予算委員会第四分科会 第3号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/02/15
会議録
○山本主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 本日は、昭和三十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、郵政省所管を議題といたします。 質疑を行います。質疑は通告順にこれを許します。上林山榮吉君。
○上林山分科員 大臣は声があまり出ないそうだから、簡単に質問を行いたいと思います。 田中構想は、郵政省でいい意味でいろいろと発表せられているものが多いようでございますが、その中で、窓口改善のために、俗にいう四等郵便局を作って、郵政事業本来のサービスを末端にまで徹底していきたい、こういう構想を発表せられ、それぞれ苦心をせられつつあるようでございますが、この四等局の性格は一体どういうことになるのか。特定郵便局でももちろんないし、簡易郵便局でもないわけでありますが、一体どういう性格による四等局を設置しようとしておられるのか。もうすでに構想もまとまっているんじゃないか、こういうふうに考えられるので、所見を伺ってみたいと考えるのであります。
○田中国務大臣 お答えいたします。四等局というのは俗にいわれる四等局でありまして、現行からいいますと、特定局と簡易局との中間をいくものというふうに考えておるわけであります。特定郵便局制度調査会の答申によりますと、現行の簡易局制度を拡充して窓口整備を行うべし、こういう明確な答申が出ておるわけであります。三十三年度の予算編成の過程におきまして、現行特定局は三十三年度に二百局設置をすることにいたしましたが、そのほかに、窓口整備のために、おおむね三十三年度中に二千局新たに設置を行いたい、こういう考えでございます。この二千局は、将来五ヵ年計画として一万局程度を五ヵ年間に行うこととするか、昭和三十三年度だけ二千局設置することにして、将来はまた別に計画を立てるかは、現在検討中であります。この四等局が、現行の特定局にした方がいいのか、特に簡易局法の改正をして、この俗にいわれる四等局というような制度をして明確に行なった方がいいのかは現在検討中でありますが、できるだけ今月一ぱいには結論を出さなければならない、こういう状態でございます。
○上林山分科員 立法処置を要するのか、要しないでやれるのか、まだ根本的な方針がきまっていない、近く結論を得るはずである、こういうお話であるので、私は突っ込んで私の意見は申し上げませんが、できるならば、無集配特定郵便局と簡易郵便局との紛淆を避ける意味で、何らかの立法的処置を要するのではないか、私はこういうふうに考えるのでありますが、これに対する大臣のお考え。 もう一つは、私はこれは大賛成なんですが、この二千局の予算の裏づけがあるのかないのか。表に現われておる予算書ではこれがつまびらかでないのでありますが、たとえば郵便業務に必要な経費というのを組んでおりますから、その中から裏づけをしていこう、こういうふうにお考えになっておるのかは存じませんが、いずれからどういう方法で裏づけをしようと考えておられるのであるか、この点をまず伺っておきたいと思います。
○田中国務大臣 二千局に対して立法処置が必要であろう、そういう考えも私の方でも一応抱いております。しかし、現行簡易局の設置法の改正でいくか、あるいは新たに四等局(仮称)というものを設置するような新規立法を必要とするか、もしくは現行特定局制度と同じもの、いわゆる郵政省設置法の改正の中に明確に規定をすることによって足るかという問題も、あわせて検討いたしておるわけであります。 次の、二千局を設置するとして、定員もない、予算もはっきりしておらぬかどうか。初めはこの問題に対しては定員を一名ないし二名としてもらいたいということで関係省との間に折衝いたしたわけでありますが、定員の問題に対しては昭和三十四年度から考えることにしようということが一つございますし、当時特定郵便局制度調査会の答申が出た直後であり、この特定郵便局制度調査会の答申は、定員を必要とする特定局の窓口整備ということよりも、現行の簡易郵便局による窓口を整備した方がよいのではないかということでありましたので、一応三十三年度の予算には定員等の問題を解決しなかったわけであります。今の予算書の通りで二千局を具現するということになりますと、勢い定員に関係しない局、すなわち簡易郵便局制度で請負制度局を設けるということになるわけであります。しかし、これは、予算審議の過程において、また将来の問題もありますので、もう少し時間をかけて研究して、早急に結論を出したい、こういうふうに慎重な態度をとっているわけであります。
○上林山分科員 立法処置も考えない、また定員の関係ももちろん認められていない、こういうわけで、請負制度によるやり方をとろう、こういうことでありますが、いずれをとる場合にしても裏づけになるものは予算である。後段の、たとえば定員を要しない場合の裏づけというものがそれならばあるのかないのか、あるいは可能性があるのか、この点をはっきり御答弁願いたいと思います。
○田中国務大臣 三十三年度の予算としてただいま提出いたしております予算が成立すれば、その予算の運用によって二千局は設置できるという考えであります。
○上林山分科員 そこで、簡易郵便局と同じように請負制度みたいになる、そういう方式でいけば、予算の裏づけも現在出ておる費目のうちから充当し得るのだ、こういうことでありますが、簡易郵便局で全国で相当成績をあげつつあるところもあるわけなんですが、そういうようなところは、これを機会に、いわゆる俗にいう四等局に昇格というか、横すべりというか知りませんが、そういうような切りかえというようなものも考慮に入れておられるのかどうか。さらに、もし今大臣の答弁の構想によって四等局ができた場合に、最初の方針は、定員による一、二名の者を置こう、こう考えておったということですが、それを請負制度にはっきりよるということになるとどういうことになるかわかりませんが、一局に要する予算、人員の配置、こうしたようなものはどの程度の構想を持っておられるのか、承知したいと思います。
○田中国務大臣 ただいまの問題に対して一つわかりやすく申し上げますと、現在は特定局すなわち旧三等局が一万五千局余あります。そして、この特定局の設置基準は、大体都会において六百メートルないし八百メートル以上離れておって、周辺の人口が六千ないし八千以上という基準を設けておるわけであります。この基準に合致する要求がどのくらいあるかというと、大体二千局程度もうすでに全国から基準以上でどうしても置局をしなければならないというものがあるわけであります。ところが、戦後十二年間を見て参りますと、あるときには三十局、多くできても五十局ということでありますから、このままでいくと、基準に適合する現在の特定局を全部作るとしても、相当な長い年月がかかるわけであります。その意味で、三十三年度は五十局を四倍の二百置局に変えたわけであります。二百局ずつやっても、現在どうしてもやらなければならないものだけでも十年かかるわけであります。その意味で、何とか特定局と簡易局との間のバランスをとるために、一体どのくらい局が必要かということを調べてみますと、合理的に窓口を整備するには、もう一万局くらい必要だという結論になるわけであります。もう一万局といっても、現在の一万五千局が八割くらいふえるだけですから、一万局の置局というと非常に大きく聞えますが、全国にばらまかれてみると、大きなものではないのであります。大体人口八千というのが、八割ふえても人口五千のところにはいかないのです。人口五千以上といったら、山の中で三百、四百の戸数を持つ村でも山の中のものは全然郵便局を持たないということであって、世界各国の例を見て、合理的な窓口の整備といって少くともアルプスの山の中までみんな郵便局があるんだという状態まで考えると、一万局や二万局ではとてもうまくいかないという状態であります。その意味で、理想的なものには遠いにしても、今のいろいろな問題を緩和するために、何とか作ろうというふうに考えましたのが二百局と、そのほかに、定員は三十四年度から見るにしても、千局ないし三千局、俗にいう四等局的なものを考えたらどうか。こういうものが軌道に乗って、二千局やろう。ただ、二千局をなぜ三十三年度予算に明確にしなかったかというと、定員が三名が適当なのか一名でいいのか、なお、一名の場合でも請負でもってやれないかという問題を具体的に今年研究しまして、そして合理的な結論を得た場合新しく設置をしようということを考えましたので、現在のような予算の編成の仕方になったわけであります。郵政省の考えておりますのは、定員が大きな局で二名、小さな局は一名、一名の場合は請負制度を行なっていいじゃないかというような考えも持っておるわけでありますが、結論的にまだ明確な基準はきまっておらないわけであります。
○上林山分科員 私は、昨年の無集配特定局五十局であったのが二百局になった、それにプラスして、今田中構想によって二千局、俗にいう四等局の窓口改善が行われるようとしておる。これは、あなたをおだてるわけじゃないけれども、郵政事業の拡充のためにほんとうにけつこうなことと思う。ただ、世間では、二千局というものの構想がはっきりしないために、いろいろと誤解を生じておるようであります。でありますから、できるだけ早く構想をまとめて、その方針を示されることが何より大事ではないか、こういうように考えるので、軽い意味で注意を喚起しておきたいと思います。 その次にお尋ねいたしたいのは、退職年金制度についてでございます。郵政省の共済組合法によるものと恩給法によるものとを一本にする、いわゆる退職年金制度でございますが、御承知の通りに三公社に対してはもうすでにこれが実施をされておる。ところが、一方においては、今総理府及び大蔵省で、これまた公務員の退職年金制度を作ろうとしておる。一本化をはかろうとしておる。こういう状態で、最初大臣が考えたときの事情と今日の事情とでは、場合によっては非常にやりにくくなっておる。まあ板ばさみの状態である、こういうふうに考えるのでありますが、これはどういうような調整をとっていく見込みであるか。あなたが最初に考えたような、いわゆる郵政職員の退職年金制度というものができるのか、あるいはそれが、郵政省の特殊性がどの程度あるか説明がしにくくて、そのために結局大蔵省、総理府などの考えておる退職公務員の年金制度と包括してやっていく、こういうふうになっていくのか、この問題をまず伺っておきたいと思います。
○田中国務大臣 退職年金制度は作るべきであるし、また作らなければならない、こういうふうに考えております。特に郵政現業については、今年度中に法律を作ってこれを実施いたしたいと考えを明確にいたしておきます。私も国会で今までも何回もこのことを明確にいたしておりますが、二十三年度予算編成の時期に当りまして、大蔵事務当局から一般公務員もともに退職年金法に切りかえたいという意見を出されたことは御承知の通りであります。ところが、その後総理府当局は、現在の恩給局との問題その他を含んで、時期が少し早いんじゃないかということを言っておることも、御承知の通りであります。しかし、総理府当局も原則的に年金法の必要性は認めておりますし、ただ時期の問題が、昭和三十四年度か、三十三年度第四・四半期か、郵政省のようにできるだけ早くということにしぼられておりますから、いずれにしても退職年金法というものはできる問題と考えて間違いはないと思います。しかし、原則的に賛成であるのにもかかわらず、人のけんかに巻き込まれてごつちまで日が延びるということも、どうも困るのでありまして、大蔵当局及び総理府当局の意見を聞くと、郵政現業がことし作ることはやむを得ないだろうというような意見になっておるようであります。だから、私としては、大蔵、総理府当局の問題が私のところまで波及してきては困る、ただし、まとめる意思があるならば、私もまとめることに一向やぶさかでないという態度をとっておるわけでございまして、近くこの問題に対しても結論を得て、いずれにしても一般公務員とともに退職年金法に切りかえられるならば、私たちも賛成をし、協力をするつもりであります。しかし、時期的に問題があって、なかなか三者の意見が今日この段階においてまとまらないという場合には、郵政現業職員は単独の立場で退職年金法を提出したいという考えで、今交渉を進めておるわけであります。
○上林山分科員 大蔵省、総理府、郵政省と三者が協議して話がまとまれば、それは一括して同じ方向に進む、それが時間が食うようであれば、郵政現業に対してだけは切り離して優先的に退職年金法を実施したい、本年度中に立法措置もしたい、こういうように受け取っていいのでありますか。
○田中国務大臣 退職年金法の制定に対しては、これはもう一般公務員も時期の問題だとはっきり申し上げておいたわけでありますが、郵政省としましては、郵政職員の持つ特殊性にかんがみまして、一般職員も退職年金法に切りかえられるべきであるし、また、三公社も退職年金法に切りかえられましたが、内容は、一般公務員と郵政現業職員を比べますと、郵政職員の方がもう少し公社の方に寄らなくちゃならぬという特殊な条件があるわけであります。ところが、郵政だけで非常に特殊な立場を強く主張することによって一般公務員の退職年金法に切りかえることさえもできないようになると困るので、大蔵省側が一般職員も全部やるのだから、郵政の特殊性は十分考えてやりますから一つ御同意を願いますというような状態になれば、一般と郵政とを一本の法律にまとめることに対しても私たちも十分考えますという幅の広い態度をとってきたわけでありますが、今日一般公務員の問題がごたごたしておるから郵政も待って下さいというようなことになると、郵政は、初め申し上げたように、もう初めから別な立場で立法したいという考えを持っておるのですから、郵政現業は特別な立場で単行法として郵政現業職員退職年金法という名称のもとにこの国会で立法措置を行いたい、こういうふうに申しておるわけでございます。
○上林山分科員 これの財源措置について少し伺いたいのですが、いずれにしても、場合によっては切り離して、そして幾らか優遇の意味を含んで、公社が実施しておると同格くらいの方向に進んでいく、こういうことになれば、個人の負担金も大体二倍くらいになりますが、これは個人々々ですからそう大したことにならないのでありますが、郵政省の負担金というのは一年間を通ずるとおそらく二十億ないし二十五億くらい要るんじゃないか、それだけ増額するんじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、もし年度内にこれが成立するとして、果して財源措置がうまくいっているのか。大蔵省と郵政省の今交渉中でしょうから、私は突き詰めてお尋ねはしませんが、一年間の財源の問題、あるいは、年度内にこれを行うとすれば——年度内というのは三十三年度ですが、三十三年度内に行うとすれば、どの程度の負担金の増額を見ておるのか、差しつかえないならば御答弁願いたいし、何か交渉中でデリケートな問題があれば、これは建設的な意味で私は遠慮していいと思うが、何かあるなら一つ明らかにしておいていただきたいのであります。
○田中国務大臣 退職年金法に対する切りかえは、私どもの当初の計画は、昭和三十三年第四・四半期から行いたいということでありまして、第四・四半期分の増額分として四億一千万円現行の提出予算に計上してございます。だから、三十四年一月一日から実施する場合には予算上不足はありません。
○上林山分科員 退職年金制度についてはどうしても三十三年度中に郵政関係の分はやらなければならぬ、私はこういうふうに考えるんです。そういう意味で申し上げておるんですが、私の調査したところによると、大蔵省と総理府が、これは内輪のことを言うて相済まぬわけだけれども、話がまだまとまっていない、ことに所管をどこにするというようなことで、なかなか話がうまくいっていない、こういう状態であるので、それに巻き込まれて、現業職員のものがおくれるということになれば、これは困る。そういうことで、一方は三十四年度から始めるのではないか、こういうことなどもあるものでありますから、これも御努力を願い、注意を喚起する意味で申し上げたわけであります。 この問題はこの程度にいたしまして、これは大臣からでもいいし事務当局からでもいいのでありますが、御答弁願いたいことは、今郵政省はカラー・テレビに対して米国方式をとるのかその他の方式をとるのか知らないが、大体米国方式をとるだろう、こういうことで、メーカーの方面とそういう方針との間にまだしっくりと建設的な話し合いがないために、業界がいろいろ迷っている。私は上品な言葉でこういうふうに表現したんですが、その楽屋裏は御承知の通りであります。これは日本の電波産業の発展という点からも重要なことでありますから、よほどの研究を要するとは思いますけれども、できるだけそういう方針をきめるのならきめるような態度を明らかにしておかれるのがいいのではないか、こういうふうに思います。私は、カラー・テレビを米国方式でやるのか、やるならばメーカーとの関係は建設的に話し合いがうまく進んでおるのか、ただ政府の方針をきめっぱなしで、業界はただついてこい、こういうようなことではなかろうと思うけれども、その辺の事情を承わっておきたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。カラー・テレビに対しては、まだ上林山議員が言われましたような状態まではきていないのです。これは原則論をもって御答弁したいと思いますが、カラー・テレビに対しては、今年の九月ないし十月にモスクワで全世界各国の万国基準会議というようなものが開かれて、これには日本の代表も参加せしめるつもりでありますが、ここでもって世界的にカラー・テレビジョンの基準はどういう方式を使うかということが大体きまるわけであります。それに対して日本がどういう方法を支持するかということについては、まだ郵政省も方針をきめておりません。おりませんから、現在日本で試験をやられているNTSC方式という米国の方式がいいのか、まだ、九月までの間に新しく日本が支持し、これがいいというような方式が生まれるのかはきめてないわけであります。そうしますと、この九月に日本が出かけるまでに日本が将来どういう方式をとった方がいいかということをまずきめなくちゃならないということであります。そのきめるためにはどういう機関ができておるかといいますと、在野の技術者、学者その他のカラー・テレビジョンに関する非常な権威者が集まって、カラー・テレビ調査会というのを去年から作っておるのです。この機関で相当突っ込んだ研究をしておるわけであります。だから、郵政省とカラー・テレビ調査会との間に業界とのつながりも持ちながら研究しておるという状態であります。 カラー・テレビの実施状況はどうかといいますと、昨年の暮れに試験放送の名目で日本テレビ放送網株式会社とNHKに対して試験放送免許を与えております。何台かで試験放送をやっておるという状態でございます。この試験放送をやっておるのも、研究段階においてはNTSC、いわゆるアメリカ方式をもって一部やっておりますし、もう一つは新しい方法をもっても研究をしておるわけであります。 だから、今すぐ日本においてカラー・テレビの受像機が必要だというような状況になる、すなわち放送を免許するという場合には、業者がどういうものを作らなければならないかということが相当問題がありますが、現在郵政省ではカラー・テレビは時期尚早だという立場をとっておりますので、実施免許は与えない。与える段階まで至っておらないわけです。これに対しては非常に慎重であります。幾ら早くとも、モスクワの万国の会議で基準がすっかりきまって、カラー・テレビに対しては万国がこういうふうな状態でやろうじゃないかというような基本線がきまるまでは実施免許をやらないということだけは、相当明確になっておるわけであります。 そういう状態でありますので、現在の状況ではどういう方式で受像機を作った方がいいかというようなことを郵政省もカラー・テレビ調査会も明確にしておりませんし、実際、これを明確にしても、日本ではカラー・テレビの受像機を多量に相当安く製造できるような状態になっておりませんので、できるだけ九月ないし十月またでにカラー・テレビに対する基本的な方針をきめたい、こういう考えでおりますことを申し上げておきます。
○上林山分科員 カラー・テレビの開局の実施免許は当分郵政省としてはやる方針ではない、ひいて、万国国際会議に出てみて、世界各国がカラー・テレビをどういう方向に持っていくかということなどを参考にして最終的には決定したいが、その以前、出発までに日本側の大体の考え方はきめるつもりである、こういうお話でありまして、大体了承できるのでありますけれども、御承知の通り、こういうものの製造あるいは計画というものは短時日でなかなか切りかえにくい、そういう点も一面ある。ただ、しかし、見通しとして、もう郵政省としても、あるいは電波監理局長などもそういうような意味も含んで諸外国をいつも回っておるわけなんだから、大体見通しとしてはこうだが、最終的には今大臣の言う通りなんだというぐらいの一応の目標はやはり示さないと、そのときになってみなければ今のところは何も言えないというのは、これは少し親切が足らぬのじゃないか。あんまり出しゃばってもいかぬが、あまり何にも言わないというのも、これはそういう方面に対する親切が足らぬ、私はこういうように思うのです。われわれはしろうとだからよくわからぬが、専門家から聞いたり雑誌を読んだりして、大体日本では白黒と一緒に使えるように米国方式がいいんじゃないかぐらいのことは、これはわれわれもまだ最終的に聞かぬのですけれども、常識的には大体そんなものじゃないのかなということを思っておるのですが、これで誤まりがあれば訂正してもらいたいけれども、そういうように考えるのです。だから、大体の方向は軽い意味で示唆した方がいいんじゃないですか。
○田中国務大臣 お答えいたします。現在日本でカラー・テレビの受像機を作るような段階になっておりませんし、特に日本で当分実施免許を行う予定にないというのですから、議論をするのは少し早いようですが、現在の状況で、世界各国を回ってみて、またいろいろな議論を調整しますと、最終的にはしごく常識的な議論に落ちついておるようです。それは、今までは、日本においても少しカラー・テレビを議論するのは早い、七月、八月ごろにもっといい方式ができるかしらぬ、妙に早い時期に先行したものの考え方を公表することによって、ものの考え方を拘束してはいかぬので、なるべくモスクワの会議に行く寸前まで考えを発表しない方がいいのだというような、純理論的なものの言い方をしておりましたが、光陰矢のごとく、なかなか早いものですから、だんだんモスクワに行かなくてはならなくなってきて、さあ一体調査会は結論があるのか、民間団体は一体結論があるのかというと、なくはないが、NTSC方式にまさるものがなかなか出てこないというふうになったようであります。まあしかも、世の中にはまだまだ野に人があるのであって、いろいろな意見を全部聞いたわけではありませんが、大体において、われわれの耳に入り、目に入るものとしては、批判はあるがNTSC方式に落ちつくのではないかということを言っております。世界的に考えてもどうかというと、モスクワで会議をする、またモスクワに集るメンバーも、議論はありますがNTSC方式という現行アメリカ方式にまさるものを明確に出すことは困難であろう、そうすると、議論をしても結局はNTSC方式に落ちつくのではないか、それが世界の標準形態になるのではないかというふうにいわれておりますが、まだ二月でありますから、非常にテンポの早い時代でありますので、できるだけ早い機会にお互いが意見を発表して、郵政省としましても九月にならなければどうだというような考え方ではなく、随時こういう調整の会議を開いて、早急にきめて参りたいという平たい考えを持っておるわけでございますが、現在の状態ではNTSC方式がいいといわれておるようであります。
○上林山分科員 こういう問題は慎重な研究調査というものが当然必要でありますけれども、早いにしくはないので、かりに再来年ごろからこれをやるようなことになったとしても、ただいまから準備をして決しておそいことはないのでありますから、そういう意味で一つ情熱を持って御研究が願いたいということを要望いたしておきます。 次にこれは日本にとつては非常に大きな問題にもなるわけでありますが、現在のチャンネルが十一チャンネルあることは御承知の通りでありますが、これだけでは十分に需要を満たして国民に均霑した利益を与える、こういうことにはなかなかいかないわけであります。国際的な問題もあってここで御答弁できない点は答弁していただかぬでもけっこうでございますが、第十二チャンネルの問題の見通しは一体日本に有利に展開しつつあるかどうか、私は、ぜひとも日本が獲得して、そうして国民的な需要を満たしていくように、田中大臣の機敏な感覚と、あるいは浜田電波監理局長の学的な知恵を総合して、一日も早く明るい見通しというものが得られるならば、いかに日本は助かるだろうか、こういうことはほんとうに考えておるのでありますが、この見通しについて伺っておきたい。
○田中国務大臣 お答え申し上げます。十二チャンネルに対しては、アメリカ側の非常に好意的な態度によって、明るい見通しであります。十二チャンネルができると明言をしてもいいという段階であります。しかし、十二チャンネルができるということになりますと大へんな問題があると思いますので、こういうふうに明確に答えると同時に、はっきりと私が申し上げておきたいのは、十二チャンネルができる状態にありますし、また全国的にもチャンネル・プランは十二チャンネルに技術的にすることは可能でありますが、これをまた民放その他に免許をするかどうかという問題が直ちにからんで参りますので、この発言をする場合には明確にしておかないと混乱が起きますので申し上げておきますが、これは、先年の十月二十二日に行った民放三十六局の親局の免許がほとんど最終的である、こういうことを私が明確にしてある通り、十二チャンネルになっても、また、技術的に、なることが非常にむずかしくなく、簡単であっても、これを民放に免許を行うという意思はありません。これは一つ明確に答えておきます。そうでないと、十二チャンネルになるとまた大へんなことが起きますので、一つはっきりしておきますが、十二チャンネルになっても民放に対してこれを免許しないという相当強い考えを持っておるということだけつけ加えて申し上げておきます。
○上林山分科員 この問題はいろいろ影響するところがあるようでありますし、また国際的にもまだ最終的には結論を得ていない点もあるだろうと思うので、多くは申し上げませんが、大体最終的に有利に結論が出るのはいつごろでしょう。
○山本主査 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○山本主査 速記を始めて下さい。
