商工委員会 第4号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/02/11
会議録
○小平委員長 これより会議を開きます。 前回の委員会におきまして通商産業大臣、経済企画庁長官及び政府委員より、産業経済施策の大綱、独禁法の運用状況並びに鉱業と一般公益との調整等に関し説明を聴取いたしたのでありますが、これよりこれらの説明に対する質疑を行うことにいたします。 通告があります。順次これを許します。長谷川四郎君。
○長谷川(四)委員 二、三簡単な問題を承わりたいと思います。 三十三年度は、重要施策として科学技術の振興が取り上げられておることは御承知の通りでありまして、日本の科学技術の振興の目的は、すなわち、日本経済の国際競争力の向上に役立つ科学技術の振興が最も必要であることは、これも論を待たないところであると思います。従って、本年度の予算の面から見まして、一応呼び声は大きいけれども、果して現在の通産省としての見方から考えてみて、原子力というようなものだけは非常に大きく取り上げられているけれども、逆に科学技術という面の振興というのが案外少いんじゃないだろうか、こういうふうにも考えられるのでありまして、たとえば原子力だけの目的のようにも考えられる。ところが原子力というのは、目的の一部分であろうと思うのでありまして、その一部分からさらに進展して、そうして科学技術の振興をはからなければならないのだ、こういうふうにわれわれは考えておるのでありまして、今日、外国技術の導入料といいましょうか、こういうのが年間百二十億以上にも上るという、これだけの巨額を払っておるのでありまして、この大きな額が、本年も来年も、より以上続けられ、より以上また増加していくということは、すなわち、日本の科学技術が劣っておることを物語るものではないだろうか、こういうふうにも考えるのでございまして、三十三年度から、これらの外国の技術導入というものが、昨年以上どのくらい見込まれているか、これに対してどういうようなお考えを持っておられるか、まずその一点を大臣に承わってみたいのであります。
○前尾国務大臣 科学技術の振興につきましては、もとよりわれわれも力を入れ、また極力外国からの技術の導入を要しないような域に達したいということにつきましては、原則的に従来から考えておるところであります。ただ、私どもは、非常に地についた、そうして、やはり産業全般に影響力の非常に大きいものを順次取り上げていかなければならぬ、こういうふうに考えております。原子力は、御承知のように、今まで全然施設その他のない問題で、私どもが取り上げております特別研究におきましては、各界の要請もありまして、電子技術あるいは分析技術あるいは生産加工技術というような方面に力を入れていく考えであります。しかし、電子技術にいたしましても、従来からずっと研究はやってきておるわけです。今度は大幅に電子技術等の研究費もふやしておるのでありますが、それにいたしましても、新規に始めるというのではかえって、また別個の機構を設けてやるということでは、かえって経済的に効率が上らぬ。従って、現在も基礎的にできておる、また年度計画も立ててやっておるのでありまするから、それを促進していくというような意味合いで、予算の要求もできておるようなわけであります。また、私は、やはり中小企業者の方でも、産業全般に関連しながら考えていかなければならぬというふうに考えておりまして、いわゆる設備の近代化というような意味合いで、ことしは設備の近代化も、従来より四億を六億にふやしますことは、結局本年度といたしまして四十五億の設備の近代化ができるわけであります。また機械の振興等につきましては、すでに開銀等におきまして二十七億でありますか本年度までに使っておりますが、来年度も継続して相当な額をつけていきたい。また中小企業におきましては、技術の指導というようなことを考えていかなければなりません。それにつきまして、本年度初めて六千万円輸出振興に関係のあるような技術研究機関に、これは府県等の研究機関でありますが、そこに補助金を出して設備をよくしていく、そうして中小企業者に技術の指導をやるというふうな考え方を持っておりまして、原子力のように派手ではありませんが、地道に一段と従来とは変った考えで技術の振興をやっていこう、こういうふうな予算になっておるわけであります。ただ、外国技術の導入をすぐストップし得るようなやり方は、そう簡単には参りません。今年度どの程度に見込んでおりますか、あとで当局の政府委員から説明をさしてもいいと思いますが、これは漸進的に一歩々々そういうことを解消していくように努力をいたしたい、かように考えておるわけであります。
○長谷川(四)委員 わが国の科学技術の振興、こういう点については、お話の通り隔世の感はあると私は考えます。従って、この感あるにあわせて、輸出向けの技術の指導研究、こういう点にもっと重点を置いて、その育成方法を考えられていかなければならないと思うのであります。こういう点も、さらに一段とお考えを願わなければならない。さらに、ジェトロを通じまして、いろいろ各国の市場の調査が行われておると思うのであります。どういうような種類の産業に重点を置くべきであるかという御結論は、出ているか出ていないかわかりませんけれども、大体において、わが国が今後海外に伸びていくについて、どういうような産業が伸びていくか。すなわち、わが国の国是としても考えなければならない産業が、私はあるのではないかと思うのでありまして、これらに対して、お考えがありましたならば、御発表願いたいと思うのであります。
○前尾国務大臣 先ほど落しました非常に大きな点を、今度の国会で改正したいと思っておるのであります。それは税制の問題です。これはやはり研究機関あるいは新技術の企業化というような面におきましては、特別償却の制度を活用するということが必要でありまして、実はきょう閣議決定をいたしまして、御審議を願うことになっておりますが、これは、民間の技術振興ということには、単なる補助金ではなしに、非常な効果がある、かように考えておりますことをつけ加えさせていただきます。 また、将来輸出をどういう品目で伸ばしていくかという問題でありますが、御承知のように、現在すにで文化程度の高い米国等におきましては、日本品が進出いたしますのは雑貨であります。雑貨も、急激に同じ品目をふやして参りますと、御承知のように輸入制限の問題を引き起します。従って、新しい品目あるいは堅実に一割、二割程度ふやしていくという意味合いで、できるだけ高級なものを持っていかなければなりません。それにつきましては、新聞等に、今度は専門家の招聘なんかの予算も減っているではないか、こういうようなお話がありまするが、これは従来継続の分につきましては、始末をつけるという意味で、役所の補助金は減っております。しかし、こういう問題はジェトロが自主的にやるべきだ、かように考えておりますので、これらの面におきましてはジェトロを活用してそうして斬新なといいますか、新しい品目をできるだけふやしていくというふうに考えていかなければならぬと思います。 それから低開発地域につきましては、やはり従来と違いまして機械類、プラント輸出ということを考えていかなければならぬと思います。すでにプラントについても、いろいろ織物の機械とかあるいは尿素の工場とか、そういうような問題も着々きまっていきつつあるわけであります。機械工業品、重化学工業品、肥料とかセメントとか鉄鋼につきましても、中共方面につきましては、ただいま申しましたが、化学肥料なり、あるいは鉄鋼なりというものが伸びていくと思います。方面としましては、伸びていくのはフィリピンあるいはインド方面だろうと思います。それにつきましては、今後はやはり重工業品とそれから化学工業品、そういうところに重点を置いていかなければならぬ、かように考えております。
○長谷川(四)委員 いずれにしても、昨今とみに、わが国ばかりでなく、各国で科学技術の振興が叫ばれておるときであり、私は国内資源を基礎としたところの産業、こういうものが、先ほど申し上げた通り、国是として振興されなければならないものが幾つかなければならないのではないか。それがすなわちわれわれのなすべき業であり、それがすなわち政治を扱うわれわれの責任の上において、日本の国是とした産業というものが、ここに育成されていかなければならないのではないか、こういうふうにも考えておるのであります。従って、大臣におかれましても、この点には十分御留意して進んでいただきたいと思うのであります。 もう一つ、話は関連がありますが、デザイン課をというお話がありますが、今日日本のデザインという問題に対して、非常にいろいろな批判を受けておる面がたくさん新聞紙上に現われてきておるのでありまして、日本のデザインというものが、盗用したとか、あるいはこれをまねたとかいう面が、ときどき現われてくるのだが、何としてもわれわれ日本のデザインの海外に対するPR運動が足らなかったことは争われないところであろうと思います。幸いこのたび通産省にデザイン課を設けて、そして万全を期していきたいというお考えのようでありますが、そのデザイン課の進むべき道、またどういうことを取り上げて今後進むか、こういう点について、局長より御説明を承わりたいと思います。
○松尾(泰)政府委員 デザインの問題につきましては、二つの面があろうかと思います。ただいま御指摘のような海外のデザインを日本のメーカーなり輸出業者が盗用する、それをいかにして防止するかという問題、もう一つは、輸出振興のためには、日本品のデザインが、海外に比べて非常に劣ると申しますか、アップ・ツー・デートでないので、やはりもう少し斬新なデザインを作って、日本品の売れ行きをよりよくするというデザインの改善の問題、こう二つ考えられるかと思います。その両者につきまして、従来からも若干いろいろの措置もされてきておったのでありますが、率直に申しまして、通産省内部におきましても、各局にそれが分散をして、なかなか統一的な行政ができないということで、今回設置法の改正を願いまして、まず輸出振興のために振興部を設け、その中にデザイン課を一つ設けたいということで進んでおるような次第であります。その目的とするところは、ただいま申しましたように、デザインについて二つの問題がありまするので、それら二つの問題、すなわちデザインの改善の問題、それから盗用防止の問題を積極的に処理して参りたい、こういう考え方でございます。
