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28回国会衆議院1958/02/15

予算委員会第三分科会 第3号

発言数
221
登壇者
11
会派数
2
開催日
1958/02/15

会議録

八木一郎自由民主党

○八木主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  本日は昭和三十三年度一般会計予算中経済企画庁所管を議題といたします。まず政府の説明を求めます。河野経済企画庁長官。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 ただいま議題となっております経済企画庁の予算案について御説明申し上げます。  歳出予算の要求総額は二十九億九千五百二十五万八千円でありまして、これを前年度予算額二十三億二千四百七十六万九千円に比較いたしますと、六億七千四十八万九千円の増額となっております。この増額となったおもな理由は、離島振興事業費が前年度に比較して五億七千八百九万四千円増額となったためであります。  次に経費の内訳を申し上げます。  第一に、経済企画庁の(項)では要求額は二億八千九十五万二千円でありまして、前年度二億四千六百五十万五千円に比較いたしますと、三千四百四十四万七千円の増額となっております。この要求経費の内容を御説明申し上げますと、人件費一億九千一百二十七万円と事務費八千九百六十八万二千円であります。この事務費は一般庁務の運営経費並びに次に申し上げまする内容のものであります。  わが国経済に関する長期計画及び年次計画の策定、国際経済協力の推進、基本的経済政策の企画立案並びに経済審議会その他各審議会の運営等に要する経費が七百三十二万円であります。  わが国内外の経済の動きを的確に把握し、また経済白書等の報告書及び統計指標を作成する等経済動向の調査分析に必要な経費が四千二百六十六万五千円であります。わが国経済の安定的成長をはかるためには、長期経済計画の策定及びこれに基く政策の樹立並びに景気変動に対処する経済運営の基本的態度の決定が最も適切でなければなりません。  この要請にこたえるには、内外経済動向の的確な把握と経済構造及びその変動の諸要因の探求について調査研究の充実と機構上の強化をはかる必要があります。よって新たに経済研究局、仮称でございますを設置いたしますほか、三十名の定員増加、海外駐在員の設置、民間有識者の参与委嘱等の措置をいたしております。また事務費におきましても、景気観測に要する経費はその重要性にかんがみ一千一百六十万三千円を増額しております。なお経済構造、経済循環その他経済の基本的事項を調査研究するために要する事務費は四百四十八万五千円であります。  第二に国土開発調査費の項では、要求額は一千九百七十七万八千円でありまして、前年度一千五百九十七万四千円に比較いたしますと、三百八十万四千円の増額となっております。この経費は国土総合開発法、電源開発促進法、特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法、離島振興法、東北開発促進法等の各法律に基きまして、それぞれ災害の防除と生産力の発展を促進する諸施策を樹立するために要する経費と国土総合開発審議会、電源開発調整審議会、特殊土じょう地帯対策審議会、離島振興対策審議会、東北開発審議会の運営に要する経費であります。なお九州地方の総合開発を促進するための調査費として、新たに五百万円を要求しております。  第三に土地調査費の項では要求額は一億八千五百二十七万二千円でありまして、前年度一億八千一百十二万八千円に比較いたしますと、四百十四万四千円の増額となっております。その内容を申し上げますと、基準点測量におきましては四等三角点の新設点数を九百五十点と予定し、これに要する経費として三千六百四十一万円、国土調査法の規定によって、地方公共団体、土地改良区等が地籍調査を行いますときの補助金として一億四千万円、土地分類調査と水調査については委託調査費として五百四十万円となっております。  第四に国土総合開発事業調整費の項では五億五千万円を要求しております。国土総合開発法に基く開発事業は、各省各庁によってそれぞれ所管を異にして実施されるため、開発事業相互の進度に不均衡を来たし、総合的な効果が発揮せられない場合があります。このような場合に、経済企画庁がこれを調整いたしまして、総合開発の効果をあげようとするものであります。特定地域及び調査地域並びに東北地方及び九州地方における開発事業を対象といたすものであります。  第五に離島振興事業費の項では、要求額は十九億五千九百二十五万六千円でありまして、前年度十三億八千一百十六万二千円に比較いたしますと、五億七千八百九万四千円の増額となっております。この経費は離島振興法に基きまして、離島において国が行いますところの治山治水、道路整備、港湾漁港、食糧増産等の公共事業に必要な経費と、地方公共団体等が行いますところの公共事業、農山漁村電気導入事業、簡易水道事業に必要な事業費を補助するための経費であります。この経費は、前年度までは各事業実施の省庁に計上されておりましたが、本年度より経済企画庁に一括計上したもので、その使用に際しましては、各省所管に移しかえるものであります。  以上で経済企画庁の予算説明を終りますが、なお御質問に応じて詳細御説明を申し上げたいと存じます。何とぞよろしく御審議の上すみやかに可決せられんことをお願いいたします。

八木一郎自由民主党

○八木主査 これにて説明を終りました。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。横錢重吉君。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 電力の問題について、経済企画の大きな立場からこれを少し大臣に伺っておきたい、こう考えたわけであります。日本のエネルギーは石炭あり、重油、ガソリンあり、電力あり、いろいろエネルギーがあるわけですが、特に電力のエネルギーは重要度を非常に増してきておる。従ってこれをどういうように早く確保していくかということは、日本の産業全体の問題にとって早急に解決をつけなければならない問題だ、こういうふうに考えておるわけであります。そういうふうな見地から見ておる場合に、たとえば河野長官の発言として、九電力の再々編成に対しての御発言が報道されておる。あるいはまた電力を早急に確保する、こういうような面から見たならば、これを実施できるのかと見ておると、今度は設備資金等に対しては相当減額がされてきておる。大体電力のようなものは、五年、七年という相当長期なものを見通して、一定の計画のもとにこれを進めなければならない、そういうようなものなのが、神武景気というようなときにはたくさんの金が放出される。一たび不況がくると、今度は非常に引き締められる、こういうような考え方で、果して産業の基盤である電力の心要量が確保できるのかどうか、こういうような点に危惧の念を持つわけであります。まず最初に九電力の再々編成についての長官の御所見を一つ承わっておきたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 電力問題は、ただいまお話のように産業振興拡充の上におきまして、その基礎になるものございますから、特に慎重を期しまして、いやしくも遅滞なく所期の目的の達成できるように協力していかなければならぬことは、申すまでもないことであります。終戦後先輩各位がこの方向に向って非常に御尽力になって、今日必要量を満たすに足る程度に——もちろんこれはその年度におきまする水の量等によって多少の違いはありますけれども、一応その域に達しておりますことは御承知の通りであります。ところが、私は電力の問題につきましては、豊富であることと電力料金が適正であるということの二点を十分主張しなければならないと思うのでございまして、最近とみに料金の点につきまして問題が起っております。政府におきましても電力料金を将来どういうふうに適正にしていくかということについては委員会等も作りまして民間各位の御協力によって目下検討されておりますが、この結論を待って、われわれとしても、はっきりとつかむものをつかんで行かなければならぬと思っておりますが、いずれにしてもこの二点について十分考えていかなければならない。ところが豊富にして、しかも適正なる電気料金を具見するに、果して現在の九電力によって経営せられるあり方が妥当であるかどうかということについては、いろいろ議論があるわけであります。そこで、私は最初から九電力を再々編成しなければならぬという結論に立っておるものではございませんが、しからば九電力は再々編成しないで、今のままでよろしいという結論にも、私は割り切れないものがあるのでございます。従って、この点について私の与党でありまする自民党の内部におきましても特別調査会を作られまして検討をせられておりまするし、またこれに刺激せられまして、九電力の代表者の各位におかれましても、それぞれ御検討のようでございます。そこで私といたしましては、九電力の直接の関係者によって作られておる委員会で結論が出たのでは、やはりどういたしましても、自分で自分たちの仕事を調査するということでは果して適正であるかどうかという危惧もございますので、直接九電力に関係のない方々にもまた別途お願いをいたしまして、これらの諸君に総合的に研究、検討していただきまして、その結論の出たところによって政府としては善処して参ることが一番適切ではなかろうかということで、目下これらの検討の結果を承わって、善処していきたいということで、目下その答案待ちということでございます。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 豊富な電力を確保するということ、料金を適正にするということ、この二点はいろいろな角度から論じられなければならないと思うのです。そこでそれらの点に触れていく前に、吉田内閣の当時だと思いますが、一つのものを九つの電力に分割したわけであります。分割した場合には、分割することが妥当だという当時の理由を掲げて分割が行われていると思うのです。その後数年を経過したわけで、あるいは電力の問題からすれば、数年というのはまだ非常に期間の短かいものかもわかりません。しかしともかくもこうして経営してきた中において、長所と欠点、二つの点がやはりあったと思う。この長所と欠点については、長官としては一体どういうふうに見ておるか、その点も一つ承わりたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 お話のように、占領下においてなされました電力再編成は、その当時いろいろな要因があって現在のような制度になっておるのでしようと思うのであります。もちろんこれにはこれの長所があるでしようと思いますが、私は前に申し上げました通り、私自身の考もありますけれども、私自身の考えよりも民間各方面の権威の方々の御意見を十分承わり、また与党の政調の意見も承わった上で、最終に政府の方針を決定して参る方がよかろうということにいたしておりますので、私が前申し上げたようなことで、私自身の意見はこの際差し控えさしていただきたいと思うのでございます。  そこで今どうしても考えていただかなければならないと思いますことは、産業構造、将来の日本の産業分布等は、最近特に強く要請されて参っておる問題じゃなかろうかと思うのであります。そういう意味から参りますると、今のような分割状態で、たとえば現に問題の起っておりまする北陸とか東北とか北海道とかいうような、大都市の比較的有利に売電できる地区を持っておらない地方における電力会社の経営と、東京、関西、中部というような非常に有利な売電地域を持っておりまするところとの間に、経営上に非常に差等ができてきておる。これを将来の見通しから参りますと、これらの有利な売電地域を持っておりますところに大産業が起ってくるということになりますと、これが果して日本の産業分布の上からいって妥当であるかどうかというようなことも考えて参らなければならぬじゃなかろうか、そういうことにいたしますと、電力の九分割は、あえて申しますれば、あまり小さくない方がいい、さればといって経営上の問題もあるだろうと思いますし、これらは専門家の諸君の御意見を承わりませんと、ただ一つの問題だけとらえて結論を出すということは危険な点もありますので、私はさき申し上げましたように、各方面の御意見を慎重に御検討いただきまして、その結論に立って政府としては善処いたして参ることが適切ではなかろうかと考えておるわけであります。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 それでは次に、電力を豊富に必要量を確保していく、こういうような見地から、今電力としては火力、水力、こういうような面に向ってどしどし建設が行われておるわけです。ところがこの建設をしていくのには相当の資金というものが必要です。この資金に対して、神武景気のような場合には豊富なものが獲得できる。しかし今度のような不況の場合には、継続すらもが困難になってくる。従って目標を立てたものが実施できない、あるいはまた工事の繰り延べをしなければならない、こういうような現実の問題に直面していると思う。こういうような五年、十年という長期を要する建設事業、こういうようなものは、そのときどきの動きによってがらがらと変るようなことで、果して今長官の言う豊富な電力を一定の目標のもとに確保できるかどうかということが非常に疑わしいと思う。これに対する御見解はいかがですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 御意見ごもっともでございます。私自身神武景気当時も非常に活発に建設を拡大し、明年度においてはこれを非常に萎縮して参るというような考えは決して持っておりません。しかるべく資金の手当はできているように考えております。これは政府委員から数字を御説明させていただきます。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 電源開発の来年度の資金計画につきましては、九電力関係、電源開発会社、公営その他合せまして約三千億円程度の資金を確保する計画になっております。これは長期計画の五年間におきます開発一兆五千億に対して、五ヵ年でございますから、一年平均約三千億、これに比べまして、大体それに近い線になっております。私どもとしましては、長期計画の線から考えまして、来年度の電源開発資金としては適当な額が計上されておるというふうに考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 必要量を確保する点について今の計画を進めていくというのならば、これは今後不況等が来てもこの線は維持していくという考え方の上に立っておるのか。さらにまた、不況等が来たならばこれを縮小せざるを得ないという考え方を持っておるのか。その点はどうですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 そういう考えは持っておりません。この計画通り進めて参りたいと考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 それでは次に電力料金を安く押えるということのためにはどういうような具体策をお持ちになっておられますか。たとえば今の電力は、御承知のようにダム建設が非常に山の奥になる、そうすると、非常に安かった建設費もキロ当り十万をこえるような高い建設費になってくる。ほかの産業ならば量産が進めば進むほどコストというものは下るというのが原則なのだが、電気の場合には開発をすればするほどコストが高くなってくる。従って現状のままで行くならば、今東北、北陸の二電力だけが電気料金の値上げの問題にぶつかっておりますが、ほかの七電力も開発が進んで行けば行くほどコストが高くなってくる、従って高く売らなければならぬ、こういうような事態にぶつかってくる。これに対して、建設費は高くなってくるが、売るところの料金は安く押えるという、その対策は何かお持ちになっておりますか。この点について伺いたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 御承知の通り、電力問題は石炭とともに産業発展の基礎でございます。特にガットの問題がうるさくなるというようなときでございますから、輸出貿易を振興する上におきましては、政府といたしましては、万全を期して石炭の価格を下げるとか、電気料金が上らないようにするとかいうことの施策を積極的に講じていく必要がある。これにはいろいろな方法がございましょうが、必要に応じて適正な料金を維持するためには、これに施策を講じていく必要がある、施策を講じてでも電気料金はなるべく適正な価格で押える必要がある、こういうふうに考えておるのでございます。その価格はどうかといえば、これは今申し上げました通りに、委員会の決定を待ちまして、そしてその決定に従って政府といたしましては必要な措置をとって参る。御承知の通り、将来のことになりますから、あまり進んだことを申し上げることはどうかと思いますけれども、金利等につきましても、なるべく金利の引き下げを行うとか、また政府としてなし得る範囲のことを行なってでも、電気料金の適正化をはかっていくためにはやって参らなければならぬと思っておるわけであります。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 施策を講ずると言われても、具体的に——私はただそれだけではやはり料金を安く押えるということにはならぬとぬと思う。これは、たとえば今御説明のあった五年間に一兆五千億の資金を投げ込むといっても、この資金には利息もついてくる、これによって得たものは、今まで供給していた電力よりもはるかに高いところの原価が出てくる、従って今まで売っておった料金では売れなくなって、これは料金値上げというものが必至になってくるわけです。従って、これに対しては思い切った政府としての何らかの対策を打たない限りは、料金値上げということは必至になってくるわけです。その点について、今のような抽象的なものでなしに、どこをどうするという具体的なものについての対策をお持ちかどうか、この点承わりたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 的確に委員会の決定を待ちまして、その決定が電気料金はどうあるべきか、どういうふうに結論が出るかということによって施策は考えて参る。たとえばすでに関係西電力、九州電力等、もっとも東京電力もそうですが、比較的安い低金利の外資の導入もできておりますし、できようとしております。この点は、石炭については積極的に下がるように相当の考慮を払っておるわけであります。ちょうど農村における肥料の代金の下るということと同様な見地に立って、一般産業における電力、石炭の施策をして参るという決意のもとに進めていくべきものであって、これによってすべての産業が国際競争に勝てるようにしていかなければならぬと私は思っておりますから、今具体的に何かと言われるが、そういう考えのもとに施策して参るということを申し上げまして、その点で御了承願っておきませんと、当面今すぐ差し迫った必要が起ってきておる問題じゃないのでございますから、これは今申し上げました通り、電気料金の決定ができて、どの程度の値幅を政府としてここに考えなければならぬのかという問題が出てきた際に考えていいんじゃなかろうか、私はこう思っておりますので、あまり進んで先走って申し上げることもどうかと思いますから、この程度で御了承いただきたいと思います。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 当面している問題ならば、これは電気の所管である通産大臣に私は聞きたいと思うのです。そうでなくて、これは日本の全産業に及ぼす根本問題である。だから、きょうになってからあわててものを論ずるというのではなくて、すでにこれは三年、五年という前に、この考え方というものが立っていなかったならば産業の確立ということはできないと思う。そういう見地から聞いているのであって、従って低料金をどうして維持していくかということのためには、これはいろいろな見地があると私は思うのですが、たとえば東北や北陸の電力の値上げというものも出て来た。これは日本の大口電力というものが欧米の電力に比較して非常に安く供給されておる、このことにやはり一つの問題があると思う。たとえば普通の従量電灯なんかの場合に、欧米に比較をとってみても、日本の東京電力を中心として、これがキロワット・アワー当り九円五十銭、これに対して、高いものでも二三九、二〇八、一五一というこの程度の倍率になっているわけです。これが五千キロワット以上の大口電力の供給ということになってくると、これは二八三、二四四というふうなはるかに高い倍率が出てきて、欧米に比較して大口の場合に日本は安く供給をしておるということが言い得ると思う。従って電力料金値上げという場合には、現行の家庭用電灯あるいは小口、大口、こういうようなものに対してどこを改定していくかというならば、現在とっている政策のうちの大口電力に対する供給ということになってくる、そうすると、これに対する考え方を改めていかない限りこれは一つの解決点にはならないのじゃないか。もう一つは建設資金がいろいろな形で投げ込まれておるが、政府としてでき得るところのものは開発銀行の金利、これは二十九年に一部下げておる。しかしまだ現行において六分五厘になっておるこの開発銀行の金をたくさん使っておるが、利子引き下げをできるかできないか、これを政府としてやるかやらないか、これがやはり低料金に押えられるか押えられないかの問題点になっておる、こういうふうに考えておるが、これに対して長官はどう考えるか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 私は九電力の経営合理化というものを優先的に考えたいのであります。果して九電力で経営して参ることが、一番経営が合理化されておる体制なのか、それともさらに合理化する素地があるかということをまず第一に考える。会社の内容についても十分業界において御検討をいただかなければならぬ、この点に十分なる反省をしていただきますと同時に、政府としては先ほども申し上げました通り、料金委員会がすでに発足して調査をいたしておるのでありますから、その料金委員会の適正な価格の決定を待ちまして、それによって売電するという結果、会社の経営がどうなっていくかということを見て、その上で政府としては必要があれば金利を下げることもやらなければならぬでございましょうし、その他必要な施策を行う必要があろう、こうお答え申し上げておるのでございます。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 なるほど九電力の経営合理化によって多少の浮かんでくるものはあると思うのです。しかしその程度のものでは私は日本の電力料金を安く押えるというような大きな問題は解決つかぬと思う。たとえば今の九電力を四つにするか、五つにするか、長官の考え方はわからぬのですが、たといそういうことに成功したとしても、あるいは九電力の中の経営の合理化を徹底的にやったとしても、その程度で浮いてくる金ではこれは料金を安く押えるというところまで私は影響がないと思う。これを影響させるにはもっと大きな問題でなたをふるわなかったならばできないと思う。長官はそのことを考えているはずだと思う。従ってこれは通産だけでも大蔵だけでもできない。やはり経済企画庁が日本の根本的な立場に立ってこれをどう進めるか。開発銀行の利子を下げるというならば、これは大蔵当局が反対してくるのが当りまえだ、あるいはまた単に料金を押えろというてみればこれは通産が反対する、そういうようなことでは解決がつかぬから、もっと根本的に、開発銀行の利子というものはもっと下げるべきだという点を、大きな見地から問題にされなかったならば私は可能性はない、こういうふうに考えます。従って河野長官自身はこの点についてどう考えておるか、この点もう少し打ち出してもらいたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 お話の通り私も見当をつけておることは大体同じなんでございます。しかしまずやることは九電力自身の経営を合理化していただくことが先決問題でございまして、これは他の産業ならば企業の整備をしていただくとか、まず民間自身でできることを先にしていただきませんと、政府が出かけるのは早いだろう。順序はやはり民間の方が先にしていただいて、その上にどれだけプラス・アルファをしなければならぬかということを考えていくことが本筋だろう、こう考えますので先ほど来申し上げておるのでございます。経営の合理化といいましても非常に小さくお考えでございますがそうではないのであって、たとえば送電線の煩瑣、重複というようなこと等もございましょうし、現に九電力の首脳部自身が考えておられる案にいたしましても相当のものを持っておられるわけであります。しかし私といたしましては九電力の首脳部が作られた案だけではまだ満足できかねる点がございます。そこで九電力以外の方々に目下検討していただいておる。その両者の結論をなるべく早く出していただきまして、できればこの議会中くらいにその結論を得て、皆様の御判断に供したいと考えておるのでございます。またお話のように、その結論の結果いかんによっては開発銀行の金利の引き下げを大蔵当局に頼まなければならぬ場合もあるでございましょう。いずれにいたしましても、基本的には適正な売電の価格というものは、これは絶対に押えていかなければなりませんし、実現していかなければならぬことでございまして、これは今地域的に、もしくは時間的に、東北とか、北陸とかいうものが電力料金の値上げの問題になっているというようなことは正しいあり方とは考えませんので、これらの内容等を今後——たとえば五ヵ年間の各会社の経営の内容等を検討してみたことを聞きましても、いろいろ問題があるようでございます。従いまして私は今お話の通りに、その時期が来てあわててやるのではなくて——私企画庁長官に就任いたしましてから、すぐにこの問題に深く関心を持ちまして、そうして各方面の御協力を得てその御意見の結論を待って、それを実行して参ることに努力してみたいと考えているのでございます。どうかその程度で一つ御了承をいただきたいと思います。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 長官は委員会の決定に待つというが、委員会の考え方あるいは権限そのものでは、ここまで手をつけられないだろうと私は思う。開銀資金にしてもどうするかという問題は、やはりあなたの方でこれをどの程度下げるからどうしろというようなことでなかったならば、委員会としては大体の案もなかなか出てこないのではないかと思う。従ってこれをどうあなたが考えるかということで聞いているのです。問題を委員会の方にすりかえずに、この問題をどう考えているか、下げる意思があるのか、下げられる余裕があるのか、その点についてはいかがですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 むろん今の六分五厘から下げるということは非常に困難な問題であります。しかし誤解のありますことは、私は結論の一切を委員会に出していただこうと考えているのではないのであります。委員会の方に調査を願って、これを九電力のままでやって参ればどういうことになる、これをある程度再々編成をすればどういう長所が出てくる、どういうような利益が出てくるとかいうようなことのお調べを願っているのでございます。従ってその結論を得て実行する場合に、これをするのは政府の責任においてやらなければならぬことでございまして、すべての結論を委員会におまかせしている、責任を転嫁しているというようなことは考えておらないのでございます。委員会自身も法律によってできている委員会でもございませんので、九電力の方がみずからこういうふうにしたら、これだけの合理化ができる、こういうふうにしていけばここで料金値上げをしていかなくてもできるとかいうような案をせっかく検討願って、もしこのままこういうふうに行けば企業努力をいたしますけれども、こういうふうに値上げをしていかなければならない状態が来るとかいうような内容の調査検討を願っておるのでありまして、その指数を得た上、またその方向を伺った上で、最終の施策は政府の責任においてきめます。ですから、それはどうしても金利を六分まで下げなければいかぬとか、五分五厘まで下げなければいかぬとかいうことになりますか、さらに税金の方でも考えなければならぬ必要も起ってくるとか、いろいろな方法があるだろうと思います。そういうようなこと結論づけて参りますには、資料として、もしくは民間の検討を基礎にして、われわれはその上に施策を立てていきたい、こう考えているのでございまして、決して九電力で料金も上げずに今の料金で案を立てていくというように、委員会にお願いしているのではないのでございます。そういうふうに御了解を願います。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 もう一、二点お伺いしますが、今の経営合理化の問題をいじって、十億、二十億の点を、たとい浮かしてみても、片方に一兆五千億円の予算をどんどんぶち込んで開発していく、これは利子もついていけばキロ当りのコストも非常に高くなっていく、そういうような小さなところへ十億、二十億出してみても、片方で四十億も五十億も利子がくっついていくわけです。その上にコストが高くなっていく、こういうふうな絶対的な大きな条件があるのです。これはその答弁を待つとかどうとかいうような段階では、日本の電気料金等を安く押えるというような問題は解決はつかぬと思う。だからこれはもっと投下するところの資金自体を安く押える方法を講じなければだめなんです。従ってこまかいことならばほかの人に聞くので、大きな問題だから今あなたに聞いているのだから、もっと大きな見地から答弁を願いたい。今のあなたの答弁は問題を小さくしよう小さくしようとして扱っている。そうでなくて、僕はもっと大きな問題でわざわざ聞くためにこの席に出てきたのです。従ってもっと大きな見地から答弁を願いたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 私考えますのは、御承知の通り、外資の導入によってやります金利は相当安いわけであります。しかも最近は先ほど申し上げました通り東京電力の方もまとまって始まっておる。それから関西電力もしくは九州電力の方も、先般世界銀行の副総裁も見えられまして、大体これも見通しがいいようであります。そういうふうにして行きますと、六分五厘の開発銀行の金利よりも相当に安い金利で、これらの非常に大きな火力発電が完成して参るというように、いろいろな要素がございます。従ってそういうものを今後大体見通しをつけて、そうしてしかも電力料金にしましてもどういうふうにすることがいいが、今までずいぶん長きにわたってその場主義の電力料金で現在非常に直さなければいかぬところが多いようでございます。これらにつきましても基本的に調査検討を願っておるわけでありますから、そういうものをすべて見合せましてこの際根本的に電力政策を立てたい、こう思っております。むろん今お話しの国内における金利の引き下げが必要になるとか、その他政府がいかなる点で助成政策を講じなければいかぬかというような問題があろうと思いますが、これらにつきましては、最初に申し上げました通りに、石炭、電力、この二つの問題につきましては産業の基本になる問題でございますから、政府は可能な限りの協力を惜しまないということに考えておりますということで御了承いただきたいと思います。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 その電力政策を最終的に決定するのはいつごろになりますか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 なるべく早い方がけっこうでありますけれども、私はいつまで企画庁の長官をしておるが知りませんが、できれば自分の在職中にきめたい、こう思っておるのです。しかしこれもいつまでやっておるかわかりませんが、できるだけ急いで、今申し上げます九電力もしくは電力の経営の問題につきましては、私は一応一月終りまでという見通しをつけたのですが、高碕達之助君が海外へ調査に出かけましたので、このために一ヵ月おくれましたけれども、いずれにいたしましても三月一ぱいくらいまでには一応その方は見通しを立てたい。電力料金の委員会の方は、これは非常にこまかな複雑な計算のようですし、しかもお忙しい人をお願いしておりますから、なるべく急いでやってもらうようにいたしますけれども、その方は大体半年くらいはどうしてもかかるだろうと言っておりますので、いずれにしても私は年内には結論を出して、そして来年の国会では電力の基本的政策について十分御討議願うようなふうには政府としてもしなければいかぬだろう、こう思っております。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 最後に、今当面している二電力の料金ですが、これは昨年値上げになって本年三月末までの暫定措置がとられた。この暫定措置を廃止すればさらにもっと高い料金になるし、暫定措置を続ければ現状程度、こういうようなことになるわけなんです。これに対する問題、あるいはまた三割頭打ちの問題、こういうような点についてはどういうふうにお考えになりますか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 これは一般物価政策と同様に、私といたしましては十分当該関係者の諸君の御協力を得て、値上げをしないようにいたしていきたい、こう考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 値上げをしないというのは、今のままで押えていく、こういうような考えという意味ですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 ただいま申し上げました電力料金の調査委員会の結論を得るまでは、現状のままで行くように御協力をいただくように努力するつもりでおります。

