逓信委員会 第3号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/02/14
会議録
○片島委員長 これより会議を開きます。 まずお諮りいたします。さきの閉会中、本委員会が行なった委員派遣の報告書が委員長の手元に提出されておりますが、これは本委員会の会議録に掲載することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○片島委員長 御異議なければさよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○片島委員長 次に去る八日付託せられました簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題として審査を行います。 まず政府当局より提案理由の説明を求めます。最上政府委員。 ―――――――――――――
○最上政府委員 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。 まず簡易生命保険の保険金最高制限額の引き上げについて申し上げます。簡易生命保険の保険金最高額は現在二十万円に制限されているのでありますが、最近における経済事情の推移等にかんがみますときは、この金額は低きに失し、国民の経済生活の安定をはかり、その福祉を増進することを目的とする制度本来の機能を十分に発揮することができない実情にあるのであります。もともと簡易生命保険の保険金最高制限額は、本事業創始以来、勤労者階層の老後の生活安定、または被保険者の死亡の場合における医療費、葬祭費及び遺族の当座の生活保障に必要とする金額を基礎として定められているのであります。従いまして最近における勤労者階層の所得の増加、経済生活の向上等の事情にかんがみますときは、保険金最高制限額はこれを相当程度引き上げなければ、加入者に対する保険的保護を十分にはかることができないのであります。しかしながら、他面、民営保険の状況等を考慮いたす必要がありますので、これらを勘案いたしまして保険金最高制限額を二十五万円に引き上げることにいたそうとするものであります。 次に、告知義務違反により保険契約を解除した場合に還付金の支払いをすることについて申し上げます。従来告知義務違反により保険契約を解除いたしました場合には、契約者側の悪意または重大な過失によるものでありますから、保険金はもとより還付金の支払いもいたしておらないのでありますが、払込保険料のうちから被保険者のために積み立てられている積立金は、加入者の財産ともいうべきものでありますので、告知義務違反により保険契約を解除いたしました場合にも、契約者による保険契約の解除または保険契約の失効等の場合と同様に、積立金はこれを保険金受取人に還付することにいたそうとするものであります。 次に、被保険者が一定の廃疾者になった場合に保険金の支払いをすることについて申し上げます。現在被保険者が両手、両足もしくは片手及び片足を失い、または両眼が失明した場合には、簡易生命保険約款の定めるところにより将来の保険料の払い込みを免除しているのでありますが、被保険者が廃疾者となった場合の精神的、経済的打撃のきわめて大きいことを考えますときは、簡易保険の加入対象たる勤労者階層にとりましては、死亡した場合にも匹敵すべき事情に立ち至るものと考えられるのであります。そこで従来の保険料払込免除制度をさらに一歩進めて、保険金を支払うこととし、加入者の保険的保護を厚くしようとするものであります。 最後に、昭和三十年における簡易生命保険法の一部改正によりまして、保険金の倍額支払いに関する規定中、被保険者が不慮の事故等により傷害を受けた日から死亡の日までの期間が二ヵ月から三カ月に延長されたのでありますが、この改正規定は改正法律施行前に効力が発生した保険契約については適用しないこととなっておりますので、改正法律施行前に効力が発生した保険契約につきましても、その改正規定を適用することといたし、改正法律施行後に効力が発生した保険契約との間に取扱いの均衡をはかるようにいたそうとするものであります。 以上まことに簡単でありますが、この法律案の提案理由及びその内容の概略を説明申し上げた次第でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
○片島委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。上林山榮吉君。