○長谷川(四)委員 私はただいま申し上げた通り、デザイン課を作られたということは、非常に大きな意義のあることであり、従って、これがために日本の、たとえば工芸意匠、こういう方面の横の連絡が十分とられ、そして今後の日本製品の海外進出という点については、大きな期待が持たれていくと思うのであります。反面、これに対しまして、指導の仕方いかんによっては、また非常な混乱を免れない問題が起きてくるであろうと考えておるのでありまして、従って、この工芸意匠を通じての、なるべく統一した、つまりデザインならデザインを業とする人たちが、常に横の連絡が十分とれ、通産省のデザイン課を中心に広くこれらが利用されていくように考えてもらわなければならないと思います。その点については、もう長年通商問題で御苦労なさっておる局長であるから、間違いはないと思いますが、このデザインという点は、非常に大きな意義を持つ問題でありますがゆえにより以上横の連絡を進めて、そして、あらゆる角度から検討し、もってぜひともこのデザインの向上に努めていただきたい、こういうことをお願い申し上げます。 もう一つお伺いいたしたいのは、チタン鉱業であります。チタン鉱業は、戦後の新企業と言っても過言ではないと思う。このごろ非常な上昇の一途をたどって参りましたが、昨年末の不況になりまして、国際的な悪影響とでも言いましょうか、国内の不況と国際的な悪影響を受けまして、非常な危機にさらされているようであります。こういう面に当りまして、今後これらの業界をいかに見なければならないか、またいかにこれらを育成しなければならないか、こういうふうにも考えるのであります。業界といたしましても、反省すべき点も私はなきにしもあらずだと思う。すなわち、技術あるいは経営だとか、原価だとか、用途の開拓、販売の拡充だとか、こういう点につきましては、幾多これに対するところの問題は残されておると思うのであります。しかし、何といっても、考えなければならないのは純国産である、純国内の資源であるというところは、大きく考え直してもらわなければならないと思うのでありまして、これらの業界の不況に対して、いかなる対策を持って進んでおられるか、この点について大臣の御答辨をお願い申し上げます。
○前尾国務大臣 ちょっと政府委員から……。
○福井(政)政府委員 チタンにつきましては、新規の金属といたしまして、非常に私ども通産省としましては、力を入れて参ったわけでございますが、何分にも需要の相手がほとんど米国でございまして、欧州にはわずかしか輸出されておりません。また国内の方におきましても、金属加工にいたしまして、国内に需要を求めるという点につきましては、今、長谷川先生からおっしゃいましたように、まだ国内の方でそれほど用途もございませんので、一に対米輸出にかかっているというのが従来の現状でございます。三十二年度の生産といたしましては、約千八百トンほど生産をいたしておりますが、本来、能力といたしましては、三社ございまして、大体月百五十トン前後の能力を持っておるわけでございます。これがアメリカの方で、需要の変化によりまして、民需品の対米輸出ということが、昨年の四月ごろからとまっております。そういう関係にございますので、国内のメーカーといたしましては、非常に危機にさらされておりまして、現在では三社ございますが、東邦チタニウムと大阪チタニウムの二社がおのおの六、七十トンの生産をいたしておりまして、わずかに両社で百三十トン前後の生産をいたしております。日本曹達は現在生産を高岡工場ではやめております。そういう状況になっておりまして、私ども今後これを維持いたしていき、また振興いたしていきますためには、さしあたりといたしましては、どうしてもアメリカの方のCCCで、政府で買い付けてもらっております分を、できるだけ多く買っていただくというような話し合いを、在米の大使館を通じましてやっておりますが、どうしても需要の変化によりまして、今急激にこれをふやすということも、なかなか簡単にはいかないような状況にあるようでございます。さらに、国内の方でも、これを金属加工いたしまして、用途を見つけるという努力もいたしておりますが、新しい金属でございますし、また価格の点等もございまして、簡単に参りませんので、現在いろいろ方策に頭を悩まして研究をいたしおる次第であります。
○長谷川(四)委員 関連をして、砂鉄鉱業の問題でありますが、同様非常に困っておると伝えられております。ただ一つ、この救い道があるのではないか。すなわちこれらの投融資等、金融によって救われる道が開けていくのではないか。また、反面海外から輸入しておるところの八幡、富士とかいう面との連絡というか交渉というか、これらの問題についても、一段と通産省で考えてやるならば、何とか生産を操短しなくてもやっていかれるのではないかというような説もあるのでございますが、これらに対してのお考えをお持ちでございましょうか。
○福井(政)政府委員 砂鉄につきましては、未利用資源の調査といたしまして、賦存状況を私どもの方で調査いたしておりますが、これを利用いたします面につきましては、極力利用したいということで、重工業局とも相談をいたして参っております。
○齋藤委員 関連して。ただいまのチタンの問題でありますが、年産千八百トン、これはスポンジだと考えるのでありますが、チタン・プレートは、日本でできているか、できていないか、それを一つ。
○福井(政)政府委員 神戸製鋼と住友金属で加工の研究をいたしております。わずかにできておるように聞いております。
○齋藤委員 ただいま長谷川委員からも御質問がございましたが、チタンは日本の砂鉄と共存をする世界的な鉱物です。これをアメリカに依存して、チタン鉱業の確立をはかるということは、結局技術的にも、それから使用面においても海外依存ということに私はなると思う。チタン鉱業のねらいというものは、チタンのメルテイング・ポイントが非常に高いということ、特殊の金属として、いわゆる機械工業にこれを応用し得るということ、その他いろいろな高度の熱を使用するところにこれを応用し得るということ、もう一つは耐酸、耐アルカリに強いということ、こういう特殊な金属が、日本の原鉱石によって生産されるということを、何ら生産目標にまで到達する技術の育成もなしに、アメリカの需要に依存するというところに、日本の生産体制の脆弱さがあるのではないか、そう私は考える。今、アメリカに売れないから、このままチタン鉱業をギヴ・アップさせてしまうのか、それともあくまでもこのチタン鉱業の育成をはかって、結局弁当箱までチタンでもって耐酸、耐アルカリの優秀な製品を作っていくという方針をきめられるのか、通産当局は一体どっちを考えておるのか、それを一つ伺わしていただきたいと思います。
○福井(政)政府委員 私もどといたしましては、できるだけこれを振興いたして参りたいと存じております。ただ、先ほど申し上げましたように、さしあたりの需要の構造といいますか、国内の方ではなかなか開拓できないような事情にありまして、企業を維持いたして参りますためには、従来、アメリカに輸出いたしておりました六割くらいが民需でございましたが、これが向うの航空機等の関係で需要がなくなったということで、打ち切られたわけでございまして、わずかに政府機関のCCCとの契約が続いておるわけでございまして、国内の方は一向なかなか、私どもいろいろ用途の開拓ということを研究いたしておりますが、何分にも価格の問題もございます。従来、加工品では、トン当り一千万円くらいするような高い価格でございます。最近はトン当り七、八百万円程度のようでございますが、それにいたしましても、非常に高い点も一つございまして、なかなかまだ国内でも、加工の点が需要と見合って進歩するわけでございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、ほとんど加工されてないというような状況でございますので、とにかく輸出の方を伸ばして、同時に国内の方の需要を開拓したいというような考え方から、いろいろ研究をいたしております。
○齋藤委員 もう一つ私のお伺いしたいのは、どうせ日本は、砂鉄の大開発をやらなければいかぬ。製鉄技術の進歩とともに、砂鉄は優秀な製鉄原料になる、特殊原料にもなるという見通しがついている。だから、砂鉄を開発すれば、結局砂鉄溶融の場合に、チタンはスラツグの中に入ってきて、そうして優秀なるチタンの鉱石としてこれを使用するような段取りになってくる。そういうときに、このチタン・スラツグ、チタンの入っているスラツグを捨ててしまうのか捨ててしまわないのか。要するに、そういうところからチダン鉱業に対する対策というものは立てていかなければならぬ。だから、今チタン・スポンジができている。そのスポンジが、日本ではプレートにはなかなかできない。しかし、このチタンのスポンジを作らせるのか作らせないのか。もっと根本的に言うと、砂鉄製練をやっているもののスラツグからチタンをとらないで、これを捨てさせるのかどうか。そういうために、一体通産省としては、チタン鉱業に対していかなる処置と、その研究体制及びこれを工業化に導く努力をするのか、これを一つはっきりしていただかないと、将来、砂鉄の開発に向い、しかもそれと並行してチタンのスラツグからスポンジをとり、さらにプレートにまで進んでいこうとしているところの工業というものは、ここで一ぺん中断されてしまう。それを中断させないで、あくまでも日本独自の立場から、この工業を育成していこうという牢固たる決意をもって諸般の行政をやっておられるのかどうか、これを一つ伺っておきたいと思うのであります。
○福井(政)政府委員 チタン鉱業につきましては、従来工業化試験補助金も相当出しておりますし、また開銀融資等もいたしておるわけでございまして、そういった新規金属の育成に力を入れて参っておるわけであります。今、先生のおっしゃいましたような観点もございますが、今後とも変りませず、これはやはり推進していきたいという考え方を持っております。
○長谷川(四)委員 砂鉄鉱業は、申し上げた通り、原料というものはわが国に無限にあるのだ、こういうことは頭の中から離すことはできないと思うのでありまして、従って、つまり輸入を圧縮しようというのであるならば、製鋼用原料としていかに取り扱っていくか。もし価格の点に高低があったとすれば、その価格をいかに引き下げていくかということ、その技術をいかに指導していくかというところに、大きな役割があると思うのでありまして、その点については、十分御考慮を願わなければならない大きな問題であろうと痛感いたしております。 もう一つ伺いたいのは、天然ガスの問題でございます。イタリアの話を申し上げてはおかしいが、イタリアと比較して、あまりにも大きく違い過ぎはしないか、同じようなガスの埋蔵であり、また同じような条件にある日本があまりにも遅れ過ぎていないだろうか。こういうようにも考えられるのでありまして、イタリアにおける天然ガスは、一九四五年から一九五三年の間に毎年五〇%ずつの伸びを示している。一九五四年から五六年までに三〇%ずつの伸びを続けてきている。年々の増産を見て、全く驚くべき生産量を私は記録していると思うのであります。十年前のイタリアは日本よりも生産量が少かったのが、今日は当時の百倍になっている。一九五六年度は、イタリアは四十五億立方メートル、日本は一億七千七百立方メートル、こういうふうにいわれておりますが、こういう点について、イタリアに比して大体二十五分の一だというような弱体の姿というものは、どこに原因しているのであろうか、こう考えるのでございます。敗戦後、イタリアが急速に立ち上った大きな原因も、すなわち天然ガスの高度利用というところにあるといわれているのでありまして、こういう点に対して、今後いかに天然ガスの利用を高めていくか、天然ガスというものに対して、どういう見方をして進んでいくか、こういう点について、企画庁から一つの御答弁を願い、あわせて局長からも、この点について考え方を述べていただきたいと思うのであります。