八木一郎自由民主党

○八木主査 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時より再開して質疑を継続することにいたします。  暫時休憩いたします。     午前十一時二十七分休憩      ————◇—————    午後一時十五分開議

八木一郎自由民主党

○八木主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  経済企画庁所管について質疑を継続いたします。横錢重吉君。

横錢重吉日本社会党

○横錢分科員 先ほど河野長官の答弁を願った中で、東北、北陸の二電力の料金の値上げ問題についての御答弁が、私の取り方と長官の答弁との間に若干の疑義があるようにも受け取られましたので、さらにこの点を明らかにしておきたいと思います。東北、北陸の料金の場合には、今年の三月までの間暫定措置が行われております。値上げとしては、東北が一七・八%、北陸が一八・一四%、これが認められた。しかし暫定措置として、東北が一四・七八%、北陸が一四・八二%、こういうふうな率で一応押えられておるわけであります。従って四月になれば、これは大きな方の数字に移行するわけです。私としては、先ほどの場合には三月までの暫定措置がそのまま四月以降も延びるのか、こういうような意味で聞いておったのですが、この辺のところをさらに明らかにお願いしたいと思います。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 両電力につきましては、ただいまお示しのようなことになっておりますので、私といたしましては、政府の物価政策もぜひ堅持して参らなければならない考えでおりますので、かたがた料金委員会の決定も早急に出していただく予定でおりますので、基本的な電気料金の確定がありますまで、なるべく現在の暫定の料金で経過したいという希望を私は持っておりますが、何分御承知のような事情でございますので、これらにつきましては四月一日までの期間におきまして両電力の当局と十分御懇談申し上げまして御協力願いたいと実は考えておるわけであります。

