逓信委員会 第5号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/02/19
会議録
○片島委員長 これより会議を開きます。 まず委員諸君に御紹介いたします。今回愛媛県第二区における補欠選挙の結果、当選せられました議員羽藤榮市君が、本委員会の委員に選任せられました。同君を御紹介いたします。 〔羽藤委員起立〕 〔拍手〕 —————————————
○片島委員長 次に郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。郵政大臣の所管事項説明及び日本電信電話公社総裁の事業概況の説明について発言の申し出がありますので、これを許します。竹内俊吉君。
○竹内委員 当委員会における郵政大臣の所管事項説明を先般拝聴したのでありますが、大体のことでありますから、詳細にわたっての御説明がないのもある程度当然でありますが、多少物足らないと感じた点がありますので、その点をお尋ねしておきたいのであります。 それは終戦後電信、電話、電波等は著しくサービスが向上して大へんけっこうでありますが、その中で郵政事業の中核をなしておる、われわれもそう思っておりますし、国民大衆もそう思っておりますところの郵便の方は、さっぱりサービスがよくなっていない。おそらくいろいろな資料をつき合してみても、これだけはまだ戦前に戻っていない、戦前よりも悪いのであります。これは当委員会においてもしばしば論議されたことでありますが、今度の予算編成に当って、その点を相当考えるようなことになっておったと思いますし、また多少は考えておると思いますが、まずその点について郵便サービスが非常におくれておる。たとえば配達度数にしましても、あるいはいろいろな点において、まだ他の郵政省の所管の事業に比べて著しく劣っておる。しかもほんとうはこれが郵政事業の中核なんだという点から考えますと、大臣の所管事項説明も、その点に多少触れるところあってしかるべしと期待しておったのでありますが、まあ多少めぐりめぐって触れている点もないでもありませんが、ずばりと触れてはいないのであります。この点まず大臣から御所信を承わっておきたい。
○田中国務大臣 郵便制度が、戦後国民各位が思う通りに整備拡充せられておらないということは、御説の通りでございます。今年度からは郵便の問題に対しては、できれば五カ年計画ぐらいを立てて、早急に整備拡充をいたしたいという考えを持っておるわけでございます。三十三年度予算につきましては、窓口の拡充、現在までは年間大体三十局ないし五十局の特定局の置局でありましたが、これを二百局に引き上げました。同時に四等局というようものをおおむね二千局以上作ろうということも考えて、鋭意作業を進めておるわけであります。配達度数の問題は、二回を四回にし、四回を六回にしということを考えておりますが、配達度数を多くするということと、より的確な集配を行わなければならぬということに重点を置いて改善を進めていくように考えております。なお都市の郵便物の集配につきましては今まで自転車を使い、リヤカーを使い、徒歩であったのを、徒歩を自転車に、リヤカーはオート三輪に、オート三輪はトラックにというふうに、機械化、合理的な措置を進めて参ることを考えておるわけでございます。 また郵便事業に対して申し上げますと、非常に歴史が長いのであって、やはり歴史に重点を置くというといい表現でありますが、率直に申し上げると、歴史があるだけにおざなりになりやすいということは十分私も認めております。郵便の制度そのものをどうしなければならないかという問題もございますし、それから末端の郵便集配の業務に携わる諸君の状態そのものも改善をする余地もございますし、特に庁舎の問題、局舎の問題等、改善するところは多々あるのでありまして、もう戦後十三年日でありますから、この段階において郵便事業そのものをどういうふうな観点で新しく進めたらいいのかということを抜本的に考え、もう考えるという段階ではなく、何カ年計画かの実施の段階に入らなければならぬということを考え、熱意を持って今作業を進めておるわけでございます。
○竹内委員 ただいま大臣の御答弁にありました通り、歴史が長いのだが、歴史が長きがゆえに多少マンネリズムになって、しかもじみな仕事なものだから、どうも他の電信、電話、電波等に比べて、郵便の方がおくれがちだと思います。そこで具体的にお聞きしたいのでありますが、三十三年度において、郵便サービスにおいて、どれだけの具体的なことを予算の中に盛って、実施せんとしておるのが多少あるはずだと思いますが、その点の説明を、もし何なら事務当局の方から御説明を願います。
○田中国務大臣 金額の問題は事務当局をして答えさせますが、先ほど申し上げました通り、窓口の拡充ということで局舎の数を増そう、置局計画を、例年に比べて一つ思い切った置局を行おうという考えが一つ、もう一つは配達度数を二回を四回に、四回を六回にというふうに配達度数の増回をやろうという問題、第三は先ほど申し上げました通り機械化の促進を行うというふうに、大体三点にしぼって本年度の予算では相当額計上しおるわけであります。
○竹内委員 もう少し具体的に一つ郵務局長から御説明願いたいのだが、特定局の増設、いわゆる四等局の構想等についてはいろいろ問題がありましょうが、またあとでお尋ねすることにして、郵便のサービスは早く配達するということが一つ、あとは手紙を出すに便利なように、そのポストなり郵便局なり切手売りさばき所なりへの距離を短縮するということで、これは非常に簡単なことだと思います。そこで、度数を今相当大幅に増すようなことを大臣は御説明になりましたが、三十三年度の予算で配達度数をそういうふうに増していけるという範囲はどの程度なんですか。大都市だけの一部分に終るのか、相当広い範囲においてこれをやろうとしているのか。予算の金額とつき合わしてみて考えると、あまり大したサービスにならない、こう考えますがゆえに、その内容をお聞きしたい。
○板野政府委員 お答えいたします。集配度数の増回につきましては、ただいまお話がございましたように、戦前昭和九年では取り集めが約八度、配達が四度というような状況であったのでございますが、現在では一般的には取り集めがわずか四度、配達が二度というような状況になっております。そこで私どもといたしましては、これを少くとも人口三十万以上の都市におきましては、戦前とまではいかないまでも、ある程度増回をいたしたいというように考えて計画をいたしておるわけでございますが、とりあえず三十三年度におきましては、大都市を主として、六大都市と、それに準ずる都市を中心にいたしまして、現在の取り集めの四回を六回くらいにいたしたい、それから配達の二回を三回くらいにいたしたい、また速達を、都市の中心部においては六回を九回くらいにいたしたい、このように考えておるわけでございます。これに要する予算につきましては、ただいまのところまだ使用計画が十分きまっておらない次第でありまするが、これを実行に移しまする予算の点はまずできるというように考えております。
○竹内委員 三十三年度では三十万以上の都市をやりたいと考えたが、予算の都合で六大都市、しかも取り集めで二回、配達で一回だけサービスを増すのだ、それでも戦前に比べればはるかに劣る、こういうことですか。
○板野政府委員 そういうわけです。
○竹内委員 先ほど大臣は郵便サービスの五カ年計画等を立てるべきであった、こういう御意見で、私ももっともだと思いますが、事務当局にはそういう計画がないのですか。あるのだがまだ表に出ていないということなのか、全然そういう計画は持っていないのか、あるならば大体の構想を承わりたい。
○板野政府委員 この五カ年計画につきましては、私どもの方におきまして大体の素案は作っております。作っておりまするけれども、ここで今具体的にしからばどうかという工合に確実な数字をあげて申し上げる程度には現在至っておりません。これはできましたならば三十三年度を第一年度といたしまして、今後五カ年間にやりまする計画を私どもの方におきまして早急に樹立いたしたいというように考えます。
○竹内委員 結局五カ年計画の具体的なものは立っていない、こういう御答弁であると思いますが、これはちょっとまた郵政大臣に繰り返してお聞きするようだが、郵政事業の中核をなしている郵便サービスがおくれておって、しかも計画もないのだ、こういうことなんですね。しかもこれはこの委員会でしばしば繰り返している問題なのにこうなっているのは、郵便そのものに対してどうも郵政省はあまり派手でないものだから力が入らない、こういう感が相当あると思うが、その点いかがですか。
○田中国務大臣 郵政事業の中核をなすものが郵便であるという考えですから、熱意がないという考えでは絶対にござごいません。これはもう熱意があるばかりではなく、この国会ではどうしても一つこの具体化をなしたい、こういうふうに考えているのです。そう考えているのですが、この問題に対してなかなかむずかしい問題がございまして、組合関係及び社会党の方々との間にもよく調整をしないとうまくいかない問題があります。これは率直に申し上げますが、サービスの向上ということの一番基本になるものは、窓口機関を一体どうするかという問題であります。例を申し上げると、東京などは戦前七百五十万当時の特定局窓口の七、八割しか局が復活しておりません。戦後は、特に現在は八百五十万になっております。人口は百万ふえて郵便局の数は八割にも達しておらないということでありますから、理想的な置局計画を作るとすると、大体今の倍にしなければならぬということであります。戦後は、道路がよくなったとか、また機動力が非常に発揮せられるというようなことで、相当いろいろな問題を解決せられておるとしても、窓口の問題は片づかない問題であります。結局は、窓口の整備の問題を解決しないで、配達度数とかその他だけで解決するということはできませんので、この問題は早急に解決をしたいということを考えておったわけです。これはできないことはない、東京や大阪のように機動力を発揮すれば足るという説をなす人もありますが、御承知の通り日本は山川を隔てて全国的にかすみのように人員が分布しておりますから、窓口を整備しないことには真の目的は達成できません。そういう意味で窓口整備を考えておりましたが、ちょうど特定局問題がありまして、特定局制度の調査会があったので、この結論を待って窓口をどうするかという問題を根本的に片づけたいという考えが一つ先行しておったわけであります。もう一つは郵便事業そのものは世界に例がないのですが、日本は現在まだ幾ばくかでありますが黒字を続けております。これは世界はどこを見ても相当多額な赤字を出しておると思いますが、現在の日本においては自給自足、いわゆる自分の収入だけでまかなうというふうな観念で今まで郵政行政が行われて参りましたので、これを一体どういう方向に新しく道を開くかという問題があります。特別会計ということは、ただ単に考えておりますと、財政資金を大幅に入れるというような道を考えないと、結局郵便料金の値上げという問題にかかってくるわけです。現在の状況では郵便料金の値上げをしようという考えはございませんで、新しい角度から新しい財政的な問題を片づけなければならぬという二つの問題がありますので、この問題は早急に解決をして、第一次五カ年計画を作ろう。この二つの問題さえ片づけば第一次五カ年計画は一週間もあればできます。これは簡単にできるのでありまして、前提となすものがごたごたしておりましたので、今日に至ってまことにどうも困っておるのでありますが、御承知の通り制度調査会からの答申も出ましたので、これを前提としまして早急に五カ年計画の立案を行いたいということをお答え申し上げておきます。
