社会労働委員会 第42号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/04/24
会議録
○森山委員 これより会議を開きます。 去る十九日付託されました野澤清人君外五名提出の健康保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 まず提出者より趣旨の説明を求めます。野澤清人君。 ―――――――――――――
○野澤委員 ただいま議題となりました健康保険法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。 健康保険組合は主として大企業を中心として組織し、運営されておりますが、中には中小企業が集まって組織されたいわゆる総合組合と称されるもの、あるいは、健康保険組合自身とは全く別個の特殊な事情によって、財政的不安定の招来することが予測されるもの、あるいは、保険料率、標準報酬月額等より見て、財政的基盤が脆弱なもの等が相当数あるのであります。 しかしながら、国民皆保険を実現するに当っての基礎的条件を整備する一環として、これらの組合の財政的基盤の安定をはかることはきわめて肝要でありますので、昭和三十三年度の予算には二億円の保険給付費臨時補助金が計上されておるのであります。 これら健康保険組合による健康保険事業の円滑な運営と発展をさらに将来にわたって確保するためには健康保険法の一部を改正して国庫補助の規定を明文化する必要がございます。 以上がこの法律案を提案いたしました理由並びに法律案の要り旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○森山委員長 これにて趣旨の説明は終りました。暫時休憩いたします。 午後三時十五分休憩 ――――◇――――― 午後四時五分開議
○森山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。請願の審査を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認めます。 ただいままで本委員会に付託になっております請願七百七十六件を一括して議題といたします。 まず、請願の審査の方法についてお諮りいたします。これらの請願の趣旨につきましては、すでに文書表によって御承知のところであり、また、先ほど委員各位と取扱いについて協議したところでありますので、この際紹介議員よりの紹介説明の聴取等のことは省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認めます。それではお手元に配付してあります本委員会の請願日程中、第二ないし第六、第九ないし第一一、第一六、第一七、第二六ないし第二九、第三一ないし第三三、第三六ないし第四五、第四七、第五五、第五七ないし第六九、第七一、第七五、第八二ないし第八四、第八七、第八九ないし第九一、第九四、第九六、第九八ないし第一〇〇、第一〇三、第一二六ないし第一二九、第一三一五、第一三六、第一四〇ないし第一四二、第一四九、第一六三、第一七九、第一九四、第一九五、第二二二、第二二四、第二三三、第三五六ないし第三五八、第四六一、第四六四、第四六八、第四八一、第四八二、第四八五ないし第四九二、第四九七ないし第五〇二、第五〇五ないし第五〇七、第五一〇ないし第五一三、第五一五、第五一七、第五二一、第五二二、第五二四ないしつ第五三三、第五四五ないし第五四九、第五五三、第五五四、第五六一ないし第五六四、第五六八、第五六九、第五七四、第五七五、第五七九ないし第五八三、第五八五ないし第五九四、第五九七ないし第六〇二、第六二一、第六三九、第六四〇、第六四五、第六八〇、第六八一、第六八九ないし第七〇四、第七〇七、第七〇八、第七一〇、第七一二、第七一四ないし第七二三、第七二八及び第七六四ないし第七六六、以上百九十三件の各請願は、その趣旨妥当なるものと認め、採択の上内閣に送付すべきものと決したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 その他の各請願につきましては、議案との関係その他の都合により採否の決定を保留いたすことにいたします。 なお、ただいま議決しました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕 速記をとめて。 〔速記中止〕
○森山委員長 それでは速記を始めて下さい。 ―――――――――――――
○森山委員長 昨二十三日付託されました参議院提出のけい肺及び外傷性せき髄障害の療養等に関する臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。 まず発議者より趣旨の説明を聴取することといたします。大矢正君。 ―――――――――――――
