商工委員会 第7号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/02/18
会議録
○小平委員長 これより会議を開きます。 まず理事補欠選任の件についてお諮りいたします。去る十四日理事加藤清二君が委員を辞任され、理事が一名欠員となっております。加藤清二君は再び委員に選任されておりますので、同君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、加藤清二君を理事に指名いたします。 —————————————
○小平委員長 この際参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。日中貿易促進のための国内産業の態勢について、関係業界の意見を聴取するため、参考人の出頭を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 なお、昭和三十三年度の中小企業金融に関する見通し並びに事業計画等について、商工組合中央金庫当局及び日本不動産銀行当局の意見を聴取するため、参考人の出頭を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 以上両件について、参考人の出頭を求める日時、参考人の選定等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○小平委員長 次に理事会の協議により、去る十五日、本委員会に付託されました企業合理化促進法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小平委員長 御異議なしと認めます。 それでは企業合理化促進法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。 まず、その趣旨の説明を求めます。 —————————————
○小笠政府委員 企業合理化促進法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。 最近における著しい技術革新の状況にかんがみ、科学技術の振興をはかることは、刻下の急務であります。この科学技術振興方策の一環として、鉱工業技術等の試験研究を奨励助成するとともに、特に試験研究の成果である新技術の企業化を促進する措置が必要と考えられます。本法案は、かかる要請に基いて、わが国で行われた試験研究の成果であるところの未確立の新技術であって、国民経済上緊要であると認められるものの企業化を促進するため、その企業化に必要な機械設備等について、新たに特別償却を行う道を開かんとするものであります。 元来、試験研究の成果は、その企業化によって初めて結実するものでありますが、新技術の企業化を行うに際しては、通常多額の資金を要し、また企業化に当り、技術的に相当の不安を伴うものが多いので、資本蓄積の乏しいわが国企業は、企業化への踏み切りに相当の危険を感ずる例が少くないのであります。かかる状況に対処して、従来とも新技術の企業化方策として、新技術の工業化に対する融資あっせん等、諸種の措置がとられて参りましたが、税制面からもこれが振興策を講ずることは、企業の自主性を尊重しながら、しかも、企業化への踏み切りを促進する上において、有効な措置であると考えるのであります。 法案の内容につきましては、御審議の途上逐次その詳細を御説明申し上げる所存でございますが、以下その概要を申し述べますならば、第一に、わが国で行われた試験研究の成果である新技術を企業化しようとする者は、主務大臣及び大蔵大臣に申請し、その企業化が国民経済上緊要な新技術の企業化であり、かつ、その取得する機械設備等が、当該新技術を企業化する場合の主要な生産工程において欠くことのできないものである旨の承認を受け、第二に、申請者は、この承認にかかる機械設備等を承認後一定期間内に当該企業化の用に供したときは、当該設備が承認の内容に合致している旨の主務大臣の証明を受け、これによって租税特別措置法の定めるところにより、特別償却を行うことができます。 なお、本法案の規定を受けて租税特別措置法の改正法案においては、本法案の規定による承認を受けた者が、承認にかかる機械設備等について、主務大臣の証明を受けたときは、企業化の用に供した初年度において、その取得価額の二分の一相当額の特別償却を行うことができるように規定されております。以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、御可決あらんことを切に希望する次第であります。
○小平委員長 本案に関する質疑は後日に譲ることにいたします。 —————————————
○小平委員長 前会に引き続き産業経済の基本施策並びに私的独占の禁止及び公正取引等に関し質疑を続行いたします。佐々木良作君。
○佐々木(良)委員 私は、電力問題、特に再々編成問題を中心にいたしまして、河野企画庁長官並びに通産大臣と、ほんとうは二人並んでおってもらわぬと工合が悪いので、そういう形で質問しようと思ったのでありますけれども、まだそういう段階に至らない事情があるようでありますので、本論に入る前に、とりあえず一般的な問題について、一、二お伺いいたしまして、しこうして、電力問題に入りたいと思います。お許しを願いたいと思います。 第一に、河野企画庁長官にお伺いいたしたいと思いますが、それは現下の経済実情の判断についてであります。最近、一部に、不況の深刻化から底入れ観が現われまして、引き締め政策の過大な効果宣伝から、御承知のような公定歩合の引き下げ論まで、現実の日程に上ったかのごとき話が出てきつつあるように思います。しかし、実際の経済実勢は、企業の生産調整も、繊維や鉄鋼で見られるごとくに、ますます進行中でありますし、従いまして、まだまだ、決して終局のきざしさえ見えず、むしろ生産調節の慢性化の懸念さえ起るような状態であると思います。同時にまた、日銀の貸出高も五千億をこえておる現状でありまして、従って、政府は、当初予算の方針につきまして、緊縮の方針を立てておったことは、これは予算の答弁のいかんにかかわらず、一般の人々の認めておるところでありまして、予算答弁の技術的な問題はさておきましても、従来の方針がそこにあったことは、やはり認めざるを得ないと思います。そのことは、企画庁の今度の三十三年度経済計画大綱というのを見ましても、またせんだっての長官のごあいさつを聞きましても、さらにまた、通産大臣の重点施策というものの発言を聞きましても、大体似たようなものでありまして、特に河野長官は、「当面の経済計画といたしましては、対内対外の均衡をはかりながら、輸出の伸張を中軸として着実な経済成長を実現いたしますとともに、この間において、さきに決定した新長期経済計画の要請を極力充足することを基調としなければならないと存じます。」こういうふうな発言をされまして、実際は、最近の言葉で言いますと、低い姿勢の方針を明示されておると思います。言葉は、力一ぱいいい言葉を使っておられますけれども、ことしの経済の見通しは、決して楽観を許さないし、またその明るい見通しもないということを、如実に示されておるわけでありまして、私は、実際のところ、現下の経済情勢から見ましては、この方針は正しいと思います。従って、緊縮予算のつもりが、いろいろな事情で、同情的に見ましても、諸種の事情で膨張し、放漫性を持ってきたといたしましても、そういう方向の方が間違いなのだから、今後の経済施策の実施に当りましては、むしろ、この放漫性を是正するような方法で経済政策を推進されなければならない、こういうふうに私は思うわけであります。ところが、この方針と異なった予算案を弁護しなければならぬ政治的立場のあまり、昨年夏以来の引き締め政策の効果を過大に誇張せざるを得ない立場のあまり、今、一番最初に申し上げましたように、不況の底入れ観とか、それに同調するような意見が出てき、公定歩合の引き下げ論が現実の日程に上ってきたかのごとき錯覚を与えるような経済担当大臣の発言が行われておるようでありまして、私は、これは不謹慎のそしりを免れないと思うわけであります。従いまして、このような発言に刺激されて、現実に、たとえば、株式相場ががたがたいたしましたり、あるいはまた経済見通しに対しまして、必要以上の楽観論が起ったりして、経済界を動揺せしめておるのではないか、こういうふうに思うわけであります。これは言い過ぎのような観があるかもしれませんけれども、河野長官も御承知のように、昨年のちょうど予算の審議のときに当りまして、池田大蔵大臣が非常に強気で、神武景気の過大な方針を打ち通し尽されたわけでありまして、二千億の積極並びに減税施策を自画自賛をする方針が強過ぎたあまり、実際には行き過ぎのような状態に発言がなってしまって、途中で、なしくずしに方針を実施するチャンスを逸してしまって、御承知のような大幅な急速な緊急施策を実行しなければならぬというふうになったことは、御承知の通りであると思います。河野さん自身が、当時内閣改造におきまして、この池田さんの責任を追及されたという場面も、私はあったように漏れ承わっておるわけであります。従いまして、私の端的な質問と要望は、政治的な立場はいかんともあれ、現在の経済実勢を、やはり経済の総合的な施策の元締めである企画庁長官ははっきりと見て、そして統一的な見解を発表され、冷静な態度を持せられなければならない、こういうふうに思うわけでありますが、最近における大蔵大臣なりその他の発言は、どうも少しゆるふんのような感じを受けるわけでありますので、これに対しましての明確なる企画庁長官の所信を、まず承わりたいと思います。
