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28回国会衆議院1958/02/07

地方行政委員会 第2号

発言数
18
登壇者
7
会派数
2
開催日
1958/02/07

会議録

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員長 これより会議を開きます。  理事補欠選任の件についてお諮りいたします。理事山中貞則君が昨年十二月二十日本委員を辞任されましたのに伴い、理事が一名欠員となっております。この際纐纈彌三君をその補欠として理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員長 御異議なしと認めまして、纐纈彌三君を指名いたします。     —————————————

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員長 次に、昨六日本委員会に付託になりました警察法等の一部を改正する法律案、並びに去る一月三十一日予備審査のため付託になりました銃砲刀剣類等所持取締法案、及び昨六日同じく予備審査のため付託になりました遺失物法等の一部を改正する法律案の三法律案について、政府よりそれぞれ趣旨説明を求めることにいたします。国務大臣正力松太郎君。     —————————————

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 ただいま議題となりました警察法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。  この法律案は、警察法及び道路交通取締法についてそれぞれその一部を改正しようとするものでありますが、現行警察法施行以来三年有半の警察運営の実情と、最近における道路交通の状況その他の情勢の著しい変化に対応せんとするものでありまして、警察庁及び北海道における警察組織を合理的に改編整備するとともに、全国的な幹線道路における交通の規制の整一をはかる等、交通警察上必要な措置を講ずることを主要な改正点とし、民主的警察制度のもとにおいて社会情勢の変化に即応し、警察事務を能率的に遂行しようとする目的を持つものにほかならないのであります。  次に本案の主たる内容についてでありますが。まず警察法の改正について御説明いたします。  第一点は、警察庁の内部組織の改編であります。最近における交通機関の急激な発達に伴い、交通警察の重要度は倍加するとともに、青少年犯罪増加の傾向に伴う少年警察充実の必要性があることは言うまでもないところであり、各種特別法令の取締り、特に売春防止法の全面施行を目前に控えまして、これらの事務を適切に処理せんがために、今回の警察庁の内部部局を改組し、右に述べた事務をもっぱら所掌する一部局として保安局を新設するとともに、各部局の所掌事務についてもこれを機会に合理的に改編を行い、あわせて従来の部課制を局課制にしようとするものであります。さらに中央のこの機構改正を機に、現在画一的部制のとられている管区警察局についても、中央の機構改正に即応し、必要と認められる関東及び近畿管区警察局には現行の三部のほか、保安部を新設することといたしたのであります。  第二点は、北海道警察の組織についてでありますが、現今北海道におきましては、道の区域を五方面に分ち、それぞれ方面公安委員会及び方面本部を置いておりますが、事務の能率化及び第一線の警察官の増強をはかるため、道警察本部の所在地を包括する札幌方面には、方面公安委員会及び方面本部を置かないこととし、道警察本部の直轄といたしたいものとしております。また北海道における新任警察官を含め、道内警察官の教養の整一をはかる上から、現在各方面に置かれている方面警察学校はこれを廃止いたしまして、北海道における警察官の教養は、すべて道警察学校一本で行うことにしたいのであります。  第三点は、移動警察に関する規定を整備せんとするものであり、二以上の都道府県の区域にわたる特定の道路では、交通の円滑と危険の防止のため、関係都道府県警察の協議して定めたところにより、その道路における事案について、相互に他の管轄区域にも職権を行使し得ることとしたのであります。  第四点は、道路交通取締法の一部改正に伴い、国家公安委員会の権限に属する事務として、全国的な幹線道路における交通の規制に関することを加えることといたしました。  これが、警察法の改正のおもな内容でありますが、いずれも、現行制度をより合理的、能率的に運用するためのものであるとともに、現行法制定後の情勢の変化に即応しようというものであって、警察制度について根本的変革を試みようとするものではないのであります。  次に、道路交通取締法の一部改正についてでありますが、一級国道その他の全国的な幹線道路につきましては、各都道府県ごとに諸車の最高速度の制限その他の交通規制について、全国的見地からする統制が保たれなくては、交通の円滑と安全を期し得ないため、このような道路の交通規制については、国家公安委員会が都道府県公安委員会に対し、所要の指示を行い得ることとし、交通の円滑を期することとしたのであります。  