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28回国会衆議院1958/04/11

農林水産委員会 第27号

発言数
31
登壇者
5
会派数
2
開催日
1958/04/11

会議録

中村寅太自由民主党

○中村委員長 これより会議を開きます。  中央卸売市場法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。  質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。山田長司君。

山田長司日本社会党

○山田委員 国民生活に非常に関係のあります生果物及び水産物市場の業務につきましての法律の改正については、十分なる検討を要しなければならぬと思うのでありますが、不幸にしてこの法規を全部調べる機会に恵まれず、ただ考えている要点の二、三を伺うだけにしかすぎないと思うのでありますが、どうかお答え願いたいと思います。  この改正点に、「卸売ノ業務二係ル取引方法二関スル制限」を定めることができる、こういうことが書いてありますが、どういう業務規程によってこの取引制限を定めようとしておるのか、業務規程をつぶさに解説されなくてもけっこうでありますが、要点だけをお答え願いたいと思います。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 御承知の通り中央卸売市場法に根拠を置きまして、開設者でありまする各公共団体が市場の卸売人、あるいは取引方法、あるいは仲買人、小売等の市場で行いまする業務につきまして公共団体で業務規定を開設者としてきめることになっております。そういう業務規程で今御指摘になりました点を規定しようというわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 次に伺いますが、次の規定に純資産の規定がありますが、農林大臣の定める一定の額を下るものに対してはその許可をしないことがある、こういう規定については、一体その純資産額はどのくらいな額に規定をされるのか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 お配りしてありまする中央卸売市場法の一部を改正する法律案関係資料の四十五ページに一応御説明申し上げてありまするが、さしあたり純資産額の最低額は十万円ということをただいまのところ規則できめようと考えております。

山田長司日本社会党

○山田委員 そうしますとこの制限経費の支出項目というようなものを当然設けなければならぬと思いますが、そういうことについてはどんなふうなことになりますか。

鈴木一美農林事務官(農林経済局企業市場課長)

○鈴木説明員 御説明申し上げます。この純資産額はお配りいたしましたただいまの資料の四十九ページにこまかく純資産額の考え方の案を提示しております。その内容は資産の部の合計金額から負債の部の合計金額を引きまして、そうして純資産額を考える、こういうことでございます。さらにその内容は項目別にずっとこの表に出ておる内容がその案でございます。通常資産の合計から負債の合計を引いて、資本と諸準備金、積立金、こういうものが一応残る。われわれが考えている通常の場合は、それから欠損金なら欠損金を引く、こういうふうに考えられるかと思います。

山田長司日本社会党

○山田委員 卸売人は年二回農林大臣に対して純資産額を報告しなければならない、こういう規定がありますが、一体農林省にはこの仕事に携わる人がどのくらいいるのですか。

鈴木一美農林事務官(農林経済局企業市場課長)

○鈴木説明員 現在青果とこの市場との関係で十二名ございます。それでこの予算項目的に申し上げますと市場の係が六名ございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 卸売業者の数というのは二十七、八社と聞いておりますが、一体このくらいな人員で、内容の変動がかなりあると思いますけれども、そういうことの調査について、あなた方は満足に純資産の報告に目を通すことができますか。

鈴木一美農林事務官(農林経済局企業市場課長)

○鈴木説明員 御承知のように現在中央卸売市場におきましては開設者がございます。その開設者が一応審査して、それを開設者を経由して農林大臣に提出してもらいたい、こういうふうなやり方を従来もとっておるし、今後もとりたいと考えております。

山田長司日本社会党

○山田委員 局長に伺いますが、この純資産の報告、異同の内容というものが、私は小人数の報告でややもすると公平を欠くような場合がなきにしもあらずだと思うのです。もし公平を欠くような事態が起ったとすると、これはえらいことになると思いますけれど  も、この点について、今の人員で公平を期することができると思いますか。