○宮川政府委員 今後長期的に経済を安定成長いたしますために、御承知のように企画庁におきましては、新しく経済計画を策定いたしたのでありますが、その中においても、今後相当エネルギーの需要がふえるものと見ております。そうなりますと、できるだけわが国の自給度を高めまして、外貨の節約に資することが必要かと考えておるのであります。そういう意味から申しまして、わが国、特に東北地方、新潟等にたくさん出ます天然ガスにつきましては、自給度向上という意味からいいましても、この開発は非常に重要なことと思うのであります。また天然ガスの開発は、化学工業原料としての優秀性にも関連する問題でもありますし、なおまた炭田ガスの有効利用は、石炭のコストを引き下げる意味におきましても、非常に意味があると考えておるのでありまして、長期経済計画においては、三十二年度の二億七千立方メートルに対しまして、三十七年度において十四億立米を増産するように期待いたしておるのでございます。このような観点から、さきに企画庁に計上されました東北地方総合開発調査費といたしまして、天然ガスに三百万円を調査委託費として出しまして調査をいたしたのであります。なおこの天然ガスの開発につきましては、現在北海道東北開発公庫におきましても、融資承諾額に対して約十億円、一月末におきまして六億近くの融資をいたしております。さらに東北開発株式会社におきましても、今後この事業の重要性にかんがみまして、投融資を増すような方向へ進みたいと考えております。
○福井(政)政府委員 天然ガスにつきましては、ただいま長谷川先生からおっしゃいましたように、イタリアでは、非常に利用されておるようでございまして、わが国においても、新しい産業として現在通産省の方でも力を入れております。ただいま企画庁の方から説明がございましたが、最近特に燃料としてのウェートと、それから化学工業原料としてのウェートを比較してみますと、従来の燃料用としての天然ガスが、だんだんと化学工業原料としての天然ガスに変化をいたして参っておりまして、三十二年度—三十五年度、こういった長期計画から見ましても、化学工業原料としての天然ガスというものが、非常に大きい割合で伸びてきております。現に秋田、新潟では、御承知のように天然ガスを原料とした化学工業が非常に発達いたして参りまして、現在工場を建設中でございますが、特に重油あるいは石炭と、カロリー当りのコストを比較して見ましても、天然ガスの方が一割前後安いというふうにいわれておりますので、今後天然ガスを原料とする尿素なりメタノールなり、こういった工業が発展することは、非常に明らかなように思います。ただ、そういった化学工業がどんどん設備されるというような態勢になって、問題になりますのは、一体埋蔵鉱量がどういうふうにあるかという点にあるわけでありまして、そういった点については、十二分な探鉱をして埋蔵鉱量を確定することが、まず私どもは先決問題であろうと思っております。すでに天然ガスを掘っておるところでは、会社が相当金を入れるということも考えられますし、現に試掘については、三十二年度、二千万円、わずかでございますが、試掘の補助金を出しております。三十三年度においても二千万円が計上されておるわけでございますが、私どもは、これをもう少し増額していただきたいという熱望を持っておりましたが、残念ながら予算の折衝で増額はできなかったような次第でございます。さらに埋蔵鉱量の確定の問題につきましては、わが国の地層が非常に天然ガスを持っておるというふうな地層になっておりますし、またその地区も、大よそこの地区が出るだろうという調査も、地質調査所等でわかっておりますので、そういう地区につきまして、何とか埋蔵鉱量の確定をいたしたいということを考えておりまして、本年度の予算でもこれを実現したいというふうに考えておりましたが、この点は、私どもの思うように参りませんでした。しかし、今後そういった点に大いに力を注いで参りたい、かように考えております。
○長谷川(四)委員 天然ガスの埋蔵地域の基礎調査という点については、最も重要であることは論を待たないところであります。今も企画庁がおっしゃる通り、エネルギーという問題に関連して、いかに重要性を帯びているか。従って、三十七年度に十四億増を見越しているというようなお話であります。そういうような十四億増産を見越して今後探鉱、採掘、試掘という問題をどういうふうにやっていくのか。イタリアは、国家が中心となって、つまり独占的なことでやっているが、それだけ重要なものであるならば、日本では今後どう進めていくのか。従来通り帝石初めその他の会社におまかせしておいて、それで二千万円という金を出すだけで、その目的が達せられるかどうか。企画庁でも、今後の日本の産業に最も重要性を持っているのはエネルギーであり、なかんずく天然ガスに重点を置くべきだという御意見であるとするならば、本年度の予算の折衝において、二千万円というのは、あなたはどういうふうに考えてそれが妥当と見るのか、企画庁はこれに対する努力を払ったかどうか、払ったとしてもその跡がうかがわれるかということを言われても、あなたのおっしゃる重要性から考えていったときには、ちょっと当てはまらないのではないかと思うのであります。この点、あなたの言われる重要性から考えて、一つ御判断をして御発表を願いたいと思う。
○宮川政府委員 先ほど申しましたように、天然ガスといたしましては、総エネルギーのうち三十二年度の二億七千立米を三十七年度十四億立米に増産するように期待しておりますが、全体のエネルギーの中では、まだどちらかといえば、ウエートが低いわけであります。企画庁といたしましては、今度の予算につきましては、もちろんそう細部のところまで大蔵省当局に要望したわけではございませんが、たとえば、先ほどお述べになりました科学技術の振興でありますとか、あるいは輸出の振興、あるいはエネルギーのための費用につきましては、いろいろ要望したのでございます。特に天然ガスについて、予算的措置あるいは政府の指導助成費として、これくらい計上すべきだというところまでは言わなかったのでありますが、今後、エネルギー全体、石炭、石油、ガスを通じまして、ばランスを持って最終年度であります計画年度の三十七年度の数字の達成できるように、今後とも配意して参りたいと考えております。
○長谷川(四)委員 それだけの意気込みで進んでいくのであるならば、今後どういうように推進していく考えであるのか、従来通り帝石初めその他の会社におまかせしていくか、それとも国家がいま一段と強力に推進していくとするならば、その方法としてはどういうことが考えられるか、これを一つ伺ってみたい。この点、鉱山局長からも御意見を発表してもらいたい。
○宮川政府委員 ただいまのところ、長谷川委員のお述べになりましたように、国家的にどうするか、あるいは民間経営のままでいいかという点につきまして、企画庁としては、はっきりした対策を持っておりません。今後十分検討いたしたいと考えております。
○福井(政)政府委員 私の方といたしましては、現在、試掘補助金を出すために、先ほど申し上げましたように、わずかではございますが、二千万円計上いたしておりますので、これを最も有効に利用いたしますと同時に、来年度はぜひ一つ国で探鉱地点を限りまして探鉱いたしまして、できるだけ確定埋蔵量を出したい、それに基きまして、企業がほんとうに企業化に着手できるような態勢を作りたい、かような熱望を持っております。
○齋藤委員 関連質問。この天然ガスの問題につきましては、あらためて大蔵省当局の出席を求めて質問いたしたいと私は思っておるのでありますが、根本問題に関しまするから、この際関連的に御質問を申し上げておきたいと思うのであります。先ほど経済企画庁官房長のお話にございました通り、この天然ガスの開発に関しましては、昭和三十年の予算で三百万円、東北地区の天然ガスの調査費として、大体東北地区における天然ガスの地表調査はできたのであります。それに伴って通産省は、三十一年度と三十二年度に相当大幅の埋蔵基礎調査費というものを予算に要求したけれども、これが全部ゼロになっておる。ところが長期経済計画によりますと、先ほどのお話のように、昭和三十七年度までに十四億立米の天然ガス開発計画というものが載っておるのであります。この十四億立米というのは、大体九千カロリーとして石炭に換算いたしますと二百十万トン、金額にするとトン六千円に換算して百二十六億円という膨大なエネルギー資源の開発ということになってきておる。それに対して、新長期経済計画にも、そういう十四億立米の開発を三十七年度までにやる。エネルギー資源として重大なウエートをかけておる。通産省でも三十一年度、三十二年度に大きな埋蔵基礎調査費を予算として要求しておるのに、これがゼロになっておるということで、一体エネルギー資源としての長期経済計画が成り立つのか成り立たないのか。また通産行政としても、そういうものに予算を一つもとらぬで、エネルギー資源の見通しが将来成り立つのか成り立たないのかということに対しまして、私は今まで何回となくこの点を力強く押しているわけであります。それがどうしてもうまくいかないということになりますと、この長期経済計画というものは、エネルギー資源一点から考えても、すこぶるあやふやな、前途に不安が多いということになりはせぬかと私は思いますが、こういう点に対しまして、通産大臣並びに経済企画庁長官はどう考えておるか、念のために一つ伺っておきたいと思います。
○前尾国務大臣 予算の要求につきましては、齋藤さんも御承知のようなことで、ついに新規要求を認められずにしまったことは、非常に遺憾であります。もっとも、これだけの問題ではなしに、いろいろほかの問題ともからんでおりましたので、われわれやむを得なかったのでありますが、それにいたしましても、新規な調査費用を、予算に組まずに、他の方法でわれわれのやり得る点がないかということは、十分今後検討して参りたいと思います。そうして、少くとも再来年の要求には、それが十分首が突っ込めるような態勢を来年度におきましてはとって、そして十分な根拠をもって必ずとるというようなことにして参りたい、かように考えております。
○宮川政府委員 御承知のように、長期経済計画につきましては、全体につきまして、どの程度資金が要るかというようなことを、巨視的に観察はいたしておりますが、個々のものにつきまして、十分掘り下げた資金的な要請というものを検討いたしておりません。またこれに伴いまするただいま言われましたような調査の施策についても、特にメンションをしないでおる部分も相当多いわけであります。先ほど言われました本年度の通産省の予算要求につきましては、あそこまで私ども調査いたしておりませんで、この点について、大蔵当局に対して、通産省の要望に対する企画庁の応援と申しますか、長期経済計画達成の見地から、企画庁が要請すべき点を怠っておったというおしかりを受けるかもしれませんが、ただいま通産大臣がお述べになりましたように、今後よく検討いたしまして、企画庁としても、長期経済計画達成上遺憾のないように努めたいと考えます。
