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28回国会衆議院1958/03/27

逓信委員会 第18号

発言数
60
登壇者
7
会派数
2
開催日
1958/03/27

会議録

片島港日本社会党

○片島委員長 これより会議を開きます。  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題として審査を行います。  質疑の通告がありますので、これを許します。竹内俊吉君。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の改正の趣旨は、小切手払いを利用する加入者の利便をさらにはかって、小切手の呈示があった場合において直ちに小切手金額の現金を支払うことができるようにする、つまり小切手利用の範囲を広げて、商取引その他に利便を与えるということが眼目になっておるのであります。これは大へんけっこうでありますが、本日の朝日新聞朝刊に郵便小切手詐欺の記事が出ているわけであります。これを読んでみますると、振替貯金という非常に高度の信用を持っております制度を利用した悪質の小切手詐欺が、ひんぴんとして行われていることが報道せられておるのであります。この犯罪の手口を新聞面だけでありますが、これを追ってみますると、この振替貯金法による郵便小切手の制度そのものにも若干の欠陥があるように感ぜられるのでありますが、現在どういう方法でこれをおやりになっているか、まずその点を簡単に御説明願いたいと思います。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。現在この小切手帳の売り渡しは、だれでも振替貯金口座に加入いたしまして、加入いたします場合には基本料といたしまして三十円を納めなければならないのであります。そうして申し込みをいたしまして、番号をもらいまして口座に加入いたしますと、即座に今度はもし小切手払いをその人が利用いたそうといたしますれば、郵使局を通じて地方貯金局に口座番号、氏名、事業所の名称、数量、代金を記載した請求書を出しまして、それによりまして中央貯金局から小切手帳、これは五十枚つづりでありますが、一冊五十円で売り渡すということになっている次第でございます。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 普通銀行等における小切手の場合は、御承知の通り口座を開設するという場合には、相当信用調査をして、商取引の従来の実績その他預金の出し入れ等のことをかなり詳細に調査しなければ、口座を開かないというのが大体銀行業務の慣行であります。従って小切手で取引できるという状態はかなり信用のある状態を意味するわけでありますが、ただいまの御説明によりますと、口座加入料三十円払って、あと小切手の実費と申しますか、五十円の小切手帳代を支払う手続をとれば、だれでも小切手帳は手に入る、こういうしかけになっているようであります。そういたしますと、この犯罪のよって来たるところには、そういう信用調査ができていないというところに一つの原因があるようであります。この点は、そういう調査をして小切手の利用まで至るということは、今の制度からはできないということになりますか、その点いかがですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 現在の法律の建前といたしましては、振替貯金の加入者の信用状況を一々郵便局で調査するということは一応できない建前になっておりまして、また実際上も一々信用状況を銀行のように調査いたしますことは、なかなかむずかしいことかと考える次第でございます。今までこういった犯罪がほとんどなかったのでございますが、あとからまた監察局長からも説明があるかと思いますが、最近に至りましてこういった新聞に出ましたような犯罪が起きましたので、私どももそれが対策につきまして早急に検討いたしておる次第でございます。ただいま私ども欠陥と考えられます点は、現在では郵便局でなく、たくさんの郵便局を所管しておりまする地方貯金局におきまして、申し込みがあればすぐ小切手帳を売り渡すということにいたしておる点に多少欠ける点があるかと思います。今度は地方貯金局ではなくて、郵便局におきまして小切手帳を売り渡す、しかもその際には本人あるいは代理人に郵便局に出頭していただきまして、そこでよく話をいたしました上で小切手帳を売り渡すということにいたしたい。それから現在は払い渡し郵便局を、指定することになっておりますが、小切手帳の中に支払い人という欄がありまして、ここはほんとうは加入者の方で書く建前にいたしておるわけでございます。それを私ども考えまして、今回の犯罪の関係から見ますと、払戻し郵便局はきまっておるにもかかわらず、加入者の方で勝手にいろいろな郵便局の名前を書き入れまして、全国をまたにかけましてやられておるということでございますので、今度からは早急に、この支払人とありますところへ、払い渡し郵便局を五十枚全部に印刷いたしまして売り渡すように改正いたしたい。これは規則を改正することによってできますので、早急にこれをやりたい。そういうことになりますれば今度は受け取る方の側で、ここにはっきりと払い戻し郵便局名が書いてないものは非常におかしいことになりますし、また書いてありましても、たとえば東京における菓子屋さんが大阪の郵便局ということを書いてありますものは、そこまで受け取りに行くわけにはいきませんから、これははっきりとそういうことを確かめて受け取るように私ども周知させまして、従ってその点を偽造できないというように改めたいと考える次第でございます。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 従来の郵便小切手には、支払いの郵便局を指定することに規則ではなっておるのですか、なってないのですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 払い渡し郵便局は加入者一人につきまして一局ということに法律の建前ではなっておりますが、地方貯金局で発行いたしておりました関係上、一々全体の小切手に払い渡し局名を印刷せずに、加入者の方で払い渡し郵便局ときめられた同名を書くという建前にしておったのですが、それが悪かったのではないかと思っております。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 規則では払い渡し局を指定することになっておったのだが、従来小切手を出す場合にはそれを本人が書くということに指定しておらなかった、小切手を渡す場合に書き入れなかったという点が、犯罪をたやすくした一つの、原因だと思います。それを今度は小切手を渡す場合に印刷なり何なりで同名を指定する、それによってその局だけしか利用できないことになるから犯罪の防止になる、こういうことでありますか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 ただいま御質問の通りでございます。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 新聞によると、これは法律上は有価証券ではないとありますが、小切手法に適用する小切手ではないのですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 新聞に出ていることは監察局の係官の間違いでございまして、有価証券であります。昭和二十三年に振替貯金法が新しくなりました際に、全面的に小切手法の適用を受けるれっきとした有価証券であることは間違いありません。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 そうなりますと指定郵便局に持って行って現金化するということは、大かたそうなりましょうが、あるいはそうでない手形交換所に回るということもあり得ると思いますが、そういうことはどうでしょうか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 手形交換所に回る際もございますが、それは大体受取人が銀行等に自分が持っております預金に手形交換を通じてから入れてもらうために、手形交換に出すような場合もあります。ところが手形交換は手形交換に落ちること、不渡りでないということを確かめてから銀行の口座に入れることになっておりますから、これは払い渡し郵便局に出した場合と同じように、手形交換でこれはだめだということがはっきりするわけです。手形交換に出す場合には、必ず払い渡し郵便局の所在する手形交換所しか取り扱えないことになっておりますので、全国至るところの交換所にかかって、わからないということはありません。従いまして先ほど申し上げましたように、支払人のところにはっきり払い渡し同名を印刷いたしますれば、手形交換をいたしますものはその土地の手形交換所に出るわけでありますから、先ほど申しましたと同じように防げるのではないかと考えております。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 手形交換の場合は、必ずしもその土地の交換所にかかるとは限らない。ただしそれ以外に方法がないとすればやむを得ないが、郵便局名を指定することによって、こういう犯罪はほとんど防遏できるという確信はありますか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 絶無とは言い切れないと思いますが、これによりまして現在の七、八割までは防げるのではないかと思います。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 これは申し上げるまでもなく小切手で、呈示証券同様の有価証券でありますから、しかも金額に限度がないということでありますから、この犯罪の事実にかんがみて、今後よほど慎重に実務の上においても制度の上においてもお考え願わなければならぬと思いますが、監察当局はこの問題についてどういうお考えを持っておりますか。

