決算委員会 第4号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/02/12
会議録
○委員長(高野一夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 本日の委員長及び理事打合会において申し合せました事項について御報告申し上げます。 本日は、午前大臣その他に総括質問を願って、午後一般会計に対する質問に入る。午後はさらに、政府関係の関係者以外、御要求がありました農林漁業金融公庫、農林中央金庫、全国購買農業協同組合連合会の各代表者が参考人として出席されることになっております。なお、次回は、来週十七日月曜日と、十九日水曜日に開会いたします。以上の申し合せ通り決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) それではさように決定いたします。 —————————————
○委員長(高野一夫君) 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算 昭和三十年度特別会計歳入歳出決算 昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書 昭和三十年度政府関係機関決算書を議題といたします。 前回に引き続いて、農林省の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第九百二十八号から第千九百十六号までであります。 御質疑のある方は、順次、御発言を願います。
○相馬助治君 議事進行について。定員に満ちたので、開会をすることには異議ございません。ただこの際、私どもとして委員長に特段お願いし、かつ要求したいことは、かかる重要案件が審議されるこの委員会において、与党議員の出席がまことにりょうりょうたるものであることは、今までの委員長、理事打合会の申し合せにもそむくことでもあり、きわめて遺憾だと存じます。従って、かかる重要案件が審議される委員会においては、今後特段委員長におかれては各委員の出席を督励されるようお願いして、私は議事進行上の発言とします。
○委員長(高野一夫君) 私からおわび申し上げますが、大臣のお時間の都合もありましたので御相談の上開会をいただいたわけであります。今後自民党の理事とも協力いたしまして、特に自民党の委員の御協力をお願いをいたしたいと思います。 本日、政府側から御出席の各位は、赤城農林大臣、奥原水産庁長官、林野庁の藤本業務部長、小倉食糧庁長官、渡部農林経済局長、大戸振興局参事官、大臣官房の丸山経理厚生課長、以上でございます。 順次、御発言を願います。
○島清君 一昨日の委員会で、農林中金を中心にいたしまする事件に関しまして、御質問を申し上げましたところ、各位におかれましても、事件の概要というものを承知してないのであるから、もっと資料等を提出してもらって本日質問をしてくれたらどうか、こういうような決定がなされまして、きょう資料が配付されておるようでございまするけれども、なお、拝見いたしまするというと、資料にかなり不備の点もあるようでございまするので、一昨日の委員会の御決定の趣旨に基きまして、私から概略の事件の内容をお話申し上げまして、御質問を申し上げたいと思います。 そもそも私たちがお尋ねを申し上げたいと思っております要点は、最終的には三億円近い農林中金の赤字が作為によって作られておるということでございます。その経過はここにもございまする通り、農林中金の子会社でございまする中央農林水産株式会社というのがございまして、それに魚かすの事業をやらせた。ところがそれは五百万円の資本金で、金がございませんので、五千万円の金が農林中金の方から貸し出された。しかしながら農林中金の方はそういったような会社に融資はできないのでありまするから、当時はやりの浮き貸しをおやりになった、第一銀行と第一信託銀行を通じまして五千万円の貸し出しをおやりになりました。これは裁判の問題にもなりまして、これを扱いましたその当時のその職にありました、ちょっと名前を失念いたしましたが、刑事事件になりましたので、第一審においてはそれが有罪になり、第二審においては無罪になったようでございまするが、無罪になっておりまする判決の理由を見てみまするというと、それは個人の行為ではない、農林中金の行為であるから個人に責任を負担さすべきではないというのが判決の理由のようでございまするので、明らかに農林中金が浮き貸しをしたということはその判決によっても事実のようでございます。そこでこの五千万円の赤字が出ましたので、この穴埋めを補てんしようというような考え方からいたしまして、そうしてここの報告書にもございます通り、高橋某の個人所有の会社でございまする日本農工株式会社、こちらの方でゴム事業をお始めになるというので、仕事をお始めになったようでございまするが、これもなかなかうまくいかない。話は相前後いたしますけれども、この魚かす事業で失敗したのではなくして、北海道の方に送金をいたしました、その送金が北海道拓殖銀行の方に押えられている。そこにも私たちが非常に納得のいかない点があるわけでありますが、魚かす事業を始めようとして、そうしてその会社の浮き貸しをやって、会社の名前で送金をいたしましたところが、何もやらないうちに北海道拓殖銀行の方で押えられてしまったのだとこういうことで、われわれとしてはなかなか理解しにくいいきさつがあるわけでありますが、しかりしこういたしまして、とにかく五千万円の穴があいてしまった。これを埋めようといたしまして、そうしてこの高崎某の個人所有でございます日本農工の会社を利用いたしまして、ゴム事業を経営し始めたわけであります。ところがこれもうまくいきませんので、とどのつまりは三億近い金に穴をあけまして、そうしていろいろと紛争を起しまして、そうしていまだにこれが赤字が埋められていないと、こういうふうに了承しております事件でございます。ところが高橋某の経営をいたしますところの日本農工も、これも資本の額は五百万円でございますし、さらにこれに農林中金といたしましてもさらにその他全購連にいたしましても、さらに農林漁業金融公庫にいたしましても、金融ができない筋合いになっておりますので、これをいかにすればこの会社に融資ができるかというような非常にインチキきわまりない工作をやりまして、そうして融資をさせておる事実があるのでございます。たとえばここの報告書にもございます通り、五百万円の会社にさらに一千五百万円増資をする、そうして総額二千万円ということにいたしまして、その増資分は全購連の方が全株所有するというようなことで工作をいたしておりますけれども、しかしながら実質的には何も増資をしていない、そういうインチキをいたしまして、そうして農林漁業金融公庫からこの報告書にもございます通り、三千五百万円の融資を受けておると、こういうようなわけで不正を積み重ねましたが、しかしながら事業は思わしくいかない。そこで農林中金といたしましては、帳じりを合せる必要があるのでありますから、そこで貸し出したものはさらに別途の方に債権というような形で一つの資産を作らなければならないというので、いろいろと不実の帳簿の記載をいたしまして、ここで穴の埋ったやつを、不実なもので資産があるのだといって、日本農工と工作をいたしまして、一応帳簿づらにおいては貸し借りで、まあ金さえ取れれば損はないのだと、こういうふうに見せかけている事件であります。そこで結論といたしましては、最終的にはあとで数字的な報告をゆっくり拝見いたしたいと思っておりまするが、私の承知しておるところによりまするというと、二億八千万の赤字を出しまして、結局はその赤字が今日だに穴埋めをされてない、こういう経過でございます。 そこで大臣以下、農林省にお尋ねをいたしたいのは、私どもはその間において、刑事問題等が起っておるようでございまするけれども、一昨日もお話を申し上げた通り、刑事問題がどういうことであろうとも、私たちの審査の対象外でございまするので、私どもはそれに触れようとは思っておりませんが、長年にわたりましてこういったような不正なと見られるような事実が行われておるにかかわらず、農林省が何ゆえに長年にわたるところのこういったような不正な事実を発見することができなかったのか、その不正を発見することができなかったということは、要するに農林省の官庁の機構の中にもあるいは欠陥があるのかもしりませんけれども、農林省の監督の立場にありまする官吏が、ややともいたしまするというと、こういう不正な事実を黙認することによって、そして役人時代に恩をきせておいて、あとで退官になった場合にまたそういうところに自分の就職を見つけていくと、こういったような、非常に役人としてあるまじき気持の弛緩があるのではないかと、こういうことを私たちは非常に心配をいたすわけでございます。幸いに農林大臣も見えておられまするので、一点お伺いしたいのは、この農林中金の資金の性質上からいたしまして、政府といたしましても三億近い赤字ができた、いまだに穴埋めをされてないということに対しましては、十分に監督者として責任があると私は思うのでありまするが、大臣はそういうような責任について、どういうふうにお考えであるのか、さらにその経過、長年にわたりまするこの不正な事実が積み重ねられておるのでありまするが、なぜその不正を発見し、それの被害が甚大に及ばないうちに、これを善処しなかったかどうかというようなことについてお尋ねをいたしたい、こう思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま御指摘のような事件ができておりまして、またその跡始末もしておらないと、こういうことにつきましては、私どもといたしましても非常に責任を感じ、遺憾に存じておる次第であります。その間においてこれを黙認しておったんじゃないかと、こういうお尋ねがありましたが、実は戦後の混乱期で、統制経済から自由経済への移行期でありまして、こういう不良融資というものが出たとは思いますが、その間まあ一口で言えば、少しおくれたといいますか、怠慢といいますか、この方の整理を、監督を農林省としても非常におくれておりましたことは、まことに遺憾であります。いろいろ御指摘もありましたし、農林省としても調査いたしましたが、この損失は今お話の三億円という話でありましたが、一億八千幾らくらいのまあ予想であります。これはなお事務当局から午後にでも詳細申し上げたいと思いますが、こういうことに対しまして、ともかく損失の見込を持っておる、農林大臣としても監督が不十分だということにつきましては、まことに遺憾の意を表せぜるを得ないのであります。今後は一そう指導監督を厳格にいたしまして、かかる事態が起きないように注意いたしたいと思います。なお、内閣といたしましても、こういう点におきましては十分に指導監督を期したい、こういう決意をもっておるわけであります。 なお委員長、この機会にちょっとごあいさつ申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますか。——この機会に一言ごあいさつさしていただきたいと思うのでありますが、昨日、政務次官から概況を御説明申し上げたようでございますが、決算指摘の全般にわたりまして、昭和三十年度において農林省関係で多数の指摘を受けておりますことはまことに遺憾であります。これら案件の善後の処理といたしましては、とりあえず手直し工事、あるいは補強工事、補助金の返還等の是正措置を講じますとともに、責任者に対してはそれぞれ処分をいたしました。なお、今後におきましては一そう監督を強化するということによりまして、同様の不当事項の発生を防止するよう努力する所存であります。なお、当省職員のうちから不祥事件を起しておりますことは、これまたまことに申しわけない次第でありますが、今後絶対かかることの再び発生しないように綱紀の粛正をはかるとともに、執務の刷新を鋭意期しておる次第であります。いろいろ具体的に考えておることもありますが、綱紀の粛正を執務の刷新の強化を期しておりますし、なお、一そうするつもりでありますので御了承願いたいと思います。
○島清君 昨年の四、五月ごろ、いろいろ農林省の不正事件が国会で問題になりましたとき、本委員会におきましても、全購連問題を取り上げまして、大臣以下に御質問申し上げたときに、最後の結論といたしましては、井出農林大臣が、今赤城農林大臣がおっしゃるようなことを申されたのであります。ところが一年になろうとする時間を経過いたしまして、井出農林大臣のおっしゃいますところの一年前の御答弁も、赤城農林大臣のおっしゃいます御答弁も同じだということについては、どうもやっぱり私が申し上げたように、そういったようなことを黙認しておったのじゃないか、こういうようなことを申し上げざるを得ないわけでありまするが、私が黙認というようなきつい言葉を使っておりまするのは、ここに報告書が提出をされております、その報告書は私は二枚ぐらい目を通しておるのでありまするが、事実に反するような報告書でございます。たとえばここに増資をしたと言っておりますが、全購連が増資をしたというふうに見せかけておりますのは、全購連の首脳部の諸君とそれから農中金の首脳部の諸君が結託をいたしまして、そうして不正な増資の事実があるようなことを言って、農林漁業金融公庫から三千五百万円の金を引っ張り出すため使っておるのであります。もしそれが私が黙認をしたのだというようなことが、言葉がきついと言うならば、こういう事実も合わせて報告していただかなければならないわけでありますが、これは事実に反する報告だ、そこで私はそういうようなきつい言葉を申し上げたわけでありますが、そこで今私が三億近いという御質問を申し上げたところが、大臣は一億七千万円ですか、そういうことをおっしゃいましたが、農中金の、日本農工経営の欠損を同会社に抵当を設定したもので、二億六千八百七十万あるわけであります。それは回収されたのですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 事務当局からお答えいたします。
○政府委員(渡部伍良君) 報告書の一番あとに書いておりますように、日本農工の要支払い債務総額は——この別紙の3を見ていただきます。一番最後の行です。それの算式を書いておりますが、そこのところに、カッコの中に、日本農工の要支払い債務総額二億七千万何がしというのがあるわけです。その内訳が注として下に書いております。一番下の欄に、合計二億七千万、これが日本農工のただいま残っております債務の総額であります。その中で損失として計上しなければならないのは、1の一番下にあります一億八千七百万、こういうことになっております。これは当初借り入れ額、それからそれに対する利子額、その中で日本農工側が債権者と交渉しまして、利子を負けてもらったもの等が相当ありますから、そういうものを差し引いて、現在残っている要支払い債務総額をもとにしまして、日本農工の損失額を計算すると、こういうふうになってくると、こういうのであります。借り入れ額に対しまして、それに利子がついている。そのうちで債権者と交渉しまして、条件を緩和されたものが相当あるわけです。それを差し引きましたのが一番下の二億七千万になるわけであります。これが、ここに借り入れ先を書いておりますが、これらの借り入れ先に対する総債務額になるわけであります。その中で会社の資産負債の関係から損失額を計上いたしますと、一番上の1 損失額一億八千七百万、こういうことになるわけであります。
○島清君 資料の三枚目のところに、借り入れ先というのがありますね。勧銀、中小企業、第一信託と、そしてトータルで二億七千万と出ておりますが、これでこの勧銀、中小企業、第一信託等と、農中さらに全購連ですか、さらに農林公庫ですか、こういうものとの関係はどうなっているのですか。たとえば勧銀は、農林中金だとか、全購連だとかいうものは無関係にして日本農工が借りたのか。何かそういった保証だとかあるいは浮き貸し等をやりまして、それが何かに担保に取られているというような事実はございませんですか。
○政府委員(渡部伍良君) これは最初は日本農工がその財産を担保にして借りた金であります。それがこの報告書の第一ページの第4に書いてありますように、二十九年の末には日本農工がゴムの製造事業を休止しなければならなくなったのであります。工場閉鎖の事態の懸念も生じた。それに対してただいまの、第一信託なり勧銀等が抵当権を執行しようとしかかったわけであります。そうしますと、抵当権執行による不当売価価格が出るということを心配しまして、中金がそれを肩がわりしまして、中金がそのものを担保にとる。そうして勧銀、中小企業第一信託等の支払いには、中金と、そのそれぞれの債権者の間で迷惑かけない、こういう約束をしたのであります。これは第四項に報告しておる通りであります。
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) 速記つけて。
○島清君 いずれにいたしましても、大臣が一億八千万とおっしゃいましたけれども、一億八千万にいたしましても、この穴埋めはどうなるのですか。
○政府委員(渡部伍良君) これはこの報告書にありますように、最後に、結局においてこの中金がその損失をかぶるということで、当事者の間に話し合いがついている、こういう第六項に報告しておる通りであります。
○島清君 大臣にお答えをいただきたいのでありますけれども、今、渡部局長が申されたように、とにかく農中金の方でかぶらなければならないということなんですね。かぶらなければならないという、まあ、あとでこまかいことについては、大臣が退席されなければならないというならば、あとでお聞きしましけれども、この二億近くの金を、とにかく中金がかぶらなければならないという事実に対しては、どういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) この額につきましては、中金が譲渡を受ける固定資産の評価あるいは処分等によっていくらか違うとは思いますけれども、結局において中金が相当程度の欠損を生ずる、こういうことになろうと思います。それにつきましては、なお十分な監査を行いまして、これに対して人事、その他いろいろな点におきまして、刷新を加えていかなければならぬと、こう考えております。
○島清君 私は今、渡部局長が結局においては、農中金の方でかぶらなければならないという事実は、明確になっているわけでございますね。この明確になっている事実に対しまして、大臣としてどうお考えになるかということであって、刷新というと、まあ機構の刷新もありましょうし、人事の刷新もありましょうし、後ほど伺います予定にはなっておりますけれども、この一体二億近い、こういう金をかぶらなければならないという事実に対して、農林省としてはどうお考えであるかということなんです。刷新ではこの穴埋めはできないでしょう。
○国務大臣(赤城宗徳君) 私どもは監督の責任を感ずるわけであります。欠損を生ぜしめるような結果を導いたということは、私どもとして監督が十分でなかったというふうに考えております。欠損は欠損として、一応中金の方へ出るということは、これは事実だろうと思いますけれども、それに対しましては、なお、中金における責任とか、われわれとしても感じている責任において善処して行きたいと、こう考えております。
○島清君 善処というお言葉は、非常に広範多岐にわたっておりますが、内容はそれ以上にぼけておるわけであります。こういったような、大臣が陳謝に近いような表現を用いなければならなかったというような事態を招来いたしました欠陥というものが、どこにあったと大臣はお考えでございますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) いろいろ原因はあろうかと思いますが、この日本農工に関する問題は、戦後の混乱期から日本の立ち直りに移ろうというような時代にまたがっておりましたので、統制経済から自由経済への混乱期に、変動期に際会しておって、その間に不良融資が生じたということが、外部との関係ではそういう客観情勢のもとに行われたと思いますけれども、内部におきましては、全購連あるいは農林中金等におきまして、何といいますか、気分がたるんでいるといいますか、非常に放漫な気持がこういう事態を生ぜしめたと、こういうふうに考えております。
