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28回国会参議院1958/04/07

議院運営委員会 第25号

発言数
31
登壇者
5
会派数
2
開催日
1958/04/07

会議録

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 議院運営委員会を開きます。  委員長から一言申し上げますが、実は、かねて当委員会の理事会におきまして、衆議院の解散の期日その他に関係して、会期も末期に近づいた参議院のこの議事の進め方、それらについて、しばしば協議が行われておったのでありますが、これに関連して、岸総理に特に一度御出席を願って、当委員会で政府の所信その他について、ぜひお聞きしたい、こういう御要望がありまして、今日御出席を願ったわけであります。あらかじめ、時間等につきましては、理事会で申し合せをいたしまして、実はあちらこちらの委員会で非常に御多忙であったのですが、多少無理をお願いしておる関係もありまして、おおむね二十分くらいを限度といたすが、かりに二十分が多少おくれても、三十分以上には絶対わたらないという申し合せに実はなっておりますので、この点については、一つ委員の皆さんの御協力をお願いする次第であります。それでは御質疑のおありの方は順次、御発言を願います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 解散の問題は全国民関心の的であります。それで、この解散の問題につきましては、すでに国会において、しばしば論議をされました。また、政府あるいは与党方面から、非公式にいろいろの言明がなされ、新聞等にも報道されておるところであります。本日、特に総理の御出席を求めて、この問題につきまして所信をただしたいと思いました理由は、従来、論ぜられております観点と違いまして、私たちは別の観点から、この解散の問題を総理にお尋ねをいたしたいと思うのであります。すなわち法案審議の立場あるいは国会運営の立場と、こういう方面から、この問題を取り上げてみたいと考えておるのでありまして、今、委員長からお話がありましたように、数日来から、一度、議院運営委員会としては、どうしても政府の所信をただす必要がある、こういう決定となっておりましたが、当時、委員長並びに与党の理事諸君から、それは当然必要であるけれども、今の段階では従来と同じような御答弁しかできないであろう、もう少し時期を待って、適当なときにやれば、従来と異なった御答弁があるのではないか、こういうことで、できるだけ早期に委員会の開催をしたいと思ったのでありまするけれども、かような御意見がございましたので、本日に至ったのであります。従って、本日、総理の御出席を得ましたに至りました理由を考えて見ますと、多分、政府といたしましても、何らかの明確なる御所見を発表される御意思があるのではないかと、われわれは考えておるわけであります。そこで、そういうようないきさつで当委員会が開かれましたので、総理大臣におかれましては、われわれの納得できるように、また、国会の審議が正常に運営されるように、法案の審議がすみやかに促進されるように、そういう点を御考慮の上、御答弁をいただきたいと存ずる次第であります。  そこで、申すまでもなく、国会の会期は五月十八日までとなっております。政府が数多くの法案を提案されましたのも、この会期が五月十八日までということを想定されて提案されたことは、これは明らかであります。ところが予算案は通適いたしましたけれども、予算以外の重要法案はまだ審議中である。また、その多くは衆議院において審議中で、当院に回ってきてはおりません。解散は必至と言われます。四月の二十日前後解散、五月の十八日ないし二十五日選挙というようなことが、しばしば流布されまして、現に衆議院の方におきましては、解散必至というので、議員のかり出しに与党幹部は非常に苦慮されている、こういうような情勢であることは私が申し上げるまでもないところであります。ところが、こういう情勢でありますけれども、首相は、従来、明確な解散に対しての意見を正式に国会において、発表されたこともありませんし、また、今月の二日の記者会見におきましても、解散問題については多くを論ぜられましたけれども、それは従来通りの、きわめてそつのない御意見でございまして、何ら具体的な、国民を納得させ、国会の審議を正常にやる見地から考えまして、われわれが納得する御発言がなかったようでございます。ただ一つ、解散の時期は重要法案の通過後、あるいはそれに関連して法案の審議を促進することが目下の最大の考えである、こういうようにお話しになっているだけであります。  そこで、当委員会といたしましては、われわれ議院運営の立場から言いますと、この議院運営委員会は、いたずらに政治的な考慮を払うということは、これは正当ではないと思います。従って、政府の解散に対する意思を、われわれがそんたくをいたしまして、法案の審議その他を促進させ、あるいは停滞させるというような態度は慎しむべきものであろうと考えるのであります。