以上が、この改正法律案の主なる内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことを御願いいたす次第であります。  次に、今回提出いたしました遺失物法等の一部を改正する法律案について、提案理由及びその内容の概要を説明いたします。  遺失物は、遺失物法その他の関係法律に準処して警察署長が取り扱っているのでありますが、その根拠法たる遺失物法は明治三十二年に制定され、その後実質的な改正をほとんど見るところなく今日に至っているのであります。物件を拾得した者が、その物件の遺失主に返還できないときは警察署長に差し出し、警察署長において公告後法定期間内に遺失主が判明しないときは、拾得者が所有権を取得するのが現行法の骨子であります。わが国においては、多年にわたりこの原則により遺 失物を取り扱ってきておりますので、この建前を変更することは適当でないと考えるのであります。しかしながら、遺失物法制定当時と今日とを比較いたしまするに、物件の交流移動も著しく多数に上り、従って遺失される機会も非常に増大しておりますし、他面遺失主がその遺失物を探し求める手段も通信及び交通機関のめざましい発達により著しく便利になっておりますので、現行遺失物法の骨子を根本的に変更することなく、文明の発達に伴う所要の改正を行うことが、遺失物の取扱いの適正を期するゆえんと考えるのであります。  右の趣旨に基き提出いたしました遺失物法等の一部を改正する法律案の内容について説明いたします。  その第一は、拾得者において遺失主を発見できないため警察署長に差し出した物件については、現行法のもとでは、警察署長において公告の後一年を経過しなければ拾得者がその所有権を取得できないのでありますが、今日の実情について調査いたしまするに、公告後遺失主の判明する総件数に対し、一カ月内にすでに九一%強、三カ月内には九九%弱、六カ月内に一〇〇%弱が判明している状況であります。すなわち、通信及び交通機関の発達した今日においては、遺失主の判明すべきものの大部分は公告後三カ月内に判明しているのであります。この実情にかんがみ、公告後六カ月内に遺失主の判明しない場合は、拾得者が所有権を取得することとしたのであります。  なお、かかる趣旨に基き拾得者が所有権を取得してから引き取ることのできる期間をニカ月内と改めるとともに、犯罪者の置き去つたと認められる物件についても同趣旨の改正を行なったのであります。また、水難救護法の規定により市町村長の保管する漂流物等についても、所有者は、公告または告知後六カ月以内に限り市町村長から引き渡しを受けることができることとしたのであります。  第二は、管守者のある船車建築物等において他人の物件を拾得した者は、現行法上拾得者としての権利が認められず、その船車建築物等の占有者が拾得者としての権利を取得することになっておるのでありますが、この規定は、船車建築物等において多数の客が来集している現状にかんがみ社会常識に合致しないので、かかる場合は現実の拾得者に拾得者としての権利を付与し、船車建築物等の占有者が拾得物に関する権利を取得するのは、現実の拾得者がその権利を放棄した場合と、その者が二十四時間内に当該船車建築物等の管守者に拾得物を交付しない場合とに限ることとしたのであります。  第三は、船車建築物等の占有者であって、拾得物の保管能力があると認められたる特定の法人は、当該船車建築物等において物件を拾得した者から物件の交付を受けた場合及び当該船車建築物等を管守する者が物件を拾得した場合においては、その物件をわざわざ警察署長に差し出さないこととし、これを警察署長に届け出て、みずから当該遺失物を保管すべきこととしたのであります。この改正規定は、当該船車建築物等における保管施設整備の状況等とも十分にらみ合せて実情に即するよう円滑に実施したい考えであります。  その他、法令の規定により私に所有所持することを禁じた物件の帰属関係の規定、保管物件の廃棄に関する規定等を整備したのであります。  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。  次に今回提出いたしました銃砲刀剣類等所持取締法案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を説明いたします。  銃砲刀剣類等は、その利用目的も種々あり、中には、社会生活上欠くことのできないものもあるのでありますが、いずれも、人畜を殺傷する機能があり、その意味においては危険でありますので、わが国におきましては、古くからこの所持等について規制してきたのであります。しかも、終戦直後におきましては、連合国の占領行政のもとにおいて、一時は、これを相当広く禁止しておった時期もあったのでありますが、その後わが国の実情に即するように改正を加え、さらに独立後も当国会の審議を経て、事態に即して改正を加えて参ったのであります。  