八木一郎自由民主党

○八木主査 多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 まず企画庁長官にお尋ねいたしたいのですが、長期経済計画というものは、政府としてはこれは指針であるのか、果して計画であるのが、経済計算であるのか、その点を一つ明らかにしていただきたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 これは御承知の通り、政治をやって参りまする上におきまして、完全雇用、民生の安定、向上というような理想を持って参りますことは当然のことであります。言葉はいろいろございましょう。福祉国家建設とかいろいろな面において政治の理想を達成します上におきまして、これが国民諸君の側から考えますれば、各国民諸君もしくは日本の経済力というようなものが、これも政府の理想達成に裏づけになって参らなければならぬ。現実にそういう社会ができていかなければならぬ。現実にそういう国民生活が行われるようにならなければならぬという、その理想目的達成のために、われわれの立場は自由経済を基調に立っておりますが、これを日本の経てきました経済の動向、特に戦後の日本の置かれておりまする地位から申しまして、われわれとしては昭和三十一年に第一次の五ヵ年計画を立てて、この計画に一つ指針を得てやって参ろうといたしたわけでございます。これがその後国民諸君の御努力もあり、国際情勢も非常に有利に展開いたしまして、この計画を非常に上回って、経済は非常によく伸びて参った。さらにまた、これらの経緯を十分慎重に調査検討いたしまして、あらためてこの経過について勉強いたしました結果、ここにまたその後いろいろの是正をいたさなければならぬものもできて来ましたので、第二次といいますか、これを改変いたしまして、今回は新しい長期経済計画を作った。そこで、今お話のように、これは単なる計数の積算でもなければ、一つの理想でもなければ、われわれといたしましては、昨年特に一年間の経緯に徴し、朝鮮事変後における経済の変動等も深く参考にし、また同時に反省もいたしまして、そうして日本の経済の将来の発展はおおむねこの指針によって行くことが一番適切であり、有効であろうという、またただいま申しましたような理想目的達成に一番これがいいあり方であろうということを示したものでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 政府としてこの計画に基いてやる、こういう性格のものですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 さようでございまして、政府としてはどうしてもこれが今後社会の状態、経済の実勢から考えまして不適当であるということに現実が——御承知の通り日本経済が国際経済の非常に大きな影響を受けますから、これらにつきまして非常に要素が大きくなっておりますから、今一応想定できる諸般の問題を勘案いたしまして作ったものでございますけれども、たとえば、過去について考えてみましても、スエズの問題が起ってくるとか、そういったような問題が非常に有利に展開する場合もありますし、また非常に不利益に、都合の悪い要素が起ってくる場合もありましょうから、私も絶対今後五ヵ年間このままで行くとは言えないかもしれませんが、相なるべくは現在想定できるような情勢であります限り、要因であります限り、これを指針として、政府は忠実にまずみずから国民諸君に範を示して、この計画で行くことに努力するというつもりでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 戦後日本にもずいぶん経済計画というのが立てられ、そうして発表になったわけでありますが、りっぱにできた計画はない、こう申しても過言でないくらい計画倒れになっておる。御存じのように、吉田さんは、計画は無意味だ、こう極論をされましたが、それもまた日本経済の一つのあり方といいますか、実態を示したものだと思う。政府には今民間投資、輸出入あるいは生産、物価、そういうものの全般的な設定の権限が実はおありでない。そういう中で立てられていくのですから苦労もあると思うのですけれども、しかし、この前の五ヵ年計画でも、すでにわれわれが神武景気、神武景気と言って謳歌できない面がかなり出ておる。この五ヵ年計画以上に上回った鉄鋼の需要、こういうものが出ておったわけですから、すでにこの前の計画からすればそれは一つは危険信号と見なければならぬ。それを政府を初め民間も全部大喜びで、そうして計画を上回ったのは悪いことではないんじゃないかということで、何も反省しなかったところに私はやはり問題があると思う。それが経済白書の三十一年度の教訓になって現われたわけですが、せっかく計画を立てながら、上向いたときはこれはいいのだ、しかし上向いたときはこれはかなり危険信号と見なければならぬ、そういう態度がないわけですね。昨年の国会においても、外貨が将来においてどうなるのか、こう言いましたところが、いや、それは金で持っておるのも物で持っておることも同じだというような大蔵大臣の答弁があったわけです。そこで、せっかく計画を立てながら、計画を下回ったときはいろいろな事情でという答弁をなさるでしょうけれども、上回ったときはぬか喜びで野放図に喜ばれている面があるではないか。政府は、計画を立てられたならばもう少し政府の権限の範囲内で実行されることが至当ではないか、こういうように考えるわけです。今度はせっかく新たなる観点から計画を立っておられますから、その計画については政府は全力をあげて忠実に実行の方向に向うのだ、こういうことを一つ御言明願いたいと思います。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 その通りただいま申し上げたわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 そこで私は、計画書にありますエネルギーの問題についてまず質問してみたいと思いますが、この計画書に、昭和三十七年度のエネルギーの需給関係とさらに昭和五十年度におけるエルネギーの需給関係について書いてあります。昭和五十年度エネルギーにつきましては、あらゆる物資を品種別にずっと積み上げて算定をされた——かつてエネルギーの発表がありました。ところが、ここに書いてありますエネルギーの見通しは、わずか一年で相当違っております。これは大臣でなくともけっこうでありますからお答え願いたい。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 ただいまの御質問でございますが、一年ほど前に通商産業省の経済合理化審議会のエネルギー部会で、昭和五十年のエネルギー需給の見通しを立てたことがございます。実はそのときのやり方は鉄鉱石とか、硫安とか、電力消費産業の見通しをいろいろ立てて、それから所要エネルギーの量を積み上げるというやり方をいたしておったわけでありますが、今回の長期経済計画のエネルギー部会では、むしろマクロ的と申しますか、経済の成長率の方を初めに考えまして、それからエネルギーの総体の需要を大づかみに推定するというやり方をいたしまして、計算のやり方が違っておるわけでございます。おもな品目からエネルギーの需要をはじいて積み上げますと、どうしてもいろいろな漏れがございますので、幾分低目に出ておったではないかと思うわけで、そこに両者の見積りの違いがございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 これは経済の指針でありますから、そのたびごとに変るような計算の仕方でありますと非常に困るわけです。エネルギーは今開発してもそれがすぐエネルギーになって現われるというものではありませんから、やはり長期的な見通しに立ってやらなければならない仕事であります。それがしょっちゅう変ってくるということになりますと、民間でも非常にお困りでありましょうし、またわれわれも政策を論ずる場合に非常に困るわけでありますから、今後は一つあまり変ることのないようにお願いをしておきたいと思うのです。  そこで大臣にお尋ねいたしたいのですが、この前の計画も、実は昭和五十年度においては外国から四一%エネルギーを買わなければならない、すなわち、輸入エネルギーが四一%という数字が出ておりました。今度はそれを上回って四八%輸入エネルギーに待たなければならない、こういうような状態になっておるのであります。エネルギーを四八%も輸入しなければならない、こういうことはきわめて重大問題であると思います。諸外国におきましても大体二〇%から三〇%くらいが輸入エネルギーであって、日本のように五〇%近く外国から求めるという国はないと思うのです。昭和三十年度におきましては二一%が輸入エネルギーの実績でありますが、四八%の輸入エネルギーに待たなければならぬという状態に対して、大臣はどういうように考えておられるのかお聞かせ願いたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 お話のように長期にわたって勘案いたしますと、今お示しのような数字が一応出て参るわけであります。これはわが国の置かれております特殊な事情と申しますか、非常に労働人口が多うございまして、しかも天然資源に乏しいというような国柄であり、しかも産業が非常に発展して参る要因を持っておるという国柄からいたしまして計算いたしますと、今一応想定できる計算で参りますと、どうしてもそういうことになる。しかしこれは決して喜ぶべき現象ではございませんけれども、石炭について考えましても、水力電気について考えましても、これらの開発には全力を上げるといたしましても、一方において火力発電が非常に有利である。しかも重油の輸入に待つ方が有利な動力源が得られるということになりますれば、その道を選びまして、そうしてそこに産業の発展を計画していくことは、やむを得ざる処置ではなかろうかと思うのであります。ただし今われわれどもが考えられます原子力発電というような、原子力の平和利用というものが、今後五年、十年先には相当にこれが使えるようになってくるだろうということになりますと、おのずからこの点が変ってくる。従いまして原子力の平和利用につきましては、十分に官民一体となってこれに精進する必要があるだろう、こう思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 もちろん原子力エネルギーというものが、今後最も大きなウエートを占めてくるだろうということは論を待たないと思います。それについて私は申し上げませんが、しかし原子力エネルギーだけにたよっておるのでなくて、それはもちろん開発しなければなりませんが、もう少し現在の国内エネルギーというものに対して手の打ちようがあるんではないだろうか、もう少し開発をし得る余地があるんではないだろうか、かように考えるわけであります。率直に言いますと、たとえば石炭にいたしましても七千二百万トンというのは、非常に私は少な過ぎると思う。これはフランスでも現在五千五百万トン出ておりますけれども、フランスの埋蔵量というのは六十六億トンしかない。ところが日本は幾らあるかというと、埋蔵量は一応可採埋蔵量で二百二億トンもある。もっとも確定炭量五十八億トン、安全炭量は四十四億トンですが、しかしそれにいたしましても、昭和五十年になって七千二百万トンということは、現在の雇用量でさえすら維持できないと思う。ですから私はまだまだ開発の余地があると考えるのですが、大臣どういうようにお考えですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 その点私全く同感でございまして、まだ七千万トン、八千万トン、九千万トンと行き得るのではなかろうかと思っておりますが、御承知の通りこれには二つの問題がございまして、一方は重油と石炭の価格の点がどうなっていくか、重油が今後大きなタンカーでだんだん値が下るような気配があるといたしますならば、石炭の方は、これは労働問題等について考えてみましても、下げるということはなかなかむずかしいというようなことからいたしまして、需要者の側からいいましてもなかなかむずかしい点がありはせぬか。しかし政府におきましてはかねて私が発表いたしておりますように、今後あらゆる努力を払いまして石炭に重点を置き、そしてその足りない分を重油でカバーするということで行きたいということを申しております通りであります。第二といたしましては、石炭は御承知の通り計画いたしましてもなかなか出にくいということと、それから最近に至るまで、需要者と炭鉱とのつながり等についても不十分な点があったと思うのでございますし、また取引の点についても改善すべき点が多々あるのではないだろうか、いろいろな面において改良を期待する面が相当にあるだろうと思いますので、それらをなるべく早く業界の御努力によりまして十分に石炭が出るようにいたしたい。決して今ここにあげてあります数字で、それ以上不可能だということを考えておるわけではないのであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 大臣は企画庁長官になられてすぐ石炭開発公社という構想を御発表されて、いわゆる休眠鉱区の開放ということを叫ばれました。北海道に行かれましたところが、いや既存の炭鉱でも十分やれる、こうおっしゃったわけですが、その心境の変化はどういうところに起因しておるのか、その原因はどういうところであるのか、北海道に行ってどういうふうにお考えになったのか、それをお聞かせ願いたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 実は今お話の通りに出炭いたしておりますもの、開発せられておりますものと、休眠いたしております炭鉱との間に、あまりに開きが大きいというところから、自分で鉱区を持っておりながら掘らぬというならば、開発公団でも作ってこれを掘ることでなければいかぬだろうということで、開発公団ということを私は考えたわけです。ところが現地に参りましていろいろ炭鉱の諸君とも懇談をし、いたしますと、これが出炭量がはかばかしくないのは、原因が他にある。たとえば開発銀行の資金の貸付方法が不十分であるとか、条件が悪いとかいうようなことで、当然他の産業と同様な程度まで石炭についても改善してしかるべきものでなかろうかというふうに思いますし、これらの点について懇談いたしますと、そういう点が改善されるならば、今の関係業界において十分に増炭の意慾も出て参りますし、また開発をするというようなことでございましたので、民間においてそういうふうな計画をし、また協力してもらえるならば、何も公団組織によってやる必要はないという意味から変えたわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 私は大臣の最初の構想は、確かにポイントをついておったと思う。今炭鉱で一番大きな問題というのは鉱区問題だと思う。これの解決なくしてはいかに資金をつぎ込みましても開発できないと思う。一方におきましてはAという炭鉱は三百年もあるような埋蔵量を持った鉱区を持っておる。隣は十年しかない、あるいは五年しかないという鉱区を稼働しておる。こういう状態で——これはやはり鉱区というのは国民のものなんですから、国民のために使用しておかなければならぬ、これが行政権によって与えられたにもかかわらず私物化しておる、かように思う。どうしても耕地が耕地整理をやられたように、鉱区は少くとも鉱区整理をやられなければ開発はできないと考えます。この点についてどういうふうに考えますか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 お話のような点もあると思います。で今後増産に必要な開発をして参る上におきまして、今お話のような必要な事態が生まれて参りますれば、私も率先して何と申しますか、交換分合と申しますか、ないしはその意欲のある人に開放せしめるとかいうような点に努力はしてみたいということは、強く熱意を持っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 これは大臣は交換分合程度にお考えであるようですけれども、交換分合程度では私は解決できないと思うのです。結局イギリスにいたしましてもなぜ国有にしたかというのはやはり鉱区問題です。御存じのようにイギリスは土地所有権に基いて鉱区がある。そこで小さな鉱区が乱立しておるという宿命を持っておる。そこで御存じのようにあれはやはり鉱区問題から起った問題だと私は承知しておる。さらに今日炭鉱が国有化あるいは公有化された国で最も能率を上げているのはフランスであって、それは鉱区整理をしたからです。鉱区の適正配置ということ、適正規模における炭鉱ということが、現在のフランスの炭鉱の能率を上げておるゆえんだと思うのです。日本におきましては北海道の地点は、三井、三菱あるいは住友、北炭という四つの会社でほとんど握ってしまっておる。しかも何百年もあるような石炭を埋蔵しておる。そこで石炭というものの考え方ですが、先ほど大臣も原子エネルギーということをおっしゃった。そこで石炭は二百年も三百年も後のものを抱え込んでおる必要はないと思うのです。ですからそう長期的に石炭の価値を考える必要はない。原子エネルギーが出てくれば石炭は当然後退をして、これは熱エネルギーでなくて化学原料という運命にさらされるわけですから、そう企業家も抱え込んでおく必要はないと思うのです。ですから鉱区の開放をやれば立ちどころに一億トンぐらい出る。しかも新床でありますから能率が非常によくなる。今のままでは幾ら金をつぎ込みましても、老朽鉱区をいかに合理化いたしましても程度が知れておるのであります。老朽鉱区を幾ら資金を入れて開発いたしましても、大体月一人二十トンぐらい出ればせいぜいでしょう。しかし新鉱開発になりますと御存じのように三十トンも出ておる、すでにこういう事実があるわけですから、どうしても新しい炭鉱の開発をやらなければいけない。しかもこの前の計画でも石炭の需要は一億一千七百万トン、今度はさらに上っておりますけれども、こういう状態です。それに七千二百万トンしか出ない、そうして輸入エネルギーを四八%も買わなければならない、こういうことでは私は日本の国際収支の面からいってもうまくいかないと思う。ですから一番おくれておるのは鉱区の整理です。鉱区の整理をすれば私はこの問題は簡単にできる、かように考えるわけですが、大臣はどういうようにお考ですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 私も大体あなたと考えは違っておりません。ただ必要が起ればいつでもそういうふうにやる。今のお話でございますけれども、社会党の方は炭労問題についてあまりお触れになりませんけれども、石炭の開発がおくれておる大きな原因には、銀行の方が資金を融通する場合につきましても、その他工場建設の場合にボイラーに依存する場合におきましても、石炭に対する安定感の問題が相当にあるように私は思うのであります。しかし最近は非常に相互理解もあるようでございますし、今お話のように、今後わが国の石炭業界並びに石炭の開発も順調に進んでいくのではなかろうかというふうに期待しております。ぜひ私も、もっと石炭を開発するに必要である鉱区はどこかにないだろうかというような時世が早く来ることを期待するのであります。ただ従来あまり沈滞いたしておりましたので、急激にいたしましても、なかなかそう世論もこれに理解をいたしませんのでどうかと思いますけれども、今お話のように縦坑一本掘るとすれば百億かかる、百億の縦坑については大体どの程度の埋蔵量が必要である、ところが今の鉱区図を見て参りますと、これに適したような鉱区図ができていないということになりますから、私は一つの縦坑を掘るのに必要な鉱区ということで、鉱区は分割されていくべきものじゃなかろうか、そこで私は先ほど交換分合という言葉を使ったのでございまして、今全体をながめてそういう必要が起り、そういうふうな要因が出てくれば当然そういうふうにやっていかなければならぬものだろうと、私も期待はいたしておるのでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 この炭労の問題も私は次のように考えているわけです。それは経済的な要因を考えずしてそれを論ずるわけにもいかない。現在コストの中で労務費が五〇%を占めておる。そこで企業家の方も少しこの労務費を下げると利潤がものすごく出る。ほかのものを幾ら努力して合理化をやってもたかだか知れている。労務費が一%下っても相当の利潤が出る、こういうわけですから、かなり経営者の方も従来は強気で出てきた。労働者の方もああいうような坑内でしかも年々七百人から死んでいっておる、こういう中で非常に高熱しかも危険な個所でやっておりますから、どうしても賃金は一般産業から比べると低いんじゃないか、こういう問題が起っておる。ところが五〇%というのは日本だけかといいますとよそはなお多いのです。アメリカで大体六三%ぐらい、イギリスが六六%ぐらい、ドイツが割合に低いのですが、それでも五二、三%ぐらいある。これは世界各国の問題で日本はむしろ労務費から言うならば少いのであります。でありますからこういうところに、やはりこの労使関係が紛糾するゆえんもあるし、それがまた各国においては公有化とかあるいは社会化という形で経営形態が移行しておる、こういう点も考えられるわけです。  そこで、大臣にさらにお聞きしたいのですが、今にしてそのことをやらなければ私は困難だと思う。やはり昭和五十年度のエネルギーの計画を今立てられているのですから、今そういう構想を立てておかなければ野放図に開発さしておくとなかなか困難な問題がある。ことに将来日本の炭田の最も有望な地点というのは有明の海底とかあるいはまた釧路炭田、そういうところは政府で計画的に総合的に今のうちに計画をおやりにならないと、あとから計画をやろうといっても手直しはなかなか困難だと思います。そういう点についてはどういうようにお考えであるのか。それからもう一点は、たとえば石炭の需要は相当あるといいましても、これは電気と違って波を打ちながらこのカーブが上っていくわけです。ずっと線を引いたように上らない、波打ちながらカーブが上っていく、これが下降したときに業者が非常に困るという問題がある。そこで日本の炭鉱はなるべく今までの既存の労務者と既存の設備でやっていきたい、新しく徹底的な開発はしたくない、こういうような上層部の気持です。それが私はやはり闘志をにぶらしていると思うのですが、あなたは労働攻勢のお話をおっしゃいましたけれども、それだけではない。それよりもやはり非常な波を打ちながら景気が上っていく、そうするとちょっとでも下ったときにはもう弾力性のない企業ですから非常に困る、こういう点にやはり問題がありはしないかと思います。御存じのように現在においては水力がかなり重点である、そうして自流式の水力でありますから、将来は別といたしまして現在は雨が一割降りますと三百万トンから石炭が要らなくなる、こういう現状になっておる。将来は大きな大容量のダムと新鋭火力で調整をしていくでしょうけれども、現時点においては雨が一割降ると三百万トンからの石炭が要らなくなるという現状であります。こういう点から制度的に解決をしておかなければ、幾ら金を出してやるからといっても簡単に乗ってこないと私は思う。これらの点について御答弁を願いたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 炭鉱経営者の気持は今お示しのように私も考えております。しかしこれはこのままではよろしくないのでありまして、そういう意味から先ほど申し上げましたように、石炭の需要に重点をおきまして、その不足分を重油に切りかえるということにして、石炭の打つ波をなるべく小幅にし、もしくはそういう事態の起らないように努めるということにいたしまして、一応炭鉱経営の安全化、安定をはかるということにして、この意欲を増進して参りたい、こう考えておるのであります。なおまた労働条件のお話もありましたが、私もそういう点については同感でございます。ただしかし、何と申しましても、日本の炭鉱の坑内夫、坑外夫等の関係、もしくはこれを機械化した場合の問題等について、いろいろ問題があるようでございますけれども、これは私は飛躍的な新炭鉱の開発をやることによりまして、そこでそういう問題についても十分労使の間に話し合う機会が生まれてくるのじゃなかろうかという気持も、実はいたしておるのでございまして、御承知の通り政府におきましては、昨年度の財政投融資二十五億に対して、ことしはおおむね八十何億、百億という線を出して、急激に新炭鉱の開発等について協力していきたいと考えておるのでございます。なおまた有明、その他北海道方面の炭鉱の開発に当って計画的に考えなければいかぬ、その点全く私は同感でございまして、できるだけ御期待に沿うように尽力いたしたいと考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 同感だけでは困るので、一つ政治力をもって解決していただきたいと思います。これは、率直に見ましてかなり抵抗がある。鉱区の整理ということになるますれば、非常な抵抗があると思います。しかしそれを今やらなければ、私は日本の炭鉱というものはほんとうに開発できないと思う。これを一つ要望いたしておきまして、次の質問に移ります。  総括質問で若干触れたわけですが、その点について一つ納得のいくような御説明を願いたいと思うのです。まず雇用問題であります。一体景気がよくなると労働力化率というものはふえていくとお考えであるか。不景気になると労働力化率は減っていくとお考えであるか。これは大臣でなくてもけっこうですから、事務当局でもよろしいのですが、一つ御答弁願いたい。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 実は前の五年計画では、労働力化率というものを計画の計算に用いましたのですが、新しい経済計画では、それを使うことをやめたわけでございます。実はいろいろ実績を調べてみますと、労働力化率というものは非常に不安定な数字であるということがわかって参りました。就業者の中に雇用者と家族従業者と業主と三つの種類があるわけでございますが、雇用者の方は大体経済の発展に比例して増加して参りますけれども、家族従業者というものは非常にイレギュラーな、不規則な変化をいたしまして、たとえば景気が悪くなって雇用者が減るときに、むしろ逆に家族従業者がふえるというようなことがございまして、それを一緒くたに合せた就業者の数字、それを生産年令人口との比率をとりました労働力化率で示すということは、どうも雇用計画を立てる上に必ずしも適当でない。たとえば来年度あたりは比較的経済の成長率が低いのでございますけれども、労働力化率としてはややふえるような形になっております。また景気がよくて下る場合もございまして、非常に不規則でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 労働力化率を使われないという意味はわかったわけです。これはあとから質問をいたしますが、不規則ということだけでは私はやはり解決しないと思うんです。あなたの方は、今までずっと完全失業者ということをおっしゃっておる。完全失業者とは何かと聞きたいぐらい、政府は常に完全失業者ということをおっしゃっておったのですから、やはり完全失業者がふえるか減るかということは、労働力化率にかかっておる。そこで労働力化率というものは、日本では、一体景気がよくなると仕事があるから、非労働力人口が労働力人口の労働市場に現われてくるものか。あるいは不景気になると、逆に今まで働かなかったものが、どうしても働かなければ食えないというので出てくるものか。一体どういうようにお考えであるのか、一つお聞かせ願いたい。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 その点が不規則になる原因でございまして、昨年のように非常に経済の伸びが大きい、特に第二次、第三次産業の伸びが大きい場合には、むしろ急速に、たとえば農村の就業者が減るというような現象がございまして、経済の伸びの割合には就業者はそれほどふえない。ただし雇用者はうんとふえてくるというような事態がございまして、そのときどきの景気の変動の姿によって、労働力化率の動きがプラスになったり、マイナスになったりすることがございます。その点で、やはり雇用者を中心に雇用計画というものは見るべきではないかと考えられるのでございます。また同じ労働力調査で、完全失業者が五十万あるいは六十万、七十万というふうに出ておりますが、これも実は前の計画では、この完全失業者を減らすということに、かなり重点が置かれたような形になっております。四十五万まで減らす、労働力人口の一%に減らすということになっておりましたが、この点も実は、御承知の労働力調査というものは、調査の一週間前に一時間以上仕事をしない者は、みな完全失業者でございます。それ以外、一時間以上働きますと、すでに就業者になってしまいます。そういう意味で、長期の問題といたしましては完全失業という数字は、あまり使うことは必ずしも適当でない。ただ短期の変動といたしましては、これがかなり景気を反映いたしますから、短期の分析には、やはり完全失業者の数字は使ってもよろしいかと思いますが、長期計画としては、今度は実は計画の前面からは、完全失業者の数字はだいぶ退いております。ちょっと数字が出ておりますけれども、あまり出ておりません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 実は私は、完全失業者というのには非常に疑問を持っている。それは今お話のように、一ヵ月の最後の一週間一時間も働かなかった者を完全失業者というのですから、一体こういう者は何か、こういうと、一番多いのは失業保険をもらっている人です。これが大部分です。それで完全失業というのは何かというと、ほとんどが失業保険をもらっている。そしてその次には、新制中学や新制高校を出て就職を待っている者、ですからこれは三月にはぱっと出てくる。それからコンスタントとしては、私はある一定の層があると思う。そういう形で、これはむしろ最近に離職者があったかどうかということ、失業保険は六ヵ月したら切れますから、もう六ヵ月の後には、その人間は完全失業者で入ってこない。そこで、傾向としてはわかるのですが、全体の失業状態を把握するという意味においてはわからない。私はかねがねこう思っておったのですが、企画庁の方でも、今後はそういうつもりで行かれるようでありますから、まあ安心をしたわけです。確かに完全失業者という数字はごまかしがある。完全失業者が少いといいましても、失業者が多いのに完全失業者は一つも出ていない。出ないというのは、最近首切りがなくて、ほとんどが失業保険が切れたら完全失業者から出ていく、こういうことで、あまり議論しても価値のない問題だと私も思います。そこで完全失業者というのは、あなたの方は、今後あらゆる統計からはずされるわけですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 先ほど申し上げましたように、短期的な変動を見る場合には、大体経済情勢を反映いたしまして完全失業者の数字が動くから、これはやはり今後も、そういう限定された目的には使われてよろしいかと思うのでございます。ただ御指摘のように、日本の雇用の構造が複雑でございますので、このような完全失業者の数字とかあるいは失業保険の受給率と申しますか、失業保険に入っている者と実際に給付を受けている者の率とか、あるいは日雇いのあぶれるとか、職業紹介の需給の関係とか、そういう幾つかの指標を総合的に見まして、それで失業なり就業の情勢を判断する必要がある。その一つとして、やはり従来の労働力調査の完全失業の数字も、全く使わないということではなくて、やはりその一つとして判断の資料に使うべきものかと考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 完全失業者という数字は使わなくても、労働力人口というのはやはり必要なんでしょう。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 実は西欧諸国の場合には労働力人口を非常に重視しておりまして、これは大体完全雇用で、経済の成長率を働き手の数によって制限されるという事情から、例のコルム方式というような、将来の経済の予測にも労働力人口がスタートになっているわけでございます。私どもいろいろその後検討いたしましたのでございますが、日本の場合には雇用の状態がまだ西欧とだいぶ違いまして、いわゆる賃金俸給生活者、雇用者というものが、就業者の四割ちょっとにしかなりません。欧米諸国の場合には、これが八割、九割というようなことでございます。こういう雇用の構造の国では、労働力人口というものがかなり不明瞭なものになるわけでございまして、先ほどのように労働力統計で見る限りにおきまして、もし農家のおかみさんが、ちょっと一時間以上収入のある手伝いをすると、すぐ労働力人口に入り、就業者として入ってくるというような性質のものでございますので、やはりその長期の計画の基礎としては、それほど重視することは困難だ、今の段階ではむずかしいというふうに考えておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 そうすると生産年令人口、これは従来労働力調査が行われる前から——十四才というと、これは国際的に十四才であるのかどうかわかりませんけれども、十四才をとられておる。今度十五才になった。このことを私は言うのではない。五十九才で押えたというのは、どうも私は解せないんです。十四なんというのは、実際は新制中学へ行っておりますから、こんなものをとっても意味がないんですけれども、五十九才でぐんと押えて、五十九歳を出て六十からは、政府が食わしてくれるのかどうか、そういう錯覚を起すような五十九才というのをとられておる。それは一体どういうわけであるのか、お聞かせ願いたい。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 十四才、十五才の点は、この長期計画では問題が長期でございますので、五年ごとの国勢調査の数字を基礎にして計算いたしたわけでございまして、国勢調査の分類によりますと、十五才以上が生産年令人口になっております。ところが短期の変動を見ます労働力調査は、従来の習慣がありまして、十四才以上を労働力人口にしておりますので、そこにちょっと長期計画の方と短期の年次計画の方に数字の基礎に違いがございますが、それは基礎とした統計の違いでございます。それから上の方につきましては、生産年令人口を五十九まで見るか、あるいは六十四まで見るかいろいろございますが、それは見方でございまして、この計画で考えております雇用者なり就業者なりは、この生産年令人口以上すべてを含めてございます。たとえば雇用者が四百九十八万ふえるというような数字、あるいは全体の雇用者の総数が二千二百八十五万というような数字は年寄りもすべて含めた数字でございまして、あるいはちょっとその説明が不足だったのかもしれませんが、前の方では、壮年といいますか、生産年令人口の推移を見るところで、五十九才までの数字がちょっと出ておりますが、雇用計画といたしましては、すべての雇用者、就業者を計算に入れておるわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 私も自分で計算をしてみまして、そうなっていることに気がついたわけです。ところが正直にいいますと、どうもごまかしのあるような気がする。なぜごまかしかというと、生産年令人口とここに書かれたそのこと自体を私は言うのじゃないのです。しかしなぜこう書かれたかという疑問に逢着する。それは昭和三十一年から三十七年までの人口増、あるいは今までの生産年令人口の増、こういうことを考えますと、やはりこういうように急増してくるから、わざわざ計画を全然やり変えられたのではなかろうかという感じを持つのです。それは今までの方式でやってみますと大へんなことになるわけですね。いや、これはいかぬ、ということでわざわざ十四を削り、六十を削られたのではなかろうか。というのはその後の政策が伴わない、こういうふうに考えるのです。私は正直ですから全部を白状しますが、そういう感じを受けるのですが、これは一体どうですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 今の十四才と十五才の点は実はこれもおしかりを受けるかもしれませんが、労働力調査は占領中昭和二十二年アメリカの司令部の指導によって始めました。アメリカの労働力調査はたまたま十四以上ということになっておりまして——これは国によってまちまちで、十四のところも十五のところもありますが、それが今までそのまま続いてきておるという、単にそれだけの事情でございますし、日本の国勢調査といたしましては、中学卒業の年令等もあまりして十五才以上でやっております。従ってそれ以上別に意図するところは全然ございません。また五十九才以上の問題は、それは長期計画の方ではその点はあまり示しておらないわけでございまして、実はこの将来の年令別の人口というものも、今後非常に大きく変動いたしまして、御指摘のように老人が急激にふえて参りますが、同時に今後十年くらいたちましたあとでは若い者のふえ方、つまり新たに労働に加わる人間のふえ方も急激に減って参りますので、両者を勘案する必要があるかと思うのでございます。別に意図をもってそういうことをやっておるわけではございません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 六十才以上の労働力化率の統計を持たないのですが、六十五才以上はあるのですけれども、六十五才以上でも四一%が労働力化率になって出てきておる。要するにこれは労働力化率が四一・八%、これは三十一年でありますが、そういうふうに六十五才以上でもそのくらいの比率で労働市場に出てきておる。ですから六十以上になると相当の比率で出てこなければならぬ、それを私は統計から落すというようなことはあり得ないと思うのです。社会保障が完備した国で六十才以上はもう働かなくてもいいという国なら別として、いかに傾向値としてといいましても、六十才以上の労働者の政策を没却することはできないのが日本の現状です。それを五十九才でとめて六十以上は少くとも統計上出さない、こういう統計はどうも解せないのです。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 確かに高年令者の労働力化率はかなり高いわけでございます。それでこれは先ほど申し上げましたように一週間一時間以上、たとえば農家の隠居さんが一時間以上働く仕事をしたということになりますと、やはり就業者として労働力化率の中に入って参りますので、いわゆる職業戦線ということの観念がかなり違って参るかと思うのでございます。  それから雇用対策として年寄りを全然別にいたしておるというようなことは実はございませんで、労働力調査でもいろいろ年令別階層別に出ておりますが、上の方まで出ておるわけで、切っておるわけではないと存じております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 そうなれば私はむしろ労働力人口あるいは完全失業という方の定義の方を、むしろその取り方を改正した方がいいのではないか。少くとも五十九才以上をこえる者については全然統計から現われてこないというような統計の出し方に、私は非常に問題があると思うのです。少くとも日本におきましては六十五以上ならその四割が働いておるというのが現状です。六十才以上なら、さらに五割も労働戦線に出ていかなければならぬという実情である。これを無視することはできないと思うわけなんです。ですからなぜこれを落されたのか、私は非常に疑問に考えるわけですが、どうもこれを落されたのは、数字が合わないから落されたのではないか、こういうようにさえ考えられるわけです。そこで私はこの前大臣にお聞きいたしたのですが、率直に言いますと、はっきりわからなかった。それで三十三年度の見通しはどういうようにお考えであるか、それから昭和三十二年度の実績見通しというのはどういうようにお考えであるか。これを重ねて伺います。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 先般総括質問の際に申し上げましたが、三十二年度につきましては、雇用者におきまして百十五万人対前年度増加をするという見通しでございます。この場合就業者の増加八十万人、これはこの間御質問の趣旨が、三十三年度の見通しにつきまして雇用者が六十五万人、その場合の就業者が百十五万増、これが来年度は成長率が落ちるにかかわらず就業者の数がふえるのはおかしいじゃないかというふうな御趣旨の御質問だったと思うのでございますが、先ほど計画局長から申し上げましたように、私どもの考え方は、雇用を中心に、雇用がふえるということが就業状態の改善になっていくのだという基本的な考え方で、実は来年度六十五万人増ということは三十二年度に比べまして雇用状態は必ずしもよくなっているとは考えておりません。これは雇用の状態で比較いたしますと、三十二年度が百十五万ですから、六十五万ということは伸び方としては低い形になっておるということを申し上げているわけでございまして、就業の方は逆に非常に好況のときは家族従業者が減っていく、昨年、三十二年度の場合は農林就業者が六十万人減るという見通しに相なりますので、これは要するに家族従業者が減っていくのだ、来年度はこの減りどまりがあるだろう、こういうことに相なりまして、就業者の数としてはまさに来年度ふえるのでございますが、これは決して私ども就業者がふえるのだからといって、非常にいばったり、よくなるということを申し上げているのではありません。先ほど申しましたように、就業者というのは、不況になると逆にふえる傾向がある。これは日本の就業状態から参っておると思いますが、過去の数字をちょっと申し上げましても、二十九年とか二十七年あたり産業活動指数の伸びが低いときに就業者の数が逆に非常に大きく出てきておるのでございます。そういう実情から、来年度は雇用は六十五万でございますが、就業者は百十万くらい出る、こういうふうに見通しておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 就業者は三十二年度実績見込みで三十一年度に比べて八十万人ふえる。ところが御存じのように、これはあなたの方の企画庁で出された月報ですけれども、三十二年の十一月まで出されているわけですが、対前年の比率を見ますると、たとえば三十二年の十一月と前年同月の十一月とを見ますと百三十万人も就業者がふえているわけです。そうすると、今おっしゃったことはちょうど逆になるのです。不景気になるとふえるというのですから、昭和三十二年の四月から三十三年の三月までとると、ふえなければならぬでしょう。ところがあなたの見通しは八十万人減っておるのですよ。ここで五十万人の差がある。それから考え方によっては、不景気になると就業者が減るという面も考えられる。不景気になるから今まで働いておらなかった者も労働市場に出ていく、こういうことも考えられますが、むしろ日本の最近の傾向はずっと労働力化率が上っているわけでしょう。上っているというのは、やはり日本には潜在労働力というのがあって、仕事さえあれば働きに行こうという連中が相当多いのです。ことに最近女子の労働力というのは、御存じのように、今まで非労働力人口であったのが労働力人口にどんどん出ておる。景気のいいときでも就業者にどんどん出ていくのじゃないだろうか、こういう傾向が考えられる。そこで、まず私は三十一年度の実績が八十万人という数字が出てきたのはおかしいと考えるのですが、どうですか。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 私どもの申し上げております八十万人というのは年度平均で出しております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 年度であるから私は聞いているんです。年度であるならばぴしゃっと合わなければならぬのですが、ふえておるから聞いているのです。これは三十二年という関係ではございません。今申しましたように、十二月が出ておりませんから、三十一年の十一月と三十二年の十一月とを比較してみますと、百三十万人も就業者が伸びておる。そうすると、今あなたの言われるように、不景気になればむしろ就業者がふえるのだということになりますと、昭和三十二年の四月から昭和三十三年の三月をとると、あなたの論でいくと少くとも百三十万人以上ふえなければならぬ。これはかなり景気のいいときの時点をとっておるのですよ。それが逆に八十万人減っているじゃないか、これは一体どういうわけかというんです。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 三十二年度上期は非常に好況型でございます。従いまして、上期はどっちかといいますと就業は非常に低く出ておりまして、九月あるいは十一月へ入りましてから相当景気が不況型になってきた。不況型というのは少し言い過ぎでありますが、伸びが落ちて参っておりますから、そこで逆に就業者がふえて出ております。