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28回国会衆議院1958/02/17

予算委員会第四分科会 第4号

発言数
293
登壇者
21
会派数
2
開催日
1958/02/17

会議録

山本猛夫自由民主党

○山本主査 これより会議を開きます。  昭和三十三年度一般会計予算、同特別会計予算中、建設省所管を議題とし質疑を行います。質疑は通告順にこれを許します。井手以誠君。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 道路公団の方、見えていますか。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 十一時までには必ず参るそうです。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それでは、道路公団がまだ見えておりませんから、ほかの方面からお尋ねをいたします。  建設省では三十三年度から地すべり対策について本腰を入れられるようでありますが、その予算内容を一つお伺いしたいと思います。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 お答えいたします。昭和三十三年度予算におきましては、地すべりの対策については特に重点を置きまして、地すべり対策事業の補助といたしまして一億八千八百万円を計上いたしております。前年度は九千五百万円でございました。その予算をもって被害の緊急度の高い危険区域約二百五十地域につきまして防止工事を実施いたしたいと思っております。そのほかに、地すべり区域の指定をいたすための調査費といたしまして二百十四万六千円、それから、工事計画の樹立のために事業費の調査費といたしまして五百万円を計上いたしております。それからまた、家屋の移転の問題に対しましては住宅金融公庫資金の融資によりまして移転を助成したいという考えのもとに、融資額約二億四千万円をもって三十三年度におきましては約一千戸の家屋を移転するための融資を行う、こういうふうに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 地すべり防止対策については後日法案も提出されますので、内容についてはその機会にお尋ねをいたしますが、この問題はもちろん建設省のほかに農林省も大きな関係があるわけであります。地すべり防止施設の補助として一億八千八百万円、あるいは融資の対象が一千戸に対して平均二十四万円という金額では、全国四千カ所でございますから、緊急に移転しなくてはならぬ家屋が一万戸以上だと私は承知いたしておりますが、そういう緊急な対策にわずかこの程度の予算では非常に足りぬではないかと思いますが、建設省ではどういうお考えでございますか。融資の金額は一戸に対してわずかに二十四万円、その程度の融資で果して関係者が移転の勧告に応じて容易に移転ができるものですか。その辺の見通しをお伺いしたいのであります。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 今先生のおっしゃいます通り、全国には約三千五百カ所くらいの地すべり個所がございます。面積にいたしますと八万七千町歩くらいが建設省で所管いたすべきものと考えております。それから、御説の通り、一万戸余りの人家がその個所にあるわけでございますが、できるだけ早くこれらの措置をいたすのが私どもの本旨でございますが、来年度におきましては、先ほど申し上げましたように、予算面におきましても約八割以上の補助金を計上いたしておりますし、また、調査費等につきましては、従来なかった分を新しく七百万円程度計上いたしたわけでございまして、私どもといたしましてはほかの方面に比較いたしますと重点をこの面に注いだということでございまして、もちろん仰せのごとくこれで十分だというふうに考えておるわけではございませんけれども、われわれといたしましては、重点をこの点に置きまして、今までの問題をできるだけ早期に解決したいというふうに考えておる次第でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 家屋移転融資だけで二十四万円、これは先刻私が申し上げたのですが、これで移転が可能だとお考えになりますか。この家屋移転については、関係地区から非常な熱望でありました三割前後の補助というものがどうなっておるのか。全部融資だけでおやりになろうとするのかさらに、地すべり関係地区はほとんど農山村でありますが、その農舎、畜舎というようなものの移転についてどういうようにお考えになっておるのか、いわゆる農業用施設とも見るべき農舎、畜舎については、家屋の関係でどういうようにお考えになっておるのか、これにも補助がないのか、あるいは融資の対象になっていないのか、この点をお伺いしたいのであります。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 お答えいたします。先ほど申し上げました分は、住宅部分及びそれに関連いたします土地に対する融資でございまして、こういう融資によりますと、償還期限等を考えまして、毎月三千円余りの償還金で足りるというふうな考えに相なるわけでございまして、もちろん補助を出せればこれに越したことはございませんけれども、そういう面につきましては相関連する事業もほかにもございますので、今回の処置におきましてはこの融資によって万全を期していきたいというふうに考えておるわけでございます。それから、牛舎等の農業施設につきましては、別途農林関係の機関から融資を受けられることに相なるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 そうしますと、家屋とか農舎などの農業用施設については補助というものは全然ないのでありますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 補助というものは考えておらないのでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 詳しい点は法案の審議の際に譲るといたしまして、あれほど全国三十道府県関係地区から熱望されたごの地すべり防止対策の予算が非常に少いこと、またその対策の少いことを私は非常に遺憾に存ずるのであります。三十三年度は対策が頭を出したという意味で私は一応了解をいたしておきます。この程度をもってして、目の前に危険に瀕しておる、目の前に地すべりが起っておる——もうずいぶん地割れしたところもございますし、家屋とかあるいは神社とか鳥居とかいうものがずいぶん傾斜してしまったところが多いのでありますが、それほど危険に瀕しておる地すべり防止対策費としてはきわめて不十分であることを私は特に申し上げまして、当局の再考を促しておく次第であります。  次に、大臣の予算説明によりますと、三十三年度は海岸保全事業にもかなり力を入れられておるようであります。この海岸保全事業のうちに、有明海沿岸などの堤防修築、それと日本海沿岸等の侵食対策、その概要を承わりたいのであります。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 御説明いたします。海岸保全施設事業の予算につきましては、三十二年度が二億九千百九十四万円でございまして、三十三年度におきましては三億六千万円を計上いたしておるわけでございまして、総額といたしまして六千八百六万円の増額と相なっております。この点、ほかの治山治水、あるいはその中には河川改修あるいは砂防ダム等の事業がございますが、伸び率といたしましては一番伸び率を示しておるわけでございます。内容といたしましては、海岸堤防修築、海岸侵食対策等があるわけでございますが、海岸堤防につきましては、特に有明海等につきましては重点的に予算を計上したいというふうに考えております。また、侵食対策につきましては、先ほど申し上げました六千八百万円の増額のうち、四千六百万円が侵食対策の増額と相なっておるわけでございまして、このうちには、特に日本海方面あるいは瀬戸内海等におきまして侵食のひどいところの分は、予算を相当程度、倍額近くなるところもあると考えられておりますが、増強いたしまして、侵食対策を促進したいというふうに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 海岸堤防の強化についてさらにお伺いいたしますが、ここに説明されております有明海岸等の堤防修築、これは一昨年の災害のときにも堤防の強化を強く要望しておきましたが、特に南に面する海岸線が非常に弱いことは御承知の通りであります。一部は七メートルの堤防がある。一方では四メートル四十程度のものがある。その堤防修築の計画はどうなっておるか。最近の台風などを考えますと、九州の西を通る台風が非常にふえて参りました。それに備えるにはやはり南に面する北側の海岸堤防を緊急に強化する必要があると私は考えております。福岡県側はかなり強化されておりますが、佐賀県、長崎県の方は非常に脆弱のようであります。これに対する計画を承わりたいのであります。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 御説の通り、南側に面する海岸は、通常台風がその西側を通過する場合におきましては非常に高潮を受けるわけでございます。その例といたしましては、今お話のありました有明海の北側、それから瀬戸内海におきましても北側に面するところ、また、大阪付近におきましても、東京湾におきましても、やはり南に面する海岸が非常に高潮が高いということはお説の通りでございまして、佐賀県あるいは福岡県あたりにおきましては、お説の通り福岡の方が強いところが非常に多いのでございまして、そういう観点に立ちまして、佐賀県の南側の堤防の増強につきましては特に力を入れて参ったのでございますが、来年度におきましてはそれを特に促進したいというふうに考えております。計画につきましても、お説の通り高く強く作られておりました堤防は被害を受けないで、低かった分あるいは弱かった分がやられておるということは実証をされておるわけでございますので、それに応じまして計画を再検討いたしまして増強を考えておるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 その増強の計画、七メートルにするのか、六メートル十にやるのか、それを何カ年くらいで全部強化なさる計画であるのか、詳しく承知したいと思います。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 細部の計画につきましては課長から御説明させます。

山内一郎建設技官(河川局防災課長)

○山内説明員 それでは、ただいまお話がございましたように、三十一年度におきまして非常に佐賀県の海岸堤防が災害を受けたわけでございますが、その災害の状況を考えまして、ただいま先生がおっしゃいましたようにいろいろな補強の工作をとっております。たとえて例をあげますと、昭和御大典搦という海岸堤防がございますが、その海岸につきましては、災害復旧のほかに改良費を加えまして、計画の高さの点については非常に地盤が悪い関係上六メートルでとどめております。ただし、波がかぶってもいいように、裏法、それから天端を全部コンクリートで被覆をする。そういたしますと前の堤防より相当強化できまして、先生の言われますように再びあのような災害は受けないという確信を持ってやっております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 地盤の関係から六メートルちょっとの高さという説明でありましたが、私はやはり沿岸は七メートルには統一して強化すべきであると考えております。その点は一つ今後も予算の許す限り努力されますようにお願いをいたしておきます。

山内一郎建設技官(河川局防災課長)