ところが、いわゆる町の暴力団等において、この現行の規制の間隙に乗じて、銃砲刀剣類を乱用するものも見受けられますので、暴力を排除して自由にして平穏な社会を実現するに必要な法的措置としてこの規制の不備を補いたいと存ずるのであります。また、近く本邦において国際競技が開催される運びにもなっており、これに備えて現行の規定に改正を加える必要も生じてきたのでありまして、今日施行されております銃砲刀剣類等所持取締令を廃止し、その内容とするところに右申し述べました趣旨に基く改正を加え、この機会において、銃砲刀剣類等所持取締法の題名のもとに、今日の事態に即して関係規定を整備し、ここに銃砲刀剣類等所持取締法案として提出した次第であります。  すなわち、この法律案の内容とするところを現行規定を改めた点を中心として申し述べますと、その第一は、許可または登録を受けた銃砲または刀剣類は、狩猟、有害鳥獣駆除、屠殺、人命救助、漁業、建設業等の用途に供するかその他正当な理由がある場合を除いては、これを携帯し、または運搬してはならないこととし、いわゆる暴力団等による銃砲刀剣類の悪用を防止することとしたのであります。  第二は、現行規定のもとにおいては、国際競技の拳銃競技種目に、外国人が適法にこれを所持して参加することができないのでありますが、かくては、国際競技を本邦において開催する趣旨にも沿わないこととなりますので、この国際競技に参加する外国人が都道府県公安委員会の許可を受けることによってその拳銃の所持を合理化することといたしたのであります。なお、祭礼等の年中行事に用いる刀剣類その他の刀剣類で所持することが一般の風俗慣習上やむを得ないと認められるもの及び特殊の試験または研究の用途に供するため必要な銃砲または刀剣類につきましても、都道府県公安委員会の許可を受けることによって所持することができることといたしたのであります。  第三は、所持を禁止されている銃砲または、刀剣類を所持して本邦に上陸しようとする者の当該銃砲または刀剣類の取扱いにつきまして、必要な場合に仮領置することができることとする等所要の規定を整備いたしたのであります。  第四は、捕鯨用標識銃等販売事業者及びその使用人並びに文化財保護委員会の承認を受けて刀剣類の製作をする者、捕鯨用標識銃等製造事業者及び輸出のための刀剣類の製作を業とする者等の使用人が、業務のために銃砲または刀剣類を所持する場合は武器製造事業者等の使用人の場合と同様にあらかじめ都道府県公安委員会に届け出ることによって、これらの者の業務のための所持を認めることとする等、今日の実情に即するよう関係規定の整備をはかるとともに、関係条文を総則、銃砲又は刀剣類の所持の許可、火なわ式銃砲又は刀剣類の登録、雑則及び罰則の五章に類別して、必要な整理を行なったのであります。  以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員長 右三法律案の趣旨説明は終りました。右三法律案等の質疑は次会に譲ることにいたします。     —————————————

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員長 次に消防に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。加藤精三君。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 ちょうど大臣もお見えになっておられますし、昨年十月十日、消防審議会会長高橋雄豺氏より国家公安委員会委員長正力松太郎氏に対しての答申がございまして、消防の機構改革に関する建議があったのであります。これにつきましての政府当局の 取扱いについて御意見を承わりたいのでございます。消防審議会の答申の骨子とするところは、消防業務、災害防除の業務というものは、きわめて国家的なものでありまして、これは終戦後駐留軍の指導によりまして、非常な大きな変革を受けたのでございますが、これは民主主義の行き過ぎというような形でございまして、ほとんど全部の責任を市町村に委任しているのでございます。かかることでございましては、現にわれわれがまのあたり見ておりまするごとく、所期の行政の効果を上げることができないのでございまして、本年も二月一日に宝塚劇場のああした悲惨な死傷者を出した火災があり、と思う間に、また銀座東映でああいう火災がある。もう宝塚劇場のごときは最も予防しやすい白昼あの騒ぎがあるのでございまして、そのほか南海汽船の南海丸の遭難のごとき、そうした重要な連絡船が無電機も積んでいなかったというところに事故が起るのであります。これら災害防止につきましては、国家がもう少し力を入れるべきはずのものではないか。しかるに現在の防災行政はきわめてたくさんの官庁に仕事が分裂しており、しかも国家消防本部なりその中心の機関——中心と申しますのは、あらゆる災害は最後にこの消防団員、それは大部分水防団員を兼ねております。