○河野国務大臣 ただいま、るるお述べでありますが、大蔵大臣の先般の新聞に誤報されましたことは、はなはだ遺憾でございまして、大蔵大臣が決してそういう考えを持っておらぬということは、前後しばしば述べております通りに、ただいまお指摘になりましたが、公定歩合の引き下げをするというようなことは、政府部内においても、絶対考えておりません。このことを明確にいたしておきます。 同時に、予算につきましては、いろいろな御批評もございますが、われわれといたしましては、長期経済計画の一環として、本年度の予算につきましても、大体その線に沿って編成したのでございまして、これはあえて弁護するわけではございませんが、企画庁長官といたしましては、おおむね一千億の増ということを堅持しつつ、しかも、前年度の繰越金等につきましても、おおむね妥当な線にこれをとどめたということでございます。 経済の実勢の見通しにつきましては、ただいまお述べになりました点、おおむね私の考えておることと同じでありますが、ただ一点、しいて申し上げますれば、われわれは昨年長期経済計画を策定いたしまして、目標といたしますところは、生産資材の卸売価格を、おおむね国際水準に下げるために、一割程度の値下げの達成を期待する、その線において安定、成長の基礎を固めて参るということを目標にしておったわけでございます。従いまして、現在、総括的に申しますれば、物価は、大体われわれの所期の目的を達成する点に来ておりますけれども、これを内容的に検討いたしますれば、非常にでこぼこでございまして、たとえば、ただいま御指摘の通り、繊維その他軽金属等におきましては、非常に不必要に下落いたしております。これらにつきましては、生産制限、操短等によりまして、適当な価格に是正されることを期待いたしまするし、また政府としても、必要があれば、これに対して協力を惜しまないものであります。また、一部のものにつきましては、なおまだ割高のものもございますから、これらについては、さらにこれが引き下げを期待いたす次第であります。そういうふうにして、内容的には、これらのでこぼこを是正する必要がありますけれども、おおむね経済界全体としては、この程度で底にして、そして十分安定した底入れをいたしまして将来の発展に資する、こういうことを考えております。従いまして、ここが底だと言うたところが、底だから、直ちにあしたから上昇のカーブをとるべしというものじゃない。ここは十分に底固めをする必要がありますから、しいて申せば、なべの底のように、ずっと低い姿勢である時期まで固めまして、その上で徐々に堅実に上昇を期待する。従いまして、明年度におきましても、上期におきましては、決して今申すように手放しの楽観論もしくは底入れの済んだ上昇過程を期待するということではないのでありまして、当分の間は、今申しましたこれらの内容的なでこぼこを是正して、そして、ほんとうにしっかりした底が入るようにしていきたい、その上で安定した成長を期待するということに考えておるわけでございまして、すべての施策は、この線に沿って進めて参るというつもりでございます。
○佐々木(良)委員 昨年のちょうど今ごろ、予算審議の最中におきまして、国際収支の帳じりについての危険信号は、すでに出ておった。そのことにわれわれが言及いたしましても、それに目をおおって、むしろ非常に強い楽観論と神武景気の推進諭を唱え続けられまして、そしてああいう大きな間違いに近い状態を来たされたと思います。従いまして、今度は、今の長官の言にありますように、冷静な態度で、低い姿勢で、十分実勢を見きわめながら、具体的な諸施策を実施せられますように、特に要望いたしておきたいと思います。 それから、これも大したことじゃありませんが、この間の長官のごあいさつの中で、企画庁の権能の拡充強化の問題に触れられておりました。ところが数日前の新聞にそれの裏打をするような形で、経済企画庁の経済調査の活動を強化するための部局強化の方針ができたように報ぜられておったわけであります。これも、私は悪いことではないと思いますが、長官が従来持たれておるような現実的な動きで、本格的に経済の総合企画庁としての仕事をされようと思いますならば、これは、たびたび論議が出ておりますように、私は実際の予算編成権それ自身を企画庁の配下におさめなければ、なかなか総合的な経済企画を推進することは不可能であろうと思います。御承知のように、役所には、知恵は充満しておるわけでありまして、問題は、だれがどういう権能でやるかということだけに問題があるわけであります。従いまして、私は、河野企画庁長官が、ほんとうに企画庁をして総合的な経済企画を推進する役目を果される官庁にしようとされるならば、経済の調査活動をするための人間を少しふやされるようなことではなくて、むしろ本格的な予算編成権をはっきりと持った官庁として推進されるべきだ、こういうふうに思うわけであります。長官は、事業界に対しましては、たとえば、石炭業界あるいは電力業界に対して、相当強く発言をされて、そのために、石炭業界はあわを食ったり、あるいは喜んでみたり、電力業界も同様になっておる。にもかかわらず、役所の方面に対しましては、非常に消極的な態度をとっておられることは、私はどうも了解ができないわけであります。内閣も、そろそろ末期的症状を来たしておるとかいわれますから、従って、官僚の反撃が強くて、できないと言われるのなら、私は、そういう状態にあるならば、産業界に対しても、あんまり強気の撹乱するような発言は、やはりちゅうちょされた方がいいし、経済界に対して相当な改革をやられるような強い発言をされるのならば、まず、みずからの官庁の整備をされることが、前提条件ではなかろうか、こうも思うわけでありまするが、所見を承わりたいと思います。
○河野国務大臣 大部分は御意見で、私がお答えする点は少いのでございますけれども、実は、御承知の通りに、今回の長期経済計画は、政府も民間も、これを相ともに理解、協力して参るというところに、実現性があるのでございまして、従って、私といたしましては、この長期経済計画の重点的な産業、すなわち石炭、電力というようなものについては、十分経済計画を理解して、これに協力願うように、しばしば御要望申し上げておることは御承知の通りであります。しかし、実際の行政の面は、御承知の通り、経済企画庁は、企画立案をして、これを具申するのが職分でございまして、私は、今の行政官庁の中におきまして、実際行政の衝に当る者と、それから企画立案する者と、むしろ二段がまえにあります方が適正であろう。実際仕事をする者は、どうもつり込まれて、どんどん進み過ぎる場合もありますし、また非常に憶病になる場合もありますが、実際の衝に当る者と別個に分れて、一枚うしろに下って企画立案する者のあることの方が便利であろう。ただし、立案する者は、どこまでも知識、資料は十分にそろえなければなりませんから、国際的視野に立って勉強するというような意味合いから今回の企画庁設置法の改正をお願いいたしておるようなわけでございまして、ただいまの御意見は、私の考えておりまするところと、多少所見を異にいたしますことは、はなはだ遺憾でございますけれども、この点で御了承いただきたいと思います。
○佐々木(良)委員 本論でありませんので、これは法案が出ました際に、もう一ぺん御所見をいただきたいと思います。ただ問題は、ほんとうに河野企画庁長官も、そう思いながらも、実際にできそうにないから逃げる答弁をされておられるのはわかりますから、これはあとの問題に残しておきます。 次に、これはあるいは通産省の方かと思いますけれども、電力問題に入る前に、もう一点だけお伺いしておきたいと思います。それは非鉄金属、特に銅の問題であります。御承知のように、電気銅の建値引き下げ問題から、相当に問題が広がりまして、単なる経済問題としてだけでなしに、最近におきましては、銅を中心とする非鉄鉱山の山元におきましては、社会問題的なものにまで発展しつつある状態があると思います。これに対しまして、政府の不況対策は、どういうふうにお考えになっておりますか、方針を承わりたいと思います。 なお、その方針について、問題は、最近におきましては、非常に根本的になって参りまして、電気銅を、あくまでも国内の資源に依存するという立場をとれば、国際的には相当高価格にならざるを得ない。しかしながら、これを海外の鉱石に依存するという方針を打ち出されるならば、これはまた相当引き下げられることもできる。その場合には、現在の鉱山対策というものは、相当根本的に変ってこなければならぬわけでございまして、現在は、どうもその政策の矛盾が、両方で迷っておられるような状態であって、そのために、政策も一貫を欠いておるように思われるのでありますが現在の不況対策、並びに将来に対しましても輸入鉱石依存政策を維持し強化される方針か、あるいは国内鉱石に対する依存度をやはり続けられる方針か、根本的な御方針を承わりたいと思います。
○河野国務大臣 この点は、通産大臣からお答え申し上げた方が適当であると思うのでありますが、さしあたりといたしましては、これらの非鉄金属の暴落は、当面業界に及ぼす影響等も非常に強うございますので、さしあたり輸入銅につきましては、従来自由で輸入いたしておりましたものを、これをAA制をはずしまして、そうして国内の需要とにらみ合せて輸入をするということにいたしまして、国内の操短といいますか、減産といいますか、それらの措置と見合わせつつ適正な価格を維持するようにいたしておるわけでございますが、今のお尋ねの点につきましては、後刻通産大臣からお答えがあるだろうと思います。
○佐々木(良)委員 それでありますならば、ただいまの問題は、また別に通産当局にお伺いをいたすことにして問題を留保さしていただきたいと思います。 次に、電力問題をお伺いいたしたいと思います。河野さんに一番お伺いいたしたいのは、電力問題のうちの今中心であります再々編成を中心とする問題でありますけれども、この問題に入る前に、昨年から続いておりましたところの電力問題を、まず一、二伺いまして、それに入りたいと思います。 電力問題の第一は、電力開発計画のいわゆる計画性についてであります。昨年三十二年度の年初計画を審議しております際に、私は当時の水田大臣並びに宇田大臣等に対しまして、次のような質問をし確約を得ました。それは、保守党政府の作成するところの経済計画諸表は、経済調節のような対症療法施策を引き出すための経済観測的な役割しか果し得ないもの、あるいはそれだけの意味をもって作られるもの、こういうふうに理解するといたしましても、そのような一般経済計画諸表から導き出されますところの基礎産業部門、たとえば、電力等の開発計画のようなものは、文字通り実施計画でなければなりません。この実施計画というものはたとえば電気の場合には、発電所を着工いたしましてから、三年間はどうしたってかかるわけでございますので、その途中で、一般計画と同じような景気変動によって動かされるような形でこれが大きく動かされますことは、非常に不経済であるわけでありますし、十分留意されなければならない点である、こういうことを強調いたしまして、そうして水田大臣も了承され、従って電力計画のようなものは、そう年々には変えないものであるということを言われたわけであります。そうして当時、その前の年でありましたところの昭和三十一年というのが、ちょうど電力の谷間となりまして、神武景気途上の最大の隘路になりましたのは、その前の朝鮮ブームに続いて二十九年の強力な金融引き締めを一般産業に実施した際に、さきのような電力部門に対する計画性と一般部門に対するものと、同じように扱って、そうして電力計画に対しても一応の強い金融引き締めをやった結果である。その結果が、シシ食った報いのような形で三年目の三十一年に現われておるのである。だから三十二年度におきましては、政府は、まだ神武景気はずっと続くような観測をしておるけれども、これは相当危険である。従って、二十九年のような状態になることが予想されるので、そのときに、二十九年に電力部門にとったような轍を繰り返してはならないということを、私は強く警告いたしますと同時に、現在決定されておるところの三十二年度の電力計画を完全に実施するためには、なお資金が相当不足である点を、数字をあげて説明して、その善処を要望したわけでありますが、これに対する答弁は、下期において不足分の資金も、開銀融資等の追加を行なって、そうして予定通りの開発計画を実施することを、関係大臣とも打ち合せて了承を得てあるから、その心配はない。そして、決して途中で引き締めを行うようなことはないということを言明されたわけであります。にもかかわらず、これは河野企画庁長官は十分御承知のように、追加融資が行われなかっただけでなしに、緊急対策のときに、電力計画も一応一割削減を行なって、問題の困惑を来たしておるわけであります。従いまして、私は、この事実は、はっきりと御承認を願っておかなければならないと思うわけでありまするが、この電力計画の計画性と長期計画の中に占めておる地位につきまして、大臣の御所見を承わっておきたいと思います。
