文教委員会 第17号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/04/09
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 まず公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案を議題となし、審査を進めます。 質疑の通告がございますから、これを許します。高村坂彦君。
○高村委員 学級編制及び教職員定数の標準に関するこの法律案の内容を見ますと、編制の基準が、地方等で現在行われているところから見ますと、大体において一歩前進をいたしておると思います。従って、この法律案が成立いたしますと、これが完全実施されました暁におきましては、学級の、いわゆるすし詰め学級というものが解消し、さらに教育員の定数も、ある標準において確保されることになるわけであります。しかし当面県によりましては、教員の定数が、この法律案を上回る定員数を持っているところがあると聞いておりますが、具体的に、どの県が上回っておるか、その内容はどういうふうになっておるか、この点を、これは政府委員からでけっこうでございますが、お答えを願いたいと存じます。
○内藤政府委員 この法律案を実施した場合に、一つはすし詰め学級の解消を促進するという点で、大体、中学では二ヵ年計画、小学校では、三十四年度から五ヵ年の、三十八年度までに五十以下にしたい、こういう計算ではじいております。今お尋ねの定数との関連でございますが、定数というものは二つの考え方がございますけれども、すし詰め学級と非常に密接な関係がございまして、すし詰め学級の解消を、今申しましたような予定よりもさらに進めて参りますと、定数もよけいに要るということでございますので、今私どもが計算しております考え方は、大体本年度の五千人に見合うところの中学校のすし詰め学級の解消と——これは全国平均で見ておるのでございます。それではじきますと、大体この定数基準で参りますと、この基準を上回っておる県が宮城県、若干上回っておるところが秋田、山形、それから少し上回っているのが群馬、埼玉、千葉、長野、静岡、大阪——大阪はもちろんこの定数とは直接関係ございません。これは不交付団体でございます。それから福岡、今申しました県がこの基準よりは上回っております。これは百から三、四百というところで、一番多いところが四百程度、低いところで百くらいでございます。この数県は先ほど申しましたように本年度の五千人のワクで計算しておりますので、少しすし詰め学級の解消を促進していただきますれば、この数ははるかに減るものと思っております。
○高村委員 今の最後の御答弁がちょっとわかりにくかったのですが、これは完全実施なったときは、こういった県もこの基準を上回るということにはならなくなるという意味ですか、どういう意味なんですか。
○内藤政府委員 これは小学校は全然すし詰め学級の解消を見込んでおりません。それから中学校は本年度予算で五千人の増を認めていただきましたので、五千人に伴うすし詰め学級の解消、これだけしか考慮しておりませんが、さらに地方は教員数が余っておるから、この際特別にすし詰め学級を解消していきたい。たとえば小学校を五十五くらいにしたいとか、あるいは中学校は全国平均五十三でございますけれども、五十一まで、あるいは五十二まで解消したい、こういうような県がありまして、そのすし詰め学級をよけい解消されますればそれだけ教員数がふえますので、この数はずっと変ってくるわけでございます。ですから私どものこの計算は、小学校のすし詰め学級は解消しないという前提、それから中学校の方は五十三を目標に解消するという計算ではじきますとかような数字になった、こういうことでございますから、すし詰め学級をさらに推し進めるならば、この数字は上回らないようになると思っております。
○高村委員 どうも理解できないのですが、先ほど私がお尋ねしたのは、この法律が完全実施になった場合に、定員数がこの基準よりも上回る県があるかないかということをお尋ねした。そうしたところが、ただいま群馬県以下をお述べになった、私はそういうものがこの法律が完全実施になった場合には上回ることにならないのなら問題はないと思う。ところが今言われているのは、この法律を実施すると教員定数が上回って、これを少し減らさなければならぬのじゃないか、また地方で、減らすんじゃないか、そうなると不安が起きる、こういうことであると思うのです。そういうことが起きることが前提になって問題になっておりますので、今局長のお話のごとくであればそういう心配が起きない、こうなるのですが、心配は起きないのですか。
○内藤政府委員 この点が一番問題になると思います。実はこの四十六府県のうち、この基準をとりますと大体三十六、七の県は上るわけです。それに対して今申しました九つ程度の県は下るということになる。しかしこれは三十三年度の基準でございまして、その基準の前提としては、小学校のすし詰め学級を解消しないという前提が一つ、中学校のすし詰め学級は五千人増分を解消するという建前で、五十三まで解消するという前提でございます。ですからこの前提を、今申しました余っておる府県は中学校のすし詰めをさらに予定よりも国の基準よりは切り上げてやる、あるいは小学校のすし詰学級もあわせて行うというように、積極的にすし詰め学級解消に御協力願いますならば、これは減らすことはございません。 それからいま一つは、私どもの考え方としましては、財源的には、従来は義務教育国庫負担は実績の半額負担でございます。ですから府県が出せば、出しただけ国は精算で二分の一を見るという建前をとっておりましたが、地方財政が非常に窮屈になって参りましたので、赤字県では首切り計画が行われておる。全国で大体十九県が赤字団体に指定されておりまして、首切り計画が計画的に行われておる。そこでこれを防ぐために、国庫負担は従来通り実績の二分の一でございますけれども、この定数ではじいたものを自治庁の交付税の基準で、この定数を確保できるように、交付税を改正したわけでございます。ですからこれによって従来のように教員数のアンバランスはなくなるわけでございます。ただこの場合に従来はじいた計算と今度の改正ではじいた計算を比較した場合に、従来よりも減るようなことになっては相済まぬと思います。かりに減るようなことがありますれば、これは特別交付税で必ず穴埋めをしましょう、財源的には従来よりも減らしませんという約束を、自治庁と文部省は取りかわしておるわけであります。ですから財源的にはそういう御心配はございません。それから今言った実質的にどうなるかというお尋ねにつきましては、これはすし詰め学級の解消をより促進していただきますれば、この点は解決できる、かように考えておるのであります。
○高村委員 私がお尋ねしたことよりも少し余分お話しになるものですから、問題が複雑になるわけですが、大体わかりました。 そこで三十三年度は、お話のごとく若干この基準よりも上回る県がある。それに対しては、河野委員の質問に対して、それを維持するような指導をしたいという御答弁があったわけですが、それは了承いたしました。そこで国の方針として、こうした基準を設けるということは、大体教育水準を確保しようということがねらいだと思う。そうなれば財政的に余裕のある県では、この基準よりもさらに上回った方針をとることが考えられるわけですが、そういう場合には、それに対しては、国家として予算を、つまり給与費の二分の一を負担していくということは変えない方針でいくのでありましようか、あるいはそうなると国の予算というものは地方が非常にぜいたくをすれば、それに応じてふえるということになるのか、そういう点はどういうふうに考えたらいいのか、伺っておきたい。
○内藤政府委員 これは現行の国産負担の建前では、実績の二分の一でございますので、地方がこの基準を上回って出された場合には、上回った分の半分は確実に補助いたす考え方でございます。
○高村委員 私もそうあるべきだと思うのです。この基準というのもは、大体最低の水準を確保しようというねらいであると思いますから、さらに学級編成の規模が、学童の数が低下していくということは望ましいことでけっこうだと思いますが、そこでこの教員定数の確保について、この前もいろいろ議論があり、特に学校保健法の制定の際に養護教諭のことについてお話がございましたが、この法律を見ますと、事務職員や、養護教諭についての点は現在よりどういうように変って参りますか、一つ要領を御説明いただきたいと思います。
○内藤政府委員 今度のこの定数基準ではじいた場合に三十三年度を基準にとりました。と申しますのは、生徒の増減がございますので、ある年度を基準といたしませんと正確に出ませんので、三十三年度を基準にとりますと、養護教員で約三千人の増加を見込んでおるのであります。事務職員では約七百人を見込んでおるわけであります。これは増でございます。
○高村委員 そこで養護教員は、府県負担の養護教員とそれから市町村で負担している養護教員があるわけですが、これは事務職員についても同じだと思います。その府県負担の養護教員や事務職員については国庫が二分の一を負担しているわけです。市町村負担のものについては国庫は負担しておらぬと思います。今三千人ふやす、七百人ふやすといいますが、そういうものは今日はすでに市町村に置いている。その中の一部を都道府県の職員に切りかえるという結果になるにすぎないのではないか。また実際問題として、市町村負担の養護教員並びに事務職員というものはどのくらいおるのか。それが今度の措置で、どのくらい解消と申しますか、府県に振りかわっていくのか、この点おわかりでありましたら一つ明らかにしてもらいたいと思います。
○内藤政府委員 市町村負担の教員、養護教員、事務職員合せましてほぼ一万人というふうに推定されておるのであります。そのうち養護教員と事務職員につきましては、約四千七百程度が事務職員でございます。それから養護教員は三千三百人でございます。これが市町村が持っておる分であります。そのほか残りが大体市町村が見ておる教員、これはいずれも法的には違法でございまして、都道府県の方に切りかえるのが原則でございますので、自治庁と交渉しているところでございます。