○齋藤委員 関連質問でありますから、私は本日はあまり追及いたしませんが、あなたは大蔵省の出であることは間違いない。そうして新長期経済計画をお立てになった。そうして新長期経済計画に即応した予算の編成ということは、当然考えられる。それを三十七年度までに十四億立米の天然ガスを開発するという目標を定めておいて、一体どこに天然ガスがあるかという埋蔵基礎調査をやらないで、十四億立米の天然ガス開発というものが成り立たないということは、だれだって考えられる。そういう予算が一文もついておらぬという予算の編成で、経済企画庁としては、新たにお立てになった新長期経済計画が、そのまま遂行できるとお考えになっておるかどうかという一点を伺っておるのであります。
○宮川政府委員 弁解がましいことを申し上げますが、昭和三十三年度から三十七年度に至る間に、計画を達成しようとするものでございます。御承知のように、予算にはいろいろ制約がございます。まず、ことしは石炭をやろうじゃないかということもございますから、その辺のところは、今後十分配意したいと思います。
○長谷川(四)委員 あなたのお答えにおかしいこと、矛盾のあることをお感じになりませんか。要するにあなたのおっしゃるのは、国家がいま一段と強力に推進していく考えはないか、それについては二つの道があるが、どちらでいくお考えですかという考え方をただした。あなたは両方に考えがないと答えた。そうすると、あなたのおっしゃることは、全く矛盾がここに現われているのだが、その点は矛盾とはお考えになりませんか。私は、あなたの御答弁を聞いていて、非常に矛盾がある、そう考えております。現在、イタリアが、天然ガス使用で肥料の製造が飛躍的に伸びてきていて、今、東南アジアを初め各国において、わが国とその肥料で対抗しておる。こういう現実の姿、従って、わが国がこれがために脅威的になってきているということは、知っていてもらわなければならない問題だと思う。こういうような現実から見て、どちらでいくか、いまだに企画庁が通産省がというのではありません、企画庁が、どっちの道を走るのか、まだ考えを持っておらぬというようなことであっては、私は実に不可思議でたまらない。あなたは、先ほども、エネルギーという問題は最も重要であるということを冒頭に述べている。述べているにもかかわらず、どの道をいくのかということがわからないということは、ちょっと矛盾があるので、あわせてお答えを願いたい。
○宮川政府委員 先ほどは、いささか長谷川委員の御質問の趣旨を誤解したようであります。私は国営形態でいくか民営形態でいくか、はっきりした線を出す必要があるのじゃないかというふうに解釈いたしまして、その点につきましては、どちらとも言えない。たとえば、石炭の開発も必要でございますが、御承知のようにこれは民間経営でやっております。これに対しまして、国家的に助成するために、あるいは財政投融資を行いますとか、国が補助金を出すとか、いろいろ策が講じられるわけであります。そういう意味におきまして、エネルギー対策といたしまして、天然ガスの開発増産のために、民間経営でいくにしても、これに対して、財政投融資を拡充いたしますとか、あるいは探鉱のための調査費を出すとか国として助成すべき策をあまりやらぬのかということになりますと、そうじゃございませんで、それは財政の許す限り、そういうところにも持って参る。そういうことについては、もちろん企画庁としても考えておるところでございまして、国営か民営かというふうに、私初め誤解いたしましたために、あるいは矛盾があるじゃないかというようなお言葉を賜わりましたが、そういう意味ではございません。さよう御了承願いたいと思います。
○松平委員 議事進行について一言申し上げます。ただいま長谷川委員の天然ガス等の問題についての議論を承わっておりますと、どうも企画庁のいわゆる新経済五カ年計画と予算との間に、何か食い違いがある、こういう感じをわれわれも受けておるわけであります。そこで、この問題は、過般説明がありました新経済五カ年計画の一つの要素でもありますので、どうしてもこれは責任のある答弁をしていただきたいと思いますので、この問題は、後刻企画庁長官から一つまとめて答えてもらう、こういうふうにして、次に移っていきたいと思います。
○長谷川(四)委員 それでは最後に一言だけ聞いておきましょう。速記録にも載っておるのですが、わが国の天然ガスをパイプ・ラインで輸送を考えていると答えられた方もおります。ですから、現在もそういうようなお考え方でもって進んでいるかどうかということは、あくまで疑問として残っておるから、この点について、私は一言伺っておきます。そして天然ガスの問題は後日に譲ることにいたします。これに対して、鉱山局長からお考えを述べてもらいたい。
○福井政府委員 秋田県で、秋田市より相当離れております八郎潟の方から秋田市の方に、パイプ・ラインで天然ガスを持っていきたいという計画があるやに聞いておりますが、まだ私は詳細に承わっておりません。もし計画が出ますれば、十分に検討いたして参りたいと存じております。
○加藤(清)委員 ちょっと関連して、先ほど長谷川委員からデザインの問題について御質問がありましたのですが、あの御答弁だけでは、ちょっと納得がいきませんので、質問さしていただきますが、大体デザイン課を創設されるに当って、予算はどのくらい組んでおられますか、これが第一点。それから第二点ですが、その目的は、盗用を防ぎ、デザインの改善をするところにある、こういうお話です。盗用々々という言葉ですが、これは今後こういう席上では留意して発言していただきたいと思うのです。と申しますのは、あたかも日本のメーカーがデザインを盗用しているかのごとき印象を与えておりまするが、その具体的事実を、大臣、お調べいただいたことがあるでしょうか。特にあなたの選挙地盤は京都で、糸ヘンのデザインの盛んなところでございます。私の調査したところ、社会党の調査企画で調査いたしたところによりますと、これは盗用したのじゃないのです。盗用したのは、日本のメーカーじゃない。特に糸ヘンとかあるいに陶器のごときは、盗用したというならば、日本のメーカーは盗用する先を知っておったはずですが、知っていないのですよ。どうやって作ったかというと、それはバイヤーがこういう格好のものを作ってくれと言われるものだから、はい、そうですかといって、作っただけのことです。それを輸出したら、結果デザインの盗用じゃないか、こういうことになってきた。バイヤーが、一体何国の人かといえば、相手国の人なんだ。相手国の人が、こういう格好のものを作ってくれといって持ってくるものだから、はい、そうですかといって作っただけで、それがやがてクレームになってくると、そのクレームの責任だけはメーカーに背負わされてくる。いわばぬれぎぬを着せられて、その上なお泣きつらにハチだ、こういう格好になる。決して盗用したのじゃない。日本人のメーカーは盗んでおりません。そいつを盗用だ盗用だと言われちゃたまったものじゃない。要は、こういうことの起きてくる原因は、日本の輸出される場合の経路と、それを受け入れる側の中小企業に、研究するところの資本がないから、そういうことになっておる。そこにいらっしゃる鉱山局長なんかは、かつて名古屋通商局長をやってみえましたから、その詳細はおそらく御存じのはずです。こういう公式の席上で、あたかも、日本のメーカーが外国のデザインを盗用したかのごとき印象を与えるような空気でおられることに対して、私は不満であると同時に、全国の中小企業にかわって、このぬれぎぬだけは払拭していただきたい、こう思うわけでございます。そこで、一体こういう大きな仕事、これをやらなければ、輸出振興に阻害を来たすというような大きな問題に対して、デザイン課を創設されるということは、けっこうなことなのですが、一体予算はどれだけあるのですか。 それと同時に、もう一つ承わりたいことは、デザイン研究のために、研究生を派遣していらっしゃるはずでございます。これがジェトロの方からくる費用でということに相なって、研究に行く人も非常な制限を受けると同時に、これが行くに当って、予算的に非常に難渋をしておるという点を、大臣御存じでございましょうが、こういう者に対しても、予算の裏ずけをもう少しふやしてやらなければ、ほんとうの研究は成り立たない、こういう状況にありするが、これに対して大臣の答弁を承わりたい。
○前尾国務大臣 盗用という言葉は、あるいは当らないかとも思いますが、従来そういう言葉で言われておりまして、いわゆる盗用……(加藤(清)委員「それは外国の言うことで、日本人の言うべきことじゃない」と呼ぶ)それは盗用に関係する問題という意味に使っております。お話のように、英国で問題になりました点も、お話しの通りで、バイヤーから言われた。しかし、もう一歩進んで、われわれは、やっぱりそれにしっかりした念も押し、また自分で調査をするということまでいくべきだと思うのです。それにつきまして、ただいまお話しのように、デザイン・センターというものができて、そういう心配が繊維等にはなくなりました。しかしほかのもの、あるいは、ことにこの前起りました問題は、機械か何かの包装であります。そういうものに至るまでのデザイン・センターを作って、そうして何ら国際的に、ぬれぎぬにしましても、負わなければならぬようなことのないようにいたしたい、こういうふうに私は考えております。もちろん、ぬれぎぬである点を、そのまま泣き寝入りするという意味では決してないのでありまして、それはそれといたしまして、あくまで主張し明確にする。しかし、日本商品は何も心配ないんだというくらいの信用をつけるようにしていきたいというふうに考えておるのであります。ただ政府としましては、あくまで指導でいきますので、具体的な予算なり、そういう問題につきましては、政府みずからが招聘するとかなんとかいうことではなしに、ジェトロの活用ということでいくべきではないか、かように考えております。御承知のように、今度二十億の出資も受けまして特殊法人になりますと、その利息は人件費等に相当充てられるわけであります。しかし、従来とはまるきり違って、そういう方面にジェトロが活躍するという、ジェトロの自主性と申しますか、そういうような点もできるだけ今度はジェトロにやらして、そのかわり、指導につきましては、十分デザイン課で監督もし、また指導もする、こういうことにして参りたい、かように考えております。
○松尾(泰)政府委員 このデザイン課の設置の費用は見ておりません。これはわれわれ内部でやりくりしてやろう、こういうことであります。そのデザイン関係の予算としましては、実はその費目があちこちに分れておりますので、あとで正確な数字は申し上げますが、総額大体二、三千万円くらいになるのではないかと思います。これは意匠の改善の問題、それから盗用という言葉を使って今おしかりを受けましたが、その盗用防止の問題、これは、何も私は、日本人が盗用したということを申し上げたのではないのでありまして、先生御指摘のようなことは、重々承知しております。大部分が、外国からこういうものを作ってくれ、あるいはこういう包装のものを作れと言われてやったのが、そういう事態になった、こういうことでありまして、何も日本人が盗用したというのではないのでありますが、外人が盗用したのも、やはり盗用なのであります。そういう盗用一般の防止をしなければ、どうしても、やはり日本から物が出ます関係上、日本品の信用にかかわるということも、一般の常識になっておりますので、今も繊維、雑貨等につきましてはそれぞれデザイン・センターができまして、それぞれ事業をいたしておりますが、これらを後援しまして、なお一そう防止の問題の完璧を期したい、こういう意味で申し上げておるわけであります。