○上林山委員 簡易生命保険法の一部を改正する法律案について質疑をいたしたいと思います。大臣が軽いかぜぎみで出席ができないからということでございますから、最上政務次官並びに事務当局に対してお尋ねをし、後日締めくくりとして大臣にお尋ねしたいと思います。 ただいま説明を承わりまして、現段階においては概略この程度でやむを得ないのじゃないか、こういうように考えられるのでありますが、ただ私どもが不思議に思うのは、なぜ当委員会においてもその他の方面においても最高限度は三十万くらいが適当である、あるいは物価指数その他を今日に換算したりあるいは民間の無審査の保険等を考慮するならば、三十五万円も場合によってはいいのじゃないかという、しかもいろいろなものを基礎にした有力な意見があったわけでありますが、なぜ二十五万円にしたのであるか。これはたとえば金融界方面等の圧力といいましょうか、あるいは抵抗を事前に察知してといいましょうか、そういうような意味から次善の策として二十五万円にしたのであって、やがて近い機会にまた諸般の事情を考慮して三十万円なり三十五万円に引き上げてもいいという含みを持って提案されたものかどうか、この点は将来にも関係があるので、ただこの法案が通ればいいという、そういう考えではなしに、私は郵政省もはっきりした態度をお示しになる方が、本法案を通過させる意味においても、あるいは将来の改正案を出す場合においてもそれが適当である、こういうふうに考えるのでありますが、これに対する御意見を伺いたいのであります。
○大塚政府委員 簡易保険の最高制限額の引き上げにつきましては、前二十六通常国会におきましても、なるべく早く引き上げるようにという附帯決議をいただいておりまして、われわれもその線に沿いまして努力をいたして参ったわけでございます。おっしゃられるように三十万円くらいが適当でないかという説、またそういう理論も成り立つわけでございまして、ざっくばらんに申し上げまして私たちもできればそうしたいという希望を持っておったわけでございますが、何しろ上げましたのがまだ昨年の四月、それから一年もたっていない、その間に経済情勢としては特別の物価の高騰とか、生活費の上昇ということもなかったというような点、その他いろいろの説あるいは情勢等を勘案をいたしまして、この際は五万円でもとにかく引き上げておいた方が、われわれの事業のためにベターであるというようなことから、二十五万円ということになった次第でございまして、でき得るならば今後において、まあ一気にということはなかなか問題でありますので、漸を追いまして三十万円なり何なりにしていきたいという希望を持っておる次第でございます。
○上林山委員 物価が横ばいであるとか、あるいは卸売物価がデフレの関係等から安くなっておるとかいうものを考えて二十五万円というような基礎が出たので、できるだけ三十万円にしようと思ったけれども、とりあえずこの方がベターである、こういうような御答弁でありますが、私はそれは非常に遠慮をした御意見ではないか、こういうように考えるのであります。たとえば経済復興三ヵ年計画の平均ベースを基礎にして換算したときには、大体二十五万円程度になりますか、あるいはそれを少し上回って三十万円くらいに近いのじゃないですか。私は今ここに数字の資料を持っておりませんから、詳しく申し上げられませんけれども、二十五万円の額をきめた抽象的な、いわゆる諸般の事情の考慮はよくわかったのでありますが、これを経済的にあるいは数字的に基礎をとった場合に、それが適当である、ベターであると先ほど言われたのでありますが、そういうふうにお考えになっておりますか。私はそうではないのじゃないかという疑問を持ってお尋ねしておるわけでございますが、それにお答えを願いたいのであります。
○大塚政府委員 簡易保険の最高制限のきめ方の問題としまして、いろいろの考え方が成り立ち得るわけでございますが、戦前を基礎にしました物価指数というものを根拠にいたして考えます場合は、実は三十万円まではいかない数字になるわけでございます。しかし私たちが今考えておりますのは、戦前の物価指数もさることながら、大体中産階級以下の生活水準が、戦前に比べて平均以上に上っておるというような点を考えますと、物価指数だけでいくべき問題ではない、むしろ現在の主として勤労階級の保険に対する要求といいますか、保険の目的であります老後の生活安定及び死亡の場合の最終の医療費、それから葬祭費、遺族の当座の生活費、こういうものを基礎にして考えるのが、むしろ妥当じゃないかというわけでございまして、物価指数からいきますと、二十万円そこそこという数字が出ますし、先ほども申しました老後の生活安定や疾病費、医療費、葬祭費、遺族の生活費というものを基礎にしますと、三十万円をこえた数字が出るわけでございます。その両方を勘案しまして、現実の情勢から見て、さしあたり二十五万円くらいでやむを得ぬではなかろうかというのが私たちの考え方でございます。