○山内説明員 高さの点につきましては、いろいろ先生の御意見も尊重してなお研究して実施をしたい、こういうふうに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 ついでに承わりますが、災害復旧の事業であります。説明によりますると、なお二十八年度災害は残っておるようでありますが、この二十八年度災害の残っておる金額、進行の工合、それを承わりたいと存じます。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 お説の通り、二十八年災害は非常に復旧額が大きいわけでございまして、私どもといたしましては、これを、すでに災害発生後五年以上を経過いたしておりますので、全部復旧したいというのが念願でございましたが、財政規模の関係上、残額の約五〇%程度の復旧にとどまらざるを得なかったというのはまことに遺憾な状況でございますが、財政全般の問題からこれもまたやむを得ないものであると考えております。三十三年度以降に残ります建設省所管の二十八年災害は、百五十億円でございまして、来年度予算におきましては、残額の約六〇%程度を完成したいというふうに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 建設省では災害復旧の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の改正を用意されておる模様でありますが、その内容を承わりたいと思います。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 公共土木施設災害復旧事業費の国庫負担法の改正につきましては、建設省といたしまして案を立て目下関係各省と折衝中でございますが、その内容といたしましては、従来の災害の査定に当りまして、より以上に改良復旧が加味できるように、災害復旧だけでは、原形復旧だけでは非常に不適当であるとかいうような場合には改良復旧ができるような処置を考えようということと、従来、小災害が、距離がある程度近接しておって二十メートル以内にありましたときは、小災害を一カ所として考えたのでありますが、最近非常に小災害が多いということでございまして、この距離を二十メートルから五十メートル程度に広げまして、その中に入るものは一つの災害と考えよう、そうすれば小災害もある程度救済ができるじゃないかということで、五十メートル程度に距離を広げようということ、それから、これは新しい問題でございますが、下水道の災害も公共土木の対象にしたいというふうに考えておりまして、関係各省と折衝中でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 その改正案の要綱について、小災害の範囲、市町村の関係、府県の関係、十万円以上、十五万円以上というワクが今ありますが、それをさらに、五万円以上であるとか、十万円以上であるとか——ただいまは距離によってある程度小災害を救いたいということでございましたが、金額によってさらに小災害を救うという、その面の改正はお考えになっておりませんか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 金額によりまして小災害を救おうということも一つの大きな問題といたしまして検討いたしたのでございますが、今回私どもの考えておりまして各省と折衝いたしておりますのは、金額の面でなくて、距離の面で一つ小災害を救おうというふうに考えておるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 農林省の方では金額について考慮するようなことを承わっておりますが、一つこの点はさらに研究をしてもらいたいと思う。災害復旧について長い間の国会の要望が漸次取り入れられておりますことを私は喜んでおりますが、せっかくの改正案でありますならば、もう一歩進めて金額の点まで一つ引き下げてもらうということに努力を願いたいのであります。  そこで、私は大臣にお伺いいたしますが、予算の説明にもありましたように、幸いにして災害は最近全国的には少いのであります。こういう少いときにこそ、今までたまっているいわゆる過年度災害を一掃すべきではないか。二十八年度災害については一千数百億円の国庫負担がある、だからあれほど特別措置をしたにかかわらず財政面から早急にできなかったという答弁が繰り返し行われておりますが、幸い税の自然増収があったような本年度は、このときこそ、長い間熱望されておった過年度災害というものを一掃すべきである。予算のワクとかおっしゃいましたけれども、それは私は別問題だと思う。国土が荒れ果てているのをそのままにしておくということは、政府が考慮されている経済基盤の強化という問題よりも——それも大事でしょう。大事だけれども、荒れ果てた国土を一日もすみやかに復旧して生産拡充に役立たせるということが先決問題である。昭和三十二年度の予算、三十三年度の予算を見てみますと、この災害復旧に関する当局の熱意が足らぬと思う。せっかくその点に熱意を持っておられるような根本建設大臣は、どういうようにこの点をお考えになっておりますか。いい機会であったと思うのですが、その点を承わりたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 井出さんの御指摘の通りでございまして、実は、三十三年度予算編成に当りまして、御指摘のように過年度災害はある意味においてはこれは国の債務である、そういう観点で、前々年度の余裕金を使うという場合に、これは災害復旧に充てるべきだという強い主張を私は持っておったのであります。しかしながら、大蔵省その他財政当局といろいろ折衝しましたところ、結局、そういうふうになりますと、これは実際論といたしまして建設省の予算のほとんど大半は災害復旧になってきまして、他の方面に現実に使われることができなくなってくるということで、そこで、例のいわゆるたな上げ資金といわれるところのもので、これは経済情勢がよくなった場合には災害基金として考慮するというようなことで、実は私の満足する状況ではなかったけれども、やむなくこういうふうになった次第であります。そのかわり、今事務当局から御説明申し上げましたように、災害関連事業も従来よりは少し幅を広げて、未然に災害を防止する方面の積極的方面に施策をやろう。三十四年度からは災害復旧について過年度災についても相当やろう。それでも前年よりは決して減っているわけじゃありませんけれども、全体としていわゆる政府の余裕のある場合に過年度災害に重点を置くべきであるという立場に私も同意見でございますが、今申し上げましたような経緯によりまして、十分に取り入れられなかったことは残念でございます。今後、三十四年度以降については、さらに十分に主張いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 いつも災害ばかり取り上げておりますので、災害議員ともいわれておりますから、この程度にとどめておきますが、これは建設省が悪いというのではなくて、大蔵省の考えが間違っておると思う。災害復旧こそ最優先に取り上ぐべきである。災害があってそのままにしておいて、片一方で何か事業をやろうとしても、それは国全体の生産増強の面からいくと逆だと思うのです。大臣の今後の努力に待たねばしようがございませんが、私は、この予算面から見まして、災害復旧に対する熱意があるとは残念ながら思えません。災害資金ができたとおっしゃいますが、これは過年度災害のものに簡単に使えるものじゃないことは私は十分承知をいたしております。これ以上申し上げませんけれども、災害復旧については先般来一、二回の改正があって、緊急工事をおおむね三カ年でやるというその精神をあくまでも貫いてもらいたいことを特に要望いたしておく次第であります。  もう一つ私は大臣にお尋ねしておきたいと思いますことは、災害の補助金は、町村では十万円以上、府県では十五万円以上でなくてはもらえない。目の前に、ここに一袋セメントをやったならば災害は大体防止できる、ここに五万円の金があったならばこの橋梁も補強でき、災害も起きぬで済むんじゃないか、そういうのが全国ざらにございます、もう全般的に脆弱なものでありますから、そういうところはざらにある。そういうものを金額の面において災害復旧の対象にならないために放置されておる。みすみすそういう施設が腐朽していって災害がいつあるかわからないという事態に直面しておるのが私は現状であろうと考えております。町村や府県にそういう災害予防の予備金というようなものを置いて、いつでも府県知事や市町村長の認定によって防止ができる構想、災害復旧費の一割くらいのもの——一割がほんとうかあるいは五分が適正かはわかりませんけれども、そういうものを私はかねて与えておくという従前のやり方に戻す方が私は国の経済上非常にいいことじゃないかと考えておるのであります。そうでないから、かつての天狗橋のような事件、あるいは高知県において学校の校舎を引き倒したような問題すら起るのであります。ちょっとした補強をすれば災害が起きないという、この災害防止のために私はそういう予備費のようなものを府県なり市町村に与えておいて——もちろん監査はしなければなりません。従来会計検査院でいろいろ指摘はされておりますけれども、従って監査は必要でありますけれども、そういう機動的な金を与えておくという構想について建設大臣はどのようにお考えになっておりますか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 ただいま井出さんの言われたことは多年の懸案でございまして、その意味におきまして、実は従来完全なる原形復旧主義を漸次変えまして、改良関連事業というようなことまで一応こぎ出してきたわけでありますが、特に最近地方自治体の合併に基く強化をはかりまして、これと相関連してこういうような問題を取り上げていかなければならないと考えておるわけであります。先ほど河川局長から御説明申し上げましたように、このような小災害について一カ所の金額単位を下げてやるか、あるいは距離を長くすることによってやるか、どちらがより実際的であるかということについていろいろ検討したのでございます。その結果、最近におきましては、金額もさることながら、実はわずか二十メートルというようなところのあれでは、これはとうてい問題にならない。それからまた、自治体といたしましても、財政上補助金をたくさんもらえればけつこうなことでありますけれども、やはり自治である限りにおいては一定限度の小災害は自分の手で処置するという、やはり自治体としての態勢もはっきりと持つべきである。そうして、その後足らない部分においては交付税なりあるいは特別交付税で見るという建前でありまして、一応やはり国の補助というものは一定限度の規模の大きさということでなければ、一切の災害というものが全部国庫補助でやるということは、どうも地方財政の建前からいたしましても適当じゃないということで、実は大蔵省とわれわれの方との意見が一致いたしません。そういう関係で、この際はその金額が五万とか三万というようなことだったら、いかなるちょっとした災害でもそれ以下のものはない。そうすると、全部の災害について国が補助しなければならないという義務を負うということは自治の建前から適当じゃない、それよりもやはり相当の範囲において断続して起った災害は一つの災害として見るということの方が、国の立場としても地方自治体としてもより合理性があるというようなところでこういうふうになっているのでありますが、今井出さんが言われたように、災害が起った結果に対する補助よりも、災害を未然に防止するために必要なる助成金を出しておくべきだ、より積極的にやるべきだ、これはまた別個の意見として私は大いに研究しなければならぬと思います。従来、地方自治体が財政上弱体でありますがゆえに、そうした積極的なことはほとんどやっておらないわけであります。やっておらないために、今までそれに対する助成をこちらからやるということもできないのでありまするが、今後自治庁その他地方自治体とも実際の状況をよく考えまして、そういう方向で今後検討したいと思っております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 災害が起ったら国が負担金なり補助金を出すということよりも、かねてから補強をやって災害を未然に防止する、補助金を出さぬで済むようにするということが私はずっと経済だと思っております。この点は一つ十分検討してもらいたい。大臣は町村の合併とかあるいは地方交付金であるとかいろいろおっしゃいましたけれども、今地方の公共団体がどんなに赤字で困っているかは御承知のことだと思うのです。たとえば私の佐賀県においても、県下の道路補修費は一カ年間に三千万円か四千万円しか組んでない。一回砂利をまけばそれでおしまいです。一億二千万円何としても必要なものが、一年間に三千万円か四千万円しか組めないという状況。世に流産道路といわれている悪道であります。そういう町村の今の財政状態ではいかに自治庁と交渉なさってもうまくいくものではございませんから、とくとこの点は御検討願いたいと思います。  次に、これはこまかい問題ですが、新たに直轄河川として工事を行うことになっておりまする長崎県の昨年の西九州災害の中心でありました本明川と、六角川と大井川の工事計画を、総額どのくらいで何カ年で改修が完了するか、概略でけっこうですから、お願いいたします。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 的確な数字をただいま持ち合せておりませんので、多少数字的には違いがあるかと思いますが、その点をお含みの上お聞き取りいただきたいと思います。  本明川につきましては、全体計画を検討いたしまして、災害復旧の査定をいたします。それにつけ加えまして、改良工事を付加して、いわゆる改良復旧を行うわけでございます。それで、よく地理的に御存じだと思いますが、諌早鉄道橋がございますが、あの鉄道橋で上流と下流に分けまして、上流につきましては災害関連工事の補助金をつけまして、災害復旧と合併で施行する。あれから下流につきましては、災害復旧と直轄河川の改修費を両方合せて合併施行するということに相なっております。  直轄河川の改修費は約十億でございまして、これは目下のところにおきましては災害復旧と一緒にやる分でございますので、少くも全体を五年でやりたいというふうに考えております。  それから、六角川につきましては、全体計画のかっちりした数字は今持ち合せてございませんが、約四十億余りかかると思います。来年度におきましては、予算の当初でございますので、何千万円という程度の金額しかつけられぬと思いますが、これは重要な部分から改修をいたしまして、効果が全般に及ぶようにやっていきたいというふうに考えておるわけでございますが、全体を完成するにはやはり約十年くらいはかかりはせぬかというふうに考えております。  それから、大井川につきましては、全体計画がやはり十億円余りだというふうに記憶しておりますが、これもやはり非常に危険な地点から改修なり補強をしていく考えでございまして、全体といたしましてはやはり十年程度はかかると思いますけれども、危ない地点におきましては、至急手を施しますならば、三、四年で危ないところは補強できるというふうに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 せいぜい一つすみやかに改修ができますようにお願いをしておきます。  道路公団からお見えになりましたので、この機会に大臣と道路公団の方にお伺いをいたしますが、有料道路のことです。高速自動車道路は別にいたしまして、ある一区間の、たとえばワンマン道路と、呼ばれておる戸塚の道路とか、あるいは橋梁、こういった部分的な有料道路、橋梁の収支関係はどうなっておりますか。国会には参考資料として全体の損益計算書は出ておりますけれども、そういう内容についてはわかりませんので、この機会にお伺いをしたいと思っております。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 ただいまの御質問はどういう御質問でしょうか、ちょっと……。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 高速自動車道路を除く、たとえば今言った戸塚の有料道路とか、あるいは私の近所にある大川橋とか、こういった部分的なもので、別に損益計算がわかっておれば——大きな計画とは別なそういう有料道路、橋梁の損益計算がわかっておるならば、お伺いをしたいと思っております。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 概略のことは、たとえば戸塚道路のごときは非常に成績がいい。また、今お話しの大川橋も成績がいいのですが、そういうことの詳しい数字が必要であれば、後刻お届けいたします。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 数字は要りませんけれども、そういう面だけでは経費を収入が上回っておるかどうかの点だけでけつこうです。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 たとえば戸塚道路のごときは非常に優秀でございまして、これは予定通りの償還ができるように思っております。また大川橋も同様でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 そういう有料道路、橋梁は、個別に独立採算と申しますか、そういうことで料金がきめられておる、かように承知いたしますが、どうでございますか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 その通りであります。公団法によりまして、ただいまのところは一本々々計算するようになっております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 事務当局でけっこうですけれども、この福岡県と佐賀県にまたがる大川橋の収入は、予定の何倍かに達しておるという模様ですが、もし数字がわかっておりますれば……。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 それでは御説明申し上げます。大川橋の収入は、昭和三十一年度を例にとりますと、両県が予定しておりました収入が千五、六百万円であります。それに対して実績は四千三百万円ということで、昨年度は県が御計画になりました数字よりもはるかに上回っておるということは事実でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 大川橋に限らず、その料金というものは、その収入の見込み、償却というようなものを基礎としておきめになっておると思いますが、いかがでありますか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 この公団の各個の料金のきめ方は、道路整備特別措置法によりまして、建設費とは一応無関係に、迂回道路が通例ありますので、その迂回道路と比較して、タイヤの消耗度が幾ら減るとか、燃料が幾ら節約されるとか、そういう受益の範囲内においてきめるわけでございます。従いまして、現実の料金は、かりに十億円かけた道路の料金が建設費五億円の道路の料金の二倍であるということにはなっておりません。むしろ逆の場合も現実の問題としてはあり得る、それが今の法律の建前でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 個別に料金がきめられておりますならば、たとえば十五カ年で償却するような場合には、十五カ年で償却できる程度に料金を改めても差しつかえないと思いますが、いかがですか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 実績に応じて地方のそれぞれの事情にふさわしい料金を設定したいというのが公団の考え方であります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 そこで、私の申し上げたい本筋を申し上げますが、これはよそでもそうだと思っておりますが、先刻来申し上げております大川橋の収入は、説明にありましたように、予定の三倍近くに達しておる。この料金が非常に高いということはもう当初から言われておったわけであります。それが幸い利用度が高いために予定収入の三倍近くになっておる。これを引き下げてもらいたいというのが、地方産業開発上地元の利便のための長い間の熱望です。この点は御承知になっておりますか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 大川橋につきましては、先ほど申しました通り、県が御計画になっておった当時よりは相当収入が上回っておることは事実でありますが、それでは一体大川橋というのは県の予定の十五年で償却するためには幾らあったらよいか、標準収入は幾らかということになりますと、大川橋は政府から借りた金が三億二千八百万、これを県が借りた条件に従いまして利息を計算いたしますと、六分として大体年に二千二、三百万払わなければならぬということになります。それから、もう一つは、その三億二千八百万の元金を十五カ年間にかりに均等償却していくということになりますと、これまた年に二千二、三百万かかるわけであります。それから、橋の修繕費は、特にああいう長い橋でありますので、数年間に一度は大々的な舗装をしなければならぬ。また、九州地方は非常に災害が多いところで、取りつけ道路が相当修繕費がかかる。それから、料金徴収の人も要る。本社あるいは支社の経費もある程度分担させなければいけない。そういう費用が大ざっぱに見まして大体一千万、従って、大体五千五百万くらいのものが理想の形として必要なのであります。ただ、もちろんこれは将来の伸びというものがあるからあれでありますが、少くとも標準的にはそういうものが必要である。大川は、予定よりも多くなっているものの、必ずしもその収入に達しておらない実情でございます。そこで、お尋ねの点で昨年来しばしば地元の方その他からいろいろ陳情を受けておりますので、これに対していろいろ将来の計画等を織り込んで目下再検討いたしておる、こういう段階でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 収入の予定金額というものは、これは採算を見込んで立てられたものである。それが三倍近くにも達しておる。その料金の基礎というものが私は今日変っておると思うのです。お聞きになっておるかもしれませんけれども、せっかく渡船をやめて橋で通行できるようにしたにもかかわらず、料金が高いためにまた渡船が復活しておるという事実がある。いかに料金が高いか。幸い予定よりもうんと上回った収入でありますならば、これは引き下げるのがほんとうだと私は思うのです。何も多く収入をどんどんとって早く償却してしまう必要は私はないと思う。あなたのおっしゃった今の計算には私は若干疑問があります。施行令の第五条によりますと、料金の額の基準に適合しなくなったと認められる場合には遅滞なく料金の額、徴収期間の変更等必要な措置を講じるようにしなければならないという義務規定があるわけです。だから、予定を上回る場合なら、これはすみやかに料金の引き下げを行うべきであると私は思いますが、いかがでございますか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 そういう私が先ほど申し上げましたような状態なので、地元の方からいろいろ要望があるわけです。ただ、御要望の趣旨が、半額にしてくれ、こういうような御要望があるので、とても半額というようなものは今の段階においては出て参らぬということで、いろいろ現地と今お話をしておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 じゃ、いずれにしても近いうちに引き下げられるお考えですか、遅滞なくというこの文字からいけば。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 引き下げるかどうかは別といたしまして、よく現地の方といろいろなこまかい点につきましても十分に打ち合せをいたしたいということで、今話し合いを進めております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 総裁にお伺いいたしますが、収入が予定の三倍近くにもなっておるなら、高い料金であるこの大川橋の通行料金、これはやはり政令に基いて至急に引き下げられるのがほんとうじゃございませんか。検討するということでなくて、引き下げるというのが正しいのじゃございませんか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 やはり、検討をいたしまして、そして今業務部長が話したこと等の措置をとることが必要なので、現地の要望を今伺っておるところでありますから、御了承願います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 伺っておるとおっしゃいますけれども、長い間陳情された問題でありますから、予定を上回っておる事実は早くから指摘されておりまして、まだ検討しなければならないのですか。引き下げをしなくちゃならない、しかし引き下げの歩合についてはなお検討を要するということであれば、私はそう長くは申し上げません。引き下げるかどうかを検討しなければならないということであれば、さらにお伺いしなければならぬと思っております。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 現地からのいろいろ要望は早くから承わっておりました。しかし、私の方は、いろいろ作業をいたしますには、全般的な交通量調査、これは大川橋なら大川橋だけの調査は毎日やっておることでありますが、ほかのものとの関係、渡船あり、あるいは、御承知の、上の方に六五郎橋というものがあるというようなことで、そういう調査をしょう。これは、現地との話の結果、昨年の十月になるべく早く結論を出そうということで調査をしたわけであります。ところが、はなはだ遺憾なことに、その調査が現地の方のある程度作為みたいなことによって円満に行われなかった。このことにつきましては現地もよくわかっておるわけであります。そこで、その調査に非常にあやまちが多いということが発見されましたので、それが何に基き、またどの程度の誤差があるかという検討をいたしまして、現地からいろいろ資料を出してもらったり、また現地の方から御意見を聞くというようなことで今日に至ったわけであります。しかし、先日また現地の両県の方が見えましていろいろ御説明があったのが三日前でございますが、それによって大体事情がはっきりいたしましたので、これから最終的な再検討をする、こういう状況であります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 引き下げの必要はお認めになっておりますか。ただ、引き下げの歩合についてはなお検討を要するかもしれぬけれども、引き下げの必要はお認めになっておりますか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 まあその点、もう少しいろいろな情勢を検討してお答えしたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 せっかく政令には遅滞なくという文字が書いてある。これは、従来のお役所式じゃなくして、すみやかに経済事情の変化があった場合にはやれ、事情の変化があったなら改訂しろという意味の政令第五条です。そういうなまぬるいことじゃだめだと思う。総裁はどうです。こういう場合にはそんな調査々々でいいのですか。四月一日から引き下げる、しかしどのくらい引き下げるかについてはよく検討するということでございますか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 やはり、調査を十二分にしまして、ごとに今お話しのように昨年のOD調査の結果もあるごとですから、十二分に調査して、なるべく現地の人と話をしていろいろやっていきたいと思っております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 これはそう多くは申しませんが、予定の収入の三倍近くになっておるならば引き下げるということは当然だと思うのです。それもまだ検討を要しますか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 先ほど業務部長からお話のあったように、ただ上っただけではいけないので、やはり全般的なものを見てやっていこうというのですから、いましばらくの調査の時期をかしていただきたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 料金の決定は、その橋なり道路の部分について採算が立つようになっておる。それなら、予定の収入を上回った場合には引き下げるのが当りまえじゃございませんか。一時的な増加じゃないのですよ。それを検討しなくちゃならぬということがございますか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 予定というその予定でございますが、これは、先ほど最初に申しました通り、千五百万というのは両県の方の予定なんです。これは、私の方は、すでに県が営業を開始してから引き取ったものですから、そういう例を引いただけでございます。ところが、支出の方面、これは同時に県の支出計画があるわすですが、その支出計画などを見ると、必ずしも公団の実情に合わないという面があるわけでございます。それから、一時的の現象をとらえがたいと申しますことは、それは、ああいう橋でございますが、しかし将来の伸びの見方、つまり三年後にどうなる、十年後にどうなるという見方については、必ずしもわれわれとしては県の当時の計画をそのまま受け取るわけにはいかないということが、ほかの道路の実績から推定されるわけであります。従いまして、一口に調査と申しておりますが、そういう広い意味の再検討をいたしておる。しかし、その再検討も非常にもう最終的な段階に入っております。ただ、ただいまのところすぐその結論にはとりつけがたいということですが、まあほどなく現地の方と今十分話し合いをしておりますから、出ると思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 ほどなくとおっしゃいますと、この二月か三月の初めくらいにはできますか。大体の見通しでけつこうです。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 私の方の料金を今度改訂するとなりますと、県知事に協議をしなければなりません。県知事で協議をするには県議会の同意を得なければならないわけであります。そうしますと、福岡県なり佐賀県の議会がいつ開かれるかということが一つのめどになるわけであります。そこで、かりに引き下げるということになった場合には、なるべく最近の議会に提出して同意を得たいものである、かように存じております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 もう一つ部長さんにお尋ねしておきます。自転車の通行料金は大体どのくらいかかっておりますか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 自転車は現在十円とっておるわけでありますが、大川橋の全体の収入の六・七%を、自転車、及びリヤカーもつきますから、リヤカーで占めております。こういう状態になっております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 よそについてはどうなっていますか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 よそにつきましては、大体料金の十円は変っておりませんが、この収入の度合いにつきましては、たとえば愛知県と岐阜県の境にある濃尾大橋などのように、自転車の収入が十数%に及んでおるというところもございます。道路あるいは橋によって非常に区々であるということであります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 大臣に結論をお伺いします。料金をきめる場合には、「利用により通常受ける利益の限度をこえないものでなければならない。」という原則が道路整備特別措置法にはあるわけであります。ところが、お聞きの通り、あまり料金が高いものですから、昔の渡船がまた復活しておる。この一例で、いかに料金が高いか、実情に合わぬものであるかがわかると思うのです。通常受ける利益の限度をはるかにこえておると私は思う。しかも収入は、一番事情を知っておる県の計画の三倍近くになっておる。この料金決定の基礎を考え、あるいは現在の料金が多いという実績を考えますと、これは政令にありますようにすみやかに遅滞なく引き下げるのがほんとうだと考えておりますが、大臣の意見を伺いたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 道路公団は御承知のように普通の企業会社でございません。と同時に、また、これは公団であるから、従って、初めから損することをやっていくというわけにいかない。こういう二つの面があるわけです。今大川橋の問題は、県が一応予定しておりました収入よりはふえておるということは事実のようであります。大川橋の今後の運営上さらに維持費あるいは修繕費というものを勘案してみて、そして十分に採算がとれるとするならば、これは料金を下げていいなら下げてよろしいと私は思っております。そこで、今井出さんが言われた渡船をまた利用しておるということは、非常に料金が不合理だから、高いからという論証にもなりますが、一方においては、予定以上に需要者が多いということは一面においては利益があるとも見られるわけでありまして、利用する人の経済上の立場によってこれは違うと思います。たとえば、バス会社であるとかあるいは相当の長距離輸送をやっておる方々は、渡船で行くと時間的に非常にむだだ、橋の方が非常に利益である、こう思うかもしれませんし、それから、ごく近辺の人であれば、たとい時間がかかっても現実に金銭負担の少い方が有利だ、こういうことで、これは必ずしも一概に言い得ないと思います。しかし、今のお話をずっと聞きまして、せっかく今公団の方でも現地の状況も調べ結論を出そうとしておるので、その方向において、十分に採算がとれ今後の運営もできるというならば下げるという方針のもとに、これはできるだけすみやかに正確な資料のもとにその方向において決定すべきであると考えまして、なるべく早くその客観的なしかも正確な資料を把握して、それによって結論を出すように私も進めたいと思っております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 通行者が通常受ける利益をこえてならぬというところを一つ十分考えておいてもらいたいと思います。渡船が復活したということはそういう意味でありまして、ものによっては、御答弁にありましたように、スピードを要するものは少々高くともがまんするでしょう。しかし、近辺の者が非常に迷惑をこうむつておるという事実をお考えになって料金改訂をやってもらいたい。これを強く要望いたしておきます。  もう一つ大臣にお伺いしたいのは、お聞きのように、どこの有料道路も橋梁も自転車に料金を課しておる。これは全国的な問題であります。今回、三十三年度の予算案を見ますと、自転車の税金は廃止になりまして、いろいろと批判されておる予算案の中では一番いい——たった一つとは申しませんけれども、岸内閣の善政の一つだと私は思っております。この自転車がどういうものであるか、リヤカーがどういうものであるか、私は多くは申し上げません。零細ないわゆる小市民層と申しますか農民層と申しますか、こういった者が営業のために、生活のために、連絡のために使う自転車や荷車、これに対して料金を課すべきじゃない。かついでいけばいいようなものの、そうなかなかかついで参れませんので、かついでいけば料金はただだ、そういうわけには参りません。この際、根本建設大臣は、こういう人を救うために、自転車や荷車について税金を撤廃したと同様な趣旨において、有料道路から料金をはずすという英断をふるってもらいたいと思いますが、いかがでございますか。そのくらいは答弁できなければ建設大臣の役目は勤まらぬと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 これは望ましいことでございますが、本来、有料高速道路でありますと、普通の荷車とか自転車は使わずに自動車専用というのが最近の欧米の状況から見て本来のあり方であるべきでありますが、禁止すると、今度はせっかく使えるものを使われないということで非常に不満が起ってくるので、副次的にリヤカーとか自転車を通行せしめておるわけでございます。本来ならばなるべくそういうものに負担をかけたくはないけれども、現状でも、先ほど御指摘になりましたように、相当需要のあるところでもまだ高いといわれておる状況でありますので、やはり受益者負担という立場によりますれば、自動車のほかにリヤカーも今相当あるわけで、リヤカーと自転車とは不即の関係にありますので、今かけておるような状況であります。道路公団の経理内容がよくなりますれば漸次廃止の方向に努力したいとは存じておりますが、今直ちにこれを廃止することはいたしかねると思いまして、今後十分に検討いたしたいと思っております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 これで終りですが、自転車税、荷車税を廃止したこの三十三年度の予算の精神からいけば、当然私は料金は撤廃すべきだと思う。自転車や荷車が橋を通ったからといって、どのくらい損傷がありますか。自転車で乗っていったからといって、あの道路がそう十円も二十円も損するものではありません。私は高速自動車道路のことを申しておるわけではありません。たとえば戸塚道路であるとか、あるいは今申しました大川橋でも、今度は向うへ行くときに一回十円も二十円もとるなら、これは悪税ですよ。悪料金です。これを廃止するくらいのことができない根本建設大臣ではないと思う。それで、今さっそくはできませんなんということでは、あなたの権威に関しますよ。もう少し色よい大臣らしいところを見せて下さい。長くは申し上げません。これでしまいですが、そのくらいの問題でそれで公団が赤字になるとは思えぬ。赤字になってもいいですよ。自転車税を撤廃して赤字になるくらいなら、赤字になってもいい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 せっかくの井手さんの御要望でありまするが、御承知のように、現在公団の経理は大体それを収入の中に入れて計算しておりますので、今直ちに、あなたから言われたために、即答して廃止するというわけには参りません。しかしながら、これは非常に大事なことでございますので、十分に検討いたすようにいたしたいと思っております。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 小松幹君。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 今井手さんから言われたあの件は、私も一言言っておきますが、関門の今度の道路あたりを人間が通るのを一々金をとるようなことはいかぬと思う。ここで即答はできないとしても、予算委員会の切なる希望であるということを私は申し上げて、賢明な判断をお願いしたい。  それから、ちょっと数字を聞きますが、一級国道の総延長は幾らですか。これは事務当局からでいいです。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 九千二百キロでございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 三十二会計年度末、本年三月末の改良済み量はどうですか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 三十三年三月末の状況を一級国道について申し上げますと、五三・三%が改良されるわけでございます。舗装される延長が三五・三%。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 パーセントではなくて、キロを聞きたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 延長で申しますと、改良済みの延長が四千九百十二キロ、舗装済み延長が三千二百五十三キロでございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 わかりました。  それでは、この一九五七年度版の道路年表によりますと、幅員五・五メートルの改良キロとなっておるのですが、昨年の十カ年計画では六・五メートルの幅員になっておるのです。改良の延長キロは大体同じ数字だと思うのですが、これは五・五メートルの改良工事ですか、六・五メートルの改良工事ですか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 六・五メートルの改良済み延長でございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 そうすると、建設省から出した一九五七年度版道路統計年表は誤まりですか。統計年表によりますと、一級国道の幅員が五・五メートル以上になっているのです。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 幅員が五。五メートル以上のものを改良と従来はいたしておったのでございます。ただ、三十三年度からは、新しい道路構造令に基いて築造いたして参ろうと考えております。それに基きますと、六・五メートルを改良済みと考えなければならぬのでございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 五・五メートルと六・五メートルを聞いておるのじゃないのです。ただ、五七年の改良済み額は、五・五メートルの計算におけるところの改良済み額になっておるわけです。そうすると、今言われた改良済み額は六・五メートル幅員の改良済み額なんです。そうすると、改良済み額の今あげた数字が、五・五メートルの幅員のときの改良済み額と、六・五メートルの幅員のときの改良済み額とが、総延長が同じになっている。これは統計年表が間違っておるのか、それとも改良済み額のとり方が、いいかげんなのか、どっちなんです。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 一九五七年の分は五・五メートル分を改良済み額としてあげております。それで、一九五七年度は前年度までの統計でございますが、これは三十三年三月末の分は現在実施中のものでありますから、推定いたしまして出しておるわけであります。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 推定の距離が、私が言っておるのはいいとか悪いとか言っておるわけではない。五七年度末にいわゆる五・五メートルの幅員で済んだ場合に、今度六・五メートルに十カ年計画で引き直した場合に、すでに五・五メートルになっておるものを一メートルだけ幅員をふやしたのかどうかということになる。ふやさぬでもよかったならば、これは五・五メートルでなくて、六・五メートルの済み額になるのかどうか。たとえば、六・五メートルで改良済みになっておるのですよ。ところが、去年から六・五メートルの幅員になったから、一回改良済みになっておるものをもう一回手直しをしなければならぬところが出たのか出ないのかということになる。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 従来五・五メートルのところは、再改良の必要を生じたわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 再改良を生じたキロ数はどのくらいになりますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 手元に三十二年度の改良延長を持っておりませんが、その延長がその再改良を必要とする延長になるわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 これは大臣の方にお尋ねしますが、昨年出ました道路整備十カ年計画です。これは、道路整備何カ年計画というのは、この前も道路整備三カ年計画があった。三カ年計画が済まないうちに、二カ年目かに十カ年計画を出して、今度は一年済んだときにまた五カ年計画が出てきたので、たびたび計画年度が変ってくるわけです。ところが、昨年の道路整備十カ年計画というものは一応の目途があった。それは少くとも一級国道だけは百パーセント改良してしまうという計画が出ておった。今年の五カ年計画は、これは目標としては、一級国道を全部改良してしまうという意味で出したのか、どういう意味ですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 道路に関する整備計画が漸次年々変ってきておることは事実でございますが、これは、御承知のように、日本の道路の利用が著しく増大して参りまして、従来の一般的な想定以上に道路に対する需要が多くなっておるということも事実である。また、現在の道路状況では非常に事故が起って、これはとうていこのままではいけないという一つの事故からきておる方面と、それから需要の方面と、両方からきておるところの状況で、急速にこれは計画を変更しなければならないということで、こういう状況になっておると思います。そこで、先般私が就任後間もなく世に問うたところの道路十カ年計画は、御承知のように、一級国道は十カ年間に全部改良舗装する、橋梁は全部永久橋にする、二級国道は大体橋は全部永久橋にする、それから改良は全部加えまして、舗装は人家連担地区全部やる、地方道路は大体二級国道並み、こういうことで九千億、こう算定したわけであります。ところが、現在政府の長期計画はすべて五カ年計画でみなやっておりますので、これと歩調を合せるために、道路五カ年計画ということにし、特別会計を設けてやるということにしたわけであります。従いまして、道路十カ年計画のうちの前期五カ年、こういうふうに考えていただけばけっこうでございますが、しからば、その中において全体の投資額はどう考えておるかと申しますと、大体五カ年間で総投資額九千億と見ております。そのうち、一千九百億程度が地方単独工事、それから有料道路が千五百億、それで五千六百億程度が一般道路と、こういうふうに考えておるわけです。そのうち一級国道は大体五カ年間で七〇%程度をやる。他の言葉で申し上げるならば、七年間で一級国道は全部改良舗装する、こういう構想になっておるわけであります。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 たびたび変るということは、それは発展的に変っていくもので、かまいませんが、私は今度の五カ年計画はきわめてどうも——今大臣は前期五カ年計画だというようなことを言っていますが、五カ年計画に合せるといっても、年度というものはいろいろ違ってくると思うのです。これは、鉄道だったら、鉄道は五カ年計画を去年から実施して、ことしは第二年目に入っているわけです。何もことしになってあらためて五カ年に合わせる必要はない。もう去年に十カ年出したら、十カ年計画をやっていけば、別にあらためて五カ年計画なんて出さなくてもいいわけなんです。そこだけ出す。ところが、出してもそれはかまわぬ。本年のいわゆる道路整備というものが非常に重点施策の中にあげられておるから、いいわけなんですが、しかし、重点施策といっても何ほどの予算追加も出ていないのです。道路整備の重点施策ですが、昨年と比べて本年はどれだけの金目予算がふえたのか、これをはっきりしていただきたいと思います。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 予算額で昨年と比較して申し上げますと、昨年が五百二十三億四千七百万円で、昭和三十三年度は六百七十一億三千万円でございますので、比率をとりますと一・二八になり、二十八%の増であります。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 私は、その程度の重点施策のとり方というのでは、ごくわずかな、金目にしたら百億か百二、三十億程度のものじゃないかと思うのです。重点施策にするならば、重点施策という政治的なポイントと同時に、道路の整備は非常に急を要するというならば、もう少しの予算を追加しての話ならば話がわかるわけであります。しかし、昨年度よりも一つの自然増収的な予算のふくらみを見たくらいで重点施策などと言うのは、ちょっとおかしいくらいであります。私は、五カ年計画を新しく出したならば、十カ年でやるという計画を五カ年でやるというならばだいぶ話はわかる。ところが、そうでないのです。ただ、五カ年というのは、五という数字がとりやすいからとっただけで、ほんとうは七カ年計画の設計だ。十カ年を縮めて七カ年計画になっておるわけです。それを五カ年計画と、こういうような考え方で言っておると思うが、そのへんはどうなんです。いっそ七カ年計画で出した方がいいんじゃないですか。大臣、どうなんですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 小松君の御議論は御議論として、それは五カ年でやっても、十カ年でやっても、七カ年でも、とり方は幾らでもあるから、その方がいいじゃないかという御議論のようでありますが、私が先ほど申しましたのは、日本の大体の国力の限度ということと、それから、御承知のように道路を全面的に整備するためには、実は非常に土地収用という大きな問題がございます。それから技術的な面もございまするので、いろいろと検討いたしまして、私は十カ年計画なるものを立てたわけでございます。ところが、十カ年計画ということになりますると、すこし長期に過ぎる。そこで、総理は、これを全部五カ年間でやるというくらいのあれで一つ検討してみてはどうかということで、実際その立案をいたしてみました。そうすると、なにしろ、全国にわたって一級国道を全面改修するとともに、これとバランスをとった地方主要道路もやっていく、それからまた都市計画に基くところの都市街路もやっていくということになりますと、非常に膨大な事業量になるのでございます。しかも、これに関連いたしまして、土地収用も、非常に多くの人々の犠牲と申すか、協力を得なければなりません。従来の経験によりますと、これを三年なり五カ年でやるということは実際上非常に困難である。全体主義国家のようなところで、土地収用なんかは全然文句を言わせずに、国策決定だからすぐに無条件で取っちまうということができるならそれは別でありますけれども、そうでない限りはなかなか困難である。そこで、私は、やはり十カ年でこれはやらざるを得ない、こう見ておったのであります。しかし、それでもなお重点を指向していくとしますれば、前期五カ年、後期五カ年と分けまして、一級国道については前期五カ年に重点を入れていきまして、他の方は大体十カ年計画でやっていく、これが最も実際に合うことではないか、こういうことで案を作成したのでございまして、決して五カ年という言葉が格好がいいからという、それだけの理由ではございません。なおまた、御承知のように、岸内閣といたしましては、三十二年度を出発点として長期計画を立てまして、これが他の方面においてもすべて五カ年計画としていろいろ計画を進めておりますので、これと相関連して道路計画を立てることがより総合的であり実際的であると思って、さように決定した次第でございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 経済計画というものは、底がわからないから、ある一つのめど、先のとどまるところがわからないから、五年とかあるいは十年とか出てくると思うのです。少くとも今の経済の変動では五カ年がぎりぎりだと思うのです。ところが、道路整備、特に重点施策としての一級国道はどこまでも伸びやしない。鹿児島の突端から海の上に道路を広げるというわけにはいかない。大体九千二百キロくらいですけれども、改良工事をしていけば、これは九千台をちょっと出たくらいで縮まると思う。そうなれば、底が知れない、果てしのない経済計画と違う。道路計画というものは果てしがある。一級国道が延長三千キロなら三千キロという一つのはっきりした目標が、三年前、五年前からあるわけなんです。この果てしの知れたものをつかまえて計画年度を作ろうとするならば——最初からその全般をつかまえて計画年度に入れないで、そのうちのここまであるものをここまでつかまえて計画年度を作るという考え方は、計画にあてがったもので、これはあてがい扶持の五カ年計画である。そうでしょう。経済五カ年計画と道路整備の五カ年計画というのは違う。道路整備というのは、少くとも重点施策に取り上げた一級国道なら一級国道というものをつかまえて、それを何年問にやるか、十年にやるか五年にやるか七年にやるか、そこに初めて七カ年計画ができ、五カ年計画が出てこなくちゃならぬ。それを中途半端に五カ年計画を立てるということは私は立て方が間違っていると思う。今言ったように中途半端にとっている。語るに落ちたのです。実際は岸さんが五カ年にしたらどうか、政治的に、十カ年というのは何だか気が長いようであるから、五カ年にしようじゃないか。ところが、一級国道国道全部をつかまえて五カ年にすれば、えらい金が要る。それなら中途半端に七割くらいにとどめて五カ年でやれ。こういうような政治的な五カ年計画というものは、つかまえようがほんとうは間違っておると思う。これは政治的にはいいかもしれませんけれども、先の見えた道路計画のつかまえ方としてはおかしいのじゃないか。特に道路整備というものを重点施策にあげておる岸内閣が、中途半端なものを計画したとしか考えられない。全部先の見えておるものを、あそこまでは金がないから、行けないから、ここまで計画しよう。少くとも計画はもうあと三割は向うに行くのでしょう。そうなれば、もうあと三割を含めた計画を立てるのが当りまえなんです。そう思いませんか、建設大臣。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 先ほども申しましたように、私の方としては道路十カ年計画を立てておるわけなんです。それを、これはすでに新聞でも各方面に私が発表したごとくに、前期五カ年、後期五カ年の二つに分けて実施するということも、すでに私が自分の構想として申し上げておるところでございます。ところで、今回の五カ年計画は、私の考えておる全体の十カ年計画の前期五カ年をやる、しかし、そのうち特に一級国道だけはスピード・アップをしてやっていく、その結果、十カ年でやるべきところを七カ年にやるという結論になるだけでありまして、そこは小松さんと私の考え方の違いでございます。特に、日本の道路なんかでも、端的に申すならば、この現在のわれわれの構想で果していいかどうか、私も実は疑問でございます。日本の現在の経済の発展の速度と自動車需要の状況は、これはすでに御承知のように、二十九年度に立てました整備計画が、実施わずか一年そこそこで全面的に改訂をしなければならぬというほどの日本の陸上輸送の需要増でございます。こういう観点からいたしまして、われわれは従来の計画より相当思い切った幅の増強計画を立てておるのでありますが、これでも果して間に合うかどうかもわからない現状でございます。たとえば、京都から大阪に参る、いわゆる京阪道路にいたしましても、当初作ったときにはとうてい使い切れないと思ったところが、現在ではあの通りの錯綜の状況で、第二の京阪を作りましても、これも直ちに隘路となっておる状況、こういう点からいたしまして、私は道路の状況はいま少し情勢を見なければならぬと思っておりますが、そういう観点からもいたしまして、あなたは、道路については重点を入れた入れたというけれども、大したことはないと言われますけれども、われわれといたしましては、そのために特別会計を設けまして、通常のガソリン税にとどまらず、経済情勢の好転によりましては一般借り入れまでをして重点を施行しよう、こういうふうに考えておるのでございまして、社会党の新政策において、今度の組みかえ予算その他でどのように道路に重点を入れられるかわかりませんけれども、われわれといたしましては、現在の財政状況から見るならば、かなりの重点を入れているつもりでございます。しかし、国全体の予算状況からすれば、道路だけをやって他の方を犠牲にするわけにもいきませんから、まあこの程度を第一年度としては、御了承いただいて、日本経済の発展とともに漸次増大して参りたいと考えておる次第でございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 今言うたので大体五カ年計画の配分が出たようであるのですが、これは今道路局の方で配分はしておるかと思いますが、二級国道、主要道路は大体十カ年計画の前期五カ年計画で今までの進捗度合いと合せていく、一級国道だけオーバー分を継ぎ足していくのだというような言い方をされた。大体配分計画はそういうようにやっていますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 新しい五カ年計画はまだ確定いたしておらぬのでございますが、私どもの構想では、一級国道はさっき大臣が申されたようなことで計画いたしておりますが、二級国道以下につきましては、三十二年度に比べて相当。ピッチを上げていくつもりでおります。大体五カ年計画をならして考えますと、三十二年度の六〇%増しくらいになっていくつもりでございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 そうすると、大臣は前記五カ年計画で、普通のは大体今までの計画年度を追うていくが、一級国道だけは計画をオーバーして七割程度の進捗を見ていくのだと言ったけれども、二級国道あるいは中央主要道路はその割で計画年度を追うていっていない。オーバーするといっても六割程度。そうなると、どうも五カ年計画なんというのはただ単に世間にアッピールするための五カ年計画にしかすぎないで、ほんとうは十カ年計画なりあるいは七カ年計画の方が、数字と技術的に見たやり方ではそれよりはっきりするのではないか。何か世間にえらい短時間に早くやるのだという印象を与える点ではいいかもしれないけれども、あまり五カ年計画というのがぴんとこない。やはり、十カ年計画なり、もっと仕事に合せて、計画は計画だ、仕事は仕事なんだというようなことでなしにやはり計画は立ててもらった方がいいのではないか、こういうふうに思いますが、これは見解の相違でございますから仕方ありません。要するに、どうも岸さんの政策は、ごまかしと言っては変ですけれども、必要以上に国民に計画をさももったいぶって見せびらかして、しかも内容は計画通りにいっていない。その一つの現われがこれだと言っているのです、私の言っているのは。経済計画にしてもそうなんです。経済五カ年計画を出したけれども、予算上は経済企画庁から出したその通りにはさっぱりいっていない。建設省の五カ年計画も、つじつまをあとから合せていくような五カ年計画である、ごう言っているわけです。まあ幾分批判をしているわけです。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 小松君に申し上げます。申し合せの時間が参りましたので結論にお入り願います。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 結論はありません。今のが結論でございます。  道路問題はそれくらいにして、あとはダムのことをちょっと聞きますが、建設省では河川総合開発のダムをやっておるし、またダム特別会計でもダムをやっておる。この場合農業の灌漑用水を引いたり、あるいは治山治水あるいは遊水のためのダムなら、それはそれでいいけれども、大てい電力関係に援引されておる。そうした場合に、工事勘定なり、あるいは、具体的に言えば、一つの総合開発によってこしらえたそこのダムから電気を起す場合に、それは地方公共団体にやらせる場合も、あるいは九電気会社にやらせる場合もあろうと思うが、そうした場合の事業資金あるいはその契約というのはどういうようになっているのか、お知らせ願いたい。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 仰せのごとく多目的ダムをやっておりますが、そのうち治水の問題は私どもの多目的ダムにはほとんど全部が入っております。灌漑のものがそのほかに入っておるものがございますが、そのダムを利用いたしまして電気を起そうという計画もほとんど加味されておるわけでございまして、お説のように、電気を起す事業主体は県がやります場合が大部分でございまして、電力会社あるいは電源開発会社等がやっておる場合がございます。その資金は、県がやります場合には地方債で電力債を起しましてその借り入れを行います。それから、電力会社あるいは電源開発会社におきましては、それぞれ会社におきまして資金を調達いたしまして出すわけでございます。建設省の行いまする直轄ダムは多目的ダム法によっておりますが、それによってやる場合におきましては、電力会社あるいは県等が出しまする資金は特別会計の負担金といたしまして国庫に納めるわけでございます。それから、それ以外のダム法によらないダムにおきましては、電気事業者からダムを作っておりますものが委託の契約を受けましてその工事をやりますが、電気の負担分につきましては電気事業者が支払いをする委託の関係であります。建設省の直轄でやっておりますダムにつきましては、特別会計に負担金ということで納入いたしまして、国がその納入した資金を自分の金として使っております。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 委託の場合でなしに、たとえば、具体的に言った場合に、県自身で公営事業として総合開発の補助をとってやる。その場合は県が自分で一切まるがかえでやるわけですね。その場合と、建設省が直営で、ダムをこしらえた、けれども、それから先の電気の問題は自分でやらないのだから他の方に出す、その場合には、県としては自分で公共事業としてやるよりも、建設省がやったダム工事にあと乗っかかって、自分があともらってやった方が都合がいいことがあるわけです。そうした場合に、建設省と県なら県あるいは事業体とのダム工事、いわゆるダムの建設に関する費用の割り振りはどうなっておりますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 ダム工事の費用を各事業がどういうふうに分担しているかということでございますが、それは、建設省がやっております多目的ダムでありましても、あるいは地方の公共団体がやっておりまして国から補助は受けておりますけれども地方公共団体のやっておる事業におきましても、費用の分担は同じ方式でやっております。従いまして、国がやる分におきましても、あるいは地方公共団体がやりますダムにおきましても、電気等の事業の負担につきましては全然同じ方式を行なっておりまして、いずれが得であるというようなことは全然ないわけでございまして、県がやります場合にも河川管理者といたしましてダムを作りますけれども、片方の立場、電気事業者としての負担を出すわけでございまして、電力会社が出す場合におきましても、県が事業者として出す場合におきましても、いずれも政令の規定するところによりましてその負担の方式が規定されております。それによっておりまして、いずれに甲乙があるわけではございません。同じ方式でやっております。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 それから、筑後川の河川改修の問題ですが、これは流量の調整ダムだろうと思いますが、それの計画がどのように進められておるか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 筑後川につきましては昭和二十八年に大災害が起きまして、その災害にかんがみまして計画を検討いたしたわけでございます。その以前におきましては、上流の砂防工事、それから下流の河川改修工事をもってこの普通治水工事の全般といたしたわけでございますが、二十八年の出水等をいろいろ検討いたしますると、こういう出水は今後も非常にあり得るケースであるということになりまして、下流の河川改修のみによってはこれを完全に治めることができない、どうしても上流におきまして洪水を調節するダムが必要であるということに相なりまして、上流をくまなく調べたわけでございます。そうして、目下その案といたしましては、大きなダムを支流に作りまして、大きなダムだけで調節する方法、あるいは小さなダムを数カ所作りまして調節する方法等、いろいろ検討されたのでございますが、大きなダムを作りますると、非常に補償金あるいは土地のつぶれることが大きいのでございますので、できるだけ小さいダムを数いたしまして、それによろうという方向に進んでおります。従いまして、目下のところ、四、五カ所の候補地点がございます。そして、そのうちで非常に可能性の多いものにつきまして、従来も調査をやっておったわけでございますが、来年度におきましては、松原というところにダムを一つ実地調査をやってみようということに相なりまして、特別会計におきまして松原のダムを来年度は実地調査をいたそうということに相なっております。そのほかのダムにつきましては、今後まだ多少の検討をいたさなければならぬ分が残っておりますので、逐次よく調査をいたしまして計画を決定していきたいというふうに考えております。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 筑後川の有明海に臨む流量の過大であるということはしばしば論ぜられておりますが、今の建設省の計画によりますと、筑後川の流量調整を、大体今のところ夜明ダムと今度新たに、今松原と言われましたけれども、大山川を中心に調節しようと考えておると思うのですが、あの筑後川の流量調整を支流の大山川——大山川というのはごく支流でございます。その大山川一カ所でほとんど——玖珠川というのは地盤が弱いから、これはダム建設も実はできないのですが、いわゆるこの大山川だけをもってあの膨大な筑後川の河川流量調整というものが果してできるかどうか。もっと悪く言うならば、何かしらんダムを作るためにダムを作るのだ、口では流量調整だと言っているけれども、支流である大山川に一つにかかえられておるような感じが、今のところの計画はするわけです。これはどうなのですか。筑後川全体の流量調整というものを大山川だけで調整ができるものかどうか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 先ほどもお話申し上げましたように、一河川だけで調節いたしますると、その河川に雨が降らないで他の河川に雨が降ったというような場合には調整できないというのは仰せの通りでございます。従いまして、私どもといたしましては、筑後川の河川流量を支配するような大きな河川につきましては、できるだけダムをほしいわけでございますが、今お話がございましたように、玖珠川筋におきましては非常に適地が少いので苦心しておるわけでございます。だからといいまして、大山川の一カ所だけで十分な調節ができるかどうかということは問題であるのでございまして、大山川の松原を申し上げましたが、大山川につきましてもさらにほかのダム、玖珠川につきましても小規模でもいいからできるでけダムを作って、下流の流量を調節したいというふうに考えておるわけでございまして、ダムを作ってもなおかつ調整できないようなものにつきましては、どうしても下流部分で処置しなければならぬということに相なるわけでございます。もちろん、全流量を上流のダムで調節するわけではございませんで、できるだけ上流で調節させていただきまして、下流におきましてもそれに応じた改修を行いまして、洪水対策の万全を期したい、こういうふうに考えております。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 申し合せの時間が過ぎましたから、簡単に願います。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 最近はダムと同時に公園化するというような雰囲気が全国的に出ている。ダムを作って、国立公園とまではいかないとしても、地方の公園化するような傾向があるが、こういうことは建設省としてどう考えておるのか。今言うた大山川の松原ダムにしても、上に杖立温泉という温泉場がある。今の場合、温泉場から遊覧船を出してダム工事を遊覧化そうという計画すらできておるのでありますが、建設省がどの程度工事を考えておるか知らないが、地方では、まるで温泉とダムと遊覧地というような、本質の河川流量の調整ということをはずれて、物見遊山のダムなりあるいは遊び場のダムというふうに持っていこうとするような傾向があるのですが、そういうことは建設省としてはどういうふうな考え方になっておりますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 先ほども申し上げましたように、洪水が非常に増加いたしまして困っておりまする河川の上流に、ダムを築造いたしておるわけでございまして、ほかの目的を持っておるところを優先的にやっておるとか、あるいはそれを考えてやっておるというようなことは決してないわけでございまして、洪水処理の対策上どうしてもやむを得ない地点にダムを計画いたしまして、これは土地もつぶれることでありますし、住んでおる方には非常に御迷惑をかける話でございますので、下流に非常に大きな被害が起きて困る河川に対しまして、どうしてもやらなければならぬ地点を計画するわけでございまして、決して副次的効果等をねらっておるわけではございません。そんな点をねらっておるといたしますると、土地のつぶれる方々に対してわれわれといたしましては申しわけがつかないというふうに考えておる次第でございます。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 築後川の河川調整の問題については、まだありますけれども、それくらいで終ります。  もう一つ、いろいろ最近は国家的な建築なりあるいは大きな橋梁なりというものがかけられておるが、建設省としては、工事監督というものはどのようにやっておるのか。たとえば、東海村の原子力研究所の建設工事にかかっては、相当ずさんな工事がやられておるということが現実ですが、これに対しては建設省が所管して監督しておるのじゃないですか。