○加藤(清)委員 松尾通商局長は、この道の専門家ですから、十分御承知のことと思いますが、盗用々々と言われますと、とかく日本人が盗んだかのごとき印象を与えておるのです。そのおかげで、日本商品の信用を海外に失墜すると同時に、貿易に阻害を来たしておることは事実なんです。実際は、盗用したのは、バイヤーが盗用しておるのであります。盗んできたものを、これを作れと言われたものだから、作ったら、それで作った人が盗んだ、こういう結果になっているだけのことなんです。しかし、ほうっておけば、今後かりにそのデザイン課を創設されて指導監督を強化するとおっしゃっても、このままの状態だったら、今の、予算なしで、内部のやりくり予算だけでやれと言われたのでは、これは永久に続くのです。なぜかならば、中小企業で見れば、このデザインがどこの特許であるやら、どこの実用新案であるやら、そんなことは全然わからないのです。中小企業で見れば、その日の自転車操業に追われているのですから、世界中のデザインを研究するほどの能力を持った中小企業というものは一つもないのです。しかも、盗用々々ということの起きてきた個所はどこか、メーカーはどこかと調べてみると、ほとんどこれが中小企業です。そこで、ただ課を設けて指導する、しかもお役所仕事で監督だけを強化すると言ったって、それは払拭できない。だから少くともその調査、研究ということは、国家の公的機関で行なっていただくようにしなければならぬ。ジェトロにおっかぶさって、ジェトロにまかせておきます、こういう大臣の答弁では、言うことはよいけれども、実際は、行われることは依然として旧態が続いていくんじゃないかと心配されるわけでございます。そこで、ぜひ一つこれについても格段の努力をされて、まず資金の裏ずけをして、研究調査は国家でする、それをあまねく広く中小企業にいち早く知らせる方途を作って、そして輸出のデザイン研究の資料にする、こういうふうになさらなければ、永久にこのことは続くと思いますが、大臣、今の答弁より一歩も出ないのでございますか。
○前尾国務大臣 来年度におきましては、デザイン・センターに対する補助金を考えておるのであります。国で国立のデザイン・センターを作るということも考えておるのであります。従来は、繊維等におきましても、補助金を出しまして、そして民間と一緒になってセンターを作っておる、こういうようないきさつになっております。来年度におきましては、その額は今忘れましたが、できるだけふやしております。また、ただいま申し上げましたように、ジェトロに別におっかぶさっておるというわけではございませんが、ジェトロの費用も捻出できるのであります。そういうような方面で、金の調達を考えたいという意味で申し上げたのであります。
○小平委員長 佐竹新市君。
○佐竹(新)委員 私は主として輸出貿易のことについて通産大臣に質問してみたいと思います。今年度の「通商産業省の重点施策について」という資料で見ますと、今後の通商産業政策は、貿易の振興、中小企業の振興、産業技術の振興、産業基盤の強化、大体この四点に重点を置いておられるようでありますが、この四点の中で、貿易の振興ということを一番頭にうたっておられるのであります。 そこで、ことしのいわゆる輸出の目標は三十一億五千万ドル、こういう目標を立てておられるのでありますけれども、私が申し上げるまでもなく、昨年の下期から、世界の景気というものが、アメリカを初めといたしまして、大体頭打ちの状態にある。こういうときに、三十一億五千万ドルの輸出目標をお立てになっておるのであります。実は、非常に心配いたしますのは、昨年、本委員会におきましても、通産大臣に、私は、あまりに輸出の伸びるということに対して楽観ではないかということを、繰り返し繰り返し質問いたしましたが、そのときに、あくまでも通産大臣は伸びるということの一点張りであったのであります。 しかし結果は、予算国会が終りまして、五月に入りますと、もう伸びがとまってしまって、御承知のような金融引き締めをおやりになった。いわゆる神武景気から、非常に不景気に落ち込んできた。こういう実績にかんがみまして、本年度の三十一億五千万ドルという輸出の目標は、われわれが考えるところでは、そう楽観はできない。ただ数字の上で、抽象的にはいつも聞いておりますが、具体的にどことどことどの方面に対し、どのくらいな本年度の輸出目標が達成されることになるのか。しかも、それは輸出品目においてはどういうものであるか、こういうことがやはり本委員会を通じて国民に明らかにしていただかなければ、また昨年の、ようなことが繰り返されることを国民は非常に心配しておるわけでありますから、その点に対しまして、通産大臣の明確な御答弁を一つお願いしたいと思います。
○前尾国務大臣 三十一億五千万ドルの来年度の輸出目標につきましては、実は昨年の九月ごろに一応の目標を立てたわけであります。本年は御承知のように二十八億二、三千万ドルというものが達成できると思います。これは昨年度の二十五億ドルから見ますと、相当な伸びを持っているわけです。おそらく二十八億ドルという目標が達成できるかどうかについては、当時非常な論議があったと思います。しかし、それは十分達成できる、こういうことになったのでありまして、一昨年と昨年の歴年で考えましても、輸出の伸びは一六%、こういうことになっております。また各第一・四半期、第二・四半期、第三・四半期を見ましても、輸出は伸びてきておるのであります。非常に困難な情勢であり、ただいまお話しのように、世界の景気は、昨年の始まりごろから頭打ちになってきておったのであります。それにもかかわりませず、伸びてきておるのであります。と申しまして、私が決して楽観的に申しておるのではありませんが、三十一億五千万ドルというのは一一%の伸びであります。言いかえますと、各品目あるいは仕向地の各地を問わず、一割なり一割五分というのを目標にして、あくまでそれを達成する。それを達成するにつきましての隘路があれば、それを除去していくということでなければ、日本の経済が成り立たぬ。また、事実従来から考えましても、二十九年は三三%でありまして、三十年は二八%、三十一年につきましては二三%、そういうふうにして伸びてきておったのであります。伸びの率がだんだん悪くなるということは、これはやむを得ないと思います。また額につきましては、各年四億ドルぐらい伸びてきたのであります。従って来年度におきまして三十一億五千万ドルというのは三億五千万ドルの増加でありますから、常識的に見ても、このくらいは達成しなければならぬ。しかし、それにつきましては、各地あるいは各商品について、いろいろ考えておるのでありまして、これは詳細につきましては、たしか表をお出ししているのじゃないかと思いますが、詳しい点につきましては、政府委員から御答弁させたいと思います。
○佐竹(新)委員 実際、貿易というものは、これは現実の問題であります。架空な問題ではないのであります。この見通しが違って参りますと、日本の経済に大きな影響を及ぼすことは御承知の通りであります。これは事務官からでもよろしゅうございますが、今年はどことどこと、どの方面に大体伸びる可能性があるか、その出す品目については、大体どのようになっておるか、現在注文はどのように来ておるか、こういうことを、一つ親切にこの委員会で御答弁を願っていただきたい、かように思うのであります。
○松尾(泰)政府委員 ただいまのお尋ねにつきまして、若干こまかくなるかもしれませんが、お答えを申し上げます。 まず商品別に申し上げますと、繊維、繊維製品の関係で、五七年度に対しまして五八年度は一〇%程度の増を見込んであります。まあいろいろ世界経済の先行きに対する見通しも非常に困難でありますが、たとえば綿織物は大体今年並みの十四億ヤード台、こういうように見ておるわけであります。また化繊の織物でありますが、スフの織物の伸びが非常にいいわけであります。これは大体十億ヤードくらいには達すると見ておりますし、他方人絹織物の方も相当伸びつつありますので、これもかなりの増を見込んでおります。その他化繊糸あるいは毛製品の増も若干見込んでおりまして、従いまして、繊維及び同製品におきまして、前年度に比べまして九千三百万ドル程度の増を見込む、これは一〇%の増になるわけであります。 それからその次には、金属及び同製品でありますが、これは一四%程度の増加になるのじゃないかというように見ておるわけであります。三十二年度におきましては、金属製品は、国内需要の激増によりまして、輸出はやや停滞したのでありますが、大体国内需要の現状から判断いたしますと、鉄鋼その他の金属類は、かなり伸びるものであろう、こういうふうに考えておるのであります。 それから、次に機械類でございますが、機械類と申しましても、船舶、車両一般の工作機械その他いろいろ含んでおりますが、機械類におきましては、前年度に比べまして四%程度の増加を見ております。その内訳を若干申しますと、船舶につきましては、最近新しい契約が若干不振であります。船の価格も低落いたしておりますので、若干の減少をするであろう、こういうふうに見ております。船舶の減少は、一例をあげますと、九%ぐらいはここで減るであろうというふうに見ております。他方、自動車及び鉄道車両は、前年に引き続きましてかなり伸びる。プラント類も、各方面に若干伸びるであろう、こういうふうに見ておりまして、合計して四%程度の増加を見込んでおるわけであります。 次は、食糧及び飲料の関係でありますが、前年に比べまして八%程度の増加を見込んでおるのであります。 その他一般の雑貨につきましては、一九%程度の増加を見込んでおります。この中で大きなものといたしましては、たとえば、肥料とかセメントであります。これもいろいろ判断がむずかしいのであります、たとえば肥料にいたしますと、もう現在でも、すでに百万トンそこそこの契約が、ことしの末までに積み出されるものができておるというふうな点もありますし、それからセメントにつきましても、若干不安もあるのでありますが、内需も減少いたしておりますので、輸出に対する圧力になって現われるであろうというふうな見方をしておるのであります。その他陶磁器にいたしましても、あるいは紙製品にいたしましても、あるいはゴム製品にいたしましても、かなり海外の需要も旺盛でありますので、それらのものは若干伸びるというわけであります。雑貨の中にでも若干伸びるものと横ばいのものとありますが、総じてみまして、前年度に比べまして一九%程度の増加をするであろう、こういうふうに見ております。次に、地域別に見ますと、まず先進国に対してでありますが、先進国に対しましては、三十三年度は、前年に比べまして一二・二%程度伸びる、こう判断をいたしております。そのうち、ヨーロッパが一五・一%、それから北米が一〇・七%の増、こういうふうに判断をいたしております。 それから先進国以外の国でありますが、まず東アジアに対しましては一五・四%、それから東南アジアに対しましては九。四%程度、それから中近東に対しましては一二・五%、中米に対しましては一〇・四%、南米には二五%、アフリカに対しましては、一%、大洋州に対しましては三〇%、合計、いわゆる後進国という定義が若干当らぬのかもしれませんが、今申しました後進国に対しましては平均一〇・二%程度の増、こういうふうに考えております。 以上であります。