○上林山委員 戦前の物価指数だけを基礎にして、最高限度をきめるということが間違いであることは、御答弁の通りでありますが、私が言っているのは、経済復興三カ年計画の平均指数を基礎にして考えた場合にどうなるのかというのが一点。それからもう一つは、現在は物価が横ばいないしは下っているから、これでベターだと考えたのだとおっしゃいますが、経済の見方というものは非常に複雑でございまして、これを正確に見通し得る人はないわけでありますけれども、三十三年度の後半期には、あるいは三十四年度の前半期には、今までのようなデフレの形態を持続するかということは、専門家が見ても非常に疑問とするところなんです。少しは明るくなるのじゃないかという数字も各方面から出ているわけでありますから、そういうことを勘案して、今あなたがおっしゃるように、老後なりあるいはその他の中産階級の小泊基準なりを、一つの基準に取り入れるということは私は適当な考えだろう、こういうように思っておるのですけれども、二十五万円が現段階においてはベターであるという考え方は訂正された方がいいのじゃないか。これはやむを得ずこういうふうにしたのが、あるいは今の段階においては一応これでよかろうが、近い将来はまた改正の意思も含んでおる、こういうふうにお答えになった方が、これは今後法案通過の上からも、やがて改正をする上からも適当である、私はこういうふうに考えるのです。 それからもう一点は、これがベターだという説明が十分であれば、私は質問はしませんけれども、私は疑問を持っておるのです。たとえば民間の金融機関あるいは民間の保険会社、こうしたような方面の摩擦を事前に察知し、できるだけそういう方面の抵抗を受けないで通り得る方法を選んだのだ、こういうことは何もないわけですか。もしあるとすれば、やはりそういうようなこともお聞かせ願っておいた方が、われわれとしては審議に便宜である、こう思うのです。 それからもう一つつけ加えておきますが、民間の保険の無診査は三十万、あるいはこれを継続してやるような場合は五十万、こういうふうになっておるのですから、その辺も考えた場合は、やはり三十万円くらいが現段階においてはベターなんだ、どの点から考えてもわれわれはそう思って、この委員会においても附帯決議をしたわけであるわけなんです。そこは事務当局は、できるだけ無難にという意味から答弁されておることは私もわかるけれども、その辺はやはりあっさり言うておかれた方がいいのじゃないかと思うので、重ねて答弁を求めておきたいと思います。
○大塚政府委員 引き上げの理由につきましては、おっしゃられる通りでありまして、最初に私が申し上げましたのも、物価が横ばいであるから、二十五万円がベターなんだというふうに申し上げたのではないわけでございまして、物価が横ばいだというような説もありということを申し上げたわけでございます。 それからベターだというのは、現在の二十万円よりも一五万円でも上げることがベターだ、こういうふうに申し上げたわけでございまして、三十万円に比べて二十五万円がベターだというふうに申し上げたわけではないのでございまして、そういうふうないろいろの説、いろいろの情勢等を考えまして、現在の二十万円より五万円でも上げることがよりベターだというふうに考えて御提案を申し上げたということでございまして、なおそれ以上に引き上げることについては、最初も申し上げましたように、漸を追ってわれわれの希望を実現していきたいというふうに考えておる次第でございます。 それから民間のいろいろ摩擦というようなお言葉もございましたが、これはわれわれ直接民間からどうこうということは聞いておりませんが、新聞その他で民間方面には反対の意向等があるということは、よく承知をいたしております。そういう点、あまり民間を刺激してもとか、あるいは競争を激しくしてもというようなことも若干配慮に入りまして、この際は二十五万円くらいでいくのが穏当であろうというふうに考えた次第でございます。
○上林山委員 私は劈頭に申し上げた通り、次善の策としては、概略この改正案はいい、こういう前提に立って質問しておるのですが、あなた方の答弁が、これがもうベターなんだ、こういうような強い発言らしいものを見られたので、審議の参考資料にしたいと思ってお尋ねしたわけでありますが、私の質疑を申し上げた趣旨をくまれて、また来年は諸般の事情をよく勘案して、三十万円にする努力をしたい、こういうことを含みとして、これに対してはあとで一言大臣に締めくくりをお尋ねする程度にして終りたいと思いますが、これに関連いたしまして、私は珍しく郵政省に婦人の政務次官を迎えて、郵政省がある意味において非常に明るくなったような気持がして、かねて敬意を表しておるのでありますが、中でも政務次官は、貯金方面に婦人の課長を作ったということで、実に管内において、部内において評判がいいのですが、貯金局だけでなくて、こういう保険局、あるいはその他の部門にもぼつぼつ適当な秘度に婦人の職員の優秀なる者を起用していく、こういうお考えはないかどうか。これはちっとも遠慮の要らないところでありますから、政務次官のお考えで、あるいは大臣と相談されて、そういうような明るい人事を、今まで恵まれなかった婦人職員方面にもう一歩御在任中に確立されるならば、婦人政務次官を迎えた郵政省の意味もさらに一段と加わるだろう、こういうふうに思うのです。私は真剣にこれを考えているのですが、せっかくりっぱなことをおやりになったのだから、もう一ふんばりするお考えはないかどうか。ことに保険局方面は現業で、たくさんの女の職員がおるのですから、そういう方面に何か考えを持っておられないかということをお尋ねしてみたいと思います。