○上林山分科員 この十二チャンネルの問題は、いろいろ影響するところがあるようでありますから、これ以上質疑をいたしませんが私は、郵政省が放送法の一部を改正する法律案を準備しておられるので、これに関連して少しばかりお尋ねをしておきたいと考えます。 現在の放送法は昭和二十五年以後急激に民放が発達したので、公共放送としてのNHKの性格というものをぜひ明確にしてもらいたいというような一方からの要望、また、ラジオやテレビが教育上ないし社会上その他重要性が非常に認められてきた反面において、低俗な放送ぶりが国民から非難されておる面もある、こういうわけで郵政省としても今回放送法の改正をまたお考えになったのじゃないか、こういうように思うのでありますが、私が新聞その他に発表された改正案の要綱を見てみますと、あまり微温的な事務的な改正であって、果してこれを改正と言うていいのだろうかというくらいにすら思われる節があるわけでございます。ことに、今までの法律はNHKの単独立法の感があった。それを切り離して、NHKはNHKという一つの法律を作り、あるいは民放は民放としての法律を作り、もう少し進んで考えるならば教育放送法、こういうように三本立でもう少し明確なる立法の体系というものを整える必要があるのじゃないかというふうに、われわれも常識的にはそう考えているし、また各方面そういうような強い要望もあったのでございます。田中大臣は非常にものことを機敏に考える人であり、また考えたことをある程度押し通すという腹がまえの人でもあると思っておるのですが、この放送法を見ますと、田中大臣の考えは一体この中のどこに入っておるのだろう、こういうところも見られないではありません。しかし、次善の策として、NHKに加えるにその他の民放のことも考えて、この法律の中に入れて、そうして体裁を整えて遺憾なきを期していこうとする意図も一部確かに見えております。見えておりますが、まず総括的に私のこの感想に対しての大臣の答弁を伺って、順次質疑いたしたいと思います。
○田中国務大臣 今般放送法の改正案を国会に提出をいたすことにきめておるのでありまして、近く提出をいたす予定でございます。できれば二十日までに提出をいたしたいということで成案を急いでおるわけでございます。放送法を改正しなければならないということは、これはもう必然的な理由によってであります。これはなぜかといいますと、二十五年当時はNHK一社でありますのと、もう一つは、ラジオを中心としたものでありました。だから、放送法イコールNHK法というもので一本になっておったのでありますが、二十五年、二十六年から急速に民間ラジオが普及すると同時に、御承知の通り、テレビというものが、十年、十五年先であろうと言っておったのが、全く急速に発展をして参ったわけであります。同時に、民放に対する免許も先ほども申し上げた通り行いましたので、おそくとも昭和三十五年には全国八局においてテレビが聴視できるような状態になりますことは御承知の通りであります。新聞、それからラジオ、テレビと比べますと、これはもう、テレビの持つ威力というもの、目から入るもの、直接耳から入るものに対して目と耳から同時に聞え、かつ見えるテレビの威力というものは、これはある意味から言うと原水爆を平和利用にするか破壊に使うかという問題ぐらいに批評しても全く違いがないとさえ考えておるものでございます。こういうものが国民の家庭の中に入る状態でありますから、この意味において放送法が改正を必要とするということは当りまえのことであります。私は、放送法に関して、放送法の改正はなすべきではない、放送法などというものはないのがいいのであるという議論に対しては、遺憾ながら賛成をいたしておりません。私は、今度の改正案に対しては、非常に慎重な態度をとっておりましてできるだけ議論がないようにということに注意をしておりますし、特に、上林山委員が言われた通り、放送法は全く微温的であって、あれで一体どこを改正したのだと言われますが、私はそう言われるのが正しいと思っております。そのくらい非常に厳密にものを考えて、なるべく議論のないようにという第一次改正案を作っておるのでありますが、今般の状況においてはその程度で、これからは国会で、また国民の間で十分放送法というものは審議をせられて、そしてよりよきものを作っていただくということでなければならぬというふうに考えております。 この改正の根本に立つものを一つ申し上げますと、新聞や雑誌その他は法律によって律しられるべきではない、これはもう律する方がおかしいのであって、これは全く法律をもって律すべからざるものでありますが、新聞や雑誌と電波を一緒にされるのは、これはちょっと迷惑なのであります。これは全然本質的に違うのであります。どういうふうに違うかと申しますと、電波は、限られたもの、しかも公けの波を、特別な人が特別の立場でもって国にかわって放送を行うという立場があるのでありまして、これは、新聞のように、見たくなければ見ないでいいのだ、買いたくなければ買わないでいいのだというものとは全然違うのであって、ある意味において公平無私な立場でもって波を出さなければならないというので、放送業者がある意味で律しられることは当然であります。律しられるのがいやだったら、そういう放送業者とならなければいいのでありまして、国の限られたものを、限られた立場において運用権を持つ場合には、明確に公けの立場でその使命を律せられることは当然でありまして、放送法自体がない方がいいのだという議論にはとても賛成をするわけにはいかないと思います。 それから、もう一つ、NHKの立場でありますが、NHKは御承知の通り現行放送法で律しられてきたのであって、私はこれを何も強化しようと考えておるのではありません。ありませんが、民間放送というものに免許を与えて参りますと、民間放送は料金を取っておりません。NHKは国民から電波税ともいうべき立場において料金を徴収いたしておるのであります。料金を徴収するNHKと、全然徴収しないで、スポンサーだけでもってやっておる民間とどこが違うのか、これは同じという理屈はないのであります。金を取れるだけに、なぜ一体取れるのだという取れる根拠を明確にしておかなければならぬのは、これはあたりまえであります。これが、NHKは金を取っておるが、金を取らない民間と同じく何でもやれるのだという考えは、これは悲しいかなそうは律せられないのであります。そういう意味で、公共放送と一般放送との間に明確な区分を行う、これも当然なことであります。私でなくても、だれでもこういう結論を下すのでありまして、そういう意味で、NHKの公共性を明確化するということになると、いろいろな見方から議論がありますから、NHKの公共性を明確化するというのじゃなく、聴取料を取っておるNHKと、取らない民放とをどう区別するか、いわゆる区別を明確にしたい、また区別を明確にしなければならない、こういう考えであります。先ほども申し上げましたように、言論放送は法律によって律せらるべきじゃないかという基本原則に対しましては、放送法第三条にも明確にしてありますが、法律の定むる場合を除いては何人からも干渉されない、この原則は貫かるべきであると思います。しかし私は、強化こそすれ弱化は絶対に考えておりません。私も、今度の改正案については、時代的な要請で改正やむを得ずということで最小限度の改正を考えたのでありまして、言論統制とか、それから官の規制を強化しようとか、そういう考えは毛頭ありませんし、こんな改正案を出すと上林山議員が言われた通り、何じゃ一体、これでもって公けの立場で放送法の改正案はいいのかと言われることをおそれながら提出を予定いたしておるわけでありまして、この及ぼす影響は非常に大きいので、郵政省独自の考えをもって国会にお願いするような考えはありませんので、国会でも十分御審議の上、できるだけ公正な結論を出していただきたいということを念願いたしておるわけであります。
○上林山分科員 大臣の説明のように、どこにも言論統制というような考え方のないことは私も承知をいたしておりまするが、私もこの意味においては賛成であるわけであります。しかし、改正案にもうたわれておるように、放送の低俗化を防ぐというような見地から考えますと、若干意見がないわけではございません。たとえば、これは民放の場合でございますが、学校放送にひどい広告を組んではいけない、この原則は私は正しいと思う。しかしながら、たとえば機械工場を産業教育の上からあるいは科学教育の上から学校に見せようとする学校放送の場合、これは何々会社の機械工場であると言ったって、それは決してその原則にはもとらないやり方であって、そういうような、たとえば現実に生きた世界を、生きた工場を見せる場合に、そうしたようなことにちゅうちょしておると、それこそ角をためて牛を殺してしまう、こういうことになりはしないかと思うのであって、学校放送等に対して、それはあくどいあるいは低俗な広告が入っておるということになれば、これは私は考えなければならぬと思いますが、これをどういうふうに思われますか。
○田中国務大臣 放送法の内容に関ししまては、まだ要綱案の御審議を願っておるような状態でありまして、国会に対しては正式に提案をいたしておりませんから、内容に対していろいろな御質問等があっても、明確に御答弁はできないわけでありまして、できるだけ正式に提案をいたしてから内容に対してはやっていただきたい、こういうふうに考えるわけであります。ただ、今のようなお考えに対しては、世間で議論をせられておりますので、一般論として申し上げると、こういうものは、やはり学校放送等に対しては一般の放送と同じでは困る、何か区分をしなければならぬというふうに考えております。ただ、学校放送向けであっても、スポンサーの名前を、スポンサーというよりも、これは何々会社製の日本における最優秀な機械でありますというようなことさえも制限することはどうかというような御意見等に対しましては、十分研究しております。それで、これはその放送が学校の生徒に対する教育に全く害を及ぼすというようなことがなければ、短かい時間において放送さしてもいいじゃないかというふうに、実情に合うように今改正案を考えております。だから、今御説にあったように、学校放送だから全然放送してはならぬということにはならないと思いますが、いずれ条文整理の上、二十日ごろまでに提案いたしたいということでございますので、そのときまた御審議をお願いいたしたいという考えでおります。
○山本主査 上林山君にお願いいたします。申し合せの時間がきておりますから、予算を中心に結論を急いで下さい。
○上林山分科員 そこで、私は時間がありませんから深く申し上げませんが、せっかく要綱が出ておりまして、いろいろ世論が賛否両論あるようです。大体賛成が多いようですけれども、そういうような時期でもありますので、大臣が低俗化を防ぐとこの要綱で発表しておる点は私は大賛成なのです。ただ、この場合、せっかく今条文を整理しつつあると言われておりますから、要望いたしますが、スポンサーがその方面の番組の知識経験があればいいのでありますけれども、ときによると、あまりそういう知識のない人が番組に対していろいろ介入する、介入するためにせっかくの企画がこわれて、そうして低俗化を防ぐという線にはずれてしまう、こういうようなものなども一つ条項の中に入れられるならば入れてほしい一つの要望です。 それから、NHKの場合、これは大臣の一つ見解を伺って、出てくる法案の審議の参考にしたいのですが、私は人事に対しては、経営委員会がある以上、それ以上人事に対して郵政省がタッチするということは、これはあまりいいことじゃないと思っておりますが、ただ一つ、先ほども大臣が言われたように、電波は、これは国民の貴重な財産なのですね。その上に聴取料も取って、そうしてみんなに聞かして、あるいは見せておるわけなのです。でありますから、そういうものがどういうふうに使われておるかということを、部内において自主的に経営の監査なりをしていただかなければならぬ。主として経理の関係になるわけでありますが、そういうような場合には、これは国民の代表機関である国会の承認を監事くらいは得るようにするお考えはないか。郵政大臣がこれを任命するとなれば、いろいろ誤解もあるのでありましょうけれども、監事くらいは、国民の代表である国会が——国民の財産でもあり、聴取料も取っているのであり、公共放送でもあるから、そういう点には一つその程度の処置をとっても、決して人事の干渉、こういうことにはならないと思うのでありますが、これを現在取り入れようとしておるのでありますか、まだ結論に達しないのであるか、これを伺っておきたいのであります。
○田中国務大臣 世界の各国の例を見ましても、公共放送、特に電波税式な聴取料を特殊な立場においてとっておるというものは、ある意味においては明確な政府機関でありますから、そういう意味において、番組に対しては基本的に干渉してはならないという原則は守らるべきでありますし、また守られておりますが、人事や会計の問題等に対して相当立ち入ったことをやっておる例はたくさんございます。特に会長、理事、副会長、監事等の任命に対しては、所管大臣の承認を得るというようなことは当りまえのことであります。当りまえのことがなぜ日本においてはやれないのかということになりますと、過去においても何回かこの問題を議論しながら、その当りまえのことが日本では当りまえじゃないというのは、過去にきっといろんなことがあり、言論統制等の弊害がありましたので、あつものにこりてなますを吹くというか、もしくはそれが官僚統制の道を開くことであるというふうな立場からの反対でありましょう。だから、私はいろんな道を考えたんです。先ほど上林山議員が言われた通り、監事は、郵政大臣の承認が悪ければ内閣の承認もしくは国会の承認というのは、これは当りまえのことなんです。と思いましたが、その当りまえのことが当りまえでなくとられると困るので、私の方でも少し腰が弱いかなと思いながら、監事も承認を必要としないというふうに原案は考えております。監事だけを承認にしてもうまくいくわけでもないし、特に会計検査院が検査をしておりますから、将来の聴取料の問題その他を同時に考えていただく場合に、国会で議論をされる問題でありますし、特にNHKの予算は国会の承認でありますから、こういう問題は国会で議論をさるべき問題で、私たちがあまり現行法に手をつけるというようなものの考え方を非常に後退をさした改正案を提案をしておるわけでございます。
○上林山分科員 予算と関係がありますので、前提としてこういうところも聞いたわけでありますが、今申し上げたように、改正できる点は一つ思い切って改正するし、あんまり摩擦を起す点は、おっしゃるように遠慮した方がいい。その中で、番組の審議会なども賛否両論ありますが、あれは内輪で人間を選出して構成するのでありますから、非難は当らないと考えますが、ただ一点、最後に、経営全体から考えて、NHKの聴取料の問題、これは私は時間がありませんからもう多くを言いませんが、おそかれ早かれ——だれも知っているのです。これは、いろいろお互いが考えてみたところで、NHKも困っておる点もあるし、あるいはまた国民も一部にはそれは上げるのが当然だという人もおるし、公共放送だからそんなに上げてもらっちゃ困るという人もおるし、いろんな人がおるのです。また、これを上げたために、政府は物価値上げをやったじゃないかというような——それは内容をよく知らぬ人はいろいろと批判をするかもわかりませんが、この問題については、明確な御答弁はないにしても、一つ何かお考えになっているだろうと思うので、これは答弁がなければもうそれでいいのでありますが、これに対してどういうふうにお考えになっておるのか、詳しい数字は時間がありませんから問答いたしませんが、ただその基本的な方針、近い将来何とかしよう、こういうお考えがあるのかないか。
○田中国務大臣 御質問でありますからお答えを申し上げます。NHKの今の聴取料は、御承知の通り今千四百五十万台ないし千五百万台のラジオに対して月六十七円、年間の収入が百二十億弱であります。テレビが、御承知の通り六十万台ないし六十五万台、三百円として二十億弱でありますから、百四、五十億、百四十億と押えていただけばいいわけです。百四十億というと朝日新聞その他全国一流紙の年間総収入の二分の一であります。そのNHKというものがあまねく日本の放送をやる。しかも第一放送、第二放送をやる、テレビをやる、FMをやるといって、百四、五十億で一体いいのか、やれるのかということは、ひょっと考えてみても、これでは経営に欠陥が生ずるということはすぐおわかりになるところであります。大体NHKが理想的にいくのには年間どのくらい要るかというと、ラウンドで三百五十億くらいの支出のバランスがとれるときには、全国八、九割うまくいくというふうに私は見ておるわけであります。そうしますと、昭和三十五年くらいになりますと、大体テレビが四百万台、ラジオが千五百五十万台、千六百万台になれば最高だと思いますが、そういう時期に大体三百億をこすだろう、こういうふうな考えであります。だから、昭和四十年くらいになると、ちょうどNHKが合理的な運営ができるという状態になるわけであります。その間をNHKがどうするかということを考えますと、現在の状態ではNHKは一番経理的に悪い状態であります。これをもう一歩進めれば、問題にならないという状態であります。だから、何らかの形でもってその金を入れなければならぬことはもう当りまえであります。その一つは聴取料の値上げであります。(「それはいかぬ」と呼ぶ者あり)聴取料値上げはいかぬというお言葉でございますから、いかぬのであったならば、別に金を出してやらなければいかぬのであります。別に金を出してやると、金を出した方から監督が行くのは当りまえであります。(「監督はだめだ」と呼ぶ者あり)そういう意味で、監督や監査をもらわない金といったら、これは拾ってくる以外にないのであります。拾ってくるといっても、ないのであります。これはどこかで問題がある。だから、NHKはそのいずれかに踏ん切らなければならない状態に立ち至っていることは、これはもう明白であります。だから、聴取料を値上げをするということが一つありますし、そうでなければ、NHKの独自の状態において民間資金を入れて三十五年までは自力でもってちょうど民間資本と同じようにしてやれるかどうか。これは民間の大きな問題がありまして、なかなか金が入らない。そうすると財政資金を入れなければならぬということになる。財政資金を入れる場合は、政府でありますから、これは金は貸しても監査機能は強化しなくても貸せるということはありますから、NHKを信用すれば貸せる、こういう問題があります。(「大臣の政治力だ」と呼ぶ者あり)だから、いずれにしても、そういう意味でどこから金を出してやらなければならない。政府が貸せばいいのだというのですが、聴取料値上げをすることは反対で、政府が出すことは賛成だといっても、政府が出す金も国民の金を出すのであるということは十分考えておいていただいて、政府が金を出す場合、いるこれを回収するか、いつ聴取料に置きかえるのか、自然増収がいつの状態になって出てくるのかというような問題を十分検討し、慎重に態度を決定しなければならないという状況でございます。NHKから近く三十三年度の予算が提出せられると思いますので、提出せられれば、法律の定めるところによりまして、郵政大臣名で意見を付しまして国会の御審議をわずらわすわけでありますので、国会の御審議をわずらわしたときに、これは聴取料を値上げした方がよろしいというふうに国会が御議決なさるか、もしくは、いやこれは上げないで政府が金を出すべきである、こういうふうにお出しになるかは、これは全く国会の自主的な権能でございますので、国会の御決定に従うつもりでございます。
○山本主査 小松君。
○小松(幹)分科員 大臣に質問いたします。普通郵便等の配達がスピードをあげていかねばならぬことはおわかりだと思います。ところが、実際問題として、町村合併をしたために、同じ町村の中に集配をやる特定局が二つないし三つあるような現状が随所にある。このいわゆる集配業務、特に配達業務を一括して、少くとも一町村とし、行政単位のワク内においては一日待たないでいいような具体的な方法を考えておられるかどうか、それを早急に、将来というのでなくて早急に考えなければならない、かように思いますが、その点いかがですか。
○田中国務大臣 お答えいたします。町村合併による集配事務の簡素化、統合という問題は、今計画を進めております。おりますが、ただここに申し上げたいのは、特殊な場合はなかなか二年、三年のうちには入らないという場合がございます。それはどういうことかといいますと、今度の町村合併が自主合併というのであって、飛び地もあり、非常におもしろい形態でも合併されておりますので、電話と郵便局の区割りの問題は、町村単位でうまくいかない場合が非常に多く出てきている。前の場合は、御承知の通り鉄道の駅等により集配局を指定しておりましたから比較的に合理的でありましたが、今度は、当然同一の町村に合併すべきものが政治情勢によって非常に遠い地区の市に合併しておったり、いろいろな問題がありますので、行政区画と郵便の配達区割り、また次にきっと出てくるであろうところの電話の区域の問題が、一つにならないで非常に困っておるのですが、いずれにしても、できるだけ一つの市、一つの村、一つの町は一つの区画にすべきだという原則で再編成をやってみようというので、全国にわたって電話及び郵便局の配達区画の問題を今整理中でございます。
○小松(幹)分科員 町村合併も一応終ったと思いますから、早急にこれを整理していただきたい。私は、整理すれば庁舎の問題も影響することと思うし、同時に人員等の問題も関係してくると思いますが、世の中がどんどん進んで参りますから、郵便配達だけが明治以来の同じスピードでいいというわけじゃないですから、整理して、それと同時に能率的に機械化する。都市では今赤い車の機動車を入れておりますけれども、いわゆるいなかほど、町村合併をしますと、三里も四里も五里も行かねばなりませんから、相当機動力を発揮して、しかも朝夕二回くらいの配達というのも機動力をあわせてやっていけば人員の吸収も完璧にできるし、同時に能率も上るし、さらに二重配達にならぬでいい。同じ町村に行ったのが、あっちの局に行ったり、こっちの局に回されないでいいと思いますが、このいわゆる庁舎を新しく作っていくという予算の問題と、さらに機筋力を発揮して集配等の能率をあげるという点についてはどういうお考えをお持ちですか。
○田中国務大臣 先ほどの御説にありましたように、今まで人口三万、五万の都市ではリヤカー等を使っておったのでありますが、こういうものは全部オート三輪及び機動力を増そうということで、三十三年度の予算においては相当程度機械化を行なっております。なお、今まで一日二回配達でありましたところを四回に配達回数をあげるとか、そういう配達事務の増加に対しても、今年度は相当程度増額をいたす予定でございます。
○小松(幹)分科員 その計画は何年くらいの計画でやる見込みですか。
○田中国務大臣 五ヵ年計画でありまして、今年度は二千六百四万円増額をしてございます。
○小松(幹)分科員 三十三年度を基準として五ヵ年計画で一応今私が言った問題を解消するということですか。
○田中国務大臣 そうです。
○小松(幹)分科員 同時に、今大臣も言われましたが、これは電電公社の関係だと思いますが、やはり同じ町村において電話取扱いが二局、三局になっておる。この問題も並行的にやるお考えでございますか。
○田中国務大臣 この郵便局の配達の問題と電話の問題は全く同一でありまして、電話のごときは料金の問題がありますので、同じ市の中にあって、即時のもの、準即時のものというような問題に料金の問題等がからんで大へんでありますから、これも五ヵ年計画で、現在申し上げたのと同じような方法で進めております。おりますが、基準はどこまでもというわけに参りませんので、第一期は六キロ以内とか、次は八キロ以内を統合するというふうに、順を追うて統合計画を進めておるわけであります。
○小松(幹)分科員 これは集配事務が早いか電話が早いかという問題でありますが、電話の問題では、同じ村内に電話をかけた場合に市外の料金を取られる。この料金問題は、これは五ヵ年計画なんていう計画ではなくて、さっそく是正してもらいたいと思いますが、この点はどうですか。
○梶井説明員 この町村合併は、今大臣がお答えになりましたように、所によって非常に状態が違っております。地域的に申しますと、たとえば山梨県の大月のごときが町村合併をして大月市になっておりますが、笹子トンネルの頂上まで大月市であります。そういうものを、ただ行政区画が同一になったからということで同一市内のように取り扱おうといっても、方法がないのであります。それでありますから、やむを得ず、ただいまのところは、大臣のお話のように六キロ以内までは合併してしまおう、それ以上のところは、市内回線をふやしまして即時通話にする、同一市内と同じように交換が敏速に行われるようにするという考えのもとに進めております。しかし、これは将来だんだん市町村の人口がふえて飛び地のようなものがみなつながるようになるだろうと思います。そういうことも考えられますので、ただいま申しました六キロというものも、漸次必要に応じてそれを八キロあるいは十キロというふうに広めていかなければならぬと思います。そればかりではなくて、実際地域が非常に広いと、たとえば東京のように大きな地域の都市においてこれを一つの料金で律すべきかどうか、これをゾーンに分けまして、二段階の料金を取るのが公平ではないだろうか。これは、ニューヨーク、ロンドンのごとき大都市におきましては現在三段階の料金を課しております。従って、距離が遠い局に対して、法律からいいましたら単なる行政区域というだけでなくて、その地域の広さによって料金の差異があることは、これは世界的に認められておることでありますから、ただいまのところでは六キロ以内は合併して、そうしてこれを同一市内の料金にする、それ以上になりましたならば、便益といたしましては即時通話にする、同一市内と同じようにすぐつながるようにする、しかし料金には差異があるというような方法をとることもやむを得ないのではないかと思っております。
○小松(幹)分科員 私が言っているのは、そういう特殊な例を言っているのではないので、今私が言っている論拠は、ざらにある普通の問題なんです。あなたが今言われたのは特別な問題であって、このマンモス東京といわれるような大きい東京をとってみたり、あるいは山梨県の何とかいう山の上をとってみたり、そういう極端な例をもって説明しても納得はできない。そうではなくして、町村合併したところ、どこにもそういう町や村があるわけです。それを普通の範囲において言って、一応大臣は五ヵ年計画でそれを解消していくと言った。これは、電話のいわゆる回路を引き直すのには相当時間も要するだろう。しかし、電話の通話料金の問題は即日解決がつく問題だと思う。それを今私は大臣に聞いて、総裁からその答弁をしてもらいたかったが、その答弁はできておらない。
○田中国務大臣 お答えいたします。今年度、すなわち昭和三十二年度で第一次五ヵ年計画が終ったわけでありまして、電話は、御承知の通り戦災等でもって非常にずたずたになりましたのが、第一次五ヵ年計画でそのほとんどを回復し、相当伸びがあるわけであります。実際戦後の経済情勢がこういうふうに非常に伸びておるのに、マッチする電話の拡充は、昭和三十三年度を第一年度にする第二次五ヵ年計画、おおむね四千百億が最低でありますが、これによって一つ拡充して参りたいということで進めておるわけであります。ことしの三十三年度予算案を編成いたしますにつきましても、そういう町村合併等の同一地区にありながら電話の料金が違うという問題、私も代議士でありますから、私どもの選挙区にもたくさんあるわけであります。こういう問題は非常に不合理だというので、現在六キロ以内のものを統合しようということになっておりますが、六キロからあと二キロ、八キロのところに谷が一つあったら、そこだけ六キロ外だからいけないということは不合理であって、そういう場合には、個々のケースごとに、同じ谷であるならば八キロであっても同一料金にした方がいいというふうに相当強く要求しております。だから、お説と同じ線に沿って、特殊な状況でやむを得ないのだというものは別にしまして、大体全国的に筋の通った料金制度を早急に打ち立てなければならぬ、こういう方針を強硬に進めております。ただ、三十三年度は、御承知の通り三十三年度を第一年度にした第二次五ヵ年計画の初年度でありますので、あまり理想にだけ走って、それでは四千百億を三千百億でいいじゃないかということになりますと、あぶはち取らずになりますので、ことしの予算は多少自己資金をふくらまし過ぎたというような見方もありますが、いずれにしても第二次五ヵ年計画の初年度でありますので、どうしてもことし七百五十億以下にすると、第二次五ヵ年計画の四千百億はだめになってしまうということがありましたので、そういう政治的な意味からも、今年度のような予算の編成状態になったわけでありますが……(発言する者あり)今森本委員は非常に大へんだというようなお説でありますが、それほど大へんであって、今小松委員が言われたように全然料金修正の余地もないというふうには考えておりません。十分年次計画のもとで料金は修正できるという見通しに立っておりますので、そういう方法を進めて参ります。