○島清君 大臣ねえ、そういう御答弁は通用しないのですよ。それは、私が先ほど御指摘申し上げた通り、魚かす肥料の事業をやろうといたしまして、北海道に送金いたしましたですね。これが北海道の銀行の方で押えられているのですよ。そこで、それがつまずきの最初なんですよ。それが、混乱期であるとか、変動期であったということで、その事業会社の方の失敗の原因であるとすることは、私の質問に対しまする御答弁にはならないわけなんです。どうぞそういったような一時のがれのごまかしでなくして、ほんとうにその真実で御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 一時のがれというわけではなかったのですが、統制経済から自由経済への混乱期に際会しておった、こういう客観的な情勢もあったろうということは、当時肥料も統制などがされておりましたので、この報告書にありますように、魚かすの肥料等の販売を行う、それに対する運転資金を融通したその会社が、中央農水産株式会社でありますが、非常にまずくなったので、今度は、ゴム製品の製造の日本農工株式会社に救済を求めた。この日本農工株式会社が、やはり物資の不足な時代でありますので、農村の地下たびとか、そういうゴム製品を製造するというようなことでありましたので、農林中金といたしましても、そういうことであるというようなことで、うかつに、会社の内容も調べないで金を貸していった。こういうようなことで、ずるずる、怠慢の結果損失を招くような結果になって、整理が非常におくれておった。こういうことも一つの原因であろうかというふうに申し上げたのであります。第二に申し上げましたのは、その間において、こういうずるずるに整理を怠っておったということは、農林中金にいたしましても、非常にたるんでおったといいますか、緊張を欠いておったと、こういうことが原因だろう。原因はどういうことかと言われますので申し上げたので、一時のがれの意味で申し上げたわけではないのであります。そのほかに、なお、詳しい御指摘がありまするならば、またそれについてお答えもいたしたいと思いますが、私が今報告を受けている範囲におきましては、そういうことが原因であったろうかと、こういうように申し上げたのであります。
○島清君 私は、一昨日御質問申し上げたときにも、必ずしもきょう御答弁をいただきたいとは思いませんというように、そうしてきょうに質問を持ち越したわけであります。今でもその気持に変りはございません。意地悪く大臣をとっちめようというような考えは毛頭ございません。それは、大臣の就任以前の問題でございまするので、大臣個人をとっちめてみたところで何のプラスにもならぬことでございます。従いまして、真実をもってお答えいただきたいということは、なるほど魚かすの事業をやろうとして、五千万円の農林中金の浮き貸しがその資金になったのでありまするけれども、これが全部事業に使われたのではないということなんです。大臣の御答弁では、これが全部事業資金に使われて、そして努力をしたけれども、あるいは客観情勢であるとか、あるいは見通しを誤って、あるいは武士の商法でなんというような、あり勝ちなことで赤字ができたというならば、大臣の御答弁はそれでよろしいのです。ところが、その金は、北海道拓殖銀行に押えられたのです。この農林中金の子会社でありまする農水が借金がございまして、その送った金は魚かす事業には使われないで、北海道拓殖銀行の方に押えられたということなんですが、それがそもそも、事業の失敗、事業の失敗ですよ。だから、客観情勢でも、その士気の怠慢でも最初はないわけなんです。当時のそれだけの金で、大金なんですね。当時の金で言いますると。私たちの常識では、それが理解できないのです。ですから、そういったような一時のがれのごまかしの御答弁はおよしなさいというのはそういうことです。事実に触れていない。それではもし、大臣がその点御答弁ができないといたしまするならば、必ずしも御答弁をいただきたいと思っておりませんが、そういうふうに、最初からつまずきを予想されるような事業に手を出して、さらに雪だるま式にその不正を積み重ねていって、とどのつまりは、大臣の言葉でそのまま申し上げますると、二億足らずの金で、どうしても農林中金がその穴を埋めなければならないということなんですね。そういったような、しでかした諸君に対する、刷新という言葉をその当時どういうふうに適用されたか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) その当時の刷新ということではないのでありますが、こういうことにつきまして、これから人事あるいは業務等について、こういうことができないように処理する、こういう意味で先ほどお答えしたのでありますが、その当時のことにつきましては、刷新をどういうふうにしたかということは、実は私承知しておらないのであります。
○島清君 大臣、私が申し上げておりまするのは、大臣は刷新するとおっしゃる。そこで、一年前の井出農林大臣もそういうことをおっしゃった。それは、数年前もそういうことをおっしゃったに違いありません、おそらく。そうすると、そういった不正なことをしでかして、そうしてそれだけ赤字を農中金が背負わなければならないという事実をしでかした連中に対してどういうことをされたか、そんなら、刷新ということがきつければ、どういうことをされたか、責任をとらしたのか、それともまた、一人の刑事問題になった人に転稼をして、あとは合法的に融資したのだというて、そうしてこれだけの損失を与えた当時者をどういうふうに処置をされたかということをお尋ねしたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) その事件に関連した人々をどういうふうに処分したり、あるいは異動をさしたかということでありますが、実は私、就任後初めてこのことを聞きまして、実は引き継ぎを受けておらなかったものですから、前にしでかしたことについての刷新といいますか、処理等を実は遺憾ながらまだ聞いておらなかったのでありますが、なお、当事者を呼びまして、どういう処理をしてるか、あるいはしてないか、調べてみたいと思います。
○島清君 私は、これから質問をすることによって明らかになろうと思いますが、委員長から、大臣の時間の都合もあるから、大臣に質問をしてくれということでございまするので、あえて論旨を早めてお尋ねをするわけでありまするが、私のこの事件を勘案をいたしましての感じというものは、事業をしたように見せかけて、債務ができる、債務ができますというと、これを貸借対照表のつじつまを合せるために、インチキが行われた、それがつもりつもって、大臣の言葉で申し上げますると、二億近い金になった、しかしこれを取り立てるということになると、いろいろと問題が起るので——問題が起るというのは、不正はみんなで話し合ってやっておるのでありますから、一人の人が損をするわけには参りませんので、そこで結局は農林中金の方がその損をかぶらなければならないということになっておると思うのです。そこで私は農林中金は、いわゆる日本農工に抵当権を設定しております。この抵当権は、その権利に基いて権利行使を当然におやりになると思うのですが、そこで日本農工の財産の大体推定はどれぐらいで、さらにこれをやらせるおつもりなのか、権利行使をやらせるおつもりなのか、その二点をお尋ねしたいのです。
○国務大臣(赤城宗徳君) お話のように、もちろん中金が抵当権といいますか、担保についての権利を実行させる。そうして急速に処理を行わせるという方針です。
○島清君 権利行使をしても、あれですか、やはりおっしゃったように、二億近くの赤字は、どうしても農林中金はかぶらなければならないというお考えですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 今の評価額では二億一千五百万になっておりますが、これが処分をいたしまして、これより有利に処分ができるということになりますならば、純損失が減ることになるのは私から申し上げるまでもないと思います。しかしこれは権利を行使した上のことでありますので、見通しとしてはこの評価額よりも高く処分ができるのじゃないかというふうに私の方ではふんでおりますが、先ほど申し上げましたように、実際に処分をして見ませんというと、この点ははっきり申し上げられないと思います。
○島清君 この長年にわたりまする不正の裏には政治家が介在をいたしまして、政治献金がなされておるのではないかというふうに憶測をされておりますが、大臣はそういうことは絶対にあり得ないということがこの席上で御答弁願えますですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 私はこの間にどういう政治家が介在しておるかということは承知しておりませんけれども、こういう事態のいきさつにおいて政治献金などはあり得ないと、こう考えておりますけれども、この点はどうも私も調査したわけでも何でもありませんので、私の気持を申し上げただけであります。
○島清君 この最初の子会社でありました農水産は、これはつぶれたようでありますが、その次に日本農工がいろいろと登場してきたわけであります。この日本農工の初代の社長は中金の理事でありました山下何がしでございますですね、そうして山下何がしからさらに事業を閉鎖した今日までの歴代の代表取締役は大臣御存じでいらっしゃいますか、もし御存じでしたら、お差しつかえなければ御発表いただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 私は承知しておりませんが、事務当局が承知しておるようでありますから、答弁させます。
○政府委員(渡部伍良君) 日本農工の初代の社長は、元農林中央金庫の監事高橋武美さん、その次に元農林中金の理事山下利義、それからその次に三浦一雄、そういうふうになっております。現在は高橋武美氏が代表取締役になっておる、こういうふうに承知しております。
○委員長(高野一夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) 速記を始めて。
○相馬助治君 先日のこの委員会で同僚鈴木委員から指摘され、林野庁長官に質問が発せられた問題でありますが、大臣の出席されたこの日に私は特に大臣に対して一点お尋ねして、その所見を承わりたいと思うのです。大臣就任前の問題でありまするけれども、この問題に対する大臣の考え方を承わることは、大臣の基本的な考え方をわれわれが知りまして、農林省関係の決算事案を審議していく場合に非常によろしいと思いますので、原則的な立場から承わりたいと思うのです。で、事件の内容は批難事項千九百十二の問題でございまするが、問題に入る前に大臣に簡単に申し上げたいことは、事業を行なっている官庁が——この場合には営林署をさします——その事業を行なっている官庁が当然国庫に納入すべき資金を勝手に使ったり、あるいは予算外にこれを不正に使用したり、そうしてその額が三千数百万円と、こういうふうな問題が出ましたことが会計検査院から批難事項として批難されているわけであります。ここまでは普通の問題でありまするが、この問題は、次にこの不正経理を知るや、その上司の官庁が——この場合には営林局をさします——上司の官庁が不正経理を指導して、何とか部内においてこれを糊塗せんとした経過がこれまた会計検査院からつかまりまして、そうしてこのことが批難されている。この最後の段階が普通のケースと違うと思うのです。で、こういうふうな問題に対しましては、当時いろいろ事情を調べてそれ相当の処分がなされておるのでありまするけれども、最終的なこの場合の局長、いわゆる不正経理を指導した当の責任者である局長、こういう人に対する一体処分というものは国民の納得するような形において、赤城農林大臣、非常に正義感をもって鳴るところのあなたとして、この種問題についてはどのような処分をなされることが原則的に正しいとお考えであるかどうか。この問題から離れて基本的な心がまえとしてあなたの所見を承わって、私はこの事実の問題を次に聞きたいと思います。まず、その所見を承わりたいと存じます。
○国務大臣(赤城宗徳君) 農林省関係の不正不当事件につましては、私の就任以前にも相当多かったのであります。そこで私は就任いたしましてから、こういうものに対しての処分を相当いたしました。その処分をいたしますにつきましては、今お話のように担当の者だけではなく、上司についてもそれぞれ公務員法に基くもの、あるいは公務員法に基かなくても処分をいたしております。でありますので、今のお話のように上の方にも責任があれば処分をいたしておるのでありますが、ただいまのお話は予算の流用の問題かと思うのであります。予算の流用につきましては、御承知の通り相当な手続を経て流用すればよろしいのでありますが、その手続に怠慢を生じておったといいますが、長い間の惰性といいますか、手続をとらずに流用をしたと、こういうことについて営林局長がある程度の同意を与えておったということではなかろうかと考えるのであります。この事件は、相当そういう例は農林省ばかりでなくて各省についても出ておりますので、そういう勝手に流用するということにつきましては、今後そういうことがないように厳重に命令しておりますと同時に、また予算面におきましても流用を余儀なくされると、その際に手続をとればいいのですけれども、手続をとらずに流用する場合もありますので、予算面におきましても、そういう流用がしなくてはならぬというようなことのないように、ことしの予算措置等におきましては、それぞれそういうところにも注意を払って予算を組んで御審議を願っておるわけであります。今の特定の場合の問題は、各般の農林省内のほかの不正不当の事件などとも勘案いたしまして、その流用に同意を与えたというか、そういうことが処分をする程度でなかったというふうに考えまして処分を差し控えたのでありますが、原則的に、あるいは全般的に申し上げまするというと、ずっと上まで処分をほかの事件等においてはいたしております。全購連事件にいたしましても、多久島事件にいたしましても、全部本省内の局長——担当しました局長級まで現在それにタッチしていなくても、その当時関係しておった者にはそれぞれの処分をしておる。こういう方針で進めてきましたし、今後も進めるつもりでおります。
○相馬助治君 今までの経緯、そうしてこの問題に対する処分の理由、そういったことをお尋ねしているのではなくて、私が今お尋ねいたしたのは、原則的な問題として、この種の問題に対して赤城農林大臣としてはどういうふうに考えるか。きわめて遺憾なことであって、この種類似のものが今後出た場合には自分として厳重に処罰するというような気持がどうかということを私は承わりたかったのであります。時間もないほどに、私はこの問題を掘り下げて詳しくあなたに聞くわけに参らないことを遺憾としますが、話しかけたことですから、あと四、五分いただいてぜひ一点承わりたいことは、奥山で困難な伐採事業をやる営林署の仕事、これには私どもとしても十分同情できますことは、そうしゃくし定木に参らない。むずかしいことがあって、上司の者としても予算施行上いささか問題であるなと思いながらも、これを大目に見るというようなことはあり得ると思うのです。私はまたそれを是認するにやぶさかでありません。しかし問題は程度の問題だと思うのです。しかも私はここで問題にしているのは、その不正な問題を問題にしているのじゃなくて、その不正なる問題が表に現われるや、上司の者がみずからの指導の適正を欠いたことを反省せずして、その局面を糊塗するために不当経理を指導したと、この点を私はついておるのです。そうしてこの事件というものは、御承知のように水野金一郎という秋田営林局長さんは事件が発覚した当時にはもうやめておられた。従ってこれは退職しておられた。それにまでさかのぼってこの問題で処罰することが、実を言えば国民に対して私は明瞭な、この事件を痛感する農林省としての正しいあり方だと思うのですけれども、私はそのことをどうこう言うのではなくて、ここで今後問題になることは、この種の事件という珍しいこの問題に対しては、赤城農林大臣としては一体どういうふうに考えるか。従ってそのあなたの答弁を聞いて、それじゃ今から水野氏をあなたは処罰するかどうかとからめていこうとは思っていない。ただこの種の問題について、今後われわれがこの決算委員会において農林省の所管の問題を議していく場合において、農林省を主宰されておる大臣としてはどういうふうに考えるか。ここを私はきょうは承わりますればそれで足りるのであります。この種の問題については、一体大臣としては、今後この種のケース等についてはどういうふうに考えられるか。しかもまたこの事件についての処置はきわめて妥当であり、穏当であると思うか。反省すればいささかやはり研究を必要とする案件だと思うか。この点を承わりたいと存じます。
○国務大臣(赤城宗徳君) 出先の現場に従事している職員につきまして、非常に御理解あるお話でありまして、実は私もそういう気持は持っております。しかしながら、その跡始末につきまして、これを糊塗するためにいろいろなやりくりをしたというようなことは、やっぱり許すべからざることである、こういうふうに考えております。今の場合は公務員をやめた者でありまするから、どうこうということを考えておりませんけれども、今後そういう、あとをやりくって不当な支出を糊塗するというようなことをしでかすような者に対しましては、相当なる処置をしていきたいと、こう考えております。
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) それでは速記をつけて。 ほかに御質疑がなければ、午前中の審議はこれで終了いたしたいと思います。 午後は一時十五分から再開いたしまして、一般会計を主とする審議に移りたいと思います。 暫時、これをもって休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 —————・————— 午後一時四十三分開会
○委員長(高野一夫君) これより決算委員会を再開いたします。 まず委員の変更報告を申し上げます。 本日付をもって高田なほ子君が辞任されまして、大倉精一君が補欠選任されました。 —————————————
○委員長(高野一夫君) 午前の委員会に引き続き、昭和三十年度決算で、農林省の部につきまして、一般会計を主とする審議に移ります。 本日は、御要求がありましたので、参考人として、農林漁業金融公庫の山添総裁、農林中央金庫の楠見理事長、全国購買農業協同組合連合会の園木副会長理事に御出席を願っております。 なお政府側からは、会計検査院から上村第五局長、中川第四局長、奥原水産庁長官、丸山経理厚生課長に御出席を願っております。参考人の方々は御多忙中のところを御出席願って恐縮でございます。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○島清君 まず農林中金関係のことについてお尋ねをいたしたい思っておりますが、楠見理事長は、私がお尋ねをしようと思っておりまする事件の発生いたしました時分には、多分私と同様同僚であったと思いまするので、いささか、元気よくやれと言われましても、ほこ先がにぶるわけなのでありますが、言葉などが適切でなく、礼儀を欠きました場合には、お許しをいただきたいと思います。 お尋ねをいたしたいことは、農林中金が子会社というか、中央農水産株式会社ですか、これを持っておられて、それから職員の厚生資金を獲得をされるために、魚かす事業をお始めになったのですが、資金がございませんので、その農林中金の金を、第一銀行と、第一信託銀行の方に預金になられまして、それをその子会社の方の農水の方へお回しになった。この事件については、刑事事件になりましたそうでございまして、その関係者が刑事被告人としてお調べを受けられたようでございまするが、農林省の方からの報告書によりますというと、こういうような浮き貸しの問題は触れておりません。そこで私は、それが農林中金の保証によって農林水産の方へ出たのか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(楠見義男君) お答え申し上げます。ただいま島さんからお述べになりましたように、私の理事長就任前の事柄でございますが、しかし大体のことは承知いたしておりますので、その範囲内でお答えいたしたいと思います。今お述べになりました浮き貸しの問題でございますが、そういうことは全然ございません。浮き貸しかどうかということで、刑事事件として問題になったことがあるようでございますが、しかしその事実はないということで判決もあったと、こういうふうに承知いたしております。従って御質問の浮き貸しの事実があったかどうか、あるいは中央金庫が保証をして貸したかどうかということについては、そのような事実はなかったと、こういうふうに承知いたしております。
○島清君 何か楠見さんは誤解しておられるのじゃないかと思いますが、もし私の浮き貸しという言葉が適切でなければ、他の適切な言葉で訂正してもよろしゅうございまするけれども、刑事事件となりまして、判決は、第一審は個人のことを扱いました。個人の責任を問われまして、有罪の判決でございましたが、第二審においては、農林中金の行為である。従ってそれは個人の負うべき責任ではないというので、個人の責任は免除になっておりまするけれども、しかし農林中金の責任であるというて、第二審の判決の場合には、判決文にも無罪と明確に示されているのですが、なぜそれじゃ農林中金の責任であるかということは、要するに第一銀行なり、第一信託銀行なりに、たとえば証書等の交換がなかったにしても、それは自分のところの子会社であるからめんどうを見てくれ、こういったような保証は多分にあったと思うのですが、それらも御否定になられるのですか。