○高村委員 一万人のうちで三千数百名というものが今回の措置でやみから表に出てくるという結果になるにすぎないのだと思いますが、そうですか。
○内藤政府委員 県によっていろいろ事情が違いますが、私どもの基本的な考え方といたしましては、今市町村が持っておる教員というものを県費負担に上げていきたい、こういう気持でございます。
○高村委員 上げていきたいというお気持を聞いているのではなくて、この措置の結果、そのものが振りかえられることになるというふうに考えておられるのですか。あるいはそれはまた違った格好になるわけですか。
○内藤政府委員 これは各県の事情によって多少違うと思いますけれども、定数基準のワクの中で定数に足りない県は積極的にふやされると思います。また定数を越えておるような場合には市町村の分を上げるということになると思いますが、私どもとしては全国的な一つの基準をお示ししたわけでございます。
○高村委員 いろいろこまかいことでお伺いしたいこともありますが、大体今度の法律が通りまして実施されますと、数年立てばお話のごとく中学校においても小学校においてもすし詰め学級が解消する。そうして先生の数も確保されるということに相なるわけで非常にありがたいと思いますが、先ほど問題といたしました今回の措置、この法律の成立によって数府県におきましても三十三年度において若干この基準よりも上回るところがある、そういった県を見ますと、必ずしもそれは裕福な県だけでないわけです。そうなりますと、県会等でこれは少し基準よりも上回るのではないかということで整理をしたらどうかという問題が起きる必然性があると私は思うのです。それに対して文部省としてはこの前お話では、そういうことにならぬような指導をしたいというお話でございましたが、具体的にどういうふうな御指導をなさるおつもりであるか、またその御指導によって効果があるというような適切な指導ができるかどうか、その辺についてのお考えを伺っておきたいと存じます。
○内藤政府委員 これは二つございまして、一つは財源措置の問題だと思います。ですから今度の改正によって従来の方式ではじいたよりも財源が減るようなことのないように——かりに減るようなことがございますれば、特別交付税でその穴埋めをするということが第一点でございます。 それから第二点は、結局この上回るということは、主としてすし詰め学級の解消の程度によると思うのです。国の方できめた基準よりもさらに促進していただきますれば、それだけ教員数がよけい要るわけでございますので、私どもとしては、国の基準よりも進めていただいて教員の余っておる分は積極的にすし詰め学級の解消に回していただくように御努力を願うように、都道府県の教育委員会に強力な指導をして参りたいと考えております。
○高村委員 大体わかりましたが、私はこの法律が成立いたしましても、先ほど申し上げましたように、養護教諭とかあるいは事務職員等で、市町村の負担しているものがまだ数千名残ることになるのですね。こういうものも——これは三十三年度においてそうだと思いますので、これが漸次学級編制が進んで参って、数年後に法律の最終の完全実施のような状態のもとにおいては相当また変ってくると思いますが、先ほどもお話があったように、むしろこの形というものは違法であるというお話でございますから、この法律の実施とともに、そうした違法状態が解消するような適切な指導を文部省としてしていただきたい、そういう希望を申し上げまして、私の質問を終りたいと存じます。
○小牧委員 高村委員の質問に関連して若干お伺いをいたしたいと思います。 今回政府の方から提案されましたこの法律案を読んでみますと、ただいま高村委員からもいろいろ御質問がありましたが、養護教諭と事務職員の問題についてはその内容が明瞭でないようであります。高村委員の質問に対して、三十三年度においては養護教諭三千人、事務職員七百人の増を見込んでおる、こういう御答弁があったようでありますが、ふえることについてはわれわれももとより賛成でございますけれども、この養護教諭と事務職員については、内藤さんも御承知の通り、明らかに別個に、学校教育法においてその必置制が規定されておるわけであります。ただし、ただし書きをもって当分の間これを置かないことができる、というようなことになっておるために、今日まで養護教諭にいたしましても、事務職員にしても十分なる配置がなされておらない。従って私は先般学校教育法の一部改正を提案をいたしまして、提案理由の説明もいろいろ申し上げて今日に至っておるのでありますが、まず第一にお伺いいたしたいのは、私が出した法律案について御承知であるかどうかお伺いをいたします。
○内藤政府委員 事務職員の法律でございますか。
○小牧委員 養護教諭と両方。
○内藤政府委員 提出されておるのはよく存じ上げております。
○小牧委員 それならば若干それに関連しながらお伺いをいたしたいと思います。一般の教職員についてはここにいろいろ規定がございまして、私どももそれについては後ほどいろいろ御質問申し上げたいと思いますが、今ここでは養護教諭と事務職員の問題だけについてお伺いをいたします。 私が出しました学校教育法の一部を改正する法律案の主たる内容は、本則においては養護教諭も事務職員も各学校に必ず配置しなければならない、こうなっておる。ただし書きにおいて当分の間となりておるのを、もう相当期間が経過いたしておる現在、この辺でこのただし書きをはずして、養護教諭も事務職員も各学校に配置をいたしまして、学校保健の向上なりあるいは学校事務の充実をはかっていくべき段階にあるのではないか、こういう趣旨でございます。そうなりますとこれを一挙にやりますとこれは相当多額の予算を必要といたしますので、私どもは大体これを三カ年計画をもって順次充実をしていくことが最も妥当である、こういう内容の法律案を提案をいたしておるわけでありますが、この政府の方から出されました教職員定数の標準に関する法律案、これには第二条において「「教職員」とは」という中に、明らかに養護教諭も事務職員も規定づけられておるわけでありますが、今私が申し上げたような問題を、この政府が出されました法律案をお作りになる際にどのようにお考えになったのか、まずその基本的な考え方を先にお伺いをいたしておきたいと思います。
○内藤政府委員 事務職員と養護教諭につきましては若干規定の立て方が違っておるのでございまして、学校教育法では二十八条に「但し、特別の事情のあるときは、事務職員を置かないことができる。」ということで、本質的に事務職員は置かなければならぬという考え方ですが、小さい学校その他につきましては、置かないことができるという建前になっております。それから養護教諭の方は、御承知の通り置くことが建前になっておるけれども、百三条で、当分の間置かないことができるというふうになって、ちょっと立て方が違っておると思います。そこで御趣旨の点は、事務職員も養護教諭もいずれも置くことが原則でございまして、私どもは置くように努力するのが建前でございすが、この法律案を作りましたときに、現在小学校、中学校で五十人以上詰め込んでおる学級が十四万学級もございますので、このすし詰め学級を解消することがやはり当面の急務である、かように考えて、事務職員、養護教諭につきましては、漸次必置制に向って努力していくという考え方をとったのでございます。
○小牧委員 先ほど高村委員の御質問に対して、大体三十八年度までに十分な充実をしていきたい、こういうようなお話がありましたが、ただいまの養護教諭と事務職員については漸次これを増加いたしたい、こういうように、これもまたきわめて明瞭を欠いておるようでありますが、どういうわけで区別をされたのか、また区別をして考えておられるのか、お答えを願いたいと思います。
○内藤政府委員 私どもは何と申しましても、すし詰め学級の解消をしなければならぬという基本的な考え方で、これを三十八年までに何とか五十人以下に持っていきたいというのが第一の念願でございます。それからその次に事務職員を充実しまた養護教諭も充実していきたい。養護教諭につきましても、従来よりは三千名程度の増員を見込んだわけであります。それから事務職員につきましても、十八学級以上には必置できるように措置をした。今後学校の統合の問題もございますので、一体私どもは大体十二学級から十八学級くらいが適正な規模だと考えておりまして、あまり小さなものは教育的にも好ましくないと思います。できるだけ無理のない学校統合を推進しながら、そしてできるだけ事務職員も、今この法案では十八学級以上としてありますが、将来は十二学級に持っていくように努力いたしたいと考えております。
○小牧委員 先ほど高村委員の御質問に対して、内藤さんがお答えになった中に、市町村の関係のものが、事務職員で四千七百人、それから養護教諭で三千三百人でございましたかね。こういったたくさんの方々が、現在事務職員あるいは養護教諭としておられるわけです。これが今回今あなたのおっしゃる三十三年度において、養護教諭においては三千人の増、事務職員においては約七百人の増、この内容については、私は今あなたが高村さんにお答えになった答弁から解釈いたしますと、市町村の身分から国庫の方に切りかえられる、県の方に切りかえられる、こういうふうに受け取れるわけであります。私どもは現在そういうものはその通り、その現実をそのまま配置されたものとして見ておるのであって、御承知の通り、養護教諭におきましては現在全国の配置状況はきわめて悪いので、平均二六・八%にしかならない。この配置状態の非常に貧困な状態を一日も早く解消して、できるだけ早く各学校に養護教諭もあるいはまた事務職員も配置をして、学校教育の向上をはからなければならない。このことは一般の教職員の、今のお話のすし詰め学級の解消という問題と何ら軽重はない、と私は考えておるわけであります。しかも非常に立ちおくれておる——今申し上げたような数字から考えてみましても、この配置については非常な立ちおくれを見せておるから、先ほど申し上げた通り、大体三カ年くらいの年次計画をもって、国の財政に無理のないように順次これを充実していかなければならない、こういう意味で、私どもは最も妥当なりと信じて、改正案を提案いたしたのでありますが、これについてもう一度内藤さんの御意見を伺ってみたいと思います。
