近い赤字のしわ寄せをしなければならないというこの事態です。これがどうしても私たちには理解ができません。しかもまた、高橋さんが証人として証言しておられることは、増資のことについても一向に相談を受けていないのだ、増資も、全購連が増資をしたということはこれは偽わりである。こういうふうに言っておられるわけであります。 そこで、私はまあこれ以上お専ねいたしませんけれども、あなたたちはそういうような、まあわれわれの常識では理解できないようなことをおやりになりまして、そうして高橋さんとの間に当然に私はトラブルが起ったと思うのでありまするけれども、今でもやっぱりそのトラブルが起らずに、いわゆる高橋さんが道義的な責任を負って、そうして全財産を投げ出されたのだ、こういうふうに理解をしておいででございますか、山下さん……。
○証人(山下利義君) 私はそのようには理解をいたしておりません。ことにまた、私は四年前に辞任をいたしましたから、その後のこともわかりませんので、今おっしゃいますような理解は私はいたしておりません。
○島清君 湯河さんどういうふうにお考えでございますか。
○証人(湯河元威君) 私はこの問題は、どこまでも日本農工という会社を相手といたしまして、中金としては取引をいたしておりましたので、日本農工の理事か社長に山下君に行ってもらいまして、それから日本農工の社長としていろいろ措置をするときは、私は元いた山下君でございまするが、それから先は日本農工の山下君として見ております。 それで、さっき公正証書とお話しがございましたけれども、山下君の任期ないしは山下君の社長たる地位というものは、別にその公正証書によってだけきまるのではございませんで、会社の成規の手続によってきまるのでございます。その山下君を社長とする日本農工と中金との関係は、先ほど申し上げましたように、どこまでも取引の相手方として、それからまた系統組合のために必要なる事業をする会社として私はどこまでも取引をしてきた、こういうわけでございます。
○島清君 見解の相違になりますので、あるいは事実の認識において違うのかもしれませんが、それはそうといたしまして、私の聞いておるところによりまするというと、いろいろと裁判問題に近いような問題に発展をいたしまして、あなたのところの顧問弁護士の方が、入野何がしという人は、あなたのところの職員の立ち会いで二百万円という金を渡しておりまするが、承知しておられまするか。
○証人(湯河元威君) 私は、そのやめた後のことでございまして、今仰せのようには承知しておりません。私の承知しておるところでは、入野弁護士は日本農工の代理弁護士であり、あるいは高橋さん個人の代理弁護士であり、日本農工が金を渡したということは聞いておりません。現実に見たことも、私のやめた後でございますからございませんが、中金はそれに対しまして、弁護士、――中金の代理の弁護士が中金から農工に払うということは毛頭ないと信じております。
○島清君 あなたのところの顧問弁護士の成富何がしという人を通じまして、さらに間違いなく手交するかどうかということを見るために、その立会人はあなたのところの職員でございます。そしてそれはあなたのところにそういったような、世間に言われると農中金としては申しわけが立たないといったような事態があるから、出さなくてもよろしいような二百万円という金をあなたのところの顧問弁護士を通じて、しかも顧問弁護士を信用することもできないで、あなたのところの人が立ち会って手交しておられる。これは明らかにあなたのところに弱味があるからお出しになった。そこで弱味があるから正当の金ではない、正当の金でないからお取りになった方は恐喝罪に問われて、そして刑事被告人として取調べを受ける、こういうことだと思うのです。これならば今まで説明いただいたその経過からいたしまして、あり得ることだと、こういうふうに考えられるわけであります。それでもやっぱり御否定になるのですか。
○証人(湯河元威君) これは私が申し上げることはあるいは分に過ぎるかもしれません。事態は私がやめた後に起ったことでございまするが、私も気をつけて見て、聞きただしておりますことでございまするし、ただいま島さんのお言葉によりますると、何かその措置が中金が今までとったことが全部変なので、それをぬぐうためにそういう措置をとったのではないかという御推量もおありのようでございますが、これはまことに困ることでございます。事実といたしましては、私さっき申し上げました通りに、日本農工の顧問弁護士として入野君がおそらく適当でなくなったので、日本農工としてそれをやめさせた、これにつきましては、私承知しておるところでございまするが、先ほど島さんの御指摘もちょっとございましたように、実は抵当権設定以来、当時私は中金の役員でございましたが、高橋さんと私との間には非常なトラブルがありました。先ほども高橋さんの仰せの中に、株はおれのものだ――さっきお読み上げのなんでございますね、念証等によっておれが収得したから、株は全部おれのものだという仰せがございましたが、私にそのことについてのお尋ねがございませんので申し上げる機会がございませんで、したが、これには農林中央金庫側においては非常に異議がございます。