○竹内委員 ただいまの御答弁、窓口をふやすということは大へんけっこうで、それも大切でありますから、特定局の増設は大いに歓迎するところですが、郵便のサービスは先ほど申し上げたように非常に簡単で、度数をふやすということと手紙なりはがきを出すについての切手売りさばき所なりポストの距離を短縮することは、きわめて簡単なサービスなんです。それが思うようにいっていないということでありますが、今だんだん伺っておると財政の点が出てきたのでございますが、私は郵便事業というものは黒字だといっても、個々のはがきなり封書なりについて見ると採算割れをしておる、だからどうも郵政省はあまり気乗りしないのだという感じが深いのです。その点について承わっておきたいのですが、今の郵便物の取扱いで、各種別にして黒字になっているものと赤字になっているものとどういうふうになっておりますか。
○板野政府委員 これは三十一年度の物数によりまして一件当りの原価を調査いたしたものでございまするが、第一種の封書は、売価は十円でありますが、原価は六円十二銭ということになる、第二種のはがきは四円三十五銭、それから第三種の定量扱い、新聞紙、官報等でございますが、これが六円二十八銭、書留が三十四円八十一銭、普通小包が百二円三十九銭、大体そういうことになっております。
○竹内委員 赤字、黒字ということはどうなりますか。
○板野政府委員 第一種の平均の収入料金が十円十銭、大体その差額の四円が黒字でございます。第二種は大体二十銭ぐらい黒字になっております。第三種が約五円二十銭ぐらい赤字になっております。書留が二十と五円黒字になっております。普通小包が七十円弱赤字になっております。大体そういうことであります。
○竹内委員 もう一ぺん伺いますが、今郵便事業が黒字だと大臣は言いましたが、全部のそういうものをトータルしてみるとどうなっておりますか。
○板野政府委員 大体三十二年度の予想でございまするけれども、予定収入に対して大体四十九億の増収があるというような状況でございます。
○竹内委員 ものによっては相当な、一件当り七十円もの赤字もあるという点から見ると、今の郵便料金は各種別によって相当でこぼこがあるということははっきりするわけであります。しかし赤字でないのだ、四十九億の黒字だ、こういうことになってきますと、これは郵便のサービスがもっとできるはずです。きわめて常識的な論をすると、それだけ取り上げて言えば四十億確かにできるわけでしょう。でありますから、これは配達度数を増すということ、ことしは六大都市だけそれも配達を一回増すだけだ、なお取り集めも二回増すが、まだ戦前よりもはるかに悪い。こういう状態でおるということは、郵便というのはあまり急がないものだ、急くことは電話や電信でやってしまうのだから、ゆるゆるやってマンマンデーでいいのだという考えが多少あるのじゃないですか。
○小野説明員 五十億に近い黒字を上げておるのにサービス改善ができないわけはない、これは御説の通りでございます。昨年におきましては大体五十億見当の黒字を示しておりますし、三十三年度は予想でございますが、おそらく相当な増収があると思いますが、しかしそれだけがまるまるほんとうに浮いた金ではないのでありまして、予算の歳出上におきましては、一応そういった増収に期待しておるものがございます。と申しますのは、給与の関係におきまして、期末手当等におきましては、一般公務員は二・五五カ月がはっきり予算化されておるわけでありますが、三十二年度におきましては郵政関係は二カ月分でありますので、〇・五五は実行で満たさなければならぬ、こういうことであります。三十三年度におきましては、幸いにいたしましてこの幅が縮まりまして、二・四カ月分を正式に予算化いたしております。そうしますと、実行上公務員と同じように支給するとしますと、〇・二五を差し繰りをいたさなければなりませんが、これをやると二十億見当になります。これを今の増収の中から生み出すわけであります。その他昇給原資につきましても、実際の所要額は毎年大体五%見当を要するわけでありますが、三十二年度においては四%しか予算化されておりませんので、その不足分も今の五十億の増収の中から使わなければならぬ。そういう当然歳出に組んでおかなければならないものその他いろいろ手当等につきまして、歳出予算の当初の額ではまかなえないというものがありまして、予定外の増収に期待しておるものがございますので、ほんとうの剰余といたしますとさしてない、こういうきびしい状況になっておりますが、一応歳出の面のきびしさは別といたしまして、現在郵便料金の面では、個々の部分では、先ほど郵務局長の申し上げましたように、各種別では黒字を示しておるものもあり、赤字のものもあるということでありますが、全体といたしましては収支が十分に償っておるという現状でございますが、そういった面で五十億の増収は、これをもって直ちにサービス改善の計画原資に充てる、こうは実はなっておりません。
○田中国務大臣 質問の趣旨が大きな質問をやっておられるのに、その中の部分的なお答えしかやっておらぬようですから、私が端的にお答えしますと、予定収入に対して四十九億円くらいの増収になるということでありまして、実際の決算をしてみるとどうかという問題になりますと、三十年度は決算の黒字は七億でございます。三十一年度の決算の黒字は十一億であります。それでいきますと、三十二年度は十一億以上になるだろうというふうにも考えられるのですが、実際三十二年度決算をしてみると、大体一ぱい一ぱいだろう、一ぱい一ぱいにやれればいいので、少し赤字が出るかというくらいな心配もあります。
○竹内委員 今大臣、次官からいろいろ御説明がありましたが、次官の御答弁は逆に言うとこういうことですよ。サービスに使わずに別のことに使っていいということなんです。私はそれはおかしいじゃないかということを聞きたいのです。たとえば郵便局舎の建設等は非常に大切なことで、それ自体に反対するのではありませんが、郵便のサービスは大衆に速く手紙を配達すること、また便利に手紙が出せること、こういう簡単なことに主力を置くべきであって、郵便局舎がどんなにりっぱになったところで、大衆にはそれほど直接の便利はないのです。これは考え方なんですよ。そういう考え方に変ってほしいということを申し上げているのです。五十億円あってもそれはいろいろ使っておりますからできなかったということは、事実が証明しているのだから、その事実そのものがおかしいじゃないかということを申し上げているわけです。もう一つ、三十年度は七億、三十一年度は十一億、三十二年度は四十九億黒字が出るであろうということは、これもまた逆説的に言えばサービスを落して収入を増しているのだということですよ。それ以外の何ものでもない。 配達度数のことはそれくらいにして、もう少し具体的にお聞きしたいと思いますが、この間分科会で、列車の中で切手を売っておったという質問が出たそうだが、列車の中どころか、今日は五十戸くらいな部落で、ポストもなければ郵便切手の売りさばき所もないという部落が相当あります。この調査は郵政省にできておると思いますが、二十戸以上五十戸くらいの部落でそういう施設が全然ない部落が全国でどのくらいありますか。
○板野政府委員 部落数につきましてはここに詳細な数字はございませんけれども、大体ただいまのポストの標準に照らし合せまして、全国で一万戸くらい不足しておる、こういうような数字が出ております。
○竹内委員 それはどういう計算です。ポストにして一万戸足らないということでしょう。
○板野政府委員 そういうことです。
○竹内委員 そうすると郵政省は、ポストというものは人口密度その他地勢を考えているのでしょうが、一体一個のポストについてその有効の半径をどのくらいとしてエリアを計算しているのですか。
○板野政府委員 切手売りさばき所から大体五十メートルの範囲内においてこれを設置することができるということになっております。
○竹内委員 切手の売りさばき所がないからポストもない、こういう理屈は成り立たないでしょう。切手売りさばき所がないところは相当あるのですよ。ポストもない、これは相関関係ですが、あと一万個ホストを作れば、大衆の便利をはかれるのだということがそのくらいはっきりわかっておって、何となくほおかぶりをしていることははなはだ不親切だと思います。
○田中国務大臣 これは私としては非常にいい質問をいただいたのですが、私は就任後それを大いに戸を大にしておるわけです。ポストが不足ということ、これはむろん不足であります。売りさばき所も不足であります。それだけではなく、局舎が一万局くらい不足であります。今特定局の局舎がどのくらいあるかというと、一万五千戸ありますが、これは合併前の町村の数が大体一万二千でありますから、旧町村と市部を合せますと——大体一万五千戸というと合併前の町村に一局しかないわけですから、御承知の通り合併前の町村といえども一局くらいずつあるのが当然であります。だから部落は二百戸程度あっても全然郵便局がないというのもありますから、私が考ええておりますのは、少くとも現在都市において六百メートル間隔、人口六千人といえばこれは相当大きな基準でありますが、これを半分にすると三百メートルで三千人ということです。ところが農村においては四百戸単位であります。二百戸程度の部落はたくさんあるのでありますから、そういう意味から考ええて、もう一万五千局くらい作って三万局にしても、一村に一つずつしかふえないという関係でありますから、窓口及び切手売りさばき所、ポスト等に対しては絶対量が足らないのであって、これは何とか解決をしなければならないという考えでございます。