○内藤政府委員 実は私どももすし詰め学級の解消につきましては、先ほど申しましたように、大体小学校の場合でも少くとも五カ年ぐらいに解消したい。この考え方は教員数が、今後は生徒が減少する段階にある、この生徒が減少する段階において教員数を確保していくということが一つの大きなねらいになっているわけです。ですから、この考え方と、今御指摘になった養護教諭につきましては、少くとも二万七千名程度の今後大増員をしていかなければならない。新しく養護教諭の二万七千名の増員ということは、これは財政上から考えてもおそらく数十億に上るだろうと思っております。それからなお養成の点から考えても、三カ年間ではほとんど不可能に近いのではなかろうか。現在養護教諭の養成は、わずかに年間五百人程度なんです。この財政上膨大な負担を伴うことと、もう一つは養成計画の点から、私は三カ年間に養護教諭を必置制にするということはほとんどむずかしいと考えております。
○小牧委員 それは解釈のいろいろな問題がありますし、確かにあるいは一挙にやることも無理であろうし、また三カ年という考え方について、あるいはまたいろいろお考えもあろうかと思います。それからいろいろその人の、何と申しますか、立場によって違うかもしれない。しかし初めにさかのぼって考えてみますと、確かに今度の法律案の中で、養護教諭も事務職員も一応は形式的には増員をされることにはなっておりますが、しかし現実を見ますと、各学校に養護教諭、事務職員をそれぞれ一校に一人ずつ置くという建前をとるならば、両方ともそれぞれおそらく、私の調べたところによりますと、たしか二万五、六千名ずつがまだ不足いたしておるのではないかと考えております。これは申し上げるまでもなく、一校一人ずつ配置するという建前をとって考えた場合に、大体今申し上げたような数字がそれぞれ不足をいたしておる。そこでこれをどういうふうにして各学校に一人ずつ配置できるような方向に持っていくかということについて、先ほど申し上げた通り、無理のないように大体三カ年くらいでは何とかできるのではないかという意味で提案をいたしましたが、これを平均して三カ年ということで割ってみますと、大体八千数百人ずつが毎年増加されなければならぬ。これを五年ということであれば、これはまた少し減るわけでありますが、一応とにかく三カ年程度と計算をすると、そういうような数字になるわけであります。従って政府の方において、先ほどは漸次と申されましたが、将来これを充実をしていくという、少くともこの方向をとられるとするならば、ここにこういった法律案を提案されるならば、明らかにいつごろまでにはそういった不足数がなくなるというものが、どこかに出ていなければならないのではないか。そういう数字から見ましても、事務職員のたとえば本年度七百人の増を見込んでおるということは、あまりにもこれは少い。しかもこれが市町村の身分から県負担の段階にただかわるというようなものも含んでおるとするならば、なおさらこれはその数字が少くならなければならぬ。こういうことを考えると、なるほど口では漸次そういった不足数をなくしていこうというところのお考えがあっても、実際にこれをわれわれは確認することができぬ、こう考えますが、どうですか。
○内藤政府委員 御指摘の点ごもっともでございますけれども、現在、今お述べになりましたように、事務職員でも二万五千くらい、あるいは養護教諭でも二万七千名、合せて五万という程度の増員を三カ年間にやることは非常に無理ではなかろうか、おそらく数百億の財源を要すると思う、こういうことを申し上げたのであります。私どもはお考えの趣旨には同感なんでございまして、できるだけそういうようにいきたいというので、事務職員につきましてはこの法律では十八学級から置くように、こういう財源措置をしたのでございまして、一つは学校統合をいたしまして、できるだけ十二学級くらいにはせめて持っていきたい。十八学級を全部置くようになりましたら、次の段階として十二学級から事務職員を置くように努力したいと考えております。 なお養護教諭につきましても、一応の基準で、これが小学校千五百人、中学校二千人といたしました。しかしこれもその充足されておらない府県がまだたくさんございますけれども、一応そこまで埋めて、将来さらにこの人数を減らして、御趣旨のようにできるだけ各学校に養護教諭、事務職員が置けるように、そういう努力を積み重ねてみたいと考えております。
○小牧委員 いろいろお考えはわかりますが、ただそのうちで、事務職員と養護教諭をそれぞれあと足りない二万数千名を配置するということになると、数百億円を要するというお答えがありましたが、これは私の提案した法律案の一番最後を見てもらえば、明らかに今のあなたの答弁が間違いであることがわかると思う。本案施行に要する経費として、三十五年度末まで各年度約十億二千万円の見込みである、こう私ははっきりここに本案施行に要する経費として明示いたしております。ただしこれは国庫負担だけの金額でありまして、これを三カ年間にわたって十億二千万円ずつでありますから、各年度それだけずつを新たに盛っていくということでありますから、三倍いたしますと三十億六千万円、あなたの今お話の数百億円とは大へんな違いである。これは私が自信を持って調べてここに提案をいたした数字でありますから、文部当局におかれましてもこれは一つ十分御調査を願いたい。ただし申し上げておきたいのは、これに伴う都道府県の負担も確かにそれはございます。しかし私はここに明らかに直接国庫が負担すべき金額を計算して出したわけであります。こういう前提に立ってもう一度申し上げるならば、もし三カ年が無理であって、五カ年にわたってそういった不足数を解消するというのであれば、十億二千万円はさらに少くなって参る金額である。そういうことを考えますと、膨大な予算をもって編成される国家予算の中で、この程度の金額を毎年新規に見込んで、そうして順次養護教諭、事務職員の配置状況を充実していくという問題は、必ずしも財政的に困難ではない、私はかように考えておりますが、これについて内藤さんのお考えを承わりたいと思います。
○内藤政府委員 私が数百億と申しましたのは、もちろん地方負担を含めてでございます。先ほどあなたがおっしゃったように、養護教諭を新たに必置制にいたしますと、約三万ふやすわけであります。現在養護教諭のいるのが大体一万でございます。ですから三万と申しますと、養護教諭だけで三万人の増員になるわけであります。それから事務職員がまだおそらく五、六千程度であろうと思います。ですから、これを必置制といたしますとやはり三万以上になるであろう。ですから最低六万程度を見なければならぬのじゃなかろうか。一人年額、ボーナスを入れまして三十万円では足りないと思いますけれども、かりに三十万円と見込みましても、二百億程度になるわけです。ですから、その半額をどうしても地方が負担するわけです。地方負担の方は、これは交付税なり何らかの財源措置を別に要するわけでありまして、御指摘のように、直接国庫負担でございませんけれども、間接的には国で財源措置をしなければならない経費でございます。こういう意味で私は数百億と申し上げたわけでございます。ですから、それを一度に三カ年でやるとか、あるいは五カ年でやるということも非常に困難ではなかろうか、こういう意味に私は申し上げたのでございまして、私どもは、五カ年計画でまず第一に五十人以上のすし詰め学級を解消したい、これに最主力を置きまして、それから御指摘のように、養護教諭、事務職員も漸次必置制になるように持っていきたい。これを五カ年で打ち切られることは非常に無理ではなかろうか。と申しますのは、五カ年間にすし詰め学級の解消に精一ぱい努力をいたしたいということでありますので、その養護教諭、事務職員についても決して私どもこれを等閑に付しているわけではございませんけれども、あわせて漸次充実して参りたい、かように考えておるのであります。
○小牧委員 ほかの問題はいずれまた御質問いたしますが、今の予算の問題ですが、どうもあなたの御答弁はよくわからないのです。私が申し上げたのは、各学校に一人ずつ配置するとするならば、大体養護教諭も事務職員も二万五千名くらいを増加しなければならぬじゃないか。これに対してあなたは、三万名というような数字を出しておられますが、そうなりますと、五千人くらいの見込みの相違があるわけです。私は二万五千人ということで計算をいたしまして、ここに法律案を提案いたしたのでありますが、大体私のここに書きましたのは、各年度新たに十億二千万円ずつ要る、従ってこれを養護教諭と事務職員に分けて考えると五億円くらいずつ要る、こういうことになる。従って三カ年度で二万五千名をそれぞれ各学校に配置するというこの態勢が完成するとするならば、これを累計しなければなりませんから、先ほど申し上げた通り、最終年度には必要な経費としていわゆる三十六年度からの予算については、今の予算に比べて三十億六千万円ふえることになる。ただし先ほどあなたもお話がありましたように、直接の国庫ではないけれども、やはり国が財政措置をしてやらなければならない。都道府県の負担分もちょうどこれと同じような、あるいはこれよりは若干少い金額が見込まれなければならない。従って直接国庫が負担しなければならないのは、これを一挙に三十三年度に充実したと仮定して考えた場合と同じであって、三十億六千万円、これに対してあなたは都道府県負担分も入れて数百億円、こう言われるのでありますが、あえて私はこれをここで取り上げてあなたと論争しようとは思いませんが、これは相当大きな計算の違いだと思う。従ってこれはあとで一つ十分調べていただきたいと思います。ほかにどういうものを見込んでおられるのかそれはわかりませんけれども、あとで一つ計算をしてもらうことといたしまして、私は少くともそういう金額で一ぺんにやるとこれはなかなか困難だから、そういう金額であっても、それを三カ年間くらいの年次計画でやれば、国が年々新たに財政措置をしなければならないものは十億二千万円程度だ、こういう意味で申し上げておるのであります。そうなるとそれは三カ年では無理だ、結論としては、あなたのお話は、財政事情その他ですし詰の学級の解消を第一義に置くという建前からなかなか困難ではないか、こういうようなお話でありますから、その三カ年という年限については、あるいは五カ年にこれを軽減するような方法もあるわけです。 それからまた学校教育法の百三条ですか、これは当分の間、こういう規定がある。これはいつまでたっても当分の間ということであって、いつこの当分の間という文句がなくなるのか、こういうこともきわめて不明瞭です。こういったものは法律の作り方としては私はいけないと思う。従ってできるだけ早くこういう不明確なものは取り除いて、そうして文部省としては漸次というようなことではなくて、大体昭和何年度くらいまでには養護教諭も事務職員も十分に配置するのだという明確な意思表示が必要ではないか、私はこういう意味でこの法律案を提案いたしておるのです。なるほど当面すし詰め学級の解消ということも重要でありましょう。しかしまた学校教育法に明らかに規定されておるこれらの学校保健の問題、あるいは学校事務の充実も確かにこれは重要です。だから多少そこに軽重の度はあっても、この養護教諭と事務職員の問題についても、何らかそこに一つのめどを文部省としても置かるべきではないか。いつまでも「当分の間」ということを続けておくということはいけない、私はこういう考えを持っておりますが、これに対する内藤さんのお考えを最後に聞いて、一応私の質問は打ち切りたいと思います。