われわれとしては、さようなことを認めるわけにはいかぬというので争いがあった。ただいまお読み上げになりました成富弁護士はその当時の中金の弁護士であります。それで訴訟沙汰と申しますのは、その疑点があるので、その問題につきまして、高橋さん側と中金側とに繰り返した泥沼のような訴訟のトラブルが起りました。ある場合には私の方から申しますると、認めがたい株主総会が開かれたり、またそれによって役員ができてきたり、あるいは事務所が方々に移されたり、いろいろな措置が講ぜられました。これは当時の入野君のやったことだと、私は間違っておるかもしれませんが、推定いたしております。そういうことでございましたので、非常に困った。そこでその後において両者の間で、これじゃどうにもならぬということで話をいたしましたときに、入野君と成富君とはいろいろ折衝がございました。ございましたが、ただいま仰せの二百万円は決して、私としては、何も中金が払う理由は一つもございません。これは新しい理事長によくお聞きただしいただきたいのでございますが、どこまでも、日本農工が入野弁護士と解約をするにつきまして必要な、おそらく従来の謝金であろうと推定いたします。それを払うのにだれが立ち合ったとか、成富君がそれを渡したということにつきまして、私はやめたのちでございますので、また必要もないことでございますので、私は聞いてもおりません。かようなことであります。
○島清君 お聞き申し上げない点はお答えになる必要はございません。それで一億なり四千万円の抵当権の設定でございますね。これはどういうふうにお貸し出しになられたのでございますか、四千万円と一億を。ちょっと御説明をいただきたいと思います。それは山下さんでもようございます。
○証人(湯河元威君) 私からお答えいたします。先ほど来申し上げましたように、四千万円は先ほど山下君も申しましたように、山下君が社長になってみると金がない。それでは事業が続かぬので、そこで短期貸付をやりましたのでございます。それにつきまして、のちに抵当権をつけたのでございます。一億円は、すでに会社が事業を閉鎖しておりまして、これに金を貸すのでございますから、金融機関の当然の配慮といたしまして、抵当権を要求してやったのであります。
○島清君 いよいよもって非常に不思議でならないのですが、事業を閉鎖しなければならないような会社に一億の金を出さなければならぬ。どろぼうに追い銭という言葉がございますけれども、どうも納得がいかない。しかもその会社の財産が、それはその債務を弁済するだけのものがなければともかくでございますけれども、三億七千という時価の財産がある。しかも事業を閉鎖しなければならないというときに、どろぼうに追い銭で一億の金を出してやらなければならない。それならば、これは事業を閉鎖して、さらに商品は処分をするという形で、そこでどうするかということは、私は農中金としては当然にそういうふうな順序を経過しなければならないと思うのですが、その点はいかがでございますか。簡単に一つ答えて下さい。
○証人(湯河元威君) 事業が閉鎖いたしまして、ほかの債権者等からいろいろのことが、取り立て等が始まりますると、全購連も行詰ってしまいます。そこで中金は全購連の債権を肩がわりいたします意味をもちまして、一億円の貸付をして、そして債権は中金に集中しておきまして、そして中金が抵当権を第八順位でもとっておりますれば、中金は日本農工をつぶすとか、あるいは日本農工を乗っとろうという意思はございませんから、中金はどこまでも何とかこの措置が安泰にいくであろう、こういう気持がございました。そうしたところ、その後においてトラブルが起った。トラブルが起ってみますと、なかなか容易にはいきません。もとより抵当権を設定いたしましてございまするから、これについてはすぐ強制執行あるいは競売等をやってもいいわけでございまするが、この点につきましては、前回楠見理事長も申されました通り、私もそう思っておりますが、何とか穏かに片ずけたい。それから抵当権を執行するというふうなことは、これは決して口で言うほどやさしいことではございません。実際におきましては、価額が低落するかもしれません。ましてや争いの途中でございます。われわれとしては抵当権を設定しながら事態を何とか打開したいということでやっておりまするうちに、私は任期が途中で尽きました次第でございます。
○島清君 非常に簡潔にお答えいただきたいと思いますが、全購連がお困りになるということをおっしゃいましたけれども、全購連が株を持つことによって融資が可能である、そこで日本農工の信用を高めなければならないということで、わざわざ増資までされて全購連が株をお持ちになった。それほど信用のありまする全購連であれば、何も日本農工を通じなくても、その全購連に対するお困りにならない措置は当然とれたはずなんでございますが、その点田中さんいかがでございますか。
