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28回国会衆議院1958/03/28

逓信委員会 第19号

発言数
48
登壇者
6
会派数
2
開催日
1958/03/28

会議録

片島港日本社会党

○片島委員長 これより会議を開きます。  まず郵政事業に関する件について調査を進めます。発言の申し出がありますので、これを許します。原茂君。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 今行われています各種の春闘について、特に郵政大臣の所管の全逓を中心にした郵政大臣の考えをお伺いしたいと思うのであります。  最初にお伺いしたいのは、昨日職場大会をやり、その職場大会が定刻よりも一時間ないし二時間早く、六時ごろから持たれた。この職場大会の持たれる二日くらい前から、すでに郵政大臣の談話というものが新聞に発表された。どういう形で発表になったり、あるいは意向が伝えられたか知りませんが、とにかくこの職場大会に対しては厳重に処分する、こういうことが活字になって出ていたわけです。その大臣の意図がどのように下部に伝わったのか知りませんが、昨日の全国における職場大会の経緯を見ますと、警官の出動、しかもその出動の動機というものが、いろいろ調査してみますと、局長から要請があったり、あるいは何か事前の警察署長との打ち合せがあったりしたような事例があるようです。そこでまず郵政大臣に、この職場大会が持たれるその前に、大臣がどのようにごの職場大会に臨んできたのかをお伺いして、そうしてきのうの事態をもう報告を受けているはずですから、この警官の出動と、警官が出動してどんな事態が起きたのかを一つお聞きしたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 職場大会は二十七日ばかりでなく、その前は二十日にもやられております。二十七日は第三波でありますか、四波でありますか、そういうことがスケジュールによって進められております。二十日は非常に強硬な状況が起きましたので、特に二十七日には職場大会等違法行為はやらないようにということを、厳重に組合側に申し入れをしております。でありますので、きのうは警官隊も出動いたしましたが、実害がないように、特に違法行為はできるだけ少く済むようにということを考えておりましたら、二十日の中央郵便局問題等に比べれば二十七日は平穏でありまして、国民に対する実害も非常に少かったという状態で、私としては非常に喜んでおるわけでございます。警察官が出ましたことに対しては、これはざっくばらんに申し上げて、警察官が出て特に紛争が激発されるというような場合は困るが、場合によっては、かえって警察官を出すことによってお互いの立場が明確になり、しかも混乱をしないというためであるならば、警察官を出す方がかえっていいだろうというようなことを私も考え、また状況の判断もし、その問題に対しては二十日の前から組合幹部にも通告をし、まあよかろうというような状態で、警察官の出動を予防的な意味で促したわけであります。これらの結果は、二十日も相当大きく混乱はせられておりますが、中央郵便局の特殊な問題を除いては非常に実害の少い職場大会ではありました。それに比べてなお二十七日の方はそれよりももっと平穏であったというように考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 いろいろこまかい言葉のあげ足をとることは時間の関係もあるからやめたいと思うのですが、そうすると結局二十日に行われたもの、二十七日に行われたもの、一波、一波、三波とも実害はない、平穏に終った、こういう報告を大臣は受けておるというように今の御説明を聞いてよろしゅうございますか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 実害がないというのは比較の問題でありまして、戦後いろいろな問題が起きましたが、相当国民に実害があったわけであります。ところが今度の問題は、新聞やラジオ、ニュース線上には非常に大きくは報道せられましたが、その闘争の目標が政府部内や国民に対してというよりも、公労委の仲裁裁定に対する一つの、表現は悪いかもしれませんが、ある意味でのデモンストレーションというような立場によって行われた争議行為でありますので、今までの例に比べると表は非常に大きかったけれども、実害の面は思ったよりも小さかった、こういうふうに申し上げたのであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 きのうの職場大会に警官が出動した結果、警官と組合員との小ぜり合いから十名内外のけが人の出た場所もある。そういうけが人が出たということになりますと、警官の出動というものが妥当であったのか、だれが一体出動させ、どうしてその小ぜり合いの起きるような事態にしたのかという責任問題も一つある。こういう点をお聞きになっていませんか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 警察官が出ましたために紛争が起ったとはまだ報告がありません。ありませんし、警察官の出動の場合に対しては、人事部長から組合側にも話をしてあったのですが、警察官が出ても激発されるようなことはありませんし、私の方も違法行為を繰り返したり、特に事件になるようなことを考えておらないので、紛争はないつもりでありますという組合幹部との話し合いもありましたので、きでのうの夜までには全然紛争があったような報告はございません。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 だれが一体報告をする義務を一貫っているのか知りませんが、そういう報告がないということは、郵政大臣を取り巻くスタッフが非常に怠慢なんです。実際にはけが人が出ている。そうして紛争が起きているところがある。それは長野県の松本ですが、六人ばかり大きなけが、小さなけがをしておる。そういう報告は私、大臣のことだからもっと的確に、ちゃんとつかんでいるのだろうと思っていたのです。調停案がいよいよまとまらないとなれば、朝の五時五十分ごろからもうちゃんと郵政大臣あるいは労働大臣は打ち合せをして、職権あっせんもしようじゃないかというようなことまで——とにかく精励恪勤の今の閣僚ですから、特に郵政大臣はそのくらいのことはもうよく報告を受けていると思っていた。いれば、こまかい問題を少し突っ込んでお伺いしたいと思ったのですが、聞いていないのでは話にならない。  ただ一つだけさっきの御説明でお伺いしておきたいのは、問題を紛糾させないために警官を出動させる場合がある。そういうような考えのもとに出動させたところもあるのだ、こうおつしゃるのですが、たとえば今度の職場における大会を持つのに、一体どういうような地点で、どんな組合に対しては警官を出動させる方がかえって平静に推移するのだという判断ができたのでしょうか。どういうところに対して警官の発動をすべきであると大臣は判断して、指令をしたのか、そういうところがあるのでしょうか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 私が警察官の発動を全部お願いをしたのじゃありません。これはもう御承知の通り地方郵政局長が事態の収拾をはかるという意味で連絡をしておるのでありますから、そういうものから一歩も出ておりません。ただ中闘と私との間には、御承知の通り八カ月にもなりましたから非常に仲のいい円満な交渉を続けておりますし、また表面的な交渉ばかりでなく、何べんも話をしていますから、こういう場合が出たらどうする、こういう場合は君らの立場もあるだろうし、こっちの立場もあるから、場合によったら実害のないようにやりたい、やらなければならないということであれば、警察官の千名くらい出してもいいですよなんという冗談も言っておったのです。出しても問題はありませんよ、私の方でいざこざをやるようなことは全然考えておりませんしというような平たい話を、絶えずお互いの間でやっておったのであります。特に二十日の中郵の問題に対しては、中闘の諸君も非常に困っておったような状態もありましたので、そういうことをざっくばらんに話した結果、場合によれば警察とよく話をして、絶対に混乱をしないという条件のもとで警察官の出動を促す場合も地方局長にみなまかしてよろしい、こういうことを言っておりますので、特に指定をしたような事実はありません。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 地方の局区長が自分の判断で、もし警官が出動した方がかえって平静に推移するのだと判断したときは警官の出動を要請してもよろしい、こういうように郵政大臣は各局長に事前の了解を与えておいた。今の御答弁ではこういうことになるわけですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 その通りであります。そういうふうに考えられてもよいと思うのです。私は地方郵政局長会議を開いてやったわけではありませんが、人事部長、省議でもそういう話が出ておりますから、そこは一つ適当にうまくやれ、混乱を起したらだめだし、挑発しないようにうまくおさめなさい、こういう表現で言ったのです。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣はこの委員会でも始終言っておるのですが、全逓の組合の諸君とは非常に緊密な連絡をとり、よく話し合いをしておる。組合との問題に関してはとにかく話し合えばわかるし、話し合って十分今日まで成果を上げてきたのだ、こういう確信を今まで示しておられた。それほど組合をよく知っておる大臣、おそらく私の知る範囲でも、そういうような御意向をこの委員会で累次にわたって発表している大臣というのは少い。私はその意味では現郵政大臣に敬意を表してきたのです。非常によろしい。やはり年とったセンスの古い、何でも組合といえば敵だ、おっかないものだと考えるのとだいぶ違っておるという意味で、私は敬意を表してきたのです。そういう大臣が、とにかく職場大会を持つというのに、従来警官が出動することで、ある意味ではかえって刺激をして、そうして不測の混乱と摩擦が起きる、混乱した事態が起きたという経験が非常に多いのですから、大臣の感覚からもってすれば、むしろその事態を急遽自分に報告し、あるいは自分の判断に待たなければ警官等の出動というものはしてはいけないというくらいのことを言っておく。