予算委員会 第6号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/02/12
会議録
○江崎委員長 これより会議を開きます。 昭和三十三年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算、以上三案を議題といたします。 質疑を続行いたします。多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 まず第一に、総理に日ソ外交問題についてお尋ねいたしたいと思います。 去る十日、門脇駐ソ大使を通じて、日本政府に対して次のような申し入れがあったと、新聞は報道しております。第一は、北洋の安全操業交渉はソ連政府が慎重に検討した結果、領土問題と不可分である。第二は、従って、ソ連政府としては、直ちに日本との間に平和条約の交渉開始を提案する。以上の提案があったと新聞は報道しておりますが、その経過についてお聞かせ願いたいと思います。
○岸国務大臣 詳しい経過につきましては、外務大臣より御報告申すことが適当かと思いますが、大体の私の承知いたしております限りの経過をざっと申し上げます。 昨年の夏ごろであったと思いますが、北洋における安全操業の問題につきまして、当方よりソ連側に申し入れをいたしまして、最初ソ連側としてはそれに応ずるような態度であったのでありますが、その後はっきりした回答が参りませんで、数次この提案をソ連側にしたのであります。それは言うまでもなく、北洋における領土権や領海ということを離れて、安全操業の点だけからこの提案を従来しておったのであります。ところが最近に至りまして——ソ連側としては、この問題に初め応ずるがごとき態度でありましたけれども、これに事実上応ぜず、またごく最近に至って、ソ連側としては、やはりこの問題を領土権や領海の問題と分けてやることは適当でない。従って領土権の問題を含む平和条約の問題を解決して、そしてこれを交渉すべきものであるというような意味の向う側の意思を門脇大使に申し入れたという経過になっておると承知いたしております。なお、詳しいことにつきましては外務大臣より御説明いたします。
○藤山国務大臣 ただいまの御質問でありますが、若干の経過をつけ加えて申し上げておきたいと思います。 北洋の安全操業の問題につきましては、わが国零細漁民の生活権の重要な問題でありますので、日本政府としても非常に関心を持って、昨年六月三日グロムイコ外相へ門脇大使を通じて、この問題についての話し合いを始めたわけであります。さらに六月十日に申し入れをいたしまして、八月十六日にソ連側から交渉に応ずる旨の回答を得ておるわけであります。そこで、日本側としましても案を具して、八月二十九日に、日本側はこういう考え方だということを提案をいたしたわけであります。その後も数回催促をいたしました。また日ソ通商協定その他を通じて向うの方にも話しをしたり、いろいろな形において催促したのでありますけれども、これに対するお返事がなかったわけであります。十二月二十六日にフェデレンコ次官が門脇大使に、漁業委員会において、その交渉の過程においてこの問題は論議する、こういうことであったわけであります。ところが二月五日にイシコラ漁業部長が、この問題は、今御質問にありましたように、日ソの平和条約の問題と関係を持ち、またこの解決によってともに解決するのがいいというような意見を回答して参ったのであります。従いまして、門脇大使は二月七日にフェデレンコ次官に面会をいたしまして、イシコフ漁業部長の言ったことを確認いたしたわけであります。フェデレンコ次官はこれを確認されたのでありまして、従って、現在そういう状態になっております。
○多賀谷委員 正式に申し入れがあったのですか、もう一度……。
○藤山国務大臣 ただいま申し上げましたように、イシコフ漁業部長が、関連して解決すべき問題だし、平和条約の日ソ交渉の問題として取り上げていきたい、こういうことであります。それをフェデレンコ外務次官に確認をしたわけです。確認をされたことですから、そういう正式の向うの考えだ、こう私は考えております。
○多賀谷委員 日ソ国交回復宣言がなされてから二年有半になるわけですが、いよいよ日本政府も、領土、領海の問題について最終的態度を迫られておるわけです。これに対して、総理はどういうようにお考えであるか、率直に承わりたい。
○岸国務大臣 お答えをいたします。従来日本が主張いたしております領土権の問題に関しましては、日ソ交渉の経過を通じて、ソ連側が日本側の要求を認めなかったことは御承知の通りであります。しかして日本としては、日本政府といたしましても、従来日本が主張いたしております主張を堅持して、平和条約及び領土上の問題の交渉には当る決意でございます。
○多賀谷委員 そういたしますと、平和条約交渉開始が提案されますと、応ずるという態度でありますか。
○岸国務大臣 もちろんわれわれは、日ソ共同宣言を発表いたしましたときから、また二の以前から、平和条約の締結について努力をいたしてきておるのでありまして、一日も早くわれわれの要求が実現して平和条約が締結されることを、われわれは望んでおるわけであります。平和条約の締結に関する交渉にも応ずるべきものである、こう思います。
○多賀谷委員 北洋の安全操業の問題は、かなり緊急な問題であります。領土、領海の問題もまた、国としてはきわめて重大な問題である。その調整をどういうように考えられておるか、そうしてその時期はいつごろと判断されておるか、お聞かせ願いたい。
○岸国務大臣 先ほど申しましたように、安全操業の問題は、これは一日もゆるがせにできない問題であって、われわれは、この問題はあくまでも領土問題や何と離れて交渉すべきものであるという意見は、依然として持っておるわけであります。しかし、領土を含む平和条約に対する交渉に向うが乗り出してくるということに対して、応ずる意思があるかということについては、先ほど申したような考えであります。しかし、この問題が急速に解決するということについては、従来の経緯にかんがみましても、むずかしいだろう。従いまして、安全操業の問題は、私どもはもう少し並行して、この問題についてソ連側に十分交渉はいたすべきものであると考えております。
○多賀谷委員 ソ連は北洋安全操業の問題の交渉は領土問題とは不可分だとこう言っておる。政府は分離をして話したい、こう言っておるのですからもう根本的に違っておる。でありますから、それについてはどういうお考えであるか、あくまでも分離でいきたいと主張されるのであるか、それとももうソビエトの方で不可分と考えておるから不可分でいくと、こうお考えであるか、その点を明確に御答弁願いたい。
○岸国務大臣 今申し上げましたように、安全操業の問題については、従来日本側がソ連側に申し入れておるところの考え方をもってやはり私は続ける、こう申し上げておきます。
○多賀谷委員 ソビエトの方は不可分と言っておるし、こちらの方はあくまでも可分で分離していきたいと言うのですから、根本的に差異があるわけですね。そうして遷延をすると、結局北洋安全操業の問題について影響があるのですから、総理はこの際はっきりと態度をきめられる必要があるのではないか。何か総理は平和条約の問題は安全操業の問題と別個に交渉ができるようにお考えであるけれども、できないとこういう申し入れを受けておるでしょう、その申し入れに対してはどういうように回答されるつもりであるか。
○岸国務大臣 外交交渉のなににつきましては、私から申し上げるまでもなく、その交渉の過程において両方の意見が食い違うことがずいぶんございます。しかし一ぺんそういうことが出たからすぐそれじゃどうするという問題には、私はなかなか考えるべきものじゃないと思うのです。従って領土問題も、これも一日もゆるがせにできない重大問題でありますから、これの交渉をほんとうに誠意をもってする意思があり、また日本側の当然の要望に対しても耳を傾ける態度であるならば、これは当然進めていくべきものであると考えております。しかしソ連側が不可分であると言った、これが最高の決定であって、ソ連が言ったから何でも聞かなければならないものでもないと私は思う。われわれの主張はあくまでも安全操業の問題は切り離してなにしてもよろしい、こう解釈しております。
○多賀谷委員 当然領土と領海との関係において安全操業の問題を解決しなければならぬと、こう申し入れをしておるわけです。その申し入れに対しては、日本政府としては以前の通りでやるんだとお答えになるのか、あるいはそれに対してはどういう御返事をするのか、それを聞いておるわけです。
○岸国務大臣 先ほど外務大臣も詳細に経過をここでもって説明をいたしておりますが、ソ連の方の側におきましても、最初は安全操業のなにには応ずるという意思を明らかにしておって、そうしていろいろ研究した結果こうだという一つの結論を出しておるわけであります従いまして私どもはこの問題について、一応のソ連の現在持っておる意思というものはわかっておりますけれども、なおわれわれの主張であり、われわれの考え方というものを、よく向う側に徹底するような交渉は当然やるべきものである、またそれをやるという意思でおります。
○多賀谷委員 ソ連の正式の意思が決定をしたけれども、日本政府として今までの基本方針通り分離をして交渉を進める、こういうお考えでありますか。
○岸国務大臣 今申し上げておりますように、安全操業の問題はできるだけ急いで解決することが必要であり、またそういう性質のものであろうと思います。私は、これは不可分であるというソ連側の一応の結論に対しても、先ほど申したように、平和条約の交渉ももちろん平和条約の交渉として進めるということは、これに応じていくつもりでありますが、その問題に関連してこれを解決しようとすると、私どもの考えておるように——領土問題の根本というものが御承知の通りの経過をとっており、また本質的に非常にむずかしい問題を含んでおるから、安全操業の問題は、私はさらに——最初ソ連もこれに応ずるがごとき意思を述べておったこともあるのですから、私は日本が領土問題の解決について、さらに誠意をもって平和条約の交渉を開始するという意思があることを示せば、それと並行してやはり従来日本が主張しておる安全操業の問題を領土問題と離してなにしようという主張は、私はあくまでもソ連側によく納得できるように交渉すべきものである、かように考えております。
○多賀谷委員 総理の考え方はわかりましたけれども、果して見通しがあるかどうか、この点をお聞かせ願いたい。
○岸国務大臣 これは相手方のある問題でありますし、従来の日ソ交渉の非常に困難な事態もわれわれは経験しておることでありますから、そう容易にこういうふうになってくるということ、容易に解決するということができるかどうかは、これは交渉してみなければわからないことであります。
○多賀谷委員 この問題はきわめて重大な問題でありますので、政府はすみやかにこの問題に対しましては権威ある機関、すなわち国会において態度を宣明していただきたい、かように考えます。 続いて私は外務大臣にお尋ねいたしますが、最近小笠原帰島促進連盟の方では、地代一括払いを承認するような動きがあるやに聞いております。この問題は一体どういう経緯になっておるか、これをお聞かせ願いたい。
○藤山国務大臣 小笠原の帰島連盟につきましてただいま御質問がございましたが、小笠原に日本人を帰してもらいたいということは、総理が六月に行かれたときも、アメリカで十分交渉をされたのであります。向う側ではある程度考慮してみようということであったことも御承知の通りだと思います。その後私も参りまして、できるだけ早くそれを促進してもらいたいということを申し入れたのでありますが、向う側でも日本側の要望については了承しておりますけれども、その時期等について明言をしておらぬわけであります。小笠原帰島連盟の方には長い間苦労をされてきておるのでありまして、この長い間の苦労、また土地に対する補償というものに対して、もし早急に帰島できない場合であっても、何らかの補償を要求してもらいたいという御希望があるわけであります。最近それらの動きが重なって参りまして、最近の機会に会合を開かれて、そして外務省にこういうようにアメリカに交渉してもらいたいという決定をされるやに私ども聞いております。しかしながらそれは決して小笠原帰島を断念されたわけでなく、また施政権の返還その他についても断念されたわけでなく、ただ長い間のそういうような状態がありますから、何らかの形でその期間を一括的に補償をしてもらいたい、土地を売る意味じゃない、こういうお気持のように思っております。私どももむろんこの問題につきましては、小笠原帰島連盟の方々と緊密な連絡をとりながら、その熱烈な御希望を達成していくようにすると同時に、今日まで主張しております帰島という問題についても、これはそういう問題が並行して行われましても打ち捨てるわけではございません。
○多賀谷委員 損害賠償の請求ですか、それとも地代の一括払いなんですか、どちらなんですか。
○藤山国務大臣 帰島連盟の方の会合が数日中に行われて御決定になるわけでありますが、私どもの漏れ承わっておるところによれば、長い間の地代を補償してもらいたい、こういうこと及びそれに伴う損害等に対するあれだ、こう考えております。まだはっきり最終的に伺っておりません。私どもとしては帰島連盟の方の意思を十分体した上で交渉をやるつもりであります。
○多賀谷委員 帰島連盟の方々の意思を十分体してと言いますが、この問題は日本政府としてきわめて重大な問題である。でありますから、日本政府としてはどういうふうにお考えであるのか、損害賠償でいくのか、あるいは一括地代を受けていくのか、こういう点は沖縄との関連もありますので、きわめて明確に答えていただきたい。
○藤山国務大臣 日本政府としましては帰島ということをあきらめておりません。また施政権の返還及び帰属の問題についてもあきらめておらぬことは当然のことであります。ただ現実に起っております損害に対する補償をしてもらいたい。私は法律上なれておりませんから、今のように補償であるのか損害賠償であるのかという法律用語についてはわかりませんから、そういう点はもし必要があれば局長からお答えいたさせます。
○多賀谷委員 沖縄の問題でも、地代の一括払い、要するに永久借地権の問題をめぐって血みどろの闘争が起っておることは御存じの通りである。でありますから、このアメリカからの支払いを受ける方法についてはきわめて大きな問題がある。一体損害賠償の請求であるのか、あるいは永久借地権としての支払いであるのか、こういう点は政府としてどういうふうにお考えであるのか、どういうふうにするつもりであるのか。
○藤山国務大臣 損害に対する補償を考えておられると思います。また私どもは損害に対する補償を請求するのが至当だと考えております。ですから、ただいま申し上げたように、損害に対する補償を請求するということです。
○多賀谷委員 その点は土地賃貸料としてもかなり長期間の賃貸料ではない、こう考えてよろしいのですか。それも政府の方針である、政府としては永久の借地権を許すつもりはない、こういうお考えですか。
○藤山国務大臣 そうであります。
○多賀谷委員 よくわかりましたが、アメリカの方ではとにかく永久借地権でいきたい、こういう考え方を持っておるそうであります。そうすると、アメリカはこれに固執すると思います。そういう場合には、島民の生活の困窮と、アメリカの要求と、さらに日本政府の根本的な態度、こういう問題に関して一体日本政府としてはどういうようにお考えであるのか、あるいは沖縄のように、一時立てかえ払いをしてやるつもりがあるのかどうか、これはきわめて重大な問題でありますから御答弁願いたい。
○藤山国務大臣 これは非常に重大な問題でありますから、今も申し上げた方針のもとに今後交渉を続けていくわけなんであります。
○多賀谷委員 そういたしますと、われわれは、あくまでも損害の補償であって、決して賃貸料の一括払いではない、こう考えたいと思います。またそうおっしゃいました。そこで、当面する生活困窮の問題はどうされるのか。補償がなかなかうまくいかない場合には当然起ってくる、いな、今まで起っておる。沖縄につきましてはすでに予算を組まれて補正で支出されておりますが、小笠原の住民についてはどういう考えであるのか、これをお聞かせ願いたい。
○藤山国務大臣 小笠原島民の方の困窮の状態については、われわれも相当心配をいたしております。従って将来大蔵大臣その他と協議の上、適当な処置をとるように努力したいと思います。
○多賀谷委員 小笠原の帰島促進連盟ではかなり窮迫をされて急がれておるように承わっておるわけであります。でありますから、その問題を政府が十分解決をしてやらなければ、私はとんでもない事態が起りはしないかと憂慮するのであります。でありますから、日本政府は、損害賠償の交渉がうまくいかない場合——すでに今までうまくいかないのです。でありますから、その場合にはどういうおつもりであるのか、これをお聞かせ願いたい。
○藤山国務大臣 小笠原島民の方の困窮状態については、私も帰島連盟の方方と話し合って十分存じております。従いまして、政府としましても今申し上げたようなことで、できるだけの解決をはかっていきたい、こう考えます。
○多賀谷委員 できるだけでは私は納得できないと思うのですが、もう少し明快にお答え願いたいと思います。
○藤山国務大臣 ただいま申し上げた通りであります。
○多賀谷委員 しか沖縄におきましては、すでに立てかえ払いの方策をとられておるわけでしょう。ですから、小笠原につきましてはやはりこの方策をとらない以上は、私は憂慮すべき事態になると考えておるわけです。そこで政府としては、一時立てかえ払いをするなり、そういう形式ではっきりと言明をしてもらいたいと思います。
○藤山国務大臣 これからアメリカと交渉することでもあり、それらの事態をながめながら、またその結果を見ながら、この問題を解決していきたいと考えます。
○多賀谷委員 そう言われますと、結局損害補償の請求をしていくんだ、そこで損害補償の請求がうまくいかない場合には、政府として沖縄と同じような処置をする、決して永久借地権の設定はさせない、こういうようにお考えであると承知してよろしいでしょうか。