そこで、そういう立場、建前からいたしますと、政府の解散に対する公式の言明がなければ、議院運営委員会といたしましては、会期は五月の十八日までであると想定をいたしまして、この間に十分審議を行なって、法案を通過させるということは、議院運営委員会の建前、あるいは特に委員長の立場というものは、そうなければならぬと思うのであります。特に政府は法案提案に際しましては、慎重審議をして下さいということを絶えずおっしゃっております。従って、われわれが勝手に法案の促進をする——特に今解散含みの気がまえで、衆議院においては先ほど申し上げたような情勢でありますから、この際こそ、参議院は落ちついて慎重審議をしなければならぬ、重要法案であればあるほど、これは慎重審議をして、会期は五月十八日までと想定して、それの通過をわれわれは考えなければならぬと思います。  そこで、こういうようなわれわれの本来の任務から考えまして、この際、ぜひ総理大臣から、解散に対する明確なる御答弁をいただきまして、国会正常化、特に松野参議院議長の提唱される国会運営の正常化、われわれはこの精神を貫いて、いやしくも混乱の事態の起らないようにいたしたいと考えますので、総理大臣の所信をお伺いいたしたいと存ずる次第であります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) ただいまの小林委員からの御意見は、私一々ごもっともに拝聴いたしたのであります。私ども、この国会が五月十八日までの会期で、内閣としては予算案初め重要法案の成立を期して、これらの案件を会期中に終了し、成立せしめるように考えまして提案をいたして参っているのであります。解散の問題につきまして、いろいろ議論がございますし、また、国会の本会議あるいは委員会等において、その御質問がございまして、私は従来、この予算案初め重要案件を、ぜひ成立いたさせたいというつもりで、この国会に提案をいたしておる案件の成立を期するように、全力をあげて私は努力いたしておりますし、また、そういう考え方から、いつ解散するというふうなことは考えておりませんということをお答えしてきておるのであります。特に、世間では一月解散ということが相当に強く論ぜられ、社会党からも解散決議案が提案されまして、論議を見たのでありますが、その際にも、私はこういう所信に立って、わが党といたしましても、これに対し所信を明らかにして、これを否決して、そうして今後の進行、議事の進行をはかって今日まで参ったのであります。ところが、予算が成立をいたしましたので、最も大事な問題であり、国民の関心の深い予算が成立したというところから、さらにこの解散問題というものが一そう強く論議をされ、その間にいろいろの意見がなされておることも、小林委員がおっしゃる通りであります。そのために、ややもするというと、議事の進行が、審議が遅滞するというような傾向も見えましたので、総理大臣としてというよりは、むしろ自由民主党の総裁として、与党の審議に対するさらに一段の協力と努力を求めまして、今日に至っておるというのが現状でございます。そうして、私といたしましては、現在、御質問ではありましたけれども、いつ解散する、時期を明瞭に示せという御質問でございますが、私の従来お答え申し上げておるこの考え方、並びに今日の議事の状況を振り返って見まして、なお幾多の、われわれとしてはぜひ成立をしなければいかぬと考えておる、特に予算に関連して不可分の関係にある案件等もなお審議中でございますので、これらの、とにかく成立を期することに全力を上げるということが、この際何よりもわれわれとしては必要であり、いたずらに解散の時期その他を云々して、そしてこれに支障を来たすようなことがあってはならぬと考えまして、政府及び党も督励をいたして、与党としても、審議の中心になって各種委員会等の進行をはかることはもちろんのこと、これは政府におきましても、私初め各所属の大臣ができるだけ御説明を申し上げて、審議の促進をはかろうということを申し合せて今日おる状況でございます。はなはだ、せっかくの御質問でございますが、今日なお明確にその時期を申し上げ、あるいは解散をするかしないかということを結論を得ておりませんので、この点を一つ御了承いただきたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 政府の提案した法案の審議を促進し、あるいは、その通過を期するということは、これは歴代の内閣がそうやられるのは当然のことで、これは総理大臣のお話を承わるまでもない当然なことであります。今回は特にこの解散の問題と関連して、あなたは先般、記者会見をされたときも、重要法案の通過を促進することによって、それが関係あるかのごとき発言をされておる。また、三木政調会長談として、二日の新聞には、政府の重要法案と言っているものは三十八件である、これを十五日通過をめどにして、この通過を期して与党の常任委員長にこれを要望した事実も、また、これを了承された、こういうような記事が出ておるのであります。