逓信委員会 第26号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/04/12
会議録
○片島委員長 これより会議を開きます。 電話加入権質に関する臨時特例法案、郵便為替法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として審査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。小泉純也君。
○小泉委員 現行の公衆電気通信法では、「電話加入権は質権の目的とすることができない。」と規定しておるのであります。これは第三十八条の第四項でございます。しかしこれをば今回解除することとした理由をばまずお伺いいたしたいのでございます。また電話加入権に対する質権の設定は、提案理由の説明の際大臣が申しておられましたように、通信政策上好ましくない点があるということで禁止しておったということでありますが、この特例法によって質権の設定を認めることとした場合、現行の公衆電気通信法のとっております原則をくずして、通信政策上の支障が生じはしないかとの心配も考えられるわけでありますが、これに対していかに考えておられますか。またどのような措置を講じておられるかという点をあわせてお聞かせを願いたいのであります。
○田中国務大臣 御承知の通り公衆電気通信法では、電話の加入質が認められておりません。原則的に質権を設定することができないということになっております。私もこの公衆電気通信法の禁止規定をとってしまってもいいとは考えておらないのでございます。なぜといいますと、電電公社から一般の加入者が継続的に給付を受けるということで加入をしておるわけでございますが、質権が原則的に認められるということになりますと、言うまでもなく一般民法上の規定によりまして、質権の設定がなされ、また転質もおのずから行われるわけでございますが、それほど大きな質権の対象になるものでもありませんし、しかも質権の設定がなされ、転質が次々と行われるというような場合は、基本的に加入権が侵されるというような問題もありますし、特に電電公社が非常に複雑繁多な立場に立ちまして非常に困るという立場からも、原則的に加入権の質を認めるという問題に対しては、まだ相当慎重に考慮しなければならないと考えております。そういう原則にありながら、なぜ時限立法ではあっても質権の設定の道を開こうとするのかということでありますが、これに対しては御承知の通り実際問題として考えますと、質権を設定してはならないといいながらも、実際は担保にとられております。特に正規な金融機関、銀行等は電話を質にとってはならないわけでありますが、不動産等を担保にする場合は電話ぐるみ担保ということで事実上質に置かれておるわけであります。そればかりではなく、そういうものを救済しながら、特に転質等どうにもならないような状態にならないためには、事実に即応した質の設定、特に転質等禁止をするような明確な区分をした方がよろしいという理由が生まれましたので、今度の法律で道を開いていただこうということを考えたわけであります。 もう一つは、中小企業が電話を質にする場合——やってはならないのでありますが、担保にする場合は、ほとんど市中金融、もっとはっきり申し上げますと高利の対象になっておりまして、電話の加入権そのものが一年か二年かのうちで全然なくなってしまうというような状態があります。でありますので、中小企業の金融の道を開くためにも、また現実に即応するためにも、時限立法として質を認めようということでございます。 なお第三点は、この法律を作ることによって公社の権利が侵されたり、なおまた公社が非常に複雑繁多なものを行なったりして大へんなことにならないかということでありますが、この問題に対しては転質を禁止をいたしておりますし、なお質に入れる場合、質権が移動するような場合には、当然公社がこれに対して承認を与えるということをやっておりますし、特に一般民法上の非常にうるさい規定や制約の除外例を作りまして、比較的簡単に、しかも公社が事務的に繁雑にならないで処理が行えるというようにしてございますので、現在の実情に比べてより繁雑になるようなことは全然ないという見通しでございます。
○小泉委員 ただいまのお答えのうちにも、中小企業者等の資金の利便をはかるためにも必要であるということででございまするが、第二条によりますと、質権者を限定して特定の金融機関のみにこれを扱わせることとしてありますが、金融機関を限定せずに、だれでも質権者になれるとした方が、質権の設定を認めるとした趣旨に沿うのではないかと思われるのであります。特に質権者を限定しなければならない理由を承わっておきたいのであります。
○松田政府委員 ただいま大臣からもお答え申し上げましたこととも関連して参るわけでございますけれども、この質権を、公衆電気通信法の質権禁止の規定がありましたにもかかわらず、またその趣旨は私ども十分考えていかねばならないものであるというふうに思いますけれども、現実の必要から質権を電話加入権に認めて中小企業者の金融の便にも資していくということのためには、自然これが簡易に行われていくということを考えなければならないわけでございまして、そのためにはこの法律で考えておりますように、いろいろと質権自体の内容にも制限を加えますと同時に、またこれを登録することによりまして、その権利関係も明確にしていく、また実際に借金が返せない場合には質権を実行するという段取りになりますが、その場合にも簡易に質権が実行できて、従って質権者の方の利益も保護せられるというようなことも考えていかなければならないわけでございます。そういったことを一連として考えます場合に、公社は電話事業の運営を円滑にやっていきでますために、非常に厄介な法律関係に巻き込まれる、法律関係のトラブルに巻き込まれるというようなことがあってもいけませんし、また質権者の方の質権の実行を簡易にさせるためにも、やはりそこに当然信頼の置けるある限定された範囲の者が質権を取得することができるということにいたしました場合に、初めて質権の簡易な実行手段もその提案のもとにみとめられますし、また公社の事業運営上のトラブルを少くするという場合も、やはり同様な手段によって考えられるわけでございます。そこで、この法律の第二条に規定してございますように、ある特定された金融機関等にだけ質権者を限定いたしまして、そのかわりその質権者はみな信頼の置けるある限定された特定のものでありますために、これに対しては簡易な質権の実行手続を認める、あるいはそれだけの限定されたものでありますだけに、公社がいろいろと登録手続あるいはそのほか、公社の権利の電話の上のいろいろな制限あるいは制約を受けておりますために、公社のやらねばならないこと、たとえば公社が電話解除をいたしますとか、そういった場合にそれらに通知をするというふうなこと、そういった厄介な操作をやらなければならないことも、特定の需要者相手であれば、そう業務にも支障を来たさないというふうなこと等も考えまして、質権者を第二条に掲げるように限定したわけでございます。