私どもは年間平均でそういうふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 ですから、十二月と一月、二月、三月を入れると就業者はなおふえるでしょう。それから今お話の点はその月における人口の増加というようなこともお考えになっていないようですね。その点も非常におかしいと思う。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 十二月と一月、二月、三月はまだ数字が出ておりませんが、これも推計をいたしまして、五月、六月あたりは非常に低い数字が出ておりますから、年度平均でいきますと、かれこれ八十万人くらいになるだろう、こういう計算をいたしておるわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 そうすると、一月、二月、三月は不景気だから減るんですか。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 むしろふえるといいますか、ここに出ております十一月くらいの数字になるだろうと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 今一月、二月、三月は減るとおっしゃったでしょう。数字が低い、減ると……。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 減るとは申し上げません。もし言い違いがございましたら訂正いたしますが、減るとは考えておりませんけれども、推計いたしまして、就業者の数としてはこの下期は不況型の数字でいくだろう、上期は非常に少い数字が出ておりますので、年度平均をとってかれこれ八十万人、こういうことになるのであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 よく考えてごらんなさい。今のお話はちょうど逆をおっしゃっているのだと思う。あなたの理論とあなたのおっしゃることが逆になる。もちろん就業者ですよ。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 ただいま申し上げましたのは実は就業者の数で、就業者につきましては、景気が下降いたしますと、どっちかというとふえる形が出ている、これが日本の特殊構造だと先ほど申し上げたのであります。それが現実の数字で出ておりまして、三十二年度については、上期が非常に好況で生産が高かった、高い数字でございましたから、この場合は就業者が非常に低く出ております。雇用は伸びておりまして就業者の数字が低く出ております。下期に入りましてからむしろ雇用の伸びは停滞して就業の方がふえておる、数字の上ではそういうふうに出て参っておりますので、平均して申し上げたわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 ですから、下期はずっとふえるんでしょう。ふえるとすれば、私が言っておるのは昭和三十二年度——年度じゃなくてむしろ三十二年という数字をとれば、ちょっと十二月がずれますけれども、昭和三十二年という数字になれば百三十万人になる。昭和三十二年度ということになると、八十万人になる。しかも下期である一、二、三がふえると、こう言われるから、百三十万人ふえなければならぬのに、逆に減るというのはおかしいんじゃないか、こう言っているのですよ。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 どうも御質問の趣旨が私もはなはだ鈍いものですから了解できないのでありますが、十一月はたしか高い数字が出ております。これは月別に出ておりますから、年度平均を出しますときは前期の低い数字と平均をいたしまして年度計算が出るわけであります。私どもの計算では大体八十万程度に年度としましては推計されるわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 それは労働力人口とかあるいは就業者というのは、確かに変動はあるのですけれども、イレギュラーの点はあるのですけれども、大局は把握されておかなければ私は経済計画は立たないと思う。あなたがおっしゃっていることは、ちょうど不景気になると就業者がふえるのだとおっしゃっておる。では私が言いましょう。この四、五、六、七、八、九、十月というのはほとんどみな四千四百万です。それで高いのです。それからさらに一、二、三がふえるというならなお高くなるじゃないですか。しかも昭和三十二年という、度をとらないで、普通の年次をとるならば百三十万もふえておる、それが八十万になるというのはおかしい、こういうことを言っておるのです。数字にこだわるよりも、あなたの方はものの考え方がはっきりしない。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 数字の点は御指摘がございますが、これは対前年度同月比を見ておりますから、私どもの計算で見ますと、五月、六月あたりは非常に低い数字が出ております。これは先ほども申し上げましたように、過去の例を見ましても、産業活動指数の伸びの低いときには就業者としては数がよけい出てくる、こういう形に出ておる事実を申し上げておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 私も実は経済企画庁の資料で質問をしておるのです。四月は四千三百十五万、五月が四千四百九万、大月が四千四百五十七万、七月が四千四百四十三万、八月が四千三百八十七万、九月が四千三百六十二万、十月が四千四百八十一万、十一月が四千四百三十三万、ほとんど全部があなたが言われておる三十二年度実績見込みの四千三百三十万よりも高いのです。今局長は四、五、六、七月は低い数字になっているというけれども、低いじゃなくて、平均よりも高いじゃないですか。さらに一、二、三月が高ければなお高くなるのでしょう。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 ちょっと補足説明申し上げますが、同じ表でごらん願いますと、たとえば一月は四千十五万——三十二年度でございますが、二月は四千四十九万というふうに、一、二、三は農村が農閑期になりまして非常に労働力の総数が減りますものですから、それを合計して平均いたしますと、そのあとの農繁期以降の、今御指摘になります数字よりは年度間の平均は低い数字になるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 私は絶対数を言っておるのじゃないのです。ただ、今たまたま絶対数を申し上げたのですが、絶対数を言っておるのじゃなくて、三十三度の実績と三十二度の実績見込みがおかしいじゃないか、こういうことを言っておるのです。そうでしょう。三十二度の方も一、二、三をとっておりますから少くなっているわけです。ですからむしろ下期の方が不景気で労働力人口が多くなってくるならば、少くとも百三十万より多くならなければならない。多くならなくとも同じくらいでなくちゃならぬ。しかも八十万という数字はおかしいじゃないか、こう言っておるわけです。ちょうど逆でしよう。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 手元には四月から十二月までの実績がございますが、これは合計いたしますと、農村でマイナス四十七万、非農業でプラス百三十九万、合計差し引きで九十二万のプラスになっておるわけでございます。つまり農村で大幅に減っておるものでございますから、あとこれに一、二、三の対前年同月比の増加が幾らあるかはまだわからないわけでございますが、それがかりに八十万前後であれば、年度平均が大体八十万近く、それよりもう少し高まれば年度平均が八十万よりはやや高いところに参るか、そういう計算になるかと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 私は率直に言うと、三十二年度の実績見込みというのがかなりそごがあるのではないか、そこで三十三年度の見通しというものもかなりそごがあるのではないかと思う。と申しますのは、最近の企画庁においては、部分的な不況になると確かに就業人口がふえていくという観念的な考え方を取り入れられておる。しかしむしろ最近は、大きな流れを見ますと好況のときに就業者が多くなっておるのです。それはだんだん生活程度が高くなって、そして最近ではいいろ家庭が合理化をされ、追加所得を求めるという青年婦人が職業戦線に出ていく。これは非常に軽視できない。こういう形になってしまって、今までわれわれは不況ならばむしろ就業者が伸びるだろうと考えていたのが、逆に好況ならばだんだん所得が高くなる、そうするといわゆる電気洗濯機も買わなければならぬというようなことで、だんだん追加労働力が市場にどんどん出てくる。最近の傾向はそういう傾向です。御存じのように二十七年、二十八年、二十九年、ずっと好況になっても、一向労働力人口は減らないで、労働力化率も減らないで、どんどん就業者はふえていっておるでしょう。ですから私は一がいにそういうことは言えないのではないか、こういうように考えるのですが……。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 先ほど私御説明申し上げましたときに、実はその労働力化率が非常に不安定だということを申し上げました。確かに多賀谷委員の御指摘ございましたように、その収入が上ればますます働きたいという点が都会等ではございますが、一方農家の方を見ますと、収入がある程度上って参りますと、今まで手伝っておった主婦が全く家事に引退する、就業者から落ちてくるというような相反する動きがいろいろからみ合っておりまして、時によって上ったり下ったりいたすわけでございます。過去の労働力化率を見て参りますと、昭和三十年が六九・〇〇%、三十一年が六八・六九%、三十二年が推定でございますが六八・四六%、こういったような推移でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 この経済白書によりますと、私は自分で計算したのですが、昭和二十八年は六七・三、二十九年が六七・〇、三十年が六七・九、こういうようにずっと上回っておるでしょう。三十一年は六八・六九、三十二年は六八・四六、ちょっと下っております。三十三年はまた六八・八六、全般的にはずっと上っておるわけです。それは部分的には若干ありますけれども、全体的にはずっと上っているのです。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 三十年までは多少上ってきておりますが、三十一年は三十年度に対しましてちょっと下っております。三十二年も三十一年に対してちょっと下っておるわけであります。そこに不安定性があるということを申し上げたわけでございます。景気は逆に三十一年、三十二年は非常に成長率が高いわけでございますから、労働化率はここで下っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 労働化率はあまり下ってないでしょう。全般的にずっと上っておるが、あなたの言う統計で三十二年があなたのおっしゃるような形でいけばちょっと下るだけで、ずうっと上っておるでしょう。傾向値はずうっと上っておるでしょう。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 三十年度に対しまして三十一年も下っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 三十一年はあなたの方は六八・六九でしょう。そうすると三十年は六七・九ですよ。その前は六七・〇、その前は六七・三ですよ。ずっと上っていますよ。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 私どもの統計によりますと年度でございます。あるいは年度の差があるかもしれませんのですが、年度で三十年度が六九・〇〇になっております。ついでに前の方を申し上げますと、二十八年度が六七・七六、二十九年度が六八・〇七、三十年度が六九・〇〇、ここまでは上っております。そのあと二年下っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 実は経済白書をせっかく出されるのに数字が違うのですよ。この三十三年度の大綱という同じ企画庁から出される数字も、しかも実績がみな違うておる。これは細部にわたってはそういうことがあるのですが、しかし私は傾向値というのが六九・〇〇なんというのはどうも承服できない。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 非常に技術的なことになりますが、労働力調査の方式が十一月から変っておりますので、その差がございますかと思います。前の数字にさかのぼりまして改訂されておるわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 労働力化率のもとのやり方が違うのですか。しかしそれにしても私ははっきりしたものの考え方がないと思うんですね。やはり好況であると労働力人口としてふえていくのか、あるいは不況になるとむしろふえていくのか、こういう点もきわめてはっきりしないと思う。と申しますのは、二十七年ごろから見るとやはり傾向値としてはずうっと上ってきておる。そこで一応労働力人口としてはマキシマムに来ておると考えるのか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 実は昨年の十一月に総理府統計局の労働力調査改算結果報告というのが出ておりまして、これは昭和二十三年にさかのぼって全部数字を変えておりますものですから、それでただいまの白書の分はその前の古い数字によっておりましたので、そこで不連続ができておりますので、この改算結果で見ます限りは確かに終戦後ずっと上って参りまして、三十年ごろが大体ピークになって、あと横ばいないし下る傾向がちょっと見えております。私どもは先ほど来申し上げますように労働力化率の基礎であります就業者の数というものが、いろいろ家庭の主婦や何かを含んでおりますものですから不安定な要素がある。それにそれが動く要素、また都市と農村といろいろ違った要因がございますので、もう少し数字の経過を見ませんとあまり確定的な判断がいたしかねます。そういう不安定なものでございますから、今度の新しい長期計画ではこれを使わない方法論によったわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 そういたしますと、使わないといわれながら実は、算積の基礎は違うかもしれませんが、三十三年度の大綱にはお使いになっておる。労働力人口ということで出てきておるでしょう。そこで使わないなら使わないように、長期計画の方が先に出たんです、三十三年度の大綱はあとから出たのですから、今度はこれでやるといいながら前の形式を踏んだり、実に一貫をしない。そうしてまた数字が違うというのですから、われわれ一生懸命計算をしてもどうもおかしいおかしいと、自分でもわからないのです。わからないから聞いているのですが、そういう事情であれば私は一応次のことを質問したい。それは昭和三十七年になると、従来の労働力人口の関係あるいは労働力化率の計算でいけば一体どういうようになるのか、これをお聞かせ願いたい。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 先ほど申し上げましたように、長期計画の方では労働力化率を計算いたしておりません。一応就業者全体といたしましては、三十七年度に四千六百十一万になるという数字を計画に掲げてございます。なお計算は一応この計画には入れておりませんのですが、内部で計算したものがございます。これによりますと、十四才以上人口の全部をとりましてそれに対する比率で出しますと、六七・五%ということになっております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 六七・五%というのは今まであまりない低い化率じゃないですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 昭和二十六、七年ごろはたしかその水準にあったと考えておりますが、なおこの点につきましては欧米諸外国の長期の趨勢を見て参りますと、経済が発展いたしますと大体就学年令が延びまして、それから社会保障制度等の関係で年寄りの引退ということもございまして、あるところへいくと労働力化率が減って参ります。アメリカなどたしか五四・五%になっておるかと思いました。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 日本ではまだそういう状態にはないと思うのです。それでこれによると新規に学校を出る労働者についてはもう一応計画ができておると思うのです。ところが従来の労働者があるいは転職を希望するとかいう場合に、ことに老人の労働者の増というものに対して何らの配慮がこの計画全般にない。社会保障といいましても一連のものしか書いてない。いやしくも計画でありますから——もし今までの形式で踏まれるならばかなりの完全失業者が出るわけですね、ですからそういうものについてはどういうようにやるのかということを、あなたの方でもう少し書いておかるべきが至当ではないか、私はかように考えますが。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 本回の計画におきましては、主として雇用、特に新規学卒者ということを計画の手がかりにいたしておるわけでございます。その結果といたしまして、これは計画にも掲げておりますが、就業者全体の中におきます雇用者の比率が、三十一年度四二%のものが三十七年度には四九・五%に上る、これは雇用の構造が近代化していくということを示しておるわけでございまして、そういう形で、たとえば現在は四二%が雇用者でございますが、この計画では新規学卒者のうちで上級進学者を除きました就職したい人間、そのうちの男七割、女六割五分、これが雇用者になるという想定でやっておりますので、この計画で進んで参りますれば、だんだん雇用者比率が上って参りまして、それがだんだん雇用構造の近代化をもたらす。たとえば、農村の子弟がそういう高い雇用者比率で就業いたしますれば、そのあとの補てんの関係から見ましても、だんだんいわゆる前近代的な雇用が減っていくという姿になって参るかと思うのでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 私は、いわばこの考え方というのは非常にいいと思うのです。そういう雇用の近代化という考え方は賛成です。しかし、現実は果してなるかどうか、なるにはその努力が足らないと思う点があります。たとえば、第一次産業の家族従業者が減る、これはけっこうです。ところがそれが第二次産業の雇用になって現われておる。これはきわめて安易な考え方だと思う。果して三百二十一万もふえるか、ふえるにしても押し込んだという形で、結局鉱工業の指数からは第二次産業は百七十七万しかふえないからあとはどうするか、あとは結局第三次に持っていこう、こういうものの考え方がありはしませんか。結局三次に行ったものはどういうようになっているかといいますと、これはやはり不完全就業者としての雇用が大部分なんです。日本経済はまだそこまで伸びていないのです。この計画では、第三次がそんなに雇用が純粋な形でふえるほど伸びていない。ところが、この計画では三次に押し込んでしまった。なぜかというと、第二次でふやすと、これはものすごい成長率を見なければならぬから第三次に押し込んでおるという形がある、それが一点。  それから不況になって非常に就業者がふえるというのですけれども、農村の就業者を、この前も話したのですが、十万人も減らしておる。それは長期計画の気持としてはわかるけれども、百十万というものの中には、逆に農村に環流するものがかなりあるでしょう。ですから、環流するのに農村を減らしておる。減る姿としてはわかりますけれども、現実三十三年度にそれが減るかというと私は減らないと思う。三十七年度なら別ですよ。しかし、あなたの計画で行きますと、就業者は三十四年度からは四十五万人くらいずつふえていかなければならぬ計算になりますね。三十二年度は八十万ふえた、三十三年度は百千万ふえる、三十四年度から四十五万ずつふえていく、こういうカーブになるのですが、私は実際は現実に合わぬと思う。三十三年度をあまり過大に見たものですから、現実は合わぬと思う。しかも、現実に合わない中で、さらに農村を十万も減らしておる。これはますます理想には近づきつつありますが、現実は合わない。こういうように考えるのですが、その点どうですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 ただいま御説の第一点の、三次の雇用者が三百二十一万ふえておるという点でございますが、実は私どもこれは過去六年ばかりをとりまして、三次産業の所得の伸びと、三次産業のと雇用者の伸びとの関係を図式にとりまして、その関係を将来に伸ばして考えるということで、実は過去五、六年の間におきます三次産業の所得の伸びと雇用の関係が、大体将来五年くらいも適用できるという想定に基いて計算いたしたわけでございます。従って、余ったものを三次に入れたという計算の仕方はいたしておらないわけでございます。第二点につきましては、ただいま就業者全体の三百六十一万という数字を出発点にとられまして、それから三十四年以降平均四十五万ではないかという御指摘でございましたけれども、実は私どもの考え方としては、あくまでも最初に申し上げましたように、雇用計画としては就業者の数字ではなくて雇用者の数字を見ていきたい。雇用者の数字を経済の伸びと関連さしてはじいていく。あとこれに対して家族従業者は減っていく。減っていく数字と、それから個人業種の方はあまり動かない。大体大きな筋としてはそういう考えをいたしまして、雇用者と業者と家族従業者と差し引き勘定いたしまして、三百六十一万というのが出ておりますので、その方から三百六十一万を年度割にして御計算になると、この計画の考えの数字とはかなり違って参りまして、雇用者の方では実はごらん願いたいと考えておるわけでございます。  農村はマイナスで考えておりまして、六年間に八十五万のマイナスということでございます。実は三十二年度推定がマイナス六十万という推定。しかし、これも一、二、三を見ますと、ちょっとわからない点がございまして、ごく最近では、農村の環流の傾向も見えかかっておるので、その点は十分今後の推移を注意しなければならぬかと思うのでございますが、農村への環流というのは、昨年のように非常に都市の産業の第二次、第三次が伸びましたときに、非常に急激に農村の就業者が減っておりますから、これを来年度の率としては考えられない。やはり、その年の景気によって幾分環流する場合もあり、また減る場合もある。六年間を通じて見れば八十五万減るというような計画の考え方になっておるわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 雇用者中心に考えられたというけれども、百三十万くらいの人間が行方不明になっておる。それは非労働力人口じゃないかとおっしゃるけれども、雇用者だけで考えた。そうして家族従業者は減るんだ。そうしてあとは全部非労働力人口に入れてしまったわけでしょう。私は政治はそこにあると思うのであります。非労働力人口が入るのか入らないのか、これを一体どうするのかというのが政治だろうと思う。それは全然見ないふりをして、やり方が違う、雇用者中心に見ておるとおっしゃるけれども、非労働力人口、これがどうかならなければ大へんでしょう。ここに問題がある。  その次に、第三次産業は過去数年間を見られたといいますが、日本は、統制経済から戦後に復活して、第三次産業はぐっと伸びたのでありまして、二十四年、二十五年のこのカーブ通りに今後伸びるということは、私は考えられないのであります。これはかなり長期的に見ますると、アメリカあたり、イギリスあたりの例をとりますと、第三次は確かに伸びておる。しかし日本において二十五年ごろからのカーブをとって、その所得に見合う雇用をもって今からの計画にするところに問題があると思う。こんなには第三次は伸びはしない。伸ばすとすれば、それは不完全就業の形で伸びていく。これは、むしろ農村においても、都市においても同じような形で伸びていく、こういうふうにしか考えられない。そういう点はどうですか。  それから農村環流の問題ですが、少くとも五ヵ年計画に沿うて八十万ずつくらいふえていけばいいが、それを百十万もふやしたから農村を減らすという手はないでしょう。むしろ最近において繊維工場その他でどんどん解雇されておる。失業手当をもらっておるうちは完全失業でなく、労働力人口に入ってきませんが、失業期間が過ぎると、労働力人口に入ってきます。そうすると、農村は一次的でありますから、少くとも三十三年度はふえなきゃならぬ。ふえるような状態になる、こういうように考えるのです。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 最初の方の御質問に私の方からお答えしたいと存じます。確かに戦後の経過といたしましては、二次産業が統制経済から自由経済に転移いたしますために、三次の伸びはかなり高い面がございました。しかし、この点は、将来に伸ばす場合に、関係式の率を同じに見ませんで直線で見まして、対前年の増加率としては、だんだん逓減していくような形で三次を伸ばしたわけでありまして、そういう過去のややアブノーマルの三次産業の雇用がふえた面を割り引きして将来に伸ばすという計算の仕方を使ったわけであります。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 ただいま御指摘の農村就業者の関係でございますが、私どもも、三十二年度の上期は相当減り方が大きく減りまして、下期には逆に農村へ戻ってくるという格好が出ておりますので、年間平均で六十万見当じゃないかということで、来年度につきましてはやはり季節的に考えますと、多少初めのうちは還流であり、あとになって逆が出るということがあるかと思いますが、年度平均としまして十万程度多少減るのじゃないか。しかし三十一年度が四十万減り、三十二年度が六十万減っておる。そういう大きな減りのあとを受けて、三十三年度はごくわずかな減りにとどまるのではないかという考え方でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 雇用者の方は実は百十五万ふえておったのが、三十三年には六十五万に減った。しかも就業者は八十万しかふえなかったのが百十万にふえた。こういうことですから、これが農村がこういう状態においても家族従業者が減るなんということはどうも考えられない。それは一体どこへ行くのですかと聞きたい。一体農村も減って、雇用労働者も減って、そうして百十万も就業者がふえたから、これは一体就業者はどこへ行くのですか。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 ただいまの内訳を申し上げますと、三十二年度は非農林の就業者が百四十万ふえて、農林の就業者が六十万減る。それでトータルといいますか、就業者全体としては八十万ということになっております。三十三年度は非農林の就業者が百二十万増とういふうに見ておりまして、農林の就業者が十万減りますから、そういう見通しで就業者として百十万、こういうふうに見ておるわけです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 非農林が百二十万ふえて、そのうち雇用が六十五万しかふえないんだ、こういうことでしょう。一体それはどこへ行くのですか、こう聞いておる。業者になるのですか、それは。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 第三次産業関係の家族従業者になると思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 非農林の方は百二十万ふえて、そして雇用者が第一次を入れて六十五万でしょう。結局第三次に行くと言われましても、これは第三次に行っても業者になるか、業者にならなければ家族従業者でしょう。わざわざ農林の家族従業者が、非農林の家族従業者には行きませんよ。家族従業者でしょう、雇用者じゃないのですからね。第一次の家族従業者が、第三次の家族従業者に行くわけがないでしょう。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 御意見のような感じもございますけれども、やはり全体としまして農林就業者が多少ずつ農村の近代化によって生産の近代化が多少ふえる、こうい傾向が来年度も——これは今年度三十二年度、三十一年度より大きくはございませんけれども、多少その方向が出るだろうと思う、こういう考え方です。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 就業者が八十万人で雇用の方が百十五万もふえたから、第一次産業であるものが家族従業者が減ったということならばわかるのです。三十二年度はわかる。ところが三十三年度に雇用は六十五万しかふえないのに、第一次産業から減って、そうしてしかも雇用にも入らないで家族従業者か業者に入ってくるのですかね。それがそんなに大きい数字なんだということは考えられないのではないですか。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 もう少し補足して申し上げますと、農村の内部の非労働力化ということも考えられる。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 非労働化になると、就業者はふえませんよ。逆にトータルはふえませんよ、そんなことを言われるのならば。農村が非労働力化になると就業者はふえませんよ、ちょうど逆でしょう。不況だから就業者としてふえてくるのでしょう。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 ただいま農林就業者も十万減るということについて申し上げたのです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 それは同じことでしょう。非労働力人口が労働力人口になって入ってくるのですよ、むしろ三十三年度というのは。そうしますとトータルとしては、ことに工場なんかから現在実際首を切られて農村に帰っていくでしょう、そうして六ヵ月たったらこれは労働力人口になって出てくる。もちろん労働力人口としてですから、完全失業者でなくなる。これは家族従業者になって現われてくる。どうもあなたの言われるのは経済の一つの動きと全く反するような話ばかりされるのですが、私は長期の話を聞いているのじゃない。短期の話を聞いているのです。ちょうど三十三年度は逆になるのですね、長期計画から見ると。それで現実に済むんでしょう。それは理想じゃないけれどもやむを得ない、そうおっしゃればいいのですけれども、一方では理想に近ずけたような案をされるし、一方では現実的の案をされるし、ここに矛盾があるのじゃないか。これはほんとうにおかしいですよ。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 私ども三十三年度の形が非常にいいと申し上げてはおりません。これは非常に私どもも長期計画の線から申しまして、三十三年度は多少近代化の、雇用構造の近代化のテンポがおくれるという格好を、実は吸収率が低いからこういうことになると申し上げているわけです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 幾らやっておりましても実はきりがないのですが、これは率直に言いますと、八十万の増というのも納得できない。あなたの方の統計からいっても、対前年同月比でありましても百三十万、それがどう考えても八十万になるという数字は第一納得できない。それからその次には今から農村に還流するという問題、農村人口が減る、就業者が減るということも考えられない。少くとも就業者が百十万もふえるという前提であるならば考えられない。これはそんなにふえないというなら別です。それから第三次産業が五ヵ年計画でこれだけ雇用をふやすということはむしろペーパー・プランであって押し込めるものだ、こういう感じしかない。むしろ不完全就業者がふえる、こういう感じしか持てない。それからその次には新規生産年令人口の増によって、今までは労働力人口を中心にしてお考えになっておったのが、雇用だけを中心にして考えるというこの考え方、雇用でないもの、これは一体どうなるのだかという政策が一つも現われていない。こういう点は非常に遺憾に考える。しかし時間がありませんからこれはこの程度にして、次に産業基盤の強化について大臣から御答弁願いたいと思います。  今産業経済基盤の強化という意味で、これは岸内閣の大きな政策の一つで、そうして財政投融資もかなり大幅にやられている。ところが適正配置ということが、この五ヵ年計画のどこにもないのですね。私はこれを見ましたけれども、工業配置の適正化ということが全然うたわれていない。これはやはり日本の将来の問題として大きな問題点と思いますが、その点についてどういうふうにお考えですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 実はその点につきましてはいろいろ内部におきましても検討を加えているのでございますが、何せ非常に困難な問題でございますので、今せっかく検討中でございます。なおこの機会に私から、御参考になるかどうか知りませんが、私自身今いろいろ事務当局から御説明申し上げましたことを聞いておりまして、出発点か多少違うのじゃないかという気持がいたしたのであります。それで今多賀谷さんの御質問は、こういうふうに緊急施策で昨年来締めている、そうして物価も下げている、失業者も今ふえているじゃないかというのであるから、今年度においてこういう計画を立てることは間違いじゃなかろうか、そういうことになるのじゃなかろうかと私は思うのであります。ところがわれわれの方では、長期計画の初年度といえば初年度、従来の成長率から見て参りまして御承知の通り今年におきましても三%の成長はして参るわけであります。従いまして決して総体的に減退にあらずして、遅々としてはおりますけれども、下期において成長して参るということをとっております。昨年は上期に非常に成長したが年末になって非常に農村に還元するものができてきた、それが今、還元の途中でございましょうが、三十三年度を通じてはまた再び都市の方へ出てくるものがあるような傾向に経済界が回復していくべきものだ、またそういうふうに経済界を指導していくのだということにいたしておりますから、そこに多少の違いがあるのじゃないかという気持がするのでございますが、ただし今この経済計画についていろいろの点において不備を御指摘になりましたが、私たちはあくまでも現実を中心にいたしまして、そうして日本の経済を安定して成長せしめる、ただ目標をいたずらに過大に持って、そうして結論を急いでみても、実行不可能のものは仕方がないということから、安定のうちに成長を求めるということにしておりますので、そこにその中に数字が入りきれないものができてくる。その他、社会保障その他について入り得ない点があるということも御指摘でございますが、それらはその年次々々において政治上の各般の施策におきまして、たとえば失業者の問題をどうするかというのは、現実に経済の実勢から出て参ります失業者の対策としては、その年次々々において、政治においてこれをカバーしていくのだ、社会政策またしかりであるということにいたしておりますので、その点を一つ御了承いただきたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 私は実は食い違いはその点にはないと思うのであります。ものの考え方として、私は実は同じベースで話しておったつもりなんです。あまり政治的な発言はしていない。ただ、同じべースで話しておるけれども、非常に見通しが違うのじゃないか、こういう話をしておる。ことに雇用は経済の伸びよりおくれるわけです。はからずも石田労働大臣は雇用はおくれるのだ、こうおっしゃったから、おくれるからなお数字が違うじゃないか、こう申し上げたのですが、確かにおくれる。そういうおくれる実態に、不況があるからというので、百十万という数字が出されておる。ところが、それが農村にふえていくとか、あるいは雇用は少いのだけれども就業者は多い、しかも農村はそのうち減るのだというようなことは、どうも現実と理想とがこの点において食い違いが出ていはしないか、こういうお話を申し上げているのでありますが、それはそれとしまして、今の産業配置の問題について、もう少しお尋ねいたしたいと思うのです。  と申しますのは、最近の先進国家は、工業配置、産業配置ということに非常に努力をしておる。日本は明治、大正の先輩が築き上げました産業基盤の上に今まで眠っておりましたが、それをさらに一回り大きくしようというので、港湾にしても、道路にしても、いろいろな点で努力されておると思います。そこで私は今にでもやはり計画を立てておかなければならないのじゃないだろうか、ただ工業用水を布設する、あるいはまた港を作る、道路を建設する、こういうことで、産業配置について何ら考慮をしなければ、これは大へんな地図になる、こういうふうに考えて質問するわけであります。御存じのように、英国では一九三四年に特別地域開発及び改良法案、あるいは一九四五年には工業配置法案ができて、そうして新企業の建設に対してはかなり計画的にやられておる。その原因は何かといいますと、結局産業構造によって失業者が非常に多くなる地域と、失業者が比較的常に同じ率を保っておる地域がある、こういう経験から、英国ではそういうことをしたと思う。ことに第一次世界大戦後に、英国では造船、港湾荷役、鉄鋼、石炭、海運というような基礎産業並びに輸出産業というのは非常に景気変動が激しい、それに対して消費財を比較的作っておるところの地域というのは景気変動に強い、こういう点から景気変動に非常に弱いところの産業ばかりが同じ地域に密集しておったのでは、これは一たん不況になりますと、ばたばた倒れるじゃないか、こういう苦い経験のもとに、戦争中からビヴァリッジその他でそういう計画がなされて、そうして今日法案が作られて、その実施を見ておるわけですね。あるいはアメリカのような現在完全雇用態勢ができておるといわれるような国でも、特殊的地域では非常に過剰労働人口で悩んでおるわけです。一産業によって立っておった地域とか、あるいは軍需産業がなくなった地域とか、あるいは天然資源が枯渇した地域、あるいは繊維機械等が古くなって、それが新しい地域に新しい繊維産業が発達したというので古い地域、こういう地域は結局鉄道もついておる、電車も通っておる、病院もできておる、町も形成されておる、しかしみな失業者だ、こういうような状態になっておるので、アメリカでもそういう特殊的失業地域というのは、特殊な政策をしております。ですから日本でもそのことを考慮していい時期ではないだろうか。ことに今出発点として産業基盤の強化をやらんとするのですから、私は今十分考えていいのじゃなかろうかと考えるわけですが、それについてどういうようなお考えですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 ただいま申し上げました通りに、国内におきましても長期計画をさらに地方的に分けたものについて一つ考えてみたらどうか、そういう要望も実はあるわけであります。庁内におきましてもこれにこたえて、今お示しのように、全国的に工場をどういうふうにしていくべきかということについても考える必要があるのじゃなかろうかというようなこともあるのでございますが、何分わが国内といたしましては、従来そういうことは経験いたしておりませんし、またこれを計画いたすにしましても非常に困難な条件が多いわけであります。従って、先ほど私は電力問題の際にも申し上げました通りに、動力源等につきましてはそういう点についても実はいささか勘案いたしまして考えていかなければならぬじゃなかろうかということも配意はいたしておるわけでありまして、御説の点は非常に共鳴する点が多いわけでありまして、今後とも十分勉強いたしたいと考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 実は労働省でも失業地帯、しかも多発性の失業地域には高額の補助金を出されておる、補助率が違うのです。これはどういうことを示しておるかというと、これはやはり地域的に非常に失業者が多い地域がある。それは一つは産業構造からきておるのでありまして、今はだいぶ解消されましたが、呉地域のようにかつて軍需産業のあった地域が全部軍需産業がなくなった、こういう地域、あるいは炭田のように、ことに筑豊炭田のごとくもう二十年もするとほとんど大きな炭鉱はなくなって、わずか五つくらいの炭鉱しか残らないじゃなかろうか、こういうふうに心配されておる地域、こういうような地域は、当然考えなければならない問題であると私は思います。ことに石炭なんというのは一産業で立っておるのですから、それが石炭が不況であるということになればみな失業者になってくる。しかも天然資源でありますから、資源が枯渇すれば当然そういう問題が起きてくると思います。また駐留軍の引き揚げの問題についても、その地域には特別の対策が必要である、こういうようにも考えます。さらに大きく見ますと、先ほど電気のお話がありましたが、東北地域のようなところ、あるいは北海道のようなところ、南九州のようなところ、こういう地点は産業構造の点を考えざるを得ないじゃないか、こういうように考えるわけです。先ほど大臣もお話しになりましたが、東北の今度の電力料金の値上げも、新規事業は今までの既存契約の一・七倍というような新規事業がきては絶対困るというようなことは、一会社としてはいいと思いますが、国の政策としてはあるまじき政策である。こういう点では、東北振興開発促進法なんか作っても意味がないと思う。ことに東北あたりでは原料部門、素材部門しかできてなくて、第二次製品あるいは最終製品は全然作られていない。こういう点も、やはり工業立地という点をもう少し、考えるべきではないかと考えるわけです。  そこで私は事務局にお尋ねしますが、いやしくもこれだけ経済計画を書いて経済基盤をうたったのに、産業配置ぐらいどこかに書いても無意味じゃない、むしろそれは非常に有意義なことだ、かように私は考えるのです。とてもできそうにもないことをときどき書いておられるけれども、その点については全然触れられていないということはきわめておかしいと思うのですがいかがですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 実はその点は、この計画といたしましては、日本を全国一本ですべて書いてございます。実は企画庁の中の開発局の方で別途に地域に分けた作業がいたされておりますので、ある意味では故意に、この計画には地域の問題は触れておらないわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 私はどこどこの地域ということを書かれなくてもけっこうだと思いますけれども、やはり長期計画としては産業配置ということを考えなければならないじゃないか、その一行ぐらいは書いてもしかるべきじゃないか、こういうことを言っておるわけです。そこでその気持があればそれを早くやっていただきたいということと、次に、書いてあるものについて質問したいと思います。  労働時間の調整ということを書いてあります。これは三十三年度計画の大綱には十一ページに、それから長期計画では六十九ページに、要するに不完全就業者を完全にするというために、あるいは雇用量をふやすというために、「企業における超過労働時間の調整、」によって「雇用の安定と失業の防止につとめる」、こういうことが書かれてある。これは一体どういう方法でされるのですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 長期計画の方について申し上げますと、これはここにもございますように、「可能な産業における長時間残業の交替性への切替などの検討」という形で、あまりに過大な残業などをたとえばツー・シフトにかえていく、そうすればその面で雇用がふえるというような面からぼつぼつ参る。全体としての就業時間の短縮につきましてはこの経済審議会の雇用部会で討議があったわけですが、そこまでは踏み切った形にはなっておらないわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 三十三年度にも書いてある、「企業における超過労働時間の調整、」それから長期計画においては、「生産および雇用を増大するため、交替性について、可能な産業における長時間残業の交替性への切替などの検討が必要とされる。」、一体どういうことを政府はされるおつもりですか。政府は全力をあげてこの目標に努力するというのですから、書いただけではどうにもならない。一体どういうことを具体的にされるのですか、されるつもりで書かれておるのですか。