○小松(幹)分科員 六キロが具体的にいいかどうか、それはわかりませんけれども、電報料金にしても、一字多くしても料金が高くなるという例もあるように、六キロなら六キロ、八キロなら八キロの線をこせば電話料金が上るということが全国的に科学的に出ればいいのです。今はただ単に旧制の町村別によって、回路も別々である、料金も別々である。回路の問題はひまが要るから、料金だけでも早く、こういうように申し上げた。今年はできないから来年度からでもというような意向でありましたが、年度内にもそういう考えがあるのですか。来年度からやるというのですか。
○田中国務大臣 今年度からでも、特別どうしても不合理だというところもあり、たくさん例がありますので、そういう例に徴しまして、できるだけお説に沿うように直ちにでも早く処置いたすつもりであります。
○小松(幹)分科員 それから、都市の方では自動電話に切りかえておりますが、今まで自動電話でない場合の電話料金よりも、今度自動化した場合、一回一回それが一つの単価になって電話料金がつくそうで、結局自動化したために料金が非常にかさむという現象が出ている。だから、中小企業あたりでしょっちゅう市内電話をかけなければならないような、あるいは隣接町村に電話をかけるような頻度の高いところは非常な負担になるということを聞いておりますが、それはどうなんですか。
○田中国務大臣 これも今申しましたのと同じことになるのですが、回数の多い人はよけい払ってもらうことは、これは経済の原則でありますが、しかし、電話の持つ公共的な使命、特に前には定額でよかったのでありますから、そういう定額との問題を一体どういうふうに解決するかという問題は、できるだけ早く解決しなければならない問題であります。しかし、なぜ自動化に対してだけ料金が上るかという問題は、これは私の選挙区にも一つありますが、自動化をしてもらったのはいいが、自動化は勝手にしておいて料金だけ上げるのは一体何か、こういう議論でありまして、これは当然な議論だと思います。しかし、自動化には御承知のように相当多額の費用をかけますのと、無理をしてよそをとめても、自動化をするところは限られたところから順位をきめてやっていくわけです。そうしますと、全部が自動化になってしまう、そういう時期には特殊な料金をとらないで済むわけであります。人よりも早く自動化を進めて、非常に便利を感ずる人は、みんながなるまでの間だけ、多少プラス・アルファをつけてもらう、早くやってもらったら幾らか負担金を出してもらう、そういう程度の考え方で、自動化が進むと料金がよけいになる。負担金式的な負担のプラスがあるわけですが、これも合理的なものとは考えておりません。こういうものもある時期にはなくすというのが正しいのでありまして、できるだけ負担金等がなくても自動化が進むような方法を考えなくてはいかぬ。その意味で、私は、簡易生命保険の運用という問題で、昭和三十三年度からは四千百億のものをやるならば千億簡保で持ってもよろしい、こういう強い意見を出してきたわけでありますが、今年度はわずか簡保で十五億、こういう状況で、これではものにならないというのです。国会の審議の過程においても、大衆負担になるようなものは保険の運用その他においてもっと財政資金をつぎ込む、しかも三年ないし五年後赤字になるのではなく、ペイ・ラインに乗っている事業でありますから、そういうものに対して特別負担金をとるような制度はできるだけ早く解消すべきだという考えであります。
○小松(幹)分科員 できるだけ早く解消するというのではなくて、オートメーション化した場合、喜びも悲しみも幾歳月じゃないが、喜びがあると同時に、今度は一回々々電話をかけるのに神経を使わなければならぬ。これが何円、この電話をかけるとこれまた何円。電力料金だったら定額の方が多くかかって、メートル制の方が安くなる。ところが、電話だけは定額の方が安くて、今度は一回々々高くなるから、とにかく電話はよそが使うことはならぬ、うちの者も要らぬことに使うなということで、電話を制限しなければならないという事態が起ってくる。制限できるような家庭ならばいい。われわれの家庭のようなところだったらいいけれども、事中小企業、商売に要するようなところで、一刻を争うことになれば、一回々々が金になっていくというようなところでは、電話を使うのが悲しみのノイローゼになります。こういうことは一日も早く解消して、せっかくオートメーション化して文明の余慶を受けているのですから、料金は、今までよりも安くしろとは言わない、今まで程度ぐらいでとめるような計算方式を即刻打ち立てるべきじゃないかと思うが、この点大臣どう思いますか。
○田中国務大臣 御説の通りに考えております。いずれにしても、できるだけ早くオートメーション化がなされ、定額制度でいく方がいいだろうという考えを持っております。ただ、この問題とは幾らかものの考え方が違いますが、別の面からでありますが、定額にしますと、幾らかけてもただなんじゃというので、つまらぬ電話を長くかけるというマイナスがあるのです。今の回線で一番困るのは、特に婦人というわけじゃありませんが、子供などですと、ひまになると留守居番の学生が学生にかけて一時間半もしゃべっておるのです。これで非常に困るのです。それで何か三分間ごとに限ってやろうかというような問題もあります。この問題は笑いごとではなく、なかなか市外回線などではこの場合で非常に困っておりますので、そういう問題と今の定額制度の問題とをあわせて早急に研究をいたしております。特に、オートーメーション化は、第二次五カ年計画になりますと相当たくさんやりますので、今まではそういう議論が特別な地区だけで起っておりましたが、今度オートメーション化を行うと、みな起ってくるということになりますから、もう少し一歩を進めて具体的な問題を考えなければならぬという状態でありますので、何らか結論を出したい。そのためには国会の方々にも十分実情に対してまた御相談申し上げたいという考えでございます。
○小松(幹)分科員 これは余談になりますけれども、子供の教育という問題で、これは、冗談にかけるようであっても、やはりその冗談が電話をかけるという一つの道を覚えるわけです。小学校の一年生や二年生の子供が友だち同士でよく電話をかけ合う。それは遊びのようでも、そういう機会を与えなければ、おとなになっても電話が扱えないのです。やはり電話を通じて子供の教育ができるから、これは否定してはならぬと思います。これはもう第一番に大事なことです。
○田中国務大臣 これはほんとうに、私どものところなどは女の子が一人しかおりませんから、兄第がないので、晩はほとんど電話でもって友だちと話をしておるわけです。だから、子供の教育のためには電話を使わしたい。しかし、一通話三十分以上ずつというと、これは社会に対してマイナスになる。その調和点というものをどこに置くかということに非常に親として悩んでおるわけであります。こういうものは一つ電電公社とも十分相談して早急に結論を出したい、こう考えております。
○小松(幹)分科員 三十分も五十分もということは、それは別問題といたしまして、学校教育あたりで電話をかける道等を教えなければならぬ。あるいは家庭においても、おとなにならなければ電話がかけられないようじゃ困る。やはり幼稚な言葉の中でも電話をかける技術なりあるいは応待のエチケットなどはひとりでに覚える。そういう機会を与えるということが大事なのであって、オートメーション化したところにいい面がある。だが、子供がそういう遊びをする。要は、遊びでありましょうけれども、別な面から見れば教育の面もあるわけなんです。学校あたりも、あるいは家庭でもあるわけなんです。そういうときに、一々一回一回かけ増しになっていくのでは、どうも親もやり切れぬし、学校の方もやり切れぬ。だから、料金を上げることによって、子供の放送教育というか、あるいは電話をかける技術というものが低下する。これはただ商売だけの損害じゃないわけです。私は子供の教育上にももう少し利用させてもいいのではないかと思うくらいでありますから、これは一つ早急に料金について善処をしてもらわなければならぬと思います。 それから、最近だんだん農村あるいは特殊地帯への公衆電話あるいは部落への農村特設電話を引いておりますけれども、この速度がまだおそいのではないかと思う。昨年よりもちょっと倍くらいの設置を見ておりますが、この速度を上げなければならないと思います。そうでなければ農村が文化におくれる。あるいはスピード時代に農村が合ってこない。都市だけはスピード化するけれども、農村はいつまでもスピード化しない。この点についての計画あるいは資金の面等について伺いたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。農村公衆電話の設置が必要であり、あまねく文化の恵沢に浴させなければならぬことは当りまえのことであります。特に、電電公社が国内における唯一無二の機関であり、独占機関であるということをもって、独占の上にあぐらをかいておって、もうかるところ以外はやらないという考えは間違いであります。こういう見地から言っても、農漁山村等に対する公衆電話の必要性は当然であり、また公社としても当然やるべき義務的な仕事と考えております。よって、これも五カ年計画を進め、今国会の審議を得ている予算では、三十三年度中に四千公衆電話を開設するということで進めておるわけであります。資金は二十九億何千万円、約三十億でございます。 ただ、蛇足でありますが、つけ加えて申し上げますと、今までは戦災復旧電話であり、特に都市中心で整備をして参りましたから、現在まではぺー・ラインに乗っておるわけであります。ところが、農村公衆電話になると、距離が非常に長いので、架線設備等は相当設備費がかかりますが、これは、特別な用事があるとか、病気とかいう以外には、一カ月に一ぺんか、また一日一回かというわけで、コストの上には相当響いてくるわけであります。もうすでに第二次五カ年計画は、公共的使命を達成するという立場から、もうからないでも公共的に必要なところも広げて参らなければならぬという状態まで踏み出しましたので、いよいよ真の建設的な状態まで参りましたということになるわけでございます。
○小松(幹)分科員 今投下資本三十億ということになっておりますけれども、国鉄あたりに言わせるならば、国鉄の再建あるいは近代化というものは電電よりおくれておる、電電の方があとからできたけれどもスピードが早いと言っておるけれども、やはりまだ投下資本が弱いと私は考える。もう少し逓信関係にも積極的な財政資金をつぎ込んでいかなければまだおくれるのではないか。今でもまだ明治の初めから巻ききゃはんがけで飛び走っておるのは郵便屋さんだ。七十年、八十年たった今日でも、郵便屋さんは変らない格好で山坂を歩いて、かばんを持って行っているような状態だ。これはどうしても機動化されなければならぬ。そういうような状態でありますから、もう少し投下資本を入れていいのではないか。同時に、今の農村電話、さらに都市の電話回線が少い。それがために非常にやみ電話価格が上ってきておる。だから、必然的結果として、それが抵当質権の問題につながってきておる。そういうことで需要にマッチしてない。少くとも鉄道は、乗りたいほど詰め込んでも、乗れないために駅に詰め残したということはない。お祭か特別の場合以外は、たいてい満員電車でも詰め残しはしない。ところが、電話では、こういうものは詰め残しておくという実情がある。もう少し投下資本を入れなければならぬと思うが、この点についての大臣の所見と、もう一つは、電話質権の問題についてどういうお考えか、具体的なお考えがあるかどうか、伺いたい。
○田中国務大臣 お答えをいたします。農村公衆電話につきましては、先ほども申し上げました通り、もうからないものにも公共的使命から適当に資本を投下しなければならない、全国あまねく電話の恩恵に浴せしめなければならないという考えのもとに予算を編成いたしております。これは、例を申し上げますと、三十一年度は四億でありました。三十二年度は十五億であります。大体四倍であります。三十三年度は三十億でありますから倍であります。この速度は、農村公衆電話に相当重点を置いておるという一つの証左であろうと思います。大体七百五十億の総需要費の五%に近い金であるということを御承知いただきたいと思います。なお、電電公社は、今までは非常に経済的にいわゆるペイ・ラインに乗る仕事でありましたが、これからこういうところを非常に大きくやりますと赤字が出てくるわけであります。これは電電公社はもうけるべきものではないのであって、私の考えは、電電公社はもうからないでよろしい、財政資金を投下してもいいのだ、こういうものにこそ利子補給等は行なってよろしいのだという考えを私は強く持っておりますから、財政資金を投下すべきである。特に、三十三年度の予算編成には、もうからない三十億の農村電話くらいは、郵政省で持っておるところの簡保の運用額を提供するのは当りまえであるということで進めてきたわけでありますが、十五億になって、資金運用部から二十億ということになりましたが、これは三十三年度の繰り延べ分を引き受けるというような調整もありましたので、三十三年度はこういうふうになりましたが、三十四年度からは当然国会の審議の過程においても出る問題だと思いますが、私も逓信が持つところの資金はこういう面にこそ活用せらるべきである、また、この道を通じて資金還元を行うのだという考えを持っておるわけでございます。 それから、電話質権の問題でありますが、これは、大体において、民間でもって公定よりも高い電話の売買ができるということは跛行的な姿であって、いいものじゃありません。こういうものが実際に行われるという現状があるならば、別な公社——公社の小会社でもいいですが、こういうものでもってそれを引き受け、もう少しそれを活用して、電話を架設するような保険を作ったりして、何かそこでプールができるような機関が必要だと思って、予算編成の過程において考えてみたのですが、どうも技術的にもむずかしいので、一応電話加入質権に関する法律を作ることにきめました。現在、法制局に通知をし、法制局で審議中でありますので、これもできれば二十日ぐらいまでには国会に提案して審議をわずらわしたいと思っております。これは、中小企業の金融難を解決するだけの問題ではなく、電話の加入権という問題を将来どう解決するかという基本的な問題を含みますので、一応五カ年間の時限立法として提案する予定でございますが、これも、この法律の将来をどうするかという問題は国会の審議に待ちたい、こういう考えでございます。
○小松(幹)分科員 今時限立法と申しましたが、私もそう考えておったのですが、本年を切りにして五カ年の時限立法、こういうお考えですか。
○田中国務大臣 三十三年度から五カ年間の時限立法で提案をいたす予定でございます。
○小松(幹)分科員 郵政関係はそれで終りまして、NHKの質問をします。 先ほど大臣はNHKの聴取料を上げるとも言わなかったけれども、大体聴取料を上げるという線で説明されたようであります。私はちょっと意見が違うのです。というのは、けさ配っていただきましたNHKの損益勘定を見ましても、ラジオのいわゆる聴取料というのは黒字になっておる。これはラジオだけですか。いわゆるテレビが加わったら赤字になるのですか。それでも黒字ですか。当期余剰金が黒字になっております。おらく、これだけの面から見たならば、経営に黒字が出ておるのに、何で聴取料金を上げるかという論拠が出てくるわけです。同時に、この聴取料というのは、ラジオの聴取料であってテレビの聴視料じゃないわけです。そうなった場合には、いなかの者はテレビを見ない者がほとんどなんです。それがテレビの聴視料まで払わせられることになる。しかも、さらに、上げる論拠の中には、次のテレビの放送網の基本資金を捻出しようという論拠があると思う。私は、そういう長期にわたるところの基本資金を、現在のいなかの端々まであるラジオの聴取者、聞くか聞かぬかわからぬけれども、夕方御飯を食べるときに子供と一緒に一時間か二時間聞くくらいの者にぶっかけていくということはおかしいと思う。この点どんなお考えでしょうか。
○田中国務大臣 これは非常にポイントになる御資問でありますから、私の方の考えを明確に申し上げます。 ラジオの聴取料、及びテレビの聴視料、及び支出のバランスを見ると黒字になっておる。これは黒字に決算すれば現在の状態で黒字の決算ができてくるというだけであります。三十三年度の新しい事業計画を立てるときに、一体これでいいのか悪いのかという問題が、国会のいわゆる御認定の最終的な結論になるわけであります。だから、今までの状態でべース・アップも何もしないで、ずっと三十三年度まで続けると、ラジオもテレビも黒字にすることができるということは言い得ると思います。ただ、仕事はできるが、それが合理的であるかどうかということを考えますと、合理的ではないという結論を今私たちは出しておるわけであります。それはなぜかというと、総体的に考えまして、ラジオとテレビが今百四十億程度の収入しかないのでありますが、実際問題として、全国あまねく放送法に規定するNHKの公共的使命を遺憾なく発揮せしむるには、年間三百五十億程度の資金が入ってこないと仕事にならない。実際において、放送法に規定しておる通り全国あまねくやっておりません。あまねくやっておるどころじゃなく、何らかの処置をしなければ、あまねくやろうとする計画さえもみなごたごたになってしまうというのが現状であるということであります。 それから、もう一つ、値上げによってまかなうか、もっと別の借入金を起すかにしても、一体その金はどういうふうになるか。赤字が出るとすればテレビの方の赤字であろうという考えでありますが、そういうことは全然ございません。ラジオの聴取料はラジオだけでまかないます。テレビの聴視料はテレビだけでまかなう。将来はどうなるかというと、テレビの聴視料をもってラジオをカバーしなければならぬという状態になるのであって、御説とは全く逆であります、ということを一つお考えになっていただきたい。それはどういうことかといいますと、現行の放送法に基いてNHKは年度の予算計画を国会に提案をいたします。国会でもって議決を得て予算は執行されるわけでありますが、現在の状態においても、テレビの金をラジオにつぎ込もうとはしておりますが、ラジオの金をテレビにつぎ込もう、そういう意思は全然ありません。そうして、現在ラジオが黒字であってテレビが赤字だというお考えでありますが、予算の上から見ますと、ラジオが三十三年度以降赤字であります。なぜかと申しますと、今までほとんど補修をやっておらなかったということと、今までは、NHKが一つでありましたから、民放に対しても何ら調整をとらなくてよかったのです。ところが、民放がお昼ごろからやるとか、深夜放送もやるとか、いろいろなことが出て参りましたので、民放に先行する公共施設であるNHKとしては、民放よりもより親切な放送をしなければならないということになりますと、現在の五時間だったものは七時間に拡張しなければいかぬというようなことで、まだまだラジオだけでもどうしても最低でも三十四、五億、四十億くらいあれば、まず何とかラジオが整備できるということであります。ラジオの建設勘定はどうなるかというと、建設勘定は全く別の借入金をもってまかなうという方法でもって国会の議決に沿うというふうになっておりますので、そういうことに流用する可能性はありません。 もう一つ、人件費はどうかというと、人件費は、国会で議決をした額以外の人件費に流用することはできないというふうに国会で議決をしておりますから、人件費も国会で議決をしたもの以外には流用はできないということでありますので、ラジオの聴取料をもし上げると仮定をした場合も、ラジオの拡充にだけ使うのであって、ラジオ以外には全然使わないということであります。 テレビの問題は、これはもう全部借入金によってまかなうということが原則でありまして、値上げもできない。またラジオに対しての借入金もできないと、どういうことになるかというと、テレビでもって金を借りて、それをラジオの方に流用しなければならぬのではないか。どうしても値上げもしない、ラジオに対する借り入れも認めないという場合になりますと、テレビの建設費として借り入れた金額をラジオの経営経費に流用しなければならぬ場合が起き得る可能性があることを申し上げておきます。
○小松(幹)分科員 私がここに見た損益計算書は、三十一年四月から三十二年三月までですから、それを見ると、ラジオの余剰金が出ております。まあこれは過去のものです。将来のものについて赤字が出る、こういう見通しのように承わりました。これは赤字が出るといえば出る、出ないといえば出ないので、ほんとうなんです。やり方次第なんです。たとえば、国技館の相撲を民放と争って利権的につぎ込んでいけば、あるいは職業野球をとって競争していけば、そこに権利というものが入れば、それはどうしても対抗上それが要る。やり方次第である。番組次第ではこれはどえらい金も要るわけなんです。そこで、いわゆる公共性ラジオの特殊性というものがどういう形で現われるか。民放あたりの商業放送と争ってお祭騒ぎをしていくことが果してNHKの経営かどうか、こういう問題がいわゆるNHKのラジオの本質的な運営の問題にからんでくると思う。私は、今の段階においてやすやすとNHK料金を上げるということは承知できない。それは、いま少しNHKのラジオ放送についての大きな経営自体の改善なりあるいは考え方というものを変えることによって、運営費も高きにつくか安きにつくかという問題があると思う。この点はまだ詳細にそちらの方も出しておらないし、われわれも具体的にそれを出していないのですが、ただ、この資産勘定あるいはあり得べき理想の姿から、膨大になるから赤字だ、だから値上げをしなければいかぬのだという早手回しなラジオ聴取料値上げにはいささか追従できない。何もラジオの聴取料を絶対上げてはいかぬ、上げることはまかりならぬのだというような考え方ではないのです。そこの運営がどういうような経営になるかということによって、その経営経費なり運営費等のボリュームが出てくる。そこからこれは幾ら上げなければならぬということが出てくると思う。この点をもう少し考えなければならぬと思います。この点についての大臣の御所見を伺いたい。
○田中国務大臣 全くその通りに考えております。これは、三十三年度のNHKの予算が近い日に提案をされまして、私が法律に基いて意見を付し国会の議決を求めるわけがありますが、非常に慎重に考えておりますのは、確かにこういうふうな計画でNHKが運行せられる場合、聴取料の幾らの値上げを必要とする、値上げができない場合には別に財政措置を考えてやらなければいかぬというふうに話が先行しておりますが、民放とNHKのあり方をどう考えるのか。特に、NHKの第一放送が、従来はNHKが一つであったから娯楽放送もやっておったが、民放との調和において娯楽放送を直ちにやめるわけにはいかないから、娯楽放送を民放と競争して、民放が非常に高い料金を出しておるからNHKも薄謝協会の名を捨てて民放とともにタレントに対して同じ金を払うのだという考えで、そのために値上げをするということになったら、大へんだと私は思うのです。これこそまた野放しになるので、こういうことでは、放送法に、批判があってももっと明確に規定をしなければならぬというふうに考えておりますが、現在私が放送法に対して微温的だといわれるような改正の問題の原則にとどまるものだけを出しておりますのは、いずれにしても、国会で三十三年度のNHK予算を審議する過程におきましては、承認を与えるか不承認にするかに対しては、どうしても三十三年度以降のNHKと民放とのあり方を明確に国会が出さないと、もうどうにもならない状況にありますので、国会の審議に待って予算措置をすればよいじゃないかと私は考えており、また非常に慎重に、NHKにも、そういう審議の過程を見ながら国会できめてもらって自動的に予算処置をするような方法をとるべきだろうというふうに私の意見も申し上げておるのでありまして、事実、今までのままで持っていくならば、値上げをしないでもまかなえるわけであります。ただ、NHKの給与体系がどうかというと、これも一流紙等に比べれば相当低い水準に置かれておりますが、給与水準を直そうというよりも、少しでも収入金が多くなっておるならば、今すぐやらなければならない放送の実際をもっと伸ばそうじゃないか、NHKの内部においても非常に建設的な意見が出ておりますので、もう少し時間をかければ相当はっきりした結論が出るだろうということを考えておるわけであります。
○小松(幹)分科員 質問を終ります。
○山本主査 午前中はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ————◇————— 午後一時四十四分開議
○山本主査 再開いたします。 質疑を続行いたします。田原春次君。
○田原分科員 最近アメリカとソ連の間に文化協定ができて、ラジオ、テレビ等の交換実施がされておるので、このことについて、私は、郵政省のほかに外務省、文部省、それから、医学等の交換もあって、これは厚生省、映画、芸能等は、為替関係は大蔵省とか、いずれあらためて二十日過ぎに一般質問でお尋ねいたしますが、その問題をやるということを最初に申し上げておきます。 きょうここでお尋ねしたいのは、第一は、省名変更の理由を聞きたい。第二点は、列車内で、はがき、切手等を売ってないのだが、その点をお伺いしたい。 第一の、郵政省をまたまた逓信省に変える理由は、ただ郷愁ということだけでなかろうと思う。御承知のように漢字制限などしておって、ようやく郵政省という名前になじんだところでまた変えるということになれば、なるほど、新聞を見ると、逓信省と称しておった時代のはんこなんかがあるから、金は払わぬでいいというけれども、地方末端へ行けば、本省と地方の局がそうであったからといって、民間もやはり、いろいろ手紙を出したりするのに必要だから相当かかる。なぜ一体逓信省に復活するか。これは大臣が浪花節なんかやって復古趣味だから復活したのじゃないかという気もするのですが、その理由を一つ聞かせていただきたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。 省名変更の問題につきましては特に非常に慎重を期しております。特に私が浪曲などをやるために復古趣味じゃないかと言われることをおそれて、非常に慎重に考えておりますが、そういう立場に立つ変更では絶対にないことをまず申し上げておきます。 なぜ逓信省名を使うかということにつきましては、昭和二十四年に、三省分離、すなわち時の逓信省が電気通信省及び郵政省、電波委員会の、俗に三省分離と言うふうに業務が分離をせられたわけであります。逓信省は御承知の通りの歴史を持つ逓信省でありますが、その中から通信の大半が電気通信省として、分離される段階において逓信省の省名をそのまま引き継ぐことは穏やかじゃないじゃないかということで、郵便貯金及び簡易生命保険を中心にしての省名を相当論議をしたわけであります。そのときに郵政省という名前にしようじゃないかというとになって郵政省、電気通信省及び、電波委員会の三つになったわけであります。しかも、この郵政省に対しては、率直に申し上げますと、当時日本の行政省の名前を皆変えようという意見がGHQ当局にあったということも御承知の通りであります。これは、大蔵省、外務省、農林省というような名前はやめてしまって、大蔵省は財政省に、それから、現行建設省すなわち戦災復興院及び建設院をあわせて水政省にしてはどうか、こういうふうに縦書きの名前を横書きの名前に変えようというふうに、内務省解体を契機にして相当強い考えがあったことも御承知の通りであります。そのときに、各省設置法の中で、占領軍のメモランダムといいますか、占領軍の一番大きな指示に基いて作られたものが現行郵政省であります。その後も、二十三年でありますか、行政組織法の改正その他で官庁機構はいろいろ変遷したわけでありますが、その途次にいずれも水政省案、財政省案、内政省案というような名称が出てきたのでありますが、今日の状況では、相変らず大蔵省、外務省、農林省というような古い時代からの名前の中で、郵政省だけが当時の残滓として残っておるという問題が一つあります。しかし、省名はもう国民になじんだのだから、それでもいいじゃないかといえばそうでありますが、二十七年に電電公社及び国際電電会社の設立を契機にして、電気通信業務の監督権が郵政省に戻って参りました。同時に、電波委員会が廃省せられて郵政省の中の電波監理局という内局になりました。そのときに逓信省の省名に復活するという議論も国会にあったわけであります。国会ではそれを契機にして御承知の通り逓信委員会というふうに直したのです。国会では直したのですが、そのときに省名も逓信省にすればよかったのですが、そのままで今日まで至っておるということであります。逓信省がいいのか、郵政省がいいのか、通信省がいいのか、郵政省でもまかなえるのかというふうにいろいろ検討をしたのでありますが、まあ逓信省の方が今の郵政省よりもよかろうという意見が相当強くありますし、特にこの問題は、与党、野党を問わず、省名の変更でもって反対意見が出ると困るというので、逓信委員会を中心にしていろいろ御相談もいたし、国会の両委員会が逓信委員会になっておりますし、逓信省の方が当然よかろうということでありましたので、慎重を期しつつ、今般は内部部局の改正等を含む改正案が出ますので、その審議をいただくことを契機にして省名を戻そう、こういう考えになったわけでございまして、復古調というようなことは、全然そういうような意味ではありませんから、一つ誤解のないようにお願いをいたしたいと思います。