○小泉委員 次に、電話加入権に現在質権または譲渡担保の設定はできないこととなっておるにもかかわりませず、先ほど大臣の答弁中にもございました通り、現実には電話加入権を担保とする金融が相当行われておると聞いておるのであります。これは電電公社にお伺いしたいのでありまするが、それは一体どのような方法で行われておるか、またその件数はどのくらいあるかという点をお伺いしておきたいのであります。
○吉澤説明員 電話加入権を担保といたしまして金融を受ける方法には、はいろいろな方法があるだろうと思うのであります。私ども聞くところによりますと、まず電話を担保として金を借ります。その場合におきまして、債権者が加入者の署名捺印しました電話加入権の譲渡承認請求書というものをもらう場合が一つあるわけであります。またその承認請求書に捺印しないまでも、譲渡請求に関する委任状をもらっている、こういうことによりまして金を貸すのであります。それがもしも弁済期限が参りまして弁済しない場合になりますと、その譲渡承認請求書によりまして名前を変え、あるいは委任状によりましてその譲渡承認の請求をいたします。そのようにして、大体加入権を担保といたしまして金融をしているように伺っております。 そこでその件数はどのくらいあるか、こういうことでございますが、これも推定の仕方によりますれば、いろいろございますが、大体私ども実情を調べましたところ、全加入者の全国平均三・六%ぐらいあるのではないか、これは大都市、中都市、小都市によっておのおの数字が違いますが、平均しますと全加入者の三・六%ぐらいが金融を受けているように想定されるのであります。それが一回が大体五カ月ぐらいの金融期間でございます。それを延べにしますと、大体加入者の八・六というものが年間そのような道で金融を受けております。その意味で件数を推定いたしますと、約四万件ぐらいが東京にあるというふうに推定できるのであります。そこで今後このような制度によりまして質権を明らかに認めるということになりますと、大体五割ぐらいふえるのではなかろうか、こういうように想像できます。
○小泉委員 この特例法によりますと、二重質、転質または流質の禁止等、質権に関する民法の一般原則の特例が設けられているのでありますが、この法律においてなぜかような措置をとらなければならなかったのか、またこの法律と民法とはいかなる関係にあるかということをこの際明らかにしておいていただきたいのであります。
○松田政府委員 この電話の加入権質は、電話の加入権を大体一つの債権と考えて、一種の債権質ということで考えをきめているわけでございますけれども、しかし債権と申しましても、普通の金銭を貸しているような債権と違いまして、この電話加入権と申しますのは、公社に電話の役務を要求するという継続関係に立っておりまして、またその間に、その電話を利用する上に派生的に出て参りますいろいろな内容を持っております複雑な権利関係でありますために、一般の民法上の債権質という規定そのままではなかなか複雑な関係を生じて参りますので、非常に不明確であるという状況になって参るわけでございます。その点が先ほども大臣から申し上げましたように、一つは公衆電気通信法上この電話加入権質を認められなかった理由でございますけれども、これを今回特別な必要によりまして、加入権質を時限的にまた認めていこうという考えでございますので、その際には、当然一般の民法上の債権質というものとは変った内容を持たせる必要がある、つまりはっきりした内容をそこにきめる必要があるだろうということで、民法に対してこの電話加入権質が一つの特例法をなすわけでございます。従いまして質権についての原則的な事柄、つまりこの法律特例法できめております以外の一般的な事柄につきましては民法の規定は適用になる、こういう関係に立っております。 それから二重質あるいは転質を認めておりませんのは、これもただいま申し上げました理由から、二重質を認めますと一番質あるいは二番質ということになりまして、その関係を明確にいたしますために、非常に公社として厄介な手数をその間にしなければならないという問題がございます。また転質でもって次々と質権が移っていくと申しますか、転質されていきます場合には、やはり同様に非常に複雑な関係が起きまして、権利関係も不明確になって参りますし、また公社の手数も厄介になってくる。一画そういった非常に厄介なことを生じます一方、電話そのもののいわゆる市価と申しますか、それが限定されておりますために、結局金融の価値と申しますか、これを質といたしまして課される金額というものは大体きまっておるような金額で、そう多額に上るものでもございませんので、二番質とかあるいは転質とかいうふうなものでもって特別に担保化をはかっていくという必要も、実際問題としてはあまりないという状況であるわけであります。 それから流質等を禁止しておりますのも、これは流質になりますと、電話の加入権が借金を返せない場合にいわゆるカタにとられてしまうと申しますか、その金を貸している側に当然移るわけでございますけれども、そうしますと電話の加入者の地位というものは非常に不安定になる。たとえば金を借りるときにはある少い金額でもって電話の加入権を質に入れている場合に、金が返せないとその少い金額ですぐ相手方に電話をとられてしまうというふうなことも起り得ますし、それから大体電話の利用というものは、利用しておりまして初めて価値があるものでございますから、これがある一定の条件でもって正式に質権が実行されるまでの間は、本人が確実に利用ができるというようなことの立場は、やはり保護してあげなければならないと私どもは考えております。そういったことを考え合せて、やはり流質というものも禁止した方が質権の実際の運用、つまり電話の加入者の立場、それから質権者の立場というものを総合的に考えまして、この特別制度を認めるのが妥当であろうというふうに考えて、私どもはそういった特例を設けた次第であります。
