運輸委員会 第10号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1958/03/11
会議録
○委員長(天田勝正君) これより運輸委員会を開会いたします。 まず、過日の委員会におきまして交通事故防止に関する小委員会の設置を決定いたし、その人選については、委員長及び理事に御一任願ったのでありますが、協議の結果、小委員に江藤智君、三木與吉郎君、平島敏夫君、大倉精一君、柴谷要君、高良とみ君、市川房枝君、岩間正男君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(天田勝正君) 御異議ないと認め、きょう決定いたします。 なお、小委員長の人選でございますが、成規の手続を省略して、便宜、委員長より指名いたしたいと存じますが、これも御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(天田勝正君) 御異議ないと認め、私より小委員長に江藤智君を指名いたします。 —————————————
○委員長(天田勝正君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 道路運送法の実施状況の調査のため、参考人から意見を聴取してはいかがかと存じますが、参考人を呼びますことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(天田勝正君) 御異議ないと認め、参考人の人選及びその手続については、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、これまた御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(天田勝正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(天田勝正君) 次に、運輸事情等に関する調査のうち、国鉄五カ年計画に関する件を議題といたします。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○柴谷要君 国鉄五カ年計画についての質問をまずいたしたいと思いますが、それに先だって、国鉄五カ年計画はすでに二年度を迎えております。一年度、二年度の予算を見て参りますというと、大部分が自己資金と鉄道債券に依存していると思われますが、内容がそのようなものであるか、あるいはそのほかに何か理由づけがしてあるものか。この点を運輸大臣並びに国鉄当局にお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(中村三之丞君) 別にそう隠しだてた計画はございません。大体今おっしゃった傾向に行っておるのでございます。これは数字的に御説明申し上げます。
○説明員(小倉俊夫君) 五カ年計画の三十二年度とおっしゃいましたと思いますが、工事勘定の経費は、おっしゃいました通りに、自己資金とそれに借入金、大蔵省資金運用部の運用資金の借り入れと公募債でございます。予算通りでございます。
○柴谷要君 この国鉄五カ年計画は、政府が樹立されました経済自立五カ年計画とうらはらの関係にある、こういうふうに関連を持ったものだというふうに考えておりますけれども、これに対する大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中村三之丞君) 輸送力の増強、それによる産業経済の発展という線において、長期計画と相伴わなければならぬことは当然のことでございまして、端的に申しますならば、長期計画の一部分と申してよろしいと思います。
○柴谷要君 以上、二点を質問いたしましたが、しからば、国鉄五カ年計画遂行上からいって、資金調達の面であまりにも政府が自己資金なり鉄道債券に依存した五カ年計画であり、政府が国鉄に対してあまりにもめんどう見ていないという結論が出てくるのじゃないか。特に借入金の額については、国家財政上の関連から常に制約を受けておる。施設の保全や輸送力の増強に必要な資金にも事欠くありさまで国鉄は今日まできておる。しかも、国鉄は国民のため前に非常に激しい非難を受けて今日まで来ているわけです。これらのことを考えますと、もっと資金調達の面で国鉄に十分与えるものが考えられないかどうか、この点、大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中村三之丞君) 国鉄は公共企業体として独立採算制をとっておりまするけれども、国家はできるだけこれに対して輸送力増強の立場において、また、その五カ年計画遂行の目的において努力をし、また援助をしなければならぬと思いますが、その点においてまだ十分でない。また、ある意味におきまして、全体の上からいって不十分であるということは、これは私は認めざるを得ないのでありますけれども、しかし、その範囲内において全努力をいたしておるということも御了承願わなければならないのであります。
○柴谷要君 今、大臣も言われましたように、確かに独立採算で国鉄を運営しているということはこれはわかっておるのでありますが、その独立採算の面においても、十分な独算を与えているとは考えられない。たとえば国鉄の収入金が預託金として国庫の管理にまかせ、半面、資金の面においては政府が十分めんどうを見る、こういう建前になっておるけれども、事実はそれに反して、あまり政府がめんどう見ておらない、こういう状態にあろうかと思うのです。そこで、国鉄がもっと資金を潤沢に受け入れられる態勢、そういう態勢がわずか法律の改正によって行い得ると考えられる、こういったような考え方を、法律改正をして十分国鉄に資金が潤沢に出し得るような方法をお考えになったことがあるかどうか、こういう点についてお伺いしてみたいと思う。
○国務大臣(中村三之丞君) 本年の計画は、従来の計画に従っていくということでございまして、まあ法律改正の問題もあるだろうと思いますけれども、ただいまのところでは、そういうものは今度の計画には載っておりません。
○柴谷要君 大臣、率直にお尋ねしますけれども、今の国鉄の収入金をいわゆる預託をするというようなことでなしに、国鉄法の第四十二条、あるいは施行令十一条等を改正しますと、十分に国鉄が民間銀行と提携をして預金をする、あるいは銀行との取引等の道がそういう面で開かれてくると思うのですが、そういったような改正をしようというようなお考えは、今日お持ち合せはございませんか。
○国務大臣(中村三之丞君) 今の公共企業体審議会などもありまして、国鉄の将来についても考えておるのでございますが、私は、今おっしゃったように、民間資金との接触を国鉄にやらせるということは、金融界が改善をされていき、そうしてその吸収力と申しますか、そういうものができてきましたときは、私はそれはやっていいことだと思います。そうせなければ国鉄が……、また国鉄の資産、その営業、また国鉄の債券なども、これは私は民間の有力なる投資物件として人々がこれを歓迎するものだろうと思います。また、そういうふうに持っていくということは、私は金融の改善と相待って必要であることは認めておるのでありますが、しかし、現在のところは御承知のような金融情勢でございまするから、今やっておりまする方法で国鉄をまかなっていく、こういうふうに考えておる次第でございます。
○柴谷要君 公共企業体審議会の答申の中に、将来国鉄予算は国会の承認を得なくてもいいのだ——得なくてもいいような方法を考えたらどうか、こういう答申内容が盛られておると思うのですが、この答申の内容をどう大臣はお考えになっておりますか、見解を伺いたい。
○国務大臣(中村三之丞君) 私はあの答申案読みましてございますが、一体国鉄の予算決算を国会からはずすということは、私は今日の政治の上において、また、国会の最高機関を無視してやるということは、私はこれは賛成いたしかねるのでございます。
○柴谷要君 それでは資金調達の面等については、いろいろ質問いたしましたけれども、現状を守っていくという見解に大臣はお立ちになっておられるようですが、一年、二年、まあ二年度から、これからかかるわけでございますけれども、どうか一つ、五カ年計画というものは国民に公約された内容でございますから、必要な経費を十分与えることは当然でございますけれども、政府においても、今日のような資金計画を見ますというと、どうも政府の努力が足りないように考えられますので、一つ五カ年計画を完遂するためにも最後の努力を特に大臣に要望しておきたいと思います。 続いて、三十三年度運輸収入に関連をいたしましてお尋ねをするのですが、三十三年度は三千四百三十九億、前年に比較をいたしまして四・三%増、こういう形が出ております。三十二年度の実績は、一月以降非常な下降線をたどって、さきの国会で副総裁の御答弁によりますというと、二十億の減収になろう、こういうことを言われておりますが、つい二、三日前にいろいろ関係方面と話し合いをしてみますというと、どうも二十億ではなくて、三十億を上回ろうとしておる、こういう事情が明らかになって参りました。こういう事情が出て参りますというと、これは大へんなことになってくると思うわけですが、予定線を確保する自信が今日おありであるかどうか、この点を国鉄当局にお尋ねをいたしたい。
○説明員(小倉俊夫君) 二月分の営業成績の集計が出ましたので、それで申し上げますと、二月分が相当ひどい減収が生じましたので、仰せの通りに、ただいまのところでは三十億、予定収入よりも減収が三十億を突破しておるような実情てございます。それから来年度の予算の収入でございますが、これは国鉄の予算、国鉄の収入は、いろいろ増収の努力をいたしますが、やはり大きな国家の経済力の消長によりまして影響を受けるのが大部分でございます。従いまして、結局三十三年度の国家経済の動向ということでございまするが、これにつきましては、いろいろな見方が非常にたくさんあると思います。積極説の方もございますし、消極説の方もございまするが、私ども予算の策定に際しましては、国家経済の基本を検討し、その動向を調整する国家機関たる企画庁の数字によりましてはじきましたので、現在三十三年度の予算は、企画庁の数字から割り出したものである以上、大体当を得ておるものだと、こう考えております。
○柴谷要君 企画庁の統計といいますか、これを採用されているということは、前回も十分お尋ねしたのですが、現実に昭和三十二年度は神武景気だといって謳歌されておった。なるほどその通り、かなり経済も伸びてきた。しかし、その後の情勢はがらり変って、そうしてその結果が本年一月あたりから徐々に現われてきておる。しかも、この経済の見通しについては、まあアメリカの不況と相待って、相当長時日かからぬことには回復の見込みはないであろう、こういうことが日々、新聞に伝えられておるわけです。ところが、昭和三十二年度の運輸収入にいたしましても、職員全般の努力によってかなりの成果を上げてきた。精一ぱいの私は努力じゃなかったかと思う、実績から言って。ところが、それに倍してまた三十三年度は輪をかけての増収策が立てられているわけです。それに伴って予算が組まれているわけです。果して国鉄全体が血みどろな戦いを進めてみても、果してこの百四十一億の増収が可能なりやいなや、こういう点になると、はなはだもって私は自信が、国鉄当局にもないし、国鉄全体にないのじゃないかというふうに考えられるわけです。そこで、特にわれわれが心配しますことは、実は収入を高く見られることはけっこうなことでありますけれども、実が伴わなければ、何にもならぬ。そこで、予定収入に相当な違いが生じた場合に、当然経費、支出に当って、予算総則の処置がとられる、十三条なり十四条によって処置をされることが当然だと思うのですが、しかし、それで処置ができない場合がある。思ったより減収の場合、その予算処置、予算構造上、不可能な場合、どういう処置をされるお考えですか。その見込まれた増収が非常に少い、こういう場合に予算総則によるところの十三条なり十四条の処置ではどうにもいかぬ、予算構造上。そういったときに処置をどうおとりになろうとお考えになっておられるか。それまで一つ私は聞いておきたいと思う。この点をお尋いたします。
○説明員(小倉俊夫君) 企業でございますから、収入の見込みを立てて、それよりも収入が非常に増加する場合もございましょうし、また非常に減少する場合もございましょう。それで今非常に減収した場合を仮定いたしまして、どうするかということを、まあはっきり申し上げることは、いろいろな面で困難だと考えまするが、しかし、収入が減ると申しますのは、輸送量が減ることでございまして、そういうときにおきましては、列車を計画的に減すということも生じますし、従いましてまあ燃料費、人件費その他も節約ができる面があると思います。しかし、お話しのように、そういうことをしてなおかつどうしても収入が非常な減収のために何とも追いつかないというふうな場合には、これはやはり企業としてはいたし方ございませんので、繰り越しの欠損として次年度以降において処理するよりほかいたし方ないのでないかと、こう考えております。
○岩間正男君 関連して。この前、三・三%の収入増についての説明は聞いたのです。今お聞きしますと、今年度の収入減がこの前の説明では二十億だ、ところが、二月現在を見ますと、これは三十億を突破しておる、こういうことになると、これは大へんな問題だと思う。柴谷委員の質問の通りだと思うのですね、従って、今度の積算の基礎にこの収入減の問題、これは繰り込んで計算しておるのですか。つまり、三・三%の根拠というやつは、そういう要素をちゃんと繰り込んで計算したのか、それとも昨年度の実績が実行されるという土台の上に立ってこれは積算しているのか、その点をお聞きしておきます。
○説明員(小倉俊夫君) これは前にも御答弁申し上げましたが、結局国民個人消費率の増加ということが基本的に企画庁から出ておりますので、それが三十年度は八%の増率でございます。それに対しまして、これは旅客でありますが、旅客の収入見込みが五・二三でございまして、これに対しまして三十三年度は、企画庁では個人消費率の増加を五%ほど見ておりますので、その比例によってはじき出したのでございます。それからまた貨物の方につきましては、これまた企画庁の農林水産物資の伸び方と、あるいは鉱工生産品の伸びというものが別々に出ておりますので、その率を見まして算出いたしたのでありまして、これによりまして、旅客が三・三、貨物が三・一、平均して三・二ということになったのでございまして、これは企画庁が三十三年度を見通しての上に立てた数字でございまして、おそらく本年度の一般の予算もそういう基盤に立っているものだと考えます。で、結局私どもはこういう国家的なりっぱな基礎的数字がありまするのに対して、独断ではじきまして、もし間違っておりましたらそれこそ国会の問題になるのでございまして私どもはやはり答弁に窮するのでございます。従いまして、ただいまのところは、この数字の予算をもちまして三十三年度を遂行していく、また、それに達するようにできるだけの努力をいたしていきたい、そう思っているだけであります。
○岩間正男君 どうもそういう説明ではこれは私はわからないと思うのです。非常に重要な問題で、国鉄には国鉄の特殊性があるはずだし、その現状からこれは経済企画庁の案に対してのやはり修正が必要だと思う。今の場合にはもうそれがたよりで、経済企画庁の案があるからそれだけでこれははじき出すということになっている、それに非常な矛盾が先に行って出てくるということが考えられるわけです。私は三十億の問題というものは、積算の基礎としても基礎的根拠を失うという問題が一つと、それだけでなくて、二月現在、あなたが一週間前この委員会で話したときは二十億の見通しが、実際やってみると三十億というような格好になっている、これは一つの、ずっとこういう傾向をたどるわけです。そうすると、ずいぶんこれはたよりにならない経済企画庁の一般的な案というものをもとにして国鉄の場合には押しはめているのじゃないか、こういう感じがする。経済企画庁の案そのものが、なるほど、これは国家的な機構を持っているかもしれないが、果してそういうような現状をしさいに検討した上に立っての数字かどうか、どうもそういうふうに思われない節があるのでありますが、これはこの前も話しましたように、だからこそ、経済の見通しを前年度は誤まったのでありますが、また今年にそういう一つの概算的なものが出てきた、その線に従って国鉄の問題をそれに当てはめてやっていった現状はすでに食い違いも起っておる。三十億からの見込み違いの収入減が起っておる。しかも、それは一つの大きな傾向としてずっと出ていく、こういうことになりますというと、先に行ってこの間の間隙というものは非常に私は出てくるし、これについての当然、今、予算期なんですけれども、この問題はどうしても今、明らかにしておかなければならない問題だと思うのです。あるいはそれに対して、どうも全然単に経済企画庁たよりということでは、国鉄経営を果して守ることができるかどうか、必ず私はこれはまた問題が起ってくるだろうと思うのです。これに対する決意と、それからそういう場合に対してどうするかという柴谷委員の質問というものは、これは非常にやはり重要な問題を持っておると思うのですが、これについてもっと明確なお答えをいただきたいと思います。今のは何かはおかぶり答弁ということになるのじゃないかと思うのですが、経済企画庁たよりのほおかぶり答弁では困ると思うのです。
○説明員(小倉俊夫君) 収入の見込みにつきましては、まあいろいろの方法があるだろうと思います。私は決して責任のがれのいいかげんなことを申し上げておるわけではございませんが、もし収入というものが、何かこう自然現象で統計的な正確な計算ができるものでありますれば、いろいろな方法があると思います。たとえば、過去の長い期間の最小自乗法をとるとか、あるいは過去数カ年間の平均の増減係数を算出するとか、まあこういうふうないろいろな方法がございましょうが、収入は先ほども申しましたように、国家のいろいろな経済に左右されます。しかも、その経済というのは、政策がいろいろ加味されまして、そこで自然的現象ではなくいろいろな要素を含んでおります。そういうことは、国鉄ではわからないのであります。結局はそういうふうないろいろなデータあるいは海外の経済動向もございましょうし、輸出入の関係もございましょうし、国家の投融資の関係もございましょうし、そういうことを総合して国家の経済成長率をこういうふうに持っていく、こういう国家の大きな方針が出ました以上は、それに合せて国家機関である国鉄が収入もそれに合せて算出いたされなければいけません。で、国鉄は国鉄の独創だと、おれはこう思うのだから、国家のはじき出した数字は使わないで、自分の思った収入を立てると言いまして、もしそれが違いでもしましたら、それこそ大へんなことでございまして、そういう点から過去数年間、やはり経済企画庁の数字によって算出するということに方針を立てておりまするので、今回もそういうふうにいたした次第であります。 なおまた、非常に減収でも起ったらどうか、こういうお尋ねでございまするが、先ほど申し上げましたように、いろいろ節約の面も考えなければなりませんし、しかし、もしそういうことで追いつかないような減収が、もしかりに起りましたら、関係諸機関ともお諮りしまして善処するというようなほかいたし方がないと考えております。
○岩間正男君 とにかく私がお聞きしておるのは、そういう概括的なことではなくて、現実に収入減が三十億ある。こういう要素というものは、これは経済企画庁の案の中でやはり私は修正すべきだと思う。国鉄独自の立場から、やはりここのところは主張されるべきだと思うのですよ。かりに、これは自然増になる場合だったら、私は問題は起らないと思います。しかし、おそらく今の見通しだというと、一週間たたない問のあなたの説明の間に、十億くらいのこれは見通しの違いがあるのだから、これはそういうことになると、先に放射線状に広がったら大へんなことになる可能性はあるわけです。その点を力説して国鉄の立場というものを明確にしておかないと、しかも、それによって収入減が起るというと、経費節約だということになりますというと、それがどこに行くかというと、修繕費とか、老朽取りかえの問題とか、工事勘定にも影響してくるだろうし、おそらく人件費にも大きくしわ寄せされるという格好になるのじゃないか。緊急措置というものは幾分されるけれども、そういうものは焼石に水的です。必ず国鉄内部の経営そのものに一つのそういう影響が来る。で、この点はやはり国鉄をあなた自身が守られるという立場から考えれば、単に手放しでこの経済企画庁の案にまかして、そうして安心しているというわけにいかぬのじゃないか。そういう点からいいましても、この前もお聞きしたのだけれども、最初あなたたちが提出された収入見込みよりも、さらにこの予算折衝の間にふえていっている。大ていの場合は大蔵省の予算折衝の間にこの要求額というのはみんな切られて五割なり三割なり切り落される、そういう中で収入減だけはふやされている。これは何億ですか、最初のなによりも三十四、五億ふやされているのですよ。そうすると、これは水増しと言わざるを得ない。現実はどうかというと、今言ったように収入減が現に起っている。そうすると、そういう土台の上に今の積算の基礎が組まれているというと、そういう欠陥を見込まない積算の基礎だということになると、どうも科学的根拠が薄くなる。この点については、私は関連でありますから、このくらいにしますけれども、よほど徹底的にあなたたちお考えにならぬと、経済企画庁まかせで手放しで楽観できないであろうと私は思うのです。すでに昨年そういうひどい目にあっているのですから、そうすれば、やはり国鉄さんの方にしても、この点ははっきり経営を守る立場から、もっと基本的な立場に立つべきじゃないか、これが私の主張なんです。
○柴谷要君 昭和三十二年度の国家予算の審議の際に、当時大蔵大臣は池田さんでございましたが、神武景気はまだ続くのだということで、三十二年度の予算案の審議の際には言っておられた。ところが、数カ月を出ずして神武景気は後退をして非常に日本経済の伸びどころか、非常に圧縮されてきたわけです。その当時に経済企画庁が立てられたものを今日国鉄がそれを採用して、果して三十三年度に自信のある経済ができるかというと、私はできないのじゃないかと思う。そのことが今日無理をした予算の編成になって、それが結論としてどこにしわ寄せされるかといえば、弱いところ弱いところとしわ寄せをされて、私は非常に国鉄はみじめな状態になるのじゃないかという心配から、これは決して当局者あるいは政府当局を強く追及しようというのじゃなくて、真剣に問題をお互いに今考える時期じゃないか、こういうことを申し上げたいのです。われわれ野党が口を開けば攻撃だというふうにおとりになっては迷惑なんですね。現実が証明しているように一月、二月、三月というものは予期に反して非常な下降線をたどっておる。しかも、日本経済の見通しということについては、日夜悲観的な材料が出てきておる。だからこの際、予算を審議する際に多少、数字の訂正はできないにいたしましても、心がまえの上からこういう態勢、こういう態勢こういうことをわれわれは考えているのだ、こういうふうにやはり今日の場において述べられることが一年間を通じて経営の上において必要なことではなかろうかと、こういうふうに私ども考えるわけです。これは特に長い時間をかければわかることですから、この程度に一応終りまして、次の問題に入りたいと思いますが、特に国鉄は今回定員の面におきましても、四十四万七千五百七十二名プラス二千八百名ということで定員がきまりましたところが、給与総額の中に二千八百人の予算的処置がどうしてもとられていないというように私は計算するわけです。厳密に計算してみると。その方法として当局が考えておりますのは、三月末で退職者を出す、これはその退職者を見込んでの考え方に立って基準外流用によっていわゆる四十五万何がしの、いわゆる二千八百名の増員の要員をまかなっていこう、こういう含みがあるように考えられますが、そのように内客はなっておると理解してよろしゅうございますか、御当局から御答弁願いたい。