荒巻伊勢雄郵政事務官(監察局長)

○荒巻政府委員 小切手の発行せられました場合に、これを書いて受け取る場合にだまされるという状態があったわけでありますので、警察側と私どもよく連絡いたしまして、この手口等について検討いたしまして、警察側といたしましては無線等によりまして全国手配をいたしております。また省側といたしましては、郵便小切手の詐欺事件があったからということで、地方放送並びに全国放送で警戒するようにということで注意を払ってきております。また東京郵政局管内におきましては、郵便局に掲示いたしまして、最近こういう事件が非常に多いから、郵便小切手の取扱いについては十分御注意していただきたいというふうに、商店街などの方々に特に御連絡申し上げているような次等であります。なおこの件数につきましては、最近に至りますまでおおむね全国で四十四件、東北地方を主体といたしまして、最近では関東地方まで事件が出て参っておりますけれども、ただいままでのところ大体二件の犯人が逮捕されております。第一の方は、山形地方貯金局の口座を利用いたしました小切手でありまして、これは本年の一月六日秋田県の本荘市におきまして逮捕いたしました。郡山口座の方につきましては、目下捜査中でございます。このほか仙台地方貯金局に従来口座を持っておる人が、除名処分を受けたにかかわらず、その後不渡り小切手を出しているという事件がございまして、これまた十八件、四万七千円にわたるような被害がありましたので、これも警察側と共同捜査いたしまして逮捕いたしたということでございまして、現在までのところ、三人のうち二人は警察側と協力して逮捕しておる。この一件につきまして目下捜査をし、また利用者に対して御注意を申し上げているという状況でございます。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 この問題は小切手に支払人の指定を、小切手帳を発行する場合に今度ははっきりと記載するということによって、これを防ぎたいというのが当局の考え方のようでありますが、私はそれだけでは必ずしも安心はできがたいように思うのであります。この問題は郵便為替事業全体の信用にかかわる大きい問題でありますから、実際の取扱い上格段の御注意を要望して私の質問を終ります。