○河野国務大臣 ただいまお述べになりました通りに、電力とか石炭とかいうような産業につきましては、時の豊凶、景気がいいとか悪いとかいうことによって、直ちにその政策を変更したりしてはいかぬ、これは、私も全く同感であります。しかしながら、その点はその通りでございますけれども、さらに、国家として大きな要請が起ってくる。たとえて申しますれば、国際収支のバランスが合わなくなってくるというような、より以上大きな要因が起ってきたときには、やむを得ず総括的に緊急施策をとらなければならない立場にあることも、私は肯定願わなければならないのじゃないかと思うのであります。従いまして、二十九年のあとでこれを締め過ぎた、それが三十一年に影響してきた、さらに三十二年がまた少し伸び過ぎたというようなことが、従来繰り返されまして、そこにいろいろな矛盾が起ってきた、またこういうふうな当然安定して拡大していかなければならないものにまで手をつけなければならぬ事態が起ったということは、これは、政府また民間ともどもに、日本の経済の自主性に対する多少の誤差、誤認があったところに出発しておると私は思うのであります。従いまして、今回の長期経済計画におきましては、これらの経験を十分に生かしつつ、また先ほど来申し上げますように、すべては安定の上に成長していくということが先決問題である。こういうふうな過去の誤認をみずから十分に認めましてやっていくことが必要であるということに、深く留意をいたしまして、今回の計画は立てておるような次第でございます。従って、今後におきましては、今御説のように、どこまでも安定してその上に成長していくように努力して参りたい。また、ただいまお話の点につきまして、私は全く同感でございますから、今後、そういう点について、十分注意をしていきたいと考えております。
○佐々木(良)委員 根本問題でありますし、時間の関係もありますので、抽象的な話は省略しまして、先に進みたいと思います。ただ、繰り返して申し上げておきたいと思いますことは、今のような御答弁は、大がいいただくのでありますけれども、いつでも同じ結果になるわけであります。従って、私どもは、ほんとうに政府が長期計画を遂行するつもりなのか、これは言いわけだけのものであるのか、非常に危惧の念を抱かざるを得ないわけであります。従いまして、長期計画が、その文字に書いてありまする通りに、政府としても責任を持ってその実現を期されるように、一段の努力をお願いいたしたいと思います。特に電力問題につきましては、いつでも施策と結果が、少くとも三年はずれておるわけでありまして、景気のいいときには、いつでも電力が隘路になる。そうして、そのときに予算をつけて開発をしようとする。ところが、その景気は、隘路が打開されないうちに谷間に落ちてくる。谷間に落ちてくると、同じように、また予算等を削減して開発規模を縮小しようとする。いつでもこういう間違いを繰り返しておるわけでありますので、そういうことを再思三省をされまして、もうこの辺で繰り返さないような御努力をお願いをいたしたいと思います。 それからその次に、電源開発を行いますにつきましての政府の援助といいますか、責任といいますかにつきまして、法規の不備について、一つだけただしておきたいと思います。それは、御承知のように、大体大きな電源開発の計画は、電源開発審議会と政府機関によって、事実上決定されることになっております。電気会社の方から申請をしてきめるということにはなっておりますけれども、事実上は、これは従来の建設命令にひとしいような形で、電源開発審議会で決定されることになっておる。ところが、河野さんも御承知のように、ここで、たとえば奥只見なら奥只見を、何年から着工して何年に完成するようにどれくらいの大きさで開発しろということが決定されましても、それを実施するものは、電力会社なりあるいは電源会社なりといういわば民間の会社であります。この民間の会社が、政府の決定されたところの計画を遂行するときに、一番大きなじゃま者としてその遂行をはばむ勢力になっておりますのは、やはりまた役所の権力である。御承知のように、一番大きなじゃま者になるのは、今のところ水利権です。政府で、この地点をこのくらいの大きさで開発しろと決定しておいて、水利権が地方官庁にあるということで、地方自治庁の言うがままの状態に放置しておかれるならば、これは私は、生みっぱなして、子供を育てる責任を持たない親のような感じで、どうもおかしいと思うわけであります。同様な意味におきまして、水利権にまつわる補償問題なり、あるいはその他一般の公共補償というものが、また非常に大きく電力開発をじゃまし、コストを上げる結果になっておるわけであります。これらにつきましては数度私は要望いたしまして、多分第二十四国会だと思いますけれども、石橋通産大臣のときにも、政府は十分研究するということを約束されておりまするが、何年たったって、研究された結果は出てこないわけであります。特に最近は、そういう事例がますます多くなっておりますが、河野長官の御所見を承わりたいと思います。
○河野国務大臣 お示しの通り、私もそういうふうに伺っておりまするし、またただいまお話しのようなことが、間々ありますことを知っておりますが、何分関係する官庁も、非常に多いわけでございますし、一方、電力関係から申せば、その必要性、重要性は、お話しの通りであります。また、これが他の水利関係から申せば、その方に相当の意見もあるということでございますので、これらの調査を割り切ることは、必要でございますけれども、割り切れば割り切るだけ、他の面においての弊害も起ってくる場合があると思うのであります。これが、御承知の通り、農林水産との関係等についても、従来しばしば問題があったわけでございます。そういった関係から、地方における自主性も認めなければならぬ場合もございましょうし、なかなか複雑な点がございます。さればというて、このまま放置してよろしい問題ではございませんで、われわれとしても、これは最善の努力をする必要がありますが、お話しの通り、なかなかむずかしい問題でございますので、なおよく慎重に検討して、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
○佐々木(良)委員 いろいろな意見のあるところを調整するために、電源開発調整審議会というのがあって、その中に、通産大臣以外に建設大臣、関係大臣全部出てくることになっているわけであります。そこで調整して計画を決定したものを、いわばその下部機構のようなものからごねられて、計画が実施できない。これはいろいろあるとしても、もうそろそろ方針を出さなければ、意味をなさぬと思います。私は、最近問題になっております奥只見の例を出して、もう一ぺんお答えを願いたいと思います。奥只見も、電源開発会社でやれという計画を、電源開発調整審議会で決定されましたのは、昭和二十八年七月です。そして、ちょうど決定の二、三カ月以後には、水利権申請をはっきり出しているわけであります。それが、現実に水利権の許可が来ないままに、昨年の五月ごろに、大体許可が来そうだからというので手をつけ始めた。ところが、おっとどっこい、そうはいかぬと、新潟県からえらいごねられて、あげくの果てが、事実上相当強く補償を要求されて、これはまた理屈は一応形式的に立ちますけれども、新潟県に対して七千五百万円、それから地元の解決のまだ残っておった問題に対して、一挙にやれということで一億二千八百万円の補償を押しつけられるような形で出して、やっとこさで水利権が許可された。政府が審議会で決定した通りに計画をやらせるというのには、あまりにも生みっぱなしみたいな結果だと思うわけでありますけれども、こういう状態が、河野さん、所々方々に出かかっておるわけです。あまり長いこと考えておらずに、そろそろ本格的な結論を出されなければならぬと思います。特に今度の新しい予算によりますと、御承知のように、道路建設について、相当積極的な意図を持っておられるようであります。その予定通りの計画を遂行されようと思いますならば、本問題を今のままの状態にしておいたら、実行できませんよ 従いまして、政府が相当強く関係して決定した計画の遂行に対しましては、その遂行が、一応民間にまかされておるような状態でありましても、政府の決定した計画を遂行するための責任は、やはり政府で持たなければならない。たとえば、水利権、公共補償等々につきましては、これはもう早急に方針を決定されまして、計画が遂行できるような態勢で問題を進められるよう、特に要望をいたしておきたいと思います。これはもう少し聞きたいのですけれども、時間の関係上、要望をいたしまして、次に進みたいと思います。 次は、燃料問題であります。河野さんも御承知のように、電力開発以外、つまり、電力需給をうまくするということと並行的に重大な問題になっておりますのが、料金問題であります。電力料金問題というのは、一つは、地域的なアンバランスになって困るという地域アンバランスの問題があり、一つは、料金が高くなってくるという一般問題があります。この地域のアンバランスという問題は、これはあとで再編成の問題のときに述べますが、要するに、分割問題であります。しかし、一般の高騰問題というのは、御承知のように、金利と燃料ということであります。料金制度調査会というのができまして、料金制度自身の検討を進めるようでありますけれども、この制度は、おそらく料金問題のうちの、原価をいかに配分するかという配分の問題が主になってくるのではなかろうかというふうに思うわけでありまして、従って、今その料金の一番動く大きなもとになっておる金利の問題と両建になっております燃料の問題が、取り残されたままになっているというふうに思いますから、一、二お伺いをいたしたいと思います。 火力用炭を中心とする燃料費が、石炭需要の供給の影響を受けますことは御承知の通りであります。自由主義原則の建前によって、石炭の値段が大きく動くということになりますならば、原価主義を前提としております電力の料金も、これによって大きく左右されることになるわけであります。ところが、電力料金というのは、御承知のように、電力政策の観点から、なるべく動かしてはならないという方針で、きめられているわけであります。従ってその建前をとる限り、火力用炭に対しましては、相当の考慮が払われなければならないと思う。火力用炭についてのみ特別の考慮が払われないといたしましても、石炭鉱業を合理化するとともに炭価を安定せしめるために、石炭合理化法というものができておりまして、標準炭価をきめることによって、事実上炭価のリードをしようという建前になっておるわけでありますが、実際にはこの標準炭価というのは、今のところ死んだような状態になっている。私は、昨年の六月、この委員会で、標準炭価決定の趣旨に従って早くきめなさいと強く主張したのであります。そして、なるべく早くきめると言われたのでありますが、実際にきめられたのは、河野さんも御承知のように、十二月になってからであります。市場相場より一割程度低いようでありますけれども、実際には、取引が済んでしまった後にきめられたのでありますから、従って三十二年度の取引価格自身には、何の影響もなかったわけであります。こういう状態で標準炭価というものがきめられるのでありますならば、もう標準炭価というものは、意味を失っておるわけであります。従って私は、電力料金のもとになる燃料費という問題をこえましても、石炭産業の安定並びに一般産業の安定のために、石炭政策でとられております標準炭価制度の方針は、今後もなお貫かれるつもりか、もうこれはこの辺で捨ててしまうつもりなのか、基本的なお考えをまずお聞かせ願いたいのであります。