○田原分科員 経過はそれで了承いたしました。これはこの程度にしておきます。 第二点は、一般的なサービスの改善でありますが、私ども始終汽車で旅行しておるもので、最近ここ数年来大きな主要駅ではホームで電報の受付をしておって非常に便利になっておる。ところが、はがきとか切手とか速達というものは、まだそこまで至っていないものが多い。ことに列車内で思いついて出す場合に、電報は次の駅でや回るけれども、車内で物品の販売をしているのは、御承知のようにおみやげであるとか飲食物が多くて、封筒、便せん、切手、はがきの類は不用意に乗るとなかなか手に入らない。今度あなたは特定局の普及なんということも言っておるが、それならば、せめて急行列車だけでも、車内で切手と、はがきと、それから封緘はがきというようなものが売られればかなり便利ではないか。問題はだれがこれを申請するか、どういう手続かということが問題だと思う。これは、サービスということを考えてくれば、たとえばたばこにしても車内で売っており、どういう方法にするか私は案はないが、旅行者の便利のために思い切って何かサービスする方法はないか。利益が少いからということでなく、サービスを主にしたらどうか。そうむずかしい問題ではないと思う。郵政省だけの計らいでできるのではないかと思う。実施するには運輸省とか国鉄ということになるが、旅行者へのサービス——御承知のように、外国ではごく簡単に切手を買えるようになっているわけですから、もうこの辺で変えてもいいと思うのですが、それに対する方針を一つ伺いたいと思います。
○田中国務大臣 三十三年度の予算ではサービスの向上ということを非常に重点に置いております。郵政関係、特に郵便のサービス向上ということは一体どういうふうに集約されるかというと、二つであります。その一つは、窓口の整備をする、窓口を多くする、特に便利に整備するということが一つであります。そういう一番大きな大目的に合致する今のお話でございまして、現在はホームの雑誌等の販売店は切手売りさばき所に指定をいたしておりますから、ここで、はがき、切手、収入印紙を取り扱っております。今度の現在審議をお願いしております切手売りさばき所の改正法律案によりましては、封緘はがきもこういうところで取り扱うようにしよう、こういうことを今審議をお願いいたしておりますから、そういうふうになります。しかし、列車の中にというと、なるほど私たちも非常に不自由を感じておりますから、これは窓口サービスという面から早急に取り上げたいということを一つ申し上げておきます。特に、食堂車のあるようなものは売り子が専売品であるたばこなども売り歩いておりますから、切手やはがきも、収入印紙も封緘はがきも売れることがいい、こういうふうに考えます。一般の列車はどういうふうにするか、指定人をどういうふうに指定をするかということは、運輸省及び国鉄との間にも相談をして、早急に成案を得るようにいたしたいと思います。
○田原分科員 そういうふうに便利になれば非常にけっこうと思いますので、私はなるべく本年内に計らえるように希望して私の質問を終ります。
○山本主査 森三樹二君。
○森(三)分科員 二、三御質問したいと思います。 今回、政府の所得税の控除につきましては、御承知の通り、貯蓄奨励の意味合いにおきまして、一定の定額貯金に対して減税する案が出てきたわけであります。それに応じまして、郵便貯金につきましてもやはり定額制を実施するということが発表されておるのですが、これの構想を一つ承わりたいと思います。
○田中国務大臣 郵便貯金に関する減税措置は、私の就任直後から相当声を大にしてやっているわけです。これは、その他の減税また貯蓄減免税ということを考えるときに、郵便貯金や簡易生命保険に対しては一つ抜本的に考えなければいかぬということで、相当強く主張して参ったわけでありますが、このたびは、私が考えているほどしっかりしたものじゃありませんが、一応各種の減免税措置と平仄を合せまして、郵便貯金、特に旧制度の取扱いのものについても一応全部減税措置をとりたいということを今考えているわけでございます。こまかいことは事務当局からお答えするようにいたしますが、六ヵ月以上毎月引き続き一定額の定額預金をする貯金者の所得税から、年間積み立てた預金額の三%、最高六千円を限度として、それに相当する額を年末調整または確定申告の際に減税をする、こういうふうに基本方針をきめているわけでございます。
○森(三)分科員 今、田中郵政大臣は、自分の構想とはいささか遠いものがあるというような感じの御答弁でありまして、大臣自身としてはもっと徹底したような御意見があるのかと思っているのですが、私も、これを見ましても、今御説明になったような状態ですと、一般の銀行預金者、これらと大差ないようなお取り計らいのようですが、これでは私はやはり多額の預貯金者と零細な預貯金者——郵便局を対象とした場合は普通一般大衆の零細貯金もあると思うのですが、そういう場合に私はやはり区別してやるべきじゃないかと思うのですが、この点についてはどうですか。
○田中国務大臣 これは、内閣は連帯をして国会に責任を負っておりますから、私と大蔵大臣の意見が違うなどということをおっしゃらないようにして一つ聞いていただきたいと思うのですが、一応三十三年度の予算編成が終りまして国会の審議にゆだねておる過程におきましては、この段階においては各省一律にこういうふうにきめましたからと、こうお答え申し上げる以外にないのでありますが、それでは全く棒っきれのような答弁になりますから、仮定の議論と将来の見通しを申しますと、これは当然一般の預貯金と零細の預貯金というものは相当差があっていいのであります。また昔はちゃんとそういうふうになっておったのです。ところが、戦後、御承知の通り自主的に運用する民間の預金というものが相当法律的にも野放しになりましたし、強くなりまして、どうも政府が扱う資金などというものは利息も低くていいのだし恩典はなくていいんだというふうに逆にものが考えられてきております。これは明確に間違いだと思います。なぜならば、貯金をされる人たちが貯蓄に回さなければ消費に回すという面を、消費を押えて貯蓄に回しておる零細なものが郵便貯金や簡易生命保険であります。そういうものに対しては原則的に優遇措置が講じられるべきだという思想を私は持っております。もう一つは、郵便貯金や簡易生命保険の運用はどうなっておるかというと、御承知の通り、資金運用部資金となって、国がこの大綱をきめ、国の責任において運用をし、しかも国の機関及び国の基幹産業に投資をせられておるという、非常に重要な使命を持っております。これがなくなったら一体どうなるんだ、財政運用は全くできなくなってしまうという現実であることもいなめないと思います。そういう意味で、その基礎をなす郵便貯金及び簡易生命保険等の貯蓄者に対して優遇措置を講ずべきだというふうに考えております。理論的に申し上げても、一般の金融機関に貯蓄をする人は、政府の財政計画その他に全然制約を受けないで自由に使われるのであります。この金は少くとも郵便貯金や簡易生命保険の運用のように定められて重点的に段階を追うて使われるものじゃない。ある意味においては不要不急のものにも使われる自由性を持っております。そういう民間の貯蓄に比べて、郵便貯金及び簡易生命保険等の預金者に対してもっと高率な減免税措置が、優遇措置が講ぜられて至当である、こういう思想に基きまして、臨時国会には限度額二十万円を三十万円に引き上げ、この国会には簡易生命保険法の改正を御審議願い、二十万円から二十五万円に引き上げ、なおその他の郵便貯金及び簡易生命保険等に対する優遇措置を将来とも一つ強力に進めて参りたいという思想でございます。
○森(三)分科員 あなたの御意見を聞いておりますと、やはり零細な預金者と大口の預金者とは区別しなくちゃいかぬというような思想をあなたはお持ちになっておる。簡易生命保険のお話がありましたが、簡易生命保険等にも局員を使って相当熱心に勧誘しておる事実もあります。そこで、一般の銀行、一般の保険会社と、それから国が扱うところの郵便貯金並びに簡易保険とのいろいろな関係があるのですが、結局、郵便局が大衆の貯金を扱う親しまれる機関として、大臣が考えておるような優遇を今後相当考えなければならぬと思うのです。しかし、そうなれば、あなたは閣僚の一人として、今回の定額預金に対する減税措置は、零細貯金者に対して相当優遇しなければならぬとお考えになりながら、結局やすきについたという感がする。しかも、この定額貯金の場合においては二ヵ年間の据え置きがあるわけでしょう。その二ヵ年間の据え置きをしないものに対しては減税の措置はなされないわけですが、零細貯金者には二ヵ年間の長い据え置き期間は非常に不利益をもたらすのじゃないか、過重な期間じゃないかと私は思う。比較的余裕のない人が貯金するのでありますから、もっと期間を短縮してやらなければならぬ。そこにはおのずから差異をもってやらなければならぬじゃないか。そこに郵政大臣は思いをいたさなければならなかったと思うのです。従って、やはり今後据え置き期間を短縮するというお考えに立たなければならぬのじゃないか。
○田中国務大臣 お答えいたします。言われる通りであります。こういうものよりもっと激しい減免税措置をやろうということが私の考えでありますから、こういうものに対しては幾らか理想的でない、幾らかではない、全く理想的ではないと考えております。これは、先ほど申し上げましたように、予算編成の過程において、今年度はまずこの程度にしようということに落ちつきましたが、私は臨時国会から大蔵省のいやがるようなものばかりやってきまして、貯金法の改正をやって二十万円を三十万円にしたり、それから簡易生命保険を二十万円から二十五万円に引き上げたり、そういうことばかりしておるものですから、やはり大蔵省と一体になって——内閣は連帯して責任を負っているのですから、私の意見ばかり強行することもどうかと思いますので、私は意見を下げるのではないが、そう一挙にものをやっても困るので、あなた方がお困りになるならば、今日この段階においてはこれでよろしゅうございます、しかしまたこの次の段階にはもっと優遇措置をお互に研究しよう、こういう話し合いで、実際は現在の段階においてはこれに賛成をしたわけでありまして、二年間据え置きも、一般預金に対してもそうでありますので、特に一般の金融界を刺激しても困るというような考えもありましたので、一応この段階においてこういうふうなことに賛成をいたしておるわけでございます。
○森(三)分科員 田中さんのお話を聞いていると、自分の考えというものは大蔵当局によって非常に押えられておる、あなたのお考えというものは非常に退却したというふうに受け取れる。結局大口の金融資本家の銀行扱いの預貯金というものが郵便局の方に流れるということを懸念した政策にあなたが押しつけられてしまった、押し込められてしまったというような感じを私は受けるのです。そうじゃないですか。結局やすきについた。自分の考えと相反する減免になるけれども、結局やすきについてしまって、金融資本家擁護の大蔵省の案にあなたがのみ込まれてしまったというような感じを私は受けるのですが、どうですか。
○田中国務大臣 やすきについたわけでは絶対にございません。しかもまた将来とも貯蓄減免税に対して努力を続けていくのでありますから、そうは考えておりませんが、現在の段階において理想が達成せられなければ後退であるというふうに御認定でありますから、そういう認定をせられても、実際が実際でありますからやむを得ない。ただ、去年の七月から、また臨時国会から通常国会を通じての郵政省がとってきておる一貫した施策を見ていただくと、この段階においてはこの程度でやむを得ぬじゃなかろうか、しかし次の段階には相当飛躍をしていくのだということは、カーブが上昇線をたどっておりますから、そういう意味ではそういう立場から御認定をいただければまことに幸甚だ、こういう考えであります。
○森(三)分科員 先ほど郵政大臣は、私は激しい減税を考えておると、激しいということを特に強調しておるわけです。それですから、銀行預貯金も郵便預貯金も同じような利率であるとか、あるいは減税とかいうことでは、私は理屈が合わないと思う。あなた自身も激しい減税を考えているとはっきり言っておった。ところが激しい考えを持っておりながら、実際やられるところは何も激しくない。大蔵省にのみ込まれてしまっている。そこでこの据え置き期間についても、あなたはやはりもう少し短縮しなければいかぬという御意見を述べられたのですが、所得税から控除するところの六千円についても、これはやはり、私は、金額においても七千円とか八千円とか、幾分でも差等を設けてやるべきではなかったかと思うのです。そうでなければ、結局大口の銀行預金も小口の郵便貯金も同じような待遇になってしまって、先ほどのあなたの激しい減免税ということは消えてしまうのではないか、このように思うのですが、いかがですか。所得額から控除するところの六千円についてのお考えを承わりたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。郵便貯金に対しては、六千円というものは、私はもっと高い方がいいということを主張する立場にありますが、この段階において、一般の金融機関に対するものもこうである、六千円が限度であるということになりますと、大口、小口という額からいいますと郵便貯金の方が零細な口が非常に多いですから、そういうものから見れば郵便貯金が優位に立っておるというような見方もできるわけであります。しかし、私は、先ほども申し上げておりますように、この郵便貯金及び簡易生命保険の国家財政上に持つ重要な役割の度合を考えますと、私自身はこういうものではいかぬという思想なんです。ですが、去年から矢つぎばやに簡易生命保険の限度額を上げたり郵便貯金法の改正をして二十万円を三十万円に五割方上げたりしておりますものですから、私の思想だけを押しつけて何でもかんでも強引に早くやってしまうということが、違法ではないが、妥当性を欠くという議論もありますので、このたび簡易生命保険の額を引き上げることを一期やめてもう少しほかのことを考えようかというような、過程においてはいろいろな論議があったのですが、簡易生命保険の額も引き上げたいというような気持もありましたので、いろいろなことを勘案してこの程度でもってやむを得ないだろうという結論を出したわけであります。
○森(三)分科員 それでは、銀行でいえば定期預金、郵便局でいえば定額預貯金の利率はどうなっているか。結局銀行の定期預金と郵便局の定額預貯金、この利子というものは、一般の金融関係から見ると非常にむずかしい問題ですが、これもやはり優遇してやらなければならぬ問題だと思うのです。定額貯金に対する金利というものについてのあなたの御意見を承わりたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。郵便貯金の利子が低いという考えは持っております。引き上げなければならないというふうな思想であります。臨時国会に郵便貯金法の一部を改正する法律案を御審議願いまして、一厘ないし三厘値上げをいたしたわけであります。このときも私の考えは三厘ないし五厘を上げたいということで強硬に主張したのでありますが、毎国会議論となる問題でありまして、いろいろな状況を勘案して一厘ないし三厘の引き上げにいたしたわけでありまして、十二月の一日からこの法律は適用せられております。なお、銀行預金の利率と郵便貯金の利率の比較に対しては政府委員をして答弁せしめます。
○加藤(桂)政府委員 お答えいたします。ただいま先生のおっしゃいました減税貯蓄は、郵便貯金でやる場合は年に六回以上定額貯金をやっていただく、こういう考えであります。これは結局積み立て期間と据え置き期間を合せまして最短のもので二年三カ月ということになります。従いまして、二年をこえる場合は郵便貯金の定額貯金の利率は年六分でございますから、結局六分ということになる。ただ、初めの三回分が五分五厘ということになりますが、あとは全部六分ということになりまして、銀行の場合は要するに一年の積立定期になりますからこれは年利率六分であります。従いまして、郵便貯金との間にほとんど差異はございません。ただ、郵便貯金では半年の複利で計算しますが、銀行の方は一年ずつの計算でございますので、同じ六分である場合は多少郵便貯金の利率の方が最後は得になる計算でございます。
○森(三)分科員 今の説明ですと、同じ六分を対象にした場合ですが、銀行の定期預金の場合には大体六分五厘くらいじゃないですか。銀行にもよりましょうけれども、多少高まっているのじゃないかと思うのですが、何も同じだからといってあなたが得々とする必要もないのであって、むしろ郵便局の定額貯金の方を上げてやらなければならぬ、私はこういうふうに思う。
○田中国務大臣 お答えいたします。郵便貯金も六分をこしてはならないのですが、裏利息を払っているとかいろいろな問題がありますが、これは正式には六分以上払ってはならないということであります。
○森(三)分科員 それではこの問題はこの程度にいたしまして、次に郵便局の問題です。 先ほど上林山君がいろいろ質問をしておりましたが、私は特定局全体の問題としてちょっとお尋ねしてみたいと思うのですが、特定局設置の予算が例年非常に少かったのですが、田中郵政大臣はずいぶん政治力を発揮されたので、今年はだいぶふえたようであります。それでも全国的な要求からするならば全くこの数は微々たるものでありますが、これに対して郵政大臣はどういうお考えを持っておられますか、一応見解を伺いたいと思います。
○田中国務大臣 先ほども申し上げましたように、郵政事業のサービス向上ということは、簡単に申し上げますと、窓口をよけいにするということが第一番目であります。だから、窓口がよけいにならないサービス向上というのはないのであります。第二はどうするかというと、電報やそれから郵便その他の配達回数を増すとか、より的確なる送達方法を行うとか、今度はいろいろ改正について国会の御審議をわずらわしておりますが、電報でもって送金した場合に現金を届けてやるとかいうような現実的な問題を処理していく以外にないのです。ところが、明治の初年からずっと窓口整備をやってきながら、昭和二十年以降は年間三十局くらいしか置局もしない、せいぜいやっても五十局です。一体今どのくらい郵便局設置の積滞があるかというと、六千くらいあるのです。先ほど申し上げた数字に少し異同がございますから、ここで訂正しておきますが、現在、都会においては、郵便局と郵便局との間の距離が六百メートル以上離れていること、それから人口は六千人以上その局でまかなえるということを基準にいたしております。それから、地方では、戸数にして四百戸、郵便局と郵便局とのキロ数は二キロ以上ということを基準にしております。その基準に合致しながら郵便局の置局の申請が出ておりますのが大体どのくらいあるかというと、二千五百も正式なものが出ております。その上になおどうしても作らなければならないというような申請が四千あります。そうすると、六千四、五百あるわけであります。現在特定局は一万五千局余ありますから、五、六千局作っても——都会においては六百メートル、六千人ということですが、今東京、大阪等では八百メートル、八千人というふうに押えておってもどうにもならないのが現状であります。ですから、私から考えますと、一年間に二千局くらい作って五カ年間で一万局ですから、できれば一万局設置法でもつくって、一年間に二千局ずつ作って五カ年間で一万局、合計二万五千局になると、今よりも相当緩和する、こういう考え方であります。 それから、もう一つの面から見ますとどういうことになるかというと、五ヵ年間に二千局ずつ一万局作れるとしますと、日本の国家財政にどんな影響が一体あるかと申しますと、三十三年三月末における郵便貯金の帳じりは七千六百億をこす予定であります。今年度の貯金の目標は千百五十億でありまして、順調に貯金実績は伸びております。そうしますと、一年間に五十億ずつ大体伸びるということで郵便貯金の累計をずっとして参りますと、今年三月末に七千六百億、昭和四十年の三月には一兆七千五十億、それから、昭和四十三年の三月、ちょうど今から十年たつと二兆一千八百五十億という非常に大きな金額になるわけであります。そういう意味から言っても、郵便局のいわゆる窓口の整備は不可欠の問題である。今の特定局制度から言いますと、一局どのくらいかというと、年間大体一局百万円程度であります。それを、年間二十五万円から五十万円、七十五万円、百万円というふうに種別を分けて五カ年間に一万局できるとすれば、これは窓口は拡充せられて非常によくなりますし、先ほども申し上げた通り、電話の加入区域の問題、それから農村公衆電話の問題、こういうものとこの置局計画を合わせていけるとしたならば、末端の窓口機関整備には非常にいい結果をもたらすのであって、できるだけこれはやりたいという考えで進めております。 昭和三十三年度の予算に対しては、特定局は二百局にいたしましたし、そのほかに簡易郵便局ないしは特定郵便局というものとの中間のものを二千局だけ作りたいという考えでありますが、これは、御承知の通り、全逓の組合との間に、特定局長の任用の問題、特定局制度自体の問題等について多年の論争がございます。同時に、一月の十何日かに特定局制度に関する調査会の答申も出ておりますが、政治的な論議が多い問題でありますので、原則的に窓口を整備しなければならないということには異論がないのですが、現実問題でもってたくさんの問題がありますので、国会でも議論をし、また関係者の意見を調整しながら窓口機関を整備して参りたいというのが私の考えでございます。
○森(三)分科員 まあ郵政大臣は非常に特定局の設置につきましては御熱意を示したわけでございますが、ことしの予算を見ますと、郵便局舎等の建設費として四十三億九千四百万円というものを計上されておる。それはもちろん特定局ばかりではないと私は思うのであります。これは建設費その他改築費等の予算も含まれておるのじゃないかと思うのですが、特定局で非常に朽廃したところの郵便局がたくさんあるのです。これらにつきましても相当調査をなさっておると思いますが、これらについての御所見を一応承わりたいと思います。
○田中国務大臣 特定局に対しましては、御承知の通り、借り入れ制度、いわゆる局舎料を払うという制度、及び国営の建物を作って参ろう、国設でもってやろうという二つに分けてやっておりますが、これはできるだけ国でやり得ることが合理的でありますから、そういう方向に進めておるわけでありますが、現在ある普通局の新築、改築、修理等でもう手一ぱいであります。だから、特定局まで新しく作って いくということになるとなかなか大へんなことでありますが、大へんだから といってかまわないでおくわけにはいかないのであって、これもある時期に何らかの五カ年計画というようなもの、特に財源に関する法律というようなものが必要じゃないかと私は考えておるのです。おるのですが、これは、ただ理屈だけで国営で庁舎を作るのが原則であると言っておっても、大きなものも作れないような状態であって、議論倒れになります。これは東京においても第二中郵を作らなければどうにもならない状況になっております。第二中郵を作るとしても大へんな問題であります。第二中郵から末端の特定局まで全部作るということになると大へんでありますが、大へんといって驚いてだけはおれない、何らか別な方法を考えなくちゃいかぬのじゃないかということで、今研究中でございます。今度の四十何億というものは、これは既設局の改築、新築の方がもう大半でありまして、特定局にはほとんど回ってこないと言っても過言でない状態であります。
○森(三)分科員 今、特定局につきましても、われわれが調査しますと、相当朽廃しまして、借り入れでなくて国の所有になっておるもののうち全く木造でもって今にもつぶれかかっておるようなものがたくさんあるのであります。これは一つ十分御調査になって至急善処していただきたいと思います。
○田中国務大臣 わかりました。
○森(三)分科員 次は電話の需要供給の問題ですが、これも郵政大臣としては非常に御検討になっておられる問題だと思うのです。今日、電話をつけてもらいたいと言いましても、とても三カ月や四カ月じゃ電話はつかないという状態です。特に都会においてはその傾向が激しいわけであります。これにつきまして郵政大臣としてはどういう計画を立てておられるか、一応お伺いしたい。
○田中国務大臣 先ほども簡単に御答弁を申し上げましたが、電話は、三十二年度、すなわち三十三年三月三十一日締め切りの年度で、一応第一次五カ年計画が終るわけでございますが、第一次五カ年計画は御承知の通り戦災電話の復旧その他必要やむを得ざる個所の架設が主になっておりまして、電電公社法の持つ使命を遺憾なく発揮せしめるという状態にはとてもいかないわけであります。それで、昨年の当初から、第二次五カ年計画のあり方はどうあるべきかということで相当突き詰めた議論をいたしました結果、一応電電公社は、第二次五カ年計画、総経費四千百億という案をきめたわけでございます。この中では、戦後初めて日本の経済情勢にマッチするような電話の架設計画をやろうということが一つございますし、もう一つは、マイクロ・ウェーブの整備を行い、直通電話区間等を大いに伸ばそうという問題が一つ、次には、都市周辺であって即時通話が行われないで非常に困っておる、東京における鎌倉とか茅ヶ崎とか、そういった至所距離にありながら遠距離電話よりももっとひどいという状況のものを早急に整備をしたいという問題があります。そのほかには、非常に重要でありながら、もうからないという理由をもって——もうからないというよりも、赤字が出るということで逡巡をせられておる農村、漁村、山村等の電話を一体どうするかというようなものを、一応第二次五カ年計画、四千百億で整備いたしたいという考えで計画を策定し、三十三年度予算におきましては事業費七百五十億であります。七百五十億でありますが、第二次五カ年計画の初年度でありますから、大体八百億ずつで五カ年間で四千億ということでありますが、年度々々に電話がふえていきますので、そういうものの収入もふえますから、現在の予算の状況では、第二次五カ年計画、四千百億は達成できるという見通しであります。