○小泉委員 次には質権の実行手続についてでございますが、これを電話加入質権についてなぜかような簡易な手続をば認めることにされたのでありますか。その理由についてお伺いしたいのであります。それと同時に現在電話加入権に対する強制執行は、どんな手続をもって行われておるのでありまするか。また現在実際に行われておる手続がおありでありまするならば、その点をもあわせて御説明をお願いいたしたいのであります。
○松田政府委員 質権の実行の方法につきましては、これを簡易化して行なっていくということは、実際質にとりました場合にこれを実行するのに非常に時間がかかり、金がかかるというふうなことでは、実際問題として質にとる人がなくなってしまう。従って金融のむしろ差しつかえになってくるということでございますので、先ほど申し上げましたように加入者の立場を考えながら質権者の立場をも考えるという考えで、この簡易な手続を認めたわけでございます。それで現在はどうしておるかと申しますと、この加入権を強制執行いたします場合には、裁判所によって行われる譲渡命令あるいは換価命令というようなものがございます。その場合には執行吏の手を通しまして、あるいは鑑定人による評価というものもその間にありまして、かなり時間がかかりますし、また経費もかかるというふうなやり方でやられておるわけでございます。それを今回の法律では質権者に換価することができるように裁判所で命令するということで、また鑑定人の必要もないということで、これは大体電話の市価というものはある程度きまっておるわけで可能でもあるわけですが、そういうような簡易な手続でもって実行したいと思っておるわけであります。
○小泉委員 最後にもう一点お伺いして終りますが、この法律が昭和三十八年三月三十一日まで、すなわち五カ年間の時限立法になっておるのでありますが、その理由をお尋ね申し上げたいのであります。
○田中国務大臣 御承知の通りなぜこういう立法を必要とするかということは、電話に担保価値があるからであります。担保価値があるということは理想的な姿ではないのです。加入権というものが、要求があればいつでも架設できるということになれば、担保価値がなくなるわけであります。従いまして現在は積滞が非常に多くて需要に応じられないという状態でありますから、担保価値が生ずる。担保価格があるから簡易な方法で質権を臨時に認めようというわけであります。従いまして担保価値がなくなれば、この法律は自然消滅するわけでありますし、またそうしなければならないわけであります。電電公社は御承知の通り今年度から第二次五カ年計画に入るわけですし、少くとも第三次五カ年計画の当初までには積滞を全部なくしようという考えでありますので、当然その時代になれば現在は五カ年ということになっておりますが、この法律が五カ年で要らなくなるかという明確な見通しはつきません。おおむね五カ年でもって時限立法としておりまして、もう少しぶつつかったとき、まだ必要であれば延長していただくということになりますが、いずれにしてもこういう立法は好ましいものでありませんので、全く実情やむを得ず立法する法律でありますので、五カ年でやったわけでありまして、できるだけ早くこの法律が自然消滅し、電話の担保価値がなくなるように、また国民の要求があったならば直ちに架設をしてやれるような状態まで公社の事業を拡大いたしたいという考えで、時限立法にしたわけでございます。
○小泉委員 よろしゅうございます。
○片島委員長 森本靖君。
○森本委員 今の大臣の答弁について、先にお聞きしておきたいと思います。それで大臣が言われたようにこういう法律そのものを規定するというのが、非常におかしいわけであります。本来ならば電話というものは申し込みをすればすぐつく、こういうのが電話の本来であります。そういうことになれば、こういう電話の加入権の質権ということについては、全然要らないということになるのが当然でございます。そこで昭和三十八年三月三十一日までの時限立法にしたということについては、その三十八年の三月ごろになると、今言ったように電話を申し込んだらどこでもすぐつく、こう仮定をして立案したのかどうか、それを一つお答え願いたいと思います。
○田中国務大臣 お答えいたします。そうありたいという一つの希望でございます。でありますが、実際は第二次五カ年計画四千百億をやっても積滞が全部減って、電話の担保価値がゼロになるということは考えておりませんが、初めからこの法案を出すときに五年にするか、八年にするか、十年にするか、非常に研究したのですが、初めから十年にするということになりますと、十年たって第三次五カ年計画が済むころに、この法律が自然消滅すればいいのだという政府の考え方をきめるようになりますので、できるだけそういうものは短かくしておくべきであるというので、五カ年にしたわけであります。でありますから、私たち政府当局としても電電公社としてあらゆる努力をせしむるとともに、政府もできるだけの配慮を行なって、この法律を延長しないような立場において積滞をなくするように努力をいたしたいという、その考え方を端的に表わすために五カ年というふうに目標を置いたわけでございます。でありますから現在の状態で、この法律が五カ年間で自然消滅するような状態になるかならないかということは、ちょっと明確にはお答えできない状態であることを遺憾といたします。
○森本委員 実情は大臣が言われた通りであろうと思いますけれども、しかし時限立法として法律を提案をする以上は、これを将来もう一回延長することがあるかもわからぬというふうな提案の仕方はないと思う。一応法律の提案をする以上は、三十八年三月三十一日までということで区切った以上は政府としては三十八年三月ごろになれば絶対にこれは自信があるのだという解釈でなければ、そのときになったらそのときでまた三年くらい延長してもらいますというようなことでは、これは前の電話の設備負担金のときでも私の方から念を押してあったわけでありますが、やはり今回の提案においては、政府としては絶対にこれは時限立法である。そうしてその期間が来た場合には、必ずや電話というものの加入権が、質権を設定するとかなんとかということが問題ないようになる、そういうところであるから、それまで暫時これを提案したのである、こういうことを答弁するのがほんとうであろうと私は思うのですが、どうですか。