○大矢参議院議員 ただいま議題となりましたけい肺及び外傷性せき髄障害の療養等に関する臨時措置法案の提案理由を御説明申し上げます。 けい肺と外傷性脊髄障害の二つの業務上の疾病につきましては、現在の医療においてその治癒が不可能であることにかんがみ、人道的見地から、第二十二回特別国会においてけい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法が制定されましたことは、御承知の通りであります。 ところで、この特別保護法が制定施行されましてから二年半余を経過して今日に至ります間に、この特別保護法の実施ついて諸種の問題が生じ、また論議されて参りましたが、いまだ関係者の間において結論を見るに至らない事項が多く存するのであります。従って特別保護法全般に関する諸問題の根本的検討についてはなおしばらくの時日を必要とすると申さねばなりません。ところが昨年秋から、特別保護法による療養給付の期間が切れた人人のうちには引き続き療養を必要とされる人々があり、これが解決だけは焦眉の急を要する問題となっておるのであります。 そこでこの際、特別保護法を根本的に改めるかどうかについては、なお十分に関係者の間において検討を重ねることとしとりあえず、療養給付期間が切れた考及び近く切れる者に対する応急措置ずることにいたしまして、本法律案を提出した次第でございます。 次に本法案の概要を御説明いたします。本法案の骨子は、けい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法によりまして療養給付を受けるけい肺及び外傷性脊髄障害の患者のうち、その療養給付期間が経過いたしました後においても、なお療養を必不要とすると都道府県労働基準局長が認定した者に対しまして、当日分の間、療養給付として必要な療養を行いまたは必要な療養の費用を支給いたしますとともに、その者が当該療養のため労働できず、かつ、賃金を受けない場合においては、その療養の期間につきまして、従前の休業給付と同額の傷病手当を支給しようとするものであります。 しかして、本法案により応急的措置としてなされますこれら療養給付及び傷病手当の支給に要する費用は、国がその八割を負担し、二割を事業主に負担させるということにいたしました。 次に第二点といたしまして、政府は、けい肺及び外傷性脊髄障害にかかった労働者の保護措置につきまして、速急に根本的検討を加え、昭和三十四年中に、その結果に基く特別保護法の改正に関する法律案を国会に提出するよう規定いたしました。しかして、これにより提出されます特別保護法の改正法律案によりまして、何らかの保護措置がなされることを予定いたしまして、本法案は、紹和三十五年三月三十一日限りで効力を失うことといたしてございます。 以上が本法案の提案理由及びその内容の概要でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○森山委員長 これにて趣旨の説明は終りました。 質疑に入ります。まず委員長より質疑を行います。 提案理由の説明の中にありますように、この法律を施行してから二年半ということになっておりますが、法定の健康診断につきましては、三カ年の健康診断の結果というものがどうなっておるか、その辺のところを伺いたいと思います。
○堀政府委員 けい肺の健康診断につきましては、昭和三一十年度、三十一年度、三十二年度、この三カ年間にわたりましてけい肺保護法の規定に基きまして健康診断を実施したわけでございますが、昭和三一十年度におきましては七万一千三百十九名の者を対象といたしまして健康診断を実施いたしました。三十一年度におきましては二十一万六千二百二十二人の労働者を対象として実施いたしました。合計いたしまして、この二年度におきまして二十八万七千五百四十一名の労働者について健康診断を実施したわけでございます。その結果は正常と認められた者はこのうち二十五万二千三百七十名であります。第一症度に該当すると認められます者は二万八千四百十三名であります。第二症度に該当すると認められる者は三千百三十名であります。第三症度に該当すると認められます者は千六百三十八名、第四症度に該当すると認められます者は千二百三十一名、それから、労働者の異動等によりまして審査不能の者が七百五十九名、このようなことになっております。 なお、昭和三十三年度におきまして、は約八万人の労働者に対しまして健康診断を実施いたしましたが、その結果は目下集計中でございまして、本年の七月ごろにその結果が判明する予定でございます。
○森山委員長 そうすると堀さん、三十年度、三十一年度はわかったけれども、三十二年度はまだ集計中でわからぬ、こういうわけですね。
○堀政府委員 その通りでございまして、七月ごろに集計の結果が終るわけでございます。
○森山委員長 そうすると、けい肺患者の症状等の全貌というのは、三カ年の診断結果としてはまだ明らかにされていない、こういうことですか。
○堀政府委員 さようでございます。
○森山委員長 これは議員提案として出されましたが、政府がもしこの法律を何らかの措置をとらなければならぬということをお考えになる場合には、今法律改正をやるということは時期として適当かどうかという、そういう事務当局の判断というものを聞かせていただきたい。