○証人(田中順吉君) 全購連は当時一億一千万円の債権の在庫品のらち、そのうち四千万円は第四順位の抵当権が設定してございますけれども、それを超過する分につきましては、在庫品を見返りにとっておったわけでございます。それを今湯河証人のおっしゃいましたように、中金に肩がわりをしていったわけであります。こういう経過であります。
○島清君 ところがさっき私が聞いたときに、四千万のワクで前渡金を渡しておったのだ、あるいは四千万円に達してなかったかもしれない、こうおっしゃいましたが、今は一億一千とおっしゃいましたね。それとさつきの四千万と今の一億一千万とはどういう関係を持っていますか。
○証人(田中順吉君) 先の四千万円と申しましたのは、第四順位の抵当権が日本農工に設定してございました。その限度でございまして、それを超過した分があとで申し上げましたように、当然ございました最高額は一億一千万に達したわけでありますが、それにつきましては、在庫商品を見返りに取っておったわけでございます。先の四千万円と申しましたのは、そういう抵当権の限度の額であります。
○島清君 私が先ほどお聞きいたしましたのは、前渡金はいかなる名義であろうとも、何回と、それから一回にお渡しになりました最高の数は幾らであったか、こういうことをお尋ねしたわけです。抵当権であるとか、そういうことをお聞きしたわけではない。ただ前渡金をお渡しになったその総額、何回と何回と、その一回目の額が一番大きかったのは何千万円であったか、こういうことをお聞きしたわけなんです。今御答弁いただけますか。
○証人(田中順吉君) 何回にもわたっておりますのと、なお製品を受け入れますことによってそれが減って参ります。また前渡金を出す、こういうわけでございますから、何回にもわたっておりますが、御質問の最も多い金額はどのくらいであったかとおっしゃいますと、一回に二千五百万円程度であったのではないかと記憶しております。
○島清君 それはいつですか。
○証人(田中順吉君) これが二十六年の……。
○島清君 順に言って下さい。
○証人(田中順吉君) 回数がちょっと今わかりかねます。月末の残高だけの資料はございますけれども、一回何ぼであったかという明細はわかりかねます。
○島清君 それはあとで資料を委員会の方へ出していただきたいと思います。それで御記憶がなければそれ以上お尋ねいたしません。 それから今湯河さんは、高橋さんとのトラブルが起った、こういうことを申しておられたのでありますが、高橋さんといたしましては、やはり財産の返還を御要求になったわけでございますが、トラブルというのはどういうことでございますか。
○証人(湯河元威君) 先ほどちょっと申し上げましたように、株主権の問題、つまり片方では私どもははっきりそう思っておりまするが、株式は九三%、全購連のものである、ところがそれを先ほどお読み上げになりましたような念書等によりまして、高橋さんの側でこれを、株式を自分のものにお面しになりまして、そうして株主権を主張されましたので、そこにトラブルが起きた……。
○島清君 委員会は権利義務を確定するようなところじゃございませんので、ただ事実が真相になればよろしいわけでございまして、さらに私たちがそれを明らかにしたいといっておりますることは農林中金の方が一億八千万のしりぬぐいをしなければならない。農林中金の資金の性格からいたしまして、私たちがこれを明確にしなければならないというだけでございます。ただいろいろと想像いたしますれば、事実から判断をいたしますれば、それは高橋さんの財産は三億七千万円ございましょうとも、それは新しくできた山下さんが派遣をされました会社のものである、いやそれは高橋のもめであるというてお争いになりましても、高橋さんは個人でありまして、それは農林中金をバックにしまして、資金は幾らでも使えましょうから、それは争いになりますと、あるいは高橋さんの方が負けるかもしれません。そういうことは私たちは承知をいたしております。承知をいたしておりまするけれども、それは民事の問題、刑事の問題にいたしましても、民事の問題は二十年もかかれば、あるいはあなたもこの世にいらっしゃらないかもしれませんし、刑事の問題でも、一審、二審、三審となりますれば、あなたも有罪になっても、それは向うまで行かなくてもお済みになるというような御老体になっておるのかもしれません。ただ私たちはそういう事実を知っておりますから、ここで権利義務を確定をいたしまして、それでどうしようという、こういう考え方は毛頭ありません。それははっきりしておる。戦わずして高橋が負けるということははっきりしておる、あなたたちは農中金というバックを持っておるのであるから。ですから、私はそういうおろかなことを別にここで究明をしておるわけではございません。ただ先ほど申し上げております通り、農林中金にこれだけの赤字を出したということはけしからぬ、しかも会計検査院から指摘をされて、指摘をされているにかかわらず、性こりもなくあなたたちの方は、これにさらに積み上げていって、結果においてはそれはもうけるつもりであったとおっしゃるかもしれませんけれども、結果においてはこういうふうな結論が出ている。これを私たちは究明しているわけであります。 そこで簡単明瞭にお答えをしていただきたいと思うのですが、なぜ山下さんがこういうような赤字を出して、農林中金にこれだけの迷惑をかけておりながら、この跡始末をおやりにならないで社長をあなたはおやめになったのでございますか。