○河野国務大臣 私も、ただいま御指摘の、標準炭価の決定が非常におくれたことは、遺憾に考えておりますので、先般来、三、四月の交に標準炭価の決定をすべきだということを、内面的に主張いたしているわけであります。当然この制度は続けますと同時に、今、御期待に沿うべく、すみやかに決定することを努力いたしておるわけであります。
○佐々木(良)委員 それでは、この炭価問題は、あとで通産大臣にお伺いいたすことにいたしますが、これと関連して、一つだけお伺いをいたしておきたいと思いますのは、これは、河野さんだけではなさそうでありますけれども、最近、炭主油従政策という言葉が、はやり言葉になっております。どうも最初言われたのは、河野さんではないかと思いますが、石炭を主にして油を従にするという炭主油従政策ということが、最近言われておるように聞いております。私は、燃料問題の第一といたしまして、重油政策のことをお伺いいたしたいと思うわけでありますけれども、この炭主油従政策という言葉から受ける印象は、石炭という国内産業を保護育成しなければならないという意味のスローガンならば、あるいは私どももわかるわけでありますけれども、安定したエネルギーを供給しなければならないという、エネルギー供給の建前から言うならば、これは私は現在のところ、少し無理ではなかろうかと思う。油が日本のエネルギーの中ですでに占めておるウエートというものは、非常に大きなものでありまして、従って、むしろこの油のウエートを軽くしようということだけでは、エネルギー政策を立て得られない段階にきておるというふうに思うわけであります。どうもこれは便宜的に使われまして、石炭産業を健全に保護育成しなければならないという意味なら、わかるけれども、総合的なエネルギー政策の一つの原則のような形で扱われることは、私は非常に大きな間違いを招く危険性があるというふうに思うわけでありますが、河野長官の御所見を承わりたいと思います。
○河野国務大臣 御承知の通り、国際収支を健全に育成発達せしめて、外貨の保有量を多くしていき、国際的な日本の経済的地位を高めるということは、何と申しましても、大きな政策の柱であります。こういう見地からいたしまして、食糧についても、国外に依存せずして、なるべく国内で自給の度を高めていくということと同様な意味合いにおきまして、国内の石炭資源が相当豊富にあるわけでございますから、しかも、これが非常に困難であるとか、いかに政府が施策をしても非常に割高になるとか、重油が非常に大きなタンカーによって安く来るようになる、それを非常な無理をしてでもそうしなければいかぬというような、現在の食糧政策でとっております程度以上に、無理をしてでもやるという炭主油従という言葉は、間違っておると思います。考え方が間違っておるということは、いえるかもしれませんが、少くとも、食糧政策におきまして、国内の自給度を高めて、その外米もしくは外麦の依存度を押えていくということと同様な意味合い程度には、国内の開発をして参るべきじゃなかろうか。しかも、原子力時代が想定される今日におきまして、燃料炭はさることながら、火力の原料にする燃料の炭におきましては、なるべくすみやかに開発することが、国内のすべての産業の基礎でもありますし、また一般労務の関係等から申しましても、この点には、政府としても、相当力を入れて開発に向うべきだというような意味合いから、当分の間は、少くとも今私の申しましたような条件でありまする間は、石炭に重点を置いていくべきだと思います。 この際、つけ加えて申し上げておきますが、火力発電等の場合におきましても、あれだけ膨大な資本を火力発電に投下せられる場合におきましては、これに直結する石炭の開発ということは、私は、系列産業として、当然考慮されてしかるべきである。また、これらに思い切って力を入れて、これらとの間に関連性をもって開発せられてしかるべきものであるというふうに考えておるわけでありまして、何も現在の炭鉱それのみでなしに、火力発電所等が、九電力によって相当取り上げられます場合におきましては、少くともそれぞれの火力発電所が必要とする炭を、山元に直結する長期の契約をしてこれに当るという程度までいくならば、そこに日本の石炭産業というものは、相当大きく開発されていくのじゃなかろうかというふうに、実は考えておるわけでございます。
○佐々木(良)委員 石炭産業を保護育成しなければならないという方針は、私、賛成です。しかしながら、今、現実に、日本のエネルギーが、石炭の大体五割近く重油に依存しているというこの現状を無視することはできない。特に将来におきましては、国際的な余剰エネルギーというのは、もうほとんど油だけだ、そういう点から考えますと、国内産業保護政策という観点からのみエネルギー政策を考えてはならない。エネルギー政策は、日本の産業のもとになるのでありますから、エネルギー政策自身を、根本的な立場で検討を加えられたい。その中の一つに石炭政策というのがあるのは、当然なことでありますけれども、そういう意味におきまして、たとえば今のようなお話、食糧に例をとられましたけれども、食糧に例をとられて、そうして、それこそ生産費が償うところの米価で農民に作らして、それを一般に出すという建前をとる。そうして、ますますそれが高くなっていって、しかも、途中で操作をされないということで食糧政策を遂行されるならば、これは確かに農民対策には十分なり得ても、日本の食糧対策にはなり得ないわけであります、従いまして、私は、日本の農民を保護する、あるいはまた日本の農民の米作を保護するという建前と、日本の一般の食糧政策という問題とには、一つの区別ある政策が必要だということと同じ意味で、エネルギー政策の中で、重油政策というものと石炭政策というものに、区別のあるということを申し上げておるわけであります。しかしながら、この問題は、どうも論争になりそうでありまするし、時間がないので、これはまた別なチャンスをつかみまして、もう一ぺんはっきりと長官の考え方をただしながら、エネルギー政策の根幹を洗っていきたいので、一応留保いたしておきます。 さて、だんだんと時間が来て恐縮でありますが、ほんとうに私の一番質問したかったところの電力の再々編成問題について、お伺いいたしたいと思います。最近といいますよりも、昨年の夏ごろでありましたか、河野長官から、いわゆる電力の再々編成というものが提起されまして、最近におきましては、業界からは広域運営論というものが提示されて、今論議の的になっておるようでありまするけれども、河野長官が再々編成論を唱えられました動機並びに理由は、どういうところにあるわけですか。
○河野国務大臣 誤解が起るといけませんから、前の答弁につけ加えて申し上げておきますが、私は、限界は、おっしゃる通りに、はっきりつかんでおるわけであります。食糧にいたしましても、国民生活を脅威させても、米作農民を保護してよろしいという見解は、決して持っておりません。しかし、国際収支の点等を考えつつ、しかも、政府の施策によって可能な範囲におきましては、米作を奨励すべきであるということを、主張しておるのであります。また、一方石炭におきましても、これと同様に、重油と石炭と比べて、わが国の動力源に非常に圧迫を加えてでも、炭主油従の政策を主張するものでは絶対にございません。が、しかし、国際収支の関係等も考慮しつつ、また政府の施策によって、石炭と重油を使うことが、一般産業に同様の価格をもって供給することができるということが可能であります以上は、一時のフレイトの上下等によって、これがすぐに日本の石炭政策に影響を与えるというようなことは私はとらない。どこまでも石炭政策を保護し育成し、これを安定せしめるという点において考えていく限界はあるということは、御承知おきいただきたいと思います。 次に、ただいまの電力再々編成の問題でございますが、私は、当初以来、日本の産業分布、産業構造の再編成というような意味合いからいたしまして、日本の将来を考えましたときに、日本の動力源が、地域的に利益を与え、不利益を招来するような事態が起ることは、適当でないというような意味合いから考えまして、現在の九分割が妥当なりやいなやということを、考えてみる必要がありはせぬか。もちろん、政府の要請するところの目的に合致していくことができるならば、あえて九電力を、六か三か知りませんけれども、そういうふうに再々編成することが目的ではないのでありまして、国家目的に合致するようにいくことができるならば、むろん現在の方法でけっこうでございます。しかし、それらの点については、検討し反省をする時期が来ておるのではなかろうか。現に北陸であるとか、東北であるとかいうところに、電力料金値上げ問題が起っております。これらの会社の内容を検討いたしますと、他の電力会社との内容に、非常に大きな差等が来たしております。これらはいずれも近き将来において、必ずやこれが一般産業に大きな影響を与えてくることは、過去の蓄積資本が非常に差別があるということをもって、明らかに立証せられておるところでございますから、これらについて、検討を加える時期ではなかろうかということを、考えておるのでございます。その結論につきましては、これは慎重の上にも慎重を期する必要がありますから、まず当事者である九電力の関係者において、しかるべく御検討願いたいということを、第一に要請をいたし、第二には、これらの九電力の関係者以外の、電力に学識経験のある諸君に御依頼いたしまして、これらの諸君にも御検討願っておりますし、私の与党であります自民党内部におきましても、特別委員会を作って、これらの内容について目下検討中でございます。これらの結論が出ました上で、政府におきましては、おもむろに各方面の意見を総合調整して、結論を出していきたいと考えておる次第であります。