○堀政府委員 この面につきましては実はけい肺保護法に対する国会の附帯決議の関係等もあり、またこれに関連していろいろ改正の御意見等も出ておりまして、これにつきましては、御承知のごとく現在のけい肺保護法の中に、けい肺に関する重要事項を審議するために労使、中立三者構成のけい肺審議会を置くことになっておりまして、この法律に関する重要事項、あるいは改正等は当然重要事項に入りますので、これらの問題については政府といたしましてはこのけい肺審議会の御意見を伺っておるところでございます。残念ながら今日までけい肺審議会の御意見はまとまりませんので、現在に至っておるわけでございますが、政府といたしましてはこの間におきまりして、たとえば喫緊の要務とされておりまする二年間のけい肺保護法の期間が切れました者について、その中で非常に気の毒な現状にある方につきましては、労災保険の保健施設を利用いたしまして、事実上療養を継続させるというような措置を行政的に考えておる、このような段階でございます。
○森山委員長 そうすると、政府がやれば今法律改正をやるという段階にはないということですか。
○堀政府委員 政府がけい肺法改正を実施するといたしますれば、このけい肺審議会の御意見を伺う必要がありますので、けい肺審議会に御意見を伺いまして、その上で検討に着手する、このような段階になるわけでございます。
○森山委員長 それから次にお伺いいたしますが、そのけい肺に対する医学的な研究というものは、この二、三年間にどの程度進歩しておるか。かつてはこれは不治の病であるということになっておった。私どもも、非常にまじめに働いた坑内労働者が不可避的にかかる、かかったらなおらないということで、これは何とかしなければいかぬと考えておりましたが、しかし最近の医学的な研究というのは、そういう私どもが考えておったときのような状態にあるか、あるいは多少の進歩等が見られておるのか、その状況について一つ伺っておきたいと思います。
○堀政府委員 この点につきましては、最近けい肺に対しまする医学的研究は相当進歩しておるわけでございます。たとえば従来はとんど不可能視されておりましたけい肺結核の外科手術、肺葉切除等の手術も成功したという実験例もあるわけでございます。そこでこれにつきましてはけい肺審議会の中へも医師の方に中立委員として入っていただいておりますし、またわれわれとしましてはけい肺審査医を民間の医師の方に御依頼申し上げておるわけでありますけれども、これらの御意見等によりますると、今後においても医学的研究の進展が期待されておる、このような状況でございます。
○森山委員長 それからこれは提案者にお伺いしたいのですが、労災保険による三年の療養期間が切れてけい肺法による給付に移行した患者について、労災保険の打ち切り補償とけい肺法の傷病手当というものが重複することになると思いますが、これについてはどうお考えになりますか。
○大矢参議院議員 その議論はすでに特別保護法制定のときになされた議論でありまして、委員長のよく御認識をいただいているところではないかと思うのでありますが、前回の特別保護法制定の当時孝られた考え方と全く同様な考え方において、今回も臨時措置法としてただいまの給付の問題については考えておるということだけをこの際申し上げておきたいと思います。
○森山委員長 提案者のお考えはわかりましたが、労働省の方としてはこれについてどうお考えになりますか。
○堀政府委員 この点についてはいろいろ御議論の分れるところでありまして、けい肺審議会におきましても、実はこの問題については打ち切り補償千二百日分がすでに支給されておるのであるから、これ以上この療養及び休業の給付の期間を延ばすことは適当じゃないのじゃないかというような御意見もございます。ただしかしこれにつきましては、千二百日分の打ち切り補償は支給するけれども、それは当然の権利として労働者がすでに受けておるところであるから、この二年間をさらに延長するというような場合には、それはまた別個に考えれるべきであるというような御意見も出ておるわけでございまして、われわれといたしましてはこれらの点につきまして、けい肺審議会の御意見と御検討を今後においても願いたい。その上で総合的に態度をきめていきたい、このように存じておる次第でございます。
○森山委員長 けい肺法に関係ある事項についてはけい肺審議会の議を経るということになっておるようでありますが、このけい肺の審議会に相談をするという意味はいろいろあろうかと思います。たとえば事業主負担というようなもの、これについて事業主はかなり気にしておる。今度の法律では事業主負担が二割ということであります。この二割にするということについてそのこと自体に問題がある、何らの相談もしてないという点ですね。それから国庫負担を八割、事業主負担を二割、これは他の社会保険等と比較して均衡を失することはないかというような議論を持っておるような者もあるのであります。またこういう負担区分の根拠はどういうところにあるのか、この点について一つ提案者に伺いたい。