○藤山国務大臣 先ほどから申し上げている通りであります。
○多賀谷委員 先ほどから申し上げている通りでありますと言われますが、その言われておるのは、私が今承知しておる点と同じであるのかどうか、それをお聞かせ願いたい。
○藤山国務大臣 もう一度御質問していただきたい。
○多賀谷委員 私は、外務省の考え方としては、小笠原の住民については、損害賠償の請求をする、しかし損害賠償の請求ができない場合には政府として何とか考慮するというのか、沖縄と同じような処置をとられるつもりである、さらに永久借地権は設定させない、こういうように了承してよろしいでしょうかと聞いておるわけです。
○藤山国務大臣 永久借地権を設定されるということでないということは先ほどから申し上げておると思います。ですから、補償はとるつもりでおるのです。アメリカへ交渉してとるつもりでおるわけです。その間は見舞金を——過去に帰島連盟に見舞金を三回ほど出したこともあります。今度の問題については大蔵大臣その他とも協議の上、考えていきたいと思います。
○一萬田国務大臣 小笠原につきましては、すでに三回にわたりまして一億五千万円出しております。沖縄よりもむしろ小笠原の方が先であります。小笠原に先に見舞金を出して、それから今度は沖縄の方、こういうことになっております。
○多賀谷委員 外務大臣は、損害賠償がうまくいかない場合には、そのときに今後の問題は考慮する、こういう話です。ところが大蔵大臣は過去のことだけ言われた。今私が聞いておりますのは、今後の問題を聞いておるわけです。外務大臣は今後のことをお答えになりました。そこでそのときに考慮するというのは一体どういうことであるのか、これを聞いておるわけです。
○江崎委員長 総理大臣から答弁するそうであります。
○岸国務大臣 小笠原の問題につきましては、御承知のように、われわれが従来アメリカと交渉しておる立場は、究極は施政権の返還ということを第一のなにとして置いております。次に、小笠原から日本に引き揚げてきておる者の帰島問題を実現しようと、第二段のなにとしては交渉をいたしております。第三番目の問題として、もしもそれらの問題が長引くようであれば、あそこの住民に対する損害の補償を要求するという、この三つの要求をしておることは御承知の通りであります。しこうして、これらの住民は内地に引き揚げてきておりまして、その生活上の困窮その他に対しましては、すでに申し上げておる通り、三回にわたって一億数千万円のものを出しておるのです。一応とにかく最低の生活の困窮を救うような処置をとっております。これは今後といえども日本人としてこれらの人々に対する措置は日本政府がやるのが当然でありますが、しがし、先ほど申しておるようなアメリカに対する三つの要求は、これをやはり貫徹する。従って、今帰島連盟の人々の考えは私まだよく承知いたしておりませんがおそら一・二の今申しましたことはなかなかすぐは解決しない。そこで、一応過去から今日まで相当の損害を受けておる、これをとにかくアメリカをして補償せしめろということを要望しておるものだと思います。従いまして、その要望に——これは従来もそういう趣旨のことは向うへ申し入れておりますから、その要望を具体的に聞いた上において、さらにアメリカと交渉する。しこうして、これはあくまでもわれわれは実現を期して交渉をするつもりであります。しかし、その間において生活上困るとかなんとかいう問題があるならば、これは日本政府として当然考えなければならないし、あるいは問題によりましては日本が一時立てかえるというような問題も起るかもしれませんけれども、今日のところではそういう経過であり、また将来はそうしたい、こう思っております。
○多賀谷委員 総理の努力、並びに島民に対するあたたかい政治を期待いたしまして、この問題は打ち切ります。 次に、昨日予算委員会におきまして、今澄委員の質問に対しまして、総理が次のようにお答えになっておる。すなわち、今澄委員の質問は、沖縄におる米軍の飛行機が核兵器を持って日本の上空に飛来した場合には阻止する方法があるかという質問であったと思います。それに対して、条約上はありません、こうおっしゃっておる。その通りであるかどうか、しからばその条約はどういう条約であるのか、これをお聞かせ願いたい。
○岸国務大臣 昨日の私の答弁はやや明瞭を欠いた点があるかと思います。その論議の場合に問題になったのは、安保条約及び行政協定というものは沖縄には適用しない、従ってこれは日本内地に駐留しておる米軍に対する問題である、従って、もしも沖縄に駐留しておるところのものが一時的に日本を通るというような場合においては、これは安保条約の問題にはならないということを申し上げたのであります。しかし、国際条約の原則から申しまして、他国の領空を通るという場合において、その国の許可を得なければならぬという条約上の義務があることは当然であります。私は、安保条約に関する限りにおいて条約上問題にならない、こういうことを申したわけでありまして、やや不徹底でありましたから、明瞭に申し上げます。
○多賀谷委員 そういたしますと、条約上阻止できないというのではなくて、安保条約の範疇の問題ではない、そこで、国際法上は当然阻止でき、また国際法上通過する場合には何らかの協定、条約を結ばなければならぬ、こういうことでありますか。
○岸国務大臣 原則として、他国の領空を通る場合において許可を受けなければならぬということは原則でございます。従いまして、許可なくして通るということはないと思います。ただ、安保条約と行政協定のうちに、これは精密な法律論になるようでありますが、ある特殊の場合において許可なくして通過できるような根拠があるようでありますから、その点については、法律的の解釈、条約上の解釈は一つ法制局長官からなお詳細に説明をさせたいと思います。
○多賀谷委員 総理の答弁は、私は三転しておると思うのです。と申しますのは、昨日の今澄委員の質問に対しては、これは条約上阻止できない、安保条約でも阻止できない、こういうようなおつもりの答弁であった、本日は、安保条約の範疇の問題ではないと、はっきりおっしゃった。これは別個の、本来国が持っておる主権の問題であり、すなわち領土、領海、領空の問題であり、これを通過するには国際的な取りきめがなくちゃならぬという問題である、こうおっしゃったわけであります。そうすると、今その答弁に立たれますと、いや、何か安保条約でもできそうだという御答弁があって、これはわずかの間に三転しておるじゃありませんか。最初の答弁とその次の答弁は狂っておりますよ。
○岸国務大臣 これは私はちっとも三転も一転もしていないと思うのです。というのは、昨日の御質問が、要するに、安保条約によってこの委員会においていろいろな配備の問題等を協議するということになっておりますから、原子装備は、私は持ち込みは日本の意思に反してできないのだということを申し上げた。そうしたら、沖縄のなにはどうなるのだ、こういうお話がありましたから、沖縄に対しては安保条約は、これらのものは原則として適用にならないということを申し上げたわけであります。しこうして、この領空通過の問題についての一般国際上の問題につきましては、きのうは触れておらないのです。決して転じたわけではなしに、そういう補足をしたわけできょうのなにはあるわけです。ところが、さらに私は、原則はちっとも変わっておりません。その通りに御了解になっていいのでありますが、さらにこまかく論ずると、行政協定及び安保条約上のこまかい議論になりますと、原則は私が今申した通り変っておりませんけれども、ごく例外的の場合があるということを法制局長官からなお説明させます、こういうことを申し上げたのであります。
○江崎委員長 あなたの御質問になお詳細に答えさせるということですから、お聞き取りを願います。
○林(修)政府委員 これは、一般領空の問題でございますと、御承知のように各国が領空主権を持っておりますから、軍用の飛行機がその国に入って参りますには条約の根拠あるいは一々の許可が要することは、これは原則でございます。しかしこれは、安保条約がございまして、安保条約第一条に基いて日本には米軍の駐留が認められておりますから、駐留する米軍に関する限りは、この条約上の根拠によって、日本に入ってくる、あるいは出る、日本の上空を通ることも、これは認められるわけであります。 その次に、もう一つ、行政協定でございますが、行政協定の第五条には、これは安保条約との関連におきまして、公けの軍用機等につきましては、米軍が管理し米軍が運航することについては、米国は日本の飛行場に一々の許可を受けずして出入国する権利が認められております。また、この協定を受けまして、航空法の特例法という法律がございますが、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基く行政協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律という非常に長い名前の法律がございますが、この法律は、行政協定第五条第一項に規定する合衆国の船あるいは飛行機、つまり合衆国が軍かあるいは合衆国のためにコントロールのもとに運航される航空機、これについては、航空法の第百二十六条の第二項は適用しないということが書いてあります。第百二十六条第二項は、日本の国内において飛行する場合には運輸大臣の許可を受ける。その許可なくして、合衆国軍が管理し運航する航空機は日本の上空を通る権利を与えられております。従いまして、そういう場合には、日本に駐留する米軍でなくして一時的に通過するものも許可を受けずして通ることができます。
○多賀谷委員 今澄さんの質問は具体的なことを聞いておる。私も具体的なことを聞いておるわけであります。原則的な話を聞いておるのじゃないのであります。でありますから、私は具体的な問題については具体的に総理もお答え願いたいと思います。今のお話によりますと、ただ総理は原則として国の主権に基いて、当然飛行機の通行は許可を得なければならぬ、あるいは条約に規定しなきゃならぬと、こうおっしゃって、肝心なところは法制局長官が御答弁なすった。結局、通過ができると、こう答弁なさっておる。でありますから、私は、具体的な問題については具体的にお答え願わないと、これは間違いが起ると思いますので、今後注意していただきたいと思います。そこで、問題は、安保条約の第一条に基く行政協定の第五条によって包括的承認が与えられておる、こういうことであります。そこで、一般の飛行機も核兵器を搭載した飛行機もこれによっては区別ができるかどうか、この点をまずお聞かせ願いたい。
○岸国務大臣 最も具体的に申しますというと、私どもは御質問になっているような事実はないと考えております。すなわち、きのうの今澄委員の御質問も、今の多賀谷委員の御質問も、最も具体的だということであるならば、一体そういう事実があるのがないのか。今国民が非常に懸念をしているような具体的な事実があるというならば一番具体的な事実なのであって、私はそういう事実はないということを申し上げます。
○多賀谷委員 事実はない、こうおっしゃっておりますが、国民は最も心配をしておるのです。でありますから、私は、もしあったら、そういう場合にはどういう処置をとられておるのか。これはある可能性はかなりあるわけです。気流の関係その他だってある。いろいろなことを考えれば当然あり得る。また軍事上も容易に行いやすい可能性がある、かように考えておるわけでありますが、一体政府はただ事実がないということで逃げられておりますけれども、国民は非常に心配をしておる。この点について、核兵器の持ち込みはしない、こういう態度と、そうして核兵器を搭載した飛行機が飛来してもやむを得ない、こういう態度には非常な矛盾があり、もし核兵器を搭載した飛行機が日本の上空において事故があったらどうしますか。これは大へんなことだ。でありますから、これについてはどういうようにお考えであるのか、安保条約ではどうにもできないということならば、それをいかに考えられておるのか、これをお聞かせ願いたい。
○岸国務大臣 今までのなには、そういう事実がないということを私は申し上げたのであります。 それから、日本が核兵器をもって装備しない、また核兵器の持ち込みをさせないというわれわれの方針につきましては、アメリカ側に十分に徹底をし了解をせしめておりますから、そういう事態が起ることは私は予想いたしておりません。
○多賀谷委員 あったときに質問せよというお話でありますが、あったときに質問したのでは間に合わない。これはきわめて重大な問題である。でありますから、ただそういうことはあり得ないということだけでは、私は答弁は逃げられないと思います。日本人は原爆の問題はいかに神経質になってもし過ぎることはないのです。ここをよく考えていただきたい。でありますから、当然日本としては用意をしておかなければならない問題である。安保条約の改正をされる意思があるのかどうか、あるいは行政協定で現行法ではできないとするならば、何とか核兵器の飛行機の飛来だけは断わる、そういうような改正をされる意思があるかどうか、こういう点をお聞かせ願いたい。
○岸国務大臣 安保条約及び行政協定全面にわたりまして、しばしば申し上げておる通り、これが終結された当時と事情も変わっておることが少ないのでありまして、これを両国の利益及び国民の感情に合致せしめるように検討するということか安保条約に関する日米委員会の使命の一つにあげられておることは御承知の通りであります。そういう意味におきまして、いろいろ検討しなければなりませんが、私は、先ほど来明確に申し上げておるように、そういう事実が過去においてあったということはない、また将来も、われわれの政策、われわれの考えは十分にアメリカ側もこれを了解しておることであるから、そういうことはないだろうということを申しております。しかし、いろいろな場合を想像して、今言われるように神経質にすべてのものを考えるという御注意でありますが、私は、やはり一番大事なことは、こういう問題に関して日米両国が完全なる理解と相互信頼の上に立って協力するということにあると思いますから、今日直ちに今の行政協定を具体的に改正するという意思は持っておりません。
○多賀谷委員 どうも総理は事実がないということでお逃げになっておるようでありますけれども、私はやはりこういう点は明白にしてアメリカと交渉していただきたいと思うのです。昨日の今澄氏の質問の中で、あるいは答弁の中で、そういうのは安全保障委員会でも話し合ってない、こういうことをおっしゃっておる。でありますから、当然私は議題としてはっきりした取りきめが必要ではないかと思いますが、どうですか。
○岸国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、安保条約及び行政協定の問題、そしてこういう核兵器の持ち込みの問題等につきましては、日本の国民感情であるとか日本の利益であるとかいうものが十分尊重されていかなければならないことであります。しかして、従来の経緯にかんがみますと、日本のそういうことに関する意思につきましては、アメリカ側においても十分に了解をしており、またこういう問題は相互の理解と信頼によってやられるということにおいて意義があるのであって、またそういう意味において安保委員会が設けられておるのでありますから、十分に将来とも国民が懸念するような事態が起らないように善処するつもりであります。
○多賀谷委員 なるほど、核兵器の持ち込みについては、話し合いをされて、相互信頼の上に立つと、こういうお話ですが、日本に直接兵器として持ち込む話をしているんじゃないんですね。ですから、これは取りきめておかなければ、もしそういう事態があった場合には、何とも日本政府としては言えない。すなわち核兵器搭載の飛行機と一般の飛行機を区別するという——安保条約並びに行政協定には区別がないからであると、こうおっしゃっておるのですから、私はやはりこれは議題としてかけてもらいたい。先ほどの質問に対しましても、まだ議題になってないと、こういう話ですから、私はやはり議題にすべきである、かように考える。あるいはまた安保委員会は日本とアメリカの関係であって、沖縄のその飛行機の関係でない、こうおっしゃるならばどこでそういう話をされるのか、これをお聞かせ願いたい。
○岸国務大臣 安保委員会のできました趣旨は要するに安保条約及びこれに関連する問題について、広く両国の利益と両国の国民の気持に合致するようにこれを運営し、検討していくということにあるわけであります。もちろん今申しますように、安保条約上の直接の問題じゃなくとも、関連した問題として、お話のようにこういうものを話すことは安保委員会においても私はやってしかるべきものである、かように思います。いずれにいたしましても、すべてこういう問題については、両国が両国の理解と信頼とを基礎において考えていかなきゃならぬということについては、一貫して私どもそう思っておるわけであります。その点を御了承願いたいと思います。
○多賀谷委員 私は日本の主権というものをもう少し日本国民、ことに政府は大事に考えなきゃいかぬと思います。尊重しなきゃならぬと思います。ある国の飛行機が一機日本の上空を飛んだ、あるいは外国の上空を飛んだということになれば、大へんな問題が起ってくる。英国でもすでにアメリカの原爆搭載機が飛んだということで非常に問題になっておる。でありますから、私はそういうことははっきり取りきめておかなければ、一般の飛行機と原爆搭載機とを区別することがなかなか困難である。でありますから、現在一般の飛行機が沖縄から日本にやってきておるのですから、私は十分な取りきめがなくちゃ国民は安心するわけにいかないと思います。そこで、話すことを適当であろうと言われますから、話されるのかどうか、最後の御答弁を願いたい。
○岸国務大臣 必要があれば話します。
○多賀谷委員 必要があるというのは、どういう事態をさして必要があるとおっしゃるのですか。