その消防団員ないし消防職員の手によって、わが国の防災行政が行われておりまするのにかかわりませず、その財政的基礎は最も貧弱なる地方財政の経費に依存しておるわけであります。それでほとんど国家としてこれに何らの——何らというのは言い過ぎでございますが、きわめてわずかなる国家的な補助その他の援助しかしていないのでございます。しかも現在における消防その他の防災事務は、これは国家とそれから都道府県と市町村との間に、密接な行政のつながりがあって行われなければ所期の目的を達しないのにかかわらず、ほとんど市町村の責任になっておる。政府の国家消防本部というものは、膨大なる政府組織の非常な片すみの一角に、きわめて少数の部局員を擁する実に経費の少い、ほとんど手足を自由に動かすこともできない不如意な状態において、それを防災行政の本体としておる。これは現在のわが国の国内行政の最も大きな盲点といわなければならぬと信ずるものでございます。しかるにかかわりませず、この答申がありましても、明年度予算におきましては、さしたる機構上の改善が見られず、これは国の予算、国の財政上諸種の事情があることと私たちは察知しておるのでございますが、このままではどういたしましても、わが国の防災行政がその使命を全うすることは困難だと考えまするので、消防審議会の答申につきましては、その財政負担等の関係は、それを全部三十三年度より実施するということは不可能でございましょうが、それは財政の許す限りでけっこうで、大部分の発動は三十四年度よりといたしてもよいのでございますが、ここに防災行政を本腰を入れてやるのだという腹を示すために、政府は消防審議会の答申に基いて、その消防審議会の答申の中のとるべきものは十分に取り入れまして、特に最小限度、国家、府県、市町村の消防行政上の責任を新たに規定し、新たに改善し、そうして少くとも市町村間の任意の応援協定というようなものに対しましては、都道府県知事の応援命令を規定する、また応援協定を結ぶように強制できるという程度のことはもちろん必要でありまするが、そのほか各市町村間の年間の消防計画、各都道府県の年間の消防計画、それらを樹立せしめて、これを中央におきまして統制して、そうして施設の必要最小限度は維持する。そのために地方財政の関係上それらが不可能であるならば、現在の任意のきわめて軽少なる国家助成を、定率の国家助成にするなりあるいは都道府県の消防学校を改善して、そうして近代消防、科学消防を取り入れる、あるいは目に余る映画館火災、連絡船の事故あるいはことに電気火災、学校火災、これらに対しましては、抜本的なる処置を講じていただくことが必要なのでございます。ことに戦前は、電気工事施設業者は、すべて認可制度であったにかかわりませず、また同様危険物の取扱者、映画技術者等は全部認可、許可制度であったにかかわりませず、現在はその制度がない。すみやかに国家的見地から国家試験を施行して、これらに当らしめるということは絶対必要だと確信するものでございます。時間が長くなるといけませんので、省略いたしますが、万事御了察の上、右に対しましての大臣のお考えをお伺いいたしたいと考えるものであります。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 ただいま消防についての御意見、私も全く同感であります。消防の必要なこと、しかもそれは地方財政だけじゃいかぬから、国家が十分に補助をしなければならぬことは申し上げるまでもないことでありまして、今まで消防を軽視しておったわけではありませんけれども、ただ国家の財政上延びたのでありますが、幸い今度消防審議会の答申も出たのでありますから、これを今年はゆっくり十分調べて、一つ来年はあの消防審議会の答審の趣旨に沿うように努めたい、こう考えております。ただ今年できなかったことはまことに残念でありますが、とにかく今年は十分やりまして、来年はその緒につけたい、こう思っております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 あと一言だけ。大臣が簡単に来年まで延ばした、こうおっしゃったのに対しましては、われわれは絶対に承服することはできないのでございまして、政府が御提案にならなければ、この消防につきましては地方行政委員会が一致して、非常に強硬な意見を持っておりまするので、議員提案をいたすしかないのであります。それでそういうことになりませんように、むしろ財政負担の点は、一部は三十四年度から始めてもけっこうでございますから、すみやかに政府提案として御提案になられますことを、大臣に特に希望申し上げまして、大臣が御着席中の質問だけを終ります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 関連して、今加藤さんから大へんいい御質問があったと思うのでありますが、それに関連しまして、答申の内容は詳しくは拝見いたしてはおらぬが、中に一つ気がかりのものがあります。それは消防施設税というものであります。