○説明員(久保亀夫君) ただいま御質問の点は、増員の二千八百人分の給与総額を見ておるかという御質問でございますが、それにつきましては、二千八百人を含めまして、人員で考えまして予算単価は基準内賃金で一万九千九百九十七円という数字に実はなるのでございまして、これを現在の給与に対して所定の定期昇給等をする資金を加えまして、足りるか足りないかということでございますが、これはただいま柴谷先生が申されたように、年度末の特別退職による新陳代謝、これによる単価の減等々と合せまして、所定の昇給を十分にできると、こういう計算になっております。
○柴谷要君 この点は給与総額の中に期末奨励手当として二・四カ月組まれております。ところが、国家公務員は、二・五五カ月分が組まれているわけです。で、この差は従来まあ第十七条によって処置を国鉄はされてきましたですね。ところが、増収は期待をしないという今日の情勢の中から、果して将来この処置をどうお考えになっておられるか、この点を一つ伺っておきたい。
○説明員(小倉俊夫君) ただいまの業績手当の算定が、予定収入より多く増収があった、あるいは既定経費を予定以上節約した場合の資金があった場合に出すということでございましたが、いろいろ考えてみますと、収入の予定と現実の増減とは必ずしも一致しませんで、たとえば予定収入よりも実績が落ちた場合でも、過去よりも増収があるというケースもあり得るわけでありまして、そういう点は現在の業績手当の基準がいいかどうかということは、いろいろ調査研究をいたしまして、その結果をもってまた関係方面にお話しする機会があるだろう、ただいまいろいろ研究いたしておる次第であります。
○柴谷要君 給与の問題はまたいずれお尋ねする時期があろうと思いますので、次に移っていきたいと思います。国鉄五カ年計画の内容の中に入るわけですが、特に保安対策として、車両の関係で電車とか客車あるいは貨車の老朽車を取りかえていく、こういうことが計画の内容の中に盛られてございます。けっこうなお話だと思うのですが、実は思い起していただきたいと思うのですが、桜木町事故が起きた。これに使用した電車は六三型といって、当時この事故発生直後に国鉄が国民に公約されたと思うのです。この電車は改造して危険のないようにいたしたい、とこういう約束をされた。ところが、今日依然として四百両も六三型の改造なしに使われておる現実は、これはどうしたものか、これに対する当局の見解を一つ伺っておきたい。
○説明員(小倉俊夫君) 老朽資産の取りかえ、安全保安度の向上ということは、運賃値上げの際に公約いたしましたので、その線に沿うて努力いたしております。五カ年計画の進捗率から見ましても、老朽資産の取りかえが断然多いのでございまして、五カ年均等といわずに、できるだけ早い年次において老朽資産の取りかえをいたしていきたいという計画でございましてまた実績もそうなっております。それでただいまの六三電車等につきましても、極力取りかえを急いで参りたいと存じます。御承知の通りに、電車、貨車の鋼体化ということも、全車両につきまして実施したような次第でございまして、そういうふうな車両の安全度の向上ということは一番念頭に置いておりますので、六三型電車もできるだけ急速に取りかえを完了していきたいと考えております。
○柴谷要君 大きな事故でも起きてみるというと、何とか早く改善をしなければならぬ、こういうことになって当時一、二年の間は非常な真剣な努力をし、また政府並びに国鉄当局もその方に資金を流し、鋭意努力をされた。ところが、数年たつに従ってこの目的が達せられないうちに、他に多くの問題が発生をするために、そちらの方にいわゆる経費がさかれるというようなことで公約が完全に実施されずに今日を迎えてまだ四百両もある、こういう事態です。こういう問題が国鉄のいわゆる作業の実態の中から、これは非常に無理な、これをさっそくやれということは無理な言い分かもしれませんが、少くとも今日の情勢の中から国鉄工場がそれを改良する、改善するという能力に欠けておるかどうかというと、そうではなくて、十分な能力を持っていると思う。ただ金さえあればできるんだ、こういう実情にあると思う。ところが、依然としてそういうものが未解決のままになっておるということは、これは単に国鉄だけの責任ではなくして、これは大いに政府にあると思うのですが、大臣、こういうような公約が履行されない現実に対してどのようにお考えになっておられるか、大臣の見解を伺っておきたい。
○国務大臣(中村三之丞君) 桜木町事件に関連するものにつきましては、私も初めて聞いたことでございますが、もしそういうことが全然実行されておらぬということになりますならば、これは私は遺憾なことであると存じます。
○柴谷要君 遺憾なことであるだけでは、大臣、済まされぬと思う。国鉄当局から年々予算請求の際、十分に要求しておるけれども、いつも大蔵省に削られておるのです。これは国鉄の代弁をするわけではないが、国鉄は予算的処置をしてもらうために、それは大蔵省のこつぱ役人に総裁、副総裁が行って。ぺこぺこ頭を下げるという、そういう中でどんどん国鉄の予算が削られておる今日の予算編成の過程なんです。そういうものを大臣が見てそのままでいいのかどうか、そういう結果、こういう問題が発生をしてきておる。だから、六三型電車なんてものは、国鉄工場の修繕技術をもってすれば簡単にできてしまう、改造できる、幾多の改造をやって完全な電車の輸送ができるのです。六三型電車がそのまま改造されずに、修繕もされずに今日動いておる。その現実を、非常にものの熱意のある大臣のことだから、これは事情がわかっていただけると、十分御努力願えると思うのです。特にこの点強く大臣に要求しておくのですが、そういう予算折衝の経過を経ているのですから、どうか一つ、こういう問題が残っておるということを十分一つ認識をしておいていただきたいと思う。 次の問題に移りますけれども、年々自動車事故が踏切りによって起きます。この踏切り問題は等閑視するわけにいかないということで、国鉄で真剣にお考えになったことは、当を得ていると思うのですが、これに関連をして今立法を急いでおる、いわゆる道路と鉄道の交差に関する法律案、この問題について、国鉄当局もこの法律案を国会に出すように急がれておるか、また、運輸省と十分な連絡をとっておるか、その内容について、国鉄の具体案をお示し願いたい。
○政府委員(權田良彦君) 今、御指摘の踏切りの関係の立法措置でございますが、法律の今準備の段階は、鉄道と道路との交差に関する法律ということで一応運輸、建設両省の所管でございますので、最終的に建設省と話し合いに入っております。大体、残りますのはただ一点となりまして、平面交差の費用分担の対象範囲いかんという点だけに詰まって参りまして、ごく近い機会に私どもとしてはこれを定めまして、両者共同提案の形で法律の姿で御審議願いたいと思って努力しておるわけであります。この法律の内容については前回も申し上げたと思いますが、大体立体交差の問題と平面交差の問題に分けまして、それぞれの新設なり維持、修築なりあるいは保守、管理について、あらためて新らしく立法的措置として解決をしたいと考えておる次第でありまして、以上のような段階でございますので、その方向に向ってなお鋭意努力をいたしておる次第でございます。
○柴谷要君 この法律案の問題点は、前回も監督局長からちょっとお伺いしたんですが、建設省と運輸省との話し合いの中心は、道路管理者側に幾ばくの負担をさせるかというところに問題があると思うのです。それが解決すれば法律案として出せるというのだが、これは道路管理者側としても納得のいくような了解に達するのはなかなか容易じゃないと思う。ところが、道路管理者側が納得のいかぬようなものは、納得じゃなくて、道路管理者側が簡単にのめるような案であれば、国鉄側で納得のいかないようなものになると思うのです。ここに問題がしぼられてくると思うのですが、今期国会に上程されるものかどうか。それから内容をもう少し詳しく知りたいのだが、現状ではそれが報告されないものであるかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(權田良彦君) では、内容についてもう少し詳細に申し上げたいと思いますが、まず、大体考えておりますのは、その交差の方式、交差施設の構造、それの管理、保全費用の負担区分という点が重点でございます。で、交差の方式につきましては、重要な道路で、また重要な交通路に当るものは立体交差を原則といたしたい、これは現行の道路法でもその建前に相なっておりますが、そういうものの、今、言ったような抽象的なものを、さらに道路の交通量あるいは鉄道の列車の通過回数というものを政令で定めまして、設置基準というものを設けたい。これは現在こういうものは御承知のようにないのでございまして、これは相当の実態調査を要しまするが、実は準備としては、こういうものは着々年々私どももやっておるわけでありまして、これを設置基準として法定したいと思っております。立体交差については、新設の場合には、現在の踏切り等を立体交差施設に変更いたします工事が非常に膨大なものがかかりますので、この鉄道事業者の工事所要費用の分担と、道路管理者の所要費用の分担をはっきりさしたいと思っております。この点においては、大体これは前回も申し上げましたが、道路管理者としての建設省と、鉄道事業者としての国有鉄道との間には協定ができ上っておりまするので、その協定の線に沿って参りたい。それから地方鉄道、軌道については、在来のいろいろこれは個々の協定にゆだねておりますけれども、そういうものの実績もわかっておりますので、そういうものからも両者の費用負担を明らかにいたしたいと思っております。従いまして立体交差については、比較的こういうことで大体今のところ運輸、建設両省の意見はほぼ一致をいたしております。 次に、いわゆる踏切り、平面交差の問題でございますが、平面交差につきましては、まず踏切り等の種別を一種、二種、三種、四種、と区分いたしたい。で、これは一種というのは、御承知の踏切信号人がついております踏切り、あるいは最近新しく技術の進歩でできて参りました機械の操作による自動遮断機を持っておりますものをいいます。それから二種というのは、そういうものであるが、それが一日のうち一定時間だけ働いておるもの、それから三種というのは、例の自動警報機がついて、ちゃんちゃん鳴るものでございます。四種というものは、それ以外のもの、これは大体現在の種別とほとんど同じでありますが、これをなお明らかに区分いたしたいと思うのであります。それの管理につきましては、これも現在設置基準が法定されておりませんので、道路の交通量、列車の通過回数、見通し距離というようなものを考えて、政令でもって設置基準を定める。それから同時に、構造基準でございます。どういう構造でなければならぬか、これも新しく政令によって定め得る根拠を法律で持たしたいと思っております。それから次に保守基準、これをどういう、常時良好な状態に保つように、保守する基準をどう見るか、これも明らかにするように、これらはいずれも政令事項と相なると思いますが、法律に根拠がないとできませんものですから、新たな法律ではそういたしたい。それから問題は、今の御指摘の通り費用負担、これが非常に大きな問題でございます。費用負担については、新設の場合と、それからその他一般の維持、管理の場合に分れるわけでありますが、新設、改築については、これは原因者負担主義をとります。すなわち、鉄道の必要で作る場合には鉄道、道路の必要で作る場合には道路ということに相なりますが、この両者の必要によって起った場合に、これがいつも問題になるのでありまして、これはその場合には新設、改築ともにそれぞれ半額負担ということにはっきりさせたい。現在はこれがそのつど協議によってされたものですから、なかなか解決が困難であるわけであります。それから普通一般の管理、維持、修繕でございますが、これについては、ただいまのところは、道路は道路、鉄道は鉄道でやっておりまするが、この法律を通じていわゆる踏切道というものをその両方の共用部分にいたしますので、この両管理が二分の一負担ということにいたしたい。 この点については、以上申し上げました点については、大体建設省と運輸省とが協定ができ上りつつありますが、この最後の問題の負担範囲、負担のその費用の対象でございますね、これについての細部が今最終的に結論を私ども努力をしておる点でございまして、その問題とするところはいろいろございまするが、平面交差の場合でございますと、一種から三種までを特に考えました場合には、一種には踏切信号人がついておりまして、これに番小屋があり、いろいろな装置がございます。それからまた三種においては、機械装置がついておりまして、これをいろいろ継電盤その他電気装置もついておる、これがその踏切道としての範囲にどれだけ入るか、まず、人件費につきましては、これはいろいろ議論の分れるところでありまして、私ども当初はこれは鉄道の従業員ではありまするが、道路交通の安全にも寄与する者でありますから、道路交通の安全ということからそちらに対する仕事もございますので、これをその踏切道という費用の中に含めてはどうかということを大いに研究してみました。この問題になりますと、実はこれは運輸、建設以外に警察の関係が起って参ります。警察の関係も入りましてずいぶん検討してみましたが、この際は、今のところでは、この人件費については、鉄道従業員の身分の変更その他が伴って参りますので、そうなりますと、いろいろ、一種の道路警察の資格その他の問題が起りまするし、国と地方自治団体の関係が起りまするので非常に複雑になりますので、これは鉄道従業員ということで、踏切道の管理費というものには含めないということに今の段階ではなっております。従いまして、残りますのはこの施設費の範囲でございまして、この施設費について先ほど申し上げました施設のどの範囲に入れるか、要するに踏切道としての道路面の舗装でありますとか、いろいろなさくを作りますとか、こういうものは当りまえでありますが、それから次にバー、横棒、それからああいう機械装置、それの継電盤装置、それから番小屋、こういうものがどこに入るかということでまだ議論が最終的にきまっておりませんが、ごく近い機会にこの点はぜひ解決すべく私どもは相当の決意及び熱意を持っていろいろ折衝いたしております。 なお、法律のことといたしましては、このほかに現在踏切りの数が非常に多いということは、すでに御指摘を受けたことでありましてこの場合に現在では踏切り等を整理統合をし、あるいはその他必要な事項について勧告をいたすことが法的には何ら確立されておりません。まあそのつどの話し合いでやっておりますが、これが非常にもうすでに複雑な問題になっていることは御承知の通りでありまして、これをこういう法律を作る機会において踏切りについてのいろいろなそういう整理統合に関する勧告というものを明らかにして、必要な踏切りについては必要な施設をし、またこの際、整理統合をした方がいいものについては整理統合するというようなことをできる根拠を与えたいという点が入っております。 なお、終りに踏切信号人について先ほど申し上げましたが、この踏切信号人は鉄道の従業員でありますが、重大な職務についておりまするので、特にこの法律の中で踏切信号人という規定を置きましてその地位の重要性にかんがみまして、その踏切信号人という職務ができて参るようにいたしたい。ただ、この点はこれを一挙に警察関係のものに切りかえるという意味ではございません。 それから、なおこまかい点に当りますると、信号機についての、現在これは踏切りの信号機というものは、鉄道の踏切りであって道路の標識ではございませんようになっておりますが、これは道路に対しても、やはり道路交通に対して現実に道路交通の防護をしておりますので、これは両方の性格を持たした方が妥当ではないか、それによって通行人がその信号を守る義務を生じますから、現在のところではそういうふうになっておりませんので、そういったような点もあわせて入れたい、こう考えておるわけであります。 大体私どもとしては、もう近い機会にこれを最終的にきめまして、でき得べくんば今国会に御審議をわずらわしたいと事務当局は考えておる次第でございます。
○柴谷要君 それで、踏切りの問題についてはもう一言だけ承わりたいと思いますけれども、いわゆる踏切信号人という性格にして、身分は国鉄職員であるけれども、権限の拡大をはかっていきたい、こういうふうに今聞き取れたわけですが、そのように解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(權田良彦君) さようでございます。身分は国鉄の場合は国鉄職員、地方鉄道の場合は地方鉄道の職員でありますが、踏切信号人ということをこの法律で規定することによって、その職務の重要にかんがみてはっきりさせるということでございます。
○柴谷要君 それでは、以上で踏切りの問題を終りまして、次をお尋ねしたいと思うのでありますが、これは前回、久保常務理事にお願いしておいたのですが、予算案の中を見ますと、非常に国鉄の未収金というものが多い。百九十五億もある。これは大体想定がつくんですが、この内容についてちょっとお聞かせを願いたいと思います。
○説明員(久保亀夫君) 予算の数字と大体同じ傾向でございますので、比較的はっきりわかっております三十一年度末の未収金残高、これについて概要を申し上げます。未収金の残高は約百九十五億になっております。そのうち、旅客収入関係が二十二億七千七百万、それから貨物収入関係が百三十五億八千五百万、雑収入が三億五千二百万、それからそのほかに三十二億五千三百万ばかり、これはその内容は、三月三十一日に発行しました債券の三十億は、実は翌日になったもので計算上こうなったのでございますが、それは別といたしまして、おもなものは旅客収入の二十二億と、それから貨物収入の百三十五億でございます。ただ、未収金と申しましても、いわゆる納期が来ましてなお収入になっていないもの、つまり滞納でございますが、それと、それから納期の三月三十一日で押えますから、まだ納期の来ていないもの、たとえば貨物運賃の後納、あるいは交通公社の代売運賃の後納、こういつたものの納期の到来していないものもございますので、それを大ざっぱに申しますと、旅客はほとんど申し上げるほどのことはございません。貨物収入で未払い運賃の中に約二億四百万円ばかり、これはいわゆる滞納というものがございます。それから雑収入の中に八千万円ばかり、貨物収入とその延滞料金合せまして二億八千万、これがいわゆる滞納の大部分でございまして百九十五億の大部分は、納期が到来になっていない未収入、こういうことになるわけでございます。
○柴谷要君 未収金の額があまりにも大きいので実は驚いて検討してみたんですが、今のような事情だというと大して心配はない、こういうことになろうかと思うのであります。そこで、まあちょっとついでですからお尋ねをいたしてみたいと思いますが、交通公社はかつて国鉄から相当の焦げつき債権があったはずですけれども、順調にまあ回収されてきている、こういうことを聞いているんですが、現在焦げつきの問題についてはどのような回収状態になっているか、ちょっとお伺いをいたしたいと思います。
○説明員(久保亀夫君) 交通公社と国鉄の関係については、やはり焦げつきと申しますか、納期が非常に一時長くなった、一時は最高二カ月半までいったわけでございます。それを再建計画を立てまして、いろいろ公社としても努力し、また私どもも指導いたしまして、今日では翌月の十日、二十日、三十日に毎旬分納めておりまして、正確に申しますと、収入いたしましてから一月半持っているという格好になりました。これは期間をきめまして三カ月あるいは六カ月後に一日ずつ繰り上げるというようなことで、毎年一日ずつ短縮して参りまして今日ただいまのようになっているわけでございます。
○柴谷要君 国鉄と交通公社との関係は非常に改善されて、ほとんどまあ何といいますか、滞納金なり、未収金というものは少くなってきている。改善されたというか、非常にけっこうだと思います。ところが、交通公社の実態を見て参りますというと、機構上、非常に頭の大きい機構ができ上っているのじゃないか、こう思うのです。特に指摘をしたいのは、会長制をしき、社長があり、専務理事がいて、理事がいる。この経営スタッフの中で、まああのくらいの程度の会社であって会長制の必要はないのじゃないか。それから顧問という制度があって、非常に顧問がたくさん並んでおる。これは、とりもなおさず、交通公社としての諸経費が多くかかるのじゃないかと思うのだが、国鉄当局が交通公社をながめた場合に、そのような機構が必要であるかどうか、またむだを省くために機構の改正をやらせる意思があるかどうか、この点をお伺いをしておきたいと思う。
○説明員(小倉俊夫君) 交通公社はいろいろな意味合いで国鉄と関連性が多いのでございますが、しかし、一つの公社でございますので、その経営につきましては、大体、まあときに指導的立場に立ちますことは別として、一応まかせておる、まかせておるというよりも独立の存在になっております。で、ただいまの点、機構が大き過ぎるではないかという御指摘もございましたが、これはまたいろいろ研究さしていただきたいと考えます。