○岸国務大臣 先ほど来申しておりますように、お互いが不信であり、今そういう事実があり、もしそういう事実が起るような懸念が非常に重大であるということならば、これは話し合う必要があると思います。しかしそういう事実もないのにこれを話すというのはお互いの理解と信頼とがないということであって、相互の信頼と理解、それさえあれば今のところ話す必要は私は認めておらないということであります。
○多賀谷委員 すでに英国におきましても、先ほど申しましたように原爆搭載機のB47が飛んで非常に問題になったわけです。ましてや沖縄からしょっちゅう日本の基地に飛行機が飛来しておるのですから、必要がないと言われるのがおかしい。われわれはこういうことはノイローゼになってもけっこうなんです。その確証がない。また岸さんが空を見られてもわかりますか、わからぬでしょう。でありますから、国民は非常に心配をしておるし、すでにアメリカ軍の発表によりましても、三回原爆搭載機が落ちておるのです。そのうちの一回はアジアにおいて落ちておるということを発表しておる。でありますから、こういう危険性があるのですから、当然私は必要な時期であると思う。しかも必要な時期は、今考えておらない、こういうことは不見識な話であります。いやしくも国会で質問になり問題になったのですから、当然今の時期をはずしてはならないと私は思いますが、総理は早く持ち出す気持があるかないか、これを再度お聞かせ願います。
○岸国務大臣 先ほど来申し上げておる通りであります。そういうことが起らないということの証拠はないと言われることと同様に、そういうことが起るということが、やはり確証があるかということが問題になる。お互いに、根本的の考えについて、アメリカがそれについての理解が足りないとか了解が足りない、アメリカが信頼するに足りないということを前提として初めて私は考えるべき問題だと思います。ところが事実はそうでないということを私は先ほどから申し上げておるのであります。
○多賀谷委員 すでに事実をあげて私は質問しておるのです。ただ精神的な問題だけでは、私はこれは解決できないと思うのです。でありますから、事実問題としてすでに英国でも議会で問題になっておる。英国の議会が問題にするのに日本の議会がそれを知らぬ顔をしておる、こういうことは、私は日本の国会としても十分考えなければならない問題であると思うのです。でありますから、私は率直に考えていただきたいと思うのです。
○岸国務大臣 多賀谷委員のお言葉ですが、イギリスで問題になったのは、そういう事実があったから問題になったのです。日本においてはそういう事実がないのです。これは非常に違うのです。
○多賀谷委員 やっと岸総理の気持がわかったわけです。岸総理は、そういう事実があってから交渉をされる、こういうお気持でありますか。
○岸国務大臣 そういうことを私は申し上げておるわけではありません。ただイギリスの議会で問題になったのに日本の議会で問題にならないのはおかしいじゃないかという御質問に対して、それは事実が違っておるということを申し上げておるのであります。しこうして私は、この問題を持ち出すについては、必要があればこれを持ち出しますということを誓約しておる。今それじゃ必要を認めるかとおっしゃるならば、私は今は認めておりませんということであります。きわめて明白に申し上げております。
○多賀谷委員 必要があるというのはどういうときなんですか。私は、どうも総理のお気持から見ると、原爆が日本の上空に来なければ必要がない、こういうように考えられておるようでありますけれども、その点どうですか。
○岸国務大臣 先ほど来申し上げておるように、事実があってから初めて必要を認めるのではございませんで、広くそういう危険があると思えば、私は必要があると思いますが、今はその危険があるとは思っておらないということを申し上げておるのであります。
○江崎委員長 多賀谷君に申し上げますが、だんだん申し合せの時間が近づいておりますから、結論にお入りになるようにお願いいたします。
○多賀谷委員 では私は雇用問題、日本の政治の最も大きな問題であります雇用問題についてお尋ねいたしたいと思います。鳩山総理も、その鳩山内閣時代に、経済企画庁から経済自立五カ年計画を発表されて、そうしてその基本は完全雇用の達成であると言われました。また石橋総理も、完全雇用の達成に努力すると言われました。ところが岸総理になりましてから、この完全雇用という看板がいつの間にかだんだんだんだんなくなって、そうして最近は完全雇用の線に接近するように努める、こういうように後退をしました。これは三悪追放のあの公約が、だんだん影を薄くしておるのと軌を一にするものであると思いますが、完全雇用というのは、私はほんとうに日本の政治の政策の中心であると思います。働く意思があって、働く能力があって、しかも職につけないというようなことはまさに人生の最大の悲劇であると思います。総理はこれについてどういうふうに考えられておるか、これをお聞かせ願いたい。
○岸国務大臣 雇用問題が政治の眼目であるという多賀谷委員のお考えに対しては、私どもも全然同感であります。従いまして私どもの政策も、これを中心として考えていかなければならぬことは言うを待ちません。私どもが新経済五カ年計画というものを立てて、これによって日本の産業の拡大を、安定した基礎の上に立てていくという計画のもとに進んでおりまして、その最後の年におきましては、われわれは雇用を五百万ふやすという計画に基いて、着実に経済の発展と完全雇用を目ざしての政策を進めておるわけであります。
○多賀谷委員 経済企画庁長官にお尋ねいたしたいと思いますが、まず昭和三十年の十二月に発表された計画書と、さらに三十二年の十二月の新長期経済計画に発表されたものと、さらに三十三年経済計画の大綱に示されたもの、これが全部ばらばらであるということである。政府は完全雇用とはいいながら、一体どういう考え方を持っておるのか。時間がありませんから、さらに私は集約して質問をいたしたいと思いますが、この新長期経済計画には、労働人口が驚くなかれ百八十万ほど宙に浮いておる。行方不明になって幽霊人口になっておる、こういう状態があるわけであります。どこにも出てない。一体その人間は就業もしていない、完全失業者でもない、そういう人間が出てきておるのでありますが、これはどういうことでしょうか。私の質問がわかりませんか。これはもう少し詳しく申し上げますと、実はごまかしがある。どこにごまかしがあるかというと、従来は生産年令人口として十四才からとられておるけれども、今度は十五才から五十九才という数字をとられておる。でありますから、幾らわれわれが検討しても、どうしてもその状態の中で把握することができないんです。それで一体政府は、昭和三十七年になりますとどういう状態になるのか、これをお聞かせ願いたい。
○河野国務大臣 ただいまいろいろ御発言でございますが、御承知の通り計画でございますから、これをしかもなるべく現実的にして参らなければならぬということで、そのときどきの経済の実情が違った上に現実をつかんで参るのでございますから、従って三十年、三十一年、三十二年、だんだん経過によって違って参りますことは御承知の通りであります。ただいま十四才、十五才のお話が出ましたが、今回は就業いたそうという人口という意味で、学校を卒業した人の数を基準に置いてありますから、学校を卒業いたしますと十五才になるということで十五才からとってあります。こういうことで御了承願いたいと思います。
○多賀谷委員 大臣はわかって答弁をされておるのか、わからないで答弁をされておるのかわかりません。そうして私の質問が、勉強不十分でであるのか、これをよく読んだ人ならばわかるはずでありますが、質問が把握されてない。そこで私は若干時間がずれるかもしれませんが、一つ根本的な問題から聞いてみたい。第一、昭和三十三年度に雇用が六十五万もふえるという計算をしておるが、一体どういうわけか。それは経済成長率は二・三%、実質にしても三%の増であります。それなのに雇用だけは三・四%も伸びておる。昭和三十一年から三十二年は七・六%という成長率があって初めて六・四%という雇用が伸びておる。あるいは昭和三十一年と昭和三十七年の比較をいたしましても、四〇・四%という伸びがあるからして、二七・九%という雇用が伸びておる。成長率よりも雇用が上回って伸びておるという根拠は、どういうところから出てくるのか、お示し願いたい。
○河野国務大臣 御承知の通り卸売価格が非常に下りましても小売価格が停滞しておる。経済はすべてがその通りにものが動きません。従いまして雇用にいたしましても、今お話の通りに、成長率と雇用との関係が、そのままぴったり合っているというわけにいかないのであります。それはものによってズレもできます。これはただ単に……、恐縮ですが、静かにしてお聞きを願いたいと思います。
○江崎委員長 御静粛に願います。
○河野国務大臣 そういうことで、長期経済計画は政府が単独で勝手に都合のいいものを作ったのではないのでございまして、御承知の通り各方面の意見を十分尊重いたしまして、大体この辺で日本の経済は動かしていくことがよかろう、動いていくことが一番妥当だろうということにいたしておるのでございますから、勝手に都合よく数字をまとめておるというようなことはないのであります。従って今お話の通りに、今回の経済計画におきましては完全雇用を意図いたしますけれども、現実にはそうはいかないという他の経済事情等も勘案いたしまして、今年度の就業人口その他のものからいたしまして、一方失業救済事業等に相当な予算を入れておるというようなことにして、行政上においてこれをカバーしていただいているというふうに御了承願います。
○多賀谷委員 今企画庁長官の話を聞くと、ちょうど逆の答弁をされておる。私は、経済がデフレに進むから経済成長率が低いということは、これは認めておる。しかるに雇用が上回っておるというのはどういうのか、こういうことを聞いている。それはどうですか。これは石田さんのところではない。
○河野国務大臣 実は現実のお話でございますから、労働大臣から御答弁願った方がよかろう、私は計画を立てておる方でございますから……。そこで計画でございましたらば、先ほど私が申し上げた通りでございます。計画は、いずれにいたしましても、われわれが発表いたしておるように計画を立てておるわけであります。
○石田国務大臣 経済成長率と雇用の増加の見込みとの間にアンバランスがある。成長率より雇用増加の方が上回っているではないか、逆に、成長率が高いときに雇用の増加率が成長率より低いではないか、こういう御質問でございますが……。
○多賀谷委員 違う違う。逆だ。
○石田国務大臣 いや、今おっしゃったのをもう一回申しますと、前段はその通りでいいのですね。それから昭和三十三年から三十四年は、経済成長率より雇用の増加率の方が下回っている。
○多賀谷委員 いや高いのだ。雇用が高いから問題になる。
○石田国務大臣 三十四年から三十五年は逆になっておる、そういう御質問ですね。そこで、新規雇用を行います場合におきましては、その年だけのことを見込まないで、たとえば養成工とかなんか、長いその期間を見込んでの雇用は、常態的に常にべースとしてはあるわけであります。そのべースとしてある上に、景気の見込みに沿って雇用の増減がございますから、一定のべースがございますために、景気が悪いときには今御指摘のような状態が出ます。景気のいいときには、そのべースはやはり一定の幅でありますから、その上回りの方の部分の変動だけが上に浮いてきますから、ただいま御指摘のような状態になるのでございまして、そういう結果こういうことになるわけであります。
○多賀谷委員 新規雇用者のみについては労働大臣のお話の通りです。新規雇用者については当然です。ところがデフレで首を切られていくものがある。私はトータルの話をしておるのですよ。全国の雇用者総数の話をしておるのですから、今お話のように、新規に中学校を出たり高等学校を出たりして入ってくるのがコンスタントにやや伸びるでしょう。それはその通りである。しかし総数が、しかも係数の率が成長率よりも上回っておるというようなことは考えられないじゃないですか。こう聞いておるわけです。
○石田国務大臣 ただいま出しております数字は、御指摘の通り解雇されたり離職された者と、それから新規の雇用との差が出てくるわけでございます。それは毎年ずっと先のことも同じような状態で行くわけであります。景気のよくなったときもその状態で参ります。従って全体として、やはり新規とかあるいはもう一ぺん再雇用されるものとかいうことの区別なくして、全体として雇用というものはベースがやっぱりありますから、そのベースの上に出てくる変動ですから、そういう数字が出てくることも不合理ではないと考えております。
○多賀谷委員 私は新規労働者の場合にはわかるわけです。お説の通りです。ですから労働大臣は、新規卒業者をいかにして就職させるかということばっかり考えておられるから、そういう御答弁になっておるのですが、経済全般の問題としては、雇用総数を六十五万も、しかも成長率よりはるかに上回って上げておる。五カ年計画によると四五・九%の成長率に対して雇用はわずかに二七・九%であります。でありますから、五分の三くらいの率を示しておる。ところが三十三年度のこの大綱だけは二・三%の成長率——まあ実質といたしましては三%の成長率に対して、三・四%も雇用だけがぐっと伸びておるというのは、今までの経済ではありません。これは非常におかしいと思うのです。
○石田国務大臣 大体景気変動と雇用の状況というものは、必ずしも時期的に一致するものでないばかりでなく、むしろ相当ズレがある。景気が上昇した場合において、大体雇用がそれに伴って上昇するのは、半年から十カ月近くずれておることは皆さん御承知の通りであります。その逆に、解雇も必ずしもその景気変動後直ちに行われるというものでもありませんから、そういう時間のズレを計算いたしますと、そう御指摘のように不合理なものとは考ておりません。
○多賀谷委員 大臣の答弁はちょうど逆です。私は三十三年度は大綱を聞いておるのです。もう三十二年の下期からずっと解雇が行われ雇用が下っておる。そうして三十三年度に非常に伸びる、こういうなら別ですが、三十三年度は、なるほど横ばいの状態あるいは上昇する状態をたどって、そうして伸びていくわけですから、これが三十二年にもう少し景気がよくなっておれば、あるいは三十三年の上期から景気がよくなる、こういうことなら別ですけれども、大体下期にしわ寄せされている。景気回復は下期であるという。そうするとあなたのお話だと、ちょうど逆に逆に行くんですよ。むしろ三十二年に不景気になったのは三十三年に解雇される。だからあなたのお話からすれば、ちょうど景気は逆ですよ、どうですか。
○石田国務大臣 前に不景気であっても、その解雇の時期が延びておった者は、景気上昇のきざしが見えると、それを解雇するということはないわけですから、やはり私は解雇時期というものは、そうそろばんがあなたのおっしゃった通りには参らないと思います。 〔発言する者多し〕
○江崎委員長 御静粛に願います。
○石田国務大臣 従って私は、経済企画庁の数字は、私どもの目から見ましても、そう不合理なものとは考えておりません。
○江崎委員長 多賀谷君、申し合せの時間がすでに経過いたしましたが、あと何分くらいですが。
○多賀谷委員 雇用だけやりましょうね。
○江崎委員長 ではあと数問ということで…。
○多賀谷委員 実はこれだけやっておりますと、どうも両大臣とも御理解になっていないようですから、水かけ論にはなりませんが、幾らでも時間がかかる。でありますから私は次に飛びますが、しからば、就業者が著しく伸びておる。就業者が百二十万も伸びております。労働省では八十万も就業者が伸びると書いておる。新規労働人口は八十万と書いてあるけれども、この経済大綱では百二十万も伸びておる。昨年でも八十万しか就業者が伸びていないのに、本年は百二十万も伸びておる。これは一体どういうことですか。
○河野国務大臣 これはお答えいたしますが、労働いたそうという人口を百二十万に見ているわけであります。その内訳は大綱によってごらん願いたいと思います。
○多賀谷委員 わかりました。労働人口が百二十万も伸びている。そうすると私は質問いたしたいのですが、就業者総数が百十万伸びておる。これはどういうわけですか。めちゃくちゃなんだ。
○河野国務大臣 めちゃくちゃじゃない。計数の上に立っておることでありまして、これは就業者が全部で百十万と計算しておりますのは、たとえば農業労働その他中小企業の諸君の自宅で働く数を全部入れて百十万という計算をしているわけであります。
○江崎委員長 政府委員答弁しますか。
○大堀政府委員 御説明申し上げます。雇用が六十五万増加、これは三十二年度に対して二十三年度の年間の増加であります。産業活動指数が、計画としましては対前年度比で四・五%伸びておる、指数で申しますと一一・九%ばかり上る、こういうことになっておりますので、それから雇用係数を見まして六十五万という増加が期待されるわけでございます。就業の方につきましては、本年度あたりは非常に雇用がふえまして、御承知の通り百十五万くらい雇用が増加いたしました。就業といたしましてはむしろこれより内輪の数字になるわけであります。それはどういうことかというと、結局農村におきます就業者が減りまして、今年は大体六十万程度減少するのではないかと私どもは見ております。従いまして、雇用が非常に増加をいたしまして就業が—三十三年度につきましては、雇用は今年度に比べまして、多少下るわけであります。六十五万に低下いたしますが、就業の形でふえる、こういうことに相なるわけでございます。就業につきましても、産業活動指数から見まして、就業限界係数でございますが、それで伸びを見まして、大体百十万と見ております。
○多賀谷委員 奇妙な答弁を承わりました。私は鉱工業生産はなるほど四・五%伸びることを知っております。ところがあなたの方の計画では、鉱工業生産の入っていない雇用を考えられておる。鉱工業生産の入っていない第三次産業を重点に考えられている。でありますから、四・五%鉱工産業が伸びても、これは第二次産業が伸びるのですから、この計画と全くそごするのです。鉱工業生産の伸びだけでは、六十万というのは解決できない。時間がありませんから集約して言いますが、しかも私は奇異に感ずることは、今大臣は、農漁村において就業者がふえる。なるほど、生活が苦しくなるから今まで働いていなかった者が働いてくる、これはわかります。ところが農漁村における就業者は減っているのですよ。この計画では逆ではありませんか、十万人減っています。