そういうことが新聞等で伝わると、かえって事態は、なるほど今までの大臣とは違って、組合員に対する信頼は非常に厚いのだということを組合自体が知りますし、その方が非常に効果があるのです。そのくらいのことは大臣だから当然私は考えると思っていましたし、考えるべきだと思うのですが、それを単に局長にまかしてしまって、事態が平静に推移できる、警官の出動がそれをさせるのだ、こう考えたときにはやってもよろしいという了解を与えたということになると、従来私どもが信頼し、大臣も一生懸命ここで言われたことが基本的にはうそだった。本心はやはり従来の大臣が、ある意味で組合に対する畏怖の念、あるいは猜疑の念といいますか、敵愾心といいますか、こういうものを持っていたのと同じじゃないかと私は思うのですが、この点は今までの大臣のお考えからいうと、少しく抜かったのじゃないかと思いますが、どうですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 抜かってはおりませんし、在来の考えを堅持いたしております。将来もなお堅持するつもりでございます。私は性格的にそういう人間でありますから、気負い立ってものをやろうというようなことも考えておりませんし、またやるつもりもありません。しかしある意味から申しますと、かえって警察官を出すと激発をするという考え方よりも、警察官を出したために立場上も非常に明確になるし、また混乱も避けられるということもあるのです。でありますから、警察官の問題に対しては、組合とも話しておるのです。組合自体も郵政大臣が憎いのじゃない、管理者と対立をしておるのじゃない。総評の一環として全官公労の先頭に立っておるのだ。私との間には十二月協定するときには、三月三十一日といわず、六月末くらいでも、三六でも二四でもがまんしますというくらい円満にやってきた組合でありますから、そういうものが闘争目的のないのになぜやらなければならぬか。私もよくわかります。向うも自覚しておる。でありますので、警察官が出ないことでかえってお互いに職場でごたごたするというようなことよりも、出すことによってお互いに警察官と衝突したり、職務執行妨害をやるようなことが全然ないということであれば、場合によっては出してあげますよ。これくらいざっくばらんな話もしたのでありまして、私自身が今、松本で五、六名が何か負傷したということを聞いて、非常に奇異な感じを持っておるのです。ところが組合員も、そう中闘が言うほど全国が一糸乱れずやっておるわけではないし、派生的な問題で多少の混乱も起きるかもわかりませんが、いずれにしても、警察官を出すということは事前に組合も知っておるはずでありますし、しかもそういうことをやっても全然混乱は起きません、こういうことであったので、これをもって組合員を激発して不測の事態を招いたというようなことは絶対考えておりませんし、かえってそれがために、表面的には派手になったようでありますが、実費的には非常に平穏におさまり得たということを考えておるわけであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 郵政大臣の考え方はとんでもない考え方なんで、これは大臣が実際の現地の様子を知らないからそういうことが言えるのですが、私が心配して申し上げておるのは、少くとも大臣が事前にそういう了解を与えたというようなことを言うから、今突っ込んで話をしておるのです。大臣の立場からいうならば、そういうことはとにかく好ましくないことだ、こういう答弁があれば私はこんなことを言わなくて済むのですが、了解を与えたということになりますと、大臣は簡単に警官の出動というものが、今言ったような表面的なものでおさまるとお思いになっておるかしれませんが、一たび現地で警官が出動されると、組合の行きさ過ぎがあるのじゃなく、警官の側にも人間ですから行き過ぎが出てくる。これは大臣の意図を十二分に局長が掌握して、局長の意図をちゃんと警官が全部自分に体して行動をするというようなわけには人間だからいかない。どうしても警官の側にも行き過ぎがある。そういった行き過ぎの空気が出てきますと、組合の側もある程度これに対して行き過夢といわれるような行動をとらざるを得なくなってくる。そういうことから大臣の意図に反して、とにかく負傷者が五、六名出ています。重い軽いは別にして五、六名出ていることは間違いない。とにかく平穏に推移して、報告を聞いたら無事に終ったそうだと言われるが、小指一本折ったりかすったりした者があったら、これは人道上ゆゆしき問題だと思う。いやしくも組合員が職場大会を持つそのことが契機になって、しかも大臣が了解を与えて警官を出動さした、そうしてとにかくけがをした。けがをしたことを、とにかく平穏無事に終って何でもなかったということは、西部戦線異状なしじゃないが、とんでもない話なんです。大臣の基本的な考え方の中に誤りがあって、警官を出動させることの方が平穏におさまるのだという簡単な認識で局長にこれを一任して局長が警官の出動を頼むという結果、三カ所から報告が来ておりますが、松本の事態一つとらえてみましても、ちょっと大臣の意図に反した混乱が起きている。どこにその原因があるかというと、やはり基本的には組合の職場大会等に警官が出動することは思わしくない。大臣の感覚からいったら、当然そういうことをまず考え、そのくらいなかたいワクを全国の局長にはめておく、そうしてその中で局長がやむなくこういう事態になったのでどうかと言ったときに、大臣が責任を持って指示をするというくらいなことにしないといかないと思う。むやみに大きな職場大会だから、事前に警官を出動させてよろしいという了解を与えておるということをやったために、この混乱が起きたと思う。この混乱は大したことはないのだともし言ってしまうとするならば、これは人道上ゆゆしき問題だと思う。たとい何人にしろ負傷をしておる。郵政大臣の所管の職員がけがをしておるのです。けがをさしてくれたのは警官で、大臣はそんなことを希望したのじゃないにもかかわらず、かわいい大臣の職員がとにかく数名致傷しておる。その原因、大きく考えていくならば、さっき言った大臣の基本的な立場、考え方、こういうところを改めないと、やはり今後末端においては行き過ぎが組合にも起ると同じように警官の方からも起きるということが行われる。そこで大臣は、自分の考え方の基本的な立場というものを改める必要があるかないかをもう一度お伺いしたい。  それからけが人の出たことに対して、今私語しておってわからないようですが、負傷者は間違いなく出ている。しかしとにかく問題を大きくしないために、正式にこれを届けたり問題にしようというふうにはしておりません。しかしきょうここで大臣とお話し合いする中で、もしこれに対して表面に出てこないからはっきりしないのだというのだったら、これを表面に出して問題にして、その責任というものをとことんまで追及する手段をとってもいいのですが、とにかくけが人の出たという事実をもとにして間違いありません。これはうそではありませんから、あなた方の調査の方でもしけが人がていないというなら、今表面に出していないからわからないかもしれませんが、とにかくどんなかすり傷一つでも起ったという事態があるならば、その事態の起きた淵源をたずねたときに、大臣は警官の出動に対しては局長の権限でやってよろしいという了解を与えたというふうに先ほどのお話では解釈されるのですが、そこに問題があると思う。大臣は簡単に考えていても、末端にいくとそういった大臣のほんとうの真意というものが伝わらないし、よく実行されないために、どうしても不測の事態が局部的には起こる危険がありますから、今後の問題としても、こういった職場大会をとにかく平穏に推移せしめるために警官の出動というものが必要である、そういう場合には局長に警官の出動を要請することを一任するという態度は、大臣としては私は間違いだというふうに思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 誤解があるようでありますから、三つに分けてお答えいたしますが、その一つは、警察官の出動をこのたびの職場大会を契機にして、私が要諦してもよろしいという了解を各局長に与えたというようにおとりになっておるようでありますが、そういうふうに私が指示をしてやってもいいのだというようなことは言っておりません。在来通りの処置であります。適時適切に適切な行為を行え、こういうことだけであって、しかもそれも局長会議を開いたり通達を出したり公達をしたりというようなことは全然ないのです。また今度は組合側とも話をして、一つなるべく大きくならないようにやりましょう、実害のないようにやりましょう、官側が相手でないのですから、こういうことを言っておるのですから、このたび私が特にそういう指示をしたようなことはありませんから、誤解のないようにしていただきたい。  もう一つは警察官の出動でありますが、これはそういう意味でありますので、私の方からだけ出動してやったというものではありません、警察が自発的に出動したというものもあります。私は平たく常識的に考えて、中には私の方の郵政局長から出動を促したものもあるでしょうということを申し上げたのであって、特に私が警察官の出動を促したというような事実はありませんから、これは御了解をいただきます。  もう一つは違法性の問題でありますが、労働組合の正常な発達を願うということは、国民として私自身もそういうことはしばしば、申し述べておる通りであります。しかも不当労働行為があったり、労働組合運動の発達にじゃまになるような、しかも威嚇的な、官が干渉するようなことは避けなければならぬという基本的な考え方には私も賛成であります。であるからといって警察官は絶対いかぬのだ、警察官が職務を執行する場合に、警棒が当っても非常にきびしく責められますが、組合が違法行為をやっておることさえも取り締れないということにはならないと思います。ですから組合は違法行為をやらなければよいのです、やってはいかぬのです、違法行為をやるということは、やはり犯罪の予防という立場からも、警察官が独自に警察権を発動するということはあり得るのです。法治国家としては当然のことです。そうでなければ警察は要らないという議論にもなるのであって、私はこれは両者がお互いに双方とも良識に立って行動して、こういう問題を解決しなければいかぬ、特にこういう警察官の出動等に対してはお互いが慎重でなければいかぬ、こういう基本線はくずしておらないのですから、現在も将来も全然過去と同じだということをもう一ぺん御認識をいただきたい。