櫻井良雄建設事務官(営繕局長)

○櫻井政府委員 東海村の工事につきましては、建設省としましては設計監督に関与いたしておりません。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 私が聞いておるところによりますと、東京のいわゆる関東建設局ですか、これが工事監督をやったというように聞いておるのですが……。

櫻井良雄建設事務官(営繕局長)

○櫻井政府委員 関東地方建設局のことかと存じますけれども、東海村の原子力の工事につきましては一切関与いたしておりません。原子力研究所の建設工事でございますが、関与いたしておりません。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 建設省は関係なしですね。それははっきりしておきますが、私の聞いたのは東京建設局が関係があるということを聞いておるのですが、ありませんか。

櫻井良雄建設事務官(営繕局長)

○櫻井政府委員 ございません。

小松幹日本社会党

○小松(幹)分科員 それでは終ります。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 上林山榮吉君。

上林山榮吉自由民主党

○上林山分科員 これは運輸大臣にも私が強く要望しておいたのでありますから、建設大臣もよく聞いて積極的に善処してもらいたいと思うのであります。  行政の盲点とでもいいましょうか、運輸省と建設省で交通事故防止の立場から踏み切りの共同の負担部分をきめて工事を進めていこうとする問題です。今日交通事故が非常に大きな問題になっておることは御承知の通りでありますが、そのうちでも、一番事故の分量の多いのは汽車の踏み切り、いわゆる建設省所管と運輸省所管の踏み切りが一番事故が多いところなんです。ところが、先ほど言ったように、これは運輸省がやるだろう、あるいは建設省がやるだろう、こういうことで、とかく工事がおくれがちであった。しかし、去年あたりから世論がやかましいものだから、建設省でも運輸省でも話し合いを進めて、ぼつぼつではあるが一つでも建設を急いでいこうとする気配が見えてきたことは、私は非常にいいことだと思うのです。しかし、運輸省にも聞いたのですが、運輸省と建設省との間に工事をする個所の話し合いがついておらぬ。これは私はまことに遺憾だと思うのですが、三十二年度あるいは三十三年度には計画があるようでございますが、こういう問題は、まず全国で何個所工事をやったらいいか。踏み切りの平面の改修あるいは立体交差、こういうようなものを全国で何個所早くやらなきゃならぬところがあるかということをまずきめて、あるいは五カ年計画なり、それこそ十カ年計画なりでこれを解消するという根本的な方針をお立てにならなきゃならぬのではないか。残念ながら、ただいまのところでは、はっきりとした年度計画ができておらぬ。ようやく三十二年度でちょっとやった。三十三年度またちょっとやろう、こういう程度の話し合いだと私は聞いておるのでありますが、こういう状況であるのか。それから、建設省のいう工事個所と運輸省のいうのとが違うのですが、その辺の事情、数字について、できるならばお示しを願いたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 お話のように、道路で最も事故の多いのは踏み切りがその一つでございます。踏み切りの除去につきましては、従来計画的に進めておるのでございますが、現在道路法上の道路と国鉄、私鉄、軌道との踏み切り個所は約九千四百個所あります。このうち立体交差にした分が千九百個所でございますので、まだ七千五百個所が平面交差になっておるわけでございます。この七千五百個所を今後立体交差あるいは道路のつけかえ等で踏み切りをなくしていきたい考えでございますが、今度の五カ年計画には、踏み切りにつきましても計画いたしておりまして、一級国道につきましては七年で全部できるのでございますが、これは特別なものは除きます。たとえば、鉄道が立体になるというような計画があるのごがざいますし、また非常に運転回数が少いというようなものがございますので、こういう特別なものを除きましては、一級国道につきましてはこの七カ年の間に全部立体交差にいたしたい考えでございます。  それから、二級国道以下でございますが、これにつきましては、やはり交通量の多い道路、また鉄道の踏み切りで一日の遮断時間が多いというようなものは、この五カ年計画では立体交差にするように持っていきたい考えでございますが、従来鉄道との間に問題のありましたのは、この交差を実施し、また踏み切りを除去いたします際の費用の分担についてでございますが、これにつきましても協定が妥結する段階にございますので、費用の分担につきましては近く解決できるので、円満に事業の執行ができるように考えております。  そこで、この五カ年計画でどのくらいの踏み切りをなくするか、あるいは立体交差にするかということでございますが、まだこれは確定いたしておりませんけれども、大体一級国道で六百数十個所は改良いたしたい考えでおります。また、二級国道以下につきましても、基準をきめまして、交通量の多い、遮断時間の多いところを改良いたす考えでございますが、今のところまだはっきり数は出ておりませんけれども、先ほど申し上げましたような基準で選びまして、それを五カ年計画において改良いたしたい考えでおります。

上林山榮吉自由民主党

○上林山分科員 この問題は、派手な仕事ではないけれども、積極的にやらなければならぬ仕事だと私は思うのです。今概略局長からお話がありましたが、そういうような程度では私はいかぬと思うが、同時に、私が分科会で運輸省にこの問題についてお尋ねをしたところが、建設省とまだ工事の個所の数あるいはその他の問題について話し合いが十分にできていない、建設省のいう数字とわれわれが希望する数字と非常に違うんだ、こういう答弁があったのです。同じ政府部内において、それぞれの多少の立場はあっても、交通事故の防止というような点から、ぜひともこういう行政の盲点になっておるところを積極的に話し合われて、これを一級国道は五カ年なら五カ年、あるいは二級国道は七カ年なら七カ年、あるいは県道は十カ年なら十カ年というところまで、ほんとうの計画を立てて、立体交差あるいは道路のつけかえ等をお考えになって、それこそ積極的に交通事故の防止というところに、あなた方が道路に関する限りにおいては一つ中心になって、運輸省その他の関係方面と話を進めて、この問題の解決をはからなければならぬと私は思うのです。これは、一つのりっぱな二級国道なりあるいは一級国道の改良、舗装も大事ですけれども、私は、それと同時に、あるいは場合によってはそれより以上にこうしたような盲点になっておるところを手直ししていくということが、国民に対するかゆいところに手の届く行政だ、こういうふうに思うのです。これは根本的な大きな立場からいろいろなことを考えるのは当然のことではありますが、これもその一つに入れるくらいの考えで一つ進んでいかなければ、まあ派手ではないからできる程度にやっておけばよかろうというのじゃ、私はいけぬのじゃなかろうかという考えで、分科会ではこの問題だけでも一つ通してみたいという情熱を持って、私は交通事故防止の立場からこの問題を提案しておるわけですから、これ以上追及ももちろん申し上げませんが、一つ計画を——今お聞きしましてもまだ話がととのわぬ部分がある、まあ負担部分なんかについても大体ととのうだろうがまだきまっていない、こういうことでは私はまことに遺憾であると考えるのでありますから、一つ特に御努力を願いたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 今上林山さんから言われた点は非常に重要な問題でございまして、実は、道路十カ年計画、従ってその一番の初年度である今度の五カ年計画にもこの点は十分に技術当局をして検討せしめておるわけであります。というのは、御承知のように、鉄道と道路との交差が従来はそれほど苦にならなかったようでありますけれども、非常にスピード化したいということと、長距離輸送が多くなったということのために、これは事故防止と同時に非常に時間的にむだをしておるということで、そのために、一級国道については原則として平面交差をなくする、立体交差もしくは今までの路線を変えてまで交差をなくする、こういう方向で実は計画はさせておりますが、この計画と鉄道の計画と必ずしも今意見が一致しない点がある、これは御指摘の通りです。従いまして、これはこちらだけではいけませんので、一応今度の五カ年計画の総事業量並びに構想ができますれば、それに基きまして具体的に鉄道当局と連絡させるつもりでございまして、現在のところは御指摘の通りまだ完全でございませんけれども、その方針に従って早急に具体的な緻密な計画を立てるように努力したいと思います。

上林山榮吉自由民主党

○上林山分科員 この問題については、先ほど申し上げた通り、運輸大臣にも強く私は要望いたしておきましたから、建設大臣の今のお答えの通り、積極的に連絡の上、はっきりと一つ御計画を立ててもらいたいと要望いたしておきます。  次に私がお聞きしたいことは、これは六年くらい前だったか、建設委員会において私が提案をした問題でございましたが、その後自動車駐車場法というものが最近できまして、幾らか前進をしたようでございますけれども、当時私が提案いたしました趣旨とはまだまだはるかに離れておりますので、この際再び認識を喚起をいたして善処を願いたいと思う点がございます。それは何であるかといいますと、大きなビルディングなどを大都市方面で作る場合は、その建坪に応じて自動車の駐車場を法律によって義務づけよ、こういう提案をしたのであります。六年前でありますが、ようやく昨年自動車駐車場法というものができて、微温的な法律ができているようでありますが、あの法律では決して万全を期したものではない。特に自動車はもっとふえるし、しかもビルはどしどし狭いところに建てられております。おりますが、この建坪に応じて、たとえば地下なり屋上なりあるいは広場なり、どこでもスペースの取れることはけっこうでありますが、これに建坪に応じていわゆる自動車の置き場というものを義務づけていないという点は、これは、私は、近代都市を作っていく都市計画としても、交通事故防止の点から考えても、思い切って——これは多少の障害はあると思います。抵抗があると思う。ことに大都会は土一升金一升という所でありますから多少の抵抗はあるかもしれないけれども、しかし、十年後、二十年後を考える場合に、私はこの際思い切ってもっと積極的な立法処置を政府はとるべきであると思う。これを、建設大臣、あなた思い切ってやられても、後世史家は決してあなたを非難いたしません。こういう意味において私はこの問題を熱心に主張している一人でありますが、この点をどういうふうにお考えになっておりますか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘の点はまことに重要な問題でございまして、その意味におきまして、実は条例でこれを義務づけることができるようにしているわけであります。その点は非常にある意味において微温的だと言われるわけでありまするが、御承知のように、この問題は首都圏の方でも十分検討させ、あるいはまた都市計画法においてもこれを検討させ、あるいはまた一面におきましては建築基準法にも関係することだと思っております。そういうことで今事務当局において非常に慎重に研究させているのでありまするが、何しろこれは従来の都市行政上から非常に画期的な措置をやらなければいけませんので、いまだ検討中でございます。現在は、御承知のように、大都市がますます都市集中されると同時に、自動車の増加の率が非常に大きくなっている。そこで、これから建てるものについてはある程度までそういうような規制もやや可能でありまするが、既存のものについて現状のまま許しておいて、これからのものだけを規制するということについて法律上いろいろの疑義があるようです。従いまして、これを実施するということになりますれば、どうしても既存のビルについてもそういうものを義務づけるということになりますと、かなり研究を要すべき点がございますので、いましばらくの研究の時間を許してほしいと思っています。これは、従来建ててある建物について新たなる法律のもとに一つの施設を義務づけるということが、かなり法律上にも問題があるようでございますので、そのために実はやむを得ず、微温的な措置でありますが、駐車場法によって駐車場を作ることによって、そのある意味における緩和をはかっておる状況でありまして、これは十分検討いたしたいと思っています。

上林山榮吉自由民主党

○上林山分科員 建設大臣は近ごろ建設大臣になられたのですから、事務当局の話を聞いて御答弁になる以外に方法はなかろうと思うし、またおっしゃるように相当研究の時間も必要であるということを承知いたしておりますが、すでに私は建設当局に対しては六年前にこれを提案をいたしたのです。交通事故は、大臣も御承知の通り、昨年の一月から十二月までを調査してみますと、全国で十四万数千件事故が起っておる。そのうちで死傷者が十三万数千ですよ。これは一つの国と国との衝突の起った事件に匹敵する以上の大きな損害を国民に与えておるわけなんですね。その一番大きな交通事故は、何といっても自動車事故なんです。また、そのうちの大部分は、六大都市——東京都、大阪などがその冠たるものであるわけなんで、だから、私は、相当研究をされるという点は了承いたしますけれども、決して、建築法やその他の法律の立場から見て、義務づけるということが憲法上違法であるとは考えていない。その辺の事情も私は少しばかり調べたのでありますが、決してそうじゃない。それならば、建築法において、こうしなければならぬ、ああしなければならぬといういろいろな設備その他をきめてありますが、これも、自分が勝手に家を作るのだから、そういう規制をされるのは困るということになってくるわけです。それと同じで、それより以上にこれは人命、財産の尊重の上から、国民の立場から考えて、大きな問題だと思う。しかも大きなビルを作る人は資金的にも相当余裕のある人なんです。また、経済的に考えた場合にも、これは長い間には非常に利益になってくると思うのです。そういうことを考えると、この問題は一つ大臣の在任中の一つの事業としてこれを取り上げて立法化するところまでお進みにならなければならぬのじゃないか、こう思うのです。アメリカなどは、御承知の通りに、ハイ・ウエイを作るために、いわゆるフリー・ウエイを作るために、角にある鉄筋の建物をぶちこわしてでも、道路の改修あるいは自動車の置き場というものについては非常に神経過敏であります。世界の自動車をたくさん持っておる国が、どこも行き詰まって、今根本的な対策を思い切って立てておるのですよ。だから、そういうような立場から考えて、それこそ、義務づけることはいろいろ影響があるから一つ研究させて下さいという程度じゃ、この問題は私は引き下るわけにはいきません。これは政府においても御研究されると同時に、われわれの方でももっと積極的にこの問題を推進していきたい、こういうふうに考えておりますから、そのおつもりで一つ御努力をしていただきたいと、私は真剣に申し上げておきます。  事務当局にお伺いしますが、自動車駐車場法は、政令によって地方団体ができるようにしてあるから、幾らか助かるだろう、こうおっしゃっていますが、私の調べたところでは、これはあってもなくてもいい程度なんです。それならば、その焼車場法で具体的に今どこがどの程度のことをやっておりますか。

町田稔建設事務官(計画局長)

○町田政府委員 ただいまお尋ねのございました大都市の建築物に駐車施設を付置することを義務づける件でございますが、これは、先刻大臣からお答え申し上げましたように、今回前国会で制定されました駐車場法が二月一日から実施になっておりますので、二月一日からは地方公共団体におきまして条例を定めてこれを義務づけることができるようになっております。この根拠法規に基きまして、東京都におきましては、現在諸外国の事例等をもいろいろ参考にいたしまして、条例の内容を検討いたしております。それによりまして、何坪以上についてはどういう駐車スペースを必要とするか、しかもその建物の性質が、百貨店の場合にはどうだとか、事務所の場合にはどうだとか、一々詳細に規定をする必要がございますので、諸外国の先例等をも参考にいたしまして検討いたしております。まず第一にこの条例が制定されて動き出すのは、現在のところ東京だと思っておりますが、その東京の条例を模範条例といたしまして、漸次他の大都市、五大都市等にも及ぼしていきたい、こういうように考えております。

上林山榮吉自由民主党

○上林山分科員 大きな建物ないしはビルを作る場合に、自動車の相当数を入れるスペースを義務づけなければならぬという一方、もう一つ、これが根本的な対策としては、日比谷公園の地下あるいは芝公園ないしは上野公園等の地下、そうしたような地下に、公設でもいいし、あるいは会社でもいい、いずれにしても、思い切った二段、三段地下を掘るくらいの自動車置場を作ってほしい。こういうような計画を二十年後、三十年後を考えてあなた方が根本的にお建てにならないと、それこそ大きな問題で、にっちもさっちもいかないことになって、東京都は別に都市を作らなければならぬ、こういうような麻痺状態になってくるのですよ。もちろん日比谷公園の地下の自動車置場については相当の構想もあるようでございますが、この着工の時期あるいはその構想というものはどの程度のものであるか。あなた方が承知しておる程度のことをお話し願って、一つの意気を示してもらいたい、こういう意味で私は質問を申し上げます。

町田稔建設事務官(計画局長)

○町田政府委員 日比谷公園の下には道路公団が駐車場を設けることになりまして、現在すでに調査、それから事業の着手の準備等にかかっております。収容の台数は四百七十台を予定いたしております。それから、丸の内の新丸ビルと旧丸ビルの間の道路の下に駐車場を設けることになりまして、これは会社でございますが、現在すでに着工いたしております。台数は今ちょっと資料を持っておりませんからわかりませんが、数百台あります。現在大きな駐車場といたしまして進んでおりますのはその二カ所でございますが、それ以外に、八重州口のところ、その他車の非常に集まるところには、都市計画の決定といたしまして、駐車場の施設を徹底するようにいたしております。東京都その他が漸次これを着工していく段階になっております。