○河野国務大臣 私はそういう答弁をしたのではないのであります。自宅で働く者も入っておりますから、—たとえば自宅で働くというのは、農村で働く人とか、中小企業の方が自宅で働く人も入ってこういう数字になりますと答えたのであります。農村の労働力が減っておることは承知いたしております。
○多賀谷委員 私は言葉じりをとりませんけれども、もう時間がありませんから次から次へと質問をしていきますからお答え願いたいと思います。とにかく百十万という数字はきわめて膨大だ。どう考えましても就業者が百十万もふえるわけがない。なぜかならば、百十万ふえますとその次からはどうなるかというと、四十五万人ずつふえていく。百十万人もふやすとその次は四十五万人ずつふえていかなければ計算が合はない。三十四年には四十五万、三十五年に四十五万、その次は四十五万、三十七年には四十五万ふえていかなければ三百六十一万という就業者の増にならない。なぜこんなに三十三年ばかり百十万もふやす必要があるかということ。それから、百十万ふえないと思いますけれども、ふえるということは今まで労働力になっていなかったものが、すなわち非労働力人口が労働力に入ってくる。就業してくる、こういう形で不完全就業で出てくるのに、農村は逆に減らしておる。むしろ農村に逆流してくるのです。ですから農村の方は、将来の見通しは、農村の就業人口は減るでしょうけれども、少くとも三十三年度デフレの経済においては農村の就業人口はふえていかなければならぬ。と申しますのは三十一年、三十二年と農村からは家族従業員というのがだんだん雇用に移って、一般的には第二次、第三次産業に移ってきた。少くなってきておる。それに今度企業整備がありますから当然農村に還流するわけです。帰っていくわけです。これが農村における家族従業者として現われていかなければならぬ。ところが逆に十万も減っておる。百十万もトータルでふやしておいて、農村は近代化されるかどうか知りませんけれども、十万も減っておる。このような人々は一体どこにいくのですか。六十五万が雇用、そうすると農村からはみ出たものを入れて百十万が第二次、第三次の業者になるのですか、家族従業者になるのですか、これをお聞かせ願いた。
○河野国務大臣 今お話のように、農村の就業人口が十万減るという計算をしておりますのは、御承知の通り昨年六十万というものが農村で減っておるわけであります。しかしこれらは、今のお話とわれわれと見解が違いますことは、現在は昨年の緊急施策をいたしました結果、物価もある程度下りました。こういう経済事情になっております。しかしわれわれはこれを、少くともある時期から本年におきましても三%の経済の伸びを見ておるわけでございまして、今までのように、過去半年のように緊縮で参る、収縮して参るということを見ていいわけであります。ですからそこにこういうふうな数字の動きが出てくるという計算をしておるわけでございまして、現状のままでどこまでも経済が萎縮していくという建前であれば、お話のようなことに結論がなるかもしれませんけれども、われわれといたしましては、少くともこの下期までには相当の伸びを見るものだというふうに考えておるわけでございまして、そこに見解の相違がありはせぬかと思うのでございます。
○多賀谷委員 見解の相違というところまで開きはないのです。かなり技術的な問題ですが、私は経済の見通しが違いはしないかと思います。と申しますのは、これはもうすでにそのことを考慮されて二・三%の成長率というのが考えられておるわけです。ですから、なるほど現在の三十二年の下期より三十三年の上期は伸びるでしょうけれども、下期を含めた三十二年度というのが計算の基礎になっておる。それよりもトータルとして結局二・三%ということになっておるのですから、私は伸びるという段階にはない。しかも将来の見通しとしては農村の家族従業者というのは減るべきであり、また減らさなければならぬ。しかし昭和三十三年度に減るということが考えられない。むしろ私はこの長期計画から見るとちょっと逆コースでありますけれども、違いますけれども、三十三年は異例として農村に還流をしてきて農村の就業者というものはふえる、こう考えなければ間違いだと思います。しかも三十三年度でなぜ百十万の多くの就業者の増を見るのが、これがわかりません。なぜかというと、三十七年度では全部で三百六十一万しかふえないのです。ですから来年からは四十五万ずつにならなければ計算が合わない、こういうことになって、結局はっきり申し上げますとこの長期五カ年計画にはごまかしがある。なぜかというと長期五カ年計画に基いたこの三十三年の大綱が依然として経済自立五カ年計画の線に沿うて、同じ考え方で書かれている。そうでしょう。はっきり言いますと生産年令人口十四才以上というのは長期計画には出ておりません。長期計画の出発に当って生産年令人口の考え方が違う。さらに労働力人口という見方も、これは西欧のように労働力化率で見るわけにいかないからというので、積み上げ方式をとられた。ところが三十三年においてはそうではなくて、依然として昔の方式をとられている。ここにせっかくこの長期計画を出されているけれども、初年度において違う計画を出しては何にもならないじゃありませんか。これをお聞かせ願いたい。
○河野国務大臣 先ほども申し上げました通りに、数字を合わせようとかごまかそうとかという意図は持っておりません。どこまでも国民経済の実態に即してどう持っていったらよろしいかということで積み上げた数字でございますから、従って政府は完全雇用という線も実はくずしまして——理想は完全雇用でありまして、われわれの政治目標の理想がそこにあることは申すまでもありません。しかし現実はこういう数字である、日本の経済の実態はこうである、これでこういうふうな結論になりましたということでありまして、何も数字をまとめるとかごまかそうというようなことを意図して作ったものでは決してないのであります。これは御承知の通り官民一体となって作った計画でございまして、そこに何らのごまかしもなければ何もない。しかもこれが、今お話の通りにごまかしであるとが何であるとかということになりますと、国民の各位の御協力を願う場合に不安があって、大へんなことになると思うのであります。これは日本の将来の至上命令とさえ私は考えておるのでございまして、絶対にこの線は動かさずに行きたいと考えておるのでございます。御疑問の点は承わってわれわれも十分勉強いたします。 (多賀谷委員「去年とはどう違うのですか」と呼ぶ)これは、今回は長期計画として、従来の成長率が昨年ああいう事情で急に伸びました、あのままでは御承知の通り国際バランスが合っていかないということで、急激に緊急対策をとりまして、そこに一つの安定値を求めて、その安定値の上に積み上げていこう、こういうことにいたしておるのであります。従って今度のはあくまでも現実を現実として積み上げたのでございますから、その点を御理解願いたいと思います。
○江崎委員長 多賀谷君、ちょっと申し上げますが、だいぶあなたの持ち時間が過ぎておりますから、あともう一問が二問というところで結論を願います。
○多賀谷委員 経済五カ年計画と新経済五カ年計画が違うことはわかります。了解いたします。しかし新長期五カ年計画の出発に当ってなぜ昔の方式をとっているか。この三十三年の経済の大綱とこれとがマッチしていないじゃないか、こういうことを言っているのです。私は方式が違うということは、これは認めておりますけれども、なぜ初年度においてもうすでに違った方向に行っているのですか、こういうことを言っているわけです。
○大堀政府委員 ただいま御指摘の点は生産年令人口の取り方の問題だと存じますが、長期計画の方は十五才以上六十才未満を取っているわけであります。年次計画におきましては従来通り十四才以上を取っております。これは年次計画におきましては、労働力調査の統計が年々十四才以上を取っておりますので、長期の場合でございますと私どもは長期計画になりました方向がむしろ正しいのでございますが、現在の状況におきましては統計の取り方といたしまして労働力調査が十四才以上の数字しか出ておりませんので、それとの比較を見ます意味において、年次計画といたしましては十四才以上の数字を取っているわけであります。
○江崎委員長 もう一問ですね。
○多賀谷委員 私は形式を言っているのではありませんが、実は生産年令、その人口を十四才にとったから、あるいはこちらは十五才から五十九才までとったからということを言っているのではないのです。しかし組み方は、よく大臣が検討されるわけでありますが、確かに違うのです。三十三年度と長期計画がこれをどういうふうに調整するか。これは時間がありませんから今後十分検討していただきたいと思います。 そこで、総理大臣お聞き及びのように、完全雇用は、率直に言うと捨てた、こうおっしゃっておる。くずした、こうおっしゃった。理想はそうだけれども、この長期計画ではくずしたとおっしゃっておる。またくずしたように書いてある。それは私は認めます。そこで問題は社会保障になってくる。くずしたら社会保障をしなければならぬという問題になってくる。なぜこのもとの方式をとらないで新しい方式がとられたかといいますと、昭和三十六年、三十七年、三十八年はだんだんだんだん人口が多くなって、しかも老齢人口が多くなる。ですからもとの方式でいきますと、とんでもない完全失業者が出てくる。そこで政府は数字をとりかけたけれども、これをとらないで、そういう方式をおやめになったと私は考えていいと思う。この三十六年、三十七年をとりますと、今までにない膨大な生産年令人口になる。そこで私が申し上げたいのは、なるほど新しく卒業する人はいいでしょう。しかし昭和三十一年度と昭和三十七年を見ますと、六十才以上の老人が約百三十万人もふえておる。これに対しては長期計画に何ら書いてない。そうしてその間のつなぎをどうするかというのがきわめて重大な問題だと思います。恩給は三十六年がピークであると言われる。そこで三十六年までは国民年金保険はなかなか困難であるという、こういうことを考えざるを得ない。またそういうようにおっしゃった。そこで三十六—三十七年までの間に六十才以上の老人が百三十万も増加する、この状態をどういうようにして救済されるか。残念ながら長期計画を見ましてもどこにも触れられていない。一条の作文にしかならない。私はこれは日本の政治の大きな問題であると思いますが、総理はどういうようにお考えでありますか。
○岸国務大臣 社会保障の問題につきましては、昨日もわれわれは医療保障の問題と所得保障の立場から、国民皆保険と国民年金の制度を充実するように努めて参りたいと申しております。私は結局日本に、国民全部を網羅するところの国民年金という制度ができることが望ましいことであり、またそれを作ることに努力をしなければならぬことだと思います。しかしてそのためには従来の恩給を直ちにこれに編成がえするということにはいきませんけれども、これの調整を考えていかなければならぬ。調整という点は、具体的問題によってはなかなか困難な点がありますから、十分に検討していくつもりであります。しかしてそれまでに生ずる一時的の応急対策としては、やはり失業対策費をふやしていくということになるだろうと思います。それらのことと関連してこれに対処していく、こう考えております。
○江崎委員長 午後二時より……。
○多賀谷委員 一つ要望……。
○江崎委員長 多賀谷真稔君、もう一間だけ。
○多賀谷委員 六十才以上の問題を言っておるのです。失対の中では片づかないのです。六十才以上が百三十万もふえておるということを言っておる。これは失対では片づかない。そこでどうしても何らかの形で、その間のつなぎの救済をやらなければだめじゃないか。六十才以上に失対に行けと言っても、安定所ではこれは資格がありません。日雇い登録の資格がありませんといってけられます。ですからこのつなぎをどうするのか、これは大きな問題ではないか。これを言っておる。
○岸国務大臣 その問題につきましては、今申したように、国民年金の制度を何するということ、これが間に合うか間に合わぬかという問題になりますれば、本年の五月には社会保障制度審議会の答申も出ますから、しかしこれでどうしても間に合わぬということになりますれば、さらにまた考えなければならぬと思いますが、一応そういうつもりでおります。
○江崎委員長 午後二時より再開することといたしまして、暫時休憩いたします。 午後一時十五分休憩 ————◇————— 午後二時三十八分開議
○江崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際お諮りいたします。かねて指名をいたしました第一分科会主査須磨彌吉郎君より、主査を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 ただいま辞任いたしました第一分科会主査の補欠は、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よって第一分科会主査に田中久雄君を指名いたします。(拍手) —————————————
○江崎委員長 質疑を続行いたします。門司亮君。
○門司委員 最初に総理大臣にちょっとお聞きをしたいと思います。それは、きょう主として地方行政並びに財政に関する問題点の御質問をいたそうといたしておりますが、その前提条件として、今内閣が考えております地方の自治行政に対する基礎的の観念をこの際一つ明らかにしておいていただきたい、こう考えておりますので、総理大臣に一つその考え方をこの際お聞かせを願いたいと思います。
○岸国務大臣 申すまでもなく、民主政治の徹底を期する上には、その基盤として地方における地方自治の十分に発揮され、円滑に運営されることが必要であることは、言うをまちません。この意味において日本の憲法において、民主主義の大事な基盤として地方自治に関する条章を設け、特に各種の規定を整備しておるものだと思います。
○門司委員 ただいまの答弁だけではきわめて不十分です。私の聞いておりますのは、憲法に新しく地方自治の条章を設けております。その中で、私はきょうがなり時間を制約されておりますので、長い取引もできませんから、ごく率直に申し上げますが、あの憲法の条章の中で、地方の自治体の取扱いについて最も関係の深いのは、九十四条だと思います。従って九十四条に書いております。地方公共団体はその財産を管理し、事務を執行し、行政を行う権能を有する、同時にこれはやはり法律の範囲内で条例をこしらえることができる、この自治行政については憲法が保障いたしております。従って私は現憲法のもとにおいては、地方の自治行政というものは、住民自治をその骨子とするものであるというように解釈するのが正しいと思いますが、総理大臣はそうお考えになるかどうか。
○岸国務大臣 自治の精神を徹底し、これを十分に発揮していくということは必要でありまして、そのためにいわゆる住民自治というものと、団体自治という二つの考え方があるようであります。私はともにこれは相反するものではなくして、要するに日本の民主政治の基盤としての地方自治を完成するために、そういう考え方がありますけれども、要するに両者の考え方というものは相反するものではなくして、十分にその精神を生かして運用されるべきものである、かように考えます。
○門司委員 その辺が自治行政を行います根本の非常に大きな不明確さを求める原因になると私は思う。なるほど団体自治の形が、あるいは行政の中に出てくるかもしれない。しかし自治体の自治行政の根底をなすものは、九十四条の、執行あるいは行政を行う権能を有するということで、明確に憲法はこれを保障しているのです。従ってやはり自治行政の根底というものは、どこまでも私は住民自治の精神を貫くべきだ、こう考えておりますが、もう一度御答弁願いたいと思います。
○岸国務大臣 今申し上げましたように、憲法の条章をずっと検討いたしますと、住民自治ということも非常に重要なことでありますし、団体自治という点につきましても、やはり憲法はこれを考えておるのであります。従いまして、両者はこれの関係を十分に調整して、真の地方の公共の利益及びその自治が完成されるように努めていくことが適当であろう、かように考えております。
○門司委員 どうもその辺を明確にしてもらわぬと、これから自治行政のあり方について財政との他を論議いたします場合に、私は支障があると思うのです。この憲法を読んでみますと、どこにも今お話のような団体自治というものの出る余地がないのであります。ことに九十五条は御承知のように、一つの地方公共団体に新しい法律を適用する場合には、その自治体の過半数の賛成がなければ、その法律を施行することはできないというように書いてある。国会が法律を定めても、特定の地域における法律の場合は、地方の住民自身がこれを承認しなければ、それを施行してはいけない、こう書いてある。従って九十四条、九十五条の関連から申し上げていきますと、この憲法の精神というものは、どこまでも自治体における一つの行政のあり方というものは、住民自治であるということに規定づけられておると私は思うのですが、もう一度一つ御答弁願いたいと思います。
○郡国務大臣 この点について、私の考え方をお聞きとりいただきたいと思います。おっしゃるように、住民自治というものは、日本の自治行政を貫いていきます非常に大事なものであることは申すまでもございません。しかしながら日本の憲法なり、自治法というものが、国と別に地方公共団体という人格を強く認めて、みだりにこれに干渉いたすことなく、国と地方団体とが、両者相待って国民、住民の幸福をはかり得るという態勢に置きました意味合いにおきまして、団体自治はきわめて重要な点であります。しかしながら、新しい地方自治法がいろいろの点で住民自治を保障するために規定を設けてありますことは、御承知の通りであります。そのような意味合いで、住民自治と団体自治と両々相待って自治の基本の思想をなしておるという総理の御答弁のように、私も考えております。