○柴谷要君 研究させていただきたいということですから、大いに研究を願いたいと思いますが、実は会長あり、社長あり、実は社長はりっぱな人ですけれども、会長は最近会ってみまするというと、交通公社の事業形態なり、交通公社の将来のあり方についての意見というものを持ち合わしていないのですよ。とにかく時代おくれの、何といいますか、話をして、ああいう人が歩通公社の会長として高額な金を取る、むだな経費を使っておるということは、そんな余裕は交通公社にはないと思う。それのみか、顧問をずらり並べて、顧問会議を招集したら、理事会の決定にまかせます。こんな顧問会議を開いておるような顧問をずらり並べておくことはむだだと思う。そこで、特にこの際発言をいたしましたから、深く質問をいたしたいと思うのですが、前の会長でおやめになりました高田さんが、実は公社の会長をしておられたときに、まあ公社のお買いになった所にお入りになっておった。ところが、高田さんがおやめになって、そうしてこれが払い下げられたわけです。しかも、公社が買ったときには屋敷並びに家屋が八百万円で買っている。その中にあります什器が百万円で買って、九百万円のいわゆる資金を出して買って、会長にまあ住宅を与えておいたわけです。ところが、高田さんがおやめになって、そうしてこの方が公社から退職金を受けられたのが、千二百万円受けておる。というのは、理事以上をお勤めになった方は、一年勤めますと半年の退職金が出る。高田さんは十年ちょっとこしておりますから、月々受けておりまする手当、いわゆる会長手当の半額、五年分が出たので千二百万円出た。この千二百万円の中から、それでは自宅の払い下げを受けたのだからといって九百万円相当額を払うならこれは話はわかる。ところが、四百万円だけその千二百万円の退職金の中から支払いをされて、その後は御本人のふところから出ておらないというこの事実の上に立って私はあまりにも会長のやり方が当を得ていないのではないか、これが一つ。それからもう一つは、これはかっての先輩でもあり、参議院にお勤めになった人でありますから、私は歪曲して申し上げるわけではない、事実を申し上げますが、鉄道会館問題に関連いたしまして今裁判中だと思うが、これに要した費用が今日まで一千万円かかっております。この一千万円の金が御本人の私財から出ておるものと私は思っておったのだが、これは公社の裏会計か画出ておるという事実を発見をいたしました。これで果して交通公社の経理が全うするでありましょうか。こういうことについて、国鉄当局はどのような監督をしておられるか、その所見を伺いたいと思う。
○説明員(久保亀夫君) 私から具体的な問題につきましても承知している限りにつきまして申し上げまして方針の問題については副総裁から御答弁していただきたいと思います。 初めに宿舎の問題でございますが、実は監督一般のことにつきましては、交通公社は現在再建状態にありますのと、それから私どもの方に相当期間の長い滞納という形にはなっておりませんが、代表資金を持っているといったようなことからいたしまして、実は経理面は監督、正式な監督はこれは権限上はございませんが、申し合せで相談をするということに実は確定いたしております。そういう意味でただいまの宿舎の件につきましても、私どもとしては承知をいたしているわけであります。これにつきましては、いろいろ当時の事情を私ども十分聞きまして、あの宿舎は交通公社の買ったものであるということは確かでございますが、土地の条件あるいは建物の性格等から、一般に売るという方法を、たとえば他の会社の寮にするとか、そういうところも相当探したようでございますが、なかなかこれといっていい値に売れないというようなわけで、いろいろ当時御本人のほかにも探されたようでありますが、双方の利益からいって、別途、管理その他の費用も評価いたしまして帳簿価格よりはもちろん落ちないということでそういう結論を出されて、私どももやむを得ぬのじゃないかということを一応申し上げて当時処理になったわけであります。それで価格その他については、公社側はもちろん損をしないということは十分に保証されておりますし、それからまた、ただいま仰せの公社に対しては、すべて現金で即時にお払いになったようでございまして、退職手当にどういうものが出されたかどうかは、それは本人が銀行等からお借りになったということで、ここまで私どもとして、公社としてタッチすることでなかったろうと思います。評価等については、その辺は十分に考慮してある、公社は絶対損をしないという考慮をしてあるというふうに承知いたしております。 それから第二段の費用云々の問題は、私ども全然あずかり知りませんが——あずかりというか、うわさにも聞いておりませんので、御答弁申し上げるわけにはいきませんが、全般につきましては、先ほど申し上げました再建途上における一応の監督もしております。 それからついでに申し上げますが、公社自体が当時問題を起しました場合に、焦げつき債権を二億あまり持っておりましたのは、損失を償却いたしまして、経理内容を改善いたしまして、多分三十三年度ぐらいまでにはそれはなくなるという予想でございまして、経理内容自体は非常に改善されているということを御報告申し上げておきたいと思います。
○委員長(天田勝正君) 方針について小倉副総裁から御答弁があると思いますが。
○説明員(小倉俊夫君) ただいま申し上げましたように、再建の途上にございますが、漸次内容は改善してきつつございますので、なお注意して再建がおくれないように鞭撻して参りたいと、こう考えます。
○松浦清一君 柴谷委員の質問継続中ですが、私、ちょっと用件がありまして席をはずさなければならぬので了解を得まして、国鉄当局に資料の提出を求めたいと思います。 昨年の春の国鉄機関車労働組合の春闘以来、組合側と当局との間に労務関係の問題について、昨年来この委員会においてしばしば議論をされている。組合側の出身、国鉄出身の議員諸君と国鉄当局との間に独走的な議論が展開されて私どもその内容をはっきりつかんでいないところがあるから、運輸委員として少し勉強させていただきたいと思いますので、これから申し上げる資料を御提出願いたいと思います。 昨年の七月の六日付で当局から機関車労働組合の本部に対して通告した文書の写し、それから同年八月の五日付の職労第七百七十五号の写し、それから七月二十四日付で機関車労働組合から東京地方裁判所に対して訴訟をしたその訴訟文の写し、それから十一月二日付で東京地裁の原告の請求は棄却するという判決文の写し、それから十一月七日付の機関車労働組合から東京高裁に対する控訴をした控訴文の写し、それから藤林あっせん案の写し、それから十二月二十日付の当局から国鉄の中央機関に対して発送した職労第千二百四十九号文書の写し、これだけを早急に御提出願いたいと思います。
○説明員(小倉俊夫君) 承知いたしました。できるだけすみやかにお届けいたします。
○柴谷要君 私は、交通公社のことを御質問したわけですけれども、実際に言いたいところは、経理にむだがありながら、しかも、そのしわ寄せがどこにされておるかというと、全従業員にしわ寄せがされておるということを言いたいのです。実は、公社の構成が、いわゆる大学の最高学府を出た者が職員全般の二六%余いるわけです。こういう構成は、他の官庁あるいは会社等においても少い。その人員の今日受けております俸給というものは非常に低い。これは国家公務員よりも低いのです。もちろん国鉄職員なんかよりも非常に低いし、そういう低給の中にも甘んじてその職場を守りながらやってきておるけれども、今私が申し上げたようないわゆる経営者の中にむだづかいがある。このことは、やはり国鉄としても大いに監督すべきじゃないか、こういうことなのです。申し上げたいことは。決して私は交通公社を攻撃するわけじゃなくて他の機構と比較をいたしまして、皆さん方が言われるような、いわゆる最高の学府を終えられた諸君が非常に多数おるにもかかわらず、これらの人たちが安い月給で働いておる、こういうこと。それから特に、退職金制度もない。年金制度を今要求している。いろいろ会社と話し合っているけれども、なかなか会社側が応じない。ところが、年間を通じて出さんとすれば幾らでも出せるという実情にありながら、これに会社が応じないでおるような状態、こういうことが、やはり働く者の意欲を押えている関係になっているのだから、一つ国鉄当局としても、よりよい指導、あるいはでき得べくんば監督までして、態勢を立て直してもらいたいということを特につけ加、えてこの問題は終りたいと思う。 それから次は、国鉄資材の購入の問題で一点だけお聞きしたいと思う。というのは、国鉄当局も非常に苦心をされて今決定をしたと思うのですが、貨車の封印の問題です。これは別に攻撃材料じゃありませんからゆっくり聞いていただきたいと思うのですが、貨車を送る場合に、事故が起らないように貨車に封印をいたします。この封印環が、国鉄としては、数多くの会社から出さして、そうしてコンクールをやって、それから三種を選んだ。その三種の名前を言いますと、タカラ式、シラキ式、セキ式というのを今日まで採用しておった。この三つの中で、特に三つの中から今度は国鉄型を作ろうということで、一つに指定したということを私聞いておるのだが、その指定した種類はどれを御指定されたのか、その点から一つ伺っておきたい。
○説明員(久保亀夫君) 私は直接担当でございませんで、先ほど柴谷さんが申されたごとく、長い間研究しまして、さきのコンクールの結果、三種に一応きめたというところまで私承知をいたしておりまするが、それ以後の点については、今つまびらかにいたしませんので、調べましてそれを報告したいと思います。
○柴谷要君 なるほど、久保常務さんは、担当が経理局長だったから御存じなかったかと思うのですが、この面は、営業局長と資材局長がよく御承知のはずです。そこで、つけ加えておきたいのは、十六種出てその中から三種を選んだ、この三種を選んだということは、審査員があって、そして十六種の中から三種を選んだということを聞いておる。その審査員は一体だれとだれとだれだか、これを資料として私もらいたいと思う。これは、資材局の係員の意見を私はちょっと聞いてみたのですが、なぜそういうことを言うかというと、十六種のうち三種を選ばれた、しかも、その三種以外に、もっと優秀なものがあったということを私は聞いておる。しかも、その優秀なものが選から漏れていたということについて、どういう審査員が審査をしたのか、私は、特にその漏れたという品を現場に持っていって、担当者に使わしてみた。もちろん御指定のこの三種も使わしてみた。ところが、なるほど私どもが見ましても、扱い者もこの方がいい、そうして確かにこの方が手軽でいいし、金も安いというようなことを聞いておる。こうなると、資材購入等について第三者の意向を取り入れて審査員を選定して品物をきめられたのはけっこうだと思うのだが、しかし、そういうような間違いも起り得ることであるので、一つ審査員の名前を聞かしてもらって、次回には、この問題をもう少し堀り下げて私は質問したいと思うので、御用意を願いたいと思う。以上、よろしゅうございますな。 それでは次は、工場調査委員会の答申の中に問題点が一、二ございますので、この点についてお尋ねしたいと思う。車両修繕予算については、年々予算に波動のあることは困る。それから車両修繕実施数量に非常に違いがあって、適切な保守ができない。さらに、これは研究すべきであるということを工場調査委員会が答申をしておりますが、これに対して国鉄当局はどのような対策を立てられて行かんとしておるか、その見解を伺っておきたいと思う。
○説明員(小倉俊夫君) 工場調査委員会の答申が出ましたが、その中には、直ちに至急に実行し得るものもございますし、また、工場の何と申しますか、修繕の集中であるとか、さらに進みましては、工場の改廃というところまでも示唆がございますので、そういうものは、これはすぐにはできないのでございます。しかしながら、ある副業的な作業を民間に委譲するとか、あるいは機械設備を向上するとか、そういうふうな直ちに採用すべきものも多々ございますので、こういう点につきましては、今主管局で計画中でございましてできるだけすみやかに実行に移していきたい、こう考えております。
○柴谷要君 特に、この車両修繕の問題については、工事経費支弁の工事と、それから修繕費支弁の工事とあって明確な方針が立っていないというのが現実じゃないかと思う。それで、経費区分を異にすることはよくないから、だから、将来は、この問題については一つ十分考えてほしい、こういう答申がなされておるわけであります。この点に対する国鉄当局の見解はどう扱うお考えでございますか、承わりたいと思います。
○説明員(小倉俊夫君) 答申の中には、工場の経理をもう一回見直して、工場に全く合致した独立採算的な収支計算をするのが妥当である、こういうふうな答申がございましたので、工場の会計というものをもう一回徹底的に見直して参りたいと思います。実を申しますと、工場は独立しておりまするので、昔からほかの国鉄の事業場に比較いたしますと、原価計算その他の計算方法が比較的すぐれておりまして、りっぱなものでございましたが、さらに御指摘を受けましたので、ただいまお話のような修繕関係、工事関係、そういうものをもう一回検討いたしまして、委員会の御指摘の通りにりっぱなものを作ってみたい、こう考えております。
○柴谷要君 時間が参りましたので、まだたくさん御質問があるのですけれども、午後に譲って、午前中はこれで終りたいと思うのですが、特に工場関係の経理の問題については、前回に中村委員から要望があり、当局からも、本年の修繕費については予算通り実行したい、昨年のようなことはしたくない、こういう御答弁がございましたが、ぜひその面における、先ほど私が指摘しましたような、いまだ国民に公約したものが多少残っておる、私はあえて多少と申し上げますが、多少残っておる、これを実現するためにも、それらの経費を他に充用することなくやっていく、こういう決意でぜひ問題を処理していただくように切望して私の質問を一応打ち切ります。
○委員長(天田勝正君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(天田勝正君) 速記を始めて。 それでは午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時十五分休憩 —————・————— 午後一時四十五分開会
○理事(大倉精一君) これより運輸委員会を再開いたします。 午前に引き続き、国鉄の五カ年計画に関する件を議題といたします。 御質疑のおありの方は順次御発言願います。
○相澤重明君 午前中の本委員会で明日の運輸委員会の日程がきまったようでありますが、実は同じ参議院の決算委員会が、明日の午後一時から開かれるわけなんです。明日は、国鉄の問題と大蔵省の関連をした問題の決算をやることになっておる。それはもうきのうすでにきまっておるわけで、その問の調節をしないと、一緒に開いても、これはもうわれわれ両方にまたがっておる者としては、実際の話が、委員会の審議ができぬわけです。そういう点について、一つ調整を私はとってもらいたいと思うんですが、そうでないと、これはもう決算委員会は国鉄の決算を中心にしてやるんですから、それで関連をした大蔵大臣並びに管財局長等を呼んでおるわけですから、そういう点において、明日の大蔵大臣が来るという時間を、こちらが一時なら一時ということでいくならば、じゃ決算の方には何時ということを、運輸委員長と決算委員長の方で調整をとらぬと、それはもうすでにきまっている決算委員会のことなんですから、あとできめた運輸委員会の方でそういうことをきめても、それはなかなか困る、その点は一つ調整をとってもらいたい。これだけを要望して、一つ議事に入ってもらいたいと思います。
○理事(大倉精一君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(大倉精一君) 速記を始めて下さい。
○高良とみ君 国鉄当局に私伺っておきたいのは、この車内の秩序、清掃等について予算上処置をなさったことが今まであるんですか。予算上そういうものがちゃんと頭を出したことがあるんですか。
○説明員(小倉俊夫君) 客車内の清掃その他につきましては、業務費というものがございまして、その業務費の方から支弁いたしております。
○高良とみ君 どういう施設をなさるおつもりであるか、それをもう少し詳しく伺いたいんですが、それはいろいろ現場を見ますると、箱をこしらえても、すぐたたいてこわしてしまうとか、座席の下へ置いてみても、これも不成功であったとかいって、今大体の旅客列車を見ますと、ほとんど清掃に関する施設というものがないように見受けられるんです。最近幾らかの列車には、たばこの吸いがら等を入れるものがあるようでありますが、ないのが多い。特二などに乗りましても、ほとんど座席の整備はできましたけれども、たばこ盆及び弁当がら等の処理に対しては何ら施設がないように拝見するのですが、いかがなんですか。どういう方針でこれからこの観光客も招き、また修学旅行等で混雑を予想される列車に対しては、どういう方針で車内の清掃をなさるおつもりなのか伺いたいと思います。
○説明員(小倉俊夫君) 今のたばこ、あるいはごみ入れ等につきましては、かつて終戦後の金物の不足なときには、再三つけましても非常に取られた例が多うございます。しかし、まあ最近に至りましては、紛失も減って参りましたので、できるだけたばこの吸いがらのようなものは、整備をしていきたいと思っております。 それから清掃につきましては、客車の全体のまあ清掃ということを、大がかりな清掃につきましては、客貨車区に整備係がございまして、それで大々的に水洗いその他をいたします。しかし、車内のごみのようなものにつきましては、大駅には掃除をするものがありまして、列車が到着しますと、折り返しのときにはそれを一応車内を掃除をする。電車区間などで折り返しのときに掃除をする。あるいは中で列−単手が掃除をすることになっております。 なお、交通公社等におきましてはこのミカンの皮等を入れるような袋の備えつけも、ミカンと一緒にミカンにつけておきましてそのミカンの皮は一まとめにして下さるようにというレッテルも張りまして、お客様にお渡ししておりますが、なかなか今のところお客様の方でもお行儀のいい方ばかりでもありませんので、非常によごされて困っていることもございます。しかしながら、今後もできるだけ車内の清掃には気をつけて参りたいと思います。
○高良とみ君 それの関連としてですね、この鉄道弘済会が売る方は非常に熱心なんですね。もう各駅、長距離でも短距離でも、ほとんど駅でああいう飲食物を売らない所はない。最近は特にひどくなってきておりますが、そうすると、それを受け取る方は、ことに観光客など、最近三等にも乗りますが、国鉄は、やはり国家の責任においてやっているのじゃないか、この商売もやっているのじゃないか、この跡始末をするために、国家は何の施設、あるいは鉄道は何の施設をしているのか。もうたくさん飲み食いしろ、しかしその跡片づけについては、私どもは終点で清掃するということでなくて、お客様が乗っているときのことなんですがね、最近の三等にお乗りになることはえらい方々はないと思うのでありますが、私どもいろいろな便をもちまして乗りますと、ずいぶんひどい、ひんしゅくにたえないものがあるのです。これは旅客の責任にだけ負わせることはできないと思うのですね。お行儀が悪いということではないので、つまりお行儀の悪い条件を作るのに国鉄の運営方針があると考えるのですが、いかがですか。弘済会をして掃除させるような制度を、もし国鉄が大蔵省で予算を削られて、その整備費が出ないというならば、いっそのこと、もうけたらその跡始末をするような指導をなすったらどうなんでしょう。その点どうなんですか。(「そうそう」「異議なしだ」と呼ぶ者あり)
○説明員(小倉俊夫君) 弘済会で物売りをいたしますときには、くずを入れるような袋も添えて出すようになつております。が、また列車の途中におきましてもお見かけかもしれませんが、再々ごみがたまりますと、列車係がほうきをもって清掃することになっております。できるだけそういうことをひんぱんにさせて参りたいと思いまするが、ただいまのところ、弘済会が車内に立ち入りまして掃除をさせるということにつきましては、まあいろいろな関係もございまして、そこまでは及んでおりませんで、国鉄の職員をして清掃に当らしめるということになっております。
○高良とみ君 私は今何も弘済会が中に入ってというわけじゃなくて設備をせしめるということは可能なことじゃないかと思うのです。で伺いますが、その弘済会の収支決算だとかあるいはその財政状態、いろいろ財団法人のこの状態については運輸省としても、これは運輸省に伺わなくちゃい汁ないのですが、国鉄としてもやはり目をお通しになっていらっしゃるのだろうと思うのですが、これからいよいよ多々ますます弁じて、もうつまり各駅で列車がデパートのかわりをするようなことをやっているわけでしてね。これに対して何か規制をなさる御意思はないのですか。適当に国鉄の趣旨に沿うような物の売り方、物の整備の仕方というようなことはできないのですか。 あわせてその各駅にある弁当屋というもののこの状態については、あなたのおっしゃるように、何もついていませんよ、その処理する袋も何もついていません。弁当箱は広告その他でいっぱいでありましてね。これはどこへ置けとも指図していないし、それが足の下に一ぱい散らかり、ミカンの皮やその他のきたないものが、通路に一ぱい散らかっておりましてね。あなたの方で働かしておられる鉄道の列車手というような人の仕事には、とても負えない状態なんですね。列車手の諸君が一列車に何度回ってくるか、それは長距離であるとたまには回ってくるようでありますが、一般の混むときの列車はほとんど手が入らない。そして列車の中には非常にきたないということを率直に申し上げねばならぬのでありますが、これに対する御対策はありますか。
○説明員(小倉俊夫君) 列車内が非常にきたない、あるいは観光の列車のようなものは特に団体が乗りまして、そういうふうなきたなくなっている実例は、私もよく存じております。それで設備等をとおっしゃいまするが、もう車内の掃除でありますと、ほうきとちり取りを持って座席の下を掃きまして、それを車外べ搬出するだけのことでございまして、格別に大きな設備は必要でございませんで、大体人力で間に合うものであります。それで先ほども申しましたように、ミカンの皮などは袋へ入れるように、袋もつけるように指導しております。それからまた弘済会、駅弁屋等はもちろん始終監督しておりまして、この停車場で売る物なども全部まあ許可を受けるようにしてございます。品種も限定いたしますし、また値段等も始終監査しております。これは大体各鉄道局の旅客係がおりまして、ときどきはこの鉄道の職員でない振りをして買いまして、その品評をいたす、あるいは抜き取りで局へ弁当を集めまして、その品評会をやるとか、いろいろその販売については監督をいたしております。車内のそのきたないことにつきましては、まあ極力人手をふやしまして、再三車内の掃除をするということが一番の効果的なことでありまするが、実はこう申すとあるいは言い過ぎだと一般の乗客にお叱りを受けるかもしれませんが、まだまだ車内道徳というのはもっと向上すべきものだと思います。それで弁当のようなものでも、ちょっと心ある人ははしも中へ入れまして、それでどうせ包み紙がありますから、包み紙でゴムで巻いて車内の隅に置けば掃除する方も助かるのでありますが、あるいは酒を飲んだり何かしてびんを捨てると、ミカンの皮もまだ方々に吐き出すというような人もあるわけでして、日本の車内道徳といわず、一般に国民道徳ということについてはもっともっと向上すべきではないかと。たとえば外国では見られない通路、あるいは駅などでつばを吐いたりたんを吐いたりする人がございますので、そういう点はできるだけ交通道徳を高揚していきたいということで、交通道徳の向上の宣伝の機関も国鉄では設けておりまして、できるだけ宣伝いたして参りたいと思います。しかし、それとまた別に車内の清掃ということはできるだけ注意して参りたいと思います。