○森(三)分科員 現在電話の架設のためにいろいろな施設をする経費が要る。そこで公債を一応買わしている現状です。東京あたりですと六万円の公債を買わしている。この政策というものはやはり国の負担をできるだけ少くしたいという考えなのでしょうけれども、こういう政策はやはりずっと続けていくのですか。もしそうだとするならば、もう少し電話の架設を便利にしてやらなければならない。根本的にわれわれは公債というものは一般需要者に対して負担させないということが理想だと思うのです。しかし、現在こういう制度をとっておるのですが、将来そういう制度をとりながら電話の施設を改善していく考えであるかどうか。
○田中国務大臣 お答えいたします。この問題は電電公社のあり方及び予算の組み方の中枢をなす問題であります。これは、ある意味から言うと、どうもこういうことはよろしくないということになりますし、電電公社が全く自主的にその事業を行うということになると、こういうものを見つけないと財源の道がない、こういうことになるわけです。電電公社というのは、御承知の通り電電公社法に基いて事業を行なっておりますが、国の独占機関であり、また政府関係機関でもある。そういう意味で、需要に対しては供給しなければならないと同時に、もうからない仕事であっても、また赤字が出るところであっても、全国あまねく電話事業のサービスを開始しなければならない、こういう二つの使命を与えながら事業をさしておるわけでありますが、今の状況でもって、電話公債をやめたいという議論も非常に強いのであって、これをやめてしまいますと第二次五カ年計画、四千百億は三千億台に落ちてしまうのです。だから、一面においては、電話の料金を下げろ、こういう運動もあるのです。電話の料金を下げる問題が先か、公債政策をやめるのが先か、公債政策もやり、値下げも行わないで五カ年間やって、四千百億を全部こなしてしまって、そして次の段階において考えた方が事実得策かというのは、これはなかなか電電公社としては大へんな問題であって、一電電公社の独自な見解でこれに対して簡単に割り切れるものじゃないのです。そうしますと、結局国会の審議ということになるのですが、国会審議の過程で債券をやめろという場合には、別に財政措置を考えていかなければならぬ。今は、債券制度をそのまま持続し、料金も下げず、それからなおそのほかに国家資金を相当程度投入してやらないと第二次五カ年計画は進まないというのが実情であります。第二次五カ年計画が進んでも、実際どうかというと、農村電話などは百戸単位ぐらいしかできないのです。今全国から来ているのは二十戸以上は全部農村電話をつけろ、こういうことになると、第三次五カ年計画をやってもまだ需要を満たすことはできないという状態であります。この公債制度そのものはあまりいいやり方じゃありません。いいやり方じゃありませんが、ギブ・アンド・テークで、やってもらえば幾らか出す、出す方が優先順位だ、また出す方は、やってもらえるのじゃなく、絶対必要なんだから、絶対必要ということは公債を買ってもなお経済的にプラスになる、こういう見方から公債を引き受けるということであり、今の制度をすぐやめろという段階にはとてもならないという状態であります。もう一つの問題は、今のように議論がありますが、ただ、それよりもなお公債論の一番大きな議論は、地方でもって電話の売買をやっております。六万円の公債をつけて十何万円で電話が売買されておるという現状の場合では、公債政策をやめるわけにはいかないのです。だから、結局需要と供給とがまだアンバランスだからこういう問題が起きるのであって、要は、電話の架設をもっと多くやる、できれば今年度簡保の資金等を多く投入してでも電電公社の第二次五カ年計画はもっと繰り上げてもこれを遂行するということによってのみ片づくというふうに考えておるわけであります。
○森(三)分科員 今郵政大臣はできるだけ電話を増設したいという考えのもとに公債問題を論じられたのですが、それならば需要者は公債を買って電話を入れても引き合うからむしろいいのではないかというお話がありました。たとえば東京の荻窪の例をとりましても、私は実例を申し上げるのだが、申し込みに行きますと、今申し込んでも、来年一ぱいかかって、つくかつかないかわからぬと言う。結局申込者が多いのに設備が少い。ところで、荻窪の電話というものは現在二十五万円から三十万円するのです。今あなたの言われたような問題がそこにあるわけなんです。本来ならば電話加入権の売買というものは法的には禁止されておるわけです。その禁止されておるものを脱法的にそういうような驚くべき高額でもって売買されておる。こういうものは放任しておいていいのですか。
○田中国務大臣 これは好ましくないです。しかし、法律的にはこれは禁止されておらぬわけであまりす。禁止されておらぬからやれるのですが、こういう状態を早く直したいというのが私の考えなんです。今あなたも言われたように荻窪あたりでは私のところにも陳情が来るのです。私は郵政大臣であって公社の総裁じゃないのですと言っても、陳情が来ます。行政的にどうしてこれを解決しないのか、こう言って来ますが、大体明年一ぱいということでありまして、こういう問題は一つの電話局を作っても二年後ぐらいにはまた一ぱいになってしまう。しかし、実際に十万円の電話が三十万円だということは非常に困るので、抜本的なものの考え方をしなければいかぬ。ただ、原則的に申し上げますと、電話は第二次五カ年計画が済んでようやく四百万個なんです。そうしますと、イタリア、西ドイツ、イギリス、フランスとか、日本と同じような経済レベルの国を考えますと、ラジオは千五百万台、それからテレビは五百万台ないし六百万台には簡単になります。こうしますと、日本の電話は世界的に見ますと少いのです。どうしても第二次五カ年計画に百万台ないし二百万台プラスしなければ、とても需要供給のアンバランスはとれないという考えになりましたので、第二次五カ年計画四千百億をきめるとき、国会でも少し大きいのではないかと言われたのでありますが、現在の状態では第二次五カ年計画は大きい数字ではありません。第一次五カ年計画では七百五十億、実際には八百億です。そうしますと、このままで伸びていきますと、第二次五カ年計画は五千億近く仕事ができると思う。そうすれば、今言われたような問題は相当大幅に緩和ができると考えております。
○森(三)分科員 そうしますと、結局電話の増設によってそういった問題を緩和するというのですが、電話価格が自由経済時代において三十万、四十万ということに対して、規制は考えておらないのですか。いろいろほかのものに対する影響力が大きいと思います。
○田中国務大臣 この問題に対しては、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、中小企業等の問題で金融問題もありますので、近く電話加入権質に関する臨時特例法を提案いたします。これは時限立法として五カ年間は電話加入権は質に置けるようにいたしたいということで、これは少しは金融緩和にはなろうと思います。この法律を提案し、審議の過程でいろいろな問題が起きるだろうと思いますが、そのときにいろいろ御相談も申し上げ議論もいたしますが、質に対する法律とからめて、国も幾らか金を出すとか、あるいは電話加入を目標にして積立金等を行なってプールすることによって、もう少し電話の事業費を増せないかということも考えてみたのでありますが、いろいろな法律でもっていろいろ突き当りが出て、この段階においてはうまくいかないということで、加入権質に関する臨時特例法を提案することにきめたわけであります。電話自体三十万頭打ちを法律か何かでできないかということですが、これを頭打ちすることは憲法違反という議論が出てくる。だから、売買を禁ずるということ以外には、何十万円以上で売ってはならないとか、売ることの道を開いておりまして、幾ら以上で売ってはならぬというわけには、とても法律的にはむずかしいと思います。ただ、電話の加入権が三十万円で果して高いかという議論——少し飛躍論になりますが、そういうことを言うと、三十万円でも高くないようであります。電話が初めて日本に入ってきたときには、一番高いのは千五百円であり、安いところで四百円くらいですから、それに物価指数をかけていきますと十四、五万から五十万くらいになるのであって、こういうことで売りさばかれている価格がうんと高いとは思わぬが、ただ、取引が及ぼす影響という面を考えると、何らか処置がとれるかどうか研究してみます。
○森(三)分科員 あなたは価格が上っていっても規制できないと言われておりますが、全体に上るならばいいが、非常にでこぼこが多い。同じ電話でありながら、一方は五万円、一方は十万円、一方は三十万円というようなことが、ひいては提案されるという質権の問題にもいろいろ大きな影響を及ぼしてくると思います。しかも、電話の架設が楽になってくれば、その三十万円も一気に半額になったり、暴落するとか低落するとかいうこともあり得ることと思う。それで、さっきから質権の問題をお話しになりました。質権の法律もじき出るそうでありますから、詳しいことはそのときに質問するといたしましても、これらのために相当混乱が起きるのではないか。聞くところによると、今までの業者でもって、金融業者が一人で二千本も三千本も担保にとっているというような実情です。実際上そういう大口の金融業者がいる。そういうような者は今後は新しいこの法律によって一応適用を受けることだと思うのですが、そうした場合において、いわゆる経過的な規定とか、あるいはまた経過的にこれをどう処理するかという問題については、郵政大臣どうお考えになりますか。
○田中国務大臣 これはなかなかむずかしい問題であって、今まで提案が延びているのもそこがむずかしいからでございます。まあ国会には一応の案をもって提案をいたしますから、また相当議論もある点と思いますから、一つ御議論を十分伺って結論を得たいという考えでおります。ただ、だれでも電話加入権を質の対象にできるというふうには考えておらないので、金融機関もしぼらなければいかぬだろうというふうに考えておりますが、金融機関をしぼると、何か法令違反でないか、憲法上にも問題があるではないかといういろいろな議論があります。これは法務省及び法制局との意見も聴取しておりますし、ほとんど成案近くなりましたので、二十日ごろまでには提案できると思いますから、御審議の過程において、十分御意見を伺ったり、また私も意見を申し上げたいと思います。
○森(三)分科員 いよいよ法案が出ました場合に、大した予算というものは必要ないだろうと思うのですが、これに対する予算措置というものができておらないように思うのです。そういう問題からこの法案が行き詰まるようなことはありませんか。私はもちろんこの法案を何とかして通したいという気持は持っているわけでありますが、これらについて御所見を伺いたい。
○田中国務大臣 これに対しては、郵政一般会計及び特別会計で処理はしておりませんが、公社が運用上で十分まかなえるという考えでおります。
○山本主査 柳田秀一君。
○柳田分科員 現在、日ソ間の郵便小包に関する取りきめといいますか協定、こういうものはどういうふうになっていますか。
○田中国務大臣 お答えいたします。日ソ間は、御承知の通りこの事変前までは万国郵便連合に加入しておりましたから、日本との間には約定がありましてやっておったのですが、昭和十三年に事件勃発と同時に停止の状況になっております。でありますから、万国郵便連合の協定によって、今ソ連向けのものはジュネーヴを経由して行っております。しかし、ジュネーヴを経由して行くようなやり方では、相当数も多いのでありますし、また日ソ国交回復の問題等にも関連をして郵便物もふえるので、何とか日ソ間の郵便協定を行いたい。行う形式については、万国郵便連合に加入しておりますから、それをそのまま復活して効力を発生せしめるということを両方が納得すればいいのでありますし、また、小包料金についてもあらためて小包協定を行えばいいということで、昭和三十一年ごろからこの問題に対して両国間でいろいろな交渉をしておったわけであります。ところが、昨年の暮れまではなかなかいい返事が来なかったのですが、今年一月二十六日でありますか、公文が参りまして、日ソ間において郵便協定を行いたい、こういうふうになって参ったわけでございます。郵政省としては、これが行えればソ連経由でほかの国にも郵便物が参りますから非常に安くなるわけであります。あるものは現在の三分の一程度に料金が減るという問題もありますし、これから郵便物数も非常に多くなりますので、できればこれを結びたいという考えで今進めておるわけでございます。
○柳田分科員 大へんけっこうでありまして、料金も三分の一に減り、日数もうんと縮まると思うので、なるべく早くそういう協定を結んでいただきたいと思いますが、たまたま昨年の暮れに日ソ通商条約が締結されました。近く国会で承認を与えますと、批准書交換ということになって、おそらく三月には批准書交換になる。運輸省の方では日ソ間の定期航路を再開すべく今準備中で、これも、極東の方は極東海運公社、それから日本側は現在申請が八社ほど出ておるようでありますが、運輸省の予定は窓口を一本にしぼって数社にやらすようであります。黒海の方はほぼ内定しておるようですが、日本海側の指定航路はまだきまっておりません。いずれにしても、三月中には日ソ間に戦前のように定期航路が再開されることになってくると思うのです。従いまして、その機会を逸せずして、せっかく向うからも提案がありますので、日ソ郵便協定を結ぶとか——新たに結ぶのではなしに、万国郵便連合の加盟を復活するような形になります。いずれにしても、郵便協定を結ばれて、ソビエトを経由して、あるいは北鮮にも行くでしょうし、あるいはヨーロッパ各国にも行きましょうし、早く安く郵便物が行くようになってほしいと思います。そのときに郵政省としては外国郵便を取扱う局を指定しなければならぬと思うのですが、そういう場合に郵政省の方では、大体一局を指定されますか、それとも数局を指定されるか。これは定期航路の寄港地の関係もありますが、現在どういうお考えで進んでおられるか、その点も示していただきたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。先ほど申し上げましたことを詳しく申し上げますと、昭和三十二年六月二十六日に郵政省からソ連に対して郵便協定を復活したいという申し入れをしているわけであります。同年七月十九日にソ連より、スイス経由により小包の送達に対する同意の旨の返電がありました。あわせて、昭和三十三年一月二十六日に仮承諾の回答があったわけであります。その前三十二年十二月六日に日ソ通商航海条約に署名をいたしておりますので、日本とソ連との間に定期航空便がいつできるか、モスクワ—東京間に開かれるかどうかという問題、特に船便でウラジオストックに定期便が出るかどうかという問題がありますので、これが決定するまでに両国の間でもってお互いに協定をしておきたいということで、私たちもそういう腹になったわけであります。同時に、昨年の十月にカナダのオタワで万国郵便連合会議があったわけです。だから、その会議の決定から言っても、四月一日から両方でもって協定を再開しなければならぬというような状態になっておりますが、私の方としましても、それに準じて事前に交渉を行いたいという態度をとっておるわけであります。定期航空便及び定期航路が開設できれば、そのときは具体的にするわけでありますが、現在の状態として指定局をどうするかという問題。現在の状態で申し上げられるとすれば、東京中郵を指定局にして、東京中郵及びモスクワ間でやるというふうに第一次的には考えなければいかぬだろうというふうな考えを持っているわけでございます。
○柳田分科員 現実に東京中郵を指定局にされるのですか。船の定期航路がナホトカ—日本海岸に開かれることはもう一月以内、これは運輸省に御相談になったと思いますが、その場合、日本海岸の港に外国郵便取扱いの指定をされるのですが、この点どうなんですか。
○田中国務大臣 港がきまれば——もちろん新潟になるか敦賀になるか、いずれかになると思いますが、それがきまればその港にある郵便局を指定局にするということに相なるだろうと思います。ただ、現在は日ソ間の定期航空便というよりも、SAS等でもって定期便を開航しておりますから、こういう問題にあわせてもう少し早く考えなければならぬということを考えているわけであります。
○柳田分科員 そうすると、定期航路の寄港地がきまれば、それに並行して、その寄港地には大体外国郵便取扱いを指定せしめる、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
○田中国務大臣 現在の段階においては、先ほど申し上げた通り、定期航空が発着をするというところが指定せられて参りますから、協議が整った地区にある郵便局を指定する、こういうことであります。
○柳田分科員 日ソはわかりましたが、最後に日中間の郵便協定。これは国交が回復しておらぬのですが、これに対しても前国会で、郵便協定等はできる限り結びたい、こういう御答弁があったが、どの程度まで具体的に作業を進めておるか、またいつごろそういう協定を結びたいという意思があるか、それを一つ。
○田中国務大臣 日中間に対しての問題でありますが、これは日ソよりも問題がちょっと複雑であります。これは、御承知の通り、万国郵便連合には現在の台湾政府が加入いたしております。実際の日本と中共地区との間はどうなっておるかというと、御承知の通り香港を経由してやっておるわけであります。香港経由で北京に行くには一体幾らくらい時間がかかるかというと、十五日ないし二十日であります。これが直通でもって船便で行くとすると大体どの程度短縮になるかというと、五日ないし一週間であります。これは実際問題として論を待たないほど遠回りをしてやっておるわけであります。現在は何に基いてやっておるかといいますと、中国として万国郵便連合に入っておりますので、中国地区、すなわち中共地区も全部万国郵便連合の加入区域というふうな見方で今まで香港経由でもって送達されておるということであります。ところが、また中国と日本との間の郵便物の数は非常に多いのです。御承知の通り、普通便が日本と中国との間が十五万通くらいでありますか、航空郵便になると三十万通ぐらいだと思います。これはきっともっと多くなるでしょう。そういうので、これはどうしても直接交渉したいということを向うから申し入れてきております。こちらに対しても、北京でやりたいという議論もありますし、東京でやってもよろしいというような向うの議論もありますが、私たちとしては、世界的な事情もありますので、スイスでやったらどうかというようなことも言っておるわけであります。いずれにしても、この問題は実際問題として中共及び日本間に郵便協定を行わなければならない、また行なった方がよろしいというような状態になっております。
○柳田分科員 この内閣もそろそろ内閣改造というような声がちらほら出ましたが、あなたはいつまで郵政大臣かわからぬのですが、少くとも青年大臣御在任の間に中共との間には郵便協定を結ぶくらいの熱意でおやりになっておるのか、ただおざなりの大臣としての答弁をやられたのか、その辺の熱意のところは、不肖角榮在任中に必ずやってみせますと、ここまで熱意を持っておられるのか、その辺のところを一つ。
○田中国務大臣 私は、任命されれば大臣になり、退陣を要求されればいつでもやめるわけでありますが、いずれにしても、そういう政治問題とは違いまして、これは全く事務的な問題でありますし、特に現在三十万通もあるので、協定を行わなければいかぬというような状態になっております。これが五十万通にふえ、百万通にふえるというようなものを二十日間もかかって送っておるというようなこと、特に郵便連合は御承知の通り政治的な色彩は全然なく、純技術的な会議でありますから、こういうものを政治的に私は運用することはよくないという純粋な建前から、向うの要求、またこちらも当然日ソ、日中共間において協定を結んで事務的にスムーズにやろうという考えに立っておりますから、支障のない限りできるだけ早くやりたいという考えであります。ただし、この際明確に申し上げておきますのは、この郵便協定をするごとによって直ちに国交回復だとかそういうことにとられますと、早くやれるものがやれなくなるということがありますので、できるだけ一つそういう懸念がないように、純技術的にこの問題が早期に解決するように考えておるわけであります。
○山本主査 森本君。
○森本分科員 今のお答えでちょっと不審な点がありますので伺います。 ソ連との小包協定ができた場合に、取扱い局が敦賀なら敦賀と東京中郵だけだという印象を受けたのですが、そうじゃないと思うのです。その実際の小包を引き受ける局については、これは全国のおもな県庁所在地の統轄局は全部引き受けることになっておるはずですが、その点を一つ。
○田中国務大臣 私もしろうとでありますから、ちょっと間違ったわけでありますが、取扱い局は、御専門の森本さんが言われる通り、全国あまねくやるわけでありますが、定期便及び定期航空でありますから、そういう意味で、交換をする局は定期船の入る局及び中央局というふうに申し上げたわけであります。
○山本主査 川崎秀二君。
○川崎(秀)分科員 答弁を入れて二十分ぐらいで終りたいと思いますから、答弁も簡潔にお願いいたします。 昨年も予算の分科会で指摘して改められたことでありますが、中国、北九州方面に対する隣国の電波の妨害というものが非常に多くなっている。これはすでに改められたそうでありますが、中国側においては新しい第二次経済五カ年計画というものがあるのです。これによると、これから二年くらい先になるとは思いますけれども、非常に大きな電波の計画で、北京を中心として十数カ所の強力なキロワットの放送をやろうという計画があるわけですが、それに対して当局はどのような対策を立てておるのか、まず伺いたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。電波に関しましては、御承知の通りいろいろの帯がありまして、その帯の中におって使われる波は制限がありますから、これは万国でお互いに混信しないように協定を行なっております。だから、日本は極東地区において十一チャンネル、百八局の置局をきめてやっているわけであります。なお、この上に対するUHFの問題、FMの問題等も、実際に使用する場合には、はっきりとしたチャンネル・プランを策定して波を使わないと混信が起きるということでありますが、御承知の通り、中共及びソ連はこの会議に入っておらないのです。入っておらないために、強力な波を出すと全く地球上が混線をしてしまうのですが、しかし、入っておるとか入っておらないということでなくて、やはりそういうものは合理的に運営せられるべきものだというふうに私は考えておりますから、日本が混信して困るというようなことはしないであろうと考えますし、これは政治的な問題ではなく、全く純技術的な問題として国際会議で現に混信をしないように処置しておるのでありますから、これは向うの猛省を促せると思います。しかし、現実問題としては、日本に対してはいろいろの電波の混信状態がありまして、特に北京が四百メートルというような大きなものを作って強力なパワーを使ってやろうということになると大へんだと思いますので、この問題は世界の良識に訴えて何とかして混信をしないようにしてもらわなければならないと思います。また、こういう会議に対しては政府代表を随時派遣いたしまして、混信をしないように努力をいたしているわけであります。
○川崎(秀)分科員 国際会議に入っておらないわけですから、今のような御答弁でいいわけですが、そこで、昨年暮れでありましたか、森本さんなども知っておられるでしょうが、私のところへも向うから、何とか日中電波の協定というものを結んだらどうかということの非公式のお話があったわけです。ところが、日本側のどこに話をしていいのかという問題もあるので、この次に貿易協定などの問題で来るまでにはきめておいてもらいたいというような話があったわけです。従って、ここでお聞きしたいのは、そういう電波協定を結ぶ気持はあるかどうか、こういうことです。
○田中国務大臣 お答えいたします。現在中国では百キロのものを将来二百キロにし三百キロにするというが、同じ帯の波で二百キロ、三百キロでやられたらたまったものではないです。これは当然協定をしなければならぬ問題であって、これは向うからそういうことを言ってこられる前に私の方からも波の協定はしなければならないのであって、日本政府は御承知の通り万国の協議を経てやっておりますので、そういう協定にはいつでも応ずるつもりでございます。
○川崎(秀)分科員 それから、放送法については、上林山君から質問もありまして予算と直接関係のない点は法案が出れば専門の郵政委員会であらゆる点から論議があると思うのですが、法案が正式に提案されるまでには直すところは直した方がいいという見地と、財政的予算的な問題に関連してお話をしたい点は、第一は、あの原案を見てみると、日本放送協会に対し大臣は業務報告、それから徴収権、財務調査権というものを持つことに大体考え方をしておる。そこで、私は、やはり言論報道機関としての協会の業務運営というものを大臣が直接監督するというのは、これは多少問題があるのじゃないか。というのは、大体日本放送協会の性格論ということを言えば一日議論の種があるわけですが、ああいう公共的中正的機関に対する監督というものは、やはり行政府そのものよりも国民の代表としての国会が行うということの方が非常に公正でいいのじゃないかというふうに私は考えておるわけです。その点で大臣はどういうお考えであるのか伺いたい。
○田中国務大臣 これは放送法に関するポイントでありますから明確にお答え申し上げておきますが、これは非常に議論のあるところです。私自身も、そういう議論をなさずしてこういう改正案を考えたわけではないのであります。ただ、基本とするところは、今までの放送法は二十五年かに制定公布せられたものでありますが、このときは、ラジオを主体にするものであり、日本放送協会イコール放送業者というように端的に規律をしておりましたが、御承知の通り、ラジオも民放が非常にたくさん波を出し、特に今度テレビに入り、テレビは民放と公共放送とが明確に分れなければならぬというふうになったわけであります。もちろんNHKに対しても規制するとか官が統制するような意思はごうまつもありません。全然ないことを明確にしておきます。ないですが、NHKは電波省とも言うべき固有の権限をまかされておって、受信料を政府にかわって徴収しておるのです。これが一般放送業者とは全然違うわけであります。今までは、放送料を取る特権を与えられておるが、民間放送と全然同じことをやることも、自分が全然勝手なことがやれるということが原則でありましたが、民放とNHKとの間には明確な規定がなければならぬということは純理的に言えるわけです。しかし、純理的に言えることを現実に軌道に乗せていこうという考えはないのです。ただ、一つの例をとりますと、値上げをしなければならぬということを今の放送法では郵政大臣に提出し、郵政大臣は内閣を経て国会に提出しなければならぬ、国会はそれに対して承認を与えるか不承認にするかというように法律はなっておる。そうしますと、郵政大臣は、今何のために値上げが必要なのか、値上げを必要としないのかということさえも言えないのです。それは調査権も何もないのです。ただ持ってきたものをそのまま、ちょうど検察庁が議員を逮捕するときに逮捕請求を国会に出すと同じようなケースの法律になっているのです。そうしますと、この中間において全然意見を付せ得ない状態になっている。ですから、最小やむを得ず業務報告を求め、実際この聴取料が適正であるかどうか、国会に対し責任を負える限度の調査権を持つというふうな状態になるのじゃないか。しかし、これも、こんなくらいのことをやることによって反動だと言われてはかなわぬので、厳に考えたのですが、この程度は最小やむを得ないだろうという建前に立ってのことです、しかし、いやそれは国会がやる方がいいのであって、郵政大臣を通じなくてもみんな国会でもって値上げも何もして下さるということになれば、私の方では意見も付する必要はないのですが、現在は国会に対して郵政大臣が責任を負わなければならない根拠がないのであって、これは法制上の不備であって、当然そういう条項は明確に規定すべきであるという考えに基いたものであります。