○佐々木(良)委員 およそ電気事業のような基礎産業の根本にメスを入れるという場合には、これは相当慎重に、しかも明確な立場をとって入れなければならないと思います。従って、今、河野長官のお話によりましても、あまり明瞭でないのは、現在解決しなければならないという諸矛盾が一体どこにあるのか、そしてまた、その原因あるいはその責任はどこにあるのかということが、ちっともはっきりしないままに、ぼうっと問題が提起されて、そうすると、受ける方がぼうっと受けて、いいかげんなところで早く答弁してしまえという状態になるのではなかろうかと思うのであります。従って、もしほんとうに電気事業の現在の諸矛盾を解決しようとするならば、どこに矛盾点があるかということを明確にすること、そして、いかなる原因からそういう矛盾が出たかということ、並びに、それにはどこに責任があったかということを明確にすること、これがまず問題の出発点でなければならない、こういうふうに思うわけであります。ところが、この出発点が現在明確にならないままに、決勝点でありますところの、最後の解決案が、御承知のような広域運営というようなことで出されて、どうも通産省の方でも、広域運営を四月一日からやるとかやらないとか言っておられて、あたかも広域運営が、河野長官が出されたところの現在の電気事業諸矛盾に対する根本的な考え、あるいは再検討したらどうかという問題の答えであるかのごとくに出ており、そして、それが現実に四月一日からはほんとうにスタートしそうな状態であると思うわけであります。これは、私は、最初の問題の出し方と解決点とに、非常に大きなずれが来ておる、こういうふうに思うのでありますが、河野長官の御所見を承わりたいと思います。
○河野国務大臣 私は、四月一日から広域運営、広域経営というようなことが実施されるというような話は、今、初耳でございます。そういうことは、まだ伺っておりません。私は、今、原因がどこにあるか、矛盾がどこにあるか、これらがわからぬで、ということでございますが、御承知の通り、わが党におきましては、昨年の電気料金の値上げの問題が出ました当初におきまして、すでに党内に、これらの問題を検討するために特別委員会を作って、検討に入っておるわけであります。その研究と相関連しまして、九電力側におきましても、これらの検討を内面的にそれぞれいたしておられるようであります。しかし、私は、また別途これらの当該関係者以外の諸君も検討を願う必要があろうということで、これらに必要な諸君にも御協力を願って、今、検討中であります。せっかくこれら業界の委員の諸君、業界外の諸君との間に、いろいろ懇談、検討が続けられておる段階でございまして、今、業界だけの委員会で一応の案をお立てになったようでございますけれども、この案については、さらに再検討中でございまして、まだ私は、その内容の報告は受けておりませんけれども、せっかくこれらの結論が出ましたならば、それを伺いました上で善処したい、こう考えておるのでありまして、まだ、今お話しのような程度に進行しておらないと私は考えております。
○佐々木(良)委員 電気事業者の意見を求められたのは、政府ではなくて、先ほど言われた党の特別委員会ではなかったかと思いますが、それと違いますか。
○河野国務大臣 これは高碕達之助君が委員長をしておりまして、高碕君といろいろ連絡をとりつつ、電気業界の方にも、一つ研究してみてくれぬかいうことを、お願いしたはずであります。
○佐々木(良)委員 たしか私の聞くところによりますと、自民党の中の特別委員会で、電気事業者に対しまして意見を求められたのではないかと思います。そうして、その答申がなされた。ところが、その答申を現在検討されておりますのは、先ほど言われましたところの学識経験者か何か知りませんが、いわゆる七人委員会と称せられる電力何とか懇談会ということではなかろうかと思います。この関係は、どういうふうになっておりますか、御説明を願いたい。
○河野国務大臣 実は今お話しの通り、当該関係者によって案が順次進んだということを私は承わりまして、これは、当該関係者の案だけでは、大衆として納得しにくい場合もありますし、やはりこれは他の者からの意見も聞く必要があるということで他の学識経験者をお願いいたしまして、これらの両者の間に目下検討中でございまして、まだ結論は出ていないというように、私は聞いております。
○佐々木(良)委員 これは問題が問題でありますので、私は、その責任者をはっきりとしてもらわなければ困ると思うのです。党は、御承知のように、特別委員会におきまして、検討を続けておる。そうして、これを電気会社に対して意見を求められておることは事実であります。その答申を党で検討されるのならば、筋が立つ。ところが、知らぬ間に、政府が検討をされておるらしい。政府の委嘱された委員会だか、懇談会だか知らないけれども、そこが検討されているらしい。その間の事情はどうかというわけであります。同時にまた、その七人委員会というものは、一体どういう性格を持つものであり、どういう基準によって人間は選定されたのか。
○河野国務大臣 ちょっとお話が、私は理解しにくうございますが、政府が政府の方針をきめるのでございまして、われわれは政党内閣でございますから、党の意見は尊重いたします。しかし、党は、党の考えをまとめていく上において、民間各方面の意見を十分聴取せられ、これらの意見を参考とせられる場合は、むろんおありだろうと思います。またなければならぬ。しかし、最後に政府の方針を決定するものは、政府自身でございます。従って、通産大臣なり私は、党の意見を十分に尊重しつつ、民間の意見も伺いまして、そうして最終決定をいたします。でございますから、これをやるものは政府だろうとか、党だろうとかいうふうなお話のように、私、間違ったかもしれませんが、伺いましたけれども、党は党として党の意見をきめれば、それを政府に申達いたします。しかし、政府としては、党の意見を十分尊重しつつ、民間の意見もまた十分聞きまして、そうして最後に政府の方針を決定するわけでございます。でありますから、ただいまのお話の七人委員会は、通産省と企画庁と両方で相談いたしまして、そうして両大臣からこれらの委員の諸君にお願いをいたして検討願っておる、こういうわけでございます。(佐々木(良)委員「性格は」と呼ぶ)性格は、両大臣に対して御協力を願うということでございます。
○佐々木(良)委員 そうすると、その性格は、別に何の根拠もないもののようでありますが、それならば、その七人委員会は、何を検討しているのですか。先ほど河野長官が言われましたように、電気事業のいろいろな矛盾があるらしい、それを根本的に解決しようということで、政府が委嘱された。そういう問題を検討されておるのですか。
○河野国務大臣 お話しのように、企画庁の長官といたしましても、通産大臣といたしましても、現在の電力問題は、将来これをどう持っていくことが妥当であるかということについて、現在の九電力のあり方、もしくは電力行政のあり方、これらにつきまして、将来に一つの基本的な方針を立てようということのために、党におきましても、すでにその調査会を開いておりまするし、また政府におきましても、この方針を確立するためにやっておるのでございます。そこで、一体七人委員会は何のためだとおっしゃいますけれども、今申し上げました通りに、これが当該九電力の関係者によって検討せられましたのでは、とかく当事者は、当事者に都合のいいように便宜の案を立てるという誤解を生むおそれもございますから、当事者以外の者に、また別途これらの問題について御検討願い、その間うらはらになりまして、両方で検討したものを政府の方に意見を出してもらう。この両者から出た意見を、政府はあんばい調整いたしまして、党の意見を尊重しつつ最終の決定をするということで持って参りたい、こう考えます。
○佐々木(良)委員 あげ足をとるわけじゃないですが、問題が問題ですから、はっきりしてもらいたいのです。七人委員会で検討されておりますのは、党の特別委員会から要請を受けて、電気事業連合会から出した広域運営を中心とした答申書、これが現実に検討されておる。従いまして、全然別の角度から、電気事業の諸矛盾に対して、根本的な考え方がこの中で討議されておるとは、私は思わないわけでありますが、いかがですか。
○河野国務大臣 非常に誤解がございまして、電力業界からの答申とかなんとかいうようなものは、まだ未決定でございます。最終決定にはなりませんよ。党の方にも、どこにも、出ていないです。高碕君の方にも、出ておりません。今お話しの七人委員会か何かは、電力関係のことで、民間の学識経験者も入っております。高碕君自身も加わっておるわけであります。従って、その方には、まだ答申も来ておりませんから、それが、同一問題について、両者の間で検討を続けておる、こういう段階でございます。
○佐々木(良)委員 河野さん、せっかく問題を出しておいて、知らぬ間にたな上げされているんじゃないですか。そうじゃなくて、すでに電気事業連合会の方から、一応答申書が未定稿の形で出されて、七人委員会でこれが検討を加えられて、これでは不満であるから、もう一度直せといって、電気事業連合会の方にもう一ぺん差し戻しをして、そうして、連合会の方は、今、あわてて、一生懸命作成をしつつある段階です。それから、この間当委員会におきまして、同僚の八木委員が、通産大臣に質問をしたときに、通産大臣は、はっきりと、私は四月から広域運営に踏み切るつもりでありまして、そういう方針でおりますと、もはや述べておるのです。従って、どこで電気事業の再々編成なり、あるいは諸矛盾を解決するための問題が討議されておるのか、あるいはされないままに、ぽんと一ぺんに飛んで、広域運営みたいなところにいっておるのか、だれがやって、どうしようとしておるのか、さっぱりわからぬのです。
○河野国務大臣 九電力の諸君は、今お示しになりましたような成案を、幹事会かどこかで得られたということは、私も聞いております。しかし、一方的に業界だけでそういうものを決定されるということはどうであろうか。また、業界外から見ると、どういうふうに見られるかということを検討願いたいということで、七人の諸君に御依頼いたしました。ところが、たまたまその主任と申しますか、一番中心で御勉強を願っております高碕君が、サウジ・アラビアの方に参りましたので、帰られるのを待ってさらに再開をしていこう、そうして、これらの諸君との間に十分検討を加えようということになっておるのが、現在の段階でございまして、これに私は間違いはないと思っております。
○佐々木(良)委員 ですから、私は、通産大臣と並んでもらわぬと困るというふうに言ったわけでありまして、通産省の方はどうですか。通産省案を私どもが伺ったところによりますと、少しの手入れはあるかもしれないけれども、四月一日から広域運営に踏み切るのだというふうに聞いておりますけれども……。