○大矢参議院議員 本質的にこの問題の議論をいたしますと、なかなか議論のあるところではないかと存じますし、前もってこの際申し上げておきたいと思うのであります。それは御存じのように、社会党からけい肺の改正案というものが提案をされておりましたが、今回それを取り下げまして、三派共同提案という形の中で臨時措置として今回提案を申し上げおるのでありまして、そういう意味合いにおきましては必ずしも満足のいく――すべて理論的にきめたって、しかもそれが百パーセント現実に即応するような形で法律はできないのじゃないかと存じます。まずこのことは今回の措置法として提案をお願いいたしておりますことの基本的な考え方であります。それから審議会の議を経なければならないということでありますが、もちろん労働基準法の精神その他から申しまして、当然できることでありますならば、審議会の議を経て御了承をいただいて、それから法律的な措置をするということが妥当ではないかと思うのでありますが、先ほど申し上げましたごとくに、あくまでもこの法律は二年間限っての限時的な立法でありまして、臨時的な措置の内容から推して御了承いただけるのではないかと思いますことと、それから二年後にはこれは一切あらためて根本的に検討し直すという前提がついておることも同時にあわせて考えられます。 それからいま一つは、審議会も労使、それから中立という形におきましておのおの利害が相反する場合も往々ありまして、意見を短期間に集約をするにとはなかなか困難な情勢にもあろうかと存じます。さらにはまたわずかの時間の中でいろいろと根本問題にさかのぼって御議論をいただくこともなかなかむずかしかろうと存じますし、すでに昨年の秋以来保護法が打ち切られまして困窮いたしております患者もあることでございますので、私どもとしても非常に残念ではございましたが、今回審議会の具体的な議論を経ずして提案をしたという運びでございます。
○森山委員長 提案者側の御意図はわかりましたが、これについてまず労働省の御意見を伺います。
○堀政府委員 この点につきましては、実はこのけい肺保護法の立案当時におきましてもいろいろ御議論のあったところであります。使用者側の無過失賠償責任をどこまで認めるかというような問題とも関連する問題でございますが、一応けい肺保護法におきましては、さらに打ち切り補償後二年間だけは国庫二分の一、使用者二分の一という負担にする特別保護法として立案を行う、このようなことになったわけでございます。この点につきましては、これもけい肺審議会等においていろいろ御議論の分れるところでございまして、使用者側の委員等の主張によりますると、これは使用者の無過失賠償責任の範囲を逸脱するものであるから、これ以上使用者側に負担をかけられるのは困る、こういうような御意見もあるわけであります。またこれに反対の御意見もあるわけでございます。これらの問題については、やはりわれわれとしては、けい肺審議会において御検討を十分願いまして、その上でこの問題を検討いたしたいと考えておった次第でございます。
○森山委員長 この労働省側の御意見を伺いましたが、大蔵省はこれについてどうお考えですか。
○村上政府委員 この法案に対する意見でございますが、先ほど提案者の方から、現在のけい肺及び外傷性脊髄障害の患者をそのまま放置できないというような御説明がございました。私どもその点については提案者の御提案になりました趣旨もよくわかるわけでございます。しかしながら全体といたしまして、この法案にはいろいろ慎重に検討を要する問題が多いかと思います。結論を先に申し上げるようでございますが、この段階では私どもとしてはこの法案に御賛成申し上げるということを申し上げかねるわけであります。 まず第一点でございますが、現在の法制にいろいろな問題があるということを前提といたしまして、こういうような改善措置をいつ提案するのが適当かという時期の問題につきましては、先ほど委員長のお尋ねがございまして、労働省からお答えがございましたが、私どもも全くその点につきましては同感でございます。健康診断の結果がこの七月に最終的にはっきりする点もございます。またけい肺審議会の審議を経るべきだというような点もございますので、もう少し時間をかしていただいて、現在の制度を全面的に検討いたすのが本筋ではなかろうかと思うわけでございます。特にこの八割負担で二年間延長するというような法案で参りますと、国庫負担を大ざっぱに試算をいたしてみますと、初年度で一億近い、八千万ないし一億の負担があるかと存じます。二年目になりますと、このまま参りましてもその倍になりまして、二億というような国庫負担が生じて参ると思います。御承知の通り現行法によりますけい肺関係の国庫負担は、予算に計上いたしましたものが一億七千万でございまして、予算が成立いたしまして、やっと今本年度の実施に入ったばかりの段階でございますが、これに対しまして約一億円というような相当大幅な負担増をいたす法案は先ほどお話のございましたよう一に、二年間の暫定的な時限立法ではございますが、またそれらの点も相当検討を要する問題かと思います。またこれも先ほど労働省から説明がありましたが、療養期限が切れまして、なお療養を実際問題として必要とするという方々につきましては、三十三年度予算で一千万円程度を計上いたしまして、事実上療養を継続するという措置を実は講じてあるわけでございまして、私どもといたしましては、先ほど申し上げました健康診断の結果、あるいは審議会の御意見というようなものを取りまとめまして、もう少し時間をかしていただいて検討いたしたい、かように考えておったところでございます。 