大坪藤市農林事務次官代理

○大坪説明員 いわゆる今度の改正によりまして中央卸売市場の卸売人の信用状態を高めて参る、そのために一定の純資産がある者でなければ許可をしない。また同時にそういう一定の純資産以下になりました場合におきましては、一応卸売業務の停止ができる経過的な措置を設けまして、一定の更生計画を立てて、それでなお一定の年間更生しない場合にも取り消しもできる、こういうふうなことで、一般の農民あるいは漁民から青果物、生鮮食料品の委託を受けるのでございまするから、その卸売人の信用を高めて参る、こういうことは絶対に必要だというわけで今回これを出したのでございますが、これに関係しておりまする職員は、ただいま鈴木課長の申し上げましたように十二名ほどおるのでございます。これのいわゆる審査と申しますか、監督と申しまするか、これは非常に重大なる問題でございますので、私どもといたしましても、今後人員の増加につきましては努力して参らなくてはならぬ、かように考えておるのであります。さしあたりの問題といたしましては、一応開設者でありまする公共団体、府県並びに市町村というものが開設いたしておりますが、その公共団体において審査をいたしまして、第二次審査をできるだけ公平にかつ厳正にやる。しかしどうしても六人で足らないということになりますれば、今後人員の増加につきまして——これは非常にむずかしい問題かと思いますが、努力して参らなければならぬ、かように考えておるわけであります。

山田長司日本社会党

○山田委員 中央市場のほかに、民間に民営の市場があるように私は思いますが、どうもこの世界にうといので何カ所あるか今数字のことについては申し上げられないのですが、一体この場合、民営の市場というものはこの範疇のどこへ属しますか。やはり純資産等の取調べはやるわけですか。

鈴木一美農林事務官(農林経済局企業市場課長)

○鈴木説明員 民営の一般の市場がどのくらいあるかというのは、お手元にお配りしました五十ページに表が入っております。それで総数は、そこにありますように、市場数が全国で青果関係が千百九十一、水産関係が千二百三十四になっております。しかしこれは中央卸売市場法に基く市場ではないのでありまして、それで中央卸売市場法に基く市場は同じ表の上の欄に内容を記してあります。そしてこの規定は、中央卸売市場法に基く市場のみに適用されるということでございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 民営の市場が存在し、さらに規定で純資産の問題等の措置が一方でなされていくという場合に、片一方は野放しにしておいて、やはり農民が危険な状態に置かれることについては、もし民営市場に農民がじかに製品を出すというような場合、あるいは漁民がじかに製品を出すというような場合、一方では純資産の一定の額まで明記されてあるにもかかわらず、片一方はそういう規定もなくなされるとするならば、何か不合理な感じがするのですが、この点いかがですか。

鈴木一美農林事務官(農林経済局企業市場課長)

○鈴木説明員 御承知のように中央卸売市場法に基いてやっておる卸売人は、ただいまお配りしてあります五十九ページにその表が出ておりますが、現在この表では調査総数二百二でございますが、これに報告漏れが一つ、そして新しく加わった大阪の二つ、合計して現在二百五ございます。そしてこれらのものにつきましては、中央卸売市場は、御承知のようにいわゆる旅荷というものも相当ある。そしてさらにその近在にも集まりますが、非常に大きくやっておるのが現状でございます。そういう意味合いからして、さらに中央卸売市場の中に、現在では、この表の五十九ページにあるように、純資産額のマイナスのものが二十六ある、要するに一割強ある、こういう状態でございますから、少くともこの中央卸売市場における卸売人の資産内容を健全な方向に持っていきたい、こういう考えのもとにこの規定をお願いしておる次第でございます。  一般市場につきましては、これはさらにこの中央卸売市場法に基いて設立されるものは、人口十五万以上の都市がこの中央卸売市場法の指定を受けられるのでございまして、かようなところに対して順次指定をして健全なものにしていきたい、こういう考え方のもとに考えられておるわけでございます。なおこの一般市場のことにつきましては、中央卸売市場法に根本的な改正が加えられる際あわせてそういうことも考えなければならぬとわれわれは考えておる次第でございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 私は今あなたのお話だと、農林大臣に資産報告をする場合における完全な調査という問題について疑問を持つのですが、十五万以上の都市の場合に全国で何カ所この規定に従う中央卸売市場ができると思いますか。

鈴木一美農林事務官(農林経済局企業市場課長)

○鈴木説明員 御承知のように中央卸売市場法に基いてやる場合におきましては地方公共団体がやります。それでそれにはその施設を作らなければいけないというような場合におきまして、その施設のために相当の金が要るというような状況でございまして、われわれといたしましては、できるならば全部指導育成して作らせたいのでございますが、かような事情から一ぺんには……。先ほど示したような数字が現状でございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 一ぺんにできないが、このことによって取引先が農民にしても漁民にしてもあらゆる組合にしても安心がいくということになりますと、このことの拡大されることを望むと思います。その場合に先ほどの御答弁のように、十二人しか調査をする人がいないというような状態では、公正を期する意味において何かしらこれで満足かという疑念がわくわけですが、逐次市場が拡張されるにしましても、これは年二回の純資産の報告をさせる前に、こういうことの指示をいろいろしなければならないかと思いますので、このための人員の整備が大切ではないか。この法案を見てもこれが一番大きな疑念でありますが、この点もう一ぺん御回答願いたいと思います。

