運輸委員会交通事故防止に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1958/03/25
会議録
○委員長(江藤智君) これより運輸委員会交通事故防止に関する小委員会を開会いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(江藤智君) 速記をつけて下さい。 それでは、まず運輸省自動車局長から、政府において検討を進めておられる交通事故対策についての経過の御説明をお願いいたします。
○政府委員(山内公猷君) 現在総理府に設けられております事故対策本部の中の自動車部会の経過について、簡単に御説明申し上げます。 本部会はすでにもう数回、毎週一回開いております。それで、この委員会でも御指摘になっておりますように、事故対策というものにつきましては、非常に多方面にわたるわけでございまして、まず第一に、この小委員会の取り上げるべき事項というものを決定をまずいたしたわけでございますが、それを大きく分けますと、まず、労働条件をいかに改善すべきかという問題、それから二番目に、経営方法の改善の問題、このほか速度制限の問題あるいは自動車損害補償の問題という多方面にわたっての問題を取り上げようというふうにやっておるわけでございますが、現在主として重点を置いてやっておりますのは、その中でも給与体系に属する問題でありまして、これにはいわゆる固定給と歩合給の比率をどの程度にしたらいいのか、また歩合給にいたしましても、現在非常に累進方式が極端なものがある、こういうものは実情はどうであるか、どうすべきかというような問題、あるいはトップ賞でありますとか、上の方に特に賞金をつけるというようなものが、結局運転手をかり立て、事故へ追いやるのではないかというような問題、それから総体的に最低保障給としてどの程度のものが確保されなければならぬかというような問題が、給与体系の一連の問題として議論をされておるわけでございます。次に、走行キロというものが問題になっておりまして、一日に大体適正な走行距離というものはどの程度のものであるかというような問題を討議いたしております。それから非常に卑俗な言葉でございますが、下車勤、車に乗らない勤務というものが運転手諸君のやはり懲罰的な問題として事故に関連があるということで、この問題の処置についても検討いたしておるわけでございます。そのほか休養施設でございますとか、運転手の指導監督の方法とか、あるいは日雇い運転手を使うことの是非、そういうことにつきましても検討いたしますとともに、単なる検討でなくてこれを法制的にいかに取り上げるかということにまで及んで検討しつつありますが、まだ現在検討の過程でございまして、最終的なまだ結論は出しておりませんが、なるべく早くこれの結論を出すように各省とも検討を進めておるのが現在の段階でございます。
○高良とみ君 大体経過は仄聞していますけれども、一ぺん、経過の速記なんかがあるでしょうが、それを提出していただけないでしょうか。内閣にある事故対策小委員会の経過の記録を出していただけないでしょうか、こまかい点について検討してみたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(山内公猷君) これは速記をつけておりませんので、あれは私の方で主管しませんで内閣の調査室で主管しておりますが、何といいますか、そういう会議的なものでなくて、各省がそういう各省というものを取り払って懇談的にやっておるわけでございまして、速記その他はとっておりませんが。
○委員長(江藤智君) ちょっと速記をとめて下さい。 午後一時四十四分速記中止 —————・————— 午後二時一分速記開始
○委員長(江藤智君) 速記をつけて下さい。 それでは、本日の関係当局の出席者についてもう一度申し上げますと、運輸省関係は、自動車局長の山口公猷君、業務部長の国友弘康君、それから警察庁の警備部長の山口喜雄君、同じく警ら交通課長の内海倫君、それから警視庁の交通部長の富永誠美君、同じく交通総務課長の広山紫朗君であります。 それでは、警察庁並びに警視庁の方からそれぞれこれまでの経過について御説明をまず願うことにしまして、質疑はその後に譲りたいと思います。 では、警察庁警備部長の山口喜雄君に一つ御説明を願います。
○政府委員(山口喜雄君) ただいま問題になっておるタクシーの交通事故の問題でございますが、われわれといたしましては、その事故の原因として取り上げらるべきものは、これはいろいろあるだろうと思います。道路の問題もございましょう。あるいは自動車の性能という問題もあると思います。ただ、何が一番問題であるといいますと、今日のタクシーは、全部とは申しませんが、その大部分のものが、いわゆる大幅な歩合制のもとに運転手が使用されておるということ、さらに、その歩合制が、水揚げ高が上りますにつれて大幅な累進制をとっておるということ、さらに、一定のノルマを達成しない場合におきましては、いわゆる下車勤務を命ぜられまして、これに対しましてはきわめて少額の固定給だけしか支給されておらない、そういうような仕組みになっておりますために、運転する者といたしましては、やむを得ず相当の距離を走って水揚げをかせがなければやっていけない、自分の生活に非常な影響を受ける、こういうことになっている。いろいろの面がございます。道路の問題等もございますが、これらにつきましては、今直ちにこれという有効な手をすぐとり得るというものでもないと思います。問題はやはり、いわゆる神風タクシーといわれて、町を突っ走っておりますこの状況の一番大きな原因はどこにあるかという点を追及して、それについて改善の策を講じていくべきではなかろうか、かように考えております。もちろん、警察といたしましても、いわゆる事故防止の観点から、取締りは今日まで相当厳重にやって参っております。 なお、交通規制といいますか、交通の流れを円滑にいたしますために、いろいろと今後におきましても工夫をしていくべき点が多々あると思います。これらの点につきまして、私どもとしましては、警察としてなすべき事柄はもう極力努力をいたしましてやっていきたいと思います。ただしかしながら、先ほども申し上げましたように、円タクの運転手が走らざるを得ないような状況になっておる、そのほんとうの原因のところを究明して問題を解決していくのが、これがまず当面とるべき方策ではなかろうか、かように私どもは考えております。
○委員長(江藤智君) 次に、警視庁交通部長の富永君にお願いします。
○説明員(富永誠美君) 一線の警視庁から昨年及び最近の事故並びに法令違反というふうな見地から、ハイヤー、タクシーの問題、特にタクシーの問題に触れてみたいと存じます。 昨年中に起りました交通事故のうち、自動車によって起りました事故が八割二分八厘を占めておるわけであります。これは、自動車の方のおもな責任、おもな原因による事故が八割二分八厘でありまして、人が飛び出した、あるいは自転車が入ったというふうなことで、自動車が交通事故に関連しました比率はもっと高いわけであります。つまり、自動車側に最大の責任がある、第一次の責任があるという見地から見ましても、八割二分八厘というのが自動車事故であります。その中に、これは、種別に見ますると、この自動車事故の中でも、今問題になっておりますハイヤー、タクシーの事故が全体の二一%を占めておるという状況で、これが最大になっておるわけであります。これを車両当りに見ますると、車両千台当りで三百七十六・五件、これはハイヤーについては除きましたが、 ハイヤー、タクシーを含めましても三百七十一・七件、つまり全自動車の約三割が交通事故を起しているという現況であります。で、自家用の乗用四輪が、千台につきまして六十一・五台という件数を示しておりますが、それに比しまして約六・一倍、六倍の事故を起しているのであります。 事故の原因を見てみますると、スピード違反、速度違反というものが一等多く占めておりまして二九・七%、つまり約三割というものは速度違反であります。これは他の自動車事故の場合も、全体を通じまして速度違反が一等比率が大きいのでありますが、それに比しましてハイヤー、タクシーのスピード違反の占める率が、他の自動車に比較しまして非常に高い状況を示しております。それから速度に関係します優先交通権無視とか、徐行不履行、こういったものも、はるかに他の自動車事故に比して高い比率を示しているわけであります。 それからもう一つ、ハイヤー、タクシーの状況は、時間的に見ますると、全自動車の事故が一等多い時間——多発時間と申しますか、これが午後五時から六時が最高になっているわけであります。それから六時以後だんだん減っていっておりますが、ハイヤー、タクシーにつきましては、これが逆になっておりまして、ハイヤー、タクシーの事故の最も起る時間は、午後の十一時から十二時、しかも、午後の五時、夜になってだんだんほかの自動車が低くなっていくのに反しまして、ハイヤー、タクシーは上っていく、最高が午後の十一時から十二時というふうな状況であります。昼と夜との事故の分布状況を比例的に見ますると、昼が四四、これに対して夜が五六、つまり夜の方が事故が多い、これは一般の自動車は、昼が多くて、夜が少いのに反しているわけであります。それからまた、特に問題になります死亡事故というものは、その六割が夜起っているという状況でございます。 それからこれを会社別に昨年度の交通事故の状況を見ますると、事故を最も起している会社は一応保有台数十台当りで申し上げれば十二・四台というのが最高であります。つまり全車両全部交通事故を起しておる、つまり車両台数の一二四%というものが事故を起しているのが最大の会社であります。それから車両の八0%以上事故を起している会社が七つあるわけであります。事故の最も低い会社は三%というふうに、会社によって、事故が非常に起っている会社と少い会社とあるわけであります。 それから法令違反、交通事故とは別に交通法規違反という状況を見ますると、やはりこれも車の台数にしますと、ハイヤー、タクシーが最大を示しております。全ハイヤー、タクシーの八二〇%というものが交通違反を犯している、しかも、これは私どもの方で直接ぶつかったものだけでありまして、そうでない違犯数はもっと多いわけでありますが、結局一つの車が八回は、全車両につきまして交通違反が行われているというふうな状況であります。そのうちでも無謀操縦というものが最も多い比率を示しておりまして、交通違反全部のうち、ハイヤー、タクシーにつきましては三四・一%、三割四分は無謀操縦であります。 大体以上が最近の状況でありますが、やはり私ども一線から見ておりますと、交通違反なり、あるいは交通事故の処理に当っておりますが、問題になっておりますハイヤー、タクシーは、だんだん追及して参りますと、率直に申しまして、やはり会社の経営のあり方というところに原因がある、もちろんりっぱにやっておられる会社もありますが、多くは非常に高い走行距離あるいは水揚げというものを示しまして、結局かせぎ本位になっておる、従って、スピードを上げるというふうなことになっていくのが非常に痛切に感ぜられるわけであります。 大体以上、現況とそれから一線から見ました原因と申しますか、そういったことにつきまして申し上げた次第であります。