大堀弘総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○大堀政府委員 当面の問題につきましては、労働省から日経連の方に対しまして、労働時間の短縮によって極力首切りを少くするという方向に協力を求めておるわけであります。具体的には労働省の方で措置するわけでございます。当面の問題としてはそういうふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷分科員 労働時間の短縮ということは非常にいいことです。これはぜひ推進していただかなければならないが、あまり作文でごまかしては困ると思うのです。一体政府は、労働時間の短縮とか調整というのは、どういうつもりでされるのですか。ただ日経連へ言ったというのではされないと思うのです。これは政府に権限があるのです、法律の改正でもできるし、あるいはまた現在非常に乱れておる時間外作業の超過を監督行政でするとか。ところが現実はどうかといいますと、現実は、最近労働基準法の施行規則を改正して、長時間労働にするようにしたのです。言うこととやることがどうも違うのです。今まで十名の商業しか九時間労働が許されなかったのに、今度は三十名の商業まで九時間労働はよろしい、こういうようになさっておる。ですかう私は、いやしくも長期計画に書かれたなら、一つ長官の方から、やはりこれに即応するような各省の態勢を整えていただきたい、こういうことを考えるわけです。最後にこの点について一つ御答弁願いたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 御承知の通り、経済企画庁は計画を立てまして、これを閣議決定、了承を得まして、それぞれ行政官庁においてやるわけであります。そこで私といたしましては、従来その程度でありましたものを、今後はその経過を十分に調査いたしまして、この計画通りにやっておるかどうかということを調べて、やっていない、今御指摘のような点につきましては、十分企画庁といたしましても調査いたしまして、これを閣議においてそれぞれの所管大臣に十分注意を喚起し、この実現を全般的に期していくことに実は私はいたしておるわけであります。