上林山榮吉自由民主党

○上林山分科員 この問題は根本的な問題でありますから、会社が立てようと、あるいは公共団体が、あるいは道路公団が立てようと、建設省としては都市計画というような立場から入念に連絡協調されまして、これが実現を一つでも多くしていく、こういう態勢を私は要望いたしておきます。最後に、これは建設大臣であると同時に国務大臣としてお聞きを願いたいと思います。これは運輸大臣にも私は強く要望申し上げておいた点でございますが、交通事故は先ほど申し上げた通りまことに惨たんたるものです。これを一部局や一つの団体だけにまかしておいては、交通事故の防止ということはできない。だから、私が政府に勧めたいことは、交通に関係のあるあらゆる政府機関が一つになりまして、たとえば運輸省、建設省、労働省、文部省、国家公安委員会、こうしたようなもので交通事故防止総本部というようなものを作って、あらゆる立場から交通事故をいかにして防止するかということです。これはもちろん国民の側においても交通事故に対するところの反省、自覚ということが必要でありますけれども、より以上に、政府が率先して内閣のうちに交通事故防止対策本部というぐらいのものを作って、それぞれ分れておるものを統合して、一大国民啓蒙運動を起すと同時に、それぞれの施策を講じなければならぬ。これは、運転手に対して労働強化をしておるなら労働省の問題にもなりましょう。道路が悪ければいわゆる建設省の問題にもなるでありましょう。あるいは酒を飲んだ者が運転しておるということになれば、これは公安委員会、警察の問題になるでありましょう。私は交通事故防止について実際アメリカを視察したことがあります。日本でもそのまねを一部やっておるようでございますが、アメリカでは、学童が踏み切りに旗を出して、それを自動車がスピードを出したならば、交通違反で直ちに検挙される。私はアメリカの弁護士と一緒に自動車を飛ばしてそこを踏み切ったところが、少しスピードが出ておっただけで、直ちに警察官からその弁護士は罰金をとられてしまった。だから、あの小学校の子供に、これは訓練を要することではありますけれども、軽い程度の警察権を与えておるということであります。それくらいに交通事故防止に対しては朝野をあげて一大運動を起し、その対策をとっておるのですよ。そういう意味で、先ほど申し上げるように、政府が統一機関を作って——火事が起ったといえば消防をしなければならぬ、交通事故が起ったといえば何とかしなければならぬ、そういうときだけ考えないで、恒久的にこれは一大運動を起し、あらゆる防止策を講ずる意味においての総本部を政府が作ってもらえないか、これだけ提案いたします。これはあなたの一存ではできますまいが、これくらいのことはやろうと思えばできます。これは何百億という金を要するのではない。やろうと思えばわずかの費用でできるのであります。国民の自覚、関係者の自覚がもちろん必要でございます。交通事故はなかなか滅びないとは思いますが、そうしたような意気込みを示してもらうことを提案して、一つ建設大臣の御答弁をわずらわして御奮闘を願いたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘になりました日本における交通事故による人命の損傷は、まことにこれは嘆かわしい次第でございまして、本日の新聞の論説にもこれが非常に大きく取り上げられておるということも、私は承知しております。この問題については、私、数次にわたりまして実は閣議において発言いたしたことがございます。それは、道路政策が運輸関係といろいろ問題があるのみならず、交通事故によるところの損害が、人的にも物的にも非常に大きくなり過ぎておる。しかも、これに対しまして、責任の所在が明確であるようで、これがはっきりしない。そういうことで実は交通関係閣僚会議の提唱を私はいたしておるわけであります。これは、もとより、交通計画、輸送計画というものが重点でありますが、同時に、御指摘になりました交通事故防止の意味においても必要であるということで提案いたしておりまして、経済企画庁長官もこれには非常な重大な関心を持たれまして、場合によってはこれは総理が主宰者となって、交通計画と同時に事故防止について抜本的な対策を講ずべきだということで、お互いに話し合っているわけでございまして、近くこの問題についてはさらに関係閣僚とも十分打ち合せの上善処したいと存じております。従来も、交通事故防止に関しましては、内閣官房が中心となって、警察とかいろいろやっておるようでありまするけれども、まだ十分その成果をあげてない。これは事実でございますので、御指摘の点はさらに十分に御意見を政府の施策として推進するように努力いたしたいと考えております。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 午前中はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。     午後零時五十七分休憩      ————◇—————     午後二時十九分開議

山本猛夫自由民主党

○山本主査 再開いたします。  質疑を続行いたします。田原春次君。

田原春次日本社会党

○田原分科員 私は関門国道トンネルの通行料の問題に限って質問をしてみたいと思います。  関門国道トンネルは十数年の工事の後に大体終りまして、三月九日には開通式ということになっておるわけであります。この世界に誇るべき大工事を完遂したことについては、われわれも喜ばしいことで、むしろ誇りにしておるわけであります。ただ、問題は、開通とともに徴収される料金の問題であります。料金の問題について、地元側の計算、それから、国道工事事務所の計算、並びに道路公団の最終的計算に大きな開きがある。今、この問題については、主として山口、福岡両県の商工会議所、それから、バス業者、トラック業者、タクシー業者、あるいは小型の自動車運送業者等が何度も会議をし、そして中央にも数回陳情に来ていることは建設大臣も御承知の通りであります。もちろんこれはどの党派という問題でなく、国会内においては超党派的にみな心配しているわけなんです。そこで、この機会に道路公団の総裁に聞きたいと思うのでありますが、事を明瞭にしてもらわぬ限りは地方は納得いかないので、どういう不測の状態になるかわからぬというふうに空気が険悪になっているわけです。それで、今日はこの問題に限って質問したいと思いますから、どうか率直にお答えになっていただきたいと思います。  第一に、公団の総裁にお尋ねしたいのですが、今までの経過、着工以来の監督官庁の指導、それから、かかった経費、並びに公団の予定しておる向う一年間の通行量——あるいは一カ月でもよろしい。それから車体別の料金等をまずここに明らかにしておいてもらいたいと思います。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 ただいまお話しの関門トンネルのことでございますが、大体昭和十四年から工事をやっておりますが、私の方が引き継いだのは三十一年の道路公団発足以来であります。そのときに昭和二十七年の道路特別措置法に国が使いました金並びにその金利を全部引き継いでおりまして、関門トンネルの総工費のうちから、つまり二十七年以降に償還の対象になるべき金が約五十七億ほどございます。これを簡単に大体六十億といたしますと、一年の金利が、初年度は四億三千万円、大体七分でございますが四億二千万ほどございます。それから、関門トンネルの通行に関しましては、トンネル内の換気装置、それからトンネル内の事故防止、それらの関係でいろいろな設備をしなければなりませんが、その一番大きな設備は換気装置でありまして、これに対してはベンチレーターを二十二台置いておりますが、その維持費、それから料金徴収その他の維持費が大体年額八千万から一億かかるだろうというふうに予想されております。従いまして、金利と維持費が大体五億それから償還を簡単に三十年としますと、大体年二億、利息はだんだん減ってきますが、大体七億くらいのものが年々要るわけでありまして、これをもし初年度大体二千台の交通量としますと、平均千円ということになります。ということになると、一日の通行料金が二百万円、つまり年額にしましてただいま申し上げたような七億程度になるわけであります。それで、われわれとしましては、今後の実施の状況を見まして、もし交通量が非常にふえましたならば料金はそれに応じて下げるように考えていきたいと思っております。もしこれが三千台通りますと、大体平均六百七、八十円ということになるわけであります。もちろんこれは二千台平均でありますから、あるいは車種によりまして事情が違うと存じますが、大体そういうことになるわけであります。

田原春次日本社会党

○田原分科員 今の数字は答弁としてはまことに大ざっぱでありまして、私たちがいただいた数字とはだいぶ違っておる。総裁は一日の通行量を二千台と見ると言っておりますが、道路公団から出ている数字では、一日に千八百八十二台で、百何台かの違いがある。一日百台といっても年には相当の額になる。建設省が関門国道工事事務所で学者などを呼んで調べたときには、一日三千五百台通るという計算で交通量等もはじき出しているわけです。ところが、運送業者に言わせると、近県でもあるし、石炭の輸送、野菜輸送、魚の輸送に、バス、観光バスもあるし、通勤通学のバスもあるので、四千百台と見ている。当初建設省の現場の計算では三千五百台と見ておったのを、何ゆえに最終案をきめる前にその半分以下の千八百八十二台に計算したかということが第一の疑問なんです。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 ただいま理解を早めるために非常にまるい数字を申し上げましたが、非常に詳細な数字が御必要でございますから、これにつきましては業務部長から詳細に御説明させます。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 まず工事費の点からお答え申し上げますが、関門トンネルの工事費は、例の取りつけの長府道路を含んで、正確には昭和十四年からかかっておりますので、物価の換算問題がありますから、八十一億三千九百八十一万何がしということになります。そのうち長府道路に投じました金が大体五億四千九百三十万ということになりますので、関門トンネルに投ぜられた金は七十五億九千万円余ということになります。そのうち、このたび償還の対象にいたします金は、昭和二十七年度以降建設省が資金運用部資金から借りておった金、及び道路公団が三十一年、三十二年の二カ年にわたって調達した資金であります。そこで、その額はそれから二十三億一千四百万月余を引いた額ということになるのであります。この二十三億何がしというのは、昭和十四年から昭和二十六年までの間、公共事業費あるいはこれに伴う山口、福岡両県の分担金、こういうものが入っているわけでありまして、このたびの償還計画の対象といたしましては、この二十三億一千四百万円余というものは計算いたさずにやっているわけであります。先ほど総裁が大体六百億くらいになると言われたことをもう少しこまかに申し上げればそういうことになるということであります。  次に、交通量についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、実は何分にも長い歴史を持つトンネルでありますだけに、いろいろたくさんの案が出ております。また、学者先生というお話もありましたが、その学者先生もいろいろな方面の方にお願いしておりますので、そのつど非常に多くの違った数字が出ておったことは事実であります。そこで、公団が一昨年の四月にできましてからは、従来のそういういろいろな資料を再検討いたすことになりまして、あらゆる資料を集めたわけであります。その資料の範囲は、まず一番大きな輸送脈をなしている国鉄、それから北九州と本州の間には非常に多くの機帆船の運航がございますので、その関係、それから、直接下関と門司の間には、御承知のフェリーボート等のこまかい定期船もありますので、そういったような関係、あるいは人口増加を見るために、下関、門司、八幡、小倉、戸畑、若松、こういったところの人口増加の趨勢、そういったようなあらゆる資料を事こまかに集めまして、それをわれわれが分析したわけであります。たとえば、国鉄の貨物の輸送総量及びそれの毎年の伸び、これらにつきましては、大体昭和二十三年度から二十九年度に至る実績が当時わかれておりましたので、その実績によりまして、さらにトンネル料金を幾らにきめた場合にはどの程度現在国鉄で輸送されるものが転換するであろうか、こういったような点につきましても十分検討をいたしたのであります。結論を申し上げますと、大体われわれの方で推定いたしますものは、たとえば、現在機帆船あるいは国鉄等で輸送しているものの中で大宗を占めておりますものが、石炭とかそういったようなものでありまして、これらは品物の性質によって十分こちらに転換して参らぬということがはっきりいたしております。そこで、現在大体国鉄の貨物は御承知の通り一等級から二等級、三等級という工合に大体十二等級に分れておるようでございますが、そういう各等級の品目の一つ一つにつきまして、こうなった場合にはこうなるであろう、たとえば三等級の貨物はかりにトンネルの料金がトン当り三百円という工合にきめられたような場合には三〇%しか転換しないであろう、しかしそれがかりに二百円に下るならばそれは三八%まで上るであろう、そういったようなこまかい検討をいたしたのであります。これらの検討に際しましては、私どもだけでは十分でないと思いますので、私の方でオペレーションズ・リサーチ、いわゆるOR委員会というのがございまして、日本の——日本と申しましても、大体東京に在住しておられる交通経済学の先生方がたくさんおられますので、その方々にもお願いいたしまして御調査を願ったのであります。現に、この先生方は、昨年の夏現地にも行きまして、現地のいろいろな人たちの御意見を聞いておるわけであります。そういう工合にいたしまして積算いたしますると、大体貨物の輸送トン数が初年度においては約六十万トンの貨物が運搬されるであろう。それから、この場合に四トン以上、つまり標準五トンと押えておりますが、五トン以上のトラックで輸送される分が八〇%、それから三輪等で輸送されるものが二〇%——これは、私の方で経営しております他の二十何道路について、しかも産業道路の色彩の強いものにウェートを置いて調べたいろいろな結果であります。それから、五トンといっても、まあ六トン積む場合もあれば四トンしか積まぬという場合もあるのでありますが、ここでまた大きく狂っては困るというので、大体積載量は八〇%、つまり平均すれば五トンの車でも四トンしか積まぬ、ということは交通量がそれだけふえることになるわけでありますが、そういう考え方をとる。それから、すべてのものが荷物を積んでおるわけではないので、片道輸送ということは十分考えなければいけません。そこで、関門の場合、たとえば片道輸送をいたしまして、片道は空で来るという場合が、これは今までの物資の交流状態から相当推定できます。そこで、大体四割は空室車がある、空車四割増という工合に推定したわけであります。それから、人間の移動につきましては、先ほど申しました現在の両県の人口、特にその沿道になりますところの関係の市町村の人口等を調べ、それから国鉄あるいはフェリーボート、それからあそこに渡しがあるわけであります。そういったようなものが運んでおる実績を把握いたしまして、それから適当な数字を割り出したのであります。その結果が、正確に申し上げれば、自動車は、この自動車という意味は三輪以上を意味しておりますが、これが大体千八百八十台、こういうことに相なっております。ただ、ここでいろいろ巷間誤解がありますので申し上げますが、今の交通量の千八百八十台は、今申しました三輪以上のものである。ところが、法律上の自動車という定義の中には、御承知のオートバイあるいは原動機つき自転車というものが入っておるのでありますが、それらの数は、人によって七百台と言い、八百台と言いということで、それを加えた数字と加えない数字で非常に表面上大きな差があるのでありますが、これはあとで御説明申し上げると思いますが、料金は二輪車と三輪以上では非常に違いますが、年の収入のトータルにおいては、どっちの数字をとっても大した変りはない、このようなことであります。

田原春次日本社会党

○田原分科員 今の説明員に聞きたいのですが、あなたの説明の中に、山口、福岡両県から分担金を出しておるということですが、それはどの県が幾ら出しておりますか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 正確な額を覚えておりませんが、二十六年まで建設省の直轄工事については道路法の規定によって分担金を出すということになっておりますが、今と率が違っておりますが、当時はおそらく三分の一くらいを分担しておったと思います。

田原春次日本社会党

○田原分科員 これは正確な数字を出してもらいたいと思うのです。ですから、だれか連絡して当時の分担金を出してもらいたい。  それはあとにして、総裁にお尋ねしますが、あなたの先ほどの説明の中に、償還を、年二億円として三十カ年間償還と言っておりますね。前にわれわれが説明を聞いたのは、二十年で返還するという説があり、また三十年から四年引いて二十六年で返還するという。二十六年と三十年とでは八億という額が違うことになるのですが、どっちが正確なのですか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 先ほど申しました通り、非常に計算をしやすい数字で申し上げたのでありまして、詳しい数字は今業務部長から話された通りであります。

田原春次日本社会党

○田原分科員 業務部長は償還年限のことは答弁していませんよ。三十カ年間償還か、それが問題なんだ。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 償還年限は、正確には二十六年になっております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 なぜ二十六年に限定したかという点ですね。二十六年間に返さなきゃならぬというのは、どういう根拠で出ておるのですか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 道路公団では、最初にどのくらいで償還すべきかということをいろいろ研究し、また議論もしたのでありまするが、大体は二十年でやるのが諸外国の例から見ましても一番よろしかろうというので、大体の道路は二十年ということにしておりますが、関門トンネルの場合は二十六年にしたわけであります。

田原春次日本社会党

○田原分科員 われわれの調査によりますと、同じく東京の交通経済学者あるいは技術者等の分析によれば、トンネルは九十年以上は心配要らないというのであります。従って、償還も、もし他の事情が許すならば、三十年以上、九十年の半分にしても四十五年ですが、四十五年くらいに分けて償還すべきものじゃないかと思うのですが、特にこれを二十六年にした根拠が私の方ではわからないのですが、建設大臣にその点は説明してもらいたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 関門トンネルの償還年限については、ただいま岸総裁が言われた通り二十六年になっておりますが、従来の道路、橋梁等はおおむね二十年で計算しております。今田原さんは専門の学者諸君が九十年もてると言われたということですが、全然その間において補修あるいは大幅な手入れをしなくてもいいということではなしに、ああいうような地下トンネルになりますと、どうしても二十年ごろには相当大幅の補修をしなければならない。こういう観点から、二十年ないし二十六年というふうに計算したと私は報告を受けております。技術的なことは私はよくわかりませんが、道路として使うことは、先ほどもいろいろ説明がありましたごとくに、非常に長大なトンネルで、しかも相当量のトラックあるいはバス等が出ますので、排気ガスが多い。従いまして、それに対するベンチレーションの設備が必要である。それから、鉄道と違いまして、錯綜した交通でありますので、事故防止のためのいろいろ施設が必要である。そういうような諸点からかんがみまして、二十六年程度で償還するとが技術的にもあるいはまたその後の管理の上においても適当であるとの判断のもとに二十六年の償還計画を立てたという報告を私は聞いております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 大臣は私の質問をごっちゃにして答えておりますが、前の道路公団の総裁の説明の中には、維持費一億円とある。償還費年五億円のほかに金利の償還が二億ある。これを三十年に分割するのと、二十六年のとある。われわれから見ればもっと長くていいだろうということなんです。維持費、改修費は私は質問しておりません。われわれの言うのはこの二億円の問題であって、もっと償還期間を長くすればそれだけ通行料金等も安くしていいのではないかということを聞いておる。償還を二十六年としたのはどういうわけか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 償還は、先ほど話したように、従来の有料道路においてはみんな二十年になっております。けれども、関門トンネルは相当の経費がかかっておるし、かつ、それを全面的に負担させるには相当料金が高くなり過ぎるというようないろいろの考慮から、従来はやっておりませんでしたけれども、二十六年程度の方が適当であるというふうに、関門トンネルの料金を前大臣の当時決定する場合に判断をしてやったものである、かように私は報告を受けておるわけであります。

田原春次日本社会党

○田原分科員 今のお答えの前大臣が決定したということなんですが、この点についてもう少しお尋ねしたい。道路通行料金を公団ではいつ建設省に申請したのですか。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 昨年の四月に申請して認可を得ております

田原春次日本社会党

○田原分科員 昨年の十二月に一般にこれが知れわたったので、地元の商工会議所連合会や運送業者等が非常に驚いて東京に陳情に来たのは今年の一月二十日なんです。一月二十日に集まって、その日の正午までの間建設大臣に代表者は面会をいたしました。そして料金を公表するそうであるがそれはどうだと言ったら、自分はまだ許可した覚えはないし、知らない。その席において昨年許可しましたということはだれも言わなかった。それから二、三日たって、在京のそれらの人々とともにまた会見いたしましたら、実は自分の就任前に申請があって許可したということだったそうですが、それはほんとうですか。いつごろ申請をし、前の大臣はいつこれを許可したか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 関門トンネルにつきましては、道路公団が国から引き継いで有料道路として建設したものでありますが、引き継ぎますときに、公団が国から引き継ぎましたものは一年以内に申請することになっているわけでありまして、昨年四月十日にその申請が出まして、認可いたしましたのは五月八日でございます。ただいまお話がございましたが、一月でございましたか地元関係の代議士の諸先生が大臣室にお見えになったことがあります。そのときにはこれが認可になったということを申し上げておりませんでした。実は、公団はそれで料金をきめたのございますが、引き続き再検討をいたしておりまして、その検討の結果さきにきめた料金を変更することがあるかもしれないということがありましたので、そのように申し上げたわけでございます。しかし、公団としましては、その後検討を進めた結果、初めにきめた料金が至当であるという結論に達した次第でございます。

田原春次日本社会党

○田原分科員 昨年十二月に地元が来た場合、道路公団総裁、副総裁その他幹部に会ったらしい。そのときは、ごもっともです、きめるときには考慮いたしましょうと言ったので、きまっていないと思って一月にやってきたら、最初のときに建設大臣は、自分は許可していないと言う。数日後に調べたら、それは昨年許可したという。そうしますと、道路公団が昨年四月に申請し、五月に許可をとっておったのに、地元から陳情に行ったとき何ゆえきまっておると言わなかったかということです。地元側では一日四千百台通行と見ておる。工事建設事務所では三千五百台と見、公団の力は最終的に千八百八十二台と見たというような数字の違いに対して、もしこれがほんとうに確信のある数字であるならば、なぜ一体公聴会も開かないか。道路公団法を見ると、別に料金をきめるのに公聴会を開けとは書いてないが、利用する者の納得する方法をなぜとらなかったか。この工事の着手に当って山口、福岡が相当の負担をしているのは、トンネルの完成を要望しているからである。しかるに、まるでだますような方法でこっそり申請しておいて、根本大臣に聞いたときは、おれは知らぬ、持って来たらそれからしようと言っておったのに、もう実は昨年やりましたという。なるほど、法律によるとこういう問題は建設省の監督することになっているけれども、いよいよ通行を開始すれば運輸省の所管になるので、なぜ運輸省に聞かないか。われわれ運輸省に聞いてみたところ、道路公団の技師が来まして話はしてみましたが、了承しておりませんと言う。だんだん調べてみると、別にこれは運輸省の許可を必要としないで、建設大臣だけできまるという。それは法律上の解釈であって、われわれ地元側から言うならば、両県に相当負担もさしている。いよいよ利用する段になれば遠距離の人も近距離の人もいる。最初の算定の数字を百二十万台と言い、公団では六十八万台にしぼっている。なぜそうしたかということを何ゆえ前もって知らせないか。道路公団がユダヤ人の商売のように利益ばかり考えているのは納得できない。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 料金の問題については、先ほど道路局長からお話のあった通りで、検討しておったわけでありますから、最終的のものがきまればそうしたいと思ってそのときに話をしたわけでありますが、われわれの方は、とにかくわれわれが借りてきた金を返さなければならぬ。それを返すために必要なすべての措置をとっておるわけでありまして、われわれは、お話しのように、もうけて配当するわけでもありませんし、また職員に賞与を出すわけでもないのでありまして、これは普通の会社と公団の違うところであります。そういう点は公団の設立の精神をよく御理解下されば十分わかると思います。

田原春次日本社会党

○田原分科員 それはもう当然のことを言っておるので、何も答弁にならぬと思う。ここに問題になるのは、道路整備特別措置法第三条第一項第二号にこういうことが書いてありますね。意味は、ほかに道路があった場合有料道路にすることができるということです。ところが、関門国道トンネルというのは、御承知のようにただ一本しかない。ほかに通路はありません。なるほど航送船はあるでしょう。しかし、航送船は間もなくやめるのです。非常に高い料金をとり、そうして二割も配当しておって、国道トンネルができるとともにこれはやめるのです。従って、国道というものは、他に代替道路があるという場合に料金を徴収できるという規定にはむしろ違反しておる。ああいう世紀の大事業であり、国際的な誇りである工事に対して高い料金をとるということに対しては、だれも納得しておらない。この点については私は第三条の第二号に違反していると思うのですが、どういう見解をとっておりますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 お話にございました道路整備特別措置法には、有料道路の要件の一つとして、「通常他に道路の通行又は利用の方法があって、当該道路の通行又は利用が余儀なくされるものでないこと。」というふうに規定されております。これは、道路というものは公共性がありますので無料公開を原則にしておるわけでありますが、みだりに現在ある道路を有料道路とすることを禁じた規定であると解釈しておるわけでございます。しかし、多くの道路の中には、在来交通手段のなかったところに道路を新設する、そういうことが起るわけでございますが、その場合に、地形、地勢等の関係で迂回路を設けられない、あるいはその交通の態様から考えて迂回路がなくても有料道路として整備することがやむを得ないと考えられる道路もあると思います。このような道路は、——法律には通常といっておりますが、この通常に対しまする特例として、有料道路として差しつかえないという解釈でございます。今後島と本土とをつなぐような橋なりトンネルができようかと思うのでありますが、こういったものは、迂回路はございませんけれども有料道路として採択するのが適当なものがあろうと存ずる次第であります。