片島港日本社会党

○片島委員長 森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 きのう大臣に御質問申し上げておった点についての回答を伺いたいと思いますが、大臣がまだおりませんので、あとで大臣が来られてからその点をお尋ねいたします。今の竹内委員から質問のあった点でありますが、私はこの点についてさらに補足して質問をしておきたいと思います。その前に、この振替貯金のいわゆる口座に置く金の金額の制限というものは、現在の条文においてはありませんか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 ございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでこれは金利は幾らですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 金利は一カ月のうちに一日でも現在高のゼロの場合がございますれば、その月は全然利子をつけない。三十日間毎日現在高がありまして、そのうちの一番低い現在高に対しまして月二分二厘八毛の割で利子をつけておる次第であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは税金関係については、全然無税ですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 税金とは関係ございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはこの前の郵便年金法の改正のときにも問題になりましたが、これが悪用せられると、この点については金額に制限がないということになりますと、極端にいえば、何億円この中にほうり込んでおいてもかまわぬわけですね。それは税金も全然かからぬ。財産を隠しておくについては一番いい手段ではないか。たとえば郵便年金についても、これは一ぺんに四百万なり五百万のものを支払いをしておいて、そうしてほとぼりがさめた時分にこれを取ってくればいいわけであって、そういう点でこの振替貯金の場合については、これは差し押えその他についてはどうなるのですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 現在私どもの方といたしましては、振替貯金は御承知のように送金の手段でございまして、そういった個人の方で税金のがれのために数百万も二分二厘八毛で捨てておくというような例は、現在のところ私どもとしては見つけておらぬわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 私が聞いておるのは、差し押えその他についての関係はどうなっておるかということです。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 差し押えその他は一般の例によりましてできるわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この点はしかし郵便年金と同様であって、そういうふうに悪用すればかなり悪用できる点もあるわけでありまして、特に財産の秘匿というような点から考えますと、そういう点もありますので、この点も一つ今後は十分に検討してもらいたいというふうに考えるわけであります。それから今の小切手の犯罪の問題でありますが、この小切手の金額の制限はないのですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 小切手の金額の制限はございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると先ほど言ったように小切手帳を渡しておいて、その小切手帳を渡す場合には、わずかな金額でいいわけであります。そういうことになりますと、これは現在高とこの小切手を出す場合との関係を何か規制をするというような方法は講ぜられないものですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 ただいまの御意見のように、あるいは小切手帳を売り出す場合には、基本料金のほかに幾ら幾らの口座がなくちゃならぬということにいたそうとすれば、法律を改正してできないことはないと考えられるのでございますが、現在までにおきましては、私どもはなるべく振替貯金の口座をむしろふやそう、なるべく簡便に利用していただこうという考えでおりましたので、そういったことを考えておりませんでしたが、今後はそうした点につきまして研究してみる必要はあるかと考えます。