○森本委員 ちょっと関連して。先ほどからの大臣と郵務局長の答弁を聞いておると、竹内委員の質問に対して非常に食い違いがあると思うのですよ。というのは配達回数、それから投函、そういうものについてのサービスが非常に足りない。郵便の取扱いのサービスはそれが重点ですから、そのことを竹内委員はさっきから言っておるのであって、大臣は先ほどから二千局の四等局制度の設置を自分が新聞に言ったものだから、そのことだけしか頭にない。置局問題を一生懸命言うけれども、そういう置局をしても、実際問題としてこれは郵便の直接のサービスにはそんなに関係はない。いなかの方には、速達の受付をやってもそれが速く行くというふうなことはない。あなたが考えておられるような置局をしても、それはせいぜい郵便為替の取扱いかあるいは書留を出すというサービスにすぎない。そういうことよりも、今配達回数が非常に少い、二号便も少い、あるいは昔八回配達をしておったものが現在は四回です。そういう配達回数をふやしたらどうかということを言っておるわけです。その問題と置局とは直接関係がない。 それからもう一つは郵便ポストの問題でありますが、この問題についても、この前の委員会からわれわれが超党派的にあなた方に言っておることは郵便ポストを置くことになったならば、それは定員に直接響いてくる。だから現在の郵政省の定員の問題からすると非常に困難だ。しかし困難は冒してもそれをやっていけ。同時に、この前も早稻田委員から鋭く追及いたしましたが、切手、はがきの売りさばき所の設置についてはこれは定員も何も要らぬ、現に東京とか大阪のごとき都会においても、あるいはいなかのへんぴなところにおいても、これは郵政省は一銭も要らぬのだ、今までは売りさばき所を置いてからそれに応じてホストを置くという原則を持っておったから、ポストができなかった。しかし売りさばき所だけは置いてもよろしいという考え方でいくならば、この売りさばき所だけは全国あまねく一銭も要らずに、できる、こういう方針で臨めと、この委員会でも言ったはずですよ。そういう質問の趣旨を大臣は取り違えて、自分の考えておることを発表して無理に押しつけようというような考え方でやってもらっては困る。
○田中国務大臣 私は無理に自分の意見を合法化しようとしておるのではありません。関連がありますので、それはもちろんございますが、あわせてこういうことを申し上げておるのですから、一つごかんべんをいただきたい。 それから今度の切手売りさばき所の問題は私も第一番目に提案をいたしておりますが、切手売りさばき所等の手数料の問題がありまして、今までは切手売りさばき所をたくさんふやしましても、三千円に満たない場合は手数料が百円にもならないというので、ふやそうとしても実際上ふやせなかったわけです。ポストと一緒にすれば一つの名物にもなるし、損はないだろうということで、売りさばき所の手数料が百円でも五十円でもしようがないということでやったのですが、ポストが一緒ということは相当予算を計上して計画的にやらなければならぬというところにそごがあったわけです。ところが今日の段階においてはサービスの向上といって、どこでも切手を買えるようにやらなければならないことになりましたので、郵便切手類売りさばき所の手数料の改正案を提案しまして、これが通ればそれを契機にして今度は売りさばき所を引き受ける人もたくさんあろうと思いますので、これから一つ大いにやろうという考えであることをあわせて申し上げておきます。
○板野政府委員 ちょっと補足して御説明申し上げます。今のポストの設置の問題でございますが、これは大体設置基準が一応ございまして、先ほど説明を落しましたけれども、市内におきましては二百五十メートル、亨便人口二百五十戸以上、市外におきましては、いろいろ段階がございますけれども、一番距離の短いところで四百メ—トル以上、享便人口三百戸以下、へんぴなところにおきましては最低が千五百メートル以上、三十戸以上という標準が一応ございまして、ただいまのところ大体五カ年で一万のポストを建てる、こういうような前面を持って、毎年二千くらいは作っておるわけでございます。ただこのスピードがどうかという問題はございますけれども、一応は五カ年の計画をもって毎年二千作っておる、こういうような状況でございます。また売りさばき所につきましては、実は売りさばき所をやりたいという人の申し出によって作っておるというような状況でございますが、さらに現地の郵便局長も督励いたしまして、できるだけこの増設につきましては積極的に一つ今後進めていきたいというように考えております。
○田中国務大臣 もう一言、これは御相談になりますが、ポストの問題でこういう一つのアイデアがあるのです。ポストは一個二万円ずつかかっても一万個で一億でありますから大したことはないと思うのですが、なかなか予算上はいろいろな問題が出て、一年間にようやく二千個、これは事務当局の案でありますが、私は二千個くらいずつ作っていくのではどうにもならないという考えを持っております。それで金が要らないでポストができるという案もあるのです。それはポストの上か下に広告をやらしてくれれば、ポストはただ作ってあげますという案なので、これは商売としてはいいなと思うのですが、そこまでたくましい商魂を出すことが現在の郵政省でいいか悪いかということが、今一つのポイントになっておるわけです。これは一つ委員会の方々とも十分御相談をして、それもよかろうということになれば、一つ十分考えてみたいということを申し上げておきます。
○竹内委員 この点はだいぶお考えになっているようでもありますし、将来をかなり約束されましたから、その程度で打ち切っておいて、次にやはり郵便サービスに非常に大きい関連のあることですが、ここに一枚の陳情書があるわけです。この陳情書は毎年万々国会のときにもらっている陳情書です。これは郵便集配請負人に関することなんです。御承知の通り、この前提として伺っておかなければならないことがありますが、いわゆる僻地の郵便サービスを逐次幾らかずつやっているようですが、なおかつ今日とめ置きにしておいて、ある地点までその部落の人が手紙なりはがきを持っていく、郵便局はそこまでしか持っていかない、こういう地点が相当に全国にあるわけであります。青森県などの例をとって考えてみますと、これは開拓地には相違ないが、百世帯くらいあるところでさえも、なお二里くらいそこに村の人が郵便物を持っていかなければ、郵便配達は受けられない、こういう個所があるわけであります。こういう個所は仙台管内が一番多いと思いますから、板野さんは仙台に長くおられたからよく実情を御承知だと思いますが、全国的に今どのくらいあるわけですか。
○板野政府委員 これは郵便規則におきます八十五条適用地と申しまして、局とめ置きになる個所が全国で大体四千三百十六カ所ございます。
○竹内委員 その平均世帯は大体どのくらいですか。
○板野政府委員 平均世帯はちょっと数字は持ち合せがございませんが、大体この開拓者の入植地等でございまして、大体一カ月百個以上の郵便物がある、こういうふうに調査いたされておるものが二百二十六カ所ございます。
○竹内委員 これは郵便物の性質として、単に配達の件数だけで決定できない問題だと思います。一通の手紙でも人間に非常に大きい影響を来たすものでもあるわけでありますから、これは件数だけで判断できない問題だと思いますが、大体世帯数が五戸や六戸のところはやむを得ないとしても、二、三十戸の世帯があったならば、郵政省の方でやることが私はやはりほんとうの仕事だと思うのです。こういうことこそ国がやって、そこまで手が及ぶということで初めて国の仕事なんです。採算割れでどうも勘定に合わないからいかぬのだ、お前の方が取りに来い、これでは国の仕事としてはおかしいのです。それを依然としてやっているということですが、これを解消していく具体的な方法としてどういう計画を持っておられますか。
○板野政府委員 これらの場所につきましては、ただいまのところわずかではございますが、毎年請負集配の制度を採用いたしまして、三十九年度から始めまして、大体そのうちの九十八カ所をただいまのところ請負集配化して配達をいたしております。これらの点につきましては毎年予算の許す限り今後もこの方針で進めていきたいと考えております。
○森本委員 関連して。それもちょっと趣旨が違うようですがね。竹内委員が言われておるのは八十五条の適用地じゃないのです。駐在集配の請負人の問題と、八十五条の適用と両方言っておるわけなんですよ。あなたが今言ったのは八十五条の適用の開拓地で、それで直接配達をしないところを言っておるのであって、竹内委員が今もって質問をしておるのは駐在集配で、前から私がこの委員会で問題にしておることですから、その点答弁と質問と食い違いをせぬように一つ答弁をして下さい。
○田中国務大臣 ただいま森本さんから御注意のあった問題は、この間この委員会でも議題として出まして、私も答弁をしておるわけでございますが、今請負でもやっておる人が千七、八百人ございます。これは七、八千円から一万円というのでしょう。兼業兼職をしながらやろうという人たちでありますが、中には郵政職員を退職してやられておる人もおるというので、相当問題があります。この問題と、今竹内さんの言われたような僻地といえども取りに来るまでかまわぬでおくというのはいかぬじゃないか、それはその通りであります。 第一の問題、これはもう国家事業でありますし、独占事業でありますし、もうからないから、また予算がないから、緩急の度合いによって電話を架設して参りますというものよりも、郵便は送達する義務があるのですから、そういう意味ではこれは深刻な問題であります。これはもう当然送達の義務がありますし、特に郵便法では私設郵便局を作ってはならないと書いてあるのですから、でも金のないところは私設郵便局的に、あなた方持っていけば送られますということでは理論が通らないので、相当赤字という財政的な問題はありますが、これは原則的に国が最終送達を行わなければならぬというふうに考えます。この問題に対しては十分事務的にも作業いたして、御説に沿うようにいたします。 第二の郵便集配人の問題に対してはこれはなかなか議論上はむずかしいのです。これは公務員としてやっているのではなく、一方には一カ月百円にしかならない売りさばき所もあるのであって、契約に基くものだから一般公務員とは違うのだという議論が出てくるわけでありますが、実際問題としますと、兼業兼職をしておるということが建前であっても、兼業兼職をしておらないでそれが本職になっておる。そうすると八千円から一万円でもって家族三人も五人も食わせなければならないというのが実際でありますから、実際問題としてどうするかという問題が残っております。これに対しては私も何回かこの代表に会いましたし、善処を約束しておりますから、一般公務員並みにこれを行うということができなくても、せめて年末手当として幾らやるとか、被服費に対してはどういう処置をしてやるとか、恩給も何も適用されないものでありますから、これを全部郵政現業職員と同等に引き上げることはむずかしいにしても、理屈ではなく実際の待遇改善という意味で何とかしなければならぬ。それでわずか千七百人の問題でありますからできないというのがおかしいので、何らかの処置をとるというつもりでございます。