○委員長(江藤智君) では、御質疑がありましたら、順次御発言を願います。
○高良とみ君 第一線に働いておられる警視庁及び全国を指導しておられる警察庁としましては、常に私ども国会の中で調査しますよりも実態をよく知っておられるわけなんです。ただ、少し御訪問して伺ってみますと、免許を許す方の運輸省関係は、これは自動車局長にも関係することですが、非常に人手が少くて、どんどん許可を出している。そこへもってきて車の種類が非常に多い。さらに、ドライブ・クラブのようなものも出てくる。道路の上は、無限に車両が増加していき、交通量が増してくる。その結果、自分の方で出した許可、免許及びその営業許可というようなものの跡始末といいますか、その結果、あるいはその全貌というものが許可を出す方にはわからないのじゃないか、つかめないのじゃないか。そこで、その跡始末をさせられている方の警視庁及び、全国としましては警察庁は、連日追っかけて歩くのに忙しくて、この根本の許可を出し免許を出している方面に対しては、何ら連絡ができない。要するに、ここに二重行政じゃなくて、むしろ分離した行政状態がある。そこにギャップが一つあるのではないかということを考える。そこで、お伺いしたいのは、富永交通部長が警視庁で交通を扱ってごらんになってその実態を、内閣に委員会ができる前でありますと、こういう会社がこういう営業状態であって、かくのごとく事故を起しておるということについて、今まで東京陸運局等に一週間に一ぺんなり、その他常に通知が行っておるのか、また行き得るのか、これに対して相談し得るのか、その間の連絡についてお伺いしたいんです。そうでなければどこへも文句の持っていきどころがないんじゃないかというふうに考えるのですが、いかがなものでしょうか。
○説明員(富永誠美君) 昨年の春に、大体会社別の事故状況なり、こういったものは連絡いたしております。それからまた最近にも、非常に交通事故の多発している会社の名は陸運局に連絡いたしております。私の方は結局、昨年中交通事改の少いような会社へ、これはまあ私どももどうして少なかったかどうかというふうに当りましたが、交通事故が多いという会社を、いきなり私どもが直接、どうして悪いんだと言うことは、交通事故を多く起しましたそれぞれの運転手が、一人でありません、いろいろな見地から会社の状況がわかりますが、それ以上直接会社に行ってどうだというわけにもちょっといきかねておる事情があります。それから最近二月以降、夜にとにかく事故を起しました状況につきましては、ある程度会社にも当りまして、どうしてそういうふうになったか、運転手の言い分が必ずしもすべて正しいとは私ども思いません。言いのがれの場合もありましようが、しかし、それが数多くの運輸手が同じことをだんだん言ってきますと、やはりそこに何か問題があるのじゃなかろうか、そういうような感じがいたすわけであります。陸運局にはそういったように事故の状況を連絡いたしておるような次第であります。
○高良とみ君 長い自動車の取締りの歴史を見まするとね、最近も声が出ておりますのは、業者の方からも出ておるのでありますが、警察が就業免許証のようなものを出して、そして一応陸運局でもって自動車運転の免許を与えた者に対して、今度はもう一つ違う見地から就業免許証というふうなものを警察の手で出し入れするという可能性について、これを警察庁としてはお考えになったことあるでしょうか。いわば、そうすればその許可を受けて、運転資格は十八才ですか、若い子供がどんどん出てくる、それに対して、これはハイヤー、タクシーに関しては就業免許を与えることができるかできないか、交通量その他を考えて皆さんの監督取締り方面でこれをさらに取り締ることができる、それについて考えておられるだろうと思うのです。それの是非についてお聞かせ願いたい。
○説明員(内海倫君) 就業免許の問題につきましては、かつて昭和八年ごろそういう制度がとられたことがあるのでございますが、その後シナ事変に入りましているんな事情があったようでありますが、廃止になりました。で、現在、しからば私どもの方としてどういう考えを持っておるかという点でございますが、実はそういうふうな、いわめる純粋な就業免許というふうな観点から考えたわけではありませんが、しかしながら、いわゆる一般乗客を輸送する運転手に対しては、通常の運転免許よりは程度の高い、しかも、条件をさらに強化した免許制度が必要であるという観点から、昭和三十一年のときに、免許制度の一部を改正いたしまして、在来のただ一本調子の免許制度を解消いたしまして、第一種、第二種というふうな運転免許制度に変えたのであまりす。第一種の運転免許は、在来の運転免許制度と異ならないものでありますが、第二種の運転免許につきましては、第一種の運転免許をとってから三年以上経過しなければ第二種を受ける資格はない、年令制限におきましても二十一才以上でなければならないというふうな年令条件も加えました。その他適性検査等につきましても、一種よりはきびしくこれを行う、こういうふうなことにいたしまして、一応旅客を輸送する自動車を運転する者についての、高度といいますか、そういう意味の免許制度を新しく新設いたした次第であります。で、ただ遺憾なことは、経過的に直ちにそれを切りかえる、これが非常に既得権との関係上困難な点がありましたので、向う三年間については経過規定を設けておりまするので、現在実際に運転しておる、たとえば円タク、ハイヤーというふうなものを運転しておる人が今言うところの新しい制度の第二種運転免許を受けたというものではなく、これは政令の経過規定で、在来持っておった免許を一応第二種免許とみなして、これを経過措置として処理いたしておるわけでありますが、すでに三年を経過しますればこの措置もなくなるわけでありますから、新しい第二種免許を受ける者が出てくる。なお新しい制度をしきましたときに、全然一種の免許を持っておらない者につきましては、この法令はそのまま適用されておりますから、それ以後におきましてはいずれも現在の政令に定めてあります免許制度そのままを受けておりまするので、この制度を改正しまして以来、すでに一種免許を持っておった者以外の者につきましては、先ほどのような制度のもとに運営されておるわけであります。こういう意味でこの二種免許というものが在来の就業免許とは非常に本質的に相違は示しておりますが、いわゆる安全運転というものを前提にして、その技量認定というふうな点から考えれば、一応就業免許というふうなものが考えておった要素も実現いたしておるわけであります。従って、今後さらにこの上に就業免許というふうなものを加えていくということは、いわゆる就職の制限というふうな面で、相当法律上も考えなければならない余地があると、私個人は考えております。従って、二種免許が現に存しておる以上、これをさらに就業免許ということで、それを持たなければ就業できないという点については、私は消極的またはきびしい考え方を持っております。ただし、これは私個人の考えにとどまるものであります。それからこれを実質的にカバーできるもは、やはり経営者におて選考試験を行うなり、あるいは一定の採用基準を設けるというふうなことによって行われるのがいいのではないか、こういうふうにも考えます。なお、この点につきましては、できるだけ諸外国の資料等も集めまして、検討はいたしたいと思っておりますが、現在この関係を主管しております課長という立場を離れて、個人的にも一応そういうふうな見解を持っております。
○高良とみ君 せっかく三十一年にきめられた一種、二極の段階があるのでありまして、私どももいろいろ調査したところでは、待遇も低いし、技術も低いし、あるいはその他性能も低いようなのとよいのとが一緒にまぜられておるので、これはやはり何か段階がなければならないということを思っていたのですが、それに片一方技術の方面でも三年たてば新免許を受けるという必要もあるのでありますが、今お話のあったような第二種の適性検査の内容に、東京都内なり、各都市の地理をよく知っているとか、接客の態度がよいとか、あるいは感情テストなどもしまして、あまり知能の低い、あるいは感情の不安定の人等もオミットしていく、そしてそういうのは再教育するということになれば、第二種免許を、今の部長のお話より、もう少し尊重させてみたならば、年令も上でありますし、素質もよくなるで、われわれ国津一般としては非常に安心できるのじゃないか。伺いたいのは、就業免許といわないでも、第二種免許というのは、警察庁なり警視庁が相当に発言権を持ち得るのですか、それともこれは陸運局でもって免許なり第二種の許可を与えるのですか、どちらですか。私の言うのは、やはり取締りする方と免許々与える方が違うから非常に困るのじゃないかということなんです。先ほど富永交通部長からもいろいろ会社に忠告のお話もあったけれども、実際の監督は陸運局にあるのじゃないか、そして警視庁が事故だの交通の道路に出てきたのだけを始末しているのじゃないかということが心配ですから、その点伺うのですが、どうですか、免許はあなたの方でなし得るのですか。
○説明員(内海倫君) ただいま申しました第二種運転免許を持っておらなければ、営業用の旅客を乗せる車、たとえば円タク、ハイヤーあるいは、バス、こういうふうなものは運転できないわけでありまするから、当然いわゆる自動車局の事業免許等とは全く無関係に拘束をしておるわけであります。従って、これを持っておらなければ、そういう業務に従事し得ないのであります。
○高良とみ君 それじゃ自動車局長に伺うのですが、私どもよく東京陸運局その他の陸運局の努力は理解するつもりなんですけれども、できない点があるというのは、全国にとってみればいろいろな問題がありまするが、そういう事故を起しているような諸会社については、皆さんの方では常に警視庁から実態をつかんでおられるのですか。それから自動車局長としては、これは非常に間に幾つも陸運局があって、運輸省の自動車局まではそういう実態がピンと来てないのじゃないかということをいつも心配しているのですが、これは相愛でしょうか、あるいは老婆心でしょうか、その点伺いたい。何かこの前から、よほど前から交通事故についてお話を伺っておるのですけれども、交通事故に対して自動車局が実態把握をしているか、それから把握した結果、これを行政指導する基礎がどこにあるのかということを、できるはずだのにどうしてなされなかったのか、端的にいえばそういうことなんです。それから同時に質問しておきますが、自家用車の新免許はどんどん出つつある。その上さっき言ったドライブ・クラブはあるし、それから各種四輪車、自家用三輪車、あらゆるものをあなたの方は、端的に申し上げてこの狭い道路の上でどんどんどんどん、毎日何千件というふうに免許を与えて出していらっしゃる。その始末は警視庁、警察庁に始末させて、そのしわ寄せがみな国民の頭の上や命の上にかかっている、こう極端に申したいのですが、どういうふうな規制をしていらっしゃるのですか。