今の総理天臣の御答弁は、きわめて私はお座なりでありまして、総理の真意をお答えになったものでないと思いますので、それならば、重要法案とは一体何であるか、政府はしばしば言われる重要法案というのは、どういうものをいうのか、そういうことをお尋ねしたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) これは私ども提案をいたしております案件のうち、どれは重要で、どれは重要でないということを申し上げるということは、大へんにむずかしいことであると思うのです。というのは、われわれは重要でないものまでも実は御提案して、そうして御審議を願うという……、初めから、本国会というものが相当に解散、一月解散というような、今もありましたような何であって、議論が出るわけでございます。国会の進行につれて解散の論議がやかましくなるだろう。そういう際でございますから、われわれとしては、とにかく提案いたすのにつきましては、よほど選択をいたしまして、重要だと考える、ぜひ成立させたいという案件だけにしぼって出しておるわけでございます。従いまして、特にこれをどういうふうに分けるということはございませんけれども、われわれの、多少、三木政調会長やらの他の話が誤まり伝えられておる部分もあるのじゃないかと思いますが、審議状況を見まして、今日までの審議状況では、はなはだまだおぼつかない。しかも、非常に重要性を持っておる、今申し上げましたように、出しておる法案は、いずれも重要でございますけれども、案件等の点を、審議状況を見て、特に力を入れてこれを成立せしめるように、さらに努力しなければいかぬというような意味におきまして、いろいろとあのときには論議されたのでございまして、三木政調会長が申しましたように、われわれの出しておるところの三十何件というようなものが重要で、そのほかは重要でないというふうに実は区分いたして考えておるわけではございません、むろん審議の状況から見て、特にわれわれ力を入れなければ、これは成立を見ないぞというような、こう考えられるものについて、あの際、常任委員長と話し合いをいたしたような次第でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは三木政調会長のみならず、あなたが新聞記者会見をされた際にも同様のことをお述べになっておる。しかも、三木政調会長の際には、この重要法案三十八件は十五日通過をめどにしてやる。われわれは先ほど申し上げたように、この国会は五月十八日をもって終るわけです。従って、重要であればあるほど、また、衆議院の審議状況が総理大臣のおっしゃったようであればあるほど、これは参議院においては慎重にやらなければならぬのに、十五日通過をめどにして、この審議をやろうという、こういうふうに言われておるのは、総理大臣の、ただいまそういうふうな御答弁があったけれども、それはちょっとおかしいのであります。誤まり伝えられておるとおっしゃったけれども、少しも誤まりでなくて、正確に伝えられておると思う。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 十五日とか二十日とかいうような一応目標を置いて促進するというのは、ちょうど、まあ、これ何といっても、今、小林委員のお話のように、いろいろ党内においても、選挙区に帰っておるというような人も相当多数あることは事実でございます。そういう際に、とにかく進行を促進するという場合におきましては、一応、日にちを切って、これこれまでにやってくれということを申し合わすということは、こういう場合の私は世間一般のやり方でありまして、必ず十五日というところに非常な意味があるわけじゃなしに、一応の目標はここに置いてぜひやろうぜというような意味が主たる内容であり、それから今申しましたように、案件のうち特に審議がおくれておって、これではとても成立を見ることがむずかしいじゃないか、今のような審議状況ではというようなものに、時に力を入れようじゃないかということを話し合ってきておるのが事実でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 総理大臣の先ほどからの御答弁には、きわめて重大な意味がございます。われわれ国会運営の立場から、言いまして、非常に参考にもなり、また、その方針でぜひ今後打ち合せをやっていかなければならぬと思う。それは、政府の提案された一切の法案は全部重要である、特に重要法案というものを指摘するわけではない、こうおっしゃいましたから、国会審議は、これらのものを同等の重要性あるものと認めて審議をいたしたいと思います。さらに、こういう状況だから、十五日、日を限ってやることは常識だとおっしゃいましたけれども、普通の解散気がまえでない国会において、かくのごときことはほとんど行われておらない。全く異例でございます。これは常識であるとおっしゃいましたけれども、ちっとも常識でなくて、異例であって、むしろ総理が、いかにも国会議員がその風評におびえて、国会の審議をむなしゅうしておる、こういうように議員に責任をおおいかぶせるような御発言が先ほどあったのでありますけれども、これは逆であって、本末転倒もはなはだしいのでありまして、あなたは決断をされないで、何だかわけのわからないことをおっしゃるから。