○参考人(楠見義男君) 農林中金の責任であるということが明確に判決にあったということでございますが、その事実は私はよく承知いたしておりません。それから子会社ということでございましたが、いわゆる親会社子会社というようなことでもございません。ただ今お述べになりました中にもございましたが、元農林中金の役職員がそういう会社を作りましたので、農林中央金庫といたしましては、できるだけ一つめんどうを見るようにしてやってもらいたいということを銀行筋にお願いしたいという事実があることは、これはその通りでございます。そのことは私よく承知いたしております。
○島清君 お願いをいたしまするときには、ただ単に無関係の立場においてお願いをしたのではなくて、取引の銀行筋にさらにそれをめんどう見てくれというので、五千万円の融資を頼む以上の預金がされておったということの事実に基いての依頼ではなかったのでございますか。
○参考人(楠見義男君) そういうことではなかったようでございます。私が承知いたしておりますのは、先ほど申し上げたように、元職員がこういう会社を作ってやろうとしておるのだから一つできるだけ御尽力を願いたい、こういうことでございまして、たとえば保証等のことになりますと、御案内のように金融機関といたしましては、それ相当の正式の手続を経まして、たとえば手形について保証するとか、そういった正式の手続をいたすわけでございまして、そういうようなことはなかったように承知いたしております。
○島清君 ある人に二百万円、やらなくてもいい金を、この事件に関連をいたしまして、農林中金はお出しになりましたことは、それは帳簿に記載してありますか。
○参考人(楠見義男君) そのことは農林中金としては承知いたしておりません。
○島清君 ところがとった人が刑事被告人になりまして、逮捕されまして、収監をされておる事実があるのですが。
○参考人(楠見義男君) それはおそらく日本農工の問題で、農林中金の問題ではないのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○島清君 日本農工との関連の起りました発端は、いわゆる農林水産との関係で、五千万円の問題から発展するのでございますね。これがなければおそらく日本農工の問題は起らなかったと思います。この五千万円のつまずきから、これを穴埋めしようとして、今、楠見さんおっしゃったように、それは実質的には子会社でございましょうけれども、形式的には子会社でないという形が出ている。それは申し上げるまでもなく、農中金というものは子会社が持てませんから、そこに問題がある。持てる会社、持てる団体が持ってやったというなら何も問題でないでしょうが、持てないような国家の資金を扱いますところの農中金が、営利を目的とする子会社を持って、そこに世間をごまかす、国家をごまかす、国民をごまかすというところに、私たちの良心が認めがたいものがあるのですね。そこで、この五千万円の穴埋めをするために日本農工に事件は発展をいたしますけれども、これからお聞きするわけですが、しかしながらそういうような総括的な問題のために、農中金のその当時の理事者の諸君は、自分の非を暴露されないためにといいましょうか、相当の名誉と地位のある人に二百万円お出しになっておられるのですね。その人は現に逮捕されて、収監されているのですが。
○参考人(楠見義男君) 先ほど申し上げましたように、それは農林中金の問題ではなしに、日本農工の問題であるかと思うのでありますが、しかし島さんかおっしゃるように、因果関係があるかないかは別にいたしまして、事の起りは中央農水産ですか、その会社から発端しておる、こういうお話でございます。そのような見方をすれば、あるいはそういふうになるかもしれません。ただこの機会に申し上げておきたいのは、先ほど来からたびたび申し上げることで恐縮でございますが、この農水産会社は元農林中金に勤務しておりました人々で作った会社でございまして、その社長は高橋という者でございます。今問題として申し上げました日本農工の方の社長も、高橋という同一の方でございます。仕事がうまくいかない。そこで実質的には合併ということになりましょうが、そういうことで、中央農水産の会社と日本農工というものは一体となり、頭も同一人でございますから、それで、その後、運営をしていく、こういうことになったものと承知いたしております。そして今お述べになった二百万円云々の問題は、その日本農工と、会社の顧問弁護士のようなことをやっておられる方のようでございますが、その間に起った紛争事件として、日本農工で御処理になった、こういうふうに私は実は承知しているわけであります。
○島清君 この二百万円という額は、刑事事件になっておりますから、はっきりしているわけでございますね。そこでそれらの問題を善処するために、いろいろ弁護士等をわずらわして、数千万円の運動資金を使った、こういうふうに言われている。二百万円は、はっきりしているのですが、おそらく数千万円の金を使ったであろうということは想像されるわけでございます。そういうことは、二百万円も含めて帳簿の収支に記載されているのでございましょうか。
○参考人(楠見義男君) くどいようでございますが、二百万円の問題も農林中金として処理した問題ではございませんし、それから今お述べになりました二百万円を含めて数千万円というお話でございますが、そういうような金を出した事実はございません。従ってそういう金を帳簿上に記載することのないのも、事実がございませんから、ないものと御承知いただきたいと思います。
○島清君 日本農工を代表されます入野何がしという弁護士と、農林中金の方を代表いたします弁護士との間に、二百万円の金銭の授受の問題がありまして、それが正当に受け取るべき筋合いのものでないと言うて、そこで逮捕、収監されて、目下、事件は、被疑者として、その人は取調べを受けている。この事実はお認めになりますか。
○参考人(楠見義男君) その事実は私承知いたしておりません。ただ承知いたしておりますのは、今お述べになりました弁護士の方が、いろいろ他の恐喝事件といいますか、そういうことで刑事被告人になっている、こういうふうに伺っております。
○島清君 もう少し検察庁あての調書をお調べいただきたいと思います。二百万円の金銭の授受は認めて調書の中に現われております。そこで出てきてないのは、ただ農林中金の帳簿にだけ記載してない。そこを私たちは聞きたい。けしからぬというのはそこのところです。しかもわれわれは確実な証拠があるとはっきり言い得るのが二百万円で、それ以外にもあるといううわさがある。それをあなたがそういうことをおっしゃいますならば、それ以上追及はいたしません。お聞きはいたしません。さらに私が、農水から発展をして、日本農工の事件になったということを申し上げたのですが、この因果関係があるかないかということを、因果関係がないように御否定になりましたけれども、今度農林省の私たちに出していただいたところのこの報告書の中にも因果関係をお認めになっておられるのです。それは、その2に、農水の方に五千万円か融資されたと、これは浮き貸しでございますが、融資された。「その後同社は魚粕の統制解除等に起因し、経営不振に陥ったが、社長高橋武美氏は、この事態に道義的責任を感じ、たまたま同氏が経営していた、日本農工株式会社(資本金五百万円……)がこれを救済することとなり、このため日本農工株式会社は農林中央金庫から四千六百七十万円を借り入れ」た、こういうことを言っておるのです。明らかに因果関係があるということをこの報告書の中にうたってあるのです。そこで今度はこれにうたってありまする四千六百七十万円を借り入れた、こういっておるのですが、なにですか、農林中金はこういう会社に融資ができるのでございますか。
○参考人(楠見義男君) 因果関係云々の問題は、先ほど二百万円の問題についてお述べになりましたから、その問題については、二百万円による収監といいますか、送致と中央農水産との関係が因果関係があるという見方もあるし、あるいはないという見方もあるだろうが、しかし関係はあると言えばそれはあることになるだろうと、こういうことを申し上げたわけでございます。それから今お述べになりましたことは、農林中央金庫といたしましては、本来の仕事は、御案内のように農業協同組合、水産協同組合、あるいは森林組合、こういうような、そのほかにもございますが、所属団体というものがございまして、その所属団体から預金を受け入れ、また貸付をすると、こういうふうなのが中心的な仕事でございます。ただ余裕金がございます場合にはその余裕金を運用する道といたしまして、今申し上げました系統所属団体以外にも貸付ができる。現に肥料会社とか、アルコール会社とか、農機具会社等にも余裕金の運用の方法としていたしております。その一方法として、もちろんこれはどの会社にも貸すというわけではございませんで、農林水産業に関係のある会社、これに貸付することができる、こういうふうになっております。
○島清君 それは十五条に何か資金の運用について触れているようでございますね。その十五条の何項のどこに該当するか、ちょっと説明していただけませんか。
○参考人(楠見義男君) それは島さん、法文をお持ちのようでございますから申し上げますが、十五条一項、二項というものがございまして、二項の方はこれは長期の金を貸す場合でございますが、短期の方はたしか団体あるいは関連の事業を行う法人、あるいはそれらの発達をはかるための法人、こういうようなものに貸すことができることになっております。たとえば十五条の第一項の第四号、こういうものに対しまして、ここに法人とかございますが、それに対して短期貸付をすることができる、こういうことでございます。
○島清君 それは何か主務大臣の認可が必要だと書いてありますね。主務大臣の認可はお受けになったのでございますか。
○参考人(楠見義男君) さようでございます。
○島清君 渡部局長にお伺いしますが、それは主務大臣は認可をいたしたのでありますか。
○政府委員(渡部伍良君) しております。
○島清君 ここに「道義的責任を感じ」ということがありますが、事、道義的責任云々ということは、文教委員ではございませんので、その人がりっぱであるか、りっぱでないかということの証明は、不正があったかなかったかということは、これは要するに穴をあけた金を穴埋めしてくれればそれでよろしいのであって、経済行為は、その道義的責任ということは、要するに浮き貸しをやって穴をあけたので、実際は日本農工は金は借りてないけれども、そうすると事が一大事になるというので、債権債務が存在しないのにもかかわらず、道義的責任の立場において、高橋何がしは、農林中金の方に確かに債務がございますと言って債務証書を渡しておるのではないですか。
○参考人(楠見義男君) 先ほど申し上げましたように、浮き貸しという事実は全然ございません。おそらく、この農林省からお出しになっておる書類で道義的責任ということをおあげになりましたが、先ほど申し上げましたように、高橋さんは元金庫の監事をやっておられたようでございます。そして他の職員と一緒になり、その社長として農水産会社をお作りになって、そして仕事がうまくいかなかった。その間、先ほど申し上げたように金庫の方からも側面的には援助を受けた。この援助は、御質問にありました保証とかあるいは浮き貸しとかいう事実による援助ではございませんが、とにかくそういうことで、その発足した会社がうまくいかなかったという、これは非常に残念なことをしたという、そういうことで道義的責任をお感じになった。こういうふうの意味をここに表わしておられることと、かように考えます。
○島清君 浮き貸しという言葉が適当でなければ私は訂正いたします。浮き貸しというのは預金者の預金利子を取るのでありますから、預金利子を取ってないという意味において浮き貸しでないとおっしゃるのかもしれませんけれども、それでは、子会社であります農水のために、口頭でおっしゃったかなんか知りませんけれども、とにかく頼むということを保証されたという意味において了解しておきます。 そこで、この第一銀行、その銀行等から出ましたその資金というものは、事業のために全部使われたのですか。
○参考人(楠見義男君) その点は私は詳細よく存じませんが、ただ私承知しているところでは、魚かすを取り扱うので、北海道の問屋さんに前渡金を出したところが統制撤廃等がその当時に行われて仕事がうまくいかなかった。結局必要な玉をうまく入手できなかった、こういうことであったように承知いたしております。
○島清君 その前渡金をお渡しになりまして通知預金をおやりになりまして、そこで北海道拓殖銀行に押えられたのですね、その事実は承知しておりますか。
○参考人(楠見義男君) 北海道拓殖銀行に押えられたというよりは、北海道拓殖銀行が今申し上げた問屋さんに債権を持っておられて、そこでその問屋さんの北拓に対する債務の弁済に充てられたようだと、こういうことを伺っております。
○島清君 そういたしますと、せっかく農林中金の方が職員の厚生資金を獲得されるために、第一銀行と第一信託銀行の方に口をお聞きになりまして、五千万円という融資をさしてやったにもかかわらず、それが全面的に事業のために運営をされないで、そうして送金をしたところが拓殖銀行に押えられて、そうしてそれがつまずきであった。こういうふうに了解できるのですが、そういう工合に了解をしておきまして、さらに前の方へ進ましていただきます。
○相馬助治君 関連して……、一点楠見さんに尋ねておきたいのですが、このことは概括して申しますれば、市中銀行より金を借りて商売をやっていた者が不振になった。それでたまたま同一人が社長である他の会社が、農林中金から金を借りて、そうしてその政府の金でこれを肩がわりをした。すなわち自分が市中銀行から金を借りてやっていた、それがうまくいかないで、経営不振になって金が返せないから、道義的責任を感じた。そこのところは大へんけっこうなんです。道義的責任を感じたから、かつて顔のある農林中金の方から政府の金を借りて来て、これを埋めて道義的責任を果して、その損害を国に与えた。しいて言えば国に与えた。こういうふうな問題で、まことにこの点はけしからぬことである、こういうふうに認識して、この島君の質問は先に進んでいいですか。そういうふうに考えられたのでは楠見さんは困るのですか、どちらですか。
○参考人(楠見義男君) それは困るのです。(「困る理由をはっきり言え」と呼ぶ者あり)先ほど島さんの、こちらの送った金が銀行で押えられて云々というようなことでございましたが、これはそうでなくて、銀行からその問屋に債権を持っておった。これは御案内のように、一つの民間の商社、問屋等が銀行との間にしょっちゅう取引があることは当然のことなんで、従ってこちらから送った金がその問屋の手に渡って、その問屋の金になりましても、しかし一方で債務がある。しょっちゅう銀行と問屋との間に貸借関係が継続して行われるわけでありますから、従って金が途中で押えられたとか何とかということでなしに、普通の商取引における金の動きというものを御想像いただきますと、そのことは世間でしょっちゅうあることだ、こういうふうに私は思うわけでございます。それから、今相馬さんのお尋ねといいますか、結論は、先に困るということを申し上げたのですが、商社の、中央農水産、あるいは日本農工というものがうまくいかない、そこで、それを肩がわり……、政府の金に肩がわりをして、結果的に政府に損失を生ぜしめたというようなことではございません。先ほど島さんの御質問に対してお答えした中にも申し上げたことでございますが、一方、中央農水産会社がうまくいかない、一方、日本農工という会社がゴム工業について、これは一つの躍進期と申しますか、転換期にあった。そこでひらたく申せば両方の会社を合併して、そうして一方の債務を承継して、自後の経営をうまくやっていって、自後の承継した債務を返そう、こういうことも民間の会社ではよくあることであります。それを政府の金で肩がわりをして、政府に迷惑をかけるというようなことを意図したことでもございませんし、またそういうつもりで他の金を、政府の金を引き出されたというようなことではございませんので、その点は特に誤解のないように御了承ただきたいと思います。
○相馬助治君 誤解しておるのは理事長なんです。というのは、われわれはこの農林省から出たきわめて権威ある書類によってお尋ねしておる。それでちょっと読んで見ますがね、ずっと前にありますけれども、上から六行目、「たまたま同氏が経営していた日本農工株式会社がこれを救済することとなり、このため日本農工株式会社は農林中央金庫から、四千六百七十万円を借入れ、これを中央農水産株式会社に貸付けて、」ですから社長がどっちも同じです。貸す者と貸される者が。「貸付けて、前記五千万円の借入金残高四千六百七十万円の返済に充当せしめた。」こういうふうに書いてある。そこで私は、二重の罪を犯していると思う。政府資金を借りて他の者に貸すということはけしからぬことです。これはもう許すべからざることです。しかも貸す相手が、選りに選って、貸す人が貸される人と同一人であって、貸してもらう方が経営がうまくいかない、市中銀行から責めたてられている、そこで利子は市中銀行の方が高いにきまっている。ですから貸す者がみた場合に、貸してもらう方が経営不振で、金を出しても、その金がどういう行方になるかということは何人もわかっている。そういうところへ出すということが、二重の罪だと私は思うのです。そこで農林中央金庫は、このとき、かりに知らなかったとしたら、許すことができると思うのですが、まずかったで済むと思うのですが、こういう事実があるにもかかわらず、次にまた報告されている三番目に、四千万円を貸し増しているのです。そういうけしからぬことをやっているのに、これで私どもが、けしからぬことだと思う私が誤解しているのであるか、これは当り前のことなんだというあなたの物の考え方が間違っておるのか、これは聞く人が聞けばきわめて簡単だと思うのです。やはり私の考えは誤解しておりますか。
○参考人(楠見義男君) ほかに御迷惑がかかるといけませんから、一点だけはっきりいたしておきたいと思いますが、相馬さんのお話の、民間の会社のこういう金に政府資金でもって肩がわりをして、その結果政府に御迷惑をかける、これはけしからぬ。またその観点から、決算委員会でもお取り上げになっていることだと思うのであります。政府の金を云々したのではございません。先ほど申し上げましたように、金庫の余裕金をその方面に運用したということでございますから、こと、政府に迷惑がかかるということは申しわけでございませんので、その点だけはおことわりしておきます。 それから続いて、今の点で、けしからぬか、けしかるかということでございますが、これはいろいろ御批判の余地はあろうかと思います。ただ先ほど申しましたように、一方は不振になり、一方は転換期になる、たまたま社長は同一である。そこで、その不振の会社の債務を承継いたしまして、そうして自後、その承継いたしました会社が、これは先ほど事実上の合併ということを申し上げたのですが、その合併した会社が事業をやっていって、そうしてそれを返していくということは、会社の一つの何といいますか、債務整理の方法としてよくあることでございますが、そのことについて、けしかるか、けしからぬかということの御批判は、これはそれぞれのお立場であろうと思いまするし、私どもはそれは実は善意に、そういうことによって債権も確保されるということならば、その方がむしろいいじゃないか、適当ではないか、こういうふうに考えたわけでございますが、そのことがけしからぬという御批判でございますれば、それはその御批判を甘受するよりほかはないと、こういうふうに存じます。
○相馬助治君 私、関連質問ですから、これ以上申しませんが、ただ念を押しておきます。私、政府と申したのは、概括してそう表現しただけであって、余裕金であろうと何であろうと、政府出資を受けておるところのこの農林中金が、こういうふうな筋の違った金を貸すということは、ひいては政府に迷惑をかけ、国民に迷惑をかけておると、こういうことを私は端的に申したのであって、この点が非常に筋の通った話をし、しかも清廉潔白な楠見さんの答弁としては、いささか私は受けとりがたいと、こういうふうに思います。それから、よいか悪いかということは主観の相違だと、こういうことですが、今は議論の最中でございますのでこれについては触れません。
○大矢正君 この農林中金が貸し付けた金というのは長期資金として貸し付けたのですか。それとも短期の運転資金という名目で貸し付けたのですか。
○参考人(楠見義男君) 長期です。
○大矢正君 これは明らかに農林中央金庫が貸し出したいわゆる中央農水産という会社が、すでにつぶれる状態にある、そのためにその会社のいわゆる資金を貸し出したということになるわけでありますから、ですから当然これはそういう立場からいけば、短期にこの貸し付けた金が返ってくるなどということは常識的に考えてこれは考えられないことでありまして、結論的には長期資金という立場においてこの金が貸されたのじゃないかと思うのですが、私はそこで一点疑点が出てきたのでありますが、農林中金の、たとえば業務方法書等の内容は私よく存じませんが、その中には、その企業、その会社が業務を行うために必要な運転資金や、あるいは長期の設備資金その他を貸すことはあっても、すでにつぶれた企業、あるいはつぶれかかっておる企業を、その企業に金を貸してもよいというようなことが業務方法書の中で出ておるのですか、あるいはそういうことが可能になっているというのですか、農林中金の業務方法書の中では。