○田中国務大臣 この立法は私の責任において立法したのでありますから、私がもう五年ばかり郵政大臣の職にあれば、当然三十八年の当初までにはこの目的を達成せしめるという自信のもとに提出したのでありますから、よろしくお願いいたします。
○森本委員 この電話の加入権という問題でありますが、これは事務当局でないと答えができにくいと思いますけれども、一体電話の加入権というのは何をさしておるのか、この定義を明らかにしてもらいたいと思うのです。
○松田政府委員 電話の加入権は、私どもの考えでは一種の債権というふうに考えておりまして、公社に対しては電話のサービスを当然請求する、電話役務と申しますか、それを提供してもらうということができる一つの請求権というふうに考えております。もちろんそれに付随いたしまして、いろいろと付加的な、たとえば共同電話にしてくれと言えば、公社に請求して共同電話にしてもらうこともできるとか、付随的な権能も含みますけれども、本質的には電話のサービスをしてくれということを要求することができる請求権というふうに孝えております。
○森本委員 そこでこの質権の設定について重要なことは、その電話の加入権ということは、電話の加入をして、電話のサービスの役務を提供してもらう権利があるというのが加入権であるという御説明でありますが、この電話が従来も売買をせられておるということは御承知の通りでありますが、ただ加入権というものが、たとえばAという場所にBという人間がその電話の加入を申し込んで、Aという場所に電話がついた。そこにつけておくこと自体がこの加入権であるかどうであるか、その点を一つ明確にしてもらいたいと思います。
○松田政府委員 それは一つの内容でございまして、たとえば電話のサービスをある一つの段階においてながめました場合には、Aという場所で電話のサービスを提供してもらうということが内容でございますけれども、たとえばその人が移転をしました場合に、当然その電話を今度は乙の場所に移転をしてくれということを公社に請求できまして、公社はそのときに、特別の事情がない限りはその請求に応じなければならないのでございますから、その場合には当然その移転を請求するということは、債権に伴う一つの付随的な権能でございまして、前の場所で電話のサービスを請求しておった権利と、あとの方の乙の場所に移りまして電話のサービスを請求する権利とはやはり本質的には同一のものであるというふうに考えております。
○森本委員 だからその点が非常に大事です。というのは、その移転をして、さらにその移転の個所でサービスを受ける権利があるという説明であったけれども、それはやはり公社の方の事情が許す範囲内であるという一つの条件がついた権利なんです。たとえば東京においても、今日荏原局管内における電話は三十万円以上も取っておるというような時価相場がしておる、あそこに移転をしたところで、全然線がないので、移転をする権限がないということになるわけです。だから質権の設定の際に、この加入権というものはそういうAという個所においてサービスを提供を受ける権利、さらに移転を請求するところの権利があって、しかし移転の場合においては公社の方の事情によってその権利が相当制約を受ける、このことをはっきりしておかないと、やはりこれは問題になると思うのです。だから、私はそういうふうにこの加入権については解釈をしておるわけでありますが、どうですか。
○松田政府委員 それは当然そういうことでございまして、本質的に電話のサービスを要求し得る権利というものの内容はやはり公社と契約関係できまるものでございます。また電話というものが公社によって営まれております以上、その内容も公社の提供いたしますサービス内容によってきまってくるわけであります。そこで移転を請求するということはこれは当然の一つの権能ではございますけれども、それは公社の定めておる範囲に従って行われる権能でございますので、ただいま森本委員の言われた通りであります。
○森本委員 その点が明らかになりますと、次に私はこの第二条でありますが、政府当局がこういう金融機関を指定をする場合にはいつも大体ここに並べてあるような金融機関を羅列するわけでありますが、この前私が簡易保険金の運用のときにも強く言ったことでありますが、この中に労働金庫が入っていないのは、一体事務当局としてはどういうお考えでこれをのけたのですか。
○松田政府委員 それは実は必要があります場合にはここに「政令で定めるその他の金融機関」という項目もございますので、そこで指定することができるようになっております。ただ一応ここで出しませんでしたのは、ここにあげておりますのは、直接中小企業の事業運営と関係があるようなものを代表的に並べましたので、労働金庫の場合にはやや、何と申しますか、中小企業者の商業ということとは少し違った関係になると思いますので、その意味で、また別に必要になる場合には政令で適当に定めて参りたいという考えであります。
○森本委員 この電話の質権を設定したところの大きな目的は中小企業者を助けることが目的でありますが、あなたも御承知のように今日の電話の加入者は中小企業者だけではありません。商業あるいは企業を営んでおらない一般の人でも相当の電話を持っておるわけです。しかもそれが金融に困って、そういう電話を担保にして金を借りるとい場合も相当あるわけです。だからこれは中小企業育成ということよりも、電話の加入者を保護するという意味における立法だというように私は考えておるわけです。今まで電話加入者が白紙においてこれを売買しておった、そうすると一種の薄利においてこれが売られておったというようなことを、われわれとしては助けようという意味の立法でありますので、そういう観点からいくと、労働金庫というものもこの信用金庫と同じように重要性を帯びてくるわけです。その点で私はここに除いておるということについては非常に残念でありますが、たまたま「政令で定めるその他の金融機関」云々ということがありますので、この項で入ることができるかどうか、その点をお尋ねします。
○田中国務大臣 入れるつもりでおりますし、今森本さんからお説もありましたので、政令の中に入れることにいたします。