——はなはだ失礼でございますが、あなたはわけがわかっておられるつもりであるかもしれませんが、国民も国会議員もわからぬから、こういう混乱が起きておるのであります。いかにも国会議員に責任があるかのごとくおっしゃるけれども、この今日の混乱の状態を来たした最大の原因は、岸総理大臣の決断がつかないから、こういうことになっておるのじゃないかと思います。  さらに申し上げたいのは、この二日の記者会見に、あなたは解散の時期に関連しまして、自分は国民の世論と政府の首班としての責任の立場から考えて、これから党の首脳部の意見を聞いてどうするなどは考えないという御発言をなすっておるのであります。今まで一月解散は必至、また、自由民主党の中でも、岸さんは一月解散を強く考えられたようでありまするけれども、党内の一部の反対のため、これが実視できなかった、こういうような状態であったのでありますが、今やあなたがおっしゃっておるように、党の首脳部の意見を聞いてどうするという考えはない、あなた独自の責任においてやる、解散権はまさにあなたの手中にあるのです。だから、あなたの決断を待ち、あなたの胸三寸で、この現在の混乱は終止符が打たれ、正常な情勢に立ち返ると思う。これをおやりにならないのはおかしいのであって、その責任を全部国会議員におおいかぶせる、与党議員にだけおおいかぶせたならいいけれども、全部の議員に責任があるかのごとき御発言があったのは、はなはだ私は残念に思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私、先ほど来申し上げておることは、別に社会党——反対党の人々に責任を負わしておるということではございませんで、与党の総裁として、大いに与党の議員を戒めておるということを申し上げたのであります。今お話しの通り、私どもは一月解散をしない、これをぜひ成立せしめるというふうに申しても、なお今お話しのような混乱の状況がきておるのであります。もし逆に、それじゃいつ解散するということを初め申したとしたら、うまく行ったろうかというと、私はそうは思いません。混乱がなんということは、これはとにかく、われわれが置かれておる事態が、今年の暮れまでに選挙がされることは、これはほとんど、これこそ必至でありまして、そうするというと、その時期をいろいろと想定し、また、世論の動向等も、そういう事実を前提として、いろいろな世論が起ってくるということも、これも当然のことであります。そういう事情下にありまして、私は一月に私の所信を明らかにし、ぜひとも予算その他重要案件は成立せしめるということが、日本の現在の経済情勢や、その他の情勢から見るというと、私は絶対に必要である。社会党の主張されておるように、政権が変れば、必ず主権者である国民の信任を問うということは、確かに私は民主主義の公式的理論であると思うけれども、今日までいろいろな情勢から、それがなすことが至当でないと考えて私はきておるのであって、その事情から申すというと、こういう経済上の、なお経済の安定を見ておらない時期に解散するということは、その経済界の安定をまずきわめ、これに臨みたいということで、予算案初め重要な案件を政府としては提案し、御審議を見るということは、この際国民としては一番必要である、こういう考えでこの国会に臨んだわけであります。そのことは、その後幾たびか私が言明をいたしておるところであるにもかかわらず、世論はだんだん一月解散か五月解散というふうな声が強まっておるということは、これは事実でございます。これを全然、政府当局とし、私が従来言っておる意味において無視するかと言われるならば、私はそういう声があるという、だんだん一月よりも強くなってきておるという事実は、私、率直に認めております。しかし、まだ私が一月に申しました、そういう解散を急いでするよりも、なお重要案件を成立せしめることの方が、日本の国民経済にとり、日本の将来の安定、繁栄、成長のために必要である、こう考えたことを、私は今日それを、こういう事態になったら、それよりも世論の方に従わなければならぬとまで、私は決意しておるものではないということを、この前の新聞記者会見にも私申し上げておりますし、今日もなおそう考えておりまして、実際、一意専心、この提案をしておる各案件の御審議を促進していただき、また、われわれもできるだけ努力をして、いわんや与党の議員がその審議を停滞せしめるようなことをしては、私は与党の総裁としても相済まぬと、こう思って党員を激励いたしておるというのが実情であります。それで、その間においていろいろな会合もし、今申しましたような、こういう立場からよく申し上げ、なるほど普通のときに五月十八日まである場合に、四月十五日までに通そうというのは非常識ではないか、異例ではないかというお話は、確かにそうであります。というのは、私が幾ら五月十八日までを目途として出したと申しましても、先ほど来申しておるように、いろいろな解散についての論議が強まってきておりますし、そのために、いろいろな思惑から、特に議事が渋滞しておるというふうな事実も一時あったことは事実でございます。そういうことから申しまして、それは異例だと思います。そういう異例なときには、やはり異例な方法によって激励する以外には方法がないというのが、われわれの考え方であったわけであります。