○内藤政府委員 御趣旨の点まことにごもっともだと思います。私どももいつまでも「当分の間」でこれを妨げておるという事情をなるべく早く解消したいという点につきましては、全く同感でございます。私どもはすし詰め学級の解消が大体昭和三十八年度には終る予定を持っておりますので、その後にできるだけ早い機会に養護教諭と事務職員を必置制にするように努力いたしたい、この場合に一つは学校統合の問題もあわせて検討してみたいと思っております。あまり小さい一学級、二学級のところに事務職員、養護教諭も置くことになりますと、かえって財政負担が伴いますので、これらの点もあわせて十分検討したいと考えております。 —————————————
○佐藤(觀)委員長代理 次に文教行政に関し調査を進めます。質疑の通告がありますから、これを許します。福田昌子君。
○福田(昌)委員 内藤局長にお尋ね申し上げたいと思いますが、実は内藤局長さんにはいろいろとすでに御迷惑をおかけ申し上げておる点でございまして、重ねて御迷惑をおかけいたしますことは非常に心苦しい次第でありますが、お許しいただきたいと思います。と申しますのは、福岡県朝倉郡杷木町に現存しております中学、つまり杷木中学と原鶴中学の二つの中学を統合して一つの中学にする、この中学の統合問題に関しましての紛争の事件でございます。この事件の経緯につきましてはすでに十分御承知おきいただいておる点でございますが、今日この統合問題にからみまして、すでに町側が建築を進めております地域に反対側の区民がすわり込みをいたしましたり、毎日々々区民総出で大体七、八百人の人員でこの建築をやめてもらいたいという運動を起しておりますし、また町議会に対しましても、町長に対しましても御反省を願いたいということで、区民あげての非常な騒ぎをいたしております。これに対しまして杷木町では警察を動員いたしまして警備に当っておる、こういう事態についてのお尋ねでございます。この学校の統合問題につきましては、経緯については十分御承知のことと存じますが、文部省にお願い申し上げております筋合いとは実際は多少違う点もあるやに聞いておりますので、私が伺っております点を少しくお耳に入れて御質問申し上げたいと思います。 この中学の統合問題は、ちょうど一年前の三十二年の三、四月ごろから起った問題と私どもは聞いておるのでございますが、この杷木町それ自体は、これも御承知いただいておりますように、杷木という従来の小さな町とその周辺にある三つの部落が一本になりまして、二十六年に杷木町として統合した地域でございます。統合いたしました村は、志波という部落と久喜宮という部落と松末という部落が旧杷木町に合併いたしまして大きな杷木町というものができ上った次第であります。人口比から申し上げますと、志波、久喜宮を一〇〇、杷木を一二五、松末を三五という比率で見れば、人口比が大体妥当な情勢にあるのでございます。杷木と久喜宮という二つの部落が中央部にありまして、その左右に志波と松末という両部落があることになっております。ところがこの中学の統合という点に関しまして、ちょうど一年ほど前から町側は、各部落の区民には十分な相談なく、中学の合併を考えたようでございまして、文部省に補助金をいただくためにお願いいたしました書類は、五月十五日の町議会の決議を添えまして書類を作成し、中学統合に関しての補助金の申請をいたしておる次第でございます。ところが町側が申請いたしましたその町議会の議決というものは、実は後ほど伺いますと、これは架空の議事内容であって、実際はそのときに会議を開いていなかったということが伝えられておるのでございます。しかも文部省に申請いたしました書類は、町議会でそういう御決定があったと同時に、町民の各区民がほとんどこれを了解して、円満裏に納得をしたという形に相なっておるようであります。そして新しい校地として御決定いただきます地域も、区民の円満なる了解のもとに候補地が大体決定したというような内容であったかのごとく伺っておるのでございます。 ところが町側がこの書類作成の前後に考えました地域は、今申し上げました地理上の地点から申し上げますと、一番人口が少い松末という部落の側に比較的有利で、人口が多い正反対の側にある志波という部落にとりましては、距離的にも非常に遠隔になる地域に、この統一した中学の候補地を選んでおったのでございます。志波の区民の申しますことによりますと、この地域は非常に山岳地帯でございまして、一番端っこの志波の部落から、町が考えております中学に通うには九キロ以上を通わなければならないということに相なっております。この地域は、繰り返し申し上げますように、でこぼこの山地でございまして、志波の方から直線を引きまして放射線状に学校の校地の方向に筋を引けば、いかにも道が近いように見えるのでありますが、これは山地で、さように勝手に道路として使うわけにいかない地形にあるわけでございます。従いまして非常に遠回りをして、ぐるっと山のすその方を回って、学校に行かなければならないというような地形からいたしまして、九キロ以上も歩かなければ新しくできる中学には通えない、こういう情勢に相なるところもあるのでございます。従って志波区民といたしましては、そういうところに学校を建てられたら非常に困るから、これは何とか考え直してもらいたいということを、昨年の夏ごろから猛烈に町議会及び町長にお願いをしておったようなことでございます。ところが町議会も、大勢は久喜宮に不利なところに地点をきめて、そのまま言を左右にして変更しようとしない、町長もそういうことでこれに対して何ら話し合い、歩み寄りの態度を示さないという状態であったのでございます。従って志波の区民は、これでは話が進まないからということで、福岡の県庁に参り、あるいは県の教育長にお願いに参ったのでありますが、そのつどいつも町の人も一緒に来る、町議会の人も一緒に参るというようなことで、志波の人たちの反対意見が絶えず口封じされるというような情勢にございました。なおこれではどうしても自分たちの反対の意見を聞いてもらえないから、文部省に直接お願いしようということで、昨年の夏切符も調達いたしまして、上京しようといたしておったそうでございますが、そのやさきに、やはり杷木の町議会の連中、町長の使いの方が見えて、上京はやめてもらいたい、文部省には十分反対の意見を申し述べて、文部省で御善処いただくようにするからという話であったそうであります。かようなことで志波の人たちが、そういう不利なところに学校を建てられると困るから、何とか考え直してもらえないだろうか、なお現在ある中学をこのまましばらく使うようにさしてもらえないか、町の財政上からも、今この二つの中学を統合して一本にするということは必ずしも妥当でない、また自分たちの児童を通わせる地理的な条件としても、新しい中学では距離的に遠いから、考え直してもらいたい、もしどうしても一本にまとめた中学を建てるなら、もう少し志波の区民に有利な地点、つまり町が考えているところよりも少し志波に寄った地点に校地を選ぶように考え直してもらいたいというような趣旨を主張して参っておったのでありますが、その趣旨がいれられませず、県会や県教育長に訴えますそのお願いの筋も封鎖されますし、文部省にお願いに出向こうとしても、それも機先を制せられるという形で昨年過ぎてしまったのでございます。その後ことしのお正月になりましてから、仲裁の方が入りまして、それじゃいつまでもこういう対立の状態で、町長も少し考え直す必要がある、町議会も考え直す必要がある、また志波の区民も少し譲歩してというようなことで、大体町が考えております地点より、志波の区民の方に三キロほど寄りましたところに学校の校地を決定したらどうだという御仲裁を、ある人のお骨折りでいただいたわけですが、その仲裁も、志波の人はそれでけっこうです、その地点であれば中学を建てていただいても、まあ自分たちの部落からすれば六キロ前後になるけれども、その程度ならけっこうですからということで了解したそうでございますが、町長より、町議会がそういうことでは困るということで、この仲裁案を二月の中旬けってしまったのでございます。そのままで今日その町が一方的にきめました地点にどんどん建築が進められ、大体四月一ぱいで六教室を建てるというようなうわさでございますが、強引にそういう計画のもとに諸事万端進展しているという情勢にあるのでございます。従ってこれまでの志波の区民は、いろいろと穏便にお願いをいたしましたが、一向に聞き入れてもらえない、町議会も町長も全然反省がない、県の教育長は全く指手傍観して何らタッチしない。文部省にお願いしてある、県庁にお願いしてある、教育長にお願してあるということで、どうにも要領を得ない、これではどうにもしかたがないから、自分たちはこういう非民主的な町議会のあり方、町長のもとではついていけないからということで、分町手続をこの三月の中ごろとりましたそうでございまして、ただいま分町手続をとりました上に、この中学の建築に対しましても、そういう建築を進めてもらって、従来ある自分たちが使っている原鶴中学を閉銷するということでは困るからというような意味合いから、冒頭に申し上げましたような運動を起しているという情勢にあるのでございます。文部省に町議会よりお願いを提出申し上げております町長の作成いたしました書類とは、私が申し上げた内容は少し違うかと存じますが、かような情勢でございますので、この点につきまして文部省当局の一そうの御配慮をお願い申し上げておきたいと思うのであります。 私ども最初にこれらの経緯につきましてまずお伺いさしていただきたい点は、この杷木町の申請いたしました原鶴中学と杷木中学の二つの中学を一本にして一つの中学にするというこの統合につきましては、どういうお含みの上で御許可いただいたものか。その町側が局長さんのお手元に御提出になりました書類はどういう内容であったか、かような点につきまして、まずお知らせいただきたいと思います。