片島港日本社会党

○片島委員長 それでは暫時休憩いたします。     午前十一時三十六分休憩      ————◇—————     午前十一時五十五分開議

片島港日本社会党

○片島委員長 休憩前に引き続き再開いたします。原茂君。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 関連して。先刻の大臣の答弁と原委員の質疑応答を聞いておりますと、もう少し明確にしておいた方がいいじゃないかという気がいたしますので、質問をいたしたいのでありますが、まず第一点は警官を出動させたことが非常に問題になっておるようでありますが、初めから団体で違法行為をやることが予想されている場合に、未然にいろいろな事件を防ごうという意味で警官の出動をさせることはそきるだけ避けなければなりませんが、そういう事態がはっきりしておる場合は、これを出動せしめることは決して不当なことではないとわれわれは思う。こういう点は明確にしておくべきであるが大臣はどう思われるか。それから第二点は職場大会、特に時間内に食い込む職場大会は明らかに違法なのです。質疑応答を聞いておりますと、この違法である組合をあたかも認めたかのごとき前提において質疑がかわされておるように見えるのでありますが、あるいは私の曲解、聞き違いであるかもわかりませんけれども、そういうように聞き取れるのであります。この前提が間違っておる、いわゆる職場大会、なかんずく時間内に食い込む職場大会は明らかに違法であるとの前提に立ってすべての質疑をすべきものではなかろうか、ことに当局としてはこれを明確にしておくべきものではないか、こういうことを私は考えるのでありますが、これに対して大臣はどういうふうにお考えになっておるか、これが第二点であります。なお大臣があとで訂正をされましたが、一番被害の多かったときに比べれば被害が割合に少かった、こういうふうに訂正されましたので、私はその点は了承するのでありますが、被害は決して少くない、大きいのです。二十日の実害を調べてみましても、二十七日の実害を調べてみましても、国民に相当木きな被害を与えておるのです。だからこの三点について一応私は関連的に質問を申し上げるわけでありますが、あとで原委員が済まれてからこの問題について質疑を続けたい、こういうふうに思っておりますので、今指摘した三つの点について大臣の見解を明らかにしていただきたい。大臣ができるだけ円満に事を運ぼうとする態度は私はけっこうだと思っているのです。しかしその前提となるものは、事態をまず明らかにするということが前提でなければならぬ、事実の認識に徹しなければならぬということが前提でなければならぬと思う。そうしないと官紀の粛正というものは言うべくして望めない。私はこれを二つにして考えるものでありますから、その点お含みの上お答え願いたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 お答えいたします。不法行為の未然防止のために警察官が出動してはならないということはありません。もちろん不法行為の未然防止のために警察官の出動を促し、また出動することはあり得るのであります。警察官はそういうためにあるのであります。でありますが、労働組合運動の供物会は、無用な摩擦と組合運動の不当の干渉にならないように特に配意をしなければならない。そういうことで実際の運用に際しては、慎重を期さなければならぬということを申し上げておるわけであります。  第二の、時間内の職場大会は違法であるかどうか、これはもちろん違法であるという建前で過去においても処分をしておりますし、今度の二十日及び二十七日に行われた職場大会も、明確に違法であるという建前に立っております。それから実害がないというような意味の発言をいたしましたが、これは実害が全然なかったというのではなしに、予想に比して実害が少かったという感じを申し上げただけであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 先ほどの問題に返ります。今の上林山君の質問に対する答えの中でも一点お伺いしておきたいことがありますが、これはあとにいたします。前の問題に関連しまして大臣から最後に三つに分けて答弁がありましたので、大体見解がはっきりしましたし、そういう態度で臨むということはやはり必要だと思いますから、ある程度の了解はできるのです。それでこの際先ほどの問題でもう一点お伺いしておきたいのは、多少にかかわらず負傷者が出たという原因の中に、やはり警官が出動したということが直接の動機となって、そういうものが出てきたという場合の責任というものをどういうふうにお考えになるか。事態を詳細にわたって御存じになっていないようですので、私の方からかいつまんで言いますと、午前六七時から職場大会を持った。七時ごろ組合員の中を見てみると、警官が二人私服でこの職場大会にもぐり込んでぱちぱち写真をとっている。組合員が発見して、お前はだれだと言ったら、警察の者だ——一人は名前がわかっています。出ていけというので追い出した。これが第一の小ぜり合いです。第二は九時十分ごろ警官がこの職場大会を解散せしめようとした、これが小ぜり合いというか、衝突を起す原因だった。そこで考えるのは、やはり局長の判断で要請をしたのか、あるいは局長の要請ではなくて、警察署が独自の判断で出動をしたのかということが問題になると思うのです。警察が独自の立場で出動をした場合に、その警察官が独自の立場で、局長等とは何らの話し合いなしに、九時以後の職場大会は違法であるというのでこれを解放せしめようとすることができるかどうか、この点が第二の問題になってくると思うのです。局長が要請したのじゃなくて、警察自体が事を判断して警官を出動したという場合であっても、時間内の大会が持たれているのを警察独自の立場で解放せしめようとすることが行われたとすると、これに対してどうお考えになるのか。いずれにしましてもこういった事態が原因で負傷者が出たのですが、この負傷者が出たことに対する今二つの場合の責任の所在は一体どこにあるのか。組合側に責任があるからやむを得ないとおっしゃるのか、あるいは職員をかかえておられる郵政大臣という立場で、これに対して別個のお考えをお持ちになるかどうか。警官隊の行き過ぎである場合には、この警官に対して郵政大臣として厳重な処罰を要求する、ないしは何らか負傷者の満足するような方途をお講じになる御意思があるかどうか、これをお伺いしたいと思います。     〔委員区長退席、森本委員長代理着席〕