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 小林君に申し上げます。予定の時間がだいぶ超過いたしておりますので、なるべく簡単に一つ……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 ちょっと申し上げますけれども、委員長、最初、本日いろいろな委員会に総理は出席を予定されておるとおっしゃいましたけれども、本日は参議院においては当委員会以外、委員会は開かれておりません。衆議院においても、ほとんど本会議も委員会も開かれておらないのであります。他の委員会に出席の予定はないはずであります。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 委員会と言ったのは委員長の間違いでございまして、いろいろな会合というつもりが、つい……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 いろいろな会合という……。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 言葉のあやでそう出たのでありますから、御了承願います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 国会の審議が中心であります。特にこの最大の関心事の解散問題が、かような不正確な言葉、もう少し正確、そつのない答弁をしたらいいと思う。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) これは委員長の失言でございますから、御了承願います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 先ほど岸総理は、重要法案ということはないのだとおっしゃったけれども、ただいまあなたの発言中にも、重要法案をすみやかに通過させたいとおっしゃる。あなたの御答弁は、黙って聞いておれば、きわめてむだのない、そうしていわゆるそつのない御答弁でございますけれども、多くは、ただいまのような、すぐあとから尻の割れるような発言をされるので、国民は、岸さんのお話はいいけれども、どうも実がないのじゃないか、どうもヤマブキの花ではないかというようなことを言われるのは、今のそれと同じなんです。五分前におっしゃったことは、重要法案と考えていないと、こうおっしゃりながら、自分が重要法案の促進を期すと言われている。そこでもう一つ、重要法案とは何でございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私の言葉が少し足らなかったと思いますので、私としては、きわめて首尾一貫して申し上げているつもりであります。というのは、今国会に提案をいたしておるのは、いずれも重要案件であって、特にこの国会が解散気がまえで、いろいろ審議を、何といっても促進しても、いろいろ支障をきたすおそれがある。従って、いつもの何から見るというと、非常にしぼって出せということで、私としては、しぼったわけで、いずれも重要な案件であるということを最初に申し上げました。私が重要案件と申しておりますのは、今そういう意味におきまして国会で御審議を願っておる案件、こういう意味に御解釈を願いたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この問題については、後ほどまたいたすといたしまして、この二日の記者会見におきましても、総理は、重要法案の通過に努力し、重要法案の通過後、解散をやるという意味の御発言を、だれが見てもそういうふうにとれる御発言をなすっておるのでありますが、その場合にもう一つ重要なことは、解散の時期は外交問題とも関係がある。これは日ソ漁業交渉、あるいはその他の問題と関係あるという意味でありますが、私は総理のこの発言からいたしまして、この際、総理にちょっとお尋ねをいたしたいのは、この日ソの漁業交渉に関係があるという観点からいたしますと、昨年はアリューシャンの出漁は、四月の二十八日に出漁いたしております。今、北海道には漁船が集結して、この交渉妥結の入電とともに出漁の態勢をいたしておることは御承知の通りであります。そこで、昨年は四月の二十八日、これもぎりぎりで四月の二十八日に出漁いたしておるのであります。そこで、かりに今後、交渉の妥結があるといたしますと、従来の事務的な手続からいたしますと、出漁まで約一週間の準備が要るわけなんです。本日は石井農林大臣臨時代理をお呼びいたそうと思いましたけれども、岸さんは何でも御承知だから必要ないという委員長のお言葉でやめたのですから、よく御答弁願いたいと思いますが、約一週間の期間が要るのだ、それからさらにソ連から打電がありましてから、この独航船の割当をいたさなければならない、これが非常に政治的の問題、利権との関係がありまして、非常にめんどうの問題でありますけれども、特別の考慮を払いましても、二、三日の期間が必要であろうと思うのであります。