○相澤重明君 関連して。今、高良さんの御質問をしておるのは、とにかく国鉄のホームであるとか、あるいは汽車の中であるとか、そういう所でとにかく売らんかな、買わんかなでもって、とにかく買わせることに一生懸命になっておると、弘済会は。ところが、そのあとの掃除というものは十分でない。国鉄の職員といえども数が少いから全部が回り切れぬから、やはり長距離列車なんかは非常にもう掃除が悪い。こういうことを高良さんは言っておるのですよ。そこで、掃除等を弘済会等にさせることが一体国鉄はできるのかできないのか。もっといわゆる交通道徳とか、あるいは車内道徳とかいうことは、なるほど幹部の人は言えるかもしれぬけれども、一般の人にもっと協力せしめる態勢というものを作れるか作れないかと、こういうことだと思うのですよ。これは運輸委員会なりあるいはそれぞれの委員会で、いつも国鉄の現地を調査をするといえば必ずもう弘済会の問題が出てくる。弘済会はずいぶんもうけているじゃないか。国鉄で品物の一番売れるいい所に作っているじゃないか、にもかかわらずどうもそういう品物を売ったあとの整理というものはあまりできていない。こういうことについて、弘済会に国鉄当局はやらせる気があるのかないのか、また運輸省は監督上今までにこういうことを国鉄に一回でも言ったことがあるのかないのか、こういうことを高良委員は言っておると思うのです。この点についてどうです。
○説明員(小倉俊夫君) 駅の掃除につきましては、私も弘済会あたりが請負いで駅の掃除をすれば、国鉄の手が助かるということを考えたことはございまして、昨年の暮から東京駅その他主要駅の掃除を、弘済会で引き受ければどういうことになるか、ということを調査させたことがございます。ただそういう場合にやはりもうけているからただでやれというわけにはいきませんで、弘済会は営業の方ではもうけておりまするが、その半面いろいろ公益的な、社会保障的なことをいたしまして、そういう方面の活動のためにもうけた金も使っておる、社会保障的な性格を持っておりまするので、やはりそういう駅の掃除を引き受ければ、それだけの請負料金を国鉄がやはり払わなければならぬということでございます。それで私が聞いておりますには、多分名古屋でございましたか、名古屋で弘済会と駅の掃除について交渉中であるということを聞きましたし、また私自身が、弘済会に東京付近のこの駅の掃除を一つできるだけ能率的に引き受けてみたらどうだろうか、ということで調査させた例もございます。なおこういう点は研究しまして進んでみたいと思っております。
○相澤重明君 ちょっと運輸省から一つ、監督局長、運輸省、答弁ないですか。
○政府委員(權田良彦君) もうすでに御承知の通りに、鉄道弘済会は財団法人でございまして、いろいろな構内営業をやっておりますが、またその半面社会福祉事業に相当大きな分野を持って活動しておりまして、構内営業によります利益はあげてこれをその福祉事業に投入しておると、で財団法人でございますので、いろいろ民法上の財団法人に対する監督といたしまして、私どもの方でも業務内容その他について報告も受け、いろいろ中味も監督をしておる次第でありますが、その鉄道弘済会のそういう仕事の内容から見て、今後いろいろそういう一般の旅客公衆にもお役に立つような仕事ができる、ということは望ましいことでありまして、これはその関係は今副総裁からお答え申し上げましたように、国鉄と弘済会との関係でありますので、この調和が十分とれますれば、いろいろ弘済会の今後の分野として、なお一そう諸方面にその活動を伸ばして皆様のお役に立つことは望ましいことだと思っております。
○相澤重明君 ちょっと私これで関連質問を終りますが、鉄道弘済会が営業しておるところのいわゆる国鉄に支払う金額ですね、そういうようなものを一般の人は、やああれは非常に場所がいいじゃないか、自分たちにもしああいう所で営業さしてくれればもっと利益が上るのじゃないか、もっと国鉄に金を払えるのじゃないか、こういうようなことをやはり一般の人はよく言うわけなんです。そうしてまた適正にそういう賃貸料というものができておるかどうかということについても、まあ専門的な立場でいろいろ調べた人が見ると、少しまだ安いというところもあるのじゃないか、こういう点もときどき出てくるわけです。そういうことについて、もっとまあ確信を持った国鉄としての経営の中で、一体弘済会はこういう事業をやって、社会的にどういうふうに資金を投入しておるから、こういう状態になっておるということがわからなければ、一般の誤解というものは私はなかなかとけないと思う。 それからいま一つは、先ほど副総裁なり、あるいは今の運輸省の監督局長が言うけれども、やはり自分たちが売った品物については、これはやはりそのあとの処理をしなければいかぬと思うのです。私は。単に品物を売る権利だけを認めて、あとの掃除は国鉄の職員がやるなんというばかなことはない。これはやはりそういう点をもっと研究を私はしなければならぬと思う。で、そういう点についてただおざなりに、あれは弘済会にまかしておるのだからなんという形では、やはり私は国鉄全体の問題として国民から、ほんとうに国鉄はよくやっておるというふうには私は見られないと思う。知らない者はあれはもうみんな国鉄がやっておるのだと、こういう形になってしまう。そういう点を私はやはり、弘済会あたりにもっとしっかりした態度で国鉄も臨み、そうして弘済会の実際の事業の内容というものも一般に知らしめなければ、そういう点についてやはり、なんだ、国鉄は少し予算の問題のときにはいつでも運賃を値上げすることばかり考えていると、それでもっと適正な料金なり、あるいはそういう面で十分利益が出せるところがあるのじゃないか、というようなことを言われて、それでまあ一般の方から非難を受ける、こういうことになってくると思うのです。そういう点についてもっと私は突っ込んだ検討を加えられないものかどうか、こういう点について副総裁から御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(小倉俊夫君) 弘済会のことにつきましては、いろいろ各方面からの御批判もありますので、そのつど詳しい内容は申し上げております。また、当委員会におかれて内容を御希望でありますれば、パンフレットのようなものがございますから、それを差し上げます。で、簡単に申しますと、あそこの駅のいろいろな売店は、元は一般の営利会社が昔はいたしておりました。そういたしますというと、その営利会社は営利追求のためにだけ使われまして、何も国鉄のためにならないのでありますが、国鉄は御承知の通りに非常に危険な仕事が多いのでありまして、一年に公傷で死ぬ者が百人、公傷を受けまする者が一万人に上っておりまして、機能傷害を受ける者でも毎年五、六百人ということになっております。それでこれらはやはり国鉄として、職務のために尊い命を落し、あるいは傷ついたのでありますからして、まあその遺家族あるいは不具者となった、廃疾者となった当人を救済していかなければならない、それは一般の社会にお願いしても、単なる社会保障での程度ではなかなか暮していけないものでありますから、まあ私どもはそういう心配が、そういうことがありますれば、生活を引き受けるからということによりまして士気を鼓舞しておる次第でございます。それで弘済会は半分は営利をいたしておりますが、半分は公益的社会福祉事業でありまして、あれは多分国税庁の方からは認められておりまして、私、確かな記憶はありませんが、三分の一か半分かは免税になっておるはずでございます。それでその内容といたしましては、ただいま申し上げましたように、国鉄の公務のために身体に傷害を受けた者、そういうものの救済、それから義手義足の製作——義手義足などは国鉄の職員ばかりでなく、ほかの事業で傷害を受けて、義手義足を求める方々にもお分けしておると記憶しております。それから授産事業、それから生計援護をいたしておりますし、そのほか教育というようなこともいたしております。このほかいろいろな福祉事業に金を使っておりまして、三十一年度では約四億円くらい、そういうような社会福祉事業に投じたということを承知しております。しかし、今後とも弘済会の営利方面、営業方面はもちろんのこと、そういうような福祉事業につきましても国鉄は十分監督をして、所期の目的をいやが上にも達成していきたい、こういうふうに考えております。なお、弘済会の事業内容につきましては、後刻。パンフレットのようなものをお渡しいたします。
○高良とみ君 どうぞその弘済会の営利内容について、一つしっかりした数字を印刷にして、きれいに飾り立てた。パンフレットでないものを、なまの昨年度の会計の総締めくくり、昨年度のその用途についてお示しを願いたいと思います。利益が四億円くらいのものではないだろうと国民は見ておるわけです。それで先ほどのお話なのですが、相澤委員からも御助言がありましたが、その考え方を一つ切りかえていただきたいというのが私どもの要望なのです。つまりこの国鉄に切符を買って、しかも、値上げした運賃で払っていくのに対して、そのときその設備でサービスをしていただきたいのでありまして、何もこれを乗客の道徳が低下したというところへ持ってきて、道徳教育ということで学校教育、家庭の教育が悪いと、そっちの方へ逃げていただきたくないんです。つまり設備をせずしてそう言われてもこれは困るのでありまして、もっと先んじて、弁当食べた人はそのからは洗面所のごみ箱に入れてくれとか、あるいは適当に処置をすべしと、御存じの通り欧米などでは弁当の箱を置いていく人はないんです。というのは、それを覚悟の上で小さな紙に包んで持って帰るわけですが、そういうことを頭に置いて考えても、昔の鉄道はこんなにきたなくなかったと思う点もあるわけです。そういうふうにしてどこかに設備を置く、その点が予算化してこなければ、やはり国鉄はこういう物を食べるところでないという考えで運営していらっしゃるのかとも思うのでありますが、片一方、弘済会はどんどん売ると、どんどん飲ませるということが非常な矛盾だと思うのです。ですから、道徳云々ではなくて、これは便所がなかったり、洗面所がなかったりしたらやはり乗客は困ると同じく、飲み食いさせるならばその始末をさせてもらいたい。何も食堂車を必ずおつけなさいと言いません。食堂車の中、まわりだってきれいとは思えないのでありますが、それもやはり営業本位だからそうなると思うのでありまして、どうなんですか、ことしあたりから国民へ小学校の子供の道徳教育を要求するなら、その広い意味でのまず秩序としての、自分のしたことに対する跡始末、紙を捨てる所、たばこの吸いがらを捨てる所、そういう所を御設置になる意思が出ないものかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。一つ副総裁、その辺、弘済会だ、やあ何だと、こうおつしゃらずに弱い列車手の清掃にたよらずに設備をなさる御意思はありませんか。
○説明員(小倉俊夫君) 私の申し上げようがあるいは悪くてお客様に責任を転嫁したようにお聞き取り下さいましたならばまことに相済まない次第でございます。車内の清掃につきましては、今後とも留意して参りますが、非常に混雑した車中でございますので、いろいろ紙くずかごを置く席というものもきわめて足りないのでございまして、駅には最近ずいぶん設備いたしました。たんつぼ、それから紙くず入れというものをずいぶん整備いたしました。まだ車内にまで回っておりませんが、いろいろ工夫いたしまして、座席の下に紙くず入れをこしらえたこともございましたのですが、いろいろな点で不便な点もございましたので取り去ったようなわけでございますが、なお一そう工夫いたしたいと思います。
○高良とみ君 それならばその方は一つ思い切って、国民に道徳をおっしゃる前に設備をしていただきたいということを、むしろ進んで御指導願いたいということをお願いしておきます。 次には、やはり秩序なんでありますが、車内の秩序ということなんです。これもやはりやかましいことをいえば、やはり道徳問題になるのでありますが、総裁、きょうはおいでになりませんが、こないだうち、いろいろな事故があったあとに、あまり宣伝するなと、あまり観光地だ、修学旅行だ、ポスターを出してたくさん誘致することは遠慮しろとおっしゃったことは、われわれ非常に喜んでおったわけであります。ところが、春のみんなが穴から出てくる季節にもなり、修学旅行の季節にもなり、そして通学の生徒などが多くなりますと、どうしてもデッキの便乗が多くて、しかも、デッキのドアを閉めない、ですからずいぶん危険を冒して中は満員だというような場合もあるのでありますが、こういう混雑緩和について何かお考えでしょうか。この込む列車には乗るなという意味なんでございますか。それとも駅の助役さん等がこれに対しては努力なさると思うのですけれども、これは都市のまわりはみんなそうです。デッキに乗りましたり、あるいはぶら下ったり、電信柱にぶつかって落ちたり、非常な悲劇が多いのですが、この混雑緩和については、どういう御対策があるんですか。
○説明員(小倉俊夫君) やはり国鉄の旅客輸送はシーズンによって非常に違いますので、観光シーズンにはどうしても列車が込むわけでございまして、そういうときには、できるだけは線路容量があり、あるいは客車がある限り、いろいろ臨時列車を出しておるわけでございますが、しかし、またいろいろポスターを出すというようなことも、もちろん乗っていただきたいことも半面でございますが、一つには、こういう列車がありますというようなことをお知らせしましてこの御便宜をはかろうということが一つの運輸業者の任務でございましょうし、もう一つ進みましては、ほかの列車よりもこういうふうな特別な列車を御利用して下さいという意味でポスターその他を出すこともございます。で、最近は特に旅行意欲が国民の各位に非常に浸潤して参りまして休暇でもありますと、遠方へ夏で、も冬でもいろいろ団体を募集し、あるいは個人々々で観光あるいはスポーツに出かけるということでございまして、こういうことは、私どもはそういうふうな健全なスポーツというものはやはり国民として伸ばしていった方がいいだろうということで、そういうときにはできるだけの輸送力をつけて参りたいと、こう思っております。
○高良とみ君 そのポスターなどは、臨時列車があるとか、あるいはいい列車があるとかいうようなことを指導するようなポスターがもっとあればいいと思うのですよ。いや、そうじゃないのですね。どこのお稲荷さんがある、どこのお祭りがある、そういう誘致の方が多いんですね。それは地元の要望もあるのでしょうけれども、そこの非常に混雑した場合も、列車の中及び三等列車のデッキ乗りなどに対して、これはデッキはほんとうはふさぐのがほんとうだろうと思うのでありますが、そういうことについてたとえば二等車ががらあきであった、そして三等車の方はみんなデッキに乗っていて非常に危険だというようなときに、その臨機応変の措置をする人たちがいないのですね。で、私たちも便乗しましたときには、あまり非人道だと思ったときには二等車でもいいから乗ったらどうですかと言うのですが、その点で輸送の秩序を守ることについて、国鉄当局としては、車掌なりあるいは駅の方たちに十分安全と秩序を守るような御指示が行っているのだろうと思うのですけれども、駅の人たちに話しますと、私たちはサービス、サービスということをいわれて、とにかく少しでも秩序を守らない学生さんに次の列車にして下さいとか、あるいはお客さんにあんまり乱暴な大宴会をやらないようにというと、すぐ投書をされて、自分たちの首にかかわるというようなことで、何か戦々きょうきょうとしておるような姿をよく見る。あるいは子供などが半分しか払っていないのに、大きく二つも、三つも、四つも座席を占めておって、老人や病人が立っておる。それをなかなか車掌は言い切れぬ。そういうことについてやはり秩序をもう少し守って、子供は小さくなり、年寄りにはかけさせまた乱暴する人は押えていくように、大へん失礼だけれども、こちらへちょっと来ていただいて、これは旅客に迷惑だから、そう酔っぱらって騒がないでいただきたいとか、あるいは、はなはだしいときにはおりてもらうとかいうような権利を持っていないようです。これはどうなんですか。昔と今とは、昔のようなあれはないでしょうけれども、やはり秩序を守ることは公衆機関、交通機関として大事だということの御指示は行っておるのですか。
○理事(大倉精一君) ちょっと委員長としてお願いしますけれども、あと発言者もたくさんございますので、質問者も答弁者もなるべく簡潔にお願いしたいと思います。
○説明員(小倉俊夫君) できるだけ車内の秩序を保つようには始終車掌あるいは公安官その他に命令してございます。で、ただ季節的に非常に乗客が輻湊いたしますと、現在の輸送力では悲しいかな超満員ということが出るのでございまして場合によりましては、超満員ということであるいは次の列車をお待ち、願いますということもいたしておるのでございます。今後ともそういう点は十分よくするように注意いたすことにいたします。
○高良とみ君 もう二つの点だけ。一つは、公安官の活動状況なのでありますが、公安官が非常にむずかしい立場にあることはよくわかりますけれども、それといま一つの点として、先ほど疑問に思っておりました旅客の大荷物、ごとにやみ米の多量なものとか、あるいはかつぎ屋さんの非常に大きな荷物等に対して、公安官があまり発言権がないようでありますが、どうなんですか。列車内及び駅の秩序を守るというだけであって、そういうものに対しては、最近は多少超過荷物の賃金を取るという話もあったようでありますが、少しは改善して、あまり大きな荷物あるいは食管法に違反するようなものに対しては、公安官といえども、やはりお断わりするというようなことができますか。
○説明員(小倉俊夫君) 買い出しの連中が非常に大きな荷物を持って他の乗客が迷惑するということは承知いたしております。しかし、実際問題といたしまして、そういう人たちも生活で行っておりますので、もう規定以上だから一切乗るなというわけにも実際問題としてはいけない場合もございますので、そういう場合に列車をきめ、あるいは増結いたしまして一つの客車に乗ってもらうというような方法は講じておるのでございます。
○高良とみ君 あとはもう、またこまかいことは先で伺いますが、どうか一つ、秩序の守られる国鉄にしていただくことをさらにお願い申し上げて質問を終ります。
○岩間正男君 私は本年度の予算と関連して、五カ年計画の問題について三、四の主要な点をただしたいと思います。そのうちで、今年度の資金計画、この問題について最初お伺いしたいのでありますが、この資金計画を見ますと、三十二年度は融資の面が八十億で、本年度は融資の面ではこれは二百億とふえております。この点は一応今度のデータはわかります。さて、そのほかの国鉄債券の問題ですね、この債券の問題になりますというと、公募債におきましては昨年よりも非常にこれは減っておる。昨年は、三十二年度は大体公募債が九〇%、それが今年度は四〇%に減っておる。そうして反対に利用債益びに縁故債というようなものが非常にふえておる。昨年度これはわずかに一〇%くらいと思うのでありますが、今年度は利用債並びに縁故債を加えると六〇%というふうにふえておる。従って資金計画は昨年の内容と比較して考えるときに、その性格においてもこれは相当変ってきているんじゃないかと考えます。その中でなぜ利用債を相当大幅にふやしたのか、これによって国鉄の今後の経営面のやはり性格に幾ばくの変更が出てくるのじゃないかということを私は問題にしたいところだ、これはどういうことになっておりますか。まずその点をお伺いします。
○説明員(小倉俊夫君) 率直に申し上げますと、今回の鉄道債券の公募は、もちろん前年度並みにいただきたいし思ったわけでございますが、いろいろ公募債の全体のワクの中から八十五億に限定されたのでございます。で、そのかわりに借入金がふえております。まあ私の方は工事費を何とかして確保いたしたい。ということでございまして、公募債のかわりに借入金がふえるということであれば、それもけっこうであると、こう考えたのでございまするが、しかし、それだけでは工事費が足りないのでございまして、それで五ケ年計画を達成いたしますにはもう少し資金が要る。しかし、御承知の通りに三十三年度の投融資が非常に窮屈でありましたので、借入金も公募債もこの限度であるという査定を受けましたので、しからば、利用債をお願いいたしたいということで、利用債をふやしていただいたのであります。
○岩間正男君 昭和二十九年あたりから最近の利用債の増加率ですね、これはおわかりでしょうか。あなたの方の数字を知らしていただきたいのですが、二十九年、三十年、三十一年、三十二年、今年度、来年度の利用債の経過事情をずっと見たいと思うのです。
○説明員(久保亀夫君) 今年度は二十億でございます。昨年度は十三億、一昨年度は七億、概数でございますが、そういう数字になっております。
○岩間正男君 私たちの資料でも大体二十九年度は二億一千百四十三万、三十年度が三億三千四百六十一万、それから三十一年度が十二億、それが三十二年度になって二十億、性格的には非常に利用債にたよる方向が多く出たと思いますが、今年度は飛躍的に八十二億、四倍という非常に大きく飛躍しているわけです。こういう点から考えますと、これはやはり国鉄の資金源の問題がずいぶん変化をしている。ここに私たちこの前から問題にしております資金計画というやつが一体貫ぬかれているのか、こういう形になりますというと、行き当りばったりになって、来年はこれは大きくまた変動せざるを得ない。経済の動向によって幾分の動揺というものは私たちも了承するのですけれども、しかし、こういうふうに資金計画の中でパーセンテージにして非常に大きい六〇%というような格好で変化するという点は、相当私たち検討する必要があるのじゃないか、そういう点から考えまして、一体利用債の目的、それから性格というもの、これはこの前も一応承わったのでありますが、これは明確にどういうふうな性格を持っておるのか、そうしてこれについての運用の仕方、そういう点についてお伺いしたい。
○説明員(小倉俊夫君) 利用債はこの設備をいたします場合に、その設備の受益者の方々、あるいはそれが地方公共団体である場合もございましょうし、あるいは会社という場合もございましょうが、その受益者である人にこの工事費を協力してもらう、これは決してただいただくわけじゃなく、借金でありますから、金利もつけますし、返済もいたします。決して受益者負担ではございませんで、受益者の御協力をいただいて、その工事をするという建前であります。それでこのふえました理由は、先ほども申しましたように、私どもとすれば公募債あるいは借入金と同じように工事費の原資と考えております。
○岩間正男君 むろんこれは受益者負担ということではなくて、受益者による金融のまかない、こういうことになるのですが、しかし、特定の受益者に縛られるわけですね、当然そういう目的を持ったひもつきの資金になるわけですね。そういう点から考えますとこれはどうなんですか、受益者に負担の能力がない場合には、これは実際どうなるのでございますか。この問題は。負担の能力が幸いにあるところは、これは促進をやって、自分たちの要求を、新線なら新線を作ることもできると思いますが、負担能力のない場合は、当然やはり工事面であと回しになるとか、あるいはまた計画が打ち切りになるとか、そういうような傾向が出て参るのではないですか、いかがですか。