○小出政府委員 再々編成に関しまする九電力の自主的な解決案に対する問題の取扱いの経過につきましては、私から補足的に御説明申し上げます。 先ほど企画庁長官が御指摘になりましたように、昨年の夏に、現在の九電力の体制というものがそのままでいいかどうか、いろいろな点に矛盾があり、不合理な問題を生じてきておりはしないかということを問題として指摘されました。一方、党の高碕先生を委員長とする基礎産業対策特別委員会におきましても、その問題を取り上げまして、その間いろいろ御検討を願って参ったわけでございますが、昨年の十月の半ばでございましたが、その基礎産業特別委員会の中間報告というものが一応出たわけでございます。これは最終結論でございませんが、とりあえず現状分析して、どういうところに問題があるか、どういうところを検討しなければならぬかという問題点を指摘した中間報告が出たわけでございます。この中間報告を、政府におきましても報告を受けまして、政府としても、大体そこに指摘してあります問題点につきましては、その趣旨においては同感であるという意味におきまして、この問題の解決策を進めることになったのであります。その中間報告に書いてありますことは、御承知だと思いますけれども、要するに、九分割については、過去においていろいろ功績もありまた矛盾もある。そこで、現状において一番大きな問題点は、地域的な格差が生じておるという点でありましょうが、それを解決するのには、根本的な企業体系の検討という問題もございますけれども、とにかく、こういう矛盾をどうするか、それから料金制度にもいろいろな不合理な点があるから、これをどういうふうに解決したらいいかという点について、まず九電力会社自身が自主的に一つ解決案を作ってみろ、こういういわば宿題を出した格好になったのであります。その宿題を出すにつきまして、政府におきましても、大体その問題の指摘は、趣旨においては同感であるという立場におきまして、政府と高碕委員長とが共同して、九電力会社の社長を呼びまして、これに問題点を指示いたしまして、そうして、その自主的解決案を自分でまず考えてみろということを指示いたしたのであります。その当時におきましては、大体今年の初めぐらいまでに何らかの案を作ってみろということを指示いたしたのであります。その後におきまして、先ほど企画庁長官からお話がございましたように、自主的な案と申しましても、九電力会社が自分たちで考える案でなくて、やはり第三者と申しますか、学識経験者の一般の方の意見もよく聞いて、できるだけりっぱな答案を作り上げて政府に持ってこい、その答案が出て参りますと、それを、党におきましても、また政府におきましても、十分検討して、これに対する是非を決定する、こういう手続になっておるわけであります。そこで、その第一次の未定稿と称せられまする案、これが先ほど佐々木先生御指摘になりましたようないわゆる広域運営方式というものを前提にした案。これはお話しの通り、できるだけ早急にそういう体制に切りかえるということで、できれば三十三年度の当初、四月一日から、九電力会社におきましては、いわゆる広域運営式方に切りかえるという決意を持って、実はそういう案を未定稿として一応七人委員会には提示されたようでございます。このいわゆる七人委員会と申しますのは、先ほど企画庁長官からお話がありましたように、政府側の相談相手でもあり、また九電力会社側の相談相手でもあるというような性格のものでございまして、従いまして、まず、できるだけりっぱな解決案を作るための相談相手という段階において、今、九電力会社の案を検討しておるわけであります。ところが、最初に出て参りました未定稿は、いろいろな点において不備でございました。それが一月の十日でございましたか、高碕委員長がエジプトにお出かけになる直前、会合を開かれまして、七人委員会として検討したいろいろな問題点を、さらに指摘して、答案を作り直せということを指示されたわけであります。その指示に基きまして、実は、今九電力会社が、さらに答案を書き直しつつある段階でありまして、これが先ほど申し上げたお話のように、出てきておりません。おそらく今月の月末ごろには、大体の成案が出てくるのではないか。きょうも社長会議を開き、また電源開発会社とも相談をして、その案を練りつつあるという段階でございます。それが出て参りますると、さらに七人委員会の方によく相談をして、そして大体できたところで、党なり政府の方に答申案という形で出てくる。それは、おそらく九電力会社といたしましては、広域運営というものを前提にしておりますので、少くとも三月の上旬には、大体最終案を決定しなければならないという段階になっております。 そこで、広域運営方式というものを、政府としては一応是認したかどうかという点でございますが、これは案の内容をよく検討いたしませんと、何とも申し上げられませんが、先般の一月十日におきまする七人委員会の御指摘の中にも、一応自主的な解決方法としては、広域運営方式というものを進めることは受け取るけれども、受け取っても、さらに基本的な問題、たとえば、いわゆる合併問題というふうな問題についてもさらに検討は続ける、こういうふうな趣旨の御指摘があったのでございます。現在は、そういうふうな段階で進んでおります。
○佐々木(良)委員 経過はそういうことで、私も知っているのです。はっきりと聞きたいのは、ほんとうは河野長官に聞きたいのですが、河野長官が最初問題を提起されたのは、現在の九分割を中心とする電気事業体制において、どうも地域的なアンバランスとか、その他の問題がありそうな、やはりこれは根本的に十分検討しなければならぬのじゃなかろうかということで、問題を提起された。ところが、今経過を聞きましてもわかるように、ほんとうは、七人委員会におきましても、その根本的な問題に対する検討が行われてはいないというのです。根本的な検討が行われておらずに、自主的と称せられるところの連合会から出てた広域運営案というものを中心にして論議が進められておって、ともかく、それならそれで少しやってみようかというところに、もうなりつつあります。そうすると、河野長官が問題を提起された本来の意図と、現在通産省あるいは関係のところで進めつつある内容とは、相当ずれてきております。私は、河野長官同様に、現在、電気事業に対しまして、根本的なメスを入れるべし、問題をここで徹底的に検討すべしという意見なんです。根本的に問題を検討せずに、今の安易な案についてはならぬという意見なんです。ところが、今、もう具体案として日程に上ってきて、問題が進展しつつあるということなんです。私は、河野長官が問題を出されたとするならば、当然第一に検討しなければならぬのは、一番最初、昭和二十六年に行われたところの再編成なるものの功罪、そして、その後運用していったところの経営者の責任、これらが明確になって、そして、こことこことこことに解決しなければならぬ問題がある、そのためにはこういう方法がとられなければならぬというふうに、立場がはっきりしてこなければならぬというわけであります。もう一ぺん繰り返して言いますけれども、河野長官もおぼろげながら感じておられますのは、今小出局長からもお話がありましたように、電力の地域的な需給のアンバランス、地域的な料金の格差あるいは会社企業の格差というものが一系列ずっと出ておる。これは何としても九つにぶった切って私企業になったのでありますから、その結果そういうことになっておるので、従って、この問題の根本的なメスの入れ方は、当然に二十六年の再編成の功罪論までさかのぼって検討されなければならない。特に、ここに企業格差の問題が提示されております限り、二十六年以降あるいは二十六年の再編成自身を推進した人、それがそのまま現在の経営者にもなっておるわけでありますので、この経営責任を徹底的に追及していって、初めてここに新たなる原因が探究されなければならぬということになるわけであります。一方におきまして、一般的な総合的な電力需給のアンバランス、一般的な総合的な料金の高騰という問題がある。この問題は、一般的な問題として、政府の施策を要求するなり、電気会社の連中が言っておるように、別な検討が加えられなければならない。それやこれや、全然こんがらがってしまっておる。もう一ぺん端的に言いますけれども、再検討を要請されたといいまするこの電気事業者から、一応の答申書として出ておりまするところの電気事業の新基本方策なるものによりますと、広域運営をやれば、ほとんどの問題が解決するのだ、それ以外の問題は、むしろ政府の施策いかんによるのだ、そうして、おそらく電気会社には事実上は責任がないのだと書いてある。今、河野さんが言われて、河野さん自身が問題を取り上げようとされておりますところの諸矛盾自身に対しまして、この答申書の言うておりますることは、この諸矛盾に対して、現在の電力会社の経営者に責任はない、それからまた九分割も原因ではない、外部的な要因だ。むしろ、それは一時的な突発的な事故か、そうでなければ、政府の施策が間違っておったからこういうことになったのだ。これをよく読んでごらんなさい、そう書いてある。そういう前提に立って、広域運営論が今成り立っておる。その広域運営論をもとにして、七人委員会の結論が今出そうになっておる。私は、ここで河野長官が、そういうことだったら、けしからぬ。それならば、広域運営論自身をひっくるめて四月一日からするなんということは、とんでもない話だ、もう一ぺん七人委員会に十分に再検討させるというなら、話がわかる。しかしながら、今そこまでもう出かかっておるというのを、あなたの最初の方針とは違っておるのに、知らぬ顔をしようというなら、これはやっぱり話がわからない。どっちの方針をとられるわけですか。
○河野国務大臣 どっちの方針で——私はここでお答えした方針で行くのであって、二点を申し上げたら、明瞭になると思うのであります。第一点は、電力業界に答案を書かせますと、今お話しのように、世間の納得できない答案を書くだろう、またそういう非難が起るだろうということを想定いたしましたから、業界以外の諸君に十分検討願いたいということをお願いした。これらの諸君が、その業界の書いた答案に対して、今、再考慮を要求して、再答案の書き直しをしておるということでございますから、あなたのおっしゃる通りに進んでおると思うのであります。私のとっております施策も、あなたの御心配になっておられる点を、そのまま進んでおると私は思うのであります。 それから、私の基本的な考えは、あなたと同じなのであります。同じでございますけれども、ただ違うことは、せっかく今現実に九電力によって運営しておるのでございますから、これをみだりに改編するということは妥当でございません。できるならば、なるべく直さないで所期の目的が達成できることが一番よろしい。これは外部から、またあまり経験もない者が、自分の感じで、こういう点、こういう点と指摘いたしましても、長年経験をしておられる諸君、もしくは非常に勉強しておられる諸君に、お前たちの言うことなら、こういう点を直すことによってできるというような適切な案があるかもしれませんから、慎重にこれらの諸君に、目的の達成できる案を考えていただいておるわけでございます。 こういう問題は、慎重の上にも慎重を期さなければなりませんから、こういう手続をとっておるのでございまして、目標とするところは、国家目的に合致するように行くべきものだと、私は考えております。