○参考人(楠見義男君) それは総合的に物事を判断していただけばいいと思うのです。そこでこういう債務を早く処理をして、荷を軽くして次の業務の運営をなめらかにやっていくということであるならば、今御質問のようなことも包含されていいのではないか、こういうふうに考えます。
○大矢正君 それじゃもう一点お尋ねしますが、つぶれる結果になった前の中央農水産株式会社というものに対しては、この会社がつぶれる当時に、農林中金は運転資金なりあるいは長期資金を貸し付けておったのですか。
○参考人(楠見義男君) それはいたしておりません。◇大矢正君 そうすると、あなたの意見というものは、非常にここで食い違ってくるのですよ。たとえば前の中央農水産株式会社に、かりに農林中金というものが貸し付けをしてあった、その会社を完全につぶすことによって、すでに貸し付けた金の回収も不可能になるという前提があるとすれば、これは別問題でありますけれども、そういう一切この会社の存立について、あるいはこの会社がつぶれることについては関係がないのにもかかわらず、あとのいわゆる日本農工でありますか、この会社がこれを抱きかかえたという事実だけで、そのつぶれた会社のために金を貸すということは、これは常識的に考えられないのじゃないですか。
○参考人(楠見義男君) それは先ほど申し上げましたように、農林中央金庫といたしましても、旧役職員でできた会社、これは会社は全然金庫とは形式的には関係はございませんけれども、しかし他の銀行にもめんどうをみてやってもらいたいというような側面的な援助もお願いをした、そういう点に、やはり金庫としても道義的の責任を感じておったということは、これは事実だろうと思います。日本農工も好意をもって承継をされたわけでございますから、日本農工がそういうことでいくことが、会社が……、承継されたことは事実であり、それが負担になってることも事実でございますから、それが荷が軽くなっていくということで、あるならば、それを援助するということも、これも自然の成り行きといいますか、そういうことでそういうふうになった、こういうふうに了解をいたしております。
○大矢正君 中央農水産株式会社というものは農林中金の退職役職員をもって作られた会社なんだ。従って、かりにこの農水産株式会社がつぶれることによって多くの問屋やその他に迷惑をかけたならば、ひいてはこのことが農林中央金庫に対する批判となって現われるであろうという想定のもとに、あるいはそういう道義的な立場から考えて、農林中金というものは腹をきめて五千万円を融資すると、こういう結果になったという話に私どもは聞えるのでありますけれども、それじゃそういうようないわゆる役職員の退職した人をもってできていない、そういうものに無関係の会社だったら、当然あなたの立場としてはこういうところに五千万円も金を貸すなんということは考えられないわけでしょう、どうですか、その点。
○参考人(楠見義男君) これは中央農水産に対してでございますか、日本農工に対してですか。
○大矢正君 いや私は中央農水産の話をしている。
○参考人(楠見義男君) 中央農水産に対して、それが関連産業であって、元役職員であろうとなかろうと、その仕事が農林水産業に関係があり、そうしてそれに対して金を貸すことが危険のおそれがないということであるならば、それは余裕金運用としては差別はつけないつもりでございます。
○大矢正君 くどいようでありますけれども、極端な表現をすると、形式的にはこういう形式を踏んでおらないと思いますけれども、極端なことを言うと、第一信託銀行の三千万、それから第一銀行の二千万、合計五千万円という金が、結果においては農林中金とすりかわったような格好になるわけですね。結果としてはそうなる。私はそこで、確実なその会社の将来性や、それからその会社の資産、そういう内容から推してみて、現実的に五千万円のいわゆる金を借りておっても、それに見合うだけの担保があるとすれば、何もここで第一信託銀行あるいは第一銀行は、五千万円を農林中金に肩がわりをしなくても、私はよかったのじゃないかと思うのだが、それがないために五千万円が結果としては肩がわりされたような格好になっておるわけです。そうすると、みすみすそういうものがないところに農林中金というものは積極的に金を貸したというふうに解釈されるのですが、私のそういう解釈は誤まりですか。
○参考人(楠見義男君) これは再々申し上げますように、両方の会社の社長が同一人であり、しかもそれが元金庫の役員であったということから、できるだけ元の承継した債務を返済をして、そして会社を将来うまく持っていこうという気持のあったことは、これは事実でございます。その事実と、もう一つ、金庫としては援助をして、そして銀行にお願いもした、しかしその債権が健全に返ってくる方法をどうすればよいかということが、やはり金庫としても当然考えなければならぬ筋合いのものでございます。従って、一方借りる方の会社側はそういう心がけをもっておる。その金庫の方も、できるだけこれを返して返済を可能ならしめる方法をいかにして講ずるかということを考える。両方相待って、どうすれば一番いいかということで、これはもちろんだれも悪いことになることを考えるのじゃなくて、どうすれば一番方法としてはいい方法であるかということを考えてこういうことになった、こういうふうに御了承いただければいいと思います。
○大矢正君 あなたのその説明からいくと、五千万円の肩がわりといいますか、この旧中央農水産に対する貸付というものは、これは決してその会社というものの企業の運営やあるいはその設備の資金等に対してなされたものではなくて、この会社をつぶすという前提で、それが与える道義的な影響と申しますか、責任といいますか、そういうものを考慮してなされたということでありますからして、このなされた措置というものは、かりに農林中央金庫法の法の精神や、業務方法書の趣旨に沿ったものではなくて、あくまでも人情論的立場においてこれは考えられたものではないかと、私は想定をするのですが、間違いですか。
○参考人(楠見義男君) まあ今お述べになりました業務方法書とか、あるいは定款とか、法律とか、そういうものに違反して金庫は貸し出しはできません。その法律、あるいは命令、定款の範囲内で自分の方は仕事をいたしております。
○島清君 時間がかかりますので、前の方に進ませていただきますが、そうして高橋何がしの持っておりまする日本農工は、農水産の穴埋めをするために農林中金から金を借りたような形にして、債務証書を入れて、農林中金の方は、その帳簿の面では農水産の赤字をさらに高橋農工に貸したという形で資産の方に加えてつじつまを合せた。そこで、いざ事業をしなければなりませんので事業にとりかかった。事業資金というものが必要でありまするので、そこで農林の幹部の諸君、さらに全購連の幹部の諸君も一役を買いまして、それでここに見えておられまする農林漁業金融公庫の方から何がしかの金を引き出した。三千五百万円でございますか、そういうふうにしておられる。そこで、そのためには増資をしたという形をとっておられるのですね。全購連の方々も一役買われまして。ところが、私の聞いたところによりますというと、実は増資じゃなくて、これもインチキなからくりであったと、こういうことでございますが、その当時の全購連の方は、ほんとうに一千五百万増資をされて、その全株を全購連の方が保有しておられたのでございますか。その点についてお答えいただきたいと思います。全購連の関係……。
○参考人(園木登君) お答え申し上げます。全購連といたしましては、昭和二十六年の六月からこの日本農工と基本契約を結びまして取引を開始いたしておるようでございます。その後三十七年の九月に至りまして、経営に参加するという意味で、職員のうちから取締役二名、監事一名を派遣しておるわけでございます。そういう形で経営に参加をして参っておる形になっておるわけでございますが、さらに二十八年の六月に会社が増資をやる場合に、千五百万円の増資を全購連がやったようなことに相なっておるわけでございます。まあ当時の詳しいいきさつ等については、どうも私はなはだわかりかねるわけでございまするけれども、日本農工と全購連との関係、実績等簡単に調べてみますと、やはり二十六年の六月、取引を開始いたしましてから、相当たくさんの物資を買い取っておるようでございます。自転車のタイヤ、チューブ、それから地下たび、ゴム長ぐつ、運動ぐつというようなものを、これは取引高は全部で三億二千五百万円にも上っておるようでございますので、そういうどうもインチキ的に増資をしたというようなことでなくて、全購連としては、まあ、まじめに考えて経営に参加もし、さらに翌年になって増資をやったというような形になっておるものと、私は考えております。
○島清君 これはインチキという言葉が標準語でございませんので、いろいろと解釈されておるようでございますが、インチキということは、真実ない、不正だということです。ところが全購連は一千五百万円増資をしたということになって、それで全購連の方がその全株を保有された。それに加えて、以前からですね、五百万円の会社でございまするから、さらに九三%ですから、全購連がお持ちになっておるということなんです。それは取引しておられたということ。その取引自体についても、私たちは国会議員といたしまして、はなはだ、ふに落ちないところがあるのです。そこでゴムを製造させて、その穴埋めをするために、そのゴム製品を買いまするのは全購連という一つの機構を通じて農民が買わされるのですね。そのしわ寄せをあるいは地下たびを通じて、あるいはゴム長を通じて、そうしてその農民にしわ寄せをしようとする魂胆、これが私たち国会議員として許せないという気持があるわけです。そういうことは別にいたしまして、少くともその当時いろいろな事業をやっておられたようですが、全購連としては増資株を一銭もお出しにならないで、今あなたのおっしゃったように経営参加という形になって、全購連の幹部の諸君が重役になり、それから農林中金の方から監事になる、そういったような関係でございましょうか。独禁法に禁止されておるような、公正取引の規定にも違反するような形で運営をされておったのですね。そこで私の今聞いておりまするのは、一千五百万ほんとうに全購連は増資されて、そして株をお持ちであったかどうかということをお聞きしているわけなのです。
○参考人(園木登君) 株を持っておることは事実でございます。
○島清君 言葉はやわらこうございますが、相当権威ある委員会でございますので、もっと親切にお答えいただかないと、あるいは委員会として告発することになるかもしれません。ここにありまするのは念書を入れておるのです、日本農工の株式会社の取締役社長の山下何がしというのが、あなたの方の理事に、田中何がしに念書を入れております。その念書を読みますと、「今般、当社株式払込金として金六百万円也領収いたしましたが、右は払い込みの見せ金として、仮払いを受けたものにつき、当期完了後すみやかに相違なく返金いたします。」と念書を入れてあります。どうですか。(「重大な問題だ」と呼ぶ者あり)こういうことをインチキと言っているのです。
○参考人(園木登君) ただいま、いわゆるインチキ増資に関して念書が入っておるというようなお尋ねでございますが、これはどうも全購連の方では全然知っていないことでございます、その念書が入っておるということは。ただ、どうも会社の一部の人がそういうものを作ったんじゃないかということを言っておるわけであります。
○島清君 それで、こういうものが確かなあれがございまして、それもその一部の者である、個人的なものであるというふうに言いのがれをされるならば、場所柄をわきまえておられないようでございますが、さらに私たちが、今楠見さんに先ほどからお聞きいたしておりますることは、ここにからくりがあったのではないかということをお聞きしておるわけなんです。それも高橋社長ですね、藤倉電線の婿さんで、さらに奥さんか何か、これは持参金のようですね、その会社は。それでその人がおそらく道義的責任で全財産を投げ出すはずはないんです。そこで、そのからくりを高橋さんが、そのときの中金の方から派遣をされましたその当時理事で、元理事であった人がその会社の社長になってこられた。その人が、こういうからくりだということをちゃんと念書を入れておるのです。「当会社儀、今回都合により資本金一千五百万円を増資する形をとり、全購連を株式名義人として記載することにいたしましたが、右は、正当の増資とすれば法令及び定款の規定により、当然新株は現在株主に割り当てることに要する儀につき、貴殿が当会社の全株式を所有せられる株主権には何らの影響を及ぼすものではないことを確認いたします。右については農林中央金庫及び全購連は、当然了承しておられますので、今後貴殿から御請求のあったときは、いつでも右増資株式全部を貴殿名義に書きかえますから、念のため本書を差し入れます。」と書いてある。いかがでございましょうか、楠見さん。
○参考人(楠見義男君) 私はその事実は承知いたしておりません。
○島清君 全購連の方、どうですか。
○参考人(園木登君) 私もそういうことは全然聞いておりませんのでございますが、どうもはなはだ不誠意の答弁のように思われるかもしれませんが、全然そういうことは聞いておりません。
○島清君 どうも楠見さんに昔のよしみをもってきついことを申し上げまするのは、はなはだあれでございますけれども、最初から知らないとおっしゃればよろしいんだと思うんです。知ったかぶりして答弁をされるから——こういう工合にもっとある、もっと山ほどたくさんあるんです。——最初からわからないのだという答弁をして下されば、これは仕方がない、わかるやつをかわりに出してきなさいと、こういうことになる、知ったかぶりをして答弁をされて、こういう肝心かなめの急所に出てくると、これはインチキだ、からくりだということです。増資も何もしてない。金も実際貸してない。貸してない金を穴があいたからして、それからどうにもならないので貸したような形にして、それで高橋何がしをくどいたのでしょう。くどいて、そして金を貸したことにして、それから農林中金の二億何千万円という金を貸したことにして、一億何千万の抵当をとって、そして何か話し合いが善意に解決がついたような形にして、そのしわ寄せが農林中金の方にきているからわれわれはけしからぬということであって、それが楠見個人の金であるならば、われわれは何も問題にしません。あなたは先ほど政府の金じゃないとおっしゃったが、政府の金ですよ。われわれ国民の金ですよ。何に使おうと、何をしようと、農林中金が政府から突っ放されて、農林中金の運営ができますか。できやしないでしょう。ところが百万の金といえども、一千万円の金といえども、これは何がしかの税金をとって、税金の金は農林中金へ行くという、こういうひもはついていません。しかしながら、農林中金は、国家の資金的性格を持たないとして、その否定をされること自体、これはおそらく私たちはまじめには聞いておられない。あなたたちに来てもらっても、こういう肝心かなめなことになると、それはわからぬと逃げられるようでは、せっかくおいでいただいけれども、委員長、来たって何にもなりゃしませんね。 それも仕方ありませんから、私は聞きますけれども、農林中金はあれですね、昭和二十六年と、昭和二十八年と、昭和三十年の三回にわたりまして、四千六百七十万と、それから四千万と、一億と、約二億のなにが抵当に設定してありますね。それは最初からとる気でなかったと私は思うのですが、最初からとるという気持があれば、高橋何がしのトラブルは起らなかったはずなんですね。弁護士が中に介在をして二百万円恐喝される、それから一千七百万も運動資金に使うという、そんなぶざまな、なにはなかったと思う。しかしながら、こういう抵当権を設定して、財産が三億円くらいあるんだそうですね。ところが農林中金で抵当権を設定しておりますのが七番からでしょう。たぶん七番からでしょう。三億の財産があっても、十億の抵当をだれかにつけて、七番抵当をとりまして、五番抵当——十億なり、二十億の抵当をとっても、抵当権というのは順位ですからね。それは債務の分配の、配当の、加入している順位で配当を受けるのですから、ですから七番にしか入っていないんでしょう。最初からおそらくとれないでしょう。どうです、何位から入っていますか。大体四千六百万、四千万、一億という抵当権をとっておりますが、あれは何位からとっておりますか。
○参考人(楠見義男君) 最初に島さんからお話ございまして、それにそのままお答えいたしたように、私は知ったかぶりしてお答えをしているのでなしに、就任前の事柄であるけれども、しかしその後調べて、知っている範囲のことをお答え申し上げたいということをお断わりしておりますから、その点はそういうふうに御了承いただきたいと思います。 それから、ただいま担保の問題でございますが、農林中金としては、第一の、金庫が貸し出しております金はおっしゃるように数回にわたって出しておりますが、最初の順位は第五番目でございます。第一順位から第四順位までを申し上げますと、大体三千万円くらいでございます。それからその次に農林中央金庫がございます。それから公庫、それから農林中央金庫ということになっております。
○島清君 農林漁業金融公庫の方も、今、私が申しておりまするように、三千五百万円の融資をなさいましたですね、融資をする資格があるというので。その融資をする資格があるということの前提には、あなたもお聞き下さったように、あなたたちをだますために、全購連と中金は、それは全部でないかもしれませんが、関係者の方々がからくりをいたしまして、ちゃんと融資が受けられるように仕組まれて、それで三千五百万円御融資になったわけなんですが、そういうそのからくりを、何かしら私たちからいたしますると、承知をされて、一切承知をされて、そして何か融資をされたように感ずるのですが、もちろん私が承知しておられたかどうかということについては、その点はからくりは知らなかったとおっしゃるに違いありません。十分に調査すべきは十分に調査をして、そうして万全を期して御融資になられたのでございますか。その点について……。
○参考人(山添利作君) この融資の申請がございましたのは、二十八年の七月四日でございました。公庫が決定いたしましたのは、同年の十月十日でございます。で、この審査に労りました当時のわれわれの見解を申し上げますと、第一、これは全購連が東北方面等にゴム製品を供給するために仕事を拡張したい、こういう点でございます。そこで、まあわれわれの方から見ますと、これはいわゆる全購連が、株を九割以上——九三%でございましたか、持っております。実質的には自己生産に類するようなものでありまして、本来そういう趣旨といたしましては、これは当然公庫が融資をする対象の事業と考えているわけであります。ところが問題は当時二点でございました。一つは、ゴム製品の業界の状況が必ずしもいい時期ではなかった。すなわち、設備は相当過剰ぎみにございまするし、製品も安いのが出る、こういうような事情もありまして、従ってゴム製品そのものの事業そのものとしてどうであるか、こういう問題点が一つであります。第二点は、非常に日本農工は赤字をかかえており、かつ借金が多い、約一億ばかりも借金を持っている、これがどういうことになるか、こういう点であります。 そこで私どもといたしましては、特にこのために、担当理事のほかに、理事一名及び監事さんも加わってもらいまして、小委員会と申しますか、特別に研究をいたしてもらったのであります。その結論といたしましては、ともかく全購連が製品を上手に引き受けるわけでありまするから、この過去の借金を別にいたしますれば、ゴム製品製造業そのものについては、これは、さしたる不安がないと、こういう点でございます。それから融資をいたしますることによりまして——これは設備融資でございます、能力を拡張し、合理化をする、そこで製品のコストも安くなる、それもけっこうである、こういう点でございます。しかし、何分そういうわけで、過去の多額に上っている借金をたな上げと申しますか、しばらく別にしますれば、これはゴム製品製造事業そのものとしては将来成り立っていくであろう。しかしながら、借金につきましては、これが十月になっているのでは、これは公庫に対する将来の償還にも差しつかえますから、これはまあ俗に申しますと、たな上げと申しましょうか、ともかく市況が好転するに従って、機中その他の方で回収してもらう、公庫の償還金についてはこれは優先的にしてもらう、こういう条件をつけたわけでありまして、それから最後になりますれば、結局物的抵当の問題であります。それにつきましては公庫の順位は第六順位になっております。これは先ほど楠見理事長から申されましたように、第一、第二、第三、第四まででございましたか、その合計は三千万円でありました。従って公庫を第五位に持っていけば、これは十分担保価値があるわけであります。とりあえずこれは第六の順位でつけておきますけれども、万一将来、抵当権を実行しなければならぬというようなことが起れば、これは公庫の方を農中よりも優先してもらう、こういうやはり約束をいたしたのでありまして、いずれにしましても、これは全購連の仕事としてやっていきたい、それ自体はうまくいく見込みもある、過去の借金については、これは公庫の貸付金に支障のないように、何と言いますか、状況を見てやってもらう、担保はそういうふうな順位で取る、まあこういう結論で融資をいたしましたわけであります。 さて、今申されましたように、実際全購連が九割の株式を持っておったかどうか、あるいは実際払い込みをしなかったのじゃないか、さような点につきましては、なんら私どもといたしましては疑念を持っておったわけではございません。 ただし、後になっていろいろ争いが起りまして、どうもそういういろいろのことが、まああるかのごとく、と言いますか、争いがあるのでありますけれども、(笑声)まあそれはどうも後の問題でありまして、これはまあ私どもからどうこうということではございません。私どもの立場といたしましては、当時これは正しいものであると、かように考えておるわけであります。