○竹内委員 今郵便集配請負人に対する待遇改善について大臣からお話がありましたから繰り返して申し上げませんが、もともと公務員であったのが二十五年に行政整理でこういうふうになったのであって、郵政省としてはこれはかなり深い縁故のあるものでありますから、ただ現状が契約によっているからどういうということじゃない。大臣がおっしゃる通り、処理されるべき問題でもないし、すべき問題でもないと思うのであります。今大臣からお話がありましたから了承いたしましたが、兼業と専業との資料はありますか。どのくらいが兼業というか、ほかの仕事をしながらこれをやっておる。専門でやっておるのはこれだけだという最近の資料がありましたら、それを一つ御説明願います。
○板野政府委員 ここにちょっとその点の詳しい資料は持ち合せはございませんが……。
○小野説明員 請負集配は、竹内先生御存じの通り、かつての行政整理により公務員を退職しまして、希望によって請負集配になったものと、初めから請負集配で全然公務員の経歴なしになった方があります。前者の方が現在ざっと七百五、六十名だろうと思います。あとは新規にそういった請負集配人を希望されてなったわけでありますが、これが兼業でやっておるか、事業でやっておるか、その辺のところはなかなか資料としては手元にもないわけでありますが、建前としましては、一人は完全にかかるだけの量がない。一日のうちほんの一定の時間をさけば間に合うという程度のものでありまして、定員をかりに換算しますと、〇・三になりますか、二になりますか、四になりますか、そういったコンマ以下のものでございます。そういう関係で、一人人を配置するのは不経済でありますので、請負集配といった制度によってやっております。しかし、これはそういう関係で、ではあとの余った時間をその人がほんとうにほかの業務にたよりまして、それによって収入を得られるかどうか、実際問題としては、それも得られる人もありましょうし、またそうでなく、ほとんど専業に近い人、ただ数は少いにしましても、それによって食っていくほかない人もあろうかと思います。その辺は千差万別だと思います。
○竹内委員 実は郵政省の方では、兼業だからこんなペースでいいのだ、休日も災害補償も退職金もなくていいのだということを、あなたの方の出先の方はしばしば当人に言っておるのです。われわれ行ってみると、そうじゃないのです。兼業の人も若干はおられるだろうけれども、大半はこれを仕事にしてやっておる。そこに食い違いがあるから申し上げるのでありますが、あとの質問がありますから、これ以上申し上げませんが、この制度に関しては大臣と次官が、この国会中にでも対策を明らかにして、この委員会にお示しあらんことを要求しておきます。
○片島委員長 原茂君。
○原(茂)委員 こまかいことを含めて五点お伺いしたいのですが、最初に施設の問題をお伺いしたい。予算その他のこまかい内容はわからないのですが、事業計画といいますか、新しく郵便局舎の新設等、これも重要なのでぜひやらなければいけませんが、同時に既存の郵便局舎の増改築、あるいは施設の改善ということも相当慎重に考慮しないと、つい忘れられがちになる。大臣のように生きのいい、前ばかり進もうとしていると、ついそっちの方ばかり日が行ってしまって、既設のものに対する改善が、うっかりするとないがしろになる心配があると思うのです。そこで、従来の局舎の施設改善という面では、どの程度の予算を使って、局舎の数にして幾つくらい手をつけるようになっているのか。
○小野説明員 現在この点につきましては、御承知のごとく昭和三十三年度で第四年目を迎えますが、郵便局舎等改善八カ年計画を樹立いたしております。この計画によって郵便局舎で改善をされます対象になる局舎は、千六、七百ばかりあるわけでございます。そのうち三十三年度予算で申し上げますと、建設勘定四十三億、四十四億弱でございますが、成立いたしております、そのうち郵便局舎の改善に充てられます経費は、二十八億でございます。三十二年度、本年度におきましても総体の建設勘定のワクが、三十三年度の現在御審議中の予算と大差ございませんが、郵便局舎の改善に充てられる金も三十三年度と同様二十八億でございます。現在までのところ、どのくらいのところを行っておるかと申しますと、大体当初五十三億の建設勘定予算を要求いたしましたが、それがその通りに取れるといたしますと、大体半数の五〇%が改善される。ちょうど八カ年計画の四年目でありますから、予定の半分が完成するということになって参るわけでありますが、この予算は査定を受けましたので、おそらく三十三年度予算をもって、これが成立いたしますと、改善を見ますものは全体の五〇%にもならないと思います。四〇%強くらいのところではないかと思います。
○原(茂)委員 大臣にお伺いしたいのですが、この八カ年計画の第四年目を来年度迎えるのですが、うっかりすると、査定の内容いかんによっては五一%に行かない危険もある。しかし今の政府のやっている何カ年計画という事業を見ますと、大体これが詰まる傾向も出ていますし、何とかしてこれを詰めてやっていきたいという意欲を持っているはずなのに、今の御説明を聞くと、この八カ年計画は、ようやくとんとんにいけばいい、うっかりすると延びる危険があるというようなふうにもとれるのですが、そういうようなことを全然させないように、思い切って八カ年計画の推進をはかっていき、できるならこれを短縮するというようなことをおやりになる御意思があるかどうか。
○田中国務大臣 郵便局の局舎改善に対しては、八カ年計画を七年、六年、五年くらいでやりたいという気持であります。これはどういうことかと申しますと、先ほども申しました通り絶対量が不足であります。その不足の局舎さえも現在非常に困っておるという状態でありますので、これは当然やらなければならない、こういう考えであります。ただ、私は大臣になってから半年ちょっとでありますが、郵政特別会計の予算を見、特に郵便局舎等の建設勘定を見ておりますと、これだけの大きな仕事をしておって、自前でまかなうという考えだけでやるというのは間違いだと思います。窓口整備に対して必要な施設費は国で補てんをするか、もしくは場合によっては一般会計から相当大幅に補てんをしてでもやるべきだ。そういうふうな処置をしなければ、なかなか現状を打開して参れないという考えを持っております。特に私が考えておりますのは、簡易生命保険の運用額、郵便貯金、つまり一兆二千億の資金運用部資金運用総額の六〇%近くも郵便貯金でやっておって、局舎の改修費ももらえないというようなことは、不合理きわまりないと考えております。去年は、資金運用部から入れたのが二十二億でございましたが、それを四億繰り延べまして実際は十八億しかできなかった。本年度も大体去年の実行並みだということでありましたが、折衝の結果二十六億というふうにして、今年度の繰り延べ分もみな復活をするという状態になったわけでございますが、大体私はあの財政投融資計画を見たときに、見たときにということになるとまた議論が出ますが、資金運用部資金法によって私も副会長でありますが、審議の過程において、いろいろなところは相当な金額です。ところが二十億台は郵政だけというようなことは不合理だというので、これを幾ら何でも五十億程度に上げなければならないのじゃないかということで折衝いたしたわけでありますが、今日はこの程度の計上になりましたが、これは将来の、将来というよりは、今審議をお願いしております簡易生命保険法の一部改正の審議の過程に出てくる問題と思いますが、自然増収の場合その何%は局舎に使えるとか、何らかの方法をとっても局舎の改善は早急に行わなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○原(茂)委員 それで今の建設費なんですが、昭和三十二年と昭和三十三年は局舎に関するものはほとんど同額になるだろう、こういう小野さんの御説明だったのですが、これは大体そうなんですね。
○小野説明員 いささか説明が足らなかったように思いますが、成立予算におきましては、昭和三十二年度予算と三十三年度予算は大体同額であります。四十四億をちょっと切れるくらいであります。ただ昭和三十二年度におきましては、年度途中におきまして投融資計画に一部変更がありまして、融資の繰り延べというような問題が起きたわけであります。この問題が郵政局舎関係の改善計画に影響しましたのは、簡保から昭和三十二年度に二十三億借り入れをしておりましたが、そのうち四億が繰り延べになっておりますので、これだけが実際としては工事が進んでおらないということに相なっております。
○原(茂)委員 答弁も簡潔に要点だけ言っていただければけっこうです。僕もそういたしますから……。 昭和三十二年度の郵政特別会計全体の予算に対する建設費の率と三十三年度の全体の予算に対する建設費の率の両方を比較したときに、その率の増減はどうですか。前と同じなのか、あるいは来年度の方が多いのか。
○田中国務大臣 あまり大幅ではありませんが、ふえております。
○原(茂)委員 あまり大幅ではなくてふえているのだが、さっき大臣の答弁を聞くと、少くともそのことに対しては八カ年計画というものを、六カ年なり五カ年なりに縮めようという意思を持っておる、こうはっきりおっしゃった。ところがそれを実際に実行しようとすれば、この面における予算というものの率が大幅に上ってこなければ、その意思表示ができていないことになる。今後おやりになるのであって、来年度はまだそこまで意思を盛り込んでなかった、こういうことになるのですか。
○田中国務大臣 これはざっくばらんに申し上げますと、今年度は投融資の問題に対して相当問題がございました。特に郵政大臣としては御承知の通り今まではあまり郵政大臣の権限が発動せられておりませんでしたが、資金運用部資金法による副会長の権限を遺憾なく発揮しようという建前で、予算編成に当ったわけであります。ところが電電公社の予算が、昭和三十三年度は第二次五カ年計画四千百億四を一体確保できるかどうかの見通しをつけるための重要な段階にあったことは御承知の通りです。もう一つは、NHKの予算に対して、新規に財政投融資計画に入れなければならぬのか、実際に運用でもってまかなわなければならぬのかという新しい問題が二つ出てきたわけであります。それで簡保の運用に対しましては新しく十五億電電公社に入れる道を開きましたし、運用でNHKの聴取料等上がらないという場合、また政府資金でまかなうべきだというふうに国会がお考えになる場合には当然そういう処置をしなければならないのです。だから郵政関係としてはNHK、電電公社、それから郵便局舎という、この三つを同時に主張しなければならないという段階になったわけです。そういう意味で二十二億に査定を受けておって、繰り延べの四億は認められないという、ふうに審議の過程において問題がありましたものを、どれに重点を置かなかったというわけではございませんが、郵政の関係については四億の復活を認めて二十六億にするという問題で一応賛成をし、なおNHK及び電電公社に対しての主張を通した、こういう経緯でございます。はっきり申し上げると、電電公社とNHKのために郵便局舎改善を譲った、こういうことを、端的に申し上げると言われるかもしれませんが、ところが私たちの方で一番初めに要求しました要求額が二十六億でありましたから、この要求額そのものが少かったという議論は別にしまして、三十三年度にはそういう状態で二十六億に終ったということでございますが、三十四年度からは当然このマイナスは取り消さなければならぬ、こういうふうに考えておるわけです。