○佐々木(良)委員 それが慎重に行われていないと言っているのだ、僕は。ですから、河野長官が言われるように、慎重に今後行うということならば、四月一日から広域運営をやるという結論にはならない。考えてごらんなさい。今、河野長官が言われておりますように、地域的な電力需給のアンバランスがある。地域的な料金の格差がある、あるいは会社の企業格差がある。この地域的な云々ということを解決しようとするならば、当然に、再編成のときに問題になりました全国一本にした方がいいか、地方別な会社を作った方がいいかということと同時に、技術的な問題では、いわゆる縦割、横割論がある。配電のサービスが一番いいためには、需用者に近い方がいいのだ。しかしながら、料金を全国あまり高低なしに公平に供給するためには、太い送電線でつないでおいて、東京と大阪とがあまり大きく違うような状態にしないようにすることがいいというので、そのために融通会社論というのがあった。本来、あのときの——あれは稲垣さんのときだったと思いますが、この問題を討議する正式の委員会におきましても、結論としては、むしろその横割論の融通会社論が答申されたのです。しかしながら、これは大へん気に入らぬといって、松永さん少数意見だというので、進駐軍と一緒に強引にがさがさやって、とうとうしまいにはこの国会においても、法案として出したのがつぶれてしまって、国会でも論議できないような状態で、総理大臣への書簡という、何のことか、わけのわからないような押しつけで、あの結論が出たわけです。従いまして、あのときの討論を中心として考えてみますと、今、河野さん自身が、ちょっとこれはおかしいなと考えておられる問題が、あの当時もはっきりとあった。全国を一本にするのが大き過ぎるとしても、発電から送電まで一本にずっと通して、それを縦割にして地域ブロックにした方がいいか、中にどうしても地域のアンバランスができるなら、横割にして、大きな発電所、大きな変電所と大きな需用地を送電線で結んで、そして地域的な需給のアンバランスがないようにした方がいいのじゃないか、この議論が相対立した。今度、検討が行われているといわれる七人委員会なり、その他の機関におきまして、縦割論、横割論なんて、ちっとも検討されていない。初めから、今の縦割論になっておりますところのブロックを中心として問題が進められておる。このブロックを中心として問題が進められております限り、地域的なアンバランスの問題は見当はずれです。地域的なアンバランスを是正しようとする突き詰めた考え方は、全国的に、地域的なアンバランスをなくしようということでありますから、融通会社なり、あるいは全国一本になるというところに帰結を持っていかざるを得ない。その問題が、ちっとも本格的に論議されずに、ぽかんと広域運営みたいなものが出てきて、それで限本的に論議されたというのはおかしい。私は、ここで、少しはおくれてもいいから、どうせおくれているのだから、もっと本格的な論議をしなさいと言うのです。一方におきまして河野さんも、今日料金問題につきましては、それこそ七人委員会なんてヌエみたいな委員会ではなしに、ちゃんと閣議決定によって料金制度調査会というものを設けて、今年一年かかって料金制度を根本的に洗い直すという方針を打ち出されておる。料金に対しては、この根本方針を打ち出されておって、電気事業の根本である再々編成なり、あるいは諸矛盾を解決する電気事業体制なるものの結論を、何でそんなに急がれなければならないのか。おそらく河野さんは、わしは急がしているつもりはない、と言われるかもしれないが、電気事業者は急いでいる。電気事業体制のもとの方針をきめずに、料金制度を一年もかかってやるのはおかしい。従って、私は、重ねて河野さんに聞くのだけれども、企画庁長官として、総合的な経済を推進する責任者として、一方に、電力問題については、料金制度調査会なるものを設けて、根本的な料金の検討を行われておるのであるから、少くとも、私は、並行的にこの再々編成なり、あるいは現在の矛盾解決の基本的な問題も、同じベースに乗せて検討をすべきだ、こういうふうに思いますが、御所見を承わりたい。
○河野国務大臣 御趣旨よく拝聴いたしました。私は決して急いでいるわけでもなし、非常に重要な問題でございますから、各方面の意見を伺っておる段階でございます。聞くばかりではだめじゃないかというお話も、さっきございましたが、これから十分伺った上で、政府として最後の方針を確定し、その際に——今の、大臣の私的な諮問機関である程度ではいかぬ、もっと料金委員会のようなものを作ったらどうだというお話、これもごもっともでございます。従いまして、そういう必要があれば、これらの意見が十分でありまして、政府の意見が固まりましたならば、民間の意見をさらに聞く必要があれば、その措置をとるということも、私は一つの方法だろうと思うのであります。決して急いでどうこうしようというのではないのでありまして、こういう問題は、たびたびやれるものではないのでありますから、慎重の上にも慎重を期しまして善処して参るということを、はっきり申し上げておきます。
○佐々木(良)委員 関連の質問もありますし、急がれておるようでありますから、一言だけ申し上げまして、あとは後にいたしたいと思いますが、今の河野長官の、十分検討を進めるということは、けっこうであります。だから、ほんとうにそういうふうに進めていただきたい。解決ではなく、根本的な検討を回避してはならないということを、くれぐれも申し上げておきたいのであります。言うては悪いですが、特に今は政局が不安なときです。このときに、十分な検討も加えずに、基礎産業の根本を動かすような施策を、こそこそと決定するような格好をすることは、経済界に不安を与えるだけでなしに、いろいろな問題を惹起する危険性がある。政治的な圧力さえ映りつつある。従いまして、この問題に対しましては、ほんとうに慎重な態度を期せられたい。そして、この問題の検討を進められるならば、やはり先ほど申しましたように、出発点を明らかにして、どこに矛盾があるか。そうすると、再編成まで戻らなければならぬ。再編成を推進した者が、今日電気事業を運営しているが、その責任等々を追及して、問題の出発点と解決点を明らかにするという立場から、慎重に検討を進められんことを、要望いたしておきたいと思います。
○河野国務大臣 私は軽率に問題を取扱う気持は毛頭ありません。また、一ぺんここで申し上げたことを、ほんとうにとか、しっかりとかおっしゃいますけれども、私は、言うたことはほんとうにやりますし、しっかりやることはしっかりやります。ただその場しのぎでしゃべって帰るというようなことは、絶対にいたしません。 もう一つ、問題をむやみに起して、とおっしゃいますけれども、政府は、当面必要な措置は、みなやっていかなければならぬのであります。その場限りであとへ残しますから、こういうふうな問題がだんだん困難な事態になってくるのでありまして、私は、あえて困難な問題にも取り組む用意と熱意を持っておりますことを、ここではっきり申し上げておく次第であります。ただし、だからというて、これを軽率にやるという気持は、決して持っておらないのでありまして、くどいようでございますけれども、今あなたのおっしゃるように、問題点がどこにあるか、解決点をどうするかというようなことを、せっかく各方面の意見を伺いまして——われわれ自身も、ある考えは持っておりますけれども、その考えについて、民間の考えも十分伺って、たとえば、だんだん掘り下げて参ることによって、いろいろな問題も現に出てきます。出てきますから、それらを慎重に、十分に調査検討を加えて、そうしてその必要に応じて必要な施策を講じていくことが、適当なやり方だと思うのでありまして、それにつきましては、十分御趣旨に沿うように善処いたしますことを、ここに重ねて申し上げます。
○佐々木(良)委員 河野長官が、今お聞きのような発言をされたことを、通産当局、はっきりと了承しておいていただきたいと思います。根本的に問題にメスを入れて、十分検討を加えた上で結論を出すべきであるという立場を、はっきりと明示されたことを、通産当局も聞いておいてもらわなければ困る。確認をいたしまして、一応質問を終りたいと思います。
○八木(昇)委員 時間がありませんので、私、ただいまの佐々木委員の質問に関連いたしまして、三点だけ端的にお伺いいたしたい。 ただいま河野長官から、相当明瞭な御答弁がございまして、私も非常に同感でございますが、それに関連いたしまして、さらに具体的に一点だけ伺っておきたいと思います。先ほど来の質疑応答の過程で、明らかになっておりますように、現在の状態のまま、ずるずると事態が進みますと九電力会社が、一つの未定稿の答申の案を出しました。これに対して七人委員会が、それは少し不十分ではないかという申し入れをして、両者が今話し合いをやっておる。その話し合いの過程の中で、適当なものをできる限り早い機会に作り上げて、当面を何とか糊塗するような、まあ極端に言いますと、電気事業の運営については、従来と大した変りばえもないようなものに、両者の意見を適当にまとめ上げて、そうして政府へそれを答申してきて、政府へその案を押しつけるという格好になりかねないというふうに事態が見えるわけです。そうしてそういう方向へ事態を進めていっておるのは、通産省の方も一枚加わっておるかのごとき印象を受けるわけです。そこで、私がお伺いいたしたい点、この際、単に電力会社だけでなく、できる限り公平な学識経験者や財界の人たちの意見を、この際十分に反映させたいという河野長官の御意向であるならば、七人委員会それ自体が、問題を根本的に掘り下げて検討をして、七人委員会ならば七人委員会、先ほどの御答弁によれば、もっとはっきりした審議会というものを作って、ここに根本的な電気事業に対する方針を打ち出させる、こういうお考えのように御答弁を承わったのでありますから、現在進んでおるそういう事態に対して、河野長官御自身は、具体的に今後どう対処されるか、大体おおよそのお考えを承わりたい。
○河野国務大臣 私は、いたずらに数が多いとか、正規の手続とかいうことは、むろんけっこうなことであります。けっこうなことですが、もっとじっくり掘り下げる必要があるだろうということで、人選も相当に私は検討いたしまして、今の七人の諸君にこれをお願いしたわけであります。私は、この七人の諸君によって十分に検討せられました結果を拝見いたしまして、その上で、私自身もしくは政府の内部において、さらにこれをもう一ぺん正規の委員会にかける必要があるということになりますれば、そういう道を選ぶ場合もございましょうし、これらの諸君によって答申せられ、もしくは業界からの答申もあり、党の意見もあり、これらが一致して参りますれば、政府がこれをとる場合もあるということを申し上げたのでございまして、ただ、慎重には取扱いをいたします。私自身の気持を申し上げた点を、誤解のないように願いたいと思います。