○門司委員 政治論としては一応そういうことが成り立つかもしれませんが、憲法の解釈上からは、そういう議論は成り立たぬと思う。これは憲法は憲法通りに解釈するのが正しいので、政治論としては、あるいは現在の日本の行政の過程においては、あるいはそういうことが言い得るかもしれない。しかし精神自身はどこまでも住民自治の精神であって、ほかに何もこの憲法の中には書いてないのです。ことに九十三条にはやはり自分たちの首長並びに議会の議員その他法律で定めた公選されたものについても、住民が直接選挙をし、さらにこれをリコールすることができるという、どこまでも地方自治体というものはそういう形で行われるということに相なっておる。だから今の総理大臣や郡長官の答弁は、政治論としては一応私どもは聞くことができると思いますが、憲法の解釈としていえば少しおかしい。この辺をはっきりしておいていただかぬと、これから先、日本の地方行政の中に非常に大きな新しい問題を持ち込んでくる危険性を持っておると思う。その危険性の現われとして出てるのが、地方制度調査会のいう、知事は官選でよろしいというようなことが出てきておる。今日本の自治行政はきわめて危険な段階にきておる。従って政府の解釈がはっきりしておらぬ限りは、地方の民主的行政というものが失われんとする段階にきておると思うから、こういう質問をしてるんです。従ってもう少しはっきりしておいていただきたい。
○郡国務大臣 おっしゃるように、自主財政権であるとか、自主立法権であるとか、それから、ことに直接に住民が機関の選任等に関与いたしまする制度が保障されておりますることは、今の憲法の特色だと思います。ただお話にございましたが、団体自治という思想は、憲法の中に地方自治について新しい条章を設けましたときに、国と別個の地方公共団体というものの地位を高く考え、そしてこれを保障するという意味合いの団体自治は、この点はやはり非常に大事な要素だと思います。しかしこれについては一つの基本をなしておる思想として、私どもも憲法を解釈すべきものだと思っております。仰せの通り、住民自治について多くの規定を設けて、そして保障しようといたしておる努力というものは、この憲法の上に十分現われておる。それは尊重しなければいけないと考えております。
○門司委員 どうも憲法の解釈が政治論に発展していっては、なかなかこれは議論が尽きないと思いますが、もう一応この際このことについて聞いておきたいと思いますことは、参議院の本会議で田畑君の質問に答えて郡長官は、地方制度調査会の答申をどうするかということについては明確な答弁をされておりません。この際この点について、どういう取払いをされるのか、はっきりしておいていただきたい。
○郡国務大臣 地方制度調査会は、日本の国の自治体の行政というものは、次第に広域に相なっておる、それから国と地方との関連を密接にしなければならないというような点が、現在の地方行政の上にいろいろ指摘いたされると思います。かような意味合いで、私は地方制度調査会の多数案として答申されております地方案にも、一つの大きい特色があると思います。しかしこれには、あの答申自身指摘しておりますように、まだ未検討の部分がだいぶございます。そのような意味合いで貴重な資料としてこれからの検討を進めて参ります。その答申をもって、直ちに政府がその方向にものを進めるというような段階にはまだ至っておりません。
○門司委員 確認しておきたいのですが、そうすると政府の考え方は、地方制度調査会の答申案をそのままうのみにするようなことはない。要するにその問題には別個の考え方を持っておる、きわめて重要なものとして尊重するとおっしゃったのですが、そこが非常にむずかしいのです。先ほど申し上げましたように、地方制度調査会の答申案の中には、団体自治と住民自治とつなぎ合したような、あるいは官治行政と民治行政を明らかにつなぎ合したような答申がされておることは長官も御承知の通りであります。こういうあいまいさであっては、憲法にいう地方自治の精神は貫けない。従ってその点をはっきりしておきたいのでありまして、もう一応長官から、あの答申案に必ずしもこだわるものでないというような御答弁ができるなら、この際しておいていただきたいと思います。
○郡国務大臣 お言葉にありましたうのみにするというような意味合いでは、あれを全部とり得る、それほどに完全な答申という工合には考えておりません。ただその持っております国と地方との関連をもっと考えなければいけない。今ではどこかに国の行政と地方の行政の間にギャップがある。つながりがない、こうした点を指摘し、考えておるという点は、私はこれからのいろいろな考え方の上に取り上げて参らなければならない。全体の国内行政権が広域行政になっておりますから、私どもから見ますとかなりに多くの国の出先機関というものが国内に残っておる。こうしたものについては、自治体との調和をとるべきものじゃなかろうか。そういう点についての一つの考え方を出しておるものとは思いますけれども、重ねて申しますれば、あの案をうのみにするほど完全なものとは考えておりません。
○門司委員 次に聞いておきたいと思いますことは、地方の自治体にとってはきわめて大事な問題であります三十三年度の地方財政計画がまだできていないという話でありますが、どういうわけでこれができないのか、その理由を一つはっきりこの際していただきたいと思います。
○郡国務大臣 おおむね明年の地方財政計画は一兆二千三百五十億円前後に相なるものと考えております。御承知のように国の予算の中に盛られております補助事業等を地方に移して参ります場合に、それぞれに適しました地方の負担を指図し、そのようにいたして参ります作業が、若干歳入歳出等に残っておりますが、これらはほとんど調整ができましたし、計算すべきものは計算できておりますので、きわめて近日中にまとめ上げることができることと考えております。
○門司委員 今きわめて要領のいい答弁でございましたが、国の予算が提出されてからきょうで何日になりますか。二十日過ぎております。ところが地方財政計画は今お話のように、数字的に見て参りましても国の予算を上回る大きなものであります。ことに全国の都道府県、市町村は、この地方計画を目安にして予算を組まなければなりません。従ってこの問題はできるだけ早く国会に提出してこれを審議すべきだと私は思うのだが、おくれている原因の中に、来年度の地方の増収の問題について、大蔵省と自治庁との間に意見の食い違いがあるということを聞いたのですが、その通りですか。
○郡国務大臣 お言葉を返すわけではありませんけれども、地方財政計画をお目にかけたのは、昨年もたしか二月二十八日のぎりぎりでございましたね従いまして、おっしゃるように決してそれがいい例だというわけではございません。ごく急ぎます。それから歳入地方税の見積りの点でありますが、これも門司委員よく御承知の通り、実際の予算にはそれぞれの団体の必要で、標準税率の超過課税でございますとか、準拠税率の超過分だとか、こういうものが当然出て参ります。しかし地方財政計画にはそういうものを見ておりませんから、そういう点で整理をいたして参りますと、今日自治庁と大蔵省の間に格段の意見の差はございません。従いまして地方税についても大体まとまりましたものと御了解いただきたいと思います。
○門司委員 今、去年は二十八日に出したから、こういうようなお言葉ですけれども、この点について、これは総理大臣から一つお答えを願っておきたいと思います。御承知のように、地方財政計画自身は必ずしも的確なものではございませんが、地方の自治体もやはり今月の末から来月にかけておのおの予算を組むわけであります。その前にこの地方財政計画というものが十分にこなされて、そうして十分これがわかっていないと、地方の自治体は非常に困るわけであります。従ってできるだけこの問題を早く国会に出してもらうということは当然でありますが、この機会に総理大臣に聞いておきたいと思いますことは、今の国会法におきますると、地方財政計画は単に国会に出せばいいというだけでありまして、決議を要しないことになっております。この点は地方財政計画のおくれる最大の原因です。地方財政計画というものは国会に出せばいいのだ。地方行政委員会であれを議論しておるが、しかし承認を求める必要も何もない。ただその議論のしっぱなしだ。従っておそく出てくれば、ほかの法案が出て参りますればほかの法案の審議をしなければいけない。この取扱いはきわめておろそかになるわけです。従って一つの考え方として、地方財政計画も国家予算と同じようにやはり国会の中で十分に論議を尽して、そうしてこれが国会の承認を得るというようにすることの方が私は正しいと思うのだが、総理大臣はその点どうお考えになりますか。
○岸国務大臣 御説のように、地方財政計画の性質から申しますと、これを国会の承認を得る問題にするということは、私は性質上適当でないのではないか、かように考えます。
○門司委員 どういうわけで適当でないのですか。そのわけを一つはっきりお聞かせ願っておきたいと思います。
○岸国務大臣 地方財政に関する一つの計画でございまして、これを従来の例から、また実際の取扱いからごらん下さいましてもわかりますように、これを国会の承認を受くるものとするということは、私はその性質上適当でない、こう考えておるということを先ほど申し上げたわけであります。
○門司委員 どうもただ観念的におかしいと言われたって一向私どもにはわからぬのであります。御承知のように、この地方財政計画とそれから国家予算との関係でありますが、国家予算はここで審議をいたしておりますが、その国家予算の中の約半分というものは、あるいは半分をこえているかもしれませんが、その数字をほとんど消化をするのは地方であります。そういたしますと、実際の予算を使うのは一体どっちが大きいかということであります。ことしの予算を見て参りましても、国家予算の中の半分以上でしょう。一兆一千億でありますから……。交付税を二千二百億見て、さらに補助金をかりに三千億と見ましても五千二百億ないし五千五百億になる。そうするとちょうど国家予算の半分というものは地方で使うことになるのです。その実際の予算を消化いたします地方財政というものが、国の承認を得ないでも、そのままでいいということになりますと、ここにさっき申し上げましたように、ほんとうの住民自治の事態というものが現われない。官僚の小手先だけでこの財政が牛耳られる危険性が出てくるということになる。従ってやはり地方財政計画というようなものをはっきりと国会で承認をされて、そうしてその中で仕事をしていくことの方が正しいと思う。もう一度御答弁を願いたいと思います。
○郡国務大臣 お話のように、地方財政がきわめて重要な地位を占め、また国の予算でありますものも多くは地方団体の手を通じて消化いたされております。同時に冒頭におっしゃいましたように、地方自治というものは憲法において強く保障をいたされておる。そうしてそれぞれの自治体は、それぞれの独立の議会を持っております。その議会においてそれぞれ審議決定いたされるものでございます。国会がこの大体の歳入歳出の見積りにつきまして十分な御審議をいただきますことは、もとより必要なことであり、けっこうなことでございます。それ自体を承認し、決定するという仕事は、私は国会においていたすべきものでなく、それぞれの自治体においての議会がいたしますから、その全体の見込み額は、ただいまの形のように国会に御提出いたしますという形が、一番妥当な扱いだと思っております。
○門司委員 あまり長く議論をしていると時間の問題にひっかかりますから……。もう一つこの問題について聞いておきたいと思いますことは、地方の会計年度と中央の会計年度との関係であります。中央の会計年度と地方の会計年度が今同じでありまして、ここで今審議しておりまする、さっき申し上げましたような地方の自治体がたくさん消化しなければならない補助金であるとか、あるいは交付金であるとか、あるいは剰余税とかいうものがここできまるのが、やはり三月三十一日になります。地方の自治体も三月三十一日に議決をしなければなりません。ここできまっておりませんもの——ことに地方財政計画は今お話のように、ただ承認を出しさえすればそれでいいんだというような、いいかげんなことを——いいかげんという言葉は怒られるかもしれませんが、そういう取扱いで行なって参りますと、地方の自治体では何を当てにしてほんとうの予算を組むことができるかということであります。地方の自治体が今月から来月にかけて、一生懸命に組んでおりまする予算すべては骨骼予算である。暫定予算とは申し上げませんが、骨骼予算であって、ほんとうの各自治体の予算でないということを私ははっきり言えると思う。従って中央と地方との会計年度を変えることが、この際地方の自治体の財政運営のためには非常に効果的ではないか、こう思います。この点についてのお考えが聞かしていただけるならはっきりしていただきたい。
○郡国務大臣 会計年度を別にしたらどうか、これは今門司委員もおっしゃいましたし、また一つの有力な意見としてございます。同時にまた日本のいろいろな財政を通じての会計年度というものが同じでありますることが、比較をいたしましたり何かいたします場合に便利の点もあるように考えております。しかし御指摘の点は一つの大きい地方財政の今後についての問題だと思いますので、よく研究いたしたいと思います。
○門司委員 その次に聞いておきたいと思いますことは、これは大蔵大臣に一つお聞きをしておきたい。現在の地方財政の赤字の原因について政府はどういうようにお考えになっているか、この点を一つ大蔵大臣からはっきり聞かしておいていただきたいと思います。
○一萬田国務大臣 これは自治庁長官から御答弁すれば詳しいことがわかると思いますが、敗戦後におきまして日本の国情に困難があり、非常に国力が低下している、そういうふうなことから、やはり財政の立て直しにおきまして、中央、地方、特に地方は、先ほど申しましたように、独立性を持っているわけであります。しかし実際いろいろと財政需要の多いのは、あるいは地方もなかなか多かった。ところがそういう際に国の力が衰えているだけに財源を十分に、私は率直に言うて、配分はできなかった。従いまして今問題になっておる公債費といいますか、いわゆる地方債、借入金によって財政をまかなっておるものが少くないだろうと思っておる。そうかといって当時は国からいろいろと手を差し伸べるというほどのゆとりもない、こういうふうなことが一番基本だと思います。同時にまた地方の行政制度が戦後非常に変りまして、主として選挙、これはいいとか悪いとかいうんではございませんけれども、行政制度の変った結果からいたしまして、行政水準なんか上ってきている。財政力に見合うというよりもむしろ行政水準が上っていくというようなことにも私は胚胎しているのじゃないかと思う。なお具体的な詳しいことは自治庁長官からお聞きを願いたいと思います。
○門司委員 今大蔵大臣の原因としてお述べになりましたのは、一つは国からの財政措置が不十分であったろう、こういう御答弁に聞き取りましたが、私は国からの財政の関係で非常に不十分であったということについてもう少し聞きたいと思います。どういう点が一体不十分であったか、具体的に一つだけあげて下さいませんか。
○一萬田国務大臣 私は地方の財政についてむろんできるだけ詳しく具体的に把握することに努めているのでありますが、しかし大蔵大臣としては、主として地方の財政計画によって大局的に地方の財政のあり方を把握しております。そうして個々については、自治庁長官を通じて地方の財政を把握する、こういうふうなことになっております。私はそれで大体いいと思っております。具体的な点については、自治庁長官からお聞き願いたいと思います。
○門司委員 自治庁長官から聞けというお話ですが、自治庁長官にはしばしばお目にかかって聞いております。私は実は大蔵省からの御意見を聞きたい。私が聞きますのは、今日の今の大蔵大臣の言われた中でありますが、さっきいわゆる財源が不十分であったということを認められている。これが一つの大きな原因だと思っている。その次に問題になって参りますのは、行政水準の問題を今言われましたが、大蔵省の考えております行政水準というのは一体どんなところが行政水準なのか。日本の地方行政の行政水準というのは何です。もし行政水準についてこれが高まったから財政が困るようになったのだということなら、これは非常に問題ですよ。今日の日本の地方自治体の行政水準がどこまでよくなるのか、今のままの行政水準でよいのかどうか、それを伺いたい。
○一萬田国務大臣 あるいは私の言葉が不十分であったかもしれませんが、私の言う行政水準というのは、ある一定の水準をとって言っているのではなかった。御承知のように敗戦後における各地の状況というものは惨たんたるもので、それがだんだん復興していき、またいろいろな国民生活についても向上をはかっていかなければならない、その点を言うている。そのテンポに財政の力というものが必ずしも見合っていない。むろんテンポが悪いというのではありません。そういう程度の国民生活の上昇というものは、必要最小限度としてしなければならぬかもしれぬ。しかしそれにかかわらず、それに見合う財源が必ずしもなかったかもしれない。そこで借入金という形でいって、それが負担になっているのではなかろうか、そういう意味で申したのであります。
○門司委員 そうだといたしますと、今日の地方財政の非常に困っている原因はあげて政府の責任だ、こう解釈して差しつかえございませんか。
○一萬田国務大臣 それは私は政府の責任というふうな問題ではないと思います。
○門司委員 おかしいじゃないですか。行政水準をどうしても上げなければならない、荒廃した地方自治体のいろいろの仕事を復旧するためにたくさん金が要る、しかしそれには見合うだけの財源がなかった、あるいはこれを与えなかったというならば、これは一体だれの責任かということであります。私はこの際もう少し突っ込んで聞いておきたいと思いますことは、大臣はそういう答弁をされておりますが、今地方の自治体で一番困っておりますものは、御承知のように公債であります。地方債であります。地方は地方債を今年度末で五千五百億ぐらい持っているでしょう。こまかい数字はわかりません。国は戦後公債を発行しましたか。発行したのはわずかに遺族に対する五万円の債券だけでしょう。国家財政を健全化することのために地方財政を犠牲にしたということが、今の大臣の答弁によりますればはっきり言えると思う。これを承認されますか。