○川崎(秀)分科員 それと付随して、財務調査権の方の問題はどうですか。たとえば値上げをするような場合における政府の監督権という問題とも関連があるけれども、すでに中正な会計検査院というもので検査しておるのですから、財務調査権まで持つということは行き過ぎじゃないですか。
○田中国務大臣 私の考えでは、業務報告というよりも、実際郵政大臣が必要とするものは、会計、財務に関して必要なのである、こういうふうに解するのが正しいというふうに考えております。郵政大臣は、御承知の通り、年間の予算に対して国会に提出する場合には意見を付さなければならぬ。ただそれは無責任な意見を付するわけではないのでありまして、実際は郵政大臣が付した意見が内閣の意見になり、与党の意見になるということでありますので、業務全般ということには問題があるでしょうが、会計財務に関して調査をするということは、これは最小限度の権限として必要だというふうに考えております。
○川崎(秀)分科員 他に専門家もおることですから、私はこれ以上質問しませんが、ただ、田中郵政大臣は就任以来青年大臣としてそれこそ各方面に活躍されて大へん評判がよかったわけです。今でもよい。しかし、もし一点間違いがあったとすれば、NHKの会長の人事をしそこなった。人選が間違ったというのじゃない。人選をする際の措置は、放送法を読んでおらなかったということは明白なんです。私はあの時もっと問題にしてやろうかと思ったが、まあ気の毒だと思って、実は与党の中で小さな声で幹事長に話をしておったのです。すると、もたもたした。あのときもし国会がずっと連続して開かれておればどうだったか。たとえば十二月の二十日から一月の二十日までは自然休会だから、自然休会中ではなはだあなたにとってはラッキーだった。非常に重大な問題です。私はああいう間違いを犯してはならぬと思う。やはり日本放送協会というのは公正にして中正なる報道機関であるわけですから、それを経営委員会の職務を越えて直接人選にタッチをする、これは実に間違いだったと私は思うのですが、そのような意味で、今後NHKの会長の人事というのは非常に慎重にしなければならぬとともに、いやしくも官僚統制、あるいは官僚の復活というようなことの人事の方向にいかないように、でき得ればやはり将来人物があればNHKの中から人材を登用するような方向に経営委員会がいくように期待するのが、私は郵政大臣としての大所高所におけるところの気持の持ち方でなければならぬというふうに感ずるのですが、あなたはどう思う。
○田中国務大臣 ただすべきことをただされて、非常にありがたく思います。私も就任日も浅かったから、そういう不手ぎわがあったのでありまして、これは非常に内心じくじくたるものがあります。その涜罪という意味もありまして、大体、放送法改正審議会の答申は、郵政大臣の議を経て会長は任命せらるべきだと書いてあったのを、今度の改正案では、郵政大臣はこれに関与しない、と百歩も譲ってあるわけでございます。これは前車のくつがえるを見て後車の戒めにしたよき例でありまして、私がそういう人間でないという一つの証拠を明確にいたしたわけでありまして、将来こういうおそれがあってはならないし、私もそういうことに対しては非常に厳密に考えております。そういう意味で、将来そういうことはないようにということを十分考えております。なお、会長問題その他、私、権限のない人がそういうことを言うのはまたおかしいのでありますが、これはもう一般論として、内部にいい人があればもちろん内部から出すべきであります。ただ、それの見方としては、こういうものに対しては固定したものの考え方にならないように、トップ・マネージメントに対しては第三者を入れることが血の純潔をかえって守るゆえんだという議論もありますので、こういう問題に対しては一切経営委員会の良識にまかすべきだと考えております。
○山本主査 松前重義君。
○松前分科員 私は二、三御質問申し上げたい。電波監理行政について質問いたします。 まず第一に、大臣は料金問題について、かつて電波の日か何かの席でありましたか、公衆の面前で料金値上げをしなければならないということを公言されたのであります。これについて、その後の経過並びに今後におけるNHKの予算上に現われてくるであろう姿について、少し御説明願いたいと思います。
○田中国務大臣 私は、過去において、大臣就任後衆参両院の委員会及び公式の席上で、NHKの現行のラジオ聴取料金は値上げをしなければならないかもわからないということは明確に答弁をいたしております。また発言をしておることをここに申し上げます。しかし、これはどういう意味かというと、全くの一般論として申し上げたのでありまして、私の就任後NHKが自発的に私のところに参りまして、NHKの経営はこうなっておりますが、将来郵政大臣はどう考えるかということでありました。その一つのポイントは、この予算で一体放送法に明確に規定しておるようなNHKの使命が達成せられるかどうか、現行の百四十億ないし百五十億のものが、毎年五億ないし十億ずつ伸びていくというような収入の状況で、NHKが将来も民放に対して先行して公共的使命を果していけるかどうかという問題に対しては、私としては、現在のラジオ及びテレビの状況から考えて、どうしても昭和三十五年ないし三十六年、すなわちテレビとラジオの聴取料だけでもって十分まかなえる、その総額が三百億ないし三百五十億くらいになるまでは、どうしても別に財政資金か、もしくは値上げか、その他の何らかの方法で財政的収入の道を講じてやらなければならないだろうということを明確に答えてあります。その方法としては財政資金を投入することも一つの道であるが、財政資金を投入するということになりますと、NHK本来の立場というものが公社的な性格を帯びてくるとかいろいろなものになるので、NHKが独自の現在の立場を堅持し、収入の道を開くとすれば、まず第一番目においては聴取料金を値上げをするということが最も至当であろうと思う。ただし、これは政治的情勢において非常に大へんだ。というのは、七月、八月に金融的な意味において梗塞処置をとらなければならないような状況でありましたので、この問題は大へんだ。その当時の考え方では、大体年間値上げにおいて六十億という考えでありましたから、月間の収入に直すと現行の六十七円を百円程度に値上げをしなければならない、もしくは百五円程度に値上げをすればまかなえるということが言われたわけであります。どうしても値上げが、社会情勢上、また政治情勢上、またNHK自身も自分だけできめられるのではなく国会の議決に待たなければならないのであるから、国会がいけないという場合一体どうするんだ、その場合の処置を考えておかなければならないということを明確に申しております。だから、その意味において、私は聞かれればその場に以上のことを率直に申し述べておいたわけでございます。いよいよ昭和三十三年度の一般会計予算も国会に提案をせられ、NHKも来年度予算に対しては私のところに草案を出し、私がこれに法律に基いて意見を付して国会の承認を得なければならない段階に参っておりますので、NHKが値上げをもってまかなうような原案を提示してくるか、借入金をもってまかなうような原案を提示してくるか、超緊縮予算でもう一年やろうという案を持ってくるかは、NHKの自主的判断にまかしておるわけであります。しかし、これももう時期の問題であって、早急に提案をせられると思いますので、せられましたら、それに対してはある程度明確な意見を付して、国会の審議にゆだねたいと考えておるわけでございます。
○松前分科員 料金問題はNHKの今後における運営に対して非常に大きな波紋を投げるものでありまして、大体テレビがあのように全国的に総花的に免許をされた。そのはでに免許をされたのはいいのでありますが、民間放送がテレビを始めれば、NHKもまた少くともそれにおくれないようにテレビを開局しなくてはちょっと工合が悪い、こういう格好になっておるのであります。放送法その他から見ても全国あまねく放送を聴取せしめるのでありますから、当然その使命がある。しかもそれは急速に達成しなければならない。ところが、料金問題というものが今のようなあいまいもこたる姿において、政府は一体NHKをしてこれだけの放送法にかなうような事業の遂行をどういう手段によってやらせようとしておられるのか、あるいはまた、命令はできなくとも、どういう気持をもって放送事業というものを育成しようと考えておられるのか、具体的な答弁を願いたいと思うのです。と申しますのは、料金問題との関連性がありすので、たとえば資金運用部資金をこちらに回されるか、あるいは簡易保険の運用資金をそちらに回されるか、何らかの具体的な方途を講ぜられると思いますが、それに対してどういうようなお考えですか。
○田中国務大臣 民放及びにNHKに対する昭和三十二年十月二十二日付の免許に対しては批判のあるところであります。しかし、私はこの批判は当然考えておったのでありまして、この程度の処置をすることによって、テレビの持ついわゆる文化的な速度を進めたい、こういうことを考えておったわけであります。そうしますと、民間が非常に長足の進歩をすると、反動的にNHKの予算処置をしなければならないということも考えておったわけであります。しかし、私は、初めからこれだけのものを値上げ、これだけのものはどうするということを言うことは、法律上も非常に何か政府が指導的な立場をとるようになりますので、これはNHKの出方に待っておるわけでありますが、NHKが値上げを要求して参りまして、国会の審議の結果値上げを認めないということになるかもわかりませんし、ただ、そういう最悪の事態になるかという問題になるのでありますが、この場合、大体三十億の限度において、三十三年度の簡易生命保険の実際的運用をもってNHK債の引き受けをやるということを想定いたしまして、そういう事態が起きた場合には簡易生命保険の実際的な運用でまかなってやろうというふうに腹をきめておるわけであります。
○松前分科員 NHKの方おられませんか。——それでは大臣に伺いますが、大体三十億程度で十分全国的なNHKとしての放送法上の責任が果されるというお見込みですか。
○田中国務大臣 理想的ではないですが、相当程度の拡充施設ができるという考えでございます。
○松前分科員 この問題は非常に重要でありますので、今後におけるNHKの運営に対する基本的な新しい課題であると思うのです。ただいま三十億の簡易生命保険の資金の運用をやられるということでありますが、大体それでできることであるかどうか、いずれこの問題は逓信委員会に譲ることにいたします。 そこで、国際放送の問題についてお伺いします。 国際放送というのは、先ほど来お話にも出ておりましたように、各国とも非常な重要性をもってやっておる。わけてもアジアにおいては特に重要性をもって各国とも実施しておるという実況であります。そうして、先ほど北京放送の話も出ていたような次第であります。そこで、日本がこれに対処する。よそにやられて混信のために非常に電波が妨害される、こういうような消極的な立場でなくて、こちらが相当な大電力の国際放送を実施しなければならない段階に日本の現状はあると思うのです。にもかかわらず、今年日本放送協会に対する補助金やその他について何らの考慮もなされてない。最も重大な段階においてなされてない。これはどういうわけであるか、伺いたいのです。
○田中国務大臣 国際放送が重要であるということに対しては、もうこれは論を待たないのでありまして、私も非常に深刻にこの問題を考えておるわけであります。三十三年度の予算編成に当りまして千五百万円の交付金が減っております。これは一体どういうことか、こういうことでありますが、これは、現在は十五方向、十五時間をやっているわけであります。千五百万円減ることによって十五方向、十五時間は一体だめになるのかという問題でありますが、これはだめにならないのであります。これは、今まで国際電電のルートを使っていたわけでありますが、三台使っておったのが三十三年度から一台で間に合うというようなことで、ちょうど千五百万円使用料で減るようになっておりますから、十五方向、十五時間は全く三十二年度と同じ方向でもって同じ時間できるということであります。しかし、一歩進んで見ると、それじゃ三十二年度と同じことであって、一つも新しく方向をふやしておらぬじゃないか、NHKは十七時間をやるというようなことを考えておるし、郵政省自体も十七時間、十七方向、十八時間、十八方向に拡大したいという意見は一体どうなったかという問題になるのでありますが、この問題は予算編成の過程において相当議論をした問題でありますが、もし値上げ等をするような場合には、こういう国際放送そのものも値上げをする料金の中でまかなうべきものか、もしくは国際放送というものは全然別に政府がこれをやるのであって、この金は政府がみんな出すというふうに考えるべきか。もしくは、現行法では少しあいまいでありますが、これはどうも金を出さなければならないという予算義務を課しておるものという現行法の考え方はちょっとおかしいのじゃないか。国際放送はNHKをして行わしめる、またNHKは行わなければならない、ただし政府が特殊なものをNHKに対して特殊な時間に行わせる場合、政府が命じたものに対しては政府が金を払わなければならぬ、こういうふうに規定するのか。この問題は値上げの問題、放送法の改正との関連の問題、それからNHKの任務の中における国際放送と国内放送との関連の問題、そういう問題がありますので、特にこの国際放送に関しては国会でもって議論をして、終局的に結論が出た場合に、国際放送に対してもう少し考えようじゃないかというので、ついにこのような予算になったわけであります。ただ、いずれにしても、国際放送を拡充しなければならぬというときに、理屈の上ではどうであっても、千五百万円の金が減ったということは非常に残念であります。
○松前分科員 大体この放送協会の予算その他の見通しがついた後において国際放送の問題は考えたいというお話でありますが、そう考えてよろしゅうございますね。
○田中国務大臣 端的にそう言われると、また私の方も困るのであります。いずれにしても、そのNHKの使命の中に国際放送は自動的にやらなければならないというふうになるのか、それから現行法をどう読むべきか、また、政府が支出しなければならない限度は、政府が命じたものに対して政府が出さなければならぬのか、国際放送全部当然政府が出さなければならぬのか、NHKが自分の編集によって自分が継続的にやった国際放送まで全部政府が計上しなければならぬのかという問題に対しては、放送法上の疑義もありますので、次の国会で放送法の改正が出、しかもNHKの料金の問題その他が議せられますので、それを契機にしてこの問題に対して結論を出したい、こういう考えであります。
○松前分科員 まだ小田原評議中だそうでありまして、どうも敵を前にしての小田原評議で、まことにけっこうならざるごとだと実は思うのでありますが、小田原評議はそろそろおやめになった方がいい。早くこの方向を具体化してもらいたい。また、小田原評議が小田原評議でなくなると仮定する。ある時期に何らかの結論を早急に得られるとするならば、それならば、近く国際放送については補正予算か何かを出されるつもりですか。
○田中国務大臣 補正予算を組む等のことは考えておりませんが、簡保の資金をもってまかなってやるとか、また値上げをするしないは国会の議決いかんにかかっておるので、政府がどう考えてもどうにもならない問題でありますので、そういう過程において何らかしかるべき方向がとれるということを考えておる次第であります。
○松前分科員 その点については、千五百万円とかいうようなけちな金でなくてこれはもっと本質的な国際放送政策を政府において樹立すべきであると私は思う。これは国が一応国際的な問題はやるべきものだと私どもは思っております。放送協会自身に与えられたる使命はあっても、国際放送に関しては、これは日本の政府の意思によってある程度やるべきものであると私は思っておる。そういう意味からしましても、これはおざなりのお金ではできないと思いますので、これは大臣よく一つ今後において考えてもらいたいと思います。 それから、もう一つは、テレビに対するUHF帯の開放ですね。これは一体どういうふうに運んでおられるのか、一体いつ具体化されようとしているのか、それらの点を伺いたいと思います。
○田中国務大臣 お答えいたします。先ほどの国際放送の問題で非常に重要な問題でありますから一言だけ私の意見も申し上げておきたいのですが、私も今松前さんが言われた通りのことを考えておるのです。国際放送に関しては、これは外交的にまたいろいろな問題もありますので、政府が相当NHKとタイアップをしてやらなければならない、もちろんこの国際放送に関する一切の費用は政府が出さなければならぬ、現行法をこう読むべきであると考えているのですが、放送協会または一般の民間人はそう考えておらないのです。これはNHKの固有の権限であって、これはNHKがやるのだ、金だけは政府が見るのだ、こういうふうに相当自分勝手に解釈をしておりますので、私は、少くとも、その両案の調整をやっても、政府が命令をし、もしくは政府が行わしめたものに限っては政府が出すべきだ、そういうふうに解釈をすべきであって、これは全部国が出さなければならないということが基本であるならば、国際放送に関しては相当政府が関与してもよろしいというふうに考えているのですが、どうも条文に明確を欠いておりますので、この次の放送法の改正にはこの問題を一つ国会の審議にゆだねて明確にしたいという意図を持っておることをはっきり申し上げておきます。それから、UHF帯のチャンネル・プランの問題でありますが、これは今研究、調査を進めております。おりますが、御承知の通り、UHF十一チャンネル、百八局の免許も全部行なっておりませんし、また先年行いました予備免許に対してもまだ確認が行われておりません段階でありますので、いずれこの問題の解決が全部終ってから可HF帯の将来の問題、VHFとの関係等十分研究いたして、できるだけ早くこのチャンネル・プランの策定を終りたいと考えております。
○松前分科員 次に、FM超短波放送について、この開放についてどういうふうにお考えになっておるか。
○田中国務大臣 FMの問題はUHFよりもまだ至近な問題として今考えておるわけでございます。NHKをして放送を始めさせておりますが、FM問題につきましては、先ほど中国及びソ連圏等からの電波の放射による混信問題がありましたが、こういう問題が防げないということになれば、当然今のラジオの周波帯はFM帯に動かして混信を避ける以外にないのでありますから、このラジオの周波帯とFM帯との調整をどうするかという問題を、技術的にも慎重ではありますが早急に解決していく。しかし、これをFM帯に移すということになりますと、補償問題その他相当な問題が起きて参りますので、なかなかどちらかといってすぐ踏み切れない状態でありますが、それかといって、じんぜん日をむなしゅうしてはならないというので、これに対しては電波事務当局及び技術陣に対して三月末までにFM帯及びUHFに対して政策的、政治的な結論を出せるような事務的、技術的な結論を出すようにということを今強く命じておりますので、UHFにあわせてFM帯の問題も早急に方針をきめなければならぬということを申し上げておきます。
○松前分科員 UHFは、一応VHFの帯域を開放されますから、一体みしてもいいような情勢にもあるようでありますけれども、FMだけは多少急がなければならないばかりか、相当な要望もある。同時にまた混信の問題も考えられるが、何も補償とか何とかいうことでなくても、新しい面としていろいろ特殊な方途に考えておる向きもあるようですから、この点はもう少し今みたいな——ずいぶん前からの話なんで、おいそがしいかもしらぬけれども、とにかく急速に方針と同時に具体的な措置を一つ講ずるように願いたいと思いますが、これはいかがですか。
○田中国務大臣 FMは一応波が出ておりますし、申請者も相当ございますので、もうラジオの周波帯との問題の調整さえつけば当然早く処置しなければならぬ問題でございます。特に、ただいま御発言がございましたので、ピッチを上げて、できるだけ早く具体化をし、これが方針に対して明確になるように処置いたしたいと思います。
○松前分科員 その次に、先般テレビ周波帯をVHF帯で開放をやられたわけであります。これは民間において免許をもらって、どんどん放送を開始する段階になると思うんです。そうなりますと、その途上において、新しいテレビだけの出願をやったグループは、従来の中波のラジオの放送をやっておる放送会社の方に大体吸収して、それの横っちょにくっつけて免許を出すという条件の下にやっておるようであります。ところが、その後ずっと見てみると、既設の会社は、何といってもそれだけのスタッフと、それだけの歴史を持っておりまするので、新しい会社を今から作ろうというところよりも、何といっても具体的に実力を持っている。内容はともかくとして、いわゆる会社の設立その他に対する実力を持っている、こういうことであります。でありまするから、現在までの新会社と申しまするか、新しいテレビを運営するところの会社の設立に当っては、従来の民間放送連盟に加わっておったこれらの諸会社が、新しいテレビだけを出願したものを一応くっつけてやる場合に、何と申しますか、いわゆる放送の中立性を保つことに対して相当な危険をわれわれは感じて参っておる。何となれば、一地方における一つの新聞があって、その新聞が放送事業をやっておる。そこへテレビをくっつけられた。その資本金は比較的少い。しかし、新聞社の支配力というものは、一〇%以上はできないということにはなっておりまするが、現実的にその支配の力というものは、やはり新聞社のラジオ、テレビ、新聞と一元化した支配態勢というものが確立されようとしている。この現実に対してどういうふうに郵政大臣は——あなた方の放送の中立性を維持せんとされた目的に反しつつあるこの現状に対してどういうふうにお考えであるか、これを承わりたい。
○田中国務大臣 これは非常にむずかしい問題でありまして、私が予備免許処分を行うに当って一番考えた問題はその問題でございます。しかし、実際問題からやりますと、新聞及びラジオを持ち、それからテレビを持つことは、全くマス・コミの完全な独占になるというふうに見られやすいことであって、これの排除にはなかなか手を焼いたのであります。その意味で、いろいろな制約の条文を作って、できるだけこれを排除するというようなことにしたわけであります。これは全国的に販売網を持っている新聞などは別であって、ある局地において新聞も一つ、ラジオもその人がやっている、それにまたテレビを持たせるという問題が一番大きな問題だと思います。それに対して排除規定は相当作りましたが、これを放送法の改正に全部入れるということになると、なかなか大へんな問題です。それですから、放送法の改正にも幾らか盛り、そのほとんどは落ちてしまったというふうな状態になっておりますが、いずれにしても、この条件は相当厳密に守ってもらいたい。それを守ることによって中立性が保てるのだというふうに考え、行政的には処置しているわけであります。しかし、新聞やラジオを持ってはならないといっても、今の状態においては、ラジオ、新聞、テレビの株が一般市場に出ておりますので、この株の譲渡の制限も法律にはありませんから、実際問題として集めようと思えば幾らでも集められるというような危険性もあるわけであります。その意味で、今度は放送法の改正で、テレビ等の会社の株に対しては、定款の定めるところによって、これを譲渡しようとする場合、取締役会の議決を経なければならないというふうにやってもよろしいと、救済規定を作ったりなどいたしましたが、そんなことでは今あなたの言われたようなことはなかなかうまくいかないじゃないかとも考えられます。ただ、一番の問題は、放送をする業者が不偏不党で公平な放送さえすればいいということが、最終的には問題になると思うのです。ただ、公平な放送をしない場合にどうするかという問題で何点かしぼって参りますと、結局郵政省令の定めるところによって、間違った放送に対しては訂正放送をやらせよう、こういうことに落ちついたわけであります。あるところによると、新聞を持ち、ラジオを持ち、テレビも持っているものだから、訂正放送をやれと言ってもなかなかやらないことがあり得るのです。新聞に間違った記事を出しても、これはなかなか訂正はしません。一流紙はよくやるのですが、いなかでもって自分の県でたった一つの新聞などといったら、これは首を切られても訂正放送をやらぬということがありますので、そういう問題がないようにして、いわゆる訂正放送の義務を非常に強くしようということで、何らかその面を救済しなければならないのではないか、こういうふうに考えているわけでございますが、これをもってしても円満に、ただいま松前さんが言われるように運べるとは考えておりません。
○松前分科員 だいぶ御苦慮のほどは御苦労さまと思いますけれども、ただ、放送の中立性を堅持するということは、何といっても、今回の正式な免許をお出しになるときに、その中立性が果して確立できるかどうか、人事構成その他においてそれが確立できるかどうかということが、私は今度の正式な免許をお出しになるときの一番の条件ではないかと思う。言いかえると、従来のようなメンバーによる支配力というもの、重役の位置その他支配的な立場にある者、これらが今までとあまり変らないような態勢においてこの会社が新しく発足しようというような場合においては、これは免許を出さないというようなことによって、一つこれらの中立性の問題を、まず第一歩としてこういう手段を講ずる必要があるのじゃないか、こういうことも考えられるのでありますが、具体的に政府はどういう手をもってこの中立性の確保をされるのか、今だんだん出発しようとしかかっておるところのテレビ関係事業、この放送事業の現状に対しましてどういうふうな手をもって対処しようとしておられるか、中立性の確保、公平なる放送、これを達成するためにはどういうふうにしようとしておられるか、これを伺いたい。
○田中国務大臣 これは一番大切なことであって、一番むずかしいことであります。私自身も、この問題に対しては、ちょっと公正な放送をやらしめるための措置を講ずると、官僚統制である、官僚は要らぬことをする、こういうことでじきかみついて参ります。そういうことを聞いておったのでは、全く野放し免許になるのであって、痛しかゆしで、ほんとうに困っているのでありますが、それは幾ら何と言われても、正式な予備免許の確認を行うまでは郵政省が権限を持っておるのでありますから、少しぐらい批判をされても、中立性維持のためには勇気をもってものをやりたいという考えを持っておるわけであります。ざっくばらんに申し上げるとこういうことがあり得るのです。こういう人を出してはならない、こういうことを言いますと、その子分のその子分の子分くらいを出してきます。俗にいう四等重役くらいを出してくるわけです。そうしますと、初め正確に批判をされる方が出てくるときにはまだ批判がしやすいのでありますが、そういう人は今までのように新聞社の社長をしておる、自分は新聞社の社長をしており、今度は専務をテレビ会社の社長にする、専務ではあまりどぎついから秘書役を今度は出してくる、こうなってくると、ますます責任が不明確になるのです。だから、その意味で実際に責任を持つ人をやっぱり表に出して、責任分野を明確にした方がいいのか、それから、実際は断ち切ることを条件にして、断ち切らなければ次の免許の場合に今度は免許にしないというふうにした方がいいのか。一番最後になって、不偏不党、公平な放送をしないということがはっきりわかるのは、放送が出てからの問題でありますから、出ないうちに構成人員その他でもってしばれるかというと、放送法にも明確にそういう規定をすることがむずかしいことになると、これは松前さんのお話でありますが、なかなかむずかしいので、私たちとしましては、現状で最も合理的だということに確信を持って確認を与えるということで進めておるわけでございます。