○八木(昇)委員 私がお伺いいたしましたのは、そういうわけだから、少し念を押したのでございます。抽象的な御答弁として——相当具体性が入っておりましたが、御答弁としては、佐々木委員の御質問で、一応満足をいたすのでございますけれども、しかし、根本的に電気事業のあり方についてメスを加え、慎重にこれをやっていくためには、法の裏づけもあるような正規の何らかの委員会というものを作ってやっていきたい、こういう意味の御答弁であったと承わったので、念を押したわけでございます。いかがですか、その点は。
○河野国務大臣 今申し上げましたように、七人の諸君も、私としては通産大臣と御相談いたしまして、相当に慎重に、こういう業界代表の人にお願いをすれば、相当の、われわれの期待する成果は得られるだろうということで、お願いをしておるわけでございます。従って、それらの諸君にも、非常に御勉強願っておるわけでございますので、この結果を見まして、おそらく、私は通産大臣同様に、われわれ政府として満足すべき答申をいただけるものと期待しておるわけでございます。これが、われわれとして満足すべく期待いたしております御答申がいただけますれば、われわれは、その御進言をそのままとって政府の方針とし、党との調整をはかって、政府の腹を最終的にきめるわけでございます。しかし、党の方の意見とこれらの諸君の意見とが非常に違う、政府としてまだなお検討の必要があるという場合には、慎重にはいたすのでございますから、さらに、ただいま申し上げたような正規の委員会を作って、再検討する場合もある、こう申し上げたのであります。
○八木(昇)委員 今日の段階では、それ以上私御質問いたしませんが、おそらく、今の成り行きから、いたしますと、七人委員会並びに九電力会社社長会議との間に、短期間に何らかのものができ上るとすれば、それは、だれが考えても、電気事業の根本的な解決策になるものとは考えられない。そこで、先ほどの御答弁の通りに、やはり慎重を期して、根本的な委員会を設置してやっていかれるごとく、どうしてもやっていただきたいと私としては要望いたします。 さらに、あと一、二でございますが、再々編成の問題が、なぜこんなに問題になっておるかということの焦点について、佐々木委員から再三御質問があったのでございますが、それにもかかわらず、必ずしも河野長官のお答えが明瞭ではない。今日、電気事業の諸矛盾というものが出ておるといわれておるが、その諸矛盾とは、一体何かということであります。私の考えでは、申すまでもなく、一つは、地方ごとに、電力の不足するところがある、余るところがある、その間電力融通が全く円滑を欠いておるということ、第二は、電気料金の地域差があり、しかもそれがますます開いていくという状態にあること、第三には、電源開発についても、送電線についても、いろいろな地域ごとに二重の設備その他が重なってきて、これによる不経済が多く、電力原価というものがだんだん上っていく傾向にある。ほかにもございますが、この三つが、今日電気事業の矛盾だといわれておる点であると考えるのだが、河野長官御自身も、そういうふうに明瞭にお考えであるかどうかという点を、念を押しておきたいのが一つ。 では、なぜこういう矛盾が出てきたかということであります。電源開発、発電、送電、変電については、かつて、日本発送電全国一社、配電線以下は九つの配電会社、数年前までそうであった時代には、ただいまいわれておるごとき三つの矛盾がなかった。ところが、今日こういう矛盾が出てきておるということは、明らかに数年前の電気事業九分割の結果ではないか。これが今日再々編成問題が論議をせられておる根本の問題ではないか、こう思うのだが、この点について、その通り明瞭に河野長官はお考えになっておるかどうか、この点を私は念を押しておきたい。この点がはっきりしないと、何やらわけのわからないような電気事業の論議になってしまいますから、焦点をはっきりしておいていただきたい。
○河野国務大臣 私も、あまり深くは勉強しませんし、専門家でもありませんが、今お示しの程度のことは考えております。
○八木(昇)委員 そこまで明瞭であれば、私は非常にけっこうだと思う。通産大臣は、言を左右にされる。そこで、それだけ明瞭であるならば、これは当然の結果として、だれが考えても、電気事業は今の企業形態じゃいかぬということになる。 そこで、最後に一点お伺いをいたします。河野長官の先ほど冒頭の佐々木委員の質問に対する御答弁は、数カ月前の河野長官が内外に発表をせられました御意見と、非常に異なってきております。だいぶ違ってきております。河野長官は数カ月前にどう言われたかというと、私が言うよりは、御自身がよく御承知でありますが、電気事業の矛盾というものがいよいよ拡大してきた。従って、この際電気事業というものは、やはり現在の電力会社を合併して、全国一社ないし二社、こういうふうにすべきものだ。従って、こうすることによって、いろいろな電力原価の引き下げをはかって、電気料金の低廉化を期すべきだ。少くとも、電気料金の全国一律化ということは、やはりやらなければならぬ。私の言い方は、少し違うかもわかりませんが、大体そういう骨子の河野さんの構想というものを内外に明らかにしておったと思う。その結果、政界、電力界はもちろん、産業界一般、一般国民消費者大衆、こういうものに、とにもかくにも大きなショックを与えられた。ところが、そのお考えは、今日もなお不動の信念として変らぬのであるか。どうも先ほど来の御答弁によりますと、それが何とはなしにぼやけてきておる。政府の、しかも電力担当の国務大臣として、公然とそういう線を打ち出された以上、その線に沿って最大限の努力をしていかれないと、私は、河野さんの政治責任という点からしても、これは不誠実きわまると思うのですが、何カ月か前に発表せられました河野さんの基本的な考え方は、今日も微動だにしないものであるかどうか、お伺いしておきます。
○河野国務大臣 今お示しになりましたような、たとえば一社ないし二社とかということは、どうも私考えたことはありませんから、そうは私は言わなかったろうと思うのであります。しかし、おおむね現在の九電力を、もう少し今の実情に合うように、再々編成ですか、する方がよかろうという基本的な考えは、今も私は持っておるわけであります。しかし、私が持っておったといたしましても、これは私自身の考えだけでは、至らぬ点が非常に多いわけであります。従いまして、今とっておりますように、各方面のそれぞれの権威者、経験者という人の意見を十分尊重いたしまして、これらの人の意見を徴しまして、そうして最終的に結論を出して、政府の方針としてやって参るということは、どなたが政治をおやりになっても、とられる処置だろうと思う。それでなければ、初めから何か考えがなければ、委員会を作ることもおかしい、意見を聞かしてくれということもおかしい。やはり自分には自分の考えがあって、その考えに対して、いろいろの人の意見を伺って参る。そうして結論を出していくということはすべての政治のあり方、これは独裁者であればともかくといたしまして、民主政治を運用して参りますには、各方面の意見を聞き、その意見によって考えを変えて、最も大衆性のある、一般の人の納得のできる政治のやり方をしていくということが、あるべき姿だろうと思うのでありまして、私は、私のとって参りました処置は、これからまたとっていこうという処置は、今ここで申し上げました通りにとっていくことが妥当である、こう考えておるわけであります。
○八木(昇)委員 それでは、もう一つだけで終ります。 先ほど来、私が申しましたように、電気事業が、今日もはや三つの大きな矛盾に突き当っておるということは、お認めでございます。しかも、それは電気事業の九分割の結果そういう現象が現われたということも、お認めでございます。従って、この際、大きな電気事業の再々編成についてのなたをふるわなければいかぬということについても、お認めでございます。だとすれば、これは、もうおよそのたどる結論というものはわかっておる。しかも、その際河野長官は、自分は必ずしも専門家ではないからとおっしゃいますが、河野さんが委嘱されました七人の方といえども、これは銀行の頭取さんであるとか、会社の社長さんであるとか、商工会議所の会頭さんであるとかいう方々であります。この方々が、河野さんより以上の専門家であるとは考えられません。そうしますると、やはり当然この際河野さんとしても、最初打ち出されました構想の線に沿って、所信を進められていくべきであると私は思います。この点をくれぐれも要望いたしておきます。
○河野国務大臣 今お示しのように、三つの点の矛盾、不利益が今日ある。私、その通りに思っております。ところが、その矛盾なり不利益をもたらしておる点を、どうすれば解決できるかということについて比較検討されておる。そこに業界の諸君は、これを広域経営というようなことで、相互相協力してやることによってその矛盾の一部が解消できる、こういう方法によってこれが解消できるとかいうことを、せっかく検討しておられることも、御承知の通りであります。従いまして、これらの欠陥、これらの不利益、経営上のマイナスを、どういう方法でこれがなるべく現状に即していけるかということを、せっかく検討しておられるのでございまして、その検討の結果が、たとえば広域経営ということを言いましても、この広域経営には非常に大きな欠点がある。たとえば、佐々木さんがお示しになりましたように、顧みて他を言うように、もし石炭が安くなればどうとか、政府がこうしてくれればどうとかいうことでは、私は少々困る。また、これが今のような経営であるために、会社の経営費の方が非常に安くて済んでおる。これが統合することによって、むしろ会社の経営費がかさむというような難点も起ってくるでございましょうし、従いまして、どの点をどう捨てるか、どの点をどう入れていくかということは、実際業界に携わっておられる人には、業界に携わっておられる人の意見があるだろうと思います。従って、私としては、これらの点を、実際にやっておられる諸君から最善の方法を選んで、いやしくもむだを排除して、よりよく電力が民衆に供給されるように努めなければならない、こう考えておるのでございまして、今、せっかくこれらの諸君が検討されておることを、私は静かにその成果を待って、それを拝見した上で、さらに私自身も検討いたしまして、そうして、さらに不十分な点があり、意に満たぬ点があり、さらに検討を願わなければならぬような事態があれば、先ほど申し上げましたような方法もとりましょうし、また党の方面の御意見、これらの委員の諸君の御意見、これらが一致して、この方法がよろしいということであれば、それに従ってやる場合もありましょうということで、せっかく今この結果の出るのを待っておるということでございますから、さよう御承知を願いたいと思います。
○小平委員長 残余の質疑は、次会に譲ることにいたします。 次会は、明十九日午前十時より再会することとし、これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会