○説明員(小倉俊夫君) これは公益的な使命を持っておりますものにつきましては、いろいろ話し合いをいたしますが、それで持てないということでありますれば、国鉄は自己調達の資金でいたすことになります。しかしながら、たとえば特定の駅を作る、これは必ずしもすぐに作らぬでもいいというような場合には、利用債を持っていただけばすぐに予算化できますけれども、これを持っていただかなければおくれるということも生じてくるわけであります。そういうようなことにつきましては、一々その具体的の工事の性質を見て判断して参りたい、こう思っております。
○岩間正男君 そうすると、とにかく負担能力がないとおくれるということは認められるわけですね。どうしてもそういう傾向が出ざるを得ない。資金の面においては、債券部門からいえば五〇%以上というものはそこに依存しているわけなのです。そうすると全体の工事の面から見ましても、相当大きなウエートが利用債にかかってくる。負担能力のないところは明らかにおくれていくというような傾向が出ざるを得ない、事実今のお話ではそうなっている。こういうことですと、どうなのですか、五カ年計画の中で能力のないところはあと回しになり、全体の国鉄の経営、’国鉄の公益性を守るという点から考えますと、利用債に依存するというやり方、これで公益性を貫くことができるか、この点からいうと、私は非常に工合が悪いと思うのですが、この点についてどうお考えになりますか。
○説明員(小倉俊夫君) ただいま申し上げましたように、その工事、工事につきまして、利用債の利用方をはかって参りたいと思います。それですから、たとえば線路増設で、これは全く捨ておけない、公益的にも遂行しなければならぬ、そういう工事につきましては、地元の方とも御相談します。利用債を引き受ける、引き受けないは絶対の要件になってこないわけであります。しかしながら、先ほど申しましたように、ごく特定の受益者がある、たとえば臨港線のような場合には、それを持ってくれれば工事は早く進む、それが持てなければ少しおくれざるを得ないということもあり得るのでありまして、何でもかんでも利用債を引き受けさせるという考え方じゃありません。できるだけ受益者に御協力を願うのでありますが、そこにおのずから厚薄もあり、それから引き受けていただく時期とか、いろいろのことを考え合せまして、無理のない程度で運用していきたい、こう考えているわけであります。
○岩間正男君 これは資金が十分あれば、こういうような方法にたよらない方がいいじゃないか、国鉄の公益性から考えて当然そういうふうに考えられますが、その点はどうですか。
○説明員(小倉俊夫君) 従来の国鉄は大体におきまして公募債、あるいは借入金というようなことをいたして参りましたので、利用債というのは、従来特殊な工事ということでいっておりますのでありますから、仰せの通りに、もしそういうふうな面で自由な投資がいただけるならば、利用債は減っていって当然だと、こう考えます。
○岩間正男君 当然そういう御答弁だと思うのです。結局今年度の予算を見ますというと、政府の投融資が非常に少い、そういうことのしわが利用債という格好になって、地方公共団体だとか、あるいは会社、結局その最終的な負担のしわは、これはやはりその土地の地方自治体の住民にこれはいく、そういう性格を持っておるのですね。こういう点から考えますと、やはり五カ年計画を遂行する資金計画の面で、やはり性格の変更が起っておる。たまたま、先ほど申しましたように、利用債のウエートが非常に大きくなってきておる。この点はこれは一つ問題にしたいと思うのです。公共企業体としての公益を貫くという建前から考えて、どうしてもやはり利用債というような、そういう負担能力のあるものが優先されて、そうしてそれのないものがあと回しになることは、やはり非常に一つの性格として大きな問題じゃないかと思う。具体的にお聞きしますが、今年度の八十二億ですか、の利用債の内容ですね、この一半は、大阪の環状線に三十億というのがこの前の御説明であったと思いますが、あとの五十二億の内容は、どことどことどこになるのですか、この内容についてお知らせを願いたい。
○説明員(小倉俊夫君) 今回は、この予算を策定いたします場合に、先ほども申しましたように、自己調達の資金が不足しましたので、利用債というものに変ったわけでありまして、その意味でまだ予算の当時に諸準備、つまり利用債をどことどこで幾らくらい引き受けていただくかというようなことは、事前折衝としてやっておりませんでした。従いまして、現段階でも、各方面にお願いしてサウンドしておりますので、ここで今五十二億の利用債がこれこれだというお話をするまでの段階になっておりません。せっかくこの工事遂行までには何とか目鼻をつけたいと思ってサウンドいたしておる実情であります。
○岩間正男君 そういたしますと、八十二億というものは、この前中村君も問題にしたのですが、消化能力があるかないかというような、今後のこれは運用の面にかかってくるわけですぬ。どういう方法なんですか。たとえば利用債の募集の先というものはいろいろあると思うが、たとえば五カ年計画の中で上野−宇都宮、あるいは宇都宮−福島、福島−仙台間、姫路−岡山間、岡山−下関間、門司−久留米間、こういうふうな所で電化とか、幹線の輸送力増強の問題が計画されておりますが、こういう所にも、この利用債について一応公募するという方針をとるのですか、この点はどうでしょうか。
○説明員(小倉俊夫君) 電化のような工事につきましては、お願いをして今御意向を聞いておるのでございまして、言いかえれば、利用債を持っていただきたいが、いかがかというサウンドをいたしております。
○岩間正男君 そういたしますと、今の場合ですと、計画がわずかに環状線の問題だけは目安がついておるけれども、あとの五十億については、広範な国鉄の五カ年計画の工事面について、全般的にかどうかわかりませんが、大部分のところにそういうような要請をしておる。これは何ですか、ワクというやつはやはり八十二億の線でいくのですか、それとも案外消化がいいという場合には、もっと利用債をふやすと、そういう面をお考えになっておるのですか、この点はどうでございましょうか、大体全体のバランスの上から言うと、予算の線を貫くのか、あるいはまた消化し切れない、あるいはまたそれより多くなるのか、しかし、今の経済情勢からいうと、なかなか消化し切れない面が多くなってくると思うのですが、そういう点についてはどんな見通しをお持ちになっておるのですか。
○説明員(小倉俊夫君) この八十二億のうち、大体三十億は本年度からの継続的な計画に基く利用債でございまして、三十億近くはこれははっきり負担していただけるものでありまして、あと五十億でありまするが、五十億につきましても、各方面から、利用債を持つから——まあ持つ金額は今折衝中でありますが、利用債を持つからぜひ工事を進めてほしいというお申し込みも各方面からありますから、私としましてはこれからいろいろ努力なり工夫もやりますが、まずこの利用債は消化できると、こう考えております。しかしながら、もし利用債を持つから工事をしてくれという向きが非常に多くて、利用債がまかない切れなかったらどうするかというお話でございますが、利用債はこれは一応予算できまるワクでございますから、予算を組みかえなければこれはふやすことはできない、こう考えております。
○岩間正男君 国鉄の経営から考えまして、工事の計画というやつはやはりずっといろいろ計画を立てて系統的に私は進められていると思う。利用債の消化率によって工事に手をつけるということになりまするというと、そういう計画が混乱するということが考えられるのでありますが、そういう面から考えて、非常にこれはやはり望ましくない、第二次的なやむを得ない措置だ、従って、来年の資金計画等の関連もあるわけですけれども、今年はこういう形で出て参ったのでありますが、この五カ年計画を貫く立場から考えて、利用債にますますおぶさるという傾向が最近出ているのですが、こういうものを今後はどういうふうにこれはお考えになりますか。今年度あたりで、やむを得ない措置だ、しかも、これは非常に経済不況で一応政府の方の投融資で切られている、仕方がないからとったのだが、しかし、いつまでもこういうようなやり方を続けるか、あるいはさらに利用債に依存度を深めていく、こういう一体方針をとられるつもりでありますか、これは今後の五カ年計画とも関連して、資金計画の面では非常に重要な問題である国鉄の工事計画の性格を今後決定するような問題に私はなりかねないと思う。こういう点から、はっきり副総裁としての見解を明確にしておいていただきたい。できればこういうものを切りたい方針なのか、そうしてあくまでもやはり財政投融資の面をもっと広げる、あるいは公募債をもっと拡大するというようなところまで希望を持っておられるのか、国鉄当局の腹ですね、そういうところを特にお伺いしておきたい。
○説明員(小倉俊夫君) たとえば道路の改修におきましても受益者負担というのがございまして、受益者負担をした所は先に道路が改修されるということを聞いておりますが、この利用債につきましては、たとえて申しますれば、大阪の仕事を一例にとりますと、大阪である種の工事で、この工事を利用債でやりますと、九州の運賃収入も、関東の運賃収入も、そういうほかの方の収入もまぜて大阪の工事にする、こういうことでございますから、その面から見れば大阪がそれだけほかよりも得したということでございまして、そういう面から申しますれば、地元がある程度協力して、地元の工事をする、しかも、それは国鉄に対する寄付ではなく、貸付金だということになりますれば、利用債というのも決していけない筋のものでありませんで、やはり受益者がそれだけほかよりも余分に熱意を持って利益を受けるのでありますから、協力するという建前もうなずかれると思います。ただ、その利用債を持っていただく限度、あるいはまあその総ワクといったようなものがいろいろむずかしいことでありまするので、今回はまあ八十二億というのがきまりまして、これをまあ運用して参りましてその結果まあいろいろな御批判も受け、また、運用の難易もよく見きわめまして今後に対処いたしたい。それでありますから、今御質問でありますが、将来これをなくするとも申し上げられませんし、また拡大するということも申されません。一つ来年度この八十二億ということで進めまして、その成績その他を参照して十分考えてみたいと、こう思います。
○岩間正男君 どうもこれは副総裁の御答弁とはちょっと思えないのですね。私たちは事務的な御答弁だけを願っているわけじゃないので、実は国鉄の実質的な経営の責任者でありますから、一つの方針というものを明確にしていただきたいと思う。今大阪本位にお話がありましたが、大阪は利用債を出してそのほかの資金も加えておるのだからこれは大阪にとっては有利だ、従って、利用債を募集される立場からはなかなかこれは巧妙な宣伝になっておると思います。あなたの御答弁は。しかし、それによって一方は限られた資金なのですから、そうすれば大阪の方は、非常に有利かもしれないけれども、ほかのところはこれは犠牲を受けるということはこれは考えなくちゃならない。全体的な視野から見ますと、利用債の募集はいかにも営利本位というような形になっておる。公社という建前をとった国鉄の最近の経営方針というものとどうも私はマッチしていない。そういう点で利用債という問題が浮んできたのだと思いますけれども、この問題はやはり私は先ほど申しましたように、国鉄の公益性を貫くという建前からは非常にやはりあぶなっかしいものじゃないか。これによって、やはり当然堅持しなければならない公益性がこれによって左右される危険が十分にある。従って、望ましい形じゃない。あくまでもやはり政府の財政投融資、これを私は大幅に確立して、そして長期的な資金計画を立てる、こういう決意を国鉄は固めるかどうかというところにあると思うのですがね、そうでないと、非常にこういう形で実はこれは動揺するわけです。私は昨年の運賃値上げのときに、この資金計画の問題をこれはいろいろな関係者に質問したのも実はそのためなんですね。今年度はこういう格好で非常に変ってきておる。この原因は言うまでもなくこの政府の財政転換に、経済政策転換による面が一つこれは出てきておる。民間の公募債が非常に公募難だろうというので昨年の二百十五億でしたか、これから八十五億に削られた。その肩がわりに利用されたというような格好で出てきたのじゃないか。これは背に腹はかえられないかもしれませんが、あまり芳ばしい方針ではない。ずっと私そういう点からまあここでの一つの委員会で課題に常になって、いわば宿題というふうになってきたと思うのですけれども、政府の国鉄に対する財政投融資の面が非常に少い。従って、まあ自己資金に依存せざるを得ない。それから今言ったようなこの借入金あるいは公債、こういうものにたよるにしましても、今言ったような公募債じゃなくて特別なやはりひもつきみたいなものにたよっていく、こういう形をどんどんこのまま許しておいたのでは、昨年から大きな宿題になっておった問題でありますけれども、国鉄の経営というやつは勢い私は追い込まれざるを得ないのではないか、この点を非常に心配するものです。で、これはこの点は副総裁も同感される問題と思うのですが、今の点はいかがでしょうか。
○説明員(小倉俊夫君) 先ほども申しましたように、これほど大きな利用債は初めてでございまして、この点の消化についてはいろいろ努力しなければならぬと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、実際投融資を十分にいただければ、こういうふうな大きな利用債は出てこなかったんでありまして、まあ将来とも利用債につきましては、これは受益者の御協力をいただくという意味であると思いまするが、まあ私どもとすれば、投融資いただければそれで十分だと、こういうふうには考えますが、何分にも国家全体のワクとして投融資が窮屈でありますれば、かような方法もやむを得なかったんじゃないかと、こう考えます。
○岩間正男君 その面はこれは大臣にやはり私ははっきり考えてもらいたいと思う。昨年の運賃値上げのときにもこの問題は相当これは出たわけですね。私たちが主張しましたのは、一つは、今日の国鉄の輸送力の陸路の問題が問題になりました。運賃を上げても輸送力を増強しなければならない、しかし、なぜ一体こういうふうに国鉄を荒廃させたか、こういうような面では、一つは、御承知のようにこれは大東亜戦争時代に実は臨軍費をまかなった、この前の計算によりますと、昭和十一年から十九年までだと思いますが、この間に国鉄が臨軍費として出した額が二千六百五十億じゃないかと思います。こういうふうに大幅にいわば戦争に食われておる、それからさらには終戦後はこれは駐留軍のいろいろな犠牲をしいられた、こういうことで荒廃になった。従って、私たちはこういう点からは当然国鉄に対しては財政投融資を強化しなけりゃならぬ、こういう面をわれわれは主張したわけであります。それからまあそういう点が一つの大きな根拠になっているわけなんですが、ところが、先ほどから大臣は途中からおいでになってこれはおわかりにならない点があるかと思うのですが、今年度の資金計画を見ますと、投融資の面が非常に減っておる、従って、さらに公募債も減らされておる、そういうような面からそのしわが利用債にいっておる。利用債というものは非常にひもつきの性格を持ったもので、どうしても国鉄の公益性を貫くという面からはいろいろな問題を生じやすい、こういう点からは当然もっと政府は手を入れて、十分にこの国鉄の輸送力隘路を改善するために努力してほしい、こういうことは当委員会のこれは共通した一つの主張になっておると思うのです。今年度を見ますと、逆にそれがもっと地方自治体だとかあるいは会社とか地方公共の住民というふうに負担が転嫁される格好になっておるんですが、そういう点からいろいろこれは国鉄の経営の面でも非常に窮屈な面が私は出てきておると思う。これについて、大臣は国鉄の現状におけるこういう政府の見方ですね、資金面における見方で十分だとお考えになりますかどうか、これに対してどういうふうな見解をお持ちになりますか、まあこの点についてまだ大臣にはお伺いしていない。しかし、これは国鉄の基本的な経営の問題として非常に重要な性格を持っておるので、この点について見解をただしておきたい。
○国務大臣(中村三之丞君) 御指摘のごとく今の御質問の対象になりますことはこれは国鉄の基本の問題であります。財政投融資がいわば百億を削減になりまして、これは私もはなはだ遺憾なことであると思いますが、しかし、全体の総合政策としてこれはやむを得なかったことでございますが、ある程度これはゆり戻しをやっておるということ、またそれは実現しておると思いますが、しかし、国鉄をして、今お話の終戦後における荒廃を今後一定の計画のもとに復興せしめる、また発展せしめるという上におきましては、国家がその資金計画において援助するということが一番望ましいことであると存じます。しかし、現在の実情からいたしましてそういう傾向になっておるのでありましてやむを得ず鉄道債を持ってもらう、こういうふうにいったことは、これは決して私はいい方法でないと思う。やむを得ざる一つの方策であったと思います。そこでしからば、この利用債というものはひもつきであるという仰せですが、これは何かやはり電化計画の実現にこれを利用していくということは、これは一つの方法であると思います。共済組合まで持っていただくということは、これは決して私はほんとうの目的じゃないと思いますが、現在やむを得ざる事情にあると思いますが、しからば、この利用債というものは消化できるか、一般鉄道債というものが消化できるかということでありますが、これは私はそう悲観したものじゃないと思います。ことに地方あたりでは、停車場を改築してもらいたい、それには利用債を持つという向きがある、だんだん調べてみますと、たとえば富山県のある駅のごときは、チューリップで非常に輸出がふるっているから、その利益でというので、私もこれは意外に思った。チューリップが駅になるということを意外に思ったが、やはりしかしそういうこともあり得るのであります。これは私は率直に申し上げるのでありますが、同時に、また鉄道利用債も、これはある程度の利息が、これは低い利息でございますが、つきますし、またこれを償還しなければなりませんから、将来はそういう電化計画のひもつきにすると同時に、地方銀行においても、私は国鉄が努力して、持ってもらうようになりますならば、地方銀行でこの点において私は持ってもらうことができれば、その償還におきましても、そう悲観したものではない、要するに努力であると思いまするが、そういう私は見通しを持っております。しかしながら、利用債をむやみに出すということは、これは私は本来のいい姿でないということは認めざるを得ないのであります。
○岩間正男君 これはやむを得ず、仕方がなくやっているんだ、こういうお話でありますから、その点は明確にしたいと思うのでありますが、しかし、やむを得ず次善の策でとっている、これはちょっとわれわれといたしましても、われわれの委員の努力も足りないんだと思いますが、大臣だけ責めるわけではありませんが、ちょっと悲しいですね。といいますのは、今年度の投融資なんかを見ましても、昨年は四千億ということであった、そして一割五分スロー・ダウンするということになって、実際は実行額は三千四、五百億、こういう線であります。昨年はそういうふうにやっておきながら、今年度の投融資面は三千九百九十五億、御承知のように昨年とほとんど額は同じです。そういう態勢の中で、一体どうして国鉄がそういう中でその主張を貫くことができないのか、やむを得ずという第二義的な方向にいかざるを得ない。私は国鉄が昨年運賃値上げをやって国民に五カ年計画を公約しておる、これはほかの場合と違うんです。電力とか鉄鋼とか、造船とか、こういうものと非常に私が建前が違っていると思うんです。こういう点の主張を一一体大臣がなされたのかどうか、さらに国鉄が戦時中非常に大きな犠牲にさらされた、それから駐留軍のそういう負担もずいぶんこれはしわ寄せされた、こういう現状を見ますときに、公約の面からも、また国鉄の今までのあり方から見ましても、やはり財政投融資の面でほおかぶりをして、そうして国鉄の五カ年計画を完成させるということが最大の私は政治力になっているんじゃないか。大臣はその辺にこれは努力されたと思うのでありますけれども、どうもやむを得ずというようなことになって、チューリップまで引き合いに出さなければならない、どうもチューリップ論議へ行ったのでは、これはあまり芳ばしくないんじゃないか。で、こういう点で実は大臣にもお聞きを願いたいんですが、こんな格好で自己資金と借入金でまかなって、投融資の面は非常に減らされているために、国鉄の経営というものは非常にいびつになっているんじゃないか、ゆがんでいるんじゃないかという点を私は具体的にお聞きしたい。経営費はこういう点で圧迫されているということは、いなめない事実じゃないかと思います。ちょっとお伺いしますが、昨年の石炭値上げによって何億最初の予算よりも多くなりましたか。それから年末手当の増額分、それから災害復旧費の増額分、合計、締めどれくらいの経営費が、昨年は予想外に、最初の予算の面よりもふえておりますか。この点をまずお伺いしたい。
○説明員(久保亀夫君) 本年度でございますが、本年度の経営費の関係で、予算より多くなりましたもののおもな項目を申し上げますと、ただいま仰せの石炭費で約三十億余り、それから退職手当で同じく三十億余り、それから災害費で約十億余り、それから年末手当、例の一・八、この関係で約四十八億、ただし、これは給与総額との関連もございますから、足を出すのは若干減るかと思いますが、大体予算に対してふえた項目のおもなものはそういうものでございます。
○岩間正男君 そうすると、こういう見積りよりも多くなった増加分に対して、これをどういうふうにまかなっておられますか。
○説明員(久保亀夫君) これも概数で申し上げますと、かねがね当委員会でも問題になって御指摘になったところにもなるわけでございますが、結局物件費、それからそのうち特に大きなものとしては、修繕費について約七十億節減もしくは繰り延べをいたしたのと、それからもう一つは、これも前にもお話が出たのでございますが、例の四十三億本年度の財政投融資の繰り延べを復活していただきました分も、大体結果的には経営費にくるという見込みになりました。それとこれの経費の節減、繰り延べの合計と、その今の一部工事費の、これは未払いの形になるかと思いますが、そういう形で処理することに相なると思います。