○松前分科員 このことであまり時間を費してはいけませんけれども、一言伺いますのは、従来新聞社と放送と二つを経営しておられたそのスタッフが、新しくテレビを出願され、新会社がここに出てきた。それが二つ合わさって、それで三分の二を三分の一くらいのところで、あるいは四分の三を四分の一くらいのところで新しいテレビの免許を一緒にもらう、こういう形ですね。そのときに、ここに新しい増資をされた形ができてくると、そのときにその会社の社長、専務と、役職がいろいろありますね。そういうときに、やはり中立性を保たせるには、両方の重要なポストには、コンバインした陣容が必要だ、重要なポストは、社長が片方から出れば専務が片方から出るという形にしないと、中立性は維持されないと思います。これに対して具体的にどういうふうにお考えですか。
○田中国務大臣 なかなかむずかしい問題なんです。御説で言いますとそういうふうになるのですが、これは株式会社すなわち商法上の問題、民法上の問題がからんで参りますので、いかに私たちがそういうことを要請しても、新聞社の持株が非常に多いラジオ会社が今度テレビを兼営するという場合、新しく資本参加をされる方が二〇%、あとの人が八〇%、そうすると二〇%の人を専務にしなければいかぬか、こういう議論になりますと、これはほかの法律と競合して、そういう行政措置はなかなかできない。できるだけそういうことを慫慂するということ以外にはないのであります。ほんとうから言いますと、松前さんよくおわかりですから申し上げると、私は、ラジオやテレビの免許には、不偏不党、公平に——しかもそれが変に使われたら大へんな武器になる、場合はよっては破壊に使われる原子力と同じだ、こういう考えを持っておりますから、放送法を抜本的に改正をして、左の各号に該当するものでなければ放送業者になることができないという準拠法が作ってあって、それに基いて放送業者を免許していくということでなければなかなかむずかしいのです。ところが、今度の放送法でもって民間業者に対して幾らかのものさえ書こうとしたら、それさえも反対だと言われる。そうした議論をする人たちに放送業者としての適格性があるかどうかということを私自身も考えるのです。放送というものは限られた波を限られた人たちが国民にかわって放送するのだから、全く不偏不覚、公平でなければならないのです。ある人たちが身勝手に自分たちがやれるということがあり得るはずがない。だから、私は、その意味においては、知事のリコールというような問題のように、放送会社に対しても、その聴取者の相当数がリコールをした場合にはこれは免許を与えてはならないというくらいの制限規定があっていいと思うんです。そういう法制的な措置が全然なくて、絶対公平というものを期そうとすると非常にむずかしいのであって、私ども、御承知の通り予備免許のときには条件をたくさんつけましたけれども、今になってくると、何の法律に基いて郵政大臣は免許条件をつけたのだ、これをほんとうに守らなければわれわれに確認書が交付されないのかと言ってさかねじをしてくる業者がおります。それに対しても私は明確に言っておる。そういうことを発言する人は放送業者としての適格性を欠いておる、だから私たちが言う通りやりなさい、こうさえ言っておるのですが、これが全部行われるかどうかは三月三十一日の期限まで待ってみなければわからぬということでありますが、私はこれに適合しないようなごく悪質なものに対しては確認書を与えないという方針をとっておりますから、それまでもうちょっと時間をかけてみなければわからぬ、かようにお考えになっていただきたいと思います。
○松前分科員 どうも青年大臣らしい御決意を承わって、非常にけっこうです。ただ、私は、この免許のときに、そういう条件に適合するものに免許を与えるということはできるのでありまして、こうしろとかああしろとかいうこはできないでしょう。ですから、その辺のところは特にこの免許というチャンスを逸してはならないと思うものですから、特に申し上げておるわけです。 次は電気通信事業についてお尋ねいたします。 まず第一に、国際電気通信の問題であります。この予算その他には国際電気通信というものは全然載っておりません。それは国際電信電話株式会社に委託してあるからそれでよろしいということなのかもしれません。けれども、国際的な問題は、先ほど来の国際放送の問題が国家を中心にしてその政策が生まれてくると同じように、国際電信電話網というものはやはり同じようにそこから生まれてこなければならない。従って、国際電信電話政策というものが一体政府にあるのかないのか。お持ちであるならば、これの中に全然うたってないが、これは一番大事な問題であって、全然うたってないということはどういうことでしょうか。その点をお伺いいたしたい。
○田中国務大臣 おしかりを受けましたが、通常国会に入りましてからの業務報告及び方針の御説明の中には、臨時国会に行いましたものを除いて、その後新たに発生したものに関して御報告申し上げますということになっております。それで、臨時国会で国際電電のものも方針その他は説明してございますがございますというだけであって、あまり長くこまかくはやっておりませんことは私も認ます。しかし、これは国際電信電話株式会社法がありまして、それが自主的にやる。このやり方がいいか悪いか、イデオロギー的な見方から言ってもいろいろな議論のあるところであって、ましてや、そういう法律的なものがなくても、所管大臣として十分ものを考えなければならぬということは、処置法にも義務づけておるのでありますから、十分考えてみなければならぬと思います。その意味で、国際電信電話会社の自主性を損しない程度に政府としても十分連絡をとり、新しい政策その他に対してはいろいろ免許を与えておりますので、施策を全然持っておらないということではないのであります。電信電話、特に国際電信電話等に対しては、一体主管官庁はどこだと言われるようなこともありますので、通信、電気政策の重要性から、近く郵政省設置法の一部を改正する法律案を提案いたし、電務局制度を設置いたしまして、国際電信電話等に対しても十分な監督を行うということにいたしておるわけであります。
○松前分科員 どうも電務局をお作りになって監督をするだけでは政策は生まれませんね。問題は政策の問題なのですから。
○田中国務大臣 どうもおそれ入りました。訂正をいたします。それは全然考えておらないことを申し上げたので、これは申しわけないのですが、国際電信電話会社の監督等ではなく、いわゆる電気通信政策の総合的調整、研究、立案等の部局として電務局を設置をいたす予定にしております。
○松前分科員 電務局を作られても、調整とか何とかいろいろ名目を並べられましたけれども、これはやはり政策の問題である。やはり政策は大臣が最後に決定されるのです。事務的にこれを決定されるものじゃない。だから、電務局があろうとなかろうとにかかわらず、あなたには政策がなくてはならぬ。ことに国際電気通信政策は非常に重要性を帯びていることは申すまでもないのであります。いろいろだいぶお困りのようですから、これ以上あまり聞きませんが、ただ、今問題になりますのは、国際電気通信の中で無線の問題もありましょう、マイクロによるところの国際的な連絡の問題もありましょう、いろいろありますけれども、当面の問題としては、昔から韓国と日本との間に引かれている通信線、有線があります。これらをどういうふうにして一体話し合いをつけようとしておられるのか。それから、もう一つは、樺太との間に有線の海底線があります。多量の電話ができる。やろうと思えばいつでもできる。そういうのがあるのを、日ソ国交調整された今日において一体どういうふうにしようとしておられるのか。あるいは沖縄との問題、これは無線で連絡すると簡単に言えばそれきりですが、沖縄なんというのは非常に重要なところなんで、台湾を通じてフィリピンへの道を開くものです。それから、場合によっては香港やその他にずっと南方にも連なる。そういうふうな総合的なアジアに対するわれわれの立場というものを、通信の立場からどういうふうにして今後確保しようとしておられるのか。こういう重要な問題があるのに、今のようにあまり大して政策もお持ちでないようだし、とにかく非常に重要な国際電気通信というものを具体的には一体どうしようとされておるのか。当面の問題としてどうしようというのか。ソ連との問題あるいは台湾との問題あるいはフィリピンとの問題、これは無線の方はある程度国際電信でもやっておるけれども、有線の方は着手していない。そういう問題をどうしようとしておられるか。大西洋はすでに御承知のように即時通話をやっております。しかもハワイまでは無線で海底ケーブルがアメリカから来ておる。そういう情勢の中にあって、日本だけがのほほんとしておられない。そして、この問題は、日本の貿易の立場から見ても、あらゆる文化的な立場から見ても重要であることは申すまでもない。これが全然なくては、郵政省はあってなきがごときものだと私は思うのですが、いかがですか。
○田中国務大臣 国際電信電話問題に対して全然施策がないということはございません。これは相当あります。 この問題につきましては、電信電話会社がやっておるのでありますが、郵政大臣がこれに対して認可を与えておるということで、御承知の通り、特に西欧との問題は有線電信電話連絡が相当程度開始をしておりますし、日本と豪州との間も、先日豪州の郵政大臣が来日せられたことを機会にして私との間に両三度の交渉を開きまして、無線電話の連絡を早急に行いたい、これは三月十七日ごろ開始をしたいということでありますし、有線電信については現在シンガポール経由でありますものを直通電信を開きたいということで交渉を進めておりますが、現在の段階においては、両五年くらいは現行のルートを通りながら、しかしこれが料金の値下げ等によって両国が一つ誠意をもって解決しようということでありまして、できれば明年度末までに、あるいはそれよりもより早い機会にテレックスの開通をやりたいという協定も行なっておるわけであります。 それから、台湾との問題は、御承知の通り、長崎—淡水間に戦前から日本のルートがありましたが、これは、戦争が終ると同時に、平和条約で二分の一ずつ日本と中国との間に所有権を持つようになっておるわけであります。この問題はそのままになっており、運用は停止になっておりますが、現在無線電信電話の開通がなされております。また、この問題に対しては両国の間で早急に話し合いを進めなければならぬという問題がございます。 それから、日本—ハワイ間の問題は、御承知の通り戦前もありましたが……。
○松前分科員 無線じゃないですよ。
○田中国務大臣 海底電線の問題は、平和条約によって現在は使っておられないのです。しかし、向うはハワイまでの間ができ、それから、ハワイから日本、ミッドウェーから日本の鎌倉のものは一体どうするかという段階になっており、従来逓信委員会でも問題になっているのでありますが、古いものは使えない。新しいものを作る場合に一体アメリカ及び日本の持ち分をどうするか——、ハワイと日本だけの問題じゃない。これはサンフンシスコから鎌倉までということになると大体四百億ほどかかりますから、これを再開する場合どうか、再開してその問題に対して日本が一体有利になるかどうかというような問題もあるわけであります。上海間の問題もその通りであります。 韓国との問題は、私は何とかしなければならないだろうと言っておるのですが、この問題に対しては、今米軍との問題がありますし、韓国と日本との間の日韓交渉とちょうど同じで、要求に非常に大きな隔たりがありますが、隔たりがあるからといってほうっておけないので、遠いところの問題よりも日韓間の問題はできるだけ早くきめなくてはならぬだろうというふうに考えておるわけであります。 日本—樺太間の問題に対しては、今日ソ間の交渉も進んでおりますので、先ほどもこの席から申し上げましたが、日ソ間の郵便協定の問題も向うから応諾の意思表示がございましたので、こういう機会にこの問題も何らかの形で解決しなければならないというふうに考えておるわけであります。 ただ、無線の問題、有線、いわゆる海底ケーブルの問題ともに、私ここで明確に言うと、日本よりごく至近の距離にあるものさえも片づかないということは、戦後の占領軍が使用するという問題と密持な関係があって、これらの問題を解決することによって最も早く結論が見出されるというふうに思われますので、これら関係諸機関との連絡も密にして早急に何らかの結論を出したい、こういうふうに考えるわけであります。
○松前分科員 いろいろ熱心な御答弁をいただきましたが、どうも、私の質問しようという気持と、具体的に私が考えておる意向と大臣の考えておるのは大部違うようです。あんな古ぼけた海底ケーブルのことを私は言っておるのではない。大体技術的な問題になったから悪かったのですけれども、とにかく海底線によって何百チャンネルでもとれて、たくさんの電話ができ、即時通話もするようにしなければならないのですから、そういう新しい施策をまずもって描いて、それを具体的に着々実行に移していくというような政策が国にはほしいものだと思うのです。またどこでもそれはあるのです。フランスでさえもアルジェリアとの間にはすでに六十チャンネルの海底線を作って六十の通話をやっておるのです。そうしてアルジェリアとの間に地中海をはさんで即時通話をやっております。これは有線です。だから、マイクロとか有線という新しい技術によって——古い今の国際電信電話公社のやっておるような技術のことを言っておるのではないのです。あんなものをやるなら——それはやった方がいいでしょう。それで一時のしのぎに使ったらいいでしょうが、あんなものは新しい時代には問題にならないのです。それを言っておるので、今の御説明は、いろいろ御考慮になっておったようですけれども、少しピントがときどきはずれたようですが、それ以上のことは申しません。 そこで、ちょっとこれはもとに返りますけれども、一言伺いたいことがありますのは、この予算の中に、マイクロ散乱波、ミリメートル波等電波技術関係重要施策実施に要する経費として四千六百万円、こう書いてあります。このマイクロ散乱波、スキャター・ウエーブの問題、これを一体将来実用化する方向に向って進められるつもりか。すなわち、そういう見込みはおあたりになるのか。言いかえると、民間からこのスキャター・ウェーブに関する出願でも出たならば、場合によってはこれを許そう、その段階までスキャター・ウェーブというものはすでに研究も進み、実施の段階になっている、こういうふうな認定の上においてこういう予算をお出しになったのか、これを承わりたい。
○田中国務大臣 これはもう新技術は常に調査をし研究しておかなければならないということが原則でありますし、民間からこういう議論が出ておるわけであります。特に正力構想その他いろいろな問題も出ておりますので、郵政省技術当局としても当然これが研究をしなければならないということでこの程度の予算を計上したわけでありますが、今直ちにこれを民間に対して免許するというような考えを持っておりません。特にこれは電電公社等の技術部門に対しても密接な連絡をとりつつ、郵政省、電電の両技術をあげて、新技術に対してはおくれをとらないように、また明確な判断ができるようにということで、少いものでありますが計上したわけでございます。ただ、初めはこれよりももっと相当膨大な予算要求をしたわけでありますが、今年度はこの程度しか計上できなかったことをはなはだ遺憾としております。
○松前分科員 もう一つ伺いたいのは、電気通信監理機構の充実に要する経費四百万円で、調べてみますと、人間のふえ方というのは大体十三人しかふえてないようです。いずれにしましても、どうも電波行政というものは非常に複雑にして多岐で、しかも、だんだん技術は進む一方である。追っつくだけでもなかなか電波監理局もふうふう言っておられるだろうと思うのでありますが、それに人間の数は増さない。監督しなければならぬ電波はめちゃくちゃににふえる。テレビだけでもこの間めちゃくちゃにおふやしになった。それに人間はたった十三人。一体こんなこんなことで行政の円満な運用ができますか。
○田中国務大臣 そう言われると困るのであります。私も初めは相当程度の人員の要求をいたしたのでありますが、一般会計において十五人しかふえない。しかもそのうちの二人は科学技術庁への出向でありますから、十三人しかふえないということは、これは全く問題にならないじゃないかということであります。しかし、その十三人も、電波のためではなく電気通信監理局を作るためにふやしたというのであります。電気通信監理局を作るための十三人でありますから、電波に対しては一人もふえてないということになって、これは全く大へんでありまして、そういう意味では事務当局の間でも大へん苦労があるわけでありますが、現機能を督励して遺憾なきを期したい、こういうふうに考えておるわけであります。
○松前分科員 どうも、大臣自身が恐縮されては、まことにこっちも恐縮でありますけれども、とにかく、これはいろいろ意見を申し上げるまでもない。しかしこれはもう少し元気を出してやって下さい。これでは足りませんよ。 その次は電電公社に関する問題でありますが、電気通信研究所の問題であります。 電気通信研究所は相当な予算を出して研究をやっておる。非常にけっこうだと思いますが、聞くところによりますと、電気通信研究所の研究員の待遇がどうも公社の本庁に対して大分悪い、こういうふうな声が非常に高いのであります。研究者がいわゆる業務に従事しておる人よりも悪いということでは、研究の能率が上らぬのは当然のことである。むしろよくしなければならないくらいであります。一体どういうところに悪い原因があるのか、そしてまた、これをよくされる意図があるのか、その辺のところを伺いたいのであります。
○田中国務大臣 この問題は私のところにも入っておりますので、私からも総裁にも申し入れてございます。いずれ詳しいことは総裁からお答えになると思いますが、大体日本では技術屋に対する待遇が悪いのです。これは私もいろんなことを調べてみたのですが、どうも研究部門に対して熱意が足らないということは、法科万能という長い歴史がそうさせるのかもわかりませんけれども、技術屋というものはそこから新しいものが生まれるのでありますから、どうしてももっと待遇をよくし、もっと、多角度から幅の広い研究をせしめなければならないのですが、なかなかそういうことはうまくいっておらないようであります。今度は科学技術の問題に対しては政府も非常に力を入れ、科学研究所等に対しても大幅な技術職の教育及び具体的な処置をやろうというようなときでありますので、電電公社も、特に総裁は技術者出身でありますし、そういうことに対しては万遺憾ないように言ってございます。詳細の問題に対しては総裁からお答えをしてもらいます。
○梶井説明員 研究所の職員は非常に特殊な才能を必要といたしますから、自然その処遇というものは一般の職員と同様にはできないのであります。しかし、一面におきまして、組合との関係でもって勤務年数あるいは年令というようなものが基準になって昇給するような制度になっておりますが、もしこれをある特別の人に対して特別の措置を講じますと、その協定違反になってしまうという、非常に矛盾したことがここに存しております。それから、もう一つは、管理職、つまり組合に入ってない人になりますと、これは適宜昇給することができるのでありますが、これも職階制でやっておりますために、ある職務以上にならないと管理職にならないということで、きわめてわずかな人しか管理職にならない。そういう関係で、この研究所は、さような職階制というものも気にいらないし、また組合との協定によって処遇されないというのでないと非常に工合が悪いのであります。そこに、やむを得ずして、私どもは特に特別研究職あるいは研究というような制度を設けまして、そういう人々が特別に昇給する道を開いていこう、そういうことを今考えております。しかし、これは結局窮余の一策にすぎないのでありまして、もっとその人の才能あるいは功績に応じて自由に待遇を改善することが問題だと私は思っております。しかし、終戦後の組合運動の関係上、そういう点が非常に工合が悪くなっておりますのですが、研究の効果を上げるためには、単に研究費を増すばかりでなく、研究に従事する人をできるだけ厚遇することによってその効果を上げなくちゃならぬということは、重々われわれも承知しておるのでありますが、過去におけるいろんな経過からして、今申し上げたような方法を講ずるより仕方がないというわけであります。
○松前分科員 この問題は決して電気通信研究所のみに限ったものではなく、郵政省では電波研究所にも当然存在する現象であります。政府も、公社当局も、どうか一つこの問題に対しては真剣に取っ組んでいただいて、従来のいろいろな制約もありましょうけれども、それらの制約も、よく話し合ったりいたしますれば解決の道が開けると思うのです。熱意を持って一つ解決していただきたいと思います。 その次は工作工場の問題であります。従来修理工場を電電公社がお持ちになっておったのを、何か統合して、方々減らしたりふやしたりしてやろうとしておられるというような話を聞くのであります。おそらくこの五カ年計画の中にはこの問題が入っておるのではないかと思うのでありますが、これに対して、いろいろ利害得失を考えて、いろいろな立場から工作工場の転換に対して意見を私どもは聞いております。でありますから、今後の予算審議に当りまして、この工作工場の今後における再編成の御意図があるかどうか、あるとするならば、その方向、そしてまた、これが首切りだとか配置転換とか、あるいはまたその他事業の運営に対してどういうふうな立場にこれを置こうとするか、それらの諸問題について一つ簡単にお述べ願いたいと思います。
○梶井説明員 工作工場というものは、御承知の通り終後戦の産物であります。終戦後各機器の入手が非常に困難な時代に、今まで使っておりましたものをできるだけ修理いたしまして、復旧の仕事に差しつかえないようにしようというので、古いものまで引き出し、それを修理する、こういう方針をとられたわけです。これはその場合においては当然やむを得ない処置でありまして、私どももそれに対しては別に意見があるわけではありません。しかし、その後漸次社会の秩序も回復しましたし、また工場等の方もどんどん生産が上るようになって参りました。また、民間の中小企業というものがそういう修理の仕事を引き受けるような力もできてきました。そういう関係から考えて参りますと、われわれがみずから工作工場を持ってやっていくことがいいか悪いかということについては、われわれも相当研究をいたしました。現実にその工作工場を見て参りました。ところが、工作工場そのものは、終戦直後において必要であったようにはもはや必要の状態にはないということであります。しかし、ここにある一定の人がおりまして、その人々に仕事を与えなければならないということから、今日直ちに修理をしてこれを使う必要のないものまで修理をしなければならない、また将来を考えますならば、そのものは修理をしても結局われわれとしては使わないというものまで修理しなければならないというような実情にありますので、これを考えまして、工作工場というものを漸次その仕事の幅に応じて縮小すべきではないだろうかということを考えておるわけであります。 そこで、工作工場を縮小するということが、工作工場にいる人々にとりまして、今お話がありましたように、首を切るんじゃないだろうか、あるいは配置転換をするんでないだろうかというような危惧の念を抱かれるのでありますが、私どもはそういう縮小の方針をとりましても、決して首を切るという方法はとりません。しかし、仕事の必要のない所にむだな人を配置しておくことは、公社の事業の上から言っては最も好ましくないわけでありますから、あえて工作工場ばかりでなく、その他オートメーション等によってそこに仕事がなくなったならば、できるだけ配置転換によってわれわれは首を切るという方向を避けたいという考えでやっておりますので、それと同様に、工作工場につきましても、配置転換だけは、圧縮に伴ってやむを得ない処置と考えるわけであります。 さようなわけでありますから、工作工場を仕事の量に応じて縮小していくという方針をもって今後進んで参ります。
○松前分科員 工作工場を従来の形から考えますれば、当然ただいまのような方針が一応生まれてくるかと思うのであります。しかしながら、少し専門的な議論になりますけれども、私はドイツでレーリングス・ヴェルクシュタットというのを見て歩いた。これは修理工場であります。その修理工場において修理の仕事に従事しなかった人間は一般の機械の保守には当らせないというところで、一つの訓練機関としてこれを使っておった。能率は上らなくてもいいから、訓練機関として使うと同時に、かたがた多少なりとも修理ができる。こういうような事業との関連性をもって——レーリングス・ヴェルクシュタットといっておりましたから、一種の工作工場みたようなものであります。そういうふうなやり方でやっておりましたが、私は、電電公社の技術の保存のために、また訓練のために、何らかその機関が必要ではないかと思う。学園はありますけれども、できた機械を動かすだけの話であります。そのコンストラクションやその他については、みずから手を下してこれをやるというところは非常に少い。多少はあるようでありますけれども、非常に少い。やはり、前線で働く人々の具体的な訓練機関と同時に、この修理というような問題を結びつけておやりになるならば、多少不経済であっても、事業のためには大きなプラスになり得るのではなかろうかと、実はひそかに外から思っておったのであります。ただ、経営の立場と、いわゆる民間工場のだんだん整備されてきた現状において、そっちの方にやった方がよろしいという御議論は、一応御議論としては成り立つと思うのでありますけれども、しかし、工作工場を今後有意義にやっていくのには、こういうふうな一種の訓練との有機的なつながりの中においてこれをやっていくというところに、工作工場転換の大きな意義があるんでなかろうかという感じを私は持つのであります。私の言う意見がいいのか悪いのかは、一つ御判断にまかせますけれども、とにもかくにも、このようにして総合的に——組合側でもこの問題はいろいろ論議いたしておる途中でありますので、これがま正面の衝突にならない前に、何かいい方法がないだろうかというふうに私どもは心配をいたしておりますが、しかし、その方法のために私はこういう意見を申し上げておるわけではないのであります。やはりああいうものがどうしても必要ではないだろうかということを痛切に感じております。そういう意味で、工作工場の問題は、大体の御方針は承わりましたが、これらの問題を少し考え直していただいて、こられの問題が混乱の誘い水にならないようにお考えを願いたいと思います。
○山本主査 松前君に申し上げますが、申し合せの時間も経過いたしましたので、結論をお急ぎいただきます。