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 松本の問題につきましては今報告が来ておりますが、負傷者の情報は全然ございません。警察官は百二十名ばかり九時五十分に出動し、十時二十二分に退去しております。組合の大会は五時二十分から十時三十分までで、出動時間、退去時間は職場大会よりも非常におそいわけであります。これが警察独自の出動であるかもしくは局側の要請であるかは現在調査でまだわかっておりません。  警察が独自で出たとした場合、一体、職場大会等を解散せしめる権能があるかどうかという問題が第二点でありますが、これは違法行為でありますから、違法行為がなくなるように早く職場に復帰しなさいということは警察官はやってもいいと思います。警察官の職務そのものが犯罪の検挙であり、犯罪の未然防止でありますから、同時に犯罪に陥ろうとしている者を導くということは、一般の状況においては何ら問題はない、こういうふうに考えております。ただしそれが組合運動の不当干渉になるということであれば、その面からまた考えるべき問題であって、少くともスケジュールによって八時半に職場につかなければならない者が、九時にも九時半にも、しかも一般の自発的意思によって職場につこうとする者さえピケを張って入れないということであるならば、このピケを排除して自発的意思によって職場につかしめる道を講ずることは、警察官の務めであります。出動した以上は当然そういうことはあり得る、その行為に行き過ぎがあるかないかという場合だけにそういう点が考えられると思います。  第三点は負傷者が出た場合——出ておるという原さんのお話でありますが、その場合に責任は警察がとるかということでありますが、まあ指でも突っ込んだというようなことを仮定して考えますと、警察官の制止を聞かずして組合員が暴力的な行動をして、警棒に当って指けがしたということもあるでしょうし、何もしない者を警察官が暴力をふるうということは常識的にちょっと考えられないのです。ただ相当大きな数と数との対峙になりますから、群衆心理ということで派生的な事件が起きることは間々あると思います。この責任が警察官にあるか組合側にあるか、また警察官にあった場合に郵政大臣はその警察官の処分を要求するかというのですが、これは調べてみないと、こういうものは個々のケースによってみな違うわけです。しかもなかなかむずかしい問題だと思うのです。相対的に相当な言い方があるのであって、こういうことは好ましいことではないし、絶対に避けなければならない問題でありますが、負傷に対してどういう責任をとるかという問題に対しては、慎重に考慮しなければならない問題だと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 時間内に大会をやっている場合には違法行為であるから、警官が独自の立場でこれを解散せしめようというので実力を行使することはやむを得ない、当然だ、こういうお考えですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 実際問題としては、警察官が来ればもちろん郵政当局、すなわち管理者とも連絡をするでありましょうし、管理者もその場合には、われわれの力ではどうにもなりませんから、どうぞ一つピケを解除して下さい、職場でもって大会をやられていると作業に迷惑しますから、これを追い出して下さいというような折衝はあると思うのです。でありますから実際の問題からいいますと、警察官が出動しても、警察官が自分の権限に基いて追っ払うのだというようなことではなう、業務の遂行を円満にするためにお互いが話し合いをしてやれる問題だと思います。警察官が、違法行為があったので大会の解散をすること、特に職場に早く復帰するためにいろいろなことをすることが、警察関係法令で適当であるかどうかは現在調べておりませんし、私は専門家でありませんので、現在明確な答弁ができません。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 私の考えでは、大臣の言われた前提に立った場合に、当然であるというふうに解釈していないわけです。ですからこれは法理論の上で研究の余地があるでしょう。ところが実際には大臣が今言われたように、職場大会を持っているので、早くこれを解散さしてもらいたいということを、局長がやはり打ち合せしただろうと思うのです。そうでなくて、警官が独自の立場でもしやったとなると、大へんな問題になる。おそらく当局との打ち合せがあっただろうと思う。そこで当局と打ち合せがあったことが問題になるわけです。いやしくも局長なり管理職にある者が、単に職場で大会を持っているのを、話し合いでやめてもらおう、早く切り上げてもらおうと、いう能力を欠いてしまって、警官という国家権力にたよらなければ、自分のところの職場が管理できないという結果になる、こういうことは非常に問題だと思う。作業時間内における職場大会が違法であるなしという問題の以前に、そういうことが起きたときには、やはり管理の職にある者が早期にやめてもらいたいと話し合いができるように、日常から意思の疎通をはかり、しかも暴力化したデモとかなんとかいうこととは違うのですから、実際の管理者である以上、このくらいのことは国家権力の介入を要請しないでやる、そのくらいの強い決意があり、そのことを実際に実行させるような指導をするのが、私は郵政大臣としての任務だと思うのですが、これはきのう起きてしまったことを既倒に返すというのではなくて、今後のために私は郵政大臣の所見をお伺いするのです。その点一つ明確にして下さい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 警察官等を介入させて何らかの解決をはからなければならぬということは、理想的な処置ではありません。またそうあってはいかぬという基本的な考えは、私もあなたと同じであります。でありますが、警察官を出動させる前に、もちろん正常に職場に復帰してくれという要請をしております。同時に、それでも職場に復帰しないで職場内で大会をするという場合は、それでは人のじゃまをしないでどこかでやってくれ、それも応じないということなれば、出ていってくれ出ていってくれと言っても、三百人の者を十人や二十人の管理者がやれるものではありません。しかし管理権を放棄しないで職務に忠実であるためには、どうしても警察というより高い国家権力を使うのはやむを得ないと思うのです。ですが、基本的には理想的な形態で行くべきだという考えであります。一つだけ例をあげて申し上げますが、実際組合運動の正常な発達ははかっておるのです。こちらも話がわからないわけではないのです。また組合もわからないわけではないのです。今度の場合は、特に組合もわかっているのです。郵政大臣も管理者も憎たらしいのではないのだ、だけれども総評のスケジュール闘争で仕方がない、こういう立場でやっている。連日徹夜をして、われわれも何らかの処置を話し合おうではないかということでやっているが、立場上やむを得ないのだ、こういう相当明確な立場に立って闘争、違法行為が行われるという場合がありますから……。原さんの言われるように、一般理論として、当然お互いが話し合いで解決をする揚を最後まで持たなければならぬということには賛成であります。ただ今度の場合等は、そういう現実面において立場が違うのでどうにもならないのだという、相当政治的な原因もあったようであります。これからほお互いに大いに理想的な形態で円満にものを運びたいという基本線ではありますが、今度の場合はそういうことも一つお考えになっていただきたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 郵政大臣に非常な誤解があるのです。今度の全逓の闘争は、総評のスケジュールに乗っているのでやむを得ずやるのだ、そんな単純なばかげたものでないことをはっきさり再認識しなければいけないと思う。組合の幹部が大臣に私的あるいは公的な会議で言ったとすれば、これはそういうことを言って郵政大臣にある種の圧力というか、組合の側から言うと、やらざるを得ないところへ来ているのだ、しかも全国的な問題になるから、とにかく円満に解決するように、大臣も極力あっせんをしてもらいたいという意味を含めて言っているのだと思うのです。ある種のプレッシャーを大臣にかけるという意味だと思う。全逓なりあるいは全電通なりの組合が、総評のスケジュール闘争でやむなくやるのだ、仕方がないのだ、こんなことを真意で言うはずがありませんし、そんなことは私どもとしても断じて聞いておりません。組合のこういった闘争にはわれわれが皆さんより深く関与して、去年からこんな問題はいろいろと相談もしてきているわけです。スケジュールに乗っているから仕方なしにやるのだ、そんな単純なばかげたものでないということをはっきり申し上げておきたいと思うのです。  そこで大臣の基本的な立場を一つお伺いしたいのです。労働組合が賃上げを要求するということ、たとえば全逓の組合が賃上げの要求をする、これと郵政大臣の立場とは相反するものなのか、それともこれは当然お互いに協調しなければいけないものなのか、これを伺いたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 相反するとは全然考えておりません。私はいつも申しておるのですが、どうも組合側は私と相対立するのだという考えでありますが、郵政省設置法の立場から考えても、郵政職員全部の最終責任は私にあるのです。円満なる郵政事業の発達をはかるためには組合とお互いに話をしなければいかぬし、組合の要求がもし通らないで不測の事態が起きて業務全般のマイナスになることは、私の責任が果せないことでありますので、これらの組合と官側とり交渉が全く利害相反し、立場が反するものだと考えておりません。ただし組合は話がわかるが、総評のスケジュール闘争の一環としてやるからということになると、多少ニュアンスが違って参ります。いずれにしても正常な法律に基いて交渉を行うということに対しては、利害が全く一致しているという考えであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣は、私の方は組合に対して協調するように考えているが、組合側は私に対してどうもそうではない、こうおっしゃるのですが、そんなことはないのです。組合の方を代弁して私はあえて言いますが、自由民主党の基本的な性格と政策、これに対して組合の立場から言うといろいろ問題があるのです。単に郵政大臣あなただけに反対の立場にあるのだというような考え方は、全然組合としてもとっていない。そうでなくて、自由民主党の今行なっている政策全般を通じて、これが労働者の生活をよくするものかどうかという基本的な立場から、鋭い批判の上に立っていろいろ組合言活動を行なってはいます。行なっていますが、郵政職員自体の郵政大臣に対する態度は同じものじゃない。その中にあっても、自分たちの監督の立場にある郵政大臣とは協調して、より自分たちの生活が上るよう努力をしてもらいたいという大きな期待と協調的な気持を持っているのですから、一つ誤解のないように。決して組合側が私に対して何とかいうことはありませんから、その点はそういうふうにお考え願いたい。それから今の大臣と賃上げと相反するものでないという御答弁は非常に満足なんですが、なぜ相反するものでないかといいますと、郵政職員が自分たちの生活基盤を引き上げられて、ある意味で満足した明るい気分で職場で働き得る状態になること、待遇の改善がそれに続いて行われる、そういうことになることは、郵政大臣がやろうとする国家あるいは国民大衆に対するより大きな奉仕をこの職員を通じてやろうとする立場と一致するからです。一致するから郵政大臣と賃上げというものとは相反するものではないと思います。ただここで先ほどから大臣の御答弁をお伺いしていると、今次の第一波、第二波、第三波を通じて、前々行われた闘争等と比較すると比較的実害は少かった。とにかく大臣の、ある意味では予想したといいますか、希望が相当いれられた闘争あるいは職場大会等が行われてきた、こういうように大臣の前段では御答弁があったわけです。そういう立場から考えていくと、前回の中央郵便局における問題に対する大臣の考え方、あるいは大臣のとろうとしておる方針というものと、どうもちぐはぐになってくるのじゃないかと思いますが、これが一点。それからもう一点は、けさの新聞を見ますと、郵政大臣が記者会見を行なって、今次全逓の春闘、これに対しては前のレッド・パージに次ぐ大量の馘首、あるいは五名になるか十名になるか知らないが解雇をせざるを得ない、解雇をするのだ、しかも時期は四月中旬に予想していたが少し早まるだろう、四月早々にやるだろう、こうおっしゃっているのですが、ここに出ている大臣のこういう立場がその通り大臣の意思を表明したものかどうか、これを第二点にお伺いした日い。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 先ほどちょっと御説がございました大臣と組合との関係でありますが、私は信用しているのだが自由民主党が信用できないのだというお話でありましたが、これは議院内閣制でありますので、もちろん党と政府とは一体の責任ではありますが、しかし内閣のやった仕事に対して党が責任を負うという建前だろうと思うのです。これはもちろん社会党さんが内閣をおとりになってもそういう原則は貫いていくのだ。法律的には、憲法上の建前からいっても、内閣と党とは独立的のものであるとお考えだと思うのです。でありますから、私も自民党の所属議員でありますけれども、あくまでも国務大臣として職権を行なっているのでありますから、ここは一つ間違えないようにしていただきたい、こういうことを考えます。  それから今度の闘争というものが、大臣と組合との間で行われる法律に基く団交の範囲を逸脱しているということは一つ考えられるのです。これは労使双方の議がまとまらないで、公正な第三者の仲裁、調停にまかしておるのですから、これにまかしておきながら、どうも自分の言うことを聞きそうもないので圧力をかける、デモンストレーションをやるというところに、変った闘争の形式があるのです。そういった意味で事件は比較的に実害は少くても、非常に違法性というものが明確に出てくるのと、政治闘争だということになって、私の団交の範疇ではやれない問題である、これは組合側も認めております。大臣は槽たらしくはないので、大臣は過去八カ月間私たちの言うことを全部聞いてしまったので、私の方が要求しない期末手当まで出しそうな気配がある。その大臣に向ってこういう態度をとらざるを得ないことはわれわれも非常に不本意だ、こういうことさえ言っておるわけでありますから、この間の問題に対しては、これは十分事情を、非常に新しいケースの問題だということを一つ考えていただきたい。私の方は第三者に仲裁をまかしておるのですから、静かにこの判決を待つ、そして判決が出たならば、全くこれに対して従順に従う、こういう立場を堅持いたしておるのでありますから、こういう立場における郵政大臣の職務というものも考えていただきたいと思います。  第二点は、中郵の問題はおかしいじゃないか、中郵の問題は実害があったのです。あるだけでなく、これは相当の、例を見ないほどのものでありました。ところが春闘の一環としてやられた全国九十何カ所というものを見ますと、過去の例からいいますと、もっと実害が大きいと私は考えておったわけでありますが、私たちの予想を裏切って、全国の総体的の実害は予想をはるかに下回った、こういうふうに考えております。でありますから先ほども明確に申し上げたわけであります。ところが中郵は、職場でだけやったというのでなくて、二時間食い込みというものではないのです。これは昭和二十年から相当大きな争議もありましたが、中郵のような例はないのです。これは完全な山ネコであります。しかも八時半に出るものを十時半まで二時間職場を放棄したというのではないのです。一時半からオルグが行って、三時にもう四百名がすでに職場を放棄して、仮眠時間除いても、一番おそく帰ってきたのが午前十一時に職場に復帰しておりますから、その間六時間も八時間も出てこないというだけではなくて、実際やっておった期間、運行しておる汽車をストップしてしまって、途中から放棄しておるのと同じ状態です。しかも集団的にこういうことが行われておるので、このケースだけは、ある意味において悪質である。悪質というよりも非常に大きな結果を招いたということであります。  それから第二の記者会見において四月早々とかいろいろなことを言ったように報道されておりますが、これは新聞記者諸君もそこにおりますが、こんなふうなことは言っておりません。言っておりませんが、いろいろなことからいって看取をされて結局そういうふうにお書きになったのかもしれませんが、私は非常に明確に四月早々にやるというようなことを考えておりません。私自身は二十日のものはもう明確になっておるから処分をしなければならぬとは思いますが、二十七日に引き続いて行われております。また四日、五日やろう、こういうのでありますから、こういう問題をもあわせて慎重にやらなければいかぬという考えを持っております。ただ全然処分者を出さないという考え方にはどうしても立てません。しかし事は個人の人格にも、また非常にむずかしい問題を含んでおりますので、ある意味では非常に慎重にやっておる。しかしある場合には勇気を持ってやらなければいかぬ、こういうように考えておるわけであります。