○原(茂)委員 結局最初要求したときの額が少かったのだ、端的にはこういうことになるわけでしょう。だからその意思がまだ十分にこの予算には盛り込んでなかった、だから三十四年度からはもっとはっきりそういう予算をここへ持ち込んでこなければ、そういう意思を盛ったということになりません。 今の御答弁の中で、参考に国務大臣にお伺いしておきたいのですが、昨年度、本年度は財政繰り延べが行われた、来年度はそういうことは絶対に行われないとお思いですか。
○田中国務大臣 行わない予定でございます、
○原(茂)委員 これは本年度と来年度の財政経済に対する見通しの問題ですが、うっかりすると本年度よりは来年度の万が財政投融資の繰り延べ等の行われ得る危険な状態もあるかもしれない、こう思っておりますが、そこは副会長がそうですから、そのときには一つよく手腕を発揮していただいて、郵政事業に関する限りはそういうことをさせないというような決意を今から持っておいていただきたいと思います。
○田中国務大臣 けっこうです、
○原(茂)委員 それから今の問題で、一つの例を、あげて私は当局にお伺いしたいのですが、たとえば青森の鉄道郵便局ですが、その後この予算によってどういうふうに改善されることになるのでしょうか。
○板野政府委員 青森の鉄道郵便局の局舎は非常に状態が悪うございますので、私どもといたしましてはできるだけ早い機会にこれを改善いたしたいという計画を持っております。ただしあそこの川地の問題につきまして、いまだに国鉄との間の話し合いが十分ついておりませんので、目下国鉄の方と話し合いを急速に進めております。この話し合いがつけば、私どもといたしましては一つできるだけすみやかにこれに着工いたしたいというように考えております。
○原(茂)委員 私は青森は一例にあげているだけですが、まだずいぶんあります。私の地元なんかのこともほんとうは言いたいのですが、それはあとにいたします。とにかく運輸省と国鉄と話をしている、話がつけばできるだけ早くやるとおっしゃるのですが、今急速に用地の問題の話し合いがつけば、三十三年度にやるという御意思ですね。
○板野政府委員 三十三年度には実は予算上の正式の計上をいたしておりません。しかし用地の話がつきまして、なお設計等その他につきましても、設計、積算等に相当時間がかかるというような面もございまするので、もしこの用地の問題が話し合いがつけば、三十四年度におきましてはできるだけこれに着工をいたすような措置を講じたい、このように考えております。
○原(茂)委員 民間の地主を相手にするのではなくて、国鉄なんかを相手にして話し合いをしようという。しかもあの局舎があんな状態では第一非常に危険でもあるし、保健衛生上の見地から言っても見のがすわけにいかないのです。それほどとにかく施設が悪い。こういうふうなところを、用地の話し合いがついたらやるのだということで、ずっと二年も三年も時が延びてくる。しかも大臣のやろうという意思があるにもかかわらず、当局として今になってまだ鉄道と話し合いをやっているのだ。これがきまったらその設計にかかるといいますか、計算をやるというのか、そんな順序でやっていったのでは、いつまでたってもそういう意思があるということにならないわけです。用地などいうものは、民有の土地であればこれは大きな問題であると思うのでありますが、いやしくも鉄道郵便局舎の増改築をしようというのに、鉄道との間に用地の話し合いをしようということはこれは大臣の政治折衝ででもやる意思があればすぐきまります。いけなければ現地へ行ってみればよくわかる。大臣は行ってみたかどうかわかりませんが、普通のおざなりの考え方で、用地の話し合いがついたらそれから設計にかかろうとか、幾ら予算がかかるのかを積算してみようとか、こんな態度ではおかしいと思う。こまかくは聞きませんが、急速にやらなければならぬという重点をどこにとられたか、そういうものがきっとあると思う。そういうものがあったら、いやしくも相手が鉄道である場合には、もっと積極的にこちらの準備だけは先にしておくというくらいの熱意がなければいかぬと私は思うが、大臣はどうですか。
○田中国務大臣 お答えいたします。国鉄と政府の間に話がつかぬなどということは不見識な話でありますから、これは早急につけるようにいたします。特に今年度は御承知のように簡保の資金は国鉄に三十億も投資をしておるのでございますから、そういう意味でも早急に話をつけるような道を開きたいと思います。それから今用地がきまらなければおかしいじゃないかという話もわかりますが、これは交渉を始めるときには概算計画を立てておるわけであります。だから用地がきまれば三十四年にはおおむね幾らだという概算計画をきめて折衝に入っておるわけでありますが、用地がきまることによって規模とか特殊な状況がきまらないと、設計にかかれませんので、御質問の御趣旨を体しまして早急に何らかの結論を得るようにいたします。
○原(茂)委員 板野さんは専門家でよくわかっているのですから、ああいうところをもっと積極的に進め得るように、あなたこういう地位に来られたのですから、ちょうどいい、チャンスですから、大臣をつついて、ああいう悪いところ、知っておるところからシラミつぶしにやっていただきたいと思います。 次にお伺いしたいのは、切手の売りさばきの問題です。大臣の説明資料、それから正式の印刷した法律案の資料がきておりますが、これで第一にお伺いしたいのは、今率を変えたわけですね。百分の七とか百分の四、あるいは百万円以上限度を設けないということをきめたわけですが、このパーセンテージが一番妥当であると認定してこの数字がおきまりになったのか。
○田中国務大臣 最良なものだとは考えておりませんが、今日の財政事情においてはおおむね妥当である、こういう考えでございます。
○原(茂)委員 妥当だと思わないけれども、状況によっておおむね妥当だ、そういう答弁では少しおかしいと思う。大臣の本心というのは、妥当じゃないと思っているのじゃないかと思うのです。妥当じゃない、しかし予算措置その他、どうも現段階においてはこれ以上やむを得ない、こういうようにお考になっているのじゃないかと思うのですが、それならその通り逃げないで言って下さい。
○田中国務大臣 表現は違ったかもしれませんが、御説と同じことを申し上げたわけであります。
○原(茂)委員 これが妥当だと思わないのですから、予算措置その他ができるような状況になったときには、もう一度この委員会としても取り上げていきたいと考えております。 もう一点この問題でお伺いしたいのは、従来売りさばき所には現金封筒の売りさばきをさしていなかった。今度これをできるようにしようというお考えを持っているのですが、これには手数料は出さないのですか。
○板野政府委員 手数料は出します。
○原(茂)委員 どのくらいですか。
○板野政府委員 売りさばきの額に応じまして、三千円以下なら何ぼ、あるいは一万円以下なら何ぼ、これは率がきまっております。
○原(茂)委員 そうするとこの現金封筒の売りさばきの額によって、この率を適用するのですか。
○板野政府委員 そういうことでございます。
○原(茂)委員 わかりました。それから最後にもう一点、切手類の売りさばきに当って業務の円滑を期するために必要があるときは、郵政大臣は売りさばき人の守るべき準則を定める、こういう説明がされているのですが、この準則の案が今あるのですか。これからきめるのですか。
○板野政府委員 これから具体的なものをきめる次第でございますが、大体は切手の常備定数をどのくらいにしたらいいか、十円切手なら何ぼ置いたらいいかということとか、あるいは保管箱の仕様と申しますか、湿気のこないようにとか、保管箱の大体の規格というものがございます。そういうものをやるわけでございます。
○原(茂)委員 これからおきめになるのなら一つ注文をつけておきたいのです。この種類とか数量についてもおそらく準則の中で指示をすることになるでしょうが、やはりその地域の実際の状況に合せて、相当幅を持たせた準則を作りませんと、何でもかんでも十円の切手は何十万円持っていなければならぬのだ、こうやられたらふやそうにも在りさばき所ができませんし、相当の投資をさせることになりますから、その辺の幅をうんと思い切って設けておく、その幅なるものは地域の状況に合せていくということを考えていただきたいと思います。この点はそれでけっこうです。 第三にお伺いしたいのは簡易化命保険ですが、これは大臣に一つお伺いしたい。このお出しになった四十五条「保険金受取人の故意に因る傷害又は疾病を原因とする場合は、この限りでない。一 両手を失ったとき。二 両足を失ったとき。三 片手及び片足を失ったとき。四 両眼が失明したとき。」これは当てはまるわけですね。これは今の大臣の基本的な立場からいってどうでしょう。同じ両手を失っても、その人の地位だとかあるいは職業だとか、なくした理由だとかいうことによって、保険金に差をつけますか、つけませんか。
○田中国務大臣 こまかい問題はまた事務当局からお答えいたしますが、地位によって差をつけるというようなことはありません。そういうことをやったら憲法違反になりますから、そういう考えはございません。
○原(茂)委員 どうも軍人恩給などを見ますと、自民党さんのお考えでは当然差をつけるべきだというので、かつて大将であった者と一兵卒であった者とでは金額が極端に違っておる。自民党の、今の政府の基本的な考えからいくと、私どもは反対だ、いけないと言っておるが、当然だというので差をつけておられる。そういう一貫した考えがあるなら、思い切って大臣こういうものにもそういう思想を生かすか。今おっしゃったように、これが憲法違反だということになれば、軍人恩給に関するあの差をつけたことに対しても、逆に憲法違反だというふろにお認めになるのか、こういうことになるわけであります。こういう平板なものにしないで、そのときの地位とか階級とか、しかも腕一本だとか二本だとかいうことによって、ああいったような差をつけていいのではないかと思うのですが、これは大臣の立場としてどうでしょう。