○島清君 万全のまあ調査をされて、全購連でございまするので、かなりだれでも、のれんを見れば信用すると思うのです。そこで、しかしながらまあ準官庁的な仕事をやっておられまするので、大事の上にもさらに大事をおとりになっていただいたと思いますが、万全を尽して調査をしたということについては、全購連の方に書類で、果してあなたの方の九三%の株を所有するあなたのところの関係の会社であるかどうかというようなことを、書類等において照会をされた、そしてそういうことを証明されるような書類が残っておりましょうかということが一点と、さらに第二点は、第六順位におつけになりました抵当権が、中金さんとお話しになりまして、それに優先するという約束をされたと、こういうことでございますが、それも今楠見さんあたりの御答弁を承わっておりますというと、それは知らないのだ、それは個人がやったのだということなんですが、確かに農林中金とそういうふうな約束をされたのだというようなことの御証明が願えるような書類か何かございますのでしょうか。この二点について……。
○参考人(山添利作君) その全購連の株式を確認するような照会等はいたしていないと思います。それから抵当権のことについては、これは文書で取りかわしてございます。文書がございます。
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) それじゃ速記を起して。
○大竹平八郎君 私は先ほど関連質問として、相馬委員から楠見農林中央金庫理事長にお尋ねの中に、非常にわれわれ国会議員として解せない点を、これはあえてあなたの答弁をわずらわす必要はございませんけれども、かりに中央金庫が政府の補助金を何十億持っておられるか、これは別にいたしましても、とにかく相馬委員の発言の中に、中央金庫そのものはこれはもうわれわれはかりに商工委員の立場でいえば中小企業金融公庫とかたくさんあるわけです。われわれは非常に常に厳重に何といいますか、成り行きについては大きな関心を持っております。こと百万円の問題でもわれわれは国家の金、広義の意味において、そういう点において非常にふだん関心を持ち、注意をしておるのです。さっきあなたの相馬委員からの質問の中に、政府に御迷惑をかけない云々というような意味があった、これははなはだ私は不穏当な言葉だと思うのです。ことにあなたは長く役所に関係をしておられる御経歴を持っておられるので、私はあの御答弁は非常に遺憾である。このことだけ私は一言申します。
○参考人(楠見義男君) それは誤解のないようにはっきり申し上げておきたいと思います。先ほど相馬委員の御質問で、その負債を政府資金で肩がわりした、こういうような御質問がございました。それは政府資金ではございません。私どもが金融関係で政府資金ということを申します場合には、たとえば一般会計からの金とか、あるいは財政投融資の方の金とか、そういうものを、政府資金と称しておるものですから、だから政府資金で肩がわりしたというふうにお聞きになりましたから、それは政府資金ではございませんと、こういうふうに申し上げたのでございます。その点は誤解のないように申し上げておきます。(「それはいずれ速記録を調べるから」と呼ぶ者あり)
○相馬助治君 その点は保留しておきます、速記録に明らかですから。そう言わないのだ、あなたは、政府に御迷惑をかけない、こういうように言い切ったのだから。
○島清君 今楠見さんはいろいろと抵当権の設定の問題についてお触れになりましたのですが、お答えいただいたのでありまするが、いかがでございましょうか。抵当権というようなものは、やはり順位でその債権の分配を受けますので、そこで、農林中金、せっかく五位に入れた抵当権を農林漁業金融公庫の方に順位をお譲りになっておられる、そういうことについても、やはりこの今まで私たちが指摘をいたしておりまする全社と農林中金との関係は、ただならぬ関係であるということがうなずけるわけなんでございますが、率直に今のお感じはいかがでございましょうかということと、法律的に見ても私は順位を譲るということについては、これは民法だからいいようなものですが、これは相当問題があると思うのです。さらにそれと五とそれから七と八が入っているわけなんですね。設定されているわけですが、これは設定をされましてからもう三年ですか、足かけ四年になるわけですね。それまでになぜ法律行為をされて、それでこれを早く穴のあいているものを埋るようにされなかったかということ、そこに私たちは疑惑を持っているわけです。その点と、それをしないところに何が、先ほど農林大臣は、二億近くの金は仕方がなくて、農林中金の方が背負うことになったんだということを勇敢にそういう話を発表されたのですが、お答えになったのですが、私はそういう答弁では満足するものではございません。そこで今まで放任して、放任というわけでもないでしょうが、放任されるような形で、法律行為をおとりにならなかった、その点についても相馬委員や、また今大竹委員が御指摘になりましたように、あなたたちの考えの中には、これは国民の税金でも何でもない、農林中金の金だという、市中銀行の人と似たような考え方があったのではないか、こういうふうに思うんです。話し合いをすれば、農林中金は国の金たからどうにでもなるのだという考え方がひそんでおったんじゃないかということを、私たちは感ずるわけなんですが、その点について十分に一つ御答弁をいただきたいと思います。
○参考人(楠見義男君) 農林中央金庫の金は、農林漁業金融公庫のような財政資金ではございませんけれども、しかし先ほど来お話がございましたように、政府出資もございます。それから預金は系統機関を通じまして、農民漁民の金でございますから、従ってかりにいかなる事態が生じましても、できるだけ被害を最小限度にとどめる、被害を生じないように努力することは、これはもちろんでございますが、かりにそういう事態が生じましても、できるだけその被害を最小限度にとどむべきであるということは常に考えております。従って、そういうつもりでお話があったのではないと思いますけれども、軽々しく処置をしようなんというようなことは考えておりません。このことは従来からもいろいろ当事者がかねて考えていることでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。 それからせっかく抵当権を設定しておったにかかわらず、なぜ今日までこれが実行されなかったか、こういう問題でございますが、この点についてはもう一年半ほど前に、二年ほど前になりましょうか、この抵当権設定に関連して、先ほども島さんからお話がございましたが、高橋さんの方で何か大きな誤解があったのではないかと思いますが、せっかく唯一の財産を金庫が抵当権を設定して、そうしてこれを乗っ取るということを考えているのじゃないかというようなふうにお考えになりまして、そのことがいろいろ紛争の原因となりまして、その間弁護士の方々がいろいろ中に入り、訴訟上の問題がずいぶん繰り返されて、十数回訴訟提起あるいは反訴というようないわゆるエンドレスな訴訟手続が続けられて参りました。その前にできるだけ平和的にお互いよく話し合いをしてやろうじゃないかということでございましたが、今申しますような誤解からいたしまして、訴訟上のエンドレスな手続きが今日まで続いて参った。その間かりに抵当権を強制的に実行に移そうということになりました場合には、それで果して有利に抵当物権が処分できるかどうかということを一面顧慮しておったようでございまして、そういうことから事件の解決がずいぶん長引いて参って、最近になりまして、ようやくその方のことも終結に近づいて参りました。こういうために今御質問のように長い間抵当権を持っておりながら、実行しなかったのはなぜかというお尋ねでございますが、一応ごもっともな御質問でございますけれども、事実はそういうことで延び延びになっておった、これが実情でございます。
○島清君 乗っ取られるのじゃないかというので、高橋さんもそういう感じを持ったというところに非常にニュアンスがあるのですが、高橋さんは社長です。農水の社長であり、農工の社長です。その社長が抵当権の設定をされて、乗っ取ろう、乗っとられまいもないじゃないですか。借りた金は返すのが当りまえです。借りてないから乗っ取られるのじゃないかというて、高橋さんの方に言い分があるわけでございましょう。借りておれば、何も中金の方はそういうことはただ債権証書だけじゃないのですから、そのためにいざという場合に、そういうトラブルが起ったときには、いつでもこれは債権が確保できるということは、これはいわゆる抵当権の設定です。高橋さんがどういうふうに、乗っ取られるのじゃないかということがあろうとも、やはりこれは公金をお扱いになりますあなたたちとしては、当然にこれは法律的に私は実行さるべきだと思います。そこで私たちは要するに、乗っ取られるのじゃないかというて高橋さんが感ずるという、それは話が違うじゃないか、実はしかじか、かようかようであるといって、あなたたちが話し合って、あなたたちの方から、農林中金の方から、あるいは全購連の方から、重役を送って、私たちの知らない間にあなたの方が勝手にやったから文書の偽造だ、わしは知らない、それは事実に反するのだ、不実の記載だといって、抗弁の材料ができて、そうして争いになったわけでしょう。今あなたたちがずっと前から説明しておられるようなことで、高橋さんが社長として責任の立場にあって、十分納得づくでやったとすれば、乗っ取ったということはないはずでございましょうから、そういうことはどういうことですか。
○参考人(楠見義男君) これは個人的な問題になるのですが、速記をとめていただければどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(高野一夫君) 事件の核心に触れた御質問なら、速記をつけた方がむしろよくはないかと思いますけれども……。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高野一夫君) 速記を始めて。
○参考人(楠見義男君) 島さんのお尋ねでございますが、先ほどからあの建物についての高橋さんのお気持は、確かにそういう個人的なお気持はお持ちになっておったかとも思いますけれども、しかし形式的にはあの建物は日本農工の所有物になっております。そこで、日本農工が一億の借金といいますか、一億円ではない——借金をいたします場合に、その日本農工の所有物を抵当に入れたということでありましたら、その間に法律的には何ら問題はないわけであります。しかし、個人的のお気持、特にそれが先ほどもお話がございましたが、持参金として持ってきた建物であるというような個人的なお気持から、抵当権の実行によって、その所有権が失うことになりますということについて、非常に惜しがられたと申しますか、執着をお持ちになっておって、そのことからあるいは乗っ取られたとかというようなお気持をお持ちになったのではないかと、こういうふうに私は存ずるわけでございます。
○島清君 私はもうこれ以上は楠見さんにお尋ねいたしませんけれども、考えて見ても、私は小学校の子供でもわかると思うのです。なるほど高橋さんは農水の社長であっても、それは五百万円の株式会社の社長なんです。しかも、もとは農林省の畜産課長をやった方で、まるまる自分が責任を負おうとしても、五百万円責任を負えばそれでよろしいわけなんですね、会社で法人ですから。しかも、その五千万円を借りたというので、その穴埋めとして、いわゆるおっしゃったように当時は五百万円です。しかし、それは高橋さんの所有なんです。しかも、これは今は時価三億円だといわれておる。これを高橋さんが何らの保証もなくて全財産を担保に入れておられるというところに、われわれの常識では考えられない点がある。そうでしょう。そこであなたがおっしゃるように、その高橋さんの五百万円の農工の会社を、そこで何か話し合いをして、あるいは高橋さんにインチキをして、場合によると刑事問題になるようなことがあったのかもしれませんけれども、自分の財産にありもしないような抵当権を設定をして、金を借りましたといって農中金の方に借用証書を入れて、その借用証書に基いて農中金の方の財産の部に入れて、さらに浮き貸しをした、浮き貸しでは語弊があるかもしれませんが、第一銀行と第一信託銀行の方の金の方の保証をそれで差っ引いて、それで赤字もなければ何もないというようにごまかして、それがさらにその会社を利用して、今私が念書を読み上げたように、高橋さんが知らない間に農中金の方から送り込みましたところが送り込んだ元の理事の山下何がしという方が農工から出ておられた幹部の諸君と相談されて、さらに高橋さんの知らない間にいろいろ抵当権を設定したり何かしているうちに……、自分でもうけた財産じゃない。聞くところによると、よそから持ってきた財産、それが知らない間に抵当権の設定をされて、法律の面ではどうにもならない。しかしながら、事実はそれと違うのです。私は高橋さんのおっしゃられんとするところの事実にこそ真実があるような気がするのです。そこでこの形式と真実と違うような形にして、そこであとでどうするかということになったときに、農中金の方でしりぬぐいすればいいじゃないかということで、大臣は仕方がない、二億近くの金は農中金の方で穴埋めしなければならないというて、ここで御答弁しなければならないという事態に、結論をそこへ持ってきたというところに、お聞きしなければならないという問題の要点がある。そうでしょう。だから高橋さんも承知するはずがないわけです。もしこの抵当権が法律的に実行されるとすると、高橋さんも最後までお争いになるのではないかと思う。そこで荒立ててはいけないので、高橋さんの方の弁護士の方に、農中金の方はやらなくてもいいような二百万円をお渡しになって、そこであとで検察庁の知るところになりまして、その弁護士さんがまた取らなくてもいい二百万円をお取りになりまして、そうして小菅なんかにいらっしゃいまして、そこで国家のお世話になるというようなことだと思うのです。だからそこらのことがどうも御説明では理解できない。納得がいかないので、私はもうこれ以上参考人の三者には御質問はこれで打ち切ります。あとでまた農林省関係にお尋ねしたいと思いますが……。
○参考人(楠見義男君) 先ほど申し上げましたように、債務は日本農工の債務であり、その建物は日本農工の所有建物でございます。個人的にいろいろの感情はお持ちになっておられましても、法律的にまた表見的に申し上げてそれは間違いないわけでございます。そこでその日本農工の債権に対して日本農工の所有物である建物、土地が抵当権に入ったと、こういうふうに私どもは考えております。 それからおそらく高橋さんは、今ちょっとお触れになりましたけれども、その抵当権を設定する際にいろいろの関係がございまして、この点実は先ほどそういう意味で速記録のことを申し上げたわけでございますので、それは省略いたしますけれども、いろいろ御事情がございまして、当時代表取締役の職から離れておられたわけでございます。しかし会社にはれっきとして代表取締役もおり、そのほかの執行陣もおったわけであり、しかも先ほど申し上げましたように、日本農工の債務に対する抵当権ということになったわけでございますから、この点は私は個人的の感情は別にいたしまして、やむを得ないところではなかったかと、こういうふうに了解いたしております。
○島清君 金は取れるのですか。楠見さん、金は取れるのですか。貸した金は取れるのですか、農中金には。
○参考人(楠見義男君) そこでその処理につきましては、大体その建物を代物弁済を受けまして、そうしてできるだけこちらの被害を少くいたし、処理したい、かように考えております。
○委員長(高野一夫君) ほかに御発言もなければ、参考人の方々に対する質疑はこれをもって打ち切りまして、本問題の処理の仕方につきましては、委員長、理事打合会に御一任を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めますので、さように決定いたしました。 参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げますが、本日はまことに御苦労様でございました。私静かに委員側の質問並びに参考人の方々の御答弁、御説明を伺っておりまするというと、質問の核心に触れないと考えられるような点が二、三あるやに強く印象を受けたのであります。これはおそらく拝察するところ、本日の当委員会においてどういうことが問題になって、どういう質問が行われるかということについての御理解がなくて、御調査、御準備が不十分であったせいではなかろうかと考えます。そこであまりいろいろ最高の立場にあられる方がこまかいことを御存じないことも十分あるわけでございますが、知らぬ存ぜぬでは通らないような決算委員会の性格でございますので、十分これから本日の委員の質問の意のあるところを御研究賜わりまして十分御準備、御調査おきを願いたいと思います。そのまた結果いかんによりましては、あるいは委員長、理事打合会の結果いかんによりましては、本問題がどういうふうに発展するやもはかられないような危険性も感じまするので、今後とにかかわらず、そういうふうになるおそれもあるかもわかりませんので、さようなことのないように、十分御準備おきを賜わりたいと思います。本日はまことに御苦労さまでございました。
○相澤重明君 議事進行。暫時休憩をして、そうしてあとの水産庁等の問題もありまするから、それらの質疑に入りたいと思います。今の点がありますから……。
○委員長(高野一夫君) このまま約五分間休憩いたしたいと思います。 午後三時二十七分休憩 —————・————— 午後三時三十四分開会
○委員長(高野一夫君) 再開いたします。 水産庁関係の資料につきまして、まず水産庁長官から説明を求めます。