○森本委員 それからここで問題になりますのは「その他の金融機関並びに信用保証協会」、ここまではいいのですよ。そのあとに出てくるところの「事業協同組合に限る。」この事業協同組合というものを一体どう解釈をするのか。これは相当各議員のところにも陳情に来られたと思いますが、たとえば現在までの電話の売買しておった業者の方々が、この電話加入質権の問題ができると、かなりそういう商売が制約されるというところから、この中に入れてもらいたいというような陳情もあったようであります。われわれはそういう業者という観点よりも、今回の場合は、電話の加入者の保護という観点から見て、この立法を一応考えておるわけであります。ただしかしそうかといって、ここに突然事業協同組合というものが出てきておりますので、一体この事業協同組合というものはどう解釈をしていいのか、たとえば一つの電話業者というものが一つの事業協同組合を作る、そうした場合に、その事業協同組合でなければこれはできないというふうに解釈をするのか、その事業協同組合の中の組合員の個々の者がその質権ができるのか、その問題をこの際一つ明らかにしておいてもらいたい。
○田中国務大臣 これは一つ根本的なことを申し上げますが、電話加入権の質に関する法律案を作る以上、普通の観念からいうと、特定な金融機関を指定することは好ましいことではありません。でありますから、一般国民は全部個人も対象にすることが好ましいのであります。でありますが、実情からいいますと、そうなりますと公社も非常に困りますし、また質権そのものに対する根本的な考え方が変って参ります。この法律は先ほど申し上げた通り、流質、転質等も禁止しておりますのはそう大きな買価があるものではないのでありまして、できるだけ金をかけないで、中小企業や加入者が金融を必要とする場合に、的確に金融ができて、しかも公社は困らないようにしなければならないという範囲においてこの法律を施行しよう、こういうのでありますので、一般の私人まで入れるということになりますと、法律解釈その他に対して非常に一定にいかないで、公社がてんてこ舞いするという実情になりますので、私人は除こうということにしたわけです。それで最終的に金融機関並びに信用保証協会等に限るか、もしくはもう少し幅を広げるかということでありましたが、最後に事業協同組合ということを最終的にしぼったわけであります。事業協同組合については業者等が事業協同組合を作ったならば、その協同組合がこの法律の対象になるということであって、組合員個々は対象にいたさないのであります。
○森本委員 その答弁でけっこうでありまするが、それから最後に、この質権の問題で公社当局にお伺いをしておきたいと思いますが、この法律が通ることによって、公社が事務的に繁雑にたえないというふうなことはないのですか。
○吉澤説明員 この法律の点につきまして、趣旨及び特定機関を指定してある理由につきまして、先ほどから大臣及び監理官から御説明があった次第でありまして、この法律の範囲内においてやる場合におきましてはわれわれといたしましては、できる限りこの趣旨を生かさなくてはいけませんから、十分に質権が実行されるように特にやるつもりでおります。大体窓口におきまして、この種の事務をどうやるかということで、今後におきまして、登録について政令で定めることになっております。その際におきましてもできるだけ簡易にやり、しかも手続も簡易に早く実行ができるようにしたい、こういう点から考えまして、公社の方としましても一案がございます。従ってそう繁雑になり、かつまた非常なトラブルが起るということは考えておりません。
○森本委員 最後に、それでは要望しておきますが、現在においてすら電話の加入、移転、そういう事務については、なかなかしろうとでは電話局まで行って、そうしてめんどうな手続をやるということをきらって、つい軽いことでも電話の売買業者に頼んで、専門的にやってもらうという事項が多いわけでありまして、今回のこの質権の設定に際しても、そういうことになりはせぬかということを非常に心配するわけであって、たまたま今の吉澤業務局長の答弁では、そういうことについては心配がないということでありまするけれども、私はその内部を知っておるから、よけいに心配になるわけでありまして、一つこの法律が施行せられて、実際に電話局の窓口が繁雑になって、この事務が渋滞するとか、あるいはまたそのことを一般の従業員におっかぶせてしまって、従業員の方でも非常に労働強化になってやりにくいということがないように、くれぐれも私は御忠告申し上げておきたいと思いますが、その点について繰り返して申し上げておきますが、最後に、その点については電電公社としても、絶対心配ないということなら、副総裁の方から責任ある御回答を願っておきたい、こう思うわけです。
○靭説明員 現在電話の需給関係が悪いものでございますから、非常に名義の変更というようなものが多いわけであります。東京あたりでは電話番号簿も半年たつと役に立たぬというような状況にあるわけで、この事務は私ども電話窓口としては、かなり大きな仕事になっております。しかしながら今回、法律で加入者の権利を保護するということで明定されましたので、私どもとしましては、当然に加入者のため」にもサービスいたさなければならぬわけであります。ただいま業務局長からお答え申したように、その事務につきましてはやはりサービス観念に徹しましてやりたい、こういう考えでございます。 —————————————
○片島委員長 次に郵便為替法の一部を改正する法律案につきまして、質疑の通告がありますから、これを許します。森本靖君。
○森本委員 この郵便為替法については、昨日も質問があったようでありまするが、今回の大臣が非常にやる気があって、今までの電報為替を為替証書で配達しておったのを、一般の住民の声をそのままとって、これを現金で配達をするというふうに画期的な改正をするということについては私は非常に敬意を表しておきたい、こう思うわけであります。ただこの中で、こまかい問題で若干心配になる点がありまするので、そういう点をお聞きしたいと思います。第三十七条の三の電信為替業務の委託ということでありまするが、これは一体どういう意味であるか、これを事務当局からちょっと説明願いたいと思うのです。