○内藤政府委員 私どもは学校統合につきましてはできるだけ円満に解決するように指導もしておりますし、また距離の点でも小学校は大体四キロ、中学校は六キロ以内というような一般的指示をいたしておりました。この統合自体は市町村の教育委員会できめるべき性質のものでございまして、文部省が許可をするとかしないとかいう問題ではございません。ただ文部省はこの統合——校舎の建築費の助成を行なっておりますので、この助成の関係につきましては都道府県の申請に基きまして行なっておりますが、本件につきましては管理局の所管でございますので、実は統合の補助金の問題についてのお尋ねでございますが、いずれ管理局から責任のあるお答えができるかと思いますけれども、ちょっと今参っておりませんので、お待ちいただきたいと思います。
○福田(昌)委員 市町村の教育委員会で御決定いただいて中学を統合するという御申請になったかと思いますが、私どもこの中学、小学校においても同じでございまするが、こういう統合問題につきましては非常に御慎重に、地元におきましては当然でございますが、文部省におきましても御配慮願わなければならないと思うのでございます。問題は、この教育という文化的な精神的な問題を中心にいたしました行事が、納得のいかない形で強制されるということは、教育の趣旨にも反することに相なりますので、学校統合だけはこれはもう区民の十分な御了解と円満な解決のもとになされなければならないと思っているのでございますが、この場合におきましては、その第一の私どもが考えます基礎条件にすでに欠けておると思うのでございます。市町村の教育委員会で御決定いただきますにいたしましても、その御決定というものを文部省はいずれの場合においてもその書類そのものをうのみにされまして、その書類のみで万事を処置なさるというようにお取り計らいになっておりますか。
○内藤政府委員 この点は管理局から局長なり担当の局長が参ると思いますけれども、私どもは大体都道府県の教育委員会の申請というものを一応尊重しておりますので、道府県の教育委員会で十分審査して御決定になったものと心得ておりますので、今御指摘になったような事例がございますれば、もちろんさらに調査して検討する必要はあろうかと考えております。
○福田(昌)委員 文部省のせっかくの御好意にもかかわりませず、各地方には地元のそれぞれの区民のお方の了解を得ないで、いわば強行突破する、相当ある区民には反対運動が起っておるというような統合問題が至るところに出ております。それは私が申し上げるまでもなく、局長さん自身十分御心配なところでございまして、それゆえにこそ昨日の新聞には局長さんのお言葉といたしまして、各地方で小学校、中学の統合問題で非常な紛争が起っておる、そういうところには補助金を打ち切るかもしれないというようなお言葉さえ出ておりましたが、それほどにいろいろな地域で紛争が続々と起っております。文部省のせっかくの御指示、御指導にもかかわらず、こういう事態があるということははなはだ遺憾でございますが、全般の問題として、こういう事態に対しまして文部省としてはどういう御処置をおとりになるのか、この点を具体的に伺わせていただきたいと思います。
○内藤政府委員 私どもは学校統合の問題は非常に重要な問題でありまして、児童、生徒に及ぼす影響もございますので、十分慎重に村、地方民の御協力を得、円満に解決されることを期待しておるのであります。こういうような趣旨で私ども従来学校統合に臨んでは慎重に行うよう指導をして参ったのであります。御指摘の点につきましては、私どもも十分都道府県の教育委員会に調査をいたしたいと考えております。都道府県の教育委員会が積極的にこういう紛争の問題には立ち入って円満な解決に御努力願いたいと思います。従来都道府県の教育委員会はややもすれば消極的に地元の紛争をながめておったようなきらいもなきにしもあらずだと思いますので、こういう段階につきましては、その他各県に相当こういう例が起きておりますので、積極的に都道府県の教育委員会のあっせん調停に期待をいたしまして、円満にいくように努力いたしたいと考えております。 なお管理局の方で出しておりますところの建物の補助金につきましては、できるだけ円満な解決がつくまでは保留するというように管理局としても態度をとっておられるので、管理局とも十分連絡協議いたしまして、学校統合の円満な推進に努力いたしたいと考えております。
○福田(昌)委員 これでやめますけれども、ただいまのお言葉はまことに適切なお言葉でありまして、私ども大へんそれでありがたいと思うのですが、実はお言葉を返すようで大へん恐縮なんですが、私もこの問題に関しましては、ことしの初めから文部省に再三お願いに参りました次第でございますが、文部御当局におかれましてもお忙しいことと、問題が各地域で解決していくべき問題であるという行政上の点からいたしまして、これは都道府県の教育委員会でさばいてもらわないと困る、都道府県の教育委員会がしかるべく善処するように文部省といたしましてもそういう手配をいたしますからというようなお言葉ばかり再三いただいて参りました次第でございます。ところが事態が一向に進展いたしませんし、私ども福岡県の教育委員会にどういう御指示をいただいて、県の教育委員会がどういう御発表、御報告があったものやらなかったものやら一向に——せっかくの御配慮がはなはだ失礼でございますが、私ども問題の解決を渇望いたしております者にとりましては、はなはだはらはらしているような状態でございます。ただいまのお言葉を返すようなことで恐縮なんですが、どうも県の教育委員会は傍観しておるというようなお話がございましたが、私は県の教育委員会も傍観しておるし、文部省も傍観しておるのではないかということを考えまして、非常に遺憾に思います。こういう事態が起りますのを黙って見ておられる。警察と区民とがけんかして流血の惨事でもあれば、これは大へんだといってようやくおみこしを上げられるというようなことで、それほどゆっくり落ちついてこれを考えておられるような感じがいたしまして、私どもといたしましては非常にこの点につきまして心配をいたしておるわけであります。従いまして教育委員会がもっと傍観ではなくて積極的に間髪を入れずにこういう問題の解決に当っていただく、こういうように文部省も御鞭撻をいただくような御措置を私ども心からお願いする次第でございます。まことに県の教育委員会にさように伝えますということだけいただいて一向に進展がございませんので、さらにお願いいたしまして、恐縮なんですが、この際追い詰められた状態にございますので、流血の惨事を起さない前に、文部御当局としての御配慮をいただきたいと思います。
○内藤政府委員 先生の御趣旨はよく体しまして、十分指導の徹底を期したいと思っております。
○福田(昌)委員 重ねてのお願いでございますが、私先ほど簡単に経緯を御報告申し上げましたように、このケースは町会も無視し、町長も区民の意見を無視し、県の教育委員会も無視し、県庁も無視し、文部省も無視し、こういうことによりまして一触即発の荒い事態が起っておるのでございます。順序から申しますると、これは当然県の教育委員会が調査すべきでございますが、ただいま申し上げましたように、県の教育委員会は、どうも私ども希望申し上げておるようには御配慮願えない情勢にございますので、でき得ますならば文部省から直接、こういう一触即発の事態には調査員を差し向ける、御調査をされるという御配慮が願わしいのでございますが、この点はぜひ御配慮いただきたいと思います。
○内藤政府委員 この間もこれは大臣から高津委員にお答え申しましたように、私どもはできるだけ調査をいたしまして、要すれば現地に人を派遣しても調査を十分にいたしまして、適切な解決に最善の努力をいたしたいと考えております。
○福田(昌)委員 このケースは、たびたび申し上げますように、ほっておきますと警察と両方でにらみ合いの状態でございますから、非常に危険な状態でございます。このケースに対しまして、即刻文部省から御派遣いただきますようにお願い申し上げます。
○佐藤(觀)委員長代理 関連して高津正道君。
○高津委員 広島県雙三郡上板木小学校の統合について、やはり仮校舎を設け、仮教諭の資格のある人間を雇って、新たに統合した学校へ行かないで、同じように机を持ち寄って、運動場はないがやっておるわけなんです。早く調査に行ってもらいたいと思いますが、いつ出かけられるのですか。
○内藤政府委員 高津委員のお話でございますが、私ども即刻県と交渉しておりますが、県の教育委員会の態度としては、今円満解決に努力中で、円満解決の見込みがあるからと、こう申しておりますから、その成り行きを今見ておるところでございますが、私どもとしては、もし事態の円満解決が延びますれば、即刻調査に参りたいと考えております。
○佐藤(觀)委員長代理 川崎秀二君。