なお立ちましたついでで恐縮でございますが、全体として今のような問題がございますが、さらに個々の点について、今後の問題として検討を要すると思いますのは先ほどお話もございましたが、二年間延長いたします場合の国庫負担率でございます。これは現行の特別保護法の二年間につきましては五割という国庫負担でございますが、これを特に八割という高率の負担にされております。これはほかの社会保険あるいはいろいろな社会保障制度におきます国庫負担の均衡との関係、また直接には国と蘇り業主の負担区分、もう一つはけい肺その他外傷性脊髄障害等を起しますような企業の正種類の事業主の負担とその他の一般の労災保険に加入しております企業の負担――と申しますことは、一般の労災保険でそういったものも保険料としてある程度カバーすべきではないか、こういった点も相当検討を要すると存じます。 それからこれも先ほどお話が出ておりますが、労災保険によります千二百日分の打切り補償が一旦出ているわけでございますから、これと今回二年間延長します期間内における休業補償六割という問題も、先ほどの御説明がございました通り、現行の特別保護法ですでに重複といえば重複しているというような御議論もございましょうけれども、さらにこれを二年間延長するわけでございますから、そういった点についても相当慎重に検討を要すべきではなかろうかと存じます。
○森山委員長 この法律ができましたのは予算ができた後で、予算を相当食うわけですが、執行上の問題についてもっと具体的にお話を願いたい。
○村上政府委員 御指摘の通り予算成立後の立法でございますので、もしかりにこの法律が法律として効力を発効しました場合におきましては、まず予算上流用の余地がありますれば流用をもって措置することに相なろうかと存じますが、項の予算の組み方の関係で、あるいはそういった余裕が本件につきましてはないのではないかと思います。従いましてそういった関係から申しますと、将来これは予算補正というような問題が起って参るかと存じます。
○森山委員長 委員長よりの質疑は以上の通りであります。いずれにしましてもけい肺とか外傷性脊髄障害にかかった方々は非常にお気の毒な方々でありますから、これらの方々について事務手続上いろいろなむずかしい点がありましても、できるだけそういう点について好意的な御運営をなされることを委員長として希望いたします。
○八木(一男)委員 ちょっとけい肺法に関しまして政府当局にお伺いいたしたいのですが、いわゆるけい肺法のよろけ病と同じ症状を呈して、同じように困っている病気の人があるわけです。それはアスベストを取り扱う工場にあるわけでありますが、これは現在けい肺法の適用を受けておらないようでございます。 〔委員長退席、野澤委員長代理着席〕 症状は同じで、対象の人数はごく少い、アスベストを取り扱う労働者は全国でごくわずかです。よろけの症状のある人もごくわずかです。全国探してもすぐぶつかるのは二十人くらいしかいないんじゃないかと思いますが、国庫支出にもそう影響もございませんし、同じ病気で、よろけで苦しんでいる人をけい肺法に適用させることが必要だと思うわけでございますが、それについて政府の御意見を伺いたいと思います。
○堀川政府委員 この点につきましては、実は現行のけい肺法立案のときにも、いろいろ問題が出たわけでございます。アスベスト肺をこのけい肺法の中に入れたらどうかという御意見もあったわけでございますが、アスベスト肺につきましては、その診定の基準等がまだはっきりしてわらなかったというような関係もありまして、けい肺法の中にその患者が入られなかったわけでございまして、その後の研究に待たれたわけでございます。労働省といたしましては、そのアスベスト肺の問題につきましては、実はその後衛生研究のための補助金等を支出いたしまして、民間の大学と連絡をいたしまして研究を願っておるわけでございますが、幸いにしてその研究の成果がだんだんと実ってきているわけでございますが、まだその結論が最終的に出ておりません。診定基準も近く明らかになることであろうと期待しておるわけでありますが、そういうものが出ました上は、他の患者との均衡等も、考えつつ、アスベスト肺の患者であっても、けい肺保護法の患者と同じような問題がある者につきましては、将来の法律改正のときにこれを加えるというような方法で、十分検討、努力をいたしたいと思います。 〔野澤委員長代理退席、植村委員長代理着席〕
○植村委員長代理 八木一男君。
○八木(一男)委員 そういう御準備が進んでおられることは非常にけっこうですが、さらに準備と研究を早く進めていただきまして、できましたなら解散後の次の特別国会にでも、その改正案をお出しいただくように、できるだけ早くしていただくように、努力を再度お願いいたしたいと思います。それからまた法律の問題につきましては、いろいろとほんとうに似た状態にある者については、擬制適用というような方法も、ほかの法律には行われております。法律改正を待たなくてもすぐできるという法律解釈がもしできますならば、即時それを進めていただいて、次に法律を改正する措置をぜひ考えていただきたいと思うわけでございます。そういう意味で、できるだけ早くそういう気の毒な人たちに適用を見るように努力下さるよう、再度ぜひ積極的な御発言をいただきたいと思います。