森本靖日本社会党

○森本委員 その点を考えないと、これは単に偽造だけではなしに、小切手帳そのものを悪用するおそれが多分に出てくると思うのです。今の新聞の分について私はたしか偽造のものじゃないかと思いますが、そうでなくして、正式の郵便小切手帳に金額に制限がないということになりますと、これを書き込んで相手に渡す、ところが実際の口座の金額はない、これは払い渡し局に照会をしなければわからぬ、またそれから払い渡し局に照会をしても、実際にその手続をとってない場合にはもとの貯金口座まで照会しなければわからぬ。そういうことになると、これは受け取る方としてはどこへ問い合してこれをもらったらよいかということになるわけです。この小切手は確実ですかということを、どうやってもらう本人は確認をしてもらうかということです。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 今までは郵便局に振替貯金の口座がございませんで、一々小切手を払い出し局に呈示いたしますと、電報なり電話なりで貯金局へ照会いたしまして、現在高があるということを確かめて払い渡すということになっておりましたが、今回国会にお示ししております法律改正によりまして、今度は払い渡し郵便局に受け払い簿を設けまして即座に払い渡すということになりますので、今度からは先ほど竹内先生の御質問にお答えいたしました小切手の支払人というところに払い渡し郵便局をはっきりと印刷いたしますので、今度受け取った方はその郵便局に御照会いただけば、現在高があるかないかということがすぐわかるようなしかけになるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 その現在高の受け払いを局に通知するというのはその口座の全金額ですか、そうではないのじゃないですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 振替貯金の全金額ではなくて、小切手払いのためにする口座を分けまして、今度は小切手払い用の口座の現在高を郵便局に通知することになっておりますので、この小切手で払い渡されるものは小切手払いの口座になくては払えないことになるわけでありますから、その他の振替貯金の分とは別勘定であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、現在この小切手が確実であるということを考える場合には、その払い渡し局に照会をするということが唯一のことである、これしかないとこういうことですね。つまりこの振替貯金の小切手が正当に支払われるかどうかということについては、一ぺんはどうしてもその払い渡し郵便局に照会をしてみなくてはわからぬということですね。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 今度からは結局小切手を商取引その他で受け取られた方がその振出人の名前を見て、これは信用できる人だとわかる場合は別といたしまして、もしわからないような場合、かりに東京で受け取って大阪の払い渡し局名だというようなことであれば、これはおかしいということになるわけでございまして、一応疑わなければならぬ。それが東京のどこの郵便局と書いてあればそれへ照会するということであります。それから大体今回の犯罪等におきましては、お菓子を買うとか、ちょっとした化粧品を買うというようなことに郵便小切手を使ってつり銭まで取っておるということでございますので、かりに百円くらいの買いものに二万円とか三万円の小切手を出されて、つりをくれというようなときには、受け取る方は御自身が注意していただくように、私どもラジオあるいは新聞を通じてよく趣旨を徹底するようにいたしたいと考えておるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 今の答弁は常識的なことであって、それはみんなが考えておることです。私はそういうことを聞いておるわけじゃないのです。払い渡し郵便局に照会するのが一番確実であるのかそうでないのかを聞いておるわけです。こういう記事が載っておるから、竹内委員も私もこういうことを二度と犯してはいかぬということで質問しているし一般の国民もどういう道があるのか聞きたいと思っている。ですからそれが唯一の道で、他に方法はないかということを聞いているのです。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 御趣旨の通りでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 払い渡し局の指定をする場合、AとBとCというふうにする場合があるのじゃないですか。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 一局しか払い渡し局の指定はできないことになっておりますので、AとかBとかいうことはございません。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 ただいまの問題に関連して一言お尋ねしますが、払い渡し局を指定して、その小切手を受け取った者が払い渡し局に幾ら入っておるのかと問い合すのか、あるいは小切手に五万円と書いてあるが五万円入っていますかと照会するのか、その辺の事情はどういうふうに考えておられるかを承わっておきたいと思います。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 郵便局におきましては個人の口座の現在高をみだりに教えてやることは避けたいと考えているわけでございます。従いましてだれだれの口座が幾らあるかというような質問に対しては答えないわけです。こういった取引で郵便小切手を今もらってつりをくれと言われておるのだが、この小切手は大丈夫でしょうかという問いに対しては、それで大丈夫だとか、現在高がございませんからあやしいということをお答えすることに相なるわけでございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 ただいまの答弁で私は大体了承できるのでありますが、御承知の通り秘密を保持するところに、相手方の信用の保持ないしは郵政事業における貯金その他の事業の拡充がなされるわけで、そういうものが起った場合に今のような答弁であるといいけれども、かりに幾ら入っておりますかと聞かれ、三万円入っておりますあるいは五万円入っておりますということを先に言うのでは困ると思うのです。今言うように小切手が五万円のものであるが五万円入っておりますか、入っておりますという程度の答えならば差しつかえないけれども、それには限度がある。この点は管理者側として末端によく徹底するように注意を喚起しなければならぬ点だと思うので、関連してこれだけ質問しておきます。