○政府委員(奥原日出男君) 水産庁所属の漁業調査、取締船の油の購入の問題に関連いたしまして、ただいま水産庁関係におきまして七名、大臣官房の経理厚生課から一名、検察当局に取調べを受けておるのでありまして、その起訴の年月日、及び目下保釈が済んでおるかどうかということにつきましては、第二枚目の表でごらんをいただきたいと存ずるのであります。水産庁関係の調査、取締船は、第四枚目の表でごらんをいただきますれば、本庁の管理いたしておりまする調査、取締船といたしまして五隻、水産研究所の管理いたしておりまする調査船といたしまして十二隻、及び水産講習所の管理いたしておりまする練習船が一隻、合せまして十八隻あるのでございます。しかし、水産庁の業務を執行いたして参りますためには、この官船だけでは不十分でございまするので、民間の船をふだんに用船をいたしまして、そして漁業の取締り及び調査に当っておるのでございまして、三十一年度について申し上げますれば、その隻数が四十隻に相なっておるのであります。一番最後の表でごらんをいただきまずれば、大体どういう港でこれらの船の油を購入するかと、こういう納入の予定地を並べておるのでありますが、北海道から九州にまたがりまして、非常にたくさんの港で油を購入いたしておるのであります。 そこで、油の購入に関しまする事務は、支出官は大臣官房の経理厚生課長が当っておるのでありまして、水産庁から購入計画を四半期ごとに提出いたしまして、そして、それに基きまして、大臣官房の経理厚生課におきまして購入契約を締結いたしまして、そして油の納入がありますれば、その納入数量を所属の船長が機関長あたりの補佐を受けながら、これを検収をいたしまして報告をいたして参ります。その報告に基きまして代金を支払いをする、こういうふうな事務の取り運びに相なっておるのでございます。 ところで、この油の購入に関しましては、従来随意契約をもって東洋石油株式会社より一括購入をいたして参ったのでございますが、随意契約によってこれを処理いたして参りました理由は、先ほど申し上げましたように、全国多数の港において随時購入をしていくということのために、各地に燃油のタンクを持っておる会社またはその代理人との間に契約をする必要があるということが一つと、それからもう一つは、先ほども申し上げましたように、年間四十隻以上の民間の船を雇い入れるのでありまして、その際に、用船契約を解除いたしまする際に、残存いたしておりまする油があるのでありますが、これをその解除いたしまする港のタンクに入れておきまして、次の用船にさらにその油を提供させると、こういうことをいたす必要が出て参るのでありまして、そういうような関係からも随意契約として従来この仕事を処理して参ったのでございます。で、今に至ってわれわれ非常に反省をいたすのでございますが、そういう仕組みでやっておりました間隙に乗じまして、報告書の作成者でありまする船員及び事務の処理関係者と、納入業者でありまする石油会社との間におきまして、安易な接触関係がそこに流れ、そして今回のような不詳事件を起したことを非常に残念に存ずる次第であります。 事件の内容は、われわれも検察当局からごく非公式に話を伺う程度でありまして、今の段階においては十分つまびらかにし得ないのでございますが、この実盛岩治につきましては、昭和三十年の四月から三十二年の八月あたりにかけまして、前後五回にわたりまして、二十二万円見当の収賄をいたしております。それから若田通雄も昭和三十年の一月から三十二年七月にかけまして、前後三回八万五千円見当の収賄をいたしております。船長でありまする駒野鎌吉につきましては、昭和三十年の三月から三十一年の四月にかけまして、前後四回四十五万円の収賄をいたしておるのでございます。また同じく船長の原田勝美は昭和三十一年の二月から二十二年の十月にかけまして、前後五回九十万円の収賄をいたしておるのでございます。また益山及び矢野、この二人の機関長及び機関士に関しましては、昭和三十年の九月から三十二年の九月にかけまして、前後五回共謀し、または矢野が単独で百十万円ばかりの検収の際におきまする過大報告をいたして、その点が詐欺罪に問われておりまする次第でございます。平坂光男につきましては、三十二年の九月と十月と二回にわたる三十万円の収賄の容疑に相なっておるのでございます。大西松蔵につきましては、ちょっと私今つまびらかにいたしておらないのでありますが、また後ほど説明をしていただくといたしまして、まあ以上のような容疑で目下それぞれ起訴され、なお四名は勾留中でございます。 かくのごとき事案が水産庁部内において発生いたしましたことに対しまして、われわれ一同まことに申しわけない次第であると存じまして、今後かくのごとき事態が起らざるように、ぜひとも是正いたして参りたい、かように考えておるのでございます。事案の発生とともに起訴になっていました職員につきましては、休職発令をし、また関係業者の出入りを直ちに禁止いたしておるのでございます。 今後の是正策といたしましては、ただいま申し上げましたように、今日随意契約でやっておりますのは、いろいろ随意契約でやることを便利かつ必要とする事情があってのことであるのではございますけれども、なお今後の弊害を防止いたしまするために、指名による入札制というものを実現する方角でぜひとも検討いたして参りたい。また納入業者よりの納品及びこれの検収というものにつきましても、確認事務をチェックいたしまする組織を確立して、かくのごとき誤まりが二度と起らないように注意いたして参らなければならないと、かように考えておる次第でございます。 なお先ほど申し落しました大西松蔵の事案に関しましては、三十一年八月から三十二年三月、二回にわたりまして、三十余万円の収賄をいたしております容疑でございます。以上。
○委員長(高野一夫君) 次に吉田会計検査院参事官の逮捕に関しまして、会計検査院の方の説明を求めます。加藤検査院長。
○会計検査院長(加藤進君) 御説明申し上げます。吉田参事官は昨年十二月二十五日警視庁に、前職の農林省検査第一課長の在任中のことでございますが、その収賄容疑で逮捕されまして、本年一月十四日東京地方検察庁から起訴されました。起訴の内容は、三十年十一月に水産庁の係員に対しまして、三十年九月実地検査の際発見指摘をしました同庁所属船舶の重油類の調達に関する会計法上の不当事項を不問に付するから、そのかわり自己著作にかかる「災害復旧じつわ」千部を購入するよう要求し、九百部を買わせ、その代金は二十八万八千円でありますが、その販売利益を受領したということになっております。さらに三十三年一月三十一日追起訴されましたが、その内容は、吉田参事官が水産庁に対しまして、会計法上の不当事項を不問に付するかわり、自己の著作を印刷発行させております輿石何がしから、事務用紙類三百万円を購入するよう要求しまして、同庁においては、直ちに必要としなかった用紙二百八十九万五千円を買わせて、輿石にわいろを強要させたというのでございます。いずれ事の黒白は公判の結果明らかになると存じますが、本院職員がこのようなことで起訴になったことは、まことに申しわけないと存じておる次第でございます。 吉田参事官につきましては、一月十四日起訴と同時に公務員法第七十九条の定めるところに従って休職といたしました。また直接の監督責任者である第四局長中川に対しましては、部下監督不行き届きの件で訓戒処分にしております。 なお本件について申し上げますと、吉田参事官が課長時代、主任官といたしまして施行した会計実地検査の際発見摘発しました事項につきましては、本院で調査しました結果によりましても、それぞれ正式に照会を発し、問答をとり、農林次官あてに注意書を発行しておる次第でございます。発見指摘しました会計法上の不当事項と申しますのは、水産庁所属の船舶の重油類に関しまして、これが当時形式的には指名競争契約のようであるが、実際は随意契約であるという点、また現物が同時に納入されていないのにその全量が納入されたとして代金を支払った点、前金払いになっておるのではないかという点、いずれも法令に違反する疑いがあるように思う。そういうことで三十年十月農林省に対し照会を発したのでございますが、その後の経過につきましては、ただいま申し上げた通りでございます。
○委員長(高野一夫君) 本件に関して御質疑のある方は順次御発言を願います。
○松岡平市君 事案はただいま刑事事件として進行中のものであります。従って私は、その結論が出ないうちにかれこれ申し上げても、政府御当局も答弁にお困りになることもあろうかと思いますので、ごく簡単に農林省並びに会計検査院の報告についてお伺いいたします。 まず水産庁長官にお尋ねしますが、ここへお出しになった書類では、一体こういう事件で農林省がどれだけ被害をこうむったかということは何ら明らかにされておらぬ、ここは決算委員会でございます。われわれは何も事件に、ほかに興味を持ってやっているわけではない。まず第一は、官吏のこうした不祥事件ということについて、これは再度起らぬように政府に注意をするということが一つの目的、並びに決算委員会として、こういうことのために国が被害をこうむったという、それをどういう被害をこうむったかということを明らかにしなければならない責務のある委員会である。被害に対しては何ら触れていらっしゃらない。ただいまの御報告を聞きますと、これら数名の職員が収賄もしくは詐欺によって利得した金額は三百数十万円、これだけのものをともかく提供した人間がおるわけです。商人が提供したに違いないと思うのですが、三百数十万円、今言われただけでも贈賄もしくは付掛というようなことで商人が出しておるわけです。もっとも百十万円かは商人の手を通じているのかどうか知りませんが、従って不当なる支払いというものは相当多額にあったに違いないと私は思う。これが一向明らかにされておらない。裁判所の判決等を待つまでもなく、これは農林省、水産庁自体として、どれだけのこれらの連中によって被害をこうむったかということは、十分お調べになっていらっしゃると思う。それを御報告にならないことは、はなはだ遺憾であります。お手元にわかっておると思うから、その点を明らかにしていただきたい。
○政府委員(奥原日出男君) ただいま御説明申し上げました収賄罪に該当いたしまする者につきましては、この東洋石油会社がいずれも贈賄をいたしたのでございます。その収賄いたしましたことによりまして、国に対して損を来たすような不当行為があったかどうか、こういうことに関しましては、実はまだ取調べ中でございまして、まだわれわれといたしましても、その内容を正確につかみ得ない状況にあるのであります。矢野、益山両名の詐欺罪、これは検収いたしました油の量を、実際の検収量よりも不当に高く報告をいたしまして、そして東洋石油会社に対してその差額を取得させたのでありまして、これは明らかに国損を来たしたのであります。その全体の額は百十余万円というふうにわれわれも承知をいたしておるのであります。
○松岡平市君 どれだけ業者から損害を与えられたか、すなわち業者に支払わぬでもいいものを支払ったかどうかということは、百十余万円のほかにはわからぬと、これはまことにどうも残念です。少くともこういう事件が起きて、今の百十万円を除いても二百二十五万円、二百三十万円近い収賄を片方はやっているのです、あなたの部下が。で、贈賄した者は何のために贈賄をしたか。不当なる利得を得るため以外に贈賄しなかったろうと私は思うのです。従って正確な数字は別にしても、大体払わぬでもいいものをこのくらいは払っているというぐらいな調査は、これは当然、新聞等にもずいぶん騒がれているのですから、水産庁としてもこれは正確にはわからぬが、大体こういうところにこういう方法で不当に支払われたというぐらいなことは、私はもうこの段階で御答弁があってしかるべきだと思うのですけれども、正確にわからぬとおっしゃればやむを得ない。 しからばお尋ねするが、重油は一年間にどれだけ買っておられるか、数量、金額を、少くとも今までわかっているものを年度別にお知らせ願いたい。
○政府委員(奥原日出男君) 水産庁で購入いたしておりまする重油の量は約八千キロリットル見当かと思うのでありまして、その代価が一億一千万円ないし二千万円見当かと、かように存じます。まあ、正確な数字をもう一度申し上げますれば、昭和三十一年におきまして六千九百キロリットル、その価格が七千五百四十一万円、これは本省分でございます。昭和三十年におきまして六千八百二十二キロリットル、その価格が九千七百九十八万円、昭和二十九年におきまして七千二百九十三キロリットル、その価格が九千七百四十万円でございます。なおこのほかに水産研究所及び水産講習所の購入量があるのでございますが、今正確な数字を手元に持っておりませんが、大体両方を合せまして千キロリットル、価格にいたしまして千五、六百万円、そういう見当かと存じております。
○松岡平市君 資料に出していらっしゃる船もたくさんあるわけでございます。この船がどれだけ、何日間、何時間就航をしたか。一そうの船がどれだけの重油をどれだけ走るために必要かというようなことは、これはこまかく水産庁でわかっていると思う。今お聞きすると、二年間あるいは三年間にわたって少しずつではあるだろうが、まあ私たちの見るところでは、不当な付掛をしたとか、何か業者に利得を得させる道を講じたに違いないと考えられる。新聞紙の報ずるところでは、あなたのおっしゃるよりももっと詳細な報道をしております。しかし新聞紙の報道をここで材料にしてあなたにお尋ねすることは私はいたしませんが、新聞社も全然根拠のないことを報道しているとも思えない。今水産庁では、この船で重油を使うのは幾ら使ったのが正しいか、それだけ使うのは少し多過ぎるとか何とかという検査は、一切今まではなさらないという組織になっておりますか。それともこれは、船で重油を使っているのはこの程度は妥当であるというようなことは、どこかでだれかが、船長あるいは機関長のほかに全体的な考察を加えるような機構になっておりますか。その点をお聞かせ願いたい。
○政府委員(奥原日出男君) 水産庁の予算の上におきましては、大体一馬力当り一時間〇・二三リットル、こういう計算で各船が年間二百十日操業をする、こういう予定で予算を組んでおるのでございます。そこで現実の操業の状況の掌握に関しましては、重油の消費月報を毎月とっておるのでありまして、これによりまして、各船の毎月の運航の状況等、それから油の消費の量というものをとにかく掌握をいたしておるのでございます。
○松岡平市君 そうするというと、そういうふうにちゃんと一応どういうふうに使ったかということは把握していらっしゃる。それでこういう事件が起きた。ところがそのうちで百十余万円という矢野並びに益山の共謀した代金のつけ加え、代金の付掛というものは、これはもう数字が出ているが、そのほかではこれだけの収賄はしているけれども、別に、不当に付掛をしておるとか、あるいは業者に何らかの方法で利得をさせるようなことをこの被疑君たちがやった形跡はないと、こういうふうにお考えになっていらっしゃるかどうか。先ほど来どういうふうになったかまだわからぬということですが、片っ方にそういう一応把握する資料もお持ちのようでございますから、水産庁の現在までのお調べでは、収賄はしておるが、別に業者に利得さしたという事実は、ただいまおっしゃった百十余万円以外にはないというお見込みであるかどうか。その点をお聞かせ願いたい。
○政府委員(奥原日出男君) 実は船の関係で収賄をいたしております者に関しましては、おそらくその収賄に伴いまして、重油の購入等に若干の不正行為があったということは、これはもう当然想像しなければならないことであるのでございます。ただしかしながら、現状におきましては、検察当局で御調査中であり、これに関しまする書類等も全部押収されておりまする状況でございまするので、まだわれわれといたしましても、検察当局の調査の進行に伴って、書類等返していただきました上において、さらにわれわれとしての行政上の見地に立ちました調査をいたしたい、かように考えております。
○松岡平市君 書類がないから調査ができないとおっしゃればそれでけっこうでございます。いずれ書類等について十分調査せられて、その結果を適当な機会に御報告を願いたいと思います。 事案に対する処置として、「本件関係業者の出入りを直ちに禁止した。」、こういう御報告になっておりますが、それはとりもなおさず、今まで随意契約をしておった相手方との契約を取り消した、こういう意味でございますか。それとも関係業者というものは、あなたの方で重油の売買についての随意契約をされた相手方の使用人とか、何か特別な個人を指すのでございますか。その点を伺いたい。
○政府委員(奥原日出男君) ここで意味しておりますのは、東洋石油との契約を一切とめた、こういう意味でございます。なお会社の関係の個人が、実際上役所に出入りをさせないというふうに職員一同気を配っておりますことは申し上げるまでもございません。
○松岡平市君 そうしますと、従来のこれは東洋石油販売株式会社ですか、これから一括購入しておられたのを、これは契約をやめたのである、そういう御答弁のようでございますが、そのあとはどういう購入方法で重油のこれらの使用をさしていらっしゃるか、それをお聞きしたい。
○政府委員(丸山幸一君) 東洋石油販売株式会社を直ちにやめましたのでございますが、現在やっておりますのは、出光興産株式会社と契約をいたしまして、四半期別に、三カ月程度の予定表を作りまして、四半期別に契約をいたしておるわけでございます。出光興産とやりましたのは、実は出光興産の組織網が全国に相当広がっておる、拡充いたしておりまして、そのほかの大手筋にも当っておるわけでございますが、引き受けましょう、船は随時随所から出まして、しかも出るときに積み込みまして、帰ったときに吸い取るわけでございまして、そういう組織網を持って円滑に給油できるかどうかという点を当っておるわけでございまして、現在のところ出光が引き受けましょう、こういうようなことで随意契約をいたしましておるわけでございますが、将来昭和三十三年度以降におきましては、能力、資格要件等、各会社を検討いたしまして、でき得るなら能力のあるものによる指名入札にいたしたいと存じておる次第でございます。
○松岡平市君 ここへあげておられる資料によっても、船に油を積み込む、あるいは残存の油を吸い上げというような特別なこともありますから、どういうふうにすれば工合よく重油の給油その他ができるかということについては、これはめんどうなことだと思うのでありまして、今こうした方がいいとか、こうしなければいけないとかいうような意見をわれわれは、少くとも私は申し上げる資格がございません。しかしながら、そういう業者は今の御説明からも非常に少いようであります。そういうことが手広くやれるという業者が非常に少いようでありますと、どういう研究をこれからなされるかしりませんが、今度は東洋石油販売株式会社にかわって出光興産という石油会社がやはり長期契約というようなことになろうと、なりかねないと思うのであります。そういたしますというと、あなたの方でこういう報告をしていらっしゃる。「船員及び事務処理関係者と納入業者との長年の接触から安易に流れ今回の不祥事件を誘発した。」、農林省、少くとも水産庁の船員及び事務処理関係者は納入業者と長年の接触は非常に危険だ、これはこういう報告をしていらっしゃる。それについて何かお考えを願わなければならぬと思うが、どういうふうに考えていらっしゃるかは別として、この「安易に流れ」ということはどういうことでございますか。私はこの報告書を見て一番初め、非常にどうもふに落ちない点があるが、「長年の接触から安易に流れ今回の不祥事件を誘発した。」、この「安易に流れ」というような言葉を使って、この事件の原因にしていらっしゃる。私はちょっとその理解に苦しむ。「安易に流れ」ということはどういうことを意味しておられるのか。大へんなれなれしくなって、飲み食い等も一緒にやるようになることか、そういうことなのか。取引等の正確を期さなくてもいいようなことになるという意味なのか。この事件の原因として、あなた方の方は「安易に流れ」という言葉一つで解決していらっしゃるように思うのだが、少しどうもここに出される報告書としては納得しかねるが、この報告書をお作りになった、あるいはこれを御検討になった立場から、「安易に流れ」という言葉で解決するお気持を二つ聞かせて下さい。
○政府委員(奥原日出男君) 役所の組織といたしましては、物品の納入に対しましては検収を正確に行い、そうしていささかもその間に不正の入り込まないように一応の組織はできておるのでございまして、従って、われわれも納入業者との長年の接触から、そういう事務について官紀が直ちに弛緩して不正が起るというふうには考えないのであります。しかしながら、現実の問題といたしまして、結局不断に接触いたしておりまする間に、供応等の程度の軽いものから、ちょっと東京に出てきた、その旅費の不足分を石油会社から立てかえてくれというようなことで金をもらって、そうしてその金を結局返済せずに終ったという、こういうふうな乱れた関係が発生する可能性が非常にあるのでございまして、そういうことを気持の上で表現をいたしたのでございます。しかし、同時に先ほど申し上げましたように、検収におきまして、積極的に国損を来たすというふうなふしだらなことも、そういう気やすさの中からともすれば出てくる、かように考えるのでありまして、まことに残念なことに存ずるのであります。
○島清君 善後処置の問題についてでございますが、大体あれは科学的にどれくらいの重油を使ったかということは、航海日誌を見ればわかるわけでございますね。ですから、その重油の品質などもちゃんとわかっておりますし、航海日誌によりまして、どれくらい走ったとすれば、ちゃんとそれは出てくる問題でございますね。こういうことを過去長年にわたってそういうことがなされておったのじゃないかということは、当然に出てくると思うのです。また当然に部内から、そういう国民に対して申しわけのできないような事態が発生しておるようでありまするから、こういうことも当然にお調べになったと思うのですが、そのお調べの結果、大体どれくらい水増しされたと思うのですか。そうして金額にするとどれくらいごまかされたと、こういうふうに結論が出てくるのですか。
○政府委員(奥原日出男君) 先ほどお答え申し上げましたように、船の航海に関しまする書類がまだ全部押収されております。そして取調べもまだ進行中のようでごさいますので、われわれの手元に戻していただいて、これを精査するわけに参りません。そういう段階になりましたら、われわれとしましても、航海日誌等と引き比べましての検討をいたしたいと、かように考えております。
○松岡平市君 いずれ事件としての進行があって、またよくお調べになった結果について、必要があればその際に質問をいたしますが、この機会に会計検査院長に一つ所信をお聞きしておきたい。 会計検査院の課長参事官が職務に関係して、会計法上の不当事項を不問に付したかわりに、少くとも自分の著書を買わせ、あるいは不要な用紙を買わせるというようなことをやって起訴された、これは私は会計検査院というものに対して従来非常な尊敬を払っておっただけに、まことにこれは重大なことだと考えております。一体、先ほど吉田参事官については起訴と同時にとおっしゃった、そして休職にしておると、こういう御報告でございましたが、この人の監督、これは大きく言えば院長御自身あなたの方の、ほかのところと違う、この重大な会計検査院というところの参事官、課長がこういうことをやったことについて、監督責任者の責任をどういうふうにお考えになってらっしゃるか、どういうことをなすったか、お聞かせ願いたい。