○堀政府委員 アスベスト肺患者の問題につきましては、実はけい肺の適用患者以外にも、これと同じような悲惨な状態にある患者等もありますので、他の労災保険の患者等との均衡を考慮しつつ、同程度に悲惨な状態にある患者をいかに扱うかという問題につきましては、十分検討いたしまして、悲惨な状態にある患者に対しまして均衡のとれた処遇が行われますように、十分検討いたし努力いたすつもりであります。
○八木(一男)委員 今の御答弁で大体満足ですけれども、もう少し御要望申しあげたいのは、他のものと均衡のとれたといいますと、他のものの診定の研究ができないときには待たされることになります。たった二十人三十人でも、現在にのけい肺の適用者と同じような状態にある者は少いものでも、研究とがそういう準備ができ次第に入れていただくように逐次――ほかのものと同時に入れていただければ、ほかのものと一諸でけっこうですけれども、そういうふうに御努力願いたい。それについて重ねてもう一回だけ伺いたいと思います。
○堀政府委員 御質問の御趣旨はよく了承いたしましたので、今後十分検討努力いたしたいと思います。 ――――◇―――――
○植村委員長代理 次に、去る二十二日付託されました、参議院提出の調理師法案を議題とし、審査を進めます。 発議者より趣旨の説明を聴取することにいたします。草葉参議院議員。 ―――――――――――――
○草葉参議院議員 ただいま議題となりました調理師法案の提案理由を御説明申し上げます。 食生活はわれわれの日常生活において、その活動力を求める源泉となるべきものでありますが、この食生活において、食品の調理のいかんはきわめて重要な意味、役割を持っておりますことは申すまでもございません。特にそれが業として行われる場合には、さらに、公衆衛生の上からも、国民の健康の保持増進の上からも、その重要性に一そうの関心を向けざるを得ないところであります。 まず、公衆衛生の上からば、伝染病蔓延の予防、中毒等の危害の発生防止のために、食品の選択、処理等の格段階を通じまして、相当の知識及び技能が必要とされるのであります。 また、国民の健康の保持及び増進の上からは、美味と栄養とをマッチさせた調理を行い得るために必要な素養を備えることが要請されるのであります。 このために、すでに多くの都道府県におきましては、条例または規則により調理士の制度を設けて、これが資質向上に努力しているのでありますが、その資格要件が各都道府県によってまちまちでございまして、資質向上に資するに十分とは申せない実情であります。この際、国がこれを統一して全国的制度にいたし、調理師の資格を整備同上させる必要があると考えまして、ここに調理師法案を提出することにいたした次第であります。 次に本法案の内容の概略を御説明申し上げます。本法案は、調理技術の合理的な発達と国民の食生活の向上に資する目的のもとに、調理の業務に従事する者の資質向上をはかるため、一定の調理、栄養、衛生に関する知識技能を備えることを調理師の資格要件とすることにいたしたいと考えまして、調理師の免許制度を設けることにいたしました。調理師の免許を受けるには、三つのコースがあります。その第一は、義務教育修了後、厚生大臣が指定いたしました調理師養成施設で一年以上、調理、栄養及び衛生に関して調理師たるに必要な知識、技能を修得するコース、その第二は、義務教育修了後二年以上調理の実務に従事した後、都道府県知事が行う相当期間の講習に通って所定の課程を修了するコース、以上二つの場合は、無試験でございます。第三は、義務教育修了後二年以上調理の実務に従事した後、都道府県知事が行います試験に合格するというコースでございます。そうして、都道府県知事が行います講習及び試験についてはその内容を統一するため、厚生大臣がその基準を定めることといたしております。一方において、養成所における正規の養成を経て早く一通りの知識技能を身につける道を開くことが、従来とかくの批判の的となっております身分的徒弟制度の解消のためにも理想とするところでありますが、他方現実の問題として、この種業務に進む人々の多くが、経済的に恵まれない環境にある人である現状を考えまして、働きながらでも資格を取り得るよう配慮して、三つのコースを規定いたした次第であります。 調理師の免許制度の効果といたしましては、調理師でなければ調理師の名称を使用してはならないという名称使用の制限を規定しております。 最後にこれら調理師が自主的にみずからの技能を向上させ、その他福祉の増進をはかるための自主的団体としての調理師会の組織に関し規定いたしております。 経過措置といたしましては、第一に、現在都道府県の条例または規則によって調理士免許を取っている者は、本法案施行後三年間を限り、本法案の規定による調理師とみなすにとといたしました。そうして、第二に、これら条例または規則によって調理士免許を取っている者及びこの法律施行前に五年以上の実務経歴がある者に限っては、本則とは別に、当分の間厚生大臣の定める基準により都道府県知事が行います講習を受けた上で、本法案による新しい調理師免許を受けることができるように措置が講じてございます。 なお、この調理師の制度の創設に関連いたしまして、特定多数人に対して食事を供給する施設で、栄養指導員の指導を受けまたは栄養士の置かれているものにおいて行われる調理は、これらの者の栄養指導に従って行わなければならない旨の規定を栄養改善法に設けることといたしました。 以上本法案の提出理由及び内容の概略を御説明申し上げました。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○植村委員長代理 これにて趣旨の説明は終りました。質疑に入ります。野澤清人君。