○川崎(秀)委員 文部大臣に緊急に質問したいと思います。 それは、終戦以来一番大きな国際的行事を本年の五月に控えておるということであります。御承知のアジア競技大会は、五月の二十四日から神宮外苑を中心にして繰り広げられるわけでありますが、このアジア競技大会の開催の中心になるのは、先般文部省の非常な努力によってできました国立競技場である。その隣に近く東京都の都営の室内プールもできまして、まずこの二会場が中心の地域になるのでありますが、最近きわめて遺憾なことには、三月三十一日をもっていわゆる売春というものが禁止になり、自来日本は新しい道徳の時代を迎えたわけでありますが、赤線を追われた女たちが、次第にこの国立競技場ないしは室内都営プールと隣接をする有名な千駄ケ谷の温泉マークの地帯に進出をしてきておるということの事実である。これに対しては、東京都も、また法務省あるいは警察関係も非常な取締りをしておるとは思うのでありますけれども、一番懸念をされるのは、アジア各国から青年が二千名近く集まってきて、今度の大会を一つのバロメーターとして、国際オリンピックを招致し得るかどうかという、非常に重大な時期をわれわれは迎えておるのであって、またアジア各地の青年に与える影響というものも重大視される折柄、あの付近一帯は、大体文教地区と言われておるにもかかわらず、そういう付近に赤線から追われた女たちが入ってきて、そしてこれが近ごろの流行語で言う白線化するというようなことになれば、事態はきわめて重大だと思う。日本の名誉にも関するし、これらの問題について文部大臣としては、事実は知っておられるでありましょうが、どういう対策を立てて連絡をとられておるか。アジア大会の主催団体は、大日本体育協会、アジア競技大会組織委員会でありますけれども、結局は文部省に責任はかかってくるわけであります。従って文部大臣はこれらに対して、どういうお考えであるかをまず基本的にお伺いをしてみたいと思うのであります
○松永国務大臣 御指摘になりました今度新たにできた競技場、まことに重要な仕事であります。ことに御承知の通りオリンピック招致委員会もできております。来たるべき国際競技場ともならなければならぬという場所であります。御指摘のようなああいう方面に風紀を乱すようなやからがたむろするというようなことは、何が何でも一つ予防しなければならぬというふうに考えております。 実はつい二、三日前に、ある新聞にそういう説が出まして、ことにその旅館として予定せられておる場所の付近に、そういう売春行為が行われるような危険を持っている人々が集まっておるというようなことが、写真づきで新聞にまで出ております。これはとんでもないことであります。仰せになりましたように、このアジア大会がひいては次の国際大会に非常な影響をもたらすので、御指摘のそうした風紀の紊乱は、次の大会を非常に招致困難に陥らしめるおそれもあります。われわれ日本の名誉にかけても、そういうことは根絶しなければならぬというふうに考えます。 この問題については、アジア大会組織委員会で御説のような問題について、いろいろ研究を重ねております。従ってこの競技委員会のメンバー等とも協議をいたしまして、さらに法務省関係とも連絡をいたしまして、万全を期したいと考えております。御説の通りもしここで一つ誤まると、これは取り返しのつかぬというようなことになりますので、十分その点は考えております。なお詳細の点は政府委員からさらに答弁をいたさせることにいたします。
○川崎(秀)委員 もう一問大臣に伺って、それから政府委員にお伺いします。私も気になったものですから、この間国立競技場からの帰りに、あの辺をずっと午前中ではありましたが歩いてみました。そうすると旅館の看板へ持っていって、横へ大きく、アジア競技大会選手大歓迎と書いてある。これはえらいことだと私は思いました。温泉旅館が選手を歓迎するということではなしに、アジア大会があれば、新緑の東京は非常にいいところですし、全国から見物に相当集まる。これを目当てだと思うのですけれども、一番重要な問題は、最近それを目ざして増築を申請しておるものが何十軒とあるそうです。よく調べてみると、文教地区という関係で、あの辺は昨年鳩森小学校の問題から、新規営業というものは禁止されておるわけです。これは一つの手を打ったわけですが、増築ということに対しては何らの制限がない。この間あの辺の警察や保健所やPTAが一本になって、都に対して何とか押えてくれということは言っておるそうです。しかしそれに対するはっきりした断定がまだ下らないのですが、こういうような問題は、一つ文部省としても国家的見地から取り組んで、ぜひその増築を一時的にでも取りやめさせるような方法を講じたらいいと私は思うのであります。 それからもう一つは、この前の極東大会というのはたしか昭和五年ごろ東京で行われたと思うのです。そのとき問題になったのは——日本の女性の浮薄性も多少あるのですが、フィリピンのあるハードルの選手と外苑の内部で深夜風紀を乱した。これの現行犯を見られた関係があって、警察は当時はそういうことに対して非常にきびしい時代でしたから、検挙されて大問題になったのですが、この問題についても一つ外苑一帯の街灯を明るくして——現在でもいろんな問題が論議されておる折から、そのときに一そうこういう風紀紊乱というものがほとんど公開的に行われるということであっては非常な問題ではないか。この二つの点について、ぜひ文部当局としても緊急な御対策を願いたい、かように存ずるのであります。これは大臣でなくても、政務次官でもけっこうでありまするし、政府委員からでもお答えを願いたいと思います。
○臼井政府委員 ただいまの川崎先生の御心配、まことにごもっともでありまして、これにつきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、非常に注意を払い、また一つは心配いたしている点なのであります。そこでアジア競技大会組織委員会の方では責任を持ってそれに対するいろいろの方策を講じつつあるのでございますが、この点については文部省としてもすべての監督の責任がございまするので、できるだけ万全を期したい。そこで選手に対しては、まず第一に宿舎との往復につきましては自動車で送り迎えをする。さらに選手団に対してもいろいろの注意や要望をして自粛をしていただく。また宿舎には一切外来者は入れない。そういうふうにできるだけの措置をいたしまするし、また一般の観衆といいますか、大衆方面には、取締り当局に厳重にそういう点を取り締らせる、こういうふうにいたしたいと考えております。さらに宿舎でございますが、これは外来の選手に対しましては、男子は第一ホテル、女子は品川プリンス・ホテル、こういうことになっております。日本の選手に対しましては外苑の青年館を使用する、こういう予定になっております。また外来の方に非常に目ざわりになるような付近の環境につきましても、今御注意がありましたような御趣旨に基いて、取締りの担当の、たとえば警察方面とも十分連絡をとってやりたい。さらに文部省として考うべきことは、アジア各国から多くの、選手ばかりでなく、おそらく観衆も参るであろう、またこういう盛大なアジア・オリンピック大会があるのでありますから、アジアばかりでなく、スポーツに関心のある諸外国からも見えるでありましょう。こういう際は特に日本人に対する評価をされる大きな機会でありますから、この際に日本人は、親切であり、また品性においてもあまり評価が悪くなくするようなことを、学校においてもさらに社会教育の面においても考うべきではないか。将来またオリンピック大会を招致するということになれば、よけいそういう点について注意をしなくちゃならぬので、そういう点についてもこの機会に一つ十分努力をいたしたい、かように考えております。
○松永国務大臣 政務次官から申し上げたことと関連して、私は、今御指摘になりましたようないろいろな問題を非常におそれておる。従って、ここは文教地区というよりもむしろスポーツの殿堂として、青年たちの賛仰の的としなければならぬ。従ってこれを聖地として保存しておきたいというふうに考えて、関係当局とも御指摘になったような面の起らぬように連絡を緊密にとって努力してみたいというふうに考えております。
○川崎(秀)委員 文部大臣の意見にほとんど同感でありまして、私も将来国際オリンピック大会が来るときには、国立競技場、都立プールのみならず、あの辺一帯をスポーツ・センターにすべきである、聖地にすべきであるということは全く同感なんであります。ただ現在あの辺を立ちのかせるということに対しては、財政的に非常に費用もかかるわけですから、現実のアジア大会には間に合わないということで、鳩森小学校付近の一帯は文教地区という意味合いから御質問を申し上げたわけであります。 文部大臣にもう一つ伺っておきたいのは、今政務次官がお答えになりましたように、男子の宿舎は第一ホテルときまったわけですね。これは非常に便利だということと、今日本にはオリンピックの選手村ができておらぬ。将来国際オリンピックを迎えるときには、ワシントン・ハイツを、それまでに駐留軍が帰れば第一候補地にするとか、あるいは朝霞ですか、あれを使うことがいいのじゃないかという話は出ているわけなんですけれども、いずれにしても今回はやむを得ず第一ホテルになった。そうすると、先ほどのお話はきっとその第一ホテルだろうと思うのですが、第一ホテルの付近が今一番夜の天使たちの出没する場所なんです。あなたは庶民大臣で、つり皮にぶら下ってしょっちゅうお帰りになっておるようですけれども、いつも新橋からお帰りですか。——新橋から帰りがけに一ぺん七時ころに行ってみてごらんなさい。非常に出てくるのです。まさかあごひげを引っぱられるわけでもないだろうから。一ぺん見れば、これはアジア大会の主催者の一人として、非常に不適当だということは一目瞭然です。私はこれはぜひお願いしたいと思うのですが、それに対する対策、それから将来オリンピック村を、東京都と協力してでも、国際オリンピックを招致するとすれば、建設する意思があるか。建設をされると思うけれども、そういうことも具体的に考えておられるか。この二点を伺いたいと思うのであります。 それからついでに、法務省の方が見えておるとすれば、最近白線化する問題についてはどうお考えになっておるか。だんだんストリート・ガールが多くなってきておる。これを取り締るということはなかなか困難な点もあるけれども、密集しておるような地帯は、やはりパリやロンドンみたいに相当狩り込みをやらなければならぬのじゃないか。従って、第一ホテルを当面の目標ということにして、そうすれば防御策を講ずることができるのではないかというように思うのですが、これらの点についてそれぞれお考えを伺っておきたいと思う。