大坪藤市農林事務次官代理

○大坪説明員 流通機構を改善して参りますために、ただいま鈴木企業市場課長が申しましたように、中央卸売市場法の適用を受ける市場を拡充して参りたい、かように考えるのでございます。現在多くの都市に一般民間市場というのがございますが、それを中央卸売市場に切りかえます場合には、開設者がその開設の権利を民間の市場から買収する等の方法が要りますので、簡単に全部するというわけには参らぬと考えるのでございます。しかしこれはどうしてもそういう一般市場を中央卸売市場に切りかえるというように行政指導をして参りたいと思いますので、だんだん行なっていく。もうすでにその申し出もあるわけであります。従いまして職員に不足を来たすという事態が考えられるのでございますが、これは機会あるごとに増員の措置を農林省としては大蔵省その他に要求いたしまして施設を充実して参りたい。またもし必要があれば、一般職員を順次応用せしめるという措置もとって参りまして遺憾なきを期したいと考えるわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 事務次官は実に人員増加の問題について簡単に言いますが、農林省自体には、ずいぶん仕事をやっておる人たちで実際には成規の人員の中に入らないで臨時に使われているような人が、林野庁及び食糧庁の場合なんかにあるわけであります。あなたはそういう御意昂でありますが、一つ万全を期していただきたいと思います。  次にもう一ぺんあなたに伺うのですが、純資産の農林大臣の一定の額、これが規定になっているようですが、このよいところと悪いところと——この純資産に非常に成績が悪い会社がおそらくあると思うのです。その場合の合併はどんなふうにして合併をするのですか。合併はしないのですか。それとも一定の基準に達しなかった場合には、何でもかまわないやめさせてしまうのですか、これはどうなんですか。

大坪藤市農林事務次官代理

○大坪説明員 御承知のように中央卸売市場の卸売といいますのは、市なりその他の公共団体で開設いたしました市場におきまして、独占的な取引をいたす機関でございまするから、そこで経営をいたしておりまする卸売というものの資力信用が十分でなくてはならない、こういうことが絶対前提条件、必要条件であるのでございます。従いまして現在はなかなか資力の十分でない人もおりますので、一応法律制定の当初におきましては十万円というふうにいたしておりまするが、漸次資産が増加して参ると同時に、この十万円というのも、将来はなおその実情に応じて引き上げて参りたい、かように考えておるのでございます。負債並びに資産の内容の計算方法につきましては、詳細に資料をもって御提出申し上げておるのでございまするが、これはできるだけ一つ厳密に審査をいたしまして、間違いのないように、必ず十万円以上の純資産があるものにつきましては調査というものにつきまして一つ正確を期して参りたい、かように考えておるのでございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 記憶が間違っておれば、これはあなた方の方が知っているだろうと思うから教えていただいてもいいわけなのですが、昭和二十四、五年ごろと思うのですが、市場の場合に、何とか弱小なのと少し強いのと統合させたような記憶があるのですが、こういう記憶はありませんか。

大坪藤市農林事務次官代理

○大坪説明員 私もあるいは記憶が間違いかもしれませんが、昭和二十九年ごろでございますね。大阪で青果物の場合にあそこに七つの青連があったと思いますが、そのうちに三者を合併せしめるように指導いたしたことがあるのでございます。ただそれはその後の経過をよく存じませんけれども、公取との関係がございまして、思うような結果を得なかったように考えておるのでございまして、それが土台になりまして昭和三十一年に卸売人の合併につきましては公取法の適用を要しないで、農林大臣の認可でよろしいというように修正をされたように考えておるのでございます。御承知のようにできるだけ卸売人は資力信用のある少数の卸売人というのが理想的と考えるのでございます。現にありまする卸売人は、市場によりまして多少違いますが、相当乱立の傾向になっておるわけでございまするが、これを合併すると申しましても、これはどうしても強制的に合併するということはできないと思うのでございまして、あくまでも自主的に卸売人同士の相談によってやっていくということにならなければならぬ、かように存ずるのでございます。その場合に資力信用の著しく違ったものの合併というのは、非常に困難かと思いまするが、地方によりまして数の多いものにつきましては、一つ合併という方向に向っていくということにつきましては、私どもも市場を監督する立場に立ちまする場合には、その方に賛成をいたしておるのでございます。ただこれは強制的に合併させていくということは困難ではないかと考えております。