○加藤(桂)政府委員 ただいま御質問の日本電信電話公社に事務の一部を委託するという内容につきましてお答えいたしますが、現在では電信為替の業務は、貯金局いわゆる郵政省でなければ行えないことになっておりますが、今度この電信為替の現金を直接受取人に配達するという居宅払いの制度を設けました。それに伴って、また第二番目の改正といたしまして、電信為替には従来通信文をつけられなかったのでございますが、今回は通信文も付記できることになったわけでございますので、現在電信電話公社で慶弔電報あるいはその他の電報の取扱いをいたしておりますが、その公衆の声といたしまして、慶弔電報を送る、あるいは電報を送る際に、現金はまた別に、一緒に送ろうと思うときに、郵便局まで行って現金を電信為替で送る措置をとらなければならないので、非常に不便であるという声もございましたので、この際電信電話公社にこの電信為替の受付の事務の一部を委託することによりまして、公衆が電報局あるいは電報電話局で慶弔電報その他普通電報を打ちますときに、電信為替で現金の送達を依頼すえることができるように改正しよう、そういう意味でその受付事務の一部を電信電話公社に委託するということにいたしたのであります。
○森本委員 そうすると、今度から電信為替証書の送達についての受付は電報電話局においても受付できる、こういうことですか。
○加藤(桂)政府委員 そうでございます。
○森本委員 それから第三十五条の通信文でありまするが、この通信文というのは電報で送るわけですか。
○加藤(桂)政府委員 名あて局までは、為替電報に付随した累加料金を取った通信文で参りまして、名あて局、いわゆる郵便局におきまして、電報の送達紙に内容を書きまして、これを郵便の人によりまして、速達郵便の例によりまして、受取人のところへ届ける、こういうことでございます。従いまして、今までは電信為替証書を速達の例によりまして、受取人に送っておったのでありますが、今度通信文ができますと、その電信為替証書と一緒に電報を配達するということと、居宅払いの場合には現金と電報と両方一緒に届ける、こういうことになる次第であります。
○森本委員 ちょっと公社にお聞きしたいと思いますが、現在の電報料金はどういうふうにきまっておるわけですか。省令ですか、法律ですか。
○吉澤説明員 基本的な電報料金につきましては法律でございます。最低料金十字までは六十円というのは法律であります。
○森本委員 特殊料金については政令ですか。
○吉澤説明員 特殊電報料金については認可料金であります。営業規則できめております。
○森本委員 そうすると、この通信文の料金というものは、今公社の方から言われた、公社の電報の特殊料金に合致したようなものを郵政省の省令においてきめるということですか。
○加藤(桂)政府委員 そうでございます。
○森本委員 現在の電報為替の郵便局と郵便局との間におけるこの内容の過誤、そういう場合にはどういう取扱いをしているわけですか。
○加藤(桂)政府委員 差出局から、いわゆる為替電報を名あて局との間に打つわけでございますが、その字数の、いわゆる内容の過誤等につきましては、また電報で照会し合って訂正いたすというような措置をとっております。
○森本委員 その場合のその料金はどうなっておるのですか。
○加藤(桂)政府委員 これは郵便局相互間の、いわゆる通信事務による照会でございまして、公衆とは別に関係ございません。
○森本委員 だけれども、それはあくまでも電電公社の方の仕事でありまするから、その電報を送るということについては、事務的に送っても公社に料金を払わなければならないでしょう。郵政省の方から……。
○加藤(桂)政府委員 これは公社とは関係ございません。郵便局の間で、いわゆる為替電報は発信をいたしておりまして、ただその使用した電報料に相当する金を予算で公社にあとで払うという取扱いをいたしております。
○森本委員 だから予算で払うといっても、これはその電報料にひとしいものは公社に郵政省が払わねばいかぬ。発信局と芳信局との間における間違いがあった場合の料金はどうしておるかということを聞いておるわけです。
○加藤(桂)政府委員 特に公衆から要求のあった照合電報以外のものは、こちらは公衆からは料金を取らないでやっておるのでございまして、その際には、公社に普通の予算で渡す以外の料金は特別に払うということはやっておりません。
○森本委員 いや、その場合の電報の料金は、それでは公社に全然払ってないのですか。昔は御承知のように郵政省も電通も一緒でありましたから、簡単に局報ということでやられたと思いますが、今は電電公社の方も郵便料金を払って通信事務をやっているのです。だから郵政省としても電報為替の過誤訂正その他については、お互いに郵便局同士が電報の発受をやっても、その料金は公社に払わなければならない建前になっておるでしょう。それはどうなっておるかということです。
○加藤(桂)政府委員 お答えいたします。これはたとえば千円の電信為替を送る場合に、料金は百六十円ということになっておりますが、その内容は為替料金として三十円、電報料に相当するものが百三十円ということになっておりまして、その百三十円というものは公社にそっくりいくわけでございます。その範囲内で照合する場合にはこれは通信事務としてやっておるわけです。
○森本委員 公社にお尋ねしますが、その場合の郵便局から郵便局へ照会をする照会電報、それは局報か無料電報になっておるのですか、そんなことはないはずだが……。
○吉澤説明員 この為替電報につきましては、照合はやってないのでございます。従って今貯金局長よりお話のような、百二十円の範囲内における取扱いの中に含まれた電報料金、この意味の取扱いをしておるのです。
○森本委員 いや、その意味の取扱いをしておるけれども、往々にして為替電報というものは記号が間違ったり金額が間違ったり、受取人が間違ったり、従って二、三回電報の往復をしなければ、なかなかそれぞれの受取人に渡せない場合が多い。そういう場合に発信局と着信局と往復をする、いわば事務用の電報でありますけれども、しかし郵政省が発するということになると、これは電電公社に郵政省が払わなければならぬ、こういうことになりますので、その照会用の電報料金はどうなっておるか。こういうことです。
○田中国務大臣 それは厳密に言いますと、あなたの言うように照会電報はお互いに公社が発する場合は公社が払い、郵政省が発する場合は郵政省から公社に払うということが理想的であります。電電公社と郵政省の閥は非常に近しい間でありますし、特に百三十円の基本料金の中で、大体百通のうちに一通も間違いがあるわけではないのであって、ごく間違いはまれでありますから、そういうまれのものは基本料金百三十円の中に含んだという了解のもとにやっておりますから、照合をしなければならないような状況は出ても、あらためて料金をお互いが徴収し合うということはしておらないわけであります。