○政府委員(山内公猷君) 最初の事故の概要につきましては、取締り官庁であります。東京都であれば、警視庁から陸運局に御報告をちょうだいいたしております。陸運局から本省の方にまとめて報告があるという段階になっております。それともう一つ、自家用車の免許でございますが、これは実は免許ではないのでございまして、届出でいいわけでございます。そうしますと、届出でございますので、届出の形式的な欠格事由がなければ、それは受け付けなければならないという法律の問題もございますので、個人の人が車を持ちたいというのに、法律の関係でその届出を受理しないということは今の法律の問題としてできないことになっております。
○高良とみ君 私、申し上げるのは、自動車を持ちたい方ではなくて運転免許ですよ。運転免許の方は警視庁で検査をしておられるようですが、あなたの方としては、ナンバーを要求してきている自家用車はどんどん出しておられる。それからその他の車両もナンバーを、例の営業用をほかにしたナンバーがどんどん町にあふれている。これが実態じゃないですか。
○政府委員(山内公猷君) 営業用のナンバーにつきましては、もちろん免許の問題でございます。それで問題になりますのは、需給調整をしている区域というものが交通上非常に問題になるわけであります。たとえば東京とか大阪とか名古屋という所でございますが、そういう所につきましては、自動車運送協議会というものに諮って増車をするとか、減車をするとか、現状でいいとかいう決定をいたしておりますが、その委員には、各その地区の警察の方々にも入っていただきまして、その審議にあずかっていただいておられるようであります。そのほかのいわゆる自家用車につきましては、使用の目的を書いて出して参った際に、これが形式的に車両法の要件を充足しておれば、届出を受理しなければならないわけでありまして、その際に、事実はこれは違反をするのではないかというようなことがはっきりしておればよろしいわけでございますが、はっきりしていなければ、やはり現在の車両法の建前としては受理をしなければならぬということになるわけでございます。
○岩間正男君 二、三点お伺いしたいのですが、第一に、今警察庁並びに警視庁側の意向を聞きますと、おしなべて同じようなことがいわれていると思うのです。それは事故のほんとうの原因というものは、決して運転手にあるのじゃない、今の経営の実態にあるのだ、こういう点では共通していわれていると思うのです。今まで取締り上から、これはお聞きしたいのですが、そういう場合、運転手だけを取り締って、これの免許状を取り上げる、営業停止をする、さらに罰金を課す、二重の罰を課すというようなやり方でやられてきたのじゃないかと思うのですが、そういう場合に、事業主に対して立ち入って注意をするとか、そういうようなことが行われてきたかどうか、単に運転手だけでこういう取締りというのは終っておったのじゃないかと思うのでありますが、これは私はよく事実がわかりませんので、あなた方の実際の運営の仕方についてお聞きしたいのですが、どうなっておりますか、その点は。
○政府委員(山口喜雄君) 警察でやっておりますのは、御承知のように道路交通取締法というのが根拠法規であります。で、法令違反あるいは交通事故を起しましたような場合には、警察でその運転をして事故を起した者について刑事上の責任あるいは行政上の責任を追及するというのが、これが現在の建前です。従いまして、私どもが主としてこの取締りの対象といたしますのは、これは運転手でございます。その場合に、経営者がいわゆる共犯的な関係にある——お前、事故を起してもいいからやれと、こういうようなことをやっておりますれば、これは共犯の関係で当りますが、そういうようなことは私はないと思います。そこで、警察としましては、事故の多い会社につきまして、警察から会社の経営関係者を呼び出していろいろと注意は何回もいたしております。ただし、そういう事業の経営、やり方について監督をするという本来の役所は私はこれは運輸省であると思います。警察庁が法令上、そういう権限を持ってやっておるのじゃなくして、事故があまりにも多いときには、その会社の経営者を呼び御注意をいたすということ、それからなお、これは全国ではございませんが、大阪その他におきましては、毎年そういう経営状況から事故がどうも多いと思われる会社につきましては、リストを作りまして、陸運局の方に提出いたしまして、これに対して陸運局として行政処分その他行政上の措置をとっていただきたいということを要望いたしております。
○岩間正男君 そうしますと、法律の範囲内で、道路交通取締法の範囲内で、それから抜けることができないと、こういう一つのワクがあるわけですから、あなたたちとしては非常に取締りが困難だ、それを現状において運転手はつかんでおるけれども、どうも運転手にこれはほんとうの原因がありそうでもない、先ほどからも申し述べられたような理由によってそういうふうになりますと、何か靴を隔てかゆい所をかいておるような感じを持たれたと思うのですが、どうでしょう、今までの取締りですね、そういうものに非常に不十分なものを感じておられたという感を免れないと思いますが、そういう点を率直に聞かしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(山口喜雄君) 交通事故について、この対策を十分に講じますためには、単に警察が法令違反、あるいは交通事故を起しました者を取り締るというのみでなくして、さらにさかのぼりまして、現在のタクシー企業の経営のやり方について、抜本的な改善の策を講じなければならないと、私どもはさように考えております。従って、隔靴掻痒の感は非常に痛切に感じております。
○岩間正男君 それは警視庁側もそうでしょうな、同じような感じを持たれるでしょうな、その点いかがですか、念を押すまでもないと思いますが、あらためて伺っておきます。
○説明員(富永誠美君) 同じであります。
○岩間正男君 これに対しまして、あなたたちの意見というものは述べられたことはありますか、たとえば非常に事故が多発したと、そういう会社に対してはリストを作って運輸省の方に提出すると、こういうことですが、事故が相当起るといえば、期間が要りますね、一年なら一年後の統計によってそのリストを作って運輸省に取り締らせるということになりますと、これはどろぼうをつかまえてからなわをなうという式の卑近なたとえでいえばそうなるんです。ですからそういう点でもう少しあなたたち行政面において第一線でタッチしておられる方々、あるいはその衝に当っておられるあなたたちとして、そういうような意見をこれは実際、上申することが今の機構じゃできるのかどうかよく私にはわかりませんが、しかし、ただ国民の事生命に関する重大な問題に対しては、あなたたち職責の面において今までどういうふうに処理されてきたか、仕方がないと、このような末端の方の原因ではない、第二次的なそれから起った現象の運転手だけを取り締ってやってゆく、こういうことでは非常に何か自分でやっていても胸に聞いてみてぴんとしなかったような点があったんじゃないかと思うのですが、こういう点を今までどういうふうに意見を具申されたか、これについて、そういったような道が一体開かれておったのかどうか、こういうことを念のためにお伺いしておきます。
○政府委員(山口喜雄君) 従いまして、われわれとしましては交通の実情から見まして、こういう点を事業経営の監督の衝に当っておられる運輸省で手を打っていただきたいということは、あるいは内閣の交通事故防止対策本部の会議におきまして、あるいはまた直接運輸省の自動車局に対して、これはもう長い間何回となく要望もいたし、申し入れもいたして参ってきております。
○岩間正男君 そうすると、高良さんもさっき指摘されたように、行政が一元化されていない、行政が非常に官庁セクトになっておる、なかなかそこの交流ができない、1時間もかかる、こういうことのために実際は事故を非常に多発さしておるという現象が出てきておるんじゃないかと、今のお話を聞いてきますと。これがもっと一元化されて、そうして取締りの面と真の事故の原因が何かということが明らかになれば、それについてすぐ手を打ってゆく、かゆい所に手が届くような処置がされていたならば、これはずいぶん変ってきたんじゃないかと思うんですけれども、そういった点は残念ながら今まで、この交通行政の中では実際には連絡が確立されていなかった、一元化されていなかった、こういうところに非常に原因があったということが今のお話から大体察知することができるわけです。それとあなたたちやはり経営に行ってそういう実態をお調べになる権限というものはちょっと行わないわけでしょうな。これは一応の職務の延長として、今のお話では共犯の場合は、これは注意を与えたり、相当立ち入ることができる、それから事故が非常に多いときは注意を与える、こういうようなことになりますが、むろん中に入っていって相当内容的にタッチする、そういう権能は今までないわけですね。それをやったことございますか、そういう点。
○政府委員(山口喜雄君) いわゆる行政法規における当該管理というような権限はございません。ただ、実際問題としていろいろ事情を調査する、お聞きをいたしておる、こういう状況でございます。
○岩間正男君 そういう非常に法の不備それから実際の行政運営の不備ということがそういうところに出てきておると思うのですが、もう一つ私お聞きしたいのは、これは取締りが結局本体を一かゆい所はそのままにしておいて靴だけをかいておるのだから非常に不十分になって、結局靴だけうんとかぶって、靴だけにそのしわが寄ってゆくというようなことがあったんじゃないですか、取締り面で、法規面でやったというだけで、その結果が事故を多発さしておるという矛盾した現象ですね、つまり免許証は取り上げられた、営業停止は食った、罰金は課せられた、さて、その罰金をどうして負担するか、そういうようなことになる、これは下車勤をさせられた、それでその成績を取り返さなくちゃならない、そういうような取締りの厳重な面は一面やむを得ない面があるんですが、つまり本体に迫らない、その本質をつかまないような、いわば現象面において、そこのところだけが強化されたためにそのしわが全部逆に運転手に行き、運転手は再びそれによってノルマの過大を強行しなくちゃならない、そうして四百五十キロも飛ばすということに陥らざるを得ない、精神的な状態を考えてみても平衡を失っておる、うちでは家族が待っておる、下車勤ではとても食っていけない、そういう事態に追い込められるというと、どうしてもその結果今度はあせって、そうして過大な仕事をやってゆくというところに実は今までの取締りそのものが追い込んでいた面があったのではないか、その結果が事故を作った、事故の再生産という格好になってきた面があると思うんですが、そういう点について、あなたたちこれはどうお考えになりますか。私たちどうもそういう点までお聞きしておるわけですけれども、取締りの面だけの風当りが強い、そうしてその事故の原因のところにはなかなかメスが通らなかった、そういうことのために今言ったような、結局はそれは国民の生命の安全にまで脅威を与えておったという一つの事実は、これは争うことのできない事実のように思うのでありますけれども、こういう面については、これはあなたたち非常に矛盾をお感じになったというようなことはございませんですか、この点お聞きしたい。