松井政吉日本社会党

○松井委員 関連。十二時半までということで時間がありませんから、簡単に二点について質問をいたします。大臣、少し言い過ぎがあったのではないかと思うのです。原君の質問の申し上げ方もそうとれた節があったかもしれませんけれども、要するに与党と野党の政策と政策の対決が今次の争議に現われておる、それが総評のスケジュール闘争だという考え方は、これは労働争議については持つべきではない。同時にまたわれわれ社会党の場合は、原君も申し上げた通りに、常に労働組合の立場に立ってものを言わなければならぬのだが、もしあなたの見解から言うならば、二十七日の職場闘争について社会党の議員が、公共性を持つ小業だからというので、全国に手分けをして、あなたの言う通り実害を少くするために必死の努力をやりました。地方の局長からみれば、われわれは感謝されております。自民党はうか、国会議員が一体どうやったのです。善処するためにどれだけ動いたのです。ですから政党対政党の問題ではないのだ、従って政治的問題ではないという見解を明らかにしておいてもらわぬと、これは容易ならぬ問題になる。われわれは自民党と対決するために、二十七日に全国に出動して実害の少いために働きをしたのではないのです。われわれは国民に迷惑をかけてはいかぬという立場からやっておるのであって、自民党と対決をしようとする場合は議会という広場で政策の対決をやります。ですから、その点は誤解を生ずるといかぬから明確にしておいていただかなければならぬ、これが第一点。  もう一つ、スケジュール闘争だというが、これは郵政大臣だけでお答えする問題でなくて、労働大臣なりそれ以外の内閣の責任者に答弁を求める問題だが、国務大臣としてあなた答弁してほしい。たとえば総評のスケジュール闘争だというが、今度の私鉄の争議を見てごらんなさい。今争議に入っておる私鉄の労使間において妥結の線が出たのに、日経連ないしその他外部の方が妥結をしてはいかぬということで、やむなく争議が続いておるのです。これが民間産業に現われてきておるのです。そういうことになると、これは日本の経営者団体と、総評という日本の主軸をなす労働組合との対立が起ってくる。そうでございましょう。全逓の場合はそういう形のスケジュール闘争の民間産業の場合とは違う形で起ってきている。同時にまた今度は政府の立場になれば、公企体については民間産業の労働争議と違った角度において解決をして差しつかえない公企体の建前なんです、公労法の建前なんです。それを民間産業の経営者が日経連という団体から圧力を加えられて、労使間でまさに妥結をして調印のまぎわに至ったのをストップさして、争議に追い込んでいる。この経営者の立場もある。それと同じようなまねを公企体をあずかる管理者がやらなくてもいいだろう。その点の見解を一体どうやっているかということは非常に重大な問題です。これが第二点です。  第三点は、御承知のように現場の局長が警察官を要求したというが、電通の場合も同じなんです。二十七日朝からやっておりますが、電通の場合は現場の局長と組合の諸君との間に合理的な話し合いの上に立って、二十日のようなできごとや全逓の場合と違った形で円満にやっておりましょう。これはやはりあなたもある程度それを認めざるを得ない状態だと思う。ところが郵政の地方における局長のところだけが、警察官との問題を起したという点は、一体これはどういうわけか。こういう問題が一つ起きてきます。これは議論によっては水かけ論になりますから、そういう答弁でもけっこうですが、そういう点をわれわれは今後善後措置を講ずる場合の参考にしなければならぬ、こう思っております。  四番目の二十日の中郵の問題は、あなたの方はひど過ぎたというが、責任者はあの日の朝六時にもう警察官に検挙されているのですよ。それでは円満に最初から出られるわけがないじゃないですか。警察官に朝六時に責任者を検挙させたという行為は、一体郵政省は知っておったのか知らないのか。それとも中郵の局長の依頼によって朝六時にすでに最高責任者を検挙さしたのか、この点は水かけ論になりますが、そういう事実があるのです。だから指導者、責任者はおらないのです。最善の努力をするときにはすでに責任者は検挙されている。そうして警察官と組合側の先着の諸君との間にいざこざが起き始めたので、ああいう形になった。現状はそうなんです。従って責任者を検挙したのでは問題が混乱するからということで、われわれが警視庁に頼みに行ったのは七時です。そういう事実を抜きにして、ひどかったという現象だけではなくて、それは一体中郵の局長が要請をして責任者を朝六時に検挙さしたということになりますれば、これは郵政省内の問題としても、われわれとしても非常に重要な問題なんです。そういう四点について一応お答えを願いたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 お答えいたします。まず第一点は、政策の対決ということを松井さんは言われましたが、これは何か誤解じゃないかと思うのです。私はそういうことを言っておりません。与野党の対決は国会でやればいいのであって、そういうことはないのです。そうじゃなく、法律で定められております団体交渉権、すなわち私が交渉の当事者でありますが、私と組合との間に行うものは経済闘争、すなわち賃上げとか、いろいろな問題に対して交渉するのですが、今度は郵政省との間には何も問題がないのです。十二月三十一日に年末闘争、十一月七日の晩に私と全逓との間に話をつけたときには三月か六月の末まで二四も三六もみんな協定してもいいくらいに、混乱するような状況は一つもありません。でありますから、今度の闘争も二千四百円ベース・アップという問題は、郵政大臣ではなく、第三者の公労委に提訴されている、調停及び仲裁を依頼している。その依頼が自分の方にまずく出ては困るという立場でやっている闘争でありますから、私と団交の範疇にない、こういうので、そうなればもう政治的な色彩を帯びた闘争である。こういうことを言っているので、与野党の対決というようなことは全然考えておりません。私が政治的な色彩を帯びた闘争、すなわち政治闘争というのは、社会党対自由民主党の対決ということではなく、あなた方か今度の闘争に対して実害のないように御努力なさったことに対して私も感謝しているのですから、そういう意味で社会党イコール総評ということになると問題はありますが、全然社会党と総評とは別でありますから、総評のスケジュール闘争の一環としてやむを得ずやらざるを得なかったという状態であり、もう団交の範疇にないというふうに考えられますので、私は少くとも政治的な色彩濃厚な政治闘争だと断ぜざるを得ない、こういうことを申し上げたわけであります。  第二点は、スケジュール闘争じゃないということですが、これは水かけ論になりますが、私の方ではスケジュール闘争だと言わざるを得ないのです。これは実際私たちの間には全然ないのです。とにかく私鉄、炭労に示すものが一体どうかという問題、もう一つは私鉄に千三百五十円出ると思ったが千円だ、それが今度は炭労にも響くので、お互いが関連性を持って相手の出方を見なければわれわれはやれないのですということは、戦術的にはわかります。わかりますが、そういう意味でこういう事態に私鉄が出、この次にはこう出ると思うので、第一波は三月の初めにやっております。三十分の職場内大会時間内食い込みをやっておりますが、二十日にはこれをやる、それでもだめな場合には二十七日にもやるのです。二十七日にもだめな場合には五日にやるということで、中闘が指令を出しております。指令も私たちのところに来ておりますから、そういう意味からいったらこれはスケジュールによる闘争である。大臣の誠意はわかるのだが、大臣ではしようがないのだ、大臣が仲裁を取り下げて二千四百円ベース・アップをしてくれるならばというが、私の方は仲裁という第三者に法律に基いて権限を委譲しておる以上、静かに待つより手はないのですから、こういう状態からいったら、これはスケジュール闘争と断ぜざるを得ない、こういう立場で申し上げております。今、日経連の問題でありますが、日経連は私らとは何ら関係がございません。これは政府と日経連が関係があるということは、社会党と総評くらいの関係であって、日経連イコール政府だと考えられることは、これは私は独断だと考えるのです。でありますから、私は国務大臣として申し上げておるのは、日経連が私鉄の問題や炭労の問題でもってどういうことを言っておられようとも、私はあくまでも公企業というものに対しては、話がまとまれば取り下げても、お互いが話をしようと熱心にやったことは皆さんも認められるのでありますから、そういう立場において、民間のものと逆にこちらがスケジュールを組んで抱き合せようという考えは、少くとも私にはなかったということを明確に申し上げておきます。  第三番日に警察権の問題でありますが、先ほども松井さんが言われましたように、なかなかむずかしい問題でありますので、こういう機会に将来の警察権の運営と全逓との問題に対しては、一つ慎重に考えていかなければいかぬ、こういうふうに考えます。  第四点の中郵の問題も、これも現在取調べ中でありますから、仮定においての議論しかできないのです。六時に逮捕したということは私も聞きましたが、これは郵政の管理者が逮捕を要求したものでは全然ない。これは派生的なものを公務執行妨害か何かでもって警察がやったのでしょう。私の方ではこれはさわらないということで全然さわっておりませんが、逮捕が出たので悪質なものになったということはないのであります。一時半ごろからオルグが入って、三時にはもうすでに職場を放棄してしまった。逮捕は六時でありますから、職場を放棄してから三時間たって逮捕者が出たというのでありますので、職場復帰がもう少し早くできるのに、逮捕者が出たので硬化をして幾らかおそくなったというようなことは考えられますが、いずれにしてもこの問題は今捜査中でありますので、慎重にかつ急速に捜査すべきだという考えであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 今の前段の総評のスケジュール闘争といっておりますが、こういう問題に対してもこれは政治的な闘争を主体にしてやるのだというような意味で先ほども言ったのじゃないし、大臣も答弁していないということはわかりましたから、これでよろしいのですが、それから今の中郵の山ネコ、こうおっしゃった。これは山ネコじゃありませんからね。山ネコという断定をなさることが非常に早計なんです。中央の闘争本部ではこの闘争の起きることを、やはり時間的に非常に無理な指令ではあったのですが、指令を出してやっておりますから。指令というのはあとの収拾のための指令をしているわけです。従って山ネコとこれを断定するのには少しく問題があり過ぎるわけです。というのは、中心になって指導的な立場でこれらの組合運動を掌握していこうとする人間が、まずいきなり検挙されている。このために起きた混乱、これを本部で受ければ、その収拾策を指令するのは当りまえなんです。その収拾策を指令しております以上はとにかく指導的な立場の者がいなくなっているのだから、そうすればこれを山ネコ争議だなどといって割り切ってしまうことはこれは非常に問題がある。ここらから、先ほど私が問題にした中郵の責任者に対して刑事罰といいますか、刑事問題化までされそうな一部の説があるが、こういうようなことは、当委員会で前々から言っている郵政大臣の態度、考え方からいっても、私は少しおかしいのではないか。まずこの中郵の問題を先に申し上げますが、この問題で考えられるのは、郵政大臣という立場では中央郵便局だろうがどこだろうが、その職員というものは、あなたの手足になって働く人間たちの集団なんだ。その中に、他にどんな理由があろうとも、組合活動を指導しようという者がいきなりいなくなってしまう、検挙されて自由に指導ができない立場に置かれた。そのブランクが非常に大きな組合活動に対する混乱を生じたということを考えたら、検挙されたときの理由とかその他の問題はこれは別個に考慮さるべきもので、この理由はAでありBであるからといって、その後に起きた混乱の責任というものはあげてその場所にいた指導者、あるいは中心になって動いた者、これが当然罰を受くべきだというように、切り離して考えることは、私は無理じゃないかと思う。やはり一貫して、中央郵便局の闘争に対しては、これは大臣という立場から言うなら、まず気持の上では、何とかして自分の部下の職員だから、処罰を出すまいという建前で、冷静に一つ内容の検討を行なって、やむなくそういう必要が起きるというときには、世論もこれに対する批判をするでしょう。しかし前段に頭から処分するのだという考え方がもしあるとすると、私は郵政大臣として自分の部下である職員に対する態度として間違いじゃないかと思う。これをなぜ申し上げるかというと、先ごろも新聞に出ていました、こういうような事実はない、こんなことを言ったことはない、記者がどういう感じで害いたのか、ともかくこういうことを言ったのではないのだと、こういうふうに大臣が言われたあとで、しかし今度の春闘に際しては全然処分をしないという立場はとらない、処分はするのだ、その処分の内容等は検討するが、とにかく処分しないということにはちょっとならないだろう、こういうことを先ほどおっしゃった。私はいやしくも自分の部下として働く人間を処分すべきであるという立場をとるならば、どういう理由によって処分するか、事実がどういうふうに認定された結果どのような処分をするのだというようなことまで考えられてこなければ、大臣の立場ではそういう発言はできないと思う。ですから、せっかく大臣が、この新聞にあるような考えを持っていないとおっしゃるのでしたら、そのあとへつけ加えてしかし処分はするのだと、こういう立場を宣明されることは早計ではないか、現段階においては早計ではないか、こういう点疑問に思うのでお伺いしたい。  