○森本委員 その場合の電報はどういう種類の電報になっておるのですか。公社にお尋ねしますが、照合電報をする場合の電報は……。
○吉澤説明員 普通の電報で照会をすることになりますが、それは電報料金を郵政省からいただいております。
○森本委員 やはり大臣の答弁と違うのですよ。だから私が言っておるように、電報料金の中に入っておっても、実際にはそれ以上間違った場合は、昔は局報というものでやっていたけれども、今はそういうことはできないはずなんです。だから普通電報で照会をしたならば、普通電報の料金でくるのでありますから、電電公社に払わなければならぬはずです。そのことは私は前から疑問に思っておったので、この際特別に聞いたのです。どうですか、事務次官の方がもっと詳しいかもしれないが。
○小野説明員 電報の過誤によりまして起きました事態につきましては、いろいろな場面が想像されるわけでありますが、少くとも一応はそういった照合電報を発しなければなりません。この場合の照合電報にとどまる問い合せの所要経費は、郵政省負担、こういうことになっております。ただこの場合に、金額とかそういう面の重要な過誤がありまして、そのために郵政省関係で、対送金者、金の受領者との間において、国が非常な損金を受ける、こういうような場合が生じますときに、電報の過誤が電電公社側の取扱いの機関の過誤であります場合には、そういった面については責任は電電公社で持っていくということになっておりまして、電報料金といたしましては、一々それを間違いだからその電報料金は公社負担というようにやっておりません。一応郵政省負担、こういうことに割り切って事務の簡素の扱いをいたしております。
○森本委員 それから先ほどのもとの料金に戻るわけですが、もとの料金は何ぼですか。もう一回言って下さい。
○加藤(桂)政府委員 千円の電信為替を送る場合に、公社からは百六十円取りまして、その内容といたしましては、為替の料金としては三十円、電報料金としては百三十円であります。
○森本委員 その場合、私前からおかしいと思っておったのですが、ちょっと間違いが起きた場合、これは非常に赤字になる懸念がありませんか。
○加藤(桂)政府委員 先生の今の御質問の電信為替は相当こまかい手続を要しますし、ただいまのような、そういった金額の誤まりとかそういうものは、電電公社で責任を負う場合もありますが、あるいは先ほど次官がおっしゃったように郵便局側で責任を負う場合もありまして、電信為替の取扱いが赤字になりはせぬか、ペイしているかどうかという問題につきましては相当問題はございます。
○森本委員 問題があるのをそのままにしておくのもどうかと思いますが、まあしかしこれは郵政省が相当犠牲を払って国民にサービスをするという建前で、その他のどこかのところで黒字を生み出してこなければならぬわけですが、私が強調したかったのはこの為替電報というものは現在は郵政省として得にならぬ、ならぬけれども実際に国民にサービスを提供するという面で今回の送達ということも考える。実際に現金を受取人まで送達をするということになりますと、その赤字がさらに累積することが心配になるわけであります。その辺のことを郵政省としても十分一つ考えてやっていってもらいたい。将来の料金等の問題については深く考えていかなければならぬ点ではないかというふうに考えるわけであります。 それからもう一つ要望しておきたいことは、この為替電報というものはとかく事故が起こりやすいものであります。こういうふうに現金送達をするということになりますと、特に事故が起りやすい面がありまするので、その点も郵政省の内部においては特に厳重にやってもらいたい。こういう問題を行う場合には自主監査をさらに徹底的に励行するということ、それから公社と郵政省との間の連絡という面についても、一つ円滑にやってもらいたいというふうに考えておるわけであります。 それから、電信為替の現金送達の最高額は幾らですか。
○加藤(桂)政府委員 居宅払いにつきましては制限はございません。電信為替証書の最高限は五万円ということになっておりますが、送金の最高額は制限がございません。
○森本委員 現金で配達するところの最高の制限額はないのですか。
○加藤(桂)政府委員 ないのです。
○森本委員 それならば現金で一億円、二億円送ってもかまわないのですか。
○加藤(桂)政府委員 法律の建前から申しますとそういうことになっております。
○森本委員 法律の建前からはそうなっておるといっても、それでは現実にもそういうことがあるのですね。
○田中国務大臣 その一つの袋に入る限度は五万円でありますから、百万円の場合は二十枚にするということになる。無制限にやれるわけですが、そこは常識的に、持っていった方が安いということになれば持っていきますから、おのずから限度は出てくるわけです。
○加藤(桂)政府委員 御説明申し上げます。私の申し上げましたのは、電信為替証書一枚の最高限は五万円である、電信為替の送金につきましては、法律の建前からは最高限はございません。従いまして十万円送る場合は、従来は二枚の電信為替証書を送りまして、それに二倍と申しますか、二枚の料金を払ってやるわけでありますが、今度の居宅払いの場合は一つの袋に入るわけでありますので、袋一通について三十円居宅払いの特別料金を付加するだけであります。計算は十万円だったら五万円のものを従来二通出したところの料金に三十円加算したものでございます。ただいま大臣がその袋の中に入る限度が五万円とおっしゃいましたけれども、その袋に五万円以上入れてはならないという規定はございません。従いまして常識上その袋に入る程度ということになります。私の御説明が足りなかったのでございます。居宅払いにどれくらい移行するかという見通しでございますが、実際そう高額な、銀行の方にそのまま預入するとかいったようなものは、従来の電信為替証書を利用すると思います。大体年間百八十万通くらいの取扱いがありますが、私どもの計算ではその九十%程度が居宅払いに移行すると思っております。またそういったものの一通当りの電信為替の送金の平均高をとってみますと、大体一万六千円、おそらくその封筒の中に入らぬということはないのじゃないかと思っております。しかし法律の建前からは無制限ということになっております。
○森本委員 そうするとその封筒の中には何十万円入れてもいいという結論ですか。
○加藤(桂)政府委員 それは封筒に入らなくては困るわけです。一応は十万円でも二十万円でも入るわけです。五千円札も最近できてきておりますから……。