○政府委員(山口喜雄君) 警察としましては、現実に交通法令違反が行われ、交通事故が発生しました場合に、これに対する取締り、あるいは事件検挙という措置をゆるがせにいたすわけには参りません。また、先ほどから私もいろいろ事業の経営の問題について申し上げましたが、もちろん運転する輸転手の側にいろいろと問題の点があることも、これは事実であるのであります。ただ、そういう場合に、たくさん起っておる交通事故をどうしてなくすか、今日の交通事情を改善するか、問題がどこにあるかということをやはり探求してそれについての改善の策を講ずべきでありまして、交通取締りが交通事故を起しておるというようなちょっと御発言には私はどうもいささか賛成いたしがたい点がございます。
○岩間正男君 それはあなたの立場としては、私がそう言ったからといって、それを肯定することはむずかしいでしょう。しかし私は、客観的な事実としてそれは言っておるわけです。これは再生産になっている、実際問題として。非常にやっぱり取締りの点で、これはあなたたたちの気持もわかるんですよ、ここのところをやりたいんだが、どうもくつを隔ててそうしてかゆい所をかけない、そうすると非常にそっちの方にしわが寄ってくる、そういうことのためにやはり再生産の面がこれは出てくる、そういう点がこれは結論として出てくると思うんですが、総合的な行政がないということですね。それでほんとうにこれは一体となってこの行政指導が行われていない、そうするとこれは運輸省の問題になるんですが、自動車局長、いなくなったですね。
○委員長(江藤智君) 自動車局長、予算委員会の方へぜひというので、国友部長が見えておりますから……。
○岩間正男君 それではまたやりますか……。
○大倉精一君 ちょっと時間を急ぎますので二、三要点だけ質問しますが、ただ、質問する前に、ここは小委員会ですから追及する場じゃないと私は思うのです。それで原因がどこにあるかということを各担当分野の面から見解をお伺いする場であると私は考えておりますので、従って、いろいろの面について、それは自分の職責じゃないからということじゃなくて、その担当の面からも一つ見解を伺っておきたいと思います。法令が悪ければこれは変えていかなければなりませんから、それで今の関連質問から始めていきますけれども、まあ岩間君の質問は取締りの強化、これがかえって事故の悪循環になるんじゃないか、こういう質問、私は一つそれを必配しておるんです。それで端的にお伺いするんですけれども、二重処分という処分は、これはちょっと処罰としては過ぎておるんじゃないか、こう私は思うのですね。この二重処分をやったら、あるいは厳罰を課したら事故が減ってくるかというと、そうでないと私は思う。従って、私は二軍処分という法令といいますか、そういう制度はこれは改めなければならぬじゃないかと、そう考える。もう一つは、あなたの方は法に従って行動をなさるんですが、取締りの方法ですね、たとえば極端に言うならば、白バイがどこかに隠れておって、そうしてスピード違反を見つければ、さあ見つけたということで突っ走っていって罰金を取るという、そういう取締りの方法ですね、こういう方法については私は一考を要すると思います。でありますから、今お伺いしたいことは、二重処分というようなやり方は、この制度というものは少し再考をする必要があるのではないかと思います。あるいはまた取締りの方法についても再考する必要があるんじゃないかと思うんですが、この点についてどういう見解を持っておりますか。
○政府委員(山口喜雄君) 二重処分の問題についてお答えいたしますが、私どもはいわゆる交通法令違反、あるいは交通事故で人を死傷せしめたという場合の刑罰という方は、これは個人の行いました行為に対して、いわゆる刑事責任を追及するという意味から行われておる。一方におきまして行政処分といいますものは、そういうような運転をするものをそのままほうっておいて運転を継続させておれば、さらに事故が起る危険性があるというので、行政処分をして、ある期間運転しないようにするわけです。おのずからそこにねらっておるところが違うと思う。もちろん受ける方からいいますと、二重処分という感じはお受けになると思うのです。もちろんわれわれも、行政処分で免許証を取り上げるといいますか、運転をある期間できないようにするということ自体が目的ではないし、そういう事故を再びしないようにすることに問題はあると思う。そこで、最近におきましては、そういう運転免許の停止を命ずるような事例につきましても、いわゆる講習を受けさせる、たとえば交通法令について知らないために事故を起したというのであれば、その交通法令について十分に教える、あるいは運転の技術が未熟で事故を起したという場合であれば、運転の技術について講習を受けさせるということにして、まあこれを受講命令——講習を受ける命令と言っておりますが、受講命令というのを出しまして行政処分にかえることができるようにいたしたい。現在は三十日未満の行政処分にかかわる事件につきましては、こういう受講命令ということで、再び事故を起さないようにという趣旨に沿うような措置をとりつつあるのであります。 それから白バイにつきましては、これはまあ取締りを受ける側からいえば、確かにそういう感じを受けられる場合があると思います。ただ実際、白バイの姿が見えればスピードをあまり出さない、姿が見えないとまたとたんにスピードを上げるということで、何だか追っかけっこをしておるような状況ですが、できるだけそういう悪い感じを与えないようにして取締りはしていきたい、そういうふうに、いたずらな気持でやっているのではないと思います。やむを得ずやっておるものと思います。
○大倉精一君 これは追及するわけじゃありませんが、要するに今のイタチごっことおっしゃることが、それがいわゆる運転手の心理状態といいますか、に及ぼす無形の影響が大きいと思う。かって、ずっと前に宮城タマヨさんがどっかで質問したことと思いますが、日比谷の交差点にひげのはえた、おっかない交通巡査が昔おったのですが、運転手が違反をやるとこらっと言って非常にしかるのですが、しかし、一回も処罰したことはない、そこで運転手は、その巡査がそこにおるということだけでもう違反はしないということでしたね。ですからこれは、やはり取締りをするところの方法について非常に大きな問題があるのじゃないか。そこで要は、運転手の事故を起すというのはいろいろな問題があるでしょうが、結局は運転手の精神状態にある。運転手の精神状態が何に影響されるかということについて、細心の注意をおのおのの担当分野に従って払わなければならないと思うので、そういうことも私は必要だと思っておったわけです。 次に、まあ免許の種類を一種か二種ということでありますけれども、これは今の処罰の問題と同じでありまして、これも一つの方法でありましょう。ありましょうが、そういう考え方をしておる考え方自体が事故の原因を運転手に求める、事故の原因を運転手に求めるということに重点を置く、そういうことから運転手の免許をどうするか、処罰をどうするか、取締りをどうするか、こうなってくるのでありますから、これも私はしろうとでわかりませんけれども、ハイヤー、タクシーの運転手だけそういう運転手の免許の資格の差別をいたしましても、まあこれは高良先生ですか、おっしゃったように、どんどんふえてくるところの自家用車の運転手でありますから、自動車の事故というものは相対的なものであって、自分は運転を正常にやっても、向うからぶつかってくる、ですから、そういう意味合いからいって、私は、一種、二種ということについてはその判定もむずかしかろうし、その運用を誤まるとかえって私は逆効果になるような気がするのですが、そういう点の見解はどうですか。
○政府委員(山口喜雄君) 第二種というのは、いわゆる営業用ですね。タクシーの運転手が一番適用を受ける。やはりこれはお客さんを乗せて運ぶのですから、過去における事故の件数等から見まして、やはりある程度の年令に達した者の方が事故が少い。あるいは経験年数から見まして、免許をとってから一年、二年というような間は事故を起しやすいというようなこと、これは言えるのです。そこで年令について一つの制限を設ける、あるいは経験年数というものについて制限を設けるということは、これはやはりある程度やむを得ないんで、自家用の運転手と営業用の運転手との間に、免許について若干の区別はやはりあった方がいいんじゃないか、こういうように思います。もちろん、これは運転手だけを責めるという趣旨でこういう制度を設けたわけではございません。
○大倉精一君 答弁簡単でよろしゅうございますから……。で、それについてもいろいろこれから研究するのでありますが、私は、今のような区分をされましても、やはり陸運行政の面と密着するのでありますけれども、今のように乗用車にしても、トラックにしてもどんどん白ナンバーでもって営業行為をやっている、こういうものについては、別に第一種の運転手でもやれるということになるし、たくさんの自家用車の営業類似行為があるのです。でありますから、それだけにたよるということもいけないし、また、それもある程度やむを得ないとしましても、基準の判定は私は非常にむずかしいと思う。二十才の者が必ずしも悪いかというと必ずしもそうではない。三十才の者、四十才の者がいいかというと必ずしもそうではないと思う。ですから、そういう仕事というものは、たとえば免許を受けた仕事の初めは非常に慎重にやるのですけれども、若干なれてくると横着になってぽかんと、こうやる。どの程度が一番危険かということになると、これは非常にむずかしいものでありまして、一年、二年たった方がかえって危険な状態であるかもしれませんので、これは慎重にやってもらいたいということを、私はそう考えておりますので、それを述べて、まあこの問題はよろしゅうございます。 次に自動車局の方にお尋ねをするのですけれども、自動車経営の適正規模というのはどのくらいにお考えになっておりますか、東京都においては。何台くらい持った規模といいますか、非常にむずかしいと思いますけれども、どのくらいの規模を大体適正とお考えになるのですか。
○説明員(国友弘康君) 東京都におきましては、個人経営は現在のところ認めておりません。
○大倉精一君 いや、何台くらい……。
○説明員(国友弘康君) 現在は、まあ十両未満のものもございますが、大体私ども——これはまあ科学的に出したわけではございませんけれども、大体三十両から五十両程度というふうに考えております。
○大倉精一君 そこで、適正規模というのは一体どういう内容を持ったものですか。適正規模というのは三十両から五十両というのでありますけれども、三十両から五十両というのが適正規模という、簡単に観念的な意味でありますか。適正規模の内容というのは一体どういうものを条件といいますか、規準として適正規模というか。利潤の面であるのか、あるいはその他の何かの面で適正規模という内容があるのか、それを一つ、あなたの方で考えておられることを聞かしてもらいたい。
○説明員(国友弘康君) まず会社組織で申しますと、その会社を運営していくために必要な経費というものを捻出しなければなりません。その経費には原価と利潤とあるわけでございますが、たとえば自動車——輸送手段であるところの自動車について申しますれば、それを入手し、及びそれを償却していく経費が幾ら要るか、それから直接費で申しますと、ガソリン代が幾ら要るかとか、運転手の経費が幾ら要るか、運転手の給与を幾ら払うかということで経費が出て参りますが、それに株式会社でありますれば、重役に対しまする手当というものがございますが、それらも加えまして、あと利潤を一割ということを見て、それが払える程度のものが適正規模ということを考えております。