○証人(山下利義君) 工場を閉鎖しなければならないようになりましてから、高橋さんとの間に今お話のようなトラブルができて参りました。その結果工場を占拠されたりいたしまして、暴力によって占拠されたり……。そんなようなところから裁判所は代行取締役を選任をいたしまして、それで私はやめたわけでございます。
○島清君 暴力団というふうな非常に聞き捨てならぬ話がありましたが、どこの何組で、どういうようなあれで何人ぐらいで編成をされまして、それから何日ぐらい工場を占拠したのですか。
○証人(山下利義君) 何組であるかはよくわかりません。よく聞きませんでしたが、とにかく入野弁護士が大将になって参りまして、二日か三日占拠されました。
○島清君 それでそれに対抗する策として、あなたのところでも某大学の唐手部の学生を一日一千五百円の日当で、アルバイトと称してお雇いになりまして、それが延べ一日十五人、さらにその期間は二ヶ月にわたっていると、こういうふうにもっぱらその付近のうわさでございましたが、その点はいかがでございますか。
○証人(山下利義君) その期間も人数も私ははなはだ無責任なようでありますが、存じませんが、そのような事実はございました。そうしておりますうちに、今の代行取締役の選任がありましたわけでございます。
○島清君 こういったようなトラブルがあるところへ、またこのあなたの後任におなりになる方もよほどの心臓の方だと思いますが、物好きだと思いますが、あなた自身がそういうトラブルが起って、いや気がさしたところへ、さらに乗り込んで来られるという人も容易なことではないと思うのですが、その方はどこのどういう方でございますか。
○証人(山下利義君) 私のいや気をさしたというあれでは少し言葉が悪いのですが、そのあとは、それからどれほどの期間がたちましたかもわかりませんでした。中金といろいろただいま湯河証人がおっしゃいましたように、これではいかぬ、何とかしなければというので、どれくらいの時間がたちましたかわかりませんが、覚えませんが、そのあとへ三浦一雄さんが選ばれたように仄聞をいたしております。一切直接には何も存じません。
○島清君 その三浦一雄さんという方は、どんな方でございますか。山下さんどうですか。
○証人(山下利義君) どなたというと、あれでございますか……。
○島清君 いや、どんな人でございますか。
○証人(山下利義君) 前に農林省の局長をされた方でございます。(「現在は」と呼ぶ者あり)現在は議員をしていらっしゃるとか伺っております。(笑声)私は会ったことはございません。
○委員長(高野一夫君) 島さんちょっと。決算委員会らしい一つ問題点にしぼって――、もう時間がだいぶたって、実は一時から今まで証人もずいぶん長時間御着席願っているので、これ以上わずらわすことも、どうもあまり人道的にいけないと思いますから、一つ適当なところでおさめていただきたいと思います。
○島清君 じゃ次の委員会にしましょうか――、次の委員会にすることにいたしまして、一点だけお尋ねいたします。 大矢委員から関連の質問として、この局長がお出しになりました資料についてお尋ねがありましたが、これはだれが作ったかということでございました。そうすると、私が作ったと、それからその出所はどこか、農中金だと、こういうことでございました。農中金の方はどなたがお作りになったのでございますか。農林省へ報告になりますこの案件は、処理方針というのはこれはどなたがお作りになったのでございますか。
○証人(湯河元威君) これは私は存じません。今やめておりまするし、農中金のことも何しておりませんから、農中金の方でお調べいただきたいと思います。
○島清君 これはここで、湯河さんが非常に心配されて、こういったような書類のあり方をだれが作ったかわからないというような御答弁を、先ほどから非常に心配されたようなことをおっしゃったんですが、そこらの矛盾を、この成り行きを、いかにその理事長をおやめになりましても、こういう書類の仕方、どういうふうに作られたか、どういう方々の手によって進められておるかということぐらいは、十分に了承されなければ、あなたがこういうふうに心配しておったのだということの裏づけにならないわけでございますね。それならそれでよろしゅうございます。農林省の方でこれをだれが作って、どういう経緯があるものであってこれを作ったかということを、もっと一つ具体的に御報告を願いたいと思います。 そこで、農林省はこういったような事実をいつごろ承知されたのですか。この農水の五千万円の赤字の出し方、さらに農工の問題、これはいつごろ承知されたのですか。
○政府委員(渡部伍良君) まず第一点の、どうして私の方の報告書を作ったかという点でありますが、これは私と担当の金融課長が中金の理事長を招致いたしまして、直接聞きまして、いろいろな資料を見せていただきまして、そうして要約をいたしました、この報告書は。 それからこの事件に関しては、この報告書にありますように、最初に四千六百七十万円を中金から貸すときから、それぞれ当時の担当者が承知をしているはずであります。