○松前分科員 わかりました。 郵政事業に関してお尋ねしたいと思いましたけれども、この問題もまた長引きまするから、逓信委員会に譲ります。 そういうわけで、ただいま私が申し上げた事柄は、放送法を中心にした問題でありますが、主として政府の施策に関する問題であります。放送を中心にした問題で一番大事な問題は、放送協会が、果して民間放送がこれだけ免許されたのに追っついていけるかどうか、その使命を果し得るかどうか、この点については大臣からの答弁もありましたので、一応私はあなたの御答弁を信頼いたしまして、今後これについては見守っていきたいと思います。国際放送については、特に一つこの点は考えていただきたいと思います。わけてもFM放送超短波帯の開放に対しては、急速にこの問題の実現を見ていただきたい。これはいろいろ技術的な要求もありましょうし外国の事情等も御承知でありましょうから、一つこの点はやっていただきたい。それから今度は国際電気通信に対する具体的な政策を一つ急速にお示しを願いたい。これは今国会中にぜひお示し願いたい、こういうふうに思うのであります。これらのことを要求いたしまして、私、質問を終ります。
○山本主査 井手以誠君。
○井手分科員 きょうもしんがりを承わりますが、五時までで済むようにいたします。 午前中からラジオの聴取料問題で何回も論議されましたので、私は論議をいたしませんが、大臣も非常にお困りのようでありますけれども、八方から喜ばれる案が一つあると思うのです。それは、産業投資特別会計から日本航空会社に出資しておりまするように、出資することによって、私は解決できると思います。先刻大臣は、出資をすれば監督権が強化されるんじゃないかという御心配があったようでありますけれども、そこを食いとめるのが大臣の責任であり政治力であります。日本航空会社に対しましては、最近まで毎年十億円——来年度は五億円に減っておりますけれども、ずっと十億円の出資があった。しかもその予算というものは国会の議決事項ではないのであります。そういうことを考えますると、私は、あなたの方に熱意があれば、政治力があれば、必ず出資ができると確信いたしておりますが、それを重点に今後考慮なさる御用意があるかどうか、それだけをお尋ねいたします。
○田中国務大臣 そういうことも考えておりますので、先ほど簡易生命保険の運用で三十億限度でもって考えましょうということを申し上げたわけであります。簡易保険の実際の運用で金を支出いたしましても、その監督権を強化するようなことはいたしません。そしてまた、そういうことは絶対しないという建前をとっております。あのときはどういうかげんでああいうことを言ったのか、ちょっとあとからおかしなことを言ったなあと思ったのですが、取り消しもしなかったのですが、政府は金を貸しても監督権が自動的に強化されるというような思想は持っておりませんから、一つ御了解をいただきたいと思います。ただ、NHKが三十三年度の予算案をどういうふうに組み立ててくるかということを今待っておる状況でありますし、私のところへはまだ正式な予算が参っておりませんので、これが出てくるときには当然そういう問題を考えなかればいかぬという考えであります。ただ、これは国会で議論される問題でありますから、私が言うのはどうかと思いますが、当然経営費として赤字になるような支出に借入金をもって充てる場合は、一体いつ値上げをするのだというような問題が出てくると思うのです。そういう問題も十分論議をして、出資をするのか、補填をして切り捨ててやるのか、値上げをした場合には返してやるのか、その時期は一体いつになるのか、これはあげて国会の議論であり、国会でもって最終的に御決定になる問題でありますので、NHKが私のところに三十三年度の予算案を出してきたときに、これに意見を付する段階において、今申し上げたようないろいろな条件を具備して国会に提出いたしたいと考えております。
○井手分科員 国会はあなたが意見を付して出されたものを審議するのであって、出資と借入金とは違うのであります。赤字云々の話がありましたけれども、そこにこそ私は出資の必要があるということを特に申し上げたわけであります。これ以上は申し上げませんが、出資の面について格段の努力を私は要請いたしておきます。 次に、郵政事務当局にお尋ねをいたしますが、この説明によりますと、三十三年度は二千六百十五人の増員になっております。これは、実際の業務量によるものと、要求とはずいぶんほど遠いようでありますが、この増員の向け先として、窓口機関の増と、郵政業務量の増加、特定局の電話施設の増加に伴う所要人員並びに勤労労務者の一部を定員化する、こういうふうになっておりますが、その数字をお示し願いたいと思います。
○西村政府委員 成立いたしました増員の数は、窓口機関である特定局の局長要員として二百名、そのほか事務要員といたしまして二百人でございます。それから常労で雇っておりました看護婦等の定員化といたしまして百二十四人、物数増に伴う者及び従来の賃金者を定員化すべき者を合せまして、郵便関係といたしまして一千六十七人、それから、電気通信関係で施設拡張に伴うもの及び賃金者の定員化といたしまして千七百二十三人ということになっております。合計三千三百十三人になります。これに対しまして、電気通信事務の電電公社への直轄化に伴う当然の減員というものがございます。それが六百九十八人ございます。差引二千六百十五人の純増ということになっておる次第でございます。
○井手分科員 それでは大臣が来る前に、ちょっとほかのことですが事務当局にお尋ねいたします。毎年私は聞きますが、局舎改築の四十三億、その普通局と特定局の内訳をお聞かせ願いたいと思います。
○西村政府委員 四十三億円の建設費の内訳でございますが、この四十三億円のうちには事務費も含まれておりますので、この事務費を差し引きますと、直接の工事費といたしまして四十二億一千百万円というものがあるのでございますが、この中で郵便局舎に予定いたしますものが約二十八億円ございます。その他鉄道郵便局関係といたしまして七億八千万、さらに、地方貯金局とか、地方簡易保険局とか、あるいは郵政研修所、郵政局といったようなものが八億六千五百万ほどございます。それから職員の宿舎といたしまして三億円ほどございます。それから鉄道郵便車の新造車が四千二百万円、その他こまかいものがございますが、大体大ざっぱに申しますと、特定局の分は郵便局舎二十八億円のうち八億円というものを予定しております。
○井手分科員 特定局舎に八億円は、それはほんとうですか、次官。
○小野説明員 お答え申し上げます。三十三年度の建設勘定関係の予算のワクにつきましては、ただいま約四十四億でございますが、それだけの成立を見ております。そのうちに、経理局長が先ほどお答え申し上げましたように、郵便局舎の修築、改善に伴いますものが二十八億円でございます。四十三億何がしの全体のワクの中で、これを自己資金と借入金に分けますと、簡保の借入金は二十六億円仰いでおります。その他は自己資金になっております。特定局に対するこの経費の使います額は、先ほど経理局長から申し上げましたように、全体の郵便局としては二十八億円でございますが、そのうちの八億ということになっております。
○井手分科員 大臣不在中に郵政会計の定員増加の内容を承わりましたが、それによりますと、特定局長の増員が二百名でございます。そこで、あなたにお尋ねしたいのは、あなたは、六千局も小さな郵便局が必要である、こういうことを午前中から強調され、さらにいわゆる四等局というようなものを三十三年度には二千局作るというお考えのようでありますが、この二千局に対しまして、局長の増員が二百名——まあ局員が二人くらいの局もあるということでありましたが、局員の分は全然増員の中に入っていないようであります。それはどういうことになるでありましょうか。
○田中国務大臣 お答えをいたします。現在の二百名の局長及び二百名の局員、計四百名は、特定局として正式に毎年三十局ないし五十局ずつ新設をいたしております。今年度は二百局要求し、二百局計上したわけでありますが、この二百局分の特定局長が二百名、それから局員が二百名、合計四百名の定員を計上いたしたわけでございます。二千局というのは、これは請負制度にした方がいいのか、それから定員が一名でいいのか、二名でいいのか、私たちの考えは、このうち、大きく譲りますから一つ定員千名だけ、局長千名だけでもいいから認めないかということでもって、最終的な段階まで私が強調したのでありますが、特定局という制度は現行の制度でありますが、これから二千局作ろうというのは窓口機関の整備であって、特定局としての定員が必要なのか、また立法措置が必要なのかは国会になってみないとわからないし、まだ成案が出ておらない、窓口整備が必要だ、窓口を何らかの形でやらなければならぬことはわかるのですが、簡易局として局長定員が必要でないものにしてくれませんか、こういうことでありましたので、いや、簡易局で作るんだったらこんなに強調しない、もっと要すれば私は特定局として必要なんだ、こう言いたいのだが、特定局として四千名も二千名もなかなか定員増加ができない場合には、もう一歩進めて一つ私の方でも考えるし、それで、この二千局の区分を、一体簡易局千局にし、特定局千局にするか、また定員一名の局を千局にし、定員のない局を千局にするか、また内部流用によって一体まかなえるかどうかというような問題を十分考えて、昭和三十四年には必要なものは幾ら認めるという明確な数字を出してくるから、それまでは簡易局にするという議論は預かろうじゃないかということで、二百局の特定局に対する定員を四百名だけ計上いたしまして、窓口整備を考えております。二千局は定員を計上しておりません。おりませんが、これは一つ国会でも議論していただいて、結論が出れば、当然三十四年度には定員化しなければいかぬという問題が自動的に起きてくると考えております。
○井手分科員 事務当局にお尋ねいたしますが、今大臣の答弁によりますと、いわゆる四等局の定員というものは全然考慮してない。今大臣の答弁では、あるいは流用ができはせぬかという話がありましたが、私はそういう余裕のある予算ではないと信じております。事務当局の見解はどうでありますか。
○小野説明員 定員事情につきましては、決して現在の状況が余裕があるとは見ておりません。ただ、地方局といわゆる中央の大都市の局の定員配置のいろいろ欠員等の発生状況からも参ってくるわけですが、現在おります実在員の配置の関係で相当なアンバランスがあるようであります。定員関係につきまして非常に困っておりますのは主として大都市の大局でございます。地方の局へ参りますと、これも十二分だとは申しませんが、比較的に申しますと、まだやや余力があるというようなところもあるわけであります。そういった流用が全然不可能であるということは、定員配置の今後の欠員等の補充につきましていろいろな方途を講じますと、皆無であるとは考えられません。そのように判断をいたしております。
○井手分科員 皆無であると私も考えておりません。一人もないとは考えませんが、非常に窮届な今の人員配置です。それは大臣もよく御承知であろうと思う。そういう中から、これはあなたの金看板ですから、特にお尋ねしておるわけです。また、そう傷つけたくはないと考えておりますけれども、しかし、私はいわゆる四等局に対しては反対でありますから特に申し上げておます。私どもは、これにかわるいい案、窓口拡充の試案を持っていますから、今から申し上げます。定員の余裕はないはずです。そうすると、新たに何らかの機関を作るということになりますれば、定員の増とそれに伴う予算の措置が必要であろうと思う。それはまた国会に出されるのか。たとえば予算案の追加であるとか、また、まだ衆議院は通っておりませんから、いろいろ方法があるかもしれません。補正予算の手もあるでしょう。そういうようなことまではお考えになっておらぬと思いますが、いかがでしょう。今国会中はそういう定員の問題なり予算追加の措置はお考えになっていないと私は考えておりますが……。
○田中国務大臣 その通りであります。
○井手分科員 そういたしますれば、せっかく御考案になったいわゆる四等局の問題も、本年中は、臨時国会などの機会があって法律案なり予算案の補正をお出しにならぬ限りは、大体できないというふうに私どもは考えますが、いかがでありましょう。
○田中国務大臣 少し政治的な答弁になって恐縮でございますが、お互いに代議士同士ですから、そういう意味でお聞きになっていただきたいと思います。これは予算折衝の過程ではプラス二百局を二千局計上したいという下心で私は予算折衝いたしたのでございますが、計上に対しては非常に熱意を持って参りました。しかし例年五十局であったものを定員四百名をつけて二百局まるまる計上に合意をいたしました過程においては、この上二千局をしかも定員から予算までということになると、来年までというふうに普通事務的ですと延びる可能性がございます。私としては、これがいいということはわかっておるし、両方とも賛成なんだから、しかも窓口整備は絶対必要なんだ、そういうことから言えば、これを何らかの機会でもって実現しよう。それをするためには技術的に不可能ではありません。しかし、予算の面から言うと幾らか問題はあります。一体、通常国会に年度予算を出しておって、補正予算を組みますとは言えない。政治的にそれは言えない立場にある人が何かしょうというのでありますから、無理は承知であります。もう一つは、来年の予算の編成の時期になってまたこれを持ち出したのでは、また送られる可能性もあるので、定員も不足であることはあなたの言う通りでありますが、しかし、どうしてもその中から何らかのきっかけを作っておきたい、千局でもものにしておきたいということ。もう一つは、三十四年に定員を必ず見る見通しがつけば簡易局として作っておいてもかまわない。しかし、簡易局として今三万円や五万円の年間の経費を出して窓口の整備ができるものではありません。そういう意味では一局二十五万円出しても二億五千万円で千局であります。二十五万円ずつ出しても五億あれば二千局できるのですから、千三百億の中から五億くらいのものが絶対必要であるといって半年でも流用できないということはおかしいじゃないかということでもって、私自身もただおかしいといってさなきだに窮屈な予算を流用するというような不合理をする考えはございませんが、いずれにしても今年中にどうしても二千局に対して目鼻をつけたいという熱意がありましたので、定員ももう少し次の機会に譲ってもいいが、いずれにしても二千局は作りますぞ——作りますぞということは、結局万やむを得ざる場合は、定員も要らない、予算も何とかワク内でまかなえるものとすれば簡易局としてもこれを設置するぞということを大蔵事務当局にも申し入れ、向うとしてもやむを得ませんということになった。やむを得なかったら計上すればいいじゃないかということになるのだが、そのワク以外にやむを得ないというような政治的な申し入れになり、政治的な答弁になったので、現在はそうでありますが、これは年度内にどうしても置局をして三十四年度には名実ともに片づけたい、こういう考えであります。
○井手分科員 最後にありました三十四年度から名実ともに設置したいということを私は大きく受け取っておく次第であります。予算に計上されていない予算外の努力に対しましては敬意を表します。それとともに、従来の五十局が二百局に上ったその努力の跡は私は認めるのであります。 そこで、せっかく窓口を拡充しようとなさっておるのでありますから、私はこの際特に要望いたしたいのは、各方面とも円満にいく道は、現在の局の分室とか出張所とか、こういうものを、あなたが考えられておるような簡易郵便局、四等局というものよりも、さらに数をふやして、大きな部落にも郵便局を置こうじゃないか、分室を置こうじゃないかという、これこそあなたの主張に沿ったものができると私は思うのであります。あなたは先刻局舎は国有化が原則であるということをおっしゃった。もしこれが請負になったりあるいはその他のものになったということになりますと、これは時代に逆行するものであります。従って、時代に順応して、そして各方面ともうまくいく、逓信部内もうまくおさまっていくし、公衆にもサービスを与えられるという案としては、やはりこの郵便局の分室か出張所を各町村に、しかも大きな部落にもどんどん作られるという道が一番いいと思う。田中構想というこの金看板をこういうふうに内容を変えてもらいたい。そういう御用意があるかどうか、この際承っておきたいと思います。
○田中国務大臣 ただいまの井手さんのお考えも私の案にさらに入れて研究いたします。しかし、これは全部分室制度にするということにもならないのです。なぜかといいますと、分局だけでもって、定員の方もうまくいき予算の方もうまくいくならば一向差しつかえなく分局でやれる。ところが、そうばかりうまくいかないところもあるのです。だから、二千局のうち幾らぐらい分局が作れるかという問題にもなるだろうと思います。なぜかといいますと、東京とか大阪とかのように当然五百局ないし六百局は絶対に作らなけれらなばぬところがある。東京のように戦前の人口七百五十万でもって六百局もありましたのが、現在は八百五十万になってもなお局数においては八割しかできていない。もちろん、道路もよくなり施設も運搬方法もよくなりましたから、戦前ぐらいの能力を上げられても、これが千百万になると、東京ももう三百局、四百局作らなければならぬという状態でありますから、東京、大阪等の都市の中心部に必要やむを得ず設けるものは分局ということも考えられる。ただ、農村でもって三百戸に一つとか二百戸に一つというところを分局にして、しかも現在の郵政の職員が行きますと、二十年ないし三十年勤めたような人が行く。そうすると、一カ月に三十万円しか取引のないような局でも、月俸三万五千円の局長が一人行って局員を一人使うということになると、これは窓口整備にはなりますが、赤字の累積に拍車をかけることになるので、窓口整備をして民間に非常に喜ばれると同時に、黒字にならなくともいいが赤字にならないようにということをまず経済観念として考えております。これらの点をどこに調和させるかという問題を十分考えておるのであります。今の私の考えだけを出しますと、組合ときっと対立するでしょう。私は組合が対立するのはおかしいとは思っておりますが、おかしいと言っても対立すればしようがありませんから、なるべく対立しないでお互いが喜びながら窓口の整備、サービスの拡張をやりたいという考えでありますので、特にこれらの立法処置その他に対しては慎重にかまえておるわけでありまして、議会の意見も十分お聞きして、しかるべく結論を出したいという考えであります。
○井手分科員 内容についてはこの分科会で論議すべき問題でもないと思っております。私は予算の立場から見通しを特にお尋ねしたわけでありまして、あなたの政治的な発言も言外の言葉もよくわかっております。ともかく私どもは請負化することについては意見として絶対反対です。やはり国有化するという方向に向わなければならぬ。この機会に私が大臣に申し上げたいのは、国有局舎促進特別措置法案、これは仮称ですけれども、そういった法律でも作って、どんどん国有局舎が建てられるように、サービスが改善されるような方向に一つ大臣のお考えを変えていただきたい。そういう気持もありましょうけれども、全面的にその方に向ってもらいたい。特に請負化するという方向については反対の私の意向を申し上げまして、大臣の御再考をお願い申し上げておく次第であります。 だいぶ時間も迫って参りましたので、あと多くは申し上げませんが、先刻次官から承わりましたところでは、局舎改築の中の特定局の費用が八億にすぎない。私はここで同じようなことを何回も繰り返しはいたしませんけれども、約束というものはあるわけですから。運用物資金のおおむね半分は特定局に回すというのは当時の約束である。ここの決議でもある。だから、今私は十何億にしろとはここでは申し上げませんけれども、その点はやはり十分考慮に入れておいてもらいたい。もう忘れているだろう、どうだろうというような考えじゃいけません。やっぱり知っております。覚えておりますよ。それ以上は申し上げません。 そこで、電電公社に一言お尋ねいたします。大臣ももちろんですが、あなたの方の努力もあって、念願がかなって近いうちに三十億の財政投融資資金がくるようでありますが、これはどういうふうにお使いになる御予定でありますか。
○梶井説明員 三十五億の運用部資金がわれわれには御援助いただけるわけでございます。しかし、これは七百五十億の中にみな包含されて、そして五カ年計画の初年度分としてこれを使うわけであります。でありますから、運用部資金をすぐにどこに直接充てるかというお答えはいたしかねるのでありますが、性格から申しますれば、勢い農村とか無電話部落とかいう方に重点的に使われると思います。
○井手分科員 財政投融資資金の削減により、特に農村電話あるいは町村合併に伴う施設の統合といった面にしわ寄せがあったと私は聞いておりますので、その点をお聞きしたかったわけでありますが、今の御答弁で大体了解いたしました。いろいろ電電公社のことについてはお尋ねしたいこともありますが、時間がございませんので、逓信委員会に譲ることにいたします。 最後にもう一つ郵政当局にお尋ねいたしますが、部内には郵便請負人制度というのがあるようであります。大臣はあまりお聞きになっていないかもしれませんけれども、四国の剣山、石槌山、九州の霧島とかいう山奥には、一日幾らという請負で、些少な賃金でやっております。これは、昭和二十七年でございましたか、機構改革の際に切り離されて請負制度になっている。その人たちの賃金というものは非常に低いのであります。昨年からちょっと上ったようには聞いておりますけれども、当時の一般の人たちは今は二万円となっておるのに、その人たちは今日でも一万円しかとっていない、ボーナスももらえない、こういう気の毒な人が数千人おるわけであります。温情あふるる田中大臣であり、部内を非常にかわいがられる大臣ですから、思い切ってこの際待遇改善をなさる御意思はないか、この点をお尋ねいたします。
○田中国務大臣 お答えいたします。この問題に対しては、私も非常に責任を感じて、これらの諸君とも会っておりますし、何回か陳情も聞き、不合理なことがあれば一つ早急にぜひ直したいということを言っておりますが、なかなかいい結論が出ないのであります。これはこういうことであります。非常にへんぴなところでもって一日何通しかないというようなところは、局員が運搬、輸送をしたり、特別の配置をしておくと非常に高いものにつく。しかし、これは国の仕事だから当りまえじゃないかという議論もあるわけであります。法律では郵政省がやることになっているからやむを得ないじゃないか、一通何千円かかろうとも送達する義務があるんだという法律解釈をしたりするのでありますが、ことに郵政が特別会計になってからは、とにかくできるだけ赤字をなくするようにという手段から、正業を持つ者にして郵便業務の請負が併業できるような、いわゆる兼業できるような人に特にやってもらおうという制度を作っております。だから、これは安いのは月に三千円くらいの給与がありますか、そういう意味で、郵便の一般の連中から比べると、服装も悪いし、それから自分でもって手弁当だ、年末の給与等にしても何ら特典がない、また将来退職する場合においても請負だから一向何ももらえないということじゃおかしいじゃないか、これを何とか一般の郵政の従事員と同じくしてくれと言うのじゃないが、今よりもよりよく改善をしてくれという問題が強く打ち出されております。これは平均手取り月給が一万円でありますから、一万円くらいの農耕をやっておって一万円もらえば二万円ベースになるのですが、どうもこれが職業化して本業の方がだめになる、運搬の方ばかりやっているということになると、一万円で家族三人を食わせなければならぬ、こういうことになっておりまして、これではどうにも生計が立たない。この請負制度の本質から言いますと、兼業であってもほかに必ず収入のある人に限ってやっているのですから、こういう問題は起きないということが言われておるのでありますし、これは議論の上ではそう言われるのですが、実際問題としては兼業でなく、それが本業になっているので、どうにも食えない、こういう実態があります。これは数多いものではありませんから、何とかできないか、何とかしてやれというので、人事部長に何回も言っているわけです。言っているのですけれども、人事部長も組合と話をしたりして何とかしてうまくやろうということで今日まできているのです。これはほんとうにうまくやらなければならぬ、何とかしてやらなければいかぬということで考えておりますが、明確に今まで結論が出ておらなかったと思います。
○井手分科員 兼業であるとかなんとかおっしゃいますけれども、請負以前はその人は一人分として仕事をしているわけです。農耕もできるとおっしゃいました。中にはあるかもしれません。朝七時ごろから出発して、山を越え野を越えて夕方帰ってくる人が多いと聞いております。見てもおります。そういう人が八千円かそこそこの賃金で、将来の見込みもない、そんなことを放置すべきものではないと私は思います。大臣、このくらいははっきり、やります、改善しますと——ここで私は一万七千円ベースにしろとはっきり申し上げているわけではありませんから、改善するということは言えるはずです。
○田中国務大臣 人員は千七百名余だそうであります。千七百名くらいだったらもっと早くやればよかったじゃないかと思いますが、きっといろいろな問題があるのでしょう。私も、この問題に対しては、あなたに質問されるまでもなく、五回くらい陳情も受けております。それで、何とかやれないか、何とかやってやれよということを端的に言っておったのですが、今千七百名だということでありますし——ただ、法律的に技術的に事務的に申し上げると、初めから兼業ということになっているのだし、請負人の権利を得ることだけでも、その地区の人としては優先的に与えたのだ、それを今ごろになって開き直るのはおかしいという議論がありますが、そういう議論は事務的の議論であって、そういう議論もありますけれども、何分にも千七百人しかないものであるし、これはいろいろな物議をかもします。また実際問題として看過するわけにいかぬのですから、一つこの御質問を契機にしまして近い将来に結論を得て御報告することにいたします。
○井手分科員 近い将来に結論を得て報告するというお話でございますから、これ以上は申し上げませんけれども、かりに五千円ずつふやしても一カ月に七百五十万円で済む問題です。一万円ずつふやしても千七百万円でしょう。兼業でいい仕事だったという当時の話があったとおっしゃいますけれども、やはりその人は、今やっておる仕事は当時も一日分の仕事としてやっておった。それを、取扱い数量も少いというので分離された。分離された魂胆というものはいろいろあったかもしれませんが、こういう気の毒な人をほうっておく手はないのでありますから、この予算委員会には無理かもしれませんけれども、この国会中にはぜひ結論を得て改善の具体案をお示しになる用意があるかどうか、重ねてお尋ねいたします。
○田中国務大臣 こういうことはじんぜん日をむなしゅうすべき問題でありませんから、できるだけ早く、ほんとうに国会中に何らか結論を得たいとは思いますけれども、ただ、これを平均ベースに引き上げて一般公務員にした方がいいということにはならぬと思うのです。これは一般公務員との間にどういうところに線を引いてやるかという問題があるでしょう。これは郵政省で御承知の通り切手、収入印紙の売りさばき人というようなものもありますし、いろいろなあいのこ、あいのこというようなものがありますので、そういう間の関連も調整しまして、現在の八千円のものを一万円にできないとか、一万円のものを一万二千円にできないとかいうことは、これは議論をするだけの問題ですから、誠意をもって結論を出すようにいたします。
○山本主査 これにて郵政省所管に対する質疑は一応終了いたしました。 明後十七日は午前十時より開会し、建設省所管について質疑を行うことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二分散会