○松永国務大臣 国際オリンピック招致につきましては、文部当局といたしましてもいろいろな施設を十分確保もいたしておりますし、計画も立てております。ただ御指摘の通り、このアジア大会にはそういう施設はもちろん間に合いません。 御指摘の第一ホテルの近辺は、お話の通り私どももしょっちゅう行っておりまして、変な女がたくさんおるなと思って見ておりますけれども、これは川崎議員ならば向うから何とか言い寄ってくるかもしれません、(笑声)私が行っても何とも言いません、(笑声)けれども変な女だということは一目瞭然でございます。これではいかぬなということは考えております。こういう点は関係当局、特に法務省あるいは警察庁あたりといろいろ研究しまして、万全の策をとりたいと存じております。
○竹内政府委員 お答え申し上げます。四月一日から売春防止法の刑事処罰規定の全面実施と相なりまして、全国の赤線、青線の灯が消えましたことは、全く御同慶にたえないことでございます。しかしながら問題はその後にあるわけでございまして、御指摘のように赤線、青線から、それがまた地下織あるいは違った形の売春といったようなものに転化するような形勢が見られますし、またわれわれ新聞等で目につきますことは、今御指摘のような散娼が少しふえてきたんじゃないかということがうかがわれるのでございます。きのうの新聞でございましたか、売春防止法第一号の検挙の報道がございましたが、現に若干そういう検挙も見ておる状況でございます。これに対しましては、特に今回の売春防止法の一部改正が、主として売春防止法第五条のいわゆる売春婦の人の目につく形における勧誘行為というものの取扱いについての改正法でございましたので、今後の取締りにつきましても、この種の売春婦の扱い方という点に特に重きを置いて、関係の警察等も十分連絡をとっておるのでございます。今いろいろ御指摘のありましたような文教地区における売春婦の出没、その他外国人の出入りします新橋とかあるいは第一ホテル付近等におきます出没、こういった問題につきましては、ただいま地検におきましても熱心にその対策を講じておる状況でございます。そういうわけで私どもとしては完全実施に当りまして、有終の美をいたしますように、遺憾なきを期しておる次第でございます。
○川崎(秀)委員 もう一問で終りますが、もう一つ私は心配なのは、こういう風紀対策とともに、今東京では、盛り場等では四、五人の不良少年が群れをなして、グループを組んで恐喝をするというような事態が非常に多いことであります。二、三日前も銀座から浅草等ずっと回ってみますると、その傾向が非常に顕著である。非常に憂慮すべき状態で、アジア大会の開催中にこういう事件、かりに殺傷事件などというものが起るということになれば、それだけで国際オリンピック大会は日本には来ないというふうに、私はほんとうに今から憂慮いたしておるわけでございますけれども、こういうものに対する対策というものは、今どういう程度に進捗をしておるものか。それからこれはやはり街頭を明るくするということが一つの対策で、銀座は三カ月ほど前から表通りが非常に明るくなって、そういう事件が少くなった。これをやはり選手滞在ホテルである第一ホテルの付近など、特に裏の方は考えていただいたらどうかというふうにも考えておりますが、それだけでなしに、東京都全体の盛り場というものに対する——全国はもとよりでございますが、ぜひ恐喝ごろ等が多く発生しないように十分の御監視あってしかるべきだ、かように今考えております。これに対する文部大臣並びに法務当局のお考えを承わりまして、私の質問を終ります。
○松永国務大臣 御指摘になりました青年層の不良化、まことにこれは困ったことだと思っておるのです。新聞にラジオにいろいろ報道されておる点を考えてみても、戦慓を感ずるような気持がいたします。しかしこれは何といたしましても、口ぐせのように私が申しておりまする道徳教育の強化、これによって学童の将来を善導していくということ、さらに社会教育をもっと強化して、特に青年層、いわゆる青年学級、こういう組織を強化していく、さらにこれの指導を充実いたしまして、そして今までの野放図にやっておりましたこういう面を一つ厳重に取り締らなければいかぬ、取り締るというよりも、養育していかなければならぬというふうに考えております。御指摘になりました、このごろの縁日とか夜店という方面に不良の徘回しておることは、目に余るものがございます。そういう面はいずれも社会教育の強化、充実をはかっていこうと思っておりますが、なおそういう方面の取締りについては、法務省の竹内政府委員から一つお聞きを願いたい。厳重に取締りをやっていただくと同時に、取締りの前に、私どもは教化していきたいというふうに考えております。
○竹内政府委員 暴力追放は現内閣の大きな旗じるしでもございますが、法務省におきましては、数年来、この暴力につきましては、終始手をゆるめずに追及いたしておるのでございます。いわゆるやくざ、暴力団の事件は、その後も跡を断っておらないのでございますが、この連中がだんだん職場を失いまして、街頭にさらけ出されるという現状になって参りました。これと相待ちまして、これらの年の若い、いわゆる青少年層が街頭に出てきて、いわゆるぐれん隊となり、それがまた高等学校あるいは中学校といったようなものにまで影響を及ぼしまして、取り締れば取り締るほどそういう事件が多くなってきているような現実でございますが、これは隠れていたものが現われてきたというふうに私どもは理解しておるのでありまして、かすに時日をもってしんぼう強く取締りを続けていかなければならぬと考えておるのでございます。それにいたしましても、過去の数年間の経験に照らしまして、若干刑罰法規その他に不備な点があることを発見いたしましたので、今国会に刑法の一部を改正する法律案といたしまして御審議を願っておるのでありますが、一日もすみやかに成立せんことを希望しておるのでございます。そういうことによりまして、なおこの上とも遺憾なき取締りを期していきたいと考えております。 —————————————
○佐藤(觀)委員長代理 次に市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。高村坂彦君。
○高村委員 市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案ですが、この内容は、大体先生たちの通勤手当と、それから校長先生の管理職手当の問題になっているようでありますが、この通勤手当はどういう基準で出すことになっておりますか、それをまず伺いたい。
○内藤政府委員 通勤手当は、二キロ以上の者に対して最高六百円で打ち切る。六百円以内の者は実績で出す。それから自転車通勤の者は月百円を出す、こういう基準でございます。
○高村委員 それでわかりましたが、教職員で、全国で大体その手当総額はどのくらいになりますか。
○内藤政府委員 大体十億程度見込んであります。国庫負担金で約五億であります。
○高村委員 国庫負担が五億ということになるようでありますが、これは大へんな額といえば額なんですね。私ども今日の学校の通勤の模様なんか見ますと、戦後はずいぶん家なんかも不自由で、遠方から通わざるを得なかった、こういうことなんですが、だんだん近くに住居も求められやすくなっていると思うのです。そういうときに、通勤手当を今日の段階になって特に出す——むしろ私どもは戦後住宅なんかも非常に困難であったときに出すのは、これは必要だったと思うのですが、今日だんだん住宅事情なんかが緩和されてくる、そういう時期になって出すというのはむしろ逆じゃないかというふうにも考える。それからまた、一面からいっても、先生が父兄とも接し、あるいは子供のめんどうを見るというような点からいえば、なるべく学校の近くに住居を求めておっていただくことがいいのじゃないか。従って通勤手当といったようなもので、国費を五億使うよりも、同じ先生方を優遇するという意味で何か他に方法はなかったか、そういう点で何か議論になったことがありますか。その結論がこうなったのかと思いますが、その経緯をもし納得いくようにお話しいただければ非常に仕合せだと思います。
○内藤政府委員 御指摘のように住宅が緩和された事情におきまして、私どもできるだけ教職員が学校の所在地に居住することが望ましいと考えております。で、これに対して時代逆行ではないかというようなお尋ねでございますが、実は通勤手当につきましては、すでに民間でも支給しておりますので、公務員全体に、通勤手当というような名目で給与の改善をはかるということが一つの方法として考えられると思うのでございまして、人事院で国家、公務員にこういうような制度をしきましたので、私どもは教職員につきましても同様な趣旨の均霑をしたわけであります。
○高村委員 私は、今のお話では、どうも通勤手当によって教員を優遇するという意味がわからない、どうも納得いかないのです。民間で出しておることは御承知の通りで、これはもうずっと前から出している。それからまた、民間の勤労者と先生という立場は、先ほど申しましたように違うと思うのです。そういう点から、私察するところ、教職員の見方というものが、どうも人事院なんかで、そういう職務まで考えることなしに、ただ待遇だけ考えてそういう勧告をしたんじゃないか。私は、今おっしゃらなかったけれども、おそらく政府は、いい労働慣習をつくるというようなことで、一応人事院が勧告したのだから、あまり賛成しないけれどもやろう、こういうふうなことではなかろうかと実は心配しているのです。どうもそういう点が、職務の内容等も十分検討して、実情も十分知って、ここにそういう勧告がなされればいいけれども、公務員というものを一律に勧告するというようなことで、そういった不合理な点が出てきているのではないかと私は思います。これはきょうは人事院も来ておられませんから申し上げませんけれども、私は、今後人事院の方でこういう勧告をされる場合にも、そういう点を考えてもらわなくてはならぬと思いますし、人事院の勧告についても、要はそうした公務員の待遇改善をしようという一つの方法であるから、そういう点で、私はこの通勤手当という格好で出すことの当否については非常に疑問を持っておるので、政府としてもその点は将来御検討をお願いいたしたいと思うわけであります。 それから校長の管理職手当の問題ですが、校長も公務員でございまして、管理職でございますから、手当を出すことには私も反対ではございませんが、一体、今国家公務員でない他の公務員の管理職で、手当の支給というものがどういうふうな実情になっておるか。そういうものについての実情を一つ聞かせていただきたい。