○一萬田国務大臣 私が申し上げるのは、責任というのではなくて、むしろそれが日本の当時の国力あるいは国の姿であった、かように私は考えているのであります。それなら国の方の財政というものを整えぬでおいて地方の財政を整える、これでも私はいかないと思う。ですから私は、国の政治全体として、戦後の国をどういうふうに立て直していくかという基本的方針にかかることだと思う。
○門司委員 国をどう立て直していくかということになりますが、やはり地方の自治体も国の中であって外国じゃないです。国の中の仕事ですよ。ですから今お考えのように、大臣は国の財政を立て直すんだから地方の財政は仕方がないという答弁ですが、地方の四十余りの都道府県や五百余りの市三千以上の町村がありますが、その中に全部の日本の国民が含まれている。それ以外に日本には国民はいないのですよ。そういたしますと、どうも大臣の答弁で、地方の自治体の仕事をするかしないかということは困った問題だと思います。従って、今日の地方財政のこの困っておりまする状態は、やはり政府の責任においてこれを解決するということに私はしてもらいたいと思うのだが、大臣はそうお考えになりますか。
○一萬田国務大臣 私は、政府の責任とか、そういうふうなことを言うべきじゃないと思います。地方財政にしてもむろん国の政治でありますから、国としてはこれを改善していく上に全責任を持ち、また努力を払うことは言うまでもないことであります。そういう意味においてなら私はそれでいいと思います。しかし、特に地方財政が今日よほどよくなった。私は悪いと思っておりませんが、地方財政について何か国の政府が責任があるという意味においては、私は言うべきじゃないと思います。
○門司委員 大蔵大臣は地方財政はあまり悪くないとお考えになっているかもしれませんが、それじゃこれからぼつぼつ地方財政の中を洗ってみたいと思いますが、一々はっきりした答弁をしてもらいたいと思います。 今日持っております地方財政の借金の総額は、今申し上げましたように、自治庁が出しておりまする大体の数字は五千二百億内外だと思いまするが、これには当然三十二年度の地方の起債に振り当てられておりまする公募債がまだ消化されていないと思います。従って、この公募債を加えて参りますと、現在高は大体五千五百億になると思います。そういたしますと、これの元利払いは一体どうなりますか。三十一年度の決算を見て参りましても、七百三十五億あまりこれの支払いをいたしております。そうして年々ふえておりまするこの地方債の総額というのは、大体三百億から五百億くらいの間を往来して毎年ふえております。従って、今日のこの状態でずっと昭和四十年までこれをかりに持っていくといたしますと、借金の総額は一兆になるであろうということは、大蔵省自身がはっきり言っているでしょう。そうして元利の支払いが一千億をこえるでありましょう。こういう経過を現在たどりつつある。地方財政はどこに一体健全性があるか。足りないものは借金で今までまかなっているでしょう。これでも、大臣は、地方財政は健全だ、よくなっておるというようにお考えになりますか。
○郡国務大臣 ちょっとこの間私の考え方をつけ加えさしていただきたいと思います。現在、御指摘のように、地方財政が苦しくなって参りまする原因は公債費対策というものが不十分だったという点がございます。それから国家公務員に比して著しく数が多い地方公務員を持っております給与費の増高の問題があります。また、これは全体として考えなければならないことでありまするが、国の補助事業というものが果して地方の財政を十分考えられてすべてができているかどうかというような点もだんだん考えなければならないことだと思います。しかしながら、いろいろと措置を講じて参りまして、ことに今年度の地方交付税の率の引き上げ等によりまして歳入規模の是正されて参りましたことは、確かに地方財政の好転して参る原因に相なるだろうと思います。この機会に、一方歳出の方で、常に注意をいたしながら、おっしゃるように適債事業でないものを公債に追い込んだ、これが確かに今一日苦しくなってきた原因でございますが、その対策として交付税の率の引き上げ等をいたしました。そのような意味合いで次第に改善ができていくものと私は思います。
○門司委員 今自治庁長官がきわめて都合のいいような御答弁をされておりましたが、それでは私はもう少し数字的に具体的に聞いて参りましょう。 今問題にされております問題で、長官があげられましたのは、交付税がふえたというようなことを言われておりまするが、交付税のふえたことは当然であります。がしかし、公債費については何らの手が打たれておりません。私が申し上げておりますのは、公債費に手を打たない限りは地方の財政というものははっきりしない。現在ありまする公債費はこういう数字でしょう。ここに書いてありますのは大体現在高でありますが、教育費としての借金がまだ七百五十二億ある。災害が千五百四十四億、その他のものを加えますると、二千五百七十七億を加えて四千八百七十三億という数字は、これは一般債であります。そのほかに借りかえ債として六十四億、さらに交付公債として四百九十四億、退職手当債としても百十四億、これを加えて参りますると、一般債の総額は大体五千五百四十五億、このほかに公営企業債として二千九十六億持っております。これは大体昭和三十二年度末の推定の残高であります。この中で交付税をふやしただけでこの公債費が片づくとは私は考えられない。少くとも政府はこれらの公債の内訳をもう少し私ははっきりしていただきたいと思う。一つの問題は義務教育の施設費でありまするが、これは戦後における国家の教育方針の変更に伴う地方財政の負担であったことに間違いはございません。しかしこれが全部地方の借金になっておる。それから、その次にあります災害にいたしましても同じことであります。災害費というようなものが借金になっておりまするが、これもやはり何も地方自治体が特別にこしらえたわけではない。少くともやはり国がこれをそのままほうりっぱなしにするわけには参りますまい。その他のものの中にありまする公債費の中には、これは自治庁の長官よく御存じだと思いまするが、当然政府が措置しなければならなかった財政措置がたくさんしてないことがある。たとえば昭和二十四年の財政計画のときにどういうことをやったか。地方財政の今日の公債費の原因はここにあるのであります。その当時あった配付税の、所得税と法人税の三三・四を地方に配付しなければならないという法律を一六・二九に切り下げたでしょう。このときに地方財政に四百数十億の財政不足のできたことは御承知の通りであります。これを基礎にして地方の財政計画が昭和三十年度まで立てられた。一番地方財政の数字のどん底の悪かったときを基本年度として、昭和三十年まで地方財政計画が立てられております。従って、一つは地方財政計画の策定の政府の大きな誤りであったということであります。同時に、これに伴ってつけて参りました借金が、従来借金をつけてはならない消費的経費にまでずっと足りない分が公債になって現われてきた。ことにはなはだしいのは、昭和二十七年の給与改訂に伴う財政措置がされておりません。昭和二十九年の譲与税改正に伴う財政措置がされておりません。当然政府が財政措置をしなければならないものを財政措置をしない。そうして借金の形にずっとこれを追い込んできた。従って、具体的に言うならば、当然支払う能力のない、いわゆる償還能力のないところにまで一切を借金財政で地方財政を行なってきたというところに今日の問題があるのである。従って、あげてこれは政府の責任だと私は思う。これらの問題について、政府は一体どうこれを解決されようとするのか。ことにはなはだしいのは——時間がありませんから立ったついでに申し上げておきますが、交付公債とは何ですか。一体借金というのは大体足りないから貸してくれというのが当りまえだが、日本の公債の中には借金を交付するというのが一つある。国の都合で仕事をさせて、地方がそれに見合う負担金を支払うことのできない場合においては、これを交付公債として政府は借金を押しつけております。これは国家の、国の一つの事業計画の中に置かれた仕事である。地方自治体がそれに見合うだけの財政能力を持っていなくても、国がこれに仕事をさせていく。その負担金が全部借金になって残っておる。その総額が約五百億あるでしょう。四百九十何億とあるでしょう。しかもそれについては全部ちゃんと六分五厘の利息をおとりになっております。一体こういう公債政策がどこにありますか。従って、政府は地方財政計画を健全にしようとするならば、この公債費を一体どうするかということをこの際はっきり一つ御答弁願いたい。
○一萬田国務大臣 公債費につきましては、御説の点、それはそうでないと言うのではありません。そこで、政府といたしましても、この公債対策には非常な注意を払っておりまして、地方債の発行につきましても、一般会計債というものは特に押えるようにしたい。昭和三十三年度の予算にも如実に示しておるわけであります。そうして、収益の上るものないし公営事業、こういうものを地方債で財源を求める、こういうふうにしております。 そうして、他方財政資金あるいはまた財源をなるべく強化をいたしまして、地方の財政を全体として強化する、こういう方針であります。 それから、先ほどからありましたが、そういうふうな行き方で、たとえば地方税なんかにつきましても、よほど情勢がよくなってきておる。三十一年の決算でも、全体の五千億程度の財政計画に対しまして、五百億以上の増収がある。三十二年はおそらくこれも七百億くらいは財政計画については黒になる。三十三年度についても五百億、六百億はある。こういうふうにして徐々に地方財政というものはそういう面からも健全化をいたしておる、かように考えております。
○門司委員 私は大蔵大臣にそんなことを聞いておるのじゃないのです。今申し上げましたように、公債費がこういう形で出ておりまして、従来つけることの不適当であるというようなものまで現在はずっと借金をつけてきております。そこで、公債費にメスを入れてこれをどこかで解決しない限りだめです。私ははっきり言っておきましょう。利息を下げるか、あるいは償還年限を延ばすか、こういう公債費にメスを入れない限り、処置しない限り、地方財政というものは健全にならぬということです。今申し上げましたように、だんだんこれはふえていくのです。借金がふえていって、これを払うのですから、多少の増収はありましても、これは借金のかたにみな取られるのだから、いつまでたってもよくはならないのです。ですから、この借金はどうするかということです。国にたな上げするような余裕財源があるときには少しはこれを考えたらどうですか。この点についてどういうお考えがありますか。
○一萬田国務大臣 今私が申し上げましたように、地方の財政は、固有の税収もあるし、交付税も相当ふえてきつつあることは御承知の通りであります。従いまして、この公債の元利金の償還につきましては、私はむしろ交付税の配分について考慮を加えていくことによって解決できるのじゃないか、かように考えておるわけであります。
○門司委員 そんなことでこれが解決がつくという考え方自身が実際はおかしいのですよ。何度も言っておりますように、公債費にメスを入れなければだめです。公債費の利息を見てごらんなさい。国家資金の方は六分五厘でしょう。公募公債は八分五厘。かりにこれを外国の例に当てはめてごらんなさい。どうなっておりますか。アメリカは地方債については五分以上の利息を取ってはならぬという規定を設けております。イギリスは平均して三分七厘五毛でしょう。日本の公債費の利息が一番高いということですよ。しかもその責任はすべて国にあるというように大臣お考えになっておるようですが、国にあるとするならば、国家に余裕財源があるときには、こうしたほんとうに解決しなければならない地方債に向けられることが私は至当だと思う。はっきり聞きますが、公債の利子を下げられる御意思があるかないか、あるいは償還年限を延ばされる御意思があるのかないのが。
○一萬田国務大臣 今のところ考えておりません。
○門司委員 今のところ考えていないというお話でありますが、今のところお考えになっていないとすれば、公債対策については何もお考えになっていないということに解釈する以外に方法がないのでありますが、これでは地方の自治体はいつまでたっても財政は健全になりませんよ。せめてそれではもう少し下において参りましょう。国の責任だと考えられる教育費の借金をしたものであるとか、あるいは災害のものであるとかいうようなもの、全部これを政府が責任を持てとは言いませんが、たといこれの利息の半分でも政府は援助する考えはございませんか。
○一萬田国務大臣 私の考えは、むろん地方財政のことを決してなおざりにしていない。政府としても全力をあげるのでありますが、しかし、一面地方の税収をふやして財政を強化していく、そして他面起債による部分をなるべく今後少くしていく、そして起債は先ほど申したように収益のあがる部分に限っていく、こういうふうにしていけば漸時元利金の償還もふえていく。むろん短時日にすぐどうというわけにはいきませんが、今後において、地方財政が公債費において破綻になる、あるいは非常な困難になるというのではなくして、ある一定の間は、しばらくの間はあるいは公債費もふえるだろうと私は肯定しておりますが、ある一定の時間を過ぎれば徐々に低下していく、かような見通しを立てております。
○門司委員 地方財政というものはそういう簡単なものではないと思います。ある一定の期間を過ぎればよくなると言ったところで、期間を過ぎるまでは一体どうしますか。そういう悠長なことで今日の地方財政がまかなえるとお考えになっておるかどうか。 これから少し数字的にものを聞きますが、公債政策は、今の大臣の御答弁では、何も考えておらない、地方の税制の関係からくるものにまかせてこれをやっていく、同時に公債の発行をある程度制限していく。これから先はそれでよろしいでございましょう。しかし、今日の地方財政の破綻の原因と言われております、現在のごときものにメスを入れない限りはだめです。これから先の問題を私は聞いておるのではない。今あるものを一体どうするかということ。かなり増収ができても、今までの公債費をこのままの姿でおいていたのでは、どんなことをしてもこれにみんな食われてしまう。いつまでたったってよくならない。どうするかということです。公債の償還年限だってそうです。地方財政法には明らかに、地方債は耐用年数をこえてはならないと書いてある。この裏は、耐用年数までは償還年限を認めておるわけです。ところが、日本の地方債はどうなっておりますか。公募債は七年、資金部資金のものは平均して十七年半。学校の建築を一つとってみましても、国が老朽校舎として改築を認めるものは四十年。四十年たたなければ老朽校舎としての改築を認めない。借金だけは十七年半で返せという。こういうところにやはり借金の重荷があるのではないですか。こういうものを考えてみますと、どうしてもこの問題については、利息を下げるかあるいは償還年限を長くして、今大臣のお話のように長い目でこれを解決するというのなら、そういうこと以外に解決の方法はないのであります。もう一度はっきりこの点は御答弁願いたいと思います。
○一萬田国務大臣 私は、御意見はよくわがるのでありますが、やはり地方税収等の一般の財政の状態と見合って徐々に地方債も償還をして、国の負担を軽くしていく、そういう方向以外にはなかろう、かように考えておるわけであります。
○門司委員 そうしますと、大臣に聞いておきたいと思いますが、地方財政は今大臣がお述べになったようなことで大体まかなえるというようにお考えになっておるのでございますか。
○一萬田国務大臣 今日の地方財政の状況から見れば、従来の借金も相当償却をし、かつ生活水準を上げる、あるいは行政水準を上げるということも可能である、かように考えております。
○門司委員 もし大臣がそういう考え方であるとするなら、これからさらに町村財政の内容を申し上げて、大臣の財政的の処置をお聞きしたいと思いますが、その次に聞いておきたいと思いますことは、地方の自治体における税外負担がどのくらいあるかということを自治庁長官から一応御答弁を願っておきたいと思います。
○郡国務大臣 税外負担は、何と申しますか、組合費的な形の部分もございますし、また予算によりますものもございますし、私ごく手近に見まして、やや小さいかもしれませんが、PTAでありますとが、消防でありますとか、従ってその中には公費でまかなう方が適当だと思うものも含まれておる額として、およそ三百億くらいは考えられるんじゃないかと思っております。
○門司委員 大蔵大臣、今お聞きになりましたか。税金であなたはまかなってやれるというお考えをお持ちになっておりますが、現在でも税金でまかなえない税外負担を住民は三百億負担しております。これは税金外ですよ。住民に税金外に三百億の負担をやらしておいて、それでいいというお考えですか。
○一萬田国務大臣 さような税外負担があること、ないしそれが大きくなるということは好ましくない、これは言うまでもありません。しかし、また一面、地方におきましては、いろいろな施設等におきまして、直接国民生活と密接な関係があり、その結果、たとえば手数料とかあるいはまたいろいろな使用料というような関係において税外収入があるということもまた、私は、ある程度やむを得ないといいますか、そういうことがあってもまあまあ——また学校施設についても、小学校の施設に父兄の負担が多いということもしばしば聞きます。私も承知いたしておるのでありますが、しかし、これもものによっては、私は、ある程度、今の日本の社会の通念から言えば、まあそうきびしく考えなくてもいいのじゃないかと考えております。いずれにいたしましても、そういうことはいいことではありませんから、地方財政を強化いたしまして、そういうことを一日も早くなくして地方団体でやっていけるようにしたい、こういうふうに考えております。