○会計検査院長(加藤進君) ちょっと申し上げますが、吉田参事官が課長時代に会計実地検査をいたしました際発見いたしました事項につきましては、先ほど申し上げました通りに、報告すべきものは上司に報告し、またこの処理は、検査院にきめられて通例となっております次第に従って処理をいたしておりまするので、先ほど説明いたしましたことは、公訴の事実にかように書かれたということを申し上げた次第でございます。 それから、検査院といたしまして、課長の職にあり、参事官の職にあります者が、かようなことをいたしましたことは、まことに何と申し上げても相済まない次第と存じております。ただ私ども考えておりまするのは、この問題は、三十年の暮れに起きている事件でございますが、三十一年春ごろからは私ども一同綱紀の粛正、廉潔の維持というようなことにつきましては、それを考えて処置をとり、綱紀相立っておるかに考えております。 それから、しかしながら、監督者は、今回の事件につきましても、なお深く反省するところはもちろんでございまして、大体今まで検査院といたしましては、ベテランを中心とする検査を能率が高いと考えて、そういう方針で参ったのでございまするが、このたび視野を変えまして新しい感覚、鋭い感覚をもちまして、検査対象に臨むことも必要であると考えましたので、課長以下につきましては、大幅な異動を行いまして、今申し上げたことを達成しようと考えております。 監督者につきましては、この吉田に対する直接の上司でありました中川西局長に対しましては、先日訓戒処分をいたしました。私どもの方も非常に重大な責任を感じておりまするが、今後かようなことをなくし、あるいは不当は必ず発見して責任を追及して参るといったように、検査院の職能を発揮するために全力をあげたいと考えております。 なおここでもう一つ私はおわびを申し上げておきますが、問題となっておりまする水増しの事項は、これは検査上は発見できませんでした。これは会社の帳簿につきまして、直接検査することをやりませんでしたのと、消費につきまして、各般の油につきましては、積み込みの報告とそれから消費の報告とに基いて書面上検査するにとどめたためでありまするが、これを発見できなかったことは、まことに申しわけないと存じております。
○松岡平市君 三十年の事件であって、三十一年からのちは十分いろいろと気をつけて綱紀を振興しておる、こういうような院長のお話でございましたが、私たちはよそはともかく、よそもあってはなりませんが、日本の会計検査院で、相当な高級の職員が会計検査院の事務に関係して、こういう不祥な問題を起すということは何よりも悲しいことだと思う。ふたたびこういうことが絶対に起らぬように十分一つ院長も会計検査院の全般に向って綱紀の粛正もはかられ、監督もしていただきたいと思いますが、三十一年度ころからのちは十分気をつけているとおっしゃるが、私は今ここに的確な資料を持っておりませんから、一つ一つこうだと申し上げませんが、最近何ということなしに、方々で耳にすることは、最近の会計検査院ははなはだ横暴をきわめておる。地方へ出発しておって、こういう待遇をせなければ承知しないひとか、こういうことをしてもそれは当り前だと思っているというようなうわさを、具体的にはどこでどうと申しませんけれども、私たちがたとえば決算の事項について地方に出て調査をいたします際にも、ときどきそういうことを耳にいたしております。おそらく同僚諸君のある人たちもそういうことを全然耳にしないということではなかろうと思います。私は具体的にこういう事例があったといってここにあげはいたしませんが、最近そういううわさはこれは院長なり、池田事務総長あたりのお耳に入らぬのかもしれぬけれども、私たちはいろいろと聞かされております。ただいまこれは三十年のことであって、それからのち十分綱紀を粛正しているとおっしゃる三十一年後に、ごく最近においてまだそういう声を方々で聞かされる。これは容易ならぬことである。具体的に事例がありませんから、特別な御答弁は要求いたしませんが、ほかの場所とは違います。日本の権威ある会計検査院、私たちはここであなた方の報告書は絶対のものと信頼して、それぞれ批難をうけた役所、その他、関係機関を呼び出して、それについての答弁を求めておる。もし会計検査院の批難なり、報告なりが職員のだれかのさじかげんで批難すべきものを批難しない、あるいは批難の程度をかえる、そのかわりにうわさではあるが、方々で耳にするのは、旅費は必ず検査を受ける側で立てかえさせるとか、あるいは毎晩々々こういうことをやっておるというような、たとえうわさにしても。これはもっとも会計検査院はなかなか厳しい検査もしていらっしゃるようですから、そういうことに対して当らない流言、あるいは飛語を飛ばしておる部分も少くなかろうと思うけれども、絶対にそういうことはない、ただ検査を受けて批難をされたというものが報復手段としてそういう流言飛語を飛ばしているにすぎないというのには、少し根拠のありそうなうわさもあるわけです。万一そういうことが事実とすれば、今おっしゃった三十年以後は十分つとめているとおっしゃることが、そのまま受け取りがたい。答弁は要りません。ぜひ一つ、こういう事態が絶対に起らぬように会計検査院の長年の名誉にかけてお守り下さるように特に、この機会に希望いたします。
○委員長(高野一夫君) 検査院長から今の質問に対して御発言を願います。
○会計検査院長(加藤進君) ただいまのことは、十分肝に銘じて、私ども部下を指揮監督する上にこれを現わしていきたいと存じております。
○清澤俊英君 肝に銘じて大いにやりますというが、今、松岡さんのお話の中に、院長や事務総長はこのことを御存じあるまいということであったが、あなた方もよく御存じになっているのではないですか。こう私は思うのだが。松岡さんの言われることはよく御存じだと思うが。
○会計検査院長(加藤進君) 私、思い当るようなことを聞いていないのでございますけれども、なお、よく部下から事情を聞いてみたいと存じます。
○大矢正君 東洋石油販売会社との間の一括購入契約というのは、大体いつごろから始められているのですか。そしてその契約更新の話し合いというものは、どの程度の期間を定めてなされているか、この点もお答えいただきたい。
○政府委員(丸山幸一君) 東洋石油販売会社から購入を始めましたのは昭和二十五年ごろから、事件発生の昭和三十二年の九月まででございます。
○大矢正君 この契約をする場合の交渉は一体毎年やられているのですか、それとも四半期ごとにやられるのですか、それとも二年も三年も投げておいて、それをそのままやるのですか。
○政府委員(丸山幸一君) 契約の交渉は当初から三転、四転しておりますが、一番初めにおきましては、おそらく資金前渡で一部やっておったと思います。中央でやらないで、資金前渡によりまして自分の所要のものだけを契約購入する、こういう行き方でやっていたようでございます。その後、先ほど水産庁長官から申し上げましたように、用船等で出た港に帰ってくればまだいいのですが、ほかの港に帰った場合には、余った油を吸いとるというようなこともありまして、一括中央において契約するという方式を採用しているわけでございます。しかして一括契約の方式は、大体四半期ごと、場合によっては予定数量をとりまして、その予定数量によって契約するわけでございますが、これが足りなくなったり、使い切ってしまうと、直ちにやらなければならない。こういうことになりますと、大体、四半期なり、三カ月なり、足りない場合は二カ月ということで、所要量を出しまして契約をいたしまして、そこで実際に積み込んだという報告を受けまして、それによって小切手を切る、こういうことになっております。
○大矢正君 随意契約によらなければならなかった理由というものは、事案の発端というところにちょっと書かれているようでありますが、全国にわたる給油網を利用するためには、東洋石油販売会社しかないという立場からこれと随意契約を行なった、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。随意契約によらなければならなかった理由はそれだけですか。
○政府委員(丸山幸一君) 先ほどちょっと申し上げましたのですが、現在においてはいろいろ各会社において給油網等ができてきております。それから自分のところの直接の出張所等ございませんでも、代理店等、統制がきくところはこの統制の傘下に入れてやるような工合になりまして、現在においては、私はこれは将来——将来というか検討いたしてみなければわかりませんけれども、相当組織ができてきたようでございますが、当時におきましては、私どもの調書によりますと、ほかの会社は大体十カ所とか十二、三カ所とかという程度の組織しか持っておりませんので、ここが利用できる会社としては、ここが一番資格要件があるということによりまして、会計法及び予決令の該当条項によって随意契約をいたしておるわけであります。
○大矢正君 あなたの今言われたことは、法律的にはそのよりどころとしては、この会計法の中……会計令の特に九十六条の「契約の性質又は目的が競争を許さない」という立場から随意契約を結んだということに解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(丸山幸一君) それと会計法のたしか二十九条だと思いますが、各省各庁の長が不利と認める場合並びにその政令の定めるところ、その政令の定めるところはいわゆる今の予決令でございますが、不利と認める場合と及び予決令両方に該当しておるというふうに考えております。
○大矢正君 入札による契約というものが、これは一般競争入札あるいは指名競争入札でも、とにもかくにもそういう入札によるところの契約というものが必ずしもできないということではないのじゃないかという気がするのですが、それは当時の昭和三十年あるいはまたそれ以前のこの契約の一番最初に始めた昭和二十五年当時までさかのぼれば、確かに私どもよく存じませんから、あなたの説明されることをそのまま聞く以外にないわけでありますけれども、その国内における販売市場、特にその内容においては相当変ってきておりますから、かりに二十五年以降あるいは三十年以降において、随意契約によらないで一般的な競争の入札による契約をしようと思えばできたのではないかというふうに私は解釈されるのですが、この問題が起ったために、初めて入札の方法でやればいいのではないかというように考えついたように思われるのですが、これは本質的には間違っているのではないかと私は思うのですが、やはりもともと競争による入札が正しいのだという建前、そういう建前から考えてみて、私はもっと以前にこの入札に対する考え方を研究してみる必要性があったのではないかというふうに考えることが一つと、それから特に会計令の百条では随意契約によらんとするときはなるべく二人以上から見積書を出させて云々ということがありますから、その精神というものは明らかに随意契約というものはほんとうに特殊な場合に限ってやられるべきであって、もともと入札による、いわゆる指名あるいは一般競争入札方式がいいのではないかという立場があるにもかかわらず、それを今度の問題が出るまでとろうとしない考え方、あるいはその態度については私はどうも解せない点があると思うのですが、その点についての私の疑点をはらしていただきたいと思います。
○政府委員(丸山幸一君) 実は御指摘の通りでございまして、私どもここの事件が起ったからにわかに切りかえようというふうに、切りかえるかどうか検討しようということに思いついたわけではございませんで、先ほど検査院長からの御報告もございましたが、この随意契約方式については、できるなら切りかえて、入札制に切りかえたいということで検討を重ねてきたのであります。ところが入札に切りかえるにいたしましても、一般競争入札ということはこれはもうできないことでございまして、資格要件のある人に限定せざるを得ないということになるわけであります。その際におきましても、全国一律にやるか、あるいは地域別に北海道地域とか、東北とか、関東とか、あるいは九州とかに分けてやるとか、あるいは国にタンクがありますれば吸い取りの問題はないわけでございますけれども、タンクがないので、吸い取りをしたものをよそに寄託する、こういうことなるわけでございますが、あるいはその問題を回避するためには、満タンクと申しますか、用船契約をするときに、その雇われる船の上でタンク一ぱいにして重油を積んできてもらって、それで使っただけ国が補給してやる、こういうような方法にいたしますと、相当参加する資格者もそう限定しなくてもいいことになるわけであります。そういう点を検討の第二点といたしまして、しかして資格要件として組織なりその他持っておる業者の選考等にも手間取りまして、とつおいつ検討いたしておった次第でございます。踏み切れないままにこういう事件が起ったのでございます。はなはだ遺憾に存じております。むろんこの随契自体が即ちこういうふうなあるいは水増しということに直結いたさない。やはりポイントは、検収が私は一番ポイントだろうと思いますけれども、それにしても温床になる、基盤になる点もございますので、これは早急に慎重検討いたしまして、でき得れば来年度四月から実施をいたしたいと存じます。
○大矢正君 あなたの方の考え方の中に今後の是正策として入札制について検討いたしたいという表明がなされておりますけれども、入札というものは現実的に可能性があるのですか。今の立場から考えて。
○政府委員(丸山幸一君) 大手筋等について給油の組織網等を持っておるかどうかという点を検討いたしております。組織網を十分持っておるということを私どもの方でつかみました暁におきましては、そういう資格要件のある数社を選びまして、いわゆる指名による入札制に切りかえたいと存じます。
○大矢正君 これは考えてみてやろうと思えばできることではあったんだが、現実的には手をかけられなかったために、ますますこういう問題が起ってきたというふうに解釈をされるのですが、それはそれで後刻また問題にいたしたいと思うので、それはそれにいたしておきます。 こまかい問題で非常に恐縮ですが、平坂用度係長が事務用品を扱っておるのですが、この平坂用度係長の権限範囲において購入できるところの事務用紙の年間の予算というものはどれくらいあるのですか。
○政府委員(奥原日出男君) 水産庁の庁費の中において約一千万円ございます。
○大矢正君 その水産庁全体の中では一千万円ということですが、そうすると一千万円の事務用紙を購入する権限というものはすべて平坂用度係長にまかされておるのですか。そうではないでしょう。そのうちのある部分でしょう。
○政府委員(奥原日出男君) 一千万円と申し上げましたのは、水産庁の庁費でございまして、従ってその中で年間消費いたしまする用紙類はおのずから数字が毎年きまっておるのでございます。水産庁といたしましては、大体百万円見当の用紙類の購入をいたしております。
○大矢正君 年間百万円くらいの予算しかない、平坂という用度係長の権限においては、大体その程度のことしかできないのか、ここで書かれておるように、事務用紙類を約三百万円近くも購入させられるような、そういう結果が出て、そのことが予算上にはあまり響いてこないのですか。
○政府委員(奥原日出男君) やはり庁費はいつも年度末まで相当しめて、とにかく年度をこえるような最初から計画的な支出をいたしておるのでございます。その間におきまして、三十年にどうにかやりくりのできましたものの中で、これだけの購入をいたしたかと、かように存ずるのでございます。
○大矢正君 必要量以上に、事務用品を三百万円近く購入しても、そういうことが上の人たちにはわからないような仕組みに今の水産庁の内部というものはなっているのですか。何億という予算の中で三百万円という話なら別ですが、事務用紙、そういうものに関係するものが何百万ということはちょっと考えられないのですが、事務用関係のものだけで三百万円も、必要以上に買っても、普通全然わからないでいるということは、どういうことですか。
○政府委員(奥原日出男君) もちろん事務用品の購入といえども課長及び長官のそれぞれ決裁を必要とするのでございまして、従って、当然その額が過大になりますれば、上司において注意をするという仕組みに相なっておるのでございます。しかし、非常に残念なことは、本件に関しましては、この二百八十九万円を非常に小さく、何日にもわけまして、そうしてそれぞれ上司の決裁と申しますか、上司の代決をいたしまして処理をいたしましたことを、事後において調べました結果、承知をいたした次第でございます。
○東隆君 これは、この書類を見ますると、問われておるものの所属しておる船は、これは皆非常に馬力の多い、そうしてトン数の非常に大きい東光丸、照洋丸それから俊鶻丸、これに関係をしておるのが実はそこに出ておるのです。それから、もちろん全体として役所関係の方は、これは全体の関係から出ておると思います。それで結局、石油の取引関係から出てきておるわけですね。その場合に、利潤を追求することを目的にしておるところの販売会社等を相手取ってやりますと、これは私は入札あるいはその他いろいろの方法を講じても、こういうような禍根は容易に絶ち得ないと思う。そこで、問題は、重油に関しては全漁連が扱うようになっておる。それで全漁連が員外としての役所関係の船にどの程度まで出すかという許容量があると思う。その範囲でもって全漁連との取り引き、そういうようなものも一応考えてしかるべきではないか。これは全漁連が全体の扱い数量のうちの何分の一か、こういうようなものは許容されておる。そうすると、全漁連の方は、利潤を追求しないという関係もありますし、従って、価格その他の面においても必ずしも業者と比べて高いはずはないと思う。そういうような点を考えてみると、船によって取りきめをする場合もあるかもしれませんが、港によって取りきめをするとか、あるいは全漁連のタンクのあるところは、それによるとか、そういうような方法も考うべきじゃないかと思いますが、そういうような点どうですか。
○政府委員(奥原日出男君) 全漁連の石油の共同購入事業も漸次育成されて伸びつつあるのでございますが、まだまだ年間の取扱い量といたしましても、A重油で十万キロリットル見当、こういうふうな状況でございまして、しかも全漁連はその本来の性格といたしまして、あくまでも系統内の配給を使命といたすのでございまして、国が員外利用の形でその相当なる割合の油を吸い上げるということもいかがかと思われるのでございます。かつまた、全漁連自身はまだまだタンクの施設が非常に不十分でございまして、従って出光等と提携をいたしまして、その既存業者のタンク網を特に全漁連が部分的に利用して、その石油の共同購入事業をやっている実情でございます。しかし、私たちも部分的には系統漁連の油を国が購入するということも十分あり得ていいのじゃないか。現に瀬戸内海で今動いておりまする白鷺と申します私の方の船は、これは兵庫県の漁連から油を購入いたしております。これすなわち全漁連から配給いたしました油でございます。
○松岡平市君 ちょうど会計検査院長あるいは池田事務総長おいでになりますし、会計検査についての基本的な問題について、一、二この機会に農林省にお尋ねいたします。質問時間がおそくなりましたから、ごく簡潔にお尋ねいたしますが、一昨日、この批難事項について、農林省から大へん多数の批難事項を出したことは申しわけない、これらについてはすみやかに是正措置を講じます、こういう政務次官の御答弁がございました。きょうはきょうとてまた、赤城農林大臣から、これらの指摘をされた問題については直ちに、すみやかに是正する、こういうことをおっしゃった。これは毎年そうおっしゃるようでございます。 ところが昭和三十年度の決算検査報告書には二十八年、二十九年、両年度の検査報告掲載事項の事後処理状況についてという報告を出していらっしゃる。三十年の報告には、少くとも三十一年の九月末現在において、二十八年のもの、二十九年のものの処理できなかった、国に返還さすべきものあるいは手面しさせることができないものというのが相当数掲げてある。次官なり大臣がすみやかに是正措置を講じますとおっしゃった三一年度の検査報告掲載事項については、もうすでに三十一年度の決算報告書が出ておりまして、そこの中に二十九年、三十年両年度の検査報告掲載事項の事後処理についても、ちゃんと相当数、三十年のものはもとより二十九年度のものについても処理未済のものが件数をあげて入っておる。次官も大臣も、そういう指摘をされた事項はすみやかに是正をするとおっしゃる。是正されておらぬ。すみやかとおっしゃるが、されておらぬものの数がたくさん、三十年度にもあったし、これは積り重なっておる。ところが、会計検査院の報告書にも、三十年度分には二十八年度、二十九年度の処理状況を報告しておられるが、三十一年度には二十九年、三十年の事後処理状況を報告しておられるだけで、もう二十八年度分はどうなったかちっとも書いてない。ここで非常に論議をして、そしてここで指摘されたものについてはすみやかに処理すると……。これは何も農林省に限らない。各省ともそうおっしゃるが、各省とも大臣あるいは次官が出て、事後処理をすみやかにしますとおっしゃるだけで、事実はできておらぬ。ほかの省もそういうものはたくさんある。この機会に、会計検査院は、あなたの方で指摘されたもの——二十八年度はどうなったかということをわれわれは全然知らぬわけでありますが、これをどういうふうに取り扱っていらっしゃるかということを明らかにしていただきたいし、それから、農林省は、すみやかに是正するとおっしゃるが、すみやかに是正されておらぬ、なぜ是正できないのか、それを一つここに明らかにしていただきたい。