○最上政府委員 ただいま上林山委員から大へんにおほめのお言葉をいただきましたのでございますが、私が郵政省に初めて婦人の政務次官といたしまして就任いたしまして、実はいろいろ研究してみましたところ、婦人の課長さん、局長さんがまだ一人もできていないということを考えまして、実は農林省にも労働省にも――労働省は御承知のように婦人の局長を迎えておりますし、農林省にいたしましても、生活改善に課長さんがございますので、何とかして郵政省にも課長さんなり局長さんを任用いたしたいと思いまして、調査いたしましたところ、十二万も婦人の方が郵政省関係にいらっしゃいますのにもかかわらず、本省の関係には婦人の課長さんが一人もいらっしゃらない。まことに私はおそきに失しておるのではないかと、かように考えまして調査いたしましたところ、もうすでに四十年も勤めている人もございますし、三十年――まことに不覚でございますが、私今数字を持ってきておりません。こういう御質問が出ますのでございましたら数字をあげて御答弁申し上げたいと思ったのでございますが、きょうはそれを持ち合せておりません。次会にまた詳しいことは申し上げたいと思いますが、大へんたくさんの婦人職員がおりますのに、そうしたことがございませんので残念に思いました。そこで調査をいたしまして、大阪の貯金局に一人今回課長さんをこしらえたのでございますが、実はこれからも調査研究いたしまして、そうした抜擢のできる方はどしどし保険局、また東京の貯金局の方にもそうしたような方を推薦いたしたい、かように考えております。
○上林山委員 これは非常にいい答弁を伺ったわけでありますが、どうかただいまの答弁を実行に移して、大臣とも相談されて、遠慮なくやっていただきたいということを要望しまして、私の質疑を終ります。
○片島委員長 森本靖君。
○森本委員 大臣がおりませんので、ちょっと事務的な面だけ聞いておきたいと思います。きょういただきました資料によりますと、大正五年の二百五十円から今日の二十万円までの保険金の最高制限額の引き上げの沿革がずっと載っております。この間にいわゆる民間生命保険と違って、小額保険は簡易生命保険に限るということが法的にも規制をされておったことを私は記憶をしておるわけでありますが、それがいつごろになくなって現行のようになったか、そのことをちょっと説明願いたいと思います。
○大塚政府委員 おっしゃられるように、独占規定が最初からございましたが、それが撤廃になりましたのは昭和二十一年からでございます。
○森本委員 独占規定がなくなったのが昭和二十一年といたしますと、今日は民間生命保険も簡易生命保険も同様の扱いを受けておるわけでありますが、実はこのことが簡易生命保険の最高額引き上げについての一番大事な要点でありまして、もともと簡易生命保険というものは、一般の零細な国民大衆の相互扶助という面ででき上っておるわけであります。そこでもともと簡易生命保険については、小額は簡易生命保険に限る、こういう規定によって隆々発達をしてきたものでありますが、それが今日民間生命保険とまるきり競合するような形になっておる。そういう形の中において今回わずかに五万円程度しか引き上げられないということについては、われわれとしては非常に不可解に考えるわけでありますが、この問題はこれ以上は政治的な問題になりますので、あとで大臣が来たときにお尋ねをいたしたいと思います。 それから次に、今回の両手を失ったとき、両足を失ったときという廃疾になった場合の四項目、これは非常にいいことには違いありませんけれども、普通の民間生命保険会社はこの問題についてどういうふうに取り扱っておるわけですか。
○大塚政府委員 民間生命保険が大体二十社ございますが、そのほとんど大部分が大体これと同じでございます。ただ中には多少詳しくいたしまして、両手両足というのを関節以上を失った場合とかいうようなこまかい規定をしておるのがありますが、大体においてこれと同じであります。
○森本委員 それは民間生命保険会社ではいつごろからですか。
○大塚政府委員 民間におきましても大体終戦後からでございます。