これはこの委員会におきましてもしばしば論じられまして、社会党におきましても消防の充実のために、消防に関連する特別税的なものを作ってはどうかという意見も、最後の決定はもちろん見ておりませんが、十分議論の対象になっております。ところが去年の答申案によりますると、私どもの希望あるいはまたこの委員の大よその希望でありますが、その希望によりますると、消防施設税というものは、大体今の火災保険の現状から見まして、料率が非常に高いし、そうして過去における経費の計算を見ましても、また火災の件数からいきましても、非常に社内留保が多いのであります。それではいけないというので、大蔵省あたりからも大へんな監督的な意見が出まして、毎年多少保険料は下っておるようでございまするが、われわれの意見といたしましては、むしろその火災保険会社等から消防施設税をとるべきである。これは圧倒的な意見であったのであります。しかるにその答申案を見ますると、それは妥当でない、そうして固定資産税的なものをとっていけ、こういうふうな形になっ出てておりまするので、実は社会党はもとより、識者はあぜんとしておるような実情でございます。この点について大臣よく御研究になっておらぬかもしれませんが、事務当局からでもけっこうでありまするが、率直な意見をこの際ちょっとお漏らしを願いたい、かように考えます。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木(琢)政府委員 この審議会の答申は、財政問題につきましては、三点の問題があげられておるわけでございますが、その中の一つに固定資産に対する特別課税をするということが出ております。この問題は御指摘のありましたように、非常に重要な問題でございまして、われわれも直ちにこれと取っ組んで、これに対する案を作ると いう態度は今日とっておりません。むしろこれは自治庁とそれぞれ地方財政関係の各省と十分打ち合せまして、私ども事務的に考えておりますのは、自治庁等で、地方財政あるいは地方税制全般について検討を加える段階がありましたら、そのときにこのことも加えて研究の対象にしてもらいたいという程度に考えております。いずれにいたしましても、この問題は相当慎重に取り扱いたい、かように考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 ただいまの消防本部長の御意見には私は非常に反対であります。消防本部長は、予算編成において予算を獲得することの苦労を非常に強く考えておられないかもしれませんけれども、なまやさしいことで大蔵省が予算をくれるものじゃない。ところが今ぼろもうけをしておって事業費には三〇%ぐらいしか使われないで、ほとんどほかの方に使っておる火災保険会社なるものがあって、これは同様な生命保険等からいわせましても、火災保険はあまりによ過ぎるといっておる。そうしてその中からある程度の消防施設税をとっても、これは決して一部の者にだけ負担をかける、加入者だけに負担をかけるということにならないのです。保険料が安くなれば、どんどん加入者が多くなる。自然とこれは一般の負担になる。そうして一般に国家的に非常にいい作用をする施設に充当できる。その他詳しいことは、今まで地方行政委員会で非常にたびたび論議して、社会党も自民党も結論が出ておるにかかわらず、その財源が急にほしくないのかどうか。皆さん現在市町村の消防ははっぴも買えないのです。被服も十分でない。消防道路も作られない、水道の改善もできない、貯水槽等も十分作れない。ポンプも十分整備できない。ポンプなんか整備するのに、標準まで行くのに二十年もかかる。そんな現状のときに、こういういい財源があるのに、どうしてそれがほしいという声を消防の方から出していただけないのか。私は非常に残念なんでございまして、この点は消防に対して平素最も熱意を持っておられ、御理解があり、そして消防や警察を総攬しておられる正力国務大臣の政治力をもって、すみやかに——どっちかといえば銀行とか保険業とかいうのは大蔵省所管でございますから、どうしても自分の所管の方は、ちょっと大事にしたくなるような人情もあるかもしれない、というのは、これは与党の発言としてははなはだ不謹慎でありますが、そこを万事御了察の上、われらの正力国務大臣の手によって、その怪腕をもって……正力国務大臣はやろうと思ったことで、今まで達成しなかったことは一回もないのですから、われわれは大いに期待しますので、消防施設税をぜひ制定していただくように、これは他の財源を圧迫しませんから、国税地方税の税制一般の関係には悪影響を及ぼさぬでできることなんです。これは国民だれ一人といえどもこれが不穏当だという者はない。そういう名案があるのでございますから、正力国務大臣の怪腕に御期待申し上げて、その実現をはかりたいと考えておるのでございます。その点、中井委員と同意見でございますから、ぜひお願い申し上げます。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 実は消防のことは大切だと言いながら、どうも皆は真剣にならないのです。