田原春次日本社会党

○田原分科員 それはただ条文の法律的解釈にすぎないのであって、通常の道路というのはないことはわかりきっている。また今後何十年かかって国道トンネルを作るものではない。他に利用の方法があるというけれども、たとえば今ありまする船ですね。あれが廃業すれば、ないじゃないですか。これは理由にならないと思うのです。第一、料金をとることが不当だという地元の意見です。みなガソリン税も通行税も払っておる。福岡、山口両県は応分の寄付もしておる。ところが、福岡、山口両県に対しては何も通知はせずに、だまし討ちみたいに料金をきめる。そのきめる根拠はというと、ある者は三十年と言い、ある者は二十六年と言い、そうして、それらの通行量の見積りが、現地におった関門工事事務所の半分に見ておる。年間百二十万台通ると発表しておるのを、今度最終的には道路公団では六十八万台というのですが、これは半分でしょう。これを半分にした根拠は何もない。私はあげ足をとるわけではないが、建設大臣の関係予算の概要説明の中に、次に道路整備について申し上げますとある中に、道路輸送は飛躍的に増加しと言っている。非常にふえるというふうに見ておる。従って、下関まででとどまり、また門司から始まるものを飛躍的に見るならば、関門国道トンネルは必ず飛躍的な数字が予想されなければならぬ。それを、建設省の技官が見積った数字をことさらに半分に見積って料金の引き上げを策するということは、あまりにも採算本位である。これでは地元はどうしても納得いたしません。そこで、地元では強硬な反対論が起っておる。これらの反対論を押し切ってあなた方はやれるかどうか、私は疑問に思う。地元の北商運、北九州商工会議所連合会で出した数字を御参考までに申し上げましょう。これは、バスと小型トラックとタクシーの三つに分けて、いかに料金が高いかということを書いてある。  第一のバスは、門司から下関まで貸し切りバスで行く場合、貸し切りバスの料金が千三百六十円とられる。これに対して、今道路公団で内示したトンネル料金は千八百円ですから、合計三千百六十円になる。片道ですよ。帰りはからで帰った場合は千八百円になります。かりに片道だけ言います。ところが、関門間の航送船は現在では二千五百円、従って、トンネルを通過することによって三千百六十円払うか、航送船に現在のまま二千五百円払うかによって、六百六十円という差額ができる。すなわち、トンネルは、先般の準公聴会みたいなものを東京でやったときの話では、大体航送料金の四分の三くらいに見積っております。こう言っておったけれども、航送料自体が非常に高い。これはトンネルができたら廃業するという意味で非常に高く見積ってあった。それの四分の三というけれども、四分の三ということの根拠はないが、今度は現状のまま見ても六百六十円バスはよけい払わなければならぬ。結局、一台に六十人乗りますと、一人が十円ずつそのためによけい負担させられることになるじゃないか。業者が負担するか、利用者が負担するかによって問題だと思う。それをもし運輸省が許可をしなかった場合にはどうする。バスは実際上通さぬということになる。  第二点、小型トラックの場合はいわゆるオート三論車です。門司の桟橋道路から下関駅まで現在あなたの方のトンネル料金は一台五百円としてあります。それから、取りつけ道路、あのトンネルから下関駅までは下関市内を通るわけですが、これは五十円通行料をとられる。ガソリンの消費を大体片道三十七円と見る。オート三論車で野菜などを運ぶのに五百八十七円の金をとられることになる。一方輸送船の方は取りつけ道路はありません。直接青物市場のところに上るのですが、これが片道四百八十円、これからガソリン代を引いてみると、四百四十三円で済むわけです。従って、ガソリン車が、いよいよ小型トラックが通る場合は、一日片道当り百四十四円をよけい払わなければならぬことになる。安くなっておらぬ。  第三点、タクシーの場合、タクシーは下関駅から門司港までの場合といたします。あなたの方の料金では片道千八百円にプラス、メーター代が七百二十円でありますから、二千五百二十円払わなければならぬことになる。これはサンパンで送る場合は片道で八百円で済みます。だから、ここで驚くなかれタクシーが下関から門司までこの文明の利器を利用すると片道千七百二十円よけい払わなければならぬ。そうして下関のタクシーが門司に来た場合には、帰りはからで帰りますから、また料金をとられるわけです。こうなりますと、非常な期待をもって地元で負担までしてできたトンネルは実は営利会社の航送会社よりも高いことになる。  この数字に対してあなたの方で何か批評なり意見がありますならば聞かせてもらいたい。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 何分にも、今の渡船その他がある場所と、それから私の方のトンネルがずっと下関の奥へ山の中へ突っ込んで非常に長くなっておる。従って、スタートする場所のいかんによってそういう差がある程度出てくることもあるかと思うのであります。しかし、公平にその中間地帯あるいは多少向うの方へ寄ってもというような計算なども十分やったのでありまして、かりにバスのお客が、門司の市役所の付近に住んでいる人が下関の市役所の付近に用足しをしにいくということを考えますと、一人当りの料金が大体四十何円ということになって、そういう点一は私の方が割安になっておるというような計算をいたしております。全体のバス云々ということは、営業上の問題もいろいろありますので、答弁は差し控えますが、個人々々の負担は加重されないというふうに考えております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 それでは聞きますが、今、地元の方からしますと、三月の九日に開通式をやっても、こんな高いものは通らない、当分は船でがまんするということになって、一台も通らないような場合はどうなりますか。あなた方の責任ですよ。この大きな国家的な事業に対して、開通式の翌日から一台も通行車がなかった、通行量がない、つまり自動車が通らないということになりますと、それでは二十六年間に払えぬからまた倍にするということでは、今でさえ高い千八百円を三千六百円で通りますか。通りませんよ。これは私はあまりにも地元民を無視した採算本位のやり方だと思う。今総裁は、自分たちが利益を得るのじゃないと言う。そんなことは当りまえのことです。そんなことは自慢にも何もなりはしません。これはあっちこっちの有料道路でも同じことなんです。これはいろいろと誇るべき技術と努力によって国費を使ってできた唯一の道路です。他にかわるべき道路はないのですよ、どこを見ても。船があるだろうというが、船はやめますよ。船がやめた場合は全部通らなければならない。だが、そこを通らない自由はありますよ。そうすれば、公団総裁、監理官等は辞職しますか。地元の者はそこまでの決意を持っていますよ。地元の者を憤激させてまでなぜこういう料金をきめるか。大臣の説明の中にも、道路利用は飛躍的に増加しておると言っている。飛躍的に増加するのでありますから、料金を合理的にして大勢通す。その結果、かえって、二十六年間に今の料金でやって返還するということが、存外二十年間で返還できるかもしれません。年々百二十万から人口がふえて、近距離輸送として自動車は手ごろでありますから、皆が期待しておるのに対して、こっそり前の大臣のときに申請しておいて伏せておく。それから、昨年の暮れに地元側の者が来て陳情すると、何とか考えましょう、ごもっともです、そうして帰しておいて、今度は一月になっていよいよ公式に固まってくると、それを強行する。こういうことはあまりにも道路公団の利用者を無視したやり方だと思うのです。このことはもちろん私が社会党だから言っているのじゃない。これは福岡、山口両県が超党派的に、たとえば官房副長官の田中君でありますとか、あるいは福岡県側ではそこにおられる自治庁政務次官の中島君あたりも自民党の人なんでありますが、同感だと思う。すなわち、これは政治と官僚行政とのすき間になっていると思う。ただ採算主義でやればいいというようなことは断じて許されません。従って、地元においては大規模なボイコット運動が起ろうとしておる。ことに下関商工会議所関係と宇部の商工会議所関係はみな憤激しまして——自民党の幹部なんだが、われわれは脱党してまでもこれを食いとめてみせると言っておる。ボイコットの方法はいろいろありますよ。第一通らないという方法もありますし、通さない方法もいろいろあります。入口にすわり込んで通さなければ通れない。これは道路公団の仕事じゃない。警察の仕事になる。また、今廃業しようとしておる航送船の船会社と特約して、店じまい大売り出し、謝恩大売り出しで安くしてやってごらんなさい、通りますよ。そういうことを一つも考えずにやるということは、われわれ実に道路公団の官僚性が残念でならない。岸道三さんは長い間実業家であったと私は聞いておる。どの程度の実業家であったか知らぬけれども、とにかく実業家である。何を好んで役人の下につくような——道路公団の総裁になって、料金を高くとって、私は配当をもらわないなどと言うことは、もってのほかではないか。私は副総裁の井尻君も知っておる。銀行屋さんで、個人的にはりっぱな人です。しかし、そろばんだけ考えておる人だ。榎本君も商工省にいたから知っておる。武藤君も警察部長をしていたからよく知っておる。大体道路の専門家は一人もいない。岸道三は名前だけは道の字がついておるが、どの程度の道か知らぬ。あなたは長いこと商売をやって、ひまができたから役人まがいのことをやろうか、これは年寄りの冷水だ。だから、地元の反対があるから私はやめます、私は関門国道トンネルに対して責任を感じますから総裁をやめます、でなければ料金を地元の言うように努力する、こう言ってごらんなさい。根本建設大臣もこれを承認すると思う。承認したくて待っておる。道路公団の方が再申請すれば、下げてくれますよ。まだあと三週間ありますから、下手するととんでもない問題になりますよ。われわれは、道路公団の総裁がやめたり、建設大臣がやめたりすることは何とも思ってない。気の毒だから親切に話しておくのだけれども、今のうちに道路公団から数字の間違いを指摘して、その後通行量も飛躍的に増加したら値段を下げます、しかしながら一年間値段を下げてみてだめだったら、二年目にはあらためて公聴会でも開いて地元の意思を尊重しつつ計算し直しましょうというくらいの方向に変えるべきだと思う。岸さんがせっかく公団総裁になったのだから、そのくらいの融通性を持たなければいけない。第何条第何項でどうだというような、そういう法律解釈で事務官僚に振り回されておる。あなたの決意いかん。ここではっきしていただきたい。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 だんだんの御意見、いろいろ拝聴しておりますが、問題は交通量に対するいろいろな見解の相違だと思います。交通量は、今まで私の方の全力をあげてきめたところが先ほど申しましたような数字であります。従って、その数字によって一年間あるいは数カ月の様子を見て、それから考えていくことが最も堅実なる、そして常識的な解決の方法ではないかと思っております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 なお、この関門国道トンネルの料金について自治庁側の見解もこの際明らかにしてもらいたい。

中島茂喜自由民主党自治政務次官

○中島政府委員 田原委員の御意見を拝聴しておりましたが、料金の決定については、ただいま建設省並びに道路公団の方からるる御説明があった通りでございまして、自治庁の関与するところではないと思うのです。しかしながら、ただいま田原委員の御意見の中に出ておりましたように、山口、福岡両県にとりましては政治問題にまで進展しておる重要な問題でございますので、自治庁といたしましては、今後建設省並びに道路公団と相談をいたしまして、通行料金の安いということは望ましいことでございますので、今後折衝を続けてみたいと考えております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 これは、政務次官の単なるこの場限りの答弁でなくて、実際に来月に差し迫った問題でありますから、至急に福岡、山口両県知事も呼んで、当時の事情を調べて、当時建設費を負担させたときにどういう約束をしておったかも聞いてもらいたい。おそらくあの当時は内務省土木局の純然たる国営でなかったかと思いますが、それで道路公団になる場合にどういうような約束があったか明瞭にして、両県民の納得のいくように努力するのが自治庁の仕事だと思いますので、これを希望しておきます。  次に、運輸省の自動車局の人にお尋ねしたいのですが、なるほど建設省は建設省で、従ってかかった費用を道路公団で料金をきめるということが法律にあるけれども、ここを通る者は運輸省の監督する自動車業者あるいは自動車所有者です。運輸省は、ほかの例等を見て、果してこの料金が妥当なりやいなや、この点をこの際お尋ねしておきたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内(公)政府委員 この料金につきまては、先ほど建設、公団御両者から御説明がございましたように、直轄工事の料金につきましては、公団はその料金の決定をする場合には運輸大臣の意見を求めなければならないという法律上の制度になっておりますが、運輸省といたしましては、いろいろこの関門をめぐりまして免許の申請もございますし、料金がどうであるかということがそういったものにも至大の関係を持っておりますので、建設省にもしばしばその料金のあり方につきましてお話を申し上げたわけでございますが、十二月に建設省からこの料金の御説明をいただいたわけでございます。運輸省といたしましては、目下各地元の陸運局にその数字に基きました輸送量の算定についての調査をやらしておるところでございます。料金と輸送量というものは、先ほどから御説明がありましたように相関関係にあるわけでございまして、料金が安ければ輸送量が多い、しかし料金が高くなると少くなる。どの辺に料金がきまるかということによりまして輸送量がきまるわけでございますが、これも公団がいろいろおっしゃいましたように、当初の輸送量といたしましては、既存の交通機関の輸送実態というものから、この関門隧道ができました際にどの程度それが関門隧道に移ってくるかという数字的な算定をするわけでございまして、これらにつきましては、運輸省と建設省に一部のほんとうに事務的な算定の意見の相違はありましても、大勢からいきまして大きな差異はないかもしれません。ただ、問題は、こういう場合に一番大きく輸送量の算定に問題になりますものは、誘発交通量と申しますか、今までフェリーに乗りかえなければいけない、あるいは連絡船に乗りかえるというお客さんが、まっすぐドア・ツー・ドアでバスなりあるいはトラックなりでいけるという便利性によって誘発交通量がどの程度多くなるかということは、これはいろいろの考え方によって変ってくることでございまして、議論の分れるところでございます。もちろん、お互いにそういうものはいろいろ実績あるいは理論的推定をするわけでございますが、言ってみれば、やってみなければ正確な数字はわからぬということが言えるわけでございます。その辺一体どの程度見るのが至当かということをわれわれ今検討をしておる段階でございます。運輸省の意見といたしましては、建設省がこういう案でおきめになる理論的根処はもちろんおありのことと思いますが、関門開通に伴いまして九州側対中国側の交通が便利になることによりまして、各事業者ともこのルートによる交通の便益性をさらに増進したいという気持が非常に強いので、現在の料金をできるだけもっと安くしてもらいたいという陳情をわれわれの方は受けております。陳情を受けたからどうということはないのでございますが、運輸本来の使命から言いまして、できるだけそういった輸送を伸ばすことが公益上必要であるという見地から、建設省には可能な限り最大限の最低の運賃でやっていただきたいという希望を申し述べている程度でございます。十二月に御説明を受けましたので、下部機関の実態調査その他の意見が十分にまだまとまっておりませんので、とりあえずそういった意見を申し述べておく次第でございます。

田原春次日本社会党

○田原分科員 運輸省に対して十二月ごろ初めて説明したというのは実に納得できぬじゃないですか。先ほどの公団当局それから建設省の説明によると、昨年の四月の十日に申請して五月に許可を得た、そして山口県の宇部商工会議所等から陳情に来たのは同年の六月と十月です。従って、五月の十日にもし当時の建設大臣から料金の許可があったならば、もうそれは終りました、こうこうこういう理由ですということを一体なぜ言わなかったか。しかも、そのときは、陳情者に対しては、いずれも十分に陳情の趣旨を考慮してきめたいと言っておるのです。だれがそのとき言ったか知らぬが、地元の人はそう言っておる。今聞きますと、運輸省に対しては昨年の十二月に通告している。この間に約七カ月というものはひた隠しに隠しているじゃないですか。こういうことは道路公団が国家の行政の補助機関である限りわれわれ納得できない。なぜそういう経過をとったのか、なぜそういうことまでして秘密にやらなければならなかったか、この点を明瞭にしてもらいたい。

宮内潤一日本道路公団業務部長

○宮内説明員 この点は、先ほど道路局長からも話がありました通りに、法律上の認可をとったのは、現在の法律の附則によりまして、公団成立後一年以内にそういう許可をとれということで手続をとったわけでございますが、そのときは公団が成立してからちょうど一年くらいの時期、それで、開通は大体ことしの三月ということで、その間に一年間余裕がある。そこで、諸般の陳情等もあり、考えられるものなら大いに考えようということで、先ほどちょっと触れましたが、日本の有数の経済学者の組織している委員会にかけて、その結論の出るのを待っておったのであります。不幸にいたしまして、この委員会はもう少し早く結論を出していただけるかと思いましたけれども、私どもが原案でよろしいだろうという意見を承わったのはちょうど十二月の三日でございました。従いまして、直ちに、それでは公団の意見はこれにしよう、つまり前に認可を受けているものを修正しないということに意思決定いたしまして、それから、その旨を建設省に連絡すると同時に、運輸省の方にも連絡したわけでございます。そういう次第でございますので、御了承願います。

田原春次日本社会党

○田原分科員 根本建設大臣にお尋ねしたいのですが、こういう経過をたどって納得のいかない料金の決定がなされております。これはあなたの前任者南條建設大臣時代に許可をしたものらしい。しかしながら、開通を控えて、まるで地元では連日非常な大騒ぎをやっておるような問題でありますから、ここで料金を引き下げる方法はないかということ、すなわち、事情変更の原則、たとえば、あなたの説明でも、飛躍的に増加していっているのですから、道路利用者が飛躍的に増加したから自分の責任においてこれを下げる、こういうことができるかどうか、第一点。これは積極的な面です。第二点は、受動的に、道路公団の方で、実は非常にまずいことをした、地元から恨れてはとんでもないことになるから、料金の改訂を申請しますといって、道路公団側から建設省に料金改訂の申請をした場合に、許可する意思があるかどうか、これはこの機会に根本大臣は明瞭にするがよろしいと思うのです。このことによって、あなたは将来やはり幹事長になったり副総裁になるくらいの人望を持ってくると思う。今事実岸総理大臣の出身地の山口県が憤激しているのです。また福岡県も御承知のように多くの自民党のりっぱな人たちが出ております。従って、党の立場から見ましても、また政治家として、それから道路利用者にサービスするという建前から見ましても、きょうから二月の末くらいまでの間に何らかの処置をとられて、沸き立っておる憤激を静める必要があるのではないかと思うのです。それらに対してあなたの所感をこの機会に明瞭にしておいた方がいいと思うのですが、いかがですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 田原さんの意見で、道路の利用が飛躍的に増大するであろう、従ってそれを見越して今料金を下げる意思がないかということが第一点のようでありますが、これは仮定の問題でありますので、増大するかどうかということについては、専門的な研究をおのおの相当厳重に検討した結果出ておる答案でありますから、今単なるあなたのお話を聞いただけで利用者が急激に増加するという観念までは私はまだ参りません。従いまして、現実にこれを実施いたしまして、公団が想定する以上に利用者がうんと伸びておるという事実が、二、三月でもたって明瞭になりますれば、これは客観情勢が違っておる、算定の根拠が違っておるという事実のもとに、公団が、自分たちの想定より違っているからということで料金改訂を要請した場合には、それに基いて検討の上善処するつもりです。しかし、それなくして、ただ単に現在の地元の商工会議所あるいはその他皆さん方の一つの想定によって、道路公団が想定する以上に非常に多くなるはずだからというだけのことで今直ちに変更する客観的事実がないと思いますので、今直ちに変更する意思は持っておりません。  それから、現在利用者と公団の間において、この料金問題を中心として、かなりいろいろの理由がありましても、とにかく感情的に非常にまずい状態がある。これはまことに遺憾にたえません。公団においては十分に料金の算出根拠を申し上げるとともに、今後の運営について十分納得していただいて、しかる後是正するようにぜひ私やっていただきたいと思います。田原さんが言われるように、感情的な対立があって、地元の方の意見を聞かなければこれから全然利用してやらないとか、とめるというふうになりますと、事はなはだ遺憾でありますので、私もこれはできるだけ両県の指導者の皆さん方と、さらにはまた地元の商工会議所なんかにおきましても——私はこれは絶対に不変だとは考えておりませんので、実施の結果、やはりこれは相当需要が伸びるという事実さえあれば、先ほど公団総裁も言われたように、これで利益をとって特別配当するとかなんとかいうことでは全然ございませんし、問題は、予想の根拠について意見の違いがあるわけでありまして、予想として幾ら論議が出ましてもいけませんから、現実に利用したその結果が予想以上に相当伸びておるという事実ができますれば、それに基いて訂正することは決してやぶさかではございません。むしろこの際はできるだけ多数の皆さんにお祝いを兼ねてどしどし利用していただくことによって、この料金問題が積極的にまた円満に片づくことを私は念願してやまない次第です。