○田中国務大臣 軍人恩給の場合とこの適用との場合では、幾らかニュアンスが違うと思います。なぜかと申しますと、保険加入のとき、そういう制限をしておきまして、こういうときにあなた方にはあげませんぞ、こういうことになればいいのですが、そうするとそういう人は入らない。入るときは皆さんどうぞお入り下さい、一定の条件に合致すれば必ずお払いをいたします、こういうことでもって加入契約を行うのでありますから、これは契約を行うのであって、全然事情が違うことを一つ御了承になっていただきたい。
○原(茂)委員 だから今からこの改正案をお出しになって、軍人恩給と同じ趣旨でともかく加入を契約する。現在きまっておるのを最低線に引いて、地位だとか職業その他の内容によって、あと上積みを多くしていけば、幾らでも人は入りますよ。その趣旨をお生かしになったらどうかということです。
○田中国務大臣 それは九千万人おれば九千万の段階にやらなければならないので、事実不可能でございます。
○原(茂)委員 事実不可能だとおっしゃるのですが、一方では事実やられておるのです。そういう点は、たとえばこれを最低線にして十段階か十五段階にすれば加入者は喜ぶのですから、それでやった方がいいだろう。これは今政府のお考え方に沿って当然やるべきじゃないかというふうに考えて質問したのですが、大臣がそれは憲法違反だとおっしゃったことは、一つきょう参考に聞いておきます。 四番目に放送法の問題です。改正案を近くお出しになるそうです。つい二週間くらい前に、総理大臣までもが、この国会では大きな仕事として放送法の改正をやるとおっしゃっておりました。もちろん郵政大臣にもそのお考えがあると思う。一体政府の主宰者が大きな問題を二つ三つとらえた中間に、放送法の改正をやるのだ、こういった強い意思表示をされたのですが、それほど大きな問題として放送法の改正を取り上げる、その一番重点は何ですか。放送法改正のどうしてもやらなければいかぬこと、これが一つ。それから政府の主宰者が重要な問題として放送法の改正をやるのだとおっしゃるのは、どれを重要問題として取り上げておるのか、こういう点を一つ。
○田中国務大臣 放送法が重要であることはもう論を得たないわけであります。重要なものでございます。しかしなぜ現行放送法で間に合わないで、放送法を改正しなければならないかという理由の一つは、現行放送法が現在の電波事情、現在の放送の実態にそぐわないということでございます。もう一つは現在の放送法がNHKを主体にするものでありまして、民間放送業者というようなことをほとんど対象にしておらなかったという状況がありますので、放送業務の重大さにかんがみまして、一般放送業者も適用を受けるような思想のもとに改正が必要であるということが第二点であります。第三点は、御承知の通り民間放送に対して大幅予備免許を与えました。それは現在の状態ですと、何によって与えたかといいますと、事業免許も電波法に基いて与えておるわけでございます。いろいろな条件等もつけておりますが、その条件と放送法との関連において不備があるということもございます。そういう意味で改正をしなければならないということでございます。もう一つ、これは少し言い過ぎかもわかりませんが、ざっくばらんに申し上げておきますと、電波は三年五年前に考えたものとは全然異なった姿でわれわれの目の前に現われておるということが考えられます。その発達の速度が非常に速い。五年、十年前、特に二十五年の現行放送法が制定された当時考えられなかったような急速な進歩発展があります。特にテレビやラジオということだけではなくて、FMのチャンネル・プランをきめなければならぬ問題もございますし、それから混信を防ぐ意味において中波からFM帯に移行させなければならぬという問題もありますし、UHFのチャンネル・プランも早晩きめなければならない。カラー・テレビも五月の末だそうでございますが、モスクワで、もって世界会議を聞くということになりますと、この四、五年間の放送というものの持つ重要性は二十五年当時の比べはないので、誤まりを犯してはならないということで、放送全般に対する準拠法を整備しなければならないという考えでございます。そういう意味で内閣としても相当重要法案としてこれを重視をいたしておるわけでございます。
○原(茂)委員 御説明はわかったのですが、放送法の改正を今この時期にどうしても取り上げなければいけないのだという時期的な説明に、今の説はなるのじゃないかと思うのです。放送法改正の趣旨が今おっしゃったようなところに重点があるとすると、放送法改正の要綱がここにあるのですが、要綱の中にいろいろこまかい問題があるのと、今の御説明で、ちぐはぐといいますか、マッチしない面がたくさん出てくるように思います。これはいずれ正式に提案されたときに条章ごとに一つ審議をさしていただきますが、今の基本的な御説明によっては、少くともこの法律要綱の中のこまかい部分とマッチしない面がたくさんにある。なぜこんなことまでやるのだというようなことがたくさんに出てくるので、今のようなことをお伺いしてよかったわけですが、もう一点お伺いしたいのは、今のNHKというものを主体にした法律だ、こうおっしゃって、民間にはその法律を準用していなかったという御説明があったのですが、そうすると、今の民間放送はラジオ・コードというような、法的な規制というか、何ら縛られるワクを持たないで、勝手に民間放送がやっているということになっていますか。私の記憶ではそうではなくて、民間放送もやはりこの放送法というものを準用されて今日やってきている、こういうふうに記憶しているのですが……。
○田中国務大臣 その通りです。放送業者全般を律しておるのは放送法でございますが、放送法が民間の放送業者の準拠法でもあるということを認めながら、一体どこが一番守らるべきだというのは第三条だけが非常に大きいのであります。何人からも干渉されないという意味で、民間業者も放送法の適用を受けているということであって、民間放送業者がなさなければならないもの、なしてはならないものという規制はないのであります。そういう意味からいっても、もう少し明確なものを出さなければいけないということが生まれてくるわけでございます。
○原(茂)委員 そういう趣旨からいくと、NHKに対する放送法、民間放送に対する放送法というふうに二つに分けて出してくるのが一番いいと思うのですけれども、要綱を見ると、そうではなさそうです。この点もあとで審議することになるでしょうが、そこでもう一つ考えていかなければいけないのは、この次の第五番目の質問とからませますが、現在海外にたくさんの同胞が移居住をしておりますが、郵政省として、移居住をしているところの日本人に相当多くの地域にたくさんのグループがいる場合には、ここにも直接なまで、しかも早くわれわれ祖国の放送を聞かせてやるというようなことに対する関心は当然持ってよろしいはずだと思う。特にことしはブラジル移民の五十年祭に当るのだそうですが、ブラジルあたりに対しては積極的に政府間の話し合いをしたり、あるいはNHKを相当度利用するならば、私はブラジルに思い切って日本の放逸局ができても、それはいろいろな手続はありますが、あそこで実際には仕事をしようとしてもできるだろうし、相当数の同胞がいるわけですから、こういったような面、いわゆる海外に日本の電波をただ増加して遠くまで聞かせるというばかりでなくて、その意識というものをあるポイントにはきちんと実現して、そこを通じて直接早く日本の祖国の放送を同胞に自由に聞かしてやろうというようなことが当然はかられてもいいのだし、その時代がもう来ている。しかもブラジル移民と五十年祭等を迎えた今日では、すでに郵政当局としてもその強い意思をもって事業を聞始していいのじゃないか。いい機会ですから、この機会に一つブラジルとも正式に話をしながら、こういった置局の問題をブラジルにやるというようなことを、一つ今から計画をもって放送に当るということをおやりになる意思があるかどうかをお伺いしたい。
○田中国務大臣 NHKが現在やっております海外放送の十五方向十五時間というものを、十八時間十八方向にしたいとか、今いろいろな案はございますが、NHK自体の三十三年度の予算案がまだ提出されておりませんので、これは出たときに十分一つ研究をすることになると思います。ただ政府としてNHKの予算と計画書が出なければ手をこまねいておるということでは、海外放送に限ってはそういうことではいけないのでありまして、政府としての考えも持っております。持っておりますが、この問題に対してはNHKの予算という問題とあわせて一つ審議をしてもらいたいという考えでございます。もう一つ、ブラジルを含む海外放送、特にキー・ステーション等を作ってやる意思はないかということでございますが、ブラジルに限ったことではございませんが、南方諸国というような問題につきましても、外務省と相談をしまして現在話を進めておるところはございます。この個々なケースを申し上げる段階になっておりませんが、御説もありましたので、南米向けのもの等に対しては特に考えてみたいというふうに考えておりますが、特に三十三年度NHKがやりたいと言っておりましたのは、十八方向十八時間にプラスして、南米向け放送もプラスしたいという考えもありましたので、これらの段階において十分考えたいということを申し上げておきます。
○原(茂)委員 東南アジアに対しても今やっているのだということですが、東南アジアと南米、特にブラジルの今—の問題を一緒に答弁があったのですが、特に私は今の段階で重点をブラジルに向ける御意思があるかどうかを一つの例として伺ったのですから、少くともあれだけの数がいて、長い間とにかく開拓に従事してきた日本人を考えたら、郵政としてもそのくらいの意思はあるとはっきり決意を述べても差しつかえないと思うのです。そのくらいのことが郵政大臣として御意思がはっきり表明できないようでは私はいけないと思います。どうですか。
○田中国務大臣 放送法の改正案にも特に海外向け放送に関しては、国の実態を十分海外に認識してもらうとともに、在留同胞の慰安になり、祖国との連絡を絶やさないために、十分な海外放送をすることと規定をいたしておりますので、当然この放送法の趣旨通りに運営をしたいという考えでございます。
○原(茂)委員 そのことを早急に、政府間の交渉も必要があれば行う、こういうことに解釈してよろしゅうございますね。
○田中国務大臣 そうです。
○原(茂)委員 そこでこれにも関連があるのですが、NHKの職員の給与の問題ですが、きょうNHKから来てなくておわかりにならないですか。
○田中国務大臣 わかります。