○岩間正男君 そうすると、これはぜひ大臣にお聞きいただきたいのでありますが、こういう資金計画、こういう政府の方針、これが国鉄側の要求にもかかわらず、なかなか通らない。このことはやはり経営費を食っている格好になる。今の不足分は、七十億を修繕費から出す、これはしばしば問題になりました。それからなお不足分は五、六十億という格好になって、それをいろいろ操作しなければならない。で、これは今後この面についても、これは大へんだ、しかも、経費の見積りについては、午前中の委員会で明らかになりましたように、二月の末までに約三十億の赤字ができる。収入見込みに対して、これは収入減が三十億である。これは大へんなことになる。このしりぬぐいだけでも私は大へんなことになると思うんです。ですからこういう面で国鉄の経営の面というものを、もっとほんとうに総ざらいに洗ってみて、これに対する基本的な方針を立てるということが今非常に必要になってきているんじゃないか。この問題につきましては、なおお聞きしたいと思うのでありますが、修繕費の問題や、老朽施設がどうなっているかということ、それからまた年々借入金が非常に多くなって、その結果どうしても利払いが多くなってきている。これは国鉄経営をやはり食っている。全面的に今のこの政府の国鉄に対する投融資計画というものが確立していないから、こういう面で経営面が非常にこれは侵されてきている。この事実は大臣もお認めにならなくちゃならないと思うのでありますが、こういう点はいかがでございますか。
○国務大臣(中村三之丞君) 私もそれは認めざるを得ないと思います。ただ来年度におきましては、まあ私どもが一番注目するのには、預金の伸びであります。その預金の伸びが、これは神武景気時代のように伸びるとは思いませんが、しかしながら、ある程度の伸びはこれは見ておかなければなりません。そこで、これに対してどれだけの重要産業に政府が投資をするかという数字をもってみますると、今一千億程度というようなものの数字が最近出ておるようであります。しかし、これの中にはやはり電力も必要である、あるいは石油、鉄等も必要である、国鉄がこれへ入ってきておるのでございましてこのものも相関関係があるのでございまするから、国鉄がこれの中にどの部分を占めていくか、これは私どもの努力の足らなかった点もあるのでございますけれども、現在の程度におきましてそういうふうにこの重要産業とかいうものに配分をして、そうしてまた重要産業が発展するということによって、果ては国鉄の工事、あるいはその原材料といったようなものもこれも関連してくると私は思うのでございまして、その辺の割合は、これは電力が第一に置かれておることは事実でございまして、国鉄の方へは比較的少かったことはこれは私も認めざるを得ないのであります。
○岩間正男君 昨年八月だったかと思いますが、その間の問題について小倉副総裁に質問いたしましたときに、やはり投融資の面では減らさないのだ、あくまで予算を遂行するために、基幹産業の特殊部分でありまするそういうところはほとんど切らないで進めていった、国鉄もそれを貫きたいというような決意を表明されたと思うのであります。私は速記録をひつくり返して見たのですが、そういう点はどうでございますか。こういう点について、どれだけ今度の予算編成について努力され、そうしてどれだけこれは実現されたのか、国鉄当局もそうでありますけれども、ことに、主管省としての運輸省けどういうふうに努力されたのか、この点もちょっとでいいですから、お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(中村三之丞君) 百億円の削減はもう認めることはできない、譲ることはできないという態度でいきました。しかし、総合政策でございますから、全体をにらみ合わしましてある程度の譲歩をいたしたことは事実でございまするが、大体これが半分繰り戻しになるだろうと、私は、あるいはちょっとそれよりも上回るかもしれませんが、これはそういうものになるものと考えておるのであります。
○岩間正男君 副総裁は依然としてやはりそういうこの前答弁された線をお考えになっていらっしゃると思うのですが、これは単に百億のそろばんだけの問題だけでなくて、国鉄に対するやはり政府の認識の問題なんです。その点を貫かれるという覚悟を持っておられますか、どうですか。政府がネジを巻いてくるから仕方がないからそれに従わざるを得ない、こういうことですか。この点どうなっておりますか。
○説明員(小倉俊夫君) 当時百億の投融資繰り延べを大蔵当局から通知を受けましたときには、私はどうしてもこれは大問題だからお引き受けできないと申しましたので、私だけではなく、国鉄総裁以下すべてが百億の繰り延べについては承認しかねるということで、相当強硬に大蔵省と話し合ったのでございます。しかしながら、実に悲しいことには、公債発行は全部大蔵省の方で取りまとめて発行するのでありますから、公債の発行がこれだけしか引き受けられないと言われますと、もう私の方では手がないのでございます。それでまことにいろいろ哀訴も強訴もいたしましたけれども、ついに聞き入れられなくて事実上百億が繰り延べになりましたが、その後いろいろ折衝いたしました結果、先ほど申しましたように、四十三億は繰り戻してもらったということでございます。 それから今後の予算でございますが、予算はやはり私どもの方の予算を運輸省で査定され、さらにそれらが大蔵省の査定を受けるのでありまするが、私どもは何とかして工事費をいただきたい、工事費をいただいてこれを有効に使って輸送力を増強し、国民各位の御負託にこたえたいということはもう胸一ぱいなんでありますが、しかし、それにしましても、やはり国家のワクの中には国鉄の予算が入るわけでありまして、ことに、国鉄の工事費というものは非常に大きいものでありますから、これが査定を受けないというわけには参りませんで、今度も相当私どもの方から提出いたしました原案からは成立予算は減っているのでございますが、これはまた全体から見まして、私どもは、自分の企業だけの立場でわがままを言い通しにするわけにも参らない、それで与えられました予算の範囲内でできるだけ有効に、目的を達するために努力をいたさなければならないと思います。今後とも予算につきましては、できるだけ努力いたすつもりは常に持っております。
○岩間正男君 では、私は具体的にお聞きしたいのですが、修繕費が昨年七十億削られている。本年度予算を見ますと、わずかに昨年の二億四千万しか増額されていない。こういうことでは、これは現有施設の補修が実際できないんじゃないか。これは昨年も江藤委員から非常に、修繕費の問題では相当痛烈に、これは経験の豊富な実務的な立場からあなたたちに勧告されたと思うんです。これはどういうふうにされるんですか、昨年の七十億は具体的に足りない。そうして今年度はその穴埋めもできない。そうしてわずかにこれは二億四千万円ふやされたということになりますというと、これは大へんなやはり修繕費については事態が起りかねないと思うんですが、これはどういうふうにされる決意ですか、これについて。
○説明員(小倉俊夫君) 昨年度の修繕費約五百億円のうちで、先ほど久保常務理事からお話ししましたように、大体七十億くらいほかへ回ったのでございます。でありますから、実際三十二年の決算額としては、修繕費は大体四百三十億くらいになるだろう、こう思います。本年度は五百余億でございまして、多少ふえております。ごくわずかでありますが、しかし、その陰には、三十二年度四百三十億であったのが五百億ということになりまして、三十三年度にはいろいろな修繕費を三十二年度に食いました各方面の不足がございます。いろいろ人件費でありますとかですね。そういう方面に七十億食われました。ところが、今年度はそういう食い先を見ていただきましたものですから、今年の五百億はほかに食われないということで、昨年度より実質的に七十億ふえたとお考え下すっていいと思うのであります。従って、昨年の穴埋めまでは参りませんけれども、今年は五百億を確保いたしまして十分に資産の維持をはかって参りたいと、こう思っております。
○岩間正男君 どうも労働者の給与費を食ったような話、まるでネズミみたいな話をされちゃ困るので、これも幾分はありましょうが、むしろあなたたちの見込み違いなんだな。当然これはもう計上していなくちゃならないのを、やはり下から要求がないとこれに応じないというような政府のやり方によって起った。むしろ石炭の値上りとか、災害が起った、これが非常に食っていると思う。昨年は結局こういう格好ですから非常に修繕の実態が悪かったと思う。線路施設、電気設備などでは三十一年度のわずかに七〇%程度しか果さないということを聞いています。それから停車場の設備、厚生施設、こういうものになるともっとひどい。これは三十一年度の三〇%しか実際は修繕されていない。ですから、非常に畳の問題とか宿舎の問題にしても、いろいろ相澤委員あたりからも出されておるのであります。こういう実情でこの穴埋めができない。そして今年度は五百億の線を確保するから大丈夫だというお話ですけれども、これはどういうふうになるのですか。大体あなたたちの持っている計画をちょっとお聞きしたいのですが、少しこまかく聞いてみます。レールは何万トンくらいの鋼材をこれはお使いになる予定ですか。まくら木は何万丁くらい投入する予定なんですか。それから砂利、道床砂利、あれは一キロ当り何立方くらいこれは使われるおつもりなんですか。その他宿舎の畳、それから木造建造物の修理、それから線路工作物、橋げたの塗装、こういうようなものも全部これはやらなくちゃならないわけですが、これについての計画、これをちょっとこまかに話して下さい。
○説明員(久保亀夫君) 今わかっております修繕費の内容について申し上げますと、レールについては六万トン、これは六万トン強ということで、工事費で約五万トン見ておりますので十一万トン余りということになるかと存じます。それからまくら木については、大体六百万丁、本年度に対しては大幅に増加すると、こういう数字でございまして、その他今の砂利の数量については、ただいま持ち合しておりませんので、後刻御報告したいと思います。
○岩間正男君 これで何ですか、あなたたちの計画やれるのですか。昭和二十八年あたりはレールは九万六千トンです。これだけこれは使われておると聞いておるのですが、今のお話ですと、六万トンと五万トンと、こういうことですね。まくら木なんかはこれはどれくらい実際必要なんです。現在のこれを充足するために。念のために三十年度、三十一年度、三十二年度ですね、これの統計がありましたらちょっと知らして下さい。
○説明員(久保亀夫君) ただいま手元にあります資料では、レールでございますが、二十八年がこれは工事費と合せてでございますが、十五万一千トン、それから二十九年度は十一万五千一トン、三十年度は十万五千トン、それから三十一年度が十一万五千トン、三十二年の例を申し上げますと大体六万トンと四万五千トン、修繕費が六万トン、それから工事費が四万五千トン。大体年によって違いますが、それくらいの率になります。ただ、二十八年度につきましては、当時戦争中の消耗等を考慮に入れまして特に投入したということでございまして、その前の二十七年は十一万トンということでございます。それからまくら木でございますが、二十八年が五百八十三万丁、二十九年が五百十一万一千丁、三十年度は四百八十五万丁、三十一年度は四百九十三万丁、これに対して来年度は大体六百万丁。ちょっと先ほど申し落しましたが、これは修繕費と工事費とを入れたものでございます。その内訳はちょっと今持ち合せておりません。
○岩間正男君 私は数字が非常に不得手なんですが、ですから、修繕と工事をまぜてやられるとこれは煙幕を張られることになるので、修繕費について今お伺いしておるのですから、工事費はあとでお聞きします。ずいぶんこれは、たとえば今年のレールは六万トン、これに対して二十八年度あたりは約十万トン、それからまくら木のごときはこれは大体二十八年度は五百八十万丁、これに対して三十三年度の修繕費は三百五十五万丁とわれわれは聞いておるのです。こういうことになりますと、これは六〇%、七〇%程度というような修理になのでありますから、昨年やはり当委員会で問題にされたものが充足されないという結果になる。しかも、一方におきましてですよ、これはどうか、最近は非常に輸送力が増強しておる。それから車両の重量も重くなってきておる、従って、損傷は非常にこれは加速度的に起るのだろうと思うのですよ、そういうことを考えますときに、この修理の問題というものは非常に保安度から考えましても重要な問題を私は持っておると思うのですね。この点についての一体今後の経営がうまくいくというふうにお考えになっておりますか。まあ五カ年計画の中でこの施設の修理、保全というような問題と深い関係のある修理費がこういうことでは非常に私は不十分になると思うのです。で、これは時間の関係からですが、これの資料をちょっと出してもらえませんか。ちょっと二十八、九年あたりからずっと最近のあれを、今言ったように修理と工事費は分けてもらってそれで見ていけばはっきり、先ほど私が問題にしました財政投融資の不足によって、そうして自己資金とそれから借入金でまかなっている、そうして金融のワクが非常に逼迫しておるという形が、当然に今言ったように修理費を大幅に食っておる、あるいは非常に充足することができない、保安度も期し得ないというような問題等、これは深い問題にしわ寄せされてきているわけです。これは重要な問題じゃないかと思います。まあこれは一つの例です。ことに、いつでも忘られがちな当然労働者の宿舎の問題、畳の問題なんかは、これは全く私たちどこの現場に行ってみましても、ちょっとたまらない感じがします。夜具の問題なんかもあると思いますけれども、こういう点はいつでも忘られがちなんですが、こういうものもちょっと明細にわかるように、まあ非常に御苦労なんですが、この資料であとでいただいて、またこの点は詳しくやりたいと思います。これは非常に重要な問題で、ほんとうにこの委員会としては超党派的に進められてきた問題であります。 その次にお聞きしたいのは老朽施設の取りかえの問題です。これは三十二年の三月二十六日当委員会で前藤井常務はこういうことを言っております。この今年度の計画としてトンネル延長八百十八キロ中四十四キロ、それから橋梁、橋脚三千二百カ所、跨線橋九百十五カ所中百二十一カ所、それから転車台四百七十三カ所中七十一カ所、乗降場一千四百九十三キロ中百四十九キロ、これだけ老朽施設の取りかえをいたします。これは緊急取りかえを必要とするものである、五カ年計画の前二年でこの大半を、三年目には少くとも全部取りかえたいと、こういうふうにまあ答弁されて決意を述べられておるのです。で、これが三十二年度ではどれくらい実行されて、さらに三十三年度ではこの実績はどういうふうになるのか、藤井前常務のこれは国鉄の御答弁のように果してこれが実行される可能性があるのかどうか、この点について次にお伺いしたいのです。
○説明員(小倉俊夫君) 老朽資産の取りかえにつきましては、安全及び資本の維持という点から申しまして、最重点を置いております。五カ年計画の中でも最も重要な工事として優先的にいたしております。それでお手元にも五カ年計画進捗率というのを差し上げてございますが、これで全体の進捗率の平均が三四%になっておりまするが、そのうち最も。パーセンテージが高いのが取りかえ及び諸改良でございまして六一%になっております。この数字で御承知下されたいと思いますが、老朽資産の取りかえには最重点を置いて工事をいたしております。
○岩間正男君 しかし、これは藤井理事が当時説明されたものとはだいぶ食い違いがありますね。二年間に大部分を取りかえたい、それが三年には全部だと、こういうふうに言っているんですが、まあ五カ年計画も二年目に入っておるわけでありますが、こういう点では非常にまだ不十分なところが出てくるんじゃないかと思うんです。これも資料を、これは詳細にわかりますような、私、今お聞きした点ですな、たとえばトンネル、橋梁、橋脚、跨線橋、転車台、乗降揚、こういうように具体的に出してもらいたい。これではちょっとわからないですな。つまり皆さんが答弁されるものは、いかに一年後において確実性があるかないかという証拠にもなるわけです。ですから、今の藤井常務の説明と合せた点で、三十二年度にはどういうふうに実施されたか、三十三年度の計画はどういうことになるか、そうしてこれが三十四年度の、つまり全部取りかえたいという三年度目にはどういう見込みなのか、こういう点について、これはちょっと資料をいただきたいと思う。これはやはり非常にこの点も不十分な問題が出てくるんじゃないかと思うのです。 それから私はお聞きしたいんですが、国鉄経営の面で見のがすことのできない問題が実は一つ出てきております。といいますのは、年々まあ長期負債が残っていく、だんだん借金がつまりふえていく、そういう格好にこれはなると思うのですね。それで最近の三十一年、三十二年、三十三年この長期負債の残額について、これは御存じだと思いますが、ここ両三年ぐらいの実績を示してもらいたいと思う。三十一年度はどれくらい長期負債が残っておりますか。
○説明員(久保亀夫君) 三十一年度末で借入金、鉄道債券等を合せまして千九百七十九億、約二千億という数字になっております。
○岩間正男君 三十二年度。
○説明員(久保亀夫君) 三十二年度は決算いたしておりませんが、償還金と、それから増加額と差引いたしまして、予定が二千百六十二億ということでございます。
○岩間正男君 三十三年度見込みは。
○説明員(久保亀夫君) 三十三年度、これは同じく今予算に計上しております予定を実行いたしまして二千四百七十七億ということに相なるわけでございます。
○岩間正男君 このようにだんだん年年これは負債が多くなっていく、これは特長なんです。そのための利子、債務取扱い諸費というものが当然ふえざるを得ない。これが国鉄経営を非常に私は圧迫しておる面があると思う。従って、ここ数年のこの利子並びに債務取扱い諸費について示してもらいたい。
○説明員(久保亀夫君) 三十年度は九十六億、それから三十一年度は百十六億、三十二年度は百三十七億、三十三年度の予定が百五十一億、かように相なっております。
○岩間正男君 こういうふうに利子とそれから債務の取扱い諸費というものがどんどんはね上っていく。二十七年を見ますと、四十五億、これが数年を出ずして三倍以上になっておる。これが非常に国鉄経営をやはり苦しめておるということになるわけです。そうしますと、こういう問題と関連して当然やはり政府が国鉄をどういうふうに見るか、国鉄経営というものは、こういうような先ほどから申しました基本におきまして、自己資金とそれから借入金、こういうものでまかなう、こういう経営の状態がこういう形でなかなか楽にならない。いわばいつまでも浮ばれない、こういう面が出てきておる。そうして経営費がどんどんかさまりますと当然運賃値上げによってまかない、そうして運賃を値上げした一年目くらいはちょっと効果が出るでございましょうが、二年目くらいになると最初の増収見込みをもう割ってしまって、やむを得ず増収見込みを水増しして、それから経費の節約とか、そういうような格好で自己資金を大幅に出す、そうして一方では投融資の面を減らす、これが今言いました修繕費の面において、老朽施設の取りかえの面におきまして、さらに利子というような面で国鉄経営を苦しくしてきておる、こういう点について実は国鉄監査委員会から勧告が出ておると思うのですが、これは副総裁御存じだと思うのですが、昨年八月、この問題について国鉄監査委員会から勧告が出されております。これについて御存じだと思いますが、どうですか、御存じありませんか。
○説明員(小倉俊夫君) 実は監査委員会からいろいろな御勧告を受けておりますので、ちょっと……。
○岩間正男君 どうですか、今の問題についてですよ。その監査委員会の報告書を見てその中から私、気づいたので、どういうふうにこれはお考えになるか、お聞きしたいのですが、国鉄経営の趨勢を見ると減価償却費、利子及び債務取扱い諸費並びに財産除却費の増大が特に著しいことをあげ、そうしてこういうような問題について、長期資金の借り入れによる固定資産べの投資に当っては常に償却金利等を勘案し、十分その収益性を考慮する必要がある、こういうようなこれはつまり国鉄の経営を実際監査してその結果当然の方針として出されたものと思う。これについては、当局としてはどういうように対処されておるか、こういう事実はお認めになるのか。認められるとすれば、これについてはどういう方針を今後おとりになるのか、この点をお聞きしたい。
○説明員(小倉俊夫君) 御指摘の通りに長期負債がだんだん増加して参りまして、そのために償還金、あるいは金利、利子の支払いというもので経営を圧迫されてくるということは御指摘の通りでございます。しかしながら、現段階におきましては、企業はおかげさまで運賃値上げもしていただきましたので、企業会計としては十分プラスになっております。数字で申し上げますると、ことしの工事勘定に繰り入れます繰入費が七百三十五億、借入金の償還を引きまして六百三十億であります。それでそれは償却引き当て前の利益でございまして、それから償却の五百億を引きましてもなお百数十億残がございまして、これは純然たる利益でありまして、また、それで完全に償却もしていかれるということでございますから、ただいまのところ、これは企業としてはプラスであると、こう申し上げられるのでございます。しかしながら、将来につきましては、だんだん借金が不足し、また経営費等が膨張していきますと、そこべ企業として利益が出ないということもまた想像いたされます。収入がそれに見合いまして増資して参りますれば、これは長期負債をいたしても一向差しつかえない、そこら辺は将来未定のことでありますから、どう断定して申し上げることもできないのでありますが、実際率直に申し上げますと、国鉄の工事費と申しますのは、利益を生まない投資が相当部分ございます。これはどうしても公益性の見地からやむを得ない宿命であります。たとえて申しますれば、都会地の通勤輸送を強化するには非常に巨大な金が要りますが、これは混雑の緩和でありましてそれだけ増収になるとも一がいに申されません。しかし、やはり鉄道の使命としましては、そういうこともいたしていかなければならぬ。でありますから、その監査委員会の御勧告通りに、何でも営利でなければもう借金しないのだというふうに割り切るわけにもいかない、また、監査委員会でもそういう御趣旨じゃなかったろうと思いますが、いずれにしても、国鉄が公益性と独立採算性と、両方のワクをかぶせておられることは、まことにむずかしいことでございまして、こういう点なんか将来割り切って公益的な経理、営利的な経理を、ごく大体でもめどをつけていかれればいいじゃないかというふうにも考えておりますが、これまた実行上非常にむずかしいことでありますから、将来研究して参りたい、こう思っております。