田原春次日本社会党

○田原分科員 せっかくの大臣の御所見でありますが、納得いかない点が相当あります。まず実施してみて、よかったら下げると言う。これは、過去のいろんな、官庁側の料金をきめた当時の事情やその後の経過を見ますと、はなはだしきは二十年くらい後になってそういうことがあるのです。そういう例はたくさんあります。従って、このままこの料金を承認しますと下りません。もう一年見て、もう一年見てとなれば、いつの間にか過ぎてしまう。それから、大臣の御答弁の中にもありましたように、双方とも想定です。従って、われわれ地元側の想定はだめであり、公団側の想定が正であるという根拠は何もない。ここにとるべき道、政治的にとるべき道があると思う。それは、二十日前後にまた大挙して来るようでありますが、その前もしくはそのあとでもいいから、両県の県知事、それから、こういう交通経済の専門家等に、もう一度大臣が、一日で片づく程度の諮問をやり、ぎりぎりまで双方から話し合いをしてみる、そして料金の改訂が直ちに可能かどうかということでお互いの数字を出し合う、あるいはその他の方法が何かあるならある、こういうことをもう一度やることが必要ではないかと思うのです。これも全然やらぬで突っぱねてしまうというのであるか、地元側をもう一ぺん納得させる意味において呼ぶ、あるいは来た者に会うのか、全然面会しませんか、そこのところをもう一ぺん聞いておきたいと思う。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 陳情に来られると、できるだけ誠意をもって会っています。しかし、陳情を受けたからすぐにそれによって改訂するということは、現在とうてい考えておりません。それでございますから、やはりこの際供用に付してみて、その実績によって結論を出すように御協力願いたいと思います。田原さんは、一たん料金がきまったら二十年も変更しないと言いますけれども、私は、在任中であってしかもその実績が出た場合には変更をするように善処いたします。もちろん私は二十年もこの席におるわけではございませんが、それは決して逃げ口上はいたしません。とにかく現在のところは想定を両方とも固持しておるような状況でありますから、これは一、二カ月でもやってみますれば大体の情勢がわかるでありましょうから、一年で変更するとかしないとかいう——これは従来から見ますれば少くとも一、二年見なければならぬというのが常識でしょう。しかしながら、こういうふうな相当経緯の特殊性の問題につきましては、一、二カ月実施した結果に基いて、私はそこから技術的な面とともに政治的に考慮すべきところの客観的事実が見出せるのじゃなかろうかと思う。それなくして、ただ利用者が反対である、地元が反対だというだけで今変更することは適当でないと思いますので、どうか一つ、これについては、円満に解決する意味におきましても、ここにまず実施させていただきまして、その結果に基いて最も合理的な解決を見出すように御協力を賜われば幸いと存じます。なおまた、現在の料金そのものの変更なくしても、さらにいろいろと便法等もあれば公団においても研究するように、この研究の方法についていろいろ皆さんの御意見もございますから、現実にとり得ることでございますならば十分それも考慮いたしまして、公団をして善処するように指導いたしたいと存じております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 今の大臣のお考えの中でも、やはり円満にということですが、円満にということは歩み寄るということですね。政治的に解決をつけるということです。従って、一方的な想定に基く道路公団の案をもって突っぱられるということは円満ということじゃない。勝つか負けるかということになるのですから、これは、考てもらいたい。第二点は、何か他の方法を考えようということですが、これは私も気がつかぬでもない。たとえば五割引きの回数券をだすとか、あるいはちょうど鉄道のように定期券を出す、六割引きくらいの定期券を出すということも考えられぬことはない。ただ、それは、地元の意見を聞いてみますと、それではいかぬ、これはやはり原則を承認したことになる、従って、やはり原則の通行料と収入と償還期限等の問題であるから、まず償還期限を三十五年なら三十五年にする、一年の交通量を百二十万台なら百二十万台にする、そうして基準をもってやれば損得なしに料金が下ってくるではないか、しかも自然増加があることは目に見えているのだから、こういうことでありますから、話はぐるぐる回っておるようでありますけれども、せっかくの大臣の御答弁ですが納得できないのです。従って、あらためてこの委員会以外の他の方法で——これは、建設委員会なり、あるいは実際直接陳情につき添うなりして、最後までわれわれは下るものと考え、そしてこれに対する努力を続けたいと思いますが、私の受け持ち時間の都合もありますから、これはこの程度にとどめておきますけれども、道路公団総裁、また副総裁も見えておるようでありますが、あなた方長年民間におった人が初めて役人らしいものになって、そうして存外こういう問題にぶつかったのは気の毒だと思うのです。しかしながら、かえってそれだから勇気をふるって、よし腹をきめて下げてみようではないかというくらいの決断力があってほしいと思う。今即時あなたの答弁はむずかしいかもしれぬけれども、腹の中くらいはそれくらいのものを持っていれば、岸道三という男は岸信介より少しいいと言われますから、どうか……。私は真剣に言っているのだ。だから、しっかり、役人になった気持で、部下だけの数字でもって動かされずに。それでなければ野人総裁なんていう意味がないと思います。強く希望しておきます。問題は未解決ながら、最後まで努力いたしまして下るようにさせますが、あなた方の方が先手を打って下げてくれれば、三月九日の開通式は万々歳でありますけれども、そうでなかったならば一台も通らぬ事態がくるのではないかということを心配いたしますから、この点をつけ加えて希望を申し上げまして、私の質問を終っておきます。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 久野忠治君。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 けさほど来当分科会での皆さんの発言の内容を伺っておりますと、ほとんど道路問題を中心にして論議されたようであります。もちろん、岸内閣は本年度の予算編成に当って五大政策を掲げておりますが、その五つの大きな柱の中での重要政策の一つが道路問題でありますから、この問題について国会の論議が集中されることは理の当然であろうと私は思うのであります。特にわが国の道路行政、道路の規模あるいはその整備状況等が欧米諸国に比較して著しく非近代的であり、また後進性を持っておるということは論を待たないところでありまして、さような意味合いから、ここに岸内閣が道路問題を取り上げ、日本の財政経済の基盤である交通網の整備に勇敢に立ち向おうとせられたのでありまして、この点については深く私は敬意を表する次第であります。しかしながら、この道路政策を実現するに当りまして、幾多の私は問題点が残されておると思います。そのことがけさからの論議を通じまして少しずつ明らかにされておるようでありますが、私もこの問題について一、二お尋ねいたしてみたいと思うのであります。  伺うところによりますと、近く政府は道路整備五カ年計区画を策定せられまして、この計画を実施すべき基本法を提案されるというお話でございますが、その提案はいつごろになるでございましょうか、その時期をお伺いいたしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 現在建設省としては一応の構想ができておりますが、これは御承知のように自治庁並びに大蔵省と関連がございますので、そちらの方面のまだ意見調整が完全にできておりません。しかし、大体今週中には意見調整ができて、閣議決定の上国会に提案することができるようにいたしたいと思っております。目下鋭意努力中でございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 この法案は予算にも関係する法案でありますから、でき得る限り早く御提案を希望いたす次第でございます。  そこで、この五カ年計画の道路整備の目標、これは、午前中の他の委員の質問に対しまして、金額にして約九千億ということでございましたが、この目標額の区分について、一つ金額でよろしゅうございますからお知らせをいただきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 先ほどもちょっと触れましたが、全体の総投資額を九千億といたしまして、地方単独道路に千九百億、有料道路が千五百億、残りの五千六百億が一般道路、こういうふうに想定いたしております。なお詳細にわたりましては事務当局から説明いたさせます。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 一般道路事業が五千六百億ということを大臣から申し上げたわけでございますが、この内容につきましては、ただいま作業中でございまして、確定はまだいたしておらぬのでございますが、これによりますと、大まかに道路、街路、機械、調査、それから積寒道路というように分けますと、道路事業に四千二百五十億、街路事業に千六十四億、機械整備に百五十九億、調査が十一億、積寒道路事業が百十二億、大体こういうことを目標にただいま作業中でございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 この策定をされようといたしております五カ年計画は、現在の日本の交通需要に基いて策定をされたのでありましょうか、それとも九千億という一定のワクを基本にして策定をされたものでございましょうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 これは、本質的には交通の需要について十カ年計画を立てたわけでございます。それによりまして、一級国道、二級国道、地方主要道路、それから県単と、こういうふうに一応想定してみておるのでありますが、しかし、一面におきましては、政府が持っている財政上の見通しなくして単に計画を立てても、これは単なる机上の計算にならざるを得ません。その間を調整いたしまして、前期五カ年間の計画を立てまして、それが先ほど申しましたように総事業費を九千億と見たわけです。これはすでに専門家である久野さんが御承知のように、長期計画策定に当りまして、国の投資の可能性とわれわれの道路需要から見た場合の見方と、実はかなりの食い違いがあったのであります。その食い違いを調整するために、五カ年間に六千五百億ないし九千五百億という大へん幅の広い線を実は閣議決定の際には出したのであります。その後、経済企画庁を初めとして大蔵省とわれわれの方と、国の財政の面と道路の必要性から割り出しまして九千億と算定したわけでございます。大体この九千億を前記五カ年計画でやる、引き続いて次の五カ年計画をやりますれば、十年間には大体日本の道路が全面的に近代化されまして、一応日本の道路需要に対してこたえることができる、かように考えておるのであります。従いまして、私が就任当初世間に発表しましたところの道路十カ年計画はこれによって達成できる、こういうような形になっているわけでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 ただいまの御答弁によりますと、大体十年の間に道路の近代化を達成することができると、かようにおっしゃるのでございますが、その近代化の限度でございます。欧米等の事情を見ますと、一定の交通の量を策定いたしまして、それによって運び得る貨物の量、旅客の量、それから運行いたします速度、そういうものを勘案いたしまして道路整備を進めているようでありまして、そうして、ある程度その交通の需要が上回るような際には新しくまた道路網計画を作りまして、そこに新線を建設いたしておるのを私たちは欧米を回って見てきたのでございますが、さような観点に立ちますと、欧米並みの近代化された道路を十カ年後に作るという意味であるのか、あるいは現在の日本の道路を一応計画されました幅員に改良をして舗装をするだけにこれだけの金額がいるということであるのか、その点をもう少しはっきりいたしたいと存じます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 これは、実のところを申しますと、はっきり割り切っておりません。と申しますのは、日本の現在の道路は、先ほど御指摘の通り、いわば近代的な道路としてはほとんど体をなしていない。全面的にこれは変革しなければならぬものだと思います。しかし、これをやるためには、非常に膨大な資金と、それから非常に膨大な土地収用をどうしても必要とします。しかも、これについては、御承知のように、日本の現在の政治情勢においては、アメリカのように土地に非常に余裕のあるところ、しかも金のあるところは相当思い切って金を使ってやれる、また一方全体主義国家におきましては強権的にどんどん収用できる、これともまた事態が違っておるのであります。従いまして、これは、大都市と都市との間のいわゆる主要なる地点については、近代的な高速度自動車道のようなものを、相当金がかかっても思い切って日本の産業維持のためにやらなければならぬ、こういうことなんです。それから、そうでもない地方においては、もちろん国道であり地方主要道路でありましても、それほど交通量が飛躍的に増大しないところにおいては、従来の道路を改良し、舗装し、そして一応間に合うというような、いわばいい言葉で言えば実は若干地方の特殊性に基くところのバランスをとった対策をとらざるを得ない、かように考えております。しかし、これも、十カ年の後にはどういうふうに日本の経済の力が発展をし、また輸送の需要がどういうふうに変るかわかりませんが、まず五カ年間実施した結果に基いて、さらに一応現在考えている十カ年計画を修正して思い切った措置をとらなければならぬかもしれないということで、現在のところは第一の処置だけ考えておる、こういう状況でございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 さよういたしますと、先ほど私が具体的な例をあげて申し上げましたように、現状の道路を改善するにとどまるというふうに考えられるのであります。そこが、けさほども野党の諸君が指摘をされたように、政策を高く掲げていながら、その実体はまことに無計画であり、空虚なものであるという点に帰着をすると私は思うのであります。そうであってはならないと私は思うのです。やはり日本の財政経済の規模に合うがごとき交通の需要を満していくという観点に立つならば、この際思い切った道路整備計画を進めることが国家のために必要である。そういうことが必要になっておる以上は、やはりこの五カ年計画の基本をなしまするこの整備計画を思い切って一つその線に合わせていただくことが、私は必要ではなかろうかと思うのであります。そういう際に考えられますることは、率直に申し上げますならば、財源措置さえ考えてやればこれができるということではないでしょうか。その際に、現在その財源措置の一部として、ガソリン税収入をこれに充てる法律の制度も設けられております。また、一般財源を入れる道もとられておるわけでございまするが、しかしながら、この際思い切って財政資金等の借入金を入れることによってこの事業を進める必要があろうかと思いまするが、そういうような用意がなされておるかどうか、お伺いをいたしたいと存じます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 道路五カ年計画を実施するために特別会計を設けまして、現在実行しておりまするガソリン税引き当て分のほかに、一般会計はもとよりのこと、一般借り入れの道をも開くことにいたしております。これは、その年における国の財政並びに国民経済の状況に応じて借入金の受入れ態勢ができるように規定するつもりでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 それは法律の中に規定をされるわけですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 その通りに法律上規定するつもりでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 やはり法律の中で規定をされましても、実際の運用上これが実現をしなければ私はだめだと思うのであります。本年度はもうすでに予算原案ができておることでございますから、明年度以降この問題について真剣に一つ御努力をお願いをいたしたいと考えておるような次第でございます。  次にお伺いをいたしたいことは、具体的な問題についてお伺いをいたしたいと思うのでございますが、大体一級国道の整備は七カ年間でこれを完了する、こういうようなお説でございました。その際、主要な幹線であります一号国道、たとえて申し上げまするならば東京——大阪間というような一号国道に対しましては、大体この改良舗装が完了をいたしますのはいつごろになるでありましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 一号国道につきましては前の五カ年計画においても重点を置いておるわけでございますが、東京—大阪間は、二次改良を除きますれば大体三十四年度には完成するように計画いたしております。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 さよういたしますと、それに要する経費はどれくらいでございますか。それから、三十四年度までに舗装が完了いたしたといたしまして、一定の速度を維持するに可能な舗装ができるわけなんですが、一体一日の交通需要をどれくらいと算定しておいでになるのでございましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 一級国道一号線につきましては、大体設計速度を八十キロに考えておるのでございますが、その八十キロに相応する幅を持たせ、半径、勾配等をきめて参るわけでございます。  交通量の問題でございますが、この五カ年計画では、将来も見越しまして、将来の交通需要に合うような構造にいたしていきたいと考えておるわけでございます。東海道、東京—大阪間につきましても、地方的に差はございますが、将来の交通に合わせまして、区間的には違いますが、四車線を最低に考えておるわけであります。  それから、先ほどのお尋ねの東海道の改良費でございますが、残っておりますのは、一時改良で四十億、二次改良で百三十七億、合せまして百七十八億が残っております。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 交通の量は平均でけっこうです。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 平均の交通量を申し上げますと、これは三十二年の三月末の調べでございます。これによりますと、東京—大阪間の平均交通量は千六百台でございますが、これを将来の交通量を見込みますと、これの大体三倍になりますから、四千八百台になります。これはならした平均交通量でありまして、区間的にはそれぞれこれよりも交通量が多くなるところもあり、また少くなるところもあるわけでございますが、平均して申し上げますとそういうことでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 三倍になった場合には、八十キロメーターの速度を維持することができますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 この八十キロと申しますのは設計速度でございます。でありますから、道路の構造は八十キロに合わせるように曲線半径なり勾配の点をその設計によりまして作るわけでございますが、ただ、この道路は平面的に他の道路と交差する道路でございます。従って、平均スピードとしてはその設計スピードほどは交差点の関係がございますので出ないことになります。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 私がお尋ねいたしましたのは、将来現在の三倍に交通需要がなった場合に、現在通りのスピードを維持することができるかどうか、そういうことをお尋ねしたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 将来三倍に伸びることを予定いたしましてただいま計画いたしておるわけでございます。しかも設計スピードは八十キロということで作っておりますので、将来増します交通量に合わせて作っておりますから、将来三倍になりましてもこれをいれるだけの余裕はあるわけでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 私は道路局長と議論する気持は毛頭ありませんが、現在でさえもすでにスピード・ダウンいたしております。東京—横浜間あるいは東京—静岡間などを例にとりましても、ただいまお説のような八十キロのスピードを維持するなんというようなことは全然夢想だもできません。考えられないことであります。現在でさえもスピード・ダウンして、そのことによる輸送のコストというものは非常に高くならざるを得なくなっておるのであります。それが、三年後に三倍になって、なおかつこのスピードが維持できるということは考えられないことでございますが、どうでございましょうか。何か間違っておるようなことはないでしょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 道路の容量として三年後の交通量を考えて計画しておるわけでございます。ただ、スピードの点は、構造上、設計スピードを八十キロにとっておるわけでございますが、都市内と平面交差の多い道路ではこれだけのスピードは出ないということを申し上げたわけであります。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 私の質問の仕方が悪かったかと思いますが、設計スピードを八十キロとおっしゃいます。需要がすでに容量を上回っておるというのが現実であります。でありますから、何らかの抜本的な計画を立てざる限りは、おそらくこの交通需要を解消することは私は無理であろうと思うのであります。それをただこの五カ年計画だけでこれができると言うのは、この計画自身に誤まりがあるのではなかろうかというように私は考えるのでありますが、その点どうでございましょう。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 御説明が足りませんでしたが、そういう観点に立ちますと、今の東海道をこのまま改良したのでは、この東海道の交通容量に対しては不十分でございます。これに対しましてはもう一本高速国道が要るわけでございまして、この点につきましては、ただいま東京から小牧の間を調査中でございますが、これは別に有料道路としてこの間の工事に着手すべく計画いたしておるわけでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 この高速自動車道路に対する調査は昨年から始められておるわけでございますが、本年の調査費はどれくらい計上されておりましょうか。なお、その調査はいつ終る予定でごいましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 三十三年度には中央一道に五千万円の調査費を組んでおります。この五千万円の調査費でできますのは、東京から小牧間につきまして大よその実測ができるわけでございますが、なお調査しなければならぬ地質の調査でありますとか、地表の調査でありますとか、そういう調査は残ります。これは三十四年度に実施いたしたい考えでございますが、三十二年度に作りました図面によりまして大よその線は入るわけでございますから、この線に基きまして三十三年度には実測を行いたい考えです。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 調査路線はいわゆる伝えられております本土縦貫道路の路線に従って調査をしておるという意味でございましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 縦貫道路の線に従いまして調査をする考えでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 さよういたしますと、次の東京—小牧間の高速自動車道路は、いわゆる本土縦貫道路と申しますか、大へん国会でも問題となった路線でございますが、この路線に従ってこの計画が進められると解釈してよろしゅうございましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 調査は縦貫道の計画の線に従いまして調査をいたすわけでございます。その調査の結果を待たなければ、どれだけ工費が要るのか、またどの部分から着手すべきかは決定されないわけでごごいますが、この五カ年計画にはその一部に着工したいということで計画を進めておるわけでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 その調査の結果、いろいろの欠陥が出て、万一施工が困難になった場合、路線が変更される場合もあり得ると解釈してもよろしゅうございましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 現在引かれております線は五万分の一の地図に引かれておる程度でございますから、実測の結果この線に若干の変更を生ずることは予想されるわけでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 当時からこの路線については問題のあったとろでございまして、旧東海道の路線に並行して縦貫自動車国道を作れという意見と、先ほども申し上げましたように、山間部を貫くいわゆる開発道路を作るべしという意見と、二様あったように思うのであります。さような意味合いから、現在は山間部を貫く縦貫自動車道路の構想に従って調査が進められておるわけでございますが、この調査の結果いかんによっては、東海道に並行する路線に変更する場合もあり得ると考えてもよろしゅうございますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 国土開発縦貫自動車道が東海道の方に変更されるということは考えておらぬのでございますが、先ほど申し上げましたように、東海道の交通需要に合わせた道路を作らなければならぬのであります。これが国土開発縦貫自動車道を建設することによって解決できるか、あるいはもう本並行な道路を作らなければならぬか、それはこの調査を待って決定いたしたいと考えております。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 次にお尋ねをいたしたいことは、この五カ年計画を権威ある ○ものにするためには、あくまでも法律においてその費用の概算額及び年度割り額を規定すべきであると私は思うのでございますが、そういう点について考えておいでになりましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 計画を確立する意味におきますと、概算額並びに年割り額を規定した方がいいとは思うのでございますが、これにつきましては将来におきまして変更することも予想されますので、これを閣議決定されるものは、年割り額を入れたものでなくて、その年割り額をきめるのは参考書類によってそれを確定いたしたいと考えております。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 補助率については現行のままで算定されるということでしょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 補助率につきましては三十三年度の分は決定いたしておりますが、その後の分につきましてはただいま大蔵省、自治庁と折衝中でございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 見通しはどうでございましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 見通しはまだ申し上げられない段階でございますが、法律の提出も間近になっておりますので、急速にこれは決定いたさなければならぬと考えております。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 次に、有料道路の問題について、道路公団の総裁にお伺いをいたしたいと思うのであります。  この有料道路は当然一般道路整備計画と並行して進めるべき性質のものであると私は思うのであります。そこで、だんだん計画されております事業も完成に近づきつつあるわけでございまして、本年度あたりからまた新規路線の計画を作りまして事業に進むべきものと思いますが、そうした計画はおありでございましょうか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 三十三年度から始まる新路線につきましては、若戸橋を初めといたしまして私どもとしてやらなければならぬ場所がたくさんあるのでございますが、目下建設省、大蔵省その他と折衝中であります。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 その新規路線の数と、それからおもなものがありましたら、お差しつかえのない限りお聞かせをいただきたい。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 今私どもの希望しているものは、先ほど申しました若戸橋、それから東京都内の高速道路、それから名四国道、そういうものでございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 それに要する経費はどれくらい見込まれましょうか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 大体全部完成で二百五十億くらいと思います。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 私は今本年度要求いたしておる新規路線の数をお尋ねいたしたのでありますが、その数と、それから本年度の可能な予算額。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 ただいま折衝しておりますのは十二、三ございます。それから本年度の新規工事に使えるであろう金は大体十億ちょっとと考えます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 見通しはどうでございましょう。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 それが全部やれるかどうかということですか。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 そうです。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 全部やりたいと思って今せっかく折衝中でございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 個々の問題について少しお尋ねをいたしたいと話いますが、ただいまお話しの若戸橋の計画につきましては、数年前からこの事業の実施については要望をされておったのでございますが、これが新規着工されるということになりますれば、土地買収費にさらに加えて何がしかの事業費が見込まれるものと思いますが、そういう御予定でございましょうか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 本年度はただいまお話しのように若干の用地買収費とそれから若干の工事費を考えております。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 東京高速についても同様でございますか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 同様でございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 次に名四国道についてお尋ねをいたしたいのでございます。名古屋—四日市間の交通難の緩和のために名四国道の事業計画が立てられておるようでございますが、本年度どれくらいの予算が考えられておりましょうか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 名四国道につきましては、名古屋から四日市までの間たしか三十七キロに及ぶ、今の一級国道の二次改良に相当するものでございます。事業費も百数十億になるのではないかと考えるのでございまして、これが実施につきましては、一部については有料道路で実施することがいいと考えられる点もございます。それらの点につきましてまだ計画が確立されておらぬわけでございますが、しかし、路線については調査はだんだんに進んでおりますので、一部につきましては用地買収等に着手いたしたいというふうに考えております。できるだけ用地を先に片づけまして、それに従って工事を進めていくつもりでありますが、この用地買収に対してどれだけ本年度つけ得るか、ただいま検討中であります。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 銚子—波崎間というのが新規要求なされておるそうでありますが、これも三十三年度から事業に着工されると見てもよろしゅうございましょうか。

岸道三日本道路公団総裁

○岸説明員 銚子—波崎の問題は、あそこは非常に重要産業道路でありますので、昨年から調査にかかっておりますが、三十三年度においてはさらに調査を進めまして、おそらく調査に三十三年度一ぱいかかると思っております。建設にかかりますのはそれから後の問題でありますが、できるだけ早い機会に建設にかかりたいと思っております。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 結論として建設大臣にお尋ねをいたしたいのでございまするが、先ほど来だんだんお話を伺って参りますると、この五カ年計画の事業に着工するにいたしましても、なおかつ相当量の財源が不足であります。この不足財源をどうしてまかなうかが今後の問題として残されておると私は思うのでございまするが、その際、今年度予算内容の中には、四百三十六億円のたな上げ財源の中に、二百億程度の開発基金が設けられておるということでございますが、この基金を一部道路財源として使用できるかどうか、また、そういうようなお話し合いをなさっているかどうか伺いたいと存じます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 いわゆるたな上げ資金と申しまするか、経済基盤確立のための資金の中にこれは入れておるはずでございます。これは予算編成のときに大蔵大臣と私が話し合いをいたしまして、大体百億程度はこれに充当すべく考慮するという口頭のあれになっております。しかし、御承知のように、あの資金は直ちに使えるものではなくして、経済情勢の安定ができまして、必要とある場合には補正予算を組んでやりまするので、そのときに補正になんぼ組むかにかかっているのでありますが、予算編成当時における私と一萬田大蔵大臣との話し合いでは、その中に百億程度の道路整備資金を確保すべきだ、その程度は考えた方がよろしい、自分もそれはよく承知しておる、こういう話になっております。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 まことに適切な御発言でございまして、建設大臣の御努力を切に希望いたす次第でございます。しかしながら、一般財源とか借入金とかガソリン税とかいいましても、時の財政規模によってこれらの財源はいろいろ大きな制約を受けることになろうかと思うのであります。そこで、次に考えられることは、昨年も相当話題を投げたのでございまするがガソリン税を増税することによって、その財源措置をそれに求めることもまた必要な場合が起きてこようかと思いますが、そういうことについてお考えになっているかどうか、御意見を伺いたいと存じます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 現在のところ、ガソリン税を増徴するという考えは、私、持っておりません。しかしながら、御指摘のように、日本経済の全体の見通しの上から、むしろガソリン税が国際的に見ても割合に安いという現状と、それから道路を整備することがより緊急事態になったということで一般的にこれが理解されるようになりますれば、ガソリン税の値上げという問題も出てくると思いまするが、しかし、現在のところこれをいつからやるということについてはまだ具体的に構想を持っておりません。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 次に簡単に一点だけお伺いいたしたいと思うのでございます。それは住宅問題についてでございます。現在東京都のような密集した地域におきましては、住宅難緩和のためにそれぞれ施策が講ぜられておるわけでございます。しかしながら、特に東京とか大阪とか名古屋とかいう大都市におきましては、その中心部に住宅を求めることが即交通難を打開する上にも、またあらゆる点においても妥当な最も緊急な政策ではなかろうかと私は思うのであります。さような意味合いから、昨年法律を設けまして、中高層住宅の建設の計画が立てられ、これに要する予算も組まれまして、着々その事業が推進をされておるわけでございます。しかしながら、これらの都心地に高層住宅、土地の高度利用化をするという際には、私は幾多の困難な事情があろうかと思うのであります。その困難な事情等につきましても、この際思い切って法律上の措置によってこれを打開しなければ、私は無理であろうと思うのでございますが、そういう点について考えておいでになりましょうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘の通り、日本の都市の人口集中は非常に著しい。にもかかわらず、土地の利用については、ほとんど世界の各国に見られないような低利用度と申しますか、土一升金一升といわれるような非常に高い土地のところでわずか一階か二階の店舗がある。しかも、それが非常に質のよくない店舗がある。これがむしろ日本の都市計画をして非常に困難に陥らして参っておる。そのために中高層の補助とかいろいろのことをやっておりまするけれども、なかなかこれで満足ができない。そこで、これを法律によって土地の高度利用を考えてはどうかという議論もございます。ただし、これには実は久野さんも御存じのような抵抗並びに困難性がございまして、今にわかに私も決断しかねておりますが、これは首都圏の方と私の方の事務当局をして十分に検討せしめて、一定の地域については一定の資格と申しますか、規格をもって建築物を許可するというふうにすることが必要になってきた、その必要性は認めます。認めておりますが、ただ、具体的にどういう構想をもってやるかについていまだ成案を得ないために、それについての具体的な決断はし得ないのでありまして、目下一生懸命この問題を検討しておるという段階でございます。

久野忠治自由民主党

○久野分科員 外国等の事情を調査いたしてみますると、都心地における住宅の建設、いわゆる店舗付住宅でございますが、これについては、イギリスにおきましても、あるいは西ドイツ等におきましても、すでに法律で規制してやっておるようであります。たとえて申し上げまするならば、都心地にビルを建設する場合には、必ず住宅部分を並置しなければならないということを法律で規制することによってこの目的を達しておるようでございまして、そのことが相当程度住宅難緩和のために稗益をいたしておりますし、また交通事情の緩和のためにも大きな貢献をなしておるわけでございまして、外国でそのような例もあることでございまするから、日本においても、思い切ってこうした政策を進めるべき段階にもう来ておると思うのでございますが、その点についてもう一度建設大臣の御意見を拝承いたしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘の通り、必要性はむしろ欧米よりも日本にあるとさえ私は感じております。ただし、まだこれについて具体的な名案が出ておりません。すみやかにそうした問題をも含めて土地の高度利用、あわせ都市計画のあり方としてもこれは検討いたしたいと思っておる次第でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 井堀繁雄君。

井堀繁雄日本社会党

○井堀分科員 住宅についてお尋ねいたしたいと思います。  最近、デパートでありますとか、ホテル、劇場、さらには銀行、保険会社といったような高層建築が続々と建築されておるのを見るのであります。これらの多くは、言うまでもなく非生産的なものであったり、国民生活にはそう直接的な影響を持たないと思われるのでありますが、日本の各般の諸条件を総合いたしますと、経済復興の基本的な政策の上から判断いたしましても、また国民生活の安定が何よりも急務であるという立場からいきましても、衣食住の中で住宅の問題は日本経済復興の上に大きな障害になっているということは、私はもう議論の余地がないと思う。また、国民生活の安定をどの面から急速度に取り上げなければならぬかということになりますと、私は住宅問題であろうと思うのです。ことに、最近の経済の復興のあらゆる政策を通して見ますると、たとえば、政府のいう貿易振興といったようなきわめて喫緊な経済政策を遂行していくためにも、都市に集中されておりまする勤労者の生活の問題、労働環境の改善といったような各般の面から総合的に判断いたしましても、勤労者の住宅の建設の問題は非常に喫緊な事態にあると判断いたすのでありますが、先ほど建設大臣の御説明を伺っておりますると、この状態を解決する一助として住宅予算に対する御説明がございました。それを伺いますると、本年は、政府の施策によって十九万九千戸と、民間の建設を三十二万戸も見込んでおるようであります。そうして、五年間のうちにはこの問題を解決できるかのような印象を受ける説明等がございましたが、こういう説明と、先ほど申し上げる日本の住宅問題、ことに勤労者の住宅の問題の現況から判断いたしますと、どうも割り切れない感じをいたすのであります。建設大臣の五カ年の間に住宅問題を解決しようという意気はけっこうでありますが、その内容がつまびらかでございませんので、まず私は、その計画をお伺いいたしまする前に、現在の住宅事情というものを政府はどのように把握されておるか、詳細な数字はほかの方でけっこうでありますが、大綱だけ伺っておきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 井堀さん御指摘のように、日本経済の戦後における状況から見ますと、住宅問題が一番おくれておるということは、その通りでございます。その意味におきまして、すでに鳩山内閣の当時、初めて国家的な施策として住宅問題を取り上げ、それが石橋内閣、続いて岸内閣と続いて参っておるのでございます。特に、石橋内閣の当時に、従来の鳩山内閣の当時における住宅計画をさらにスピード・アップしまして、五カ年間でおおむね一応の安定を見ようというような計画を立てたのでございまするが、昭和三十二年度の経済変調のために一時これが停滞しておる状況でございます。われわれといたしましては、一般の大きな会社などが、相当程度労務管理と申しますか、福祉施設の完備という点から、いろいろ寮もしくは社員住宅を進めておることは非常に好ましいことでありまするが、むしろ、そういうような措置のできない中小企業あるいは勤労者、サラリーマン、こういうことが一応の対象になっておるのでございまして、それは公団による住宅と、金融公庫による庶民住宅、それから公営に基く低額所得者に対する措置というような手配をいたしておるのでございます。五カ年間で一応の安定をするためにどういうふうな計画を持っておるかということでございまするが、このこちらにおける計画の一応の計数的な内容については住宅局長から説明いたさせます。

植田俊雄建設事務官(住宅局長)