○森本委員 この封筒のこしらえ方についても若干考えていかなければならぬのじゃないか、こういうふうに現金送達の封筒と同じような考え方に立ってやっておったのではちょっとその点が違うのじゃないか。たとえば現在の現金送達の封筒については最高額がきまっておる、だからあれだけの封筒でいいけれども、この電信為替の封筒というのは最高限が十万円でも二十万円でもいいということになると、現金送達の封筒と同じような考え方でこれをこしらえたのでは、あなたは五千円札がありますと言うけれども、今私はちょっと入れてみたのですが、五千円札でも三十万ということになるとかなりのものになって、ちょっとやりにくいのですよ。この封筒についても画一的にそういう考え方でなくして、今回の電信為替の場合は電信為替用として二種類なり三種類なりを一応こしらえておくというまでの細心な考え方を持っていくべきだと思うのです。 それからこれは非常にこまかい問題でありますけれども、私なんかがここで言っておかないと実際によく間違いを起しますので特に忠告をしておきますが、この封筒の封緘の認印はだれがやるわけですか。
○加藤(桂)政府委員 郵便局の為替課の人がやるわけです。封緘するのは郵便の方の人と二人立ち会ってやるわけでありまして、先生のお手元に送金案内書というものがございます。ここに係員二人の判が押してありますが、この一人が為替課の人でありまして、もう一人は郵便課の人であります。両者が立ち会っております。
○森本委員 今事故が非常に頻発するわけでありますから、こちらの方に判を押すということはけっこうですが、現金の封緘をする場合においても必ず二人以上の人間を要するということにしてもらいたい。たとえばこれを簡単に貯金課長だけがぽんぽんと判を押してやっていくということになると、配達をしたあとの責任と当該の責任と問題になる場合がありますし、これを実際に実行に移す段階になるとこまかいことで相当問題になることがありますので、そういう点についても本省において相当細部にわたって検討して、下部に浸透してもらいたいということをつけ加えておきたいと思います。繰り返して申し上げるようでありますが、この問題についての犯罪者が出ないように、実行に移す前に十分注意をしていかなければなりません。それから今はそういう人もありませんけれども、ずっと昔はよく中間で電報為替を勝手にこしらえてしまって送って、大きな事故になって一生を棒に振ったという人もあります。特にこれが現金を送達せられるということになりますと、その点も非常に心配になる点が多いので、そういうあらゆる観点から緻密に計画をして、親切に下部に浸透をしてもらいたいということを要望して、私のこれに対する質問を終ります。
○片島委員長 ほかに質問はございませんか。——他に質疑がなければ、これにて両案に対する質疑は終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○片島委員長 御異議なければ、これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 この際橋本登美三郎君より両案に対する修正案が提出されておりますので、その趣旨説明を求めます。橋本君。 —————————————
○橋本(登)委員 郵政省設置法の一部改正法律案が目下内閣委員会に付託されまして審議中でありますが、同法案の審議状況にかんがみまして、両法案に対して左のような修正案を提出して御賛同を得たいと思います。 電話加入権質に関する臨時特例法案に対する修正案 電話加入権質に関する臨時特例法案の一部を次のように修正する。 附則第二項を附則第三項とし、附則第一項の次に次の一項を加える。 2 郵政省の省名が逓信省に改められるまでの間、第八条及び第九条中「逓信省令」とあるのは「郵政省令」とする。 次に、郵便為替法の一部を改正する法律案に対する修正案 郵便為替法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 附則第二項の次に次の一項を加える。 3 郵政省の省名が逓信省に改められるまでの間、この法律による改正後の郵便為替法第三十七条の三第一項及び第二項並びに前項の規定による改正後の日本電信電話公社法第三条第二項中「逓信大臣」とあるのは「郵政大臣」とする。 以上の修正案を提出いたします。
○片島委員長 これにて修正案の趣旨説明は終了いたしました。別に修正案に対する質疑はないようでありますから、これより両案並びに両修正案について討論を行いますが、別に討論の通告もないようでありますから、討論はこれを行わないで、直ちに採決に入ります。 それではまず第一に電話加入権質に関する臨時特例法案について採決いたします。本案については、橋本君より修正案が提出せられておりますので、本修正案についてまず採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
○片島委員長 起立総員。よって本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。
○片島委員長 起立総員。よって本案は橋本君提案のごとく修正議決されました。 次に、郵便為替法の一部を改正する法律案の採決を行います。まず橋本君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
○片島委員長 起立総員。よって本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
○片島委員長 起立総員。よって本案は橋本君提案のごとく修正議決せられました。 なお、両案に対する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「議異なし」と呼ぶ者あり〕
○片島委員長 御異議なきものと認め、さよう決しました。 田中郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
○田中国務大臣 この際一言申し上げます。ただいまはまことにありがとうございました。ただいま可決すべきものと議決相なりました二法案の公布実施につきましては、本委員会における御発言の趣旨を十分体し、万遺憾なきを期する所存でございます。
○片島委員長 次会は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十四分散会