○会計検査院長(加藤進君) いろいろ時間等の関係がございましたので、二十八年度は検査いたしませんでした。事後処理につきましては、二十九年、三十年度分に、新しいものに重点を置きました結果、かようなことになったものでございます。
○松岡平市君 お忙しくてできないだろうけれども、しかし、三十年度の決算検査報告書には、二十八年度分並びに二十九年度分の事後処理のできない件数をあげていらっしゃる。相当数ございます。二十八年度分が残っておる、で、それがどうなったかということを少くとも指摘をされて、そして国会でも論議したものの跡始末がどうなっておるかということを検査院が御存じないということは、これはまことに私は理屈に合わぬと思う。少くともそれぞれの官庁から報告を取るとか、実際検査をなさらぬにしても、これはこの程度までは処理されておって、もう事は片付いたのだということは、当然それは検査院として明らかにしていただくべきものだと思う。もし二十八年度分のものが今日なおも処理されておらぬということならば、なぜされぬかということをやはり追求していただかなければ、ただここで掲載事項として批難のしっ放しで、あとの事後処理がどうなったかということを見届けられぬのでは、検査院の事務処理上私は納得がいかない。
○会計検査院長(加藤進君) おっしゃること、ごもっともに存じまするが、非常にたくさんの件数の事後処理を全部調べるわけには参りませんので、これはいわば抜き検査的にやっております。しかし、処理の報告は、大体処理されたと存じまするので、これは報告は徴することになっておりまするから、後日報告させていただきたいと存じます。
○政府委員(本名武君) 会計検査院の報告に基きまして批難事項の御検討をいただきますたびに、私どもは、すみやかに是正し、また再びかかることのないように努めるということを申し上げて参りました。ことに事後処理につきましては、ただいま御指摘の通りに、ある程度のものが残ってそのままになっておるものもございます。まことに遺憾のきわみでございまして、重ねてここで遺憾の意を表するとともにおわび申し上げなければなりませんが、ただ、仕事の性質上、極力できる限りの手直し等はいたしておりまして、そしてその欠陥を補って参っております。また、非常に零細な工事を初め、補助事業が非常に多いのでございまして、この補助事業の大半が地方財政に影響のあることでございまして、二十八年以降の地方財政は決して楽なものではない。従いましてこの補助金の返還を求めましても、不当工事、不正工事の補助金の返還を求めましても、財政の関係上それが思うようにいかなかったというようなことがございまして、意のごとくにならなかったわけでございます。今後におきましては、地方団体等とも極力努力をいたしまして、かかることが最小限に、あるいは皆無になるような方向に一そう努力いたす考えでおります。
○松岡平市君 この問題は単に農林省だけの関係でもございませんから、他日適当な機会にこの決算委員会において、こういう批難事項の事後処理の状況についてどういう取扱いをするかということをさらに御検討願うことにいたしまして、次に私は災害復旧について、これは主として最も大きなものは建設省、農林省——農林省の部分についても三十年度決算検査報告の中にも幾多の批難事項が掲げられております。私はここで一つ率直にお話し願いたいと思うのでございますが、農林省は、過年度災害について何年度の災害までは国が補助金を出す、その他のものについては予算的に処理は終っていらっしゃるか、それをお聞きしたい。
○説明員(清野保君) お答えいたします。過年災害につきましては、二十八年度を除きまして三十三年度に二十六年、二十七年、二十九年、三十年度過年災につきましては、三十三年度予算におきまして全部完了する。こういう方向に向って現在おります。なお二十八年災につきましては、三十三年度予算におきましての進度はおおむね九四%、残り六%を、残額といたしまして約二十六億程度のものはさらに三十四年度において施行する予定でございます。
○松岡平市君 二十七年度までは三十三年度で終る……。
○説明員(清野保君) 三十年まで、六、七、九、十です、八年を抜きまして……。
○松岡平市君 二十八年度災は三十三年度でも終らぬと、こうおっしゃるのですか。三十三年度の予算で終るのは二十七年まで。
○説明員(清野保君) 六年、七年、九年、三十年。
○松岡平市君 二十八年は残る……。
○説明員(清野保君) そうでございます。
○松岡平市君 二十八年の災害が三十三年度になっても、出すべき補助金を全額は出さない。申すまでもなく農地の復旧、あるいは農地諸施設の復旧というようなもの、災害が起って、ちゃんとそこで米をとる、野菜をとる、あるいは用水を使うということには、五年も六年もかかって待っておったんじゃこれは間に合わない。農林省もよく知っていらっしゃるんだが、もともと、大体国では、あるいは三・三・四といい、四・三・三といい、三年間では復旧はすべて終るという大体の方針を持っていらっしゃるようです。二十八年度の災害が三十三年度にもなお三十数億残る。こういうことであります。ところが災害は、国が補助金を出した割合だけで、それだけ災害復旧をしていいことはございません。これは事実仕越し工事をやる。たいていのところは三年も待てない。早ければ一年間でやってもらわなければ翌年から作付ができない。五年も六年も補助金をもらっただけの復旧をやっているわけでございません。すべてそれぞれどこからか資金をみつけてきて仕越し工事で済ましてしまっておる。補助金は四年も五年も六年もたってもくれない。それはそれで災害を受けた地方公共団体は、相当高利の金を、あるいは農業団体から、あるいは地方銀行から借りて、そうしてその利息を払いながら復旧工事をやっております。従ってその利息の負担というものは、災害をしばしば受けるような小さな市町村等においては、その利息の負担で非常な困窮の立場に入っておる。従ってそういうものを少しでも負担を軽くするために、残念ながら知っておりながら、いかぬと思いながら、工事を手抜きをするとか、あるいは工事請負業者となれ合いで、少しでも自分の方の負担金を少くするような工事の請負いをさせるとかということが、これは全国的な実情であります。これはもう私よりも農林省御当局の方がはるかによく知っていらっしゃるはずである。にもかかわらず、二十八年度のあの大災害を三十三年度においても十分に復旧できないような予算の組み方をしていらっしゃる。農林省もいろいろな仕事をなさらなければならぬから、災害復旧にばかりかかるわけにいかぬかもしれないけれども、会計検査院で多くの町村等がこうした批難を受けざるを得ないところに追い込んでおるという一つの原因は、災害復旧についてすみやかなる復旧の補助金をお出しにならないことも、大きな原因の一つであると私は考えるのだが、農林省当局のそれに対する御見解はどうであるか。ただここで会計検査院があげておられるものは、これはわずかに九牛の一毛たるにすぎない。残念ながら地方公共団体はすみやかに災害復旧の補助金等を国が支弁して下さらぬために、こういう批難を受ける残念な仕事をやっておる、私はそういうものも少なからずあると思う。それはいいとは申しませんけれども、先ほど次官もおっしゃったが、地方公共団体の財政というものは決して楽でない。そして災害はどうしても借りた金で復旧しなければならない。こういう状況下にあることについて、もう少し私はほかの仕事はほかの仕事だけれども、二十八年の災害復旧というようなものについては、毎年の会計検査院のこういう批難、そういうことも一つの大きな原因であるということを、もしあなた方がお認めになるならば、会計検査院に批難さして、ここであなた方が自分たちが直接やったことでないからということで、ただここへきて答弁をするというような、そういう態度でなしに、批難されることの少なからしめるような努力を私は農林省当局、あるいはきょうは別ですけれども、建設当局はもう少し熱心におやりになるべきだと思う。その点についての御見解を明らかにしていただきたい。
○説明員(清野保君) 二十八年災が、ただいま御説明申し上げましたように、約二十数億を余しまして、三十三年度予算が編成されたことにつきましては、われわれ農林省当局といたしましては、でき得るならば、これを三十三年度に全部終りたい、こういう希望をもっておりました。ただし、この問題につきましていろいろと考えてみますというと、前通常国会におきまして災害の措置法を改正いたしまして、三十一年の一月一日以降に発生しました災害につきまして、緊急なるものにつきましては三年間に終るように、もちろん財政の範囲内でございますが、そういう措置をいたしました関係もありまして三十一年以降に発生します災害につきましては極力その線によって災害復旧を終りたい。過年災につきましても同様の趣旨をもちまして予算の編成に当っておるのでありますが、二十八年災が非常な未曽有の大災害でありまして、残念ながら三十三年には終ることができないことは、まことに私も遺憾に存じます。ただ今後の措置といたしましては、二十八年災につきましては、その他の災害の中でつまり過年災が全部終ると申し上げましたが、その全部終りますものの中にありまして、一部工事をやめるあるいは休止する、その他建設省の河川改修、河川災害、この工事との関連におきましてどうしてもできないところがございますので、そういう予算を極力集めまして、二十八年災の災害復旧進度を上げたい、こういうふうに考えて事務的にはそういう措置をとり、極力農民の負担の軽減をはかりたい、こう考えております。 なお、災害復旧の検査に当りまして多数の批難事項が出ましたことはまことに申しわけないのでございますが、これも農林省が再度、関係の事業団体に注意をしまして、最近の成績は漸次好転をして参っております。 なお、災害復旧事業の適正実施につきましては、極力地元の負担金の徴収の問題が一番根本的な問題であります。検査院の指摘にもございます通り、負担をしないで工事を実施しておるものが多いのでありますが、補助を受けている事業者については、従来の土地改良区または協同組合等の事業主体から公共団体へ切りかえる等の指導をしております。なおかつ、地元の負担金の納入等につきましても、その仕事の性格、特に負担能力に応じました設計工法を考慮しての措置を講じまして、極力そういう批難事項の発生を防ぐようにいたしております。 なお、御指摘になりました二十八年災の予算が少いために、地元ではこれをカバーする意味で、災害復旧事業の内容が悪くなっておる、こういうようなお話でありますが、その点につきましては全然別途の問題であると考えております。つまり農林省といたしましては、この災害復旧の予算は本来ならば、先ほどお示ししましたように、でき得るならば三年間でやりたい、こういうような気持でおりますが、財政の都合もこれあり、また非常な大災害であった関係もありまして、できないのでありますが、これに対しましては、一方公庫融資の措置も講じまして、極力低金利の資金により災害復旧を進めたい、そういうふうにもいたしております。
○松岡平市君 私がお尋ねしておるのは、低金利にしろ、低金利の世話をするとおっしゃるけれども、それは全部ではありません。ごくわずかな部分でありまして、予算を見ても明らかであります。そうして農地のあるいは農業施設の復旧というものは、三年も三年もかかってやっておるのじゃないのだ、多くは一年もしくは二年ぐらいでやってしまっておる。そうして補助金はもらわない。二十七年のものをようやく来年度で終るようにするという状況であります。三十三年度でようやくもらえるという最後のものは、そうすると、二十七年の災害を二十八年にはもうやらなければ……、できれば二十七年にやって、二十八年の作付をしたいと、農民はそうやっておるわけです。たとえばあなたの方で世話して下すった低金利の金にしろ、相当な金利を負担しておる。それは低金利でなければ、地方銀行から年一割ぐらいな金は大てい借りております。その金利の圧迫に耐えかねて、そして自己が負担するものをなるべく減らそうというようなことに追いやっておる、私はこういうことを申し上げておる。私は、あなたの方が、いや、それとこれとは別だとおっしゃれば、私は別でないと考えておるんで、——私は会計検査院にお聞きしたい。会計検査院でそういうものを検査される際に、大へん遺憾でございましたけれども、こういうふうにして仕越し工事等の金利に追われて、こういうこともつい心ならずもいたしました、というような事例を会計検査院は御発見にならないのかどうかが一つ。私の申し上げることが、それとこれとは別だという建設部長のお話しでは、私はいよいよここで例をあげて時間をかけて、こういう事例を申し上げなきゃならなくなるんだが、それがうそでないということで、決して別なことでないということを、会計検査院にお聞きしたい。
○会計検査院長(加藤進君) 実例をあげてどうこうということは今私ここではできませんが、実例としましてさようなこともあると存じます。ただ、検査報告はかような原因に触れませんで述べておりますので、かようなことは書いてございませんが、実例は多分あるかに聞いております。
○松岡平市君 時間がたちますから再び繰り返しませんが、これは一つ政務次官もよくお考え願いたい。やがてまた適当な機会に大臣にも御所信を聞こうと思うけれども、建設部長も、それとこれとは別だということは、少し私は違やせぬかと思うから、一ぺんお考え直し願いたい。 もう一点。これは干拓事業——ここへ私はきょう農地局の参事官がおられるとちょうどよかったわけでございますが、熊本の農林省熊本農地事務局で「有明海の干拓」という、こういうパンフレットを出していらっしゃる。ここの中で、これは農地事務局でおあげになったんですが、有明海の干拓の一番早いものは昭和八年、その次に十七年、二十年、二十一年、二年、こういうようなところに干拓を着手せられて、そしてここで数十件ありますが、三十一年度までの事業の進度というものは、三十年までで事業の進度は四一、三十一年度の事業の進度は五と、こういうことでございます。そして三十一年度までにやや三十五億の金を代行干拓、あるいは直轄干拓でやっていらっしゃる。三十二年度までおおむね十年以上費しておる。そして干拓の進度は半分に達していない、平均して。極端なもののごときは、昭和二十年に事業を始めて、三十年まで十年間の進行度が一八、三十一年度の事業進度は一と、こういうものがございます。こういうものが国費の正しい利用の方法でないというようなことを私が言う必要はないと思うんですが、これはまあたくさんあっちこっち手をつけて、予算がないからやむを得ぬとおっしゃればそれまでのことですが、手をつけたものを、新しくまた次から次に干拓を——まあこれもおやりにならなきゃならぬと思う。が、しかし、十年かかって半分もできないと。そうすると、三十五億の金はちっとも生きては使えないわけです。これをも少し何とか、せっかく干拓をおやりになれば、でき上らなければ利用はできないんです。四五、あるいは八〇になっても、一粒の米も、もとより一番初めの綿も作れないわけです。そして広い地域に非常に遅々たる進度で干拓をおやりになるというと、これは私は国費の使い方としてどうも妥当でないと考えるんです。これをも少し国費を有効に使うというためには、でき上りさえすれば米がとれるんですから、何とか干拓事業等について進行を進めるというような方法をお講じになるお気持はないのかどうか。そう言えば、必ず今度は、いや三十一年からでしたか、特定土地改良工事特別会計法ができたから、これからは早くやりますと、これは御答弁はきまっておると私は思う。しかしそういうことでなしに、これは全体として干拓というようなものはでき上らなければ何も効用を発揮せぬわけです。これをもう少し、せっかく着手せられたものでありますから、実際はこれが進行せぬのみならず、御承知のように有明海のごときはしばしば風水害をこうむって、そうして途中でせきとめた土手をこわされる、からみがみな、もとのままになる、それを何べんとなしに繰り返しておる。現にここにあげられておる、ある地区のごときは、最終の計算は一反当り八十万くらいかかるというような干拓事業、それはなぜかというと、初めはそんなにかからぬものが、次から次へ進行せぬうちにもとのもくあみにされるということで、そういうことになっているわけです。これをもう少し国費の効率的な使い方ということで根本的に検討して、進度を早めるというお気持はおありにならぬかどうか。ここで予算が伴わぬとおっしゃればそれまででありますが、私は国費の使い方として非常に残念です。一ぺん政務次官から、どういうつもりかお聞きしたい。
○政府委員(本名武君) われわれも御指摘の通り、せっかく手をつけた干拓事業でありますから、一日も早く完成いたしまして、食糧増産の役に立たせたいという念願は、全くただいま先生の御意見と同一でございます。またさらにお言葉もございましたが、一口に財政難と言って片づけていいかどうかということも、われわれ深く反省いたしております。ただ問題は、私は財政の窮屈な折になぜこのように数多く着工したかというその原因をいま一度反省しながら、さらにこの手をつけたものは御指摘の通り一日も早く完成するということのために特別会計を作り、あるいはまた財政難の折柄、いろいろ財政上の金の使い方に工夫をこらして、既着工のものに対しては早期完成を期したい。今後のものにつきましては投資効果をまず第一に考えることと、早期完成を考えまして、八郎潟を初め、大規模なものに重点を置いて効果をあげていくという方法も考えなければならぬのではないか、かように考えております。いずれにいたしましても、一度は数多く着工したその原因動機というものを反省しつつ、今度の戒めにすると同時に、これから御指摘の御意思を尊重いたしますと同時に、全くわれわれの考えも同一の線に沿って一そうの努力をいたしていきたい。大へん抽象的な言葉でございますが、なお、詳しい計画その他については部長から御説明させたいと思います。
○説明員(清野保君) ただいま御指摘になりました干拓の工事の進行の問題でありますが、確かに御指摘のように、従来そういう傾向のありましたことは事実であります。なおかつ、御指摘のありました特別会計法云々の問題も、われわれといたしましてもそういう点を考えたがゆえに、前国会で特別会計法を施行し、これによって工事の早期完成をはかったのでございます。しかしながら、この特別会計法といえども、現在の段階では十分とは考えられませんことでありますが、技術的にこれを御説明申し上げますならば、干拓は当初の工事は二基ないし三基の基礎石を置きます。その程度の段階におきましてはそう大した手間でもございません。しかし漸次石が上りまして、そして潮が近くなりますというと災害が起きやすくなりますので、こういう際には一挙に予算をつけまして、いわゆる重点的な配分を行なって工事の完成を早める、こういうふうな方法をとっておりますが、現在もこの方法をさらに重点的に実施しまして、お示しのような災害を防ぎ、かつまた工事の早期完成をはかっていく所存でございます。
○松岡平市君 政務次官の御答弁の、どうしてこういう多数のものを着手したかということについて検討しなければならぬと言われると、われわれもちょっと困る。私は佐賀県でございますが、有明海の干拓事業には非常な熱意を持っておりまして、大へん農林省にも御無理を願っておる。従ってまあ一がいにたくさん着手されて困るということを私は言うわけにはいかない。しかし十年たって半分もできない、一八%しかできないというようなことでは、せっかく国費を費して代行干拓をやらしても、これじゃやらぬ方がいい。いかに何でもあまりにひどい。そらしてそういう干拓を先にやって土を上げておる。そうすると、もうすでにやった干拓が、排水が困難になって年年の災害を助長しておるということは、これは建設部長が事実有明等についても詳しく御承知のはずでございます。こういうものについては、これは一つ何とかすみやかに、これは将来は別ですが、これは有明全体の干拓の問題もありますから、統一的な御検討を願わなければならんけれども、今まで着手してほったらかしておる、ほったらかしているとひとしいのですよ。十年かかって一八%、一年間に一%の予算をつける、これじゃいかに何でも農林省が干拓に、食糧増産にほんとうの熱意を持っておられるというふうには受け取れないことは、繰り返す必要はないと思う。いずれ特別会計の問題もありますが、農林省はどういう年度で、どことどこはどうやるつもりだという大体の御計画はあると思うのであります。これは適当な機会にその御計画をお聞かせ願うということにして、少くとも今まで着手されておるものについては、すみやかなる完成をはかるということについて十分御検討願うことを希望いたしまして、私のこの点についての質疑は終ります。
○委員長(高野一夫君) ほかに御発言もなければ、本日の質疑はこれをもって終了いたしたいと思います。 次回は来週月曜日二月十七日午後一時から開会いたします。なお、委員会の運営、審議の進め方等については、委員長、理事打合会の席において十分協議します。できるだけすみやかに連絡を申し上げます。 これをもって散会いたします。 午後五時二十四分散会 —————・—————