○内藤政府委員 国家公務員につきましては、中央官庁では課長、部長、局長、次官には大体ついております。それから国家公務員のうちで、地方部局ではそれぞれ所長あるいは次長、場合によったら課長のついているところもあるし、大体、国家公務員についてはほとんど例外なく管理職手当は支給されております。ただこの場合に過去のいきさつがありまして、管理職手当は趣旨として、当初超過勤務の手当から振りかえたというような事情もございまして、超勤の方を出した方がむしろ優遇されておるようなところもございますので、原則としては超過勤務手当を振りかえたわけでございます。そこで、国立学校につきましては超過勤務というものが教員になかったので、国立学校の学長、学部長、病院長、研究所長等につきましては当初から管理職手当がなかったのでありますが、管理職としての職責にかんがみまして、文部省は、超過勤務とは関係なしに管理職手当の支給を長年要請して参りまして、ようやく一昨年に学長、学部長、病院長、研究所長等につきましては支給をいたしたわけでございます。で、高等学校以下の校長につきましては、財政上非常な負担にもなりますので、そのときはしばらく保留になっておりましたが、最近金額を落して認めることにいたしたわけでございます。管理職手当の支給率は、国家公務員は二五%、一八%、一二%という三段階をとっておりますが、高等学校以下の校長につきましては七%という率を新たに起したわけでありまして、これは昔特定郵便局長に七%の管理職手当がついておったというようないきさつもございまして、七%という額にしぼりまして、そういう点で、全体の財政との調和をはかって、管理職手当の支給をしたわけでございます。 なお、地方公務員につきましては、これは出しているところ、出さないところまちまちでございます。大体傾向としては出しているところが多いように承わっております。
○高村委員 大体わかりましたが、そこで校長は管理職であることははっきりしておりますけれども、職責の上からいって教頭も管理職だ、こういうように見ておられるようですが、教頭に管理職手当を出すことについて何かお考えになりましたか。その点を一つお伺いしたい。
○内藤政府委員 教頭は、学校教育法施行規則によって管理職としての地位を明確にいたしました。特に教頭は校長を補佐して校務をつかさどるわけでございますので、こういう点から、管理職という点につきましては私どもは疑いを持っておりません。で、教頭にも実は管理職手当の支給をいたすように努力いたしましたが、ことしの予算の編成途上におきまして、財政上の点もござまして、やむを得ず教頭につきましては落しましたが、今後教頭の管理職としての職責にかんがみまして、私どもはぜひ教頭にも出せるように、今後努力をして参るつもりでおります。
○高村委員 だいぶ時間がたちましたから簡単にいたしたいと思いますが、この義務教育の職員の処遇をだんだん改善していって、そしてそういう方がほんとうに日本の将来を背負っていく青少年の教育に打ち込んでもらう、そういう点には国としても思い切った施策をやるべきだと思うわけです。そういう意味において、こうした、——これは必ずしも全体じゃございませんけれども、校長の管理職手当が出るとか、あるいは教頭の管理職手当が出るとか、こういうことになれば、将来みな校長にもなり、教頭にもなろうという向上心を持っておられましょうから、そういう意味において、大局から見れば、これは先生方の処遇の改善の一端にもなると言い得るかと思うのです。 そこでそれに関連してちょっと私最近感じておりますことは、女子教員というものが占める率が非常に多いようです。私が伺ったところによりますと、小学校では全体の四五%は女子教員である。そうなりますと、義務教育が非常に向上するかどうかということは、女子教員というものが義務教育に対して非常に熱意を持ってくれるかどうかということが非常な深い関係を持つと私は思うのです。ところが実際問題として聞きますと、小学校の校長先生は二万人ばかりもおるのに、その中で女子の校長先生はその一%くらい、百十二名しかいない、こういうような状態です。これは実際能力等について、現状においてはあるいはそれもやむを得ないかと思いますが、しかし私は過般欧米の義務教育なんかを見ました際に、あちらの方では、やはり校長なんかも、小学校では女の先生が圧倒的に多いのです。そういうことを見ますと、日本でもやはり今後の指導なりあるいは向上心を持ってもらえば、女の先生も少しも男の先生に劣らないようになるんじゃないか。今日では教育委員会もまたあるいは父母もどうも女の先生を喜ばない傾向があります。これはどちらに責任があるかわかりませんが、そういうふうなことでは、やはりこれだけの率を占めている女の先生のほんとうの教育に対する熱情を沸かすということにもならないのじゃないか、こういう点で、私は女の先生の処遇を改善をし、そしてまた女の先生方が、たとえば退職についても、男の先生よりも三年も五年も早く退職をしいられるというようなことでなしに、やはり同等にやっていく、そして校長先生にもどんどんなっていく、こういうふうになれば、これはどちらが原因か結果かわかりませんが、日本の義務教育の向上発展のために資することが大きいんじゃないか、この点は今日の日本の義務教育を考える場合に、一つの盲点になっておるのじゃないか、こういうふうに考えますが、一つ文部当局のこれに対する御所見を伺いたいと存じます。
○内藤政府委員 義務教育の、特に小学校の教員の場合には、諸外国で女子教員が多いことも事実でございまして、従って校長が女子で占めている学校が多いようでございます。これはただいま申しましたように、大体小学校の教員の比率が女子の方が多いという結果にもよると思うのでございます。こういう点では、日本ではまだ男子の方が多いというような状況でございます。過去におきまして、私どももできるだけ女子の教員を優遇して、女子の働く意欲を盛り上げるために、御指摘のように校長なり教頭にもっと進出していただきたい。それから同時に、退職に際しましても、男女の差別のないようにということはくれぐれも私どもは指導して参っておるわけであります。形式的には差別をしないと申しておりますけれども、実質的に今御指摘になったような事例も私どもは耳にしておるのであります。この点は遺憾に思っております。私どもとしては、能力のある限りにおいては、男女平等に扱うべきであるという基本線を堅持して女子教員の働く意欲をますます向上するように今後いろいろ施策を検討し、また努力して参りたいと思っております。
○高村委員 これで終りますが、実は私は日本の義務教育の進展の上に、ただいま申しましたような女子教員の教育に対する熱情をもう少し持ってもらうような施策をやってもらいたい。これは非常に大事なことだということを、私は最近実情を見て痛感いたしたのです。文部大臣はこの問題に対してどういうふうにお考えになりますか。文部大臣の御意見を最後に伺いたいと存じます。
○松永国務大臣 高村委員の御指摘の通りです。私もむしろこうした義務教育に携わっておる先生方のと優劣を論ずるわけには参りませんけれども、女子の人は男子の人に決しておくれをとらぬ。ことに義務教育に従事しておられる女の先生方がああして教えておられる、しつけをしておられる、そうした姿をながめて、私もよく教育しておられるところを見るのですが、ほんとうに子供の養育には、やはり女が一番いいような気持もする。ことに私も小学校だけは女の先生から教えてもらった。そして高等小学校は男の先生であった。このごろこの職を奉ずるようになりましてから、女の先生あたりともよく接触し、教えぶりあたりもよく拝見して、御承知の通り、これは何とかして優遇せんければならぬ。優遇というのが男子より優遇というのじゃなしに、男子と一つも違わないから、むしろ小学校の小さな子供を養育するのには、やはり適格性が多いような気持もする。でありますから、御指摘のように女の先生が早く職を引かなければならぬというようなことも私は間違った考え方だと思っております。一つ御指摘の点あたりも大いに考慮いたしまして、そうした誤まった結果がないようにやろうというふうに考えております。
○高村委員 最後にちょっと一言。大臣の御所見を伺いまして私満足いたします。実は高等学校なんかを見ますと、高等学校にはむしろ女の校長先生が相当多いのでございます。従って私は女であるからということで教育の面において劣るとは毛頭考えない。今大臣のおっしゃった通りだと思う。そういう意味で、女の先生の扱いが、原則的に男の先生よりも劣った扱いをするというところにやはりそういう結果が出ているのじゃないかというふうに考えますので、本日は文部大臣なり所管局長からもきわめて理解のあるお考えを伺いましたから、どうかそれが全国の教員の人事管理、その他の上にも出ますように、今後御努力をお願いいたしまして、私の質問を終りたいと思います。
○臼井政府委員 ただいま女子教員につきましては高村委員からいろいろ適切な御意見、御質問がございまして、大臣また内藤局長から御答弁がありましたが、女子教員が男子に比べて父兄からも割合に歓迎されないという一つのあれは、女子だと出産がある。そこでこの間ある婦人評論家との座談会に出ましたら、先生のストと産休はごめんこうむるという御意見があったのですが、しかしこの産休につきましては、法律で御承知のように、女子教職員の産前産後の休暇についての補充の規定があって、必ず労働基準法による産前産後の休暇については補充しろという法律があるのですが、実際には、これは一応財政的には三千人くらい考えているのが、千七百人分くらいが実績において国が負担しているというようなことであって、まだ余裕があるのに、行われない。そこに多少歓迎されないという原因があるかと思います。しかし能力においては、これは生徒も実際には女子がやはり半数もあるので、そういう意味からいっても、今後女子の教員のうちから校長先生がもっと比率の上で出てもいいのではないか、こういう点につきまして、これは今度いわゆる勤務評定をやれば、相当先生方の勤務の実績も出てくるので、私は相当そういう勤務の実績に基いた公平な処置ができるようなことになるのではないか、かように考えます。一言つけ加えておきます。
○佐藤(觀)委員長代理 本日はこの程度にとどめます。 これにて散会いたします。 午後一時二分散会