○大倉精一君 そこで、私非常に重要な問題だと思うのだ。初めの方が原価で、結局一割程度の利潤というものが上れば適正規模だと、こうなるのですね。私が非常に重要だと言うのは、いわゆる今の日本の状態では、日本のこの労働条件その他の状態では、車やガソリンやそういうものの値段はきまっておる。きまっていないのは人間の相場なんですね。そこに私は問題があると思う。人間の相場はどうするか。いわゆる労働賃金——労働条件ですね。でありますから、私はタクシー運転手諸君がいわゆる適正なる運転業務をやって、そうして適正なる生活の条件が与えられる、こういうのが適当なる労働条件ですね。この適正なる労働条件をやって、そうしてそういう正常経営ができるという規模ですね、これが私は正常なる状態であると、こう考えるのですね。でありますから、何でもかんでも労働条件というものをぐっと引き下げて、低下をして、非常にひどい労働条件で使って、追いまくって使って、そうして利潤を上げなければ自動車経営がなっていかないというような、そういう経営は、私は適正経営でないと思う。しかもまた、公益事業ですから、適正なる労働条件でもって労働者を雇い入れることができない、そうやったら経営がつぶれるなんというようなそういう経営者は、これは公益事業としての資格がない経営者だ、私はそう思うのですね。それで、ずっとさかのぼっていくというと、免許に私は問題があると思う。事故の原因が免許に問題があると思う。今あなたがおっしゃったように、三十台から五十台が適正規模であるとするならば、あの今の法律によるならば、三十台以下のものは存在せぬはずなんだ、東京都においては。理論的にですね。そういうものが、五台、十台、二十台が存在している、こういうところに輸送事情が非常に乱れ、そうして不当競争が起り、神風タクシーが起り、事故が起ると、こうなって参りますと、免許の問題が非常に大きな問題になってくると思います。まあこれは私追及しません、場が違いますから。 そこで、免許の条件としまして、労働条件というものを免許基準の中に入れる、こういう必要ができるですね。これは私は前から主張しておる。この労働条件のきめようはいろいろあるでしょう。あるでしょうが、一方労働条件というものをきっちりきめる、これをやらなければ免許しない、免許してもこれを守らなければ免許を取り消すぞと、こういうことでないとほんとうのサービス乗車ができないのじゃないか。いわゆる相場のきまっていない、人間の相場を勝手にどんどん引き下げて、そうして不当競争が起り、事故が起ってくるのでございますから、私は根源にさかのぼっていくならば、免許の基準の中に労働条件というものを一条入れる、こうすればおのずから三十両以下——二十両、五両というような経営はできないことになる、そういう申請が出てこないことになると思いますが、そういうことについての見解を承わってみたいと思います。
○説明員(国友弘康君) 免許基準は道路運送法の六条に規定してございますがその三号に「当該事案の遂行上適切な計画を有するものであること。」という条項が、一つ号がございますが、これによりまして免許等の申請の審査をいたします場合には、就業規則案等をとりまして、労働条件についても審査しております。そうしてこの三号に該当する点を見てやっております。
○大倉精一君 この問題は、ずっと以前に私が質問したときには、全然運輸省の方では受け付けなかったのです。それは労働省の問題であるというような見解をしておられたのですね。しかも、このことはILOの内国委員会の決議にあるわけです。一九五二年、ゼネバの決議にあるのです。これは運輸省もその当時知らなかった、委員会のときに。最近になってようやくそういうふうに考えられるようになっていると私は思うのですけれども、単に申請の書類の中にそういうものを向うが書いてあるから、じゃ、免許してやろうじゃないかというのじゃなくて、さらに一歩進んで、労働組合との労働協約というものによってあなた方が確認をするということですね。これでないというと、払う方が一方的にきめてしまって、あるいはきめたもののごとく申請をして免許がもしおりたならば、一向これを実施しない、運輸当局は、この監督は労働省の方の問題だからということで一向に効果が上らない、でありますから、明確に適正なる何々を有するものという中に、あるいは別でもいいのですけれども、労働条件というものを明確に一本打ち出すということが必要だと私は思うのですが、まあこれは一つ、これ以上お尋ねをしても仕方がないと思いますけれども、私はそう思う。従って、さらにゼネバのILOの決議というものを尊重して日本の法令の中にそれを加えなければならぬ、こう私は思うのですね。そこで、今度は増車という問題がさっき出ましたけれども、この適正規模、労働条件から適正規模という内容になってきたのですが、現在、現実に今東京都においては、適正規模以下の業者がたくさんおる、これをどうするか、こういう問題に相なってくるわけですね。東京ばかりじゃなくて名古屋にも大阪にもあるのでしょう。そういう場合に増車という問題がかりに起った場合に、かりに、かりの問題かもしれません、どこでどう増車するか、これが大きな問題だと私は思う。今まで地方に増車の問題が起りますというと、もう政治家が入ってみたり、あっちから突っつかれてみたり、そうして何やら根拠のないような、あっちへ何両やりこっちへ何両やりというような増車を政治的におやりになるような、そういうことも秩序を乱す根本になるのじゃないかと思うのです。端的に言うならば、たとえば適正規模以下の車両の経営者があるならば、これをぶっつぶすわけにいかぬ。国が免許をしたから、免許をしたものが悪いのだから、そっちの方を適正規模になるように増車するということになるでしょう、理論的に言うならば。現実的には大きな業者の発言力が大きくて、大きな業者がますます車を増車をするというような、こういう傾向があったのではいかぬと思うのです。増車の方針と今の適正規模という問題、これは非常に増車の問題と私は考えなければならぬ問題だと思うのです。その辺の見解を伺ってみたいと思います。
○説明員(国友弘康君) 今大倉先生の適正規模とおっしゃいますのは、私の方でお答え申し上げましたのは、そういう両数である場合において経営が健全にやられやすい、まあそういう意味で適正規模で、絶対にそれなら十両なり何なりであったら経営できないかというと、私はそうではないと思っております。そういう点については、実はまだどの両数において最も妥当であるか、どの両数でなければできないかというような両数については、実は私どもの方としてはまだ出ておらないわけであります。それでさらには増車というような場合には、東京都で起って参ります場合には、これは東京陸運局の自動車運送協議会に諮問をいたしまして、そうしてその現在の需給の状態が妥当であるかどうかということを協議会で判定をしてもらいまして、その結果、まあどういう結論が出ますか、現在のところ私は申せませんけれども、たとえばその増車をしてしかるべきだという結論が出ました場合には、それをどういう方法で増車するかということも、あるいは自動車運送協議会で議論が出るかもしれません。あるいはまた、その何両だけという増車の結論が出ました場合には、東京陸運局といたしまして、それをどういうふうに割り当てるかということを慎重に検討してきめる、こういうわけでございます。
○大倉精一君 きょうはもう討論はいたしません。結局、聞いておくだけのことにしますが、今のお話ですと、三十両といってみたり、十両でもいいといってみたり、はなはだしければ一両でもいいということになるわけで、これは非常に問題だと思いますので、これは当局としてこの際一つ的確に適正規模を把握するように一つしてもらいたいと私は思うのです。果して十両で、たとえば私もよく知りませんけれども、東京都内で模範的な労働条件で、模範的に近いといいますか、模範的じゃないかもしれませんが、模範的に近いような労働条件で働かしておる会社があるとする、それならば十両でその労働条件でもって働かすことができるかどうか、退職金を全部含めてできるかどうか、私はできぬと思う。もっと極端に言うならば、一台で免許した場合には、これはおやじ一人でやるわけにはかぬ、助手も雇うでしょう、あるいは、その助手に対しまして近代的な労働条件、退職手当金を出すことができるかというのだ。どうもやはり私は適正規模の源を労働条件に置いてもらいたいと思う。これは運転手がなければ車は動かない。事故も運転手が起すのです。でありますから人間というものに対する問題をもっと重視してもらわなきゃいかぬと思うのです。最近新聞で見ますというと、これは運輸省これは運輸大臣のことですから、あなたに聞いても仕方がないと思うのですが、一台持ちに免許せぬと言ってみたり、どうやらすれば一台持ちにでも何か会社経営に参加してもらうと言ってみたり、まことに世の中を迷わすことばかり運輸省は言っておりますから、これは決定したものを言ってもらうのならばいいのだけれども、こういう重大な時期にそういう大事なことを、一台持ちには免許せぬというようなことを言ってみたり、免許するようなことをにおわしてみたり、あるいは一台でもって会社の経営に参加させるというようなことを言ってみたり、これはこの際慎しんでもらいたい。これは大臣によく言ってもらいたいと思うのだ。あるいは経営者側の実態をあなた方がよく調べてもらわぬというと非常に危険だと思うのです。これはどうですか、ほんとうに運輸省、きまっておるのですか、一台持ち。
○説明員(国友弘康君) まだ一台持ちについての方針はきまっておりません。
○大倉精一君 それじゃまあこれは聞きませんが、そういうきまっていないことを大臣やなんかがぼそぼそあっちへ行って言ってみたり、こっちへ行って言ってみたり、これは非常に重大な問題だから、これは一つ慎しんでもらいたいと思います。 なお、私は警察当局にも聞きたいと思うのですが、ほかに質問者もありますので聞きませんが、やめますけれども、このほかに私はこういうことを一つ専門家の皆さんにぜひとも検討をしてもらいたいと思うのです。そうして、知恵を貸してもらいたいと思うのですが、運転者に、実はさっきも言いましたこの事故の原因は運転手の頭の中にあると言いました。技術はそう大して違いませんよ。しかも、運転手は事故を起すのはしょっちゅう起すのじゃない。一生涯に一ぺんか二へん起すだけなんだ。運転事故というものはあっという間に起るのです。これは精神のありどころによってぱっと起る。そこで、一体運転手の精神に影響を及ぼすものは何か。たとえば、町に必要以上に刺激するネオンサインなり、色彩もあるでしょう、あるいは必要以上の騒音があるでしょう、あるいはまたいろいろその家庭の環境、職場の環境もあるでしょう、あるいはその他何といいますか、運転手がじりじりしてくるようないろんな環境が出てくると思うのですが、そういう原因について一つ十分に御検討を願いたいと思うのです。それが、これは一つの原因だと思うのです。ですから、第一種免許取締りとか、二種処分とか、それよりも今の運転手の精神的に及ぼす影響はどうかということ、もう一つは、私はこれはもう非常に飛躍したことになるかもしれませんけれども、スピードに対する人間の本能というもの、スピードに対する本能は、今、車を運転して三十キロ、四十キロというのではだれだってじりじりして、お客さんだってじりじりする、でありますから、今の間に合わないけれども、これ、人間のスピードに対する本能というものを無視しないで、ずっと先のことかもしれませんけれども、長い目で見て、このスピードに対する本能の解決を、お互い専門として十分に気をつけなきやならぬ。だんだんスピードの増しておる今日において、自動車だけもっとのろのろと運転せい、これ自体が非常にもう食い違っていると思うのです。これは今直ちに言って直ちに答弁を求めるわけでもありませんけれども、こういうことを考えながら抜本的な対策を立てないというといけないと思う。それを、交通量が二倍にふえたから、交通機関を二倍にする、これではしょっちゅう、もう交通量が二倍になったから二倍にするのじゃ、これはもう交通業務できないと思いますから、これは関係当局者われわれも含めて、将来の交通の推移、あり方、それと並行して万般の施策を立てていく、これは抜本的な問題として当然これは考えるべきものと思いますので、この点も要望しておきます。