○森本委員 民間生命保険会社が終戦直後そういうことを始めた。ところがこちらの方は、今言いましたように終戦直後独占が失われた。そうすると簡易生命保険の方は、一般の生命保険会社との競合のうちに裸でさらされた。それがちょうど時期が同じような時期になっておる。そういう場合、今は昭和三十二年ですが、昭和三十三年になって民間保険会社とようやく歩調を合わすというのを提案をするわけです。この提案はそういう考え方に立つと、非常におそきに失するのではないですか。
○大塚政府委員 保険金を支払うということにいたしますのは、今回が初めてでございますが、その前から保険料の払い込みは免除をいたしておったわけでございます。それから民間でも大体同じと申し上げましたが、やはり保険料の免除でいっておるところも、まだ一社か二社かだけですがございます。
○森本委員 私が聞いておるのは、この四項目の廃疾になった場合には保険金を支払うというのは、民間保険会社は、あなたの今の最初の答弁では昭和二十一年ごろからやっておられるということですから、それならそのときに独占が失われておるという過程になれば、簡易生命保険というものの料率を引き下げるなり、あるいはこういう面のサービスを向上するなり考えなければならぬときの問題です。それが今になって、十何年も過ぎてから提案をするということは非常におそきに失するではないか、こういうことを質問をしておるわけです。
○大塚政府委員 まことにおっしゃられる通りでございまして、もう少し早くやるべきではなかったかというふうに考える次第でございますが、おそまきながらぜひ一つやりたいというふうに考えておるわけでございます。
○森本委員 そういうふうにおとなしく答弁をせられると、それはそれ以上の追及の法はないのですが、これはだれが見てもおそきに失するということは当然であります。 それからもう一つ、先ほどの簡易生命保険が独占を失っておるという今日において、しかも簡易生命保険の積立金というものは非常に有意義に使われておるという今日において、非常に簡易生命保険の募集も困難な状態になっておる。もう一回独占的な問題を政府当局としては取り上げて考えてみる、そういう考え方はないのですか。これは事務当局には返事ができなければ、政務次官でもけっこうです。
○大塚政府委員 今日におきましては、無審査月掛保険というものは民間保険におきましても、件数においてはむしろ半分以上を占めておるというような状況にも至っておりますので、この情勢のもとでまたもとに戻りまして、月掛無審査保険は国営だけというようなことにするということは、事実問題としてちょっと不可能に近いのではなかろうかというふうに考えております。
○森本委員 事実問題としては不可能だというけれども、たとえばこれを三十万円なら三十万円に限度を置き、それ以下の小額契約については、これは簡易生命保険なら簡易生命保険に限るということは、あながちそれをやろうとするならば不可能ではないわけです。今のあなたの答弁にありましたように、民間生命保険会社も無審査月掛が半数以上ということになった場合は、これ以上民間生命保険と簡易生命保険とが競合するということは、保険業界にとってもあまり芳ばしくない情勢ではないか。それから同じ従業員なんかにしても、その競合に非常に苦しんでおる。特に簡易生命保険の最高額を引き上げるために、いろいろうわさに聞きますと、一般の生命保険業界が必死になって、最高額の制限額の引き上げに反対をする。普通ならば三十一万円というところが妥当だというふうにみなが考えておるものが、やはり二十五万円に落ちつかなければならぬということで、しょっちゅうこれを繰り返していかなければならぬ。その原因はやはり簡易生命保険というものの独占的な性格が失われておるということに一番の大きな原因があると思う。このことについてただ最高制限額を五万円くらいずつ、小刻みに引き上げるということだけを考えることなしに、その根本的なあり方について考えてみなければならぬのではないか。やはりこの昭和二十一年に独占的なものが失われたということは、当時の日本の政治情勢、経済情勢からしてもそういうことがいえると思うのです。だから日本が一応今日のように経済情勢なり社会情勢が大体平静に返ったというような場合には、この簡易生命保険の独自の行き方については、郵政省としてももう考えていいのではないか。そのことを考えずに単に最高額だけを引き上げることにきゅうきゅうとしておったのでは、やはり行き詰まっていくのではないか、この点を私は追及しておるわけです。事務当局はこの問題について大臣からはっきりした答弁を聞かないと、また大臣からしかられたのでは、あなたの方もつまりませんので、これ以上追及いたしませんけれども、簡易生命保険額の最高額の引き上げについてはこの点が一番大事な点なんです。この重要な点について、政府の見解を次の委員会において私は明らかにしてもらいたい。そうしないとただ単に五万円なり十万円ずつ引き上げていったところで、結局これはウサギとカメの追いかけ合いということになりかねない点がありますので、その点を一つ次の委員会ではっきりと御答弁を願いたいということを言っておきまして、私のきょうの簡単な質問を終ります。