○佐竹(新)委員 これは大体昨年度においても、数字の点においては少しの伸びがあると予想しておられますが、私は、こういう見方は、最初に申し上げましたように、世界の景気が頭打ちをしておるし、ドルが非常に偏在しておるのです。そういうところに持っていって、依然として総花的に、と言っては非常に失礼でありますが、楽観的な輸出計画というものをお考えになっております。三十二年度の下期を基準として質問してみたいと思うのでありますが、一体どれくらいのものが輸出される構想であって、そしてその輸出するところの品目はどういうものであるか、一番手近いところを。それから先を申し上げましても、これはまだ一つの計画ですから、一番手近いところでどのくらいかということを伺いたい。 それから今の説明せられた点、そういうことは資料として委員会へ配られておらなければならぬ。この資料が委員会に配られておりませんから、特に仕訳をよくして委員会に配っていただきたい、こう思うわけです。
○松尾(泰)政府委員 資料はさっそく配らせていただきます。それから今お尋ねの点は、三十二年度の下期でございますか。
○佐竹(新)委員 大体三十二年度は終りますから、いわゆる四月までの受注がどのくらいあるかということです。
○松尾(泰)政府委員 実は受注につきましての調べというものは、非常にむずかしくございまして、やるすべが実はないのであります。しかしながら、先ほど大臣からも御説明になりました三十三年度ということは、要するに去年の四月から本年三月まででありますが、輸出目標が当初は二十八億であったわけであります。これにつきましては、二十八億は達成できないというのが非常な議論であったわけでありますが、二十八億は何とか達成するんだ、努力するんだということできたわけであります。幸いにしまして今のところ二十八億三千万ドル確実に達成できるという自信を得ておるのであります。それをちょっと数字的に申してみますと、いわゆる上期、去年の四月から九月までが為替の受け取りベースで十三億六十百万ドル、こういうことであります。ところが下期に入りまして、すなわち去年の十月以降ずっと伸びて参っております。月によりまして、若干季即の関係もありまして増減はございますが、十二月までで二十一億二千三百万ドルということになっております。一月は二億二千百万ドル達成をしたわけであります。従いましてあと二月と三月とでもちまして二億八千万ドル程度になりますれば、先ほど申しました二十八億三千万ドルの輸出目標が達成できることになるのでありますが、従来の月別の傾向から見まして、この達成はそうむずかしくない。むずかしくないというより、ほとんど確実に達成できるだろうというふうに判断をいたしております。 その裏づけになりますものといたしましては、御存じのように毎月輸出いたします場合にはLCというものが銀行に参っております。そのLCの統計からもずっと判断をして参っておりますし、最近LCのないDP、DAの輸出もふえて参っておりますが、そういうものの傾向をたどってみますると、二十八億三千万ドルの達成は、確実にいけるのではないか、こういうふうに考えております。従いまして、三十二年度の下期は、上期に比べまして非常な増加になるわけでありまして、下期だけで約十四億六千百万ドル程度になる、こういうことになるのであります。
○佐竹(新)委員 輸出ということに対しては、非常に国際競争も激しいのです。私、先般の中共からの帰りに香港に寄って、香港で日本の製品と西ドイツからきた製品とを比較してみますと、品質においても、価格においても非常に日本の製品よりは安い。こういうふうにして入れておる。中共に参りましても、日本製品に対しては、今のこころ、価格が高い。そこで、どうしても価格が安いところから入れるのが当然である、こういうふうに説明をしておりましたけれども、来年度におきましては、輸入を相当押えられる、そういう結果、在庫がだんだん少くなってくれば、原材料が高くなることは当然であります。そういう場合に輸出をするには、どうしても国際価格との関係というものが、一番大きな問題になって参ります。これは物によっては、国際価格に対してあまり劣らないものがありますけれども、物によっては、非常に国際価格を上回るものがある。従って輸入を押えるということになれば、この国際価格の競争に対して、どのような対策を持っておられるか、この点を一つ伺いたい。
○前尾国務大臣 実は、われわれも一番心配しましたのは、下期の外貨予算を組みます当時、輸入を押えれば、その原材料が高くなる。だから、高くは絶対にしない、しかも最少限度で切り詰める、こういうふうな考えをして参ったのであります。その点、また国内に食いつぶされたのでは困るということも、非常に心配しました。ところが、在庫の関係を見ますと、原材料の在庫なり、製品の在庫もそうでありますが、在庫は多少減りましたが、しかし、正常在庫ということは十分できておるのであります。また物によりましては、最初心配したよりも、さらに原料の輸入も減るというようなこともありました。今のところ、輸入についてそう心配するような状態ではありません。また来年度三十一億五千万ドルを達成しますに必要な原材料につきましては、十分輸入をして——もちろん、現在の引き締めをゆるめるというわけには参りません。極力みんなに節約もしていただかなければなりませんが、それによって輸入原材料が少いから物が上るとか、あるいは全般的にいって物価を引き上げるというようなことは、極力避けて参るのであります。むしろ、これは安定という言葉を使いませんと、下げるといいますと、いろいろ問題もありますが、極力安定さしていくだけの十分な根拠があるというふうに考えております。
○佐竹(新)委員 私は今の通産大臣のお言葉では納得しないのです。一昨年大幅に輸入したものを、今年度において輸入を押えるということになれば、どうしても在庫品を食いつぶすことになります。在庫品を食いつぶしてその原材料が少くなれば、計画経済でもってぐっと品物を押えてやるという、いわゆる統制的なやり方ならともかくも、今のような状態においては、自然値上りになることは当然なんです。そこで、やっぱり輸出の価格が国際価格より高いということに結局はなっておるものがあるのですから、そういう点を、ただあなたの方で、輸入は押える、価格は決して上らないといっても、上らないという根拠は、どういう点で上らないのか、こういうことが具体的にわからぬと、どうも私には納得がいかない。
○前尾国務大臣 輸入を押えるという意味は、何も必要量以下に下げるというわけではありません。ことに、昨年の輸入が非常にふえましたのは、御承知のように、石油と鉄鋼の緊急輸入であります。しかし現在におきましては、鉄鋼も決して窮屈ではありません。これは輸出に回そうというような状態にあります。それからまた石油につきましても、現在は余っておるというような状況でありまして、昨年のような緊急輸入で四、五億ドルも金を使わなければならないというようなことはあまりありません。その他の原材料につきましては、物によっては下期よりは多少ふやさなければならぬというような状況もありますが、しかし、現在の下期の外貨予算は決して窮屈なわけではありませんでして、実際にはまだ保留してもいけるのじゃないかというような物資も相当あるわけであります。御存じのように、繊維関係につきましても、むしろ原材料の輸入を押えて、価格の維持をしてもらいたいというような状況にありますので、その点は、昨年と本年は非常に情勢が変っておる、かように思っております。
○松尾(泰)政府委員 ただいまの大臣の御答弁に対しまして、ちょっと補足さしていただきたいと思います。下期、去年の十月から今年の三月までの貨物の外貨予算は、御存じのように十五億七千万ドル組んだわけであります。その当時予想しましたのは、現実の支払いベースで十五億九千万程度の支払いを予想したのであります。ところが今二月、三月は、若干推定を入れなければ計算ができませんが、今の見通しでは十三億四、五千万くらいにとどまるだろう、こういうふうに見ておるわけであります。ということは、何も輸入の抑制をしたというわけではないのでありまして、外貨の割当にしましても、許可なんかは十五億七千ベースで実はやっておるわけであります。ところが実際は国内需要がこれに伴わぬといいますか、そういう関係で、下期は現実の支払いベースで十三億四千万か五千万くらいにとどまるのじゃないか。これを上期と比べてみますと、上期の現実の支払いが十八億八千万であります。ここで五億四、五千万下期は小さくなっている。これは別段輸入を抑制したわけでなしに、現実の需要がついて回っておらぬ、こういうことであります。従いまして、三十二年度の年間を通じての輸入の支払いを見ますと、三十二億二、三千万ぐらいになるわけであります。そうしますと、先般発表されました輸出目標三十一億五千万ドル、それから輸入目標の三十二億四千万ドルということになりますと、金額的に見ますると、二千万ドルことしより三十三年度はふえることになるわけでありますが、御存じのように去年の上期と、それから今の下期とを比較した場合、先ほど申し上げたような数字でございますので、われわれの見通しとしては、三十二億四千万程度の現実の支払いを基準にして輸入の計画を編成することは、決して輸入抑制にならない。どっちかというと、われわれ事務当局としては、非常に楽な外貨予算を編成できるのじゃないか、こういうふうに考えておるりのであります。
○佐竹(新)委員 重ねて質問いたしますが、三十二億四千万ドルという輸入の見込み目標というものは、これは大体どのような事情があっても上回るということは、去年の上期と下期とを比較してみた場合に、今御説明のあったように上回るようなことはないと、こう聞いてよろしゅうございますか。
○前尾国務大臣 全くそのように考えています。
○佐竹(新)委員 次は、特需の関係について質問申し上げたいと思うのですが、御承知のように、米軍はだんだんと徹退しておるのでありますが、ことしの特需と去年の特需の関係を、御説明願いたいと思います。
○齋藤(正)政府委員 来年度の計画は、特需四億八千万ドルという計画になっております。本年度は五億四千万ドル、それから昨年度が五億八千万ドルでございます。米軍の徹退に応じて逐次減らしていくという計画でございますが、むしろわれわれとしては、五億ドル近い特需があるのじゃないか。これは円セールや外貨の引きかえの分は、これは当然軍人の数が減るに従って減りますけれども、狭義の特需と申しますか、ICA関係その他が若干ふえる傾向がございますので、もう少し行くかもしれませんが、堅実に見まして四億八千万ドルという数字を組んであるわけでございます。