○植田政府委員 住宅の不足の数につきましては、昭和三十年に建設省で住宅調査をいたしまして、その数字に基きましたところの二百七十万戸をもってスタートいたしておるわけでございます。それに対しまして、その後民間の自力なり、あるいは政府の住宅施策で建てられた分がございます。一方、災害その他で滅失いたしたものもございますし、また人口増加による新規需要もございます。そういうものを差し引きいたしまして、三十二年度末におきまして二百五万戸の不足と推定いたしておるわけでございます。この二百五万戸の不足数に対しまして、昭和三十三年から三十七年に至る五カ年間におきまして、民間自力建設を百八十五万戸、政府施策住宅を百十万ないし百二十万戸見込んでおるわけでございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀分科員 まことに残念だと思いますることは、ただいまの数字を伺ってみますると、昭和三十二年度末で二百五万戸の不足が一応想定できるということについては、これは異論がありまするけれども、一応それを建前にいたしまして、それを解決するために民間の住宅の建築を相当の量に見込まなければこの数字は出てこないと思う。政府施策によるものと民間によるところの開きについてでありますが、これは、数の問題について、政府の発表いたしましたものを、昨年もまた一昨年も予算の審議の場合に私は企画庁にお尋ねして、そのときの数字はここにございますけれども、はなはだ言い過ぎであるかもしれませんが、かなりでたらめな数字を並べておられるようであります。といいますのは、これは統計のとり方その他に議論を進めることになるかもしれませんが、私はその点にあまり興味を持たない。というのは、住宅の建設について一番大きな議論の幅を見せるところは民間の建設だと思う。政府施策によるものは、従来の経過から私は統計をずっと今政府の発表したものをながめておるわけでありますけれども、昭和二十年から三十年までの政府の発表した統計を見まして、信の置けますものは、公営住宅と、わずかの経験しか持っておらぬようでありますけれども住宅公団のものであります。これは現実に評価できるのであります。これは、数字をもって争っても、私は結論がはっきりしているかと思うからできる。しかし、金融公庫の問題で私は建設省から事前に資料を提出してもらい、検討を加えてみておりますけれども、全く把握に困難である。というのは、金を貸し付けるという操作が目的でありますから、その結果の報告や、それから直接調査はしていないようでありますから、いわば借り入れ申し込みの際の借り入れ側の申告を土台にしてトータルを出しておるということが明らかになっておる。ですから、ここに非常にばく然たるものがあると私は思う。こういうことをここで申し上げるのは、私は少くとも住宅問題の解決について二つの面から政府にただしたいと思っている。一つは、今議論になっております量の問題、次はやはり住宅は質の問題を考えなければならぬ。質の問題については私は二つの角度からお尋ねをしてみようと思うのであります。一つは、住宅というものは、バラックでもけっこうだし、それから、大きさから言えば、今政府の公団でありますところの一種、二種を見ておりましても、八坪の住宅も住宅だし、あるいは三十坪、四十坪の住宅もまた一戸建なのであります。でありますから、数だけをもって私どもは直ちに住宅政策の論議をする数字にしてはならぬと思うのでありますが、この問題をたださなければ、これからの質疑応答の意味をなさぬと思いますので、まず第一に、量の点については、一体今後政府は一番明確に出てきまする公営住宅の一種、二種であります八坪の住宅などに至りましては、これは、木造の場合と、簡易耐火の場合と、耐火高層の住宅とが考えられているようでありますが、この問題について私はぜひ一つ建設大臣に伺っておきたいと思いまするのは、今後住宅の需要が非常に急速に解決をはからなければならぬということになるために、数さえ作って何とかしょうという考え方でありますならば、ここで議論をしても一応つじつまは——さっきの議論じゃありませんけれども、一応批判を受けます。ことに民間のものなどを持ってきたら、それは根拠がどこにあるか聞いたら答弁はできないと思う。企画庁で調査をいたしているものを見ますと、私が企画庁から調べても調査はいたしておりません。ばく然たる資料をたよりにいたしておる。でありますから、こういうように比較的正確なものを見れば、公営住宅と公団住宅、ことに質の問題になれば、今公団住宅が手をつけておりまする不燃焼住宅、これを考えないと、私は住宅政策はいろいろな意味において将来禍根を残すと思う。住宅はことし一ぱいのものでない。あなたの方も五年計画を持っている。五年でこういうものが解決しないということはあまりにはっきりしている。あまりつじつまを合わした議論をしょうとか、そういうことをするものでない。もっとどっしり落ちついて、住宅問題は計画なんかを組んで、予算もそれに見合うような予算を出してもらいたいと私は思うのであります。たとえば、質の問題にいたしましても、不燃焼住宅を建てるということは、私は都市計画と並行して真剣に取り組まなければならないと思う。その一つは、今の八坪の家に労働者をそのまま——それはまあ負担能力の問題や建設費の関係でやむを得ないと言えばそれまでだが、そういうことでは勤労者に今住宅を与えよという要望に対してはいかにも無責任な答弁になると私は思うので、政治家たる者、もっとやはりこの点は、こういうものを建てたいけれどもやむを得ないからこういうことになるのだという説明がほしいと思う。この根本に対する政府の住宅政策を明らかにする義務があると思う。先ほどの御答弁を伺っておりますと、五年過ぎると一応二百五万戸足りないからそれを埋めるなどと、こう言っておりまするが、一体、公営住宅を中心にしていきますと、八坪か十坪の家をどんどん建てていくのです。しかも木造が主です。家賃の負担能力の問題はあとで伺いますが、そういう関係があるからこれにこたえてやっていこうというものである。これはかつて投資家が家を建てることが利回りがいいというので建てたような考え方とそう開きがない。国策として住宅問題を論ずる場合にあまり粗末ではないかと私は思うのであります。まずこれに対する建設大臣の——住宅政策五カ年間のうちにただそういうようにつじつまを二百五万戸に合わせるということでなしに、それはそれとして一つまあ伺うといたしまして、基本的なものに対して一応伺ってから、数字的なものについて二、三お尋ねしてみたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘のように、住宅の問題は質と量の両面から検討しなければならぬことはその通りです。従来、公営住宅の要望はいわゆる低額所得者の方から非常に強うございまして、しかもこれには地方自治体におきましても非常に要望がありましたので、本年は御承知のように第二種の方は昨年に比べて二千、総体として一千戸公営住宅をふやしておりまするが、これは御承知のように補助によってやっておるのでございますので、地方においてやはり相当程度消化し得なければ、やはりこれはやり得ませんけれども、地方の財政状況をできるだけわれわれが勘案いたしまして、第二種の方において補助金を多くすることによって質量ともある程度まで緩和していきたいと思っております。従来は低額所得者、特にボーダーラインの生活者に対しては厚生省あるいは労働省の方から第三種公営ともいうべき、もっと質の悪いのでもいいからぜひ一つ作ってくれという要望が実は相当あったのでございます。しかしながら、そうなりますというと、ほとんどこれは住宅といたしましてはあまりにお粗末であり、かつ耐久力も少い。そういう観点からして、建設省としては現在の第二種の規格以下には下げたくないという方針を堅持しまして、厚生省並びに労働省とも話をして意識統一をいたしまして、その結果、大蔵省との折衝の結果第二種をふやした、こういうことでございます。しかし、それでも現在第二種の公営住宅が、その規模といい、それからまた質としても必ずしも十分ではございませんが、現在は質をよくすることによって量を減らすということもなかなか困難でございまするために、現在のところでは、第二種を相当量多くすることによって、しかも質は現状より若干改良する程度で措置するよりないのじゃないかと考えております。それから、公団あるいは公庫の住宅については、これもまた料金の問題で後ほど問題になると思いますが、規格については相当改善しているつもりでございます。ただ、家賃がなかなか低くならない。これは御承知のように一般の物価よりもむしろ宅地の問題が相当影響しておりまして、これは漸次改善したいと思って、そういうように考えております。  それから、公庫住宅について非常に不確定だというような見方もございますが、これは後ほど御説明させるようにいたしたいと思いますが、公庫の方は割合に成績がいいようでございます。これは、御承知のように、世論調査をしてみましても、一般の家庭の方方が何に一番重点を置いて今後の生活をするかという質問に対して、やはり住宅だというような気持が非常に強いようでございます。若干でも余裕が出てきますれば公庫から金を借りて住宅を作りたいという要望が非常に強いようであります。しかもまた実施した結果はかなり成績がいいようでありますし、また現状の把握もかなりよくできておるようでありますが、後ほど事務当局から説明させてもいいと思いますが、井堀さんが言われるように住宅問題は実は非常に広範な要素を含んでおる問題でありまするために、一つだけの要求を貫くことによって他の方を犠牲にし得ない、しかもまたこれは相当の財政上の負担も多くかかるということのために、私も現在必ずしも満足していないわけでございますが、しかし、漸次この問題は解決していきたいと考えておる次第であります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀分科員 質と量を均衡させるということのなかなか困難な事情は私もよく承知しております。ただ、ここであなたにお尋ねしておりますのはことしの予算全体の総ワクなり、あるいは予算の質的内容を判断いたしまして、私はこの際にこそ住宅のために多くの資金を割愛すべき優先的条件があるのではないかということをあなたに言ってもらいたかった。自然増収による税の増徴などをどういうところに振り向けるかというのは、いろいろ議論があると思いますが、この際住宅政策にこれを多く割愛するということは、それは基本的に社会党、自民党の政策の異なる点を混同して議論しようとは私は思いません。共通の広場に立ってこの問題は解決できると考えるからお尋ねしておるのであります。というのは、低額所得者の住宅の現状があまりにも悲劇的であるということは、これは申すまでもありません。しかし、それより一つ上のクラスにおいて、日本の経済を復興していくために、どこに重点的に資金をつぎ込み、政府は政策を厚く用いなければならぬかということについては、おのずから私は共通の広場があると思う。それを住宅に求めることができる。こういう意味でお尋ねをしておるのであります。それは政府部内のいろいろな御事情もありましょう。しかし、あなたが言われるように、質と量を両方間に合せるということは、財政上の問題を考えるわけです。しかし、この財政の問題についても、あと一、二だんだんお尋ねしていく予定でありますが、政府が決意をすることによって——それは住宅の問題でありますから、すぐ解決つくとは思いません。しかし、今のような五カ年計画、失礼な言い方でありますけれども、場当りのものじゃなしに、国民が納得できるような案の作り方を考えていい時期じゃないかと思う。この点をあなたに言っていただきたかったのであります。また、予算説明の中で、その点の遺憾の意が十分表せられるような説明が聞きたかった。それはもっと真剣に考えてほしいのです。ことに、都市を中心とする日本経済復興の第一線に立っておる勤労者の状態を考えて、私はぜひあなたに通勤時間に有料交通機関を一つ利用してみてもらいたい。短かいところで一時間、長いところでは二時間半から三時間ぐらいの間、まるで地獄の状態をさらしながら通勤している。でありますから、労働によっていろいろ違うと思いますけれども、大部分のエネルギーは通勤時間に消耗している。今後のはげしい国際市場を公正な立場において争っていくということになれば、貴重な労働力というものをこういうところに磨滅させてはならぬと思う。これこそ、だれも喜ばない、国の一大損失だと思う。冒頭に申し上げたように、劇場はあとでもいいです。銀行は小さくたって何もお仕事に差しつかえはないでしょう。先ほど外国の例をお話しになったようでありますが、私も二、三年前にヨーロッパを回り、昨年アメリカを回ってきましたが、特に敗戦国である西ドイツの一見してわかりますことは、工場の設備の改善と労務者住宅に主力を注いでいる。都市において、建物の性質もあるでありましょうけれども、ロッテルダムにいたしましても、フランクフルトにいたしましても、ビルディングは焼け落ちたままにしてある。外観はまことにみっともないのでありますけれども、その周辺には労働者住宅ができておる。スエーデンのように、戦争に参加しない、人口も非常に少い国であっても、国民に四つの部屋を与えるという約束を実行するために、ストックホルムの郊外に新しい住宅を建設した。この極端な二つの事例を見ると、経済復興を急ぐためにも、いずれを先にするかといえば、私は、勤労者のための翌日の労働力を十分に発揮できるための衣食住の対策のうち住宅ほど先にすべきものはないと思う。近代工業における世界の市場をまじめに真剣に開拓しようという立場からするならば、住宅問題は私は大事だと思う。昨年の予算と比べてみてちょぼちょぼの予算を組んで、この数字で何とかしようというやり方はよほど考うべきものじゃないかと思うのでありますが、この予算についてはやむを得ぬといたしましても、この点に対するあなたのお考え方を伺っておくことは国民のために大事なことであります。お答えをいただきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 住宅政策の重要性については全く同意見でございます。ただし、これが、現在の財政の状況から見て、質量とも飛躍的によくするために政府の財政負担においてこれを実施するということは非常に困難だと思います。御承知のように、昭和三十二年、本年度予算において、従来よりも相当飛躍的に住宅政策をピッチ・アップしたわけでございます。しかるに、日本の経済の状況は、昨年の五月からずっと低迷いたしまして、むしろ逆に景気状況が非常に悪くなった。そういう観点からして、一般的な財政投融資も引き締めなければならぬということで、財政上非常に議論があるわけでございますが、御承知のような、たな上げしてやるという状況でありますので、実は私の主張とは若干異なった結論になったのでありますが、やむを得ないいと思っておりますけれども、今後においては、やはり従来の五カ年計画を推進いたしまして、所期の目的を達成するように努力をいたしたいと考えておる次第でございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀分科員 今回の予算については拘束を受けるのであろうとも想像をいたしておりますが、将来五カ年計画の中でというあなたのお約束はぜひ一つ実行に移していただきたいと思うものです。  そこで、今のあなたの御意見の中で、財政的な措置によってこの問題を根本的に解決つけることにつきましては、私はまだ困難があると承知しているのです。しかし、今とりつつある国の施策の中で、公営住宅を建設していくという点についてはもっと予算をつけることには何らの弊害がないのみならず、そうすることが私は財政上のバランスの上から言ってもまだ考える余地がたくさんあると思うのです。これは、住宅政策にこの内閣はどういう熱意を表わすかというそのバロメーターになると思うのです。これは、この予算においてはきまったのですが、しかし五カ年計画の中で変るものだと思います。  それから、今すぐできるものの中で、これは私は一般質問の中で大蔵省にお尋ねする予定でおりますが、金融公庫なり住宅公団の分譲住宅という政策をやっておられる。この中で、建設費が非常に高くなっているというものについては、やむを得ないものもある。一般の経済関係を調整しなければどうにもならなぬものもあると思うのです。しかし、できる可能性の範囲があると思うので、この点をお尋ねして、一つはっきりした点をお答え願いたいと思います。それは金利です。いま一つは、頭金の貸付というああいう中途半端なものでなくて——私書類を全部ちょうだいしてきましたけれども、今の住宅金融公庫の窓口なんていうものはとてもお話になりません。断わることのために窓口を設けて、よほど巧妙な技術の上達した者が飛び込んで借りる、こう言った方が私は正しいと思うのです。一向サービス庁の役割をしていない。いかに締めるかということのために存在しているような感じを私は受けるのです。これはやはり政府の指導の仕方いかんによっては解決ができる。限られたものを不特定の大勢の人々に分けようとするのでありますから、その困難のことを私はどうこう言うのではありません。そごには厳正公平であるということの建前は忘れてはならぬ。それではなくて、これは責任者が見えておりますから、あとで窓口の改善についてお尋ねしようと思うのですが、これは政府の方針が変ってこなければ窓口の今の状態は改善することはできまい。それであなたにお尋ねするのでありますが、頭金を貸すくらいなら全部貸した方がよろしい。なぜならば、頭金を本人の負担にさせることは、要するに高利を使っておる。でありますから、せっかく低利で国の政策を打ち出してみても、一方の高利でこうやりますから、どんぶり勘定にいたしますと相当高いものになる。これは私が建設省に計算してもらったのを資料に出さしております。この点の改善は政府の腹一つです。何も補助金を与えなくても、要するに低利融資のやり方というものに少し手心を加えれば、かなり格安で今の金融公庫というものが住宅政策の軌道に乗ってくるのではなかろうか。この点に対する改善をお考えになっておいでになるかどうか。そういうことをやらなかったとするならば、この点を一考する御意思があるか。  それから、金利については、もう今日日本住宅公団を見ればわかります。住宅公団の民間資本の導入が建設費を非常に高くしておることはあまりにも明瞭であります。一割二分も一割三分もするような利回りの金を使ったら、それは結局建設費で住宅利用者が負担することになります。こういう不燃焼住宅、そしてその住宅は五年や十年でどうするわけでもありません。半永久的な建物を建てていくのでありますから、私は国がこれに対する信用保証の道を国の責任の立場においてやるということはさほどむずかしい問題ではないと思います。助成金のようにくれてしまうものではありません。国営事業に準ずる公的な性格を持つこういう住宅が高率な民間の金を使うというようなことは、私は邪道だと思う。たとえて申し上げますと、二千億からの労働者の積み立てた厚生年金の金が今日運用部資金に流し込まれてどういうふうに回転されておるか。この辺は建設大臣としては一考を要すべきものではないか。原資がないのではない。原資の性格から言っても量から言っても、今日の住宅公団が勤労者を対象にして低額な、そうしてある程度健康を保持するに役立つような住宅を建てようとするならば、こういうところに手加減を加えるならば、数字をここに持っておりますけれども、今日の分譲価格のある程度の引き下げができる。家賃にしてもかなり引き下げることができると思う。こういう労働者の積み立てておる金も二千億から眠っておる。これは危険な投資ではありませんよ。きわめて安全で長期的な回収可能な投資である。それを民間投資に仰ぐなどということは、他に目的があれば別でありますけれども、住宅政策をまじめに考えれば、こういう点の改善の道があると思う。この二つについてお考えを率直に伺いたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 公庫並びに公団の運営についてでございますが、一つは頭金制度をなくしたらどうかという端的なお話でございます。これもできればそういうふうにしたいのでございますが、従来、先ほどの御質問の中にありましたごとくに、非常に御要望が多いのであります。しかもまた、これには調査には相当精密を期しておるわけでありますけれども、なかなか書類だけでは困難な点もたくさんある。そこで、従来は一つの安易な道をとったということになるのでしょうが、その中に相当程度担保能力と申しますかある程度の担保能力を持った者に一つ先に考えていきたい、これが公団、公庫の考え方です。これが公営と全然性質を異にするゆえんでございます。そういう観点から頭金制度を今日とっておるのでありますが、これが、実際運営上、今御指摘になったように、そういうふうな全然違った目的のもとに設定したものが、実は頭金がなければ申し  入れしても資格がないということで、無理に今度頭金を手に入れるために高利で借りておる、その結果は、むしろ、表面上は安い住宅であるべきものが、高い住宅を入手しておる、この実情は考えなければならぬという御指摘でございます。これは十分検討しなければならぬのでありまして、全面的に頭金制度をなくするかどうかについては検討の余地があると思いますが、一定の条件のもとにそういうことが可能であるかどうかは、ぜひこれは検討してみたいと考えております。  その次に、金利の問題でございますが、この金利が高いということがいろいろと非難を受けておるところでございますが、これまた、社会通念からするならば、今住宅の不足しておる人方の状況から見れば有利とはいうものの、現実にどうも資金コストが高いじゃないかという点は、われわれもいろいろ検討を命じておるのです。その意味において、資金コストを安くするために政府出資金を多くするということ、それから、本年は一部低額所得者についてはある程度まで政府の補助によって解決しようかということも考えたけれども。これは目的を達成することができませんでした。そういう状況でございますが、勤労者の年金の資金の活用の問題が提示されたのであります。これは一部社会党の方々からそういう御議論もございました。私も検討すべきだと思っておりましたが、政府全体の資金の運営の立場からして、特定のものをすぐに住宅に結びつけてやることは、現在の政府の資金政策としてとっていない。必要あればこれは政府の全体の資金計画の一部として考慮すべきだということで、これはまだ具体的に話がついておりませんが、しかし、せっかくの御提案でございますので、今後これらのような資金を活用することによって住宅問題が有利に解決するような見通しができますれば、十分に研究してみたいと考えておる次第であります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀分科員 今の金利の問題と頭金の問題でありますが、私がこのことをお尋ねしておりますのは、可能な一番よい道だと考えて質問をしておるのです。今この予算の中でどうせよということが困難なら、機会はまだたくさんあると思うのであります。それから金利の問題については、予算をそう気にしなくとも、これは大蔵省の所管かもしれませんが、指導の仕方一つによってはどうにもなる問題で、私がこの頭金と金利の問題をやかましく言うのは、限られたもので多くの需要にこたえようとすれば、やはり重点的にならざるを得ないわけです。どこに必要が高くて、どこから順位をきめていくかということについて、政策上の論議の中心になると思うからお尋ねをしておる。極端なる低額所得者、そのボーダー・ラインを上下する人々のための住宅としては、公営住宅の第二種でもだめだと思う。全国平均で千二百五十円、八坪の家ですから、人間の入るのにこれ以下のものは建てられませんよ。それでもそれだけのものはかかる。この問題をどう解決するかということは、もう少し社会政策の面で——住宅政策ではあるけれども、社会政策の中の分野として取り上げていくべきものだと思う。これはまだお尋ねしたい問題がありますが、それよりも、私がもっと重点を置いて言っているのは、日本の生産をになっております中堅どころの人に今住宅が渡っていない。これは公庫の資料を見ればわかる。公営住宅の一種の方、あるいは日本住宅公団の建設しておるものも、四畳半に六畳じゃありませんか。これはスーデンの四つの部屋に比べるにはあまりに程度が違い過ぎますけれども、少くとも敗戦国西ドイツのものくらいには比べてみたいものだ。私が住宅の問題をやかましく言うのは、それが直ちに労働者の生産性に影響するということも重要でありますけれども、日本の今のいろんな犯罪なんかにも、こういう点から来ると言われておりますが、この犯罪などの問題についても、非常に若い者に与える思想的な影響といいますか、情操教育の上に見えざる大きな害悪を流しておる。これは、もっとその方面の専門家に検討させたら、きっと驚くべき数字を出すだろうと思うのです。こういう意味で、この住宅問題の解決には国が力を注ぎ過ぎても、必ず日ならずして他の面においてそれを上回る反対給付が私は国に返ってくると思う。こういう点からいきますと、今の頭金をやめるということは、なるほど、あなたのおっしゃるように、需要供給の関係の中の調整をそういうところでバランスをとろうとする考え方については私は理解ができる。しかし、その考え方はあまりにも機械的だということを申し上げたい。それは、今言う重点論からいきますと、これをやめますと存外いいものが出てくるのではないか。これは金融公庫の窓口を長く預かっておる責任者の御意見を一つ聞いてみたいものだと思っております。もっと明るくなりますよ。それは、なるほど資金量が少し増加して、数の上で減るかもしれませんけれども、それが大事か質が大事かということについて、これはあなたにお考えいただく問題だと思う。それは私ただ思いつきを申し上げるだけでなくて、統計がそれを要するによく教えてくれている。今の、金融公庫を借りて建築しておるもののいろいろな分類を見ていきますると、今一番必要な、朝晩のあの電車に押し合いへし合いして乗ってきている人のところにはほんのわずかである。あの頭金の制度をやめると存外そういうところで地ならしされると思う。それは、こういう統計が出るのです。今の建設費からずっと逆算していきますと、そういう階層にその金が回っておるかといいますと、雇用労働者の場合と全世帯の場合の両方の統計を総理府の統計資料の中から見ますと、たとえば所得の階層に分けていきますと、三万二千円以下の所得者が八百七万七千人、全雇用者のうちの八三・七%を占めておる。ここへ来ないのです。もし来るというなら、その数字的な説明を伺いたい。これを全世帯のもので見ていきますと、三万二千円以下のものが千八百四万、全体のやはり八七%という数字が出てくる。でありますから、私はこれ以下の雇用関係の労働者八三・七%の人々のために住宅政策を考えるべきだと思う。ところが、今の金融公庫の実態は、これより上でなければいかぬ、あるいは商業資金その他の事業経営の上において採算のとれるような——サラリーマンではだめなんだ。月給、賃金労働者においてはこの利払いはできません。この点を私は判断していくべきじゃないかと思う。それから、今の日本住宅公団の分譲住宅は、これ以下のものはだめなんです。これは一番新しい日本住宅公団の案内書でありますが、これによりますと、所得の制限があります。一万五千円以上の者でないと、公団の一番低いものでも申し込み資格が与えられない。それから、今の四畳半に六畳、比較的これならばと思うものになりますと、三万二千円以上の所得者、こういうことになります。でありますから、この今言う勤労所得者の場合におきましては八三・七%が、東京近郷に作られております、不燃性の住宅である、やや住宅としての条件を備えたものには入れないというきわめて厳粛な事実が現われてくる。この問題を改善する、一つクラスを下げれば入れるというものについての配慮が必要だと思う。私はこれをそろばんを置いて見ているのですが、はじいてみると必ず可能なんです。ですから、住宅公団の場合は民間の資金はやめたらいい。それから、政府の資金については、金利の操作によってもっとできます。できないと言うならほかの例をとって申し上げますけれども、あなたは否定されないと思いますから、私は例は申し上げませんが、そういう点から言いまして、今日頭金のない人が民間の金利の高い資金を導入しなければならない、こういう政府施策に基く住宅計画というものは、この辺から改めていかなければならないのではないか。これは何も大きな予算が要るものではありません。何も無理をしなくても現行法でできることであります。こういう点についてどのようにお考えであるか、伺っておきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 今御指摘になりました点は、これは非常に有意義な資料だと思います。御承知のように、住宅には、実はいわゆる中産階級以下のほとんど大部分が不足しておるわけです。従いまして、住宅に対するところの要求は、やはりある程度まで各層にわたって一応の施策をしなければならぬというので、そこで、低額所得者については公営住宅、それから今の中産階級程度においては公団と公庫ということでやって参っておるのでありますが、今御指摘になりました資料に基きますれば全家族の収入が月に三万二千円程度というものが圧倒的多数を占めておる。そういうような生活状況におきましては、その所得の中から家賃に充当すべきところの金額というものはおのずからそこにきまってくる。それを想定していくと、現在の状況ではとうていこういう頭金の程度では耐えきれないというような事実でございまするが、これは、井堀さん自身も御指摘になりましたように、頭金を設けずにやるということは、結局全額ほとんど貸してやるということと同じことです。従いまして、量的には減ってくるということと、当った人は非常に有利であるけれども、当らない人はますます不利な状況になる、こういうことになると思います。そこで、今までは、オール・オア・ナッシングというよりも、ある程度まで自力によって努力された人の資金を一つのめどといたしましてやるということをやりましたが、今のような御指摘になったようなことがありますが、全部が全部頭金制度をなくするということも私は少し行き過ぎじゃないかと思いますけれども、ある程度の中産階級のうちでもやや生活の余裕のある方面においては、これは自分の財産を造成することでありまするから、頭金制度ということもこれは絶対に悪いということは言えないと思います。ただし、非常に低額所得者について頭金制度をなくするような方法で住宅問題がより有利に解決できるというような研究ができますれば、それは研究してよろしいと思いまするので、事務当局並びに公団、公庫に研究いたさせたいと考えております。  なおまた、金利の問題については、この運営の方法についてもいろいろ御意見があるようでありまするので、いずれ資料をお示し願いまして、私の方でもできるだけ検討して住宅問題の解決のために今後とも努力したいと考える次第であります。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 井堀君にお願いいたしますが、まだだいぶございますか。