それから第二にお伺いしたいのは、調停という、法律の根拠に基いて案が出されるのを今やっているのだ、そういう段階なんだ。それにもかかわらず、その調停案は組合に有利に出されるということを目途にして、現在の大会なり春闘というものを組合が行なっている。だからこれは政治闘争だ、こういうような説明がさっきあったと思うのですが、この点もう一度確認をしておきたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 今事件に対しては捜査中でありますから、明確なお答えはできませんが、いずれにしてもこの春闘、特に去る二十日の問題の中で中央郵便局の問題は、非常に遺憾な重態でございます。しかもこれは今原さんが言われました——原さんは国会議員でありて、組合員でございませんから、私もちょっと申し上げにくいのですが、今おっしゃった中に重要な問題があるのです。中闘が摘令をしておる。これは私からあとで申し上げますが、処分は免れないと思っております。処分は免れないと思っておりますが、山闘がこれを指令しておるということになると問題なので、やれという指令はしておらないが、混乱をしたので収拾指令を出した。こういうことを私も了解して、きのうも参議院の予算委員会で指令は出ておりません、出ておるとすれば収拾指令である、でありますから、この問題は特に中央郵便局で起った問題であるので、そこにいた人の責任か、もしくは職場を離脱した四百人の責任であるという、その色彩からいって山ネコである、こう申し上げたわけでありますが、これは捜査中でありますから、どこに責任があるかということは、相当重大な問題の論点になるわけであります。こういう問題がありますので、こもらも非常に慎重にやっておりますし、私自身が承知するところでは、その前の日の晩おそくまで、組合ともお互いに自由に会える状態でありましたから、こんなことを組合の中闘でやることをきめておって、私にも通告がなかったということは考えられませんので、私は中闘は関知しないのではないかとさえ思っております。でありますが、これは状況が分明するまで捜査をしなければいかぬという考えでございます。ただ指導者が六時に検挙されたので、事件の収拾が少くとも時間が延びたということは言えますが、これは指導者を目的をもって検挙したのではなく、何かきっと違法行為を全部でやっておる中にも、特に公務執行妨害とか、いろいろな問題があったでしょうから、そういう意味できっと検挙されたのであって、事態収拾には困難を来たしたという事実は認めますが、この検挙が処分をするということを全然打ち消すほどの論拠にはならないということを考えますが、職場を放棄した三時に——もし犯罪ありとすれば、放棄をした瞬間に犯罪というものは成立するのです。ただこの情状の上でもって、何時間放棄をしたか、また何時間やったけれども中にはこういう事情があったということになると、情状がそこに生まれてくるのであって、いわゆる職場を放棄したという瞬間に問題があるのでありますから、いろいろな処罰をするとしても、情状の問題は相当ありますでしょうが、検挙をしたので全責任が警察にあるというふうには考えられないのであります。  それから処分はできるだけしたくないという気持は今日も変っておりません。私自体が、非常に強そうで気負い立っておるので、ばっさり来るのだろうと思っておったら、何ださっぱり骨がないじゃな。いかと言われてもいいと思いつつ、私は非常に円満に今日までやってきましたが、私の思想、私のものの考え方、私の労働組合に対する、また郵政大臣としての立場から考えるものは、そういう穏便にものを進めよう、しかも歴史の浅い労働組合運動でありますから、ある過程においてはいろいろな犠牲もやむを得ないではないか、また間違いもあるのだということはわかるのですが、今度の場合は三回も警告書を出しておるのです。警告書を出しておりまして、絶対やらぬでくれ、やることは全然ないじゃないか、徹夜をしてもまとめよう、こういうことをさんざん言ったのですが、これは事情やむを得ない、やらざるを得ないのでして、処分も私はもう覚悟しておりますというくらいに——私はこういう交渉さえしたのです。こんなことをしたら全く犬死にになるじゃないか、もっと大きな歴史を築くために死ぬときもあるのだからと言ったのですが、これはもう立場であって、お互いが黙然として死ななければならぬときもあるのですと、こういうことさえ言って、実際にもう違法ということを承知してやっておるのです。しかもこういう派生的な大きな事件が起っているということになりますと、私がいかに個人的に円満であり、何とかして自分の職員に対して穏便にやろうと考えておっても、公けの立場でもって——職員ばかわいいのです。同時に郵政大臣として国民に対して持つ責任も忘れるわけにいかぬのでありますので、これらの問題をいかに調和をするか、その調和点がいわゆる処分案になる、こういうふうに考えておるわけです。でありますので、私は個人的には非常につらい立場にはありますが、捜査が完結すれば何らかの処分はしなければいかぬという考えでおります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 今のように職場を放棄すると直ちに犯罪を構成するのだという言い方をすると、重大な問題だと思う。放棄をするという形は、どういう動機で、どういうふうになされたときが職場放棄だということになるのか、これをよく考えないと、局長だって課長だって、毎日々々日常の中で職場放棄をしている形のことがたまたまあります。ずいぶんあるのです。それはおれは職場放棄をするのだといって宣言をしないで、ずるずると放棄している場合がある。組合側だからといっても、職場放棄、職場離脱、とにかく執務時間にそこにいなかったという認定が職場放棄であるという建前に立って、これを犯罪だということになると、これは重大問題です。とにかく職場を離れていたという認定があれば、それが犯罪だという形になるような判定の仕方というのは乱暴過ぎる。今の中郵の場合でも、検挙するのだって時期もあるし、いろいろな問題があったでしょうが、組合に対する指導的役割を演ずる者が一人抜けますと、非常に大混乱を起して、犯罪意識、いわゆる犯意なんか全然持たない者が、不作為のうちにとにかく放棄するという状態になることすらある。そんなものを全部、その前の経過はどうあろうとも、これは犯罪であるというふうな認定をすることは乱暴だと思う。そういう認定をすると、非常に問題がむずかしくなってくる。だから、大臣の発言というものはもっと慎重な立場でなさるべきではないか、私はこういうふうにその点で思います。  それからスケジュール闘争だというお考えですが、総評のやっているスケジェール闘争というものは、発表されたからスケジュール闘争になるわけです。しかし全逓なり電通が目下やっている闘争というものが、大臣も何回も言われるように、総評がそういう指令をしたので、やむなくその指令に従ってやるので、犠牲者が出ようとどうしようと、時にとってやむを得ないときがあるのだ、あきらめているのだ、こういうようなことを組合の幹部が言ったという発言が先ほどあったのですが、もしそういう発言があったとすれば、それは大臣の聞き違いか、おそらく組合員の言ったことの意思が完全に大臣に伝わっていないか、どっちかだと思います。そういうことはあり得ない、こういうふうに私どもの知る範囲では考える。  それから調停、法律的ないわゆる回答の出るのを今は待っているので、おれはもうやることがない、大臣はこうおっしゃる。問題は、かつて何回か調停案が出たのですが、その調停案が現政府あるいは保守党の政権下において何回実行されたと思うか。政府自体が今日まで調停案が出たその調停案通りに実行した経験が何回あるか、それをお調べになってごらんなさい。今日まで調停案が出れば、必ず政府はこれに従う……(「従っているじゃないか」と呼ぶ者あり)そんなことはない。そういう慣行が今日までなされていると、今日の段階における組合の態度というものはもっと変っていると思う。ところが今日までほ調停案が幾ら出ても、その調停案に対して何だかんだと言って、政府は実施を延期したり、ゆがめたり、行わなかったということの方が、あらゆる過去の実績からいって数が多い。こういうことになると、今日政府はたまたま方針を変えて、これからは調停が出たらそれに従うのだ——いい慣行です。そういうことは正しいと思うのですが、今までの実績はそうでなかった。これからはそうするのだと言って、政府自体が今日の春闘というものに対処するのにこの方が都合がいいのだ、今まではそれに何度も従うということは都合が悪いからやらなかったが、今度は都合がいいと思うから、調停案が出ればこれに従うという態度をとろうじゃないか——政治的な意味で、とにかく政府自体が過去の態度を今日変えてきていることは明瞭です。政府自体が政治的な考慮から、政治的な態度で、かつては実行しなかったものを今度は実行するという態度に変えたこと自体が、それはいい方向に向っているからといって、それをうのみにして、その調停案が出たら労働組合が全部これに従わざるを得ないのだ、従えと言って、過去に何回か実行しなかった政府の責任は全然負おうとされていない。それまでの労働組合というものは、そのおかげでずいぶん苦労をして闘争をやってきた。そのことに対しては何らの責任を今から負おうとしないで、今日の段階では、政治的に考慮をしてみた都合で、どうもまわりから見ると調停案に従った方が都合がよさそうだからというようなことから、政府の方では調停案が出たらこれに従うのだ、今度は組合が言うことを聞かないじゃないか、従わないじゃないかといって、過去のことを全然考えずに、今日の段階で政治的な考慮から、この調停案というものをたてに、何か労働組合に対する形の変った圧力という形で、労働組合を刺激していることは事実です。とにかく過去は信用できないし、実行もしていないが、そういうことを何らかの形で考慮して、政府自体がほんとうの意味でこれを早く平和裏に解決しようとするならば、調停案が千円なら千円出た、しかし過去を考えてみると、ここで過去の罪滅ぼしではないけれども、労働組合の不信というものを一掃するためにも、この調停案に対して政府は特段の考慮をして、これだけのものを今度はプラスするというような考慮が一度あると、おそらくこの問題の解決というものが非常に早くなるじゃないかと思うし、そのくらいのことを、過去の実績に徴しても、田中郵政大臣は閣議の中で思い切って努力をされて、その跡が顕著ににじみ出る、その努力の結果一円になるか百円になるか知りませんが、あるいは全然だめな場合でも、やはりそういう立場に立って、郵政大臣としては謙虚に努力をしてやることの方が、その誠意が労働組合に通じてくる。これが私は非常に重要ではないかと思うのです。そういうことを今日までやっておられたのかどうか。そういうことをやる御意思があるかどうか。調停案が出るのをただ待っておるのだ、今度は法律上定めるところによるいわゆる調停案が出たらそれに従うつもりだ、おれはもう何もしないのだ、こういう態度なのか。これを一つお伺いしたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 大体三つに分けて御質問がありましたから、お答えいたします。第一は、中郵の闘争はスケジュールでない、こういう観点に基いているのですが、これは間違いはどこにもあるのです。スケジュールによった悪賢のものではなく、どこでもそういうふうに職場を放棄しているものがあるじゃないかということですが、これは確かにあります。われわれ自身も、出なければならない本会議に出ない場合もある。四百名全部職場放棄することによって、郵便法上に基くこういう国民に迷惑をかけるような違法行為がここに起きるのだという自覚がない場合がたくさんあるのです。われわれでも、わしが行かなくても、自民党は多いからいいだろうというような考えの者が多いのです。そうしてそういう段階のものが処罰の対象になるかならぬか。違法行為でも、処罰する者、また処分保留にする者、不起訴にする者、微罪釈放する者というように段階があることは御承知の通りであります。でありますから、こういう行為については、意思なき者は罰しない、それから錯誤に基いて行為がなされて、その結果が違法であったという場合は情状酌量の余地があるのであります。不可抗力によって行われた場合は、それは意思なき行為とみなされるということはありますが、さしあたって考えますと、中郵における四百名の職場放棄は、錯誤に基いたものとは考えられないのです。これは私の方から何回も警告を出して、向うも、それでは大へんだろうと思うということは中闘も言っておって、指令は出しておらなかったのだからと言って、十五、六人と相当けんかをして、がたがたと四百名を出しておる。しかもバスも用意してあった、それから旅館も用意してあったということになると、これは山ネコだとやはり考えざるを得ないのです。でありまするが、これは早計に断定することは危険なことでありますから、今調査中でありますので、先ほど申し上げたように、その結論を出すということは大いに慎重であろうということを申しておるのであります。  もう一つ、調停に出しておるのだから、調停に出した場合は私は第三者の裁判判決が出るまでは静かにものを考えておるべきだと思うのです。いわゆる圧力的な行為は民主主義の段階においてなすべきでない、こういうふうに明確に考えております。組合側は少くとも圧力をかけなければいかぬ、こういうことでやっておるので、それでスケジュール闘争でない、こういうふうに言われますが、少くとも第三者の調停を待つ場合、私は、その刑が確定したものを執行を取りやめてくれ、大赦、減刑の嘆願をするということもあります。