○佐竹(新)委員 昨年度においても、御承知のように人工衛星等の関係において、米軍が基地の拡張をやっておる。しかし、基地の拡張も、相当米軍の方から制限されて、その請負をやっておった業者も、大きな計画の変更に驚いておるといったような、予想せざる状況もあるわけであります。私は、やはり本年度四億八千万ドルということを見込まれても、このうちで、ほとんどのものは米軍の調達、あるいは米軍の家族あるいは軍人等が消費する関係が多いと思いますが、相当な人数が日本国内から引き揚げても、この数字はあまり変らぬ、こういうふうに見て差しつかえないのですか。
○齋藤(正)政府委員 これは兵員の減少を、先ほど御説明いたしましたように見込みまして、それで大体軍人の数に応じて増減すると考えられる円セールなり、あるいは円貨の購入なりというものは相当減らして見積って、それで四億八千万ドル、こういう計算になっておるわけでございます。むしろその他の、先ほど申しましたような狭義の特需は若干ふえるのじゃなかろうかという予想がございますけれども、その点は、むしろ控え目に計算しまして、四億八千万ドルという予定でございます。
○佐竹(新)委員 時間の関係、また予算委員会の関係がありますから、私はしつこくは質問いたしませんけれども、しかし、今までお聞きしましたことに対する当局の御答弁は、ちょうど私が貿易問題についてこの委員会で質疑を繰り返したような見通しと、大体大差ないわけであります。しかし、私らが見ます国際景気というものは必ずしも輸出は伸びるという傾向にはなってこない。この資料を見ますと、大体世界の輸入との比較は、世界の輸入の状況は二十九年に四%、三十年に一一%、三十一年に一〇%、三十二年一月から六月までで一四%と漸増しておる。それに引きかえて、わが国の輸出を考えますと、二十九年二五%、三十年二〇%、三十二年が一三%、三十三年は一一%に落ちておるという、世界の情勢と逆な情勢をいっておる。こういうときに、依然として輸出は伸びるんだということだが、世界の輸入の関係とわが国の輸出の関係を考えてみると、数学的にずっと落ちてきておる。それが伸びるといわれる根拠に対しまして、私はどうも合点がいかないのですが、その基本的な根拠をどういうところに持っておられるかということを、大臣でも、また局長でも、納得のいくように説明願いたい。
○前尾国務大臣 ただいまお話しのように、世界の輸出は各国減っておる、日本の輸出だけが伸びるということは考えられぬということでありますが、戦前の世界の輸出の比重を考えますと、まだ戦前の水準には至っておらぬのであります。日本としては、少くとも世界の戦前の水準までは何としてもいかなくてはならぬ。もちろん、競争は非常に激化いたしております。しかし、われわれとしても、またそれ以上の努力をしなければならぬということは当然のことでありまして、昨年は世界の景気が非常に頭打ちいたしておるのにかかわりませず、ふえてきたということからいたしまして、あらゆる努力を——もちろん、何もせぬわけではありませんので、従来よりさらに画期的に施策を講じて行きますなら、一割程度の伸びは、これは是が非でもやらなければなりませんし、またやり得るもの、かように考えておるわけであります。
○佐竹(新)委員 世界の、特に西ドイツあたりの設備の近代化といったら、わが国の設備と比較にならないような状態です。わが国においては、昨年来、設備投資に対して、きわめて予算的には窮届になって参っておる。もっとも、設備の近代化ということは、口では言っておられますけれども、予算的な処置としては決して近代化になっていない。国際競争の激しいときには、やはり相当国内の設備投資をされて——私は特に中小企業だと思う。中小企業の設備々々と言っておられまして、ことしはだいぶ予算的にも考慮けしておいでになりますけれども、私は旧態依然たるものだと思う。そういうような近代化されない設備で国際競争をやっていけば、当然国際競争の太刀打ちは非常に苦しい状態になってくる。それに、去年もそういう考え方のもとにやられたことが逆になっている。ことしもそういう国内の設備なんか、特に中小企業の設備ということについては、通産大臣はどのようにお考えになっておりますか。
○前尾国務大臣 中小企業の設備の近代化につきましては、御承知のように設備近代化補助金を、昨年は四億でありましたが、ことしは六億にいたしております。六億を出しますと、さらに償還が一億八千万円くらいあるわけでありまして、それらをもとにしますと、中小企業は四十五億以上、いわゆる補助金によってやれることに相なっております。それからまた、中小企業の機械工業振興の関係から申しますと、御承知のように開銀を通じまして、本年度が二十七億でありましたか、投資をいたしております。来年度におきましても、二十億以上の投資はやっていかなければならぬというふうに考えております。また御承知のように、中小企業金融公庫につきましては、これは補助金ではありませんが、これによって近代化をやっていくということになっておるのであります。これは一挙に全部取りかえてしまうというわけには参りません。事務費なり、あるいは建設費もかかるのでありますが、本年度出しております金額を総合して考えますならば、従来より特段に改善がやれるとういふうに考えておりますのと、一つは、技術の指導ということに今回は特別の新規な考え方をもちまして、府県の設置いたしておるような研究所で、特に輸出に関係のあるようなものにつきましては、補助金を出して、そして設備を改良し、それによって技術の指導を徹底させるというような方策を講じているわけであります。
○佐竹(新)委員 通産省の本年度の財政投融資計画についての御方針を見ますと「電力、海運、石炭、鉄鋼、特定機械、合成ゴム等を重点的に取り上げることとし、運用総額は三十二年度当初計画の六百億円に対し、二十億円増の六百二十億円を確保するものとし、このため、財政投融資としては、三十二年度当初計画の二百五十億円に対し、七十五億円増の三百二十五億円を確保する計画である。」こういうことで、この配分計画は、六百二十億の中で、電力が二百五十億、海運が百八十億、一般産業が百九十億、こういうふうになっております。特に私は、中小企業と対比して、こういう基本産業に対して、年々財政投融資が行われておるのでありますが、問題は、これだけ莫大な財政投融資を国が計画してやられて、一体この行方というものはどういうように現われてきておるか。私は、きょうはこの点では質問を簡単にして、詳しく資料が集まったら、もう一ぺん通産大臣に質問さしていただきたいと思うのですが、しかし、電力でありましても、造船でありましても、こういう大きな会社の決算報告の内容を見ますと、財政投融資をされたことに対する使途というものが、ただ決算報告の上においてはわからない。長期借入金、あるいは仮払いというようなものの数字が、相当大きな数字になっておる。特に仮払い金なんかの数字というものは、大きな数字になっておる。これは今度私は責任をもって数字を明確にして、通産大臣に一々質問をしてみたいと思いますが、これらについての監査状況は、一体どのようにしてやっておるのか。何の設備をした、何をどのようにしたと、財政投融資の数字だけは並べて国会に御報告はあった。電力であるとか、あるいは鉄鋼であるとか、海運であるとかと、こういうものに莫大な財政投融資がなされるのでありますが、この行方に対する資料は一つも配られない。内容の経理監査なんかというものは、どのようにしてやっておいでになるのか、御答弁を願いたい。
○前尾国務大臣 御承知のように、開銀を通じてなり他の機関を通じて、それぞれの金融機関が調査をし、そしてその間に監督といいまするか、内容を調査しておるわけでありますが、会計検査院も検査をすることができるのであります。われわれとしましては、会社を直接監督指導するというわけには参りません。ただ資金計画につきましては、これは財政資金だけの問題ではない、銀行も調査をして、それに応じて金を貸すというようなことで、またその計画が当初の計画通り行っておらぬというのでありましたら、これは問題でありますが、当初の計画通り行っておるということに、五カ年計画なり、何なり計画を立てておるわけであります。その計画の遂行ということについては、われわれ十分関心を持って見守っておるわけであります。
○佐竹(新)委員 大体開銀を通じて、また、いわゆる財政投融資の行方については、会計検査院がしさいに調べるでありましょうが、問題はそういうところでなく、大体通産行政の大元締めであるところの通産大臣が一体会社の経理内容というものについての詳しい報告を受けられることがあるのですか、ないのですか。
○前尾国務大臣 御承知のように、公益事業等につきましては、これは常に監督をいたしておりますから、内容は見ておるわけであります。それ以外の監督権のない事業につきましては、通産省としては、その経理内容まで調べるというわけにはいかないのであります。
○佐竹(新)委員 国は予算計画を立てて財政投融資をして、大体、国家のいわゆる基本産業というものの基本をつかむ。われわれの考え方とは、基本的な違いがある。社会主義計画経済の考え方からすれば、国有ということを主張しておりますから、それはあなた方の考え方とわれわれの考え方と違うでありましょうが、少くとも、国会に対して、その会社の経理内容を資料として出されぬということでは、ただ財政投融資は何十億した、何百億した、これだけのことである。これを、一体国家の産業の上にどのように使われておるか、どのようにこれが国の産業に対して貢献しておるかということは、国会議員にも一目瞭然とわかるように、特に通産関係の委員会等には、資料を配られてしかれべきだと私は思う。どうも、われわれは、財政投融資を受ける会社の経理の決算報告を見ますと、得心のいかないものがたくさんあるわけです。そういうことについても、やっぱり末端監査というものが行き届いておらないと、会社の経理というものは、計理士を入れて、なかなか巧妙に含み資産なんかをやって、そして子会社をどんどん作っておる。むしろ中小企業を圧迫するような状態である。中小企業が大資本に圧迫されておる。だから、あなた方は、いつも中小企業と口には言われますけれども、実際に言えば、そういうことによって、中小企業は、関連産業等において非常に大資本に圧迫されてきつつある。これは資本主義経済の必然性であるとは言いながら、幾ら中小企業であってもいわゆる国のいろんな財政資金の面から見ますと、これはもう数が多いのですし、そうしてまた内容の点もありましょうし、設備の近代化というようなことも申しますが、一方においてはだんだん、集中計画なんですから、財政投融資が大幅に広がってくる。こういう面については、あくまで国の基本産業であるといって関連産業を伸ばしていく。むしろ中小企業を押えていく、中小企業がこれに圧迫されてくる、こういうような状態です。これらの資金操作というようなことは、われわれは非常に疑問を持つ。そこをやはり厳重にやらないと、財政投融資はもちろんすべきでありますが、しかし、これは国の財政投融資をすれば、そこまで目が届かずに、ただ大きな数字だけ並べて、これだけのことをしているというのでは、われわれは、国会の審議の上においても十分納得できない。それで、私が今通産大臣にお尋ねしたのは、公益事業に対しては、なるほどそうであるかもしれませんが、国の財政投融資においては、造船といえども、あるいは石炭といえども、あるいは鉄鋼といえども、われわれから見ると同じなんです。それは直接監督権がないから、そういうことについてはこうだということではなしに、少くとも委員会に対して、こういうような財政投融資がこういう方面に出て、これだけ産業の発展に貢献をしておるんだという具体的な資料ぐらいは、出されてもよいのではないか、私はこのように考えるのですが、通産大臣、どう考えますか。