加藤桂一郵政事務官(貯金局長)

○加藤(桂)政府委員 お示しのようによく注意いたします。

森本靖日本社会党

○森本委員 昨日私が質問をして大臣に回答を求めてあったのについては、本日大臣がお見えになりませんが、この法律をかりに上げるということになりますると、その前にその回答を願いたいと思うわけであります。これについては政務次官の方から回答できますかどうか。

片島港日本社会党

○片島委員長 森本君、政務次官は昨日出ておられませんし、その問の事情をよく御存じありませんが、今大臣は参議院の予算委員会に出ておりますので、その回答はまた後日あらためてというわけには参りませんか。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういうことでしたら貯金局長の方からでも、この問題についての省としてのまとまった意見をお願いしたいと思いますが、できますかどうか。もしできるとすれば、その前に監察局長に一応質問というより御所見を承わりたいと思います。  先ほど貯金局長が言いましたように、この有価証券云々については間違いであると言われておりましたが、このことに関連して現在の監察局の全国的な状況を見ますと、これはまるきり国鉄の公安官と同じような考え方に立って、郵政事業の犯罪防止という点よりも、労働組合運動を弾圧することに精を出しておるのではないかという点が非常に見受けられるわけであります。特に監察局の今の全国的なやり方を見ておりますと、そういう気がしてならぬわけであります。監察局の職員の大半が、労働運動から排除せられておるというのが現状ではないかと思います。政府の方針としてそういう方法でやるというならば、これまたわれわれとの見解は違いますけれども、そういうことはほんとうのわきの仕事であって、本来の郵政監察局の仕事は、郵政犯罪の防止に重点を注ぎ、さらに、これは非常に誤解をせられては困りますけれども、もう一つ郵政監察局が特に取り上げてやらなければならぬことは、郵政業務の向上という点であろうと思います。特に業務の向上と業務の指導という点が、監察の一番の基本的な仕事である。そういう点をややもいたしますると今日忘れがちになりまして、そういう方向になっておりはせぬかということが考えられるわけでありますが、一つ今後は本来の監察局の方針に戻って、郵政業務の向上と発展に資するための監察業務を熱心にやってもらいたい。と同時に、平常の監察業務が案外おろそかになっているのじゃないか、毎年やっておる監察業務でありますので、毎年の慣習によってそのまま表面的にやっておるのではないか、そういうことをやっておるからいろいろあとから犯罪が出てくるのじゃないかと考えますので、特に私は犯罪防止という点から、平常の監察業務をもう少し身を入れてやってもらいたいと考えておるわけであります。この点についての監察局長の御所見をこの際伺っておきたいと思います。

荒巻伊勢雄郵政事務官(監察局長)