○岩間正男君 今、この審議会に聞いて云々ということを言うが、やはり運輸省自身が調査機関を持っているのかどうか、この努力をする気なのかどうか、これと関連して、この前私はこの五十台、百台、百五十台、二百台というような経営内容について資料をほしいと言っておったんですが、これは出ておるのですか。われわれのやっぱり調査が進まないわけなんだ。従って、これにあわせてここで努力してもらいたいと思うのですがね、これはどうです、いつごろもらえます。そういうものの方が必要なんだ、実際は。そういうものがなくては話にならぬ。そして審議会にまかせるということじゃ全く他力本願だ、解決するのですか、基本的なものが。これはどうですか。いつもらえます。ちょっとここでちゃんと約束しておいて下さい、急がないから。そのうちに解散なんていったらだめになりますよ。解散なんていったら何もやりやしない。わあっといってこっちも神風タクシーになっちゃう、そんなことじゃ話にならぬ。
○説明員(国友弘康君) 岩間先生の御要求になっております資料は、運輸省及び労働組合及び経営者から、経営の内容についての資料というお話でございますが、これについては、まだ私の方でも出しておりませんが、実は三百業者について全部調査をいたしますと、非常に経営の内容は大へんなんで、十ぐらいの例は調べております。これにつきましては早急に御提出できると思っております。
○岩間正男君 拙速でいいです。あとでまた詳しいのもらいます。
○説明員(国友弘康君) それから自動車運送協議会への諮問と申しましたのは、東京全体の需給、両数についての需給状態がどうかということを諮問するわけでございます。
○高良とみ君 ちょっと関連して伺っておきたい。先ほどから問題になってる免許は、免許のときは非常に発起人等を厳選する、しかし、今度は一度認可をすると、経営者の名前はただ届出だけでいいんですか。そうするとどんな人でもいいということになるのですか。
○説明員(国友弘康君) さようでございます。
○高良とみ君 それは道路運送法がそれをきめてるわけですか。普通の商取引になるわけですか。
○説明員(国友弘康君) さようでございます。
○高良とみ君 そうすると、この前もここで問題になったですね、現在売春違反なんかで起訴されてるような連中なんかでも、片一方陸運局に許可申請を出してますよ、一億の資金を持ってね。そういうのでもちっとも経営者としては困らないのですね。届出さえすればいいというのですね。
○説明員(国友弘康君) 道路運送法には欠格事由がございまして、これは六条の二にございますが、「免許を受けようとする者が一年以上の懲役又は禁この刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過していない者であるとき。」、そのほか、刑罰に関しましては、そういう規定がございますが、これに該当いたしておりますれば、届出がありましても、それは欠格事由に該当することになりますから、その会社としては取り消しの原因になりますが、その他につきましては、刑罰を受けておらない者につきましては、現在のところ欠格事由にございませんので、届出によって名称の変更はできるということになると思います。
○高良とみ君 要するに欠格者はだめだということになるのですね。わかりました。
○柴谷要君 運輸省に二、三点お伺いしたいのですが、本月二十三日に、朝日新聞の記事として、運輸省案というものが発表されました。その第一は、運転手の固定給が総収入の六〇%を占め、その額が一万円から二万円となるよう行政指導する、ということが第一項。第二項は、自動車事故による死傷者の弔慰、見舞金を次のように政令によって引き上げる、第一は、死亡者に対してはこれまで三十万円であったのを五十万円とする、負傷者に対しては十万円を三十万円とする、このため自動車損害保険料を上げる、これが二つ目。三つ目は、一台持ちの個人業者を育てることを目標とし、次のような方法を行政指導する、すなわちタクシー会社に五年から十年勤続した運転手に対しては、運転手の積立金で自動車を買わせ、その車をもって会社の経営に参加するよう行政指導する、こういう大きな三つの問題が出てきた。これは果して運輸省案であるかどうか、まずこれを伺ってそれから中に入っていきたいと思う。
○説明員(国友弘康君) これは朝日新聞の二十三日の第一面に記載されたものでございますが、これに関しまするこの案それ自体が運輸省の案であるということで、たとえば総理府の自動車事故防止対策部会に提案することになったと書いてございますが、そのような状態にはなってございません。運輸省の現在の確定的な案ではございません。
○柴谷要君 確定的な案でなければ、これは重大だと思うのだが、だれが発表したのですか。こういうことを新聞に発表された方、それを一つ伺っておきたい。
○説明員(国友弘康君) 私もその間の経緯を非常につまびらかにしてはおらないのでございますが、これは朝日新聞の記者の方がいろいろな方面から取材されてお書きになったものだと思っております。
○柴谷要君 運輸省の案でないものが新聞に載った、これは単なる新聞社の人が、取材をして出したということだけで事が済むとお考えでございますか。この点を伺っておきたい。
○説明員(国友弘康君) この案が出まして、私どもといたしましても、運転手の歩合給と固定給との問題、あるいは事故賠償の場合における保険金額の問題等につきまして目下検討を重ねております。ただ、この案で現在提案をしておるとか、この案を出すとかいう状態にはなっておらないのでございます。
○柴谷要君 私は、内容を検討しておるとかおらぬという問題ではない、そういうことを質問しておるのではない。新聞にこのような案が運輸省案として出た、これを国民が見るとその反響というものが大きい、たとえば、すでにきのう自動車事故が起きておる、それでその被害者から僕のところにたずねてきて、三十万円が今度五十万円になるそうだが、いつですか、こういう質問なんです。これは運輸省案でないものが新聞に出て世論を迷わすということになったら重大問題だと思う。大臣並びに政務次官はどういうようなこれに対するお考えをお持ちですか。政務次官が出てきたから政務次官に見解を伺いたい。
○政府委員(木村俊夫君) 実は、私も新聞で見まして驚いた次第でございます。これは朝日新聞だけの記載のようでございまして、運輸省としては正式にきめたわけでもなし、運輸省内でこれに近いことを局議、省議その他で論議したこともございません。
○柴谷要君 これは僕らのように、多少なりとも自動車に関係をしておる者が見れば、まことにずさんきわまりないもので、こんなものは信用しません。ところが、一般の人たちはこれをもって実に、三十万円が五十万円になり、十万円が三十万円になるということ、あるいは一台持ちの個人業者ができるのだ、そして経営に参加できるんだ、こういうことは非常に期待を持たせるわけです。この発表した人はどなたか知りませんが、責任は重大だと思うのです。その点はどうお考えになっておられますか。これは政務次官に詰め寄ってみても、政務次官では確固たる回答はできないと思うから、できなければ次に大臣に伺うつもりでおりますが、こういうことを流して、国民にこのようなことを感じさせることはいいことですか、悪いことですか、いかがでございますか。私は単なる新聞記事として見のがすわけにいかぬです。この問題は。特に最近は自動車事故が多いために、われわれは真剣に問題と取っ組んで問題を解決していこう、ほんとうに国会として正しい意見をまとめていこうと努力しているさなかに、こういうものを出して人心を迷わすということは、いいと思いますか、この責任はどなたがおとりになるおつもりですか、大臣ですか、それとも自動車局長ですか、その点を伺っておきたい。
○政府委員(木村俊夫君) 先ほど申し上げました通り、これは朝日新聞の記者が取材をされたのでありますが、もちろんこれは取材は自由でございますが、運輸省といたしましては、ただいまおっしゃった社会的影響の面におきましては、私も今これを見まして、社会的にいい面もあれば非常に迷わす点もあるということは痛感しております。そこで、これに対する責任問題でございますが、運輸省といたしましては、これについての責任ある回答は、運輸省としても正式に案を決定したとききまるものでございます。ただいまのこういう問題、それに対する論議も行われておりません。責任問題は別に一つ考えたいと思います。
○柴谷要君 運輸省がこれにかわるべき案を作成をされて発表をする、それによってこれを打ち消していきたいという、こういう御発言のようですが、それは一体いつごろ出る予定でございます。それを聞いておきたい。
○政府委員(木村俊夫君) ただいま省内においても鋭意検討中でございますので、なるべくすみやかにいたしたいと思います。
○岩間正男君 今の問題、何ですか、これはニュース・ソースの問題でしばしば騒がれておる問題ですが、新聞だけに帰するのですか、出所をあなた方調べられて、朝日新聞が勝手にとっていった、こういうふうに断言されているのですが、それでいいですか。ちょっと今までの例を見ますと、まずいのじゃないかと思いますね。
○政府委員(木村俊夫君) 役所の中でも新聞記者の方がよく来られまして、個人的に意見を聞いたりされる場合もありますが、その場合にはきわめて慎重な態度をもってこれに応答はしております。これがどういうソースから出ましたか、私、まだつまびらかにしておりませんが、もしこれが運輸省のある一部局から出たとすれば、もちろん私どもとしては責任を感じております。
○岩間正男君 先ほど業務部長さんは重大な案だということをちょっと出されるから、どうも不謹慎だ、重大というのは現状を変更することになるでしょう。そういう案をちょっと自分の私案として言って、出されるのは、少くとも政府委員の代理で答弁しているのだから、そういう点慎重にしてもらわないと、新聞だけにかぶせられないから、もっと調査して報告して下さい。