この間世界を動かしたアルジェリアの問題でありますが、婦人死刑囚に対しての助命嘆願を世界が行なった、これはやはり違法性を持たない合法性の中においてやるべきだと思うのです。ものには限界があるのです。そこで第三者の調停が出ても守らないだろうという政府に対する不信行為をあげられておる、これは私も認めます。でありまするが、まあ出ないだろう、またセロ同等が出たら困る、まだ審議もしないうちにゼロ回答の書類を持ってきた、だから違法行為をあえてしてもこれは違法でないのだという考え方には、私は第三者的な日本人として考えるとそういうふうな気持にはなれない。だからやはり調停に出したならば、政府も組合も少くとも静かにこの成り行きを見る、同時にこれは民主主義を育てることです。同町に裁定が出てもお互いの状態において一体どうすればいいのだ、裁定が出たとはいいながら裁定だけが絶対なものじゃないのだから、何とかもっと考えないですかという場合に私はいろいろなことを考える。少くとも裁定を完全に実施するという線で、正しい労働運動発展の道はたくさんあると思うのです。でありまするが、少くとも今度やったものは——組合側も明確に言っております。どうも圧力闘争になってしまって、圧力の対象は公労委であって私たちではないという状況であることは、はなはだ遺憾だと考えております。  第三は、政府はいつも仲裁や何か出ても過去にやらなかったからとこう言うのですが、岸内閣になってからは絶対に、御承知の通り官紀振粛であります。特に私が大臣になってからは一切まるのみであります。これは御承知の通りであります。でありまするので、少くとも全逓は、だれも信用できなくても郵政大臣は信用できると言っております。今でも言っております。これはお互い民主主義発達の過程においては行き過ぎた行為もありますが、やはり不信用であるからわれわれは違法闘争もあえてやるのだという段階ではないと思う。戦後十二年、十三年でありますから、もう話し合いでやれるということはお互いに認められておるのでありますから、過去の不信用というものを土台にして、何とか一つまとめてみようということが先行していかなければならない、こういう考えでありますが、今度は政府も何回も裁定が出たならば完全に実施する、裁定が出なくても一つ話し合いがつくならばということさえもお互いが話し合っていたのに、ついに組合側はとういう不法行為を断固としてやってしまったということは、これは将来の組合運動の正常な発達のためにも惜しいことだと私は自分で考えております。私は組合とお互いの間にほんとうに話し合いをすれば、こんな不祥事を起さないで十分やり得たという自信を持っておるのでありまして、今度のことはもって他山の石となすでありますか、将来こういうことは絶対にないように、それにはやはりお互いに、あなたの言う通り謙虚さがなくちゃいかぬ。これは政府だけの謙虚さではだめなんです。これは双方が合意をしなければならないのであって、政府の不謙虚だけをいつまでも責めないで、組合も大きな姿で成長したのでありますから、双方がやはり謙譲の美徳を発揮する謙虚な態度でもってものをまとめるということでなければならぬと思います。でありますから、この闘争を機会にしてお互いが謙虚さを発揮して、もっと円満に事が運べる、また運ばなければならないということをつくづくと感じておるわけであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 もう時間がないからあとは保留してやめますけれども、謙虚さなんという言葉をうまく組合にも要求しておるようですが、今日の組合ほど謙虚なものはない、政府の態度よりずっと組合の態度の方が謙虚なのです。さっきも松井さんが言われたように、われわれ自体も組合の謙虚さというものは非常に要求しておる、組合もこれを実行に移しておる。一番謙虚でなければいけないのは、当事者間の場合でいうならば、出す者と出してもらおうという立場でいうならば、出してやる立場の方がより謙虚でないとやはり目立つのです。ある意味では出すということは力を持っている。だからこの人の方が謙虚さというものがほしい。そういう意味から先ほども言ったのに、大臣の答弁を聞くと、かつて今の内閣が不信であったから違法行為は当然やるのだ、これは遺憾である、こう言われましたが、そんなものの言い方を私も前に言っておるわけじゃない。そんな質問の仕方をしているわけじゃなくて、そういう態度や考え方がいわゆる謙虚さがないと言うのです。前が不信であったから今違法行為をやるのは当然だ、こういうような考え方を今組合は持ってはいません。そうではなくて私の質問したのは、現段階において出された調停というものに組合が不満だったというような場合に当然大臣は、過去不信であったことを反省してみて、新しい角度から、しかも謙虚な態度で——組合と民主的な話し合いで常にものを進めてきた郵政大臣の立場からいうならば、大臣は今日の閣内にあって、今まで不信もあったのだから過去を反省して、とにかく調停案が出されたのだが、これにプラス・アルフアしようじゃないかという努力をしてきたか、これからそういうようなことをやろうとする御意思があるかどうかということを第三に聞いたのですから、その点の御回答をお願いしたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 仲裁裁定が出たらそれにプラス・アルフアをするかどうか、これは非常にむずかしい問題であります。これは私自身も組合には幾らでも出してやりたいと思いますし、組合員の給与が高いとは私自身も思っておらないのです。そう思っておるのですが、これは国民の金を預かっておるのでありますし、特に御承知の通り少し年末に出し過ぎまして、今年の三月三十一日にはどうにもならないのです。どうにもならないので、国際通信料を一つ未払いにしようかという非常措置さえも考えておることは、組合員の諸君もみな知っておるのです。大臣、出すと言われてもどこから出すのですか、大蔵大臣ととにかく話をつけるにしても、補正予算を組むのですか、もう二十七日じゃないですか、こういう状態であって、私も非常に苦慮しておるのであります。私はこういうことは出せるものは出す、こういうので、もう全く棒のような答弁じゃないのです。だから全逓の組合の諸君にも聞いてみていただくとわかるのですが、大臣はとにかくわれわれが考えておったよりもよけいに出すのだ——この間などは、花見も近いから酒代の一億も出そうか、そんなにくれるのですかという冗談も言ったくらいに、お互いの間は円満にいっているのです。私に対する不信はありませんので、私は出せる範囲内において最高のものを出したいという考えがございますが、とにかく今仲裁裁定という第三者に裁定をまかしておる段階において、裁定が出たらプラス・アルフアをつけるのだ——プラス・アルフアをつけるような余裕があれば、裁定に持ち込まないでいいのであります。そういう問題もありますので、そういう御質問に対しては今明確な答弁ができないという状態でございますが、いずれにしても裁定が出ればそれをのむということは、どんなに苦しくともこれは当然のまなければいかぬ、こういう考えでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 それではこれで最後にしますが、裁定が出たらそれにプラス・アルフアをするか、こういう質問をしたのではない。調停案が出たのだけれども、不満で今の大会が持たれておるのだ、この間調停案が出たでしょう。——今錯覚を起して間違えて言いましたが、これから裁定なら裁定が出たら、それにプラス・アルフアをするかという問題でなくて、裁定が出たら従おうとするお気持があるなら、今の職員に対して、とにかく郵政大臣としては、少くとも裁定が出たらその額だけで実行するのだという態度で待つという考え方でなくて、過去の実績から反省しても、その間に大臣としてはもっと謙虚な態度で、出し得るものをある程度閣内でも努力をして、その結果を組合に話してもいいのです。裁定が出るのを待っていて、出たらそれでやっていく。それだけの考えでなくて、その間、大臣としてはもっと誠意を持って努力した跡というものを組合員にもわかるように、今努力をすべきだと私は思うのです。それをおやりになる意思があるかどうかを聞いておるわけです。あと与党の方の質問があるそうですから、その質問に関連の必要があればさしてもらうということで、私の質問は一応終ります。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 私が少し努力し過ぎたというきらいもあるのです。それは原さんも十分知っておられて、そういう御質問があるのは私はおかしいと思うのです。実際田中が仲裁裁定に持ち込んでおりながら、要らぬことをしたという議論が飛ぶくらい私は努力したのです。これは全部が認めておる。でありますが、公けの席上、また明確に一応第三者の仲裁にまかした以上、私は要らぬごとを言っておりません。こういうことを明確に答弁しておりますから、その通りでありますが、答弁がその通りだからといって努力しなかったということにはならない。努力し過ぎて少し第三者の仲裁委員の権限を侵したのじゃないかとさえうわさが出るくらい努力をしておるのですから、そこは一つ大いに認めていただきたい、かように考えます。現在の段階になったら、やはり法律に基く第三者の仲裁裁定を政府として申請をいたしておるのでありますから、いずれにしてもこの仲裁裁定が早く出て、労使の間が円満にいくことを期待いたしております。聞くところによると、明日は出るのじゃないかということでありますが、明日といわず今日でもできるだけ早く仲裁裁定を出して、この裁定委員会も勇気を出してこういうものを早く出して、早く混乱を収拾するということにしていただくように、心から願っておるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員長代理 上林山榮吉君。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 時間がないのでまことに残念ですが、この問題は重要な問題でありますので、もっと明確にしておきたいと思うのでありますが、簡単に一、二の点だけを申し上げて次会に譲りたいと思っております。  大臣は先ほどの質疑応答の中で、比較的実実が少かったと言われたのでありますが、これは自分が思っていたよりも実害が少かったという意味であると訂正をされたのでありますが、私が先ほど申し上げたように実害は相当大きいのであります。三月二十日の状況を見ましても、配達持ち出し不可能が通常で六十万通、小包で三万個、内務未整理が通常で七十万通、小包で三万八千個、配達は平常より三時間程度おくれたというものも相当別にあります。なお配達郵便物は、一日の取扱い量の三割が翌日まわしになった。これは二十日の問題でございますが、二十七日も大体これと同じような実害を与えておるのであります。そういうような状態で、これを国民の側から見ると重大な実害を与えておるのだ、こういう明確な判断にお立ちにならなければならぬと思うのであります。円満はよろしい、大いに円満はよろしい。だがその円満の名に隠れて、こういうような事実の認識を変えるということは、私は絶対に不賛成であります。そういうお考えじゃないとは思いまするが、実害が少かったのだ、こういうように簡単にこれを片づけられることは、私はまことに遺憾であると思うのでありますので、これにお答えがあれば答えていただいてもいいのでありますが、私はそういう意見を持っております。  なお中労委の中山会長が、日本の労働争議にはスケジュール闘争が多くて困る、世界にその例を見ない実情である、こういう発表をして今次の春闘を批判しておられるのでありますが、先ほど大臣もやや明確にお答えになりましたけれども、再三注意を喚起し、組合とも話し合いをしながら、次々にスケジュールを立てて調停その他に圧力を加えておるという行き方は、私はあくまでもスケジュール闘争である、こういうように考えるのでありますが、何だか円満な答弁をしようという立場から、他の委員の発言に対してスヶジュール闘争のようにも思うといい程度にだんだんお話が変ってきたように思うので、スケジュール闘争であると断じないところに、田中の性格が私は現われていないので、まことにこの点は遺憾とするのでありますが、これをどう思っておるか。  さらに時間の関係で申し上げますが、昨年度も政府は裁定を守って実施しておるのでありますが、今回も裁定を完全に実施する、こういうことを言っておられるが、それはそうだと思うが、これも今回の裁定については、完全に自分は全責任を持って実施に移すように努力をするという点を、明確にせられなければなりませんが、こういうことがはっきりとわかっておるのにこういう闘争をするということは、これは私は明らかに総評の一環である国鉄が、この前国民の非常なる憤激を買ったために、今回の春季闘争では、見方によっては第二線に下って、しかも第一線で国民の非難を覚悟で悪役を引き受けたのが全逓ではないか、こういうようにわれわれは分析をしておる。これは、大臣と全逓との話し合いの内容を私は信用するのでありますが、そういう話し合いがありながら、しかもこういう闘争の先頭に総評から立たされ、しかも違法行為をあえて行なっておる、こういうことは、全逓の健全なる組合の発展のためにまことに悲運であろうとすら考えておるが、私は二月八日の衆議院の予算委員会において本問題を取り上げたのであります。労働大臣との間に質疑応答をしたのであります。そのときには、すでに総評の決議というようなものは、春季闘争のスケジュール闘争の一環としてこれをやるのだということを明確に宣言しておる。その配置も終っておった、こう実情から考えてみて、これはスケジュール闘争であり、政治的闘争である、こういうように考えるのであって、単に円満に事を運はうとする意味から質疑応答される気持もわかります。