○荒巻政府委員 ただいまの森本先生の御指摘の点につきましては、監察業務の平常業務に対する改善向上、まことにその御趣旨の通りでございまして、従来ともに考査の実施、その向上、それから犯罪の防止、その検挙ということで、鋭意監察官を指揮して参っておるわけであります。郵政犯罪の統計をごらんいただきますれば御承知いただけるかと存じますけれども、最近におきましては減少傾向を示して参っております。それから考査におきましても指示の事項が、昭和二十五年当時に比べますると相当件数も減って参っております。しかしながら指示事項の内容を詳細に私どもが検討して参りますと、やはり現業局におきましての防犯上の取扱いに関する遺漏と申しますか、あやまちが相当まだ見受けられておりまして、七〇%ないし八〇%の郵便局におきましての防犯上の取扱いに関する遺漏という点に関する指示がございまするので、これらの点につきましてはさらに監察官を督励いたしまして側面から勧告をいたし、指示いたします。またまた郵政部門、管理部門につきましては、管理者側におきましても郵政監察によりまして、事前の措置を十分に講ずるようにという意味のことを徹底して参りたいと存じます。御趣旨につきましては十分体しまして、今後手違いのないようにいたしたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでけっこうでありますが、さらにもう一点、これは前の監察局長にこの委員会で質問をして、一時はかなり徹底をいたしておりましたけれども、またこのごろではそういう風潮が全国的に上ってきておりまするので、この際特に御忠告を申し上げておきたいと思います。それは部外犯罪については警察官と連絡をとってかなり機敏に捜査を行なっておるけれども、平常の業務の考査について、今言いましたようにややおろそかになっておる点がある。それはややもいたしますると郵政部内の人間が郵政部内の人間の監察官を供応接待するというようなことは今までもつきものでありまして、このことにつきまして昭和三十一年度でございましたか、私が当委員会でやかましく申し上げまして、全国的にもかなりそういう点が改善されておりましたけれども、この風潮がまたも全国的に相当蔓延しておるのではないか。こういうことで平常の業務の考査がおろそかになって、そうしてあとから犯罪がぽかっぽかっと出てくる懸念があるわけであります。この点は一つ新しい監察局長におかれましては厳重に全国の監察官に対しましては——それは儀礼的に昼飯ぐらい食うのはけっこうでございますけれども、夜間当該局長に招待をせられてどんちゃん騒ぎをするというようなことは、厳に全国の監察局に戒めてもらいたい。(「そういうことがあるのか」と呼ぶ者あり)そうしないと監察局の品位を自分自身で傷つける、こういうことにもなりかねないのでありまして、その点を特に監察局長に要望しておきたいと思います。そういうことがあるかという与党のお話でございますけれども、これは全国相当広い一万五千の郵便局を監察するわけでございますので、私はそれが三割とか四割とかいうことを指摘しておるわけではありません。その中で一人でも二人でもありますると、監察局はああいうふうなものだというふうに一般にうわさをされがちでありますので、そういう点を老婆心ながら私は御忠告申し上げておるのであって、監察局長としては全国にこれを厳重に指示するのは当然でありますので、これは当然指示願いたいというふうに考えておるのであります。  それから先ほどの最後の質問に移りますが、昨日質問をいたしました三百四十億円の今日の郵政省特別会計のいわゆる借金、これは来年度もさらに七十億ぐらいふえまして、これがすぐ四百億程度になるわけでありますが、郵政大臣の昨日の答弁では、個人的にはこの借金については返す意図はない、こういうことをはっきりと言っております。しかし大蔵大臣としては将来郵便貯金が黒字になった場合には、返してもらわなければならぬということをしばしば言明をしておるわけであります。そこで郵政大臣だけがそういうことを言ってもきまりませんので、政府の考えを統一して、この問題については将来立法措置を講じて、これは当然郵政省の借金ではないということをはっきり答弁を願いたい、こう思うわけであります。そのこと自体は郵政省もけっこうなことでありますし、また大蔵省としてもそこまで手を拡げて、郵政省をあらゆる観点からいじめなくてもいい問題でありますので、この点について一つはっきりした答弁をお願いをしたい、こう考えるわけであります。

片島港日本社会党

○片島委員長 ただいま森本君の発言につきましては、昨日田中郵政大臣に質問をしておったのでありますが、大臣がただいま参議院の予算委員会に出ておりますので、その統一した見解をメモとして当委員会にただいま届けるそうであります。それを政務次官からかわりに答弁願って、さらに貯金局長より補足的に省としての見解をつけ加えていただきますならばよろしいのじゃないかと思いますが、いかがでございますか。

森本靖日本社会党

○森本委員 けっこうでございます。

片島港日本社会党

○片島委員長 それではちょっと待っていただきたい。今催促しておりますからすぐ参ります。  ちょっとと速記をやめて。

片島港日本社会党

○片島委員長 速記を始めて。  ただいま森本君からの御発言の問題は、本委員会として非常に重要な問題でありますので、後日この問題を中心に大臣に出席してもらって質疑応答をすることといたしまして、本日はこの問題に対する質疑は保留していただくことにいたします。  他に質疑がなければ、本案に対する質疑は終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

片島港日本社会党

○片島委員長 御異議なければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。  次に本案を討論に付しますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。郵便振替貯金法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。

片島港日本社会党

○片島委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお、本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。  この際最上政府委員より発言の申し出がありますのでこれを許します。最上政府委員。

最上英子自由民主党郵政政務次官

○最上政府委員 一言ごあいさつを申し上げます。郵便振替貯金法の一部改正案につきましては、逓信委員の皆様に御審議をいただいておりましたが、ただいま改正案につきまして御可決いただきまして、まことにありがとうございました。

片島港日本社会党

○片島委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は明二十八日午前十時三十分より開会いたします。     午前十一時五十一分散会      ————◇—————

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