従いまして、昨年と同じように四月の二十八日に出漁をするといたしましても、四月の二十日にソ連から交渉妥結の打電がなければ、これは出漁できないことになるのは、岸さんの御承知の通りだろうと思います。そこで、この日ソ漁業交渉に関係ありとの御発言によれば、こういうふうなあなたの発言がありますれば、日本の国会は解散含みである、重要法案が通過すればやるのだ、あるいは漁業交渉が妥結すればやるのだ、こういうことがソ連に伝わっておりますから、ソ連はこの四月の二十日に交渉妥結をする線でもって、交渉の取引が、いろいろ微妙なる交渉が行われると思うのです。これは岸総理大臣も御承知の通り、こういうような重要な外交交渉に、その足元を見られるような態度は、これは今後の日ソ漁業交渉に重大なる支障をきたすのではないか、非常に日本の立場が不利になるのではないかと思うのであります。こういう点から考えましても、国内問題の法案の審議だけでなく、日ソ漁業交渉のすみやかな解決をはかるという建前からも、すみやかに解散の時期を明示されるのがいいのではないか、先ほどからの御答弁によると、大体われわれの受けた感じでは、四月二十日ごろおやりになるような感じをわれわれは受けましたけれども、さらに私は百尺竿頭一歩を進めまして、明示されることが、日ソ漁業交渉の妥結のためにもいいのではないか、そうしなければ、ソ連に足元を見られて非常に不利になるのではないかと考えますので、この点の御所見を伺います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 総理大臣が最後の決定をするという場合におきまして、私が申しましたのは、やはり民主政治は、いろいろの世論の動向というものにつきまして、虚心たんかいに、その動向をあやまらないように、これを把握することが必要であります。さらにそれに従って行くことが民主政治の根本であることは言うまでもありません。同時に、国の総理大臣として、内政外交全般にわたって国政を運用して行きます上から申しますと、やはり国民の一切の、幾ら民主政治と申しましても、一切の意見を理解し、これをよく認識し、これを分析して、正確な事情を把握するというわけにはいきませんから、これは総理としては責任をもって、内政外交の全面にわたっていろいろの分析をし、そして国のほんとうの進むべき上から申しまして、各種の事態というものをよく検討し、これらの間を、やはりそのときどきにおいて、これらをよく比較考量して、適当だと思うときに解散をいたすのが一番望ましいであろうというのが、私の従来からの考えであります。そういうことで、やはり外交の問題もその含みがあるのかという質問がありましたが、そういうものももちろん頭に置いて、私としては総理としての責任を尽して、必要なものはしなければならぬ、それらを十分考えてやっていきたいということを申し上げたわけであります。今お話の北洋漁業の出漁には時期もございます。準備もございます。それで昨年の例を引いて考えて、こうなるのじゃないかという小林委員のお話も、ごもっともだと思います。しかも昨年のあれは絶対のものではございません。多少の時日の動きは、必ずしもそれが望ましいかどうかというようなことは別として、絶対のものではございませんし、今、日ソ漁業交渉の全権からの報告等によりましても、極力できるだけ早く妥結するように努力しております。しかし、これはもちろん相手のあることでございますから、いつまでに必ず妥結するということを申し上げる段階ではございませんけれども、だんだんその解決の曙光が見えてきているような状況でございますので、赤城代表等も全力を尽しておりますし、出漁の時期等についても、よくわかっている専門家も行っておりますから、それの手違いをきたさないように、交渉については全力をあげていると思います。また、やってくれることと信じております。そういう意味におきまして、特に今日そう私が申したことが、非常に不利になったかどうかというような微妙な段階でございますから、いろいろな見方もありましょうけれども、さらにその見方を言いますというと、また、期日をはっきりすれば、ますます向う側としては、その期日を何することにもなりましょうし、その辺はどっちにいたしましても、私は一番問題は、小林君の指摘されたように、私が外交上のことに考えつかないことが一体軽率だったのじゃないか、外交上のことは考えずに、内政のことだけでやるのだと言えば、私はおそらく問題がなかったのじゃないかということだと思います。そのために、特に漁業交渉のために特に期日を指定するということが適当であるというような段階では私はないと思います。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 小林委員のいろいろ御質問がおありだろうことはよくわかりますし、こういう機会だから、あらゆる角度からお聞きしたいと思われるのは無理はないと思いますが、あらかじめ時間についてお約束いたしておるのでございますから、一つそれでは、これだけにしていただきたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この日ソ漁業交渉の問題については私はやめますが、先ほどの本来の国会審議の立場から、いろいろ総理大臣は、国民の世論とか、あるいはいろいろとおっしゃいましたけれども、私はこの国民の世論という、世論とは何ぞやということを、ほんとうは総理大臣にお尋ねしたいのですけれども、本日は時間の関係でやめますが、この国会の審議のことも、ちょっとわれわれの立場を考えていただきたい。