ですからこれはどうしても、一つこの際国民も真剣にならなければならぬ、それから政府当局においても、消防ということを今後大いに真剣に考えなければならぬと思います。そうしてやらなければ、国家にこれほど損はありません。警察の方も大事だが、一面火災における損失も大へんなものでありますから、今後なお一そう消防の幹部とよく相談いたしまして、できるだけのことをいたします。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 関連して。今の問題は非常に重要ですから、大臣には今の御答弁を裏づけるための具体的な意見、これをお聞きしたいことと、それから本部長に対してお伺いをしたいのは、現在民間と申しますか、住民がかけておるいわゆる火災保険の保険料並びに総額、各保険会社がどのくらいとっておるか、それから年間、保険金としてどれだけ払っているか、いわゆる賠償をどれだけ払っているか、この点の資料を至急に出していただきたいと思います。と申しますのは、私は自分で一つの団体で相互保険を十年やっております。そうして同じ地域で、年額百二十円をかけて、一万人の組合員でもって、年間百万円の利益が上るわけです。しかもこれは決していなかの疎開された地域において行なっておるのではなくて、大阪という密集した地帯において、これで相互扶助をやっている。これで百万円の利益が上っている。こういうこと等を考えてみるならば、保険会社というものは非常に大きな利益を収得しておることが、われわれにうかがえるわけなんです。しかも、その利益がどのように配分されておるかというと、結局大会社に配分をされていっておる。こういう点等から考えるならば、消防施設の充実は、当然保険会社の保険率を下げるとか、それをまた同時に、下げた分を市町村の方に回すとか、いろいろな方法をやれば当然この問題は解決するので、従って至急にその問題の資料を出してもらいたいと思います。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私、ただいま具体的に案を出せとおっしゃいましたけれども、ただいまそれまでいっておりませんが、よく慎重に——皆さんの御熱心には私ども感謝いたしております。ただ国民が、先ほど申し上げました通り、消防というと何となしに、関心を持ちながら真剣にならないのでありますから、これは第一に国民の自覚を促さなければならぬと思います。それから電気の火災などもずいぶんたくさんあるのですから、これは全く国民の関心も足らず、われわれの監督も立らぬと思いますから、これについてもよく考慮いたします。

徳田與吉郎自由民主党

○徳田委員 ちょっと大臣に申し上げます。国民の関心が足らぬと言いますが、今は義勇消防というのが普通です。しかも普通の都市に行きますと、みな小学校の通学区域ごとに消防団を持っております。私は金沢ですが、年間七、八十万から百万円も、消防を維持育成するために受け持っているのです。民間は非常に熱心に育成しておるので、この点を間違ってもらうとピントが狂ってくる。民間がそれだけ非常に負担してるんだから、政府も負担しなければならない。政府も負担すると同時に保険会社は大もうけしておるのであるから、こういうところを誤解しないようにしてもらいたい。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今の問題は急に出たような印象を受けられては困りますから申し上げるんですが、これは実は二、三年来の非常に大きな問題であります。ところが巷間伝うるところによれば、消防会館など建設いたします際に、二、三億か四、五億かかりましたか、全国の消防団員からも金を取りましたが、同時に火災保険あたりから大きな寄付を取りました。そういうものとにらみ合わせて、そういうことをしてるんだから一つ勘弁してちょうだいというようなことで、それじゃというようなことで話がおさまっておるとか、おさまっておらぬとかという、これは私は流説だと思います。思いますが、それほど言われておるのです。ですからこの点は、先の資料ももう一回出していただきますが、大体わかっております。日本の火災保険は世界から信用を受けておるのに、最近テーブル・ファイヤー事件とかいろいろなものを起しましたのも、いろいろな料率の問題やそういうことに関連しておりますので、ほんとうに真剣に取り上げていただきたいと思うのであります。これは必ずできる問題だろうと思うんです。それが急に転換して固定資産税的なものというのには、実際われわれ驚きました。この点をよく御認識を願いたい。最後に一つ申し上げておきます。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員長 ほかに質問もないようでございますから、本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、これをもって散会いたします。     午後零時十六分散会

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