○門司委員 今大臣のお話でありましたが、手数料とかなんとかいうようなものは地方財政計画の中に一千億見積っております。こんなものを私は議論しておるのじゃない。今申し上げておりますのは、現実に地方の自治体が負担しておる額でありまして、私は決して仮想の数字を言うわけではない。三十三の府県に照会をして、八十四の町村からの実態調査の数字は、税金に対する二八・五税外負担があると、はっきり町村会で発表されておる。これは何も手数料だとかあるいは過料だとかいう数字じゃない。当然町村が負担すべきものを地方の住民のこういう税外負担の形においてやっておる。従って、はっきり言えば、税金の約三分の一というものが税外負担で地方に納められておる。それによってかろうじて今日の地方の行政水準というものが保たれておるのであります。もし、先ほど総理大臣の御答弁のように、地方の自治体というものを完全にしていこうとする、団体自治の形もこれに取り入れなければならないというならば、住民負担というのは国家の責任において解消すべきです。住民に税外負担をさせておいて、そうして国は知らぬ顔をしておるというのは、実際おかしいですよ。税外負担をなくするというお考えはございませんか。
○一萬田国務大臣 国が何でもむとんちゃくで、今お話のように涼しい顔をしておるというようなことは絶対にありません。国と地方といっても、これはみな同じことなんです。ただ行政等のあり方において異なるだけであって、地方の住民が非常に苦しんでおるということは、国が苦しんでおることと本質において変りはないんですから、そんなことは絶対に考えておりません。しかし、そういうふうにいろいろと話がありますれば、それなら地方の行政というものは国との関係においてどうあるべきかというところまで発展していかないと——そうすれば地方自治という先ほど非常に強調された地方の独立性というものが非常に問題にもなってくる。その辺にも問題解決の一つのポイントがあるのじゃなかろうか。地方財政にしても、大蔵大臣は何も言うことは——それは地方財政計画において自治庁当局と相談をしてやっておりますけれども、大蔵省で地方の財政ああしろこうしろということは何もないのが今の実情なんであります。そういう点も一つ、これは行政、財政両面にわたって考える必要があると思っております。
○門司委員 大蔵大臣、それはちょっとおかしいです。国も地方も同じだと言われますけれども、これは国民の税金以外の負担がこうなっているということですよ。国の建前としては、地方の自治体の建前としては、いわゆる国民の能力に応じた、税制によってまかなっていくというのが建前でしょう。国の方はちっとも負担がないんですよ。地方だけ税外負担を住民に押しつけておいて、それでよろしいという大蔵大臣の答弁は納得しかねるのですが、これは自治庁長官に、この問題について最後に伺っておきたいと思いますが、これでよろしいとお考えですか。このままの姿でよろしいとお考えですか。何とか財政処置をしなくちゃならぬと思いますが、財政処置をしなくてもいいというようなお考えですか。
○郡国務大臣 先ほど御指摘のありました公債費対策の中の交付公債の問題等も、今年度は解決はいたしませんでした。これらについても、今後も十分な協議をいたして参るべき種類のものもございます。いろいろ検討すべきものも一方にございます。と同時に、先ほども申しましたように、ただいまの住民負担については、これを税外で負担する方が、むしろ形として見やすいものも二、三あると思います。しかし、その中で明瞭に公費として見なければならない部分につきましては、これをよく調べまして、徐々に地方財政の中で解決して参りたいと思っております。
○門司委員 どうもそういうことでは——これは公債費の問題も解決がつかない、住民の税外負担も解決がつかないというようなことになりますと、地方自治体としての財政の解決もつかない、住民の負担も減らない、こういう形になると思います。これでは地方の住民はかなわぬですね。これは農林大臣にはっきり聞いておきたいのだが、農林大臣の立場から、今日の農村の状態をどうお考えになりますか。公租と公課その他の負担の振り合いであります。これはあなたの方から出た書類にはっきり書いてあるから、数字の説明をしなくても、あなたの方は御存じだと思います。大体数字を見て参りますと、税金と、ある場合にはこれをオーバーする公課と寄付金その他が、ちゃんと統計表に出ておるのでありますが、これで農村の住民の姿がよろしいとお考えですか。
○赤城国務大臣 お話のように、税の負担外の負担が非常にふえておる事実は、私も承知しております。これは、私といたしましても、農民の負担が多くなることでありますから、いい姿だとは決して考えておりません。
○門司委員 いい姿とお考えになっておらぬとするならば、一体これをどう解決されようとするのですか。
○赤城国務大臣 私の方といたしましては、税ばかりではありませんで、やはり農民の生活水準を上げるということに力を入れておるわけでありますが、同時に、負担の面におきましても、小さい農家等の負担を軽減するような形におきまして自治当局とも大いに検討を加えて参りたいと存じております。
○門司委員 農林大臣にもう一つ聞いておきますが、地方財政にきわめて大きな影響を持っておるのです。農村が地方行政の中にどういうウェートを占めておるかということは、大体税外負担が農村の仕事をやっておるのです。ことにはなはだしいのは賦役であります。あなたの統計を見てみますと、農村においては一年に六日平均の賦役が出ております。北九州は九日と書いてある。こういうものは農民のみに課せられた一つの税外負担であります。都会には、こういうものはございません。こういうことで辛うじて今日の農村の行政水準というものは保ち得ているのであります。ことに、さっき私は数字を申し上げませんでしたが、あなたの方の数字だけで見てみましょう。十万円未満の諸君の地方税、国税の総額は、大体合計いたしまして四千百六十九円納めておる。税外負担の方は三千二百五十一円という数字が出ております。これは三分の一どころではない。三分の二をこえておると思います。この姿はずっと同じような数字が出て参ります。農村においてやや税外負担と公租公課、さらに寄付金等の振り合いのとれておるのは五十万円から七十万円以上の収穫のある人でないと均衡がとれない。それ以下の人にはこれが非常に大きな重荷になっております。従って、農民対策といたしましても、地方行政の立場から申し上げましても、この問題を何とか解決しなければ農村の貧乏はなくなりませんぞ。農政の問題の上にはいろいろな問題がありましょうが、地方におきましては、こういう地方行政と密接に結びついた行政上の義務負担のように考えられておりまする不当な支出をなくしない限りは、私は農村政策は完全にならないと思うわけです。この点に対して農林大臣の御答弁を願いたいと思います。
○赤城国務大臣 農村におきまして、税外収入、ことに部落費といいますか、賦役などが多いということは、地方自治体の財政が十分でない、非常に窮迫しているということから賦役の方面に相当負担がかかっておる、こういうふうに私考えております。でありますので、根本的に申し上げまするならば、やはり地方農民の生活水準を上げて、税負担ができ得るような形、あるいは一面においては税の軽減をはかるということでございましょうが、今お話しのように、地方自治体の強化、こういうことに目標があると思うのであります。その点につきましては、私どもがその所管でありませんけれども、地方自治体の強化ということにつきましては強くこれを育成し強化する方向へ進んでいきたいと考えております。
○門司委員 これは農村だけではございませんで、ここに五大都市の統計したものがございますが、都会においても大体同じような数字をたどっております。都会は農村ほどひどくはありませんが、先ほど申し上げましたように、都会においては大体税負担の一割五分から二割に相当するものがやはり税外負担として部落費その他で出されております。このことは一つ大蔵大臣よく覚えておいていただきたいと思います。 建設大臣にお伺いしたいと思います。さっき申しました交付公債はあなたの方の所管ですが、この借金について、このままでいいというふうに建設大臣お考えになっておりますか。借金で仕事をして、借金は置いていく。そうしてその借金は地元のお前の方で払えという。借金は下から借りるものだと思っておったら、このごろ建設省は上から置いていくものらしい。だから交付公債という名前がついておるのですが、このままの形でよろしいとお考えですか。
○根本国務大臣 お答えいたします。政府が補助助成していろいろと公共事業をやっております。そのほかに今度は直轄としてどうしてもやらなければならない仕事がたくさんございますので、その直轄部分について地方の分担金があるわけでございます。これが今あなたが申されましたところのいわゆる交付公債として処理をされております。これは、河川の問題にしろ、あるいはダムとか相当大きな生産事業をその地方開発のために特に地方自治体の要請によってわれわれがやっておるのでございまして、決してわれわれの方で押しつけているのではございません。しかし、その財政負担は、一時は相当あるようでありまするが、これはおおむね長期計画によって財政計画上償還ができ得るという前提のもとに計画が立って参っております。従いまして、ダムにしろあるいは河川にしろ、そういうものをやっております。また漸次補助等によってこれが解消しておりまするので、形の上では借金のようでございまするけれども、一面においてはこれは財産を造成しておるという点も見られるわけであります。従いまして、今後は特別会計等の運営によりまして、できるだけそうした負担がなく、しかも造成されたいろいろの施設がより積極的にその地方の開発になるように努めるのが建設省の義務である、かように考えている次第でございます。
○門司委員 建設省の任務はわかりますが、この交付公債は、今の調子ですと一年に大体百億ぐらいずつふえて参ります。そういたしますと、今建設大臣話されましたように、地方の利害関係が全くないとは考えておりません。従って、地方がある程度負担することは私はいいと思います。しかし、負担することはいいといたしましても、地方には今いろいろな——願い勝手というようなお話がありましたが、これは国が一つの総合計画を立てて行う事業について地元から要望があることは当然だと思います。だからといって、これを地方が一切背負えという理屈にはならぬだろうと思います。私は元金ぐらいの支払いは差しつかえないと思いますが、せめてこの利息ぐらいは中央が見ることの方が、今日の町村財政の上から至当ではないか、同時にこの借金の性質から考えても国がめんどうを見てもいいのじゃないか、こういうふうに考えるのですか、どうですか。
○根本国務大臣 利子補給の問題につきましては、これは本来公共事業の交付公債について理論的に当然出さなければならぬという理屈にはならないものです。ただ、そのもの自体の性質、あるいはまた現実に計画して実施した結果、採算がとれないというような問題等で、そのために地方財政上重大なるネックを来たしておるということになりますれば、当然これは自治庁、大蔵省、われわれの方で協議の上善処しなければならないと思いまするが、現在地方が公共事業のための交付公債を背負ったためにどうにもならないという事例はほとんど聞いておりません。
○江崎委員長 門司君に申し上げますが、あなたの持ち時間は一時間半で、もうあと二十分間しかないわけです。従って、松永文相へ留保される時間を考慮に入れながら一つ御質問を続けていただきたいと思います。
○門司委員 時間をだいぶ制約されますので、この問題でそう長く申し上げるわけにいかぬかと思いますが、今申し上げましたもののほかに、今日の地方財政を非常に曲げておりまするものの中に、都道府県が国に、市町村が県及び国に、法令に基かざる寄付がたくさんあると思いまするが、これの総額が一体どのくらいになっておるか、自治庁の長官から一つお答えを願っておきたいと思います。
○郡国務大臣 この分につきましては、ただいま手元に正確なものを持っておりません。しかしながら、それが必要のありまするものにつきましてはともかく、事柄といたしまして、なるべくそのような事態を減らして参りたいと思っております。
○門司委員 大臣の方に書類がなければ、私の方にある書類で一応聞いておきますが、これは、例の全国町村長会から公けにいたしました一つのものであります。これを見て参りますると、町村において、国に対するもの、あるいは県に対するものを負担をいたしました額は、大体全国の町村の平均数を一応出して勘案いたしますると、これには百六十八億九千四百万円と書いてあります。これは法令に基かざる寄付であります、あるいは地方財政法で禁止されておりまするいわゆる国が行う仕事について、地方の自治体に経済上の迷惑をかけてはならないというものまで含まれておると思うのです。これは、都道府県や国が市町村に対して、強要という言葉は少しどうかと思いますが、ほとんど強制的に法律以上の寄付金を押しつけたものだと考えられますが、そのように考えて差しつかえございませんか。
○郡国務大臣 地方財政法等に、御指摘のように、建設事業等についての負担を命ずることは差しつがえないけれども、それ以外についてはそのような規定を設けておりませんし、再建団体につきましては、またさらに厳重な規定を設けております。従いまして、その内容によりまして、地方財政法に適合するかどうかの点は十分調べました上で、不適当なものはできる限り整備するようにいたします。
○門司委員 調べて整理すると言われますが、現実に町村長会は責任を持って出しているのです。これは、あなた方の方も御承知のはずです。これは、はっきり都道府県や市町村に照会してごらんなさい、どのくらいの数字が出てくるか、きっと三百億以上出てくるのですよ。こういうものを大蔵省も知らない。自治庁は知っているかもしれないけれども、あるいは大蔵省も、知っていて知らぬ顔をしているのかもしれない。さっき申し上げましたような寄付金であるとか、あるいは税外負担であるとか、こういうような形において、地方の行政水準というものは保てているのです。今大蔵省が考えておいでになるような表面的な財政だけで今日の地方の行政水準が保たれていると考えると、大きな間違いなんです。これは、隠れた住民の負担なんです。国の税金としてあなた方がお考えになっている以外に、国民にはこういう負担があるということなんです。この負担を一体どう解消されるのか、この機会に大蔵大臣から、もう一度はっきり答弁をしておいてもらいたい。
○一萬田国務大臣 税金以外に、行政水準を上げるための行為がなされておるということ、私はそういうことがないと言うのではありません。ありましょうが、これは、やはり程度の問題ではないかと思うのです。そういうふうな方法で行政水準が高まっておるとか、あるいは特に高めるためにそういう税外収入をとるということなら、これはよろしくないと思う。こういう点になると、むしろそれをどうするかということよりも、行政水準というものを、それぞれの地方団体の財力に応じてどの辺にチェックするかというところに基本があると思う。いろいろなことをなさって、そうして金が足らなくなり、それ寄付だというようなことは、本末を転倒しておると思うのです。そこのところは、私は言いませんけれども、そういうところにも、やはり注意する点があろうかと思います。
○門司委員 どうも少しおかしいのですかね。地方の自治体の行政水準といいますけれども、学校はあの姿でよろしいのですか。文部大臣がおいでになれば聞こう思ったのですけれども、学校の今の不正常教授をどうするか。あるい建設大臣もおられますが、日本の道路など見てごらんなさい、五カ年計画とか、六カ年計画とか言っているが、一体これはいつ整備されるのですか。道路が整備され、不正常教授がなくなり、下水道が完全になって正規の姿を備え、環境衛生がよくなって、住みよい社会ができて、初めて一応の行政水準と見なければなりませんよ。その行政水準を維持するというよりも、かろうじて渡れない橋を地方の住民が一生懸命に負担をして直していくというようなことを、そのままほっておいていいとお考えになりますか。財政の基礎をなしておりまする税金と税外負担というものが、こういうふうにたくさんある。これらの調和をどこかではかっていかなければならぬ。その意思がもし政府にないとすれば、地方財政をここで議論したって始まらないと私は思う。こういう税外負担、あるいはこういう寄付金をなくすということを、大蔵大臣ははっきり言い切れますか。
○一萬田国務大臣 これは、たびたびまた同じことを繰り返すようになって、はなはだ恐縮でありますが、税外負担と行政水準の問題は、私は、地方としては、やはり正規の税収で地方団体の行政をやるべきだ。それを、何かの税外負担があるから一つ行政水準を上げようということは、必ずしも賛成いたしかねる。それは、むろん行政水準をあらゆる方法で上げることはいいでしょう、また望ましいことでありましょうが、それなら、幾らか税収入に無理があっても、それはがまんもするし、何とかしなくてはならぬ。大蔵大臣は地方財政については何らの——たとえば交付税なら交付税を上げよという。それならその金を一体どう使うか、それについて私は何ら発言権を持たない。そういう状況下において、ただ赤字が出るからというようなことで、大蔵大臣の責任々々と言えやしませんよ。
○門司委員 そう一ぺんにかぶとを脱がれては困るのです。まだありますよ。地方財政を負担しておる地方住民との関係の中で、このほかにありますものは、いわゆる法定外普通税です。地方の自治体は、法律できめられた以外の条例に基く税金をとっております。この税金を、ここで議論する時間もありませんから申し上げませんが、この税金の中にはどういうものがありますか、福島県の例をとってごらんなさい、家畜税というものがある、牛にもかけておる、馬にもかけておる、豚にもかけておる、ヤギにもかけておる、羊にも税金がかかっておる。そのほかには果樹にも、ブドウの木もナシの木もカキの木もクリの木もみんなかかっておるでしょう。そうなって参りますと、税金の種類は、大体現在二十六種類ぐらいありますが、一体地方財政というものは何でまかなっておるか、住民は一体どのくらい苦労しておるか、こういうことが大蔵大臣わかっておりますか。国全体の財政をつかさどっておるあなたは、一体わかっておりますか。(発言する者あり)福島県ばかりじゃない。そんなこと言うなら、もっと詳しく申し上げましょう。委員長が承知すれば、一々例をあげて、これをずっと抜いて、どこの知事がどんなことをやっておるかやりましょうか。