これは、はなはだ技術的な問題でありますけれども、こういうこともあるということを念頭に置いていただかなければなりません。それは日本とブラジルの間で国会議員の相互交歓をして親書を高めるという問題があるのです。先般、豪州との間に行われましたが、あの際は非常に豪州の議員団は国会の接伴に対して満足の意を表され、今後の日豪親善に非常な貢献をなしたと考えられるわけであります。今回ブラジルから、今月の三十日に議員団一行が当地に来訪されるわけであります。ところがこの解散の時期がわからない、解散があるのかないのかわからぬということであれば、われわれは衆参両院の議院運営委員会を中心として、従来の慣例に従って接伴をやらなければならない。ところが、こういうふうにあなたの態度が明確を欠いておるので、衆議院側においては、これはちょっと困難であるから、参議院で一つ頼むというような非公式なお話もある。ところが参議院にしても衆議院と同様に、解散になればいろいろの問題があるわけです。それで、われわれはそういう点を一つ考えましても、ただいまの総理大臣の御答弁では、解散がわからないから、やはり五月の十八日をめどにして一切のスケジュールを作るということになるわけです。そういうことになれば、今後非常な混乱がくることは、これは明らかなことであります。これは、やがて来訪される議員団のいろいろの所感等からいたしましても、今後のブラジルとの親善関係に重大なる支障を来たすのではないかというおそれもあるのでありまして、これはきわめてささいな問題でありますけれども、こういう問題も考慮していただかなければ困るわけであります。  そこで、最後に申し上げたいのは、本日の御答弁では、岸さんはもう言いたいのだけれども、何か奥歯にもののはさまったような御発言をなさっておる、その気持はわかりますけれども、われわれといたしましては、これでは、やはり五月の十八日をめどとして、国会の審議、運営をやるのがわれわれの正当なる建前である、こういうふうに考えるわけであります。従来、松野参議院議長の国会正常化の呼びかけに、われわれはこたえまして、誠心誠意、議院運営委員長に協力をして今日に至りました。おそらく安井委員長におかれましても、これは全く異例なことと内心思っておられるに違いないのです。今後といえども、われわれは従来の態度を変えようとは思いませんけれども、ただいまの総理大臣の御答弁では、これはこの問題をめぐって、今後、国会運営の混乱なきを保しがたいと考えるわけであります。従って安井委員長におかれても、あなたみずから総理大臣にこの問題をただされたらいかがかと思う。そうでなければ、今後あなたの立場が非常に困難になるのじゃないかと私は思う。(「おどかすな」と呼ぶ者あり)おどかすわけではないけれども、岸さんは、はなはだ私事で恐縮ですけれども、安井さんに対して再び煮え湯を飲まさせることのないように、最後の御発言があってしかるべきだと思いますので、念のためもう一度、総理大臣に御答弁願います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) これは今ブラジル議員団のことも私聞いております。国際的にも国内的にもいろいろ問題のあることは御承知の通りであります。一方、早く解散しろという声の相当高まっていることは事実であります。今、小林委員から、ささいなことであるとの一つの例としておあげになったが、これを唯一の理由で解散の時期をきめるというわけに参りませんけれども、しかし国政を連帯して行くところの責任者から申しますというと、そういうことも考えて見るというと、かりに、この国会を今解散せずに、秋に解散するということにすれば、今お話のようなことは、すべてスムーズに、ある程度行く見通しになるわけです。しかも一方から見るというと、解散の声がだんだん高まってきているということも、申し上げておるように、先ほどお話があったように、小林委員もその点はよく御承知の通りの国内情勢であります。こういう情勢のもとにあって、私はいかにして政府が提案いたしておる諸案件を、今日成立をはかっていくかという問題については、実は私自身非常に苦慮いたしております。党の幹部や、あるいはまた国会の常任委員長、常任委員の諸君や特に議運の諸君には、参議院並びに衆議院とも格別お願いをしているわけです。小林委員のお話のように、五月十八日まで会期がある。これをやはり頭に置いてお考えになるということは、ことに解散の時期を、私自身いろいろなことを考えている関係上、きめ得ないという立場から、今この国会内に必ず解散するということも、これも、一部で言っておるように必至であり、これは絶対に避けてはならないことと思っておりません。そういう状態のもとにおいて、一応、五月十八日を目途として御審議の何をお考えになるということも、政治の根本の考え方であると思います。これは皆さんどうお考えになろうとも当然だと私は思います。