八木一郎自由民主党

○八木主査 この際議事進行について一言申し上げて御協力をお願いいたします。実は経済企画庁の所管についての質疑は本日中に終る予定になっておりますので、発言者におかれましてはその持ち時間以内で済まされますように、ぜひとも御協力のほどをお願い申し上げます。次は田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 主査からの御注意もありましたから、簡単に長官にお尋ねいたしたいと思います。私はまず原子力発電に関連いたしましてお伺いいたしたいのですが、最初に原子力発電の問題につきまして、原子力利用という点からいうならば原子力委員会の所管になると思います。しかしこれから発電という格好になって参りまして、将来の電力の需給計画、こういうところへくると、経済企画庁の管轄でなかろうかと思うのです。この原子力発電の問題について科学技術庁ないし原子力委員会と経済企画庁の関係はどういうようになっておりますか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 ただいまお話でございますけれども、これを長期経済計画に取り入れてしかるべきやいなやということは、科学技術庁なり原子力委員会なりからわれわれの方に提案がございまして、その上でこれを取り入れていくべきものと私は考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 そういたしますと、原子力発電に関連して、実際的な問題といいますか、ここにも長期計画には五十年度に七百万キロワットのA案あるいは四百万キロワットのB案等が書かれておりますが、そういうことは全部企画庁でやられるわけですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 この点につきましてはいろいろ経過がございまして、このエネルギーの供給計画といたしましては総合的な経済計画ないしはエネルギー計画になりますし、電力といたしましては企画庁の電源開発調整審議会の問題になって参るわけでございまして、実は先般原子力局長も電源開発調整審議会の幹事に加わっていただきまして、この計画を作ります過程におきまして、両者で十分協議して参ったわけでございます。手続上の問題といたしましては、そういうことで両者の間にそごのないようにはかっておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 なぜ最初にそういうことをお伺いしたかと申しますと、昨年秋九月ごろだったと思いますが、この原子力発電に関連して、動力発電炉の受け入れの問題について、正力国務大臣と河野長官とが論争をせられたという経緯があります。あの際に、河野長官の、こういう問題は一民間といいますかそうした資本に自由にさすのではなく、公社あるいは公益的なものによってやらすのだ、こういう主張は正しいのじゃないかと私は思う。ところがどういうことで話し合いがついたのか、この問題についてどちらの意見が優先するのか知りませんが、とにもかくにも話し合いがつきまして、現在御承知のように日本原子力発電株式会社ができ、その資本の割合は電源開発四、九電力四、一般民間関係二というようなことで、すでに発足を見ております。この点につきまして、こういったいわゆる資本の割合というような点について若干河野長官の意見が入ったのかもしれませんが、形式としては正力国務大臣の言われておった通りになったような気もするのでありますが、現在長官自体は、将来の重要な問題である原子力発電に関しまして、今のような行き方が正しいと考えられておりますか、それともその当時主張しておられましたような形式、われわれは公社といったようなものがいいのじゃないかと考えておりますが、どのような御心境でおられるのでしょうか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 多少私と正力国務大臣との間に意見の食い違いがあったわけであります。と申しますのは、実態のつかみ方が違っておった。私は現在の日本の原子力利用の発展の過程におきましては、これが将来どのように発展をして参り、どのように利用されて参るかまだ未知である。従って原子力に関する一切の特許、一切の、どういう言葉が適当かちょっとわかりませんが、基本になるべきものは、これは政府が持っておるべきだ、もしくは政府の機関が持っておるべきだ、そして将来この原子力の利用に関しては、国民が平等の立場においてこれが利用できるようにいたしておくべきものだという考えに私は立ちまして、今この研究発展の過程においては、公社においてこれをやるがよろしい、特に国家資本を多分に使用いたすことに相なるものと考えますから、私はその主張をいたしたのでございます。ところが一方民間におきましていろいろの意見もあり、民営でこれをやる方が発展が円滑で速度が速いというような主張もあったわけでございます。そこで民間資本の会社にいたしたのでございますが、私のただいま申し上げましたような配意も、実は一部の者に独占せしめないというようなこと、さらにいずれ近き将来に原子炉の受け入れをいたします際におきましては、当然財政投融資を多額に要することでございましょうから、そういう際にはあらためてこれをどういう形式にするかということは検討するということで、そこに進むまでに、停滞を許しませんから、一応ただいまとっておりますような形式をとって発足をいたし、そして自由にその事務が進行するようにしておきますということでいたしたわけでございまので、正力さんのおっしゃることもごもっともと考えて、私はそれに同意いたしたわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 実はこの問題で当時科学技術調査特別委員会で、正力国務大臣の意見も伺ったわけなんですが、今長官の御意見も暫定的な措置といいますか、そういうような点でと、こういうような点では同じような発言のように思います。そこで、最初こういう重要なことは、基本的な問題は政府の負担ないしそういったところで持つのがよいんじゃないか、こういうふうに考えているとおっしゃいました。現実にできております日本原子力発電株式会社にいたしましても、直ちに電力を起すとかというようなことでなく、原子力発電に関しまして調査研究をして、そうしてこれが現実に発電、送電にまでいけるかどうかということなんです。そうしますと、民間の今の受け入れ会社、こういうところでなく、現在の日本原子力研究所はいわゆる原子力平和利用についてはそれを調査研究することをもって主たる目的とするということでできておるわけでありますが、そういうところでやらしたらよいじゃないかと当時も主張したのです。現在もそう考えておりますが、今長官がおっしゃるように暫定的と言うならば、私は暫定的ということはいわゆる現実に発電まで持っていくかどうかを調査研究する段階である、こういうことなら日本原子力研究所で十分じゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 確かに御意見のような点は私も首肯できるのでありますが、ただ現在の原子力法でやっております東海村の研究所におきましては、政府関係の発言力が非常に強うございまして、事務の進捗上いろいろな点において支障があり摩擦があるというのが現実の問題でございまして、それなるがゆえにこれで押し切るべきだということにはなりませんけれども、しかし現実は現実として民間から十分な協力を得て民間の会社において十分協力いたしたいという申し出がありましたので、今私は正力さんのおっしゃるようにいたしております。いずれ基本的にこの問題を国内において取り入れてやります際には、必要がありますれば法律処置をとる必要もあるでありましょうし、もしくは今お説のようなことにしなければならぬ場合も起ってくるかもしれませんし、いずれそれはその段階においてさらに再検討するということで、この原子力の進歩と申しますか、研究に遅滞を許さないというような意味合いから、最も便宜な方法をとるということでやっておるわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 便利な方法をとる、便宜主義といいますか、そういうことのようですが、日本原子力研究所の運営の問題の関係から、日本原子力発電株式会社の設立を許した、こういうような感じを受けるのですが、またこれが現実的なものになった場合は別に考えるのだ、こういうことなんですけれども、現に十億でしたかの資本をもって会社が発足しておるわけです。そこで何らかのことをやった、調査なり研究をやった、そういうときになってから、それを取り上げるというようなことが現実にできるんでしょうか。必要だから今度はこれを全部取り上げて公社なり政府機関でやるのだ、こういうようなことができますでしょうか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 これは御承知の通り私は最初の主張を変えたのではないのでございまして、必要が生じてくれば、たとえば電源開発会社のような形式をとることも可能でありましょうし、民間資本と政府資本を双方出し合った日本航空株式会社のような形式のものも可能でございましょうし、いろいろな最も妥当通切な方法があると私は思うのであります。従って今のものを基礎にしてその上にかぶせるということは不可能じゃない、そしてこれに公益性を多分に持たして会社の経営をさせるということは可能である、必要があればそういうふうにしていくことがいいのじゃないか、それまでの間は十分に民間が自由に研究するという熱意を私としては了承したということでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 ただいまできております受け入れ会社は、御承知のように商法によるところの民間会社です。従って長官はそうおっしゃいますが、何年か先にいよいよ実用化に入ったときに相当問題があるのじゃないか、しかも長官が最初からおっしゃっておるような、この原子力のいわゆる平和利用に関連する、将来の大きなエネルギーのもとをなす原子力利用について、民間会社、一資本会社にこれをまかすということは、私はいけないと思う。われわれとしては公社といったような形式を望んでおるし、またそのことが、いわゆる原子力基本法の三原則を守る上においても絶対必要じゃないか、こう思っておりますので、いつも気の強い長官が途中で何か妥協せられたということを不思議に思っておるのですが、私は、公社形式といいますか、公益性のあるものであるから、一資本に従属させないという方向を貫いていただきたい、このように思うわけなんです。  そこで続いてお伺いいたしたいのですが、この日本原子力発電株式会社の設立について、われわれは大きな疑問を持っております。先日も科学技術委員会においてそういうことを出しましたが、電源開発促進法ですか、あれは所管はこちらということで、正力さんの十分な答弁ももらえなかったので回す。そこで所管の大臣から承わりたいのですけれども、御承知のように電源開発促進法は特殊法人として、いわゆる商法、会社法の特別法をなしております。そうするならば、解釈は厳格にすべきだ。しかもその目的は、条文は忘れましたが、十三条だったかと思いますが、これには電源開発株式会社のなし得る行為を一々個条書きに書いておるわけです。それには、只見川がどうだとか、あるいは天竜川がどうだとか、こういうふうに書いて、最後にただ火力ということだけが入っているだけなんです。しかもこの電源開発促進法は昭和二十八年にできたものであるから、当時は原子力発電ということは考えていない。そうするならば、この十三条だったと思いますが、そこの火力というのが原子力発電を意味するのかどうか、こういうことが問題になったわけです。長官はどうお考えでしょうか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 これは実は火力の中に原子力を含めて解釈することになっておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 火力の中に原子力を含めて解釈するというのはどこできめたのですか。しかもこの火力は、化学的な作用ということだと思うのです。物理的なものではない。しかも昭和二十八年にできたこの法律が、当時原子力発電なんかを想像してはいない。こうするなら、特別法の関係から、これは当然法を改正する必要がある。でなければ、電源開発株式会社は法律以外の行為をやっておる。すなわち原子力発電株式会社に投資をすることは法律違反であって、この原子力発電株式会社の設立には瑕疵がある、こういうこうに考えておるわけなんです。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 この電源開発促進法の第二条に「『電源開発』とは、水力又は火力は火力による発電のため必要な」云々ということがございまして、当時火力に原子力を含むかどうかという問題がございまましたけれども、大体含めてよろしいという解釈になったのでございます。もちろんこの原子力の熱を用いまして蒸気を発生いたしまして、それによって在来の火力と同じような方式で発電するわけでございますので、もしも原子力がじかに蒸気を用いずして電気に変えられるというような場合になりますと、この火力の中に含めるにはやや問題があると思いますが、現在考えられております原子力関係法律は、この火力を拡張解釈して、含めてよろしいという解釈に立っておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 その最高解釈はどこでせられたのですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 当時関係官庁及び法制局にも相談して、そういう解釈になっておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 この問題を取り上げたときの科学技術振興特別委員会では、大体これを改正する、こういうような話があったと記憶しておる。しかし科学技術庁の所管法律でないので、経済企画庁の方へ連絡するということで了承したと思う。何なら記録を見てもらってもいいと思うのです。もちろんこの問題について学者の見解も、参考人としてここへ来てもらって求めて、また法制局の見解も求めました。しかし二十八年当時に作った法律が原子力発電というようなことを想像しておったかどうか。しかもこの火力という意味は、いわゆる熱からくるところの化学的な作用で、物理的なものじゃないというようなことは、その当時学者からも聞いた意見だと思う。そこでわれわれは火力に入るというなら、日本原子力発電株式会社の設立に瑕疵ありとして訴訟を起す、そういうような話もしたのですが、これはそういうことで裁判所に持っていって、火力の中に含むのだということについての自信がありますか。当時社会党の科学委員会では訴訟を起してまでもということの話があったわけであります。そういう話があったから聞いたのですが、どうなんですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 これは法制局の解釈に従うほかないのでございますけれども、法制局は含めるように解釈してよろしいということを言っておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 この件は法の解釈上の問題ですから、またあとにいたします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 関連して。解釈だけでは済まない問題が将来起るのではないか。なぜかと申しますと、他の火力発電についての政府の許可認可というものと、原子力発電の取扱いとが必ず相違してこなければならない問題が起ってくる。これらの点を整備しないで直ちに火力の中に含まれるというような解釈をとられますと、将来電源会社が原子力発電に発言権を持つか持たないか、あるいはそれを規制するのかしないのかという問題に非常に関連してくる問題だと思う。ただ言葉だけにとらわれておりますと、あとで非常にめんどうな問題が起きるということは、長官自身お考えになっておると思うので、長官から一つお答えを願いたい。事務当局は言葉じりだけで問題を処理しようとするのでありますが、これは政府として非常に困った問題が起るのではないか、こう思われますので、この際長官から明瞭な御答弁をいただきたいと思います。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 お話のような点もあるかと思いますけれども、御承知のような経過ででき上ったものでございます。しかしこれは法に抵触するようなことは、いかなる場合にもあり得べからざることでございまして、政府といたしましては一応株の構成をこういうふうにしよう、一体電源開発株式会社法はどうだ、可能なりやいなやということについて十分調査検討いたしまして、そうしてただいま政府委員がお答えいたしましたように、法制局の解釈が今申したようなことでございましたので、ああいう定款をとったのでございます。今川俣委員のお話のような点が起って参りますれば、ちょうど憲法九条の解釈のようなもので、これは改正しなければいかぬか、しなくていいかというようなことだろうと思うのでございまして、必要が起ってくれば改正するという事態もあるかもしれません。今さしあたりましては、法制局の解釈によってわれわれやっておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 無理に解釈しておくことによってあとで非常に問題を起すよりも、法制局に無理な解釈をさせないで、やはり将来の方針をきめてから解釈に移った方が妥当ではないか。二十八年当時原子力発電というものを考えていなかったことは明瞭です。当時から入っておったのだという解釈は、法制局の三百代言的な解釈だと思う。やはりその後の取扱いが火力発電と同一に取り扱えないことは当りまえのことですから、同一解釈をしなければならないということになると、政府は必ず制約されるのではないか、今後の行政上に非常に大きな影響を来たすのではないかと思うのでお尋ねしたのです。長官に法律の解釈を聞こうと思ったのではなくて、これは法律の解釈以上に非常に大きな政府の責任の問題でもあるので、あいまいでないように処理しておきたい、こういう意味でお尋ねしたのですから、もう一度長官から御答弁願いたい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 これは法制局の解釈に従ったのです。これはどうでしょうか、火力発電といえば石炭と重油、そのうちにまた新しい何か熱資源が出てくれば、それを使って火力発電をやることになる。一つの熱資源として原子力が使われるという解釈——火力発電をやることがいいか悪いか、その火力の動力源は何であるか、これは石炭と重油と二つを二十八年にきめておったということはないのであって、あまりむずかしいことを言うとしかられるかもしれませんが、熱資源を使って水を蒸気にかえて、それでもってタ—ビンを回すということだけでしょうと思いますから……。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 右へならへで同じような許可条件でやれるか、やれないか、それでおのずから違ってくる。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 それはそういう問題になってきたときに、おのずから新しい原子力に関する単行法を作って、そうしてどうするかということは、そのときに起ってくるだろう。しかしさしあたりは今の電源開発会社の法律を解釈する場合には、今のような解釈で妥当なりという法制局の解釈に従ってやっておるというわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 当時も法制局の方は、含むという解釈をしておりました。われわれは学者等の意見を求めて、大体含まない、こういうように考えておった。この点についてはなお一つ御検討願いたいと思います。もし含まないのだということになれば、原子力発電株式会社へ電発局が投資したことが違法だということになる。この会社の設立行為自体に瑕疵がある、こういうことになると思う。この点はそういたしておきまして、それと同時に原子力発電というようなことになれば、相当関係法令も改正する必要があると思いますので、そういう点の整備はいたしていただく必要がある、こういうように思っております。  次にお尋ねいたしたいのですが、将来原子力発電をやった場合に、電気料金がどういうようになるか、こういうことについて長官はどういう見通しを持っておられますか。当時正力国務大臣は一キロワット・アワー六円何がし、こういうことをだいぶラッパを吹かれたようですが、その基礎をお尋ねしますと、どうもこれが、何が何ぼ、こういうようなことだったのですが、その中に全然補償費というものが入っていない。たとえば今日核実験用の原子炉を作るために、宇治でもあれだけ騒ぐ。阿武山も今日まだ決定していない。こういう状態です。いわんや動力炉といったような大きな原子炉を作る場合にいろんな問題があろうと思うのですが、電力料金の決定にはそういう問題も考えていかなければならぬと思うのですが、長官は大体どのくらいな値段で発電ができるのだというようなお考えでおられますか。正力国務大臣が六円幾らと言っておるが、こんなのはでたらめだと思うのですが、どう思いますか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 私は非常に不勉強でございまして、原子力発電の結果、どの程度で生産費を償うか、どういうことになるかということについては、今勉強しておりませんから、答える能力を持っておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 それでは長期経済計画の中の五十ページの(2)電力のところですが、三十七年では全然原子力発電は考えていないわけですね、水力、火力何万キロワットと書いてありますから。五十年になると、七百万キロワットのA案と四百万キロワットのB案を持っておる。こういうことなのですが、これは三十七年ではまだ原子力で発電はできない。こういう見通しなのですか、正力さんはもう五年もたてばやれる、こう力んでおりますが、だいぶ食い違っておると思いますが、いかがでしょう。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 この計画では、原子力がまだ確定的でございませんでしたので、一応三十七年の数字には入っておりませんのですけれども、しかし現実には、たとえば資金の面などについてはすでは三十三年度から考えていく必要がありまして、内容的には入っているもの——場合によれば、十五万キロのものが三十七年に間に合うかもしれないという解釈でございまして、ただ不確定要因がございますので、計画にはっきりした形では入れておらないという姿になっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 経済計画の中にあって現実に原子力発電が実用に供せられるのは一体何年ぐらいの見込みを持っておられるか、それから五十年にA案では七百万、B案では四百万と、三百万も違った計画があるようですが、これはどういうところからABという考え方があり、そうして将来どっちの方へ、Aの方へ考えておられるのか、B方へ考えておられるのか。それから今長官は、料金については全然わからぬ、こういうこことですが、やはり電力料金を将来考えていく場合に、現実に原子力発電をやった場合に、料金がどうなんだ、それからついでですが、電力料金で、これは午前中も質問があったと思いますが、どういう対策、態度をもっていかれるのか、いうならば政策料金でいかれるのか、それともいわゆる原価主義といいますか、そういう点でいかれるのか、原子力発電についてはどういうふうに考えておられるのですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 先ほども申し上げました通りに、原子力の問題は私は急速に日進月歩するだろうと思っております。今の常識が、おそらく一年後には違ってくるような事態が起るのではないかという考え方を実は私はいたしております。そういうことでございますから、今ここで五年先のことを、どの程度に料金がなるだろうとか、今の程度の原子力ならばこれはそう大したことじゃないが、しかしこれがどの程度に高度に進歩いたしまして、これが平和利用されてくるかということについては、相当に私は見るべきものがあるのではなかろうか、そう思いますがゆえに、これを一民間に帰属せしめることはよろしくないということを強く主張しておるわけでございます。五年先、十年先を期待いたしまして、私は強く、実は所管外でございましたが、正力大臣にも意見を具申したわけでございます。従いまして、私は今ここでこれが五年先に料金がどうなるだろう、どの程度の計算でできるだろうということは申し上げられませんが、画期的に飛躍的にわれわれ人類を稗益するものが生まれてくるだろうということを期待いたしております。しかし、何分にも長期経済計画におきまして、努めて現実に、これをぜひ実行するということにいたしておりますから、この中には取り上げていないということでございまして、十年先もしくは五十年度のことにつきましては、今そこにA案、B案があるが、どちらをとるかということになりますれば、これは先ほども申し上げました通りに、原子力に関する専門家の意見を徴しまして、そうしてそれらの意見を取捨検討いたしました結果、そこに参考に書いてあるということだと思うのであります。何分五十年度動力源に関する限り長期計画が必要でありますから、相当長期にわたっていたしておりますが、一応この長期計画は五ヵ年程度のところの現実性を見てわれわれの指針といたす、どうせこの長期経済計画は、世界各国どこでもやっておりますように、二年、三年経過いたしますれば、一応五年の目標を立てておりますけれども、また三年、四年たったところで、そのときの情勢によって改訂をしていく必要の起ってくることは当然だと思っております。従って先のことについては、研究、注意はいたしておりますけれども、しかしこれについて今私がとやかく発言する段階にまで至っていない。電力料金一般につきましては、先ほども申しました通りに、動力源については産業発展の基盤になることでございますから、政府としては政策的に考えていくべきものだと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 時間が許せばいろいろお伺いしたいと思うのですが、これだけで終りたいと思うのです。今の御答弁によりますと、将来電気料金は政策料金にしたい、こういうふうに解してよろしいですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 先ほど詳細に申し上げました通りに、今電気料金の調査会を作っておりまして、そこでどういうふうに電気料金をしていくべきかということを研究していただいております。その研究の結果を待って、政府は具体的に善処をいたすべきものと考えておりますが、これを総じて申し上げますれば、石炭といい、電力といい、産業の基盤になる問題でございますから、国際競争にわが産業界を有利に発展せしめる上においては、政府は十分政策を加味して保護を加えていくべきものだというふうに考えております。