○柴谷要君 政務次官だからいいようなものの、大臣が来るとよけい問題が発展したと思うのです。実際のことを言って。これは朝日新聞ともあるりっぱな新聞社の、しかも、優秀な記者が取材をしているのだから、間違いないのです。間違いない。そういうことになるとこれは言った人があるに違いない。ところが、それは運輸省案としてきまっていないというところに僕は重大性があると思うのです。そういうことを追及しておったんではわれわれの目的は達しられませんからやめますが、しかし、次官、少し口の軽いのにはチャックでもはめて、あまりそういういたずらに人心を迷わすことを発表させないように御注意願いたい。 そこで、第一項の運転手の固定給収入の六〇%を固定給にしたいといって、その額が一万円から二万円だと、何を言っているのですか、今日の運転手の月収というものは、いかにノルマに追い立てられ、歩合で働いているとしても、六〇%固定給にするとしたら相当の高額になる、これは一万や二万のそんな金じゃないのです。これがあたかも六〇%が一万円か二万円の印象を受けている。それから第三項などは、これは重大な問題が発生してくると思うのです。こういうことは一つぜひ政務次官の責任において十分に注意をしてもらいたいと思うのです。 それから先ほど国友さんがはしなくも適正経営台数を三十台から五十台と言ってしまった。これはあなたがどうお答えになるかと思って注意をしておったのです。この前、同じことを私は自動車局長に質問したのですが、そうしたら、さすがは局長さんで、台数については何台とも運輸省としてはきめかねております。という御答弁があった。ところが、あなたは三十台から五十台と言われるから、私はびっくりした。実際、あなたの方は多少調べられてはいるとは思うけれども、三十台−五十台というのは、まだ的確に運輸省として言える数字じゃないということを確認してよろしゅうございますか。
○説明員(国友弘康君) 先ほど申し上げましたように、私どもの方として三十台−五十台というふうにきめておるわけではございません。その点はあとで訂正いたしましたように、その三十台−五十台というものを出しておるわけではございません。
○柴谷要君 それでは、あまり運輸省いじめをしているようで格好が悪くなりましたから、山口さんがいらっしゃいますから、少しお尋ねしたいと思いますが、大へん明快な、先ほど事故の原因に対しておもな原因は歩合制であり、ノルマの働きによっていろいろ来ておるのでどうしても事故が多い、こういうお話でございました。まことに私どももその通りだと思っております。ところが、営業車の事故とそれからその他自家用車の事故、この比率を見まするというと、自家用車が非常に多いのでございますね。当面営業車の事故を撲滅するために、経営者並びにこれに働く労働者諸君の協力を得、かっ政府その他の配慮があってやっていけば、私は営業車の方は相当急速に事故件数を減らしていくことができると思うのです。ところが、自家用車の方は遺憾ながら一国一城のあるじがお持ちになっておりますから、なかなかこの自家用車の方の事故を少くするということは並み大ていなことじゃないと思いますが、これらに対する何か御名案がございましたら御教示願いたいと思うのですが。
○政府委員(山口喜雄君) もちろん自家用車、特に三輪車ですね、これが最近非常にふえておりまして、事故を相当起しております。私どもはもちろんタクシー、ハイヤーの問題、これは重要な問題でありますが、さらにこの自家用車、特に小型の三輪車その他の自動車の事故防止については、十分にその原因を検討しまして極力対策を講じて参りたいと、かように考えております。この問題を横に置いておるとか、ないがしろにしておるということは毛頭ございません。
○柴谷要君 そこで、私の方でもこの自家用車の問題については、今世間が非常に高く取り上げております神風問題を処理する過程において、やはり自家用車の問題も処理していかなければならぬと思うのだが、これはどうも個人々々の問題でありますので、どうしても徹底をさせるということについては、やはりこれは政府なり関係官庁に非常に協力してもらわなければならぬと思うのです。ついては、これは要望になろうかと思うのですが、常業車の事故もこのくらい、しかし、営業車の事故を上回っておる自家用車がこういう事故を起しているということを、やはり市民に徹底させる必要があるのじゃないか、それをやはり事故の取締りの元である検察庁あたりが中心に、あるいは特に警視庁あたりが中心になって、そういうようなことをアピールするようなお考えはございませんでしょうか。
○政府委員(山口喜雄君) 自家用車、ことに小型の三輪トラック等が相当事故を起しておることはこれはお説の通りであります。ただ、現在タクシー、ハイヤーの交通事故というものが非常に大きく世論として取り上げられておるのでありまして、この問題は多年の間何とかして解決しなければならない問題であると私どもは考えて参ってきたのであります。従いまして、問題をまずそこにしぼってこの問題を解決する、そうしてさらに、今の自家用車の問題を解決するというように行くのが、私は問題を解決するやり方としては適当ではないかと、はなはだどうも言い過ぎのような言葉を申し上げましたが、私は率直に申してさように考えております。
○柴谷要君 私どもやはり同じような考え方です。営業車の事故件数をぐっと減らして、やはり関係者の努力によってこういう状態になった、しかし、また依然として事故が少くならぬのは自家用車の方にあるんだというアピールをしていけば、自然とその方面には影響を与えてくると、こう思うのです。そこで、今度は違った角度から富永さんちょっとお伺しておきたいと思うのですが、過日、あなたが新任されたときでございましたか、ごあいさつの中に、これは新聞で見たのですから事実かどうかわかりませんが、交通規制の拡充強化をはかる、こういうことが新聞に載っておりましたが、交通規制の拡大強化をするというのはどういう方向にお考えを持っていっておられるのか、その点を一つ御説明願いたいと思います。
○説明員(富永誠美君) 総合的に交通規制をはかっていきたい、結局、道路は現状のとおりであります。自動車はどんどんふえていく、結局はやはり何とかして、規制がなければ一等いいのですけれども、規制せざるを得ない、しかも、それを総合的に持っていきたい、こういう意味であります。たとえば、これはタクシーばかりではありませんが、全般になりますと思いますが、タクシーに関しましては、タクシー専用のできたら駐車場も設けたい、その裏づけとしまして、流しタクシー、あるいは空車で道路の区域が非常に混雑する所はこれはやめてもらいたい、それからまた、ある路線を通じてUターンは、非常に混雑する所はこれもUターン禁止、たとえば向うにお客がおるということですぐそのまま転換するところに無理がある、できるだけUターン禁止区域も場合によりましては拡大しなければならないだろうし、それから非常に込む所は右折の禁止、右へ回るのが向うから車が来たりして、これで非常に渋滞を来たす、あるいはまた非常に狭い所あたりは一方通行、こういった各般の措置を講じたいと思っております。
○柴谷要君 交通規制については一応わかりましたが、実は今度の昭和三十三年度の予算を見ますると、罰金、過料が昨年度から見ると十億ばかりふえた、これを取り立てるのに特別な取り立てをするというようなことが今日お考えになっておられますか。
○政府委員(山口喜雄君) 別段罰金の額を上げるために交通取締りを強化するというようなことは全然考えておりません。
○柴谷要君 実は、先ほど同僚議員から話がありましたが、私が特別に、事故を起した運転手に会いまして翌日いろいろ聞いてみたのです。ところが、その交通事故で六千円罰金を取られた、それをどうも取り返しをしなければならぬというので、実はスピード違反をやって、これまた三千円取られた。ところが、かせげばかせぐほど貧乏する、こういうことになってしまって、それで困ったものだという心境を運転手が話したわけですね。ところが、そのときに三千円の罰金を免除してもらえば、事故を起さぬで一生懸命やれるかと言ったら、それはその温情をかけてもらえば特段の注意をするという、こういう運転手の率直な話があったのですけれども、どうも罰金を取られるものだから、三千円取られたから三千円取り返してやらなければならないというような気持が運転手の中に事実ありますね。そういうような点からそれは取締りをやらなければならぬ問題でありますけれども、法の適用については、温情を持ってやっていただくというようなことも、一つ警察庁としても御考慮願いたいと思う。特に最近、運動等が行われて過労のため事故が起きておりましたが、特にこれらの問題に対しては労働者が自覚をし、組合を通じて、絶対連休をやりません、という強い線を出してきたので、そのようなことは少くなってきたのですが、警視庁が最近お調べになった中で、乗車一時間、二時間、三時間、順次追っていきますと、八時間以上の乗務者が五三・三%という数字が出ておりますけれども、こういうまあ勤務の状態を調べてみると、どうしても八時間労働がいいという結論にしか事故の状態では出ておらないと思います。そういう点は、これから労働省その他とも十分話し合ってみたいと思いますが、警視庁の取締りの面から見ても、まあ八時間労働制を施行した方がいいという、事故調査の結果、見解に立っておられるかどうか、この点お伺いしたいと思います。
○説明員(富永誠美君) 今、八時間制をとっているところの会社、それから二十四時間ですか、これをとっております会社、この事故別を今とっておりますけれども、なかなかちょっと時間がかかりまして、今はっきり八時間制をとっている会社の方が事故が多いとか、少いとか、これはちょっと今のところ申し上げられない段階に現在あります。
○柴谷要君 富永さんにもう一回お尋ねをいたしますが、これも新聞で見たので真偽のほどはわからないのでお聞きするんですが、実は、私どももいろいろこのタクシー会社の実情を調べてみたいと思うのです。ところが、あなたの御就任のあいさつの中に、非常にいい会社もあるのだと、こう言ってあげられたのが新聞に載っておりましたのを私ちょっと記録しておいたんですが、目黒自動車、品川タクシー、京西交通、東京第二交通、日進交通これらの会社が非常にいい、こういうふうにあなたがおっしゃったということが書いてあったんですが、そういう会社が実際に事故の方面でもいいし、経営の面でもいいということで御発言をされたのでございますか。
○説明員(富永誠美君) 会社がいいと申し上げていないのです。たまたま、どんな会社があるか、交通事故の少い会社、正式じゃありませんけれども、名前が出たような状況ですが、従って、今、かりに名前をあげられた中には、必ずしも会社の内容は直ちによいとは私は思っておりません。まあその中で絶対にいいというのは一つぐらいあるのじゃないかと思っておりますが、あとはまだ会社の内容につきましてはずいぶん疑問があります。