山田長司日本社会党

○山田委員 二年間の猶予期間を置いてこの法案の実施にかかるというわけのようですが、もしその場合いろいろ生活に関係のあることですから、弱小なところと一応やっているところと合併ができないような場所がややもすると私はあり得るのじゃないかと思うのですが、その場合の統制力は、あなた方の方でやらぬといってもやはり仕事が惰力でやってのけられている以上、それを法規がそうなっているからといってなかなかできない個所もあるのじゃないかと思うのですけれども、その場合に何もかまわない。そういう場合にはどうしますか。

大坪藤市農林事務次官代理

○大坪説明員 卸売人で非常に営業が困難になり、資産が十万円以下になったというような場合におきましては、これは一応この本日審議を願っております法律の建前といたしましては、更生計画を立てさせる。それで更生計画を立てさせましてまずできるだけ会社の努力によりまして資産額が上向くようなことをやらしめる。どうしてもいかぬ場合には初めて卸売人としての義務を取り消すということになるかと思いまするが、更生計画を立てます場合に、独立の会社として営業するようにやっていくか、あるいは適当な他の卸売人と合併を慫慂するか、それらの点につきましては地方々々の市場のいろいろな事情によって違うと思いまするが、そういうような点も十分に一つ考慮いたしまして、もし独立で更生が困難なような場合には他の卸売会社と合併せしめる、それを勧奨するというような措置も事態に応じて考慮して参りたい、かように考えているわけであります。

山田長司日本社会党

○山田委員 いやそれは、やはり勧奨するということになると私はかなり問題だと思うのですね。そういうことになりかねないと思いますので、私は重ねて伺うわけですが、それまでの過程に、農林省としてはどういう手を打たれるのですか。実施になられるまでの二年の間にですね。その期間中が私は重要だと思うのです。それによってやはり商売をやめなければならぬというような人が中にはできると思うのです。あの会社と一緒にならなくちゃならぬというような事態のときに、いやおれはあの会社と一緒になるのはいやだというような場合も起ると思うのです。非常に私は困難なことも生じてくると思いますので、念のために伺うのですが、事前におけるいかなる処置、それからそういう困難な場面にでっくわせたときにはどういうふうにお取り扱いになるか。

大坪藤市農林事務次官代理

○大坪説明員 ただいまの御意見でございまするが、当該卸売会社の内容によって、あるいは環境によりましていろいろと事情も異なるかと思うのでございまするが、必要がある場合には資金のあっせんをしてやるとか、あるいはいろいろな売買方法につきましての行政的な指導をやるとか、そういうような更生のできるような指導をして参る。また会社の方で希望がある場合には、いわゆる合併についてのあっせんというようなものも考える。もちろんこれは決して強制的にあるいは一方的にそういうことを言うのじゃなしに、あくまで会社の立場に立ちましての合併というような場合にそれをあっせんするというような行政上の措置というものをあわせて考えまして、それでもどうしてもいかないというような場合にはこれはもう取り消さざるを得ない。こういうようなことに相なるかと思うのでございます。取り消しをいたしました場合における生産者等との取引の決済という問題は非常に困難な問題になって参るのでございます。これらにつきましていわゆる信用保証制度というような制度が必要かと思うのでございますが、これはいろいろ財政上の問題あるいは法制上の問題あるいはやり方の問題につきまして検討を要する事項がたくさんあるのでございまして、今回の法律の改正におきましては、その点までは実は触れることができなかったのでございます。できるだけこの点につきましては慎重に、しかも急速に一つ審議いたしまして、所要の改正なり何なりを立案いたしまして、御審議をわずらわす、こういうふうに政府としては考え、また参議院におきましてもそういう趣旨の附帯決議があったのでございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 私の疑念としておるような点が参議院においても附帯決議されたようですが、その世界から足を洗ってあらためて別な世界に行くことのできない人たちが私はたくさんにあると思うのです。そういう点を一つ十分ごしんしゃくの上これが法案改正に御検討をお願いして、私の質疑を終りたいと思います。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十二分散会

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