井堀繁雄日本社会党

○井堀分科員 それじゃしまいにいたします。大体私のお尋ねしようとする点はおわかりになったと思うのでありますが、問題は、私はできないことを求めているのではない。こういう現実の問題はどうかと思いますけれども、少しでも前進させたい。また可能である。ただ頭金の問題については多少まだこだわった意見もあるようでありまするが、私はこの点をもっと考えていただきたいと思う。それは、なるほど同じ原資で頭金なしだとその分だけ足りなくなる、数が減ることは算術的にすぐ出るわけです。しかし、それよりも、やはり重点的にというところに施策のねらいがあれば、結果において数よりも質の方が有利になるかどうかということで、一つのねらいをお尋ねしたわけです。これは無理にお答えをいただこうとは思わぬ。考えるべき余地があるものだということを申し上げておけばいいと思う。なるほど一番重要なことは数が非常に多いということなのです。それに原資が非常に少いということでありますから、この原資をなぜふやさぬかということは、先ほども申し上げたように、国全体の予算の中で、それが他の金融政策をどう刺激するとか、あるいは増税しなければならぬとかいったような障害のある場合の議論としてはやや時間をかけて議論をしなければならぬものがあると思うのですけれども、本年度の予算をごらんのように、たな上げする資産まであるのです。だから、もし金をどこへ使うべきかといったら、私は、住宅政策に熱意を持つならば、その重度を考えるならば解決がつくのではないか、こういう点にあったわけであります。  それから、原資をふやすことができればその問題はもっと質的にも両方うまくいくわけでありますが、もう一つこの機会にお尋ねしておきたいと思いますることは、この問題を解決する一案として、日本の今の国の政策による住宅の行き方については間もなく行き詰まるのじゃないかと思う。これは、住宅公庫にしても金融公庫にしても、はたまた公営住宅にいたしましても……。それは、住宅はわが党のように計画経済を基礎にして住宅政策を行う場合には可能だと思のであります。自由経済の上に立って住宅をやはり国の財源でやろうとする場合には、困難が生ずることは私もよく承知しておるのです。われわれの立場は離れてその立場に立ってお尋ねをしておるのです。これは、そういう立場からいたしまするならば、やはり民主主義的な力を増大していこうということについては保守も革新も共通しておると思うのです。やはり民主的の力をできるだけ取り上げて住宅問題を解決させようというやり方が一つあると思うのです。それは多くの民主主義国家の実例を学ぶまでもないと思う。住宅をやはり自分の家にしたいという共通の心理というものは、この際十分活用すべきではないかと思う。これは、この間、どこの団地か知りませんけれども、固定資産税の問題で地方庁と住民との間の板ばさみになって苦しんでおいでになる。当然なことだと思う。こういうような問題は、今後姿を変えて次から次に出てくる可能性のあるものだと思う。でありますから、この際、やる方法として、日本の今の合法的なものをあげるならば、生活協同組合法のようなものも考えられる。かって震災直後でしたか、住宅組合を作って、それによって住宅政策に協力さした時代があったのですけれども、ある意味においてはこれは失敗の率の方が高かったと思う。今もそれに似たような政策を考えておいでのようでありますが、もっとこの民主的な国民の組織的な動きというものに注意を与えるということになれば、生活協同組合法が適当かどうか、私は議論は別にあると思いますけれども、今一番近い解決法なんです。すなわち、住宅を必要とする人々の意識的なつながりと、それから、立ち上ろうとする気力を持っておる者を取り上げてくるということになれば、さっきの頭金の問題は立ちどころに解決すると思う。こういうものに対して相当いろんな条件はつけられると思いますけれども、こういう政策を考えて、住民自身がそういう組織を通じて住宅建設をやろうとする場合に、政府のこれに対する協力、あるいはそのための政策を考慮するということが非常に必要になってきておると私には感ぜられる。こういう点に対して、お考えをお持になって、おられるかどうか、あるいは今後計画をなされるおつもりかどうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 ただいま御指摘になりました点は、一部実施しておるつもりであります。たとえば、都市における中高層の建築等においては、やはり一軒だけであってはなかなかできませんので、相隣合せておるところの商業を営んでおる人たち、これらにもやっております。また、地方におきましては、例の防火帯地区なんかにつきまして補助を出しましてやる場合に、やはりこれはある程度における住民の自発的意思とその団結によってやっておるのでございます。ただ、純粋の勤労者の方がただちにまとまってやるということは非常に困難であります。こういうところは、むしろ事業を経営しておる事業主に対して金融をしてやって、それによって住宅を作ってやるというふうなことをしております。もし地域的にそういう問題が進んで、完全に内容がしっかりしており、かつまたその運営において十分見通しがあるというものについては、考えて差しつかえないと思っておる次第であります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀分科員 時間がありませんので、いろいろお尋ねいたしたいと思いましたが、これで終りにいたしたいと思いますが、一問だけ大臣に御答弁いただいておきたいと思います。それから、せっかくおいでいただいた公団や公庫の方にお尋ねしたかったのでありますけれども、時間の関係もありますから、いずれまた個々にお尋ねする機会を作りたいと思います。御迷惑をかけたことは恐縮に思っております。  それで、最後にお尋ねをしておきたいと思いますことは、土地の問題について今非常に苦しんでおいでになっておる、この事実であります。土地の問題は、木造の場合はしばらく考慮が要るといたしましても、不燃性住宅、高層住宅による半永久的というよりも永久的な住宅の建設に当っては、土地は国がお世話をするということに切りかえるならば、まあ住宅の国有とか国営とか大げさに言う必要はないと思いますが、ある程度資金をつぎ込んでも、安全率は保証できますし、損耗もございません。こういうものについては、私は可能な限り国が国全体の政策の中で道路の建設のように考えていくべきではないかと思う。それから、住宅を建てる場合に、今のようにみみっちい住宅をぼんぼん建てないで、先ほど言うように、交通量とか通勤状態とか、そういういろいろなものを総合したものの判断の上に立ってやっていくべきだと思う。数だけたくさんやる、あるいは適当な土地が売りに出たから買うといったような形でなしに、そういう点の総合的な対策が必要ではないかと思っております。こういう点に対しての配慮を一つ願っておきたい。  もう少し時間を拝借したいのですが、最近道路の問題で方々で問題を起しております。拡張もしくは造成しようということに対しては、高い見地に立って強い要望があります。その要望を満たすという公共性については異存はないのでありますが、そういう大義名分をかりて、とかく住民の利害を軽視する傾向が非常に強く出てきていると思うのです。たとえて言いますと、これは具体的に質問をすればすぐお答えがいただけるかと思いますが、ここにわれわれが審議しております道路関係の予算では、山間や原野に作る道路は別として、ある程度住宅や住居に関係する建物を動かさなければならぬような場合が相当ある。そういうものの費用は、ほんとうでありますならば大体どのくらい経費がかかるかということを見込んで予算を組んでいくべきでありますが、実際問題としては予算をつけてからそういう人と交渉をするという形をとってきている。この問題は、ついていきますと大きな矛盾が出てくると思いますが、これはここですぐ回答いただけるほど簡単な問題でない。ただ、私どもは、もっとこういう問題に対して考えていきたい。ここら辺に対して建設大臣としてはもう少し心を配るべき事柄ではないか。そうしないと、これは問題で、権力の前に人民の権利が眠ってしまったりあるいはじゅうりんされたりするというおそるべき傾向すら現われてくると思いますので、こういう点にお気づきであるかどうか、お気づきであればお考えをいただくべきだと思うのであります。この一問だけお答えをいただきまして、残念でありますが私の質問を終りたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 都会地において高層住宅を作ることによってなるべく地価を合理的に考えろ、これは十分に考慮いたします。なおまた、現在政府におきましては、国有財産中そういうふうな住宅用地として適当なものはできるだけ転換しまして、現物出資の形において宅地化することに努めております。なお、都道府県等の公共事業体において土地の造成並びにこれが確保について補助をいたしましたり指導したりして、そのような努力もしているつもりであります。  それから、道路整備を実施する場合において、用地買収に関し特に予算的な考慮が足らないのじゃないかという御指摘でございますが、これは十分に考えているつもりでございます。今日まで道路についてはほとんど話し合いの形でやっておりますが、しからば予算策定の場合においてどの程度に地価を見るかということは非常に問題でございまして、客観的条件によってこれは非常に違うのでございます。それからまたいろいろと事情がございますので、これは予算に明示しておりません。端的に申しますと、もしここに一定の買収額というふうに予算をきめてかかりますと、またそれ以上に多く要求されるということがありますので、つかみでやっておりますが、決して無理はしないつもりでございます。今後の運営についても十分留意して参りたいと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 川崎秀二君。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 端的にお伺いします。世界銀行からの道路借款については、数年間にわたって、三年間ぐらいずっと変移してきておる。私も実は今日午後からそのことを勉強し始めたのですが、どうもだんだんしりつぼみになってきておる傾向にあるわけです。高碕さんのときには四千万ドル、一九五六年五月には二千五百万ドル、それから今度は当分やらない。そこで、お尋ねしたいのは、今日の段階では世界銀行に対してどのくらい借款ができるようになっておるか。もう一つは、他の外資導入について、たとえばアメリカの日本に対する経済協力の形で日本の道路の建設については、かなりアメリカはウエートを高く踏んでおるにもかかわらず今日まで実現しないのはどういうところにネックがあるのか、また見込みはあるのだろうかということをお伺いしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 ただいま川崎君御指摘のように、道路に対するアメリカの資金導入の問題は吉田内閣当時から実はあったのでございます。当時、吉田内閣といたしましては、相当思い切った外資導入によりまして、一面においては産業の開発、日本経済の質的向上に充てるとともに、防衛道路としても考えて参るということでございましたが、これは実質上の実を結ばずしてそのままになってしまいました。その後鳩山内閣が成立するに及びまして、当時経済企画庁長官をしておりました高碕さんが、これは採算も取れかつ日本経済の隘路を打開する意味において外資導入をすべきだという構想のもとに、相当世界銀行並びにアメリカ側の他の人々とも連絡しておったようでございます。ところが、当時は一萬田大蔵大臣でございましたが、大蔵大臣としては、現在外貨の事情が必ずしもよくない、よくないときに道路に外貨を入れるということは外貨政策上必ずしも適当じゃないという御意見で、そのときにまた中止になりました。その後昭和三十年になりますと外貨事情がよくなった。よくなったから高碕さんとしてはこういう時代に外貨を導入したらいいじゃないかということになった。そうしたら、外貨事情がいいから借りなくてもいいじゃないかという、ちょっと話が違ったようなことでありますが、そういうことがあったのと、それから、世界銀行自身がまだ具体的に日本の道路について投資すべきかどうかという見通しがつかなかったのであります。ところが、あれはたしか馬場さんが建設大臣の当時、ワトキンソンの方から、調査団に来ていただいて調べた結果、日本の道路は驚くべき原始的なものである、これはすみやかに日本の経済再建のために道路の整備をはかるべきだという強い勧告をしていかれるとともに日本に対して道路に対する投資をすべきじゃないかという空気がアメリカ側に起きてきたようでございます。その後、石橋内閣当時におきましては、この問題は一応そのままになりまして、具体的には進展しなかったようであります。ところで、今回岸内閣になりまして、道路十カ年計画なるものをわれわれが樹立し、かつそのうちで特に高速自動車道路をすみやかに整備すべきだという観点から、私は積極的に外資導入をやるべきだということで申し入れをいたしまして、大蔵大臣も今回は外資導入はやるべきだというふうにだんだん心境が前進して参りました。その結果、先般大蔵大臣がアメリカに参った際にも、この外資導入の件に関しまして一応の折衡をアメリカ側にいたしたようでございます。その結果、話が進みまして、先般世界銀行の極東部次長が参りまして、私ども会いましたし、また現地についても見ていただいた結果は、全般的な意見としては外資導入については賛意を表しておるように私は考えております。なお、これは技術的な問題が相当あるというので、技術者の方々も参りまして名神国道について調べまして、いろいろと研究の上、最後に判断をしたいということでありますが、今日までの状況においては、現在の高速自動車道路については好意的な態度を示しておる、かように判断いたしておる次第であります。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 それで、建設大臣としては、ことしじゅうに世界銀行の結論が出るというふうに思われますか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 私にははっきりした向うの答弁はしておりませんが、公団の総裁並びに建設省の事務当局が向うといろいろ懇談した際には、事務的ないろいろの向う側の調査、その後における整理等によって、本年の末か来年の春ごろでなければ具体的な折衝は、今までの経過から見て困難じゃないか。しかし、三十三年度中には話がつくだろうというような見通しをつけております。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 それから、もう一つは、さっきの第一問の質問中にも申したのですが、ずっといろいろなものを調べてみると、向うの方にもアメリカの世界銀行の借款という問題もあるが、それから、日本に対する経済協力という意味で、日本の将来の産業の発展のためには道路計画が筋金だというような意味合いから、これに協力しろというような構想もあるやにわれわれは聞いておるのです。確たる情報とも言えませんけれども、二、三そういう情報もあるので、そういう場合には建設省としてはどういう対処策を持っておるかということを伺っておきたいと思うのであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 私の方も、実は非公式ながら、アメリカの財界あるいは政界の一部におきまして日本に対して道路投資をすべきだ、またこれには相当積極的な動きをしているという情報を聞いておりますが、具体的な条件あるいは相手方の本旨というんですか、それがまだはっきりとつかめないので、今その情報を聞いておる程度でございまして、これが具体的に進展しますれば、その内容いかんによりまして、日本の有料道路を推進するためにこれは有利にしてかつ安全であるということになりますれば、そのときには積極的に受け入れ態勢を考慮いたしたいと考えている次第でございます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 今日本は道路開発の時代であって、今後五年ないし十年計画というものによって非常に大きな変更があろうと思われる時代に入ったことは、建設省としても実にやりがいのある時代です。またこれを担当して精力的に活動しておられる根本建設大臣としては、その初期にこれを担当するわけですから、非常に力を入れなければならぬと思うのですが、一面、道路を掘り返すことばかりで実際には効率が上らないということがしばしば言われておる。それから、建設省所管の道路工事あるいは下水道というものの工事が連絡なく行われておるような向きもあるように思うのです。第一、東京の知識人の間で話題であるのは、東京都は何でこうしょっちゅう掘り返しておるのか。あるとき私は安井都知事にあるテレビの座談会で聞く機会があったから、そこでこれを聞いてみると、これは建設省が一番連絡なしに掘り返しているんだと、まあ責任転嫁か知らぬけれどもそのときはそう言ったんです。——よくわかりませんけれども。たとえば、帝国ホテルの横の、あれは何の工事かしらぬけれども、一年半もやっているのです。それからもう一つの何かの工事がある。私が言っているのは表通りじゃない。横のところのことだから、地下鉄じゃないはずです。この間火事のあった宝塚劇場との間ですから、大きな下水工事だと思う。従って、よほど重複した工事がしきりにされておると思うのですが、そういうことについて、建設省としては地方の都とか、あるいは横浜なら横浜の県庁とかいうものについて、重複した工事を避けるような対処策といのものを十分に講じられているのかどうか、伺っておきたいと思うのであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘の通り、日本の道路が非常に無計画に掘り返されておる、そのために道路自身が非常に悪い状態であるのみならず、いわば日本の道路が完全に使えるということは、はとんどないというような非常に醜態を演じておることを、私も非常に遺憾に存じております。ところで、これは責任転嫁ということではありませんが、従来、道路の管理は、これは国道といえども実は都道府県知事に一切の管理をゆだねているわけです。なお、都道府県におきましては、実際上の管理が事務的にも十分にいかないために、あるいは電信電話の布設が出てくると、これを許可しないと他の行政上困るというので許してしまう。そうしておるうちに今度はガスの設備が申請されて、これをやらなければまた都道府県としては住民に不便を及ぼすということでまた許してしまう。そうしておるうちに今度は市自体の下水計画が出た、これもまた阻止するわけにいかないというので、計画的に使われぬために非常に困難を来たしております。そこで、現在この管理について事務的に、都市計画、それから道路局、関係省である運輸省、こういう方面とも連絡をしまして、各省の計画のもとに一定の期間いつからいつまでは掘し返しを許す、計画が総合されるまではしばらく押えるというように、政令かなんかで規定しようじゃないかということで、これは今相談させつつあります。なおまた、一級国道については、これは漸次直轄工事にすることによって政府が責任を持って体系的にやっていくと同時に、理想といたしましては、国道の重要なところについては共同溝を設けまして、その中に電線もあるいはガス管も下水もみんな一緒にできるというような構想にまで持っていきたいと思っておりますが、これは本年の予算措置はありませんけれども、将来はそういうふうな構想でいかなければ、これはなかなか困難であると思います。なおまた、道路工事の効率的活用と、それからまた道路交通のいろいろな障害をなくすために、先ほども久野さんからの御質問がありましたが、政府に関係閣僚の協議会を設けまして、今まで各省ばらばらにやっておったのを整備して調整いたしたいと考えておる次第であります。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 最後に一言だけ。これは地域的なことでありますが、名古屋と神戸の国道が着々進行し、これと並行して中部経済圏というか、四日市の非常な驚異的な最近の発展に伴って、海運力は四日市は非常にふえたのでありますから、それだけ貨物輸送力も大きい。そこで、名四国道というものがクローズ・アップされてきまして、幸いにして取り上げられたわけですが、これが今度の予算ではどの程度に進捗をするのか、どの地点をやるのか、それから、将来何年計画で完成をするのか、これらについては建設大臣でなくてもけっこうなんですが、どなたからでもお答えを願いたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 名四国道につきましては、一般の公共事業費と有料道路、両方でやるつもりでおります。ただ、全体の工事はただいま調査中でございますが、百数十億円要ることになろうと思います。来年度から両地域の一部を着工いたしたい考えでありますが、金額につきましてはただいま検討中でございます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 何年計画ですか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 計画につきましても、百数十億になりますから、このうち有料道路にどれだけ、公共事業にどれだけという比率がきまりまして、それを何年ということになろうと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 島上善五郎君。

島上善五郎日本社会党

○島上分科員 住宅のことについて、ただいま同僚井堀委員からだいぶ詳しく質問しましたので、私は簡単に一、二伺って、それからその次に高潮対策について簡単にお伺いいたしたい。  先ほど井堀君からも強く言われましたが、私は、現在の住宅事情から考えまして、住宅建設は選挙目当ての、間に合せ的なものではなくして、長期計画を立ててやる必要があると思う。マッチ箱のようなものをばたばた建てるというよりは、現在住宅公団が建てておるような高層不燃住宅を将来長期にわたって計画する必要がある、こう思っておるのですが、さて、その住宅公団の住宅でございますが、家賃が高過ぎる。特に最近だんだん高くなってきた。これでは住宅公団法を作って出発した当時の考え方とだいぶずれてきておると言わざるを得ない。言うまでもなく、これは住宅の最も困っている勤労者を対象にした考え方で出発したものだと思うのです。ところがいつのまにか、三万五千円の入居資格の収入の基準が二万八千円になり三万二千円になり、おそらくはこの調子でいくならば三万五千円あるいは四万円にもなりかねない。そういたしますと、これはほんとうに住宅に困っている勤労者には縁の遠いものになってしまう。そこで、今日すでに入っている人々の中からも、家賃を下げてほしいという声がかなり強く起っている。これにはいろいろ原因があるということもわかります。わからぬことはない。しかし、その原因の中で、たとえば建築費が相当高くなっているというような問題は、これはあるいはどうにもならぬかもしれない。しかし、たとえば比較的安い土地を手に入れるというようなことは、長期の計画を立てて——昭和三十三年度に建てる家の土地を、建てる直前になってから手に入れるといったようなことでなしに、ごとしは三万戸ですか、年々三万戸なら三万戸建てるとしたら、それに必要な土地は前もって手回しをするということもできないはずはないと思う。そういうようなことを考えるとか、あるいは資金についても長期低利の政府資金でやるといったような方法もありましょうし、その他厳密に検討しましたならば改善する余地があると思う。家賃がだんだん高くなるこの事実を押えて、住宅にほんとに困っている勤労者に提供するという、その趣旨に沿う方法があると思うのです。そういうことについて、この前の建設委員会では、大臣も、何とか家賃を少しでも安くするように努力したいという趣旨の御答弁をされておりましたが、これは建設大臣及び住宅公団の当事者からも伺いたいのですが、現在だんだん高くなっていくこの家賃をもっと低額に、安くするといったようなことについて何らか真剣にお考えになっているかどうか。このままずるずる家賃が上っていくのはやむを得ないことであるという考えであるのかどうか、これをまずお伺いしたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘になりましたように、公団発足当時から比べまして公団住宅の家賃が高くなっておるということは、遺憾でございまするが事実でございます。先般の予算折衝に当りましても、実は、原資を、なるべく安くするために政府出資その他を考えたけれども、残念ながら私の思う通りには参りませんでした。しかしながら、大体物価の情勢も今後はあまり高騰するとは思われませんし、ただ宅地関係が高くなるのについてはすでに御承知のように、事前に土地造成もしくは入手することによってこれを確保するように努力しておりまするが、今後ともあらゆる工夫をこらしまして、低家賃制度を実現するように努力したいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上分科員 公団の方から何か……。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納説明員 家賃をできるだけ下げるということにつきましては、公団自体といたしましても非常に努力いたしております。設計の規格化、それから、すべて規格のできるものは、窓、畳、流し、そういうものは全部規格化してコストを下げていくごとに三年間努力いたしまして、漸次その成果をあげております。従って、建設コストの方ではあまりに上げないで物はよくなってきておると存じます。ただ残念なのは土地が御承知の通り非常に上っておりまして、中央沿線では一年間に七割から上っております。東京周囲全体で一年間に五割上っておるという状態で、そのコスト等を入れますと家賃が高くなる。  それから、家賃を引き下げることができないかどうかというお話でありますが、これは、今日の資金構成からいたしまして、政府の出資が多くなって、ただいま賃貸住宅の金利が四分一厘となっておりますが、これを四分以下、できれば三分五厘、三分二厘五毛というふうにすることができれば家賃が下げられる、こういうふうに存じております。先ほど一割何分の金を使っておるという話でございましたが、それはございません。今日借りております金で一番高い金が七分五厘であります。七分五厘の公団債と、それから保険会社、銀行から借ります金と、それから六分五厘の資金運用部から借ります金と、政府出資の利息のない金、それをすっかりプールいたしまして、賃貸住宅に対しては四分一厘、それから分譲住宅に対しては七分という金で計算しておるわけでございます。  その次に、土地のことでお話がございました。できるだけ努力して、来年度の分の土地の入手に努力いたしておりまして、ただいま、三十三年度の土地につきましては、東京を除くのほか、名古屋、大阪、北九州においては全部来年度分の土地を手配済みでございます。東京につきましては、半分程度手配済みでありまして、おそらくこれは今月、来月中に手配することができると思います。それから、土地が自然に上っているのでありますが、これをできるだけコストを下げるためには御承知の通り、住宅公団の第一期の三百万坪の宅地造成によりまして、そろそろことしあたりから宅地ができて参ります。その自分の作った土地をことしはおそらく四十万坪は使うことができると思います。そうしますと、これは坪当りのコストが三千円ないし四千円ということになっておりまして、この点においても土地の値段の上ることを消極的に防いでいる、こういうことになります。

島上善五郎日本社会党

○島上分科員 家賃を高くしないように、あるいは引き下げるように努力をされるということでございますが、これは一つ積極的に——今資金構成の御答弁もありましたが、資金構成の改善あるいは土地の計画的な入手、その他例の固定資産税という問題もありまするし、あらゆる角度から検討しまして家賃の高騰を押える、さらに積極的に家賃を引き下げるという努力をしませんと、私は、もし民間のいわゆる自力建設が相当程度進み、あるいは地方公共団体の公営住宅等が相当建設が進みますると、先へ行ってから公団住宅へ入る人が少くなるというような事態が起りはしないかということを心配しておる。そうすると、今度公団ではあき家ができるということになれば、ますますそのあき家の損害分を入居者に負担させるといったようなことになりましたならば、妙なことになってしまう。現に、現在ですらも、新しく建った公団住宅の独身者のところが、応募者が少くてかなりの部屋があいているというような事実もあるのです。これはやはり、家賃が高いということ、あるいは交通があまりに不便過ぎるというようなことに基因しておると思います。私は、今すぐに具体的にどうという結論をここで聞こうとは思いませんし、詳しくは建設委員会でもまたお伺いしたいと思いますが、家賃がどんどん高くなるという事態は、現在のことばかりじゃなしに、将来にわたって考えて、しっかりした対策を立ててほしい。そうして住宅公団法出発当初の趣旨であるほんとうに住宅に困っている勤労者に提供するというこの趣旨に沿うように、一つ積極的な努力をしてほしい、こう思います。  時間がありませんから、住宅の問題はあとは当該委員会に譲りまして、もう一つ伺いたいのは、本年度予算にも若干昨年に比べて多く計上しておりまするが、例の江東地区の東京の高潮対策です。これは、私が申し上げるまでもなく、もう御存じの通りですが、隅田川、東京湾、荒川放水路に囲まれたいわゆる三角地帯、ここは面積にしまして四十三万平方キロ、昼間の人口が百万、工場の生産額は年に三千億といわれておる。そうして、もし大正六年のような高潮が参りますると、現在の護岸の状況であるならば、水位が八十センチないし百センチほど高くなる。そうして、一斉に護岸から水が入って参りましたならば、一番深いところでは四メートル五十に達するであろう、こういう状況です。これは建設大臣も御存じだと思いますが、昨年建設委員会で現地視察に参りましたが、現地へ調査に参りました同僚の人々は、その状況があまりにひどいのにびっくりしている。満潮時より低いことはもちろんですが、干潮時よりも低いところがあり、すりばちの底のようになっている。これが一朝今言ったように大正六年に来ましたような高潮が参りましたら、大へんなことになってしまう。工場が全滅するばかりではなく、人命にも大被害を及ぼすということは火を見るよりも明らかです。もちろん建設省もこの事実は知っておりますので、予算を若干ふやしたとおっしゃるかもしれませんが、私は、こういうような状態に対しては、予算を若干ふやすというようなことではなしに、一定の計画を立てて、この計画のもとにやるということが必要ではないかと思うのです。首都圏並びに東京都では、すでにこの点については一定の計画を持っておるようであります。ことし政府に要請しましたのは、今までは十カ年、七十五億で完成するという計画でありましたのを、台風襲来のことを心配しまして、これを六カ年計画に短縮してやりたい、こういうことで、たしか本年度は総工費十三億の計画で政府にお願いしているはずであります。ところが、政府はこれに対してはきわめて消極的な予算しか組んでいないわけです。おそらく、政府の本年度のような態度で行きますならば、十カ年計画どころではない、今後十五年も二十年もかかってしまうということになりはしないかと思います。私は、これに対する政府のお考え、年次計画を立ててこれを早急に完成するというような都及び首都圏の計画あるいは要望に対して、建設省はどのようにお考えになっているかを伺いたいと思う。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 高潮対策につきましては、私も重大な関心を持ちまして、実は、予算折衝に当りましても、最後の段階において、直接私が大蔵省と折衝して、事務的査定以上にやったつもりでございます。もちろんこれで十全とは申しません。しかしながら、従来の高潮対策からしますれば一歩前進したつもりでございます。なお、この問題は、東京のみならず、あるいは新潟において、その他各地に地盤沈下の問題がありまするので、これについては今後大いに努力して参りたいと思いまするが、江東地区の地盤沈下に対する具体的な計画、対策につきましては、事務当局をして一応説明申し上げさしたいと思います。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 ただいま御質問の中にございましたように、江東地区の重要性並びにその高潮に対する危険性につきましては、建設省としても十分承知しておるわけでございます。従いまして、先般キティ台風の後におきまして災害を受けたのでございますが、それの改良復旧を加味いたしまして、大体二十億の事業費をもって昨年度で一応改良復旧を終っておるわけでございますが、御説の通り、でき上りました堤防等をもっていたしましては、キティ台風程度ならば持つわけでございますが、大正六年程度の高潮が参りますと、今の堤防では非常に危険な状況にあるわけでございます。従いまして、先ほどお話がありましたように、三十二年度からこの事業に着手いたしたわけでございます。もちろん、この事業は、荒川放水路の工事並びに海岸に面する海岸堤防、それから隅田川に面する河川の部分というふうに相なるわけでございまして、そのうち海岸に面する部分は運輸省の所管に相なっておるわけでございまして、建設省は運輸省とも連絡をいたしつつこの工事を推進していくわけでございます。お話のございましたように、三十二年度におきましては、国の予算といたしまして五千万円、事業費にいたしまして一億七千万円、三十三年度におきましては、予算といたしましては八千万円、事業費にいたしまして二億七千万円をもって三十三年度の事業を行いたいというふうに考えております。東京都が立てました全体の計画は、運輸省所管の分と隅田川に面する部分との総体の計画といたしまして、総事業費七十五億円という事業費を持って参っております。しかし、これらにつきましては、上流からの流入河川の問題もあります。高潮と流入河川の問題を調和させて考えなければならぬということで、東京都とも協議の上、建設省におきましては三十一年度からこれを直轄で調査をいたしております。従いまして、東京都の作りました原案をもっとよく調査をいたしまして、万全のものにしようという調査をいたしておるわけでございまして、現在の状況におきましては、大体三十三年度中にはその調査が完了できるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、今の計画で見ましても、運輸省、建設省所管分を合せますると七十数億円に達するという分でございまして、うち建設省分が約三十九億くらいになっております。御説の通り、来年度の事業費も二億七千万円でございますが、これをこのままで参りますると十年以上もかかるわけでございます。私どもといたしましては、この計画をすみやかにでき上らせまして、少くとも五年くらいの間にはでき上らせて、重要な部分は守るようにしなければならぬというふうに考えておる次第であります。

島上善五郎日本社会党

○島上分科員 建設省のお考えはわかりましたが、重要な部分といえば、まず水門、閘門を先に建設することである、こう東京都及び首都圏では言っているのです。この水門、閘門を大急ぎでやりますならば、外の堤防ならば、現在の状況でも大ていの高潮に耐え得る。しかし、内部の堤防が非常に低いので、まずもって水門、閘門を作る必要がある、こういうように言っておるわけです。調査が本年度中に完了する、こういうことでございますが、私は、調査が完了しましたならば、この必要などうしても先にやらなければならぬというところだけでも、年次計画を立てて、なるべく早くに完了するようにやってほしいと思うのです。建設省としては、調査がまだ十分完了しないという、いわば逃げ道のような答弁でございますが、そうであるとしましても、すみやかに調査をしまして、大事などうしても必要なところだけは、短かい年次計画を立てて、早急に完成するようにやっていただきたいと思う。これに対してどのようにお考えになっておりますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本(三)政府委員 お話にありますように、現在の海に面する堤防等の問題は、先ほど申し上げましたように、改良復旧によりましてある程度の強さを持っておるわけでございますが、お説の中にありますように、小さい川がたくさん隅田川から入っておるわけでございまして、それに高潮が入って参りますと、この小さい川の両岸は非常に低い土地が多い。従いまして、それを水門でとめれば、その小さい川からの浸水が除去できるわけでございまして、いずれにいたしましても、この水門を作ることがまず大事であるということは私どもも承知しておるわけでございます。従いまして、全体の計画は検討中でございますが、水門というのはいずれにいたしましても急ぐ工事であるし、全体計画の場合におきましてもどうせやらなければならぬものであるし、変更する必要のないものであるという観点から、水門工事に全力を注いでおるわけでございまして、三十二年度におきましても大体一門の水門が完成いたしますし、来年度におきましては、新しく二つの水門を着手して、早く完成したいというふうに考えておる次第でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上分科員 時間がおそくなりましたから、あとは委員会で伺うことにして、これで終ります。

山本猛夫自由民主党

○山本主査 これにて所管各省に対する質疑は一応終了いたしましたが、さらに御質疑があれば承わります。——別に御質疑がなければこれにて予算各案中、運輸省、郵政省及び建設省所管に対する質疑は全部終了いたしました。  お諮りいたします。昭和三十三年度一般会計、同特別会計、同政府関係機関各予算中、運輸省、郵政省及び建設省所管についての討論、採決は、これを予算委員会に譲ることといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本主査 御異議なしと認め、さよう決しました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。  当分科会開会以来大過なく過ごし得ましたことは、皆様の厚い御協力によるものでございまして、深く御礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十八分散会

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