○原(茂)委員 それでは大臣でわかるのであればなおけっこうですが、現在のNHKの職員の給与というものが、予算が組まれる過程にありますから、一体どの程度にしようかということを、相当今日まで審議されたと思うのですが、審議の経過を一つ……。
○田中国務大臣 まだ正式な予算案が提出せられておりませんから、正式審議はいたしておりません。おりませんが、昭和三十二年度の予算は審議をいたしましたし、実行の状態もわかりますから、現在のNHKのベースというものもわかっておりますから、他との比較という立場で申し上げますと、そう高給ではありません。大体申し上げますと、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞というような大新聞と比べてどうかということになりますと、朝日新聞とは相当な開きがございます。それから電電公社及び国際電電と比べてどうかということを考えますと、大体今国際電電と電電公社の中間を行くものである。国際電電並みだといっても間違いないでしょう。しかし国際電電とそれから一流紙との間ということを考えますと、まだ相当修正をしなければならぬという段階にあると思います。ただしこれは申し上げておきますが、まだ正式な予算が出て参っておらないのでありますから、金額においては明確なものではありません。提案されたら十分審議をいたすつもりであります。
○原(茂)委員 数字のことはこれから必要があればと思っているうちに、大臣の方からぺらペら知っているつもりで言われたのですが、ここに資料がありますが、大体半分当って半分当っていないのです。新聞社と比べたときに大体五、六千円低いというのは当っているわけですが、国際電電と比べたらうんと低過ぎます。これがその中間を行くものだと言われるが、行っていない。数字のことは必要があれば一緒に論じてもいいのですが、それはあとにして、私の今お伺いしたいのは、協会の職員の給与をきめようというときに、たまたま大臣は新聞社あるいは電電公社、国際電電というものを引っぱり出したのですが、これと見合って給与というものをきめていくことが正しい、こういうふうにお考えになっておるわけですか。
○田中国務大臣 正しいとは考えておりません。比較論をただ申し上げただけであります。ただ一流新聞社と比べることは、似通った仕事でありますから、仕事の性質上、新聞社の給与というものと比べることは不合理じゃないという考えであります。
○原(茂)委員 それを基準にとらえていくのは正しくないと言い切っておいて、しかし一流新聞社と比べることはどうもやむを得ないのじゃないか、こうおっしゃったから、どちらかよくわからなくなるのですが。
○田中国務大臣 電電公社及び国際電電というような例を出しましたから、その面と比べるのはちょっとおかしいから前段の半分の方はよろしいと、こういうふうに申し上げたわけです。
○原(茂)委員 そこで新聞社の方と大体比べてみたい、こういう気持がおありですね。
○田中国務大臣 あります。
○原(茂)委員 新聞社と比べるということが大体よろしいのだという大臣のお考えがあれば、NHKの予算がこれから出てくるのを待っているのだ、先ほどそういう話があったのですが、実際のことを言うと、協会の方でも、事前に郵政の方とある程度基本的な態度を打ち合せしない限り、この予算というものを郵政と全然打も合せなしに、いきなりぽんと出すことはあり得ないと思う。それをやったらなかなかこれは問題がむずかしくなる。ですからやはり事前に大体の考え方というものは、郵政当局との間には打ち合せがなされるのだ。それからNHKの予算というものが出てくる、こういうふうに私は解釈しているのですが、これはどうでしょう。
○田中国務大臣 法律的に見ますと、郵政省があまりタッチしてはならないということに原則はきめられております。 (「絶対にいけない。」と呼ぶ者あり)絶対じゃありませんが、いずれにしても意見を付しますから、意見を付して国会に提出しなければならぬ、こう規定してありますから、一切NHKの予算は国会でもっておきめになるということは原則であります。しかし郵政大臣が、実際問題といたしまして、この予算は適当でない、全く不承認だというような原案を出せるものではないので、現実論としてはいろいろな折衝が行われるということは事実でございます。しかしまたこの給与の問題は大へんな問題でありますし、しかもNHKの三十三年度の予算編成の骨子になる問題でありますので、現在まだ最終的な話し合いもしておりませんが、現在のままで、そのまま予算を組むというようなことはないと思います。
○原(茂)委員 そこで事前にとにかく打ち合せがあるのだということをお認めになったわけですが、そのときに実は重要なのは、このNHKの給与の問題は重大な問題だと思う。大臣も今おっしゃったけれども、長年の懸案であるし、これは重大な問題に違いない。この重大な問題が事前の話し合いのときに出ないはずはありません。出てきます。出てくるときに大臣も一つNHKの当局にも強く今のお考えを言っていただきたい。少くとも一流か二流、どこが一流でどこが二流かわかりませんが、朝日、毎日、読売というような新聞社を参考にして、これに見合って恥かしくないような待遇を考えるべきであるぞということを、大臣から一つ事前の話し合いのときに、重大な問題ですからNHK当局に強く言っていただきたいと思う。それを命令してはいけませんよ。違法になるからいけませんが、これは重要なものだということで、一つ大臣にNHK当局にサゼスチョンをしていただく、こういうことは私は必要だと思いますが、この点をお願いしておきたいのですが、お引き受けになりますか。
○田中国務大臣 三十三年度のNHKの予算は、これはNHKの将来の運命をきめるべき重大な問題だと思います。一郵政当局だけでもって議論ができる問題でないのであります。ですからあげて国会の審議に待つというようなことになるかと思いますが、そうかといって野放図な案を持ってこられるものでないので、郵政当局としてはどうしても通さなければならぬ。場合によっては、現行放送法のNHKの予算に関する条項を大幅修正する、その修正を前提にして二十三年度の予算案が組まれるという新しい事態が起きるかもわかりませんから、私は結論的なことは申し上げられませんが、現在の段階では現行法によって国会に提案するということになりますので、私としては一応NHKから出てきた予算案に対して慎重な態度をとるとともに、可及的速やかに国会に提案いたしたいと考えております。ただ先ほども申された通り、私が一流紙と比べて安いからお上げになった方がいいですよと、そういう表現が使えるかどうか、そういうことをすることがNHKの自主性を大いに破ることになると大へんでありますから、私が妥当と認める方法によって慎重に審議をいたしたい、こう考えております。
○原(茂)委員 そこで今の、議会で結局きめるものだから、予算として出してきたときの審議に待つのだということになるのは、これは当然ですから、それでよろしいのです。事前の、これの予算が国会に提出されるまでの間の、過去の慣例からいって、そこに大臣の考えがこの委員会で発表されたことの結果というものは、ある程度重要な参考資料としてNHK当局は考えていいという建前から、今のことを私は執拗にお伺いしたわけですから、その前提で、もう二つ大臣にお伺いしておきたいのは、この三十一年度のNHKの事業内容を見ましても、ラジオ、テレビを通算いたしまして、二億何千万円からの利益が出ています。三十二年度においても利益がおそらく予想されているわけです。先ほどの郵政の特別会計の説明をお伺いしておりました中でも、やはり五十億という増収がある。その五十億の増収の中から手当なり昇給の原資というものを考えていく、その一部にするというお考えがあったのですが、一体NHKの場合には、郵政大臣は監督する立場にあって、基本的な考え方としては、ここに余剰金が出たときに、この余剰金を原資に回していこうという考え方は妥当であるとお考えになるか、それとも妥当でないとお考えになるか。法律の規則を聞くのじゃないのです。
○田中国務大臣 これもあげて国会の決定によらなければならないのです。特に給与の問題はそうです。国会でもってNHKの予算を承認するときには、給与に関しては流用してはならない、こういう明確な規定があるわけであります。それと競合するような発言はできないわけでありまして、おざなりな発言になる可能性もありますが、給与問題を片づけないでいつでもごたごたしておっては、商売がうまくいくものじゃありませんから、端的に言ってあなたのような議論も私は十分わかるわけであります。NHKが黒字になっておるということは、ちょっとその問題に対して申し上げますと、これは国会が予算をしぼっておりますから、そのワクしか使ってはならない、こういうので、一億円、二億円、三億円、よしんば十億円の黒字が出たとしても、それが妥当であるかどうかは次の国会で議決をしないと、なかなか明確に言えない問題であります。なぜかといいますと、三十三年度の予算を大体考えますと、NHKは今までのような予算の組み方ではやれないということは、給与の改訂もありますし、老朽施設もたくさんあります。老朽施設は金を借りればいいのじゃないか。借りれば利息が出るのであります。そういう意味で何を重点にするかというのは、これはNHKが全く自主的であって、これを直せるのは国会の権能以外にないのであります。そういう意味で私も中間的存在としてNHKの自主性を侵さないという原則のもとで、より合理的な予算案を作らしたいという考えであります。
○原(茂)委員 今私がお伺いしたのは、予算総則の解釈は当局の方と私どもといつも分れておる。流用してはならないといったところで、流用すべき一つの手続をすればできるじゃないかという私どもの考えなんです。とにかく放送法の改正までお出しになろうという強い御意思がある今日、この程度のことで、もし大臣が先ほど私がお伺いしたように、基本的にはやはりこういう余剰が出たときには、その利潤の中から流用することもいいのじゃないかというお考えがもしあるなら、これは相談にあずかって、国会の意思をそこにまとめて、そしてそういうことの可能になるような改正ですら可能なんです。この方は易々たる問題です。やろうと思えばできる。だから実際には先ほどの郵政における昇給なり手当における原資に、増収分が振り向け得るのだという考え方をもし参考にとるなら、今の予算総則にとらわれないで考えたときにそういう手もある。そういうこともやれるならやった方がいいのだ、こういうお考えが大臣にあるとすれば、それなりの手続を一つ進めていけばいいのじゃないか、こう考えているから、まずそこをお聞きしたいのであります。予算総則の問題は今論じようと思っていない。その御意思があるかどうか、そういうことを考えたときに、なるほどそれはできるものなら妥当だ、それがいいのだ、こういうふうにお考えになるかどうかを伺っておきます。