○岩間正男君 先ほどの御説明だと、損益勘定からの工事勘定べの繰り入れ、資本勘定べの繰り入れが七百億もある、こういうことだから決して心配ないのだというお話でありますが、そうすると、昨年に比べますというと、これはだいぶ減っているのですね、昨年より六十億くらい減っておる。これはいろいろその後予算にはね上ったそういうものがあるので出ているのだろうと思いますが、しかし、一方では昨年よりなんですね、運賃収入でもって百四十億くらいですか、四十一億ですか、それから諸種の契約で百五十五億くらいふやしておりながら、収入面ではふえながら、しかも、この工事勘定というのは減っている。ですから、そういう問題まで含めますと、相当私は減っている、こういう点が出てきておる。そういう面の中で、やはり先ほどの問題が出てくるのだと思うのです。こういう問題と関連してまたやはり同じように、この監査委員会では、資本投下の効果を最大限に発揮するために、五カ年計画の基本的方向のもとに、具体的な長期投資計画を樹立することが最も必要である、先ほどから私たちがちょうちょうした点について、これは勧告をされていると思うのです。この点が一番最初に質問しました今度の資金計画と一体今の勧告の線と、これは合っているかどうか、私はどうもこういう勧告の線が貫かれないで、そうして安きに求める方針でもって利用債を大幅にふやすというような格好で今度の資金計画が立てられたのじゃないか。どうしても、こういう点から長期資金計画というものを五カ年計画と同時にマッチさせてはっきり立てるというのは、今や重要な段階になってきていると思うのです。どうも毎年々々こういうようなその場限りの資金計画では、実際いろいろな変動が起ってまずいと思うのです。この点について当時、一年前の運賃値上げの当委員会におきまして、池田当時の蔵相、それから宮澤運輸大臣、国鉄総裁にただした。そのとき、しかし、ほとんどこれはやはり長期資金計画というものはなかった。しかし、非常に重要な問題です。あなたのお説の通りです。これについては至急にそういう計画を立てたいと思います。こういう答弁をしておるわけです。その後これはどうなっておるでしょう。これはどうも今年度の資金計画を見ますというと、少しもそういう線が貫かれていない。そうしてこれにふさわしいような、五カ年計画にふさわしいような長期資金計画というものの鍵はどこにも見つけることができない。私はこの点、やはり今まで約一時間にわたりまして御質問申し上げましたこういう具体的な面と関連して、やはりここに非常に大きな今後の国鉄経営の問題があるという点からお伺いしているのですが、この長期計画の線をどういうふうに今後立て貫かれようと考えておられるか。昨年のそのような当委員会における約束はどうなったか、それから監査委員会の勧告、こういうものについてはどういうふうにこれは善処して、この問題を解決されようとするのか、国鉄総裁と運輸大臣に、ことに運輸大臣は、これは責任をもってお答え願いたい問題だと思います。明日、大蔵大臣が来るそうでありますから、われわれは大蔵大臣については徹底的にこの問題を追及しなければならぬと今から決心を固めておるところですが、これは運輸大臣は一体どういうふうに考えておられるか、この点、先ほど話がありましたけれども、なまやさしい問題じゃない。具体的にこれがしわ寄るのが経営の面で、しかも、人件費であり、労働者の問題であり、労働者の畳の一枚々々の問題になるのですから、あのきたない、よごれた、あかだらけの畳、あすこに、狭い所に、苦しい何十時間の勤務をやった労働者の諸君があすこで毛布をかぶって寝ている、こういう姿をわれわれは見ておる。この問題と国家の資金計画というものは切っても切れない深い関係がある。資金計画と労働問題を別々に切り離して論じておればそうでないかもしれないけれども、われわれはそのような関係のない問題としてそれを論ずることができないのであります。ですから、はっきりその点から考えまして運輸大臣の決意を私はお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中村三之丞君) これは御指摘のごとく、国鉄の現在及び将来に関する重大な問題であると私は考えます。現在の日本といたしましては、輸送力の増強、国鉄五カ年計画の完遂ということに努力をしなければならないのでありまするが、何分にも池田蔵相、石橋内閣当時とは、今日の経済事情が、一種の突風を受けておるような状態なんです。その突風を受けております状態で、国鉄もこの動揺を受けておることは事実です。この点、私も認めざるを得ませんが、しかし、現在におきましての資金計画は、これは財政投融資におきましても、十分とは申しませんが、ある程度はやっておる。それからさっきも申しましたごとく、一種の公債政策もやっていかざるを得ないのであります。しかし、こういう経済事情がいつまでも、私は、続くものであるとは思いません。私は、日本の一昨年以来の経済状態はもう底入れの時期に達して、底から上昇線の域に戻るであろうというふうに考えておるのであります。(「甘いぞ」と呼ぶ者あり)それは甘いか辛いかは知りませんが、少くとも経済状態というものは、やはりいつも悲観ばかりする必要はないのでございまして、私は日本銀行総裁ではございませんから、別に悲観はいたしません。これは国際貸借の改善の事実から見れば、次第に底に入る、それは、なるほど繊維であるとか、あるいはまた鉄の方からいえば、国際価格水準を下回っておる点もありますけれども、これはやはり日本の物価というものが、国際水準より今まではるかに高かったのが、大体底の水準に来ておるのでございまするから、将来は、私はそうは悲観はいたしておりません。従って、一昨年以来は、私の言う経済に日本は突風を受けて、動揺しておったことは事実、従って、国鉄もそのあおりを受けておる。これは、私はどうしても認めざるを得ません。が、しかし、だからといって、将来そのままであるかとも私は言えないのでございまして、私の後に統かれる運輸大臣時代には、あるいはそのいい時期がくるかもしれませんが、不幸にして私は突風の一番悪いところに直面をいたしまして、皆さんからいろいろの御指導、御鞭撻を受けておる次第でありますが、私は、そういうふうな事態は改善されてくるという見通しをもって将来はいこう、こういう考えでございます。今おっしゃった御指摘のことは、私はもうその通りと認めざるを得ません。ただ、監査委員の報告を私も読みました。これをいろいろ指摘をされておりまして、教えられるところ多いのであります。私もあの報告は、将来他山の石として、あの勧告はつつしんで受けて、それを実行していかなければならぬことは、私も思っておる次第でございます。
○岩間正男君 私は、長期計画をお持ちになっていらっしゃるのかどうか、昨年必ず作りたい、こういうことを関係の閣僚が話したことですから、これをあるのかどうかということをお聞きしたのですが、どうも今の御答弁では、お持ちにならないようなことですね。そうしますというと、今後これは立てられる必要がどうしてもある。これは早急に立てなければ、ことに経済の変動期であれば、なお一つそういう一つの指標がなければやっていけないわけでしょう。そうならなければ、全くケース・バイ・ケース、その日暮しになる、今年度の予算を見ますと、そういうにおいが非常にします。先ほど来指摘しますように、貫いている計画はないのですよ。実際安易な方法をとっている。そういうことで非常に苦しみが出ているわけですから、しかも、もう一つ特に念を押したいのは、昨年とにかく十三%の運賃値上げをやって、国民の前に、五カ年計画によって、輸送力を五カ年間に四〇%近い増強をするということを公約した。この公約の手前から考えますと、私は、やはり国家としても、この国鉄の公約を貫かしてやるというのが当然の政治の責任だと思う。ところが貫かれるどころか、全くよろめくということにいっているのが、今度の予算だとはっきり言える。こういうことでは、とても長期計画資金どころの話じゃない、私は、この問題は、総合輸送対策の問題とも関連しまして実に企画性がないと思う。そうして運賃収入の面については、なるほど経済企画庁の調査資料を唯一のよりどころにしている国鉄当局の説明が、実際は、資金面あるいは総合輸送計画の面については、何らここがたよりどころにならない、こういうような片ちんぱの格好になっている。従って、本年度の三・二%の収入増という根拠も、われわれはなかなか承服することができないというような問題が出てくる。私は、そういうような意味で、あくまでそういう計画を立てるべきだ、立てるように努力すべきだ。そしてその中で、はっきりやはり政府とも交渉して、そういうものを貫くという方向でいくべきだ。公約はあくまでも守るべきだ、こういう点を、私は最後に念を押して聞きたい。これからの決意を、短い言葉でいいから、やるかやらないかの御答弁をいただいて、私の質問を終ります。
○国務大臣(中村三之丞君) それは当然やらなければなりません。しかし、私どもの考え方は、これは権力的にやり得ないのでありまして、やはり誘導的な計画を立てる以外は道はないのでありまして、その点は、私は、いわゆる誘導計画ということならばやり得ると思いますが、ただこれを国家権力をもって一定のワクに詰めていくということは、これはむずかしいことと思います。従って、誘導的計画でございますから、その中途に多少の動揺はやむを得ないと思うのでありますが、国鉄の計画に一定の道筋を立て、そしてこれを実現させていくということにつきましては、それは努力していかなければならぬことは、申すまでもないことと存じております。
○岩間正男君 私終りにしようと思ったのですが、計画を立ててさえも、それは七〇%、八〇%実行すればいい方かもしれない、特に、無計画の場合にこれはどうなるかということを、私は心配しているので、そういう作業は困難かもしれませんけれども、しかし、これは先ほどから質問申し上げましたように、国鉄の具体的運営、そしてその運用を非常に苦しめ圧迫している問題と、関係が実際出ている。そういう点から、その実情をほんとうにデータを作り、これを訴える、こういうような中で、国鉄当局にはこういう一つの考えがあるのだということを、運輸大臣にも検討してもらって、さらにこれを閣議で貫くというような努力をやるかやらないか、その心がまえで、非常に私は違ってくると思う。計画通り百パーセントできるなんということは申しておりません。今の資本主義経済の中で、計画通り百パーセントできるなどということは、これは科学的に考えたってあり得ない。しかし、そういう一つの基本構想を持っているかいないかということは、非常にこれは今後の経営というものを前進させるかさせないかという分れ道になる。この問題は軽々に考えないで、ほんとうにこれについてのやはり努力をされ、当委員会にも約束しているのですから、それを貫いてもらいたい。 それから小倉副総裁にも短くてけっこうですから、御答弁願います。
○説明員(小倉俊夫君) 長期計画は五カ年計画でございましてこれは、私どもとして何としても遂行いたしたいと考えております。しかも、これを計画することにおきまして、いろいろ電化とかディーゼル化により、経営の改善ができまして、収支計算も格段によくなる、かように考えております。これを遂行するには、何と申しましても資金が必要でございまして、こういう点は、私どもも今後できるだけの努力をいたしますが、いろいろ国鉄限りではできない面もございますので、当委員会の諸先生の御援助を、心から御期待申し上げる次第でございます。
○石原幹市郎君 一言だけでいいのでありますが、鉄道電化計画も、東海道線以外各地方にもだんだん延びて参りまして、これはまことにけっこうなことだと思っておるのであります。しかし、電化計画が進行してくることと関連して、その地方の都市にいろいろ変化を起しておる地方があるのであります。全国それほど数はないと思いまするけれども、たとえば従来機関区があったような地方が、電化計画の進行とともに、それが他の地方に移される。大都市であれば、これは大したことはないと思うのでありまするが、中小都市で、従来機関区が存在し、あるいはこれに付設する施設、職員等によって、俗に鉄道町と言われたようなものが中心になって、町の機構が運営されておるという所において、そういう施設が他地区に移転されるというようなことになると、これは全く火の消えたような町になるわけですが、かつても福島と米沢の間の電化においてもあったのです。一カ所。今度また、東北線の電化の延びにつれて、具体的に名前をあげれば、白河の機関区あたりの問題、あの地方の住民は非常に心配しているわけなんです。だから、こういう事態に対しまして、鉄道当局としては、そういう場合に、長い間鉄道に協力し続けてきたこういう都市を見殺しにしないで、何か機関区にかわるべきものを残すとか、そういうような配慮をされておるかどうか、ぜひこういうことを、私は、配慮してもらいたいと思うのですが、こういう問題について、運輸大臣と小倉副総裁の所感といいますか、感じを、この際、漏らしていただきたいと思います。
○説明員(小倉俊夫君) 国鉄の輸送方式がいろいろ変って参ります。たとえば、今までの蒸気機関車が電気機関車になるとか、それからディーゼルになるとか、そういうようなことで、いろいろ業務機関の地位、あり方などが変ってくることは、これはやむを得ないことでございまして、これができませんと、鉄道の合理化ということは全然進まないわけになります。従いまして、そういう業務機関があるいは縮小され、あるいは消滅するというようなことにつきましては、その地方の方にはまことに気の毒なことでありますが、やはり鉄道は、他面、合理化ということを要請されておりますので、近代化に伴って変更が生ずるのは、がまんしていただかなければならないのではないかと、こう考えております。
○石原幹市郎君 合理化なりあるいは国鉄の採算制というようなこと、採算制の問題についても私は、若干いろいろ意見を持っておる、この前予算委員会でも質問したこともあるのですが、合理化ということは、これは当然考えなければならぬと思いまするけれども、その場合に、若干の許せる範囲での配慮というようなことを、地方の都市の構成なり、−地方産業に非常な大きな影響を与えるというような場合には、従来国鉄に協力してきたそういう地帯でありますから、合理化の線の許される範囲内で、何らかの措置を考えるということは、これは当然じゃないかと思うのでありまして、小倉副総裁がああ言ったから将来どうだとか、大臣がこう言ったからどうだというようなことを言質として、われわれは食い下るという考えはございませんけれども、そのくらいの配慮は、やはり国鉄の将来の運営その他等から考えて、これはあってしかるべきじゃないかと思うのでありまするが、今の副総裁の御答弁じゃどうもちょっとぶち切ってしまったような、味のない答弁で、もう少し味のある答弁を希望いたします。
○説明員(小倉俊夫君) どこということで申し上げるわけにはいきませんが、(「抽象的でいいよ」と呼ぶ者あり)一般的に考えまして、鉄道は今後企業の能率化をはかるために、種々合理化をしていかなければなりませんので、そういう場合に、いろいろ事業上の変更、合廃等が起り得ると考えまするが、合理化と並立する範囲内で、できるだけのことを考えて参ることにいたします。
○相澤重明君 時間がだいぶなくなったので、簡単に御質問いたしますが、先ほど岩間委員からだいぶ詳しく御質疑願ったわけですが、一つ同じ修繕費のことで、ちょっとお伺いしておきたいのですが、車両の修繕改造等について、修繕費で落しておるのが、あるいは改造費として計上しているのか、そういう点について一つお尋ねをしたいのですが、いかがですか、今年度の予算の編成は。
○説明員(久保亀夫君) 実はその問頴については、けさも資料のお話がございましたが、私どもは、財産価値の増加になるものは、一部分の改造も工事経費でやるという今日はっきりとした考え方を立てて、来年度予算もそれから本年度もさようでございますが、修繕費とそれから財産価値の増加を来たすものは、新しい車はもちろんのこと、一部改造、たとえば速度計をつけるというようなことも、工事経費といたしております。実は、従来はごく小部分の改造等は、修繕費で落しておった例がありますが、検査院、行監等からの御指摘もございまして、検討の結果、工事予算ということにいたしたのであります。現在は、ただいま申したような予算の計上のし方になっており ます。
○相澤重明君 いま一つ同じ車両関係でお伺いしたいのですが、たとえば三十二年度のこの前提案をされた車両購入、これは全部そのままできる見通しなのか、それと関連をして、三十二年度の車両購入ができた場合に、三十三年度の先ほどの予算の中で購入する車両数、それに対して三十二年度のが三十三年度にたとえば償却をしなければならないその資金面、そういうものと合せて、三十三年度にはどのくらいのいわゆる減耗率、いわゆる逆を言えばよけいに買うことができるか、あるいは少くなるのか、こういう点を一つ、専門的な立場でお答えいただきたいと思うのですが。
○説明員(久保亀夫君) あるいは御質問の的確なお答えにならぬかもしれぬと思いますが、三十二年度に購入いたしまする車両の数は、大体国家予算のときに申し上げました数量を、ほぼ購入する計画にして進めております。しかし、国の財政投融資の繰り延べの関係もございまして、一部決算がたとえば四月までか、五月までか若干これは延びると思いますが、三十二年度の計画としては、そういうことで実質的に進んでいるわけでございます。それから三十三年度につきましては、これは予算書にも明らかでございますように、本年度あるいは三十二年度に対しまして全体の償却費がどれだけ充てられるかという点は別といたしまして、三十二年度よりも約五千億余り、車両費としては少くなっております。これは全体の資金の関係、それから来年度の輸送状況、特に貨物輸送の状況等を見合わして組んだ予算でありまして、その程度——車種別によって違っておりますが——少くなっているということが、予算の姿であります。
○相澤重明君 これは大臣にお答え願わなければならぬ問題だと思うのでありますが、国鉄の五カ年計画は、先ほども副総裁の答弁で言われた通り、何としてもやりたい、大臣は、先ほどは、ことしの経済の見通しは、経済企画庁の考え方なり、また大臣の見通しなりというものに対しまして、一昨年の神武天皇以来の好景気で、昨年の春、突風が吹いたということを言われましたが、そういうことはなくて、まあ甘いといったら、甘くはない、辛いというようなこともあったけれども、甘辛論議じゃないけれども、もし経済が伸びると、見通しは明るいということになると、今の車両の購入費の削減ということは、一体五カ年計画の中にどういう理由をつけるのか。つまり第二年度としてどうしても五カ年間の中にはやらなければならない理由のものであるにかかわらず、ここで、今言った予算の削減をするというのは、どういうことなのか、経済の一方は見通しは明るい、それで輸送力はふえてくる、こういう点を考えると、一方において計画は逆に少くなってくる、滞貨の山はますます出てくる、輸送力はますます隘路が多くなるということになるのか、それとも、いやそれは当初の五カ年計画は五カ年計画だけれども、第二年度は、まあこの程度車両費を少くしても、三カ年、四カ年、五カ年の中でそれはふえていくから、調節がきくのだ、こういう考え方なのか。この点は、大臣の一つ御答弁を願いたいと思うのです。
○国務大臣(中村三之丞君) 目標は五カ年であることは間違いないのです。しかしながら、その計画に伴って、経済の変動、財政需要の問題も起ってくることは申すまでもございませんから、私は、そう窮屈に一定の箱の中に入れていくようなことは、なかなかむずかしいのじゃないか。従って、今日ストップしておったものは、これは将来伸びていくというこのやはり伸縮自在の政策をとっていくことは、これはある点においてやむを得ないのじゃないかと思います。しかし、現在こうなっておるから将来これが一そう停滞し、縮小していくものとは、私は考えません。むしろ今日多少ストップしておっても、将来これを伸ばしていくということは、これは五カ年計画の間において、私はやらなければならぬ、車両費もまた同じことであると認めておるのであります。
○相澤重明君 大臣の答弁を聞いておると、わかったかわからないような答弁だ。今、久保常務理事の言うのは、三十二年度の車両購入費でもまあ大体いくけれども、少しは、四月なり五月なりいくかもしれぬけれども、少しはやはり足りないだろう。さらに本年度三十三年度は、修正五カ年計画の中の第三年度に入るのに、車両費というものは、やはり五十億、幾らか削らなければならぬ、一体五十億というと、幾らの車両になるか、こういうことを考えてくると、運賃を値上げしたときのあなたの説明とは違うじゃないか。それは景気の若干の変動ということぐらいでは、これはもう済まされないもので、突風が吹くか、旋風が吹くかわからなくなってくる、そういう点はどうなんですか。今の経理の担当の久保常務の言うことと、大臣の言うことでは、ちょっと食い違いがある。
○説明員(久保亀夫君) 先ほどの私の説明が少し不十分であったかと思いますので補足さしていただきますが、来年度の約三百五十億のうち、そのうち約百四、五十億に該当するものが、先ほど償却とおっしゃったものに該当するかと思いますが、取りかえ。あと二百億に相当するものが、原価の関係であるとか、貨車の増備であるとか、これはネットに増加する数量でございます。本年度についても償却、あるいは取りかえと申しますか、車両はこれは毎年そうは変りませんので、大体百五十億程度は取りかえて参ることで、それが二百五十億ぐらいは車両としてふえるということで、ふえることは、来年度も相当ふえるわけでございます。そのふえ方が、本年度の大体五%の輸送増に見合うのは、来年度は四%以下だと、そういうことも多少の波に見合うということでございまして、本質的に変るとか、あるいはそのために五カ年計画の全体にひびが入るということではないのじゃないか、かように存じます。
○相澤重明君 大臣、久保常務の言うことに対してどう思いますか、あなたは。
○国務大臣(中村三之丞君) 国鉄の当事者の言うことを私は信用をする、しないということは申しません。国鉄の考えは、私はその通りやってもらいたいと思います。しかし、大局的に見まして、私のさきに申しましたごとく、多少のそこの計画そのものの途上において伸縮していくということ、これはあり得ると思うのでございます。
○相澤重明君 まあ今の景気の上るか下るか、あるいはその見通しとして、あるいは大した変化もなくいくかということについては、後刻、これはまたいずれ年間を通じて議論の出るところだと思う。私は、昨年の運賃値上げの際には、とにかく今のような計画をしていったら必ず国鉄は困るぞ、あるいは国民もこの期待というものをあまり大きく持ち過ぎては困るぞと言ったのが、一年足らずに、二−三カ月のうちにいけなくなったのは、大臣が突風が吹いたとおっしゃったことではっきりしている。それは私は、できるだけこの前の委員会でも言ったように、今年度も、先ほど大臣の言うように、国民の預金奨励、貯蓄をしてくれ、こういうような運動をやって、とにかく資金面の問題につきましても政府は苦慮をするだろう、それは、よほどのことをしないと今の見通しというものは、私は甘過ぎるのではないか、こういうことを言っている。ただ一つそこにわれわれが期待を持てるとすれば、これは第四次日中貿易の協定をできるだけ国民の運動としてもり育てて、あるいは政府でも積極的にこういう問題を取り上げる、あるいは日朝貿易というものを取り上げる。そういう中に、経済の見通しというものは、私は明るくなる面があるだろう、これは期待ができる、そういう面については、いずれ後刻に譲ることにして、そこで一つ事務的な面も関連をするのですが、先ほどの予算の中で考えられるたとえば鉄道の電化、あるいは工場の作業量、こういうようなものから見て国鉄当局は、要員対策というものはどう考えているのか。そしてしかも、鉄道の現状というものを考えた場合には、かなりのやはり一定の教育機関というものを持たなければならないだろう、こう思うのであるが、そういう養成機関の定員というものは、一体どのように考えているのか、この点について、一つお答えをいただきたいと思うのです。