○柴谷要君 事故が割合少いということは非常にけっこうなことで、これはいずれ適当に実情視察の際に入れてやっていただきたいと思います。最後に、一点だけですが、実は東京陸運局が十三日と十四日にわたってタクシー会社を調べられたようですが、その調べた実情を発表していただけますか。それとも、後ほどでいいのですが、資料があれば資料を出していただけますか、どういう項目によって調べられたか。十三日が国際、日の丸タクシー、それから新星、豊国交通、東京コンドルが東陸で調べられております。十四日の日は大和、山手交通、京浜交通、新生、豊和、代々木、こういうふうに調査してありますが、これらの調査の内容をおわかりになったら一つ資料としていただけませんか、これからの委員会の資料にしたいと思うので。
○説明員(国友弘康君) 私、まだその調査内容は承知しておりませんので、よく東京陸運局から調査内容を聞きまして、できまするならば資料として提出をいたします。
○柴谷要君 最後に、私のようなものがこうやって東京陸運局がタクシー会社を調べていたのを知っているんですよ。業務部長という自動車行政全般にわたってのオーソリティであるあなたが知らぬということではちょっと困ると思いますから、至急調べて資料があったら出していただきたいと思います。あなたのように次代をになう人でそれくらいのことは十分配慮してあると思いましたが、いけませんね、それじゃ。(笑声)資料を出していただくことによって私の質問を終ります。
○高良とみ君 この間から問題になっておりますこのハイ、タクの労働者の条件やあるいは待遇については、これは相当労働省の関係があると思うのですね。それからいわゆる労働基準法の二十七条、二十八条等によって、最低基準を当局は指導することができろと、定めることができると、こう書いてあるのですから、そういう点では今まで労働基準局の手が、少し協力が早らなかったのじゃないかというふうにも考えるわけで、労働基準局長にもいろいろ会ってみましたが、非常に遠慮をして、まあ主管監督は東京陸運局及び運輸省にあるのだからというわけで、引っ込んでおられましたが、どうしてもこれは日本の国内にいる限りはILO等の関係もありますし、やはり運転手の待遇というものを、しっかり指導していただきたいと思うのですね。ですから、その問題について、今申しませんが、一体名義貸しということを禁止することはできないのですか。妙な問題だと思うのです。私どもはわかりませんが、古い習慣のようでありますけれども、世界各国の交通者に話して見ると、わからぬ、そういう変なことがあるかというようなことになるのですね。これはやはり商法によるのですかどうですか。許可を受けて、そしてその名儀を貸して、ほかの人に運営させるということですね。
○説明員(国友弘康君) この名義貸しのことにつきましては、道路運送法の第三十六条に規定がございまして「自動車運送事業者は、その名義を他人に自動車運送事業のため利用させてはならない。」ということを規定して、ございまして、名義貸しというものは、自動車運送事業者には禁止されております。
○高良とみ君 そうしてみると、まあ巷間名義貸しということは常識のように言われておるのではないのですか。実際はそうして行われている。これに対してやはり監督して、許可を与えているところの陸運局は、それとも一つの戒告を与える基準になるのじゃないかと思うのですが、どうなんですか。
○説明員(国友弘康君) この名義貸しの整理については、運輸省といたしましても、積極的に行なっておりまして、名義貸しが発見されました場合には、それに該当する処罰をいたしております。
○高良とみ君 それはどういう程度の、どういう停止処分をやっておりますか、どういう行政上の。
○説明員(国友弘康君) 今までの処分といたしましては、輸送施設の使用停止をいたしまして、その名義貸しになっておる車両及びその他その自動車運送事業者の持っております車両の使用を停止する——十日とか二十日とか停止するということをやっております。
○高良とみ君 そうすると、そのナンバーを取り上げてそれを保管するのですか、陸運局において。
○説明員(国友弘康君) さようでございます。
○高良とみ君 先ほどからほかの方からの御意見も出たんですが、警視庁からやり玉に上った不良業者の名簿というものがあるわけですね。これは最近のものだけ見ても相当にある。それを今度は陸運局はその会社に停止処分を行なっておるのがあるわけですね、最近はまあ六社ぐらいになっておりますが。その理由というと、メーターを倒さなかったとか、区域外の営業というふうな、私どもから見ると、それもいけないことに違いないが、それよりもっと大きな犯罪がたくさん行われている。そういう点で先ほどの交通事故が多発というようなことなんかも、行政処分の対象にならないのですか。今のはメーターを倒さなかったとか、あるいは乗客拒否であるとかいうようなことだけが処分の対象になっておって、自動車事故多発であるとか、あるいは労働基準法に反するように運転手の待遇が悪いとか、まあ憲法違反にも考えられるようなことがあっても、それは営業停止の材料にならないのですか。
○説明員(国友弘康君) 処分につきましては、道路運送法の四十三条に規定がありまして、「この法律若しくはこの法律に基く命令若しくはこれらに基く処分又は免許、許可若しくは認可に附した条件に違反したとき。」という条項がございまして、道路運送法に違反しますと、道路運送法及び道路運送法に基きまして制定されました道路運送法施行規則とか、自動車運送事業等運輸規則に違反しました者につきましては、この四十三条の条項によって処罰しておりますが、他に労働基準法等の違反によるところの違反事故というものについては、道路運送法のこの四十三条を適用して処分するわけにはいきませんのでやっておりません。
○高良とみ君 その辺が時代の要求と各省間の連絡の上に立った行政指導でいこうと言われるところなんだろうと思いますがね、同じ国の中にいても、厚生省あるいは労働省の基準には反しても、片一方からは処罰されない、あるいは警察の方で困るような、刑事追及を受けても、これはその会社は一向に処罰を受けないというような実情からいたしまして、今日のような白あるいは黄色いナンバーの混乱状況が起っているのだと思います。これで、まあ私どもしろうとですからよくわかりませんが、いわゆる道路運送法の欠陥というものがあるのだ、あるいは道交法に穴があるのだ、そういう間を抜けてこういう交通の混乱状態が起っているというふうに言われておりますね。そういう点について率直な、ただ法文の解釈ばかりでなく、幅広く国民の立場から見た案がおありになったら、この際一つ運輸省としても平たい気持で、ただ、今までの仕事の防衛をする意味でなく一つ数えていただきたいと思います。何かこういうふうに改良したらば、今日のような道交法、道運法の欠陥を補って国民に迷惑をかけないようにやれるというようなものをお考え願いたいと思いますが、そういう方法があるのですか、いかがですか。
○説明員(国友弘康君) その点につきましては、先ほどから話の出ております事故防止対策本部の自動車部会において、各省集まりまして現在検討しておるわけでございます。そうしてこの道路運送法の適用あるいはその他の法の適用につきまして、現行法においてどの程度適用できるか、さらに改正案としてはどういうふうにすべきかということを目下打合せ検討中でございます。
○委員長(江藤智君) 一つ警視庁の方に私からお尋ねいたしたいのですが、よく道路交通に非常に影響を及ぼすような道路工事が行われていて、そこで大へんな交通混乱が起っている実例がありますが、そういう工事にかかるような場合には、その工事計画とか何とかということについては、事前に警視庁の方と道路管理者といいますか、その工事をせられるものとの打合せというようなものはやっておられるのですか、その辺を交通部長から。
○説明員(富永誠美君) 御承知の通りに道路が非常に工事のために掘り返されておるような状況でありますが、私の方で調査しましたところでは、道路そのものをよくするための道路工事というものは非常に少くて、全体の工事のうちのわずか五%、他の九五%というものがほとんど地下埋蔵物、たとえばガス、水道、電気、こういったふうな工事のため道路が掘られているような現状であります。これじゃいかぬということで、私の方にはもちろん道路使用の許可が参りますが、やはり工事の必要性から来ました場合に、こちらがいかぬと言うわけにもいかぬということもかなりあります。従って、その間に調整をいたさなきゃならない。まあガス、水道、電気、おのおの所属しておりますところが違っておりますので、非常にむずかしい点がありますが、こういうことじゃ、私の方から見ますれば、交通に重大な支障を来たすという意味から、まあ年度に、大体こういう計画をやりたいという計画はあらかじめ出してもらうように今やっております。できるだけ調整をはかっていきたいと思っておりますが、何らかの手を房たなければならないというふうに考えておりますし、今、申し上げましたような、大体の工事計画というものを先に出させてもらって、それで調整をしていくというふうな考えで進んでおります。
○委員長(江藤智君) いずれこの問題につきましては、建設省その他の関係の方も来てもらうつもりですけれども、一例としまして、そういうあちこち掘り返すというようなことは、これはもう目に余っておりますけれども、私の経験したのは、南千住の近所なんです。日光街道から来る非常に重要な路線であるにかかわらず、片側の舗装を全部掘り返して長期間やっているわけです。そのため、とにかくもう動けないわけなんです。従って、交通巡査も投げやりにして、もうおらないのですね。ですから勝手になってすっかり動かない。私小一時間動けなかったですね。そうすると、そこを通り過ぎると、それを取り返すために、これはもうどうしたって相当なスピードで走るというような、非常にはなはだしい例があるわけなんです。そういうようなことくらいは、何とか現状でも規制をする方法はないかと思ったわけです。で、いま一点は、交通標識と非常にまぎらわしいようなネオンサインというものがあると非常に困るというお話があるのですが、そういうことについては、警視庁の方でそれの取り払いとか、あるいは訂正させるとかいうようなことはできるわけでございますか。
○説明員(富永誠美君) 交通規制の前提になりますのは、やはり交通標識、道路標識がはっきりしておらなければならないことは申すまでもありません。ところが、現状ではごらんの通りに非常な広告物におおわれたりなどいたしております。また、ネオンサインの問題もあります。広告物につきましては、すでに二回も、これは主として東京都の、あるいはまたその他の、電柱などがありますので、それぞれの方面に、少くとも主要幹線、あるいはまた中心部というようなものの沿道の広告は何とかしてもらいたい——私の方の出しました案は、一定の地域は全部沿道の電柱にある標識をやめてもらう、その他の所でも、できるだけ車道は困る、歩道の方に向けてもらいたい、また交通標識の高さが三メーター少しありますので、高さをそれ以上の三メーター五十にしてもらいたいというような要望書は出しております。が、しかし、私の方でも法規的に何とかならないかというわけで、今道交法に基いて研究いたしております。しかし、それにしましても、やはりそれぞれの主管省なり、あるいはまた別に広告業者の団体があるようでありますし、できるだけの協力の要請はお願いいたしたいと思っております。それからネオンサインにつきましても、今研究いたしております。
○委員長(江藤智君) それでは、これで閉会いたします。 午後四時五分散会