○野澤委員 簡単な事項ですが、二、三お伺いしたいと思います。 提案者といたしまして、この調理師法案を提案されました御趣旨は、ただいまよくわかったのでありますが、これは調理師の身分法だと思うのですが、調理師自体というものを技術職として見られたかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○草葉参議院議員 調理師を技術職と見まして、従ってこの調理師法案の師というのも、そういう意味においてこの文字を使ったわけであります。
○野澤委員 調理師の免許を受けるための三つのコースということが詳細に載っておりますが、免許取得の方法として述べられております内容がきわめて低い程度に集約されているような感じがいたします。そうしますと、一般に調理師の技能というものは、ほうちょう一丁、まないた一丁で、その技術を発揮するというのが本然の姿であって、いわゆる無形文化財とまでいわれたものが、同一資格、同一名称で呼称されるということには、何か矛盾があるような気がするのです。従ってこれは大工と同じように、宮大工もあれば家具を作るような大工さんもあると同じように、相当その経験年数等によっては技術の差が生まれてこなければならぬ。従って免許取得の方法は同一であっても、資格そのものの運用については、たとえば一等調理師とか二等調理師とか三等調理師というような階層があった方がよろしいのではないかという、これは感じでございますが、こうした点についても、私どもはちょっと見受けまして、将来この法律自体、身分法自体には問題点が必ず起きてくるのではないか、こういう感じがいたしますが、この点提案者としてどのようにお考えでありますか。
○草葉参議院議員 ごもっともな御質問であり、御意見であると思います。実は私どもも現在のいわゆる調理師関係の職業に携わっておる人たちの上に、新しい法律をもって、その向上をして参りまする上には、お話のように無形文化財というような価値のある立場の人、それからごく一般的な多数の人たちがおりますので、いろいろと法案を従来試作をいたして参りましたが、なかなか思うように参りませんので、とりあえず一応この法案によりまして、多数現在ある人、並びにこれから入る人の一応基本的なものといたしまして御提案申し上げました線を出したのであります。将来におきまして御意見のような点は十分検討すべきものと考えております。
○野澤委員 もう一点でありますが、調理師会の組織に関しまして、地域の区分が全然なされておりません。そうしますと市でも町でも調理師会が設けられる、こういうことになってきまして、しかもこの調理師会の自主的団体という名前は、おそらく調理師のあっせんが主たる業務になるのではないか、技術の研磨ももちろんですが、そういう感じがいたします。そうしますと、従来この調理師会というものが、ややもすれば一つのあっせん団体となって、かなり社会的な弊害も起き、調理師自体の身分としてもかなり拘束されるという憂いがあったような感じがいたします。こういう点についても、さらに検討する必要があるのではないか。 もう一点、「栄養指導員の指導を受けまたは栄養士の」というところでありますが、将来調理師ができました上の栄養士と調理師との関係についても、よほどしっかりした明文がないと混同しやすいのではないか、これは感じ方を申し上げて、総括して提案者にお尋ねしたいのですが、立法の趣旨も考え方も非常に優秀だと思う、また時局柄こうした法制化をするということは、おそらく国民としても、社会のあらゆる制度から考えても必要なことはわかりますが、相当大きな構想でありまして、障子の張りかえをしなければならぬような部分がたくさんあるように感じられる、目張りが必要か紙を取りかえる必要があるか、詳細なことについて来国会にでも十分検討されてお手直しをされる御意思があるかどうか、この点だけを総括的にお答え願えればけっこうだと存じます。
○草葉参議院議員 これも大へんごもっともな御質問だと存じます。ただお話の調理師会というのは、ごく基本的な線だけを出しておりまして、あるいは区域なりその内容もごく基本的なものだけを出しております。実際上の問題につきましては、あるいは研修範囲とかいろいろ問題があろうと思います。またこれがあっせん機関になるおそれがあります点は、これは職業安定法によってあっせんいたします場合は労働大臣の許可を経ないといけない、これとはまたおのずから別になってくると存じております。そういうふうに調理師会が職業のあっせんをするというようなやり方は考えておりません。栄養士との関係におきましては、実はここにもその点を出しておりますが、栄養士のおるところ、あるいは栄養指導員のおるところは、その指導によってやるという建前をとっておりますが、これらの点につきましても、なお詳細に関係法律等も関係いたしまして明確にすべきもつのもあろうと思います。従って御意見のようにもっとこれを整備する意味において、内容の売笑を期することは私どもも考えておる次第でございます。