○説明員(小倉俊夫君) 輸送力の最も大きな要素は、交通機関におきましては、やはり人的要素でございまして、こういう面につきましては、十分留意して強化していかなければならぬと存じます。それで、午前中に久保常務から答弁いたしましたように、来年度三十三年度の増員計画も御説明いたした通りでございます。なおしかし、一方、経営を合理化していきまして、輸送量が伸びましても、なるべく労働条件を悪化しない範囲で、できるだけ合理的な人員運用を考えていかなければならぬ、これは経営の衝に当る者として当然のことだと思いますが、御指摘の通りに、鉄道はいろいろ専門的な仕事がございますので、養成定員も確保いたしまして、業務に事なきを期したいと思います。それで電化、ディーゼル化のために、約一千人の養成定員を取ってございます。
○相澤重明君 まあるとでまた時間のあるときに、他の部面のこまかい点について一つ御質問したいと思うのですが、きょうは一つ緊急動議的な問題ですが、これは運輸大臣に一つお答えをいただきたいのですが、運輸大臣は、国鉄の労使の関係についてどうあったらいいのか、今まで数回にわたる調停仲裁機関を通じたいつも組合側からの要求に対して、機関を尊重するという建前で、国鉄当局には、その調停あるいは仲裁機関の出した答えについては、尊重をしてそれを実行に移せ、こういうことで、何回もそういうことは迫ってき、あるいは岸内閣としても、労使の紛争を解決するには、調停仲裁機関の尊重、あるいは人事院の勧告の尊重ということもいわれてきた。これについて、今もそういう考え方でおるのか、おらぬのか、この点について、まず運輸大臣から御答弁を一つ願いたいと思う。
○国務大臣(中村三之丞君) 過去のことは私は存じませんが、最近一両年の間、また将来のこの国鉄の労使の関係は、これは私は今、藤林あっせん案の線に沿うて労使の関係が正常化して、輸送の業務が安定していくということを私は念願する以外、何ものもないのでございます。
○相澤重明君 今の運輸大臣の答弁はその通りだと思います。そこで、労使の紛争を解決するには、自主的な立場で、労使がお互いが誠意を持って解決のために努力をする、そのためのまた国鉄当局なり、あるいは組合側に対して、運輸大臣としてのいろいろな意見も出るだろう、こう思うのでありますが、そういうような考え方も、今日持たれるかどうか、この点について運輸大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(中村三之丞君) 私が国鉄当局に希望するところは、小細工をすることなく、今までの議定の線に沿うてやってもらいたい、同時に、組合側におかれても、あのあっせん案の趣旨によるすっきりした姿になって国鉄と団交をするような機会を作ってもらいたい、こういうふうに私はお願いをせざるを得ないのでございます。
○相澤重明君 大臣の答弁は誠意があって非常に私はいいと思う。やはりそういう形で労使を自主的にお互いに解決させ、あるいは機関のいわゆる答クについては尊重していく、こういうことでなければ、労使の紛争というものは、解決が私はできないと思う。そこで一つ、小倉副総裁にお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、あなたは、現在の国鉄の労働組合なり機関車労働組合なり、あるいは昨年国鉄労働組合から分裂をした何とかというその組合なりに対して今日も、今、運輸大臣が言ったような、いわゆる労使の正常化、労使の紛争を解決するのに、とにかく自主的に努力をする、お互いに紛争というものをなくしていく、こういう考え方を持っておるかおらぬか、まず最初にお尋ねをしておきたい。
○説明員(小倉俊夫君) 持っております。
○相澤重明君 それでは一つ具体的にお尋ねをしたいと思うのでありますが、昨日、岡山鉄道管理局における組合側との団体交渉における経過はどうであったか、お答えを願いたい。
○説明員(小倉俊夫君) 私はけさからずっとこちらに詰めておりまして、その件はまだ承知いたしておりません。
○相澤重明君 これほど大きく新聞に出ておるのに、まだ見ておらぬのですか。こんなに大きく新聞記事が出ておるのに、見ておらぬですか。そういうことだから、大体労使の紛争を自主的に解決するなんということはできない、これは運輸大臣の今の答弁と国鉄の当局の考え方が、私は必ずしも一致していないということになると思う。この記事を見てごらんなさい、この記事を。私が率直に今お読みしてみましょう。警官隊が実力行使、国労岡山のすわり込み組合員十数人が負傷、これに対しては、国労岡山地本は、さる一月公共企業体など、広島地方調停委員会に対し、七月期昇給ではずされた訓告処分者の昇給を行えと提訴していたが、十日、管理局に対して団体交渉を行なった、これに対して、当局側の考え方で、団体交渉の時間が長引いたために、組合員がすわり込みを行なった。ところがすわり込みを行なって団体交渉に入っているにもかかわらず、警官隊を呼んで、そうして組合員を外に引きずり出す、こういうことをやったということが、この新聞に出ている。そのあとでどういうことがいわれているかというと、この騒ぎで小林延羽明本組織部長が左ひじ骨折、全治二カ月の重傷を負ったほか、組合員十数人がけがをした。これについて組合側と当局側が、あとでこの話をお互いにしたところを見ると、これは全く一方的な措置であって、乙部局長も、部内の連絡が不十分である、こういうことがはっきり新聞に載っている。これは明らかに私は労使の紛争を解決するための指導性の欠如だと思う。これは先ほど運輸大臣が言う通り、労使の紛争というものは、自主的に解決をする、あるいは調停機関、仲裁機関の答えが出たならば、それを尊重する、こういう労使の紛争を解決する自主性というものを持っておらぬから、結局は力でもって一つ答えよう、何も相手がどう出ようと、力でけ散らしてしまおう、こういう考え方があるから、こういう問題が出てくる。今言った団体交渉をし、あるいはそれに対して廊下に出ている者に対して、どうして警察官を動員して組合員を外へ出さなければならぬか。これは大臣の答弁と全く違う。この点について、小倉副総裁の一つ責任ある答弁を私は求めたい。
○説明員(小倉俊夫君) その件ならば、新聞を読んでおります。ただいまその件名をおっしゃって下されば思い当った次第でありまするが、しかし、私が承知しておりますのは、その新聞の報知通りでありまして、何かその最後に、少し事務的な行き違いがあったように書いてありましたので、そういう点につきましては、これは重大問題でありますから、よく報告を聞いてからでないと、軽々にお答えできないと存じます。さっそく詳細な当時の状況を報告させまして、その上で結論を出したいと、かように考えます。
○相澤重明君 これは、とにかくこれほど大きな新聞記事になるように、ともすれば国鉄の労使の問題は、いつも新聞紙上をにぎわす、あるいはためにするために実は利用される、こういうことが非常に多いと私は思う。これはまことに遺憾だと思う。やはり今の社会情勢の中で、労働組合の人たちの考え方、あるいは当局の考え方、お互いに見解はあろう、見解の相違はあろうけれども、話し合えば十分わかることである。しかもまた、問題の意見が食い違った場合には、それぞれ調停機関あるいは仲裁機関それぞれがあるはずであります。こういうところに対して、それらを尊重しないで、ただ力によって、力を頼ってのみ問題を解決しよう、こういうことは絶対に私はあってはならぬと思う。そのことについて副総裁は、そういう力に頼って問題を処理するという考え方を持たない、こういうあなたは誠意をもってお答えができるかどうか、私は率直にあなたにお答えしていただきたいと思う。
○説明員(小倉俊夫君) 組合が正常な姿でありまして、そうして正常な団交によって、その話し合いのうちに物事を進めていくということが最もいいことでありまして、力ずくということは極力避けていきたいと思います。で、これはこちらをお責めになるばかりでなく、やはり労組の方につきましても、力を用いないように一つお願い申し上げたいと、こう考える次第であります。
○相澤重明君 これは副総裁は、少くとも運輸委員会の席上であるから、あなたの言葉というものを、十分私は気をつけてもらいたいと思うのでありますが、労組が力によって力に対抗するというような考え方は、私はないと思う。私は、やはり当局が誠意を持つか、労組がその誠意にこたえるかどうか、こういうことだと思うのであります。お互いが誠意を持たなければ、労使の紛争というものは解決しない。ですから、まずみずからがそういう誠意を持って、そうして事の解決に当るという考え方が表明されないで、とにかくけんかがくれば相手になる、ときによれば自分の方が力が強いですから、幾らでもひっぱたいてやる、こういうような考え方では、真の労使の紛争を解決するという誠意は、私は認められない、こういうふうに思うのだが、今あなたの言ったのは、そういうことなのか、それともそうではなくて、自分としては誠心誠意、紛争というものの解決のために、話し合いの中で努力をする、あるいは機関の決定については尊重する、そのために努力をする、こういう考え方であるのか、相手のことを、いわゆるあなたが口に出したようなことが本心なのか。その点を、私は、はっきりしてもらいたいと思う。
○説明員(小倉俊夫君) 私の言葉が過ぎたならば、まことに相済まないと思います。ただ労組の方では、実力行使というような言葉も使っておられるので、それには実力ということでなく、やっぱりお互いに団交ということがございますので、その団交に乗せて、しかもその団交が協定までにいかなければ、法律に定める仲裁の機関もございますので、そういうふうな正常的な道筋で物事を処理していきたいということでございまして、まあ管理者としては、できるだけ、どういう事柄がありましょうとも、あまり刺激も加えず、穏やかに事態をとりまとめていくということが必要であるということは、先生のおっしゃる通りだと思います。
○相澤重明君 あとの言葉は、大へん誠意をもってきたと私は思う。そのことは認めます。やはり事の問題は、誠意をお互いに持たない限りは、解決するはずがない。 そこで、私は先ほどあなたに、具体的に岡山鉄道管理局の問題を出したのでありますが、これは、今のような誠意を持って団体交渉に入る、話し合いをしていく、こういう考え方ならば、何もその団体交渉し、話し合いをしている中に警官を導入することは、私はないと思う。そのことについては、あなたはどう考えるか。
○説明員(小倉俊夫君) ただいま申し上げましたように、その岡山事件の詳細は、まだ聞いておりませんので、お答え申し上げかねる次第であります。
○相澤重明君 それでは、いずれ後刻岡山管理局長からこれは報告があなたのところにくると思います。しかも、私が本日の運輸委員会でこのことを申し上げたのであるから、このことについてはよく詳細に私は調べてもらいたいと思う。それで、このような、もし新聞記事のようなことであれば、これは、今後の私は労使の紛争解決に非常な大きなマイナスになると思う。これはあなたが期待をし、あるいは先ほどの運輸大臣が誠意を持って事を処理するという方針に全く相反することになる。従って、そういう場合には、これらの全く気の毒にけがされた人たちに対する十分な見舞、謝罪、あるいはまた当局側もそうしたことを今後起さぬような指導、監督ということを、あなたはしなければならぬだろうと思う。そういう点について今後——もちろんわかってからであるけれども——そういうお考えがあるかどうか、これはお尋ねをしておかなければならぬと思うのですが、いかがですか。
○説明員(小倉俊夫君) 何分にもまだ詳細がわかっておりませんで、新聞記事だけでございますから、いずれ詳細の実地の報告につきまして判断いたして参りたいと、こう考えております。
○相澤重明君 新聞記事の問題については、それでは一応後刻また報告を受けることにしまして、今後やはりいろいるな新賃金要求とか、あるいは定員問題とか、あるいは五カ年のこの修正問題についての組合側としての協力関係、あるいは要請というものが私はあると思う。そういう点について、少くとも国鉄当局が誠意を持って団体交渉に望む、誠意をもって問題の解決をする、こういうことについては、先ほどあなたの御答弁されたことを、そのまま私は了承しておきたいと思うのですが、その点よろしゅうございますか、副総裁。
○説明員(小倉俊夫君) もちろん正常なる方法において、正常なる団交を開いて参りたい。 まあ一言この機会に付言いたしますれば、先ほども申しましたように、この国鉄の輸送力というものは、やはり施設ばかりではなく、人的要素が非常に多いのでございまして、そういう方面は、先ほど来の宿舎の件もございますし、働く環境もございますし、そういう方面について、できるだけ今後も努力していきたい。なお交渉につきましてのいろいろなもろもろの懸案、紛争につきましても、事態を正常なる団交によって処理していく。それにまた、いろいろな労働紛議が起っておらないときが、やはり輸送が一番能率が上っておりますし、また、事故が少いのでありますので、ぜひそういう方面に労使協調して、国鉄の名誉を——名誉と申しましちゃ言い過ぎですが、国鉄の運営をりっぱにして参りたい、こう思っております。
○相澤重明君 副総裁がとにかく組合と一緒に最後まで努力をして、労使の紛争についても誠意を持って解決に当る、こういう点を言われましたので、私も非常に喜ぶのでありますが、これは一つ運輸大臣に最後に御答弁を願いたいと思うのでありますが、やはり先ほどから各委員から、三十三年度の予算の中でいろいろ質疑をいたしましたけれども、どうしても了承できない面がたくさんあるわけです。予算というものを一応各項目にわたって出されておるけれども、なぜ国鉄が今日のような苦しい経営状態を続けなきゃならぬか、こういう問題について、根本的にいわゆる国策としての総合交通政策というものを私は作らなければ、これらの問題は解決をしない、こういうふうに先ほど岩間委員も言われましたが、私もそのように思うのでありますが、経済企画庁は、十カ年計画というものを昨年は作ると言って、われわれの運輸委員会には、答弁は、宇田——当時のとんとん大臣は言われたけれども、今日あなたは閣僚として、そういう点について、いつごろ具体的な問題を、十カ年計画としてはこういうふうにやりますという具体的なことを、私どもに出していただけるか、そういうことが出されないというと、やはりその場のいき当りばったり、率直に言って、先ほど岩間委員はよろめきの政策であると言われたけれども、よろめきどころでなくて、つんのめってしまう。そういうことで、私は、国鉄の将来についても非常に危惧するものであります。従って、国鉄の労使の紛争を正常化する、あるいはできるだけ誠意を持ってよくしていきたいということを言っても、大もとがはっきりしなければ、これはなかなかできない。そういう意味で、運輸大臣として、いつごろどういうものを発表ができるのか、この点をお尋ねをしたいと思うのです。
○国務大臣(中村三之丞君) 国鉄を私は監督する立場にある。そして国鉄そのものは公共企業体であります。その公共企業体としての特色、その財政の確立を、私どもは希望をいたさざるを得ません。世間では、これをもとの官営にするとか、民営にするとか、こういうことを私は取り合っておりません。今日の公共企業体としての国鉄の健全なる発達を希望するのみであります。そこで、国鉄のいろいろの計画というもの、これは物も必要でございます。あるいは人も必要でございます。あるいは金も必要である。この三つをうまく総合していくというところに、私は運営があると思うのでございますが、先ほど来御質問の中におっしゃいましたお言葉は、私は耳を傾けて承わりましたが、しかしながら、ただ御了解を得たいことは、これは先ほどのことを繰り返すようでございまするが、二十九年以来上昇線をたどっておった日本の経済が、この国際収支の悪化のために、ある程度これを引き締めていかなければならぬというところの事態に達しまして、それが国鉄の計画にも影響をいたしておることは、私は事実であると思います。しかしながら、国鉄の五カ年計画は、私が昨年以来参議院、衆議院の運輸委−員会の皆様に申し上げましたごとく、国鉄の現在のこの計画の大動脈は、そう私は失っておらぬと思うのでございます。工事費にいたしましても、昨年より多少減っておりますけれども、千七十二億でございますか、六十二億でございますか、とにかく千億円台を維持しておる。そして、ことに私は望みを嘱しまするのは、これは物価が暴騰をしておるというときならば、これはなかなか工事費の前途も予想はつかぬと思いますけれども、ともかく物価はむしろ下ってきておる。つまり、物価が大幅に下ったり上ったりすることは、これは避けなければならぬ、あるところに安定さしていかなければならぬ、低位に安定さしていかなければならぬ。私はある意味におきまして、国鉄の資金計画は困難の道にある、またいろいろもうあらゆる手段を弄しました点もあるかもしれませんが、今日私は、日本の経済がこの物価を低位に安定さす、国際水準の方に安定さしていくということが、大きくできますならば、私は、これは国鉄の事業計画もむしろスムーズにいくのではないかということを思っておるのであります。なお、この計画のことにつきましては、私はやはわこの長期計画と同時に、中間計画も必要である、あるいは季節的な計画も必要である、同時に、自由経済を対象としておるのでございますから、そこに遊動的なあるいは多少の伸縮もあるだろうと思います。たとえば車の問題にいたしましても、廃車されるものはありましても新しく作られるものがここにできて参りますならば、そこに改造、更新ということになるのではないかというふうに思う次第でございまして、ただ、先ほどの御質問にあります国家がもう少し国鉄のめんどうを見るということは、これは今後原則でなければならぬ、また、それは実行されなければならぬと思いますが、本年は、その点十分でなかったことは、私は、はなはだ遺憾といたしておりますことで、これは率直に申し上げざるを得ないのであります。
○相澤重明君 大臣も大へん努力されるということについて、国鉄をそのように、運輸省の監督としては、やはり原則的に考えていかなければならぬと。私も同じ考えであります。 そこで、あなたがいま一つ御答弁になった中で漏れておるのは、経済十カ年計画、あるいは総合交通政策というものを、いつごろ具体化させるものか、われわれ運輸委員としてそういう計画を知りたい、そういう中で、たとえば国鉄の五カ年計画、あるいは今年度の計画、こういうものが私はやはり生きなければならぬ、こういうふうに言ったわけであります。そこで、岸内閣として持たれた十カ年計画というものを、具体的に総合交通政策の面で、いつごろ出してもらえるものか、この点についての御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中村三之丞君) 岸内閣が一応五カ年計画ということをやっております。そこで交通の計画でございまするが、五カ年計画の中には、これはもう輸送力の増強、輸送力の増強はすなわち結局産業経済の発展ということ以外はないのであります。目標はそこでございます。しかし、今道路の計画もあります。交通の点について。あるいは計画造船もある、国鉄の計画、また港湾の計画もここにございます。しかし、そういうものが勝手に走るというようなことがあってはなりませんから、過般この交通関係の閣僚会議というものによって、そこでは一種のチェックをして、同時にバランスをとっていこう、こういうことを考えておるのでございまして、今十年計画というようなことは、これは不可能なことであると思います。せいぜいまあやっても五カ年計画くらいじゃないかと思っております。
○相澤重明君 はいわかりました。そこで、先ほど、あなたの国際収支の安定ということは、非常にわれわれとして進めなければならぬ、こういう御答弁がありました。私もその通りだと思うのです。ところが、今次日中貿易第四次協定もできたわけでありますが、あなたもこの第四次日中貿易については促進をされる閣僚の中で、特に運輸交通、つまり海も、陸も、空も持っている監督官庁の所管大臣として、強力に推進されると思うのでありますが、そういう中で、景気の回復あるいは上昇をたどると思うのでありますが、あなたのお考えは、そのように理解してよろしいですか。
○国務大臣(中村三之丞君) 私は、日中の貿易も、日ソの貿易も、日本の経済の将来の発展、国際収支の関係に寄与するところ多いと思います。ただ、日中貿易は、これは御承知のごとく、向うは外貨をあまり持っておりませんから、結局物々交換というバーター制になって、しかしながら、それだけアメリカの物を遠方から買うよりも、近い中国において買い得るということがありますならば、物々交換におきましても、これは私は日本の原料の獲得の上において有利であるということは、これは認めざるを得ない。また中国におきましても、日本とやはり原料、製品を交換していかぬと——これは私の見るところですよ、あるいはどうかとおっしゃる方もあるかもしれませんが、やはり日本と貿易をやって、物々交換をやっていくということでなければ、遠いヨーロッパから物を取るよりも、日本から物を取ることによって、中国の五カ年計画が完成していくんじゃないか、中国もそれを認めてきているのではないかと思います。また、運輸省所管といたしましては、今、日中貿易その他のために、相当船が向うに行っております。もっとも包括許可と個人的許可と申しますか、単独許可とは違いますけれども、ともかく船が向うに行っております。それから日ソの航路が日本海方面に設定せられて、今月か、来月向うの海運公社も来て、具体的の話がきまるだろうと思いますが、私は、将来はこの日ソの日本海における航路があるいは北鮮へ伸ばしてもよろしい、あるいは中共へ伸ばしてもよろしい、それから今後できますならば、これはソ連ともあるいは中国とも航空協定という、まあ両方とも今国際航空機関ですか、あれに入っておりません。それから技術的にはいろいろ問題がありますが、ともかく、そういう航空協定というものがソ連とは結べるだろうと思います。技術的にはいろいろ議論がありますけれども、そういう航空路の開設ということも、これは考えていかなければならぬと思うているのでございまして同時に、やはり日本は世界を相手にして貿易をしなければならぬのでありまするから、やはり東南アジアとか、アメリカなり、これは当然のことであると思う。貿易には国境はございません。それは、私もそういうふうに考えております。
○相澤重明君 時間がもうなくなったので、これで私の質問も終ります。今運輸大臣は、まことに国策について重要な発言をされたわけでありまして私ども敬意を表します。少くとも日中貿易を促進すれば、これによって日本の海運界、あるいは国内のいわゆる経済状態、こういうものも私は非常によくなると思う。そこで、さらに日中貿易を一つお骨折りをいただくとともに、今あなたのおっしゃった北朝鮮、いわゆる朝鮮民主人民共和国の方の貿易の問題、あるいは東南アジア、あらゆる世界を通じて、私どもの経済行為が上昇するように、あなた方がなお一そう御努力されることを、私も心から期待して、私の本日の質問を終ります。
○理事(大倉精一君) 次回の委員会は、公報をもってお知らせいたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後四時五十一分散会