○島清君 この農水の五千万円の赤字ですね、それから今会計検査院もこの事実を発見された、農中金ですね、かなり指摘をされたのですね、そういったようなこの事実ですね、正常ならざる姿が農中金を中心として、舞台にして、それからその農中金関係の役者が揃って、そういうことが行われつつあるということを知るようになられたのはいつごろであるかということです。
○政府委員(渡部伍良君) 会計検査院の御指摘があったのは、たしか昭和二十八年じゃなかったかと思います。そこで注意をこれは文書で中金の方にいただいたのじゃないかと思います。それからこの私の方の局が農林関係、金融関係の担当局でありますから、この事実について早く中金に解決をしてくれということは、しばしば申し上げておるのであります。
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。 証人に対する本日の質疑は、これをもって終了したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。さように決定いたします。 証人の方々には、一時からただいままで長時間にわたってこの席に御着席願って、われわれ委員側の方からのあらゆる質問に対して、御答弁、御説明をわずらわしまして、まことに恐縮に存じます。心から厚く御礼を申します。どうぞ御自由に御退席を願います。
○大矢正君 私は、本日出席をいただいた四人の証人の方々、御多用中、しかも長時間質問に対して御答弁をいただいたことについては、心から感謝をいたしておりますけれども、ただ私は、一点特に強く感じを受けたことでありますが、それは、当初私どもは、証人の一人であるところの高橋さんの御出席をいただくことによって、本件の内容は、当時社長であられたという立場から推して、明瞭になるものと判断をいたしておったのでありますが、残念ながら、承わりました結論によれば、当人高橋社長さんは、実質的な社長ではなくて、いわば内容の一つも伴わない社長であったということが明瞭になりましたので、そういう立場では、本問題に対する一番質問者の意図するところを問いただすことができないということは当然のことであります。従って、私はこの際そういう立場から考えてみまして、本委員会の運営の問題について、今後理事会において具体的な点で協議をすることについてはけっこうでございますけれども、あくまでも本問題については、今申し上げました事由によって明瞭になっていない部分があるということを、この際御確認を委員長にいただきますならば、私は理事会に移してもらうことについては何ら異論を唱えるものではありません。
○委員長(高野一夫君) 私から申し上げますが、本日の委員側の御質疑並びに証言は、問題をあらためてあとで十分検討してみたいと思います。そこで、委員長は冷静にいろいろな質疑御答弁を聞いておったつもりでございまするから、あらゆる状態を総合勘案いたしまして、委員長理事打合会において相談を申し上げたいと思います。さように、委員長、理事打合会に御一任を願いたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島清君 異議があるのだ、それは質問の途中において打ち切られたのですから、事情によって。そこで、終ったか終らないかということは、委員長個人の主観によって勘案するということは困る。
○委員長(高野一夫君) 委員長、理事打合会に御一任願いたいということは、委員長が独断でいろいろなことをきめるという意味ではございませんので、さように御了承を願いたいと思います。皆さんの御意見を十分しんしゃくいたしまして協議をしたい、こういう意味で御一任を願いたい、こう申し上げているわけでありますから、さように御了承願いたいと思います。
○島清君 大矢委員が発言をしておりまするのも、今日のところは、ここで証人も帰っていただいて、それから今日のところはこの委員会を散会するけれども、この事案については、証人も含めて、まだ審議未了である、まだ残っておるのだ、こういったようなことの前提に立って委員長、理事打合会におまかせいただくならばそれでよろしい、こういうことなんです。
○岩間正男君 私は、特に先ほど懇談のときに申し上げましたように、われわれは、この問題は政策的にもっと取り上げて論じなくちゃならない。会計検査院並びに農林当局に、今後のこのような公庫の運営についてわれわれは十分質したいものでありますから、このことを十分に理事会におきまして考慮して、今後の日程を決定していただきたい、このことを申し添えて私は賛成します。
○委員長(高野一夫君) あらゆる事情を総合勘案いたしまして御相談を申し上げます。 次回の委員会は、二十一日午後一時から、太田川の河川改修工事に伴う補償金に関する件を議題といたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後六時五十六分散会 ―――――・―――――