○植村委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○植村委員長代理 別に御質疑もないようでありますから、本案に対する質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もないようでありますから、直ちに採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○植村委員長代理 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なお本案に関する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植村委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。 〔植村委員長代理退席、委員長着席〕 ―――――――――――――
○森山委員長 次に、けい肺及び外傷性せき髄障害の療養等に関する臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。 本案についての御質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 別に御質疑もないようでありますから、本案に対する質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。大橋武夫君。
○大橋(武)委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりましたけい肺及び外傷性せき髄障害の療養等に関する臨時措置法案に賛成の意見を表明する次第でございます。(拍手) 昨年秋から特別保護法による療養給付の期間が切れた人々のうちに、引き続き療養を必要とされる多数の方々があるのでございまして、これが措置につきましては、すみやかに何らかの方策を立てなければならぬ次第でございまして、本案はこの問題に対する一つの対策を目的とされたものでございまして、かような意味におきまして、緊急な法案であることは疑問の余地のない次第であります。 ただ本案につきまして多少問題となる点がございまするが、それはこの種の労働立法におきましては、労使対等の原則によりまして、労使双方において十分な意を尽したる後葉を立て、そして国会に提出される、これが従来の労働立法のしきたりであったと思うのでございます。この問題はきわめて急を要した関係かと思いますが、かような手続の点において欠ける点がありましたことはまことに遺憾に存ずる次第でございます。ことにこの案の中におきましては、事業主に対しまして従来なかった法律上の負担を命ずることになっておるのでございますから、かような意味におきましても特に慎重に検討をする必要があったと思うのでございます。しかしこの問題につきまして、現状におきましてけい肺対策糟議会その他の手続をとることは困難であることは私どもも認めますので、どうしてもこの問題に対して適切な対策を立てるということになると、この際使用者側に負担を課することなく、むしろこの費用は全額国庫が負担をすることがよろしいのではなかろうか、こういうふうに思うのでございます。 かような意味におきまして、私どもはこの機会に費用の負担関係を修正いたしまして、全額政府負担にいたしたい、かように存ずるのでございますが、御承知の通り今国会におきまして、種々な情勢上これ以上審議の時間を持つことがまことに困難でございます。従いまして、私どもは今国会におきましてはこの点まことに不満に存ずる点でございますが、一応原案のまま成立をさせるはかないと存じます。しかし次の特別国会におきましてはぜひともこの点を修正いたしまして、この費用については暫定立法の性質にかんがみまして、一応全額国庫において負担すること、そしてこの法案の継続いたしまする二年の間に、将来に対しまして適切な方法、並びに適切な負担区分を考えまして、それによって将来の対策を立てるようにいたしたいと思うのでございます。 かような意味におきまして、次の国会に私どもは修正案を提案したい、かように存じておりますので、社会党の諸君におかれましても、ぜひとも御協力を願いたい、と同時に政府におかれましても、この修正に対しまして十分なる御協力をお与え下さいますことを希望いたしまして、ここに賛成の意見を述べる次第でございます。(拍手)
○森山委員長 以上で討論は終局いたしました。採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○森山委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成についてきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十二分散会