○前尾国務大臣 御承知のように、財政投融資を出しております方面は、いわゆる基幹産業であります。中小企業とそう衝突する面ではないのです。ただ、直接監督権のないものにつきましては、その計画を念査し、またそれが国の目的に合致しておる計画であるかどうかという点を審査しまして、それによって出しておるのであります。これはどの会社も、ただいま申し上げましたように、会計検査院の検査というようなことを通じ、またその責任のある開銀等がそれにタッチをしましてやっていく以外に方法はないのでございまして、御承知のように、社会党の時代におきましても、重点傾斜生産というようなことで財政投融資をやっておられたのでありますが、その当時におきましても、同様なことであったと思います。
○佐竹(新)委員 あの当時の社会党というのは、連立政権でありまして、それからまたGHQのもとにありましたから、それは社会党といっても、みそもくそも一緒にしてもらっては困るのであります。われわれは、単独政権でない限りですね。だから、それはもちろん基本産業に対しては、今言ったように、われわれは国営化というものをすでに打ち出しておるのであるが、少くとも、この委員会に会計検査院を呼んで、しさいに資料を求めたいと思う私はどうしても納得がいかない。あれだけの大きな財政投融資を受けておって、長期借り入れ資金あるいは借入金というもので相当大きい数字に上っておる。これをしさいに検討して、納得がいくところの財政投融資ならよろしい。しかし、大きな会社は、なかなか巧妙にやっておる。会計検査院必ずしも信用せぬというのじゃないが、私はやはり掘っていけば、相当に含み資産を持って関連産業をやって、その土台の上に中小企業を圧迫しておるということが相当出てくると思う。こういうような点において、あなた方のいわゆる財政投融資に対する考え方と、われわれの財政投融資に対する考え方と、基本的な点については、この委員会でこの国会中に、もう一度私は通産大臣に質問をして十分に明らかにしてみたい、かように考えております。 私の質問はこれで終ります。
○笹本委員長代理 田中武夫君。
○田中(武)委員 私は、いろいろの面から通産大臣にお伺いしたい点も多々あるのでございますが、どうやら一時まで本委員会におられまして、一時後、予算委員会の方に行かれるそうでございますので、きょうは時間があと十五分ほどですが、その間質問をいたしまして、残余はあすに引き継いで行うことを、まず委員長において御了承願いたいと思います。 そこで、まず第一に大臣にお伺いいたしたいのでございますが、先日の施政方針といいますか、通商産業の重点施策の本委員会における説明の中で、独禁法を検討していきたい云々という言葉がございました。そこで、きょうは、まず独占禁止法につきまして、若干の御質問をいたしたいと思うわけでございますが、独占禁止法ができましてから、すぐ二年後に改正が行われ、その後幾多の例外規定なり例外の法律ができております。私、本委員会へ参りまして、ここ三年間に出されたところの経済立法のそのほとんどは、独占禁止法の適用除外の法律が多かったように思うのであります。たとえば、輸出は別だからということで輸出取引法を改正する、あるいは石炭は別だ、あるいは砂糖は別だ、何々が別だ、こういうことによる独禁法緩和の法律が置かれたと思います。今日またこの改正という上に立たれて、昨年の十月四日に独占禁止法審議会を作られたわけでございますが、まずお伺いいたしたいのは、この独占禁止法審議会の設置の目的、これはどこにあったか、お伺いいたしたいと思います。
○前尾国務大臣 従来から申しておりますように、輸出振興上、現在の独禁法では、どうにもならぬというような声も高いのであります。またもう一つは、昨年のような二重投資、過剰投資というような問題も引き起しますが、そういう点について、独禁法の関係で話し合いの場を設けることができぬ、こういうような声が非常に強いのでありまして、われわれも、その点は、公正に一ついろいろ検討してもらう委員会を設けて、その委員会の答申を得まして、それにできるだけ即応した改正案を考えたらどうかというのが、この委員会を設けた趣旨であります。
○田中(武)委員 ただいまの大臣の御答弁によりますと、まず輸出の問題ろ第一に言われておりますが、輸出の点につきましては、たしか昨年だったと思いますが、輸出取引法を一部改正いたしまして、独禁法緩和の方向をとられたと記憶いたしておりますが、なおその上にやる必要があるのかどうか。この審議会の表面的な目的は、いわゆる独禁法全般にわたって検討するのだということがうたわれてあったと思うのであります。しかしその後の審議は、当面の問題というようにしぼられて、去る二月の何日かに、その答申が出されたように聞いております。そこでまずこの審議会のメンバーについてお伺いしたいと思うのですが、十五名のメンバ一のうち、大体十名が財界方面の代表者、五名が学識経験者といいますか、学者という人のように思うのであります。御承知のように、独禁法に対しては、中小企業あるいは消費者団体、農業団体等は、あげてその緩和に反対しており、むしろその強化を言っているわけであります。独禁法を全面的に検討するという目的のもとに置かれた審議会であるならば、なぜそれらの代表を入れなかったのでしょう。また入れているとしたならば、十五名のメンバーの中で、だれがどういった立場を代表しているのか、お伺いいたしたいのであります。なおまた、学界五名の代表者といえども、このメンバ一を見ました場合、従来から独禁法に対して比較的批判的な立場、すなわち独禁法を緩和するといったような意見を持っている人たちがメンバーに入っているように思います。従いまして、独禁法の審議会が構成せられ、その審議に入る前から、この審議会がどのような方向をたどるかということは、メンバーによって明らかであります。この十五名のメンバ一の選任については、どのような方法によってとられたのか、お伺いいたします。
○前尾国務大臣 御承知のように、独禁法はなかなかむずかしい法律であります。もちろん、できれば根本的な改正というようなこともお考え願いたいと思ったのでありますが、一応、今度は別といたしまして、中間的な改正意見ということに終ったわけであります。そのメンバ一につきましては、ただいま申し上げましたように、これは非常にむずかしい法律でありますので、そういう法律についての理解をしていただくような方でなければならぬというので、勢い現在のようなメンバ一になったわけでありますが、中をごらん願いますと、もちろん農業代表、あるいは中小企業の代表、あるいは学界の方々、経済団体の方々というようなことになっておりまして、あらゆる層の公正な意見を持つ方に集まっていただいているということが、言えるのではないかと思うのであります。
○田中(武)委員 今の大臣の答弁によると、各般の代表が出ているというようなことを言われたと思うのですが、それでは、具体的に消費者を代表する人は、十五人の中のどなたですか、中小企業を代表する方はどなたか、農業関係を代表する方はどなたですか。これらの層は独禁法緩和に反対しており、かつ、その強化をむしろ主張しているわけです。 それでは、独禁法を作られた目的自体は何ですか、これによって影響を受ける消費者、中小企業、こういう人たちの意見が、この審議会においてどういうふうに反映せられたか、お伺いいたします。
○前尾国務大臣 農林代表としては楠見さんであります。それから中小企業代表としては村瀬さん、消費者代表といいますのは経済評論家、あるいは大学の先生、新聞社の論説委員というような方が、一応消費者代表、こういうふうに相なっております。
○田中(武)委員 なるほど、楠見さんは農林中金の理事長という立場、だからこれはその代表だ、こういうように言われていると思うのです。それから村瀬さんは商工中金の理事長、金融関係の二人がやっておられる。しかし、村瀬さんは、商法なんかの権威者ですから、これはむしろ学者じゃないかと思うのですが、それじゃ大臣は、農林中金、商工中金、こういうところの理事長が中小企業の代弁者であり、農林関係の、現実に田畑を耕しておる人たちの代表であるとお考えになっておるのですか。
○前尾国務大臣 村瀬さんなり楠見さんは、ただいま金融関係の仕事には従事されておりますが、商工業なり農業については、十分造詣の深い人たちであり、また長年そういう行政に携わってきた人たちであり、それらの実情を十分よく御存じの方である、かように考えております。
○田中(武)委員 政府がやられることは、いつも大衆の考え方と遊離しておる。やっていることが地についていないということは、今大臣が言われたように、これらの人が中小企業の代表であるとか、あるいは農林関係の代表である、こういう考えを持っておられるところに原因するのじゃないかと思われますので、考え方を少し変えられた方がいいじゃないかと思う。ことに、一番関係を持つところの消費者関係には、だれが代表に入っておりますか。これは消費者の団体を代表すす者は、一人も入っていないじゃないか。独禁法が緩和された場合、一番影響を受けるのは消費者だと思いますが、そういった点はいかがでしょう。
○前尾国務大臣 先ほど申し上げました、大学の先生なりあるいは新聞の論説委員というような方々は、即また消費者代表で……。 しかし、これは消費者の立場を十分お考え願える方だと思います。
○田中(武)委員 大臣の言われることは、どうもわれわれにはぴんとこない。この点もっとお伺いしたいと思いますが、もう時間もないからあとにしますけれども、大臣、今のようなことで、それぞれの立場を代表しておるとほんとうに考えられておるなら、私はけしからぬと思う。それは大臣であろうが、だれであろうが、物を買う場合には、これは消費者です。しかしながら、ほんとうの立場は、そういうことでは表わせるものじゃないと思います。そういう点についても、なお、お伺いしたいと思います。なおまた、学者は、いろいろ学界、あるいは新聞、ジャーナリスト関係の人が入っております。だがこれらの人たちは、先ほど言ったように、同じ学者ではあるが、従来ややもすれば独禁法に対して批判的であり、その緩和を主張しておった人ばかりを集められておるということは、いなめないと思うのです。なお、答申の問題につきましても、従ってその当時から、このメンバーを見れば大体どういうことが答申されるかということはわかるくらいです。こういう点についても、どういうふうに考えておられるかということも、あすお伺いしたいと思います。
○佐竹(新)委員 さっき松尾局長が読まれました資料を、あすできれば一つ出していただきたい。
○笹本委員長代理 残余の質疑は次会に譲ることといたしまして、次会は明十二日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十六分散会