また公式論だけでは世の中はいかぬのでありますから、これも私はわかる。わかるけれども、事実の認識という点について、私どもはそんなに甘く分析しておらぬ。だから私は、総評傘下の有力なる組合として、全逓を総評が見ておることは事実だと思っておるのでありますが、大臣がお困りにならなければ、この議場で私はこの点は明確にしておくべきであると考えます。  時間の関係があるから全部続けますが、さらに東京中郵の事件は、大臣もこれは山ネコ争議だ、まことに遺憾である、こういうような意味で答弁をされておるようでありますが、宿直員が四百名も職場を離脱して、バスが用意してあってそれに乗って、しかもあらかじめ旅館を予約してあって、そこに大体においてみんなが行ったというこの事実は、いわゆる公共企業体の大事な事業を国民のために預かっておる健全なる組合員であれば、こういうことをなさなかったと思う。大部分の者はそういう国民の健全なる奉仕者であるということを考えておられるだろうけれども、これをいわゆる指導した人々がそういう意識を持っておったかどうかは、はなはだ疑問とするところであると私は思う。だからそういう意味において、この点は今郵政省だけの仕事ではなしに、すでに地検やあるいは警視庁等の問題にもなっておるので、私どもはこれを刺激的に批判しようとは思いませんが、この点は一つ田中郵政大臣の個人的な人情は人情、あるいはでき得る範囲の平和的解決は平和的解決、それとは別個に国民の前にこの事件の真相を明らかにすることこそが、片や全逓のためでもあり、郵政省のためでもあり、国民のためでもあると思うので、私はこれにはしっかりした態度をもって臨んでいただかなければならぬと思いますが、どういうふうにお考えになっておるか。しかもこの事件は、郵便法の第七十九条、いわゆる「郵便の業務に従事する者がことさらに郵便の取扱をせず、又はこれを遅延させたときは、これを一年以下の懲役又は二万円以下の罰金に処する。」「郵便の業務に従事する者が重大な過失に因って郵便物を失ったときは、これを二万円以下の罰金に処する。」こういう規定がはっきりとあるわけでありますが、これを適用するか適用しないかは、それぞれの検察庁あるいは所管の他の役所がきめるでありましょう。これは郵政省のきめるべきものではありませんが、これに当るほどの重大な事件だ、この嫌疑が濃厚であるということで、おそらく検察庁は活動を開始しておるものと私は信じておる。そういう意味から、この事件というものはただ円満の名に隠れて処理するという段階ではもうない。だから、そういう意味でわれわれこの事件を見ておるが、これも大臣の立場上お差しつかえあれば御発言を遠慮されていいと思うが、差しつかえないとすれば、こういう疑いのもとに検察庁が活動をしておるということを聞いておる、これくらいのことは御発表になっていいと思うが、これも私は国民に知らしておかなければならぬ点だと思います。  さらにもう一点申し上げたいことは、先ほども申し上げた通り、職場大、会は時間内のものを含んでこれは違法であるということは、もう大臣も明言せられた通りなんです。ところがこの職場大会を開くときには、その職場の貸与を許可する者は管理者でしょうが、今回の職場大会についてはもちろん管理者の許可はなかったと思うのですが、これは管理者の許可があったのかどうか、また職場大会というものは、私は見ようによっては街頭でデモ行進をやるよりも、いわゆるその官の所有する職場のその建物の中で職場大会をやることは、ことに時間内に食い込むことは、街頭のデモよりも見ようによっては重大な問題だと思う。簡単な事務的な許可とか、話し合い程度のものではないと考えておる。これは街頭デモよりおそろしいのですよ。こういうような意味において、この取扱いはどうであったのか、将来職場大会に対して管理者はどういう考えでこれを許可するのかしないのか、この点なども明らかにしておかれたいと思います。  まだ重大な問題が数点あるのでございますけれども、時間の関係で一応この程度にいたしますが、一つ大臣の、それこそ大局的見地に立っての御所信を表明せられたいというのが私の質問の趣旨であります。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 上林山さんにお答えする前に、さっきちょっと御発言がありました問題についてまず申し上げますが、政府が今やっておりますのが調停か裁定かでありますが、これは仲裁裁定を申請いたしておりますので裁定でございます。  それから中央郵便局の事件を含めて、これも二十日に行われたものが実害がなかったということを私が申し上げたのは、比較的実害がなかったというのはこれはもう常識論であって、非常に大きな問題が起きると思っておりましたら、ただいま上林山さんから述べられたくらいの配達遅延その他でありまして、そういう意味から言うと私が考えたよりも実害が少かったということであって、国民に相当大きな被害を与えているということは自覚をいたしております。でありますので、実害がなかったというような言葉のあやに隠れて、国民に非難せられないようにというようなことは全然考えておりません。これは当然厳粛にこの事実を認めて、遺憾の意を表しているわけでございます。  スケジュール闘争かどうかということですが、これは完全にスケジュール闘争であるということを私も明確に申し上げているのであって、円満をはかるために何か私がスケジュールでないような発言をしたかのようなお話でございましたが、私はもう初めからこれはスケジュールだと言っておりますし、警告書にも公文書で、スケジュール闘争は非常に違法なことであって遺憾なことであるから、即時撤回せられたいということを私は言っておりますので、これはスケジュール闘争であるというふうに私は考えております。  それから第三点は、裁定は完全に守るかどうかということですが、裁定が出れば当然完全にこれを実施するという覚悟でございます。  それから全逓は悪役を引き受けているのじゃないかという実情論でありますが、私もそう思っているのです。去年ちょうど国鉄が非常にひどい自に会ったときには、全逓はうしろにぶら下っておったような状態であり、うまいことをやったから、今度は一つ全逓が前面に立ってもらうのは当りまえじゃないか、こういうことで全逓は非常につらい立場に追い込まれたと私は思っているので、全逓の立場に対しては同情しております。これは人間として、非常につらい立場に追い込まれたというような問題に対しては情状の問題のときに当然考えなければいかぬ問題であって、私はそういうことは十分考えております。郵政大臣との間に円満に話がまとまり、またあまり問題がないにもかかわらず全逓が独自でやったということになると、これはもっと大きな問題が起きて参りますので、私は全逓の立場を十分了解しているつもりでございます。  それから申郵事件に対して、悪質であるかどうかということですが、これはもう悪質であります。これは私は明確に言っておるはずなんですが、どうもちょっと誤解があるようでありますが、これが正常な争議行為から起きた派生的な事件というように百歩を譲ってみても、これは山ネコであり、非常に亜質なものであり、困ったものであると考えております。でありますので、郵便法七十九条が適用されるのではないかというような容疑で現在捜査が進められておりますが、これはやはり公労法十七条、十八条において処分を受けるだけをもって、郵便法七十九条の適用から除外されるものではないと考えております。郵便法七十九条の違反容疑が濃厚であるということはきのうの参議院の予算委員会でも申し上げておりまして、これは私が昨年就任してから、十二月でございましたか、全逓に対して違法行為を例示して、これは公務員法第何条に抵触する行為である、これは公労法第何条に抵触する、これは郵便法七十九条に適合するというふうに、省としては相当明確な法解釈をして参っておりますので、そういう意味から見ると、郵便法七十九条違反の疑いが濃厚であるということは私の方でも考えております。  それから職場大会の許可の問題でありますが、今度の問題に対しては管理者は許可をしておりません。おりませんので、おおむね職場を離れて全然別なところでやっておりますし、中に非常に優秀なと思いますのは、楠公の銅像の前で二百人も集まっておるというような状態で、職場を離れてやっております。職場大会を管理者が許可をするとしても、絶対に建物の中でやってはならないということはないと思うのです。これはやはり正常な組合活動であって、職務に支障を及ぼさないということであれば、あいている部屋をお使いなさいということはいいのですが、スケジュールによって職務に支障を来たすということであっても強行するという職場大会に対しては、従来の方針通り公共の建物は使用せしめないという原則を貫いていく考えでございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 あと一点だけお伺いいたしますが、処分は慎重に、そして官の秩序を守り得るようにはっきりと、信賞必罰を明らかにするという意味で、残念ながら断行すべき場合は断行しなければならぬと私は思いますが、いわゆる処分後の問題として大臣に一点伺っておきたいことは、御承知の通り国鉄の解雇者は団体交渉の相手方としないという政府の方針、そのために国鉄の組合は、現段階では不十分ではあるけれども、その徴候を見せて、いわゆる解雇された以外の者を組合の役員に選出して、そうして団体交渉を継続するという態度をとっております。まだまだ不満足でありますけれども、私はいい方向に進んでおるものと考えるのでありますが、全逓の組合の幹部の諸君の中には、さきの闘争において処分を受けた者がおるわけでありますが、さらにこれらの人々が大臣の再三の警告や話し合いにもかかわりませず、今日こういうことをやって、これは場合によればそれこそ解職に相当するかもわからない。私どもは深く研究はしておりませんが、きわめて常識的にこれを考えると、そうなっていくものと断ぜざるを得ない。その場合これらの人々が再び組合の役員として団体交渉をしようとした場合、大臣は国鉄の問題にならっていかなる方針で臨まれるつもりか。この点は今後の日本の労働運動を、それこそ正常化する上において、弾圧ではなくして大事なやらなければならぬ点であります。決してこれをやることは弾圧ではありません。これは労働運動を正常化する前提として、きわめて率直に取り上げて処置しなければならぬ問題だ、こういうように考えるのでありますが、これに対する所見を伺いたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 これらの問題に対しましては、政府といたしましては出すものは出し、尽すべきものは尽すというまじめな考えを持っておるわけでありますが、明らかに非違行為があり、不法行為があるものは厳重に処分しなければならぬという考えであります。  それから停職者及び退職者、解雇者の問題でありますが、これは現在の法制の建前からいいますと、国鉄がどうあろうとも、当然私といたしましては職員の身分を喪失した者は組合員とは認めないのでありますから、組合代表者としての交渉には応じないということは、これは当然であります。停職者の問題が出ましたが、停職者は身分を喪失しておらぬのでありますから、これは組合員であります。停職が解消すればまたそのまま職員としての俸給を受けるわけでありますから、この停職者までが、組合員として団交の責任者としてくるのは不適当じゃないかという御意見もあるようでありますが、これは停職を受けておる者は自発的に交代をして、実際処分を受けておらない者が交渉することが、円満に双方の協議を成立せしめることだと思います。思いますが、これは相手の考え方の問題でありますので、停職者は原則として身分を喪失しておらぬので、これを解雇者と同等に組合の代表者と見なさないというようなことも考えておりませんが、少くとも職員の身分を失った者、すなわち処分による解雇を受けた者は組合の代表と認めないという考えであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 こまかい問題はやめますが、スケジュール闘争は政治闘争だ、こういうふうにお二人の御意見で割り切っているが、もしスケジュール闘争というのを平たく解釈して、スケジュールなしでやった闘争とはどういうものですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 これはどうもスケジュール闘争というのは、お互いがそういう表現を使うのであって、スケジュール闘争であり、政治的な色彩が非常に多いということであって、スケジュール闘争イコール政治闘争、政治闘争イコール・スケジュール闘争というのではない。これはもちろん別々に起り得るのであって、今度の闘争はスケジュール闘争であり、政治的な色彩の濃い闘争である、こういうふうに思うわけであります。(「そうだよ。そうだよ。」と呼ぶ者あり)

原茂日本社会党

○原(茂)委員 今上林山氏はそれはそうだと言っておるが、速記録を見ればわかる。彼ははっきりスケジュール闘争は政治闘争だと言い、大臣もそうおっしゃっておる。記録を見ればわかる。これは速記に書いてある。今のように政治的な色彩が濃厚になっていると判断するのは勝手だ、自由です。自由ですが、スケジュール闘争そのものは政治闘争ではない。こういうことをはっきりしておいてもらいたい。この問題はまた次の委員会において、事態の推移を見てからやります。

森本靖日本社会党

○森本委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時三十七分散会

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