○片島委員長 松井政吉君。
○松井委員 ちょっと二、三点質問をしておきたいのですが、今度の制限額引き上げについての資料をいただいております。そこで目的は御承知のように医療費、葬祭料、それから遺族に対する生活の若干の補助である、こういうことになっているのでありますが、その目的を達成するために二十五万円に引き上げる、こういう理屈がついておるわけですね。資料の中に医療費、葬祭費、遺族生活費というので計算をいたしておりますが、その計算の基礎と、今の経済事情からして葬祭費、それから医療費、そういうものを標準としてどれくらいに見て二十五万円にしたか、その根拠がはっきりわからない、それを一つ御説明願いたい。
○大塚政府委員 先ほど来御説明申し上げましたように、医療費、葬祭費、遺族生活費というものが、簡易保険の一つの目標になっておるわけでございまして、その面から見ますと、この資料のように三十五、六万円ということに相なるわけでございます。ただ先ほど申し上げましたように、これだけを基礎にして今度の二十五万円というのがきまったのではございませんで、いろいろ先ほども申し上げましたように、まだ昨年の四月に上げたばかりであるということ、あるいはその後物価が大体横ばいだというような説をなすものもありますし、かたがた民間保険とのいろいろの関係等もありまして、それらを勘案いたしまして二十五万円ということにいたしましたので、正確にこの医療費、葬祭費、遺族生活費といったものの数字を根拠にしてきめた二十五万円ではないのであります。
○松井委員 そうすると、この提案理由の説明に基いてその説明の主旨をなす、それから簡易生命保険のほんとうの意義をなす医療費、葬祭費、遺族生活費を見ると、三十六万三千三百九十一円になります。それは確認するが、ただいま御答弁なさったような事情から、とりあえず二十五万円にした、こういうことで了承してよろしいのですか。
○大塚政府委員 さようでございます。
○松井委員 そうすれば当然三十六万三千三百九十一円が妥当ということになりますから、先ほど上林山君もおっしゃっておられましたが、当然その理想の数字に郵政省は今後努力する必要があると思いますが、それはお考えありますか。
○大塚政府委員 先ほど申し上げましたように、漸を追ってその線に努力をしていきたいというふうに考えておるわけであります。
○松井委員 もう一点お伺いしておきたいのですが、保険料の払い込み免除を受けておる者が現在どのくらいございましょう。
○大塚政府委員 現在――といいましても三十一年度末の数字でございますが、件数にしまして五千三百十七件、保険金額にしまして四千四百万円余りでございます。
○松井委員 そうするとこの法律改正によってさらにこれを拡大しようという考え方でいきますと、これは想定ですが、最初の三十三年一年間ではどういうパーセントになりますか。五千三百十七件、四千四百万円は、どういうパーセントで現われるというお見込みでございますか。
○大塚政府委員 ちょっと今のおっしゃられますことがはっきり私了解いたしかねたのでございますが、今度はこの保険料免除をやめまして、保険金を即座に支払ってしまう、こういうことにいたしたいということでございます。
○松井委員 それから運用の面でちょっとお伺いしたいのですが、制限額はこれで二国会続けて引き上げられるわけですね。そうすると、これはやはり保険事業でございますから、当然運用の面にいろいろ改善が加えられてこなければならないはずだと思いますが、運用に関する郵政省内の規定ないしは法律等の改正の意思はないのですか。
○大塚政府委員 最高制限額を引き上げていただきますと、それだけ当然契約が伸びまして、従って積立金もふえてくるということになるわけでございます。従って運用の範囲とか対象について考えなければならぬわけでございますが、今までのところ実は法律できめられました運用の範囲一ぱい一ぱいに投資をいたしておらなかったのを、本年度から広げまして、いろいろ中小企業金融公庫とか、商工中金とかいうような方面にも大体投資をいたすようになったわけでございます。今までのところでは大体それで一応間に合っておりますので、今直ちに法律を改正して、投資範囲を広げるというところまではいっておりませんが、積立金のふえるに従ってそういう方向に考えなければいかぬのではないかというふうに考えております。