○田中国務大臣 原さんの御質問に対しては、端的にはっとお答えすれば一番いいのですが、端的に答えられないのです。関連がありまして、それだけを取り出して答えると、どうもあなたの意見に賛成であって巻き込まれるようでありますが、私はそれに対してはこのような考えを持っておるのです。三十三年度のNHKの予算は相当むずかしい予算であって、場合によっては値上げもからんでくるというほどの大きな問題でありますので、NHKも慎重であります。私たちもこの審査、調査に対しては慎重でなければならぬ。ただ私が今ここで端的にそれをいいということを言われるほど、NHKの実態を知っておらないのです。なぜかといいますと、法律で私どもは立ち入り権もありませんし、調査権もありませんし、何もないのです。NHKが出してくるものを、そうだろうと思って会計検査院も監査をやっておるのですから、まあそうだろうという常識論に基いて調査をしておるのでありまして、現在の段階でもって、弾力条項をうんと発動して、当然増収分は給与に回すことができるということが妥当であるかどうかに対しては、会計自体に対しては、郵政当局は今厳密な責任を持てないという状況でありますので、今のような同じ答弁を申しておるわけでございますが、やはり私どもがそういうことを明確に申し上げるよりも、国会で予算審議のときに十分論議をせらるべき問題だと思います。
○原(茂)委員 大臣はこれをごらんになっておると思うのですが、毎年度NHKの業務報告に対して、しかも会計の内容、帳じりが出ている。これに対して郵政大臣は妥当である、間違いがない、りっぱなものである、こう言ってちゃんと保証しているのですよ。それが報告になって出ておる。それを信頼していない、NHKのことはよくわからないのだ、そんなことは言えないように大臣自身がちゃんと意見書を付してここで保証しているのですよ。これは間違いないと思う。それを内容がわからないとか、知らない。そうしてテレビ、ラジオに関しては、とにかくこれだけの余剰金があるのだという報告に対して、そうであるときめて、意見書がついている。ですからその数字に関する限りは、おわかりになっている、その数字をもとにして考えたときに、今言ったようなお考えがあるかという質問です。
○田中国務大臣 これは国会の承認に基く予算執行の範囲内において出された書類調査を行なった結果、妥当であるという報告をいたしておるのであります。いわゆる国会の議決範囲内においてやっておるのでありますが、流用するということは、国会の議決を求めなければならないという範疇に属しますから、私がここで一行政責任者としての立場でそういうことを言うことは、穏当を欠くということを申し上げておるわけです。
○片島委員長 原君に申し上げます。大臣とお約束した時間がきておるわけですが……。
○原(茂)委員 あと一点だけ。流用してはいけないという予算総則の問題にからんだ問題はあとにいたします。今お伺いしたのは、国会の議決を経たものを、大臣がこれを意見書としてまとめたのだ、こういうような御答弁がありましたが、そうではありません。大臣が意見書をつけて、われわれはこれに承認を与えるものなんです。その点は逆なんです。 それからもう一つ、先ほどのことにからんで今の余剰財源のあったときにこれを流用するという問題が、今大臣の本心では、ほんとうはそのくらいのことをすべきだ、だがしかし、これはいろいろな手続があって今はできそうもない、こういう御意思のように見たわけです。もう一つは原資がないから昇給ができないというようなことで、いつもから回りをしているわけですが、この協会の職員の給与を上げようというためには、人員を整理するというよりは、海外に先ほど言ったようなNHKの事業として大きなポジション等を持ち込んでいく。それにつれて現在の協会の職員のある部分が海外に行かざるを得ないというようなことで、人もだんだん減ってくる、と言ってはおかしいのですが、一人頭の仕事の作業能率というものを、機械の施設改善その他を通じてよくしながら、しかも出ていくものは出ていくとなれば、だんだんに質的に一人頭の給与の改善というものも可能ではないかと思うのですが、そういう方法によって、もしそれができることなら、昇給に対して私はもっと積極的なそういう意図から出た計算をもとにした一つの昇給原資というものを考え出して、それによってこの昇給の原資の財源に充てるという考え方も一つ持たなければ、どうも解決できないのじゃないかと思うのですが、そういうお考えがもしあるとすれば大臣は賛成なさるかどうか、そういうことも必要だとお考えになるかどうか一つ。
○田中国務大臣 この問題はあなたの質問にかかる部分だけに対して明確な御答弁ができないことを遺憾といたしますが、NHK自体は実際海外に出たり、また機械化によって人員が整理せられた場合、その余った給与を流用してもいいというほど人員があくとは考えないのです。なぜならば、ラジオも五十万台ふえるという予定でおりますし、テレビに対しても御承知の通り相当大きな事業計画を進め、三十五年、三十六年のものを四年、三年に繰り上げなければならぬという仕事をしておりますし、特にカラー・テレビその他に対しては相当な研究を進めなければならぬ、研究陣も持たなければいかぬし、整備もしなければいかぬというようないろいろな問題、特に老朽施設というものは、民放に対して当然早期に改善をしなければならぬといえば借入金が出てきます。その利息の支払いというふうに、八方ふさがりであるということはここで申し上げた通りであります。特に現在損益計算の剰余金は借り入れ払いに回せというふうにも言っておりますから、この問題に対しては特に慎重でなければならぬ。私はNHKの今の給与そのものが妥当なものだとは考えておりませんから、これは一つ合理的なものに改訂しなければならないだろうということは個人的には考えております。しかしこれは言い過ぎになるかもしれませんが、きっと最後の御質問でしょうから私の方からもちょっと言わせていただきますと、NHKの給与が朝日新聞や毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞や産経さんというような一流紙に、すぐさや寄せができるかどうかというと少し問題があります。これはNHKがある意味の国家機関だ、こういうことを昨日ですかの委員会でも明確に申し上げましたが、これは契約という名目にはなっておりますが、独占的な聴取料を政府にかわって徴収しておるという特別な立場を考えますと、裁判官の規則を準用するか国家公務員法を準用するかは別にして、いずれにしても一般の民間で、腕でもって売り上げが増収すればそのまま自分のものになるというふうにはいかないと思うのです。NHKはもうけてはならないという公共的な使命がありますので、やはり公共的な使命を持つ機関に働く職員というものには、おのずから制約があるわけであります。だからその制約の範囲内において合理的に是正をしようということに対しては私も認めておりますし、そうでなければならないというふうに考えておりますから、この問題はきょうの議論ではなかなか結論が出ないと思いますが、近く、特にきょうかあすあたりNHKも予算を提出するそうでありますから、それが出ましたら一つ慎重に御研究をいただきたい、私の方でも責任ある意見を付したいと思います。
○原(茂)委員 それは聞きっぱなしにできないようなお話です。今大臣は、国会にこれから出てくる、出てきたら慎重にやろうと言われますが、この問題はその出てきたときでは今までの例からいって非常におそいので、私は今大臣にいろいろなことを申し上げていたわけですが、大臣の答弁の中でいろいろこまかい点の言葉じりをとらえると問題はたくさんあるわけですが、そういうことはやめますが、基本的な問題としては新聞社、朝日その他にさや寄せをしていくということが正しいかどうか疑問だ、その点疑問に思われるのは自由ですが、疑問であるという前提に立って、なぜ疑問であるかというと、いわゆる国家公共機関に働く者はそれだけの責任があるのだ、民間における事業の利潤が上ったときの分配とは違うというきめ方をされているわけですが、それがどんなに苦しい事業であろうとも、公共的な機関に働くのだからがまんをせいといった極端な感じを与えるような先ほどの答弁では困る。そういうことはあり得ないので、どこまでも事業の実態からいって、その働く内容等がたまたま朝日に似ている、読売に似ている、産経に似ているなら、給与の基準しとしてはこれを中心とする。今の新聞社の給与だって私たち妥当であるとは思っていない。これでは低過ぎると思っているのです。決してメッカであり、理想であるとはわれわれ考えていない。ただ参考までにあの三社の給与というものを見ているのですが、これは高いとも思っていませんし、いいとも思っていないのです。とにかくやっているその仕事の実態というものが同じようだということから、たまたま新聞社を拉致してくるだけで、その仕事の内容はどうあろうとも、公共的な性格を持った機関に働いている場合にはがまんをさせるのだというような思想は、断じて持ってはいけないと思う。この点一つ注意をしておきたい。
○田中国務大臣 私の発言もちょっと舌足らずのようでありましたから、いい機会でありますから補足いたします。これは国家公共の立場に立つ職員であるから、絶対的に甘んじなければならぬというふうな考えは反動に通ずる考えであって、そういう考えは持っておりませんが、そういう特殊な立場にある機関でありますから、それらの職員が得る報酬の額に対しても、国会の議決の範囲内でなければならないというくらいの制約があるということを申し上げたたけでありますから、御了解を願います。
○森本委員 ちょっと資料の要求をいたしたいと思います。これは法案の審議に非常に影響がありますので、私が今申し上げます資料はあすにでも提出を願いたいと思いますが、簡保資金の現在の運用状況、それから本年度の運用計画と、それに関連をしての預金部資金の運用計画、それから郵便貯金の現在高、そういうものについての資料、もう一つ、これも非常に急ぎますが、切手売りさばき人の数がここに出ておりますけれども、これを各郵政局管内ごとに売りさばき人数をお調べ願いたい。この三つは早急にやってもらわぬとこの法案の審議に影響がありますので、一つお願いした、もう一つは、これは急ぎませんが、先ほどの竹内委員の質問にありました駐在集配人、これは一度私はあなたの方で資料を集めてもらいたいと思っておりましたが、先ほど申しましたようにこれが専業であるか兼業であるか、このデータを詳細に全国的に調べてもらいたい。以上要求します。
○片島委員長 次会は公報をもってお知らせをすることとして、本日はこれにて散会いたします。 午後一時八分散会