○江崎委員長 簡略に願います。
○門司委員 そのほかにまだ超過税率というのがありますよ。法律できめた税率以上の超過税率をとっておるのがある。こういう幾つかの住民の税法に基かざる負担が、今日の地方財政をまかなっておるが、なおかつそれでも地方財政がまかなえないというのが、今日の現状なんです。これに対して大蔵大臣はどうお考えになるか。それは、今のような答弁で、何だかわかったようなわからないようなことでなく、こういうものをなくして、そうして地方財政を健全にするということが言えますか。
○一萬田国務大臣 これは、この前に総理大臣もここで御答弁になったと思うのですが、近い将来、やはり中央地方を通じて税については十分検討を加えて、今仰せのような地方の税においても、不適当というものは一つよくしましょう。
○門司委員 この問題はこのくらいにしまして、あと地方に対する補助金の問題で少しお聞きをしたいと思います。補助金は、大体毎年三千億をこえております。そうしてこの補助金の種類は、大体約六百種類から一千種類といわれております。官報の資料で、ときどき報告にはなりますが、実際に大臣の方でこの資料をお覚えになっておる方はないと思う。そのくらい資料がたくさんあります。そうしてこの全部が地方財政に関連を持っております。ところがこの補助金が、ほんとうに適正に使われておるかどうかという問題が一つの問題であります。従って、補助金に対して、国は何とか一つこれを今のような状態でないように改めたいというようなお考えがございましょうか。
○一萬田国務大臣 御承知のように補助金につきましては、会計検査院でも毎年使用の適正でないということについて、しかも件数が多いということについて指摘をしておる。これは大蔵大臣としてはむろん放置できない。それで常にこれについて改善をはかろうとしておるのですが、どうも私は微力で、これはあやまらなくてはなりませんが、どうもうまくいきません。これは率直に申します。しかしこれはどうしてもやらなければいかぬ。それでどうやるかということですが、関係各省あるいはその他のこういうことについて十分な知識を持っておる方々の委員会でも作って、ゆっくり時間をかけて、予算なんかのときでなく、普通のときに、一つ補助金整理についての検討を加えたいと思います。
○門司委員 これは地方に流れまして非常に大きな問題を残しております。たとえば会計検査院の書類がここにありますが、この前の二十二国会の速記録を読んでみますと、会計検査院が日本の九%、約一割の検査をいたしました場合に、あまり使い方がよろしくないと考えられておりますものが大体百四十八億とかあるというのです。これがかりに全部ということにこれを換算いたして参りますと、千五百億くらいになるというのです。そうすると、三千億の補助金の中で半分はあまり使用がおもしろくなかった、こういう結果になると思う。これは大へんなことなんです。だからこの問題についてはやはりもう少しはっきりした問題を出していただいて、今の大蔵大臣のもとで一つすっきりしてもらいたい。 それならこれは地方財政にどういう影響を持っているかということであります。地方財政に影響を持っておりますものは単価であります。単価が非常に安いということであります。二分の一だということを法律には書いておるが、その単価の見積りというのはどういうことになっておるかというと、御承知のように、学校建築についても二万八千円という単価が国の単価だ、こうおっしゃっておる。今二万八千円で学校ができるかというとできやしない。ところがこれはことしまた三%下げられておるのです。おととしまでは二万七千円だったのを、やかましく言って去年一千円上げてもらったら、ことしはまた三%下げられておる。この補助金の単価が不適正であるということは、地方財政にきわめて大きな影響を持っておるのです。これについて大臣はどうお考えになりますか。
○一萬田国務大臣 十分検討を加えまして、適当でないというところは改めさせます。
○門司委員 これは適当でないと言いますけれども、ことしの予算を見てごらんなさい。これは適当でないというよりはめちゃくちゃなんですよ。私ははっきりしたことを申し上げますが、政策上にもおもしろくないので申し上げますが、学校や例の住宅などにつきましては、今申し上げましたように、建築の方は三%下っております。しかし、これは政策的に申し上げましても、固定資産税を五%下げろという通牒を昨年国から出しておりますから、まず政策的には一応いいといたしましても、土地の方に対しては何らの考慮を払っておりません。ところが自治庁は、昨年の暮れに、土地が値上りをしたからといって、五%固定資産税の課税価額を高くして税金をかけるという通牒を出しております。そうすると、政府の方のやり方というのは、下げた方については一応下げたが、上げた方については単価を上げていないということになりますと、地方の自治体は困るでしょう。税金の方の単価は上げておくが、補助金の方の単価は据え置いておくというのはつじつまが合わぬじゃありませんか、こういうことを言っておるのです。これは現実にここに書いてある。それは一体どういうわけなんですか。
○石原政府委員 ただいまお話の用地費の点でございますが、用地費は今補助の対象外でございますので、もっぱら営繕費の分につきまして、先ほどお話のような資材費の低落を見まして節約を考えております。
○門司委員 学校についてはそうでしょうが、住宅には補助しているでしょう。住宅ではこれはちゃんと見ているでしょう。見てないとは言えないでしょう。 それから時間もございませんからこの問題について行政的にお聞きしておきたいと思いますが、今大蔵大臣の言われますように、非常にたくさんな不正があるということも考えられますが、もう一つ、この問題が大きな影響を持っておりますのは、会計検査院その他各省のいわゆる地方の自治体に対します検査であります。補助金があるからということで……。この実態は、各府県は、なかなか数字を出してくれません。うっかりしてうちの方で出して、国会ででもしゃべられると、この次またしっぺい返しがこわいからということで、中央官庁をおそれておりまして、なかなかはっきりした数字は言いません。私の手元にある大体はっきりした数字というものを見て参りますと、この補助金を通じて検査をしておりますもの、各省から行っておりますものが、一つの県に九十一日、これは各省の出張した数字であります。これにさらに会計検査院から行っておりますものが四十七日、これを加えて参りますと、百三十日ないし百四十日になります。地方の自治体には、この補助金を通じて各省から検査に参りますものが、一年に百四十日をこえるというようなことになって参りますと、地方の自治体の仕事というものは非常に繁雑になって参ります。しかもこれらのものにはいろいろなうわさが今日されておりましょう。あるいは旅費を負担してやるとか、あるいはその食事をどうするとかいうようなことまで考えられておる。すなわち補助金というものはこういうところまで災いをしておるのであります。これに対してどうお考えになりますか。
○一萬田国務大臣 検査につきましては十分実情を調査いたしまして、仰せのように、無用に地方団体等に負担をかけないようにいたしたいと思います。
○江崎委員長 門司君にちょっと重ねて申し上げますが、もうあなたの持ち時間は過ぎましたが、文部大臣への質問はもうよろしゅうございますか。
○門司委員 文部大臣はこの次にします。
○江崎委員長 それではあと結論にお入りを願います。
○門司委員 それでは補助金についての結論に入りたいと思いますが、これは総理大臣に聞きたいと思います。今申し上げましたように、補助金が非常に地方の財政に災いをいたしております。従って、この補助金の整理その他をされることは当然でありますが、ここに出て参りますものが、御承知のように自治法では、あるいは憲法では、先ほどお話しのように、住民自治を志向いたしております。従って中央の官庁から指揮、命令、監督するということはできないことになっておる。ところが、この補助金を通じて、現実の実際指導が行われておるという事実があるのであります。従って、この補助金と実際指導との問題をどう解決されるか、この際総理大臣の御意見をお伺いしておきたいと思います。
○岸国務大臣 補助金の問題につきましては、従来からもいろいろ論議のあるところであります。またその使用の状況等につきましては、会計検査院でいろいろと適正でないものに対する指摘も行われております。一体日本のいろいろ保護助長しなければならない政策的な目的を達するために、補助金の制度によるというのが、普通、従来考えられることでありますけれども、しかしこの補助金制度には、一面またそれが非常に有効であり、効果的であるものもありますけれども、これを交付する以上は、一方からいって適正化を期さなければならぬ関係上、どうしても検査その他のこともある程度十分に行う、そしてこれが適正に使われているかどうかということを見るべきことは、これもまた当然であります。ところがそれが今門司委員が指摘されるように、ずいぶん地方の自治を妨げるような事態もあろうと思います。従いまして、この問題に関しては、これの整理について国会に専門の委員会が置かれて、これに対する法令等の整理がある程度行われたのでありますが、なお根本的に相当に私は検討しなければならぬと思います。先ほど大蔵大臣も申しましたように、それはただ単に大蔵大臣が微力だということでなしに、従来の日本の補助金政策というようなものについて、根本的にわれわれが将来の問題として考究しなければならない課題であると思います。十分に一つ今の補助金の実情並びにそれの一面における効果、一面における弊害というものを真に検討して、将来善処したい、かように考えております。
○門司委員 あと実は厚生大臣に国民健康保険のことで聞きたいと思いますが、郡さんがちょうど厚生大臣をやられておりまして、どうも自治庁の意見とやや違っております厚生省の意見を同じ大臣に聞くというのはできない相談だと思いますので、それはまたの機会に譲りたいと思います。 最後に、これも総理大臣に聞いておきたいと思いますが、もう一つ、地方の行政の中で最も大きな問題として考えられておりますのは、各自治体間の財政上の不均衡であります。これを是正しない限りは、なかなか地方行財政というものはうまく参りません。御承知のように東京の財政などは東北六県と北海道を一つにした予算と同じような予算を組んでおります。大阪はやはり北陸をみんな集めただけの予算と同じような年度予算を組んでおります。こういう地方の自治体間における財政上の不均衡というものを是正していくということは、やはり地方行政の完全化を期する一つの大きな問題だと思う。従ってこれに対して政府は何かお考えになっておるかどうか、この点を一つお聞かせ願いたいと思います。
○岸国務大臣 これは根本的に申しますと、私はいろいろな問題を含んでおると思います。現に東京と各府県とを比べられましたが、これは実際人口の上から申しましても、その他産業、経済あらゆるものの活動から申しましても、相当に他の地方との間に差異がある。こういう大きな差異があっていいのかどうか、それが国として望ましいのかどうかという、いわゆる都市集中の非常に大きな傾向に対して、農村とかその他の僻地の文化や福祉をどうするかというような、国全体として考えなければならぬ非常に大きな幾多の問題を含んでおりまして、ただ単に地方公共団体の経費なり財力が違うという一つの現象だけをとらえて、それを平均さすとか、あるいは調整するという簡単な問題では解決しないのじゃないかと私は思います。しかしながらいずれにいたしましても、日本のどんな府県、市町村等にしましても、やはりある最低の自治体としての活動なり行政水準というものは保っていき、またそこの住民の福祉なり生活の安定というものは考えていかなければならぬことは言うを待ちません。その意味において非常に経済力の弱い地方団体等に対して、国としてどういうふうにこれを考えていくかという問題、また先ほど中央、地方を通じての税制の再検討をするということを大蔵大臣も、私もかねて申し上げておりますが、そういう際におきましても、財源の問題としてこれはまた十分に検討しなければならぬ問題であろうと思います。非常に重大な問題であり、困難な問題でありますけれども、今言ったような心がまえでこれに対処していきたい、かように思っております。
○門司委員 これは要領を得ないのですが、ただお話としてはそういうことになるかと思いますが、もうそういうお話ではなくて実際上の段階に入らないと、日本の自治行政というものはいつまでたってもうまく行きません。御承知のように人口はずっとふえておりますが、現実にお調べになればわかるように、人口の減っております県が五つか六つあるでしょう。そういうところはもう財政上どうにもならない。東北に参りましても、東北住民の納税の力というものは、全部合せてみましても県の財政を維持するというようなことは困難だとさえいわれておる。こういう事態にありますときに、このままの姿で府県行政あるいは市町村行政というものが正しく行われるということは私どもには考えられません。従って当然国土の総合開発その他に関連を持ってくるとは思いますが、一応そういうものを除外いたしましても、この自治体間の不均衡というものを是正するために、たとえば私どもが一つの考え方としてここに申し上げておきたいと思いますことは、一九四五年と五〇年に行いました、あの英国における工場配置法、英国に部分的にたくさん出て参りました失業者、地方の自治体の非常な不均衡ができそうになったときに、国の力で工場を配置するという特別の法律をこしらえて、ちょうど今日日本で行われております市町村の工場誘致のような問題を国が責任を持って行なっていく、そうして地方の自治体の財政不均衡と失業者をこれによって吸収していく、こういう非常に大きな高遠な理想のもとに行われた法律があるのであります。従ってこういうことがやはりこの際考えられるべきだと思う。こういうことをお考えになる余地はありませんか。
○岸国務大臣 たとえば私が特に道路の整備について力を入れたいということを申しております。またすでに国会でもきめられております高速度道路の建設というものもできるだけ早くこれを完成したいというようなことも、こういう問題にはある程度そういう地域については関係があると思います。また今お話の工場立地の問題についていろいろ考える必要があるじゃないかという点もありましょう。あるいはまた文化施設それから学校その他の建設なんというような問題も都市にだけ集中するのではなしに、これは地方的に分散して適当な所に配置するというようなことも考えなければならない。いろいろなものを総合的にすべきものであることは当然であります。こういうふうに一つ御了承をいただきたいと思います。
○門司委員 最後に聞いておきたいと思いますことは、これは今大臣も申されましたが国と地方との財政配分の関係であります。これは先ほど申し上げましたように、財政配分はきわめて不均衡になっておりまして、ことしの予算を見て参りましても、地方財政計画がはっきりきまりませんから、まだはっきりした数字は申し上げられませんが、大体国の税の総額というものは一兆一千四百四十一億ぐらいになっております。地方の方の税金の額も多少の、問題はあるといたしましても大体ことしは五千百億ぐらいではないかと私ども推定をしております。去年は四千六百億でありましたが、これに五百億内外加わるのではないかと考えております。そういう推定のもとに行なって参りますと、この国と地方との負担は一兆六千四百四十一億という数字が出て参ります。これを国と地方との配分関係から考えて参りますと、国が七〇%の国民負担をもらっておる、地方は三〇%をもらっておる、こういうことになります。ところが先ほどから申し上げておりますように、例の交付税とか、あるいは補助金というものを加えて参りますと、実際使っておりまする額というのは国が三六%ぐらいしか実際は消化しておらない。地方が六四%消化しておるということになる。従って地方は三〇%しか徴税をしないで六四%を使うということになる。このアンバランスが非常に今日の地方財政を大きく災いしておる大きな一つの原因だと思う。従ってこの国と地方との税の配分の差を縮めるということはやはり残された地方財政の健全化のための一つの大きな問題だと私は考える。従ってこの税の配分関係については、これをどういうふうに大体お考えになっておるか。一応この際お答えを願っておきます。
○郡国務大臣 確かに地方税につきましては量と質の両方の問題があろうと思っております。しかしこれはただいまの地方税の中でご指摘になりましたように、法定外の独立税も整備をしなければならないものが現に目立っております。従いまして総理その他からもお話がありましたように、地方につきましては地方財政の再建して参る状況、また運営して参る状況を見まして、地方税財政を通じ一つ考る問題はございます。さらにこれを広げて、国と地方との間に財政、税制を通じ、ことに当面しております問題は税の問題、たとえば調整財源的な交付税も一定の限度を持っております。そういたしますと、独立税をいかにして配分いたすかという問題が、まず取り上げられなければならない問題として出て参ります。これは政府部内においても、また適当な機関におきまして、十分検討いたし、なるべく早く一つの理想的な形に持っていきたいと思っております。
○江崎委員長 門司君の文部大臣に対する質疑、並びにこれに関連する内閣総理大臣等への質疑を留保いたしまして、総括質疑は終了いたしました。 明十三日より分科会の審査に入ることといたします。 次会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十分散会