八木一郎自由民主党

○八木主査 北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 簡単に二、三お伺いしたいのですが、第一は東北の開発のことであります。これは、昨年法律もできまして、開発公庫の資金、それから東北開発会社の資金、この二つが東北に投入をされるわけですが、三十二年度の開発会社の方の資金は、当初二十五億であったのが、実際には十五億くらいになったというふうに聞いておりますが、正確なところどの程度になったか。それから三十三年度の北海道東北開発公庫の方の資金ワクというのは百四十一億になっておりますが、これはどういう算定の基礎を持っておるか、こういう点をまずお伺いしたいと思います。

伊東正義総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○伊東政府委員 前段の開発会社の点でございますが、三十二年度は、今おっしゃいましたように、当初二十五億、五億が出資でございまして、二十億が社債ということに決定をいたしておりましたが、年度の途中におきまして、経済界の変動がありました際に、社債の二十億のうちの五億は繰り延べというような決定になりまして、実際の仕事は二十億でやるというようなことで現在まで進んでおります。今まで会社から事業計画が出て参りましたものは、大体初年度でありますので、従来の既存の直営工場を強化しようということで、岩手のセメント工場でありますとか、あるいは福島の石灰窒素工場でありますとか、あるいは木友の亜炭鉱業というようなもののほかに、東北造船を一つ加えまして、認可いたしましたのは十七億八百万円ばかり認可いたしております。今年ももうあとわずかでございますので、今の計画といたしましては、これ以上新規なものには手をつけないで、十七億という事業認可の範囲内でやったらどうかと考えております。その中で現実に今年度資金が要りますのは、今おっしゃったように大体十五億でございまして、これはいろいろ仕事に手をつけましても、今年度中に支払いを要しないものもございますので、大体三十二年度は十五億の資金、五億は出資で十億を社債によりまして、十五億でやっていこう、来年度は三十億というような計画をいたしております。  それからもう一つの北海道東北開発公庫の資金の問題でございますが、これは三十二年度は御承知のように当初百六十九億ということでございましたが、これも五十億繰り延べになりまして、現在は北海道と東北合せまして百十九億ということで進んでおります。来年度はこれに対しまして、百十九億より増加いたしまして、資金源といたしましては百四十一億ということで参っております。これは七十五億が預金部資金から借り入れ、三十五億が公募債ということで百十億でございまして、そのほかに今年度たな上げになりました五十億のうちの二十五億と、さらに自己資金六億をもちまして、合計いたしまして百四十一億、三十二年度は百十九億でありますが、来年度は百四十一億という資金計画でやっていきたいという計画になっております。これを北海道、東北どういうふうに分けて使うかということにつきましては、まだ関係当局の間で話し合いがきまっておりませんので、今後の問題に残しております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 三十一年度の開発公庫の力の百十九億は、実際上どの程度に消化できる見通しですか。

伊東正義総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○伊東政府委員 これは百十九億全部消化できるという見通しでございます。たとえば東北について申し上げますれば、ことしは一月末までに三十六億ばかり融資の承諾をしまして、二十九億くらい金が出ております。三月末までには四十五億の承諾を全部いたしまして、そのうち百十九億に見合います金の融資は完全にできるという見通しで今進んでおります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 開発会社の方の今年度の三十億ですが、これは開発会社のことしの資金計画、事業計画は八十三億の案が政府の方へ出されておる。これが三十億に査定をされたわけでありますが、大体どういう事業を取り上げられたか。政府としては八十三億の計画のうち三十億を認められた。その三十億というのは、八十三億が査定されて三十億になったと思うのですが、どの事業が認められたか。これはこまかい計数は聞かなくていいのですが、大体の事業の大きなワクというものがあって、そして三十億ということが出てくると思うのですが、どういう仕事をおやりになるのか。

伊東正義総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○伊東政府委員 今御質問の三十億の内容でございますが、八十億が出ましたときには、内容にだいぶよけいなものが、たくさんの種類のものが出ていたのでありますが、三十億ときめます場合には、一応内容につきましてはもう少しよく検討した上で最終的な決定をしようというようなことになっておりまして、今会社で来年度実際具体的にどういう仕事をしようかという案を鋭意作っておる最中であります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 そうすると、なんということなしに八十三億を三十億にしたという、大づかみというか大体の見当で三十億という数字をはじき出したというにすぎないわけですね。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 全くの見当ではないのでございまして、八十何億の事業の中から大体のものを選びまして——これは私自分で意見も加えました。そうしてある程度のものを選びまして、これらのうちから、なお大蔵省ともいろいろ話し合いもいたしまして、そして最終的にはまだ申し上げる段階に至っておりませんけれども、ごく近日に決定をする予定でおります。従って内容は全然なしというものではないのでございまして、第一次、第二次、第三次と順に検討していってすぐっていった結果、これらのものが適当であろうという段階に今なっておるわけでございますが、まだもう少し内容を検討しなければならぬものもありますので、もうしばらく御猶予をいただきたいわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 そうしますと、企画庁としてはもう大体の方向はきまっている。ただ大蔵省と折衝の段階だからまだ最終的にはきまらぬ、こういうことでありますが、しかしこの企画庁の決定した第一段階、第二段階というようなことは、何も秘密になさる必要はないと思いますので、事業の種類、たとえばハード・ボードをやるとか木材糖化をやるとか、そういうようなことくらいはお示しになってもいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

伊東正義総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○伊東政府委員 今大臣から御答弁ありましたように、全然白紙できまったということではございません。われわれとしましても、今北山分科員がおっしゃいますように、東北で仕事をやります場合には東北開発として一番いいのはどういうことなんだ。未利用資源と、今おっしゃいましたような木材資源でありますとか、あるいは石灰石の資源とかいろいろございますので、小さいものはやめまして、そういう大きなものについて重点的に仕事をやっていこうじゃないかというようなことで、ある程度のものを考えまして実は三十億ということにきめたのでございますが、それじゃ実際具体的にどういう仕事をどういう規模でやるということについてはまだ最終的な決定はいたしておりませんで、今後会社、われわれ、財政当局相談の上で最終的に決定いたしたいというように思います。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 ちょっとおかしいのじゃないですか。先ほど長官のお話ではみずから筆をとってきめたというふうなお話なんで、企画庁としては決定されて、あと大蔵省と折衝の結果、いろいろの変更があるかもしれぬが企画庁のお考えは示されてけっこうじゃないか、示さないということはむしろおかしいじゃないかと思うのです。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 おもなものはきまっておるわけであります。筆をとってといっても私が別に計画を立てたわけではございませんが、出てきておるものを見まして、意見を聞きましてよかろう、悪かろうという意見を述べた、こういうことでございまして、おもなものはきまっておりますが、まだこまかなものは——こまかなと言ったら語弊があるかもしれませんが、まだ未決定の分もあります。それを大蔵省当局とも打ち合せをしなければならぬようなものもあります。こういう段階になっておる、こういうことであります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 そのきまったおもなものをここでお示しはできないのですか。

伊東正義総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○伊東政府委員 三十億ときまります過程においてわれわれ考えましたのは、先ほど北山さんからお話がございましたように、東北でまだ開発される余地が多分にある木材を利用した木材利用工業でありますとか、あるいはあの会社がセメント、カーバイト等において相当コークスを使いますので、あるいはそのコークスも利用し、できるガスも東北で利用するというようなコークス工業も考えたらどうだというふうに業種の種類としては考えております。またセメントの問題等につきましても、あの経済単位であそこがあれでいいのかどうか。もう少し経済単位として大きいものを考える必要もあるのじゃないかというようなことも一応考えました。大きなものにおいてはそういうものでございます。それから金額としまして、今まであの会社がうまくいかない一つの理由に運転資金というものを全然見てなかったのでございます。それで来年度は三十億の中で相当な金額の運転資金も考えたらいいのじゃないかというので数億にわたるような運転資金を考えております。事業としてはそういうものを考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 それでは具体的にお伺いしますが、従来問題になっておりました岩手県のセメントですが、現在建設中のあれはこの前総裁のお話を聞きましても、やはり販売上シャフト・キルンだけでできたものは工合が悪い。これをさらにロータリー等の進んだ炉を併設して、そうしてこれをまぜて売る方がよろしいというような希望意見みたいなものが出たわけであります。また企画庁としても、たしか政務次官から、そういう内々お話を聞いているので検討中であるというようなお話もあったのですから、企画庁としてきまったその三十億の大体のワクの中でセメントのシャフト・キルン以外にロータリーなり何なりを併設するという計画が入っているかどうか、これを伺いたいと思います。