ただ、御承知の通り、政治というものは、いろいろな情勢でもって、いろいろ変化をいたして参ることも、これは初めから、五月十八日と予定して会期が定められておりますけれども、なかなか予期しないような事実によって途中で解散されておる国会もありますし、五月十八日をさらに延長した例もございまして、これは政治の実際の動きというものと、また関連するわけでございますけれども、根本としては、やはり五月十八日、われわれ提案いたしたのは五月十八日を目途に、これだけの御審議、成立を期するという意味で出しておるから、これがやはり基本になることは当然のことではないかというように考えております。   〔「委員長々々々」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 時間もだいぶ超過しておりますので、御存じの通りでありますので、阿部君、簡単に一言だけで終りに願います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 小林委員の質問に対して、総理の御答弁が満足であれば、何も駄弁を弄しようとは思いません。また、私の質問に総理がイエスかノーかのお答えでいいのです。あまり多くお話になると抽象的になって、どこをつかんでいいかわからないことになってくるので、一言だけしゃべります。  そこで、最前から小林委員の、この議院運営委員会というのは、これはかけ引きの場所でないということを前提にして小林委員が発言し、それを総理もうなずかれたと思うのです。それで、私はすなおな気持で聞くのですが、御承知の通り、官房長官にお出で願っておるのですが、法案も二百件を突破をしたものが衆参両院にかかっております。ある委員会においては、毎日一つづつ法案をあげたとしても、五月十八日までかかる委員会がある、そうしますと、どれもこれも十把一からげて、重要法案というものを、総理のさいぜんのお話がほんとうであるならば、これはもう結論的に会期延長になっても、五月十八日前は解散はないということになるわけですが、そこを明確にイエスかノーかということを御答弁いただければ、これで質問をやめます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほどお答え申し上げましたように、まだ相当、百五十五件ですか、提案しておるけれども、そのうち成立したものは五十八件、参議院を通過したものが三十六件、衆議院先議のものが六十一件、予算関係が八十一件のうち、通過したものが三十件となっております。こういう状況でありまして、われわれとしては、今日のところでは、先ほど申し上げましたように、これらのものをことごとくということは、いつも申しますけれども、どの国会におきましても、会期内にことごく成立することはなかなか困難な事情でありまして、今の私の考え並びに政府の考えとしては、一日も早く全力をあげて、今、提案しているものを促進するということで進みたいと思います。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 質疑はこれで終了したものと認めます。……(「これは大事な問題だ」と呼ぶ者あり)時間をはるかに超過しておりますから。では最後に一言だけ……。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 あらかじめお約束した時間を超過しておりますから、私もいろいろお尋ねをしたいと思っておったのですが、時間がないのでできないことになるのですが、そこで、この議運の理事会でいろいろ話し合ったことは、やはり現状においては、法案の審議についてどうなるのだか、めどがつかないという気持は、これはわれわれ野党だけじゃなしに、与党の方もひとしくそういう気持があったと思う。ところが、きょうの総理大臣の御答弁では、依然としてわれわれの目的を達することはできません。こういうことですと、きょうせっかく出席をしていただいたのですが、従来通りの形で参議院の各委員会における審議の状態が、解散の時期が不明確だということになれば、やはり小林理事からたびたび言っておりますように、五月十八日までの会期ということを一応めどにして、各委員会が法案審議をせざるを得ないということ以外にない。そういうことで、きょうせっかく御出席を願いましたが、われわれの考えておった目的に沿うような御答弁を得ることができなかったということだけを、ここで明らかにしておきたいと思います。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 質疑は終了したものと認めます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 大へんどうも御希望に沿い得なくて遺憾でございます。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 本日は格別の議事もございませんから、これで議院運営委員会は散会いたします。    午前十一時十四分散会

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