○松井委員 考え方はよくわかりましたが、おそらく予算書等の付属書類か参考書類に何か数字が詳しく出ていると思いますが、私まだそこまで調べておりませんので、ちょっと本日お伺いしておきますが、これは簡保の積立金は運用の面で、たしか市町村等の自治体にもいろいろめんどうを見ているのではないかと思いますが、その全国の市町村でこれを運用いたしております現在のといいますか、あるいは三十一年度といいますか、わかる年度でよろしゅうございますが、どの程度の額を市町村で利用なさっているか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○大塚政府委員 大体三十二年十二月末で市町村及び府県に出しております金額が千七百億でございます。
○松井委員 そうすると、これはおそらく長期という形はないと思いますけれども、どういう形でございますか。
○大塚政府委員 これは長期と短期融資と両方合わした数字でございまして、はっきりしたことを覚えておりませんが、たしか短期は百七十億くらいで、あとは長期で、長期の平均貸付の年数は十八年になっておったと思います。
○松井委員 そうしますと、今度の制限額引き上げ等で、一ぺんに三十三年度に、制限額が上ったからといって極端にはふえてこないと思いますけれども、ふえることはあるわけですね。そうすれば、この種の地方自治体等への貸付額も必然的に多くなっていく、こういう工合に了解してよろしゅうございますか。
○大塚政府委員 これは結局地方債の起債許可を自治庁及び大蔵省でどの程度毎年きめるかによってきまってくる問題でございまして、起債許可が大体ふえないというようなことになりますと、私どもの方で投資をするのもふえない、起債許可が非常にふえたというような場合には、これは運用資金の方と相談いたしまして、どちらへよけいに出すかという点で、具体的にきめていかなければならぬと考えております。
○松井委員 そうすると、今単に市町村だけの例をとって申し上げましたけれども、確かにこれは運用資金に編入されたり、国全体の金融財政計画に重要な関係があるわけでありますけれども、たしか運用の権限は法律上大臣でございましたね。そうすれば郵政大臣がこの運用に対する最高の責任者でありますから、大臣が来てから大臣にお伺いする方がいいと思いますけれども、たとえば郵政省内の局舎建設等の問題も当然からまってくるわけですね。こういうことについて省内で、特別に制限額引き上げによってそういう局舎その他の額をふやすという打ち合せはまだやってないのですか。これは大臣が来てからいろいろお伺いしてもいいと思いますけれども、もし省議等で話し合いがあったとすれば、その点だけお聞かせ願いたい。
○大塚政府委員 国会の御要望もございまして、簡保資金から郵政事業の建設勘定に毎年融資をいたしておりますが、これにつきまして引き上げに伴ってふえるからというようなことについての相談は、今のところまだいたしておりません。
○松井委員 これは御承知のように、昨年末委員会の決議によって私たち特定局制度、それから特定局の局舎その他を調査させられたわけなんで、そういうことから考えても、こういう形で国民の金が保険の形において郵政省へ入ってくる、その額がふえる、こういうことになりますれば、当然郵政省内において、問題になっております局舎建設等について、運用の権限は大臣にあるのですから、その運営は政府において考えていくべきだと思いますが、それと地方自治体は、非常に特別の災害を受けた等の市町村は、その災害を受けた直後の災害対策の短期等の金に非常に有効に使っているのです。そういう面が出てこないと、募集の面につかえてくるのです。皆さんの保険に入ってもらった金が、民間の保険会社と違って、市町村にも公共的な施設に対し、あるいは建設に対し、あるいは教育や文化上の問題に対して、皆さんの町村にはね返ってくるように運用ができるのだということです。もう一つは、今度は従業員がこれを募集するのですから、そうすれば従業員の働く場所の局舎等には十分に使うのだ、ここがこの事業についてのキー・ポイントだと思う。そういうことについては十分検討なさって、ないしは御勉強なさっていると思いますが、私どもの方からも、これはなかなか見のがすことのできない重大なことでございますから、今後また具体的に資料に基いて研究をして御質疑したいと思いますけれども、これは一つ十分にただいま申し上げた点は留意していただきたいと思います。そうではなくて制限額は上るが、加入者が住んでおる市町村には何もはね返りがない、運用の面でもおもしろくない、さらに従業員の働き場所にもはね返りがないということになりますと、制限額を上げても成績を上げることはできないことになりますから、これは十分に一つ留意していただきたいと思います。 私の質問は、本日は以上で終ります。
○片島委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会 ――――◇―――――