伊東正義総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○伊東政府委員 これは最終的な決定はいたしておりませんが、今お話のありましたようなシャフト・キルンの製品だけでは商品としてどうかというような見地でなくて、あの工場が今の経済規模で経済単位として成り立っていくかどうかというような見地から、あるいはもう少し増設をする必要があるのではないかというようなことで一応資金のワクとしては入れてございますが、最終的にまだどういう形のものをどうするというところまではきめておりません。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 この問題はいろいろと複雑な内容を持っておりますが、時間もありませんから簡単にしておきますが、当初の計画が十四億で、シャフト・キルンだけで製品を作るのだ、物は少し悪いけれども安くできるのだということで発足した。ところがいろいろとそれに追加をして当初の十四億だけでは足りない、一億数千万はみ出す、三億数千万はみ出すというようなことでいろいろ計画が変ってきているわけです。さらにロータリーまで併設しなければならぬというようなことに変ってきていること自体が問題でありますけれども、当初の計画だから意地になってシャフト・キルンだけのものを作らなければならぬのだというような必要はないと思うので、いろいろ技術的な問題も検討されて、将来の製品の販売上工合が悪いという結論を得ましたならば、今年は幸いにして三十億のワクもあるのですから、遠慮なく追加をして計画を変更なさってもいいのではないか、ただしそうする場合においては当初の計画をされた東興あるいは経審の担当者はずいぶん見通しがきかない、ずさんな計画を作ったものだという批評と責任だけは残ると思うのですが、今の経企庁としてはこういう方向で進んでいいのではないかと思いますので、この点申し上げておきます。  それからもう一つの問題は、経済白書等を作って企画庁はお出しになるわけですが、三十二年度の白書についてはいろいろな批判があるわけであります。大へんできがいい、今までの白書とは違うということでほめている者もありますが、ずいぶん批判が多いのです。その中で町の経済評論家、エコノミスト等の批判の中には、たとえば稻葉秀三氏のごときはこういうことを率直に言っているわけです。どうも政府側の自己批判がはなはだ不足ではないかということなんです。とにかく昨年の経済の変調というものは歴史的なものであって五月ごろまでは神武以来の景気だといわれておったものが突如として不景気に転換をした。政策もそれにつれて大転換をしたということでありますから、一体なぜそういうことになったかということについては国民としては非常に疑惑を持っている。それに答え、それに説明を与え、かつ政治、政策運営の面において適当でないものがあれば、政府としては率直に批判すべきではないか、こういうふうな気持がエコノミストばかりではなくて、国民の一致した気持だと思うのです。それに対する自己批判、政府の反省というものがはっきりしない、こういうことは今でも言われているのです。こういう点について政府としてはどう思っているのか、今度の国会の予算審議等で一番問題になるのはまずこの点ではないかと思っているのですが、どうも今までの審議の経過では政府はあいまいな答弁しかしておりません。さらに町の経済評論家ばかりじゃなくて、経済白書を作った企画庁の調査課長がこの解説を出しておるのです。これは「経済ゼミナー」という雑誌ですが、「経済白書の主要点と解説」という中で実に適切な解説をやっておるのです。その中にこう書いてある。「以上見たように、日本の経済の拡大ははりきり過ぎた民間投資、貸出競争にあせった銀行家、これを抑えなかった中央銀行、そして神武景気の上に積極財政を加えた財政当局にそれぞれ責任があると思われる。以上に示したように景気の行きすぎには、ハリキリすぎた産業界、貸出競争をやった市中銀行、抑えなかった日銀、神武景気に積極策をプラスした政府当局の四者にそれぞれの責任がある。しかし責任の最も重いのは、民間ではなく、日銀を含めた中央当局であると思われる。」こういう批判を白書を書かれた政府の企画庁の調査課長さんが表明しておられる。こういう見解に対して企画庁長官はどのようにお考えですか。間違っていると思いますか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 私もその通りと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 そうすると特に政府、日銀に最も重大な責任があると言われておるのですが、政府はどのような責任をおとりになったか、これをお伺いいたします。また政府としては鳩山内閣もあり、石橋内閣もあり、岸内閣もあり、三代にわたっておるのです。一体その内閣が共同責任を負うのか、どの政府がどのような責任をとっておるのか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 それは官民一体となって再びこういうことを繰り返さないようにしなければならぬ。われわれといたしましても実はそれを十分考えまして、緊急施策によってこの災いを転じて福となすように努力いたしておるわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 それじゃ政治というものは責任じゃなくてすべて反省ということにした方がいいですよ。責任という言葉を反省という言葉に引き直して、間違ったから直します、これで済んでしまう、戦争を起して、悪かったと反省して今度はやり直すのだ、こういうことで済むのでなくて、その政策を転換し、あやまちを直すということは当然のことであります。であるが、政治責任というものはまた別個にあるのじゃないか、少くとも岸内閣が多少の責任があるとするならば——するならばではなくて僕はあると思う。今の岸内閣はやはり従来の政策を踏襲してきておる、だからあると思うのですが、その点をはっきりと表明すべきじゃないか。ちょうど経済白書の中に書いてあるものを基礎にして、この白書を作った調査課長が言ったようなはっきりとした自己批判を政府はすべきじゃないか。これがなされていないのは不当じゃないかと思うのですが、政治責任というものはそういう形で明らかにされなければならぬ、そうして国民の審判を仰がなければならぬ。そこで初めて責任政治ということになると思うのです。ただ間違えました、それに気がついたから直しました、それじゃ責任政治にならぬじゃないですか、どうなんですか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 御承知の通り、そこにも一部示してあります通りに拡大均衡、完全雇用ということは政府の予算の理想でございまして、それを具現することに民間の理解ある協力が必要であったわけであります。ところが政府の考えておりますところに——これが政府の予算措置だけでありますれば私はそういうことにならなかったと思うのであります。ところがここに必要以上の拡大した設備があり、必要以上の輸入があったというようなことも実はああいう事態が起った一つの要因であったと思うのであります。そういう意味からいたしまして、私は政府といたしましても十分にその点については責任を感じておりますと申し上げたのであって、これは政府だけの責任でそうなったのじゃない、さればといって政府に責任がないかといえば政府は責任がありますと、こう申し上げたのであって、これは全体として反省をし、全体として十分考慮しなければならぬ点であるというところで、今回の長期経済計画におきましてもこれらの点を十分根拠に置きまして作っておる、こういうことでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 産業界あるいは銀行にそれぞれ責任があるということはその通りなんです。しかしそのことは産業界あるいは銀行の方で感じて直すことであって、政府はそれと同罪だからということは言いわけにも何にもならぬ。政府は政府として責任を表明すべきなんです。ですから今の企画庁長官のお答えは、政府にはこの日本経済の行き過ぎ、暴走について、政策指導者としての政府として責任がある、そういうふうに明確に言明をされたと考えてよろしゅうございますか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 私は政府の当局者といたしまして、その事態を今から反省いたしまして、正確に申しますれば後段に申した通りであります。しかしこの事態に対して民間の理解が足りなかったということは、これは民間のことでありますから、その当時のことは政府においても責任があるということを私は率直に表明をいたしたのでございます。従って政府はいち早くこのことを反省をいたしまして、緊急施策によって未然にその災いを防ぐということでやって参っておる、こういうとだと思っております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 政府として民間の方にも責任ありと政府の立場から言えることは、昭和三十一年なりあるいは三十二年に、事前にこういうおそれがあるぞといって政府が産業界なり金融界にこれを警告をするとか、何らか措置をとって、それでも銀行や企業家が聞かなかったというならばそういうことも言えるかもしれない。しかし何もしていないじゃないですか。むしろそれに拍車をかけた。なすべきことをなさないばかりでなくて、なすべからざることをなしたのです。これは鳩山内閣から石橋内閣に移り、岸内閣に移ってきましたから、それで責任がどうも明確を欠くのです。責任があると言われますから、それならば鳩山内閣にどの程度あるのか、どの点があるのか、石橋内閣に主たる責任があるのか、岸内閣にはないのか、そういう点についての御見解はどうです。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 経済の流れのことでございますからどこでどうということは言いにくいと思うのであります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 経済の流れというよりは経済政策の問題なのです。政治の運営の問題だと思うのです。今までの三代の内閣のとってきた経過から見れば、やはりどれにも責任があると私は思う。そうすれば率直に言えば一萬田さんでも池田さんでも、これは財政家としては落第じゃないか、こう思うのですがどうでしょうか。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 私はその御質問にはお答えしにくうございます。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 これは昨年の臨時国会で大臣にお伺いしたときには、設備投資したもののやり過ぎをしたものは悪いのだし、あながち政府だけのあれじゃないということを言われた。明確でなかったのですが、きょうはある程度明確にお答えになったからそれ以上申し上げませんが、やはりこれは縦横十文字にその当時の政策から何から、やはり十分な検討をされ、論議をされることが必要じゃないかと私は思いますので、きょうは時間がありませんから以上の点だけをお伺いをして私の質問を終っておきます。

八木一郎自由民主党

○八木主査 大臣はお急ぎのようでございますから簡潔にお願いします。川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 電力料金についての点たけお尋ねいたします。実は日本の蛋白資源であります北洋漁業の問題についてお尋ねしようと思ったのでありますが、時間がないそうでありますから割愛いたしまして、電力料金だけお尋ねいたします。電源会社または電力会社の計画設計がずさんであったために起って参ります損害は、いわゆる電力料金のコストとして入れるべきものと考えておりますかどうか、この点を一つ明らかにしていただきたい。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 その点は場合によるかと存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それでは具体的に。計画設計がずさんであるというような場合の一番大きい損失はダム効率の低下でございます。すでに佐久間ダムも計画設計を上回った土砂堆積が発生しておるようでございます。こういたしますと固定資産の評価に非常な大きなウエートを置かなければならないことになりまして、これが電力料金に非常に影響してくるのではないかと思われますし、また既存のダムが土砂堆積のためにその効率を失っておりまして、計画の三分の一くらいでもうすでに発電能力を失っておるところがあるわけであります。中には今槇尾にできまするあの上に濁川ダムというのがございましたが、これは一昨年ですか撤去いたしておるのでありますが、このように土砂堆積のために起った損害は、これは消費者に負担さすべきじゃないと思うのですが、この点どうですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 これは一般にその技術的な設計の問題にもなるわけでございますので、必ずしも一がいには申せないかと思うのでございますが、場合によりそのケース・バイ・ケースで考えるべきものではないかと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういたしますと、場合によるということでありますが、今までそれらの設計の誤まりを誤まりとしてコストに加えなかった例がございますか。場合によるというのですから、ある場合は加えて、ある場合は加えなかった、こういうことでしょう。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 大体電力原価の計算の基礎には建設費が入っておると存じますので、電力原価にはそういう場合には加わると存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 全部加わっておるんです。ある場合によるというのですから、そういう場合を認めていながら……。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 今の電力料金をきめるのは通産省でやっておりますから、通産省の方に一つ御質問願いたいと思います。ここでは通産省と一緒にやっているのですからどうぞそちらの方に願います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこでお尋ねするのですが、これは料金に直接関係しておるということは大体企画庁も認めておられる。今後の計画においてこういう点をどうするか、これが問題なんです。これは経済全般に及ぼす影響が非常に大きい。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 これは設計の悪いということもあったかもしれませんが、天然現象の場合もあると思うのです。それからまた山林の過度の伐採をしたというような別の要因があるだろうと思います。従いましてこれを単に今川俣さんのおっしゃられるように設計のずさんばかりに責めを帰するわけにはいかぬ。しかしいずれにしても建設費が電気料金に入ってくるかこぬかということは同様のケースとして考えなければならぬと思うのですが、先ほど申し上げましたように、電力料金の決定はコスト主義にそう私は深く重点を置いていくべきではないという建前をとるわけであります。これは先ほどもお答えしたのですが、石炭とか電力料金とかいうものについては、政府として政策料金というのは当らぬかもしれませんが、可能な限りにおきましてこれに援助、協力をしていく態勢をとっていくべきだというふうに考えておりますので、従って全面的にこの山林の崩壊等のないように十分農林当局に御協力願うようにしていきたいと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこで問題です。この水資源の保護培養の責任が一体電力会社にあるのか、または政府にあるのが、どこにあるのだという問題によって、これらの問題が加算されるかされないかという大きな分れ道になると思うのです。そこで自然現象から起るといいましたけれども、これらの水をどう確保し、どういうふうに保存するか、さらに上流において保存するがということがだれの責任であるかということが明快にならなければならぬと思うのです。もしも政府の責任だということになりますと、治山治水について、これは建設省も同様であろうし、農林省も同様でありますが、どのようなことを考えていかなければならぬかということになるだろうし、また総合計画の元締めであります企画庁といたしましては、将来の電源確保のためにどう処置していかなければならないかという対策が当然出てこなければならないと思うのです。下流において水を利用する農地あるいは工業用水あるいは電力会社、これらがこれらの水確保並びに保存のために犠牲を払わなければならぬ、あるいは総合的に国家の公共事業として見ていかなければならぬ、この問題もあると思うのです。だからどっちに責任があるがということが明快にならないと、この負担は電力会社の負担とするか、あるいは政府の負担とするかという問題になってくる。もしも政府が施策を誤まってダム効率が下った場合において、これを直ちに長官の言う通り、そういう欠点があるのであるから政府が負担をするというのか、あるいはもうけておるから電力会社の負担は負担だけれども、そうしたものの防備に当るべきだというのが、ここの分れ道になると思うのです。この点は農林省とか通産省の問題じゃなくて、総合計画を立てる企画庁の明快な答弁を得たい。これだけです。それ以上はむずかしくなりますから……。

河野一郎自由民主党国務大臣

○河野国務大臣 今川俣さんのお話しになりましたのは、どちらの責任ということが割り切れるわけのものじゃない、これこそケース・バイ・ケースであって、当然そこにダムを建設しようという人は、そのダムについて十分に保護監督をし、それらの災害防除については万全を期することは当然なさるべきものだと私は思います。さればというて、国家としても非常に重要な資源を利用するのでございますから、これについてはともども協力の態勢をとっていくべきものだ。従いまして植林政策については政府は十分にやらなければいかぬ、そういう立場から私は特に東北振興の会社についても、東北の山があまり荒れておりますから、明年度においてはまずこれに木を植えたらよかろうということを強く要請しておるわけであります。いろいろありましょうが、どうかそういうことで了承いただきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これ以上追及することは無理だと思いますが、しかし外国にはこれらの区分について、国によって異なりますけれども、かなりのデーターもないわけではないのであります。今まで日本ではこの点は非常に困難だということで放任されておると思いますので、一段の努力が必要だろうと思うのであります。これ以上はやめておきますから、せっかくあなたが長官になったからには、このくらいなことは手がけるという決意だけはしておいた方がよろしい、こう思うのです。

八木一郎自由民主党

○八木主査 山本勝市君。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)分科員 時間がないようですから、簡単に経済の計画を立てる方に伺ってみたいと思います。それはこの説明書にもたびたび出てきますが、わが国経済の安定的成長をはかるということが大きなねらいのようで、文書にも書いておるし演説にもありますが、安定しながら成長していくとか進歩していく、ここにねらいがあるのだと思う。その場合に安定を破壊するいろいろな要因というものはどういうふうなものを考えておられるのかをお聞きしたい。安定をはかるといっても経済はどういうふうな要因で安定が破れるものかという、安定の破れる要因がわからぬと、安定をはかるという対策の立ちようがない。ですからおそらく安定的成長という究極目標を達成するためには、計画を立てるときにいろいろな安定をはかる要素を考え、この安定をはかる要素に対しては、こういうふうにやるとが、これに対してはこういうふうにというように考えられておるのじゃないかと思うが、まずどういうふうなことを安定破壊要因と見られておるか、一つ伺っておきたい。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 長期計画に関連して申し上げますと、私ども安定の破壊について二つの場合を大ざっぱに申して考えておるわけでございます。一つは経済の成長が大きくなりまして、そのためにインフレが起ったり国際収支の赤字が起るというケースと、経済の成長が過小になりましてデフレになって、多くの失業者が出てくる、両方のケースがあり得るわけでありますが、そのそれぞれについての現象も違いますし対策も違うかと思います。その両者の場合のズレを少くしてゆれの少い形で経済の拡大発展をはかる、そういった趣旨であります。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)分科員 私の質問の要旨がよくわからなかったのじゃないかと思うのですが、要するに安定の破壊というのは均衡の破壊だと思う。そこで経済が不安定になる、つまり均衡が破壊される。安定が破れる要因というものは私はそんな二つや三つじゃないと思うのです。たとえば新しい一つの技術がここに発明された、それが企業化するということになれば、当然に古い設備で仕事をやっておる連中はとうていそれじゃやっていけなくなる。そこで企業の安定は破れ、失業者も出てくる、これは一つのわかりやすい例だと思います。だから国家の予算に何か新しい一つの種目が出てきた、相当の額が予算に計上されることになると、そこに大きな購買力が出てきて。購買力の流れが変ってきます。購買力の流れが変ってくることになれば安定が破壊されてくるに違いない。一番簡単な例をあげましても、よくあげられる例ですけれども、皆が寄付して飛行機を作るということで国民に寄付金をつのり、ある人がかりに百円の寄付をしたということになれば、その人はタクシーに乗ろうとしていたのが百円国家に寄付したためにタクシーに乗らないで歩いて帰ることになれば、タクシー運転手は予定しておったお客が一人減ったということで収益が減ってくる。百円もうかれば何か買うつもりであったのを断念しなければならぬ。もし花を買おうということであれば、百円飛行機の方に回ってしまったために花が売れなくなったということになれば、花はしぼんでしまって収入はそれだけ減ってくる。そうすればその収入で子供のために本でも買うてやろうと思っておっても断念しなければならぬ。そこに購買力の流れが変ってくるのです。購買力の流れが変った場合に、もしアルミならアルミを買おうとした人が百円飛行機に献金した場合、そのアルミを買おうとしていた人のかわりに国家が飛行機用として買いますから、回転が変ったというだけで済むけれども、花束を買おうとしていたときには花束は飛行機にならないから、従って花束がしぼんでしまうと同時に、その花売りはそれだけの収入は得られないので購買力を断念しなければならぬ。断念すればその次の者がまた購買力を断念しなければならぬ。その次の人もまた断念しなければならぬということで、ただ飛行機献金のために百円寄付しただけでも、そこに購買力の流れが変ってくるから、当然に均衡が破れてくる。もちろん戦争だの革命だのというものは大きな破壊要因であることは明らかでありますけれども、豊作か不作かというようなことでも大きな購買力の流れが生じてくる。それが均衡を破壊してくる。そのほか貿易がいいか悪いかということも購買力の流れに変化を生じてそれが均衡を破壊してくる。こういうことであって、しかも技術が進歩する、あるいはある組織が新しくできる、自然にできる組織もありましょうし、国家が作る中小企業団体法というようなものもありましょうが、いろいろなそういう変化に応じて均衡は破れてくるのだ。つまり安定が破れてくる。それが次の安定に到達するまでの間に一定の時間を要する。しかし、国家としてはそういう均衡破壊自身は絶対に防げない。これは技術の進歩を防げないように、あるいは趣味の変化、流行の変化も防ぐことができない。ですから、そういう投資も自由、消費も自由、そうして天変地異というものを防げない以上は、均衡の破れるということ自体は絶対に防げないのですけれども、その均衡破壊からくる打撃というか、そのショックをできるだけ小さくしよう、あるいは期間をできるだけ短かくしようというようなことが、政府としての力一ぱいの努力目標でなければならぬのではないか。私はそう考えておるので、社会党の諸君の質問などを聞いておりましても、政府の施策の結果安定が破れたというような点をつかれる場合は傾聴いたしますけれども、そうではなくて、人間わざでは絶対に防げない、また防ぐべきではない均衡の破壊、不安定というものが、あたかも政府の政策の失敗のように攻撃されて、そうして一生懸命になってそれを弁護しておるといったような場合もしばしばあると私は思うのです。時間がないからあまり質問いたしませんが、ああいう計画を立てる場合には、安定的進歩というようなことは、言葉では簡単に言えますけれども、なかなか社会党が出てきても、自民党であろうが、だれであろうが、絶対防げないような、つまり均衡破壊というようなものはあるのですから、そういう点をやはりはっきり出して、答弁の場合などでも、われわれの責任じゃないということをはっきりされる必要がある。またその計画自体は、最近に書いておられるように、これは一つの努力目標であって、決してこれをそのまま実行するという意味ではないということは、最近つけ加えておってけっこうですが、まあその程度のものより実際はできるわけがない。私はたびたび経済安定委員会のときからそういうことを繰り返し申し上げておるのです。きょうも伺って、安定的進歩とか、経済安定本部なんという省の名前までついておりましたけれども、諸君はもう少し勉強して、ほんとうに安定という場合には、安定の破壊要因は十四、五ありますよ、ちょっと数えただけでも。その十四、五のいかんともすべからざる安定破壊要因をまず拾い上げて、これに対する対策をそれぞれ出していく。それをただインフレーションで通貨を膨脹さして、どんどん仕事を作って、それでみんな喜んでおる間に経済が拡大していくなんていうことなら簡単にいきますけれども、これは申し上げるまでもなしに、やがて経済全体を崩壊してしまいますから、結局われわれのなし得ることは、一つ一つの安定要因、破壊要因をたんねんに調べ出して、それでスローであっても地道にそれぞれの破壊の要因に対してこまかな対策を重ねていくという以外に方法のないもの。一挙に一つで救っていくというふうな安定方法というものは私はないと思っておる。これ以上質問いたしません。御勉強していただくように要望します。

八木一郎自由民主党

○八木主査 残余の質疑は次会に行うことといたします。  次会は明後十七日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十五分散会

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